平成16年第四回定例会会議録(第2日 11月25日)

1.会期

七日(第二日)
十一月二十五日(木曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議
午後六時四十三分散会

3.出席議員

(三十名)
一番 藤田 正五議員
二番 礒野 忠議員
三番 増渕 一孝議員
四番 鷲頭 隆史議員
五番 二瓶 文隆議員
六番 田中 広一議員
七番 中島 賢治議員
八番 田村 宏議員
九番 小栗 智恵子議員
十番 志村 孝美議員
十一番 原田 賢一議員
十二番 中嶋 寛明議員
十三番 石島 秀起議員
十四番 鈴木 久雄議員
十五番 植原 恭子議員
十六番 鈴木 幸子議員
十七番 青木 幸子議員
十八番 坂戸 三郎議員
十九番 田辺 七郎議員
二十番 鞠子 勝彦議員
二十一番 押田 まり子議員
二十二番 神林 烈議員
二十三番 石田 英朗議員
二十四番 今野 弘美議員
二十五番 矢吹 和重議員
二十六番 田畑 五十二議員
二十七番 高橋 伸治議員
二十八番 大塚 忠彦議員
二十九番 渡部 博年議員
三十番 守本 利雄議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君
助役 鐘ケ江 真知恵君
収入役 奥田 清和君
教育長 平野 純一君
企画部長 吉田 不曇君
総務部長 益田 進君
区民部長 河野 聰君
福祉部長 高橋 邦夫君
保健衛生部長 赤穂 保 君
(中央区保健所長兼務)
環境部長 豊田 正文君
土木部長 新津 剛君
都市整備部長 小泉 典久君
教育委員会事務局次長 出竿 恒夫君
企画課長 斎藤 裕文君
財政課長 小池 正男君
広報課長 平沢 康裕君
総務課長 能瀬 晶子君

5.議会局出席職員

議会局長 高橋 春雄君
庶務係長 豊島 志朗君
議事係長 土谷 昌彦君
調査係長 天花寺 博美君
書記 有原 浩君

6.議事日程

日程第一

一般質問


午後二時 開議

○議長(押田まり子議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(押田まり子議員)
 これより本日の日程に入ります。
  日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。
  まず、六番田中広一議員。

〔[六番 田中広一議員登壇〕

○六番(田中広一議員) 
 公明党の田中広一でございます。私は平成十六年第四回区議会定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、通告書に従い、区長並びに関係理事者に対し質問をさせていただきます。どうぞ意のあるところをお酌み取りいただき、明快にして建設的な御答弁を期待するものでございます。なお、御答弁のいかんによりましては再質問をあらかじめ留保させていただきます。
  まず、初めに、防災対策についてお尋ねいたします。
  本年十月二十三日午後五時五十六分、新潟県中越を震源とするマグニチュード6.8が発生し、その後、大きい余震が続くなど、突然来る地震に被災者の心労は筆舌に尽くしがたいものがあります。このたびの新潟県中越地震で被害に遭われた方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。
  被災地では、電気、ガス、水道、道路などが徐々に復旧し、復興の動きが始まっております。しかし、依然として余震が続く中で、多くの被災者が避難生活を余儀なくされ、冬本番を前に豪雪に見舞われる今後の生活や壊れた住宅の再建に不安を募らせております。
  本区では、十月二十五日に搬送職員とともに救援物資を搬送し、また義援金を募るなど、地元の要望をもとに迅速に支援が行われました。関係職員の方々に対し、心から敬意を表するところでございます。
  現在、政府を中心に被災者の救援・激励、被害調査などを精力的に展開し、幅広い支援策が着々と講じられております。一日も早く復興されますことを心から切に願うものでございます。
  政府の中央防災会議の首都直下地震対策専門調査会「地震ワーキンググループ」は、本年十一月十七日に、同地震の想定震源十八カ所や震度分布に関する最終報告をまとめたとの報道がありました。その中でも、東京湾北部を震源としたマグニチュード7.3規模の地震が発生した場合、東京都東部や千葉、神奈川県の沿岸部、埼玉県の一部で震度6強以上を記録し、6弱以上は一都三県の広範囲に広がると推定し、切迫性と被害の甚大性から、最重要の地震と見られております。このたびの新潟県中越地震の発生により、区民のだれもが地震に対し一層不安を感じられたものと思われます。
  そこで、新潟県の長岡市へ、十月二十七日から三十日までの間、同会派より一名がボランティアとして行かせていただきました。地域の避難所となっております長岡市阪之上小学校では、地震が発生し、その一時間後には市外にいる校長先生の承認のもと、被災者の方々約千三百人を順次受け入れておりました。そして、午後七時十五分には市の職員が現場に急行し、阪之上小学校災害センターを立ち上げ、支援体制を確立していたようです。二十四時間後には、避難所に市内職員八名、市外応援職員七名体制で運営され、迅速に対応しておりました。背景には、職員の七割が市内に居住し、夏の水害や台風被害のために避難所を設置しており、ふだんの絶え間ない訓練及び支援体制が功を奏していたと長岡市の職員が語られていたようです。
  また、長岡市では、防災時の使用目的で備えつけていた防災無線のうち、十九カ所の町村で非常電源設備がないため、使用できませんでした。携帯電話は加入件数が増加したため、つながりづらく、さらに固定電話は電源がおちているため、地上局の電源が回復するまで不通でありました。そのような中、地域の被災者の方々に随時新しい情報を提供したのが地元の放送局エフエム長岡でした。ライフラインの不通による対策が必要と考えられます。
  また、防災の目的が市民の生命、自由、財産を守ることにあるとすれば、地震が起こった後の対策も当然重要ですが、むしろ地震が起こる前に被害を少なくする「減災」対策を進めていく必要があると考えます。阪神・淡路大震災では、地震直後に建物等の直接被害によって命を落とされた五千五百人の犠牲者のうち、その83%以上が建物や家具による圧死、窒息死と言われております。さらに、救出のおくれ、火災の延焼拡大、避難所や病院での混乱、家屋の解体、仮設住宅の建設・撤去、生活支援、膨大な復興経費、高齢者の孤独死など、震災時のさまざまな問題は大量の建物被害によってもたらされたものと考えられております。我が国では、過去の地震を教訓として建物の耐震設計基準が見直されており、いわゆる新耐震と呼ばれる一九八一年の改正以降に建設された建物は、阪神・淡路大震災の激しい地震動に対しても相当な耐震性を有しておりました。ところが、新耐震以前の建築物が大量に存在しており、これが強い地震動に極めて弱いと言われております。本区においても、新耐震以前の建築物が少なくないように思われます。
  そこで、お伺いいたします。
  第一点目に、災害時には平常時の組織が同様な能力を発揮することを前提に役割が決まっております。長岡市では、市内に市職員全体の70%もの職員が在住しておりますが、本区の場合、区内在住者が15%程度です。仮に勤務時間外に災害が発生した場合、人員体制など、どのように迅速な支援体制を確立しようとしておられるのか、お考えをお聞かせください。
  第二点目に、本区における防災拠点の安全対策という観点から、公共施設の耐震補強の進捗状況をお示しいただき、さらに昭和六十一年に安全対策として行った窓ガラスの飛散防止措置の再点検をすべきと考えますが、お考えをお聞かせください。
  第三点目に、新潟県中越地震では、長岡市においてエフエム長岡が新しい情報をいち早く提供しておりましたが、本区においても防災無線設備が仮に不通あるいは聞こえなかった場合、正確な情報をいち早く区民にお届けするためにはどのような対策をお考えか、お聞かせください。
  第四点目に、一九八一年以前の区内建築物において、現在も耐震診断の助成や窓ガラス及びブロック塀等の安全化指導、さらに高齢者に対する家具類転倒防止器具の設置など、本区におけるさまざまな取り組みが行われている中で、耐震補強と家具類転倒防止対策について、今後どのような目標を立て、減災対策に取り組もうとされているのか、お考えをお聞かせください。
  第五点目に、比較的耐震性にすぐれた高層住宅では、行政としては自宅での生活が維持できるものと想定しており、区民の足となるエレベーターの使用が必要不可欠となりますが、迅速に復旧するためにどのような対策をお考えか、お聞かせください。
  次に、建築物の解体工事に伴う事前周知に関する要綱の制定についてお尋ねいたします。
  本区最重要課題でありました定住人口の維持回復は、積極的な施策を展開してきた結果、本年十一月一日現在で九万二千八百六人と、昭和五十七年ごろの水準まで回復してきております。
  一方で、区内の住宅建設のラッシュにより、建物の高さ、風害、日照の問題、電波障害、騒音、振動など、区民生活にさまざまな問題が生じております。昨年度の相隣件数は百八十六件、建築工事に関連した苦情等による騒音規制法の届出は六十二件、振動規制法の届出では二件も発生しております。
  新築工事による相隣問題は、建築確認申請の前に、規模等により建築計画の事前公開等についてのお願いや市街地開発事業指導要綱に基づき、建築計画の標識の設置や近隣住民との説明会等を開催するよう求めております。私自身、地域からの相隣問題に対する相談を多く受ける中、近隣住民の方々と事業主側との仲介あるいは調整に相隣担当の職員の方々が困難な問題解決に取り組んでいることに対し理解をしているところでございます。
  しかし、解体工事では騒音規制法や振動規制法、建設リサイクル法などの個別的あるいは間接的な法律があるのみで、解体工事に対する法律は存在しておりません。昨年度の建設リサイクル法による民間からの届出及び公共団体からの通知は、合計で五百七十七件にも上ります。建築工事に伴うさまざまな相隣問題での区民からのお声を分析しますと、最初の不信感が発端となって、最後まで相隣紛争が続いているものと考えられます。特に解体工事では、工事概要等が明示されず、不安な中、本区のように建築物が密集している都市部であるため、騒音や振動あるいは粉塵等で悩んでいる区民が少なくありません。したがいまして、要綱等にて制定することにより問題を減少させるばかりではなく、本体工事に対する紛争も減少することにつながり、よって良好な近隣関係が保持され、生活環境の維持及び向上につながるものと考えます。
  千代田区では、建築物の解体工事計画の事前周知に関する要綱を制定し、本年十一月一日より施行されました。工事概要等の標識の設置をはじめ、規模により工事開始十四日前あるいは五日前までに近隣住民に対し、工期、解体方法、作業時間、安全対策、公害防止対策、車両の通行経路などの説明のほか、低騒音低振動型機械の使用など詳細にわたり規定しております。
  そこで、お伺いいたします。
  本区独自の解体工事計画の事前周知に関する要綱を制定することを提案いたしますが、区長のお考えをお聞かせください。
  次に、行政効率化への取り組みについてお尋ねいたします。
  現在、我が国の行政は非常に厳しい財政状況にある中、国際化、IT化、少子高齢化等の社会の変化に対応した新たな行政ニーズが着実に増大すると同時に、行政サービスの質的向上も求められております。
  このような状況の中、平成十六年二月五日に、行政のむだを省き、簡素で効率的な政府を実現するため、内閣に行政効率化関係省庁連絡会議が設置され、六月十五日に行政効率化推進計画が取りまとめられました。納税者の視点に立って、改めて所管の行政を見直し、その効率化に向け不断の努力を行うことを基本的な考え方としております。
  主な取り組みとしましては、公共調達の効率化、公共事業のコスト削減、電子政府関係の効率化、IP電話の導入、統計調査の合理化などが挙げられております。
  本区におきましても、保養所等の公共施設予約システムを稼働させるなど、利便性の向上に努め、電子申請の導入など、電子区役所の構築を図っているところであります。さらに、人件費の削減や環境ISO14001の導入など、さまざまな取り組みが行われております。
  そこで、行政運営に民間手法を導入し、徹底したコスト削減を実施するため、行政効率化推進計画にも盛り込まれておりますESCO事業の導入を検討していただき、光熱水費等の削減を図ることを提案いたします。
  ESCOとは、エネルギー・サービス・カンパニーの略語でございますが、ESCO事業者は顧客に対し、工場やビルの省エネルギーに関する診断をはじめ、設計・施工、導入設備の保守・運転管理、事業資金の調達などの包括的なサービスを提供し、それまでの環境を損なうことなく省エネルギー改修工事を実現し、その結果得られる効果を保証するものです。さらに、ESCO事業者は、顧客の省エネルギー効果の一部を報酬として受け取ることを特徴としております。また、国の補助制度も確立しております。
  例えば、江東区役所においては、高効率照明器具への更新、動力インバータ制御、エネルギーモニタリングシステムの導入などの省エネ手法を採用し、電気などエネルギーの消費量が年間として18%の削減となっております。
  そこでお伺いいたします。
  第一点目に、本区における行政効率化の今後の取り組みについてお考えをお聞かせください。
  第二点目に、本庁舎をはじめ、各公共施設に対し、改修工事などが行われるときに、あわせてESCO事業の取り組みを検討し、導入することを提案いたしますが、お考えをお聞かせください。
  最後に、芸術の振興についてお尋ねいたします。
  文化は人々の心を耕すと同時に、創造性をはぐくみ、社会や経済に活力を生み出す源泉であり、ゆとりと潤いを実感できる生活を送るために、文化の果たす役割が今後ますます重要になってくるものと考えます。
  二○○一年参議院本会議において、文化芸術振興基本法が制定されました。制定の目的は、文化芸術が人間に多くの恵沢をもたらすものであることにかんがみ、文化芸術の振興に関し基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにし、文化芸術に関する施策の総合的な推進を図り、心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与することとしております。
  二○○二年度には新世紀アーツプラン(文化芸術創造プラン」に着手し、芸術団体支援事業の推進や若手芸術家を海外に研修派遣する新進芸術家養成事業の推進、さらに子ども文化芸術体験プログラムなどの事業が展開されております。昨年度では地域の文化活動の推進にも大きな前進が見られました。例えば、ボランティア活動の活性化を図る文化ボランティア推進事業、また、子供たちに伝統文化を体験・習得できる機会を提供する次世代伝統文化継承事業が実施されました。
  国の予算面におきましては、二○○○年当初八百八億円であったのが、二○○四年度政府予算では千十六億円を確保され、年々増加傾向にあります。こうした予算面を背景に、さらに今年度では文部科学省所管の企業メセナ協議会による助成支援も拡大される中、文化活動の活性化を後押しする優遇税制の効果も期待され、文化振興に向けたバックアップ体制が着々と整いつつあります。
  東京都では、既に文化芸術振興条例が制定され、二十三区内においては目黒区と千代田区が条例化されております。
  本区は、江戸歌舞伎に代表されるように、世界に誇れる江戸町人文化発祥の地であり、さらに話題を呼んだ江戸の浮世絵師斎藤十郎兵衛説が有力とされている写楽など、多くの文化人が住み、活躍した江戸の中心地でありました。また、谷崎潤一郎は人形町に、芥川龍之介は入舟町に生まれ、さらに本年九月十日に視察いたしました交詢社を設立し、明石町に蘭学塾をつくった福沢諭吉など、中央区に縁の深い文化人が多くおりました。
  また、江戸時代以来、文化・商業の中心として発展してきた地域の象徴として、歴史的、芸術的、学術的に価値のある文化財が残されており、平成十六年四月一日現在で中央区民文化財が七十五件も登録されております。こうした有形無形の文化の保護あるいは紹介のために、日本橋劇場やアートはるみ、さらには郷土資料館など、地域の文化的魅力を高めるために施設を整備しております。また、本区には歌舞伎座、明治座、新橋演舞場など、日本を代表する施設を有し、敬老の日にちなみ、敬老大会を新橋演舞場で実施され、好評となっております。
  国際交流では、姉妹都市でありますオーストラリア、サザランド市との市民間の交流を図り、文化の創造に取り組んでおります。このような本区における文化活動の取り組みに対し、評価をさせていただくところでございます。
  文化芸術の中心地である中央区におきまして、今後の文化芸術政策の進むべき方向性を示していくことが重要と考えます。
  そこで、お伺いいたします。
  第一点目に、この文化芸術振興基本法を区長はどのように受けとめておられますでしょうか、お考えをお聞かせください。
  第二点目に、今日、少子高齢化が進む成熟社会にあって、高齢者など余暇の過ごし方がますます重要になってきております。今後、文化芸術活動の練習の場や、練習した成果の発表の場の提供がさらに求められるものと思われますが、お考えをお聞かせください。
  第三点目に、日本の文化の中心、中央区として、本区独自の文化芸術振興条例を制定してはいかがかと考え、区長の英断を求めますが、お考えをお聞かせください。
  以上で、私の第一回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 田中広一議員の御質問に順次お答えいたします。
  最初に、勤務時間外に災害が発生した場合の支援体制の確立についてであります。
  本区では、夜間、休日等の職員の勤務時間外に災害が発生した場合、または発生するおそれがある場合に備えまして、管理職一名と非常勤職員一名の計二名が年間を通じて警戒に当たっております。また、発災時の初動活動が速やかに行えるように、本区及び隣接する五区に住む職員四百八十七名を、あらかじめ臨時非常配備職員として指定しております。指定職員は、東京に震度五強以上の地震が発生した場合や東海地震注意情報が発令された場合などに、防災拠点など、あらかじめ指定された場所に自主的に参集し、応急対策に当たることになっております。
  発災直後の混乱期に災害現場の第一線で地域住民の方と協力して活動する臨時非常配備職員の果たす役割は、極めて重要であると考えております。今後ともこれまで以上に職員の参集訓練や初動体制の確保を徹底し、勤務時間外に災害が発生した場合においても、職員が速やかに指定した場所に参集し、的確に任務を遂行できる体制を整えていきたいと考えております。
  次に、公共施設の耐震補強の進捗状況及び窓ガラスの飛散防止の再点検についてお答えいたします。
  まず、耐震補強の進捗状況でありますが、阪神・淡路大震災では、昭和五十六年施行の新耐震設計法以前の建物に被害が集中した状況を踏まえまして、本区では平成八年度から該当の三十二施設について耐震診断を行い、補強の必要性のない八施設を除きまして、計画的に耐震補強を実施してまいりました。現時点では二十二施設が完了しておりますが、未実施の人形町区民館と八丁堀区民館につきましては、改築も含めまして、耐震性の向上を検討しているところであります。
  次に、窓ガラスの飛散防止のお尋ねでございます。
  飛散による危険を防止するため、網入りや強化ガラスを除く一般の窓ガラスには、飛散防止フィルムを張ることにより安全性を高めております。昭和六十一年度には、幼稚園、小学校、中学校を対象に貼付し、阪神大震災直後の平成七年度には、児童施設、高齢者施設及び本庁舎などの主要施設に実施し、安全確保に努めてまいりました。しかし、経年によるフィルムの劣化も考えられますので、今後は現状の確認を行いながら、一層安全な公共施設づくりを進めてまいります。
  次に、災害時において正確な情報をいち早く区民にお知らせするための対策についてであります。
  災害時に正確な情報を迅速に提供することは、社会的に不安を軽減するばかりでなく、区民が冷静で的確な行動をとるためにも重要であります。そこで、災害時には防災行政無線や広報車による区民への情報提供を行うこととしております。また、区内二十一カ所の防災拠点に設置してある地域防災無線により、地域住民の自主的組織である防災拠点運営委員会へも情報提供を行う体制を整えております。
  防災無線は災害時における最も有効な情報伝達手段と考えておりますが、災害時の混乱した状況の中で、一人一人の区民に対してできる限り迅速に正確な情報を提供するためには、マスメディアを活用することも大切であります。特に区民が必要とする生活情報や災害情報などを提供するためには、停電時でも比較的聴取が用意で、地域に密着したコミュニティラジオの活用が有効であります。
  そのため、平成十年に本区地域のラジオ局である中央エフエムと、災害・防災情報等の放送に関する協定を締結いたしました。また、ことし四月には災害時の情報連絡体制を強化するため、中央エフエム本社に本区地域防災無線局を開設いたしました。引き続き、中央エフエムとの連携を図る一方、通信技術の進歩なども参考に、さらに有効な情報伝達手段についても検討してまいります。
  次に、耐震補強及び家具類転倒防止による減災対策の取り組みについてであります。
  先月二十三日に発生した新潟県中越地震では、古い木造住宅の倒壊や家具類の転倒でけがをした人がおり、十年前の阪神大震災の教訓が十分に生かされていないと認識しております。これまでも、区では区民一人一人がみずからの命はみずから守るという防災の基本のもと、各種の施策を展開してまいりました。しかしながら、耐震補強や家具類転倒防止等の耐震対策は余り進んでいないのが現状であります。
  こうした状況を打開するため、今年度から建築物の耐震対策の一つとして、木造以外の共同住宅の耐震診断助成額を引き上げるとともに、高齢者、身体障害者世帯に対する家具類転倒防止器具取付事業につきましても、毎年実施することといたしました。今回の中越地震の被害状況からも、区内の木造住宅の耐震対策の強化が急務と認識しており、今後、区内における老朽化した木造住宅の実態に即した耐震対策の充実を図り、家具類転倒防止対策とあわせ、広く区民にその有用性を訴え、総合的な減災対策に取り組んでまいります。
  次に、高層住宅におけるエレベーター復旧の対策についてお答えいたします。
  御質問の地震により運転がとまったエレベーターの復旧につきましては、地震の大きさにより、エレベーターに設置されているコンピューターで復旧するものもありますが、区として問題があると認識していますのは大きな地震による場合で、エレベーター保守会社による人的復旧によらなければならないケースであります。阪神大震災の教訓から、各社とも危機管理体制を構築しており、具体的には病院や公共施設などから順次復旧していく態勢や、他の営業エリアからの応援で早期の復旧を目指しておりますが、高層住宅の多い本区といたしましては、実際に機能するのか心配な部分もございます。
  したがいまして、今後、広域的な対応も必要であることから、東京都に業界に対する指導強化を要請するとともに、本区の地域特性も十分に視野に入れ、エレベーター保守会社等とも協議しながら、一層の安全対策を求めてまいります。
  次に、解体工事計画の事前周知に関する要綱の制定についてであります。
  近隣の方々からは、解体工事に際し、騒音、振動等の苦情が相隣問題として区に寄せられており、区ではその都度相隣調整を行っております。解体工事についての近隣の方々への事前周知は、建設リサイクル法も、東京都環境確保条例に基づく届出が行われる際に事業者に対し指導しているところでありますが、近隣の方々に十分な理解が得られていない状況も見受けられます。
  解体工事に伴う相隣調整を図る上で、工事着手前の早い段階から、近隣の方々に対する事前周知が不可欠であり、何らかの指導基準も明らかにする必要があると考えております。今後、建築計画の事前公開制度との整合性を図りながら、区の実情に応じた解体工事における事前周知制度を検討してまいります。
  次に、行政の効率化についてであります。
  まず、今後の取り組みについてであります。
  先行き不透明な財政環境のもと、区は時代の変化をとらえ、新たな行政課題に的確に対応し、区民のニーズに素早くこたえていかなければなりません。柔軟性と迅速性を発揮し、簡素で効率のよい区政運営を行うことが求められております。このため、現在、本区行政改革の総合的な指針となる第二次行政改革大綱を策定中であり、中間のまとめとして公表し、区民からの意見公募、いわゆるパブリックコメントを行っているところであります。
  中間のまとめでは、開かれた区政を実現し、サービスの一層の向上を図りつつ、柔軟で機動的な執行体制を構築すること、また、規制改革の流れの中で、民間資源を多様に活用するとともに、財政の弾力性を確保し、施設のストックを有効に活用して、より効率的、効果的な区政を推進していくものとしております。行政において、最少の経費で最大の効果を上げることはいつの時代においても変わらない課題であり、その効率化につきましては、今後も不断の取り組みを行ってまいりたいと存じます。
  次に、ESCO事業の導入のお尋ねについてであります。
  ESCO事業は、光熱水費を削減するなど、省エネルギー対策の強化を通じて、行政の効率化はもとより、地球環境の保全にも有効なシステムであると理解しております。事業の実施には、導入設備の内容、保守、運転管理等、詳細な検討が必要になります。
  本区では、現在実施中の中央区保健所等複合施設大規模改修において、その有効性等について検討した経緯がございます。しかし、この改修では、地域冷暖房の導入による設備改修計画の内容から、ESCO事業の効果が低減する等の理由でこれを断念したものであります。今後の本庁舎等、公共施設の改修工事においては、コスト縮減を念頭に、ESCO事業をはじめとして各種の省エネルギー対策を検討し、行政の効率化を進めてまいります。
  次に、文化芸術についての御質問にお答えいたします。
  まず、文化芸術振興基本法についてであります。
  平成十三年十二月に施行されたこの法律においては、文化芸術は多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成し、世界の平和に寄与するものであり、国際化が進展する中にあって自己認識の基点となり、文化的な伝統を尊重する心を育てるものであるとしております。こうした基本的な考えのもとに、地方公共団体には自主的、主体的に地域の特性に応じた施策を推進することが求められております。
  江戸以来四百年の歴史を誇り、平和都市宣言や花の都中央区宣言などを掲げる本区にとって、この法律の施行は大変に心強いものであり、基本構想で示した本区の将来像を実現する上でも大きな要素となり得ることから、法の趣旨の実現に向けて努力してまいりたいと考えております。
  次に、練習や発表の場づくりについてであります。
  区民の文化芸術活動の振興を図るための場の提供は、区の大きな役割の一つであり、文化活動拠点として、これまで銀座ブロッサムや、古典芸能の発表ができる日本橋劇場に加えて、アートはるみをはじめとした社会教育施設などを整備し、郷土資料館についても、本区の歴史と文化の拠点として、その機能の一層の充実を目指しているところであります。今後とも区の施設の改修などの機会をとらえて、区民が身近に文化芸術活動に利用できる場の充実に努めてまいります。
  なお、文化芸術振興条例の制定につきましては、近年のNPO活動の活発化や、昨年の江戸開府四百年記念事業を契機とした伝統文化に対する意識の高まりといった環境の変化なども勘案しながら検討してまいりたいと考えております。
  答弁は以上であります。

〔六番 田中広一議員登壇〕

○六番(田中広一議員)
 それぞれの質問項目に対しまして、大変御丁寧な御答弁ありがとうございました。
  まず、第一点目の防災対策についてでございます。
  大きくハード面とソフト面という部分があるかと思われますが、実は、私も以前民間会社に勤めていたときに、平成八年に大阪の支店の方に赴任となりました。たまたま、そのときに、ある顧客のお客様が耐震補強を定期的に行っておりまして、また、点検も随時行っている、そういうお客さんがありました。よくお客様のお話を伺いましたら、阪神大震災のときにはちょうどその被災された地域に数棟建物があったんですけれども、すべて崩れることなく、逆に、被災者の方々を受け入れて大変貢献された、そういうお話を伺いました。
  したがいまして、本区公共施設は当然防災拠点となることは間違いありませんので、定期的に耐震補強、点検をしていただきますことを要望させていただきます。また、あわせて、東京都とも連携しながら、地下鉄、高速道路などの社会基盤の点検も随時要望していただきたいと、このように思うところでございます。
  また、ソフト面については、先ほどもありましたけれども、職員の在住状況等をかんがみて、他自治体との連携も図っておられるという御答弁もいただきました。さらに、そういった協力体制の推進、また情報伝達のシステムづくりを推進していただきますことを要望とさせていただきます。
  第二点目の解体工事に対する要綱の制定でございます。
  私も、本当に多く地域の方からそういった苦情のお電話をいただいて、すぐ現場に急行するんですが、特にマンション工事が多いという背景もありまして、やはり解体工事はいわゆる元請けの会社が直接工事をされていない、専門会社の会社さんが直接工事をされているということで、なかなかその場で対応しようにも対応できない。また、事業主さんに連絡をしようにも、なかなか現場にはいないということで、大変区民の方が困っていらっしゃる、そういう声を多く伺いました。事業主の方々に対して、やはり義務づけしていくということが、こういった問題を防ぐ、まず第一の出発だと思いますので、そういった義務づける要綱の制定を推進していただきますことを改めて要望とさせていただきます。
  第三点目の行政の効率化についてでございます。
  これもまさに御答弁いただいたとおり、さらなる推進をお願いしたい、そのように思うところでございます。
  第四点目の文化芸術の振興についてでございます。
  佃の大川端リバーシティ21地区の文化施設と想定されております未利用地区についても、今後公募が展開されて、区民にとって喜んでいただけるような施設ができることを大変期待したい、そのように思うところでございます。特に、文化芸術は地域の再生に、これだけ経済が落ち込んで元気のないところですけれども、やはり文化芸術で地域の再生を図っていきたい。また、重要な要素であると私は考えております。
  当然、この場では紹介できないほど、本区には文化芸術の財産がたくさんありますので、ぜひとも本区の文化芸術振興条例の制定をしていただきながら、土台をしっかりと固めて、中央区らしい、活気に満ちた地域の社会を構築されますことを要望させていただき、以上で私の質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(押田まり子議員)
 次に、十五番植原恭子議員。

〔十五番 植原恭子議員登壇〕

○十五番(植原恭子議員)
 中央区議会公明党の植原恭子でございます。私は平成十六年第四回定例会に当たり、区議会公明党の一員として、当面する行政課題について質問させていただきます。区民がさらに安心して生活ができますよう、矢田区長並びに理事者におかれましては、どうか前向きで明快な御答弁をよろしくお願い申し上げます。御答弁のいかんによりましては、再質問を留保させていただきます。
  初めに、男女共同参画社会についてであります。
  本区では、本年四月に男女共同参画関連施策の所管である女性施策推進係を区役所から女性センター「ブーケ21」に移設し、普及啓発事業の拡充に加え、新たにブーケ21区民スタッフ養成講座、中央区女性史の編さんなどに取り組まれております。大変地道な事業かと思いますが、御関係者の御尽力に敬意を表します。
  その上で、主に女性に対する暴力の根絶に関連して、幾つか質問させていただきます。
  十一月十二日から本日二十五日までの二週間、国を中心として、女性に対する暴力をなくす運動が実施されました。これを踏まえ、中央区におきましても女性センター「ブーケ21」に加え、この期間、初めて区役所一階ロビーでパネル展示を実施しました。私も見させていただきましたが、女性に対するあらゆる暴力をなくすために、区民をはじめ、訪れた人々の意識を啓発し、理解を深めていただく大切な事業でありました。また、この運動は女性だけではなく、高齢者や子供に対する暴力の根絶にも波及していくものと私は思います。一人でも多くの方がパネルの前で足をとめ、関心を持ってみていただきたいと実感いたしました。
  パネルの内容は、ドメスティック・バイオレンス、セクシャル・ハラスメント、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、ジェンダーの四点について明確に示されており、高く評価するものでした。しかし、一般的にはそれぞれが大変なじみにくく、難解な用語でもあることから、じっくり時間をかけて何回も読まないと、なかなか理解できないのが現状ではないでしょうか。少しでも理解を深めていただくために、また一人でも多くの区民に女性に対する暴力根絶の意識を啓発するために、運動期間に限らず、今後このパネル展示を区民センターや社会教育会館などで巡回実施してはいかがでしょうか。区長さんのお考えをお聞かせください。
  次に、平成十三年三月に策定された中央区男女共同参画行動計画の基本理念の中に、女性に対するあらゆる暴力の根絶のためには、①女性に対するあらゆる暴力を根絶するための基盤づくり、②夫、パートナーからの暴力への対策の推進と明記されております。さらに、前期五カ年の区の取り組みとして、①相談体制の充実、②緊急一時保護の充実、③女性、高齢者、子供への暴力に対するホットラインの構築と示されております。この三点について、区の現状と進捗状況をお示しいただくとともに、次に申し上げます要望、提案について区長さんの御見解をお伺いいたします。
  初めに、PRカードについてであります。
  PRカードとは、DV被害者への呼びかけと相談機関が明記してあるキャッシュカード大のものです。本区では、区役所四階の児童家庭課と女性センター「ブーケ21」の二カ所を窓口として、女性相談事業に取り組まれております。平成十五年度一年間に本区で受けた相談の利用延べ件数は、二カ所合わせて八十五件、そのうちDV関係が四件、セクハラは三件でした。数的には多いと思われないかもしれません。
  しかし、本年六月に内閣府が刊行した「平成十六年版男女共同参画白書」によりますと、女性の約五人に一人がこれまでに夫・パートナーから身体的暴行、心理的脅迫、性的強要等、暴力の被害を受けた経験があると報告されております。また、二十人に一人の女性が命の危険を感じたと思います。
  国においては、平成十三年十月、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV防止法が施行され、平成十四年四月から配偶者暴力相談支援センターの業務を開始いたしました。配偶者暴力相談支援センターは、都内三カ所を含め、全国に百三カ所、民間シェルターは七十七カ所あり、平成十四年四月から十六年二月までに全国のセンターに寄せられた相談は、何と七万五千件に上っており、毎月三千六百件前後で推移している現状が報告されておりました。また、DV防止法施行後、十五年十二月末までの間に警察に対し寄せられた配偶者からの暴力に関する相談等への対応件数は、三万件を超えております。
  また、このたびは、改正DV防止法が十二月に施行されます。改正の主な内容として、配偶者に限った保護の対象を、子供と離婚した元配偶者まで拡大されるほか、加害者への退去命令で、現行二週間の立ち退き期間が二カ月に延長されます。さらに、今回の改正では、保護命令の対象とすることは見送られましたが、「心身に有害な影響を及ぼす言動」という表現で、精神的暴力も暴力の定義に加えられました。さらに、配偶者暴力相談支援センターの業務が市区町村でも可能になります。
  このような現状を見ますと、本区も相談件数にはあらわれておりませんが、被害に苦しむ女性が数多く潜在しているように思えてなりません。事実、長い間、夫等の暴力に苦しみ悩んでいても、子供など周囲への気遣いや、就労など自立に対する不安から、そのきっかけをつかめないでいる女性に私も何人か出会いました。大変理不尽であり、そのような女性の気持ちは男性には理解しがたいかもしれません。PRカードはそんな女性たちを救うきっかけになります。
  現在、東京都として、PRカードをつくり、都の公共施設を中心に各市区町村に配布し、本区でも活用されておりますが、その枚数と活用方をお示しください。
  私は区役所やブーケ21などの窓口に加え、区の公共施設での、例えば女子トイレや女子更衣室など、女性が利用するところにPRカードをさりげなく置く配慮が大切と感じますし、ぜひそうしていただきたいと要望いたしますが、区長さんのお考えをお伺いいたします。
  これまで東京都が発行したPRカードの枚数は二十五万枚です。所管している東京ウィメンズプラザの話では、現在、在庫は一万枚で、いつでも希望者にくださるそうですが、二十三区では独自でPRカードを作成している区もあるとのことでした。中央区は、通勤やショッピングなど来街者が多いのが特性です。例えばデパートの化粧室などにPRカードがあると、広く女性たちに周知でき、夫やパートナーからの暴力で悩んでいる女性を一人でも多く救済することができます。そのためにも、住民人口ではなく、昼間人口に合わせたPRカードの枚数を確保し、配布方を検討すべきだと考えますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。
  現在、実施されている区の女性相談も、区民に限らず利用できるとお聞きしております。区が独自でPRカードを作成することについてはいかがでしょうか。あわせて区長さんのお考えをお示しください。
  続きまして、相談員の研修及び心のケアについてお尋ねいたします。
  内閣府の「配偶者等からの暴力に係る相談員等の支援者に関する実態調査結果」によれば、DV被害者からの相談業務の中で、過度の不満や負担感を持つ相談員が六割以上に上ることが示されました。その原因として、「問題が複雑で支援が難しい」、「被害者の自立を支援する制度が使いにくい」など挙げられました。また、相談員が被害者から被害状況を何度も聞くうちに、みずからも同様の心理状態に陥る、いわゆる代理受傷を体験したり、納得のいく解決策が見出せなく、今まで熱心に行ってきた業務に対し急に意欲を失うバーンアウト(燃えつき)状態に陥った経験のある人が約三割いると示されておりました。
  相談内容が深刻な上、被害者の安全を確保し、緊急性を求められる事業とあって、相談員の労力は大変大きいものと私は認識いたしております。
  相談員の質を向上させ、心身の健康を保つために必要なこととして、「外部の専門家を交えた事例検討会のような学習機会の充実」、「個人ではなく組織全体で対応する体制」などが挙げられておりました。本区の相談員に対する研修や心のケアはどのようにされているのかお伺いいたします。
  さらに、相談員に過度の負担をかけないためにも、関係機関相互の密な連携が図れるよう、協力体制を強化すべきであると思います。
  十一月は児童虐待防止推進月間でもありますが、本区では既に子供虐待防止策として、中央区児童虐待防止関係機関情報ネットワークを設置しております。DV被害者へ適切で速やかな対応をとるために、また、女性に対するあらゆる暴力を根絶するために、早急にネットワークを構築すべきであると思いますが、区長さんの御所見をお伺いいたします。
  そして、改正DV防止法の実施に伴い、緊急一時保護のシェルターを区が確保すべきですが、御見解をお示しください。
  この問題の最後に、関連して、男女平等に対するバックラッシュ現象と、男女平等教育について質問いたします。
  DVやセクハラなどの暴力、職場での昇進・昇格や賃金の男女格差など女性の人権の侵害や性による格差は、いまだにどこにでも当たり前のように見られます。この現状を少しでも変えようとして、全国の自治体が男女共同参画推進条例の制定に取り組んできました。条例制定に当たって最も大事な点は、「性による役割分担を克服し、女性の人権を保障すべきである」とうたうことです。この二点は、女性差別撤廃条約や男女共同参画社会基本法に明記されております。
  ところが、こうした男女平等への動きを一網打尽に始末しようとする動きが全国各地で起きております。バックラッシュと呼ばれる逆転現象です。
  ここ二年間に起きた例を挙げますと、山口県宇部市において市の審議会答申にあった条例案の中で、「個人の尊厳が重んぜられること」という表現が、制定された条文では「男らしさ女らしさを一方的に否定することなく男女の特性を認め合い、互いにその人格と役割を認めるとともに、尊厳を重んじ合うこと」に変えられました。個人の尊厳が、らしさの尊重に変えられたのです。「泣くなんて男らしくないぞ」、「女らしく引っ込んでいろ」と、「らしさ」がどれだけ私たちを縛り、また多くの才能が捨てられてきたことでしょうか。性による「らしさ」の押しつけをなくし、自分らしく生きようというのが条例の魂ではないでしょうか。
  千葉県では、性及び出産・育児について「自らの意思で決定できるよう」という文言の削除などを一部議員から要求されて議会が紛糾し、条例案が廃案となりました。現在、千葉県は全国都道府県の中で、唯一条例が制定していない自治体です。
  鹿児島県議会は、ジェンダーフリー教育排除の陳情を賛成多数で採択しました。石川県議会、徳島県議会も同様に採択し、ジェンダーフリー教育を排除しました。また、本年六月には、東京都荒川区で、前区長がアンチ・ジェンダーフリーといわれる急先鋒の論客三人を条例制定のための懇談会会長、副会長、委員に任命し、条例案を提出しましたが、議会の反対と住民からの要望もあり、前区長が提出議案を取り下げるという珍事に終わりました。
  このような状況をかんがみ、日本全土に広がらんとする男女平等に対するバックラッシュの現象を、区長さんはどのようにお考えですか、御見解をお示しください。
  私はこのバックラッシュに対して、黙って言われるがままではなく、是が非でも食いとめなければならないと思うのです。そして、差別につながるジェンダーとは何かを改めて問い、男女平等を正しく理解し、学習する機会が今まで以上に必要ではないかと感じます。今こそ真の男女平等の認識の上に立って、中央区の男女共同参画条例の制定をすべきであると提案いたしますが、区長さんの御所見をお伺いいたします。
  さて、この八月には東京都教育委員会がジェンダーフリーという用語の不使用、さらにジェンダーフリーに基づく男女混合名簿の作成禁止を決めました。ジェンダーフリーという用語は、もともと「性にとらわれない」という意味で使われ出した和製英語でしたが、直訳すると「性差がないこと」と解釈され、人によってその意味や主張する内容がさまざまで誤解や混乱を招くとのことでした。
  そこでお尋ねいたします。
  東京都教育委員会からのジェンダーフリーにかかわる配慮事項についての通知を受け、本区はどのように対応したのでしょうか。このような通知に対する教育長さんの御見解をお聞かせください。
  また、児童・生徒の指導に当たる教職員の先生方は、当然のことながら、男女平等・男女共同参画について正しく理解をしていなければなりません。人それぞれに認識の違いや疑問があると、自信を持って子供たちに指導できません。研修はどのように行われているのでしょうか、お示しください。
  平成十六年中央区政世論調査の結果を見ても、人権侵害の項目の中で「男女差別」は「多く存在する」、「ある程度存在する」、合わせて77.4%と高い数値を示しております。そして、人権が守られるために必要なこととして、第一位に四割半ばの区民が「学校で人権教育を充実する」と答えております。
  私は、これまで、副教材を活用するなど、幼少期からの男女平等教育が必要ではないかと主張してまいりましたが、中央区教育委員会はとりたててやる必要はなく、人権教育の一環として行っているとの消極的なお答えでした。大変残念に思います。現在の男女平等に対するバックラッシュを思うとき、私は学校教育現場での混乱を大変危惧いたします。このような混乱の中では、意見交換も含め、男女平等教育・男女共同参画について、教職員の研修の機会がさらに必要だと思いますが、今後の取り組みについて教育長さんの御見解をお尋ねいたします。
  最後に、子育て支援の観点から、乳幼児医療費助成制度の拡大について質問させていただきます。
  乳幼児医療費助成制度は、尊い生命を守る立場から、子育て家庭の経済的な負担を支援する重要施策であります。私たち区議会公明党としても、一般質問を初め特別委員会などで、本制度の対象年齢の拡大を提案し要望してまいりました。
  国が少子化対策と訴えるからには、国の制度として均一化すべきでありますが、医療制度改革で乳幼児医療費は自己負担が三割から二割になったにとどまり、いまだに全国の各自治体によって本制度は対象年齢、所得制限の有無、自己負担の有無など、全く違うのが現状です。
  本区におきましては、平成五年四月から三歳未満の乳幼児を対象に医療費無料化を実施し、平成七年十月から対象年齢を小学校就学前までに拡大し、現在に至っております。最初から所得制限はなく、いわば全国に先駆けて少子化対策を充実されてきたと私は認識いたしております。ところが、平成十三年十月に、東京都が対象年齢を未就学児に拡大いたしました。その後、二十三区の中でも、少子化対策、子育て支援策として独自で乳幼児医療費助成の対象を拡大する区が次々と報道されており、子育て家庭の区民にとっては大変関心が高まるところであります。
  平成十六年三月三十一日現在の本区のゼロ歳から六歳までの対象乳幼児数は四千六百八十三人です。五年前の三千三百七十三人に比べると、対象乳幼児の数は約三割増加しております。緊縮財政の折から、まして今後平成三十年をピークに、ますます増加することが推測されておりますので、制度の拡大を図っている他区の状況とは異なるかもしれません。しかし、小学生になっても、ある程度の年齢に達するまでは病気やけがなどで医療費がかかり、子育て家庭の経済的負担は大変大きいものです。以前にも申し上げましたが、例えばアトピー性皮膚炎など、アレルギーの治療は専門医による適正な治療を受ければ、成人に至るまでに大方完治するとも言われております。先日も、アトピー治療に月数万円かかり大変負担だとの母親の声もお聞きいたしましたが、医療費助成の拡大を望む声は大きいのです。
  未来を担う子供たちの健康と生命を守るために、子育て家庭の経済的負担軽減のために、乳幼児医療費助成制度の拡大を図るべきだと改めて要望いたしますが、区長さんのお考えをお聞かせください。
  以上をもちまして、私の第一回目の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 植原恭子議員の御質問に順次お答えいたします。
  初めに、女性に対する暴力の根絶についてであります。
  御指摘のように、毎年十一月十二日から、きょう二十五日までの二週間は、国の主唱により、「女性に対する暴力をなくす運動」が実施されております。本区では、この期間に、女性センターと本庁舎一階ロビーにおきましてパネル展示を実施しております。この展示は本庁舎での終了後、月島区民センター及び日本橋区民センターにおきましても、それぞれ一週間ずつ行う予定になっております。今後も、女性に対するあらゆる暴力をなくすための啓発活動に積極的に取り組んでまいります。
  次に、本区行動計画前期五カ年における女性に対する暴力根絶のための取り組みの現状と進捗状況であります。
  相談につきましては、女性センターと福祉部児童家庭課で実施しておりますが、相談件数は余りございません。また、緊急一時保護につきましては、東京都と連携して実施しております。
  さらに、女性、高齢者、子供への暴力に対するホットラインの構築についてであります。
  子供の虐待に対する早期発見と的確な対応を図るため、平成十三年六月に中央区児童虐待防止関係機関情報ネットワークを設置いたしました。このネットワークは、東京都、家庭裁判所、医療機関、警察署、消防署などと本区の関係部門で構成されており、相互に情報を共有化するとともに、連絡調整を行うことにより速やかな対応ができる体制となっております。
  次に、PRカードについてであります。
  このカードは東京都が作成しているもので、本区には平成十四年度から十六年度にかけて毎年百枚程度配布されております。カードは今回の展示にあわせて配布しているほか、女性センターでは受付において常時配布しております。今後は、区の施設等の配布場所についても工夫してまいりたいと思います。
  また、PRカードの区独自での作成につきましては、都のカードの配布状況等を見ながら、今後、検討してまいりたいと存じます。
  次に、相談員の研修や心のケアについてであります。
  女性センターにおける相談事業は、カウンセリング専門の民間事業者に委託して実施しております。相談員は社内で実施される研修を受講するとともに、東京都の研修にも参加を促し、資質の向上を図っております。また、福祉部に配置している婦人相談員は、東京ウィメンズプラザで実施している研修に参加するほか、三カ月に一度はブロックで行われる会合に参加し情報交換等を行っております。
  相談員の心のケアにつきましては、これらの研修などの機会に実施しております。
  次に、DV被害への適切な対応のためのネットワークの設置についてであります。
  今年度中には区、東京都、警察、消防、医療機関から成る(仮称)中央区ドメスティック・バイオレンス防止関係機関情報ネットワークを設置し、DVに対し素早く適切に対応できる体制を整えてまいりたいと考えております。
  次に、緊急一時保護のシェルターの確保についてであります。
  現在は、東京都を通じまして民間のシェルターに保護してもらっている状況でありますが、今後該当する事例がふえるような場合には、ネットワークでの意見交換などを通して、区が確保する必要性などを検討してまいりたいと存じます。
  次に、男女平等に対するバックラッシュについてお答えいたします。
  近年、残念ながら、男女共同参画社会の実現を、性差を全く否定しようとしているなどとして消極的にとらえる動きがありますが、男女共同参画は個人の内面の価値観や伝統、文化などを否定しようとするものではありません。男女共同参画社会基本法に定めるとおり、男性も女性も性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会の実現は、二十一世紀における我が国最重要課題の一つであります。
  本区におきましても、性により差別されず、男女の人権が尊重され、個々の持てる能力が発揮され、自分らしく生きることができる社会を実現するため、行動計画に沿って着実に施策を進めていくことが重要と考え、各種施策を強力に推進しているところであります。
  なお、男女共同参画条例の制定につきましては、今後施策を推進する上で必要があれば、検討してまいりたいと存じます。
  次に、乳幼児医療費助成の拡大についてであります。
  本区は、昭和二十九年以降平成九年まで、四十五年間一貫して人口が減少し続ける中で、昭和六十三年一月に設置した定住人口回復対策本部を中心に、区と区議会、区民が一丸となって取り組んだ人口回復に向けた諸施策が実を結び、平成十年以降、飛躍的に人口が増加し、今後もこの傾向が続くものと予測されます。
  この定住人口の回復を世代別に見ますと、特に三十歳代の、いわゆる子育て世代の増加が顕著になっております。こうした人口の回復はまことに喜ばしい限りでありますが、その一方では、乳幼児数の急激な増加により保育園や児童館が不足し、学童クラブを含めた待機児の解消が緊急の課題となっております。また、共働き世帯における母親の就労時間が長くなっていることから、保育園における保育時間の延長を望む声も高まっております。こうした本区の特徴とも言える新たな行政需要は、現在策定中の第二次保健医療福祉計画の参考とするために行った保育需要子育て支援等実態調査のアンケート結果でも、行政に対する最も多くの要望となってあらわれております。
  そこで、本区は、今、当面の待機児解消に向けた保育園の新設や保育定員の見直し、さらに認証保育所の誘致を図るとともに、保護者から要望の高い保育時間の延長を来年四月から実施するなど、子育て支援策の積極的な充実を図っているところであります。
  乳幼児医療費助成につきましては、保護者の経済的負担を軽減する子育て支援策の一つでありますが、当面は乳幼児人口の大幅な増加に対応した緊急性の高い施策に財源を配分する必要がありますので、御理解賜りたいと存じます。
  私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平野純一君登壇〕

○教育長(平野純一君)
 教育問題についてお答えします。
 都教育委員会からのジェンダーフリーにかかわる通知についてです。
 都教育庁から都立学校長にあてた「ジェンダーフリーにかかわる配慮事項についての通知」では、今後、ジェンダーフリーの用語については、誤解や混乱を招くことが考えられるため、使用しないこととするとともに、男らしさや女らしさをすべて否定するような誤った考え方としてのジェンダーフリーに基づく男女混合名簿を作成することがあってはならないと記されております。
  この通知を踏まえ、区教育委員会では、今後、ジェンダーフリーの用語を使用しないことを各学校に通知いたしました。
  また、名簿の取り扱いについては、これまでどおり、各学校、幼稚園において、子供の状況や教育活動の内容を考慮し、校長、園長が適切に判断し実施するよう、あわせて通知したところです。
  本区では、これまでも男女共同参画の精神に基づく人間形成と環境づくりを目指し、男女平等教育を推進しています。今後も子供たちが男女の性別による違いを正しく理解しながら、互いに思いやり、尊重し合う態度を育てていくよう、指導してまいります。
  次に、男女平等教育にかかわる教員の研修についてです。
  教員が男女共同参画について正しく理解することは重要なことと認識しております。教員の研修には、初任者、新規採用教員及び十年経験者の研修において男女平等教育のあり方について啓発を図っております。また、都教育委員会では、希望する教員を対象とした人権教育に関する研修会の中で男女平等教育についても研修を行っております。さらに、本年四月に人権教育プログラムを全教員に配布し、男女平等教育の推進に努めております。
  今後、各学校に対して、本区の教育目標に基づく人権教育の推進にあわせて、男女平等教育が一層推進されるよう指導するとともに、区の研修会の内容の充実を図ってまいります。
  答弁は以上でございます。

〔十五番 植原恭子議員登壇〕

○十五番(植原恭子議員)
 それぞれ明快な御答弁ありがとうございました。
 中でも、男女平等に対しますバックラッシュについての区長さんの御見解をお聞きしまして、私も安心いたしました。
  ジェンダーフリーという言葉の定義が大変不明だったことに加えて、バックラッシュ現象についてはジェンダーフリー賛成派、反対派、それぞれが極論を主張し、論争の具にされてしまった感が私はいたします。
  いずれにしましても、急速な少子高齢化のもとでは、従来のジェンダーにとらわれていては社会が成り立たなくなり、今後は男女とも社会の支え手になることが期待されます。その意味からも、男女共同参画社会の根本理念である男女平等に対する正しい理解と啓発が必要であり、十分な議論も必要だと思います。特に、男女平等教育は、女性に対する暴力を根絶するためにも大変有益であると私は思います。
  男女共同参画社会の実現に向けて、条例の制定をはじめ、今後の担当部局の積極的なお取り組みに対し大いに期待させていただき、要望といたします。
  乳幼児医療費助成制度の拡大につきましては、中央区の財政負担、子育て支援策の区民ニーズなど総合的に判断する必要があることは、今の御答弁をお伺いいたしましても、改めて認識いたしました。しかし、さらに安心して子育てができる中央区を目指し、また、子育て世代の中央区の定住を促進する意味からも、前向きな御検討を要望させていただきます。
  以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(石田英朗議員)
 議事進行について動議を提出いたします。
 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
  お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後三時十九分 休憩


午後三時三十五分 開議

○議長(押田まり子議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。
  一般質問を続けます。十九番田辺七郎議員。

〔十九番 田辺七郎議員登壇〕

○十九番(田辺七郎議員)
 日本共産党の田辺七郎です。私は、党議員団を代表し、区政の当面する諸問題について質問します。区民の立場に立った積極的な答弁を期待します。なお、再質問、再々質問をあらかじめ留保しておきます。
  質問に先立ち、さきの台風により被害を受けた皆さん方に、また十月二十三日に発生した新潟県中越地震により亡くなられた方々と御家族の皆さんに、心から哀悼の意を表明いたしますとともに、今なお復興のために全力を挙げておられる皆さん方に、心からお見舞いを申し上げます。後ほど、我が党の鞠子勝彦議員が震災対策について質問することを申し添えておきたいと思います。
  最初の質問は、平和な世界の確立のために、区長として力を尽くすということについてです。
  今、イラクではアメリカ軍による残虐な攻撃が続けられ、多くの無辜の市民が殺害されています。改めてアメリカなどの占領をやめさせ、自衛隊の派兵延長をやめ、自衛隊を直ちに撤退させることを強く求めるものです。区長の考えと姿勢をお聞かせください。
  さて、来年二○○五年は終戦六十周年、被爆六十周年の年です。我が党は、区長並びに議長が未臨界核実験を行った国に対し、どの国であろうと抗議の書簡を送るとともに、核兵器廃絶の要請を行っていることに敬意を表するものです。
  この努力をさらに実効性のあるものにするために、二つのことを提案いたします。
  その第一は、終戦、被爆六十周年を迎えるに当たり、八八年三月に中央区議会で採択された中央区平和都市宣言を核兵器廃絶の姿勢を明確にし、非核平和都市宣言に発展させることを提案します。
  第二に、二○○五年は核不拡散条約(NPT)再検討会議が開催される年であり、五月にはニューヨークにおいて、NPT会議で核兵器廃絶条約の交渉開始のプログラムの採択を目指し、世界百九カ国、地域の六百十九都市が参加し、広島市長が会長、長崎市長などが副会長を務める平和市長会議が開催されます。五月一日には大規模な国際的な集会が開催される予定で、それへの世界の市長やNGOの参加を呼びかけています。
  矢田区長もこの平和市長会議に積極的に出席し、発言することを提案します。二つの提案に対する積極的な答弁を期待します。
  次に、定率減税の縮小廃止と消費税増税計画に断固反対し、反対の声を中央区から発することについてであります。
  今、政府は基礎年金の国庫負担分を現行の三分の一から二分の一に引き上げる財源として、現行の所得税・住民税の定率減税を廃止し、三・三兆円もの大増税を庶民に押しつけようとしています。この定率減税は、所得税額の20%(最大二十五万円)、個人住民税額の15%(最大四万円)を控除しているもので、九九年度税制改正で、著しく停滞した経済活動の回復に資するための一環として、所得税の最高税率の引き下げや法人税の税率引き下げなどとともに、恒久的減税として導入されたものです。
  この定率減税の廃止による増税率は、年収五百万から六百万円で22%と最も高く、高額所得者になるほど激減し、年収三千万円ではわずか3%になるという、文字どおり、働き世代を直撃する庶民大増税になります。
  政府はまた、年金の国庫負担率の引き上げの目的は、働き盛りの人たちの保険料負担を抑えるためだと説明しています。しかし、この世代に定率減税の縮小廃止で負担増を押しつけるのは本末転倒です。働き盛りの区民を直撃するこの大増税計画に、区長として反対の声を上げるときと考えます。区長の見解をお聞かせください。
  また、政府税制調査会と財界は、定率減税の廃止に次いで、福祉のため、財政再建のため、という口実で、二○○七年には消費税の税率を現行の5%から大幅に引き上げる議論を本格的に始めました。10%に引き上げたら、国民にとって年十二兆円の負担増です。一九八九年に3%で導入された消費税も、高齢化社会への対応を一つの理由にしていました。しかし、政府は、福祉を充実するどころか、導入後十六年間で、医療、年金、介護など、社会保障制度を相次いで改悪してきました。結局、消費税で集めた税金百四十八兆円は、法人税の減額・減収分百四十五兆円の穴埋めに使われてきたことになります。
  もともと消費税は、所得の少ない人ほど負担が重くなる最悪の大衆課税であり、福祉破壊税です。福祉の財源には最もふさわしくない税金を福祉のためなどと言って増税することなど、到底許されないことです。区長は、消費税の増税計画にきっぱりと反対の態度を表明すべきだと思います。見解をお聞かせください。
  次に、中小企業対策、雇用拡大対策について質問します。
  つい十月の初め、景況感六期連続改善という九月の日銀短観が出されましたが、庶民の実感と違うというのが私たちのまちの声であります。
  その後、十一月十六日、内閣府が発表した月例経済報告で景気判断を下方修正しましたが、「このところ、一部に弱い動きは見られるが、回復が続いている」と、依然として強気です。
  政府が描くのは、企業収益の改善、雇用の改善、家計所得の改善、個人所得の増加という景気回復のシナリオです。政府が回復に固執するのはなぜでしょうか。この判断の延長線上には、景気対策として導入した所得税・住民税の定率減税を縮小・廃止し、さらに消費税増税に道をつけようという考えがあるからです。
  しかし、輸出が好調な自動車産業など一部大企業は業況が大幅改善しているものの、全企業の99%を占める中小企業は依然低迷しているというのが事実です。さらに、七から九月期の国内総生産(GDP)速報値は、企業の設備投資の落ち込みを示しました。空前の利益を上げ、景気回復を謳歌する大企業の好調さは、輸出と人件費・調達コスト削減など、リストラ効果によってもたらされたものです。
  今回、輸出は「弱含み」へ下方修正、リストラ効果では家計所得の改善など望めるものではありません。もはや政府の描く景気回復のシナリオそのものに陰りが見えています。今、本当の景気回復のために必要なのは、庶民の懐を温め、個人消費を伸ばすことではないでしょうか。区長の見解をお聞かせください。
  我が中央区の状況はどうでしょうか。十一月十日付の中央区内景気動向調査・平成十六年十月調査結果は、景気の行き先判断DIは前回調査よりも7.0ポイント低下し、51.5となっていると述べています。調査を始めた昨年二月との比較では、現状判断では横ばいの50.0すれすれで、行き先判断ではここ三回の調査では下降線をたどり、そのうちの企業動向関連ではDIが45.8と、二カ月前の調査からマイナス9.4ポイントと激減しています。中央区の地域経済の現状も、依然として大変な状況を示していると考えます。
  そこで、二つの質問をします。
  その一つは、九五年(H七年)制定の中央区中小企業の振興に関する基本条例を改正することです。このとき、我が党議員団は、条例の制定目的は、精神的激励との説明に対し、八項目の具体的な提案を行い、修正案を提案しました。施行後十年になろうとしていますが、地場産業の振興など、具体的な目標を明確にした積極的な改定を求めます。見解をお聞かせください。
  その二は、地域経済振興に役立ち、区民からも歓迎されている区内共通買物券(ハッピー買物券)の引き続く発行と増額が求められていると考えます。見解をお聞かせください。
  次に、依然として深刻な雇用問題について質問します。
  景気回復局面で幾分下がったとはいっても、九月の失業率4.6%、失業者三百九万人と、依然として高い水準にあります。行政の積極的な対応が望まれています。
  そこで質問します。
  その一は、さまざまな自治体が独自の取り組みを強化していますが、世田谷区では産業振興部工業・雇用促進課があり、その課に雇用促進係が設けられており、地域に密着した就業支援サービスが展開され、青年の雇用にも大きな実績をつくっているようであります。我が党は、先進の取り組みを大いに学ぶべきだと考えます。また、企業の協力も得て、当区のイニシアで、職を求める青年向けの求人説明会、を組織することを提案してきましたが、その後、検討は進んでいるでしょうか、お聞かせください。
  その二に、失業者に対する公的な雇用保障として大きな役割を果たしている緊急地域雇用創出特別交付金が来年三月で打ち切られようとしています。中央区でも積極的な活用がなされ、雇用創出効果を生み出してきており、その継続を求め、積極的な行動を起こすべきだと考えます。見解をお聞かせください。
  その三に、サービス残業は労働基準法違反ですが、全国の労働者からの告発が相次ぎ、大企業も含め、未払い賃金の支払いなど、その是正が求められています。雇用問題が深刻化するもとで、区のとれる行動の一つとして、区のおしらせ中央、区のホームページにサービス残業の解消を呼びかける記事を掲載することを提案します。見解をお聞かせください。
  また、土日・休日のイベントが多いこの中央区で、職員の皆さんのサービス残業はないでしょうか。未払い賃金はないでしょうか。しっかりとお答えください。
  次に、子供の医療費助成を中学校三年まで拡大し、子育て世代へ激励と援助を進める問題について質問します。
  現行の中央区乳幼児の医療費の助成に関する条例は九三年に制定されましたが、区議会各会派の協力と区当局の決断で、当初の三歳から現行就学前まで所得制限なしで、地区の先進を進んできました。子育て世代の若い父母の皆さんからは大変喜ばれています。我が党議員団も、積極的な役割を果たしてきたことを誇りに思います。
  こうした中で、今では我が区の先進的な取り組みを乗り越えて、港区、台東区では二○○五年四月から中学校三年生まで、品川区では二○○五年一月から小学校六年生まで、北区では既に二○○四年四月から中学校三年生まで、それぞれ助成の実施あるいは検討をしていることは御承知のとおりです。これらの区の取り組みについてどのように評価されていますか、お聞かせください。
  我が党議員団は、このたび議案提案権を活用し、これまでの「乳幼児の医療費」から「子どもの医療費」と条例名の変更も含め、中学校三年生までの医療費の助成を実現するため、現行条例の修正案を今議会に提出し、議会全会派の皆さんの賛同を呼びかけています。
  若い世代が住み働き、子育てができるように、行政がしっかりと支援することは、少子化から脱する確かな力になります。健全財政を維持している中央区だからこそ、制度の拡大による後年度の負担にもしっかりこたえられると考えます。
  施策の大きな前進へ決断を求めます。見解をお聞かせください。
  次の質問は、少人数学級の実現へしっかりと行動することについてであります。
  今、子供たちの不登校やいじめ、学級崩壊、学力問題が憂慮され、どの子にも行き届いた教育が切望されているもとで、東京でも三十人学級に向かって踏み出すことが緊急の課題になっています。
  三十人学級を含む少人数学級は、既に四十二道府県で実施されており、未実施は東京都など五都県となり、このうち、石川、佐賀の両県では来年度から実施するとされています。それでも、石原都政は世論に背を向け、東京都教育委員会は「一クラス四十人が多いとか、目が行き届かないとかいうお話ですが、人数が多いか少ないかは見解の相違です」とまで言っています。本当に驚くべきことです。
  さきの決算委員会で、我が党の要求で提出された資料、平成十六年度学校別、在籍児童・生徒別学級数(二○○四年四月七日現在)調べを分析してみますと、現行の四十人学級編制では、小学校で全児童数が四千二百八十一人で百五十五学級ですが、三十人学級編制にしますと、百八十四学級へと二十九学級ふえることになります。中学校では、現行では千三百六十九人、四十一学級ですが、三十人学級にすれば、五十一学級へと十学級ふえることになります。現在、三十人以上の学級は、小学校で五十六学級、全体の36.12%、中学校では三十五学級、85.36%に上っています。現に四十人学級、三十九人学級もあります。現状の認識はどうですか、お聞かせください。
  都教委が、人数が多いか少ないかは見解の相違など、教育現場の状況を考えないことを言いながら、学習面に関しては少人数の方がすぐれていると都教委も認め、少人数指導(授業)に予算をつけています。一方で、生活集団は四十人がいいと区別しているようです。しかし、国立教育政策研究所のリポートでも、二十人以下のクラスの方が三十五人以上より、クラスのまとまりがよい、助け合って学習できるなど、プラス経験が多いと分析しています。
  区教委は、区の独立した教育行政をつかさどる機関です。プラス効果が多い少人数学級の実現へ、姿勢を明確にすべきではありませんか、お答えください。
  我が党は、この現状を踏まえ、文教委員会でも、決算委員会でも、また、ことし一月二十日に教育委員会に申し入れをするなど、少人数学級への実現へ力を尽くすことを主張してきました。中央区教育委員会事務局も、これまでの東京都主導の少人数指導への固執から脱し、三十人学級という少人数学級の実現へ積極的に発言し、都教委の姿勢を変えていくという努力を直ちに進めるべきだと考えます。見解をお聞かせください。
  第一回目の質問の最後に、環状2号線道路計画の地上化問題について質問します。
  九月二十一日開催の築地市場移転に断固反対する会において、中央区が責任をもってまとめたとする、築地市場地区の活気とにぎわいビジョンづくり委員会中間まとめが提示されました。その後、区の企画部を中心に、中間まとめの説明会は、四回のまちづくり協議会を初め、個別の説明会が続けられております。
  私は幾つかのまちづくり協議会、説明会に参加し、近隣住民の意見を聞く機会を得ました。いずれの会合でも、ことし二月時点での中央区長と区議会議長連名の石原都知事への厳しい抗議の姿勢とは打って変わり、東京都の方針に迎合して、万が一の対応だとして区が描いた環2地上化ビジョンに、強い批判と怒りの声が寄せられていました。区の理事者自身が、環2の地上化は、環境上、何もいいことはないと、どこでも言い切っているではありませんか。区長はどのようにお考えですか、お聞かせください。
  私は、さきの定例会でも、近隣住民が「地上化は絶対反対だ。もとの地下化の計画に戻せ」と声を大にして叫んでいるのに、中間まとめで万が一のためと言って地上化推進のビジョンを示したことは、区民に対する背信行為だと厳しく批判しました。今、区はその反省がありますか、お聞かせください。
  さて、私はさきに開かれた区議会関係委員会で配付された資料、中間まとめの地域への説明状況について、特に十月二十四日、月島第二小学校体育館で開催された勝どき・豊海連合町会の呼びかけによる説明会での発言、意見を紹介しながら、区の姿勢を改めて問いたいと思います。
  まず、指摘したいことは、この日の、主な質疑と題する記述のことです。ここに参加して直に見聞きした人に見せると、「こんな報告が区の公式の記録として出されているとすれば許せない。全く間違ったメッセージを、区長、区議会にも、区民にも送ることになる」とカンカンです。怒るのはもっともだと思います。区長はこの日の質疑について聞いていましたか、お聞かせください。
  この日は約百三十人の住民が参加をし、二十人ほどの人が熱い思いを述べました。その一部を紹介しましょう。
  勝どき三丁目の住民は、「道路計画地の周辺は、静かなまちで売ってきた。新しいマンションに住んでいる人たちも、静かなまちだから住むようになった人が多い。環2の地上化でうるさいまちになる。窓を閉めるまちにしてくれるな」と発言。会場からは多くの拍手が寄せられました。
  豊海町の住民は、大きな手づくりの大気汚染、二酸化窒素調査マップを示しながら、「中央区の市民団体が、年二回、二酸化窒素の測定をしているが、晴海通りの沿道の汚染はひどく、基準値をはるかに超えている。地上化計画地周辺は、今は比較的きれいだが、環2が地上化し、車が一日五万ないし六万台も通れば、大気汚染は一挙に悪化する。環2の地上化には断固反対する」との発言に、会場は大きな拍手に包まれました。
  さらに、近隣住民からは、「住民の反対の声をバックに、区は反対の姿勢を貫くべきだ」、さらに、「道路計画で私の家がなくなる。道路の整備とまちの整備は分けて考えるべきだ」、さらに、「区は環2の地上化は反対だと言いながら、地上化の絵をかいている。自己矛盾ではないか」など、都と区の地上化計画案に批判の声が相次ぎました。
  こういう発言がたくさんあったのです。区議会への報告の「主な質疑」に、今、私が述べたことが一言でも記述されているでしょうか。出席した住民が怒るのは当たり前ではないでしょうか。区長には、まちの声が正しく伝わっていないと考えます。見解をお聞かせください。
  さらにお聞きします。中央区の示す環2関連ビジョンによる道路、橋梁建設費、現住宅、ビルの用地買収費、新たなビルの建設費など、総予算の見積りはどれほどでしょうか。また、東京都の描く環2の地上化と当初の地下化とのそれぞれの総予算をどう見積もっておられますか、それぞれ明確にお示しください。
  次に、プロポーザル方式による、築地市場地区の活気とにぎわいビジョンづくりに関する調査の委託契約についてお聞きします。いつ、どのような委託仕様書を示し、どのように指名業者が選定され、どのような経過で委託業者が決まりましたか。また、契約金は幾らですか。この中で、環2の地上化については、どのように扱われていますか。それぞれ正確にお示しください。
  最後に、今、中央区のとるべき道は住民の反対の声を力に、区は地上化反対を貫くべきだということであります。改めて区長の姿勢をお尋ねします。
  以上で、日本共産党中央区議会議員団を代表しての、私の第一回目の発言を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 田辺七郎議員の御質問に順次お答えいたします。
  初めに、イラクへの自衛隊派遣についてであります。
  ことし一月のイラクへの派遣計画では、十二月十四日が派遣期限となっております。現在、イラクではアメリカ軍等がファルージャへの総攻撃を行っており、マスコミ報道によりますと、バグダッドなど、他の都市においても攻撃が行われているとのことであります。自衛隊の派遣延長につきましては、イラクにおけるこれらの状況に対する見きわめと、人道的支援継続への現地の期待に対する配慮などを総合的に判断する必要があると考えますので、国会での審議などを注意深く見守ってまいりたいと存じます。
  次に、本区平和都市宣言についてであります。
  平和都市宣言は、核兵器の廃絶は当然のこととして、兵器の種類を問わず、地球上から戦争がなくなり、世界の恒久平和が実現することを願って行ったものであります。このようなことから、宣言に非核をうたうまでもなく、これまでいかなる国の核兵器に対しても直ちに抗議するなど明確な意思表示をしてきたところであります。
  また、平和市長会議につきましては、これら幅広い積極的な活動を通して、会議に出席しなくても、平和を願う強い思いは十分表明できているものと考えております。
  次に、定率減税の縮小・廃止と消費税についてであります。
  所得税、住民税の恒久的減税のうち、定率減税部分の段階的廃止につきましては、政府税制調査会において議論が行われてまいりました。恒久的減税は、景気浮揚策の一環として、平成十一年度から導入されたものでありますので、その見直しに当たっては、当然景気の回復が前提となるべきものと認識しております。十一月十六日に発表された国の月例経済報告では、一年五カ月ぶりに基調判断を下方修正するなど、予断を許さない経済状況でありますので、景気に悪影響を及ぼすことがないよう、今後、国において十分な検討と議論が行われる必要があると考えております。
  また、消費税につきましても、少子高齢社会が進展する中で、社会保障などの公的サービスを安定的に支えるための税として、さまざまな議論がなされておりますが、そのあり方につきましては、国・地方の税財政構造全体の中で慎重に検討されるべきものと考えております。税の問題は区民生活や区内商工業者の経営に大きな影響を及ぼすものでありますので、景気動向等を注視しながら、区議会とともに行動し、適切な対応をしてまいりたいと存じます。
  次に、中小企業対策、雇用対策についてお答えいたします。
  まず、景気回復における個人消費の拡大についてであります。
  本格的な景気回復を国民が実感するためには、GDPの約六割を占める個人消費の伸びが欠かせないものであります。個人消費につきましては、本年十一月の内閣府が発表した月例経済報告では、引き続き緩やかに増加しているとされておりますが、まだまだ予断を許さない状況にあります。しかし、十月の本区景気動向調査においては、家計動向関連の現状判断及び先行き判断の指数、DIは、それぞれ53.0、57.0と横ばいを示す50を上回っていることから、今後とも個人消費の伸びに期待が持てるものと考えております。
  次に、本区中小企業の振興に関する基本条例についてであります。
  本条例は、中小企業の振興について、基本となる事項を定めることにより、その基盤の強化及び健全な発展を促進し、もって区内の産業の振興と調和のとれた地域社会の発展に寄与することを目的として、区議会の議決を経て平成七年に制定したものであります。
  条例の内容につきましては、その性格が基本条例であることや、中小企業関連事項については民間の主体的な活動によることが肝要であることから、努力義務を中心に定めることが適当でありますので、当面条例改正については考えておりません。
  また、区内共通買物券、ハッピー買物券につきましては、販売状況及び財政規模等を踏まえ、区内の消費を刺激する視点からは、現行の三億三千万円規模が適当であると考えております。
  次に、雇用問題についてであります。
  若年者の雇用対策につきましては、各自治体で地域実態に応じた取り組みが行われているものと認識しております。本区におきましては、区内に高等学校や大学が少ないことから、独自に若年者向けの求人説明会を実施することは困難であると考えます。本区における支援策につきましては、今年度、日本橋地区問屋街と文化服装学院との産学連携の一つとしてインターンシップが行われ、現在七人の学生の就職が内定したとのことから、このような動きを踏まえ、どのような施策が効果的か、引き続き検討してまいりたいと考えます。
  また、国の緊急地域雇用創出特別交付金制度につきましては今年度が最終年度となっておりますが、平成十七年度には地域の特性に応じた地域主導の雇用対策事業が予定されているとのことであります。
  次に、賃金不払い残業、いわゆるサービス残業についてであります。
  賃金不払い残業は労働基準法に違反する、あってはならないものであります。国においても、十一月を賃金不払い残業解消キャンペーン月間として、その解消に積極的に取り組んでおります。
  賃金不払い残業の問題につきましては、今後関係機関と協議の上、必要に応じ区のおしらせ中央への掲出も考えてまいります。また、労働行政機関とは日ごろから連携を図っており、区のホームページでもリンクを張っております。
  なお、本区につきましては、土曜日、日曜日の勤務を含め、所定の手当を支給しているところであり、いわゆるサービス残業はないものと認識しております。
  次に、乳幼児医療費助成の拡大についてであります。
  乳幼児医療費の助成については、乳幼児に係る医療費の一部を助成することにより、乳幼児の健全育成と保健の向上に寄与することを目的としたものであります。この助成制度については、現在二十三区中四区が対象児童の年齢を拡大しておりますが、こうした措置は人口回復あるいは乳幼児人口の減少に歯どめをかけるなど、それぞれの区が置かれた背景を踏まえたものと思われます。
  一方、本区におきましては、さきに述べた四区とは異なり、人口の大幅な増加、とりわけ三十歳代の子育て世代と乳幼児数が大幅に増加し、保育園や学童クラブ待機児の解消が急務となっております。また、母親の就労時間が長くなり、保育園の保育時間延長を望む声も年々高まってきております。こうした状況を踏まえ、当面、本区におきましては、子育て支援策の中で、より緊急性の高い施策に財源を配分することが保護者の要望に沿うものであると考えております。
  次に、環状第2号線地上化計画についてであります。
  まず、環状第2号線の環境への影響についてです。
  環状第2号線の地上化は、地下方式と比較して、環境面で悪化につながるものと考えております。とりわけ東京都が本年一月に公表した都市計画素案では、勝どき地域において道路線形が不自然な形状であるとともに歩道幅員が狭くなっており、交通渋滞や大気汚染の増大などが懸念されます。
  次に、ビジョンに対する批判についてであります。
  このビジョンは環境問題をはじめ、さまざまな問題を有する都の案が強行されることのないよう、区民生活に責任を有する自治体として、あらゆる可能性に備えて取りまとめたものであり、背信行為との御指摘は当たりません。
  次に、説明会での質疑についてであります。
  このビジョンについては、御指摘の十月二十四日の説明会のみならず、各地域のまちづくり協議会や町会への説明、築地場外市場商店街振興組合をはじめとする関係団体、さらには個別のマンション自治会など、きめ細かな説明を行っております。この中では、御批判の声のみならず、ビジョンが机上の空論にならないよう、区が主体的に行動することに対する支持の声も多いと承知しております。また、区議会に対しても、一度の説明会の結果に偏ることなく、幅広く地元での説明状況について報告しているところであります。
  次に、ビジョンにおける総予算についてであります。
  環状第2号線について、都はその経費を明らかにしておりません。なお、築地から晴海までの路線を地下式で行うよりも、地上化した場合の方が工費は安くなるものと考えられます。また、このビジョンについては、地域の将来のあり方について議論していくためのたたき台であります。再開発事業の区域や、道路事業の範囲によって事業経費は大きく変わるため、現段階でその試算は行っておりません。
  次に、このビジョンづくりに当たっての委託契約についてであります。
  この契約の仕様書において、委託の目的で環状第2号線地上化の動向などを踏まえるとしているほか、主な検討項目において、銀座、築地、勝どき、豊海、晴海を含むまちの将来像を考えているところであります。この仕様書を本年四月十六日にプロポーザル参加事業者に示し、区職員による企画書の審査を行い、最もすぐれた提案を行った事業者と契約を行ったものであります。この契約金額としては、一千四百九十八万四千五百六十二円となっております。
  次に、中央区のとるべき道についてであります。
  環状第2号線地上化は、築地市場の豊洲移転問題と一体のものであります。これらの問題に都が極めて強引で強硬な姿勢を示す中で、あらゆる可能性に対応できるような備えをすることが、地域に責任を有する自治体としての役割であると考えております。このため、この中間まとめをもとにして、地域の方々からも、あらゆる機会を通して幅広く御意見をいただき、議論を重ねてまいります。また、区議会とも相談の上で、時期を失することなく都とも交渉を行い、よりよいまちづくりを主体的に実現してまいります。
  私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平野純一君登壇〕

○教育長(平野純一君)
 教育問題についてお答えします。
  学級の児童・生徒数等についてのお尋ねです。
  適正な学級規模を何人とするかにつきましては、大変難しい課題であると認識しております。児童・生徒が社会性を養うための観点から、生活集団としての学級には一定の規模が必要です。一方、一人一人の児童・生徒に応じた指導は重要であり、学習の場面によっては、少人数での指導により、理解が進み学習意欲の高まりも見られます。
  本区では、こうしたことから、都教育委員会が進めているTTでの指導、少人数での課題別や習熟度別のグループ学習など、指導形態の工夫を通して、今まで以上にきめ細かい授業を行うよう、各学校に指導しております。
  今後とも子供たちにとって、魅力があり、わかる授業の工夫を行うとともに、加配教員の拡大について、引き続き、教育長会を通して都教育委員会に要望してまいりたいと考えております。
  答弁は以上でございます。

〔十九番 田辺七郎議員登壇〕

○十九番(田辺七郎議員)
 残された時間、私の分担が余りありませんので、絞ってお尋ねをいたしたいと思います。
  一つは子供たちの医療助成の拡大の問題であります。
  今、区長がいろいろ述べられましたけれども、本区は人口の増加によって三十代の世代がふえているということで、さまざまな施設面での整備が求められている、そちらにお金もかかるのだと、こういうふうなお話であります。しかし、こういう世代がふえているからこそ、そして、その世代がこれからも中央区に住み、働き続けてもらう、そういうことが必要でありますから、その理由をもってしても、やはり中学校三年生までの医療費の助成の拡大が、今、求められていると、こう考えております。
  私たちも、先ほどお話ししましたように、条例の提案も行っておりますし、各党の協力も得て、ぜひこれを実現し、予算化の措置もやっていきたいと、こう考えております。引き続き、皆さん方の御協力をお願いしたいと思います。
  それから、少人数指導の固執から脱皮して少人数学級の実現へという我が会派のこれまでの提案でありますけれども、今、教育長が何人にするかは大変難しいということを言い、そして、今、TTの指導だとかで今まで以上にきめ細かな指導を行っていきたいんだと、こう言っております。しかし、根本は、少人数学級を実現していくということがやはり真ん中に座らなければならないと思うんですね。なぜそうなのか。なぜそういう考えから脱し切れないのか。既に、四十七都道府県のうち四十二が実施をする。さらに二県が加わる。こういう状況です。東京都はこうした少人数指導という、それはもはや孤立をしてきたという状況でありますから、我が中央区の教育委員会も東京都の教育委員会のさまざまな圧力に屈することなく、堂々と少人数学級の実現、このことを強く要求して運動を進めるべきだと、このことを申しておきたいと思うんです。もう一度、教育長の答弁を求めたいと思うんです。
  それから、環2の問題であります。
  今、区長が答弁になりましたけれども、ビジョンの内容をいろいろ話していくと、激励も多い、こういうことも言われましたけれども、その前提になっているのは、あのビジョンでいろいろ絵をかいておりますけれども、その説明を一生懸命、区の当局がやっておられますね。これが最良の道なんだということです。しかし、その前提になっているのは、地上化によって何もいいことはないんだ、環境上何もいいことはないんだということを繰り返して言っているではありませんか。今でもそう考えておられるでしょう。区長さんも、先ほどもそのことに触れられましたけれども、やはりそこのところをきちっと真ん中に据えて、この問題に対応していかなければならないだろうというふうに思います。
  それで、東京都は工費を公表していないと、こう言っておりますけれども、しかし、現場では区の幹部職員の皆さん方が地上化と地下化ではどれほどの総工費が違うんだということを説明しているではありませんか。改めてどういう説明をしているかお聞かせをいただきたいと思うんです。
  それから、たたき台として示したのであって、費用の計算をしていないということでありますけれども、これは大変無責任なことではないでしょうか。道路をさらに拡張する、四車線から六車線に拡張することによって、さらにマンション、それからビル、買収費がもっともっとふえるわけでしょう。そういうことが果たして実現できるのかどうか。そういういわばバラ色の絵を示しながら、この道路計画地上化を進めようというところに、今、問題があるんだというふうに思うんですね。ですから、たたき台だからといって総工費を計算していないというのは、極めて無責任ではないのかなと思いますので、当然、これは担当部局で計算をされておると思いますので、きちっとお答えをいただきたい、こういうふうに思います。
  二回目の質問をこれで終えて、三回目の質問に時間を残しておきたいと思います。よろしくどうぞお願いします。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 子供の医療費助成の問題ですね。これは他の、もちろん実施する区が四区ほどあるわけですから、そういう自治体に対しては、その努力に心から敬意を表しているところでございますが、やはり子育て支援は、今、一番と言っていいほど国にとっても、本区にとっても重要なものでございまして、これは本当にすべてやりたいんですよね。
  ただ、優先順位がやはり先ほど答弁させていただきましたけれども、アンケート等々いろいろ、お子様をお持ちの皆様方の気持ちに沿ったものを行おうということでございまして、もちろん医療費助成もお願いするという声はあるであろうとは思いますけれども、優先順位、やはり保育園の数をふやしてくれ、あるいは時間延長の問題とか、そういった施策、また本区の財政事情等々、こういうものも勘案しながら、バランスのとれた、そして区民に、お子様をお持ちの皆様方に喜んでもらえる施策を展開していく、こういう観点から進めているところでございます。
  それから、環2の問題。これは築地市場の移転と環2の問題ですね。これは前回の区議会でも田辺議員は質問されたわけでございまして、前回は議会軽視だ、議会軽視だというふうに大きな声を出されておりましたけれども、議会軽視では決してございませんからね。今回、なぜか全然触れられませんでしたけれども、これは前回も言いましたとおり、現在地で築地市場が整備される、これが一番いいんですよ。そして、地上化ではなくて地下化でいく、これが一番いいに決まっているんです。これがいい。しかし、我々は事業者ではない。東京都が事業者で、東京都が勝手に絵をかいてきているわけでしょう。それを強引にやろう、強硬にやろうという姿勢、これは変わっていないわけでしょう。
  第一線行政である我々としては、それは看過できない、見過ごすわけにいかないわけですよ。あそこを売っ払おうというわけでしょう、23ヘクタール、23万平米。これも看過できない。だから、たたき台として、とりあえずのビジョンとして、あそこに1万平米ほどの鮮魚マーケットあるいは駐車場等を設けていこうではないか、そのことがこの地域のためにも、またプロの店の方々も来られるような、そういう鮮魚マーケットをつくろう、そのことが、最善ではないんですよ。最善はあそこで築地市場がしっかりとやっていただくことなんですけれども、本当にベター、少しでも役に立つようにということで、行う。
  また、地上化も同じなんですよ。環2の問題。これも、環境にいいことは全然ないんじゃないですか。だから、本当は地下化でやればいいんだけれども、あの東京都の案、ごらんになりましたか。あれのままやられたら、たまらないでしょう。だから、少しでも勝どきの皆様方、関係する地域の方々に喜んでいただけるようなものをつくっていかなければならない。万々が一の対応というのを、責任ある自治体は考えなきゃいけないでしょう。無視していいんだというならば、無視していいんですか、本当に無視しちゃって。そうじゃないでしょう。これを勝手にやられたら、大変なことになるんですよ。東京都が一方的に強硬に、強引にやられたら、どうなんですか。苦しむのは住民ですよ。地域の方々ですよ。だから、そうは許しませんよという姿勢を示し、たたき台として出しているわけでございまして、あれに区議会をはじめ、地域住民の皆様方、関係者の皆様方――関係ない人でもいいんですよ、いろいろ、こうすればもっとよくなるじゃないかという声をどんどん出していただいてやっていこうと。
  予算等につきましては、大ざっぱ過ぎるんですよね、東京都が出しているのは。何しろ移転だって八年から十二年後というわけでしょう。八年から十二年後なんて、今ごろになってもまだそんな大ざっぱな案。
  計算については担当理事者から答弁いたさせます。
  以上でございます。

〔企画部長 吉田不曇君登壇〕

○企画部長(吉田不曇君)
 私の方から、経費についてお答えをさせていただきます。
  東京都が昨年の十二月に公表いたしました地上化案というものについて、経費を東京都は公式に出しておりませんけれども、??間言われているところは、従来の地下案に比して、地上化案になった場合においては、総事業費において七百億から八百億安くなっているのではないかということを言われているわけでございまして、これらについて今後どういうふうな形で東京都が都市計画の案というものを整理してくるかによって、またこの経費については変わっていくことだろうというふうに考えているところでございます。
  それから、私どものビジョンの案についての経費の見積りでございますが、これは現実の問題として、あそこの勝どき地区におきます、具体的な名前を申し上げれば、例えば住友生命ビルの北館、南館、こういったものについて、実際に道路事業でこれを対象として組み入れていくのか、それから、再開発事業の中で、例えば北館については再開発事業の中に組み入れるのか、そういう区域の問題等の整理がまだ最終的に終わっておりませんので、当然その区域の問題、分担を含めて事業費の計算はできないわけでございます。
  議員はバラ色の絵ということでございましたけれども、これは現実に区長も申し上げたとおり、苦渋に満ちた選択の結果の絵でございますので、これらについて、現実の問題として、道路事業と再開発事業の分担の中で、苦渋の絵ではございますけれども、実現性という問題については基本的に問題がないと思っております。ただ、その事業費を最終的に整理する計算まではできていないというのが現状であるということでございます。
  以上でございます。

〔教育長 平野純一君登壇〕

○教育長(平野純一君)
 教育問題についての再質問に御答弁申し上げます。
  先ほども御答弁を申し上げましたが、適正な学級規模と申しますか、一つのクラスを何人の児童・生徒で編制をした方が教育効果等々を含めて重要かということにつきましては、議員が質問の中で使われておりますような国立教育研究所におきましても、非常に悩んでいるということを聞いているわけでございます。
  そのレポートの中におきましても、適正な学級規模を何人とするかは、学級の誕生以来、古くて本当に新しい課題であるというふうに書いてございますし、また、それ以外の同研究所の調査によりましても、少人数指導の教育効果に関する調査を行っておりまして、その調査の中でもいろいろなタイプに分けてやっているわけでございますが、なかなか結論が出にくいというような調査結果も出ているわけでございます。
  私ども二十三区の教育長会におきましても、この問題はいろいろ議論をするわけでございますが、やはり区によりまして、かなり学級が三十人を割っているという区もございますし、一つの回答にはならないわけでございます。
  先般、教育長会におきまして、東京都の担当者が来ましたので、この話も出してみましたが、東京都におきましてはやはり四十人が適正だと。そこへTTなり少人数指導を組み合わせてやっていくというようなことの話があったわけでございます。
  引き続き、いろいろな面から私どももまた検討を重ねていく、話し合いを続けていくということになります。
  以上でございます。

〔十九番 田辺七郎議員登壇〕

○十九番(田辺七郎議員)
 子供の医療費の拡充の問題につきましては、条例提案をしておりますから、その際に財源も明らかにして示してまいりたいと思います。
  環2の問題でありますけれども、やはり断固反対、地下化に戻せという立場で区は積極的な取り組みを行うべきだろうと、こう思います。万々が一ということではなくて、今、区民の声をしっかりと生かしていくときだと、こう思います。(拍手)

○議長(押田まり子議員)
 次に、二十番鞠子勝彦議員。

〔二十番 鞠子勝彦議員登壇〕

○二十番(鞠子勝彦議員)
 日本共産党の鞠子勝彦です。私は日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。なお、再質問、再々質問をあらかじめ留保しておきます。
  私は震災・防災に絞って質問します。
  十月二十三日に発生し、震度六から七の強震を記録した直下型の新潟県中越地震は大きな被害をもたらしました。
  私の妻の実家も長岡市にあり、妻は親の介護で帰省中に震度六の強震に遭いました。激しい揺れが襲い、立っていることもやっとの状態で、何とか急いで両親を介助し、家の外に避難しました。実家の建物に大きな被害はありませんでしたが、余震が頻発し、恐怖感から家の中にはとても戻れない状況でした。近所の人たちと同様に、車中避難生活が数日間続きました。ガスは不通状態が一週間以上続きました。市内の中ではライフラインの被害が比較的小さく済んだ数少ない地域でした。
  私も、地震発生後二回、長岡市に行き、我が党が長岡市に設置した新潟県中越地震救援センターで、十一月五日には救援ボランティア活動に参加しました。市内で地滑りが多く発生している丘陵地の広がる地区で、救援物資配付・片付け隊活動に加わりました。その地区では、新築や見かけ上は損傷が見られない家屋でも、家屋診断結果の「危険」「要注意」の張り紙が張ってある家が多く見られました。住民の方が案内してくれましたが、基礎となる地盤そのものが、がけ側の方に大きく崩れ、基礎部分に大きな空洞が入っていました。この地区では毛布、卓上用コンロボンベ、新鮮な野菜、果物などが特に喜ばれました。そうしている間にも強い余震が発生し、皆が一斉に外に飛び出してきました。一刻も早い復興と生活再建を心から願うものであります。
  こうした中、十一月十七日、政府中央防災会議の首都直下地震対策専門調査会、地震ワーキンググループは、首都圏で想定される十八の直下型地震の震源と、地震が起こった場合の震度分布に関する報告書をまとめました。二十三区を中心に見ると、地震によっては都心の一部で震度七となること、二十三区の大部分で震度六強となること、軟弱地盤の多い湾岸地域では特に激しく揺れるという結果であります。中央区もその地域に含まれています。また、ほかの震源での地震では、高層ビルなどに影響を及ぼすとされる長周期の地震動が東京など堆積層の厚いところで強まるとする結果も示されました。高層マンションなどが急増している中央区内での被害が懸念されます。
  そこで、最初にお聞きします。
  政府中央防災会議の報告と、新潟県中越地震の教訓について、区長の見解をお答えください。
  この政府中央防災会議報告の指摘と、新潟県中越地震の教訓から、当面中央区の震災・防災対策の強化に生かすべき問題について質問いたします。
  一番目に、中央区として、東京都やほかの区と共同した現地での多角的な調査を行うことを提案します。区や都との連携した防災活動の改善、強化にとっても重要なことだと思います。見解をお答えください。
  二番目は、避難の長期化と多様性、それに伴う問題点についてであります。
  中越地震は直下型で余震が長期間続き、地盤の特質から、地盤の移動や崩壊などの被害が大きいという特徴があります。そのため、宅地や建物、ライフラインに大きな被害を与え、その復旧のおくれ、避難生活の長期化も招いています。余震が頻発したことで、ともかく屋根の下にいるのが怖いというのが多くの人の実感でした。自治体が指定した避難所以外のところで自然発生的な避難所が生まれ、自動車の中での避難や、それぞれの人が自分たちで見つけた場所などです。指定避難所では、避難の長期化で精神面のストレスや体調を崩すなど、被災者の健康悪化が生じました。車中の避難では、いわゆるエコノミークラス症候群での死亡者が生まれました。指定避難所以外の多くの避難場所への支援は立ちおくれました。
  中央区には、超高層や中高層マンションが多数あります。高層階での揺れは、低層階よりも強くなると言われていますが、震度六や七の地震で実際にどの程度の揺れになるかは、全く未知のことであります。強い恐怖感を呼ぶ揺れを感じれば、建物自体に被害がなくても、多くの住民は建物内にとどまることよりも、外に出て、別の避難場所に向かうことが考えられます。中央区の対策では、高層マンション住民は建物被害が少ないので、マンション内にとどまることを前提にしています。
  そこで、提案します。
  避難生活の長期化を前提にした被災者の支援体制を確立すること。車中避難や指定避難場所以外の空き地などに自発的に形成される事実上の避難所など、多様な避難状況を想定した支援、医療、保健体制を確立すること。中央区の防災対策を高層マンション住民がマンションの外に避難することを想定した内容で再検討し、避難態勢の強化を図ること。被災者のメンタルヘルスを含む健康管理の強化。そのため、医師をはじめ、看護師、保健師、ヘルパー、カウンセラーなど、医療保健スタッフを避難所ごとに常駐配置するなど、医療保健体制をさらに抜本的に強化することなどが求められています。見解をお答えください。
  三番目は、災害弱者への対策の強化についてです。
  中越地震でも、震災前に在宅介護や介助を受けていた高齢者が避難所から戻る際のケアについて、問題が生まれています。生活不活発病への対応です。厚生労働省は、新潟県に対し、生活不活発病対策について通知したとのことです。避難所となっている体育館などでは、自宅にいたときに比べ、体を自分で動かす機会が激減し、やがて避難所内の階段の上り下りも困難になってしまう例も生まれています。こうした事態を避けるためにも、避難所でのケア体制の充実強化が必要です。見解をお答えください。
  四番目は、コミュニティを維持した仮設住宅づくりについてです。
  中越地震では、仮設住宅での高齢者などの孤独死が多かった阪神・淡路大震災の教訓を生かして、コミュニティを維持した仮設住宅がつくられています。長岡市は全市を七つの地区に分け、地域ごとの入居を推進しています。また、デイサービス機能も備えた在宅サービス施設建設も予定されています。運営は社会福祉法人に委託するとのことであります。
  中央区の対策では、在宅の要介護高齢者などは特別養護老人ホームや老人保健施設などで最大限受け入れるとしています。しかし、それだけでは対応できない事態も考えられます。長岡市の事例に学んで、中央区でも同様の対策が必要だと思います。それぞれ見解をお答えください。
  五番目は、ガス、水道、電気など、ライフラインの復旧のおくれを想定した防災備蓄品の種類、内容の再検討についてです。
  中越地震では卓上コンロとガスボンベについての要望が強かったとされています。しかし、当初は十分な量が確保できず、各地からの救援物資への要望が強く出された備品の一つです。中央区の防災拠点配備資機材には含まれていません。卓上コンロも含め、防災備蓄品の見直しをすべきだと思います。お答えください。
  六番目は、ライフラインのうち、上下水道の耐震性強化と河川水利の積極的活用についてです。
  中越地震では特に下水道が問題となりました。長岡市では、上水道が開通しても、下水道の復旧がおくれ、下水処理能力の不足が生じているため、市では市民に飲食以外の水の利用は控えてほしいと節水を呼びかけています。上水道については、二○○三年九月の厚生労働省調査では、浄水場や基幹施設の耐震化率は23%、基幹の水道管ですら、13%に過ぎません。上水道でもこうした実態であります。
  そこで、お聞きします。
  中央区内での上下水道の耐震強化はどこまで進んでいるのか、お答えください。上下水道の耐震性強化を急ぐべきであります。災害時の生活用水の供給のため、隅田川など、中央区内の河川の積極的利用を具体的に検討すべきです。リバーシティなど高層住宅街では、ライフライン途絶が長期化した場合、建物内での居住は困難であります。そうした事態を想定した対策の強化を図るべきであります。お答えください。
  七番目は、災害発生時の防災オープンスペースの計画的確保についてであります。
  そのために、企業の遊休地を公園などオープンスペースの積極的転用を図るために、企業に協力を求めること、廃止された労働スクエア東京、区外への移転が決まっている日本橋高校、勝どき地区にある都立墨田工業高校分校などの跡地の利用を図ることなどを検討すべきです。防災の観点からコミュニティ施設を併設した防災オープンスペースとして活用することを東京都に強く求めるべきだと思います。お答えください。
  八番目は、地域防災の最前線の役割を果たす消防団の活動拠点となる本部、詰め所の整備推進についてであります。日本共産党都議会議員団の調査では、全都の消防団の本部施設は、一九六分団で未整備です。中央区では、この本部詰所を消防団の地域活動センターと呼んでおりますが、区の調査では十八分団のうち、分団共有を含めて、七分団で六カ所しか整備されていません。中央区としても、東京都と協力して整備を急ぐことがぜひとも必要だと思います。お答えください。
  九番目は、区内住宅の耐震補強対策です。
  中野区では、耐震改修促進の対策として、耐震改修をした古い木造アパートが震度六強までの地震で全壊した場合、その改修費と同額を区がアパート所有者に支払う制度を今年度中に実施することを決めました。耐震改修に努力した人に報いることで、耐震化の促進を図り、新制度で耐震化が進めば、震災後の復旧費用も減らせるという考えです。このほか、六十歳以上の区民を対象に、手持ち資金がゼロでも、不動産を担保に住宅金融公庫から融資を受けて、自宅の耐震改修ができる制度の導入をいたします。返済は、死亡後に相続人が一括返済するか、担保売却で返却するというものであります。中央区でもこの制度の導入を検討すべきだと思います。それぞれ見解をお答えください。
  以上で第一回目の質問を終わります。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 鞠子勝彦議員の御質問に順次お答えいたします。
  初めに、政府の中央防災会議報告と新潟県中越地震の教訓に関する見解についてであります。
  同報告及び中越地震の被災状況を見ますと、首都圏直下地震の発生が危惧されている今日、震災から区民の生命や財産を守り、都心の重要な機能を確保するためにも、区民の皆様をはじめ、防災関係機関との連携を一層緊密にして、これまでにも増して防災体制の強化を図っていく必要性を痛感しております。区では、既に部長以上の全職員が出席して、新潟県中越地震を踏まえた今後の防災対策について再点検の視点を決定し、必要な見直しを行うことにしております。これら再検討の視点等を踏まえ、順次お答えします。
  まず、中越地震の東京都や他区との共同調査実施のお尋ねであります。
  現在、東京都ではこの検討に入っていると伺っておりますので、本区もそうした機会を活用して、ぜひ調査に参加し、今後の防災対策の参考にしたいと考えております。
  次に、避難の長期化等に伴う問題点、災害時要支援者への対策強化についてであります。
  中越地震では、震度七の本震後も震度六の地震だけでも四回を記録するなど、余震の長期化が大きな特徴でした。そのため、避難住民も強い余震を警戒し、自宅に戻ることができず、避難所生活が長期化しました。避難生活の長期化は、避難者にとって精神的、肉体的負担が増大するのも確かです。今後は避難所生活も快適性の確保についても検討してまいります。
  また、車中や空き地など、指定避難所以外への支援、医療保健体制の確保につきましては、防災拠点運営委員会などと連携し、正確な避難場所、避難者数の把握に努めた上で、的確な対応をしてまいります。
  高層マンション住民への対応につきましては、家具類の転倒防止や水、食料の備蓄、生活用水の確保などを徹底することにより、できる限り自宅にとどまっていただくことを基本とし、あわせて自宅外へ避難することも視野に入れた検討を行ってまいります。
  避難所における医療体制の抜本的強化につきましては、被害の状況に応じ、都を通じてスタッフの派遣要請を行うとともに、積極的に民間医療ボランティアの協力を求めるなど、状況に応じた体制構築を図ってまいります。
  廃用性症候群、いわゆる生活不活発病予防対策につきましては、医師会や医療ボランティアの協力を得て、各避難所でのケアや啓発、指導の徹底を図るなどの措置を講じてまいります。
  次にコミュニティを維持した仮設住宅づくりと防災備蓄品の種類、内容の再検討についてお答えいたします。
  阪神大震災では、希望者が多かったこともあり、仮設住宅への入居者を抽選で決定したため、旧来のコミュニティが崩れ、高齢者の孤独死などが発生いたしました。この経験を踏まえ、中越地震ではコミュニティ単位での仮設住宅への入居が検討されております。過去の教訓が生かされたよい例だと考えております。
  本区の仮設住宅建設につきましては、地域防災計画の中で建設予定地として、あかつき公園ほか五カ所を指定しております。地域的には京橋地域一カ所、日本橋地域二カ所、月島地域三カ所となっておりますが、入居に当たりましては、地域コミュニティの確保に十分配慮していく所存であります。
  また、在宅の要介護高齢者につきましては、特別養護老人ホームや老人保健施設のほか、公設のデイサービスセンターなどの区施設に積極的に受け入れを行っていきます。さらに、区内三カ所にある民間のデイサービスセンターについても受け入れを働きかけてまいります。
  次に、防災備蓄品の種類、内容の再検討につきましては、指定避難場所以外の避難者への対応、高齢者など、災害時の要援護者への対応など、中越地震の検証結果などを踏まえ、必要なものについては見直しをしてまいります。
  次に、上下水道の耐震性強化と河川水利の積極的活用であります。
  上下水道につきましては、水道局において老朽化した配水管、給水管のダクタイル鋳鉄管などへの取りかえを実施してきた結果、都内全域の更新率は99%となっておりますが、継手の耐震化は現在整備途上であり、早期に実現するよう、東京都へ要請してまいります。
  下水管につきましては、現在、下水道局において特に災害時の避難場所となる防災拠点周辺から順次耐震化を進めております。本区の防災拠点につきましては、二十一カ所のうち、今年度中に十五カ所、率にして70%が耐震化される予定となっており、残る六拠点についても早期に実現するよう、東京都へ要請してまいります。
  生活用水としての河川水の利用につきましては、本区周辺の隅田川などは河口付近のため、塩分濃度が高く、必ずしも生活用水として適しているとは言えません。区では防災拠点を中心に、二十二カ所の防災用井戸を整備しており、河川水を利用しなくても十分に対応可能であると考えております。
  高層住宅における上下水道対策につきましては、各家庭において飲料水や生活用水の確保、簡易トイレの備蓄をお願いするとともに、水道、下水道の各事業者との連携を図りながら、対応を検討してまいります。
  次に、災害発生時のオープンスペースの確保であります。
  まず、企業の遊休地の積極的な活用についてであります。
  オープンスペースを確保することは、災害時に被害の拡大を防ぐために有効であると考えております。区では、これまでも大規模開発において事業者に空地の確保を積極的に働きかけてきたところであります。今後必要に応じて企業遊休地のオープンスペースとしての活用についても働きかけを検討してまいります。
  次に、都有地の防災オープンスペースとしての活用についてであります。
  公共用地の確保が困難な都心において、労働スクエア跡地をはじめとする都有地は、貴重なオープンスペースであります。このため、本区ではこれまでも国有地や都有地について安易に売却することなく、公共の福祉への活用を優先するよう要望しているところであり、今後とも御指摘の点も含め、都有地の適切な活用を働きかけてまいります。
  次に、消防団の活動拠点となる本部の整備推進についてお答えいたします。
  地震などの大災害が発生したとき、何よりも大切なことは自分の命は自分で守る、自分たちのまちは自分たちで守るという地域ぐるみの防災意識であり、日ごろの備えであります。そのため、地域の防災リーダーとしての消防団の果たす役割はますます重要なものとなっております。その活動拠点である消防団本部は、消防団員の教育・訓練の場所、震災時の参集場所であるほか、地域住民の防災指導の場でもあります。さらに、各種警戒時の待機場所として活用していることから、分団単位で整備することが望ましいと考えます。本年五月には京橋消防団第一分団の本部となる防災資機材格納庫を八丁堀の亀島橋に区が用地を提供するなど、これまでも東京都が進める整備に協力してまいりました。また、本年三月には中央区消防団運営委員会が都知事に対して消防団本部の整備について都有地の用地提供や公共施設との合築を働きかける必要性を答申しております。今後とも東京都と連携し、消防団本部の整備促進に努めてまいります。
  次に、区内住宅の耐震補強対策です。
  阪神・淡路大震災、さらには今回の中越地震における倒壊家屋による災害状況から、特に木造住宅を含めた住宅の耐震性の強化は、震災対策における重要課題の一つであると認識しております。現在、本区では木造建築物の簡易耐震診断の実施や民間建築物の耐震診断に要する費用助成、さらには住宅修繕資金融資において市場の利率より低利での融資あっせんなどを行っているところであります。
  お尋ねの中野区の耐震改修促進の対策ですが、木造住宅がかなり老朽化している本区の住宅事情や地域特性から、中野区の制度の趣旨が生かせるかどうか難しい側面もあると考えております。
  今後の耐震改修支援策につきましては、多面的かつ総合的な視点から、現状の施策見直しを含めた検討を行いながら、災害に強いまちづくりを進め、安全で安心に住み続けられる住環境の創出に努めてまいります。
  答弁は以上であります。

〔二十番 鞠子勝彦議員登壇〕

○二十番(鞠子勝彦議員)
 御答弁は中越地震等の教訓を今後も積極的に生かして、現在の区の防災の見直しについても積極的な立場で行うというのが基本のお答えだったと思います。
  この問題は、議会も行政もこうした大きな地震の被害から、どういう教訓を学んで、生命の安全を守るということでどのような具体的な対策をいかに早くとるか、この点では共通した立場にあると思います。私も、我が党も、そういう立場で今後も具体的な防災対策の充実・強化には積極的に提案も意見も述べていきたいと思います。一層の行政の努力を期待するものであります。
  時間の関係がありますので、二点だけ指摘をしたいと思います。
  地域防災計画の見直しに当たっての前提の問題であります。
  一つは、非常に急増している高層マンションの住民が避難をしないことを前提にしている現行の計画は、根本的な見直しを図る必要があると思います。私は中越地震の一つの教訓は、倒れなかった家でも、家の中にいること自体に心理的な恐怖感を覚えたことが一つの特徴だと思います。直下型で激しい揺れの場合の当然の心理が働いたと思います。超高層マンションは倒壊はしないだろうという前提であります。しかし、揺れによる心理的な恐怖感は全く未知の分野であって、六か七の震度があった場合の超高層階での揺れというのは想像を絶するものがあると思います。当然、建物内にとどまらず、建物外での避難が予想されます。
  それから、発災時間によっては、区内七十万人以上と言われる帰宅困難者、区内で働く労働者や出入りする多くの人たちが被害に見舞われることになります。今の地域防災計画は帰宅困難者や在勤者の問題については、計画上の位置づけがございません。国、東京都、中央区とあわせて、帰宅困難者の膨大な数に対して対応する、そういう計画を防災計画の中にしっかりと位置づけるべきだと思います。お答えいただきたいと思います。
  二回目の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 超高層マンションの揺れ、倒れなくても揺れが激しいのではないかという御指摘がございました。私は超高層マンションに住んでいるわけではないんですけれども、超高層マンションに住んでいる方に伺ったら、「きょう地震があったんですか」と言うぐらい。要するに、今、免震構造が非常にすぐれているようで、地震があったのかどうかもわからないというぐらい揺れを感じないという方がおられました。わかりませんよ、それはね。ただ、御指摘でございますから、やっぱりそういう点も含め、超高層マンションはどうなのかは検証してみる必要があろうかというふうに思います。
  それから、帰宅困難者ですね。帰宅困難者が本区の場合には四十一万八千人ぐらいに上るのではないかというのが平成九年八月二十九日の東京都防災会議で指摘されているところでございますから、そうした皆様方への対応、これは東京都と、あるいは本区でも、もちろんさらに対応を充実していかなければならない、そういうふうに思っているところでございます。
  以上でございます。

〔二十番 鞠子勝彦議員登壇〕

○二十番(鞠子勝彦議員)
 再々質問をします。
  東京での全体の帰宅困難者で三百七十一万人と予想されています。この問題を今後とも重視していただきたいと思います。よろしくお願いします。(拍手)

○議長(押田まり子議員)
 鞠子議員、申しわけございません。質問の最後の部分、半ばで時間がちょうど終わってしまったので、それはそこで終わりと見なしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。私も見ておりましたけれども、ゼロになるのが質問の前で終わってしまいましたので、今回は時間オーバーということで、よろしくお願いいたします。


○二十三番(石田英朗議員)
 議事進行について動議を提出いたします。
  ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
  お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員) 
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

午後五時七分 休憩


午後五時二十分 開議

○議長(押田まり子議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。
  一般質問を続けます。二十七番高橋伸治議員。

〔二十七番 高橋伸治議員登壇〕

○二十七番(高橋伸治議員)
 グループ未来の高橋伸治でございます。私は平成十六年第四回区議会定例会に当たり、会派のメンバーの一人として、中央区の一般事務につきまして、さきに提出しました質問通告の順序に従いまして、区長並びに関係理事者の方々に御質問させていただきます。大きな転換期を迎えている中央区行政と、新しい時代の到来を期待している中央区民の立場に立って、明快なる御答弁を御期待いたしております。なお、御答弁のいかんによりましては再質問することを留保いたしておきます。
  郵政事業の民営化をめぐっては、議論百出でありますが、そのプロセスで生ずる問題については、ほとんど語られておりません。私は郵政事業の民営化に反対をしているわけではありませんが、転換点において人的資源と戦略とが一致していない実情を危惧しています。お役所として存在してきた組織が、民間企業に変身するには、かなり長い時間がかかり、その間に事態が悪化していく確率が高いのではないかと考えます。組織論の観点から起こり得る諸問題を考えることも中央区のこれからの行政指針にとって、非常に大切なことだと思っています。
  公的な組織を民営化する際に、長期的には適切な資源配分ができるという主張がしばしば聞かれます。しかし、最後には最適な資源配分が達成できるとしても、そこに至るまでの間に起こることについてはほとんど語られることはありません。この途中で起こりそうなことが大きな問題なのであります。民営化という転換点は、みんなが当初予想しているよりも深刻な混乱がはるかに長く続いてしまう可能性があります。この点を織り込み済みにして打つべき手を打っておかなければ、事態はさらに悪化してしまいます。
  民営化という転換点が大きな混乱を招く最大の理由は、人的資源と戦略とが決定的に不一致な状況にあるということです。転換前の状況に合わせた人材が蓄積されているのに、転換後にはその人材が不要になるような環境と戦略のもとで生きていかなければならないという問題があります。
  基本的に、お役所だったところが、民間企業になるのですから、経営戦略的には大転換であります。上級の管理者の言うことを聞くのではなく、顧客のニーズや競争相手の動向を把握しなければならなくなります。上級の管理者の話を聞くのと、顧客の話を聞くのとでは大違いであります。上級の管理者たちのニーズを把握するのは、多数の顧客のニーズを把握するよりも相対的に楽なのではないでしょうか。上級の管理者たちは数が少なく、相手の言っていることがわからなければ直接問いかけることも可能です。人数が少なく、長いつき合いになるのですから、当初わかりにくかったものも徐々に理解可能になっていきます。しかも、毎回取り決めたことを書類に残し、相手の要求したことを既成事実として積み上げていくこともできます。中央区を含む公的な組織は、多かれ少なかれ、この種の作業をうまく処理できるような仕組みと人材をつくり上げてきました。
  ところが、顧客の声、とりわけマス・マーケットの顧客の声を聞くのは、上級管理者の声を聞き取るのとは全然異なっています。これまで一般の顧客のことなどほとんど理解しようとしてこなかった公的な組織がそう簡単に顧客ニーズを理解できるようになるはずはないと思っています。
  なれない作業ですから、顧客ニーズと顧客の言っていることは同じであるという思い込みが生じても仕方のないことであります。それゆえに、顧客が伝えてきたクレームに単純に反応し過ぎる傾向が強くなるとも思っています。少し考えてみればわかることですが、顧客ニーズを読み取るのがうまい企業は、技法としてのマーケッティング・リサーチがうまいのではなく、断片的な情報から真の顧客のニーズを推論する知恵が備わっているのであります。これからの行政マンに最も必要な能力はこの部分であります。
  例えば、クレームをつける顧客は平均的な顧客たちとは随分異質であります。だから、クレームをつける顧客の言うことに素直に従うと、平均的な顧客の満足度が下がってしまうこともあります。しかも、顧客が口に出して言うことと、その顧客が本当に改善してほしいと思っていることとの間にもギャップがあることもまれではありません。クレームに素直に対応したつもりなのに、当の顧客からかえって、しかられてしまうということもあります。人とは違った意見を持った人たちの不十分な表現を手がかりに、平均的な顧客のニーズを推論する作業が本当は必要なのであります。しかも、そこには手続を積み重ねながら不確実性を削減するという工夫も通用しません。「だって、この前はこうおっしゃったではないですか」という反論は、民間のお客さん相手には言えるものではありません。
  だから、民間企業になって、顧客指向にならなければならないと頭ではわかっていても、そう簡単に顧客指向になれるわけがありません。「お上」の言うことを聞く、官僚の世界の大人の論理になれ親しんだ人材を抱える組織が顧客の真の声を聞き分けられるようになるには、月単位ではなく、年単位の時間が必要であると思っています。人々が問題意識を持ち、学習し、行動を変える必要があるのですから、転換点を乗り越えるのには時間がかかります。環境と戦略が激変しているのに、人材が変わらないのでありますから、一時的には業績が低下してしまうとも思っています。新しい環境と戦略に適合している人材に学習を通じて育成されていくまでには、多数の失敗が起こり、時間がかかりますから、業績は予想以上に長く、深刻に低迷してしまうかもしれません。民営化の転換点とは、実は、点ではなく、かなり長く深い谷だと感じています。
  民営化という大きな転換点に見られる新しい状況と古い人材というギャップは、組織の上から下まで幅広く存在していますが、その中でもギャップが一番大きく、しかも深刻にあらわれるのは、明らかに上位階層であります。その理由は内部昇進が多い組織であれば、古い状況に適合した人材が長い年月をかけて組織の上層部にたまっていくからであります。組織の上層部にいる人々は、上にいけばいくほど、古い状況に適合した人材に絞られてきます。しかも、古い評価基準で出世してきた人々が次の世代を評価していくという歴史を重ねていくのですから、組織が設立してから百年もたっていれば、組織の上層部にいる人たちの同質性は相当高度化しているはずです。それまで長く、お役所として存在してきた組織では、お役所の中で出世する基本的な要件を満たしている人が上位階層を占めています。その内部出身の上級管理者たちは、法規や前例に詳しくてミスをしないとか、人とけんかをしない、よい人であるとか、内向きのコンセンサス形成が得意であるとか、決定的な言質をとられない、のらりくらり対応がうまいといった特徴を持っています。多くの人は、自分で企画を考えたり、何らかのプロジェクトにかけたりといった決断とは無縁の世界で生きてきました。お役所では、重要な決断は議会や上部機関が勝手に行って、外から組織に押しつけることが多いから、自分では意思決定を行ったことのない人がたくさん育成されているのが現実です。中央区を含む公的な組織では、決断をしたことのない、「優秀」で「よい人」が上級管理層にたまってしまいます。
  外部から民間出身の経営者を取り入れたり、外部取締役に民間出身者を取り入れたりなどの工夫を凝らしても、つまるところ組織の動きを規定しているのは、この同質的な層をなす内部出身者たちであります。なぜなら、組織の主要な意思決定のほとんどがこの上級管理者たちのコンセンサスに左右されるからであります。もちろんこの人たちの合意がなければ何も決められないということではありませんが、この上級管理者たちから猛反発を受けるような意思決定をトップが下すことは極めて難しいはずです。
  そして、民営化直後の上級管理者たちは、民間企業を運営するための経営方針を十分持たず、また、今までどおりの組織運営法など、旧来の経営スタイルを強く保持しています。中央区の外郭団体や新しい企画に対する考え方も、このあたりを打ち破ることができないでいるような気がしています。
  比較的短い時間で状況変化に対応できそうな若いコア人材とは異なり、既に組織内で功成り名を遂げた上級管理者たちは、簡単には変わることはできません。かといって、この層の大部分を外部から首をすげかえたとすれば、組織内の人が納得しないのも事実です。内部の中堅が上級管理者に育つまで待つとすると、五年から十年の月日が必要であります。公的な組織が民営化する際の問題点は、次の世代の上級管理者が新しい状況を学習して育ってくるまでの、この五年から十年の間に前の世代の上級管理者が現状を維持しようとすることであります。典型的問題点は人材評価の評価軸を暗黙のうちにこれまでどおりに維持してしまうというミスであります。このミスを行えば、環境と戦略が激変したにもかかわらず、管理者層の人材プールは旧来のまま維持されてしまうからで、いつまでたっても改革は進みません。抜本的な組織改革を行うという問題を先送りし、ゆっくりとした自然死的衰退のプロセスに入り込むことになってしまいます。企業感覚を行政内に取り込むことは、このように難しいのですが、中央区の現況はいかがでありましょうか。
  もう一つの問題点は、マスコミ相手に「うちは転換したのだ」というメッセージを強力にアピールするべく派手なパフォーマンスを殊さらにねらうという点であります。もちろん、民営化を行う場合に、ある程度のメッセージを社会に対して打ち出すことは重要であります。外部の人々が自分たちを見つめるまなざしを変えることで、組織メンバーの意識を変えることが可能になるからであります。しかし、組織の実態を一切意識することなく、単に、マスコミ受けをねらうことが民間企業の経営である、という間違った信念を保持する人が旧来の上級管理者たちの中に登場する可能性もあります。多くの人が見落としがちですが、実は中央区も含めた公的組織は、極めてマスコミ指向であります。一般大衆の声を聞き分ける技量がありませんから、お役所はマスコミの声を非常に気にしながら、公的組織を運営してきました。民営化しても、当分の間、マスコミの声に敏感に反応する指向性は強く維持されるでありましょう。
  しかし、マスコミはその性質上、地道な努力の積み重ねをニュースには取り上げずに、毎回異なる派手な出来事をニュースにします。だから、極度にマスコミ受けを目指したマネジメントは、資源の散発的・分散投入につながり、継続性を欠きやすいと思っています。
  マスコミでつくられた派手なイメージとは裏腹に、組織内部の実態も、その提供するサービスの質も、民営化前より悪化していくこともあり得ないことではありません。長期的には、最適な資源配分になるかもしれませんが、少なくとも中期、短期的に見れば、民営化は事態の悪化を招く可能性を十分に秘めているのであります。
  誤解のないように、一言つけくわえておきますが、私は公的組織の民営化に反対しているわけではありません。むしろ賛成の立場をとっています。顧客の真のニーズにたどり着くまでには時間がかかるとしても、現状よりはずっとよいことが起こると思っています。ただ、ある程度の混乱や事態の悪化を受け入れる心の準備が国民やマスコミ、当該組織のメンバーのみんなに必要であるということを強く言いたいと思っています。
  中央区の行政も民間と同じような考え方を持った組織体に改革していかなければなりません。都市計画の問題も、区民全員、全地域にとってプラスになるようなものでなければ、本当の意味での区民との協働にはなりません。一部の地域がよくなり、それによって他の地域がマイナスになるような開発は慎むべきであろうと思っています。商工行政や観光振興などは、だれのためのものなのか、経営者だけの視点ではなく、消費者の立場やマインドを一緒に考えなければ何もならないような気がしています。都市化が進んだ中央区では、他の地域とは異なった防災対策や医療制度がなければなりませんし、環境問題なども地球規模の視点だけではなく、真剣に、中央区は何ができるかを考えなければならない時期に来ていると確信しています。今まで述べてきた郵政事業の問題点は、そのまま中央区の問題点でもあります。感覚のずれを意識することから、これからの地方主権が始まると思っています。このような観点に立って質問いたします。
  第一番目の質問は、中央区の総資産についてであります。
  といっても、中央区が過日発表した区有資産の話ではありません。中央区という地域全体の資産についてであります。日本の歴史では、建物は永遠のものではなく、短い生命であるという前提で、もともと不動産という考え方が乏しかったのではないでしょうか。欧米の考え方が入ってきて、建物が鉄筋コンクリートやれんがで建てられるようになって、建物が不動産であるという考え方が定着してきました。しかし、バブル期には土地は価値がありましたが、建物は無視されてしまいました。土地に値がついたが、建物は評価されずに取引が行われました。集合住宅も、区分所有という新しい法のもとに資産として日本に登場はしたものの、すべては土地の所有比率をもとにして、その集合住宅の価格も決められていました。つまり、どんなつくりの建築物でも、土地さえあれば高額な値がつきました。バブルがはじけて初めて気がついたかのように、建物が土地の価値を決める主役であることがやっと認められるようになりました。そうはいっても、日本ではまだ築年数を基準としてしか金融機関は評価してくれません。本当はその建物の築年数ではなく、どんな内容の建物なのかを、見かけだけではなく、きっちりと調査して、その建物の本来持っている価値を知るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  日本の歴史に残るような建物ですら、その価値を築年数でしか見ない情けない日本の現状があります。もっと建物が持つ本当の価値を評価する目を金融機関が持たなければ、日本の建築物は本当の意味で資産にはなり得ないと思っています。建物の中には、本当に価値のないものもあるので、設計者がだれなのかを知ることから、その建物の評価をはかるスタートとしてほしいとも思っています。
  そこで、質問いたします。
  質問の第一は、江戸時代からの中央区の歴史も踏まえて、中央区の資産的価値はどれぐらいか、正確に把握しているのであれば、お尋ねいたします。また、将来も含めての中央区の地域の総資産に対する考え方をお尋ねいたします。
  質問の第二は、先ほども例に出しましたように、設計者が区民にも特定できるような中央区の新しい尺度をつくるべきだと思いますが、お考えをお尋ねいたします。
  質問の第三は、バブル時代は、ほとんどが経済情勢や社会情勢などの一般的要因だけで資産価値が決まっていましたが、今では新しい都市計画が実施されるとかいう地域要因や、周辺施設や最寄り駅からの距離などの個別要因の影響が相対的に大きくなっていますが、このような観点から、中央区の都市計画は中央区全域の総資産を押し上げるような計画になっているのかどうかをお尋ねいたします。
  第二番目の質問は、商工・観光行政についてであります。
  建築の視点から見れば、銀座や青山にできている高級ブランドのビルは非常におもしろいとも思っています。それは、さまざまな冒険をしているからであります。巨大再開発で建つ高層ビルはおもしろみがありません。地下街と車中心の社会がまちのにぎわいを阻害していることも事実です。巨大高層ビルなのに、中にはたくさんの人が働いているにもかかわらず、外では人を見かけない地域もたくさんあります。人が歩いて楽しいまちづくりをしていかなければ意味がないとも思っています。かつては金融機関や役所も、もっと日本の当時の中堅を起用し、時代を先取りする作品でまちを彩る勇気があったのではないでしょうか。効率優先、実績主義が全体を支配して、つまらないまちをつくっているような気がしてなりません。ここで新しい感覚の新しい施策を展開しなければ、中央区の魅力がどんどんなくなってしまうと危惧しています。
  昨年十二月に丸ビルで開かれた丸ビルディスコでは、OLを中心に約二千六百人の申し込みが殺到したそうであります。若手のアイデアから生まれた企画は好評で、ことしも着々と準備が進んでいるそうであります。それに付随するさまざまな企画も進行中のようです。タコつぼオフィスのイメージからの脱却が何より必要だということです。ビルの壁を打ち破り、まちにもっと人が飛び出す仕掛けをしなければなりません。
  託児所と駐車場を組み合わせたサービスも検討中だとのことです。当初、女性社員から託児所整備の企画書が提案されたときにはだめだと思われていましたが、今では認識が大きく変わっています。実際に調査し、需要が意外にあることを体感したからであります。生活感あってのまちを目指しています。
  そこで、質問いたします。
  質問の第一は、今までの発想にない、全く新しい視点のイベントを企画して行えるような、新しい調査機関をつくるべきだと思いますが、お考えをお尋ねいたします。
  質問の第二は、都市型産業とは、地域経済発展の牽引車となるソフト産業であり、まちと地域に密着し、その地域で暮らす人のライフスタイルをつくり出せる産業で、多様な産業集積を促進し、にぎわいを創出し、若者の多様な就業機会をつくり出すものであると思っていますが、中央区のお考えと、都市型産業の育成についての御所見をお尋ねいたします。
  質問の第三は、人間中心のまちづくりが必要であると思っていますが、中央区が考えているまちづくりの基本は何なのか、お尋ねいたします。
  質問の第四は、商店街の空き店舗を育児支援の施設として活用することに対し、経済産業省が補助制度を創設しましたが、中央区として、この制度を取り入れるお考えがあるのかどうか、お尋ねいたします。商店街と地域を結ぶために必要だと思っています。よろしくお願いをいたします。
  質問の第五は、案内板石碑などにまちの美観を考えて、QRコードをつける必要があると思いますが、いかがでしょうか。携帯電話を利用して、音声や画像までも取り入れることができる新兵器ですから、観光に力を入れる中央区としては、ぜひとも考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  質問の第六は、花の都中央区宣言の精神を生かして、まず中央区役所の周りから花を植えて、すばらしい景観をつくり出し、誇れる区役所づくりに邁進すべきだと思いますが、新しい発想を期待して答弁をお願いいたします。
  第三番目の質問は防災対策についてであります。
  新潟県中越地震は、改めて日本が地震列島であることを思い起こさせました。六千人以上が犠牲となった阪神大震災のように、人口過密地域が大震災に襲われた場合、今回とはけた違いの被害と混乱が予想されます。
  政府の中央防災会議の被害想定によると、静岡県西部から太平洋沖に想定震源域があるマグニチュード8.0級の東海地震が発生すると、最悪のケースでは死者は一万人を超え、被災直後には断水や停電で約五百万人が生活に支障を来すと言われています。
  東海地震は、直前予知へ向けた観測体制が敷かれた唯一の地震で、前兆滑りと呼ばれる地殻変動が観測されると、予知情報や警戒宣言が発令されます。しかし、前兆滑りが確実にとらえられるとは限りません。予知情報なしで地震が発生する最悪の事態に備えた防災対策が必要であります。
  また、東海沖から四国沖に震源域が連なる東南海地震、南海地震が同時発生した場合は、マグニチュード8.6の巨大地震により関東から九州にかけての二十三都府県に被害が及ぶとされています。家屋倒壊、津波、火災などによる死者は、最悪で二万人を超えると予測されています。
  これらの地震が今後三十年以内に発生する確率は、東海地震が84%、東南海地震が50%、南海地震は40%であります。被災地域が広域となるので、周辺地域からの救援も難しく、地域や家庭での自主防災が重要になってきます。三日間だけは無人島で暮らす覚悟が必要だとも言われています。
  そこで、質問いたします。
  質問の第一は、非常用持ち出し袋はリュックサック一つだと言われていますが、具体的にはどんなものを想定しているのかお尋ねいたします。三日間の食料とすべてのものを網羅することはできないので、ガイドラインを教えてください。
  質問の第二は、町会備蓄も必要と思われますが、中央区との協働で整備することはできないかどうか、お尋ねいたします。
  質問の第三は、地域の防災リーダーの役割と中央区が望んでいる仕事の中身とはどのようなものなのか、明確にお教えください。
  第四番目の質問は、在宅医療の推進についてであります。
  在宅医療への関心が高まっていますが、一方で病院から在宅へのスムーズな移行体制が整っているとは言い難いと思います。そうした中、大阪府内の医療関係者や福祉の現場に携わる人々が「大阪在宅医療・看護を考える会」を結成いたしました。具体的症例などの検討などを通して、医師や看護師、薬剤師、ヘルパーといったさまざまな職種の人々のネットワークづくりが進んでいます。中央区ではいかがでありましょうか。会設立のきっかけは、各医療機関のネットワーク不在を痛感する出来事が続いたためだそうであります。医療関係者も患者さんや家族と人間関係を築く時間をつくりたいと思っています。実際に顔を合わせていながら、お互いにどこの病院がどの分野が得意なのかといった情報を共有し、密に連絡をとる態勢をつくらなければならないと思っています。在宅医療と一口に言っても、最期を自宅で迎えたいという患者さんもいれば、在宅で難病と生涯つき合っていかなければならない患者さんもいます。一人一人の患者に合ったオーダーメイドの医療体制が必要だと思っています。
  そこで、質問いたします。
  質問の第一は、中央区でも在宅医療ができる体制を整備すべきだと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。
  質問の第二は、在宅医療に協力的な医師や病院の紹介リストをつくって、区民に周知するべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
  質問の第三は、中央区の将来の医療体制についてお尋ねいたします。
  第五番目の質問は、小型風力発電の普及・啓発についてであります。
  小型の風力発電機を取り付ける家庭がふえてきています。都市部のわずかな風でも発電ができる機種の登場に加え、小型化が進んだことで、家庭でも気軽に風力発電を行えるようになったためであります。風力発電による電力は、家庭で消費する数%に過ぎませんが、環境意識の高まりもあり、自然エネルギーを活用しようという追い風にもなっているのではないでしょうか。
  顔に風を感じる秒速2.5メートル程度の風で発電が始まり、その電気は充電池に蓄積して、テレビや照明などの家電製品につなげる仕組みになっています。都市部の平均的な環境である秒速4メートルの風が八時間、日照時間が三・五時間という一日の場合、普及型の製品で、発電量は355ワットに達するということです。これは35ワットの蛍光灯を約十時間点灯させる発電量を生み出します。この製品は安価で開発、発売されています。
  また、台風二十三号の接近で停電したときには、非常用電源としての働きをして、室内の照明にも使えたということであります。風力発電で賄える電力は、一般家庭で消費する5%程度に過ぎませんが、自宅の屋根や屋上でゆっくり回る羽根を眺めながら、少しでも地球環境の保全に役立てればという人たちに着実に受け入れられています。
  そこで、質問いたします。
  質問の第一は、中央区の環境問題のシンボルとして、小型の風力発電機の設置を推進してはいかがですか、お尋ねいたします。
  質問の第二は、中央区民が環境問題に関心を持つきっかけづくりに、風力発電機の設置に対して補助制度をつくれないものかどうか、お考えをお尋ねいたします。
  質問の第三は、学校などに環境教育の一環として設置すべきだと思いますが、いかがでしょうか、お考えをお尋ねいたします。
  最後に、ことしは多数の自然災害が発生しまして、日本じゅうで多くの方々が被災されています。その皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
  以上をもって、私の第一回目の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 高橋伸治議員の御質問に順次お答えします。
  初めに、中央区域の総資産についてであります。
  まず、中央区域の総資産を把握しているかとのお尋ねであります。
  資産の価値を何を基準にあらわすかということにつきましては、価値観にも関連しており、一様ではありません。有形の資産のほかにも無形の資産があり、無形のものにも特許権や営業権のように金額換算されるものだけでなく、歴史的遺産や文化的行事などで、必ずしも金額に換算することができないものもあります。市場での取引対象になるものであれば、歴史的・文化的なものであっても、その取引価格をもとに資産価値をはかることは可能であると思いますが、すべての資産が取引対象になるわけではありません。現在、把握している数値としては、固定資産税の評価額があります。中央区内の土地、家屋、償却資産の合計額は平成十四年度で約八兆八千億円になっています。また、まちとしての総合資産評価を金額的に示したものとも考えられる土地の平均評価額で見れば、1平方メートル当たり百二十六万円と、二十三区中二番目の高さとなっております。伝統を生かしながら、活気とにぎわいを創出することが求められている本区におきましては、まちづくりをはじめ、商工業や文化振興などの施策に幅広く取り組み、区内の総資産を増加するよう努力してまいります。
  次に、中央区域の総資産の新しい尺度についてであります。著名な設計者が設計した建物について、その資産価値を評価するような尺度づくりという御提案でありますが、客観的普遍的に適用できる尺度ということになると、かなり難しい面があると考えております。そこで、日本橋上空の高速道路の撤去など、歴史的建造物の改善や保全に努めるとともに、景観や街並みに配慮した地区計画の詳細化を進め、歴史的・文化的価値を尊重した風格、品位あるまちづくりを実現してまいります。
  次に、都市計画と総資産の上昇についてであります。
  都市計画を定めるに当たっては、区内の地域特性に応じたまちづくりの方向を明らかにして、個別の建てかえや再開発を促進しています。その結果、良好な地域環境が形成されて、地域の活力を高めることを目指してまいりました。さらに、特定の地域だけでなく、開発の周辺地域への波及効果が高まるよう努めてきたところであります。
  金額換算できない価値を含めて、区内の総資産を高めるためには、単に容積率を高めて開発を進めるだけでなく、街並みや建物の歴史性、文化性にも配慮した容積率の設定など、地域特性や環境の変化に対応しためりはりのある都市計画の活用を行っていくことが重要であると考えております。
  次に、商工、観光行政についてであります。
  まず、新しい視点からのイベント開催についてであります。本区は、江戸以来、日本の文化・商業・情報の中心として発展してきた由緒あるまちであり、生命線であるにぎわいにふさわしい祭りやイベントが実施されております。佃祭、住吉神社例大祭、また、べったら市などの伝統あるイベントに多くの方が参加され、楽しんでおられます。区ではこのような伝統的なイベントとともに、常に新しい視点を生かしたイベントに取り組んでおります。すなわち東京湾大華火祭は区を超え、多くの観客に楽しんでいただける、都心とは思えないスケールの大きさがあり、また大江戸まつり、盆踊り大会においては、これがお江戸の盆ダンスというリズミカルな盆踊りを提供するなど、従来の盆踊りの枠を超えた新しい視点からのイベントに取り組んでまいりました。さらに、昨年から銀座中央通りにおいて東京都の主催による大道芸のイベントであるヘブンアーティストが実施され、本年は西並木通りにおける女子美術大学の学生を中心としたパフォーマンスが実施されるなど、常に新しい視点からのイベントが本区を舞台として地域や警察など関係機関の協力のもとに実施されております。今後とも伝統的なイベントを大切にしながら、民間の活力を生かし、さまざまな視点から新しいイベントについて検討し、また支援してまいります。そのためには、新たな調査機関を設ける手法もありますが、当面は現行の観光協会を活用することも考えております。
  次に、都市型産業についてであります。
  中央区では、江戸以来、物の集散地であり、人の交流の場であり、情報の集積地、発信地であります。このように、産業的な側面から極めて恵まれた環境にある本区は、各種問屋業、印刷・製本業など、時代時代の都市型産業を生み育ててまいりました。一般的に今日の都市型産業とは、企業の集積や充実したインフラ、人材や情報など、都市にあるメリットを生かし、多様で高度なニーズに対応できる高付加価値の商品やサービスを提供する産業であり、具体的にはITやデザイン業などが挙げられます。ITの進展により、情報の一極集中がなくなった今日、本区の情報に関する優位性は、多くの企業人が相互に顔を合わせて交流できることであり、文字や映像にならない情報を素早く得られることであります。これを生かした個性豊かなすぐれた情報発進力を持つ産業が、本区にとっての都市型産業であると考えます。
  また、新たな都市型産業は、問屋業や印刷・製本業など既存の地場産業に大きな刺激を与えるものが求められ、既存産業においては歴史と伝統を生かしながら、時代にマッチした機能更新を行うことが求められていると考えます。現在、日本橋地区問屋街と文化服装学院との産学連携においては、学生たちの活動と地元問屋街の活動により、問屋街としての新たな情報発進がなされることを目指して、区でも支援を行っております。また、東日本橋地区における産学連携モデル事業SOHO改装補助などを通じ、デザイン業など、産業の育成を図ってまいりたいと考えます。
  次に、まちづくりについてお答えいたします。
  本区は、今日でも人々の息吹の感じられる下町らしさを残しております。また、高低差が少ないことから、銀ブラに代表されるように、住み、働く人にとっても、観光や買い物に見える来街者にとっても、歩くのに適したまちであります。さらに、日本橋や銀座、また佃や月島など、各地区に横丁や路地がある、極めて人間味あふれたまちでもあります。商業のまち、観光のまちである中央区として、これらの歴史と伝統に裏打ちされたヒューマンスケールのまちを大切にしていくとともに、時代にあった個性豊かな魅力あるまちづくりを行っていく必要があると考えております。
  このようなまちづくりとともに、にぎわいを生命線とする本区においては、さまざまな世代の区民が本区の地域ブランドを自覚され、誇りと愛着を持っていただくことにより、来街者を温かく迎えていただくホスピタリティー、豊かなまちづくりを進めていきたいと考えております。
  次に、商店街の空き店舗を育児支援の施設として活用することについてお答えいたします。
  本年六月の本区商店街振興プランの策定に当たり、区内四十四の商店街にアンケート調査を行ったところ、回答のあった三十二の商店街のうち、二十二の商店街に空き店舗がありました。こうした空き店舗の問題は、商店街の活性化を図る上で大きな課題となっていると認識しております。このため、同プランにおいても、集客の核づくり戦略において、空き店舗を活用した施策として、子育て支援サロンの設置、まちの児童館の設置などを提案しており、活用施策として、東京都の新・元気出せ!商店街事業や、経済産業省のコミュニティー施設活用商店街活性化事業を掲げているところであります。今後、同プランの具体化に当たっての商店街との協議について、顧客層や商店街の地域特性から、空き店舗施策として育児支援の施設の設置が適当である場合には積極的に国や都の制度を活用しながら取り組んでまいりたいと考えます。
  次に、案内板等へのQRコードの活用についてであります。
  区内観光の一層の振興を図るために、来街者が安心して区内を回遊できるよう、わかりやすく魅力ある情報を提供する必要があります。まちで一番目につきやすく、わかりやすいものは、案内板でありますが、スペースの制約があることや設置にコストを要すること、また、多く設置し過ぎると、かえってまちの景観を損なうことなどの問題点も有しております。
  御提案のQRコードにつきましては、新たな情報伝達手段として、無料巡回バス、メトロリンク日本橋のバス停で運行状況を知らせるために用いられるなど、さまざまな活用がなされ始めております。QRコードの情報を読み取る機能を有する携帯電話機につきましても、急速な普及が見込まれることから、今後QRコードの活用について通常の案内板との役割分担や、どのような情報を提供することが効果的か、などの検討を行ってまいりたいと考えております。
  次に、中央区役所周辺を花でいっぱいにする政策についてであります。
  本区では平成元年四月の花の都中央区宣言に基づき、百八十カ所の花咲く街角や街路樹を美しい花や紅葉がきれいな樹木にかえるなど、さまざまな取り組みを実施してきました。区役所周辺については、築地川亀井橋公園に区の花であるツツジやワイルドフラワーを、首都高速際の植樹帯にはハナモモやツツジなどを植栽するとともに、三吉橋の中央分離帯には花壇を設置することで、四季折々に花が咲く潤いある環境の形成に努めてきたところであります。
  また、築地川亀井橋公園の花壇は、訪れる人々により一層楽しんでいただくため、本年度、一度植えると毎年きれいな花を咲かせる宿根草による花壇につくりかえる予定であります。花によるまちづくりは、良好な景観やコミュニティの形成、観光振興などに資することから、今後こうした事業の充実を図るとともに、緑化が難しい場所における新たな技術なども検討していくことが必要と考えております。
  これらの取り組みにより、区役所周辺を核として、花の都中央区宣言が目指す花と緑に包まれた清潔で美しい中央区となるよう、努めてまいります。
  次に、防災対策であります。
  最初に、非常用持ち出し袋の中身についてであります。
  非常用持ち出し袋は、リュックサック一個程度ですので、持ち出せるものは必要最少限度のものに限られます。具体的には危険の回避や不便を少しでも緩和するため、携帯ラジオや懐中電灯のほか、水や食料、下着類の衣料品や、タオルなどの身の回り品を入れておくのが一般的です。また、乳児や病弱者がいる家庭では、粉ミルクや持病薬なども必需品です。さらに、火災や家屋の倒壊、家具の散乱により家に戻れないことも想定して、印鑑や通帳などの貴重品も持ち出せるようにしておくことが大切です。なお、非常持ち出し品は、家族の構成や健康状態などにより、必要なものも異なってまいります。そのため、区では、防災パンフレットなどに非常持ち出し品のリストを掲載し、参考にしていただいております。持ち出し可能な数量についても、家族で話し合い、日ごろから準備しておくことが必要であると存じます。
  次に、町会備蓄の考え方と支援についてであります。
  本区では、東京都が発表した直下地震の被害想定に基づき、想定避難者の三日分の水や食料などの備蓄を図っております。また、区民の皆さんにも最低三日分の水や食料、生活用品の確保をお願いしているところであります。しかし、新潟県中越地震の例を見ても、災害の規模が大きいほど、行政や個人の力だけでは十分な対応が難しくなり、隣近所の助け合いが大切になります。こうしたことから、町会備蓄は防災対策の基本である自助・共助・公助の中で、共助を支える重要な役割を担うものであり、行政や個人の備蓄と相互補完関係にあると認識しております。
  町会への支援策につきましては、現在、区では町会・自治会を基本とする防災区民組織に対し、結成時に防災資機材などの装備補助を行うとともに、毎年助成金を交付しております。助成金は活動費や備蓄品の購入等に充てることもできますので、各町会において地域特性などにも配慮しながら、備蓄の充実に努めていただきたいと考えております。なお、町会への支援や共同備蓄のあり方については、今後とも検討を重ねてまいります。
  次に、地域防災リーダーの役割と行政が何を望んでいるかについてであります。
  大災害が発生した場合、区や警察、消防などの行政機関だけで応急活動を行うには限界があり、地域住民が一致協力して助け合うとともに、被害の拡大防止に努めることが必要になります。そのため、区ではこれまで住民の自主的組織である防災区民組織や防災拠点運営委員会づくりを通して、地域防災力の向上に努めてまいりました。地域防災リーダーはこれらの組織で中心的な役割を担う人たちであると考えております。具体的には災害時における地域住民の避難誘導や人命救助、初期消火などの指押をとるとともに、避難所の開設や運営、行政との連絡調整などが主な役割となります。また、平常時には地域住民に対して防災知識の普及や防災訓練への参加を促し、地域防災力の向上を図っていただいております。地域防災リーダーには、組織の指導者として、また住民と行政との連絡役として、今後も引き続き御尽力をお願いしたいと考えております。
  次に、在宅医療についてであります。
  本区では、これまで医師会と連携し、かかりつけ医制度の定着を通して在宅医療の充実に努めてまいりました。かかりつけ医は身近なところで適切な医療を提供し、日常的な健康管理を行うとともに、緊急時における対処方法の相談や病状により専門的な医療機関への紹介を行い、継続的な治療について主治医としての役割を果たすものであります。この制度が定着することにより、健康や病気について気軽に相談することができ、個人の病状に合った適切な医療の提供や病院から在宅へのスムーズな移行が可能となることから、かかりつけ医は在宅医療の中心的役割を担うものと考えます。
  次に、在宅医療における医師の紹介についてであります。
  医師会では、ホームページなどにより情報提供するほか、相談窓口を開設しており、病状、介護の状況、受けたい在宅医療の内容、往診の必要性など、患者に合った医療機関を紹介しております。
  また、病院の紹介リストについては、東京都の医療情報システム「ひまわり」で病院の所在地、診療科目などの情報を提供しております。しかし、患者の状況により、治療方法や必要な設備が異なることから、画一的に紹介できない側面もあり、現在、中央区ほか四区で構成する二次保健医療圏で区中央部地域医療システム化推進協議会を設置し、共通する課題として、病院と診療所の連携や医療機関の紹介方法等について検討しているところでございます。
  次に、将来の医療体制についてであります。
  医療体制については、必要なときに必要な人へ適切な医療サービスが提供できることが大切であります。特に高齢社会にあっては、病気や障害があっても住みなれた地域で安心して暮らしていけるよう、保健、医療、福祉の連携を一層深め、地域医療ケアシステムを確立していくことが必要であると考えます。
  次に、小型風力発電の普及啓発についてのお尋ねであります。
  まず、推進体制の整備であります。
  小型風力発電はビルの屋上等に手軽に設置できるエコ発電システムとして、近年注目されているところであります。現在、区内には新川地区を中心に事業所ビルや低層の個人住宅など、数カ所の設置が確認されております。この小型風力発電は、場所もとらず、クリーンな自然エネルギーを身近に利用できるメリットがある一方で、安定的な風力の確保や費用対効果、近隣騒音、景観等の課題もあり、まだまだ実用の段階には至っていないところであります。しかし、今日の地球環境保護の視点からは、こうした再生可能な自然エネルギーの利用は意識啓発の面からも欠かせないところであります。本区といたしましては、近隣環境との調和を図りつつ、この小型風力発電の普及推進について積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
  次に、補助制度の創設についてであります。
  現在、環境保全に係る補助制度としましては、ディーゼル車の粒子状物質減少装置の装着助成をはじめ、公害の発生を防止するための設備資金融資や利子補給等の助成制度を実施しております。こうした助成事業と同様に、風力発電や太陽光発電等の自然エネルギーの活用は重要であり、区民や事業者の利用を促進する効果的な補助制度についても今後検討してまいります。
  次に、学校等への環境教育のための導入についてであります。
  今日の深刻化する地球規模の環境問題の解決には、地球に優しい、環境と共生する個人、地域レベルでの足元からの取り組みが重要であります。特に、次代を担う児童・生徒が将来にわたり環境を大切にする意識を持ち、環境に優しい暮らし方を身につけ、主体的に行動できるように環境教育を実施しているところであります。こうした観点から、この十一月には特色ある教育活動の一環として、明石小学校に小型風力発電を設置いたしました。この設置により、子供たちをはじめ、保護者や地域の方々が自然エネルギーの利用に関心を持ち、環境保全の意識が高まることを期待しているところであります。今後とも学校教育にとどまらず、広く区民等の意識啓発につながるよう、さまざま取り組みを進めてまいります。
  答弁は以上であります。

〔二十七番 高橋伸治議員登壇〕

○二十七番(高橋伸治議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございます。
  時間の関係もありますので、まとめて御質問するところは質問させていただきます。
  風力発電については、よろしく御検討をお願いいたします。明石小学校だけではなくて、いざというときには非常用の電源にもなる設備ですので、そういう意味では、まち中の人、特に中央区の人は真っ暗やみを経験したことがないものですから、いざというときにあちらこちらに光が見えるというのが一番の安全につながると思いますので、そういう意味では、学校の廊下ぐらいは風力発電の自主電源で確保できるような仕組みをつくっていただければありがたいなというふうに思っています。それはよろしくお願いをいたします。
  あとは、全体的に言って、私も序文で述べさせていただきましたけれども、実際に役所の方々が考えている指向と、一般の区民が考えていることというのは大分やはりずれがあるんだと思うんですね。それをやはり正していかないと、うまく区政が回っていかないような気がしています。
  在宅医療の問題についても、区長さんは病院からきっちりとした形で在宅に戻していますという答弁がありましたけれども、区民はそれが不安で困っている方々がたくさんいます。本当に退院をさせた病院が地域の後の体制まで面倒を見てくれるかというと、そういうところはほとんど聞いたことがありません。ですから、そういう意味では、中央区内に在宅医療が、区長さんはあると言っていましたが、私はまだ体制は整っていないというふうに思っています。
  それから、地域の防災リーダーの問題ですけれども、これは第一線行動と、それから行政との連絡ということを区長さんが言われましたけれども、ということは、行政がきっちり指示を出してからということになるわけですね。そうすると、先ほどの三日間はという話と大分やはり食い違ってくる部分もあるので、この辺をどうするか、どう埋めるかという話は、今のところブラックボックスになっているわけですね。勝手にやっちゃう人もいるだろうし、全くやらないで何もできないものもあるかもしれません。
  それから、リュックサック一個ということになりますと、三日間のものということになりますと、結局足りないということになるわけですね。だから、これをどう埋めていくかという話が本当に必要になってくるんだろうというふうに思います。
  それから、都市型産業の問題も、区長さんはIT産業という言い方をしましたけれども、IT産業というのが本当に産業として成り立っているのかということですよね。ITというのは支援をするもので、前面に出てくるものではないですからね。要するに、都市型産業というのは、ITを利用しながら、どういう形でこれから地域に発展をしていくかということを考えている産業という形だと思うんですね。IT産業や情報創出型産業というのは、あくまでも後ろで支えるための産業で、実際には都市型産業というのはそういう意味ではなくて、地域にやはり雇用を生み出すような、そういう仕組みの産業だというふうに私は思っているんですけれども、この辺は後で総合的に御答弁をいただければありがたいなというふうに思います。
  それから、新しい視点のイベントの問題ですが、これについても観光協会を中心にという話をしておりましたけれども、観光協会の委員の方々の平均年齢が幾つかというのは私はわかりませんけれども、実際に中央区は地域中心のイベントはたくさんやっていますよ。地域中心のイベントはたくさんやっていますけれども、本当にそれだけでいいんだろうかという問題を投げかけたので、例えば企業ボランティアの方々、企業もその地域の中でやはり一緒にそういうことに入りたいと思っている人たちもいるでしょうし、それから、学生ボランティアの、横山町の例を出されましたけれども、それ以外でも、やはり学生ボランティアをもっともっと新しいイベントの形で、区と協働したいという方々もたくさんいると思うんですね。そういうところを取り込む仕組みがないんですよね。そのことについて私は質問をしたので、そこら辺も含めて、総合的にこれからやはり役所と地域が一緒になって発展をしていくために質問をいたしております。
  中央区域の総資産の問題も同じなんですが、例えば歴史的、文化的とか、商業・文化の中心地とか、そういう言い方をされて、前の基準で八兆八千億という、土地についてはそうだとか、平均で百二十六万とかいう話が出ましたけれども、私はそういうことを言っているわけではなくて、この中央区域のにぎわいというか、やはりソフトの集積というのが私は大事だと思っているんです。実際にハードもあれば、ソフトもあるわけで、ソフトの集積を大事にしていきながら、中央区の総資産という考え方でやはり守っていく姿勢、行政として中央区内をきっちり守っていくという姿勢を積み上げていただきたいなというふうに思っています。
  将来中央区がよくなるために、今、いろいろな意味で役所が考えていることと地域が考えていることのそごがたくさん出てきているんじゃないかなというふうに思っていますので、その辺についてだけ区長さんの御答弁をいただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 質問が後ろから来たので、ちょっとやりにくくなるんですけれども、順番どおりにしていただきたいなということ、これは要望させていただきます。
  後ろからいくと、風力発電ですか。先日も子どものための環境展というのが環境ネットワークの主催で大きく月島第二小学校ですかね、で行われましたね。大勢の方々が見えておりました。あそこでも風力発電がありましたね。呉羽記者にも写真を撮っていただきましたけれども、本当にああいう風力発電。余り大きいと野鳥が被害に遭ったりするという環境問題にもなると、野鳥を愛する方々から批判を浴びそうですけれども、小型ということならば、そういうこともないであろうし、さまざまな面でいいのではないかなというふうに思うわけでございます。環境は何しろこれから大事ですね。環境は、区では今全力を挙げて地球環境の保全、地球規模で考え、足元から行動する、まさにそういう時代、待ったなしの時代に入ったわけでございます。そういう意味からも風力発電について、明石小学校だけではなくて、さまざまな教育施設等々、区内に広めるよう、助成制度もしっかりやっていかなければならないのではないかなと、こういうふうに思うところでございます。
  それから、在宅医療の問題ですけれども、これは重要ですね、在宅医療。これだけ少子高齢化社会がどんどん進んでくると、病院あるいはそういう施設だけでは対応できないでありましょうから、在宅医療、これは先ほども答弁させていただきましたけれども、医師会の皆様方も熱心にやっていただいておりまして、そういう面では、本区でかかりつけ医制度がしっかりと定着してきたということ、これはやはり地域のかかりつけ医、地域の医師会の皆様方との連携がないと、なかなかできない。私もかかりつけ医がおりまして、きょうもインフルエンザの予防注射をお昼に打っていただきましたけれども、やはりひょいっと電話一本で行ってやっていただくということでは、本当にありがたいなというふうに思います。在宅医療というのは基本中の基本ですね。そういう意味で私は申し上げさせていただいているところでございます。
  むろん専門的な、がんとか、何とかと、こういうふうになると、これは病院とか、そういう体制がもちろん重要であり、その面では本区に大きな聖路加病院さんとか、がん研関係の医療の体制があるというのは本当にすばらしいことで、万々が一のためにやっていただける。全国からも小児がんの方々が訪れたりして、本当にそういう面では身近にああいう病院があるということ、誇れる施設の幾つかではないかなというふうにも思っております。また、近くにも大学病院等々、本区内にはなくても、本当にお隣の区等々にあるということ、これも本当に力強いわけでございます。そういう在宅と病院との連携、これも医師会の皆様方の御支援によって、どんどんこの連携が強化されているということで、大変うれしく思いますし、また、本区におきましては、先般、明石町にできたような、ああいった老健施設、あるいは今度できるグループホームとか、ああいうものも重要であります。もちろん特養とか、こういう施設も重要である。そういう意味では、本当に総体的に医療体制を考えていかなければならないし、これからますます重要になってきているわけですから、推進してまいりたい、整備してまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。
  次が防災対策ですね。きょうはこういうときですから、二十三日が新潟県中越地震から一カ月たったということで、先ほど来答弁させていただいているわけでございます。特に消防団とか地域の防災リーダーの役割は本当に大きいですね。行政と地域との連携役をやっていただいておりまして、私が先ほど来三日間――これは区でやっているんですよ、三日間大丈夫だよと。東京都の想定ですと、中央区のそういう避難される方が二割ということですから、その区民の二割の方々の三日分の食料、水、こういうものはもう大丈夫なんです。でも、やはり多い方がいいんじゃないかなということで、それに加えまして区民の皆様方にさらに三日分用意してはどうですかということを呼びかけているわけですから、それをちゃんとやっていただくと、これは六日分ある、ほぼ一週間あるということになります。また、会社、企業等でもやっていただく。こういうことでございまして、これは震度七の地震、関東大震災級の地震が三十年以内に0.8%の割合で来るというわけでしょう。三十年以内に0.8%の可能性で来ると。〔「86%でしょう」と呼ぶ者あり〕関東大震災ですよ。80%というのは震度六。だから、関東大震災級、震度七ですよ、これが来るのが0.8%で三十年以内に来ると、こういうふうに国の方で指摘されているわけですから、これは三百六十五日掛ける三十だと、一万日を超すわけだけれども、万が一ということになりますよね。万が一の対応で、万が一で一瞬バアーッと来るわけですから、三百六十五日掛ける三十だと一万日ちょっとですよね。そういうことですから、万が一の対応をしっかり私たちはやっていかなきゃならない、こういうことで、消防団をはじめ防災リーダーの役割、これはまたこれで非常に重要になってきているんだということを申し上げたかったところでございます。
  非常用持ち出し袋、これは各家庭に数年前に配布いたしましたよね。中身はみんなで考えろということで、人によって違いますからね。だから、その参考となるパンフレットをお配りして、皆さん貴重品等とか、薬であるとか、その人個人によって違うでしょうし、区議会の皆様方お一人お一人違うでしょうし、その御家庭、御家庭で違うでしょうから、それはやっていただきたいということで、先ほど来いろいろ述べさせていただいているところでございます。
  それから、都市型産業。これは難しい面もありますけれども、そう難しく考える必要もないんですよ。余りこねくり回しますとわかりにくくなりますけれども、やはり実社会に合った産業が育っていくわけですから、何もITだけを私は言っているわけではございませんで、中央区に合った、食文化を初め、地場産業である印刷・製本から、いろいろあるでしょうけれども、都市型産業は自分たちに合った・・・・・・・。
  ITもどんどん進んでいますね。前にも言ったかもわかりませんけれども、囲碁でも世界じゅうの人と二十四時間囲碁を打てるわけだよね。あれが産業と言えるかとなると問題かもわかりませんけれども、しかし、ああやって進んでいることを軽視してはいけないというふうに思っているところで、そういう意味からも例として出させていただきましたけれども、さまざまな産業があるわけです。
  そういう点で、本区は、まさに江戸開府四百年を昨年迎えましたけれども、それ以来、日本の文化、商業、情報の中心として栄えて、そしてさまざまな産業があるわけで、これをやらなきゃいけないということではないと思うんですよね。さまざまな産業がある。金属にしても、何にしても。
  この間も、へそ展、産業文化展がありましたけれども、本当に中央区にはさまざまな産業があるんだなというふうに思いましたね。それから、あそこで見ると、先端技術というのはどんどん進んでいますね。印刷屋さんでも、製本屋さんでも、本当にすばらしいものが進んでいる。子供たちのためにもあれは開いているわけですけれども、そういう意味では、ああいう産業文化展というのはすばらしいもので、これからもそういう意味で皆さんにどんどん広めていかなきゃならないというふうに思います。
  また、問屋街等も述べさせていただきましたけれども、ファッションのまちであるとか、食文化とか、いろいろそういう面でも、本区の特性を生かした産業、これをやれという意味ではないですけれども、それぞれできてくるだろうと。そういう面では、中央区というのはいろんな産業の交流の場でもある。異業種交流、今、盛んですけれども、こういうものも本区でいろいろと御支援させていただいているところでございまして、職員の皆様方とともに・・・・・・。
  先ほど来、職員は大したことはないんじゃないかという御指摘がありましたけれども、そんなことはなくて、千七百人の職員は一生懸命考えて対応しているわけですから、それはそれとして評価すべきところは評価していただき、先ほど来私が述べさせていただいたのは、第一回目は基本的に職員がつくったものを私は評価して、そのとおり答弁させていただいているところでございます。だから、二度目、三度目となると、これはもう自分で言うよりしようがないから、自分の頭で考えるということでございます。
  そういう面では、先ほどの観光行政で何か組織をつくってはどうかということがありますけれども、組織に任せるのも一つの方法であろうけれども、まず自分で考える、これが私は大事だと思っているんですよ。まず、自分で考える。地域の方々が考える。どこかの専門のイベント屋さんに任せればいいんじゃないかと、そういう御意見もあるかもわからないけれども、そうではなくて、私たち自身、自分自身で考える。また、地域の人たちが自分自身で考えてきたのがどんどん盛り上がってきているのでしょうから、その一つが大江戸まつり盆おどり大会ではないかと、こういうことを言わせていただいておりますし、また華火大会も江戸以来の花火ですから、これもみんなやはり地域に合ったイベントであろう、そういうふうに思うし。
  また、観光協会――観光協会は年寄りじゃないかなんていう御指摘もありましたけれども、そうではなくて、今、年は関係ないんです。幾つになろうと、若さというのは八十だろうが、九十だろうが、大丈夫なんですよ。年じゃなくて、意欲と感性、これは幾つになっても磨けるわけですから、そういう意味で、観光協会の方々にも自分のまちはこういうふうにと、中央区にすばらしい観光協会があるわけですから、自分でいろいろ考えていただく、これも大事なんですよね。そのほか、地域、あるいは御指摘のような事業所、どういう意味か、民間のイベント会社に任せるという意味ではないんでしょうけれども、そういういろいろ考えていった方がいいんじゃないかなというふうに思う、こういうことでございます。
  それから、最後に、一番大事な総資産です。これを一番最後に言われるから、一番最後になりましたけれども、別に軽視したわけではございませんで、バブルのころ、日本列島を売ればアメリカ全土が買えるんだとか、そういう試算をしたのがまことしやかにはやされましたけれども、ああいうのはおかしいですよね。だから、私はこの点では一致しているんですよ。そういう固定資産税だとか、評価額だとか、そういう金で換算するだけが資産ではない。そうではなくて、文化とか。だから、それで言われると、ああいう間違いをやるわけですよ。日本の土地のお金でアメリカが全部買えるだとか、アメリカが二つ買えるよとか、ああいうばかげた試算が出てきて、まことしやかに。数年たったら、とんでもないということになるわけでしょう。そういうばかげた、何でも金が万能だというような考え方はいけないわけで、金に換算すればいいということではありません。容積の問題も、さっき言いましたけれども、容積を上げればビルが高くなるんだから、それだけ資産が上がるんだなんていう考え方に私はくみしない。そういうものではなくて、やはり品性のある……。パリでも、ちゃんと歴史と伝統を残すまちと、あるいはどんどん容積を上げるまちと区別したりして、じゃあ落とした方は資産価値が下がるかというと、そんなことはないでしょう。ちゃんと低層の地域だって、資産価値はむしろ上がっているわけですよ。
  そういう意味では、不動産だけでやるのはおかしいわけですけれども、そういうふうにも思うし、また、建物でいえば日銀なんていう、あんなすばらしい国の重要文化財もあれば、それから無形の文化財もたくさんあるんですよ。そういうものも大事にしていくべきであります。
  言われるように、総資産を把握しているのかどうかという御指摘ですけれども、これは余り意味は・・・・・・。どうなんですかね、あるようにも私には余り思えないけれども、どういう意味があるのか、あるならば、こういうふうな意味があるんだということを御指摘いただきたいというふうに思うわけでございます。
  以上でございます。

〔二十七番 高橋伸治議員登壇〕

○二十七番(高橋伸治議員)
 自席から発言させていただきます。
  私も職員の方々は120%信用しております。そういう意味では一生懸命努力をされているというふうに思っています。
  ただ、やはり組織が今の時代に合うか合わないかというのは、それは検証していただきたいということを要望させていただいた次第でございます。そういう意味では、また後日いろいろな意味で御質問をすることもあると思いますけれども、きょうのところはこれで終わらせていただきます。
  どうもありがとうございました。(拍手)


○二十三番(石田英朗議員)
 議事進行について動議を提出いたします。
  本日の会議はこの程度とし、明二十六日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
  お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれで打ち切り、明二十六日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。
  本日は、これをもって散会いたします。
      午後六時四十三分 散会


署名議員
議長 押田 まり子
議員 中嶋 寛明
議員 植原 恭子

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