平成17年第二回定例会会議録(第3日 6月16日)

1.会期

四日(第三日)
六月十六日(木曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議
午後五時七分散会

3.出席議員

(三十名)
一番 藤田 正五議員
二番 礒野 忠議員
三番 増渕 一孝議員
四番 鷲頭 隆史議員
五番 二瓶 文隆議員
六番 田中 広一議員
七番 中島 賢治議員
八番 田村 宏議員
九番 小栗 智恵子議員
十番 志村 孝美議員
十一番 石田 英朗議員
十二番 石島 秀起議員
十三番 鈴木 久雄議員
十四番 神林 烈議員
十五番 植原 恭子議員
十六番 鈴木 幸子議員
十七番 青木 幸子議員
十八番 坂戸 三郎議員
十九番 田辺 七郎議員
二十番 鞠子 勝彦議員
二十一番 中嶋 寛明議員
二十二番 押田 まり子議員
二十三番 原田 賢一議員
二十四番 今野 弘美議員
二十五番 矢吹 和重議員
二十六番 田畑 五十二議員
二十七番 高橋 伸治議員
二十八番 大塚 忠彦議員
二十九番 渡部 博年議員
三十番 守本 利雄議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君
助役 鐘ケ江 真知恵君
収入役 奥田 清和君
教育長 平野 純一君
企画部長 吉田 不曇君
総務部長 益田 進君
区民部長 河野 聰君
福祉部長 小泉 典久君
保健衛生部長 大倉 慶子君
(中央区保健所長兼務)
環境部長 豊田 正文君
土木部長 新津 剛君
都市整備部長 中島 俊明君
教育委員会事務局次長 小池 正男君
監査事務局長 出竿 恒夫君
企画部参事 斎藤 裕文君
(企画課長事務取扱)
財政課長 新治 満君
広報課長 平沢 康裕君
総務課長 斉藤 進君

5.議会局出席職員

議会局長 高橋 春雄君
庶務係長 宮本 和勅君
議事係長 土谷 昌彦君
調査係長 天花寺 博美君
書記 有原 浩君

6.議事日程

日程第一
一般質問


午後二時 開議

○議長(中嶋寛明議員) ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(中嶋寛明議員)
 これより本日の日程に入ります。
 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。
 まず、六番田中広一議員。

〔六番 田中広一議員登壇〕

○六番(田中広一議員)
 公明党の田中広一でございます。私は、平成十七年第二回区議会定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、通告書に従い、区長並びに関係理事者に対し質問をさせていただきます。どうぞ意のあるところをお酌み取りいただき、明快にして建設的な御答弁を期待するものでございます。なお、御答弁のいかんによりましては再質問をあらかじめ留保させていただきます。
 まず初めに、子供の読書活動についてお尋ねいたします。
 読書活動は、子供が人格を形成し、さらに人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできない重要な取り組みであります。フランスの文豪、ヴィクトル・ユゴーは「活字文化こそ人間社会の光明なり」と叫んでおります。
 本来、子供たちにとって、学ぶ喜びの場となり、生きる喜びの場であるべき学校においていじめや暴力などの問題が深刻化して久しくなってきており、また、いじめによる自殺等の被害も後を絶ちません。さらに、低年齢化し続ける殺傷事件が続発しており、日本じゅうを震撼させております。その闇の巨大さの余り、茫然と立ちすくんでいるというのが実情ではないでしょうか。
 ある識者は、読書の重要性を次の三点にわたって論じております。
 第一に、読書経験が、ある意味で人生の縮図をなしていること。例えば、古典や名作には歯ごたえがあります。難解な箇所にぶつかり、再三再読、ようやく自分なりに納得できる場合もあるかもしれません。あるいは、そのときはわからなくても、長じてその意味にはたと思い当たることもしばしばです。それは足元を確認し、周囲に目を配りながら、一歩一歩と山頂を目指す山登りと似ています。苦しく困難な登はん作業にも似た格闘を経て、初めて血肉となるのが良書であると考えるからです。
 第二の意義として、蓄えられた読書経験は、ちまたにあふれかえるバーチャルリアリティーのもたらす悪影響から魂を保護するバリアとなってくれること。確かに、バーチャルリアリティーは一定の利便性を持ってはいますが、その刺激性の強さのゆえに、リアリティーの世界にのみはぐくまれるであろう他者の痛みや苦しみへの共感性、想像力を覆い隠してしまいかねない通弊を有しております。さらに、つくられたイメージを受動的に受け取る環境ばかりに身を置いていると、考える力、判断する力、愛し共感する力等、総じて内発的な精神性がどうしても衰弱していってしまいます。しかし、読書はバーチャルリアリティーなどでは到底満たされることのない魂の深層に励ましといやしの風を送り込んでくれるはずであります。真の読書とは、ひっきょう、作者と読者との粘り強い親身な対話に帰着するからであります。
 第三の意義として、読書は青少年のみならず、大人たちにとっても、日常性に埋没せず、人生の来し方行く末を熟考するよいチャンスとなること。そして、最も重要なことは、読書経験を通して子供たち自身の問いかけを大切にはぐくみながら、時間をかけて自分を見つめ直し、自分の力で答えを探し出す力をはぐくんでいくことであるとしております。
 一方、国においては、平成十三年十二月に子ども読書活動推進に関する法律が公布、施行されました。さらに、これに基づき、平成十四年八月には子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画が閣議決定をされ、平成十四年度から平成十八年度までの五年間にわたり、子どもの読書活動推進のための環境整備の基本的方向と具体的な方策が定められました。また、国会では超党派による活字文化議員連盟が、このほど、本日も一部新聞報道がございましたが、文字・活字文化振興法の骨子案をまとめ、今国会での法案成立を目指しております。
 振興法制定の動きの背景にあるものは、若い世代の読書離れであります。経済協力開発機構が中・先進諸国の高校生を対象に行っている国際学習到達度調査二○○○年度版によりますと、趣味としての読書を全くしない日本の高校生は五五パーセントにも上り、調査対象国の中でワースト一となり、日本の高校生の本離れが際立っております。
 さらに、読書活字離れがもたらす悪影響を浮き彫りにしたのが、昨年十二月に発表された二○○三年度版の経済協力開発機構の調査の中で、二○○○年では八位であった日本の高校生の読解力が十四位までに低下していることが明らかとなりました。
 そこで、お伺いいたします。
 第一点目に、このような状況の中で読書の重要性について、どのようにお考えか、区長さんの御見解をお聞かせください。
 そこで、私は三鷹市の三鷹図書館に視察に行ってまいりました。三鷹市では、児童・青少年の健全育成を大きな課題としてとらえ、このほど、みたか生涯学習プラン二○一○を策定いたしました。この中で、子供の読書活動が重要な要素であるとの認識から、さらに、みたか子ども読書プラン二○一○、三鷹市子ども読書活動推進計画を策定いたしました。対象はゼロ歳から、おおむね十八歳までとし、子供と本との出会いの場を広げ、子供たちに本を読む喜びや楽しさを伝えていくために、市立図書館と学校、幼稚園、保育園、学童保育所、児童館、子ども家庭支援センターなどの関係施設や子供の読書活動を支えている地域・家庭文庫などの市民団体などと連携して取り組んでいくものとなっております。指標として、具体的に、平成十六年の実績として小学生の本を読む割合が八二・八パーセント、また中学生では六五・四パーセントとなっている状況を、平成二十二年にはそれぞれ一○○パーセントを目指すなど、目標を定めております。また、三鷹市では、市を挙げて長年取り組んできた児童サービスや、赤ちゃんと保護者の方に絵本に親しんでいただくために平成十五年より開始した、はじめての絵本(ブックスタート)事業などが評価され、平成十七年度子どもの読書活動優秀実践図書館として三鷹図書館が文部科学省より表彰されました。
 一方、本区におきましても、さまざまな取り組みが行われております。乳幼児期ではお話し会など読み聞かせの推進や、保護者を対象にした絵本講演会を年三回実施するなど、取り組みがなされております。小学校及び中学校では朝の読書運動など読書活動への取り組みが行われる中、本年度より学校図書館に指導員を配置したり、また区立図書館では開館日及び開館時間が拡大され、読書への環境整備が施されるなど、積極的な取り組みに評価いたすところでございます。
 そこで、第二点目に、以前同会派より御提案申し上げました、親子が絵本を通して心と言葉を交わすひとときがさらに持てるように、ゼロ歳児健診などの機会にメッセージとともに絵本を贈るブックスタート事業について、改めて御提案させていただきます。
 視察した折に三鷹図書館長よりお話を伺いましたが、絵本を贈呈したときには厳選した絵本二冊を用意して、どちらかを選択できるようにし、ほとんどの方々より喜んで受け取っていただき、読み聞かせの推進に大いに貢献できたものと感じていると述べておられました。さらに、読み聞かせの大切さを一番理解している図書館職員が情熱を持って取り組んだことが要因ではないかと語っておられました。
 そこで、お伺いいたします。
 本区において、乳児に対し三か月健診時に絵本リストの配布を行っておりますが、ここでさらに発展的にとらえ、特に読み聞かせの重要性を理解している図書館職員の方々から心を込めて、本区らしい取り組みで絵本と赤ちゃん向けの絵本リストが入ったオリジナルバッグを手渡すことによって、温かい親子の触れ合いの中で子供の豊かな想像力や表現力、読書力がはぐくまれていくものと確信し、改めて御提案申し上げますが、区長さんのお考えをお聞かせください。
 第三点目に、地域における読書環境の整備についてお伺いいたします。
 地域の子供を抱えた親の方々から、京橋図書館を子供たちがもっと利用しやすいようにしてほしいとの声を聞くことが多々あり、また、私自身あるいは銀座中学校時代の友人も、館内が暗い、あるいは昼間はサラリーマン等が多く席が確保できなかったりなど、子供のころから感じておりました。
 そこで、お伺いいたします。
 今後、検討されております本庁舎の改修工事にあわせ、京橋図書館を子供たちに利用しやすいように改修すべきと御提案申し上げますが、区長さんの御見解をお聞かせください。
 第四点目に、中央区のすべての子供が、家庭、地域、学校で、あらゆる機会、あらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるように、また、先ほど質問させていただきました絵本リスト配布の拡大や京橋図書館の改修も盛り込み、本区が取り組んできたさまざまな政策を体系化し、良書に親しむ読書活動を教育の一つの柱として中央区子ども読書活動推進計画の策定を御提案申し上げますが、区長さんの御見解をお聞かせください。
 次に、防災対策についてお伺いいたします。
 新潟県中越大震災や福岡県西方沖地震など、相次ぐ想定外の地震に加え、東海地震や東南海、南海地震、首都直下地震といった大規模地震の発生が危惧されております。大規模地震の被害想定では、住宅や建物の倒壊による犠牲者数が試算されており、東海地震では約六千七百人、東南海、南海地震は約六千六百五十人、首都直下地震では約三千三百人となっております。
 また、政府の中央防災会議は、本年三月に東海地震と東南海、南海地震について、死者数と経済被害額を十年以内に半減することを減災目標とした地震防災戦略を策定いたしました。その対策の柱は、住宅と不特定多数の人が利用する特定建築物の耐震化率を現行七五パーセントから九○パーセントに引き上げる住宅耐震化を掲げました。つまり、これまでの災害後に重点を置いた従来の震災対策から方針を転換し、事前の備えを重視した減災対策に力を入れていく姿勢を示したものと考えられます。
 私は、これまでも地震による第一撃で圧死者を出さない、あるいは火災を発生させない減災対策が不可欠であると主張してまいりました。本年六月二日の東京都議会第二回定例会におきまして、公明党の東野秀平副政調会長は住宅の耐震化及び不燃化について主張いたしました。これに対し、石原都知事は、木造密集地域の住宅の強化は、自助、共助、公助の原則を踏まえながらも、個人の負担を考えると全部耐震化するのはかなりの負担となる。目前に迫っているかもしれない地震対策として、筋交いなどの方法を都としてどれくらいのコストでできるか研究したいと述べて、寝室だけに筋交いを入れるなどの安価にできる耐震工法への助成に積極的な姿勢を示しました。
 そこで、お伺いいたします。
 第一点目に、本区では木造住宅耐震改修費用助成、資金融資あっせん制度がございますが、東京都の状況をかんがみながら、効果的で安価な工法及び耐震改修業者の紹介、国土交通省の住宅・建築物の地震防災推進会議においても提言がありました相談窓口の設置、さらに耐震改修が適正かどうか、どのように審査していこうとお考えなのか、区長さんの御見解をお聞かせいただき、あわせて木造住宅耐震改修費用の助成など、今後の拡大の可能性についてもお聞かせください。
 第二点目に、家具類転倒防止対策についてお伺いいたします。
 阪神・淡路大震災などの大地震では、家具は倒れるのではなく飛ぶものと指摘をされております。一昨年発生した宮城県北部を震源とする地震、十勝沖地震及び昨年の新潟県中越大震災の負傷原因のうち家具類の転倒・落下による負傷が三○パーセントから五○パーセントを占めており、東京消防庁においてもその被害状況を把握し、家具類の転倒・落下防止対策の重要性を認識しております。
 東京消防庁が実施したアンケートによりますと、家具類の転倒・落下防止対策を実施していない方の七割以上は今後実施したいという意向を持っており、特に実施率が低い七十歳代で高い実施意向を持っているという調査結果となっております。東京消防庁では家具類の転倒・落下防止対策推進委員会が設置され、さまざま検討されたようですが、その中で東京消防庁、東京都関係部局、区市町村、各地域の町会・自治会、業者などが連携して販売店リストの作成や地域の取り組みに対する表彰など、家具類の転倒防止キャンペーン活動を展開してはとの提案がありました。
 そこで、お伺いいたします。
 本区では高齢者世帯や心身障害者の方々への家具類転倒防止器具の設置が行われておりますが、先ほどの東京消防庁のアンケート結果及び検討委員会の提案を踏まえ、関係部局が連携して、今後さらに普及啓発して整備していくべきと考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。
 第三点目に、ライフラインの確保について、電線共同溝の整備とガスの安全対策に絞ってお尋ねいたします。
 電力、上下水道、ガス、通信などは、被災地の人々の生活にとって重要であるにもかかわらず、地震で機能障害を起こしやすい特徴を持っております。ライフラインが復旧しないと、仮に建物が崩れなくても生活が困難であることから、避難所で生活する人々の数もライフラインの復旧状況と関連しており、耐震化などの予防対策が求められます。
 その中でも、特に電気の影響により他のライフライン機能の停止につながるなど、システム的に相互に支え合っているライフライン同士で被害が波及する傾向が強くなっていることが特徴です。さらに、阪神・淡路大震災では地下の共同溝内に設置された管路やケーブル施設は損傷が少なかったため、供給信頼性を高める上で、地下の共同溝が有効であることが確認されております。
 一方、本区では電線共同溝を整備し、電線類の地中化を実施しております。今年度は設計業務を予定しており、今後平成二十二年度までに四か所の整備予定となっております。この電線共同溝の整備は、(1)地中化による耐震性の向上、(2)災害時、電柱の倒壊による漏電などの二次災害の回避、(3)地中化したため、道路の拡幅により安全で円滑な道路交通の確保、(4)景観の向上などのメリットがあります。したがいまして、電線共同溝の整備は区民の安心・安全なまちづくりに必要不可欠であり、地域密着型の公共工事として整備することは重要な取り組みであると考えます。
 そこで、お伺いいたします。
 現計画における電線共同溝の整備範囲を危険地域など調査検討の上、さらに拡大し、あわせて、少しでも前倒しで施行し災害に強い安全な都市基盤を整備すべきと考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。
 また、ガスにつきましては、阪神・淡路大震災において復旧に時間がかかり、住宅での入浴や調理に多大の不便を来したと言われております。供給管の破損によるガス漏れが火災発生の原因になった例も見られるなど、完全復旧には三か月を要したとされ、早期復旧が課題であります。
 そこで、私は東京ガス株式会社本社を視察し、大地震への対応策について説明を受けるとともに、関係者とも意見を交わしてまいりました。東京ガスでは阪神・淡路大震災を教訓とし、超高密度地震防災システム「シュープリーム」による遠隔遮断システムの構築や家庭内での安全対策ではガスメーターにマイコン制御機能が内蔵されており、震度五強相当以上の地震が発生したときは都市ガスを自動的に遮断する仕組みを整備しておりました。また、高・中圧のガス導管は阪神・淡路大震災では高い耐震性が確認され、さらに首都圏のガス導管総延長四万九千キロメートルのうち約九○パーセントを占めている低圧導管におきましては、地盤変動の影響を吸収するポリエチレン管などを採用し、地震による損傷を最小限に食いとめるための対策を講じております。しかしながら、低圧導管の耐震整備は余り進んでいないのが現状で、首都圏全体でも三万キロメートル以上も残っているとのことでした。
 そこで、お伺いいたします。
 本区におけるガスの低圧導管の整備状況をお示しいただき、さらに、この現状について防災上どのようにお考えか、区長さんの御見解をお聞かせください。
 第四点目に、防災用品のあっせんについてお伺いいたします。
 私は、先日、目黒区の「地震の学習館」に視察に行ってまいりました。各種映像、音響装置効果により地震初期消火、煙、救護の体験など臨場感あふれる疑似体験や、目黒区の地域危険度を示し被害想定を紹介するなど、さまざまな啓発を行っておりました。さらに、目黒区では区民の啓発の意義も含め、避難セット、避難用品や防災対策用品、飲料水、非常食料などの防災用品のあっせんを行っておりました。また、防災用品の業者は東京都葛飾福祉工場が請け負っており、開設以来、防災用品や生活安全用品を開発及び生産し、身体障害者の職業の対策の一環として東京都が昭和四十七年に設置したものであり、身体障害者の方々が一人の社会人として職業を持ち、自立した生活を営むことを目標に、この工場は運営されております。私自身も地域の方々より、どこで防災用品を購入したらよいのかなどの相談を受けることがあります。
 そこで、お伺いいたします。
 災害に対する備えは日ごろの防災の心がけによって、万一のときの被害を最小限に食いとめることができます。区民の方々への防災意識の啓発の意義も含め、本区における防災用品の購入費の一部を助成してはどうかと御提案申し上げますが、区長さんのお考えをお聞かせください。
 以上で、私の第一回目の質問を終わらせていただきます。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 田中広一議員の御質問に順次お答えいたします。
 初めに、子供の読書活動の重要性についてであります。
 子供が言葉を学び、想像力や表現力を身につけ、豊かな感性をはぐくむために、読書活動の果たす役割は大変重要であると認識しております。そのため、次世代を担う子供たちがみずから進んで読書活動を行い、気軽に本に触れ合えるよう読書しやすい環境の整備と読書に関する啓発や情報の提供を行うなど、子供の読書活動についてより一層の推進を図ってまいります。
 次に、絵本リスト配布事業の拡大についてであります。
 子供が乳児期に本と触れ合う機会を持つことは、子供の健全な発育を促進し、読書の習慣を形成する上で大きく寄与するものと考えます。乳児期の読書につきましては、平成十四年度から三・四か月乳幼児健診会場で絵本リストを配布するとともに、絵本の読み聞かせの実演や保護者からの絵本に関する相談などに応じております。また、図書館では絵本等を利用される際に図書館職員が読書相談を行っているほか、貸し出した図書を持ち帰りやすいよう、乳児から小学生までの図書館利用登録者に対しましてオリジナルバッグを無料配布しております。さらに、昨年度からは講師を招いて、乳幼児のための絵本講習会を開催し、絵本の選び方や読み聞かせの方法などの普及啓発に努めております。当面、これらの事業の定着と普及に努めてまいりたいと存じます。
 次に、京橋図書館の改修についてであります。
 現在の京橋図書館は本庁舎の建設時に整備された施設で、老朽化が進んでおり、本庁舎と同時に改修する必要があると考えております。改修に当たっては、子供から高齢者に至るまで、だれもがいつでも気持ちよく利用できる生涯学習の拠点として区民の主体的な学習を一層支援できる図書館に整備してまいりたいと思います。あわせて、多くの子供たちが利用する児童室につきましては、利用しやすいように書架や閲覧席の配置を工夫するなど、子供たちが気軽に読書を楽しめる環境づくりを進めてまいります。
 次に、中央区子ども読書活動推進計画の策定についてであります。
 平成十三年十二月、子どもの読書活動の推進に関する法律が公布・施行され、すべての子供が機会、場所を問わず自主的に読書活動を行える環境づくりが求められております。また、地域、学校、図書館は相互に協力し合い、子供たちの読書環境の整備や読書活動の推進に努めるものとされております。
 こうしたことから、図書館においてもお話し会や子供会を定期的に開催し、絵本の読み聞かせなどを通じて本と触れ合う機会をふやしてまいりました。さらに、子供の読書活動を推進するため、本年度からすべての小中学校に学校図書館指導員を配置するとともに、学校と図書館が相互に協力できる体制を強化いたしました。今後、さらに子供の読書活動を推進するため、子ども読書活動推進計画の策定を含め、施策の充実を検討してまいります。
 次に、木造住宅耐震改修費用助成、資金融資斡旋制度についてお答えします。
 本区では、安全・安心なまちづくり、特に災害に強い住宅づくりを推進するため、木造住宅の耐震改修の支援を、ことし四月、開始したところであります。耐震改修費用助成制度につきましては、五十万円を限度としているところから、効果的で安価な工法が必要であり、筋交いもその一つの手法であると思われます。今後、効果的で安価な工法については、東京都や他区、さらには建設業界の動向を注視し、技術情報の取得に努めてまいります。
 また、現在、区では耐震に関する相談や耐震診断及び改修業者団体の紹介を行っているところであります。さらに、今回創設の耐震改修支援制度を利用し改修工事を行う場合は、直接区の職員が技術的審査や現場確認を行い、助成金等の適正な執行をチェックしてまいります。なお、助成制度等の拡大につきましては、今後の事業の実施状況を見定めながら対応してまいります。
 次に、家具類転倒防止対策の普及啓発についてお答えいたします。
 十年半前の阪神・淡路大震災では、神戸市消防局によれば、犠牲者の八割以上が家屋の倒壊や家具類の転倒による圧死、窒息死であったということです。また、新潟県中越地震においても、負傷者の四割以上が家具類の転倒などによるもので、転倒防止対策は人命にかかわる重要な課題であると認識しております。区では、これまで防災パンフレットや区のおしらせなどを通じて、繰り返し区民の皆さんに家具類の転倒防止対策をお願いしてまいりました。さらに、平成七年度と十三年度に実施したひとり暮らしの高齢者や障害者などに対する転倒防止器具の取りつけ事業につきましても、昨年度からは随時実施をしております。
 一方、東京消防庁の調査によれば、転倒防止対策を実施しない理由として、どのような器具を選んだらよいかわからないといった意見も多数寄せられております。今後は転倒防止器具の種類とその効果などについて、防災パンフレットや防災訓練など、さまざまな機会をとらえ、より具体的に区民の皆様に周知してまいります。さらに、防災、消防、福祉など関係部局の連携した転倒防止対策の推進についても検討してまいります。
 次に、電線共同溝の整備拡大とガスの安全対策についてお答えいたします。
 安全・安心のまちづくりにとって、地震に強いライフラインの確保は極めて重要であると考えております。特に電線類の地中化には、被災率の減少や無電柱化による転倒防止などの防災面ばかりでなく、幅広い歩道の確保や美しいまち並みの形成など、さまざまな効果があります。本区では平成十一年度から電線共同溝の整備を進めており、平成十六年度末の整備延長は二千八十メートルとなっております。現在、平成二十二年度まで日本橋室町・本町地区を中心に面的整備計画しております。
 お尋ねの計画期間の前倒し実施については、電線管理者との調整や埋設企業者による支障移設の見通しなど課題も多くあり、困難な状況です。
 また、整備地区の拡大については、今後、計画の進捗状況や財政状況等も踏まえ、防災面の安全性向上等に効果が高い地区について新たな整備を考えていく所存であります。
 次に、ガス管の安全対策でございます。
 中央区内に東京ガスの導管は三百六十四キロメートル敷設されております。このうち低圧導管は三百十七キロメートルです。東京ガスでは導管の老朽化による取りかえ工事にあわせ、順次耐震性にすぐれたポリエチレン管等への更新を実施しており、現在、低圧導管の約八割が耐震化されております。震災時には低圧導管の破損に伴う火災等の二次災害を最小限に抑えることが重要であり、今後耐震化を早期に完了するよう東京ガスに要請してまいります。
 次に、防災用品のあっせんについてお答えいたします。
 災害に強いまちを実現するためには、何よりも区民一人一人がみずからの命はみずから守るという自助の精神に基づき、日ごろの備えを行うことが必要であります。しかし、そのためには区民の皆さんが行動を起こしやすい環境を整備することも行政の重要な役割でございます。現在、本区では防災訓練や資機材講習会など多くの人が集まる機会を利用して、防災用品の展示や説明など普及啓発を図っておりますが、販売につきましては個々のお問い合わせに対し個別に業者を御紹介させていただいております。これら防災用品の購入費用につきましては購入者御自身で負担をしていただくことが基本と考えますが、多くの区民の皆さんが自主的に防災用品を購入し災害に備えていただけるよう、今後価格の割引や販売方法など、あっせん制度の実施に向けて検討を行ってまいります。
 答弁は以上であります。

〔六番 田中広一議員登壇〕

○六番(田中広一議員)
 それぞれの質問項目に対しまして大変御丁寧な建設的な御答弁ありがとうございました。
 時間もございませんので、最初の子供の読書活動に関連して申し上げさせていただきます。
 先日も新聞報道で見させていただきましたけれども、本区の学力の調査の結果が出ておりまして、小学校五年生あるいは中学校ということでトータルで東京都で三番目だということで伺いまして、大変うれしく、今まで区長さんはじめ、教育長さん、また過去の今までの職員の皆様方、現場の方々含めて、その努力が実った結果であるというふうに感じております。
 このたびの読書活動の内容についても先ほど述べさせていただいたとおりでございまして、そういった本区で、また教育の中央区と標榜している本区でありますので、ぜひとも理解していただけるものと確信しまして、さらなる子供あるいは中央区全体の読書活動の推進に寄与していただきますことを期待し、また要望させていただきまして質問を終わらせていただきます。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)

○議長(中嶋寛明議員)
 次に、十五番植原恭子議員。

〔十五番 植原恭子議員登壇〕

○十五番(植原恭子議員)
 中央区議会公明党の植原恭子でございます。私は、平成十七年第二回定例会に当たり、区が当面する諸課題について質問をさせていただきます。矢田区長さん並びに理事者の皆様におかれましては、どうか建設的で明快な御答弁をよろしくお願い申し上げます。御答弁のいかんによりましては、再質問を留保させていただきます。
 JR福知山線の事故をはじめ、たび重なる自然災害や目を覆いたくなるような凶悪事件が続き、これまで世界で一番安心・安全な国と思われてきた日本の安全神話は一挙に崩れ去り、多くの人が日々の生活に不安を感じられている昨今ではないでしょうか。
 もとより、深刻な経済状況は依然として続き、急速な少子高齢化を背景とした社会保障制度の見直しなど、国民の多くが現在も、また将来にも大きな不安を持っていることは言うまでもありません。このような劣悪とも言える社会状況下にあって、さらに次代を担う子供たちが巻き込まれる事故や事件が増加し、一方では子供の学力や体力の低下を懸念するなど、安心して子供を産み育て、また子供が希望を持って健全に育つには大変な世の中になったと危惧するのは私一人ではないと思います。
 公明党は一貫して少子化対策を訴え、さまざまな子育て支援策に取り組んでまいりました。国においては、一九九九年、当時は野党でしたが、公明党の提案で少子化対策臨時特例交付金を実現し、中央区にも約五千五百万円が交付され、保育園の施設整備など充実されました。与党となってからも、ばらまき福祉との非難を浴びましたが、児童手当の拡充を強力に推進してまいりました。この間、児童手当は対象年齢を三歳未満から小学校三年修了前まで拡大、所得制限も見直し、大幅に緩和されました。公明党が与党となった九九年に比べ、該当児童は二百四十一万人から、二○○五年は約四倍の九百三十八万人にふえました。中央区においても同様で、九九年は受給世帯数四百三世帯、該当児童数四百四十八人でしたが、二○○四年には千六百七十世帯、二千百七十二人と該当児童数は四倍をはるかに超えております。事実、区民の皆様より感謝の声を数多くいただきました。
 さらに、公明党は政府に対し、少子化対策、次世代育成支援を最重要課題と指摘して、専任大臣の設置など、政府一体で総合的に施策を推進することを要請いたしました。子育てが楽しくなる社会こそ大切として、公明党は少子化対策に真剣に取り組んでおります。私も、子育て・子育ちがしやすい中央区を目指す立場から、テーマをその一点に絞り、質問させていただきます。
 初めに、六月一日の厚生労働省の発表によれば、一人の女性が生涯に産む子供の数、合計特殊出生率は一・二八九と過去最低を更新し、国がさまざまな少子化対策を講じてはいるものの、必ずしも少子化に歯どめがかかっていないのではないかとの厳しい指摘がありました。ちなみに、中央区の合計特殊出生率は国や東京都を下回っており、二○○二年に○・八五と最も低くなりましたが、二○○三年に○・九三となり若干回復傾向にあるようですが、このような指摘に対して、本区の現状も含め、矢田区長さんはどのような御見解をお持ちですか、お聞かせください。
 中央区の平成十七年度予算の概要を見ると明らかですが、(仮称)子ども家庭支援センターの整備、子どもの居場所「プレディ」の開設、平日準夜間小児初期救急診療など、福祉、教育、保健にわたり子育て支援のための新事業、また事業の拡充が数多く実施され、矢田区長さん初め、理事者、職員の皆様が意欲的に施策に取り組まれましたことを高く評価いたします。平成十八年度には福祉部と保健衛生部の統合を目途に、この四月に新たに子育て支援係が設けられるなど、区民に大変わかりやすくなることと思います。今後の子育て支援策の充実に大いに期待させていただきます。
 国、地方公共団体、企業が一体となって一層の少子化対策に取り組むため、国は平成十五年七月、次世代育成支援対策推進法を制定し、平成十七年四月から十年間の行動計画を都道府県すべての区市町村において策定することが義務づけられましたが、本区の次世代育成支援行動計画は本年三月に策定された第二次中央区保健医療福祉計画がそれを包含するものとしました。期間は五か年と決め、三年後に見直しすることとなっております。
 保健医療福祉計画は、従来の取り組みを踏まえ、保健、医療、福祉施策を総合的、計画的に推進するため、新たな道筋を明らかにすることが目的です。第二次中央区保健医療福祉計画の中には、確かに次世代育成支援として従来の保健、福祉、医療に加え、教育や居住生活環境の視点からも取り組みが示されております。
 しかし、私は激しい変化と混迷をきわめる現代の社会状況や子供たちを取り巻く環境を考えるとき、決して中央区だけがその例外であるわけがなく、新しく示された第二次中央区保健医療福祉計画が次世代育成支援行動計画策定の目的をすべてにわたって果たしているのか、少なからず疑問を持たざるを得ません。
 例えば、中央区のまちづくりに子供や子育ての視点が生かされているでしょうか。安心して親子で遊べるような芝生、思いっきり体を動かし、はだしで走り回れるような公園も限られております。特に中学・高校生の居場所がないことも切実な課題です。超高層ビルのオープンスペースの片隅や道路で座り込んで友達と楽しそうに会話している子供たちを見かけるたびに、まちづくりが先行し、子供が置き去りにされた感が私はいたします。そのほか、子供とメディアの問題、地域コミュニティの問題、就労の問題など、いまや家庭だけでは支えていくことができなくなった青少年や子育て家庭にかかわる深刻な課題は枚挙にいとまがありません。
 さらに、本区は六月一日に人口九万六千十六人となり、矢田区長さん筆頭に全庁挙げて取り組んでこられた念願の人口十万も目前です。中でも、快適な都心居住を求めて若いファミリー世帯の増加が顕著です。超高層の集合住宅が区内各地で次々と建設される中央区は、さらに子育て家庭がふえていくものと想定されます。
 このような状況下にあって、本区の青少年や子育て家庭の不安を安心へと導くためにも、その支援のあり方を自治体が責任を持って研究すべきであり、地域の実情に合わせ、中央区として次世代育成支援の推進に全庁挙げて取り組むべきだと私は主張いたします。子育て・子育ちの視点を取り入れた総合的な施策を推進するために、また、区民に理解と納得と協力を得るためにも、本区の次世代育成支援について専門のプロジェクトを設置し、行動計画をさらに充実させ明確にすべきと提案いたしますが、区長さんの御所見をお伺いいたします。
 あわせて、自治体によっては独自の子ども計画や子供の権利に関する条例を策定した自治体もありますが、中央区は実が伴わなければ意味がないとして、条例の制定は考えていないとお聞きしました。しかし、我が国が児童買春など、子供の権利後進国であることは国際的にも指摘され、憂慮すべき事態です。子供の権利に関する条例を制定することにより、子供の権利という視点に基づいて、子供を地域社会全体で育てることを明確に位置づけ、それを具体的な施策として展開していくことができます。
 私は、中央区こそ首都東京の中心としてグローバルな視点に立ち、子どもの権利に関する条例を制定すべきであると提案いたしますが、区長さんのお考えをお示しください。
 待望の中央区子ども家庭支援センターが平成十九年度開設を目指し、いよいよ今年度着工の運びとなりました。勝どき一丁目の複合施設の一部として三階部分に設けられ、約一千平米の広さです。一階と二階には待ち望んでいた区立勝どき保育園が移転し、四階から十三階は区営住宅です。特に用地の確保と区営住宅の増設については、区長さん並びに担当者の御努力に感謝申し上げます。
 勝どき駅周辺は再開発が目白押しですが、中でも子ども家庭支援センターに隣接し東京都が民間活用するとしているA敷地については、勝どき一丁目地区プロジェクトによると、まちづくりの誘導目標として、子育て世帯が安心・快適に暮らせるにぎわいのあるまちと示されております。また、勝どき六丁目では日本一とも言われる超高層の集合住宅が建築中です。本区が子育て支援の中心拠点としての機能を果たすべき子ども家庭支援センターを勝どきの地に設置するに当たり、勝どき地区のまちづくりの将来像をどのように展望しておられるのか、区長さんのお考えをお示しください。
 子ども家庭支援センターは、子供自身や子育て家庭からのあらゆる相談に応じる総合相談窓口となります。相談事業のほか、親子の交流スペースの提供に加え、中央区として初めて一時保育と夜間保育のサービスが実施される予定です。今までの子育て支援策は、どちらかと言うと、保育園の待機児童解消など、働く保護者と子供の支援に比重がかかっていたように思われます。子ども家庭支援センターの設置により、特にこれまでは行き届かなかった在宅で子育てをしている保護者や子供の支援として多様なサービスが提供され、子育て家庭はもちろんのこと、多くの区民が大変待ち望んでいたものであります。
 そこで、子ども家庭支援センターの事業について、二点質問させていただきます。
 一点目は、子育て家庭の在宅サービスとしてショートステイを実施事業に加えるべきだと提案いたします。保護者が病気や疲労などで身体的あるいは精神的に子供を養育することが一時的に困難になるケースがあります。現代の子育て家庭はそのほとんどが核家族で、孤独な子育てをしていると言っても過言ではありません。
 私が最近区民の方から相談を受けて感じることは、経済的環境の悪化など背景があるものの、特に育児や子供の将来に不安を感じ、精神的に負担を感じている母親が多いということです。平成十六年三月の中央区保育需要・子育て支援等実態調査報告書によれば、泊まりがけの代替保育は「あった」が一六・九パーセントとなっておりますが、「親族・知人にみてもらった」が九五・九パーセントと圧倒的多数で、本区におけるショートステイの必要性は数字の上では表面化しておりません。しかし、平均泊数は九泊とあり、親族、知人の中には遠方から来てくれたり、または仕事の都合をつけて来てくれる人も少なくないと思います。ふだんと違い、なれない保育に負担を感じるケースもあります。保護者の子育ての不安を軽減し、今、大きな社会問題となっている児童虐待を予防する観点からも、ショートステイ事業は必要不可欠と私は思います。区長さんのお考えをお示しください。
 二点目は、相談事業に当たる専門相談員の確保であります。
 中央区子ども家庭支援センターにおいては、ゼロ歳から十八歳までの子供を対象としておりますが、スペースが限られておりますので、年齢の高い子供たちが利用できるのは主に相談事業かと思われます。交流事業やひろば事業については、子どもの居場所「プレディ」の拡充や、今年度から児童館の役割や運営方法など児童館のあり方について見直しを行うことで順次スペースの確保ができるものと期待をさせていただき、早急な取り組みを要望させていただきます。
 さて、相談事業ですが、先日の特別委員会でも議論がありましたが、子供のことなら何でも相談できるところが子ども家庭支援センターでなくてはならないと私も思います。学業や友達に関する悩みも当然あるでしょう。悩みを抱えてきた子供に「それは教育相談だから、教育センターに」とは言えないのではないでしょうか。障害のある子供に対しても、乳幼児期から成人期までの各ライフステージに対応する保健、医療、福祉、教育、就労等、一貫した支援が求められます。
 さらに、少年相談や思春期の心の相談にも対応できる相談員の確保も必要です。子ども家庭支援センターが受ける相談は、その機能が充実すればするほど件数は増加し、相談の内容も、ちょっとした子育ての不安から虐待、DVなど家庭内暴力、ひきこもりなど深刻な内容のものまで多岐にわたると想定されます。そのような問題を抱えた子供や子育て家庭の身近な相談窓口として速やかに対応してくれる場所が子ども家庭支援センターであります。例えば教育相談も受けられるように、子ども家庭支援センターはさまざまな相談体制を整えるべきであり、より専門性の高い相談員を確保し配置すべきと思いますが、区長さんの御所見をお伺いいたします。
 最後に、少子化対策・次世代育成支援の観点から、ひとり親世帯住宅と母子生活支援施設についてお伺いいたします。
 近年、社会状況の変化に伴い、離婚等によるひとり親家庭は増加の一途をたどり、平成十五年度の厚生労働省の調査結果によると、全国のひとり親家庭は約百四十万世帯に達し、中でも離婚や未婚の母が百万世帯を超え、五年前の調査に比べ三割近く増加していることが報告されました。また、母子家庭、父子家庭ともに親子の平均年齢が低くなっていることも明らかになりました。中央区のひとり親世帯数も、平成十二年四百七十八世帯、十六年には六百二十二世帯と急速に増加しております。そして、本区のひとり親世帯住宅としては、区立住宅の一部に平成九年に六戸、平成十三年に九戸、合計十五戸が整備されております。
 中央区では、家賃の高い民間住宅で経済的に負担の大きいひとり親家庭が住み続けていくことは大変困難なことだと私は思います。事実、ひとり親家庭になって低学年の子供をやむなく転校させるなど、区外へ転出するケースが多々ありました。住みなれた中央区で安心して子育て・子育ちができるように、増設が予定されている区営住宅の一部にひとり親世帯住宅の確保を要望いたしますが、区長さんの御見解をお聞かせください。
 加えて、中央区の母子生活支援施設は、現在、墨田区の民間施設で四室、緊急一時用として一室が確保されております。私は前段で申し上げました理由で、同じく母子生活支援施設についても区内での確保を図るべきだと思いますが、区長さんのお考えをお示しください。
 また、母子生活支援施設が区外であるため、住所地の関係から入所者の母子が中央区の区営住宅の募集に応募できないという現状があります。入所者にしてみれば、到底納得のいくものではありません。私は生活支援施設入所者が区営住宅に申し込みができるよう、母子家庭の自立を促進する行政の立場からも申し込み資格の条件を見直すべきであると考えますが、区長さんの御所見をお伺いいたします。
 以上をもちまして、私の第一回目の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 植原恭子議員の御質問に順次お答えいたします。
 少子化対策・子育て支援、これはもう国を挙げての最重要課題でございまして、そうした認識に立って、本区も子供を産み育てやすい環境づくり、また施策の充実に全力を挙げつつあるところでございます。
 そこで、まず少子化の現状と合計特殊出生率についてであります。
 我が国の少子化の現状は合計特殊出生率が過去最低を更新し、平成六年十二月のエンゼルプラン策定以降、さまざまな取り組みがなされていますが、明るい見通しが持てない状況にございます。こうした中で、本区の合計特殊出生率も、年度により増減があるものの、全体としてはわずかに減少する傾向にございまして、平成九年には○・九五であったものが平成十六年には○・八五となっております。しかし、本区では平成九年以降、人口は増加し続けており、ゼロ歳から九歳までの子供の人口を見ますと、平成九年の二千二百五十六人が平成十七年には三千五百八十七人と六○パーセントも増加しております。これは、これまで本区が取り組んできたまちづくりにおけるソフト、ハード両面からの居住環境の整備を初めとする総合的な施策が評価され、小さな子供を持つ三十歳代のいわゆる子育て世代の転入人口がふえていることによるものであります。確かに少子化の一つの指標である合計特殊出生率は減少しておりますが、一方で高齢化率も減少するといった状況もございまして、ファミリー世帯の転入増により、他の自治体と比較してバランスのとれた人口構造へと移行している状態であると認識しております。
 次に、次世代育成支援の専門プロジェクトの設置と行動計画のさらなる充実についてであります。
 次世代育成支援行動計画を包含する第二次中央区保健医療福祉計画は、保健、医療、福祉分野の総合計画として、今後の施策の基本的指針となるものであり、同時に区民、事業者、国、東京都に対して中央区が目指す方向を示すことにより、その参加と協力を求めていくものであります。本計画においては、区民一人一人が生涯を通じて心身ともに健康で、生きがいを持ち、地域の中で安心して住み続けられることができる社会の構築といった視点から、従来の保健、医療、福祉分野に加え、新たに教育分野の参画により、子供の生きる力の育成に向けた学校の教育環境等の整備や家庭、地域の教育力の向上の面においても新規充実事業を計画化しております。さらに、近隣住民や子育てに関する関係機関、団体が互いに支え合う協働による地域ぐるみで子供の成長を支える仕組みづくりを五つの重点的な取り組みの一つとして位置づけております。今後は、この計画の早期実現に向け、一つ一つの事業を着実に推進してまいります。
 なお、子育て支援関連の懸案事項については、現在、子育て支援策の一層の充実といった視点から検討を行っており、政策調査会における議論も踏まえながら、平成十八年度の当初予算に具体策を盛り込みたいと存じます。
 次に、子どもの権利に関する条例の制定についてお答えいたします。
 本区においては総合的な定住人口回復策が実を結び、人口が着実に増加し、特に三十代のいわゆる子育て世代の増加が顕著であります。これは、子育て世代に都心居住の利便性や快適性が理解されたこと、特に本区は二十三区の中でもいち早く児童虐待防止関係機関情報ネットワークの設置や病後児保育事業、産休明け保育事業などへの取り組みを進めてきたことによって子育てしやすい環境であると評価された結果であると考えております。
 また、昨年度策定した第二次保健医療福祉計画は中央区における次世代育成支援行動計画として今後の子育て支援策を体系的に取り組んでいくこととしております。本計画では、特に子育てを支援するグループや団体の育成を図るなど、地域ぐるみで子供の成長を支える仕組みづくりを重点事業の一つとして位置づけました。本区としましては、他自治体の条例制定に見られるような子供の権利擁護の観点にとどまらず、区民が相互にサポートできる広範なネットワークづくりや地域で活動するNPOやボランティア団体との連携を進め、さらには企業や家庭の子育てに関する意識改革に向けた働きかけを行うなど、子育て支援策を総合的に展開し、子育ての社会化の実現に向けて取り組んでまいります。
 次に、勝どき地区のまちづくりの将来像についてのお尋ねであります。
 本区のまちづくりにおいては、基本構想に描いた将来像の実現に向け、すべての人々が安心して生活でき、都心ならではの利便性や魅力を満喫できるよう、快適な都心居住のまちづくりに全力を挙げて取り組んでいるところであります。
 こうした中で、勝どき地区におきましては子育て家庭待望の子ども家庭支援センターがいよいよ本年度着手できることとなり、この地区には、このセンターに加え、区立保育園、認証保育所、児童館、幼稚園、小学校、さらに都有地についても子育てをコンセプトとしたまちづくり構想が出されるなど、子育て関連施設が集積する状況となっております。一方では、当該地域は月島、晴海地域への導入部でもあり、各地域の活性化を促すにぎわいづくりの拠点ともなる地域であります。このため、子育てに十分に配慮した福祉のまちづくりを進めるとともに、他地域のモデルとなるようなまちのにぎわいづくりに取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、子ども家庭支援センターにおけるショートステイの実施についてお答えいたします。
 ショートステイ事業は、本来、児童養護施設や母子生活支援施設、乳児院等において適切に養育することができる専用室を確保し、保育士等の職員を配置して実施するものであります。今回整備する子ども家庭支援センター内にこれらの宿泊を伴う施設を設置することは、建物のスペースや職員配置等財政的な面から難しいものと考えております。しかしながら、こうした需要もあろうかと思いますので、現在のところ、緊急一時保育やファミリーサポートなどの施策を組み合わせて御利用していただきたいと存じます。
 次に、子ども家庭支援センターにおける専門性の高い相談員の配置についてであります。
 子ども家庭支援センターは子供と家庭に関するあらゆる相談に応じ、関係機関と連携しながら子供と家庭を支援するネットワークの構築を図るために設置するものであります。保護者はもちろん、子供自身からのさまざまな相談に応じるため、教育委員会との連携を図りながら教育相談に応じる体制を築くとともに、社会福祉士、臨床心理士等心理学専攻者、保健師等の資格者を初め、児童の相談業務の経験豊富者等の多様な相談員が必要となりますが、今後適切な相談員を確保し配置してまいりたいと考えております。
 次に、増設予定の区営住宅にひとり親世帯住宅の設置についての御質問にお答えいたします。
 勝どき一丁目に建設予定の子ども家庭支援センター等複合施設につきましては、同支援センター、保育園とあわせて区営住宅七十戸を設置いたします。老朽化しております勝どき一丁目第二アパート及び月島三丁目アパートの建てかえ用住宅三十九戸と、増設住宅三十一戸の計画であります。住宅のタイプは、区民からの多様なニーズにこたえるため、単身者向けの一DKから一般世帯向けの二DK、三DKとさまざまな住宅を建設いたします。
 ひとり親世帯住宅の設置の御要望ですが、既に区立住宅に二か所、十五戸の専用住宅を設置しております。今回増設する住宅は区が直接供給する数少ない貴重な区営住宅であり、区営住宅入居希望者が多い中で専用のひとり親世帯住宅として設置は難しいと考えます。しかしながら、ひとり親世帯も増加していることから、ひとり親世帯や心身障害者世帯などに対して抽選時に当選率が上がる優遇制度の導入などを検討してまいりたいと思います。
 次に、母子生活支援施設の確保と入所者の区営住宅への申し込み資格条件の見直しについてのお尋ねであります。
 まず、母子生活支援施設についてでありますが、この施設は、配偶者のいない女性で児童を扶養し生活上の問題を抱えている母子家庭を適切に保護する施設として大切な役割を担っております。だれでも住みなれた地域で住み続けられることを何より望んでおり、区内に施設のあることが望ましいものと存じますが、同種の施設の確保が困難なため、隣接する墨田区のベタニアホームに四世帯分の受け入れをお願いしているものであります。この施設においては、母子の自立支援と子育て支援、さらにはドメスティックバイオレンスにも対応するため、緊急一時保護施設としても利用しており、引き続き、この施設の活用を図ってまいりたいと考えております。
 なお、施設入所後、在籍している区内の保育園、学校に継続して通園・通学を希望する場合にはその意思を尊重した対応を行っております。
 また、母子生活支援施設の入所者の区営住宅への申し込み資格条件については、対象となるよう見直しをしてまいりたいと考えております。
 答弁は以上であります。

〔十五番 植原恭子議員登壇〕

○十五番(植原恭子議員)
 それぞれの御答弁ありがとうございました。
 少子化対策をテーマにして、きょうは質問させていただきました。私自身も、中央区が大変子育て支援策が充実をされているということは我が会派としてもさまざま御提案を申し上げてまいりましたし、十分にその充実については認識をいたしております。
 ただ、やはり先ほど申し上げましたような、まちの中を見ると、果たしてそういう子供たちが存分に自由に育っていく環境にあるかなということで、これは以前からも議会でも論議がありましたけれども、そういう思いはまだ消すことはできませんし、それについてはしっかりとまた、まちづくりの中で、これから政策調査会の中でまちづくり憲章ともいわれるようなものを策定されるということで、今、御努力をいただいておりますので、そちらで子供の視点、また子育て家庭の要望等も十分に反映されるように期待をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次世代育成支援計画等について、条例等についても、今のことですべて納得したわけではございませんけれども、やはり子育て・子育ちの視点というよりも子供の目線というものをまたさらに御認識いただいて、取り組んでいただきたいと要望させていただきます。
 それから、子育て支援の拠点である子ども家庭支援センターについて、今の御答弁をお伺いいたしまして、私自身も確かに、スペースの問題等でショートステイの事業のスペースがない、宿泊する場所等、スペースも確保できないということで御答弁いただきましたけれども、他の自治体等の子ども家庭支援センターを何か所か会派でも視察をさせていただいたり、また個人でも視察をして研究させていただきましたが、特に東京都としては子ども家庭支援センターを立ち上げる場合に、ショートステイの事業というのは、まず第一番にその目的として事業の中に示されているものではないかなと思いますが、その点について質問させていただきます。これは、今、現状、勝どきにその事業を勝どきの子ども家庭支援センターで実施していくのは困難で、その代替としてまた御検討いただけるという御答弁でしたけれども、ぜひこれについてはもう一度どのような形で具体的にできるのか御検討いただきたいと思います。
 それから、質問は、先ほどの都が示している第一番目にショートステイという事業がありましたので、その点についてだけ質問させていただきます。
 それから、相談事業につきましては、教育委員会とも、またさまざまな関係機関と検討して万全の体制を整えていただけるということですので期待をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それから、区営住宅の一部にひとり親世帯ということですが、私もさまざま単身の方、また高齢者の方、いろいろな方の御要望があって、本当にこれも中央区の方が期待している住宅でもありますので、先ほどの御答弁ではひとり親世帯、また心身障害者世帯の募集に当たり優遇制度を設けていただけるということで理解をいたしました。
 それから、最後の母子生活支援施設の確保ですが、これについても、昨年度の資料によりましても二十三区の中で独自でこの施設を確保して持っていないところは、たしか中央区を含めて三区ぐらいしかなかったと思います。主に都心の区であったと思いますが、その可能性についてはこれからも検討課題として取り組んでいただきたいと思います。
 それから、区営住宅への申し込み条件については見直しをしてくださるということで、ありがとうございます。期待をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 では、一点だけ御質問させていただきます。

〔福祉部長 小泉典久君登壇〕

○福祉部長(小泉典久君)
 ショートステイのお尋ねでございます。
 子ども家庭支援センターの中で、ほかの二十三区の中、実は一番遅い設立の状況になってございます。先行の自治体、二十三区の中でも十区程度、家庭支援センターの中に設けているという状況を私どもは把握をいたしておりまして、今回の計画に当たってこれらの設置についてもいろいろ検討はしてまいりました。ただ、スペースの問題、それから、これは何泊かということになりますので、二十四時間の体制ということから保育の職員の人員配置の問題、そういった点も含めて、この家庭支援センターの中に設けるのが困難であるということから、ショートステイについてはこの施設の中では断念をいたしております。
 ただ、こういう需要は確かに御指摘のような状況がございます。御要望等は顕在化いたしておりませんけれども、そういう必要性、ニーズ、需要があるということの状況は私どもも理解をいたしておりますので、今後の問題として、どういう施設の中にこういったショートステイのサービスができる施設が設けられるかということについては引き続き検討をしてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

〔十五番 植原恭子議員登壇〕

○十五番(植原恭子議員)
 ただいまの福祉部長さんの御答弁、ありがとうございました。
 今、現状としては困難な状況ではあると思いますが、どうか今後各関係機関、心配しておりますのは、やはり児童虐待ネットワークに都内でも早くから取り組まれてきたと先ほどの御答弁にもありましたけれども、ショートステイがないということは、やはり子ども家庭支援センターを設立するに当たっては、大変申しわけないですけれども、片落ちではないかなという気がいたしました。
 そうは言いながらも、現状としては大変困難な状況であるということで理解はいたしましたので、今後前向きな御検討、またその可能性について研究をお願いしたいと要望させていただきまして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(原田賢一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。
 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋寛明議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋寛明議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後三時十九分 休憩


午後三時四十分 開議

○議長(中嶋寛明議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 一般質問を続けます。二十番鞠子勝彦議員。

〔二十番 鞠子勝彦議員登壇〕

○二十番(鞠子勝彦議員)
 日本共産党の鞠子勝彦です。私は日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。なお、再質問、再々質問をあらかじめ留保しておきます。
 最初の質問は、石原都知事による強権的な都政運営と、その中央区に及ぼしている影響についてです。
 都議会百条調査特別委員会を契機とする都政の異常事態をめぐり、浜渦副知事ら四人の特別職が辞職しました。こうした事態を生んだ事の発端は、石原知事の側近中の側近といわれる浜渦副知事が社会福祉総合学院の運営に関し都議会民主党に質問を依頼した問題です。知事や副知事に頼まれてやらせ質問をすることは、都知事などの執行機関を監視すべき議会として、あってはならないことであります。都議会に設置された百条委員会に証人喚問された浜渦副知事は、質問依頼を否定しました。しかし、その証言が偽証と認定されました。この質問依頼について石原知事が関与していたことを、知事自身が六月三日の記者会見で明らかにしました。都政新報は六月七日付で、予算特別委員会で質問するよう知事自身が働きかけを指示していたことを明らかにしたと報道しています。
 都庁関係者の間では、浜渦副知事は石原知事の意向をバックにして、意に沿わない者をどやしつけたり、左遷するため、批判的な意見は言えない状況だったと言われています。日本共産党の吉田信夫都議会議員は六月二日の代表質問で、石原知事が浜渦副知事など側近を重用し、都民や職員の声に耳を傾けず、専らトップダウンで独断的な運営をするという政治手法の矛盾と破綻を示すものだと指摘し、石原都知事の責任は極めて重大だと批判しました。日本共産党は、石原知事に対する問責決議案を提案しました。しかし、ほかの政党は本会議への上程に反対し、知事の責任を不問にしました。こうした状況を各新聞社の社説も批判しています。日本経済新聞は六月六日付で、石原都政の問題点を遠慮なく指摘しなければ、議会も責任放棄になると指摘しています。
 そこで、区長にお聞きします。
 こうした一連の都政の異常事態と、石原都知事の都政運営についての見解をお答えください。
 石原知事の強権的な都政運営によって生まれた混乱は中央区にも影響を与えています。区が今年度予定していたミニ市場公募債の発行が、今回の都議会百条委員会の影響で延期となりました。ミニ市場公募債は、勝どき地区で区が東京都から無償貸し付けを受けて都有地に建設する子ども家庭支援センターの財源の一部となるものでした。施設のオープンがおくれるなど、区の計画に大きな影響を与えています。
 そこで、お聞きします。
 こうした影響を中央区に与えた石原都知事の都政運営について、区長の見解をお答えください。
 石原知事になってから、築地市場の豊洲移転や環状2号線の地上化への計画変更の強行が始まりました。また、知事は都区制度改革問題でも、都区間の財源配分をめぐる重要課題である主要五課題問題で二十三区が到底受け入れられない主張を押しつけてきています。さらに、石原知事は清掃事業の都から区への移管も間違っていたのではとの趣旨の発言をし、二十三区の合併や合区についてもたびたび言及しています。
 そこで、区長にお聞きします。
 石原知事のこうした一連の主張について、区長の見解をお答えください。
 しかし、都政を強権的、独断的に運営するという石原都知事の政治手法は、今、大きな矛盾と破綻を示しつつあります。こうした局面をとらえて、区長を先頭に区議会、区民の大同団結で石原都政に立ち向かうべきです。区長の見解をお答えください。
 次の質問は、指定管理者制度についてです。
 今定例会には、区立中央会館など区の公の施設に指定管理者制度を導入する議案が提案されています。二○○三年六月に地方自治法の一部が改正され、公の施設の管理運営について、委託先を公共的団体に限定していた従来の管理委託制度にかわって、指定した民間営利企業などの団体に公の施設の管理権限を委任する指定管理者制度が導入されました。公の施設管理運営は数十兆円市場と言われ、指定管理者導入をチャンスとして企業などが参入の準備を進めています。
 同制度導入はもともと財界からの構想で、国、地方自治体の業務、施設を民間に開放してビジネスチャンスをふやすという基本戦略に基づくものです。しかし、一方で、三菱ふそうによるトラックなどの欠陥隠し、三井物産によるディーゼル車DPF装置のデータ捏造事件など、民間企業による不正事件が相次ぎ、企業の法令遵守、コンプライアンスの確立を強く求める声が消費者、国民から上がっています。
 そこで、最初に区長にお聞きします。
 利益最優先の民間営利会社による一連の不正事件について、区長の見解をお答えください。また、公の施設の管理運営がこうした民間営利企業に大きくゆだねられる指定管理者制度導入に当たって、企業などの法令順守、その確保が大前提であり、そのための具体的な措置が必要です。見解をお答えください。
 次に、指定管理者導入に伴う幾つかの基本的な問題について、順次質問します。
 たとえ管理者が民間事業者になろうとも、公の施設の基本的な目的や役割は法律上変わりません。地方自治法第二百四十四条の一項は、公共性について、住民の福祉を増進する目的をもって、その利用に供するための施設であることなどを規定しています。
 そこで、区長にお聞きします。
 指定管理者制度導入に当たって、地方自治法のこの規定を区長として遵守するのかお答えください。また、そのことを条例上も、指定管理者と区との間の協定書などでも明記すべきだと思います。見解をお答えください。
 さらに、お聞きします。
 指定管理者制度は、そもそも住民の福祉の増進という公の施設の設置目的を効果的に達成するために必要と認めるとき初めて適用できるものであり、初めに民間委託ありきではありません。また、効率化がその主たる目的ではありません。このことについて、見解をお答えください。
 次に、事業者選定に当たって、単に管理経費の縮減という点の優位性だけでなく、区民サービスの質など総合的視野で対応することが不可欠です。公の施設の管理運営を代行させるに当たっての実績、専門性、サービスの質、継続性、安定性などはどのように担保するのかが問われます。その点で、事業者が提出する事業計画を議会にも提出し、議会としてチェックする仕組みが必要です。この点で、区長の見解をお答えください。
 また、指定管理者の選定に当たって、区は選定委員会を設置するとしています。選定委員会での審議の透明性や客観性、癒着の排除などを担保する上で、委員会構成は重要だと思います。委員には行政職員だけでなく、利用者、住民代表、専門家、弁護士、公認会計士などを入れるべきです。横浜市の場合、病院についての選定委員としては、看護協会、市政モニター、自治体病院協議会、大学教授、公認会計士、医師会、医療機能評価機構から選任されています。この点について、区長の見解をお答えください。
 利用者サービスの質の確保という点では、指定管理者となる事業者に雇用される労働者の労働条件は重要な要素であります。指定管理者導入の目的の一つは、運営管理のコスト削減と効率化です。コストのうち労働者の人件費が大きな割合を占めていることから、労働者の削減、パート労働者の採用をふやすことなどが考えられます。こうした労働者の不安定雇用が利用者のサービスの量的・質的低下に結びつくおそれがあります。その点で、条例上に賃金労働条件などに関する労働基準法の遵守も明記した関係法令及び条例の規定を遵守する趣旨の規定が必要です。見解をお答えください。
 条例では、区長は指定管理者による区長への実績報告について指定管理者と協定することになっていますが、議会への報告は義務づけられていません。区長に提出される実績報告、事業報告書を資料として議会に提出すべきだと思います。見解をお答えください。
 さらにお聞きします。
 指定管理者には兼業禁止規定が適用されません。そのため、首長や助役、収入役、さらに地方自治法に規定する委員会の委員、議会の議員やこれらの関係者などの参入規制について、条例上の規定が必要です。見解をお答えください。
 次の質問は、入札契約手続に関する問題です。
 我が党は、これまで入札制度改善について議会で系統的に質問し、一般競争入札の導入、予定価格の事前事後の公表など具体的な提案も行ってきました。こうした中で、区はこれまでに制限つき一般競争入札の本格施行など一連の改善措置をとってきました。区のそうした努力を評価するものであります。しかし、入札契約をめぐる事件も後を絶ちません。最近も、国土交通省発注の鋼鉄橋梁談合事件、足立区での区保養施設業務委託契約をめぐる贈収賄事件などが発覚しました。
 そこで、区長にお聞きします。
 こうした入札をめぐる事件についての見解をお答えください。
 入札契約手続の公平性、透明性を一層高めるという課題は、依然として残されていると思います。私はその立場から、プロポーザル方式などを含む随意契約の問題点について質問します。
 プロポーザル方式による契約をめぐっては、足立区の保養施設業務委託契約で贈収賄事件が発生しました。事件を受けて、足立区は契約制度の見直し、コンプライアンス、法令順守の確立のため、助役を委員長とするコンプライアンス推進委員会を設置し、検討を開始しました。
 プロポーザル方式は随意契約の一種です。地方自治法では、入札契約方式は一般競争入札が原則とされています。それは次の理由からであります。(1)入札参加者に必要な資格、入札の場所や日時などを公告し、(2)不特定多数のものを相手にして競争させ、(3)改札の結果、自治体に一番有利な条件で入札した者に落札する方式であること。そのことが公正を第一とする地方公共団体の契約方法として最もふさわしいと考えられるからであります。ところが、随意契約は競争による方法ではなく、自治体が任意に相手側を選んで結ぶ契約で、本来、例外的な契約方法なのです。
 プロポーザル方式は、発注者側が調査委託などの案件で金額を契約参加企業などに示し、それぞれの企業から提案書を提出させ、多くの場合、提案書の評価は提案案件にかかわる所管部課が行い、契約相手を選定します。所管部課がそれを行う理由には、その提案を評価できる専門的な力量を持っていることが挙げられています。プロポーザル方式など随意契約は、このように所管部課の裁量にゆだねられる部分が多く、手続の公平性、透明性が確保されにくいと指摘されています。
 中央区での随意契約やプロポーザル方式による契約件数を、一千万円以上の主要契約のうち委託料契約について、最近の二年間分を区の資料で調べてみました。二○○三年度は九十件中、随意契約は六十四件で七一パーセント、うちプロポーザル方式は八件、指名競争入札が二十六件で二九パーセント、二○○四年度は百三件中、随意契約は七十五件で七三パーセント、うちプロポーザル方式は五件、指名競争入札が二十八件で二七パーセントでした。随意契約は調査委託、設計委託、管理業務委託が多くを占めます。随意契約による契約金額の総額は二○○三年度でおよそ十一億円です。中央区では委託料契約の多くが随意契約や指名競争入札となっています。これまで発注者の指名をめぐり全国的に起きているさまざまな汚職事件や談合事件が後を絶たない要因には、随意契約や指名競争入札方式があることがあることは明らかであります。
 そこで、区長にお聞きします。
 中央区で、委託料契約で随意契約が多くを占めている現状についての見解をお答えください。また、プロポーザル方式についての実施基準についてお答えください。
 私は契約全般の公正、公平、透明性の確保という点で、幾つかの提案をしたいと思います。
 一つは、プロポーザル方式について、参加業者選定の手続や選定結果、参加業者が提出した提案書の特定結果などの詳細な公表を行うこと。二つ目に、プロポーザル方式で現状のような所管部課中心の構成による選定システムについての再検討。三つ目に、法令遵守と倫理の確立のための体制強化、内部通報制度など、内部統制の仕組みづくり。四つ目に、担当者の裁量の余地の多い随意契約や指名競争入札から、より公開性の高い条件つき一般競争入札への移行を一層進めること。五つ目に、既に区も設置を決めている入札監視委員会の役割の強化などであります。
 そこで、区長にお聞きします。
 この提案について、それぞれお答えください。また、区が本年度中に設置を予定している入札監視委員会の委員構成について、委員会での審議内容など機能について、またその設置時期についてお答えください。
 次の質問はまちづくりについてであります。
 初めに、月島三丁目地区での株式会社デイベックスによるマンション建設問題について質問します。
 同社の事業計画地は、建築基準法第四十二条三項道路の路地を中心に、古くからの落ち着いたコミュニティが住民によって維持されてきた区画であります。そこに突然同社の十階建てマンションが立ちふさがるという計画です。
 この問題では、五月二十日に住民の皆さんが区長あてに要望書を提出いたしました。住民の皆さんとともに、区議会からは自民党、公明党、日本共産党、グループ未来、区民クラブの議員が参加しました。日本共産党からは私が参加しました。要望書は、月島地区のまちづくりについて、地区計画上の問題点と今後の対策について核心を突いた内容となっております。要望書は、月島地区は、路地を中心とした居住の場として、下町らしい街並みを残しながら、独自の発展をしてきた地域です。月島らしい街並みの破壊などを大変心配しているところです。月島地区の地区計画は既存の法律制限により、建てかえに際して従前の建物規模の確保が難しいため、個別の建てかえを促進するために導入されたもので、もとより、その目的とするところは、月島らしい路地空間を生かしながら、より安全で快適な住空間の創出を目指すものであるはず。この制度が、制度の形式的な解釈論によって、結果として本来の地区計画の理念である街並みの連続性や周辺環境が損なわれ、区民の生活が脅かされることは残念でなりません、と指摘しています。そして、一つ、今回の計画に関しては、それぞれの前面道路幅員を基準とした高さ制限とするよう事業者を指導すること、二つ目に、今後、制度を逆手にとった乱開発が行われないよう、地区計画の詳細な見直しを図ることを区長に要望しております。
 株式会社デイベックスは、地区計画のただし書きによる運用基準も最大限に活用しようとしております。この運用基準もまた、そもそもは住民の個別建てかえをよりしやすくすることを目的とするものであります。同社はこのことも逆手にとっております。
 そこで、区長にお聞きします。
 この要望書についてどのように受けとめているのか、お答えください。
 また、要望書に沿って事業者に対する指導を強め、計画変更を迫るべきであります。その場合、月島地区におけるまちづくりルールの本来の理念、地区計画の本則に立ち戻った指導が求められています。また、開発業者による地区計画の悪用を防ぐための地区計画の詳細化について、具体的な内容と今後の手順についてもお答えください。
 路地をなくし、街区全体を対象とした超高層住宅とオープンスペース型の再開発が進行しております。行政も、そうした開発事業に多くかかわってまいりました。一方で、月島地区での個別建てかえによる路地を生かしたまちづくりは具体化した例が少ないのが現状であります。
 そこで、お聞きします。
 月島の地区計画によるルールの活用が進まない理由について、区長の見解をお答えください。
 大規模再開発方式にはさまざまな問題も生まれます。地権者の権利返還をめぐる確執、再開発後の住民の経済的負担の増大も出てきます。管理費、修繕積立金、保険料、再開発前と比較し固定資産税の大幅上昇など、負担が増大します。そして、住民間の人間関係が希薄化し、コミュニティが生み出しにくいなど、多くの問題が生じています。
 その点で、路地を生かした個別建てかえ方式は多くの優位性があります。戸建て住宅の所有による自由度は、マンションの区分所有と比べても大きいこともその一つです。建てかえや増改築の場合も、区分所有者の合意を前提とするマンションより、極めて自由であることなどであります。都心での戸建て持ち家の需要も強いと言われます。路地での個別建てかえについて、その優位性が最大限生かせる方式を住民と行政が共同で生み出すことが求められています。少ないコストで優良な住宅が建設でき、路地全体での共同的利用も取り入れた住環境の魅力的な調和も生み出せる。そのようなまちづくりのノウハウの提供など、行政が知恵と力を発揮すべきことは多くあります。何よりも、路地を生かしたまちづくりについて、住民自身の自発的な取り組みの機運が高まるような支援が必要であります。大学の研究室など、専門家の協力も欠かせません。これらのことについて、区長の見解をお答えください。
 次に、銀座のまちづくりについてお聞きします。
 都市再生特別地区を用いた松坂屋と森ビルによる大規模開発計画が伝えられています。しかし、その具体的内容について、区から区議会への報告はありません。
 そこで、お聞きします。
 この計画の内容について、区はどこまで把握しているのかお答えください。
 銀座地区は、全体として落ち着いた安定した街並みを形成しています。地区計画により、高さ制限も行われています。しかし、この地区計画による高さ制限や容積率の制限は、都市再生特別地区などの大規模開発の手法には適用されません。松坂屋の開発が現在の安定した銀座の街並みを大きく崩してしまうおそれがあります。これを契機として、さらに別の大規模開発が誘発される危険もあります。
 そこで、お聞きします。
 区として、安定した銀座の街並みがこうした大規模開発で失われないよう対策をとるべきだと考えますが、見解をお答えください。
 次の質問は、少人数学級、三十人学級の早期実現についてであります。
 全国で少人数学級導入をしていないのは、東京都と香川県だけであります。このことについて、我が党はこれまで何度も質問してまいりました。しかし、区教育委員会の姿勢は東京都教育庁の言い分を事実上繰り返すだけで、全く消極的な態度であります。区教育委員会の答弁の趣旨は、三十人学級がよいかどうかはいろいろな議論がある。一クラス十五人や十六人になってもよいのかということもある。現行の少人数指導が大変有効だというのが東京都教育委員会の立場だというものであります。
 我が党は、今行われている少人数指導の効果を否定しているのではありません。それをさらに前進させ、よりすぐれた効果をもたらす少人数学級編制に前進させることが必要だとの立場であります。中央区教育委員会が東京都の立場に同調し続ければ、いまや世界や全国で起きている少人数学級の大きな流れに目を背け、少人数学級の持つ教育上のすぐれた効果が及ぶ機会を中央区や東京の子供たちから奪うことになります。
 文部科学省も、少人数学級についての本格的検討を開始いたしました。同省は五月十日、公立小・中学校の学級編制基準、現行四十人を見直すため、有識者による検討会を五月中に設けることを決めました。同日開かれた中央教育審議会義務教育特別部会で少人数学級の導入を求めることが相次いだためであります。同省は、有識者会議を中心に、今年度で期限が切れる定数改善計画の改定を六月まで議論し、二○○六年度予算概要などに反映させるとのことです。同日の部会では、鳥取県の片山知事が小学校一、二年生と中学一年生で三十人学級を実施し、不登校が減ったこと、学力回復などの効果があったことを報告しました。文部科学省の今回の決定は、全国の自治体で実施されている少人数学級の取り組みや運動などが反映したものと言えます。
 そこで、お聞きします。
 少人数学級の検討について、文部科学省による今回の決定について見解をお答えください。
 少人数学級が効果的であることは、文部科学省の調査結果でも明らかです。調査は今年四月、少人数指導を導入した学校で実施され、学校のほぼすべてで、学力が向上した、授業改善への教員意識が高まったとの効果が見られました。また、今後の課題として、八二パーセントの小学校と八六パーセントの中学校は学級人数を引き下げた方が効果的だと答えました。この結果にも、少人数指導から、さらに前進して少人数学級編制にした方がより効果的になると考えている学校が多数であることが示されています。
 少人数学級が小学校六年生までの全学年で制度化されている山形県の教育委員会による毎年度の全県調査結果でも、その効果は明白であります。昨年度の調査では、子供たち自身が、七○パーセント以上が学校生活が楽しくなったと答え、欠席日数が○一年度一人当たり年間四・一日だったのが、○三年度は三日と大幅に減ってきていることもわかりました。また、山形県ではこうした取り組みで教員の採用数の増加を図り、教員志望の高校生、大学生など青年たちに大きな希望の灯をもたらしました。教員採用試験には多数の学生が応募し、若い意欲的なすぐれた人材を教育現場に確保するという点でも、山形県では大きな成果をもたらしております。
 そこで、お聞きします。
 多くの府県での少人数学級についての実践や効果についてのこうした調査結果について、見解をお答えください。
 さらにお聞きします。
 中央区教育委員会は、それでもなお少人数学級をかたくなに拒否する東京都の立場に同調し続けるつもりなのでしょうか、お答えください。
 以上をもちまして、第一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 鞠子勝彦議員の質問に順次お答えいたします。
 初めに、都政運営についてであります。
 社会福祉総合学院の運営に端を発した今回の問題では、副知事二名と出納長、教育長が入れかわって、ようやく終結したようであります。この間、長期にわたって都政が混乱し停滞したことは、地方公共団体の長として、まことに残念なことだと感じております。さらに、このたびの議論の中では一人の副知事に情報や権限が集中していたという指摘がされております。組織をあずかる立場にあってはこうした状態はあってはならないと考えており、今後とも円滑なコミュニケーションのもと、ガラス張りで信頼される区政運営に努めてまいります。
 なお、区においては予定していた子ども家庭支援センターの建設が三か月おくれるなどの影響が出たところでありますが、特別区のような基礎的自治体にとって都道府県行政がどのような重みを持つものなのかを東京都としても十分認識し、今後このような事態を再び起こさぬよう努めていただきたいと考えております。
 また、最近、石原都知事から特別区の再編や清掃問題に関して唐突とも思える発言がされております。こうした発言は都知事独自の考え方と受けとめておりますが、主要五課題を初めとして都区制度改革を完結させようとする真剣な都区協議の場に反映させるべきものではないと考えております。平成十七年度中の解決に残された時間はわずかでありますが、区議会とともに広く区民に区の姿勢を訴えながら、二十三区一体となって課題解決に向け全力を尽くしてまいります。
 次に、指定管理者制度についてお答えいたします。
 まず、企業における不正事件についてであります。
 近年の欠陥隠しやデータ捏造などの事件は、消費者の信頼を大きく裏切るもので、はなはだ遺憾であります。こうした事件では、国民の厳しい批判を受けることにより経営上も大きな損失をこうむることが企業にも理解されてきていると考えられますが、企業経営者には一層の意識向上を求めたいと存じます。
 次に、指定管理者の法令遵守を確保する措置についてであります。
 指定管理者の場合においても法令を遵守することは当然であり、本定例会に提案している条例案でも、関係法令や条例の規定を遵守しないときは指定の取り消しあるいは業務の停止を命ずるものとしているところであります。また、法令や条例だけではなく、企業の社会的責任といった社会規範の尊重も求められていることから、指定管理者の選定に当たっての評価や運営開始後の日常の監督においても、こうした点に留意してまいる所存であります。
 次に、公の施設の目的についてであります。
 指定管理者制度を導入した場合でも、地方自治法に基づく公の施設としての位置づけに変化はありません。住民の福祉増進といった公の施設の目的や、正当な理由なく利用を拒まない、不当な差別的取り扱いをしないといった施設運営の原則は同じであります。こうしたことから、条例に改めて規定はしないものであります。
 なお、指定管理者との協定においては施設の管理基準として、この目的、原則を施設の内容に即して具体的に定めてまいります。
 次に、民間委託、効率化の考え方についてであります。
 このたびの指定管理者制度の導入は、既に管理を委託している施設についてサービスの向上と経費の節減を目的とし、その管理方法を変更するものであります。今後の指定管理者制度の活用に当たりましても、行政責任に配慮しながら、区民サービスの向上と行政の簡素効率化、経費の節減が図れるものについて検討していく所存であります。
 次に、応募者の提出した事業計画書の議会への提出についてであります。
 指定管理者の選定に当たっては提案方式によることとしており、評価に当たっては応募者の事業計画書が重要な基準になると考えております。この計画書は応募者のノウハウが濃縮されているものですので、選定を行う者だけが目を通すことができ、その内容については他に漏らすことのないような厳密な取り扱いが必要と考えております。
 次に、選定委員会の構成についてであります。
 委員は内部職員だけでなく、外部委員を加えて選定の客観性、透明性を図ることとしております。選任に当たっては、それぞれの施設の特性を考慮するとともに、いずれも委員長は外部委員である学識経験者に依頼したいと考えております。
 次に、被雇用者の労働条件についてであります。
 雇用される従業員の賃金、労働条件については、指定管理者自身が労働関係法令を遵守し、雇用主としての責務を果たすものであります。しかしながら、区と協定したサービスの水準が維持できないような雇用条件があれば、指導により是正させてまいります。
 次に、指定管理者の実績報告であります。
 指定管理者に適正な管理を行わせる責務は区にあることから、日常の監督のほか、協定に基づき毎年度実績報告を求めてまいります。この報告書は指定管理者ごと、施設ごとに作成されるものと想定しており、その内容は管理業務の実施状況、施設の利用状況、利用料金の収入の実績、管理経費の収支の状況などであります。実績報告書には指定管理者のノウハウに属することが含まれる可能性も考えられますので、議会への提出につきましては今後検討してまいりたいと存じます。
 次に、兼業禁止についてであります。
 地方自治法では、議員、長、特別職などがその自治体に対し請負をすること、あるいは請負をする会社の取締役等になることを禁じておりますが、指定管理者にはこの規定が及びません。しかしながら、公正性を確保し、事務執行の適正を確保する観点から、指定管理者制度の場合も請負に準じた対応が必要と考えております。このため、本区の場合は指定管理者募集時に応募資格としてこれを明記することにより同様の制限を行ってまいります。
 次に、入札・契約手続についてであります。
 まず、最近発生した入札・契約をめぐる各種の事件ですが、絶対にあってはならないことであります。本区におきましても、事件を人ごととせず、特別職及び全部長をもって構成する職員綱紀点検調査委員会を直ちに開き、入札・契約手続における公正性の確保について再度徹底を図ったところであります。
 次に、委託契約における随意契約についてであります。
 随意契約は特殊な機械、器具の保守義務など、特定の業者以外は業務を履行できないものや、業務の安定的な執行と従事者の雇用などの関係上、三年または五年に一度競争を行うこととしている大規模施設の維持管理業務など、正当な理由のあるものだけに限定しております。
 委託契約は単なる物品の供給契約などと異なり、契約の履行内容が複雑多岐にわたるため、単純な価格競争にはなじまないものも多いことから、必然的に随意契約が多くならざるを得ないものであります。
 また、随意契約の一方式であるプロポーザル方式につきましては、価格だけでなく、業者の保有する技術や情報、企画力などを総合的に評価する必要があるかどうかについて、個々の委託業務の内容を具体的に検討した上で採用しているものであります。
 次に、契約手続に関する御提案についてお答えいたします。
 まず、プロポーザル方式での選定結果などの情報の公表についてであります。
 この方式は、評価結果が参加業者の企画力や技術力にかかわるものであり、低い評価となった業者の社会的影響への配慮も必要なことから、結果の公表については慎重な取り扱いが求められております。このため、あらかじめ予定価格を示し、純粋に企画提案内容だけで評価した場合は、参加業者名、決定業者名、決定金額だけを公表し、見積金額と企画提案内容の双方を評価した場合には、各参加業者の見積金額と総合点数についても公表する扱いとしております。いずれの場合においても、参加業者に対しては個別、具体的に審査結果の説明を行い、契約の透明性の確保に努めているところであります。
 次に、審査員の構成につきましては、必要な場合は事業の所管部局だけでなく、他の関係部局の職員も審査員に加えるとともに、審査に当たっては個々の審査員の独立性や業者の匿名性の確保を図っております。
 次に、法令順守と倫理の確立であります。
 本区では、職員綱紀点検調査委員会を定期的に開催し、適正な事務の執行や法令の遵守を促すとともに、不祥事の防止策の徹底などを図っております。
 また、条件つき一般競争入札への移行につきましては、同様の効果を持つ希望申し込み型指名競争入札方式を推進するとともに、区内中小企業の保護や不適格業者の排除などに配慮しつつ、対象事業の拡大などを検討してまいります。
 次に、本年度設置を予定している入札監視委員会につきましては、学識経験者三人を委員とし、委員が選定した個別の契約案件について審議の上、意見具申を求める予定であります。現在、具体的な審議の進め方や人選などを検討しているところであり、できる限り早い時期に設置したいと考えております。
 次に、まちづくりに関する御質問であります。
 初めに、月島三丁目地区におけるマンション計画の要望書についてであります。
 本区では、地域の特性に応じたまちづくりの制度として、地区計画を活用しながらきめ細かなまちづくりを推進しているところであります。しかしながら、街並みの連続性や周辺の環境に配慮せず、例外規定の適用を前提とした建築が計画されたことは大変残念であると受けとめております。今後とも要望書の趣旨に沿って計画の見直しを図るよう事業者等を指導してまいります。
 次に、地区計画の詳細化につきましては、区としても路地を生かした安全なまちづくりなどを目指している地区計画の本来の理念に基づき、さらなる詳細化についての検討を行っていきます。内容や手順の具体化に当たっては、区議会の御意見を伺いながら進めてまいります。
 次に、地区計画を活用した個別建てかえについてでありますが、平成九年に導入した地区計画では路地に面した建てかえに権利者同意が必要であったため、地区計画の活用が進みにくいという課題があり、昨年七月計画の変更などを行ったところであります。これにより、路地を生かしたまちづくりの具体化が進んでいくと考えております。今後とも月島の特性を生かしたまちづくりルールについて、パンフレットや区のホームページ等で周知を図ることにより、住民の方々の路地を生かしたまちづくりへの機運が高まっていくよう努めてまいります。
 次に、松坂屋・森ビルによる再開発計画と銀座のまちづくりルールについての御質問であります。
 現在、この計画は構想段階であり、具体的な計画内容については、今後、事業者の住民に対する説明の中で明らかにされてくるものと思われます。区ではこの動向を注視しつつ、事業者から適宜説明を求め、区議会に対しましても御報告してまいりたいと考えております。
 銀座地区は地区計画により高さ等が制限されておりますが、特定街区や総合設計などの大規模開発手法は現行の地区計画による制限が適用されません。こうした開発手法による計画についても、銀座地区の街並みとの調和を図る必要があると考えております。今後一年をかけて銀座のまちづくりルールについて地域住民と区が協議を行う中で、大規模開発の基本的な考え方や必要なルールについて検討してまいります。
 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平野純一君登壇〕

○教育長(平野純一君)
 教育問題についてお答えします。
 少人数学級についてです。
 学級の適正な規模を何人とするかにつきましては、大変難しい課題であると認識しております。本区では、これまで教育長会を通じて少人数指導加配やTT加配について指導法の工夫や改善のため都に要望をしてきたところでございます。学級編制は都の学級編制基準に基づいて行うことになっており、区独自で三十人以下の少人数学級を編制することは困難であります。本区では、習熟度別学習、課題別学習などを実施するとともに、区独自に小学校第一学年の三十五人以上の学級や支援を要する児童・生徒の在籍する学級に学習指導補助員を配置するなど、指導の充実を図っております。
 文部科学省における教職員配置や学級編制のあり方の検討につきましては、少人数学級による教育効果や少人数学級を実施する場合の新たな教員や施設の確保に要する財源を国の責任において措置することに関しても、明確にされるべきであると考えております。
 また、少人数学級の評価につきましては、効果があるとの意見があるものの、一方で子供の成長には一定規模の集団の中で多様な人間関係を構築したり、競い合ったりすることも必要だとの考え方や、少人数指導や習熟度別学習などの検証が十分になされていないとの意見もあります。今後とも国における検討結果や都の動向を注視してまいりたいと思います。
 答弁は以上です。

〔二十番 鞠子勝彦議員登壇〕

○二十番(鞠子勝彦議員)
 再質問を行いたいと思います。
 最初に少人数学級の問題でありますが、私が引用した過去の答弁と全く変わっていないという点で、私はいささかあきれております。私は、東京都と香川県だけが三十人学級導入に踏み切っていない数少ない自治体になってしまった。しかも、今回質問で取り上げた文部科学省の中央教育審議会でも少人数学級導入をすべきだという意見が強く出されたので、来年度の予算編成にも、その予算概要にも反映させたいということで、文科省も本格的な検討を始めた。国も文科省も大きくその方向に、今、なっているということを指摘したんです。にもかかわらず、東京都の言い分をまだいまだに繰り返し、東京都に三十人学級、少人数学級の編制を迫るなどという姿勢を一つも示していない。同じ東京都教育庁の見解を繰り返すばかりという今の教育長の答弁は、全く世界の流れや全国の自治体の流れに目を背けている、そういう姿勢だと思います。
 そのことで一番不幸になるのはだれか。東京と中央区の子供たちであります。既に四十五の自治体では少人数学級のもとで大変大きな恩恵を受けながら教育を受けている事実があるのに、東京と中央区の子供たちはそこから外されているというこの問題を直視すべきではないでしょうか。
 文科省がこういう方向に踏み出しているにもかかわらず、依然として中央区の教育長は答弁の姿勢を今後も崩すつもりはないのか、その点を改めてお聞きしたいと思います。
 それから、指定管理者の問題についてはいろいろ御答弁がありましたが、幾つかの点に絞って再質問したいと思います。
 一つは、指定管理者によってサービス水準の質が確保できるか、その担保という問題であります。
 現在、例えば区内の特別養護老人ホームの場合、国基準よりも対応する介護士や看護師の配置が国基準よりも大きく上回った人員配置を行っております。それは、ある施設によっては管なども挿入している入所者もいるなど、要介護度の高い入所者が多いというのを反映して、国基準では到底対応できないということから、努力をして人員の強化を図っている、こういうことがあります。そうしたときに指定管理者になった場合、そうした施設施設の入所者の状況やそれに対応するサービスを維持するというこの問題が本当に確保されるのか。確保し、担保することができるのか。この点に私は大変危惧を持っております。
 そして、委員会での我が党の質問に対して、答弁では、特別養護老人ホームについては東京都内で社会福祉法人、こうした施設の運営を行っている、その法人を対象に公募するとおっしゃっております。しかし、提案されている条例上では施設の指定管理者として営利を目的としない法人という規定はございません。一回五年指定管理者になるということですから、五年以降どうなるのかという点も全く条例上では不明確であります。したがって、私は福祉や医療にかかわる分野は、営利企業でない、営利を目的としない非営利法人にその公募の対象を絞るということを条例上でも明記することがサービス水準の維持のために私は欠かせないと思います。提案されている中では、その規定はございません。この点について、サービスの質の確保、これを条例上どう担保するのか、明確にお答えをいただきたいと思います。
 それから、指定管理者選定の場合、選定した経過、それについては詳細な報告を行うべきだと思います。横浜市で同様の質疑が議会でされ、横浜の市長は、できる限り公表する方向で検討したいということで、指定管理者の選定経過についても事後の報告、公表、これを約束しております。指定管理者の選定の場合も、透明性、妥当性ということを後から検証するという意味でも、この公表は欠かせないことと思いますが、お答えをいただきたいと思います。
 それから、銀座の松坂屋の問題ですが、ほとんど掌握していないかのようにお話がありましたが、私の方はパソコンでいろいろ調べましたら、株式会社松坂屋の専務取締役、本社営業部長、茶村俊一氏が雑誌のインタビューにこう答えています。銀座と東京の営業強化についてということであります。現在、銀座はどうなっていますかと。これに対して、この本部長は、行政と一体となって大規模な再開発計画を進めている銀座店は、と。そして、森ビルと共同で銀座都市企画という会社をつくった、と。地権者の方々と協議会の事務局的な役割を担っているんだと、こう言っております。どのくらいの規模なんだという質問に対して、九千平方メートル、これで丸ビルと同じぐらいの開発の規模になる、六割が当社の所有地だ云々と言っております。実に明確に雑誌のインタビューに重役が答えています。
 毎日新聞でも、五月二十一日付で、銀座の開発、六丁目の一角に高層ビル等で、森ビルの見解も述べられています。森ビルは高層ビルになるかはまだわからないが、銀座らしい再開発を目指したいと説明していたと。
 先ほどの答弁では、こういう内容すら、中央区、当局は把握していないということなんですか。具体的に、松坂屋の経営者はこう述べているんですよ。行政と一体的にやっているんだというのは一体どういうことなんですか。松坂屋はそう言っているのに、行政は把握しておりませんというのでは、これは松坂屋のこの重役が虚偽を述べているんでしょうか。改めてお答えをいただきたいと思います。
 以上で再質問を終わります。再々質問は留保しておきます。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 指定管理者制度は全国的に行われるわけですからね。そういう意味では、福祉、医療、本区のはすばらしく、特養でも充実を図って都内で一番いい評価があるし、実態もそうですね。御指摘のとおりでございます。そうしたものの水準を下げないように、これからも全力を挙げていきたい、こういうふうに思います。
 また、透明性、公表の点も、他の自治体等の動向もしっかり見定めながら対応してまいりたいなと、こういうふうに思っているわけでございますけれども、いずれにしましても、公平、公正、それから情報の透明性、こういうものは確保してまいりたいなというふうに思っているわけでございます。
 また、まちづくり、銀座松坂屋、森ビルさんによる再開発計画、これは私のところへは全然、本当にさっき答弁したとおり、全く来ておりません。松坂屋さんのホームページですか、それも私のところへは―職員は何をやっているのかわかりませんけれども、担当者からも答弁させますけれども、私のところには来ておりません。
 ただ、その中で、向こうの方も銀座らしいまちづくりをしたいということを言われているということを言われましたね。それなら結構なんじゃないんですか。銀座らしいということならば銀座ルールにのっとった開発をしたいということなんでありましょうから、そういうことならば別に問題はないのではないかなというふうに思います。
 以上です。

〔教育長 平野純一君登壇〕

○教育長(平野純一君)
 少人数学級に関しての再質問でございまして、この問題につきましては先ほども御答弁いたしましたが、国におきましても義務教育の特別部会を設定いたしまして議論を始めたというようなことを聞いているわけでございます。ただ、部会の中におきましてもいろいろ議論が百出しております。そのようなことに伺っておるわけでございます。したがいまして、文部科学省の中におきましても早急に具体的、専門的な見地からも検討して、その検討結果を部会の方にまた戻していただきたいと、部会からはそのようになっているわけでございます。仄聞するところによりますと、その専門的な会議の中におきましても、いろいろなやはり意見が出ている、その各委員の中からも出ているというようなことを聞いております。私どもも、このような国のそうした議論の結果をやはり注視してまいりたいというふうに思っているわけでございます。
 本区の現状を御説明させていただきますと、小学校では本年四月は単純に割りかえますと一学級二十八・三人でございますし、中学校では三十一・七人でございます。先ほど御答弁いたしましたように、小学校一学年三十五人以上に指導補助員をつける、それ以外に合計十七名の指導補助員を学校からの要望に応じましてつける新たな事業も始めたわけでございます。
 今後とも国や都のそういったような動向を注視するわけでございますが、国のある一定の結論が出れば、また教育長会の中でも議論をすることになろうと思いますし、東京都とも協議していくことになろうかと思います。
 再質問に対する答弁は以上でございます。

〔都市整備部長 中島俊明君登壇〕

○都市整備部長(中島俊明君)
 松坂屋と森ビルによる再開発計画と銀座のまちづくりルールについてお答えいたします。
 今、鞠子議員の方から御紹介があった、そういった情報については私も承知しておりません。

〔二十番 鞠子勝彦議員登壇〕

○二十番(鞠子勝彦議員)
 時間の限りがありますので、端的に二点お聞きします。
 今、都市整備部長がお答えになった件は、私は全く不可解です。開発当事者の一方の経営幹部が、行政と一体的に進めているんだと述べているんですよ。規模も我々に、委員会でもあなた方から報告がありません。しかし、その規模も明瞭に言っている。新聞の報道も、さらに取材が区の当局よりも深まっているというのはどういうわけでしょうか。これはまちづくりの担当部署が一体どういう対応をするのか、私は非常に心配であります。早急に状況を把握して議会に適切に報告を求めたいと思います。
 それから、教育長の問題は、私はもう本当に同じことを耳にたこができるほど聞いております。東京都が変わらないから。文部科学省は変わったんです。これをとらえて、ぜひ東京都に求めていただきたいと思います。
 終わります。(拍手)

○議長(中嶋寛明議員)
 次に、十番志村孝美議員。

〔十番 志村孝美議員登壇〕

○十番(志村孝美議員)
 日本共産党の志村孝美です。日本共産党区議団を代表して質問します。なお、再質問、再々質問をあらかじめ留保させていただきます。
 私たち日本共産党は、区と区議会が一致してきた築地市場移転反対、環状2号線地上化反対の立場に一貫して立ち続けてきました。きょうもその立場で質問します。
 初めに、築地市場と環状2号線をめぐる動きについてです。
 都庁では石原都知事と一体になって都政の実権を握って強権的な手腕を振るっていた浜渦副知事の更迭、他の副知事も辞職という前代未聞の混乱が起きています。浜渦副知事は、二○○一年七月十二日に築地市場移転にかかわる区の五つの疑問の回答なるものを持ち、区長を訪問した人で、この浜渦氏の更迭は築地市場問題と環2問題の今後に大きな転機を与えるものと考えます。
 そこで、区長にお聞きします。
 第一に、これまで都の方針は都民の力や矛盾の噴出などで変更されてきたことも少なくありません。港区の環状2号線計画は住民の意見を受け、何度も変更され、いまだに未決定です。都庁の中が大きく変化しているこのときに、区が移転反対、地上化反対の姿勢をきっぱりと貫き、都と真正面から交渉すべきだと思います。区長の見解をお聞かせください。
 第二に、中央区がまとめた築地地区のビジョンに基づき都と協議を進めているということですが、浜渦氏の更迭で状況はどのように変化しているのかお聞かせください。
 次に、築地市場をめぐる動きですが、三月に農水省が発表した中央卸売市場整備計画では、築地市場を廃止し、豊洲新市場を新設市場とするとされました。また、東京都卸売市場整備基本方針では、築地市場の移転と卸売市場の統廃合、新たな市場として豊洲新市場を建設するなどの方針が出されました。
 私が傍聴した二月九日の東京都卸売市場審議会において、答申作成メンバーの一人である横山彰氏が、「周辺市場は豊洲新市場を前提に整備計画を立てなければいけない。再編・統合せずに済むのか」と発言し、森澤中央卸売市場長も、「慎重にするために大田市場の水産物部、葛西市場の青果部、足立市場は豊洲新市場建設の影響を評価する必要があるとの表現にした。書き方は極めて難しい」という説明をしました。
 そこで、区長にお聞きします。
 第一に、この審議会での説明によって、築地市場と足立市場、大田市場の水産物部、葛西市場の青果部との統合を視野に入れて豊洲新市場をつくるという計画が明らかになったと思いますが、区長の見解をお聞かせください。
 第二に、このことは築地市場の「再整備」や「移転」でもない、新たな市場を建設するという計画に変更していると思います。区長の見解をお聞かせください。
 第三に、中央区や築地市場関係者への十分な説明のないままの計画変更であり、都に抗議すべきものと考えますが、区長の見解をお聞かせください。
 次に、築地市場問題、環状2号線問題とJAPICとのかかわりについてお尋ねします。
 社団法人日本プロジェクト産業協議会、通称JAPICは、日本列島改造計画が破綻した後、大都市開発を共通のテーマとして、鉄鋼、セメント、土木、建設業界などにより一九七九年に発足、八三年に当時の通産、建設、運輸、国土の四省庁共管の社団法人となり、銀行や商社、調査機関等が加わって、現在の組織となりました。
 JAPICは大型プロジェクトを次々と研究、計画し、財界の青写真に従って政府と自治体を動かしています。例えば、大赤字を出している臨海副都心開発や、東京湾アクアライン、幕張メッセ、圏央道などの環状道路、関西空港等、多数の大型公共事業の青写真を国や都に提案し、莫大な税金を投入するそれらの公共工事をJAPIC会員企業が受注しています。
 中央区に関しては、JAPICがホームページで公開している平成十五年度事業報告書によると、東京駅周辺開発などを都市再生研究会で、晴海地域の開発などを東京インナーハーバーシティー研究会で研究しています。
 築地市場をめぐる動きを見てみましょう。
 日本列島改造の流れの中で、今から三十二年前、私が市場で働き始めた翌年となる七三年、汐留を中心にして、芝、芝浦から銀座、築地地域までの約三百五十ヘクタールを再開発しようという大規模事業が打ち上げられ、港区と中央区の町会長や立地企業によって東京都臨海地域開発研究会がつくられました。朝日新聞東京本社はこのころ、田中角栄氏がかかわったと言われている築地の土地取得を行い、八○年に社屋を竣工させ、有楽町から引っ越してきています。田中角栄氏が逮捕され、列島改造計画が破綻した後、発足したばかりのJAPICは、早速、東京都臨海地域開発研究会にオブザーバーを派遣しました。
 さて、築地市場の大井移転に失敗した東京都は、八一年に大井市場、今の大田市場建設方針を策定しましたが、同じ年にJAPICは、築地は汐留とともに都心一等地として今後めったに発生しない大規模再開発用地なので、今後、晴海、銀座などの開発とリンクさせて情報発信基地か都市型高層住宅として活用すべきという内容のプロジェクトを発表しました。
 このプランでは、銀座に巨大な地下街をつくるなどの計画があり、話題となりました。翌八二年九月、JAPICのてこ入れを受けた東京都臨海地域開発研究会は、都に対して汐留地区再開発計画案を提出しています。これは地域住民の要望という形で再開発が行政に提案されるという手法が初めて実践されたものと言われています。JAPIC会員である日本設計がプロポーザル方式で参加した築地地区のビジョンづくり委員会が行政に開発計画を提案するという進め方と大変似ています。
 また、JAPICは中央区の半分の面積にもなる東京湾埋立地の開発構想も研究していました。八六年、中曽根内閣の副総理で民活担当大臣であった金丸信氏のツルの一声で十兆円プロジェクトと言われた臨海副都心開発が始まり、臨海副都心と都心とを結ぶ環状2号線、首都高速晴海線など五本の幹線道路を中央区に通す計画が発表されました。当時は築地市場が現在地再整備であったため、環2は地下を通す計画でした。莫大な税金を投入して、お台場や有明などの臨海開発が進められる中で、九七年ごろから市場長やゼネコン関係者から築地市場移転の声が出され始めました。
 当時の青島都知事は、公式には移転はしないとしてきましたが、九九年、石原都政が誕生してから、築地市場移転のプロジェクトが大きく動き始め、地元中央区や関係者の移転反対の声があるにもかかわらず、都は強引に築地市場移転の環境づくりを進めてきました。
 二○○三年、平成十五年、区は市場移転を前提としたビジョンをつくることを発表し、その直後、東京都は環2地上化への都市計画変更の素案を発表しました。
 翌二○○四年、区は環2地上化反対の声が起きている中、ビジョンづくり委員会を発足させ、それから三か月もたたず十分な議論がなされないうちに、日本設計による築地市場移転と環2地上化を絵にした中間まとめを発表しました。JAPIC会員である日本設計は、今年度も一千万円の委託費で築地の活気とにぎわいビジョンを作成するために仕事をしています。
 そこで、区長にお聞きします。
 第一に、これまでの経過を見ると、築地市場問題と環状2号線問題にはJAPICのかかわりが強いと思われますが、区長の見解をお聞かせください。
 第二に、都による環2地上化の発表は中央区が築地市場移転を前提としたビジョン作成を公表したことと関係あると思われますが、見解をお知らせください。
 第三に、三月の予算特別委員会で明らかになりましたが、築地のビジョンづくり委員会の意見がまとまっていない中、区の幹部職員で構成されている事務局の指導で中間まとめを作成し、住民からも批判が出ているさなか、区と都が協議を始めていたことは区民主導という委員会の立脚点から見て逸脱しているのではないかと考えます。区長の見解をお聞かせください。
 第四に、区の提示したビジョンに基づいて環状2号線を地上化した場合、道路と橋の建設費、土地取得費、破壊されることになるマンションや農林住宅、オフィスビル関係者への対策費、幹線道路に直面することになる近隣住民への対策費、緑地帯整備費など、それぞれの概算と総事業費をお示しください。
 以上で、一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 志村孝美議員の御質問に順次お答えいたします。
 初めに、築地市場移転と環状2号線地上化についてであります。
 築地市場移転及び環状2号線地上化につきましては、これまで機会あるごとに都に対して本区からの疑問、要望を申し入れてきました。しかし、東京都は今日に至るまで明確な回答もしないまま、移転整備、地上化をあたかも既成事実のように推進しております。
 このように都が強引で強硬な姿勢を続ける中で、あらゆる可能性に対応できるような備えをすることが地域に責任を有する自治体の責務であると考えております。そのため、築地市場移転、環状2号線の地上化が強行された場合に備えて、築地市場地区を核とした活気とにぎわいづくり委員会を設置し、昨年取りまとめたビジョンの具体化へ向けた検討を重ね、また時期を失することなく都とも交渉を行い、よりよいまちづくりを主体的に実現するよう努力いたします。
 次に、副知事の交代によって今後の都との協議に変化があるのかというお尋ねですが、基本的な方向は変化はないものと思います。
 次に、東京都卸売市場審議会答申等に関する質問にお答えいたします。
 豊洲新市場の計画に関してでありますが、既存市場との統合の問題や豊洲に計画されている市場の性格につきましては、都民の立場に立って設置者である東京都の責任において判断されるものと考えております。本区としては、築地地区のこれまで以上の活性化を目指す立場から、今回の答申や今後発表される整備計画が本区に対してどのような影響を与えるのかを慎重に見守りたいと考えております。
 次に、築地市場移転、環状2号線地上化と社団法人日本プロジェクト産業協議会、JAPICのかかわりについてであります。
 JAPICは豊かさを実感できる国民生活の実現に向けて国土の有効利用と社会資本整備に向けた取り組みを推進する社団法人であると聞いておりますが、設立から現在までの活動を見る限りにおいて、築地市場問題、環状2号線地上化問題との直接かかわりがあるとは考えておりません。
 次に、環状2号線地上化と築地ビジョンに関連する御質問でございます。
 初めに、都による環状2号線地上化案の発表と築地ビジョン作成の公表との関係についてのお尋ねですが、先ほどもお答えしたように、築地ビジョンは地域に責任を有する自治体の責務として、あらゆる可能性に対応できるような備えとして作成したものであり、築地市場移転を容認したものではなく、築地ビジョン作成の公表により都が環状2号線地上化案の発表を行ったとは考えておりません。
 また、この築地ビジョンは平成十六年六月三日に築地地区の活気とにぎわいビジョンづくり委員会を設置し検討を始めたものであり、当初からこのビジョンを踏まえて都と協議していくことを公表していました。したがいまして、区と都が協議を始めていたことが区民主導という委員会の立脚点から逸脱しているとは考えておりません。
 最後に、ビジョンにおける事業費概算についてであります。
 環状2号線について、都はその経費を明らかにしておりませんが、築地から晴海までの路線を地下式で行うよりも地上化した方が工費は安くなるものと考えられます。また、ビジョンは地域の将来のあり方を議論していくためのたたき台であります。今後の議論の方向性により事業経費は大きく変わるため、現段階でその試算は行っておりません。
 答弁は以上であります。

〔十番 志村孝美議員登壇〕

○十番(志村孝美議員)
 まず、築地の問題ですけれども、浜渦副知事が更迭ということは、強権政治は長く続かない、強引なやり方は長く続かない、矛盾は出てくるということを証明したと思います。区長が築地市場移転反対、環状2号線地上化反対の原点に立って、勇気を持って都と交渉していただきたいと思います。もう一度区長の、ぜひ決意をお聞かせください。
 それから、JAPICですけれども、財界が直接乗り出して大規模な公共事業を実行する。自治体をその下請け機関にしようとする戦略をとっているので、私は大変関心を持っています。築地問題、環2問題に限らず、東京駅周辺開発など中央区の再開発の問題とJAPICのかかわりにつきましては、これからも明らかにしていきたいと思います。
 次に、区長にまたお聞きしたいんですけれども、環2地上化にかかわる事業費ですけれども、中央区の予算の何年分も使うであろうというものを区の計画として出している。予算の概算の裏づけもないままに住民に説明しているというのは、日ごろ財政が厳しいと言って効率化を図っている区政運営と矛盾しているんじゃないかと思いますけれども、この点でも区長の見解をお聞かせください。
 以上で再質問を終わります。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 築地市場問題でございますけれども、これは七年から十一年後には移転だということで東京都はどんどん進めている。私たちはもちろん反対しているわけでございますよね。しかし、東京都は進めている。
 これはもう何回も申し上げておりますとおり、私たちとしては、七年から十一年の間には移転だ、早ければ七年後ということですから、これはもう、すぐ来てしまいますから、そのときになってあたふたすることのないようにということで、万が一、万々が一移転した場合にどうなるのか、そのときにしっかりと責任ある対応をする、行政をするということで、いろいろな区議会の皆様方、また地域の方々と話し合ってこのビジョン等をつくっているということでございまして、その案をたたき台に、さらなるすばらしいものをつくろうということで、これはたたき台ですからね。幅広い意見を吸い上げることによって今後とも東京都と話し合おう、こういうことですね。ですから、こちらがもう容認したんだとかいうことではなくて、誤解のないようにね。万が一、万々が一、きのうも地震のお話等がありましたけれども、三十年間に○・八パーセントの可能性しかないと言われているけれども、やはりこれはもう万が一に当たるかもわからないけれども、そういうことでも私たちはやっているわけで、多くの死者が出ないように、被害が起こらないようにということで災害に強いまちづくりを行っているわけでございます。この築地市場の移転ということは、それよりはもっと可能性は高いでしょうね。東京都、事業者が移転だ、移転だということで進めているわけですから、そういうときにあたふたしないように、あの地域の関係者、事業者が困らないように、また築地の方々が良好なまちを維持できるように、シンボルとなるような、そういうものをつくっていこうじゃないかということで、いろいろと手を打っているわけでございますので、そういった点はぜひ御理解いただきたいなというふうに思うわけでございます。
 また、JAPICの問題は、余り私はJAPIC、疎いわけですけれども、いろいろなものに関係しているんだ、また主導しているんだという御指摘でございますけれども、どういうものが主導しているのか等々は今後ともしっかりと、もしそういう動きがあるならば監視してまいりたいというふうに思うわけでございます。
 また、地上化の問題等、これはもう本当に本区が大いに被害を受けるわけですから、被害を受けないように、最小限、もし万々が一地上化というふうにどんどんなってきても大丈夫である、また地域のためになるような手当てはしっかりと東京都にやってもらわなければならないというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。

〔十番 志村孝美議員登壇〕

○十番(志村孝美議員)
 再答弁いただきましたけれども、よく意味がわからないんですね。
 原点に立つということと、市場というのは都の施設、都というのは、やはり主人公は我々都民であるし、区民であるわけなので、ぜひ原点に立つ、消費者にとって、また地域の方々にとって築地市場が必要なんだと。今なおこういう激変を受けて勇気を持って交渉していくことが私は大事だというふうに思っております。築地も含めて、再開発がこれから本当にどんどんやられていきますけれども、第五次中央区政策調査会の委員の方からいろいろ出されている意見も聞きながら、ぜひ住民が主人公のまちづくりを進めていっていただきたいというふうに思っています。
 日本共産党は住民が主人公のまちづくりのためにこれからも頑張ることを表明しまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○議長(中嶋寛明議員)
 以上をもって一般質問を終わります。


○二十三番(原田賢一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。
 本日の会議はこの程度とし、明十七日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋寛明議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋寛明議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明十七日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。
 本日は、これをもって散会いたします。

午後五時七分 散会


署名議員
議長 中嶋 寛明
議員 石田 英朗
議員 坂戸 三郎

お問い合わせ先
区議会議会局調査係
電話 03-3546-5559