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平成20年第一回定例会会議録(第3日 3月5日)

1.会期

二十六日(第三日)
三月五日(水曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開会
午後五時二十三分散会

3.出席議員

(三十名)
一番 志村 孝美議員
二番 木村 克一議員
三番 礒野 忠議員
四番 増渕 一孝議員
五番 二瓶 文隆議員
六番 田中 広一議員
七番 中島 賢治議員
八番 田中 耕太郎議員
九番 田辺 七郎議員
十番 原田 賢一議員
十一番 石田 英朗議員
十二番 中嶋 寛明議員
十三番 今野 弘美議員
十四番 神林 烈議員
十五番 植原 恭子議員
十六番 鈴木 幸子議員
十七番 小坂 和輝議員
十八番 岡田 眞理子議員
十九番 小栗 智恵子議員
二十番 鞠子 勝彦議員
二十一番 鈴木 久雄議員
二十二番 押田 まり子議員
二十三番 鷲頭 隆史議員
二十四番 石島 秀起議員
二十五番 矢吹 和重議員
二十六番 田畑 五十二議員
二十七番 青木 幸子議員
二十八番 高橋 伸治議員
二十九番 渡部 博年議員
三十番 守本 利雄議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君
副区長 髙橋 邦夫君
副区長 吉田 不曇君
教育長 髙橋 春雄君
企画部長 小泉 典久君
総務部長 益田 進君
区民部長 斉藤進君
福祉保健部長 斎藤 裕文君
高齢者施策推進室長 竹内 利雄君
保健所長 大倉 慶子君
環境部長 能瀬 晶子君
土木部長 越地 壽宜君
都市整備部長 西正史君
会計管理者 佐藤 マツ子君
教育委員会事務局次長 小池 正男君
監査事務局長 山崎 栄三君
企画課長 新治満君
財政課長 田中武君
広報課長 信坂 留吉君
総務部参事 齋藤弘君
(総務課長事務取扱)

5.議会局出席職員

議会局長 土屋 篤志君
庶務係長 遠藤 龍雄君
議事係長 土谷 昌彦君
調査係長 横山 信一君
書記 橋本 佳明君

6.議事日程

日程第一
一般質問

日程第二
議案第六号 平成十九年度中央区一般会計補正予算

日程第三
議案第七号 平成十九年度中央区国民健康保険事業会計補正予算

日程第四
議案第八号 平成十九年度中央区老人保健医療会計補正予算

日程第五
議案第九号 平成十九年度中央区介護保険事業会計補正予算


午後二時 開議

○議長(鈴木久雄議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(鈴木久雄議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 六番田中広一議員。

〔六番 田中広一議員登壇〕

○六番(田中広一議員)
 公明党の田中広一でございます。私は、平成二十年第一回区議会定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、通告書に従い、区長並びに関係理事者に対し、質問をさせていただきます。どうぞ意のあるところをお酌み取りいただき、明快にして建設的な御答弁を期待するものでございます。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 まず初めに、基本計画二○○八及び行政改革等についてお尋ねいたします。

 本年は、新年早々、株安、円高、原油の高騰という波乱の幕開けとなりました。さらに、国民の生命にかかわる衝撃的な事件として、中国製ギョーザへの薬物混入問題が発生するなど、昨年より、食品をはじめ、さまざまな問題が後を絶たない状況にあり、日本じゅうを震撼させております。つまるところ、そこには消費者よりも自分たちの都合を優先した、自分さえよければとの考え方が見え隠れするような気がいたします。

 文豪、吉川英治は、ある作品の中で「他の者の幸福の中に、自分の幸福を見出すのでなければ、完全なそして長い人生の果てまでの幸福にはならない」と語っております。こうした状況の中、今求められるのは、新たな時代を展望する一大転換点に立っているものと認識し、あらゆる困難な状況を乗り越え、不信から信頼へと築き上げていくことであると考えます。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 本区では、長期戦略として基本構想に掲げた平和の理念をすべての施策の前提とした基本計画二○○八を策定しました。十年後の中央区としての将来像を目指す上で、人口回復に伴う子育て支援や教育、介護などの高齢者対策、防災・防犯、地域コミュニティの再構築、名橋「日本橋」上空の高速道路の撤去や築地市場問題など、重要な問題が山積している中、区民の生活者にとって安心・安全で信頼される施策の展開がさらに求められていると考えますが、区長さんの御決意をお伺いいたします。

 第二点目に、行政改革についてお尋ねいたします。

 本区の将来像を実現していくためには、区民サービスの質の向上を目指しながらも、今後ますますさまざまな角度からの行政改革が求められ、健全で持続可能な行財政運営を構築していくべきであると考えます。

 そこで、お伺いいたしますが、中央区基本計画二○○五の推進を支える基盤となった第二次行政改革におけるこれまでの取り組みの成果についてお示しいただき、さらに十年後の中央区を目指す上で、今後のさらなる行政改革の展開について、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 第三点目に、専門分野など、職員の方々の一層のスキルアップについてお尋ねいたします。

 中央区基本計画二○○八に基づき、さまざまな施策を展開していく上で、一番重要であるのが職員の皆様であることは言うまでもございません。これまで人口回復十万人達成など、懸命な御努力により、多くの成果を積み上げてきております。一方、社会は激変し続けており、これまで直面したことのないような多様化した区民ニーズや施策の展開にスピード感ある対応などが求められてきております。

 そこで、お伺いいたします。

 これまで積み上げてきた職員の方々のノウハウをさらに生かし、構想に掲げた十年後の中央区を目指す上で、専門性、状況把握力、課題発見力、対人能力、スピードある実行力など、一層のスキルアップが求められると考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 第四点目に、広告料収入などによる歳入の確保についてお尋ねいたします。

 本区では、今後さらに人口増加傾向にある中、時代の変化に即応し、多様化された区民ニーズに必要な施策を的確に実現していくためには、弾力性ある健全で安定的な財政基盤が求められております。そのためには、歳出における不断の見直しを進めるとともに、自主財源の確保という視点も重要であると考えます。

 そこで、会派として、名古屋市の広告事業について視察してまいりました。名古屋市では、平成十九年度において、市の公式ホームページ、広報なごや、狂犬病予防接種の御案内、教育広報誌などに広告を掲載しております。例えば、平成十八年度における広報なごやでは、毎号八枠、年間九十六枠掲載し、一枠三十二万二百五十円の広告販売価格として発行費用一億九千四百四十七万四千円に対し、約一七・五%に当たる三千四百四万一千円の広告料収入が確保されておりました。市民の方にアンケートをとったところ、約六割の方が役に立つとの調査結果が示されていたようであります。また、問題点として、規制業種及び事業者の厳格な審査体制を確立することが非常に重要であると語られておりました。

 そこで、お伺いいたします。

 これまで財源確保についてさまざまな御提案を申し上げてきた経緯もございますが、一層の財政健全化へ向け、まずモデル実施等で少しずつ展開していきながら、例えば区のお知らせなどを活用し、新たな財源確保に努めていくべきであると考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 次に、地域における問題など、区民の皆様から日ごろ寄せられるお声などをもとに、六点につきまして質問させていただきます。

 まず初めに、地球温暖化防止対策への取り組みについてお尋ねいたします。

 本年より、京都議定書で定められた温室効果ガス削減の第一約束期間がスタートいたしました。日本は、二○一二年までに基準年となる一九九○年の排出量からマイナス六%を達成しなければならないことになっております。目標達成に向け、国や企業などはさまざまな取り組みを行っておりますが、現実的には昨年度六・四%増など、基準年からの排出が逆にふえている現状もあり、産業、運輸、オフィス、家庭といった各部門でのCO2削減の取り組みがさらに必要となります。

 そこで、本区としての取り組みを明確にし、家庭、地域、学校などと連携してCO2削減に取り組むと同時に、企業などの集積地である本区として情報を発信し続け、普及啓発を図るという一つの使命もあろうかと考えます。

 そこで、今後の具体的な取り組みといたしまして、三点につきまして質問させていただきます。

 第一点目に、環境に配慮した学校施設についてお尋ねいたします。

 先日、私は、福島県の平田村小平小学校に視察に行ってまいりました。小平小学校では、平成十六年の改築時において、福島県の木とふれあい学舎推進事業の一環として、小学校内の内装をほとんど木質化にて整備し、さらにすべて木でつくられた机といすを使用しておりました。特に、木の資材はすべて校舎の裏の山から確保し、さらに自然の木から机やいすが加工されるまでの工程を生徒の皆さんにも見学してもらったことにより、環境教育だけではなく、大切に使うことも学んだようであります。校舎を視察させていただきますと、木質の内装のため、体感だけではなく見た目にも大変温かさを感じることができ、「木でできた机といすはどうですか」と生徒に尋ねますと、「使いやすい」と即答しておりました。さらに、すれ違うたびに明るく元気にあいさつしてくださる姿が大変印象に残りました。また、これまでのパイプ仕様の机、いすの購入費用との比較については、県からの一部補助金があったため、ほぼ同額にて加工できたようであります。

 そこで、お伺いいたします。

 新たに学校を改築するときにあわせ、中央区の森事業の展開あるいは東京都が推進している多摩産材の活用事業などを取り入れ、環境教育の一環として、机やいす、さらに施設全体の床、壁、天井等の内装をすべて木で加工したものを学校現場に取り入れ、木の香りが漂う施設整備を図るべきであると考えますが、教育長さんの御見解をお聞かせください。

 あわせて、太陽エネルギーの活用、一部芝生化などの緑化など、今後の学校現場における本区の環境教育の展望について、本区の御見解をお聞かせください。

 第二点目といたしまして、エコポイント制度の導入についてお尋ねいたします。

 環境省は、消費者は自分がどの程度CO2を出しているのか把握できず、削減意識が根づきにくいと考え、お金と同じ価値を持つエコポイントを全国に普及させ、環境に配慮した消費への変化を促したいとしており、二酸化炭素の排出削減のため、エコポイントの普及を推進する制度を来年度の新規事業として予算化しております。例えば、港区では区が配布する「みんなとエコポイントカード」と、携帯電話、パソコン、用紙を使って、「レジ袋は断った」、「コンセントはこまめに抜いた」など毎日の地球環境に優しい行動を自己チェックし、ポイントをため、そのためたエコポイントはエコバザーで有機野菜等のバザー品と交換することができるようになっております。

 そこで、お伺いいたします。

 家庭、地域、企業などへの身近でわかりやすい形で地球温暖化防止対策を広く展開していくために、地域活性化という視点も含め、商店街など地域や民間企業などとも連携し、エコポイント事業を導入していくべきであると考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 第三点目といたしまして、地球温暖化防止対策の一つのシンボル的な取り組みとして、風力と太陽光を利用し、災害時用コンセントなどを兼ね備えた街路灯の設置を公園などに整備していくべきであると考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 あわせて、こうした取り組みも含め、さまざまなクリーンエネルギーである風力や太陽光を活用した環境配慮型整備に対する新たな助成制度を創設していくべきであると考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 次に、環境への配慮という視点を重視した快適な生活環境創出のための道路整備についてお尋ねいたします。

 平成十九年四月現在における中央区内の道路延長は、区道、国道、都道合計で約百八十二・三キロメートルとなっております。道路率では約二六%であり、二十三区内で一番高い比率となっております。こうした道路は、交通機関、日照や通風などの生活環境機能、電気・通信・ガス・上下水道などのライフラインとしての機能、延焼を遮断する防災機能など、安全で快適なまちづくりを進めていく上で重要な役割を果たしております。

 ところで、住宅・不動産情報ポータルサイト「HOMES」を運営するネクストが、本年一月三十一日に東京都内の住み心地に関する調査を発表しました。調査によりますと、住みやすいまちとして総合満足度トップは武蔵野市、二位は府中市、三位は多摩市で、上位を多摩地区が占めました。ちなみに、中央区は十五位に位置しており、公共交通網の充実、職場繁華街へのアクセス、地域の将来性に評価されておりました。これは一つの参考ではありますが、多摩地域に評価が高かった背景を考えますと、一位の武蔵野市が代表するように、郊外の緑豊かな環境と吉祥寺のような生活しやすい商業施設との両立が住みやすい地域として感じる第一の要素のようであります。

 一方、本区では、水の都としての顔、あるいは銀座や日本橋、また築地を代表するような商業地域など中央区にしかない魅力があふれております。先ほど述べましたアンケート調査結果によりますと、本区として、緑豊かな環境がさらに整備されれば、住み心地評価が上がったものと想定することができます。確かに、緑豊かな公園などがさらに拡大できればいいのでしょうが、現実的には、限られた面積の中で困難な状況にあります。これまで本区は平成元年に花の都中央区宣言として、街路樹についても特色ある街路樹を植えてきた経緯がございます。そこで、二十三区中道路率の高い本区として、歴史的な街道やまち並みを生かし、緑の優しさに包まれた街路空間のまちづくりを推進していくべきであると考えます。

 そこで、第一点目といたしまして、緑豊かな街路樹の整備拡大についてお尋ねいたします。

 東京都では、緑の東京十年プロジェクト基本方針を昨年六月に策定し、街路樹百万本倍増などを計画しております。また、それぞれの地域ではにぎわいのある施設及び商店街などがありますが、こうした点を線で結び、面的な広がりにつなげていく視点も本区の一つの課題となっており、こうした安らぎと潤いのあるグリーンシンボルロードの取り組みにより貢献できるものと考えます。

 そこで、お伺いいたします。

 街路樹の整備拡大については、例えば中央分離帯にも木を植えるなど、さまざまな工夫は可能であろうかと考えます。そこで、東京都と連携し、本区の歴史や文化を生かした街路樹の整備拡大を図り、潤いのある安全で快適な街路空間を創出していくべきであると考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 第二点目に、電線共同溝の整備についてお尋ねいたします。

 私は、これまで平成十七年第二回定例会及び平成十八年第三回定例会などにおいて、電線共同溝の整備拡大について御提案させていただきました。緑豊かな街路環境を整備する上で必要な取り組みではございますが、さらに防災機能の向上、歩行空間の確保、景観の向上などの観点から、電線共同溝をさらに整備していくべきであると考えます。

 そこで、お伺いいたします。

 電線共同溝の整備について、基本計画二○○八では今後十年間十一カ所を事業目標としておりますが、中央区内一○○%地中化という整備目標を明確にし、将来にわたる全体整備計画を策定した上で、順次整備していくべきであると考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 第三点目に、ヒートアイランド対策として、遮熱性舗装の整備拡大についてお尋ねいたします。

 本区では、ヒートアイランド対策としまして、昨年、鍛冶橋通りにおいて遮熱性舗装の実証実験を行っております。

 そこで、お伺いいたします。

 昨年の実証実験の結果分析をお示しいただき、さらに今後の遮熱性舗装の整備拡大についてどのようにお考えか、区長さんの御見解をお聞かせください。

 次に、道路整備に関連して、自転車対策等についてお尋ねいたします。

 本区では、人口が回復してきた背景を受け、移動手段としては大変便利であるため、これまで以上に自転車を利用する方がふえてきております。また、自転車は環境負荷の低い交通手段として見直され、健康志向の高まりを背景に、その利用ニーズが高まってきております。

 その一方で、交通事故件数の増減傾向に比べ、自転車事故は増加傾向にあり、特に歩行者と自転車の交通事故が急増し、自転車の歩道通行のマナーやルールのあり方が全国的に問題となってきております。警視庁によりますと、二○○七年に全国で起きた自転車が関係する交通事故は約十七万件で、十年前の約一・二倍となり、このうち対歩行者との事故は約四・五倍に増加しております。さらに、みずからが被害者となる対自動車、あるいは逆に加害者となる対歩行者であったとしても、自転車が絡む交通事故の約七割以上が自転車側に道路交通法違反があったと分析をしております。

 そこで、私は、先進的に取り組んでいる名古屋市を視察してまいりました。名古屋市では、自転車利用環境整備基本計画を策定し、自転車について、都市計画、観光・地域振興、福祉等、さまざまな視点から総合的に推進し、環境負荷の少ない交通手段と位置づけております。したがって、自転車は短・近距離の移動に適した交通手段であり、近・中距離の移動において鉄道、バスなどの公共交通機関を補完する私的な交通手段として、都市交通の中で積極的に位置づけ、その利用促進を図っていくため、自転車走行空間のネットワーク化を図るとともに、駅付近の歩道上に駐車施設を整備しております。自転車走行空間は、植栽等により歩行者と分離した整備になっており、徐々にではありますが、市民の意識が変わり、マナーなどの意識啓発にもつながっているようでした。特に、歩道上の駐輪場では整然と自転車が並んでおり、こうした体制が浸透しているものと感じました。

 国土交通省と警察庁は、本年一月、四十七都道府県すべてにおいて計九十八カ所のモデル地区を指定し、二年以内に歩行者、自動車と分離された通行スペースを百三十二キロメートル分整備する方針のようであります。本区では、現実、限られた道路空間の中でこうした自転車専用の通行スペース確保は困難な状況にありますが、高齢社会の到来及び環境に配慮したまちづくりが重視される時代に対応した新しい自転車文化を構築していくような取り組みが求められていると考えます。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 都心の中心である本区では、都道など比較的広い道路においてモデル的に自転車専用レーンを明確に整備し、可能な限り安全な交通環境を構築していくべきであると考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 あわせて、お年寄りの方々などから自転車利用者のルール・マナー違反が大変多く危険であるとのお声が寄せられておりますが、こうした自転車利用者への一層のマナー向上策について、警察署との連携を深め、丁寧な説明及び指導に取り組んでいくべきであると考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 第二点目として、住宅・集客施設及び駅周辺の駐輪場の拡大についてお尋ねいたします。

 これまでは駅前や繁華街などの放置自転車等が目立っておりましたが、最近では、さらにマンションが建ち並び、マンション付近に自転車を放置する傾向が強くなり、マンション住民及び近隣の方々からによる対策を要望するお声が多く寄せられております。市街地開発事業指導要綱によりますと、マンション等の住宅では一戸につき自転車一台以上確保するよう計画上の配慮として行政指導しておりますが、子供のいる家族構成などを踏まえますと、さらに設置台数を確保していく指導体制が求められていると考えます。

 そこで、お伺いいたします。

 住宅及び一定規模以上の集客施設の建設に当たって、自転車駐輪場の拡大を図るとともに、市街地開発事業指導要綱における指導体制をさらに拡大強化していくべきであると考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 あわせて、自転車駐輪の多い駅周辺などにおいて、人形町における取り組みを踏まえ、幅員のある歩道上にさらに駐輪場の整備拡大を図っていくべきであると考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 次に、まちづくりについて二点お尋ねいたします。

 まず、第一点目に、すべてのマンションにおける管理人体制の充実についてお尋ねいたします。

 本区は、長年の懸案事項であった人口回復において十万人を達成し、現在も増加傾向が続いております。しかしながら、地域では価値観や生活形態の多様化を背景に、急速な社会変化の中で、以前のようにコミュニケーションがとれるような状況にはなく、地域社会のつながりや人間関係の希薄化が危惧されております。特に、本区では住民の約八割以上がマンション居住者であり、これまでのような顔の見える地域社会とは大きく異なってきております。中でも、オートロック式マンションでは管理人が駐在していないマンションもあり、窓口がない場合、一層地域から孤立してしまうことになりかねません。これまで地域における情報の伝達、防犯、防災の問題、自転車・バイクの放置、ごみ置き場の乱れなど、さまざまな地域の方々からの要望が寄せられておりました。そこで、こうした懸念を少しでも解決するための施策として、すべてのマンションにおいて管理人さんの駐在を義務化させるなどの検討が必要であると考えます。しかしながら、単に管理人さんを駐在させるとなりますと、事業計画及び賃料などに影響しますので、例えば一週間のうちある時間帯は駐在、あるいは連絡先をマンションの見えやすい箇所に掲示するなど工夫を図る必要があります。

 そこで、お伺いいたします。

 中央区市街地開発事業指導要綱には、事業面積が百平米以上の開発事業に適用され、管理室の設置及び五十戸以上の住宅を供給する場合に管理人の駐在を求めておりますが、さらに良好なまちづくりを進めていく上で、百平米以下も含め、すべてのマンションに管理人駐在及び見やすい場所に連絡先の表示を設置するなど指導強化を図り、コミュニティの構築に努めていくべきであると考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 第二点目に、災害に強いまちづくりとして、耐震改修制度についてお尋ねいたします。

 昨年、能登半島沖地震と新潟県中越沖地震という二つの大地震が発生しました。特に、昨年三月能渡において震度六の地震が発生しましたが、耐震補強を施していたおかげで助かった事例が報告されるなど、改めて日本全国どこでも耐震対策が必要であることを思い知らされました。

 本区におきましても、これまで木造住宅耐震改修助成及び非木造住宅における耐震診断助成制度等がありましたが、木造住宅耐震改修費用助成制度では平成十八年度における実績が二件となっており、住宅の耐震化が進まない現状にあります。そこで、木造住宅における安価で信頼できる耐震改修工法や装置など、これまで減災対策という視点から御提案申し上げてきましたが、平成二十年度予算案には新規及び充実した耐震改修事業が盛り込まれております。

 そこで、お伺いいたします。

 今後、ますます災害に強いまちづくりが求められますが、今年度予算案に示されております住宅・建築物耐震改修等の支援事業につきまして事業内容をお示しいただき、さらに地域への普及啓発及び策定された中央区耐震改修促進計画の着実な実行へ向け、どのように減災対策を講じていこうとお考えなのか、区長さんの御見解をお聞かせください。

 次に、ひとり暮らし高齢者への支援策についてお尋ねいたします。

 我が国は、今後高齢化がさらに急速に進み、総人口に占める六十五歳以上の高齢化率は二○○五年の二○・二%から二五年には三○・五%へと上昇し、それにあわせて、ひとり暮らしの高齢者世帯は三百八十六万世帯から六百八十万世帯へと大幅に増加することが見込まれております。

 二○○五年度内閣府意識調査の一人暮らし高齢者生活状況によりますと、「お互いに訪問し合う人がいる」が三三・一%にすぎず、一一・二%の人が「付き合いはない」と回答するなど、近所づき合い等については希薄なのが現実のようであります。また、東京都内で昨年一年間で発生した住宅火災による死者は百七人で、特に六十五歳以上の死者数が六十一名と五七%を占め、その中でもひとり暮らし高齢者が逃げおくれるケースが際立っているようであります。

 そこで、私は昨年、区民文教委員会の行政視察の最終日に旭川市のひとり暮らし高齢者支援策について視察してまいりました。旭川市では、消防本部が核となり、一九九○年九月から、ひとり暮らしの高齢者などを対象に、小型無線発信機と、熱、煙、ガスのセンサーの緊急通報装置の設置を進めるなど、災害弱者への支援を行っておりました。さらに、二○○一年度からは、災害を未然に防ぐ観点から、ひとり暮らしの高齢者などを対象に、防火点検・指導を行う訪問サービスを開始し、二○○六年度には四千八百七十一人に対して実施されてきました。この訪問サービスの特徴は、単に防火指導を行うだけではなく、暮らしの中での不安や悩み事にも耳を傾け、それを少しでも解消できるよう、応急処置や情報提供、必要があれば関係機関への連絡を行うなど、高齢者の生活を見守る視点を持つことに着眼点が置かれておりました。さらに、そうした取り組みの中で最も多く寄せられたのが健康相談であったことから、旭川市消防本部は二○○三年度から訪問時に通信装置を持参し、ひとり暮らしの高齢者らがモニター画面を通して保健師に直接健康相談できるサービスもスタートさせました。訪問する際は、消防本部の職員だけではなくボランティアなども同伴し、地域住民との連携を重視しておりました。

 一方、本区では、平成十七年度ひとり暮らし高齢者実態調査報告書では、六十五歳以上のひとり暮らし高齢者は二千百三十人であり、年々増加傾向にあります。これまでも民生委員さんや地域の方々、さらには職員の方々がきめ細やかな対応をされてきておりますが、今後ますます増加していくものと考え、一層の取り組みを強化していくべきであると考えます。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 来年度予算案では、新規事業として地域見守り事業支援が盛り込まれております。見守りネットワークを拡大していく上で、特にマンション居住者に対する支援体制が必要であり、公共住宅やオートロック式マンションなどのモデル事業の展開及び関係部署や地域等における連絡協議会などを立ち上げていくべきであると考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 さらに、こうしたネットワークを構築していく上で、通信機器などを活用した安否確認などの体制強化もさらに必要と考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 第二点目に、高齢者の民間住宅入居支援及び入居後見守り支援サービスについてお尋ねいたします。

 先日、あるひとり暮らし高齢者の方から、民間住宅の入居についての御相談をいただき、不動産屋さんにも一緒に足を運んだり、相談に応じてまいりましたが、高齢者の場合、病気や老衰など、さまざまなトラブル要因を抱えやすいため、賃貸人から敬遠される傾向が依然として強い状況にあります。こうした問題を解決するためには、例えば区役所の住宅相談に来られた場合に、不動産会社を紹介するだけではなく見守り支援のようなサービスがあれば、賃貸者側も安心して貸しやすい環境が整い、さらには近所との関係が希薄になりがちなひとり暮らし高齢者のサポートもできるという安心な生活が確保できます。

 そこで、お伺いいたします。

 ひとり暮らし高齢者の住宅入居支援及び入居後の見守りサービス事業を構築していくべきであると考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 また、日ごろ高齢者世帯及びその御家族の方々から介護保険制度に対する相談や意見などのお声が寄せられておりますが、おとしより相談センターなどの認知度が少し低いようにも感じます。

 そこで、第三点目にお伺いいたしますが、介護保険制度などについて、ひとり暮らし高齢者が今まで以上に気軽に安心して相談できる窓口の普及啓発をさらに推進していく必要があると考えますが、区長さんの御見解をお聞かせください。

 最後に、教育問題についてお尋ねいたします。

 平成十九年に行われました調査によりますと、日本の子供たちは知識や技能を実際の場面で活用する力や読解力に大きな課題があることが明らかになりました。しっかり知識を身につけさせることも当然大事ですが、それとともに、みずから考えさせ、学びたいとの意欲を向上させ、好奇心、探究心を引き出す質の高い授業こそが学力を向上させるものと考えます。特に、子供にとって最大の教育環境は教師であり、教師が子供と向き合う時間を確保できる体制の整備は重要な課題となっております。

 そこで、文部科学省では、地域全体で学校教育を支援する体制づくりを推進し、教員の不足や忙しさを補うため、保護者や教育への意欲・能力を持つ人材などの地域住民が学校支援活動に参加することを積極的に施す学校支援地域本部事業を推進しております。現在、杉並区立和田中学校では、授業において学校で教わる知識をどう使えば世の中で使える知識や技術に変えられるかなどを学ぶ、よのなか科を取り入れるなど、ユニークな取り組みで注目されております。年々学力が向上しております。それは、民間企業出身の藤原校長が中心となり、学校支援本部を設置し、父母やOB、大学生などがさまざまな活動で学校を支えていることが理由の一つと言われております。

 例えば、土曜日午前中や放課後、夏休みなどに子供たちが自主的に勉強する土曜寺子屋を教員志望の大学生が支援したり、図書館の運営や校庭の整備など、地域全体で学校への支援ボランティアが活発に行われております。その結果、教師の負担が大幅に軽減され、教師が授業に集中し、子供たちに向き合う時間が生み出されております。このような中学校は、まさに社会総がかりの教育を具体的に実践して、学力向上のみならず人間力向上に大きな効果を上げている一例であると考えられます。

 一方、本区では、中学校の部活動の指導充実のため、外部指導員を募るなど、新しい取り組みを展開しております。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 これまでの取り組みを一層充実させるため、各学校で苦慮している分野などに教員OB、スポーツ及び文化芸術経験者による部活動支援、地域の方々など、多様な教育力で学校を支援し、子供と向き合える時間の拡充を図るためにも、本区において可能な分野から学校支援地域本部を設置し、活用していくべきであると考えますが、教育長さんの御見解をお聞かせください。

 第二点目に、学校現場におけるさまざまな問題解決に対する多彩な専門家による支援体制の構築についてお尋ねいたします。

 文部科学省の委託で平成十八年七月から十二月に行われました教員勤務実態調査によりますと、全国の公立小学校教員の七五%と中学校教員の七一%が「保護者や地域住民への対応がふえた」と答えております。また、「授業の準備時間が足りない」と嘆く教員も小学校七八%、中学校七二%に上り、重圧から心を病み、教職を辞する教師も後を絶たないと聞いております。こうした状況を背景に、教師にしわ寄せするのではなく地域社会で取り組むために、教育再生国民会議は、平成十九年六月一日に決定した第二次報告で学校問題解決支援チームの設置を求めております。

 そこで、お伺いいたします。

 本区としても、今後モンスターペアレントと言われるような問題やいじめ、不登校など、これまで以上のさまざまな複雑な問題に直面することも想定されます。本区においても、弁護士、医師、警察、教師OB、臨床心理士ほか、多彩な人材による支援体制の構築及び教員研修などの重層化を施し、支援体制を構築していくべきであると考えますが、教育長さんの御見解をお聞かせください。

 以上で私の第一回目の質問を終わらせていただきます。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 田中広一議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、安心・安全で信頼される施策の展開についてであります。

 本年二月、定住人口十万の目標達成など、今日的な状況の変化と多様化する区民ニーズを十分踏まえ、中央区の将来像、「生涯躍動へ 都心再生 ― 個性がいきる ひととまち」の実現に向けた新たな取り組みを行うべく、基本計画二○○八を策定いたしました。この計画は、子育て支援や教育、介護をはじめとする高齢者対策、環境問題など、区民生活に直接かかわるさまざまな課題を一つ一つ解決するための施策とその考え方を、十年後の中央区の姿をお示ししながら、わかりやすく取りまとめたものであります。したがいまして、この計画を着実に実現していくことが区民の信頼を得る基本であると考えております。さらに、行政運営に当たっては、区政のあらゆる場面で説明責任を果たし、公平性、透明性の一層の確保に努めるとともに、身近な地域の問題をしっかりと解決して、区民生活に密着した行政の責任を果たすことが重要であると考えております。何より区民の皆様に区が頼りになると信頼し、期待されるよう、隅々まで心のこもった行政運営に最大限の努力を重ねてまいりたいと存じます。

 次に、第二次行政改革大綱の成果と今後の展開であります。

 本区では、平成十七年二月に第二次行政改革大綱を策定し、この三年間で職員数百三人を削減するとともに、指定管理者制度の導入や業務委託の拡大による民間資源の活用、さらには福祉保健部の創設など、効率的・効果的な行財政システムの構築に努めてまいりました。全体としては、大綱に掲げる五十八件の取り組み項目のうち、約八五%の四十九件が一部実施または実施済みという状況です。現行の大綱で定めた行政運営の三つの指針、すなわち区民に密着した区政運営、柔軟で機動的な執行体制、健全で持続可能な財政運営は、十年後を目指す上でも重要かつ不変の要素と考えております。今後もこの大綱をもとに、さらなる改革に取り組み、基本計画二○○八の着実な推進を支えてまいりたいと存じます。

 次に、職員のさらなるスキルアップについてです。

 区では、従来から職層研修や実務研修などの基本的な研修に加え、福祉などの専門研修や政策形成能力研修、交渉能力研修など、さまざまな研修を通して職員の能力向上に努めてまいりました。社会経済情勢の変化が大きい今日、基本計画二○○八に掲げる施策を着実に推進していくためには、広い視野と先見性、的確な状況把握力、主体的な判断力や確実な業務遂行能力など、区政の担い手である職員の一層の資質向上が求められております。このため、今後はさらなる研修の充実や各職場での指導・育成に加え、意欲を高めるための人事考課や昇任制度、能力開発を見据えた計画的な異動など、総合的な人事制度の運用を図ることにより、職員のスキルアップに努めてまいりたいと存じます。

 次に、広告料収入などによる財源確保についてであります。

 区民ニーズに即応した施策を柔軟に展開していくためには、多様な方策を講じながら自主財源を確保していくことが重要であります。そこで、平成十三年度から「わたしの便利帳」で広告掲載事業を開始し、本年度に行った便利帳改訂では二十一の事業者から約百六十万円の広告収入があったところであります。このように、区民生活に密着した広報紙をはじめ、区の資産を活用することは、財源確保に有効な一つの手段でありますが、広告媒体としての適切性や活用する媒体に合わせた掲載基準の見直しなど、慎重に取り組むべき課題もあります。今後とも、御提案の点も含めた自主財源確保策について、全庁的に幅広く検討してまいりたいと存じます。

 次に、地球温暖化防止のためのエコポイント事業の導入についてであります。

 日常生活における省エネルギー商品の購入や省エネルギー行動に経済的なインセンティブを付与するエコポイント制度は、近年増加している家庭部門の温室効果ガスを削減するために、身近でわかりやすい取り組みであると認識しております。この三月に策定する環境行動計画にはエコポイント制度の導入を盛り込んでおります。レジ袋を断ることなどにより得られるポイントを中央区の森寄附金とする仕組みや、国が平成二十年度から実施するモデル事業との連携を検討してまいります。

 次に、災害時用コンセントを備えた照明設備の設置についてであります。

 太陽光や風力等の自然エネルギーを利用した照明設備は、電力消費の削減とともに、災害時に大いに役立つことから、現在、公園に二十一基設置しており、平成二十年度以降も公園以外の公共施設を含めて拡大していく予定であります。災害時の非常用電源として使えるコンセントにつきましては、新設時にコンセントつきソーラー照明を設置するほか、既存の照明設備にも順次設置してまいります。

 次に、自然エネルギーを活用した設備に対する助成制度についてであります。

 新築や既存の建物に太陽光発電設備を導入することは、電力会社が供給する電力の消費を削減することにより、二酸化炭素の排出を抑制します。しかし、設備費が高額であり、現在、助成制度がないため、導入が進まない状況にあります。そこで、今後、中央区森とみどりの基金を活用し、東京都と連携した設置費用助成制度を検討してまいります。

 次に、本区の歴史や文化を生かした街路樹の整備拡大についてお答えいたします。

 街路樹は、人々に憩いや潤いを与えるとともに、地域の良好な景観を形成するなど、風格あるまちづくりに欠かせないものと認識しております。このため、区では歩道の拡幅や電線共同溝の整備などにあわせて、街路樹の植樹に努めております。また、具体的な整備においては、例えば本年度における新橋演舞場周辺への柳の植樹や銀座地区への銀座の柳の後継樹の植樹や解説板の設置など、歴史や文化を踏まえた取り組みを行っているところであります。また、このたび策定した基本計画二○○八においては、街路樹の整備を新たな計画事業として位置づけ、現在、区が管理する街路樹全体の約一二%に当たる七百七十八本の高木をふやすとともに、植樹帯に中木を追加するなど、積極的な緑化を図ってまいります。あわせて、東京都に対しましては、八重洲通りや昭和通りの中央分離帯への植樹の要請を行うなど、お互いに連携を図りながら快適で緑豊かな都市環境を創出してまいります。

 次に、電線共同溝についてお答えします。

 区では、災害に強い都市基盤を整備するとともに、安全で円滑な道路交通の確保と良好な都市景観の創造を図るためには、電線共同溝を整備し、電線類の地中化を進めていくことが大変重要であると認識しております。こうしたことから、本区においては、昭和六十一年度から電線類の地中化を促進してきた結果、道路延長に占める地中化率は四一・二%と、二十三区のトップレベルとなっております。今後とも防災上重要な路線である緊急交通路や緊急物資輸送路などの緊急道路障害物除去路線や、おおむね昭和通り以西で業務・商業機能が高度に集積しているエリアを面的に整備してまいります。

 次に、遮熱性舗装についてお答えします。

 遮熱性舗装は、日照による蓄熱が抑制されることから、昼間の気温抑制に効果があるだけでなく、夜間の放射熱が軽減され、熱帯夜の改善などヒートアイランド対策に大きな効果があるものと認識しております。昨年九月の実証実験では、遮熱性舗装は一般の舗装に比べ、おおむね六度から九度、最大で十三度程度の舗装面での温度低減が認められました。国や都の実験でも同様の結果が得られていることから、区としても今回の実験で遮熱性舗装の有効性が確認できたものと考えております。こうしたことから、平成二十年度以降は本格実施に移行し、整備拡大に努めてまいります。

 次に、自転車専用レーンの確保及びマナー向上策についてであります。

 区内では、都道である昭和通り、新大橋通りなど幅員の広い歩道において自転車通行帯が設けられておりますが、歩道上での自転車の駐輪や歩行者、自転車双方の認識不足などから適切な通行区分となっていないのが現状です。昨年六月に公布された改正道路交通法では、これを確実に実施するために、自転車利用者の歩道上での注意義務とともに、歩行者にも自転車通行帯をできる限り避けて通行する努力義務が課せられました。これを機に、区としては歩行者、自転車双方に通行方法の周知を図り、安全な走行空間を確保するため、道路管理者である都に対して、着色による自転車通行帯の明確化や看板による通行方法の明示などを行う(仮称)モデル自転車専用レーンを設置することを働きかけてまいります。

 次に、自転車のマナー向上策につきましては、本年、警察庁により自転車の正しい乗り方についての教則が改正されます。また、都では、中・高校生を対象とした自転車交通に関するマニュアルを作成して配布する予定と聞いております。区としては、東京都や警察署と連携しながら、歩行者、自転車利用者双方に周知を図るため、交通安全運動など、あらゆる機会をとらえて説明や指導を徹底してまいります。

 次に、マンション、集客施設の駐輪場及び歩道上の駐輪場についてお答えします。

 マンションにおける駐輪場整備については、利用実態を踏まえて市街地開発事業指導要綱にきめ細かく規定するなど、附置義務の見直しを検討してまいります。集客施設では、施設の規模や内容により駐輪場整備を指導しておりますが、さらに銀座や日本橋など来街者が多い地域の開発においては、地域貢献の一つとして、公共駐輪場の整備を今後も指導してまいります。

 また、歩道上の駐輪場整備についてですが、駅周辺には依然として放置自転車が多数あり、駐輪場として利用できる公共空地が少ない状況から、歩道上に駐輪場を整備することは有効な対策であります。そこで、人形町三丁目に整備したように、今後も人形町通りや水天宮前駅周辺、茅場町駅周辺等において、東京都の協力を得ながら駐輪場を整備してまいります。

 次に、マンションの管理人駐在や連絡先表示に係る指導強化についてのお尋ねであります。

 マンションが地域から孤立することなく地域社会とのつながりを確保していくためには、マンションの窓口を明らかにして、地域の方が必要のあるときにいつでも連絡をとることができるようにしていくことが大切です。これまで市街地開発事業指導要綱により、新たに建築される一定規模以上のマンションに対しては指導を行ってきたところですが、この要綱の対象外となるマンションについても、地域の方から連絡がとれるようにしてもらいたいとの要望が高まっているところであります。このため、今年度末に新たな要綱を制定し、すべてのマンションに対して地域住民との連絡を担当する人の配置や管理責任者の連絡先を明記した表示板を設置することを指導してまいります。同時に、この要綱の運用実績を踏まえ、条例化についても検討してまいります。

 次に、住宅・建築物耐震改修等の支援事業についてお答えします。

 木造住宅の耐震改修助成については、活用が進まない状況を踏まえ、新年度より所得制限を撤廃し、一般世帯を補助対象にするとともに、補助限度額を大幅に引き上げます。加えて、新たに耐震診断や一部屋補強などの簡易補強工事にも助成を行うこととし、メニューを多様化するなど、制度の充実を図ります。また、分譲マンションについても、新たに補強設計や耐震改修工事に対する助成を導入します。これらの支援制度について、パンフレット、区のおしらせ、ホームページ等により情報提供を行うとともに、地元建築関係団体等との連携を強化し、関連部署が一体となり、さまざまな機会を活用しながら普及啓発を行ってまいります。今後、災害に強いまちづくりに向けて、こうした支援制度の促進を図るとともに、地区計画や再開発事業等を活用した建てかえなど、総合的な取り組みを行ってまいります。

 次に、地域見守りネットワークの構築についてであります。

 地域見守りネットワークは、今後一層の増加が見込まれるひとり暮らしや認知症など見守りが必要な高齢者が、住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、おとしより相談センターを活動の核として、町会・自治会、民生委員、警察、消防などの関係者が連携し、地域全体で支えていくものであります。新年度では、京橋、日本橋、月島の三地域でモデル事業を実施する予定であります。この際には、居住者相互の交流が比較的希薄であると思われる集合住宅にも積極的に働きかけてまいります。また、通信機器を活用した安否確認につきましては、これまで東京消防庁に通報できる緊急通報用機器や、火災自動通報器を設置しているところであり、新年度には新たに日中ひとり暮らしの高齢者などにも民間の緊急通報システムを導入していくことといたします。情報通信技術は日々進歩しており、今後とも効率的、効果的で使いやすいシステムの研究に努めてまいります。

 次に、住宅入居支援及び入居後の見守りサービスについてであります。

 現在、区では東京都宅地建物取引業協会等の協力を得て、住宅に困窮している高齢者の住みかえ支援を実施しておりますが、三年ほど実績が出ていない状況であります。この理由は、実際の家賃と支払える金額の差が大きいことや、連帯保証人が得にくいことなどであります。こうしたことから、今後は身元引受人がいない高齢者のための見守りサービスを行うあんしん入居制度や、連帯保証人がいない高齢者の滞納家賃の債務保証を行う家賃債務保証制度などの活用を検討してまいります。さらに、高齢者の入居を拒まない高齢者円滑入居賃貸住宅の登録促進、民間事業者による高齢者向け優良賃貸住宅の供給誘導などに積極的に取り組んでまいります。こうしたことにより、高齢者の住みかえを支援し、住みなれた地域で安心して暮らすことができる環境の整備に努めてまいります。

 次に、高齢者が気軽に相談できる窓口についてであります。

 介護保険開始後、およそ八年が経過し、制度に対する区民の理解も相当進んできたものと考えております。しかし、実際の利用に当たっては、申請や手続などに戸惑うことも多く、親切で丁寧な相談体制が求められております。現在、区では地域における高齢者の総合的な相談、支援の根拠である、おとしより相談センターを区内三地域に設置し、月曜日から土曜日の午前九時から午後六時まで窓口を開いております。また、本庁舎におきましても、ケアマネジャー等の専門的知識を有する相談員を設置し、介護保険制度及び高齢者施策について総合的に相談できる窓口を解説しております。平成十八年度の相談件数は、おとしより相談センター三所合計で八千七百件、本庁舎窓口は七千件となっており、多くの方に利用されております。今後とも区のおしらせやホームページなどを用いて定期的に周知を図るとともに、民生委員や関係行政機関等で構成されるおとしより相談センター地域懇談会などの意見も伺いながら、より身近で信頼される相談窓口としてまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 教育問題についてお答えします。

 まず、学校の改築時における木材の活用についてであります。

 木材には、湿度を調整する力やいやしの効果、精神的なゆとりをもたらすなどの効果があるとされております。土や木に触れる機会が少ない都会の子供たちにとって、心が穏やかになる空間が学校にあるということは教育環境上も好ましいことと考えており、これからの学校の改築に当たりましては、コスト面など課題はありますが、什器や内装などへの木材の使用について検討してまいりたいと存じます。

 次に、学校現場における環境教育についてです。

 現在、小学校三校で太陽電池パネルあるいは風力と組み合わせたクリーンエネルギーの活用を行っております。また、芝生を含めた屋上緑化などさまざまな取り組みがなされております。こうした直接的な体験を通した学習は大変重要なことであり、これからも各教科や総合的な学習の時間等において積極的に推進し、一人一人が環境問題に関心を持ち、地球規模の視野で考え、身近なところから具体的に行動できる子供たちを育成してまいりたいと存じます。

 次に、学校支援地域本部の設置についてです。

 現在、学校が対応しなければならない問題は多様化、複雑化し、このことが教員に多忙感を抱かせている一因でもあると認識いたしております。そのような中で、教員OBやスポーツ及び文化経験者からの学習活動や部活動への支援は、授業の質を高めるために大変重要な意義を持つものと考えます。教師が子供と向き合う時間の確保にもつながり、個に応じた指導の充実を図ることができると考えております。教育委員会は、非常勤講師や学習指導補助員の配置など、さまざまな人的支援を実施しておりますが、これらに加え、御指摘のような多様な人材を活用し、さらに実効性を高めていきたいと存じます。お尋ねの学校支援地域本部の設置についても、地域全体で学校を支援するための一つの有効な方策として、学校や保護者、地域の方々の意見を踏まえて検討してまいりたいと存じます。

 次に、多彩な専門家による学校支援体制の構築についてです。

 学校は、モンスターペアレントやいじめ、不登校など、多くの課題に直面しております。時には、問題が複雑化し、解決が困難な場合もございます。とりわけ、保護者とのトラブルが長引き、教員が精神的に追い込まれるようなことも想定されます。仮にこのような事態が発生した場合は、大事な子供たちの教育に重大な影響を及ぼしますので、速やかな解決が求められます。教育委員会としましても、必要に応じてともに対処してまいりましたが、内容によっては法律や経営、心理などの分野における専門家チームの助言が問題解決に有効な役割を果たすものと考えます。今後は、先行自治体の情報も集め、中央区に適したこうした学校支援チームの設置について検討してまいりたいと存じます。

 答弁は以上です。

〔六番 田中広一議員登壇〕

○六番(田中広一議員)
 それぞれの質問項目に対しまして、わかりやすい建設的な御答弁、本当にありがとうございました。

 まず最初の質問でございます、区長さんの御決意ということで、大変身近な問題をしっかりと、また区が頼りにされるように心のこもった取り組みをしていきたいということで、すごく、ある意味安心もしましたし、大変期待していきたいなというふうにも思いました。ぜひとも、小さな問題がたくさんあって難しいかもしれませんが、一つ一つ丁寧に取り組んで、信頼を勝ち得る施策の展開をぜひともお願いをしたいと思います。

 それから、行政改革に関連して、これは本当にこういう考え方もあるんだなということでお聞きいただければと思うんですが、先ほど質問の中で、福島県の小平小学校に視察に行かせていただいたんですが、その前に矢祭町というところに、もったいない図書館という図書館がオープンされまして、その視察も実は行ってまいりました。

 福島県の矢祭町は、合併をしないという宣言をしまして、財政的にもいろいろな意味で厳しい中、ぜひとも町民の皆さんが図書館が欲しいという要望があった。だけれども、なかなか難しい。そこで、教育現場の皆さんは考えまして、皆さんから真心の本をいただいて、ぜひとも図書館をつくっていこうと、そういう話になったそうです。題名がもったいない図書館ということで、そういうことだと思いますが、最終的に、約一年間ぐらいで現在四十三万冊ぐらい本が集まりまして、当然、中にはいろいろな厳しい御批判もあったようですが、大半は本当に本が、逆に、同じ本が重ならないように全国のいろいろな専門家がこういう本も必要でしょう、ああいう本も必要でしょうということで寄贈いただいた。そして、真心の手紙が添えられておりまして、ファイルになっていたんですが、本当に、頑張ってくださいね、すばらしい図書館をという、そういうメッセージがたくさんつづられておりました。現場の教育長さんはじめ、皆さん、そして町民の皆さんも一体となって、この図書館を守っていこう、そういう気持ちに変わったようです。

 一つ驚いたのが、本を読もうという宣言を行事で行ったようなんですが、学校の生徒さんが、皆さん、風船の下に手紙をつけて、本をありがとう、たくさん本を読むよ、そういうメッセージを添えられる方が多くて、大変教育現場の皆さんもびっくりしたと、そういうお話も伺いました。

 図書館の質問ではなくて、財政が厳しかったり、いろいろな背景があっても、いろいろな工夫でこうして施策の展開ができるんだな、地域と一体化して取り組むことができるんだなと、そういうことを学ばさせていただきました。本区としては、都心の中央区でございますので、さまざまな使命を担っておりますので、ぜひともスキルアップを図りながらも、あらゆる困難を乗り越えて、次の十年を目指した構想をぜひとも実現していただきたい、このように思うところでございます。

 次に、二番目の質問でございます。これは、地球温暖化防止対策ということで大変注目されている取り組みですけれども、御答弁いただいた内容で、ぜひともそのとおり進めていただきたいなというふうに思います。

 教育長さんから御答弁いただきました学校施設の木質化、特に机といすについてですけれども、これも視察に行ったときに、木質化がすべてでは当然ないですけれども、いろいろな要素の一つかもしれませんが、本当に明るく元気にあいさつをされる生徒さんが多くて、向こうから握手まで求めてこられて、大変こちらがびっくりしてしまったぐらい元気な皆さんを拝見いたしました。当然、地域的な環境、いろいろな背景が違うかもしれませんが、そういった先生方の真心がきっと通じたんではないかなというふうに私は感じております。

 それから、三点目の道路整備についてでございます。

 以前からずっと考えていたんですが、本区のまちづくりの中で何がポイントかなと思いましたら、当然、水の都という視点もございますが、やはり道路率が二十三区で一番高い。この道路をどう生かすのかというのが大変ポイントではないかなと考えておりました。そういった意味から、街路樹の整備拡大あるいは電線共同溝、もう一つは遮熱性舗装、こういった取り組みをぜひとも中心の本区として推進していただきたいというふうに思います。要望させていただきます。

 それから、四番目の自転車対策についてでございますが、大変中央区の場合は商業施設が多いものですから、荷さばき等の問題もありまして、自転車レーンが大変困難であるんですけれども、ただ、これからいろいろな、警察からの指導がある中で、やはり行政としての一つのメッセージあるいは普及啓発の意味も含めて、それなりのレーンを設置しながら安全対策をとっていくんだ、そういった目に見える形も私は必要だと思って質問させていただきました。したがいまして、先ほど東京都に対しても要望していくというお話もありましたので、ぜひとも期待したいというふうに思います。

 それから、駐輪場の整備については、私から申し上げるまでもなくですけれども、バイクあるいは荷さばきにおいても、そうした整備もぜひともよろしくお願いいたします。

 それから、まちづくりについてでございます。

 これも、御答弁いただいたとおりに進めていただければ、大変ありがたいなと思います。

 それから、六番目のひとり暮らし高齢者の支援でございます。

 この三番目の質問で相談体制の一層の推進ということで質問させていただいたんですが、先日も、ある地域の方々と懇談をさせていただきまして、私も自分がイメージしていた以上に、意外とおとし寄りの方御自身自体は、区とか、あるいはおとしより相談センターに電話するということが、いわゆるお世話になるところにお電話するので、いろいろな要望が言いたくても言えない方も中にはいらっしゃるんだなと、そういった背景を私は伺いまして、逆に勉強させていただいたんですが、そういういろいろな方々もおられますので、一層の、こういったところに相談すれば何でも聞いてもらえますよという周知をぜひともお願いしたいというふうに思います。

 最後の、教育問題についてでございます。

 まず最初の、学校支援地域本部の設置ということで、地域総がかりの教育だということなんですが、先日も先輩議員さんからもいろいろな質疑がありましたけれども、今までは確かに地域のコミュニティもあった。いろいろな地域力もあった。そういった中で、学校もあって上手に機能してきたんですけれども、やはり地域が大変、今、変わってきた。そういった背景を受けて、どうしても学校側に集中していろいろな負担がかかってくる。それについて、ぜひともいろいろな形で支援体制をつくっていただきたい、そういう思いで質問させていただきました。

 ボランティア一つとっても、なかなか協力してくださる方が少ないという背景もありますけれども、ぜひともこうした大きな取り組みをする中で、宣伝効果といいますか、周知されて、あらゆる人材の方も集まってくるであろうと思いますので、ぜひとも取り組み方、よろしくお願いいたします。

 それから、二番目の多彩な専門家による支援体制ということでありますけれども、もちろん基本は現場の先生方がいろいろな問題に対しても直面して真っ正面からぶつかっていく取り組みが大前提でありまして、その上で、大変難しい問題においては、ぜひとも専門家の方のアドバイスも必要であろうと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。

 以上で私からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(鷲頭隆史議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後三時十三分 休憩


午後三時三十五分 開議

○議長(鈴木久雄議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。九番田辺七郎議員。

〔九番 田辺七郎議員登壇〕

○九番(田辺七郎議員)
 日本共産党の田辺七郎です。党議員団を代表し、質問します。区民の立場にしっかりと立った積極的な答弁を期待します。答弁によっては、再質問、再々質問することを留保しておきます。

 最初の質問は、地対空ミサイルの晴海埠頭公園への配備計画の問題です。

 二月十九日、アメリカのミサイル防衛システム構築に積極的に対応する海上自衛隊のイージス艦「あたご」の漁船「清徳丸」に対する衝突事件が起こりました。軍事優先の体質を持ち、国民に事実を隠してきた防衛省の不誠実な態度を厳しく糾弾するものです。また、いまだに行方不明の二人の方の捜索を徹底して行うことを強く要求するものです。事件発生と、その後の政府、防衛省の対応について区長の見解をお聞かせください。

 ところで、防衛省は、ことし一月十四日夜から十五日未明にかけ、新宿御苑と自衛隊市ケ谷駐屯地でミサイル防衛(MD)システムの地対空ミサイルPAC3の発射能力を確認する調査を強行しました。この問題で、一月二十三日、私と志村議員は日本共産党笠井亮衆議院議員、都議会議員ともに防衛省に抗議し、晴海埠頭公園などへの展開訓練・調査の中止を強く求めました。

 その席上、防衛省職員は、新宿御苑は環境省の許可を得て実施した。東京都には一月十六日、協力要請の依頼文を出した。その際、要請内容は公表を差し控えていただきたいと要請した。防衛省から新宿区へは特に要請していないなどと、調査場所がある自治体にすら事前に知らせず、住民の心配、批判には全く耳を傾けようとしていません。また、この調査の根拠は、防衛省設置法第四条十八号で、調査場所、結果は、国民の安全を守るため明らかにできないと繰り返すばかりでした。

 今度のイージス艦事件で、国民の安全を守るためといって国民には知らせない隠ぺい体質の危険な姿が、同じように明らかになりました。防衛省は、既に東京都に実施協力を要請しています。中央区にある晴海埠頭公園の名が真っ先に挙げられています。この問題について、昨年九月、第三回定例会での私の質問に対する区長答弁は、正確な情報がないので、訓練の是非は言及できないというものでした。防衛省あるいは東京都から中央区に情報が提供されているのでしょうか、お答えください。

 マスコミ報道に対し、周辺住民から、米軍のために公園を使うのは公園本来の目的外使用であり、このようなことは許されないと批判の声が上っているのは当然です。平和都市宣言を発している中央区は、米軍戦略に首都圏を組み込み、住民の平和を脅かすPAC3配備、調査にきっぱりと反対の態度を表明することを強く求めます。お答えください。

 次に、まちづくりについて質問します。

 今、中央区のまちづくりで、これでいいのだろうかと大きな疑問と関心を呼んでいるのは、公共への貢献という名で区道を廃止し、特定企業の開発事業に便宜を与える問題、そして周辺地域に多大な環境負荷を及ぼしている超高層のオフィスビル及びタワー型マンションの相次ぐ建設問題です。

 最初に、銀座三越の増築計画と区道廃止問題について質問します。

 問題は、銀座三越の裏の区道を廃止して、通路として残すものの、三階以上は新館と本館を一体化し、売場面積を一・六倍に拡大する都市再生特別地区の計画です。この案件で、一月十六日開会の中央区都市計画審議会では、日本共産党の小栗智恵子委員の、区道廃止反対の道理ある意見を退け、賛成する多数が附帯意見をつけ、区長に答申しました。区長は、都知事にどのような意見を述べたのでしょうか、お答えください。

 このとき説明に当たった理事者は、「区道の改廃を伴う市街地整備計画の審査について」という文書を配付しました。その冒頭に「区道は貴重な区民の財産である。区道の改廃は原則禁止」と、区の原則的な態度を明確に述べています。これは、十八年前、社会的批判を浴びた明治座の再開発ビル建設の際の「区道改廃の考え方」を踏まえたものですが、今回、「区道の改廃をより慎重に対応するために」と言いつつ、区道の改廃をさらに拡大する新たな事項を加え、銀座四丁目の区道廃止を合理化しています。めちゃくちゃではありませんか。区道の改廃は原則禁止というのであれば、要件を緩和するなどということはきっぱりとやめるべきではないでしょうか、お答えください。

 この問題が議論されていたそのとき、区のおしらせ十二月十五日号では、「とても大切な道路です 正しく使いましょう」という見出しで、「道路は人や車の通行だけでなく、日照・通風など生活環境の保持、電気・通信・ガスや上下水道などの各種ライフラインの収容、延焼を遮断する防災機能など多くの役割を有しているとても大切なものです」と、区民に呼びかけているのです。大変重要な視点であり、区政はこの視点を貫くべきです。区道について、区の考えは変わっておりませんか、お答えください。

 今度の銀座三越の増築に伴う区道の廃止は、地域貢献があると行政が判断すれば、区道という区民の財産を処分できるという前例をつくり、取り返しのつかないゆがみを区政に持ち込むのです。こんなことは許されません。お答えください。

 また、京橋二丁目に計画されている清水建設による再開発ビル建設計画においても、新たな区道廃止計画があり、近々、都市計画審議会で議論されようとしています。これも都市再生の名による大企業の再開発を、区道を廃止して応援しようとするものです。区道の廃止は原則禁止という中央区政は、この清水建設の要求を受け入れることが許されるとお考えですか、お答えください。

 また、二月十四日の環境建設委員会において、我が党の鞠子勝彦議員の質問に、今後、区道改廃を含む再開発計画は六カ所あると理事者答弁がありました。場所はどこで、事業者はだれなのか明らかにしてください。

 次に、区内各地で進む超高層オフィスビル及びタワー型マンションの建設問題について質問します。

 超高層ビル建設は、一地域に定住人口あるいは就業人口を一挙に増加させ、日照、風害に加え、学校の過密化、周辺地域に車の発生・集中など、新たな環境負荷を増大させ、防災上の問題も起きています。こうしたタワー型ビル建設で区道の改廃を伴い、事業面積の拡大で建物も大規模化しているところに特徴があります。このようなまちづくりは再検討し、転換してほしいという声が広がっています。区長にこの声は届いていますか、お答えください。

 月島地域だけを見ても、新たに四カ所の市街地再開発事業が計画されていますが、同じような超高層タワー型マンション建設を予定しているのでしょうか、お答えください。また、これらの再開発計画では区道改廃の計画はありますか、お答えください。

 次に、築地市場問題について質問します。

 我が党は、食の安全を守るためにも、市場で働く人たちの職場と雇用を守り、中央区の地域経済を守るためにも、築地市場は土壌汚染の深刻な豊洲への移転は断じて行うべきではなく、現在地での再整備という方針に立ち戻るべきであると繰り返し主張し、区長の確固とした態度表明を求めてきました。

 区長は、昨年四月、区長選挙のマニフェストに「食文化の中央区を守ります。築地市場移転断固反対です。万が一市場移転なら“築地ブランド”を生かした新しい鮮魚マーケットを開設します」と表明しています。率直に申しまして、少なくともこの二年、区長の姿勢は、残念ながら「移転断固反対」ではなく「万が一」にシフトされていると言わなければなりません。二日前の区長所信表明でも、「万が一」は言うが、移転反対は全く表明していません。

 二年前、築地市場移転に断固反対する会の名称を新しい築地をつくる会に変更したこと、明確に築地市場移転後の計画を築地市場地区を核とした活気とにぎわいづくり調査報告書にまとめたこと、また、区の幹部職員をして移転を前提とした鮮魚マーケット構想を東京都と協議させてきたこと、そして、石原知事の二○一六年オリンピック東京招致に迎合する歓迎の区長コメントを出しました。これらは、区長マニフェストの移転断固反対に矛盾する姿勢ではないでしょうか、お答えください。

 区民の声と期待にこたえるには、政治家である区長は、築地市場の現在地での再整備という主張を内外に示し、多くの区民、都民に呼びかけるべきです。お答えください。

 また、食の安全と地域経済を守るため、現在地での再整備を求めるさまざまな運動と連帯を強めることを求めます。見解をお聞かせください。

 党区議団は、二月二十八日、日本共産党の笠井亮衆議院議員の築地市場移転問題に関する質問主意書と政府の答弁書を区長に示しました。この答弁書で福田首相は、有害物質による土壌や地下水の汚染が明らかになっている土地の安全性に関する研究や検討について、御指摘の中央卸売市場など食品関連施設を開設する際の安全性について国が研究や検討を行ったことは、確認した限りにおいてはなかったと述べ、今後、築地市場移転に係る農林水産大臣の認可の申請が東京都からあった場合には、土壌汚染対策専門家会議の議論や対策の内容等を踏まえて適切に判断していきたいと考えていると答弁しています。重要な答弁です。このことを踏まえ、中央区は国に対し、安全性について厳格に審査するよう求めるべきです。お答えください。

 次に、石原知事の二○一六年オリンピック招致計画と区政の対応について質問します。

 オリンピックの直接費用は、競技施設の建設など七千五百億円、招致活動経費も当初の三倍近い百五十億円、さらに五輪をてこにしたインフラ整備で七兆五千億円を超える税金投入計画です。今、石原都政は、区内バス停、陸橋などになりふり構わない異常な招致キャンペーンを展開しています。

 区長は、二○○六年八月三十日、国内立候補都市決定に対する区長コメントを発表し、「心から歓迎」、「五輪誘致の成功に向け積極的に協力」と述べました。この区長コメントは、晴海地区にメーンスタジアム、そして築地市場跡地にはメディアセンターの建設を容認するものです。このようなオリンピック歓迎の姿勢はきっぱりと改め、築地市場を守る姿勢を内外に明確にすべきだと考えます。見解をお聞かせください。

 また、区にオリンピック招致の賛同署名集めに、町会・連合会の事務局が区民部に置かれていることを理由に、区職員を配置したり、総合スポーツセンター及び月島スポーツプラザには「オリンピックを東京に 二○一六年!」という横断幕、のぼりを掲げています。また、都教委は、小・中学校を通じて全児童・生徒にオリンピック理解促進資料を配布し、招致機運を高めようとしています。こうした事態に、区民からは、矢田区政は築地市場を現在地で再整備する姿勢は投げ捨てたのかと批判の声が広がっています。区長は、これからも石原都政の五輪招致キャンペーンに協力していくつもりでしょうか、お答えください。

 次に、消費者、中小零細企業対策について質問します。

 最初に、食の安全の問題です。

 中国から輸入された冷凍ギョーザを食べ、混入していた農薬による中毒事件が発生し、その被害が広がっています。真相の究明と輸入食品検査の体制が問われています。学校給食、特養ホームの給食など、中央区の諸施設での食の安全確保対策について、また、これから生かすべき教訓についてお答えください。また、国産食材の使用で国内農産物自給率を高めることに貢献すべきだと考えます。お答えください。

 さて、小泉・安倍内閣と続いた構造改革路線によって、家計は痛めつけられ、貧困と格差が社会に広がっています。政治への怒りが充満していることは、党派を超えた共通の思いと考えます。国税庁の調べでも、民間給与所得者で年収二百万円以下の人が二○○六年一年間で十万人以上ふえ、一千二十二万人に達しました。また、生活保護受給世帯も○六年度、百八万人にも上ります。家計の可処分所得は、二○○六年度は十年前に比べて九二%と、大幅に減少しています。また、貯蓄ゼロ世帯は二○%を超えるという状況です。しかも、最近の原油・穀物市場の高騰によって、生活必需品や原材料が値上げされ、家計に追い打ちをかけ、中小零細企業にも深刻な打撃を与えています。今日の経済情勢と区民への影響について、区長はどのような認識でしょうか、お聞かせください。

 我が党の長い間の提案で区政に取り入れられた共通買物券は、二○○○年の発行以来、年を重ねてきました。この共通買物券は、新生児誕生祝買物券及び敬老買物券贈呈用としても活用されています。来年度も三億五千万円の発行を予定し、七十五歳以上の区民への贈呈額を三千円から八千円に引き上げる高齢者生活支援は、一歩前進です。我が党区議団は、今日の貧困と格差が広がっている社会経済情勢から、その発行額を増額するとともに、政府の制度改悪で生活が困窮している障害者への支援など、区民の生活を支えるため、活用をさらに広げることを求めるものです。お答えください。

 次に、中央区が発注する官公需契約実績で、この数年七○%台の低い段階に低迷している金額に占める中小企業の割合を八○%台に引き上げるという目標を持った取り組みが必要と考えます。また、区内の中小企業への発注比率についても、目標を持って取り組むことが必要と考えます。見解をお聞かせください。

 さらに、区の融資制度について質問します。

 来年度の融資制度は、わかりやすく利用しやすいものとするとして、整理・統合する計画です。融資限度額の一部引き上げなど、改善も見られます。しかし、長期プライムレートの変動を理由に、融資利率及び借受人負担利率の引き上げを予定しております。これは、融資を受ける人には新たな負担の増大ではないでしょうか。金融機関と積極的に協議し、融資利率を引き下げ、借受人負担利率を引き下げる努力をすべきだと考えます。お答えください。

 また、原油高騰の影響などにより経営が悪化している中小企業の資金繰りを改善するために、原油価格高騰対策特別融資制度を新たに創設することを提案します。考えをお聞かせください。

 最後に、教育施策について幾つかの質問をします。

 文部科学省は、二月十五日、小・中学校の学習指導要領を十年ぶりに改訂する案を発表しました。これは、安倍内閣のもとで改悪された教育基本法、学校教育法に基づいたもので、国民の学力への不安や願いにこたえたものになっていません。しかも、学習内容をふやし過ぎ授業数が過密になっていること、これまでと違った指導法を細かく例示していること、すべての学校に道徳教育推進教師を配置し、実施状況を点検させることなど、さまざまな問題点が指摘されています。日本共産党は、改訂案を撤回し、指導要領のあり方を含め、国民的な討論を行うことを求めるものです。中央区教育委員会は、どのような分析と評価をしていますか、お答えください。

 次に、少人数学級の実現の問題です。

 子供たち一人一人の個性と潜在的な力を伸ばすためには、行き届いた目配りと指導が必要です。既に、全国では東京都以外の四十六道府県で四十人以下の少人数学級への移行が進んでいます。杉並区は、独自に三十人程度学級の実現に動いています。中央区においても、独自の少人数学級の実現へ踏み出すとともに、都教委に積極的に意見を上げるべきだと考えます。少人数学級についての評価、区独自の実施及び都教委への働きかけについて考えをお聞かせください。

 次に、教育の中央区学校づくり検討会報告書に関連して質問します。

 この報告書では、人口急増地域に新たな学校はつくらないことを前提にした、問題の多い計画を提示しています。勝どき・晴海地域はこれからも人口が急増し、各種区民施設が必要になることは明らかです。学校施設もまちづくりの計画の中にきちっと位置づけて、必要な土地の確保を進めなければ、将来に重大な禍根を残すことになります。教育委員会の積極的な対応を求めるものです。お答えください。

 次に、中央区子ども読書活動推進計画検討委員会の中間報告の学校図書館の現状では、文科省が示している学校図書館図書標準に達していない学校は、小学校十六校中六校、中学校四校中一校とされています。こうした事態は一挙に解決し、読書環境を改善すべきだと考えます。二○○八年度予算でこの問題をクリアすべきだと考えます。教育委員会の姿勢と見解をお聞かせください。

 以上で第一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 田辺七郎議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、海上自衛隊のイージス艦と漁船との衝突事故についてであります。

 今回の事故につきましては、痛ましい思いでいっぱいであります。行方不明になっているお二人が一日も早く発見されることを心からお祈り申し上げます。

 報道によれば、福田首相をはじめ、石破防衛大臣などがそれぞれ被害者の自宅を訪れ、御家族や地元関係者に謝罪されておりますが、今後は徹底した事故原因の究明と実効性のある再発防止策が講じられることを強く期待しております。

 次に、地対空ミサイルを展開するための実地調査についてであります。

 本年一月十四日夜から十五日未明にかけて新宿御苑で行われた実地調査については、新宿区には事前の連絡はなかったと聞いております。このため、特別区では防災課長会で協議を行い、東京都を通じて防衛省に対し、調査の実施に当たっては地元の自治体に情報提供するよう申し入れを行ったところですが、現在のところ、晴海埠頭公園で実地調査を行うとの情報提供は、防衛省からも東京都からも受けておりません。したがいまして、本区としては正確な情報がないため、地対空ミサイルの晴海埠頭公園への配備やそのための調査の是非についてお答えできる状況にはありません。

 次に、区道の改廃を伴うまちづくりについての御質問にお答えいたします。

 初めに、銀座三越の計画に関する都知事への意見回答についてお答えいたします。

 都知事への回答は、中央区都市計画審議会の審議結果を踏まえるとともに、審議会の附帯意見を添えて適切に回答しております。

 本区は、震災復興の土地区画整理により市街地の骨格が形成されていることから、都心にふさわしい地域機能の更新や社会的要請にこたえるまちづくりを進めるためには、区道のつけかえによる道路整備や緑地の創出など、適切な街区再編も必要と考えております。区道の開発については、これまでの再開発においても慎重に対応してまいりました。区道は区民の貴重な財産であり、その改廃は原則禁止するなど、より慎重な対応が必要であることから、昨年十二月、区道の改廃の考え方について具体的に整理したところであります。今後は、この新たな考え方に基づいて、通行機能を確保した上で、道路の持つ交通や環境、防災・防犯などの各機能について改廃前後を適切に評価し、加えて、区の目指す施策に沿った公共貢献や地域が求める機能の充実など、地元や住民に対する十分なメリットと地域改善が図られる計画に限り、対応してまいります。

 銀座三越の計画や清水建設の計画は、こうした考え方に基づいて公共駐車場や子育て支援施設など、住民のニーズにこたえる計画づくりが行われているものであります。現在、東京駅前地区で検討が進められている住民参加による六つの再開発計画についても街区統合を前提としていることから、これら計画と同様に、適切に対応してまいります。

 次に、再開発における超高層ビル建設についての御質問であります。

 現在、月島地区において、地元住民により四つの再開発が検討されております。再開発を通して、防災性の向上など、地域改善を図ることを目的としているものであります。これら計画は、いずれも開発地周辺への影響の低減やまとまった空地を確保するために高層化による計画となっており、勝どき四丁目と五丁目の計画については、区道の一部について改廃が検討されております。こうした再開発計画に対してさまざまな意見があることは承知しておりますが、地元を中心に十分な議論を重ねることで相互理解につながるものと考えております。区も積極的に協議に参加し、地元の意見を踏まえるとともに、総合的な見地からまちづくりに取り組んでまいります。

 次に、築地市場問題についてであります。

 本区は、かねてより終始一貫して築地市場移転そのものに反対し、現在地での再整備を強く要望してまいりました。また、機会あるたびにこの姿勢を内外に広くアピールしています。しかし、地域に責任を有する基礎自治体の責務として、万が一に備え、地元の方々の懸念や不安を解消するため、鮮魚マーケットをはじめとする新たなにぎわいの創出に向けたまちづくりの検討も進めているところでございます。現在、都は、土壌汚染対策の専門家会議を設置し、食の安全・安心を確保する観点から、土壌汚染に関する調査・検討を進めていますが、地下水から環境基準の千倍ものベンゼンが検出されるなど、当初の予想を上回る汚染状況が明らかになっています。このため、都は、三十メートルメッシュで十分としていた調査について、新たに十メートルメッシュによる約四千二百カ所の追加調査を実施するなど、その対応は大きく変化しています。国においては、この専門家会議の議論や対策の内容等を踏まえ、市場移転について適切に判断するとしているものであります。本区といたしましても、豊洲地区全体の土壌汚染状況を詳細に把握した上で行われる専門家会議の検証・提言及びこれに対する東京都の対応も含めて十分に説明を受け、その上で区議会をはじめ、関係者の方々の御意見をお聞きし、国への対応を含め、適切に対処してまいりたいと考えております。

 次に、二○一六年東京オリンピック招致についてであります。

 オリンピックは、所信表明でも述べているとおり、スポーツを通じて人々に夢と感動を与える世界最高のスポーツと平和の祭典であります。東京で約半世紀ぶりにオリンピックが開催されれば、成熟した都市の魅力を全世界に発信し、友好親善を深める絶好の機会になるものと存じます。とりわけ、首都東京の中心である本区にとっては、地域の活性化にも大きく寄与するものと考えております。一方、東京都のオリンピック計画には築地市場跡地でのメディアセンター構想や十万人規模のメーンスタジアム建設、交通アクセスの問題など、本区のまちづくりに大きな影響を及ぼすものが含まれております。区といたしましては、今後とも区議会をはじめ、区民の皆様の御意見をいただきながら、東京都との協議を通して、こうした課題の解決に精力的に取り組むとともに、五輪招致の成功に向けて積極的に協力してまいりたいと存じます。

 次に、区の施設での食の安全確保についてであります。

 学校や保育所の給食においては、これまでも国産、外国産を問わず、冷凍ギョーザのような加工食品は使用せず、生の野菜、果物は国産のものを使用するなど、安全に配慮して食材を選び、調理してまいりました。また、外国産食材を使用する場合には、必ず原産国を確認するなどして安全性に配慮してまいりました。今回の事件を通じて、こうした取り組みの重要性を再認識したところであります。特養ホームなど、その他の施設におきましても、委託業者等への指導の徹底など、すべての区の関係施設で食の安全が保たれるよう、引き続き万全を期してまいります。また、価格や数量確保の面で国産食材の使用が難しい場合もありますが、食育の観点などから、できる限り国産食材の使用に努めてまいります。こうしたことが農産物の自給率向上にもつながるものと考えております。

 次に、今日の経済情勢と区民への影響についてであります。

 内閣府が発表した二月の月例経済報告では、景気の基調判断が一年三か月ぶりに下方修正され、また景気の先行きについても下振れリスクが高まっているとの懸念が示されております。本区の二月の景気動向調査結果でも、現状判断をあらわす指数DIが三五・九、先行き判断のDIが三八・○と、いずれも景気の横ばいを示す五○を大きく下回っております。また、原油高や食料品の値上げ、さらには電気・ガス料金の値上げが見込まれるなど、区内中小企業や区民生活を取り巻く環境は厳しいものと認識しております。

 次に、共通買物券についてであります。

 共通買物券は、消費を刺激し、区内中小小売サービス業の活性化を図るため、一○%のプレミアムをつけ、三億三千万円分を発行しております。新年度は医療機関など、利用できる店舗等を拡大し、より利用しやすい事業としてまいりますが、発行額につきましては同額を予定しております。また、現在、高齢者福祉施策、子育て支援施策に共通買物券を活用しており、新年度、高齢者生活支援施策にも活用することとしております。さらに、他の施策において活用するか否かについては、当該施策との整合性、効果等、慎重に判断する必要があると考えます。

 次に、区が発注する官公需契約における数値目標の設定についてであります。

 区では、これまでも中小企業への発注拡大に努めており、その結果、平成十八年度の金額ベースの中小企業比率は、平成十三年度から六・六ポイント上昇し、七四・六%となっています。この数値は件数ベースの中小企業比率が九七・六%に達し、残りは中小企業では対応が困難な電算システムや特殊な設備、機器の保守業務などであるため、限界に近いものと思われます。区内中小企業への発注につきましては、競争性を保てるものは、できる限り区内業者による入札等を行っております。こうしたことから、数値目標を掲げるのは困難ですが、今後も競争性を阻害しない範囲で分離分割発注を行うなど、中小企業への発注拡大に努めてまいりたいと存じます。

 次に、区の融資制度についてであります。

 融資利率につきましては、毎年二月の長期・短期プライムレートの数値をもとに決定しております。融資制度は、区と金融機関と東京信用保証協会との三者が協調して実施しているものであり、利率の決定は金融機関と合意できる範囲で行っております。原油価格高騰への対応につきましては、今回の融資制度の見直しにおいて、経営改善支援資金融資の対象に、新たに国のセーフティーネットの要件を追加することにより対応いたしております。このセーフティーネットの一つには、一定の要件のもとに、原油価格の上昇による影響を受ける中小企業者が含まれているものであります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 教育問題についてお答えします。

 まず、学習指導要領の改訂案についてです。

 子供たちの学力と学習状況の現状について、各種調査からは、基礎的・基本的な知識・技能の習得には一定の成果が認められているものの、思考力、判断力、表現力等を問う問題に課題が指摘されています。改訂案では、これまでの生きる力の理念を継承しつつ、こうした課題の改善を図っております。新しい知識・情報・技術が社会のあらゆる領域で重要性を増す知識基盤社会において、次代を見据えた教育内容等の改善は重要なことであります。改訂案は、今後パブリックコメントを受けて告示される予定です。教育委員会といたしましては、新しい学習指導要領の告示を受け、教育課程委員会を設置して、円滑な移行に向けて準備を進めてまいりたいと存じます。

 次に、少人数学級についてです。

 子供たち一人一人の可能性を伸ばすために、個に応じた指導の充実は大変重要であると考えております。しかしながら、生活集団としては一定の規模が必要であるという意見など、学級規模についてはさまざまな考え方があるところでございます。教育委員会では、現在の学級規模のもと、これまで小学校第一学年の三十五人以上の学級に学習指導補助員を配置するなど、少人数指導の充実に努めてきました。四月からは、さらに全小学校の算数及び全中学校の国語、数学、英語に非常勤講師を配置し、より一層の充実を図ってまいります。区独自での実施も含めた少人数学級のお尋ねにつきましては、当面、現在実施している少人数指導の充実を図りつつ、国及び都などの動向を見きわめてまいりたいと存じます。

 次に、新たな学校の建設計画についてです。

 勝どき・晴海など月島地域では今後も人口増が見込まれますが、既存の学校で対応できるものと考えています。本年、ザ・トウキョウ・タワーズの入居が進んでおりますが、平成二十年度の豊海小学校は十三学級を見込んでいます。また、月島第二小学校、月島第三小学校はそれぞれ十二学級、月島第一小学校は九学級程度となり、まだ施設としては余裕があります。この地域でのこれからの人口増加を考慮いたしましても、現時点では新校設置までには至らないものと考えています。しかしながら、長期的な児童数の推計は今後の再開発の具体的な進展などによって影響を受けますので、これらを注視しながら適切に対処してまいりたいと存じます。

 次に、学校図書館図書標準の達成についてです。

 中央区子ども読書活動推進計画では、子供の読書に親しむ環境を充実させるため、御指摘のように、全小・中学校で国基準の蔵書数達成を目標としております。学校図書館の図書につきましては、多くの図書の中からより適切なものを購入しますが、一方で汚損等で廃棄すべきものもあり、質、量ともに充実させるため、このような目標を設定いたしました。国基準を達成していない学校でも、ほとんどが基準の九割程度でありますので、可能な限り早期に目標を達成するよう努めてまいります。

 答弁は以上でございます。

〔九番 田辺七郎議員登壇〕

○九番(田辺七郎議員)
 御答弁いただきましたけれども、引き続き質問をさせていただきます。

 地対空ミサイルの問題につきましては、一つの動きがあったようであります。区長会として都に申し入れて、防衛省から情報を提供するようにと、そういうことを要望したようでありますけれども、それはそれで一つの前進だというふうに思いますが、問題はこのミサイルを配備させない、そういう姿勢に立つべきだと考えます。

 このミサイル防衛システムというのは、アメリカのミサイル防衛システムに連動している計画でありますから、そうした点では日本国民を守る、日本の平和を守るという視点から考えると、到底容認できないものであります。そうした点で、この問題については危険な計画であるということを明確にする必要があると思いますし、そうした認識のもとで、この問題については対応する必要がある、そういうふうに考えますので、もう一度区長の認識をお聞かせいただきたいと思います。

 それから、区道の廃止は原則禁止ということで、それはそれで認められておるようでありますけれども、しかし、今後は新たな基準に基づいてやるんだというふうなお話であります。そうしますと、今までの区道廃止、特に企業の利益をさらにふやすような、そういう区道の廃止については反省はあるのでしょうか。反省するとすれば、どういう点を反省されておりますか、お答えをいただきたいと思います。

 私は、特に区長さんが就任されたのは一九八七年、昭和六十二年でしたね。その一期目の最後のときに、あなたは区議会に明治座の再開発のために区道の廃止、一部つけかえを提案してきました。そのときの前例が生きて今日に至っているわけでありますけれども、この問題につきましては、一九九○年、平成二年の六月の議会で我が党の当時幹事長であった森山一さんがこの本会議場で、公正な行政を進めるためにも、こうした計画は容認できないということで批判をし、議案に反対をしましたけれども、この問題では、今、区長さん、反省はあるんでしょうか。正しかったと思っておられるんでしょうか、お聞かせいただきたいと思うんです。

 それから、築地市場の問題であります。

 私、ここに区長さんのマニフェストを持ってまいりました。カラー刷りの立派な印刷物でありますけれども、先ほど申しましたような内容がここには書かれております。私は、この公約というのはどんな思いで区長さんがつくられたのか、どんな思いでつくって、これを公表したのか。特に、きょうは築地の問題に絞って聞きますけれども、それをお聞かせいただきたいというふうに思います。

 マニフェストに書かれている「築地市場移転断固反対です」という、それが本当の考えとするならば、今起こっている事態に対して、政治家として、区長として、積極的な対応をとるのは当然だと私は考えております。そうした点で、区長はもう一度この問題について態度を明確にしてほしいということと、あわせて現在地で再整備を進める運動、さまざまな分野で進んでおりますけれども、そうした方々と連帯をする、このことについて区長はどう考えておられますか、お聞かせいただきたいと思います。

 さらに、オリンピックの招致の問題でありますけれども、あなたはどうやら歓迎の姿勢は変えないと、こう言っておられますけれども、歓迎の姿勢を変えないのであれば、これは築地市場はもう要りませんよという、そのことを言っていることになります。本心はそうなんですか。歓迎したい、招致のために努力したい、こういうふうにあなたは繰り返し言いましたけれども、それでは築地市場の移転を容認する、そういうことにストレートにこの問題ではなるではありませんか。こうした点で、そういう姿勢なのか、私の指摘が曲げられているのか、あなたの考えを曲げているのか、明確にお答えいただきたい、こう思います。

 それから、消費者・中小企業対策の問題でありますけれども、大変深刻な状況については、中央区の独自の調査でも明らかであります。そうした点で、積極的な対策を進めていく必要があると思います。もう一度伺いますけれども、消費者の対策であり、同時に中小業者の皆さん方の営業を活性化していくという点で、共通買物券というのは大変有効だと、先ほど区長さんも述べられましたけれども、私もそう思います。そうした視点から、私たちの会派はこの実現に努力したわけでありますけれども、やはりこの発行額をふやすこと、そして、さらに区内の経済を活性化していくという、そのことは即刻検討すべきだと考えますけれども、もう一度お聞かせいただきたいと思います。

 それから、教育長さん、いろいろ答弁ありました。区長さんへの質問の中で、オリンピック問題について私も学校を通じてやられていることについて取り上げましたけれども、教育委員会は都の教育委員会の指示をストレートに、何も注釈をつけず、何も意見をつけずに学校現場に持ち込んでいるようでありますけれども、そういう姿勢でいいのかということが大問題だと思うんですね。見解をお聞かせをいただきたいと思います。

 第二回目の質問を終わります。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 どうも、どうも。

 まず、平和の問題であります。

 平和ほどすばらしいものはない。まず、世の中平和でなければならない。これが裏表のない私のすべてでございます。したがいまして、これまでも区民、また日本国民の生命、財産を守っていくんであるという観点から、これまでの人生を歩んできたわけでございますが、これからもどのような事態になろうと平和を守っていくんだということ、それから、日本を守っていくんである、そういう観点から適切に対応してまいりたい、こういうふうに思うわけであります。

 それから、区道の改廃につきまして、明治座さんの道路のつけかえについて言及されたわけですけれども、私自身は正しかった、区議会の皆様方の御理解を得て、また区民の皆様方の御理解を得て、これまで行ったことは正しかった。文化を守り、また地域の安全性、活性ですね。やはり明治座さんがないと、この間もNHKでテレビでやっていましたね。甘酒横丁、人形町かいわい、明治座さんの、見られた方々、これから見に行く方々があそこを通る。そして、買物をされる。にぎわいを一段と盛り上げるという側面もあるんだというまちの皆様方のお声もございました。そういう点から、最初に言いましたとおり、文化ですね。何といっても文化、ことしを文化飛躍元年と位置づけているわけでございまして、中央区の文化、庶民文化、これをもっともっと盛り上げていくためにも、やっていこうと。無論、明治座さんだけではございません。これから歌舞伎座さんも再開発が行われるであろう。また、新橋演舞場さんも、ひょっとすると行われるかもわからない。そういった劇場ですね。これは私たち日本の文化を守っていく、また中央区の伝統・文化を守っていく、そういう観点から、まちづくりと一体となって、まちの安全性、にぎわいという観点も踏まえて行っていかなければならないのではないか、そういうふうに思うわけでございまして、したがいまして、区道の問題、先ほど申し上げましたとおりでございます。

 それから、築地市場。

 これはかねてより私の述べているとおりでありまして、終始一貫現在地での再整備、これが裏表のない私の真実でございます。だって、あれを取り上げて、その後どうするんですか。何をつくろうとされるんですか。ね、そう思いませんか。あれにかわるべきものなんていうのはないんじゃないかなというふうに、私は心底思っているわけでございまして、これからも、そういう意味ではしっかり守っていかなければならない。

 ただ、残念ながら、我々には権限がないですね。権限は全くない。東京都が事業主体であるというわけですね。ですから、東京都が決めたことで押し切られるといった、万が一、そういった場合には、やはり私たちの食文化、地域のにぎわいをしっかり守っていかなければならない。場外市場の皆様方、四百店舗もあるんです。ああいう方々の、だけのためではございません。すべての食文化を守っていく、そういう観点からも、鮮魚マーケットといったものも必要であろう、あるいは駐車場といったものも必要であろう、そういうことで、今、さまざまな皆様方と話し合い、そして検討しているところであります。

 あそこにメディアセンターが来たら、オリンピックでメディアセンターができたら築地市場がなくなるんじゃないかと。これは分けて、委員会でもそういう質問がありまして答弁させていただいたわけですけれども、オリンピックはオリンピック、オリンピックというのは平和なんです。先ほど来、所信表明でも述べているとおり、スポーツと平和の祭典であるわけ。平和ほどすばらしいものはない。この東京オリンピック二○一六年行ったがために一段と恒久平和が確立できたとなれば、これほどすばらしいものはないじゃありませんか。そういう観点からも、オリンピックはオリンピックでやっていく。築地市場があれば、東京都だってメディアセンターをあそこにつくる計画を変更せざるを得ないじゃないですか。あるわけないでしょう。築地市場があるのに、オリンピックが来たからといってメディアセンターをつくるって、どうやってつくるんでしょう。まさかメディアセンターを地下につくるわけでもあるまいし、どうやってつくるんですか。できるわけがないじゃないですか。ちょっと考えてみれば、自明の理じゃないですか。

 それから、共通買物券でしたかね。中小零細、これはしっかり、先ほども本当に、四万四千ですか、中央区の事業所。その九七%は中小企業、零細企業。その方々が、今、苦しいときであるわけですから、活性化するためにも、さまざまな施策を展開していかなければならないというわけでございまして、共通買物券もその一つとして、区議会の皆様方の御理解、御協力を得て、これまでも進めてきたわけでございます。新年度も引き続き行ってまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。

 以上でございます。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 オリンピック関連についてお答えいたします。

 パンフレット等の資料につきましては、各小・中学校に直接、当教育委員会にも断りがありましたが、配布したものであります。オリンピック自体は、それ自体は先ほど区長が答弁しましたとおり、スポーツと平和の祭典、すばらしいものであると私も理解しております。私どもといたしましては、これについて学校に積極的に云々かんぬん、その他の指示は一切しないで、そうした配布がされたことについては承知しておるところで、あとは各学校においてどのように活用するか、それぞれにお任せしたところでございます。教育委員会で指導的にどうこうという事柄ではなかろうかというふうに考えました。

 以上でございます。

〔九番 田辺七郎議員登壇〕

○九番(田辺七郎議員)
 最後の質問になりますけれども、経過から見て、区長の答弁はおかしいですよね。築地市場を移転させた後にメディアセンターをつくると明言しているじゃないですか。そういう状況のときに、区長の先ほどの答弁というのはおかしい。また、改めて機会をつくって議論したい、こう思います。

 明治座の文化活動について、あれこれ私たちは意見を言っているんじゃないんです。区道の廃止によって、さらに明治座に便宜を与えたことについて批判をしているんです。そのことをお忘れなく考えていただきたいと思うんです。

 以上で質問を終わります。(拍手)

○議長(鈴木久雄議員)
 次に、一番志村孝美議員。

〔一番 志村孝美議員登壇〕

○一番(志村孝美議員)
 日本共産党の志村孝美です。党区議団を代表して質問します。なお、再質問、再々質問を留保させていただきます。

 まず初めは、地球温暖化対策についてです。

 地球は、今、さまざまな現象を引き起しながら、回復不能と言われる危機的な状況に踏み込もうとしています。資本主義の経済産業活動の広がりの中で、大量生産、大量消費、大量廃棄の急速な振興が地球温暖化をもたらし、二十世紀の百年で世界の年平均地上気温は○・七八度上昇しました。東京では三度も上昇しており、世界で最も深刻な都市です。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、破局的なレベルに達しないように気候変動を抑えるには、温暖化ガスの排出量を二○五○年までに九○年比五○%削減する取り組みが求められるとし、特に先進国は六○%から八○%という大幅な削減をしなければならないとしています。日本が温暖化ガス排出量の削減を進める場合、国内排出量の八割を占める企業分野、公共分野の削減への取り組みが重要になっています。中央区環境行動計画素案では、二○二○年までに区内のCO2排出量を二五%削減、二○一二年までに五%削減を掲げています。

 そこで、区長にお聞きします。

 まず、中央清掃工場に関してです。

 第一に、中央清掃工場の排出ガス削減目標と、達成のための具体的方法をお示しください。

 第二に、排ガス削減のためにプラスチックを燃やすサーマルリサイクルを見直すとともに、分別回収する種類の拡大と、回収は拠点だけでなく収集も含めて改善し、分別回収の経費の一部を拡大生産者責任に立って企業に求めることも必要だと思います。それぞれお答えください。

 次は、まちづくりに関してお聞きします。

 第一に、政府は企業分野の削減について、日本経団連の自主行動に任せるままで、経済界との削減協定締結による達成責任の公的な裏打ちをしようとしません。国の対策の立ちおくれを改めさせるためにも、企業本社の多い中央区が、より高いCO2削減目標を設定してはいかがでしょうか。

 第二に、中央区と区内事業者との間でCO2削減協定を結ぶことも検討すべきです。

 第三に、太陽光発電など、再生可能エネルギー利用の明確な目標値を設定すべきだと思いますが、いかがですか。

 第四に、銀座三越建てかえによる道の上の空間をふさぐ計画は、省エネビルを建てたとしても、通風阻害によるヒートアイランド現象などの環境悪化を生むのではないでしょうか。

 第五に、最新の省エネ対策をしても、現状よりCO2排出量をふやしてしまう超高層ビル中心の開発は規制すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 第六に、積極的な緑化目標値を環境行動計画に明記すべきではないでしょうか。

 第七に、区内都有地の活用や区が土地を購入して緑の公園を新たに整備するなど、積極的な緑化促進策をとるべきだと思いますが、いかがですか。それぞれ見解をお聞かせください。

 次は、自転車に関してお聞きします。

 第一に、低エネルギー交通利用推進のため、自転車利用の大胆な利用促進を環境行動計画に位置づけるべきだと思いますが、いかがですか。

 第二に、歩道でなく車道部分を利用した自転車専用通行レーンの整備を積極的に展開すべきではないでしょうか。

 第三に、駐輪場は放置自転車対策にとどまらず、自転車専用レーンなどの整備に見合った設置を進めるべきではないでしょうか。

 第四に、都市型レンタサイクルの導入や、区内の企業活用や観光めぐりのツールとして、ベロタクシーと呼ばれる人力タクシーの普及促進を進めたらいかがでしょうか。それぞれ見解をお聞かせください。

 次は、排出したCO2を温暖化対策への寄附等で相殺するカーボンオフセットについてです。

 第一に、新宿区は長野県伊那市の公有林約六千二百ヘクタールを対象に、当面、百五十から二百ヘクタールで間伐や下草刈りを行い、三十ヘクタールで年間二キロトンのCO2を吸収するとしていますが、檜原村の中央区の森の現在の面積と将来目指す面積、また現在のCO2吸収効果と将来の目標値をお示しください。

 第二に、市街地再開発事業などの大規模開発事業者から環境税のような環境対策協力金を拠出してもらったらいかがでしょうか。それぞれ見解をお聞かせください。

 次は、コミュニティバスに関してお聞きします。

 第一に、コミュニティバスはソーラーシステムや水素燃料などを利用した車体にすべきです。いかがですか。

 第二に、環境を守るとともに、利用促進も図れるよう、バスの運行ルートは区施設を結ぶルート、観光ポイントをめぐるルートとともに、企業に活用してもらえるような研究も必要だと思いますが、いかがですか。それぞれ見解をお聞かせください。

 次は、子供たちの取り組みに関してお聞きします。

 第一に、中央区も後援し、毎年盛大に開催されている子どもとためす環境まつりをどう評価し、今後どのような発展を期待していますか。

 第二に、川崎市では小学校の校舎に沖縄特産のゴーヤを緑のカーテンとして育て、冷房の省エネをしようとしています。中央区の小・中学校では、このような自然を生かした楽しい省エネ対策を工夫しているのでしょうか。それぞれお聞かせください。

 次は、後期高齢者医療制度についてです。

 後期高齢者医療制度は、七十五歳以上の高齢者だけをまとめた制度で、私が制度の説明をすると、戦時中はお国のために死ねと言われた、今度もお国のために早く死ねというのかという怒りの声が返ってきます。

 この制度は、二○○六年六月の国会で自民党と公明党が強行成立させた医療改悪法で導入が決められましたが、今、制度の中止、撤回、見直しを求める意見書を上げた自治体は五百を超えています。二月二十八日には、衆議院で日本共産党、民主党、社民党、国民新党の野党四党が後期高齢者医療制度廃止法案を提出しました。

 そこで、区長にお聞きします。

 第一に、区長は、長生きを喜んでいいことだと思っていらっしゃるでしょうか。

 第二に、長生きをしている高齢者に自治体が提供する施策はどうあるべきと考えますか。

 第三に、後期高齢者医療制度は、区長が望み、高齢者が喜ぶ制度だと考えますか。

 第四に、厚労省が示している高齢者を七十五歳から後期とする理由をお聞かせください。

 第五に、老老介護で苦労している七十五歳以上の方からも、それぞれ保険料を死ぬまで徴収するというのは余りにも冷た過ぎます。区長はどう思いますか。

 第六に、保険料は年金が月一万五千円以上の方は介護保険料とともに年金から天引きされます。これで生活をやっていけると区長は思いますか、お聞かせください。

 第七に、これまで七十五歳以上の高齢者は、保険料を滞納しても保険証を取り上げてはならないとされてきました。しかし、この制度では、滞納すると保険証を取り上げられてしまいます。まさに、高齢者の命を切り捨てる冷酷な制度ではないでしょうか。

 第八に、厚労省は、直近の一年間病院に行った人や生活習慣病の人は健康診断を受けさせないよう広域連合に求めています。このような考えをどう思いますか。それぞれ見解をお聞かせください。

 厚労省は、診療報酬の改悪などによって病院などに圧力をかけ、七十五歳以上の医療を差別しようとしています。

 そこで、区長にお聞きします。

 第一に、高齢者の患者に担当医を一人決める制度を導入し、複数の医療機関にかかりにくくしようとしています。幾つもの病気を抱えざるを得ない高齢者にとって、最も適切でないやり方だと思いますが、どう思いますか。

 第二に、入院時から退院後の生活を念頭に置いた医療を行うことが必要として、早期に退院させようとしています。安心して病気を治せなくなる状況をどう思いますか。

 第三に、厚労省は全体の二割を占める在宅死が四割になれば五千億円の医療費が減らせると試算し、過剰な延命治療を行わないと書面にしたり、在宅死を迎える患者への対応を手厚くした場合は診療報酬を上乗せするという誘導をかけて、終末期患者を病院から追い出そうとしています。家庭の事情も顧みず、家族の看護が中心の在宅に移していこうというやり方をどう思いますか。それぞれ区長の見解をお聞かせください。

 厚労省は、後期高齢者医療制度導入の目的を保険制度を維持するためと言いますが、その真のねらいは、国が給付する医療費の削減であり、団塊の世代が高齢化のピークを迎える二○二五年度では八兆円削減する方針です。これまで日本を支えてきた高齢者に対し、何て冷たい仕打ちでしょうか。まさに、現代版うば捨て山です。

 さらに問題なのは、こんなひどい医療制度をほとんどの方が御存じないことです。

 そこで、お聞きします。

 第一に、区長はどのくらいの高齢者の方がこの制度を理解していると思いますか。

 第二に、区は制度の周知徹底をこれまでどのように行ってきましたか。

 第三に、国民の怒りを背景に、政府与党は実施前から一部凍結を言わざるを得なくなっています。中止・撤回を求める声が高まる中、区長は四月からの実施中止を国に求めるべきだと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次は、非正規職員の雇用問題についてです。

 今、日本では、不安定雇用である非正規労働者は、労働者全体の三人に一人にまで激増する中で、大企業は史上最高の利益を上げています。都庁における非正規職員は、職員全体の一四%を占め、官製ワーキングプアと批判されていますが、中央区では都庁よりも比率の高い二五%が非正規職員と言われています。賃金が安く、雇用が不安定な非正規職員の犠牲によって区の施策が成り立つというのは、自治体本来のあるべき姿とは思えません。自治体には、区民サービスの向上とともに、労働者の生活と権利を守る点で、民間企業の規範となることが求められると考えます。

 そこで、区長にお聞きします。

 第一に、中央区の行政で働いている正規職員、非正規職員の人数とともに、区施設の指定管理者や民間委託等の労働者数をそれぞれお答えください。

 第二に、中央区では非正規職員の雇用は五年間の雇いどめとなっています。資格のある非正規職員が図書館、保育所、児童館、学校をはじめ、専門性が求められるとともに、区民との接点が多い職場で働いていますが、経験の積み重ねが区民サービスの質を向上させると考えます。区民のためにも、非正規職員の有期雇用制度は廃止すべきだと思いますが、いかがですか。

 第三に、ワーキングプアが社会問題になっていますが、行政で働く非正規職員の労働条件の改善に努力すべきと考えますが、いかがですか。

 第四に、二月二十七日、舛添厚労相は、保育士は非正規でなく常用雇用するべきだと思うと答弁しています。中央区は、第二次行政改革大綱を見直し、各分野で正規職員を増員するとともに、公的施策や業務への民間開放を見直すべきと考えますが、いかがですか。それぞれ区長の見解をお聞きします。

 以上で一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 志村孝美議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、中央清掃工場の排出ガス削減目標と具体的方法についてであります。

 中央清掃工場では、東京都環境確保条例に基づき、平成十八年度に五か年の地球温暖化対策計画を策定し、工場運営にかかわる温室効果ガスの削減に取り組んでいるところです。計画最終年の平成二十二年度以降は、温室効果ガスを年間百三十六トン削減することを目標としています。具体的には、ごみ焼却プラント用各種ポンプやコンプレッサーのほか、照明設備や空調設備の省エネルギー化により削減を図るものです。

 次に、サーマルリサイクルの分別回収品目の拡大等についてであります。

 サーマルリサイクルの本格実施に当たっては、できる限り資源の有効活用を図るため、本年四月からプラスチック製容器包装を回収することといたしました。当面は区内十六小学校で拠点回収し、これに加え、十月からは集積所回収のモデル収集を大規模集合住宅において実施する予定です。モデル実施を踏まえて、平成二十一年度以降の集積所回収について検討してまいります。また、分別回収品目につきましては、金属製のなべ、やかん、フライパンを集積所で、蛍光管を区内十六小学校でそれぞれ回収することとし、拡大を図ったところであります。分別回収経費の一部を企業に求める拡大生産者責任につきましては、全国都市清掃会議などを通じて国に働きかけているところであります。

 次に、CO2の削減目標についてであります。

 この三月に策定する環境行動計画では、東京都と連携し、二○二○年までに都の目標、二○○○年比二五%のCO2排出削減を目指すとともに、当面、二○一二年までに一九九○年比五%のCO2を削減する目標を設定しています。

 次に、区と事業者との協定によるCO2の削減についてであります。

 事業所におけるCO2排出抑制は、都が一定規模以上の事業所に提出を義務づけている温暖化対策計画書制度と連携して、本区の環境計画書制度や平成二十年度作成予定の事業所向け二酸化炭素排出抑制システムを運用していくことが、より効果的であると考えております。

 次に、太陽光発電などの自然エネルギーの利用目標値の設定についてです。

 太陽光発電設備は価格が高く、助成制度もないため、普及が進まない状況にあります。今後、東京都と連携した設置費用助成制度を検討してまいります。

 次に、銀座三越の建てかえについてであります。

 銀座三越の建てかえにおいて実施された風環境調査によると、風量や風向きに大きな変化はないという予測が出ております。また、建てかえに当たり、屋上や壁面、地上部の緑化、外壁における断熱材使用等を実施することから、ヒートアイランド現象等の環境に対する負荷は、従前と比較して増大しないものと考えております。

 次に、超高層ビル中心の開発についてであります。

 再開発等は、建物の高層化や床面積の増加をもたらしますが、一方で最新の省エネルギー機器の導入や地域冷暖房への取り組みなどにより、CO2の排出量の少ない高性能の建物が既存建物に置きかわるという利点があります。さらに、これらの最新技術が既存建物の改修時等に普及していくことから、区内全体としてCO2削減につながると考えております。

 次に、緑化目標値についてであります。

 環境行動計画においては、公園の設置数や街路樹の本数を目標値として掲げています。緑被率等につきましては、平成二十年度に改定する中央区緑の基本計画において定める予定となっております。

 次に、公園整備の促進についてお答えします。

 区では、これまで河川整備や再開発をはじめとするまちづくり事業など、さまざまな機会をとらえて公園整備を促進してまいりました。都有地の活用の例では、スーパー堤防の上部を活用して新川公園、石川島公園等を整備してまいりました。本年度においても、下水道局宿舎跡地における佃児童公園の拡張や隅田川の管理用通路を利用した月島一丁目緑道の整備などを行っているところであります。また、土地の購入の例では、平成十八年度、東京都より土地を取得して明石町河岸公園を拡張いたしました。今後とも、東京都が管理する河川や運河沿いの通路などを積極的に整備するなど、公園の整備促進を図ってまいります。

 次に、自転車利用の環境行動計画への位置づけについてであります。

 環境行動計画では、多くのCO2を排出する自動車の利用を抑制するため、自転車の利用を促進していくこととしています。

 次に、自転車道の整備についてお答えします。

 歩行者と自転車を完全に分ける自転車道の設置については、商業・業務地域である本区ではいずれの道路も交通量が多く、幹線道路以外は幅員も狭いことから、自転車道のために十分な幅員を確保することは難しく、また仮に設置するにしても、沿道商業施設の荷さばきが困難になるなど、自転車道の設置は難しい状況であります。しかしながら、本区としても自転車道の整備の重要性は十二分に認識しておりますので、他区の社会実験の検証結果を参考にしながら、引き続き検討してまいります。また、自転車道の整備を考えた場合、走行だけでなく休憩スペースや目的地での駐輪場を整備するなど、走行から駐輪までを含めた自転車運用の全体をとらえた対策をとることは大変重要なことでありますので、自転車道の設置に当たっては十分配慮してまいります。

 次に、都市型レンタサイクルの導入やベロタクシーの普及促進についてであります。

 本区においては、日本橋地域等でベロタクシーが稼働しております。今後は、区内の観光事業と連携して、レンタサイクルやベロタクシーが活用できないかどうか研究してまいります。

 次に、中央区の森の面積とCO2吸収効果についてであります。

 中央区の森につきましては、平成十八・十九年度で森林三・五ヘクタールの整備が終了したところであり、今後は平成二十年度から十年間で約三十ヘクタールの整備を目標としております。これにより、CO2の吸収は、現在の年間約三十トンから、十年後で約二百六トンに拡大する見込みとなっております。

 次に、大規模開発事業者からの環境対策協力金についてであります。

 平成二十年度から、大規模開発事業者の地域貢献の一つとして、市街地開発事業指導要綱に基づく開発協力金の一○%を森とみどりの基金に積み立てることとしました。この基金は、既存建物に省エネルギー設備等を導入した場合の費用の一部助成や、区民、事業者等のすぐれた環境活動への支援などに活用してまいります。

 次に、コミュニティバスについてであります。

 まず、環境に優しいバスの選択についてですが、ソーラーシステムや水素燃料電池は、次世代のクリーンエネルギーシステムとして期待されております。今後の技術開発や普及状況によっては、将来的にコミュニティバスへの導入も可能かと思われますが、現状は実証実験の段階であり、導入当初からの採用は困難と考えております。

 次に、運行ルートですが、ルートの設定に当たっては、公共交通の不便エリアの解消や区内施設への利便性の向上、高齢者や通勤・通学者、観光客や買い物客の利便性の改善など、地域の足となり多くの皆様が利用されるよう、さまざまな工夫をしてまいります。

 次に、子どもとためす環境まつりに対する評価と今後の発展についてであります。

 子供のころからの環境教育は、生涯にわたる環境意識の醸成につながることから、実際に子供が見て、さわって、体験できるこのイベントの意義は大きいと考えます。また、多くの環境活動団体や企業、公的機関が参加し、連携して運営していることも、環境活動の地域への広がりという見地から高く評価したいと存じます。今後も環境まつりが継続されるとともに、このイベントで培った環境意識が日常生活や事業活動におけるCO2の排出削減行動につながることを期待しております。

 次に、後期高齢者医療制度についてであります。

 だれもが高齢者の健康長寿を願うとともに、お年寄りを大切にしていかなければならないことは、言うまでもないことであります。区では、高齢になっても住みなれた地域で安心して生活し続けられるよう、積極的にさまざまな施策を講じているところであります。このたびの後期高齢者医療制度は、高齢化の進行に伴い、医療費の増加が見込まれる中、現役世代と高齢者の負担の公平化を図りつつ、国民皆保険を堅持し、持続可能なものとしていくためであると認識しております。高齢者を七十五歳から後期とする理由について、国は心身の特性や生活実態を踏まえて設定したものであると説明しております。

 次に、保険料についてであります。

 本制度におきましては、被保険者一人一人が所得に応じて保険料を負担し、現役世代も含めて全体で支え合う仕組みとなっております。所得が低い方は、保険料が軽減され、年金収入月一万五千円の方につきましては、現行の国民健康保険料とほぼ同水準となっております。また、被用者保険の被扶養者は、均等割額の軽減に加え、所得割額も付加されないなどの配慮もされております。

 なお、東京都広域連合では、平均的な年金収入二百八万円以下の方を対象に、独自の軽減も行っており、同一所得者の保険料を比較した場合、東京都の保険料は全国的に見ても低い水準となっております。

 次に、保険料を滞納した場合の取り扱いについてであります。

 本制度においては、保険料を払える能力があるにもかかわらず、一年以上滞納した場合に限り、資格証明書の交付対象となります。交付に当たっては、区市町村ごとに交付審査会が設置され、さらに広域連合に交付判定会議が設けられるなど、慎重な運用が行われることとなっております。

 次に、健康診査の対象者についてであります。

 今回導入される健康診査は、生活習慣病に着目したものであるため、血圧を下げる薬を使用している場合などは対象としないとする考えを国が示しましたが、東京都広域連合ではこうした対象者の絞り込みは行わないこととしたところであります。

 次に、後期高齢者医療の診療報酬についてであります。

 去る二月十三日に、中央社会保険医療協議会は、診療報酬の改定案を答申しました。この答申においては、慢性疾患の継続的管理の必要性や在宅療養重視が打ち出され、さらに患者一人一人が主治医を持つことで検査や投薬が重複することを防ぐとともに、退院後の生活を見通した入院医療や終末期における十分な情報管理等に対して評価する考えが示されております。今後は、こうした方針のもとに制度の運営が行われていくこととなりますが、高齢者の特性に合った医療が適正に提供されるよう、その推移を見守ってまいります。

 次に、制度の周知についてであります。

 東京都広域連合では、低所得者に対する保険料の軽減対策などを講じるための調整期間が必要であったため、保険料の決定が二月十二日となりました。一方では、開始時期が間近に迫っていることから、区としても短い時間の中で精力的に周知に取り組むことといたしました。具体的には、三月の区のおしらせに掲載するとともに、七十五歳以上の区民全員に制度の御案内を郵送いたします。さらに、今月中に被保険者証を郵送することから、その中でも制度周知を図ってまいります。加えて、今月中旬に京橋、日本橋、月島の三地域で区民への説明会を開催するとともに、高齢者クラブ代表者会や民生委員への説明のほか、希望される高齢者クラブなどに出向き説明を行うなど、全力を挙げて周知に努めてまいります。また、実施中止を国に求めるべきという御意見ですが、法の施行に伴い、本年四月からの実施が定められております。区といたしましても、この制度が円滑に開始されるよう準備を進めているところであります。

 次に、非正規職員の雇用問題です。

 まず、職員数ですが、平成十九年四月一日現在で正規職員は育児休業・休職等の職員を除き、千五百三十二人、定年退職者等による再任用、再雇用職員が百七十一人、非常勤職員が三百四十三人となっております。

 なお、指定管理者や民間業務委託については、委託を受けた民間事業者が時々の業務量に応じて従事者を配置することになっております。

 次に、いわゆる雇いどめの問題です。

 非常勤職員の法的な位置づけは、恒久的でない職または常時勤務することを必要としない職であり、終身雇用を前提とした一般職の正規職員とは異なるものとされております。さらに、継続雇用を前提とした非常勤職員の任用は好ましくないとの総務省の見解もあることから、本区では一年ごとの任用とし、更新ができる場合でも四回を限度とした取り扱いを行っているところであります。また、報酬や休暇、健康診断などの勤務条件については、正規職員を基準に、それぞれの勤務形態に応じて定めております。来年度からは、育児休業・介護休業制度の導入を予定しており、今後も正規職員との均衡などに配慮した対応に努めてまいります。

 次に、第二次行政改革大綱の見直しについてであります。

 区政を取り巻く環境が大きく変化する中で、区民福祉の向上を図り、より効率的・効果的な行政運営を推進するためには、民間の専門性やノウハウを活用することがますます重要になっております。そこで、区では指定管理者制度の導入や業務委託の拡大などにより区民サービスの向上に努めてまいりました。今後も、民間の多様な資源を活用するとともに、職員については新たな行政分野や事業量がふえた部門に重点的に振り向けることなどにより、引き続き適正配置を図ってまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 教育問題についてお答えします。

 小・中学校での自然を生かした楽しい省エネ対策についてであります。

 例えば、最上階の暑さを軽減する屋上緑化として、レンゲ畑や芝生あるいは和風庭園といった工夫や、ツタで壁面を緑化するなどの取り組みを行っております。今後とも子供たちが興味を持って、楽しく地球温暖化防止対策に取り組めるよう、創意工夫を図ってまいりたいと存じます。

 答弁は以上です。

〔一番 志村孝美議員登壇〕

○一番(志村孝美議員)
 地球温暖化対策ですけれども、区長さんが平和と環境問題、すべての施策に貫くものだと言っておりましたけれども、平和と環境が破壊されたらば命にかかわるという大問題です。温暖化対策を進めていくためには、発想の転換、行政がイニシアティブをとらなければ進まないという側面もありますので、ぜひその点で大きな努力も必要だと思います。また、これからもいろいろな積極的な提案もしていきたいと思います。

 非正規雇用の問題などでは、他区では雇いどめをしていなくて更新するという区もふえておりますので、そういうものもぜひ参考にしていただきたいと思います。私たちも、これからもこの問題を追及していきたいと思います。

 後期高齢者の医療制度なんですけれども、先ほど後期は後期高齢者の心身の特性があると、あっさりとあったんですけれども、実は厚生労働省の社会審議会の報告では、後期高齢者の心身の特性として、三つ挙げているんです。その一つが、老化に伴う治療の長期化、複数の慢性疾患が見られる。第二は、多くの高齢者に認知症が見られる。第三は、後期高齢者はこの制度の中で、いずれ避けることができない死を迎えると、こうあるんです。ですから、ここの中には、どうせ治らないんだ、後期高齢者は、いずれ死ぬんだ、だから医療費の節約のためとしてお年寄りを差別するという、そういう思想がここにあるんじゃないかと思います。

 区長、現役と高齢者の公平性と言ったんですけれども、本当に後期高齢者医療制度がなければ皆保険が守れないのか。私は、大企業にしっかり社会的な責任を果たさせることや、税金の使い方、とりわけ道路、軍事費、米軍、財界、ここへの奉仕を聖域化しているという問題だと思うんですよ。高速道路を中心にした道路中期計画は五十九兆円、アメリカ軍の作戦に組み込まれて、自衛隊の中期防衛力整備計画二十四兆円、米軍再編経費のためには三兆円、この中には例の一戸八千万円の、グアムの七千万もあります。さらには、大企業、大資産家に四兆三千億円の減税もやっている。ですから、こういうあたりの思いやる相手を変える、税金の使い方を変えていけばできると思います。そういう点で、この後期高齢者医療制度、やめるべきだと思うんですけれども、改めて区長の見解をお聞かせいただきたいと思います。

 以上で再質問を終わります。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 もう待ったなしのところへ来ているようでありますね。先ほど答弁したとおりでございます。これからいろいろな問題が出てくるでしょうけれども、しっかりとやっていかなければならない。混乱なく、やっていかなければならない。また、独自にできる点はどんどん、先ほど申し上げましたとおり、また区では全庁挙げて高齢者の皆様方の健康、命ですね、長生きしていただきたいという観点から、さまざまな工夫をしているわけでございますし、また施策を展開、充実させているわけですから、そういう姿勢というのはこれからも貫いてまいりたい、こういうふうに思うわけであります。

 以上であります。

〔一番 志村孝美議員登壇〕

○一番(志村孝美議員)
 後期高齢者のこの制度の理不尽さと、本当に高齢者はどんな立場に追いやられるのかというのが明らかなのにもかかわらず、断固反対できないと。本当に残念です。大垣市では、自民党が提案して、廃止の意見書も上げました。

 そういうことで、高齢者の立場に立って、日本共産党区議団も本当に全力を挙げて、この後期高齢者の中止を求めてこれからも頑張りたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○議長(鈴木久雄議員)
 以上をもって一般質問を終わります。


○議長(鈴木久雄議員)
 次に、日程第二、日程第三、日程第四及び日程第五を一括して上程いたします。

 これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第二、日程第三、日程第四及び日程第五を一括して議題といたします。

〔土屋議会局長朗読〕


日程第二
議案第六号 平成十九年度中央区一般会計補正予算

日程第三
議案第七号 平成十九年度中央区国民健康保険事業会計補正予算

日程第四
議案第八号 平成十九年度中央区老人保健医療会計補正予算

日程第五
議案第九号 平成十九年度中央区介護保険事業会計補正予算


○議長(鈴木久雄議員)
 提案者の説明を願います。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第六号、第七号、第八号及び第九号、平成十九年度本区各会計補正予算につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 今回の補正は、一般会計で二十九億千三百七十一万一千円を増額し、国民健康保険事業会計で六千九百九十五万八千円、老人保健医療会計で一億三千二百八十八万一千円、介護保険事業会計で二千百七十万八千円をそれぞれ減額するものであります。

 この結果、一般会計は七百六億四千十万九千円、国民健康保険事業会計は百三億四千四百七十六万六千円、老人保健医療会計は六十八億八百十七万七千円、介護保険事業会計は五十三億四千六百四十六万三千円となるものであります。

 初めに、一般会計補正予算の概要について御説明申し上げます。

 歳入の特別区交付金ですが、十六億円の計上です。

 国庫支出金は八千五百八十五万五千円を、都支出金は一億二千百十四万八千円をそれぞれ増額します。

 財産収入、寄附金、前年度からの繰越金及び諸収入合わせて十三億六千六百四十八万二千円を計上し、繰入金を九百七十七万四千円減額します。

 また、特別区債を二億五千万円減額するものであります。

 次に、歳出について御説明申し上げます。

 議会費一千二百万円、総務費一千二百万円、地域振興費七百万円、それぞれ職員の給与費の減額です。

 民生費は、実績に伴う生活保護費一億三百九万八千円の増額及び職員の給与費五千百万円の減額、合わせて五千二百九万八千円の計上です。

 衛生費は、職員の給与費一億二千六百万円の減額です。

 土木建築費は、実績に伴う交通環境改善支援事業費五百五十万円の減額及び職員の給与費三千八百万円の減額、合わせて四千三百五十万円の減額です。

 教育費は、職員の給与費一億九千七百万円の減額です。

 諸支出金は、財政積立金、老人保健医療会計への繰出金の増額と、国民健康保険事業会計及び介護保険事業会計への繰出金の減額、合わせて三十二億五千九百十一万三千円の計上です。

 なお、繰越明許費につきましては、市街地再開発事業助成ほか一項目を追加します。

 次に、国民健康保険事業会計補正予算について御説明申し上げます。

 まず、歳入ですが、国庫支出金、前年度からの繰越金、合わせて三億五千四十七万四千円を計上し、療養給付費等交付金及び一般会計からの繰入金、合わせて四億二千四十三万二千円減額します。

 歳出は、老人保健拠出金を六千五百四十二万九千円計上し、保険給付費及び介護納付金、合わせて一億三千五百三十八万七千円減額します。

 次に、老人保健医療会計補正予算について御説明申し上げます。

 まず、歳入ですが、一般会計からの繰入金、前年度からの繰越金、合わせて九千八百二十二万七千円を計上し、支払基金交付金、国庫支出金及び都支出金、合わせて二億三千百十万八千円減額します。

 歳出は、諸支出金を一千七百七十万円計上し、医療諸費を一億五千五十八万一千円減額します。

 最後に、介護保険事業会計補正予算について御説明申し上げます。

 まず、歳入ですが、都支出金、財産収入、前年度からの繰越金及び諸収入、合わせて一億八千百七十八万八千円を計上し、国庫支出金、支払基金交付金及び一般会計からの繰入金、合わせて二億三百四十九万六千円を減額します。

 歳出は、基金積立金及び諸支出金、合わせて一億二十九万二千円を計上し、保険給付費を一億二千二百万円減額するものであります。

 以上、平成十九年度本区各会計補正予算の概要について御説明申し上げました。

 よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。


○二十三番(鷲頭孝史議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま上程されております議案第六号、議案第七号、議案第八号及び議案第九号は、企画総務委員会に付託されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。


○二十三番(鷲頭孝史議員)
 議事進行について、さらに動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、ただいま企画総務委員会に付託されました議案の審査の関係もありますので、明六日を休会とし、明後三月七日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明六日を休会とし、明後三月七日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日はこれをもって散会いたします。

午後五時二十三分 散会


署名議員
議長 鈴木 久雄
議員 小栗 智恵子
議員 石島 秀起

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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