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平成22年第四回定例会会議録(第3日 11月24日)

1.会期

十八日(第三日)

十一月二十四日(水曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後五時五十五分散会

3.出席議員

(二十九名)

一番 志村 孝美議員

二番 二瓶 文隆議員

三番 木村 克一議員

四番 礒野 忠議員

五番 増渕 一孝議員

六番 田中 広一議員

七番 中島 賢治議員

八番 田中 耕太郎議員

九番 田辺 七郎議員

十番 鷲頭 隆史議員

十一番 石田 英朗議員

十二番 石島 秀起議員

十三番 今野 弘美議員

十四番 鈴木 久雄議員

十五番 植原 恭子議員

十六番 鈴木 幸子議員

十七番 小坂 和輝議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 鞠子 勝彦議員

二十一番 中嶋 ひろあき議員

二十二番 神林 烈議員

二十三番 押田 まり子議員

二十四番 原田 賢一議員

二十五番 矢吹 和重議員

二十六番 田畑 五十二議員

二十七番 青木 幸子議員

二十八番 高橋 伸治議員

二十九番 渡部 博年議員

三十番 守本 利雄議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君

副区長 髙橋 邦夫君

副区長 吉田 不曇君

教育長 髙橋 春雄君

企画部長 斎藤 裕文君

総務部長 斉藤進君

防災危機管理室長 平沢 康裕君

区民部長 齋藤弘君

福祉保健部長 島田 勝敏君

高齢者施策推進室長 小倉草君

保健所長 東海林 文夫君

環境部長 田中武君

土木部長 宮本 恭介君

都市整備部長 岸田 里佳子君

会計管理者 西川 昭男君

教育委員会事務局次長 新治満君

監査事務局長 小泉 典久君

企画財政課長 平林 治樹君

広報課長 信坂 留吉君

総務課長 中島 佳久君

5.議会局出席職員

議会局長 奥田 春光君

庶務係長 渡辺 忠之君

議事係長 横山 信一君

調査係長 金田 敏明君

書記 村上 和夫君


6.議事日程

日程第一
諸般の報告

日程第二
一般質問

日程第三
議案第七十三号 平成二十二年度中央区一般会計補正予算

日程第四
議案第七十四号 中央区組織条例の一部を改正する条例

日程第五
議案第八十一号 中央区職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例

日程第六
議案第七十八号 指定管理者の指定について(区立中央会館)

日程第七
議案第 八十号 指定管理者の指定について(区立月島運動場及び区立晴海運動場)

日程第八
議案第七十九号 指定管理者の指定について(区立敬老館)

日程第九
議案第七十五号 中央区自転車の放置防止に関する条例の一部を改正する条例

日程第十
議案第七十六号 中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例

日程第十一
議案第七十七号 訴えの提起について


午後二時 開議

○議長(中嶋ひろあき議員)
 ただいまより、本日の会議を開きます。


○議長(中嶋ひろあき議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「諸般の報告」を行います。

〔奥田議会局長朗読〕


六、議案の送付について


○議長(中嶋ひろあき議員)
 報告を終わります。

 ここで、ただいま報告のありましたとおり、本日、区長より議案が一件送付されましたので、本日の日程に掲載いたしました。


○議長(中嶋ひろあき議員)
 次に、日程第二、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 二十番鞠子勝彦議員。

二十番 鞠子勝彦議員登壇

○二十番(鞠子勝彦議員)
 日本共産党の鞠子勝彦です。私は、日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。答弁によっては、再質問、再々質問を留保します。

 最初の質問は、築地市場移転問題についてです。

 石原知事は、十月二十二日記者会見で、移転に全力を挙げると述べ、市場移転関連予算の執行を表明しました。豊洲の移転予定地は、調査するたびに新たな汚染が発見されるなど、全域が有害物質で汚染されている可能性が強い地域です。食の安全が最優先されるべき市場移転地として、最もふさわしくありません。その上、都の土壌汚染対策は、調査もせずに有楽町層より深い部分は汚染されていないと断定し、地下水の流れなどの解明をせずに地下水管理ができるなどとするなど、科学的な裏づけのない欠陥対策です。汚染対策の有効性を確認する適用実験も、ほとんどの高濃度汚染処理は実験されず、データの一部にもごまかしがある疑いが強くあります。東京都は情報公開を拒み、日本環境学会など専門家の検証も受けようとしていません。

 石原知事は記者会見で、豊洲移転について科学的論拠を持った反対意見は一向に聞こえてこないなどと発言しました。しかし、日本環境学会や日本共産党都議会議員団などの指摘に対し、科学的根拠に立った答弁が不能になっているのは、石原知事自身ではないでしょうか。築地市場の老朽化を挙げて、時間がないなどというのも、移転強行の理由になりません。危険箇所は、移転にかかわりなく、安全確保のため、直ちに工事を行うべきなのです。食の安全を投げ出し、都民も関係者も望まない移転強行は、絶対に許せません。愚かな選択です。日本共産党都議団は、百年の悔いを残すと批判しました。

 区長は、都知事が表明した予算執行表明に厳しく抗議すべきです。お答えください。

 都知事の表明を受け、区長と区議会の区長与党四会派は、十月二十七日、都知事と都議会議長、都議会各会派に要望書を提出しました。区長の要望書は、今でも現在地での再整備を強く望むとしつつも、万が一市場が豊洲に移転する場合は、市場機能の一部を築地に残す、築地市場跡地利用の施設計画案の検討を要望しています。この施設計画案は、区がこれまで区議会に示してきた案に大きな変更を加えています。しかし、事前に区議会への説明もなく、審議もされていません。同日、日本共産党中央区議会議員団は、区長に対し、これまで区、区議会が一致して現在地再整備を求めてきた立場を変更し、移転容認の方向に大きく踏み出すものだと抗議し、移転撤回を改めて東京都に主張するよう申し入れました。我が党区議団の申し入れを区長はどのように受けとめたのか、お答えください。

 区長の要望書に対して、石原知事は「論外、論外」と発言しています。このことについて、区長の見解をお答えください。

 築地の現在地再整備こそ望ましいのに、石原都政がそれをおくらせてきたことに本当の問題があります。危険な豊洲移転は、撤回すべきです。施設を今日にふさわしいコンパクトな規模に見直し、東京都が必要な財政投入をすれば、市場業者の過大な負担を抑えて、よりよい現在地再整備案を得ることができます。東京都自身が、都民が望む、よりよい現在地再整備計画を一日も早くつくることを中央区として強く求めるべきです。お答えください。

 次の質問は、明石小学校など学校改築問題の教訓を復興小学校の今後の保存・活用に生かすことについてです。

 明石小学校の改築問題は、重要文化財にふさわしい価値を持った歴史的建造物が地方自治体自身の手によって解体され、失われるという痛恨の事態となりました。この教訓を、区内に現存する他の復興小学校の保存・活用に生かすことが区に求められています。しかし、中央区は、泰明小学校、常盤小学校以外は解体・改築するという方針です。中央小学校改築計画でも、教訓は生かされていません。

 経過を見れば、明らかです。日本建築学会が区内に現存する復興小学校七校すべてが登録有形文化財建造物に必要な価値を十分に備えていると保存・活用を求めていましたが、復興小学校の文化財的価値の検討はされませんでした。また、改築準備協議会への参加を住民が求めたにもかかわらず、区は拒否しました。幅広い住民や専門家の参加が保障されませんでした。教育委員会主導でコンクリートされた改築案を前提にした、先に改築ありきの計画となりました。また、住民からのリノベーション案など、保存・活用の代替案の提案についても、区は真摯な検討をしませんでした。

 こうしたことで明石小学校の教訓が生かされたと言えるのか、お答えください。

 改築対象校の選定理由についても、問題点が明らかになりました。十一月十一日の区民文教委員会で、私は、中央小学校を例に、質問しました。明石、中央、明正各小学校を改築対象校に選定したのは、平成二十一年三月の中央区教育委員会の小学校改築計画策定調査報告書です。報告書では、選定に当たって、一、当該小学校施設の建設年次、二、児童数の推移(見込み)と課題、三、小学校改築に関するこれまでの経緯という三つの視点から検討したとしています。

 そのうち、児童数の推移(見込み)について、報告書は、改築対象校に選定した三校は、安定的な児童数の増加が見込まれるとしています。平成二十年度と平成二十五年度の比較で、中央小は三十四人増、明石小は百二十人増、明正小は百十人増と見込んでいます。しかし、児童数の推移(見込み)は三校とも、報告書での推計とことし十一月に少子高齢化対策特別委員会に提出された資料による推計とが大きく違っています。最新の推計による平成二十五年度の児童数は、三校とも報告書よりかなり少ないのです。中央小の場合は、児童数がふえるどころか減っています。明石小の児童増加数は、見込みより四六%も下回ります。明正小も、見込みより四七%も下回ります。このことは、復興小学校の解体・改築の重要な理由の一つである、安定的な児童数増加という前提が崩れるということになります。

 このことについて、区長の見解をお答えください。

 次の質問は、命と健康を守る対策についてです。

 最初に、熱中症対策について質問します。

 ことしは猛暑が長期間続き、気象庁は異常気象と認めました。気象庁は、温室効果ガスの増加による地球温暖化の影響があらわれているとも指摘し、大都市のヒートアイランド現象の影響も指摘されています。この夏限りの問題と考えることはできません。

 総務省消防庁統計では、五月三十一日から八月十五日までに熱中症により救急搬送された人は、全国で三万人を超え、厚生労働省のまとめでは、熱中症による死亡者は全国で五百名を超えました。二十三区でも、東京都観察医務院によると、七月十七日の梅雨明けから九月六日までに死者百三十六人に達しました。その資料によれば、熱中症による死者のうち、六十五歳以上の高齢者が約九割、ひとり暮らしの人が約七割です。住居内で死亡した人がほとんどを占め、クーラーの有無がわかる人のうち、六割はクーラーが設置されていませんでした。死亡時刻が判明している人のうち、日中に死亡した人が約六割で、夕方・夜間に死亡した人は四四%でした。経済的な理由などで冷房を入れることもままならず、人知れず亡くなる人は、全国でも相次ぎました。異常な暑さは、個人の努力だけでは被害を防ぎ切れません。住民の命と暮らしを守るため、対策を尽くすのは国と自治体の責務です。

 この問題について、区長の認識をお答えください。

 また、九月十四日の防災等安全対策特別委員会で、私は、熱中症による区民の緊急搬送数と死亡者数を質問しましたが、区は把握していないとのことでした。

 そこで、お聞きします。

 現時点で把握しているデータをお答えください。

 東京都とも連携した対策として、私は次のことを提案します。

 熱中症予測情報を通知する熱中症警戒システムを実施し、危険度が高い地域に注意報、警報を発する。携帯用熱中症計やクールスカーフなどを独居高齢者に配り、予防知識の普及・啓発を強める。高齢者、低所得者のクーラーの有無と稼働状況を調査して、クーラーの設置と電気代を助成する。職場の熱中症予防対策の強化を経営者、業界団体に要請する。超高層ビル建設などの抑制など、ヒートアイランド・地球温暖化対策を強化することなどです。

 この提案について、区長の見解をお答えください。

 次に、受動喫煙防止対策について質問します。

 厚生労働省は、受動喫煙を防ぐ喫煙規制対策を打ち出しました。ことし二月、飲食店や商業施設など多くの人が利用する公共的な施設に対し、全面禁煙実施を促すよう自治体に通知しました。さらに、職場の労働者の受動喫煙を防ぐために、職場の受動喫煙対策を義務づける労働安全衛生法改正案を国会提出の考えだと報道されています。労働者保護のための労働安全衛生法は、より拘束力が強いもので、改正されれば、現在の努力義務から義務となります。事業者は、店内を全面禁煙にするか、喫煙室を設置するか、煙を十分排気できる強力な換気装置を設置するなどの対応が求められることになります。

 私は、たばこは吸いません。たばこを吸う人の隣で食事するとき、たばこの匂いに困った経験が多く、禁煙を実施している飲食店がまだ少ないと実感しています。非喫煙者の立場からは、受動喫煙対策の強化は歓迎すべきことであります。能動喫煙者に起きる多様な病気は、ほとんどすべて受動喫煙でも起こることが明らかになっています。この健康被害は、幼児、子供にも大きな影響を与えます。命と健康を守る大切さを考えれば、多くの施設で原則禁煙を実施することが必要だと考えます。

 受動喫煙の健康被害について、区長の認識をお答えください。

 受動喫煙対策が中小サービス業の経営に影響を与えることは、確かです。対策実施に当たっては、さまざまな支援策が必要となります。事業者と行政との十分な協議も必要です。しかし、受動喫煙による健康被害が多くの人に及び、深刻な病気をもたらすことは明らかです。一刻も早く健康被害を防がねばなりません。多数のオフィスや飲食業、商業施設などが集積する中央区だからこそ、先駆的な取り組みが求められています。

 現在、区も受動喫煙防止対策として、飲食店などや公共施設などでの取り組み促進のため、禁煙・分煙ステッカーを配布し、事業者の自主的判断でステッカーを表示するよう求める取り組みを実施しています。こうした取り組みをより抜本的に強化し、原則禁煙の実現に向け、(仮称)受動喫煙防止健康先進都市中央区宣言を行い、さらに(仮称)受動喫煙防止対策推進条例を制定することを提案します。中央区の飲食店、商業施設ならば安心して来店できるという環境をつくり出せば、中央区の商業、観光に大きな優位点を付加することになると思います。その具体化に向け、事業者と区民、消費者、中央区が協議機関を設置することを提案します。

 区長の見解をお答えください。

 三番目に、来年度の国民健康保険料引き上げ問題について質問します。

 二十三区の日本共産党各区議団は、共同して十月十二日、二十三区特別区長会に、来年度の国民健康保険料の引き上げをやめること、区民が安心して医療を受けられるよう申し入れました。二十三区では、国保料を統一して算定することを申し合わせています。来年度から、算定方式を今までの住民税方式から旧ただし書き方式にすることを特別区長会で決めています。扶養控除など、各種控除を考慮しなくなるため、所得が低く多人数世帯の保険料が引き上げられてしまいます。また、二○○九年度の前期高齢者交付金の過払い分の精算が発生し、その分が保険料の値上げにつながる危険もあります。

 申し入れ書は、保険料率算定や保険制度のあり方を区民、区議会に情報公開し、区民参加で進めること、特に旧ただし書き方式への移行に伴う保険料の負担増の状況データや経過措置の内容と、その財源について、すべて明らかにすること、来年度の保険料は引き上げず負担の軽減に努めること、保険料の大幅値上げや強引な保険料徴収をもたらす危険がある国保広域化に反対すること、滞納世帯から保険証を取り上げず無条件で発行することや、加入世帯の負担軽減、必要な財源措置を国や都に要望することを申し入れました。

 中央区では、滞納が加入世帯の三割に及び、必要な医療を受けられない事例もあります。

 区長にお聞きします。

 この申し入れのそれぞれについて、見解をお答えください。また、国保の広域化について、見解をお答えください。

 来年度の国保料率の確定作業は、どこまで進んでいますか。その内容はいつ公表されるのか、お答えください。

 四番目に、自殺対策について質問します。

 十二年連続で、毎年三万人を超える人が全国で自殺しています。中央区では、二○○○年から二○○九年までの十年間で二百二十七人の人が自殺していて、同じ期間で主要死因順位の第五位となっている年度が五回に上っています。同じ期間の交通事故死亡者数をはるかに上回ります。自殺で家族を失った遺族の悲しみも考えると、深刻な事態であります。

 中央区のこうした実態について、区長の認識をお答えください。

 一人でも多くの人を自殺から救う取り組みが必要です。私は、これまでも委員会で、自殺防止対策問題を取り上げてきましたが、改めて質問します。

 私は、自治体として、自殺総合対策で先進的な取り組みを始めている足立区を視察しました。足立区の自殺者数は、九八年から○九年までの十一年間で千九百五十人、二十三区で上位を占め、○八年には二十三区一番目となっています。失われた人数は、区内の大きな町会が丸々一つなくなったのに匹敵すると、担当者は話していました。○八年に、足立区自殺総合対策として、こころといのちの相談支援事業を開始しました。「気づく・つながる・いのちを守る」をキーワードに、自殺対策を生きる支援と位置づけています。自殺に傾いた人や自死遺族などの悩みの相談、支援体制を整え、関係機関との連携も強化しています。

 一人の自殺の背景には、平均して四つの要因があると言われています。過労、事業不振、失業、負債など、さまざまであります。それらの自殺につながる要因を解決し、生きる支援をするにはどうすればよいのかという観点で、足立区こころといのちの相談支援ネットワーク連絡会をつくり、連携の強化を図っています。医療、保健、福祉、労働、警察、消防、法律関係相談機関、鉄道などが参加しています。足立区役所庁内体制としても、区長を先頭に自殺対策戦略会議という自殺対策戦略推進チームが組織され、行政各部門との連携を図っています。

 自殺を防ぐには、できるだけ早い段階で危機の要因の芽を摘み、自殺に追い込まれる段階に進ませない取り組みが重要であります。そのため、ネットワークに参加している各機関がそれぞれの担当分野で、かかわる区民から危機の要因をつかみ、解決の道筋につなげていくことが非常に重要となります。

 中央区では、自殺防止総合対策に携わる体制は構築されていますか、お答えください。

 足立区では、職員が窓口で相談者の自殺の兆候に気づいたとき、適切な関係機関につなぐなどの対応ができるように、ゲートキーパー(門番)研修を系統的に行っています。ゲートキーパーは、直訳すれば門番です。悩みを持つ人に接する人たちを門番と位置づけ、自殺の兆候を見つけ出し、問題解決につなげようとするものです。これまでに職員の三分の一に当たる一千二百人が研修を受けています。研修では、事例から、自殺は、追い込まれた末にだれにでも起こり得る死という理解を深め、自殺のサインの気づき方を学びます。さらに、サインがあった際にどう耳を傾けるのか、次の支援へつなぐか、ロールプレイで学びます。担当者だけでなく、部署の責任者が研修を受けることを重視しています。

 中央区のゲートキーパー研修の取り組みの現状と今後の方針についてお答えください。中央区でも、自殺防止対策の総合的取り組みが急がれると思います。区の方針をお答えください。

 防災対策について質問します。

 旧耐震基準の住宅など、耐震補強は地震から命を守るために、その促進が急がれます。中央区耐震改修促進計画によると、住宅の耐震化の現状は、○七年三月現在で未耐震住宅は、木造三千六百戸、非木造七千三百戸で、合わせて一万九百戸です。

 直近の戸数をお答えください。

 中央区の耐震化率目標は、二○一五年までに住宅については九割以上を目指すという計画です。今後五年間で何戸の耐震化が必要なのかお答えください。また、その目標達成ができるのか、区の判断をお答えください。

 私は、静岡県焼津市の耐震診断・耐震補強の取り組みを視察しました。焼津市の取り組みについては、これまでにも一般質問や委員会質問で取り上げてきましたが、改めて質問します。

 東海地震の被害が予想されるため、県と市や町は、○一年度に住宅倒壊による死者ゼロを目指すプロジェクト、TOUKAIゼロを始めました。中央区と同じように、耐震診断・耐震補強補助があります。特色は、市内の耐震補強相談士、建築士、建築大工業、建築施工業などの会員で構成する木造住宅耐震補強推進協議会と市が共同した取り組みをしている点にあります。○三年に発足しました。

 同協会は、市から耐震診断業務を委託され、補強工事も協会の会員が行います。市の担当者は、耐震を装った詐欺が続発している中で、市役所との共同した取り組みなので、市民も安心できると述べていました。毎年二回行っている市の職員と協議会会員が共同して住宅をローラー作戦で軒並み訪問し、耐震診断の依頼と木造住宅耐震化促進の周知を図ることが目的であります。対象地区については、事前に自治会長に情報提供し、住民に対してもローラー作戦の通知文を回覧してもらっています。利点として、特に建築士などの耐震補強相談員が訪問することで、耐震関係の相談がその場でできる、また、これがきっかけで耐震診断、耐震補強工事に結びつくことがあるということであります。

 ○一年から二○一○年までの訪問件数は五千八百六十四件、住民からの相談があった件数は九百二十六件で、率は約一六%です。耐震診断実績の累計は、三千六百一棟、耐震補強工事実績累計は七百八十六棟であります。こうした地道な取り組みを系統的に行うことが重要だと思います。

 中央区でも具体化すべきと思いますが、お答えください。

 次に、避難所での簡易ベッドの本格的導入についてお聞きします。

 避難所での長期間の生活が続くと、エコノミークラス症候群の危険が高まることが、新潟中越地震などの研究で明らかになりました。避難所で床での雑魚寝は、窮屈な姿勢で寝る上に、他人がすぐ横を歩くなどのため、安眠できません。避難の形式にかかわらず、窮屈、長時間の同じ姿勢、心的ストレス、日常生活の活動性の低下が血栓症の発生を高めるということが追跡調査で初めてわかりました。今後予想される首都直下型地震などでの避難者は、百万人単位と予想されます。雑魚寝の中越地震などと同じ、その避難所さえ設置できない可能性もあります。設置できても、万単位の血栓症、数千人規模のエコノミークラス症候群が発生する可能性が指摘されています。この解決に、簡易ベッドの導入が非常に効果的であることが、欧米の経験で明らかになっています。みんなが安心して等しく寝る場所を確保できるからであります。

 中央区として、避難所への簡易ベッド導入を提案いたします。見解をお答えください。

 若者・青年の就労支援対策についてお聞きします。

 今春卒業した学生の就職内定率は史上最悪となるなど、若者の雇用対策が深刻になっています。雇用対策は、本来国が大きな役割を果たす責任を負っています。しかし、自治体もできる限りの創意を発揮し、雇用対策を進める必要があります。中央区も、若者のための就職面接会、職業相談、就職ミニ面接会などの就労支援事業を行っています。一層の取り組み強化を望む立場から、提案したいと思います。

 東京都足立区の雇用対策は、とにかく役所へ行けば何とかなると、青年たちに頼られています。区は、○六年に就労支援室を設置、○八年には二十三区唯一の就労支援課を立ち上げました。○六年に、あだち若者サポートステーションを設置、○八年にひきこもりセーフティネットあだちを設置しました。当初、区は、若者の意欲の問題だ、雇用対策は国の仕事だ、区に権限はないと消極的でした。しかし、今やらねば大変なことになる、国や都と違い、身近な自治体として、きめ細かで特色ある施策が展開できると、担当職員が学校や企業を積極的に回り、施策を推進しています。

 正社員を目指す青年対象の「就職力アップ→企業面接」集中プログラム、企業合同面接会は、社会人の基礎力向上や面接対策などの集中セミナー三日間と合同企業面接会がセットになっています。ことし三月に高校、大学を卒業しても就職が決まっていない人や、派遣やアルバイトなどの非正規の人、四十歳未満の正社員としての就職を後押しするもので、無料で受講できます。国の緊急雇用対策を活用した事業です。毎回十社が参加し、延べ約八十人が面接。就職に結びついた人もいます。区が専門業者に委託して実施し、参加企業の開拓もしています。区の担当者は、意欲はあっても、うまくいかない人のために、受け皿を広くつくってあげたいと述べています。

 さまざまな事情で働いていない若者、十五歳から三十九歳を対象に就労支援をするのが、あだち若者サポートステーション、通称サポステです。厚生労働省と区がNPO法人に委託して実施しています。同事業は、○六年から厚生労働省のモデル事業としてスタートし、今は一般事業化され、足立区は初年度から取り組んでいます。きめ細やかなメニューや対応が評価され、利用者も年々増加しています。心の病が若者の就労の障害となるケースが多いことから、スタッフは二人の臨床心理士を含め七人、職務経歴書の書き方や面接のマナーなどを教える就活セミナー、就労への意欲がわかない人や対人関係が不安な人の就活こころの相談、技術習得のための技ナビなど、さまざまな支援メニューが用意され、すべて無料であります。

 サポステにも出向けないひきこもりの若者を対象に実施しているのが、ひきこもりセーフティネットあだちです。サポステと同じNPO法人が運営し、臨床心理士など専門スタッフ三、四人が、本人や家族の相談を無料で受けます。学び直しやサポステにつなげて、働くことができるように支援します。

 足立区の取り組みについて、区長の見解をお答えください。

 足立区を参考に、中央区も現在の取り組みを発展させ、創意を発揮した総合的雇用対策に踏み出すときではないでしょうか、お答えください。

 住宅対策についてお聞きします。

 「何度応募しても全然当たらない、宝くじのようだ」、中央区内の都営住宅空き家募集に応募を続けてきた区民の声であります。ことし五月の中央区内都営住宅空き家募集は、二十二戸に対して応募者数は二千四十四人で、倍率は九十二倍でした。家賃の安い公的住宅への強い要求があらわれています。共同トイレでふろなし、六畳一間のアパートに住む高齢者もいるのです。区長は、こうした実態について、どのように認識しているのかお答えください。

 資本主義社会では、住宅は商品として市場で売買されます。市場の住宅を確保できない人たちへの対応は、家族や企業にこれまで大きく依存してきました。政府は、持ち家優先の政策を進めてきました。企業の社宅や寮、不況で住む場所を失う人は、親の家に住むしかない状況にあります。しかし、経済不況のもと、企業は派遣切りなどを行い、企業の寮から追い出される例がふえました。親に依存できない労働者も多数に上ります。多額の住宅ローンでマンションなどを購入した人にも、ローンが払えず持ち家を失う人もふえています。高齢者の場合も、民間借家に住むしかない人たち、あるいは住宅を買い、ローン返済が終わらない人たちの老後は、不安であります。

 国は、持ち家一本やりの政策を改めて、公営住宅を拡充し、社会住宅、家賃補助などの新しい制度をつくるべきであります。社会住宅は、ドイツ、オランダ、フランスでは家賃の補助制度とともに、住宅制度の柱となっています。民間借家に政府がいろいろなやり方で介入し、低家賃化したものです。政府機関だけでなく、多彩な非営利組織が住宅を供給してきました。

 区長は、国のこれまでの持ち家優先の住宅政策について、どのような見解を持っているのか、お答えください。

 また、そうした政策から、家賃の安い公的住宅、社会住宅供給と家賃補助制度への転換を国に求めるときだと思いますが、お答えください。

 東京都の石原都政の住宅政策も問題であります。新規の都営住宅建設で、住宅供給戸数の増加を図ることを事実上やめています。勝どき一丁目の旧都営住宅跡地には、PFI方式で大手デベロッパーによる高額家賃マンションが建設されました。

 区長は、こうした東京都の住宅政策について、妥当なものと考えているのか、お答えください。

 また、東京都に対して、積極的な都営住宅増設を強く求めるべきであります。お答えください。

 住宅数と世帯数を比べると、住宅の数は足りていて、賃貸住宅市場の空き家率は高くなっています。しかし、低家賃の住宅が不足しています。家賃補助を制度化し供給すれば、たくさんあいている家を住宅の困っている世帯に配分でき、大きな政策効果があると指摘されています。欧米で家賃補助が拡大したのは、住宅ストックを有効に利用し、住宅保障に役立てるためと言われています。

 中央区としても、独自に民間空き家住宅の借り上げを行い、中低所得者、高齢者向けに公的住宅として安い家賃で供給する施策を提案いたします。お答えください。

 最後の質問は、区の環境行政と環境部・土木部の組織統合についてです。

 区は、本定例会に環境部と土木部を組織統合し、環境土木部とする議案を提出しています。この組織統合で、区の環境行政が土木部、都市整備部など開発関連部門の影響を強く受ける懸念があります。中央区環境行動計画は、地球温暖化対策として、CO2削減目標を二○二○年度までに東京都の目標二○○○年比二五%削減とし、当面の目標として、二○一二年までに基準年一九九○年比五%削減を掲げています。区の資料では、再開発によるCO2発生量の建てかえ前と建てかえ後の比較で、六地区で一三五%も増加しています。しかし、資料は、他の大規模開発のすべてが網羅されていません。一部地区だけでもこうした推計となっています。大型開発行為がCO2発生を今後も大きく増加させることが明らかです。

 区長にお聞きします。

 中央区のCO2削減目標は達成できるのか、お答えください。

 環境行政部門である環境部は、区のすべての施策が中央区環境行動計画に沿ったものとなっているかを厳しくチェックし、施策が行動計画に反する場合、その施策の是正を求めるということが、本来あるべき中心的役割であります。行政内部で行政各部門の施策を環境面からアセスメントする役割を果たすことが期待されています。しかし、現状は、大規模再開発が相次ぐまちづくりに対し、環境行政として施策の転換を促す役割は果たせていません。

 都市整備部門、土木部門など、開発部門との組織の統合は、ますますそのチェック機能を弱めてしまうおそれがあります。組織統合はやめるべきです。お答えください。

 今、世界の都市は、EUを中心とした持続可能な開発・社会づくり、サンフランシスコの都市の成長管理など、地球温暖化などに対応した持続可能な都市づくり・社会づくりへの方向に転換しようとしています。こうした世界の都市の取り組みについて、区長の見解をお答えください。

 環境行政は、独立性も確保して、中央区の都市づくりをそうした方向に転換させるために力を尽くすときではないでしょうか、お答えください。

 以上で第一回目の質問を終わります。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 鞠子勝彦議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、築地市場移転問題についてであります。

 去る十月二十二日、東京都知事は豊洲移転の推進と予算の全額執行を表明いたしました。しかし、都議会の合意形成の問題が解決されないまま行われたことから、事態が長期化することを深く憂慮しております。このため、直ちに都知事及び都議会議長に対して、市場移転問題の早期解決を要請し、あわせて現在地再整備を強く望みながらも、万が一移転した場合でも、築地ブランドを将来に向けて継続するための本区の考え方を申し入れたところであります。この本区が申し入れたにぎわい施設の考え方は、平成十六年に策定した鮮魚マーケット構想を引き継ぐものであり、立場の変更には当たらないものと考えております。現在、本区の要請に対する東京都及び都議会の対応を注視しているところでございまして、都知事による「論外」の発言をもって、今後の方向が確定したとは受けとめておりません。本区といたしましては、今後も場外市場をはじめとした築地地区全体が活気とにぎわいを持ち続けられるよう、区を挙げて取り組んでまいります。

 次に、学校改築問題であります。

 子供の幸せを第一義に考え、老朽化への対応はもとより、教育環境の向上、防災拠点をはじめ、地域の核としての機能の充実など、今日的行政課題の解決こそが区の使命であるとして取り組んでいるものであります。御質問の中央小学校につきましては、明石小学校と同時改築するものであり、明石小学校とほぼ同様の経過を経て進めてきたものであります。すなわち、平成二十年十二月の小学校改築計画策定調査の中間のまとめで、明石小、明正小とともに改築対象校とされた後、幅広く意見を聞くため、学校やPTA、町会関係者からなる、改築準備協議会で協議を重ねて、改築計画を策定し、保護者や関係町会、近隣の皆様への周知に努めてきたところであります。区議会においても、設計費や工事費の予算あるいは工事契約など、その都度、いずれも御承認いただき、工事説明会を経て、今月の十七日から工事に着手したところであります。日本建築学会からの指摘につきましては、設計における意匠の継承や現校舎の記録保存、部材の利活用について、明石小学校同様に真摯に取り組んでいるところであります。なお、小学校改築計画全体では、泰明小学校及び常盤小学校が東京都の歴史的建造物に選定されていることを踏まえた保存・活用の方向を示すなど、文化財的価値にも十分配慮しているところであります。リノベーション案につきましては、大まかな建物配置レベルのものではありますが、例えば中央小学校改築の重要課題の一つである広い校庭確保の観点から見ても、改築準備協議会で検討してきた計画案にまさる内容ではないと判断いたしました。区といたしましては、本年八月二十三日に「明石小学校をはじめとする復興小学校の改築問題について」の声明で明らかにした考えに基づいて、中央小学校についても、現在の改築計画を進めさせていただき、未来に誇り得る学校として再生してまいります。

 次に、改築対象校の選定理由についてであります。

 区内の震災復興小学校七校は、いずれも建築後八十年以上が経過しており、今後、改築など老朽化への対応はもとより、一層の教育環境の向上が求められております。このため、十年間の財政見通しも踏まえた本区の総合的な長期行政計画である基本計画二○○八において、小学校三校の改築を計画化いたしました。これを受け、平成二十年度に小学校改築計画策定調査を行い、対象校を中央、明石、明正の三小学校としたところであります。御指摘のとおり、児童数の推移と課題だけではなく、学校の建設年次や改築に関する経緯といった三つの視点全体を通して、改築対象校を選定したものであります。加えて、残る復興小学校四校についても、それぞれの立地条件等に応じた今後の整備の方向性を整理し、復興小学校七校全体のあり方を検証の上、改築計画を取りまとめたものであります。改築の第一の目的は、物理的・機能的な老朽化への対応など、教育環境の向上であり、児童数推計は、対象校選定に当たって優先順位を検討する視点の一つとして位置づけたものであります。また、中央小学校について申し上げれば、平成二十年度と今年度の推計に差が生じましたが、学級数は変わらず、建物の老朽化や校庭の狭さなども変わらないわけでありますから、現行改築計画の変更等を考えるまでもないものと理解しているところであります。なお、過去十年間の児童数の推移を見ますと、中央小学校の場合では八十名が百十名と増加するなど、長期的トレンドとしては増加傾向にあるものと考えております。

 次に、熱中症対策についてであります。

 この夏の猛暑により、全国で多くの高齢者等が亡くなりました。区民の命と健康を守ることは自治体の責務であり、国や東京都とも連携した取り組みが必要になるものと認識しております。こうした中、区では生活保護受給者など、低所得者の方でもクーラーが設置できるよう、応急小口資金を案内する一方、被保護世帯に対しては、ケースワーカーが電話や訪問により安否確認を行い、予防対策の周知徹底を図ったところであります。また、熱中症による孤独死を未然に防ぐためには、民生委員をはじめ、地域の方々の協力による日常的な安否確認や見守りが何よりも大切であります。今後は、こうした見守りネットワークの強化など、きめ細やかな対応を地域の隅々まで行き渡らせて、熱中症による区民の被害防止に努めてまいります。

 次に、熱中症による区内の緊急搬送数と死亡者数についてであります。

 東京消防庁の情報では、平成二十二年五月一日から九月三十日までの間で緊急搬送数は五十三人であり、内訳は男性三十八人、女性十五人で、その間、七十歳代の男性一人が亡くなっております。

 次に、熱中症対策の御提案についてであります。

 まず、熱中症警戒システムですが、導入している自治体のシステムについて研究し、その効果を検証する必要があると考えます。

 次に、携帯用熱中症計やクールスカーフのひとり暮らし高齢者への配布ですが、まず水分や塩分の補給、早目の受診など、知識の普及啓発を進め、配布の必要性については、今後検討してまいります。

 次に、高齢者世帯や低所得者世帯に対するクーラー設置と電気代助成でありますが、クーラーの稼働状況などの実態調査がプライバシーの問題などから難しいため、事業化は困難と考えます。

 次に、職場の熱中症予防対策ですが、本年七月、国が全国の関係団体を通じて事業所における作業環境管理等の徹底を要請しており、区でも今後、国の対策マニュアルを配布するなど、普及啓発を図ってまいります。

 次に、超高層ビル建設については、まちづくり基本条例に基づき、適切に開発事業者を指導していくとともに、環境保全行動計画などに基づく環境施策や緑化施策に着実に取り組み、ヒートアイランド・地球温暖化対策を推進してまいります。

 次に、受動喫煙防止対策についてであります。

 本区では、たばこによる健康被害を防止するために、禁煙・分煙ステッカーを公共施設やすべての飲食店に配布し、また講習会や両親学級で健康被害の啓発を行い、さらに学校との連携により健康教育を実施するなど、さまざまな取り組みを行ってまいりました。現状においては、飲食店等で禁煙や分煙に取り組んでおりますが、店の規模や業種、立地条件などが異なる中で、一律に規制していくことは難しいと考えます。したがって、宣言や条例、協議会の設置については予定しておりませんが、たばこによる健康被害の防止を普及啓発するとともに、対策を進めてまいります。

 次に、来年度の国民健康保険料引き上げ問題についてであります。

 現在、特別区長会において、保険料率や旧ただし書き方式移行に伴う保険料増加世帯への軽減措置など、来年度の国保の基本的な方向性について、鋭意検討を重ねている段階であります。今後、年末に示される予定の国の方針や諸係数を踏まえて最終調整を行い、来年一月には案をお示しできる予定であります。また、国民健康保険の広域化については、現在、国に設置された高齢者医療制度改革会議において、保険財政の安定化や保険料の平準化などの観点から検討されております。医療保険は、国の責任において財源の確保が行われ、将来にわたって持続可能な制度として構築されることが不可欠であります。広域化についても、これらの観点から検討されるべきものと考えており、国の動向を注意深く見守ってまいります。なお、保険料を滞納した場合の資格証については、支払う能力がありながら支払わない場合に発行しておりますが、事前に納付相談を十分に行うなど、できる限り交付に至らないように努めております。

 次に、自殺対策についてであります。

 自殺に至るまでには、さまざまな事情があったものと推察いたしますが、本区の実態を見ると、まことに憂慮すべき状況と認識しております。一人一人の命はかけがえのないものであり、区民の命と健康を守ることは自治体の責務であります。区といたしましては、国や東京都とも連携し、自殺防止対策に全力を挙げて取り組んでまいります。そのため、区では、これまでも、うつ病等の心の健康相談、区のおしらせや講演会による自殺予防の普及啓発事業など、自殺予防に向けた取り組みを進めてまいりました。また、職員の人材育成として、都の主催するゲートキーパー養成研修への参加や事業所の健康管理従事者向けの研修なども実施してまいります。さらに、教育現場においては、児童・生徒が命のとうとさについて考える契機となるよう、いのちとこころの授業を全小・中学校で実施するとともに、自分を大切にする心情を育てる指導や、いじめ撲滅にも取り組んでおります。今後もこうした取り組みを進めるとともに、関係機関との連携強化を図り、自殺防止に関する総合的な体制づくりに努めてまいります。

 次に、防災対策についてお答えいたします。

 初めに、旧耐震基準の住宅などの耐震化についてであります。

 平成二十年住宅・土地統計調査をもとに推計いたしますと、現時点で未耐震化住宅は、約八千七百戸と想定しております。今後、五年間で何戸の耐震化が必要かという点についてでありますが、住宅の総戸数が変動するため、正確に何戸とお答えすることは困難であります。しかしながら、二○○七年三月時点では、耐震化率が約八一%、二○一○年十月現在では約八八%と、耐震化が進んできていることから、計画期間である二○一五年度末までには耐震化率を九割とする目標は達成できるものと認識しております。また、住宅などの耐震化の取り組みについてでありますが、防災訓練などのさまざまな機会をとらえ、耐震化の必要性や助成制度について担当部局の職員による区民への周知を行っているところであり、今後とも、このような取り組みを積極的に進めてまいります。

 次に、避難所への簡易ベッド導入についてであります。

 新潟県中越地震や阪神・淡路大震災などでは、長期にわたる避難所生活で身体の脆弱化やさまざまなストレスが生じており、被災者の健康面に配慮した対応が必要と考えます。そのため、区では健康相談やメンタルヘルスケアを実施し、エコノミークラス症候群を含む被災者の健康管理に取り組むこととしております。また、トイレの耐震化や洋式化など、環境面、衛生面にも配慮しています。簡易ベッドについては、介護を必要とする高齢者や妊産婦などの身体的負担軽減に有用であることから、災害時要援護者用として、福祉避難所や防災拠点への配備を検討しておりますが、一般の避難者用は保管場所の確保が困難であり、今後の課題と考えます。

 次に、若者・青年の就労支援対策についてであります。

 国の調査によれば、来年三月に卒業が予定されている大学生の就職内定率が、十月一日現在で調査開始以来最低の五七・六%にまで落ち込むなど、若者の就労環境はこれまで以上に厳しさを増していると認識しております。こうした状況のもと、区市町村においては、国等と連携しながら、各地域の実情に応じた就労支援策を展開しているところであり、足立区の事例も、同区の地域雇用情勢等を踏まえた取り組みの一つと受けとめております。本区におきましても、若者のための合同就職面接会を来月六日に予定しているほか、京華スクエアにおける定期的な職業相談、就職ミニ面接会の開催、区独自の雇用奨励金制度の実施など、ハローワーク飯田橋をはじめとする関係機関との連携により、若者の安定的な就労環境の確保に向けたさまざまな取り組みを進めております。今後も、四万四千の事業所が集積する本区の地域特性を生かし、区内中小企業の潜在的な求人需要の掘り起こしや、人材確保にも資する実効性の高い就労支援策を検討してまいります。

 次に、住宅対策についてであります。

 本区の区民住宅における空き家募集の応募倍率は、平均で三十倍となっており、需要が高いことから、都有地の活用や再開発等の機会をとらえながら、可能な限り公的住宅を整備していくことは重要な課題であると認識しております。国では、住宅セーフティネットとしての観点から、公的住宅の建設補助や高齢者向け優良賃貸住宅制度を設けるなど、さまざまな施策に取り組んでおりますが、さらなる充実を期待するものであります。都においても、既存都営住宅の再編整備により計画的な住宅供給を進めているものと理解しておりますが、区民の都営住宅への入居希望も多いことから、募集戸数の地元割り当てをふやすよう、都に再三要望しております。区としても、借り上げ住宅等の区民住宅の確保を図り、現在、千二百六十四戸を供給しております。また、高齢者向け優良賃貸住宅制度の活用にも取り組んでいるところであり、平成二十三年三月には、区内二棟目の高齢者向け優良賃貸住宅が完成する予定であります。今後も国や都と連携し、住宅の安定的な確保に努めるとともに、必要に応じて制度の改善などを働きかけてまいります。

 次に、中央区の二酸化炭素削減目標の達成見込みについてであります。

 本区の二酸化炭素排出量の最新の数値は、二○○七年度の二百三十六万六千トンであり、一九九○年度比約二四%の増加となっております。これは、地震による原子力発電の停止により、電力の二酸化炭素排出係数が二四%上昇したことが大きな要因であります。本区といたしましては、国や都の排出量取引制度などの動向を注視するとともに、環境行動計画に基づく施策はもとより、エコタウン構想策定などの新たな施策を積極的に展開し、目標の達成を目指してまいります。

 次に、環境部と土木部の組織整備についてでありますが、これは地球温暖化など、地球規模で解決すべき環境問題が喫緊の課題となっている今日、区として強力に環境問題に取り組むとともに、道路、公園等の都市基盤の整備や適切な維持管理を行うためのものであります。このことにより、環境負荷の大きな事業については、早い段階から環境の視点を取り入れていくことが可能となり、今まで以上に効果的・効率的な施策展開が図られるものと考えているところであります。また、世界の諸都市の取り組みにつきましては、それぞれ置かれた状況の違いなどがありますが、本区にとっても、ふさわしいものにつきましては、参考にしてまいります。本区の都市づくりにつきましては、まちづくり基本条例による環境配慮などを着実に実現していくことはもとより、すべての施策の根幹に環境を据え、区民の方々がかけがえのない人生を生き生きと安心して過ごすことができる地域社会を構築してまいります。

 答弁は以上であります。

〔二十番 鞠子勝彦議員登壇〕

○二十番(鞠子勝彦議員)
 最初に、答弁が漏れているのがあるので、お答え願いたいと思います。

 私は、耐震問題で焼津市の具体的な取り組みを紹介し、その具体化を学んで、中央区でも具体的取り組みをということを求め、答弁を求めています。全く答弁がありませんでしたので、その問題については答弁願いたいと思います。

 築地市場問題ですが、万が一ということを盛んに言われます。しかし、生鮮食品の市場として、万が一であれ、豊洲というのは全くふさわしくないところであります。その立場に立たなければ、この問題の中央区の立場というのが問われると思います。どう考えても豊洲は市場地として不適切だと、私は多くの都民もそう思っていると思いますが、区長は、汚染された豊洲が、万が一でも移転することがあってもいいと、そういうことがあってもいいと考えているんですか。万が一でも、そういうところに行くべきでないと考えているのか、改めてお答えいただきたいと思います。

 それから、今後の問題でありますが、現在地再整備という問題、どうするかが、今、問われていると思います。東京都自身が現在地再整備計画をより具体的に、現代の市場機能に合わせたコンパクトで実現可能な現在地再整備を東京都自身が責任を持ってつくるべき、それが本来の中央区が求めるべき立場ではないでしょうか。その点で、万が一を前提にした施設計画案は、示して要望するという立場をとっておりますが、現在地再整備でどのようなプランが可能かという点で、区としての積極的な提案なり、あるいは東京都に対する働きかけが、今、文字どおり必要ではないでしょうか。

 用地購入の予算は執行すると言っておりますが、それだけでは移転できないんですよ。今後、都議会で大きな問題になるのは、新年度予算で移転関連のすべての予算が計上されますが、今の都議会の力関係は、市場移転について反対だという会派が多数を占めているんです。予算が否決された場合、用地購入が仮に執行されても、移転というのはできなくなります、予算面では。こういう事態をやはり積極的に中央区がその政治状況を生かして、現在地再整備を東京都に迫るということこそ、今、求められていると思います。改めてお聞きしたいと思います。その立場かどうかを聞きたいと思います。

 復興小の問題ですが、平成二十一年三月の小学校改築計画策定調査報告書で、三つの視点から三校が選定されたと書いてあります。それでは、私、お聞きしますが、児童数が安定的に増加するという理由が、少なくとも三校について前提が崩れていると思います。三つの視点のうち、小学校の児童数の安定的増加という前提が崩れた場合、それでも、この三校が対象改築校にしたというのは、先ほどの答弁では到底理解できません。中央小は、推計は減るけれども、八十名が百十名になるからと言っています。しかし、推計が最新と二十年のときの推計で、それ自体大きく違いが出ているんです。今後、トレンドとして、中央小も含めて、増加するとおっしゃっていますが、大体その根拠がないじゃないですか。二十一年三月の推定根拠が、最新の推計で崩れているんですよ。今後、安定的にトレンドとしてふえていくなどと、どういう根拠を持ってそのようなことが言えるんですか。先ほどの答弁では、全くその根拠がありません。就学率も、二十一年三月のときの就学率が七割台だった。直近の就学率が四割台に落ちてきた。私、委員会でその原因の分析をしたのかと言ったけれども、詳細な分析はしていないという答弁でしたよ。そんなことで、今後トレンドとして増加するなどということが、なぜ言えるのか、改めてお答えいただきたいと思います。

 それから、屋上校庭についても、委員会のやりとり、私、もう一度聞きます。

 校庭の面積が屋上にすることによって、今の面積よりは広くなる。しかし、請願者が四割も日陰になるではないかと。開閉式ですから、閉まった屋根が四割ぐらい空にかかりますから、日が当たるのは六割だと。そのことに対して、どういう答弁をしたか。「六割日の当たる面積でも、今の校庭より広くなるから」と、そういう答弁でした。全くおかしな答弁ですね。日陰前提の校庭を前提にしているということですから。狭い校庭でも、今は全然日陰なしに、さんさんとした陽光のもとで子供たちは遊んでいますよ。四割の日陰前提で校庭を屋上につくるなどという、そもそもその発想がおかしいのではないでしょうか、お答えいただきたいと思います。

 それから、国保料の問題です。

 私たちが聞いているのは、情報が一向に、特別区長会の検討内容の報告がないということです。今、区長会が考えている旧ただし書き方式への転換をした場合に、区民に一体どれぐらい保険料の負担が覆いかぶさってくるのか、そのデータがないじゃないですか。影響もはかれないじゃないですか。来年の一月になったらわかると言うけれども、その前に、大体区長会で決める方向が出てきたならば、どのくらい旧ただし書き方式にした場合、加入者の負担がふえるのか、そういうデータを出さなければ、区民はこの取り組みを、区長会で何をどうしているのか、区民の負担がどうなるのか、全くやみの中で議論を見守るしかないじゃありませんか。我々議会も一緒です。情報が全く、この問題では不足しています。徹底した情報公開で、とりわけ負担増になる状況をリアルに議会にも区民にもしっかりと公表して、議論の対象にさせるべきであります。お答えいただきたいと思います。

 それから、熱中症対策ですが、クーラーを設置しているかどうか、プライバシーの問題があるから、ちゅうちょするというのは、これもまたおかしいんじゃないですか。そんなことをしているから、人知れずクーラーもないところで、室内で亡くなっている方が出たんじゃないですか。さいたま市の例では、生活保護の申請をしたが、却下された。その親子が、その父親がクーラーなしのところで死亡していますよ。一回生活保護の相談に行った人ですら放置されていますよ。問題は、命にかかわる問題ですよ。なぜ、そういうところの危険があり得ると思ったところについては、積極的に訪問して、状況がどうか把握するのが区の仕事じゃありませんか。命にかかわる問題ですよ。この問題はもう一度お答えをいただきたいと思います。

 それから、自殺対策については、さっきの答弁は今まで何回も聞いた答弁。それでは進まないだろうということで、非常に具体的で先駆的な例のある足立区の例を私、示したんですよ、詳細に。こういうところで何を学び、中央区として何が具体化できるのか、今、何が不足しているのか、そういうお答えは全くなかったですね。中央区でできないものは何なのか、足立区でやって、学ぶべきものは何なのか、そういう点を具体的にやはり、答弁する以上は検討して、具体的に今後の対策を議会で示すべきじゃありませんか。先ほどの答弁は、今後取り組むとか言うけれども、具体的な対策の内容はほとんど答弁の中にありません。

 ゲートキーパー研修だって、今やっているのか、やっていないのか、はっきりした答えじゃないじゃないですか。足立区は千二百人の職員が既に受けているんです。私、担当者に聞きましたが、業者の自殺も多いので、青色申告会や税理士会にも職員以外のゲートキーパー研修に来てもらっていると言っている。あらゆるところで自殺の兆候を早目にチェックしていこうという取り組みですよ。こんなことは、中央区でもできることじゃないですか。ゲートキーパー研修をもっと具体的に計画をして、具体的な研修目標も決めて、そういう具体的な対策が、お答えとしてぜひしていただきたいと思います。

 とりあえず二回目の質問とします。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 どうも、どうも。答弁漏れということでございまして、申しわけないですね。

 焼津市の事例は、よく承知しておりますが、本区はこれまで防災フェアや防災訓練を通じまして、区民への耐震指導を行ってまいりました。今後とも、このような組織を強化してまいります。

 それから、築地市場問題ですね。この築地市場の問題は、鞠子さん、よく理解していないようでございますけれども、これは私たちずっと現在地を求めてきた。鈴木都知事さんのときは、現在地でやろうということで、起工式まで行ったわけですね。そういう意味から、現在地で再整備しようということで取り組んで今日まで来ているわけでありますけれども、何しろこの問題は東京都なんですよ、権限が。中央区内にあります。しかし、あの二十三ヘクタール、東京都の土地でございまして、そして事業者も東京都が行っているわけでございましてね。私たちはいろいろと要望し、またこういう案もあるのではないかということを陰に陽に働きかけてまいりましたが、なかなか難しいということで、今日に、残念ながら至っているわけでございまして、だから、今でも我々は現在地で整備したい。しかし、権限は都知事さんにあるわけでしょう。都議会にあるわけでしょう。したがって、万が一移転ということであるならば、その一部でも残して、そして場外市場はもとより、築地全体のにぎわいと活気、これをしっかり発展させていこうではないかということで、先般、都知事さん、議長さん、都議会の各会派の皆様方に要望させていただいたわけでございますので、どうかその点をしっかり御認識いただきたいな、そういうふうに思っております。

 そしてまた、御指摘がありましたとおり、都議会が大きな権限を持っているということでありますから、再三、先ほども申し上げましたとおり、都議会の動向、これをしっかりと見きわめていかなければならない。このことを先ほど来強調させていただいているわけでございまして、都議会のほうも、今月末からですか、開かれるということでありますから、そういった都議会の動向をしっかり見、また来年度予算についてどうなるのか、これをしっかり見きわめて、適切に誤りなきよう対応してまいりたい、こういうふうに思っているところであります。

 次に、復興小学校問題、これは児童数ももちろん重要ですよね。児童数ももちろん重要であるけれども、老朽化がどんどん進んでいるということでありましょう。学校というのは、その地域の核であるわけでありますし、そういう面で、子供たちの幸せを、まず第一に考えて取り組もうということで行っているわけでございまして、この点もよく御理解いただきたいなというふうに思います。大きな地震が今後三十年間に来る確率がどんどん上がってきていますよね。東海地震なんかも、何とマグニチュード八クラスが八○何%だということなんでしょう。それから、マグニチュード七だと南関東のほうは七○%ですか。そしてまた、東関東と、何か三つの地震が同時に来ても不思議ではないなんて言われて、先般も防災の日には国のほうでも、その三つの地震が同時に来たときのことで訓練したと。こういうことでありますから、そういうときにも、しっかりと耐えられる、そういう学校、何しろ防災の拠点であるわけですから、そういうところを急いでやらなければならない状況にあるのではないでしょうか。

 それから、中央小学校の四割が日陰になる屋上校庭ですか、あれは冬至の日でしょう。冬至の日は、今でもそうなんでしょうね、冬至の日は。もうじき冬至を迎えますけれどもね、それは今でもそのぐらい陰になるんじゃないですかね。冬至の日でしょう。だから、日陰に冬至の日はなりやすいですよね。

 面積は、倍以上になるんでしょう、屋上校庭だとね。今の倍以上ですよ。七百が二千ぐらいになるのか。だから、面積はめちゃくちゃに、めちゃくちゃというか、倍以上に、二・五倍ぐらいになるんですかね。そういうことですよね。だから、児童数だけでやっているのではないということと、校庭はふえるわけであります。

 それから、熱中症ですか。熱中症につきましては、残念ながら、ことしああいう猛暑でありましたからね、多くの方がいろいろな、死者も出たということで、まことに残念であるわけでね、本区もこれからもしっかりと対応していかなければならない。ただ、プライバシーの維持は重要なことですね。プライバシーという問題もありますからね、そこら辺、勘案しながら区民の実態を調査しながら対応していくということであります。

 国保につきましては、他の理事者から答弁いたします。

 私からの答弁は、以上であります。

〔福祉保健部長 島田勝敏君登壇〕

○福祉保健部長(島田勝敏君)
 私からは、国民健康保険につきまして御答弁させていただきます。

 先ほど答弁申し上げましたとおり、現在、国民健康保険につきましては、区長会で、特に旧ただし書き方式に伴うそういった国保料の負担について、軽減策等について、今、鋭意検討しているところでございます。今後、具体的に国のほうから前期高齢者の関係の財政調整だとか、それから後期高齢者への支援金だとか、そういった数値が固まってこないと、なかなか具体的な数値はお示しできないところでございますけれども、現在、どういった方にどういった御負担がかかるか、鋭意、部長会、課長会の中でシミュレーションをしながら軽減措置を検討しているところでございます。

 一月以降、案をお示しした段階で、そのときに国民健康保険運営協議会だとか、それからまた二月の常任委員会、それに加えて三月に条例の付議をさせていただいたときには、また委員会等で具体的に御審議いただける機会もございますので、そういったところで、またいろいろと御議論いただければと存じます。

 私からは以上でございます。

〔保健所長 東海林文夫君登壇〕

○保健所長(東海林文夫君)
 自殺対策の再質問についてお答えいたします。

 足立区はいろいろな取り組みがなされているということは、いろいろお話を聞かせてもらいましたが、本区におきましても、それを参考に、できるところからやっていきたいと思っております。

 ゲートキーパー養成ですが、東京都の養成の機会が十二月がありますので、まずそれに職員が参加するということと、それから来年の三月においても保健所等が自殺対策の講演会、研修会等を行いますので、その中でもゲートキーパー養成の機会をつくっていきたいというふうに考えております。足立区に比べますと多少遅い面もありますが、できるだけいろいろな、やれることは対策として実施していきたいと考えております。

 以上でございます。

〔二十番 鞠子勝彦議員登壇〕

○二十番(鞠子勝彦議員)
 築地問題は、権限が東京都にあることは百も承知です。しかし、その権限を、地元や業者、業界や関係者の意向を無視して行使している、その東京都に対して、地元の自治体の長が具体的で積極的な現在地再整備案を強く迫らなければ、東京都のほうに権限がある、国に権限があるといった問題は、すべてそういう対応をするんですか。それを今、求められているんじゃないですか。私たちはそれを言っているんですよ。見守る、見きわめるばかりじゃないですか。具体的に、都議会に現在地再整備をするために積極的な働きかけをしましたか。万が一は示したかもしれないけれども。お答えください。

 それから、学校の問題でありますが、私、再質問で、児童数はトレンドとしてふえると言ったけれども、その根拠が示されていないじゃないかと聞いたんですが、お答えがなかったです。再度お答えいただきたいと思います。

 それから、国保料の問題は、事前に情報を広く都民や区民、議会に知らせなければ、区長会で決定した後、議会で諮りますでは、それでは大体区民や議会がこの問題に口を差し挟めないじゃないですか、検討過程で。そのことを言っているんですよ。毎年の国保料の値上げというのは大変なんですよ。どのくらい影響が出るかということを前広に積極的に公開して、区民も議会も参加して、どう国保料があるべきかを徹底して論議するのがやり方だろうと、それを言っているんです。ですから、一日も早くデータを公表すべきです。

 それでは、終わります。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 どうも。

 築地市場問題ですけれどもね、平成五年に現在地でやろうということで起工式まで行ったんですが、残念ながら平成十一年でしたかね、急遽移転という方向が示され、それ以来、議長さんをはじめ、各議員の皆様方、まちの皆様方と一緒に、何回、都知事あてに私たち行ったでありましょう。議長さんと区長の連名で要望をやり、また要請ですね。それから、大会をやり、もう再三現在地ということを申し入れてきたわけでね、何か何もやらないというふうにおっしゃいますけれども、もう私たち本当に懸命になって、署名活動だってね、十万六千三十二人ですか、あの数字は忘れませんよ。わずか十日間で集めたんですよね、一生懸命。みんな本当に一生懸命、議会の皆様方と現在地でやろうじゃないかということを再三再四にわたって要望、要請してきたわけであります。

 また、復興小学校、中央小の児童数、最初の答弁にしているじゃないですか。過去十年間の児童数の推移、中央小学校の場合では八十名が百十名と増加するなど、長期的トレンドとしては増加傾向にある、こういうふうに最初の答弁で述べてございますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。


○二十三番(押田まり子議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後三時二十七分 休憩


午後三時五十分 開議

○議長(中嶋ひろあき議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。二十八番高橋伸治議員。

二十八番 高橋伸治議員登壇

○二十八番(高橋伸治議員)
 友愛中央の高橋伸治でございます。私は、平成二十二年第四回区議会定例会に当たり、会派のメンバーの一人として、中央区の行政上の諸問題について、さきに提出しました質問通告、一、幸福度調査について、二、国政調査現場の現状について、三、訪問薬剤師制度の導入について、四、医療相談の充実について、五、名古屋議定書について、六、子育て支援について、七、優秀マンション表彰制度について、区長並びに関係理事者の方々に御質問させていただきます。無縁社会が、この中央区でも広がりつつあります。地域との連携や多様な居場所、結びつきを必要としている中央区民にとって、明るい展望が開けますように、明快なる御答弁を期待しております。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問することを留保しておきます。

 NHKが名付け親となって、無縁社会という言葉が生まれました。核家族化、個人化により、家族や地域でカバーされない生活領域が広がり、身寄りのない単身世帯や孤独死が増加するという日本社会の現状を言い当てた言葉として、急速に広がりました。そのときの無縁とは、無縁仏という言葉に象徴されるように、伝統的な縁である地縁や血縁の欠如を嘆いています。

 人々を結びつけ、その生活を支え合っていた共同体という意味では、日本にはもう一つ重要な縁があります。それは、仕事上の縁であります。日本の猛烈サラリーマンたちにとっては、仕事上のつき合いこそが生活であり、だからこそ会社生活と家庭生活、地域生活の調和が叫ばれてもきました。これが現在でも引き継がれ、ワーク・ライフ・バランスの発想になったと思っています。その意味では、多くの働く人々にとって、商売上の縁は最も重要な縁でした。しかし、それも会社のメンバーシップを認められない非正規労働者には存在せず、その割合は年々高まってきています。問題は、高齢者だけでなく、若者の間にも広がっているということであります。

 しかし、かつては無縁に積極的な意味を見出した論者もいました。日本中世史の研究家である網野善彦氏は、無縁という言葉は世俗的な縁の及ばない空間という意味で使われていたと主張しています。これがマンション住民の考え方の根本になっていると考えています。仕事縁がそうだったように、社会はそもそも地縁、血縁だけで構成されているわけではありません。むしろ、家族でも近隣でもない、赤の他人が寄り集まってつくっているのが地域社会です。そこには、一定の学力水準で区切られた学校単位の同窓という縁もあれば、特定のテーマに取り組むNPOという有志の縁もあります。

 今、言われている無縁社会は、特に家族や地域の支え合いの限界を焦点化していますが、そのことを浮かび上がらせているのは、実は家族や地域に依存し過ぎた日本社会のひずみではないでしょうか。中央区の行政上の問題点も、そこにあるのかもしれません。地縁、血縁以外にも、豊かな縁が取り結ばれていれば、家族や地域の支えが衰退しても、それだけで人々は孤立することはないと思っています。その意味で、無縁社会は日本における地縁、血縁、仕事縁以外の縁の弱さ、赤の他人が支え合う地域社会の弱さをこそ提起しているとも言えます。

 多様な居場所における多様な結びつきのある社会は、たとえ地縁、血縁、仕事縁が多少弱くても、豊かな社会であると言えます。私たちは、地縁、血縁、仕事縁の欠如、衰退を嘆くだけではなく、そこを踏み越えて、豊かな無縁社会に進み出るべきではないでしょうか。

 以上のような観点に立って、質問いたします。

 第一番目の質問は、幸福度調査についてであります。

 この六月、いささか唐突に、菅直人首相が最小不幸社会について語ったのを御記憶でしょうか。一方、サルコジ・フランス大統領がノーベル賞経済学者のスティグリッツ氏やセン氏を取り込んで、GDP、国内総生産にかわる新しい幸福指標づくりに乗り出して注目されました。期せずして、国の内外で、幸福と不幸をめぐる論議が広がり始めています。

 経済成長が進んで、一人当たりGDPがかなりの水準まで上昇したのに、幸福度はそれほど上昇していません。人々の幸福度は、所得の絶対水準よりも、むしろ他のメンバーの所得との相対関係に左右されます。経済成長によって、人々の所得が押しなべて上昇するなら、他のメンバーとの相対関係は変わらないのでありますから、幸福度は上昇しません。経済成長によって所得が上昇し続けると、人々の期待する所得水準そのものが上昇してしまいます。いざ所得が上昇しても、期待水準自体が上昇しているため、もはや幸福度が上昇することはありません。国際的に見ても、女性のほうが男性よりも幸福度が高いということや、若い世代の幸福度が高く、四十歳代で最も低く、それ以降は再び上昇します。この傾向は、多くの国で共通して見られるとすれば、少々考えさせられてしまいます。世界で最も幸福度が高いと言われているブータン王国と日本との違いは何なのでしょうか。現在の住民は、経済以外の指標を求めているような気がしてなりません。

 そこで、質問いたします。

 質問の第一は、この無縁社会の中で、中央区民の幸福度は十分に満たされるとお思いですか、お尋ねいたします。

 質問の第二は、中央区版の幸福度調査を実施する必要があると思いますが、いかがですか、お尋ねいたします。

 二番目の質問は、国勢調査現場の現状についてであります。

 行政サービスの基礎資料となる国勢調査が行われました。前回の調査では、プライバシー意識の高まりで、調査票の回収率は史上最低を記録しました。今回は十年に一度の大規模調査となることもあり、総務省は郵送による提出方法を採用しました。全国の結果は今後明らかになるでしょうが、記入漏れの多発など、郵送方式による調査精度の低下が懸念されています。さらに、識者からは、第三者が他人の自宅を訪問する調査方法には限界があると、抜本的な見直しを求める声も出ています。中央区の国勢調査現場の現状はいかがだったでしょうか。

 そこで、質問いたします。

 質問の第一は、今回の国勢調査の現場での状況はいかがでしたか、お尋ねいたします。

 質問の第二は、今後の各種調査も今までの方法ではちゃんとした調査ができないと思っていますので、その辺についてお伺いいたします。その対策については、より一層充実させなければならないと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

 質問の第三は、国勢調査の意義や住民にどのような利点があるのかなど、理解されていなければ関心も持たれないでありましょう。例えば、地方の過疎化の問題などは、現実に人口が減少する前からわかっていた話で、政治に調査結果が生かされていれば、過疎の進行もある程度防げたでしょうし、国勢調査の意義ももっと理解されていたことでありましょう。市区町村の人口は、どうしてわかるのかなど、義務教育の中で国勢調査を教材に、意義や調査結果の活用についての学習を盛り込むべきだと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。

 三番目の質問は、訪問薬剤師制度の導入についてであります。

 医療機関で処方された薬を間違った方法で飲んでしまう在宅患者が多いことから、全国の薬剤師約六十人が、全国薬剤師在宅療養支援連絡会を設立いたしました。在宅患者の支援をうたう医師や看護師の全国組織はありますが、薬剤師の組織は初めてであります。在宅患者に薬の飲み方の指導などをする訪問薬剤師が交流することで、知識、技能を高め、薬のプロの立場から在宅医療を支える考えです。日本薬剤師会とも連携し、三十都道府県にまたがる薬剤師が参加しているようです。医療、介護保険では薬局に薬をとりに行けない患者の場合、医師の指示があれば、薬剤師に薬を配達してもらって、服薬指導も受けられます。介護保険の場合、薬局薬剤師の訪問で患者の自己負担額は一回当たり標準五百円ですが、そうしたサービスの存在自体が周知されていないようであります。

 そこで、質問いたします。

 質問の第一は、中央区でも訪問薬剤師制度が必要だと思いますが、いかがですか、お尋ねいたします。

 質問の第二は、介護保険制度での訪問薬剤師によるサービスの認知度についてお尋ねいたします。

 第四番目の質問は、医療相談の充実についてであります。

 子供が微熱を出したときなど、症状の軽いけがや病気だと、病院に行くべきかどうか判断に迷いがちです。週末や夜間で近くに医者がいない場合は、余計に不安にかられてしまいます。休日に病院で診てもらうと、特別料金を上乗せさせられるケースもあります。そんなとき知っておくと便利なのが、電話やインターネットの対応サービスであります。自治体が運営する相談料無料のサービスから、会社員を対象にした事業まで、幅広いメニューがあります。

 千葉県の場合は、年中無休で十九時から二十二時まで、三人の看護師が特設ブースに常駐して電話相談に乗っています。患者の不安解消に役立つほか、全国的に不足が指摘されている救急医の負担軽減にも一役買っています。千代田区にある健康相談サービスの民間企業も、契約する企業の社員や健康保険組合の加入者などに二十四時間の健康相談サービスを展開しています。コールセンターには、相談の電話がひっきりなしにかかってきます。東京、大阪、横浜には、医師、看護師、心理カウンセラーなど合計で三百四十八人が待機して相談に乗ってくれます。また、相談者、近くの医療機関を調べて、案内もしてくれます。このようなサービスが中央区にあれば、区民の安心・安全度はもっと上がると思っています。

 そこで、質問いたします。

 質問の第一は、中央区も保健所で医療相談事業を実施しておりますが、その周知度についてお伺いいたします。

 質問の第二は、民間事業者の力をかりてでも、二十四時間の医療相談体制を確立するべきだと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。

 第五番目の質問は、名古屋議定書についてであります。

 多様な生き物を守りつつ、持続的に利用することを目指す名古屋議定書の採択は、自然の価値を再認識する歴史的な一歩であります。生態系を破壊することで、主に先進国が利益を得てきた構図の危うさを再認識する必要があります。その上で、各国が立場に応じて実際に行動を起こさなければ、現実は変わりません。会議の成果をきっかけに、社会を変えていこうという強い意思や政策が必要です。一人一人の行動が生物多様性に及ぼす影響に敏感になることも必要です。その積み重ねが社会の変革につながるのではないでしょうか。

 そもそも生物多様性の考えは、日本人になじみがありませんでした。ですが、私たちの身の回りには生物の恩恵を受けているものがたくさんあります。今後、経済活動の価値をはかる際にも、自然の恵みや自然破壊による損失を考慮に入れる必要があります。温暖化対策が社会を変え始めているように、生物多様性をキーワードに、経済活動も社会も変えていかなければなりません。

 そこで、質問いたします。

 質問の第一は、名古屋議定書の趣旨を生かすために、中央区でできることは何かをお尋ねいたします。

 質問の第二は、河川区域を再点検して生物多様性に全力で取り組むべきだと思いますが、いかがですか、お尋ねいたします。

 六番目の質問は、子育て支援についてであります。

 全国の全市区の行政サービスが無料で比較できるウエブサイト「生活ガイド」ができ、各自治体へのアンケートや公表データをもとに、約二百項目をあらわにしています。最新の八百九市区のデータを掲載しています。特徴は、自治体のデータを共通の物差しで比較できる点であります。各自治体のホームページは、データの単位もばらばらなので、サービスのよしあしが普通の人では判断できません。それを項目をそろえたり、独自の単位を設けて、だれでも見分けがつくようにしてあります。現在、同様のサイトは、ほかにはありません。

 行政サービスに関心を持っているのは、子育て世代であります。特に、教育や医療面のサービスの充実度によって、生活コストにかなりの差がつくからであります。利用者よりも事業者や職員の都合が優先されるような仕組みのある自治体は、これからの都市間競争に勝てない事実をもっと真剣に自覚するべきであります。毎日コミュニケーションズが挙げた例では、川一つ隔てた江戸川区と市川市では、私立幼稚園に三年間通わせる費用の差が九十万円にもなると指摘され、市川市では頭を悩ませています。

 そこで、質問いたします。

 質問の第一は、中央区の子育て支援の最終目標は何かをお尋ねいたします。

 質問の第二は、夜間や早朝保育の充実については、どのようにお考えかお尋ねいたします。

 質問の第三は、幼稚園の時間延長に対する取り組みは、どのようになっているのかお尋ねいたします。

 第七番目の質問は、優良マンション表彰制度についてであります。

 マンションの管理会社の対応は、さまざまな件で地域とのトラブルを起こしています。中央区でもマンション対策を行っているでしょうが、今では多くのマンションが無縁社会そのものであり、地域との接点がほとんどないマンションも多々見られるのが現状であります。そんな中で、管理会社のアドバイスや管理会社のやる気などを要素にして、表彰制度が行われています。優秀賞に輝いた管理会社では、マンションごとの居住者特性を勘案して、そのマンションにふさわしい管理人を選んだりしています。それがマンション住民にも満足度の高さに結びついているようであります。マンション管理会社の社会貢献や地域との連携が大きく望まれています。

 そこで、質問いたします。

 中央区独自の基準による優秀マンション表彰制度を創設するべきだと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。

 以上をもって私の第一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 高橋伸治議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、区民の幸福度についてであります。

 区民の幸福度を高めていくことは、自治体としての重要な責務であります。本区においては、基本構想、基本計画の目標である「思いやりのある安心できるまち」、「うるおいのある安全で快適なまち」、「にぎわいとふれあいのある躍動するまち」の達成に向けて、各種施策を充実していくことが多様な結びつきを生み、区民の幸福度を高めていくものと考えております。これまで本区では、区民の幸福度をテーマにした調査は実施したことはありませんが、本年実施した世論調査の中で、本区への愛着心を感じている方が八割半ば、住み続けたいとした方が九割と、高い比率となっております。こうした結果から、多くの区民の皆様が幸福と感じていると推測できると考えております。

 次に、幸福度調査についてであります。

 国においては、本年三月に行った国民生活選好度調査の中で、「幸福感」という設問を設けております。この中では、「とても幸せ」を十点、「とても不幸」を零点として回答を求め、平均で男性が六・二四点、女性が六・六九点という結果となっております。幸福感の要素としては、「健康」、「家族」、「所得や消費」が上位を占めております。また、平成二十年に、ある新聞社の行った調査では、幸福だと感じている人は八八%で、その条件は、「健康」、「家族」、「友人」が上位を占めております。本区においても、この「健康」、「家族」などは区民の幸福につながる大きな要素と考え、健康づくりや子育て支援といった各種施策の充実に努めているところであります。幸福度調査の実施については、結果をどう具体的に施策に反映していくかといった面なども含め、今後、研究してまいりたいと考えております。

 次に、国勢調査の現場実態についてであります。

 本区では、調査を円滑に実施するため、町会・自治会からの推薦、公募や区職員などによる調査員を前回に比べ百八十三人多い八百四十九人確保するとともに、区単独でコールセンターを設置し、区民からの問い合わせに迅速かつ適切に対応してまいりました。また、マンション居住者の割合が高い本区の特性を踏まえ、管理組合や管理会社に対して、調査員の推薦やポスター掲示などの協力を依頼したところであります。さらに、新たに導入された調査票の郵送提出やインターネットによる回答方式を推奨する独自のチラシを全世帯に配布いたしました。このような取り組みにより、調査現場では大きな混乱やトラブルはありませんでしたが、調査員の方々は、オートロックマンションにお住まいの調査対象世帯の把握などに大変苦慮されたと伺っております。

 次に、今後の各種調査の対策についてであります。

 今月二日の総務省の発表によれば、国勢調査における本区のインターネット回答割合は一一・七%と、二十三区中一番高い数字が示され、有効性を改めて認識したところでございます。こうしたことから、住宅・土地統計調査など、既にインターネット回答方式が導入されている他の統計調査におきましても、その利用の普及促進に積極的に取り組んでまいります。また、調査業務の一層の効率化や調査員等の人材確保を図るため、民間事業者の活用の拡大を検討し、プライバシー意識の高まりなど、調査環境の変化に適切に対応してまいりたいと考えております。今後は、国勢調査員を対象としたアンケート調査を行い、現場の、より具体的な実態や課題を把握するとともに、検証結果について、区議会をはじめ、国など関係機関に報告してまいります。

 次に、訪問薬剤師についてであります。

 要介護者は、多くの病気を抱えており、飲み方の異なる複数の薬を処方されております。このため、飲み違えが発生しやすく、薬の効果が出ないだけでなく、重い副作用が発生することもあり、御自宅を訪問し、薬の飲み方や管理方法等を指導する薬剤師の役割は重要であります。薬剤師の訪問指導は、医療保険、介護保険、両方で医師の指示があれば利用可能な制度となっており、本区においても、この制度の活用を推進していくことが必要と考えております。

 次に、介護保険制度での認知度ですが、薬剤師による訪問指導を利用されている方は、直近の実績でおよそ百七十人となっており、約五百人の利用がある医師や歯科医師の訪問指導との比較から、認知度は低いものと考えております。今後、医療関係者や介護事業者等からなる在宅療養支援協議会において、かかりつけ医マップへの薬局情報の掲載や医師、ケアマネジャー等との連携強化策について協議を行い、さらに周知を進めてまいります。

 次に、医療相談の充実についてであります。

 本区では、平成十九年十月から、保健所に医療相談窓口を開設し、専任の看護師が区民からの健康相談や医療機関案内、治療に関することなど、年間四百件を超える相談等を受けております。同時に、区内の医療機関に対しては、医療安全に関する情報の提供を行っております。相談窓口の周知については、区のおしらせやホームページで広報するとともに、本年六月には医療相談窓口の案内パンフレットを作成し、区役所、両特別出張所及び保健所の窓口で配布しております。また、町会・自治会や関係団体などにもお配りし、幅広く周知しているところであります。医療相談については、本区の相談のほか、休日・夜間には東京都が「母と子の健康相談室」による電話相談及びホームページによる情報提供を行っております。また、医療機関については、東京都医療機関案内サービス「ひまわり」で常時案内し、さらに緊急の場合には東京消防庁の救急相談センターが対応しております。このように、二十四時間体制は確保できているものと考えておりますが、さらに区民に医療相談窓口の利用について周知徹底を図るとともに、利用実態や区民の要望の把握に努めてまいります。

 次に、名古屋議定書の趣旨を生かすための本区の役割についてであります。

 去る十月三十日、名古屋議定書が採択され、各国が遺伝資源の利用を中心とした生物多様性保全に向け、協調していくこととなったところであります。我が国においても、今後、国内法の整備等が進められますが、本区にも生物多様性を保全していく上で重要な役割があると認識しております。これまでも野鳥やトンボなど、生き物に配慮した緑化やビオトープの整備などに取り組んでまいりましたが、今後とも国や東京都の動きを注視しながら、時期を失することなく適切に対応してまいりたいと存じます。

 次に、河川区域を利用した生物多様性への取り組みについてであります。

 これまで河川や運河に生息する水生生物の調査を五年ごとに実施して生息状況を確認し、基礎的データを収集してまいりました。また、石川島公園と佃公園で生き物生息場所となるアシの植えつけを実施し、さらには現在、朝潮運河での干潟の回復を東京都に要請しているところであります。今後とも、国や東京都と連携しつつ、区内河川区域の現状やあるべき姿を踏まえた水辺環境の改善に取り組み、生物多様性の保全を図ってまいります。

 次に、子育て支援の最終目標についてであります。

 本区の定住人口は、二十代後半から四十代前半の子育て世代の増加に伴い、今後も十五歳未満の人口増加が見込まれるなど、まちは若いエネルギーであふれております。しかしながら、一方では、保育所の待機児童の問題や核家族化の進行、近隣関係の希薄化などにより子育てに不安を抱える家庭が増加するなど、さまざまな問題も顕在化しております。そのため、区では中央区子育て支援対策本部を設置し、保育所待機児童を解消する緊急対策はもとより、総合的な子育て支援策を全庁を挙げて取り組んでいるところであります。今後も、中央区基本計画二○○八で掲げた「まちには子どもたちの声があふれ、子育て家庭が地域の中で安心して子どもを産み、自信と喜びを持って子育てを行っている」十年後の姿を目標に、次世代を担う子供の成長に応じたきめ細やかな施策を力強く推進し、子育て自治体ナンバーワンを実現してまいります。

 次に、夜間保育や早朝保育の充実についてであります。

 保育所における保育時間は、通常朝七時半から夕方六時半までとなっておりますが、近年の社会経済情勢に伴う就労形態の変化などにより、区民の保育時間への要望も多様化しております。そのため、認可保育所では一時間の延長保育を、認証保育所ではおおむね夜十時までの夜間保育を実施しており、さらに、きらら中央では夕方五時から夜十時までのトワイライトステイ事業を行っております。しかしながら、一方では、健やかな成長に最も影響の大きい乳幼児期は可能な限り親と一緒に過ごすべきとの考えもあり、夜間保育や早朝保育の拡充については、区民の要望やライフスタイルに応じた多様な働き方などを十分見きわめながら検討してまいります。

 次に、中央区独自の基準による優秀マンションの表彰制度の創設についてであります。

 本区においては、八六%を超える世帯がマンションに居住していることから、マンションの適切な管理や地域住民との連携の推進は、良好な地域コミュニティの形成に向けて重要な課題であると認識しております。このため、平成二十一年三月、中央区マンションの適正な管理の推進に関する条例を制定し、マンションの適正な管理の誘導、マンション居住者間や地域住民とのコミュニティの育成支援について取り組んでいるところであります。さらに、中央区都市整備公社においても、管理相談、情報提供等の支援を行っており、本年度新たにインターネットを活用した分譲マンション管理組合に対する支援システムを構築し、年内に試行運用を開始するなどの取り組みを進めているところであります。地域との連携の観点から、維持管理などが優良なマンションについての情報を提供していくことは、他のマンション居住者や管理会社、地域への啓発とその普及に大きな効果が期待できることから、有効な情報提供の方法や支援方策について、表彰制度を含めて、今後検討してまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 教育問題についてお答えします。

 初めに、小・中学校における国勢調査の意義や調査結果の活用を図る学習についてであります。

 現在、中学校では社会科教科書に掲載されている国勢調査による統計資料をもとに、少子高齢化や地域の過疎・過密、人口推移などから生じる問題についての学習に際して、国勢調査の意義や調査結果の活用についても学んでおります。また、本区が独自で作成している副読本でも、国勢調査を教材にしたグラフにより、中央区の人口推移や昼夜間別人口の比較などを学習しております。なお、小学校では国勢調査は扱いませんが、中央区の人口、人口密度、昼間の人口などを教材として、統計的な学習を進めています。教育委員会といたしましては、今後とも、多面的な物の見方や問題解決能力を高める効果が期待できる統計調査を活用した学習とあわせて、国勢調査など統計調査に協力する態度の育成を指導してまいります。

 次に、幼稚園の時間延長についてです。

 幼稚園の教育時間は、幼児の発達段階に応じて、幼稚園教育要領で四時間が標準とされており、そのまま集団教育として時間延長することは難しいと考えております。しかし、幼稚園も子育て支援の拠点であり、保護者の要望にこたえ、預かり保育を平成十八年度から明石、月島第一、有馬幼稚園と順次拡大してまいりました。その実施に当たっては、午睡室を設けたり、非常勤の保育士を配置して対応しております。この間、幼稚園の学級数は、平成十八年度には五十四学級であったものが、二十二年度には六十四学級と、四年で十学級増加し、今後もふえていくものと思われます。現在、園によっては学級数をふやして、三歳児からの入園希望者の全員就園に努めているところであり、各幼稚園とも預かり保育用の部屋を新たに確保する余裕がないなど、預かり保育の拡大は、現在では難しい状況にあると考えています。御承知のとおり、現在、幼稚園、保育所の一体化を中心に、それぞれのあり方について国で検討されておりますので、その動向も注視しながら、本区幼稚園のあり方について検討してまいりたいと存じます。

 答弁は以上でございます。

〔二十八番 高橋伸治議員登壇〕

○二十八番(高橋伸治議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 前向きに考えていただいたところと、ちょっとやはりまだ納得がいかない部分がありますので、再質問させていただきます。

 まず、幸福度調査についてなんですけれども、例えば先ほど世論調査の中で、住み続けたいという方が九割ということを言われましたけれども、確かに、住み続けたいと思っている人は九割いると思います。でも、その住み続けたいと思っている人たちが本当に住み続けられるかという不安というのは、やはりそこに隠されている部分だというふうに思うんですね。やはり各種調査ものというのは、ある面では、そういう真実を知るために調査をやるのではないかなというふうに思っています。だから、九割が住み続けたい。その中で、やはり住み続けるのは大変だけれども住み続けたいという人たちは、それほど幸福感というのは受けていないのではないかなというふうに思うんです。だから、逆に、そういうものを洗い出すような調査というのが私は必要だというふうに思っているので、ぜひその辺のことを勘案していただいて、もう一度御答弁いただければありがたいなというふうに思っています。

 国勢調査の調査現場の現状については、インターネットを入れて、インターネットが中央区は採用が最高だったということで、そういう意味では新しい試みというのが、どんどん広がっているなというふうには思っています。ですから、そういうものをどんどん伸ばしていってほしいと思いますし、ほかの調査についても、そういう意味では、それを広げていっていただきたいなというふうに思っています。

 教育長さんの御答弁の中にあった、教育の多面的な見方をするように指導していると。国勢調査に対して前向きになるような指導をしているということでしたけれども、そう言っていながら国勢調査の調査回収率がどんどん下がってきたわけですよね。ですから、そこの問題点をどうするかということを考えていったときに、もっと一歩踏み込んだ形で、小学生から国勢調査の意義というか、きっちりと、こういうことがあるから国勢調査に参加しなきゃいけないんだと。きっと、小学生が前向きになってくれれば、親御さんも前向きになってくれると思うんですよ。ですから、やはりそういうことが必要だと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。もう一度御答弁いただければありがたいなというふうに思っています。

 訪問薬剤師の制度については、ぜひ区長さんの御答弁のとおり、早期に導入をしていただければありがたいというふうに思っています。

 それから、医療相談の問題なんですけれども、胸を張って保健所でやっているという話だったんですけれども、年間で四百件ですよ。年間で四百件ということは、単純計算をすると一日一件か二件ということですね。本当に周知されているのかということなんですよ、逆に言うと。区長さんは、いろいろなこと言われました。町会にもこういう形でパンフレットを出しているとか、いろいろなことを言われましたけれども、本当に周知されているんですかね。周知されていてこの程度とすれば、中央区は本当に医療に関しては満足がいっているなという感じがするんですけれども、私はそうではないのではないかなと思いますよね。実際に、私も最初に、これは十時から四時までやられているということで、四百二件と聞いたとき、ほかのデータと比べると単位が違うんじゃないかなというふうに思ったんですよね。一件か二件はやっていますよと。これは施策ですか、そういう意味で言うと。やはりやっているのであれば、もっときっちりとした形で、区民との信頼関係ができてこなければいけないと思うんですよね。知っている人だけが知っているという話じゃないですか、きっと。これが、そういう意味で胸を張って言えるような施策になっているかどうか、これはもう一度お聞きしたいと思います。

 それから、別の観点で言えば、二十四時間については東京都がやっているからいいよと。一つの考え方でしょうね。一つの考え方だと思います。ただ、一般の若い家族の方々とか、私もそうだったんですけれども、私の息子が急に夜中に医者に行くと。もう当然、大病院に行くしかないんですね。最初に相談するなんて、そんなところは頭の中にもないし、逆に言うと、そこまでやっているなんていう話ではないというふうに思うんです。軽いときには、じゃあ、あした来ればいいよというぐらいの判断をしてくれるようなところがあってしかるべきだというふうに思うんですが、そういう形で、これは本当に東京都任せでいいのか。東京都任せというのは、ある面でいえば、要は夜の医療に関しては、前にも言いましたが、消防署任せでいいのかという問題になっていくと思うんです。やはり中央区の中、例えば先ほど言った民間会社なんかは、ひっきりなしに電話がかかってくると言うんですよ、やっているところは。それぐらい皆さん、不安を感じている部分があるわけですから、ぜひその辺のことも考えて、もう一度御答弁いただければありがたいと思います。

 これは、子育て支援の問題とも、やはり絡んでくると思うんですね。子育てを支援するというのは、保育の場を確保するということも重要ですけれども、それ以上に、やはり安心して働ける場を提供する。逆に言うと、そっちのほうも考えていかなければいけないと思うんですよ。そういう不安を少しでも取り除いてあげるというのが、真の意味での子育て支援ではないかなというふうに思うんですけれども、その辺も含めて御答弁をいただければありがたいと思います。

 それから、優良マンションの表彰制度については、都市整備公社のほうでかなりいろいろなこともやっているし、区のほうでもかなりいろいろなことをやっているというふうに思います。新しくできた、よほど大きなマンションに対しては、それは行き届いているかもわかりません。でも、実際に地域に入ってみて、地域の、中小といったら語弊があるかもしれませんけれども、中小のマンションの中で管理会社、管理組合がはっきりしないところだってたくさんあるわけで、ですから、逆に私は、いい意味でも悪い意味でも、地域とのつながりというのを大事にするということであれば、やはりマンションについては、もっともっと入り込んで、きっちりとしたことをやるべきだと思うんです。だから、そういう意味では、検討なんて言わないで、マンションを表彰するというのは、やはりマンション同士が、こういうマンションの管理の仕方が一番いい形なのかということがはっきりしてくる部分ですから、それを前面に出してもらいたいというふうに思っておりますので、ぜひこの辺についてはもう一度御答弁をいただければありがたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 どうも。

 幸福度、直接幸福度を聞いたわけではありませんが、本区の世論調査で出た数字を述べさせていただいたわけでね、住み続けたいという方が九割、これは高いでしょう。それから、愛着を感じているという方が八割半ばということですから、これも高いわけですよね。これはやはりほかの区よりも高いのではないかなということで、御指摘させていただいたわけでありまして、その中身をいろいろ分析する、これも大事かもわかりませんけれども、そういう意味では、直接自分は幸福かどうかというのは、先ほど申しましたように、本区ではやっておりませんけれども、ある新聞社というのは、これは読売新聞社さんが二年ほど前に行ったわけですけれども、何と自分は幸福だというのは八八%ということで、不幸だという方は一○%ですか、ということでありまして、これももう少し詳細に、どこがどう幸せなのかとか何か調査すると、またプライバシーにも関することでしょから、なかなか難しい面もあるのではないかな。何しろ心の問題ですからね、これは。それは個人の心の中をどういうふうに出すか。

 それは別にいたしまして、本区ではさまざまな会を行っているわけでございまして、モニター制度とかいろいろな、この間も教育の方々とか医療のほうとか、町会、それから中小企業の代表とか、いろいろな方々との意見交換会を二時間ほど行わせていただきましたけれども、区への要望はもちろん多々あるわけでね、そういうものをしっかりと着実に、真摯に受けとめて行っていく、これが区民の幸せに通ずるものである、そういうふうに私は信じて、いろいろな方々との意見交換会を着実に進めているところでございまして、これも年に何回かありますけれども、本当にさまざまな意見が障害者の皆様からもさまざまな声を聞くことができて、大変有意義だなと思い、それを着実に実現していくこと、これが大事なんだという信念で進めているわけでありまして、それを数字にどうやって出すか、幸福度ということでね。これはなかなか難しい点もありますね。そういうことを自治体がやって、いかがなものかという声もまたあるかもわかりませんしね、なかなか難しいのではないかなというふうに思いますが、今後ともそういった面で、調査自体については検討させていただきたい、こういうふうに思うわけであります。

 医療相談、これはPRが行き渡っていないんじゃないかという御指摘でしたね。PRは割合と進んでいるんじゃないでしょうかね。いろいろな面で行っているわけでございまして、また、本区での医療については、移ってこられた方々からも御意見を聞く機会がありますけれども、本当に医療はいいと。医師会、歯科医師会、薬剤師会の六師会の皆様のお力添えも得て、本当に着実に命と健康を守る自治体ナンバーワン、ばく進しているなと、こういうふうに思っているわけでございまして、無論、がん検診なんかも、今、六つ行っておりまして、区の検診でわかって、そして早期に手当てして、そしてよかったという声も、いろいろな方々から聞いているわけでございまして、医療のほうも議会の皆様方の御協力によって、本当に着実にさまざまな施策が展開できているな、こういうふうに思っているわけでありますけれども、無論、不十分な点もあるわけで、先ほどの薬剤師さんの問題等、そういう点はまだまだだなと思う点は、直ちにまた補うような施策をどんどんやっていかなければならない、こういうふうに思っているわけでございまして、これからは、まさに相談窓口ですね、何でもこう。

 相談窓口といえば、本当に中央区、一階に各課長さんが出て、直接区民の声を聞く体制を今、まごころサービスをやっておりますけれども、あれなんかも本当に一日数百件になるんですね。いろいろな声が聞こえてきますからね、本当にいいなと。区民の皆様方がどういうところを要望しているのか、また本区の劣っている点はどこなのか、やはり自分たちの短所を知って、そしてそれをしっかりと補完していかなければならない、十分にしていかなければならないということで、いろいろな相談窓口をつくっているわけであります。医療相談もその一環として行っているわけでございますから、これからも、そういった区民の声を聞く窓口ですね、充実をさせていかなければならない、こういうふうに思うわけであります。

 また、子育て、これは本当に重要ですね。安心して産み育てられる社会をつくり上げようということでございまして、待機児童百五十三人ですか、今ね。この保育所待機児童を来年四月ぐらいまでにはゼロにしようではないかということで、懸命に取り組んでいるわけでありますけれども。

 また、安心して働ける場の提供という御指摘もございました。さまざまな声があるでありましょう。それをしっかりと私たち、十分に果たしていかなければならない、こういうふうに思うわけであります。

 マンション、何しろ八六%がマンション居住者、世帯がね、ということでありますから、マンションもいろいろなマンションございますからね、優秀表彰制度ですか、こういうのも大事なことであろうというふうに思いますので、検討させていただきたいと、こういうふうに思うわけであります。

 以上であります。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 教育問題についての再質問にお答えいたします。

 小学校段階から国勢調査の意義を教育すべきではないかという御質問でございますが、先ほど御答弁しましたように、国勢調査自体は小学校では扱っておりませんが、統計データは教材として使っておりますので、中学校との連続性にも配慮して、あと小学校の発達段階に応じて、どういう方法でやったら効果的か、それから、こうした統計的な学習だけではなくて、広く世の中というものは皆さんの協力で成り立っているんだと。そういった面からのアプローチの方法もあるのかなと思っておりますので、どんな方法がいいか検討させていただきたいと思います。

 以上です。

〔二十八番 高橋伸治議員登壇〕

○二十八番(高橋伸治議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 今回、私がテーマとして挙げたのは、無縁社会ということをテーマで挙げたんですが、やはり中央区内もかなり、いろいろな意味で人々の孤立化を防ぐということが一番の課題だというふうに思っています。そういう意味では、今までのやり方というか、今までのシステム、これが間違っているとは思っていないです。ただ、今までのシステムの中で、どうしても孤立化や不安感を与えるようなものが出てきたときにどうするか。一つの問題は、薬剤師による訪問であったり、それから子育て支援の中でいえば、逆に、孤立化が起きないような仕組みづくりというのが一番必要になってくるというふうに思っています。それから、当然、働き方の中で働きやすい環境をつくるということも、やはり必要になってくるんだろうというふうに思っています。

 その中で、先ほどの答弁の中で、教育長さんは、幼稚園がもういっぱいだという言い方をされましたけれども、いっぱいの幼稚園もあれば、まだまだ余裕がある幼稚園、設備もですね、たくさんあるわけで、今までの考え方でいえば、もうそれは満杯なんですね。ところが、では預かり保育に関していえば、あいている幼稚園のスペースを借りて何かをやろうという仕組みに変えていけば、まだまだ幾らでも設備というか、用地はあるんじゃないかなというふうに思っています。それを今の考え方でやろうと思ったら無理なんでしょうね、きっと。だけれども、ちょっと頭をひねれば、できないことではないというふうに思っています。そういう意味では、そういうことも含めて、ぜひやはり働きやすい環境をつくる。

 それから、医療面では安心して、要は働ける場をつくる。当然、子供の預かり場所というのもきっちり確保する。この三つが成り立って、初めて子育て支援ではないかなというふうに私は思っているので、そういう仕組みの中で進めていっていただければというふうに思っています。そうすれば、もっと幸福度もみんな増すんじゃないかなというふうに思っています。

 ただ、本当に住民の孤立化を防ぐということが一番の問題点でありますので、今までの地縁、血縁、仕事縁以外のいろいろな意味での縁というのを大事にして、NPOの人たちがもっと活躍するかもしれませんし、もっともっとほかの仕組みができ上がるかもしれませんけれども、そういうものを積極的に区のほうで取り入れていただいて、ぜひ住民の孤立化を防いでいただければというふうに思います。

 そのことを要望しまして、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)


○二十三番(押田まり子議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後四時五十一分 休憩


午後五時十分 開議

○議長(中嶋ひろあき議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。二番二瓶文隆議員。

二番 二瓶文隆議員登壇

○二番(二瓶文隆議員)
 中央区議会日本創新党の二瓶文隆でございます。一般質問に先立ちまして、昨日発生いたしました北朝鮮による韓国への無差別砲撃に対し、命を落とされた民間人二名、そして兵士二名に対して哀悼の意を表するとともに、被災した方々に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。そして、北朝鮮政府に対して、強い憤りと金正日に対して、拉致している日本人を返せ、家族のもとに一刻も早く返せと、強く抗議をさせていただきたいと思います。

 さて、平成二十二年度第四回中央区議会定例会に当たり、中央区の当面する重要課題について、質問通告の順序に基づき質問をさせていただきます。区長並びに関係理事者の皆様には中央区民の未来を見据えた積極的な、そして前進的な御答弁をされるようお願いいたします。なお、答弁のいかんによっては、あらかじめ再質問を留保させていただきます。

 日本人のアイデンティティーあるいは独自性というものが問われています。一方で、世界で活躍する個人、科学者、そして企業に関しては、目を見張るものがあります。この成果は、まさに日本の独自性が実を結んだものと言えましょう。しかし、独自性だけでは平和を創出できないのは、歴史が示すとおりです。今、求められるのは、独自性と協調性の高次元での調和ではないでしょうか。それは、人間の生き方の話のように聞こえますが、国家のあり方とも重なります。態度、言動、行動は哲学を露呈します。そうした観点から、尖閣諸島や北方領土、竹島など、日本の主権や領土が侵されている問題を眺めたとき、私たちはいかなる態度を示すべきなのか、日本国民の一人一人がじくじたる思いで日本のリーダーの発言を待っています。

 最初の質問は、尖閣諸島や北方領土、竹島などの日本の主権が侵されている問題についての御見解をお伺いいたします。

 去る九月七日午前、尖閣諸島の久場島沖の日本国領海内において違法操業中の中国漁船が、退去命令を出した第十一管区海上保安本部の巡視船に接触した上、逃走を図り、さらに停船命令にも応じずに接触を繰り返す事件が発生しました。九月二十四日、那覇地方検察庁は、公務執行妨害罪の容疑で逮捕、送検していた同漁船の船長を処分保留で釈放してしまいました。この接触したときの映像は、裁判の証拠として非公開とされ、政府はいまだにその公開を行わず、関係国会議員にわずか六分五十秒の要約版を提出しているにとどめています。しかし、国民の多くがその公開を望み、海上保安庁の保安官からネットにその画像が流出し、全世界のだれもがその映像を見ることができることとなりました。その海上保安官の刑事処分の結論が出ていませんが、懲戒処分としての行政処分が行われました。

 一方、旧ソ連から現在のロシア政府に至る国家指導者としては初めて、メドベージェフ大統領は、北方領土の国後島を訪れ、現地では地熱発電所や水産加工場などを視察して、インフラ整備の状況を確認し、「ここでの生活はロシア中央部と同様によくなる」と述べ、中央からの資金投下を続ける考えを示しました。

 また、島根県竹島は、既に韓国に実効支配されているのが状況です。

 いずれも、歴史的にも、国際法からも、日本固有の領土であることは間違いのないことです。

 私は、前回の一般質問において、日本が危ない、日本が日本でなくなってしまうと、永住外国人地方参政権や選択的夫婦別姓に反対の立場から、区長の御見解をお伺いいたしました。その中で、「互いに主権を持つ国家間においては、その両国がたとえ良好な友好関係にあるときでも、利害の対立する課題に直面する事態は起こり、そのような状況下では、みずからの国籍である国を利する手段として、日本の永住権を利用されるおそれがあり、地方政治にもその影響は大きな問題となります」と述べました。まさに、領土問題は国と国の利害がぶつかり合う大きな問題です。

 区長さんの、世界平和を希求されていることは、すばらしいことだと思います。本年九月十五日のアメリカ合衆国が実施したネバダ州の臨界前核実験に対して、十月十三日にオバマ大統領に抗議文を提出されました。全世界の核兵器根絶は私も望みますし、抗議されたことには評価をいたします。

 そこで、お伺いいたします。

 尖閣諸島は、日本の領土が侵され、北方領土、竹島は現に日本の国家主権が侵害され、日本の平和が脅かされている問題ですが、区長さんの領土問題に対する御見解と、アメリカ政府同様に、中国政府やロシア、韓国政府に対して平和や友好を損なうことに対しての遺憾の意を伝えるお考えがあるかお聞かせください。

 次に、生物多様性の問題についてお伺いいたします。

 温室効果ガスの削減、循環型社会の構築、エネルギー問題への具体的行動など、持続可能性への本区のビジョンは、都市生活にとっても重要課題です。今回は、生物多様性の問題にあえて絞って質問します。その理由は、人間であるか、そうでないかという問題にとどまらず、人権の問題、差別の問題、いじめの問題など、人々がさいなまれる差異へのこだわりから生じる問題が根っこにあり、この多様な生物の共存的なあり方を思索することが有効だからです。

 生物多様性とは、あらゆる生物種の多さと、それらによって成り立っている生態系の豊かさやバランスが保たれている状態をいい、さらに、生物が過去から未来へ伝える遺伝子の多様さまでを含め、幅広い概念です。この地球上には科学的に明らかにされている生物種が約百七十五万種、未知のものを含めると三千万種ともいわれる生物が暮らしています。また、地球上には自然林や里山林、人工林などの森林、湿原、河川、サンゴ礁など、さまざまな環境があります。すべての生き物は、約四十億年もの進化の過程で、これらの環境に適応することで多様に分化したものです。現在の生物の多様性をそのまま維持していくことよりも、競争や共生など、生物同士の自然な相互関係により、自由に進化、絶滅していくダイナミズムが確保されてこそ、生物多様性の保全につながるとされています。地域固有の歴史がはぐくんだ生物が、それぞれにふさわしい環境で生き続け、健全な生態系が持続するように、人間の活動自体を自然に調和させることが重要だと言われています。

 そして、百九十二カ国及び欧州連合により、熱帯雨林の急激な減少、種の絶滅の進行への危機感、さらには人類存続に欠かせない生物資源の消失の危機感などが動機となり、生物全般の保全に関する包括的な、国際的な枠組みを設けるために、生物多様性条約が締結されました。本年十月には、名古屋において、十回目の締約国会議(COP10)が開催されました。

 生物の多様性に関する条約の三つの目的は、地球上の多様な生物をその生息環境とともに保全すること、生物資源を持続可能であるように利用すること、遺伝子資源の利用から生ずる利益を公正かつ公平に配分することとされています。その会議のプログラムの一つとして、生物多様性国際自治体会議が開催されました。

 地球上の生命のための戦いは、都市がその勝敗を決めると、生物多様性条約事務局長、アーメド・ジョグラフ氏は言います。地球上の生物多様性の損失や、人類をはじめ地球上のすべての生物の生存を支え、生態系への悪影響を食いとめる上で、都市は重要な役割を担っているのです。

 地方自治体は、世界人口の半数を占める都市住民に対して、最も近い行政主体です。都市計画、土地利用、公園緑地の管理、上下水道サービス、廃棄物処理などの行政サービスの担い手として、直接的に生物多様性に影響を及ぼす立場にあると言えます。とりわけ都市では、あらゆる事業の中に生物多様性の要素を取り入れていくという視点が重要とされています。

 そこで、お伺いいたします。

 本区の生物多様性に関する認識をお聞かせください。

 さらに、生態系に配慮した都市開発や政策、行政サービスの具体的な対応や計画について、御見解をお聞かせください。

 次に、知的障害者や重度の心身障害者の一時預かり事業についてお伺いいたします。

 バリアフリーあるいはユニバーサルな社会を考えていく際、ノーマライゼーションという考えが基本になりますが、机上の論ではなく、一つ一つ具体的な障害、バリアを解決していきたいというのが私の願いです。今回は、知的障害者や重度の心身障害者の一時預かり事業に絞って質問をいたします。

 障害者自立支援法に基づき、障害者に日中活動の場を確保するとともに、日常的に介護している家族の一時的な休息を確保することなどを目的に、日中一時預かり事業が実施されています。その中で、障害を持った児童が放課後から安全に伸び伸びと遊べる場所を提供するとともに、自立へ向けた日常生活訓練や社会適応訓練も活動に盛り込んで実施されることは、必要なことだと思います。また、障害者の家族にとっては、仕事上や体調がよくないなどの諸事情から、日中一時預かり事業は重要なサービスです。本区でも、レインボーハウス明石において、学校や訓練施設の就学後や、夏休みなど長期の休みの期間にも日中一時預かり事業が実施されていますが、一時預かりの希望者が多くなると、施設入所者へのサービスに支障が出るおそれがあるのではないでしょうか。小学校のプレディ事業との連携や、新たなスペースを確保して、日中一時預かりサービスを充実する必要があるのではないでしょうか。

 そこで、お尋ねいたします。

 知的障害者の放課後支援活動と日中一時預かり事業の取り組みについて、区長さんの御見解をお聞かせください。

 自立支援法では、常時介護が必要で意思疎通を図ることが著しく困難な人に、居宅介護、重度訪問介護、行動援護、生活介護、児童デイサービス、短期入所、共同生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援などを行うため、重度障害者に対する包括支援制度に移行されました。私は、どんなに障害の重い方にとっても、地域生活を保障し、地域生活への参加を支援するために、サービスが構築されなければならないと思います。包括支援は、入所施設でのケアとは違うサービスでなければならないと思います。介護保険法との関係や知的障害者などの障害認定基準との関係もありますが、地域社会における支援としてのデイサービスや日中一時預かりは、大切な事業ではないでしょうか。

 重度障害者の一時預かりには医療ケアも伴いますので、一般の施設や人員配置では困難ではありますが、聖路加看護大学との連携や医療機関との連携など、本区として積極的に働きかける必要があると考えます。

 そこで、お伺いいたします。

 重度知的障害者のデイサービスや一時預かり事業の取り組みについて、区長さんの御見解をお聞かせください。

 最後に、LRTと舟運の実現に向けての取り組みについてお伺いいたします。

 私は、銀座地域を脱車社会のモデルにしてはどうか、また、エコな大量輸送機関としてのLRTや舟運の創設を要望させていただき、区長さんからは、前向きに研究するとの答弁をいただきました。

 日本橋の船着場は、来年の架橋百年の記念にあわせて作業が進行しており、舟運事業も具体的に計画がなされていると伺っています。私もNPO中央水の都フォーラムにかかわり、日本橋クルーズと東京スカイツリー船上見学会というイベントを月に二回開催し、クルーズに乗船された方は千人を超えました。土曜日、日曜日には、日本橋川ではEボートやカヌー、電気ボートを使用して、いろいろなクルーズが各団体によって開催されていて、都心の中にあっての水辺空間を楽しむ需要の大きさを実感しています。

 観光立国を目指す東京の中心である本区は、多くの観光資源があると思います。舟運は、大阪の遊覧船、広島の水上タクシーなどと比較しても、東京の河川で実現すれば観光の大きな目玉にもなり、川に背を向けたまち並みが、水辺に表を向いたまちの再生につながると確信しています。本区のまるごとミュージアムにおいて、区内の各所を舟運で結ぶ企画は大変人気があるとのことですが、さらに行き先の違うコースがふえれば、より楽しめるのではないでしょうか。

 川の駅としての船着場を多目的に利用し、中央区内だけではなく、墨田区や江東区とも連携することで舟運の魅力は倍増します。既に、江東区と墨田区では江東内部河川の小名木川や横十間川、そして墨田区の縦十間川や隅田川の船着場利用の連携が計画され、本所深川というNPOを中心に舟運の社会実験も実施されています。本区も、日本橋や築地、朝潮運河の船着場を他の地域と連携させることにより、東京スカイツリーを中心とした観光資源の枠組みに入り、日本橋地域の活性化や晴海地区の国際化につながると思います。そして、舟運と晴海地域の開発や、ベイエリアから都心を結ぶ輸送機関としてのLRTとのコラボレーションが図られれば、中央区のにぎわいづくりに欠かせない事業になると思います。

 そこで、お伺いいたします。

 LRT創設に向けて、その具体的な取り組みに関する予算を計上し、早期実現を図ってはどうかと考えますが、御見解をお聞かせください。

 また、舟運に関する他区との連携についての御見解をお聞かせください。

 以上で私の一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 二瓶文隆議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、領土問題についてであります。

 尖閣諸島が我が国固有の領土であり、領有権の問題が存在しないことは、国際法上も歴史的にも疑問の余地のないところであります。また、北方領土、竹島についても同様であると認識いたしております。しかしながら、現状は、我が国の漁船の安全な操業や航行が脅かされており、国民の安全・安心を守るためにも領土問題は冷静な外交を通じまして、できるだけ早期に解決されるべきものと考えております。

 次に、関係国に対する遺憾の意の表明についてであります。

 核兵器廃絶は人類の存亡にかかわる問題であることから、区として、あらゆる核実験に対し、実施国に抗議をしておりますが、領土問題は二国間の問題であり、国の一元的な外交によって解決されるべきものでありますので、本区独自で遺憾の意を表明することは適当ではないと考えておりますので、御理解のほどお願いいたします。

 次に、生物多様性に関する本区の認識についてであります。

 生物多様性は、人類の生存を支え、人類にさまざまな恵みをもたらすものであります。都心区である本区でも多くの生物が生息しており、こうした環境を本区の重要な資産として、よりよい形であすの世代に伝えていかなければならないものと認識しております。本区は、これまで環境行動計画に基づき、地球環境、都市環境、自然環境などに関する施策を率先して実施してまいりました。現在、東京都において、生物多様性基本法に基づく生物多様性地域戦略の策定作業が進められております。今後とも国や都の動向を注視しながら、地球規模で考え、足元から行動するという理念のもと、開発事業での環境配慮の指導、小・中学校での生物多様性に関する環境教育など、すべての施策の根幹に環境を据えて、生態系に配慮した都市開発や行政サービスを展開してまいります。

 次に、知的障害者の放課後支援活動と日中一時預かり事業についてであす。

 日中一時支援事業については、平成十八年度からレインボーハウス明石において定員四名で開始し、平成二十一年度からはその定員枠を最大十名までに拡大し、事業の充実を図ったところであります。しかしながら、夏休みなど、利用が集中し、要望にこたえられない場合もあることから、障害のある児童が日常生活の中で指導、訓練を受けながら安全に過ごせる場のさらなる確保が必要であります。そのため、今後、公共施設の有効活用やまちづくり基本条例による開発事業の機会をとらえた施設整備などにより、場の確保に努め、日中一時支援事業のさらなる拡充に向けた検討を進めてまいります。また、現在、特別支援学級設置校のプレディや児童館の学童クラブにおいて障害のある児童を受け入れておりますが、今後も、こうした事業との連携を強化してまいります。

 次に、重度障害者のデイサービスや一時預かり事業についてであります。

 重度障害者のデイサービスについては、医師や看護師などによる医療ケアが必要となるため、こうした条件が整った東京都立東部療育センターでの利用が中心となっております。本区においては、今年度から福祉センターで専門の看護師を配置し、東部療育センターや主治医と連携を図り、安全面に十分配慮しながら、一部受け入れを開始したところであります。今後の受け入れ枠の拡大や、より高度で専門的な医療ケアを必要とする日中一時支援事業の実施については、さらなる医療体制の確保が必要であり、現時点での実施は難しいものと考えます。しかしながら、保護者の要望や意向を把握し、医療機関や東部療育センターの助言・協力なども得ながら、実現の可能性について検討してまいります。

 次に、LRT実現への具体的な取り組みについてお答えいたします。

 区では、平成十九年度に実施した区内公共交通のあり方調査を踏まえ、勝どき・晴海地区へのLRTなど、新たな公共交通システムの導入の可能性について、基礎的な研究を行ってまいりました。その結果、LRTなどの導入に当たっては、事業主体や導入空間、事業採算性など、検討すべき課題があると認識しております。一方、勝どき・晴海地区においては、開発により公共交通の必要性が高まっており、地域住民からも交通アクセス改善の要望をいただいているところであります。このため、区は来年度以降、LRTなどについて、さらに具体的な調査・検討を行ってまいりたいと考えております。

 次に、舟運事業における他区との連携についてお答えいたします。

 本区では、現在、日本橋架橋百周年にあわせて、日本橋詰めに船着場の整備を進めているところであります。完成後は、地域と連携し、舟運を中心とする水辺のにぎわい拠点として活用してまいりたいと考えております。また、東京都においては、「十年後の東京」に基づく隅田川ルネッサンスを展開し、イベントによるにぎわいの創出や舟運等を検討するため、行政や舟運事業者、地元町会等で構成する隅田川ルネッサンス推進協議会の立ち上げを予定しております。そこで、本区も関係地元区として本協議会に参画し、周辺区と連携した舟運事業について検討してまいります。

 答弁は以上であります。

〔二番 二瓶文隆議員登壇〕

○二番(二瓶文隆議員)
 それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 私は、生物多様性の問題で最も関心を寄せていることは、遺伝子生物の危機という問題であります。最近では、諸外国が遺伝子的な生物を使って、例えばドイツの製薬会社が南アフリカ原産のペラルゴニュームという植物からとれる成分を利用して風邪薬をつくっております。そのために、乱獲が進み、絶滅危惧種として指定をされておりました。

 また、アメリカの製薬会社の副社長が南ペルーのアマゾン川流域でとれる竜の血という樹液を出す植物を発見しまして、これは下痢の薬として大変に有効な薬とされております。今では、世界で何百万の子供たちが下痢で命を落としている現状から、この薬の開発は大変望ましいところでありますが、一本の木から二百錠の薬しかできませんし、その製薬会社は植樹にかかわり、二%を原住民の人たちに還元しておりますが、ペルー政府は、出た利益の一○%を政府に、五%をその地域住民に還元すべきということで、問題となっております。

 私たちは、中央区という都心の一等地に暮らし、この快適や安全・安心を享受しておりますが、それに伴う責任を果たさなければならないと思います。今、目先の区民ニーズにこたえていくことも大切ではありますが、この暮らしは日本国内の山林や貧困に苦しむ発展途上国の人々の上に成り立っていることを自覚した上で、行政サービスも実施されなければならないと考えております。この問題は、これからも議会や行政にとって、しっかりと議論をしなければならないのではないかと思います。

 尖閣諸島や領土問題に関しましては、確かに区長さん答弁いただきましたように二国間の問題ではありますけれども、しかしながら、昨日の北朝鮮の韓国に対する砲撃を見ましても、これはアジアの平和を揺るがす問題となっております。北朝鮮の、理由はさまざまでありますが、二国間で解決できない問題は、今のグローバル社会においては大変大きな問題となっております。

 そして、地域主権、私は主権というのは国民、国家にのみ使う言葉であって、本来適当な言葉ではないと思いますけれども、まさにグローバルな社会において地域の発信力というものは、これから国が何をすればいい、都が何をすればいい、役割分担を決めるのではなく、まさに地方から大きな声を発信していくことが必要だと思いますし、ぜひとも北朝鮮においては、核開発も進めている現状がありますから、区長さんも政治家としてしっかりと抗議をしていただきたいと思いますが、改めてお考えをお聞かせください。

 最後に、LRTと舟運は、本当に要望の大きい事業でございます。予算編成のこの時期であればこそ、区長さんの御英断で、ぜひとも前進的な、そして開発が早く進むように要望させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

 御清聴、まことにありがとうございました。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 そうですね。今回の北朝鮮、あの暴挙、オバマ大統領も非常に怒っているということでありますけれども、当然であろう、こういうふうに思いますね。民間人が犠牲になっているということですからね。私自身も大きな憤りを覚えるところでございまして、議会の皆様方も当然であろう、こういうふうに思うわけでありまして、まさに二瓶議員御指摘のように、アジアの平和を脅かす、特にこの地域ですね、朝鮮半島も本当に大変な事態になりつつあるな、こういうふうに思っているところであります。

 また、LRT、これは先ほども答弁させていただきましたけれども、大事な問題でね、やはりLRTというのは車社会から離れて、新たな交通機関としてすばらしい環境に配慮した機関でもあるわけですから、よく調査させていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。

 また、舟運も同じようにね。この間も私、乗りましたけれども、電気のボートね。あれは音がしなくて本当にいいですね。そして、あそこの日本橋のところから隅田川のほうに出ましたけれども、ああいうように車じゃなくて船を活用しての舟運ということは、水の都ですからね、大いにこれから期待し、また私たち、取り組んでいかなければならない、こういうふうに思っているところであります。

 以上であります。

○議長(中嶋ひろあき議員)
 以上をもって一般質問を終わります。


○議長(中嶋ひろあき議員)
 次に、日程第三を議題といたします。

〔奥田議会局長朗読〕


日程第三

議案第七十三号 平成二十二年度中央区一般会計補正予算


○議長(中嶋ひろあき議員)
 提案者の説明を願います。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま上程されました議案第七十三号、平成二十二年度本区一般会計補正予算につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 今回の補正は、三千三百六十六万三千円を増額するものであります。その結果、補正後の予算額は七百十億三千六百八十二万二千円となるものであります。

 補正予算の概要について御説明申し上げます。

 歳入の都支出金は、新型インフルエンザワクチン接種に対する感染症予防事業費等補助金二百三十五万二千円の計上です。

 繰越金は、前年度からの繰越金二千九百十万六千円の計上です。

 諸収入は、区民以外の方が区内契約医療機関で新型インフルエンザワクチン接種を行った場合の受託収入二百二十万五千円の計上です。

 次に、歳出について御説明申し上げます。

 衛生費のみの計上で、新型インフルエンザワクチン接種に当たり、一歳から中学生までと生活保護世帯などの方に対する接種費用助成経費三千三百六十六万三千円の計上です。

 以上、平成二十二年度本区一般会計補正予算の概要について御説明申し上げました。よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。


○二十三番(押田まり子議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま上程されております議案第七十三号は、企画総務委員会に付託されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。


○議長(中嶋ひろあき議員)
 次に、日程第四及び日程第五を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第四及び日程第五を一括して議題といたします。

〔奥田議会局長朗読〕


日程第四

議案第七十四号 中央区組織条例の一部を改正する条例

日程第五

議案第八十一号 中央区職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例


○議長(中嶋ひろあき議員)
 提案者の説明を願います。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第七十四号及び議案第八十一号につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第七十四号、中央区組織条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、環境保全等を所管する「環境部」と都市基盤整備等を所管する「土木部」とが一体となって、快適な都市環境づくりに取り組むため、これらの部を統合し、新たに「環境土木部」を設置するとともに、当該部の分掌事務を定めるものであります。

 次に、議案第八十一号、中央区職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例であります。

 本案は、特別区人事委員会による「職員の給与に関する報告及び勧告」等を考慮し、関係する二条例について、本区職員の給与を改定するとともに、地域手当、期末手当及び勤勉手当の支給割合の変更等を行うものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(中嶋ひろあき議員)
 ただいま上程されました議案第七十四号及び議案第八十一号は、企画総務委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、企画総務委員会へ付託いたします。


○議長(中嶋ひろあき議員)
 次に、日程第六及び日程第七を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第六及び日程第七を一括して議題といたします。

〔奥田議会局長朗読〕


日程第六

議案第七十八号 指定管理者の指定について(区立中央会館)

日程第七

議案第八十号 指定管理者の指定について(区立月島運動場及び区立晴海運動場)


○議長(中嶋ひろあき議員)
 提案者の説明を願います。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第七十八号及び議案第八十号につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第七十八号、区立中央会館の指定管理者の指定についてであります。

 本案は、区立中央会館の指定管理者に松屋グループを指定するため、地方自治法等の規定に基づき、議会の議決を必要といたしますので、本案を提出した次第であります。

 次に、議案第八十号、区立月島運動場及び区立晴海運動場の指定管理者の指定についてであります。

 本案は、区立月島運動場及び区立晴海運動場の指定管理者にタフカ株式会社を指定するため、地方自治法等の規定に基づき、議会の議決を必要といたしますので、本案を提出した次第であります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(中嶋ひろあき議員)
 ただいま上程されました議案第七十八号及び議案第八十号は、区民文教委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、区民文教委員会へ付託いたします。


○議長(中嶋ひろあき議員)
 次に、日程第八を議題といたします。

〔奥田議会局長朗読〕


日程第八

議案第七十九号 指定管理者の指定について(区立敬老館)


○議長(中嶋ひろあき議員)
 提案者の説明を願います。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま上程されました議案第七十九号につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 本案は、区立桜川敬老館、区立浜町敬老館及び区立勝どき敬老館の指定管理者にアクティオ株式会社を指定するため、地方自治法等の規定に基づき、議会の議決を必要といたしますので、本案を提出した次第であります。

 よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(中嶋ひろあき議員)
 ただいま上程されました議案七十九号は、福祉保健委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、福祉保健委員会へ付託いたします。


○議長(中嶋ひろあき議員)
 次に、日程第九、日程第十及び日程第十一を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第九、日程第十及び日程第十一を一括して議題といたします。

〔奥田議会局長朗読〕


日程第九

議案第七十五号 中央区自転車の放置防止に関する条例の一部を改正する条例

日程第十

議案第七十六号 中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例

日程第十一

議案第七十七号 訴えの提起について


○議長(中嶋ひろあき議員)
 提案者の説明を願います。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第七十五号から議案第七十七号までにつきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第七十五号、中央区自転車の放置防止に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、新たに区立清杉通り駐輪場を設置するものであります。

 次に、議案第七十六号、中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、東京都市計画晴海地区地区計画区域内において、新たに晴海二丁目の第二の六街区の地区整備計画が追加されたことに伴い、建築物の用途の制限、敷地面積の最低限度、壁面の位置の制限及び高さの最高限度を定めるものであります。

 最後に、議案第七十七号、訴えの提起についてであります。

 本案は、阪神・淡路大震災で被災し、区立まちづくり支援用施設の仮住宅に入居した者が、使用許可期間が経過したにもかかわらず当該住宅を明け渡していないことから、当該入居者を被告として、建物の明け渡しの訴えを提起するものであります。

 本件訴えの提起につきましては、地方自治法第九十六条第一項第十二号の規定に基づき、議会の議決を必要といたしますので、本案を提出した次第であります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(中嶋ひろあき議員)
 ただいま上程されました議案第七十五号、議案第七十六号及び議案第七十七号は、環境建設委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、環境建設委員会へ付託いたします。


○二十三番(押田まり子議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、ただいま企画総務委員会に付託されました議案の審査の関係もありますので、明二十五日を休会とし、明後二十六日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十五日を休会とし、明後二十六日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

午後五時五十五分 散会


署名議員
議長 中嶋 ひろあき
議員 今野 弘美
議員 渡部 博年

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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