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平成23年 区民文教委員会、福祉保健委員会合同委員会(7月25日)

1.開会日時

平成23年7月25日(月)

午前10時 開会

午後1時59分 閉会

2.開会場所

第一委員会室

3.出席者

(16人)

区民文教委員会

委員長 鈴木 久雄

副委員長 原田 賢一

委員 今野 弘美

委員 堀田 弥生

委員 青木 かの

委員 奥村 暁子

委員 渡部 博年


福祉保健委員会

委員長 中島 賢治

副委員長 木村 克一

委員 石田 英朗

委員 瓜生 正高

委員 墨谷 浩一

委員 山本 理恵

委員 加藤 博司

委員 渡部 恵子

議長 (石田 英朗)

副議長 守本 利雄

4.出席説明員

(20人)

矢田区長

小泉副区長

齊藤教育長

齋藤区民部長

町田区民生活課長

濱田地域振興課長

鈴木文化・生涯学習課長

守谷商工観光課長

平林福祉保健部長

長嶋福祉保健部管理課長

来島子育て支援課長

小倉高齢者施策推進室長

小林高齢者福祉課長

吉田介護保険課長

東海林保健所長

鈴木生活衛生課長

新治教育委員会次長

小川教育委員会庶務課長

林学務課長

増田指導室長

5.議会局職員

田中議会局長

横山議事係長

渡邊書記

長田書記

武藤書記

6.議題

  • 区内全保育所・全区立学校における給食の安全に関する請願

(午前10時 開会)

○鈴木座長
 皆さん、おはようございます。ただいまより、区民文教委員会及び福祉保健委員会との合同委員会を開会いたします。

 なお、本日の座長につきましては、区民文教委員会の委員長である私が務めさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。

 また、発言の際におかれましては録音を行いますので、マイクのスイッチを忘れずにオンにしていただき、発言後はマイクのスイッチを切るようにしていただきたいと存じます。

 さらに、既に御承知のとおり、第3委員会室におきまして音声による傍聴ができることとなっておりますので、申し添えておきます。

 それでは、会議に入ります。

 本日は、7月14日開会の福祉保健委員会及び同月15日開会の区民文教委員会で了承されているとおり、区内全保育所・全区立学校における給食の安全に関する請願の審査に当たり、国際医療福祉大学、鈴木元教授を参考人としてお招きをしております。

 議事の進め方について申し上げます。まず、鈴木教授より御説明をいただき、その後、質疑を行い、午後に理事者に対する質疑を行いたいと存じますが、いかがでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木座長
 そのようにさせていただきます。

 それでは、本日、参考人としてお招きをしております国際医療福祉大学、鈴木元教授を御紹介いたします。

 鈴木先生は、放射線医学研究所や放射線影響研究所に在籍経験もあり、平成11年のJCO事故では重症2名の治療にかかわるなど、放射線研究では日本の第一人者であります。現在は、原子放射線の人体影響に関する国連科学委員会国内対応委員会委員、日本放射線影響学会、学会誌副編集員、日本放射線事故医療研究会幹事などを務められております。

 鈴木先生、それでは、「福島原発事故とその放射線学的影響の大きさ」と題しまして、福島第一原発事故の概要や放射性物質の身体的な健康影響のとらえ方、さらには食品に対する健康不安などについての御説明をよろしくお願いいたします。

○鈴木教授
 (説明)

○鈴木座長
 鈴木先生、ありがとうございました。

 それでは、ここで質問の順序及び発言の持ち時間制について申し上げます。先生の説明に対します質問の順番は、構成員の多い会派の順といたします。また、各会派の質疑の持ち時間制につきましては、午前中に開会される委員会の例にならい、算出される持ち時間で行います。ただいまの時刻は午前11時9分になりました。したがいまして、自民党10分、公明党10分、みんなの党10分、日本共産党10分、民主党区民クラブ10分となります。

 それでは、質疑に入りますが、質問の内容は本件請願に対する賛否についての質疑を行うものではなく、御説明いただきました福島第一原発事故の概要、放射性物質の身体的な健康影響のとらえ方、食品に対する健康不安などについての範囲内でお願いをいたします。

 質問者の発言を願います。

○瓜生委員
 自由民主党の瓜生正高でございます。

 鈴木先生、本日は貴重なお話、ありがとうございました。

 では、何点かにわたりまして質問させていただきます。

 東京電力の福島第一原子力発電所の放射能事故の関係におきまして、本区においても乳幼児、そして児童を抱える保護者の多くの方々が放射能の問題について心配をされているという観点からの質問でございます。

 まず、中央区各地で測定されている放射能の数値への評価、都内、特にこの中央区の中で、区内各所、中央区の教育機関がある柏市の空中放射線量などの測定結果について、先生自身、率直にどう思われるか、端的にお聞かせください。

○鈴木教授
 具体的なデータは、私、いただいていないので、ちょっと見させていただきますが、まず首都圏の中でも東京の中の現在のレベルというのは多分0.1マイクロシーベルト/アワーぐらいじゃないでしょうか。大体そんなものですね。そうすると、全くの日常、原発事故の起きる前ですと、それが0.05マイクロシーベルトとか0.07マイクロシーベルトとか、そういうレベルをふらついていると思います。それから考えれば、若干上がっている。2倍まではいかないけれども、上がっているというオーダーかと思います。

 このレベルですと、先ほどの私の資料の最後のページで外部被曝線量0.48ミリシーベルト/年と言っていたものが2倍になるかならないかというようなオーダーかと思います。このレベルですと、全く心配する必要はない。例えば、日本からヨーロッパに行ったときの外部被曝線量の差よりも小さい。要するに、日本とどこかの国の被曝線量を比較しているみたいなレベルに落ち着いているということかと思います。余り意識して心配するレベルではないと思っています。

○瓜生委員
 ありがとうございました。よくわかりました。

 続きまして、規制値内の食材の人体への、特に乳幼児、児童等の年齢の低い方々への影響はどうか、また外部被曝と内部被曝について問題視されておりますが、食材の摂取後の影響の有無などを詳しく教えていただければと思うんですが。

○鈴木教授
 まず、内部被曝のほうでいいますと、放射性ヨウ素に関しては、お子さんのほうが甲状腺に蓄積されやすい。甲状腺がんのリスクもお子さんのほうが高いというデータはお示ししました。

 現在、放射性ヨウ素に関しては、実際、食品の汚染というものがなくなってきている時期なので、これは心配しなくてよろしいかと思います。

 セシウムに関しましては、それこそ最後のスライドで出しましたが、摂取した量当たりの年間の被曝線量というものが、もし規制レベルの最大限ですべての食品が汚染されていたとして年間5ミリシーベルトだと。その5ミリシーベルトのリスクの大きさというのは、一番最後のスライドに書いていますが、ICRPの手法でいえば0.05%生涯がんリスクがふえる量にすぎないという話です。ですから、リスクの大きさとしては大きくないということは明確に言えるかと思います。それを怖がるかどうかというのは個人によって違ってくるんだろうと思いますが、まずはそういう客観的なリスクの大きさを発信していくということが区民の理解を得る一番のポイントかなと思います。

○瓜生委員
 ありがとうございました。

 今回の事故で、いろいろ資料もいただいたんですが、いろいろな数値、シーベルトとか単位も示されているわけでございますが、事故由来のもの以外にも自然由来だとかエックス線などの医療由来のものもあると思うんですが、人工と自然とを特に分けることなくトータルの被曝量で考えた場合に、私たちの人体への影響を、乳幼児を抱えているお母さんたち、児童を抱えている保護者の方々にわかりやすいような形で説明するとすれば、どういったものになるでしょうか。

○鈴木教授
 ちょっと難しい質問の仕方になっていますが、お子さんですと、逆に言うと医療被曝は非常に少ないわけですよね。大体、医療被曝がふえるというのは年をとってから病気が出始める40代、50代になってからなわけで、そういう意味でいうと、やはりお子さんの時期というのは自然界からの被曝というものにかなり限られてくる話になるかと思います。

 そういう意味では、今、ここに書いてあるような年間1ミリシーベルト、5ミリシーベルトというようなレベルというのは、お子さんのリスクとしてここは評価していますので、十分小さいリスクにとどまっているというふうに思います。医療被曝は、40代、50代になって、がんの早期発見とか疾患の早期発見というふうな目的があって被曝するわけですので、これはまた別な話になるかと思います。

○瓜生委員
 わかりやすい説明でありがとうございました。

 本日のお話で、事故の重大さを再認識する一方、正しい知識に基づく冷静な対応の大切さがわかりました。御説明のような事柄を区民一人一人がしっかり認識をし、理解し、適切に行動できるよう、広く、わかりやすく、かつ繰り返しその周知に全力を傾注すべきであると私自身も改めて再認識をしました。

 本日はありがとうございました。

○堀田委員
 公明党の堀田と申します。

 本日は、大変にわかりやすい御説明をありがとうございました。

 放射線被曝によってみんなが恐れていることは、発がんリスクが高まることでございますけれども、今、本当に現状、不安に思っている方々の不安というのは、結局、発がんリスクが高まることに尽きるかと思います。発がんですけれども、実際にチェルノブイリの事故の際には小児甲状腺がんが増加して、それは放射性ヨウ素によるものであろうということでございました。

 本日、先生からいただいた資料の17ページに、「原爆被ばく後の疾病増加パターン」のページですが、急性にふえたものということで急性リンパ性白血病等がございますけれども、原爆後にふえた急性リンパ性白血病等の発がん率が高まった原因となったと考えられる放射性物質というのは、今わかっているのでしょうか。

○鈴木教授
 原爆被曝の場合は、約90%がガンマ線、10%がニュートロン、中性子線です。内部被曝は余り高く寄与していません。ですから、基本は外部被曝というふうに考えております。

○堀田委員
 ありがとうございます。

 次に、現在、放射性セシウムの問題が取りざたされておりますけれども、ヨウ素につきましては、お子さんの体内のほうにとどまりやすいけれども、セシウムは大人のほうにたまりやすいということでございました。セシウムは、大人、お子さんもそうですが、体のどの部位にたまりやすいという予測はつくのでしょうか。

○鈴木教授
 カリウムの分布でいいますと、細胞内液に高い、細胞外液に低いというふうな分布をします。細胞内液に多いという中で一番多いのは筋肉です。脂肪組織は低いです。それから、肉とか野菜なんかをスライスにして感光板の上にずっと置いておくと、ちゃんと写真が撮れるんです。放射性カリウムの映像が見えるんです。それと同じようにセシウムも分布します。

 ですから、基本的には筋肉に多くて脂肪に少ない。神経組織なんかも細胞ですので、カリウムは一様に分布します。そういう状態で、特にどこに多いというふうなことはないです。細胞の中にくまなく分布しますが、細胞の中の細胞内液の量が少ない脂肪組織は低くて、それ以外は高い。筋肉に多いというように思ってください。

○堀田委員
 ありがとうございます。

 最後に1つお伺いしたいのですが、これまで発がんリスクを高めるものといいますと、やはりすぐに思い浮かんだのが、たばこの害なんですけれども、たばこと放射線被曝と比較して、発がんリスクについて簡単にまとめていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○鈴木教授
 資料には肥満の場合、がんリスクが1.2倍とかと書いていますね。たばこは相対リスクが日本人は4.6倍ぐらいです。うちの外来でも禁煙外来をやっておりますので、ぜひやめたいという方はかかってみてください。

 ですから、今、肥満の場合、がんリスクが1.2倍というふうな計算をしましたね。5ミリシーベルトが、さっき1.005倍、100ミリシーベルトが、子供でいうと、倍数でやると問題なので、もし10歳の男の子がたばこを吸い出したとしますね。そうすると、4.5倍の30%掛けるんですよ。そうすると43.5%にふえる。たばこを1パックずつ吸いますと、30%が13.5%ふえる。それに対して肥満が、先ほど30%が36%になると言いましたね。5ミリシーベルトは、30%が30.005%になるというくらいのスケールの差があります。

○堀田委員
 御回答いただき、ありがとうございました。

 発がんのリスクというのは、自然にも被曝しているということで、日ごろからゼロではないんですけれども、そのリスクというものをしっかりと認識した上で、正しい理解をした上で、これからもそれを皆様に伝えていきたいと思います。

 大変にありがとうございました。

○青木委員
 みんなの党の青木かのと申します。

 先生のすごく客観的でわかりやすい御説明、どうもありがとうございました。

 鈴木先生のドクターとしての御意見をぜひきょうは伺いたいと思います。国際的な指標につきまして、先生からEUの指標については言及があったんですけれども……。

○鈴木教授
 ECです。当時、ECです。

○青木委員
 ごめんなさい、ECですね。先生からECの指標について言及がありましたけれども、もう1個、国際的という意味で、国連とWHOが出しているCODEXというものがあります。

 こちらのCODEXでは、放射線セシウムについては1キロ当たり1,000ベクレルに対し、日本では500ベクレルという大変厳しい数値が当てられております。ただし、放射性ヨウ素につきましては、CODEXで100ベクレルに対し、例えば魚介類が2,000ベクレルですとか、乳製品は300ベクレル、野菜類についても2,000ベクレルと大変緩くなっているんですけれども、この辺はなぜなんでしょうか。

○鈴木教授
 それはなぜかというと、政策ですから、それぞれどのレベルで決めるかというのは、それぞれの国の自由なんです。日本はかなり安全側に振っているという話だと思うんです。例えば、変な話、海水浴場の水のセシウム汚染のレベルを環境省は飲料水よりも厳しく設定しましたよね。あれは科学ではないですね。科学的に正しいかどうかではなくて、政策的に決めているんだろうと思っています。

 研究者として、どっちが正しいと思うかと言われると、そこまで厳しくする必要はなかったのではないかというふうな議論も可能は可能なんですが、そういう答え方でよろしいでしょうか。何が絶対正しいというのは、ないんですよ。あくまで、それはそれぞれ生産者にとって、あるいは消費者にとって、どこでリスクのバランスをとるかという政治判断だろうと思います。

 それがヨーロッパと日本で違ってくるというのは、日本のほうが非常に放射線に対する国民の恐怖心というのが高い、原爆被曝の国ですし、第五福竜丸もJCOも経験しているわけです。そういうふうなことがあって少し勘案しているのかなというふうに私は思っていますけれども、CODEXのほうが危ない値だとかと言うつもりはないです。あれも十分安全なレベルです。

○青木委員
 どうもありがとうございます。

 もう1点お聞かせください。

 7月20日現在の諸外国の規制措置というもので、日本でこれだけ厳しい流通に対しても措置をとっておりますし、安全面で対策がとられているんですけれども、例えば国によって個別のいろいろな対応があるんですけれども、韓国、台湾、シンガポール、香港などは生産地、東京も含めて、作物によっては全面輸入禁止という措置をとっているところもあります。先ほど政策というお話がありましたけれども、政策といっても、やはり各国のドクターの皆さんの意見が基礎になっていると思いますので、先生、ドクターとしての海外の輸入規制というものについての御意見をお聞かせください。

○鈴木教授
 まず、実態をちゃんと知らせるということが必要なんだと思います。

 例えば先日、ウィーンで国連の会合がありまして、その場でそれぞれの国の、例えばシンガポールとか韓国とか中国とかの関係者と話しました。彼らも専門家ですので、実際の今の汚染状況とか、それから今の食品の汚染状況というものをちゃんと説明していくと、みんな理解はします。ですから、一番は、今、日本の農産物あるいは工業製品の汚染レベルがどのくらいかというふうな情報、そして、それを現地の放射線に関する専門家がどう評価してくれるか、そういうふうな国と国の間の相互のコミュニケーションというのが重要なんだと思います。今は単に感情的に、ともかく危なさそうだから輸入は禁止しましょうというようなレベルでの対応になっているのであって、決して中身を見て対応しているのではないんだろうと思っています。まずは、国として情報開示、それからリスクコミュニケーションなんですが、それを外国に対してもやるべきなんだろうと思っています。

○青木委員
 ありがとうございました。

 きょうのキーワードは、リスクの認知と受容ということでお話しいただきました。また、その状況を知った上で、判断をするのは個人であるという御意見もいただきました。

 きょうはどうもありがとうございました。

○奥村委員
 まず、今の安全基準についてですが、先ほど先生からお話もありましたように、すべての基準は広島、長崎の原爆の被爆者のデータに基づいてつくられているものだということがありまして、専門家からも、今回のような低い低線量の放射線物質による汚染と、一瞬で強い放射線を発した原爆の基準、それを当てはめてよいのかどうかという声も上がっていますが、その点についてどう思われるかということ。

 そして、次に、高濃度汚染水の海水への流出についてですが、魚だけでなく、貝類や海草など魚介類全般についての長期にわたる影響についてはどう思われるかということ。

 そして、放射能ゼロの食材を子供に与えるためには、どうすればいいと先生は思われるかということを聞きたいと思います。

 そして、セシウムが幾つだとか、そういう詳細な数値のデータではなくて、放射能に汚染されているかいないかということがわかる測定器もあると思いますが、測定器には幾つか種類がありますが、そういった測定器を使えば、放射能に汚染されているかいないか、あるなし、そういったことを知るということはできると思いますが、いかがでしょうか。

○鈴木教授
 1つがセシウムなんかによる遷延被曝と、それから原爆被曝のような急性被曝でリスクがそのまま使えるかどうかという質問です。

 それは、私の講演の中でも言いました。急性被曝のほうがリスクは高いです。遷延被曝するに従って、リスクは小さくなります。小さくなってくるなり方が、大体今までの疫学データだと1回10ミリシーベルトぐらいまでは間違いなくそのまま低くなるというふうに仮定していて、そんなに間違いではない。

 それがもっと、例えば1日1ミリシーベルトあるいは1日さらにその10分の1、100分の1という、今問題にしているようなレベルになってきた場合にリスクがあるのかないのかという議論になってくると、関係者の、科学者の間で統一見解がなくなります。なくなってきて、絶対ゼロになる、しきい値があるというふうな意見を言う人と、むしろ低線量は体にいいんだ、逆にがんを予防するんだというふうな極論を言うグループもありますし、私なんかはそのまま下がっていって、さらにそれがぐっと下がっていって、どこかでゼロに近くなるんじゃないかというふうな考え方を持っています。それは、先ほど素線量という概念を紹介した中で言ったことなんです。ですから、いろいろな意見が分かれているということは、とりあえず認めまして、でも、皆さん共通なのは、急性被曝よりは小さくなるということだけは確かなんです。低線量のほうがリスクがとんでもなく高くなるというふうなことを言っている人は、まず普通の科学者の中にはおりません。

 そうしますと、きょう私が話した中で、原爆被曝のリスク係数を使っていくと、それは一番評価としては高い評価になっている。まず、そこで見ているリスクの大きさがこのぐらいだよというのを伝えることが重要だということだと思います。その後、いろいろ研究者によって意見が違っているというのは、私に言わせれば目くそ耳くその差ですよ。非常に小さいところの差を厳密にゼロなのかゼロじゃないのかというのをきわめようとすると、これはきわめようがない。それが最初のことです。

 次に海洋汚染。海洋汚染は、実は私も今後一番問題になってくる1つだろうと思っています。

 なぜかというと、ヨウ素とかセシウムはそんなに問題にはならないと思っています。ヨウ素に関しては、ほとんど甲状腺に蓄積するんですが、半減期が短いので、どんどん減っていってしまっていて、食物連鎖があるといっても、もう無視して構わないと思っています。セシウムに関しては、どんどん排せつされていきますので、回遊魚であれば、一遍取り込んだセシウムというのは抜けていきます。ですから、余り魚の場合も蓄積性というものを心配する必要はない。

 私はストロンチウムを一番心配しています。ストロンチウムというのは、カルシウムと同じような形で骨に沈着する傾向があります。チェルノブイリ事故の場合はストロンチウムとセシウムの放出比というのは、ストロンチウム1に対してセシウムが10ぐらいなんです。そのぐらいだったんですが、今回、空中への放出でいうと、今までの測定値からいうと1対1,000ぐらい。ですから、空中にストロンチウムというのは余り放出されていません。ですから、陸上の食物からのストロンチウム汚染というのは余り心配していません。

 一方、高濃度汚染水を海に流していますが、高濃度汚染水にはストロンチウムが十分量入っています。そのストロンチウムが、今後、動物性のプランクトンに入っていき、それを食べるような貝類とか、あるいは小さい魚、そういうものに入り、エビに入り、人間が要するに骨ごと全部、殻ごと食べるような小さい海産物に関しては、ストロンチウムの汚染というのは今後十分注意して見ていかないといけない。もっと大きい魚になると、ストロンチウムは骨にしかないですから、切り身を食べる、刺身を食べるという意味では、余り心配はしなくていいのかなと。

 ただ、今のところ、ストロンチウムの海洋汚染というふうなデータがそんなに多くないんですよ。ですから、日本で今後、十分そこは見ていく必要があるんだろうというふうに思っています。これはデータが今ないので、私、少し強く言っていますが、少なくともここ1年ぐらいの間、ストロンチウムの海洋産物への汚染というものはきっちり見ていって、傾向を調べる必要があると思っています。

 3番目、給食食材放射性物質ゼロを目指す。これは私は目指さないほうがいいだろうと。それは、ゼロを目指すというふうな科学的な理由がないからです。もともと放射性のカリウムはいっぱい食材に含まれていまして、それよりもさらに低い量でないといけないみたいな議論は、科学的根拠はどこにもないです。まずは、私たちは放射性物質を日常的に食べている状態で人間は進化してきていますし、現在もそういう生活をしているんだということを理解してもらうという必要がある。その上で、例えば今の規制レベル、そのまま食品が流れたとして、具体的に年間5ミリシーベルトになるかどうかというのは、一番最大限で言っているわけです。

 昔の私の同僚、山口一郎先生は、平均的な日本の食事で今の汚染状況でいうと、実際の摂取レベルはもっと低いだろうというようなシミュレーションをたしか出していたように思いますが、それがどのくらいだったか、1.何ミリシーベルトぐらいというようなシミュレーションだったかもしれません。ですから、実際は、今の規制レベルでやっていっても、年間5ミリシーベルトには絶対ならないだろうと思っています。そうしますと、先ほど一番最後の表でリスクの認知と受容のところで書いた、あれよりもさらに低いリスクだということになるんです。

 ですから、私自身はゼロを目指すべきではない、むしろそうやって不安をかき立てるほうが、いろいろノイローゼをふやすとか余り健康的ではない行動に走るみたいな、放射線を恐れる余り間違った健康行動を起こすきっかけにもなりかねないと思っていますので、なるべくゼロリスクを目指さないで正しい放射線リスクの理解を進めるということをやってほしいと思います。

 それから、最後は測定方法です。測定機器は、いっぱいあります。実際に、測定はできます。問題なのは、放射性物質というのは、1ベクレルでも、非常に低バックグラウンドではかればはかれるんです。感度がよ過ぎて実際はかれてしまうと、それの意味づけができなくなってしまう。今、この間、週刊誌なんかで私の家の近くで高いスポットがありますよと一生懸命やっているのは、まず測定方法を間違ってやっているというようなこと、あるいはその意味づけが十分できないで、ただ騒いでいるというふうに見えます。それから、測定はあくまで専門家がやるべきであって、素人さんが測定器を使ってメーターが動いたというので一喜一憂するというのは、余り正しいことだとは思いません。測定値は必ず正しい意味づけがあって初めて情報になるのであって、そういう意味づけのない測定値の情報というのは、単に混乱を起こすだけと思っています。

 よろしいでしょうか。

○奥村委員
 ありがとうございました。

○渡部(博)委員
 渡部です。

 何点かお伺いしたいんですが、端的に、まずお伺いしたいんですが、ラドンというのはどういった形のものなのかということと、先ほども鈴木先生が言われていた放射線ストロンチウムがまだ規定をされていないということについては、どうしてかということと。

 あと、もう一つ、先ほど先生が言われていた中で、食物の関係で、流通システムというんですか、こういう状況のときのシステムが完璧ではないというところを言われておりましたけれども、そういったところに対する配慮というか、考え方というのをお知らせいただければと思います。よろしくお願いします。

○鈴木教授
 ラドンというのは、ラドンガス、専門的に言うと、ラドンの222というのとラドンの220という2つあるんです。

 どういうものかというと、例えばラジウムなんかからアルファ崩壊しながら出てくるような物質、あるいはトリウムというものがアルファ崩壊しながら出てくる途中段階の放射性物質です。ラドンというのは、不活性化ガスなんです。アルゴンとかキセノンとか、ああいうものと同じ仲間なんです。実際は岩の中とかで発生するんですけれども、不活性化ガスなので、ガスとしてそのまま地中から外に出てきます。建物の中に吸い込まれて、屋内にたまる傾向があります。出てくると、それが空気から体の中に呼吸とともに肺の中に入る、あるいはそれがさらにアルファ崩壊した孫の核種、そういうものが体の中に残ってしまうというふうな特徴があります。ですから、自然界からの放射線被曝の中で一番被曝線量に寄与しやすい、日常生活の中ではラドンというのが考えられます。

 ラドンの被曝が最近問題にされてきたというのは、屋内のラドンレベル、日本は低いんですけれども、私、調査をやりまして、年間、ベクレル数でいうと日本というのは大体15ベクレル/立方メートルぐらいなんです。これに対して、今、WHOが規制レベルに考えているのが100ベクレル/立方メートル、国内のラドンガス濃度がそのくらい。ところが、その100ベクレル/立方メートルというレベルではとても実行できないという国が北欧とか旧ソビエト連邦なんかにあります。そういうところは、300ベクレル/立方メートルでも、とりあえず当面の間はいいでしょうと言っているような国が大勢あります。そういうふうなラドンガスです。

 ラドンガスというのは、アルファ線の被曝になりますので、実際に被曝をしたときの肺がん影響みたいなのは普通のガンマ線なんかよりは20倍強い。実際に何で問題になり出したかというと、ラドンガスを屋内で吸っていても、がんのリスクがふえるというふうな疫学調査データが2000年以降出てきたからです。それまでは、それぞれの国、小さい集団でラドンガスと肺がん、屋内ラドンガスと肺がんというような調査だったんですが、リスクがあるかないかわからなかったのが、2000年代になってから北欧、カナダ、中国、それからヨーロッパ、いろいろな小さい集団を全部プールして、もう一度データを解析し直すというような大規模な疫学再検討がされました。その結果、リスクがあるということがわかってきた。そのために、WHOもICRPも規制に乗り出した、規制値を変え始めたというような背景があります。それが最初です。日本は、幸いにして低いです。

 次に、ストロンチウム、何で日本は規制値を決めてきていなかった、暫定規制値に入ってなかったか、これは原子力安全委員会に聞いてください。私自身、それを検討した時期は専門員として参加しておりません。これから間違いなく入ってくると思います。規制値の対象になってくるかと思います。

 食物の流通システム、例えば今の牛肉の問題でいえば、農林水産省が単に汚染した飼料とか牧草を与えないようにという通達でもって安全が確保できるように、通達主義みたいなところがちょっと見受けられるかと思います。もうちょっと汗をかいて、具体的にどういう飼料が汚染されて、どういう飼料が牛に与えられているか調査していけば、多分麦わらも飼料の中に入ってきただろうと思いますので、その辺、同じ通達主義でもきめ細かくやれば何とかなったのではないかというのが1つあります。

 もう一つは、チェルノブイリ事故の後、旧ソビエト連邦とかヨーロッパは何をやっているかというと、実は肉のスクリーニングではなくて、生乳、生きているうちの牛とか、生きているうちの羊、これを体外測定します。ガンマ線レベルを測定して内部汚染がどのくらいあるかというのを見きわめて、その上で、まだ汚染レベルが高ければ、正常な飼料と環境で、あと2カ月飼育して、それから出荷しましょうと、そういうようなスクリーニングシステムをつくっています。これは、全頭検査なんです。今、政府がやろうとしているのは、肉を全頭分検査しようというんですが、これだと生産者が困ります。汚染されていたら捨てるだけになるんですが、そうではなくて、生きているうちにスクリーニングをかけようと。生きているうちに体内汚染レベルを下げるような、もう一個別な仕組みもとっているんですが、プルシアンブルーといったような除染剤を飲ませるというようなことも実際にやられています。

 ですから、まだ日本の流通のシステムがそういうきめ細かいところまで踏み込んでなくて、まだまだ緊急時の対策だけで進んでいるというところがあるんじゃないかと思っていますので、その辺はこれからどんどん改定しないといけないところだろうと思っています。

○渡部(博)委員
 ありがとうございます。

 ストロンチウム、先ほどもお話があったとおり骨につくということで、大変これからしっかり着目をしていかなきゃいけない部分ではある、今までも本当はしていなきゃいけなかったんですよね。先生たちのレベルから言えばですけれども。

 ラドンというのは、僕がレベルが低いかもしれませんが、温泉のところでラドン温泉とか、ああいうのはそういうレベルなのかなというのがわからなかったんですが、そういうのもわからない部分はあるんですが、食品流通の関係でいえば、そういうやり方をすれば一番リスクは少なくて生産者も消費者もリスクとして少なくなるという意味では、そのとおりだなというふうに思いますし、これから少しずつつくっていくべきことは、そういうところからやっていくべきだなというふうには感じました。

 きょうは本当に勉強になりました。ありがとうございました。

○鈴木教授
 ラドン温泉、追加で言いますと、年に何遍かラドン温泉に浸かるのは全然問題がなくて、ラドン温泉がわいているような、例えば三朝町とか、あそこで居住している人たちにどのくらいのリスクがあるかというのが問題なんです。要するに、生涯何十年にわたってそういう環境のもとに生活する場合のリスクというのが問題になるので、その場合はそこの居住地の建物のつくり方とか、ラドンが入りにくい建造物にするとか、そういうふうなことを配慮していく必要があるということでございます。

○鈴木座長
 よろしいですか。

 質疑が終了いたしました。鈴木先生には、御多忙のところ長時間にわたりまして御説明、御質疑をいただき、まことにありがとうございました。どうもありがとうございました。(拍手)

 ここで休憩といたしますが、午後1時に合同委員会を再開いたしますので、御参集ください。

 暫時休憩いたします。

 御苦労さまでした。

(午前11時53分 休憩)


(午後1時 再開)

○鈴木座長
 午前中に引き続きまして、合同委員会を再開いたします。

 理事者に対する質疑を行います。

 なお、質問の順序及び発言の持ち時間制について申し上げます。午前中と同様に、質問の順番は構成員の多い会派の順といたします。また、各会派の質疑の持ち時間制につきましては、合同委員会閉会後、順次、区民文教委員会及び福祉保健委員会が再開されることを考慮し、午後3時までとして各会派の持ち時間を算出することといたします。ただいまの時刻は、午後1時です。したがいまして、自民党34分、公明党22分、みんなの党18分、日本共産党18分、民主党区民クラブ18分となります。

 それでは、質疑に入りますが、委員からの質問につきましては、各委員の所属委員会の所管事項にかかわらず発言できるものとします。

 それでは、質問者の発言を願います。

○今野委員
 質問に先立ちまして、区民文教委員会、そして福祉保健委員会の正副委員長さんに心から感謝を申し上げたいと思います。大変重要な請願でありまして、午前の合同委員会に引き続きまして、こうして理事者の皆様との質疑の時間もおつくりをいただいたことを改めて感謝をさせていただきます。

 我が自由民主党議員団も、この請願を大変重く受けとめております。単に給食の問題ではなくて、食の、そして特に大切な子供さんたちの内部被曝にかかわる問題として、私ども自由民主党議員団もこの問題について何度も勉強会を重ねてまいりました。そして、保護者の皆様の内部被曝に対する御心配、御不安については、十分に理解をしております。よって、食の安全の責任はどこにあるのか、また学校給食の基本とは何か、そして、何といっても一自治体でできること、できないことの精査を含めて、しっかりと研究・調査をしてまいりました。そして、本日、ここに請願採決の前に当たりまして、理事者の皆様との質疑をしっかりとさせていただき、会派の判断にしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 質問は、具体的に請願事項の1、2、3ということでお伺いをしてまいります。請願事項、具体的な1、2、3については、区立学校を所管する教育委員会、そして保育所を所管いたします福祉保健部の御担当にそれぞれ御答弁をいただければありがたいと思っております。

 まず、請願事項第1、給食食材の産地等情報開示についてでございます。

 この問題については、我が会派は既に実施済みであると理解をいたしております。しかし、請願趣旨をよく読んでみますと、可能な限り早い時間帯での公表を求められております。この事項については、時間帯の早期実施、情報開示というものが具体的に本当に可能なのかどうかをお示しいただきたいと思います。そして、保護者の方に対する早期の情報開示がどのようにメリットとしてあるのか、その辺の認識もあわせてお答えをいただきたいと思っております。

 そして、特に福祉保健部のほうには、この請願要旨にも触れられておりますけれども、24日からは区内保育園で産地情報については毎日午後3時までに掲示するということで発表されて実施をされておるわけですが、そうしますと、これより早い時間帯となれば、例えば保育園に子供さんを送りに来る時間となると、相当な早い時間帯が想定されるわけでありますが、福祉保健部のほうには、あわせてそのことが現実的に可能なのかどうかも含めて御答弁をいただきたいと思います。

○林学務課長
 それでは、私のほうから、学校におけます事前の公表、早期の公表は可能なのかということとメリットにつきましてお答えさせていただきます。

 委員お話しのとおり、現在、教育委員会のホームページで産地公表につきましては行わせていただいているところでございます。小学校の給食の食材につきましては、野菜ですとか乾物など前日に納入されるものと、鮮度が大切な肉ですとか野菜ですとか牛乳、そうしたものにつきましては、当日、学校に搬入をされるという状況でございます。また、中学校につきましては、すべてが当日、食材につきましては搬入をしているという状況がございます。搬入後、給食室におきましても、食材の産地、また品質などを確認して速やかに調理作業に取り組んでいるところでございます。

 よって、産地の把握につきましては、前日に確認できるものと当日に確認できるものと2つがあるかというところでございます。仮に産地の早期の公表ということで事前の公表を行ったとしましても、調理開始直前というのが現実的なところでございまして、そういった場合に、保護者の方にお弁当の御用意など御対応いただくことは、現実的には厳しいものがあるというふうに認識してございます。そのため、事前、現在行っている事後の公表の効果は変わらないものと認識しておりまして、事前に公表するメリットは余りないのではないかというふうに認識しているところでございます。

 以上でございます。

○来島子育て支援課長
 まず、保育園の給食の食材についてでございますが、こちらに関しましては、区内の近隣の商店から給食当日、午前10時までに納品していただくような形をとっております。納品していただいてから調理員が納品時に食材の産地、品質、量など、安全の確認を行うとともに、園長にも食材の産地を確認し、出荷制限地域ではないのかというところを確認して、二重のチェックを行っているところでございます。

 それと、10時に納品ということなので、10時以前に産地の情報を開示するということはなかなか難しゅうございます。それから、10時以降につきましても、10時から12時につきましては、保育がもう始まっているのと、給食の調理の準備ということで大変忙しくやっております。その中でも、なるべく早くやっていきたいんですけれども、やはりそういったことを考えると、午後3時を早めるということはなかなか難しいのかなというふうに思っています。

 それと、保育園の場合は保護者の方が毎日送迎で見えられて保育園にいらっしゃるんですけれども、10時以降ですと保護者のお送りがもう終わっているような時間になってしまうので、そうなってくると、やはりお迎えの時間に間に合うような形というのが現実的なところかというふうに思っております。なるべく努力して早くしていきたいとは思いますけれども、そういった事情ということを御理解いただきたいと思います。

 以上でございます。

○今野委員
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 そうしますと、前日に食材を確保するものもあるけれども、当日というものもあるということですし、また情報開示については最大限の努力をしていただいているけれども、これから可能な限り早めるといっても物理的に難しい面もあるなというのも理解させていただきました。

 次に、請願事項2についてお尋ねをいたします。

 請願事項2につきましては、安全な給食食材の使用と放射性物質の測定ということでございます。この件につきましては、請願要旨に例示されておりますけれども、横浜市では毎日1検体の検査をしているということでございます。中央区が同様の放射能物質の測定を仮にしたとすれば、実際、検査結果が出るのにはどの程度の日数を要するとお考えになっておられるのでしょうか。

 また、横浜市が取り組む毎日1検体の検査は、複数の食材が実際にはあるわけでありますが、そこから1品だけ検査をするということでありますから、どうなのか。また、検査結果の公表が実際に子供さんたちが食べた後に公表ということも聞いておりますので、果たして保護者の方たちにそうした検査をすることによっての意味というか、そうしたものが余りないのではないかと感じる部分もあるわけですが、実際その件については、どのように認識をしておられますでしょうか。

 また、あわせて、同様の趣旨を、またそれ以上のものをしてくれと請願の趣旨にあるわけでありますが、実際、区御当局として放射性物質の測定について取り組まれるお考えがあるのかどうか、端的にお答えをいただきたいと思います。

○林学務課長
 まず、1点目でございます。

 仮に、中央区が食材の測定を行った場合、何日程度というお尋ねでございますが、区で確認させていただいたところ、放射線量の測定のための検査機関につきましては、3日から5日程度というふうにお聞きしているところでございます。

 また、2点目でございますが、横浜市が1品の検査をしているところでございます。食品流通におけます安全性の確保につきましては、基本的に国及び都道府県の責務であると考えておるところでございます。現在、国ですとか都道府県、また区市町村との食品流通の安全性につきましては、連携が図れていない現状におきまして、各区市町村の放射線量測定を実施していくということは、必ずしも合理的ではないものというふうに認識しているところでございます。たとえ横浜市のような1品の測定を実施したとしましても、結果は食品提供後ということになる。そのほか、十数種類ある食材につきましては、どうするのかといった課題もございます。そういった意味からでも、安全性の確保に直結するものではないものというふうに考えております。こうした状況も踏まえまして、区が食材の放射線量の測定を実施するということは考えておりません。

 以上でございます。

○平林福祉保健部長
 今、教育委員会のほうで測定の日数、それから1検体の考え方、それから事後公表についてということで、るる述べたかと思います。これについては、基本的な認識は福祉保健部も同様でございます。したがいまして、福祉保健部においても、今、横浜市のような1検体もしくはそれ以上の検体検査については実施する予定はございません。

○今野委員
 そうしますと、もちろん食の安全についての責任は国であるということ、我が会派も同様の考えをいたしております。そして、検査の結果が出るのに3日から5日ということで、大変時間がかかるんだなという思いもいたしました。実際、食品の安全につながるかどうかということで、区の考えとしては、放射能物質の測定については踏み切る予定はないということで確認をさせていただきます。

 請願事項3であります。

 これは、給食・弁当の選択制の導入についてでございます。この問題につきましては、過日の請願審査の折に我が会派の考えを述べさせていただきましたが、改めてこの問題については、給食を提供する区としては、最大限に安全な食材を提供しているんだと。また、この時期は弁当よりも衛生管理上、給食のほうが安全であるということも我が会派の結論であります。そして、単に食する給食だけの意味ではなくて、教育の一環として給食制度はあるんだという思いもございます。

 そして、何といっても、この導入ということでありませんが、それでもなおかつ御不安をお持ちの保護者の皆様には、学校単位ではありますが、お弁当の持ち込みについては柔軟に現在も対応していただいているということからして、給食制度の根幹を揺るがすような導入を求める請願の趣旨については、願意自体に疑問があるということが我が会派の結論でありますけれども、この問題の趣旨の最後に、給食・弁当の選択制の導入について、教育委員会、そして福祉保健部におかれましては、どのような認識をお持ちかお聞かせをいただきたいと思います。

○新治教育委員会次長
 今、学校給食制度については、委員のほうからるる述べていただいたとおり、皆様方も御存じのとおり、学校給食の始まりは、やはり最初は栄養の補給という面があったでしょうが、食育の推進など、さまざまな観点から、私どもは学校給食を通じて、これも学校教育の一環として、給食を通じてならではこそ学べることを子供たちに指導していきたい、そういう考えで実施しているところでございます。

 この前段としましては、さきの御質疑もしくは午前中の鈴木先生からのいろいろな御講演で皆様方も御理解かとは思いますが、食材に関してはきちんとした暫定規制値を設けて、その規制値を超えたものは市場に出ない、そういうふうな食品の安全を図った上で、それが市場に流通しているんだと。その上で、私どもはその産地をしっかり確認し、衛生的な管理もしっかりしながら学校給食を提供し、学校現場の中で給食を通じて子供たちにさまざまなことを学んでいただこうと、そういうふうに考えているところでございますので、私どもは今後とも学校給食を推進してまいりたいと。

 ただ、それでもなお、保護者の方としても自分のうちの場合には個別の対応をお願いしたいという方については、現実に各学校の中で個別に対応しているところでございますので、私どもとしましては選択制を導入する考えはございません。

○平林福祉保健部長
 基本的な考え方は教育委員会と一緒でございます。ただ、保育園の場合、給食の位置づけというのが、いわゆる保育所を運営する上で保育指針、これは厚生労働大臣の告知によって定められてございます。これは、厚生労働大臣の告知でございますので、法的な意味合いを持ってございます。この中に、食育の推進ということが掲げられてございます。こういった中で、給食というのは食事への理解を深めることや望ましい食習慣など、食育としての活動を行っていかなければならないというふうに掲げられているわけでございます。したがいまして、そもそものお弁当か給食かという選択制自体がなじまないというふうに考えてございます。

 教育委員会でも先ほど教育委員会次長が述べましたように、そうはいっても保護者の方の不安、こういったものにも真摯に対応していく必要があるだろうということで、保育園においても保護者の方の御不安や懸念に対しまして、あらゆる角度で説明をし、御理解を求めているところでございまして、現在のところ、この件に関しましてお弁当を持ってきている方というのはゼロというような状況でございます。

 ちなみに、食材のみならず、保育園の給食に関しての衛生の徹底という意味では、まず御家庭ではあり得ないと思いますけれども、例えば、泥のついた野菜、こういったものを汚染エリアとして区画をし、そこでしっかりと下処理をして、その方たちの手を洗うとき、通常ですと蛇口をひねって洗いますけれども、洗った手がまたその蛇口につかないように足でペダルを踏んで手が汚れないような形で、手を徹底して洗う。それから、汚染エリアで洗ったものを調理するところは、また違う区画で行う。さらに、調理したものをすべて2時間以内に給食に出せるというところ、こういったところも細心の注意を払って行っているというのが現状でございます。

 したがいまして、また繰り返しになりますけれども、お弁当についての選択制制度というのは導入する考えというのはございません。

 以上でございます。

○今野委員
 それぞれありがとうございました。

 そうしますと、過日のやりとりでお聞きをし、小学校においては3人の方が実際にお弁当を持ってこられていると。保育所のほうはゼロということで、わかりました。そういう意味においては、やはり選択制の導入ということについては、私もなじむものではないという理解をいたしますが、それでもやはり御不安の保護者の皆様に対する対応については、過日の請願審査のやりとりでも一部保護者の方がおっしゃっておりましたけれども、言いにくい雰囲気もあるんだというようなところも含めて、善処方の対応をお願いしたいと思っております。

 私、今回の問題の一番の趣旨は、どうやって安全な給食食材の使用をするか、請願事項の2に書かれているところだと思っております。中央区として、今お聞きしても、しっかりと安全な食材の提供に努めていただいていることは十分理解をさせていただきますが、請願審査に当たりまして、最後にお聞きをさせていただきますが、区御当局として、大事な給食食材を調達するに当たっての考え方、そして大事な安全のチェック体制について、これが重要なポイントだと思っておりますので、現在どのような状況になっているのか、それぞれお答えをいただきたいと思います。

○新治教育委員会次長
 学校給食は、小学校と中学校あるわけでございますが、小学校は共同献立、それから食材の一括共同購入というシステムをとっておりますので、それぞれの給食配送所での確認、それから学校現場での再度のチェック、こういうふうな二重、三重のチェックを行っているところでございます。

 それから、中学校は単独校のそれぞれの献立、調理ということになりますので、納品された段階でしっかり食材の注文量、品質、鮮度、賞味期限、産地、ロット番号、表面温度、こういうところもしっかり管理し、それぞれの保存すべきところに別の区画に分けながらきちんと管理をしているところでございます。先ほど福祉保健部長のほうからも保育園におけます調理の万全を期した安全体制についてお話がございましたが、学校現場においても、同じように産地の食材の管理、確認も含めて、その後の調理工程も、しっかりした安全なものが提供できるように私どもは給食調理の職員、また委託先の職員も含めて、その体制の万全を期しているところでございます。

 以上でございます。

○平林福祉保健部長
 給食食材については、基本的には教育委員会と同様の措置で行っております。保育園の場合ですと、調理員、それから園長という形での二重チェック、それから疑問があった場合、本庁への三重チェックというような形で行っているところでございます。さらに、今般のような、例えば牛肉報道、放射線の基準値を超えたものが流出したという報道があった場合、直ちにその日のうちに各園で使用食材についてチェックをし、今現在、中止措置をとってございますけれども、例えば牛肉を豚肉にかえる、鶏肉にかえるというような柔軟対応を即座にとっているところでございます。

 以上でございます。

○今野委員
 教育委員会並びに福祉保健部の給食の食材に対する考え方、また安全体制のチェック体制、つぶさに拝聴させていただきました。請願事項の1から3について具体的にお聞きをしてまいりましたが、ただいまお聞きした内容を十分に考慮し、我が自由民主党議員団としての本請願に対する考えをまとめさせていただきたいと思います。

 皆様、ありがとうございました。質問を終わります。

○墨谷委員
 公明党の墨谷浩一と申します。よろしくお願いいたします。

 先ほど鈴木先生より、放射能対策には時期がある、何が問題になっているかが大切とありました。

 確認ですが、子供たちの安全第一を考えた上で、食の安全・安心対策について、本区として今後の対策についてお聞かせ願いたいと思います。よろしくお願いいたします。

○新治教育委員会次長
 食の安全対策でございますが、これは当然のことでございます。従前から、その衛生管理等につきましては、先ほど来からるる説明させていただいております。今回は、放射能に汚染された食材についてということで厚生労働省のほうから食品衛生法に基づいた通知が出ていて、その通知に基づいて暫定規制値内の食材については市場流通が可能ということで進んでいるわけでございます。当然、暫定規制値というものは暫定なわけですので、当初の報道では8月には暫定ということでなく本来の規制値が出てくるという報道もございました。

 私どもとしましては、国及び都のそれぞれの対応をしっかりとらえながら、速やかに対応すべきところは対応をしていくということで臨んでまいりたいと思っております。今後とも関係各機関が出すそれぞれの情報に注視しながら、学校給食の食の安全を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○墨谷委員
 今後も連携を密に、よろしくお願いいたしたいと思います。

 続きまして、先ほどの鈴木先生より、リスクがどれくらいあるか冷静に考えることが大切であるとありました。また、情報を発信していくことが大切だとありました。区民の皆様はしっかりとした情報提供を要望していると思います。放射能による健康被害や風評被害防止に中央区では本日のような放射能の基礎知識等についての講座など、開催は今後いかがお考えでしょうか。よろしくお願いいたします。

○東海林保健所長
 では、全体のことなので、私のほうからお答えしたいと思います。

 きょう、午前中、鈴木先生の大変わかりやすいお話を聞かせていただきました。私たちも今回の原子力発電所の事故以来、いろいろな情報を提供してまいりました。特に、ホームページを中心としまして出してきまして、当初はいろいろな専門的なところとのリンク等を行ってまいりましたが、どうも私たちもちょっと理解できないようなところもありまして、やはり難しいのではないかということで何度かホームページを改めております。また、きょうお話を聞いた中で、さらにより具体的にわかりやすく、どのような形で説明するかということも、また工夫していきたいと考えております。

 ただ、講演会等でございますが、やはりきょうの話なんかも聞きますと、果たして一堂に会して集まった中で全員の方が必ずしも御理解していただけるかという非常に難しい面もございますので、まずはやはりホームページ等できちんとやる、あるいは保健所の職員とか区の職員が直接いろいろな機会を通じましてお話ししていくのも一つの手かなと考えております。

 以上でございます。

○墨谷委員
 私は、逆に、今回の鈴木先生の話はすごく自分も安心をしたというふうに思いました。ですので、また今後とも御検討をお願いいたしたいと思います。

 また、インターネット環境を持たない方々もいらっしゃると思います。インターネットを見ていますと、消費者庁では食品と放射能のQ&Aなどのようなパンフレットの作成など、またもうできているものを配れるような体制とか、インターネットのない方々に対しての対応について、今後どうお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。お願いいたします。

○東海林保健所長
 前にもお話ししたことがありますが、特に保健所では「放射線と健康」という簡単な冊子をつくったり、あるいは厚生労働省からの小さな冊子を配ったりしております。ただ、これは特に母子保健関係の場で活用しておりますので、これを少し区民全般にわかりやすくした形で、もう少し広めていきたいなと思っております。

 ただ、時々刻々変わるので、やはり余り難しい話とか不要なもの、それからわかりにくいようなものは削っていかなきゃならないと思っていますので、もう少し工夫してまいりたいと思っています。

 以上でございます。

○墨谷委員
 御検討いただけるということで、食の安全・安心のために皆様の御尽力をまた今後ともよろしくお願いいたしたいと思います。

 どうもありがとうございました。以上です。

○青木委員
 みんなの党の青木かのです。

 確認をさせていただきます。

 先ほど、実際に今、お弁当の持ち込みをしているのが保育園ではゼロ、小学校で3名ということで、今、夏休みに入っていますので、1学期最後の数字だと思うんですけれども、この数字の確認と、あとこの3名の子供たちはどういう状況で給食を、あるいはお弁当をとっているのかということをお聞かせください。

○林学務課長
 小学校につきましては、最新の情報でも3名という状況でございます。

 また、それぞれ学校におきまして給食をとっていただく体制もいろいろありまして、少人数の学校では1年生から6年生までが1つのテーブルに着いて食事をとるというような縦割り班というものも実施してございます。そういった学校におきましては、やはりそれぞれの上級生が下級生の好き嫌いですとか後片付け、そういった指導面も含めて給食の場の中で食育ということで活動させていただいているところでございます。その学校につきましては、同じテーブルの中でお弁当を広げて食べているというのは、やはり教育の一環の中で支障を来すというところから、保健室において教員も同席させていただくということで食事をとらさせていただいている場合もあります。あと、大きな学校につきましては、皆さんと同じ教室の中で食べているという話も聞いているところでございます。

 以上です。

○青木委員
 現在、では、大分前向きに変わってきたということで、ほかの子供たちと一緒に教室の中で食べているという対応をしている学校もあるということですね。前回のお答えでは、みんな保健室でとっているということでしたので、みんなと同じように食べられるという状況になっているということはうれしく思います。

 あと、仮定の話になりますけれども、今、夏休み中ですので、今後2学期になってお弁当を持ち込みしたいという希望者がふえる可能性もゼロではありませんので、そのときの対応について、現在と同じような対応を続けていくのかということを最後にお聞かせください。

○林学務課長
 先ほど教育委員会次長からも御答弁させていただいているとおり、学校給食はやはり食育ということで教育の一環というふうに考えているところでございます。そういったことも含めまして、保護者の方からそういう御要望をいただいたときには、現段階におきましても教育の中での学校給食の位置づけ、そういったこともお話をさせていただく中で、学校給食の安全な提供をしている教育委員会としての対策、そういったこともお話をさせていただいているところでございます。

 しかしながら、やはり保護者、また児童の不安が余りにも強いというところで、やむを得ずお弁当の持ち込みをしているというのが、先ほど申したように3名というところでございます。今後ともそうした形で保護者の方と十分話し合って、給食が安全であるということを御理解いただけるように努力していきたいと思っております。

 以上です。

○加藤委員
 日本共産党の加藤博司です。

 今回提出されております請願内容を深める意味で、中央区の姿勢について幾つか御質問させていただきます。

 まず最初に、給食の安全性を問うということでありますけれども、これは食材全体を対象にして考えるべきではないかと私は考えるんですけれども、いかがでしょうか。

○新治教育委員会次長
 当然、給食食材については、この放射能問題以前にもさまざまな問題があったわけです。例えば、牛肉に関して言えばBSEの問題だとか、それから遺伝子組み換え食品の問題だとか、さまざまあったところでございます。それに関しましても、私どもはさまざまな点について、それぞれ安全性を確保する方向で種々対策をとっているところでございます。例えば、先ほど食材の確認の中でロット番号のお話をさせていただきましたが、これは牛肉は使っていないんですけれども、その他のロットで確認できるものについては、それぞれのものがどういうものなのか、それについてしっかり確認して、不適切なものがないようにというようなことで、そのような食材を使わない方向で全体的に管理をしているところでございます。

○加藤委員
 その上に立ちまして、現在も福島原発から放射性核物質が大気中に放出され続けているということも御存じだと思います。また、高濃度汚染水の影響も今後危惧されております。

 福島原発の事故の収束への見通しが全く立たない中で、食の安心・安全への取り組みは少なくとも10年あるいは20年、数十年、数百年の長い期間になると思います。成長期の子供たちを、たとえ低レベルであったといえども、内部被曝から守りたいという保護者の皆さんの思いにこたえることが行政の責任ではないかと思います。給食の食材は低線量の被曝でも、できるだけ避けてゼロを目指す。不検出の食材を目指すというのは、行政の姿勢として大切なことだと思います。福島原発から発生している放射線の影響がゼロの食材を子供たちに食べてもらうために、区はどのようにしようとしているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○新治教育委員会次長
 放射線に関して午前中の先生からのお話にもありましたとおり、自然界由来のものはどうしても我々は、私自身も含めてですが、人類としては食をとる以上は放射性物質をとっているということでございました。

 ただ、今回の事案は福島原発由来の人工的な放射能に関してのお話かと思っております。これに関しましては、午前中の先生のお話のとおり、国において安全な食品の流通を管理していくというのは、やはり国・都道府県のそれぞれ広域自治体の役割でございます。その役割の連携がうまくとれているかというと、正直言ってなかなかとれていないところもございます。ただ、今後国のほうではやはり現在の状況では、今回の汚染された牛肉がスルーした点なんかも踏まえて、さまざま反省をしながら一つ一つ組立直しをしていると私は理解しているところでございますので、今後ともやはりそういうふうな国・都道府県のそれぞれの体制がしっかりでき上がってくる中で、きちんとそれぞれの機関のほうのチェックを受けた安全な食材が市場に流通してくる、こういうことが一番大切かなと考えているところでございます。

 当然、教育委員会としましては、さまざまな産地の情報、これは都道府県、例えば中央区の教育委員会のホームページでも学校給食で使っている食材の産地情報を出しておりますが、その中に各県がそれぞれの自分の県のところで産出している食材についての測定結果もすべて公表しております。そういうものも私どもは注視しながら、安全なものが提供されているという前提の上で、私どもは今後とも給食を進めてまいりたいと考えているところでございます。

○加藤委員
 今、中央区の姿勢についていろいろとお伺いしましたけれども、やはりそれでもなおかつ保護者の皆さんにとっては今の放射能の汚染の問題ということに非常に不安を抱えているというのが実態なわけです。それで、中央区としても、やはりこの問題についてはきちっと情報を発信していく必要があると思うんです。先日、私は委員会の中でも発言させていただきましたけれども、ホームページだけではなく中央区が持っているすべてのメディアを使ってお知らせをするということ、やはりそういう努力も一方では必要なのではないかと思います。そのことをお願いしたいと思います。

 そして、今回、食品の安全性を守るという意味からも、セシウムなどの放射線量の詳細な数値が出なくても、放射線を発しているか発していないか、はかる測定器を使用した調査を中央区としても現場で行うべきではないかと考えるわけですけれども、中央区としては、そういう姿勢に立つのかどうなのかお聞かせいただきたいと思います。

○新治教育委員会次長
 繰り返しの御答弁になってしまって大変申しわけございませんが、少なくとも午前中の話の中でも私も理解を深めたところでございますが、食材に関しては、今回どういうふうな考え方に基づいて暫定規制値を設定したのかという御説明がありました。それも、ヨーロッパに比べてさらに厳しい値ということで設定されたものだという御説明を伺って、私もそういうふうな理解をさらに深めたところでございます。

 こういう数値に基づいて規制されている食材は、基本的に、私どもはこれを摂取していっても大丈夫であるというふうに考えているところでございます。そういうことを前提にしながら、私どもはしっかりした安全・衛生的なものも含めて、子供たちの健やかな成長のために給食を提供していかなきゃいけないと私どもは考えているところでございます。

○加藤委員
 午前中の講義の中にもありましたけれども、リスクの問題というのが言われたわけですよね、0.05%とか。それはあくまでも机の上の数字なんです。子育てをしているお父さん、お母さん、そういう方にとってみれば、これは非常に大変な数字なんです。重い数字なんです。ですから、そういう意味でも、そういう不安を払拭することに中央区としても全力を尽くすべきだと私は思うんです。

 そして、先ほども言いましたけれども、何となく、中央区としては責任ないんだ、国や東京都がやるべきなんだと。汚染の調査に対して、国や都がやるから、中央区は何となくその後を見ているようなニュアンスの発言をしておりますけれども、そうではなくて、やはり積極的にこの問題について中央区がお父さんやお母さんたちの声を聞きながら、東京都や国に対してきちっと申し入れを行うべきだと。そういうことで保護者の皆さんやお父さん、お母さんたちに中央区の姿勢を見せるということも非常に大事なことなんです。そういうことを中央区として今後やっていくのかどうなのか、その点についてお伺いしたいと思います。

○齊藤教育長
 まず、保護者の不安の払拭というのは非常に大事なことだと思っておりまして、区も教育委員会もそれについてはできる限り取り組んでいきたいというふうに思っております。食の安全につきましては、今回の福島原発の被害者でもあります生産農家等を含めて、生産地のほうで現在、必死に、頻繁にモニタリング等を行いながら、食の安全性について全国に発信をしていただいているところでございます。その辺の情報については、教育委員会のほうでもきちっと押さえながら見ておりますし、また新たな、言い方は失礼ですが、穴があいているようなところがあれば、すぐふさぐような形で対応はしていきたいと思っておりますけれども、そういう意味で、区独自に教育委員会として食材の放射能測定等をしようということについては考えていないところでございます。

 また、国や東京都への申し入れということでございますが、この辺は議会の皆様も思いを同じくするところだと思いますので、よく議会のほうと御連絡あるいは意見交換をさせていただきながら、必要な取り組みをしていきたいというふうに思います。

 以上でございます。

○加藤委員
 今、教育長のほうからお話がありましたけれども、ぜひこの問題については、私どもも別に中央区だけを責めているのではなくて、この問題については、やはり中央区民12万の大きな期待がかかっていると思いますので、全力を挙げて私どもとしても協力をし、取り組んでいきたいと考えております。

 そして、最後になりますけれども、先ほどの前の委員の方と重なる部分でありますけれども、弁当の持参については、もう一度確認しますけれども、柔軟に対応いたしますということでよろしいわけですね、弁当の持参については。その点だけ確認させていただきます。

○新治教育委員会次長
 私どもは、るるもう何回も御答弁申し上げて大変申しわけないんですが、給食は安全なものを提供できていると考えているところでございます。さらに、給食を通じての食育、学校教育というものを展開していきたい、これを子供たちの未来につなげていきたいという思いで教育をしているわけでございますので、そういうふうな状況を十分説明させていただきたい、御理解いただきたいということで私どもの姿勢は変わらないところでございます。

 ただ、御理解がなかなか得られない場合には、個々に学校の中で状況に応じて対応していくという方針でございます。

○加藤委員
 個々において現場でその対応をするというお話のように聞こえるんですけれども、それでよろしいですか。

○新治教育委員会次長
 繰り返しになりますが、そのように学校の中で十分御説明した上で個々に学校の中で対応していくということでございます。

○加藤委員
 その問題について、この間も委員会でも論議されているかと思うんですけれども、やはりそれぞれの現場で対応にばらつきがあるということは非常に問題があると思うんです。やはりそこは教育委員会が責任を持って、きちんと指針なり方向性を出していただいて、できるだけ現場の先生方に負担がかからないような形で指導をしていく必要があるのではないかと思うんですけれども、いかがですか。

○新治教育委員会次長
 このような問題に関しましては、学校との連絡、相談をする、協議をする場としましては、校長先生、園長先生方が集まる校園長会という場を毎月1回必ず設けております。教育委員会のほうからも十分に学校給食の考え方、それから進め方、それから学校現場からの逆の御意見など、さまざま御意見を伺う場でもございます。その中におきましても、学校現場からもやはり食育の重要性等のお話もございました。私どもとしましては、そういうふうな、学校も十分そういうふうな重要性を理解した上で個々に対応していくんだと。粛々と教育を進めていくという言葉を承っているところでございますので、私どもも学校がしっかり取り組んでいく、その姿勢を後押ししてまいりたいと思っております。

○加藤委員
 そのことについては、教育委員会としても、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。

 最後になりますけれども、やはり中央区が今、この委員会でもありますようにお父さん、お母さん方が抱えている不安に対して積極的にその不安を解消するために、見える形で取り組みを行う、このことが今一番求められていると思います。それは情報の提供であると同時に、また実際に食材を調査することも必要なことだと思います。そういうことを引き続き行政としても努力していただくことを要望いたしまして、私の発言を終わります。

○渡部(恵)委員
 幾つか質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

 既に、前委員からの御質問が幾つかございましたように、私も給食の情報開示までの一連の流れについて教えていただきたかったですし、また今、御回答があったように、速やかに、でき得る限りの中で情報開示されているということも承りました。そして、区民の方へ区として最大限の努力をして情報開示しているということも理解できました。どうもありがとうございます。

 その上で、1つ繰り返しの質問になってしまうかもしれませんが、その点は御容赦ください。

 原子力災害対策特別措置法に基づく食品に関する出荷制限等が厚生労働省からも情報として出されておりますが、このような出荷制限がかかったものというものはあらかじめ御判断なさった上で保育園の献立等をお考えなのでしょうか。

○来島子育て支援課長
 まず、保育園の献立なんですけれども、これは前月に1カ月まとめてつくるような形になっています。その時点で、例えば厚生労働省のほうから食品安全委員会のほうで出荷制限のかかった食材については使わないような形をとっています。また、献立ができた後で出荷制限というのがわかれば、速やかに除去をしたり交換するような形で対応しているところでございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 どうもありがとうございます。

 それでは、次に、先ほど来、御回答として、保育園で現在お弁当を持っていらっしゃっているお子さんたちがゼロという回答をいただいたんですが、牛乳についてはいかがでしょうか。

○来島子育て支援課長
 牛乳については、現在19名の方が除去というような形で対応しております。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 ありがとうございます。

 保育園におきましては、やはり牛乳を飲むことを不安に思っていらっしゃる御父兄もいらっしゃるということを事前にお伺いしていたので、お弁当も含めまして、牛乳に対しても個別具体的な御対応をいただいていることがよくわかりました。どうもありがとうございます。

 そして、次に、食品を購入する際の現在気をつけていることについてお伺いしたかったんですが、それにつきましても、前委員の御質問にありましたので、私は、先ほどの鈴木先生のお話を伺った上で、1つこれからお気をつけいただきたいといいますか、要望にもなってしまうかもしれませんが、海洋汚染がこれから問題になってくるというお話がございました。特に、骨に沈着するストロンチウムを一番心配するというお話がございました。やはりだしをとるにも、魚のだしをとったり、そのようなことでこれから御不安になる御父兄の方たちも大勢出てくると思うので、これは国が最初に決めることかもしれませんが、このあたりのことも給食の提供に当たっては気をつけて、前倒しで対応をとっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 以上です。

○渡部(博)委員
 いろいろ前委員の方々から言われていた情報公開の関係も含めてなんですけれども、要望されておりましたが、区として努力できることを今一生懸命やっているよと言っているんですけれども、しかし、もうちょっと努力できるんじゃないかなというところがあるんですよ。だって、前の日の分がわかっていたりするわけでしょう。だから、できる限りのことをしてくださいと言っていることは、そういうことも含めてやってくれることが本当は大切なことなんじゃないの。違うの。その辺のところはどうお考えですか。お知らせください。

○林学務課長
 食材は、先ほども御答弁させていただいたとおり、前日に納品されるものと、そして当日に納品されるものとございます。委員今お話のあったとおり、前日のものについての開示ということは可能であるかというふうに認識してございます。

○来島子育て支援課長
 保育所の場合は当日納品というような形なんですけれども、こちらにつきましても、先ほども申し上げたようにできるだけの努力はしていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○渡部(博)委員
 だから、区民の皆さんで小さいお子さんをお持ちの人たちというのは、やはり不安に思っていることを少しでも解消してあげるという努力を、区ができることの努力をしていってあげるということが重要なんだと思うんですよ。国がやらなきゃいけないことだとか東京都がやらなきゃいけないことというのは、しっかりそっちの場でやってもらわなきゃいけないことは確かです。しかし、区ができることに関しては、区が積極的に、横浜市みたいに1つの品目だけ出すということについては、これは3日から5日かかるということであれば、それは事後になってしまいますので、そういうことよりも、しっかりした食材を提供するということで、事前に公表しながらしっかり対応していくということが必要なんだと、だから努力をしてくださいということなんです。そうしないと、何も解決しないでしょう。今までやってきたこと以上のことをしないといけないわけですから、できる限りのことを早目にやっていただきたいということをお願いしておきます。

 それと、給食の関係については、今、小学校で3人、中止を受けているということで先ほどもお話がありましたけれども、食育という関係も含めて、いろいろなことも含めて、夏休み中ですけれども、給食をつくっている場所を確認してもらう意味でも、一度父兄さんたちに見てもらうということはどうなんですかね。そういうことはできないんですか。給食をつくる場所を見てもらう。どんなに安全管理をしているのかということも含めて見てもらうということは可能なんですか。どうなんですかね。

○林学務課長
 保護者の方への、今回の放射能ということでの御不安ということではなく、これまでの小学校におきます取り組みにおきましても、親子クッキングですとか、食育ということで保護者の方々に学校にお越しいただき、給食を食べていただいたり、さまざまな取り組みをしているところでございます。衛生管理上の問題もございますので、調理の過程の中にそういった形で保護者の方々がお越しになられるということは課題があるかというふうに認識してございますが、やり方によってはそういう形での見学というのはできるものかと思います。

○来島子育て支援課長
 保育所の調理室も、基本的には入れないんですけれども、子供さんが見れるようなガラス越しから見ることも可能なので、いろいろな手法をとって保護者の方の安心ということについて考えていきたいというふうに思っています。

 以上です。

○渡部(博)委員
 ですから、一つの例としてそういうことも言いましたけれども、そういう一つ一つの積み重ねが、子育てをしている御父兄の方々に対して少しでも安心感を持っていただくということであれば、そういう努力をしていくということが必要なんじゃないのかなと思うんです。それが毎回毎回できるか、今、小学校、中学校が夏休みの時期ですから、そういう時期も含めて対応できる部分があるのではないのかなと。保育園はずっとやっていますから、それはなかなか難しい。だから、そういう対応をしていただければいい部分というのはあるかと思いますけれども、全体的に区として何ができるのか、どういうことをしていけば御父兄の皆さんに安心感を持っていただけるのかということをいま一度考えてもらって対応していただきたいなというふうに思います。その辺は、努力を一生懸命していただかない限り、御父兄の方々もなかなか納得いかない部分というのが出てくるのは確かですから、そういったところも含めて最善の努力をしていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 要望して終わります。

○鈴木座長
 質疑は終了いたしました。

 これにて合同委員会を閉会といたします。

 なお、午後2時40分に区民文教委員会を再開し、その後、福祉保健委員会を再開いたします。

 御苦労さまでございました。

(午後1時59分 閉会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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