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平成23年 予算特別委員会(第7日 3月10日)

1.開会日時

平成23年3月10日(木)

午前10時30分 開会

午後4時32分 散会

2.開会場所

第一委員会室

3.出席者

(18人)

委員長 矢吹 和重

副委員長 青木 幸子

委員 神林 烈

委員 今野 弘美

委員 原田 賢一

委員 鷲頭 隆史

委員 増渕 一孝

委員 礒野 忠

委員 田畑 五十二

委員 植原 恭子

委員 中島 賢治

委員 鞠子 勝彦

委員 小栗 智恵子

委員 小坂 和輝

委員 渡部 博年

委員 二瓶 文隆

議長 中嶋 ひろあき

副議長 石田 英朗

4.説明者

別紙理事者一覧のとおり

5.議会局職員

奥田議会局長

渡辺庶務係長

横山議事係長

金田調査係長

岡野書記

村上書記

長田書記

武藤書記

6.議題

  • (1)議案第1号 平成23年度中央区一般会計予算
  • (2)議案第2号 平成23年度中央区国民健康保険事業会計予算
  • (3)議案第3号 平成23年度中央区介護保険事業会計予算
  • (4)議案第4号 平成23年度中央区後期高齢者医療会計予算

(午前10時30分 開会)

○矢吹委員長
 おはようございます。ただいまより、本日の委員会を開会いたします。

 第6款「土木建築費」について、質問者の発言を願います。

○小坂委員
 おはようございます。では、よろしくお願い申し上げます。

 この款はとても重要だと私は認識しております。これが本当に重要なんです。なぜかというと、人が健康になるためには、まず、まちが健康でなくてはなりません。私はそう思っており、ここの款に大変力を入れて取り組ませていただいておりました。よろしくお願いします。

 まずは、築地市場の移転の問題から取り上げさせていただきます。

 これは、議会費におきまして、我々区議会は、築地市場の現在地での再整備を求める意見書、これを平成11年9月に都知事に出しておりますけれども、これは今でも生きており、これを尊重し、これを求めているということでありました。

 区長が築地を守るというところまでは確認させていただいているところでございますが、それが築地市場を守ることなのかどうか、これは、本会議で他会派も疑問を持つ方々がいらっしゃいました。築地を守ること、それは当然、区議会議員だから築地を守るのは当たり前のことですし、行政もそうです。それはそうなんですけれども、本当に築地市場を守るという、その強い意思を区長は持たれているのかどうかが、どうも伝わってきませんでした。これは大変重要なことかと思います。築地を守るためには、まずは築地市場を守らなくてはならないと私は考えておりますし、少なくとも市場機能、スーパーマーケットとかいう、そういう物販の機能だけではなくて、市場という、地方でもよいし、中央卸売市場でもいいんですけれども、その市場の機能は絶対に守らなくてはならないと。そういう点からすると、市場機能は必ず守っていくということであれば、築地を守る、かつ築地市場も守るということにつながると思うんです。

 だから、ここで区長に、築地市場を守るということを断言していただきたいんです。築地を守るというのはわかりました。それに、万が一の場合に築地を守らなくてはならないという手法は、総務費のときに御説明を多々御本人からいただきました。であれば、万が一のところはもうわかりましたので、そこの部分の御説明は要らないんですけれども、築地市場を守るかどうか、その意思を確認させていただきたく思います。

 万が一のところの話は構いませんので、いかがですか。

○矢田区長
 築地市場の問題、もう何十遍、何百回となく答弁させていただいてきたわけでございますが、真意が伝わっていないということをまことに残念に思うわけであります。

 築地を守る、これはずっと就任以来述べているところでございまして、現在地で築地市場が再整備されるのなら、それにこしたことはないのであります。しかしながら、あの23ヘクタールの土地、これは東京都の土地であり、また、場内市場につきましては、東京都が事業主であるということで、我々の権限が及ばないわけであります。

 したがいまして、今、都議会でいろいろと論議されているわけでありますから、これをしっかりと見きわめて対応したい。つまり、現在地で行うということが都議会で決定されれば、これはこれにこしたことはないわけですから、それに従っていこうではないか、それに協力していこうではないかということであります。

 また、移転であるということが明確になったと、その場合には、場内市場は移転されるわけであります。しかしながら場外市場、これは民有地に場外の皆様方が、個々人の事業主が事業をされているわけでございますし、また、そうした人たちを応援しようということで、これまでも駐車場を整備したり、仮店舗を整備して御利用いただいたり、活用願ったり、イベントを行ったりしてきたわけであります。

 そうした、にぎわいがどんどん向上している、そういう地域、また観光客も、もう外国の観光客がどんどん来ている、そういう地域でもあるわけですから、これをそのまま何もしないということではなくて、そういう人たちのために応援にも寄与でき、そして、これまで培ってきた文化・伝統、そしてにぎわい、そういうものが今日に来ているわけですから、それを私たちが引き継いでいく、そして、さらに磨きをかけ、発展させていかなければならないわけであります。そこで東京都としっかりと話し合って、鮮魚マーケットなり、にぎわい広場というものをつくって、そして、一大観光拠点、また食文化の拠点、東京の新たな名所といいますか、新たなというか、これまで以上の名所にしてまいりたいということで、これは本区だけで行うのではなくて、やっぱり東京都との協力関係、話し合いということも当然重要であろうと、こういうふうに思い、そういうときには、一緒にすばらしいものをつくっていこうと、こういうことであります。

○小坂委員
 御答弁、ありがとうございました。

 私は、その御答弁は大変残念です。都の決定を見てから、それで現在地再整備と都議会が言えばそれでもよし、そうでなければそれをどうするか、まずは都の決定を待ってからという、その行動、これではいけないと思います。

 私たち区議会や区役所が能動的に区民や場外市場の皆様の声を反映して、その声は、恐らくほぼ現在地再整備の声でありますから、その声を反映してどう動くかであって、都がどう考えるかの結論を出したからこうというふうなことであってはならない。現在地再整備をいかに目指していくかということを考え、実際に行動していかなくてはならないと思っております。どのように行動していくべきかは、総務費のところでもお伝えさせていただいたところであります。

 引き続き質問に入っていきますけれども、まず、昨年度の都議会に中央卸売市場会計予算に付する附帯決議というものが出されております。御存じのように、その1は、議会の意思を尊重するということ、2が、無害化した場所で開場するということ、また、3は、市場事業者の置かれている立場、状況を聴取し合意形成をするということ、これらの附帯決議を都は十分に遵守したというふうに区は認識していらっしゃいますかどうか、それをお答えください。

 それと、もう一つ、私は、先ほど言いましたが、ほぼ区議会がまず現在地再整備を求める意見書を100%我々の総意と認めている以上、恐らくそうであると結論しますけれども、中央区民や場外市場の皆様が現在地再整備を求めているということに関しては、どれほどの方々がそのように思っているというふうに区は認識しているのか、その区民の認識の度合いをお答えください。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 まず最初に、都議会の平成22年度予算案可決時に付された附帯決議の達成状況ということを区がどういうふうに考えているかということですけれども、基本的には、議会の意思の尊重、土壌汚染の無害化、事業者の置かれている環境の十分な理解というようなことだったかと思いますが、まず、議会の意思の尊重については、まだこれは結論が出ていないというふうに考えてございます。

 また、土壌汚染の無害化につきましては、無害化になったかどうかは、現在の状況ではまだ対策工事がなされておりませんので、今後、確認する必要があると思いますが、ある程度、専門家会議、技術会議といった会議体を通じて一定の科学的知見をもとに、結論が都としては出されたものと認識をしております。もちろん今後その対策の状況を見守るといった対応は必要だと考えてございます。

 また、事業者の置かれている状況について詳しく話を聞いているかというところにつきましては、東京都と仲卸業者、あるいは卸業者との関係でございまして、外から拝見する限りでは、さまざまなサポート体制などをとられて、努力をしつつあられるのかなというふうには思ってございます。ただ、東京都と関係業者との関係でございまして、それが十分になされたかどうかを判断するのは、いずれにしても東京都なり、東京都議会というふうに考えてございます。

 それから、現在地再整備の意向を区の中でどれぐらいの方が望んでおられるかということでございますが、本区は、この問題が平成11年に豊洲移転という方向性が打ち出されたというときから、現在地再整備ということを強く願ってさまざまな活動ということをやってきたわけでございます。その中で、当然、多くの関係者の方及び中央区民の方々が強く現在地再整備を望んでおられるということは十分に承知をしているところでございます。

 一方で新しい築地をつくる会、第2回のときにも発言がございましたように、問題がどんどん長期化をしていく中で現在地再整備にこしたことはないんだけれども、そうではないときの対応というのも準備をしておく必要があるというような御意見もちょうだいをいたしているところでございまして、そういったさまざまな意見があるというところで動いているということでございます。

 以上でございます。

○小坂委員
 附帯決議に関しましては、これは遵守していない、100%遵守していないという回答だったと思います。そういう状況において結論は出せないということであり、これを都は強引に結論づけようとしているというところにおいては、我々区議会も中央区の方も、附帯決議は守られていないというふうなことで理解してよいと思うんです。すなわち、これが守られていないということは、強引な移転を都は進めているということだと思います。

 特に2番目のところなんかは、土壌汚染対策について効果確認実験結果を科学的に検証し、有効性を確認するとともに継続的にオープンな形で検証し、無害化された安全な状態での開場を可能とすることと、継続的にオープンな形で検証するというふうな手段を私たちに都は明らかにしておりません。リスクコミュニケーションをすると言ったのに、専門家会議のときにも、それを設置すべきだ、技術会議のときにも設置すべきだ、そういうことをすべきだというふうに言っているにもかかわらず、リスクコミュニケーションのとり方について何ら明らかにせずに進めてきているわけであり、この1項目だけでも、この附帯決議は守られていないと思います。そのような不十分な状況で、強引に決められたことだからということで移転しようとしていると。附帯決議無視の東京都の動きだと思っております。

 そういう状況において、区民の皆様は、ほとんどが現在地再整備を望んでいるという状況です。そうであれば、それに対応して現在地再整備を目指すために、中央区としてはどのような活動をしてきたかということです。

 今年度、築地市場地区を核とした活気とにぎわいづくりで700万円、来年度も同額を計上しております。では、今年度は現在地再整備を求めるために、どのような活動をされたんでしょうか。また、来年度、現在地再整備を求めるために、どのような活動をする御予定ですか、お答えください。

 それと、総務費との繰り返しになるかもしれませんが、現在地再整備に向けた中央区としての意思が感じられないので、まず前段のような質問をしたわけですけれども、なぜそういうふうに私が感じるかというと、現在地再整備に向けた調査をやはりすべきだと思うんです。それがされていないわけですよね。昔は、築地市場現在地再整備促進基礎調査なるものを平成12年12月にやられたわけですよ。少なくとも現在地再整備を望むというのであれば、区民も望むし区もそれを方針として持つのであれば、基礎調査を行うべきであったのに、それをやらなかった。やらないことの結果として、築地市場の利用者の8割以上は小口の利用者、その取り扱い量は市場全体の二、三割しかないという重要な発言の裏づけをとれないんですよ、区は。

 これは非常に重要なコメントであるし、このような状況であれば、その8割以上の小口の利用者は、豊洲に移転してしまうと大変困るということで、区はどうするかということを考えていかなくてはならないし、その取り扱い量は2割というところであれば、現在地再整備に向けての手法が、区としてどのように支援するかということの方向性が見えてくるわけですよ。ただ、この重要な調査がないがために、この重要な発言の裏づけがとれないという状況なんです。現在地再整備を求めるのであれば、まずはこのような調査をすべきであったのに、それをしなかった。

 また、ほかにも、例えば、築地市場地区を核とした活気とにぎわいづくり委員会というものが、今年度、平成22年度は開催されていませんよね。この大事な時期に、なぜ開催しないんですか。その3は、10月に都へ提出した1,010ヘクタールの鮮魚マーケット構想、もしくは、にぎわい施設と言ってもいいですが、環境建設委員会での審議を区は拒否しているんですよ。私、質問しましたけれども、これは環境建設委員会のマターではありませんということで、公開の場でのこういうふうな審議を拒否されているんです。なぜ、わざわざ拒否しなくちゃならないんですか。このにぎわいづくりの、このマップなり、絵をかいたというところの一つの根拠は、築地市場地区を核とした活気とにぎわいづくり委員会の、これをもとにつくったのであれば、この委員会の報告書は環境建設委員会の所属する所管からつくられたものであり、であれば環境建設委員会で議論できて当然じゃないですか。どうして公開の場での議論を区は逃げるわけですか。

 最後に、現在地再整備の案を私はつくるべきだったと思いますが、もしくは都議会のものに対して、どのように支援できるかということをもっと積極的に考えていくべきだったのに、それらをしなかった。これらの点から、私には現在地再整備に向けた意思が中央区からは感じられないんです。でありますので、実際にどのような予算づけで行動し、今後行動していくか、お願いします。

○矢田区長
 築地の移転問題は、きょうとか、きのうとか、こういう問題じゃないんですよ、これはね。今年度はどうしたとか、昨年度はどうだったとかいうんじゃなくて、これは、1970年代、つまり、もう30年、40年来、現在地か移転かでずっと議論して動いてきた問題でありまして、大井市場ができる際には、大井へ移転するか、ぎりぎりのところまでいったり、それがまた現在地だと言ったり、そして現在地になってからも、今度はまた、いや、移転だというように、本当にもう三、四十年かかって今日に至った、そういう問題でございます。

 その間、私たち、業者の皆様方、関係者の皆様方は、さまざまな行動をし、いろいろと活動してきて今日に至ったわけでありまして、だから、もういいかげんにしてくれという声も、それこそ関係者、地域からも聞こえてくるわけでございまして、まさに政治、行政に振り回されている感がするなというふうに思う方々もおられるのではないかなと、こういうふうに思うわけでありまして、それが、きょう、あしたですか、結論が出ようとしているわけですから、これを私たち、冷静に、少し本当に冷静になって、しっかり見きわめて、そして対処する、そのことが今重要なのではないかと、こういうふうに思います。

○吉田副区長
 本年度、来年度の作業の内容でございますが、本年度については、東支川区域の敷地の活用方策をめぐって具体的に検討させていただいておりますし、それから、御案内かと思いますが、場外地域において小田原橋の落橋等の作業を行わなきゃいけませんので、そういった部分を含めた作業を今年度の作業の中で地元と協議させていただいているわけでございます。

 来年度につきましては、基本的には、この間も御答弁をさせていただきましたが、東京都の結論というものをしっかり見つめながら、それと連動させながら、具体的に我々として何をやるべきかということをきっちり見定めて、実施をしていきたいというふうに思っているところでございます。

 それから、大変誤解があるようでございますが、現在地再整備の絵を区がかくということは現実にはできませんということを私どもは何度も申し上げている。それぞれの当事者が、それぞれの御商売の仕方をしているわけですから、大変複雑な流通の流れの中で市場というものはでき上がっているわけですから、そこにハードの絵を単純にかいて、これが現在地再整備の絵だということを区として示すというようなことは、具体的に現在地再整備の絵はこうだよ、こういう手順だよというようなことはできないわけでございますし、そのことを、実は今年度に、東京都が、都議会と都においてやっているわけです。ですから、区として絵をかいていないのは逃げるとかということではなくて、むしろ、そこの中できっちりと議論すべきだというふうに考えて、我々としては、そういう対応をしてきたと、そういうことでございます。

○小坂委員
 ありがとうございます。

 ただ、区長も言われましたが、30年ほどに及ぶ築地問題の歴史の中でということであり、また政治、行政に振り回された地元があるということでございますけれども、その30年の中の一番の大事な天王山じゃないですか。その大事な時期に、現在地再整備に向けた何らかの行動をすべきだったと私は思うんです。それをされてこなかったということで述べさせていただいております。

 すなわち、副区長がおっしゃいましたように、中の絵がかけなかったとしても、都議会の4つの案、それらに対してどのように区は支援できるかというふうなことで、それらの実現性をより高めるということはできたはずです。それらの御検討をされなかったことを、私は何もできていないと述べさせていただいております。

 次に進みますが、環状2号線の件です。

 環状2号線は、総務費のところで副区長から詳しく御説明をいただきました。あの説明は、恐らく環状2号線の地下化の場合には即築地市場内に入れないというふうな御説明だったと思いますけれども、もともと環状2号線は、トンネル化して築地五丁目の新大橋通りのところで上がってくる予定だったと思います。であれば、そこから上がった後、市場内に車は入ってこられるわけでありますから、地上化というよりも地下化で十分に現在地再整備にも対応でき、現在地再整備の場合の環状2号線の利用もできると考えます。このような考え方と副区長の考え方とちょっと違うのであれば教えていただきたいんですけれども、もともとの計画では新大橋通りのところに上がってくるんですから、そのまま市場に流れればいいわけですよ。

 そのような中、もう一つ、環状2号線の別の重要な視点として環状2号線が地下よりも地上に上がると、それは、やはり大気汚染や騒音が大きな問題になってくるので、地元はそれに対してどのように今、まちの声はあるんでしょうか。

 環状2号線、やはり大気汚染はひどくなる、騒音はうるさくなる、また、上にそのような道路が走っちゃうから暗くなる、我々は、やはりそのように感じるわけですよね。日本橋の上に高速道路がかかっている、あれは地下に戻す、それで地下の環状2号線は上に上げていい、両方とも地下じゃないですか、道理的に考えるのであれば。ということでありますので、地上化に対してのまちの声というのは、どのようなものとして区は認識しているのかということをお答えください。

○吉田副区長
 環状2号線について、例えば委員から御指摘いただきました案に沿いますと、大変申しわけありませんが新大橋通りのところに現実に入ってまいりまして、今の築地の交差点のところで本願寺側の車線に入るわけです。本願寺側の車線に入りまして、市場入り口のところを勝どき橋の前で入ってこないと市場には入れませんよ。大変な物流なんですよ。そこのところを今の築地四丁目の交差点のところと、それから勝どき橋の手前のところで横断するような物流を入れたとして、晴海通りはどうなりますか。我々は、その辺のところは少なくとも技術的な領域で、それは無理だと考えているんです。市場にそういうふうに持っていって回すのは無理だということが、まず1つの結論です。

 それから、もう一つ、逆に委員のお考えに沿って、市場の中で上げられないかということは、技術的にあるわけです。前回お答えしましたように、確かに深く地下20メートルのところから5%勾配で上がってきますと、市場の中では上がり切らないわけです。ですから、市場の中の地下にジャンクションをつくればいいわけです。ジャンクションをつくってぐるぐる回せばいいわけです。いいんですが、それをやりますと現在地再整備の時間はもっと長期化してしまうんです。そういうことに現在地再整備のローリングができるかというところで、技術的な問題から言えば、はっきり申し上げて、市場を残すというような観点からしても地下化と現在地再整備というのは、ある意味で矛盾してしまうところがあるということが、ある種の技術的な判断なんです。そこは十分考えてください。

 その上で、この環状2号線の問題でございますが、環状2号線について区民はどういうふうに受けとめているかと。これは地上化したことについて、委員が御指摘のような御意見もあることは事実でございます。ただし地下道路というのは、ある部分において、これは車社会の車専用道路の発想ですからね、どちらかというと。これから、やはりある意味で、人とそして交通機関とが中心となって道路を使いこなしていかなければならない時代に新しい道路の形として、やっぱり環状2号線というのもあるんだろうというふうに考えておりますので、今、環状2号線についてさまざまな受けとめ方があると思っておりますが、環状2号線が地上化されることによって地域が受けるメリットもあるのではないかということを、それなりに区民も受けとめているというふうに私どもとしては考えております。

○小坂委員
 それぞれの分析、ありがとうございます。

 地下化という話ですが、私は地下でいいと思うんです。車社会の、その道路は地下でいい。それで、晴海通りの交通量もそっちに流して、地下で流して大気汚染は地下にとどめさせて、そして晴海通りは車が減ってというふうなことで、私は車の道路は地下でいいと思っております。築地のことは、また総括でよろしくお願いします。

 次に進めさせていただきます。

 まちづくり関連に入らせていただきます。このテーマは、まちづくりにおける住民の合意形成とか、まちづくりにおける市民の参加とかいう発想から質問させていただいております。そこで、まず個々の具体例に入らせていただきますけれども、いつも述べていますところの朝潮運河です。

 朝潮運河の歩行者専用橋、これは、まず歩行環境をよくするということで検討会が立ち上げられたということで、それが平成21年10月ぐらいに立ち上げられて、その検討会が立ち上がったときに、そこの座長、山田先生は、架橋ありきでは考えない検討会をしたということで、これもお互いの合意でいいと思うんです。

 もし、ここの合意が違っていたらそこから訂正していただきたいんですけれども、架橋ありきの話でその検討会は進めておりません。その検討会で、もし架橋よりもさらによいプランが出た場合は、そちらをとって歩行環境の改善に取り組んだと、そのような流れの中で検討会が始まったばかりのときに、中央区は、平成21年12月3日に詳細設計も含めた委託の契約書を交わしており、その額は6,700万円ばかりの契約を交わしてしまっているんですよ。

 区民の皆様は、その検討会に架橋ありきではないんだということで、総合的に判断していこうということで参加され、それを望んでいた一方で、架橋ありきの話で区は契約を交わしてしまっているということについて私は大変理解のいかないところであります。

 また、それに上塗りするように、平成22年度の4月に出されますところの平成22年度予算の執行及び配当並びに実績報告の事業指定の依命通達についてという副区長からの連名の通達には、土木部のところで、その2、歩行者専用橋の新設を平成22年度実績報告指定事業というふうに定めちゃっていると。

 こういう書き方はよろしくないですよね。その検討結果は6月に出されたわけであり、その検討結果が出される前に、もう歩行者専用橋をつくってくださいというふうに副区長から指令が出ているんですよ。区民や座長は架橋ありきではない検討会をしているのにもかかわらず、架橋ありきで区は進めてしまっていると、そのことを私は述べたいんです。そうではないですか。

 区民は、その意思や崇高な思いで忙しいにもかかわらず検討会にみんな参加して、一生懸命、歩行環境をよくするにはどうしたらいいかということを考えたんですよ。それなのに一方で、区は架橋ありきの話を進めちゃっているんです。そういうことであってはならないと私は思います。これが事例その1です。

 事例その2は、月島三丁目児童遊園のスーパー堤防に関してです。

 これに関しても、平成18年から区民の皆様と区は意見交換をしてきたと。でも区民の皆様は、児童遊園のスーパー堤防ありきで進められたというふうに理解しています。平成18年から会議を持たれるのであれば、その早い段階から月島三丁目児童遊園のところはどのように公園づくりをしたらいいですかというふうなことを意見交換できたはずなんですよ。なのに、もう計画ありきでずっとずっときているわけです。そうじゃないですか。平成18年かどこかの時点で月島三丁目児童遊園のあり方に関して意見を言えば、その意見が取り入れられるような機会はあったわけですか。そういうふうな機会なしに、平成18年のところからそのまま住民の皆様の声を聞かずにスーパー堤防化してきたというふうに私は理解します。そうではないでしょうか。

 事例その3は、勝どき五丁目のプロジェクトですね。170メートル程度の、あの大きな開発であります。

 これに関しても区民の皆様は、平成21年12月3日に計画変更を求める請願書を2,158人の署名とともに矢田区長に提出しております。その中で言われていることは、マンションがふえ、社会インフラの整備が追いついていない状況の中、公有地には病院や保育園、学校など公共性の高い施設などをつくるべきだというふうなことを述べられているわけです。

 そういう声がある中で、また、まちづくり基本条例ができた中で、その声を反映して勝どき五丁目のプロジェクトはどこかよいように変わったんでしょうか。そのまま計画ありきで進んでいませんか。このあたりが具体例として、私は、まちづくりの中で住民合意形成をきちんととれているかというところで大変疑問に思っている状況であります。

 これらに関して区の説明を求めたいと思います。お願いします。

○近江道路課長
 では、まず事例1として取り上げられました、朝潮運河歩行者専用橋について回答いたします。

 まず、架橋ありきの契約をしたということでございますが、コンサルタント会社への発注に当たりましては、検討会が行われているゆえ、検討会の検討内容と整合を図った仕事を進めるようにという条件を付しての発注でございます。また、平成22年4月に指定事業として定めたということでございますが、検討会が始まったのはそれから半年以上後ということでございますので、区の対応としては整合がとれていないということはございません。

 以上でございます。

○石田公園緑地課長
 スーパー堤防絡みについてお答えいたします。

 委員、御指摘のとおり、月島三丁目児童遊園とその隣接する建物計画のスーパー堤防事業において、平成18年から延べ14回、隣接するマンションの理事会等に説明を行っているところでございます。

 また、総合設計制度で現在建設中の建物の事業者がかわった後においては、平成22年6月になりますけれども、現在の計画になってから、それに関しても平成22年6月からことしの3月1日までの間に、反対の方がいらっしゃるマンションの理事会や地元説明会等を延べ8回、管理組合のほうに行きまして説明を行っているところでございます。

 当初、スーパー堤防事業そのもの、総合設計制度の前面の部分についても児童遊園の部分についても、両方について、こちらのマンションの方々はほとんど反対しておったところですけれども、総合設計で建設中の前面のスーパー堤防については、ことしになってから基本的に合意をいただいているところでございます。ということで、中央区の計画ありきで強引に押し切っているということではなくて、このように足を運んで丁寧に、地元の方になるべく合意をとるように努力を現在進めているところでございます。

 スーパー堤防事業自体については、ここで幾つか利点を言ってもあれですけれども、非常にすぐれたものであると中央区でも認識しておりまして、新川公園や石川島公園では、たくさんの皆さんに遊んでいただいたり、憩いの場として利用していただいているというふうに認識しているところでございます。

 今後も、児童遊園の前面についてもスーパー堤防を行うことで地元の方に理解していただけるように努力していきたいと思っております。

 以上です。

○中野副参事(都市計画事業・特命担当)
 3点目の、勝どき五丁目についてお答えいたします。

 委員、御指摘のとおり、平成21年12月に2,000何がしの署名をいただいているということでございまして、その後、平成22年2月に都市計画決定してございます。この都市計画決定のときには、地域に貢献する施設といたしまして保育所や地域防災備蓄倉庫というような公益施設の設置は表明しているところでございますけれども、その後においては、この地区の最大の地権者であります東京都に対して、地域のためになるような公益施設についてということでございまして、今、引き続き協議している状況でございます。東京都としてもそれにこたえるべくというような答えをいただいておりますので、この地区のみでなく周辺にとってもよりよいまちづくりとなるよう、公益施設の整備ということで協議してございますので、今後も取り組んでいきたいというように考えてございます。

 以上でございます。

○小坂委員
 本当に区役所の皆様が努力をされているのは、ある程度は理解をしているところでありますけれども、私の、住民の合意形成を得るところの大切な部分と、ちょっとやっぱりすれ違うんですね。

 朝潮運河のところにおいては、この6,700万円もの契約を12月3日に結ぶ必要があったのかということであります。その詳細のところでは詳細設計まで含めているわけであり、まずは、このような状況であれば検討会を補佐する部分だけ結べばよかったんじゃないかなと。もしこの結論が架橋じゃなくて横断歩道を敷こうとかいうことになった場合は、この契約はそのままお金を返すことは可能だったんですか。違約金とか出なかったんでしょうか。どうですか。今おっしゃいましたよね、検討会の結果を尊重して行動すると。でしたら橋よりも、横断歩道をかいて東側と西側の歩行者を平均化するということが一番歩行者混雑をなくすために有効であるというふうな検討会の結果が出た場合、それは返すことができたのかどうか教えてください。そのレベルまでのことを言っているのか。

 それともう一つ、日にちが間違っていると思うんです。平成22年の4月にそのような通達を出したと。平成22年の6月に最終結論は出ているわけですから、ちょっとそれは道路課長の日にちの見方が誤っているんじゃないかなと。検討会は平成21年の10月から始まっていますよね。その検討会の最中に副区長は橋をつくれというふうなことを言ったということ、依命通達をしたということ、これが私の述べているところです。

 月島三丁目児童遊園のところに関しては、児童遊園の設計のところは、どこかで変更することができたのでしょうか。ずっと区は自分たちの主張を通してきた。一方で区民の皆様は、だったらこの部分はいいわということで、そこは認めたんです。建物と川との間の部分のスーパー堤防化は認めたわけです。でも、区は同じ説明で、その計画はずっとずっとその状況じゃないですか。代案なるものも、その可能性も考えずに、一通りのやり方しか提示せずに続けてきたということではないですか。区民はよりよい計画のために考えているのに区は最初から同じやり方を通してきた、同じ計画ありきで進めてきたというところがいけなかったところではないかと。

 3点目の、勝どき五丁目に関しては、あれから1年たつわけであり、その進捗状況を地元住民に説明していくべきであったと思います。防災備蓄倉庫や保育所は、それは容積率アップのためにもともとあった計画であって、それはもともとなわけであり、それ以上のものを区民の皆様は求めたわけであり、それがどれだけ進捗しているのかということは説明すべきでありましたけれども、それらのやりとりは周辺住民の皆様とやられたわけでしょうか。そのあたりをお願いします。

○宮本土木部長
 私のほうから、月島三丁目児童遊園のスーパー堤防の経過と、この考え方についてお答えいたします。

 御存じのように隅田川のスーパー堤防事業ですけれども、治水とか、あるいは耐震性の向上、親水性の向上を目的として東京都が昭和60年から進めております。区は東京都と連携してこれまで取り組んできまして、スーパー堤防事業により隅田川が災害に対してより安全なものになるとともに、景観性も向上したと考えております。また、スロープの整備など、バリアフリー化もされております。スーパー堤防上は公園になっておりまして、区民の方々のスーパー堤防に対する理解とか、あるいは、その評価というのは大変高いものがあると考えています。

 そういうことでありまして中央区としては、これまで東京都に対して協力してきたという立場から月島三丁目児童遊園も隣接する開発にあわせてスーパー堤防に取り組むという姿勢で臨んできたものでございます。隣接するマンションからはスーパー堤防によるプライバシーの確保などに懸念が持たれたため、これまで説明会を行ってきたというところでございますけれども、スーパー堤防の事業がなければ児童遊園自体は、改修というのは特に考えていなかったところでございます。

 それから、今まで十数回、地元の方々とお話し合いをしてきておりますけれども、地元の方々は、スーパー堤防に反対をするというところとか、あるいは児童遊園のつくりなどについてさまざまな意見を、あるいはエレベーターの管理の仕方とか、そういうふうな意見の中でなかなか論点が絞り込まれてこないところがございました。ことしの1月になりまして地元の方々から児童遊園はスーパー堤防化しない、スーパー堤防化しない中で児童遊園のところにスロープをつくってほしい、それから児童遊園のつくり方について遊具などを多くしてほしいと、この3つに絞って私どもに対して要望が出てきたということで先日、説明会を開かせていただいたところでございます。

 私どもは、やはりスーパー堤防というのは区民から支持されているものと考えておりますので、児童遊園をこの機会にスーパー堤防化したいということでお話をしまして、それ以外のものについては最大限検討するという話でございましたけれども、地元の方々は、やはりスーパー堤防そのものを児童遊園にされては困るというふうなことで平行線になったところでございます。

 そういうことでございまして、これまでずっと重ねてきましたけれども、やはり我々としては、スーパー堤防をするという中でいろんな地域の方々の御要望にできる限りこたえていくという対応をさせていただいたというところでございます。

 以上でございます。

○近江道路課長
 指定事業が平成22年4月であり、検討会が始まったのが、その前年の平成21年10月ということでございます。始まったのは確かに平成21年でございますが、検討会から区長に報告がなされたのは平成22年6月のことであり、副区長が依命をした4月については、まだ検討会として報告がなされていない、すなわち結論を得ていなかったということでございます。したがいまして中央区といたしましては、基本計画2008に掲げましたとおりに事務事業を進めていたということでございます。

 次に、契約の変更があるのかということでございます。

 こちらにつきましては、契約の相手方と契約内容の変更につきまして、現在、事務作業を進めている最中でございます。

 以上でございます。

○斉藤総務部長
 契約変更についての部分なんですけれども、一般的に、これについては公募型プロポーザル方式で委託契約を結んでいるところですが、仕様内容に変更があった場合につきましては、基本的には双方で協議をいたします。それで仕様内容の変更がどういう形で業者側の負担となるのか、あるいは業者側がどこまで事業に取り組んでいるか、実際に費用をかけているか等を協議いたしまして返済する必要があれば金額を変更いたしますし、その上で区側にも責任があって業者側の負担が大きいということであれば、何らかの補償をするということは出てくる場合もございます。

○岸田都市整備部長
 勝どき五丁目の公益施設の経過についてでございます。

 委員より、1年間で住民に説明したのかということでございますが何分、事業でございまして、都市計画決定後これまで事業計画の内容を具体的に定めていくに当たりまして、組合をはじめとして、区も協力いたしまして鋭意内容を検討している、まさにその最中でございます。

 この間、地権者でございます都に対しまして積極的に何らか地域貢献ができる公共的な、公益的な施設を導入することができないかということについて働きかけを継続して行ってまいりまして、ようやく都から前向きな方向性をいただいたところでございます。これから具体的な中身について都とも相談をし、事業の中でどのように位置づけていくかということも、これから相談していく場面でございますので、今後、そうした内容が、方向性が大きく固まってまいりましたら公益施設でございますので、周辺の方に御説明する機会も出てまいろうかと思いますけれども、現在はまだその段階まで至っていないというのが現状でございます。

 以上でございます。

○小坂委員
 区役所の皆さんは一生懸命やられているということは本当に理解しているところですが、ちょっとずれるんですね。それはどういうところかというと、朝潮運河の部分であれば、その依命通達の書き方は、歩行者専用橋の新設ではなくて検討会が進められている最中ですから、朝潮運河周辺における良好な歩行環境の実現と書くべきなんですよ。そこまで区民の側に寄るべきなんです。それをされていないところ、そのあたりに私と微妙なずれがあるんです。

 また、月島三丁目児童遊園のところでは、一方で区民の皆様はスーパー堤防を認めているわけですから、そのスーパー堤防を認める部分はスーパー堤防にして児童遊園はそのまま平地のままにすれば、それは理解するんですよね、区民の皆様は。それでスーパー堤防もできると。そちらの案のほうが、より賛成者がふえるじゃないですか。そして、科学的にそれが実現可能なのかどうか、バリアフリー化が可能なのかどうか、そこまで検討して、検討したけれどもバリアフリー化が無理だったら、やっぱり無理だったよというところまで丁寧な説明をして、納得を得ていくべきだと私は思います。そこまでされていないという点で、すれ違いというふうに言っております。

 また、勝どき五丁目の部分であれば、そのような都との交渉の間におきましても、その内部の地権者のところでの計画の詰めはわかりました。ただ、周辺住民とも同時に、どのような施設をつくったらいいですかと、反対する皆様や意見書を出した、請願を出した皆様の声も聞いて、どのような地域貢献施設がよいのですかということをもっと積極的に聞いていけばよいのじゃないかなと。そういう早い段階で聞けば計画の中に、もしかしたら反映することができるかもしれないんです。

 この計画が、今、固まっていない、ここが大事なんですよ。住民の皆様の合意を得られるような計画をこの段階からつくっていく、それがなされていないんです。これも同じような例をどこの場所でも見てきておりますので、もっと早い段階からの意見交換、周辺の皆様との意見交換をすべきだということを私は述べさせていただいております。そのあたりがまだなんじゃないかなと思い、このような発言をさせていただいているところです。

 そのような考え方でありますというところで1つ区切りとして、もし御意見があれば言っていただいていいんですが、最後にいききます。

 景観行政団体に関してです。

 区は景観行政団体になることができるのか。美しいまちをつくるために景観行政団体にならなくても地区計画のもと、美しいまちはできますよというのが区の考え方ですけれども、それに上乗せして景観行政団体にもなって、そして、美しいまちをつくればいいというのが私の考えです。それに関してと、あと、景観法に従うようになれば罰則規定がつくわけで、その罰則規定もそれをあわせ持つということで、より有効な手法を区は持つというふうになると思います。そうではないかなということで、その罰則に関してちょっと御説明いただければと思います。

 3つ目が、今そのような景観行政団体にならなくても銀座デザイン協議会や晴海デザイン会議があるというふうなことでありますけれども、それらは公開で幅広く委員を募集して、それでデザイン会議が開催されているか、公開性や住民の声をそこで反映できるかということに関して御説明ください。

 この景観法は大変すぐれた法律だと思います。罰則規定がきちんとついているということであり、また、その地域の美しさについて、どういうものが美しいかということを住民の皆様と話し合いながら、その美しさというのをイメージとしてつくっていく、そこにすぐれたところがある。住民の合意形成のもと、その地域における美しい形とはどういうものなのかという行政景観計画をつくっていくわけですよ。どのような美しいまちをつくりたいかということを住民と話し合いながらつくっていく、そのプロセスがとても大事である。

 地区計画は、放っておいても住民の皆様の意思でどのようなまちをつくりたいかといったことは明らかにはならないわけです。そこからすると、もう一つ、まちのあり方を住民の皆様とともにつくられるということで、景観行政団体になることで、より上乗せして美しいまちをつくっていくということの手法を私はとるべきだと思い質問させていただいております。

○岸田都市整備部長
 順次お答えいたします。

 まず最初に、勝どき五丁目の件についてでございますけれども、補足をさせていただきます。

 先ほど御説明が足りなかったやもしれませんけれども、先ほどまで申し上げましたのは、都が公益施設を何らか整備をする意思があるかどうかということについて、区として強く要請をしてきたという段階でございまして、施設内容が定まっているとか施設内容の検討を具体的に開始しているとかという段階では、いまだございません。これからの話でございますので、早くも施設整備の内容について住民に知らせていないのではないかという御指摘は当たらないかと思いますので、申し添えさせていただきます。

 次に、景観法及び景観行政団体の関係でございます。

 景観法上、本区におきまして、例えば、仮に本区が景観行政団体になるという意思決定をいたしました場合には、都に申し出をいたしまして、現行法、ここは地方分権改革で手続のほうが多少変わるようでございまして、今後、注視しなければなりませんけれども都と協議、同意を経まして景観行政団体になること自体は可能でございます。

 さらに、罰則についての御指摘でございます。

 委員から、景観法については罰則があって違反があればきちっと定められているところがあるけれども、ほかの制度ではそういったことがないのではないかという御指摘でございましたが、実は、都市計画法及び建築基準法におきましても同等以上の罰則がかかってございます。具体的に詳細を御説明する場ではございませんので差し控えますけれども景観法よりも、むしろ建築基準法の罰則のほうがきつうございます。

 次に、景観行政団体になり景観法を活用することで、より一層景観行政について推進することができるのではないか、地区計画では住民の合意形成過程が無視されるのではないかと、そうした御指摘でございます。

 私も、委員が景観法についてプッシュしていただくのは、個人的に大変うれしいなと思っておるところでございまして、全国でどんどん使っていただければ非常にありがたいと、もちろん思っておるんですけれども、私もまちづくり行政、景観行政にかかわっております技術者として申し上げますと、単に景観法を導入すれば何かよくなるというものでもないと考えております。

 特に、今回、一般質問で御答弁申し上げましたとおり地区計画というしっかりとしたまちづくりの地域ルールが定められており、こちらは都市計画手法、建築手法の制限の中で最もシビアな手法をとっておりまして、それを行政区域内ほぼすべてにかけておるというのは、全国広しといえども本区のみでございまして、こうした基礎的なルールづくりができている今、これを用いた形で、より一層まちづくりを発展させていくことが本区のこれまでのまちづくり行政の継続性にも沿い、さらに実効性の高い手法であると考えるところでございます。

 委員、御指摘の景観計画を導入することで、より一層深まるのではないかということでございますが景観法ということで、景観という名前が出ておりますのでアナウンスメント効果というものは私も否定するものではございませんけれども、景観計画の、現在、届け出手法というソフトな法律で全国に導入しやすい形でつくっているといった側面、これは、実際のところ当時、担当であった私のことから申し上げれば地区計画をつくれない、導入できないという全国の地域からのお悩みを踏まえて、よりソフトな手法で広くかけやすい手法をということがあって編み出した手法でございますので地区計画をかけている本区においては、むしろそちらを充実させていくことのほうが適切ではないかと考えます。

 特に本区は都心区でございますので権利関係も錯綜し、特に地価も高く、開発に関しましてはシビアな側面が非常に強い地区でございます。建築制限ということがやはり最も多く出てきます。全国ですと必ずしもそうではございませんで、ごみ捨て禁止とか、木を切るなとか、そういうあたりの話が多いところもございますので、その点を踏まえますと地区計画手法をベースに、より一層まちづくりの手法を発展させていくことが適切であると考えるところでございます。

 以上でございます。

○田村都市計画課長
 デザイン会議の公開についてでございます。

 銀座デザイン協議会につきましては、これは、銀座の方々が自分たちのまちの景観、それから地域の環境等については、自分たちの手で、自分たちの目線でしっかりと守っていきたい、このような考え方のもとに町会等の方々も参加した全銀座会から委員の方々を選出し、組織しているものでございます。その中で建物計画等についても、しっかりと事業者側と地元の方々が協議をしてデザインの変更等も求めたり、昨日の委員会の中でも事例としてございましたけれども、マツモトキヨシの看板の変更であるとかということに取り組んできているという状況でございます。

 そういった中で公開に関してでございますけれども、地元の方々がそれらの審議の中身について公開するか否かについては判断をされるものというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○小坂委員
 まちの美しさを述べる場所においては、それは公開であるべきだし住民の多くの参加のもとつくっていくべきだと思います。

 それで、景観法に関しては、地区計画があっただけでは、まちは美しくならないというのが私の思いです。どのような形が美しいのかを住民の皆様と合意形成のもと、つくっていくというところに私は導入の意義があると思っております。それでないと、今、まちづくり基本条例の中で開発計画への反映事項に関する指針などの中で、良好な景観の形成というところの建築物や工作物等の形態、建築物、工作物等の色彩、これらに関して規制をかけるわけですけれども、その規制の内容が通りからの歩行者の目線を重視するなど景観地周辺、計画地周辺の地域にふさわしい外観形成を行うとか、地域の歴史や文化の継続性及び都市景観に配慮するとかは書かれているんですが、その地域のこれら配慮すべき形は何なのか、ふさわしい外観形成は何なのかと聞いたときに、このことに答える根拠がないんですよ。

 だから、景観団体になって景観計画をつくっておくことで、これらの景観形成のあり方を提案することができるということで私はすぐれていると思い、この地区計画をこの中央区のほぼ全エリアにかけたという、その過去の御努力は、本当にそれはすばらしいものだと思います。ただ、それに上乗せして景観計画がある中で、より美しいまちができるのではなかろうかと。

 なぜ、今、中央区はそんなに美しくないんですか。それは私の主観だし皆さんの主観がどうかはわかりませんが、そういうところのこともありますので述べさせていただきましたが、引き続きのところは、また総括で述べさせていただきたいとして、ここで終わりたいと思いますけれども、よろしいですか。

 もし、ぜひとも必要な答弁があれば答えていただけばと思いますが、ここで終わらせていただきます。

○原田委員
 ただいま第6款「土木建築費」の質疑半ばでありますが、暫時休憩をし、午後1時に委員会を再開されるようお諮り願うとともに、本日、東京都平和の日に際し、黙祷を行いますので、午後0時55分に参集をされますようお諮りを願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○矢吹委員長
 ただいまの動議に御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○矢吹委員長
 御異議ないと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後1時の委員会の再開に先立ちまして、黙祷がございますので、午後0時55分に御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午前11時35分 休憩)


(午後1時1分 再開)

○矢吹委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。

 なお、区長及び吉田副区長は午後の委員会を途中退席いたしますので、御了承願います。

 第6款「土木建築費」について、質問者の発言を願います。

○渡部委員
 神聖な気持ちになった後で神聖な気持ちで質問しますので、よろしくお願いいたします。

 いろいろ前委員の方々から言われてきた質問なり、要望なりの中では、やっぱり地域の中には賛成も反対もある。区が施策を行う中でいけば、地域の中には賛成も反対もある。そういう意見をしっかり聞きながら、両者が納得できるような形で持っていくというのが行政のあるべき姿であるというふうに思います。また、あらぬ誤解を受けぬようにするために総務費でも人材育成の話をしましたけれども、やはりプレゼンテーションだとか、その地域における、その特性をとらえて対応していくということが最も重要なことであろうかというふうに思っております。

 そういった中で、日々努力されている中でも、やはりそういった個々の問題も含めて起こってくるということは理解するわけですけれども、やっぱり中央区民の方たちが、ある意味納得した上で対応していただければありがたいなというふうに思っております。

 そこで、まず一番最初に、こちら側のほうから聞きます。

 公共交通のあり方で、今回も一般質問させていただいたわけですが、コミュニティバスの収支を取るためには何人ぐらいだったか、ちょっと今、失念してしまったので教えていただきたいのと、改善点はいろいろとなされているということはよく理解しておりますが、そのほかの逆ルートがいいとか、いろんな話が意見として出ているところでありますけれども、仮に、それを今のルートと同じで逆ルートにするということになると、どのぐらいの予算がかかるのかなということがわかれば教えていただければありがたいと思います。

 それと、これも以前から質問してきた大江戸線の関係ですけれども、今回も質問させていただいて、日時の点で言えば若干重なっている部分が晴海一丁目の部分ではあるのかなというふうに思うんですが、そこのときに都市計画で決定されていた就業人口だとか、住居人口だとか、いろんなことを想定して余り過大なフォームをつくりたくないというのと、もう一つは、勝どきの交差点の下に首都高速が走るということで、なかなか大きな地下鉄の駅舎ができないということも1つあったのかなというふうに思っているところなんですが、そういった中でいっても今の現在の状況では、公共交通として晴海、月島地域が選択できるというのは、バス、大江戸線、有楽町線、この3つですよね。

 選択する余地というのがもう少しあったらいいなということで、今回のLRTの関係も出てきているということでありますけれども、こういう公共交通というのは、やっぱりその計画にあわせて敷いていくというのが本当であろうかなというふうに思っております。

 計画があって運輸政策審議会というのをやられると、計画から実行まで20年ぐらいかかるとかということも、私自身も議員になって、地下鉄8号線ですか、有楽町線が計画されてから何十年もたった。大江戸線もそうでありますように、そういった長い期間がかかるということでありますが、やはりその時々の地域の都市計画に合わせてホームだとか、駅だとか、そういうものを申請していくということは、努力はされてきたとは思います。大いに反映されるべきであろうと思うんですが、ゆりかもめは、今の計画では勝どき二丁目が終点ということになっていますけれども、そういったことも含めて区として今、どういうふうな要望をしているのかというのを公共交通、モノレールも含めて、もう一度教えていただければありがたいと思います。

 道路の関係でお伺いします。

 1つ、今盛んに、3月になってからということではなくて道路工事の調整はされていて、平準化をしようということで努力されているのはよく理解するところでありますけれども、清澄通りも、きのうの夜、2車線ふさいで工事をやっていたとかということがあるわけですけれども、年度末に集中するということも、多少は理解するところでありますけれども、だからこそ夜にしか工事をしていないということでもあろうかと思いますけれども、そういった調整をされてきた上で今の現状があるのかどうかということをお知らせいただければと思います。

 それと掘削について、道路だけじゃなくて歩道も、これは去年も若干質問したかもしれませんが、歩道の仮復旧のとき歩道がでこぼこして、その日の夕方だとか、その日の夜、前の日に工事をして埋め戻して、またやるということなんですが、月島地区は、結構、高齢者の方がいっぱいいらっしゃるということで、でこぼこになっているとつまずく可能性がある。つまずいて転びそうになった人もいらっしゃるということでございますので、そういった徹底は、この間、もう一度されてきたのかどうかということをちょっとお知らせいただければありがたいと思います。

 それと道路の関係では、エコの関係で輻射熱だとか保水性だとか、いろいろなことも含めてやられているわけですけれども、道路、アスファルト、これは土木部門ですけれども、そういうところの関係で言えば、やっぱりエコということを意識してやっていただきたいというふうに思っておるわけなんですが、その辺の考え方をお知らせいただければありがたいなと思います。

 それと次に、花咲く街角の関係で、これは百何十カ所と予算書にも書いてありましたけれども、地域との協働というか地域の人たちとどういうふうな関係でやられているのか、ちょっとお知らせいただければありがたいと思います。

 橋梁の関係で、健全度調査というのをやっていますけれども、耐震補強は終わっていましたよね。すべて、終わっていなかったんでしたっけ、平成25年度までやるんでしたっけ。ちょっとそれを教えていただきたい。終了したのかどうかということと、健全度調査というのはそのためにやるのかということをお知らせいただければありがたいと思います。

 公園とか運動場の関係でちょっとお伺いしたい部分がありまして、これはスポーツ施設の中で、野球場も含めて公式なところがないというお話がされていました。公式球場としてされていない部分があるということをお聞きしておりますが、これからそういうものを一つ一つつくっていく、公園の中につくっていくことは、今、中央区ではできるということはないのかなというふうに思いますけれども、その辺のグラウンドの確保について。

 なぜこういうことを言うかというと、子供から大人まで、そういうスポーツをした上で健康に過ごしていっていただきたいということの原点でありますので、そういった努力も含めて公式グラウンドは今、現状ないけれども確保していきたいよということの考え方を聞きたいんですね。

 それと夕方、昼間も走っている方、いらっしゃいますけれども、やっぱり走りやすい環境をつくるということでいくと、公園、また、先ほど来論議になっている護岸、護岸から緩傾斜型の堤防のところの先のところでそういったものを考えていく。

 要するに月島地域であれば、今スーパー堤防の話も出ていましたけれども、そういった中で対応していくとか、晴海地域で今、護岸の整備をされて進んでいるところでいけば、スポーツ施設も晴海地域には結構集中している部分というのがありますので、子供たちも高齢者も、そういったところを利用できて、川沿いのところも利用できて交通に接触しないでいろいろなところに行けるという形も含めて、公園整備だけじゃないですけれども、スポーツと公園と護岸整備ということで何かお考えがあるのかどうか、ちょっとお知らせいただければと思います。

 朝潮運河の橋梁の話ですけれども、前委員はいろいろなことを言われておりましたが、晴海トリトンスクエアができたからどうのこうのという話だけじゃなくて、今度、警察も晴海三丁目のほうにできる。晴海三丁目にあと2棟マンションができる。もう一つは、晴海二丁目にも大きなマンションが2つでき、そして1つは事務所用のオフィスビルができるという中でいったら、勝どき駅からの混雑というのは今まで以上になってしまうということになりますよね。

 では、晴海から勝どき地域、月島地域に行くときには、どこを渡っていけばいいんでしょうか。ましてや勝どきの交差点付近には子供たちの保育園、学童クラブ、いろんなものがあるということを考えたときに、そういうところでは朝どれだけ込んでいるかわかっていますよね、土木部長。晴海地域の人は今の現状で、どうしたらいいのかということをお考えになっていらっしゃいますか、その辺のところをまずお伺いしておきます。

○有賀土木部管理課長
 私からは、交通問題全般についてお答えさせていただきます。

 まず、一番最初に江戸バスの状況でございますけれども、江戸バスにつきましては運行開始から1年以上たちまして、この平成22年度につきましては途中まででございますけれども、当初、1日当たり1,090人程度の乗客を見込んでおりましたが、現在のところ1,180人程度ということで、1割程度多い乗客がありまして、こういった状況でございます。

 1割程度多い状況ではございますけれども委員から御質問のありました、一体1日何人ぐらい乗れば黒字になるかということでございますけれども、こちらにつきましては、これまで、収支の状況にもよりますけれども大体3,500人程度というふうに計算しておりまして、当初より乗客は多い状況ではございますけれども、黒字になるというのはなかなか難しい状況かなというふうに考えております。

 それから、逆ルートをつくった場合どのぐらいお金がかかるかという経費の問題でございますけれども、現在、経費から収入を差し引くと区が運行補助している金額が約9,400万円程度ございますので、単純に逆ルートをつくると9,400万円程度かかりますが、やり方によってはもう少し削減できるのではないかというふうに考えております。

 それから交通問題全般についてでございますけれども、特に今ありました晴海ですとか、豊海町、勝どき、このあたりは路線バスのほかには、勝どき駅、月島駅というものしかなくて、最近人口が急増している中では非常に交通の便はまだまだ充実していないという面があるかと思います。

 その中で、例えば、ゆりかもめでございますけれども、ゆりかもめにつきましては現在、豊洲まで来ております。運輸政策審議会の中では、勝どき駅までのルートが一応認められているという形になっていますけれども、それ以遠、勝どきから先のルートというものは現在のところ、まだ決定をしていないということで、仮に延伸されても勝どき駅までということで、地域の中には、皆さん、いろいろと、ゆりかもめ等についても御意見があると思います。

 そういった中で、現在、区としては、勝どき駅までということでは特別にアクションを起こしているわけではございませんけれども、今後につきましては、勝どき駅までではなくて、さらにその先を含めて、どういうふうな対応をとっていったらいいかということを検討していきたいというふうに考えております。

 また、区としては、そういった問題もありますので、全体として、この晴海地域、豊海町、勝どき地域については、今回、LRT等基幹的交通システムの導入ということを今後のこの地域の交通アクセス改善、向上という側面からも検討していきたいというふうに考えております。

 以上です。

○近江道路課長
 それでは何点か御質問をいただきましたので、順次、説明申し上げます。

 まず、道路の工事が年度末に及んでいるということでございます。

 中央区内では、10平米未満または10日以下の小さな工事を除きましては、すべて道路工事の調整会議に諮りまして年間の中で平準化した施工を行うということにしてございます。毎年、おおむね1,500件程度の調整が行われてございます。東京都、国、区、すべてにおきましては、3月1日より工事は抑制期間ということで行わないことを原則としてございますが、中には沿道の方の御希望ですとか、または施工を途中で中断することで、かえって沿道の方に御迷惑をおかけするという場合につきましては、抑制の解除申請をしていただき、こちらのほうで内容を審査の上、許可をするという運びにしてございます。清澄通り、都道にかかる部分であれば同様な手続が行われ、許可を得ての施工になっているものと考えられます。

 次に、歩道の仮復旧の凹凸についてでございます。

 仮復旧の凹凸につきましては歩行者が転倒する事故に結びつくことから、各工事事業者、占用企業者に対しては注意を徹底して施しているところでございますが、中には行き届かないところがあるということもございますでしょうから、そういった場合には御一報いただければ直ちに修繕いたしますし、また、私どものほうでは日常的に道路のパトロールをしてございますので、その中で発見したものにつきましては当然のことながら業者を指導し、フラット化に努めてまいります。

 次に、道路事業におきまして、エコを意識してやってほしいということでございます。

 道路の工事につきましてもグリーン購入を図ったり、また、発生する土砂につきましては、改良を行いまして再度発生した場所に戻すというようなことを行いまして、環境への負荷の軽減に努めているところでございます。

 次に、耐震補強が終わったのかということでございます。

 これまで、議会に対しましては平成22年度で終了するということで御案内をしてきたところでございますが、現在のところ西河岸橋を除きましてすべてが終了してございます。西河岸橋につきましては、名橋・日本橋よりもさらに20年以上前に橋台をつくってきたという歴史がございまして、その歴史的価値は大変高いということで土木学会の現地調査も行われたところでございます。

 橋台につきましては、鉄筋が入っていないというように見受けられますので私どもとすれば、耐震補強、安全確保の点から修繕を行いたいところでございますが、歴史的文化価値を考えますと直ちに手を加えにくいということで、橋台にかかわらない上部の部分につきましては手を加えまして、軽量化をすることで耐震補強上の強度を上げるというような手法をとっているところでございます。

 れんが積みの橋台、橋脚につきましては全国的に見ても何箇所かございますので、それらにつきましては、他の施工状況を勘案しながら中央区においても対応を決めていきたいと、そのように考えてございます。

 次に、橋梁の健全度調査をやる目的ということでございます。

 橋梁の健全度調査につきましては、橋の健康診断という意味合いで、橋の経年劣化、または予期せぬ部材の損傷等を事前に調べていくということで、維持管理に役立てるという目的で行っております。また、昨年策定いたしました橋梁の長寿命化のデータとして利用するためにも、今現在、行っているところでございます。

 次に、歩行者専用橋に関係しての問題でございます。

 今現在、晴海通りの歩道には、おおむね朝のピーク時に1時間当たり8,000名ほどの歩行者が歩いていらっしゃいます。晴海二丁目、三丁目等、これからの開発に伴いまして人口がふえてまいりますと、晴海通りの将来歩行者通行量はピーク時には1時間当たり1万4,000人と、我々のほうでは想定してございます。平準化をしましても、左右の歩道に7,000名ずつが歩くということでございますが、7,000名というのは今現在、多くの区民の方から区長のほうにお手紙をいただいている、混雑して歩きにくくてしようがないというレベルでございますので、晴海通り1つに頼らない歩行空間の確保ということについて鋭意努力してまいりたいと、そのように考えてございます。

 以上でございます。

○石田公園緑地課長
 まず花咲く街角ですけれども、現在、中央区の中に190カ所ございまして平成21年4月1日現在で、70カ所のところをボランティアの方々に管理していただいている状況で、そのときのボランティアの登録数ですけれども131人になっております。

 現在においては、ボランティアの方々に管理していただいている花壇数が79カ所、登録者数が283人ということで少しずつではありますけれども、ボランティアの方々に管理していただいている花壇がふえている状況となっております。

 次に、硬式の野球場、リトルリーグの方々が使うようなグラウンドのことについてでございますけれども、委員、御指摘のとおり中央区には、今、硬式が使える、特に少年野球のグラウンドは存在しないというふうに認識しているところでございます。

 中央区の中では、現在、晴海二丁目のほうに少年野球場を計画しているところでございますけれども、全体の面積が8,700平方メートルということで、あと長方形の形になっておりまして、ここに通路を確保しないでグラウンドだけを設置するとしましても、硬式のサイズにはちょっと寸法が足らない部分がありまして、どうしても、この場所には硬式のグラウンドは設置できない状況となっております。

 しかし、委員、御指摘のとおり、硬式をやりたい子供たちというのは着実にふえていると認識しているところでございます。今後も、そのような問題意識を持ちながら仕事に取り組んでいきたいというふうに考えております。

 次にマラソンコースなんですけれども、朝潮運河で耐震の護岸工事を行ったり、晴海と豊洲の水域を50メートル埋め立てして、その上部を修景して親水性豊かな護岸を今、親水公園として整備しているところでございます。将来的には、それらをつないで、マラソンやジョギングなどができるコースとして立派に整備できるように今後取り組んでいきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○渡部委員
 それぞれありがとうございました。

 公共交通の考え方については、まず地下鉄だとか、モノレールというのは、運輸政策審議会というのが通らないとどうにもならないということがあるわけですけれども、今の現状を変えていくためには、やっぱり区としていろいろなところで対応していっていただく必要があるんじゃないのかなというふうに思っています。

 そういうことも含めて土木部長はよく現場に足を運ばれていますからわかっていると思いますけれども、要するに公共交通機関が選べないと。だから、一番その人たちのライフスタイルに合った形でいろいろな公共交通網を提供してあげるというのが本当の姿なのではないのかなと。逆に、そこに都市計画があって、こういう人たちが住みますよ、こういう人間が住みますよというのであれば、やっぱりそれを意識してそういうものもやっていかなきゃいけないだろうというふうに思っておりますので、しっかり今後対応していただきたいと思います。

 それと、道路の関係についてはよく理解しているところでございますけれども、高齢者の方は、結構、足を上げないですり足に近い形で歩くと。そこで、ほんの1センチとか、その半分ぐらいとかでも、つまずいてしまうということがあるんですね。それで、手をついて手をひねってしまったとか、そういうことがあるので、調整会議があるわけですから、もう一度そういうところでしっかり対応していただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 あと、エコ対策、工事をするときの部分ではそういう形であります。でも逆に、さっき言った、路面が保水をすることによって温度を下げるだとか、騒音対策のためにこういう舗装がいいだとか、いろいろなことでエコを中心にそういったことを考えていっていただきたいということで、今もやっていますよ、やっていますけれども、この道路工事をやるときに若干お金がかかるかもしれないけれども、国道だとか都道だとかの委託工事もありますけれども、そういったときにも区が積極的に委託を受けたところに、そういうものも含めて話をして、予算を確保して対応していただきたいということなんですね。

 ですから、工事をするほうの関係もそうですけれども、ものが残る、工事が終了した後のそういうものもしっかり対応していただければありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 花咲く街角は、徐々にふえてきているということで、ボランティアも含めてふえて、倍ぐらいになっているんですよね。地域に対してそれだけPRをしてきている部分というのはあるんだろうなというふうに思います。だけれども、こういったところで高齢者クラブだとか、いろんなところにも話しかけていっていただいて、高齢者を1人にしないだとか高齢者を閉じこもりにさせないとか、そういうことの仕掛けとしてこういうものも使っていくべきなんだろうというふうに思っております。あと、高齢者だけじゃなくて小さいお子さんを持っている親御さんたちも、そういうところに出てくれば交流して、いろんな話ができるということもあるかもしれません。それも地域にあればなおさらいいだろうというふうに思いますので、その辺は意識して対応をお願いしたいなというふうに思います。

 橋梁の関係はよくわかりました。ちゃんと対応していただているということはよく理解しておりますが、これも去年言いましたけれども、地震のときに、橋台のところが本当にどうなるのかというのは、耐震補強上は壊れないよという話ですけれども、いっときは、やっぱり通行どめにしなきゃいけない部分というのはあるんだろうなと。

 だから、そういったときには交通が遮断されるだとか、いろんなことがあるわけですから、やっぱりそういうものに影響を受けない道路、歩道、そういうものをつくっていただきたいというのが本音で、朝潮運河の話もそうなんです。

 朝潮運河の橋梁については、月島第一小学校、月島第二小学校が近いということで、防災拠点も含めて考えたときに、じゃあ、水をどうするのかとか食料をどうするのか、まして、あそこは月島川で分断されているということがあるわけですから、そういった中でいけば、防災に対する関係についても、月島地域にとって重要な位置であろうかというふうに私自身は思っています。

 それで、晴海一丁目の再開発の中に防災の水をためておく場所もあると。そういった中でいけば、帰宅困難者対策が今行われていない中でいけば、防災拠点に集まってくる帰宅困難者の人たちに水をあげないというわけにいかないわけですね。ですから、そういったことも含めて、3日間で水が来るのかどうかもわからないということを考えたら、しっかりとした対応をしていく、それをちゃんとまちの人にも理解されながらやっていくということが重要なんだろうなと思っておりますので、粘り強い対応をお願いしたいなというふうに思っております。

 運動場と公園の関係ですけれども、公式というのは、かたいほうじゃなくて公の式のほうのグラウンドです。リトルリーグだったら、ぎりぎり何とか頑張ってやればできるかもしれません。ですけれども、そういったことも含めて本当に子供たちが23区だとか、東京都大会だとか開けるようなグラウンドが1つでもあったらいいのかなというふうに思います。それは、調整もしながら頑張ってやっていってくれるというお話でございますので、よろしくお願いいたします。

 マラソンの関係について、マラソンだけじゃないですけれども、散策することも含めて晴海運動場と月島運動場との間も、車と平面上で接触する確率を少なくするためにも、やっぱりそういうやり方が必要なんじゃないかなと思っておりますので、しっかりした対応をお願いしたいと思います。

 こちらのほうは要望だけしておきます。よろしくお願いします。

 次に、こっち側でいきます。

 いろいろ前委員の方々が言われていましたけれども都市計画というのは、今まで第22次地方制度調査会の関係で、都区制度をちゃんと改革しなさいということでやられて、まだ都区制度改革が中途半端ですよということで歳入で聞いたわけですけれども、都市計画の委任事項というのは、少しですよね、おりてきたのは。まだ全部おりてきていないですよね、東京都から。

 そういった中でいけば、中央区らしい都市計画っていうのは、ある意味つくれない部分というのはある。しかしその中で、地区計画だとか、いろんなもので対応してきたと。今、まちづくり基本条例だとか、そういうもので補完しながら地域のいろいろな対応をしてきているというふうに思っています。

 まず、一番最初には、都市計画の委任事項というのを、もっと各区におろしてもらうということが重要なんだと思っております。その辺のところは、しっかりこれをやっていかなければ本当の中央区らしさというのはできないわけですね、都市計画。これがしっかりないとしようがないと思うんですけれども、その辺の考え方、中央区らしさってどういうふうに考えているのかというのもありますけれども、それがまず、一番最初に大切なことなんじゃないのかなというふうに思っておりますので、その辺のお答えをいただきたいと思います。

 住宅・建築物耐震改修等支援事業の関係で、これは耐震補強をしなきゃいけない住宅だとか、そういう建築物があるということで、そこに助成していきますよという話でありますけれども、逆に、こういったことを考える中でいけば防災拠点までどうやって安全に避難するのかということで、やっぱりその路線をちゃんと考えておかなければ、そこを中心にしてしっかり対応しておかなければ、がれきの上を歩かなきゃいけないということになっちゃうわけですから、しっかりこういうことも計画的に考えていく必要があるのではないのかなというふうに思うのですけれども、どうなんでしょうか、お知らせいただければと思います。

 地域の森づくりに向けた環境調査のとあるんですけれども、イメージを教えていただければと思います。

 なかなか難しい話であるんですが、次に区立住宅の関係で、無理して質問いたします。

 機会の均等、これはすごく難しくて、本当は質問しても、なかなか住宅課長は答えられない部分があるんだと思うんです。しかしながら質問するのはなぜかというと、欲している人がいるわけですよ、やっぱり地域に住んでいる方は。だから機会の均等はどうやって求めていくのかなというのを、ちょっとお知らせいただければありがたいと思います。

 それともう一つ、これは住宅課長の部分になるのかならないのかわからないんですが、高齢者住宅、高齢者向け優良賃貸住宅も含めてですけれども、区内の配置の方向性、考え方はどういうふうな考え方を持っているのかなと。区立住宅として借り受ける場合もあるかもしれませんし、民間住宅で今、借り受けている一般の住宅もあるわけですから、そういった中でいけばどうなのかということをお知らせいただければと思います。

 とりあえず、よろしくお願いいたします。

○田村都市計画課長
 都市計画の考え方ということでございます。

 都市計画について法律上は、理念といたしまして、健康的で文化的の名のもとに都市生活及び機能的な都市生活を確保することとされておりますけれども、基本的には人の生活の営みの場をつくっていく、そのものではないかというふうに考えてございます。

 そういった中で、総合的な考え方のもとに計画づくりをしていくことが重要であろうと思っておりますし、それはハード面に限らずソフト面も含めて考えていくことが必要であろうというふうに思ってございます。

 今、この都市計画制度については、委員、御指摘のとおり、まだまだ区におりてきているという状況は必ずしも実現してございませんけれども、これについては制度改革の中で、区長会等も同様の意見の中で取りまとめて、今取り組んでいるということでございますので、これらについては継続的にその取り組みを進めていきたいというふうに考えてございます。

 そういった状況を踏まえつつ、今申しましたように全体的な計画として、本区については、まちづくり基本条例というようなものも定めさせていただいておりまして、大規模開発等については、町内の関係部局が集まりまして計画内容等については、しっかりと議論をした上で地元に諮り、地元の意見も聞いて計画づくりに反映していくというような取り組みを始めさせていただいたところでございます。

 そういった中で、例えばソフト的な部分、他の部署で扱っている、例えば御高齢の方々の、そういった活動の場といったようなものも、意見の中で計画の中に反映できるものは反映させていただくというような形の中で、都市計画については考えてまいりたいと。

 また、2点目のお尋ねでございましたけれども、防災拠点等へのルートの確保についても、やはり同様に考えてございまして、本区では大規模開発の際に帰宅困難者の方の一時滞在とか、あるいは情報収集できるような、そういった空間づくりというようなことも取り組んでございますけれども、これらについても本区に限らず隣接区等々についても同じような考え方のもとに、そういったものをしっかりと整備をしていくということが重要ではないかというふうに考えてございまして、そういった関連性においては、東京都の役割というものも重要であろうというふうに認識してございますので、そういったことも含めて東京都との連携等も図りながら、こういった計画づくりを進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 私からは以上でございます。

○永沢建築課長
 防災拠点までの経路についての、耐震の助成事業についてのお尋ねでございますが、防災拠点につきましては、東京都のほうで地域防災計画、それから耐震改修促進計画の中で緊急輸送道路というのを定めております。それとあわせて区の中でも、中央区の地域防災計画の中で防災拠点等を定めておりまして、その沿道の建築物の耐震化については、この助成制度で耐震化に対する助成事業を行っております。

 以上です。

○望月地域整備課長
 地域の森づくりにつきましてお答えいたします。

 地域の森づくりに向けた環境調査のイメージということでございますけれども、これまで公園であるとか、大規模な開発への緑地や広場、こういったものができておるわけでございますけれども、それをつなぐ街路樹などの緑のネットワーク、こういったものが構築されてよりよい歩行環境が形成されるように、また、ヒートアイランドの現象の緩和に資するように、地域の森づくりを目指し、その実現を目指してまいりたいということで調査を行っております。

 具体的には今年度、区内3地域におきまして風環境の実態調査を行っております。場所的には第1ゾーンで、八重洲通りの首都高あたりになりますけれども、八丁堀二丁目近辺のところです。それから第2ゾーンでは、日本橋浜町一丁目の隅田川近く、また第3ゾーンでは、勝どき六丁目のトウキョウ・タワーズ近くで風環境の調査を実施させていただいております。いずれも道路の上という形になってございます。観測内容につきましては、気温、湿度、風向、風速などを今現在、観測しております。

 今後、分析を重ねますと同時に来年度につきましては、データとして昨年6月から実施しておりますので、1年間のデータとなるように5月までの観測を実施し、分析を行い、その上で良好な歩行環境の形成に資するような具体的な方策、例えば街路樹との連携であるとか、大規模開発の植栽のあり方のようなもの、そういったものを具体的な方策として取りまとめていきたいと考えております。

 以上でございます。

○平野住宅課長
 区の住宅の、機会の均等についての考え方でございます。

 区の住宅が必ずしも多いとはいえない状況の中で、機会の均等をどうやって保っていくかということでございますが、入居に際しては公開の抽選をさせていただいてやるというのが1つ公平なのかなというふうに思ってございまして、その後、住み続けている間でとんでもない人が入っちゃうとかということが起こらないように、自治会さんであるとか、そういった方々と協力をさせていただきながら、きちんと報告等を求めて入居者の管理をしていくというのが現状でございます。

 それから高優賃の配置、この区立住宅の機会の均等ということとも関係してくるのでございますが、高齢者住宅の配置については、現在、日本橋、築地、晴海に高齢者住宅がございます。高優賃については月島地域に1つと、今年度末に浜町にオープンするところでございます。高優賃につきましては、民間の方々に対してアプローチを積極的に行っていく中で、できるだけ数多くの高優賃を設置したいと思っておりますが、それ以外の住宅につきましても開発等の機会をとらえて、できるだけ確保していきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○渡部委員
 それぞれありがとうございます。

 都市計画というのを文化だとか、その地域のいろんなものも含めてやられるということで、これが一番大切であって、これがあっていろんなものが組み立てられていくということにもなり得る部分であるから、逆に言えば中央区らしさというものを持っていくためには、ここが拡充されないといけない部分で、ソフトの部分はいっぱいほかの部分でやられているけれども、ハードとソフトと合わさったところはどこでやっていくのかというと、やっぱりここなんだろうなというふうに思って、都市計画の部分でしっかり対応していくということが充実である。しかし、まだ東京都から区に都市計画の委任事項としておりてきていない。

 そういった矛盾の中で、区としてはいろいろな形でやられているという努力は買います。しかし、100年先まで見据えた都市計画。都市計画というのは、ある意味で言えば将来の子供たちに何を残していくのか、将来を担っていく人たちに何を、どういうふうに地域として残していくのかという、メッセージと言えば大げさかもしれませんけれども、そういうものになっていくのではないのかなというふうに思っておりますので、その辺は進める上でいけば、細心の上にも細心の注意を払ってやっていただければありがたいなというふうに思っております。

 住宅の耐震の関係については、逆に言えば、防災拠点までどこのルートを確保すれば一番安心して、その防災拠点まで行けるのかというのを考えていく必要があるだろうと。中央区内でね。区内の防災拠点がいっぱいあるわけですから。

 それと、もう一つ、東京都が物資搬送のためにやり始めたのも、つい最近なんですよ。これは中央区議会の方が随分進んでいるのかなとは思っていましたけれども、そういった論議、がれきの上を通るのと何も落ちないところ、若干のものが落ちてくる部分はあるかもしれませんが、そういったところを歩くのでは、全然避難するスピードが違ってくるわけですよね。

 だから、そういうことも含めて、やっぱり区は区で、防災拠点の防災計画の中にもあるかもしれませんけれども、しっかり連携をとって、どういうところを補給していけばいいのか、じゃあ、そういうところにお願いをしにいくとか、逆に、区としてそこを確保しなければいけないと思うのであれば助成の仕方も変えていく必要だってあるんじゃないのかなと。そこを突っ込んでいくと、逆に、おかしな、不均衡という部分も出てくるかもしれませんので慎重に対応していただきたいわけですけれども、そういったこともやっぱり考えていかなきゃ、全体の、最悪の災害のときには対応できない部分って出てくるんじゃないのかなと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それと、地域の森づくりのイメージはよくわかりましたけれども、せっかく大規模再開発でいろんなところに木を植えているけれども、それが全然、ぼつぼつぼつぼつと、ぶち切れちゃっているというのが正直な話です。それをどうやって結びつけていって、逆に言えば、風の道ということで今回質問しましたけれども、その風を、どういうふうにやわらかく持ってきて、区内のそこの居住地域の中にさわやかな風を吹かせるのかという、そういう方策だって考えなきゃいけないわけですよね。

 だけど、今の大規模再開発で高木を植えても、役にあんまり立っていない部分もあるんですよ、風の向きによってね。それも、春、夏、秋。だから、1年間やったというのは、これは重要な部分であるというふうには思いますけれども、そういったところで風環境の対応を緑のネットワークで対応していくということはいいことだというふうに思いますので、その辺はしっかり対応していただきたいというふうに思います。

 それと、区立住宅の機会の均等についてはよくわかりました。公開抽選がまず第一義だろうと。その後は、あいたときにしっかり対応していって区の土地があったときには、そういうことも含めて考えていってもらえればありがたいなと。周囲にそういう土地があれば、区立住宅の建設、複合施設でも構いませんけれども、そういった形でやっていただければありがたいと思いますが、これも、つくればつくっただけ機会の均等というのがまた出てきちゃうわけですけれども、そこで補完するのが、さっき言った高優賃だとか優良賃貸住宅だとか、そういうところで対応していくと。

 だから、住宅の種類でもいろいろ考えていくべきなんだろうなというふうに思っていますので、その辺はしっかり対応していただきたいと思います。が、UR賃貸住宅は、申しわけないですけれども、自治会をつくることについては消極的です。いまだに。これだけは覚えておいてください。

 区内でUR賃貸住宅が存在する限り、区としてUR賃貸住宅の管理をしている会社、UR都市機構に対して、しっかり住民自治のための自治会をつくれるような体制を確立してくれと。今は自治会ができていますけれども、積極的にやっていないもんだから、自治会に半分しか入っていない、3分の1しか入っていないという住宅があるわけです。幾らその自治会の人たちがやっても、UR都市機構は余り協力しないわけですよ、はっきり言って。それが本当にいいことなのか。

 また、コマーシャルをやっていますけれどもね、UR都市機構ね。公園の真ん中でお年寄りと子供が遊んでいる、そういうコマーシャルがありますけれども、何かむなしく、おかしい話に見えてくるコマーシャルでしかないんですね。

 ですから、そういったことは積極的に区として対応していただきたい。既存のUR賃貸住宅も含めてお願いしたいというふうに思っております。

 時間がなくなってきちゃったので、質問しようと思っていたんですが1つは要望しておきます。

 これは、さっきも言ったんですが一つの施策のプレゼンテーションに対しては、すべてのものですけれども、区民に対してわかりやすく説明をしていただきたい。それで、どういう理由があるからこうなんだということのプレゼンテーションというか、施策の説明をしていただきたい。それをやった上でいろいろな意見を聞いていくということをやっていただきたいというふうに思っております。

 もう一つは、築地の関係については、いろいろありますが、築地の歴史を守る、築地を守るということになった以上は、これは何回も言いますけれども仲買の人たちの存在というのは不可欠であろうというふうに思っております。そういった中も含めて中央区としてああいう案を出した部分はあるわけですが、やっぱり最悪の事態も踏まえてしっかり対応していただきたいなというふうに思っておりますので、私の口から言うのも、ちょっと首を横にひねられる方もいるかもしれませんが、しっかりやっていただきたいというふうに要望して終わります。

○矢吹委員長
 次の質問者の発言を願います。

○二瓶委員
 きょうは、先ほども黙祷をささげさせていただきましたけれども、3月10日は、66年前に東京の空をB29が来襲して、まさに下町を含めた東京が火の海になり、多くの犠牲者が出たわけであります。そんな中、私の母も江東区に暮らしておりまして、女学校の学徒動員で浅草の国際劇場で風船爆弾をつくっていて、その東京大空襲を体験して火の海を逃げ回ったそうであります。また数年前に、私の町内の東京空襲を経験された方々数人をお呼びして、内輪ではありましたけれども、いろいろなお話を聞くチャンスをいただきました。

 佃はそれほど大きな火災の発生はなかったようでありますけれども、江東区の門前仲町方面から多数の方が避難をされてきた、逃げてきた。子供心に、その方々の顔は炭で真っ黒くなっていて、怖くて家から出ることもドアをあけることもできなかったというお話。また、相生橋の中州にあります中ノ島公園には、翌日も翌々日も、何体ものお亡くなりになった遺体が流れ着いてきていたという風景を今でも思い出す。また、東京湾の、中央区の大華火祭を見にいって、どうしてもあの日の空襲を思い出してしまうというお年寄りの方もいらっしゃいました。

 そんな中で本当に、一般の空襲に遭われた方だけではなくて多くの若い人たちが、あの大東亜戦争によってお亡くなりになり、まさに道半ば、志半ばで亡くなっていったのだなということに思いをはせるわけであります。

 彼らは日本の発展を、そして、もっとすばらしい日本のあり方を望んでいたと思います。そんな中で私たちは、今ここで、まちづくりに関しても、その人たちの思いにはせながら、そして将来に対する責任があるという自覚のもとで、今、目先のエゴを捨てて、自分だけがよければいいというようなまちから、子供たちに責任を持って残せるまちをしっかりとつくっていかなければいけないのだということを、改めてきょうは思いを新たにさせていただきました。

 そんな中で私も、昨年の第二回定例会の一般質問におきまして、エコタウン構想、エコタウン事業に関する一環の中で、銀座地域を脱車社会のモデルにしてはいかがでしょうか、銀座を訪れる方々はほとんどが公共の交通機関を利用しているのではないでしょうかという質問をさせていただき、区長さんからは、いろいろな面で脱車社会の今、車離れも進んでいるから、そういうモデルにしていきたい、エコタウンをこの中央区で発信していきたいという御回答とあわせて、LRTなど新たな公共交通機関についても研究して、車への依存を可能な限り低減した脱車社会のモデルを目指していきますという力強い御答弁をいただきました。

 本当にありがたいことで、その後、これまでの間に、日本経済新聞をはじめ多数の新聞にも本区のLRT計画が取り上げられまして、大きな注目となった次第でございます。

 さてそこで、新年度予算では、早速それを受けての調査費が計上され、区の迅速な対応に本当に感謝をする次第であります。今回、予算として1,500万円を超える調査費が計上されましたが、具体的なこの調査の内容というものがどういうものになるのか、教えていただきたいと思います。

 また、調査をするに当たっては、当然のことながら調査項目というものを確定されていると思います。事前にある程度、この調査項目を策定するに当たりまして内部での検討が必要であり、当然されてのことだと思いますが、どのような検討、研究がされて、この調査項目決定につながったのか、その件に関しても教えていただきたいと思います。

○矢田区長
 脱車社会、これは私たちがしっかりと進んでいかなければならない、こういうふうに思うわけであります。このまちを愛する人たちは、このまちをもっともっとすばらしく、美しくという思いで行って全力投球され、また、協力し合いつつあるわけですから、そうした面で一段と磨きをかけていかなければならないと、そういうふうに思うわけであります。

 おかげさまで江戸バスも、区議会の皆様のお力添えもあって、今、2つのルートで着実に区民の皆様方に喜ばれているわけで、1日の乗客も1,000人以上ということでありまして、大いに利用いただいている。これも脱車社会の一つであるわけでございまして、お一人お一人がタクシーに乗ったり自家用車に乗ったりするのではなくて、やっぱり公共機関、公共の施設、そういうものをどんどん広めていくことが重要であろうと、こういうふうに思うわけであります。

 そしてLRT、これも私の長年の夢でありまして、何とかこれを東京のど真ん中・中央区からどんどん広めてまいりたい。それこそ脱車社会ですね。環境の点でも、観光の点でも、そして、もちろん利便性という面でも、もう一石二鳥、三鳥ということでございまして、これをしっかりと進めてまいりたい。

 特に晴海の地域、これがすばらしくどんどん未来都市づくりの最先端、晴海、月島地域全体になりつつあるわけでありますけれども、欠点といえば、やっぱり交通アクセスの点がちょっと物足りないというのは多くの皆様方から御指摘を受けているわけでございまして、地下鉄ということでも、むろんこの検討を続けて、そして努力も私たちはしていかなければならない。

 と同時に、これはいつまで待っていてもできないということであるならば、それに見合うような、あるいは、それを追い越すようなものをつくっていかなければならない。そういう意味でLRT、晴海、月島地域とこの築地、銀座地域を結びつけると、こういうことで行ってまいりたい。

 まず、それができれば、それから、また先、さらにさらに晴海から臨海部、向こうのほうへ行く、羽田のほうへ行くという案も出てくるかもわかりませんし、他の地域へ結びつける、そういう案も出てくるであろう、考え方も行動も出てくるであろうと、こういうふうに思うわけでありますが、とりあえずは、晴海、月島地域と築地、銀座地域を結ぶ、そういうLRTをつくりたいという思いから、このたび1,500万円の調査費をのせさせていただいたわけでございまして、何とか私たちの夢、区民の夢、都民の夢を実現させてまいりたいと、こういうふうに思っているわけであります。

○有賀土木部管理課長
 LRTについてでございますけれども、今回1,500万円の予算を計上させていただきましたが、計上するに当たりましては、部内等におきまして、これまでも検討を重ねてまいりました。

 その中では、中央区の地域特性ですとか、あるいはLRTと、今回は基幹的交通システムの導入ということも含まれておりますので、BRT等との比較ですとか、あるいは導入に当たっての技術的課題がどういうようなものが想定されるか、その辺のことを検討してきた中で、今回、きちんと予算をいただいて、本格的に研究、検討していく必要があるというふうに判断しまして予算を計上させていただいたわけでございます。

 今後、予算をどのように検討していくかということでございますけれども、基本的には、今、区長からもありましたとおり、臨海部と都心部を結ぶ基幹的交通システムというものがございますけれども、それを含めまして、さらに、中央区としまして、今後の区内の公共交通のあり方というものを、もう一度整理をする必要があるのではないかということで、中央区全体の交通計画についての総合的な戦略といいますか、そのようなものを検討するということ、それから基幹的交通システムといたしまして、LRTを中心に、場合によってはBRTというようなものも考えられますけれども、ルートですとか、あるいは需要がどのぐらいあるのか、採算性はどうか、それから、あと大きな問題でございますけれども、既存の車の交通量がございますけれども、こういったようなものとLRTを走らせた場合の調和といいますか、果たして既存の自動車交通にどういうような影響を与えるか、そのようなことを検討していきたいというふうに考えております。

 以上です。

○二瓶委員
 ありがとうございます。

 本当に、区長さんの夢、私の夢も全く同じでありまして、ぜひ、このLRTを含めた新しい未来の中央区を発信していきたいなというふうに思っております。前回、どなたかの委員の質問で、LRTに関しまして課長からの答弁だと、やるかやらないかというような答弁があったような気がしたのでちょっと気になったんですが、今の御答弁は、しっかりともうやるんだという前提で検討していくということでありますから、ぜひ期待をしておるところであります。

 また、脱車社会のモデルを目指すという御答弁をいただいた中で、今回の調査は、LRTのみではなくて公共交通のスケジュールへ向かっての検討とか、脱車社会のモデルを目指すという一環の中で具体化を、これからどんどんと進めていくとは思うんですが、どういうような流れのスケジュールで、この具体化を進めようとしているのか、御見解をお聞かせいただきたいと思います。

○有賀土木部管理課長
 今回、調査費を計上させていただきましたけれども、この調査が1年間で終わるかどうかというのは、なかなか今の段階では、もう少し時間がかかるのではないかというようなことも考えております。ということで、1年から2年間程度はこの調査に充てまして、その後、3年目以降になるとは思うんですけれども、計画を策定しまして、基本計画、さらには実施計画のようなものを作成しまして、その中でどういう方向で進むのかと。

 まず一番最初は、LRTはなかなか難しいということであれば、BRTというようなものも視野に入れながら、その辺を検討していく中で基本計画、実施計画を作成させていただいて、その後、具体的に導入に向けての段階に入るということで、現在、どのぐらいの期間がかかるということはなかなか申せませんけれども、大体、少なくとも初期の段階で5年程度は計画策定には、かかるのではないかというふうに考えております。

 以上です。

○二瓶委員
 ぜひ期待をしております。

 東京大学の後ろのほうの、根津というんですか、千駄木というんですか、その博物館というか、美術館に、未来空想予想小説とか、アニメとか、そういうものの本が展示してある博物館がありますが、戦前を含めて、そういうSFの作家とか、漫画家が描いた空想の絵というのが、現実に今の世界、日本になってきているわけですから、本当に、こういうような構想、夢を語っていくということこそ将来の子供たちに美しい日本を実現していくということの足がかりになると思います。

 やっぱり夢をしっかりと持つということも必要だと思いますので、これはみんなで検討しながら、どんなにすばらしい中央区ができるかというものをつくっていきたいと思います。

 そして、もう一つは、私も、13年前ぐらいか、その当時、水の都中央区をつくる会というものを立ち上げて、第1回のイベントを、聖路加ガーデン前をメーン会場にして、そこから船に乗って、立石先生と矢田区長さんにも乗っていただいて、日本橋のサテライトを第2会場にして、区長さんは覚えていらっしゃらないかなと思いますけれども、あそこ、今の船着き場のところから、私と立石先生と区長さんの3人が上陸して、そこで一言コメントをもらうという企画をしたんですね。

 ですから、あのイベントをやって、日本橋のたもとから上陸したんですよ。そのときは、もう仮設のはしごを上って上陸したんですけれども、まさにそこに船着き場が今回完成するわけでありますから、本当に夢が1つ、私としてもかなったなということであります。

 船着き場の建設に当たって、私たちも要望していたのは船着き場のバリアフリー化でありました。船着き場から船に乗ることも、車いすの方、足の御不自由な方、また、日本橋という特性を生かして、和服でも、着物でも、そういうスタイルでも乗れるようなバリアフリーの船着き場の要望をさせていただき、また、日本橋の船着き場は、船着き場に導入する部分のサテライトにおりる分の階段部分もありますから、そういう面で船着き場のバリアフリー化というものを要望させていただきましたが、今回は、日本橋に関しましては、設計を変更していただいてバリアフリー化を実現していただきました。

 一方では、今回、310万円の予算で、船着き場の整備の中で、括弧してバリアフリー設計ということがございます。これは、具体的にはどのような内容を示しているのか、御見解をお願いいたします。

○石田公園緑地課長
 日本橋船着き場についてお答えいたします。

 現在、今年度、工事しておりますのは、滝の広場のほうから船着き場、ポンツーンのほうまで、渡る部分も含めてスロープを設置しているものも含めて設置工事を行っているところでございます。そこに関しては、現在、バリアフリー構造で工事を行っているところでございます。

 ただし、そこに行く間に、国道のほうから滝の広場におりる間に階段がございまして、そこはどうしても車いす等の利用ができないということで、来年度、国道の土地になりますけれども、そこの部分がどうにかバリアフリー化にならないかということで検討、調査をさせていただきたいと思いまして計上させていただいたものでございます。

 以上です。

○二瓶委員
 ありがとうございます。

 本当に、そういう面では、いろいろな背景があるし、いろいろな権利形態、国土交通省の問題もあるでしょうけれども、恐らくこういうものは、多分、皆さんで理解し合えて、バリアフリー化を積極的に進めていただいて、日本橋の船着き場が、本当に、日本の、東京の観光の拠点で、銀座からではなくて日本橋に羽田から来る、羽田から築地に来て築地から日本橋に来ると。そのような意味では、舟運というものが、本当にこれから大きな効果を発揮するものと思いますので、そういう意味でも、バリアフリー化というものの実現を早急にしていただきたいと思います。

 一方では、脱車社会ということで、道路というものの使用頻度というものが、いろいろな形で、車を通させるための道路だけではなくて、予算にもありますが、にぎわいのある道路整備とかということで、国土交通省を含めて、道路を使っての社会実験等も行われていると思いますけれども、本区が考えるにぎわいのある道路整備というものは、どのようなものをイメージされ、どのようなことを予算計上されているのか、お知らせください。

○近江道路課長
 にぎわいのある道路の整備についてでございます。

 にぎわいのある道路整備につきましては、基本計画2008に位置づけを行いまして、上質な通行空間の形成を図ることで商業、観光振興に資する道路整備とするということにしてございます。

 具体的には、アスファルト道路をカラー化していくということで、にぎわいを持たせようということでございます。向こう10年間では、1万7,000平米ほどの整備を予定しているということでございます。

 以上でございます。

○二瓶委員
 道路の舗装、カラー化とかは、それも一つの形かもしれませんけれども、道路そのものを利用するということをぜひ進めていただきたいと思います。例えば、日本橋の三越と三井住友銀行の本館の間の道路、あそこでは、都市楽師プロジェクトということで各種のイベントを道路を閉鎖してやっておりますし、まさに銀座の歩行者天国なんかも道路を使ってのにぎわいだと思います。

 そういう面で、中央区は脱車社会のモデルになるんだということでありますから、常時、車の通行はとめられないにしても、ああいうところで、いろいろなイベントを企画しながらにぎわいをつくっていく、そして、そういう方々が日本橋に船で来たときに、また道路でも楽しめるというような、一貫した政策というものが必要だと思うんですが、その点、いかがでしょうか。

○近江道路課長
 道路でのイベントということでは、直接、イベントの開催ということは、今やりにくい部署にございますけれども、私どもは、地元のNPOなどとタイアップしまして、にぎわいの創出ということで、昨年以前まで中央区の森の間伐材を使った道路社会実験というものをやってまいりました。また、歩行環境の整備ということで、自転車通行帯の整備ということも行ってまいりました。それらについては、イベント等それぞれの事業を通しながら地域のコミュニティが広がったり、また、コミュニティが深まったりという副次的な効果も見られたところでございます。

 道路というのは公共性が極めて高い部分で、だれもが、家を出れば道路につながるという状況にございますので、そういった、委員、御指摘の側面からも、にぎわいのある道路の整備というところに着目して事業を進めてまいりたいと、そのように考えてございます。

○二瓶委員
 ありがとうございます。

 そういった点で、最近すごく気になりだしたのは、私が目に見ているのは、リバーシティを含めた、中央大橋からかかってくるところに、垣根なんですかね、歩道のところにガードレールではない、垣根なのか何なのかはよくわかりませんが、設置されてきているんですけれども、あれは何の目的で、どこがああいうものをつくっていらっしゃるのか、区としては把握されていますか。

○近江道路課長
 リバーシティ前は都道でございます。垣根というのは、恐らく竹垣を組んだものを指していらっしゃるかと思いますけれども、これについては、従前、東京都に問い合わせをしたことがございまして、その中で東京都からいただいた回答は、修景と横断抑止と2つの側面をねらったものであるということでございました。

 以上でございます。

○二瓶委員
 その修景というのがよくわからないので、もう一回、修景に関しては御答弁いただきたいんですが、あんまり評判はよくないんですね。何か牢獄の中に入っているようだとか、何でガードレールがあって、しかも緑地帯があって、植え込みもあるのに、横断を禁止したいのかなと思います。

 一方では、こうやって道路というものが、にぎわいをつくっていこうじゃないかということで、例えば、何か緊急避難のときに、道路にあれをつくることによってふさいじゃうということもあるし、交通管理者としての側面と道路をこれから使っていこうという側面と、またデザインが道路と住居を切り離してしまうような、垣根だったらいいんですけれども、どう見ても、私も牢獄の中にいるようだという声は正しいような気がするんですが、いかがでしょうか。

○近江道路課長
 失礼いたしました。修景と申しますのは、道路をかざりつけることによりまして景観の向上を図っていくということで使わせていただいた単語でございます。飾りつけといいましても、LEDの灯りでデコレーションするというものとは、またちょっと違いますけれども、そういった景観の向上に資するものということで東京都は考えているということでございます。

 この竹垣を組んだものにつきましては、新宿駅西口前の道路でも同様に使われてございまして、地域特性によらずに同一の視点でつくられているのかなという疑問は私も持っているところでございます。

 決して東京都等の管理者を批難することではございませんけれども、半面教師というわけではございませんが、中央区で同様の整備を行うことにつきましては、十分教科書として活用させていただきたいと思います。

 中央区につきましては、先ほど申し上げましたように、中央区の森の間伐材を使った道路整備ということを、社会実験として、今現在も日本橋御幸通りで実行中でございます。実験の結果につきましてはまだ出てございませんけれども、今後、その実験結果を踏まえ、中央区の施策に反映させるときに、そういった景観の向上策の一つとして今回の事例を取り上げて反映させていきたいと、そのように存じます。

 以上です。

○二瓶委員
 都市整備部長に聞きたいんですが、あれは本当に景観の向上策にあたるのかなと思いますけれども、ちょっとそこら辺も、それも、ちゃんとした竹でつくってあるのならいいんですけれども、どうも竹じゃない部分もあったりとかしますし、間伐材を使っている中央区の道路実験はすばらしいと思っているんです、それは、歩行環境でチップを使ったりとか、いろいろ実験してみましたよね、日本橋で。道路が暖かくなるのも抑制されたりとか、足にもやさしいということですから、そういう面での側面はいいんですけれども、あれは御検討をぜひいただきたいし、景観というのであれば、八丁堀だから、新川だからああいうことなのかなと言われると、違うだろうと思いますが、都の仕事なんでしょうけれども、ぜひ本区としても、まちからも、またリバーシティの方々からも要望がありましたので、よろしくお願いしたいと思います。

 一方では、中央区で誇れるところは、いつも言うんですけれども公衆トイレなんですよね。今回も設計についての予算が計上されました。以前、お伺いしたことがありますけれども、本区の内部で設計をして、それぞれの地域特性に合わせたというか、おもしろいんですよね、1個1個写真を撮って保存しておいたとしても、それぞれ個性があるトイレだなと思っていますし、きれいなんですよね。ほかの区よりも断然きれいなんですけれども、今回の公衆トイレの設計についても外部に委託するのではなくて、内部の知恵を出しながら、内部の力でやっていくのかどうか、お聞かせください。

○石田公園緑地課長
 来年度に向けても、浜町緑道内の公衆便所と佃大橋の東の公衆便所の改築を計画しているところでございます。その2つにつきましては、今年度、平成22年度に外部に委託して設計を行っているところでございます。

 以上です。

○二瓶委員
 ぜひ、ほかのトイレも、白壁に塗ってあったりとか、中央区のトイレっておもしろいと思っていますから、ただ単に規格どおりのトイレではなくて、それこそ地域の景観に配慮したトイレであるべきだと思いますので、その点はぜひ設計者の方に注文を出してやってください。コンペをしても、きっと応募があるぐらいだと思いますから、よろしくお願いします。

 以上で質問を終わります。

○原田委員
 第6款「土木建築費」の質疑も終了したものと思われますので、次に、第7款「教育費」の質疑に入るようお諮りを願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○矢吹委員長
 ただいまの動議に御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○矢吹委員長
 異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 第7款「教育費」について、理事者の説明を願います。

○斎藤企画部長
 (説明)

○原田委員
 ただいま第7款「教育費」の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後3時に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○矢吹委員長
 ただいまの動議に御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○矢吹委員長
 御異議ないと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後3時に委員会を再開いたしますので、御参集のほどお願いいたします。

 なお、各会派の代表者の方は、この後、議会応接室において代表者会議を開会いたしますので、御参集をお願いいたします。

 暫時休憩いたします。

(午後2時27分 休憩)


(午後3時 再開)

○矢吹委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。

 第7款「教育費」について、質問者の発言を願います。

○増渕委員
 土木建築費に続きまして、教育のほうも、私と鷲頭委員で、鷲頭委員のほうは品格のある質問になるかと思います。私は少々下世話のお話から入らせていただきたいと思います。

 落語に、「野ざらし」とか「湯屋番」というお話があります。あそこへ出てくる放蕩息子の若だんなが永代橋のたもとで釣りをしていた、日がな一日、釣りをしていたら、最後のほうに、大物がかかったと言って釣り上げたら、これがしゃれこうべだったんですね。このしゃれこうべを釣り上げたら、周りに人だかりができて、このしゃれこうべは、多分2年前に女の操を守るために大名に手討ちに遭ったあの吉原の花魁、二代目高尾太夫じゃないかということで、このしゃれこうべを御神体として、つい御近所の箱崎北新堀町会というところに、高尾稲荷というのでできたんですね。これは江戸時代のお話ですけれども、「門前市を成す」、花魁は髪が命ということで、くし、笄を売っている。それで、髪の薄い方が随分参拝に来ていたというお話もあるんです。そんな中で、御神体はしゃれこうべなので供養のためにお酒をかけたと、そしたらちょっと恥ずかしがってピンク色に染まったなんて、ここまできちゃうと、ちょっと話ができ過ぎになっちゃうんですけれども、などという話がありまして、地元の方から、これを何とか区の文化財に、指定と登録とあるんですが、指定のほうは、御存じのとおり、明治屋京橋ビル、あと登録と合計で89件ということで、何とかならないかなと思って図書文化財課長にお願いした。本当に真剣に取り組んでいただきまして、年代も古いし、そこら辺はいいだろう、このしゃれこうべが男か女かもわかる、ただわからないのは、高尾太夫かどうかわからないということで、はねられちゃいました。

 大変地元の方は残念がっていたんです。というようなことをお話ししながら、さきの一般質問、それから予算特別委員会でも、今回は文化、文化財に関する質疑が結構行われておりました、地域振興費のほうでね。私は、改めまして教育費のほうで、中央区に限ってで結構でございますので、教育委員会が考えている区民のための文化というのはどのようなものか、まずそこら辺からお伺いしたいと思います。

○新治教育委員会次長
 文化のお話でございますが、文化というのはなかなか定義が難しいものがございます。すなわち、人間が生活を営んでいる中でさまざま生み出されてくる価値あるものと位置づけられてくるわけでございますが、ただ、中央区の文化といいますと、これは、この委員会の中でも委員のほうから御指摘がありましたが、太田道灌から数えれば500年以上、江戸幕府開府以来から考えれば400年以上にわたり、文化、商業、情報の中心として栄えてきた、その歴史があります。

 それぞれの中で、さまざまな人が全国から集まり日本の文化を形成してきた、まさしくトップを走ってきたその地の中のそれぞれの歴史があるわけでございまして、それぞれの中で積み重ねられてきたもの、それをよく見ていきますと、中央区の中にはたくさんの本物があるんだということ、それから日本の文化を引っ張ってきた、まさしく中心になってきた、そういうふうな誇り得べきものがあると、そういうところが中央区の文化の特性ではないかなととらえているところでございます。

 そういうものを、私どもは、図書文化財というところでございますので、まずはそのものを調べ、継承していく、そして、それを通じて人を育てていく、その育った人が新しい文化をつくって全国に発信していく、この大きな流れの中で、大きなサイクルの中で中央区というものは今後も発展していくのではないかなと考えているところでございます。

 そういう意味で、私どもの文化のとらえ方というものは、説明になっているのかどうか、ちょっと難しいところがございますが、そういうふうに中央区の文化の特性をとらえて、今後とも文化財の保存、継承については努めてまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○増渕委員
 そうですね。教育委員会とすれば、本物志向ということで、さっきのしゃれこうべは、ちょっとそこら辺のところで難点があるかなと思っています。私は、この質問をするに当たって、いろんな皆さんの質疑を聞いていたんですけれども、正直言って、文化というものを少しかたく考え過ぎているんじゃないかと思うんですよね。

 区長も、区長答弁の中で、中央区まるごとミュージアムと。これは地域振興費のほうですけれども、そのようなとらえ方ではなく、一つの例を挙げますと、栃木県佐野市が平成の大合併をしたときに、近隣の村とか町とか、はっきり言って、いろんな郷土、ものが点在しているんですけれども、それが皆さんわからないというような意味合いで、佐野市全体を平成の大合併のときに巻き込んで、中央区で言えば、町会のお宝探しというようなことを佐野市がやりました。

 それで、本区の場合ですと、区のおしらせですけれども、その中に1件1件紹介していったんですね。それが結構いい結果を生んで、佐野市の平成大合併は、目的の一つとする地域コミュニティの結束、そんなほうにもつながっていったということです。

 先ほどの高尾太夫で私は失敗しちゃったので、この次は、雷電為右衛門の力石というのがあるんですけれども、これも箱崎の中にあります、力石がいっぱいあるのでどれが力石だかわからない、これもまた、はねられそうなんですけれども、これは住民が望んでいるので何回でもチャレンジしようと思っているんです。

 ただ、これは、中央区の文化財保護審議会委員ですか、この方たちの観点から言ったら、本物という教育委員会の志向ですとなかなか難しい。でも、区民の意識、文化はどの程度のものかといったら、上から下まで、ピンからキリですよ。もっと中央区民に文化財をわかってもらう。私も区政年鑑ですか、あれで89件の文化財を全部見せてもらいました。あの中で私が知っているといったら5つぐらいしかない。そこら辺の意識をもうちょっと区民に知らせてもらいたい。

 それには、まず一番目として、自分の身の回り、自分の町会、自分の地域の中にこんなお宝があるんだということを発見してもらうところが中央区の文化施策の第一歩になるんじゃないのかなと。それで、文化財登録とか、指定などと難しいことは言いません。教育委員会推薦、もうここらのところで落ち着いていただいて、これは、本当ですと文化・生涯学習課推薦となるんでしょうけれども、区民の皆さんは教育委員会に弱いんですね。教育委員会という名前が入ると、おおっとなっちゃうんですよ。

 いろいろ申しましたけれども、こんな町会のお宝探し、これを教育委員会のほうで進めてもらいたいという私の提案でございますけれども、御見解をお願いいたします。

○濱田図書文化財課長
 栃木県佐野市の取り組みにつきましては、私のほうもちょっと把握をしてございまして、いわゆる観光立市を目指す一環として取り組んでいるものでございます。

 具体的には、各町会に区の職員が張りつきまして、町会の方と一緒にまちを歩きながら、そのまちのお宝を出そうといった取り組みで、それを、委員、御指摘のとおり、広報紙等で紹介していくといった取り組みでございます。

 教育委員会としましては、常日ごろから、区域内の文化財については、その把握に努めているところでございますけれども、こういった形で、いわゆる埋もれた文化財というのがもし発見されれば、これは文化財保護行政にとって大変ありがたいことですので、なかなか教育委員会だけでやるのは難しい面もあると思いますので、例えば、まちかど展示館ですとか、まるごとミュージアム、また観光行政、さらには町会を担当している区民部などと協議をして、どんなことができるか検討していきたいと思います。

 以上でございます。

○増渕委員
 ありがとうございます。

 そうですね、教育委員会だけでやるのはなかなか大変なので、文化・生涯学習課、区民部とも連携の上、結構おもしろい取り組みじゃないかと、私だけ思っているのかもわかりませんけれども、よろしくお願いいたします。

 それでは、がらっと変わりまして、奈良県で、初めて中学生の意識調査というのをやりました。この意識調査は、結構やわらかい感じの意識調査なんですね。「あなたにとって関心のある事柄は何ですか」と聞いたら、「友人関係」と答えたのが92.2%、すごいですね。それから、「あこがれたり目標にしたりしている人物はだれですか」と聞いたら、「芸能人、スポーツ選手」が25.5%、それで、「学校の先生は」と聞いたら、近所の人よりか低いんですね、2.1%。この記事を読みましたときに、森昌子の、「淡い初恋……、先生、先生、それは先生」という、あれはもう夢のまた夢ですね。

 このような調査結果が出たんです。これは何かといいますと、今度は、新潟県新潟市の教育委員会のアンケート調査、教職員の多忙感に関する調査というのを行ったんですね。「放課後、子供に接する時間が全くとれない」と言っていらっしゃる先生が、2008年度の調査で13.7%だったんですが、今回の調査では何と28.9%。これら多くの先生が子供と放課後全く接触できないと。これを受けまして、2008年度から教育委員会はプロジェクトチームを立ち上げました。学校への照会文書とか、これは削減しまして、今現在も問題解決に当たっていると。それで、このような取り組みの中で出勤と退勤の時間は大分早まってまいりましたけれども、その反面、半数の教師が1時間から3時間分の仕事を自宅に持って帰ってなさっているというようなことでございます。

 新潟市の教育委員会は、2008年度を目標値としまして、先生の多忙化の削減を計画する、先ほど申し上げましたが、プロジェクトチームを立ち上げたということでございます。

 まず、最初にお聞きしたいのが、本区教育委員会において、中学生の意識調査、このようなものを行ったことがあるかどうか。それから、2番目が、新潟市の教育委員会のような教職員の多忙感に関する調査は行ったことがあるかどうか、もしくは行ったのであればそれがどのような結果になったか、お伺いいたします。

○和田指導室長
 まず、意識調査でございますが、中央区の中学生の意識調査ということに焦点を当てたものは実施してございません。ですが、平成21年度まで悉皆で行われておりました全国学力・学習状況調査、これには児童・生徒の実態調査もついてございますので、その中では、ある程度、中3と小6という限られた学年ではございますが、似通った調査結果を持っているところでございます。

 それから、2点目の、多忙感の調査でございますが、また、これも改まった調査はしてございませんが、まず教員については、昨年の決算特別委員会にも出させていただきました資料等で、いわゆる退庁時間が8時を超えている教員が30%近くいるというような結果が出てございますので、このあたりについては、まだまだ公務の改善をしていく必要があるなというふうに感じているところでございます。

 また、今年度、昨年に当たるんですが、東京都が副校長を対象にしました公務改善に関する調査というのを実際に実施いたしました。その結果、やはり副校長については非常に多忙感があるという結果も出ておりまして、東京都が、またそれを解消するためのモデル事業を行うという情報も聞いてございますので、そのようなことも参考にしながら、多忙感の解消については取り組んでまいりたいと存じております。

 以上です。

○増渕委員
 それでは、もうちょっと具体的にお伺いしますけれども、多忙感の調査、若干おやりになっているということでございますが、この前、私、決算特別委員会のときにちょっと質問した中で、全国小・中学校教員の1日の平均勤務時間、これが11時間6分というデータがあります。本区ではいかがでしょうか。再確認の意味で、どの程度の時間になりますか、お教え願えればありがたいと思います。

○和田指導室長
 先ほどお答え申し上げましたが、やはり7時間45分の勤務時間を終えて帰る教員は数%しかございません。勤務時間については、平均はとってはございませんが、ほとんどの教員が退庁時間を超えて勤務しているという状況でございます。

 以上です。

○増渕委員
 これで平均勤務時間をとってどうなるものでもない。その多忙化の解消に当たらなきゃいけないので、ぜひともそこら辺のことは、何かの形で、全国平均というのもおかしいですけれども、これが一つの、解消の、削減の目標にするには、結構いい具体的な時間ではないかと思います。

 それで、これも私が、昨年の決算特別委員会のときに、多忙化解消の方策として京都市教育委員会が導入した学校・園預かり金支援システム、それから、これは私が言ったんですが、教員と事務職員との連携の中で生まれる意識改革、多忙化の解消、これを提案したことがございました。これに関して、その後の本区の取り組み、多忙化削減に関する取り組みが何か行われているのであればお聞かせ願いたいと思います。

○長嶋学務課長
 決算特別委員会の際、京都市が行っています学校の徴収金のシステムを御紹介いただきました。ただ、そのシステムにつきましては、インターネット経由で、インターネットバンキングを含めたというような、大きなシステムという形になっています。

 現在、私どものほうで、昨年の10月に学校間のネットワークということで、今やっと本格稼働を順調に行っているという状況になっております。また、京都市のシステムが、新聞記事を読みますと800時間程度の削減があったという御指摘でございますけれども、本区のやり方に対してどのぐらいの効果があるのか、あるいはそのシステムを導入してうちの学校間のシステムとうまくリンクするのかとか、そういった研究は、またちょっと、かなり細かくやらないと導入までは踏み切れないかなと考えています。それにつきましては、また今後とも研究させていただきたいと思います。

 それから、多忙化の、事務処理の改善ということにつきましては、同じく学校間ネットワークのほうで、現在、評判といいますか、そういうのをお聞きしますと、まず1点として、個人間、一人一人メールアドレスをつけたということで、それで非常に効率化が図れた、あるいはまた、申請書類等、あとマニュアル等を全部ファイルサーバーの中に共同でおいてあるので各学校で整理する必要がなくなったとか、そういったお話は聞いております。

 また、ここら辺の工夫につきましては、学校からのアイデアも含めながら、もしそういったICT関係で楽になるものがあれば積極的に導入していきたいというふうに考えております。

 以上です。

○増渕委員
 昨年の決算特別委員会のときに私が、区採用の事務職員と都採用の事務職員、これはなかなか、いろいろ制度上難しいんですけれども、教員の方は、これは都採用ですからいたし方ないとしても、事務職員の方ぐらいは、地域主権、地域分権と言っているんですから、中央区採用にならないものかなという思いで御質問したことを覚えております。

 それで、今、課長さんがおっしゃったことを、事務職員の問題ですよ、もっと具体的に言いますと、学校の中だけでやっていても、もうだめみたいですね。中央区でしたら、全16小学校、中学校の4校、この事務職員が連携しなきゃだめなんです。

 そういう取り組みが、もう随分前ですけれども、2008年に宮崎県の小林市で始まりました。まことに申しわけございませんが、ざっと読ませていただきます。

 「日常の仕事に追われて児童・生徒と向き合う時間がない。先生たちのそんな悩みを解決しようと、小林市教育委員会は、小・中学校教諭の業務を事務職員が支援するスクールサポートセンターの取り組みを本格化させている。教諭らには子供と過ごす時間がふえたと好評だ。総合的な学習の時間の導入などで教諭の業務が増加、休み時間や放課後も事務処理に追われるなど忙しく、精神的なゆとりがない教諭が多いという。このスクールサポートセンターは、このような状況を変えようと、市内の小・中学校19校の事務職員20人で、昨年4月(昨年とは、2008年ですからその前ですね)に発足した。事務局はある1つの中心校に置きまして、そこに専任職員4人を置き、業務の無駄を省き効率化する作業に取り組んでいる」ということでございます。

 これは改めての提案なんでございますけれども、これと、先ほど申し上げました、指導室長は、やってはいるけれども同じようなことはしていないと、同じようなことをすることがいいことだとは思いませんけれども、もうそろそろ教師の多忙化を削減するプロジェクトチーム、これぐらいは立ち上げてもいい時期にきているのかなと。さっきの室長のお言葉ですと、やっぱり本区も教員は同じような状態におられるんじゃないかなと私は理解しました。

 そこら辺のところで、今ざっと読み上げたのでまことに申しわけないんですけれども、感想だけでも結構です、小林市の取り組みはね、それで、このプロジェクトチームの立ち上げに関して御見解をお伺いします。

○和田指導室長
 今、お話しいただきました小林市のことにつきましては、いつぞやもお話を伺ったかというふうに思っております。そのシステムがうまく動けば、非常に双方にとってはすばらしいことだろうなというふうな認識は持ってございます。

 本区で、教育会という組織がございまして、これは幼、小、中それぞれの教員、それから事務主事会という部会もその中でございます。ですから、そういう機関等を使って、今、御指摘のありました事例ももとにしながら、中央区の中で何とかできないかというふうなことを、できたら、管理職でありますとか、主幹教諭でありますとか、そういう幹部教員も入れまして検討ができればというふうに思ってございますので、機をとらえて提案をしていきたいというふうに考えてございます。

 以上です。

○増渕委員
 よろしくお願いいたします。

 本当に、先ほどの28.何%、放課後、子供と接する時間がない、何か寂しいですよね。そんな中で、先ほどの、あこがれる、尊敬する人は芸能人、スポーツ選手だなどということにならないように、もう一回、私たちが青春を過ごした学校が戻ってくれればいいなと思いながら質問させていただきました。

 それでは、次に、新学習指導要領の対応がそろそろ迫ってきたかなと思う中で、先ごろ新聞に、区立の泰明小学校では、社会科の授業の中で、6年1組の授業なんですけれども、裁判員制度に関する公開授業を行ったと。これは、指導要領の対応でこのようなことを今からやっておこうということでこの先生が始めたことですね。新指導要領の中に、国民が裁判に参加する裁判員制度を取り上げ、法律に基づいて行われる裁判と国民とのかかわりについて関心を持つようにするというふうに示されている、その一環だそうでございます。

 この先生がなかなかすばらしいなと思ったのは、取り上げる授業は現実にあった犯罪じゃないとまずいので、現実にあった犯罪を取り上げたんだと。その犯罪というのが、「プラモデルの処分に悲観して自宅に放火した29歳の男を逮捕」という小さな記事があったのでそれを取り上げたと。それで、6年生の子供たちに、けんけんごうごう意見を戦わせ、すごくわかりやすい事例ですよね、そんな中で、最終的に、刑期も、どのぐらいの重さがいいとか、この人はこのまま、今で言うところの執行猶予ですか、処分保留とか執行猶予とか、いろいろ出たそうでございます。

 この記事を見まして、これは泰明小学校の例なんですけれども、本区の小学校の中で、この新指導要領の対応に対する授業、何かほかにあれば簡単に御紹介いただければなと思います。

○和田指導室長
 今の泰明小の授業につきましては、12月6日に研究奨励校の発表で行われたものでございまして、非常に多くの方々が参観をし、また、後の感想を見たときにも、非常に参考になったということでございました。まさに新学習指導要領を先取りした内容であったというふうに私も思っております。

 本区では、そのほかにも、これは泰明小学校だけではないんですが、例えば、外国語活動につきまして、平成23年度からは5、6年生に週1こまの枠で実施するというふうになってございますが、平成9年から、外国語に親しむ活動ということで、ALTを学校に派遣しながら、時間数はまだ少なかったんですが、取り組んできたところでございます。

 平成19年度からは、小学校5、6年生には35時間、新しい学習指導要領と同じ時間でございます、そのALTを派遣し、英語活動、外国語に親しむ活動を展開しているところでございます。また、中央区版のテキストを作成して、中央区独自のカリキュラム、また、文部科学省の英語ノート等も随時活用しながら取り組んでいるところでございます。

 それから、今回の学習指導要領の改善事項の一つとして、文化・伝統に対する教育の充実というものが挙げられておりまして、その中で、中学校の体育の中で武道指導を充実しなさいということが示されております。これまで武道とダンスが選択領域であったものを必修ですよというふうになりました。なかなか武道の指導というのは難しいんですが、本区の4校の中学校におきまして、武道、ダンスの指導のスペシャリストを外部指導者として招聘して子供たちに授業を行っていただいたと、先生方にも参観していただいたということです。

 特に、佃中学校におきましては武道の例示として相撲も示されておりますので、本区にあります荒汐部屋から力士をお招きして、実際に授業をしていただいたという事例もございます。

 ほかにも何点かございますが、この2点ということで、以上です。

○増渕委員
 今、室長のほうから武道のお話が出まして、私が覚えている範囲では、中央区は、今の総合スポーツセンター、浜町運動場ですね、あの当時から、弓道、これが結構盛んで、あんなすばらしい施設を持っている区というのはそんなにはない。そんなところで、この弓道のほうも、武道ですか、今度の新指導要領で変わってきたということで、大変期待するものでございます。

 先ほど申しました公開授業なんですけれども、私がうっかりしたのかどうかわかりませんが、そのような公開授業がありましたら、自分の地域の小学校ということではなく、私たちにも情報をいただいて、見させていただける機会をつくっていただけたらなと思っておりますので、それはお願いしておきます。

 それでは、最後に小1プロブレムの問題をお聞きします。解消案ですね。

 まず1点目、本区は1校1幼稚園ということで、幼稚園のほうは問題ないと私は認識しておりますけれども、まず保育園と小学校の連携、この合同研修。

 今度、有識者会議で、これがはっきりと方針として打ち出されてきたので、本区の現状は、保育園と小学校の連携で合同研修は今どういうような状態になっているか、ちょっとお知らせ願いたい。

○和田指導室長
 今、回数は年間3回ということでございますが、それぞれの地区で保育園と幼稚園が合同した研修会を、これは教員が集まって研修会を行っているところでございます。

 それ以外にも、福祉保健部子育て支援課と連携して保・幼・小の連絡会というものを設けてございまして、そこで、保育園、幼稚園の保護者向けの啓発用リーフレット、小学校1年生になると、こういうことが始まりますよというリーフレットを作成いたしまして、平成20年度と平成22年度の2年間にわたりまして3歳児から5歳児の保護者に配付したということで、そういう状況でございます。

 以上です。

○増渕委員
 昨年の11月、先ほども申しましたけれども、提言が出ました。その中で、これはすごいなと思ったのは、大体、私は道徳のほうで5年生、6年生を中心として公開授業に参加させてもらっているんですけれども、たまに1年生のほうへ行くと、はっきり言って、本区の場合もちょっと危ないかなというところを感じて、心配だなと思ったときもあります。

 それから、今回の提言の中でものすごくおもしろいのが、45分間の時間を2こまか3こまに区切る。これはすごくわかりやすくていいかなと。1年生のお子さんだと、はっきり言って、45分集中していろというのは、私が見ていても、多分ちょっと無理があるかなと。これは、今、提言の状態だと。区としてどこまでということはまず難しいでしょうけれども、今感じられていることで結構なので、提言のほうは小学校低学年となっております、この45分のこま数を2こまか3こまに割るという、私は大変いい提言だと思うんですけれども、それに対する本区の御見解をお聞きして質問を終わらせたいと思います。

○和田指導室長
 教科等の内容によるかというふうに思いますが、中には15分、30分というふうな形で、モジュールの時間というふうな呼び方もするんですが、そういう形で時間割を初期のころは設定していくということもいいアイデアかなというふうに思ってございます。

 ただ、やっぱり45分間の活動時間が必要だという学習もございますので、それは、その子供たちの状況でありますとか、学習内容によって学校が計画的に実施していくべきものであるというふうに考えてございます。

 それから、今回の学習指導要領で、1、2年生が履修する生活科ですが、その中で、スタートカリキュラムというのが示されました。これは、小学校の学習内容の中で、より幼稚園に近い内容のものから始めようということで、学習指導要領に提示されてございます。そのようなカリキュラムも必要ではないかなというふうに考えてございます。

 以上です。

○増渕委員
 終わります。

○矢吹委員長
 次の質問者の発言を願います。

○鷲頭委員
 それでは、そんなに格調は高くないんですが、少しお尋ねをさせていただきます。

 まず、初めに、先日話題になりました京都大学の入試事件なんですが、携帯電話のようなものから解答を入手したという事件をどのように考えておられるか、お考えをお聞かせください。

○新治教育委員会次長
 この事件に関しましては、皆様方もさまざまな報道で内容等は熟知されているのかなと思っております。ただ、この事件が最初起きましたときに、本当にこういうことが起きるのかなと、可能なのかなと、一瞬耳を疑ったところはございますが、さまざまなこういうふうな機器を使いなれてくると、そういうことを可能にできるような若者たちが出てきたのかなと思ったところでございます。

 ただ、これは、この1人の人間が出たことをもって、すべてがこういう状況なんだというふうに推しはかるのはいかがかなと思っております。よく、こういうふうなセンセーショナルな事件が起きますと、もうすべて、こういうふうな状況で若者たちはこういう手を使うんじゃないかというふうに推しはかってしまうところがございますが、特異なものは特異としてとらえて、若者はしっかり勉強しながら受験に真正面でぶつかっているんだと、そういう若者のほうが多いんだというふうにとらえたほうがよろしいんではないかなと、私はそう思っているところでございます。

○鷲頭委員
 私はそんなに特異だというふうに思っていないんですけれどもね。カンニングなんかは昔からよくあったような気がしますし、たまたまその手段が、そういうものがもう普及してしまったと。だって、この教育のまち中央区に向けて、教育振興基本計画のこの中にも、確かな学力の向上の中に、ITCの活用と情報教育の推進というのがうたわれているわけですから、それは、使えるようになれば、だって、昔のカンニング、こんなぐちゅぐちゅやるよりはいいなと、やるほうはね。

 だから、そういう、いたずらというか、ときには悪い子がやるやんちゃもいるんじゃないかなと、そんなふうに思っているんですが、ただ、それをちゃんと防がないほうが、むしろ問題があるんじゃないんですか。昔はちゃんと、そういうカンニングみたいなものにはきっちりしていたし、今、みんながこんなものを使っていることというのは、もうわかっているわけですから。そしたら、そういう本当の意味で、ちゃんとそういうものはしまうようにさせるとか、きのうの新聞のコラムに、「受験生1人1万7,000円徴収する京都大学は、8,243人の受験生によって1億4,000万円以上が入る。特設コインロッカーや電波妨害システムなど、韓国の一件を知れば対処できたはずだ。公正第一なら、携帯ほか所持品一切持ち込み禁止で文房具を支給すれば済む話で、警察と寄ってたかって若者を逮捕した安易さに強い違和感を覚えた」と、こう書いている人がいるんですが、これからもあり得るような気がするんですけれども、それは、単に使ったものがそれだけであって、子供たちをそんなに責めるようなことかなと、ちょっとこの次の質問と違った内容になっているかもしれないんですけれども、あんなに大騒ぎするようなことかな、カンニングなんか昔からあったよねという気がちょっとしたんですけれども、だから、その辺はどうなんでしょう、今の、このIT教育もしっかりやっているわけですから、ちょっともう1回。

○新治教育委員会次長
 IT教育につきましては、これは当然、今、知識基盤社会の中で、情報には国境がないわけでございますから、こういう機器を使って新たな知識を得て、その知識を使いながら新たなものを生み出していく、そういうような学習態度、学力が必要になってくると。こういう時代ですから、当然IT教育はしっかり進めていかなきゃいけないと考えているところでございます。

 先ほど私、触れましたけれども、この機器を悪用してしまった学生さん、この方は非常に悲しい方ではございますけれども、若者はこういうふうな態度で受験に臨もうとしている、また、そういうような若者の風潮があるんだとか、そういうことではないんだと私は思っております。あくまでも若者を信じていきたいと。

 その者は、未来に向けてしっかり勉強して、未来の社会を担っていきたいんだ、そういう気持ちがあって受験をしているんだと。そういう意味では、こういう事件を大きく取り上げて、さらにさらに、問題は何だというふうなことで、問題を大きく取り上げ過ぎることはいかがかなと思っているところでございます。

○鷲頭委員
 ありがとうございます。

 今のコラムの最初のほうに、これは作家の井形慶子さんという人が書いたものなんですが、「世界最高峰の大学、英国のオックス・ケンブリッジの合否は教授らの面接で決まる。無限に高い塔の内部を塗るペンキは何缶必要かなど、その質問は奇想天外。埼玉県立浦和高校卒の大谷朋輝さんは、クジャクの雄が美しい羽を持つのはなぜかと問われ、生物のデモンストレーションを軸に論旨を展開、2008年、見事ケンブリッジに合格した。生徒の考え抜く力量をはかる教育とは考え抜く力を身につけること。世の中のごまかしを見抜く力と説いた学長の哲学的な言葉も感動的だった」と書いてあるんですが、普通、高校を卒業したらちゃんと大学に入れるだけの学力は、それこそ身についていなきゃいけないので、それよりも深い意味での物事の考え方とか展開の仕方を、多分このオックスフォードやケンブリッジなんかは見ているんだろうと。つまり、単に計算ができるとか、そういうことではない、もっと人間的なものを見ようとしているので、もっとも日本の中学、高校は簡単に卒業させますので、だめな子はちゃんと残してきっちりと学力を身につけたほうがいいと思うんですが。

 この話は一応終わりまして、実は、ことしの、区長がばっと出ている新春座談会ですね。これが教育の座談会だったので、なかなか関心を持って読ませていただいたんですが、この中で、ちょっと気になったりするところがありましたので、少しその件についてお尋ねをします。

 まず、区長が言っておられる、この教育の中央区の中央区教育振興基本計画、その中で、「重点施策の1つとして位置づけているのが、子どもたちの「生きる力」を育てることです。「生きる力」とは、「確かな学力」、「豊かな心」、「健やかな体」、昔から言うところの知、徳、体のバランスのとれた生き方をはぐくむことといえます」と書いてあるんですが、生きる力とは何なんでしょうという感じがちょっとして、もうちょっと具体的に書いてあったらいいのかなと思うんですよね。

 それと、この基本計画を見てもそういうことが書いてある、そういう表現なんですが、確かな学力というのも、どういうことを確かな学力というんだろうと。確かなという形容詞が学力という名詞につくというのは、僕は。

 最近の教育関係の人はみんなこの言葉を、だれかが最初に使ったらしくて使うんですが、僕、前にも言ったことあるかもしれないんですけれども、確かな情報とかというふうに言いますよね、ちょっと信頼できない情報とか。信頼できない学力とか、そういうことはあんまり言わないじゃないですか。ちょっとこの形容詞の使い方が、もうちょっと。

 しかも、確かな学力ってどういう内容なのかが、単に基礎的な知識が身についていればいいのかどうなのか、それから、豊かな心というのも、何が豊かな心なのかという、例えば、人への思いやりとか、あるいは何かそういう、もうちょっとわかりやすい言葉に置きかえられるんじゃないのかなと。

 健やかな体、これは何となく、健康な、丈夫な体をつくるのかなというのは、わかりやすいといえばわかりやすいんですが、この辺がもうちょっとわかりやすく書いてあればいいんじゃないかなと思ってこちらを見ましたら、確かな学力のほうは、子供一人一人に応じた指導の充実、学習意欲の向上と学習習慣の定着、土曜日や夏休み等を活用した学習機会の充実、ITCの活用と情報教育の推進、国際性をはぐくむ教育の推進、これで確かな学力を向上させると。

 それから、豊かな心、社会性をはぐくむ教育の充実では、具体的な内容として、心を育てる教育の推進というふうに書いてあるんですけれども、心を育てるというのもちょっとよくわからないんですよね。いじめや不登校のない学校づくり、豊かな体験活動とキャリア教育、環境教育の推進というともっとわからなくなるんですけれども、しかも、その下の健康な体をつくる教育の充実のところにも、具体的な内容としては、スポーツを通じた豊かな心と体力の向上と書いてあるんですよ。みんな、豊かな心、豊かな心と。豊かな心って何なんでしょうね。

 それで、私がこの3つを見て感じたのは、生きていく力というのも、実は非常に中途半端なんですが、豊かな心と、それから健康な体でしょう。私が一番大事だと思っている判断力はどこに入っているんだろうと。ものを何かやって生きていこうとするときには、それこそいろんなものを見て、こういうふうにやらなきゃいけないんだなというふうに、例えば、物事を判断していくというようなものというのはこの中に、確かな学力なんでしょうか。ちょっとその辺がね。

 もう少しこれは、私は、日本語としてはもうちょっとわかりやすい表現をしてあげたほうが皆さんがいいと思うんじゃないかなと、余計なことを言っているようですけれども、すごくわかりにくかったんです、これを読んでいて、そう思うんですが、いかがでしょうか。

○和田指導室長
 確かな学力の概念ということでございますが、御指摘の向きもあろうかと思いますが、確かな学力というのは、いろんな言い方があるんですが、自分で課題を見つけて進んで解決していく、そして、それをまた表現していく、さらに、また新しい知識を求めていく、ただ単なる知識だけではなくてさらに新しい知識を生むような学習をする力、そういう学ぶ力を確かな学力というふうに私どもは考えているところでございます。

 それは、確かなという言葉では言いあらわせないという御指摘があれば、また考えなければいけない部分ではございますが、この確かな学力という言葉が、今、一般的に使われておりますので、私どももこの振興計画の作成に当たってはそれを使ったということでございます。

 以上です。

○鷲頭委員
 一般的に使われている、逆らうわけじゃないんですけれども、数年前、もうちょっと前ですかね、教育関係の結構偉い人かなんかがそういう言い方をしたのが広まって、みんなが使うようになっちゃったんですよね。私、前にも言いましたが、子供という字の供という字を平仮名で書く書き方もそういうことで広がっちゃって、それぞれ使っている人がその内容をきちっと把握していないというふうな気がしちゃうんですよ。

 それはともかく、それで、この生きる力というものを、区長が皆さんにそういうお話をして、それで皆さんからの意見が出てきて、みんなが、私の考える生きる力はもうちょっと違うんですけれどもねという意見がいっぱいあるんですよね。「私は、「生きる力」とは困難に立ち向かうための一歩を踏み出す勇気だと思います」という人もいますし、それから、「困難に立ち向かうプロセスが大事です。今の教育はそのプロセスを見ないで、ただ結果だけを評価するカリキュラムをつくってしまうのかな」ということを言っている人がいるんですね。これはみんな教育委員会の委員の方及びPTAの会長さんたちですよね、お話ししている人はね。

 確かに、そういうふうにつくられると教育も単なるマニュアル化しちゃっているのかなというふうに思っちゃたりするし、生きる力の要素としては、「自分自身としての健全な価値観や道徳観を持ち、直面している現実にそれらを照らして自分がとるべき行動を決める力が「生きる力」の要素だ」と言っている人もいますし、「端的に言うと、「生きる力」とは知恵だと思います」と、どういうふうにいろいろ出合った状況に対応していくかという、その知恵を持つことがやっぱり生きる力だということを、これは何と教育委員長が言っているんですけれどもね。

 だから、そういういろんなものからいったら、今のこの3つはちょっとわかりにくいですねと思いまして、もう少しわかりやすくしてもらったらどうかなと思うんですが、それは、あんまり時間がありませんのでそういうふうな方向で考えていただきたいなと。

 それで、その後で今度は区長は、確かな学力の向上のために、小学校での算数とか、中学校とか、いろんなそういう非常勤講師を配置してという言葉がありまして、その中に、理科離れが言われているので、この方面の充実を図るために全小学校に理科授業を支援する人、理科支援員を配置していますというお話なんですけれども、私も、どちらかというと、理科とか、そういうのが好きだったんですが、先生というより、私は、今うちの区は、特に環境的にそうなんですが、例えば、自然との触れ合いとか、実験とか、そういうものが理科系にはすごく関心を持たせるというか、そういうものが必要なんじゃないかなというふうに思うんですね。それと、さっきの社会の中でどう生きていくかということを学ぶ意味からいっても、どうも、もう一つ自然と触れ合うチャンスがどうも少ないんじゃないかなと。

 一生懸命、柏学園とかいろんなところを使ってやってはおられるんですが、もっと身近なところで、簡単に言いますと、例えば、浜離宮の庭園のほうはともかく、こっちの、いろいろ菜の花とかあるあの辺なんか結構広々しているんだから、自分たちでいろいろ使わせてもらえるようなものとか、奥のほうの乗馬の練習をしているみたいなところはほとんどだれも使っていないんだから、せっかく近くにあれだけの広い自然があるんだから、あれを学校の、そういう自然と触れ合うものにも使えないかというのと、それから、ここ本区は水辺の豊かなところだと言うのなら、もっと水辺を活用して、しょっちゅう魚釣りをやらせるとか、そんなことでもいいんですけれども、いろんなことで自然との触れ合いをもっと進めていくような施策ができないものかなというのを私は非常に前から考えていたんですが、その辺の方向、何とかやりようはないでしょうか。

○和田指導室長
 御指摘のとおりだというふうに考えてございます。学校の中で、理科の時間等を使ってやる学習でございますので、時間が限られてございますので、どんなことができるかということで各学校は工夫をしているところでございます。

 屋上のビオトープでありますとか、今、お話がありました浜離宮庭園でございますとか、そういうところを使っている学校もございますし、水辺に行って野鳥を観察するというふうな学校もございます。中央区にある限られた自然ではございますが、その中のものを各学校は最大限に使っているなというふうに考えてございます。

 また、これは全校でということではないんですが、教育センターで小学校の科学教室を行っておりますが、これは年に1回のことでございますが、谷津の干潟に行きまして海鳥を観察するというような体験もやってございます。そのようなことを少しずつ、つなぎ合わせながら、中央区全体としての自然体験というふうに考えてございます。

 以上です。

○鷲頭委員
 そんなに中央区の森などという遠いところへ行かなくても、すぐ近くにもたくさんあるわけですし、それから、葛西臨海公園、あそこを友達と散歩したときに、ここに子供を連れてきたら喜ぶだろうなという池があって、カヤなんかがたくさん生えていたり、海岸に出て、カニとかいろいろ追いかけたりもできるようになっていますし、区内になければ近くのそういう区の施設も使わせてもらえばいいじゃないですか。お互いにそういうことで交流していってもいいんじゃないかなという気がしますので、さらに、それは広げていっていただきたいと思います。

 その延長で、例えば、中央区の森、あそこは、遠いといえば遠いし、近いといえば近いんですが、もう一つ、身近なところで、せっかく水辺にあるところなんですから、もっと遠くても、例えば、隅田川の上流のあたりにそういう森をつくって、そこで植林をして、それが川を通じて、その養分が海に出る、「森は海の恋人」、そういうことを言ってずっと植林を全国的にやっているグループがいますよね。魚つき林というのがあるように、それがつながっていってこういう自然ができているんだと、それで私たちは海にいるんだし、そういう流れも感じてもらえるようなところに、そんな施設とか、あるいは行けるようなものができたらいいんじゃないかなと思うんですね。

 だから、その身近なところもそうですし、それと、そういった何か全体の自然の流れをつかめるような方法ということもぜひ考えていただきたいんですが、いかがでしょうか。

○和田指導室長
 そういう体験のできる場所の発掘ということかというふうに思うんですけれども、中央区の森につきましては、各学校ではそれなりの、なかなか現地に行くことは難しいんですが、檜原村まで行ってお話を聞くというような体験をしている学校もございますので、そういう活動については、できる範囲で続けていきたいなというふうに思ってございます。

 今、御指摘のありました、もう少し身近にある隅田川の上流でということでございますが、そういうことにつきましては、今、自然体験ができるような、そういう施設というんですか、場所がないかどうかというような、そういう調査もしているところでございますので、余り場所ばかり多くてどこへ行ったらいいかわからないというようなことがあると困りますので、教材としての価値があるのかとか、教育的な効果があるのかとか、そういうふうなことも勘案しながら、そういう場所については探してまいりたいと存じます。

 以上です。

○鷲頭委員
 ありがとうございます。

 それから、さっきの座談会のほうに戻りますが、ここで2人の方が、「私が保護者としてかかわった宇佐美学園では、子供たちが親元を離れて学校・寮生活をしていますが、さまざまな出来事があります。そうしたとき自分たちでじっくり考え、話し合い、結論を出して困難を乗り越えていく環境としてとてもすばらしいものがある」ということを言っていますし、委員長の松川さんも、「生きる力というものを養う上で、宇佐美学園のように、生徒全員を寮に入れて、人と人との関係の密度を濃くするような教育も効果的なものかもしれませんね」と同意をしているんですが、私も、できれば、6年生までの間に1年間とか、あるいは中学生になってからでもいいんですが、1年間ぐらい、そういう寮生活を体験させると。

 私なんか田舎で育ったから、そんなところで自然に育ったんですけれども、こういうまちで育った人は、そういう体験があると、自分だけでは解決できないもの、それから友達との関係とか、人との関係というのもすごくうまくいくんじゃないかなというふうに思うんですが、それを今すぐやれといっても難しいでしょうけれども、今後の方向として、そういうものもぜひ研究をしていただきたいというふうに思うんですよね。僕は、やっぱり全寮制のそういうところに1年間ぐらいいるというのはいいなと思うんですが、どうなんでしょうか。

○和田指導室長
 宇佐美学園のよさは、本当に、今、委員から御指摘があったとおりでございます。

 集団生活をしていく上で、親元、また、ふるさとを離れて1年間ぐらい生活をしてみたらということでございますが、今、農村体験をしている学校がございますし、また、山村留学をしている子供たちもおります。そういうような事例等も紹介しながら、例えば、少し学校に不適応な部分がある、そういう子を自然の中で伸び伸びと育てたいというようなケースがありましたらそういう場所を紹介するとか、丸々学校が行ってしまうというのは、これは難しい話でございますので、必要に応じて考えていくことかなというふうに考えてございますし、また、そういう候補地をこちらとしても探す方向で考えてまいりたいと思います。

 以上です。

○鷲頭委員
 できれば、そういう短期間の体験というよりも、ちょっと長期間にわたって集団生活をやっていただくというのが、先ほどの人間関係とか、あるいは社会とのつながりとか、自分の役割、それから何かに出合ったときの解決の方法とかを学ぶのにはすごくいいんじゃないかなと。

 実は、数週間前の週刊誌に出ていたのですが、自衛隊、あれは2年とか、4年とかで終了するらしいんですが、区切っていて。あそこの修了者の就職率がものすごく高いんですよね。つまり求人が高い。それは、今のように、友達との触れ合いもそうですし、それから、何かをきちっと完結して、完了させないと認められないと。だから、何かの仕事に対してちゃんと意欲を持って取り組み、しかも周りの人たちときちっと協力関係も結んで、1人が、ごまかしてというか、手を抜くと、周りみんなが罰を受けるんですけれども、そういうようなことも踏まえて、もう全く就職は引く手あまたということらしいんですね。

 だから、新しい求人が入ったときに、体験入隊をさせてそういうものを訓練させるというところもあるんですが、体験入隊して帰ってくると、顔つきが変わるというか、やっぱり人との触れ合いとか、責任の持ち方とか、例えば、あしたは10時半から始まりますから10時半に集合ですと言っても、10時半ぎりぎりに集まるんじゃなくて、その前に来てちゃんと準備をするということまで身につくらしくて、そういうことも踏まえて、今の、長期間にわたる、体験入学じゃないですけれども、そういう寮生活とか、あるいは、そこまでいかなくても、まずステップとして、さっきの、自然とかなり濃厚に触れ合うような、そんな施設を、あるいはそういう政策をぜひとっていただけたらということを要望して私の質問は終わります。

○矢吹委員長
 次の質問者の発言を願います。

○植原委員
 それでは、教育費について質問させていただきます。

 今、教育委員会のほうでも、昨年の3月に教育振興基本計画を策定されまして、新しい教育の中央区を目指してさまざまな施策に取り組まれていると理解をいたしております。

 そういう中から幾つか質問させていただきます。

 まず、新年度の新規事業の中で、授業力向上システムの構築ということでありました。これは、区独自のメンタティーチャーの認定等、また授業力向上モデル研究校の指定ということで、2校予定されるということで、こちらの説明の中にもございますけれども、大変期待をしているんですけれども、具体的にどういう事業なのか、お示しいただきたいと思います。

 それで、ここでおっしゃっているモデル校、2校を予定されているということですが、今、もしその予定されている学校がわかりましたら教えていただきたいと思います。

 それから、メンタティーチャーということなんですが、これは、在籍校のほか他校の若手教員等に対しても指導、助言の役割を果たすことができる教員をメンタティーチャーとして育成・認定するとありますけれども、今現在の主幹制度、そういうものとの関連とか、どういう位置づけになるのか、本来のこのメンタティーチャーの目的というのは何なのか、教えていただきたいと思います。

 それから、次に、特別支援教育の対応なんですけれども、これにつきましては、充実事業として、6項目にわたりまして、新年度予算の中でも具体的に示されております。本当に、小学校、また中学校と充実、拡充をしていただいて、皆さんからも、安心の教育ということで大変期待をされている事業だと思います。

 それで、先日、民生費の中で、子供の発達指導・相談の件でちょっとお尋ねをしたんですけれども、区としても、こういう発達障害、また障害のあるお子さんたちの一貫したサポート、支援体制を充実させていくために取り組まれていくということで、それもぜひ積極的にお願いするところなんですが、ちょっと現場のお声を聞いたところによりますと、私も、ニュース、報道等、勉強不足で申しわけないんですが、国における事業仕分けの関係で、こういうソフト面の、例えば、臨床心理士とか、言語療法士、いわゆる専門の療法士さんたちの、そういう事業というのがかなり削減されていくということをちょっとお聞きしているんですけれども、その辺のことで、この特別支援教育というのは、やっぱりそういう方たちがいらっしゃらないとなかなか充実もしていかないと思いますので、国の方針に対して、1年とか2年先のことかもしれませんけれども、区としてはどのように、それが真実なのかどうかということも含めまして、御見解をお伺いしたいと思います。

 まず、よろしくお願いいたします。

○和田指導室長
 まず、授業力向上システムでございますが、メンタティーチャーのメンタというのは、教育相談用語で目標になるということでございます。そのとおりに、目標になる先生ということで、本来、教員は、自分で研修をするか、または区等々の研修会に行って研修をするということでございますが、やはり一番の研修は、その授業の方法だというふうに考えてございます。

 身近にそういう先生がいれば、もちろん学校の中にいれば一番いいと思うんですが、なかなか授業のうまい先生というのはそうはいない、得て不得手ももちろんありますけれども。というところで、小学校といえども専門性の高い教員もおりますので、国語の授業についてはあの先生のところに行けばいろんな指導法も教えてもらえるということで、研修会とか、そういうところに行かなくても、身近にそういう先生がいて、いつでも相談できるという先生をつくりましょうという制度でございます。

 できましたら、各校に1人ずついればいいんですが、そうもいきませんので、今年度は何人か決めて、次年度については、教科の一部ではございますが、その先生方に活躍していただこうということでございます。

 モデル校というのは、そのメンタティーチャーがいる学校であれば、一番それが形としてはいいと思うんですが、なかなかそうもいかないので、小学校については有馬小学校を考えてございます。中学校については日本橋中学校を考えてございます。

 有馬小学校については、そのメンタティーチャーとして認定しようという教員もおりますので、その教員を中心にして、学校は、校内研究としていろんな研究をやっているんですが、授業のデザインというんでしょうか、授業の構成力というんですか、そういうものに特化した研究というのは、意外と自己努力に任されている部分があるんですね。

 ですから、その辺の授業のうまさというんでしょうか、学級経営もそうなんですが、学級という集団を学習集団に持っていけるときのいき方というんですかね、質問の仕方もそうですし、子供の答えの受けとめ方とか、そういう本当に基本的なことだと思うんですが、それは、もう本当に自分が教材に対する深みがないとなかなかできないもんですから、そういうところを学んでほしいなと。それで、子供が、その45分なり、50分を本当に学習をしたという、そういう充実感を持って終わってほしいと。そういう授業の構成の仕方、デザインの仕方等を研究する学校ということでモデル校を指定したところでございます。

 それから、主幹教諭との関連でございますが、主幹教諭の中には優秀な教員もたくさんございますので、それと一致している教員もいますし、中には、まだそこまでは至っていないけれども高い専門性を持っているという教員もございます。

 以上でございます。

○長嶋学務課長
 国の方針につきましては、私も細かいことはちょっとわからないところでございますけれども、ただ、私どもの臨床心理士に対する評価という面で申し上げさせていただければ、実際に学校の中で、そういった特に発達障害、こういった特徴のあるお子さんについて、教員のほうの相談にも乗り、また、同時に保護者の相談にも乗るということで、非常に効果を上げていると思っています。

 また、就学相談に当たりましても、今、専門員が2人おりますけれども、それが、実際にお母様の気持ちになりながら、また、お子さんの状況を具体的に説明できると。やはりこれにつきましては、ただ本を読んだということじゃなくて、経験という非常に大きな部分があろうと思います。そういった意味で、私どもといたしましては、基本的には、臨床心理士に関しての役割というのは、むしろ比較的にだんだん大きくなってくるのかなと。

 先ほど委員のほうから、一貫したサポートという部分につきましても、これからどんどんそういったことが必要になってくるだろうと思っております。その中では、実際にドクターも当然必要ではございますけれども、そういった臨床心理士、あるいは特別支援関係の専門家の助言というのは非常に大切なものになってくるというふうに考えているところでございます。

 以上です。

○植原委員
 ありがとうございます。

 初めの、新規事業のメンタティーチャー等の指導室長さんのお話、大変御丁寧にありがとうございます。本当に専門の先生方にこれはお任せするしかないことだと思いますし、私がこれをどうこうということではありませんし、大変失礼な言い方ですけれども、教員の方の指導力とか、そういうのを向上させていく、また学校としても、計画のほうにあるように、学校力を高めていくという意味からも大変重要な新規事業であると思いますので、ぜひお取り組みのほう、よろしくお願いいたします。

 それから、あと特別支援教育への対応につきましても、今、学務課長さんの御答弁をお聞きしまして安心いたしました。ちょっとこの先どうなるのかなと、せっかく区としても取り組み始めて、さらに、また拡充していかなければいけないものだと思いましたので、今、御答弁をお聞きしまして安心いたしました。

 では、次に移ります。

 いじめや不登校のない学校づくりということであります。これは計画の中にもきちんと示されておりますけれども、国のほうで、2008年でしょうか、スクールソーシャルワーカーの配置ということで方針を示されておりますが、なかなか全国的には、まだまだ進んでいない状況かなと思いました。

 中央区としては、もし間違っていたら訂正していただきたいんですけれども、東京都の配置でしょうか、スクールカウンセラーを、平成11年ぐらいからですか、各中学校に配置をされて、生徒の相談等に貢献していただいているということで認識いたしておりますけれども、本区においては、このスクールソーシャルワーカーというのはどのようにお考えになって、今実際に、もういらっしゃるのかどうか、その辺も含めて教えていただきたいと思います。

 なぜこのことを御質問するかといいますと、最近のニュース等でも、やはりいじめが原因となった事件とか、児童・生徒の自殺など、ここ数年、各地で散見されておりまして、どこの地域においてもこういうことは起こり得る、発生し得ることだということで、やはり考えるべきだと思うんですね。

 そういう意味で、ソーシャルワーカーというと、どうしても医療のソーシャルワーカーというイメージがあるんですが、改めてスクールソーシャルワーカーと文部科学省が言っている、その辺のスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの違いも教えていただければありがたいなと思います。

 文部科学省が、そういう配置を、方針を決めたということは、そういう児童や生徒の学校教育現場にはやはり必要なんだろうなということで思っておりますので、区のお考えをお示しください。

 よろしくお願いいたします。

○和田指導室長
 今、委員、御指摘のとおり、学校の中でそういう存在の方は必要だろうなというふうに私どもも考えているところでございます。

 ただ、そのスクールソーシャルワーカーの資格でございますが、これは、臨床心理士さんの資格ですとか、それから福祉士さん、社会福祉士さんというんでしょうか、の資格を兼ね合わせたような難しい資格だというふうに聞いてございますので、残念ながら本区の学校にはそういう教員もいないということでございます。今のところは臨床心理士の資格を持ったスクールカウンセラーで対応しているというところでございます。

 学校としてはスクールカウンセラー、または、小学校であれば教育センターから派遣している専任教育相談員が中心になって、もちろんそのケースに応じてチームをつくって考えていくと。場合によっては、子ども家庭支援センター「きらら中央」との連携も図りながら問題の解決を図っていくというようなことで、今、対応している状況でございます。

 以上です。

○植原委員
 今、現状では、スクールカウンセラーは週1回の、配置といいますか、いらっしゃるわけですね。それで、区政年鑑でしたでしょうか、何か資料を見たときに、中央区内のこの1年間のさまざまな相談のトータルが1,500件ぐらいあったと思うんですけれども、きっとスクールカウンセラー、また心の教室相談員等も含めての数だと思いますけれども、1年間で1,500件を超えるような相談回数が載っておりましたけれども、果たして学校への配置というのが週1回で適切なのかどうか、その辺、ちょっと改めてお伺いしたいのと、スクールソーシャルワーカーというのは、文部科学省が方針を示したにもかかわらず、これは各自治体で判断をして配置するものなんでしょうか。

 その辺のことが、国が方針を示しながら、2008年からですから、もう4年目ぐらいになるんですか、配置ができないということはどういうことなのか、その辺の御説明をお願いいたします。

○和田指導室長
 スクールカウンセラーの配置でございますが、確かに週1回ということでございます。心の教室相談員が、それ以外に週2回ほど行ってございます。相談の内容によってそれぞれの役割があるんですが、両方の方々に話しに行っている生徒たちもおりますので、大体週3日ぐらいはだれか相談相手がいるということでございますので、今のところはそれで対応しているところでございます。

 自治体で、そのスクールソーシャルワーカーの配置ということですが、多分、東京都でモデル地区として配置をするかという、そういう情報は私どもも聞いたことがございますが、自治体での判断に任せるとか、その辺の詳しいことについては、申しわけありませんが、今把握してはございません。

 以上でございます。

○植原委員
 いろんなニュース等を聞いておりますと、やはり学校側では、事故なり事件なりが起こった後に、報道等では、学校では気づかなかったとか、または気づいていても、適切な指導、指導といいますか、対応がされていなかったとかということをよく見るものですから、今これだけ子供を取り巻く環境というのが大きく変化していたり、またコミュニティが希薄化していたり、孤立していたりとか、いろんな社会環境が、先ほどのネットでのいじめとか、そういうのもたくさんあると思うんですね。

 そういう意味では、より昔と違って、そういう環境というのが複雑になっていたり、家庭環境ももちろんですけれども、どんどん複雑化して、そういうものが発見しにくかったり、いろんな場面があるのかなというふうに心配するわけですね。

 ですから、私も専門家じゃありませんので、そのスクールソーシャルワーカーという役の人がどういう働きをされるのかというのをまだ十分に勉強してはおりませんけれども、東京都のほうでモデルとして事業を展開されているのであるならば、やはり区としてもその辺は御研究いただいて、あと、スクールカウンセラーが週1回というのは、ちょっと少ないのかなという思いもいたします。

 あと、スクールカウンセラーの方が、何か御事情があって、空席といいますか、いない状態というのはないんでしょうか。そういう場合にはすぐに対応なさるんでしょうか。お一人ですと、やはりいろんな状況があると思いますので、その辺の対策といいますか、区としては整備していらっしゃるのかどうかも含めてお答えをお願いしたいと思います。

 それから、就学援助の件なんですけれども、これは、今年度から、特に就学援助の御家庭を対象に、小学校入学時には2万円、あと中学校のほうは5万円の給付という形で、手厚く支援を拡充してくださって、対象の方やまた区民の方を含めて評価が高いところですし、本当にありがたく感じております。

 そういう中で、その上で申し上げるのもあれなんですが、前に少子高齢化対策特別委員会の中でもお尋ねをしたんですけれども、中学校の入学時に当たっては、5万円の支給はあるんですけれども、すべてそろえるとなると10万円前後とかなり高額になって、その中の5万円を区のほうで支給していただくというのは大変ありがたい事業なんですが、ただ、その支給月が、入学した後、7月以降になるということで、入学時にその支給がかなえば、なおありがたいなと。やはり大変なんですね、そういう支度というのが。それで、区として、中学校のその支給について、その辺の制度を改正していただけないかどうか、もう一度改めてお伺いします。

 前にも委員会のほうでは、所得の課税の認定、そういう作業がありますので時期的に難しいというお話を伺っているんですけれども、例えば、認定期間というのは、中央区はいつそういう認定をされるのか、それを、もし前倒しで前年度に認定をされて、申請していただくとか、それで入学と同時に支給していただくとか、何かそういう、3月に支給というのは、これは難しいのかなと思いますけれども、少しでも早めていただくようなお取り組みはできないのかどうか、その辺についてお尋ねいたします。

 それから、最後にスクールバス、これも何回も、一般質問でもお伺いしましたし、委員会のほうでもお伺いして、ある程度、区の御説明といいますか、一定の理解はしますけれども、やはりいろんな方に御意見をお聞きするんですね、どう思いますかと聞くと、やはり不公平だというお声が、その当事者だけじゃなくて住民の方からも、同じ特認校制度の中で通学をしながらスクールバスが利用できないというのは、やはり公平ではないんじゃないかという御意見があります。

 あと、この教育振興基本計画を策定されるときの、御意見を区民の方からいただいた中にも、シャトルバスを下校時だけでも出していただけないかというふうな意見もありましたけれども、月島地区から、いわゆる城東、常盤、阪本小学校の3校に限って、今スクールバスが運行されているわけなんですけれども、一定の理解はするんですが、やはり特認校制度の中でそれが行われているものですから、それを条件にして、保護者には最初の段階で御説明して、それを認めていただいた上で入学されているということでは理解はするんですけれども、でも、やはりどこか納得のいかないことがありますし、また何回も申し上げますけれども、区民の方、また、もちろん保護者の方たちはそうだと思いますけれども、やはりそういうお声が多いわけなんですが、これについて、また改めて御見解をお伺いしたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

○和田指導室長
 スクールカウンセラーについてでございます。

 週1日の配置というのはどうも心配だという御指摘でございますが、これは、年間、または月等を通しまして配置の日を決めてございますので、いない週というのはまずございません。仮に、その週、スクールカウンセラーがいなくて不安だというような事態が起きた場合、その場合は、抱えているケースをそのまま引き継げるかどうかは別ですけれども、今センターにおります専任教育相談員、これは小学校、幼稚園、保育園に派遣していますが、それを中学校に派遣するというふうなことをしております。

 また、突発的にいろんなことが起きて、どうしてもスクールカウンセラーがそのときにいなかった、または1人では対応できないというときにも、教育センターの教育相談員を派遣してございます。平成19年に中学校で悲しい事故があったんですが、そのときにも、子供たちの心のケアということで、専任教育相談員が出向いたという例がございます。

 次年度は、体制を12名から14名ということで、ありがたいことにふやして頂きましたので、来所相談が非常にふえてきたということではございますが、突発的な、そういうことが余りなければいいんですが、もしそういうことがあれば、対応できるようにしたいというふうに考えてございます。

○長嶋学務課長
 まず、就学援助でございますけれども、基本的に前年度の課税額で認定作業をしていると。通常は、2月16日から3月15日で確定申告をして、それで課税状況の閲覧ができるのが大体6月中旬ぐらいからという形になっています。ですから、今現在、お申し込み書類だけでそこら辺の認定作業の添付書類が一切要らない理由は、逆のことを言えば、7月にその課税情報を使わせていただいているからという形になります。

 ですから、もしこれを、例えば、もっと早い時期にという形になりますと、このデータが使えないという形になりますので、基本的には、例えば、源泉徴収票ですとか、確定申告書の写しですとか、そういったものの世帯員全員分を添付していただいて、たしか昔はそういうような形だったと思うんですが、それでどこかのタイミングで出してもらって、それで認定作業に入ると同時に、全部が確定した段階で、それが間違っていないかどうかという再チェックで、もしそれが違っていれば、また返還していただかなきゃならないとか、そういった問題が多分出てきます。

 前回も、御答弁の中で、そういった書類を全部そろえて、全部という話であれば、ある程度可能かなとは思いますが、ただ、全体から言えばデメリットのほうが大きいのかなと。1回払ったものを返してくれみたいな作業も、当然出てくる可能性があります。

 確かに、こういう言い方をして失礼かもしれませんけれども、例えば、ほかの貸付制度、応急小口資金とか、そういう制度もございますので、もしよろしければそちらを借りていただいて、7月にはもう入りますので、そういった中で処理していただくとか、そういったほうが。

 正直、認定作業の間違いですとか、あるいは添付書類で何度も何度もやりとりしなきゃいけないとか、そういう部分のデメリットはかなり大きいのかなというふうに思っています。

 ですから、ちょっとそこら辺も、今現在のやり方をしているおかげで楽になっている、簡易になっている部分というのがございますので、そういった意味で御理解いただければなというふうに、私は今のところ考えておるところでございます。

 それから、スクールバスでございますけれども、確かに、城東、常盤、阪本小学校と、月島エリアからほかの学校という比較をいたしますと不公平と思われるかもしれませんが、ただ、前回も同じような答弁をさせていただいて、特認校のいろんな経緯の中でこういう制度を、月島地域から、要は単学級校、小規模な学校に関してはある程度のインセンティブの付与が必要ではないかという議論の中から、その3校ということで、単学級校でないところについては、基本的には出さないというような形の議論になっております。

 実際に、その3校にはあって、同じ月島地区から違う学校に通っているところにはないということで、不公平感がイメージ的にあるという御指摘でございますけれども、例えば、それ以外にも、日本橋小学校も特認校でございますし、あるいは、今現在バスが出ているのは月島地域だけですけれども、じゃあ、京橋地域から日本橋へ行くときはどうなんだとかという形になります。ですから、全学校に全地域からバスを出しますというような形にしない限り、どこかで、不公平というか、これとこれはというような形になってくると思います。

 今現在、私どもは、やはり教育の中央区学校づくり検討会の提言の考え方に沿った形で、スクールバスについても運行を今までどおりきちんと行っていきたいというふうに考えているところでございます。

 以上です。

○植原委員
 初めの、就学援助の関係ですけれども、これは、今、御説明いただいたことはよくわかります。そのとおりだなと。それは、申しわけありませんが、区役所側が手間がかからないでできる、手間がかからないというのは変な言い方ですけれども、いろんな面で、後から返していただくとか、そういう、いわゆる面倒なことが後から起こらないことで手続がスムーズにいくという言い方かなと、ちょっと感じました。

 おっしゃっていることはよくわかるんですけれども、やはりそれだけの高額な費用がかかるために、例えば、ほかのほうで借りてくださいなどと、ちょっとそれは、何とも言えない感じですけれども、やはり区民の側に立って、もう一歩を考えていただければありがたいなと思います。

 実際に、都内ではありませんけれども、私が知っているところでは、宝塚市だと思いましたけれども、そこでは実際に、早期支給ということで、申請、認定期間を前年度に設けてやっていると伺っておりますし、またその辺のことも御研究いただいて、できれば改正していただくとありがたいなと思っております。

 それから、あとスクールバスのことは、これもよくわかります。本当に教育委員会の説明はわかるんですけれども、ただ、今はそこの一部の特定の小学校ということになってしまうので、余りにもその影響というのは、外に対しても、影響といいますか、そこの学校の評判まで、マナーが悪いということが、小学校1、2年生ですから、それは静かにしなさいと言っても、なかなかその辺は難しい部分、限界があると思うんですけれども、学校とか、教育委員会のほうでも、そういう意味ではいろいろ御努力はされていると思うんですね。例えば、かばんをランドセルから別の軽いバッグに変えて、少しでも込んだバスのほかの乗客の方に御迷惑がかからないようにしているとか、そういうことをインターネットで、学校のおたよりでそういうことをやっていますということを見させていただきましたけれども、御努力をされていることはわかりますけれども、学校の評判まで、東京都の、例えば、交通局あたりにそういう苦情が行ったり、教育委員会にもきっと苦情が来ているのかなとも思いますし、やはりそういうことも少し考えていただければありがたいなと思います。

 本当の公平性という意味からいうと、今、課長さんがおっしゃったとおりであります。ただ、もともとコミュニティバスの検討委員会の中では、スクールバスということも一つの基本方針の位置づけをされていたと思うんですね。ですから、その辺、また区の課題として、今後、より多くの方から、外の人から見ても不公平だという声が多いんですね、ですから、もう一度その辺は御検討いただきたいと要望して質問を終わります。

 ありがとうございました。

○原田委員
 第7款「教育費」の質疑半ばでありますが、本日はこの程度とし、明11日、午前10時30分に委員会を開会されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○矢吹委員長
 ただいまの動議に御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○矢吹委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 明11日、午前10時30分に委員会を開会いたしますので、御参集をお願いいたします。

 本日はこれをもって散会といたします。

(午後4時32分 散会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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