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平成25年第二回定例会会議録(第2日 6月26日)

1.会期

九日(第二日)

六月二十六日(水曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後五時二十六分散会

3.出席議員

(二十九名)

一番 加藤 博司議員

二番 山本 理恵議員

三番 富永 一議員

四番 瓜生 正高議員

五番 染谷 眞人議員

六番 堀田 弥生議員

七番 河井 志帆議員

九番 奥村 暁子議員

十番 小栗 智恵子議員

十一番 増渕 一孝議員

十二番 高橋 伸治議員

十三番 木村 克一議員

十四番 石田 英朗議員

十五番 墨谷 浩一議員

十六番 青木 かの議員

十七番 田中 耕太郎議員

十八番 渡部 恵子議員

十九番 志村 孝美議員

二十番 原田 賢一議員

二十一番 中嶋 ひろあき議員

二十二番 鈴木 久雄議員

二十三番 礒野 忠議員

二十四番 今野 弘美議員

二十五番 押田 まり子議員

二十六番 植原 恭子議員

二十七番 田中 広一議員

二十八番 中島 賢治議員

二十九番 渡部 博年議員

三十番 守本 利雄議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君

副区長 小泉 典久君

副区長 吉田 不曇君

教育長 齊藤 進君

企画部長 中島毅君

総務部長 島田 勝敏君

防災危機管理室長 中島 佳久君

区民部長 浅沼 孝一郎君

福祉保健部長 平林 治樹君

高齢者施策推進室長 小倉草君

保健所長 和田 哲明君

環境土木部長 宮本 恭介君

都市整備部長 田村 嘉一君

会計管理者 平沢 康裕君

教育委員会事務局次長 新治満君

監査事務局長 坂田 直昭君

企画財政課長 黒川眞君

広報課長 園田 典子君

総務課長 長嶋 育夫君

5.議会局出席職員

議会局長 田野 則雄君

庶務係長 小暮 万里子君

議事係長 荻原 雅彦君

調査係長 金田 敏明君

書記 長田 基道君

6.議事日程

日程第一
一般質問


午後二時 開議

○議長(原田賢一議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(原田賢一議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 十七番田中耕太郎議員。

十七番 田中耕太郎議員登壇

○十七番(田中耕太郎議員)
 中央区議会みんなの党の田中耕太郎であります。質問通告書に基づき、中央区政の諸課題について、区長並びに担当理事者にお伺いいたします。明快かつ具体的な御答弁をお願い申し上げます。

 質問テーマは、第一に保育所施策の充実について、第二に区のIT戦略について、第三に東京の自治のあり方についての三点です。それぞれについて個別の質問をいたしますので、よろしくお願い申し上げます。

 まず初めに、保育所施策の充実についてです。

 横浜市が発表した待機児童ゼロは、マスコミ報道や、安倍首相の成長戦略スピーチにおける横浜方式を全国に展開したいとの表明も相まって、同市の手法が各地に広がる状況にあります。

 横浜市は、三年前まで全国で最も多い千五百人余りの待機児童を抱えていたにもかかわらず、集中的に待機児童対策に取り組み、わずか三年でゼロにしたという実績は見習うべき点が多くございます。とりわけ、市長の指示で待機児童対策にかける予算を三年でおよそ一・五倍として、職員も重点配置したこと、将来の需要も見越して認可保育所の定員を一万人以上ふやしたことに加え、企業が運営する保育所をふやしたことは、市長の強いリーダーシップが不可欠でありましょう。さらに、株式会社の積極的活用、保育コンシェルジュの配置、横浜市独自の基準で認定する横浜保育室の増設、待機児童をゼロにするための職員の意識改革を行った上で、地域ごとの保育ニーズの調査・分析を行い、保育所に利用可能な用地・物件を探して所有者や企業との交渉支援を行ったり、市外での保育士を確保するための説明会を開催するなど、積極的かつ多面的な施策を展開したことも待機児童ゼロへの功を奏した理由とされております。

 しかし、一方で、待機児童の定義のあり方については、昨今、議論の対象となり、自治体間の定義の違いから、単純比較はできないとの指摘があります。元来、待機児童とは、認可保育所に申し込んでも入所できなかった児童でしたが、厚生労働省は平成十三年度からこの定義を変更し、自治体独自施策としての認可外保育所への入所や、希望した保育所ではないために入所しない場合などは待機児童の定義から外しています。さらに、カウント方法は自治体裁量による部分もあるため、統計上の待機児童は調整が可能な点があるとの意見もあり、インターネットなどを使って自宅で求職中の際は待機児童に含めないとする横浜市のような例もあれば、本区のように待機児童に含める自治体もあります。

 こうした中、杉並区では実態に即した定義とカウント方法の見直しを行い、今年度からは、育児休業を延長した場合、子供を預けられないために仕事を退職した、求職活動をやめた場合、求職活動中のひとり親家庭の場合、さらに預けている場合であっても一時保育を利用の場合、認可・認証外のベビーホテルを利用の場合、ベビーシッターを利用の場合は待機児童に含む扱いに変更し、待機児童数は九十四人から二百八十五人と大幅に増加となりました。

 本区においても保育所待機児童の解消は最重要課題であり、そのためには、第一に保育所の増設、定員増加が重要であり、政府や東京都の行う支援制度や補助金を活用することはもちろん、国有地や都有地等の貸し出しにも前向きな検討をさらに行うべきと考えます。また、ゼロ歳から二歳児などの待機児童が多い実態から、開設が比較的容易で小規模な保育施設を地域に点在させ、自宅近くでの保育需要に応えていくことも肝要と考えられています。

 さらに、経団連、一般社団法人日本経済団体連合会は、本年五月十四日の政策提言の中で、待機児童の解消に向けた一層の取り組みを求めるとし、事業所内保育施設の活用を求め、待機児童解消に向けて国や地方公共団体の取り組みに期待するところであるが、都市部での保育所不足を補うため、企業みずから事業所内保育施設を設置するケースも増加している。本来、行政が中心となって担うべき保育環境の整備に、特に待機児童の多い自治体において企業が一定の貢献をしていると言える。こうした状況に鑑み、現状、事業所内保育施設への助成は、財源、助成規模ともに限定的である点を改め、保育施設の設置に前向きな企業を後押しすることが望まれるとしており、国と自治体が企業内保育所の実態を把握すべきとの提言を行っています。日本最大の商業地の一つである本区においては、規模の大小を問わず、多くの企業が集積しており、その企業内保育所の実態を把握し、対応を検討すべきでないかと考えます。

 また、東日本大震災の教訓等を踏まえて、災害時に災害弱者として乳幼児とその保護者、妊産婦への特段の配慮や支援が必要であります。医療や食品、おむつや衛生用品などの不足は、深刻な健康被害や生命の危機をもたらします。阪神・淡路大震災と新潟中越地震で避難所生活を体験した保護者や現地の保育士への聞き取り調査から、被災地では、早い段階で乳幼児向け商品が届いたとしても、食品、紙おむつ、哺乳瓶などがばらばらに届くため、分類や仕分けが困難であり、必要な家庭へ届けるのが難しい状況があったとされています。これらの問題を未然に防ぐためにも、保育所の災害対応力を充実し、災害弱者である乳幼児とその保護者らへのケアに努めるべきであると考えます。

 以上を踏まえて、お尋ねをいたします。

 本区における待機児童の具体的な定義についての見解をお知らせください。

 それを踏まえた上で、最新の待機状況についてお知らせください。

 今後の待機児童の推移と解消対策についてお知らせください。

 そして、東京都の導入する東京スマート保育についての本区の見解と導入の検討状況についてお知らせください。

 指定管理者制度や株式会社による保育所の参入をさらに促進すべきだと考えますが、保育サービスの向上と質の維持における本区の課題と対応策についてどのように考えているかお知らせください。

 企業内保育所の所在と実態把握を行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。また、区民や地域への貢献やサービス還元を前提に、一定の支援を行うべきだと考えますが、御見解をお知らせください。

 大規模災害時の乳幼児、保護者への支援体制についての見解と、保育園を活用した乳幼児家庭向けの備蓄や災害時の対応拠点としての充実を図るべきだと考えますが、御見解をお知らせください。

 次に、本区のIT戦略についてお尋ねいたします。

 IT戦略とは、一般に情報技術を事業にいかに利用していくかに関する具体的な方針・計画のことであります。情報化社会と言われて久しいですが、昨今はソーシャルメディア、スマートフォン等の普及により、日常生活の多くの場面で情報通信技術が活用され、その利便性は高まる一方です。

 国が二○○一年に国家ICT戦略、e‐Japan戦略を策定し、自治体のIT戦略もこれに対応する形で進展を遂げてきたと認識しておりますが、近年はクラウドコンピューティング技術を電子自治体の基盤として活用する、いわゆる自治体クラウドが注目を集め、トレンドとなっています。自治体の情報システムの集約と共同利用を進めることにより、情報システムに係る経費の節減や住民サービス向上による事業効率化、東日本大震災の経験から、データセンターの安全性を高めることによる情報の保全と災害発生時の業務継続を確保する重要性が問われています。情報化計画の中身について考えますと、行政内の情報、区民との接点の情報、地域・産業活性化に資する情報などへの大別が考えられ、さまざまな情報の蓄積と利用が想定されています。

 そして、ソーシャル・ネットワーク・サービス、通称SNSを活用した自治体の情報発信も広がってきています。現在、特別区においても、ほとんどの区で何かしらのSNSのアカウントを持ち、情報発信を行っています。本区は、中央区広報課のアカウントで昨年十一月に開設し、六月二十四日現在、百三十七ツイートと千百三十一フォロワー、平均およそ一日一ツイート程度の情報発信がなされておりますが、発信情報量も閲覧者であるフォロワーの伸びも、残念ながらやや低調ぎみであります。SNSを利用する利点は、広報紙やホームページなどと比較して即時性や双方向性があることが挙げられますが、プライバシーやモラルの問題があり、これを避けるためにガイドライン等を固めてしまい過ぎると、おもしろみに欠けるため、逆に人気が出ないという課題があります。問題点を克服しながら双方向メディアとしての有効性を考えていく必要性があります。

 また、フェイスブックを導入する自治体も、少しずつではありますが、ふえてきています。賛意や同意の意味で押す「いいね!」ボタンの件数やコメントは、区民の関心度や忌憚のない意見としてマーケティング的に利用することも期待できます。

 また、若年世代を中心に急速に進んだスマートフォンの普及は、個人が常時持ち歩く、まさにパーソナルコンピューターであるわけですが、その利用実態は、パソコン同様に、基本ソフトであるOSに好みのアプリと呼ばれるアプリケーションソフトを取り入れて活用する仕組みとなっています。近年はさまざまなアプリが開発され、先ほど述べたSNSも専用アプリで利用するのが一般的でありますし、具体的な対象者が明確なもの、例えば子育て中の母親用に開発されたアプリなども充実してきています。これまで自治体におけるアプリの活用は、主に観光情報の提供などが主なものでしたが、先ほど述べた子育て中の母親用に開発されたアプリなどの中には、個人の情報記録という次元をはるかに超えて、子供の成長記録はもちろん、在住している自治体の病院検索、予防接種等の案内をリアルタイムに行うなど、機能的な現代の母子手帳と言えるものなどもあり、双方向性を活用して、行政としての活用やアプリ開発をも検討に値するものなどが出てきています。

 以上の点を踏まえてお尋ねいたします。

 基本計画二○一三の策定に伴い、区の総合的なIT戦略はこれまでとどのように変化し実践されていくのか、現状と将来ビジョンについてお知らせください。

 東京都では、災害時に行政情報を素早くバックアップし、事業継続を図るため、基礎自治体で共同運営するバックアップサーバーの構築に向けて動き出していると聞いておりますが、その検討に関して本区の状況をお知らせください。

 SNSを活用した情報発信の現状と今後の展望並びに広聴やマーケティング的観点でのフェイスブック導入の是非について区長の見解をお知らせください。

 スマートフォンの普及に伴い、アプリケーションによる目的や対象者を明確にした情報発信や情報受信の手段が今後発達していくと考えられます。区として、アプリの有用性や活用方法について早期に検討し、導入を目指すべきであると考えますが、御見解をお知らせください。

 最後に、東京の自治のあり方についてお尋ねをいたします。

 将来の都制度や東京の自治のあり方について都と区市町村が共同で調査・研究を行う東京の自治のあり方研究会は、本年三月末に中間報告をまとめました。この中では、人口減少や少子高齢化の急激な進展を前提に、役割分担と整理と連携による効率的な施策展開が提言されており、区市町村の将来の財政的逼迫を見越し、共同処理制度の活用や、基礎自治体間での相互補完や機能分担などの選択肢について、主体的に判断、検討するように促しております。

 本区の人口は、今後二○三○年ごろまで増加が見込まれており、東京全体での人口減少と完全には一致しない点も多々あるものの、現在の出生率をもとにした場合、東京全体では、二○一○年度比で二○五○年には十五歳未満の年少人口でおよそ三分の二の百二万人、十五歳以上六十五歳未満の生産年齢人口で三割減の六百三十一万人、六十五歳以上の高齢化率は二○四○年には三○%を超えることは避けられない状況にあります。二○四○年や二○五○年というのは、現在からそれほど遠くない未来でございまして、我々は避けることが困難な事態を正しく認識した上で行財政運営の基本を考えていかなければならないことは申し上げるまでもありません。

 そこで、お尋ねいたします。

 これまでの特別区制度改革と都区のあり方について、本区の基本的な考え方と、都や他区とは隔たりのある点についての具体的な見解をお知らせください。

 そして、都区のあり方検討会においては、東京の自治のあり方研究会の調査結果を踏まえて、特別区の区域のあり方を整理するとされていますが、今般の中間報告に対する本区の見解をお知らせください。

 中間報告の中で提言されている基礎自治体間での事務共同処理制度や相互補完、機能分担は、面積が小さいながらも、商業集積地を抱え、都心特有の強みと弱みを持つ本区にとっては、今後の重要課題と考えます。本区の今後の取り組みについてお知らせください。

 以上で私の一回目の質問を終わります。御答弁の内容によって、再質問をさせていただきます。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 田中耕太郎議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、待機児童の定義についてであります。

 本区では、厚生労働省が毎年実施しております待機児童数調査における定義をもとに、認可保育所に入所できなかった児童のうち、特定の保育所を希望している児童、認証保育所に入所している児童及び家庭福祉員による保育を受けている児童等を除いた数を待機児童としております。この定義によりますと、本年四月一日における本区の待機児童数は百九十三人となります。今後の見通しにつきましては、昨年度の出生数が千五百十一人に上るなど、乳幼児人口が年々増加していることから、さらなる保育需要の増加を見込んでおり、現状の保育定員では待機児童が増加することが想定されます。そのため、本年九月と平成二十六年四月には私立認可保育所を、本年十月には京橋こども園を開設いたします。今後も児童数増加に伴うさらなる保育需要に対応し、待機児童の早期解消に向け、保育所の整備に取り組んでまいります。

 次に、東京スマート保育についてであります。

 本区の保育所入所申し込み数は一歳児及び二歳児が六割を占めており、この状況においては、三歳未満児を対象とする東京スマート保育は有効な事業であると考えます。しかしながら、三歳児以上についても申込者数が増加傾向にあり、待機児童も前年度と比べて大幅にふえております。そのため、東京スマート保育では対応できない三歳児以上の保育定員も増加させることが必要になってきております。こうしたことから、現状では認可・認証保育所を中心に保育定員の拡充を図る必要があると考えております。

 次に、保育所に対する民間事業所の参入促進と保育サービスの向上及び質の維持についてであります。

 民間事業者が保育所を新たに整備する場合、国庫補助の対象とならないなど、財政面での負担が大きく、保育士の処遇や保育環境に影響を及ぼすおそれがあることなどが指摘されているところであります。こうした中、本区においては、独自の家賃助成や運営費助成を行うことにより民間事業者が参入しやすい仕組みとするとともに、保育士の処遇や保育環境などに支障がない安定的な運営ができるよう支援しております。また、各園から提出される実績報告書等により実態を把握し、区の立入調査や指導・助言を行い、保育の質と透明性の確保に努めております。さらに、保育士につきましては、区や東京都を初めとする研修に積極的に参加させ、人材育成にも取り組んでおります。こうした取り組みにより、保育の質の維持・向上に努めるとともに、民間事業者が参入しやすい環境を整えているところであります。

 次に、事業所内保育所についてであります。

 現在、本区には八つの事業所内保育所が設置されておりますが、各施設とも雇用保険事業の対象施設として、一般利用の受け入れ枠は設けておりません。東京都は、本年度から、事業所内保育所の定員の四分の一を区の保育定員として活用する場合、運営費等の助成を行う新制度を設けました。今後は、事業所内保育所における地域児童の受け入れについて意向を確認するとともに、面積基準など、国基準に準じた施設が助成対象となることから、適合施設か否かの調査をした上で活用を検討してまいります。

 次に、乳幼児の災害対策であります。

 大規模災害発生時には、保護者が園児を引き取るまでの間、保育所において安全に預かることができるよう、職員分として三日分の食料や毛布、簡易トイレなどを備蓄しております。あわせて、園児分についても、保護者の引き取り状況を考慮して二日分の食料などを備蓄し、保育体制に万全を期しております。なお、園児を保護者に引き渡した後の各保育所は、本区地域防災計画に基づき、災害復旧に携わる方などの乳幼児保育を実施する応急保育施設と位置づけております。したがいまして、乳幼児や保護者に対する支援につきましては、避難所となる防災拠点において、施設利用計画における乳幼児世帯優先居室を設けるほか、粉ミルクや紙おむつ等、生活必需品の備蓄を行うなど、きめ細かな配慮に努めているところであります。

 次に、本区の総合的IT戦略についてであります。

 本区では、平成十七年に中央区情報化基本方針を策定し、ICT技術の進展を踏まえた区民サービス拡充等の観点から、三年ごとにその内容を見直しております。これまで、電子申請システムや公共施設予約システムの導入によりインターネットからの二十四時間の申請受付を実現し、両サービスともに利用件数は順調に推移しております。また、職員一人一台のパソコン配置を実施し、内部業務の効率化を進めるなど、電子区役所の構築に取り組んでまいりました。平成二十七年度より、社会保障・税番号制度が導入されることに伴い、区としての検討に着手したところでありますが、個人番号の活用と導入に伴う業務の見直しを図ることにより、窓口業務の改善や他団体とのデータ連携による業務効率化を進め、一層の区民の利便性向上と行政運営の効率化に取り組んでまいります。また、住民情報システムの災害時バックアップ用共通基盤の整備については、現在、東京電子自治体共同運営協議会で検討されておりますが、本区では既に都外のデータセンターを利用し、十分なバックアップ体制を整えているところであります。

 次に、ITを活用した情報発信の現状と今後の展望等についてであります。

 開かれた区政を実現する上で、区政に関するさまざまな情報を正確にわかりやすく発信することや、区民の意見・要望などを積極的に収集して区民と情報を共有することは、極めて重要であります。ICT技術の進展に伴い、情報発信・受信の手段としてSNSの普及が進んでいることは承知しておりますが、個人情報の漏えいや成り済ましによる不正利用などの課題も指摘されております。このため、本区においては、現在、区のホームページを補完する手段としてツイッターを導入しており、SNSの課題を踏まえながら、区のホームページの新着・注目情報、イベント情報、写真の掲載など、親しみやすいツイートを発信し、区民等への情報提供の充実に努めております。また、見やすさや使いやすさ、わかりやすさを柱とする区のホームページのリニューアルに取り組んでいるところであり、その中でスマートフォン専用サイトを設けて、情報発信の多様化を図ることとしております。今後、フェイスブックなどのSNSやアプリの活用も含め、必要なときに必要な情報を区民と共有することができる仕組みについて、さらに研究してまいります。

 次に、東京の自治のあり方についてであります。

 平成十二年の都区制度改革において、住民に身近な事務は区が担うという役割分担が明確化されるとともに、都区間の調整財源の法定化を初めとする財政自主権の強化が実現し、特別区は名実ともに基礎的な地方公共団体に位置づけられました。これにより、都区制度はこれまでの歴史的経緯や大都市地域の特殊性を踏まえた自治の仕組みとして確立されたものと認識しております。しかしながら、現実には、いまだに都が一体的に処理する市町村事務の範囲が具体的に示されておらず、それに応じた財源配分も未整理であるなど、都区間で解決しなければならない大きな課題が残されております。東京の自治のあり方研究会では、都と区市町村の役割分担のあり方、住民自治のあり方、効率的・効果的な行財政運営のあり方の三つの観点から、東京を取り巻く現状と将来の姿を前提とした都制度や自治のあり方について、都・区及び市町村による忌憚のない意見が交わされてまいりました。このたびの中間報告を経て、今後さらに実務的な検討が深められる中で、都区間における残された課題の解決に向けた議論の土台が整うことを期待する次第であります。また、基礎自治体間での事務共同処理制度等につきましては、清掃事業の中間処理や人事委員会に関する事務等において既に実績を重ねてきたところであります。今後とも、基礎自治体優先の原則に立った上で、効率性や効果などの観点から広域処理がふさわしい事務等については、執行方法の選択肢の一つとして、必要に応じて特別区間の連携・協力を働きかけてまいりたいと存じます。

 答弁は以上であります。

〔十七番 田中耕太郎議員登壇〕

○十七番(田中耕太郎議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございます。

 何点か再質問をさせていただきたいと思います。

 まず、保育所の件でございますが、従前からずっと申し上げているとおり、本区の保育所待機児童対策というのは、区長もかなり力を入れてやっていただいておりますし、予算も大きくついているというふうには認識してございますが、残念ながら、それを上回る勢いで乳幼児、特に誕生しているお子様の数も多いですし、子育て家庭が流入してきているという実情がここ何年間も続いておりますし、今後もその傾向が続くであろうというところまでは共有できていると思うんですけれども、今のペースでは常に待機児童が解消できないのではないかというのが、不安といいますか、実態としてそうなってきてしまっているという残念な結果がございますので、ここでもう一度、厳し目に見積もった待機児童の予測を考えた上で見直しを行っていただきたいというのが、もちろん要望としてあります。

 今、御答弁の中で、東京スマート保育の件を少し質問させていただきましたが、東京スマート保育は主に三歳児未満ということですから、一・二歳児を中心とした小規模な保育サービスの提供という形になると思いますが、これの導入を考えたときに、三歳児以上も必要だから厳しいというような御回答に聞こえたんですけれども、従前の区の御回答ですと、今、保育所は整備していて、基本的に厳しいのは三歳児未満であるというような御答弁がこれまで本会議や委員会でもなされてきたというふうに私は認識しております。今の御答弁ですと、三歳児以上も当然ふえていくから、足りないから、これでは対応ができないというように聞こえましたので、今までの見解との違いがあるのかないのかについて御答弁をお願いしたいというふうに思います。

 それから、災害時のお話でございます。

 基本的には、防災拠点等でこういった乳幼児等の災害弱者の対応をするということでございまして、それは認識してございます。ただ、やはりそれだけでは対応し切れていないというのが、これまでの震災等の教訓としてあるのではないか。長引く避難所生活等を考えた場合に、仮に物資等が届いたとしても対応し切れない、救難物資の分類等をする人間がなかなか足りないというのが、これまでの災害時の教訓として大きくあると思います。

 単純に今在園している園児等だけではなくて、その後、万が一長引いてしまった避難生活の中で、優先的に、中長期的に対応できるような仕組みづくりを進めていくべきではないかという観点で質問いたしましたので、その点についても十分とお考えなのかどうかというのをお知らせしていただきたいというふうに思います。

 SNSやアプリケーションについてでございますけれども、どんどんこれは新しいものができて、どんどん発達しているという状況で、過渡期とも言えるかとは思いますけれども、時代の流れとして、こういったものを活用していくということ自体は誰もが認識していると思うんですけれども、やはりその変化のスピードが余りにも速いものですから、自治体や行政がなかなか追いつけていないというふうに認識しています。

 今、御答弁の中で、研究・調査していろいろなものを活用していきますよというお話なんですけれども、調査・研究している間にどんどんどんどん状態が変わってしまうというのがこの分野の今の現状でございますから、御答弁でもいただきましたし、私も申し上げましたけれども、ある程度のリスクがあるのはわかっている話ですけれども、リスクを抑えながら、やってみながらリスクをコントロールしていくという考え方でないと、いつまでたっても、研究して研究結果が出るころにはもう次の新しい仕組みやシステムが生まれていってしまうというのが、インターネットの現状、起きていることだと思いますので、そういった試み、先取気鋭といいますか、新しいことを取り込んでいく、そういう取り組みについてのお考えについて御答弁をお願いしたいと思います。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 どうも、どうも。

 保育児ですね。どんどん本当に赤ちゃんがふえているということ、これほどいいことはないわけであります。残念ながらとおっしゃいましたけれども、そうじゃなくて、保育施設が追いつかないのが残念であって、だから、赤ちゃんが生まれる、ふえるということは歓迎すべきことであるわけですから、それに私たちは、喜んで保育園をどんどんつくるという努力ですね。これは喜びを持ってやっていかなきゃいけない、それが私の基本的な認識でございまして、ですから、区を挙げて、今、保育園をどんどんつくっているということでございまして、これからもどんどん、これでもかというぐらいつくって、待機児童の解消に全力を挙げるというわけであります。

 東京スマート保育、これは猪瀬知事が自慢げに話しているわけでありますけれども、残念ながら三歳未満なんですね。だから、三歳児児童には使えないということ、それから十九人ですか、小規模であるわけですね。ただ、どこへでもつくりやすいんじゃないかという利点はありますよね。

 そういう利点があるのと、再三申し上げているとおり一歳児のところが、本区、待機児童が特に困るわけですから、そういう面では対応しやすいかもわかりませんけれども、では一歳児のところが解消しても、その後、三歳児になったらどうなんだ、三歳児以上になったらどうなるか、これもしっかりやっていかなければならない。三歳になったら幼稚園に行きなさいというのでは、お仕事をされている保護者の皆様方にとっても、幼稚園ももちろん大事なところもあるでしょうけれども、その後の保育をしっかりやるという面では、保育園がやはり希望だという方々も非常に多いわけですよね。そういう意味で、なかなか東京スマート保育を利用しようと……。

 いいんですよ、利用してもね。利用してもいいんだけれども、その後どうするのかを計画的に利用していかないと、活用していかないといけないのではないかな、そういうふうに思っているわけでございまして、ですから、現状では認可・認証保育所を中心に保育定員の拡充を図る、これが一番でございまして、スマート保育、必要である場合には柔軟に対応してまいりたい、こういうふうに思うわけであります。

 また、災害のときね。災害のときは、それこそ柔軟に対応しなければいけないと思いますよね。災害の規模とか何かをしっかり見た上で、どのぐらいの災害が来るのか。阪神・淡路みたいなものとか東日本大震災とか、そういう大きなものが来るのかどうか、しっかり見きわめて、要するに命と健康ですから、乳幼児をしっかりと保護するということでありますし、保護者の方々ともども保護するわけでありますから、もちろんそのほかの災害を受けた方々も当然であるわけですから、そういう面では、今は避難所となる防災拠点において対応するということで、そこにさまざまな生活必需品を備蓄しているわけでありますが、それはその状況によって的確に判断してまいりたい。そして、しっかりと救出していきたい、救助していきたい、こういうことであります。

 それから、ITのほうね。ITについて、多少のリスクは見込んでもやるべきではないかというような御意見に聞こえたんですけれども、本当に進歩は速いんですよね。どういうようなリスクが来るかですよね。個人情報の漏えいであるとか、あるいは成り済ましであるとか、いろいろな問題を抱えているわけでありますから、これもそう簡単に、進歩しているんだからいいじゃないかとかいうのにくみするわけにもなかなかまいらないのではないかな。どういう危険があるのか、リスクの程度等もしっかり見込んで、実行するのなら責任を持って実行する。やはり私たちは本当に責任があるわけですから、利便性だけを追求するのではなくて、区民の生活をしっかりと守っていかなければならないわけですから、さまざまな、漏えいであるとか、成り済ましであるとか、そういうことを指摘されて問題になってもいけないわけですから、そういう点は万全の体制で着々と着実に前進してまいりたい、そういうふうに思うわけであります。

 以上であります。

〔十七番 田中耕太郎議員登壇〕

○十七番(田中耕太郎議員)
 御答弁ありがとうございます。

 これでもかというくらいに待機児童対策に頑張っていただきたいというふうに思います。

 今のお答えの中で、もう一回お伺いしたいのは、これは区長ではなくて、担当の理事者のほうがよろしければ理事者にお答えしていただいても結構なんですけれども、これまでは本区の待機児童というのは三歳児未満であるということで、ここに力を入れて対応していくというような基本的なお考えだというふうに私は聞いておったんですけれども、今のお話ですと、東京スマート保育のような制度を例えば仮に導入した場合は、三歳児以降についても問題が発生するのではないかというような懸念に聞こえたんですけれども、その点はどうなんでございましょうかというのを、最後に、確認も込めまして、お聞きしたいというふうに思います。

 三歳児未満と以降を切り離して考えることはできないのは承知しておりますけれども、やはり喫緊の課題である三歳児未満に対して素早く機動的に対応していくというのは、重要性も非常に高いのではないかと思いますので、そのことについて御答弁をお願いいたしたいと思います。

〔福祉保健部長 平林治樹君登壇〕

○福祉保健部長(平林治樹君)
 田中耕太郎議員の再質問にお答えさせていただきます。

 確かに、待機児の現状で申し上げますと、六割近くが一歳児というような状況でございます。確かに、これまでの取り組みとして、三歳未満の待機児が多いということで、その対策を急ぐべきという、そういった見解で行ってまいりました。しかし、昨今の待機児の状況のもと、それから今生まれている出生数、この方々が保育需要が高いまま推移していくと、実は三歳児以上についても今後待機児が相当出てくるだろうというふうに見込んでおります。

 したがいまして、今、早急な対応は必要なんですけれども、その方たちが三歳児以上になったときにも、受け入れ枠を早急に先に整備をしておく。例えば、スマート保育で保育を受けた方が次に行き場所がないという、こういったことを防ぐために、まずは全体の受け入れ枠を三歳児以上も拡大する必要があるという認識に立って、それには認可保育所の整備というのは非常に有効であるし、スマート保育ですと、やはり定員が十九ということになると、それを三学年で割っても一学年当たり六人というような、そういった少数規模になります。認可保育所を例えば一カ所行えば、一カ所で一学年当たりその倍以上の数が一遍に解消できるということから、両方マッチするには、認可保育所等を中心にしながら整備をしていきたいという考え方でございます。

 ですから、基本的な認識は、待機児童をいかに早期に解消するかということでは変わっていないというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○議長(原田賢一議員)
 次に、十六番青木かの議員。

十六番 青木かの議員登壇

○十六番(青木かの議員)
 中央区議会みんなの党、青木かのです。平成二十五年第二回定例会に当たり、さきに提出いたしました質問通告書に基づき、質問いたします。区長を初め、理事者の皆様には簡潔で明快な答弁を期待いたします。答弁の内容によりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 さて、つい先日、厚生労働省は子宮頸がんワクチンの接種を積極的に呼びかけるのを一時中止するよう、全国の自治体に勧告しました。定期接種の積極的勧奨を控える決定がなされたのは、二○○五年の日本脳炎ワクチンに次いで二例目で、異例なことです。私は、この子宮頸がんワクチンについては、原因不明の副反応が報告されていたことから、当初から疑問を持っており、ことし三月の予算特別委員会、四月の福祉保健委員会でも取り上げ、質問を重ねてまいりました。

 簡単に振り返ってみますと、子宮頸がんワクチンは、この四月に施行された改正予防接種法に伴い、小学六年生から高校一年生相当の女子を対象に定期接種となったばかり。定期接種になったことで、各地方自治体には対象者に接種を呼びかける勧奨義務が生じています。重要な文書ですので、六月十四日、厚生労働省健康局から各都道府県知事宛てに出されました「ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種の対応について」と題する勧告から引用しますと、ヒトパピローマウイルス感染症については、本年四月一日から予防接種法第五条第一項の規定による予防接種が市町村長により行われているところであるが、平成二十五年第二回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会において、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛がヒトパピローマウイルスワクチン接種後に特異的に見られたことから、同副反応の発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではないとされたところである。

 私は、このヒトパピローマウイルスワクチン(子宮頸がんワクチン)がこの四月に定期接種になったとき、まず違和感を感じました。なぜなら、この法案では、種類の違う三つのワクチンの定期接種化が同時に盛り込まれていたからです。Hib感染症や小児肺炎球菌感染症のワクチン接種は乳幼児が対象で、髄膜炎を引き起こすと死亡するおそれがあり、この二つのワクチンに関しては定期接種化に問題はないと言われています。一方、子宮頸がんワクチンは、接種対象もその性質もほかの二つのワクチンとは異なり、定期接種化が時期尚早であるという指摘が当初からありました。

 みんなの党、民主党、日本維新の会は、この法案に賛成はしましたが、安全性情報の収集、副反応による健康被害の救済を図るとともに、予防接種の意義やリスクに関してわかりやすい情報を提供することにより、予防接種が円滑かつ適正に実施される体制を整備することという附帯決議をつけています。

 この子宮頸がんワクチンのリスクとベネフィット、効果に関しては、私もことし四月十九日の福祉保健委員会で詳しく取り上げました。

 厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会に出された資料によりますと、日本で使われている二つの子宮頸がんワクチンのうち、サーバリックスは、製造販売業者によると、国内販売開始の平成二十一年十二月からことし三月三十一日までの集計で重篤と判断された副反応が七百四件、うち死亡が一件。おくれて二十三年八月発売開始されたガーダシルは、ことし三月三十一日までで重篤な副反応が六十八件報告されています。同じく、厚労省の資料から、これをわかりやすく接種百万回当たりに直しますと、サーバリックス百一・二、ガーダシル四十・三、一方、不活化ポリオワクチンは五・○、インフルエンザワクチンは一・三となっており、ほかのワクチンに比べてリスクが大変高い結果が出ています。

 特に、六月十四日の第二回検討部会では、接種後に慢性的な痛みが生じるといった従来にない重い副反応が三十八例報告されており、この症状とワクチンとの因果関係は、現在、解明されておりません。また、五月には、厚生労働省の指導により、サーバリックスを接種した三人が急性散在性脳髄膜炎とギラン・バレー症候群になったとして、製品の添付文書の副反応欄へのこの二つの疾病の追加を指導し、医療機関に注意喚起したばかりでした。つまり、重篤な副反応が次々と報告されており、ワクチンとの因果関係が解明されていないというのが現在の状況です。

 さて、中央区の具体的な取り組みですが、平成二十二年七月、当時、子宮頸がんワクチンは任意接種ではありましたが、国のワクチン接種促進事業でもあり、区では全額助成を開始しました。その後、四月の定期接種化を経て、今回の勧奨の中止勧告まで、積極的に対象者の女子に接種を勧めてきました。

 そこで、お尋ねします。

 これまでの区内対象者の人数と、実際にワクチン接種をした割合を年度ごとにお答えください。

 また、区は対象者にどのような勧奨を行ってきたのでしょうか。

 また、幸いなことに、中央区内ではまだ副反応の報告はないと聞いております。この副反応については、区内医療機関にはどのような報告、連絡義務があるのでしょうか。

 実は、今回の厚生労働省の積極的な勧奨の一時中止は、かえって対象者とその保護者を混乱させるおそれがあります。つまり、この勧告をよく読みますと、一で、ワクチン接種の積極的な勧奨とならないよう留意することとしながらも、二では、これは定期接種を中止するものではないので、対象者のうち希望者が定期接種を受けることができるよう、接種機会の確保を図ること、さらに三では、定期接種の対象者が接種のために受診した場合には、積極的な勧奨を行っていないことを伝えるとともに、接種を受ける場合にはヒトパピローマウイルスワクチン接種の有効性及び安全性等についても十分に説明した上で接種することを周知することとあるのです。

 そこで、お尋ねします。

 このようなわかりづらい状況の中で、今後、区は対象者に対し、どのような指導を行っていくのでしょうか。

 このワクチン接種は、一回目の接種から半年以内に二回目、三回目を接種する必要があります。特に、一回目と二回目の接種を終えている対象者には、どのような指導をするのでしょうか。お答えください。

 さて、四月に定期接種化された子宮頸がんワクチンですが、子宮頸がん発症の原因となる十五種類あるヒトパピローマウイルスのうち、十六型と十八型の二種類に対するワクチンであり、この二種類の全体に占める割合は、欧米では七○%、日本ではおよそ六○%にすぎません。つまり、ワクチン接種をしても検診は必要なのです。さらに、確認しておきますと、この子宮頸がんワクチンは子宮頸がんを予防するものではなく、あくまでもヒトパピローマウイルスの感染を予防するものであり、既に感染してしまった人には効果がなく、むしろ危険である可能性も指摘されています。ですから、当初から私は検診の重要性を訴えてまいりました。

 ことし四月の福祉保健委員会での私の質問に対する答弁によりますと、区内における子宮がん検診の受診率は、平成二十一年一七・二%、二十二年二一・五%、二十三年二四・三%、そして二十四年二四・七%と、およそ二五%で横ばい状態が続いています。

 そこで、お尋ねします。

 区は、子宮がん検診の受診率の向上のために、これまでどのような方策をとってきたのでしょうか。

 今年度の予算書によりますと、子宮がん検診の対象者は八千二百人として予算が計上されていますが、この数字はどのようにして割り出されたものなのでしょうか。

 今回のワクチン接種勧奨の一時中止を受けて、区としてはますます検診の受診率の向上に取り組むべきと考えますが、新たな取り組みをお考えであれば教えてください。

 さて、最後に、この四月から子宮頸がんワクチンが定期接種になったことにより、費用負担が変わっています。改正以前は、子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業として平成二十二年と二十三年度補正予算が組まれ、二分の一を国が負担していました。改正後は定期接種となったことにより、九割が地方交付税で手当てされることになりました。しかし、東京都は地方交付税不交付団体ですので、全額を区で拠出することになります。そこで、今年度の予算書を見てみますと、子宮頸がんワクチンとして延べ九百五十七人分、千五百八十八万五千円が計上されています。つまり、一回当たりおよそ一万六千円、一人三回接種が必要ですので、対象者一人当たり四万八千円が助成されることになります。

 そこで、お尋ねします。

 この一回当たりおよそ一万六千円という金額はどうやって決まるのでしょうか。また、この金額には、具体的には何の費用が含まれているのでしょうか。お答えください。

 区は、子宮頸がんワクチンの接種を中央区医師会と日本橋医師会を通じて区内の医療機関に委託しています。厚労省も、接種時には対象者に対し、この接種はおよそ六○%のヒトパピローマウイルスについてしか効果がなく、二十歳になったら必ず検診に行くことを周知すること、さらに今回の勧告において、市町村長は管内の医療機関に対し、対象者が接種のために受診した場合には、ヒトパピローマウイルスワクチン接種の有効性及び安全性について十分に説明した上で接種することを周知することと、さらに予防接種による副反応の報告が適切に行われるよう、市町村長は改めて管内の医療機関に対し、定期の予防接種等による副反応の報告等の取り扱いについての周知を図るとしています。

 そこで、お尋ねします。

 このような厚生労働省の勧告も含め、区は区内の各医療機関に対し、子宮頸がんワクチンの接種に関し、どのような指導を行っているのでしょうか。お答えください。

 以上が一回目の質問です。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 青木かの議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、子宮頸がんワクチンの接種状況についてであります。

 平成二十二年度は、対象者が九百四十八人、うち一回以上接種を行った人は五百五十四人で、接種率は五八・四%、平成二十三年度は、対象者が九百三十人、接種者は三百十五人で三三・九%、平成二十四年度は、対象者が三百七十三人、接種者は百五十一人で四○・五%となっております。

 次に、これまで区が行ってまいりました勧奨方法についてであります。

 他の定期予防接種と同じく、対象者に予診票を個別に郵送し、接種の有効性等を周知するとともに、副反応と思われる症状が出現した際は医療機関や区に相談することなどを情報提供してまいりました。

 次に、副反応が発生した場合、病院もしくは診療所の開設者または医師は、予防接種法に基づき、速やかに厚生労働大臣に報告することが義務づけられているところであります。

 次に、対象者への対応についてであります。

 今回、国の積極的な勧奨の差し控えの決定を受け、本区では直ちに各医療機関へ情報提供を行うとともに、区民に対しホームページで周知を図りました。さらに、接種対象者には、個別に、より詳細な文書等を郵送したところであります。こうした対応により、現在のところ、区民からの問い合わせはほとんどない状況であります。今後も、よりわかりやすい周知に努める所存であります。

 次に、既に一回目、二回目の接種を終えている対象者への対応についてであります。

 現在、厚生労働省は、こうした方々への対応について速やかに検討を行い、方針を示すこととしております。また、今回の接種勧奨差し控えにより接種間隔を守ることができない対象者には、接種における不利益が出ないよう対応するとしております。こうしたことから、厚生労働省の方針が示された時点で、区は速やかにその内容を対象者へ周知してまいります。

 次に、子宮がん検診のこれまでの受診率向上策についてであります。

 平成二十一年度まで、二十歳から四十歳までの偶数歳の方に行っていた個別受診勧奨の年齢を、平成二十二年度からは順次広げて、現在は七十八歳までの方に通知するとともに、平成二十三年度には偶数歳の方に加えて、前年度未受診の奇数歳の方にも受診対象者を拡大いたしました。特に、若い世代の方の受診を促進するため、二十歳から三十四歳の方には、個別通知の際に受診勧奨パンフレットを同封しております。また、平成二十四年度からは、受診開始月から四カ月を経過した時点で未受診の方に対して、再度受診を勧奨する通知の送付を開始いたしました。さらに、受診率を高めるには、区民の意識向上が必要であるため、検診チラシの町会配布、集合ポスターやパンフレットによる周知のほか、先日行われたブーケ祭りではがん検診コーナーを設けるなど、さまざまな機会を利用して啓発を図っております。

 次に、平成二十五年度予算の受診者数につきましては、予測対象者数にこれまでの実績に基づく想定受診率を乗じて算出しており、昨年度予算より二百人分多い八千二百人分を計上したものであります。

 次に、子宮がん検診の受診率向上のための今後の取り組みについてであります。

 東京都が発表した平成二十三年度における子宮がん検診の受診率は、本区が二十三区の中で最も高くなっておりますが、国の目標値である五○%には達していないことから、今後さらに受診率の向上を図ることが必要であると考えております。このため、本年度は過去二年間子宮がん検診を受診していない方から千人を抽出し、アンケート調査を実施いたします。この調査では、受診しない理由や受診できない理由などをお伺いし、その調査結果を分析、より効果的な勧奨方法を検討し、推進するとともに、受診しやすい環境の整備などについても医師会と協議を行ってまいります。

 次に、子宮頸がんワクチンの平成二十五年度の接種単価についてであります。

 定期予防接種は、東京都、特別区、東京都医師会の三者が協議し、単価を決定しております。子宮頸がんワクチンの接種料は二十三区同一単価で、一万六千五百九十円となっております。この単価には、ワクチン代、初診料、注射料、生物学的製剤加算などの費用が含まれており、保険診療単価等を根拠に設定されております。

 次に、区内予防接種実施医療機関についてであります。

 子宮頸がん予防接種は、他の定期予防接種と同様、中央区・日本橋医師会に委託し、区が開催する定期接種開始時の説明会及び各医師会が実施する研修会を受講した医療機関が実施できることとなっております。引き続き、区は両医師会と連携しながら、子宮頸がん予防接種の副反応や副反応が生じた際の迅速かつ適切な報告のあり方などについて、予防接種実施医療機関に対し適宜周知を図り、被接種者の安全・安心の確保に努めてまいります。

 答弁は以上であります。

〔十六番 青木かの議員登壇〕

○十六番(青木かの議員)
 御答弁ありがとうございました。

 まず、受診率の向上について、アンケートをとって受診できない理由を問うということは大変いいアイデアだと思います。特に、区長もおっしゃったように、がん対策基本計画で受診率五○%を目指すということになった場合、子宮がん検診に関しては、特に特殊な検診といいますか、受診しづらい理由というものが明らかになってくると思いますので、検診そのもののあり方の抜本的改革も含めて、ぜひ検診のあり方を変える、そして受診率向上、予算につきましては昨年度の実績をもとにプラスされているということですが、現在二五%、これを五○%に上げていくことはかなり難しいと思いますが、ぜひ力を入れていただきたいと思います。

 このワクチンに関してなんですけれども、筋肉接種ですので、接種時に一時的に強い痛みを感じる場合が多いと。特に、十歳代の女の子が接種しますので、痛みに対して過敏な子は、ワクチン接種後に意識を失ってしまったり、貧血を起こすことも多いんだそうです。ワクチンに対する事前の効果とリスクの説明あるいは検診の重要性を伝えることももちろんなんですけれども、医療機関での接種後の症状、その後のケア、これも大変重要だと思います。

 これで、私、医療機関についての指導について質問したんですけれども、区内の子宮頸がんワクチン接種実施医療機関名簿を見てみました。すると、その中に耳鼻咽喉科が入っておりました。これはもちろん法律上問題はありません。

 その医療機関のホームページを見たんですけれども、子宮頸がんワクチンの効能と料金、現在、中央区在住の中学一年生から高校三年生だったら、区からの全額補助で無料で受けられますという、こういうことが書いてあるんですが、ワクチン接種をしても検診が必要なことや、副反応については何も書かれておりません。さらに、子宮頸がんはワクチンで予防できるがんですとの表現や、有効期間は二十年から三十年と長く、再度接種する必要はないという表現もあり、これは現在のところ正確ではなく、接種者に誤解を与えるおそれがあると思われます。このような点につきまして再度お尋ねしますが、このような医療機関に対し、説明会は最初に行ったということなんですけれども、このような状況にありますので、区として指導ができないものか、あるいはどのような指導を行っていくか、再度確認させてください。

 もう一点、繰り返しますが、子宮頸がんワクチンは子宮頸がんを予防するワクチンではなく、子宮頸がん発症の原因となるヒトパピローマウイルス十五種類のうち十六型と十八型の二種類の感染を予防するワクチンであり、日本人の場合、効果はおよそ六○%にすぎません。全ての発がんウイルスをカバーするものではありません。しかも、感染しても九○%が自然排出し、また持続感染しても軽度異形成、軽い段階で自然治癒する、自然に治るということがイギリス医学誌の「ランセット」でも認められています。

 さらに、たとえ高度異形成まで進んでも、適切な治療が行われた場合には、治癒率はおおむね一○○%。一○○%治るということを、ことし三月二十八日の厚生労働委員会で健康局長が答弁しています。また、ワクチンの有効期限も、現時点では二十年から三十年と言われていますが、製薬会社は六年余りしか保証していません。

 このような状況の中で、今回の厚労省の勧奨の一時中止が勧告されました。大変わかりづらい内容で、ここまでは区民の皆さんからの問い合わせはないという答弁がありましたが、今後、新聞などでも取り上げられておりますし、対象者と保護者の方の混乱が予想されます。これを機会に、区としては、ワクチンより子宮がん検診の受診率向上に努めることにかじを切るべきだと考えます。検診はリスクがゼロです。

 そして、このような状況の中、千葉県野田市は十八日、子宮頸がんワクチンの定期接種を原則見合わせると発表しました。厚労省の積極的勧奨の一時中止を受けて、さらに踏み込み、安全性についての結論が出るまで、市内四十の医療機関に接種の見合せを通達したものです。この野田市の決定、安全性についての結論が出るまで、ワクチン接種を一時中止するという、この考えについて、ぜひ区長のお考えをお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。

〔保健所長 和田哲明君登壇〕

○保健所長(和田哲明君)
 それでは、青木かの議員の再質問について順次お答えさせていただきます。

 まず、医療機関への指導でございます。

 医療機関のホームページにつきましては、現在、これは医療法上の規制の対象とはなっておりません。ただ、厚生労働省は、これにつきまして、医療機関ホームページガイドラインというものを示しております。

 この中では、ホームページに掲載すべきでない事項というものが書かれております。そこにつきましては、内容が誇大なもの、情報の過度な強調、内容が虚偽にわたる、客観的事実であることを証明することができないもの等、科学的根拠が乏しい情報に基づき、患者の不安を過度にあおるなどしているものは掲載はすべきでないということになっております。ですから、こういうものに抵触するかどうか、明らかに抵触するものであれば、このガイドラインに沿っての指導対象となります。

 ですが、現在のところ、このホームページ、我々が見たものと青木議員が見たものが同じところかどうか、ちょっとそれはわかりませんが、我々が見た限り、これに明らかに抵触しているものとは我々は判断しておりません。

 実際には、接種の直前に必ず接種医が被接種者及びその保護者に対してきちんと説明をして、それについて同意をしたということを必ず署名をしていただいて、それで接種に移る。ホームページに記載されていたかどうかではなくて、直前のそういったものがきちんとなされたかどうかということが、我々としては一番というふうに考えております。

 続きまして、野田市の対応でございます。

 確かに、我々もインターネット等で野田市の対応が非常にクローズアップされたもので、興味を持って見させていただきました。

 野田市のホームページを見ますと、途中省略しますが、厚生労働省による定期接種を積極的に勧奨すべきではないというふうに判断して、市としましては、安全性を最優先し、この間の予防接種を一時見合わせます、後段にはただし、接種を希望される方は、各保健センターにおいて、ワクチンの副反応等につきまして十分ご説明をさせていただきます。その上で、どうしても接種をご希望される方につきましては、ご希望の医療機関で受けていただくことができますというふうにされております。ですから、完全に中止されたわけではございません。これは厚生労働省が示したもの、厚生労働省は各医療機関が必ずそれを説明した上で、その上で打つかどうかを決めてくださいと言っていますが、野田市の対応は、医療機関ではなくて各保健センターでそこをきちんと説明した上で、予防接種票を交付するというものでありまして、また、これで医療機関へ行きましたら、医療機関でもまた同様にこれについてきちんと説明をした上で接種をするということで、厚生労働省は、この野田市の判断につきましては、何ら厚生労働省の勧告に反するものではないという判断をしておりますので、我々はこれは特別な対応をとったというふうには考えておりません。

 私からは以上でございます。

〔十六番 青木かの議員登壇〕

○十六番(青木かの議員)
 御答弁ありがとうございました。

 ホームページに関しましては、私もしっかりと見ております。今、ガイドラインにありまして、事実でないことを書いてはいけないという表現がありましたけれども、そこに照らし合わせますと、子宮頸がんはワクチンで予防できるがんですと。少なくとも、この一文は間違いであると思いますので、ここは指摘させていただきます。

 その上で、指導できる範囲で、特にホームページではありますが、子宮頸がんワクチンの特殊性といたしまして、十代の女の子が受ける、つまりホームページから興味を持って見始める、調べるという可能性は大変多いんです。最初から先生、保健師さんの方にお話を聞けば、あるいは母親に聞けば、問題は少ないかもしれませんが、まずホームページから入るという可能性も多いことも考えて、私はホームページの重要性というものを指摘させていただきました。そういった意味で、区の指導をよろしくお願いしたいということを申し上げました。

 もう一つ、野田市につきましても、おっしゃるとおりです。つまり、私たちは地方自治体である限り、これは法律で決まったんです、残念ながら。四月一日に法改正されましたので、法を犯すことはできません。私が強調しておりますのは、地方自治体としての姿勢なんです。野田市は、これは姿勢を明らかにした。ただし、法を犯すことはできない。あるいは、強力にワクチン接種をしたいという方もいらっしゃいますので、そういう方の権利を奪うことも私たちにはできない。だから、そういう表現になっております。

 私も野田市にも問い合わせましたし、しっかり内容もチェックいたしました。もちろんです。法を犯すことはできないんです。打つという選択をした方の権利も生かすべき。ただし、野田市としては、市長の、地方自治体の姿勢として、安全性が確立するまで市内における予防接種を一時中止するという姿勢を明らかにしたわけです。私は、この点を、ですから、区長にお聞きしました。

 ぜひ強力に、中央区としましては、あくまでも中央区は検診に力を入れております。ワクチン接種より検診との方針を明らかにしまして、安全性が明らかになるまで区としてはワクチン接種の区内医療機関での一時中止をすることを要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後三時二十四分 休憩


午後三時四十五分 開議

○議長(原田賢一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。二十九番渡部博年議員。

二十九番 渡部博年議員登壇

○二十九番(渡部博年議員)
 平成二十五年第二回区議会定例会に当たり、民主党区民クラブの一員として、渡部博年が質問をさせていただきます。区の一般事務及び区政の当面する課題に対しまして、質問通告書に沿って質問させていただきます。さきの質問者と項目が重なる部分については、角度を変えて質問をさせていただきます。基本計画二○一三の始まりの年でもあり、人口十三万人を超え、推計人口に向けて増加していくことを考え、区民目線でしっかりとした区政運営を推進していく上での建設的で実効性ある御答弁をいただきたいと思います。なお、再質問については、この場で留保させていただきます。

 先月、五月二十三日から二十四日にかけて、議会全員協議会で石巻市の災害状況及び復興状況を視察したところであります。この際、二十三日のラジオ石巻の鈴木孝也相談役のお話の中で、訓練以上のことはできないということがわかったとの言葉が頭に残っています。災害などの緊急時には、訓練にまさるものはないと改めて思ったところです。私自身も消防団での訓練も何度も何度も繰り返しの訓練で、体が動作を覚えてこその緊急時に生かせるものだと感じたと同時に、緊急時など、やはり基本となるのは地域のコミュニティであるとも感じたところであります。

 被災場所を視察させていただいた場所も含めて、復興はまだ道半ばである印象を受けましたが、一つ一つ着実に実行している印象と、地域の人々の力強い気持ちが伝わってきました。私自身でできることは小さいと思いますが、少しでも被災地の皆さんのためになることができるよう、今後も努力していきたいと思います。

 さて、東日本大震災後のさまざまな報道発表によると、マグニチュード七クラスの首都直下型地震が発生する確率は今後三十年以内に七○%と言われており、首都圏に住む多くの人は不安を抱えています。中央区では、首都直下型地震を初めとする災害に備えて、地域防災計画の見直しを含めてソフト面、ハード面の充実に努めているところでありますが、現在も区内では再開発事業も含めてマンション建設が行われ、今後も再開発が活発に行われ、人口推計でも十五万人を超えるものとなり、区内マンションの居住率は全体の九割を超えることも間もなくではないかと思います。

 さきに実施した分譲マンション調査では、災害時に活用できる会議室、集会室の設置率が約二割、防災備蓄倉庫は二割を下回る結果が出ています。こうしたマンションの防災対策を進める上で重要なことは、建物内の既存の共用施設や設備の整備・点検を行い、防災倉庫などへの活用方法について住民同士が協議し、理解しておくことであります。さらに、小規模なマンションにおいては、地域の防災区民組織との連携も欠かせないものであります。

 区では、高層住宅向けのパンフレットや標準マニュアルをもとに、防災マニュアルづくりの支援、講習会、アドバイザー派遣などによりマンション居住者や管理組合に行き届くよう普及・啓発を行っていることは理解していますが、多くのマンション居住者が安心して住み続けるために、マンション防災マニュアルの策定が全棟で行われる時期について、どのように考えられているかということが第一点目。

 第二点目は、現状、全体の何割程度になっているのか、その数が区の想定している進捗状況とのずれはないのかどうか伺いたいと思います。

 また、自治防災組織強化も急務であると前回も質問したところでありますが、東日本大震災発生後に消防団員として警戒にかかわった後に、消防団機材庫に多くのマンション居住者の方々がトイレなどを借りに来たことが思い出されます。高層マンションは自宅で待機となっていることを居住者の方に対して周知徹底しているのかどうか、帰宅され、エレベーターが動かないときの対応などについて調査したことがあるか、また災害時及び非常時の放送設備についての状況など、マンション内の体制について区としてアンケート調査結果など一定の把握をしていると思いますが、さきに申し上げたとおりの状況を考えたときに、マニュアル作成時に居住者全体に再確認していただくことをしっかりと進めていくことが重要であり、住民コミュニティの確立も必要と感じていますが、どのようなお考えか伺いたいと思います。

 各マンション自治防災組織と管理組合の協力のもとに訓練することが重要であるとも感じています。現状では、取り組みの違いが団体によって見られますし、住民指導する組織人員の高齢化や参加者の固定化、組織の申請はしているが実態は伴っていないなどが見られる状況について、今後の自治防災組織のあり方を含めて、改めてお考えを伺いたいと思います。

 次に、地域とともにつくり上げるまちづくりについて伺いたいと思います。

 二○一六年、二○二○年のオリンピック誘致活動において、中央区は大きな影響を受けてきたと感じていますし、豊洲・晴海整備計画に至っては、長年質問もしてきましたが、地域を考慮した計画に変更はされていませんし、現状を考えられた計画として機能しているとは到底思えません。また、清掃工場建設時に私が一般質問した、東京都として責任を持って晴海地区を初めとするまちづくりに積極的にかかわっていくことについても、一部分しか実行されていないように感じています。

 中央区は、現在、銀座と晴海地区に自分たちのまちに誇りと責任を持ってかかわっていくデザイン会議が設置されています。以前にも質問したところでありますが、まちづくり協議会とともに、全区的に展開していく考え方、地域でつくり上げてきたルールがオリンピックなどの外的要因によりないがしろにされてしまうことがないようにするためには、どのような行動が必要であるか。現状で、オリンピックの問題は、晴海地区をはじめとして区内全域へ影響を及ぼしていると感じています。豊洲・晴海整備計画の整合性、必要性、なぜ東京都は計画を長い間実情に合わせたものに変更してこなかったかも含めて、御所見を伺いたいと思います。

 あわせて、猪瀬知事がアメリカでは、東京は世界一交通網が整っているというような趣旨でお話しされていたと思います。月島地区の現状を考えたときに、どうでしょうか。区としては、江戸バスを走らせ、区民の足の確保を実施していますが、大江戸線勝どき駅については、通常時でホームなどは飽和状態を超えている現状を考えたときには、オリンピックあるなしではなく、中央区の提唱しているLRTを含めた、しっかりとした交通網計画を関係団体と協力して実行していくことが必要だと考えますが、御見解、今後の進め方をお願いいたします。

 次に、マイナンバー制度と区の業務改善についてお考えを伺いたいと思います。

 マイナンバー制度導入は、二○一五年とも言われています。報道などでは、個人情報などの漏えい、管理やシステムの問題などが言われているところであります。このようなシステムに類似した住民基本台帳システムなど、過去に導入され、現在も稼働しているものがありますが、窓口業務など、大幅な改善はされなかったと思います。同様に、区の導入したコンピューターシステムも、情報の一元化や仕事量の軽減が一定程度推進したと感じますが、まだまだ行政窓口業務での永遠の課題としてのワンストップサービスが大幅に改善され、実現してきたとは思えないのが現状ではないでしょうか。

 区の施策全体は言うまでもなく、どのようなシステムも基本は区民サービス向上が第一であり、すぐれたシステムであっても、使い勝手がよくなければサービスの向上にはつながらないものです。さきに申し上げたワンストップサービスの向上に向けて、このような大規模なシステム導入時期にしっかりとした組織体制も含めた改善策づくりが必要であると思います。その体制づくりにおいて、まずシステム構成などの情報収集・調査を今から行い、各部の連携のあり方、特に窓口対応で完結できるものについては実施していく体制づくりと、まごころステーション、各出張所との連携強化、区民から見た窓口業務の改善点、職員から見た改善点など、広く意見聴取して、システム導入時までに一つ一つ窓口業務の改善を進め、導入時には完成形へ進めていくことが重要であると考えますが、区の窓口業務改善の考え方と進め方及びシステムを初めとする情報収集のあり方について伺いたいと思います。

 あわせて、窓口業務だけでは完結しない案件も多くあると思います。区民目線で考えたとき、最も重要な点が二点あると思います。

 第一に、関係各部の連携がなければ、サービスの向上につながらないこと。これまでも発言したところでありますが、今日の施策は各部にまたがるものも多く存在します。

 第二に、職員の人材育成であると思います。これまで区として積極的に人材育成については取り組んできているところでありますが、ワンストップサービスを進めていくためには、行政用語を使わない、接遇の向上、区の施策などの理解度もこれまで以上に進めていく必要性があると思いますが、それぞれの考え方と進め方について伺いたいと思います。

 次に、中央区が進める築地新市場について伺いたいと思います。

 築地市場の移転について、都との間で築地のまちづくりに関する合意をし、移転後の市場施設の暫定活用など都との協議を鋭意進めていることと思います。また、市場関係者の協力も得ながら、市場移転後の新たなにぎわいの創設のため、築地新市場の整備に向けた取り組みを進め、パース図も含めて公開され、場内関係団体との協力体制もつくり上げていると思いますが、豊洲新市場の開場が土壌汚染対策のため一年延びたことも含め、区も実際着手することを延期しています。都との協議は、検討会を設置し、会議を持ったとの回答をいただいていますが、その後の具体的進捗状況はどうなっているのでしょうか。

 この築地地区の活気とにぎわいの継承においては、第一に、仲卸の方々に参加していただくことであると思います。築地市場があり、仲卸があるからこそ、場外も含めて周辺の商店なども活気があると感じています。この構想で不可欠な仲卸の皆さんの参加については、東卸組合を初めとして情報提供しながら行ってきたとの報告もいただいていますが、先日の中央区都市整備公社評議会で、参考として公社のほうから築地新市場の運営について説明がありました。築地新市場の運営について、中央区都市整備公社がかかわっていくイメージについて、どのようなものなのか具体的にお考えをお知らせいただきたいと思います。

 また、さきに申し上げた新市場入居業者選択については、公平性が重視されることは基本でありますが、築地の食文化の継承、目きき、多品種でプロに通用する市場とするために、どのような範囲で市場内各業界団体に対して情報を提供してきたのか。築地新市場で全てのものがそろうために、区として選定基準として基本的となる考え方をお知らせいただきたいと思います。

 これで、私の第一回目の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 渡部博年議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、高層マンションの防災マニュアルの作成についてであります。

 本区地域防災計画の減災目標の一つである住宅からの避難者の四割減を平成三十二年度までに実現するためには、高層住宅の防災対策が大きな柱となります。平成十八年度から本区が支援に取り組んでいる高層住宅の防災マニュアル策定に当たっては、規模が大きく合意形成が比較的難しい超高層マンション四十六棟を中心に、年間三棟を目途として、居住者へのアンケート調査、マンション設備の把握、策定委員会の開催、さらにはマニュアルに基づいた防災訓練の実施とその検証など、密度の濃い支援を行っております。こうしたことから、超高層マンションのマニュアルは現在策定中を含め十四棟で、約三○%となっておりますが、平成二十二年度にそれまでの支援の経験を踏まえた「震災時活動マニュアル策定の手引き」を発行し、超高層マンション以外でも独自でマニュアルを作成できるよう、区内のマンションに配布しております。区といたしましては、一棟でも多くのマンションで防災マニュアルを作成していただくことが必要と考えており、パンフレットやDVD等による普及啓発に努めるほか、マンション防災講習会において活動事例の報告を行うなど、機会を捉えてマニュアル作成の重要性を訴えてまいります。マンション全棟でのマニュアル作成は将来の課題でありますが、当面する減災目標の達成に向けて努力していく所存であります。

 次に、災害時に生ずるマンション特有の問題の周知についてであります。

 高層マンションは災害時にも耐震性、耐火性にすぐれておりますが、一方で、ライフラインやエレベーターが停止した際には戸建て住宅とは異なった生活上の困難が生じます。こうした知識を居住者で共有し、自助としての各家庭での備えを行うことで自宅での生活の継続が可能となります。そのため、区では「わが家わがまちの地震防災」のパンフレットを全戸配布するとともに、高層住宅防災対策パンフレットやDVDにより一層の普及啓発に努めております。また、マンション防災マニュアル作成時においては、こうした高層マンションの特性や住民同士で災害時に助け合う共助の仕組みの重要性について訴えるとともに、それぞれのマンションが抱える課題や他の防災訓練の事例をもとに意見交換を行い、マニュアル完成時に住民向けの説明会の開催や訓練も実施しております。こうした取り組みを通じて、マンション内での顔の見える関係がさらに深まるとともに、継続的に防災訓練を実施することでコミュニティ形成の一助となるものと考えております。

 次に、自主的な防災組織の活性化についてであります。

 区民の約八八%が集合住宅に居住している本区では、高層住宅防災対策のPRに加え、マンション内の管理組合と自治会の連携が図られるよう、防災マニュアル策定のためのアドバイザー派遣や防災講習会の開催など、各種支援を積極的に行っているところであります。また、三十代、四十代の防災意識の向上を図るため、防災拠点の訓練等では子供向け防災コーナーの設置、起震車や地震体験シミュレーターなど、内容に若い世代が参加しやすい工夫を凝らしております。こうした取り組みに加え、地域の自主的な取り組みとして、町会と事業所が一体となった訓練の実施や東日本大震災以降は町会・自治会、防災区民組織とマンション管理組合との合同訓練が行われるなど、各地域の特性に合わせた多様な形で防災訓練が行われてきているところであります。本区としましても、今後ともさまざまな訓練や支援に工夫を凝らして、地域における多様な防災活動が活性化するよう、積極的に取り組んでまいります。

 次に、地域とともにつくるまちづくりについてであります。

 本区は、地域の代表者と区がまちづくりについて広く意見交換をするまちづくり協議会を区内十二地区に設置しており、景観などのきめ細かな地域課題を住民が主体的に検討するデザイン会議についても、銀座や晴海に続き、全区的に広げていくことが必要であります。まちづくりは、中長期的展望と広い視野のもと、地元主体で取り組むべきものであり、区は、その実現に向け、地元協議の結果を踏まえ、その地域の将来像を描いていくことが大切であると考えております。晴海地区では、豊晴計画が区の要望等にもかかわらず長い間変更されなかったため、策定時期と社会経済状況が大きく様変わりし、計画と現状が乖離していることから、オリンピックの招致にかかわらず、豊晴計画の改定が必要となっております。本区としましても、晴海地区の将来像を描くためにも、土地利用の見直しや公共施設整備など課題を整理し、地元の意向を踏まえた上で、東京都に対して責任を持って将来計画を提案するなど、豊晴計画の改定に向けて積極的に取り組んでまいります。

 次に、中央区の交通網整備についてであります。

 区では、晴海や勝どき・豊海などの交通不便地域の解消や、勝どき・晴海地区の人口増加に伴う交通需要への対応が喫緊の課題と認識しております。このため、交通インフラの整備・改善は、オリンピック招致の結果にかかわらず、確実に実施する必要があると考えております。基幹的交通システムについては、先行的に導入するBRTの平成二十八年度の運行開始に向けて、今年度は周辺交通への影響や荷さばき対策等について、道路管理者、交通管理者、地元等関係者と協議し、検討してまいります。あわせて、江戸バスについては、区民や利用者からの意見を踏まえ、中央区地域公共交通会議を活用し、南北二つの路線をつなぐ新たな路線など、運行の改善を検討してまいります。今後も中央区総合交通計画に位置づけられた各種施策を関係者と協力して着実に実施していくことにより、区内公共交通の充実を図ってまいります。

 次に、社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度についてであります。

 本制度の基本理念は、個人情報の保護に十分配慮しつつ、社会保障制度、税制及び災害対策に関する分野において個人番号や法人番号を活用することで行政運営の効率化並びに公正な給付と負担の確保を図り、国民の利便性を向上させるというものであります。また、この制度では、あらかじめ法律で定められた事務のほか、地方公共団体が条例で定める事務についても番号の利用が可能とされており、窓口業務を初めとする本区のさまざまな事務への影響が考えられます。そこで、現在、当面のシステム整備に向けた課題の抽出や制度導入を契機とした事務改善の検討資料とするため、各部における窓口業務の手続の流れ、ワンストップサービスを視野に入れた複数業務間相互の関連性などについて実態調査を進めているところであります。今後、こうした調査の結果に加え、国や他の自治体の動向等も踏まえた上で、個人情報保護への配慮やシステム構築に当たっての費用対効果などを十分に勘案しながら、制度の導入が区民の利便性向上に資するものとなるよう、全庁的な検討を進めてまいります。

 次に、各部の連携と人材育成についてであります。

 急速な時代変化の中、区民要望に的確に応え、区民サービスのさらなる向上を図るためには、各部署が課題や情報を共有し、垣根を越えた横断的な取り組みを行うことが重要であります。区では、これまでも庁議や調整会議を開催するほか、日常業務の中で随時関係部署による会議体を設け、情報の共有化を図り、課題解決に取り組んでまいりました。また、組織を超えた取り組みとして、各部各職種にまたがる若手職員による就職希望者向けホームページの作成や、各部窓口担当職員による接遇マニュアルの策定などを行い、人材育成の面においても大きな成果を上げているところであります。今後も引き続き、日々の職務や研修を通じ、職員一人一人の接遇の向上や意識改革を図り、組織の横断的な協力体制を構築しながら、区民の求めに真摯に応え、的確に対応できる職員の育成に努めてまいります。

 次に、築地新市場についてであります。

 築地に根づいている食の文化と伝統は、昭和十年の市場開場以来、それぞれの時代に生きた先人たちの努力により培われてきたものであります。築地新市場の整備は、築地の活気とにぎわいを次世代に引き継ぐことを目的とするものであります。その運営につきましては、整備目的に照らし、民間事業者としての経営的視点とまちづくりのノウハウが必要であることから、一般財団法人中央区都市整備公社の活用も有効であると考えているところであります。また、入居者でありますが、プロの料理人が求める上質の食材をそろえることに応えられる仲卸業務の経験者が最適と考えます。このため、仲卸業者の団体に対し、先行営業施設開設準備協議会の検討状況等を説明するなど情報提供に努めております。

 次に、入居者選定の考え方でありますが、事業規模を初め、品ぞろえなど多角的な視点から総合的に評価することが必要と考えております。なお、東京都とは昨年度五回の会議を開催し、築地新市場の計画や都有地を活用した駐車場等の利用想定などについて意見交換してまいりました。現在は、区の今後のスケジュールや募集に向けての課題などについて協議しているところであります。

 答弁は以上であります。

〔二十九番 渡部博年議員登壇〕

○二十九番(渡部博年議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございます。

 防災対策については、今、一生懸命取り組んでいただいている最中であり、まだ過渡期ということであるんですが、質問の中でも言いましたとおり今後三十年間に七○%という、直下型地震が起こるということを考えたときに、やはり何年までにどうするかということも必要だとは思うんですが、三十年間ということを想定した中でいけば、いつ起こるかわからないという状況があるわけですので、そういったことで今の現状をお聞きしたところであります。

 積極的に進めていただいている最中だというふうに認識はしますが、そういったことも意識しながら進めていただきたいなということと、高層マンションが多く建っている、これからも多く建っていく中で、マンション入居時に関してはいろいろなことをお話しして、マンションの中で自室で対応してくださいという話をされて、トウキョウ・タワーズさんが建ったときから、五階ごとだとか各階に防災倉庫を設置しますということで中央区独自でそういうこともやり始めているところで、今の新しいマンションについては、防災倉庫もついているということでありますけれども、そういったこともしっかり居住者の方に再度お知らせをした上で、そのマンションの管理組合と自治会が一緒になって防災訓練を進めていく。基本的に、今、私が二、三知っている部分のところで言いますと、やはり管理組合から受けた管理会社が中心となって、そういうことをやっているということがほとんどの部分ではないかというふうに感じています。ですから、そうではなくて、先ほど区長の答弁の中にありましたとおり、顔が見える対策をしっかりしていかなければ自助も共助も生まれないということだと思いますので、そういったところも含めて、しっかり対応をしていただきたいということをお願いしたいと思います。

 平成三十三年度に減災目標を達成するためにしっかりやっていくという話でありますが、繰り返すようですが、三十年以内に七○%ということがあるわけですので、そういったことも含めて対応していただきたい。

 古いマンションに対しては、去年の九月にデッドスペースの関係で防災倉庫に改築するときには容積率に含まないということもあったわけですので、都市整備公社が行っているマンションの修繕の関係も含めて、助成をしていく中で、そういったことの項目も一つつけ加えていただいて、防災倉庫の設置を大きい小さいも含めて対応していただくことがよろしいのではないのかなというふうに思っているところであります。そういったことも視野に入れて、補助をすることによって区も把握しやすい部分もあるのではないのかなというふうに思っておりますので、そういった対応もお願いをしたいと思います。

 地域とともにつくるまちづくりについては、ことしの九月七日にオリンピックが東京に決まる決まらないという話があるわけですけれども、その中でいくと、オリンピックがあるからこういうことをやる、ああいうことをやるということが行政にとっていいのか悪いのかという話だというふうに思っています。そういったところでいくと、区長のさらなるリーダーシップのもとに、区としてどういう考え方を持ってこれから進めていくのか、総合的にどういうふうに進めていくのかということが最も重要なことだというふうに思っております。

 オリンピックの話で言いますと、東京都が言う話で、選手村の話であれば二十階建てという話もあります。ですけれども、晴海のデザイン会議では、新しくつくる月島警察も含めて一定の高さにしているということ。銀座であれば、中央通りを中心として五十六メーターという稜線をつくって、しっかり対応している。そこでいくと、オリンピックの計画については、地域の考えていることと若干違う部分があるのではないのかなというふうに感じているところであります。

 それが地域のルールを超越したものであるのかどうかというのは、これから少しずつまた検証しなきゃいけない部分でありますけれども、地域の人たちがいろいろな意見を言って守っていくということが本当に地域を活性化する一つの手段であるというふうに思っておりますので、そういったことも含めて、しっかり区長のリーダーシップのもと、地域をつくっていただきたいというふうに思っておりますので、これも要望としておきます。

 マイナンバー制度については、地方公共団体でも条例によって活用できるということでありましたので、これも含めて、私のほうでこの質問を考えたわけですけれども、やはり今、行政の課題はワンストップサービスということ、窓口でいかに完結するかということが一番の問題であろうかと思います。今、中央区では余りなくなったんだろうというふうに理解しておりますが、余りいい言葉ではないでしょうけれども、たらい回しといったことも含めて、なくなってきているというふうに思いますけれども、窓口に来て、そこで完結するというのが区民の人たちのサービスの向上に一番必要なんだろうというふうに思っておりますので、このシステムができるまでの間に、しっかりとそういった窓口業務の改善を、職員も含めて、区民の人からもいろいろな方からお話を聞いて、しっかり対応できるようにしていくのがよろしいのではないのかなというふうに思います。

 それと、質問の中でも言いましたけれども、予算も各部がまたがったことで庁議、調整会議も含めて、各部の会議でいろいろな調整をされているということはよく理解しているところでありますけれども、そこの上に立ったことで言えば、予算の関係でフレーム予算の関係で言えば、各部対応になっているわけですよね。ですけれども、各部対応で、そこの中でどういうふうに対応していくのかということも含めて考えたときには、連携がなくては、そういったこともこれから新しいものについては事業として生まれていかないということもあるわけです。そういうことを含めて、人材育成も含めて、マイナンバー制度の導入に向けて庁舎内の改革も含めてやっていくことが本当の筋の形ではないのかなというふうに思っておりましたので、こういうことを質問しました。

 ホームページだとか接遇サービスのプロジェクトチームをつくったという話でありますけれども、そういったことも大切であるとは思いますが、そのほかにもプロジェクト、若い人たちの意見というのを聞きながら、どういうふうな形でこれから行政を進めていくのかというのが重要な部分であると思いますので、そういった形も含めて、新たな事業の展開を展望して、若い人たちの活用も含めて対応をしていただければありがたいというふうに思っております。これも要望をしておきます。

 築地新市場についてということなんですが、多品種で目ききがきく仲卸の人たちに対応していただくということが一番いいのではないかと私は思っている部分でありますけれども、業界団体、東卸の組合というのも大きなところでありますけれども、そこだけではなくて、遠海物だとか乾き物というんですか、乾物というんですか、そういったところの業界団体がまた別にあるわけです。そういったところにもしっかり中央区として、そういう人たちの業界団体から、最低でもちゃんと一つなり二つなり出していただくということをやっていかないと多品種にならないと思うんです。

 そういったことを含めて、品ぞろえがないとかということではなくて、そういったことにしっかり対応していくということが、築地の今までの市場に近いものを少し残していただければありがたいなというふうに思っておりますし、東京都との協議の中でいろいろお話をされているところでありますけれども、やはりこれからもそういった情報も含めて、各委員会も含めて議会にしっかり報告をしていただいて、できれば、豊洲新市場の動きが一年おくれたということでありますけれども、その動きも含めて行政から東京都も責任を持って中央区に説明し、議会にも説明をしていただくということをお願いしたいと思っております。

 以上、要望をしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

午後四時二十九分 休憩


午後四時五十分 開議

○議長(原田賢一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。三番富永一議員。

三番 富永 一議員登壇

○三番(富永 一議員)
 新生自民党の富永一です。主に、まちづくりの観点から幾つかの質問をさせていただきます。なお、答弁のいかんによりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。それでは、よろしくお願いいたします。

 中央通り、外堀通り、晴海通り、鍛冶橋通り、八重洲通り、永代通り、江戸通り、そして水天宮通りなど、幹線道路と交差しながら走っているのが、関東大震災からの復興事業として計画・建設され、昭和三年に完成した昭和通りです。戦車も走ることを想定して、最初は幅員も百八メートルとする案も出されていましたが、そこまでの幅員は必要ないとされ、現在の幅員で建設されました。

 建設されてから八十五年がたちますが、その間には戦争もあり、オリンピックもあり、高度成長の中、昭和通りは大きく変わりました。渋滞解消のためにアンダーパスが設けられたり、東京オリンピックにあわせて高速道路ができ、交差して地下鉄が走り、首都高と直結の駐車場ができたり、東京駅前地区の浸水を防ぐための地下水路なども地下で交差しております。大きなものを建設するときには用地の取得が課題となりますが、大きな幅員を持つ昭和通りは、そういった面で何かと都合がよかった背景もあるのでしょう。

 時代に合った、または先を見据えて行われてきた昭和通りに関する事業ですが、時代も変われば状況も変わるし、需要も変わります。幅員が大きな幹線道路なだけに、地域を分断してしまっているということは随分前から言われております。区内でも、さきに述べたように幹線道路が幾つも通っています。地域が分断されないようにと、町会はそれらの道路を挟んで一つの町会になっているところもありますが、現在ではそれが町会のまとまり、地域のまとまりを阻害していると言えるでしょう。昭和通りはアンダーパスが多く、道路の交差ができず、道路を挟んで西側と東側との往来が大変不便です。

 その一つが、八重洲から新川までを結ぶさくら通りです。八重洲通りと永代通りに挟まれており、生活、地域経済に欠かすことのできない区道であります。昭和十一年に初めて桜が植樹されました。しかし、その後、震災で焼失し、昭和三十一年に改めて植樹されました。そのときにさくら通りと命名されたものであります。その後、さらに昭和六十三年度には外堀通りから中央通りまで五十本、平成元年には中央通りから新馬橋まで三十三本、平成二年には新馬橋から新大橋まで六十五本、計百四十八本の桜が地元地域の要望により植樹されました。それらの桜は見事に育ち、現在では約百七十本の並木となっております。区内では最も桜の多い大都会のお花見スポットとして、知名度も全国区になりつつあります。その見事な桜をもっと多くの人たちに宣伝、楽しんでもらおうと、地域の青年会は桜まつりを毎年開催しており、ことしはその模様が新聞の天声人語でも取り上げられました。

 日本橋では、さくら通りに面する地域での開発が進んでおります。未来に輝く開発が行われる中、最新鋭の施設の横に中央区が誇る桜並木があり、八重洲、日本橋、兜町、茅場町と、歩いて桜を楽しめる情景を想像してみてください。そして、道は新川を抜けて、隅田川につながります。隅田川のテラスの桜も見事です。八重洲から新川まで一直線につながれば、中央区が世界に誇る桜ロードができ、地域の往来が活発になります。ぜひとも歩道橋ではなく横断歩道で昭和通りを渡れるようにしていただきたいところであります。

 また、オリンピックにあわせて建設された首都高も耐久年数を既に迎えており、大震災等に備えるための対策には膨大な費用がかかります。本区の昭和通りの上を通る首都高上野線も例外ではありません。建設された当時は、いずれ環状線との連結も考えられており、上野線は環状線との直結を視野に入れて建設された支線であります。しかし、計画・建設されたころからと比べると、東京の道路や地域の事情なども随分と変わり、上野線と環状線との接続の話は、今となっては立ち消えの状態となっています。現在の上野線の一日の交通量は、約二万台です。首都高全体の一日の平均通行台数は約九十万台を超えることから、上野線の利用台数はかなり少ないと言えます。首都高速道路では、路線の撤廃に対しては決定権は持っておらず、国の判断によるところです。

 平成七年に起きた阪神・淡路大震災では、高架道路が軒並み倒壊し、甚大な被害をもたらしました。そのことを考えても、建設され五十年がたつ首都高の老朽化等はニュース等でも幾度も報道されているとおり、今後設備を維持していくためには、補修だけではなく、耐震化など膨大な費用がかかることは容易に想像できます。それらの費用は高速道路の自主調達だけでは賄い切れず、多くの税金が投入されます。その中で、利用台数の少ない上野線については、地震による危険からの回避、高速を挟む両地域の一体化などの面から、地元地域を初め、首都高上野線の存続を疑問視する団体等からの路線撤廃の声が年々大きくなってきております。高速道路が撤廃されれば、昭和通りには幅が十五メートルのスペースが確保でき、遊歩道をつくったり、防災倉庫を設置したりと、地域にとって有効な施設を整備できます。

 今、世の中は政治、教育、地域など、あらゆる場面で見直しが必要な時期に来ています。残すべきものは残す、新たにつくるべきものはつくる、そして処分するものは処分すると、はっきりとした決断をしていかないといけません。

 そこで、質問です。

 地域を分断してしまっている昭和通りの日本橋さくら通りの一本化、首都高上野線の撤廃に関して、本区の考えをお聞かせください。

 次に、駐輪場問題です。

 何度か、この件に関しましては質問、提案させていただいておりますが、そうしている間でも自転車問題は余り改善されておりません。自転車に関しては、さまざまな自治体で問題を抱えており、それぞれの問題解消のための取り組みが行われております。急激な住民の増加と相まって、昨今の健康ブーム、自転車ブームもあり、自転車利用者は想定以上です。商業地域と居住地域が密接しており、自転車利用者にとっては大変便利であると同時に、駐輪場がなく、本来最も手軽で便利な交通手段であるにもかかわらず、それを生かし切れていない地域事情があります。警視庁が旗を振って、行政、地域、企業に駐輪場対策を呼びかけていますが、なかなか前には進んでいません。

 駐輪場整備において、一番の課題は用地の確保ですが、地代の高い本区ゆえ、用地の確保に一歩踏み切れない中、土地の取得に係る費用を駐輪場のシステムに回して、限られたスペースの中で最大限自転車を収納できるタワー式の最新の駐輪場の設置を提案します。自転車をラックに納めれば数秒で収納され、自転車を出すときもボタン一つでわずか数秒で出てきます。タワー全体がガラス張りで、中で機械が自転車を出し入れする様子が見えて、ライトアップされていれば、カラフルな収納されている自転車と相まって、まちの大きなオブジェにもなります。既存の駐輪場、これから整備される駐輪場、登録者であればどこでも使えるシステムを構築することによって、気軽にどこの駐輪場も使えることになり、放置自転車対策にも十分有効なものとなるはずです。用地にしても、開発が行われている中に組み入れてもらい、土地を提供してもらうことで公共貢献にかえます。設備の部分を区が賄えば、用地を取得するよりも楽に最新の駐輪場が整備できます。最近では、高額な自転車愛好者もふえており、機械式の駐輪場を使うことにより、傷つけ、いたずら、盗難から守ることもできます。都心部における駐輪場対策に対する本区ならではの最先端の取り組みとして、他の行政区のモデルになるような自転車利用に対する考えをアピールできると思います。

 そこで、質問です。

 今後の商業地域における駐輪場の整備に対する考え方をお聞かせください。

 本の森ちゅうおうの建設に当たって、自転車置き場はありますが、タワー式駐輪場の区内モデルとして整備されることは可能でしょうか。あくまでも自転車という最も手軽な交通手段としての利便性を損なうことなく問題を解決できる対策をお願いいたします。

 次は、コミュニティ同士のコミュニケーションについてです。

 年々ふえている本区の定住人口の中で、新区民の皆さんが求める本区での快適な生活の中で、いろいろな地域活動に参加されている方がふえております。大変すばらしいことだと思います。協働ステーションには、現在百十一の団体が登録されています。地域貢献や福祉ボランティアまたは趣味の会など、さまざまです。しかし、登録はしていなくても、若い世代の先進的なパワーと町会が一つになって地域を盛り上げていこうとしている会や、朝の就労前に集まって地域の文化や伝統を地元の人の話から学ぶ会など、随分と多くのコミュニティが存在しています。

 本区のホームページでは、トップページより地域参加からまちの団体、そして組織を通じて協働ステーションというふうにページを進んでいくと、開かれたページが結構かたい内容になっております。ホームページもリニューアルされるということですが、区民の方々に生活を楽しんでもらうために、もっと気軽にコミュニティに参加するきっかけづくりにふさわしいサイトをつくる必要があるように感じます。三十代、四十代の働きながら、子育てをしながら本区での暮らしを楽しむために活発に活動されているコミュニティをもっともっと結びつけて、区民同士のコミュニケーションの機会を広げるきっかけをつくっていただきたいと思います。

 そこで、質問です。

 二十年後、三十年後の中央区を背負って立つ世代の結びつきについて、協働ステーションのホームページの活用を含めての考えをお聞かせください。

 続きまして、御当地ナンバーについてです。

 湘南ナンバーや富士山ナンバーなど、新たな地域名表示ナンバープレートの通称が、いわゆる御当地ナンバーです。これは国土交通省が車のナンバープレートに表示する地名について、対象市町村の区域を限って新規の自動車検査登録事務所によらずに、独自の地名を定められるように新たに開始した制度です。それによりまして、二○○六年から御当地ナンバーをつけた車が見られるようになりました。

 御当地ナンバーの登録の申請をするには、幾つかの条件があります。まず一つ、地域特性や経済圏等に関して、他の地域と区別された一定のまとまりのある地域であり、一般に広く認知された地域であること、二つ目、原則として単独の市町村ではなく、複数の市町村の集合であること、三つ目、当該地域において登録されている自動車の数が十万台を超えていること、四つ目、対象となる地域が当該都道府県における他の地域名表示の対象地域と比較し、人口、登録されている自動車の数等に関して極端なアンバランスが生じないものであること、以上四つですけれども、四つの条件の中に本区の自動車登録台数というのは四万台であり、三番目の条件の部分でひっかかります。規定に六万台足りませんが、本区は狭いために車庫証明がとれない等の制約があり、十万台をクリアするのは不可能です。

 しかし、財政規模など経済上では全国でもトップクラスにいる本区であるので、御当地ナンバーの利用に値すると思いますが、いかがでしょうか。銀座や日本橋など、全国、いや、世界に通用する地名もあります。地名ではなく、江戸ナンバーなんていうのもおもしろいかもしれません。区長は、東京オリンピック・パラリンピックの開催を確信しておりますと演説でもおっしゃっておりますが、中央区をさらにアピールするチャンスでもあると考えます。

 そこで、質問です。

 本区における御当地ナンバーについての考えをお聞かせください。

 最後になりますけれども、区民憲章について質問します。

 東京では、品川区、目黒区、台東区、新宿区、江東区、渋谷区、杉並区、板橋区、足立区など二十三区中九区において区民憲章が制定されております。今、全国でも珍しく定住人口がふえている本区としても、ぜひとも憲章を定めるべきと考えます。

 今まで本区で暮らしてきた区民、新しく移り住んできた区民、今後移り住んでくる区民全員が中央区民として誇りを持って暮らすために必要です。憲章を制定することにより、本区がどのような区か、どのように変えていかないといけないのか、何を守っていかないとならないか、区民一人一人が共通の意識のもと、本区の区民として暮らしていけるためのすばらしい憲章をぜひお願いいたします。

 そこで、質問ですが、区民憲章の制定に関する考えをお聞かせください。

 以上、第一回目の質問を終わります。よろしく御回答をお願いいたします。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 富永一議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、昭和通りと日本橋さくら通りの交差点についてであります。

 昭和通りは、一日の交通量が六万台以上ある都心の幹線道路で、晴海通りや八重洲通り等と交差しており、慢性的な渋滞の解消を目的として、幹線道路との交差部はアンダーパス構造となっております。御指摘の日本橋さくら通りとの交差点付近はアンダーパスの取りつけ部となっており、交差する幹線道路の交通量を考えますと、アンダーパスを撤去して平面的な交差点にすることは困難であると考えております。しかしながら、現在、日本橋二丁目において大規模な再開発が計画されており、今後、歩行者の動線も変わってくることが予想されることから、地域の一体化が図られるよう、歩道橋のバリアフリー化などについて都に要請してまいりたいと考えております。

 次に、首都高速上野線の撤去についてであります。

 この道路が地域を分断し、まちのコミュニティの支障となっており、解決すべき重要な課題であると認識しております。都内の首都高速道路のあり方については、国土交通省が平成二十四年四月に設置した首都高速の再生に関する有識者会議における議論や、掘割に整備された首都高速道路上の容積率の売却についても検討が行われており、国としても大きな課題として位置づけられているところであります。そこで、区といたしましては、国の動きを注視するとともに、区民の意向把握に努め、上野線を初めとする首都高速道路の改善について積極的に国や都に働きかけてまいります。

 次に、商業地域における駐輪場の整備についてであります。

 本区は、これまで道路、公園や地下鉄駅上部の空間などを活用し、区内十六の駅周辺に十九カ所の駐輪場を整備しております。しかしながら、現在、東京駅前や銀座、日本橋の商業地域などにおいて放置自転車が多く見られることから、その対策が急務であります。御提案のタワー式駐輪場につきましては、利便性や防犯性などにすぐれておりますが、都心に位置する本区は用地の確保が難しいことや、整備費用等が高額になるなどの課題があると考えております。このため、今後は都との連携を図りながら、広幅員の歩道上への整備や、まちづくり基本条例を活用した民間敷地での整備を推進してまいります。また、本の森ちゅうおうの駐輪場につきましては、来館者の利用を想定し、利用者や車両の動線、植栽の配置、入り口部分の外観などを考慮し、平面式を予定しております。タワー式駐輪場は現在考えておりませんが、施設開設後の利用状況を踏まえ、駐輪場が不足する場合には必要な対策を検討してまいります。

 次に、地域で活動する団体同士の交流促進についてであります。

 本区が真に活力に満ちあふれたまちとして発展するためには、力強く増加している若年層の皆さんがさまざまな地域活動を通してコミュニケーションの輪を広げていくことが重要であります。そのため、協働ステーション中央では、地域で社会貢献活動を行う団体を紹介し相互の交流を促す見本市などのイベントを開催するほか、団体間のコーディネートにも取り組んでおり、子育て中の若い父親が活動する団体同士の交流も実現いたしました。今後もこうした取り組みの充実を図るとともに、近年の企業における社会貢献活動への参加機運の高まりを踏まえ、企業間ネットワークの構築にも積極的に取り組んでまいります。さらに、団体の活動情報を掲載している協働ステーション中央のホームページと社会貢献活動情報サイトについて、各団体間の交流がさらに促進するよう、内容の充実・工夫に努めてまいります。

 次に、御当地ナンバーについてであります。

 江戸以来の歴史・伝統と洗練された都市活動が融合する本区において、地域振興や観光振興を目的とする御当地ナンバーの導入は、地域のアピールや愛着心の向上に大いに有効であるものと認識しております。しかしながら、導入の基準においてさまざまな制約があり、現時点での導入は困難な状況であります。今後も引き続き、区民、町会並びに商工関係団体の幅広い機運の高まりや国の動向などを注視しながら、導入に向けた検討を進めてまいります。

 次に、区民憲章についてであります。

 区民憲章は、区民誰もが共有できる区のあるべき理想の姿や行動規範などを区民が主体となって定めるものであり、行政への区民参加や地域への愛着心の向上などを目的として、他区や全国の自治体で制定されているところであります。本区においては、平成十年に二十年後の将来像を描いた中央区基本構想を定めております。この基本構想は区と区民のまちづくりの憲章であり、現在まで四次にわたって策定した基本計画とあわせて、総合的かつ計画的な行政運営の指針と位置づけております。また、基本構想の策定に際しては、区民や区内関係団体、区議会の代表の方々で構成する審議会から答申をいただいた上で、区議会の議決をもって決定されており、区民や関係者の参画のもとで本区の将来像が検討・共有されてきております。したがいまして、区の将来像や目標を改めて区民憲章の形であらわすことは現在考えておりませんが、全ての区民に誇りや愛着を持って住み続けていただくための区政のあり方については、今後、基本構想、基本計画を着実に推進しながら幅広い議論を行っていく必要があると考えております。

 答弁は以上であります。

〔三番 富永 一議員登壇〕

○三番(富永 一議員)
 区長、御答弁どうもありがとうございました。

 まず、さくら通りの一本化なんですけれども、バリアフリーのいい歩道橋という話もありましたけれども、やはり理想はあそこを一直線でつなげていただけるといいかなというのがありまして、アンダーパスも完全に撤廃するとかということではなくて、今、八重洲通りの手前から永代通りまでを、途中で一旦上がるんですけれども、あそこを一本の地下化にしちゃうとか、そういったようなことも、今後、二丁目の大きな開発の中で、やはりちょうど隣接しているところでもあるし、可能なんじゃないかなというのを考えたりはしているんですけれども、その辺も含めまして、地域の発展のために、よろしくお願いしたいと思います。

 それから、本の森ちゅうおうに自転車置き場を、あくまでもモデルとして、あそこに設置していただけないでしょうかというお願いをしたんですけれども、ちょっと調べてみますと、今、自転車を一台置くのに約二平方メートルの幅が必要なんです。大体、東京駅前地区の公示価格を調べますと、一平方メートル当たり約四百七十万円。そうすると、自転車一台置くのに、その倍ですから、九百四十万円のお金を払わないと自転車を一台置けるスペースが買えない。今、ちょうど千代田区の鍛冶橋の下にできております百三十四台置けるやつが、あれは二階建てか何かになっているのかな、それが約百四十二平方メートルなんです。これをお金に換算しますと、約六億六千七百四十万円。入船橋の駐輪場ですと、置ける台数は同じ百三十四台なんですけれども、少し大きくなりまして、これは約二百四十平米、東京駅前の地代に換算しますと、約十一億二千八百万円。平場で百三十台、百四十台置こうと思うと、用地取得にそれくらいかかるわけです。

 先日見てまいりましたサイクルツリーのモデルというのは、モデルとして置かれているのは、幅が七メートル、奥行き五メートル。ということは、三十五平米なんです。それが高さ二十二メートルまでの機械で約百四十台から百五十台まで設置できるものなんですけれども、三十五平米を地代に換算しますと、約一億六千四百五十万円。その上に百五十台乗せられる自転車の機械を設置する費用が約一億一千万円。そうすると、用地を取得したとしても、機械を入れて二億七千四百五十万円で、平場で百四十台、百五十台置くよりもはるかに安い費用でできるんです。

 それを全部中央区が賄えということではなくて、この程度のスペースでしたら、今ある民間の開発の中にでも協力を申し出て、それが協力してもらえるのであれば、今度その上にのっける機械の部分も、例えばJR、民間、それからもちろん中央区、東京都、それから千代田区と、近辺で自転車に関している周りの団体とうまく割り振りして、できるようなことをすれば、地代が高い東京駅前地区でも、全国に先駆けてモデルとなるような機械式の立派な自転車置き場ができて、夜、ライトアップ等もされていれば非常にカラフルなんです。

 どうしても機械式の自転車置き場というと、地下だったら、その入り口がぽこんと出ていて、そこに自転車を入れれば、すっと入って、あとは地下だから全く見えない。費用を安く済ませようと思ったら、立体式なんだけれども、プレハブチックだったり、見ても余りきれいなものではない。ただ、その中で、やはり本区にふさわしい取り組みとして、誰もが見て楽しめるような最新鋭の自転車置き場を設置することというのは、いろいろな意味でもアピールになるので、ぜひともそれは進めていただきたいと思います。

 それから、コミュニティづくりなんですけれども、協働ステーションの職員さんたちも非常に積極的に、プライベートの時間を使って、いろいろなそういった団体のところに楽しむ一人として入り込みながら、いろいろな仲間とのコミュニケーションをとっているのを私自身が目の当たりにしまして、すごくいいことだなと思って、新しく入ってきた人たちが中央区で暮らすことを楽しむのに何かすべはないかと考えたら、例えばさっき答弁の中にも少しありましたけれども、パパの会ですか、小さなお子さんを持つお父さんたちが集まっているパパの会が、田中耕太郎さんもメンバーですね。日本橋にあったり、勝どきにあったり、大体三、四十人ぐらいの会員の中で、自分たちが、飲み会はもちろんなんですけれども、お父さんのお料理教室を開いたりですとか、いろいろそういうようなことをやりながら、地域で自分たちのお友達をつくりながら楽しんでいる。そういった人たちがどんどん仲間をふやすことによって、二十年後、三十年後、今若い三十代、四十代のお父さんたちが五十代、六十代になって、まちの顔役になっていったときに、多くの地域で知り合いがいるというのは大変本区の将来にとっても重要なことと思いますし、また、今一番心配されている地震等があったときにも、やはり人と人とが顔がわかっているというのが何よりも、防災において、減災において、すごく有力な手段になってくると思うので、協働ステーションという施設があって、その中の職員さんたちも一生懸命やっていて、そういうつながりを求めている区民も非常にふえているので、何かそれらのまとめ役というか、牽引役を区がうまくやっていただけたらと思います。

 それから、御当地ナンバーですけれども、話を最初聞いたときにはすごくいいなと思いながら、いろいろ調べてみると、やはり申請するまでの間に本区としてはクリアしなきゃいけない問題がたくさんあるのは重々承知なんですけれども、天下の中央区ということをアピールするために、何とかうまい方法で全国的に新しく、この中央区にふさわしいナンバープレートをつけた自家用車、それからこの地域でもたくさん走っている商業車、緑ナンバーの車がふえたらいいななんて思います。

 最後に、区民憲章なんですけれども、今までしゃべってきたようなことというのは、最終的には全部区民の人たちが気持ちよく、この中央区で働いたり、遊んだり、暮らしたりできる全部のことにつながってくると思うんです。だから、例えば、さくら通りがつながったらいいなと思っている人は、さくら通りがつながれば、もちろんそこにまた愛着が湧いてくるし、首都高の上野線が撤廃されればいいなと思っている人たちは、そこがなくなれば、そこにまた自分たちの地域に対しての誇りも出るだろうし、また、今まで何のつながりもなく中央区に入ってきた人たちがどんどん仲間をふやして、さらに税金を払っている行政が一生懸命になって自分たちのためにやってくれているということが、そんなにすぐにはもちろんできないことなんですけれども、やはり物事というのを十年、二十年、三十年後、先を見ながら、それを我慢しながら、自分たちがやってきたことが、三十年前を振り返ると、ああだったけれども、やはりこの中央区にずっと住み続けてよかったな、ここでずっと働いていてよかったなと思えるような中央区になってもらうために、区民憲章をぜひ、何で区民憲章というものを定めなきゃいけないかというようなことを広くアピールして、それは皆さんが将来にわたって、この中央区に暮らしていてよかったな、気持ちよく暮らせるなというのを実感しながら、子育て、それからお孫さんを育てること、商いを続けることにつながっていくんだということの気持ちを込めまして、ぜひともやっていただきたいと思います。

 長々となってしまいますので、全てこれらは要望になるんですけれども、今後私自身も一生懸命やっていきますので、どうかよろしくお願いいたします。これで終わります。(拍手)


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明二十七日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十七日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

午後五時二十六分 散会


署名議員
議長 原田 賢一
議員 加藤 博司
議員 石田 英朗

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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