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平成26年第二回定例会会議録(第3日 6月23日)

1.会期

十三日(第三日)

六月二十三日(月曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後六時三十八分散会

3.出席議員

(二十九名)

一番 加藤 博司議員

二番 青木 かの議員

三番 瓜生 正高議員

四番 染谷 眞人議員

五番 富永  一議員

六番 山本 理恵議員

七番 河井 志帆議員

九番 奥村 暁子議員

十番 小栗 智恵子議員

十一番 田中 耕太郎議員

十二番 増渕 一孝議員

十三番 木村 克一議員

十四番 石田 英朗議員

十五番 中嶋 ひろあき議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 墨谷 浩一議員

十八番 渡部 恵子議員

十九番 志村 孝美議員

二十番 高橋 伸治議員

二十一番 原田 賢一議員

二十二番 鈴木 久雄議員

二十三番 礒野  忠議員

二十四番 今野 弘美議員

二十五番 押田 まり子議員

二十六番 植原 恭子議員

二十七番 田中 広一議員

二十八番 中島 賢治議員

二十九番 渡部 博年議員

三十番 守本  利雄議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君

副区長 小泉 典久君

副区長 吉田 不曇君

教育長 齊藤 進君

企画部長 田中武君

総務部長 島田 勝敏君

防災危機管理室長 中島 佳久君

区民部長 新治満君

福祉保健部長 平林 治樹君

高齢者施策推進室長 長嶋 育夫君

保健所長 和田 哲明君

環境土木部長 宮本 恭介君

都市整備部長 田村 嘉一君

会計管理者 平沢 康裕君

教育委員会事務局次長 坂田 直昭君

監査事務局長 有賀 重光君

企画部参事(企画財政課長事務取扱) 黒川眞君

広報課長 園田 典子君

総務課長 古田島 幹雄君

5.議会局出席職員

議会局長 田野 則雄君

庶務係長 小暮 万里子君

議事係長 荻原 雅彦君

調査係長 東 雅之君

書記 渡邊 千可雄君

6.議事日程

日程第一
一般質問

日程第二
議案第二十六号 平成二十六年度中央区一般会計補正予算

日程第三
議案第二十七号 中央区職員の配偶者同行休業に関する条例

日程第四
議案第二十八号 中央区特別区税条例の一部を改正する条例

日程第五
議案第三十六号 築地場外市場地区先行営業施設(仮称)建設工事(建築工事)請負契約

日程第六
議案第三十七号 築地場外市場地区先行営業施設(仮称)建設工事(機械設備工事)請負契約

日程第七
議案第三十八号 築地場外市場地区先行営業施設(仮称)建設工事(電気設備工事)請負契約

日程第八
議案第三十九号 中央区立久松小学校及び中央区立久松幼稚園増築工事(建築工事)請負契約

日程第九
議案第四十号 中央区立久松小学校及び中央区立久松幼稚園増築工事(機械設備事)請負契約

日程第十
議案第四十一号 中央区立久松小学校及び中央区立久松幼稚園増築工事(電気設備工事)請負契約

日程第十一
議案第四十二号 中央区立豊海小学校及び中央区立豊海幼稚園改築工事(建築工事)請負契約

日程第十二
議案第四十三号 中央区立豊海小学校及び中央区立豊海幼稚園改築工事(機械設備工事)請負契約

日程第十三
議案第四十四号 中央区立豊海小学校及び中央区立豊海幼稚園改築工事(電気設備工事)請負契約

日程第十四
議案第四十五号 歩行者専用橋整備工事(下部工及上部工)請負契約

日程第十五
議案第四十六号 新島橋架替工事(第三期)請負契約

日程第十六
議案第四十七号 中央区立特別養護老人ホームマイホームはるみ等複合施設大規模改修工事(建築工事)請負契約の一部変更について

日程第十七
議案第四十八号 中央区立特別養護老人ホームマイホームはるみ等複合施設大規模改修工事(機械設備工事)請負契約の一部変更について

日程第十八
議案第四十九号 中央区立特別養護老人ホームマイホームはるみ等複合施設大規模改修工事(電気設備工事)請負契約の一部変更について

日程第十九
議案第五十号 中央区立十思スクエア地域密着型養護老人ホーム(仮称)等複合施設建設工事(建築工事)請負契約の一部変更について

日程第二十
議案第五十一号 中央区立十思スクエア地域密着型特別養護老人ホーム(仮称)等複合施設建設工事(機械設備工事)請負契約の一部変更について

日程第二十一
議案第五十二号 中央区立十思スクエア地域密着型特別養護老人ホーム(仮称)等複合施設建設工事(電気設備工事)請負契約の一部変更について

日程第二十二
議案第五十三号 中央区立明正小学校等複合施設改築工事(建築工事)請負契約の一部変更について

日程第二十三
議案第五十四号 中央区立明正小学校等複合施設改築工事(機械設備工事)請負契約の一部変更について

日程第二十四
議案第五十五号 中央区立明正小学校等複合施設改築工事(電気設備工事)請負契約の一部変更について

日程第二十五
議案第五十六号 新たに生じた土地の確認について

日程第二十六
議案第三十四号 中央区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例

日程第二十七
議案第三十五号 中央区立学校設備使用料条例の一部を改正する条例

日程第二十八
議案第二十九号 中央区立福祉センター条例の一部を改正する条例

日程第二十九
議案第三十号 中央区子どもの医療費の助成に関する条例等の一部を改正する条例

日程第三十
議案第三十一号 中央区立公衆便所条例の一部を改正する条例

日程第三十一
議案第三十二号 中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例

日程第三十二
議案第三十三号 中央区営住宅条例の一部を改正する条例

日程第三十三
議案第五十七号 町の区域の変更について

日程第三十四
議案第五十八号 特別区道の路線の廃止について


午後二時 開議

○議長(原田賢一議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(原田賢一議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 十二番増渕一孝議員。

     〔十二番 増渕一孝議員登壇〕

○十二番(増渕一孝議員)
 中央区民クラブの増渕でございます。大変失礼しました。久しぶりの質問で。中央区民の会の増渕でございます。

 まずは、東京オリンピック・パラリンピック開催前後の晴海地区等交通インフラについてお伺いします。

 晴海地区将来ビジョン中間取りまとめ案が策定されました。さきの特別委員会においても、活発な議論が交わされました。中間取りまとめ案については、六月三十日、まちづくり協議会の結果を待って、東京都に提出されます。都側オブザーバーのコメントとして、答えを出すための検討に入るとのことでした。この中間取りまとめ案が最大限の多き結果を得ることを期待するものです。

 中間取りまとめ案の構成の中で、第三章、「将来ビジョン(骨子)の実現に向けて」とあり、一、「つながる」では、本区国際的ビジネス拠点や銀座、築地など世界ブランドの観光拠点へとつながるまちとあります。取り組みとして、BRTの整備、地下鉄新規路線の導入などです。区民、区内就業者への意識調査でも、どのような分野に対して期待・懸念があるのかの問いに、区民六三・四%、区内就業者五二・七%と圧倒的数値として、道路・交通のインフラ整備が挙がっています。そして、期待が六一・三%、懸念が七二・五%となっています。この数値は、「期待する」が八百二十人、「懸念がある」が百八十九人の集計に基づくものとは理解した上でお伺いします。

 道路・交通が期待・懸念の両面で非常に数値が高い。この数値を見て、区民意識調査を分析した御見解をお聞かせください。

 次に、晴海地区は、本区においても、交通不便エリアの象徴と申し上げても過言ではないでしょう。現在、人口七千七百人、開催時一万八千人と中央区は推定しています。そして、近い将来、最大四万三千人、オリンピック・パラリンピック開催前、本区の基幹的交通システムの導入予定はBRTのみと理解しても、現況よいのではないでしょうか。

 このような現況の中、夢のある話を申し上げたいと思っておりましたが、江東区長に新聞報道で先を越されてしまいました。東京五輪へスカイウエー、東京湾岸エリアの観光輸送など都市型ロープウエーを導入する構想です。ロープウエーは、都道環状第二号線の上空を活用し、港区の汐留地区から江東区豊洲、有明までの約四キロメートルを結ぶものです。民間が事業者となり、建設費は二百五十億円前後と言われています。ことし三月、私が入手した資料より申し上げます。

 築地、勝どき、晴海、豊洲の各エリアは、東京の魅力と活力を創造していく地域。各エリアは隅田川や運河、水路で遮断された地形条件、道路・交通の影響を受けず、安定性・利便性の高い移動手段。現在の築地市場、そして築地新市場と豊洲新市場を結び、各地域の連携強化、観光要素も備えた移動環境。そして、ロープウエー配置構想として、起点汐留、終点豊洲、どちらも既存交通ネットワークに接続し、中間駅として新築地市場、勝どき、晴海の三駅が配置されます。汐留、豊洲を十分で直結し、毎時三千人の大量輸送が実現されます。ゆりかもめとロープウエーによる環状線が形成されます。風に対する安定性は高く、都市における交通機関として、気象条件に影響を受けない運行が可能。バリアフリー構造の採用により、車椅子の方にも快適な利用環境の提供ということになっております。このように述べてくると、何とよいことばかりなんでしょう。山﨑江東区長は、今月下旬に都知事に提案すると言っています。

 本区において、将来を見据えた交通インフラは、新規地下鉄路線の導入であることは言うまでもありません。その間を乗り切るために、BRTと並行して、この都市型ロープウエー構想です。

 ロープウエーの起点は港区、終点は江東区です。しかし、全長四キロメートルの中の、中間駅三つは中央区です。この夢は、現実性のあるものか否か、中央区民、とりわけ月島地区の皆さんは最大の関心を持って、さきの新聞報道を見たと思います。本区より情報が少ない現在、ロープウエー構想の今後はいかなるものになるのか、御見解をお聞かせください。

 次に、「特別区制度と特別区の課題」平成二十六年度版よりお伺いします。

 平成二十四年第三十次地方制度調査会により、答申がなされました。さらなる事務移譲について、特別区の高い財政力や一部の特別区の間での共同処理の可能性を踏まえると、一般的に人口規模のみを捉えて基準にする必要はないものと考えられる。都から特別区に移譲すべき事務としては、例えば児童相談所の事務などが考えられるが、専門職を適切に確保するなどの観点から、小規模な区の間では連携するという工夫を講じつつ、移譲を検討すべきである。これが都から区への事務移譲についての答申であります。

 答申に至るまで行われた都区制度に関するヒアリングでは、都側から、児童相談所については、移管の是非よりも児童虐待防止という観点から、どういうサービスの提供形態がいいのか議論すべき。特別区からは、特別区にもっと権限を移譲すべきであり、能力的にも可能。特に、児童相談所については、区に移管する方向で協議を早期に進めたい。また、例えば水道管の耐震補強も、区がそれぞれ実施したほうが早くできる。児童相談所の移管について言えば、東京都と特別区の見解は全く意見がかみ合っていないのが現実でありましょう。水道管工事について言えば、特別区平均八九%が区道です。

 お伺いします。

 都から特別区への遅々として進まぬ事務移譲、児童相談所移管の現況とあわせて、本区の見解をお聞きします。

 なお、再質問は留保させていただきます。

 これにて第一回目の質問を終わります。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 増渕一孝議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、二○二○年東京オリンピック・パラリンピック競技大会実施に係る区民等意識調査の分析結果についてであります。

 道路・交通への期待と懸念につきましては、今大会を機に、今後ますます交通需要が増加する晴海地区周辺の交通基盤の充実・強化を望む声が大きかったものと分析しております。また、大会のレガシーとして交通システムを期待する声も高かったことから、区といたしましては、都心部と臨海部を結ぶBRTの運行、さらに将来的な地下鉄の導入など、引き続き積極的に取り組んでいく必要があると認識しているところであります。

 次に、都市型ロープウエー構想についてであります。

 東京オリンピック・パラリンピックに向け、港区汐留と江東区有明間約四キロメートルにロープウエーをつくる構想があると聞いております。ロンドンオリンピックでも交通手段として利用され、夢のある話ではあるかと思われますが、道路等の上空占有や風などの気象条件、高層マンションのプライバシーなど、構想実現には多くの課題があります。区といたしましては、都心と臨海地域を結ぶ交通インフラとして、BRTの平成二十八年度運行開始とオリンピック後のまちづくりを踏まえた地下鉄新線の導入に向け、今後とも全力で取り組んでまいりたいと思います。

 次に、特別区への事務移譲についてであります。

 都区の事務配分をめぐっては、平成十八年のいわゆる主要五課題の暫定決着の後、都区のあり方検討委員会において、足かけ五年に及ぶ精力的な議論が重ねられ、五十三項目の事務を区に移管する方向で整理されたところであります。しかしながら、児童相談所を除き、具体化に向けた検討は進んでおらず、今後の取り扱いは未定のままとなっております。また、個別検討とされた児童相談所につきましても、区側が提示した移管モデルに対し、東京都は移管を必要とする根拠が不十分との見解を示すなど、双方の考え方には大きな隔たりがあるものと認識しております。引き続き、二十三区が一体となり、人材の確保・育成や一時保護所の運用、区間の連携・調整等の仕組みなどの課題に対する検討を進めるとともに、住民に身近な基礎自治体としての責任と能力にふさわしい役割を早期に果たすことができるよう、移管の実現に向けて都区間の協議を継続してまいります。

 答弁は以上であります。

     〔十二番 増渕一孝議員登壇〕

○十二番(増渕一孝議員)
 ロープウエーのことに関しては、今のところは、区長の御答弁のごとくであることはよく承知いたしております。御答弁ありがとうございました。

 私も、この資料を三月に見せていただきましたときに、大変夢のある話だなと思って、若干うれしくなってまいりました。しかし、観光要素以外に、本区にとって、これが交通インフラと呼べるのであれば、どの程度の効果があるのかなと思ったことも現実でございます。

 一番私が懸念しておりました一時間に三千人の輸送能力、これが現実的にどんなものかと思いまして、一番身近なところの箱根のロープウエーに乗ってまいりました。そうすると、三十秒とたたないうちに次から次へと来まして、大体この構想と同じような乗客数、同じような乗り物の規模のロープウエーでございました。そんな中で、三千人が可能であるのかななんて思いましたところでございます。

 ちょっと皆さんに想像していただきたいんですけれども、このロープウエーがもし現実としてでき上がったとき、豊洲から乗ったとします。そうしますと、後ろを振り返ると、お台場の明かりの中に、夜の八時ですよ。七色に輝く青い大観覧車が回っていて、進行方向左を見ますと、中央区の大華火祭のバックとなりますレインボーブリッジ、右を見ますと東京スカイツリー。ああ、もう終点の汐留が近づいてきた。そこで見ますと、胸がときめくような夜の銀座のネオン街。そして、このロープウエーで毎日御出勤、そして買い出しもできる。

 そろそろよしておきますけれども、このような中で思っていることは、さきの質問の中でも触れましたが、このロープウエー構想は、本区が導入を予定しておりますBRTと並行して行うことによって、オリンピック前、そしてオリンピックの直後の晴海地区、中央区の人口増を乗り切るための交通インフラになるのではないのかなと思ったところでございます。

 先ほども述べましたが、本区の将来人口、とりわけ晴海地区の人口の増加を見てみれば、はっきり申し上げて、将来的には地下鉄の新規路線は絶対に獲得しなければいけない、頑張らなければいけない。江東区長も、地下鉄の八号線に関しては、本当に前から熱心にやられております。そして、近隣区との連携の中で、本区も近隣区と共同し合って、いろいろな交通インフラの整備に向けて頑張っていただきたいという思いを込めまして、この質問をさせていただきました。

 次に、事務移譲の問題なんですけれども、児童相談所の移管の問題に関しましては、私も前から質問してまいりましたので、つい先日、この情報を受けたとき、都の職員の方と話していて、職員の方もおっしゃっていましたけれども、水道管の耐震工事、つい先日、箱崎地区で一年間にわたる水道管の耐震工事、まだ終わっていないんですね。その中で、ちょっと不幸な事件が起きまして、掘り返したところに横断歩道がありまして、その横断歩道の白い線を、養生するときにちょっと養生の仕方が悪く、ガムテープの剝がれたところにつまずいて、女性が顔面を殴打いたしました。このような事例を考えてみますと、水道局の本体の仕事は別にして、このようなことが区のほうに移管されれば、いろいろな問題で、工期は早くなり、中央区のほうで工事を行えば、その見守りも物すごくしっかりとできるというような思いがございました。

 それから、児童相談所、先ほど区長の答弁の中でも重要な問題として、児童の一時保護所の問題がありました。これ、この前、都の人と話したときに、全くと言っていいほど、都のほうは、今、乗るつもりがないというのを実感いたしました。それであれば、これは私の全くの私見なんですが、小規模区、中央区の近隣区と共同して、この児童一時保護所という名称を変えても、一歩前進するために、このような機能を持った保護所をつくるぐらいの姿勢でいかないと、なかなか前へ進まないのではないかと思います。

 厚木市の事例、足立区の事例、この中では行政側に事前に相談のあった事実もございます。このような不幸な事件が今後本当になくなることを期待いたしまして、今回の質問といたしました。本当になかなか思いが伝わらないものでございますけれども、これから頑張って、この児童相談所の問題に関しては取り組んでまいりたいと思います。

 では、これにて質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○議長(原田賢一議員)
 次に、十一番田中耕太郎議員。

     〔十一番 田中耕太郎議員登壇〕

○十一番(田中耕太郎議員)
 中央区民の会の田中耕太郎であります。質問通告書に基づき、中央区政の諸課題について、区長並びに担当理事者に質問をいたします。主な質問テーマは、第一に学区制並びに教育問題について、第二に防災対策について、第三に少子化対策について、第四に国家戦略特区、東京オリンピック・パラリンピックへの対応を含めた地域振興策についてであります。これまでの質問者の質問と重複する点がある場合は御容赦いただき、明快かつ具体的な御答弁をお願い申し上げます。お答えいただいた内容によっては、再質問をさせていただきます。

 一年の計は穀を樹うるに如くはなし、十年の計は木を樹うるに如くはなし、終身の計は人を樹うるに如くはなし。一年で何かを行うのなら穀物を植えるのがよい、十年で何かを行うのなら木を植えるのがよい、一生かけて何かを行うのであれば人の教育が最もよい。この一節は、中国の古典「管子」によるものであり、古今東西、教育が国家百年の計と呼ばれるゆえんの一つでもあります。

 我が国の教育については、抜本的な制度改革が叫ばれて久しい中、政府の教育再生実行会議は、義務教育年限や無償教育期間のあり方、幼児教育の充実、学校間の連携や一貫教育、職業教育の充実、教員の免許や養成の見直しなどについて議論を進めており、今月十一日の会議において、それらを含む提言素案が示されました。

 この素案において、子供の発達の早期化、小学一年生が学校になじめない小一プロブレム、同じく中学進学後に不登校等の問題がふえる中一ギャップなどの諸課題に対応するため、小学校と中学校を六・三制で分ける現行とは別に、小中一貫九年間を前提とした制度導入が提唱され、設置主体である市区町村が地域特性に応じた選択を行うべきとされています。あわせて、幼児教育の重要性が指摘され、幼稚園・保育園児童の機会均等と水準の向上も求められています。具体的には、幼児教育の無償化や五歳児の義務教育化検討など、踏み込んだ改革提案がなされています。とりわけ、小中一貫校に関しては、下村文部科学大臣は、この提言を踏まえ、近日にも(仮称)小中一貫教育学校の具体的制度設計を中央教育審議会に諮問し、早ければ平成二十八年度からの制度導入も検討するとの報道もなされています。

 また、東京都においても、都の教育庁は、十日、都立小中高一貫教育校の設置に向けて議論を進めてきた基本構想検討委員会の設置期間を延長するなど、議論が活発化しつつあります。さらに、本区においても、中央区国際教育推進検討委員会、中央区理数教育推進検討委員会を設置し、それぞれ常盤小、城東小を念頭に置いた新しい公立学校教育をソフト、ハードの両面から模索しており、本区を取り巻く教育制度改革は大きな岐路に立っています。

 以上の点を踏まえて質問をいたします。

 教育再生実行会議での主な審議状況を、本区教育委員会はどのように考え、評価しているのか。また、本区の教育課題との相違点についても具体的な見解をお示しください。

 九年間の義務教育を一体化して行う(仮称)小中一貫教育の制度化を求める提言案並びに幼児教育の段階的無償化、五歳からの義務教育化などは、小一プロブレムや中一ギャップなどの課題克服への一つの具体策と考えられます。これらの課題に対して区の見解を問うとともに、本区における導入の検討をすべきだと考えますが、御所見をお伺いします。

 公立学校における国際教育・理数教育の必要性と、その可能性についても本区の御見解をお知らせください。また、国際教育推進検討委員会、理数教育推進検討委員会での現在までの審議状況と、文部科学省教育課程特例校申請の必要性の是非についても御見解をお知らせください。

 次に、就学前児童・家庭へのサポート体制についてお尋ねをいたします。

 私には、来年就学予定の息子がおり、区立保育園の年長クラスでお世話になっています。昨今、イクメン、すなわち育児に積極的な父親という語もすっかり定着し、私自身も息子の送り迎えの大半を行う中で、他の御家庭でも父親が送り迎え担当という御家庭も多くなり、父親の子育て参画は一般的になりつつあります。

 しかし、先日、保護者会に出席しましたところ、二十名弱のクラスでほぼ全員の保護者が出席している状況にもかかわらず、父親で参加しているのは私を含めて二名という状況でありました。これは、一般的な業務を休まなくては、そもそも出席ができない平日午後の開催であるということ、さらには、男性の育児参加が進んできたとはいえ、比重としては女性の育児責任がまだまだ大きいことに起因すると考えられます。また、この保護者会においては、保育園での日常生活や子供の成長等について意見交換等が行われましたが、先生への質問で最も多い内容は小学校へのスムーズな就学に関するものであり、生活態度はもちろんのこと、中央区の学校選択制など、多岐にわたりました。

 こうした状況がある中、渋谷区では、本年度から、就学前の保育園やこども園などの児童に対して、五歳児が小学校に通い学習体験を行う就学前オープンスクール事業を策定し、年に数回の体験学習ではなく、半年間のカリキュラムを策定し、週に一回程度の園児のための小学校授業を行う予定であります。授業内容は、交通ルールや施設利用、行事など、小学校と同じ四十五分一こまで行い、小学校への就学移行が円滑に行われることと、保護者の不安解消並びに学校の事前対応を狙いとしています。

 以上の点を踏まえて質問をいたします。

 区立幼稚園と保育園、こども園の保護者会の開催状況と出席状況、その内容についてお知らせいただいた上で、保護者の出席や理解を得られやすい土日・夜間に開催を行っている園の割合と、その必要性の有無について区の見解をお知らせください。また、学校説明会以外に、就学相談の場を幼稚園、保育園、こども園等で充実すべきと考えますが、御見解をお知らせください。

 さきの教育再生実行会議における小中一貫教育の提言とも関連してまいりますが、小一プロブレムに対応し、小学校への就学を円滑に行うために区が現在行っている施策をお示ししていただき、その上で、渋谷区が導入をしました就学前オープンスクール制度のように、より計画的・継続的な就学支援策について本区でも導入を検討すべきと考えますが、区の御見解をお知らせください。

 次に、防災対策についてお伺いをいたします。

 先月、五月五日五時十八分ごろ、伊豆大島近海を震源地として発生したマグニチュード六の地震において、都内各所では東日本大震災以来の大きな揺れを観測し、千代田区大手町では震度五弱、本区でも最大震度四を記録しましたが、幸い、被害は軽微でありました。しかし、その際に、千代田区においては、防災計画上、震度五弱で参集すべき職員三百四十五人のうち八十人程度しか集まらなかったという事案が発生いたしました。連休中の早朝ということもあり、社会的影響や被害等も含めて勘案すべき点はあるものの、震災はいつ、どのような状況で発生するかわからない災害であり、隣接する本区においても、今回、震度五以上が発生していた際に同様の事態が起こらなかったとは限りません。また、職員の招集状況が十分であったとしても、災害時における防災拠点等の重要な役割を担っている区有施設、とりわけ本庁舎は災害対策本部としての機能を有しており、機能の維持と復旧は最重要課題です。

 私は、平成二十四年第四回定例会で本庁舎の耐震性と機能の維持について質問し、お答えとして、平成十年、建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づき、耐震改修に関する評定及び認定を取得し、耐震改修工事を行っているため、現在では震度六強から七の大地震時においても倒壊せず、その機能が確保されるとの御見解でありました。

 今回は、事業継続計画、いわゆるBCPの観点から、非常用備蓄と非常用電源の確保状況についてお伺いをさせていただきます。また、区民を初めとする民間における非常用備蓄、非常用電源等についてもお伺いいたします。

 本区は、一般的に六階以上とされる高層建築物がまちの多くを占めており、区民のマンション居住率が約九割であることからも、その大半が高層住宅住民と言えます。平成二十五年十二月の中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループの最終報告において、都区部直下の地震のうち、首都中枢機能への影響や被災量がおおむね最も大きくなるとされる都心南部直下のマグニチュード七クラスの地震想定では、東京湾沿岸の火力発電所が被災した際に、電力供給五割程度が一週間以上継続することが想定されています。公的機関や民間の重要施設については、非常用発電設備が確保されていますが、消防法等により燃料の備蓄量が限られるために、非常用電力は長くても数日しかもちません。一度電気の供給が断たれれば、建物の基本機能である非常用エレベーターや館内放送、火災報知機が作動しないだけでなく、水圧ポンプがとまるため、水道、トイレの使用も不可能となり得ます。また、民間の高層建築物に設置が義務づけられている発電設備は、震災による長期停電を想定したものではなく、主に火災の初期消火を目的としたものです。先ほども述べましたが、発電機燃料の備蓄量は消防法の規制により厳しく制限されており、民間建築物においては、発電設備を備えていても、わずか四、五時間程度しか稼働しないものも少なくないとされ、区内の大型オフィスやマンションにおいても同様のことが言えます。

 皆さんも記憶に御鮮明だと思いますが、東日本大震災時、東日本の多くのガソリンスタンドの燃料は一日から二日で底をつき、警察や消防でさえ、パトカーや救急車が動かせない事態寸前までいったと関係者は証言しています。東京都では、平成二十五年一月改定の大規模災害時における石油燃料の安定供給に関する協定の改正において、流通在庫備蓄方式、ランニングストック方式を活用した燃料の備蓄、すなわち都内六カ所の指定油槽所、都内百二十二カ所の指定ガソリンスタンドを災害時に優先的に確保しており、非常時のエネルギーの確保は、官民を問わず、防災上の重要課題でもあります。

 以上の観点から質問をいたします。

 千代田区での職員参集が規定どおりに行われなかった事態を踏まえ、本区においても、職員への規定の周知徹底と職員招集体制のあり方をいま一度見直す必要があると考えますが、御見解をお知らせください。

 大災害時における非常用備蓄と長期停電時の非常用電源等のエネルギー供給に関して、区役所本庁舎を初めとする区有施設の現状についてお知らせいただき、想定し得る最長一週間の停電にどのように対応するのか、お知らせください。

 区民を初めとする民間における非常用備蓄、非常用電源について、区では実態を把握していますでしょうか。また、高層オフィス、マンション等における非常用備蓄の質や量について、停電時の館内放送、エレベーター稼働等の必要性に合わせた非常用電源やマニュアル作成について、その重要性と本区の実態について御見解をお知らせください。

 現在の区の防災拠点等における一般向け備蓄は、高層住宅居住者並びにオフィス滞在者は想定されていないと考えられます。高層住宅やオフィスに対して、非常用備蓄や非常用エネルギーを確保するための支援・助成の取り組みが必要と考えますが、本区の見解をお知らせください。

 次に、少子化対策、不妊治療についてお伺いさせていただきます。

 私は、区議会議員になる以前に銀行と保険会社でサラリーマンをしており、保険会社では主に営業マンをしておりました。皆様御存じのように、生命保険や入院保険等に加入する際は告知書や診断書が必要となり、病歴や受診歴をお尋ねせざるを得ません。そのときに感じたことは、一見健康そうに見える方であっても、多くの方が何かしらの持病や健康上のリスクを抱えていらっしゃるのだということであります。その中でも、男性の想像をはるかに超える割合の女性が、女性特有の病気や健康上のリスクを経験していることを痛感いたしました。

 先般、区民の方から御相談いただいた内容も極めてプライベートにかかわるもので、他の方にお話しすることがはばかられる不妊治療に関するものでありました。

 不妊治療には、健康保険が適用される治療と、適用外の自費診療があります。不妊原因を探るための一般不妊検査やタイミング法までの一般診療であれば、そのほとんどに健康保険が適用されます。しかし、多くの方がいわゆる不妊治療として認識されるであろう人工授精、体外受精、顕微授精など生殖補助医療は、保険の適用外となります。この費用は原則自己負担となり、この点に対して、東京都は特定不妊治療費助成制度を設け、主に体外受精、顕微授精への公的助成を行っております。しかし、これらの制度には所得制限がかけられており、夫婦合算で七百三十万円という金額があるため、御相談された御夫婦は対象とはならないとのことでありました。中央区も特定不妊治療への助成制度を設けてございますが、これは都の助成対象となっている方を対象とした上乗せ助成となっているため、やはりその御夫婦は利用できません。つまり、区の助成の要件として、東京都の特定不妊治療費助成事業の交付決定を受けていることが定められているため、都が設定している所得制限が区にも適用されることになり、都の助成を受けられない人は、自動的に区の助成も受けられないことになっています。

 七百三十万円といえば、日本の平均所得を大きく上回る金額でありますが、総務省の住宅土地統計調査をもとに、中央区の平均世帯年収は七百万円を超えているとのデータもあり、これに基づけば、多くの区民世帯は対象から外れてしまう可能性があります。さらに、不妊治療の主な対象者は三、四十代であり、この御家庭の経済実態を考えれば、さらに狭き門となる可能性さえあり得ます。

 以上の観点から質問をいたします。

 本区における不妊治療助成の現状と、その重要性について区の見解をお知らせください。

 港区や神奈川県藤沢市で行われているように、都県とは異なる助成基準を本区の実態に合わせて設け、不妊治療で悩まれている区民の御家庭を積極的に支援すべきと考えますが、区長の見解をお知らせください。

 次に、地域振興策についてお伺いいたします。

 舛添知事は、本年三月、国が地域を絞って定める国家戦略特区の提案を行い、本区を含む九区がその対象とされています。国家戦略特区に対する本区の所見をお示ししていただいた上で、都の提案を受けて本区が指定を受けた用途や容積率の緩和を含む土地利用等の影響について、展望をお知らせください。

 東京都の提案によるグローバル・イノベーション特区に、創薬のメッカ形成プロジェクトとして、国の取り組みと一体となって医薬品及び医療機器の開発、治験の効率化・迅速化を支援するビジネスプラットホームを形成、将来的には東京を国際的なライフサイエンスビジネス拠点へ成長させ、多くの外国企業を誘致することが盛り込まれました。創薬関連企業、団体等が集積する日本橋にライフサイエンスビジネスの拠点を整備するとの構想でありますが、こういった都や国の動向に対して、地元自治体としての要望や周辺環境整備が具体的に行われていくのか否か、経過を踏まえ、区の認識をお知らせしていただきたいと思います。

 また、本区には世界に誇る銀座地区の歩行者天国などを有しますが、虎ノ門地区の東京シャンゼリゼ・プロジェクトや、都知事提言の丸の内仲通りの歩行者天国構想など、近年、新たなまちのにぎわい構想が出てきています。本区においても、中央通りやその他商業地域を中心とした歩行者天国等の構想について積極的に検討、提案すべきと考えますが、御見解をお知らせください。

 二○二○年東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、本区への影響は甚大なものがあります。五輪前、五輪後のまちづくりを見据えた都市基盤整備は、喫緊の課題であります。現在開催中のサッカーワールドカップは、オリンピックと並ぶ世界最大のスポーツの祭典であり、六年後にオリンピック・パラリンピックを控える東京並びにその中心となる選手村を抱える本区においても、大変興味深い点が多くあります。

 その中で、自治体主導で港区、文京区、中野区、杉並区、足立区などはパブリックビューイングを開催しており、区営施設を区民へ無料開放したり、災害用電子看板デジタルサイネージ等で街頭放送を行うなどしております。本区においても、区立図書館での企画展などを行っていますが、認知度は、残念ながら、低いものと考えられ、本区においても、大規模イベント等を活用したパブリックビューイングなど、区民が一体感を持って地域振興に寄与できる手法を考えるべきだと思いますが、これに対する御見解をお知らせください。

 六年後のオリンピック・パラリンピックに向けて本年一月に行われた区民意識調査について、総合的にどのように分析し、施策に反映していくのか、御見解もお知らせください。

 オリンピック・パラリンピックに関連した機運醸成、環境整備、観光振興、スポーツ振興などの各施策を計画的に行う必要性を感じますが、タイムスケジュールをどのように考えているのか。また、約八万人とも言われる運営ボランティア、その確保や、それに向けた本区の取り組みについても、あわせて御見解をお知らせください。

 広報・フィルムコミッションについてお尋ねをいたします。

 先般、区民の知人から、民放テレビ会社のドラマ撮影を日本橋かいわいで検討しており、浜町公園もしくは区立公園を利用できないかという御相談をいただきました。誰もが知るスーパースター主演の人気ドラマの撮影とのことで、区のイメージアップや観光振興にもつながる可能性もあると考え、公園を管轄する水とみどりの課に連絡しまして、区としても丁寧かつ柔軟な対応をなさったようですが、残念ながら、今回は条件等が合わなかったとのことでした。

 本区は、江戸期からの歴史・伝統を有するだけでなく、近年の新しいまちづくりの影響もあり、新旧問わず、名所や時代の先端を行くお店やスポットにも事を欠きません。今後も、プロのマスメディアのみならず、一般の方も含めた撮影や公共の場の一時利用などが求められる機会は多いことでしょう。

 私は、昨年三月の予算特別委員会において、こうしたテレビ、映画等、また場合によっては出版物やインターネットも含めたさまざまな媒体への撮影利用支援による地域活性化、文化振興、観光振興策についてお尋ねをいたしました。

 その後、本区におきましても、中央区映像情報まとめサイトを昨年十二月に開設し、ロケ地情報を集約し、フィルムツーリズム、つまりはロケ地めぐりのきっかけに一役買っていることは大変評価するところです。このサイトは、閲覧者に投稿してもらう形式で、区の商工観光課の職員が個人のスキルで作成し、初期費用は月に五百二十五円とのことであります。職員のアイデアとスキルが活用され、低予算で行われており、今後の発展と有効活用が大いに期待されます。

 しかし、さきにも述べた事例のように、映像関係者からは撮影場所や撮影申請先の問い合わせ先が必ずしも一元化されておらず、ワンストップでサービスを提供している窓口や主体的な情報提供が不足している感は否めません。これらの対応施策機関はフィルムコミッションと呼ばれるものであり、全国フィルム・コミッション連絡協議会によると、映画、テレビ、テレビドラマ、CMなどのあらゆるジャンルのロケーション撮影を誘致し、実際のロケをスムーズに進めるための非営利公的機関です。現在、AFCI、国際フィルムコミッショナーズ協会に加盟しているだけでも世界四十一カ国に三百七の団体があります。それらの多くが、国や州、市など自治体等に組織されており、国内ばかりでなく、国際的なロケーション誘致・支援活動の窓口として、地域の経済、観光振興、文化振興に大きな効果を上げていますとされています。

 フィルムコミッションは、保管する施設に関する各種申請代行、シナリオハンティングやロケーションハンティングのためのロケ地の情報や撮影に関する各種情報提供、撮影現場への立ち会い、場合によってはエキストラの募集やロケ弁の地元の弁当業者紹介まで行い、撮影者と公式・非公式にタイアップした地域振興、観光振興、広報の施策であり、近隣においては、台東区フィルムコミッションが高い成果を上げているとされます。

 そこで、お尋ねをいたします。

 本区の広報を含めたマスメディアとのかかわり方について、基本的な考え方をお知らせください。

 その上で、本区の映像情報まとめサイトを発展させ、本格的なフィルムコミッションを設立すべきと考えますが、区の御見解をお知らせください。

 以上で一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございます。

     〔区長 矢田美英君登壇〕 ○区長(矢田美英君) 田中耕太郎議員の質問に順次お答えいたします。

 初めに、災害時の職員態勢等についてであります。

 本区では、地震発生時に、震度五弱以上で区内及び隣接区に居住する臨時非常配備職員四百三十三名にメールが自動送信され、職員の参集を促す態勢となっておりまして、このような仕組みが実効性のあるものとなるよう、メールの送信訓練を年二回実施しております。さらに、本年五月には、対象職員に対し、参集基準や職務内容を記載したカードを改めて配付し、周知徹底を図ったところであります。また、区施設における食料等の非常用備蓄につきましては、職員の三日分の備蓄を平成二十五年度から三年間で進めております。非常用発電設備につきましては、本庁舎、両特別出張所を含む三十五施設に設置されており、燃料の貯蔵量は、本庁舎では十七時間分であります。燃料が不足した場合は石油商業組合等との協定により優先的に供給を受けられることとなっており、さらに不足する場合は東京都に要請いたします。

 次に、非常用備蓄等についてであります。

 昨年実施した区政世論調査では、区民の食料や飲料水の備蓄割合は、それぞれ六○・六%、六七・一%となっております。民間事業所については、本年五月に公表された都内事業所の帰宅困難者対策実態調査において、従業員用の備蓄をしている事業所の割合は、食料品が七四・七%、飲料水が八○・五%となっております。また、非常用電源として使用できる発電設備や蓄電池設備は、東京消防庁統計書によると、平成二十四年十二月末現在、区内に千九百八十二台設置されております。こうした設備の確保は災害時対応に有効であると考えますが、個々の質や量、マニュアルの作成状況の把握は極めて困難であります。大規模災害に備えた食料や生活用品、燃料の備蓄については、各家庭での自助としての取り組みとともに、それぞれのマンションにおいて対応することが基本であります。また、オフィスにおいては、東京都帰宅困難者対策条例の趣旨を踏まえ、みずからの責任で備蓄すべきものと考えております。

 次に、不妊治療助成についてであります。

 本区では、平成二十二年度から医療保険適用外の不妊治療である体外受精及び顕微授精について、年間十万円以内、五年間まで助成しております。初年度の利用者は四十二人、平成二十五年度は百二十八人となり、利用者数は年々増加しております。こうした不妊治療への支援は、少子化対策として有効な施策の一つであると認識しております。現行の助成対象となる所得基準は、不妊治療に要する費用が高額であり、その負担が子育て世帯に与える影響を考慮し、どのような方々に支援が必要かを検討されてきた経緯があります。国で定めた年収七百三十万円の所得基準は、助成事業を利用すると想定される世帯の約九○%をカバーするものであり、合理性があると判断できるため、現時点の区独自基準の設定は考えておりません。

 次に、国家戦略特区についてであります。

 国家戦略特区は、国の主導により総合的かつ集中的な規制緩和を進め、産業の国際競争力の強化と国際的な経済活動の拠点形成を目指すものであります。このたび、本区が区域指定されたことは、江戸以来、日本の文化・商業・情報の中心を担い、将来的にも我が国の成長を牽引すべき都心の役割が改めてクローズアップされたものと認識しております。区域指定に伴い規制が緩和される項目のうち、用途、容積率などの土地利用等につきましては、市街地の機能更新など質の高いビジネス環境の形成に資する都市基盤整備を進める上で、より自由度の高いまちづくりが可能となると考えております。また、東京都が提案している創薬のメッカ形成プロジェクトは、製薬関連企業が集積する日本橋の地域特性などを生かした取り組みであり、産業を機軸としたにぎわいのあるまちづくりにも資することから、区といたしましても、周辺エリアの再開発等を通じまして側面的な支援が可能と考えております。歩行者天国等の構想は、地域の新たなにぎわいの創出や歩行者ネットワークの構築にも寄与するものと思います。実施に際しましては、物流や安全の確保にも配慮する必要があることから、具体的な場所、時間等について、地域の方々と協議しながら検討してまいります。

 次に、東京オリンピック・パラリンピックを見据えた施策展開についてであります。

 本区における今後の施策の展開につきましては、本年一月に実施した区民等意識調査の結果から、国際交流、安全・安心、スポーツ・健康づくり、産業振興、まちづくりの五つの視点が重要であると分析しているところであります。現在、この五つの視点を中心に、大会開催が本区に及ぼす効果や影響、課題等を全庁的に調査・整理しております。これらを踏まえ、今後、組織委員会から示される大会基本計画などとの整合を図りつつ、大会期間中はもとより、開催前、開催後も見据えながら、パブリックビューイングの活用、国際交流イベントの実施やアンテナショップとの連携・協働など、地域のにぎわいにもつながる効果的で継続的な施策を検討してまいります。また、ボランティアにつきましては、区民等意識調査の結果からも、運営スタッフとしての参加や地域活動を通じた貢献など、大会へのかかわりに高い期待感がうかがえたことから、区といたしましては、運営ボランティアを担う組織委員会や東京都との連携を密にし、適切に対応してまいります。

 次に、マスメディアへのかかわり方とフィルムコミッションの導入についてであります。

 新聞やテレビ等による報道は極めて影響力が大きく、効果的なシティーセールスにつながるものであります。そのため、区では、新聞社やテレビ局などのマスメディアに対して区政情報や地域の話題など幅広い情報提供に努めているところであります。また、映画やドラマの撮影支援については、現在、東京都が運営する東京ロケーションボックスにおいて、本区商工観光課が窓口として登録されております。しかしながら、実際には広報課や撮影場所を所管する部署へじかに連絡が入る場合もあり、それぞれの組織で対応している状況であります。今後につきましては、映像情報まとめサイトを運営する商工観光課が一義的な窓口となり、関係機関へのスムーズな橋渡しを行ってまいります。一方、撮影は昼夜を問わず長時間に及ぶこともあり、住民生活への影響も想定されます。そのため、フィルムコミッションの整備については、地域の御理解・御協力の確保など幅広い調整力を有するシステム構築が必要となることから、慎重に検討してまいります。

 私からの答弁は以上であります。

     〔教育長 齊藤 進君登壇〕

○教育長(齊藤 進君)
 教育問題についてお答えをいたします。

 初めに、教育再生実行会議についてであります。

 現在、この会議における議論は、国全体の教育制度の方向性や地域の実態に応じた弾力化について検討がなされているものと認識しております。教育再生実行会議において課題とされている小一プロブレムや中一ギャップについては、本区においても学校生活への円滑な適応が難しい児童・生徒がいることから、同会議での課題と本区の課題が重なるところもあり、大きな相違点はないものと承知しております。

 次に、小一プロブレムや中一ギャップの問題解決についてであります。

 本区では、保育園、幼稚園、小学校においては、相互連携を図るため連絡会を開催して、教員と保育士による情報交換や幼児と児童の交流を行うとともに、小学校・中学校においては、小学生が中学校生活を体験したり、教員相互が情報交換をしたりするなど、幼児期から小・中学校までの学びの連続性を重視して課題解決に向けた取り組みを行っております。小中一貫教育学校の導入につきましては、教育再生実行会議の議論を注視しつつ、その後の中央教育審議会での議論等を踏まえ、本区における導入の必要性について検討してまいりたいと考えております。

 次に、公立学校における国際教育・理数教育についてであります。

 本区では、江戸時代から続く歴史や伝統・文化などを学ぶ地域理解教育、外部人材などを活用した国際理解教室などを通して、平和を愛し自国・諸外国の文化を尊重する態度やコミュニケーション能力などを育成する教育を進めてまいりました。二○二○年にオリンピック・パラリンピックが開催される東京の中心である本区においては、単に国際関係や異文化を理解するだけにとどまらず、みずから国際社会の一員として積極的に活動するための基礎的な力を培う国際教育を進めていくことは、極めて意義のあることと捉えております。このことは、豊かな人間性と柔軟な思考力や判断力、表現力、よりよく問題を解決する力、いわゆる生きる力を育むことに結びつくものと考えております。また、子供たちにとって重要な、この生きる力を育むことへのアプローチの一つが理数教育であります。理数教育につきましては、理科支援員による実験や観察の充実、教育センターの科学教室の実施等で子供たちの学習に対する関心・意欲を向上させてまいりました。今後は、実験や自然体験活動の一層の充実を図るとともに、企業や大学等と連携し、子供たちのプレゼンテーションを取り入れた活動を展開することで、みずから課題を発見し解決していく子供たちを育成してまいりたいと存じます。

 次に、国際教育・理数教育推進検討委員会での審議状況と教育課程特例校についてであります。

 本区の国際教育推進検討委員会では、英語活動を通して小学校六年間で身につける力と具体的な活動、人権尊重や国際協調の精神に視点を当てた国際理解教育のあり方を検討しているところであります。また、理数教育推進検討委員会では、パイロット校である城東小学校がこれまで取り組んできた企業と連携した出前授業、実験や自然体験を重視した授業などの有効性について議論し、今後の具体的な取り組みを検討しております。なお、具体的なカリキュラムを作成する際に、例えば年間標準授業時数を超えた英語活動、教科の枠を超えた理数教育などを実施する場合には、教育課程特例校の申請を行う必要が生じてまいります。

 次に、就学前の取り組みについてお答えをいたします。

 まず、幼稚園における保護者会については、全幼稚園で平日に年三回以上開催しており、保護者の出席状況は八割程度であります。区立保育園十四園、認定こども園二園では年二回以上開催しており、開催時期は夜間三園、土曜日二園、平日十一園であり、いずれも保護者の出席率は九割以上となっております。保護者会の開催日時については、各園の実情に沿って定められているものと承知しております。保護者会以外にも、どの園も毎日のお迎えの時間に保護者と教員・保育士がコミュニケーションをとっており、また、要望に応じて個別の面談も実施しております。就学に向けた相談につきましては、区立幼稚園、保育園、認定こども園の全園で、入学を控えた五歳児の保護者との個別面談の中で行われており、必要に応じて教育委員会で行う就学相談につなげております。また、五歳児のいる家庭に対して、就学に向けて教育委員会が作成したパンフレット「幼児のよりよい育ちを目指して」を各園を通じて毎年四月に配布しております。小一プロブレムへの対応として、本区では保育園、幼稚園、小学校の教員・保育士で構成する連絡会を開催しており、小学校生活への円滑な適応を目指して平成二十四年に作成したアプローチカリキュラムに基づき情報交換を行うとともに、幼児と児童の交流を図っております。渋谷区の就学前オープンスクール制度につきましては、本年十月から区立保育園児等を対象に実施していくとのことでありますので、注視してまいりたいと存じます。

 答弁は以上です。

     〔十一番 田中耕太郎議員登壇〕

○十一番(田中耕太郎議員)
 それぞれお答えありがとうございます。

 まず、教育問題についてでございますけれども、私自身の私的な問題というか、私的な状況も含めて質問した部分もあるんですけれども、やはり学校への就学をどういうふうにしていくかというのは、非常に親御さんの興味・関心が高まっているというふうに感じております。

 渋谷区の例を挙げさせていただきましたけれども、子供たちが小学校に何の障害もなくなじめるような体制づくりというのは、検討していく価値があると思いますし、当然、そこには保護者会、親御さんの理解が不可欠でありますので、ふだんの送り迎えを超えて、保護者会の場でなければ提供できない情報や意見交換というものがあるというのを自身の体験からも実感しておりますので、より深く計画的に就学支援体制を整えていただきたいということを要望してまいりたいと思います。

 次に、防災対策についてでございますが、現在の想定をどこまで厳しく見積もるかによって考え方は変わってくるわけでございますが、やはり東日本大震災も踏まえた上で考えるならば、備蓄も必要でありますし、今回取り上げました電源は非常に重要である。なぜならば、本区の場合は高層住宅・高層オフィスの集合体と言えますので、一たび電気がとまってしまえば、非常用電源、そんなに長い時間はもちません。だからこそ、その状況をどれくらいもつのか確認してほしいという意味も込めて質問をいたしました。

 お答えでは、消防庁の統計で千九百八十二台、非常用設備が本区内にはあるということでありますけれども、この設備の実効性や規模といったものもまさにさまざまだと思います。高層ビルや高層住宅においてエレベーターがとまるということは、ほとんど上と下との行き来ができないということでございますので、備蓄したものを運ぶことさえままならないというような状況も起こり得ますので、そこは積極的に区としても調査と支援の手を差し伸べていただきたい、このように思います。

 不妊治療助成については、御答弁の中で、現行、国の制度、都の制度を基準としていて、年収で九○%カバーというお答えでありましたけれども、これに関しては大変不本意だと思います。中央区の年収で考えるならば、これは半分、下手したら半分以下ではないかというふうに思いますので、ここは実態をぜひとも考えていただきたいということと、さらには、この問題に関しては年収で考えるべき問題なのかどうかということも、あわせて考えていただきたいと思います。

 港区や藤沢市の例を掲げましたけれども、やはり年収とは別の基準でこれは考えていくべきだという自治体の強い意思がその制度をつくっているというふうにお伺いしております。本区でも、本当に少子化対策、こういった不妊治療に悩んでおられる方は相当数いらっしゃると思いますので、ぜひとも上辺だけではない対応策を考えていただきたいというふうに思います。

 地域振興策につきましては、さまざまな観点で質問をさせていただきましたけれども、オリンピック・パラリンピック、さらには観光と、さらに多岐にわたってまいりますので、今後も調査・検討していただきまして、区民や来街者の満足度を高めていただきたい、このように思います。

 以上で終わります。(拍手)


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後三時十四分 休憩


午後三時三十五分 開議

○議長(原田賢一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。九番奥村暁子議員。

     〔九番 奥村暁子議員登壇〕

○九番(奥村暁子議員)
 日本共産党中央区議会議員の奥村暁子です。日本共産党中央区議団を代表して質問します。再質問、再々質問は留保します。

 初めに、日本を戦争する国に変える集団的自衛権行使容認についてです。

 安倍晋三首相は、集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈変更をしようとしています。集団的自衛権とは、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず海外で武力行使をすることであり、これまでアメリカによるベトナム戦争や旧ソ連のチェコ侵攻など、実際は大国が小国を侵略・介入するための口実に使われてきました。これまで日本政府は、日本国憲法第九条では集団的自衛権の行使は認められないという立場をとってきましたが、安倍首相は改憲の手続を踏まず、閣議決定、つまり大臣のみの了解で憲法の解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能にしようとしています。

 二○○三年に戦争が始まったイラクに自衛隊を派遣するかどうかの問題をめぐり、当時の小泉政権が派遣の根拠として持ち出したのは、アフガン戦争のときと同じ、特別措置法でした。アメリカの戦争に協力したいが、日本には、戦争はしない、海外で武力行使はしないと定めた憲法第九条があるから、それはできない。そこで、武力行使はしない、非戦闘地域に限るという二つの歯どめを設け、自衛隊の活動は後方支援に限られました。

 しかし、安倍政権は、後方支援を実施する際、自衛隊の派兵は非戦闘地域に限るとした従来の制約を取り払い、戦闘地域でも活動を可能にする案を示しました。これは、本格的な戦地派兵に道を開くものです。後方支援であっても、自衛隊が戦闘地域まで行けば、相手側から攻撃され、応戦することになるのは必至です。日本が再び戦争をする国になることは断じてあり得ないという安倍首相のごまかしは、成り立ちません。憲法第九条が禁じる武力行使に踏み込み、アメリカの戦争によって日本の若者が海外の戦場で血を流す事態は絶対に許されません。

 そこで、お聞きします。

 第一に、集団的自衛権の憲法解釈変更に、今、全国各地の知事や市長らが次々と反対の声を上げており、その数は千八百近くになります。安倍政権が進める憲法解釈変更についてどう思いますか。

 第二に、集団的自衛権行使容認に対しては、現職の自民党幹部や元幹部、元自衛隊員などからも批判の声が上がっています。自民党元幹事長の加藤紘一さんは、「しんぶん赤旗」に登場し、集団的自衛権の議論は、やり出すと徴兵制まで行きかねない。なぜなら、戦闘をすると承知して自衛隊に入っている人ばかりではないからですと語っています。また、防衛庁防衛研究所長、教育訓練局長を務め、現在、新潟県加茂市長である小池清彦さんは、もし憲法解釈を変えたら、アメリカが海外派兵を日本に要求してきたとき、断ることができなくなる。派兵された隊員に多数の死者が出て、自衛隊に入る人がほとんどいなくなる。徴兵制をしかざるを得なくなるのですと語っています。

 中央区は、世界の恒久平和を願って、昭和六十三年に平和都市宣言を行っています。集団的自衛権行使を認めれば、平和都市宣言を持つ中央区に住む子供たちが将来徴兵され、戦場へ送られる可能性が生まれると思いますが、いかがですか。

 第三に、憲法第九条のもとでは認められないと歴代政権が積み重ねてきた判断を壊し、安倍政権が強引に推し進める集団的自衛権行使容認に反対の声を上げるべきだと思いますが、いかがですか。

 第四に、中央区の名誉区民であり、聖路加国際メディカルセンター理事長の日野原重明さんは、五月三十一日と六月七日付朝日新聞be版に二週にわたってコラムを寄稿し、終わりのない報復と破壊の連鎖が始まれば、それはひいては人類全体の損失と滅びにつながってしまいますと、子供たちに憲法第九条を伝えることの大切さを語っています。平和な未来をつくるため、憲法第九条を解釈で壊すことなく、子供たちに守り伝えることが大切だと思いますが、いかがですか。

 第五に、今、アジアでも世界でも、紛争は平和的・外交的に話し合いで解決する流れが主流です。ASEAN、東南アジア諸国連合は、年間一千回も会議を開き、紛争を戦争にしないため、互いの意見を聞き、話し合いの努力を重ねています。安倍政権のように軍事的対応一辺倒の道を進むことは、軍事対軍事の悪循環をつくり出し、地域の緊張を高めるだけです。日本に求められているのは、憲法第九条を全面的に生かして、紛争を戦争にしない、話し合いで解決する平和外交の流れをアジアと世界に広げる先頭に立つことだと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次に、命よりも経済効率を優先する原発再稼働について質問します。

 五月二十一日、福井県内外の住民百八十九人が関西電力大飯原発三・四号機の再稼働差しとめを求めた訴訟で、福井地裁は、二基について運転してはならないという画期的な判決を言い渡しました。二○一一年の東京電力福島第一原発事故後、原発の運転差しとめを命じた判決は初めてです。

 樋口英明裁判長は、原子力発電技術がもたらす危険性と被害の大きさについては福島原発事故で自明とし、地震大国日本では原発の重大事故が現実的で切迫した危険であると述べ、一たび深刻な事故が起これば、多くの人の生命・身体や、その生活基盤に重大な被害を及ぼすと、判決理由を述べています。そして、人の生命を基礎とする人格権を最も重視し、これを超える価値をほかに見出すことはできないと強調しました。その上で、住民らの人格権と電力の安定供給やコストの問題をてんびんにかけた関西電力側の議論を厳しく退け、原発停止が国富の流出につながるという関西電力の考えを批判し、国富の喪失とは、運転停止による貿易赤字ではなく、豊かな国土とそこに国民が根をおろして生活していることを失うことだと強調しました。

 そこで、お聞きします。

 第一に、人格権を最も重視し、原発再稼働の中止を言い渡した大飯原発再稼働差しとめ判決の内容について御意見をお聞かせください。

 第二に、時事通信の五月の世論調査で国内の原発について尋ねた回答結果は、「徐々に減らし、将来的にはなくすべきだ」、「なるべく早くなくすべきだ」、「直ちになくすべきだ」を合わせると八四・三%に上り、国民の多くが原発ゼロを求めていることが改めて明らかになりました。現在全て停止している全国四十八基の原発のうち、十八基の原発について、電力会社などが再稼働を申請し、原子力規制委員会が審査を進めています。これは、原発ゼロを願う世論に背くものだと思いますが、いかがですか。

 第三に、四月十一日、安倍首相は、原発を重要なベースロード電源と位置づけるエネルギー基本計画を閣議決定し、原子力規制委員会の審査に合格した原発について再稼働を進めると明記するなど、審査に合格した原発は安全だとする新たな安全神話を振りまこうとしています。しかし、福島第一原発の事故で明らかになったように、原発は完全にコントロールできない未完成の技術であり、一たび事故を起こせば、一気に大電力がなくなる最悪の不安定電源です。核のごみや事故処理の費用、廃炉の費用などを計算に入れれば、原発は決して安価でも安定的でもありません。原発事故を真剣に反省するなら、総合的に見てコスト高、不安定電源である原発は直ちに廃止し、原発に依存しないエネルギー政策を確立すべきだと思いますが、いかがですか。

 第四に、安倍政権は、今回の福井地裁の判決を重く受けとめ、国民の人格権を守る立場で、大飯原発のみならず全国の原発再稼働を断念し、原発ゼロを決断すべきだと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 私は、区が貸し出している放射線測定器と日本共産党区議団が購入した測定器の二台を使用し、六月十一日、月島地域の放射線測定を実施しました。小雨の降る中での測定で低い数値のところもありましたが、月島一丁目の飲食店の雨どいでは二台の測定器でそれぞれ、国の除染基準○・二三マイクロシーベルトを超える○・三二マイクロシーベルト、○・三一マイクロシーベルトと、高い数値が出ました。

 そこで、お聞きします。

 第一に、今回の測定結果から、放射線の影響が区内でもいまだにあることがわかりました。現在、区は区内三カ所の公園で週一回の定点測定を続けていますが、測定箇所は公園の中心地点一カ所のみです。三つの公園で計三カ所の測定では不十分だと考えます。小さな子供を持つ親の放射線に対しての心配の声は、根強くあります。経年変化を確認するためにも、改めて区内全域を幅広く測定し、区民に対し、その結果を公表し、高い数値が確認されたところは除染すべきだと思いますが、いかがですか。

 第二に、学校給食食材について放射線量測定を中央区は二○一三年度で終了しましたが、現在も多くの自治体が独自に測定を続けています。学校給食への信頼性を高め、安全を証明する意味でも、学校給食食材の放射線量測定を改めて実施すべきだと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次に、介護サービスの縮小を狙う介護保険制度改悪について質問します。

 社会保障の基本を自助・自立とする安倍政権は、介護保険法を初め、医療・介護に関係する十九本もの法改正を一本化した医療・介護総合法案をつくり、十八日可決し、一気に介護保険制度を改悪しようとしています。その主な内容は、要支援一・二の認定を受けている全国百六十万人の高齢者の訪問介護、通所介護を国の責任で行う介護保険サービスから外し、市区町村がそれぞれ行う事業に置きかえることや、特養ホームの入所対象を原則要介護三以上に限定するなど、個人や家族に負担と責任を押しつけるものとなっています。六月十一日に厚労省が示した資料では、要支援者が利用するヘルパーなど専門職によるサービスの量について、多くとも現状維持であり、基本的には減っていくと明記されており、二○二五年度には五割程度に激減するという試算が示されています。新たに要支援と認定された人には、ボランティアなどのサービスしか提供されなくなるおそれがあります。

 一定所得以上の人のサービス利用料を二割負担に引き上げる問題では、約六十万円手元に残るから二割の負担にも耐え得ると政府が説明してきたモデル世帯の可処分所得が、実際には百十万円も低いことが、日本共産党の小池晃参議院議員の追及で発覚しました。二割負担とする論拠は、完全に崩れています。厚生労働省は、適切なサービスは維持されると繰り返しますが、介護保険の公的費用を無理やり抑え込み、国が手を引く方向となっていることは明らかです。

 そこで、お聞きします。

 第一に、現在でも、利用料の負担が重いことから介護サービスの利用を控える方がいる中、二割負担となれば、ますますサービスを受けづらい環境を生むと思いますが、いかがですか。

 第二に、政府は、要支援一・二と認定された高齢者の訪問介護と通所介護を介護保険給付から外し、市区町村の事業に丸投げし、専門職ではないボランティアなどによるサービスに置きかえようとしています。中央区では、ことし三月末現在で一千七十三人の方が要支援一・二と認定されており、毎年増加していますが、これらの方への影響をどう考えますか。

 第三に、要支援者の中には認知症の方や視覚・聴覚障害者など緊急に専門的支援が必要な方が多く含まれています。ことし一月末現在、中央区では、要支援一・二の認定を受けた方の中で認知症の方は四百七十二人となっており、要支援者合計人数の約半数を占めています。六月十日の参院厚生労働委員会の参考人質疑で、認知症の人と家族の会副代表理事の勝田登志子さんは、認知症の人にはボランティアでは対応できない。重度化させないため、初期にこそ専門的なケアが必要だと述べ、要支援者への保険サービスを維持するよう求めました。要支援一・二の認知症の方のケアの継続について、どのようにお考えですか。また、家族への負担をどのように考えますか。

 第四に、現在、区内の特養ホームに入所している要介護一・二の方は合計二十三人おり、入所者数全体の一○%となっています。特養ホームの入所対象が原則要介護三以上に制限された場合、この二十三人の方への影響をどうお考えですか。また、今後、入所が必要であっても対象とならなくなる方への影響についても御見解をお示しください。

 第五に、医療・介護総合法による介護サービスの削減で介護の水準を下げることがないようにすべきではないかと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次に、住み続けられる中央区を実現する家賃助成制度について質問します。

 党区議団には、区民の方から数多くの住宅相談が寄せられています。どれも切実な問題ばかりです。

 ひとり暮らしの七十代の女性は、家賃五万円の木造住宅に生まれたときから住んでいる借家人ですが、今、マンション建設のため、立ち退きを迫られています。現在と同家賃程度の住宅が見つからない限り、今後の生活が困難で、都営住宅の入居を願って応募し続けていますが、一向に当たらず、一体どこに身を寄せればいいのか途方に暮れています。

 また、二人の子供を持つシングルマザーの方は、家賃の支払いが大きな負担となっているため、昼夜ともに働き、夜間は幼い子供たち二人を家に残し、自宅に戻るのは明け方という生活です。低家賃で入居できる住宅があれば、昼間の仕事だけで生計を立て、夜間は自宅で子供と過ごすことが可能になりますが、区内で低家賃の住宅を見つけるのは容易ではなく、この方も都営住宅、区営住宅に応募し続けています。

 高齢者の貧困を起因とする住宅問題も深刻です。中央区の生活保護受給世帯の変化を見ると、平成十五年度は六百十九世帯だったものが、平成二十五年度には八百五十九世帯と、十年で一・三五倍にふえています。その内訳を見ると、半数以上が高齢者世帯です。生活保護の住宅扶助の範囲では六万九千八百円以下で住める住宅を探さなくてはいけませんが、区内では見つからず、区外へ転居せざるを得ないケースもあります。年金削減や医療費値上げ、消費税増税などで今後さらに生活保護世帯がふえることは明らかです。住まいは人権です。低所得者の方も安心して住み続けられる住宅の整備が必要ではないでしょうか。

 そこで、お聞きします。

 第一に、二十三区中十区で、内容はさまざまですが、民間賃貸住宅に居住する高齢者世帯、障害者世帯、ひとり親世帯、子育て世帯、新婚世帯などに対して助成制度を実施しています。新宿区では、区内の民間賃貸住宅に居住する高齢者などの世帯が住宅の取り壊し等によって立ち退きを求められた場合、十五万円を限度にして引っ越し費用の補助や転居前・転居後の家賃差額の二分の一を補助するなどしています。千代田区には、次世代育成住宅助成として、親世帯との近居のために住みかえる新婚世帯・子育て世帯や、子供の成長などに伴い、より広い住宅に住むために区内転居する子育て世代を対象とした独自の住宅助成制度があります。

 家賃が高い中央区では、こうした助成制度がなおさら必要だと思います。民間賃貸住宅を対象とした家賃助成制度の創設を求めますが、いかがですか。

 第二に、都営住宅の倍率は区部平均が約三十倍なのに対し、中央区では約八十倍となっています。倍率が多少低くなる都営住宅の地元割り当てでも、平均して約三十倍、区立ひとり親世帯住宅も約三十倍となっており、倍率が高いということはそれだけ需要があるということを意味しています。これだけの入居希望者がいるにもかかわらず、石原都政時代には都営住宅は新たに一戸も建設されることはありませんでした。東京都に対して都営住宅増設を強く求めるべきだと思いますが、いかがですか。

 第三に、低家賃で入居できる借り上げ住宅をふやすべきだと思いますが、いかがですか。

 第四に、低所得者が安心して住める区立高齢者住宅、区立ひとり親世帯住宅の増設を求めますが、いかがですか。

 第五に、区が建物の整備費用や低所得者に対する家賃減免分の費用を助成する高齢者向け優良賃貸住宅は現在二棟あり、新たに一棟が十月から入居開始となりますが、どれも戸数は十七戸程度と規模が小さく、倍率はやはり三十倍と高倍率となっています。さらなる整備促進を求めますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次に、国の統制を持ち込む教育委員会制度改定について質問します。

 六月十三日、国や首長による教育内容への政治介入を可能とする教育委員会改悪法が自民・公明などの賛成で成立しました。教育委員会の独立性を奪い、侵略戦争美化の愛国心教育や弱肉強食の経済社会のための異常な競争主義を押しつけることをできるようにする法改正の成立は、日本の教育にとって極めて重大な問題です。この法律改定は、首長が教育政策の方針、大綱を策定することや、首長が直接任命する教育長を教育委員会のトップに据えることが柱となっており、教育行政への首長の介入に道を開くことが大きな狙いとなっています。

 この間、安倍首相・自民党は、歴史教科書を安倍流愛国心に沿って改めさせる圧力を加え続けており、太平洋戦争をアジア解放のための戦争と教える特異な教科書を教育基本法に最もふさわしいと賛美し、全国の学校で使わせようとしています。しかし、多くの教育委員会はこうした教科書を採択していません。そのため、教育委員会を弱体化させ、国と首長の政治的圧力でそのような特異な教科書を採択させようというのです。下村文部科学大臣が、軍国主義教育を担った教育勅語を至極真っ当と評価したことは、決して偶然ではありません。

 そもそも教育は子供の成長・発達のための文化的な営みであり、教員と子供との人間的な触れ合いを通じて行われるものです。そこには自由や自主性が不可欠です。だからこそ、教育委員会は、お国のために血を流せと教え込んだ戦前の軍国主義教育に対する反省から、教育の独立性・自主性を守るためにつくられたのです。教育は子供のためにあるという教育の条理に立脚して、教育の自主性を大切にする機関とするための改革・活性化こそが必要です。

 そこで、お聞きします。

 第一に、教育行政は、学習権保障を目的とする教育の自主性を尊重し、教育の条件整備に徹するべきだと思いますが、いかがですか。

 第二に、政府は、教育委員会制度改定案提出の理由に、地域の民意が十分に教育委員会に反映されていないことを挙げていましたが、今回の改定では教育委員会を活性化させる規定が何もありません。教育委員会形骸化の要因の一つは、住民の声を聞かないことにあると言われています。中央区では、まちかど教育委員会の開催など、住民の声を聞く機会が設けられていることは評価しますが、対話やアンケートなどを通じて保護者、子供、教職員の不満や要求をよくつかみ、教育行政にさらに反映させていく教育委員会にすべきだと思いますが、いかがですか。

 第三に、教育の自主性・自立性を守り、子供の学習権・成長発達権を保障するためには、政治的中立性の確保が極めて重要だということを日本弁護士連合会、日本教育法学会、全国連合小学校長会、全日本中学校長会などが意見書などを通じて表明しています。世界に通用しない特異な思想を持つ安倍首相の歴史観・愛国心を子供たちに押しつけることは、国際社会に適用できず孤立する特異な人間を生むことになります。文部科学省による是正指示・是正要求権の拡張や地方教育行政や学校教育活動等に対する支配・介入に左右されず、教育委員会が教育の自由・自主性を守る本来の役割を果たすことを求めますが、いかがですか。

 第四に、競争をあおる教育を進める安倍首相のもと、これまで禁止されていた全国学力テストの学校別結果公表が各自治体の判断となりました。学校別結果公表は、子供たちのみならず、保護者や教員に大きなストレスを与え、成績順による学校間の競争・序列化を助長し、メリットよりもデメリットのほうが大きいと考えますが、いかがですか。また、学校別結果公表はすべきではないと考えますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次に、子育てに優しいまちづくりについて質問します。

 中央区では、三十代、四十代の子育て世代の人口が増加し、まちではバギーを押して歩く姿をよく目にします。私も二歳の双子を持つ母親で、保育園に子供を預けています。保育園で話を聞くと、子供を連れたお父さん、お母さんから見て、区内には危険だと感じる場所や、まちづくりに対しての要望がたくさんあることがわかります。

 そこで、お聞きします。

 第一に、歩道を走り抜ける自転車にひやっとした経験は、小さな子供を持つ保護者のみならず、全ての世代の方が経験しているのではないでしょうか。小さな子供は自転車が危険だという認識もなく、また突然走り出すというような、予測できない行動をとるため、非常に危険です。区として、歩行者、特に子供たちを自転車から守っていく対策についてどのようにお考えですか。

 第二に、区内には歩行者信号の点滅時間が短く、子供や高齢者が渡り切れないという声もよく耳にします。例えば、勝どき駅前交差点や佃島小学校前の信号です。私の子供たちも二歳になり、歩いて保育園に通うようになりましたが、青になってすぐに渡り始めても、渡り切る前に信号は点滅してしまい、時には赤になってしまいます。雨で傘を差しているなど、視界が悪い中での横断は非常に危険との声も聞きます。区は、信号時間を長くすれば渋滞が起こると言いますが、これでは命を守ることができません。道路横断の安全性を高める方法について御見解をお示しください。

 第三に、子供たち、保護者にも人気の江戸バスですが、一方向だけでは不便だという声が多くあり、逆ルート運行や南北を縦断するルート運行の要望が根強くあります。さらなる改善を求めますが、いかがですか。

 第四に、地下鉄有楽町線、銀座一丁目駅にエレベーターをつけてほしいという要望もかねてからあります。バギーで銀座に買い物に行くためには一度有楽町駅へ出なくてはならず、不便なため、バギーのときは豊洲へ行くという声も聞きます。銀座一丁目駅のエレベーターの早急な設置を望みますが、いかがですか。

 第五に、区内では建設工事が至るところで行われていますが、工事現場のコーナーの仮囲いを透明なパネルにするところが多くなってきています。角地では、透明な囲いだと見通しがよく安心です。区内の建設現場の角地では、透明のコーナー仮囲い設置を義務づけてほしいと思いますが、いかがですか。

 第六に、はだしで走り回れる芝生のある公園や広場をふやしてほしい、その芝生の上でランチを楽しみたいなどの要望も寄せられています。レジャーシートを敷いて気軽にピクニックをしたり、自然に触れられる場所を求めて、多くの家族が代々木公園や新宿御苑などへわざわざ足を伸ばしています。昨年整備された黎明橋公園は、はだしで走り回ることができ、大変喜ばれています。近隣の親子同士で触れ合い、地域コミュニティを活発にするためにも、芝生のある公園の整備を、黎明橋公園に続いて進めていくべきだと思いますが、いかがですか。

 第七に、中央区はあかちゃん天国が充実していて、子供も気に入っており、親としてもとても重宝しているが、三歳以上は利用できないのが残念。児童館はあるけれども、三歳以上未就学児の屋内遊び場をもっとふやしてほしいという声もあります。子供は、エネルギーの塊です。雨の日など、自宅に閉じこもっていなくてはならない子供のストレス、お母さんのストレスは大変なものです。屋内遊び場をふやしてほしいと思いますが、いかがですか。

 第八に、イベントや集まりを区民みずからが企画できるスペースがもっと欲しいという要望も寄せられました。佃リバーシティには共同通信社の研修ビルがありますが、一階は常に無人なので、コミュニティのための会議やイベントスペースとして貸し出してほしいという提案もあります。民間企業ではありますが、ぜひ共同通信社と協議をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

 最後に、子育て世代の声の一部を紹介しましたが、こうした子育て世代の声を、あかちゃん天国などの子育て施設に出向くなどして積極的に区が聞き取ることを要望しますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 以上で一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 奥村暁子議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、集団的自衛権と憲法解釈の変更についてであります。

 集団的自衛権については、我が国を取り巻く安全保障環境が大きく変化している中、国民の生命・財産を守る国の安全保障政策と憲法第九条との関係から、さまざまな議論が展開されております。この問題は、幅広い国民的な議論のもとに検討され、国の責任において決定されるものであると考えております。また、我が国が、戦後、日本国憲法のもと、平和を維持し続けてきた歩みは、世界に誇るべきすばらしいものであります。この歩みを次世代に着実に引き継ぎ、未来を担う子供たちを再び戦争に行かせないことこそ、私たちに課せられた大きな使命であります。恒久平和の確立は人類共通の切なる願いであり、国際協調に基づく平和的な外交は我が国の基本政策であると考えます。本区においても、これまで一貫して平和を区政の根幹に位置づけ、区のあらゆる施策を通じまして、その実現に努めてまいりました。今後とも平和の崇高な理念を深く胸に刻みつつ、本区から平和のとうとさを力強く世界に発信してまいります。

 次に、原子力発電所の再稼働についてであります。

 大飯原発に関する福井地裁の判決は、原発の再稼働により半径二百五十キロ圏内の住民の人格権を侵害する危険があるとして、三号機・四号機の運転差しとめを命じたものであり、福島第一原発事故後、初めての司法判断として社会的な関心を集めているものと認識しております。これを受けまして関西電力は控訴しており、今後、この判決に対する上級審や各地で提起されている訴訟での司法判断を注視してまいりたいと存じます。原発の再稼働については、安全性を第一に、原子力規制委員会による世界で最も厳しい水準の規制に基づき安全審査を行うこととしており、こうした審査結果に基づき、国民の理解のもと、国の責任において判断されるべきものと考えております。また、国のエネルギー政策においては、徹底した省エネルギーや再生可能エネルギーの導入を進め、可能な限り原発依存度の低減を図るとしております。エネルギーの安定的な供給は、国民の暮らしと産業を支え、我が国経済の維持・発展に欠かすことのできないものであり、政策を進めるに当たっては、安全性、経済性、環境への配慮などの観点から総合的かつ計画的に検討されるべきものと認識しております。

 次に、放射線量測定についてであります。

 現在、大気中の放射線量につきましては、区内三カ所でそれぞれ毎週一回測定しております。さらに、本区を囲むように設置された東京都のモニタリングポスト八カ所で年間を通して測定しており、ともに基準値以下の安定した状態で推移しております。また、結果はそれぞれのホームページで公表されております。このため、現状においては、測定箇所の増設や除染の実施は必要はないものと考えております。

 次に、介護保険制度改正についてであります。

 まず、利用料の二割負担につきましては、高齢化に伴い、介護給付費が増加し続けることが見込まれるため、一定以上の所得のある方に負担を求めるものであります。介護保険制度には、高額介護サービス費が設けられており、利用者負担には月額上限が設定されていることから、一律にサービスを受けにくくなるとは考えておりません。

 次に、要支援に対する訪問・通所介護の地域支援事業への移行についてであります。

 その目的は、掃除や買い物などの多様な生活支援サービスを、介護事業者に限らず、NPOなどさまざまな事業主体が行うことによって、より効果的・効率的にサービスを提供することにあります。そのため、認知症など専門的な介護が必要な場合には、家族に対する支援も含め、適切に対応できる事業主体が必要であり、本区におきましても、その確保に努めてまいります。

 次に、特別養護老人ホームにつきましては、既に入所中の方は引き続き利用できるとともに、要介護一・二の方でも、例えば認知症で常時適切な見守り・介護が必要な場合等、一定の理由のある方は入所の対象となります。今回の改正は、高齢化が進む中、介護保険サービスの効率化・重点化を進めることにより、過度の負担を次の世代に負わせることなく、将来にわたり制度を維持するために行うものであり、必要な方へは適切にサービスが提供されるものと考えております。

 次に、住宅施策についてであります。

 本区では、これまで再開発等の機会を捉えながら区立住宅の建設や借り上げなどによる千二百八十六戸の公共住宅の整備を図るとともに、若年新婚世帯に対する区立住宅の応募倍率の優遇や世帯収入に着目した応能家賃制の導入、高齢者の住み替え相談など、さまざまな取り組みを行ってまいりました。生活の本拠となる住宅について公的な取り組みを進める際には、公平性や継続性が求められ、また大きな財政負担を伴うことから、さらなる拡充については慎重な検討が必要であります。こうしたことから、お尋ねの民間賃貸住宅への家賃助成制度の創設や借り上げによる新たな住宅供給は、限りある財源の中では課題も多く、現時点での対応は困難であると考えております。

 次に、高齢者住宅やひとり親世帯住宅などの区立住宅の増設についてであります。

 区がみずから整備することは、用地の確保等の課題があります。しかしながら、一定の基準を満たした計画に国庫補助等が行われる高齢者向け優良賃貸住宅制度については、その活用が有効であることから、現在、二棟二十七戸を整備し、今年度中にも新たに二棟四十八戸を整備するなど、引き続きその活用を進めてまいります。また、勝どき五丁目の市街地再開発事業では、平成二十八年度の開設を目指し、サービス付き高齢者向け住宅の整備も進めております。なお、都営住宅の増設については、区民の入居の機会がふえるよう、地元割り当ての募集拡大とともに、都に強く要望してまいります。

 次に、歩行者を自転車から守る対策についてであります。

 自転車は、子供から大人まで手軽に利用できる身近な乗り物である反面、ルールやマナーを遵守しない自転車の存在が大きな社会問題となっております。このため、区では、区内警察署と連携して、区のおしらせや自転車のマナー向上キャンペーンなどにおいて、自転車安全利用五則の周知を図るとともに、スケアード・ストレイト方式による自転車交通安全教室を行っており、今後も区内警察署等との連携を強化し、ルール・マナーの徹底を図ってまいります。

 次に、道路横断の安全性を高める方法についてであります。

 歩行者用信号機の青や赤が切りかわる時間については、基本的には歩行者の安全と円滑な交通の流れを確保することを前提に、歩行者や車両の通行量等に応じて決められております。現在、区内の信号機には信号が切りかわるまでの時間を表示するゆとりシグナルや歩行者横断用の青色延長押しボタンが一定台数設置され、安全性を高めているところであります。しかしながら、人口が増加している月島地域などにおいては、交通実態の変化に即した安全性の確保が必要となることから、現場状況を踏まえながら信号機の設置等について、交通管理者である警察署に働きかけてまいります。

 次に、江戸バスのルートのさらなる改善についてであります。

 江戸バスの逆ルートを初めとする路線変更の御要望があることは承知しているところであり、これまでも新富二丁目での南北の乗り継ぎ改善や土日祝日の銀座方面へのルート延伸など、改善を図ってまいりました。逆ルートにつきましては、財政状況などを踏まえると難しいと考えておりますが、南北二つの路線をつなぐ新たなルートの設定について、引き続き検討してまいります。今後も、区民の方々の御理解のもとで、江戸バスが身近な公共交通機関としての役割を果たすよう取り組んでまいります。

 次に、銀座一丁目駅のエレベーター設置についてであります。

 東京メトロ有楽町線の銀座一丁目駅にはホーム階から改札階までにはエレベーターが設置されておりますが、改札階から地上までにはエレベーターは設置されておりません。区では、鉄道事業者である東京メトロに対して、ホーム階から地上までのバリアフリー動線の確保を要望しており、現在、東京メトロにおいて改札階から地上までのエレベーター整備の検討を進めているところであります。

 次に、工事現場の仮囲いについてであります。

 本区では、道路の交差点部に設けられる仮囲いについて、歩行者の見通しを確保するため、コーナー部分を透明のパネルとするよう指導しているところであります。今後も、特に往来の多い道路や通学路に面する角地には歩行者の安全確保が図られるよう、建築計画の届け出や道路占用許可申請時を捉え、強く指導してまいります。

 次に、芝生のある公園の整備についてであります。

 芝生広場は、子供たちが伸び伸びと安心して遊ぶことができるだけでなく、人々の憩いや休息の場として多くの効用があると認識しており、これまでも晴海臨海公園や黎明橋公園などに整備してまいりました。今後も、公園の新設や改修時には遊具や植栽など、他の施設と整合を図るとともに、地域住民などの御要望を伺い、芝生化に取り組んでまいります。

 次に、親子で遊べる屋内遊び場の充実についてであります。

 区では、就学前のお子さんと自由に遊べる場として、児童館八館を設けております。この九月には新川児童館が移転し、規模や機能が大幅に拡充するほか、新年度には児童館全館で日曜開館を行い、親子で遊べる場の充実を図ってまいります。また、お尋ねのあった共同通信社の研修交流センターの一階スペースにつきましては、全国の加盟社の新聞検索や閲覧、展示ギャラリーなどのニュースアートサロンとして一般開放しているスペースであり、会議等でのグループへの貸し出しは想定していないとのことであります。

 次に、子育てニーズの把握につきましては、定期的なアンケート調査を初め、あかちゃん天国では職員が日常的に育児に関する相談を受けているほか、保健師等の専門相談員が定期的に巡回し、育児相談や成長発達に関する相談などを受けております。こうした相談体制を通じまして、日ごろより子育て世帯のさまざまな要望の把握に努めているところであります。

 私からの答弁は以上であります。

     〔教育長 齊藤 進君登壇〕

○教育長(齊藤 進君)
 教育問題についてお答えをいたします。

 初めに、学校給食食材の放射性物質検査についてであります。

 本区は、平成二十四年度からの二年間、東京都教育委員会が実施する給食食材の放射性物質検査に参加いたしました。この間、本区の食材を含め、六千八百以上の検体について検査がなされましたが、基準値を超えた食材はなく、平成二十五年度末で都は検査を終了したところであります。市場流通食品の安全性の確保については、国及び都道府県の責務であり、生産地で新基準値に基づく検査が行われ、基準値を超える食品は市場に出回らないようになっておりますので、給食食材は安全なものと認識しており、教育委員会として放射性物質検査を実施する予定はございません。

 次に、教育行政のあり方についてであります。

 教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担や相互協力のもと、教育が公正かつ適正に行われるよう施策を実施するものと認識しております。

 次に、教育委員会の活性化についてであります。

 本区の教育委員は、まちかど教育委員会において地域の方々や教職員の意見を直接伺うとともに、学校行事や区の各種行事にも積極的に参加し、PTAや学校関係者、地域の方々と意見交換を行い、教育施策に反映させるべく努めております。また、学校評価では児童・生徒、保護者へのアンケート調査を実施し、区民の方々の御意見を本区の教育行政に生かすよう取り組んでおります。

 次に、教育の政治的中立性についてであります。

 今回の制度改革は、教育の中立性や継続性、安定性を確保しつつ、責任の明確化や迅速な危機管理体制の構築、首長との連携の強化を図るためのものと認識しております。国の関与に関する新たな規定は、いじめによる自殺の防止など緊急性を有する事案がある場合に文部科学大臣が教育委員会に対して指示ができるものであり、適用に当たっては、国の関与が最小限となるよう留意されるべきものと考えます。

 次に、全国学力・学習状況調査についてであります。

 調査結果の公表につきましては、PTAと教育委員との意見交換会を行うとともに、校長会の意見を直接教育委員が聞く機会を設けるなど、教育委員会として、学校や地域の意見、実情の把握に努めてまいりました。今後、教育委員会での議論を十分尽くし、適切な公表の方法を決定してまいります。

 答弁は以上です。

     〔九番 奥村暁子議員登壇〕

○九番(奥村暁子議員)
 まず、集団的自衛権についてですが、区長の答弁が非常に短いなというふうに感じました。私は、集団的自衛権について五つの項目を設けて質問したんですけれども、区長はそれに対して一括での御答弁ということで、なかなかこれでは議論が深まらないなという思いです。

 憲法第九条が大切だということですとか、中央区から平和のとうとさを世界に発信していくということの大切さも御答弁いただきましたけれども、集団的自衛権行使容認に対して賛成するのか反対するのかということの答弁も私は質問の中で問うたんですけれども、それに対しての御回答がなかったので、その点についてもう一度御答弁をいただきたいと思います。

 そして、子供たちを戦場に送るようなことが将来あってはならないというお話もありましたけれども、集団的自衛権の行使が容認されて、後方支援で海外へ出かけていくことになれば、その中でやはり多数の自衛隊員が亡くなるのではないかということは、いろいろなメディアや専門家などが語っているところです。

 六月十五日付の朝日新聞で、ドイツを例にとって、他国のために武力を使う集団的自衛権を限定的に行使することが実際にできるのだろうかという特集記事が組まれました。「後方支援、安全という幻想」、戦争に限定なんてあり得ないと書かれています。

 ドイツ政府は、一九九一年に安倍政権と同じように憲法に当たる基本法の解釈を変更して、それまで北大西洋条約機構、NATOの加盟諸国の領域内にのみ出動できるとされていたものを、領域外へも行けるようにして海外派兵を進めた結果、海外派兵での死者は既に百三人に上っていて、特にアフガニスタン戦争では五十五人の死者を出している。精神的な負担も非常に重いもので、自殺にもつながる心的外傷後ストレス障害、いわゆるPTSDの患者が、二○○四年には百人だったものが、二○一三年には千四百二十三人になるという深刻な状況も伝えています。

 日本が集団的自衛権を認めて海外に出ていくことになれば、こうしたドイツと同じような道を歩むことになるのではないでしょうか。その点からも、集団的自衛権行使容認についての区長のお考えを再度お聞きしたいと思います。

 そして、御答弁の中で、国際情勢も非常に逼迫している中で必要な部分もあるともとれるような御答弁があったんですけれども、今、状況は逆だと思うんです。米ソ対決の時代には、本当にいつ核戦争になるか、いつ地球が絶滅するかという危機的な状況だったわけですけれども、昔よりは今は平和な時代と言えますし、尖閣諸島などもしっかり守られているのに、なぜ兵を用いて血を流していくような道を歩まなければならないのか。やはり日本は憲法第九条を守って、世界に対して、紛争を戦争にしないというメッセージを世界で唯一の被爆国として発信していくことが非常に大切だと思います。平和都市宣言を行っている首長として、区長からもそういう強いメッセージをもう一度発信していただきたいというふうに思います。

 そして、原発再稼働についてですが、国の責任において原子力規制委員会が審査を進めて総合的に判断していくものだということなんですけれども、この原子力規制委員会というものが問題でして、先日、政府は原子力規制委員会の委員四人のうち、任期切れを迎える委員の後任に、田中知東大大学院教授の起用を決めました。この田中氏は、原発推進の業界団体、原子力産業協会の理事を二年前まで務めていて、二○一一年までの五年間の間に東電記念財団から年に六十万円の報酬を受けていた、そういう人物です。原子力事業者との癒着は明らかだと思います。そして、この原子力産業協会というのは、規制委員会の新規制基準で原発の立地の判断についての答弁で、大事なことは活断層の有無ではないということを批判していた、そういう団体でもあります。安倍政権が原発再稼働を進めるためにこういった人事を行っているということがありありとうかがえるものになっています。

 この委員については、民主党政権時代の二○一二年七月に内閣官房長がガイドラインを策定した際には、規定委員になる就任前三年間に原子力事業者や団体の役員、同じ事業者から一定の報酬を受けていた人は資格に欠けるとなっていたものを、安倍政権は考慮しないと言い切って委員に据えているわけです。こういう審査で合格した原発は、とても安全と言えるものではないと思いますが、その点についての御認識も伺いたいと思います。

 そして、重要なベースロード電源と首相は原発を位置づけたわけですけれども、やはり原発は決して安価でも安定的でもない。やはり原発に依存しないエネルギー政策を進めて、その中で雇用もふやしていくということが日本の将来のためには大切だというふうに私は考えます。

 次に、放射線測定に関してなんですが、都内にモニタリングポストが八カ所あって、区内でも公園三カ所で測定をしている。結果もホームページに公表しているので問題はないという御答弁なんですが、公園の中で中心地点たった一カ所だけでやるということで、それで本当に放射線量がきちんとはかれているものだと私は思えません。やはり植え込みだとか排水溝ですとか雨どいだとか、そういう高い数値が出るであろうところもしっかり積極的にはかっていって、低い数値が出れば、それを区民に発表していって、安心ですよということを行っていけばいいのではないでしょうか。やはり区内での測定を一度全面的に実施するということを求めたいので、その点についてももう一度御答弁をいただきたいと思います。

 そして、学校給食の測定についてですけれども、教育委員会が提案した計画にのっとって、中央区は、測定を実施した七区のうちの一つなわけですけれども、二十三区のうちでそれ以外の残り十六区というのは、もともと独自に測定をしていて、現在も多くの自治体が測定を続けているというお話も聞いてます。給食食材の測定を、給食の安全を証明するためにも、もう一度やるべきだと思うので、もう一度その点についても御見解をお示しください。

 そして、中央区ではサービス付き高齢者向け住宅などを勝どきの再開発などで新しくつくっていくんだというお話も、住宅の部分で御答弁があったんですけれども、政府もサービス付き高齢者向け住宅などの整備を進めていって、介護施設に頼らなくても最後まで在宅で暮らせるようにすると繰り返し説明しているわけなんですけれども、この住宅というのは、もともと厚生年金受給者が想定されている住宅ですので、低所得者の入居というものが保障された住まいではありません。介護費抜きで月平均十三万円から十五万円ぐらいする、そういう住宅です。この金額についても確認させていただきたいですが、こういった高額のものであれば、低所得者の方たちが入る施設としては不十分ですし、それはやはり公平性に欠けるのではないかと思いますので、その点についても御見解を伺いたいと思います。

 そして、教育の分野で、全国学力テストの学校別結果公表についてなんですけれども、第一次安倍政権が始めた全国学力テストでは、点数が全てという風潮を全国に広げて、点数を上げるために管理職がわざとカンニングさせるなどという事態も起きて、各地で教育をゆがめるということがありました。やはり学校別の結果公表というのはデメリットのほうが大きいと思いますので、私は学校別の公表をしないということを求めたいと思いますので、そのあたりについてしっかりとした御答弁をもう一度いただきたいと思います。

 そして、子育てに優しいまちづくりに関してなんですけれども、つくだ保育園の前の歩道なんですが、玄関を出ると、すぐに相生橋がありまして、目の前の歩道が傾斜になって下がっています。保育園から外に出たときに、その傾斜を下る勢いそのままのスピードで自転車が走り抜けていくということで、玄関を出た途端、危ない思いをする。そこで、やはり驚いているお母さんや怖いと言っているお母さんたちもたくさんいらっしゃるので、学校ですとか保育園、幼稚園、そういう子供が利用する施設のところは何らかの対策を早急にとっていただきたいということを要望したいと思います。

 以上で二回目の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 どうも、どうも。私の答弁、集団的自衛権が短かったですか。端的で要領よく、わかりやすかったんじゃないかなというふうに思うわけでありますけれども、質問された点については的確に答弁したつもりでございましてね。

 今、集団的自衛権、我らが代表である国会の中で大いに議論されているわけでございまして、本当に煮詰まってきつつあるわけでございますが、先ほど答弁いたしましたとおり、国の責任においてはっきりと決定されるべきものではないか、そういうふうに思っているところであります。

 また、ドイツとの比較が出ておりましたけれども、たしかドイツは個別自衛はなくて、集団的自衛だけじゃなかったかなというふうに思いますけれどもね。国として個別自衛はやらないで、NATOの中での集団的自衛ということに焦点を当てている国ではなかったかなと。そこのところ、ちょっとあやふやですけれども、そういうふうに記憶したことがありますけれどもね。

 それから、昔よりも今は安全になってきているというお話でありますけれども、そうでもないんじゃないでしょうか。今の国際情勢、特に日本を取り巻く環境、どうなんでしょうか。日本の国内、領海において射撃訓練が行われたり、あるいは領海内で三十メートルですか、ジェット機同士、戦闘機同士が、三十メートルというと、この議場ぐらいのところでありましょうけれども、そんなに接近し合うというようなことが領海内で行われる。また、北朝鮮では、核実験も行われているということでありますから、これは本当にかつてよりも何か安全保障という面では大変厳しくなってきているのではないか。それを懸念して、やはりこれからも戦争は絶対しないようにするんだ、子供たちを戦場へ送らないようにするんだということで、さまざまな考え、方策を展開しなければならないところに来ているのではないか、そういうふうに思うわけでございまして、これがどういうふうに決まっていくか、私たちは、しっかりとこれからも対応していかなければならない、そういうふうに思いますね。

 それから、大飯原発の再稼働の差しとめですね。やはり原発というのは、なくて、そして自然エネルギーを中心として供給が図られれば、それにこしたことはないんでありましょうけれども、なかなかそうはいかない点が多々あるということで、火力発電であるとか、さまざまな発電、そして原発にも頼らざるを得ないような点も出てくるであろうということで、国のほうでも安全性を第一に、それから原子力規制委員会による世界で最も厳しい水準の規制等々を設けているのではないか、そういうふうに思いますね。

 また、放射線量の測定、これは区内ではあかつき公園、堀留児童公園、月島第一児童公園ですか、あの三カ所で行っておりますけれども、本区を取り巻くといっても、東京都のほうでもモニタリングポスト八カ所で行っているということであります。無論これで安心することなく、これからも自由に、自由にというか、みんなでしっかりと測定していかなければならないというふうに思い、機器の貸し出しも行っている、こういうことであります。

 それから、自転車ね。マナーの悪さ、それからルール無視、これはもう絶対許されるべきものではございませんから、そういった点はこれからもしっかりと対応していかなければならない。

 つくだ保育園前の道路ですか、御指摘のありました点ね、そこはしっかりとこれから、どういう状況か見て、そして、しっかりいろんな看板とか、どういうふうにしたらいいのか、そこを検討してまいりたい、こういうふうに思います。

 以上であります。

     〔副区長 吉田不曇君登壇〕

○副区長(吉田不曇君)
 住宅政策についてお答えをいたします。

 私どもが、正直、住宅家賃補助等の制度を始めたときというのは、実は、私どもの区が具体的にそのまちに働きかけて、まちづくりを行っていったときに、まちづくりなどで家賃が急激に上がっていったときには、他動的な理由で例えば家賃が上がってしまったというようなケースの場合については、コミュニティファンドということを使いまして、これは平成二年のときからでございますけれども、家賃補助をやらせていただいております。基本的には、まちづくりの過程や何かで具体的に家賃上昇とかというものが人為的に起きてくるような場合については、これはやはりある種の公平性という観点から家賃補助をしていく必要があるだろうと思っております。そのことについては、私ども、これは全国に先駆けて具体的にそういう対応をしたつもりでございます。

 ただし、そういう家賃補助というものを含めて、基本的には、全体として公平性、継続性が大事でございますから、その部分を考えていくと、これ以上の拡充は難しいということを申し上げているわけでございます。

 高齢者向けサービス付き住宅については、基本的には、標準モデルを置きながら多くの方が入居できる住宅を考えているわけでございますので、そういったものをある程度一つのパターンとして提示し、そして具体的に実現していくこと、これは全体の高齢者施策の中での話として成立をさせている話でございますので、この点については、私どもは標準的なモデルを設定して整備していくことでもって公平性はある程度保たれているものだというふうに考えているところでございます。

     〔教育長 齊藤 進君登壇〕

○教育長(齊藤 進君)
 教育問題についての再度の御質問に御答弁をさせていただきます。

 初めに、学校給食食材の放射線量測定を独自に実施してほしいという御要望でございます。

 御指摘がございましたように、二十三区の中でも、二十六年度も二十五年度同様、独自に検査をする区もございます。前年同様にやるところもあれば、回数を減らすというところもございます。また、中央区と同様に、独自検査は行わないという区もある状況でございます。

 私どもの大前提としましては、御答弁でも申し上げましたが、学校給食食材につきましては、市場に流通している食品を購入してございます。これにつきましては、生産地でのチェックが済んでいるものということでございますので、基本的に安全だという認識のもとでございますので、繰り返しになりますが、私どもとして独自に放射性物質検査を実施する予定はないところでございます。また、他区の検査状況を見ましても、流通している食材について特に不安が懸念されるような検査結果は出ていないところでございます。

 次に、全国学力・学習状況調査について学校別の公表はすべきではないという御意見を伺ったところでございます。

 これも御答弁でも申し上げましたが、私ども教育委員会としては、学校だとか地域の意見、またさまざまな御意見を聞きながら判断するということで考えてございます。奥村議員の公表すべきでないという御意見につきましても、各教育委員のほうにきちんとお伝えした上で、全体的な判断を行ってまいりたいというふうに考えております。

 答弁は以上でございます。

     〔九番 奥村暁子議員登壇〕

○九番(奥村暁子議員)
 まず、住宅についてなんですけれども、再開発によっての転居に伴う助成ということではなく、民間賃貸住宅から、また民間賃貸住宅に区内で転居する方に対しての助成ということを私はやはり求めたいと思います。

 日本共産党区議団は毎年区民アンケートを行っていますけれども、その中でも、中央区はお金持ちしか住めないまちになっているという意見も寄せられています。やはり高所得の方だけでなく低所得の方でも、住み続けたいという区民がずっと気持ちよく住み続けられるまちづくりをしていくということが、自治体として、そこが腕の見せどころだと思いますので、そういうまちづくりを心がけていただきたいということを要望します。

 そして、集団的自衛権についてなんですけれども、大いに議論されているという区長の御答弁でしたが、与党内での議論ですので、国民的な議論には全くなっていないと思います。

 やはり集団的自衛権というのは、他国の戦争のために自衛隊員が出ていく、そこの中で命を落としていくという可能性を生むものだと思いますので、子供たちの将来を守るためにも、命を守るためにも、集団的自衛権行使に対して反対の声をしっかりと上げていただきたいということを要望して質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

午後四時五十七分 休憩


午後五時二十分 開議

○議長(原田賢一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十八番渡部恵子議員。

     〔十八番 渡部恵子議員登壇〕

○十八番(渡部恵子議員)
 議長から発言許可をいただきました民主党区民クラブの渡部恵子です。平成二十六年第二回区議会定例会に当たり、区の一般事務及び区政の当面する課題につきまして、区長並びに関係理事者の方々に質問通告書に沿って発言させていただきます。中央区が目指す区民の皆様の幸福ある暮らし、安心・安全なまちづくりに対し、区民福祉に資する御答弁をお願い申し上げます。なお、再質問はこのまま留保させていただきます。

 民間の有識者でつくる日本創成会議は、人口減少問題検討分科会において、二○四○年の地域の未来像を独自に検討し、福島県を除く政令指定都市のうち、全国千七百九十九市区町村の半数に当たる八百九十六市区町村が二○四○年までに消滅する可能性があるという衝撃的な発表を行いました。

 中でも、注目しなければならない点は、子供を出産する女性の九割以上を占める二十歳から三十九歳までの若年女性人口が、二十六年後の二○四○年には現在の半数以下に減少してしまうという推計です。仮に、今後三十年間に出生率が高まったとしても、二十歳から三十九歳の若年女性が今の半数に減少することで、結果的に人口減少は歯どめがきかなくなるという試算が出されています。そうなれば、人口の再生産力が著しく低下し、総人口の減少に歯どめがかからなくなるおそれが出てきます。

 現在、日本の人口は予想よりも急速に減少しており、国全体で二○四○年までに二千万人減少し、五十年後には都心部でも五十万人、総人口は一億人を割ることが明らかにされています。これは、国土交通省、総務省も同様の試算を行っており、日本創成会議が発表した人口問題と軌を一にしています。二○一二年に若年女性一人に対する合計特殊出生率は一・四一であることから、このまま少子化がさらに進行していくこと、また日本の特徴である地方から大都市圏への若年層の人口移動、都市部で生活する女性たちが出産しない傾向にあること、これらのことを踏まえ、二○三○年までに二・一%まで出生率を高めていく対応を今すぐにとらなければ、日本の少子化問題の解消には至りません。

 そのために、今、都心の中央区が行わなければならないのは、若年女性が安心して子供を産み、仕事と子育てを両立できる盤石な環境を整え、徹底的に少子化に歯どめをかける必要があります。

 また、二○二五年問題があります。二○一二年に発表された六十五歳以上の高齢者率は二四・一%である中で、一九四七年から四九年生まれの第一次ベビーブームの団塊世代の方々が二○二五年に全員七十五歳を迎えることと、団塊の世代の前の世代より一・五倍ほど人口が多いことから、医療・介護・福祉に要するコストが増加し、介護保険制度を圧迫していくことが明らかになっています。

 また、独身の高齢者比率は、平成に入ったころ一三%であったところ、現在一五%となり、二十六年後の二○四○年には四○%となると試算されています。介護を必要とする高齢者の問題もまた、今から対応をとらなければなりません。

 国際医療福祉大学の高橋先生によれば、介護医療に携わる金額が規定されているため、給料が魅力的で人が集まる構造にはなっておらず、加えて、介護者は非正規雇用者が多く、介護を担うべきなり手が少ないという問題があります。

 今後、介護を必要とする需要が高まる中、供給が追いつかないという問題が明らかになっていることから、杉並区では、今から区内に施設をつくり、介護職の人材を集め、杉並区で人材を育てていくという方針を区長が打ち出しています。杉並区では、少子化対策においても同様に対策をとり、今後、認可保育園を増園し、保育に携わる人材を杉並区に集め、安心して産んで育てていける環境づくりを行う方針も出しています。

 これらを踏まえ、まず高齢者対策についてお伺いいたします。

 本区で四千五百名ほどいらっしゃる団塊の世代の方が七十五歳を迎えるのは、あと十年ほどです。今から健康で生活していただく環境を整えていかなければ、十年後には介護の問題が大きな障壁となって出てくることでしょう。健康寿命増進のための対策をとることと、社会への参加ができる環境を整えていく必要が今だからこそあると考えますが、区の方向性についてお考えをお示しください。

 団塊の世代の人口が前の世代より一・五倍の増加を示していることから、仮に要介護となったとき、団塊ジュニアの方が介護に従事することになっていきます。この世代は子育て中であり、高校・大学進学で最も資金を要する世代です。既に親の介護に従事するために離職する人たちが大企業の中でも一割ほど出てきており、これは企業にとって人材を失う痛手となるほか、大きな社会問題に直結しています。

 また、平成二十五年に総務省が発表した就業構造基本調査によれば、十五歳から二十九歳の若い世代の中で十七万七千六百人の人たちが介護に従事していると答えています。この調査では、誰の介護にどのくらいの時間を要しているかが不明ではありますが、子供時代に親の介護を支える立場になり、進学ができなくなったり、進路が決められなくなり、自分の先行きが見えない、定職につけないなど大きな不利益をこうむるケースも出始めています。可能な限り住みなれた生活の場所で安心して暮らせる社会を目指すと国は方針を出していますので、今以上に家族の介護が求められ、結果として、子供や孫が介護の担い手になっているという現状が、十七万七千六百人という数字に言いあらわされていると考えられます。

 この問題に対しては、少子化対策同様、労働者人口確保の点からも、安心して親の介護を任せ、社会で働いていける環境整備が必要となると考えます。デイサービスやショートステイなどの対策を充実させ、高齢者の方の活動の場の確保が必要となるほか、介護職の人材確保の必要も出てくると考えます。また、若年層が介護の担い手になっている場合、社会が彼らの介護の肩がわりや、担い手である彼らの相談を受ける必要があります。今後、団塊世代の方々が七十五歳への参入に向かっていく中、高齢者人口の増加は中央区の高齢者対策に大きな衝撃となっていくことが明らかになるため、今から区はどのような対策を講じていく必要があるとお考えですか。支える家族のより一層の支援も含め、区の方向性をお示しください。

 現在、六十五歳以上の四人に一人潜在的に存在すると言われている認知症の方の対策も問題となっています。本年五月末に出された国の発表では、この一年で日本全国で一万三百二十二人の方が徘徊によって帰れなくなり、うち十三名は身元不明となっています。前年度から七百十五名も、徘徊によって自宅に帰れなくなった人が増加しているのが今の日本の認知症の現実問題です。

 本区では、つえやお財布に見守りキーホルダーをつけることを想定し、これを配布するなど、この問題への取り組みに着手されていますが、徘徊時につえをつかない足腰が元気な高齢者の方、また区内には若年性アルツハイマー症の方もいらっしゃいます。他の自治体では、靴を履いて何も持たずに外を徘徊する高齢者に対し、左右両方の靴のかかとに、夜間でもわかるよう、蛍光シールを張る取り組みを行っています。この蛍光シールには、自治体名、例えば東京都中央区何番と番号を打ち出しており、個人情報保護のために見守りキーホルダー同様にナンバー制にはしていますが、行政にこのナンバーを問い合わせれば、どこのどなたかがわかる仕組みをつくっています。

 見守りキーホルダーもつえを携行する方には有効だと思いますが、つえを持たない認知症の方もいらっしゃることから、このような取り組みについての区のお考えについてお示しください。

 次に、少子化対策についてお伺いいたします。

 前述のように、総人口の減少によって社会の担い手が少なくなり、経済の成長率もこれまでと同様にはいかないという問題が横たわっている以上、本区も子供を産む若年層の方が安心して子供を産み育てたいと思う環境整備をより一層講じていかなければなりません。今後の人口減少に徹底的に歯どめをかけるのは、今しかありません。区の少子化対策への意識についてお伺いいたします。

 次に、子供たちの教育についてお伺いいたします。

 横浜市が大きな予算を投じ、未来を担う人材育成を行うために、二○○九年に創立した理数専門の高校があります。

 この高校では、入学してきた一年生に対し、なぜと思うところから考える力を育んでいます。空はなぜ青い。雲はなぜ白い。夕焼けが赤いのはなぜ。魚の色が違うのはなぜ。なぜ浅いところに生息する魚にはしま模様がある。学生たちは、真鶴など近くの自然界に実際に出向き、考えたプロセスをグループで発表し合います。

 また、数学でも同様に、赤道の周り、地上から一メートルの高さのところにロープを張って地球を一周させます。このロープの長さは、赤道よりおよそ何メートル長くなるでしょうか。地球の直径がわからなくても、この問題を解くことができます。なぜでしょうと問題を出します。こうした問題は、数式を使用せずとも解が出ます。円がどれだけ大きくても、直径は二メートルほどしか変わらない。どんな大きさの円でも、一メートルの大きな円の円周率は、もとの円周率のプラス二パイになるなど、筋道を通しながら考えていくというプロセスは、数式を使う数学のようにぴたりと、誰が計算しても答えが同じとならなくても、なぜそうなるのかとみんなに説明できるように伝えていくことが、論理的に考える力と伝達能力を育むと指導を行う学校です。実際のサイエンスの分野では、このプロセスをたどっていくことが繰り返し行われていますから、結果に結びつけていけるように筋道を通して考えていくことの大切さを高校生の時代から身につける取り組みを繰り返し行っています。

 この高校では、外部から理数専門の先生方の講義も行い、第一線の研究者たちや企業の開発担当者たちの話を聞き、サイエンスのシャワーを浴びるのだそうです。こうした指導の中では、真実は本の中ではなく自然の中にあると教えられます。自然界からは、色や形にも理由があるのだということを学ぶ機会を得ます。

 植物は放射相称であり、動物は左右相称となっています。生物のこうした機能や形から人間が学び取ったことがバイオミメティックスの分野に生かされることがあります。例えば、新幹線の先端です。丸い形からカワセミのくちばしの形に変わったのは、高速でトンネルに入るときの衝撃音をなくすために考えられました。パンタグラフは、フクロウの羽を模写してつくられているそうです。なぜなら、フクロウは飛び立つときに音を全く立てないことから、フクロウの風切り羽がパンタグラフのデザインのもととなりました。ほかにも、はすの葉っぱが水をはじくことから、超撥水性の布地が開発され、痛くない注射針は蚊の針をもとに考えられ、子供の糖尿病患者の毎日の注射が苦痛にならないような開発が行われました。ヒッツキムシからは、マジックテープが開発されています。

 このように、自然界から、なぜと考えることによって、次のような思考回路をたどることになります。対象をよく観察し、正確で十分な情報を取り出す、データ間の因果関係をつなぐ理論を見つける、最適な解答を見出す、これらサイエンスを考えるプロセスは、自然と論理的思考能力の訓練となっていきます。さきにも申し上げましたが、物事を体系的に考えるプロセスが身につくことによって、言葉の伝達能力の向上にもつながり、理数系の世界だけでなく、経済や金融など、一般社会でも求められる大切な要素を身につけることができます。また、自然界から多くのことを人間が応用していくことから、自然環境への理解や環境保全への理解も深まっていきます。サイエンスを通して全人教育を行う高校は、この高校のほかにも、私学の慶応大学附属高校などで始まっています。

 先日、日経ヒューマンリソーシスが調査した人事部が選ぶ大学ランキングでは、論理的な思考で問題解決をしていく力は不可欠と、課題にぶつかったときの思考力を学生に求める企業が多いことがわかりました。対人力、知力、学力、独創性、行動派、専門性、仕事力の総合判断の中で、トップは京都大学で、東京大学の二十五位をはるかに超えました。私が注目したいのは、大学のランキングではありません。社会が求めている人材の要素の中に、個性やコミュニケーション能力や論理的な思考で問題解決をしていく能力が求められているという点です。

 中央区も、子供たちの理数教育に力を入れています。中央区での理数教育が小学校教育だけでとどまらず、中学、高校と進学していく中で、子供たちの将来へ確実に連綿とつながっていくことこそ大切だと考えます。むしろ、そのようにつながっていく理数教育を行うことこそ大切だと言いかえることができるのではないでしょうか。私は、サイエンスが子供たちにもたらす論理的に考える力、観察する力、応用していく力など、さまざまな効果をより一層高めていくためには、自然界から学んでいく取り組みが不可欠になっていくと考えます。今後の本区のサイエンス教育についての御見解を伺います。

 次に、本区が昨年より検討を始めている英語教育について伺いたいと思います。

 今、日本の大学に留学してくる海外の学生の割合は、中国から七割、韓国から一割いると言われています。近畿大学でも、昨年、二○一三年度で同様の割合で海外からの留学生を受け入れています。台湾では、欧米諸国にMBAを取りに行くよりも、日本の早稲田大学、慶応大学のMBAを取得しに留学してくる学生たちが大勢います。他方で、日本人の学生が留学する比率は減少しており、近畿大学では新しい学部を創設し、海外留学生たちを受け入れながら、大学自体を徹底して国際化していくために、日本人の一年生の学生から大手英会話学校のベルリッツと業務提携し、語学力を鍛える取り組みを始めています。

 本区の今後の発展を踏まえていくならば、外国人教師を入れたALT授業だけではなく、思い切った施策を講じることが大事ではないかと考えます。そのためには、インターナショナルスクールを誘致し、地の利のよい東京中央区に海外からの転勤者の児童・生徒の受け入れを行うことを提案します。

 世田谷区、港区、江東区では、既にインターナショナルスクールがあり、大使館勤務者や日本に転勤してきた外国企業の子供たちや海外から帰国した日本人の子供たちを受け入れています。中央区は、慶応大学を初め、青山学院大学、明治学院大学ほか、ミッション系の学校が数多く発祥していった土地でありました。今こそ、二十二世紀を見据え、外国人の受け入れを行う受け皿を整え、この学校に通学する子供たちと中央区の子供たちとの交流を図る環境を整備していくことが必要ではないかと考えています。

 さきにも述べたように、一流の研究者を育てるために創設した理数教育に特化した高校が行っているように、第一線の研究者たちから直接現場のさまざまな話を聞き、実際にその方々の指導を受けながら、彼らの前で自分たちの考えたプロセスを発表することは、彼らにサイエンスに向かう強い動機づけとなっています。実際の研究者から最先端の話を聞く機会に多く触れていることは、彼らを大きく成長させていっています。また、考えていくプロセスを発表し合うという効果は、人と自分の考え方が異なることや、異なる考え方をたどった結果、自分とは違うが、興味深い解が生み出されたのだという他者への理解と、他者からの気づきを与えられています。

 同様に、中央区の子供たちが世界各地から集まっている子供たちと触れ合うことによって、国が違えば文化も違い、考え方も違うけれども、理解し合えるという刺激となっていくはずです。幼いころのこうした経験を、中央区に在住し、中央区の学校に通っているからこそ、連綿とインターナショナルスクールの子供たちと触れ合い続けられる環境がもたらすメリットは、真に国際社会で活躍していく人材教育に通じていくものではないでしょうか。子供たちが自然界を初め、地球に住む日本人以外の国の人々と直接触れ合っていく経験は、感動とともに大きな刺激となり、二十二世紀に向かっていく子供たちへ将来に向けた希望や可能性を育て上げるきっかけになっていくと思います。

 インターナショナルスクールの誘致は、ここに学ぶ外国人の子供たちにとっても、日本人の子供たちと触れ合い、日本人の子供たちと友達になるきっかけとなるでしょうし、互いの家を行き来することになれば、親同士の交流も始まっていくはずです。中央区は江戸文化発祥の地でありますし、伝統文化のポテンシャルが高い地域ということも、外国人の子供たちとその家族たちへ日本への深い理解をもたらすきっかけとなっていくと考えます。海外に留学しなくても外国人と触れ合い、友達になれる。これは、将来、互いの国の文化の違いを理解していくことに通じていきます。また、中央区の子供たちの国際理解教育の全体的な底上げをもたらすことが可能となると考えます。

 私たちは、二○二○年の五輪後のまちづくりこそ大切です。五輪に集中し大きなバジェットを投じていくことも大切かもしれませんが、未来の子供たちへ可能性を育てるバジェットを投じていくことも考えていっていただきたいと思います。五輪を機に、五輪後の中央区の発展を見据えていくことは、今から考えていく必要があります。

 そこで、先々のダイナミックな施策となりますが、インターナショナルスクールを、中央区の子供たちと文化の発展のために中央区に積極的に誘致する考えについて区の見解をお知らせください。

 築地場外新市場の整備についてお伺いいたします。

 かねてより区が場外の企業の方々と中央区の食文化の発展のために打ち出してきた築地場外市場、新市場のことでありますが、この施設を担う仲卸の出店者たちも決まり、今後のまちの活気とにぎわいが市場移転後の築地の発展となって、活気とにぎわいの第二ステージへとつながっていくように、大きな期待感を持っているところであります。

 しかしながら、そのためには幾つか解決しなければならない問題があります。現在、波除神社から新大橋通りへ向かう区道は一方通行となっています。豊洲新市場から搬入してきた荷物をターレットで運ぶにしても、荷物の出し入れのために区道を往復しなければなりません。また、お客様の車までターレットで荷物を運ぶ機会もあるため、駐車する場所によっては、新大橋通り、晴海通りまで出なければなりません。一方通行では、非常に不便な状況となることは明らかです。

 そこで、お伺いいたします。

 波除神社前から新大橋通りに向けた区道の双方通行を可能にすることについて、築地新市場開設までに対応をとっていただくことは可能でしょうか。

 次に、ターレットの置き場、プロのお客様の駐輪・駐車場の整備についてお伺いいたします。

 海幸橋側の出店場所の中には、ターレットが通行できない場所があります。すなわち、通行する側道が確保されていないので、波除神社前の区道に出店者たちのターレットが路上駐車されることになります。そうなると、バイク、自転車、自動車やトラック、歩行者の安全な通行を阻害することになるため、非常に危険な状況が生み出されてしまいます。出店者たちがターレットを置けない現状について、今後どのような対策を講じていくのでしょうか。

 また、プロのお客様の買い出しに御利用いただくためには、自転車やバイク、自動車の駐車場の整備も必要となっていきます。現在は区の駐車場が近くにありますが、それだけでは足りません。今後の駐車場の確保について、また自転車やバイクを路上駐車させない対策について区のお考えをお知らせください。

 ターレットは、現在、場内で充電しています。充電場所の確保も、出店数だけのスペースが必要かと考えます。東京都との協議も必要になっていくことと思いますが、今後の対応策についてお伺いしたいと思います。

 次に、二○二○年の東京五輪についてお伺いしたいと思います。

 二○二○年開催の東京オリンピック・パラリンピック競技大会へ向け、立候補ファイルではISO二○一二一、持続可能性マネジメントシステムをロンドンオリンピックから継承して採用しています。環境・経済・社会のCSRの三つのポイントに基づきイベントを開催するのが望ましいという世界基準をとり、五輪終了後も付加価値を持続させる取り組みが行われることになります。

 五輪前後に海外から渡航する外国人たちは約一千万人と言われており、五輪開催期間中だけに全てのキャッシュフローを集中させるのは妥当とは言えません。五輪開催後に負の遺産となってしまうことのないように、中央区が五輪終了後も継続した付加価値を区民と中央区に残していけるものは何か、今から考えていく必要があると考えます。観光、環境問題、経済発展、教育などさまざまな視点から、五輪のチャンスを生かしながら付加価値を継続させていくには、何に最も力を入れていこうというお考えなのでしょうか。方向性についてお考えをお示しください。

 東京都は、セキュリティーゾーンや競技会場までのアクセスを確保するオリンピックレーンなどを設ける予定とし、スポーツ振興局長は、選手村周辺では一部の道路通行を制限する必要があり、地域の生活に一定の影響を生じることが想定されるとしています。二○二○年は既に豊洲へと中央卸売市場は移転しており、卸売市場から環状第二号線や晴海通りを通行し、東京の各地へ荷物が運ばれていきます。場外の築地新市場や銀座、日本橋にはオリンピック時期は通常より多くの観光客を擁する可能性が高く、滞りない物流の確保が重要となります。

 また、今回予定されているような競技場と選手村が近いコンパクトな大会は、場所と日付が決まっているリスクと考えられます。一九七二年にミュンヘンオリンピックの選手村でイスラエルの選手がテロのターゲットとなりました。このことを踏まえ、東京五輪では国を挙げてのセキュリティー確保が行われることは間違いなく、ロンドン五輪では物流は夜間に通し、日中は観光都市ロンドンに人が入らないように警告したため、通常より観光客が減少する事態となりました。観光資源が減少しても、集中するリスクを排除した政策がとられた結果です。

 この時期は、メディアを初め、多くの外国人が東京に集中してきますが、これに乗じて海外からの窃盗団などが入ってくるリスクもあると考えられます。選手村はもちろんですが、中央区全体のセキュリティー意識の強化も必要となってきます。

 これらを踏まえ、お伺いいたします。

 五輪開催中の物流について、区は東京都とどのような話し合いをしていくのでしょうか。

 また、区民の暮らしの安心・安全を守るためのセキュリティー意識の強化について、区のお考えをお伺いいたします。

 以上をもちまして私の第一回の質問を終わります。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 渡部恵子議員の御質問に順次お答えいたします。

 二○二五年には団塊の世代が七十五歳以上となり、介護給付費が急増する時期を迎えることから、健康寿命の延伸や社会参加への取り組みが今まで以上に重要となってまいります。いつまでも元気に暮らすためには、健康管理が欠かせません。区では、各種健康診査のほか、元気な高齢者向けのマシントレーニングを中心としたさわやか健康教室や、生活機能が少し低下した方のためのはつらつ健康教室など、それぞれの健康の状態に応じた介護予防事業を実施し、健康寿命の延伸に努めているところであります。また、元気高齢者人材バンクや高齢者クラブ等、地域の活動団体の活性化を図り、高齢者の社会参加をさらに進めるとともに、七十歳就労社会の実現を目指してまいりたいと存じます。今後とも、全ての高齢者が生きがいや役割を持ち、その人らしい生活を送れるよう各種施策を推進してまいります。

 次に、介護対策についてであります。

 高齢者人口が増加する中、社会全体で高齢者を支える介護保険制度はますます重要性を増しております。そのような中、担い手である介護職の人材確保は大きな課題であります。国では、介護報酬改定に伴い、介護職の処遇改善への検討が進められる一方、都では職場体験やトライアル雇用等の取り組みを進めております。本区におきましても、介護資格取得費助成や介護事業者向けの研修を実施するなど、人材の確保や育成に努めているところであります。また、要介護者を支える家族の方への支援も重要であります。本区では、介護保険による給付を基本としながらも、訪問入浴や布団の丸洗いなど、介護保険サービスの量や種類を補う区独自の施策を実施し、御家族の負担軽減に努めるとともに、介護疲れを癒やす緊急ショートステイや介護者交流会等を実施しております。今後も、家族とともに住みなれた地域で暮らし続けられるよう、要介護者のみならず、家族の方への支援にも努めてまいります。

 次に、認知症による徘徊の身元確認対策についてであります。

 本区の見守りキーホルダーには、平成二十六年五月末現在で二千百九十三人の方が登録されており、平成二十四年度には五人、平成二十五年度には六人の方を早期に保護することができました。見守りキーホルダーの使用に当たっては、いつも携帯しているつえなどにつけることを御案内するとともに、場合によってはキーホルダーの内容を下着や靴などにも記載しておくようお願いしているところであります。シールにつきましては、靴に張れるというメリットの反面、材質によっては剝がれやすくなるなどのデメリットもありますので、御利用している皆様の御意見も伺いながら、どのような方法がよいのか検討してまいりたいと存じます。

 次に、少子化対策についてであります。

 国全体としては、依然として少子化が進行しておりますが、本区では三十代、四十代の子育て世代の方々の増加が顕著であり、年間出生数も昨年は千六百九十四人に上るなど、乳幼児人口はこの十年間で約二倍にふえております。合計特殊出生率も、平成二十四年に一・一八となり、平成十九年に一・○台を回復して以降、増加傾向にあります。こうした状況は、これまで区が取り組んできた住環境の整備や総合的な子育て支援策が実を結んだ結果であると考えております。今後も、平成二十七年度から導入される子ども・子育て支援新制度における事業計画を策定の上、保育所待機児童の早期解消に向けた保育施設等の整備を初め、多様な子育てニーズに応える支援策を着実に推進し、子供を産み育てたい、中央区に住み続けたいと思えるような環境整備に引き続き取り組んでまいる所存であります。

 次に、築地新市場の整備についてであります。

 波除稲荷神社から新大橋通りへ向かう区道の双方向通行につきましては、交通管理者より、交通安全、交通処理の観点からも課題があり、対応が困難であると伺っております。そこで、築地新市場の敷地内に物流通路を設け、区道を逆に走ることなく荷物を運べるよう工夫しております。また、ターレと買い出し客の自動車やバイク、自転車の置き場につきましては、荷物の積みかえ場所などとともに、築地新市場に必要な施設であることから、移転後の市場跡地を使用できるよう、平成二十四年二月の東京都との合意以来、協議を重ねております。築地新市場における需要を踏まえながら、積極的にその確保を図るとともに、周辺の道路において路上駐車が行われないよう、入居者や利用者に対し意識啓発等を図り、駐車場利用を周知徹底してまいります。

 次に、ターレの充電場所についてであります。

 築地新市場においては、各店舗区画に十分な電源を備えており、営業後にそこで充電することが可能です。なお、ターレが施設内に入ることから、施設の利用に当たってのルール化を考えております。区では、市場の移転後も築地の活気とにぎわいを次世代に引き継ぐため、場外地区との連携を図りながら、入居者、利用者双方にとって使いやすく魅力ある店舗施設として開業できるよう、全力を挙げて取り組んでまいります。

 次に、二○二○年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に伴う価値の持続についてであります。

 大会開催を契機としてもたらされる良質なレガシーを未来へつなげていくことは大変重要なことであると認識しております。大会の中心となる選手村を擁する本区といたしましては、BRTを初めとする公共交通基盤や公共・公益施設、四百メートルトラックなど、ハード面のレガシーを着実に整備していく必要があります。また、ソフト面においても、学校でのオリンピックを中心とした国際教育やスポーツイベントの実施を初め、観光、環境などさまざまな取り組みを推進していくことも重要であります。区といたしましては、オリンピック・レガシーにより区内全体が将来にわたり持続的に発展していくとともに、区民一人一人の意識にも根づいていくよう、積極的に施策を展開してまいります。

 次に、大会開催中の物流についてであります。

 現在、東京都においては、選手や観客に関する輸送計画について、国や警察など関係機関との調整を始めたと伺っているところであります。しかしながら、一般の物流につきましては、現時点で具体的な内容が示されていないことから、引き続き積極的に情報を収集するとともに、大会期間中の区民や事業者への影響が最小限となるよう、継続して都に働きかけてまいります。

 次に、開催期間中の区民の安全・安心についてであります。

 本区は、地域の方々との協力のもと、警察とも連携して日ごろから犯罪のない明るいまちづくりに取り組んでいるところであります。二○二○年の大会時には、こうした取り組みをもとに、都や組織委員会等とも緊密な連携を図り、区内全域で全ての人々がオリンピック・パラリンピックを楽しむことができるよう、今後ともさまざまな機会を捉えて区民の安全・安心に関する意識の向上に努めてまいります。

 私からの答弁は以上であります。

     〔教育長 齊藤 進君登壇〕

○教育長(齊藤 進君)
 教育問題についてお答えをいたします。

 初めに、サイエンス教育についてであります。

 サイエンス教育は、子供たちの自然や科学に対する好奇心を高め、思考力、判断力、問題解決能力など、科学に関する基礎的素養を育成する理数教育に含まれるものとして捉えております。本区では、従来から理数教育の重要性を認識し、小学生を対象にした教育センターでの専門指導員による実験教室やプラネタリウム教室などを通して、自然や科学に対する興味・関心を喚起してきました。また、小・中学校が実施する宿泊行事での自然体験、各校内での菜園やビオトープなどにおける植物栽培、昆虫・小動物飼育など、自然界から直接学ぶ活動を通して、観察する力や科学的に思考する力を養っています。さらに、平成十九年度から、全小学校に理科支援員を配置して、実験や観察の補助を行い、理科授業の充実と活性化に努めてきました。本年度は、東京都から理数フロンティア校の指定を受けている京橋築地小学校や佃中学校での公開授業や、都の制度である理数教育推進教員を活用した理科実技研修などを通して、区全体の教員の指導力を一層高めてまいります。また、区が新たに取り組む理数教育のパイロット校である城東小学校での先進的な取り組みを検証し、これからの中央区の理数教育のあり方を検討してまいります。

 次に、インターナショナルスクールの誘致と子供たちの交流についてであります。

 本区では、平成三年から平成十五年まで、リセ・フランコ・ジャポネの子供たちが城東小学校と明正小学校の校舎で学び、両校の子供たちとさまざまな交流を図っておりました。交流により、子供たちはお互いのよさを認め、協力する心や外国に目を向けて広く学ぼうとする意欲が育まれたところであります。現在、明正小学校においては、リセ・フランコから学園名を変更した東京国際フランス学園の子供たちの体験入学及び共同学習を実施しており、リセ・フランコとの交流で生まれた効果は現在も受け継がれております。また、中学校においては、姉妹都市であるオーストラリア、サザランド市での海外体験学習や、同市中学生の区内全中学校への体験入学を実施するなどの交流を行っております。交流の効果としては、海外体験学習経験者は国際的な視野を持てる豊かな人間性が育まれるとともに、体験入学を受け入れる生徒たちは、おもてなしの心と語学能力やコミュニケーション能力が育まれております。リセ・フランコ・ジャポネとの交流の例からも、中央区の子供たちがインターナショナルスクールの子供たちと交流することは、国際性を育む上ですぐれた効果があるものと認識しておりますが、具体的にインターナショナルスクールを誘致することにつきましては、さまざまなハードルがあり、当面予定はないところでございます。教育委員会としては、国際教育を推進する上で、区外のインターナショナルスクールとの交流を含め、外国の子供たちと中央区の子供たちが交流できる機会の創出について検討してまいりたいと存じます。

 答弁は以上です。

     〔十八番 渡部恵子議員登壇〕

○十八番(渡部恵子議員)
 区長、教育長、前向きな御答弁をいただきまして、どうもありがとうございます。

 人口問題については、本当に学べば学ぶほどといいますか、不都合な真実を突きつけられているようで、非常に私自身は危機感を感じています。都心ならではの現象として、今後、東京五輪に向けて、約六万人の働き手が地方から流入してくるということも言われておりますので、やはり都心に若い世代が入ってくるのであれば、責任を持って、ここで安心して産んで子育てができる環境を整えていくということが都心中央区の使命ではないかという視点でお伺いいたしました。

 実際、少子化対策を、今、徹底的に講じたとしても、具体的な数値となってあらわれてくるのは大体三十年ぐらいたった後だというふうに言われています。しかし、確実に申し上げることができるのは、今対策をとれば、必ず二十年後、三十年後に国家利益となって返ってくるということが言えます。今後も、中央区は子育て支援にすごく手厚いんですが、その環境を整えて、皆さんが安心して働いて、そしてお子さんを預けていける環境をおつくりいただきたいと願っております。

 そして、高齢者対策につきましても、これから高齢者人口が、特に団塊世代の方々が七十五歳を迎えるのは十年後ということで、高齢者全体のQOLということがもちろん大切でありますが、団塊の世代の方々が介護に至らないような対策を今から講じていく視点が必要だと思いまして、質問させていただきました。

 本区は、高齢者に対しても非常に手厚いんですけれども、現在、約五百三十万人もの方が何らかの介護に従事しているという、大介護時代というふうに言われております。介護保険が適用できないような世代の方々が介護を受けているという実態もありますし、介護を受けなくても、いずれみとりという問題も出てくる中で、そうした人材確保ということにさらにお取り組みいただきたいというふうに願っております。

 教育についてなんですが、教育の中央区ということで教育にさまざま手厚いということも十分理解した上での御質問をさせていただきました。理数教育や国際教育ということを特に取り上げた次第ですが、子供たちに本物に触れ合うという体験をたくさんしていただきたいという願いを込めて質問させていただきました。

 子供たちが五感を通して経験したことは、必ず未来へつなげていけるものだと思います。このたび、国家戦略特別区域を定める政令が平成二十六年五月一日に公布、施行され、本区が国家戦略特別区域に指定されました。これによれば、目標は二○二○年の東京オリンピック・パラリンピックも視野に、世界で一番ビジネスのしやすい環境を整え、世界から資金、人材、企業などを集める国際ビジネス拠点を創設するというふうにされております。本区は、日本橋創薬ビジネスプラットホームとして、創薬のメッカをこの地域に集める特区に指定されました。これを踏まえるならば、パイロット校だけでなく、中央区の子供たちにより一層理数教育の底上げを図る必要があると考え、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校の先駆的な授業を取り上げました。

 生徒たちは、自分の思考のプロセスを実は英語で発表しています。また、STAP細胞で世の中に知られた実験ノートもつけています。サイエンスリテラシーを徹底的に身につける授業が行われている学校です。今後、日本橋エリアで創薬の研究機関の創立も始まっていくならば、中央区の理数教育で育った子供たちが、やがて日本橋の研究所で研究者として活躍していけるような理数教育を行っていただきたいと考えて質問させていただきました。

 インターナショナルスクールについてですが、国家戦略特区が目指す方向性と本区の今後の特区としてのあり方からも、海外からの研究者たちを迎える下地をつくっていくことを考えるときが来ているのかもしれないということから、パイロット校だけでなく、中央区で学ぶ全子供たちのより一層の国際人教育を考えるという大きな視点も、この際必要ではないかと考え、質問させていただきました。

 これから国際戦略特区としても、急速にこの中央区は変わっていくことでしょう。この流れに乗りおくれず、むしろこの流れに乗って、未来で活躍していく全人教育を教育の中央区として今以上にお取り組みいただきたいと願っております。

 築地新市場についてですが、ここを成功するにはプロの買い出し人に足しげく通っていただける新市場となっていくことだということを仲卸の皆さんたちから聞いております。

 先週、二十一日土曜日に出店が決まった皆さんの第一回の説明会が開催されましたが、出店する仲卸の方々はプロの買い出し人が本当に来てくれるかということを一番気にしています。豊洲への移転費用もかかる中で、築地新市場に期待し、ここにも投資をするわけです。プロが来ないかもしれないという不安は、出店していく気持ちを冷え込ませてしまいます。通路二・五メートル確保されているのは私もよくわかっておりますし、ターレットが二台双方通行できるかどうかも計測しに行ったんですが、一部、設計上、この通路が確保できずに、出店するエリアがあります。この方たちの充電場所もそうですし、また、ターレットをどこに置けばいいのかとなると、どうしても路上駐車せざるを得なくなってしまうのかなという問題が出てきたので、それを踏まえた上での御質問をさせていただきましたが、今の段階で一定の方向性を区から示していただくことによって、出店が決まった人たちのより一層のやる気がかき出されていくはずです。ですから、このタイミングで御質問させていただきました。

 オリンピックについてですが、国家戦略特区の機会もあるので、区が都と国と協議し合いながら、付加価値の継続を検討しながら、一粒で二度、三度おいしいというものを構築していっていただきたいと思っております。予算の審議のときにも触れましたが、ソウルオリンピックの付加価値となったものは、ここにダイヤルすれば、どんな言語も訳してくれるという観光センターでした。五十年前の東京オリンピックでも新幹線がもたらした付加価値は現在も続いていますし、長野オリンピックでも同様です。この機に、未来の中央区にサステナブルで環境に配慮し、付加価値を生み出す施策を今後も検討していっていただきたいと思います。

 五輪開催中の区民のセキュリティーについてなんですが、私がイギリスに転勤したとき、ちょうど一九九一年でしたが、当時、余りにも日本人の駐在員が窃盗事件に巻き込まれるということから、イギリスの警視庁であるスコットランドヤードが特別に企業ごとに犯罪について説明会を行っていました。ブラジルのワールドカップでも、早速日本人のサポーターが、服についた汚れを指摘されている間にチケットやカメラ、お金が入っているかばんを盗まれたという報道がありました。外国人のこうした、人をだまして物をとる犯罪は、日本人の親切心や人のよさを利用する犯罪です。例えば、ファストフードで食事中、小銭をあえてばらばら落としたので、親切にもその小銭を拾ってあげるうちに、いつの間にか自分のかばんがとられていたというケースもあります。また、地下鉄内では、人に囲まれている間に、知らない間にお財布をすられたり、中には、かばんを切られて中からお財布をとられた、またホテルを出たとき、わずか十分もしないうちに、日本人の男性はズボンの後ろのポケットにお財布を入れていることが多いので、あっという間にすられてしまったというような調子で、日本人が想定しないような物取りというのが外国では普通に行われています。

 ぜひ区民の方々に、ケーススタディー、こういうような犯罪があるとか、車に物を置いておくと車上荒らしに遭ってしまうとか、そういうケーススタディーをしっかり区民の方たちに講じていただいて、中央区は鍵をかけないで安心して暮らしていらっしゃるという方たちもとても多い環境にありますので、このような犯罪に巻き込まれないような対策をしっかり講じていっていただきたいというふうにお願いして、今回の質問を終わらせていただきます。

 御清聴いただきまして、どうもありがとうございました。(拍手)

○議長(原田賢一議員)
 以上をもって一般質問を終わります。


○議長(原田賢一議員)
 次に、日程第二を議題といたします。

     〔田野議会局長朗読〕


日程第二

 議案第二十六号 平成二十六年度中央区一般会計補正予算


○議長(原田賢一議員)
 提案者の説明を願います。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま上程されました議案第二十六号、平成二十六年度本区一般会計補正予算につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 今回の補正は、一般会計を一億六千百二十四万四千円増額するものであり、補正後の予算額は、八百三十二億五千六百七十五万八千円となるものであります。

 それでは、概要について御説明申し上げます。

 歳入につきましては、前年度からの繰越金一億六千百二十四万四千円の計上です。

 次に、歳出についてですが、内容は全て「インフレスライド条項の適用」に伴う工事費の増額に要する経費であります。

 地域振興費は、十思スクエア内の公設浴場の整備四百三十一万一千円の計上です。

 民生費は、特別養護老人ホーム等マイホームはるみ及び晴海保育園の改修一千七百八十九万三千円、(仮称)十思スクエア地域密着型特別養護老人ホーム等の整備二千八百八十四万五千円、新川児童館の改築一千八百六十一万二千円、合わせて六千五百三十五万円の計上です。

 教育費は、明正小学校及び明正幼稚園の改築七千九百三十四万四千円、晴海中学校の改修一千二百二十三万九千円、合わせて九千百五十八万三千円の計上です。

 以上、平成二十六年度本区一般会計補正予算の概要について御説明申し上げました。

 よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について、動議を提出いたします。

 ただいま上程されております議案第二十六号は、企画総務委員会に付託されるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。


○議長(原田賢一議員)
 次に、日程第三から日程第二十五までを一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第三から日程第二十五までを一括して議題といたします。

     〔田野議会局長朗読〕


日程第三

 議案第二十七号 中央区職員の配偶者同行休業に関する条例

日程第四

 議案第二十八号 中央区特別区税条例の一部を改正する条例

日程第五

 議案第三十六号 築地場外市場地区先行営業施設(仮称)建設工事(建築工事)請負契約

日程第六

 議案第三十七号 築地場外市場地区先行営業施設(仮称)建設工事(機械設備工事)請負契約

日程第七

 議案第三十八号 築地場外市場地区先行営業施設(仮称)建設工事(電気設備工事)請負契約

日程第八

 議案第三十九号 中央区立久松小学校及び中央区立久松幼稚園増築工事(建築工事)請負契約

日程第九

 議案第四十号 中央区立久松小学校及び中央区立久松幼稚園増築工事(機械設備工事)請負契約

日程第十

 議案第四十一号 中央区立久松小学校及び中央区立久松幼稚園増築工事(電気設備工事)請負契約

日程第十一

 議案第四十二号 中央区立豊海小学校及び中央区立豊海幼稚園改築工事(建築工事)請負契約

日程第十二

 議案第四十三号 中央区立豊海小学校及び中央区立豊海幼稚園改築工事(機械設備工事)請負契約

日程第十三

 議案第四十四号 中央区立豊海小学校及び中央区立豊海幼稚園改築工事(電気設備工事)請負契約

日程第十四

 議案第四十五号 歩行者専用橋整備工事(下部工及び上部工)請負契約

日程第十五

 議案第四十六号 新島橋架替工事(第三期)請負契約

日程第十六

 議案第四十七号 中央区立特別養護老人ホームマイホームはるみ等複合施設大規模改修工事(建築工事)請負契約の一部変更について

日程第十七

 議案第四十八号 中央区立特別養護老人ホームマイホームはるみ等複合施設大規模改修工事(機械設備工事)請負契約の一部変更について

日程第十八

 議案第四十九号 中央区立特別養護老人ホームマイホームはるみ等複合施設大規模改修工事(電気設備工事)請負契約の一部変更について

日程第十九

 議案第五十号 中央区立十思スクエア地域密着型特別養護老人ホーム(仮称)等複合施設建設工事(建築工事)請負契約の一部変更について

日程第二十

 議案第五十一号 中央区立十思スクエア地域密着型特別養護老人ホーム(仮称)等複合施設建設工事(機械設備工事)請負契約の一部変更について

日程第二十一

 議案第五十二号 中央区立十思スクエア地域密着型特別養護老人ホーム(仮称)等複合施設建設工事(電気設備工事)請負契約の一部変更について

日程第二十二

 議案第五十三号 中央区立明正小学校等複合施設改築工事(建築工事)請負契約の一部変更について

日程第二十三

 議案第五十四号 中央区立明正小学校等複合施設改築工事(機械設備工事)請負契約の一部変更について

日程第二十四

 議案第五十五号 中央区立明正小学校等複合施設改築工事(電気設備工事)請負契約の一部変更について

日程第二十五

 議案第五十六号 新たに生じた土地の確認について


○議長(原田賢一議員)
 提案者の説明を願います。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第二十七号、議案第二十八号及び議案第三十六号から議案第五十六号までにつきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第二十七号、中央区職員の配偶者同行休業に関する条例であります。

 本案は、「地方公務員法の一部を改正する法律」の施行により創設された配偶者同行休業に関し、必要な事項を定めるほか、規定を整備するものであります。

 次に、議案第二十八号、中央区特別区税条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、「地方税法等の一部を改正する法律」の施行等に伴い、軽自動車税の税率の改定等をするほか、規定を整備するものであります。

 次に、議案第三十六号から議案第四十六号までの工事請負契約であります。

 これらの契約につきましては、厳正に入開札を執行いたしましたところ、議案第三十六号から議案第三十八号までの築地場外市場地区先行営業施設(仮称)建設工事につきましては、建築工事は関東・新星・ティーディーイー建設共同企業体に、機械設備工事は三冷・荏原実業建設共同企業体に、電気設備工事は三光・積田建設共同企業体に、議案第三十九号から議案第四十一号までの中央区立久松小学校及び中央区立久松幼稚園増築工事につきましては、建築工事は坪井・萬世・月島建設共同企業体に、機械設備工事はオーク・東京美化建設共同企業体に、電気設備工事は川瀬・弘電建設共同企業体に、議案第四十二号から議案第四十四号までの中央区立豊海小学校及び中央区立豊海幼稚園改築工事につきましては、建築工事は松井・坪井・クリスタルジャパン建設共同企業体に、機械設備工事はエルゴ・日新建設共同企業体に、電気設備工事は中央電設・丸電工業建設共同企業体に、議案第四十五号の歩行者専用橋整備工事に係る下部工及び上部工請負契約につきましては、三井住友・古川建設共同企業体に、議案第四十六号の新島橋架替工事(第三期)請負契約につきましては、北野・坪井建設共同企業体に落札いたしましたので、それぞれ仮契約を締結したところであります。本契約につきましては、本区条例の規定に基づき、議会の議決を必要といたしますので、これらの案を提出したものであります。

 次に、議案第四十七号から議案第五十五号までの請負契約の一部変更であります。

 議案第四十七号から議案第四十九号までの中央区立特別養護老人ホームマイホームはるみ等複合施設大規模改修工事に係る建築工事、機械設備工事及び電気設備工事の請負契約につきましては、平成二十四年七月に御決定をいただき、議案第五十号から議案第五十二号までの中央区立十思スクエア地域密着型特別養護老人ホーム(仮称)等複合施設建設工事に係る建築工事、機械設備工事及び電気設備工事並びに議案第五十三号から議案第五十五号までの中央区立明正小学校等複合施設改築工事に係る建築工事、機械設備工事及び電気設備工事の請負契約につきましては、平成二十四年十月に御決定をいただいたところでありますが、いずれも賃金等の著しい変動に対処するためのインフレスライド条項の適用に伴い、契約金額の変更が必要となりましたので、これらの案を提出したものであります。

 最後に、議案第五十六号、新たに生じた土地の確認についてであります。

 本案は、公有水面の埋立地を区の区域内に新たに生じた土地として確認するため、「地方自治法」の規定に基づき提出したものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(原田賢一議員)
 ただいま上程されました議案第二十七号、議案第二十八号及び議案第三十六号から議案第五十六号は、企画総務委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案については、企画総務委員会へ付託いたします。


○議長(原田賢一議員)
 次に、日程第二十六及び日程第二十七を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第二十六及び日程第二十七を一括して議題といたします。

     〔田野議会局長朗読〕


日程第二十六

 議案第三十四号 中央区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例

日程第二十七

 議案第三十五号 中央区立学校設備使用料条例の一部を改正する条例


○議長(原田賢一議員)
 提案者の説明を願います。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第三十四号及び議案第三十五号につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第三十四号、中央区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、「都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例」の施行により改定された都立学校の学校医等に係る公務災害補償の補償基礎額に準じ、区立小学校及び中学校の学校医等に係る公務災害補償の補償基礎額を改定するものであります。

 次に、議案第三十五号、中央区立学校設備使用料条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、区立明正小学校の改築に伴い、同校のスポーツ利用に係る屋内体育館の使用料の限度額を定めるものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(原田賢一議員)
 ただいま上程されました議案第三十四号及び議案第三十五号は、区民文教委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案については、区民文教委員会へ付託いたします。


○議長(原田賢一議員)
 次に、日程第二十八及び日程第二十九を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第二十八及び日程第二十九を一括して議題といたします。

     〔田野議会局長朗読〕


日程第二十八

 議案第二十九号 中央区立福祉センター条例の一部を改正する条例

日程第二十九

 議案第三十号 中央区子どもの医療費の助成に関する条例等の一部を改正する条例


○議長(原田賢一議員)
 提案者の説明を願います。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第二十九号及び議案第三十号につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第二十九号、中央区立福祉センター条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、区立福祉センターの事業に基幹相談支援センターに関することを加えるとともに、当該事業に係る利用時間を定めるものであります。

 次に、議案第三十号、中央区子どもの医療費の助成に関する条例等の一部を改正する条例であります。

 本案は、第三者の行為によって生じた負傷等に係る医療費の助成を受けた者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を区に譲渡すること等とするものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(原田賢一議員)
 ただいま上程されました議案第二十九号及び議案第三十号は、福祉保健委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員) 御異議なしと認めます。よって、本議案については、福祉保健委員会へ付託いたします。


○議長(原田賢一議員)
 次に、日程第三十から日程第三十四までを一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第三十から日程第三十四までを一括して議題といたします。

     〔田野議会局長朗読〕


日程第三十

 議案第三十一号 中央区立公衆便所条例の一部を改正する条例

日程第三十一

 議案第三十二号 中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例

日程第三十二

 議案第三十三号 中央区営住宅条例の一部を改正する条例

日程第三十三

 議案第五十七号 町の区域の変更について

日程第三十四

 議案第五十八号 特別区道の路線の廃止について


○議長(原田賢一議員)
 提案者の説明を願います。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第三十一号から議案第三十三号まで、議案第五十七号及び議案第五十八号につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第三十一号、中央区立公衆便所条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、区立門跡橋西公衆便所及び区立豊海運動公園内公衆便所を廃止するものであります。

 次に、議案第三十二号、中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、「東京都市計画晴海地区地区計画」の区域内に新たな地区整備計画が追加されたことに伴い、当該区域内における建築物の用途等に関する制限を定めるほか、規定を整備するものであります。

 次に、議案第三十三号、中央区営住宅条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、「中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律」の施行に伴い、規定を整備するものであります。

 次に、議案第五十七号、町の区域の変更についてであります。

 本案は、公有水面の埋め立てにより新たに生じた土地の確認に伴い、町の区域の明確化を図る必要があるため、「地方自治法」の規定に基づき提出したものであります。

 最後に、議案第五十八号、特別区道の路線の廃止についてであります。

 本案は、「日本橋室町三丁目地区第一種市街地再開発事業」の施行に伴い、区道の路線を廃止するため、「道路法」の規定に基づき提出したものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(原田賢一議員)
 ただいま上程されました議案第三十一号から議案第三十三号、議案第五十七号及び議案第五十八号は、環境建設委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案については、環境建設委員会へ付託いたします。


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、ただいま常任委員会に付託されました議案の審査の関係もありますので、明二十四日を休会とし、明後二十五日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十四日を休会とし、明後二十五日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

午後六時三十八分 散会


署名議員
議長 原田 賢一
議員 河井 志帆
議員 石田 英朗

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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