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平成26年第三回定例会会議録(第2日 9月22日)

1.会期

二十八日(第二日)

九月二十二日(月曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後六時二十三分散会

3.出席議員

(二十九名)

一番 加藤 博司議員

二番 青木 かの議員

三番 瓜生 正高議員

四番 染谷 眞人議員

五番 富永  一議員

六番 山本 理恵議員

七番 河井 志帆議員

九番 奥村 暁子議員

十番 小栗 智恵子議員

十一番 田中 耕太郎議員

十二番 増渕 一孝議員

十三番 木村 克一議員

十四番 石田 英朗議員

十五番 中嶋 ひろあき議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 墨谷 浩一議員

十八番 渡部 恵子議員

十九番 志村 孝美議員

二十番 高橋 伸治議員

二十一番 原田 賢一議員

二十二番 鈴木 久雄議員

二十三番 礒野  忠議員

二十四番 今野 弘美議員

二十五番 押田 まり子議員

二十六番 植原 恭子議員

二十七番 田中 広一議員

二十八番 中島 賢治議員

二十九番 渡部 博年議員

三十番 守本  利雄議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君

副区長 小泉 典久君

副区長 吉田 不曇君

教育長 齊藤 進君

企画部長 田中武君

総務部長 島田 勝敏君

防災危機管理室長 中島 佳久君

区民部長 新治満君

福祉保健部長 平林 治樹君

高齢者施策推進室長 長嶋 育夫君

保健所長 和田 哲明君

環境土木部長 宮本 恭介君

都市整備部長 田村 嘉一君

会計管理者 平沢 康裕君

教育委員会事務局次長 坂田 直昭君

監査事務局長 有賀 重光君

企画部参事(企画財政課長事務取扱) 黒川眞君

広報課長 園田 典子君

総務課長 古田島 幹雄君

5.議会局出席職員

議会局長 田野 則雄君

庶務係長 小暮 万里子君

議事係長 荻原 雅彦君

調査係長 東 雅之君

書記 渡邊 千可雄君

6.議事日程

日程第一
一般質問


午後二時 開議

○副議長(中島賢治議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○副議長(中島賢治議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 十六番堀田弥生議員。

     〔十六番 堀田弥生議員登壇〕

○十六番(堀田弥生議員)
 中央区議会公明党の堀田弥生でございます。私は、平成二十六年第三回中央区議会定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、さきに提出いたしました通告書に従い、質問をさせていただきます。矢田区長並びに関係理事者の皆様におかれましては、どうか区民の立場に立たれ、わかりやすく建設的な御答弁をお願い申し上げます。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 日本の人口は、二○○八年の一億二千八百八万人をピークに、減少の一途をたどると予測されています。本年五月に日本創成会議人口減少問題検討分科会が、二○四○年には全国の自治体の約半数が消滅の危機に直面する可能性があるとの衝撃的な試算を発表したことは、多くの方の記憶にも新しいところだと思います。

 その理由の一つとして挙げられているのが、東京一極集中です。地方では人口減少に歯どめがかからない一方、東京、それも都心部を中心に人口は着実に増加しており、その中でも我が中央区の人口は、本年九月一日現在十三万六千八百六十二人と、最も少なかった平成八年の七万二千二十一人と比べると一・九倍にも増加しています。この人口増加は、転入超過によるところが大きく、転入した方の多くが三十代から四十代の子育て世帯であることは明らかですが、国勢調査結果から年齢別に詳しく人口移動を見ていくと、ちょうど団塊の世代の前期高齢者に当たる世帯も多く転入していることがわかります。これは、同じ都心区である港区、千代田区よりも特徴的であり、中央区は高齢者にとって暮らしやすいまちと言えるとの報告もなされております。

 高齢者世帯がふえたといっても、本区における高齢化率は、本年一六・三%、平成四十年でも一六・一%と予測されており、当面、高齢化率が課題に上がることはなさそうです。しかし、日本全体では高齢化率二五%を既に超え、超高齢社会に突入しており、国は団塊の世代の方が要介護認定率が高くなる後期高齢者に到達する二○二五年に向けて、地域包括ケアシステムを構築し、たとえ介護が必要な状態となっても、住みなれた地域で自分らしい暮らしを全うできるよう取り組みを進めています。

 この地域包括ケアシステムは、高齢者・介護施策という位置づけですが、地域で見守るという観点からすれば、高齢者だけの仕組みではなく、障害者や子供など地域での支援が必要な人を総合的にサポートしていく支え合いと共生の社会の仕組みだとも言えるのではないでしょうか。特に、本区においては、今はお元気でも十年後には介護ニーズが高まる前期高齢者世帯、障害のある方、そして子育て世帯、いずれの層も年々ふえており、これらの支援の手を必要とする方たちを分け隔てなく地域で見守る体制をつくることが重要だと考えます。

 このような思いから、地域で見守るという大きな角度で高齢者、障害者、そして子供への施策について順次お伺いいたします。

 まず、介護施策としての地域包括ケアシステムについてお伺いいたします。

 地域包括ケアシステムは、住みなれた地域として、おおむね三十分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域を想定しています。この三十分とは、具体的には中学校区の範囲を指しており、本区においては、既にこの範囲でおとしより相談センターが設置されています。先日、日本橋おとしより相談センターに隣接するケアサポートセンター十思がオープンし、視察もさせていただきましたが、大変すばらしいと思いましたし、今後の本区の介護施策におきましても、ますます充実されるものと考えます。

 また、国からは、医療と介護の連携をもとに、多職種の連携や地域ケア会議の実施などが提唱されていますが、これらも本区におきましては既に設置しておられ、特に多職種の連携の先駆けとして、どの自治体よりも早く在宅療養支援協議会を設置するなど、先進的に取り組んでおられることは評価に値するものだと思います。

 そこで、まず初めに、これまで取り組んでこられたこれらの高齢者・介護施策における現状と課題をお伺いいたします。

 次に、このようにさまざま取り組まれる中で、地域包括ケアシステムを構築する上で行政が目指すべき介護のあり方についてお伺いいたします。

 平成二十六年三月現在の本区における要介護認定率は一八・八%で、全国ほとんどの自治体は同様の数値にありますが、これを大きく下回り、一○%前後を維持している自治体があります。埼玉県和光市です。

 私は、本年五月、勉強会で和光市の取り組みを伺いましたが、そのほかにも介護関係のテレビ番組や各地での研修、講演などを通じ、その取り組みは広く知られつつあり、全国の自治体から視察、問い合わせが引きも切らないほどです。和光市の要介護認定率が低いのには、当然理由があります。認定基準が厳しいのかといえば、決してそうではありません。認定率が低い理由は、市民の間に要介護認定を外れることはハッピーなことだという意識が浸透しているからだというのです。その象徴的なものとして、和光市内のデイサービスでは、毎月恒例になっている、あるイベントが挙げられます。それは、介護からの卒業式、介護サービスを使う状態から卒業した方へ卒業証書をお渡しし、自力で生活しようという人たちを支援するのです。毎年、何と要支援一・二の方のうち、およそ四割の人が卒業して、自立への復帰を果たしているとのことです。

 私は、この取り組みを知ったとき、大変大きな衝撃を受けました。これまで私は、介護予防に力を入れ、健康寿命を延ばそうということは理解し、評価してまいりました。これは、とても大切なことだと思います。しかし、和光市では、さらに一歩進んで、介護予防に力を入れ、たとえ要支援・要介護状態になったとしても、改善が見込まれる方はそこから卒業しようというのです。この取り組みを知ったとき、そういうことが可能なのかという疑問を抱く以前に、そのように考えたこともなかった自分を恥ずかしくさえ思いました。

 確かに、介護保険法第四条には、国民の努力義務として、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーション、福祉サービスを利用し、その有する能力の維持向上に努めるとあります。この精神を最高最大に引き上げた結果、市民の方も要介護認定を外れることはハッピーなことだという意識を持つようになり、介護からの卒業式に結実したのだと思います。

 そのために和光市が徹底して取り組んだことは、市民との対話です。老人クラブや民生委員、町会、マンション自治会などに出向いて、出前講座で介護保険制度の説明を行い、国民の権利だけでなく努力義務もきちんとお話ししたそうです。当然、すぐに理解を得られたわけではなく、何度もやりとりが必要だったようですが、粘り強く取り組んでいかれたそうです。

 ここで大切なことは、継続的な支援が必要な方には変わらず十分なサービスを受けていただくということです。あわせて重要となるのは、皆さんに、健康であること、自立した生活を営めることへのよい意味での執着を持っていただくことです。例えば、和光市のケアマネジャーは、病気で介護が必要となってしまった方と話す中で、今は病気で足腰が弱くなってしまって隣町のお友達と電話しかできないけど、一年後には元気になって、お友達に会いに行けるようになったらいいですねと励まし、具体的な目標を持たせてあげるのだそうです。こうして目標、生きがいや張り合いを持つことができた方は、進んで筋トレに取り組まれ、結果、介護から卒業していかれるのです。この方も、お友達とまた元気に会えるようになり、本当にうれしかっただろうと思います。

 健康であるということは、誰しもが願うところです。また、本区内でも、昨年入居が始まった小規模特養施設においては、入居者に対し、同様の考え方で介護してくださっており、既に介護度が四から二に下がった入居者もおられると伺っております。以前できたことができなくなり、要介護となった方が、その後、努力をして、少しでも自分の力でできることがふえてくるということは、御本人や御家族にとってはとてもうれしいことだと思います。ただ、多くの場合、介護を必要とする状態となったとき、介護保険料を支払っている身としては、えてしてより多くのサービスを受けられるほうが得だと考え、そのために介護度が上がることを望まれる方が少なくないのも事実だと思います。

 しかしながら、長い寿命を考えたとき、少しでも健康でいられる時間を延ばすことは、結局は要介護者御本人のQOL、生活の質が向上するということであり、今後の介護のあり方、支援のあり方としては、この方向に進めていけるよう、さらに工夫をしていくべきではないかと考えます。また、行政として取り組むその根底には、介護保険を持続可能な制度としていくためとの目的があり、これは区民の皆様の大切な税金を預かる立場として忘れてはならないポイントだと思います。

 そこで、お尋ねいたします。

 本区としては、今後の介護施策の展開の中で、介護のあり方をどのようにお考えでしょうか、区長のお考えをお聞かせください。

 次に、単身高齢者の見守りについてお伺いいたします。

 地域包括ケアシステム構築に当たり、在宅での介護の需要が増すことが想定されるわけですが、その前提にあるのは御家族との同居です。しかし、本区では高齢者のいる世帯に占める単身世帯の割合は既に三八・七%で、今後もさらにふえると予想されます。また、今は御夫婦で元気にお暮らしの場合でも、将来どちらかが先にお亡くなりになることが多いので、残された方は単身者となります。どんどん単身高齢者がふえる中、特に介護保険の未利用者、つまり自立している方は、逆に、余り介護保険の制度やサービス内容などについて情報を持ち合わせておられないと感じております。

 日ごろ、私もさまざまな御相談をお受けする中で、介護保険サービスについての御質問が多いと感じております。今後の地域包括ケアシステムを構築する上で、このような方々にしっかりと本区の介護サービスという地域資源についてお知らせすることが必要ではないかと考えます。

 本区では、早くから単身高齢者の見守りの必要性を認識され、例えば高齢者クラブのメンバーによる声かけや社会福祉協議会の事業であるふれあい福祉委員会のさまざまな活動を支援してこられました。また、介護保険課の管轄としては、おとしより相談センターを核とする地域見守りネットワーク構築の一環として、高齢者等地域見守り活動を推進しておられます。

 そこで、お尋ねいたします。

 見守りという活動は大変重要だと思いますし、それぞれの活動団体の皆様の御活躍には頭が下がる思いでおります。区内におきましては、この見守り、特に単身者の見守り活動のネットワークをさらに広げていただきながら、介護保険未利用者など、今後介護が必要となる方に必要な介護サービスをお知らせする活動も進めていただきたいと思いますが、区の御見解をお願いします。

 次に、認知症への理解とかかわり方の周知についてお尋ねいたします。

 高齢者の行方不明や高速道路の逆行など、認知症の方に絡む事故、ニュースに接することがふえています。中でも、鉄道事故でお亡くなりになった認知症の方を在宅で見ていた家族に対し下された判決内容は、信じがたいものでした。

 二○○七年十二月、愛知県に住んでいた九十一歳の認知症の男性が鉄道の線路に入り込み、快速電車にはねられ、お亡くなりになりました。鉄道会社は、家族に対し、あろうことか、看護義務を怠ったと損害賠償請求を起こしたのです。そして、本年四月に出た二審判決で、男性の当時八十五歳であった妻に対し三百六十万円の支払いが命じられました。男性の長男は、月に数度、横浜から愛知県の老親のもとへ帰り、その嫁は夫の実家のもとに転居しておられます。自宅周辺にはセンサーを設置し、男性が外出するとチャイムが鳴るようにしていたそうです。ところが、嫁が家事をし、妻が恐らく介護疲れでうとうとしてしまったすきに男性が外出し、事故となってしまったのです。今回の判決は、老親を在宅で介護している人には、何か起こったら賠償責任が生じ、介護を施設に任せていれば、その責任を回避できるとでも言えそうな内容です。

 二○一三年現在、認知症の患者は全国で約四百六十万人、実に高齢者全体の一五%以上を占めています。今後も認知症の方を在宅で介護する家族はふえていきますから、その人たちが認知症の看護責任を負うとなると大変なことになります。ただでさえ、認知症の方、それも徘回する方を介護するのは、接し方が難しいだけに、身体の介護をする以上に疲れを感じます。今回の判決では、家族はずっと監視していなければならない、居眠りも許されないとなり、家族の負担は半端ではありません。

 認知症は、ある意味、人間の長寿命化に伴って表面化、問題化してきた症状であり、医学的解明もかなり進んできたとはいえ、まだまだ今後の進展を待たねばならないという状況です。認知症対策として、国は、認知症になっても住みなれた地域で暮らせるよう、早期発見・早期治療により進行をおくらせる初期集中支援チーム体制の確立を目指しています。症状に効くよい薬も開発されてきており、認知症を進行させないために、とても重要なことだと思います。

 その一方で、認知症がかなり進んでいる方に対しての新しい技法として最近注目されているのが、ユマニチュードです。先日、テレビ番組でも紹介され、私の周りでも大きな反響を呼んでいます。

 ユマニチュードとは、フランスで三十五年以上の歴史を持つ、高齢者、とりわけ認知症の方にも大変有効なケア技法のことで、ヨーロッパ最古の大学の一つであるポルトガルのコインブラ大学看護学部の正式カリキュラムに本年採用され、また国立病院機構東京医療センターでもユマニチュード研修の準備を進めているそうです。身体的機能が低下して介護を必要とする状況になったとしても、最期まで尊厳を持って暮らせるよう、ケアを行う人々がケアの対象者に、あなたのことを私は大切に思っていますというメッセージを常に発信するという技法です。具体的には、認知症の方に、見る、話す、触れる、立つという行為をとる際のごく簡単な技法なのですが、この技法でケアされると、日ごろは攻撃的だったり徘回したりする方が穏やかになるのです。

 番組では、このユマニチュードを開発したフランス人が日本の介護施設を訪れ、初対面の認知症のお年寄りに近づき、ケアしていきます。当然、言葉も通じないのに、見る間にお年寄りの表情が豊かになっていくのがわかります。途中から笑顔を見せるようになったお年寄りの後ろには、施設の担当職員の方でしょう。涙を流しておられる姿が映っていました。認知症の方とのかかわりは本当に難しく、それが家族であれ、施設の職員であれ、どうしてわかってくれないのだろうと怒り、悲しみ、そのうち、自分の気持ちが通じないことに諦めとつらい思いを抱くことが多いと思います。テレビに映った施設職員の方も、きっと一生懸命お世話をしてこられ、でも、思いを通わせることができずに、悩み、困っておられたのでしょう。目の前でユマニチュードのケアを受けた方が、あっという間に人間らしさを取り戻し、笑顔となったその姿を見て、職員の方の心には、この方とも気持ちを通じさせることはできるんだ、また頑張れるとの思いが込み上げてきて、あの涙になったのではないかと、私は見ていて感じました。

 ユマニチュードについては、今後、国においても検証されていくのではないかと思いますが、本区としても、認知症はかかわり方を変えれば状態も改善するという事実を、まずは介護に携わる施設職員やヘルパー、ケアマネジャー、そして御家族に対し広くお知らせいただきたいと思います。

 また、認知症に対する偏見を捨てる、そのための一般の方への教育や啓蒙も必要です。本区では、認知症サポーターの養成についても力を入れてきておられ、評価したいと思います。今後もふえていく認知症への対策として、早期発見など、制度としてつくるべきことは着実に整えていただきながら、ソフト面での先進的な取り組みもお願いしたいと思います。

 そこで、お伺いいたします。

 今後もふえ続けるであろう認知症患者への理解とかかわり方の周知についてどのようにお考えでしょうか、区の御見解をお聞かせください。

 次に、今後の在宅介護の増加を鑑み、レスパイト事業の必要性、事業の拡充についてお尋ねいたします。

 本区の高齢化率は、今後もそれほど高くなるとは想定されていませんが、医療、介護の需要を決めるのは高齢化率ではなく、高齢者人口の絶対数、しかも要介護率が一気にはね上がる後期高齢者の人数です。本区への団塊の世代の方の転入がふえているということは、十年後には後期高齢者がふえるということであり、今はまだお元気で現役並みに働いておられる方やリタイア後の生活を都心で楽しんでおられる方が、介護が必要となる可能性が高くなるということなのです。介護予防に力を入れ、要介護者とならないような取り組みが重要なのは、さきにお訴えしたとおりですが、それでも介護ニーズは減らないと思います。

 現在でも介護施設の待機者が多くいらっしゃるのに、今後、絶対数がさらにふえていくことを思うと、介護の場は必然的に自宅とならざるを得ません。在宅での介護となると、効率的に介護サービスを御利用になっていたとしても、介護者の身体的・精神的負担はそれ相応に重いものとなります。今後の在宅介護の増加に伴う介護者の増加を考えると、介護の負担を減らすレスパイト事業は、地域包括ケアシステムを構築する上で最も充実させていくべき事業であると考えます。事実、本年三月にまとめられた中央区高齢者の生活実態等調査及び介護サービス利用状況等調査報告書を拝見いたしますと、「これから区が力を入れていくべき高齢者施策は」との問いに、一番多かった回答が「家族の介護負担を軽減するための施策の充実」でした。

 介護負担を軽減する施策としては、介護者の交流会や講習会などがあり、本区では既に開催されているところです。私も、参加した方から御感想を伺ったことがありますが、このような情報を得られる場というのは、当事者にとっては本当にありがたく、心強い集いであるようです。そう思うと、開催回数をもっとふやしてもよいぐらいではないでしょうか。

 また、介護負担を軽減するという意味で最も実効性のあるレスパイト事業は、施設でのショートステイだと思います。本区でも非常に利用者が多く、待機者までいらっしゃると伺っており、何より介護者から必要とされている事業であると認識しております。また、まだ在宅介護を経験していない方々からも、ショートステイが充実していれば、今後、在宅介護となっても頑張れそうという御意見をいただいたこともあります。

 そこで、お伺いいたします。

 今後、地域包括ケアシステムの構築に向けて、特に在宅介護の需要増を鑑み、本区が力を入れていく施策として、介護者の交流会の開催やショートステイなどのレスパイト事業の拡充についてお聞かせください。

 次に、仕事と介護の両立に向けた支援についてお伺いいたします。

 昨今、四十代から五十代の働き盛りの世代を悩ませる問題の一つが、親などの介護のために仕事をやめざるを得なくなる介護離職です。御本人にとっても深刻ですが、会社側にとっても有能な人材、貴重な戦力を失うことになり、年々深刻度が増してきています。親の介護については、以前から、特に四十代後半くらいになると、多くの女性は頭の片隅に置いていて、いつか来る問題として認識していました。郷里に親を置いて都会で家庭を持ち、働いている女性は、特に切実な問題として捉えています。これが、近年は男性にとっても決して人ごとではなくなってきました。

 ここ十年くらいでようやく注目されてきたワーク・ライフ・バランスも、以前は仕事と育児の両立で女性が働きやすい環境をつくることと捉えられていましたが、現在では仕事と介護の両立という概念が加わり、男女を問わず、働きやすい職場環境という意味に進化してきました。そのような中、企業の中には、既に職場環境改善に積極的に取り組んでいるところも出てきています。本区においても、ワーク・ライフ・バランス推進の企業を認定する制度がございますが、その対象として、仕事と介護の両立の取り組みも既に加えておられ、評価するものであります。

 介護は突然やってきます。親の介護に直面したとき、非正規雇用の方や、正社員でも会社に介護休暇制度がないなどの理由で仕事をやめる方が多くいらっしゃいます。また、介護をする期間は平均で五年から六年と言われており、介護休暇制度が整っている会社にお勤めの方でも、休暇期間内に介護が終わらず、結局、仕事をやめるという場合もあり、介護、看護を理由に離職する人数は毎年十万人とも言われているほどです。しかし、親の介護のために仕事をやめ、それまでのキャリアを捨てたり、生計を得る手段を手放すことが、本人や、また会社にとって必ずしもよいこととは限りません。企業の側もそのことに気づき、かつては介護休暇の期間を長くすることで働きやすい職場に改善できると考えていましたが、最近では、あらかじめ介護サービスについての情報を教え、介護休暇は初期の介護体制を整えるための期間として位置づけ、体制が整えば、なるべく早く職場に復帰できるよう、方針を転換していると聞きます。介護保険未利用の単身者と同じで、働く方たちにとっても、介護が必要になったとき、最初に大切なことは、どのような介護サービスを受けられるのかという情報を得ることなのです。

 しかし、さきのアンケートの結果にもあらわれていますが、これまで介護保険を利用していなかった方にとっては、当たり前と言えば当たり前ですが、例えばおとしより相談センターという存在すら認知されていないのです。本区においても、自営ではなく会社に勤める方が多く、介護で悩んでいる方、これから介護に直面する方も大勢いらっしゃると思われます。介護で離職すれば、区としても納税者が減ることにつながります。大介護時代とも言われる今日、いつか来る道として、機会があれば介護の話、それもどのようなサービスがあるのかという具体的な話を聞きたいという方は多くおられると思います。介護離職への危機意識が高く、既に対策を講じているような会社であれば、このような、いわば介護保険のサービスのイロハ的な講習会を開催しているところもあるかもしれませんが、全ての会社がそうではないでしょう。介護離職防止については、ワーク・ライフ・バランス対策として、職場環境の改善という企業の努力が最重要であることはもちろんですが、行政サービスの一環として、本区としても、働く方をメーン対象とした介護サービスの講習会などを開催してもよいのではないかと考えます。

 そこで、お尋ねいたします。

 ワーク・ライフ・バランス対策としても、介護のために離職することを防ぐ意味からも、仕事と介護の両立に向けたさらなる支援をお願いしたいと思います。区長さんのお考えをお聞かせください。

 次に、介護施設における人材確保についてお伺いいたします。

 二○二五年には国として約百万人の介護職員が不足すると言われています。しかし、本年八月に厚生労働省所管の公益財団法人介護労働安定センターが発表した二○一三年度の介護労働実態調査によりますと、介護職員の離職率は一六・六%で、前年度より多少改善されたとはいえ、全産業平均の一四・八%よりは依然高い状況にあり、この対策は喫緊の課題と言えましょう。そのためには、報酬面での処遇改善を初めとして、キャリアアップへの意欲を後押しするキャリア段位制度認定の推進などが考えられます。

 そこで、お伺いいたします。

 本区の介護施設における人材確保対策について、どのようにお考えでしょうか、区の御見解をお聞かせください。

 次に、障害児・者対策についてお伺いいたします。

 本区においては、障害者手帳の所持者数が平成二十三年度を底に増加傾向にあり、本年四月一日現在で三千五百九十三人となっています。そのうち、身体障害者が七五・六%、知的障害者が一○・七%、そして精神障害者が一三・七%で、年ごとに若干数字は変動しますが、大きな変化はありません。

 昨年四月、障害者雇用促進法の改正に当たり、身体障害者と知的障害者を加味しての法定雇用率が二%へ引き上げとなりました。先日の報道では、飲食業界などの人手不足も相まって、障害者を大切な戦力として採用する動きがあり、障害者雇用に明るい兆しが見えるとのことで、これは大変歓迎すべき傾向だと思います。本区庁内においては、当初から法定雇用率を達成するなど、高い意識を持ち、取り組んでおられることは十分承知しており、評価するところであります。

 そこで、お伺いいたします。

 折しも、今月九月は障害者雇用支援月間です。大企業や飲食店で進みつつある障害者雇用ですが、本区に多い中小企業での雇用は、現状どのようになっているのでしょうか。また、四年後には精神障害者も加えての法定雇用率となりますが、その達成に向けた雇用促進についてのお考えをお知らせください。

 次に、障害児・者のレスパイト事業の拡充についてお伺いいたします。

 現在、本区においては、障害児の放課後等デイサービスなどを実施しておられ、障害のあるお子さんをお持ちの保護者の方からは、大変ありがたいとのお声をいただいております。この放課後等デイサービスで福祉センターへよく通っておられるお母様の一人から、感謝の声とともに、もっと広ければ、なおありがたいのですがとのお声をいただきました。このことは区としても十分認識してくださっており、何とかしたいとの思いをお持ちいただいていることも承知しております。また、レスパイト事業として実施しておられるショートステイも、大変必要とされている事業だと思います。ただ、障害のある高齢者の方々が受け付け開始と同時に申し込まれ、枠が埋まってしまうため、障害児の親御さんがショートステイを必要とするとき、その時点で申し込んでももう利用できないというお声もいただきました。障害者の方は年々ふえており、本区としても体制を厚くしていただいていることは十分理解しておりますが、このような現状を鑑み、さらに対策の拡充をお願いしたいと思います。

 そこで、この質問の最後にお伺いいたします。

 福祉センターの機能拡大やショートステイなど、障害児・者対策のさらなる拡充をお願いしたいと思いますが、区の御見解をお聞かせください。

 次に、子供たちの命を守る対策についてお伺いいたします。

 本区では、不審者情報などをこども安全安心メールで希望者に配信しています。このメールによる情報発信は大変有効で、私の周囲でも多くの保護者の方が利用、受信されているようです。先日、そのような保護者のお一人から、不審者情報の配信が最近ふえてきていて、とても不安だというお声をいただきました。警察の方や地域の有志によるパトロールが実施されていること、不審者情報を受けて、さらに頻度をふやすなど、努力していることをお伝えしましたら、それだけでもありがたいです、安心しました、お友達にも伝えますとの感想をいただきました。

 子供を狙う犯罪は頻発しており、つい先日も、神戸市長田区の女の子が、放課後、祖母の家に寄ってランドセルを置き、遊びに出た後、行方がわからなくなるという事件が起き、いまだ解決していません。この地域では、ことしの七月、八月の不審者情報がふえていたとの報道もあります。

 保護者の方の心配は簡単にはおさまらないと思いますが、このような中、地域の目が配られていたおかげで早期解決となった事件もありました。本年七月、岡山県倉敷市の女の子が下校途中、自宅のすぐ近くで行方不明となりました。警察による必死の捜査の中、犯人を確定、検挙できたのは、保護者からの情報、そして何より近所の方から寄せられた目撃情報が決め手となったからでした。日ごろから、どの保護者もお子さんに対して、知らない人についていってはだめだよなどの注意をしておられるとは思いますが、うまくだまされてしまったり、中には刃物で脅され、力ずくでさらわれてしまう場合もあります。子供たちを犯罪から守るためには、幾ら注意してもし過ぎることはなく、岡山のように地域での見守りの目が必要であると痛感いたします。地域の目の一つとして、こども安全安心メールは今後さらに重要となってくると思います。

 そこで、まず、このこども安全安心メールの利用状況や、区が認識されている課題についてお知らせください。

 誰もが忙しく日々の生活を送っている今日、地域の目だけに頼るのは難しいということも事実です。そこで、地域の目にかわって防犯カメラにその用を託す動きがあります。

 大阪府箕面市では、本年九月の補正予算で一億五千万円を計上し、市内全十四校の小学校の通学路に、総数七百五十台の防犯カメラを設置することを決めました。箕面警察署と協定を締結し、情報提供や適切な助言をいただくことで効果的に防犯カメラを設置して、犯罪を抑止、検挙できると期待されています。防犯カメラの映像は、プライバシー保護の観点から、おおむね一週間の保存とし、警察の捜査時にのみ情報提供を行うとのことです。地域の目以外にも子供たちを守る手段を持つことで、保護者の方は大変安心されると思います。

 本区は、昼間人口が六十万人にも上るビジネスのまちであり、商業、観光のまちです。しかし、これは逆に、どんな人でも、それこそ悪意を持った人でも、いとも簡単に入ってこられる場所だということです。本区内での不審者情報の配信がふえている中、また各地で実際に子供を狙う犯罪が多発している中、警察を初め、さまざまな団体が自主的なパトロールに力を入れて取り組んでいただいていますが、本区としても、さらなる取り組みが必要なのではないかと考えます。

 そこで、お伺いいたします。

 子供たちを犯罪から守るため、これまで以上にさらに一歩踏み込んだ対策をお願いしたいと思いますが、いかがお考えでしょうか、教育委員会のお考えをお示しください。

 次に、小児がん対策についてお伺いいたします。

 小児がんは症例数が少なく、早期発見が難しいと言われております。その小児がんの一つに、網膜芽細胞腫という病気があります。この網膜芽細胞腫は、六歳ぐらいまでのお子さんの目にできる悪性腫瘍で、瞳が白く見えるのが特徴です。一万五千人に一人の割合で発症し、日本全体では年間八十名が発症しています。

 本区でも、ことし一名発症し、そのお母様から御相談を受けました。この病気は、死亡率こそ高くはありませんが、発見がおくれると眼球摘出、失明となります。しかし、早く発見され適切な治療を受けられれば、多くの場合は命の危険を回避できます。ですから、いかに早期に発見することができるかがポイントなのです。実は、母子手帳のチェック項目には既に、瞳が白く見えたり、黄緑色に光って見えたりすることがあるかとの記述があり、このお母様も、お子さんの瞳が水晶のように透明に見えることが気になっておられました。しかし、手帳には言葉だけで写真の掲載がないため、これに該当すると強く疑わないまま、また、それがどのような病気になるのかわからなかったため、瞳の色よりも他のことに気をとられているうちに月日が過ぎてしまったとのことです。

 小児がんは、特にまだ話すことができない乳児の場合は保護者が気づいてあげるしかありません。早期発見・早期治療に結びつけるべく、症状など病気についての情報を積極的に保護者へお知らせいただけるよう、お願いしたいと思います。

 そこで、お伺いいたします。

 網膜芽細胞腫など小児がんの早期発見のために、保護者へ情報提供など、何らかの対策をお願いしたいと思いますが、区の御見解をお聞かせください。

 最後に、子育て支援施設についてお伺いいたします。

 本区では乳幼児が激増しており、子育て支援の施策を充実してこられました。出産支援や誕生の祝い品は言うに及ばず、育児支援ヘルパーの派遣や一時預かり保育、トワイライトステイなど、子育て家庭を応援するメニューは大変多彩です。

 その中で中心的な役割を担っているのが、勝どきにある子ども家庭支援センター、通称きらら中央です。こちらの施設内には、あかちゃん天国、幼児室、児童室がそろっており、乳児から小学校入学前のお子さんまで利用できる大変充実した施設だと思います。私も、とてもよい施設なので行きたいというお声は、よく耳にします。ただ、残念なことに、日本橋から子連れで行くには若干不便なので、なかなか行けないそうです。

 本区では、地域にかかわらず、区内全域でお子さんの数がふえていますが、特に日本橋地域においては小規模なマンションが多く、近所でママ友や相談できる相手をつくる場が余りありません。悩みを抱えながらも孤立してしまっているお母さんが多いのではないでしょうか。先日、里帰り出産から戻ってきたばかりのお母様とお話をする機会があり、これからの子育てのことで悩んでおられましたが、あかちゃん天国の様子を伝えると、これから通いますとおっしゃっていました。

 若いお母さんたちが悩みを相談できる場所として、また安心してお子さんを遊ばせることができる場所として、あかちゃん天国や児童館は大変重要だと思います。しかし、一方で、お子さんの人数がふえたことで部屋が狭くなり、行きにくくなったとのお声も頂戴しております。児童館は、子ども家庭支援センターのサテライトと位置づけられていると伺っておりますが、お子さんの増加に伴い、さらに子育て支援施設を拡充していただきたいと考えます。

 そこで、お伺いいたします。

 本区内のどの地域でも切れ目なく利用できるよう、子ども家庭支援センターきらら中央以外にも子育て支援施設の拡充が必要ではないでしょうか、区の御見解をお聞かせください。

 以上で、私の一回目の質問を終わります。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 堀田弥生議員の御質問に順次お答えいたします。

 地域包括ケアシステムの構築に向けた高齢者介護施策における現状と課題についてであります。

 高齢者が住みなれた地域で自分らしく暮らし続けていくためには、地域包括ケアシステムの構築が重要であります。そのため、本区では、平成二十四年度に定期巡回・随時対応型訪問介護看護、またことし九月には小規模多機能型居宅介護といった在宅での生活を支援する介護保険サービスの充実を進めてまいりました。地域包括ケアシステムを効果的に機能させるためには、サービスの充実だけでなく、サービス提供者の適切な連携が大切であり、特に医療と介護の連携は不可欠であります。そこで、本区では、平成二十一年度から在宅療養支援協議会を設置し、学識経験者、医師会、介護事業者等と協議するとともに、研修会を一緒に行っているところであります。しかしながら、具体的なケースではまだまだ連携が十分でない点があろうかと考えておりますので、地域ケア会議の取り組みを一層進めるとともに、具体的な連携のよい事例を集め、広く介護事業者等に周知する等、医療と介護の連携をさらに深めてまいりたいと存じます。

 次に、介護のあり方についてであります。

 御本人の努力によって介護度が下がるということは大変すばらしいことであり、高齢者の生活の質を高める上でも大切な視点であると考えております。本区におきましても、平成二十五年度に一年間、予防通所介護に通った要支援者八十一名の方を見てみますと、そのうち十三名の方の介護度が改善しております。一人一人の健康状態はさまざまでありますので、一律には難しい面もございますが、介護事業者の協力を得ながら、日常生活の自立度を高めるための取り組みに努めるとともに、区民の方々への啓発活動を初め、健康づくりや介護予防事業などを積極的に推進してまいりたいと存じます。

 次に、単身高齢者の見守りについてであります。

 本区では、高齢者が地域の中で孤立することなく安心して暮らせるよう、町会・自治会など地域の方々で組織する団体に見守りをお願いしているところであります。見守り団体から月一回おとしより相談センターへ報告をいただいており、必要があれば、すぐに介護サービスについて相談を受けることができます。また、ひとり暮らし高齢者調査の機会を捉え、民生委員の方からおとしより相談センターへ連絡をいただき、必要な方には介護サービスの御案内をしております。ひとり暮らし高齢者の方がいつまでも安心して暮らせるよう、見守りネットワークの拡大に努めるとともに、さまざまな機会を捉えて介護サービスを広く周知してまいりたいと存じます。

 次に、認知症への理解とかかわり方の周知についてであります。

 認知症になると、考えるスピードも遅くなる、ささいな変化で混乱しやすくなるなど、物を考えることにも困難が生じてまいりますので、急がせない、驚かせない、自尊心を傷つけないを心がけた対応が必要であります。認知症の方が家庭や地域で安心してともに生活していくためには、その症状を理解し、さりげなく援助できる周囲の方々の思いやりが何よりも大切であります。そのため、本区では、町会や自治会等への出前講座や認知症サポーター養成講座を開催するとともに、さらに理解を深めたい方のために、平成二十四年度から認知症サポーターステップアップ研修を開催しております。サポーター養成講座は、区民だけでなく企業等からの開催依頼も増加しており、生活の各場面で認知症の方をサポートしていただけるものと考えております。今後もこのような取り組みを進め、御本人や家族はもちろん、地域や事業者の方にも参加していただけるよう、さまざまな工夫をして、認知症に対する正しい理解とかかわり方の周知に努めてまいりたいと存じます。

 次に、レスパイト事業の拡充についてであります。

 高齢者や介護を担う方が安心して生活を続けていくためには、レスパイト事業は非常に大切であると考えております。本区では、介護者同士で悩みを共有し情報を交換する交流会を昨年度は十八回開催し、百三十二名の方が参加されました。今年度は、さらに開催回数をふやしております。現在、ショートステイの利用状況は、お盆や正月の時期を除き、おおむね入所いただいているところであります。また、昨年十一月から来年四月にかけて合計十七床を増床いたしますので、ショートステイにつきましては、需要を満たしているものと考えております。さらに、本区独自の取り組みとして、ミドルステイや緊急ショートステイ等を実施しているところであります。レスパイト事業の拡充につきましては、ニーズを的確に捉え、これからも安心して在宅で介護ができるよう、適切に対応してまいりたいと存じます。

 次に、仕事と介護の両立に向けた支援策についてであります。

 介護保険制度は、核家族化の進行など、要介護高齢者を支えてきた家族の状況も変化し、介護を社会全体で支え合う仕組みとして創設されたものであり、介護が必要になった場合には適切に利用することが何よりも大切であります。ある日突然に介護が必要になり、ふなれな介護に追われ、その結果、介護休暇の期間が過ぎ、離職するということがあってはなりません。また、介護は長期間に及ぶため、介護休暇は初期の介護体制を整えるための期間として利用することが大切であります。区では、介護保険制度の周知を図るため、おとしより相談センターによる出前講座のほか、在宅療養研修会などを日曜日に開催しておりますが、働いている方の中には忙しい方や急に介護が必要となると思っていない方など、事前に備えることが難しい方もおられます。このような方々には、おとしより相談センターの存在を知っていただき、突然介護が必要になったときにはすぐに御相談いただきたいと考えております。そのため、今後ともおとしより相談センターの周知に努めてまいります。

 次に、介護施設における人材確保についてであります。

 介護保険制度を円滑に運営していくためには、担い手である介護職員の人材確保は非常に大切であります。国では、介護報酬改定による介護職員の処遇改善への検討や、キャリア段位制度を推進するとともに、都では職場体験やトライアル雇用といった取り組みを進めております。本区におきましても、介護資格取得費助成や介護事業者向けの研修を実施するなど、人材の確保や育成に努めているところであります。また、本区の介護施設におきましては、区立施設には人員の配置基準を超えて医療職を配置するとともに、区内の民間特別養護老人ホームに対しましても看護師雇用の助成を行っており、引き続き人材の確保に努めてまいります。

 次に、障害者雇用の促進についてであります。

 中央区、千代田区、文京区を所管するハローワーク飯田橋が公表した平成二十五年六月時点での管内統計によれば、障害者雇用対象となる従業員数が百人未満の中小企業のうち、法定雇用率の二%を達成した企業の割合は二四・七%となっております。この割合は、全国の四三・一%、東京都の二六・二%と比べて低い数値であります。中小企業の雇用率の向上に向けては、平成三十年四月から法定雇用率の対象となる障害者の範囲に精神障害者が加わることを考慮した取り組みも重要となっております。このため、本区では、平成二十五年度実施のチャレンジ雇用において精神に障害のある方を雇用し、仕事の内容や就労継続のための職場環境づくり等のノウハウの蓄積に取り組みました。こうして得られた知識や経験を活用して、引き続き中央区障害者就労支援センターが中心となって、ハローワークを初め、区内就労支援事業所等との連携のもと、就労を希望する障害者一人一人の障害特性やニーズに応じたきめ細やかな支援を進めてまいります。

 次に、障害者対策のさらなる拡充についてであります。

 福祉センターで実施する放課後等デイサービスやレインボーハウス明石で実施するショートステイへのニーズは増加する傾向にあり、今後の人口増などを考慮した場合、さらなる充実が必要であるものと認識しております。こうしたことから、放課後等デイサービスにつきましては、福祉センターの既存スペースを効果的に活用することで定員の拡大が図れるよう、検討を行っているところであります。また、レインボーハウス明石で実施しているショートステイにつきましては、スペースの関係上、定員拡大が困難な状況にあることから、今後とも民間グループホーム事業者等に対して、区内でのショートステイ事業の実施を積極的に働きかけてまいります。

 次に、小児がん情報の保護者への周知についてであります。

 小児の悪性新生物は白血病が最も多く、それ以外では脳腫瘍、悪性リンパ腫、網膜芽細胞腫などがあります。このうち網膜芽細胞腫は、瞳孔が白く見える白色瞳孔や斜視、角膜混濁などの症状があるため、唯一保護者が発見できる場合があります。早期発見につながるための情報提供や周知は重要であり、症状がわかりやすいようなポスターを掲示し、周知に努めているところであります。今後さらに、より多くの区民の皆様に知っていただけるよう、乳幼児健康診査やあかちゃん天国など、さまざまな機会を捉えて普及啓発してまいります。

 次に、子育て支援施設の拡充についてであります。

 子育て家庭が交流を通じて仲間づくりを行うとともに、情報交換や悩みなどを相談できる場を確保することは、地域で安心して子育てするためには大変重要であります。子育て家庭を中心に人口が増加している本区においては、これまでも晴海児童館の新設を初め、勝どき児童館や新川児童館の移転改築などを行い、規模の拡大や機能の充実を図ってまいりました。一方、こうした人口の増加を受けまして、児童館が混み合う時間帯があることは認識しております。そこで、利用者に応じてホールなどの利用時間帯の設定や、部屋を区分しての利用など、既存施設を有効活用し、乳幼児から中高生までの幅広い世代が利用できるよう、きめ細やかな運営に取り組んでまいります。

 私からの答弁は以上であります。

     〔教育長 齊藤 進君登壇〕

○教育長(齊藤 進君)
 教育問題についてお答えをいたします。

 初めに、こども安全安心メールの利用状況についてであります。

 本年九月一日現在、小学校の児童数は五千百四十人、中学校の生徒数は千三百二十七人、幼稚園の園児数は千五百四十八人に対して、それぞれの登録者数は、小学校五千四百九人、中学校五百八十八人、幼稚園千四百三十八人であります。なお、登録者数につきましては、複数の保護者が登録する場合があり、子供の数と登録者数が一致するものではありません。配信状況は、昨年度、教育委員会が配信した二十三件のうち不審者情報が十件、本年度は八月末現在、十六件のうち不審者情報が九件であり、この半年間で昨年度一年間の不審者情報の配信数に迫るなど、こども安全安心メールの果たす役割は大きくなっているものと受けとめております。また、このメールは学校からも配信でき、台風による学校行事の中止連絡や安全対策などに学校単位でも積極的に活用されております。課題といたしましては、警察からの不審者情報はタイムリーに配信できるものの、警察以外から寄せられた情報については、事実関係の確認に時間を要し、タイムリーさに欠ける嫌いがあります。さらに、事実関係の把握を迅速に行う必要があるものと認識いたしております。また、中学校の加入率が低いことなどから、学校と連携し、登録の勧奨を積極的に行ってまいりたいと存じます。

 次に、子供たちを犯罪から守るための対策の強化についてであります。

 教育委員会では、区内の家庭や店舗、事業所の協力により、緊急時に逃げ込める避難所として、こども一一○番を実施しているほか、各地域におけるPTAによる安全パトロールなど、子供を犯罪から守る対策に取り組んでおります。しかしながら、全国では児童の誘拐、監禁などの事件が相次いでおり、より一層学校・家庭・地域が連携し、子供の見守り体制を強化することが求められております。防犯カメラについては、区の補助により、既に町会・自治会や商店会に設置されており、犯罪抑止に効果を上げていることから、通学路へ設置した場合にも一定の効果が見込まれるものと認識しております。教育委員会といたしましては、通学路への防犯カメラの設置を視野に入れつつ、犯罪の抑止や保護者の不安解消の視点から、改めて通学路の一斉点検を実施してまいりたいと存じます。あわせて、こども安全安心メールの充実や、PTAや地域と連携した安全パトロールなど、子供の見守り体制の強化に向けた施策について総合的に検討してまいります。

 答弁は以上です。

     〔十六番 堀田弥生議員登壇〕

○十六番(堀田弥生議員)
 御答弁ありがとうございました。

 一点だけ申し述べさせていただきます。

 高齢者の方に限ったことではありませんが、人間は誰しも、生きがいや張り合いを持つことで前向きで健康的な人生を歩んでいけるというのは事実だと思います。要介護の方を減らし、健康寿命を延ばす。どうしても介護が必要な方には安心してサービスを受けていただけるよう、制度を盤石なものにする。そのための介護のあり方を真剣に考えていくときが来ていると思います。

 本区として、ぜひともさらに積極的な推進をお願い、またお訴えいたしまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○副議長(中島賢治議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(中島賢治議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後三時五分 休憩


     午後三時二十五分 開議

○議長(原田賢一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。二番青木かの議員。

     〔二番 青木かの議員登壇〕

○二番(青木かの議員)
 中央区民の会、青木かのです。平成二十六年第三回定例会に当たり、さきに提出いたしました質問通告書に基づき質問いたします。答弁の内容によりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 最初に、公共交通網の整備についてです。

 東京都は八月二十九日に、「都心と臨海副都心とを結ぶ公共交通に関する基本方針―BRTを中心とした中規模な交通機関の必要性―」と「事業協力者の募集要項―都心と臨海副都心とを結ぶ公共交通―」を発表しました。

 その際、舛添要一知事は、以下のように発言しています。東京における最大の問題の一つが交通体系、とりわけオリンピック・パラリンピック大会の中心となる晴海や臨海副都心一帯は、選手村の後利用など、オリンピックを契機とした交通需要が見込まれる。二○二○年のオリンピック・パラリンピックまでの限られた時間の中で運行できる新たな公共交通を整備する。知事は記者からの質問に、この地域が一番急激に需要がふえるとも回答し、他の地域よりも優先度を高く進めることを明言しました。これは、本区が都心と臨海部を結ぶ基幹的交通システム導入の検討を進め、短期的にはBRTとの結論を出し、それに基づき都へ要望した結果です。都の最高責任者が新たな公共交通を整備とまで断言し、本区の将来にとって、まことに喜ばしいことです。

 都は、本区に限定しない広域的な交通体系を配慮し、虎ノ門―有明を想定しているようです。しかし、本区としては、今ですら混雑を呈し、かつ場所によっては最寄り駅まで遠く、バスに頼らざるを得ない勝どき、晴海地区と、直近で公共交通の充実した銀座とを結ぶことが最優先です。

 そこで、お尋ねします。

 運行開始の時期です。

 本区の構想では、BRTは平成二十八年度の運行開始を目標としていたのが、都は平成三十一年度としています。少なからぬ住民は日々交通不便を実感しており、一日も早くそれを解消するためにも、交通利便性の向上は喫緊の課題です。たとえ万全な形でなくとも、早期に運行開始することを願います。軌道の敷設を要するLRTと異なり、BRTはそれが可能だと考えます。区の考え及び都への要望の予定をお聞かせください。

 都は、実際にこの地域で公共交通を運営する意思を持つことを条件に、事業協力者を現在公募しています。民間活力を引き出し、行政に過重な負担をかけることなく、良質な交通サービスを実現する考えであり、適切な施策だと評価します。そして、都は今年度、十月十七日ごろに選定する事業協力者へ、ルート、交通需要や車両、運行、料金などのサービスレベルの検討を有償で業務委託します。それに基づき基本計画を策定し、来年三月末に事業者を公募します。

 そこで、お尋ねします。

 まずは、都の取り組みに対する評価です。

 都がみずから交通局の事業としては運行せず、民間による運行を指向することを区はどう評価しますか。

 さらに、事業協力者に対する本区の協力事項です。

 良質な交通サービスを早期に実現する上で、本年度末までの事業協力者による基本計画案の策定は重要なプロセスです。よりすぐれた計画を策定できるよう、本区の今までの検討事項を、非公開のものも含めて提供する、計画策定にかかわる関係機関を紹介する等、できる限りの協力をすべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。

 都心と臨海副都心を結ぶBRTは、好条件に恵まれていると言えます。環状二号線は、平成二十七年開通予定がおくれているものの、BRTの開業には間に合います。環状二号線の開通直後は、臨海地区の人口は集積途上。晴海通りともども、道路は比較的すいており、そのタイミングならBRTの専用走行レーンを確保する社会的合意を取りまとめやすいとも考えます。もし利便性の高い公共交通システムを用意できないまま人口の集積が進むと、環状二号線と晴海通りとも渋滞が続き、BRTの専用走行レーンの確保は困難となるでしょう。

 そこで、お尋ねします。

 BRTの専用走行レーン確保に関する本区の協力についてです。

 警察と協議し、環状二号線または晴海通りにBRTの専用走行レーンを確保する上で、本区の意向が大きく影響します。区の考えをお聞かせください。

 さて、舛添知事は某テレビ番組で、記者からのロープウエーに関する質問に対し否定的でしたが、独自に都の担当者へヒアリングしたところ、BRTやLRT、ゆりかもめのほかに、ロープウエーに対しても可能性を否定しませんでした。四月二十五日、東京オリンピック・パラリンピック対策特別委員会において、当会派の増渕一孝幹事長が申し上げたとおり、ロンドンのロープウエーはオリンピック輸送に活躍した後も、観光資源としてはもちろん、交通インフラとしても有効だとして、継続して運行されています。

 そこで、お尋ねします。

 まずは、ロープウエーに対する評価です。

 江東区は、江東湾岸エリアにおけるオリンピック・パラリンピックまちづくり基本計画アウトラインを五月に策定し、七月三日にその方策を都へ提案しました。八つある提案のトップに、都市型ロープウェイの導入を掲げ、マスコミでも大きく取り上げられました。都心と臨海部を結ぶ基幹的交通システムとして導入できる可能性がないか、区の評価をお聞かせください。

 次に、民間での検討や事業展開への協力についてです。

 ロープウエーを都心と臨海部を結ぶ基幹的交通システムとして導入する場合、強風への対応や輸送力など、現時点では不安材料も多いことは承知しています。しかし、今後、仮に民主導での導入の動きが活発化した場合、区としての協力に関する考えをお聞かせください。都心と臨海部を結ぶ基幹的交通システムとして、BRTだけでは、江東区エリアも含め、居住人口と就業人口が着実にふえる中では不十分であり、また居住及び企業立地の魅力度を高めるためにも、区は地下鉄の導入が不可欠としています。平成二十七年度に答申される交通政策審議会答申に位置づけられることを目指し、本区は地下鉄計画検討調査費一千万円を予算化し、既に発注したと伺っています。

 ところで、地下鉄は一キロ当たり通常タイプで三百億円、都営大江戸線のような鉄輪式リニア・小断面タイプでも二百五十億円もの巨費を要します。地下を掘削するのに莫大なコストを要するからで、それと比べ、地平や上空を通行路とするBRTやゆりかもめ、ロープウエーはコストがはるかに小さく、同じ事業費で十倍以上のネットワークを構築できます。中量輸送であっても、複数のルートを設定することにより、大きな輸送力を実現できます。しかも、地下鉄は駅部の工事費が特に高額なため、駅間距離を長くせざるを得ず、上下移動も大きく、お年寄りや体の不自由な方にも優しくありません。さらに、外の景色も見られず、観光資源としては魅力が劣ります。

 そこで、お尋ねします。

 まずは、本年度調査の進捗状況です。

 四月二十五日、東京オリンピック・パラリンピック対策特別委員会にて、答申に位置づけてもらうには、概略ルートの検討、需要予測、概算事業費等の検討が必要であり、次年度にかけて調査検討するとの答弁がありました。その後、現時点における調査の進捗状況と今後の見通しをお聞かせください。

 次に、地下鉄の有効性についてです。

 新しい時代につくる基幹的交通システムとして、地下鉄が最適解とは限りません。地平と上空を通行路とした他の交通システムと比較した地下鉄の機能性、安全性、初期投資及び運営費等の経済性について、区の評価をお聞かせください。

 さて、公共交通網の整備に続いては、自転車利用の環境整備についてです。

 将来的に自転車シェアリングが広まれば、最小単位の公共交通網がコミュニティサイクルであるという考え方があります。中央区は、つい先日、区内駐輪場の有料化、また撤去自転車に関しても撤去・保管手数料を徴収することを発表しました。これは、平成二十四年六月に策定された中央区自転車利用のあり方で提示された施策が着実に進んでいることを示しています。また、東京都の舛添要一知事は、都心の自転車レーンの整備を進める方針を示し、二○二○年東京オリンピック・パラリンピックで選手や観客の移動手段としても活用する考えで、新年度予算に新たに調査費として二千万円を計上するなど、都内においても自転車利用の環境整備への取り組みは加速度を上げて進んでいます。

 ちなみに、ロンドンオリンピックにおいて、ロンドンでは移動手段の一つとして、コミュニティサイクルが整備され、自転車台数は八千台規模、オリンピック期間中は一日四万回以上の利用がなされたということです。

 では、具体的にお尋ねしてまいります。

 まずは、走行空間の確保です。

 道路構造令で、自転車歩行者道の幅員は四メートル以上と規定されているため、本区では永代通りや清澄通りなど、歩道の有効幅員が四メートル以上の道路を選定し、可能な限り連続化してネットワーク化する方針を打ち出していますが、現在どの程度進んでいるのかお答えください。

 次に、駐輪場の整備についてです。

 平成二十四年六月の報告では、区内十九の駐輪場の合計で三千九百八十一台分の収容能力があるとなっていますが、その後の取り組みで、現在どの程度ふえたのか、民間の駐輪場もあわせて、需要に対し、どの程度供給できていると考えるかお聞かせください。

 また、駐輪場は基本的に定期制となっています。一時利用駐輪場の整備状況についてもお答えください。

 さて、全国の自治体でコミュニティサイクルの導入あるいは実証実験の開始が相次いでいます。コミュニティサイクルとは、地区内に自転車の貸し出しや返却拠点となるサイクルポートを設置し、どのポートでも乗り捨てできる自転車の共同利用サービスです。環境に優しい自転車の活用によるCO2の低減、スマートシティーの都市整備と連動した新たな公共交通としても注目されています。マイカー利用者がパーク・アンド・ライドで町なかを移動したり、通勤・通学者が駅と会社・学校間の移動に利用したり、また利用者の回遊性を確保することで新たな観光資源としての活用も期待できます。

 主なものでは、平成二十一年に札幌市、二十二年に富山市、二十三年に横浜市、二十四年に金沢市、二十五年に仙台市と続いています。東京二十三区内では、いち早く平成二十四年にサービスを開始した江東区では、既にサイクルポート二十一カ所で自転車台数三百台を稼働し、二万八千人が利用しています。最新のシステムでは、GPSによる位置データの管理などを行う操作パネルが自転車本体に搭載されていますので、自転車駐輪用の専用ラックは不要、無人によるポート管理も可能になっています。

 そして、この秋、港区と千代田区が相次いで開始することで、改めて注目されています。港区では、まず八月末から港南エリアで、十月には環状二号線周辺エリアで、ポート数十カ所、自転車数百五十台での展開が予定されています。また、千代田区では、この十月から区の全域にわたり三十カ所のサイクルポートを設置、自転車台数三百台以上という大規模での実証実験が始まります。

 そこで、お尋ねします。

 コミュニティサイクル導入の必要条件として、自転車の駐車需要が多い、自転車駐輪場が有料化されている、放置自転車の撤去規制が徹底していることが挙げられますが、中央区でもこの条件が整ったようです。そこで、本区におけるコミュニティサイクルの導入時期をお知らせください。特に、江東区、港区、千代田区でもサービスが開始されており、このような近隣区でも利用者の利便性の向上やオリンピックに向けた取り組みという観点から、広域展開を模索しています。広域展開の可能性についても、区の方針をお聞かせください。

 最後に、サイクルシェアリングについてです。

 中央区では、住民のおよそ八八%が集合住宅に住んでいます。自転車の総量を抑制するために、集合住宅での自転車の共同利用は大変有効と考えます。特に、高層のタワーマンションでは導入が進んでおり、現在、東京都心・湾岸エリアを中心に、およそ百棟で、このマンション住民によるサイクルシェアリングが進んでいます。

 そこで、中央区の状況です。

 市街地開発事業指導要綱では、まず駐輪場の整備について規定しています。具体的には、世帯用住宅の戸数に一・四を掛けた数に、世帯用住宅以外の戸数に一を掛けた数を足した数以上の駐輪場の整備が必要としています。しかし、これだけの数を整備することは大変です。そこで、サイクルシェアリング、つまり共用自転車を整備すれば、一台で五台分の自転車駐輪場を確保したとみなされることになっています。

 そこで、お尋ねします。

 現在、中央区内で、このサイクルシェアリングを整備している集合住宅はどれくらいあるのでしょうか。その効果も含め、お答えください。また、既存のマンション、集合住宅へのサイクルシェアリング導入に向けて、区はどのような指導を行っているのでしょうか。導入する際、区の助成等あるのでしょうか、あわせてお答えください。

 さて、ことし八月、日本マクドナルドは三千百三十五の国内全ての店舗を全面禁煙にしたと発表しました。実は、私の受動喫煙対策への取り組みは、小さなお子さんがいらっしゃる保護者の方から、たばこの煙が不安で近くのマクドナルドへ子供を連れて行けないとの御意見をいただいたのがきっかけでした。そのとき、マクドナルド月島店はエリア分煙、一階は禁煙でしたが、二階が喫煙席で、たばこのにおいが一階まで届いていました。また、トイレは二階にありますので、トイレに行くたびに受動喫煙が心配でした。それが今回の全面禁煙。このように、受動喫煙防止対策に対する社会的状況は、この三年で大きく変化しています。

 さて、中央区の公共施設はどのように変化したでしょうか。まず、小・中学校等教育施設は全面禁煙です。その他の区立施設については、受動喫煙防止対策実施率が、平成二十一年で九一・二%でしたが、ことしの三月で九八%、その後、最後まで残っていた中央会館、銀座ブロッサムの廊下にあった喫煙エリアが撤去され、区立施設においては一○○%を達成しています。屋外の喫煙所が出入り口のすぐ近くにあるなど、まだまだ問題はありますが、とりあえず屋内の受動喫煙防止対策実施率一○○%を達成したということで、関係者の皆さんの御尽力には敬意を表するところです。

 さて、屋内での受動喫煙防止対策を進めるとともに重要なのが、屋外での喫煙所の整備です。一時、民間による最新の換気システムを備えた有料の喫煙所が千代田区を中心に広まっていましたが、残念ながら一年で撤退してしまいました。やはり喫煙者には、お金を払って喫煙所に入るという考え方はなじまなかったようです。また、ビル内の喫煙所も一般には開放されていないことが多く、結局、その受け皿に区内の公園がなっている状況があります。

 そこで、この夏、区内全ての公園をチェックしてきました。区内には、都市公園法に基づく都市公園が五十三カ所、その他児童遊園が三十三カ所ありますが、児童遊園は全て禁煙となっています。一方、都市公園五十三カ所のうち、吸い殻入れ、つまり喫煙エリアがある公園は、前回、平成二十四年四月の調査では二十七カ所でしたが、今回、七月の調査では二十二カ所に減っていました。東京都民の喫煙率が二○・三%、いまだ五人に一人が喫煙者の時点で全ての公園を禁煙にするのは、せっかく状況が改善されてきた路上喫煙やポイ捨てがまたふえる結果になりかねません。要は、屋外ですので、完全な受動喫煙防止対策はありませんが、公園の中の喫煙エリアを整備する必要があるということです。

 この喫煙エリアがある区内二十二カ所の公園を調査してわかったことですが、受動喫煙防止対策が二分化しているということです。一時、近くを歩くのもはばかられた数寄屋橋公園チャンスセンター前は、今は禁煙となっています。そのかわり、晴海通りを挟んで向かい側、太陽の塔がある側の公園に喫煙エリアが設置されました。歩行者からも分断され、木で囲われており、よくできた喫煙エリアだと感じました。また、采女橋公園では、広さに合わせて喫煙エリアを二カ所から一カ所に減らすために、喫煙者に協力を呼びかけるとともに、公園の奥には果樹とハーブ園がつくられていました。もう一つ特筆すべきは、桜川屋上公園です。女性センター「ブーケ21」の屋上にあるこの公園の喫煙エリアは、池の中州に設置されており、緑を配して周りときちんと分断されており、今回の調査で一番理想的な喫煙エリアだと感じました。

 一方、その他の多くの公園で気になったのが、吸い殻入れ周辺だけではなく、公園全体が喫煙エリアとなっていることです。最近、多くの喫煙者は携帯用吸い殻入れを持ち歩いていますので、公園の吸い殻入れを離れて、ベンチなどで吸っている方も多く見受けられました。この場合、近くに子供たちが使う遊具や健康小道などの健康機具が設置されているところも多く、受動喫煙の観点から問題があります。今後は、喫煙は吸い殻入れの周りの喫煙エリアのみという、わかりやすい警告と、それ以外のエリアは公園内禁煙という、はっきりした表示が必要だと考えます。

 そこで、お尋ねします。

 中央区内公園における今後の受動喫煙防止対策について、区の考えと施策を具体的にお答えください。

 次は、近隣地区の取り組みについてです。

 これまでも、みなとタバコルールに基づき、積極的に受動喫煙防止対策を進めてきた港区は、新たな条例を制定、この七月からスタートしました。条例名称は、環境美化の推進及び喫煙による迷惑の防止に関する条例です。この中で、民有地を含む公共スペースでの受動喫煙防止を事業者に義務づけています。たばこ販売店やコンビニの入り口等、屋外に灰皿を設置している事業者は、灰皿を撤去するか、完全分煙可能な環境設備を行わなければならず、勧告に従わない場合はその事業者の名前を公表するなど、厳しいルールとなっています。喫煙できる場所を明確にし、それ以外では吸えないという点で、大変わかりやすい条例です。と同時に、事業者が屋内に喫煙所をつくる場合、無料で一般にも開放することを条件に、喫煙所設置に係る費用を五百万円を限度に助成しています。

 また、千代田区でも、屋内喫煙所設置費用として、公衆用の喫煙所であることを条件に、事業者に対し五百万円を限度に初期費用の二分の一、維持管理費用としても月額上限五万円を三年間助成する制度もあります。

 そこで、お尋ねします。

 中央区では、現在、事業者の受動喫煙防止対策に対し、どのような助成を行っているのでしょうか。今後の取り組みも含めて、お答えください。

 最後に、東京都の舛添知事は、ことし八月、報道番組の中で、二○二○年までに東京都内の飲食店を禁煙化したいとの意欲を示しました。前任二人の知事が受動喫煙防止対策に積極的ではなかったことを考えると、ここへ来て政策が大きく前進することが期待されます。

 これまで私も各種委員会や一般質問で取り上げてまいりましたように、WHO世界保健機関とIOC国際オリンピック協会は、たばこのないオリンピックを目指す協定を結んでおり、開催都市は受動喫煙防止条例を制定しています。二○二○年までに都条例が制定されることを期待しますが、おもてなしの心で選手や関係者、応援団、観光客の皆さんをお迎えするべく、この中央区において、まず受動喫煙防止条例を制定することは、今後の東京都の取り組みに弾みをつけると思われます。この点について、ぜひ区長の考えをお尋ねいたします。

 以上、最初の質問です。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 青木かの議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、BRTについてお答えいたします。

 区では、これまで二年間にわたり、BRT導入に向けた調査を行ってきたところでありますが、東京都においても、先般、都心と臨海副都心とを結ぶBRT等公共交通に関する基本方針を策定いたしました。基本方針では、本区の検討結果を踏まえ、区と連携して進めていくとしております。区といたしましては、都が本年度内に策定予定の基本計画に、ルートなど、これまでの区の検討結果が反映され、できる限り早期の導入が図られるよう、都と協議してまいります。

 次に、事業協力者について、都は、経営、運行等のノウハウを活用し、より実現性の高い計画の策定を図るため、公募するとしております。これは、区が今年度予定していた運行事業者募集における考え方と合致しているものと考えております。区の協力については、BRT導入に伴う周辺交通への影響など、これまでの調査結果を初めとして、持ち合わせている資料等を提供していく考えであります。BRTの走行空間については、定時性・速達性の確保に向けて専用もしくは優先レーンの確保が望ましいことから、都と連携して道路管理者及び交通管理者との協議を進めてまいります。

 次に、ロープウエーについてであります。

 ロープウエーは、ロンドンオリンピックでも交通手段として利用されましたが、導入に当たっては、道路等の上空占有や高層マンションのプライバシーなど、多くの課題があるものと考えております。区といたしましては、基幹的交通システムの導入に関しては、定時性・速達性のあるBRTを東京都と連携して導入するとともに、中長期の目標として地下鉄新線の整備を図ってまいりたいと考えております。

 次に、地下鉄計画検討調査の進捗状況、地下鉄の有効性についてであります。

 本区では、今年度より地下鉄計画検討調査を始め、現在、地下鉄新線の概略建設計画、運行計画の検討を行っております。今年度の調査において概算事業費を算出した上で、事業性について検討していく予定であります。地下鉄は、他の交通手段と比較して、建設費等のコストは高いものの、大量輸送が可能であり、定時性や安全性の点でもすぐれた交通機関であると認識しております。地下鉄新線の導入は、二○二○年東京オリンピック・パラリンピック競技大会後の晴海地区の人口増や大規模開発による交通需要の増加を考えると、必要不可欠なものであり、臨海副都心への交通アクセスの向上に資するとともに、東京における国際競争力強化に寄与するものと考えております。

 次に、自転車の走行空間の確保についてであります。

 安全で安心・快適な自転車利用を推進する上で、走行空間の確保とネットワーク化は重要であると認識しております。区内においては、現在、昭和通りや清澄通りなど四路線、約四・四キロメートルの整備が図られております。今後、東京都は二○二○年東京オリンピック・パラリンピックの開催までに選手村から半径八キロメートル圏内において自転車推奨ルートを整備する方針であることから、東京都と連携して取り組んでまいります。

 次に、駐輪場の整備状況についてであります。

 本区においては、昨年度、区全域を対象に実施した駐輪場整備に向けた調査・検討を踏まえまして、今年度、東京駅周辺十一カ所に五百台以上の民設民営駐輪場を整備する予定であります。また、まちづくり基本条例を活用した駐輪場が、銀座六丁目地区に五百台、日本橋二丁目地区に二百四十台の整備が進められているほか、八重洲一・二丁目地区、日本橋室町地区などにおいても計画されております。これらの駐輪場の整備により、東京駅周辺や日本橋から日本橋室町にかけての駅周辺においては、駐輪需要を満たすものと考えております。

 次に、一時利用駐輪場の整備についてであります。

 一時利用駐輪場については、現在、銀座三越や東京スクエアガーデンなどに整備されているほか、東京駅周辺においても予定しております。区といたしましては、買い物など、一時利用駐輪場の必要性は高いと考えていることから、今後、商店街や商業施設周辺などへの確保を図ってまいります。

 次に、コミュニティサイクルの導入時期についてであります。

 本区では、自動車から自転車への転換、放置自転車の減少などを目的として、コミュニティサイクルに関する検討を行ってまいりました。今後は、ステーション用地の確保などの課題解決を図りながら、早期の導入を目指してまいります。広域展開については、千代田、港、江東の周辺三区や東京都と情報交換を行っており、今後も連携を図りながら検討を進めてまいります。

 次に、サイクルシェアリングの整備についてであります。

 区では、昨年十一月に市街地開発事業指導要綱の見直しを行い、サイクルシェアリングによる駐輪場の緩和規定を導入し、自転車台数の抑制に取り組んでおります。要綱の見直しから間もないことから、まだ竣工実績がなく、今のところ効果は確認できておりません。事前相談の件数はふえてきており、新築時におけるサイクルシェアリングの導入について、引き続き取り組んでまいります。

 次に、サイクルシェアリング導入についての区の助成についてであります。

 既存マンションにおいては、既に居住者が自転車を保有している状況の中で、共同利用の考え方や合意形成などの課題もあることから、指導や助成は行っておりません。

 次に、公園における受動喫煙防止対策についてであります。

 公園においては、子供への影響や公園改修時での地域住民の要望等を受け、吸い殻入れの撤去や集約を図ってまいりました。また、公園内禁煙の立て看板を設置し、園内の吸い殻入れが設置されている場所での喫煙を呼びかけております。しかしながら、一部の公園ではマナーを守っていただけない利用者がいるなど、分煙化が図られていない状況もあります。このため、植栽等による分煙環境の整備やパトロールの強化を図るなど、受動喫煙防止に取り組んでまいります。

 次に、事業者への助成についてであります。

 事業者が喫煙室の設置などを行う場合には、厚生労働省の受動喫煙防止対策助成金を受けることができます。また、日本政策金融公庫の福祉増進資金等のほか、区独自の商工業融資制度の設備資金も利用することができます。事業者に対する助成を行っておりませんが、今後とも受動喫煙防止に向けて喫煙所の設置が進むよう、まちづくり基本条例に基づき、事業者に協力を働きかけてまいります。

 次に、受動喫煙防止条例についてであります。

 既に条例を制定した神奈川県では、施行から四年たちましたが、規制強化を求める声がある一方で、施設外での喫煙の増加や経済的な影響等の問題が指摘されております。東京都においては、条例制定も視野に入れた防止策の強化について、有識者や業界団体から意見を聞く検討会を設置することとなりました。条例の制定に当たっては、神奈川県等の先駆例を参考にしながらの十分な議論が必要であるとともに、区域を越えての往来が激しい東京都では全都的な統一ルールづくりが不可欠と考えております。

 答弁は以上であります。

     〔二番 青木かの議員登壇〕

○二番(青木かの議員)
 それぞれ答弁ありがとうございました。

 まず、中規模交通システムについてです。

 まず、短期的に、できるだけ早い時期でのBRTのサービス開始、そして長期的には地下鉄大規模交通網の整備というお話、改めて伺いました。

 東京都の募集要項をじっくりと読んでいて気になったことがありまして、交通機関、つまりモード、交通機関ごとに二者以内を想定となっております。つまり、モードが複数であるという可能性も否定されておりません。つまり、中規模交通網、経済的であり、しかも早期に実現できる中規模交通網、つまりBRTプラスLRTかモノレールかゆりかもめかロープウエーか、その二つの中規模交通網のネットワークを整備することによって、現在の人口が増加する江東区も含め、湾岸エリア交通需要に対応できるのではないかという考え方もあるようです。この二つの中規模交通網の整備、ネットワーク化ということも、ぜひ考慮いただければと思います。

 もう一つ、コミュニティサイクルについてです。

 前向きに取り組むというお考え、伺うことができました。

 今の答弁にもありましたように、オリンピックに向けまして、東京都、舛添知事、大変積極的に推進している。中央区におきましては、このポートの整備、用地確保ということが大変な課題になってまいりますが、例えば民間事業者との協力、この江東区の例などを見ておりますと、ポートをつくることによって、事業者にとりましては顧客需要、お客さんがふえるという利点もあります。民間との協力あるいは、ここへ来まして警視庁、警察が協力的に、これまでは社会実験ということで公道上のポートを許可していたものが、今後、常設できるようになるのではないか、このような動きも聞いておりますし、あと東京都が初期費用を助成するという動きもあるようです。ぜひ港区、千代田区、江東区、広域事業との関連もあります。早期の実現、よろしくお願いいたします。

 最後、お話にありましたサイクルシェアリング、この考え方でいきますと、確かに既存のマンションでは導入はいろいろ難しいかもしれませが、今後、中央区では、ますます臨海部を中心に新しいマンションがふえる。そのときに、例えばちょっと極端かもしれませんが、個人所有はしない、あるいは一台に規定する、そのかわり、しっかりとサイクルシェアリングの設備を整えて、その駐輪場を一つのポートとして整備していく、このような考え方もできるのではないかと思います。

 そして、受動喫煙防止条例について、神奈川県の例も聞いていただきまして、私も多々問題があることは承知していますが、一つ、二○二○年という目標があります。そして、やはりこれは状況をよく見ながら、さまざまな状況の中で設定していく。ここには、やはり区長のリーダーシップというものが必要になってまいります。副区長が最近よく答弁の中でおっしゃる、オリンピックが開催される二○二○年までは、六年あるが、これから二年でほとんどの計画が決まり、その後は粛々と工事が進むだけである、中央区にとって、これからの二年が勝負である。私、あの言葉が好きなんです。本当にこれからの二年が勝負だと思います。区長の決断とリーダーシップを期待いたします。

 再質問はありません。(拍手)

○議長(原田賢一議員)
 次に、二十番高橋伸治議員。

     〔二十番 高橋伸治議員登壇〕

○二十番(高橋伸治議員)
 中央区民の会の高橋伸治でございます。私は、平成二十六年第三回区議会定例会に当たり、会派の一員として、中央区の行政上の諸問題について、さきに提出いたしました質問通告、一、人口減少社会と中央区の対応について、二、中央区の再開発の考え方について、区長並びに関係理事者の方々に御質問させていただきます。地域との協働や民間活力の導入を前提として、働きやすい、暮らしやすい中央区の施策に期待をしている中央区民にとって、明るい展望が開けますように、また新しい希望が生まれますように、明快なる御答弁を期待しています。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問することを留保いたしておきます。

 民間の地方創成会議が五月に発表した試算は、地方から都市への人口移動が続く場合、市区町村の四九・八%に消滅可能性があるとし、自治体などに衝撃を与えています。出産年齢の中心である二十から三十九歳の女性が二○一○年からの三十年間で五割以上減少する都市を消滅可能性都市と定義いたしました。人口移動の一定の収束を織り込んだ国立社会保障・人口問題研究所の数値をもとにした試算では、消滅可能性都市は二○・七%にとどまります。創成会議の報告書は、移動が収束しないという前提で地方から大都市への若年層の流出防止や東京一極集中是正を強く求める内容になっています。悲観的過ぎるとの見方もありますが、若年女性の動向に着目し、消滅可能性都市という刺激的な言葉で人口問題の深刻さを訴えた効果は大きいと思っています。特に、青森、秋田、島根など五県は消滅可能性都市が八割を超えます。放置すれば、地域社会は崩壊し、土地の荒廃も避けられません。役割が担えなくなる市町村が出現し、上下水道、道路などのインフラの維持も困難になります。

 六月に発足した第三十一次地方制度調査会は、人口減少社会での自治制度のあり方も議論します。現場に近い市区町村が頑張るのが基本ですが、今後は業務の最適規模を考えて、市区町村ができないことは都道府県がやるなど、国が改めてルールを整理しないと、効果的に事業ができないとも考えています。中央区も、人口減少社会へ諸制度の見直しが不可欠だとも思っています。

 そこで、このような観点に立って質問いたします。

 質問の第一は、日本創成会議の増田座長は、人口減少は都心が最も厳しいと言っていますが、中央区の将来計画との整合性について、区長さんのお考えをお尋ねいたします。

 質問の第二は、中央区の出生率が上がってきていますが、現行計画ではどこまで対応できるのかお尋ねいたします。

 質問の第三は、国は人口移動の少ない社会づくりを目標にしていますが、そのときの中央区の将来像をお聞かせください。

 第二番目の質問は、中央区の再開発の考え方についてであります。

 景気が緩やかに回復しつつある中で、民間の住宅建設や設備投資などにおいて増加あるいは持ち直しの動きが見られ、公共投資も堅調に推移しています。建設需要が拡大する一方で、建設業就労者数が長期的に減少していることなどから技能労働者の不足感が強まっており、資材価格の上昇もあって、建築費の上昇傾向は強まっています。

 本区においては、東京オリンピック・パラリンピックの効果も相まって地価の上昇率もトップ五に三地域が名を連ね、再開発を含む開発ラッシュが続いています。本来、市街地再開発事業は、権利変換手続により、従前建物、土地所有者等の権利を再開発ビルの床に関する権利に原則として等価で変換されます。第一種市街地再開発事業、いわゆる権利変換方式と、公共性、緊急性が著しく高い事業で、一旦施行地区内の建物・土地等を施工者が買収または収用し、買収または収用された者が希望すれば、その対償にかえて再開発ビルの床を与える第二種市街地再開発事業の管理処分方式、いわゆる用地買収方式が基本であります。

 市街地再開発の手法は、本区においては多く活用されてきましたが、その事業の目的は、そもそも都市再開発法に基づき、市街地内の老朽木造建築物が密集している地域等において、細分化された敷地の統合、不燃化された共同建築物の建築、公園、広場、街路等の公共施設の整備等を行うことにより、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図ることにあります。その事業の仕組みとして、敷地を共同化し、高度利用することによって公共施設整備を生み出すものであります。

 京橋二丁目西地区市街地再開発事業においては、区道を一つの権利として、再開発建物において本区が所有権を有する権利床が存在します。しかし、その性質上、この権利床も、あくまで公共公益のスペースであることは、都市計画法の趣旨からも明らかであります。また、旧明治屋部分の歴史的建築物としての位置づけがなされたことが、この再開発が地域の伝統と文化に起因した再開発になったことは評価するところであります。

 そこで、質問いたします。

 質問の第一は、民間の開発は建築費の高騰を販売価格に還元できるとしても、市街地再開発事業においては、従前の権利者の権利は、原則として等価で新しい再開発ビルの床に置きかえられる、いわゆる権利床と、高度利用で新たに生み出される床、いわゆる保留床を処分し、事業費に充てられて実施されますが、現在の建築費高騰が及ぼす影響をどのようにお考えかお尋ねいたします。

 質問の第二は、京橋二丁目西地区再開発事業において、本区も組合構成員としての第一種市街地再開発事業であるならば、本区の権利床は都市計画法に沿った公共公益スペースでなければならないと考えますが、認識をお聞かせください。

 質問の第三は、公共公益という性質上からも、組合との協調性をとらなければならないと考えますが、本区と組合との現状をお聞かせください。

 質問の第四は、既に議会において説明された事項として、本区の権利床は、都市計画法にうたわれている文化的・歴史的要素をバックボーンとした観光拠点施設とするとのことでありますが、具体的なビジョンをお聞かせください。

 さらには、その具体的な計画は地元組合との合意がとられたものなのか、状況をお聞かせください。

 以上をもって私の第一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 高橋伸治議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、人口減少社会と区の対応についてであります。

 人口は都市の根幹であり、活力の源であります。かつて本区は、人口減少により地域のコミュニティが崩壊の危機に瀕し、地域社会全体が活力を失いつつありました。そうした状況への危機感から、昭和六十三年に定住人口回復対策本部を設置し、全庁を挙げて住環境の整備を中心とした総合的な対策に取り組んでまいりました。その結果、本区は現在、三十代から四十代の働き盛りの層を中心とした人口増加により乳幼児人口が著しくふえ、子育て支援ニーズが高まってきております。しかしながら、本区の合計特殊出生率はいまだ全国平均を下回っていること、また高齢化率は低いものの、今後、確実に高齢者が増加していくことから、都心における少子高齢化対策も将来に向けた重要な課題であると認識しているところであります。こうした課題認識のもと、昨年策定した基本計画二○一三では、子育て支援ニーズに対応する保育所整備や学校施設の増改築・改修の推進に加え、地域密着型特別養護老人ホームや小規模多機能型居宅事業所等の整備など、御高齢の方や介護等を必要とされる方々が安心して住み続けていただける施設やサービスの充実も盛り込んでおります。

 次に、出生率の増加による行政需要への対応についてであります。

 本区の合計特殊出生率は近年増加し、当面は同様の傾向が続くと考えております。乳幼児人口の増加に伴う保育所や学校施設などについては、基本計画の推進に加え、中央区まちづくり基本条例等に基づき、開発を通じた施設整備などにより機動的に対応しているところであります。今後とも、対象年齢層の動向を注視し、需要量を慎重に見きわめながら確実に対応してまいります。

 次に、本区の将来像についてであります。

 区といたしましては、本区の将来に向け、人口増加によるにぎわいと活力を確実に地域に定着させるための施策展開が何より重要であると考えております。今後も、基本計画や各種計画に基づく施策の一層の推進を図るとともに、子育て支援や高齢者対策など、さまざまな行政ニーズを的確に捉え、きめ細やかに対応することにより、人口移動が少ない社会状況になったとしても、多世代の方々が都心居住のすばらしさを謳歌し、将来にわたって豊かな区民生活を送れるよう、全力で取り組んでまいります。

 次に、市街地再開発事業における建築費高騰が及ぼす影響についてであります。

 建築工事費の上昇は、建物の床価格に影響を及ぼすものであります。再開発事業では、工事費が全体事業費の約六割を占めることから、その影響は多大なものと認識しております。こうした事態は、権利変換を基本とする再開発事業の中小権利者にとっては、取得する床面積が小さくなるなど、健全な資産保全が困難となる場合も想定されることから、適切な状況判断が必要と考えております。そこで、事業初期の段階からゆとりある計画づくりや、組合にかわって円滑に事業推進をすることを定めた特定業務代行者制度の活用などを指導しているところであります。さらに、昨年度、国が補正予算を組み、工事費高騰に伴い進捗が停滞している再開発事業に対して、新たに創設した都市・地域再生緊急促進事業の積極的な活用も図っております。事業完了時に権利者の資産保全が確実に実行されるよう、今後とも組合を指導してまいります。

 次に、京橋二丁目西地区再開発事業において、区が取得した権利床についてであります。

 区が取得した権利床は、都市計画上、明確に公共公益施設と位置づけられたもので、サービス機能と集客機能にすぐれた観光拠点を区みずから整備することとしております。現在、この施設について、本区の観光に資する施設として有効な場となるよう、庁内連携を図りながら検討を進めているところであります。この間、一部の権利者から、区の取得床に特定の入居者を推す要望も寄せられておりますが、区としては、適切な運用に努めていきたいと考えており、組合の理事会に対しても区の考え方を説明してきたものであります。区が取得する床は、地下一階、一階及び三階から六階に位置し、保存再生される明治屋ビルに並び、再開発棟の低層部の大切な顔となりますので、組合の考えも踏まえながら、継続して調整を図ってまいります。

 次に、観光拠点施設の考え方についてであります。

 京橋二丁目西地区に整備中の観光拠点は、二○二○年の東京オリンピック・パラリンピックとその後も見据えた都市観光を推進していく上で、核となる施設であります。そのためには、単なる案内機能だけでなく、観光の担い手が主役となり、来街者の回遊性の向上や観光に関連した国際交流と人材の育成、さらには情報交換など、幅広い活動を通して本区の魅力を創造し、内外に発信する機能を有することが重要であると考えております。また、この観光拠点施設が中心となり、にぎわいを区内全域へ広げていけるよう、施設自体に魅力を持たせ、集客力を高めていくことが必要であります。これらの多種多様な機能・役割を区単独で実現することは困難であり、民間の資金、発想、ノウハウ等の積極的な活用が大切な視点となります。現在、このような基本的な考え方に基づき、施設構成や運営の仕組みを検討しているところであります。なお、観光拠点全体の考え方について、再開発組合と意見の相違はありますが、本区の施設の趣旨が地元にも十分理解されるよう努力してまいります。

 答弁は以上であります。

     〔二十番 高橋伸治議員登壇〕

○二十番(高橋伸治議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 国のほうは、本当に人口減少社会ということで、これから三十年の間に三千万人近い人口が減るという予想をしているわけですよね。実際に、その中で中央区が置かれた現状というのは、非常にやはり厳しいものがあるのではないかなというふうに思っています。実際、国の中では、地方と都心の人という資源の取り合いになるわけですよね。そうなったときに、それを助長するような都心、中央区が全体のリーダーとして受け入れられるかどうかという問題というのは、やはり出てくるのではないかなというふうに思っています。

 人口バブルというか、明治の終わりからずっとこの百年の間、人口は日本はふえ続けて、それと同じように、これから百年の間、ずっと減り続けるというのが一般的な学者たちの考え方ですよね。その中で、日本全体を維持していくという考え方がないと、なかなか都心だけを維持していくというのは非常に厳しいような気がしております。その中で、中央区はこれからどういう活動、どういう施策を展開していくのかは楽しみだと思っています。

 出生率が上がって千七百人ぐらいの子供が生まれるということで、私も中央区からの資料が上がってくるのを期待しておりました。中央区から出てきた出生率というのは、一・○九が一・一八に変わっただけなんですね。日本の全体的な平均出生率、一・四三、これよりもまだ低いわけで、それでも、今、保育園が足りない、学校が足りない、幼稚園が足りない、いろいろなことが言われております。都市がこれから成長していくためには、少なくともその一・四三を超えるような、逆に言えば、希望出産人数というのがありまして、この希望出産人数でいうと一・八なんですね。一・八人は、やはり平均すると子供は欲しいというふうに希望されているが、現実は一・四三ということでございます。そういう中で、やはりこれからリーダーとして中央区が日本を引っ張っていくという、そういう考え方であるならば、ぜひその一・八を目標にして、その中で新たな計画をつくっていく、そんな中央区であってほしいなと思いますが、その辺についてもう一度御答弁をいただければありがたいと思います。

 それから、再開発の問題なんですけれども、私は、浜町の再開発に、最初にいろいろな話の中で御相談をいただいたとき、浜町の場合には本当に、先ほど言った再開発弱者ということに対して異常なぐらい気を使っていたのが中央区の再開発の歴史だというふうにずっと思ってまいりました。

 ところが、先ほども御答弁がありましたように、特定業務代行者制度という制度が今は中心になっているということで、この特定業務代行者制度という制度自体が、地元の人たちというか、地元の組合員の方々とどのような形で違いを出してくるのか。先ほども区長さんの答弁の中では、組合理事会という言葉と、それから特特定業務代行者制度という言葉、両方出てきたわけですね。特定業務代行者制度というのは、どうしても事業者というか、建築、設計業者が中心となった団体であるというふうに私なんかは認識しているんですけれども、それと組合理事会と言われている一般の方々との間の関係というのは本当にうまくいっているのかどうか、その辺もお聞きしたいというふうに思っています。

 その中で、先ほど言いました観光拠点なんかも、先ほど区長さんは地元町会等との調整の中で進めていくと言われておりましたので、ぜひぜひ地元の事業組合、地元の町会との調整の中で、そういうものをきっちりと機能するような仕組みで持っていっていただければありがたいと思いますが、この辺についても、もう一度御答弁をいただければありがたいと思います。よろしくお願いをいたします。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 答弁させていただきます。

 人ほど大事なものはない、先ほど答弁させていただいたとおりでありましてね、いつも言っているように、人集まらずして繁栄なしということで、人口回復対策本部をつくったり、都心に人が住めるようにしようではないかということで、全庁を挙げ、また各議員の皆様方のお力添えをいただいて、今日まで来たわけでございまして、おかげで、私が就任したときは八万四千七百八十九人の人口でした。それが、平成九年四月には七万人を切るのではないか、人口回復対策本部をやって十年たったけれども、七万一千八百六人まで、ぐっと落ち込んだんですね。しかし、いいまちをつくろうではないか、そして各施策を充実させていこうと、本当にみんなで努力した結果、その七万一千八百六人が、倍の十四万人になろうとしているわけでございましてね。

 そういう意味で、また、赤ちゃんも、平成十一年までは、いつも言うように五百人台だったんですね。五百人台を切ることもあった。それが、ここ八年間は一千人以上。おととしは一千五百十一人、昨年は一千六百九十四人、そしてことしは一千七百人を突破するのではないかというぐらい赤ちゃんが生まれてきている。これは、国のほうでもちゃんと評価していただいておりまして、何月でしたかね、この春、改造する前の内閣のときの森大臣さんから、ある会に呼ばれて、中央区の施策を紹介してくれということで、そういうことを述べまして、大変評価されてもいるわけでございましてね、これからもそういう意味では、お子様を産み育てやすい、お子様を産み育てる自治体ナンバーワン、これを目指して進めてまいりたい。

 それには、何といってもインセンティブですね。お子様を夫婦そろって喜んで産み育てる、そういう自治体にならなければならないのではないか。インセンティブ、つまりは施策ですよね。これをみんなで全庁を挙げて、また区議会の皆様方ともこれからも力を合わせて、いろいろとお互いに提案する、切磋琢磨ですね。それこそ、両輪となってやっていかなければならないのではないかというふうに思うわけでございまして、合計特殊出生率もやはり一・何といいますか、よりも多い二%、フランスのように押し上げていったわけですから、二人、出生率を上げるようにしていきたい。一・四三という御指摘ありましたが、一・二六じゃないんですかね、今、出生率はね。今、一・二六ということでございます。しかし、これはまだまだ低いわけですから、国に比べても低いし、それから世界的に見てもというか、人口増にはつながらないわけでありますから、これはしっかりやっていかなければならない、そういうふうに思うわけであります。

 再開発関連につきましては、他の理事者から答弁いたします。

 以上であります。

     〔副区長 吉田不曇君登壇〕

○副区長(吉田不曇君)
 京橋二丁目の再開発を含めた再度のお尋ねについて、お答えをさせていただきます。

 建築費の高騰というのは、大変再開発事業にとって悩ましい。と申しますのは、実は、権利変換でどれぐらいの床がいくよといったときには、建築費も決めていますし、それから内訳の値段も決めて想定をしてやっているんですが、それが実際に工事に着手して引き渡すときになると、実は建築費が上がっちゃっているという、時差の関係で大変問題が出てくる。これはかなり深刻でございます。

 今日の状況の中で、私どももそこのところについては非常に苦しんでいるわけでございますが、その中で特定業務代行者制度ということを例示してお答えしたわけでございますけれども、全てを組合が一々理事会で何か決定しながら、細かいところまで調整をしながら事業を進めていくのはなかなか難しいので、ある程度ホールセットで、設計施工から工事までというところを民間の事業者のノウハウに任せるという意味での特定業務代行者制度を活用いたしまして、ある意味で、赤字も民間事業者の中で、いわゆる建築業者であるとか、ディベロッパーの中で吸収していただけるような制度として、そういうものを活用して、この高騰問題などに対応するということをやらせていただいているわけでございまして、それは事業の仕組みでございます。

 ただし、節々の権利変換については、それぞれ権利変換額の承認なり何なりというものは個別の手続でございますから、私どもの区で、先ほどある意味で御評価いただいたと思っておりますけれども、いわゆる再開発弱者に対する基本的な取り扱いの部分については、こういう仕組みが、特定業務代行者制度が入っていましても、その部分については個別の認定でございますから、これは区として、基本的に私どもの区の再開発は、働き続け、住み続けられるということを前提としておりますので、いわゆる再開発弱者を出さないということを前提としておりますので、そういう部分についての基本的な方策において、再開発がつまずいているということはないわけでございます。

 組合と私どもとの意見の対立というような部分について申し上げるならば、区の権利床の活用の方策についての部分でございます。この部分に限っておりまして、この部分については、先ほど区長のほうからも御答弁申し上げましたように、区の観光施策の一環として、その床をどう有効に使っていくかという問題と、その地域の方々が、ある意味で縁を感じていらっしゃるいろいろなたくらみというか、企画というものとが、スケールの点においてそごを来しているものですから、その部分について調整が必要だというふうに考えているところでございまして、その部分については、十分話し合いをさせていただきながら、これからも進めさせていただきたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

     〔二十番 高橋伸治議員登壇〕

○二十番(高橋伸治議員)
 それぞれありがとうございます。

 国の中では、韓国やシンガポールのように、日本よりも出生率は低いんですけれども、元気で勢いのある国というのが、今、あるわけで、日本はどうも人口バブルということで、人口がふえることによって全ての経済が大きくなるという形で理解をしていたんだというふうに思っています。ところが、これからの先進国型の経済というのは、人口がふえなくても、効率をよくして経済を発展させていくことによって国民が潤うような、そんな仕組みをつくっていく、これがこれからの新しい都市のあり方ではないかなというふうに思っておりますので、ぜひぜひその辺も取り入れていただいて施策を展開していただければありがたいと思います。

 質問はこれで終わります。どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。(拍手)


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

午後四時四十五分 休憩


     午後五時五分 開議

○議長(原田賢一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。一番加藤博司議員。

     〔一番 加藤博司議員登壇〕

○一番(加藤博司議員)
 日本共産党中央区議会議員の加藤博司です。日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。なお、再質問、再々質問を留保します。

 初めに、国民との矛盾を深める安倍政権についてです。

 九月三日、第二次安倍改造内閣がスタートしました。安倍政権が推し進めている集団的自衛権行使容認の閣議決定、消費税一○%への連続増税、原発の再稼働、沖縄の新基地建設など、どの問題でも国民の五割、六割が反対をしています。しかし、安倍政権は国民の批判に耳を傾けるという姿勢が全くありません。集団的自衛権について、私たちは納得していませんと訴えた長崎の被爆者代表に、安倍首相は見解の相違だと言って突っぱね、沖縄では、何度も選挙で新基地建設の反対の審判が下っても一顧だにせず、計画どおり進めると述べ、沖縄県民の怒りを買っています。国会での多数をバックに、異論を切り捨てる強権体質というのが際立っていると思います。国民多数の声に逆らう安倍政権と国民との矛盾は、いよいよ抜き差しならないものになっています。

 そこで、質問します。

 第一は、集団的自衛権行使容認の閣議決定の問題についてです。

 集団的自衛権の行使とは、日本の国を守ることでも、国民の命を守ることでもありません。アメリカが起こすアフガニスタン戦争やイラク戦争のような戦争で、自衛隊が戦闘地域まで行って軍事活動ができるようにすることです。文字どおり武器を使用することになります。海外で戦争する国づくりこそ、その正体です。一内閣が閣議決定で勝手に解釈改憲するクーデターのようなことを許すわけにはいきません。安倍政権の危険な策動に対して、全国の百九十の地方議会で集団的自衛権の行使容認に反対する意見書を可決しています。

 区長は、第二回定例会での我が党の奥村議員の質問に対し、未来を担う子供たちを再び戦争に行かせないことこそ私たちに課せられた大きな使命と述べ、本区から平和のとうとさを世界に発信していくと答弁していますが、集団的自衛権行使について明確な態度を示していません。集団的自衛権の行使を認めないことこそが、子供たちを戦争に行かせないことを担保するのではないでしょうか。集団的自衛権の行使容認について、きっぱりと反対の立場を表明すべきです。お答えください。

 第二は、消費税一○%への増税の問題についてです。

 ことし四月から、消費税の税率が五%から八%になりました。さらに、安倍内閣は年内に、来年十月から一○%に連続値上げを実施するか判断するとしています。安倍政権の内閣改造後の各新聞の世論調査によると、来年十月からの消費税増税に反対が、朝日六九%、読売七二%、毎日六八%、共同通信六八・二%となっています。国民の反対の意思は、内閣改造後も変わっていません。

 あらゆる商品やサービスに課税され、低所得者ほど負担が重くなる消費税の増税は、国民の暮らしも経済も破壊するものです。現に、増税は暮らしを直撃し、四月以降、消費は大幅に落ち込みました。内閣府が九月八日発表した四―六月期の国内総生産改定値は年率換算で七・一%減となり、東日本大震災の影響で六・九%減となった二○一一年一―三月期を超え、リーマンショック後の二○○九年一―三月期以来のマイナス幅になりました。一方で、大企業を優遇するアベノミクス効果で大企業は過去最高の利益を上げています。しかし、設備投資の拡大に向かっていません。

 背景にあるのは内需の冷え込みです。GDPの約六割を占める個人消費は、年率換算で一九%もの減少です。過去二十年間で最大の落ち込みとなりました。区内の商工関係者に聞いたところ、消費税増税後、売り上げががくんと落ち、後継者もいないので商売をやめたいのだが、借金があって店を閉めることもできない、持ち家なので何とか商売をしているが、これで家賃を払ったら商売なんかできない、そういう声や、廃業を考えているなどと、どれも深刻な話ばかりです。

 事実、平成二十六年八月の中央区景気動向調査によると、景気の現状及び景気の先行きに関する景気判断で、「やや悪くなっている」、「悪くなっている」が増加し、DIは、前年同月比で現状判断はマイナス三ポイント、先行き判断はマイナス八・五ポイントと、いずれの指標でも後退をしています。先行きに関する判断理由として、「悪くなる」と答えた経営者は、来年のさらなる消費税増税を控え、無駄な出費を控えるのではないかとし、現政権の負の部分が目立つと指摘をしています。区長は、こうした日本の経済と区内の状況をどう考えていますか、お答えください。

 この上、来年十月からさらに消費税の税率を一○%に引き上げれば、暮らしも地域経済も壊滅的な打撃を受けるのは明らかです。所得が伸び悩んでいる中、消費が大幅に減るのは目に見えています。消費税一○%への増税は、きっぱりと中止すべきです。増税やめよと主張すべきです。区長の見解をお聞かせください。

 第三は、原発再稼働の問題についてです。

 東京電力福島第一原発事故は、事故発生から三年半を経過しましたが、事故の収束の見通しすら立っていません。毎日毎日、汚染水などにより被害をさらに拡大しています。このような中で、原子力規制委員会が九州電力川内原発一号機、二号機について、再稼働の前提となる新規制基準に適合しているとの審査書を決定し、再稼働を強行しようとしています。住民の不安と反対の声を踏みにじるものと言うほかありません。

 また、田中俊一原子力規制委員会委員長は、川内原発の再稼働審査が新基準に合格したからといって、安全だということは申し上げないと、無責任な発言をしています。住民の避難計画すら十分ではありません。

 区長は、第二回定例会で、原発の再稼働については安全性を第一に、原子力規制委員会による世界で最も厳しい水準の規制に基づき安全審査を行う、国の責任において判断されるべきと述べていますが、とても世界一の基準などとは呼べません。基準を多少引き上げても、それ以上大きな災害が起きない保証はありません。川内原発を初め、原発再稼働の企ては断念し、停止したまま原発再稼働ゼロを実現すべきです。今でも区長は、新基準が最も厳しい規制と考えていますか、お答えください。

 原発が稼働すれば、プルトニウムを含む危険な使用済み核燃料がたまり続けることになります。現在、使用済み核燃料を処理する技術を人類は手にしていません。人類社会が原発という危険な科学技術と共存することができないことは明らかです。原発再稼働はやめるよう、国に求めるべきではないでしょうか。また、原発が稼働していない今だからこそ、エネルギー政策を自然再生エネルギーへ転換すべきだと思いますが、いかがですか、それぞれお答えください。

 次に、公的介護の充実についてです。

 高齢者と家族の安心を覆す医療・介護法改悪は、福祉増進を国の責務とする憲法第二十五条と相入れません。高齢者人口がふえることに伴う社会保障費増加を脅威とみなし、高齢化危機をあおり、消費税増税と社会保障切り捨てを迫る安倍政権の姿勢は、国民の願いに完全に逆らうものです。今を生きる高齢者を邪魔者扱いする政治は、次世代にも貧弱な社会保障しかもたらしません。政府や財界が振りまく世代対立・分断論に、大義も道理もありません。

 安倍内閣は、医療・介護法を改悪し、高齢者が医療・介護が必要でも、地域で生活を継続し最期を迎えるとして施設から地域に押し出していく考えを強調し、給付と負担のバランスを図りつつ制度の持続可能性を確保として、サービス切り捨てと負担増を進めていく姿勢を強調しています。社会保障の徹底削減ありきで患者、利用者を地域、自宅に押し込め、医療・介護に頼るなというのが本音です。政府の姿勢からは、医療・介護サービスが拡充され、地域で安心して暮らし、老いていく展望など、全く見えてきません。あるのは、国民からサービスを取り上げ、ひたすら自立・自助を求める冷たい姿勢だけです。

 そこで、質問します。

 第一に、地方自治体が独自に実施する新たな介護予防・日常生活支援総合事業として、代替するサービスが行われることになります。要支援者が介護給付から外されるヘルパー派遣やデイサービスの現行水準を後退させることなく、必要とする人に専門的サービスを提供するよう求めますが、いかがですか、お答えください。

 第二に、今後は窓口に介護サービスを受けたいと訪れた人を、要介護認定を受ける前にチェックリストで判定し、NPOやボランティアによる掃除やごみ出しなど、生活支援サービスに誘導する仕組みが導入されます。高齢者の要介護認定を受ける権利を尊重すべきです。介護認定を簡略化したチェックリストの判定だけで、水際で排除するようなことはあってはならないと考えます。いかがですか、お答えください。

 第三に、今後は、既存の介護事業所に及ぼす影響も多大です。要支援者への支援がボランティアなどに代替されれば、訪問介護・通所介護の事業所は利用者が減り、存続にかかわる打撃になります。介護職員にとっても、賃金の引き下げにつながりかねません。介護の現場は、今でも過酷です。介護労働者の賃金は、他産業平均に比べ十万円近く下回っています。低賃金、長時間労働、健康への不安など、処遇改善は待ったなしの課題です。介護労働者が専門職の誇りを持って人間らしく働くために、利用者に負担増をかぶせることのない全額国費による賃金アップ、長時間労働、ただ働きなど、労働条件の改善を国に求める必要があると思いますが、いかがですか、お答えください。

 第四に、特養老人ホームへの入所は、来年四月以降、原則要介護三以上になります。区政世論調査によると、区の施策への要望の第一位は、「高齢者福祉・介護」です。区に望む高齢者保健福祉サービスでは、「特別養護老人ホームや認知症対応型グループホームなどの施設の整備・誘致」を四割近い区民が望んでいます。中央区では、三百人を超える特養老人ホーム待機者がおります。地域密着型特別養護老人ホーム、ケアサポートセンター十思では、二十九人の定員に対して百七十二人も応募があり、入所倍率は六倍近くにもなります。施設が全く足りていません。また、グループホームの入所者数について二十三区で比較すると、中央区は二○○二年は高齢者百人当たり○・○七人で、二十三区中二位でした。しかし、二○一四年七月一日現在では、○・二人となり、二十三区中二十位まで順位が後退をしています。グループホームの整備のおくれも明らかです。区長は、特養老人ホームやグループホームへの入所を願う高齢者や御家族の方の思いをどのように受けとめ、施設待機者をゼロにしていくために具体的な施策をどのように考えていますか、それぞれお答えください。

 次に、子ども・子育て支援新制度についてです。

 二○一五年四月から保育・幼稚園、学童保育など、子育て支援に係る制度を根幹から転換する子ども・子育て支援新制度が実施されます。

 新制度は介護保険制度をモデルにしており、最大の特徴は、これまでの区市町村の責任によって保育サービスを提供する制度を改め、利用者と事業者が直接契約をし、事業者が保育料を徴収する現金給付の仕組みへの変更です。これは、児童福祉法第二十四条一項に位置づく認可保育所は現在と変わらず、区市町村の責任で保育が実施され、区市町村に保育料を納入し、私立の認可保育園には区市町村から委託費が支払われます。これに対して、児童福祉法第二十四条二項に位置づけられている認定こども園、幼稚園、地域型保育事業、小規模保育など、基本的には利用者と事業者が直接契約し、保育料も事業者が集めることになります。区市町村は、利用者と事業者が取り交わす保育の契約に介入することができなくなり、区市町村の保育実施責任が後退し、保育の市場化にさらに道を開くものになります。

 さらに、新制度では、保育所、幼稚園、認定こども園などの定員二十名以上の保育施設に加えて、新たに地域型保育として定員十九人以下の小規模保育、家庭的保育、事業所内保育、居宅訪問型保育などが導入されます。保育定員規模が小さいことを理由に、保育所などに比べて保育従事者の資格要件の緩和などが国基準に盛り込まれ、その結果、施設、事業によって保育に格差が持ち込まれることになります。

 新制度は、子供の健やかな成長をひとしく保障する保育という子供の視点に立った制度ではありません。また、十分な準備がなされないまま実施される新制度は、五年間の事業計画実施期間内にさまざまな事項において経過措置がとられることになり、より複雑になっています。

 そこで、質問します。

 第一に、新制度のもとでも多くの保育士や保護者の運動の中で復活した児童福祉法第二十四条一項、市町村の保育実施責任を最大限に生かし、一人一人の子供にとって最適な保育を保障すべきです。子供の権利保障を基本に、格差のない保育・教育を実施することが必要と思いますが、御見解をお答えください。

 第二に、保育を受ける権利は平等です。保育環境や保育の内容は、同じであるべきです。新制度のもとでも、自治体が裁量ですべき事項がたくさんあります。保育の量とともに、質の確保も必要です。どのような保育施設であっても、保育士数、保育面積や給食など、現行保育水準を後退させず、維持・拡充を図ることが求められていると思いますが、いかがですか、お答えください。

 第三に、認可保育所への入園を希望している待機児の解消は、地域型保育に依存せず、認可保育所の増設で解消すべきと考えます。いかがですか、お答えください。

 次に、勝どき・豊海・晴海地区のまちづくりについてです。

 近年、勝どき・豊海・晴海地区は大規模に住宅の再開発が進み、現在でも高さ六十メートル以上、階数で二十階以上のタワー型マンションが十棟以上もあり、さらに十棟近いタワー型マンションの建設が計画されています。ますます空が狭く、小さくなっていきます。マンション建設工事に加え、新島橋のかけかえ工事、地下鉄や環状二号線の工事などで、二十四時間工事を行っています。

 都心と臨海副都心とを結ぶ公共交通に関する基本方針では、今後は、勝どき・晴海地域は、オリンピック開催までに新たに二万人を超える規模の住宅の開発が予定されていることに加え、オリンピック・パラリンピック大会の選手村の後利用を含め、一万人を超える規模の住宅などの整備が予定されていますと、大規模な人口増加を想定しています。また、勝どき・豊海・晴海地域の人口は、十年前の二○○五年には一万八千四百八十人が三万一千八百八十三人に、十年間で約一・七倍に増加し、オリンピック終了後は、さらに現在の人口の二倍の六万人以上になります。そのため、余りにも急激な人口増加をもたらす大規模開発により、弊害も生まれています。日照問題や風害など、住環境の悪化や区民施設などの整備がおくれています。大規模に開発が進む中央区、とりわけ勝どき・豊海・晴海地区は、以前からお住まいの皆さんも、また新しく中央区に住むことになった皆さんにとっても、住み続けられる住みやすいまちづくりが大きな課題です。

 そこで、お聞きします。

 第一に、狭い地域に次々と大規模な再開発が行われ、超高層マンションやビルが建てられています。周辺では、日中、日が全く当たらない、まるでつぼの中で生活しているようだとの区民の声もあります。たった十数年で居住人口が三倍以上に膨れ上がるような、過度に人口を集中させるまちづくりは異常だと思います。区長の御見解をお聞かせください。

 第二に、大規模開発により、急激な人口増加は区の行政運営にも大きな影響を与えています。住戸数が数百あるいは千を超える超高層マンション建設により、一気に居住者が増加をします。保育所や学校の教室が足りない、特養老人ホームなどの施設整備のおくれなど、インフラ整備が追いついていません。区民サービスへの影響は大きいものがあります。地域にも自治体にも負担を強いる大規模開発優先のまちづくりは見直すべきと考えます。いかがですか、お答えください。

 第三に、児童数の増加により、豊海小学校が新しく建てかえられることになりました。周辺は、現在も大規模再開発が進んでいます。児童数の増加は、今後も続くことが予想されます。ところが、豊海小学校周辺の児童館は、勝どき一丁目にある勝どき児童館しかありません。学童クラブや児童館に通う児童の負担も大きいものがあります。豊海小学校地区に児童館が必要だと思いますが、お答えください。

 第四に、都有地に建設される選手村後利用については、国際オリンピック委員会の環境行動計画で、宿泊施設は社会の貧困層を忘れずにと指摘をしています。低所得者層が増加をし、都営住宅の世帯向け抽せん倍率が全都で平均三十倍にも上っているもとで、選手村の後利用に公的住宅が全くないのは異常です。都有地で整備する選手村の宿泊施設は、都営住宅を初め、都民のために活用するよう、東京都に求めるべきと思いますが、いかがですか、お答えください。

 第五に、勝どき六丁目の月島警察署は、晴海三丁目に移転をしました。現在では、勝どき・豊海地区には勝どき一丁目にある勝どき橋交番一カ所です。住民の安全・安心を確保するためにも、勝どき五・六丁目、豊海町に新たな交番の設置を求めますが、いかがですか、お答えください。

 第六に、次々と建設される高層住宅によるビル風も深刻なものがあります。これからも大規模開発が進みます。高層建物の周りに木を植えても、余り役に立っていません。大人をも吹き飛ばすビル風対策が急がれています。抜本的なビル風対策をどのように考えていますか、お答えください。

 次に、区立駐輪場の有料化についてです。

 現在、十九カ所、収容台数三千九百八十二台の区立駐輪場があります。これを二○一五年四月から、区民は一カ月利用一千五百円、年間利用は一万六千円に、撤去・保管手数料を三千円に有料化、徴収するという案を出しました。自転車は、地球に優しく、エコであること、東日本大震災以降、通勤手段としても注目されています。

 中央区は、中央区自転車利用のあり方で、自動車中心から鉄道やバスなどの公共交通や自転車、徒歩など環境負荷が少ない交通手段に転換していくとし、地球温暖化防止のために自動車から歩行や自転車利用を呼びかけ、区民や在勤者の生活や活動の中に積極的な自転車の活用を推奨していますが、駐輪場の有料化でブレーキをかけることになりかねません。

 そこで、質問です。

 第一は、この第三回定例会で区民や利用者の声を聞くことなく有料化を決めてから、有料化のお知らせをすることは問題です。区が策定した中央区自転車利用のあり方では、変更に当たっては、利用者のみならず広く区民に周知し、合意を図っていくとしています。区民や利用者に諮りもせず、有料化を決めてから周知・合意を図るということは、区の方針からも外れています。区の方針どおり、区民や自転車利用者の声をまず聞くべきです。お答えください。

 第二は、区は、自転車の施策を総合的に展開し、安全・安心・快適な自転車利用と道路空間を確保するために、自転車利用者の適正な負担が必要と説明しています。駐輪場利用受け付けは申し込み順、予定数に達した場合、駐輪を希望しても利用できないことになります。また、新しく中央区に引っ越してきた方は、途中からでは駅の駐輪場が使えない可能性もあります。このように、駐輪場を利用したくても利用できなければ、放置自転車がふえてしまいます。有料化より優先すべきは、足りない駐輪場の整備です。いかがですか、お答えください。

 第三に、放置自転車についても、中央区は自転車利用のあり方で、需要に応じた自転車駐輪場の整備を行った上で撤去を継続すると述べています。必要な駐輪場の整備が行われていない中での撤去・保管料を徴収することは許されません。撤去・保管料の徴収はやめるべきです。お答えください。

 以上で第一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 加藤博司議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、集団的自衛権についてであります。

 今回の閣議決定については、我が国を取り巻く安全保障環境が変化し続けている状況を踏まえ、憲法の平和主義の理念を堅持しつつ、紛争を未然に防ぎ、国民を守るための安全保障法制の整備に向けて、政府の方針が示されたものであると認識しております。集団的自衛権の行使の根拠となる国内法の整備に当たっては、国会において十分な審議がなされるものと考えております。また、国際社会の平和と安定のためには、こうした安全保障法制の検討に加え、平和的な外交努力を重ねることが重要であると認識しております。平和をあらゆる施策の根幹に位置づけている本区においては、子供たちが再び戦禍にまみえることのないよう、恒久平和の大切さを世界に向けて引き続き訴えてまいります。

 次に、国や区の経済状況と消費税率の引き上げについてであります。

 本年八月の本区景気動向調査においては、前回六月と比べて、現状判断DIで三・一ポイント、先行き判断DIで五・七ポイント、それぞれマイナスとなりました。これは、原油価格の高騰に加え、猛暑や大雨などの天候不順が続き、景気の好転を実感できなかったことが要因と分析しております。一方、国全体では、九月の月例経済報告において一部に弱さも見られるが、緩やかな回復基調が続いているとしており、回復基調の流れに変化はないものと認識しております。なお、来年十月に予定されている消費税率一○%への引き上げについては、国は経済状況などを総合的に勘案した上で、専門家の意見を聞きながら判断するとしております。区においても、こうした国の動向を注視しつつ、区内外における景気動向の適時適切な把握に努め、これまで同様、経済環境の悪化や社会状況の変化には柔軟に対応し、区民生活を守る立場で施策に取り組んでまいります。

 次に、原発再稼働についてであります。

 原発再稼働を審査する新規制基準では、福島第一原発事故の教訓を踏まえまして、活断層調査の強化や新たな設計基準に基づく津波防護策、さらには大規模な自然災害やテロ攻撃などに備えた重大事故対策など、さまざまな安全対策を求めており、国は世界で最も厳しい水準であるとしております。原発の再稼働に当たっては、この基準に基づき、原子力規制委員会による徹底した安全審査を経た上で、地元住民の理解と自治体の同意が必要であり、この問題は幅広い国民の意見を踏まえ、国の責任において判断されるべきものと考えております。また、国のエネルギー政策においては、徹底した省エネルギーや再生可能エネルギーの導入を進め、可能な限り原発依存度の低減を図るとしております。エネルギーの安定的な供給は、国民の暮らしと産業を支え、我が国経済の維持・発展に欠かすことのできないものであり、安全性、経済性、環境への配慮などの観点から、総合的かつ計画的に検討されるべきものと認識しております。

 次に、要支援者施策についてであります。

 要支援者に対する一部のサービスを介護給付から地域支援事業へ移行する目的は、掃除や買い物などの多様な生活支援サービスを、介護事業者に限らず、NPOなど、さまざまな事業主体が行うことによって、より効果的・効率的にサービスを提供することにあります。新しい総合事業は、介護予防や生活援助を目的として、利用者の心身の状況に応じて、専門的な視点から、おとしより相談センターがケアマネジメントを実施いたしますので、必要とする方には専門的なサービスを提供してまいります。また、チェックシートにつきましては、新しい総合事業の利用を希望された方に対して、心身の状況を確認するために用いられるものであり、介護認定につきましては、今までどおり希望すれば、いつでも申請することができます。

 次に、処遇改善についてであります。

 現在、国の社会保障審議会介護給付費分科会において、人材確保対策について、参入促進、資質の向上、労働環境・処遇の改善の視点から総合的に検討しているところでありますので、その審議を見守ってまいりたいと存じます。

 次に、介護施設の整備についてであります。

 昨年度実施した高齢者の生活実態調査によりますと、介護を受けても自宅で暮らしたいという方が最も多く、住みなれた地域・家庭で暮らし続けられるよう、地域包括ケアシステムを構築していくことが重要であります。しかし、同時に、在宅での介護が困難となった場合に備えて、施設整備も着実に進めていく必要があります。本区では、昨年十一月の月島に続き、今月から地域密着型特別養護老人ホームが日本橋の十思スクエア別館にも開設され、さらに来年四月にはマイホームはるみの大規模改修により入所定員が二十六床増床となることから、この三年間で八十四床の入所定員の拡大を図っております。また、認知症グループホームにつきましても、平成二十八年度に十八人定員のグループホームを湊二丁目に整備してまいります。今後とも、高齢者が安心して住みなれた地域で暮らし続けられるよう、在宅サービスの充実に努めるとともに、施設サービスが必要な方に対しては、ニーズを的確に把握しながら、特別養護老人ホーム等の整備を進めてまいります。

 次に、子ども・子育て支援新制度についてであります。

 保育の実施において、子供にとって最適な保育が行われるよう、区が保育の実施主体として責任を持つことは、新制度のもとにおいても何ら変わるものではありません。また、新制度において新たに導入される地域型保育事業の認可基準につきましては、現行の保育所認可基準をもとにしていることから、保育水準の確保は図られているものと認識しております。さらに、本区においては、小規模保育事業B型及び小規模型事業所内保育事業の保育従事者における保育士の割合について、国基準を上回る基準を定めることとしております。待機児童の解消につきましては、今後策定する子ども・子育て支援事業計画に基づき、私立認可保育所の開設支援により保育所の拡充を図るとともに、地域の多様なニーズに応えられるよう、地域型保育事業や認証保育所などを効果的に組み合わせ、早期解消を図ってまいります。

 次に、勝どき・豊海・晴海地区のまちづくりについてであります。

 本区は、バブル期を通じまして著しく人口が減少したことから、定住人口の維持・回復を最優先課題として掲げ、街並み誘導型地区計画を導入し個別建てかえの促進を図るとともに、地域の方々が主体的に地域課題の改善に取り組む市街地再開発事業を推進してまいりました。この間、結果として人口の増加が進みましたが、大規模な開発の機会を捉えて地域貢献施設の整備を指導し、現在、今後の人口増加を見据えて小学校の増築工事を進めるとともに、中央区まちづくり基本条例に基づき、保育施設や高齢者支援施設等の施設整備を進めてきております。当該エリアは、依然として居住環境や防災性の向上、老朽マンションの耐震化などの地域課題が存在しており、今後も開発の機会を捉え、課題の改善と人口増加に伴い必要となる地域貢献施設を整備してまいります。

 次に、住み続けられるまちづくりについてであります。

 まず、豊海地区における児童館の設置についてであります。

 人口の増加を踏まえ、区では平成二十二年度に勝どき児童館を移転して施設規模の拡大を図ったほか、平成二十四年度には大型児童センターである晴海児童館を新たに設置し、豊海小学校の改築に当たってもプレディを充実するなど、地域における子育て支援施設の整備を図ってきております。

 次に、晴海に整備される選手村の宿泊施設についてであります。

 東京都の立候補ファイルには、宿泊施設については民間事業者が大会後に住宅を分譲または賃貸すると記載されており、選手村における都営住宅の整備は困難であると認識しております。現在、本区は、東京都に対し、晴海将来ビジョン中間取りまとめに示したとおり、持続的に多様な人々、幅広い世代が住まうまちを目指し、分譲住宅に加え、賃貸住宅など、多様な住まいの創出を図るように求めております。月島警察署移転後の交番設置については、難しい状況にありますが、旧月島警察署跡地の現建物をそのままオリンピックまで警察施設として使うと聞いており、引き続き警視庁に対し粘り強く働きかけてまいります。

 次に、高層建物におけるビル風対策についてであります。

 高層建物による風の影響を完全に取り除くことは困難であることから、できる限り低減するよう指導しております。具体的には、計画段階において風洞実験等に基づき、建物の形状や植栽の工夫を図るとともに、竣工後は事後調査に基づき適切な措置を図るよう、引き続き指導してまいります。

 次に、有料化に当たっての区民からの意見聴取についてであります。

 駐輪場の有料化については、自転車対策を総合的に展開する上で、利用者の適正な負担が必要であるとの考えに基づき、実施するものであります。検討においては、中央区自転車利用のあり方策定の際に実施いたしましたパブリックコメントや区長への手紙など、区民からいただいた御意見を参考にして進めておりますが、今後も幅広い周知等に努めてまいります。

 次に、駐輪場の整備についてであります。

 昨年度、区全域を対象に実施した駐輪場整備に向けた調査・検討を踏まえ、今年度、東京駅周辺十一カ所に五百台以上の民設民営駐輪場を整備し、今後、銀座など他地区においても整備を図る予定であります。あわせて、まちづくり基本条例を活用し、銀座六丁目地区に五百台、日本橋二丁目地区に二百四十台の駐輪場整備が進められているほか、八重洲一・二丁目地区や日本橋室町地区などにおいても計画されております。区といたしましては、今後も駐輪場の整備を積極的に進め、放置自転車の解消に努めてまいります。

 次に、放置自転車撤去・保管手数料の徴収についてであります。

 自転車の放置防止には、駐輪場の整備とあわせて、撤去の強化が必要であります。放置自転車の撤去については、本年一月から放置禁止区域内での即日撤去を実施しておりますが、放置自転車のさらなる抑止を図るとともに、駐輪場の利用を促進するため、撤去・保管手数料の徴収を行うものであります。

 答弁は以上であります。

     〔一番 加藤博司議員登壇〕

○一番(加藤博司議員)
 まず最初に、安倍政権と区民の暮らしへの影響についてですけれども、区長の今回の答弁を聞きましても、やはり基本的には国の責任において決定していくという、私は非常に腰の引けた答弁ではないかと思います。日本国憲法を遵守することと同時に、やはり中央区民十四万人の命と暮らしや健康を預かっている自治体の最高責任者なんですから、区長が国に対してきちっと発言をしていく、メッセージを届けるということが、まず必要なのではないかと、その点を、まず最初に指摘しておきます。

 集団的自衛権の行使容認について、さまざま説明がありましたけれども、基本的には、今、自民党政権、安倍さんがやっているのは、国家機密法をつくり、国の存立、自衛の措置の名で推し進めることと言っているわけです。七十年前を振り返ってみますと、戦前の日本の軍国主義のもとで治安維持法をつくり、国民が物言えぬ状況をつくり、帝国の存立、自尊・自衛の名のもとで侵略戦争を進めた誤りを、私はまた繰り返すことになるのではないかと、そういう不安を持っております。集団的自衛権の行使の明確な歯どめもないわけです。そういう意味では、安倍首相が全て情報を総合して判断すると言っているわけですから、やはりここのところはきちっと見ておく必要があると思います。

 自衛隊は、創立してから六十年になります。六十年間、自衛隊員は一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出していません。たとえ海外派遣されても戦闘地域には行かない、武器を使用しない、こういうことで、憲法第九条が自衛隊員の命を守ってきたと、私はそう言っても過言ではないと思うんです。この件について、区長の見解をお答えいただきたいと思います。

 さまざまな平和的な外交努力ということを言われました。しかし、今、安倍さんがやっていることはどういうことか。抑止力の強化、軍事力の増強で構えたら、相手も軍事力の増強を加速することになるわけです。軍事対軍事の悪循環になる、私はそう思うんです。やはりどんな問題でも道理に立った外交交渉による解決、平和的解決に徹する。憲法第九条の精神に立った外交努力をすることが、今、一番求められていると。紛争を戦争にしない。多分、前回の一般質問の中でもありましたけれども、北東アジアの緊張緩和、確かにいろいろ緊張はあるわけですけれども、どのように解決すべきだと考えているのか、具体的にお答えいただきたいと思います。

 それから、消費税の問題です。

 確かに、一部に弱さも見られるが回復基調があるということは、今、区長答弁がありましたけれども、実際に中央区内景気動向調査によると、買い控え姿勢はすぐに改善もしそうにない、こういう指摘があるわけです。やはり消費税の問題については、今、こういう状況、働く者の収入がふえていない中で増税、円安によって物価がどんどん上がってきているわけです。そういう意味でいえば、国民の多くの家計は火の車と言っても間違いないと思うんです。政府統計でも大幅に賃金は減っているわけですから。そして、先ほど言いましたように、家計消費は戦後最大の落ち込みになっているわけです。

 ですから、こういう意味で、いろいろと紹介しましたけれども、区民の生活や日本の企業を支えている中小企業経営者の皆さん、あるいはまちの活気やコミュニティを支えている商店街の皆さんの必死の努力をないがしろにするのが消費税増税ではないかと。商店街がシャッター通りにならないようにするために、やはり消費税増税はきちっとやめるべきだと。区民の生活を考えた場合、それを指摘していく必要があると。その点について、もう一度区長の心のこもった答弁をお願いしたいと思います。

 それから、原発の再稼働についてですけれども、福島の教訓と言われました。ところが、本当に福島の原発事故が教訓になっているのか。そもそも規制委員会がつくった新基準は、福島原発事故の経過や原因も解明されていない中でつくられたもの、だから、つまり原発の安全を保証するものでないことは、規制委員長がみずから認めているわけです。こういう中で、安全対策をしているから大丈夫だと。しかし、さっき私も紹介しましたように、自治体の避難計画も全く立てられていない。そこで言えるのは、災害弱者、災害時要援護者の避難計画は全くないわけですよ。健康な人、走れる人、車に乗れる人の避難計画は立てられても、そういう施設で介護の支援を受けている要援護者の方の避難計画は全く立てられていない。だから、自治体も困っているわけですよね。

 そういうことを見ながら、こういうことは二度と起こしてはいけない、その姿勢に立って、原発はやはりきちっとこのまま廃止にしていくことが、地域住民にとっても大事だし、そして国の安全のためにも必要ではないか。その点について、もう一度やはり区長の答弁を求めたいと思います。

 実際、電力が安いなんて思われている方がいらっしゃると思うんですけれども、六ヶ所村の再処理施設、青森にありますけれども、これは日本原燃が所有する核燃料再処理工場の施設ですけれども、一九九三年から約二兆一千九百億円の費用をかけて、今、行われているわけです。二十年近くかかっても、まだ実際に試運転中で本格稼働の見通しは全く立っていない。つまり、稼働すれば、使用済み核燃料はたまり続ける。この使用済み核燃料処理施設がないということが、この一点でも明らかだ。どうするのか。そういう問題をやめるためには、今の原発を稼働しないで廃炉にしていくことが一番の安全対策であり、安価で安上がりの対策だと、その点を指摘しておきたいと思います。

 それから、私は介護保険については、負担あって介護なしということが以前からずっと言われております。先ほど、希望すれば申請することができるということについては、ぜひ窓口で排除しないように、ぜひそういう心温まる対応をぜひとっていただきたい。

 しかし、先ほど御紹介しました介護保険事業状況報告年報によりますと、特養老人ホームの高齢者百人当たりの入所者数ですけれども、中央区、二○○一年一・七五人で、順位は二十三区中二位だった。しかし、二○一三年は一・四八、下がってしまった。順位は八位に後退している。つまり、高齢化社会と言いながら、施設整備が全くおくれている。やはりここにきちっと光を当てて、施設を整備していく。

 自宅で最期は迎えたいという気持ちは、誰しもあるんです。しかし、それを許さない住環境なり社会環境、経済環境があるわけですから、そういうことをきちっと見ながら、介護による離職をするとか、そういうことがない、老老介護をして両方倒れる、先日もニュースでありました、老老介護と思われるんですけれども、二人が病死で亡くなっているということで、やはりそういうことにきちっと行政が手を差し伸べていくということが必要だと思うんです。

 今、若い人たちも、先ほど言いましたけれども、いずれは高齢者と呼ばれることになるわけです。今、ここで高齢者介護などの整備をきちっとしておかないと、現在高齢者が受けている介護サービスなどが全くなくなってしまう。自助・自立だけが残っているということは、決して考え過ぎではないと思うんです。ですから、今、高齢者福祉を充実させていくことが、みずからが高齢者となったときに充実した介護を受けられることになる、私はそのように思うんです。ですから、私は、介護の問題については、これからも取り組んでいきたいと考えています。

 そして、やはり中央区の高齢化人口はふえていくと言われている中で、依然として施設整備がおくれているということについて、区長はどうするのか。常に三百人以上の待機者がいることについて、区長はどうその人たちに相対するのか、その点についてぜひお答えいただきたいと思います。

 公的介護の問題について、最後に、憲法第二十五条、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないということで、国もきちっと言っているわけですから、これに基づいて中央区も取り組んでいく必要があると、そのように思います。その点について区長の見解を再度お聞きしたいと思います。

 それから、先ほど認可保育所を基準にした地域型保育事業と言いましたけれども、地域型保育の、A、B、Cとありますけれども、基本的には十九人以下の中でのB型、C型については、保育士の人数とか、給食は持ち込みでいいとか、さまざまな今の中央区の認可保育基準とはちょっと違うんですね。ですから、認可保育所を基準にしたと言うのであれば、認可保育所の基準で全てのことをやっていく必要がある。そして、そのことは、昨年度、区内で赤ん坊が一千六百九十四人も生まれたと区長は自慢している。だから、そのことを、子育て世代を応援する上でも、やはりきちっと施設整備の保育士の数とか、そういう形で認可保育所とは格差のある地域型保育ではなく認可保育所で、中央区のすぐれた基準の中で増設が必要だと。先ほどニーズと言われましたけれども、保護者は認可保育所にあきがなければ、その他の保育所を選択せざるを得ないんです。実際に、九月の入所選考後の認可保育所を待機している人数は、八月は四百六十九人、九月は五百二十人に上っているんです。五百二十人のうち、一歳児以下の待機児は四百四十六人と待機児童の八六%になるんです。やはり認可保育所で子供を育てたいというのが多くの保護者の皆さんの願いだと思うんです。その点について再度お答えいただきたいと思います。

 それから、まちづくりについては、従来どおりこれからも進めていくという内容だと思うんですけれども、やはり地域にも区政運営にも大きな影響を与えてきているということが実際に明らかになっているわけです。実際に、学校をつくるから、さまざまな区民サービスの有料化、見直しがどんどんされている。八十項目以上にわたって、それがされてきている。これは、人口が急激に増加することによって、そういう区民施策について影響が出てきているということは明らかです。ですから、大規模再開発優先のまちづくりは、やはりここで一旦ちょっと立ちどまって見直していく、十年後、二十年後どうするのかということもやはり考えていく必要があると思います。

 それから、豊海小学校の児童館について、ちなみに、簡単に御紹介しますと、児童館についてですけれども、特別区公共施設状況調査を見ますと、二十三区の比較ですけれども、中央区は児童館のある学童クラブまでの平均利用距離五百四十三メートルと、データのある二十二区中、最下位にある。こういうことは、やはり子供にとっても負担が大きい。児童館、学童クラブを小学校単位できちっとつくっていくというのが必要ではないかと思います。その点について再度お答えいただきたいと思います。

 そして、もう一つ、選手村の問題ですけれども、やはり私は先ほども述べましたように、あそこは都有地ですよね。都有地になぜ都営住宅をつくらないのか。やはりそこは見ていく必要がある。全て民間で開発してやるから都営住宅にはできないというのは、やはりそれはおかしいと思う。都民の財産の都有地で、なぜ都営住宅ができないのか。ここの点については、地元の中央区としても、低家賃で入れる都営住宅の建設については、きちっとまちづくりの中に位置づけるよう、東京都に対してきちっと要望するべきだと私は思います。

 それから、ビル風の問題ですけれども、これは前にもお話ししたことはあるかと思うんですけれども、風のある日、ビル風で転んでけがでもしたら大変だということで、外に出ないという高齢者の話をよく聞くんです。また、私の知り合いも、住宅の前で強風にあおられ転倒し、大腿骨を骨折した。長期間にわたり入院を余儀なくされた。そういう事例があります。ですから、そういう高齢者に住みにくいまちづくりにしていかないためにも、ビル風の問題についてきちっと対応していく、私はそのように求めたいと思います。その点について改めて御答弁をいただきたいと思います。

 それから、区立駐輪場の有料化について、パブリックコメントや区長への手紙で区民の皆さん、利用者の皆さんの声を聞いたと、このように言った。しかし、やはり大事なことは、区民の皆さんの声を多くの人たちに聞く、それから自転車利用者の人にアンケート調査などをやる。きちっと配って、どうですかと。そういう懇切丁寧な対応が、今、必要なんだと。決めてから案内をするのではなくて、やはり決める前にきちっと利用者の皆さんに御案内をする。ですから、私は、今、この三月定例会の中で有料化を一気に決めてしまう、これはやはりやめるべきだと。だから、当面、二○一五年四月実施は中止して、広く区民の皆さん、利用者の皆さんの声を集めて、そして、その上で判断をするということが、今、必要ではないかと、そのように思います。そのことを求めて区長の再答弁をお願いします。(拍手)

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 再質問に対し答弁させていただきます。

 まず、集団的自衛権の行使容認の閣議決定であります。

 本当に、御指摘のとおり六十年、自衛隊ね、発足して迎えて、隊員が一人も命を戦争で落とさなかったということ、よかったなというふうに思うわけでございまして、これはやはりさまざまな規制の中で日本はやってきたわけでございまして、軍事力が随分ふえているような御指摘ございましたけれども、先進国の中で一番軍事力がないのは我が日本であるわけでございますし、それは外交努力等で十分これまでもやってきたし、これからもやらなければならない、そういうふうに思いますね。周辺国との首脳会議もどんどん積極的に行うということ。きょうのお昼のニュースでやっておりましたけれども、ロシアのプーチン大統領とも会うような計画があるということ、大変喜ばしく感ずるところであります。無論、中国、韓国のトップとも安倍総理が話し合うということが本当に、そのためにさまざまな努力をされているわけでありますから、そういう面でこれからも外交面、これが本当に重要である、そういうふうに思うわけであります。

 それから、消費税ですね。消費税は、これは経済状況を見て、しっかりと判断するんであるという声も非常に強いわけでありますから、そういう意味で、ただ一方的にもう決まったようなことではなくて、これからの景気、区内におきましても当然でありますけれども、国における景気動向を見て的確に判断されるものであろう、こういうふうに思っているところであります。

 それから、原発の再稼働についてでありますけれども、国の説明によれば、これは世界で一番厳しい規制を受けているということでありますから、そういうのは当然のことといたしまして、原子力規制委員会による徹底した安全審査を経て、さまざまなことを決定していただきたい、このことをこれからも訴えてまいりたい、こういうふうに思っているところであります。

 それから、介護ですか。介護につきましては、先ほども答弁させていただきましたけれども、介護認定につきましては、今までどおり、希望すればいつでも申請することができるということでございます。

 それから、待機者ですね。八月一日に三百五人でしたかね、希望者がおられるというのをお聞きいたしましたけれども、だからこそ、本区はどんどん特別養護老人ホームを設置、議会の皆様方の御支援を得ながらつくっているところでございまして、特別養護老人ホームや、こうした介護施設の本区の最大の特色は、これまで生活してきたこの地域で、まさに地域密着型をつくっているわけでございまして、住みなれた地域でこれからも、その区域内での施設、そこで自分たちがいろいろな介護を受けるということでございまして、これからも本当に命と健康、そして介護、これを最重視した、そういう施策を、区議会の皆様方とともにつくり上げてまいりたい。命と健康、そして介護、本当に重要であるわけでございますから、これからもそういう意味ではしっかりとした高齢者施策を展開してまいりたい、こういうふうに思うわけであります。そして、どんどんつくっているわけで、さっきも申しましたけれども、三年間で八十四床ですか、そういうようなことの努力も当然続けるということであります。

 それから、子育てのほうですね。子育てにつきましても、待機児童ゼロを目指して、来年の四月には、まさに待機児童がゼロになるようにということで、懸命に私たち、努力しているわけでございまして、これを見るとゼロ歳・一歳・二歳のところが待機児童が多いんですね。三歳・四歳・五歳のほうは、まさに定員割れも起こしているというような面も見られるわけでありますから、そこら辺を工夫したりすることも必要であるのではないかなというふうに思っておりますけれども、しかし、そこもあけておかないと、やはりゼロ歳は一歳、二歳になった子は三歳になっていくわけですから、やはり定員割れぐらいのところもなければいけないわけでありますけれども、何しろどんどん最重要視して、今、区を挙げて展開しているところであります。

 それから、児童館ですね。よく私、晴海児童館、認定こども園ですか、あそこにこの前なんかも呼ばれて行ったんですけれども、すばらしい施設ができているわけで、責任者に聞くと、ゼロ歳から十八歳までの子供たちがあそこで、保育園があったり、児童館があったりして、健康に育っている。ああいうものをもっとつくっていかなければならない、そういうふうに思うわけでございまして、これからもそういった面でも、本当に中央区の児童館や保育園、すばらしいなということで喜ばれている面もたくさんあるんですね。だから、そういう点もどうか評価して、評価まではいかないにしても、御判断、御理解いただきたい、そういうふうに思うわけでございまして、努力するのは私たちとしては当然であるわけであります。

 それから、選手村の後の都営住宅ですか。これは東京都におきまして立候補ファイルに、宿泊施設については民間事業者が大会後に住宅を分譲または賃貸すると記載されている選手村に、都営住宅の整備は困難であるというふうに私たちは認識しております。しかし、先ほど来、答弁させていただいているとおり、区内にはさまざまな方々が本当に、画一的ではなくて、さまざまな方々に住んでいただきたい、そういう思いでいっぱいであるわけでありますから、そのために、四十六戸しかなかった区立住宅が、今、一千三百戸ぐらいできている。その中には、福祉の施設、住宅も本当にたくさんあるわけでありますから、そういった点も御理解いただきたいというふうに思うわけであります。

 それから、ビル風も、そうですね。非常に、本当にビル風が強いなと思うときも私もあります。私、歩くのが好きで、いろいろなところを歩くんですけれども、ビル風がちょっと強いなというふうに思う。しかし、それに対して、区のほうでも都市整備部を中心にさまざまな点で工夫して、先ほど申しましたとおり風洞実験等なんかも行ったり、植栽の工夫も行っているということでありますから、これからもそういう面ではしっかりと対応していかなければならないというふうに思うわけであります。

 それから、駐輪場の有料化。これは、今聞いたら、今聞いたらって、前にも聞いているんですけれども、本区だけですってね、無料でやっていたのはね。ですから、そういう点も御理解いただきたいな、そういうふうに思うわけでございます。

 以上であります。

     〔一番 加藤博司議員登壇〕

○一番(加藤博司議員)
 一般質問の最後に、伊藤忠商事の社長で、会長を経て二○一○年から二○一二年まで民間出身として初の中国大使を務めた丹羽宇一郎さんの言葉を述べます。

 日本は、戦後七十年にわたり、平和憲法のもと、他国で人を殺さずに来た。そのことで世界から尊敬もされてきた。その憲法の解釈を一つの内閣が百八十度変えてしまうことは、七十年の歴史を変えてしまうことであり、いまだ国民は納得していない。パブリックコメントやタウンミーティングを通じて説明するべきだ。このままでは自民党は安倍政権の独走という思いが強まり、民主主義の国とは言えなくなる。このように述べております。

 憲法解釈の変更の理由については、安倍政権は安保環境が厳しくなったと、このように説明をしておりますけれども、やはりきちっと、今の丹羽宇一郎さんの言葉をかみしめて、私は、日本の平和について、安倍首相の進める集団的自衛権行使容認についてはきちっと批判をし、二度と日本を戦争ができる、する国にさせないために、これからも全力を挙げて頑張っていくことを述べて、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明二十三日を休会とし、明後二十四日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十三日を休会とし、明後二十四日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

午後六時二十三分 散会


署名議員
議長 原田 賢一
副議長 中島 賢治
議員 山本 理恵
議員 木村 克一

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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