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平成28年 決算特別委員会(第2日 9月30日)

1.開会日時

平成28年9月30日(金)

午前11時 開会

午後4時24分 散会

2.開会場所

第一委員会室

3.出席者

(16人)

委員長 石島 秀起

副委員長 田中 広一

委員 中嶋 ひろあき

委員 礒野 忠

委員 木村 克一

委員 富永 一

委員 田中 耕太郎

委員 佐藤 敦子

委員 中島 賢治

委員 小栗 智恵子

委員 加藤 博司

委員 渡部 博年

委員 小坂 和輝

委員 原田 賢一

議長 押田 まり子

副議長 石田 英朗

4.説明員

別紙理事者一覧のとおり

5.議会局職員

田野議会局長

小暮庶務係長

荻原議事係長

東調査係長

秋山書記

桝谷書記

鎌田書記

黒須書記

6.議題

  • 議案第66号 平成27年度中央区各会計歳入歳出決算の認定について

(午前11時 開会)

○石島委員長
 それでは、ただいまより決算特別委員会を開会いたします。

 ここで、私より一言御挨拶を申し上げます。

 (挨拶)

 次に、議長より御挨拶をお願いします。

○押田議長
 (挨拶)

○石島委員長
 次に、区長より御挨拶をお願いします。

○矢田区長
 (挨拶)

○石島委員長
 次に、本特別委員会に付託を受けました議案の審査方法については、いかがいたしましょうか。

○礒野委員
 まず、総括説明を受けた後、一般会計歳入の決算より質疑に入り、その後、一般会計歳出の決算について各款ごとに質疑を進め、公債費、諸支出金、予備費は一括質疑することとし、続いて国民健康保険事業会計、介護保険事業会計及び後期高齢者医療会計の3特別会計については歳入歳出決算を一括質疑し、その後に総括質疑、態度表明を行うという順序で審査を進めるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 ここで委員各位に申し上げます。先ほどの代表者会において、お手元に配付いたしました「平成28年決算特別委員会確認事項」、「決算特別委員会における質問者の取扱いについて」及び「決算特別委員会委員長報告及び委員会記録の取扱いについて」がそれぞれ了承されました。

 資料にありますとおり、各款等の質疑に当たり、総括質疑を除いて1会派2人まで質問を行うことができます。また、副委員長にあっても質疑を行うことができます。

 なお、これらを行う際は、あらかじめ私まで御連絡またはお申し出いただきたいと存じます。

 さらに、本委員会記録作成に当たり、録音データの反訳により調製を行いますので、細部の取り扱いにつきましては、お手元に配付いたしました資料を御参照願います。

 ここで、本委員会記録の署名委員2名を私より御指名申し上げます。小栗智恵子委員並びに原田賢一委員にお願いいたします。

 また、各委員並びに各理事者の発言の際におかれましては、録音を行いますので、マイクのスイッチを忘れずにオンにしていただきたいと存じます。

 理事者におかれましては、答弁の際、挙手をし、職名を述べてから発言されるようお願いいたします。

 さらに、既に御承知のとおり、第3委員室において音声による傍聴ができることとなっておりますので、申し添えます。

 続きまして、審査に当たり要求される資料については、遅くとも前の款の冒頭に申し入れてくださるようお願いいたします。

 なお、一般会計歳入及び議会費について資料要求があれば、この際、申し入れていただきたいと思います。

○加藤委員
 それでは、日本共産党区議会議員団からは、決算特別委員会提出要求資料179件、よろしくお願いいたします。

〔議事係長が加藤委員から要求資料の一覧表を受け取り、総務部長及び委員長に渡す〕

○石島委員長
 そのほか、ございますか。

○小坂委員
 改革2020からは、財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例を適用した財産の交換、譲与、無償貸し付け等の実績ほか66点の資料を要求させていただきます。よろしくお願いします。

〔議事係長が小坂委員から要求資料の一覧表を受け取り、総務部長及び委員長に渡す〕

○田中総務部長
 早速調製の上、提出させていただきますが、今回新たに要求のございました資料あるいは新しい要素の含まれているものにつきましては、場合によりましては事前に御相談をさせていただくこともあろうかと存じます。その際はどうぞよろしくお願い申し上げます。

 以上でございます。

○石島委員長
 それでは、まず、理事者から総括説明を願います。

○坂田会計管理者
 (説明)

○礒野委員
 総括説明が終わりましたので、一般会計歳入の質疑に入るようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 一般会計歳入について、理事者の説明を願います。

○坂田会計管理者
 (説明)

○礒野委員
 ただいま一般会計歳入の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後1時に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。午後1時に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 なお、先ほどの資料要求の一覧につきましては、後ほど席上に配付いたしておきます。

 暫時休憩いたします。

(午前11時55分 休憩)


(午後1時 再開)

○石島委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。

 午前中は写真撮影がありましたので、上着並びにネクタイの着用をお願いいたしましたが、午後からはクールビズ期間中ですので、どうぞ皆さん、御自由におとりください。

 それでは、一般会計歳入について、質問者の発言を願います。

○田中(耕)委員
 それでは、トップバッターということで、ちょっと緊張してございますが、決算の歳入について質問をさせていただきたいと思います。

 これまで私も何回となく予算特別委員会や決算特別委員会に参加させていただきまして、毎回、歳入なくして歳出なしというお話をされている委員が非常に多いので、今回トップバッターということで、その話を本当はしたかったんですが、なかなか知恵が回らない部分もございまして、具体的なお話を幾つかお聞きしながら、本区の歳入の状況について議論を深めてまいりたいというふうに思います。

 お話に入る前に、先日、町会の旅行で奈良のほうに行ってまいりました。高校の修学旅行以来の東大寺などを拝観、参拝してきたわけなんですけれども、やはり東大寺へ参りますと、どなたも御存じのように奈良の大仏がございまして、国内外の観光客の方がたくさんいらっしゃいまして、私も日本人として、心のふるさとのような、原点のようなものを感じたわけです。今も世界遺産として多くの人の心を動かす大きな存在であるんですけれども、一方で、そのときにお話を聞いたことですけれども、奈良の大仏は、当時、日本社会が厳しい時代だったということもあって、当時の聖武天皇が、国家予算のおよそ3倍もの費用を投じてつくったというふうに言われておりました。その費用、当時、現金ではなくて租庸調の時代でしょうから、基本、物納と労働等の税という形になったと思うんですが、全国から国民を集めまして、それでつくったということで、大仏様ができたことによって心の安寧は得られたようなんですけれども、やはり国家経済ですとか税の重たさというのが当時の国民にはかなりの負担だったというようなお話を聞きました。税金の使い道は、今後、長い目で見たときに役立つものもありますけれども、やはり国民経済、また一般の方の負担は、今もそうなんですが、その重たさというものは常に考えさせられるものがあるなというふうに感じたところでございます。

 前置きがちょっと長くなりましたけれども、本区の決算につきまして、今、概観についても御説明をいただきました。一般会計で883億5,880万2千円という形で、昨年度比で6.1%の増額、また特別会計も含めた総額といたしまして1,127億289万4千円ということで、本区の人口増加、経済規模の増加が続いているというのを実感させられる数字だというふうに思います。本区の人口につきましては、今後、オリンピック後も順調に伸びていくという推計のもとで、財政規模も拡大していくわけなんですけれども、一方で、やはり財政需要のほう、歳入もふえると同時に、当然、支出のほうも現在進行形で、雪だるま式という言葉がいいのかどうかわかりませんけれども、ふえていく状況にあるというふうに考えています。本区の場合は、短期的、また中期的に人口の増加が見込まれるわけなんですけれども、全国的には人口減少社会といったものが既に到来しておりまして、東京におきましても2020年、東京オリンピック直後から、自治体等によって偏りはあるものの、人口減少社会に入っていくということで、本区の置かれている状況と異なる部分も大きくあるわけなんですけれども、やはり大きな流れ、我が国や東京都の置かれている状況に本区もどうしても影響を受けざるを得ないということは間違いがないというふうに思います。

 先日、NHKスペシャルで縮小ニッポンの衝撃というスペシャル番組が報道されまして、非常に多くの方から反響があったというふうに聞いているんですけれども、数年前から話題になっておりますが、豊島区が消滅する可能性のある都市だというようなセンセーショナルな話題が出ていて、今回のNHKスペシャルの中でも一つの事例として掲げられておりました。豊島区が想定する最悪のシナリオというのがありまして、2020年に区の人口が減少に転じ、2028年に区の税収が減少に転じ、2035年に社会保障費が50億円ふえ、区の財源不足が明らかになり、2060年に財源不足が100億円を超えると。今のままでいけばという最悪の想定シナリオなんですけれども、そのようなお話がございました。

 豊島区と本区の置かれている状況は当然大きく異なるというふうに認識している一方で、非常に似ている部分、基本的に住宅街というよりも商業街を中心に成立している区であるということや、これまで豊島区は戦後一貫して若年層人口が大きくふえてきていて、今後は若年層の全国からの流入が減ることによって、自然減少のほうが上回っていくという傾向でございます。本区の場合は流入人口が今後、当面の間、豊島区ほど早くは減らないというのが明らかな傾向だというふうには思いますけれども、まちの大きな成り立ちとして、もともと住宅街ではなく商業街として成立しているという点を考えますと、距離的にも23区の中でも比較的近いほうというふうに言うことができると思いますので、豊島区の置かれている状況、豊島区のこれからの動向ですとか、挑戦といったものは我々も注視していかなければならないのではないかというふうに考えております。

 まず、第1点目の質問で、この点について本区としてどのようにお考えなのか、すなわち本区の置かれている状況が他の自治体等に比べて恵まれている点はあるんですけれども、その一歩先、二歩先のところで同じようなリスクや対応を考えなければならないというふうに思います。まず本区のお考えをお知らせしていただきたいと思います。

○濱田企画財政課長
 今、委員がおっしゃったとおりで、豊島区が消滅可能性都市というふうに言われまして、それに対するさまざまな施策もすぐに報道発表されてきたところでございます。豊島区と比較して同じような位置づけではないかということでございますけれども、やはり豊島区は確かに池袋ですとか、かなり繁華街等がございまして、そういう意味では都心的な要素はございますけれども、たまたま私は豊島区に住んでおりますが、池袋の駅前あるいは巣鴨あたり以外は、意外と住宅密集地というような形でございまして、私どもの区でいえば佃、月島の部分のところがかなり広い範囲を占めているといった状況でございます。

 本区の場合は、先ほど流入の話がございましたけれども、さまざまな施策が功を奏しまして、特に流入人口については30代、40代の子育て世代が多く入ってきているということで、そういった意味から、当面、人口の増も続く、また子供の増も続くというふうに見込んでいるわけでございます。いずれは、これはまた平成40年代ごろでしょうか、減少傾向に転じるというようなこともあろうかと思いますけれども、現在、当面のうちは人口は増加していくと見込んでございますし、それに伴って、さまざまな歳入の増加または需要の上昇が続いていくのかなというふうに考えているところでございます。

○田中(耕)委員
 企画財政課長が豊島区民ということで、地元の事情もよく御存じということだと思います。私も何を隠そう、板橋区生まれで豊島区の中学、高校を出ましたので、豊島区のまちの成り立ち、本区と似ている点もあれば、全く異なる点もあるというのはもちろん承知はしております。ただ、今、御指摘ありましたように、池袋、近年、再開発が行われました大塚、また巣鴨の山手線の駅など、主に3駅、それなりの規模というよりも池袋などは完全に副都心として乗降客数もかなり多い大規模な商業市街地でもあります。おっしゃるように、住宅密集地域や木造家屋の地域等が本区よりも広いというのは事実だとは思うんですけれども、大きな商業地を抱えながら、その近隣に住宅街等、多くの方が住んでいる人口密度の高い、コンパクトなまちでありながら、そのような事態が起こり得るということで、対応、対策を練り始めている。本区の場合は、その状況がやってくるまでにタイムラグがあるというふうに個人的には思っておりまして、本区の状況が全く異なるというふうに考えるのではなくて、やはり早い段階から参考にすべき点は参考にする、むしろ本区の場合はそういった猶予が与えられているのではないかというような発想、スタンス等を、ぜひとも可能な限りお持ちいただければというふうに思っております。

 具体的なお話に入ってまいりますと、今回、歳入でございますので、さまざまな税制度や手数料等を踏まえまして、徴税率や手数料の取得率を上げるということが肝要かというふうに思います。総務省の近年の都道府県や市区町村の実態調査等を見ますと、全国平均の徴税率、およそ九十三、四%ということで例年推移しているかというふうに思います。大半の税金等は納められていると考えられますが、一方で、六、七%はなかなか本来の規定どおりには税収とならないというのも事実かと思います。23区の場合を見ますと、おおむね平均で、高い区で99%、低目の区で95%というのが例年の傾向かと存じます。本区の場合を見ますと、例年、およそ98%前後で推移しているかと思います。

 先ほどの説明の中にあったやもしれないんですけれども、もう一度、本年度の徴税率、本区の場合、実態として何%になるのかというのをお知らせしていただきたいというふうに思います。今申し上げましたように、例年、多い区が99%台で、本区は98%、差は1%、わずかなようにも見えるんですけれども、絶対額として考えてみますと結構大きな額となってくるケースもあると存じます。

 23区の中で比較的徴税率が高い区と低い区、また本区のように中間に位置する区の差について、どういった要因でそうなっているのか、また各年の変動状況、また本区の今後の展望についても、御見解がありましたら、お知らせをしていただきたいと思います。

○清水税務課長
 収入率についてのことでございます。

 本区徴収率、平成27年度94%でございます。こちらの率でございますが、23区で18番目ということになっております。ちなみに、1位は文京区の98.4%、2位は品川区の98.16%と、やはり御指摘のとおり98%を超える率を、こういった区は達成してございます。

 また、私どもの滞納繰越分の徴収率は実は23番目でございます。さまざまな取り組みをしておりますが、私どもとの違いというのは、こういった区は、例えば給与所得者に対して強いアプローチをするとか、滞納繰越分についても、例えば文京区ですと、封筒を黒くして督促を行うとか、そういったさまざまな工夫、分析をしているところでございます。私どもも昨年、滞納繰越分の徴収率は22%が28.6%と非常に上がったのでございますが、まだ残念ながら23番目をいっていると。私どももそういった先進の自治体の事例を見ながら取り組んでいるところでございますが、なお足りないところがありますので、今後とも研究をして、そういったところを目指してまいりたいと思います。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 ありがとうございます。

 今御紹介ありましたように、例年、文京区は非常に高い収納率を誇っておられまして、多分過去数年間、何度もトップクラスで推移しているということがあります。当然、区民の置かれている状況や経済活動の状況等によって異なってくる部分はあるんですけれども、99%以上を多くの年で達成されているというのは、やはりすごく立派なことなのだろうというふうに想像します。今、御案内ありましたように、特別な工夫やきめ細かい対応といったものを具体的に、時には厳しく行うことによって、収納率、徴税率自体を上げていく取り組みというのを本区でもぜひ具体的に進めていただきたいというふうに思います。

 今お話のありましたように平成27年度は歳入調定額ベースで94.5%、前年度比マイナス2.8%となっておるんですけれども、先ほどの説明等に一部あったかと思うんですが、事業繰越に伴う未収入特定財源が大きく調定額を押し下げているのかなというふうに思います。これは多分豊海小学校の問題ですかね。建設時期等のずれ等によって、実際の影響はそれほどでなく実質98.0%だというような内容のことも触れられていたかというふうに思いますが、その解釈で合っているのか否か、また、今のような問題に対して対応策というのはあるのかどうかについて御説明をお願いいたします。

○清水税務課長
 委員おっしゃるとおり、調定額に対して94%、実は平成26年度決算のベースでいきますと92.6%でございますので、調定に対してのポイントとしては上がってございます。調定額の26年度と27年度の差も、同じように13億円ほど上がってございます。これはやはり納税義務者がふえたということが要因でございますが、この調定の中には、例えば株式とか、そういった分離の、単純に納税義務者というところでないところもございます。そういったところを丁寧に見ていくというようなところを今後もしていきたいと思います。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 もう一度質問を差し上げたいんですけれども、先ほど説明がありました94%というのは昨年度よりも上がっているということなんですね。失礼しました。

私のほうで数字を取り違えていたやもしれません。そうすると、昨年度はもっと低かったということでよろしいんですか。そして、昨年度よりは改善したという理解でよろしいのかどうか、もう一度お願いいたします。

○清水税務課長
 おっしゃるとおりでして、もう一度繰り返しますが、平成26年度は調定に対する収入率が92.6%だったものが、27年度は94%に1.4ポイントほど上がったということでございます。現年度分につきましては98.3%で、去年が98%でしたので、これも若干上がっているということでございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 私のほうで誤解があるかもしれませんので、もう一度だけ確認なんですけれども、まず一般会計決算において、歳入の調定額に対する収入率が94%。94.5%ではないということですね。この辺は私の取り違えがあるやもしれませんので、また改めて別な機会に質問させていただきます。

 そして、今お話がありましたように、おおむね取り組んでいただいている一方で、他の自治体等で実績のすぐれているところがあるというところもお伺いしましたので、その具体的な方策、先ほども黒い封筒というような具体策も一例挙げていただきましたけれども、ぜひとも見習うべき点は本当に見習っていただきまして、改善に努めていただきたいというふうに思います。

 そして、人口の増加によって財政規模の増大は引き続き続くだろうというふうに思うんですけれども、一方で、実質収支や単年度収支を見てまいりますと、特に単年度収支なんですけれども、減少している。ただ、取り崩しが今決算ではゼロ、ないということもあって、実質単年度収支はプラスというような状況にあるかというふうに思います。基金の取り崩し等は、当然、内容等を見て、また長期的な財政計画に基づいて計画的に行われているというふうに、これまでも御答弁いただいておりますし、その中身については精査を我々のほうでもさせていただいているところなんですけれども、単年度でのバランスと中長期的なバランスをどのように見ておられるのかについて御見解をお知らせしていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

○濱田企画財政課長
 基金の取り崩し等に係るバランスでございます。

 決算の前に予算があるわけでございまして、当然でございますけれども、予算を組む段階で必要な経費に対して、どれだけ歳入を充てられるかといった形で予算を組み立ててまいります。その際に、基金を取り崩すかどうか、場合によって施設整備等に関しては区債を発行するかどうか、そういったバランスを見きわめながら、まず予算編成をするわけでございます。その後、執行の段階に入りまして、決算を迎えるといった段階に当たりまして、当然、予算でございますので、歳入が足りなくなってしまうということは収支が赤字になってしまうということになりますので、ある程度は一定限度の余裕を持った歳入の枠組みをしているといった中で、実際、平成27年度もそうでございましたけれども、税収のアップですとか、地方消費税交付金のアップ等々ございまして、かなり収支改善をしたということで、基金の取り崩し等をやめるとともに、積み増しもしたところでございます。そういった形で、単年度については、決算を迎えるに当たって、そのときの収支状況を鑑みながら、基金取り崩しあるいは積み増しのことを考えまして調整をしているという考え方でございます。

 当然、こういうものの積み重ねが中長期的な形になるわけでございまして、ある程度先を見据えた、大規模改修ですとか、施設整備、そういった先々のことを見きわめながら、基金の必要額あるいは区債を発行する予定のことも、バランスを考えながら資金繰りのフレームを立てているという考え方でございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 ありがとうございます。

 財政の平準化または中期的、長期的な展望にのっとった計画を進めていただいているということは理解をしております。どこまで見通せるのかといったところが、今後、歳入、財政規模を考えた上で重要かというふうに思います。一つ一つの指標で一喜一憂するわけにはいかないですけれども、今回は、将来にわたる財政負担率等で見ますと、本区は基金の取り崩し等が進みまして、23区の平均よりも悪化したという状況もあるというふうに思います。今後も人口がふえるということで、必要なものは使っていかなければならないわけですけれども、今までお話ししたような状況を踏まえまして、やはり来年度以降策定されます基本構想、また基本計画等にのっとって、中期的、また長期的な財政ビジョン、財政基本計画や、橋梁や大規模な改修、改善を伴うファシリティマネジメント等の中長期の計画等を今後立てていく必要があるのではないかと個人的に思うところもあるんですけれども、その点について御見解をお示しいただければと思います。

○濱田企画財政課長
 本区を取り巻くさまざまな環境が変化している中、新たな基本構想の策定に着手しているところでございますけれども、来年6月に議決を経まして、基本構想が策定された後に、それを具現化する基本計画を新たに立てる予定でございます。実際には、そういう各計画の中身をそれぞれ精査しながら計画を立てていくわけでございますけれども、その計画を立てる暁には、10年スパンでございますが、中長期的な財政フレームもお示ししたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 ありがとうございます。

 これまでは10年スパンといえば十二分な長さというふうに考えられてきたというふうに思うわけなんですけれども、先ほど来の繰り返しとなりますが、今後、残念ながら、日本全体が人口減少等で非常に厳しい時代を迎えるであろうという前提は持った上で、20年先まで確実に見通すというのは難しいわけですけれども、公共建造物の修繕・修復等の期間等は、ある程度こちら側の調査等によって読める点もあるというふうに思いますので、読める点だけでも10年以上先を見越した、歳入も見込んだ財政計画をぜひとも視野に入れていただきたい、このように思うわけです。

 そういった中で、本区独自の手数料や、いわゆる法定外税のようなものを独自に定めていくといったことが可能なのかどうかという点について、基本的な見解や具体的なアイデアがあれば、お知らせしていただきたいです。法定外税といいますと、そんなに多くの自治体が導入しているわけではないんですけれども、本区が防災協定を結んでおりますヴィラ本栖のあります富士河口湖町の場合は、有料税ということで、湖等の利用に際しての税金というか、利用手数料的な意味合いもあるんでしょうけれども、そういったものを1回当たり200円徴収して、それを駐車場やトイレの整備など、自然環境の維持管理等に使うといったように、自治体独自の税金、手数料を定めている地域があります。皆さんも当然御存じのように、東京都はホテル税、宿泊税を取っておりまして、1万円以上の宿泊者1人当たりに対して100円、1万5,000円以上に対しては200円といった独自の税体制を整えている、こういった自治体の事例もあるというふうに思います。

 東京都の事例の、いわゆるホテル税に関連して、本区も現在、インバウンド等の需要が非常にふえておりまして、ホテルの利用者もそうですし、多くの国内外の観光客の方が本区を直接の目的地または間接の目的地として訪れておられるわけで、今後、当然、観光に対する施策等も充実させていかなければならないわけなので、そのための費用、それに見合う税や手数料等を取得できる取り組みといったものが必要になってくると思うんです。その点について、本区の見解をお知らせしていただきたいと思います。

 それに付随してですけれども、都区財政調整制度の中に観光客や、特にインバウンドの外国人観光客の方に向けた査定項目といったものがあるのか否か、また本区はそれに反映されている部分がどの程度あるのかについてお知らせをしていただきたいと思います。

○吉原総務課長
 本区独自の税の創設についてでございますけれども、税につきましては、なかなか難しいところもございまして、ある自治体がかつて税を創設したところ、法に抵触をして実現が取りやめになったといった事例もございます。そういったこともございますので、税につきましては、慎重に研究をしていく必要があるのかなというふうに考えております。

 また、今現在、委員がおっしゃったようにインバウンドが非常にふえておりまして、観光客が非常にふえている状況がございます。そういった中で、商店街振興プランもつくり上げられまして、それに基づきまして、銀座あるいは日本橋、人形町、月島、築地を活性化させて、人をますます呼び寄せていくような仕組みづくりがこれからどんどん進められていくものというふうに考えております。まちが活性化していくことにつきましては、非常にいいことだと考えておりまして、区は直接の収入が上がるわけではございませんけれども、めぐりめぐって区内全体、区も含めて収入が上がるというふうに考えてございます。そういった観点から、別の方向性で取り組みを進めていくことが妥当かなというふうに考えているところでございます。

 私からは以上でございます。

○濱田企画財政課長
 インバウンドに対する財調の算定でございます。

 算定の中で、外国人向けに特化した算定というのはございません。ただ、もともと観光振興費という形で財調の費目がございまして、それに基づいて23区統一に算定されている普通交付金がございます。

 ただ、最近、委員がおっしゃったようにインバウンドがふえているということですが、実際に私どもの区でかかっている観光振興費に関する経費に対しまして、実は、算定の率がかなり悪うございます。50%を切っているような状況でございます。そうしたことから、やはりこれから2020年を迎えるに当たりまして、インバウンドを迎えるさまざまな経費も必要だろうということで、第1ブロック、千代田、中央、港、新宿でございますけれども、第1ブロックの課長会のほうから観光振興費を充実してくれといったような提案を昨年度させていただきました。実際には、例えば外国人向けに限らず、パンフレットの作成ですとか、あるいは観光協会への補助が算定の内容でございますけれども、こういったものをさらに充実させる必要があるということで、第1ブロックは全ての区で充足率が悪いということで、昨年度要求をさせていただいたんですけれども、都との財調協議の中で23区に乖離があるということで、23区共通の財政需要ではないというような形で見送られたという経過がございます。今年度も、引き続き、第1ブロックのほうから提案をさせていただきまして、今後、協議をしていく予定でございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 ありがとうございます。

 今御説明がるるございましたが、インバウンドだけに特化するというのはなかなか難しい点がある一方で、御案内のように外国人の方向けのパンフレットや案内の掲示板、また今回本区が整備する観光情報センターでも外国人向けの通訳等のサービスを踏まえた対応等を考えているわけでございますので、やはりそういった点についても、東京都との折衝を、第1ブロックで積極的に進めていただきたいと思いますし、本区独自でできる、税金といわずとも手数料というような仕組みや考え方をぜひとも取り入れていただきたいというふうに思います。

 最後に、ふるさと納税についてもお伺いしてまいりたいというふうに思います。

 以前も、ふるさと納税は、主には都心である東京都内から、人口減少や過疎化等も進みます地方都市を中心に、ふるさと納税の制度を利用して財政の均衡化を保つというのも一つの方策だというふうに考えられていたわけなんですけれども、以前お話をお聞きした際には、本区の場合、非常に持ち出しが大きい形になっているということでございますので、改めて本区のふるさと納税における影響をお知らせしていただいた上で、現状、このままこういった形で制度が進行していくことに対しての御見解をお知らせしていただきたいと思います。

○吉原総務課長
 ふるさと納税につきましては、先般、新聞でも報道されましたように、東京での損失が非常に多くなってございまして、本区におきましても、約5億円の損失が平成28年度見込まれているところでございます。そういった中で、やはり今後何らかの策をというところは我々も常々考えているところではございます。実は、自主研修ということで、若手職員によりますPTを設置いたしまして、ふるさと納税をテーマといたしまして、現在、検討をしてもらっているところでございます。

 ただ、その一方で、先般、9月16日でございますが、特別区長会の総会におきまして、税源偏在是正議論についての特別区の主張というのが取りまとめられたところでございます。これは、国が地方法人課税のあり方等に関する検討会報告書を公表した2013年度から継続的に国が進める地方税の一部国税化に対する反論を中心に取りまとめておるものでございますけれども、その中におきまして、ふるさと納税についても触れてございます。ふるさと納税につきましては、本来の趣旨に立ち返って考えるべきであるというふうに主張してございます。具体的な主張でございますけれども、ふるさと納税に関しましては、今年度の寄附金税額の控除額が約129億円の減少となるということを試算として公表した上で、2015年度の税制改正で創設されたふるさと納税ワンストップ特例制度の導入などにより影響額が前年度の24億円から5.4倍に膨らんだといたしまして、ふるさと納税などの方策ではなくて、地方税財源の拡充や地方交付税の法定率の引き上げなど、国の責任で税偏在を是正すべきだというふうに主張しているところでございます。

 こういったことも踏まえながら、どういった形でやるべきか検討していきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 5億円ということで非常に大きな金額となっていると思います。また、今もお話ありましたように、ふるさと納税の制度自体が今後どのように推移していくのかというのは見守らなければなりませんけれども、残念ながら、一部謝礼競争のような形になっていたりですとか、高額所得者の方のほうが積極的に活用されているという実態もあるかというふうに聞いておりますので、本区として、国の制度でございますので、直接何かができるというよりも、本区の立場を明確にして、その対応といったものを積極的に国や都等にも働きかけていく必要性はあるというふうに思います。

 また、税金に関しまして、さまざまな取り組みを行っていただいておりますけれども、一方で手数料、例えば命名権、ネーミングライツの問題ですとか、昨今はクラウドファンディングということで、インターネット等による募集を使って費用等を一部集めて独自の公的事業を実現されている自治体などもあらわれたりしております。本区の場合は、こういったことをやる費用対効果になかなか見合わないというようなお話を今までいただいたこともありますし、実現させるのはなかなか難しい点があるのも重々承知はしておりますけれども、東京のまさに中央ということで、独自の強いブランド力ですとか、発信力といったものを兼ね備えている自治体でもありますので、ぜひともさまざまな方策、パフォーマンスだけではいけませんけれども、情報発信の強化の一環としても、さまざまな取り組み、積極的な財政運営、前向きな財政運営を行っていける足腰をぜひとも鍛えていっていただきたいというふうに思います。

 質問を終わります。

○石島委員長
 次の質問者の発言を願います。

○田中(広)委員
 一般会計歳入について質問させていただきます。

 今回は、今後の財政運営という視点から、行政需要の見込み、また特別区交付金、特別区民税などについて質問させていただきたいと思います。

 今現在、中央区としては、基本構想の策定も進めて、一つの転換期にあるということでございます。そういった中で、平成27年度の決算を迎えるに当たりまして、どのように分析をされて、また課題をどのように感じていらっしゃるのか、御見解をいただければと思います。お願いします。

○濱田企画財政課長
 決算の分析というお話でございます。

 歳出につきましては、今回、テーマがオリンピック・パラリンピックで中央区の黄金時代を!!ということで、東京2020大会後のまちづくりも見据えた、さまざまな施策に重点的に取り組めたということで受けとめているところでございます。一方、歳入につきましては、歳入歳出とも財政規模が膨らんでいるわけでございますけれども、その主な要因が特別区税の顕著な伸び、また、これは大幅に伸びておりますけれども、地方消費税交付金の伸び、それから特別区財調交付金の伸びという、この3つの歳入が大きく伸びたということで、これにつきましては、やはり一般財源が大きく伸びたということが、かなり財政の健全化にはつながったのかなというふうに受けとめているところでございます。

 それに伴いまして、経常収支比率のほうも73.1%までかなり改善したということで、そういった意味からすれば、行政需要に対しまして、しっかりとした一般財源を確保できているのかなというふうに受けとめているところでございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。

 今御答弁いただいたとおり、確かに、現時点では、健全性を維持しているというふうにも感じております。また、逆を言えば、これまで投資的経費が伸びている中で、全庁挙げて取り組んできたいろいろな工夫、努力が、ある意味、一つの健全性という数値を出しているのかなとも感じております。

 決算審査意見書の9ページの総括意見の中に、本区の財政状況は、現時点で健全性を維持していると言えますけれども、引き続き人口が増加している中、行政需要のさらなる拡大が見込まれるため、今後の推移に注意していく必要がありますと指摘をしております。行政需要のさらなる拡大の見込み、この点の今後の推移というのはどのように感じていらっしゃいますでしょうか。

○濱田企画財政課長
 人口増加に伴いまして、当然、数がふえるということと、さまざまな行政需要がふえるというのはイコールな話でございますけれども、中でも特に義務的経費の中の扶助費の伸びがかなり勢いがあるのかなと感じているところでございます。例えば、いわゆる経常的経費と申しますか、消費的経費の伸びは、平成25年度から27年度の決算、3年間の間に約37億円、3.6%ほど伸びているんですけれども、その中でも扶助費が、25年度の約35億円から53億円ということで18億円も伸びているということで、こちらは26.9%の増となってございます。

 扶助費の増加の要因でございますけれども、当然、人口増に伴いまして、高齢者の方あるいは障害のある方の施策もふえていくのは間違いないんですけれども、やはり際立って大きいのが児童の増加に伴う児童福祉費の増ということでございまして、こちらに着目をしてみますと、平成25年度35億円ほどから27年度は53億円ほどに伸びているということで、実に扶助費の伸びのうち80%以上が児童福祉費の伸びということでございます。こういったことから、本区は今後も30代、40代を中心とした人口増が続いていくと見込んでいるところでございまして、生まれる子供の数も引き続きふえていくということが当然見込まれるわけでございますので、児童福祉費を中心とした扶助費、あるいはその上のカテゴリーである経常的経費も当然伸びていくだろうと。金額については、推測するのはなかなか難しいところでございますけれども、着実に増加していくものと受けとめているところでございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。

 財政白書を見ますと、経費は義務的経費、投資的経費、その他の経費と3つに分かれて記載がされておりまして、今お話がありましたとおり、義務的経費が伸びている傾向にある。特に、今、子育て支援の取り組みをしっかり進めている中で、それが顕著にあらわれているというお話がありました。

 これまで、昨年、また、ことしの予算審議の中で、私はどちらかというと投資的経費、また、それに伴う維持管理費について少し議論させていただいた経緯があります。基本計画2013の当初の見込みでは280億円ほどと投資的経費を見込んでいたのが、470億円ほどになっていくということで、今後の本の森ちゅうおうや阪本小学校も含めて、190億円ぐらい伸びていくと。そういった中で今回も決算の中で健全性を維持していることは、ことしの3月の議論の中でも理解をさせていただいております。

 その上で、財政白書の43ページに③として、中長期的なニーズの変化にも対応した施設整備の下段のところに、将来の維持コストの平準化や財政負担の軽減を図りながらとありますが、施設整備を進めていく中での将来の維持コストの平準化あるいは財政負担の軽減について何か考えている工夫等ありましたら、お聞かせいただければありがたいと思います。

 それから、先ほどの御答弁で、経費がふえていく傾向にあるというお話がありました。私も地域の中でいろいろな方のお声をいただいておりますが、確かに、若い世代の方から、しっかり保育所の確保をお願いしたいというお声もよくいただきます。また、一方で、ある再開発地域に近いところに住んでいらっしゃる方からは、ここの公共貢献には、高齢者施設はあるんだけれども、なぜ子育て施設はないのでしょうかねと、そんな声もいただいたりするぐらい、やはり皆さんは意識が高く、現地をよく見ているなというふうに感じております。したがって、これまで投資的経費の話を中心にしてきましたけれども、やはり義務的経費、また、その他の経費も含めて、だんだん膨らんでいくのではないかということをすごく感じております。

 これまで投資的経費は何となく小学校を中心に議論をしてきたところがあり、過去、統廃合してきた経緯もあるんですが、今現在見ると、一つの表現の言い方として、一定のキャパシティーは超えている中で、一生懸命対応しているという現状だと思います。同じように、やはり義務的経費、その他の経費に係る、いわゆる区民サービスに直接接するサービスの経費についても、どこかの時点で大変厳しい状況も来るのではないかなというふうにも感じております。その点、御担当といたしまして、どのように感じていらっしゃるのかも教えていただければと思います。

○濱田企画財政課長
 維持コストの平準化あるいは経費の軽減という話でございますけれども、これから実際に公共施設等総合管理計画を定めていくに当たって、今、その分析をしているところでございまして、どういった経費がどのぐらいかかっているのか分析しながら計画を定めていくということでございます。具体的には計画が定まってからという話になりますけれども、例えば、ある程度の改修につきまして年度間の調整をいたしますという形での平準化を図るとか、あるいは軽減化につきましては、今、順次進めておりますけれども、省エネ機器等を順次導入いたしまして光熱水費を下げていくですとか、そういったようなことをしていけたらいいなと思っているところでございます。

 それから、経常的経費が膨らんでいくというお話でございますけれども、確かに、このまま膨らんでいけば、かなりの額になっていくというのは間違いないことでございます。ただ、当然、一方で歳入のほうもふえていくわけでございます。特に、特別区民税につきましては、本区は30代、40代を中心とした生産年齢人口が増加している。それから、都心区であるがゆえの特性といたしまして、納税義務者の所得層も比較的高いといったことから、実は財政白書等々でもお示しをしてございますけれども、周辺区と比べますと、一般財源の確保がしやすい状況にあるかと思います。そういった意味からいえば、やはり歳入と歳出のバランスも、ほかの区から比べれば、比較的保っていけるのかなというふうに思っているところでございます。

 加えまして、先ほど扶助費の話を申し上げましたけれども、扶助費につきましては、およそ半分近くが、実は特定財源でございます。扶助費を含めた義務的経費はふえていくわけでございますけれども、扶助費の半分は特定財源ということで、全てが一般財源でふえていくかというと、そうではなく、大きな制度改正がない限り、当然、それに伴って特定財源のほうもふえていくということでございますので、そういった面からも、とりあえずはそれほど詰まるようなことはないのかなというふうに受けとめるところでございます。

 加えまして、こちらは先ほども触れましたけれども、本区は人口が増加している中で、経常収支比率が4年連続減少、3年連続適正範囲、さらに73.1%までになっている。人口増加が続く中で、この数字になったということは、数字上からは、やはりそれなりの一般財源の確保ができているというふうに受けとめているところでございます。

 そういった意味から、とりあえず現状からすれば、それほど強い危機感を抱いていないというか、大丈夫かなと思ってございますけれども、ただ、委員がおっしゃるように将来のことを考えますと、例えば区民税などにつきましては、景気動向にも左右されやすい要素がございますし、また特別区財調交付金につきましても、国のほうで法人住民税の一部国税化等が拡大していくということで、決して楽観視をすることなく、きちんと歳入と歳出のバランスを見きわめながら、今後も財政運営に努めていきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 それぞれありがとうございました。

 まず、施設整備に関する話ですが、これからまたしっかりいろいろ考えていくと。また、毎回かかる光熱水費等もしっかりと抑えていく、そういう話がありました。

 最近の新しい取り組みとして、いよいよこれから観光情報センターがスタートするわけでありますけれども、ここは、再開発の中で床を取得できる環境があって、上手に賃貸をしながら収入を得て、少しでも経費を賄っていこうといった工夫をしているということで、大変評価させていただきたいと思っております。

 同じように、今現在、確かに学校等の整備は進んでいますが、これからも例えば八丁堀のゾーニングの中でも施設計画があります。仮に、本の森ちゅうおうであれば、これまでもいろいろな議論の中で、障害を持つ方の声も含めたカフェをという話もありますので、それは賃料が上がるだろうなという考えもあるんですが、ほかにも区民館等においても、一定の何か施設整備が動いたときに、観光情報センターと同じようにはいかないでしょうけれども、上手に工夫をして、一定の賃料を得られるとか、収入が得られるとか、やはりそういった工夫を考えていくという視点は大変重要かなと思っております。これだけ全庁を挙げて投資的経費の拡大を上手に平準化させてきた中で、やはり少しでもいいサービスを行いながら、かつ経費も賄える仕組みをさらに考えていただきたいと思いますが、この点、御見解はいかがでしょうか。

 それから、義務的経費等についてですけれども、今お話がありまして、確かに人口が伸びていくわけですから、区民税もいただく、また景気の動向もあって少し所得環境が改善していますから、その分、上積みされているという現実があるとは思うんです。しかしながら、これまでの過去の特別区民税等の動きを見ても、そんなに急にぐっと伸びているなという感じではない。別の環境もあったわけでありますけれども、そう感じている一人でもあります。いずれにしても、いろいろな努力をされて対応されていくということですので、ぜひしっかりとお願いしたいと思います。

 これは本当に単純に一度聞いてみたいなと思っていたことなんですが、中央区は急激に人口が伸びている環境があります。同じ都心区の中にも、同様の傾向があるわけです。高層マンションが建っている中で人口が急に伸びている。そういう環境の中で、これが当たっているのかどうかわかりませんけれども、例えば中央区は、今後10年後ぐらいに大体20万人を突破するのではないかという推計を設けております。他区を見たときに、渋谷区は、今、人口が大体22万人ぐらいで、さっとインターネットで見ただけなので正確ではないかもしれないんですが、一般会計は857億円でしょうか。投資的経費の問題もありますが、ある意味、今の中央区とほぼ同じぐらいの額かなと思っております。その中で、特別区民税ではなくて特別区税ですけれども、451億ということで、今の中央区のほぼ倍という状況であります。人口も違いますし、所得環境も違いますから、一概には言えませんけれども、今、中央区はマンションがどんどんふえて、人口がふえている。こういう環境がよそにもある中で、他区の状況はどうなのか、また、どのように感じて対応されているのか、もし何か分析している点があったら教えていただければと思います。よろしくお願いします。

○濱田企画財政課長
 観光情報センターみたいな活用を今後もということでございますけれども、例えば区民館というお話がございましたが、当然、施設の性質等によって、なじむ、なじまないがあろうかと思います。ただ、今後の財政運営を考えるに当たりましては、ほかの経費もひっくるめてどうなのかということはもちろん検証する必要はございますけれども、そういう形で財源が確実にふえる見込みがあるものであれば、ぜひとも検討はしてみたいというふうに考えているところでございます。

 それから、他区との比較ということでございますけれども、私としても23区の人口とか財政規模等々を比較したことがあるんですけれども、委員のお話にもございましたように、本区は投資的経費、特に市街地再開発の金額がかなり大きなものがございまして、これは別に悪いということではもちろんなくて、都心区であるがゆえの、さらなるまちの発展のための経費でございますので、当然のことでございますけれども、この経費等々によって、やはり財政規模が膨らんでしまっているというのがございます。要は、標準的な財政規模という定義がございまして、私どもの区でいけば、平成27年度でいえば480億円程度でございますので、その倍近くを一般会計では計上してしまっているということでございますけれども、これは投資的経費、市街地再開発や学校、さまざまな施設整備のものが上積みされているというのが特徴でございます。そういうふうに分析はしているところでございますけれども、ほかの区の財政規模がこれからどういうふうになっていくのか、特に人口増が著しい区が何区かあるわけでございますので、そういった区の推移等も見きわめながら、本区との比較もしつつ、今後、適正な財政規模等も鑑みながら、財政フレームを考えていきたいというふうに思っているところでございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。今御答弁ありましたとおり、中央区の特徴として、財政白書にもありますけれども、特別区平均と比べても、投資的経費が倍以上の状態が続いているわけでありますので、その中で少しでも経費を賄う仕組みというのは、一つの工夫として重要かなと思っておりますので、ぜひ御検討をお願いいたします。

 また、他区との比較ということで少し伺ったんですが、それぞれの事情もあると思いますし、なかなか一概にはいかないんですけれども、人口が急激に伸びているという状況を、同じように悩んでいるところもあるのかもしれませんので、いろいろ他の状況も見ながら、知恵をいただきながら、中央区の健全な財政運営をさらに進めていただきたいというふうに思っております。

 それから、特別区財政調整交付金についてです。

 先ほどの御答弁にもいただいているところではありますが、前年度と比較して16億7,600万円の増、136億1,800万円の決算となっております。今回は基準財政収入額よりも基準財政需要額が上回ったといった要因であるというふうに財政白書に書いてあるんですが、今までの議論を聞いたときには、たしか区民税の収入がある程度高いから、なかなか交付金をいただくのが思うようにいかないというような議論を聞いたような気がするんです。今回は需要額が上回ったというお話なんですけれども、この需要額増の要因というのはどういった内容なのか教えていただければと思います。よろしくお願いします。

○濱田企画財政課長
 特別区財政調整交付金でございます。

 確かに、委員がおっしゃいますように、人口増に伴いまして、当然、基準財政需要額もふえるわけでございますけれども、税収等の増に伴いまして基準財政収入額のほうもふえているといった意味では、マイナス要因もあるというわけでございます。実は、これは単純に人口増だけに特化した話で解決できる話ではございませんで、いわゆる調整三税の全体の枠が変動するわけでございます。23区に割り当てられる分は、調整三税のうち55%でございまして、当然、これは景気動向によって、その年々でフレーム枠が変わってくるということになります。ですので、例えば極端な話で申し上げますと、1年後にフレームが倍になったら、当然でございますけれども、需要額もその分、フレームとしてはふえるよみたいな仕組みがございまして、単純に下からの積み上げという部分と全体のフレームからの調整の部分という2つの要素がございまして、なかなか一概に比較できない部分がございます。ですので、その以前の答弁というのは、恐らくフレームがそれほど伸びなかった時期の話でございまして、であれば、やはりどうしても算定が厳しくなるということから、そういう事象が生じたのかなというふうに思っているところでございます。

 また、今回、需要額が伸びた大きな要因でございますけれども、1つは委員のお話もございましたように、財調の場合、人口がふえれば、いわゆる標準区という設定をいたしますので、標準区に近づいた人口になっていることから、当然、算定がふえていくというのが1つ。それから、実は、公共施設の改修経費の臨時的算定というのがございまして、これがかなり大きな要素を占めてございますけれども、こちらのほうでかなり算定増になったというのが今回の大きな要因でございます。

 加えまして、市街地再開発事業の財産費という形で算定がされるわけでございますけれども、こちらは事業の増に伴って算定増があったこと、また、繰り返しになりますけれども、23区全体のフレーム枠が拡大したということで、それに伴う調整算定の増があったということが主な要因でございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 大変わかりやすく教えていただきまして、ありがとうございます。

 確かに、全体の景気が上向いて、全体のフレームがふえたということで、その理屈はすごく理解をするところであります。今、一部景気の動向がいいと言われているところもあるわけでありまして、結果として税収が伸びているわけでありますけれども、この状態がずっと続くかどうかもわかりませんし、数年前ぐらいの水準に戻る可能性もありますし、また国の法人住民税の一部国税化の動きもありますので、まだ環境としては楽観視できないところだと思います。

 重なってしまうかもしれませんが、今後、例えば人口推計で10年先ぐらいまで見ている中で、普通交付金の歳入が、人口が伸びていくに従って、当然、需要額が伸びるというお話がありましたけれども、着実に伸びていく傾向になるのかどうか、改めて御見解をいただければありがたいと思います。

 それから、特別区民税についてでありますが、収入未済額に対する取り組み状況と、また、これまで歳入の質問の中で、特に滞納していらっしゃる方は若い世代が多いというお話を議論させていただいたことがあるんですが、若い世代が多いという状況について、何か感じている点、また、分析している点がありましたら教えていただければと思います。よろしくお願いします。

○濱田企画財政課長
 今後の特別区交付金の推移でございますけれども、先ほど来御説明しましたように、やはり一番大きな要素は調整三税のフレーム枠がどうなっていくかということでございまして、固定資産税がどうなるのか、あるいは法人住民税の一部国税化がどのぐらい影響があるのか、こういったところを危惧するところでございます。そういったことからすれば、本区は、人口がふえていって需要額がふえるわけでございますけれども、当然、収入額、差し引き分もふえていくということからすれば、先行き確実にふえていくというのは見込めていないというように受けとめているところでございます。

 また、今みたいな形での調整三税の増収が続けば、もしかしたら人口増に伴う需要額増のほうが大きくなるのかなというふうに受けとめている要素もございます。

 以上でございます。

○清水税務課長
 収入未済と滞納者の年齢の状況でございます。

 収入未済につきましては、平成27年度は26年度決算に対して1億9,000万円ほど圧縮できたわけでございます。これは、主に滞納繰越分の収入率が非常にアップしたということがございます。あとは発生抑制ということで、従来からございますけれども、コンビニ納付とかモバイルレジとか、振り込みやすい方法を導入してきたり、忘れている方への気づきを中心に、督促状を送付する前に電話納付案内をしたり、そういった地道な取り組みをしてきた結果と思っております。

 ちなみに、年齢層でいきますと、この8月末の時点ですけれども、20代の方の滞納者が975人、30代の方が2,359人、40代の方が2,138人と、30代、40代の方が過半数を占めている状況で、20代の方も一定割合、全体の滞納者の6%ほどいらっしゃるという状況でございます。

 先ほど申し上げましたが、やはりこういった方たちはサラリーマンではございませんが、給与所得者として、平日お忙しい。少額の滞納ということがあると、なかなか納付に至らないというところで、先ほどのような機会とか、それから周知をいたしております。督促状にも、ことしから納期の説明とか、滞納になるとどういうことが起こるのかというような案内とともに、区役所とか金融機関に行かなくても納付の方法があるということで納付の仕方などの御案内もしてございます。やはり若い方は、本来ですと特別徴収といって天引き、こちらは99%を超えている収入率でございますが、そういったところに至っていないような雇用状態の方がいらっしゃるのかなと思っております。そういった方でも納付がしやすい方法を周知して、より滞納抑制を進めてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 それぞれありがとうございます。

 まず、特別区交付金については、やはりフレーム全体がどうなるのかが大変ポイントだというお話がありました。本当にそのとおりだと思っております。平成27年度のとき、人口が14万人になったんだと思うんですけれども、これまで一番人口が少なかったときが平成9年だったと思うんですが、平成9年度の一般会計の歳入状況を議会局に調べていただいたんですけれども、特別区税ですので区民税ではないんですけれども、特別区税で129億円、うち特別区民税が97億円、特別区交付金が139億6,000万円ということでなっております。例えば、特別区交付金一つ見ても、もちろん環境は全然違いますけれども、平成9年度のときと、金額としては、実際そんなに変わっていないなというふうに感じているんです。

 実は、行政需要の見込みを取り上げた一つの理由は、確かに全体、そういう危機感を持つという視点での質問もあるんですが、どちらかというと、多くの方が求めているニーズに応えなければいけない。そのわかりやすい例が、確かに保育所の整備あるいは学校の整備ということなんだと思うんですが、それに伴って、むしろこれまで長く中央区に住んでいらっしゃった方の中で、こういうニーズもあるんだという声をいただくケースがあります。

 本当にわかりやすい例で言いましたら、マンションがどんどん建っていく中で、区内の2つの地域で最近、銭湯が廃止された経緯があります。確かに、家にお風呂があっても行くという方もいらっしゃるでしょうし、なくて行くという方もいらっしゃるでしょうし、いろいろな環境があると思うんですが、ある意味、これまで区を支えていただいた、あるいはずっと住んできた方に対しても、一つひずみがある中で、何かフォローしてあげることはできないかなというふうに感じております。今のは銭湯という一つの例なんですけれども、確かに保育所も最重要課題ですし、学校の整備も大事なんですが、だんだん少数になっていく方たちに対しても、人数が少ないから、なかなか財源がいかないというのではなくて、やはり工夫をしていだたいて、そういった方の声にも応えていただきたいなと思うんです。

 区の本当に一番の変化は、やはりマンションの建設だと思っておりまして、ことしの3月の予算特別委員会でも、たしか住宅系の開発協力金について質問させていただいたところであります。今、手元にあるのは平成27年3月の予算特別委員会の議事録なんですが、この議事録の中に、住宅系の開発協力金をいただくといったような取り組みもその一つであると。その後に、よりよい居住環境をいかにつくり上げていくかというところに知恵を働かせていく必要があると述べていただいております。確かに、保育所整備、学校の整備は当然最重要課題ですが、人数は少数になる、例えばお風呂屋さんがなくなって困っている方たちに対して、こういったところから何か支援ができないかどうか、御見解はいかがでしょうか。

 また、特別区民税につきましては、30代、40代の方が2,000人を超えて多いということなんですけれども、滞納されている30代、40代の方々がほかの区に支払わなければいけないものを同じように滞納していらっしゃるのかどうかとか、あるいは声を聞いたことがあるのかどうかとか、その辺の分析はいかがでしょうか。

○清水税務課長
 滞納している方の他の状況でございます。

 滞納している方について、私どもは調査権を持っておりまして、例えば国税ですとか、他の自治体とか、もちろん銀行とかもそうなんですが、そういったところも私どもは調査をいたします。場合によっては、そちらが差し押さえているようなものがあれば、私どもは交付要求といいまして、私どもも差し押さえに参加するというようなことが認められております。差し押さえをいたしますと、皆さん、びっくりして来られるという方が結構いらっしゃいます。私どもは納付相談を日ごろから行ってございますので、そういったところで幾つか滞納があるというお話はよく出る話でございます。

 その中にも、やはりそういった公的なものが含まれる場合がございます。税が優先ということで、差し押さえれば私どものほうが優先になりますけれども、国税が優先とか、いろいろなケースがございます。そういったことを相談の際にお聞きして、例えば分納で御返済いただけるような方は、そういったことを考えますし、税務署ですとか、他の転出されたところとなりますと、どういう形かというのはケース・バイ・ケースによりますが、可能な限り私どももお話を聞いて、完納につなげていく。それは他の自治体ですとか国の機関も同様でございますが、私どもに優先権があるものは私どもが中心になって、そういうことを考えるということでございます。

 以上でございます。

○濱田企画財政課長
 財調のほうの例を出されていたことがございますので、ちょっと触れさせていただきますけれども、平成9年と比べてそれほど変わらないということでございます。確かに、金額上はそれほど変わらないわけでございますけれども、今、財調フレームのほうは日本の景気動向と相まって動向が変化するわけでございますけれども、当時はどんどん額が膨らんでいく状況でございましたのが、リーマンショックによって、がくんと全体の枠も減ってしまったということで、現状を申し上げますと、やっとリーマンショック前の最大の直前ぐらいまで復活してきたのかなというような状況でございます。

 そうした中で、お風呂屋さんのことを例にとられて、そういった支援ということでございますけれども、私ども基礎的自治体としまして、需要の多いところだけではなく、少数意見を、必ずというわけではございませんけれども、当然、必要な支援につきましては、きめ細やかな形で各現場で区民の方の声をお聞きしまして、施策のほうに反映していきたいという姿勢は、これまでもそうですし、これからもそのつもりでやっていくつもりでございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 まず、特別区民税についてでありますが、いろいろな御努力をしていらっしゃるということは今の御答弁でわかったんですけれども、これまで何度も歳入の質問の中でさせていただいておりますが、中央区の特徴は人口がふえ続けている。ふえ続けている背景として、確かに30代、40代の人口がふえているから、その分滞納者がふえるという考えもありますが、しかしながら、若い世代の方が滞納していらっしゃるというのはよく調査をしなければいけないのではないかということで、ずっと指摘をさせていただいているところでございます。ぜひ引き続き分析をしていただいて、難しいとは思うんですけれども、状況を把握していただいた中で、何か歳出のほうで手を打てることがあるのかどうか御検討いただきたいということで要望させていただきます。

 それから、行政需要に関してなんですけれども、当然、いろいろなところに気配りをしていかなければいけないという御答弁をいただきまして、ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。

 ある御婦人の方からは、たまたまその方の周りはほかのマンション建設も多くて、少し音がする。今度は道路を挟んだ目の前に少し高いマンションが建つということで、すごく不安に思っているというお声をいただきました。実際、こういうサービスをお願いしますということではないんですけれども、そういう気持ちとか思いを酌み取った上で政策に乗せていくような視点も大事かなと思っております。確かに、保育所1つ整備するだけでもどれだけ大変かということも、御担当の方のお話を伺って感じてはおりますけれども、それとともに、ニーズは少ないかもしれない、声は余りないかもしれませんけれども、そういったところの需要にも応えていただける今後の財政運営に努めていただきたいですし、健全性を保っていただきたい、この点を要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○石島委員長
 次の質問者の発言を願います。

○小栗委員
 それでは、歳入について質問をさせていただきます。

 まず、特別区民税の件です。

 財政白書によりますと、特別区民税の過去5年間の推移を見ると、納税義務者数の増加などを背景にして、平成23年、2011年度から約46億円増加していると。2014年度以降は景気の回復基調などを背景とした所得環境の改善に伴い、納税義務者1人当たりの納税額がこれまで以上にふえたというような分析になっています。このグラフも出ていますけれども、確かに、納税の額を納税義務者で割ると、平成27年度でいきますと1人当たり25万6,000円、23年度では23万3,000円ということで、納税義務者1人当たりでいえば伸びているというのはグラフからも言えることだとは思うんですけれども、一方で、所得、働いている人たちの名目賃金は伸びていないと。額面が伸びれば、その額面に応じて税金がかかるわけなので、納税額もふえていくというふうにはなると思うんですけれども、厚労省の毎月勤労統計によりますと、2015年11月と2011年11月を比べると、名目賃金はほぼ同額で、物価上昇を差し引くと5%のマイナスだというような現状があります。

 そういう観点からいうと、額面として伸びると、納税額もふえる。物価がどんどん上昇している。そういう意味で、納税額全体はふえていますけれども、人口増による環境の改善はあるものの、納税義務者1人当たりの収入もふえて、景気全体がよくなっているというふうな判断でいいのかどうかということで疑問を持つんですけれども、その点の分析はいかがでしょうか。

○清水税務課長
 区民の方のお1人当たりの所得と税負担ということで、財政白書のほうの全体の税額からの割り返しということでございます。私どもがこういったところを見るときには、先ほど出ました課税の調定ベースで御負担がどうなっているかというところを見てございます。平成23年度から27年度の決算ベースでいきますと、普通徴収の方はお1人当たり3万5,000円ほど、17.3%ふえてございます。それから、天引きされる特別徴収の方が1万730円ほど、4.3%、全体としては2万1,000円ちょっとということで、9%ほどふえてございます。

 こういった形で、税負担がふえているということは所得も一定程度ふえているということなんですが、ただ、階層別に見ていきますと、高額所得の方が全体的に少し割合がふえているといったことも影響していると考えられます。私ども、200万円と200万円から700万円、そして700万円以上というところで比較してございますけれども、こういったところでも、やはり高額の方の割合が13.4%から14%へふえているというところでございます。200万円以下の方も納税義務者はふえてございますが、負担額そのものはほとんど変化がないというような状況でございます。

 以上でございます。

○小栗委員
 今御説明いただきましたが、ことし3月の予算特別委員会のときにいただいた資料を見ますと、200万円以下、200万円から700万円、700万円超という課税標準額の段階別で見ると、700万円を超える世帯の割合がふえているというのは表の中でも示されています。

 一方で、先ほどもお話がありましたけれども、特別徴収ではない、多分非正規ではないかと思われるような普通徴収の方の滞納が結構あるというようなこととか、今、中央区に入ってきている世代が30代、40代の若い世代だというお話もありましたけれども、結構高いマンションに入る世帯は、ある程度の収入がないと、そういうマンションにも入れないという実態もありますし、そういう世帯はローンも抱えて共働きも多いというような実態の中で、共働きであれば、やはり税金の支払いも高くなるというようなこともあるというふうに思います。そういう中で、景気が回復しているから、全体の納税額がふえているんだというような分析になっていますけれども、実態的には、今も御説明ありましたが、高額所得者の層が結構入ってきている。そのために全体が引き上がっているというふうに見るほうが正確ではないかというふうに考えます。

 その点で、もう一度御見解を伺いたいということと、所得が低くて所得税とか住民税がかからない層もふえており、見えにくい貧困というのもあるというふうなことも考えますけれども、その辺についてどのようにお考えなのかということと、特別区民税の今後の見通しとしては、どのように考えているのか、お示しいただきたいと思います。

○清水税務課長
 お答えいたします。

 今申し上げた200万円以下、200万円を超えて700万円、それから700万円を超えてということで、7月現在で毎年数字として出しているものでございます。200万円以下のお1人当たりの所得割という課税でございますけれども、負担額というのが、先ほどの平成23年度が62万9,000円ほどだったものが27年度では68万円、納税義務者も2万9,692人だったものが3万2,234人と、負担そのものがふえているということでございますので、全体的な所得としては、一応ふえている方向に動いているようには見えます。

 あと、申しわけございませんが、こういった状況と年齢というものをリンクさせた統計は、確かに今までとってございません。私ども、所得階層別にとっているものとしてはございますけれども、やはり200万円を超えている方が年々増加しているという傾向の中で、分析としては、少額の方はどうしてもふえていて、50万円未満の滞納が92%を占めているという状況でございます。申しわけございませんが、これと所得階層のリンクというものは分析しておりませんが、やはり滞納者の方は低額の所得の方が多いという傾向はあろうかと思います。

 それから、区民税の今後の見込みでございますが、先ほど今年度の決算の主たる増加の見込みというのは、納税義務者の増加と申し上げましたが、やはり人口増が続いている間は、生産年齢人口がふえるというところを中心にいたしまして、納税義務者も増加していくと推測しております。ただ、これを長期的な視点で見るというのは、税制改正とかもございますし、先ほどありましたが、景気の変動もございますので、税収のところで先々どういう見込みになるかというところは、なかなか判断が難しいと認識しております。ただ、今の景気の動向とかを見ますと、今後もしばらくの間は増加が続くと見込んでございます。

 以上でございます。

○小栗委員
 これからもしばらくは人口増もあり、税収もふえていくのではないかというような見通しとおっしゃいましたけれども、この財政白書でも、我が国の景気は、金融政策、財政政策、成長戦略を柱とする経済財政政策の推進により、雇用・所得環境が改善し、緩やかな回復基調が続いているというのを、まず最初に述べています。政府はこのように言っていますけれども、この見方自体が、本当にそうなのかということを私はあえてここで強調したいというふうに思います。先ほど述べた厚労省の統計でも、名目賃金は、物価上昇を差し引くと、年収377万円の世帯で実際には19万円も収入が減っている実態にあるわけですし、雇用・所得環境が改善しているというふうには、日本全体を見ても、言えないというふうに思いますし、中央区だけ景気が回復していると言えるような状況では全くないというふうに思いますので、これからの財政運営、区のいろいろな運営をしていく上でも、景気、今の日本の経済がどうなっているのかというものの見方自体が誤っていると、方向性を誤ってしまうと思うので、その点をあえてこの場で述べさせていただきたいというふうに思います。

 次に、法人住民税の国税化の影響についてです。

 先ほどもこの問題で御説明もありましたけれども、財政白書では、地方の自主財源である法人住民税の一部国税化、さらなる引き下げを進める方向性が示されている法人税や、平成31年、2019年10月から再度税率引き上げが予定されている消費税の景気への影響など、地方公共団体の財政を取り巻く環境は予断を許さないということも述べられております。

先ほども区長会のお話がありましたが、都政新報の報道によると、23区全体の減収額が700億円になっていると。あと、ふるさと納税では129億円の減があると。あと、法人税、法人実効税率の引き下げによって2016年、2017年で193億円の影響があるというような内容もあり、きちんとした税源偏在是正は地方交付税の財政調整機能で行うべきなどの主張をしているということです。今、国の税体制、税制はいろいろゆがみが大きいということで、東京都などはお金があるのだから、それを一部国税化しようというような流れで、こういうことも行われているんですけれども、やはり税制のゆがみを正すことが大変重要だと思うんです。その点についての御見解を伺いたいと思います。

○濱田企画財政課長
 まさに、委員がおっしゃるとおりでございまして、本来、地方であるべき財源を、地方同士のお金を取り合うみたいな形で、今、税制改正が進められている部分がございます。また、違った意味での税制改正もございますけれども、そういった意味からすれば、23区は全国連携プロジェクトというものを立ち上げまして、23区と地方各都市が共存して、お互いに発展する土台をつくろうということで取り組んでおります。それを踏まえて、先ほど来もお話がございましたけれども、特別区の主張という形で、税源偏在是正措置も含めた、さまざまな主張をしてきたところでございまして、今後もそれは続いていくだろうと考えているところでございます。

○小栗委員
 税制の問題では、中央区議会でも、2014年と2015年にも地方税財源の拡充に関する意見書ということで全会派一致で上げている内容もありますけれども、今の国の税制全体のゆがみを正していくということが必要だというふうに思います。

 先ほど個人版のふるさと納税の話がありましたけれども、今度は企業版のふるさと納税の制度をつくるというような流れもあり、これまでのふるさと納税でも自治体間の税金の奪い合いみたいな状況が加熱している中で、さらに企業版ということになりますと、企業と自治体との癒着みたいなことも問題になってくるということも指摘されていて、地方税制の基本をゆがめかねない内容になってくると思いますけれども、その点についての御見解も伺いたいというふうに思います。

 法人税の減税がずっと続いているわけなんですけれども、日本の企業の負担が重いというようなことがずっと言われています。実際には中小企業の税率よりも大企業の実質の負担率が、いろいろな優遇税制があって、低くなっているという問題にも、やはりメスを入れていくことが必要ではないかというふうに思いますけれども、その点についても御見解を伺いたいと思います。

○吉原総務課長
 企業版のふるさと納税についてでございます。

 企業版のふるさと納税につきましては、今年度から始まる制度でございまして、この制度は、個人が好きな自治体に自由に寄附できる個人版とは異なっておりまして、企業版は内閣府が地方創生につながると認めた自治体の事業が対象となってまいります。内閣府は、第1弾の申請期限、6月までに受け付けた6県、83市町村の中から合計105事業の内容を精査いたしまして、8月2日でございますが、6県、81市町村の102事業を寄附の対象事業として指定したところでございます。そういった観点から、個人のふるさと納税というものとは性質が異なるものというふうに認識しております。

 以上でございます。

○濱田企画財政課長
 法人税の引き下げについてでございます。

 法人税引き下げそのもののいい悪いという意味では、私どもの区としてどうのこうのという話ではございませんけれども、先ほど来出ております法人実効税率の引き下げに伴って、委員もおっしゃいましたように特別区にも影響があるということで、その財源の代替措置をするようにという形での主張をさせていただいているところでございます。

 以上でございます。

○小栗委員
 今の御説明ですと、企業版ふるさと納税自体は、地方自治体にとっても余り問題ないというような御見解なのか。私は、地方税制の基本をゆがめかねないのではないかというふうに思いますけれども、その点についての御見解をもう一度伺いたいというふうに思います。

 それと、法人税の減税の是非は言う立場にないというお話でしたけれども、やはりこういう減税の影響で193億円の影響も出ており、これからもそういうものが地方の財政をゆがめかねない懸念材料であり、環境が予断を許さないという状況になってきているわけですので、地方自治の財政をきちんと確保していく地方分権の立場からも、そういう行き過ぎた減税、特に大企業は、この間のアベノミクスで大変な利益を上げているわけなので、そういうところからきちんと税金を取るという本来の税制の立場に立った改革というものが必要だというふうに私は考えますけれども、その点について、地方財政への影響の立場から、もう一度御答弁をいただきたいというふうに思います。

○吉原総務課長
 企業版ふるさと納税の件でございますけれども、これは確かに、委員おっしゃるように、企業が本社を置く自治体のほか、東京都や23区など財政の豊かな大都市の自治体には寄附ができないという仕組みになってございます。しかしながら、個人版のふるさと納税と違いまして、何らかの見返りがあるというようなことはないという仕組みになってございます。ただ、それに影響されまして、その企業からの税金がどれだけ減るのかというところは、まだ今年度スタートしたばかりでございますので、その影響については想像がつかないところではございますけれども、そういった統計を踏まえまして、区長会のほうでも、また税の偏重についての発表がなされるものというふうに認識しております。

 以上でございます。

○濱田企画財政課長
 繰り返しとなる部分もございますけれども、法人税の一部は地方自治体の行政サービスを支える貴重な財源ということでございまして、それが今回影響があるという話でございますので、その代替の財源を必ず措置するようにという形で、今後とも主張を続けてまいりたいと考えております。

 以上です。

○小栗委員
 改めて、さまざまな優遇税制のもとで大変な利益を上げている大企業には大変な恩恵があるというような今の税制のゆがみを正すよう、地方自治の財政を担っている立場からも、ぜひ国に声を上げていってほしいというふうに思います。

 次に、市街地再開発事業の関連でお伺いします。

 財政白書で財政全体を1万円で考えると、どういうふうな割合になるかということで示された表があります。28ページの土木費が2,412円で、財源の内訳を見ますと、その中で国庫・都支出金の構成比としては33%ということになっております。26ページの民生費は2,899円で、これも国庫・都支出金などを見ると、構成比の27.9%というような数字が示されております。土木費と民生費は、この決算年度では民生費のほうが高いですけれども、現年度でいうと、土木費が民生費を上回る、23区の中でも特異な性格の予算になっているということを私たちは前にも指摘させてもらっています。今回の財政白書の中で、土木費、民生費、それぞれいろいろな事業がある中で、国庫・都支出金の割合が高い土木費の内容を見てみますと、やはり市街地再開発事業が大きな比重を占めているということだと思います。

 決算書を見ますと、国庫支出金の中の社会資本整備総合交付金というのが市街地再開発事業として計上されており、37億円となっております。都支出金からも、都市計画交付金として12億円計上されている。歳出のほうで市街地再開発事業助成が7地区動いていますけれども、助成額としては80億円というふうになっています。これで交付額はどのように決まるのか、市街地再開発の助成金と国庫支出金、都支出金の関係について説明をいただきたいというふうに思います。

○松村地域整備課長
 市街地再開発事業の補助金の内訳でございます。

 再開発事業につきましては、市街地の整備改善に伴う事業を行うという中で、地域の課題を改善するような内容、例えば広場等々のところ、それから耐震に絡んで、ビルを建てた際の共同施設部分の工事費等に補助金が入る仕組みでございます。そういった中で、かかる事業費のうち3分の1につきましては国庫補助金、それから3分の1につきましては区のほうから、そして残り3分の1は事業者のほうからお金が出ているという状況でございます。また、区のお金につきましては、そのうち一部が東京都のほうの交付金としていただけるというような状況になっております。さらに、その残りの部分については、財調の基礎額にもなるということの中で、後々、何年かにわたってお金も戻ってくる仕組みになっているところでございます。

 以上でございます。

○小栗委員
 一つ一つの事業に対して3分の1を国が出す、3分の1を区が出す、3分の1を事業者が出すという御説明なんですよね。それで、今、7つの事業が動いているので、この決算年度でいうと、合わせて80億円になるということだと思うんですけれども、それぞれの市街地再開発事業で規模に応じて額が決まるというのはわかりますが、どういう項目だったら補助金の対象になるとか、ならないとか、そういう枠組みの説明をもう少し詳しくしていただくことはできますでしょうか。お願いします。

○松村地域整備課長
 市街地再開発事業の補助の対象でございます。

 再開発事業は、事業の進捗に応じまして、調査を設計する段階、それから権利変換に関します合意形成、計画をつくって合意形成をしていく段階、それから再開発事業の工事を行う際に一時的に仮の場所にお住まいになる、もしくは営業されるということで、それに対する補償を支払うという場面、さらには着工した後は工事費に対する場面というところがございます。そういった中で、調査設計費、それから補償費、そして工事費、そういったものに補助金が充てられるということでございます。各年度、それぞれ調査設計費よりも工事費のほうが大きいとか、各年度ごとの事業費も増減が大きいというところがありますが、各年度においてそういった個々の地区で想定される事業費のうち3分の1が国費、3分の1が区費、3分の1が民間の組合のほうから出すお金になっているというものでございます。

 以上でございます。

○小栗委員
 中央区の場合は、市街地再開発事業が各地で行われているということもあり、投資的な経費、市街地再開発事業の補助金も含めて、大変大きな額になって、決算全体の中でも大きな割合を占めているというふうに言えると思うんです。今後も、事業があれば補助金も出るというような仕組みなんですけれども、これからもこういう仕組みで国の補助金、都の補助金は出ていく見通しなのか、その点もあわせて伺いたいというふうに思います。

○松村地域整備課長
 市街地再開発事業の補助の制度の見通しでございます。

 現時点では、何か変更があるというふうに国や都のほうから聞いておりませんので、こういった現行の制度が続いていくものというふうに認識してございます。

 以上です。

○小栗委員
 今、国全体の財政も厳しい中で、政策誘導的にこういうところにお金が結構出ているという現実がありますので、市街地再開発事業をどんどん進めていくことがいいのかどうか、その辺も含めて再検討が必要ではないかというふうに私は思っております。

 最後に、駐輪場の問題についてお伺いします。

 この決算年度から駐輪場が有料化されております。使用料収入として、決算書の102ページに3,539万円が計上されておりますが、予算では7,265万円の計上で、収入率は48.7%というふうになっております。実際に予算で見込んだ使用料の収入になっていないという点については、どのように分析しているのか、お示しいただきたいと思います。

○遠藤環境政策課長
 駐輪場の使用料についてでございます。

 今、委員のお話がありましたように、予算と調定額及び収入額に大きな開きが出ております。これにつきましては、平成27年度の駐輪場の使用料の算定に当たりまして、登録可能台数に、26年度末の利用者の登録率が85.6%ということでありましたところから、9割を乗じて登録想定台数を算定しております。使用料の有料化に伴いまして、利用者数の減というのも一部想定された反面、逆に、保管手数料の有料化によります駐輪場利用料の増というのも想定されたことから、そういったことを相殺しまして、登録想定台数を4,300台と見込みました。これに、例えば区民1カ月あるいは3カ月などの利用区分ごとの年額を乗じることで、ある意味、かなり積極的に歳入を見込んだところでございます。

 しかしながら、当時の登録数といいますのは、過去2年間の累積ということで、実はその間に転出等による利用減がありましても、特にその分の把握をしておりませんでしたことから、利用を中止したものの数を引いていないこと、それから無料ということで、利用の頻度にかかわらず登録をされていた方も多くいらっしゃったということで、実際の登録割合につきましては、平成27年度末で約60%ということで、予算との差が大きく開いたものというふうに分析しているところでございます。

 以上でございます。

○小栗委員
 今、御説明の中で4,300台を収容台数とするというようなお話もありましたけれども、駐輪場の利用状況について、予算特別委員会のときにいただいた資料によりますと、2015年、平成27年度で収容台数4,393台に対して登録が2,246台ということで、やはり半分になっている。それが使用料の収入も半分になっているということにつながってきているというふうに思います。今のお話ですと、撤去した自転車の返還料も、この使用料の金額の中に入っているという理解でいいのか、その点を確認させていただきたいということと、やはり駐輪場の有料化は、今まで無料だったのが一遍にかなり高い有料料金の設定になったということで、私たちもそのことをずっと問題にしてきました。特に、自転車利用のあり方を区のほうでまとめて、使用料の問題について、有料化に変更するに当たっては、利用者のみならず広く区民に周知し、合意を図っていくということが示されていたのに、十分な合意が図られずに有料化が実施されたということが、こういう実態につながっているのではないかというふうに思いますけれども、その点の御見解を伺いたいと思います。

○遠藤環境政策課長
 まず、撤去・保管料につきましては、決算書の112ページに2番として、自転車撤去保管手数料ということで461万4千円、こちらのほうに載せているところでございます。

 それから、自転車利用のあり方の関係で有料化といった話でございます。

 これにつきましては、今、委員のお話にありましたような住民の合意等云々ということでございます。過去の委員会でもいろいろと議論をしていたことかと思いますが、パブリックコメントをさせていただいて、その中でも、自転車の手数料について、さまざまな意見をいただいております。もちろん、駐輪場有料化に対して、よく思わない方もいらっしゃいますが、逆に、有料化をしていただく、それはよいことだと。ただ、その分、十分に指導等、不公平が起きないようにしてほしいとか、そういった意見も踏まえまして、こういった事業を進めていったところでございます。

 以上でございます。

○小栗委員
 撤去した自転車の返還料の件はわかりました。これは3,000円なので、割り返せば何件なのかという数字になるということでいいのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。

 パブリックコメントもやったというようなお話ですけれども、やはり現状を見ますと、思ったほど登録が進まない。八丁堀の駅前なども、前はすごい状態だったんですけれども、今はとめている自転車が少ないというようなことで、やはり有料化自体の問題もあるのではないかというふうに私は思います。

 それと、自転車利用のあり方の中にも示されていたような、モビリティマネジメント、有料化というよりも、どういうふうに安全に、快適に、みんなで自転車を利用していくのかという視点から放置自転車をなくすように誘導していく、そういう普及啓発をもっと強化することや、シェアリングを導入していくことなどが今後もっと求められてくると思いますけれども、その点についての御見解を伺いたいと思います。

○遠藤環境政策課長
 まず、撤去・保管の関係でございます。

 こちらの決算書のほうに1,538件と載せておりますが、単価3,000円を掛けていただくと、この額ということでございます。

 それから、八丁堀駅前の例が出ておりました。有料化前の駐輪場と現在の駐輪場を直接比較するのは、運営体制も違えば、収容台数という母数も違ってくるのでなかなか困難な状況がございます。ただ、そういった中で、可能な範囲で調べた統計的な状況を見ると、例えば平成26年の4・5月、それから27年の4・5月の駐輪台数を数えた状況によりますと、駐輪場の登録シールを張ってある台数を見てみますと、両方とも30%ちょっとぐらいということで、余り大きくは変わっておりません。つまり、無料のときには無登録の自転車が多くとまっていた状況があるのかなというふうに思っておりまして、これにつきましては、逆に、有料化とともに、駐輪場内の無登録の自転車につきましては、現在、指導を強化しているところでございます。

 それから、例えば自転車のシェアとか、そういった形のものにつきましては、御案内のとおり、現在、コミュニティサイクルを昨年10月から実施しており、ことしの2月からは広域利用も行っておりまして、これは非常に利用者が伸びているところでございます。また、自転車の走行環境の整備ということにつきましても、区のほうで可能な範囲で走行空間の整備、それからまた今後、オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都と推奨道路の整備もしていくなど、トータルで自転車対策を進めてまいりたいと思っております。定期利用だけではなく一時利用等も始めておりますし、それからシェア、また走行空間の整備、こういうものをあわせて自転車の利用がますます進むように、また安全で美観も保ち、観光にもつながるようなトータルの意味合いで、自転車走行空間あるいは自転車の整備も続けてまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。

○小栗委員
 終わります。

○礒野委員
 ただいま一般会計歳入の質疑半ばではありますが、暫時休憩し、午後3時30分に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後3時30分に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午後3時 休憩)


(午後3時30分 再開)

○石島委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。

 資料要求がありました5点について、席上に配付いたしました。

 一般会計歳入について、質問者の発言を願います。

○渡部(博)委員
 それでは、歳入について質問させていただきます。歳入の款というのは、総括的に質問されている方も多いので、そういった形も含めて質問させていただきたいと思います。

 まず最初に、人口増によって、特別区民税の収入もふえたということが決算報告書の中でいわれておりましたけれども、この間、大規模な再開発だけではなく、いろいろな要因で中央区の人口は急激に回復してきているところがあると思います。そういった中で、傾向と対策も含めて、以前の人口推計のやり方ではなくて、新しくいろいろな要件が重なってきて、人口がふえてきているということを考えながらやっていくのが、これからの施策、歳入の面も含めて、大切であると思います。その辺の考え方、また、今までとは違うような形で、どのようにされてきたのかということを、まずお伺いしたいと思います。

○御郷副参事(都心再生・計画担当)
 人口推計でございますけれども、現行、進めております基本構想審議会のほうで提出させていただきました平成28年1月時点のものが最新となっております。

 以前のやり方との違いというところでございますけれども、基本的なコーホート要因法というのは大きく変えておりません。ただ、その中で、本区にとって特色ある大規模開発の計画、それから、その中身をより詳細に精査して、例えば間取りとか入居世帯の予測というものも反映させながら、またその家族がどのぐらい子供を産んでいくのかという子ども女性比なども使いながら、より掘り下げて検証した結果が、今回出させていただいている人口推計でございます。

 今回の人口推計の表をごらんになっていただくと、おわかりかもしれませんけれども、年齢層がございまして、年少、生産人口、それから高齢者の区分けでもって、これから10年間の推計を出しております。その中で生産人口というのは、今の比率と大きく変わることはないだろうというふうに見込んでいるところでございます。そういったところを踏まえて、今後、基本計画等を策定する中で、歳出歳入の財政フレームというものも検討していく形になると思います。

 以上でございます。

○渡部(博)委員
 今までの大規模再開発でも一番大きい初めのころというのは、リバーシティから始まっており、直近で相当大きいものであれば、トウキョウ・タワーズとか、そういうところで、人が入ってくる時代の背景が違う。要するにバブルのときだとか、逆に言えば経済低迷期のときだとかによっても、人口の入り方、また働き方が変わってきているということも、やはり考え方の中に入れていかなければいけない。2025年と言われている問題もあり、収入が年金に頼らなければいけない時代が出てくるわけですし、収入の部分も変化してくることは確かだというふうに思いますので、時代の背景も含めて考えていただきたい。

 経済状況、また年代別も含めて、どういう形でやっていくのかということを将来的に見据えていかなければ、区の基本的な財源である、特別区民税がどういう形で推移していくのかというのは見えてこないだろうというふうに思います。最新の人口推計ということだけではなくて、常にやっていくことが本当は肝要ではないのかなというふうに思うんですけれども、その辺のところはどういうふうにお考えか、お知らせください。

○御郷副参事(都心再生・計画担当)
 今後やっていくというお話でございますけれども、これから来年6月に基本構想の議決を経た後に、それを受けて、来年度中には基本計画を策定するだろうと見込んでおります。その中でも、改めて人口推計等も、検討のたたき台になりますので、当然ながら、その部分もやっていく必要があるのかなというふうに認識しているところでございます。

 以上でございます。

○渡部(博)委員
 当然、基本計画というのは20年スパンでやっていくということで、その20年間、現時点での経済背景だとか、いろいろな時代背景の中での推計も含めてやられるというのはよく理解しますけれども、やはりその都度見ていかなければ、前回の基本計画2013の人口推計だけでは足りなかったということが見えてきているわけですから、その時々の時代背景、経済状況も含めて、大きな変化があったときには、再度区の財政状況だとか、その先を見据えたやり方をしていかなければいけないというふうに思いますので、その辺も含めてしっかり対応していただければありがたいと思います。

 基本計画に移るということもあるわけですけれども、その中で決算の審査意見書も見させてもらって、財政力だとか実質収支比率だとか公債費比率だとか、いろいろ言われてきているわけですけれども、平成27年度当初予算のときに見込んでいた施策に対する収入と決算で、収入的には結構マイナスというのはなく、大きくプラスに転じている部分があるわけですけれども、27年度の施策に対して収入は十分であったのかということと、もう一つは、その収入の中でも、書かれている中でいけば、基金の問題について、各種の基金残高の合計は5年間で半減しているというふうに書かれていました。それと、特別区で区の債権が増加しているのが本区を含め4区、基金残高が前年度を下回ったのが中央区だけという現状も踏まえて、その辺のところをどういうふうにお考えかということでお知らせいただければと思います。

○濱田企画財政課長
 まず、施策に対する収入についてでございますけれども、当然、国庫補助とか都補助などの特定財源が伴うものにつきましては、きちんと収入済みとなっているというふうに受けとめているところでございます。

 加えまして、平成27年度決算は、先ほどもちょっと述べさせていただきましたけれども、やはり本区の歳入の根幹となる特別区民税の顕著な伸び、それから地方消費税交付金、さらには特別区交付金の伸びといったものが大きな特徴でございます。そういったことから、一般財源の、率もそうですけれども、額がふえたというのが非常によかったかなということで、将来の負担軽減、また、この後の基金とも絡みますけれども、基金の積み増しもさせていただいたことを踏まえれば、しっかりと将来への備えもできた決算であったと受けとめているところでございます。

 それから、基金と区債の関係で、一概にして他区の区債は減少傾向、基金は増加傾向の中で、本区が逆の方向にいっているということでございます。確かに、そのとおりの推移をしてございまして、特に平成27年度決算でいえば、学校の増改築あるいは築地魚河岸の整備等で、やはり施設整備に係る投資的経費が、他区と比べまして、かなり秀でているところがございまして、そういった傾向にあるのは事実でございます。

 差が縮まっているというお話もございましたけれども、縮まっているとはいえ、まだまだ基金のほうが区債残高をかなり上回っているということで、基本計画を策定したときには、実は平成27年度ごろには逆転現象が起きているというような想定もしておったところでございますけれども、これまでの剰余金等の積み立て等を行ってきたことが功を奏しまして、現在は基金のほうがかなり上回っているという状況でございます。具体的には、まだ基金のほうが276億円ほど上回っているという状況を維持しておりますので、今後のさまざまな施設整備に計画的に活用していきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○渡部(博)委員
 ありがとうございます。

 数字を見ると、270億円強というお金が残っているということでありますけれども、平成の初めのころに立てた施設整備計画も、いろいろ年度ごとの平準化も含めてやられるということも考えられているところでありますが、なぜ基金の話も含めて言っているかというと、以前も言った可能性はあるんですけれども、区長も、この前、消防団の3団合同訓練のときに言われていたんですが、私が議員になったときに、今後30年の間に東京の直下型地震が起こる確率は70%と言われていて、それからもう30年たっているんですよね。だから、いつ起こってもおかしくないということになるのかなというふうに思うわけなんです。そういった中でいくと、財調基金も含めて、中央区として、いつでも使えると言ったらおかしな話ですけれども、災害時だとか緊急時に対応できるようなお金の残し方も考えていかなければいけないだろうというふうに思っているので、基金が減少しているだとか、そういうことも含めて、お話をしたところなんです。今の施策を進めるだけではなくて、区民の安全・安心のために、そういったことも視野の中に入れていっていただくことが重要ではないのかなというふうに思っております。

 これを質問しても、きっと、そのとおりですという話、そういうものも考えておりますということでお答えが返ってくるんだろうと思いますので、人口がふえ、15万人に迫ろうとしている中で、今の財調基金も含めて、その金額でいいのかということも考えていただきながら、毎年積み立てていって、基金も1回繰り出して、また戻しているという現状もあり、基金の積み増しはしているということでありますし、施設整備が重なって、基金が少なくなっているということも理解していますが、そういったところも含めて、考えの中に入れておいていただければありがたいなというふうに思います。

 それと、先ほど来出ていますけれども、都区財調のところで、今、中央区の人口がふえて、都区財調についてもふえてきているということで、自主財源の一つに入る可能性が高いわけですよね。そこで、都区財調を初めとする自主財源の確保の仕方なんです。これから検討していくのか、既にやっているのか。このごろ中央区のホームページを見ていないので確認はしていないんですが、今までの自主財源の確保の仕方ということでいえば、バナー広告の話だとか、いろいろ出ていたわけですけれども、細かい話も含めて、今までなかった区の自主財源の確保の方法というのは、どういうふうな形でとられてきているのか。各部でいろいろなことをやられていると思いますけれども、そういったことを含めて、お答えをいただければありがたいなと思います。

○濱田企画財政課長
 済みません。財調のほうは依存財源になります。

 自主財源の確保ということになりますと、やはり地道な努力の部分が多うございます。特別区税のほうは堅調な伸びを示している中でも、徴収努力も結構功を奏してきておりまして、例えば昨年度でいいますと、東京都のほうから徴収の専門家を呼びまして、その方の指導のもとに、かなり徴収率もアップしたということが実績としてございます。あとは、コンビニ納付ですとか、モバイルレジ納付など、納付しやすい制度の充実ですとか、あとは使用料あるいは住宅使用料の滞納への対策ですとか、本当に地道なところから少しずつ確実に徴収していくというのが自主財源の確保の策でございます。ネーミングライツとか、そういうこともやってございますけれども、今後とも地道な努力を積み重ねて、自主財源の確保に努めていきたいと考えているところでございます。

○渡部(博)委員
 2つの質問を1つにしてしまったもので、取り違えて変な形になりましたけれども、都区財調のほうは依存財源ということで頭の中では理解していたんですが、その後の自主財源の確保のほうの話があったもので、そっちのほうにいってしまいました。申しわけございません。

 先ほど来、委員の方々との話の中でもありましたが、収納率も含めて、回収率が上がっているということについて、地道な活動をされているということはよく理解しているところでございますが、先ほど税のお話が出ており、法律に触れるものはできないという言い方をされましたけれども、そのほかに、区として何か自主的な財源の確保というのはできないのか。これは一例ですから、歳入と若干離れる部分があるんですけれども、どこかでいろいろなものがあって、それを特産物として中央区が売ると。売ったときに、そこの差額でもうけるとか、違う事業も含めて、そういうことを考えていく必要性というのはないのかなと。要するに、自主財源の割合が少なくなってくると、単純な話、数字でいけば、硬直化してきているというような言い方もされてしまう部分があって、今回の場合は、違う意味で自主財源と依存財源の話については逆転している部分があるわけですけれども、やはり自主財源は50%を超える部分でやっていけるほうが、本来いいのかなというふうに思っておるんですが、区として新しい事業も含めて、自主財源の確保という形を考えているのかどうかということをお知らせください。

○濱田企画財政課長
 これまでもさまざま努力、検討はしてきたところでございますけれども、先ほど紹介すればよかったんですが、今年度からは、例えば道路占用料、公園使用料の改定率を上げまして、これによって6億円強の財源確保に努めており、機会を捉えつつ、そういう努力はしているところでございます。

 新税等を含めた新たな施策ということでございますけれども、やはり区独自の新税につきましては、他区の状況とかを見ておりましても、なかなかうまくいっていない部分もございますし、また延期されたとはいえ、消費税増税が予定されている中で、新しい税の導入を区が独自でやるというのは、なかなか理解も得られにくいのかなといった要素もございまして、そういった意味では、なかなか難しい部分もあろうかと考えているところでございます。

 いずれにしても、機会を捉えた自主財源の確保は、今後とも総力を上げて努めていきたいと考えているところでございます。

 以上です。

○渡部(博)委員
 私が考えていることが歳出の政策にも少しかかってきてしまう部分があるので、ここでは質問をやめますけれども、どういうふうな形で区民と協働していくのかというのがこれから必要になってくる部分は大きいだろうというふうに思うんです。そこを基準にして、どういうふうに考えていって、なおかつ区の財政のほんの少しでも、そういうところで利益を上げていくということを考えていく必要がこれから出てくるのではないのかなと。歳入の部分だけではなくて、施策とあわせて、そういうものをつくっていくことが、今まで置かれていた区の立場と、これからの区のあり方、協働ということも含めて考えていく中でいったら、やはりそういうことも必要になってくるのではないのかなと。先ほど来言っております人口推計の話も、人口の年齢層だとか、収入源も含めて、刻々といろいろなものが変わっていくわけですから、そういった時々に合わせてやっていくということが必要なんだろうというふうに感じているところなんです。

 ですから、これまでもしつこく言ってきましたけれども、人口推計は時と場合によって、背景によって変化するという話もしましたけれども、区の施策の基本になるものであると思いますので、十分に注意をしていただくことが必要なんだろうというふうに思っております。何回もしつこく言うようですけれども、これで施策も、収入の根幹となる区民税も含めて、大体の推計がわかってくるわけです。なおかつ先ほど言っていた将来にわたる財政負担の話についても、推計はされていますけれども、年金だけで暮らされる方もふえてくるという現状を考えた中でいくと、特別区民税だって、今までと違って、ずっと若い世代が入ってくるというだけではなくて、そういったことも視野に入れていかないと、今後、財政負担がもっとふえますよという話になる可能性だってあるわけですから、そういったことも含めて、考え方をしっかりまとめておいていただかないといけないなというふうに思っております。

 いろいろなことを言われておりますけれども、やはり基本計画に至る前の今のこと、これからもう一回基本計画を策定する前に人口推計をされると言っておりますが、前回の例を踏まえていうと、推計は甘かったということで、今の基本計画2013というのは、オリンピックの要素が入っていないということはありますけれども、若干不安定なものだったなというふうに感じているところでありますし、そういったものにつながることもありますので、しっかりやっていただきたいと思っております。

○石島委員長
 次の質問者の発言を願います。

○小坂委員
 では、始めさせていただきます。

 3月の予算特別委員会に引き続き、今回の決算特別委員会にも出させていただきます。予算特別委員会では自分自身の中で全員参加型の社会の実現というふうなことをテーマに置いて取り組んでまいりましたが、今回の第三回定例会や決算特別委員会では、私はソーシャルインクルージョン、ゾーニング、そして築地の再生、このあたりが大事な問題ではないかというふうに考えているところです。これは、私自身の視点の持ち方です。区のほうでは、きっとこの決算特別委員会も踏まえて、新基本構想が充実していくというふうに思うところであります。

 まず、行財政運営について、現基本構想におきましては、第4章の基本構想実現のためにの3番目の項目に、柔軟で効率的な行財政運営というふうなところが提示されており、そこでは組織の改編や横断的な組織連携、高度情報化等を踏まえつつ、柔軟性のある執行体制をつくっていくというふうなことが書かれ、常に点検していく項目として、行政組織・機構の簡素合理化、行政サービス、公共施設、受益と負担などのあり方について常に点検していくと。これらのことを重点に置きながら、基本構想、それから基本計画をつくっていくというふうな考え方でおられるところでありますけれども、今回の平成27年度決算、そして、この分析におきまして、今言った常に点検する4点の中に、さらに書き加えるべき内容があるとすれば、どのようなことをお考えか、教えていただければと思います。

○御郷副参事(都心再生・計画担当)
 今、現行の基本構想の中に書かれております、行政サービス等の点検等でございますけれども、今回の決算もさることながら、この辺は行政評価のほうでも、しっかりと基本計画の施策評価を見ているところでございます。こちらの基本計画2013の66施策について総点検をしているということもございます。これから来年度の基本計画を策定する中で、新たにこの辺のチェック機能につきまして、さらにどうやっていくのか、行政評価をどういった形で見ていくのかといった、もとになるのが、今、検討しております基本構想になってくると思います。また、現行の基本構想の中の基本構想実現のためにというような項目について、今、起草委員会のほうでも、どういった文言がいいかということで検討されているところでございますので、その点検等を踏まえて、これから行政評価、それから新たな基本構想の中身をどうしていくかというところは検討していくべきかなというふうに考えております。

 以上でございます。

○小坂委員
 行財政運営を健全にしていくために何が必要かというところで、東京都の失敗例から考えれば、手続における公正さを確保することとか、透明性を確保することとか、また、今、議論されている人口推計をつくっていく中で科学的な手法をきちんと取り入れていく、それらのことも常に考えながら、行財政運営を考えていく必要があるのではないかと私は考えるところであり、そのあたりを入れていっていただければと思うところであります。

 次に、第二回定例会におきまして、中央区議会から大事な意見書を出させていただいております。私はそれに賛成させていただいた一員であり、この意見書をつくられた皆様に感謝するところですけれども、婚姻歴のないひとり親世帯に寡婦(寡夫)控除の適用を求める意見書というものが出されているところであります。この意見書は、区議会全会派一致で、寡婦控除が、合理的な理由がなく、なされている現状について、国に変えていくことを求めているところであります。その観点からして、今、中央区特別区税条例第17条で所得控除は地方税法に従うというふうなことになっておりますけれども、1つには、婚姻歴のないひとり親世帯の方々を寡婦控除の内容に含めるというふうなことを他の自治体でとられているのかどうか、これを取り入れるということは可能なのかどうか、そのあたりの検討はされているのか。これはもちろん地方税法に違反することを中央区はできないかというふうな発言ではありますけれども、特別区民税にそのような所得控除のあり方を導入することは可能なのかどうか。また、もしそのようなことをしていった場合に、寡婦控除を婚姻歴のないひとり親にも適用することによって、区の財源として、どれぐらい税収が減るのか、そのあたりの試算をしているのかどうか教えていただければと思います。

○清水税務課長
 寡婦控除については、委員おっしゃっているとおり、これは地方税法に基づくもので、基本的に、私どもの条例で改正するというのはできません。他の自治体全てを把握しているわけではないですが、私どもが調べた限りでは、条例で税自体を、寡婦控除の内容を変えているという例は承知してございません。これは、やはり地方税法の改正が前提になるかと思います。

 それから、寡婦控除のほうですけれども、御結婚されていないひとり親の方がどのくらいいらっしゃるかというのは、私ども税務課のほうでは把握してございませんので、逆に、寡婦控除の方がどのくらいいらっしゃるかという人数を申し上げます。寡婦控除につきましては、平成27年度の7月時点で1,226名いらっしゃるということでございます。

 以上でございます。

○小坂委員
 寡婦控除がそれだけの規模であれば、婚姻歴のないひとり親を寡婦控除とみなした場合に、適用される方々は物すごく少ないわけなので、逆に言えば、中央区の収入面としては余り影響が出ないと考えていいでしょうか。

○石島委員長
 質疑の内容が歳入にかかわることではないと思いますが。寡婦控除が税財源に影響を与えるということと歳入と、どういう関係がありますか。

○小坂委員
 特別区民税を計算するにおいては、この寡婦控除を適用することによって歳入が減ることになるんですが。

○石島委員長
 現状は、平成27年度の歳入についての質疑を行っているわけで、新たな提案についての質疑を行っているわけではありません。決算ですから。

○小坂委員
 もしそれを適用した場合に、平成27年度にどれだけ歳入が減ったかというふうなことで聞いたんです。

○石島委員長
 それは仮定の話になりますので、ここの質疑には合わないと思います。

○小坂委員
 わかりました。では、そこに関しては款を改めて質問させていただきます。

 では、終わらせていただきます。

○礒野委員
 一般会計歳入の質疑も終了したと思われますので、次に、第1款「議会費」の質疑に入るよう、お諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 第1款「議会費」について、理事者の説明を願います。

○坂田会計管理者
 (説明)

○石島委員長
 第1款「議会費」について、質問者の発言を願います。

○小栗委員
 それでは、議会費について質問させていただきます。

 いただきました資料のうち、23区議会の情報公開等実施状況ということで、今回、丸にはなっていませんが、5ページにあるインターネットによる映像配信も、この第三回定例会から試行ということで、ここも丸がつくことになり、やっとほかの区と並んだかなというふうに読み取れると思います。いろいろまだ課題はありますけれども、これから区議会の情報公開をさらに進めていくということで、あり方検討会などでもいろいろ議論されていると思いますけれども、きょうは会議録のホームページへの掲載時期をもう少し短縮できないかということで質問したいというふうに思います。

 今は変わったかもしれないんですけれども、きょうの朝見ましたら、5月31日終了の第一回臨時会は9月20日に会議録がアップされて、まだ第二回定例会の掲載はされていません。7月22日に最後の委員会が終わった7月の委員会の会議録は9月9日に掲載されています。きょう、第二回定例会の会議録の冊子が配られたので、ホームページにもアップされることにはなると思うんですけれども、もう少しホームページに掲載する時期を短縮できないのかなというふうに思います。決算書でも会議録にかかる費用がどのくらいなのか、項目に分かれていないので、それが幾らぐらいなのか。どういうふうにしたら、期間を短縮できるのか。あわせて、今、理事者報告が委員会の会議録のところに載っていませんけれども、理事者報告も全部ホームページに掲載する場合、経費は結構上がってしまうのか、その辺について質問したいと思います。お願いします。

○田野議会局長
 それでは、私のほうから、議事録のホームページ公開についての御質問にお答えさせていただきます。

 最初に、議事録がもっと早くホームページにアップできないかということでございますけれども、まず議事録をホームページにアップするまでの流れを御説明させていただきます。

 議事録につきましては、きょうもそうですけれども、テープで録音しておりまして、それを業者のほうへ反訳を委託いたします。それが上がってくるのに、やはり1週間から2週間かかっております。このテープ反訳が来た段階で、今度は、職員が確認を行うんですけれども、誤字、脱字、それから個人情報もしくは固有名詞、それから数字、議員の方々はいろいろな数字を述べますので、その数字がちゃんと合っているかどうか等を確認しながら校正を行っていきます。その後、印刷等の形になりまして、それから今度はホームページ用に段組みを変えたりする作業があったり、ホームページにアップするためには、ホームページの委託業者にかけますけれども、検索用のタグをつけるんです。個人名だとか用語だとかということでタグをつける、その作業が相当な期間がかかります。結果として、私どもは大体2カ月から3カ月後という状況でホームページにアップしております。他区を調べますと、本区が極端に遅いということはないのかなというふうに考えております。

 それと、先ほど、冒頭に委員おっしゃったように、今定例会から、試行として、本会議の一般質問の質疑につきましてホームページに映像をアップします。最終的には議事録の冊子が本物でございますが、来週にはアップできると思うんですけれども、補助的な役割としてホームページにアップしますので、それを一般区民の方が見ていただければ、ある程度、本会議の様子につきましては、わかるのかなというふうに考えております。

 それから、経費でございます。平成27年度決算額でございますけれども、本会議と委員会のテープ反訳の委託料が300万円余りでございます。それから、会議録の印刷代が126万円余りでございます。それと、ホームページの掲載の委託につきましては、270万円ぐらいでございまして、合わせて700万円近くかかるということでございます。

 それから、もう一点、理事者報告の議事録への掲載ということの御質問でございます。この質問につきましては、昨年度も御質問いただいているところでございますけれども、理事者報告の説明につきましては、理事者の方々が理事者報告の資料を使って説明をしております。そうしますと、当然、その説明の資料を会議録に掲載しなくてはならない。今、報告資料は紙ベースですので、紙で見て理事者の方が説明するんですけれども、そのデータ自体も議事録に上げなくてはならないということになります。そういうことでいきますと、昨年度も御説明したんですけれども、データをつくるだけで年間約400万円から500万円くらいの金額になってしまうということになります。いずれにしましても、あり方検討会のほうで御検討いただくことかなというふうに考えております。

 以上でございます。

○小栗委員
 データをアップできるようにするということについては結構お金がかかるというお話は、前もあったということで、私も議事録を読んでいますけれども、データを載せずに理事者報告だけアップするというと、そんなに費用はかからないのではないかなと思うんです。理事者報告をするのに、資料がないとわからないというお話なんですけれども、資料がない状態、報告も載っていない状態だと、私たちが何の質問をしているのか、逆にわからないと思うんですよね。報告があったほうが、これについて質問しているんだなということで理解できるということもあると思うので、その辺はぜひ考えていただいて、データに結構お金がかかって無理であれば、理事者報告だけでも、発言した言葉として載せていただくということは、区民に理解していただく上でも重要ではないかというふうに思いますので、その点は申し添えておきたいと思います。

 次に、政務活動費について、きょうも資料をいただいております。御存じのように、富山市議会では私的な飲食費などで不正な支出が続いて、3,300万円も不正な支出があって、議長や会派の元会長など10人が辞職して選挙をやるみたいなことになっていますけれども、出していただいている資料を見ても、実際にはわからないですよね。私たちももちろん、皆さん、領収書を出していると思いますし、きちんと取り扱いに基づいて、収支報告書を提出していると思うんですけれども、それが適正かどうか、内容の精査をもっと自律的に、私たちもちゃんとやっていますよというのを区民の皆さんにもわかるような形にしていくことが必要ではないかというふうに思います。インターネットで領収書を公開するという自治体もあるようなんですけれども、取り扱い規定そのものの不断の見直しや、皆さんによく理解していただけるようにインターネットでの領収書の公開も必要ではないかというふうに考えています。

 議長宛てに収支報告書を出しているんですけれども、その点についてどのようにお考えなのか、一言いただければと思います。

○田野議会局長
 では、短目にお答えさせていただきます。

 政務活動費につきましてですけれども、議員の方々は御存じのように、毎年4月30日の締め切りで政務活動費の収支報告書を出していただいて、添付書類として領収書等をつけていただいております。その証拠書類につきましては、私も含めて、事務局のほうで一点一点全部確認して、不明瞭、不適切な支出がないということを確認しております。

 取り扱い規定等の改正ということでございますけれども、今は使途基準まで全部定めておりまして、その定めをどう解釈するかは各議員の判断に任せておりますけれども、きちんとした適切な支出を行っているところだと考えております。例えばホームページに領収書を載せるとかということになると、相当な事務量になりますし、これも委託にかけると、またお金もかかるということにもなります。いずれにいたしましても、あり方検討会のほうで御検討いただく項目かなと思います。

 以上でございます。

○小栗委員
 終わります。

○礒野委員
 第1款「議会費」の質疑も終了したものと思われますので、次に、第2款「総務費」の質疑に入るようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 第2款「総務費」について、理事者の説明を願います。

○坂田会計管理者
 (説明)

○礒野委員
 ただいま第2款「総務費」の質疑半ばでありますが、本日はこの程度とし、明1日、明後2日を休会とし、来る3日午後2時に委員会を開会されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 明1日、明後2日を休会とし、来る3日午後2時に委員会を開会いたしますので、御参集願います。

 本日はこれをもって散会いたします。

(午後4時24分 散会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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