ページの先頭です
トップページ  の中の  会議録検索(本会議・委員会等)  の中の  平成29年第二回定例会会議録(第3日 6月15日)

平成29年第二回定例会会議録(第3日 6月15日)

1.会期

九日(第三日)

六月十五日(木曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後五時五十三分散会

3.出席議員

(二十九名)

一番 渡部 恵子議員

二番 山本 理恵議員

三番 海老原 崇智議員

四番 佐藤 敦子議員

五番 塚田 秀伸議員

六番 田中 耕太郎議員

七番 小坂 和輝議員

八番 松川 たけゆき議員

九番 加藤 博司議員

十番 奥村 暁子議員

十一番 原田 賢一議員

十二番 富永 一議員

十三番 瓜生 正高議員

十四番 染谷 眞人議員

十五番 石田 英朗議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 青木 かの議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 志村 孝美議員

二十一番 礒野  忠議員

二十二番 押田 まり子議員

二十三番 鈴木 久雄議員

二十四番 木村 克一議員

二十五番 中嶋 ひろあき議員

二十六番 石島 秀起議員

二十七番 墨谷 浩一議員

二十八番 田中 広一議員

二十九番 中島 賢治議員

三十番 渡部 博年議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君

副区長 齊藤 進君

副区長 吉田 不曇君

教育長 島田 勝敏君

企画部長 平林 治樹君

総務部長 田中武君

防災危機管理室長 林 秀哉君

区民部長 長嶋 育夫君

福祉保健部長 黒川眞君

高齢者施策推進室長 古田島 幹雄君

保健所長 中橋 猛君

環境土木部長 望月 秀彦君

都市整備部長 松岡 広亮君

会計管理者 坂田 直昭君

教育委員会事務局次長 浅沼 孝一郎君

監査事務局長 高橋 和義君

企画部参事(政策企画課長事務取扱) 濱田徹君

財政課長 大久保 稔君

広報課長 園田 典子君

総務課長 吉原 利明君

5.議会局出席職員

議会局長 田野 則雄君

庶務係長 荻原 雅彦君

議事係長 一瀬 知之君

調査係長 東 雅之君

書記 鎌田 智之君

6.議事日程

日程第一
一般質問

日程第二
議案第二十七号 平成二十九年度中央区一般会計補正予算

日程第三
議案第二十六号 中央区基本構想

日程第四
議案第二十九号 中央区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例

日程第五
議案第三十号 災害に際し応急措置の業務等に従事した者に係る損害補償に関する条例の一部を改正する条例

日程第六
議案第三十四号 中央区防災行政無線デジタル化工事請負契約

日程第七
議案第三十五号 中央区立つくだ保育園大規模改修工事(建築工事)請負契約

日程第八
議案第三十六号 中央区立つくだ保育園大規模改修工事(機械設備工事)請負契約

日程第九
議案第三十七号 中央区立子ども発達支援センター(仮称)整備工事(建築工事)請負契約

日程第十
議案第三十八号 中央区立特別養護老人ホームマイホーム新川大規模改修工事(建築工事)請負契約

日程第十一
議案第三十九号 中央区立特別養護老人ホームマイホーム新川大規模改修工事(機械設備工事)請負契約

日程第十二
議案第四十号 中央区立特別養護老人ホームマイホーム新川大規模改修工事(電気設備工事)請負契約

日程第十三
議案第四十一号 中央区立阪本小学校校舎等撤去工事請負契約

日程第十四
議案第四十二号 昭和通り銀座歩道橋昇降施設改修工事請負契約の一部変更について

日程第十五
議案第四十三号 歩行者専用橋取付護岸等整備工事請負契約の一部変更について

日程第十六
議案第二十八号 中央区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例

日程第十七
議案第三十一号 中央区立子ども家庭支援センター条例の一部を改正する条例

日程第十八
議案第三十二号 中央区子ども・子育て会議条例の一部を改正する条例

日程第十九
議案第三十三号 中央区難病患者福祉手当条例の一部を改正する条例

日程第二十
議案第四十四号 特別区道の路線の変更について


午後二時 開議

○議長(礒野 忠議員)
 ただいまより、本日の会議を開きます。


○議長(礒野 忠議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 二十七番墨谷浩一議員。

〔二十七番 墨谷浩一議員登壇〕

○二十七番(墨谷浩一議員)
 中央区議会公明党の墨谷浩一でございます。私は、平成二十九年第二回定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、通告書に従い、区長並びに関係理事者に対し質問をさせていただきます。どうぞ意のあるところをお酌み取りいただき、明快にして建設的な御答弁を期待するものでございます。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 初めに、がん対策についてから、がん教育と普及啓発のさらなる推進について。

 がんは、我が国において、昭和五十六年より日本人の死因の第一位で、現在では年間三十万人以上の国民ががんで亡くなっています。また、生涯のうち、がんにかかる可能性は、男性の二人に一人、女性の三人に一人と推測されています。早期発見及び早期治療の徹底を目的として、公益財団法人日本対がん協会が、昭和三十五年から毎年九月をがん征圧月間と定め、各地でさまざまながん撲滅への取り組みが行われてきました。医学の進歩により、約五○%の方が治るようになりました。特に、進行していない初期の段階で発見し、適切な治療を行うことで、非常に高い確率で治癒します。初期の段階で見つけるがん検診は、がんの死亡率を下げるのに非常に有効です。

 本区の取り組みとしては、肺がん検診、胃がん検診、大腸がん検診、前立腺がん検診、子宮がん検診等があります。平成二十八年度は、三十六・三十八歳の乳がん検診の項目にマンモグラフィー検査を追加し、検診の精度向上、乳がんの早期発見と死亡率減少を目指しています。また、大腸がん検診は、区の精密検査結果未掌握率が最も高いため、精密検査の受診勧奨と結果掌握を行い、大腸がん検診の質の向上を図っています。本区は、このように、がんの早期発見のための胃、大腸、乳房を初めとする各種がん検診の実施と取り組みで一定の成果を上げてまいりました。しかし、がんによる罹患は依然として増加傾向にあり、最近は高齢者だけではなく若年者のがんもふえており、今後、この傾向が続くものと見込まれています。今後は、予防、早期発見という取り組みから、さらに充実、強化するため、がん対策を総合的、計画的に進め、緩和ケアも含む対策が必要だと思います。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 さらなる区民の皆様の健康を守る取り組みとして、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会をつくるため、区民向け講演会などでがん教育を行い、また、ホームページでがんに関する正しい知識、情報が容易に得られるような普及啓発のさらなる推進が必要と思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 続いて、中央区版がん対策アクションプランについてお聞きします。

 がん対策の取り組みを総合的に推進されている港区に視察に行ってまいりました。港区では、がん対策を総合的かつ計画的に進め、がんの予防から早期発見、緩和ケア等の対策を充実、強化するため、平成二十八年二月に、今後五年間を計画期間とする港区がん対策推進アクションプランを策定しました。アクションプランでは、がんによる死亡者の減少と、がんにかかっても住みなれた地域で安心して自分らしく生活できる環境の構築を目標とし、一、がん予防の推進、二、がんの早期発見の推進、三、地域がん医療の充実、四、がん患者・家族への支援の四分野にわたり、九つの施策のもと、三十七の事業に、区だけではなく、区民、企業、医療機関の協力を得ながら取り組んでいます。計画を着実かつ効果的に推進していくに当たり、昨年は、十月三十日に開催された普及啓発イベント、がん対策とうきょう・みなと二○一六において、乳がんを経験された女優さん、モデルさんと医師によるトークショーや、大腸トンネル探検隊とクイズラリーの実施、医師による乳がんの視触診指導教室、肺年齢の測定、手術の操作体験、たばこによる健康被害の状況をあらわした世界一大きい肺模型の展示など、ホールでは講演やシンポジウム、野外では体験型ブースの設置で、体験しながら学んで考えるイベントを開催いたしました。港区では、このように行政、区民、医療機関、企業が連携し、がん撲滅へ本格的に取り組んでおります。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 各種関係機関が連携した総合的ながん対策、中央区版がん対策アクションプランが必要と思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 続いて、がん患者の方へのアピアランス支援について質問いたします。

 アピアランスとは外見を示す言葉で、がん治療による外見変化への影響をカバーする支援のことです。国立がん研究センターが抗がん剤治療中の患者に身体症状の苦痛度の上位二十位を聞いたところ、外から見える身体症状が多く含まれていたそうです。とりわけ、女性患者の方では、外見の変化に関する項目として、頭髪の脱毛(一位)、まつ毛の脱毛(六位)、眉毛の脱毛(八位)、足の爪の剝がれ(九位)などが上位に挙げられました。これらは、痛みやかゆみを伴いませんが、患者にとって苦痛になっているといいます。治療中に外見が気になって外に出られないという意見もあったということです。男性患者の方でも、足のむくみ(十位)、顔のむくみ(十五位)、湿疹(十六位)、頭髪の脱毛(十八位)などが上位に挙げられました。

 一方、がん医療の進歩により、がん生存率は改善し、また、通院治療の環境整備により、仕事をしながら通院する患者は三十二万五千人にふえました。こうした背景により、がん患者の方のアピアランスに対する意識が強まり、医療現場におけるサポートの重要性も認識され始めています。しかし、具体的なアピアランスケアの方法については、根拠のない情報や実生活に合わない情報だったりと、患者からの相談に戸惑う医療関係者も少なくないといいます。

 そこで、国立がん研究センター中央病院は、アピアランス支援センターを二○一三年七月に開設し、がん患者に対するアピアランスケアの医療者向け手引書「がん患者に対するアピアランスケアの手引き」も発行しました。治療に伴う外見変化に対処し、がん患者が自分らしく生活できるよう支援しています。院内での患者向けプログラムの実施のほか、全国のがん診療連携拠点病院の医師、看護師などを対象とした研修の実施など、全国各施設でも同様の活動が行えるネットワーク構築にも取り組んでいるそうです。

 そこで、第三点目にお伺いいたします。

 正確な情報は大切であると考えます。そのために、アピアランス支援に、既存の病院と連携をとり、がん患者の方の就労や社会参加を支援する施策について、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 続いて、アピアランス支援、ウィッグ、補整下着、乳房再建などのための助成についてお伺いいたします。

 二十年以上にわたり、乳がんを中心としたがん患者会の活動をされているNPO法人ブーゲンビリアの内田統括理事長さんによると、乳房再建手術は、乳がんの手術で失ったり変形したりした乳房を新しくつくり直す手術のことで、がん患者さんは、抗がん剤治療による脱毛や乳がん手術による外見上の変貌に関する悩みを抱えているそうです。具体的には、恋愛や就活を諦めている方もいる。会社などに就労していても、自信がなくなってしまうことがある。対人恐怖症のような状態や孤立状態に陥る患者さんもいるそうです。また、医師からの話によりますと、保険が適用になっても、経済的なことで乳房再建手術を諦める方がいる。行政の支援で、がん患者の方が社会参加、就労できるきっかけを提供することは必要だと感じました。

 がん患者の方は、抗がん剤治療による脱毛や、がん手術による外見上の変貌による悩みを抱えております。脱毛したために、人に会ったり外出するのが嫌になったり、対人恐怖症のような孤立状態に陥ってしまう方もおります。その上、高額なため、経済的にも苦しむことになります。そのような悩みの課題を軽減できるのが、ウィッグ、医療かつらや補整下着です。ウィッグは高価であり、購入をためらう方もいるそうです。港区では、がん治療に際して、化学療法、放射線療法などによる脱毛や、手術療法による乳房切除など、がん治療による外見変貌を補完する補整具の購入費用の助成を平成二十九年五月より導入しております。がん治療に取り組む区民の心理的及び経済的な負担を軽減するとともに、療養生活の質の向上を図り、就労継続等、社会生活を支援するために、がん患者へのウィッグ等購入経費の一部助成がされております。

 そこで、第四点目にお伺いいたします。

 経済的な悩みの軽減に資するウィッグ、補整下着、乳房再建などの助成は、心理的負担の軽減、社会参加を促し、療養生活の質の向上が見込まれることから、経費の助成が必要と思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 続きまして、認知症について順次質問いたします。

 国の高齢化率は、平成二十七年、二五・六○%となっており、四人に一人が高齢者、八人に一人が七十五歳以上となっており、平成四十七年には、三人に一人が六十五歳以上の高齢者となると推計されております。本区は、一六・○五%、二万三千二百六十七人、東京都は二二・三五%となっています。六十五歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は、推計で一五%で、二○一二年時点で約四百六十二万人に上ることが厚生労働省研究班の調査で明らかになっています。認知症の前段階である軽度認知症、MCIの高齢者も約四百万人いると推計されており、六十五歳以上の四人に一人が認知症とその予備群となる計算です。さらに、二○一五年一月、厚生労働省により、二○二五年の認知症患者は、現状の約一・五倍となり七百万人を超えるとの推計が発表されました。これにMCI患者数を加えると約一千三百万人となり、六十五歳以上の三人に一人が認知症患者とその予備群と言えることになりそうです。ある資料によりますと、本区の認知症の人は三千四百七十人、MCIの人は三千七人との推計もあり、予断を許さない状況です。

 認知症の方や、その家族の支援の場となっている認知症カフェの取り組みについて視察してまいりました。認知症カフェの取り組みについては、東京都から補助金が交付されております。目黒区では、認知症をサポートする認知症カフェが十カ所あります。その中で、祐天寺駅に近い民家で運営されているDカフェ・ラミヨを訪問いたしました。カフェは、認知症の方と家族、地域の方、医療や介護の専門職員など、誰もが参加でき、認知症や介護などについて話し合える場となっており、NPO法人Dカフェまちづくりネットワークが主催で運営されています。参加費は一回三百円で、コーヒー、お菓子がつきます。

 訪問した際に参加されていた方は、認知症の方や家族の方や医療関係、介護従事されている方などでした。皮膚科の医師がゲストとなり、主に高齢者の方へ病気のケアについてお話があり、その後に参加者からの質問を受けていました。質問は、褥瘡、巻き爪、水虫、たむしなど、皮膚のトラブルでした。また、巻き爪については、歩かなくなると巻き爪を発症してしまうことがあるそうで、認知症の方の家族や介護に従事している人も大きくうなずいておりました。意見交換の中で、医療の発達に伴い、昔は褥瘡には赤外線とドライヤーで乾燥させるのが主流であったが、ラップのようなものをかぶせるような治療に変わっている。医療などは日々進化していることを学びました。また、参加して感じたことは、温かい雰囲気の中、心配事などの解決に向け、サポートしてくれる場ではないかと思いました。そして、認知症を初め、介護のことなど、特に認知症の方に対する接し方のアドバイスをいただいたことで、認知症に対してさらに理解が深まりました。早い段階で交流の場を得ること、自分たちだけで悩みを抱え込まないことが大事であり、認知症カフェの重要性を確認できました。

 また、本区では、社会福祉法人トーリケアネットが運営している高齢者総合福祉施設、晴海苑にオレンジカフェがあります。私が参加したときは、認知症の方の対応、接し方のお話があり、認知症の方と家族の方が参加されており、質問の時間では家族の方が質問をされて、有意義なカフェでありました。助成金の支援がなく、独自で活動されていると伺いました。他の自治体の取り組みを調べてみますと、地域包括支援センターエリア内に一カ所程度を目途に開設しているケースが多いようです。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 本区の現状と取り組みについて、どのように考えていますか。また、認知症カフェのさらなる拡充が必要と思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 続いて、認知症サポーター養成講座などの取り組みについて、長野市の認知症サポーター養成講座などについて伺ってきました。長野市の人口は三十八万四百七十三人で、高齢化率が二八・四九%となっています。また、地区別で見ますと、五○%を超えている地域も数カ所あります。認知症高齢者は、一万二千六百九十三人です。認知症に関する相談事業については、平成二十四年度より認知症相談会、平成二十五年度より認知症初期集中支援チーム、平成二十六年度からかかりつけ医によるもの忘れ相談、また、地域の見守り事業として、平成十七年度より認知症サポーター講座、平成二十一年度よりキャラバン・メイト養成研修を開始しました。平成二十六年度より認知症カフェ、安心おかえりカルテの作成支援、平成二十八年九月より長野市認知症見守りSOSネット事業を開始しております。

 キャラバン・メイトは、認知症サポーター講座の講師役のことで、市民キャラバン・メイトの育成に力を入れております。平成二十四年度から小・中学校での認知症サポーター講座、平成二十六年度より市の新規採用職員研修の一こまとして導入、現在、キャラバン・メイトが五百十八人で、キャラバン・メイトの資質向上のため、年二回研修を開催しています。認知症施策に対して、重層的な取り組みをしていることがわかりました。

 認知症サポーター講座に参加した一般の方の声について、妻が認知症と診断を受け、いらいらして叱ってばかりだったが、対応に気持ちを改めることができそうだ。続いて、友人に認知症が始まった方がいます、月に一回集まる会では、声のかけ方などに気をつけたいなど。長野市では、小・中学校への認知症サポーター養成講座を市民ボランティアなどがキャラバン・メイトとして講座を運営しています。小学生の声として、どなったりしないで優しく接したいです。また、別の方は、ひいおばあちゃんは認知症だと思います。このことで、おじいちゃんは怒りっぽいです。でも、キャラバン・メイトのお話を聞いて、悪化させないために、おじいちゃんにこの話を聞いてもらって、優しく言ってもらうようにしたいです。これで進行がおさまれば、もっとよい家族になっていけると思いました。また、別の方は、道に迷っている様子を見かけたら、優しくその場に連れていってあげたいですなど。

 本区の取り組みとしては、平成二十六年度には認知症サポーター養成講座五十七回、千七百八十六人の参加、平成二十七年度には六十三回、二千四百三十六人の参加と推移しています。また、認知症サポーターステップアップ講座は、平成二十六年度には一回二十八人、平成二十七年度には一回三十一人となっています。認知症サポーター養成講座は、順調に推移していると思います。認知症サポーターステップアップ講座は、認知症サポーター養成講座を受講した方がさらにステップアップする講座のことです。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 本区として、認知症サポーター養成講座、認知症サポーターステップアップ講座の必要性をどのように考えていますか。若いころからの子供たちへの意識づけとしても、小・中学校での認知症サポーター養成講座の開催、また、認知症サポーターステップアップ講座の拡充が必要と考えますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、認知症高齢者の行方不明について質問をします。

 認知症高齢者の行方不明についての対策として、本区では、認知症ひとり歩き高齢者を在宅で介護している方に、徘徊高齢者探索システムの利用料の一部を助成しています。また、外出先で突然倒れたり、ひとり歩きにより保護されて身元が確認できない場合などに、あらかじめ登録された番号をおとしより相談センターに問い合わせることで、迅速に氏名、緊急連絡先が確認できる見守りキーホルダーも配布しています。このように、認知症ひとり歩き高齢者の方に対する取り組みもしていますが、まだ行方不明の御相談をいただくことがあります。

 本区の取り組みとして、認知症高齢者の行方不明に対しての取り組みのヒントにならないか、長野市認知症見守りSOSネット事業、安心おかえりカルテ作成支援の取り組みを視察してまいりました。初めに、長野市認知症見守りSOSネット事業の対象者は、長野市内に住民票のある方で、認知症が原因で行方不明になった高齢者となっています。この事業は、警察署、消防局による捜索や同報無線での情報提供依頼などの従来の捜索方法に加え、事業者の協力を得て、認知症である行方不明高齢者の発見情報を捜索機関に提供していただくものです。これにより、早期発見、保護及び御家族の負担軽減を図ります。具体的には、御家族などからの申請に基づき、市は、認知症である行方不明高齢者の情報を協力事業者にはファクシミリで提供し、協力事業者には発見情報を捜索機関に通報していただきます。市は、業務で市内を回る機会が多いライフライン関係、郵便局、定期宅配、新聞販売、金融機関などの四十三事業者と長野市認知症見守りSOSネット事業に関する協定を締結して、行方不明解消に取り組んでいます。

 安心おかえりカルテ作成支援については、行方不明時の早期発見に役立てることを目的としており、時々どこかに行ってしまい、なかなか帰ってこないので、これからが心配、行方不明時に警察の人に手がかりを聞かれたが、動揺して、うまく話せなかったなどの声を受けて、取り組みが始まったそうです。安心おかえりカルテには、写真、氏名、生年月日はもとより、身長や体型、連絡先などを記載し、警察などに連絡するときに、安心カルテを見ながら、警察などの問い合わせに迅速に対応できるようになっているそうです。平成二十六年度には四十四件、平成二十七年度には六十件、平成二十八年度二十九件の実績があるそうです。カルテをもとに、警察などに連絡するとき、気が動転していても、正確な捜索依頼ができると思いました。

 そこで、三点目にお伺いいたします。

 認知症高齢者の行方不明について、重層的な取り組みが必要になっていると思います。認知症見守りSOSネット事業、安心おかえりカルテの作成支援などの取り組みを取り入れてみてはどうでしょうか。本区でも、認知症高齢者の行方不明について、さらなる対応が求められていると思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 変わりまして、三点目に、食品ロスについて順次質問してまいります。

 食品ロスとは、製造過程で発生する規格外品、小売店での売れ残り、飲食店や家庭での食べ残しや賞味期限切れにより廃棄される食品のことで、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品です。日本では、年間約二千八百万トン、食品廃棄物が出ています。このうち、食べられるのに捨てられている食品ロスは、年間約六百二十一万トンと推計されており、これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた食料援助のおよそ二倍に当たります。また、日本人一人当たりに換算すると、お茶わん一杯分の食べ物が毎日捨てられている計算になります。日本の食料自給率は約四割で、大半を輸入に頼っていますが、その一方で、食べられる食品を大量に捨てているという現実に驚きを禁じ得ません。

 食品ロスの増加は、CO2の量を増大し、ごみ問題という環境面にも大きくかかわっている課題なのです。食品ロスは、食品メーカーや卸、小売店、飲食店、家庭など、食べることに関係するさまざまな場所で発生しています。食品メーカーや卸、小売店では、いわゆる三分の一ルールなどでメーカーなどに返品される食品や、欠品を避けるために保有し、期限を超えた在庫などが該当しますが、これらは品質上何の問題もなく食べられるものです。また、レストランなどの飲食店でも、客が食べ残した料理などが食品ロスとなっています。家庭においても、食品ロス全体の約半数に当たる年間約三百二万トンが発生しています。家庭から出る生ごみの中には手つかずの食品が二割もあり、さらに、そのうち四分の一は賞味期限前にもかかわらず捨てられているというのです。国連では、平成二十七年九月に、持続可能な開発目標として、二○三○年までの食料の損失や廃棄の削減目標が設定されました。日本では、昨年の四月、新潟で開催されたG7新潟農業大臣会合の宣言においても、食料の損失及び廃棄が、経済、環境、社会において非常に重要な世界的問題であると強調されました。

 人口流入が激しく、飲食店を多く抱える本区では、今お話ししたことからも、今や食品ロスの削減が重要課題であります。食品ロスの削減を考えていくことで、過剰生産の抑制による生産・物流コストの削減や廃棄のコストの削減、食費の軽減、焼却時のCO2削減による環境負荷の軽減にもつながります。食品事業者、消費者、行政それぞれにメリットがあります。本区としての取り組みですが、ごみの量は、平成二十三年度と平成二十七年度を比べますと、人口はふえていますが、ごみの量が減っています。本区の取り組みと区民の皆さんの努力の結果ではないかと思います。

 本区で、平成二十七年度一年間に収集したごみの量は三万五千百七十五トンで、二十五メートルプールに入れると、約三百二十二杯分です。中央区のごみ減量作戦では、区民やお店、会社がごみ減量とリサイクルを進めていくための目標などを示した計画があります。平成三十七年度には、区民一人一日当たりのごみの量を、平成二十六年度より約六十四グラム減らすことを目標にしています。さまざまな施策により、ごみの削減をしておりますが、本区では、家庭から出る燃やすごみのうち、手つかずの食品がおよそ五%を占めており、食べ残しを含めれば、より高い割合の食品ロスがあると考えられています。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 家庭での食品ロス削減に取り組むことは、食べ物の廃棄量を減らせることだけではなく、環境面や、お子様たちがいらっしゃる御家庭での食育にもつながり、家計にも少し潤いを持たせることができると感じております。家庭での食品ロスの削減についての取り組みが必要と思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、飲食店などへの取り組みについて質問いたします。

 食品ロスについてですが、江戸川区が取り組んでいるということで、ホームページに掲載されている西葛西にある飲食店を訪問してみました。店には、食べきり推進店のステッカーが張ってあります。店長さんにお話をお伺いすると、つくりたての食材を提供し、おいしく食べていただくことが大事だとおっしゃっていました。つくり置きではなくて、その場で調理をしておいしく食べていただき、食べ残しを減らす努力をされています。また、ハーフサイズや小盛りメニューの導入や、お客様の要望に応じて、ご飯や麺などの量を調整しているそうです。別の店では、食べきりサイズなどのメニューをふやし、お客様に提供しているそうです。食品ロスの削減に力を入れることで、食べ残し減による片づけの効率化や、ごみ処理料の経費の削減につながると感じました。

 江戸川区での取り組みでは、第一には、三○・一○運動の推進をしております。宴会での食べ残しや家庭からの食品ロスを減らすための取り組みです。宴会では適量を注文し、開始後三十分間と終了前十分間は自分の席で料理を楽しみます。家庭では、毎月十日と三十日は家庭内の食材を確認し、無駄なく、おいしく料理をします。宴会幹事さん向けの三○・一○運動マニュアルや食べきりレシピをホームページで紹介しています。

 第二に、食べきりアクションで食品ロス削減、食べきり推進店を募っています。食べ残しの削減等に取り組む店舗を食べきり推進店として紹介し、区民の皆さんの取り組みを後押しできるよう、区内に広げています。食べきり推進店には、ポスター、ステッカーなどの掲示がされており、区民の皆さんも食品ロスに努力するお店がわかります。

 第三には、フードドライブの取り組みです。江戸川区のフードドライブとは、家庭で余っている食品を持ち寄り、NPO法人を通して広く地域の福祉施設などに提供する活動で、平成二十七年度より実施されております。

 こういった三○・一○運動は、環境省が、飲酒や歓談に熱心になる余り、料理を残しがちな宴会で食べ残しをなくすよう呼びかけ、普及啓発に取り組んでいるところですが、先駆けて、長野県松本市を初め、北海道では、どさんこ愛食食べきり運動として展開し、環境省のまとめでは、全国六十二自治体で導入されているそうです。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 飲食店を多く抱える本区では、今でもさまざまな取り組みを通し食品ロス削減への啓発を推進しておりますが、三○・一○運動、食べきり推進店の取り組みなど、啓発活動が必要と考えますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、フードドライブの取り組みについてです。

 フードドライブとは、英語で、フード(食べ物)、ドライブ(運動)で、食べ物を集める運動という意味です。一般家庭にある食料、缶詰やレトルト食品などの保存食品を学校や職場、グループ等、さまざまな機関、団体が拠点となり、集まった食品をフードバンク団体や福祉施設等に寄与する運動を指します。フードバンク先進国、欧米においても、さまざまな場面で日常的に行われているほか、全国的なフードドライブキャンペーンが国民運動的に行われています。

 江戸川区では、食品ロス削減のため、未利用食品の有効利用を目的として、NPO法人セカンドハーベスト・ジャパンと協力し、フードドライブを実施しています。平成二十九年度は、環境フェア二○一七と第四十回江戸川区民まつりにて実施を予定しています。近年は、都内自治体が主催する環境イベント等で、フードバンク団体と連携して、区民、市民から食品を集める例がふえてきています。

 フードドライブの取り組みを、開館時間中に常時回収しているという世田谷区にあるエコプラザ用賀に行ってきました。フードドライブの受付場所は、世田谷区ごみ減量・リサイクル普及・啓発施設のエコプラザ用賀とリサイクル千歳台の二つの施設です。こちらは本年四月から試行開始されたばかりですが、区のホームページや区のお知らせを通し、お中元やお歳暮でもらったけれども、食べ切れない、特売セールで買ったけれども、買い過ぎて結局余ってしまった、そんな食品等が御家庭にありましたら御提供くださいと区民に周知を図り、五月度は十八名の方が提供され、二百七十七点、八十九キロの成果だったそうです。対象は区民の皆さんで、缶詰、インスタント食品、レトルト食品、調味料、乾麺、飲料などの未開封商品で、賞味期限まで二カ月以上ある、包装などが破損していない食品を常時回収していて、地域の福祉団体に寄附しているそうです。なお、世田谷区は、区内で未使用・未開封のまま廃棄されている食品は、区内で年間約四千五百トンに上ると推定しています。

 そこで、第三点目にお伺いいたします。

 区民の皆さんへの食品に対しての、もったいないなどの意識啓発にもつながる取り組みと思いますが、こういった未利用食品の有効利用を目的とした区民参加型のフードドライブの取り組みも必要と思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 第一回の質問を終了いたします。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 墨谷浩一議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、がん教育と普及啓発についてであります。

 大変重要な問題でございまして、国のほうでも、あれは中曽根内閣のときですかね、がん撲滅十カ年計画等をやったりしていました。もちろん、また続けているんでありましょうけれども、また、けさもNHKを見ておりましたら、iPS細胞で有名な京都大学の山中伸弥教授も出ておりましたが、早くがん撲滅に効果のあるものができればいいなという気がいたしました。

 また、本区でも、特に小児がん、小児がんというのは治るわけでありますから、そういう方々からの御要望も強くあって、特にがんセンターでは小児がんについて非常に力を入れているということもあり、また、聖路加国際病院もそうした面で力があるということで、地方からこの中央区に大勢の方々がやってくるのですけれども、そういうお子様と親が住むところがないということもありまして、中央区でどうかそういう施設、施策をやってくれないかというのがございまして、区立住宅を幾つか提供しているわけであります。そういった面で喜ばれておりますけれども、やっぱりがん撲滅、それから教育、非常に重要であるわけであります。がん予防や早期発見・早期治療のために、正しい知識を得ることは大変重要であると認識しているわけであります。

 区では、若年期からの健康保持に対する意識向上を図るため、三十歳と三十五歳の区民及び産後の母親を対象に、健康診断とあわせて、がんを含めた生活習慣病予防に関する健康教育を行うとともに、健康福祉まつりやブーケ祭り等のイベントにおいて、がんの正しい知識やがん検診の啓発を推進しております。さらに、本年二月には、区ホームページに乳がんに関する啓発記事を新たに掲載したほか、九月には国立がん研究センター中央病院の医師を講師にお迎えし、乳がんの最新の治療と検診のすすめをテーマとする講演会を予定しております。今後も、区民向け講演会やホームページを活用し、がんに関する正しい知識の普及啓発を推進してまいります。

 次に、中央区版がん対策アクションプランについてであります。

 区では、平成二十五年三月に健康・食育プラン二○一三を策定し、がん対策の充実を含む五つの基本目標を掲げて、健康づくり施策を推進しております。その中では、がんの早期発見・早期治療、がん予防に対する正しい知識の習得と支援体制の推進、たばこ対策の推進を三つの柱として、がん検診受診率の向上や成人の喫煙率の低下等を指標に、取り組みを進めております。今年度は同プランの折り返し点に当たることから、指標の現状値を確認し、中間評価を行う予定であります。また、国においては、現在、がん予防、がん医療の充実、がんとの共生を柱とする第三期がん対策推進基本計画の策定が進められております。区としましては、健康・食育プランの中間評価を行う中で、国の動きや医師会など関係機関の御意見を踏まえながら、今後の取り組みの方向性について検討してまいります。

 次に、がん患者の方へのアピアランス支援についてであります。

 近年のがん対策においては、がん予防や早期発見・早期治療の取り組みに加えまして、がん患者御本人やその家族に対する支援が重要な要素に位置づけられております。その中で、アピアランス支援は、在宅緩和ケアの支援や相談体制の充実とあわせて、がんとの共生という観点からの新たな課題の一つと認識しております。区としましては、ウィッグ等の経費助成を含めたアピアランス支援に関し、講演会でのアンケートを通じまして、ニーズを把握するとともに、他自治体の取り組み事例について調査・研究を行ってまいります。

 次に、認知症施策についてであります。

 現在、区内では、認知症の方を対象とする交流の場として、社会福祉法人及び社会福祉協議会の登録団体が運営する認知症カフェのほか、家族交流会や通いの場などが開催されております。また、おとしより相談センターを拠点に活動している認知症サポーターの会が、京橋、日本橋、月島地域において、それぞれカフェの開設に向けて準備を進めているところであります。多様な運営主体による認知症カフェが区内各所に開設され、認知症の方やその御家族が身近な場所で安心して交流し、気軽に相談できるようにしていくことがますます重要になってまいります。今後とも、開催場所の確保や専門相談員などの派遣に加えまして、通いの場支援事業などを通じ、地域のさまざまな担い手を積極的に支援しながら、認知症カフェのさらなる拡充を図ってまいります。

 次に、認知症サポーター養成講座などの取り組みについてであります。

 認知症に対する正しい知識を持ち、認知症の方やその家族を支える認知症サポーターの輪を、子供を含め、あらゆる方々に広げるとともに、ステップアップ講座を拡充し、地域の中で主体的に活動できるサポーターを養成することは大変重要であると認識しております。平成二十八年度には、養成講座を六十二回開催し、地域住民のみならず、区の職員や在勤者を含む二千二百九十七人の方々に、認知症サポーターのあかしであるオレンジリングが交付されました。また、ステップアップ講座は五十四人が受講し、その修了者は年々増加しております。子供向けの養成講座につきましては、現在、区立児童館での開催を検討しているほか、今後は、教育委員会とも連携しながら、認知症に関する小・中学生の理解の促進を図ってまいります。また、ステップアップ講座の拡充につきましては、認知症カフェの運営などを通じまして、修了者が地域で活躍できる場の拡大を図るなど、認知症を支える人づくりの施策を総合的に展開してまいります。

 次に、認知症高齢者の行方不明者対策についてであります。

 認知症高齢者が増加している中、高齢者の日ごろの安全確認だけでなく、行方不明者の早期発見・早期保護にも役立つ地域での見守り体制をさらに強化していくことが必要であると認識しております。現在、あんしん協力員の皆様による地域見守り活動に加え、高齢者の見守り活動に関する協定を郵便局や宅配業者など区内の十一事業者と締結しており、さらに協力事業者の拡大を図っているところであります。今後、協力事業者連絡会などで御意見を伺いながら、行方不明者対策への協力を働きかけてまいります。また、認知症の方の身体的特徴や立ち寄りそうな場所などをあらかじめ記入したカルテにつきましては、長野市の取り組みも参考にしながら、本区に合った手法を検討してまいります。今後とも、重層的な行方不明者対策に取り組み、認知症の方もその家族も安心して暮らせる、認知症に優しい地域づくりを推進してまいります。

 次に、食品ロスについてであります。

 食料自給率の低い我が国において、食品を無駄なく使うことは大変重要なことであり、生ごみの削減など、ごみ減量にも大きく寄与するものと認識しております。

 まず、家庭への取り組みについてです。

 家庭から排出される生ごみには、調理くずや食べ残しのほか、未利用食品が少なからず含まれている実態があります。そのため、「ごみと資源の分け方・出し方」や、本年改訂した「清掃・リサイクルハンドブック」において本区の食品ロスの実態を紹介し、過剰購入の抑制や賞味期限、消費期限の正しい理解による食品ごみの削減について新たに項目を設け、普及啓発に努めております。今後とも、清掃協力会はもとより、リサイクル講演会などで周知を図るとともに、教育委員会や保健所とも連携し、家庭での食品ロス削減が促進されるよう取り組んでまいります。

 次に、飲食店への取り組みについてです。

 現在、業務ビルの立入検査において、飲食店などから排出される生ごみをリサイクルに活用するよう指導しており、およそ三○%が肥料や飼料に再利用されております。今後は、こうした取り組みに加え、廃棄物管理責任者講習会や食品衛生講習会などの場を活用し、食品ロス対策の重要性について広く周知してまいります。なお、東京都では、二○二○年に向けた実行プランにおいて、食品ロスの削減に向け、加工・流通事業者等を構成員とする会議体の設置や、企業との連携や消費者の意識啓発を行うことで、消費行動の見直しを促し、食品ロス削減・東京方式を確立するとしていることから、今後の都の動向を注視してまいります。

 次に、フードドライブについてであります。

 使用されない食品を有効活用することは、食品ロスの削減に資する重要な取り組みであると認識しております。これまで区では、防災備蓄品のうち、賞味期限が近づいたアルファ米や缶詰などの食品について、防災訓練時に区民等へ配布しているほか、幼稚園、小・中学校を通じて、園児、児童・生徒に試食品として配布するなど、食品ロスの削減を図ったところであります。一方で、一般家庭で不用となった日用品、衣類等を必要とする方に提供する場として、リサイクルハウスかざぐるまを運営してまいりましたが、食品については、その取り扱いに課題が多いことから、提供の対象としておりません。現在、食品ロスの対策を進めている他区においては、リサイクル施設やイベントなどの機会を捉え、未使用の食品を回収し、NPO法人などを通じて、必要とする福祉団体等へ配布する仕組みが確立されております。本区におきましても、今後、実施区の状況等を踏まえながら、こうした取り組みが安全かつ安定的に実施できるかなど、十分に検討してまいりたいと存じます。

 答弁は以上であります。

〔二十七番 墨谷浩一議員登壇〕

○二十七番(墨谷浩一議員)
 御答弁ありがとうございました。

 今回取り上げた理由として、まず認知症のほうですけれども、認知症施策として御相談いただいたのがきっかけとなっております。高齢の御夫婦の方からの御相談なんですけれども、二年以上前からずっと悩んでいたと。私も、半年ぐらい前にお会いしたんですけれども、そのときは奥様が認知症だと全然思わないで、普通にしゃべって普通にお別れしたみたいな形だったので、その後に御主人から御相談を受けたときは、本当に大変だなと。その御相談を受けたときには、一緒にいないとだめなんだということで、自分自身が認知症だとも思っていないと。そういった中で、病院にも連れていけないんだというような形で、ようやく区のほうにお願いして、今、つなげていただいているんですけれども、そういった形で、まだまだ悩んでいる方もいらっしゃるのではないかなというふうに思います。

 また、認知症の方の行方不明についてなんですけれども、御家族の方から、大体夜に連絡がかかってきまして、御主人が行方不明になってしまったということで奥様から御相談があって、一緒に警察に行ったりするんですけれども、警察に行っても、私は御主人の生年月日とか細かいことがわからないので、奥様を中心に聞くんですけれども、奥さん自身も頭がもう真っ白になってしまっていて、何なのかということがわからなかったりするということがありました。そういった中で、認知症のいろいろな施策というのを重層的に行っていくことが大切だというふうに思いました。

 認知症カフェとか認知症サポーター養成講座など、そういったいろいろな施策が重なっていくことによって、認知症、病気、がんについてもそうだと思うんですけれども、認知症に対する対応とか、この間、NHKでもやっていましたけれども、ユマニチュードということで、認知症の方への対処法というんですか、そういったものが接し方で劇的に変わるんだということで、テレビを通して見ました。知らない人にとっては、先ほども小学生のお子さんが、おじいちゃんがいつもおばあちゃんを叱っているみたいな、そういった中で、対処法によって、認知症の方が楽になって、より過ごしやすい、家庭の中でも家族みんなが過ごしやすいような形にいけるのではないかというふうに思いまして、知識を得る場、そういった支援の場というのが、身近に行ける場所が大切だというふうに思いました。

 がん支援についても、区長さんの御答弁の中で、本当に力強いお話もいただきまして、正しい知識を皆さんに伝えていくことが大切なんだということで、私も最先端の乳がん治療を対象とする医師の講演会に行きましたけれども、やはり日進月歩でどんどん変わっていくという形で、その年その年によって発表会があって、また変わる可能性もあるということで、そういった区からの発信というのも必要ではないかなというふうに感じまして、質問させていただきました。また、がん対策については、包括的な支援というのも、今後、必要ではないかなというふうに感じております。

 また、最後ですが、食品ロス、先ほど区長さんのほうからも、東京都が食品ロスの削減に向けての対策協議会をこの夏に発足していくというようなお話もありましたけれども、本区としても、啓発をどんどんしていくということが必要だと思います。世田谷区のフードドライブの取り組みですが、常時開設しているということはすごくいいことかなと思います。行って、いつもあるので、気になって、そういったところがあるんだということによって意識啓発とか向上にもつながっていくのではないかなと。また、区民参加型ということで、やはり全体の半分ぐらい家庭内の食品ロスがあるわけですから、その辺について、本区としてもしっかりとした対応をしてはいるんですけれども、そこからまたさらに、区民参加型で、もったいないという、日本が発信している、実践できる環境、意識啓発をさらに促進していただければと思いまして、私の質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(鈴木久雄議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後二時五十九分 休憩


     午後三時二十分 開議

○議長(礒野 忠議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十番奥村暁子議員。

〔十番 奥村暁子議員登壇〕

○十番(奥村暁子議員)
 日本共産党の奥村暁子です。日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。答弁によっては、再質問、再々質問を留保させていただきます。

 初めに、暴走する安倍政権についてお聞きします。

 共謀罪の構成要件を改めてテロ等準備罪を新設する改正組織犯罪処罰法が、きょう、参院本会議で採決され、自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決成立しました。同法は、参院法務委員会で審議中にもかかわらず、その審議権を取り上げ、いきなり参院本会議で採決に持ち込む委員長の中間報告という異常な手段がとられ、強行採決されたことは、議会制民主主義を根底から破壊する暴挙です。国民が解明を強く求める加計学園、森友学園の疑惑は説明しようともせず、国民がおかしいと声を上げている共謀罪を押し通す安倍政権の、民意を無視した強権・暴走政治に強く抗議します。

 共謀罪は過去に三回廃案となっていますが、今回審議された共謀罪法案も定義は非常に曖昧で、法案の計画の定義も、準備行為が何を指すのかもはっきりしません。実際の犯罪行為がなくても、犯罪について相談、計画したと捜査当局がみなせば、処罰の対象にできるようにするもので、憲法十九条が保障する思想・内心の自由を踏みにじる重大な違憲立法です。

 共謀を犯罪行為として取り締まるために、捜査当局による盗聴・盗撮、密告、スパイ行為などが横行し、物言えぬ監視社会を招く危険から、現代の治安維持法と言われています。政府は一般人には関係ないと繰り返しますが、誰が一般人かを決めるのは捜査当局で、どうにでも拡大解釈が可能です。既に、今でも環境保護などを訴える市民まで不当に調査・監視している警察が、共謀罪によって、さらに大きな捜査権限を手にすることで、国民監視社会への道が加速する危険があることは明らかです。憲法九条改憲を鮮明にした安倍政権による戦争をする国づくりと深く結びついた国民監視社会づくりを認めるわけにはいきません。

 国連の人権理事会が任命したプライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏は、五月十八日、共謀罪法案がプライバシー権や表現の自由の侵害になると警告を発する書簡を安倍首相に出しました。しかし、菅義偉官房長官らは、不適切なものと反発するばかりで、真摯に受けとめようしていません。フランス紙ル・モンドが驚くべき対応だと報じるなど、海外からも批判の声が上がっています。国連の国際組織犯罪防止条約、TOC条約締結に必要と言って共謀罪法案を推進しておきながら、国連の人権に携わる担当者から異論が出されると、それには一切耳をかそうとせず、都合のいいときだけに国連を利用する安倍政権の態度は異常です。共謀罪がないとTOC条約が締結できないと安倍政権は主張しますが、そもそも日本は既にテロ防止のため十三本の国際条約を結んでおり、殺人罪など五十七の主要な重大犯罪については、特別に未遂より前に処罰できる法律があります。テロ対策のためという口実は、完全に破綻しています。

 六月十三日現在、全国五十九の地方議会で反対や慎重審議を求める意見書が相次いで可決されています。日本弁護士連合会は、三月三十一日、共謀罪法案に反対する意見書を提出しており、四月二十七日には、田原総一朗氏、大谷昭宏氏など著名なメディア関係者三十二人も連名で反対声明を発表、六月五日には、二万六千人の作家、ジャーナリストが参加する国際組織国際ペンも反対する声明を発表しました。六月三日、四日両日のJNN世論調査でも、七割が今国会成立にこだわる必要はないと答えています。国民の懸念にも国際社会からの警告にも真面目に答えず、人権にかかわる大問題について内外から続出している疑念を無視して、議席が多数のうちに法案採決を強行したことは絶対に許されません。

 そこで、お聞きします。

 第一に、共謀罪法によって、一般の区民が処罰の対象となる危険性をどのようにお考えですか。

 第二に、内心の自由を侵し、テロ対策にもならない共謀罪法は廃止にするしかないと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 今、国会の憲法審査会で審議が行われているにもかかわらず、安倍首相は、戦争放棄をうたった憲法九条第一項と戦力不保持をうたった第二項を残しつつ、第二項の例外規定として第三項を設け、自衛隊を明記する改憲を行い、二○二○年に施行すると表明しました。この改憲は、単に自衛隊の存在を書き込むだけにとどまりません。

 安倍政権は、二○一五年九月、安保法制、いわゆる戦争法の成立を強行、従来の憲法解釈を覆し、集団的自衛権行使を認め、自衛隊の海外での武力行使に道を開きました。それでもなお、少なくとも建前では武力行使を目的にして海外に派兵することはできないと、さまざまな制約を認めざるを得ませんでした。しかし、憲法九条に自衛隊を第三項として書き込めば、第二項戦力不保持の制約が自衛隊に及ばなくなり、自衛隊は何の制約もなく海外で武力行使できることになる。まさに憲法九条を死文化するもので、これが改憲の狙いです。

 そこでお聞きします。

 第一に、安倍首相が、憲法九条三項に自衛隊を書き加え、二項を死文化しても、自衛隊は二項が不保持とした戦力なのか否かという自衛隊と憲法の矛盾は、解消されるどころか、拡大されると思いますが、いかがですか。

 第二に、NHK世論調査の結果では、憲法九条改定反対が五七%、朝日の調査でも反対が六三%など、ほとんどの国民が望んでいない改憲を国会の数の力でごり押しすることは、日本の民主主義を破壊することになると思いますが、いかがですか。

 第三に、区長御自身は、憲法九条に自衛隊を明記する必要があるとお考えですか。

 それぞれお答えください。

 次は、真の都政改革についてです。

 都民の暮らしより大型開発を優先する石原慎太郎、猪瀬直樹、舛添要一の三代続いた都知事のもとで、税金の使い方は大きくゆがめられました。石原都政が始まる前年、一九九八年度決算と二○一五年度決算を比較すると、東京都の民生費の割合は、全国四十七都道府県で三位だったものが三十二位に後退、中でも老人福祉費は二位から四十二位にまで転落しています。一方、土木費の割合は四十位から二十一位にアップしました。石原元都知事が強引に進めた築地市場の豊洲移転の本当の狙いは、築地市場跡地の開発と豊洲の区画整理事業という二つの巨大開発を進めることにありました。普通ではあり得ない深刻な汚染地に市場を移転させることが強引に進められたのも、都民の安全・暮らしより巨大開発を優先する逆立ちした都政のゆがみがあらわれたものと言えます。

 東京大改革を掲げる小池都知事が編成した二○一七年度予算には、都有地活用による認可保育園の増設や高校生の授業料の負担軽減など、都民要求に応える施策が一定程度盛り込まれましたが、投資的経費が十三年ぶりに減額したとはいえ、石原都政以来続く外郭環状道路や、住民の強い反対がある特定整備路線などの大型開発については見直しが進んでいません。都民の暮らし最優先の都政に変える真の都政改革ができるかどうかの鍵は、石原氏、猪瀬氏、舛添氏と三代の都知事が進めた大型開発優先の税金の使い方にメスを入れ、国保料の軽減、公立保育園の新設補助、シルバーパスの改善、若者への家賃助成など、切実な都民要求を実現する都政に転換できるかどうかであり、それが区民の暮らし・福祉の向上につながります。

 そこでお聞きします。

 第一に、東京都は、二○一七年度予算で、保育園の待機児童解消目標の大幅引き上げや、二十三区で保育園に土地を貸し出す土地所有者への固定資産税、都市計画税の減免措置などを行い、待機児解消に取り組むとしています。しかし、多様な形態の保育の一つとして進められる企業主導型保育は、保育士の半分は保育資格がない補助者でもよく、子供の年齢制限も人数制限もない認可外施設で、行政の監督責任も曖昧になっており、多くの関係者から、保育の質の低下を招くと問題視する声が上がっています。

 昨年、中央区内の事業所内保育施設で起きた痛ましい死亡事故のようなことが二度と起きないよう、保育の質を置き去りに、数だけを追求することはやめ、多くの保護者が願う認可保育園を整備するため、補助の拡充を東京都に強く働きかけることを求めますが、いかがですか。

 また、死亡事故を受け、検証委員会がまとめた再発防止策に盛り込んだ提言にあるよう、区は東京都としっかり連携し、認可外保育所に対しても積極的に指導に入ることを求めますが、いかがですか。

 第二に、東京都の二○一七年度予算では、特別養護老人ホームや認知症グループホーム、老人保健施設など高齢者介護施設の整備費が軒並み削減され、七十八億円の減額となっており、改善は見られません。これでは、介護難民、孤独死、住まいのない高齢者がますますふえることになります。高齢者施設の整備費を増額するよう求め、区内の高齢者介護施設をさらに拡充するよう求めますが、いかがですか。

 第三に、都営住宅の新規建設は、石原都政の二○○○年からゼロ、小池都政になっても新規建設の予定はなく、十八年間ゼロが続くことになり、住まいの貧困対策の強化は見られません。中央区での都営住宅の申し込み倍率は、昨年度平均で五十五倍と非常に高いことを踏まえ、もともと都有地である晴海の東京五輪後の選手村跡地利用で、ディベロッパーから一部買い戻すか、建物を借り上げるなどの方法で都営住宅を整備するよう強く求めるべきです。いかがですか。

 第四に、中央区は木造住宅の耐震化に助成をしていますが、東京都の助成は特定緊急輸送道路沿い、もしくは墨田区や荒川区、足立区などの木造密集地域の一部と限定的です。東京都に対し、特定緊急輸送道路沿いではない区内の木造住宅にも適用するよう、助成対象の拡充を要請することを求めますが、いかがですか。

 第五に、東京では、小泉政権時代の都市再生事業、石原都政時代の首都圏メガロポリス構想の具体化、安倍政権・舛添都政時代の国家戦略特区事業とオリンピック事業、さらにリニアで大都市を結ぶスーパー・メガリージョンづくりなど、都心・臨海部に大規模開発プロジェクトが三重、四重に展開され、戦後最大の大都市改造がめじろ押しです。小池都知事のもとで策定された四カ年計画、二○二○年に向けた実行プランも、都心地域を拡大・推進する内容で、国際金融都市東京を実現するものとして東京大規模プロジェクトを推し進めるなど、東京一極集中をさらに加速させるものです。こうした大規模開発による環境悪化や、東京一極集中がもたらす地方都市の人口減少と経済の衰退などの悪影響を防ぐために、まちづくりの転換が必要だと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次に、築地市場の現在地再整備についてお聞きします。

 伝統ある日本の台所、築地市場の豊洲移転計画の破綻がいよいよ明瞭となっています。小池都知事も、六月一日に始まった第二回都議会定例会の冒頭演説で、無害化は達成できていない、約束を守れていないことをおわびすると、都民と市場関係者に陳謝しました。その上で、もとより安全・安心はこの問題の最大の課題だ、無害化が実現できていない中、法的・科学的根拠に基づく安全と、都民の理解、納得に基づく安心が確保できるのか、ロードマップに沿って総点検を進めていると表明しました。これは、これまで地上部は安全、法令上は安全との立場を崩さなかった東京都と小池都知事がその立場を是正し、地上は安全と主張してきた部分についても総点検することを表明したものです。

 都はこれまで、豊洲の移転予定地について、汚染土壌は全て除去・浄化する、その上で盛り土を行い遮断するという二つの約束を議会と都民に繰り返し約束し、計画を進めてきたという経緯があります。しかし、昨年九月、日本共産党都議団の調査で、主な建物の下には、地下の汚染が地上に上がらないようにする盛り土がないことがわかり、都政を揺るがす大問題となりました。その後の調査では、地下水から、環境基準の百倍のベンゼンや、検出されてはいけないシアンなど、基準を大きく超える有害物質が検出され、五月十八日の都の専門家会議では、平田座長がとうとう、環境基準以下にすることを目指してはいない、汚染は残るとの重大な発言をし、無害化できないことがいよいよはっきりしました。山本有二農水相も、四月十日の参議院決算委員会で、東京都が汚染の除去と措置を行わず、盛り土等のみを行った状態で卸売市場用地とすることについては、想定し得ないと答弁しています。

 六月五日には、都の市場問題プロジェクトチームが、豊洲新市場に移転した場合、毎年百億円から百五十億円の赤字が継続して発生し、六十年間で市場会計は一兆円の累積赤字になるとの試算も示しました。安全性の面からも、また長期的な財政面からも、築地での再整備しか道はありません。

 そこで、お聞きします。

 第一に、区長はこれまで、食の安全・安心の確保は、当然のことながら、市場移転の大前提、安全性ということを条件に本区も移転ということを決断したと繰り返し、専門家会議での検証が待たれるとも述べています。国も、東京都も、専門家も、汚染は完全に除去できず残る、将来にリスクがあると認め、都知事と専門家会議が無害化できないと言明した今、食の安全・安心の確保という大前提が崩れているのは明らかです。中央区のもともとの立場である現在地再整備に再び立ち戻ることが、これまでの言動と照らし合わせれば、当然の態度だと思いますが、いかがですか。

 第二に、築地市場の仲卸業者、築地女将さん会が集めた署名で仲卸の七割が移転に反対し、また四月二十八日に築地市場の地元である築地の五つの町会・自治会が都知事と区長及び議長に提出した嘆願書でも、現在地再整備が訴えられています。地元から上がった切実なこの声を、区長はどう受けとめていますか。

 第三に、新しい築地をつくる会の規約には、築地市場の現在地再整備を東京都に求めることも目的に掲げられています。今こそ新しい築地をつくる会を開催して、東京都及び都議会に対し、現在地再整備の実現を求めることが区民の願いに応えることになると思いますが、いかがですか。

 第四に、法的・科学的根拠に基づく安全と、都民の理解・納得に基づく安心が確保できない今の現実を直視し、都知事が現在地再整備を決断した場合、区は速やかに現在地再整備実現に向けて東京都に積極的に協力することを求めますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次に、公契約条例制定についてお聞きします。

 消費税増税を初め、アベノミクスによって消費者の購買力が急速に落ち込み、業者の経営は著しく痛めつけられています。指定管理者制度など自治体業務のアウトソーシングの拡大により、公共サービスで働く労働者の労働環境悪化が、官製ワーキングプアを生み出していることも大きな問題です。

 公契約とは、国・地方自治体が行政目的を遂行するために民間企業や民間団体と締結する契約で、建設工事や公共施設の管理運営、清掃等の業務委託など多くの公共サービス事業が含まれますが、近年、委託企業間の価格競争が激化し、落札額の低下が進み、サービスの質の低下や、そこで働く労働者がワーキングプアとなる労働条件の悪化が問題となっています。公契約条例は、国や地方自治体が公契約を締結する際に、民間企業や民間団体に対し、国や地方自治体が定めた賃金額よりも高い賃金をそこで働く労働者に支払うことを義務づけるものでもあり、公契約条例が制定されれば、適正な委託費を支払い、適正な賃金と労働条件を保障することにより、質の高い公共サービスが提供され、区民にも喜ばれるという好循環が生まれます。

 公契約条例制定は、二○○九年九月に千葉県野田市が全国で初めて制定して以来、埼玉県草加市、神奈川県川崎市など、全国で広がっており、東京二十三区では、渋谷区、足立区、千代田区、世田谷区で既に制定されています。港区や新宿区では要綱として公契約条例と内容的にほぼ同等のものが定められ、目黒区は来年度中に施行を目指すとしており、墨田区でも区長が区議会で前向きの答弁をしています。建設労働者団体や中小企業団体だけでなく、日本弁護士連合会のほか、全国各地二十五の弁護士会・弁護士連合会等が公契約条例の制定を求める意見書や会長声明を出すなど、公契約条例制定を求める声が広がっています。

 そこで、お聞きします。

 第一に、区は、最低制限価格制度や、価格以外の要素も評価して落札者を決定する総合評価方式の入札などを導入していますが、労働者に適正な賃金や労働条件が実際に確保されているかどうかをどのように確認していますか。

 また、労働環境チェックシートにも取り組まれていますが、実際の労働環境をどの程度正確に把握できていますか。

 それぞれお答えください。

 第二に、二○一六年三月の予算特別委員会では、指定管理者制度が導入されている施設に対し、社会保険労務士の協力を得て、現場でのモニタリング調査も行っていきたい旨の答弁がありました。どのような調査がされ、どんな報告がされていますか。また、今後、この調査をどのように拡充していきますか。

 第三に、二○一五年の第三回区議会定例会では、ほかの自治体の事例も参考にしながら、条例制定の効果や課題を研究していくとの答弁がありましたが、その後、どのような研究がされていますか。

 第四に、二○一五年度の官公需契約実績を見ると、区からの仕事の受注件数に占める中小企業の割合は九七・七%となっています。より適切な労務管理を区が行うためにも、また、適正価格による発注で区内中小業者の営業を守るためにも、公契約条例制定が必要だと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次に、つくだ保育園改修工事についてお聞きします。

 ことしの夏から区立つくだ保育園の老朽化による改修工事が始まりますが、保護者の方たちは、二月に開かれた保護者会の中で初めて改修工事について知りました。改修工事期間はことし七月から約一年半と予定されており、保育園を閉鎖しての工事ではなく、園児も通う中、ローリング方式で進められるということです。歳児別の保育室の順次改修時には一階ホールを保育室とすることや、調理室改修の際には園庭に調理室をプレハブで設置すること、園庭やホールで子供たちが遊べない時期があること、運動会などのイベントは佃島小学校の校庭を借りて開催される予定であることなどもあわせて報告されました。保護者の方たちは、必要な改修であるということは理解していますが、急な報告で唐突感が否めない、子供たちの保育にできる限り影響がないよう配慮してほしいなど、さまざまな感想や要望を持っています。

 そこで、お聞きします。

 第一に、保護者の方たちの要望として、もっと早い段階から改修工事の検討状況を知らせてほしかったという声があります。決定事項の報告だけでなく、検討の経緯なども示してもらえれば、納得感が全く違うということです。今後の工事の手順やスケジュール等の計画がわかる資料を、保護者にもできる限り早く配布することを求めますが、いかがですか。

 第二に、保護者の間で、工事期間中の手厚い保育士配置を求める声が多くあります。本来業務である保育をしながら、細々とした引っ越し作業や片づけにも当たらなくてはならないことは、保育士の方たちにとって大きな負担となります。保護者の方たちから、先生方がきちんと保育に専念できるよう保育士をふやしてほしい、保育の質を落とさないでほしいとの声が多く聞かれます。工事期間中の手厚い保育士配置を求めますが、いかがですか。

 第三に、保護者の方たちからは、とにかく事故がないようにと安全面を危惧する声が聞かれます。平日の日中も行われる工事に対して、どのような事故対策がとられますか。また、工事の騒音にはどのような対策がとられますか。

 第四に、運動会や卒園式などの行事が例年どおり行われるような余裕ある工事日程、きちんとした計画は組まれているのか危惧する声も聞かれます。ことしだけは仕方ないと押し切ることのないよう求めますが、いかがですか。

 第五に、今後、さまざまな区施設の更新が進む中で、関係者に可能な限り早い段階で計画を周知していくことを、区の基本姿勢として位置づけていただきたいと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次に、市街地再開発事業についてです。

 都市再開発法が施行された一九六九年からの東京の市街地再開発事業の変遷をたどると、この半世紀で、かつての東京都が都区住民協議会などを設けて住民参加で進めていた市街地再開発事業は、民間活力をうたうようになり、そのための時間管理、強制執行、そして超高層オフィスビルやマンション建設となり、大きくその姿を変えてきました。

 今日の東京の再開発は、大手ディベロッパー、ゼネコンの利潤目的、営利事業となっており、まず事業推進計画などで事業採算見通しを立て、そこでは原材料の仕入れ原価に当たる再開発前の土地建物資産の値踏み、従前資産評価を行い、そこでどうしたら最大限利益を上げられるか、事業費投入額である再開発総事業費を試算します。他方で、総事業費の二割から三割にも及ぶ国・都・区の補助金も試算して、それを控除した総原価を計算した上で、仕入れ総原価を計算し、これらの再開発ビル床をどこに売却すれば、総売り上げと粗利益の巨大化と純利益をはじき出せるか予測を立てます。総売り上げの実現に不安があれば、自治体などにビル床を買わせて、事業採算をより確実なものとします。現在の市街地再開発は、住民参加で住民の生活の向上や福祉の向上を図ることよりも、大手ディベロッパーやゼネコンの利潤追求に主眼が置かれていると言えます。こうした再開発を積極的に進めているのが中央区です。

 中央区の二○一七年度予算では、一般会計全体の一八・七%に当たる百七十八億円が都市整備費で、そのうちの七五%に当たる百三十四億円が市街地再開発事業助成に充てられており、大きな割合を占めています。中央区は、区の財産、すなわち区民の財産である区道を改廃し、大きな街区として開発することで、よりボリュームのある超高層建築物が建つことに大きく貢献し、大手ディベロッパー、ゼネコンが最大限の利潤を得られるよう協力をしています。

 十キロ四方足らずの中央区では、現在、三十一の再開発事業が進行中であり、今後もふえる予定です。月島一丁目と月島三丁目の連続した街区は、縦約三百メートル、横約六百メートル、計約十八万平米足らずの土地ですが、ここで、今、竣工時期をずらしながら三つの巨大な計画が進行中です。

 西仲通り商店街に面した月島一丁目西仲通り地区市街地再開発事業では、建物の解体工事が始まっており、地上三十二階建て、計五百戸の超高層住宅が二○二○年竣工予定です。清澄通りと西仲通りに挟まれた月島三丁目南地区市街地再開発事業では、二○一四年に準備組合設立、ことし四月二十七日と五月七日に借家人も参加した中央区まちづくり基本条例に基づく説明会が開催され、来年二月に都市計画決定された後、二○二四年に地上五十階建て、約七百五十戸の超高層住宅が竣工予定となっています。西仲通りと隅田川に挟まれた月島三丁目地区市街地再開発事業は、二○一一年に準備組合が立ち上がり、ことし四月二十二日には施設設計素案と都市計画手続に関する説明会が開かれ、現在、地権者の合意書集めに力が注がれています。

 この地域では、既に二○一五年に五十三階建てのザ・タワーと十一階建てザ・レジデンスの二棟から成る計約七百戸のキャピタルゲートプレイスが竣工しており、町並み、人の流れが激変しています。狭い地域に集中する再開発計画に対する住民の不安は広がる一方で、これ以上超高層建築物は要らないという地域住民の声に、区は真摯に耳を傾けるべきではないでしょうか。

 また、市街地再開発事業による急激な人口増の影響で、小学校はどこも増改築しなければならないほど子どもの数がふえています。保育所や学童クラブといった子育て施設、特養ホームなどの高齢者施設が足りず、公共施設整備が再開発の後追いとなっていることも重大な問題です。

 そこでお聞きします。

 第一に、再開発事業は、地権者か借家人かといういかんにかかわらず、当該地域に居住している方、事業をされている方、また隣接する地域全体に幅広くかかわる問題です。計画の初期段階から当該地域及び近隣地域での説明会を開いていくことが、地域での理解を得ることになると思いますが、いかがですか。

 第二に、区は、市街地再開発は住民の要望で始まるものだと繰り返し答弁していますが、市街地再開発事業の初期に当たる勉強会の段階では、区が住民のもとに赴き、市街地再開発について説明します。その際、市街地再開発のデメリットについては、どのように説明していますか。

 第三に、区は、住民を追い出さないためにコミュニティファンド制度を活用していると強調しますが、区は、借家人に対して、この制度をどのタイミングで、どう周知していますか。また、希望する借家人全てが活用できるよう、どのように工夫していますか。

 第四に、月島まちづくりルールに賛同して、そのルールにのっとり路地を生かした住宅を新築したという地権者の方から、不満の声が出ています。市街地再開発事業により超高層住宅建築を進めることは、区自身が策定した月島まちづくりルールと照らし合わせれば、矛盾する施策だと思いますが、いかがですか。

 第五に、中低層の建築物によるまちづくりへの転換を図るため、月島まちづくりルールを今後どのように生かすおつもりですか、お答えください。

 以上で一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 奥村暁子議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、組織犯罪処罰法についてであります。

 近年における犯罪の国際化や組織化の状況に鑑み、テロ等の重大犯罪から国民の生命と安全を守ることは、国の最も重要な責務であります。組織犯罪処罰法の改正に当たっては、国会において、さまざまな論点から審議が積み重ねられ、本日、参議院において可決成立されたところであります。しかしながら、一般人の定義や内心・表現の自由の侵害など、これまでの議論においてもさまざまな見解が指摘されており、いまだ国民の十分な理解が得られているとは言えない状況にあります。今後、具体的な運用に当たっては、国民の理解が得られるよう、国の責任において慎重に各種の準備・検討を行い、適切に対応されるものと認識しております。

 次に、憲法の改正についてであります。

 憲法第九条の改正や自衛隊については、マスコミ各社による世論調査や報道の中でさまざまな結果や見解が出ていることは承知しておりますが、現時点では具体的な改正案が示されていない状況であります。憲法第九条の改正につきましては、国の根幹にかかわる事項であることから、国民的議論が幅広く、かつ十分に尽くされる必要があります。その上で、憲法改正の発議権を有する国会において、しっかりと審議されるべきものと認識しており、今後もそれらの動向を注視してまいりたいと存じます。本区といたしましては、引き続き憲法の平和主義の理念を区政の根幹に据え、あらゆる施策を通じまして戦争絶対反対、核兵器廃絶、テロ撲滅を国内外に訴えていくとともに、東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会を通じて、本区を訪れる世界の人々に恒久平和の大切さを訴えてまいります。

 次に、保育施設の整備費補助についてであります。

 東京都においては、待機児童解消に向けた緊急対策の中で、認可保育所等の整備補助に労務費等の高騰を踏まえた加算を行うとともに、賃貸物件に対する賃借料補助事業を創設するなど、これまで区が要望してきた施策について充実を図っております。区では、これらの制度を活用し、認可保育所等の整備を引き続き進めてまいります。

 次に、認可外保育施設の安全対策についてであります。

 都では、認可外保育施設に対する巡回指導体制の強化を図っており、区内施設を巡回する際には区の職員も同行するなど、連携をとっております。今後とも、都・区それぞれの役割を踏まえ、保育施設に対する安全対策を進めてまいります。

 次に、高齢者施策についてであります。

 本区では、これまでも、介護保険事業計画等に基づき、介護施設の整備を着実に進めてまいりました。特別養護老人ホームにつきましては、平成二十五年度以降、八十四床増床するとともに、本年度には桜川敬老館等の改築にあわせて、地域密着型特別養護老人ホーム及び認知症高齢者グループホームの整備に着手し、平成三十二年度に開設する予定となっております。東京都に対しましては、毎年度、特別区長会を通じまして、事業用地確保や施設整備に対する補助制度の充実等を要望しており、今後とも高齢者人口の動向や介護ニーズを見きわめ、国や東京都の補助金などを活用しながら、計画的な高齢者施設の整備に取り組んでまいります。

 次に、都営住宅についてであります。

 都は、選手村跡地の整備を民間活力の導入により行うこととしており、分譲住宅や賃貸住宅のほか、高齢者などを対象とした福祉住宅を整備する計画があることから、現段階では都営住宅の整備の要請は考えておりません。

 次に、特定緊急輸送道路沿い以外の木造住宅の耐震化助成についてであります。

 都の助成制度は、木造密集地域や緊急輸送道路の沿道建築物などに限定されていることから、区では、特別区長会を通じて、平成二十七年度から対象を拡大するよう都に要請しており、今後も継続してまいります。

 次に、東京への一極集中についてであります。

 東京への一極集中が日本の社会全体にさまざまな課題を生じさせているという指摘があることは、区として承知しておりますが、人・モノ・情報等が集積する都心区としての役割を果たすとともに、国や都と緊密な連携を図りながら、首都東京の牽引役として発展していくよう、まちづくりに取り組んでいく考えであります。

 次に、築地市場の移転に係る現状認識についてであります。

 食の安全・安心が市場移転の大前提であり、これまで豊洲市場の移転に関連する調査や審議が着実に実施され、今後、市場開設者である都の責任で適切に対応されていくものと考えております。一方で、現在地再整備の声が地元から上がっていることは、私も直接お会いしており、真摯に受けとめております。移転か再整備かの判断につきましては、これまでの調査、審議の結果を踏まえ、最終的には都知事が判断すべきものと考えております。区といたしましては、引き続き早期の判断を都に要請してまいります。

 次に、築地市場の現在地再整備についてであります。

 平成二十二年に発足しました新しい築地をつくる会は、市場移転も視野に入れながら、築地市場地区における活気とにぎわいあるまちづくりを検討していくことを目的の一つとしております。築地市場の移転または再整備の判断が都から示された際には、今後の築地地区のまちづくりを関係事業者や地元住民など関係者の皆様とともに進めてまいりたいと考えております。なお、築地市場の今後がいかなる形になったとしても、築地地区の活気とにぎわいの維持・発展に向けて、東京都に協力してまいります。

 次に、契約業者における労働環境の把握についてであります。

 区においては、最低制限価格制度や総合評価方式による入札となどにより、著しく低い価格での受注を防ぎ、適正な賃金等の確保を図ってまいりました。これまで区では、工事請負契約において施工体制台帳などにより、賃金や社会保険加入状況が適正であるかを確認してきたところであります。また、平成二十七年度からは、予定価格二千万円以上の工事及び委託契約において労働環境チェックシートの提出を義務づけ、労働環境の把握に努めております。さらに、本年一月には、契約事務規則を改正し、労働環境の確保に関する規定を整備したところであり、引き続き適正な労働環境の維持・向上に努めてまいります。

 次に、指定管理者を対象とした労働環境調査についてであります。

 本区では、昨年度、指定管理者におけるさらなる労働環境整備の促進を図るため、三事業者、延べ七施設について、東京都社会保険労務士会に委託し、当該調査を実施いたしました。この調査では、労働関係法令に係る各種書類の確認とヒアリングを行い、調査の結果、監督官庁への届け出事項に軽微な不備が見られましたので、指定管理者には改善計画書を提出させ、改善した内容の確認を行いました。また、調査に携わった社会保険労務士の方を講師として、全ての指定管理者と区の担当職員を対象とした実施報告会を行い、調査対象以外の指定管理者についても実務上のチェックポイントなどの情報共有を図ったところであります。こうしたことから、この調査の効果を見定め、今後に向けた対応を検討してまいります。

 次に、公契約条例についてであります。

 公契約条例の制定につきましては、既に条例等を制定している自治体から情報を収集するなど、その効果や課題について検討を続けているところであります。条例制定の効果として、労働意欲や業務品質の一定の向上などが見られる一方で、業務量の増大により事務の効率的な執行に支障が生じるといった課題も伺っております。したがいまして、条例化につきましては、引き続き他自治体の動向を注視していくとともに、区独自の取り組みである最低制限価格制度や労働環境チェックシートの活用などにより、適正な労働環境の確保を図ってまいります。

 次に、つくだ保育園改修工事についてであります。

 本工事につきましては、事業者が決定後、工事区域やクラスの移動など、詳細について改めて保護者に説明を行ってまいります。保育士につきましては、現状でも基準以上の配置となっており、工事期間中も十分に対応が可能です。さらに、延長保育室が二室となる期間には、臨時職員を一名配置する予定であります。また、保育時間中の工事については、工事区画を完全に仕切り、園児、職員等の安全と事故防止を最優先とするとともに、騒音や振動への対策についても、低騒音重機の使用や午睡時間を避けるなど、適切に対応してまいります。行事につきましても、遊戯室の工事日程を卒園式などの行事と重ならないようにするなど、可能な限り影響が出ないよう配慮してまいります。なお、区施設の大規模改修につきましては、今後とも個々の施設の状況や改修の必要性を確認の上、速やかに情報提供してまいります。

 次に、住民への説明についてであります。

 再開発事業は、防災面や防犯面など地域課題の改善や必要な公共公益施設の整備に寄与する役割を担っている一方で、当該地域の居住者はもとより、近隣の方々にもさまざまな影響を及ぼすものであります。本区では、まちづくり基本条例により、都市計画の手続に着手する前の段階で、区と区民との協議や、事業者から近隣の方々へ計画概要や地域貢献の考え方などについての説明を行うことを義務づけており、その周知等を適切に行っております。また、デメリットにつきましては、個別の建てかえと比べて多くの時間を要することを初め、所有形態が区分所有となることで共益費や修繕積立金が必要となるなどの説明を適宜行っております。

 次に、コミュニティファンドについてであります。

 再開発事業の都市計画が決定した以降、区として、大家と借家人それぞれの意向把握に努めながら、まずは当該事業に対するコミュニティファンドの導入について慎重に検討していくことになります。その上で、コミュニティファンドを導入すると判断した場合には、組合設立前後に借家人に対して説明会等を開催し、適切に周知していくものであります。また、本制度は、三年以上継続して居住しているなど、家賃補助が受けられる方について一定の適用要件を有しており、希望する全ての従前借家人が活用できる制度ではございません。今後とも本制度を適切に運用してまいります。

 次に、月島まちづくりルールについてであります。

 月島地区におきましては、これまでも、地区計画の活用による個別更新と再開発事業等の面的な整備を両輪として、地域課題の改善や公共施設の整備を図ってきたところであります。また、昨年九月に月島地区まちづくりガイドラインを策定し、にぎわい軸沿いでの中低層建築物の誘導や、街区再編により路地に相当する通り抜け空間の整備などの考え方を示しております。今後は、このガイドラインに基づき、にぎわい軸沿いでの中低層建築物と超高層建築物とが調和した町並みとなるよう、月島まちづくりルールに反映させてまいります。

 答弁は以上であります。

〔十番 奥村暁子議員登壇〕

○十番(奥村暁子議員)
 それでは、初めに、共謀罪についてですが、一般の区民が処罰の対象となる危険性ということをお聞きしたんですけれども、区長からは一切答弁がありませんでした。この法案は、さまざまな区民の方が調査の対象となるものですので、そういう可能性についてどう考えているのか、もう一度しっかり御答弁をいただきたいと思います。

 そして、この共謀罪、国民の十分な理解も進んでいないという答弁がありました。進んでいないなら、進んでいないからこそ、こうして強行することは許されないと思いますし、やはり廃止にするしかないと思いますので、もう一度この点について御答弁をいただきたいと思います。

 次に、憲法の改正についてなんですけれども、国会で審議をされるべきものだと、いつもの一般質問のような御答弁だったんですけれども、でも、結局、国会で審議をされても、数の力で強行されるということが続いている。それが問題なわけですから、国会での審議はもちろん大事ですけれども、国民の理解が進まない中で、共謀罪のように強行されるようなことがあってはいけないと思いますので、区長として、憲法九条を改正して自衛隊を明記する必要があると考えるのかどうかという点についても、きちんとした答弁がなかったので、これについても御答弁いただきたいと思います。

 次に、都政改革の部分で、保育園についてですけれども、認可の保育園を今後もきちんと整備していく、増設を目指していくということはそのとおり、ぜひそうしていただきたいと思います。認可外の保育所に対しても指導を強化しているというような御答弁があったんですけれども、確認ですが、認可外というのは認証保育所のことであって、私がこの質問の中で述べた事業所内保育所のことではないのではないかと思うんですけれども、その点を確認させてください。

 そして、都営住宅について、やはりもともとの都有地、晴海の選手村の予定地というのは中央区にあるわけですから、中央区として、これだけ都営住宅が望まれている、倍率が高い地元区の首長として、都営住宅の整備を要望していくというのは区民の願いに応えることになると思うので、この点、要望していくつもりはないということなんですけれども、ぜひ要望していただきたいと思うので、この点についても御答弁いただきたいと思います。

 そして、築地市場の移転の問題については、最終的には都知事が判断するということなんですけれども、区も非常に厳しい立場に立たされていると思いますが、もとはといえば、区が断固反対の旗をおろして、東京都が強引だからと、都議会のほうでも予算がついたからということで、移転賛成、推進の立場に回ってしまったということが区の立場を厳しくしているわけですから、やはり私はその点の反省が必要だと思う。区民の願いに応えるという意味で、やはり再整備という旗をきちんと区が上げる、そういう努力をすべきだったのではないかということを、これは強く指摘して、批判もしたいと思います。

 都知事が移転を判断した際には、ぜひ積極的に協力をしていただきたい。それが区民の願いに応えることだと思いますので、ぜひ現在地での再整備……。失礼しました。現在地での再整備の判断を都知事がした際には、きちんと協力をして進めていただきたいということを要望します。

 それと、公契約条例についてなんですけれども、労働環境チェックシートに取り組んで、適正な賃金かどうかということも確認していけているというような答弁だったんですが、労働環境チェックシートというものは業者が書き込むもので、実際に働いている労働者が書き込むものではないわけなので、これで本当にきちんと賃金が払われているかということを実際に確認していくということは困難なのではないかと思います。

 それと、モニタリング調査も実施したということなんですけれども、全部で指定管理者制度が導入されている施設七施設のみということでは、やはり不十分だと思います。今、区内で指定管理者制度が導入されている施設は百近く、九十ぐらいあると思うんですけれども、そういったところの中で、たった七施設の調査をしてというだけでは不十分だし、やはりきちんと区が責任を持って労務管理を行っていくためには、公契約条例の制定が必要だと思いますので、もう一度御答弁をいただきたいと思います。

 それと、つくだ保育園の改修工事について、現状でも保育士は十分に足りているというような御答弁なんですけれども、これは保育園のお母さんたちに話したら、非常にがっかりされる内容だと思います。やはり保育の質を下げてほしくない、工事期間中、手厚い保育士配置をぜひ行ってほしいというのが、私が聞き取った限りでは、保護者の方たちの間で一番多い要望でしたので、ぜひ保育士の配置は拡充していただく、そして、今の保育士さんの負担が重くならないように、また、安全も管理できるように求めたいと思います。

 再開発の問題については、コミュニティファンド、もちろん適用されるには三年以上住んでいるとか、そういう条件があることは存じていますけれども、そういう条件を満たしている方であれば、希望をすれば、当然、全員が使えると。あと、大家さんとの協議で、何がしかの金額を受け取って、コミュニティファンドという制度があるということを知らずに、どこかに転居してしまうとか、そういうことは一切ない、そういう方は一人もいない、適用される方はきちんと一人残らず、希望すれば使えるようなものになっているんだということを再度確認させていただきたいと思います。

 以上で再質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 組織犯罪処罰法につきまして、一般人の定義や内心・表現の自由の侵害など、さまざまな見解が指摘されており、いまだ国民の十分な理解が得られているとは言えないと先ほども申し上げたところでありまして、ですから、今後、具体的な運用に当たっては、国民の理解が得られるよう、国の責任において慎重に各種の準備、検討を行い、適切に対応されるものと、そういうふうに先ほども述べたところでありますので、誤解のないようにお願いいたします。

 それから、憲法改正につきまして、これは九条に加えてはどうかということを安倍さんが言われたということでありますけれども、これは総理として言ったのではなくて、自民党の総裁として言われたことであるということと、それから自民党でしっかりと、これはどうするんだということを決めてあるわけではないわけで、これから憲法審査会等で検討されていくわけでありますから、そういうのをしっかり私たちは見守っていかなければならないというふうに思います。

 それから、国会の数の力というのを何回もおっしゃいますけれども、これは国民が選挙で今の国会議員を選択しているわけでありますから、奥村議員だけがそう言ったって、これはもう国会というか、選挙で決まった数字で、その中での決定、これは民主主義というものですから、民主主義をしっかりと理解していただきたいというふうに思うわけです。

 それから、私自身の考え方でありますけれども、前にも申し上げましたけれども、自衛隊が違憲であるという法律家が随分おられるんですね。自衛隊が違憲であると。これだけ区の防災関係なんかでも大いにいろいろとお力添えをいただき、また、どこででも防災なんかでは自衛隊の皆さんが大いに活躍、活動されている。そういう人たちを、私は、憲法の前文等で自衛権があると言っているわけでありますから、そこから見ても、自衛隊はもう認められているというふうに思いますけれども、さらに必要ならば、これはまさに、そういう方々が多いならば、国会議員を含めて、国民が求めるならば、新たにはっきりと明記すべきであるという結論ならば、それはそれで、そういうようにされてもおかしくはない、こういうふうに思っているところであります。

 それから、保育所の認可外、これは担当のほうでね。

 それから、都営住宅。選手村跡地の都営住宅の整備を東京都に求めるべきであるということを要望されておられますけれども、選手村跡地の整備、これから終わった後、活用されるわけであります。当時の押田議長さんとも一緒に視察に行きましたけれども、そのときの報告書にも書きましたけれども、やはり適正な方々が――収入が高水準の方だけではなくて、福祉であるとか高齢者とかですね。福祉住宅等も必要ではないかということは報告しているところでございます。

 それから、築地市場の移転。あそこの二十三ヘクタールは中央区内にあるけれども、土地そのものは東京都の土地であり、それから築地市場の経営も東京都がやっているわけでございまして、我々は、もう随分長い間、現在地整備ということで闘ってきて、そして、平成十一年十一月九日に、東京都が移転だと言うから、その翌日の十日、当時は鈴木久雄議員が議長で、直ちに翌日に断固反対の会をつくって署名活動を実施しましたら、わずか二週間足らずで、十万六千二十三人ですか、三十二人ですか、も集まったということで、ずっと続けてきたんですけれども、これはもう東京都で決めたということで、残念ながら、新しい築地をつくる会にかえて、そして、移転されても大丈夫なように、築地を永遠に活気とにぎわいのあるまちにするんだということで、先般、皆さんも知っているように、昨年三月ですか、築地魚河岸をつくって、移転されても大丈夫、踏ん張れるということを行ったわけであります。

 無論、今度新しい知事が、いや、やっぱり築地でやろうじゃないかと言えば、それはもう大賛成になると思いますけれども、これは区議会の皆様とのまた議論、話し合って、話し合いの上で結論を出してまいりたいということでございます。どうかよろしく。

〔福祉保健部長 黒川眞君登壇〕

○福祉保健部長(黒川眞君)
 私からは、保育施設の指導強化の範囲ということで、確認の御質問でございます。

 こちらにつきましては、いわゆる認証保育所以外にも、例えばベビーホテルでございますとか、事業所内保育所、こういった届け出が必要な保育施設は全て対象になっているというような内容でございます。

 以上でございます。

〔総務部長 田中武君登壇〕

○総務部長(田中武君)
 私からは、公契約あるいは労働環境のチェックシート等について御答弁を申し上げます。

 まず、労働環境のチェックシートにつきましては、業者が書くもので、実際に働いている方が書くものでないということで、実効性の担保についてのお尋ねでございました。これは確かに事業者の方に書いていただくということになっておりますが、その提出につきましては、入札公告の段階で、落札した場合にはきちんと提出をすることということを書いておりますし、また、その提出したチェックシートに不適切なものがございましたら、それについては区のほうで改善指導を行っていく。さらに、記載内容に虚偽があった場合などにつきましては、指名停止処分をするという扱いをしております。実質的にそうしたペナルティも科しておりますので、そういったことで担保しているものというふうに認識をしているところでございます。

 また、指定管理者を導入しております施設の調査についてでございますけれども、現在、指定管理を行っているのは五十四の施設でございます。そのうち、今回七施設を選択したところでございますけれども、これは入所施設か通所施設かといった施設の性格の違い、あるいは区民施設か福祉施設かといった施設の目的の違い、さらに、一事業者で複数の施設を運営しているところとそうでないところ、そういったさまざまな組み合わせの結果、モデルを選んで実際に調査をしたということでございます。これについては、普遍性があるということで、全ての指定管理者、そして担当をしているセクションの職員に実施報告会などでチェックポイントなどの共有を図ったというところでございます。

 また、モニタリングチェックあるいは先ほどの労働環境のチェックシートでございますけれども、先ほど区長から答弁させていただきましたが、ことしの一月に契約事務規則を改正いたしまして、それまで労働環境のチェック、労働環境の確保につきましては要綱で実質担保していたということでございますが、労働環境の適切な確保という観点から、規則でしっかりと位置づけて対応したということでございます。条例化につきましては、先ほど区長が答弁申し上げましたとおり、引き続き他団体の動向等を注視して、適切に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

〔都市整備部長 松岡広亮君登壇〕

○都市整備部長(松岡広亮君)
 私からは、コミュニティファンドについてお答えをいたします。

 開発事業区域内におきまして、まず、先ほども区長の答弁にありましたが、大家の方と借家人の方で交わされている契約内容などについて、よく話し合いをいただくというのが大前提であるというふうに思っております。その際に、契約条項もそうなんですけれども、それぞれの大家さん、借家人の立場、例えば大家さんであれば、現在高齢で後継者もいないだとか、なので、この機会でその賃貸業をやめようと思っている場合、または賃貸で使用している床を、離れている親族に使っていただこうとか、そういったさまざまな事情が大家さんにはあると。それから、借家人の方につきましては、同じ場所に住んでいたいという方も多いと思いますけれども、それ以外にも、高齢者の方で二度の引っ越しには耐えられないだとか、新しいマンション形式はなじめないだとか、さまざまな事情が今までもございました。双方で納得いくまで話し合いをされることが、まず大前提かなというふうに思ってございます。

 このような事情が存在しますので、単純に区が制度をぽんと当てはめて、それで進めていくというものではないというふうに考えているところでございます。どんな事情の方がどれくらいいらっしゃるかなどを、まず区で把握して、大家さん、借家人とのさまざまな関係、話し合いの結果、そういったものを勘案して、公平性の観点からも、慎重に制度の活用をする、しないを定めていくというふうに思ってございます。

 以上でございます。

〔十番 奥村暁子議員登壇〕

○十番(奥村暁子議員)
 まず、コミュニティファンドについてなんですけれども、公平性の立場から、やはり区が設けている制度ですし、区はいつも借家人の方を出すような開発はしていないんだということを強く言っているわけですから、希望する方、住み続けたいと思う方、条件が合う方には、やはり漏れなく区が責任を思ってこの制度を周知していくべきだということを指摘して、その周知も強く要望したいと思います。

 そして、築地市場の現在地再整備については、区長も大賛成だということで、私たちと意見は全く同じ、現在地での再整備、区民の願いに応える形で現在地再整備が進むよう心から願っています。

 そして、憲法の改正について、安倍首相は総裁として言ったんだということなんですけれども、安倍晋三氏は二十四時間内閣総理大臣であるわけですから、総理と総裁と都合よい使い分けなどできないと思います。

 それと、九条に自衛隊を書き込もうというのは、現状では自衛隊は違憲だと認めていることと等しいと思います。憲法改正は必要ない、改正を許さない立場で頑張っていきます。

 終わります。(拍手)


○二十三番(鈴木久雄議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後四時四十五分 休憩


     午後五時五分 開議

○議長(礒野 忠議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十一番原田賢一議員。

〔十一番 原田賢一議員登壇〕

○十一番(原田賢一議員)
 私は、中央区議会の新青会の原田賢一です。平成二十九年第二回区議会定例会に当たり、さきに提出いたしました質問通告書に基づきまして、新たな中央区基本構想による本区の将来像への考察と題し、一つ、新基本構想と前基本構想の主な相違点について、二つ、新基本構想の核となる考え方、方向性について、三つ、今後の基本計画策定における区政の課題認識について、四つ、基本計画に盛り込むべき施策の考え方、方向性について、以上四点につきまして質問をさせていただきます。区長さん初め、関係理事者の皆さんには、将来を見据えた明快なる御答弁を期待するところです。なお、再質問はあらかじめ留保させていただきます。

 今回の質問は、昨年、平成二十八年十月の決算特別委員会の質疑に引き続いて、本区の将来像を展望したく、お伺いをさせていただきます。

 私は、平成二十七年九月の第三回定例会において、新たな基本構想策定に向けた現下の社会経済状況に対する認識と財源対策、すなわち未来を勝景するための確実なる財政の確立についてお伺いしました。また、平成二十八年三月の予算特別委員会では、これからの中央区をどうデザインしていくのかという点で、過去十年間の区政の変化を振り返って、現状とその課題、そして現在から未来へのブリッジをどうかけていくのか、ブリッジは一つでなく、幾つものブリッジをかけなければならないとお話をさせていただきました。また、平成二十八年六月第二回定例会では、過去二十年間の社会動向を振り返り、急速なテクノロジーの進歩による情報の拡大によって、私たちのライフスタイルは大きく変わった、家族、社会がこうして劇的に変化していく中で、行政は今までにないさまざまなことを求められてくると思う、だから、今までの考え方にとらわれずに、新しい取り組みにも恐れずに本区の未来を切り開いてほしいとお願いしました。そして、昨年の十月の決算特別委員会では、財政の安定なくして政策なしのもと、財政問題を中心に、日本経済、世界経済、金融問題等々、それぞれ過去十数年の流れを振り返って、過去の流れが本区の財政にどのような影響を与えつつ現在に至っているのかを考察し、現在から未来への道しるべを見出したく、お聞きしました。

 こうした各定例会、委員会の中で、私は一貫して、過去、現在、未来という時間軸の連続性を視点として、質問を続けてまいりました。今回も同じく、前回の基本構想策定時の約二十年前後を振り返って、その時間軸を視点として、現在という点、未来という点、この点と点をどうつなげていくのかを探ってみたく、お伺いしてまいります。

 それでは、質問に入ります。

 本年度、平成二十九年度は、昭和二十二年の中央区政開始から七十年、昭和六十二年の矢田区長就任から三十年の節目の年であります。こうした区政のターニングポイントを迎えた中で、中央区基本構想が十九年ぶりに策定されることとなりました。矢田区長のもとでは、二度目の基本構想となります。昨年二月に、中央区基本構想審議会に矢田区長から、新たな基本構想と、それを実現するための施策のあり方について諮問されてから、審議会六回、各専門部会が合計十二回、起草委員会が四回と、約一年をかけて精力的に検討が行われました。竹内会長さんを初めとした委員の皆さんの御尽力に、感謝の意を表したいと思います。

 前回の基本構想が策定された平成十年は、区の人口が七万二千三百八十七人でありました。昭和二十八年の十七万二千百八十三人をピークに、長期間にわたり人口減少が続いて、平成九年四月には七万一千八百六人と最少を記録していたころであります。出生数でも五百二十六人と、今振り返れば、上昇に転じてきた時期ではありましたが、長期低迷期でありました。また、日本経済もバブル崩壊の余波に苦しんで、日本長期信用銀行、いわゆる長銀が破綻、前年は山一證券や北海道拓殖銀行の経営破綻など、それまで日本経済の発展を支えてきた象徴的な企業、銀行が姿を消していった時代でありました。

 中央区財政においても、それまでの増加傾向から、当初予算額が平成五年度の六百八十八億円をピークに、停滞・減少傾向に転じて、平成十年度は六百五億円となっておりました。また、地方債残高では三百十四億円と区政最大となっており、まさに日本経済の低迷の影響を色濃く反映した状況となっていたころでありました。

 翻りまして、現在の本区の状況を同じように見てみますと、人口は十五万人を超えて、平成二十八年度の出生数は二千三十二人と、二千人を超えるまでになっております。日本全体では人口は減少傾向でありますし、東京都においても二○二五年には減少に転じるとされていますが、中央区は、昨年度策定されました人口ビジョンでは、当面は人口の増加が続くと予想されているところです。また、経済面でも、国内総生産が十一年ぶりとなる五・四半期連続でのプラス成長となっており、国の月例経済報告などでも回復基調とされております。

 区財政においては、平成二十九年度当初予算は、「二十万都市への幕開け!!―オリンピック・パラリンピックとその先の輝かしい未来に向けて―」をテーマとして、九百五十三億円と過去最大の予算を計上しながらも、特別区債の発行を行わないなど、健全財政を維持しております。

 このように比較してみますと、前回の基本構想を策定した平成十年と現在とは隔世の感があるのではないかと思います。

 そこで、お伺いします。

 今回策定された基本構想と前回の基本構想の主な違いは何か、まずはお聞かせ願います。

 続いて、二点目の質問です。

 中央区は、江戸以来、歴史と文化を背景とした日本を代表する都市であり、文化・商業・情報の中心地として、常ににぎわいとともにありました。また、江戸時代、日本橋を起点とした五街道の整備や、明治時代にいち早く建設された銀座煉瓦街、築地居留地の繁栄など、新しいものを率先して受け入れ、まちの発展につなげてきました。そして、現在、日本橋、八重洲、銀座一帯の百貨店、娯楽業、飲食業、なおまた日本橋兜町の東京証券取引所を中心とした金融街、築地地区の食品卸売業など、さまざまな機能が集積しております。さらに、勝どきや月島など臨海部には多くのタワーマンションが建設され、晴海地区に整備される二○二○年の東京五輪の選手村は、その後、五千戸を超える住宅として供給される予定となっており、これまででは考えられなかったような大きなコミュニティが形成され続けているのは、御存じのとおりであります。

 十九年前に策定された前回の基本構想では、定住人口十万人を目指して、「生涯躍動へ 都心再生―個性がいきる ひととまち」との将来像を掲げていました。こうした大きな目標、将来像は、これまで区長、議会、町会など、多くの関係者の努力によって達成されたものであります。今後は、こうした数々の成果を踏まえて、これまで以上に充実した行政サービスを提供していくために、現在、そして未来に向けた新しい中央区の姿を見据えて行政運営を行っていくことが必要であると考えます。

 こうした中で、今回策定される基本構想では、新たなステージに入った中央区の未来を端的にあらわす標語として、「輝く未来へ橋をかける ― 人が集まる粋なまち」を本区の新たな将来像として掲げました。

 そこで、お伺いします。

 今回の基本構想の核となる考え方、方向性がどのようなものか、お聞かせ願います。

 続いて、三点目の質問です。

 今、私たちが先人から受け継ぐ大事なものは何か、それは未来への責任感です。基本構想で描いた将来像を実現し、輝かしい未来を将来世代に引き継いでいくことが、今、区政に携わる我々の大切なミッションではないかと思います。そのためには、まず基本構想の理念をしっかりと実際の施策に反映していくことが必要であり、今後の中央区の行財政運営の指針となる基本計画を策定していくことが重要であります。そして、基本計画の策定に当たっては、区長のリーダーシップのもとで、各施策の工程表を策定し、議会との議論をより深めるべきものと思います。

 本年度が前期計画の最終年度となります中央区基本計画二○一三では、特に優先的かつ重点的に取り組む施策として、十年後の中央区を設定していました。それは、災害に強い都心のまちづくりを初めとする五つのテーマでした。いずれも、五年前の状況を踏まえた、非常に重要な課題、テーマでありました。しかし、当時は、二○二○年のオリンピック・パラリンピックの招致前でありましたし、人口想定も、計画最終年度であります平成三十五年度でも十四万九千二百人と、現在の推計よりも少なく見積もられておりました。こうした状況の変化を捉え、新たな基本計画の策定に当たっては、中央区の置かれた現状をしっかりと分析し、それに基づいて、行政が解決すべき課題を洗い出していかなければなりません。

 そこで、お伺いします。

 新たな基本計画策定に当たり、区政の課題をどのように認識されているのか、お聞かせ願います。

 それでは、最後の質問です。

 中央区では、近年にはなかった行政需要が数多く発生しており、区民が快適で安全な生活を送っていくためには、活気あるまちづくりが重要となってきます。近年の子育て世代の顕著な増加に伴う待機児童問題や学校整備など、子供に関連した課題は山積しており、また一方で、高齢化率は、日本、そして東京の傾向とは相反して低下傾向ですが、高齢者人口は着実に増加をしており、超高齢社会への対応は決して対岸の火事ではないのであります。さらに、日本橋や八重洲地区では、幾つもの大規模な再開発事業が動き出しております。また、二○二○年の東京五輪を契機とした、訪日外国人観光客の増加も続いています。こうした再開発事業によって、これまでも中央区の大きな魅力の一つでありました商業地、観光地が新たに生まれ変わっていきます。そして、東京への人口集中や情報通信技術のさらなる進展、流通形態や消費者ニーズの多様化など、区の産業を取り巻く環境も急激に変化をしております。本区の将来像を確実に描くためには、こうした近年の変化、動向に適切に対応し、中央区の今後の発展につなげていかなければなりません。

 そこで、お伺いします。

 基本計画に盛り込むべき施策の考え方、方向性をどのように考えておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。

 以上をもちまして私の第一回の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 原田賢一議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、新たな基本構想と現在の基本構想の主な違いについてであります。

 平成十年に策定した現在の基本構想では、バブル経済崩壊の余波に加え、長期にわたる人口減少が続いていたことから、都市再生を旗印に、定住人口十万人を目指し、区議会の皆様とともに手を携え、全庁を挙げて活力あるまちづくりに取り組んでまいりました。その努力が花開き、今や人口は十五万人を超え、まさに本区は活力とにぎわいと取り戻すとともに、今後さらに二十万都市も見込まれております。こうした状況の中、新たな基本構想は、都心再生を経て、さらなる飛躍に向けた一歩を踏み出すために策定するものであります。具体的には、職住近接、子育て、教育、高齢者福祉など、さまざまな分野で拡大している行政需要に的確に対応していくための指針を示しました。また、喫緊の課題である東京二○二○大会の開催や、大きな変革期を迎えた築地地区の活気とにぎわいの維持・発展にも配慮しております。こうした考え方をもとに、より高い次元へと進化させ、世界に誇れる誰もが憧れるまち中央区を築き上げてまいります。

 次に、新たな基本構想の基本的な方向性についてであります。

 「輝く未来へ橋をかける ― 人が集まる粋なまち」という今回の基本構想で描いた将来像の実現に向け、核となる考え方として、五つの基本的な方向性を示しました。中でも、中央区スタイル、プロアクティブ・コミュニティといった新しい考え方も取り入れております。まず、情報や創薬、金融など、新たな時代の中心となる旺盛な社会経済活動を成長させていくとともに、先進的なスマートシティの実現など、最先端都市モデルを構築し、さまざまな分野でオンリーワンの中央区スタイルを確立してまいります。

 次に、安全・安心で豊かな地域生活を営むために、多様な人々が互いを尊重し合い、一体となった都心コミュニティを形成してまいります。そのため、町会・自治会を初め、企業やNPO、ボランティア団体などとも連携し、多様なきずなが融合したプロアクティブ・コミュニティを確立することで、まちの発展の原動力としていきます。こうした取り組みを通じて、住み・働き・集う全ての人々が幸せを実感し、誇りを持てる都心中央区をつくり、世界一の都市を目指す東京の牽引役として、さらなる発展を期してまいります。

 次に、基本計画策定における区政の課題認識についてであります。

 定住人口の増加に伴い、区民ニーズも多様化しております。教育環境の整備や子育て支援、健康づくりはもとより、年齢、性別、国籍、障害の有無などにかかわらず、全ての人々が安心できるまちを目指していかなければなりません。また、今後三十年以内に七○%の確率で発生すると言われる首都直下地震への対応や、環境負荷の少ない持続可能な社会をつくり、快適で安全な生活を送れる都市環境を整備していくことも重要であります。さらに、本区が躍動を生み出し、東京を牽引していくためには、日々旺盛な事業活動を展開している区内の多種多様な産業を支援し、地域経済の活性化や新たなにぎわいを創出することが大切であります。また、これからの本区を担う子供たちが主体性を発揮し、協働しながら未来を切り開く力を培う機会と環境を構築することも必要であります。こうした認識のもとに、新たな基本構想に掲げる将来像の実現に向けて、着実に課題を解決していくための施策や取り組み内容を示す基本計画を、平成三十年二月を目途に策定してまいります。

 次に、基本計画に盛り込むべき施策の方向性についてであります。

 今回策定する基本計画では、施策のみちすじとして、三つのまちづくりの視点で策定してまいりたいと考えております。第一に、一人一人の生き方が大切にされた安心できるまちを目指して、待機児童対策や障害特性を踏まえた支援体制の充実、高齢者の地域包括ケアシステムの構築など、各福祉分野での取り組みを行っていくことが重要です。第二に、快適で安全な生活を送るための都市環境が整備されたまちを目指して、建物の耐震化推進や帰宅困難者対策、水害等における防災・減災対策の強化に取り組んでまいります。さらに、水辺空間を生かした水と緑のネットワークの充実を図るなど、にぎわいの創出や魅力の向上につなげてまいります。第三に、輝く個性とにぎわいが躍動を生み出すまちを目指して、下町ならではの人情や連帯感といった文化を大切にしつつ、多様な主体との協働による都心コミュニティを構築しいきます。また、良好な教育環境や子供たちの生きる力を育む教育も推進してまいります。さらに、外国人観光客の増加や情報通信技術の進展などの環境変化を的確に捉えた地域経済の活性化にも取り組んでまいります。これら三つの施策のみちすじを着実に推進していくために、今後も健全で持続可能な財政基盤を堅持しながら、本区の輝かしい未来を築き上げてまいります。

 特に、今、二十一世紀は都市の世紀であると言われて久しいわけでありますが、まさに都市の世紀ということで、どのまちにも負けない都市をつくっていかなければならないということで、個人的には文化ですね。文化都市、これはもう本当に世界一の文化都市、平和で安全・安心なまちを、オリンピック・パラリンピックがせっかく来るんですから、そこで大いに強調、アピールしてまいりたい。ハード、ソフトの面はもちろんのこと、また、産業の振興ももちろんのこと、文化ですね。

 これだけ四百年の歴史のあるまち、一六○三年ですか、慶長八年にでき上がって以来のまち、さまざまな文化ができ上がってきて、この間も古典芸能鑑賞会というのがございまして、行ってまいりましたけれども、中央区の名誉区民になられたお二人が出られて長唄を歌われたり、落語家も銀座の生まれだと言っていましたけれども、そういう方々がおられる。中央区というのは古典芸能だけではないですけれども、文化については本当に人材が豊かなんです。そうした人材が、中央区生まれの方々が非常に多いし、中央区で活躍している文化人、芸能人、芸能関係者も多いということで、そういうすばらしいまちですから、新しい基本計画とともに、そういった面をさらに強調してまいりたいな、そういう思いでいっぱいであります。

 私からの答弁は以上であります。

〔十一番 原田賢一議員登壇〕

○十一番(原田賢一議員)
 今回は、新たに策定された基本構想における本区の将来像へのいささかの考察をしたく、お尋ねをいたしましたが、それぞれ御答弁をいただき、ありがとうございました。

 前回の基本構想策定から十九年の時を経た今、IT革命によって私たちの生活は大きく変化しました。この間の時の流れは加速度的スピードで流れており、今後の私たちのライフスタイルを激変させ、社会構造そのものを根本的に変えていくのではないかと言われています。

 過去に三つの産業革命がありました。一七六○年代、イギリスで起こった蒸気機関の発明によって始まった第一次産業革命、一八○○年代後半に始まった電気、電力によるガソリン車、自動車の登場による第二次産業革命、そして一九七○年代に始まったコンピューターの進化によるIT、インターネット、今、スマホですが、これが核となった革命、情報化社会となった第三次産業革命です。では、次に来る革命は何か。これは、二○一五年ごろから始まっているAI、IoT、ビッグデータの急速な進化と、これによって大きな革命の幕があいた。全てのもの、全ての産業が全く形を変えて変化するであろうと言われています。

 第四次産業革命がもう始まっています。既に、日本政府においては、この第四次産業革命の実現を目指して、二○二○年には三十兆円規模の新たな市場を生み出すための日本再興戦略会議を二○一三年に既に設けており、また、経産省では、AIなど、イノベーションを捉えて、大胆に経済社会を変革するための新産業構造ビジョンの策定を二○一五年より始めています。また、二○一六年、昨年の四月、政府は、総務、経産、文科の三省を中心に、今後十年間で約一千億円を投じてAI関連の研究開発を推進するための人工知能、AI技術戦略会議を開いています。また、IoTでいえば、昨年の七月、ソフトバンクの孫社長が、スマホのメインチップを設計する世界のトップ企業でありますイギリスのあのARMホールディングス社を三兆三千億円で買収すると発表して、世界中のニュースとなりました。これは、孫社長がIoTこそが次の時代を制すると見て、あの莫大な投資に打って出たものと思われます。

 本区の新たな基本構想は、二十年後を展望して策定されたものですが、では、その半期、今後十年後の未来のテクノロジー、私たちの暮らしはどうなっているんだろうか。その予測として、世界の各種専門家八百人を超える、その道のエキスパートが語る十年後の未来はどうなっているのか、幾つか御紹介です。人工知能が既に人間の知性を超えている。十人に一人はインターネットに接続された服を着ている。3Dプリントの自動車が既に生産開始をされている。体に埋め込む携帯電話が商品として販売されている。もうチップになっていますから。アメリカでは、自動車の一割は無人の自動運転車となっているなどなどです。

 とすれば、これは雑談めいた話で恐縮ですが、一つの例として、今後の本区の新しい庁舎建設についてですが、今お話ししたテクノロジーの進化が倍々ゲームのような劇的なスピードで進むとすると、果たして新庁舎にはワークデスク、ワークチェアが要るのか。大きな会議室が必要なのか。そもそも庁舎開庁時間が九時五時のままでいいのか。二十四時間対応可能となっているのではないのか。勤務時間も、月曜金曜という曜日制が必要なのか。人、物、全てが瞬時につながる世界では、果たして議会においても本会議場というものが必要なのか。今日、既に、御存じのようにスマホなどによって日常のほとんどが情報交換されているのですから、果たして新しい庁舎が今までのような箱物的建築感覚でプランニングされたときに、十年後はまだしも、二十年後の社会生活様式に対応していけるのかどうか。また、福祉における子育て施策、高齢者対策、そして教育も、その施策において全く違う視点を持たねばならない時代がすぐに来ると思います。これはきょう、あしたの話ではありませんが、多少の時間差こそあれ、必ず、好むと好まざるとにかかわらず、テクノロジーが猛スピードで進歩、進化していくのは間違いありません。

 今後の本区の各施策に及ぼす社会生活構造の変化についてのディテールについては、別の場でまた質疑を深めてまいりたく思います。既に、もうデジタライゼーションの波は始まっています。

 以上、区長さんを初め、理事者の皆さんの卓越した先見性によります今後の区政運営に期待をさせていただいて、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○議長(礒野 忠議員)
 以上をもって一般質問を終わります。


○議長(礒野 忠議員)
 次に、日程第二を議題といたします。

〔田野議会局長朗読〕


日程第二

 議案第二十七号 平成二十九年度中央区一般会計補正予算


○議長(礒野 忠議員)
 提案者の説明を願います。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま上程されました議案第二十七号、平成二十九年度本区一般会計補正予算につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 今回の補正は、一般会計を一億七千十二万三千円増額するものであり、補正後の予算額は九百五十四億九千百八十三万六千円となるものであります。

 それでは、概要について御説明申し上げます。

 まず、歳入についてです。

 繰越金は、前年度からの繰越金一億七千十二万三千円の計上です。

 次に、歳出について御説明申し上げます。

 環境土木費は、歩行者専用橋の整備において、運河から掘り出した土砂の処分方法の変更に要する経費一億七千十二万三千円の計上です。

 よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。


○二十三番(鈴木久雄議員)
 議事進行について、動議を提出いたします。

 ただいま上程されております議案第二十七号は、企画総務委員会に付託されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。


○議長(礒野 忠議員)
 次に、日程第三から日程第十五までを一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第三から日程第十五までを一括して議題といたします。

〔田野議会局長朗読〕


日程第三

 議案第二十六号 中央区基本構想

日程第四

 議案第二十九号 中央区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例

日程第五

 議案第三十号 災害に際し応急措置の業務等に従事した者に係る損害補償に関する条例の一部を改正する条例

日程第六

 議案第三十四号 中央区防災行政無線デジタル化工事請負契約

日程第七

 議案第三十五号 中央区立つくだ保育園大規模改修工事(建築工事)請負契約

日程第八

 議案第三十六号 中央区立つくだ保育園大規模改修工事(機械設備工事)請負契約

日程第九

 議案第三十七号 中央区立子ども発達支援センター(仮称)整備工事(建築工事)請負契約

日程第十

 議案第三十八号 中央区立特別養護老人ホームマイホーム新川大規模改修工事(建築工事)請負契約

日程第十一

 議案第三十九号 中央区立特別養護老人ホームマイホーム新川大規模改修工事(機械設備工事)請負契約

日程第十二

 議案第四十号 中央区立特別養護老人ホームマイホーム新川大規模改修工事(電気設備工事)請負契約

日程第十三

 議案第四十一号 中央区立阪本小学校校舎等撤去工事請負契約

日程第十四

 議案第四十二号 昭和通り銀座歩道橋昇降施設改修工事請負契約の一部変更について

日程第十五

 議案第四十三号 歩行者専用橋取付護岸等整備工事請負契約の一部変更について


○議長(礒野 忠議員)
 提案者の説明を願います。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第二十六号、議案第二十九号、議案第三十号及び議案第三十四号から議案第四十三号までにつきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第二十六号、中央区基本構想であります。

 本案は、新たな基本構想を策定するものであります。

 次に、議案第二十九号、中央区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、特別の退職手当の支給対象等を追加するものであります。

 次に、議案第三十号、災害に際し応急措置の業務等に従事した者に係る損害補償に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、補償基礎額の加算額等を改定するものであります。

 次に、議案第三十四号から議案第四十一号までの工事請負契約であります。

 議案第三十四号の中央区防災行政無線デジタル化工事につきましては、田中電気株式会社に、議案第三十五号及び議案第三十六号の中央区立つくだ保育園大規模改修工事につきましては、建築工事は坪井・則武建設共同企業体に、機械設備工事は日新・五興建設共同企業体に、議案第三十七号の中央区立子ども発達支援センター(仮称)整備工事に係る建築工事につきましては、萬世建設株式会社に、議案第三十八号から議案第四十号までの中央区立特別養護老人ホームマイホーム新川大規模改修工事につきましては、建築工事は清水・新星建設共同企業体に、機械設備工事はサンプラ・中島建設共同企業体に、電気設備工事はTAK・積田建設共同企業体に、議案第四十一号の中央区立阪本小学校校舎等撤去工事につきましては、株式会社新星建設に落札いたしましたので、それぞれ契約を締結するものであります。

 最後に、議案第四十二号及び議案第四十三号の契約の一部変更についてであります。

 議案第四十二号の昭和通り銀座歩道橋昇降施設改修工事及び議案第四十三号の歩行者専用橋取付護岸等整備工事につきましては、いずれも平成二十八年七月に御決定をいただいたところでありますが、地中障害物の調査等に伴い、議案第四十二号は工期を、議案第四十三号は契約金額及び工期を、それぞれ変更するものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(礒野 忠議員)
 ただいま上程されました議案第二十六号、議案第二十九号、議案第三十号及び議案第三十四号から議案第四十三号までは、企画総務委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案については、企画総務委員会へ付託いたします。


○議長(礒野 忠議員)
 次に、日程第十六から日程第十九までを一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第十六から日程第十九までを一括して議題といたします。

〔田野議会局長朗読〕


日程第十六

 議案第二十八号 中央区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例

日程第十七

 議案第三十一号 中央区立子ども家庭支援センター条例の一部を改正する条例

日程第十八

 議案第三十二号 中央区子ども・子育て会議条例の一部を改正する条例

日程第十九

 議案第三十三号 中央区難病患者福祉手当条例の一部を改正する条例


○議長(礒野 忠議員)
 提案者の説明を願います。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第二十八号及び議案第三十一号から議案第三十三号までにつきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第二十八号、中央区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、個人番号を利用する事務の追加等をするものであります。

 次に、議案第三十一号、中央区立子ども家庭支援センター条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、十思分室を設置するものであります。

 次に、議案第三十二号、中央区子ども・子育て会議条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、委員の任期を変更するものであります。

 最後に、議案第三十三号、中央区難病患者福祉手当条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、支給対象疾病の追加等をするものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(礒野 忠議員)
 ただいま上程されました議案第二十八号及び議案第三十一号から議案第三十三号までは、福祉保健委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案については、福祉保健委員会へ付託いたします。


○議長(礒野 忠議員)
 次に、日程第二十を議題といたします。

〔田野議会局長朗読〕


日程第二十

 議案第四十四号 特別区道の路線の変更について


○議長(礒野 忠議員)
 提案者の説明を願います。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま上程されました議案第四十四号、特別区道の路線の変更についてにつきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 本案は、「特別区道中京第四百三十二号線」ほか二路線を変更するものであります。

 よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(礒野 忠議員)
 ただいま上程されました議案第四十四号は、環境建設委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、環境建設委員会へ付託いたします。


○二十三番(鈴木久雄議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、ただいま各常任委員会に付託されました議案の審査の関係もありますので、明十六日から二十日までを休会とし、来る六月二十一日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明十六日から二十日までを休会とし、来る六月二十一日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     午後五時五十三分 散会 


署名議員
議長 礒野 忠
議員 小坂 和輝
議員 中嶋 ひろあき

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

ページの先頭へ