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平成22年 区民文教委員会(11月11日)

1.開会日時

平成22年11月11日(木)

午後1時31分 開会

午後6時51分 閉会

2.開会場所

第二委員会室

3.出席者

(8人)

委員長 青木 幸子

副委員長 礒野 忠

委員 今野 弘美

委員 原田 賢一

委員 田畑 五十二

委員 鞠子 勝彦

委員 渡部 博年

議長 中嶋 ひろあき

4.出席説明員

(16人)

矢田区長

髙橋副区長

髙橋教育長

齋藤区民部長

町田区民生活課長

林地域振興課長

鈴木文化・生涯学習課長

高橋スポーツ課長

黒川商工観光課長

岸田都市整備部長

新治教育委員会次長

田野教育委員会庶務課長

遠藤副参事(教育制度・特命担当)

長嶋学務課長

和田指導室長

濱田図書文化財課長

5.議会局職員

奥田議会局長

横山議事係長

岡野書記

武藤書記

6.議題

  • (1)区民生活及び教育行政の調査について
  • (2)中央小学校・幼稚園改築計画の抜本的見直しを求める請願

(午後1時31分 開会)

○青木委員長
 それでは、区民文教委員会を開会いたします。

 本日、理事者報告の関係で都市整備部長、スポーツ課長、教育委員会副参事及び図書文化財課長が出席いたしますので、御了承願います。

 過日の行政視察の実施に当たりましては、所期の目的を十分果たすことができたと思いますので、今後の施策の参考になればと考えています。

 なお、内容につきましては、第四回区議会定例会での委員長報告で報告させていただきたいと思います。

 議事の進め方につきまして、理事者報告並びに議題(1)を後にし、議題(2)の新規請願を先に審議したいと存じますが、いかがでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○青木委員長
 ありがとうございます。

 それでは、議題(2)中央小学校・幼稚園改築計画の抜本的見直しを求める請願について、審査に入ります。請願代表者の入室を願います。

〔請願代表者入室〕

○青木委員長
 それでは、請願文の主旨の朗読を願います。

○横山議事係長
 (請願文朗読)

○青木委員長
 それでは、紹介議員の趣旨説明を願います。説明は簡潔にお願いします。

○小坂議員
 では、趣旨説明をさせていただきます。

 中央区行政は、コンプライアンス、すなわち法令の遵守とともに住民の皆様の声を真摯に受けとめ、行政運営を行っていかねばなりません。まちづくりも、子供たちのための教育環境の整備もしかりです。

 しかるに、このたびの復興小学校、中央小学校改築計画において、丁寧に情報を公開し、住民の皆様の意見を十分に取り入れ、改築計画をつくっていくべきところ、中央区行政は校舎取り壊しの計画ありきの既定の路線で、半ば強引な形で改築計画を進めてまいりました。例えば、改築協議会が公開であったと教育委員会は述べておりますが、事前に開催の日程を広く住民の皆様に事前通知することなく開催がなされてまいりました。中央区行政からの区議会への説明におきましても、学校改築問題では適切な時期において十分な説明がつくされたとは言いがたいと考えます。例えば、改築計画策定の基礎資料となる小学校改築計画策定時調査報告書は、平成21年3月に策定されたと表紙には書かれているものの、区議会への提出は同年4月でした。予算審議が終わった後にこの調査報告書が出されたということであり、報告書におきましては、詳細設計等を審議する予算委員会の前に提出すべきものであると考えます。

 また、同報告書の内容も、昨年、またことしの予算特別委員会、決算特別委員会で述べましたとおり、過去の協議会の報告書における文面の都合のよい部分だけを抜き出してきて、それで、もともとの教育委員会の報告書の趣旨からは外れた形と考えられる内容で、こちらの報告書の都合のいい部分を引用し、作成するというふうになっております。

 また、同報告書でなされているところの児童数推計のところが、報告書の部分と最近わかってきた児童数推計とが大きく乖離しているという問題もあり、この点に関しては、また児童数のところで触れさせていただきます。

 それにより、いま一度、ここで住民の皆様の意見に耳を傾け、子供たちの、そして地域のシンボルとしてふさわしい教育環境のための学校の整備を考えていく必要性を考え、私はこのたびの請願、中央小学校・幼稚園改築計画の抜本的見直しを求める請願の主旨に賛同し、趣旨説明を務めさせていただきます。本来であれば、請願の内容を朗読されるわけですけれども、そのところが今回は特別に長いということもありますので、そこが省略されております。それですので、こちら、同請願の内容が伝わりますように、少し丁寧に請願文の順に従い、趣旨説明を行わせていただきます。

 本請願は、大きく分けて、コンプライアンス、すなわち中央区行政の法令遵守の視点と、現校舎の取り壊しと新校舎自体に内在する問題点の、大きく分けて2つの視点が書かれております。その2つの視点から述べていきます。

 まず、コンプライアンス、法令遵守の視点から、趣旨を説明させていただきます。

 法令は、5つございます。各法令を順を追って述べていきます。

 まず1番目の法令は、中央区文化財保護条例に触れるおそれがあるということで御説明させていただきます。

 この法令の目的は、第1条に書かれておりますが、中央区の「区域内に存する文化財について、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もつて区民文化の向上に資するとともに、郷土文化の振興と発展に貢献すること」と書かれており、それをもとに第3条、区の責務として「文化財が郷土の歴史及び文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、かつ、将来の文化の向上発展の基礎をなすものであることを認識し、文化財の保存及び活用が適切に行われるよう努めなければならない」、「教育委員会は、区の区域内に存する文化財について調査し、その所在及び保存状況を明らかにするよう努めなければならない」と書かれておるところでございます。

 そうでありますが、経過を見てみますと、本年2月3日、日本建築学会関東支部長名で東京都中央区に現存する復興小学校7校舎保存要望書が中央区長あてで提出されました。そこでは、(1)小学校教育に関する東京市の理想の高さを示す建物としての価値、(2)表現主義的な外観デザインによる建築の秀作としての価値、(3)小公園の付設や避難拠点としての位置づけにみられる都市計画的な価値、これら3つの価値をもとに保存の要望がなされました。しかし、中央区は、文化財についての調査を中央区文化財保護審議会に告知し調査・検討することなく、7月ごろにマスコミで大きく報道されるようになって初めて、7月8日、文化財保護審議会において、口頭にて、ごく簡単な報告がなされたわけでした。

 7月9日、日本建築学会は再度、東京都中央区に現存する復興小学校7校舎の保存要望書を日本建築学会会長名で提出されました。報道では、区側は7月9日のそのような提出は遅過ぎるというふうなことでしたが、建築学会のほうは2月に保存要望書を提出しているわけでございます。その後、8月23日に明石小学校をはじめとする復興小学校の改築問題について、中央区長名で声明が出されました。改築計画を進めるという声明が出されたわけでございますけれども、その後、中央区文化財保護審議会からの働きかけで、8月25日に明石小学校の視察の申し入れを中央区文化財保護審議会のほうからされ、8月28日に視察がようやく実現し、そして9月1日に中央区文化財保護審議会の小野会長以下7名連名で、1名は中央区と強く関連を持っていたので、その方を外した7名連名で、明石小学校をはじめとする復興小学校の保存・活用に関する要望書が異例の形で提出されたわけでございます。

 そこでは、「復興小学校117校の建物の中で現存するものは少なく、そのうちの多くが中央区に所在しています。これらの復興小学校の建物については、それぞれの文化的価値に十分に配慮して、適切な保存・活用の措置を講ずることもあわせて要望いたします」ということが書かれております。明石小学校では、そのような視察がなされたわけですけれども、中央小学校では果たして文化財保護審議会の視察なりがなされたのでありますでしょうか。

 それらを考えますれば、日本建築学会が市民団体から保存要望が出されているにもかかわらず、本年7月まで中央区文化財保護審議会に諮らずに校舎取り壊しの既定路線で進めてきた区の姿勢は、中央区文化財保護条例、ひいては国の文化財保護法に抵触することが考えられ、同計画の抜本的な見直しを求めます。

 2番目に書かれております東京都における自然の保護と回復に関する条例に触れるおそれがあるために関しましては、現校舎の周囲には合計100本を超えるさまざまな種類の高木、中木、低木が植えられているわけでございますが、新校舎では数本の桜の木しかかかれておりません、計画書においては。というところでございますので、同条例から考えますれば、施設者や都知事は緑の育成・配置をしていかなければならない。それがなされていないという点で、この条例にも抵触するおそれがあると考えております。

 3つ目に移ります。

 東京都環境基本条例に触れるおそれがあるため。これは、現校舎を解体する計画は多大な廃棄物を出すということになります。このこと、廃棄物の減量を述べる東京都環境基本条例におきましては、それら多大な負荷を環境にかけるわけでございますので、そのまま建物を壊し、多大な廃棄物を出すことを考えるよりも、現校舎をそのまま残す方法や部分的に改修するリノベーションの考え方を再度検討して、この条例に合う形で考えていく必要があると考えております。

 次に移ります。

 4番目、独禁法、独占禁止法に触れるおそれがあるため。

 中央小学校・幼稚園改築工事の入札において落札した共同体企業体の入札価格は、失格基準価格22億264万4,000円と1,000円の単位まで合致した価格となりました。これは、中央区側からすれば、なぜこのような価格を設定したかというところにおきましては、中央区契約事務規則におきまして、第30条に「最低制限価格を設ける場合は、予定価格の10分の8から3分の2の範囲内において、当該工事又は製造その他についての請負の予定価格を構成する材料費、労務費、諸経費等の割合その他の条件を考慮して、当該工事又は製造その他についての請負ごとに適正に定めなければならない」と、これを根拠に3分の2とありますので、予定価格が公表されており、それに3分の2を掛けたというところで22億264万4,000円を中央区側としては失格基準価格と想定したということであります。

 でありますが、この3分の2という解釈におきましても、これを66.6%にするのか、66.67%にするのかとかいう判断もありますし、そもそも最低基準価格に失格基準価格を合わせてくるかどうかというところの話もありますので、このような観点からすると、入札価格が失格基準価格と1,000円単位まで合致したということは、なかなか不自然な状態ではなかろうかと考えます。他の共同体企業体の金額が100万円以上のけたで試算しているのに対して、落札業者のみが1,000円のけたまで金額設定し、そして、それが合致しているという状況であります。独占禁止法第3条におきましては、「事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない」とありますし、これらのことから考えれば、早い時期に内部で検証を進めることが必要と考えます。

 この点より、独占禁止法に抵触のおそれがあるため、抜本的な見直しを考えるべきだと考えます。

 最後の刑事訴訟法に触れるおそれがあるということに関しましては、万が一そのような独占禁止法に抵触するような不正行為があった場合には、刑事訴訟法第239条第2項におきまして、公務員の犯罪告発義務に定められた「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない」というふうなことも述べられており、それに抵触するおそれがあることから、この法令も挙げさせていただきました。

 次に移らさせていただきます。

 現校舎の取り壊しと新校舎に問題点があるためということを指摘させていただきます。

 まず、中央小学校の子供たちの真の幸福についてということで述べさせていただきますが、これは文化的・歴史的な価値がある希少な復興小学校で学ぶことは、子供たちにとっての幸運の一つで、誇りを持つこともできます。この幸福を子供たち、PTA、地域に正しく、かつ十分に理解されることは、中央区における教育上の最重要課題ではないかと考えます。

 日本建築学会からは、復興小学校の校舎の教育環境面ですぐれている点として、子供たちの健康を考えて、光を最大限取り入れようとした大きな窓や、風通しをよくするために工夫された教室、廊下、窓などの配置が示されました。また、防災面で配慮されている点としては、建物の耐震性のみならず、短時間で安全に避難が可能な対策としての校門の数と位置、階段の数や位置、幅、勾配などが挙げられました。これらは、悲惨な震災に遭った後に子供たちの健康と安全を第一と考えた先人の知恵と研究の成果であります。したがって、教育委員会は、このような日本建築学会の見解に目を向けて、仮に設計変更を余儀なくされたとしても、新校舎に積極的に取り入れる必要があると考えております。

 次に移ります。

 中央小学校の児童数のさらなる児童減少への懸念について。

 この児童数に合わせた考え方で校舎設計をして、また改築のあり方を考えていくべきであると考えます。これに関しましては、先ほども述べさせていただきましたが、児童数の推計に関して重大な指摘をさせていただきます。

 小学校改築計画策定調査報告書では、中央小学校の児童数が過大に報告されています。同報告書では、平成20年に全校数114人、平成21年118人、平成22年130人、平成23年127人、平成24年136人、平成25年148人と児童数が120人から150人へと増加する推計がなされておりますが、一方、私が本年9月15日、少子高齢化対策特別委員会で提出いただいた児童数の推計によりますと、平成22年度、同校の生徒数全数は110、平成23年103、平成24年107、平成25年113、平成26年110、平成27年119であり、児童数は110人から120人程度となっております。同報告書との比較で見てみますと、平成22年にはプラス20、平成23年にはプラス24、平成24年にはプラス29、平成25年にはプラス35と、過大な数の報告が行われております。児童数推計は、改築を考える上で最も大切なデータの一つであり、このデータを過大評価した記載は重大な問題と考えます。児童数を適切に評価し、計画を検討すべきと考えて、抜本的見直しを求めます。

 次に移ります。

 鉄砲洲地区の発展の阻害の懸念について。これに関しましては、日本建築学会との関係が、当初、復興小学校を保存するためには学会のメンバーを挙げて最大限に協力すると表明していただいているにもかかわらず、現在におきましては、関係は極めて険悪な状態にあります。それではなく、この状態をもとに戻し、鉄砲洲地区のイメージアップにつながるような校舎設計を依頼し、良好な関係をもう一度再構築し、それで改築計画を進めていくということが、より地域の発展にも貢献することと考えております。ゆえに、改築計画の抜本的な見直しを求めます。

 次に移ります。

 校舎における子供たちの教育環境悪化と危険性の懸念についてです。

 これに関しましては、屋上校庭の問題におきまして、万が一校庭におきまして事故や事件が発生した場合に、なかなか屋上においては目が届きにくいということもあり、発生の発見、適切な対応に時間を要してしまうのではないかという懸念もあり、また子供たちが体育の授業やスポーツを楽しむ場合、日の光や暖かさがなかなか感じられない校庭になってしまうのではないかというふうな懸念が述べられております。また、新校舎におきましては、地上階から3階までの外階段と、3階から5階まで、屋上までの内階段のいずれも、3階層をつなぐ2本の長い直線階段がありますけれども、それぞれに踊り場はあるものの、将棋倒しになることによる惨事の危険性は否定できません。これら構造上の問題点を再度考え直すことを求め、抜本的な見直しを求めます。

 次に移ります。

 住民にとっての危険性について。

 これに関しましては、屋上からの落下物ということがどうしても考えられますので、その辺も考慮に入れて計画を見直すべきではないかということで述べております。

 次に移ります。

 防災について。

 これに関しましては、防災用品の倉庫の一つが建物の中央部分にあることは、決して好ましくありません。すべて外壁に面した位置に配置し、非常時には内側からでも外側からでも取り出せるようにすることが常識であり、そのように計画を練り直していく必要性を考えます。

 次に移ります。

 地域の景観の悪化について。

 現在、鉄砲洲神社、鉄砲洲公園、中央小学校が三位一体となって美しい景観を形成しております。しかし、本小学校の改築におきましては、大規模な箱型の建物をつくりかえようとしている状況であり、この美しい景観を無残にも壊してしまう計画となっております。ゆえに、抜本的見直しを求めていきます。

 次に移ります。

 隣接住民への生活環境の悪化について。これに関しましては、近隣の住民の皆様にとっての日照環境の劣悪化や、夜間や休日に一般開放される計画の屋上テニスコートからの騒音、衛星放送やラジオの電波障害等が考えられることもあり、隣接住民に丁寧な説明のもと、そのような多大な悪影響を及ぼすものをできるだけ少なくしていくという観点から、抜本的な計画の見直しを求めます。

 以上申し述べてまいりましたが、コンプライアンスの観点から問題のある形で進められている復興小学校改築計画には、計画自体にもさまざまな問題点があります。ゆえに、子供たちのよりよい教育環境を整備するためにも、それら問題点の解決を目指し、抜本的見直しを行うことを求めます。

 よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。

○青木委員長
 次に、請願代表者の補足説明を願います。

 なお、発言に当たり、住所、氏名を先に述べてから説明願います。説明は簡潔にお願いします。

○請願代表者(髙橋義明)
 住所は、東京都中央区**********、髙橋義明と申します。

 私は、中央区生まれ、中央区育ち、ここにおります請願のもう一人のほうですが、髙橋榮男と申します。私がきょうは代表してスピーチさせていただきますが、こちらは私の父で、鉄砲洲尋常小学校を卒業しまして、それから築地の海軍経理学校から大蔵省に移り、その後、消防関係、防災関係などもやりまして、いろいろお国のためとか安全のために人生を捧げて、私どもが言うのもなんですが、そういう人生を送ってまいりました。今回、この計画を聞きまして、いろいろな心配点、また税金の使い方なども考えがあるところがありまして、私ども若者グループといいましょうか、と一緒になって、いろいろ考えてきてくれているものです。

 それから、こちらにおりますのは、江東区で生まれまして、小学校3年のときに中央区立泰明小学校に移りまして、今、私のマンション、同じところにいる理事長さんでございます。お子さんは中央小学校、銀座中学校に通っている。ここにおります3名は、中央区をこよなく愛し、またずっと生き続け、これからも愛し、生き続けていきたいというメンバーでございます。今回は断腸の思いで、こういう非常に思い切ったこと、我々にとっては初めてのことなんですが、こういう請願書を提出させていただくような運びとなりました。よろしくお願いいたします。

 では、お手元のこの資料に沿って、今回は説明させていただきます。

 今、小坂議員のほうから請願書の抜粋、骨子、要旨を御紹介いただきましたので、私といたしましては、このきょう用の、きょうに向けてつくりました資料と、それからお手元のさらに添付してあります別添資料、これを持ちながら補足説明をさせていただきます。

 まず、お手元の資料の補足説明資料1なんですが、抜本的な見直しをお願いしております、それが必要な背景、言いかえれば、中央小学校・幼稚園の改築計画の基本的な問題点というところを、まず5つほど御紹介していきたいと思います。つまり、補足説明といたしまして、事細かく請願書に書けない部分、あるいはそぐわない部分というものをここでまとめさせていただきました。

 まず1つ目、幼稚園、つまり子供の数でいきますと早生まれ、遅生まれありますが、大体4歳から6歳までの3年間、3歳分というんでしょうか。小学校、これも早生まれ、遅生まれありますが、大体7歳から12歳。年の差でいきますと8歳分になるんでしょうか、こういったかなり年齢の差が激しい、それも20歳と28、30と38の8歳の違いではございません。4歳というのはおむつがとれたばかりのお子さんもあるかもしれません。それから、7歳となると、ぴかぴかの1年生と言われるぐらいに、本当に幼稚園の園児に毛が生えたみたいなかわいい子供たちです。他方、12歳となりますと、今、体格が皆さん立派になっていますので、ちょっとひげなども生やしているような立派なお子さん、お嬢さんじゃなくてお坊ちゃんもいると思います。これだけの縦に長い年齢層の子供たちが1つの施設で学び、遊びということをするわけです。場合によっては、幼稚園と小学校の子供たちがそこで接する場合もあるかもしれません。そういう子供たちが勉学する教育施設を建築する上で、全体計画から、私どもにとっては哲学が感じられないということがあります。

 昨晩も実は、現代のソクラテスと言われるマサチューセッツ州ボストンのハーバード大学のサンデル先生という方の講演をテレビで見たんですけれども、哲学の権威です。やはり哲学というものは、特に彼は政治哲学の権威なんですが、非常に何をするにも重要なことだと思います。

 さて、ここでの全体計画の哲学というのは、一体何なんでしょうか。哲学というと非常にかたい話かもしれませんが、基本的には、言葉で言えば簡単なこともございます。そういう意味で、どういう哲学をこの全体計画の中で基盤になっているのか、逆に言うと、我々には感じられないことが疑問ではないか。

 また、2番目に、それに関連いたしますが、新校舎の設計においても、今度はもう少し細かい話になりますが、教育面での設計コンセプトというのが明確に見えないことです。これは、2日に説明会を地域でやっていただきました。その際の区側というんでしょうか、出席者の中に久米設計の設計の方がお2人いらっしゃいました。私どもは教育委員会のほうにいろいろな質問を投げかけているんですが、余りすぱっという、すっきりした回答が、明確な回答が返ってこないことが多々ございました。それで、たまたまいい機会なので、幾つか質問をぶつけてみたんですが、すぱっ、すぱっと回答をいただけました。やはり専門家からいただける回答というふうに思いました。その回答が、我々にとってよいものなのか、悪いものなのかというのはまた別としても、そういう専門家からの回答をいただきました。

 それで、私どもいろいろほかにも質問があったものですから、先週金曜日に久米設計さんのほうにお伺いしまして、いろいろな哲学の話、コンセプトの話ということについても御質問申し上げました。そのときには、2日の説明会にいらっしゃった2人の設計の方は忙しくてお呼びしていただけなくて、企画部長という、むしろ位の上の方とお話をすることができました。私ども、そういうような質問をぶつけました。ところが、余りぴんと来ていらっしゃらないような雰囲気で、もちろん専門外というふうにおっしゃっていましたが、コンセプトだとか哲学というのは、この物件に絡んだ方であれば、もう打てば響く的に出てくるのかなというふうに期待はしていたんですが、そういう大きなこと、それからちょっと具体的なことも含めまして、幾つか質問しまして、私どもに、おとといの火曜日までには連絡を申し上げましょうということで、いただいていたんですが、残念ながら、連絡はいただいていない状況です。それは、こちらに御回答いただくことがまだできていない、つまりあの時点で答えられないのか、あるいは答えることがまずいのか、これはわかりませんけれども、事実としては、そういう御連絡はいただけないことで、こちらとしては残念な思いをしております。

 私どもは、危険なものをあら探ししているわけではなく、危険なものに対して安全ですよというような安心できる言葉をいただければ、それで解決というふうに見ているわけです。ところが、そういうような明確なことはいただけなかったり、あるいは我々の懸念していた事項がずばり当たってしまったりということがあるところに、やはり問題があると思います。

 3番目ですが、復興小学校の現校舎の価値についての研究が絶対的に不足しているのではないかと感じられます。復興小学校、この言葉がマスコミに登場したのがことしに入ってから、春以降じゃないでしょうか。区として、あるいは教育委員会のほうとして、復興小学校というものの名称、質、価値というものをこの計画段階で御認識されていたかどうか、御認識の度合いはどうだったか。つまり、御認識されているかどうかと、している場合でもどの程度の深さで御認識されていたか。3つ目は、それが今回の設計にどれだけ反映されているかということが問題になるわけですが、どうも、そういうところが見受けられないのが非常に残念なこととして、そこが問題点として、やはり関係しているのではないかと私どもは案じている次第でございます。ですから、ある意味で、2月に建築学会から出されたわけですが、それが復興小学校という言葉が日の目に出たとした場合ですが、その2月以前と2月以降、どのような形で研究されたのでしょうか。どんなことをそこから学んだのでしょうか。私どもとしては、失礼な申し上げ方かもしれませんが、研究の姿勢とか意思が十分には感じられないということにほかなりません。

 4番目です。法令あるいは区の方針を、まるで無視して計画を進めてきた疑いが認められるということです。この中の基本方針というのは、中央区にはすばらしい方針を持って、中央区とは言いません。我が区と言いましょうか。我が区は非常にすばらしい方針をこれまでに打ち出していただいております。後からの法令違反とも重なりますので、そのときに説明させていただきます。これは、(1)で示した哲学と全く同じものと考えてもよろしいのではないかと思います。この区をどういう区にして持っていくんだ、これがやはり政治哲学ではないかと思いますが、この法令上、そういった哲学であるところの基本方針をまるで考えに入れてなく進めてきたのではないかと疑いたくなるようなことがある点が問題かと思っております。

 5番目です。最後、計画段階において、隣接住民、すなわち、この建物と学校に通わせている、通わせないということも含めて、生活面で直接影響を受ける者及び区役所の内外の御専門の方々、これは客観的視点を持っていらっしゃる方々と言ってもいいのかもしれません。そういう方々の工夫、お知恵が入っているのかどうか、我々隣接住民の要望を本当に取り入れていただいているのかどうかというようなことが懸念されることです。つまり、隣接住民の意見がそこに取り入れられていなかったとすれば、もし、それを察して計画をいただいていない限りは、隣接住民から心配やら反対意見が出るのは当然かと思います。ですから、この計画をスムーズに進める意味で、必要不可欠だった隣接住民というのを外して考えていただいたということで、抜本的な問題があるのではないかと思いました。

 それから、専門家ということになりますと、例えば「新建築」という雑誌がございます。ことしの夏の号、ちょっと、きょう、資料を持ってこようと思ったんですが、バックナンバーでしたので、書店で買うことができませんでした。それで、中央区の図書館にも、専門誌なものですから、ないような感じでしたので、言葉だけの説明で申しわけないと思いますが、そこの特集は、学校建築なんです。つまり、学校建築というのは特集号が組まれるぐらいに特殊な設計技術あるいは工夫、配慮が必要だということが、そこで特集として取り上げられた理由かと思います。そこで、いろいろな学校、さまざまな設計者から、さまざまな学校が建築された、設計された例が載っております。そこで共通して言えるのは、近隣の住民を無視して進めた校舎は極めて少ないということです。

 ですから、そういうような建築業界といいましょうか、建築家のグループといいましょうか、そういうところでも学校の建築については非常に特殊な、また慎重にやっているところです。そこで取り上げられている近隣住民ということにも目を向けますと、やはり私ども、この建物の北側にたまたま住む者なんですけれども、入っていないことによって、計画自体に少しゆがみが出てしまったということではないかと思われます。

 以上が根本的に起因いたしまして、私どもが整理しました、これから御紹介する、また既に請願書に掲げました問題点や疑問点が顕在化してしまったのではないかと考えております。

 2番目には、見方を変えまして、区長様、副区長様、教育委員会さんから示された改築理由、いろいろな点、ところ、会場、場面、時に、改築計画として私どもに説明をいただきました。それに対して、我々は矛盾点、疑問点あるいは実態あるいは私どもの見解を簡単にまとめてみました。それがこの表です。校舎の老朽化、普通教室が狭い、現代にそぐわない、あるいはパソコンルームなどがないとか、完璧でないというのかもしれません。それから、校庭が狭い。直線50メートルをとれない。講堂に体育館機能がない。総合的に見て、建て直しが最適。中央小については、校長室が狭くてかわいそうというのは、先日、12日に区長様にお忙しいところ、機会をつくっていただきまして会談させていただきました。その際に区長さんから開口一発いただいた言葉でしたが、ちょっと私どもの視点とずれているようなお話だったので、ただ、初めの言葉ということだけでおっしゃったのかもしれません。

 この中で、講堂に体育館の機能がないというところは、私どもは賛成しております。ここで1つ補足的に申し上げますが、私どもはこの改築計画に100%反対であるとか、すべて壊してはいけない、すべて残さなくてはいけないという視点には立っておりません。現在、確かに卒業生として私が感じる限りでも、幾つかの問題はあります。現代に即さない部分もございます。それは改良していきましょうという視点でございますので、そこをここで改めて確認させていただきたいと思います。

 老朽化につきましては、日本建築学会も、保存に協力姿勢ですから、いろいろな情報、最新の知恵と工夫で御指導いただけるんじゃないかと思います。これは何が大切かというと、区に文化財を保護するという強い意思があるかどうかということに係るだけなのではないかというふうに感じております。

 また、ちょっと矛盾としては、同様の築年の十思小、京橋小は、これは小学校では現在ございません。現役ではございませんが、建物は残っております。老朽化は小学校ではなく建物です。同じ築年の建物が老朽化は解消されて現存し、さらに施設として使われている。これは、基本的には中央小学校の校舎であってもかなうことではないかというふうに感じております。

 それから、教室が狭いと言うんですが、当時は1教室50人でした。今後は70%で35人というふうになっておりますが、これが致命的に教育に支障を来すというようなことではないのではないかというふうに考えました。

 それから、校庭については、基本的にはこれは賛同いたしました。ところが、50メートルを確保するがゆえに、そのために屋上に校庭を持っていくというのは、そこには余りにも論理的に飛躍があるのではないのかな、もっと屋上校庭について、もし持っていくのであれば、屋上校庭自身の問題点、有利ないい点、悪い点、長所、欠点を整理した上で、この50メートルということについても当てはめるべきポジション、位置づけになる問題ではないか、課題ではないかというふうに思います。

 それから、総合的に見て、建て直しが最適という、総合的にどういうふうに比較検討していただいたかという科学的なデータとか御説明をいただいておりません。これは後で私どものほうから、これについては改めて言いますので、これはここだけにしておきます。

 ちなみに、ここで、やはり問題なのは、現校舎と新しい校舎がどれだけよくなるのか、現校舎よりもどれだけ新校舎がよくなるのかということで、それを比較するということが、この改築計画の判断基準の一つになるのではないかと考えます。

 それで、ちなみに、現校舎、旧鉄砲洲尋常小学校として建てられた復興小学校、中央小学校に関する限りですが、私どもが外側から見た価値というものを整理して、ここに10ほど挙げてみました。簡単にいきます。

 それから、それぞれの右端には矢印がありまして、その価値というものが何につながっているのかということを簡単に言葉で並べました。

 1番は、耐震性です。これは、もちろん新しい校舎は耐震基準になっているので、これは問題ない。防災面、安全面は問題ないというふうに考えます。

 2番目、もし大地震あるいは火災とか誘拐による犯罪も今、わかりません。非常に心配なところです。そういう場合に短時間で脱出できる3本の階段の幅と位置、それと直結した、あるいはリンクした3つの門、これがこの価値です。これは、もちろん防災、安全面のことです。

 それから、先ほど小坂議員のほうからも請願書の要約のところで御紹介いただきましたが、窓の大きさ、これは教育環境、健康、省エネでございます。健康というところを補足説明させていただきますと、当時、大震災後は胸の病気が非常に、はやりました。結核とかということなんでしょうか、肺病とか。その部分を考えた場合に、子供たちを肺の病気から守るためには光と新鮮な空気ということが、そのときの防御策の一つとして挙げられたようです。そのために、最大限に光をとり、それから最大限に風の通りをよくする。つまり、校舎のできる限り全面に風が十分に通る状態の窓をつくるということから、それがこの配慮に至っているわけです。

 それから、西側の講堂と、これは明石もそうなんですが、いろいろなところに共通しますが、西側には必ず屋根の高い、つまり屋根高の低いというか、低い建物の講堂があります。それから、校舎が囲むようにコの字型の校庭を懐に持っています。これは、あくまでも最大限に太陽光を取り入れたいという設計にほかなりません。この講堂を西側に持っていったという理由を私どもが一生懸命考えました。そうすると、放課後、一生懸命遊んでいただきたいときに、夕日、落日というんでしょうか、西に沈む日がなるべく校舎に影をつくらないためには、西側に低い講堂を持っていくのが一番合理的だという考え方です。ここでも、コの字型の中の講堂の位置一つすら、そこに配慮があるのではないかと私どもは見ました。言っておきます。この辺のところは資料がございませんので、私どもが学校の校舎と、にらめっこしながら探した価値でございます。御賛同いただけない部分もあるかもしれませんが、そこのところは、そういう経緯で整理したものというふうに御理解いただきたいと思います。

 それから、7番目、教員室あるいは教職員室、教室から校庭が見える校庭の配置、つまり、コの字型の真ん中に校庭があるという点です。これはどういうことかというと、当時、どの程度深刻な社会問題になったかわかりませんが、現在ではかなり深刻な問題であるいじめの問題とか、万が一の事故発生あるいは、その処理というんでしょうか、手当ての問題です。つまり、だれかがいじめられたとき、あるいはだれかが転んで泣いたとき、私も経験があります。見たことも、見られたこともありますが、囲まれていることによって、みんなが何が起こったんだろうということで見えます。また、いじめをするほうは、どこでどういうふうに見られているかわからないという状況をつくります。抑止効果になります。万が一何かあったときには、1階にある教員室から先生方が飛び出してきてくれます。医務室からも飛び出してきてくれます。それで、救急車が必要なときには、呼びます。1階ですから、校庭門のところに救急車をつけまして、そこから担架ですぐ運び出すということを、実際に小学校のときに1回だけですが、見たことがございます。そういうようなことで、コの字型に囲まれた校庭ということが教育環境並びに安全ということで、非常に価値のある点ではないかと思います。

 さらに、普遍的な価値が認識されているとする、いわゆる表現主義というヨーロッパのデザインを外部、内部に採用しておりまして、当時の単なる、はやりでなく、現時点におきましてもこの表現主義というのは学会でもきちっと認識され、重視されているそうです。学校というと、やはりお母さん的な柔らかさ、温かさがなくてはいけないことがあると思います。それで、カーブの部分をつくったり、どちらかというと直線で固めずに優しいデザインにしているというのも、そういうところから来るそうで、やはり教育環境、それから地域文化というところでも、非常に価値の高いものではないかと感じました。

 それから、周囲の環境と融合するトータル設計が行われている点です。御存じだと思いますが、私どもは旧鉄砲洲小学校、今の中央小学校、鉄砲洲公園、それから鉄砲洲神社、この3つが三位一体となって地域の核を形成しております。行事だとかお祭り等、催事等、いろいろなところでこの3つが有機的に結びつきながら、いろいろとその行事なりを楽しませてくれております。そういう意味で、鉄砲洲公園は復興公園ですから、復興小学校の隣につくられた復興公園、これは設計者がそれぞれでうまく有効的に活用していこうという意図があるから、そこにくっつけられております。きのうもたまたま阪本小学校の前のところを自転車で通ったんですが、あそこもきれいな広い公園がありまして、学校と一体化したというか、対になった復興小学校と復興公園のいい例ではないかというふうに見て感じた次第です。去年、そこを自転車で通過したら、こんなことは私、感じなかったと思うんですが、今が今だけに、そんなところまで目が届くようになり、うれしい思いがしている次第です。

 では、10番にいきます。洪水による水害から守る視点から床高を確保する点、これは防災ですが、御存じのとおり、中央区でも、あの地区は、どちらかというと地盤の低いところかと思います。私が今、58年間生き続けてきましたが、生まれてずっと同じところにおりまして、少なくともひざぐらいまで来たときとか、それよりも増したとき、床に水が入ってきてしまいそうになって、畳を慌てて2階に上げたとかというようなことが、やはり何回かございます。何年に一度という問題ではなく、そういうことがありました。そのために、この地区だからこそかもしれませんが、私がちょっとはかっただけでも80センチほどの南側での床の高さとなっておりました。つまり、80センチの水が押し寄せてきたとしても、基本的に校内には流れ込まずに済むということと理解してもいいのかと思います。これについては、後でまた申し上げます。

 それから、もう一つ、追加して、きのう、おととい、校舎を外側から見ていまして思ったんですが、こんなこともあったとびっくりしました。これを補足的に御紹介いたします。手洗い場なんですが、通常、手洗い場というのは廊下に面してありますが、中央小学校の北側のところの手洗い場は、手洗い場の後ろに極めて広いスペースがありました。そこの先には北側の階段があるわけなんですが、そこの間が10メートルぐらい、何でこんな無駄なスペースがここにあるんだろうというふうに素朴に感じたぐらいなんです。何かあるのかなと、その性格が出ちゃいまして、考えましたところ、私が1年生のときにそこの手洗い所で先生から、ここの手洗い所で縦に水道の蛇口の数だけ、きちっと並びなさいと指導されました。手を洗ったら、その列と列の間から後ろに抜けなさい、こういうエチケットというんでしょうか、道徳ルールを教えられたことを思い出しました。つまり、そこの手洗い場には、そういうルールを小学1年生から教えなくちゃいけないためのそこが教材だったんです。そのスペースがですね。ですから、そういうスペースというのもこの中に隠れていたということで、これはきのう見つけたものですから、11番目には書き加えられなくて、口頭で申しわけありませんが、そういうふうなことがありました。

 こんな形で、挙げれば切りがありませんが、このような設計に関する説明は、区のほうからは、これよりもまさるというような説明は、具体的にはいただけていないような状況でございます。

 そういう意味からしますと、この委員会のほうにお願いがあるんですが、この現状のこういうような特徴を持つ中央小学校の復興小学校としての価値、つまり設計者の理念とか思想と、今後新しくできるであろう計画を比較するような資料を、区の皆様から提出いただきまして、論理的、科学的に、少なくとも10、11の面から、すぐれているかどうかの検証をお願いしたいと、ここであえて申し上げる次第でございます。

 やはり私どもとしては、今よりもいい校舎になってほしいということに、ほかなりませんので、こういうところの部分はやはり壊すということと、新しいものを建てるときのプロセスとして、絶対に必要な点ではないか。そのときに、まずは、この学校の価値を一つの検討材料にいたしまして、この視点と、さらなる新しい視点からの比較評価というものによって、この計画がこのままいっていいものなのか、抜本的に見直さなくちゃいけないものかの判断材料にしていただきたく、お願いする次第でございます。1つ目のお願いでした。

 次のページに移ります。

 法令の件。法令については、先ほど詳しく御紹介いただけましたので、余り詳しいことはここで避けたいと思います。私も専門家ではございません。ただし、逆に言うと、私ども普通の一般の庶民から、この点を私なりに説明させていただきたいと思います。

 まず、1番、文化財保護条例です。

 これはどういうことかといいますと、私なりに説明させていただくと、例えば、こちらにいらっしゃるどなたか、自分と思ってください。古い花瓶が出てきました。それを捨てようとしました。ごみのところへ持っていきました。たまたま文化に精通した方がそれを見て、これは非常に文化的に価値の高いものですよというふうに言われました。そうしたら、その場合、その花瓶を皆さん、どうするでしょうか。そのまま捨てる方針を貫いて捨ててしまいますでしょうか。それとも、そんなものだったらばと、とりあえずはとっておき、そこでどなたかに鑑定していただくとか調べるとかという行動には出ないでしょうか。こういう簡単なことではないかと私は考えております。

 なぜかというと、この文化条例の宿命は、そういうふうに我が区の中にある財産が既に認められているものはいいんですが、先ほどの花瓶のように、持ち主が自覚されていなかった場合、常に専門家から指摘されるということが非常に多いケースだということです。今回は、それが日本の一番トップである日本建築学会からそういうふうな指摘を受けた。そのときに花瓶を捨てるかどうかというのは、この校舎を壊してしまうかどうかという問題です。それが速やかに、ちょっと待った、これを専門家にお願いして調べてもらおう、鑑定してもらおうというような動きが速やかに行われたかどうか。私の花瓶だったら、すぐに持っていきます。どんな価値があるんだろうと。そういうような単純な庶民感覚でのことが行われたかどうかということが、この文化保護条例の内容だと思っております。つまり、自分では認識しないものが、専門家から指摘されたときに動かなくてはいけない法律、条例、法令。

 1つ大きなことが先日わかりました。これは、先ほど、12日に中央区長様と、以下、副区長様、七、八名の方々が総勢で私どものお話を聞いていただきました。そのときに、やはり今年2月に建築学会から指摘されたことについて、動かなくてはいけなかったんじゃないでしょうかと伺いましたところ、副区長とほか1名の方が、その指摘の要望書を受け取ったそうなんですが、そのときには、これが要望書というふうにはとらえていません。だから、このときから動きませんでしたというふうに明確にお答えになりました。それで、私は日本建築学会に伺いまして、この2月3日のものについては、どういう意思で、ねらいでお出しになったんでしょうかと。

 資料1をごらんください。資料1のところに、その保存要望書というのが書かれております。このタイトルを見る限り、東京都中央区に現存する復興小学校7校舎保存要望書というふうに書かれております。タイトルは、この書類の顔です。顔に保存要望書というふうに書かれております。

 2ページ目のところ、4行目の後ろのほうですが、「そして、これら7校舎はいずれも等しく『文化財』としての価値を十分に持っている」というふうに書かれております。下から4行目になりますでしょうか、「このかけがえのない文化遺産が永く、またいずれも等しく後世に継承されますよう、格別にご配慮をいただきたくお願い申し上げる次第です。なお、本会はこの建物の保存に関して、できる限りの協力をさせていただく所存であることを申し添えます」、こういうふうに書いていただいております。これを吉田副区長さんがおっしゃるには、私は保存要望書とは受け取らなかったので、動きませんでした。基本的に、要望書をいただいたのは7月9日ですとおっしゃいました。ここで誤認されていたがゆえに、こんなふうになってしまったんだ。つまり、誤認なんです。でも、書類に書かれた文字は動かしがたいものです。保存要望書と書かれておりますので、これはやはり我が区としては、保存要望書として受け取り、その後、文化財保護条例にのっとってすぐに動かなくてはいけなかったのではないでしょうか。もしそうしていたら、明石小学校は壊されなかったかもしれないということにも、つながるわけなんです。それが7月7日では遅かった。だから、もうとまらない。ただし、花瓶だったら、本当にそうするでしょうか。やはり捨てないのではないでしょうか。7月か8月かの問題ではなく、校舎が残っている限りは、いつでもできることではないかと。これが中央小学校の現状です。

 2番目、緑の条例に関しましては、少し補足をさせていただきます。

 お手元の資料2をごらんください。写真です。今回、説明をわかりやすくするために、簡略化するために写真とかビジュアル資料を多く用意いたしました。これは現状の中央小学校のありのままです。

 一番下にいきましょう。一番華やかで縁起がいいですから。4月上旬にはこのような形で桜が咲きます。非常に見事なもので、地域では、ここで花見会というものを校庭でビニールシートを敷いて楽しむことが毎年の行事になっております。

 上から3番がこの中央小学校を囲む緑です。下からいきましょう。北側が私どもが接しているマンションです。およそ3メートル幅のグリーンゾーンに、このような形で高木、中木、低木が植えられております。

 特に感心するのは、下から2段目の右側、それから、そのすぐ上の南西の角というところです。こんな小さなところにも木が植えられているんです。貪欲なように緑をふやそうという当時の信念がうかがわれる次第です。当時、緑化法があったかは私はわかりませんが、これだけのスペースにもこんな木を植えて、現在では立派な木に育っております。

 それから、そのプールの絵の左側ですが、北東の角から写したところでは、やはり北側と鉄砲洲公園に面したところにこんな形で、木が植わっております。東側は、鉄砲洲公園の敷地の中から撮った、校門の横のところです。

 上から2段目の左側は南東の角から撮りました光景です。ちなみに、桜の木は左側の赤いタクシーのとまっているあたりから、その次の車のあたりのところにきれいに花を咲かせます。これが現状です。

 新校舎は、皆さん御存じのとおりのことかと思います。もし御記憶が薄れてしまっている場合には、今、主に使っております、この資料の次のページの右上をごらんください。中央区の新校舎計画、ここでは4階建ての校舎と開閉式の屋根つきの校庭を持った校舎で、高さ30メートル、普通のビルにしますと10階から11階建てでほとんどの1ブロックを占めております。ちょうど松屋デパートのような高さの、あるいは形、サイズ、規模の建物になります。樹木については、桜の木をわずか三、四本残すというような説明を私どもは受けております。そうしますと、この緑の条例からしますと、これで合法なのかどうか。素人目から見ますと、極めて危ないのではないか。

ところが、合法でした。これは私、東京都の緑化担当のほうに調べに行きました。そうしましたところ、この新しい校舎は合法でした。どういう基準かというと、緑化基準というのは2つあるそうです。御存じである方、ない方もいらっしゃると思うので、あえて言わせていただきますと、2つあります。敷地の中から建物の面積を引いた残りの地域、残りの土地、地面に接したところですね。その4分の1を緑化しなさい。この緑化の意味は樹木。樹木とは高木、中木、低木ということです。それから、公共の建物であるとか敷地1,000平米を超える建物は、屋上について、その4分の1を緑化しなさい。つまり、高木、中木、低木で緑化してください。この条件にそぐわないと、この条例にのっとっているということではなく、言ってみれば建築許可というんでしょうか、専門的な言葉はわかりませんが、許可がおりません。

 では、何で合法なのかというと、屋上というところが現在は全く緑はありませんが、屋上という定義は、人が踏み込むところを屋上といいます。踏み込める屋上で、ちょっと厳密に言いますと、ソーラーシステムだとか機材を除いた部分の面積の4分の1を緑化しなさいというふうになっています。人が踏み込める。ところが、今回この校舎については、要らない理由は何でしょうか。ふたをつけると、そこは、その屋根は人が踏み込める屋上とはみなされません。つまり、屋上には緑化をする必要がないということになるわけです。ですから、人の上がれない屋根、つまり子供たちが上がれないよう、わざわざつけてまで屋上の緑化から逃れようと。そうとでも思っているんでしょうかと尋ねたいぐらいに合法化したわけなんです。

 ところが、法律にのってとっていればいいというものではありません。先ほど申し上げました区の方針として、緑化ということが重要であります。都の職員の方もおっしゃっていましたが、一つの基準としてそういうものを設けているだけであって、緑化ということについては、基本的には保全です。保全というのは、現状を減らさないということです。減らさないということを念頭に設けた基準です。基準に合っているといっても、現状、この写真で見るものが3本の桜だけになってしまう。あるいは、1メートルのところに低木というんでしょうか、1メートルですから、大きな木は物理的に無理かもしれません。これも専門家ではないから、わかりません。それだけになってしまうということは、この条例の精神である、減らさないということに反してはいないでしょうか。

 きょう、実は新聞の折り込みに入っていました中央区のおしらせです。このポスターの、これはコンクールの入選でしょうか。緑をふやそうと書いてあるんです。これは非常に、我が区として、こういうポスターが選ばれるということは誇れることだと思いますが、さて実態、今進めようとしているところではどうなんでしょうか。これは合法ということは、私ども、これを隠して、きょう説明しようとは思っておりませんので、きちんと正確に御報告いたします。

 ただ、2つ目のお願いとして、委員会の方におかれましては、今回この建築計画を当該担当する東京都に提出したときに、計画書というものを添付いたします。そこには、この新しい建物の木の本数が、先ほどちょっと説明したような形の詳細で報告され、それを基準に判こがつかれるような仕組みになっております。それを職員さんのほうというんでしょうか、行政サイドから提出いただきまして、現状の状態、緑の状態を同じフォームの中に入れてみまして、その上で数字的に、いわゆるデジタルに、科学的に、論理的に、この緑を保持しましょう、減らさないで、むしろふやしましょうという、これにのっとっているかどうかという検証を、この委員会でお願いしたく要望する次第でございます。2番目の要望でした。

 次に、東京都環境基本条例ですが、これは1番目の文化財保護条例と、言ってみればペアになるような存在のもので、皆さん重々御承知だと思います。現在、個人レベルであれ、家庭レベルであれ、会社、事業所レベルであれ、自治体レベルであれ、国であれ、世界であれ、環境というのが最大のテーマになっております。その上で、我が区でも極めて誇りと思えるような中央区環境行動計画というのを打ち出していらっしゃいます。

 それで、その中では、特に、これは中央区のおしらせで10月1日のものですが、この中で、10月は3R推進月間というふうに表記され、その重要性を説明いただいています。3Rとは、御承知のとおり、リデュース、リユース、リサイクルです。ここで1つだけ、1節だけ読ませていただきます。「Reduce(リデュース)とは、ごみを出さないこと。つまり、ごみの発生を抑制し、ごみを減らす工夫をすることです。これは、3つのRの中でも、もっとも効果的で重要なものです」、これは3Rの根幹なんですね。

 そうすると、今回の取り壊しということについての3Rの中の一番大切なリデュースをどういうふうに見ていらっしゃるのでしょうか。例えば、これを今、現代、計算する科学的な方法は、これを取り壊し、新校舎を建てるときに排出されるCO2の量と、それから保存するとか、マイナーな小規模な改修にするのか、大規模改修にするかは別としても、幾つかの案を比較して、CO2の排出量が一体どれが多いのかという比較をするのが、この条例にのっとった現状の判断基準です。もちろん、これだけではありません。一つの基準です。

 これについても、3つ目のお願いとして、CO2ではどういうふうになるんでしょうかという試算もしていただき、この委員会のほうで比較評価していただいた上で、この点ではこの改築計画に問題がないのか、つまり環境を害するようなことが、この改築計画で行われてしまうのかどうか、それがないかどうかの検証を委員会でしていただきたいと思いまして、その比較評価をお願いする次第でございます。これが3つ目のお願いです。

 それから、4番、5番は基本的に私どもの得意とするところではございません。当局とか公取とか、そういうことでしょうから、ここでは請願書に書いて、かつ小坂議員のほうから先ほど御説明いただいたことだけで私どもとしては十分でございます。

 ただ、1つ言いたいことは、区民として、我が区がこういうようなことでニュースになることだけは避けていただきたい。これは1から5まで共通するかもしれませんが、中央区が法令に違反して云々かんぬんというような新聞記事だとかニュースが出ることは、区民として最大限に防いでいただきたいと考えております。困ります、それは。ですから、ここで疑いのあることについては、一部合法で、あとは哲学の問題になったかもしれませんが、少なくとも法令に関することについては内部できちっと調べていただき、クリアな状態、つまりどこから押されても何も悪い点は出てこないという状態にしてから、この計画を改めて自信を持って進めていただきたい。こういう視点でございます。私は弁護士ではございません。ですから、法律のことは、その程度のことしか言えませんが、区民としての切実なるお願いで、それを検証するためには、2と3については情報の比較による科学的な評価、検証ということにお願いしたい次第でございます。

 では、次。次のところで私たちが認識する新校舎の問題点、最後のところに移ります。

 ここは私ども、先ほども概略御説明いただきましたので、ところによっては簡単に済ませていきます。

 中央小学校の子供たちの真の幸福、区長さんからも、私どもの区は子供を大切にする区であるというようなことを言っていらっしゃいます。私はそれに100%賛同する次第でございます。それでは、幸福って何なんだろうかということを私どもが考えました。3つここで掲げました。

 1つ目に、文化・歴史的に価値が高い校舎において、誇りを持って勉強する幸福。これは、今の中央小学校をはじめとする復興小学校でしか実現できないことになってしまいますが、逆に言えば、中央小学校でできることでございます。

 資料3をごらんいただきたいんですが、そこでは私どもが中央区の区民300名に対して、春にアンケートをとった結果が、本当に簡単に1枚プラスもう1枚で整理されております。

 これによりますと、まず復興小学校ということを知りませんという方が大半でした。ただし、復興小学校とはということで新聞に書いてあったり、テレビで説明されているような文章を使って、あるいは日本建築学会さんからいただいたような、外側でおつくりになった文章を使って復興小学校について説明しますと、その価値が高いかどうかについて、92%が高いという回答をされました。強弱はございます。でも、価値があると区民から評価いただきました。これは財産というふうに言っても過言ではないかと思います。

 それから、3番目に、取り壊すことについてはどう考えるか。この時点では、ある程度NHKでも出ていましたから、人によっては御存じでしたが、取り壊さないほうがいいという方が4分の3です。

 もし、現状校舎に問題があったら、そうした場合にはどうしようか、その解決方法を聞いたところ、72%は校舎の主要な部分を残し、つまり価値は失わないようにしながら、現在の問題を解消して、工夫して改修して使っていけばよいということです。

 それから、ちょっとお金のことはわかりませんので次にいくと、6番目、最終的にこの計画をどう思いますかということで、賛成21%、つまり5人に1人ですね。21%に対して、確固たる反対、強弱はあるけれども、反対が46%、それから学者、専門家、近隣住民などの意見を聞いて十分に時間をかけて検討すればいい、これが33%。緑色のところと赤色の33と46を足すと、これも80%近い方々がそういう意見となっておりました。

 ここで非常に特異な例として、ほとんどの質問で75%以上を占める部分が存在したということです。つまり、ほとんどの質問で75%以上はこうあってほしい、こうしないでほしいということなんです。つまり、これは現状の区民のマジョリティー、つまり代表する意見の参考にするべき価値のあるものではないかというふうに感じる次第でございます。言いかえれば、この文化的価値を認めた区民は、その告知方法によっては、そこで勉強することを幸せというふうに感じていただける子供さん、親御さんがたくさん出てくるのではないか。少なくとも区民の75%は、そういう形で思っていただけるんじゃないかというふうに、ここから感じ取った次第で、幸福の中に1つ入れさせていただきました。

 2番目、教育環境面、安全面、健康面ですぐれた校舎に。ここ中央区で勉強していただく幸福、それから防災面ですぐれた校舎において安心して勉強していただく幸福、これを私どもは幸福としてとらえてみました。この点からいったら、現状どういうことになるのでしょうか。それに対して、(2)以降がございます。

 まず、中央小学校の児童の減少について、私ども住民の一人として、近隣住民あるいは学区の住民として、非常に心配しております。この改築計画が児童増加に直接、間接的に貢献するかどうかということなんですが、それが非常に難しいのではないかというふうに私どもは見ておりまして、その辺の協議もいただきたいと思います。つまり、逆に言うと、先ほどのアンケート結果のように、この復興小学校を価値としてアピールすることによって、平たく言えばブランドという価値としてアピールすることによって、子供たちが来たくなるような、親御さんが入れたくなるような校舎というようなことは可能ではないかというふうに感じたからです。

 資料4には、今までの推移がグラフに一目瞭然で整理されております。

 このグラフを示しました理由は、この懸念される背景なんですが、このグラフでは1948年、つまり昭和23年、戦争を終えて3年後ぐらいでしょうか、16クラス816人がこの学校に通っておりました。学校の数は、隣の明石、京華、明正、変わりありません。その環境の中で、こういった子供たちがいました。

 資料の関係と時間の関係で飛び飛びになっておりますので、大勢に影響ないところでぽつぽつとっていきまして、オリンピックの翌年の65年にはぐっと減りまして、9クラス288人、最低では99年、その前後は調べていませんが、6クラスで68人、現状は112人というレベルでございます。2ページ目で、人口と世帯数のトレンドで見てみました。すると、奇妙な現象が見られました。棒グラフは人口増加です。少し下がって、なだらかにまた上がっていきますが、世帯数のほうは若干下がって急激に上がっています。これはどういうことかというと、この地区に住んでいる方の中身が単身とか、いわゆるディンクス、昔でいうと共稼ぎというんでしょうか、共稼ぎは子供は関係ありませんが、いわゆるダブルインカム、ノーキッズ、2人の親御さんで子供のいない家庭、つまり少人数家庭が多く占めれば占めるほど、世帯数の上り方は激しく上っていきます。言いかえれば、人口の増加率を超えて上っていきます。こういう状態がこの地区にはあらわれているわけなんです。

 さらに、それを世帯当たりの人口で見ますと、例えば90年をスタート地点にした場合に、赤い折れ線グラフが世帯人口です。2.31から1.59に下がりました。また、一方で世帯人口のほうは、1のグラフと同じようにずっと上がっております。つまり、ここからも、この地区では少人数化しちゃっている。子供がいなくなっちゃっているということが、先ほどの中央小学校の、これはあくまでも中央小学校の学区内ですので、学区内で110人当たりを横ばい状態で推移しているということの背景ではないか。これが一番下で、世帯数で見ましたが、世帯数につきましても同じことが言えまして、やはり伸び方がおかしいんです。つまり、健全な人口増加というのは、私どものイメージするのは、いろいろな種類の家庭が集まり、お子さんがたくさんいる家庭もあり、1人のところもあり、いないこともあり、1人もあるということなんですが、ゆがみが出ているのではないか。ここを抜本的に解決しない限りは、中央小学校の児童数をふやそうということが可能なんでしょうか。

 それによって、次のページにあります予測ですね。というところで、中央小学校、明石小学校、明正小学校の3つのデータを少子化の御担当の部門からいただいたものを私がいただきまして、グラフにまとめましたが、児童数についても、中央小学校は110から119で、ほとんど横ばいです。明石は伸びていきます。明石には明石の背景があるのかもしれません。私、そこまでは調べておりませんが、先ほどのような地域になっているがゆえに、この横ばい状態が生まれているということなのではないでしょうか。

 実際に見てみましても、マンションの広告がいろいろなところに出ています。募集中と書いてあります。賃貸の場合に、賃貸料を眺めてみると、大体25万とか30万です。また、部屋のレイアウトも1LDKとか1DKとか、大体がお子様のないようなところの1人とか2人のための部屋がほとんどです。このところから、お子様がいるような建物が少ない。あったとしても、家賃が高くて住めないんです。我が区では湊一丁目に大きなマンションを建てようという計画がありますが、ここにおいても、児童数の増加の期待がどれだけできるのかというのは、家賃です。これが10万前後で2LDKが借りられれば入っていただいて、子供さんも通わせていただくことができるかもしれません。そういうような設計の賃貸住宅ができるのであれば、それが、この鉄砲洲小学校が待ちに待った児童数の増加に、この折れ線がぐっと上昇するということになるかもしれませんが、そうでもない限りは、この横ばい状態というのが27年の予測以降も続くような気がしてなりません。

 ですから、そういうようなことでは、やはりほかの面で、この地区から京橋築地だとか泰明とか私立に行かないで、この中央小学校で勉強したくなるような状況をつくることが最重要課題かと思いまして、それが新しいからいいのか、新しい建物、立派な建物がいいのか、総合的に評価して、教育、安全、防災、いろいろな面で評価し、それがいいのかということについては、いかがなものかというふうに思います。つまり、復興小学校、鉄砲洲小学校は、あと20年すると100年を超えます。

 この東京には、古い建物で立派に残っている建物は震災以前のものは極めて少ない。つまり、ほとんどの建物は震災以降に建てられたものにほかなりません。ですから、復興小学校はその代表となって、こういう形で脚光を浴びている、注目を浴びているわけですが、民間の場合には、ほとんどのものが壊されております。学校でも壊されたものがたくさんあります。でも、幸いに、現在、明石を含めれば7校、もし、きょう壊されているとしても6校は残っております。十思も京華も建物としては残っております。それをやはりそれぞれの地区の誇れる点として、また児童を増加させるための吸引力として使うことのほうが望ましいのではないでしょうか。他方、新しい建物は10年たち、20年たち、中央小学校が100歳になったときには、こっちは20歳でただの箱、ただの建物になります。箱と言ったら失礼かもしれません。片や、復興小学校は価値を増し、高め、片や近代的な建物は価値を落としていく。どっちを今、我が区としては選択しなくてはいけない岐路に立たされているのでしょうか。これがやはり近隣住民としても御検討いただきたい点でございます。

 次に、3番目、鉄砲洲地区の発展の阻害ということについて、簡単に説明します。

 これも、まず資料の1に戻っていただきまして、1の2ページ目のところで、すみません、行った来たりで。資料1です。

 建築学会からの要望書の2ページ目のところで、5行目、「という点でも」と始まる行ですが、「都内では比類なく学術的な価値の高い地域といえます。そして、これら7校の校舎はいずれも等しく」とつながるわけですが、私、仕事上、ことしあたりから地域開発、商店街復興などで仕事が入ってきて、進める予定になっておるんですが、マーケティングとか、そういう観点からしましても、地域開発を行うときには、臨むときには、その地域の宝がどこにあるんだろう、その地域の宝は何なんだろう、幾つあるんだろう、そこからまず始まります。この鉄砲洲地区の宝の一つは、この復興小学校です。ですから、鉄砲洲地区の発展を促進していただくためには、この宝物である復興小学校は必要不可欠なもので、これがなくなるということは、この地区の発展へは決してプラスにはなっていかないということを考えていただきたいんです。

 これは、この地区独自のお願いかもしれません。他の地区についてはわかりませんが、あくまでも子供が減ってしまっていたり、ちょっと人口増加に偏りがある地区で、さらに今後もいろいろな問題が出てきたりということが懸念され、取り越し苦労であればと思いますが、そういう状況の中で、この宝物をさらに磨きをかけて、この地区の繁栄をさせていくという計画、作戦、戦略というのはここでなくしてしまうのは、余りにも惜しいことではないでしょうか。

 その意味で、日本建築学会さんから出た資料5、8月16日付の日本建築学会の、先ほどもちょっとありましたが、建築学会から、これは私、個人的に読めば抗議の手紙だと思っております。その1ページ目のところに建築学会として、一番最後のところ、5月20日に5名の先生方が、建築学会ですから、学会ですから先生方なんでしょうね。先生方が中央小学校及び明石小学校を見学していただいたときに、「建築学会として記録を残しておくことと、建築の中で一部保存可能な部材を残す工夫をすることを双方で確認」したという文章がありましたけれどもというところから、これが始まりなんですね。

 次の2ページ目の経緯の(1)で、実際にこの文章が載っておりますが、これについて、こういうようなことを確認した覚えはないというのが前段の本文というふうに読みました。こういうことがなぜ起こるんでしょうか。これによって、言ってみれば、白か黒かで言えば、残すか残さないか、壊さないでほしい、壊してもいいというようなところから調査に入ったときに、壊さないでほしいと言ったというふうにいったところに、記録保存とか写真とか一部保存というのは、基本的に壊すというような確認をするわけがない、絶対にしていないと。公の席にこのような書かれ方をしては困りますというのが、この8月16日に、これはちなみに7月7日に同学会から明石小学校が重要文化財相当の価値すらあることが認められましたというところの次に出た書類ですけれども、そこで非常にこの佐藤会長は御立腹されてしまったというふうに建築学会の方からは、又聞きで恐縮ですが、伺いました。私どもが直接お話しできるような方ではございませんので、又聞きでしたが、そういうふうに伺いました。

 そうすると、私どもは、さきに資料1で読みましたように、建築学会さんが協力します、保存に協力します、または貴重な地域だと言っているんですから、多分地域を含めた上で協力します、もちろん耐震に協力しますということで、それだけ我々に対して協力を示していただいた関係が、向こう側からそっぽを向かれちゃったと。これは、だれが、なぜこんな状態をつくってしまったのでしょうか。区民としては、極めて残念というか、怒りにも近い印象を覚えざるを得ないところなんです。ここを、やはり文教委員会さんか区の職員さんかわかりませんが、やはり建築学会と早急に関係を修復していただきまして、私どもが聞きに行っても、今、きちっと協力体制がとれていますというふうにおっしゃっていただけるような状態にしていただきたいと思います。今はいろいろ協力していただいているそうですけれども、建築学会さんのほうで言うと、まだ、この問題は解決していないというふうにも担当者の方はおっしゃっていました。

 それから4番目、一番重要な子供たち、校舎で学ぶ子供たちの教育環境の悪化と危険性の問題について、ざっと説明いたします。

 これは、次のページをごらんいただきますと、わかりやすいので、あらかじめ、時間短縮の意味で、お手数ですが、見ながらお願いしたいと思います。

 次のページは何かというと、さきに紹介しました桜の木の正面の玄関。実はこれは中央小学校のシンボルなものですから、こういうことになって、この下の2つの黄色だ、緑だ、青だというところが、現状の校舎というふうに御理解ください。ただし、これは後で説明するリノベーション案ですから、実際にはこれと違いますが、おおむね左と右をつなげたような形で、コの字型の真ん中に校庭があるということで御理解ください。

 その周りに、先ほど写真で説明しました木がずっと連なっている、植わっていると。他方、参考の比較として、右上に掲げてあります写真が、区のほうからいただいた校舎で、先ほどもちょっと桜の木で説明しました、桜の木は左手前の南側の部分に植えられるという予定を聞いております。この2つの校舎について論じていきたいんですが、可動式の屋根を設置した屋上校庭というのは、いかに危険なものかということを私どもは懸念しております。つまり、そういった危険性をきちんと検証した上で、これを進めていただきたいという意味で、ここに書きました。

 まず1番目には、教員室や教室から広く見渡せる環境になっていない。先ほども申し上げましたので、もう一度は言いません。何かあったときに見えるかどうか。新校舎については、屋上ですから、それを囲むように教室、教員室があり得ません。つまり、コの字型に囲まれ、いじめの抑止効果としても、万一のときの発見と対応を早目に行うためにも、そういう環境に宿命的になっていないわけです、そういう意味で。

 次に、屋上からのボールの落下。これは高さ25メートル相当というふうに考えられますが、私どもはこれを非常に問題としております。なぜならば、この写真の手前側にありますが、ちょっと三角っぽい桜の木の右側には幼稚園の園庭が配置されております。そうすると、もし屋上から、この立ち上がりの外壁、これは何かというと可動式の屋根のレールがこの上に設置されている必要不可欠な壁だそうですが、そこを越えてボールが落下してきたときに、幼稚園の園庭に着地した時点で時速80キロで園児を直撃する可能性があります。これをどういうふうにお考えになりますでしょうか。これについては、設計士の方も、安全ですとか、大丈夫ですということは、その場では、質問した場、すなわち2日の説明会では明確には即答というか、回答はいただけませんでした。

 他方、ここで教育的な部分なんですが、その加害者、被害者がいるということは加害者がいます。ボールが自然に飛んでいくわけがありません。ユリ・ゲラーだって無理です。その加害者となった児童が死傷させちゃった人に対する心の傷、これを教育的な関知からどうとらえたらいいんでしょうか。一生残ると思います。それでいいんでしょうか。そういう環境がこの新校舎にはあるんです、普通の我々素人から見ただけでも。

 さらに、命とは直結しないかもしれませんが、やはり、冒頭のほうで申し上げました子供にとっての光の重要さというものがありますが、久米設計さんの技師の方に聞きましたら、屋上校庭、つまり四方を囲まれている屋上校庭、写真で見るような形での屋上校庭の、幼稚園の園庭、ごめんなさい、校庭に日影部分というのはどのくらいできるんでしょうか。つまり、全面こういうものをつけない場合には、屋上にあるという優位性から、日の出始めるのも日の沈まるのも、高層ビルがあるにしても、基本的には非常に長い時間照っていると思われますが、こういう囲いをつけるために、つまり屋根をつけるためには、こういう施設がそれに伴って必要なために、日影の部分をつくってしまう。

 一つの、我々がシンボリックに使う基準として冬至の日、どのくらいのパーセンテージで日影になるんでしょうかと聞きましたところ、これは計算していただいたみたいで40%という回答を正式にいただきました。つまり、10分の4が日影になっちゃっている。こういうところで、子供たちにふんだんに日の光を浴び、特に寒いとき、太陽の温度と光が大切なときに、こういうような状況をつくってしまう屋上校庭というのをこのままつくってよろしいんでしょうか。言ってみれば、原田俊之助技師の子供たちにできる限りたくさんの日を与えてあげようということからは真っ向から反対側にある設計ではないかと思います。

 それから、さらに幼稚園の園庭についても、どういうわけかわからないんですが、南側に位置しております。先ほど写真で説明しました。改めてしません。でも、現在でも南側には12階建てのマンションとか8階建てのビルとか、今後も低いものは高くなっていくような様相を呈しております。今、駐車場になっているところにはもうマンションが建つんだろうと。季節によっては、1日じゅう日影になってしまうんです。ここでも日がなくなるんです。他方、コの字型の校庭というのは、懐が深いですから、自然の太陽の軌道と周りそのものを受け入れ、なおかつ周りの建物からの影響を受けにくいのが懐の深い校庭なんです。

 実は、私は三丁目の高層マンションが建つときに、心配だったので、いろいろ業者の方と話しました。日照図を提出してくれました。やはりシンボルとなっている冬至の日でした。そうしたところ、びっくりしたことに、中央小学校の校庭がすっぽり日影になるという図でした。これはやはり、そのときはこういう立場ではありませんでしたし、こんなことは考えておりませんでしたが、それはまずいので、少なくとも階数を下げて、もっと校庭に日が当たるようにしてほしいという要望を出しました。幸いに2階、低くしてくれました。それによって日影の部分が少なくて済んだということが私のみずからの体験でございます。ですから、そういう意味でも、この屋上校庭はどんなものかというふうに思ってしまう次第です。つまり、屋上に校庭というのがふさわしいのかどうか。

 次が、それで一番重要なところです。

 頻度は低いですが、いざ起こったときには大変になるだろうということの心配で、この屋上の利用目的の大きな点として、屋根をつけた屋上校庭に広いグラウンドをつくることによって、運動会などを雨のための順延などをせずに、また大回りのできるグラウンドで開催できるというふうに、この計画の特徴、つまりメリットとして説明していただきました。

 ところが、現在120人ですが、120人を原点としても、児童と、それから保護者の、御家族の方々、おじいちゃん、おばあちゃん、妹、弟もいるかもしれません。それから来賓の方々、教職員の方々、町内の方々ということになりますと、数百人レベル、つまり500人だとか600人の方々が上に上がっている日も現実的にはあると考えます。そのときに万々が一、防災はあくまでも万々が一のことを想定したときのための防衛ですから、万一という言葉を外すことはできませんが、万一地震など、火災など発生したときに、その700人がどのようにして逃げるんでしょうか。5階の校庭屋上です。その中には、楽しみにしてきたつえをつく、うちの父のような高齢の者、車いすで来ている方、それから赤ん坊、おしめをかえている最中のお母さんもいるかもしれない。さまざまな人たちが上で楽しみにしていた運動会を参観するわけです。そのときにぐらっと来たとき、どうするのか。もちろん、揺れがとまってから、そういうような防衛の御指導だとか訓練はされているのかもしれません。しかし、この人たちを対象に事前に訓練するということは物理的に無理ですから、本番での対応ということになりますが、そのときに700人という数がどういうふうにそこで動くんでしょうか。

 幸いに、現状の校舎では屋上は屋上で、それは校庭と違いますから、運動会もいたしません。通常の遊び場としてしか使いません。ですから、そういう心配をすることはありませんし、南と北に広さ、幅2メートルずつ、合計で4メートルの階段が屋上から最下階までおりていまして、直近してビルから出る門が備わっております。現状はどうなっているんでしょうか。図面で見る限り、これと同じような、つまりそのいいアイデアを生かしているというような設計にはなっておりませんし、500人、600人という想定をしたのでしょうか。

 これを文教委員の皆様方にはじっくりと審議していただきたく、そのための材料として、現校舎では、先ほどの前ページにありますが、東京工業大学の藤岡教授は、3分となっております。この出所はわかりませんが、3分というふうにしております。つまり、屋上で運動会はしませんから、平常時だと思います。3分としております。ところが、もっといい事実があります。現状で至近の防災訓練のときに避難した時間が、避難ブザーを鳴らしてから避難が終わるまでに何分かかったかという記録を取り寄せてください。

 それと、新しい校舎における通常時の避難、それから屋上に500人程度の、先ほど言いましたいろいろなタイプの方々が上がったときの避難の時間、この3つのデータをとっていただき、それで安全かどうかの検証をお願いしたいと希望する次第です。これが4番目のこの委員会にお願いしたい。これはあくまでも、この建物が今よりもいいものになっているのか、逆なのかを検証する重要なファクターの一つですので、やはりそういう面からの論理的、科学的な思考、審議を行っていただきたいと切に切に願う次第でございます。

 ですから、早急には結論が出ませんが、区民のアンケートにもいろいろあるように、じっくりと時間をかけて検討してください。このメッセージがここでも伝わってくる次第です。

 最後に、心配点として、屋外の長い直線階段の危険性という……。ごめんなさい。その前に資料6があります。

 最後の資料6、これを使ってやらないと、せっかく打ったことが無駄になってしまいますので、資料6が、これが屋上校庭のことで、前のところで問題にしてきました屋上校庭とは何ぞやという写真です。私は、ここから見る限り、屋根の開く体育館、つまり室内としか見えないんです。室内に屋根がつき、運動ができるようになり、そこがあくという状態にしか、太陽光の差し方、これは千代田区の昌平小学校のホームページからきょうは拝借してきたものです。私的に使うものということで、売買するものではありませんから、ここで使わせていただく材料としてお持ちいたしました。

 ここで、やはり皆さん、ぱっと見ていただいて、どう感じていただけますでしょうか。まず、暗い。これは写真のせいかもしれません。屋根に覆われてしまっている。これは、開閉式の屋根が3分割、つまり6枚の屋根でこの天井をカバーするわけですから、詳細設計は我々はわかりませんが、基本的に10の広さがあったとすると、両側におさまる位置が必要ですから、6分の2、つまり3分の1はこれによって日影は宿命的にできちゃうんですね。それから、開いたり閉じたりというためのレールがそこに必要なので、そのサイド側、つまり中央小学校からすると南側と北側に壁を建てるしかない。この壁を建てないと、外への危険だとか騒音の問題なんかがまた出てくる。

 いろいろなことでがんじがらめになってしまうのがこの校庭で、千代田区のほうに、これは私的なものですから、そこを改めて公的に調査をかけていただきたいんですが、千代田区ではこれ以降、これを評価して、ほかの学校にも採用しましたかと聞きましたところ、いいえ、していません。では、これ以降、学校は建てなかったんでしょうか。はい、建てました。では、何でこのすばらしいと評価してつけた可動式屋根の屋上校庭を採用しなかったんでしょうか。その方は、いや、やはり問題があったからと。

 その具体的なこと、なかったならなかったでもいいんですけれども、具体的な内容については、ここで私が述べるには、余りにも軽々で責任が持てませんので、これについてもやはりきちっと調べていただきまして、PTA、子供、それから職員の方、区役所の方、いろいろな角度で生の意見をとっていただいて、この何億かを占める、全体の予算の中の何%かを占めるこの可動式の屋根の屋上校庭というのをこのままつくってしまっていいのかどうかという点を検証していただきたいと、5つ目としてお願いする次第でございます。

 最後、住民にとってというのは、先ほど出てきたボールの落下です。つまり、先ほどは幼稚園の園庭ということで危険性として御紹介しましたが、そこでも述べましたことは、北側とか他のところでも起こります。そこの下を歩行者が歩いていた場合、4.91、4√2とか、そういう計算式で当てはめてみますと、理科で習ったとおりですと、時速80キロメートルでその人にボールが当たります。サッカーボールが当たったとき、ちょっと力を入れて蹴っちゃって、テニスボールが当たったとき、80キロ、どういうふうになるんでしょうか。

 ちなみに、素人では100キロを超える速度の野球のボールも投げるのは大変だということを言っていました。ですから、そのくらいのボールが上から落ちてくるということを想像していただいただけでも、寒気がすることではないでしょうか。これについては、対症療法的に幼稚園のところに屋根をつけるとかネットでかぶせるとか、そういう対症療法はあるかもしれません。ただし、私たちとしてはいろいろな問題を加味したところ、やはり抜本的に見直しをしていかないと、これはだめなのではないか。保存を含めて、リノベーションを含めてというところに至った次第でございます。

 これはこの程度にしておきまして、次、防災についてです。

 現在、御承知のように、我が国あるいは世界的に気候が異常化しておりまして、今までになかったようなことが起こります。つまり100年間起こってなかったのに、あした起こった場合には100年に1度というふうにテレビで報道されるわけです。200年なかったら200年に1度です。ですから、今、何年に1度起こるなんていうことは余り意味がないんです。実は、私、昨年から防災関係の仕事にタッチいたしまして、長野県で防災、地域を回って調査するなどいたしました。長野県の小谷村の洪水、土石流、それから岐阜県の中津川市、それから宮崎県椎葉村、山口県、問題のあった高齢者施設がダメージを受けた防府市、それから鹿児島、これは火山災害の桜島です。それから、広島県。

 実は、私の携帯の中に、こういう県から、注意報だとか避難勧告が出たときに自動的に入る仕組みができております。そうすると、集中豪雨が発生だとか注意だとかというのが、特に夏のときには頻繁に入ってきました。心配がなければいいがなと遠い空で案じていた、安全を願っていた次第です。とにかく最近、多いんです。ですから、防災という意味では、何年に一遍とか、そういうことは基準になりません。何があるかわからないというところで備えなくちゃいけないというふうに、ひしひしと感じている次第です。やはり去年よりはことしのほうが多いです。ことしの夏はひどかったです。

 それで、ゲリラ豪雨による校内、どうなるんだろうか。現状の床高は30センチ。前のページでの現状は80センチ。この50センチの差はどういうふうに考えたらいいんでしょうか。ベターになったんでしょうか。それとも悪くなったんでしょうか。危なくなったんでしょうか。この点も質問しました。そうすると、その30センチですけれども、防波堤、防水堤をそこに仕掛けるようにはできますというふうに技師の方がおっしゃっていました。どのくらいの高さのものでしょうか。お答えは30センチでした。では、それをだれが防波堤をそこに設置するんでしょうか、そういう形跡が出たときに。

 先ほど言いましたように、ゲリラ豪雨というのは一部で起こります。例えば、防府のときの山口県にしても、山口県防府市役所では、そこにそんな雨が降っているとは思ってもいなかった。ほかのほうに行っていました。それから、長野県のあるところでは、諏訪湖の水のほうにばっかり意識が行っていて、あるところで、全くデータのないところでどんと降って、土石流が起きた。ですから、中央小学校の真上でゲリラ豪雨が起きたときに、だれがそれに気づいて、行って、短時間でしなくちゃいけないことを、防波堤を隅々に配すのでしょうか。夜中だったらどうするんでしょうか。明確な回答は設計者からはいただけませんでした。

 さらに、その防波堤を越えて水がふえてきたときにはどうするんでしょうか。どんな方法があるんでしょうかと言ったときに、それは無理ですと。ですから、現状80センチならば、校庭に、あるいは校内に入らないというギャランティー、保証されているものが、30センチになるか、あるいはだれかが防水堤をたまたま入れられるとしても、60センチになり、まだ20センチ低い。これが新しい校舎はよくなった、心配ありません、安全ですとなるんでしょうか。これが私どもにとって極めて心配な点です。これは地域とも密接します。

 また、地下に水が入ったときの後の金銭的な処理ですね。これはよく、うちのほうでも、ちょっと低い地下に1階を設けたビルでは、本当に泣いております。エレベーターホールに入っちゃったときのその後の費用の膨大さ、これにはもう倒産しそうだと。それだけ水の被害というのは、我々が普通に想像している以上の被害。そのとき、その後に金銭的、人的、物的に被害をもたらすんです。ここを考えていただいた結果、30センチの設計とか、防波堤を挟めばいいというようなことにされたんでしょうか。非常に私どもは心配です。そういう点で、改めて久米設計さんのほうのこの設計コンセプトを聞いていただきたいと、この委員会にお願いする次第でございます。

 それから、最後に防災倉庫の不適切な位置は、先ほど御紹介いただいたように、真ん中にありますので、基本的には大揺れになったときに地域の防災担当、私どもの町会ではナガサキさんという方が長年御尽力いただいていますが、その方なり、そのグループの隊員の方がすっ飛んでいって、すぐ何かをあけて防災出動する。そのときに地震があった場合に中に入らなくちゃだめ。中にかぎがあかない、あるいは、かしいであけにくい、行ったところが、中のドアもあかない、2枚、3枚あけていかないと備蓄品がとれないというのでは困ることから、やはり、外壁に沿ったところに設置し、扉を両方につけておくということの合理性があるのではないかというふうに私は、素人ながらも個人的に考える次第でございます。そういうふうにはなっておりません。1つ、小さいのはそうなっております。ただし、これも私が当初2月にいただいたものについては、ありませんでした。この問題を教育委員会さんのほうに、こういうような心配がありますというふうに御連絡して以降に、私どもが見る図面にはありました。

 もう一つ言うと、屋上からおりる階段も、最近たまたま資料を拝見したら、そこに1本階段がふえておりました。私どもがいただいたものにはなかったものです。つまり、危ないというふうに感じていただいているから、そういうふうに、私どもの言っていることを多少なりとも御理解いただき、問題視していただいたからこそ、そういうような、少しでも反映させようというふうに思っていただいた努力のあらわれとして、私どもは歓迎したいとは思います。

 何度も言うようですが、抜本的な改革がこれには必要なものですから、そういう対症療法、小手先、マイナーチェンジではだめなところまで来ているというところで、復興小学校の保存のところも含めて、じっくりと御検討いただきたい。近隣住民につきましては、ここに書いてあるとおりでございます。近隣住民とはいうものの、ここに焦点を当てておりません。7番目までのところ、つまり1ページ目から2ページ目までの7のところが私どもが重要視しているところでございます。

 実際に、次のページを見ていただきますと、私どもは、ただ単にこの景観について何でも反対、かんでも反対、この校舎はアンタッチャブルであるというようなことは言うつもりはございません。それがゆえに、2月15日の時点、つまり説明会を最初に行っていただいた1月の末及び建築学会から2月3日に要望書が出た。たまたまその12日後になったんですが、私どもは、実際に、ではどういう学校ならばいいんだろうということで、2つほど案をつくってみました。

 もちろん素人ですから、技術者がつくったものではありませんが、お絵かきに少し色が加わったもの程度というふうに考えていただいて結構でございますが、私どもはこのコンセプトは復興小学校を残し、現状の問題を解決するべく、現状のプールのところに地下1階に屋内プール、2階、3階に体育館、それで、屋根は現状の3階の復興小学校の校舎と全く同じにするということで、若干の北側へのプールとは、現状のプールではほとんど比較できませんから、それと比較する場合には若干そこのところでは我慢してください、協力してくださいということは必要なものの、これで復興小学校を守り、プール、体育館、講堂の部分を解決し、校庭も1.何倍か、2倍にはならないと思います。これは原寸ではありませんので、何倍になるかはわかりませんが、これよりももっと広くなりそうです。実際にこの間、中に入って、発掘文化財の調査のところで入らせていただきました。自分の記憶よりもずっと大きくなりそうです。これによって、50メートルが必要かどうかは別ですけれども、50メートルについてどういうふうにとっていくかということができますし、またB案については、もっと広くして、若干校舎を少し削った分、校庭を広くし、プールと体育館を同じようにつくる。これはどちらのほうを優先するかというプライオリティーの問題でA案、B案を御検討いただけるようになっております。プライオリティーというのは、何が優先か、優先順位ですね。どっちのほうが大切なのか、プールをとるか、校舎をとるか、校庭をとるか、そういうところです。いずれにしても、失うものはございません。

 それで、区からは総合的に見て、この計画が適切であるという最終結論に達したために進めているというふうに説明を伺っておりました。私どもでは、総合的に比較してみてはどうかということで、最後のページですが、28項目で、いわゆる総合評価という論理的なチェック、評価をさせていただきました。

 28項目の構成は、一番左にあります基本機能・教育環境、2番目、黄色のところの子供たちの安全、事故防止、次、防災、建物自身、景観、環境、その他、こういう分け方をして、合計で28項目をここに想定しまして、現状でマイナーな改修をした場合、区の計画をこのまま進めた場合、それから私どものA案、B案、この4つについて、これは非常に単純に見えるんですが、マーケティングの世界では極めて優秀なメソッドとして、さまざまなところで取り入れられ、これを基準に合理的、論理的、科学的に物事を評価する資料にしております。ハーバードでも使っております。というような手法をちょっとやってみました。この評価の仕方は、非常によいであろうとしたときには◎を、よい、あるいは深刻な問題はなし、まあいいのではないのか、容認できるレベルで○、やや問題ありは△、非常に問題ありは×という形で、これは私どもの判断で恐縮ですが、とりあえずこのメソッドを使って総合評価させていただきまして、◎には3ポイント、○には2ポイントというぐあいにポイントを与え、×はゼロとさせていただきました。これはゼロであっても1、2、3、4でも、これはゼロ、1、2、3でも、1、2、3、4でも、マイナス1、ゼロでも結果は変わりありません。

 それぞれのグループごとのポイントと、それから総合評価を出しましたところ、現状で改修して、素人ながら考えてみますと、60点になりました。区の計画では34点、A案では64点、B案では65点という結果に行き着きました。この方法については、これは絶対的ではありません。

 まず、2つあります。1つは、評価項目に不足点があるのではないでしょうか。これがあります。このメソッドの最大の欠点でもあります。ですけれども、それは欠点として、基本的には解消されます。逆に言うと、ここに評価基準というものを与えていこう、ふやしていこう、こういう点からも、こういう側面からも評価してみよう、そういうことができるようになっています。

 もう一つの点は、これは◎じゃないんじゃないか、○なんじゃないか、△じゃなくて×なんじゃないか、こういう見方も世の中ではいろいろな見方があります。それも変えてみてください。皆さん方で、つまりこの委員会でそういうことをしていただきながら、そういう採点をしていただいて、総合的に比較評価をした場合にはどれが好ましいかという結論を出していただくための材料に活用いただけると感じている次第でございます。

 さらに言うならば、これとこれは重要度が違うのではないかという場合もございます。例えば、人命にかかわることについては、比重が高いんじゃないのか、これは低いんじゃないのかといった場合には、重要なものについては3ポイントに1.5倍とか2倍とかというふうに加重をつけてください。それによって、大切なことはより重視され、どうでもいいことは軽視されるということが科学的にできるような仕組みになっております。そういう手法、メソッドです。

 こういうような形できちっと時間をかけ、きちっとというんでしょうか、十分に時間をかけて、さまざまな角度からこの50億もかけて行い、心配点がこれだけ挙げられている点を審議していただいて、結論を出していただきたいと思っております。

 最後となりますが、3つほど簡単にお願いいたしますと、まず議員の皆様、いろいろな見識、御経験をお持ちかと思います。私にあるところから伝わってきたところによると、私がこの説明をここでさせていただき、皆様方の補足説明によって、データによって皆様方の情報をさらに増していただく、理解を深めていただこうという、この席が皆さんに検討していただく判断基準の一つのスタート時点と考えておりました。資料は、渡されているのは請願書だけです。ただ、その時点で私どもの請願が却下される、つまり採択されないということを我々はもう決めているというお話が漏れ伝わってきました。それはどういうことなんでしょうか。2つあります。1つは、私どもがまだ説明していない時点で、そういうことってあり得るんでしょうか。時期尚早なんじゃないでしょうか。

 2つ目、会派で決まっているというふうなおっしゃり方だったんですが、一人一人の議員の皆様方がどう考えるかということが議会なのではないでしょうか。私は、議会のことについては一切わかりませんし、慣習も法令的なことも全くわかりませんが、一人一人の議員の皆様方に、きょう私が説明させていただいたことを御本人としてお考えになって、その上で結論を出し、裁定をしていただきたいと、心より深くお願いする次第でございます。

 2番目には、私ども非常に不自然で不自然でたまらなかった点があります。このように我々が素人でも考えられる危険性が問題だとか、復興小学校が価値があるのに、なぜこのまま進んじゃっているんだろうか、なぜ壊しちゃうんだろうか、なぜこのまま建てちゃうんだろうか、久米設計さんでも危ないだとか、そういうことは考えてなかったとかというものが、何で今、このままいってしまうんだろうか。そこで、私どもがいろいろ分析というか、いろいろ話して、一つの仮説として出てきたのは、この計画は廃校のための第一歩なのではないでしょうかということです。

 つまり、基本的に、こういう生徒数でこれが成り立たないがために、廃校にしてしまうことがどこかであって、そのためには廃校後を念頭に置いた建物に視点を置いて設計をしなくてはいけなかったのではないでしょうか。だから、小学校として建てる建物じゃないがゆえに、いろいろな問題点が、子供の視点から見たら、問題点がこんなに我々にとって鏡に映し出されるように出てきてしまうのではないでしょうか。病院として建てた、その病院としての設計コンセプトで建てた建物を、小学校で一、二年使おうといったって、一時的は別としても、使っていこうというのは無理です。体育館として建てていく建物を病院にすることは無理です。

 ですから、ここで私どもが感じたのは、この設計計画は次に使う建物のためにつくられたもので、小学校として使い続ける限りは、こんな問題が起きてくるということです。だから、出てくるんです。そうとしか、つながらなかったんです、私たちには。であれば、コの字型の校庭は邪魔なんです、今後も今も、ましてや将来は。こういう見方は、いかがなものでしょうか。でないと、私どもの分析と、この計画を推進していかれる皆さんのエネルギーとがリンクしないんです。なぜなんだろうが解決されないんです。いかがでしょうか。そういう視点に立って、この計画をこのまま進めていいのか。ちょっと立ちどまって振り返る必要があるのかを考えていただきたいのです。

 町会の人たちは全員が、この学校が永遠に続くことを願っております。言いかえれば、廃校はとんでもないです。ところが、このまちの状況から、廃校がまるで背中からナイフで脅されているように、毎年毎年降りかかってきて、何人が入学するのか、園児は何人なのか、そこから何人上がってくるのか、廃校との影の見えない闘いをして心配で心配でしようがない状態です。ところが、この計画はその方々が推進派に回ってやっていると。その裏には、裏とは言いません。その先には、私たちが見る限りは学校としての建物でなく建てているんです。これでいいのでしょうか。

 そういう面で、お一人お一人の議員の皆様が、これをもう一度洗い直していただきたい。そうでないと、町会の人たちも惨めです。それよりも子供たちは不幸です。それが区長様がおっしゃっている子供たちの幸福を優先してこの計画は進んでいると言えるのでしょうか。目的の建物と違った建物は、本来の目的の役割は果たしません。だから、こういう問題が起きるんです。いかがでしょうか。

 それから、最後、3つ目は、この請願の内容は極めて特殊な状況にあります。つまり、我が区において、たばこのポイ捨てをやめるようにしましょうという請願ではありません。現状、あすかあさってにでも、この復興小学校にドリルが入って壊されるかもしれないという、少なくとも中央小学校にはそういう環境になっております。

 まだいつからかは私どもは知りませんが、これは説明会が2日に開かれました。法律上は10日後からは壊せるんでしょう。壊し方もいろいろあるかもしれません。でも、この請願の中には、その本体である校舎を壊さないで残そうという内容が含まれております。ですから、委員長さんにおかれましては、この計画をまず一時中断していただいて、この結論が出てから、その結論にのっとった形でこの計画を再度進めていただかないと、この請願の意味がないどころか、皆さんに審議していただき、決議していただき、私どもにとっては、この復興小学校を残そうといったときに影も形もない状態なんです。これが今回の請願の極めて特殊な性格なんです。後には戻れないんです。御理解いただけますでしょうか。

 ですから、いろいろなルール、法律はわかりません。でも、きょう私が申し上げました、説明した補足説明、もちろん、たかが10ページのつたない、小坂議員にお手伝いいただいて、非常に立派な請願書ができ上がったわけですが、このような文章では説明できなかったこと、また、絵やグラフでないと十分にわかっていただけなかったことを今回説明させていただいたわけですが、先ほど申し上げました4つ、5つの検証による審議、それから最後に申し上げました一時中断による、言ってみれば審議を無視するというんでしょうか、無駄にするというような、片や進め、片や真剣に審議していただいて、その結果によっては取り返しがつかない、いわゆる時間は巻き戻せないと。

 さらに言えば、あのコンクリートは、今、復興小学校で使われている少なくとも明石と中央のコンクリートは、今はこの日本では得られないコンクリートのように質が高いというふうに専門家から伺いました。その逆の最たるものが山陽新幹線の橋げたです。あれは、あのときに急につくった、海砂でつくったために、いろいろな問題があって、各地で補強されております。トンネルの天井は落ち、柱は傷み、中央小学校、明石小学校、言いかえれば復興小学校で使われているコンクリートは今、手に入らない。ですから、復元は無理なんです。そういう価値あるものを私どもが中央区に6つも持っていて、それが地域振興にも、また我が区の看板にも、また全国から注目される区にもなるような復興小学校を1校なりとも壊さないでいただくようにお願いをすることで、最後とさせていただきます。長い間、どうもありがとうございました。

○青木委員長
 それでは、委員の皆さん、請願代表者に対する質問ありますか。

○鞠子委員
 御苦労さまでした。

 それでは、幾つかお聞きしたいと思います。

 最初に、11月2日に近隣の住民の方を対象に説明会があったとお聞きしておりますが、きょう御説明のあったさまざまな御指摘の問題について、11月2日の説明会ではその点の疑問は解消したと受け取っておられますか。

 それから、2日にはいろいろな意見が参加された方から出たと思いますが、主な意見として、賛否両論あったと思います。どんな意見が2日に出され、それに対して区側なり、あるいは設計会社でしたかね、久米設計とおっしゃっていましたが、側から的確なお答えがあったというふうに認識されておられますか。そこが1つです。そこがまず第1点です。

 後でまた、幾つかお聞きします。

○請願代表者(髙橋義明)
 その1つ目の質問、確認のために繰り返します。

 先日、11月2日に区民に対して説明会があったときに、どういうようなことが区民から出たかという御質問でよろしいでしょうか。それに対してどういう……。

○鞠子委員
 それと、きょう御説明の疑問点にその場で的確な回答があったと認識されているか。

○請願代表者(髙橋義明)
 私どものですか。

○鞠子委員
 はい。

○請願代表者(髙橋義明)
 お答えします。

 まず、このすべての質問は、その時点では時間の制限等で質問をすべてできませんでした。幾つかの質問に限定されました。それに対して、どういうような回答をいただいたかというと、大きく分けて3つあります。1つは、ずばりお答えいただいた。2つ目は、ちょっとわからない。3つ目は、これは個人です。あなたにはもうそれは回答してあるから、ここでは回答しません。この3つです。私は、その3つ目に対して、ここは私と区の皆さんとの場ではないので、私と同じ、今投げかけた質問に対して答えを聞きたい人もたくさんいらっしゃると思うので、答えるべきだというような旨のものを短い言葉で申し上げましたが、それには対応いただけませんでした。それで答えになっていますでしょうか。

○鞠子委員
 きょうのような詳細な疑問点などは、2日はできなかったということだと思います。

 次にお聞きしたいことは、中央小学校の小学校改築準備協議会というのができております。御存じかと思いますが、区の資料によると、第1回が平成21年3月10日に開かれております。構成メンバーなんですが、私たちが議会で提出してもらった資料によると、中央小学校について言うと、学校関係者、PTA関係者、町会等関係者、区長部局、教育委員会部局ということで委員がそれぞれ分かれています。学校関係者は校長さんとか副校長さん、それからPTA関係者は現職のPTA会長、副会長、歴代のPTA会長の方々です。町会関係者は、入船、八丁堀、鉄砲洲ラジオ体操会、中央区学校防災拠点運営委員会委員長と、これらの会長さんとか代表者の方というのが構成メンバーになっております。この構成メンバーで、まずお聞きしたいのは、きょう同じ中央小学校の学区域にある、しかも卒業されておられる方もおいでですが、そういう地域に根差した学校をというふうな思いは一緒だと思いますが、そういう思いが改築準備協議会が今のような構成で幅広くそうした皆さんたちの声が生かされるような構成だというふうにお考えでしょうか。1つはですね。

 それから、経過を見ますと、平成21年の、中央小学校でいいますと、改築準備協議会が開かれたのが第1回が平成21年3月10日です。これはなぜ協議会をつくるかという発足の目的などをやったということです。2回目は4月9日、ここでは千代田区立昌平小学校見学会を実施しています。これは御存じのように、後で私も言いますが、屋上の校庭を唯一の学校ということです。これが1カ月後には見学していると思います。あと、21年でいくと4月30日、21年7月、21年10月と、この資料によると出ています。それから、区民あるいは今言った改築準備協議会でないところへの説明はどうなっているのかという資料ももらっていますが、最初のが平成20年10月、地域住民、学校、幼稚園PTAで、出席者14名ですが、ランチルームで小学校改築3校の選定及び改築順のスケジュールについて説明したとなっています。いろいろありますが、近隣住民を対象にした説明としては、ここに区が出してきた資料によると、平成22年2月10日午後6時ランチルーム、中央小学校・幼稚園の改築計画について、近隣住民39名に対して行った。経過からいうと、そうなっています。区の提出です。

 お聞きしたいんですが、こういう改築準備協議会と、それから、それ以外のメンバーに対するこの問題での説明ということについて、皆さんから見て、計画がもうコンクリートされ、かなり詳細な建築の全体像も具体的になってきた、それ以前の段階だと思いますが、きょうおっしゃったようなことが十分その時点でわかっていた場合、あるいはわからなくても近隣住民としても、学校の改築に対して、復興小学校の問題を含めて、いろいろな意見を出せる場があったと思いますが、今言った流れからいって、皆さんから見て十分、先ほど言った改築準備協議会の構成メンバー以外の住民の皆さん、町会の皆さん、町会に入っている皆さんから見て、自分たちの意見というのが十分聞いてもらえる場があったと、そういうふうに思っておられますか。その点についてお聞きしたいと思います。

○請願代表者(髙橋義明)
 まず、1番目の今までの経緯の中で、住民の十分な意見、感想、要望が、この計画を進めるに当たって取り入れられたかということについて、一言でお答えしますと、いいえです。

 その理由は、私どもはこの計画をきちっと知ったのが昨年の12月末でした。それも、どなたかが、町会の方からか聞いて、それで初めて知りました、正式には、それで、そうなんだと驚きまして、ある議員の方を介してお願いをしまして、その議員の方が御尽力いただきまして、私どものマンションの中で、私どものマンションだけとして小さなサイズの説明会をやっていただきました。それは、そこの記録にはございませんが、私どもにとっては最初の説明会の場でした。

 そこで、この計画をコンクリートした状態ということで伺いまして、もう変わらないという御紹介をいただきました。これは私どもはまさにこの御質問のところの、この計画を進める上で必ず構成をなさなくてはいけない人たちがいると思います。それはもちろん区の方、学校の方、PTAの方、町内の方、重なる場合もありますが、最後、5つ目に、隣接する住民の方々ではないでしょうか。

 なぜかというと、その建物は今後40年、50年と使われていくわけですけれども、その隣接する、まさに通りを挟むことによる、いわゆるお隣さん、お向かいさんとなる人たちが、その建物とおつき合いしていくんです。その視点というのは、最初に言った4つのグループの方々からは得られない視点ではないでしょうか。もちろん偶然的にある場合もあります。であるがゆえに、前年、今御紹介いただいたような地元の協議会のメンバーに、なぜ入れてくれなかったんでしょうか。私どもの存在とか、あるいはそこから聞くことの重要性をどういうふうに感じていらっしゃったんでしょうか。特に御回答はいただけませんでした。つまり、入れない理由も、入れなかった理由もない。

 ということは、私、まだ覚えているんですけれども、結果的に無視されちゃったような状況ですねというふうに念を押しました。今からでも遅くないと思われましたので、それ以降開かれる協議会メンバーに私どもを加えていただけませんでしょうかというお願いをそのときにいたしました。それについては、できないという御回答でした。ですから、私どもの意見が反映されているかどうかというと、反映されていません。

 そういう意味からすると、それともリンクしまして、昌平小学校の件も今回私どもが申し上げた点も、この計画には、偶然一部入っているのはあったとしても、基本的には入っていないと私どもは感じております。よろしいでしょうか。

○鞠子委員
 先ほど御説明があったウエブによる調査ですが、これはどういう調査で、それは専門のところに、調査機関なり調査会社なりに委託をした、いわば調査の基本的な手法というのがあって、一定の科学的な、質問の設定も含めて、調査の設計があってやっている、そういう専門的なところに御委託をされたのか、ウエブを皆さん方が独自にやった調査なのか、その点についてお聞きしたいと思います。

○請願代表者(髙橋義明)
 まず、このアンケート調査ですが、アンケートというのは大きく分けますと、まず設計をいたしまして、次に対象者を選びまして、実施いたしまして、その結果を集計分析するというステップででき上がります。つまり、この報告書もそういう形ででき上がってまいりました。その流れの中で、どういう形でそれが行われたかという御質問かと思いますが、この設計は、私がたまたまこういう分野におりますもので、私が設計いたしました。

 それから、このデータの信憑性について非常に深くかかわるところでは、どなたにどういう形でお願いしたかということですが、これは私たちの、外のところ、私どもには寸分たりとも影響の及ばないところで実施をいたしました。それを説明いたします。

 まず、このウエブ調査というのは、基本的にスタンダードな、一番標準的なスタイルは、このウエブの調査専門会社が全国にパネルという登録した方々を持っています。私どもの使った専門会社、つまり外部の第三者機関は、全国に100万から200万、100万以上のパネルがいます。私どもは、その方々のお一人お一人の顔が全くわかりません。その方々がまず対象者になります。

 実際の調査なんですが、その専門会社がこちら側のこういうことを聞いてくださいという仕様書に従ってアンケートの画面をウエブ上、つまりコンピューターの画面で見えるような形にして、インターネットで配信し、そこで答えていただくような仕組みをつくりまして、実際に行うに当たっては中央区に住んでいる方を限定して、300名の人のデータをいただけるまでとると。サンプル数300人に達するまでこの調査を続けて、そこで終了するようなお願いをいたしました。そうすると、そういう仕掛けの中でインターネット上にこの質問をのっけまして、パネルのほうに送るわけです。そうすると、そのパネルは、まず中央区以外の方々は論外になります。中央区に住んでいるということがわかっているところが自発的に協力した方々300人の回答結果が得られました。

 そこの設計からお願いしたところからデータが、回答結果が私どもの手元に入るところについては、全く完全な状態で第三者機関の方のやられたことです。それは中央区にある会社です。私は中央区の会社としか取引しない方針ですので、中央区の優秀な会社に何度かお願いしているところにお願いしました。それで、集計分析は、いただいたデータをもとに、私がこの形にいたしました。これで御質問の回答になっていますでしょうか。

○鞠子委員
 先ほど、そういう調査に基づいた結果を見させていただきました。復興小学校について、そもそも知らなかった方が多かったというのは、復興小学校はどういうものか説明があって、復興小学校の文化的価値といいますか、そういうものを認識した上で、また回答者が恐らく回答することになると思うので、この点で、復興小学校の文化財的価値の重要性というのは、もちろんまだ、当時ですが、幅広く区民の認識がなっていなかったけれども、復興小学校の文化財的価値が認識されれば、知らなかった区民、こういう問題について、そういう価値があるものとそれまで知らなかった区民は、やはり復興小学校の文化財的価値、歴史的な価値について認識が変わるだろうということについては、この調査結果でもわかるんですが、皆さんもそういう印象を持たれましたか。

○請願代表者(髙橋義明)
 今の御質問にお答えします。

 区民の方が、実態のところ、復興小学校を知らないという方が非常に多かったということで、その数がふえた場合にどうなったかということについての御質問だと思います。先ほど資料で申し上げましたように、79%の方が全く知らない、8割の方が全く知らないというふうに回答されました。本当に簡潔な説明と、それから7校の学校が中央区の実際の学校名を並べたような説明をした限りなんですが、復興小学校が知らされた後には、92%の人が、知っている知らないは別としても、9割以上の方が価値が高いと回答をされました。

 つまり、価値というのは、お金にも換算できます。魅力にも換算できます。いろいろな形で換算できるんですが、生徒さんに満足度を与える価値、それからPTAの方、親御さんたちに満足度を与える価値、それから、そこに行きたいと思うような価値というのも導いてくれることが、復興小学校であるということをきちっと告知する、御案内し、また教育していくというんでしょうか、教育まで言ってもいいのかもしれない。歴史はどうだとかということになると、存在だとか意味合いだけじゃなく、いろいろなところに及んだことを知らしめていただくということになりますと、この調査に関する限りですが、区民の9割は価値が高いと感じていただくということになります。区民の92%。誤差率はありますので、大体この場合、サンプル数が小さいので、統計学的な誤差は算出できないで、コンピューターに蹴られちゃうんですが、最大とってプラマイ5%ぐらいと見た場合、87%とか80%以上の方は価値が高いと、その温度の差はあれど、感じていただけるものと読みました。

○鞠子委員
 それに関してですが、先ほど私、今まで近隣住民等に対する説明の、全部は読み上げていませんが、やったと。数少ないそういう場で区教育委員会側から、復興小学校の文化財的価値はこういうものだと、出席した住民にそもそも論から説明した機会はありましたか。区側からです。

○請願代表者(髙橋義明)
 まず、私どもが直接参加しているところからお答えいたしますと、ありませんでした。

 それから、直接参加していないところについて、その審議メンバーの方に聞いてみたところによると、なさそうという印象でした。

 以上です。

○鞠子委員
 最後に2つほどお聞きします。

 屋上校庭の問題点、先ほどドーム式ということで4割が日影になると久米設計がおっしゃったと言っています。屋上校庭について、皆さんの出した疑問について、教育的な観点、それから日影の問題が生ずることは、建築工学上ははっきり答えたということですから、そのことについて、生徒・児童に対する、日影が出ることについて説明の場で区教育委員会はどんなふうに。それでもドーム式だということでいくんだと、そういうふうな説明だったんでしょうか。それとも、40%日影が出ることについては、11月2日の説明のときに、それはやはりいろいろ問題だということを区教育委員会は何か認識を示したんでしょうか。それが1つです。

 それから、きょう詳細に総合的な、いわば皆さん方なり、いろいろな代替案、2つありましたね。それから、区の案。総合評価、これはいろいろやり方はあると思いますが、こういう形で代替案として皆さんが示したものを、区は真摯に受けとめて、お互いに区の案と比較検討して、住民からの案、区からの案、それをお互いつき合わせて、よりよいものにしようかということについて、協議というのはあったんでしょうか。私、この総合評価、きょう初めてこの資料をいただきましたので、代替案をめぐって、こういうやりとりなり、そういうことに基づいた区との協議というのはあったんでしょうか。その2点。

○請願代表者(髙橋義明)
 まず、1番目の日影の問題ですが、11月2日にはございませんでした。当時と比べますと、私が実は質問したんですが、きょうは久米設計の方が2名来ていただいているので、非常にいい機会なので、特に新しい校舎のことについて伺いたいと思っておりますという前置きでした質問の中の一つが、この日影のことでした。そして、当時の日影40%というふうに回答をいただきました。その後、次の質問者にバトンタッチされました。つまり、その40%の回答と次の質問者の質問の間には区のほうからのこの問題についての、いい悪いとのコメントはございませんでした。そう記憶しております。

 2番目、代替案のほか、分析についてです。

 先ほど申し上げましたように、私どものリノベーション案は、私どもが初めてマンション内で説明を受けた、あのマンションの人を対象に八丁堀区民館で説明を受けた説明会のおよそ2週間後ぐらいにつくりまして、2月15日に提出いたしました。そのときには、もう決まっているから難しいです。その後も署名に添付したり、公開質問状に添付したりして、私どもは何度かお示しいたしました。その理由は、私どもは何でもかんでも反対とか、今の校舎にアンタッチャブルなんですとかいうことでなく、問題を解決するに当たって、復興小学校というこの財産を残したままで、何とかできないかということの御提案を申し上げているだけなんですと。区の方々のその受け入れ方というのは、私どもの目から見た感じでは、極めて冷たい印象で、何もする体制、姿勢、意思は感じられませんでした。

 その一つのあらわれとして、7月中旬に、23日ですかね、公開質問確認状を出しました。これは、私どもが2回行った署名の中の2回目の署名で最終的に提出した書面に添付した質問確認状です。これは、NHKのテレビと新聞社数社による取材が入りましたので、テレビでも放映され、皆様の記憶にとどまっているところでもあるかと思います。その質問状の回答が何度催促してもいただけなくて、来たのが9月25日付でしたか、そのところの内容では、費用的な面でしょうか、私どものリノベーション案と現状での建てかえと、費用的にはやはり安くなるはずだと試算していただきたいということに対して、そういうような件での試算をしたことがないので、比較ができませんと。高いとも安いとも言えないという意味のことだと思うんですが、そういう御回答をいただきました。すなわち、私どもの提出しました案を検討したり、費用は一体どのくらいかかるのかというような試算をしていただいたことはなかったということのあらわれではないでしょうか。

 もう1点、総合評価の手法につきましても、総合評価というのは、私どもが出した案と常に一対で動いていくような形で書類を提出しております。ですから、2月15日の書類に添付したはずです。そのときに、評価をする手法としては、こういうやり方があります、一体総合的に評価していこうというのはどういうような評価でそういう結論に至ったんでしょうかというときには、明確な御回答は、あったかないかは別として、明確な御答弁、そういうデータがあるかないか、あるいはそういうことをされたかされないかは別として、私どもには示されませんでした。その後も7月23日にもう少しグレードアップした総合比較表を出しました。そのときにも御反応はいただいておりません。

 今回はもう少し、こういう大切な席でのことですから、もう少し慎重に精査あるいは精密に評価してみたらどうなるか、また、これが皆様方のこの委員会での比較・評価の御検討に資すればと考えまして、このような状態にいたしました。ところが、これは初めてではなく、この手法で総合評価するというようなことが一つの方法であるのではないでしょうかということは、2月15日の書類を提出したときには説明したと記憶しております。

○鞠子委員
 終わります。

○青木委員長
 ほかにございますか。

 それでは、説明及び請願者への質問は終了いたしました。請願代表者の方々は退室願います。

 なお、本委員会の傍聴の手続をされている方は、傍聴席へ移動願います。

〔請願代表者移動〕

○青木委員長
 また、これから休憩を入れます。5分程度です。25分に再開したいと思います。よろしくお願いします。

(午後4時18分 休憩)


(午後4時26分 再開)

○青木委員長
 それでは、休憩前に引き続き、委員会を続けます。

 本請願の取り扱いについては、ただいま紹介議員の趣旨説明及び請願代表者の補足説明を受けたところであります。本請願について、理事者に対する質問ありますか。

○原田委員
 それでは、ただいまの請願について幾つか理事者の皆さんにお尋ねをいたします。

 ただいま大変請願者より詳細にわたっての説明があったところであります。先般開催をされました第三回定例会において付託をされた本請願につきましては、先ほど請願者が述べられたように、中央小学校及び中央幼稚園の改築工事請負契約に関する議決を見送った上での内部調査や法令違反などの疑いの有無の精査、また改築計画の抜本的な見直しについて、これを請願されているものであります。

 しかしながら、過日の10月15日の定例会最終日において、この中央小学校及び中央幼稚園の改築については、その設計費が含まれる平成21年度中央区各会計歳入歳出決算、これを認定するとともに、施設の老朽化に対応することはもとより、これまで大変狭くて困っていた校庭や体育館の拡充など教育環境の向上、さらには、地域の開放も可能な温水プールの整備、また防災拠点をはじめとする地域の核としての充実を図る、この改築工事の各請負契約の議案について、審議を行って、これを圧倒的多数によって可決したところであります。

 したがいまして、この契約議案の議決を見送ってほしいという請願の趣旨につきましては、現段階では既に手続的に審議が不可能なものであり、どのような意味を持つのか、その入り口のところで、まず疑義があるところであります。

 今回の中央小学校の改築については、明石小学校、明正小学校とともに子供の幸せを第一義に考えて、老朽化をはじめとする施設課題を解決し、安全・安心で快適に学べる教育環境の向上を図るとともに、これからの教育にも十分に対応していく校舎とするために、区がその責務として必要であると判断したものであります。この区の判断を、先ほども申し上げたとおり、当区議会も多数支持をし、これまで、その関連する予算、そしてその執行、また決算と、順次その都度手順を踏んで認定を行ってきたものであります。でありますから、改築を進めていくことこそが、区と我が区議会との共通した意思であります。また、本事業の推進に当たっては、当然に関係法令や計画などを十分に踏まえて適切に取り組まれているものと認識をしております。

 しかしながら、今、請願者より大変に丁寧に詳細にわたっての請願の内容の説明があったところでもありますので、私からは、理事者の皆さんに確認の意味で幾つかお尋ねをいたします。

 まず、請願にあります1番目、コンプライアンスの視点からの理由について、5つほど書かれております。これにつきましては、既にお話ししたとおり、10月15日本会議の席で既に全議員にこの請願は配られているものであり、そのときより、私どももこの内容については十分に検討を重ねてきたところであります。もちろん、文化財保護法であり、東京都における自然の保護と回復に関する条例、環境基本法、中央区契約事務規則、その他等々、各条例、法令事案も検討してまいったところであります。

 改めて確認の意味で、まず書かれているコンプライアンスの視点からという5つの点について、理事者の御見解をお聞かせ願いたいと思います。お願いします。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 それでは、御回答させていただきます。

 まず、委員御指摘のとおり、中央小学校及び中央幼稚園、こちらはまずもって教育施設であります。本区には中央区の教育環境に関する基本条例、これもございますので、この条例の趣旨をも踏まえ、今回、小学校の改築については、子供たちの幸せを第一義に考え、学校環境の充実、教育環境の維持向上を図る、そういうことで進めてまいったところでございますので、請願の理由に述べられているようなコンプライアンス、これについては何ら問題がないものと認識をしております。

 まず、第1点目で御質問がありました中央区の文化財保護条例、これに触れるという関連したもののお答えでございます。

 文化財は、やはり郷土の歴史、また文化等の正しい理解に欠くことはできないものであると、そのように認識をしてございます。その適切な保存・活用、また将来の文化の向上・発展に資するものと認識しているところでございます。そのため、文化財はできる限り現状の保存というのがやはり望ましいとは考えてございます。しかしながら、その保存の状況あるいは置かれている環境、また背景等によっては、それが不可能なこともございます。その場合には可能な範囲で記録の保存に努め、文化財の価値を後世に伝えていくという取り組みをしているところでございます。

 中央区の文化財保護条例、こちらには区の責務として、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権、こちらについても尊重すること、また文化財の保護と他の公益、この調整に留意しなければならないということが記されてございます。中央小学校の改築につきましては、当然これは公益のために行うものでございます。この条例の趣旨に沿った調整をも踏まえ、区の責務により必要があると判断したものでございますので、日本建築学会の御意見等も十分尊重しながら、可能な範囲で意匠の継承、部材の活用、また記録の保存に努めているところでございます。

 次に、東京都における自然の保護と回復に関する条例についてでございます。

 こちらにつきましては、1,000平米を超える敷地にある建物の改築ということでございますので、東京都における自然の保護と回復に関する条例、これに基づいた緑化の計画を提出するように求められてございます。中央小学校につきましては、既に東京都に7月9日の時点でこの計画書を提出してございます。これは適正なものとして、基準を満たすものとして受理をされているところでございます。東京都の基準では、227平米以上の緑化が求められてございますが、今回はその地上部、また壁面緑化等、すべて合わせますと772平米ほどの緑化を行う計画になっているところでございます。

 したがいまして、対象施設として1,000平米以上の施設については、東京都の条例に従うようにということを本区の中央区花と緑のまちづくり推進要綱にもうたってございますので、当然にこれに合致するものと考えてございます。

 次に、東京都の環境基本条例に関してでございます。

 こちらにつきましては、本区では東京都の環境基本条例はもとより、環境基本法、また地球温暖化対策推進に関する法律とも整合性を図りながら、総合的な環境施策をまとめた中央区環境行動計画を策定してございます。この計画の中の地球温暖化対策としても、取り組みの一つにエコスクールの推進を掲げてございます。こちらにつきましては、校舎等の改築あるいは改修にあわせたCO2の排出量が少ない効率的な機器、システムの導入、また自然エネルギーの活用、緑化を進めて環境の負荷を低減するとともに、児童・生徒の環境教育に活用するということがうたわれてございます。今回、中央小の改築に当たりましては、この計画に沿って、実際に太陽光発電、雨水利用などの自然エネルギーの活用もしてまいります。また、高効率型の照明機器、一部LEDなど省エネルギーの設備も導入してまいります。また、緑化もきちんと進めてまいりまして、エコスクールの推進に取り組んでいるところでございます。

 したがいまして、当然、東京都環境基本条例にものっとった環境の保全を行いながら、改築を進めていると考えてございます。

 また、契約についての御指摘がございました。こちらにつきましては、工事入札の透明性を確保するため、現在、区では予定価格の前公表を実施してございます。低入札価格調査制度、こちらも採用しているところでございます。今回、中央小学校の改築工事の入札につきましては、過去の運用、例えば低入札の価格調査の基準額の事後公表などを行ってございましたので、こうしたことから、そのパーセンテージあるいは計算方法を予測されたということで、失格基準価格と同額の入札がされたと考えてございます。

 また、中央小学校と幼稚園、今回、施工能力評価というのを導入いたしました。こちらにつきましても、事前にこの執行の要綱あるいは配点の配点表、こちらも公表してございます。これに基づき学識経験者2名からの意見も聴取しながら、また総合評価審議会で厳正な審議を行ってございます。御指摘にあるような建築の専門家からの施工能力調査に関する疑義、こうした指摘については、その事実はございません。

 このため、今回の改築工事については、契約担当課において適正な入札制度、またそれによる契約がなされたものであると考えてございます。

 当然、独占禁止法あるいは刑事訴訟法、これらに触れる事実は一切ございません。

 以上でございます。

○原田委員
 見解ありがとうございました。

 今、私のほうから、この請願の最初の請願理由であるコンプライアンスの視点からということで、5つについて見解をお聞かせいただきました。これにつきましては、すべて、こちらでは、恐れがあるためというふうに書かれておりますが、今の見解ではクリアしているということで確認でよろしいですね。特に、こちらにある独占禁止法、また刑事訴訟法のおそれがあるというような点につきましても、クリアして適正であるということの確認でよろしいですね。

 それでは、次に聞きます。

 こちらの請願の理由に沿ってでありますが、現校舎の取り壊しと新校舎には問題点が存在すると書かれておりまして、その中でも、中央小学校の子供たちの真の幸福についてというところで書かれておりますが、これについての見解もお聞かせを願いたい。

 また、その後に、校舎における子供たちの教育環境悪化と危険性の懸念について、この中でイとロ、今も各々詳細に説明を請願者からされたところでありますけれども、移動式の屋根を設置した屋上校庭の問題、またロの、長い直線階段の危険性について、そしてまた次にあります、住民にとっての危険性について、これについてどうでしょう。行政のほうの見解を改めて確認したいと思います。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 それでは、まず、中央小学校の子供たちの真の幸福についてという御指摘でございます。

 本区では、子供の幸せにつきましては、先ほど申しましたように中央区の教育環境に関する基本条例に述べられてございますが、一人ひとりの子どもが、その人権を等しく尊重され、心身ともに健康で、自主性と創造性に富み、人間性豊かに育つこと、であると考えてございます。このため、今回の改築につきましても、子供たちの幸せを第一義に考え、安全で安心で快適に学べる教育環境の向上を図るとともに、地域の皆様には防災拠点をはじめとする地域の核となる施設としての充実、こうした今日的な行政課題を解決するために、区の責務として行うものでございます。

 中央小学校の改築については、明石小学校と同様に建築学会からの御指摘につきましても、できる限り尊重してまいります。設計における意匠の継承もしてございますし、記録の保存もしてございます。また、部材の活用も計画をしてございます。また、震災後、困難な状況の中で子供たちに立派な校舎を建設した復興小学校を建てた先人の高い志につきましても継承していく考えでございます。

 その次について、子供たちの環境でございます。これについてお答えします。

 まず、イの移動式の屋根についての関連した御質問でございます。

 こちらにつきましては、現在でも校庭あるいは体育館、また屋上、こうしたところで授業や遊びをしてございます。こうしたときにも職員が必ず見守りあるいは巡回を行ってございます。ですので、新校舎におきましての屋上校庭でも、そうした取り組みにより安全は確保されるものと考えてございます。ただ、今回、屋上のほうにはカメラを設置させていただきまして、職員室からもこれを管理ができるような体制に考えているところでございます。

 また、日影についての御指摘がございました。一部屋根などの部材によって直射日光がなくなるのではないかということでございます。

 先ほど40%でございましたが、冬至のときには若干屋根の部材あるいは壁によって直射日光が当たらない場所がございます。しかしながら、屋上校庭2,000平米ございますので、例えばその60%としても1,200平米、現在の校庭より格段に日が当たるところが拡大します。また、今の校庭につきましても、近隣の高層のビルがございます。マンションや会社がございますので、そうしたところからの影響がございますので、格段にこれは改善されるものと考えてございます。

 また、耐震についてでございますが、こちらにつきましても、新校舎は避難所でもございますので、十分な耐震性、通常の建物の1.25倍の構造的な強度を備えてまいりたいと考えております。当然、建築基準法や消防法、現在の法律に適合してございますので、避難路の確保や消火設備を備えてございます。そうしたことで、万が一火災と地震があったとしても、東西の階段あるいは外階段に3方法で避難ができますので、現在よりも格段に安全に避難ができる計画となっているところでございます。

 また、外階段、先ほども長い直線の階段ということで、この危険性のお話もございました。この階段につきましては、広いところは4メートルございます。また、狭いところは2メートルというところでございます。こちらの階段は公園の方向に向いてございまして、見晴らしが公園あるいは鉄砲洲神社のほうに向いてございます。また、この階段については、安全におりられるように勾配が緩やかになってございますので、先ほど将棋倒し等の御指摘もございましたが、こうしたことは極めて少ないと考えてございます。こういう点については、日常から学校において、廊下あるいは階段の利用はもとより、災害時にも避難路となりますので、避難の仕方については安全指導も行ってございます。そういう中で御指摘のような危険性というのは極めて少ないと考えてございます。

 また、ボール等が落ちた場合というような御指摘もございましたが、ボールを持って階段を使うということが極めて少ない。ボールはちゃんと体育館にあったり、あるいは屋上にあるという状況でございますので、そちらのほうの管理も適切にやってございますし、そういう指導もやっているところでございます。

 また、住民にとっての危険性ということの御指摘でございますが、こちらについては、屋上校庭、壁の高さが6.5メートルございますので、壁のところにはネットがございます。防球ネットがございますので、ボール等はそこでとめられるようになってございます。また、そこを越えても、実は屋根の周りにもフェンスがございますので、そこでもまた、とめられるような仕組みになってございます。また、当然、今でも屋上ではボール遊び等をしているという状況がございます。今の状況は4メートルのフェンスしかございません。そういう中で体育の授業あるいは遊びもやってございますが、これまでもボールが下に落っこちたというようなことはございません。また、これについても、必ず教員がついてボール遊びあるいは授業をやっているところでございますので、適切にこれも対処してまいりたいと考えてございます。

 以上です。

○原田委員
 見解ありがとうございます。

 あくまで確認でさせていただいておりますので、私どももこの計画については、こういったいろいろな問題についていかがか、どうなのかということは事前に聞いておりますので、改めて確認の意味で、この委員会ですので、見解を聞かせていただいているようなところです。もちろん、移動式の屋根を設置した屋上校庭の問題についても、長い直線階段の危険性、また住民にとっての危険性についても、十分に安全は配慮できている、こういうことで確認ということでよろしいですね。

 それでは、私のほうの最後でありますが、もう一度これも確認でありますが、地域の景観の悪化、また、隣接住民への生活環境の悪化について、ということで請願では述べられておりますが、こちらについても御見解をお聞かせ願えたらと思います。お尋ねします。どうぞ。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 まず、景観についてでございます。

 こちらについては、鉄砲洲稲荷神社、また児童公園がございまして、当然、この小学校とともにこちらの景観を形成しているということは認識をしているところでございます。その上で、今回、やはり設計にも反映をさせていただいているところでございます。例えば、地域開放用の入り口あるいは学校の入り口、また幼稚園の入り口もすべて公園側に向けて設置をさせていただいております。先ほど申し上げました階段につきましても、外階段もこちらのほうにございます。こちらのほうも公園の方向に見晴らしを持ってございますので、ここに上がっていただければ、この一体性というのを体感していただけるものと考えております。

 そういうことで、今まで以上に鉄砲洲公園との一体性というのは、我々も配慮をしてこの設計をしているところでございます。

 また、壁面の緑化とか、あるいは幼稚園の緑も整備してございますので、公園との連続性というものにも配慮した緑化の計画になってございます。そういう形で、地域の皆様には本当に親しみやすい学校施設となるような計画を進めているところでございます。

 また、近隣住民の方の生活環境の悪化ということでございます。

 この御指摘につきましては、まず小学校ということで、未来を担う子供たちの教育環境の整備、また地域の核となる施設の充実ということで、ぜひ御理解をいただきたいと考えているところでございます。新校舎につきましては、教室の拡充をはじめ、先ほど来お話があります屋上校庭、また体育館、温水プール、こうしたものも一体的に整備を行います。このため、平面的にも高さ的にも今よりも規模は大きくなるところでございます。しかしながら、近隣の皆様への影響についても、できる限りの配慮ということで、高さ制限、こちらのほうは36メートルという制限がございますが、そうしたものにならないように、各階の階高あるいは屋上校庭の高さを調整しているところでございます。

 また、開閉式の屋根、ドーム状になることで周辺への日影の影響あるいは圧迫感の緩和も考えているところでございます。また、当初より地盤面で1メーター下げまして、トータルの高さも1メーター下げさせていただいているところでございます。

 この中で書かれています一般開放につきましては、今後の話として、具体的な種目あるいは運営方法については、これはスポーツの団体の方や地域の皆様にも幅広い御意見をいただきながら改築推進協議会ということで今進めさせていただいていますが、この中で検討を進めてまいりたいと考えております。

 また、電波障害というようなお話も書かれてございます。

 こちらにつきましては、御案内のように、既に区内についてはケーブルテレビが整備されてございますので、この地域についてもテレビジョンについては影響がないと考えております。ラジオにつきましては、これは電波等が回り込んだりということで、なかなか建物の影響がどうかということがわからない。部屋の中で移動していただくという方法もあるかと考えてございます。ここで衛星放送というお話がありますが、これはどういう形で皆様がお使いになっているか、こちらのほうでも実は存じ上げないところでございますので、こちらは個別の対応になっていくかと考えております。

 以上であります。

○原田委員
 見解ありがとうございました。

 コンプライアンス、最初の請願理由でありますが、これにつきましても5つクリアし、適正であると。また、その他項目につきましても安全、また安心等々、十分に配慮しているということの確認をさせていただきましたので、私の質問を終わります。

○田畑委員
 前委員の方から細かく確認をさせていただいたという内容につきましては、私もある程度は理解をするところですが、そうはいいながら、区側からすれば極めて失礼なというか、あるいは深刻な受けとめ方をされる方もいらっしゃるのかなというふうに思います。収賄だの贈賄だの、そういう話が出てくることすら大変失礼な話だというふうに私は思いますが、かといって、現実に落札金額の問題等の指摘もございましたので、きょうは入札の関係の担当の方がいらっしゃらないと思いますけれども、ぜひこの辺の、先ほども御答弁いただいて、お聞きはしましたけれども、果たしてそれでいいのかどうかということもわかりません。間違いはないのかということもわかりません。

 従来の中央区が行ってまいりましたいろいろな関係の入札の問題、決して今までそういう事例が一切なかったわけですから、そのことをつかまえて、あたかもあったかのような、そういう言い方をされることは、大変皆さん方については、あるいは中央区全体にとって、そしてまた議会に対しても大変深刻に受けとめなければならないなというふうには思っております。ぜひこれは早急にもう少し慎重にといいますか、あるいは突っ込んだ調査をしていただいて、請願書の中身では天文学的な数字だというふうにも表現されておりましたので、私もある意味では下の、要するに1けたの段階までの金額が合致する、合致というか、出されるような、そうした事柄が果たして従来、こうした契約案件の中で落札金額として果たしてあるのかどうかということも含めて、しっかりとした調査をしていただいて、中央区側もあるいは議会としても一切その辺については問題ない、あるいは議会としてもその辺の調査を十分していただいた上で、御理解をした、そういう状況の中で、こうした請願に対する対応を議会としても、あるいは私たち党としても、しっかり対応をしていきたいというふうに思いますので、ぜひこの辺の調査を早急にしていただいた上での結論をひとついただきたいと思いますが、これについての御見解をひとつお聞かせいただきたいと思います。

○髙橋副区長
 先ほど担当副参事から答弁をいたしましたが、いずれにいたしましても、コンプライアンスに触れるところはないと確定的に言えると思いますが、いろいろ御意見、御質問がございましたので、念には念を入れて調査をしてみたいと思います。

○田畑委員
 ここで確定的な話をいただくのが目的ではありませんので、確かにそういうお気持ちはよくわかります。私もわかりますが、わかった上で、こうした内容で請願が出されるということについては、どこか、どこかというか何か、あるとは言いません。あるとは言いませんが、せめて胸を張って、あるいは大声を出されたら、それに従うとかいうふうなことではなくて、十分調査もし、精査もした上で、間違いなくこういう状況です、こういう結果ですということを改めてお示しいただかないと、私たちもそれに対する結論がなかなか出しづらいということもありますので、出てくることが目的ではありません。全く心配ありません、大丈夫でしたというふうなことをいただくために、ぜひ調査をしていただきたいということでございます。

 その辺の御理解をいただきながら、調査を進めていただきたいことを強く要望をして、終わります。

○鞠子委員
 まず、コンプライアンスの問題、適正だとおっしゃっています。しかし、全体として、契約をめぐる問題というのは自治体の当局がそう言っても、談合の問題、入札をめぐる不正の問題は全国の自治体でかなり起きています。中央区でも、競争性を高める入札制度の改善を我々も繰り返し提案してきました。徐々に入札の改善が進みつつあります。なぜか。それは、全国的に、談合を含めて競争性のない入札ということがかなりあったと、一般的に。全国の自治体はそういうこともあって入札制度の改善に取り組んだ。もちろん、これは競争性を高めることで入札のコスト、つまり落札する価格、区でいう公共事業費を削減するという目的もあります。同時に、競争性を高めることで談合とか、そういうものを排除できる方法がないかということで、さまざまな入札方法が考案されて、各自治体で採用されています。

 我が区も、おくれたとはいえ、段階的に入札制度はより競争性の高い入札制度に一歩ずつ改善されてきたと思います。その前提は、先ほど副参事が答えたように適正だと。学識経験者を含めた判断もそうだった、だから適正だと、こう言っているけれども、問題はそうじゃないんですよ。談合や不正な入札はあり得るという前提で、ではそういうものを防ぐにはどうしたらいいかという制度上の改善を含めて、あるいは点検も含めて、常時そこは注意と監視をしなければならない分野なんです。

 ちょっとお聞きしますが、あなたはそう言ったけれども、本当に、この問題がそうかどうかは別ですよ。適正だと断言できる根拠、何を持っているんですか。談合問題が明らかになる発端は大体内部告発です。談合で破れた、談合に加われなかった業者から、談合があったと、そういう告発があって初めて表に出るんです。出ない限りは、なかなか確たる証拠はつかめないというのがこの分野なんです。だから、逆に言うと、わからないところでさまざまな不正な入札や談合が行われている。絶えない。こういう問題です。この区でどうだったか。

 私も議員になって長いですが、三井建設が荒尾市で収賄事件を起こした。市長を買収した。それが、三井がかかわっていた工事、入札、落札したけれども辞退した例もあるんです。直接中央区の出来事ではなかったけれども、同じゼネコンが別の自治体、熊本県の荒尾市で収賄事件を起こした。三井側から、そういう責任をとって辞退しますと、こういうこともあったんですよ。つまり、入札をめぐる問題というのは、あなたが言うように断言して、絶対に間違いないことだと言えないところに根の深さがある。そう思う認識がなければならないんじゃないですか。どうですか。すべて適正だと、あなたは断言できないでしょう。根拠がないんだから。どうですか。

○髙橋副区長
 今の鞠子委員のお話は、私もよくわかります。確かに、100%ということはあり得ないでしょうね。今までの事例で、本区はございませんが、大体同業者のほうから匿名の連絡があって、そこで発覚する、そういうケースが多いわけです。ですから、私どもも、まず契約の仕方を23区でもほとんどトップクラスのうちに、ごく早い時点で現在の予定価格、これまで事前公表にしました。その前は、御案内のとおり、入札の後に公表をしていましたが、ただ、それでは十分ではないということで、本区も早々に予定価格の事前公表、これを現にやっています。そのねらいは、委員がおっしゃったようにそういう談合を防ぐ、それからまた入札の価格もより適正にやるということからやっているわけです。

 ですから、我々のほうも他の区あるいは自治体でそういう談合事例のあった業者については、ペナルティーとして、半年、場合によってはもっと多くの期間、本区の参加をさせません。そういうことで現在もやっております。したがって、今回のことも、これは正直言いまして、我々の全然目の届かないところでこれがやられていたら、できるんですよ、正直言いまして。見えませんから、全部は。透視できませんから。ですから、それは我々の知る範囲でないと断言するしかないんですよ。証拠がなければ。ですから、我々のほうは、より慎重にやるためにも、先ほど田畑委員から御質問がありましたが、十分慎重にやって、断言できるということでお答えをしているわけです。

 ただ、念には念を入れるということで、いろいろな角度からさらに調べてみたいと、そういうことでお答えしているわけですから。自信がないから、そういうことでもう一回調べると言っているのではございませんので、その辺は御理解いただきたい。

○鞠子委員
 つまり、私が言いたいのはその姿勢なんですよ。完璧だ、適正な入札が行われたという前提で事を運んじゃいけないということなんです。だって、情報がない限り裏づけはとれないという世界だから。だから、これは制度上も含めて、常時緊張感を持って、入札が終わっても、落札が済んでも、これは厳しくやはり見ていく、検証もしていくということが必要だということを言っているわけです。ですから、先ほどの答弁は、今、副区長が言ったように、知る限りでは、今までの情報の限りでは適正に行われたというのであればわかりますよ。断言しちゃったら、それは、この世界のことをわからずに言っている答弁になっちゃいますから、その意味で、副区長がそういう認識でおっしゃっているなら、そういうふうにとりたいと思います。完璧な入札だったというふうに言ってはいけないんです。言えない。そこを強調したい。

 それから、次の問題です。

 私も前に請願者に質問しましたが、中央小学校の改築準備協議会の問題です。

 最初に、文化財のほうで、明石小のときも聞きましたが、文化財保護の課長さんが来ているから、中央小について、復興小学校という位置づけで文化財保護審議会等に相談したり、意見を求めたことは、中央小学校問題でありますか。

 それから、副参事に、今答弁されましたが、中央小学校の改築準備協議会で、何回か開催されたんですが、この席上で中央小学校の復興小学校の文化財的価値をテーマに置いた議論はされたんでしょうか。お答えください。

○濱田図書文化財課長
 審議会の中では、中央小学校のことを議題として上げて話したことはございません。

○鞠子委員
 相談は。

○濱田図書文化財課長
 相談もございません。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 改築準備協議会でございます。

 こちらにつきましては、復興小学校というのは、実はこちらのほうで先ほどお話がありました調査というのを平成21年3月に報告書をまとめてございます。こちらのほうには、短い記述でございますが、そうしたことを配慮しながら改築を進めるということは述べさせていただいております。これにつきましては、全体を保存・活用するということではなくて、やはりその意匠とか部材の活用ということでお話をさせていただいております。

○鞠子委員
 副参事に聞きますが、改築準備協議会というのはどういう学校をつくるかというための準備協議会ですよ。そもそもどういう学校をつくるかというのがスタートになるわけです。それは新築というやり方もあるでしょう。それから、文化財的価値に着目して保存・活用というやり方もあるでしょう。その他の選択肢もあるでしょう。しかし、少なくとも中央小学校が復興小学校としての文化財的価値を持っているという位置づけで、そもそも論から協議を始めるのであれば、そういうテーマで文化財的な価値を協議会で十分論議して行ったということはなかったのではないですか。明石小学校はなかったとおっしゃっているんです。中央小は特にあったんですか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 今お話ございましたような改築か、あるいは保存かというようなお話はしてございません。しかしながら、やはり地域の皆様も学校については愛着がございますので、今の意匠、こういうところを残してほしいとか、部材を活用してほしいという御意見がありましたので、それは生かしているところでございます。

○鞠子委員
 請願者にも私、聞きましたが、改築準備協議会、中央小学校の構成メンバーです。この構成メンバーで本当に、その他の町会に属している住民、卒業生、近隣住民を含めて、地元の学校をどうするかという案をつくるのに、この構成で十分意見というのは反映できると認識しているんですか。現に、きょう、請願者は詳細にわたってさまざまな疑問あるいは提案をしていますよ。その疑問や提案に対する区の考え方、答えについて、これまで納得していない。

 きょう、請願で詳細にまた追加の資料も出て、十分納得していないと。しかも、さっきお聞きしたところ、自分たちが詳細なコンクリートされた計画を聞いたのは、ことしの2月だと。もうコンクリートされちゃってから示されたと。その過程で、少なくとも近隣住民が意見を求められたり、どういう学校にするか、そもそも論から、復興小学校の問題も含めて議論してほしいというような呼びかけは区から一回もなかったと。しかし、改築準備協議会のメンバーは粛々とやってきたと。これで本当に住民や卒業生や周辺の住民、近隣住民の総意でつくられた現在の改築計画だと言えますか。

 少なくとも、きょう、請願者の方々は、自分たちはそういう場に加わえてくれと言ったけれども、断られたと。協議会にも入れないと言われたと。入って議論したいと言っている要望もだめだと言って切ったということをおっしゃっていますよ。それで本当にみんなの合意で地域に根差した学校をどうつくっていくか、どういう内容でやっていくか、一番大事な点で主役の一人である住民が、少なくとも少なからずの人がそこに加われなかったという思いを持っておられる。その点についてはどういうふうに認識しているんですか。この構成メンバーで十二分にそういう方の、きょう請願に見えた方々の意向も含めて、この改築準備会の構成メンバーで十二分にその意向を反映できたとあなたは断言できますか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 改築準備協議会につきましては、やはりこれは地域の代表の方ということで入っていただいております。特に、町会につきましては連合町会長とか、あるいは先ほどお話がありましたPTAあるいは元PTAの方たち、あるいは地域の中でも地域の活動あるいは学校の活動等に協力をしていただいている方たち、そういう方たちに参加をしていただいて、学校のことをよく知っている方ということで我々は選定させていただいてございます。そういう中で御意見をいただいて、一つの案をつくるというのは、こちらのほうでつくらせていただいたものでございますので、その一人一人、近隣の方たちの御意見を聞いて、それをすべて反映させるというのはなかなか難しいところでございますし、今回の改築準備協議会においては、そういう手法ではなく進めさせていただきました。

○鞠子委員
 それは中央小に限らないじゃないですか。明石小だって同じ手法でしょう。つまり、住民から出たのは、コンクリートされた計画が発表されてから住民から出た反応というのは、もうでき上がっちゃって指一本触れられない状況で説明会をやったり、今後のスケジュールを説明されて、出た疑問についてはその場で答えるということで終わってしまうと。なぜ企画する段階、広く意見を聞かなきゃならない段階のときに参加できないのかというのは、明石小学校のときも中央小のときでも出てきている意見じゃないですか。

 これをいただいていますが、説明会だ、説明会だとおっしゃっているけれども、参加人数が書いてあるけれども、中央小14名、9名、45名、25名、13名、39名じゃないですか。改築準備協議会以外の説明ですよ。近隣住民ということで、ことし、平成22年2月10日にやっています。参加しているのは39名です。多くは学校PTA、歴代PTA会長、小学校・保育園保護者、幼稚園保護者。やっと隣接等は、八丁堀コープ、22年、ことし1月24日に初めて13名参加でやった。これで十分、でき上がったものの説明と、それに対する疑問はできるでしょう。しかし、そもそもどういう学校、地域に根差した学校、今後も地域で発展させていこうという学校をどうつくっていくか、保存・活用か、あるいは全く新築にするか、そもそもの出発点の段階で意見を聞かなければ、地域の学校にならないでしょう。

 通常、まちづくりの会議に、部長がいるけれども、私はアメリカへ余り行ったことがないからわからないけれども、大体大きな開発計画については、もちろんアセスメントもある。そういうさまざまな手続の中で代替案というのがかなり重視される。住民に説明する。開発業者のプランが出ても、いろいろな意見も住民から取り入れる。制度上、日本よりはるかに事前の段階から住民の意見を取り入れる仕組みがあり、代替案というのが非常に重視されている。コンクリートされた行政やデベロッパーの計画前提で指一本触れない、こういうのではなくて、必ずいろいろな意見が出るから、代替案というのを示して、そして原案との比較検討、コンクリートする前にさまざまやって、それで計画というのができ上がるんです。これは、通常のビルの開発と違って、学校という歴史があり、地域で子供たちがそこで学び、何代にもわたってつくってきた学校なんだから、なおさらじゃないですか。どういう学校にするんだということを幅広く、こういう構成メンバーの方々だって、もちろん住民の意見や要望を反映できる立場の人でしょう。しかし、この範囲だけでは不十分だと思うんです。

 先ほど代替案を示したけれども、答えは、試算したことがないから一々数字的な比較はできないという回答も寄せられたとおっしゃっていました。そもそも真剣に代替案の検討がされた形跡はないということです。これは明石小のときもそうだった。イノベーション案を真剣に真正面に受けとめて比較して、また意見も求めて、代替案の一つとして区の計画とリノベーション案、住民から示された案を比較検討し、よりよいものをつくっていくというのは、なかったということですよ、明石小も中央小も。だから、はっきり言って、その点のコンクリートされた後の説明をしても、大体私もわかりますが、デベロッパーの開発の多くではそうですよ。説明会はあるけれども、もうでき上がっちゃった計画です。こうしてくれ、1階ぐらい階数を減らしてくれとか、いろいろ言ったって、もう無理ですと。大体何回かやったら終わりです。

 学校はそうじゃないでしょう。そこから始めなきゃいけないじゃないですか、そもそもから。それが、はっきり言って中央小の場合でも、私は請願者のお話を聞いても、その手続、経過からいうと、それは本当に弱いし、事実上なかったと言っていいんじゃないでしょうか。その点についてはどう思われますか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 改築準備協議会、こちらの議論について等でございます。

 今回、近隣の皆様の参加をしたいというお話についてでございますが、メンバーにつきましては、我々は先ほど申し上げましたように幅広くということで、代表の方たち、地域の方に入っていただいてございます。しかしながら、改築準備協議会、これは公開でもやってございますし、あるいは、また先ほど申しましたスポーツ開放等につきましては、やはり幅広い御意見を聞いてまいりたいと考えてございますので、改築準備協議会のメンバーという形ではないにしても、そういう意見をお聞きする場も設けられたと考えております。

 ただ、復興小学校についても、当初から比較検討ができなかったかというお話でございますが、先ほど申し上げましたように、これは改築という設計を進めている段階でございました。そういう中で、今お示しいただいたようなリノベーション案をいただきましたが、これは我々としては与条件等を整理して設計に入ったものでございますので、出していただいたこれをすぐに比較できるということは難しい状況でございました。こちらのほうでは教室をはじめ、さまざまな施設の拡充を考えてございましたので、そうしたものについても詳細がわからないという状況で、それについてお答えをさせていただいたところでございます。

○鞠子委員
 次の問題へいきますけれども、私、そのお答えで納得したわけじゃないですよ。住民が加わった形で幅広い意見を集めて、よりよい計画にするという点では極めて不十分。事実上、きょう請願に見えた方は、ほとんど、そういう場がなかったという認識を持たれている。それは指摘しておきたいと思います。

 それから、小学校改築準備会の中で、平成21年3月16日ですから、これは予算委員会で出た資料ですが、中央小学校を見てみましたけれども、第1回目が21年3月10日です。これは協議会の発足、協議会の目的について、課題についてというのが第1回目です。2回目、4月9日、1カ月後に千代田区立昌平小学校見学会実施なんです。なぜ昌平小学校へ行ったんですか。全国でも屋上の校庭があるのはあそこだけだろうと言われているところですよ。昌平小学校を4月9日、2回目に、2回目じゃないな、会議じゃなくなっています。見学会になっているから、会議としては1回目の後やったということですが、なぜここを選んだんですか。改築準備協議会でスタートしたばかりですよ。何で屋上校庭を設置している昌平小学校を見学したんですか。目的は何だったんですか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 改築準備協議会、第1回につきましては、その発足の目的、それは改築という形で地域の要望をいただいてきた、これを進めるための協議体ということでお話をさせていただきました。また、その際に、課題としては、やはり改築でございますので、仮校舎という大きな問題がございます。そうしたものも検討させていただきました。また、地域から長年いただいてきた校庭を拡充したいという御要望について、昌平小学校という情報をこちらで持ってございましたので、それについてお話しさせていただいて、皆さんに見ていただいたという経緯でございます。

○鞠子委員
 説明になっていないじゃないですか。発足したばかりで協議会の目的、それから今後の課題についてスタートしたばかりじゃないですか。何で最初から屋上校庭を前提にしたと、受け取れるじゃないですか。だから、僕が聞いているのは、なぜ昌平小学校だったのか。最初から屋上校庭を想定していたからじゃないんですか。屋上校庭の提案をしたのはだれなんですか、言ってください。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 これにつきましては、昌平小学校という、先ほど申し上げました情報がございました。こちらのほうでも事前に確認をしてございまして、こういう小学校だということで紹介させていただいて、それを地域の皆様にも見ていただいたという経緯がございます。

○鞠子委員
 それでは答えになっていないんですよ。なぜ選んだか聞いているんです。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 それは、先ほど申しました課題として、校庭の拡充ということが地域からの御要望でございました。そういうことで、見たいということもお話がありましたので、この見学会を実施させていただきました。

○鞠子委員
 これは、では住民が、つまり改築準備協議会の構成メンバーから昌平小学校があるよという情報を寄せられたんですか。だから、それに基づいて、校庭の広さの問題も今後あるだろうからというので昌平小学校を選んだんですか。そういうことを聞いているんですよ。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 それにつきましては、情報はこちらのほうで収集している学校改築の調査の中でしたものでございます。

○鞠子委員
 住民じゃないじゃないですか。教育委員会があらかじめ昌平小学校のデータをわかっていたから、協議会で目的も決めようという1回目が終わったのに、1カ月もたたないうちに具体的に今回の中央小学校のモデルになっているような屋上校庭を見に行ったんじゃないんですか。初めにもう計画ありきじゃないですか、こうなったら。結果として、屋上校庭じゃないですか。そもそもそういう点で、おかしいでしょう。改築準備協議会は始まったばかりですよ。どうしようかというのに、もう既に今回結論になっているようなグランドデザインがもうできちゃっている。これは変更されていないでしょう、屋上校庭。そのとおりになっているじゃないですか。そういうところに、住民から見ても不信があるんじゃないですか。こうやって、どんどんコンクリートして、こういう案ができましたと。御説明しますと。これでは全く最初のスタートから違っているじゃないか。それをきょう、請願者の皆さんが言っているじゃないですか。明石小でもそうだった。

 私、聞くんですが、屋上の校庭があるのは全国でもあそこだけじゃないんですか、私の少ない知識では。少なくとも23区では千代田区の昌平小学校以外にありますか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 小学校につきましては、屋上にあるのは昌平小学校だけでございます。屋上ではございませんが、人口地盤のもので2階とか、そういうところにある小学校もあります。

○鞠子委員
 通常、物事を企画するときは、いろいろな選択肢を、可能性を追求した上で、その中から選んでいくのが筋ですよ。最初から屋上校庭に焦点を合わせたというふうに見られることですよ、計画が。これはずっと変わっていないんだから。最終的にも屋上校庭になっちゃったんだから。そういうやり方が批判されているんじゃないですか。

 それから、屋上校庭については、はっきり言うけれども、23区でもただ1校ですよ。あれは10年近くたっているんですかね、建てかえてから。検証する事例としては、本当に1件だけなんだから、今後どういう問題が起きるか。たまたま大震災に直面している事例がまだないから、あれだけれども、今議論があった震災時どういうふうに避難するか、災害時にどう避難するかという事例はまだ昌平小学校で起きていないんですよ。そうですね。検証できないでしょう。あなた方はこれに対して、大丈夫だ、避難もすぐ行けると、こうおっしゃっているけれども、根拠がないじゃないですか。大丈夫だというのは設計上大丈夫だ、想定上大丈夫だと言っているけれども、屋上校庭がある事例は1校だけ。災害時の事例にもなっていない。わからないじゃないですか。なぜそういうふうに断言できるんですか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 先ほど申し上げました昌平小学校、こちらのほうも見せていただきました。さまざまな問題点、こういうお話もいただきまして、今回の設計の中では改良するような形で計画を進めてきたところでございます。避難についても、これは一番学校施設としては重要なことでございますので、これは慎重に検討を進めさせていただいて、計画させていただいてございます。

○鞠子委員
 慎重に検討と言うけれども、同じ学校が全国に2割、3割あれば、検証の対象としては十分あるでしょう。いろいろな災害も起きる可能性の高いところは。発生する率としてはあり得る。ないんだから、今まで。検証のしようがないじゃないですか、まだ。大丈夫なんて簡単に断言できないと思いますよ。

 それから、言いますけれども、避難が大丈夫だと、それも言いました。聞きますが、中央区立の小学校で5階建ての小学校というのは何校ありますか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 日本橋小学校、月島第三小学校でございます。

○鞠子委員
 それは、いずれも屋上には校庭がないですね。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 校庭はございません。

○鞠子委員
 その5階の小学校で避難について大丈夫だという、何か検証した結果はあるんですか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 地震という事例はございませんので、検証というのは、やはり防災の危機管理マニュアル、こうしたものをつくる中でございます。

○鞠子委員
 先ほどお答えになった、5分と言いましたか。それはどこで検証したんですか。設計上5分で避難できる設計だというにすぎないんじゃないんですか。5分はどこで実験、検証したんですか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 実験等はしてございません。建築上の算定方法から、700人程度いた場合ということで検証したものでございます。

○鞠子委員
 これも私は言いますが、建物の施設を企画するときに、設計上は大丈夫だ、これは普通そう説明があるんです。しかし、設計上想定しない事例で事故が起きるんじゃないですか。後から見たら、対策が不十分だったと。そればかりとは言いませんよ。そういうことがあり得るわけじゃないですか。本当に子供の安全ということを考えるなら、よほど慎重に、避難という問題も含めて可能な検証を十二分に行って、そして案を練るべきではないですか。今の御答弁では検証していないと。そうでしょう。だって、まだ屋上の校庭を持った学校は1校しかないんだから。それで果たして万全だ、安全だ、5分で700人が避難できると言えないんじゃないですか、断言は。それを、きょうの請願者だけでなく危惧している面があるので、いろいろな場面で質問しているんじゃないんですか。絶対に大丈夫だ、5分で避難できるという根拠はあるんですか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 これは、やはり設計の法規の中の基準等、法に基づいた算定でございます。

○鞠子委員
 つまり、想定なんですね。想定によればと言わないと、正確じゃないじゃないですか。

 それから、さっき日影が屋上の開閉式の校庭の場合4割出ると。それは久米設計が11月2日に説明されたと請願者の方は言っていました。それは否定されていないんだから、今のあなたの答弁も。どういうことを言ったか。私も耳を疑いましたよ。日影は4割あっても、6割は日が差すから。校庭の面積は広がるんだから、掛け算すれば、今の校庭よりも日の当たる部分が広いからいいんだと。ちょっとそれは幾ら言うにしても、説得力がないんじゃないですか。では、日影の部分で子供は遊ばないんですか。日影のない6割のところだけで遊ぶんですか。そんなことはないでしょう。

 そんなことをしなくても、今、校庭は狭くたって日はさんさんと入ってきますよ、特にコの字型の校庭は。そんなことをしなくたって、全面的に日が当たってきますよ。どっちがいいかという問題ですよ。

 教育委員会が、4割前提で6割残って、絶対的な面積が広いからというのは、私は耳を疑いましたが、本当にそう思っているんですか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 先ほどお話しさせていただいたのは、現状につきましても、近隣マンションあるいは建物がございます。あるいは、コの字型でございますので、校舎からも影になり、校庭につきましては、やはり冬の間については日影が多くなるという状況でございます。そういう中で、屋上に持っていくことで、より広い面積が確保できるということで申し上げたところでございます。それが必ずしもいいとは申し上げられませんが、都会の商業地域の中で、できるだけ確保する一つの方法であると考えています。

○鞠子委員
 その御答弁を聞いても、全然説得力がないと私は言います。日の光をふんだんに浴びる校庭のほうがよほどいいじゃないですか。それが教育上見たって、いいことですよ。では、そのためにどうしたらいいか。より広い校庭を地面で確保して、そして日がさんさんと照る校庭をどうつくるか。住民の方はA、B案を出された。それ以外の案も出てくるのか。校庭をより広げて、屋根なんかつけない当たり前の青空のもとの校庭をつくる方法はないのか、そういう検討から始まるのが計画づくりじゃないですか。そういう意味で、計画から見て、屋上校庭をまず真っ先に見に行って、結論的にも屋上校庭になった。あらかじめ、そのデータは教育委員会が収集したデータに基づいて見学会をやったというんだから、もともとそれを前提で協議会に提案しているということですよ。提起しているということになりますよ。あらかじめゴールを示しているということになりますよ。それでは協議にならないじゃないですか。

 次にいきます。

 校庭の50メートル×50メートルの問題、測定できないからということでおっしゃって、別の学校で50メートル走のタイム測定をやる。確かに、請願者も校庭が狭いことは認めている。リノベーション案では少しでも広げようと、こういう提案をしていますよ。50メートルの問題というか、校庭が広がることはいいと思います。きょう、時間の関係で報告がないけれども、事前にきょうの報告事項、資料をいただいていますから、区立小・中学校児童体力調査が出ていますよ。立派なものじゃないですか、50メートル走だって、小学校。50メートル走は都下、全国に比べても下回っていないんでしょう。上回っていると出ているんじゃないんですか。どうなんですか、そこは。

○和田指導室長
 体力テストの話になりましたので、私のほうから答弁させていただきます。

 50メートル走につきましては、確かに数字的に上回っておりまして、これはうれしいことだというふうに思っております。これは、ただ単に走るスペースが確保できたらということだけではなくて、日常的に体育の授業を充実させている。体育指導補助員も配置しておりますし、それからマイスクールスポーツとして放課後等の活動も活発に行っておりますので、小学校においては、そういう運動経験がこういう結果になって生きてきたんだなというふうに考えています。

○鞠子委員
 今、議論になっているのは、小学校の改築問題です。50メートル走ができないということがかなり前面に出されて、明石小のときも似たような議論があったように記憶していますが、しかし、今、指導室長が言ったように、50メートル走が小学校はちゃんと立派な成績になっています。いろいろな工夫をして、そういう向上が見られていると。いろいろできるじゃないですか。だから、私は50メートル走ができない、測定できる距離がないからなどというのがこういう計画の前提になるというのは、根拠としてどうかなと、そういうふうに私は思いますよ。恐らく請願者の方も区民も、50メートル走ができるから復興小学校を壊して、50メートル走のできるスペースを確保するのが、ということになっちゃったら、話が逆さまになるじゃないでしょうか。

 それから、聞きます。小学校の児童数の推計については、紹介議員も言及されていましたが、私もこの点についてお聞きしたいと思います。

 11月2日に教育委員会から我々は資料をいただきましたが、中央小学校の普通学級の推計が出ています。平成22年から平成27年度。児童数の合計が22年110、103、107、113、110、平成27年度には119。私も、この改築計画の根拠になっている21年3月の小学校改築計画策定調査報告書を見ました。このときの推計と大きく違っている。私もそこは気がつきました。

 このページによりますと、小学校改築計画策定調査報告書の児童数の推計について、3ページに出ています。ここは平成20年から25年まで中央小が出ていますから、今、私が読み上げた直近の資料とあわせますから、22年から比べてみると、130人、127人、136人、148人となっています。直近の推計は大きく下回っているじゃないですか。これは、どっちが正確なんですか。この平成21年3月の学校改築計画策定調査報告書の推計、それから直近の中央小の27年度までの児童数の推計、これはどういうふうに理解すればいいんですか。

○長嶋学務課長
 すみません。こちら、平成21年3月の報告書と、今回出させていただいた児童数の推計について、計算方法は全く同じでございます。こちら、ゼロ歳児から5歳児までの現に住民基本台帳に登録されている人口、それに対して各学校の就学率を掛けまして、指定校変更等の出入りを計算するという形でございます。ですから、平成21年3月のときのデータと、今回は平成22年4月現在のゼロ歳から5歳までの人口で推計したものと、それから、こちらはその前、恐らく20年度中のデータだと思いますけれども、そちらのゼロ歳から5歳まで推計したものということで、数字的にはずれているという形になっています。

○鞠子委員
 事実はそれでいいんですよ。私が聞きたいのはこれからですよ。改築計画策定調査報告書の21年3月の3ページのこの推計に基づいて、この推計は、こう書いてあります。児童数の増加が見込まれる小学校ということになって、すなわち中央小学校は平成20年度114人が平成25年度で148人の34人増となると。つまり、児童数の増加が見込まれる小学校だという推計をしているんです。だから、児童数増による3校の課題というのが5ページに出ています。だから、ここは改築する対象校なんだと、そういう結論ですから。そもそも前提が違ってきているじゃないですか。違いますか。推計が違うと言っているんだから。今の明石小も含めた明正小、それから中央小の改築対象校に3校を選んだ根拠になったのが小学校改築計画策定調査報告書、21年3月のものです。その根拠の根拠が児童数の推計じゃないですか。このようにはふえていないじゃないですか、直近で。そもそも根拠にしていた児童数の増加がないんだから、前提条件が崩れているんじゃないですか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 推計でございます。

 こちらにつきましては、先ほど学務課長が申し上げたとおりに、同じ方法でやってございます。20年のときと今回とで大きな違いにつきましては、就学率でございます。実際、地域の、先ほど申し上げました学齢でいきますとゼロから5歳は183名ということでございます。ここに就学率を掛けているところでございますが、今回、3カ年の平均ということで61%ほどでございます。これは、例えば昨年48%ぐらいしか地域のお子さんが行かなかったということがございまして、これについては、どのような事情かというのは分析がまだできていないところでございますが、実際のお子さんがいる中でも就学率が今、下がっているということでございます。

○鞠子委員
 そういう要因の分析はしていないんでしょう。なぜか。では、私は言いますが、現在では、平成27年度までの児童数の推計というのは、議会はどっちが正しいと理解すればいいんですか。21年3月の推計なんですか、それとも11月2日に議会のほうに、我々のほうに出してもらった数値、どっちを中央小についての児童数の推計として議会としては理解すればいいんですか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 推計につきましては、さまざまな分析をしなければならないと考えてございます。そういう中で、今回、就学率が下がっているということも、これは分析が必要かと思っております。例えば、改築をこれから進める中で、そういう状況を避けたということもございましょうし、そういうことを含めて分析は必要かと考えてございますが、この推計というのは、我々としましては、各施策を進めていく中の目安あるいは参考としてございます。ただし、推計の人数だけではなくて、やはり実際の人数もにらみながら、さまざまな施策を考えているところでございます。

○鞠子委員
 これは別に今、明石小学校を取り上げるわけじゃないけれども、同じことが出ていますよ。明石小学校は4ページで、平成22年214人になる、25年299人になりますよと推計しています。だから、ふえるから改築対象校だと言っています。ところが、明石小学校、同じ資料を見ますと、平成22年は180人、25年は234人。これはふえていますね。しかし、22年は180、そして、こちらの数字でいえば214人になっていますから、食い違いが出ていますね。では、明石小も中央小も、直近のデータが児童数予測の数字だと理解していいのか、はっきりしてください、はっきり。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 明石小につきましては、お子さんの数がふえてございます。現実的にそういう中で、ことしにつきましては、やはり先ほど申し上げたパーセンテージでいきますと、58%ほどの就学率となってございます。そういう中では、中央小と同じように下がっていると考えています。

○鞠子委員
 もっと明確に答えてもらいたい。どっちが教育委員会の考える児童数の推計なのか聞いているんですよ。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 どちらかということでございましたら、今、直近で出したものが一番、私どもとしてもこの数字をもとに、さまざまな施策を展開しているものでございます。

○鞠子委員
 だとしたら、そもそも21年3月の前提条件が崩れたということじゃないですか、中央小について言えば。児童数の推計よりも少ない人数が、今おっしゃったように、今、教育委員会が考えている推計数字だと言うなら。そもそも改築対象は、児童数の増加が見込まれるというので、明石小、明正小、そして中央小は改築対象の一番優先順位が高いと結論づけた根拠になっている児童数は、実はそうじゃなかったんですと。それより少ない児童数の増加が教育委員会の考えるものなんですと言っちゃったら、そもそも改築対象にした根拠がなくなったということじゃないですか。はっきり答えてください。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 先ほども申し上げましたように、推計というのはさまざまな要因によって変わってくることもございます。そういう中で、私どもとしましては、実際のお子さんの数、住民基本台帳に基づくお子さんの数等もにらみながら、施策を展開しているところでございます。

○鞠子委員
 しかし、おかしいですよ、どう考えたって。あなたが、これが数字だと言っていた直近の数字でいうと、平成27年110人のところが27年度9人しかふえないんですよ。平成27年度9人しかふえないのが中央小の推計ですよ。それで何で現コンクリートされた5階建てで屋上校庭で、ああいう建物が必要だという結論になるんですか。そもそもそういう意味でいえば、21年3月の前提条件がなくなったということじゃないですか。だったら、もう一回そこからスタートし直すべきじゃないですか。答えてください。

○新治教育委員会次長
 児童数の推計等のお話が出ておりますが、再三、副参事のほうで申し上げております就学前の人口、こちらのほうの数字の動きをよくごらんいただくとおわかりになると思いますが、例えば中央小学校、5歳が26人、ゼロ歳34人、明正小学校については5歳が38人でゼロ歳が56人。

 今、御存じのとおり、中央区の定住人口の回復、若い世代を中心に力強く上昇しているところでございます。そういう点を踏まえますと、就学率という先ほど副参事が説明した、今いる子供たちが実際この学校に保護者が行かせるかどうか、それが就学率でございます。例えば、それがほかの施設のいい学校に行かせてしまうとか、改築期間中は避けようというふうな、いろいろな保護者の思いの中で就学率が動いてきています。その3年間の平均で現時点で推計したものがこれということですから、当然、先ほど学務課長が言いましたけれども、1年前の集計と数字が変わってきた。また、今後また1年たってやってみると、また集計数字が動いてくるという、それも事実でございます。そういうものを踏まえながら、私どもは今後も確実にふえていく、そういうふうな予想のもと、今後の改築計画を着実に進めてまいりたいと考えているところでございます。

○鞠子委員
 だって、この計画は、対象校を3校にすると言ったのは21年3月じゃないですか。あなたは、仮校舎があるから就学率に影響したんだと、それを避けたいと言うけれども、3学校を対象にするとなったのは21年3月ですよ。それが就学率にどういうふうに影響するんですか。だから、そうやって就学率、就学率と言うから、いろいろな要素があるけれども、分析していないんでしょう。推測じゃないですか。恐らくそうでしょうと。仮校舎が嫌だから、ほかへ行くんでしょうと。推定しか言っていないじゃないですか。分析していないんでしょう、副参事。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 分析は、なかなか難しい要素もございますが、先ほど申し上げました平成20年度は77.4%ほどございました。そういう中で、やはり22年度については、先ほど申し上げたように48%の就学率となってございます。

○鞠子委員
 これは、改築する前提の推計なんだから、なぜ、就学率のこういう変化が出てきたのか、分析があって当然だと思う。その上で、裏づけが出てくる。分析していないんでしょう、なぜか。次長は推測をまじえたお答えをしているけれども、分析をしていなくて、なぜ70%台が48%になったかやっていないのに。しかも直近の数字は大体横ばいで、21年3月のときよりはるかに少ないふえ方だということであれば、どう考えても、21年3月の結論に基づいて突っ走るというほうが道理がないんじゃないんですか。

○髙橋教育長
 予想推計につきましては、委員御指摘の21年3月のものにつきましては、19年度のデータをベースに、20年度から25年度までを推計いたしました。ただし、それは改築校選定に当たっての主な要因ではございますが、改築校選定に当たりましては、建設年度、それから児童・生徒数の今後の推移、それから、これまで改築に係る経緯、特に中央小学校につきましては、京華、鉄砲洲の統合がありまして、他の統合校とは異なって改築ではなく改修ということで対応して、地元からもかねてより強い改築の要望がありました。そうした3つの要素を総合的に判断したものであることが1点。

 それから、予測につきましては、この時点では特認校制度が、まだ定かでありませんでしたから、それは見込んでおりません。それから、予測につきましては、例えばこの並んでいる6校につきましても、泰明小学校も予測より低いとか、あるいは特認校が入ったので城東小学校は22年度を見れば予測より高いとか、多少その増減は当然あります。ですから、私どもは改築の是非は置いておきましても、改築を進める以上は、どこかで選定しなければなりません。基本計画の時点で3校選定しました。その3校については固有名詞がありませんでしたから、この改築計画策定調査の中で、実際には平成20年12月の区民文教委員会に学校名については中間報告をしながら取りまとめたものでございますけれども、その中で決めなければなりませんから決めたわけでありまして、委員がおっしゃるように、それが著しく間違っているかどうかは、新しい学校ができて、どれだけの子供が入ってくるか、そこまで対象の長いスパンで見ていただかないと、年によってどんどん変動がございます。

 それと、これは確かに分析でおっしゃいましたけれども、プライバシーに入る部分がありますので、なかなか具体に個々にお聞きできない部分もありますけれども、地元の声としては、学校がこういう学校だから、よそへ流れるんだと、そういうことを中央小学校の地元のまちの人は心配される方もおられるんですよ、実際。ですから、ぜひ早く改築してくれと、そういう要望を私どもはいただいてきたんです。ですから、平成22年現在のデータと21年3月にお示ししたデータが異なるからといって、これは根拠がないとか、そういうふうに私どもはとらえておりませんので、そういうことで御理解いただきたいと思います。

○鞠子委員
 全く理解できないですよ。3校を改築するスタートラインに着いたのがこの報告書ですよ。私が言うまでもない。これが出てから3校が具体化してきたんじゃないですか。しかも、あなたは児童数の増加だけじゃないんだと言うけれども、それはおかしいでしょう。

 視点2で3ページで何と言っているのか。児童数の推移の見込みと課題と。児童数の増加が見込める小学校ということで、わざわざ筆を起こして、さっき言った推計で、ふえるから3校だと言って、大前提はふえる前提じゃないですか。それでスタートしているんです。私が言っているのは、そもそものスタートになった増加は増加じゃないでしょうと言っているんです。ここで見込んだ増加と全然違っているじゃないですか。大前提が違ってきているんじゃないですかと言っているんです。違った前提で改築対象校にしたんだから、それはおかしいんじゃないですかと言っているわけですよ。しかも、今後どうなるかわからないと言っているじゃないですか、就学率がどう変化するか。わからないんでしょ。わからないままでは、これが正しいと言った、今、こっちがより正確だと言っている直近の数字だって、わからないじゃないですか。

 しかも、特認校の問題を言ったから、特認校はなかったんだと言ったけれども、既に特認校はあって、数字が出ているじゃないですか。中央小から今回、本当は報告があれば、報告がある日ですよね、きょう。中央小からは4人行っていますよ。念のため、明石小から6人行っていますよ、ほかの学校へ特認校で。こういう、うそが出てくるじゃないですか。

 それから、あなたのほうで、設備が古い、学校が古いから云々という話で心配していると言ったけれども、それもちょっと特認校のアンケート、平成21年、平成22年と特認校の分析を私しましたが、設備がいいからだと言っているのは1.4%ですよ。それを理由に特認校を選んだのは1.4%。設備が新しいとか設備がいいとかじゃないんですよ。多くは、伝統がある、特色がある教育内容に着目して特認校を選んだというのが、あなた方がやった21年のアンケートに出ているんだから。設備じゃないと言っているんだから。設備を理由にした特認校の申し込みは1.4%しかない。それは、あなた方が調査した結果ですよ。設備、設備、校舎、校舎と言うけれども、教育の内容、その学校がどういう教育をしているか、そこを特認校を希望する人たちは着目しているというのが、あなた方のデータでもはっきりしているんですよ。

○髙橋教育長
 ただいまの件で申し上げますと、私どもが申し上げたのではなくて、地域の方が、平成21年3月に取りまとめる過程の中で、地域の方とお話ししている中で、皆さんがそういう心配をされていたということを私は申し上げたわけであります。私どもが言っているわけじゃないんです。地域の方がそういうふうに言っていたということを私は御紹介しただけですから。それが1点。

 それから、今、児童数増加の3校の課題云々だけでお話しですけれども、改築に関するこれまでの経過というのは5ページにちゃんと書いてありますよね、これも踏まえなきゃいけないということで。だから、決して視点2だけで私どもがこれを取りまとめたのではなくて、3つの視点からやったわけですから。

○鞠子委員
 わかりました。そう言うなら、私も言いたいです。

 しかし、5階建てにして、今、3階ですよ。教室数を12クラスにするというんでしょう。生徒がふえないで、12クラスに何でするんですか。いや、待ってください。少人数学級とか、いろいろ言うんでしょう。そんなことは前提で聞いているんですよ。そのためなら結構ですよ。その方法なら、こういう案じゃなくたって、リノベーション案だって十二分に対応できるという案がどんどん出てくると思いますよ。おっしゃってください。

○髙橋教育長
 小学校は6学年ありますから、学級規模を考える場合は6の倍数になります。ですから、7学級というのは一般的につくりません。ですから、7が出るような可能性があれば12学級を用意するのが全国的に当然のお話でありまして、私どもはこの建物は、これから50年、100年かわかりませんけれども、学校として使っていくわけですから。いかなる将来の変化にも耐え得るように、少人数学級も当然入ってきますよ。ですけれども、あえて言いませんけれども、いろいろな変化が発生する。

○鞠子委員
 言ったらいいじゃないですか、積極的に。

○髙橋教育長
 12学級は、私はごく普通のことだと。

○鞠子委員
 6学級で12学級というのは、僕だって知っていますよ。7学級をつくらないというのは。私は、そんな話をしているわけじゃないでしょう。21年3月は生徒数がふえるから改築するという大前提を組んだんだから。ふえない。ふえても、本当に予測よりずっと下回る推計しかないんだから。そういうことを言っているんです。

○髙橋教育長
 ちょっと認識に誤解があるといけませんので、念のために申し上げますが、生徒数がふえるというのは、6校の比較相対の問題で、比べたときに選んだ3校がふえるんだから、この学校を優先的に。例えば、その当時で協力校がゼロですね。減りもしない、ゼロでしたけれども、そうでなくて、児童数の推移ということを3つの視点の中で課題に入れるとしたら、その時点で6校の中の相対比較でもって、ふえる学校についてやりましょうと。

 具体的な学校名は、21年3月の報告書のところから始まったのは事実ですが、学校改築につきましては、その前段の2008年の基本計画策定のときに10年間の財政フレームを踏まえまして、3校ということは整理して、議会にも報告しておるところです。その3校を具体化するためにこの調査をして、そのときに児童数につきましては6校のうち、6校をくじ引きでやるわけにいきませんから、合理的な理由を立てなきゃいけないということで、建設年次、児童増加数、それから改築に関するこれまでの経過を取りまとめた中で、児童数について相対比較をして、この3校はふえるんだからと。この時点で中央小学校について教室不足とか、そんなことは言っていませんよ。明石小学校はふえていきますけれども、現に幼稚園はことし1つふえて、一時的にほかの部屋を転用して仮園舎に移るまではやっていますけれども。

 子供の数もありますけれども、学級数が大事なんです、学校の場合は。制度の枠組みが変わらない以上、何学級の学校かというのが大事なことですから、人数が何人だからどうこうではなくて、学級数ですね。では、何で人数をやったというのは、それは比較相対の判断をする材料としてやったと。そういうことで御理解いただきたい。

○鞠子委員
 それでは、改築対象校では児童数の推計を何でやったんですか。減る学校とふえる学校を出すためにやったんですか。この表を見れば、城東小学校はマイナス1人、泰明小マイナス59人、明石小、明正小、それから中央小は、ふえている数は別だけれども、ふえている。常盤小ゼロ、阪本小はマイナス11人だと。減っているところもあります。ふえるところもあります。それを比較するために出した数字なんですか。それが何で改築の前提になるんですか。

○髙橋教育長
 まず1つは、学校によって非常に違いますけれども、教室が不足するから急いで改築ということではなくて、基本的には建物が老朽化したからです。

○鞠子委員
 全然そんな話は出ていないですよ、まだ。

○髙橋教育長
 老朽化したからでしょう。

○鞠子委員
 いや、今、僕の言っているのは。そういう話は聞いていない。

○髙橋教育長
 私のほうから、今お聞きした範囲で説明しているんですから。

 なぜ学級数の推計をしたんだというお話ですから、だから、それは、また繰り返しになりますけれども、まず3校というのが基本計画で決めたのは先ほど御説明いたしましたが、その3校を具体的に当てはめる際に、建設年次、児童数、それからこれまでの経緯の3つの視点の中の児童数を一つの要素として検討したということで、例えばこれはみんなゼロだとする。極端な話、全部増減がないゼロだとしたら、ほかの要素がウエートを占めて、どうするかということになりますし、例えばマイナスだったとします。マイナスだったとしたら、ではもう学校の改築をやめちゃうのかと。それは根本的な議論になりますから、それについては、本区は16校の小学校を小規模でも全部残すと、そういう方針でやっていますので、やはり老朽化したものは建てかえていくと。だから、老朽化した学校を建てかえたほうがいいかどうか、それは議論がありますけれども、私どもは地域から要望を受けているから、建てかえたほうがいいということでね。そのときに使った推計ですから。

 そういうことでございます。

○鞠子委員
 そのお話を聞くと、余り児童数の推計は改築対象校選定には大きなウエートはなかったということになりますよ、そういう言い方をすれば。老朽化が第一の理由だということになりますよ、今の教育長の言い方は。

○髙橋教育長
 今、わかりやすく言うために、例えばマイナスの場合だとか……。

○鞠子委員
 全然わかりやすくない。だんだんわからなくなってきた。

○髙橋教育長
 いや、ですから、学級数も一つの要素ですし、そのときに推計しましたが、それは6校のうちで学級推計がどうなるかを見た上で、そこに書いてある課題が出てくるから、対応しましょうということであります。これは、中央小学校でやっているけれども、明石小学校の場合は教室不足のためと書いてありますけれども、中央小学校は教室不足と書いてないですよね。ですから、その学校によって事情が違いますから、それを踏まえた上で、中央区として行政の責任において、学校改築を進めていこうということで、そのときに使った推計がこれです。

 今、平成22年ですけれども、確かに今お出ししたやつ、このとおりいくと私ども100%保証いたしかねますよ。今わかっている時点で、先ほど学務課長が説明したような合理的な推計でしたら、こうなりますよと。3年平均を使うのがいいのか、それとも直近を使うのか、いろいろやり方はありますけれども、私どもは過去3年平均の入学率を使って、それから子供がぴったり来ないのは、特認校だけではありませんからね。指定校変更あるいは私立へ行くお子さんもいらっしゃるし、その他いろいろ、余り聞けないようなこともあると言ってはあれですけれども、あるかもしれない。いろいろなことがありますので、なかなか実態把握というのは簡単なようで難しいんです。ただ、御指摘もありましたので、各学区自体、担当のほうでそうした差についてはこれからも分析は努力するようにしますけれども、そういうことでございます。

○鞠子委員
 まず、合理的な推計でないということを認めたことになりますよ。合理的だと言うけれども、根拠を示せないでしょう。だって、特認校ばかりでなく私立へも行くでしょう。いろいろ要素を挙げているけれども、裏づけがないじゃないですか、やっていないんだから、分析をね。合理的な推計ですなんて、なぜ言えるんですか。

○髙橋教育長
 まず、最初に合理的な推計で申し上げたのは、追加資料でお出しした推計については、いろいろな考え方はありますけれども、例えば特認校、それから指定校変更、私立、その他もろもろの要因の分析がないにしても、結果的に何割の人が、どのぐらいの子供が地元の小学校へ入るかというデータがありますので、それの3年平均をとらえたと。それはおかしいよ、3年平均なんていうのは合理的じゃないというお考えもあるのかもしれませんよ。ただ、私どもは直近だけでなくて、3年平均をとったほうがより実態に近いだろうという判断でやりましたと。

 ですから、何も隠し立てはしていません。ただ、この就学率の差については、委員おっしゃるように、そこまで一人一人の分析まではできていませんと。それはそのとおりです。御答弁したとおりです。今後はできるだけ努力しますということです。

○鞠子委員
 今後やると言ったって、改築のあり方が問題になっているときに、改築の前提になっている児童数がふえる前提が大きな要素になっていたのに、いいですか、今後、推計の内容についてやりますというのでは、話が逆さまだろうと言っているんですよ。そんなあやふやなことで、いろいろな意見の出ている復興小学校を解体して、新築以外にないんだという形でやっていること自体が、そうなると本当に根拠がないということになりますよ、教育長。ちょっと待ってください。まだあるんです。

 最後、これをやっていると時間が長くかかっちゃうので、最後だけ聞きます。

 最後、聞きたいんですが、一説によると、都市経営論ということに基づいて、いいですか、月島地域の人口急増と児童推計、さっきの話じゃないけれども、児童数の推計は、はっきりふえる、もっとふえると。月島地域ね。ところが、なかなか学校の増築・新築というのが計画されていませんから、その受け皿として、比較的物理的に距離の近い京橋地域の3校をボリュームの大きい学校にして、急増する月島地域の就学児童の受け皿とするんだと、そういう考え方をしているということを、せんだって明石小学校の一連の報道の中で、そういう区の考えがレポーターによって報道されていました。そういう考えはあるんですか。

○髙橋教育長
 特認校制度にしましても、強制ではございませんので、御家庭の自由な意思でもって当然選択いただいていますから。

○鞠子委員
 特認校は聞いていないですよ。

○髙橋教育長
 いや、現行制度で、例えば月島地域から例えば中央小学校へ来るとしたら、特認校制度しかないですよね、自由にできるのは。それを、例えば教育委員会で月島の子供の何割かこっちに来なさいとか、そういうことはないですから。学区域の変更がない限り、そんなことは基本的にはできないわけですから。しかも、自由な移動ができる特認校であっても、それは教育委員会が押しつけるものではなくて、保護者の方の選択によるものですから。結果的にそういうことがあったとしても、それは区が意図してどうこうということにはならないと思います。

○鞠子委員
 大変重大な答弁ですよ。特認校制度は、今ありますよ。では、改築対象校の明石小、中央小、明正小は、今現在、特認校ですか。

○髙橋教育長
 現在はありませんけれども、先ほど……。

○鞠子委員
 いや、それだけ答えてくれればいいです。現在どうなんですか。

○髙橋教育長
 いや、だから、私の答弁の趣旨を伝えたいので、答弁の趣旨は、そういう流れがあるとしたら、現在の制度ではそういうものしかありませんよと。仮にそれをしたとしても、それは教育委員会が押しつけるものではなくて、保護者の自由な選択ですよということを御説明して、誤解がないようにしただけですから。

○鞠子委員
 つまり、受け皿論は否定していないということです。そうでしょう。それは、制度上、特認校にすれば、親の意思の判断で、誘導しないけれども、結果としてそうなるかもしれないというのは、そうおっしゃったんだから。そうなると、今後の問題がさらに出てくる。では、学区域は何の問題か。どうして学区域が決められているのか。親、子、孫まで同じ学校に行って、地域が育てた学校だということで、地域が育てる学校ということで、長年、中央区の学校は来ている。それで、特認校にすれば児童数が急増する月島地域の受け皿に3校がなる。余裕を持って教室をつくっておけば、特認校で来ても大丈夫だというのは、そもそも地域に根差した学校づくりというところから外れたことになるじゃないですか。筋道としたら、急増する地域は晴海地域、豊海、月島地域、人口増に対応し、児童数に対応するのは学校の増築と新築しかないじゃないですか、その地域内で。それが本来の学校の地域に根差した学校のあり方であり、学区域の考え方でやる学校のあり方じゃないですか。ずっと今まで学区域を守り、地域が育てる学校と位置づけてきたんでしょう。

 ちょっと待ってください。今のお話は、結果として親の選択で、ボリュームのふえた明石小、明正小、中央小に月島地域から児童が来ることは教育委員会が誘導するんじゃなくて、親の意思だと。そんなことを言ったって、そういう制度をやりますよと言えば、当然対象にするじゃないですか。制度をつくるんだから、よかったら来てくださいということになるじゃないですか。来ることを期待していなかったら、特認制度を新たに拡大する必要はないんですよ。

 だから、私が言いたいのは、そういうことの受け皿論に立って、重要な文化的な価値ある復興小学校をボリュームの大きいものに何でもしなきゃいけないという形で、貴重な文化財を壊して受け皿にするなんていう考えがもしあるとすれば、そもそもが発想として、地域に根差す学校づくりという長年の中央区の考え方から見て、地域の人から見たら、それはどうなっているのかということになるじゃないですか。

 では、月島地域で、急増地域ですよ。豊海にも僕は行きましたけれども、大変だと言っていた。晴海だって大変ですよ。新しくできたマンションから月島第三小学校まで行くのに相当距離がある。豊海小へ行けばすぐだと。こういう声も出ていますよ。そういう急増地域に本腰を入れて小学校の増設や増築を具体化しようとしないんですか。一生懸命受け皿になる復興小を3つ壊して、受け皿はそっちでいいと、そういう考えがそもそも違うんじゃないですか。

○髙橋副区長
 ちょっと私のほうから答弁して申しわけありませんが、この計画は、平成21年3月に教育委員会のほうからできたわけですが、当然、区役所の中の全庁でこの報告を受けております。私どもはこれに必要な予算を査定するという立場から、詳細にこれを区長部局としても検討いたしました。

 ちょっと今、話が少しそれたように思うんですよ。今も、その特認校の話は、もともと我々が議論したときも、そこまでは想定していません。これは、さっきから教育長も何回も答弁いたしておりますけれども、この本の4ページを見ていただければわかるんです。ここに書いてあるとおり……。

○鞠子委員
 どの本ですか。

○髙橋副区長
 委員お持ちの。同じやつです。

 そこに書いてありますように、さっき教育長が言ったのは、話のポイントなんですが、基本的には16校全校をいずれは将来、学校が存続する限りは、この年数ですから、改築をせざるを得ない。そういう基本的な認識はあるんですよ。ただ、その中で、基本計画2008をつくったときに、どの学校から優先的にやっていくか、それをセレクトしたときに、例えば中央小については、ここに書いてあるように実質的な校庭面積が全小学校の中で一番狭い。もちろん、老朽度は皆同じですよ。どの学校を先に改築してもいいぐらいの老朽度、建築年数なんですよ。そこで、この3つの、ここにア、イ、ウと書いてある中央小、明石小、明正小をここに掲げてあるとおりの理由で、我々もいいだろうと。教育委員会の案は是だと。

 したがって、予算の査定をしようということでやって、これは先ほど原田委員からも御質問のあったように、議会の議決をいただいて、予算計上して粛々と執行していると。それが実態ですから、今の議論は少し本論から離れちゃいますので、私が余計なことを言いましたけれども、それだけお答えします。

○鞠子委員
 本論に外れたというのは……。

○青木委員長
 鞠子委員、そろそろまとめていただけますか。

○鞠子委員
 はい、まとめます。

 本論に外れたって、おかしいじゃないですか。私は、教育長に特認校のとの字も言わなかったですよ。児童数急増の月島地域の受け皿として、復興小学校3校のボリュームを大きくするという考えはあるのかと聞いた。否定しなかったでしょう。結果として、特認校しかない。学区域の変更なんて、そうできないんだから、特認校という仕組みしか、そういう場合はあり得ないと。特認校の場合は、別に教育委員会が月島から誘導するわけじゃないんだと。親の判断で特認校を選ぶんだから、誘導するわけじゃないと。でしょう。では、明石小、中央小、明正小は今ある特認校の指定校、特認校としてなっているところ以外に特認校にすることはないのかということについては否定していないんだから。そうでしょう。可能性を否定していないんでしょう。もしかしたら、中央小、明正小、明石小は絶対に特認校の対象校にしないんですか。

○髙橋教育長
 特認校の指定に当たっては、学校、教育委員会があって、教育委員会が一方的に指定するものではなくて、学校なりPTA、地域の意見もよく聞いて、中央小学校は特認校の条件は満たしていましたけれども、地域の意見を聞きまして、当分特認校は地域としては、この学校は特認校にしなくていいということで、特認校にしてありませんので、ですから、今の段階で、どの学校を特認校にするということは、私の責任では申し上げられません。それはその時点で状況を見て、各地域の方と御相談して、学校の意見も聞いて、さまざまな要素を総合的に判断してやるのが妥当だと思っております。

○鞠子委員
 今の答弁は、明石小、中央小、明正小が特認校には絶対しないという前提でないというお答えです。地域の声だの今後の推移によって、あり得るということを言ったと一緒ですよ。私はそう理解しています。だって、それ以外に答えはないでしょう。やりませんと言っていないんだから。では、3校やらないと言ってくださいよ。

○髙橋教育長
 3校以外の学校においても、ですから13校の小学校においても、状況によっては特認校になる可能性があると。

○鞠子委員
 僕が聞いているのは3校です。

○髙橋教育長
 同じような意味です。

○鞠子委員
 そんな答えがありますか。私は3校を特認校にしないのかどうか、それを答えてくれと言っているんですよ。13校のことを聞いていない。

○髙橋教育長
 再度お答えいたしますけれども、先ほど申し上げたとおり、今の段階で私は先のことについて特認校をするしないを責任を持って言うことはできません。ですから、どういうふうにやるかと言ったら、先ほど申し上げたとおりで、そのときの状況を見て、地域の意見も聞いて、学校の意見も聞いて、判断していくことになろうかと思います。

○鞠子委員
 では、最後、その答えを聞くと、結果として都市経営論に基づく月島地域、急増地域の学校の増新築をさておいて、復興小学校3校をその受け皿として考えていることも、完全に否定していないというお答えになります。そういうふうにとらざるを得ない。ということで、これは重大な問題だということを指摘して、私の質問を終わります。

○青木委員長
 ここで休憩を入れます。10分ほど入れます。では、6時半にお集まりください。

 代表者会を開きますので、応接室においでください。

(午後6時20分 休憩)


(午後6時31分 再開)

○青木委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開させていただきたいと思います。

 それでは、次の方、御質問ありますか。

○渡部委員
 前委員の方々からいろいろと御質問ありましたけれども、前委員の方の中からも質問が出ていましたが、請願の主旨のところで議員の方にいろいろ御指導していただいているということでお伺いしたわけですけれども、この主旨のところをもう少し考えてもらえればよかったんじゃないのかなというふうには思います。これでは主旨が通らない部分というのが現状ではあるのかなというふうに私は思っております。ですから、今の、この時点では、この請願というのは議会的に、政治的にという意味からすれば、ちょっと外れている部分はあるのかなというふうに思います。

 もう一つは、違う意味でいいますと、今まで請願者の方々からいろいろ中央小学校のほうの新たな補足説明資料というものでこういうものが出てまいりました。この中で、私自身が答えられるようなことも含めて、しっかり答えていなかったという事実があるわけですよ。これは、区民に対して情報公開だとか情報提供という立場でいえば、問題ないですか。どうなんですか。答えるということに対しては、聞かれたことに対して答えるということに対しては、そういうことは区として責任を持たないんですか。その辺のところをまずお知らせください。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 請願ということで今回いただきました。これの前提になるものというのは、先ほど請願者のほうからもお話がございまして、幾つかの疑問点という形でこちらのほうにいただきました。それについては、こちらのほうもさまざまな関係機関と協議をしまして、お答えはさせていただいたところでございます。それをもとにされていると思いますが、さらなる疑問点ということで、今回のお話をされているということでございます。

 その中で、この請願にあるさまざまな問題については、先ほども申し上げたような形では、私どもとしては考えてございまして、それにつきましては、この場をかりてお話もさせていただいたときもございますし、実は請願者の皆様にはさまざまな機会でお会いしたときに、やりとりはございます。そういう中で、お答えできることはお答えしているところでございます。

○渡部委員
 その都度その都度お答えをされているのかもしれないですけれども、すぱっと答えられる問題だって、ここの中にはいっぱいあったはずですよ。だって、運動会のときに地震があったりしたら、体育館が屋上にあったとき、どうなのといったら、防災拠点なんだもの、ここは。動かないでくださいというのが当たり前の話じゃないの、これ、逆に。そういうことだって答えられるでしょう。

 災害時に水が入ってきたとき、消防署員、消防団、地域の町会、こういう人たちが一緒になって土のうを積みますだとか、いろいろなことだって言えるでしょう、学校職員も含めて。答えられることはいっぱいあるじゃない、ここで。こういうことをちゃんとやらないから不信感が出てくるんですよ。違いますか。どうなんですかね。副参事ばかり聞いていると、かわいそうなので、次長から答弁してください。

○新治教育委員会次長
 今、渡部委員のほうからは、防災面に焦点を当てた、答えられる点があるのではないかと。その御指摘のとおりの部分はございます。ただ、こういうような請願できちんと書かれてきた形で来たものに対しては、こういう機会でないと、なかなか答えられないところでございますが、その他の先ほど副参事が申し上げましたように、窓口に来て御質問されたり、また7月に文書で公開質問状という形で出されたものもございました。それに対して、私どもは一つ一つ答えていたところでございます。

 その中の答えの部分が、さらに、もっときちんとすぱっとできるのではないかというような御指摘かと思います。私どもの答え方がまだまだ足りないんじゃないかというような御指摘ならば、私どももどういうふうな答えをしたのか、もう一度再度点検しながら、私どものスタンスについては、きちんと外にわかる形で、例えばこういう形で御回答していますというのを、例えば改築推進協議会の皆様方にきちんとお示しするとか、そういう形で、こう答えているというのをお示ししたいと思っております。

 以上でございます。

○渡部委員
 ゲリラ豪雨の関係だって、そうでしょう。今まで何十ミリかという下水管があったのを100ミリに太くしたりしているという、そういう説明だってできるわけでしょう。だから、教育委員会だけで物事というのは済まないわけですよ。こういう学校の建てかえということに関して言えば。庁舎全体で考えていかないから、庁舎全体でちゃんと相互にいろいろな形でリンクをしながら、窓口に立つ教育委員会がしっかり説明できるようにしていかないから、こういうことが起こるんですよ。今までもそう。いろいろなところでそういうことが多く見られてきている、このごろ、これだけじゃなく。申しわけないですけれども。

 こういうことも学校改築の関係でいえば、しっかりと委員会の方々にこういう意見がありますよというのをはっきり物事として言わなきゃだめ。情報公開をしながら、情報提供もして、地域の人たちから話も聞く。それをちゃんとしたところに話をしていって、そこのところでまた意見としてもんでもらう。学校を新しく建てるということが決まったにしても、ちゃんと地域の意見を聞いてあげるということが区役所なんですよ。行政なんですよ。建物を建てますよ。新しく建てますけれども、どういったものが必要なんですかという言い方も必要なわけですよ。だから、こういう話になってくるわけですよ。だから、努力が足りなかったと、はっきり私は言わせていただきたいと思います。これは教育委員会だけじゃない。関連の部署すべてが努力が足らなかった。申しわけないけれども。

 どうですかね。教育委員会だけじゃないけれども、そういったところ、地域の核であれば防災の問題、区民だとか、いろいろなことがあるわけでしょう。全体で何をこの小学校で考えていくのかということをしっかり、コンセプトという話がありましたけれども、そういうことも含めてしっかり考えた上で区はやっているとは思いますけれども、そういうことをちゃんと住民に伝えていくというのが本当なんじゃないの。それが中途半端といったら失礼な言い方かもしれません。だけど、ある程度のところまでしか情報が提供されてこなかったから、こういう状況が生まれてきたんじゃないかというふうに思うんですけれども、全体から見て、どういうふうにお考えをお持ちか、私の言っていることが間違っているのかどうかも含めてお知らせください。

○新治教育委員会次長
 御指摘いただいた面について、公開質問状でさまざまな質問項目、例えば防災とか環境とかございました。この御質問をいただいたときに、それぞれの部署の担当の職員に集まっていただいて、これについての内容について、もんでもらいました。その内容をまとめながら回答文書、そういうものをつくってまいりました。ただ、そのときに各部署の方たちから自身の、例えば地域への発信とか、さらに先ほど申し上げましたけれども、それをまとめた教育委員会として改築推進協議会を行っているときに、その委員の皆様方にきちんと、こういうふうなことに関して環境部とか防災危機管理室とか、それぞれの部署からもきちんとこういう回答をもらっていて、きちんと対応しているんだ、そういうところまで私どもが十分にはやれてこなかったという部分については、私どもにつきましても反省する点かなと思っております。

 今後、改築推進協議会の皆様方、今まで準備協議会というところでも、いろいろと御意見をいただいた地域の代表の方たちでございますので、そういう方たちにもきちんと情報提供をしながら、改築を円滑に進めるための協議に積極的に御参加いただくような条件を整えてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○渡部委員
 ちょっと場違いな話かもしれませんが、きょう理事者として出席されているので、都市整備部長に、この話はまちづくり協議会で出ましたか。それをお知らせください。

○岸田都市整備部長
 中央小学校の改築について、まちづくり協議会での議題についてということでございます。

 こちらにつきましては、まちづくり協議会で議題として上げられたことはないと理解しておるところでございます。

○渡部委員
 どうして取り上げられなかったのかというのが、僕としては理解に苦しむところもあるわけですけれども、これは教育の問題であるかもしれないんですけれども、学校というのは防災の拠点でもあるし、地域の人たちの集まりであるということであれば、同じメンバーが多少重なるかもしれないけれども、やはり、そういったところにも報告していくべきなんじゃないの。だから、いろいろな人たちにいろいろな話が通じなかった。そういうことなんじゃないの。クローズドの部分がやはりあったんじゃないの。

 私は、最初に言いましたけれども、この請願については、今の私たちの政治的な問題でいえば、申しわけないですけれども、最初の主旨のところでは、今これは時期をもう過ぎているというふうに私は思っています。しかし、こういう内容が出てくるということについては、やはり反省をして、しっかり地域の意見をもっと幅広く聞くべきだというふうに思っています。ですから、ありとあらゆる機会に対して、区の行政というのはいろいろなことを報告しなきゃいけないわけでしょう、学校だけじゃなく。このことだって、ちゃんと報告するべきところというのはあるわけですよ。

 だから、これからどういうふうな形になるかということは、新しく建てるということについては私も賛成しましたから。それは、新しくものを建てるということについては、建てて、それをどう扱うかというのは、そこの地域に住む方々、学校で勉強する子供たち、そういう人たちがしっかり今まであったものを継承してやっていくべきものだというふうには思っております。

 いろいろな細かいお話も請願者の方々からありました。すべて聞けるか聞けないかという話はありますけれども、やはりいろいろな意見、多様な意見があるわけですから、その意見を一つずつ懇切丁寧にいろいろ検討しながらやっていくというのが必要な部分ではあるんだろう、今後進めていく上では。そうでなければ、一方的にただ押しつけているという形になりかねない部分があるんじゃないのかなと。地域で私もいろいろ経験していますけれども、やはり地域の意見というのをどういうふうに、自分自身、議員としてもどういうふうな形で吸い上げていくのかというのは、その地域にいればすごくわかってきて、自分たちでどういうふうにしていくのかということは考えます。ですから、その意見を皆さん方に言うこともあります。しかし、やはり行政としては、みずから出ていってやるという部分を、これから積極的に押し出していっていただきたいなというふうに思います。これは、これから明石小と中央小だけじゃなく、いろいろな問題、先ほど前委員から言われていた質問の中にもあったいろいろな問題も含めて、やはり議会と行政、そして地域というのが一体感を持てないと、物事というのはスムーズに進まないということだけは肝に銘じておいていただきたいというふうに思いますので、これだけ申し上げまして、終わります。

○青木委員長
 それでは、本請願につきまして、本日のところは継続審査とすることでよろしいでしょうか。

○原田委員
 本請願につきましては、請願の主旨にありますコンプライアンスの視点では、委員会の審査の中でも法令違反などの疑いはなく、また現校舎の取り壊しと新校舎の建設に関しては、子供の幸せを第一義に考え、快適に学べる教育環境の向上や防災拠点をはじめ、地域の核としての充実などの今日的行政課題にも対応できる安全・安心な施設として整備をするものであって、問題はないと考えます。

 さらに、改築工事に関する各種請負契約につきましても、第三回定例会において既に圧倒的多数で可決をされております。

 なおまた、さらに本日は本請願につきましても、時間の制限を設けず現時間まで審査されたものであります。

 したがいまして、本請願の審査を終了し、不採択とされるようお諮りを願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○鞠子委員
 つまり、今の動議は、きょう採決をしろと。採択か不採択か、そういう動議だと思います。私は、きょう初めて請願者の説明があり、請願者から見たさまざまな問題点を述べられました。各委員も請願者や理事者にもその問題で質問がありました。請願の審議については、きょう始まったばかりであります。しかも、きょうの理事者との質疑の中で、私も含めまして、私自身の質問の答弁を見ましても、十分解明されたとは到底言えません。しかも、請願は多岐にわたり、さまざまな点を指摘しています。その問題についても、きょう、これまでの審議の中ですべてが審議が尽くされたとは到底言えません。したがって、きょう提出されたばかりの請願が……。

〔「きょうではない」と呼ぶ者あり〕

○鞠子委員
 きょうではなくて、きょう主旨説明のあった請願をきょう採決するなどというのは、私の記憶ではほとんど中央区議会では、私が議員になって28年目になりますが、記憶ありません。やはりここは十分に請願者の気持ちも酌んで、委員会として引き続き継続審議で、この請願については、さらに当委員会で審議するのが妥当だと思います。きょうの採決については、すべきじゃないと考えます。

○青木委員長
 ただいま本請願の審査におきまして、原田委員からは不採択、鞠子委員からは継続審査をとの異なる発言がありました。それでは、まず請願につきまして、継続審査とするか否かについてお諮りしたいと存じますが、いかがでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○青木委員長
 それでは、御異議なしと認めます。

 本請願について、継続審査とすることに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○青木委員長
 起立少数と認めます。——御着席願います。

 ただいま本委員会として継続審査しないことと決定いたしましたので、本請願の審査を終了し、採決に入ります。

○鞠子委員
 私は、そういう決定については同意できません。きょう採決すべきでないという立場から、採決に加わるつもりはありませんので、退席します。

○青木委員長
 はい。

〔鞠子委員退室〕

○田畑委員
 私は、先ほど本請願の主旨につきましては、基本的に改築の問題については同意をしてきた経緯もありますので、特に異論はございません。ただ、先ほど御質問させていただいたコンプライアンス等の問題を明確にひとつさせていただくことを前提とした上で、本日のところは、この請願の態度につきましては、保留とさせていただきたいと思います。

○青木委員長
 それでは、本請願を採択することに賛成の方は御起立願います。

 起立なしと認めます。よって、本請願を不採択にすることと決しました。

 退室者を入室させてください。

〔鞠子委員入室〕

○青木委員長
 ただいまの採決で、本請願は不採択となりました。

 なお、今回の審査結果につきましては、次回の定例会で報告することといたします。

 また、本日はここまでとして、後日、日程調整をした上で、改めて17日までの間に再度委員会を開かせていただきます。よろしいでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○青木委員長
 ありがとうございます。よろしくお願いします。

 それでは、きょうの委員会は終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

(午後6時51分 閉会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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