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平成22年 築地市場等街づくり対策特別委員会(11月12日)

1.開会日時

平成22年11月12日(金)

午後1時30分 開会

午後2時45分 閉会

2.開会場所

第二委員会室

3.出席者

(8人)

委員長 高橋 伸治

副委員長 木村 克一

委員 今野 弘美

委員 礒野 忠

委員 田中 広一

委員 志村 孝美

委員 二瓶 文隆

議長 中嶋 ひろあき

4.出席説明員

(14人)

矢田区長

髙橋副区長

吉田副区長

斎藤企画部長

平林企画財政課長

内田副参事(都心再生・計画担当)

齋藤区民部長

黒川商工観光課長

宮本土木部長

有賀土木部管理課長

岸田都市整備部長

田村都市計画課長

望月地域整備課長

中野副参事(都市計画事業・特命担当)

5.議会局職員

奥田議会局長

横山議事係長

岡野書記

武藤書記

6.議題

  • 築地市場問題及び東京駅周辺等地域整備に関すること

(午後1時30分 開会)

○高橋委員長
 築地市場等街づくり対策特別委員会を開会させていただきます。本日はお忙しいところをありがとうございます。

 本日、区長は公務のため途中退室いたしますので、御了承をよろしくお願いいたします。

 議題の質疑につきましては、既に御承知のとおり、理事者報告に対する質疑をあわせて行いますので、よろしくお願いをいたします。

 それでは、理事者報告をお願いいたします。

○斎藤企画部長

 1 築地市場移転問題についての東京都知事及び東京都議会議長への要望(資料1)

以上1件報告

○高橋委員長
 それでは、理事者報告が終わりましたので委員の方の発言ということでございますけれども、発言の時間制につきましては、既に御承知のとおりでありますので、よろしくお願いをいたします。

 ただいまの時間は午後1時37分でございますので、自民党さん65分、公明党さん35分、日本共産党さん35分、友愛中央さん35分、日本創新党さん20分ということでございますので、よろしくお願いをいたします。

 それでは、質疑に入ります。発言をお願いいたします。

○礒野委員
 ただいま御説明いただきまして、ありがとうございました。

 いつも私はお話しさせていただいているんですが、やはり、この市場移転の問題というのは、今ずっと硬直化したままで時間ばかりかかっている、前回のときにもお話しさせていただいたとおりなんですが、場内の仲卸業者さんとか、または場外市場で営業されている方々が、この時間が長引くことによって、とても苦しんでいると。

 そうした中で、全く硬直化した状態で動かなかったのが、たまたま10月22日の都知事の発言により、今回こういう形でするということになったというふうに今、御説明いただいたんですが、やはり場外、それから仲卸さんを含めて、早期の解決というのを、一番皆さん望んでいると思います。

 そうした部分で、私も、場外の食のまちづくり協議会というところで一緒に、本当に週に3日、4日会議をやって、以前のビジョンから今回提出されたところまでずっと携わってまいったわけですが、こうしたものをしっかりと東京都に伝えて、実現するということが、今、一番望まれていて大切なことだというふうに感じております。

 これに対しまして、10月27日に提出していただいたわけですが、その後、すぐに都知事のほうからは、もう論外だというような発言があったりとか、また、東京都の市場長に提出しに行ったときにも、全く受け取れないよというような対応をされたというふうにお聞きしているんですが、東京都のそういう姿勢、それから、都議会のほうの議長あてにも提出されたということで、そうした部分で、議長のほうとしてはどのような受け取り方をしていただいたのか、そこら辺をお聞かせいただきたいと思います。

 また、あわせて、東京都知事はじめ都の理事者の方は、もう受け取れない、論外だというような対応をされているわけですが、今後の進み方として、中央区として、これを投げかけたことによってどのように動いていくかというのを、どういうふうに予測されているのかお聞かせいただきたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 まず、要望書を10月27日付で都知事及び都議会議長に出したものについての都の対応でございます。

 都知事あての要望書につきましては、中央卸売市場の岡田市場長にお受け取りをいただきまして、先ほど委員のほうから、受け取れないよという発言があったというふうに御紹介されたんですけれども、そうではなくて、地元区の要請として受けとめさせていただきますというような反応でございました。

 それから、都議会議長あての要望書でございます。

 こちらについては、非常に都議会が合意形成できていない中で、地元区としてここまでたたき台を検討されたことについて大いに評価をいたしますと、今後については取り扱いを検討させていただくというような反応でございました。

 次の御質問、都知事が論外というふうに発言しましたけれども、それについてということでございます。

 それにつきましては、たしか記者会見で、築地の市場機能を二分化することについてどう思われるかということに対して、知事が論外と発言をされたというふうに記憶をしておりますが、その一言をもって、知事がどの程度区の要望を頭に描きながらお話をされたかというところまでは、私たち、わかっておりません。ですので、築地の今やっている機能の一部をこの地に残してほしいという要望を今後お伝えしていく中で、議論していく余地は大いにあろうというふうに思ってございます。

 その上で、今後どう取り組むかということでございますけれども、要望書を今出したばかりのタイミングですから、まずは都議会における取り扱いを待っているというところでございます。また、それと並行しまして、区で、それを待たずにできることできないことを整理して、できることについては進めていくというような、区としての合意形成も必要ではなかろうかというふうに考えております。

 以上でございます。

○礒野委員
 ありがとうございました。要望書を今出したばかりなので、まだまだこれからだということで受けとめさせていただきます。

 この案が出たときに、実は、場外市場というのは、東京都の役人が半年ないし1年ぐらいでころころかわる中、この市場移転の話が出てから、もうかなりの時間をかけて、組合とか、そういった部分を通じながら東京都に働きかけをして、いろいろと話し合いを進めたりしてまいりました。かわるたびに、話が原点に、ゼロベースに戻ってしまうんですね。

 そうした部分で、あくまでも東京都の立場としては、市場内で営業されている仲卸さんを含めて、市場内のものに関してはすべて移転をさせますよと。ただ、場外市場というのは、あなたたちは、日本橋から移転してきたときに勝手に周りでわいて商売を始めた人間なんだから、今度豊洲に行ったら、豊洲で、自分たちで土地を探して勝手にやればいいじゃないかというような、一番悪いケースの場合は、そういうような話がゼロベースで戻ってまいります。

 話を進めていくと、やっと千客万来ゾーンというところを関連の人と場外の人と一緒につくってみないかなんていう話までいったと思ったら、今度、人がかわると、またもとに戻っているというような状況が何回も行ったり来たりで続いておりまして、本当は、場外の人たちも、現在地で再整備ができれば一番いいというふうに心の底から思っているというのが本音です。

 ただ、そこで仲卸さんたちがやられている断固反対のデモだとか、そういった部分に参加できないというのは、最後まで反対したら、おまえたち最後まで反対しているんだから、何の権利もないんだから、自分たちで勝手にやれよと言われたら、もうみんな首つりの状態になってしまうんですね。そうした部分も含めて、このビジョンから始まって今回の図面まで、中央区が場外市場の人たちと一緒になってつくっていただいたことに、本当に、それこそ区民の声をしっかりと反映させていただいているなというふうに私は思っております。

 中央区として、とにかく、すごく今、いろんなところで話を聞いておりまして、これを出したことによっての反応というのが、仲卸さんでデモ行進をしていた方たちも、この案だったらのめるよという話、いろんなところから伺っております。場外市場の人たちも、これが本当に実現できたら、自分たちも、これから先どういうふうに商売を展開していくかということで、先が見えてきて、少し安心できるんだという声が多い中なので、ぜひ自信を持ってこれから対応していただきたいというふうに思います。

 以上で終わります。

○高橋委員長
 次の質問者の発言をお願いします。

○田中(広)委員
 それでは質問をさせていただきます。

 今回、この要望書を出されたわけでありますが、先ほども議論の中で、都知事の発言、あるいは議長、あるいは市場長のお話がありました。その後、もし同じ都庁の関係者の反応を把握していることがあれば、コメントかなんかがあるのであればちょっと聞かせていただきたいなと。そのほかで、提出した時点でどういった反応があったのか、例えば、議会等で反応があったのか、確認ですが、もう1回教えていただければと思います。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 まず、都の理事者側の反応でございますけれども、実は、10月22日に都知事が急遽移転のほうへかじを切りまして、そのために、必要な作業に現在追われているというような状況だそうでございます。ですので、例えば、豊洲移転に向けての、新聞報道でもありましたけれども、土地購入でありますとか、アセスメントでありますとか、そういったもろもろの手続について急遽作業を進めるところでございまして、この中央区の案については、その後の取り扱い、取り扱いといいますか、まずそちらのほうを優先して今取り組んでいるということでございます。

 一方、議会でございますけれども、現在地再整備の議論、議会のほうでは継続審議という扱いになっておりまして、そういう中で、中央区が、このタイミングで現在地再整備の中央区としての形というものを出してきた、このことを重く受けとめていくということでございましたので、具体にまだ委員会等で表明をされたわけではございませんけれども、その扱いについて検討されているところだろうというふうに、すみません、推測をいたします。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。

 本当に10月22日の発言から一挙にかじを切っていると、そんな感じがするんですが、1つだけ心配なのは、平成16年のときのビジョン、これは本当に地元の皆さんが積み上げてきたビジョンなんですが、そのビジョンに対しては、本当に、この担当部署といいましょうか、事務レベルについては、それなりに検討していきたいですとか、そうした地元の意向も受け入れていきたいというような趣旨の内容は伺っていると私は理解しているんですが、今回のこの要望書、また図面を見て、確かに知事は、この二分割ということに対しては論外だという話があったと。

 そういったことを踏まえますと、今までの平成16年のときに出したビジョンの話が、確かに、面積でいっても、さっき3.5ヘクタールから10ヘクタールと、今回は6.5ヘクタール分拡大しているわけでありますが、その平成16年のときのビジョンもそれなりに検討すると言った事務方の答えが、現在もちゃんと、当然生きているんだろうと確信はしているんですが、その点のつながりというのは、きちっと担保されているのか、確認ですが、お伺いさせていただければと思います。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 実は、平成16年ににぎわいビジョンを提出しまして、そのとき、事務レベルでは、今後の協議になりますねというお話だったわけでございますけれども、その後に、豊洲の土壌汚染の問題でございますとか、また、3月には付帯決議で現在地再整備が本格的に議論されるなど、本区が願ってきた現在地再整備そのものの可能性が大いに出てきたという状況がございました。

 都議会においても、区の要望が豊洲に移転がやむを得ないとするならばという前提にあったものですから、その前提が大きく変わってきたというのが、ここ平成16年以降の流れになります。ですので、その協議に応じていなかったというよりは、そういう応じる前提条件がこの間変わってきていたということでございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 今回の都知事の発言、私も一番驚いているわけでありますが、本当に、地元とか現場の意向ということが頭に全くない中でのああいう発言なのかどうか、ただ二分割という、市場機能というものに対しての論外という言い方なのか、それは、当然頭の中ですからわからないところではあるんですが、せっかく地元が苦労して積み上げてきたものが簡単に一言で一蹴されるようなことがあってはならないなというふうに、本当に私は思っているわけでありまして、心配しているのはそこなので、先ほども前委員がおっしゃっていたとおり、ずっと積み上げてきたものが、結局これで続いていかなかったら何の意味もないなというふうに思っております。

 今回の案、特に10ヘクタールに拡大する中で、やはり、それなりに東京都との連携がなかったら、なかなか実現しづらいだろうという部分もあるかと思いますので、その点の協議を今後どう進めていくのか、そういった点も必要かと思っております。

 私自身も、一つの会派の中に入っておりますので、当然、都議会の自分の会派については、しっかり中央区のこの思いを伝えていって推進していきたいなと思っておりますので、またよろしくお願いいたします。

 以上で終わります。

○高橋委員長
 次の発言者の発言をお願いします。

○志村委員
 今、いろいろ報告がありましたけれども、私、今回の石原都知事の表明は、追い詰められて焦った表明であるというふうに認識しているんですね。豊洲移転は以前から推進すると言っていたわけですから、そのことに慌てることはないんです。それで、アセスなどの予算は、民主党や自民党なども執行は認めちゃって、残っていたのは土地購入の予算だったわけですが、それを執行すると言ったわけなので、全面的に、すべての市場関係、あそこにつくるのを認めたというわけじゃないわけですね。今回、土地購入の中で、半分は港湾局の土地があるわけで、そういう意味では600億円ぐらいあるわけなので、そういうお家の事情もあると。

 それから、やはりこの計画、彼が都知事の間に何とか道を開いておきたいというような思惑もあって今言わなくちゃいけないというふうに私は認識をしているんですね。まだまだハードルは高いということは、記者会見でも、石原都知事自身がやりとりするとわかるんですね。例えば、これで、来年度以降、土壌汚染の対策とか新市場の建物建設工事にかかる費用、こういうのが認められないと事実上ストップしてしまうことになると思うんだけどどうかと言ったら、知事は、困るのは都民だと思いますという、それしか答えられないんだね。

 ですから、都民の圧倒的多くは、あんなところに市場はいってほしくないということなので、困るのは都知事なんですけれども、都民が困ると言うわけです。困るのであれば、市場の予算を外して予算を通せばいいので、やはり、ここは一つの大きなネックにもなっております。

 この記者会見の中では、半年後には都知事選挙があると。ここまで議論が膠着しますと、やはり政治的な突破力みたいな意味で、来年4月に予定されている都知事選挙に向けた知事の姿勢をということで水を向けられたらば、知事は、なかなかきわどい質問でねということで、ノーコメントということなんですけれども。やはり今、先ほどの方向だと、何かもう決まっちゃってギブアップだみたいな認識もあるんですけれども、全く違うと。いろいろな状況の中でやらなくちゃいけない、それも、民主党は強行な移転に反対だったのが、今回、強行せざるを得なかったというところに大きな問題があるなというふうに思います。

 あわせて早期解決、真に早期の解決を図っていただくということなんだけれども、早期解決をおくらせたのは石原都知事ですからね。現在地再整備の規模が余りにも、でか過ぎて、いろんな問題、都の財政の投入も十分じゃない中で頓挫しちゃった現在地再整備、そこから石原知事が豊洲移転というようなことを強引にやり始めて、業者の声とか、都民の声とか、消費者の声を無視してやるというところに、こういう問題が起きて、それでも強引にやろうとしてもなかなかできない状態で今まで来て、こういう焦りの状況になってきているということですから、そういう意味では、現在地再整備という声が強いだけに、石原都知事もなかなか右往左往してこういう苦し紛れのことをやっていると。これに私たちはおびえちゃいけないというふうに思います。

 質問に入りますけれども、まず、資料のこの絵、きれいなカラー刷りの絵、これはだれがかいたのか、どこの設計事務所がかいたのか、また、これは区がいつ依頼して、幾らかかったのかお聞かせください。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 絵を取りまとめましたのは中央区でございます。このたび、10月22日の都知事の会見を受けまして、急遽、応急対応として、区の現在の考え方をお示しするために区が取りまとめたということでございます。

 ただ、急に出てきたということはございませんで、先ほど来、平成16年ににぎわいビジョンというものを出してございます。その後、そのビジョンの実現に向けてさまざまな会議体を設け、検討をしてきたという経緯がございます。その中で、さまざまなアイデアが出た、その直近の状況をまとめたものがこの絵ということです。その会議体の運営を株式会社日本設計というところに委託をしてございまして、そちらのほうでかかれた絵も活用しながら取りまとめてございます。

 以上でございます。

○志村委員
 それで、株式会社日本設計と話し合ったのはいつごろか。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 具体的にこの取りまとめに向けて話し合ったということではございません。平成16年度以降、場外地区を一体として今後のあり方を考えていく中で、株式会社日本設計に会議を委託しておりまして、その中でさまざまなアイデアが、区のほうからも、まちの方からも出てきたものということでございます。

 具体的に、いつの時点でということではなくて、その検討の、これまでの複数のアイデアの中から出てきたものを、今回この絵に取りまとめたということでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 3.5ヘクタールの鮮魚マーケットで協議が進んでいない状況の中で、10ヘクタールの、跡地の、いわゆる築地市場の場所の半分を要求しようと、そういう案を考えた。どうしてそう考えたのかお聞かせください。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 3.5ヘクタールを10ヘクタールにということでございますけれども、具体に、10ヘクタールがこのために必要だということよりは、今後の築地のまちのあり方を考えたときに、ある程度の規模のものをまとまって残していただかないと、築地でこれまで担ってきた機能が継承できない、その後の発展にもつながらないという区の思いを込めて、10ヘクタール、築地の半分ぐらいを残してくださいという要望をしたという趣旨でございます。

 以上でございます。

○志村委員
 知事本局のほうで現在地再整備のことをずっとやっているから鮮魚マーケットの協議が進まなかったという状況の中で、3.5ヘクタールで協議が進まない中で10ヘクタールを打ち出すというのは相当の勇気が要ると思うんですね。

 普通、ぽーんと、だって市場の場所の半分も貸してくださいと言うんですから、そう判断した、自信というか、裏づけというのはどういうものなんですか。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 3.5ヘクタール要望いたしましたときにも、その運営のやり方、方法、実施主体等々具体にする前の出発点として3.5ヘクタールを要望したものでございまして、それを10ヘクタールにふやすに当たっても、あくまで、このタイミングでの区としての要望の出発点ということでございます。

 ですから、ある程度の大きな土地を残していただいて、築地が今まで担ってきた機能に加えて、文化のゾーンでありますとか、観光のゾーンでありますとか、そういったものを加えて、今後の発展につなげていきたいという強い思いということを形にしたという趣旨でございます。

 以上でございます。

○志村委員
 3.5ヘクタールの鮮魚マーケットは、都と水面下なりで、事務局のレベルかな、事務レベルで進めてきた。今回、この10ヘクタールは、そういう考えはわかりますけれども、それを実現させるための事務局でのやりとりというのはあったんですか。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 これまでのやりとりの中で、3.5ヘクタールとか10ヘクタールとかいう、その広さについての具体のやりとりまでは、実は進んでおりませんでした。先ほど来申し上げましたように、平成16年度、議論の出発点として出しまして以降、前提条件というのが大きく変わったものですから、それについての都との具体的な協議という正式なものは持っておりません。

 このたび、その前提条件が豊洲移転ということを東京都がおっしゃるのであるならば改めて示しますよという趣旨で示したものでございますから、その具体については、10ヘクタールをいかにするかというところについては、今後話し合っていく課題だというふうに思ってございます。

 以上でございます。

○志村委員
 3.5ヘクタールの鮮魚マーケットでも、正式というよりは水面下でというふうに聞いているのね。だから、そういう意味では、今の流れは不自然だなと思うわけですよ。3.5ヘクタールでやっていて、協議はとまっていたとしても、こういう考えはあるよというようなことを言うこともなしに思い切って正式にぶつけてしまったときに不自然さが残るということです。

 都政新報の報道で、6月に水面下で自民党幹部に打診したというような記事がありますけれども、このとき、区側はだれで、自民党の幹部というのはどなたなのか教えてください。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 その報道されました内容の後ろにある事実というのは、すみません、確認できておりませんけれども、東京都との事務的なやりとりの中で、にぎわいビジョンを平成16年度に出しまして以降、現在、区はこのようなことを検討しているというような状況を説明する場面というのは数々ございました。例えば、都議会のほうで話題になっていて、何とか今度話題になりそうなので現在、区でどんなことになっているのか教えてくださいというようなやりとりはさまざまな局面でございましたので、その報道の後ろの事実というのは存じませんけれども、そのようなやりとりの中で、何度か都なり議会の皆さんのほうには類似のものが渡っているのかもしれないというふうに推測をいたします。

 以上でございます。

○志村委員
 以前、調べていただいていたことなので期待したんですけれども、この都政新報は、都議会関係者によると、区は6月、自民党幹部にも水面下で打診、このときも、民主党を助けるような話であれば受けられないと否定的だったというということで、いろいろある中じゃなくて、この案を、この文面を読めば、6月に自民党幹部に打診したというふうなことが報道されているんですよ。

 これは、この中にいらっしゃる可能性もあるわけでしょう、そんな勝手に都議会のほうに行けるわけないので、確認していないとか、そういうのはおかしいと思いますよ。そうであるのだったら、じゃあ、どなたか、事実がなければ訂正を申し込まなくちゃいけないんじゃないですか。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 絵でございますけれども、報道されたのは最近でございますが、区のほうでは、平成16年の12月ににぎわいビジョンという形で、一度、都に対して明らかにしております絵でございます。ですので、この10ヘクタールの、10ヘクタールという形では今回変わっておりますけれども、絵そのものの趣旨でありますとか、絵そのものは平成16年に既にお出しをしておりまして、類似の、その最新版というのは、まだまだ事務レベルですがという状況で都にお示しするといったことが多うございます。その中でのやりとりだというふうに思ってございます。

 以上でございます。

○志村委員
 平成16年というのは、鮮魚マーケットの、築地川の東支川のところをやりますという絵ですよ。今回は、市場の半分をやりますと。この記事は、そういう中で、都というよりも自民党の幹部に6月に水面下で打診したと。「にも」ですから、ほかにもあるはずなんですよね。ですから、そこら辺の事実関係を出してもらわなくちゃいけないんですけれども、それは、調べていないんですか、それともそういうことはないということなんですか。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 事務的にはそういうやりとりというものは存在しませんでした。しかしながら、東京都の理事者側から、例えば、都議会で話題になっていて、このことについて教えてくださいというやりとりは多方面でございますので、そのようなことなのかなというふうに推測をしているということでございます。

 以上です。

○志村委員
 この中には、区は6月に自民党幹部にも水面下で打診ということです。じゃあ、この6月に、この中にいらっしゃる理事の方で、自民党幹部にも水面下で打診した方はいらっしゃらないということでよろしいんですか。この中には、6月にそういうことはやっていないと。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 私は存じておりません。

○志村委員
 この場に打診したという方がいらしたら、委員長、手を挙げていただきたいんですけれども。

○高橋委員長
 どうですか、その新聞報道の関係ということですが。

○吉田副区長
 実は、この築地の関係については、当然のことですけれども、地元区としてどう考えるんだということで、いろいろなレベルでのお問い合わせは常にございます。例えば、都議会の中で、本区選出の都議の方が、例えば、うちの区の1ヘクタールを提供すると言っているけれども、そういう発言が出てきているけれども、1ヘクタールというのはどこなんだとか、どういう使い方をされるんだというようなことは、これは、申しわけありませんけれども、それは自民党からもございますし、公明党からも実はございます。

 そういうもののときに、例えば、1ヘクタールの使い勝手はこうだよとか、少なくとも、申しわけないけれども、その1ヘクタールを築地場外のすぐそばのところで資材置き場で使われるのはうちの地元区としてはかなわないねと、使われるのだったら店舗にしてよとかということは常に申し上げているわけでございまして、我々、その部分について申し上げれば、東京都のレベル、そして自民党、公明党、民主党、すべての部分で、率直に申し上げると、私どものところにも電話でお問い合わせはございますよ。

 そのときに、うちの考え方はこうだよという部分、最低限こういうことはあるよということはきちっと申し上げるわけでございまして、それは、問い合わせにお答えをしていることでございまして、それを新聞のほうが打診というふうに表現したということもあり得るかもしれませんけれども、そういうことは日常的に行われているということでございます。

○志村委員
 そこら辺、私がなぜこのことを言ったかというと、6月の時期、それ以前からずっとあるということですけれども、都議会の中では現在地での再整備というものが審議されたんですね。それで、結局、知事本局も現在地再整備のいろんな検討に入ったという意味では、先ほどおっしゃったように、現在地再整備の可能性が大いに出てきたと、前提が変わってきたという、そういう時期なんですよ。

 そういう時期に、ずっと鮮魚マーケットというのは、もう移転やむなしかなという中で、何とか鮮魚マーケットという、そういうところから現在地再整備の可能性が大いに出てきたとおっしゃったようなときに、10ヘクタールの、市場の半分を使ってほしいというような、そういう案を出すということは、やはりこの都議会での現在地再整備を審議しようという、そこに水をかけたというふうに思うんですけれども、その点の認識はいかがですか。

○吉田副区長
 先ほど申し上げましたけれども、実は、現在地再整備についても、実際に、例えば、環状2号線の道路構造についてはどうなのと、それは、例えば、地上なの、地下なのというようなこと、それから、大変申しわけありませんが、現在地再整備案ではすべて晴海を活用しておりますので、その部分について、地元区として、地元としてはどうなの、今どういう状況なのというようなことについては、我々のところに、やはりいろんな部分でお問い合わせはあるわけでございます。それは、事務ベースでもございますし、個人的なベースでもございます。

 そういった部分のお話というものについて、基本的には、こういうふうに考えるという部分についてはお話ししているわけでございまして、そういうことが、地元区以外の中でお話しすることは当然あり得るというふうに思っておりますし、そして、うちの区として、現在地再整備を基本的に望んでいるけれども、万が一という部分についてはこういうことは最低考えているよということは、やはり同時に、うちの区のこれまでの方針どおりでございますから、そういう部分についても、あわせて申し上げるということはあり得ることだというふうに思っております。

○志村委員
 現在地再整備の可能性が大いに広がったときに、私は、もう絶えず、そのときから、現在地再整備のための行動を起こせと、起こすべきではないかというふうに再三言いました。いろいろみんな、見きわめるだとか、とにかく都議会の様子を見ながら必要なときに行動を起こすということで、起こした行動がこういう移転を前提としたことになっているわけなんですよね。

 現在地再整備について、今審議されているんですけれども、これも記者会見の中で、本当に石原都知事というのはずるくて、例えば、この現在地再整備については、民主党の案は出ましたよね。私も委員会で言ったけど、晴海を使うというのは、確かに時間もかかるし、いろんな手続とかで、私もふさわしくないと思うんですよ。それで、共産党の都議団が案にあげたのは、以前、東京都が中心になってつくってきた案をもとにしながら、規模とか、いろんなことを改善していけばできるよという、そういう案を出したんですね。

 それを、この記者が29日の記者会見のときに、これから工期なり公費を縮めていくことが可能だというような意見も都議会からはあったのですけれどもと言うと、ちゃんとこの記者は共産党の意見を見ているんですね、そうしたら、知事は、ありません、不可能ですと、それだけなんですよね。

 結局、本当に現在地再整備の立場に立って、いろいろものを進めようというふうにはなっていないと。それをさせるというのが世論だと思うし、都議会の中で民主党さんも一生懸命頑張っている中で、そういう、本当に現在地再整備の可能性ということで、区からもいろんな提案をすべきじゃないかということを私はずっと言ってきたんですけれども、今回、築地移転で中央区が対案なんていう、こういう形で出されているような状況というのは本当に残念だと思うんですね。

 それで、この案がこれから都議会の中で審議されるということを期待しているということなんですけれども、鮮魚マーケットの関係、東支川をということでやっていた、それが発展して今回の提案になったんですけれども、この案が受け入れられないと全く否決された場合は、鮮魚マーケットの考え方というのはどういうふうになるんでしょうか。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 現在、区の考え方をまとめて、強い要望としてお出ししたというタイミングでございますので、まず、それが受け入れられないという前提には現在立てないというところでございます。

 また、区の絵の中には、運営主体でありますとか、方法、それから今後の流通のあり方等々具体的な検討はこれから大いにすべきところがまざっているだろうというふうに考えます。そのあたりを、今後、東京都、関係の方々等々と詰めながら、ぜひとも実現させていきたいと思って動いていきたいと思ってございます。

 以上でございます。

○志村委員
 よく行政というのは責任があるんだと、場外の方とか区民に責任があるという中で、受け入れられなかった場合を考えていないというのは、私、恐ろしいと思うんですよ。それで、先ほどの「論外」というのは、市場の機能をセパレートするという思いだけれども、実際、説明すればわかってくれると思うという話ですけれども、それが受け入れられなかったらどうするのかということですよね。

 ですから、そういうときには、鮮魚マーケットは、構想はなくなっちゃうわけでしょ、鮮魚マーケットを発展させて今回のことなんだから。今回の計画で、中央区のことはのめませんよとなれば、そのもとである鮮魚マーケットぐらい残してくださいとやるのか、それとも、それはもうなくなっちゃうのか、そこら辺の予測はどうなんですか。

○斎藤企画部長
 ただいま副惨事が答弁をいたしましたが、私どもとしては、今回の要望で、何とか東京都のほうに御理解いただきたいというふうに思っております。

 また、受け入れられなかった場合という御質問でございますが、基本的な考え方は、場外市場400店舗をはじめとした築地が引き続き活気とにぎわいを持ち続けられるように、その時々の条件に応じて、きちんと考えていくということになると思います。全部だめだったらというふうな発想では今、当たっておりませんで、今回の要望を何とか実現したいということで都と折衝していきたいというところが今第一でございますけれども、たらればになってしまうと、今非常に御答弁しにくい部分もございます。私どもとしては、築地が発展するようにあらゆる手段を尽くしていきたいという思いだけを御理解いただければというふうに思っています。

○志村委員
 「ルビコン川を渡る」と言いますけれども、私は大変なことをしてしまったというふうに思います。このにぎわい施設、先ほど喜んでいるというような方がいましたけれども、どれだけ理解して喜んでいるのかなと。この管理運営というのはだれがやるのか。東京都がやってくれるのか、それとも自分たちで金を出し合ってやるのか、そういうこととか、あと、豊洲から荷を仕入れるわけですね。このにぎわい施設のところで競りをやるわけじゃないですよね。豊洲から仕入れる、豊洲から買うわけですよ、仲卸ゾーンと言うけれども、仲卸じゃなくて。

 そういうことになれば、結局、独立した仲卸のお店じゃなくて、この間の説明では500何店も入れるという話だけれども、豊洲に出てきた大手の、そういう業者の下請としてここでやらなくちゃいけないと。そういう中で、今の苦しんでいる方たちの希望が、ここで本当に満足できるような結果になるのかということがありますよ。ですから、思います、私、本当に現在地再整備じゃなければもとの解決はできないというふうに改めて強く思うんです。

 こういう中で、全員協議会を以前やるという話だったんですけれども、今、日程というのはどのようになっているんでしょうか。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 東京都に対して説明を申し入れてございますのは8月からでございますけれども、それ以降、るる議会の皆様とも御相談をしながら日程等々調整をしていきたいと思って動いてございます。

 現在のところ、例えば、東京都における第3回定例会の日程でございますとか、こちらの議会における決算特別委員会の日程等々の関係で、現在は成立していない状況でございますけれども、御相談しながら進めていきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○志村委員
 今回の場合は、中央区が考えたものなのでやりくりできますけれども、都とのいろんなやりとりもしなくちゃいけないと思いますので、その日程のほうも、ぜひ早く具体化していただきたいと思います。

 また、都政新報が出てきちゃうんですけれども、ここの同じ記事のところに、中央区の幹部の話として、年内に一定の方向が見えて、決着するか、泥沼化するか分かれ目にある。双方が感情的に反発すると、都の来年度予算が否決され、都知事選まで持ち越す危機感が強い。何が何でも一つの決着と話し、決着の糸口にしたい考えだとありますけれども、この同区、中央区の幹部というのはだれなのか。また、この何が何でも一つの決着というのは、移転での決着ということに、この文案、流れだとなると思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 実は、中央区がこの絵と要望書を示した後、たくさんのマスコミの方からお問い合わせをいただいていまして、同じ答えをさまざまな職層でしてございます。ですので、私も、マスコミの方から聞かれましたら同じように答えますし、違う職層からも同じ答えをするというふうに存じてございます。

 以上でございます。

○志村委員
 この何が何でも一つの決着という意味は、この文でくれば移転での決着、それは絵と重なる部分もあるんですけれども、私の思いは、決着というのはやはり現在地再整備で、石原知事、決着しろというようなことになると思うんだけれども、この流れだと、移転でもいいから決着してくれと。移転というものになれば、それは、多くの区民や、また都民の方たち、市場関係の方たちの願いに背いちゃうんじゃないかと思うんですが、その点の認識はいかがですか。

○斎藤企画部長
 先ほど御説明いたしました区長からの要望書、ここには、第1段目のところで、本区は現在地再整備をこれまでも望んできました、現在でも現在地再整備を強く望んでおりますというふうに明記をしてございます。

 区のスタンスは、移転を容認するとか、移転をしてほしいとか、決してそういう趣旨ではないということを御理解いただきたいと思いますが、一方で、一刻の猶予もならないと。いわゆる築地のこの問題がもう10年を超える時間がたってしまって、その間、実際には、委員もよくご存じと思いますが、設備投資もできない、後継者の事業意欲もなかなかわかないという声をたくさん伺います。冷蔵庫だって古いままで買いかえができないというふうなお声を聞いたこともありますし、こういった状況を打開していくことが今一番大事なんであろうと。時間をいたずらにかけるというよりは、早く結論を出していくということも非常に重要な局面になってきているという思いは同時にございます。

 以上でございます。

○志村委員
 さっき、この案をつくる過程の質問、やりとりをしたんですけれども、普通に考えれば、本当に自分たちが、例えば、この計画を実現させたいと思うのであれば、この都知事への要請の前に、本局へ打診して、よろしくぐらい入れると思うんですけれども、それはしなかったようです、さっきの話を聞いていて。

 そうすると、このにぎわい施設を、今度は、実現を目指すのじゃなくて、とにかく早期に解決してほしい、先に移転という決着もつけてほしいと、そういう姿勢でもないかと、そう思われても仕方がないというふうに私は思います。そのことを指摘させていただきます。

 当初、都議会で現在地再整備を審議した結果、不可能だという結論が出て、都知事が予算執行するというのが付帯決議の流れでしたよね。しかし、その流れが、今回、付帯決議を守らず、だから、都議会の中でまだ結論も出ない、審議している途中で都知事が表明しちゃったわけですね。そのタイミング、つまり区のほうが読み違いをしちゃったんじゃないかと思うんですよね。

 やはり、そういう付帯決議に基づいて、都議会ではこうなった、だから都知事は土地購入の予算の執行を表明する、それで、表明したら中央区はこの案を出していこうと、多分そういう読みだったのかなと私は思ったんですね。

 今回、その読みが外れちゃって、強引な移転を今しようという中で、今回のこの移転をした場合の案を出したということは、私は都知事を現在地再整備じゃなくて移転の方向に応援するものであり、また、それを慌てて出しちゃったために知事に論外という形に言われてしまったという、ちょっと恥ずかしい結果というか、失敗してしまったというふうに思います。そのあたりは大変問題でもあるし、受け入れられない可能性があると私は思うんですね。

 こういう流れの中で、やはり現在地再整備を強く打ち出して都と交渉するというのが今、本当に求められているときだと思います。都知事にすがって、何とかこの案をとか、都議会の中での議論を見守るといったって、民主党は結構乗り気ですけれども、他会派はなかなか冷たい中で、どのようになるかわからない、あわせて都民の願い、区民の願いに背くような、そういう移転を前提とした計画案ということについては、一応出したけれども、やはり改めて現在地再整備ということで議論していくことが大事かなと、都に要請していくのが第一かなというふうに思います。

 今、民主党の菅内閣が、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)という協議に参加するとしています。このTPPと豊洲の新市場計画とは軌を一にするものだと私は思います。結局、このTPPを結べば、農業とか漁業の分野の関税が撤廃されて外国からの食料品が大量に輸入されると、日本の農業と漁業には壊滅的な打撃を与えます。国民の食の安全と安定的な食糧供給を根底から破壊することになるんですね。

 ですから、そういう大きな輸入を扱うという、そういう意味では、この豊洲の新市場というのは全国で初めての基幹市場として位置づけているわけです。そういう市場を我々が許していいのかどうかというふうになると思います。

 オバマ大統領は、11月5日のニューヨークタイムズで、アメリカ製品のために新たな市場において新しい顧客を見出す必要があるとして、TPPを通じてもアジア太平洋地域における通商関係を拡大したいと強調しているわけですね。まさに、築地市場の廃止、豊洲新市場建設問題というのは、これまで指摘したように、築地市場の跡地を開発する大企業、財界の要望であり、あわせてアメリカや多国籍企業、大商社のために日本の市場流通を変えていくものであるということがはっきりしてきたと思います。

 そういうことですので、中央区の地域経済にとっても重要ですし、日本国民の食の安全、自給率の向上も含めて大変重要なときにきていると思います。現在地再整備に力を尽くすということは、そういう意味でも、大きな日本の未来にとっても大事なことだと思いますので、中央区もそういう立場で頑張っていただきたいというふうに思います。

 以上で終わります。

○吉田副区長
 今回10ヘクタールと言っていますけれども、従前の3.5ヘクタールのときはマーケットを中心に線引きしただけですので、今回の10ヘクタールについては、申しわけありませんが、既存の駐車場エリアとか、あるいは水辺のエリアとかと、当然集計すべきところを含めて10ヘクタールでやっておりますので、単純に比較できるものではないので、その点、御理解いただきたいと思います。

○高橋委員長
 では、次の質問者の質問をお願いします。

○二瓶委員
 前回の委員会は時間の関係で質問を譲らせていただきましたけれども、今回は20分ありますので、たっぷりと時間を使って質問させていただきたいと思います。

 まさにきょう、この絵は、既に公表もされていますし、拝見させていただきまして、この水辺に関心のある私にとっては、この船着き場のところに帆かけ舟をかいたというのは、設計者が非常におもしろい、ユニークだなと。これが、もしヨットだったら石原知事もすんなりと受け入れたのかなと思いながら、この絵を見させていただきました。

 私も、青年会議所時代に「わがまち中央区こんなまち」という事業をやっていまして、2年間にわたりまして築地の場所をおかりしまして、食の文化を大切にするというイベントで、大なべを借りてきまして、1,000人のちゃんこ鍋をつくって、多くの区民の皆さんとともに、改めて築地の大切さ、食の大切さというものをイベントとして企画をした思い出がございます。

 そのときに、そのイベントで、あれは多分東京都でつくった模型だと思いますが、現在地での再整備模型がありまして、それもあわせて展示させていただいた記憶がございます。それからもう20年です。20年経過して、当時から市場というものは何も変わらずに、ただただ時間だけが過ぎ去り、多くの議論がある中で、市場の関係者は、殊さらお魚離れが進む中で、非常に商売的にも厳しい状況になってきているというのが実感です。

 私も、税理士として場内、場外問わず顧問先がおりまして、今の経済、財政状況で非常に商売が厳しい状態というものを実感しているところであります。これを早急に解決しなければならない、もう待ったなしの状態というのは、どこの方々も認識されている中で、都議会の選挙でこの築地というものが争点になって、今また、さらに混乱をきわめているところだというのが認識されているんですが、民主党もただ反対ということは、土壌汚染というのは、確かに、これは食の安全ですから何らかの対応をしなければいけない問題ではありますけれども、そもそも築地というものを、やはり中央区のまち全体を考えていただかないと、これは答えが出てこないんじゃないかなというふうに認識しております。

 まさに今、前委員からはTPPの問題も出ましたけれども、これから、もうこれは避けて通れない実態だと思います。世界がそういうような流れになっていますし、日本の羽田、成田を含めて、空港も、遅かりしではありますけれども、ハブ空港化をしなければいけないと。やはり日本がアジアの中心でなくなってしまった、東京がアジアの中心でなくなってしまったというのは、もう当たり前のように皆さんわかられているところで、また改めてハブ空港化して、観光立国というのもそうですけれども、日本が、東京がその中心になってにぎわいをつくっていかなければ、日本の存在意味、存続が危ういんじゃないかということでいろいろな施策が展開されていると思います。

 築地というのは、毎週のように旅番組や情報番組でいろいろと取り上げられますけれども、「市場って何なの」と。市場というと、一般の人たちからすると、マスコミ的からすると、どちらかというと、取り上げられているのは、場外というか、そこで民間の人たち、にぎわいに来る人たちというのは、場内の機能としての競り機能、流通機能としての市場というよりも、「市場って何」というと、どこの地域でも、やっぱりそこに行くとおいしいお魚が安く買えるというところで人が集まってくると思うんですね。

 ということは、場外が日本橋から移ってきたのは、勝手に移ってきたという理屈を東京都は言っていらっしゃるみたいですけれども、そうじゃなくて、「市場って何」と言ったときに、一般の、多くの、都民と言われている人たちは、どちらかというと、場外のほうが市場というふうな認識が強いんじゃないかなという認識でございます。

 ただ、そうはいっても、東京都というのは、市場を運営して、管理して、食流通、お魚の流通を一定に保たなければいけないというような制度を守っていくというのが責務ですから、そういう面での、「市場は何」といった場合には、競り機能を持った、今の、いわゆる場内と言われるところが市場という認識だと思うんですね。

 石原さんも、当然、都知事としてはそういう認識で立たざるを得ない話ですから、二分割ということはあり得ないと言っているんですけれども、実は、一般の都民からすると、市場というと、今ある、今にぎわっているというのは場外、今まさに中央区が進めようとしているにぎわいゾーンであり、食文化を守るのは、ここ築地だと思うんですね。

 そんなところで、ぜひそういうところの視点を、中央区としても、場外と場内というような言い方そのものが、ちょっと認識がおかしいので、「市場って何」という機能は、外国の人がマグロの競りを見にいきたいというのは、一つのパフォーマンスを見たいというところであって、でも一方では、物流が今どうなっているのといったら、相対すらもうなくなって、産直とか、そうやって市場機能そのものが、物流機能そのものが崩壊してきているわけですね。

 競りで仲卸さんがいてとか、要するに、仲問屋さんがいるという機能よりも、直結して、いいもの、おいしいものを安価で買いたいというのがもうネットでどんどん伝わってきちゃっていますし、尖閣だって、民主党政権が出さなくたって、もうネットで広まっちゃっているわけですね。中国ですら、もう一瞬にして見られる、そんな時代ですから。かといって安定供給はしなきゃいけないというところがあると思うんですね。

 そういう面で、今、中央区も、行政として、市場機能とか、システムというところでこれを進めていきますけれども、これを我々は、やはりこれはまち全体のにぎわいづくりですし、東京都にしたって、ここが観光立国の中心とするのであれば、まさに、今、区長は帰られちゃいましたけれども、かつて大前健一さんと、あれに出たのは何年前ですかね、すばらしい絵で、私もビデオを撮ったような気がしますけれども、今ほこりをかぶってどこにあるかわかりませんけれども、多分似たような絵で、もっと夢のある絵がかかれていたと思うんですね。

 そういう面で、ここを観光の拠点、これを、中心、へそである中央区の拠点にしていきたいという提案というのとか、話し合いというのはまだできていない状態ですが、お互いに、市場機能同士の話し合いになると、東京都もそういうような回答しか来ないんじゃないかと。でも、一方、視点を変えれば、縦割りを撤廃して、東京都全体、これ、日本のこれからの観光立国の目玉になる事業なんだから、こういう案を検討する材料じゃないかという提案というのは、してみてはどうかと思うんですけれども、いかがですか。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 まさに、委員が今おっしゃった趣旨のことを私どもも提案しているつもりでございまして、現在、そのTPPでございますとか、流通の変化なり、国際競争力などさまざまな視点で、例えば、豊洲の移転が必要だろうとか、流通の大型化、効率化が必要だろうというような議論が進められていますが、その議論は議論として別にあるものでございまして、私たちが主張しなければいけないのは、まさに築地市場が場外と一緒になって、はぐくんできた取引の文化でございますとか、その実態でございますとか、それから伝承、それを将来に向けて発展をさせていかなければいけない、それが築地ブランドと言われるものであり、観光立国日本を象徴するものだというふうに私たちも強く信じてございます。

 そういう意味で、市場機能といいますと狭く聞こえるかもしれないですけれども、そこで担ってきた今後にも大きく影響する重要な部分というのは、最低限築地の土地に残していただきたいですよという趣旨の要望でございまして、全く委員のおっしゃる趣旨等も含む要望をしたつもりでございます。

 以上でございます。

○二瓶委員
 そういう面では、ぜひ、課長レベルじゃなくて、やっぱり区長が、せっかくですから都知事に会って、そういう夢を、夢というか、ビジョンをしっかりと語る場というのは、もう設けなきゃいけないんじゃないかと思うんですよね。これ、石原さん、本当に見ているのと。ここまで詳しい、そういう話だったら、石原さんだって乗ってくると思うんですよね、そういう面では。

 市場の、要するに管理者としての立場と、やっぱりまち全体とか、観光とか、そういう話で、このベイエリアの観光というものが、羽田ができて、成田ができて、舟運も中央区はやろうという話で、本当にここの築地というのが、そこの舟運なり、成田、羽田、横浜とか、ここのベイエリアのゾーンを結ぶここが中心になって、内陸のほうには、吉田副区長さんが前に言っていましたように、ここからバスターミナルができて、どんどんと、東京駅を含めて行く、本当にシンボリックなところになり得るエリアですよね。

 海外のそういうところのフィッシャーマンズ・ワーフを含めて見ていくと、必ずこういうお魚の食文化と水辺があって、ウォーターフロントがあるというのは、まちが発展する要素です。都知事は、多分これを、真剣に見ていないと思うんですよね。ただ、中央区としては、市場、反対で、そういう面では、新たなもの、余計なものが出てきたぐらいの認識ですけれども、もう少し説明を都知事に、矢田区長が直接、トップ対談をどこかでやっていただきたいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○吉田副区長
 今、委員が、おっしゃった趣旨、大事なことだと思うんですが、現実の問題として、この市場問題、移転なのか、現在地なのかというところで、かなりぴりぴりした環境の中で今、議論をされているわけでございまして、その環境の中ですと、実は、都知事発言になってしまうわけでございます。

 やはり、現在、私ども地元区として、委員、おっしゃったように、どちらかというと、基本的には400店舗の場外と一体となった市場、そこの中で、我々、400店舗をどう守るかという視点がまず第一。それから、第二は、実は築地だけがあるわけではなくて、築地のそばに隅田川があり、築地の隣には銀座があり、銀座の隣に築地があるという、町相互で醸し出している、相互の連関の中で醸し出している雰囲気の中で、東京一の観光地をつくっている、その部分を東京都がみずから壊してどうするんだということの抗議も含めて、私どもとしては出させていただいていると。

 さらに言えば、流通がこれからどうなるかということについて、大変わかったようなことをおっしゃる方はたくさんいらっしゃるんだけれども、実は先行きは余り見えていないと。ところが、少なくとも豊洲に完全移転というようなことになれば、大型物流とその確保場という形で市場が矮小化されてしまって、やはり築地という土地が持っている可能性というものを流通から、け落としてしまうということもあるのではないかと。実は、先が見えないから、ある意味で多様な土地を確保しておいたほうがいいだろうという部分も含めて提案をさせていただいているつもりでございまして、そういったものについてはじっくり議論すべきところであります。

 ところが、東京都においても、豊洲の絵はかいてはおりますものの、それは、基本的にHACCP(ハサップ)概念で絵はかいておりますものの、実は流通のあり方についてきちっとした議論が行われているかというと、これは、場内の業者の中できちっとした議論は実は行われていないと。余りにも、現在地なのか、移転なのかというところで先鋭化してしまって、具体的な議論が行われていないというのが実態でございます。

 その辺の部分、先ほどの委員の中でも、これの運営主体云々というようなお話もございましたけれども、どこのレベルでもきちっとした議論が行われずに、移転なのか、現在地なのかということで、頭突きをし合っている状態であろうと思います。そういう部分で、もう一度、そういうことの話し合いをしていこうよというのは、地元区としてもきちっと言っていかなきゃいけないことだというふうに思っております。

○二瓶委員
 まさにそのとおりだと思います。今、銀座があって、築地があって、本当にそうですし、市場という流通機能そのものというのは、確かにいろいろな方がいろいろなことを言っていると思いますし、一方では、やはり民主党政権であろうが、自民党政権であろうが、地域主権というような、地域分権というんですか、地方が主になってくるというんですから、そうすると、東京だけじゃなくて、いろいろな日本全国のお魚のエリアというところの市場というものもすごく機能されてくれば、築地に集中することなく、おいしいものはそこから入ってくるとか、そういうことも変わってくるし、まさにそういう面では、ずっとこのまま、移転なのか、移転じゃないのかという議論をしていること自身が日本の損失だし、このやっている中の業者さんにとっては本当に痛手なんですよね。

 東京都も、移転するんだったら、築地で、豊洲で何をどうするというのは全くないんですよね。そこで、私たちも発言しましたけれども、食育の話とか、大型物流だけなのかという話になってくると、築地で仕入れるというのは、やはりお魚屋さんなり、おすし屋さんなりが、ここに来て御自分の目でいいものを仕入れていかれると。要するに、目ききがそこで行われて、そのおすし屋さんがおいしいとか、そのお魚屋さんはおいしいというのは、目ききがあるという、それが一つのこの市場での文化であって、いわゆる大物の競りをしていくというのは、価格の安定とか調整とは、また違うところで行われていくと思いますので、今、まさに吉田副区長が言われたみたいに、早くこれを土俵にのせる方向で、引き続きそういう視点も強くアピールしていただきたいなというふうに思っております。

 そういう面では、都議会も、民主党が多数をとっているんでしょうけれども、もうただこれに食いつくとか、そういう反対ありきで事が進まないで、本当に都民のことを考えるんだったら、そこまで深く考えていただかないといけないし、百何人も都議会議員がいて、何も自分たちの案も出てこないで、中央区の話に乗っかるとか、乗っからないないなんていう議論をしていること自身が、まさにおかしな話だなと思いますから、しっかりと、我々は、こういうビジョンとか、この中央区からどんどん発信していって、まさにここは中央区の土地になるわけですから、大田区と江東区が新しい埋立地を争っているように、ここは我がまち中央区の土地であるし、築地なんですから、引き続き発信をしていっていただきたいと思いますが、意気込みはいかがでしょうか。

○斎藤企画部長
 御質問にありましたように、要望書の中でも築地ブランドという表現を使いましたけれども、その中身は、目ききといいますか、本当に、旬の一番いい食材をきちんとプロが見きわめて、その上で我が国の食文化を中心となって支えていくという、そこが、やはり観光客、また多くの人々をひきつける土地であるゆえんだろうというふうに思っております。

 今、委員の御質問にもありましたように、私どもとしては、この築地が、今後もやはりにぎわいの中心、食文化の中心、こういったものを持ち続けられるように、さまざまな動きは今ございますけれども、基本的に、軸として築地が元気でいられるように、区といたしましても、本当ににぎわいの中心となるように、今後とも十分力を出していきたいというふうに考えております。

○二瓶委員
 終わります。

○高橋委員長
 ありがとうございました。

 質疑も終了したと思われますので、議題、築地市場問題及び東京駅周辺地域整備に関することにつきましては、本日のところは継続審査ということでよろしいでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋委員長
 そのようにさせていただきます。

 第4回区議会定例会における委員長報告の取り扱いについては、正副委員長一任ということでよろしいでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋委員長
 そのようにさせていただきます。

 本日はありがとうございました。これで終わります。

(午後2時45分 閉会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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