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平成26年 区民文教委員会(7月3日)

1.開会日時

平成26年7月3日(木)

午前10時00分 開会

午後3時21分 閉会

2.開会場所

第二委員会室

3.出席者

(8人)

委員長 守本 利雄

副委員長 鈴木 久雄

委員 礒野 忠

委員 中島 賢治

委員 増渕 一孝

委員 小栗 智恵子

委員 山本 理恵

議長 原田 賢一

4.出席説明員

(13人)

矢田区長            

小泉副区長           

齊藤教育長           

新治区民部長          

高橋区民生活課長        

濱田地域振興課長        

吉原文化・生涯学習課長     

田中商工観光課長

坂田教育委員会次長

林教育委員会庶務課長

伊藤学務課長

佐藤指導室長

俣野図書文化財課長

5.議会局職員

田野議会局長

荻原議事係長

鎌田書記

川口書記

6.議題

  • 区民生活及び教育行政の調査について

(午前10時00分 開会)

○守本委員長 
おはようございます。ただいまから区民文教委員会を開会いたします。

 本日は、理事者報告の関係で図書文化財課長が出席いたしますので、御了承願います。

 それでは、理事者報告をお願いいたします。

○新治区民部長

 1 中央区内共通買物券について(資料1)

 2 中央区商店街美化促進事業の充実等について(資料2)

○坂田教育委員会次長

 3 区立小学校・幼稚園の移転について(資料3)

 4 登録有形文化財(建造物)の登録について(資料4)

以上4件報告

○守本委員長 
御苦労さまでございました。

 発言の持ち時間制につきましては、既に御承知のとおりですので、よろしくお願いいたします。ただいまの時刻は午前10時9分でございます。したがいまして、自民党さん26分、公明党さん18分、区民の会さん18分、日本共産党さん18分、民主党区民クラブさん18分、無所属さん10分となります。

 それでは、理事者報告に対する質問に入ります。

 発言を願います。

○増渕委員 
それでは、資料4について、今までよくわからなかったので、改めてお伺いいたします。

 今回、国指定ということなんですけれども、本区においても教育委員会所管の指定文化財と登録文化財、建造物だけで結構なので、区のほうの予算的な面も含めて、どのようなかかわりを持っていらっしゃるのか。それから、今回の国指定の場合、本区は何かかかわりがあるのかどうかだけ、そこをまず確認させてください。

○俣野図書文化財課長 
区における有形文化財建造物の件でございますけれども、まず本区における建造物については、区指定・登録のもので16件ございます。こちらにつきましては、区の文化財保護審議会のほうに教育委員会が諮問をいたしまして、その答申に基づいて教育委員会が決定するものでございます。

 経費面につきましては、そちらのほうの委員の先生方にお支払いする経費であるとか、あるいは文化財等々の調査に要する経費、こういったものがかかっているところでございます。

 また、国の制度でございますけれども、こちらにつきましては、いわゆる経由事務をしております。最初に郷土天文館、文化財所管の係のほうに御相談がありまして、こういったものが国家的な見地から有益なもの、あるいは保存していくにふさわしいものである場合には、文部科学省、文化庁と協議をしながら指定の調整をしていくということになってございます。

 以上でございます。

○増渕委員 
わかりました。

 今から思い出しますと、私が活動している地域で、昭和11年作というみこしがありまして、その節は教育委員会に大変お世話になりました。区指定の文化財にはならなかったんですけれども、まちの宝もまちかど展示館のほうに移行したというような経緯がございまして、今、質問させていただきました。

 あと、ここにあります区のほうの指定文化財、それから登録文化財、この中から中央区が何らかの形で紹介するなり申請のお手伝いをするなりして、国の指定のほうに持っていかれるのかなと思うんですけれども、ここに載っている建造物、そのほか、もろもろの中で今現在、またこれからでも中央区が御紹介し、仲介に入って国指定のほうに持っていくような物件があるのかどうかということと、それから国指定の中に清洲橋が入っているんですけれども、1年半か2年前ですか、区民の方から清洲橋のほうを大型車両が通ったときに、あそこはユニークな街路灯が橋桁のところについているんですけれども、それが破損して1年半か2年間放置されたということで御相談を受けた記憶があるんです。多分その区民の方は中央区のほうにも何らかの形で御相談したみたいなことも聞いているんですけれども、このようなときに中央区のほうでかかわれるようなことがあるのかどうか。区民の方に言わせると、文化財になっているような有名な橋が1年半もしくは2年間にわたり街路灯が破損したままだというような御指摘を受けましたので、そのとき中央区のほうでどのようなことができるのかもあわせてお伺いしたいと思います。

○俣野図書文化財課長 
区の登録文化財あるいは指定文化財等が国制度のほうへ移行するかというお尋ねでございますけれども、文化財につきましては、基本的には、国と区の役割分担の中で登録・指定をしてございます。より郷土的な側面の強いものについては区のほうで、いわゆる国家的見地から見て非常にすばらしいものであるという場合には国のほうでということでございます。時代が経過する中で、経年有価と申しますか、そういった中で、よりよいものとして区の文化財が熟成していくならば、国のほうへということも考えられるものではないかと思ってございます。

 それから、2点目でございますけれども、清洲橋に関する破損の件でございます。

 こちらにつきましては、国の指定の文化財でございまして、残念ながら、私どもの区のほうでの財政的な支援等はございません。ただし、修理に関する経費あるいは環境保全に関する経費等の中で、国のほうが保存の経費として、修繕経費の50%を目途に補助をしていくというようなところで、役割分担の中でやってございます。

 以上でございます。

○増渕委員 
わかりました。

 ただ、これは私の憶測も入っているんですけれども、清洲橋の場合などは、これが文化財ということで工事が1年半もしくは2年ほっておかれたんじゃないのかなと。私らの考えだと、文化財の頭より、あそこを管理しているところがどこかといったら、東京都の第一建設事務所のほうなので、そちらのほうと思ったんですけれども、長くなったというのは、国の指定の文化財という側面があるのではないのかななんて思って聞いておりました。

 それから、前の質問なんですけれども、今、区の指定文化財、登録文化財、これは名前を挙げて言ってしまうと語弊がありますが、何か国指定のほうに持っていけるようなすばらしい建造物もしくは工芸品とか、工芸品は入らないのかもしれませんが、そういうのがあるのではないかななんて、今、お話を伺いながら思っておりました。また別の機会にそのようなことを、ちょっと細かい点をお聞きしたいと思います。

 きょうは、これで終わります。

○小栗委員 
理事者報告に対する質問で、まず資料1の共通買物券についてです。

 おととしは購入限度が10冊で午前中に売り切れて、買えなかった人が8,000人ぐらいいたということで、昨年から5冊が限度になっています。去年の場合は8月20日まで完売するまでにかかったということで、ことしはいろいろな周知とか工夫もされて11日間で完売ということになっていますけれども、この辺はどのように分析されているのか伺いたいというふうに思います。

 それと、以前の委員会だったと思うんですけれども、購入の需要が1.83倍伸びるというような調査結果があるということなんですが、商店振興の上からも大変定着している事業だというふうに思います。この取り扱い店舗の中で利用率を見ますと、京橋地域が49.6%ということで低くなっています。ほかの地域は60%を超えていますが、この辺はどのように分析されているのか、あわせて伺いたいというふうに思います。

 それと、資料4の登録有形文化財の件ですけれども、こういう貴重な文化財を後世に伝えていくためにも、登録有形文化財として登録されて貴重なものだというふうに思います。今の御説明を聞くと、国の指定を受けると保存経費の50%が出るというようなお話がありましたけれども、建物の維持・管理のために必要な財政的な支援はあるということでいいのか、区では全然そういう財政的な支援というのは直接は行っていないのか、もう一度確認をさせていただきたいというふうに思います。

○田中商工観光課長 
まず、共通買物券の販売が今回スムーズに行われた要因ということでございますが、やはりさまざまな形で販売方法等につきましてPRしてきたことが一番大きいかというふうに思ってございます。それと、もう一つは、昨年度に引き続きまして、やり方も大分固定してきましたので、そういったところが区民にも大分周知されたのではないかなというふうに思っているところでございます。

 あとは、昨年5万円の限度額の中で、当日完売ができずに引き続き買うことができるというようなところで、売り切れることなく、行けば買えるのではないかというような期待感が高まったのではないかなというふうに思っているところでございます。

 それから、もう一点、京橋地域の利用率が低いというところでございますが、京橋地域の取り扱い店数は702店舗ということで数多くなってございますが、(3)の業種別の利用状況を見ますと、一番大きいのが飲食料品小売業といったような形になってございます。こういった業種別の店舗の分布数にもよりまして、京橋地域につきましては、飲食店の登録が非常に多いという形から、利用率が若干、ほかと比べると低くなっているのではないかなというふうに思っているところでございます。

 以上です。

○俣野図書文化財課長 
文化財の保全に対する財政的な支援でございます。

 まず、国の登録有形文化財制度につきましては、保存と活用を図るために必要な保存経費に関する設計監理費の約50%を補助するという仕組みになってございます。

 区のほうで直接的に財政的な援助をしているかということでございますけれども、残念ながら、現在ではそういった支援をしてはございません。

 以上でございます。

○小栗委員 
共通買物券については、いろいろな周知の工夫とか、そういうこともあって完売も早くなっているということで、やはりまちの方も朝から期待して並んだという方もいらっしゃいますし、少し余裕を持って行って大丈夫だったというお話も聞いていますけれども、そういうことで大変定着している制度でもありますし、ぜひ今後も継続して、また、私たちはいつも要求していますけれども、できれば増額もぜひ検討していただきたいと思います。

 登録有形文化財については、今の枠組みでは国からの補助はあるけれどもということだったんですけれども、こういう建物とかは、本当に使いながら保存していくということで、いろいろな御苦労もあると思うので、そういう点ではいろいろな支援がもっとあってもいいのではないかというふうに考えますけれども、こういう貴重な文化財が保存の経費がかかるというようなことで、なくならないような、何かそういう手だてもぜひ考えていただけたらと思います。

 以上で終わります。

○守本委員長 
それでは、次の発言を願います。よろしいですか。それでは、理事者報告に対する質疑を終了いたします。

 議題に入ります。区民生活及び教育行政の調査について、発言者の発言を願います。

○中島委員 
郷土天文館の件でお聞きしたいんですが、手持ちの資料があるかどうかわからないんですが、平成26年3月12日付、予算特別委員会での資料、郷土天文館の人数を記載した資料196をもとにしてお話しすると皆さんにわかっていただけるかなと思ったんですが、常設展を見ていただくとわかるんですが、平成20年度が有料で約4,600人、21年度約4,300人、22年度約3,900人、23年度約3,400人、24年度約3,300人と、常設展を有料でお金を出して見てくる方が少なくなっている。それにもかかわらず、今の常設展はスタートした時点と同じものがずっといまだに展示されていて、特別展はというと1万人を超えている。これはどこの場所で数をとっているんだろうと。基本的には、行って見てみると、エレベーターを上がってきた人をみんな数に入れているというふうに思ったんです。さらに、プラネタリウムはいいとしても、結局、合計数として常設展と特別展とプラネタリウムを足したものを表示してある。1人の人が3回数えられている可能性もあるという話ですよね。それを入れても月平均は平成24年度で2,322人、24日やったとして1日100人、1人を3回数えたとしたら1日30人ぐらいしか来ない。こうやって考えたときに、郷土天文館の取り組みについて、もう少し今後考える必要があるのではないかなと。

 以前にもいろいろお話をさせていただいたんですが、常設展に関しては、基本的には学問をやっている人たちに税金を出して勉強してくださいという話ではないので、地域の方に地域の歴史を学習してもらう、勉強してもらう場所だというふうに思っております。となると、やはりサービス業的な感覚も必要なんだろうと思うんです。例えば、数年前に言ったのは、NHKで龍馬伝をやったときには、地域的には中央区はかなり龍馬の存在した地域がたくさんあるわけですから、それをもっと表現すればというような話もさせていただいたんです。例えば、今回であれば黒田官兵衛、なかなか江戸とは関係なくとも、江戸東京博物館のほうではテーマにした取り組みをしている。

 TPOではないですけれども、時代に合った、その時期に合った郷土天文館の展開も必要なんじゃないかなと。常に中央区で出土したもの、歴史だけを展示して、平成17年からですから、もうそろそろ10年になるわけです。そろそろ考え方をもう少し変えて、郷土としての歴史とともに、今の歴史を訴えるためにどうしたらいいかという形の取り組みも考えるべきだと思うんですが、それに関してどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

○俣野図書文化財課長 
郷土天文館の件でございます。

 平成17年に施設が着工いたしまして、この間、経過がございますけれども、基本的に常設展示のものにつきましては、基本的な展示物を核に据えながら、ほんの少しでありますけれども、多少なりともリニューアル、入れかえをしているところでございます。ただ、大幅な展示内容の入れかえということには至っておりませんものですから、なかなか皆様方のお目に触れる機会が少ないかなというふうに思っております。

 今後につきましては、展示内容を多少入れかえながら、工夫していける範囲で展開をしていきまして、集客をふやすように工夫をしてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○中島委員 
ありがとうございます。

 以前も質問したときに同じ答えでした。担当者が違うから、何とも言えないんですけれども。結局、郷土天文館は、一般の人というか、区民に見てもらって何ぼの世界だと思っているんです。ですから、どこをバロメーターとしてはかるかというと、やはり来館者をしっかり見詰めた上で取り組んでいくべきだろうと。常設展も的確に来場者数、お金を出してまで見る人がどんどん減っているというところですよね。

 私も何度か行きましたけれども、3度目ぐらいになると、100円払うのもちょっとためらうぐらいですから。来る方というのは、変化がないと見ようという気になれない。先ほど黒田官兵衛とか龍馬伝という話は、大河ドラマというのは昔からの歴史的なものをずっとやっているということで、認知度も高いわけですから、できましたら、そういったものも使って、やっていただくといいのかなと。

 以前にもお話ししたんですけれども、熊本の図書館が新しくできて、勉強会でお呼びした先生、図書館長でしたが、そこの図書館の顔のところには、県の図書館ですけれども、そのときの大河ドラマの資料なども展示して促進を図っているということで、それをすることによって、かなり地元の歴史にも興味を抱く人がいる。ですから、まず人を呼び寄せるにはという取り組みからすべきだろうというふうに思っているんです。済みません。そういうところで、皆さんにこの資料がない中で話をするのも申しわけないなと思ったんですが。

 あと、そのスペースの問題です。

 この展示の隣、映写のスペースがあると思うんですけれども、映写のスペースというのは、いつ見ても人がいないですよね。プロジェクターで、最初のころは時間が書いてあって、映写時間が決まっていたんですけれども、最近は、声をかけていただければスタートしますみたいになって、あそこの利用率というのは、数はとっていないと思うんですが、あれだけのスペースをとって空間をあけておくのはもったいないのではないかなと思いますが、その辺の改善に関してはどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

○俣野図書文化財課長 
まず、1点目でございますけれども、人を呼べるようなイベントに関するものでございます。

 確かに、常設展等につきまして、入場者が一貫して減少しているような状況が見受けられます。そこら辺につきましては、私どもも非常に反省点というふうに考えてございまして、常設展だとか特別展あるいはプラネタリウムも含めて、人を呼べるようなイベント、こういったものを工夫しながら、今後も事業内容を十分検討していきたいというふうに考えてございます。

 それから、郷土天文館の庁舎の空きスペースの件でございますけれども、こちらにつきましては、夏休み等にお子様方を呼んで、簡単なプラネタリウムのミニチュア版というようなものですとか、また上映会をやったり、あるいはパネル展といいまして、写真などを掲示するような予備のスペースというふうに考えてございます。

 また、区民ギャラリー等で一般的にそれらの施設で御利用する際の荷物置き場等にもなるように、工夫をしながら現在使っているような状況でございます。

 以上でございます。

○中島委員 
どうもありがとうございます。

 地域の方、区民により多く使っていただけるように工夫を重ねていただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。

○小栗委員 
それでは、何点か質問させていただきます。

 全国学力テストの学校ごとの公表の問題について、前の委員会でも本会議での質問でも言っていますが、これについては、まだ検討中ということでよろしいのでしょうか。まず、お願いします。

○佐藤指導室長 
さきの委員会でも答弁させていただきましたけれども、現在、教育委員会のほうで検討、協議をさせていただいおりまして、夏には学力テストの結果がそれぞれ学校ごとの状況が出てきますので、それまでに検討、審議をさせていただいて、そして結論を出していきたいというふうに思っております。

 以上です。

○小栗委員 
今までも中央区の点数とか、都の全体の点数に比べてどうだったかとか、そういうようなやり方で点数については知らされてきた。一人一人については、4月やったのが半年ぐらい後になって、あなたはこうでしたという結果が来るということで、それ自体も、自分がどこで間違っていたのかとか、そういう振り返りをするにも余りにタイミングが遅いものではいかということも前に質問させていただいたこともあるんですけれども、学力向上自体は大変重要なことですし、そのためにテストなどでどこまでわかっているかというのを確認していくということは必要なこともあると思いますけれども、全国一律にやって全国の平均点なりを出す、学校ごとの公表をするということになった場合の、子供たちや学校教育におけるメリットというのはどういうところなのか。もし公表する場合を考えたときのメリットというのはどういうところにあると考えているのか、お示しをいただきたいというふうに思います。お願いします。

○佐藤指導室長 
学力テストの公表についてということでございますけれども、まず学力テストにつきましては、その狙いとしては、子供たちの状況をしっかり把握して、子供たちがそれをつかんで、勉強に生かす、それから指導する教員のほうは、状況をつかみながら次の指導の手だて、授業の改善に生かす、この2点が狙いでございます。

 ただ、公開のメリットということでございますけれども、調査の結果につきましては、地域住民や保護者にそれに対しての説明責任を果たすということを通して、地域住民への説明責任ができるというメリットがございますけれども、一方、学校間の序列化とか過度な競争につながらないような配慮事項がありますので、十分慎重に検討して協議を重ねていきたいと思っております。

 以上です。

○小栗委員 
学力テストではかれる学力というのも、本当に学力のごく一部だというふうに思いますし、毎回その内容は違うわけですし、学校の規模とか人数とか、そういうものも全然違う学校ごとの公表が、保護者への説明責任という御答弁だったんですけれども、どの学校が一番だったとか、そういうことで点数として出てくるので、うちの学校は中央区の中で一番低かったとか一番高かったとか、そういうところに目が奪われて、無用な競争意識をかき立てるものになってしまうのではないかというふうに私は思います。

 全国学力テストは、毎年56億円もかけて民間企業に業務委託で丸投げして行って、全国をランクづけするために機能してしまっているということで、学校をランクづけすることには全く意味はないのではないかというふうに私は考えます。その辺について、今、序列化につながらないようにというお話がありましたけれども、実際、公表すれば序列化としてあらわれてくるわけなので、その辺はどのように考えているのかということをもう一度伺いたい。

 それと、全国学力テストの導入の理由になったのは、経済協力開発機構、OECDがやっているPISA、国際学力調査の結果で日本の子供たちが点数が低かったということで、2004年に中山文部科学大臣が、この順位が低くなったということを理由にして全国の学力調査をやろうということで打ち出して以降、悉皆調査でまた復活しているということですが、PISAのテスト自体に、今、国際的にも教育研究者から批判の文章が出ていて、いろいろな国の文化とか教育とかが違う中で、規格化された狭い尺度により教育の伝統や文化を持つ多様性に悪影響を及ぼすんじゃないかということでそれに対して、国際的にも賛同署名が2,000人以上集まっているという報道もあります。

 ですから、PISAのテスト自体も、各国をOECDの基準で序列化し、それに基づいて、日本は学力が低下した、まずいということで、また全国の学力テストをやりという中で、比べられ、競争に追い立てられている実態になっているのではないかというふうに思いますけれども、この辺についての御見解を伺いたいというふうに思います。

○佐藤指導室長 
学力についてということと、PISA調査ということでございます。

 まず、1点目の今回の学力調査に関しましては、この調査によって測定できるのは、やはり学力の一側面ということで、教育活動の本当に一部分ということで教育委員会としては認識しておりますし、学校とも共通理解を図っております。

 そういう意味では、仮に公表されるとすれば、それは平均点ということですから、全体の分布の中でではなく、全体の平均点ということでございますので、今、御説明をさせていただいたとおり、学力の一側面にすぎない、すぎないという言い方は語弊がありますけれども、そういうふうに捉えておりますし、そういう共通認識で学校にも指導しております。

 また、PISA調査に関しましては、OECDが行っている世界的な調査でございまして、種類としましては、基礎的な部分ではなく、活用力・応用力をはかる調査ということでございまして、学んだことをどういうふうに活用できるか、そういう部分に対する調査でございますので、さまざまな国際調査はございますけれども、基礎的な部分の調査も必要ですし、それを活用する部分も実際どうなのか、これもやはり必要な部分と受けとめておりますので、そういう意味において、調査の内容をしっかりと把握しながら分析をし、学校とともに状況を把握して、より教育に生かしていくということを教育委員会としてやっていきたいと思っております。

 以上です。

○小栗委員 
平均点にしても、点数が出れば、どうしても比べて、どこより低いとか、どこより高いとか、自分の子供は平均点より低いとか高いとか、そういうところに目を奪われてしまって、本当に必要な学力は何なのか、どういう学力が求められているのかということを抜きにして、点数だけがひとり歩きしてしまうということが大いに考えられるので、本当にこういう問題は慎重にしていただきたいし、私は公表するべきではないということを再度要望しておきたいというふうに思います。

 次に、図書館の問題です。

 図書館が新しいICタグをつけて、自分でピッとやると、そのまま貸し出しが完了するという、そういう面では簡単に借りたり返したりできるようなシステムになったということは、一面、利用者の利便性が高められたという面もありますけれども、ICタグに変更になったために、今、図書館の入り口のところに、心臓ペースメーカーを使用の方はゲートの中央部を立ちどまらずにお進みくださいということで、低い電波で人体には影響ないということが大前提だとは思いますけれども、やはり中間周波数の電磁波ということでペースメーカーへの影響が否定できないということで、そういう注意書きも出されているというふうに思います。

 この点で、安全性の確保とか、妊婦さんや心臓ペースメーカーの方への影響もありますけれども、児童への影響とか、ゲートのそばでいつも働いている図書館の職員の人たちへの人体への影響についても、いろいろな配慮が必要だと思いますけれども、この辺はどのように考えておられるのか、伺いたいというふうに思います。

○俣野図書文化財課長 
電波の件でございますけれども、図書館の入り口にはBDSゲートというものがございまして、そこでは、携帯電話と周波数が似たような周波の若干の電波が飛んでございます。そちらにつきましては、総務省指針に基づきまして設置してございますので、基本的には安全なものというふうに考えてございます。

 また、どうしても人体等への影響が御心配な方につきましては、機器等の一部停止で対応するように職員のほうには周知してございますので、申し出ていただければ、そういうふうに対応していきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○小栗委員 
図書館だけではなくて、今はそういう電子機器がこれだけ普及して発達しているので、電磁波過敏症の方とかがいる中で本当に苦しんでいる方もいるということです。そういう意味でも、安全性の確保、妊婦さんや児童への影響に細心の注意を払って、かわりに機器等の一部停止をやってくれるという話もありましたけれども、そのかわりにやる人が絶えず電波を浴びているということにもなってしまうので、そういう点からの注意もぜひ払っていただきたいということを要望して、終わります。ありがとうございました。

○守本委員長 
次の方の発言を願います。よろしいですか。

 それでは、議題につきましては御質問はないということでございますので、お諮りいたします。議題について、継続審査ということでよろしいでしょうか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○守本委員長 
ありがとうございます。御異議なしということでございますので、議題につきましては、継続審査と決します。

 管内視察につきまして、午後は区立明正小学校等複合施設及び区立十思スクエア別館の視察を実施いたしますので、午後1時15分、正面玄関前、マイクロバスに集合を願います。

 なお、視察には委員外議員も同行いたしますので、御了承願います。

 午後1時15分まで休憩といたします。

 なお、委員の方と担当部長はお残り願います。

(午前10時46分 休憩)


−委員会を閉じた後−

 行政視察については、10月下旬の2週間で、4常任委員会の視察を実施する予定であり、日程・視察先等詳細は正副委員長に一任する旨が確認され、了承された。


(午後1時14分 再開)

○守本委員長 
再開(車中)

     〔視察等日程は別紙のとおり〕

○守本委員長 
閉会

(午後3時21分 閉会)


「別 紙」

区民文教委員会視察等日程

○日 程

    委員会開会 10:00

         ↓

       [休 憩]

         ↓

    区役所出発 13:14

    委員会再開

         ↓

    区立明正小学校等複合施設 13:25~13:56

         ↓

    十思スクエア別館 14:07~15:15

    (委員会閉会) 15:21

         ↓

    区役所到着  15:25

○視察概要

・ 区立明正小学校等複合施設

  到着後、説明、案内を受けながら各フロアを、つぶさに視察を行った。

・ 区立十思スクエア別館

  十思スクエア2階、協働ステーション会議室において、明正小学校等複合施設及び十思スクエア別館の施設概要等の説明・質疑を行った後、屋上庭園、公衆浴場等についてつぶさに視察を行った。

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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