平成26年 予算特別委員会(第12日 3月25日)
1.開会日時
平成26年3月25日(火)
午前10時30分 開会
午後4時30分 散会
2.開会場所
第一委員会室
3.出席者
(19人)
委員長 鈴木 久雄
副委員長 守本 利雄
委員 今野 弘美
委員 中嶋 ひろあき
委員 石田 英朗
委員 礒野 忠
委員 染谷 眞人
委員 植原 恭子
委員 田中 広一
委員 墨谷 浩一
委員 志村 孝美
委員 加藤 博司
委員 渡部 恵子
委員 高橋 伸治
委員 富永 一
委員 青木 かの
委員 山本 理恵
議長 原田 賢一
副議長 中島 賢治
4.説明者
5.議会局職員
田野議会局長
小暮庶務係長
荻原議事係長
長田書記
渡邊書記
川口書記
6.議題
- (1)議案第1号 平成26年度中央区一般会計予算
- (2)議案第2号 平成26年度中央区国民健康保険事業会計予算
- (3)議案第3号 平成26年度中央区介護保険事業会計予算
- (4)議案第4号 平成26年度中央区後期高齢者医療会計予算
- (5)議案第24号 平成26年度中央区一般会計補正予算
(午前10時30分 開会)
○鈴木委員長
ただいまより、本日の委員会を開会します。
総括質疑について、質問者の発言を願います。
○渡部(恵)委員
それでは質問させていただきます。
まず、高齢者福祉関係についてお伺いしたいと思います。
2014年、ことしの2月に総務省が発表しましたが、65歳以上の就業者数が636万人、就業者比率が6年ぶりに前年を上回ったということが情報として上げられました。65歳以上の労働力率というのが19.9%、就業者全体に占める比率が初めて9.5%になったということで、人口減を補ってくれるということで、高齢者の方々の就職ということが非常に重要になってきているというような内容でございました。比較として、欧米主要国では、就業者全体に占める比率というのは1から5%程度で、これと比べましても、日本というのは高齢者の就業者比率は大きく上回っていることがわかります。
世界に先行して高齢化していく日本でございますから、この数字を見ましても、高齢者の方々が働いてくださること、そして、かわりに15歳から64歳の生産年齢人口が、現在、2012年と比べまして123万人減少していると。ここに関しても、少子化の影響と団塊の世代の方々の退職ということも意味しているのかもしれませんが、労働環境というのは、これから日本の先々を考えた上で本当に大切なことになってきています。
高齢者の方々が働いていくときの経済効果といえば、当然のことながら、経済成長や社会保障の安定につながって、寄与してくださるということのほか、課題といたしましては、高齢者の希望、実情に沿う多様な働き方の環境整備が必要になってきます。先日、私が民生費でお伺いしたときに、高齢者福祉課長の御答弁でも同様の答えをいただいております。
ちょうど先週の3月21日の朝刊でございましたけれども、もう一つ社会的な側面といたしまして、折しも厚生労働省が、国民年金保険料の納付期限を5年延長し、原則65歳までとする検討に入っている、平成25年度までに、年金開始年齢を65歳に引き上げ、今後10年で67歳まで引き上げていく方向ということが報道されました。公的年金の財政状況を点検する5年に一度の作業を始め、年内に改革案をまとめ、来年の通常国会への改正法案の提出を目指すと。こうした対策にもかかわらず、国民年金保険料の台所事情は決して芳しくないということも報道の中に入っておりました。
これにて国の方向性が明らかになってきました。65歳まで働かないと、虎の子を崩して国民健康保険料を納めなければならなくなる。もともと国保加入者の納付率ということも非常に低いですし、離職者が多くて、無所得世帯の割合も高く、加えて医療費の水準が高いということは、構造的な問題として取り上げられておりますが、こうした問題がある以上、どうしてもこれから一般財源から国民健康保険事業特別会計への多額の繰り入れをしていかなければならなくなってしまうということも想定ができます。
本区は、この法改正によって起こり得るこのような問題について、どういうふうに対応していこうと、今現在、お考えでしょうか。
○伊藤保険年金課長
今、国民年金を取り巻く現状、あるいは国保会計を取り巻く現状、委員のほうからそのような指摘があったところでございます。本区といたしましては、まず国民年金につきましては、国のほうで、委員御指摘のとおり、財政が非常に苦しいということで、支給開始年齢を引き上げる、こういったことで財源を確保しようというような動きが出てございます。
委員御指摘のとおり、高齢者を取り巻くそれぞれの法施策等々、非常に厳しいものがございます。まずは国保会計につきましても、現在、一般会計を投入していると。本区においても6億円程度投入している状況でございます。特別会計のほうでも答弁させていただきましたけれども、国保については、平成29年度までにこういう計画を図るというような現状がございます。そのような中で、区市町村相互の格差を是正するための調整、こういうものをしやすくするために、一般会計による赤字補塡分については、各保険者で縮減の努力をしていく必要があると認識してございます。
国保の広域化に向けては、そういった脆弱な国保財政を強化すべく、均等割軽減の対象者を拡大する低所得者対策、あるいは国の定率分の交付金を都道府県の交付金に振りかえるなど、財政基盤の強化を図ってきました。今後も、共同事業の対象を全医療費に拡大するなどの施策を国のほうが講じるということとしております。
現在、広域化の制度設計については明らかにされてございませんが、医療費が増加傾向にある中、医療費の伸びを適正なものとして保険料の軽減に資するために、高齢者の健康づくりの推進、あるいは医療の適正化などの取り組みが重要だと考えているところでございます。
今後は、国の社会保障制度改革推進会議での検討状況を注視しつつ、安定的な国保財政が図られるよう、議論が必要だと考えてございます。また、国の制度改正が予定される場合には、高齢者の健康的な生活が保障されるよう、必要に応じて国に対して要望していくことが大切であるというふうに考えてございます。
以上でございます。
○渡部(恵)委員
今、私が思っていることを御答弁していただきました。やはり健康づくりの推進ということが、本当に御高齢者の方にとって推進していただきたいことだというふうに、私自身も強く考えております。こうした社会状況、国保会計を初め、介護等々の問題もございますけれども、こうした社会事情が背景にあるのであれば、高齢者の方がより一層元気で生き生きしていられること、そしてまた就職活動ですね、社会参加である就職の支援をしていかなければならない段階に本当に来ているんだというふうに思っております。
健康増進法第2条というものがございまして、国民は健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたってみずからの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。そして、健康とはというところで、単に疾病等が存在しないことを意味するのでなく、身体的、精神的、社会的に良好な状態を指し、人々が生活を送る上で欠かすことができないものというふうに規定されております。
多くの方が生涯元気でいたいと望みながらも、現在は高齢者の4人に1人が認知症、また日本の5大疾病、がん、脳卒中、心臓病、糖尿病、そして精神疾患も新たに加わりましたが、罹患する方々の割合も、総じて高齢者の方々は高く、一生涯健康で過ごしていくことはなかなか難しい現状になっております。これが、今、日本が抱えている現実です。
現在、65歳以上の人口は3,000万人を超えており、高齢者の施設の待機者も増加傾向にあり、健康であり続けるためには、個人の取り組みとして、健康の保持・増進をしていくために、今、御答弁いただいたように、健康づくりのための推進を、社会的に、そして個人を支えていく仕組みづくりということが本当に大切になってきています。
厚生労働省は、健康上の制限なく日常生活を送れる期間が長いことを健康寿命とし、男性は約70歳、女性は約73歳と発表しています。健康寿命は日本の平均寿命より、男性が9歳、女性が12歳若くなっていますが、いわば日本の平均寿命から健康寿命を差し引き、男性9年間、女性12年間が、死ぬまでの不健康な期間と厚生労働省は規定し、医療費や介護費を増大させるという指標を出しています。個人の質の高い生活の持続や医療費削減の観点からも、疾病予防や健康の保持・増進を図り、平均寿命と健康寿命の差である不健康な期間を縮めていくことが重要な課題となってきました。
ここで1つ、他県の御紹介をさせていただきますが、静岡県では、高齢者65歳から84歳の2万2,000人に対して、高齢者コホート調査というものを実施しました。回答率は64%、1万4,001人という方が回答してくださいました。その後、3年ごとに調査を行い、9年間追跡調査を実施し、延べ6万5,192人を観測したところ、死亡者1,117名、平均追跡期間6.3年の中で、次のような回答が出ました。結論は、高齢者にとって、運動・食生活・社会参加において良好な習慣を有することは死亡率の低下につながると考えられる。社会参加は、新たな健康づくりの柱であるということも示唆されました。
静岡県では、平均歩数が多いランキングが日本第7位、生活習慣病受診者が少ないランキングでは第8位、そして有業者が高いは第6位にランキングしている県、自治体です。
これらの指標をもとに、本区の平成25年度世論調査を見ますと、この1年、スポーツをしなかったと回答した人は7.3ポイント減少し、スポーツを週3日以上行うと回答している70歳の男性は全体の3割、女性は5割以上ということになっています。また、どんなスポーツを行うのかという問いに対しては、1位がウオーキング、前年度比13ポイントアップ、そして2位が、体操関係が8.9%と、いずれも前年度から比べて上回る結果が出ております。特に1位のウオーキングに関しては、御夫婦で行うと回答している方が多いのも特徴です。
本区は、高齢者の方々に対して、高齢者クラブの育成、健康体操や、高齢者シルバー人材センター育成など、さまざまなお取り組みをなさっておられます。健康づくりに3,646万4千円の予算を投じ、高齢者合同就職面接会は14万2千円の予算を、そして人材バンクには1,842万2千円の、26年度、予算を投じておられます。そこで、これから、2025年、団塊の世代の方々が70歳代に入っていくということを踏まえ、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間である健康寿命を延ばしていくことについての御見解をお伺いしたいと思います。
○吉田高齢者福祉課長
健康寿命の延伸についてでございます。高齢者が健康であり続けるためには、委員おっしゃいましたように、本当に適度な運動やバランスのよい食事、また社会参加など、生きがいを持った生活が本当に大切だと考えてございます。そのためには、これまで区は、個人的な機能回復訓練というようなアプローチが多かったのでございますが、高齢者がふだんの生活の中で、日常的なお友だちや友人との交流を通じて、主体的に健康づくりや社会参加を行っていただくことが最も効果的だと考えてございます。
また、現在、中央区におきましては、就労支援、また生きがい支援、元気高齢者人材バンクなど、さまざまな社会参加の取り組みも行ってございます。こうした取り組みにおきまして、今後、介護予防・健康づくりを、個人の努力から地域全体での取り組みに広げるということで、例えば元気な高齢者が少し弱った高齢者を支えるというような、高齢者の方が高齢者を受け入れて支援を行うことができるような地域づくり、そういったものを目指していきたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
○渡部(恵)委員
御答弁ありがとうございます。地域全体で支えて、高齢者が高齢者の方を支えていくということは、とても画期的であり、また刺激、負けていられないぞとか、頑張らなきゃという、同世代の方々に負けないようにという思いも動機づけとなっていくと思いますので、非常に画期的な取り組みだと思います。ぜひ推進していっていただきたいと思います。
本区は、さわやか健康教室を実施されており、いただいた資料98には、その利用実績も細かく出ております。こうした方々は、もともとその健康づくり等々に非常に熱心な方だと思うんですけれども、この方々を対象に、例えばウオーキングをされているとか、コホート調査のように、日常気をつけていることはどういうことなのかなど、意識調査を行ったことはございますか。
○吉田高齢者福祉課長
さわやか健康教室を修了した方につきまして、アンケート調査などを行ってはございます。この教室の修了後、どのような運動を行っているかなどをお聞きしますと、浜町の総合スポーツセンターに続けて行かれたりですとか、いきいき館のほうに行っていろいろな講座に出ているですとか、逆にさわやか体操リーダーのほうに申し込まれて、リーダーになるようにということで、今、研修を受けているですとか、そういったような回答を得てございます
以上でございます。
○渡部(恵)委員
そうですね、区民世論調査によりますと、女性は5割の方々が運動しているという回答ですので、かなり前向きに健康づくりに取り組んでいるということが今の御答弁でも十分に理解できます。ただ、どうしても、なかなか大変な状況になってしまうということも、御高齢者の方にはありがちだと思うんですけれども、ここでちょっと、私、御紹介させていただきたいことがあります。
まちを歩いておりますと、なかなか歩行しにくそうな御高齢者の方をよく目にしますけれども、以前も御紹介させていただいたことがあるんですが、NPO東大スポーツ健康マネジメント研究会というところが主催する、10坪でできるジムというのがあります。それを、「十坪」と書いて「とつぼ」ジムというふうに彼らは呼んでいるんですが、東京大学の小林寛道名誉教授が開発した画期的なトレーニングということです。身体の部位別に鍛えるのではなくて、脊椎を軸にした体のバランスを整え、動作の質を高めていくことで、体と脳の活性化が図れるというトレーニング法です。
認知動作型トレーニングといいまして、バランスのとれた姿勢や効率的な動作を学習するトレーニング方法で、体の深部にある体幹深部筋というものを鍛えることによって、足腰や体の芯が強くなり、その筋肉からの刺激が脊髄、脳幹に伝わることによって、脳神経系が刺激され、寝たきり予防や認知症の予防にも効果があるというトレーニングです。
私の母も、私の幼稚園時代からの、いわゆるママ友というお友だちを誘って、この十坪ジムに週一、二回通っております。私の母はもともととても元気な人なんですが、お友だちのほうにてきめんに効果があらわれました。私の母のお友だちは、大腸がんの手術をなさって、本当にあっと思ったときには粗相をしてしまうということで、大変日常生活に支障を来していた方なんですが、彼女は70歳代の後半に当たる方です。ここで少しずつ少しずつトレーニングを受けて、3カ月ぐらいたったときに、そうした粗相をすることがなくなったと。深部が鍛えられて、少しずつ、高齢者であっても鍛えられていくことによって、そうした、女性としても、人間としても、あっと、恥ずかしいなと思うようなことがなくなったことに対してすごく感謝されたというふうに母から聞いております。
こうした十坪ジムには、御高齢者の方だけではなく、障害者の方も、体の維持のために通われているそうです。健康寿命を維持していくためにも、こうした御高齢者の方々や障害がある方にも、また認知症予防という意味でも、この認知行動型トレーニングは、寝たきりを防いでいくということもできますし、脳への刺激ということで、認知症の予防にも画期的だというふうに、私自身は、大変有効性が高いものだというふうに思っております。
寝たきりにしない・させない中央区というような対策を、今現在、どのように講じていらっしゃるのでしょうか。もちろん、その浜町公園にもトレーニングジム等はあるのは存じておりますが、高齢者の体力測定も含めて、健康管理、そして促進についてはどのような対策を講じておられるでしょうか。
○吉田高齢者福祉課長
介護予防事業につきましては、中央区のほうでは、地域支援事業といたしまして、元気な高齢者にさわやか健康教室、また虚弱な方向けにははつらつ健康教室ということで、マシントレーニングのほか、その人の状態に応じて、自宅でできる体操、栄養、口腔機能改善など、さまざまなプログラムを行ってございます。こうした内容で、はつらつ健康教室におきましては、半数以上の方は改善というようなことが見られておりまして、アンケートをとりますと、8割以上の方は、自己評価で、日常生活のいろいろな取り組み方が改善したというような結果が見られてございます。
また、こうしたさわやか健康教室、はつらつ健康教室は、やはり人数が限られるということで、今年度から、ゆうゆう講座ということで、社会参加を促進するような、新しく講座も実施してございますので、そうしたいろいろな手法をもとに、今、取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
○渡部(恵)委員
さまざまな対策を講じていただいているということでありますが、本当に寝たきりゼロで、元気で一生涯を謳歌していっていただきたいという思いが私の中では本当に強いんですけれども、例えばこうしたNPOと協働しながら高齢者の健康づくりの推進を図るというようなことも考えられると思うんですが、現段階で、なかなかお答えしにくいかもしれませんが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○吉田高齢者福祉課長
介護予防のプログラムにつきましては、より効果がある内容ということで、今後もいろいろ検討・改善していきたいと思ってございますので、そうした認知動作型トレーニングにつきましても、1つの手法として参考にさせていただいて、検討してまいりたいと存じております。
以上でございます。
○渡部(恵)委員
ありがとうございます。高齢者の方だけでなく、一般の方や、あるいはスポーツをやっている子供たち、そして障害者の方たちにも有効なトレーニングのようです。区民の皆様の健康増進、そして生涯元気でいるということに対してお考えいただければというふうに思っております。
では、引き続き、高齢者に関する質問を続けます。先進国の中では、日本が真っ先に高齢化社会に突入しているわけですけれども、本区がこれから、元気高齢者の健康寿命促進と社会参加に向けて、さらに、今後、より一層力を入れて、特に社会参加のところは取り組んでいかなければならないというふうに、先ほど私が前段にお話ししたことを踏まえますと、いつまでも元気で働いていただくことが何より大事なのかなと。あるいは、働かなくても、元気に自分の余暇を過ごしていける、そういう御高齢者の方々であっていただきたいというふうに願うわけなんですけれども、合同就職面接会の予算が14万円余りなんですが、ここにこれからは力を入れていかなければならないのではないのかなというふうに思うんですけれども、積極的な就職活動、またマッチングに関して、具体的な方向性をこれからどのようにお考えでしょうか。
○吉田高齢者福祉課長
高齢者の就労についてでございます。合同就職面接会なども年1回実施してございますが、本区の場合、常設で、京華スクエア内にシルバーワーク中央、またシルバー人材センターを配置してございまして、そこでお一人お一人に合ったお仕事の御紹介、相談等を行ってございます。
シルバーワーク中央につきましては、本格的な就労ということで、就労開拓のほうを進めてございます。独自求人数でございますが、平成25年1月末現在で1,170人というようなことでございますが、就職者数につきましては161人、11.5%ということで、求人はあるんですが、なかなか御希望する職種がないというようなことで、就職率のほうがなかなか上がらないというようなことがございます。このあたり、本当にマッチングというようなことが大変重要でございまして、シルバーワーク中央で、年3回、再就職セミナーというようなものを開いてございまして、そのような中で、これまで行ったことのないお仕事についての適性ということで、その人お一人の、どういう職種に向いているかというような適性の検査、そのようなことも行いながら、職種を少し拡大して希望していただくような取り組みも行ってございます。
なかなか就職率が上がらないようなこともございますが、こうした地道な取り組みを通じまして、できるだけ希望する職種を広げていただけるようなことも努力しつつ、マッチングのほうに取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
○渡部(恵)委員
大変難しい質問をしてしまいました。本当にマッチングはなかなか難しいなというふうに思います。さきの総務省のほうの情報によりますと、建設業と介護事業に関しては御高齢者の方々の採用がかなり多いようです。それは、今まで培ってきた技術が高いということと、その技術を後人の方々に伝えていっていただきたいということで、大変就職率が高くなっているということも書かれておりました。本区もこれから、この合同就職面接会と、そしてマッチング、大変な問題かもしれませんが、皆様方にそうした門戸を少しでも開いていただけるように、ぜひお願いしたいと思います。
元気高齢者という形での御答弁をいただきましたけれども、ここで、1つ、どうしても介護が必要になったときのことをお伺いしたいというふうに思います。今、日本が抱える危機の1つとして、親の介護によって離職する人たちが急増している問題があります。現在、親の介護で離職した人は全国で10万人とされておりまして、今後も増加傾向になるというふうに言われております。企業にとっても、労働者を失うということは大損失であるために、日本を代表する丸紅さん、花王さんといった企業は、みずからリスク対策を講じまして、介護によって離職者を出さないための備えと対策を始めておられます。
2025年には、先ほども申し上げたように、団塊世代の方々は全員70代に入っていきます。そして団塊ジュニアの方々は30代半ばから40代に入っており、ちょうどこの世代は、子供が中学、高校、大学受験というふうに受験が重なったり、また親を支えて、みずからの家庭も支えるという二重の意味で経済的な負担が大きくなっていく世代です。本区も、既に介護による離職相談等を受けておられるのでしょうか、まずはこの点をお聞かせください。
○生田介護保険課長
介護をすることによって職を辞職しなければならないことについての御相談ということについては、介護保険課としては、直接的には受けてはございません。ただ、実際問題、御両親の介護が大変だとか、仕事と介護の両立がなかなか難しいといったことについて、何か区の独自の取り組みとかで使えるようなサービスはなかろうかといったような相談というのは、日々、受けているところでございます。
○渡部(恵)委員
やはり介護が大変負担になっているんだなということが今の御答弁で十分伝わってくるんですけれども、介護による離職を余儀なくされている方の10人に1人が年収200万円から300万円の方々だということも言われているようです。ですから、生活の糧である、その職を奪われざるを得ないといいますか、やむにやまれずということなんですけれども、こうしたことを防いでいくためにも、これから区の相談窓口等を設けるなどして、これから応援していかなければならないのではないのかなというふうに考えるんですが、この点、今後の方向性としては、どのようにお考えでしょうか。今の段階で、お答えできる範囲で結構です。よろしくお願いします。
○生田介護保険課長
やはりそうした介護の負担軽減というところにおきましては、まず介護の制度をきちんと御理解、それから御利用していただくと。知らないことによって利用できない、それが結局家族の介護負担につながってしまっては元も子もありませんので、まずきちんと制度について御周知させていただく。それから、おとしより相談センター等でも御相談をお受けするとともに、ケアマネジャーさんを中心としまして、家族の負担にならないような御本人様へのサービス提供というものの組み立てをしていただくというような後方支援というものも、区はきちんとしていかなければならないと思います。それから、介護保険制度だけで足りない部分に関しましては、やはり区の実情をきちんと踏まえて、区の独自の施策、ショートステイですとかというところをきちんと取り組んでいく必要があろうかと思っております。
以上です。
○渡部(恵)委員
介護保険の制度の中での御支援も十分あると思いますが、本区の実情を調査していただき、どうかこのような離職というようなことを防いでいけるようなお取り組みをお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
ここでちょっと余談といいますか、新聞に載っていたんですけれども、ハーバードビジネススクールの学生が、先月、被災地を訪れ、Immersion Experience Programといって、経験を、実際、中に入って行うという、1人当たり50万円の費用をかけて、わざわざ日本に来る理由は何だということになるんですけれども、彼らは、先進国の中で先駆けて高齢化していく、そして復興という、その地場産業というところに着目しまして、どのように高齢者の方々が生きがいを持って、その地域の力が復活しているのかということを見るために、わざわざ日本の被災地へ、2週間、それぞれ滞在したようです。
ハーバードビジネススクールの学生というのは世界的な大手企業のCEOになるような人材ですが、それであっても、アメリカでも高齢化問題というのは大変切実な問題であるのと、それから社会保障に関しましては、日本のように制度がきちんと整っていないということで、社会問題になり得るということで、彼らはまず日本で、日本から学ぼうということで来日したそうです。
これからも元気高齢者でいること、そして介護によって離職者を出さない、寝たきりゼロ、そして最後まで生き生きと元気で人生を謳歌していただく、そうした取り組みを区を挙げてこれからも推進していただきますようにお願いしたいと思います。
それでは、教育についてお伺いいたします。
先週、今週、そしてきのうと、卒業式に出させていただきました。子供たちの巣立ちのとき、先生方の心の中に去来するものを思いますと、いろいろな問題に当たり、生徒や保護者とかかわる日々を重ねながらも、きょうのよき日を迎えられたことをかみしめ、教育の道を選んでよかったと、目の前の生徒たちを誇りに思いながら、きっと感無量になっていらっしゃるのではないかなというふうに思います。きのうは小学校の卒業式でしたが、新1年生として入学し、その後6年間、毎日毎日、生徒を導きながら、先生方、地域の方々、教育委員会の方々、父兄の方々とともに子供たちを育んできた成果が、卒業証書となってもたらされたのだなというふうに感じました。
しかし、実際の教育現場は、毎日いろいろなことが発生し、その対応や解決に追われながら、授業の準備、それから授業そのものをこなさなければなりませんし、終われば、また自分自身の振り返りも行うという多忙な日々であろうというふうに思います。先生方の長時間勤務の現状の資料を見ましても、本当に息つくいとまもない緊張の連続と、指導の準備に時間をかけている様子がわかります。公教育の中で1人の人間を育んでいくという責任感に対し、本当に深く敬意を表するところです。
今年度予算案には、先生方の多忙感解消に向け、校務支援システムの導入など、環境整備にも教育委員会として取り組まれていることを知り、安心したところでございます。少しでも事務にかかわる時間を削減し、子供たちに向き合っていただくためであれば、校務支援システムは有効な手段となるでしょう。
また、メンターティーチャー制度といった本区独自の人材育成システムも充実させておられることも、現場でOJTを行いながら、教師力を高める取り組みで、いい先生を育むことがまずは大切という、教育の中央区ならではの制度として、大変先見性のあるものだと敬服しております。
と申しますのは、文部科学省がことしの1月に公表した、公立学校における教員採用選考試験の実施状況の調査では、平成25年度、東京都教育委員会の採用者数は2,815名と、全国トップであります。それだけ団塊の世代の先生方が退職を迎え、世代交代が進み、人材育成が大きな課題となっている背景があります。
大学新卒者であっても、教壇に立てば、子供たちから見れば立派な先生です。生徒にとっては、学問を教え、導いてくださる1人の先生です。ですから、授業の構築、学級経営、保護者対応など、ベテランでも大変なことを、一人前の先生として対処しなければならない。評論家ではいられない、担任として、目の前にいる子供たちのために責任を持って取りかからなければならないという、教師というのは本当に大変なお仕事だというふうに思います。
教育の款で詳細については質問させていただきましたが、最も大切で難しい人間教育についてお伺いいたします。
小学生のお母様からこんなお話を伺いました。学校でゲームがはやっていて、うちではゲームを買い与えていないから話題についていけないということで、仲間外れにされている。でもうちはゲームを買わない主義だからと子供に言い聞かせているけれども、話題についていけなくて仲間外れにされるのはさすがに気の毒だから、クリスマスにゲームを買ってあげるつもりだというふうに伺いました。
昨今、大人の社会でも、電車に乗れば一斉にスマートフォンを広げ、ゲームに夢中になっている人を見かけます。また、高校を卒業したばかりの生徒たちに、大学入学に当たって、新しい友達をつくるにはどうしたらよいのかという、ここ数日前のインタビューでしたけれども、インタビューに対して、フェイスブックやツイッターで相手のことを知り、ネットを通してまずはつながりたいという回答が複数返っているのを目の当たりにして、スマートフォンやパソコンというICT機器がなければ、もはや友達もつくれないのかという現状に私自身は驚いています。
また、お隣の国、韓国では、ネット依存にかかっている人が多数いて、ゲームの中に自己を投影し、バーチャル世界で相手を殺したり、倒したり、殺した相手が復活したりする中で、現実と非現実がわからなくなり、ゲームで敗戦した直後、実際にナイフを手に取り、無差別に相手を刺したという事件があったという報道を見ました。昨今、韓国では、ネット依存の国民対策が国を挙げての問題となっているそうです。
先日、日本でも、柏市で、無差別に人を刺し、強盗殺人を犯した人が逮捕されましたが、彼もまた家の中で引きこもり、ICT機器を通じて社会とつながるネット依存症のような方でした。
子供たちに流行しているゲームについてです。ゲームを相手に1人で遊べるという点では、都心の高層住宅、共稼ぎ、核家族という状態で1人の時間を過ごすには大変便利な遊び道具と言えるでしょう。しかし、多感な、何でも吸収していける大切な時期に、ゲームというのは外からのバーチャルな刺激であったり、コミュニケーション能力も養えませんし、ゲームの対戦相手を殴ったところで、殴った手も痛むことはなく、殴られてもけがをしないという環境です。相手が実際に苦しむ様子、悪かったなとか、やり過ぎちゃったなとかという心の痛みを感じることもなく、ゲームを相手にした社会の中で自己の確立が促進されているような現状に、非常に私自身は懸念しています。
また子供たち同士でも、メールやSNSでのやり取りを通じながら友達関係を構築しているということが言われておりますけれども、顔が見えない関係での友情は非常に希薄で、相手の真意が見えないために、さらに夜中まで返事を出し、必死に相手とつながっていなければ仲間外れにされてしまうという強迫観念にとらわれているようなありさまです。
人には、今、このときにしかできないこと、今、このときに培っておくべきことがあると思います。あるいは、今は知らなくていいことという情報もあるはずです。お友達を通し、思いやりを持ち、仲間を大切にするという意識や、クラスメートたちと共有する喜び、悲しみ、こうした多くの感性を育て、発育していく、これもまた人間教育上の基礎になると私は思う次第です。
また、ともに運動や勉強をすることによって、互いに助け合い、相手の立場になってものを考え、感じていくという心も育まれて、友達の関係の中で自分を生かしていくという体験を小学生のころに身につけておかなければならないことだと私は思っています。
人を蹴落としてでも合格するという受験体制をしく人もいますが、結果的には、人を踏み台にして自分を生かすという範疇に意識を醸し出してしまうものだと思います。一言で、人間教育といいますと範疇が広く受け捉えるものだと思いますが、本区は、小学校前の幼児たち、そして小学生たち、中学生たちに対して、公教育を通し、この人間教育をどのように考え、子供たちの心を育んでいるのでしょうか。ゲーム依存、そしてSNSだけの世界でつながりを求めてしまう冷めた子供たちの現状について、どういったお考えをお持ちでしょうか、教えていただければと思います。
○増田指導室長
子供たちの人間教育についてでございます。人間教育につきましては、一人一人の子供たちの個性を生かしながら社会性ある人格を形成し、その中で自己実現ができる力を育てていく、そういったものであるというふうに認識をしております。これが生きる力ということになってまいりますけれども、生きる力は、社会に出て、自立して生活する力のみならず、同時に、その一人一人が豊かな人生を送っていく、そのための土台になるものと。
その力をどう育んでいくかということでございますが、今、委員御指摘ございましたけれども、子供たちの生活の状況はかなり急激に変化をしてきております。この中で、やはり学校が果たすべき役割、これは他人とのかかわりの中で学んで、他者とのかかわりの中で表現をしていく、交流をしていく、そういったことの根本の中で育っていくものというふうに考えております。
子供たちの生活実態がありますけれども、そういう実態があるからこそ、学校の中で、体験活動の充実、これは宿泊というようなものもございますし、それから、学校の中でゲストティーチャーをお招きして、子供たちの関係だけではなくて、さまざまな人とかかわる、そういう場面を設けていく、そういったことが必要であるというふうに考えてございます。
以上でございます。
○渡部(恵)委員
さまざま子供たちの心の成長と、そして体の発育のためにお取り組みいただいていることは十分伝わってきています。
ここで、日野原先生がよく幼いころのお話を個人的にしてくださるという、私自身が聖路加看護大学の先生から伺ったお話をお伝えしたいと思います。
日野原先生は、小学生のころ、進学校にいたそうです。そして、クラスメート、進学校なので、みんな中学受験を目指していたそうなんですが、担任の先生が、受験勉強だけに集中することに異を唱えていた先生だそうで、人間教育をしっかりやろうということを強く推進していた先生だったそうです。このために、保護者から多少の非難があったようなんですけれども、子供たち一人一人の個性としっかり向き合ってくださる先生だったというお話でした。
結局、子供たちはこの先生が大好きだったんですけれども、この先生のためにどうしよう、何ができるんだろうと自分たちで考えたんですね。そして、先生が親たちから非難されないためには、自分たちがしっかりと中学受験に成功していくことだよねということを子供たち同士で話し合って、そしてみんなで勉強に励んだそうです。ですから中学受験も無事に済んで、先生も安心して子供たちを送り出したというお話をしてくださいました。
日野原先生自身がどのようにおっしゃっているかということなんですけれども、人間教育を施すことは、やがて自発的にみずから行動していく子供たちをつくることとなり、それが子供たち自身の自主的にやることへの達成感と、生きているという実感が湧き、さらに成長していくことにつながる。先生に恥をかかせたくない、先生に喜んでもらいたい、そういう人を敬い喜んでもらいたいという意識も自然に醸し出されていく。子供たちには学問も大切だが、それよりも人間教育を行うことが大切であり、どのようなことをやるにも、まずは哲学ありき、つまり意味づけが必要である。それが誰かのためであっても、人に喜んでもらいたいという思いがあっても、こうしなさいと言われて取り組むのではなくて、なぜやるのかということを理解すれば、子供達は自主的に取り組み始めるということを直接お話ししておられるそうです。
人が人として成長するためには、温かい人柄を持った指導者からの教育を受け、その人の心に触れながら、五感を磨いていくこと、そして知恵をみずから築いていける土壌をつくり、その土壌を耕し続けるということが、まさしく人間教育に通じていくものなのであろうと。そこに何々をしなければならないとか、ゲームを通してお友達と会話をしたいとか、そういう概念は全く入ってこないわけです。
個々人を見て、その児童・生徒の五感の磨き方、感性の耕し方がある中で、本区は子供たちに、今、お話ししていただいた人間教育ということもありますけれども、より五感をといいますか、感性を磨いていく、そして子供時代に必要なことを体験させていくという意味では、どういうふうに、さらに人間教育ということが、今の現代の子供たちに必要だとお考えなんでしょうか。今、御答弁いただきましたけれども、なかなか大変な問題が教育現場でも起きているというお話を時折耳にしておりますので、いま一度、御見解をお聞かせいただければと思います。
○増田指導室長
子供たちにつけさせたい力ということでございますけれども、知識、あるいは情報、あるいは体力、そういったものを、学習を通して獲得をしていくわけでございますけれども、やはり子供たちの成長を考えていく中では、それが子供たちの知恵として働いていく、あるいは子供たちの行動への情熱とか、あるいは人に対する思いやりというふうな形で、それが育まれていくということが重要であるというふうに認識をしております。
そういったことのために、子供たちのいろんな意味での体験を豊かにしていくというようなこと、それから委員御指摘ございましたけれども、何のためにそれをするのか。これは、普通の授業の中でも意識をしなければいけないということであるというふうに思いますし、また学級・学年づくり、あるいは学校の行事、こういったものを通して、子供たちが何のためにそれをやるのか、そのやはり目的意識をまずきちんと持たせること、それから、教師のほうからこうあるものだということではなくて、子供たちに十分話し合いなどをさせながら、子供たちの中から、その意味づけを見つけさせる、そういったことが、子供たちが将来的に自分でその方向性を見出して、自分としてきちんとした価値観を持って臨んでいく、そうったものにつながっていくというふうに考えております。
ですから、学校の授業のそういった意味での充実ということも必要だというふうに考えておりますし、それから学校行事、宿泊行事等、そういったものにつきましても、子供たちのそういった心を育みながら実際の実践をしていくと。そういったものが、例えば卒業式の子供たちの堂々とした姿となり、それが周りに感動を与えるわけですけれども、そういった姿を生み出していくというふうに考えております。
以上でございます。
○渡部(恵)委員
本当にそうですね。子供たちの成長ぶりを見て、親御さんも感動されておりましたし、その場に出席させていただいた私も非常に感動しました。しかし実際は、先ほどのゲームを持っていない子供の話ですけれども、話についていけないということで別物扱いをされてしまって、お友達となかなか対話ができないというような現状も実際は起きています。子供たちの心は、私自身は彼らは自然に近いと思っていますので、自然の中で、いろいろな取り組みの中で、感性を磨いて、思いやりを育てて、人を思う気持ち、そうしたものを育んでいっていただきたいということはあるんですけれども、自然界からいろんなことを学べますし、また自然は人間の知恵を超えてくるということを、3.11のときに十分、きのうの卒業生たちも3.11のときの話をしておりましたけれども、子供たちにとっては自然への畏敬ということで、十分過ぎるほどの教育だったというふうに感じております。
都会的なゲームという遊びではなくて、やっぱり友達同士で一体感を増していくような取り組みや、自分の五感で感じながら、どう考えていくかというような取り組みをこれからもやっていくことが本当に大切だと思いますし、さっきゲストティーチャーというお話もありましたけれども、第一線で働く方々の御苦労、そしてピンチをどういうふうにチャンスに変えていったかというようなお話は、子供たちの感性に残っていくものだと思いますので、これからもそうしたお取り組みを推進していただきたいというふうに考えております。
では、さらに難しいいじめの問題についてお伺いしたいと思います。
先日もお伺いいたしましたけれども、いじめの中身について、今の子供たちは完全に無視をするという、存在をクラスから消すといういじめを行う子供もいるという話を耳にするようになりました。ある日、突然、絶縁状を突きつけられ、クラスから存在を消されるといういじめを受けた人は、心を殺されるようなものです。話しかけても無視を貫かれ、誰からも相手にされないという日々は、砂をかむような無味な時間となることでしょう。不登校ではないが、いじめられている子供が、週一度しか来ないスクールカウンセラーに対して心底悩みを打ち明けることができるのでしょうか。そういう子供たちは、学校に来るカウンセラーや相談員に相談することで、かえって問題が大きくなってしまい、クラスメートたちからの報復を恐れ、言い出せないという子供もいるのではないかということが危惧されます。
不登校の中には、いじめられて休んでいる子供は本当にいないのでしょうか。では、いじめでなければ、病欠でもないし、どのような事情で学校を長期に休んでいるのでしょうか。この点については本当に心配される点です。いじめの実態については、日ごろどのように把握なさっておられるのでしょうか、まずこの点についてお伺いします。
○増田指導室長
いじめの状況の把握についてでございます。まず1点、大切なことは、日々、担当の教員が、毎日の学級での様子、朝一番で挨拶をして、朝の会、ホームルームから学校はスタートするわけですけれども、そういったところ、あと授業の時間でありますとか、朝から帰りまでの1日の生活を通して、子供たちに変わったところはないか、態度の面で変わったところがないか、返事1つとっても、そのあたりで変化の様子というのは出てまいりますので、そういったことを含めて観察をしております。何か気になる状況があれば、教員のほうから声をかけて、どうしたのかというようなことを働きかけていくというようなことをまずやっております。
それから、もう一つは教育相談ということで、本区の場合には、小学校につきましては、区の教育相談の専任の相談員と都からのスクールカウンセラー、中学校では、都のスクールカウンセラーと心の教室相談員ということで配置をしてございますので、そこでの相談体制を整えております。
ただ、委員御指摘ございましたように、子供たちがそこに相談に行けるかどうかというところは1つのポイントになるところかなと思っております。学校のほうも、その点については十分配慮をしながら、工夫をしながら行っておりまして、子供たちが相談に来やすいような状況、あるいは子供たちがほかの友達の目が気になって、なかなか行けないような状況があれば、子供たちが例えば教育相談室の前を行き来しないような時間に約束をして子供を個別に呼ぶとか、そのような工夫もしているところでございます。
また、区の教育相談のほうも電話で受付をしておりますけれども、これは都にも窓口がございまして、子供たちが学校で相談できないようなものについては電話でも相談できるというようなことで、4月には必ず、全児童・生徒に、困ったこと、いじめなども含めて、学校で相談できないようなことがあれば、ぜひここに電話をしてみてねというようなことで、毎年、情報提供もしているところでございます。
以上でございます。
○渡部(恵)委員
学校裏サイト等のチェックというのはなさっておられるんでしょうか。
○増田指導室長
学校裏サイトの対応につきましては、東京都教育委員会が業者に委託をして、その監視をやっております。内容的に問題になるような内容があった場合には、各区市町村の教育委員会のほうに、その情報提供がある形になっておりまして、それをもとに、学校のほうに情報提供をして、対応をお願いすると、そのような筋道になっております。
○渡部(恵)委員
ありがとうございます。いじめについては、本当に根が深く、被害者以外は全て加害者というふうに昨今は言われているようです。いじめに直接かかわらなくても、いじめられている人をクラスメートたちと一緒になって無視をするという行動に出ている段階で、直接加担はしなくても、一緒になっていじめる側に加担してしまっているという意味では、被害者以外はみんな加害者と言っても言い過ぎではない状況でないでしょうか。
また悪いことに、その大勢側について一緒になって行動していれば、自分は安全、あすは我が身になる危険性があるから、黙って、その大勢側についているという意味では、恐怖の中で、希薄な人間関係の中にいて、自分の立ち位置を計算しているという子供たちがいるのが、今の、無視をするといういじめの実態のようです。
さっきのように、ネット社会の中で人間関係が希薄化し、ラインとか、ツイッターとか、そうしたものを通すと、冷酷な言葉となって、また相手の表情も、言葉がどれほど強いかということもわかりませんから、その冷酷な言葉が相手を誹謗・中傷し、全人格を否定し、クラスから排除するための無視が繰り返され、生きることに疲れて、結局生きる意味すら見出せなく子供たちに対して、本区はどのように取り組んでいるんでしょうか。
人間として体当たりで臨んでいかないと、こうした子供たちは心を閉ざしてしまっていると思いますし、いろいろ個別対応をとっていただいているというお話でございますけれども、到底いじめを解消するというところにまではなかなか至っていないというような現状が実際はございますよね。
先日、PTAの、ある学校の関係者の方とお話をしましたけれども、陰湿ないじめに対応し切れない先生がいらっしゃるという、その存在も見えております。また、自分のことでないからということで、いじめを受ける人の心の痛みが、自分がやられたらという想像力をもって共感ができないという子供たちの現状も伺っています。
学校のテレビドラマで、タイトルを私は忘れているんですが、1軍、2軍といって、1軍の生徒が2軍を奴隷のように扱うという連続ドラマがございましたが、私はこれを、父兄の方から、今の子供たちの現状そのものだからテレビを見てほしいというふうに言われて、番組を全て通して見て、非常に戦慄が走りました。こうした根深いいじめに対して、実際は本当に対処し切れているんでしょうか。
○増田指導室長
委員から根深いいじめということで御指摘がございましたけれども、やはりいじめというのは、進めば進むほど見えにくい。そもそも、子供たちも学年を進んできますと、大人の前では見えないような形で、いじめが深く潜り込んでいくというような特徴があるというふうに認識をしております。
そういう状況があるからこそ、さまざまな形で対応していくということで、早期発見・早期対応ということが最も必要になってくるわけですけれども、その前に、やはり心を育む指導ということで、子供たちには、思いやりでありますとか、友情でありますとか、そういったことについて、さまざまな機会を通して考えさせていく。本区の場合には、道徳の時間のほかに、命と心の授業ということで、命の大切さについても、十分、その専門家の方をお招きして、心にしみ入るようなお話をしていただいた上で、子供たちに考えさせていくというような取り組みをやっておりますけれども、そういったものを通して心を育んでいく、これが重要だというふうに思っております。
それからもう一つは、保護者・地域との連携を図っていくということで、学校の中で取り組みを進めていくわけですけれども、子供たちは学校で生活しているだけではなく、家庭、あるいは地域ということで、人間関係はずっと続いているわけですので、その関係の中で、やはりいじめということが起きていくわけですので、学校としてどういう取り組みをしているのか、それからどういう方向性で、いじめがあったときには対応するのかというようなことについて、保護者・地域の方にも十分お知らせをして、その上で一緒に取り組みをしていただくというようなことが重要であるというふうに思っております。
この点については、道徳授業地区公開講座等を通しまして、学校で子供たちはどんなことを学んでいるのかというようなことについて共有していただいて、同じ歩調で、その子供たちに指導を進めていただくというようなところでお願いもしているところでございます。
ただ、いずれにいたしましても、それぞれ、とにかく続けて続けてという感じで、いつでもどこでも起こり得るというのがいじめでございますので、こういった地道な取り組みを繰り返しながら、繰り返しながら、やっていくということが大変重要かなというふうに思っております。
以上でございます。
○渡部(恵)委員
昨年の11月に、小学6年生の子が隣接区で自殺したと。大津市の子供が自殺したことで大きく教育委員会のほうが動き、加害者に対して、今、裁判が起きているわけなんですけれども、自分の思いを結局親にも打ち明けられず、先生にも、友達にも、当然のことながら、友達がいないわけですから、打ち明けられないで、ノートに何冊も自分の思いをつづって自殺をしたと。その内容を見て、メディアが取り上げますから、そうすると、自分も同じようなつらい目に遭っているんだけれども、これだけメディアが取り上げてくれるんだったらということで、大体こうした子供の自殺は連鎖的に次々と起きてくるというような現状もありますね。
ですから、わずか10歳、11歳の子が苦しみ抜いて、そういう手段しか選択できないというようなことだけは本当に避けていかなければならないと思いますし、今さっき、4月になったときに、ここに電話をするようにと、シェルターのような相談窓口についての御説明をしてくださるというお話は本当に大切だと思うんです。そのときに、やはり秘密の保持と、それから問題解決に向けた具体案、それから保護者の方も含めて、しっかり学校の学級の中に受け入れていってもらえるような体制を本当に講じていかなければならない、その意味では、真剣にいじめに対応していっていただきたいというふうに、私自身、とても強く思っています。
命と心の授業をもちろんやっているのを存じていますが、いじめの数値、資料としていただきましたが、いじめ、一向に減っておりませんし、不登校で休んでいる生徒がいることも変わっていないのが現状ですよね、本区の。ですから、子供たちはどこか冷めていて、大人がやっていることを見透かしているような部分も、どうやら最近の子供たちの中にはあるようですから、実際、この前、教育の款のところで御説明させていただきましたけれども、アメリカの取り組みの中のPA、チームビルディングという、ちょっと存在の希薄な子供たちや問題のある子供たちを一緒に入れながら、逆にその子の存在価値を高めていくような取り組みですとか、構成的エンカウンターとして、相手の立場を逆転しながら、ロールプレイングをしながら、その痛みを実際わかっていくということが、どうも今の子供たちは、先生がせっかくいいお話をしてくださっているんですが、例えば江東区で起きたとか、港区で起きましたとなって初めて、ああ、近くの区で起きているんだ、じゃあ、私も気をつけなければというぐらい、どうも自分のことのように受けとめる力というのが弱いようです。
ですから、どうか、こうした実際の取り組みの中で、子供たちが、自分が自信を持って存在価値を感じることができる学級づくりですとか、子供をクラスに戻していける、そうした取り組みを具体的にやっていただきたいんですが、この点についてはいかがでしょうか
○増田指導室長
やはり子供がいじめの問題を自分のこととして受けとめて、真剣に考えていく。いつ自分に起こるかわからない、目の前で起こっていても、なかなかそれを、じゃあ、どうしようということにならないというようなことについては、やはりこれは、人間形成ということの中では非常に重要な部分であるというふうに思っております。
これをどういうふうに子供たちにわからせていくかということでございますけれども、お話を聞いていろいろ考えてみることも一策であるというふうに思いますし、今、委員御指摘ございましたけれども、特別な1つの取り組みの中で、子供たちに実体験をさせるというような手法を用いるということも1つの取り組みであるというふうに考えております。
いずれにしましても、学校のほうで、単に淡々と続けていくということのないように、その取り組みについて、いろいろな工夫を加えていくということも、地道な取り組みのほかに重要な部分かというふうに思っておりますので、今後、また副校長研修会でありますとか、教務主任研修会でありますとか、生活指導主任研修会、その中で、いじめについてどう考えていくか、どうしていくと子供たちがそういったものを少しでも感じられるきっかけを与えることができるか、そういったものについても研究を深めてまいるようにしていきたいと考えております。
○渡部委員(恵)委員
難しい問題を2つ御回答いただきまして、ありがとうございます。ネット、そしてゲームといった一方的な情報を受信するだけでは得られない、人間社会には得られないことがたくさんありますし、その中から、子供たちも含め、心を育てて人間性を育み、そして痛みを感じ、大人になっていくのではないかというふうに思います。ですから、少しでも一方的な情報だけを、そのネット社会、ゲームから受け取るのではなくて、あらゆる方向性から子供たちをいろんな環境の中に置いて育んでいっていただきたいなということを願っておりますので、よろしくお願いいたします。
では、おもてなしについてお伺いしたいと思います。
昨年、オリンピックの候補地として最後のプレゼンテーションを行った有名女性キャスターがおもてなしというふうに発言したことで、まず流行語として、その言葉だけが取り上げられるようになりました。彼女は、おもてなしとは、人に対する見返りを求めないホスピタリティーの精神、相手が誰であっても、訪れる人を慈しむように自然に心配りをするのですということもお伝えになっていたようなんですが、ここにスポットライトが当たらず、おもてなしだけが専らテレビにばんばん流されるような状況でした。矢田区長も、IMFと世界銀行の国際会議において、本区ならではのおもてなしの心で迎えるというふうにおっしゃっておられました。
日本人なら誰でも持っているであろうおもてなしのスピリッツとは、具体的にはどういうことなのだろうか。みんなが抽象的に考え、漠然と想像しているおもてなしの概念について、私は、ちょうど先週末、ある一冊の本と出会いました。ディズニーランドのおもてなしの本です。この中身を読む中で、多国籍国家であるアメリカのディズニーランドで働くキャストと言われるスタッフの人たちには、清潔という概念1つとってみても、人によって感覚がまちまちなんだそうです。ですから、一つ一つマニュアルで取り決めてあげないと、夢の国として、ゲストの一定のお迎えができないために、マニュアルでいろいろなことを取り決められているというのがアメリカのディズニーランドだそうです。
私自身は、ディズニーランドに一度もまだ行く機会に恵まれておりませんので、知らなかったんですけれども、水飲み場は、大人と子供と、水が出てくる位置が逆に取りつけられているというお話でした。親子がそれぞれ顔を見ながら水を飲めるようにという配慮がなされているそうです。水を飲んでいるときに子供がいなくなってしまったり、迷子になることを避けての対応ということだそうですが、私が読んだ本から、アメリカのマニュアルにはない、日本独自の、人を笑顔にする心の取り組みを行っているのが東京ディズニーランドということを知りました。ここの会社はオリエンタルランドさんですけれども、オリエンタルランドがディズニーランドをつくって30年間のおもてなしが既に日本で構築されているのだそうです。
では、まず本区が考えるおもてなしとは、どのようなことを想定していらっしゃるのでしょうか、まずはここをお伺いしたいと思います。
○長嶋総務課長
先ほど委員もおっしゃっていましたけれども、やはりおもてなしの心を第一というのは、相手をおもんぱかることだと思っております。また、ましてや中央区については、これからどんどん国際化も進んでまいります。そういったことで、多種多様な考え方、あるいは、場合によっては宗教という問題もあるかもしれませんけれども、相手の気持ち、相手の考えていることを十分おもんぱかって、それに即したサービスをふやしていくこと、それが基本的に、まず相手を考えるということがおもてなしの第一歩だというふうに考えております。
○渡部(恵)委員
的確にお答えいただいたなというふうに思っております。私自身は知らなかったんですけれども、「もてなす」に丁寧語の「お」をつけているのが「おもてなし」とばかり思っていたんですけれども、実際は、表裏なしということが、その日本人のおもてなしの1つ、根底にあるようですね。ですから、今、おっしゃっていただいたように、相手をおもんぱかることという、それに即したサービスというお話がございましたけれども、目の前にいる方をおもんぱかって、見返りを求めないで、純粋無垢な気持ちで、人間が紡ぎ出す裏表のない心、こうしたことが、たとえ個々人によって一つ一つ形が違ったり、不器用さが出たとしても、それが人間なんですよということも、この本の中に書かれていました。日本国内の、世界に誇る自動車会社、そして日本を代表する航空会社も、このオリエンタルランドさんのおもてなしについて、研修で学んでいらっしゃるというふうに言われています。
この中で1つ、どのような訓練をキャストの方たちが受けているのかということを御紹介させていただきますが、目が御不自由な方を想定して、ペアを組んで、白杖をついて、1人の人が声かけをしながら実際に介助をしていくと。その中で、ポットの熱いお湯を、コーヒーをカップに注ぐという訓練も、アイマスクをしてするそうなんですが、する側は、ペアの人に湯気がかかってはいけないですとか、こぼしたらやけどさせてしまうということをすごい気にしながらやっているということなんですけれども、研修を終えたキャストの方々に、全盲の講師の方が、私たちは、声や音に集中し、物事の気配を感じ取っています、不便ではありますが決して不幸ではありませんとお話しなさったそうです。
障害がある方々に対し、不幸ではないかとみずからの思い込みによる哀れみの心でゲストと接することは、おもてなしとは正反対のことになってしまうということを同時に教わったというお話でした。障害がある方々に、表裏なしという気持ちで、その方のために行動することは、受け取る側にとっても、自然で、とても心地のよいものになるものだというふうに思います。
こうしたゲストの方々に対するおもてなしのマニュアルに関しては、日本では一切ないそうです。一人一人のキャストの方々がみずからの心でゲストをお迎えし、笑顔にしていく思いが彼らのおもてなしに通じていくものだそうです。おかげでリピーター率は95%、この本には書かれていませんけれども、ディズニーランドのショップは、ディズニーランドは百貨店扱いになっていますので、日本の百貨店の中で売り上げ断トツトップを現在も貫いています。
私自身も、行政サービスのためにとか、区民サービスという言葉を安易に使っていることに気づかされました。では、サービスとおもてなしは何かということなんですけれども、作者の方はこんなふうに紹介しています。おもてなしの中での気配りは、知らず知らずのうちに心地よさを感じているとき、必ず誰かが気を遣っている。サービスを意味する気配りはこの逆で、相手に気づいてもらうことが前提であり、受け手の人が得をしているということを自覚できることがサービスであるので、おもてなしの見返りを期待しない心とサービスの気配りは完全に異なるものだというふうに書いています。
自然に心地よさを感じていることは、誰かがその心地よさをつくり出してくれているものであって、心地よさを感じる人は幸福度が高くなってきます。これは、家庭や学校生活においても、表裏なしの心から発する、誰かが誰かをおもんぱかっているということがございますから、立場やルールの制限に縛られることなく、一人の人間として、目の前の人に接していくことができれば、自然と心地のよい空間を提供することができるのではないかなというふうに思います。
本区は、職員の方々に対しての研修費を投じておられます。本区が行政として行うことは、サービスなのか、表裏なしの区民を思うという視点でのおもてなしなのか、このあたりはどのようにお考えでしょうか。
○春貴職員課長
おもてなしの心の職員への研修でございます。私どもにつきましては、接遇の研修を実施してございます。接遇の向上というものは、職員はやはり全体の奉仕者であって、行政サービスの担い手である職員、この職員が区民や来庁者の方々によりよい接遇を行うということが、区政への信頼を得るというようなことでは大変重要なことであるということで、接遇に力を入れてございます。
平成20年度に、粋なおもてなしという接遇マニュアルを作成いたしまして、全職員に配布するとともに、職員研修を実施してございます。このマニュアルにもありますが、当然、接遇のスキル、これも研修の中で十分学んでいただくということはやってございますが、やはり中央区に住んでよかった、訪れてよかったと感じていただくためには、やはり職員一人一人が、おもてなしの心、思いやりの心構えを持って取り組んでいただくということを、研修の中で伝えているところでございます。今後も、主体的な思いやりの心、つまりおもてなしの心を持っていただくような職員の育成に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
○渡部(恵)委員
ありがとうございます。作者の方は、さらに、人を楽しませたい、幸せにしたいという気持ちは、どんな厳しい教育を受けるよりも、はるかに人を幸せにできるかもしれない。そういう人たちがいる企業や学校は、誰もが平等でいられる空間を維持できるというふうなことも書かれています。表裏もない心で、全体の奉仕者として区民に対して向き合っていくというお話が、今、ございましたが、この行政の施策と職員の皆様方の思いというのも、教育現場にも、一人一人の区民に対して、この表裏なしというお気持ちというのは通じていくのではないかというふうに考えています。
行政は民間ではできないことを、この地域に住む方々の幸福のために、施策を講じておられます。江戸バスにとっても同様のことが言えます。予算を投じていくのであれば、それが生きてこなければならない。行政は民間と異なり営利法人ではないからといっても、財源には限りがあります。その限りがある財源を有効に、そして最大に使いながら、本区の魅力を増していく取り組みについて、最後にお伺いしていきたいと思います。
日経ビジネスに、おもてなし、外国人の不満はという問いが出されました。それに対して、1位として、外国語サービスが少ない、2番目が、無料Wi-Fi設備がおくれている、3番目が、飲食店の食券システムがわからないなど、食べ方がわからないという点だそうです。そして、せめて写真だけでもメニューに載せてくれたらという要望も出ています。本区はWi-Fi設備も着実に進めておりますし、飲食店の方々に対して、外国語表記のメニューもふやしていくということを、今回、御答弁でいただいておりますので、早速こういう対応をとってはいただいていると思います。
ソウルオリンピックでは、電話番号1330というものができ上がったそうです。この番号は、24時間、ここに電話をかければ、何語にでも通訳してくれるというダイヤルナンバーで、これはソウルオリンピックのレガシーとして、現在もソウルの観光を支える大きな役目を担っているそうです。長野オリンピックでは新幹線がレガシーとなっています。箱物だけではない、こうしたシステム自体もレガシーとして構築していけるということは、オリンピック招致が決まった土地ならではだというふうに思います。
東京都との協議も行うことでしょうけれども、東京の中心都市である中央区が持つ観光資源は大きく、チャンスを生かしながら、オリンピック・パラリンピック前後2カ月間に恐らくは集中するであろう外国人の方々への観光対策だけにキャッシュフローを集中させるのではなく、限りがある財源の中で長く収益を生んでいく施策を、今後、講じていっていただきたいというふうに思います。
基本計画2013の中で、後期1年目に当たる年がちょうど2020年です。オリンピック・パラリンピック招致が決まる中で、長く収益を生んでいくための施策の推進、そして観光に対して、区民へのレガシーとなるべく何かについて、今現在、晴海地区の利用ということもお話ございますが、本区としてはどのように、その収益を長く生んでいくということをお考えなのか、お伺いしたいと思います。
まだ明確なものは当然決まっていないと思うんですけれども、立候補ファイルに提案しているISO20121、持続可能性マネジメントシステムというものがございまして、東京オリンピックにおいてもロンドンから引き継いで行っていくそうなんですけれども、これに倣ったまちづくりというのをこれから推進していくことになろうかというふうに思います。ISO20121が規定する経済・環境・社会的なCSRという意味での社会貢献に基準を置いた際、本区のまちづくりにいい結果をもたらすことは何かという視点でどのようにお考えかお知らせください。
○早川オリンピック・パラリンピック調整担当課長
2020年東京オリンピック・パラリンピック大会に伴います本区でのおもてなし、さまざまな取り組みについてでございます。現段階では、まだはっきりとした、どういった取り組みというのは具体的にはまだ検討段階でございます。ただ、今、委員御指摘のありましたとおり、おもてなしの部分につきましては、ハードの部分、またソフトの部分があろうかと思ってございます。
1つソフトの部分につきましては、今、述べられた、外国からの観光客の方をどうやっておもてなしをするか、こういった部分につきましては、今現在、国の内閣官房、また東京都のほうが主体となっております多言語対応協議会が、今月、第1回目が開催されたところでございます。
こうした中で、具体的には、外国人に対してどういう外国語で対応しておもてなしをしていくか、1つには交通の部分での分科会、また道路の案内表示、さらには観光だとかサービス、こういった部分につきましては、観光業界の方、あるいは観光タクシーであったりだとか、またタブレット端末を活用した観光案内だとか、さまざまなソフトの部分を利用したおもてなしというものが今後進められていくような状況になってございます。
本区におきましても、当然、選手村を抱える区でございますし、また、銀座、日本橋、それから築地、多くの観光場所を持っているところでございますので、こういった部分とあわせながら、今後、積極的に進めていきたいと思っているところでございます。
また、ハードの部分につきましては、これは当然、晴海地区に選手村が来るわけでございますから、この機会を絶好の機会と捉えて、晴海地区を、世界に示していけるような、最先端の環境面、あるいはバリアフリーについてもそうですけれども、世界に誇れる都市として築き上げていけるように、ハードの部分の整備につきましても、本区として積極的に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
以上です。
○渡部(恵)委員
ありがとうございます。当然それに倣って、持続可能な環境システムに沿ったまちづくりをしていくことになろうかというふうに思いますが、世界に誇れる都市の前に、区民が喜んでくださる都市ということに、本当に重きを置いて、施策を投じていっていただきたいと思います。
ロンドンオリンピックでは、日中にとにかく観光客を入れない対策をとってしまったがために、例年、夏が一番観光収入が得られるはずなのに、観光客が3%も減少してしまった。このようなことは、実は想定していなかったことだそうです。これはバークレイズ・バンクのCEOの方から直接お伺いしたんですが、こうしたことがないように、持続可能な、オリンピックは確かに盛り上がる行事でございますけれども、オリンピックが終わってからも、やはり長期的に収益を生んでいく、そういうことが本当に大事だと思います。区民のために、そしてここでなりわいを営んでいらっしゃる方々のために、そうした施策を講じていっていただきたいと思います。
最後に、最近、三井不動産が手がける、日本橋の未来が見えるというCMをよく目にするようになりました、ちょうど先週、3月20日から4日間、日本橋では、30本もの、新旧あわせた、アニメに特化した上映が行われて、大衆文化の発祥地である日本橋が新たな文化拠点としてスタートしているというふうに報道されておりました。私も長らく日本橋で働いておりましたが、21世紀の新たな日本橋のスタートを切ったなと、そんなような思いがしております。
これからは、限られた財源の中で、区民にとって、そして中央区の未来にとって、教育、環境、さまざまな高齢者施策、障害者施策、さまざまな地域活性等々、取り組んでいらっしゃるわけですけれども、これからも、表裏なしの、区民に対して、そしてこの地域の活性化に対して、さらなるお励みをいただけるようにというふうに願って、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○今野委員
ただいま総括質疑の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後1時に委員会を再開されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長
ただいまの動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。
午後1時に委員会を再開いたしますので、御参集願います。
暫時休憩いたします。
(午前11時59分 休憩)
(午後1時 再開)
○鈴木委員長
休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
総括質疑について、質問者の発言を願います。
○高橋委員
それでは、総括質疑について、質問させていただきます。
まず最初に、舛添知事の所信表明なんですが、これ、大体この中の中心が、防災と、子育てと、オリンピック・パラリンピックの問題、この3点が中心的だったと思いますけれども、この中で、中央区の予算というのが、どういう形で、これから先5年間の計画の中で変化をしてくるか、その辺をまずお聞かせいただければありがたいなと思いますので、よろしくお願いします。
○黒川企画財政課長
今、舛添知事の所信をお引きになって御紹介をいただいたところでございますけれども、本区におきましても、今後の区政運営の上で非常に大きな課題となっておりますのが、昨年、基本計画2013策定の際にも、この状況の変化等を踏まえてということで、5つの柱立てをしたところでございます。
柱立て自体は変わっていないんですけれども、特に3.11の状況を受けまして、災害に強い都心のまちづくりというところを、5つのまちづくりの中でも筆頭に置きつつ、さらに、これまでの取り組みを継続、充実、発展させていくものでございまして、子どもが輝く子育て・教育のまちづくり、それから全ての人々が生き生きと暮らせるまちづくり、さらには本区の特色といいますか、地域特性、歴史と伝統を踏まえた、このにぎわいを継続させていくための取り組みというようなところを、新年度においても予算化し、さらに、それらにつきましても、今後の発展性というところも見据えながら、中長期的な、その10年計画ということで推進をしていくという姿勢をあらわしたところでございます。
以上でございます。
○高橋委員
防災、それから子育て、その辺を中心に私も質問をさせていただきますけれども、以前に私と一緒に会派を組んでいた大塚議員さんが、全款にわたって防災の問題を、予算特別委員会か決算特別委員会か忘れましたけれども、聞いたことがありましたけれども、やはりそれぐらい、防災力がこれからの都市のグレードを決めていくという、そんな感じに、今、なってきているのではないかなというふうに思っておりますので、その辺について、中央区の、まず御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○中島防災危機管理室長
阪神淡路大震災でありますとか東日本大震災を受けまして、やはり区民の方、またこの中央区の事業所にお勤めの方、また来街者、さまざまな方が、この中央区にいらっしゃるわけでございますので、そうした人たちのための安全で安心なまちというのが、やはり、今、本区の防災対策にとって一番肝要なことではないかなと考えております。従来からもさまざまな防災対策を進めておりますが、昨年2月に策定いたしました中央区地域防災計画に基づきまして、なお一層、防災対策に努めて、安全で安心なまちづくりを進めていきたいと考えております。
○高橋委員
例えばオリンピック・パラリンピックもそうなんですけれども、それ以外にも、本区は、世界中の人たちが集まり、集い、商いができる、そういうまちを、今、目指しているわけですね。それに対して防災の力というのを、どういう形で、世界の人たちにアピールしていくのか、その辺を含めて、もう一度御答弁いただけるとありがたいんですが。
○中島防災危機管理室長
従来の防災対策、区民防災を中心にして、事業所防災、また高層住宅の防災対策等さまざま取り組んでまいりましたが、このたびオリンピック招致が決まりまして、やはり世界から訪れる方に、中央区が安全で安心だというようなアピールを、さまざまなことを通じて、これからということになりますけれども、そうしたものを世界の方にアピールしていく、それをどうやってやっていくのかということを今後考えてまいりたいと思っております。
○高橋委員
この問題については、かなり大きな問題だと思っているんですね。例えば中央区に行ったら危ないといううわさが出たら、逆に言うと、もうそれで都市間競争に負けてしまうような、そんな時代だというふうに思っているんですよ。ですから、中央区というのはそういうことに対してもきっちりと配慮をしたすばらしい大都市だということを印象づけるような、そんなまちづくりを展開していかないと、この先、本当に大変なことになってくるのではないかなというふうに思っております。例えば、今、再開発ビルがたくさん建ち並んでいますし、その中で本当に名立たるテナントが入ってきているわけですね。大企業が中央区にかなり集まっているわけで、この人たちに絶対に永久に中央区にいてもらいたいと思ってもらえるような、やっぱりそんな仕組みもつくっていかなければいけないというふうに思っていますけれども、そうだとすれば、逆に言うと、その企業のトップの人たちと、減災について、防災とは、私は、言いません。災害というのは必ずどこかで起きるわけで、そのときにやっぱり減災意識を持ってもらうというか、常にその企業活動の中で減災意識を持ってもらうというような、そんな仕組みづくりをしていかなければいけないと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○田村都市整備部長
まちづくりの観点で、私どもが、今、取り組んでいる方向性についてお答えをさせていただければと思います。
本区は都心中央区、都心区でございまして、これまでも日本の経済等の中心として発展してきたと。この点については、今後もやはり発展をしていく必要もありますし、日本をやはり牽引していく、そういった役割を持っているというふうに考えてございます。そういった中で、先ほど委員のほうからお話ございましたけれども、都市の防災ということについては、まさにグレードを位置づけることに直結することではないかという認識を持ってございまして、開発を中心としたまちづくりをさせていただく際に、いわゆる減災といいますか、例えば業務が継続できるような、そういった対策というのは、エネルギーの問題でございますとか情報の問題等々含めて、やはりインフラ、基盤をしっかりと確立していく必要があろうというふうに考えてございます。そういったことを、各開発の中ででき得ることを事業計画の中で組み立てていただいて、それをうまく連結をしていくというような取り組みを、今、しているところでございます。
こういった取り組みをしっかりとすることが、基本的に、その地域にお住まいの方々にとっても、その安全対策というものにつながっていくというふうに考えてございまして、我々、まちづくりを所管する部としては、そういったことにしっかりと取り組むことによって、中央区というものの地位をしっかり確立していきたいと、そのように考えてございます。
以上でございます。
○高橋委員
ハードの部分については、今、言っていただいて、すごく安心をしているんですけれども、それに付随をして、先ほども言いましたように、そこに入られているテナントの方々、当然大企業が中心になるんでしょうけれども、そういう人たちと協力をしながらの減災システムというのを、今度、ソフトの部分でもつくり上げていかなければいけないのではないかなというふうに思いますけれども、その辺、いかがでしょう。
○中島防災危機管理室長
従来、私どもは、いわゆる事業所防災という枠組みの中で、どちらかといえば、中小企業も視野に入れながら、中央区の事業所の方に対して、事業所の事業継続でありますとか、そうしたことについてPRを図ってきたわけでございます。
ただ、今の状況といいますのが、ちょうど3.11を機に、災害がなかった中央区でも、帰宅困難者の問題というのが非常に大きくクローズアップされました。私ども、今、例えばディベロッパーさんでありますとか、それから比較的大き目の企業さんなんかとも話をするチャンネルとして、帰宅困難者対策というのが、今、非常に大きな切り口の1つとなっております。
一昨年の10月22日に、帰宅困難者対策の関係の協議会も設立して、そこで、現在、帰宅困難者という問題を切り口にして、比較的大き目の自社ビルでありますとか、テナントビルでありますとか、そういったところと接点を持ってやっているところでございます。帰宅困難者問題の対策だけを考えるのではなくて、広く事業所防災についても視野を持ってやっていこうではないか、そうした方向性のお話も、その会議体の中で出ているところでございます。
なかなか、事業所数が大変多うございますので、区としてどんなふうな切り口をもってやっていくのかというところが非常に悩ましいところでございますが、今現在は、帰宅困難者ということを1つのテーマに据えて、話を進めているところでございます。
○高橋委員
今、帰宅困難者問題が出ましたけれども、これは仮説です。3.11のときに、不幸にも中央区で10人ぐらいの方がもし仮にお亡くなりになったとしたときに、その問題を優先するのか、帰宅困難者問題を優先するのか、その問題に直面すると思うんですね。この前の3.11のときには、幸いにも区内ではそれほどの被害がなくて、けがをされた方もそれほどいなかったということが前提だから、帰宅困難者問題というのが非常に大きなイメージを与えたことは事実だと思うんです。東京都としては、帰宅困難者の問題というのは別の角度からきっちりとやらなければいけないと思いますけれども、中央区という、この先端自治体が帰宅困難者の問題に取り組んでいくというのは、非常にいろんな問題が出てくるというふうに私は思っているし、それは、先ほども言いましたように、もし仮に、不幸にも、あのときに10人ぐらいの方が区内でお亡くなりになるようなことがあったら、やはり区はそちらを優先しているのではないかなというふうに思いますけれども、その辺、いかがでしょう。
○中島防災危機管理室長
私ども中央区、いわゆる基礎自治体の防災対策というのは、どこの自治体もそうだと思いますけれども、基本は住民防災でございます。基本は住民防災であると考えております。ただ、この都心中央区の地域特性から、現に発生するであろう帰宅困難者というのが、やはり相当大きな問題が生じる。
それは、例えばこの前の3.11のときには、学校などの避難所に帰宅困難者が相当程度収容された。これは、先ほど委員もおっしゃったように、区民にほとんど被害がなかったから、そういうことが可能だったわけでございます。私ども、住民防災を旗印にする以上、帰宅困難者の問題と住民防災の話は、やっぱりどこかで線は引かれるべきものだと考えております。
そこで、先ほど御紹介しました帰宅困難者対策のお話につきましては、行政はもちろん関与はいたしますけれども、そういった施設を持っているところ、あるいはそうした施設に対して手を差し伸べられる事業所で自主的な協議会をつくっていただく、もちろん区が支援いたしますけれども、そこで、完結とは決して申せないと思いますけれども、そうしたところで、広い意味での防災対策の一翼を担ってもらうセクターとして、今、事業所などを結集した協議会などを考えております。
先ほど委員の御質問ございました。もし仮に住民の方に直接の被害があった場合はどうなるのか、どちらを優先するのかという御質問でございましたけれども、それにつきましては、住民防災である以上、やはり区民の方、そうしたことへのさまざまな意味での救援、これがやはり優先されるべきものと考えております。
○高橋委員
帰宅困難者問題ということを前面に出せば、中央区内での問題点というのは、逆に言うと、中央区の事業所の方で、会社の中にいる人は問題ないんですよ、会社の中にいる人は今の方針どおりに進めればいいわけで、当然、その会社の中にも備蓄をしていただくというようなことがあるんですが、ただ、日々、皆さん営業活動をやったり、いろんな活動をしていますから、昼間、震災が起きたときに、企業の方の中で、会社の中に残っている人よりも、外に出ている人の数のほうが圧倒的に多いわけですね。
役所も同じだと思います。役所も、そういう意味では、外に出ている方が圧倒的に多いわけで、そのときに、電車に乗れないとか、当然そういう方向になってくるわけで、そうすると、今の、例えば一斉帰宅を抑制するという全体の計画の中で言うと、職場にも戻ってこられない、自宅にも帰れないという人がたくさん出てくるわけですね。ですから、先端自治体である中央区が考えるのは、そっちのほうではないかなと私は思っているんですよ。そっちをどうするかということの帰宅困難者対策というのは考えなければいけないんですけれども、その一斉帰宅抑制の方向の話というのがかなり前面に出てきていることは事実だと思うし、中央区は、特に、そのほかに、当然、都心の商業地域ということがあって、買い物に来ている人、映画を見に来ている人、そういう人たちの問題というのをどうするか、そこに本当にとめ置くことがいいことなのかどうかということも含めて考えていかなければいけないのが中央区の帰宅困難者問題だというふうに思っているんですね。
それともう一つは、都心だから中央区独特の問題がかなり大きくなるんでしょうけれども、そこに乗り捨てられた車の問題ですね。帰宅困難な車、これも「きたくこんなんしゃ」というんでしょうね、きっと、読めば。だけど、この車の問題も、やっぱり本区の問題として取り上げないといけないわけですね。逆にそういうことも含めてきっちりできないと、先ほど言った、本当の意味での魅力的な都心にならないわけで、そういうことについてはいかがでしょうか。
○中島防災危機管理室長
いわゆる事業所の中にとどまっている方の一斉帰宅抑制と別な人が災害に遭う人物像ということでお話がございました。私ども、帰宅困難者対策を考える上で、帰宅困難者というのはどんな人かというところは、まず考えなければいけないところでございます。東京都が発表しております帰宅困難者の総数などの数字は、これは事業所の中にとどまっていて家に帰れない人、これも含んだ全体の数値でございます、あくまでも。委員からも御紹介ありました、東京都の帰宅困難者対策条例で、一斉帰宅の抑制、事業所にとどまりましょうと、そうしたことによって、膨大な数の帰宅困難者の相当数が減る、これは間違いないことだと思います。
やはり委員おっしゃったように、そうした方以外の、例えば旅行者でありますとか、出張中の方でありますとか、いわゆる中央区を通過する方がたまたま中央区のエリアにいるときに被害に遭った、そういう方をどうするか。まさしくそれが、地方自治体が考えなければいけない、対応しなければいけない帰宅困難者問題であろうと、私どももそのように考えております。そうしたことから、やはり集客施設での受け入れでありますとか、先ほどちょっと御紹介申し上げましたけれども、再開発で生じた建物の中で、そうした、いわゆる寄る辺のない帰宅困難者を一時受け入れるとか、そうした対策で進めているところでございます。
また、自動車車両の問題、これは大変大きな問題でございまして、警視庁のPRでも、車道の左に寄せて、鍵はかけないで離れてくれとか、いろんなPRがかつてから、されておりますけれども、これがどの程度実効性があるのかというところは、実地に体験しておりませんし、そうしたPRがどこまで行き届いているかということもあまり検証されていないというところで、非常に大きな問題、まだ、現在、手がついていないと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、まだまだ、この問題について、これから対策を講じなければいけない大きな課題の1つであろうと思っております。
○高橋委員
ありがとうございます。まだまだ、逆に言うと、魅力的な都市をつくるためには、防災上やらなければいけないことはたくさんあると思うんですね。その前に、先ほども言いましたように、区内、役所の方々も、ある面では、そういう意味で、自席を離れて外に出られている方もたくさんいらっしゃると思うし、そのごくごく近くにいる人はいいですけれども、そうでない、かなり遠くに行かれている方もいらっしゃると思います。
そういう意味では、この中央区には、その防災に関しての職員マニュアルというのは、存在しているんでしょうか。というのは、新聞記事ですけれども、9割の自治体が職員マニュアルはないというふうに答えているわけですね。努力をされて、マンションの防災マニュアルとか事業所の防災マニュアルというのをつくられているのは重々承知をしております。でも職員の防災マニュアルというのは、あるんでしょうか、ないんでしょうか、その辺をお聞きしたいと思います。
○遠藤防災課長
防災対策全体のマニュアルといったものではございませんけれども、本区の地域防災計画に基づいて、実は各方面の防災対策を進めていくわけですが、それによって、必要なマニュアルが策定されているといったところになります。
その中で、区職員の行動の取り組みとしましては、地域防災計画の中に災害対策本部、各部課の分掌事務というのを、まず定めております。また、本区の業務継続計画、BCPの計画において、地域防災計画に定めた、その分掌事務のうち、非常時の応急復旧業務と優先度の高い通常業務、それぞれをまた定めております。さらに、本区の災害時職員行動マニュアルにおいて、応急復旧業務と優先度の高い通常業務について、業務手順表や対応チェックリストを策定するなど、具体的な取り組みをマニュアルとして定めているところでございます。
以上でございます。
○高橋委員
今、BCPの話が出ましたけれども、災害時事業継続計画ですね、このBCPと職員の防災マニュアル、これはやっぱり表裏一体だと私は思っているんですね、逆に言うと。というのは、BCPというのは、基本的に、事業の中で何をやめるかという話ですね、極端なことを言えば。災害時に事業の中で何をやめるか、何を後回しにするかというのが決まっているのがBCPだと思うんです。そうすると、何を後回しにするかというところの職員が中心にならないと、本当の意味での職員マニュアルはつくれないのではないかなというふうに思います。手順が書かれたものはあるというのはよく理解をさせていただきました。でも、その辺がまだ一致はしていないんですね、BCPの問題と、それから当然職員の配置づけとか、そういうのも含めたときにですね。
今は単に、逆に言うと、近くに住んでいる方々がとりあえずは防災拠点に行きなさいということは決まっているし、防災本部をつくるということは決まっていますが、そこを、じゃあ、どういう形で、これからBCPと職員マニュアルとをすり合わせをしていかれるおつもりなのかをお聞きしたいと思います。
○遠藤防災課長
委員言われたように、BCP、何をやめるか、逆に言うと、何を優先するかということかと思いますが、全体業務のうち十数%に絞った形で優先業務を定めまして、残りの、それに当たる人員以外の人員が、当然、災害に対する復旧・復興対応をとるわけでございます。
そうした中で、確かに委員言われるように、何名がその業務に当たるかと、そういったものは当然定めていますが、誰が具体的に何の業務をしていくかというのは、例えば防災訓練とか図上訓練の中で、そういった担当を決めて、それをやっているケースはございますが、具体的に事務分掌みたいな形で、全て、当然、決まっているわけではございません。そういった意味で、今後、訓練も通じながら、また各事務分掌等も考えながら、どういった形でそういう役割といいますか、担当づけができるのか、そういったことも含めて検討してまいりたいなというふうに思っております。
以上でございます。
○高橋委員
先ほどの話もあるんですが、やっぱり来街者とか、区内の企業の方々とそういう情報交換もきちんとしないと、みんなですばらしいまち中央区をつくっていくという形にしないと、なかなか、独立してというか、みんな自分の目の前のことだけはよくわかっているけれども、全体を見たら全然ちぐはぐだよというような話というのは結構あるわけで、その辺を統一させて仕組みづくりをしていくというのは非常に重要なことだと思いますので、その辺をよろしくお願いいたします。
その中の具体的な問題に入らせていただきますけれども、まずは、中央区が結んでいる防災協定というか災害協定の現状についてお聞きをさせていただきたいと思います。
○遠藤防災課長
災害時の協定ということでございます。協定につきましては、現在、たしか44協定、そのうち民間の協定が34というふうな理解をしているところでございまして、これにつきましては、応急対策、復旧対策、あるいは非常通信、給食、給水、石油類、さまざまな分野で協定を結んでいるところでございます。最近では、帰宅困難者の関係で、事業者との協定も結んでおります。
それから、実は23区の中の協定につきましても、今年度、その見直しということで、既存の中身もそうですが、また新たな項目も含めて、現在、話を進めているところでございまして、ほぼそれが固まりましたら、今後、例えばプレスとか、あるいは区としても、委員会とかに報告をしていきたいとは思いますが、例えば帰宅困難者の対策が盛り込まれたりとか、または児童・生徒の応急教育とか、そういった新たに加わったもの、あるいは既存ものについても一つ一つ検証しながら、文言の修正とか追加、補強をした、そういったところで進めております。
また今後は、まず、例えば他自治体との協定のように、人の派遣から物資等、1つの協定であらゆる分野の供給がお互いにできると、そういった協定についても、地域性を考えながら、今後、また進めて、災害時に備えていきたいというふうに思っております。
以上でございます。
○高橋委員
ありがとうございます。帰宅困難者の問題もこれから含まれてくると。先ほど言った、一時避難場所というか、そういうものを確保していかなければいけない。
これは、幾つかの自治体が、例えばカラオケボックスとか、そういうところも対象にして協定を結んでいるんですね。カラオケボックスというのは、結構、中へ入ると広いんですね。私も時々行くんですけれども、中へ入ると広いのですが、ふだんは全然使われていない場所なんですね。そういうところとの協定なんかも結んでいくと、中央区、結構あるのではないですかね。だから、そういうところとの協定というのはいかがでしょうか。
○遠藤防災課長
帰宅困難者対策の1つとしての一時滞在場所の確保ということでございます。確かにいろんな民間事業者または施設を活用することで、場所の確保というのが当然可能になろうかと思います。ただ、施設の安全面とか、またはその周知の仕方とか、いろいろな面で課題もあろうかと思います。したがいまして、現状では、先ほど防災危機管理室長からもありましたように、帰宅困難者支援施設運営協議会を設けておりまして、さまざまな事業者さんが入っております。これを着々と進めるとともに、帰宅困難者対策は都のほうが中心になってやっておりますが、その都条例の中でも、先ほど委員からお話ありましたように、一斉帰宅の抑制ですとか、備蓄といった面もございます。この備蓄に対しては、補助金といった制度もございまして、その補助金を受け取るためには区と協定を結ばなければいけないということもありますので、その辺も周知させていただきながら、既存の事業者さんと、今後も、その一時滞在施設の確保に向けた協定等を結んでいきたいなというふうに思っております。
以上でございます。
○高橋委員
カラオケボックスを例に出したのは、九都県市がカラオケボックスとの協定を結ぼうという方向で進んできているという話を聞いたものですから、その辺を中央区は先取りをしてやったらどうかという話だったので、その辺は、またいろいろ、今言われたように、カラオケボックスというのはいろんなところがありますから、防災上、おかしなところもあるかもしれませんけれども、ただ困ったときは、そういうところでも、本当に広いスペースであれば、利用するというのは非常に重要なことだと思いますので、その辺も前向きに考えていただければと思います。
次に、物資の移動についてなんですけれども、これは、防災協定の中で、中央区は、例えばトラック協会と防災協定を結んでいるわけですね。トラック協会はトラックを1台も持っていないわけですね、極端な言い方をすれば。各企業は、自分が逆に倉庫を置いている自治体とも協定を結んでいるわけですね。そうなったときに、中央区に、その物資を運ぶためのトラックはいつ来るんだろうと考えてしまうんです。個々の事業所と結んでいるわけではなくて、全体と結んでいて、中央区内には本社がたくさんあって、それはそれでいいんですが、その車は中央区内に置いていない。中央区だけでなく、その企業は、ほかの自治体とも防災協定を結んでいる。これ、本番はないほうがいいんですが、本当にそういう状況になったときに、中央区にその車はいつ来てくれるんだろうと考えてしまうんですけれども、こういう懸念はありませんか。
○中島防災危機管理室長
災害時の物流というのは非常に大きなテーマでございます。実は東京都のレベルで、東京都トラック協会、当然、今、我々は、そのトラック協会の中央支部と協定を結んでおります。東京都は、その東京都トラック協会と連携をとって、災害対策活動、もちろん協定もございますし、そうした災害時の物流対策を考えようとしています。
特に、例えば、いわゆる近県、あるいは遠距離から、災害時の支援物資が、環七沿いに点在しているトラックターミナルに入ってきて、そこから環七の内側にどうやって物を運ぶのか、そうした検討がされております。そうした意味で、今、委員がおっしゃったように、例えば中央区とトラック協会との関係ももちろんございますけれども、その全体物流の中で、やはり中央区のエリアに物が届いてくるというところまでは、東京都のほうで全体調整をしていただかなければいけない。問題は、その中央区の中に入ってきてから、そこから、例えば各防災拠点に物をどうやって運ぶのか、これは、今度はいわゆる小分けになるわけでございます。そうした際に、それは、やはり東京都トラック協会の全体調整の中で、中央区のトラック協会もございますので、中央区内のエリアについて、それは中央区の協定に基づいて担っていただこうと。
ただ、それが全体調整の中で、当然配車計画でありますとか、当然ドライバーの確保の問題などもあります。そうした中で、どんなふうに東京都全体の中で位置づけられてくるのかというところは、今の段階ではあまりはっきりしたことは言えませんけれども、東京都としても、実際、避難所に物が届かなければ、結局、災害物流は機能しないわけでございますので、そうしたことも視野に入れて、都とも調整をしてまいりたいと思います。
○高橋委員
今、言われたとおりだと思います。東北も、阪神も、中越も、やはり同じような協定を結んでいたんですが、結局それは機能しなかったんですね。広範囲でとなると、なかなかそれを機能させるというのは非常に難しい問題だというふうに思っていますし、国や東京都はそれを考えていかなければいけないんだけれども、先端自治体である中央区は、もっと毛細血管にまで届くような仕組みをつくらなければいけない。だから別の考え方で、こういう問題も考えていかなければいけないのではないかなというふうに思いますので、この辺もよろしくお願いいたします。
それに関連してなんですが、あまり末端末端という話をすると、いろいろ問題があるんですが、例えばお米屋さんとか、おそば屋さんとか、そういうところとも区は協定を結んでいます。ですから、逆に言うと、協定を結んでいるおそば屋さんやお米屋さんに区民が直接買いに行っても、とりあえず区が全部買い上げる形になっていると理解しています。ですから、地元の人はそこに行っても買えないというふうになっているんですが、それはそれとして、そこもちょっと後で直していただきたいという問題提起をしますけれども、それはそれとして、じゃあ、そのお米屋さんが持っているお米、誰がどこに運ぶようになっているんですか。誰がどこに運ぶようになっているかということが決まっていないんですね、きっと。だから、その辺はきっちりと決めておかなければいけないということになるんですが、その辺はどうなんでしょうか、もう一回教えていただけますでしょうか。
○中島防災危機管理室長
阪神淡路大震災以降の協定かと思います。やはり災害時にどうやって物を確保するのか、いろんな米穀関係の業界の方とも相談をして、協定は結んでおります。そうやって物を確保しようということで従来から進めておりますが、委員おっしゃったように、じゃあ、具体的に、その運搬手段についてはということになりますと、それは、区の持っている資源など、またあるいは、大きく言えば、そういうトラック業界の協力ということになるわけでもございます。
実は私ども、今、一番、この辺で悩んでいるのが、こうした協定を結んだ段階から、ちょっと流通が変わってきているというようなところがございます。実は、私もよくわからないところでありますが、お米をお米屋さんで買うという形態が、ここのところ、ちょっと変わってきているのではないかなという感覚を受けておりまして、そうした意味で、そういう米穀でありますとか、そばだとか、そうしたものについての協定は、なおかつ有効なものと思っておりますけれども、例えばコンビニチェーンとの関係でありますとか、そうした物資の加工手段というのも、これから考えていかなければいけないのではないか。
ただ、コンビニ系統は、なかなか在庫というものが非常に少ないやに伺っておりまして、一体どのようにしたらそういったものが確保できるのか、いわゆる区独自でのという意味でございますが、どうしたら区独自でそうしたものが確保できるのか。それは一方で、東京都の全体調整に委ねなければ、逆に、東京都の力でないとできないのではないかとか、さまざま、先ほど災害時の物流のお話も申し上げましたけれども、なかなか中央区単独で解決がしにくい分野のお話かと存じます。
○高橋委員
私はそう思っていないんですよ。そう思っていないというのは、逆に言うと、中央区はいろんな意味での地域性もあると思いますけれども、その中央区が1カ所に集めて、それをまた分配をするというふうに考えているから非常に難しいんだと思っているんです。結局そうではなくて、もっと小さな単位で、例えば中央区には名立たる町会があるわけですから、町会とか、連合町会という単位の中で、そこにあるおそば屋さんや、お米屋さんや、そういうところの物資を、中央区が責任を持つからという形で、きっちりと分配をするような仕組みをつくっていったほうが、私は、極端な言い方をすると、配送の心配が要らないと思うんですね。
ですから、そういう感じでやらないと、逆に言うと、もう一つの問題点は、私もそば屋のせがれですから、困ったときに、周りの人たちが、お客さんが食べたいと来たときに、何かくださいと来たときに、これは区と契約しているから売れませんよなんて言ったら、次から商売にならないです、はっきり言って。
だから、そうではなくて、両方よくなるためには、その小さな単位の中で融通をし合うような仕組みを区がつくってくれるほうが、私は、いいのかなと思っていますし、そこに行政が、極端な言い方をすれば、卸とか、その、今、言われた大きな会社と提携をしていて、そこに流してくれるような仕組みをつくってくれたほうが私はいいのではないかというふうに思うんですけれども、その辺、いかがでしょう。
○中島防災危機管理室長
全てが行政の手で配分が可能だという視点には決して立ってはおりませんが、私ども、やはり区民に対して、防災対策上、責任を持つ以上、協定に基づいてさまざまな物資を確保し、配分するという考え方に立ってはいるところでございます。今、委員がおっしゃったように、もう少しフレキシブルなところで、例えば地域性を生かしながらという御指摘もいただきましたので、その辺については検討させていただきたいと存じます。
○高橋委員
そこでまた東京都の問題との接点というのがたくさん出てくるわけですね、物資の移動ということになってくると。そこで初めて、緊急避難誘導道路と、住民との問題というのが出てくるわけですね。私は、東京都が一斉帰宅を抑制しようという一番の理由は、この前、あれだけの大人数の人たちが一気に動いたことで、逆に、道路の確保ができないのではないかなということのほうがもっと大きな問題になってきているのではないかなというふうに思うんですね、はっきり言って。だから、その一斉帰宅抑制の問題と、それからその道路の確保の問題というのは、非常に密接な関係があるのではないかなというふうに思っているんです。
ですから、東京都や国が帰宅困難者対策を優先してやるというのは、そういうことも含めて考えている部分だというふうに思っておりますけれども、中央区の場合には、もっと住民と身近ということがあって、逆に、その身近な問題をどう捉えて、防災においてもいろんな動きをしていくかというのが大きな要素になってくるのではないかなというふうに思いますので、その辺はよろしくお願いいたします。
次に、行政というのは正確な情報を流さなければいけないということがありますから、どうしても情報の伝達がおくれるんですね。これはやむを得ない部分だと思います。確認をしないで情報は流せませんから、情報の伝達というのが、どうしても、民間や住民から比べたらおくれるというのは当然だと思います。ただ、おくれてしまうと、いろいろ支障が出ることも事実なんですね、それを信じて、みんな動くわけですから。そのときに一番重要なのは、用語、言葉ですね、言葉の統一が本当にできているのかということなんですね。これは結構いろんな被災地の問題として取り上げられています。
例えば、電池が足りないから電池を集めろと言うと、いろんな電池が集まってしまうんですよ、当然。ところが、足りない電池というのは、例えば単1であったり、単3であったり、その用途によって違うんですね。ところが、今までの例でいうと、行政から情報が出るときには、電池が足りないからという形でしか出ない。そうなると、これはまた集まってきたものを選別したりとか、さまざまな問題になって、また大変な作業が必要になってくるということになる。それから、当然こういう時期ですから、おむつが足りないという話が出ると、赤ん坊用のおむつも、年寄り用のおむつも、両方が物すごい勢いで集まってきてしまって、それをどういうふうにするのかという話になってしまうわけですね。
だから、逆に言うと、その言葉一つ一つが本当に正確に伝わるような仕組みをつくらないと、和製英語なんてとんでもないですね、あれは何を意味しているのかわからないことがいっぱいあるわけで、ですから、そういうものはきっちりと統一しておく仕組みをつくらないとだめだと思うんですけれども、その辺、いかがでしょうか。
○中島防災危機管理室長
今、委員がおっしゃったことというのは、視点を変えると、被災地に対してどういう支援が必要なのか、これは、同じ1つのことを、逆から見た場合でございます。東日本大震災は、記憶に新しいわけでございますが、被災地でさまざまなものが不足し、それに対して全国から支援が集まる。そうした全国からの支援が、なかなか現地のニーズとうまく合わない。先ほど、委員、例示もされておりましたけれども、そうした、現地で本当に必要なものと実際に各地から送られるものがうまくマッチングしないというような事案が、相当程度、あったように思われます。
それは、委員の御指摘にありましたように、被災地からの情報発信というのが委員のお話の切り口かと存じます。例えば中央区も、石巻市を中心にして被災地の支援を行ったわけでございますけれども、現地からの情報がなかなか入ってこない。言いかえると、現地のほうからなかなか情報が出せない。それは、委員から御指摘ありました、正確性を優先することによっておくれる、あるいは、これはよくわかりませんけれども、被災地のほうで、実情に合った情報の発信がなかなか難しかった、こんなこともあるのかもしれません。
いずれにしても、支援を受ける側、支援をする側それぞれがうまくマッチングしないと、使えない物資ばかり余って、仕分けにべらぼうな、非常に大変な手間がかかって、実際に役に立たないというようなことが発生するわけでございます。これはかつての中越地震でも大きな問題になったわけでございます。そうした意味で、委員のほうから、行政として情報発信する際にきちっと伝えるべきだという点については、まことにそのとおりかと存じます。
○高橋委員
用語の話は、そういう形で、ぜひ統一をしていただいて、わかりやすいものをつくっていただければというふうに思っています。
それに付随して、この前、教育の問題の中で、今度、校務システムでクラウドを利用するという話がありましたね。クラウドを利用するというのは、非常に、私も、先見性があっていいなというふうに思ったんですが、防災のホームページはどうなっているんでしょうか。逆に言うと、防災のホームページを、例えば区のサーバの中で処理しているということになれば、今度は膨大な数の人がアクセスするということになるわけですね。クラウドだと対応ができるけれども、防災のホームページが区のサーバの中でということになってくると、これ、すぐパンクしてしまうのではないですかね。だからこの辺は、そんなに情報を取られたら困るなんていう話はないわけで、やっぱり防災だからこそ、もっと大きなそういうシステムを利用して展開をするような、そんな仕組みが考えられないかどうか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○園田広報課長
災害時のホームページということでお答えさせていただきますが、サーバーのほうは、相当数のアクセスがあっても耐え得る状況になっております。災害時においては、災害対策本部が立ち上がると同時に災害対策本部用の画面に切りかわるような仕組みになっておりますので、そういう点については御心配がないかと思います。
○高橋委員
そうなんでしょうね。そういうふうでなかったら、区はやっぱり契約をしないと思うんですが、でも、いろんな意味で、どこかで事故が起きるかもしれませんから、多くの自治体が、そういう意味で、例えばヤフーを利用したりとか、区のホームページが使えないときは、専用のアプリを取り入れているとか、そんな仕組みも使いながら進めているんですね。
パンクしないというふうに祈っているし、中央区の回線がきっちりとした形で使えるということを祈っていますが、より安全ということで言えば、やっぱりクラウドのほうが安全だなというふうに思っているので、その辺を提案をさせていただきました。それと、先ほども言いました、例えば無料のアプリの防災版というので、まもるゾウというのがあるんですね、これなんかも、やはり無料ですから、取り入れながら進めていくといいと思います。これは、災害時になると、すごく簡単に作業ができるんですね、掲示板や、居場所の情報とか。まだ中央区ではそこまで進んでいませんよね。それぐらい、やっぱり提携をしながら進めていってほしいなと思いますが、その辺、いかがでしょう。
○遠藤防災課長
災害時に特に使えるアプリということで、今、1つの例が出ました。私どもも、今、言われたものについても研究はしておりまして、ただ、区のほうでそれを管理する画面を持つことで相当の経費がかかってしまう。それをただ使うだけであればいいんですが、区としての情報を流していくとなると、やはり金額的に大きくなるといった点もございます。そういった面で、災害時のいろんな情報手段、情報を受ける側も、それを選択しなければ当然いけないとは思うんですが、ただやっぱりそういった手段をふやしていくというのは大変大事だと思っています。
そこで、今、防災危機管理室の中なんですが、ある意味、新人とか若手の職員が、PTを組んで、アプリについて、研究をしております。先進自治体の例も含めて研究して、今から例えば中央区がやって、どれだけの効果があるのかとか、また独自性を入れて、どういった仕組みを入れると利用していただけるのかと、そういったことも含めて、現在、検討しておりますので、その辺を踏まえて、今後、また考えていきたいなというふうに思っております。
以上でございます。
○高橋委員
ありがとうございます。それはぜひ研究をしていただいて、よい方向に向けていただければと思います。
話をもとに戻すわけではないんですが、この地域防災計画は、全体的には、だんだん、私、焦点が、曇ってきたというか、焦点が合いにくくなってきているなというふうに感じているんですね。実際に地域防災計画の中の最大のものは、弱者救済というか、弱者、いろんな意味での弱者はいると思うんですけれども、その弱者救済というところにもう一度きっちりと焦点を当てるべきだと思うんですね。
例えば帰宅困難者問題にしても、帰宅困難者の中で、けがをした人とか、本人ひとりでは歩けない、今、電動車椅子に乗っている人とかもいらっしゃいますし、本当に小さなお子さんを連れている人たちもいますし、そういう人たちを優先するような仕組みを、逆に、その帰宅困難者対策や、防災拠点に避難をしてくる人たちの間にきっちりと定着をさせないと、大変なことになると思っているんですね。
私も、3.11のときは、久松小学校の防災拠点にいました。そのときに避難をしてきた方々に対して、あそこは、区に言わせると、ちょっとやり過ぎだと言われたんですけれども、食料の配給もしました。そのときに、その食料の配給を受けた人たちは普通のサラリーマンだったんです。その人たちに、配食するのを手伝ってくれと、食料配るのを手伝ってくれと言ったら、100人ぐらいいたと思うんですが、その中で手伝ってくれたのは、女の人ただ1人だけ、あとは誰も手伝ってはくれなかったです、そんなことはどうでもいいんですが。
避難所だって、数が足りているわけではないですから、極端な言い方をすれば、後から来た人はあぶれてしまうというのが、今、現実ですね。それは帰宅困難者も、それから避難所に入られる方も一緒だと思います。その中で、やはり中央区がというか、日本橋がというか、下町というか、逆に、今までも、そんなこと言われなくてもやっていたよという弱者救済という考え方の位置づけをきちんとしないと、昔は当たり前のようにできていたことが、なかなか当たり前でなくなってきているのが現実ですから、その辺をきっちりとここで位置づけをしてほしいと思うし、帰宅困難者の問題も、基本的には、けがをしている人とか、そういう人たちを救う、子供連れの人たちを救う、それから障害のある方を救う、そういう仕組みを最初に考えていかないと、今のままの対策では、逆に言うと、そういう人たちが後回しになってしまって、結局は何のためにやったのかわからないというような形になってしまうのではないかなという懸念をしているので、その辺、いかがでしょう。
○遠藤防災課長
地域防災計画につきましては、まず当然災害予防対策、あるいは災害応急対策、災害復旧・復興対策を実施することによって、区民の方の生命・身体・財産を守る、そういった目的でつくっているということで、総合的な計画になろうかなというふうに思っております。今、委員が言われた中での、いわゆる災害時要援護者とか、けが人も入るかもしれませんが、そういった方の対応自体は、当然、各防災の施策の中で優先的に考えられるべきであろうというふうに思っております。
したがいまして、地域防災計画上にも、その優先云々というよりは、災害時要援護者の一般的な対応等については当然載せておりますし、今後もそういった記載を充実させたいと思いますが、具体的な取り組みについては、各マニュアルといいますか、例えば要援護者であれば個別支援マニュアルとか、そういったマニュアル、あるいは例として帰宅困難者もありましたが、これも、協議会の中では、実際どういう対応ができるかというのはあろうかと思いますが、あくまでも、やはり災害時要援護者、弱者が優先だというのは事業者の中でも共通の認識を持っておりまして、居室の中でも、特定の場所をそういった方用の場所に割り当てると、これは帰宅困難者対策、あるいは防災拠点運営委員会の中でも、そういった仕組みをとっているところでございます。
ただ、一度に皆さんが来られた場合にどうやってそれを選別するかというのは大変難しいかなというふうに思っているところがございます。今後とも、各協議会、あるいは防災拠点運営委員会等、それぞれの中で、どんな対応がさらにできるかというのは今後も詰めていきたいなというふうに思っております。
以上でございます。
○高橋委員
今、御答弁いただいたんですが、私も町会長ですけれども、災害時要援護者をどこに運べなんていう指示は得ていませんよ。だから逆に、その人たちを、例えば防災拠点に優先的に連れていくということが決まっていれば、逆に本人が嫌だと言っても連れていってしまうから問題ないんですけれども、そこまでのことは指示をされていませんよね。防災拠点運営委員会でも、そこまでは指示されていないし、その辺は決まってはいるんですか。
○遠藤防災課長
済みません、ちょっと説明の仕方が悪かったかと思うんですが、例えばその災害時要援護者をどこに連れていくかということではなくて、防災拠点の中で、来られた方を案内する別の教室を設けていると、そういった意味で説明をさせていただいたところでございます。
今後、いわゆる災害時要援護者の方に対してどういうふうに対応するかというのは、個別支援マニュアルの中でも今後進めていくかと思いますが、例えば地域の防災区民組織の方のどなたか複数の方が、その方の安否確認をして、その状況によって、案内をするのか、あるいはそこで、継続して住むことができれば、動かさないで、そこでの治療とか、状況を見ながらやっていくのか、それはその状況を見て、とりあえずは防災拠点、あるいは医療機関、あるいは場合によっては特別養護老人ホームとか、そういうところに案内する、そういったこともあろうかと思います。
以上でございます。
○高橋委員
そうすると、やっぱり3日から1週間ぐらいは地域の中でということになるわけですよね。すぐには動かせないでしょうからね。だからそれはそれとして、結構です。その辺を少し整理していただけるとありがたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
それで、その一環なんですが、保育園防災です。新聞記事に出ておりましたけれども、例の3.11のときの、宮城県の山元町ですか、ここで3人の園児が亡くなったということで、裁判になって、今、状況がどういう方向に行くのかという話ですけれども、このときに、例えば、ここでは総務課長が保育士に現状維持の指示をしたとか、いろんな問題が起こっているわけですね。その中で、あのときに誰がどういう対応をしたからどうという話というのはなかなかできないというふうに私も思うんです。
ただ、保育園の防災マニュアル、今、どんどん区立だけではなくて私立の保育園もたくさんできてきているし、それから、保育園ではないけれども、保育園まがいのものと言ったら言い過ぎかもわかりませんが、無認可の保育園とか、さまざまなものができてきていると思うんです。
その中で、ゼロ歳児から2歳児は、自分で歩けない、そういう中で、やっぱり防災対策というのをきっちりつくり上げていかなければいけないと思うんですけれども、ゼロ歳児から2歳児をどうやって運ぶのかといったら、リヤカーで運ぶとか、それぐらいしかないわけですね。そうすると、そういう人員については、例えば地域の中でいろんな意味で協定を結んでいるとか、そういう仕組みがないと、職員さんだけでそれをやれといっても、人的な数はそれほどいないでしょうから、それはなかなか難しいと思うんですね。逆に言うと、どこに避難をさせるのかとか、いろんな問題というはやっぱり出てくると思うんですね。だからそういう問題について、中央区はどういうお考えをお持ちなのかお聞きしたいと思います。
○山﨑子育て支援課長
保育園の防災、避難ということについてですけれども、保育園内にとどまるということが基本的な原則となってございます。今、おっしゃいましたように、発災直後等々、外に出られるというのは、そちらのほうが危険という認識で、今、委員おっしゃったように、当然ゼロ歳から2歳児で、御自分で歩くことが難しいお子さんもいらっしゃいますが、保育士が全員をおんぶ、だっこして連れていくというのは現実的に難しい状況ですね。むしろそういった対応をとることによって引き起こす危険のほうが大きいというふうに考えてございますし、基本的には、建物自体が、新耐震の基準に適合しているという状況もございますし、発災直後、落ち着くまでは保育園内にとどまると、そのための備蓄を基本的にはきちんとするという形での対応をとっているところでございます。
以上です。
○高橋委員
では、保育園の中で備蓄をきっちりさせるという方向で考えているということですね。逆に言うと、だからもう一つ、先ほども言いましたように、例えば地域の人たちが、いざというときに、その保育園の中に入って、協力していろんなことができるような仕組みをつくられたらいかがでしょうか。やはり周りの人たちに助けてもらえるという状況になれば、預けている親御さんも安心をするでしょうし、それも、先ほどから言っているように、都市力を上げる部分の大きな要素だと思うんですね。幼稚園や、保育園や、それから老人ホームや、お年寄りを預けている場所なんかも、その地域の人たちと、そういういろんな意味での協定を結んで、逆にそういうものが大丈夫なんだということをもっとアピールするために、そういうことも含めて進めていかれたらいいと思うんですけれども、その辺、いかがでしょう。
○山﨑子育て支援会長
実際の震災、大きな地震等があった場合等の対応というのは、確かにそういった地域の方々の御協力というのは多分必要になってくるんだろうと思います。ただ、今のところ考えておりますのは、基本的には保育所内で保育士等がきちんとお子様を見守ると。それで保護者の方へしっかり引き渡すための対応をとるということを前提にしているのが実情でございます。また、地域の方がいらっしゃって、どういうふうにやっていただくかというのも、実際のところ、保育園内でお子さんを見守るということとあわせて行うというのは、なかなか難しい状況もあるのかなというふうに思いますので、その辺は、今の御指摘を踏まえた上で、研究等も含めて考えていきたいというふうに思っております。
以上でございます。
○高橋委員
ありがとうございました。防災問題は、本当に、いい意味でも、悪い意味でも、区全体の力ということになっていくというふうに思いますので、ぜひそういう観点で、きっちりとお考えいただければありがたいと思います。防災については終わります。
次に、保育園の問題なんですけれども、保育園の問題と言ってしまうといけないんですね、これ。保育園の問題というよりは、待機児童を持った親の観点から、さまざまな問題がまた出てくるというふうに思っています。待機児問題というと、数をふやせばいいという話になってしまって、そこから先になかなか話が進まないんですが、私も少しは知っている文京区の成澤区長なんかは、新聞のインタビューでも、もうきっちりと、数だけふやせばいいという問題ではないと、文京区はそうではないんだということで問題を投げかけて、全庁的な取り組みをしなければだめだという話をしております。
ですから、私もそういう意味で、数だけの問題ではなくて、やはり保育園に入れなかった児童の親を、どう、ある面では、その位置づけをしていくか、そういう問題もきちっと考えていかなければいけないんだろうなというふうに思っているんですけれども、その辺については、ワーク・ライフ・バランスというほうに入るのか、保育問題ではないかもしれませんが、その辺はぜひ、できれば両方の観点から御答弁をいただけるとわかりやすくなるかなと思っているので、よろしくお願いいたします。
○山﨑子育て支援課長
今、委員がおっしゃいましたように、保育の待機問題といいますか、子育ての問題といいますか、大きく捉えますと、確かに働かれているお父さん・お母さんの御家庭については、基本的にはお子さんを預かる施設が必要ということで、保育施設の整備や、あるいは一時預かりなど、そういう子育て支援事業、そういったものが必要になってくるというところは当然のことと思います。ただ現実問題として、働かれている状況、就労状況等を見ますと、延長保育等も、早くお迎えに行きたい、あるいは病気になったときには子供を見たいという状況の中で、休めないですとか、なかなか、会議が夜にあってお迎えに行けないですとか、そういった状況というのがどうしても出てきてまいります。企業の方も、そういったところで協力的に、先ほど委員おっしゃられたワーク・ライフ・バランスということで、お子さんを優先できる環境といいますか、そういったときがあれば、当然、早く帰っていいよ、あるいは、病気のときにはお子さんを見てあげてくださいという環境をつくれているような状況というのが望ましいとは思うんです。
なかなかそういった状況にない、やはりいろいろお声で聞きますのは、1日、2日であれば、何とかそれで対応できるけれども、インフルエンザ等であれば5日間ぐらいはお休みしなければいけないと。やはり1週間丸々お休みするというような状況というのは、お母さん方にとっても、お父さん方にとっても、かわりばんこに休めれば、またそれも状況としていいのかもしれないですが、なかなかそういう状況にないと。それは、そういう状況からすれば、今度はそういう施設の整備、事業をふやしてほしいという流れにいくんですけれども、それを際限なくふやしていく必要があるのか、際限なくどんどん、そういった保護者の観点からの保育サービスをふやさざるを得ないのか。先ほど委員おっしゃったように、いや、そうではなくて、やはりワーク・ライフ・バランスとして、企業側もそういった面で、協力的な環境づくりというのを進めていかなければいけないのではないか、そういった観点で、それが両面からうまく融合してやっていける環境、そういう環境がつくれれば一番いいというふうに考えております。
特に中央区の場合は職住接近ということで、仮に病気のお子さんがいても、一旦お帰りになって、お子さんの状況を見てということもできなくもない状況があるかとも思いますので、そういった意味で、環境づくり、それは保育施設やサービスの環境づくりと、就労の環境づくり、そういったものを両面で進めていく必要がやはり今後はあるのではないかというふうに思っております。
○長嶋総務課長
ワーク・ライフ・バランスの観点からお話をさせていただきたいと思います。
まず保育需要に対して、今、この状況の中で、短期的に見れば、そういった保育園をふやして、それに対応していくということはいたし方ないと思っています。ワーク・ライフ・バランスでございますけれども、こちらにつきましては、やはり今まで、日本、高度経済成長を通じて、男性が長時間労働で働いて、女性が家を守ると、そういった中で生きてきたというか、慣習として、雇用システム自体がそんな考え方でできてきている。ただ、今、どんどん女性の社会進出ですとか、あるいは、今、逆に、これからの成長戦略の中でも、女性の力をもっと使っていかなければいけないということを打ち出している。そういった中で、企業も含めて雇用のシステムが今後徐々に変わってこざるを得ないだろうとは思っています。
ただ、それも基本的には、先ほど申しましたとおり、子育ての部分に対して男性の参加ですとか、あるいは企業においても、先ほど子育て支援課長が申し上げましたけれども、要はある程度の休暇を男性のほうにもとらせていく、あるいは長時間労働自体をなるべく少なくしていくと、そういった活動というのは、また今後、徐々に動いていくだろうとは思います。ですから、そちらのバランスも含めて、行政といたしましては、そちらのワーク・ライフ・バランスができるように啓発活動を進めるとともに、短期的には、そういった保育の需要に対して対応していかなければいけないものというふうに考えております。
以上です。
○高橋委員
本当にそうですね。例えば保育の待機児童ゼロというのを期待しているというのは、日経新聞の調査だと、その66%が懐疑的なんですね。これはもう無理だというのが66%だという調査も出ているわけで、結局、保育園をふやせばふやすほど、また新しい人が手を挙げるんですね。今まで我慢していた人たちがやっぱり手を挙げるということになってくるので、これはイタチごっこになってしまうというのはあると思います。
それで、今、家族の関係が少しはっきりしてきたんですけれども、結局、その家計収入がどんどん減ってきている部分というのは、どうしようもない現実の問題として、やっぱり共働きをせざるを得ない方々がふえてくる。なおかつ、保育が終わると、その次に来るのが介護なんですね。その介護も同じように、その担い手の、この核家族をした共働き御夫婦が、安定した生活を得るためには両方働かなければいけない。それで、そうなると、給料の安い息子さんとか、娘さんとかを、今度は逆に仕事場から外して介護にも充てていかなければいけないというような、そんな流れが今の家族像なんですね、残念ながら。そういう仕組みをつくり上げてしまっては本当はいけないんだろうというふうに思っているんですよ。その中で、先ほど言われましたように、やっぱり国のほうは、ある面では女性の社会進出というのをもっともっとふやせというような状況になってきています。
ですから、逆に、今、みんなわかっている話の中で、行政の方々も、本当に今は大変な努力をされているというふうに思います。その中でも、やはりなかなか方向転換ができないという仕組みがやっぱりできてきているのではないかなというふうに思っています。欧米なんかと比べると、20代の女性の就職率は大体79%で欧米と一緒なんですが、30代になると急激に減るのが日本だけなんですね。30代になると子育てが始まって、急激に女性が仕事をやめているというのが今の日本の現実だというふうに思っております。やっぱりいろんな問題があると思います。先ほど言われたように長時間労働が問題なのかもしれないし、さまざまな問題というのが出てくると思いますけれども、その中で社会性を考えながら、また中央区の特性を考えながら、いろんな意味で指導をしていくような、そんな仕組みができればいいなというふうに思っておりますし、そういう形で進めていってほしいなというふうに思っていますので、ぜひよろしくお願いいたします。
これから、保育園の建設費も上がっているし、それから保育士なんかも、今、試験が物すごく難しいんだそうですね。保育士の試験は、受けた人の2割以下しか受からないというのが今の現実だというふうに聞いています。で、受かっても収入が少ないというようなことで、これから各自治体がみんな待機児童ゼロだというふうに始めてしまったら保育士さんを集めていくのも、本当に大変だと思いますので、そういう問題も、これから、逆に言うと、保育士の免許を持っていなくても協力ができるような仕組みみたいなものをつくっていかないと、全体で数をふやしていくことはできないのではないかなというふうに思っていますが、その辺もよろしく考えていただければと思います。
1つだけ聞きたいのは、例えば保育園をつくるのに、中央区は、株式会社制度を取り入れてきていますけれども、これは、公有地を使ったときの株式会社というのは可能性としてはあるんでしょうか、これだけお聞きしたいと思います。
○山﨑子育て支援課長
公有地を使った場合においても、それを転貸といいますか、又貸しといいますか、そういう形というのはとれますので、定期借地のようなもので、区の土地を10年、20年お貸ししますということで、事業主体を株式会社等に、社会福祉法人等にするという形はとれます。
○高橋委員
ありがとうございました。その問題は、ぜひ前向きに考えていただければと思います。
次に、区内のビオトープですね、学校もビオトープを持っていると思いますし、公園にもつくっているし、これ、ビオトープは、今、中央区内で、全ての数でいうと幾つぐらいあるんでしょうか。
○石田水とみどりの課長
ビオトープについてお答えいたします。申しわけないです、記憶しているところでお答えしますと、まず公園についてですけれども、ビオトープとして地元の人が維持管理しているところとしまして、浜町公園の中になりますけれども、浜町のスポーツセンターのちょうど脇の部分を、鳥とか虫がたくさん集まってくるような形で整備しているところでございます。また、久松小学校、銀座中学校等において、校舎の上にビオトープを、屋上緑化と兼ね合わせまして、整備しているところでございます。
○有賀教育委員会庶務課長
学校のビオトープについては、現在、区内4カ所の小学校の屋上にビオトープを整備させていただいております。
以上です。
○高橋委員
ビオトープをつくられている小学校で、どんな生き物がそこで新たに生息をし始めたのかとか、浜町もそうなんですけれども、そういうものは、追跡調査、つくることはつくっているんですが、追跡調査みたいなものというのは中央区はされているんでしょうか。
ビオトープをつくる意味というのはここが大事なんですね。ここが一番重要なところで、ビオトープつくりました、ビオトープにいろんな生き物が来ますというのではなくて、そこでどういう生き物がふえていくのかということが、自然の少ない中央区ですから、一番、目を向けなければいけないところだと思うんですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
○増田指導室長
ビオトープの生き物の状況でございますけれども、それぞれビオトープを整備した後に、その中に、例えばヒメダカを放して、その中でふえていく様子があったりいたします。済みません、そのほか、それぞれのビオトープでどういうような具体的な状況になっているかということについては、私ども、把握しておりませんけれども、私も学校を訪問したときに、そのビオトープの状況を見ることがございますけれども、そこのところでは、実際に、やはりいろいろな説明はあります。1年間通じて、そのビオトープがいろいろ変化していく様子、また子供たちが、大体ビオトープのそばには学校の栽培園を屋上のところに整備している場合がございますので、そういったところに子供たちが来るのとあわせて、そのビオトープの観察をしているという状況については把握をしておりますけれども、申しわけないんですけれども、個々個別に、どういう生き物がというところは把握しておりません。
以上でございます。
○宮本環境土木部長
公園のほうでございます。今、水とみどりの課長が申し上げました浜町公園については、中央区バードウオッチングクラブが維持管理をしております。そういう関係で、池などにトンボを入れてふ化させたりという形で活動したりしておりますけれども、そのクラブの方々の御要望に応じて、生き物が来る木なんかを私どもが植えたりしておりまして、そういう中で、木を植えたら、こういった生き物が来たとか、チョウチョウが来たとか、いろんな生き物が新しく出てきた状況については、それぞれ聞いたりしているところでございます。
以上でございます。
○高橋委員
やはりビオトープについては、1カ所ではあまり意味がないと言ったらあれなんですけれども、例えば学校の4カ所と浜町の1カ所というか、そういうところがネットワークを組んで、初めて、どんな生き物がどういう生態系の中でどういうふうに行動しているのかというのがわかってくるわけで、そこまでやらないと、ビオトープをつくった意味がそんなにないのではないかなというふうに思うんですね、逆に言うと。
トンボであれば、一番わかりやすいのは、トンボは飛びますから、いろんなところに行って、いろんなところで卵を産んだりとかするわけですね。そうすると、今言われた浜町で放されたトンボの幼虫がふ化して、別の学校のところでまたふ化をするというような、そんなことが起こるんだと思うんですよ、当然。そこがやっぱり自然のおもしろさと、逆に言うと、ビオトープを観察する子供たちの、あれ、こんなところに入れもしなかった虫が飛んでいるよなんていう話が出てくると、いろんな意味でみんな興味を持って、いろんな活動をし始めると思うんです。ある面では、そこが種地になってさまざまな活動が起こるような仕組みをつくるためには、そういうところをちゃんとネットワークを結んでやるような仕組みづくりをしてほしいと思いますけれども、その辺、いかがでしょう。
○宮本環境土木部長
おっしゃるとおりでございまして、生き物によって、いろいろと渡ってくるというんですか、生息する場所がつながっていく必要があると思っております。それで言いますと、委員おっしゃいますように、浜町公園とか、あるいは学校に設置されているビオトープなどが1つの場所として、拠点としてつながると。生き物は自然とつながっていくと思いますけれども、それとともに、ビオトープの場合は、生き物回廊といいますように、そこをつなぐ、例えば線的な緑だとか、街路樹だとか、そういうものも必要だと言われております。例えば鳥の中でもウグイスなんかは、大きく飛んでくるのではなくて、小さなやぶなんかを渡りながら飛んでくるというんですか、そういうところがありますので、そういう生き物を見られるような形にするためには、道路緑化の整備なんかも必要でありますし、そういう点で言いますと、生き物に着目した緑の整備というものが必要かと考えております。
以上でございます。
○高橋委員
ぜひそういう観点でネットワークを結んでいっていただければ、やっぱり子供たち、これから夢を持って大きく育つ小学生とか、幼児とかが生き物と接するという機会が、今、どんどん少なくなってきているわけですね。私どもの時代には、毎日、トンボ網を持って、学校から帰ってくると走り回っていたという時期があったんですが、今の子供たちはなかなかそういうのもないので、そういうつくられた自然かもわかりませんけれども、そういう中で、少しずつでも、自然に触れる、本当の意味で自然に触れるというのはそういうことですから、逆にそれをネットワークしながらつくっていっていただければありがたいなというふうに思っています。
次に、4月からまた消費税が上がるんですが、この中で、やっぱり食の世界遺産登録も含めて、もう時間がないので、その食の世界遺産登録に対して、中央区は、ある面では、どういう形でこれから取り組んでいかれるのか。内外に宣伝をしていくのか。
それから、消費税の増税の中で、フェアトレードマークというのがあるのは皆さん御存じだと思うんですけれども、そのフェアトレードマークというものは、逆に言うと、ある面では、アンフェアな取引をしてはいけない、要するに製造や生産から企業が買い上げ消費者に渡るまで、アンフェアな取引をしてはいけないということで、フェアトレードマークというのが認められているわけですね。これを僕は中央区で推奨してほしいなというふうに思っているんですが、これは、消費税の値上げで、フェアに消費税が転嫁されていくというのは、中小企業や零細企業にとっては非常に難しい問題だというふうに思うんですね。ですから、逆に、その中小・零細が本当に多い中央区の中にあっては、こういう問題というのを行政として取り組んでいただければ、その被害ができるだけ少なくなっていくのではないかなというふうに思っておりますので、ぜひお考えをいただればありがたいんですが。
それから食の文化遺産の問題についての取り組みで、私も、ある面では、日本橋かるたが結構、区長さんもこの前来ていただいて、非常にいいものだったというふうに思っています。その中では、旬と言われるものが何なのかというのがわからなくなってきているんですね、今、逆に言うと。中央区だからこそ、その旬のものを題材にした遊びのもの、例えばトランプとか、そういうものをつくり上げていったら、結構おもしろい反応が出てくるのではないかなというふうに思いますし、食の文化遺産をある面では支える仕組みづくりを中央区からつくっていかれるのではないかなというふうに思いますので、ぜひその辺のことについて御意見をいただければありがたいなと思います。よろしくお願いいたします。
○守谷商工観光課長
まず初めに食のPRということでございますけれども、御存じのとおり中央区は、築地の魚を初め、日本橋の和食、また銀座につきましても、世界各国の食の文化が集まるということで、どこをとっても食は欠かせない重要な観光の題材になってございます。
特に和食につきましては、世界遺産に登録されたということもございまして、IMF・世界銀行の総会を通じて、日本橋におきましては、積極的に外国人向けのメニューをつくったりとか、いろんな形でPRに努めてまいりました。これからオリンピックも控えまして、積極的に、和食に限らず、中央区の食の文化については、いろんな形で、観光協会とも手を組みながら、PRをしてまいりたいと存じます。
また、消費税の転嫁の問題でございます。こちらは、いろんな角度から、今回は監視が非常に厳しい体制をしいておりまして、転嫁拒否等に対しましては公正取引委員会、また阻害する表示の問題につきましては消費者庁、表示に対しては財務省とか、いろんな省庁が関係をしてございまして、中には、区のほうでは商工観光課も、1つこの情報を得て、もし不正があった場合には、通報する窓口になってございます。
また、中小企業に対しましてもいろんなアンケート調査を行いまして、その中でもし不正が発覚した場合には、いわゆる消費税Gメンが大企業に入りまして、調査をして、悪質なものについては罰則ともども社名を公表するといった施策も講じてございます。こうした中で、マークにつきましても積極的にPRしてまいりたいというふうに考えてございます。
また、旬のものをいかにしてPRしていくかということでは、現在、かるたといったお話がございましたけれども、いわゆる区の行事の中では、例えば銀座ですと、美味しい銀座の9DAYSですとか、そういったところで、秋の収穫にあわせて、いろんな、その時々の旬のものをPRするといったような活動もやってございますので、こうしたいろんなチャンスを生かしながら、その季節季節、特に和食は本当に季節が命ということでございますので、いろんな形でPRに努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○高橋委員
いろいろと本当にありがとうございました。防災に関しては本当に隅々までいろんなことを質問しまして、本当に申しわけございませんでした。
それではこれで終わります。ありがとうございました。
○今野委員
ただいま総括質疑の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後3時10分に委員会を再開されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長
ただいまの動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。
午後3時10分に委員会を再開いたしますので、御参集願います。
暫時休憩いたします。
(午後2時40分 休憩)
(午後3時10分 再開)
○鈴木委員長
休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
総括質疑について、質問者の発言を願います。
○青木委員
それでは、総括質疑に関しましては、環境問題、特に温暖化対策ということで、具体的には中央区の森、そして昨年開設されました中央区立環境情報センターを中心に伺ってまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
実は先週末、中央区の森に行ってまいりました。東京からバスで2時間半ほどかかりますが、東京都とは思えない、本当に自然が豊かなところ、しかも、2週間続けて2回にわたって大雪が降りましたので、私の身長ぐらいの雪がまだ残っている状況の中で、残念ながら、その雪でしたので、中央区の森の中、遊歩道の中に入ることはできなかったんですけれども、その入口まで行きました。あとは、観光協会の方ですとか、資料館へも参りました。館長さんにもお話を伺いました。あと、そこには温泉もあるんですが、温泉施設、お土産屋さんなど民間施設も訪ねまして、いろいろと情報交換してまいりました。
特によかったのが、その案内をしてくださったのが、ラッキーなことに、この中央区の森は、平成18年の施策だと思いますが、その当時、中心になってこの事業を行った、区の担当者の方が来てくださったんですね。当時のお話をまず伺いますと、平成17年に京都議定書が発効いたしました。それに伴い、国はもちろんなんですけれども、各地方自治体も、環境、温暖化対策、あるいはCO2の排出量取引などという考え方も出てまいりまして、各地方自治体がどういう取り組みを具体的に行っていけるのか、そういうことを模索している状態で、いち早く、この中央区が、中央区は都会、都心にある自治体としてCO2を出すばかりだけれども、同じ東京都にある、森林が豊富な檜原村を経済的に援助することでCO2の吸収量をふやしていこうという助成のやり方にいち早く取り組んだということで、当時の予算が500万円程度だったそうですが、億単位の事業がある中で、この事業が本当にマスコミの注目を集めまして、メディアもたくさん集まり、連日、新聞報道もなされたというようなお話を伺いました。私も、中央区がいち早く温暖化対策ということに問題意識を持ち、政策を具体化していったという点については大変尊敬し、感動いたしました。
その平成18年から8年たちまして、その途中の状況、あるいは現在、そしてこれからの取り組みなどを一つ一つ伺ってまいりたいと思います。
まず、環境問題に対する区の取り組みを簡単に振り返ってみますと、中央区では、平成12年に中央区環境保全行動計画を策定、その後、中央区環境行動計画を先ほどの京都会議の約束期間が始まる年に策定いたしました。そして、具体的な内容といたしましては、平成24年までに温室効果ガス、平成2年比、1990年比で国としての取り組みも同じですが、6%削減を達成できるよう、地球規模で考え、足元から行動するという声明が出されております。
その後、地球規模で大きな変化がありました。国内で考えますと、政権交代もありました。そして3.11以降は原発が停止し、一時的に火力発電に頼らなければいけないという事態になったことも考慮いたしまして、その上で、一概に、この削減目標というのが達成できないという状況にありまして、今現在の中央区の温暖化対策に対する理念あるいは目標といったようなものを、まずお聞かせください。
○来島環境推進課長
中央区では、いち早く、地球温暖化対策ということで、委員言われたように、区域を越えた温暖化対策ということで、中央区の森に取り組んでいるところでございます。それで、1990年比で、2012年までに5%減という目標を立てて、中央区全体で温室効果ガスを減らすということで進めてきているところでございます。
まだ温室効果ガス自体は2010年までしか出ていないところで、今後、3.11の状況とか、そういうのが含まれたものが出てくるというところですけれども、どちらにいたしましても、中央区としては、やはり都心中の都心ということで環境に負荷をかけているというところから、そういったところで少しでも地球に優しいということで、まず中央区内での環境活動のほうも、エコアクトとか、環境機器、省エネ機器等の助成を行ったり、また中央区の森とか、多方面、いろいろ地球に優しい、住みやすい中央区を目指してやっているところでございます。
以上です。
○青木委員
わかりました。国のほうの方針もまだ定かではありませんので難しいとは思いますが、今、ございました2012年までに5%減、この時期がもう過ぎておりまして、新たな削減目標というものの設定に向けての取り組みをお願いいたします。
それでは、中央区の森環境ふれあい村構想、具体的にお尋ねしたいと思います。この仕組みがしっかりと示されておりまして、中央区の森環境ふれあい村共同運営協議会というものを中心に、中央区と、中央区内のNPOや市民団体、そして檜原村が共同し、実際に森林管理を行っていくのはNPO法人の里山再生塾という捉え方でよろしいでしょうか。よろしい場合は、現在、この里山再生塾とどのような連絡をとりながら支援をしているのか。あるいは、現在、この里山再生塾がどのような活動を行っているのか、簡単にお知らせください。
○来島環境推進課長
委員おっしゃるとおり、現在、里山再生塾に、数馬地区については森林保全をお願いしているところでございます。
それで、里山再生塾との関連なんですけれども、例えば区で、中央区の森ツアーというので区民の皆さんに行っていただいているんですけれども、そのときに、森林保全や間伐、あと炭焼きとかやっていただくんですけれども、そのときの指導を行ってもらったり、あと中央区の事業者さんに、やはり社会貢献ということで森林保全活動を行っていくときに、その里山再生塾の皆さんにお手伝いしていただいて、いろいろ指導させていただいているというような関係で行っております。ですので、ふだんの保全活動プラス、そういった区の事業にも御協力いただいているということです。
○青木委員
わかりました。ということは、平成26年度予算で、中央区の森の費用といたしまして、およそ1,400万円組まれておりますが、これを委託しているという考え、捉え方でよろしいでしょうか。
○来島環境推進課長
こちらは委託ではなくて、補助をしているということになります。
以上です。
○青木委員
わかりました。では、予算といたしましては区のほうで管理しているということですね。
このふれあい村構想について、続けてお聞きしたいと思います。先ほど御答弁の中にもありましたが、まずは数馬地区から支援が始まりまして、現在、南郷地区も支援が始まったようです。そのような中で、やはり活動自体が大がかりになってまいりますし、一度伐採を行っても、メンテナンスという新たな仕事も出てきます。という中で、こちらの支援方策の中にも、事業者の森林保全活動の参加促進というものがございますが、現在は、里山再生塾を中心とした活動であるという中で、新たに事業者の森林保全活動の参加促進ということで、この辺、具体的に御説明いただけますでしょうか。
○来島環境推進課長
まず、事業者の方が中央区の森で保全活動をされるお手伝いをしていただくのが里山再生塾というふうに考えていただければよろしいかと思います。
○青木委員
わかりました。その中で、伐採ですとか、植樹も出てまいりますね、それからメンテナンス、下刈りなども出てまいります。数馬地区で37.4ヘクタール、南郷地区で4.9ヘクタールということで、現在、もともと中央区で助成をしようとなったきっかけが、林業に従事する方の高齢化が進んで、当地でそれをやる方がいないと。針葉樹というのは、一番CO2を吸収する量が多いのは20年から30年ということだそうです。檜原村も含めまして、多摩地区の森というのは、だんだん、樹木がそのまま50年以上になる中で、早く伐採もして新しい木を植えなければいけないし、CO2の吸収量を効率よくするためにも間伐ということも必要になってくるという大変な事業の中で、この事業自体、事業者を巻き込んで、そして里山再生塾を中心にという取り組みが今も行われているわけですが、それで十分なんでしょうか。ちょっと聞き方が変なんですけれども、大丈夫、今、それで追いついている状況なんでしょうか。
○来島環境推進課長
数馬地区については里山再生塾、南郷地区については東京都森林組合のほうに委託してやっていて、その点においては十分というふうに考えております。
○青木委員
わかりました。南郷地区については東京都森林組合と共同でやっているということですね。
それで、続きまして、そこで間伐を行ったり伐採を行う。もう一つの大きな目標、柱の1つに、その間伐材、木材の利用ということがあります。現在、間伐材を活用した公共・民間施設の内装、什器への導入ということで、予算を見てみますと、平成23年度に新規で530万円計上されています。その後、24年度に310万円、25年度に310万円、そして来年度、26年度に230万円、同じく計上されておりますが、この木材資源の活用方法ということで、私も、まちの中で、ベンチとか目にすることはありますが、どこが直接やっているのか、あるいは、ベンチにしろ、メンテナンスが必要になってまいりますが、それはどこが行っているのかお聞かせください。
○来島環境推進課長
まず、間伐材、伐採した木のことでございますけれども、平成25年度に特化して見ると、南郷地区では、現在、8割伐採といって、伐採をして、従来、南郷地区、檜原村にあった森にするべく、広葉樹を中心に植樹をしているところであります。それなので、結構伐採した量が出てくるので、これについては、出てきた木材の8割弱になるんですけれども、多摩木材の市場のほうに売却しております。残りの2割弱の部分は、檜原村の薪ステーションのほうに提供させていただいて、檜原村の温暖化対策にも貢献しているというふうに考えております。残りの約3%ずつなんですけれども、こちらは、公園のベンチと、それとノベルティグッズとか、いろいろな行事に出ていただいたときのグッズとかに使っております。なお公園のほうのメンテナンスについては、水とみどりの課のほうで行っております。
以上でございます。
○青木委員
8割は売却しているということですので、そこでは収入が上がっているということですか。
○来島環境推進課長
まず実際には、運び出すのにすごくお金がかかるので、売却しても、元は取れないような状況ですけれども、こちらについて、得た金額については基金のほうに組み入れて、また温暖化対策の事業のほうで使っていくというような形になっております
以上でございます。
○青木委員
わかりました。
その公園のベンチのほうでお尋ねしたいと思います。区民の皆さんにも一番目につくのは、中央区の森の木を利用していますという表示もありますので、公園のベンチかと思うんですが、例えば、一番近いところで、江戸バスの中央区役所前のベンチがあります。私も時々利用するので気にはなっていたんですけれども、多分あれができたときには、すてきな木の香りがして、すばらしいベンチだったと思うんですが、やはり経年劣化といいますか、木ならではの、雨に打たれて、かなり見ばえは悪くなっているような気がして、あそこに、中央区の森の間伐材を利用していますというのがあると、逆効果になりかねないといいますか、つまり、メンテナンスが大変重要になってくると思います。
この後、中央区の森事業のいろんなPRの仕方についてもお聞きしてまいりますが、まずは、あそこで取れた間伐材を利用したベンチや、皆さんの目につく、お部屋の中でしたら椅子や机に利用されている、そこを見ていただくのは1つの方策だと思うんですが、このメンテナンスはどのように、しっかりと行われているのかお聞かせください。
○石田水とみどりの課長
まず公園のベンチについてお答えいたします。公園のベンチは、大きく分けまして、鉄の部分と板の座る部分の木材の部分がありますけれども、木材の部分については、残念ながら、間伐材ということもありまして、スギ・ヒノキという木材の性質からいって、7年から10年ぐらいのサイクルで取りかえなければならないと思っております。それについては、日々の巡回とかで調べて、悪くなったところから、同じく檜原村の中央区の森の間伐材で直していくというのをやっていきたいというふうに考えております。まだ、ベンチを設置してから7年、10年たっていませんので、まだその時期には来ていませんけれども、公園に関してはそのようにやっていきたいというように考えております。
○青木委員
今、公園のベンチについてお答えいただきましたが、先ほど私が触れましたバスの停留所のベンチについても同じですね。まだ七、八年たってはいないということですが、ぜひチェックして、かえるべきところはかえていくようなメンテナンスは必要かと思います。
同じく中央区の森の間伐材を活用したベンチ整備について、予算的なものをお尋ねしますが、最初、中央区予算案の概要という中で、充実する項目といたしまして、中央区の森の間伐材を利活用したベンチ整備ということで230万6千円計上されております。数字が出ておりますが、こちらの予算書では193ページ、間伐材の活用というところが162万1千円になっております。ここの数字が違うのですけれども、この数字の見方を教えてください。
○石田水とみどりの課長
まず、この230万円のほうの説明をさせていただきたいと思います。中央区の森の間伐材のベンチは、公園の改修にあわせてやっている部分と、10基ほど、計画的に予算をいただきましてベンチを改修している部分があります。それで、この32ページの230万円につきましては、計画的に、公園のベンチの老朽化に合わせて改修を行っているところでございます。
以上です。
○黒川企画財政課長
私のほうで整理させていただきますと、予算案の概要のほうは、費目としては土木建築費のほうで、公園のベンチ等で活用するための予算ということでございます。それから予算書の193ページの間伐材の活用につきましては、いろいろノベルティグッズ等を作成しておりますので、そうしたものに要する経費としての計上でございます。
以上でございます。
○青木委員
そうですね、ノベルティもありました。わかりました。これは平成23年度の行政評価になるんですけれども、この当時から、木材の幅広い活用を、檜原村等と連携し、検討する、区施設だけでなく区内事業者にも活用してもらう仕組みづくりが必要であるというのが出ております。せっかくの間伐材、中央区の森から出てきた木材ですので、まだまだ積極的な利用を期待したいと思います。
続きまして、中央区の森体験ツアーについてお尋ねしたいと思います。これが3つ目の柱になりますね。森の整備、伐採ということ、そして2つ目が、その間伐材の利用、3つ目が、これをいかに区民と市民の交流、あるいは教育に生かしていくか、こういう取り組みが3つ目の柱になります。中央区の森を知り、そこでの活動を体験し、その森の意義や地域交流の価値を参加者が体験したことは大きな意義があり、初期の目的は達成できたというような参加者からの御意見もありますし、なかなかこれは人気のあるメニューのようです。
これまでの実施方法を調べてみますと、平成23年夏休み、7月に、親子あわせて31人、年2回の予定だったのが、10月は雨天中止になっております。そして24年、協働事業として、中央区環境保全ネットワークが事業化いたしました。これは、私も、そのプレゼンなどを拝見しまして、ちょうど出ておりまして、いい内容だなと思ったのを覚えております。そして25年7月に、今度は40人で1回実施されておりますが、これがまた区の事業に戻っています。
ということで、協働事業、通年、評判がいいと2年間は続けるんですが、何か問題があったのかなと思って調べてみましても、評価結果報告書によりますと、フィールドワークや野外活動にスキルを有する団体でなければ実施できないさまざまなメニューが無理なく盛り込まれ、時間内に実施できた、計画性の高い活動は固有のノウハウを持つ本団体でなければできないものであったと、大変評価されています。参加者は当該地での活動を十分満喫しており、参加者は非常に満足度が高かった、応募者が定員を大幅に超え、お断りした人もいたということも出ておりまして、結果といたしまして、継続すべきであるという結果が出ております。A評価で、継続すべきであるという結果が出ているんですが、これが翌年度、協働事業から離れて、また区の事業として戻ったという状況を教えてください。
○来島環境推進課長
平成24年度、昨年度、中央区環境保全ネットワークのほうで親子ツアーということをやっていただいたんですけれども、25年度に入って、中央区森の応援団という活動団体ができまして、中央区の森をやはり応援していくというところで、そちらのほうで、今度は、親子もそうなんですけれども、区役所が行う事業となると、どうしても区民個人ということになってしまうんですけれども、例えば先ほど申し上げた事業者や、あと町会の方々とか、あと親子もそうなんですけれども、いろいろ幅広く中央区の森のほうに行っていただいて、中央区の森の事業を知っていただきたいということで、森の応援団のほうが、来年度から、そういった形で実施するような形となっているということでございます。
以上です。
○濱田地域振興課長
協働という観点から、私のほうからお答えさせていただきます。確かに委員おっしゃるように、中央区環境保全ネットワークの森のツアーは、大変評判がよくて、協働推進会議におきましても、評価に当たりまして、かなり高得点をいただいております。これも委員おっしゃっていただきましたけれども、その会議におきましては、継続すべきであるというような御判断をいただきましたが、その後、中央区環境保全ネットワークさんの実施団体側のほうから、今、さまざまな事情によりまして継続を辞退されたという経緯がございまして、私どもとしましても継続を断念したというのが経過でございます。
以上です。
○宮本環境土木部長
協働事業については、今、地域振興課長が申したとおりで、平成25年度、本年度でございますけれども、区として親子自然観察体験ツアーを実施いたしました。こちらのほうは、参加者32名ですけれども、応募者が139名ということで、多くの方々に応募いただいたところでございます。協働事業のものを区の事業として1つ吸収したというふうに考えております。
それから26年度につきましては、この親子自然体験ツアーも実施するとともに、先ほど環境推進課長が言いました中央区森の応援団による事業についても実施すると、ツアーについても実施するという状況でございます。
以上でございます。
○青木委員
この中央区の森の事業を時間を追って調べていくと、本当にいろんな団体が出てきて、私もまだ頭の中でよく整理はできていないんですが、今、お話のあった中央区森の応援団というのが環境団体として登録されております。確認なんですけれども、この中央区森の応援団は、環境情報センターだよりの最新号に紹介されているんですけれども、中央区の森環境ふれあい村構想の実施プログラムを、区と檜原村と一緒に考えてきた区民委員が中心となり、2013年4月に設立しましたとあります。このあたりの状況、先ほどの里山塾ですとか中央区環境保全ネットワークとかとのかかわりといいますか、どういう形で、この中央区森の応援団がつくられたのかというのを教えてください。
○来島環境推進課長
中央区の森の事業をより一層推進していくために、民間のノウハウを用いて、区と民間の活動団体とがパートナーシップに基づいて協働することにより、区だけではできないようなこととか、その幅広い事業を推進していくために、そういったところで、森の応援団と協働して森の事業を推進しているところでございます。
以上でございます。
○青木委員
わかりました。区民の皆さんが中心となった、この森の応援団に協力を得ながら、区の事業として、この事業は続けていくということですね。
せっかくの、このすばらしい事業なんですけれども、これは平成24年度の行政評価になるんですが、中央区の森を知らない、もっとPRが必要であるというふうに書かれています。実際、区民の方も、この事業を知らない方が多い。ああいうすばらしい施設が東京にあって、中央区が援助している、ツアーなども組まれているというようなことを、本当にこのPRはもっと必要だと実感しているんですが、今後の展開ですとか、この中央区の森ふれあい村構想、PRという点からお考えをお聞かせください。
○来島環境推進課長
事業の趣旨を理解していただくために、区が実施していますエコまつりとか、エコプロダクツ2013等のイベントで、中央区の森の間伐材を活用したワークショップとか、あとは環境情報センターでのパネル展示、中央区のテレビ広報等、さまざまな媒体を使って中央区の森のPRを行っているところでございます。また、多くの方に中央区の森のほうに足を運んでいただくために、中央区の森の案内のパンフレットを作成したり、あと山の中に案内板ということで、楽しんで中央区の森を勉強していただくようなものを設置しているところでございます。
以上でございます。
○青木委員
そうですね。私も一度しかまだ行っていないんですけれども、感動しましたし、今度は夏、ちゃんと中に入って、炭焼きなどの活動もあるそうですね、そういうことも経験しながら、しっかりと、私たちも個人レベルでできるところでPRしていきたいと思います。
この中央区の森につきましては最後の質問ということで、基本計画の中で、明確に、中央区の森における二酸化炭素吸収量の目標値が設定されております。これは平成23年度に出されておりますので、23年度の現状値は98トン、これは数馬地区だと思いますが、98トンCO2ということです。平成29年度、前期終了時の目標が218.5トン、後期終了時の平成34年度の目標値が250.8トンとなっておりますが、この後、状況などが変わっておりましたらお知らせください。
○来島環境推進課長
まず、今、お話しされたのは基本計画に載っている数字かと思います。これにつきましては、平成23年度、先ほどおっしゃったように98トンということで、平成29年の段階の218.5トンというのは数馬地区と南郷地区をあわせた数になっております。34年時点のCO2吸収量の250.77トンというのは、それにプラス1地区、南郷地区と同じレベルのものを加えたらこういうふうになるという形で、今、ここの計画に上げさせてもらっているところで、特にこれについては、まだ変更とかそういうのはないです。
○青木委員
わかりました。この明確な目標がありますので、ぜひその実現に向けて、さらに取り組んでいただきたいと思います。
それでは、先ほども、そのPRの中で使っていますということで答弁の中にもありました、環境情報センターについて幾つかお尋ねしたいと思います。この環境情報センターについて質問するには、まず中央区立環境情報センターは、京橋環境ステーションの一角にある、そして、この京橋環境ステーションは、東京スクエアガーデンの6階にあるということですね。
この東京スクエアガーデンの開発コンセプトというものがあるんですが、本プロジェクトの計画地は、都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域(日本橋・八重洲・銀座)に属しています。開発者は、本地域における都市再生の趣旨を踏まえ、環境に配慮したビジネス拠点の構築を図り、都市再生における環境改善と、東京の都市環境の向上を目指していますということで、この6階フロアには京橋環境ステーションが入っており、エコテクカン、これは、各日本企業の、世界に誇る最先端のエコテクが紹介されている。これは後で御質問しますが、エリアエネルギーマネジメントセンターも入っている。そしてもう一つ、中央区立環境情報センターがここにあるわけです。
このような都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域であるということで、環境に配慮した建物をつくることで、容積率が本来の760%から530%上乗せされて、1,290%になっている。そしてその中に中央区立環境情報センターが入っているということで、この東京スクエアガーデンの中における中央区の役割といいますか、あるいは京橋環境ステーションの中における、自治体としては、この中央区だけですので、中央区立環境情報センターの役割というようなものを、まずお聞かせください。
○望月環境政策課長
京橋三丁目におけます区立の環境情報センターでございます。今、委員御指摘のとおり、民間の建物の中に入っております。環境ステーションと呼ばれているものが6階の中に位置しているわけでございますけれども、その一角に区のほうの環境情報センターが入っているという状況でございます。
こちらのほうは、今、委員より御説明ございましたけれども、特区の活用ということで、民間事業者のほうが開発を行っている建物でございます。その中で、開発コンセプトというのは、民間のほうで当然考えられたものでございますけれども、特に環境に配慮した施設ということで、最先端のさまざまな機器を用いる、あるいはそういった環境に配慮した取り組みを行うということだけでなく、さまざまな特区、地域への貢献も含めて、こちらの開発は、東京都のほうで特区という形で都市計画が決定されて、竣工されたものでございます。
区のほうとしましても、環境の情報発信ができる施設ということで、この中央通りに、この場所でこういった施設ができるというのは、大変、環境の情報を発信していく上では重要なことであるということで、開発事業者の方ともお話ししまして、こちらの場所で、こういった発信ができる施設を整えたという状況でございます。
以上でございます。
○青木委員
それで、その環境を考慮した大規模ビルの開発ということで、それに共鳴して中央区が協力している、さらにここを情報発信の場としてつくっていくという考え方でよろしいでしょうか。
先ほど御紹介しましたエコテクカンと、もう一つ、このエリアエネルギーマネジメントセンター、ここで説明を受けてきましたが、やはり大規模再開発で、大きいビルは、大変最先端の技術を使って、省エネ、エコ政策が進んでいると。問題なのは、やはり既存の中小のビルであるという考え方に基づき、このエリアエネルギーマネジメントセンターでは、個々のビルオーナーの方に相談を受け、最適な解決策を探るお手伝いをしているということで、現在は、まずは京橋地区を中心に、6つのビルのオーナーさんが診断を受けて、エネルギーの見える化など、省エネ対策に取り組んでいるというお話を聞きました。今後、例えば中央区内の中小ビルに視野を広げて、このエリアエネルギーマネジメントセンターとつないでいくような動きはあるんでしょうか。
○望月環境政策課長
エリアエネルギーマネジメントについてでございます。こちらのほうも、一応民間の施設でございます。ただ、こちらのほうが、例えば地域に出ていく際に、当然区のほうも連携しながら地域にお話しをしていくということが必要だと考えております。こちらの今現在行っております京橋地域での取り組みが、ある程度うまくいくといいますか、実態としてできるような形になり、この取り組みを全区的にもし広げていけるのであれば、そのような方向で進めていくと。ただ、まだ、現在、始めたばかりのことでございます。地域の方の御協力もまだまだという状況でございますので、もうしばらくこちらのほうの取り組み、今後の推進の方向を見定めながら、区としても連携して、環境情報センターを核とした形での、そういった地域でのエリアエネルギーマネジメント、こういったものが推進できるように取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○青木委員
このエリアエネルギーマネジメントセンターと区の協働といいますか、一緒に取り組んでいくということは、ぜひ進めていただきたいと思います。
次に、登録団体についてお尋ねいたします。この環境に関する団体を登録団体と呼んでいるようですが、この登録団体になるとさまざまな利点があります。後ほど出てきます、研修所を安く利用できるとか、早目に予約ができるなどの特典があるようですが、まずこの登録団体について、私がホームページで確認したところでは8団体しかなかったんですが、現在、もう少しふえているともお聞きしました。この団体数と、あと、どのような団体が現在あり、どのような活動をしているのかということを簡単にお知らせください。
○来島環境推進課長
今現在、2月末の段階で、登録団体は20団体になっております。それで、こちらに関して、内容ですけれども、先ほど出てきました森の応援団とか環境保全ネットワーク、それと、あと例えば河川財団とか、銀座ミツバチプロジェクトとか、環境に関する、もろもろの、中央区内で活動されている団体というふうに認識しております。
以上でございます
○青木委員
わかりました。これらの団体の積極的な活動に期待したいところです。
その活動団体の拠点となるという意味もある、この環境情報センターなんですが、業務委託されております。受託者は株式会社小学館集英社プロダクションということで、いい点は、ここには、集会所もあり、夜の9時まであいています。朝の9時から夜の9時まで、あと週末もあいております。ちなみに、ほかの、先ほどのエコテクカンとかエリアエネルギーマネジメントセンターは10時から5時まで、土日・祝日はお休みというふうになっておりますので、この点に関しては大変利用しやすくなっていると思います。しかし、その研修室が2つあるんですが、ここがあまり活用されていないような、まあ、私の質問よりも先に、昨年オープンしまして、まだ1年にはなりませんが、この稼働率を教えてください。
○来島環境推進課長
環境情報センターの研修室は、先ほど述べられたように2カ所ありまして、午前・午後・夜間と、3こまの時間帯で研修所を利用していただいています。それで、6月オープンから2月までの稼働率ですけれども、こちらについては約35%というふうになっています。しかしながら、12月、1月、2月の稼働率を見ると、12月が55.4%、1月が39.3%、2月が48.8%と、平均35%よりは上がってきているので、徐々に使われてきているというふうに思っております。
以上でございます。
○青木委員
今、お話がありましたように、12月が55%、1月が39%、2月が48%と回復しているということがございましたが、今のところ、平均としては35%の稼働率ということで、空き室の確認ができるんですね。過去の分はもう削除されておりますが、3月分がまだ残っていました。3月分と、今後の予約の参考としての4月を見てみますと、ここは夜間が利用されていないということが明確なんです。午前と午後は比較的利用され、それでも利用されていない日も多いんですが、比較的利用されていると。夜間が、両室とも、あるいは片一方はあいているという状況が大変多く、これが稼働率の低下に結びついているのではないかと思うんですが、場所的に大変すばらしい場所ですし、民業圧迫になってはいけないですけれども、近くの貸し会議室に比べると大変安い金額ですし、やはりこの稼働率に疑問が残るんですけれども、今後、この稼働率アップのための施策などは考えていらっしゃいますでしょうか。
○来島環境推進課長
この稼働率のアップ、特に夜間なんですけれども、前回、環境情報センターの使用状況ということで御質問いただいたんですけれども、基本的には、一般区民や、親・子供さんを対象に、環境の基本的なことについて、講演会や展示会などのイベントを行っていたんですけれども、やはり中央区の京橋という立地条件からして、中央区に勤めていただいているサラリーマンやOLの方を対象とした講座、例えば事務室とかオフィスでのエコとか、そういった講座を用意して、利用していただく。特に昼間人口の多い中央区なので、そういったところは必要なのかなというふうに思っています。
以上です。
○青木委員
そうですね、ビジネスの方に使っていただきたいという思いはあります。
そこで、研修室の使用料に戻るんですが、先ほど申し上げました、環境団体に登録しますと70%オフになり、かなりお得ですね。70%オフですので、例えば午前中ですと、1,900円のところが570円、夜間でも、3,100円のところが930円になり、実質30%で借りることができるということで、環境情報センターですので、環境団体に有利にといいますか、厚くなるというのはわかるんです。ちなみに、この一般団体と環境団体、登録団体、それぞれの稼働率がわかりましたら教えてください。
○来島環境推進課長
まず、一般利用と登録活動団体の7割減免を行っているところの比率なんですけれども、オープン時から2月までのトータルでいくと、7割減免の登録団体は36.6%、一般利用については63.4%というふうになっています。ただし、これも先ほどと同じなんですけれども、12月から2月までの3カ月間を見ると、7割減免の登録団体が39.3%と約4割になって、一般のほうは60.7%ということで、登録団体がふえてきているので、今後もこういったところは登録団体がふえていくというふうに見込んでいるところでございます。
以上です。
○青木委員
2月までの平均ですと、7割減免、つまり登録団体が36.6%、一般団体が63.4%、年明けからは39と60ということですので、登録団体の利用がふえているということですね。
ただし、やはり稼働率を上げるためには、あと、このセンターの主な目的というのは、やはり環境に対しての情報を発信していく、あるいは中央区でこういうことをやっていますよということを知っていただくという大きな意味があると思うんです。この地図を見ますと、本当によくできていまして、情報コーナーを入って、登録なり、部屋を借りる手続をするには事務室に入らなければいけないんですが、この事務室に行くには、展示情報コーナーを通って、その奥に研修室があるんですね。だから、極端な話、この環境情報センターは、何をやっているんだろうということを御存じない方でも、ここを借りて行くと、周りに中央区の森の宣伝がしてあり、中央区のエコに対する取り組みが書いてあり、ハイテクを使っていろいろ展示してあるわけです。そこを通っていきますので、少なからず目に入ると。だから、まずはここに一般の方を呼び込むということも1つの方策ではないかと思うんです。この点について、いかがでしょうか。
つまり、どちらかというと環境団体ももちろん大事ですけれども、環境登録団体の稼働率が99%ならいいんですが、半数以上あいていますね。その分はしっかり一般の方に使っていただき、その過程において中央区の発信情報を知っていただくという考え方です。いかがでしょう。
○来島環境推進課長
展示コーナー等をよく見ていただくというような御質問なんですけれども、こちらは、確かに見ていただくというところは大切なんですけれども、あまり事務室のほうから押しつけがましくいくと、結構皆さん引いてしまうところがあるので、なるべく入りやすいように、いろいろ、例えば環境の本を読めるようなところにするとか、そういったいろんな工夫をして、環境情報センターでの滞在時間というか、いる時間を長くいてもらって、その中でいろいろ、環境情報センターの中で展示品とかを見ていただくような、そういった工夫を今後も続けてやっていきたいというふうに思っているところです。
以上です。
○吉田副区長
環境情報センターについては、ちょうど今、始まったばかりで、実は私もかなり下を向くところが多いんですけれども、実態的に、やはり発信基地であるというところを含めて、まだPRが完全に不足しているだろうと、そういう意味で、ある意味で、会議室の利用率を上げるための努力をすることによって、そのPRもふえるのではないかというお尋ねかと思いますけれども、その点は、そういう部分も確かにあるだろうと思います。そういう意味で、私どもとしては、きちっと事業者との間で協議をしながらPRを高めていくということは必要だと思いますけれども、同時に、私どもとしては、本区の環境行政の一定の側面として、例えば登録をいただいている20団体を含めて、私ども区との協議会みたいなものをより活性化させていきながら、中央区の環境活動の拠点にしていくという性格を強化していくということを、集客率向上に向けたPRと同時にやっていかなければいけないことだというふうに感じているところでございます。
○青木委員
ありがとうございます。先ほど、積極的に事務所の方が話しかけると引いてしまうというようなお話がありましたが、私、今回、このことを調べるために3回足を運んだんです。たまたま1回目は平日の昼間の時間帯、2回目はせっかく9時まであいていますので、平日の夜間の時間帯、3回目が、土曜日でしたか、週末に行ったんですが、いずれも私1人で、いろいろ調べものもありますので1時間近くはいたんですが、確かに事務室の方は何も話しかけてくださらないし、自由にさせてくださっていたと言えばそうなんですが、私としては、せっかく業務委託して専門家にお願いしているわけですから、ちょっと物足りなさを感じたわけです。予算書を見ましても、環境情報センターの運営管理ということで、およそ4,800万円が計上されております。
収入のほうなんですけれども、これは、手数料だと思うんですが、環境情報センター使用料及び手数料のところで46万円とあるんですが、これは、先ほどの研修室の使用料ということでよろしいでしょうか。
○来島環境推進課長
こちらについては研修室の使用料ということになっております。
以上です。
○青木委員
せっかく業務委託して専門家に任せている、そしてあのロケーションで、会議室の収入、手数料が46万円というのは、何とも寂しい感じがいたします。要は、あとはPR、せっかくいいロケーションで、ビルの上ではありますが、メーンストリートに面しておりますし、これからのPRですね。と同時に、一番大事なのは中央区からの情報発信、最初に質問いたしました中央区の森の活用というところでも、かなりPRという言葉がお返事の中にありました。今、この環境情報センター中心になっている、幾つか、エコまつりなどもありますが、常設としては、この環境情報センターが中心になっているということですので、ここはやはり本当にもったいないと思うんですね。しっかりとこれから活用していただきたいと思います。
きょうたまたまなんですけれども、新聞で発見しまして、IPCC横浜総会、国連の気候変動に関する政府間パネルIPCCの総会が、きょう、横浜で開幕しています。環境を取り巻く状況というものが世界的にも大きく変化している中で、31日には、今後の温暖化影響や被害軽減策についての最新の報告書が公表されるということで、中央区がいち早く取り組みを始めました、この温暖化対策、中央区の森を初めとする温暖化対策、今後ともしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○鈴木委員長
次の質問者の発言を願います。
○山本委員
よろしくお願いします。
総括なんですが、先日、教育費のほうで、少し質問の残りがございますので、まずここから入っていきたいと思います。先日の教育費では、図書館費についてお伺いしてまいりました。Wi-Fiについてお伺いしたんですけれども、本日は書籍の購入に当たっての考え方について伺ってまいります。
これからの図書館に求められる工夫は、民間資源も活用した、経済的・効率的な財政運営、そして安心できる区民の居場所として機能を発揮することであると考えております。例えば区立図書館における図書やCDの購入については、これまでの購入方法に加えて、アマゾンなどを活用した購入も視野に入れるべきと考えます。図書館においては図書館法がございますので、この規定も踏まえて、この考え方に対する御意見をお聞かせください。
○粕谷図書文化財課長
書籍の購入、CDも含めた購入の考え方ということでございます。私どもでは、3館の図書館における図書については、年間で、平成25年度の予算ベースで申し上げますと、4,800万円計上してございます。そういうことから、かなり大きな額ということは認識してございます。購入につきましては、私ども、各区に東京都書店組合の支部がございまして、この東京都書店組合中央支部から、この予算額のほぼ6割ぐらいを購入してございます。これは、あくまでも中央区の中小事業所の振興策ということで捉えてございます。またCD等の視聴覚につきましては、大きな楽器関係を扱う会社、そこから競争入札ということで購入をしてございます
それからアマゾン等々で、もっと安く購入ができないかという御趣旨と存じますが、今、答弁申し上げましたように、区内の中小の書店、こちらの振興策ということを考えてございますので、アマゾンからの購入予定はございません。また、図書館法にもこうした規定はございません。
以上です。
○山本委員
区内の中小書店の振興の一環ということなんですけれども、ことしの4月から消費税が8%になるということで、もちろん図書や書籍等の金額も上乗せされることと思います。図書館においてもコスト意識を持つことが重要であると考えます。物によっては、例えばアマゾンなどの中古品、今、大変活用されていると思うんですけれども、こういうものを活用することも考えてもよいのかなと私は思っております。
次に、運営のコスト意識についてお伺いしてまいります。平成26年度予算では、京橋図書館が2億5,629万1千円、日本橋図書館が3,666万4千円、月島図書館が3,532万1千円計上されております。このうち京橋図書館が、カウンター業務委託費として1億8,085万7千円計上しております。このカウンターの業務委託費の妥当性についてお伺いしたいと思います。あと、この京橋図書館と日本橋図書館、月島図書館との運営経費の差についてお伺いしてまいりたいと思います。よろしくお願いします。
○粕谷図書文化財課長
カウンター等の業務委託のお尋ねでございます。今、委員がおっしゃったカウンター業務委託、これにつきましては、京橋図書館の管理運営のほうで、日本橋、月島の分も計上してございます。今回、1億8,000万円ということでございまして、この増加要因は、もっぱら消費税がアップするということで、3ポイント分ということで御理解をいただきたく思います。
その他、カウンター業務委託以外に、いろいろ委託がございます。多分委員は、それらの合計をおっしゃったのかと思いますが、例えば、図書、本を借りますと、貸し出しということで、本がかなり傷みますので、透明のビニールでコーティングする、こういうのも委託に出しておりますし、さまざまな委託がございます。その合計ということで、各館でも管理運営ということで予算を組んでございますので、御理解いただきたいと思います。
○山本委員
御答弁ありがとうございます。3館あわせての委託費ということで理解いたしました。
日本図書館協会の、図書館における指定管理者制度の導入の検討結果というものを、先日、拝見しました。2013年調査報告書では、23区中14区が指定管理者を指定しており、図書館数では97と公表されておりました。本区も、生涯学習交流館、本の森ちゅうおうを指定管理者制度として導入する予定となっておりますが、そのほかの図書館については、今後、どのような方向性で考えられているのでしょうか。
○粕谷図書文化財課長
図書館における指定管理でございますが、今般、本の森ちゅうおうは、建築物価の高騰等々で、着工を数年間見送るということになりました。この仕組みづくりということで、本の森ちゅうおうは、図書館を核とした複合施設で、さまざまな施設が入ります。ハードのほうも、交流、融合ができるような施設の設計になってございます。したがいまして、運営も今までのような行政の直営による縦割りということではなしに、指定管理者制度を導入して利用者サービスの向上を図るということで考えてございます。
また図書館も、今回、京橋図書館が八丁堀駅のそばに移転するわけでございますが、地域館の日本橋と月島の両図書館、これにつきましても、同等のサービスを維持するという視点で、この本の森ちゅうおうが開館するときに、同時に地域館の2館も指定管理を導入しようということで、今、考えてございます。
以上です。
○山本委員
御答弁ありがとうございます。この本の森ちゅうおうと一緒に指定管理者制度を導入していくということで理解しました。
では、そうなると、今度、図書の購入先というのはどのように変化するのでしょうか。今までどおり、今、御答弁いただいた書店組合から購入していくのか、それとも指定管理者のほうで考えて購入していくのかについて、1点お聞かせください。
また、この指定管理者の導入の意義である、施設運営面でのサービスの向上による利用者の利便性の向上や、管理運営経費の削減など、施設を所有する自治体の負担の軽減というのは、図書館における指定管理者制度は、すごく理にかなっていると私は思っております。
現在でも、本区の図書館の書籍や図書の選択は、大変、私、評価しているところであります。また区民の方からも評価をいただいております。現在でも本当にすばらしいと感じております。どの本を蔵書として選ぶかを決める図書の選択においては、図書館にとって最も重要な仕事であり、大きな影響を与えるだけに、非常に大切であると考えておりますので、この指定管理者を導入後は、どちらが責任を持って選んでいくのかということについてもお聞かせください。
○粕谷図書文化財課長
では、今いただきました2つの質問につきまして、順次お答えいたします。
まず、指定管理になると、当然のことながら、指定管理料の中に図書の購入も含まれるというふうに理解してございます。なお、私ども区のほうが指定管理者を選ぶときに、業務要求水準というのを定めます。その中に、まだこれは決定事項ではございませんが、先ほど御答弁申し上げましたように、区内の中小事業所の振興策ということで、そういったことも書き込めることは可能かというふうに思ってございます。他の部分では、当然、指定管理者の創意工夫の中でコストダウンを求めていきたいというふうに思ってございます。
また図書の選定につきましても、我々としては、きちんと行政のほうで責任を持って選書して、それを指定管理者のほうにお示しし、購入をしていただくということでございますので、図書館業務の全てを指定管理者のほうにお願いするということではございません。
以上です。
○山本委員
御答弁ありがとうございます。この図書、また書籍の選択については、区が責任を持ってやっていただけるということで理解しました。
では、平成24年12月に、文部科学省告示第172号、これからの図書館のあり方検討協力者会議の、図書館の設置及び運営上の望ましい基準の改正が行われ、施行されております。ここで、主な改正内容が4つ挙げられているんですけれども、これは、社会の変化や新たな課題の対応の必要性、図書館におけるニーズや、地域課題の複雑化・多様化や、指定管理者制度の導入、図書館の運営環境の変化等を受けたものであります。そこで、公立図書館の管理運営では、運営方針の策定や、運営に関する適切な指標・目標の設定、事業年度ごとに当該事業年度の事業計画を作成し、評価や結果を公表するよう努めるものとしています。これは努力義務なんですけれども、本区は、運営状況に関する評価の実施や、その結果を、どのような形で区民に対し情報提供を行っているのかお聞かせください。
○粕谷図書文化財課長
図書館の望ましい基準でございます。その中の、委員、今、御質問にありました管理運営の項目で、運営の状況ということで、適切な指標を選定し、これらに係る目標設定ということがございます。私どものほうとしましては、この基準が全面改定されたのはもちろん存じておりますが、一方で、私ども中央区教育委員会の中で、教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価ということを、毎年度、実施してございます。これは、有識者にも入っていただいて、教育分野のさまざまな事業について点検・評価をいただいているわけでございます。この中で、図書館サービスにつきましても、事業の中身ですとか、どういった結果を生んでいるかということを有識者のほうにお諮りし、適切な評価をいただいてございます。
なお、こちらの点検及び評価は、教育委員会のホームページのほうでごらんいただけますが、図書館のホームページには残念ながら載せていませんので、今後、こういうことも、区民を主体とする利用者にも発信することが必要かとは考えてございますので、検討していきたいというふうに考えてございます。
以上です。
○山本委員
どうもありがとうございます。このインターネットその他の高度情報通信ネットワーク、いわゆるインターネットを初めとした多様な媒体を活用すること等により、積極的に公表するよう努めなければならないと、規定は続いておりますので、ぜひ図書館のホームページのほうでも、区民の皆さんへの情報提供として発信していただきたいと思います。
では、総括質疑で用意していた質問に入らせていただきます。
まず、PDCAサイクルのA、見直しの基準について伺ってまいります。既存の事業の総点検と行政評価を通じた事務事業の見直しについてです。
平成25年度、平成26年度の2カ年で、事務事業を集中的に精査し、見直していく方針とお聞きしています。平成25年度は17項目、約1億300万円の見直し、平成26年度は7項目、約1,700万円の見直しとなっておりますが、幅が縮小しているようにも見受けられます。この経緯と見直しはどのような基準でなされているのかお聞かせください。
○梅澤副参事(都心再生・計画担当)
事務事業の見直しについてでございます。委員御指摘の、平成25年度と26年度の予算についてでございますけれども、まず25年度につきましては、基本計画2013の策定というところもございましたので、まず、今まで5年間かけまして事務事業のほうを全部やっておりましたので、それのまず点検と、それから事務事業の総点検というものを行いまして、その中で、見直しの必要なものについて25年度予算に計上したというもので、そういう意味では、比較的、額のほうが大きくなっているものでございます。
26年度、来年度につきましては、昨年の2月にお示ししました2カ年の重点取り組み方針ということで、基本計画初年度ということになりますので、健全な財政運営の確保という観点から、不断の事業の見直しを行うというところから、2年間を集中取り組み期間ということにいたしまして、その中で、まず80事業の事務事業評価を行うとしたものでございます。
その中で、今年度の見直し結果としてありましたのが、26年の予算プレスにあったものでございますけれども、ただ、それだけではなくて、PDCAサイクルのマネジメントの一環でやってございますので、事務事業をきっかけといたしまして、さらにその評価、それから予算の査定の中で一回りする中で、さまざまな反映がされているというものでございます。ですので、事務事業の評価結果だけにとどまるものではないということを御理解いただければと存じます。
そういった中で金額が異なったものでございますけれども、通常のサイクルの中では不断の見直しでございますので、そういったところで今後とも取り組んでまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○山本委員
どうもありがとうございます。常に不断の見直しを行っていくということなんですけれども、たびたび、今回の予算特別委員会の質疑でもありましたけれども、地方自治法の第2条第14項が紹介されております。これは、地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならないと、応能化の原則が言われております。
前の質疑の中にもあったんですけれども、企画部長のほうから、1足す1は3というお話もございました。確かに同じ仕事をしていても、そのやり方を変えることによって、割高になることもあり、安い経費で仕上がることもあります。また、同じ経費をかけたから、同じ行政効果が上がるわけではありません。手段・方法によって、100の効果が上がる場合もあれば、50しか上がらない場合もあります。より少ない経費でより多くの効果が上がるような方策を講じることが大切であると考えます。
そこで、施策の選択についてお伺いしてまいりたいと思います。限りある資源を有効に活用するためにも、現代社会のように変化の目まぐるしい状況にあっては、本来ならば、既存のものをやめるというスクラップの精神が大切であります。冷静かつ客観的な視点に立ち、絶え間なく施策の見直しを大胆に進めていくべきであります。
かつては必要であったが、現在は区民のニーズが薄れているもの、民間におけるサービスで対応が可能なもの、ほかの部署で行っている同じような施策と重複しがちなもの、区民ニーズを見込んで始めたが、予想よりも実績が上がらないものなど、いろいろあるかと思います。これらの不要な施策は速やかに見直していくことが必要です。また新しく始めた施策であっても、防災や防犯などの区民の生命と安全に関するものを除いて、思ったよりも実績が上がらないものは、早目に見直しの対象として考えるべきであると考えます。
大切なことは、このように、期待外れであったものをちゅうちょなく大胆に見直していく柔軟さであると私は考えております。今年度予算策定に当たって、今のような考え方について取り入れているのかどうかお聞かせください。
○黒川企画財政課長
予算編成に当たりましては、全庁的に、現下の社会・経済状況、それから、当然ながら、本区の目指す施策の方向性、これは基本構想・基本計画といったロードマップに基づきまして、意識を共有しながら、どういった予算にまとめ上げていくかというような作業を積み上げてきているところでございます。
特に予算編成に当たりましては、今、委員からお話ございましたとおり、限りある、その財政的な資源、それから人的資源、こういったものをいかに最大限に効果を発揮して成果を上げていくかというようなところに特に着眼をして、厳しく予算の精査をしたところでございます。
また、補正も含めますと、830億円余の予算の議決をいただいた暁には、その執行に当たりましても、漫然と、ついた予算を執行するというようなことがないように、特に新規・充実の事業につきましては、そのPR等を含めて、より大きな効果が得られるように、また、当然、予算編成の時点と執行の時点でのタイムラグというものもございますので、そういったタイムラグの中でも、状況変化にもしっかりと対応しながら、初期の目的を達成するような予算執行を心がけていくという考えでございます。
また、事務事業の思い切った見直しといったサイクルにつきましても、特に新規・充実事業につきましては、一定の年限を区切りながら、その効果検証をしっかりと行い、よりよい施策に磨きをかけていくといった努力を今後とも積み重ねていきたいと考えてございます。
以上です。
○山本委員
御答弁ありがとうございます。今回、私は地域振興費に大分時間を使わせていただいたんですけれども、区内共通買物券であったりとか、就労支援、この費用対効果等、問わせていただいたんですけれども、これについても、今後、この成果について、努力していただきたいなと、また工夫なり、していただきたいなと考えているところなんですけれども、最後に、区役所内の人員配置に関してお伺いしてまいりたいと、各部署の配置について伺ってまいりたいと思います。
現在、本庁舎の各部署の配置を見ると、来庁者の多い区民生活課が1階に位置しています。これはどこの区役所を見ても同じであると思います。同じく多くの来庁者が予想される福祉保健部や保険年金課は4階にあります。来庁する区民の利便性や業務の効率を考えた場合、多くの来庁者が予定される部署は下の階に、あまり来庁者が来ないような、広報などの部署は上の階に配置してもよいのかと思いますけれども、今後、建てかえとか、まだそういうお話ありませんけれども、あった際には、この人員配置についても考えていただきたいなと思いますが、御見解があればお願いします。
○長嶋総務課長
なるべく住民も使いやすいような形で考えてまいりたいと思います。ただ、広報課につきましては、区の窓ということですので、住民の方もかなり相談にもいらっしゃいますので、2階のほうに配置をさせていただいているところでございます。
以上です。
○山本委員
ありがとうございます。特に、今、区長が3階にいらっしゃるということで、もうちょっと上に上がってもいいのかなと考えておりますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○今野委員
総括質疑も終了したと思われますので、次に、議案第1号平成26年度中央区一般会計予算の修正案について審査に入るようお諮り願うとともに、本日はこの程度とし、明26日午前10時30分に委員会を開会されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長
ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。
明26日午前10時30分に委員会を開会いたしますので、御参集願います。
なお、明日午後1時から代表者会を開催しますので、代表者の方は議会応接室に御参集願います。
本日はこれをもって散会いたします。お疲れさまでした。
(午後4時30分 散会)
お問い合わせ先:区議会議会局調査係
電話:03-3546-5559