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平成29年 築地等地域活性化対策特別委員会(4月24日)

1.開会日時

平成29年4月24日(月)

午後1時30分 開会

午後2時46分 閉会

2.開会場所

第一委員会室

3.出席者

(9人)

委員長 瓜生 正高    

副委員長 志村 孝美    

委員 鈴木 久雄    

委員 塚田 秀伸    

委員 海老原 崇智

委員 田中 広一

委員 渡部 博年

委員 原田 賢一

議長 押田 まり子

4.出席説明員

(15人)

齊藤副区長            

吉田副区長            

平林企画部長           

濱田政策企画課長(参事)     

松永副参事(都心再生・計画担当) 

長嶋区民部長           

眞下地域振興課長         

生島文化・生涯学習課長      

田中商工観光課長

望月環境土木部長

遠藤環境政策課長(参事)

松岡都市整備部長

斎藤都市計画課長

菅沼地域整備課長

栗村副参事(都市計画事業・特命担当)

5.議会局職員

田野議会局長

一瀬議事係長

秋山書記

桝谷書記

6.議題

  • 新しい築地等まちづくり及び観光・地域振興等に関すること

(午後1時30分 開会)

○瓜生委員長
 ただいまより築地等地域活性化対策特別委員会を開会いたします。

 まず、理事者紹介をお願いいたします。

○齊藤副区長
 (4月1日付幹部職員異動に伴う理事者紹介)

○瓜生委員長
 続いて、議題の審査に入りますが、質疑につきましては、既に御承知のとおり、理事者報告に対する質問とあわせて行いますので、よろしくお願いいたします。

 初めに、理事者報告を願います。

○長嶋区民部長

 1 中央区内共通買物券の販売について(資料1)

○松岡都市整備部長

 2 まちづくり協議会の報告(資料2)

以上2件報告

○瓜生委員長
 ありがとうございました。

 発言の持ち時間制につきましては、既に御承知のとおりですので、よろしくお願いいたします。ただいまの時刻は午後1時49分です。自民党72分、公明党33分、日本共産党33分、中央区民クラブ33分、新青会10分となります。

 それでは、質疑に入ります。

 発言を願います。

○田中(広)委員
 まちづくり協議会の一部内容と、議題に関連しまして質問させていただきたいと思います。

 今、中央区は、区だけでは解決できない、いろいろな大きな課題を抱えている中で、将来を中長期的に見たときに、今から改めてしっかり対策をとったほうがいいのではないかという思いで、一つ、かなり各論ではあるんですけれども、お話をさせていただければと思うんです。

 今、業務地あるいは商業地域、また一方では住宅地においても超高層の建物が建っております。地域のいろいろな防災の課題あるいは活性化、さまざまな課題を解決しながら取り組んでいただいているわけでございますけれども、その中で、地域から特に春先からいただいているお声の中の一つとして、風が大変強いという声を受けております。いろいろ大きな課題がある中で全部が全部というのは大変だということは理解はしているんですけれども、今回のまちづくり協議会の内容を拝見したり、また今後のまちづくりを見ていきますと、今以上に超高層の、例えばマンションが大変多くなっていく状況が想定できるかと思っております。

 そこで、現在、高い建物が建っている中で、特に住居地域の中で風についてどういったお声を受けとめていらっしゃるのか、また感じていらっしゃる点につきまして御見解をいただければ、大変ありがたいと思います。よろしくお願いします。

○菅沼地域整備課長
 委員御指摘の風の件でございます。

 御指摘のとおり、特に住居地、月島、勝どき、晴海エリアにおきましては、近年、超高層の建物が大変多く計画されてございまして、それらが計画の段階から工事完了まで長きの年次にわたって開発が進行する中で、風の影響については複合的な見地から捉える必要があるだろうというふうに考えているところでございます。

 複合的にといいますのは、ただ単に周辺環境、半径例えば500メートル以内の風洞実験のシミュレーションといった捉え方ではなくて、現にある超高層の建物、そして、これから計画されるものを少し俯瞰する形でシミュレーションを置いていくということが大変重要かなと思ってございます。一方で、我々区の捉え方としましては、開発事業者に、完成しておしまい、シミュレーションしておしまいということではなくて、少なくともその翌年1年ぐらいは春夏秋冬を通じた経過措置というような形で、実際上、風環境がシミュレーション値とどう違うのかという事後調査といったところも指導しながら、そういった影響を含めて捉えているというような状況でございます。

 一方で、委員御指摘のあったまちの声という部分につきましても、いろいろな説明会であったり、あるいは開発を通じたプロジェクトで、担当職員がまちを歩く中では、そのような部分での風の、被害とは申しませんけれども、自転車をこいでいたり、あるいは歩行中の強い風の影響ということも、我々地域整備課のほうで日々言われてございます。風環境の対策というのは、御案内のとおり、植栽によるもの、それからひさしの設置によるものが主な対策として講じられるわけでございますけれども、実際上、先ほどの複合的なシミュレーションといいますか、複合的な見地からというところを含めて、今後とも住居地域内における風環境の捉え方についても検討してまいりたいと考えているところでございます。

 以上です。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。

 今、御答弁でこれから御検討いただけるというお話をいただいたので、ぜひお願いしたいなと思っているんです。ある地域では今まで2棟ぐらい建っていたということで、それだけで何となく風が強いなという感じだったんですが、また1棟建って、また今後も建つであろうと考えたときに、新しいところには何かオープンスペースをつくろうとかという計画があります。そこで、風が強いというのは、やはり小さなお子さん、あるいは御高齢の方にとってもいろいろな課題が出てくるのではないか、今のうちからしっかり対策を打っていくことが必要かなということで取り上げさせていただいております。自転車をこいでいても進まないですとか、御高齢の方は転倒したとか、あるいは高層建物の前にあるバス停の場合は、風が強くて待っていても大変な思いをするというお声をいただいておりまして、何とかならないでしょうかというお話も受けているところでございます。

 今御答弁いただいたとおり、植栽かひさしというのが主な対策なんですが、植栽となりますと、大変時間もかかります。また、ひさしというのも、いろいろな権利の問題があったり、ここは可能ですけれども、こっちはできないとか、いろいろな課題があると思うんです。そう考えていきますと、やはり計画段階でしっかり手を打っていかないと、なかなか風環境の対策というのは進まないのかなというふうに感じているところでございます。

 今御答弁いただいた中で、業者さんに対する事後調査を指導しているというお話がありましたけれども、今のお話を含めた上で、どういった情報をいただいているのか、また、出てきた情報に対してどのように評価していらっしゃるのか、どこかの物件でも結構でございますので、今把握されている点がありましたら、教えていただければと思います。

○菅沼地域整備課長
 現状、実態的な話として何か具体的な評価結果ということは、我々にはまだ蓄積されていないというのが結論でございます。御案内のとおり、建物ができてから通年という話でございますので、一定程度の期間を通じた調査を事後行うという観点から、そこに時間を要するというところはぜひ御理解いただきたいということでございます。今後、実態的な都市計画段階の話と事後の部分については、どういうところの予測結果が違ったのかというところも含めまして、きちんと整理をかけていきたいというふうに思っております。

 以上です。

○田中(広)委員
 ぜひ今後も取り組んでいただきたいと思うんです。

 今までも、たしか地域の森とか、いろいろ考えて手を打っていただいたということも理解しているんですが、できれば、どこか1つ、ここをモデルにしていこう、こういった形で取り組んでいこうということを事業者さんと一体となって、どこかできないかなと思うんです。先ほど植栽のお話をいただいて、私もいろいろ地域を視察したりしてくるんですけれども、時間もかかることですし、明確な成果というのはなかなか難しいなと思っているんです。ですので、どこか何かモデル的なものを考えながら進めていかなければいけないのかなと感じております。また、事業者さんにおきましても、いろいろなところで高層の建物の建設を行っておりますので、こういったところが成果が出たとか、そういった情報も持っているかなと私は思っております。そういったことも伺いながら、できれば、竣工後も現地の風の強さを感じていただきながら対策をとっていただければなと思っております。

 当然、一つの建物を竣工に結びつけるまでの大変な作業があったり、労力があったり、また、大きないろいろな課題を解決するための対策をとっていただいているのはよく理解はしているんですが、最近、風に対して、御高齢の方とか、少し体の弱い方からの声を大変多くいただいております。せっかくいろいろな難しい課題を乗り越えて、ここまで来ても、そういったところで、けがをされたり、あるいは生活しづらいということでは大変残念なことになってしまうかと思います。そうしたモデル的な取り組みあるいは何か事業者さんの事例等も踏まえて、ぜひ風対策に力を入れて取り組んでいただきたいなと思いますが、御見解をお願いします。

○松岡都市整備部長
 今、モデル地区ということで御提案をいただきました。実は、今までも古く超高層で建っているものにつきましては、事後調査という形で、よくあるシミュレーションした風の青い点、赤い点、あれはいただいてはいるんですが、どうもそれと実態が合わないという形も散見される部分がございます。そういった意味では、モデル地区をどこか定めて、またモデルケースというのか、それは面でやるのか点でやるのか、その辺はこちらでまた考えさせていただきますが、そういった取り組みを通して、いい環境ができるようにまちづくりに取り組んでまいりたいと思います。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。

 ちなみに、せっかく質問させていただいている機会なんですけれども、例えば中央区に限らず、他の区とか地域において、こういったところはすごく風対策が有効だなと感じている物件等をもし御存じであったら、また、そういう機会がありましたら、ぜひ教えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 いずれにしても、いろいろな課題がある中で、これから御高齢の方もふえてまいりますし、ベビーカーを使う方もふえているわけでありますので、ぜひ風対策は、安全の対策という面でしっかりと進めていただきたいと思います。

 要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○渡部(博)委員
 それでは、何点か質問させていただきます。

 報告資料の中で、晴海の緑道の関係がまず1つです。

 何かというと、緑道の接するところ、晴海四丁目から晴海五丁目に行くところの結節点というのは、こういう移動の幅しかないのか。最終的には、オリンピックの改修後にもうちょっと広くしてくれるのかということも含めて、どうなっているのかということをまず確認したい。

 もう一つは、晴海二丁目の緑道というか、防潮堤の整備のときに、中央区に頑張っていただいて、あそこの上にひさし等もつくっていただいたわけです。晴海四丁目、そこに中央区がつくってもらったのはなぜかというと、真夏のときに、どこも日陰がないというような状況で、高齢者の人たちが散歩をするのにつらいなというお話を受けたところでございまして、そういうことも含めて、今後、晴海四丁目、また五丁目の緑道の整備の関係については、そういうものも含めて考え方が整っているのかということです。

 それと、選手村の関係です。

 選手村の関係については、環状2号線が現時点では通るか通らないかわからない現状でありますけれども、もし暫定でも通らないという状況になったときには、一体どういうふうな形で選手の移動手段を考えているのか。それによって中央区のいろいろな生活、また経済の関係については、一体どのような影響を受けるのかというのは、ある程度シミュレーションされているのかどうかというのを教えていただければ幸いです。

○吉田副区長
 答弁の順番が逆になりますけれども、オリンピックと交通の問題でございます。

 環状2号線については、今のところ、暫定道路すら、いつできるかわからないという状態になっておりますから、委員のような御質問もあろうかと思います。現実の問題として、今、晴海から豊洲に至る暫定開通が一応認められているわけでございますので、環状2号線ができないという前提に立ったときに、選手村の選手団あるいは役員の輸送については、基本的には晴海から湾岸部に出て、そこから逆流してもらうという形が現実的な対応だろうと、私どもとしては考えております。

 ただし、実は、その前提になります選手村のところにどうやってバスを配置するかという交通は、待機する場所が選手村には一切ございません。現実の問題として、選手村から個々の会場に毎日運んでいって、つつがなくオリンピックの一日を終えるためには1,000台以上のバスが必要でございまして、そのバスをこの近場でためておける場所がない。ためておける場所がないとなりますと、その交通がどういう形で出てくるかが一切見えないものですから、輸送自体もそこのところでかぶってしまうようなことになってしまうと、これは見えないということになります。

 ですから、そういった点で、現実的に、今、シミュレーションがあるかというお尋ねでございますけれども、現実の問題として、バスのとめ置き場という問題と、選手村の中の乗降所、それから選手の輸送、それらについて未知数が多過ぎて、シミュレーションが現実にはできないということになろうかと思います。現実に、そういう段階でございます。

○望月環境土木部長
 私のほうからは、緑道公園の通路の部分のお話でございます。

 今現在聞いておりますのは、この絵のようなつなぎという形になっております。こちらにつきましても、先ほどの暑さ対策も含めまして、今後、東京都のほうとお話しする機会があるかと思っておりますので、そういった中で、もう少しはっきりとお話をさせていただければというふうに思っております。ただ、今の時点では、この形で聞いているところでございます。

 以上でございます。

○渡部(博)委員
 緑道の話については、ここが港湾用地と接点のところであるから、このぐらいしかとれないということであるのかもしれませんけれども、なるべく広くやっていただきたい。

 なぜ日陰をつくってくれという話をしたかというと、将来ビジョンの中にもあったように、高齢者の関係については、健康寿命を10年延ばしますよという話もあるわけですから、そういったところでいけば、気楽に散歩ができる、外に出かけられる仕掛けをつくっていかなければいけないということになれば、ほんの小さなものであっても、つくっていく必要があるんだろうというふうに思っております。中央区なり東京都なり、整備する主体がしっかりした考え方を持って、晴海の将来ビジョン検討委員会でこういう考え方が出されている以上、そういったことも考えの中に入れて、しっかり対応していかなければならないというふうに思います。

 この前の晴海二丁目の関係については、一回整備した上で、また中央区が整備しているという状況であるわけですから、二重の手間になる前に、共同設計をしっかりやっていただいた上で、そういうものを整備していくことが将来の高齢者の方々の健康寿命も含めて、いろいろな形で生きてくるのではないのかなと。そういう仕掛けを行政がつくっていく必要があるんだろうなというふうに思っておりますので、その辺はこれからしっかり対応していっていただいて、緑のネットワーク、歩行者空間も含めて、対応をしっかりしていただければありがたいなというふうに思っております。

 オリンピックの絡みでいいますと、吉田副区長が言われるとおり、湾岸のほうに出ていっていただいて、お台場から港区のほうに行くパターンもあるわけですけれども、正直言って、あそこも慢性的な渋滞になっているということで、環状2号線であれば選手の移動の専用ルートをつくるということになっている部分であるわけです。今は決まっていないという状況でありますけれども、私の考えでいえば、区民の生活、また区内の中小企業も含めた経済活動のことについても大きな影響を与えるのではないかなというふうに考えているところでございます。そういった中で、懸念をしているところでございます。

 今、現実に決まっていないということはよく理解しているところですけれども、中央区にとっては、オリンピックの選手村、3年後にもうオリンピックが開かれるということでございますので、環状2号線がどうのこうのという話以前に、どういうふうな形かも含めてシミュレーションはしていただかなきゃいけない。オリンピック組織委員会の皆さんは、いろいろな形でバージョン1、2、3というふうに言ってきますけれども、中央区にとっては大きな問題となってきているのが現状であろうと思いますし、問題が多くあり過ぎる状況であることによって、中央区民のおもてなしの感情というのは違ってくるんだろうというふうに思います。要するに、気持ちよくオリンピックを迎えて、選手、また運営にかかわる部分についても気持ちよくやれるということに、問題を抱えている中でやるよりは、やはり問題が解決される中でやっていくことが大切だというふうに思いますので、その辺はしっかり配慮をしていただければ幸いだと思います。

 緑道の話に戻ってしまうんですが、先ほど風の環境という話も出ていましたけれども、以前からずっと言っておりますが、海側から強い風が吹いてきます。そこで、高層ビルが建って、ビルとビルの間に入って強い風が吹いてくるということになるわけですけれども、沿道や緑道も含めて、こういうところに大きな植栽をしていくなり、壁を設けていくなり、いろいろな形で風の環境というのは改善できるんじゃないのかなと。その中でいけば、やはり公共的な考え方もそこでしっかり対応していく必要があるんだろうと。

 豊海のほうの、今はまだ環状3号線とは言われていませんけれども、豊海水産埠頭からの風が真っすぐ入ってきて、大きなビルが建っているから、そこの間を風が通る。今、環状2号線の橋脚が立ったから、そこから先は風は緩やかだけれども、そこの間は相当きつくなってきます。そういったことになれば、先ほど前委員が言われたように、高齢者の方だとかは買い物も行けないという話も出てきている状態だということは私も認識しています。そういう風環境のところで、どういうふうな形が一番もとからうまく対応できるのかということも含めて、整備計画、防潮堤も含めた対応の仕方をしっかり考えていっていただきたいというふうに思っております。

 その辺は、これからいろいろなことが出ていく中でしっかり対応していただきたいということをお願いして終わります。

○瓜生委員長
 副委員長は委員席へお移りください。

○志村委員
 私からは議題となりますけれども、今、築地市場をめぐるいろいろな動きがありますので、区の考え、また認識をお聞かせいただきたいというふうに思います。

 まず、豊洲の土壌汚染の問題ですけれども、3月19日に専門家会議の第5回会合で再調査の結果が発表されました。そこでは、採取した29カ所のうち25地点で環境基準を超える有害物質が検出され、報道もされましたけれども、ベンゼンは環境基準の100倍、別の地点ですけれども、3.6倍のヒ素や、検出してはならないシアンが最高で1リットル当たり1.4ミリグラムも検出されました。このように高濃度の有害物質の検出値が再調査でも出たということで確定されましたけれども、これは都の土壌汚染対策が失敗して、結局、豊洲の地下に深刻な汚染が残っているということが裏づけられたことになると思いますけれども、区の認識をお聞かせいただきたいと思います。

 また、3月29日に市場問題プロジェクトチーム、PTが、土壌汚染については、都の市場当局が2011年2月23日の都議会で、無害化された安全な状態とするために、①土壌汚染対策を確実に行う、②東京ガス豊洲工場の操業由来の汚染物質を全て除去、浄化する、③地下水の汚染も環境基準以下にすると約束していたにもかかわらず、全て達成されていないと指摘しました。市場問題PTとして、土壌汚染は全て未達成だというふうに指摘したわけです。

 あの場所から基準値の4万3,000倍の発がん性物質のベンゼンが出たと2008年の東京都の環境調査で衝撃的な発表がされ、シアン、ヒ素、水銀も見つかった。そのとき、東京都は都民に対して、汚染土壌は全て除去、浄化する。その上で盛り土を行い、遮断するという2つの約束をしました。専門家会議の再調査の結果の内容、さらには市場問題PTが土壌汚染問題は未達成だと指摘されたことは、東京都が約束した2つのこと、汚染土壌は全て除去、浄化する、その上で盛り土を行うということが果たされなかったというふうに思うんですけれども、区の認識をお聞かせください。

○吉田副区長
 豊洲の土壌問題については、私どもの区は一貫して、基本的に東京都の責任において土壌汚染に対する対応策をとり、基本的に安全宣言を都知事のほうで出して、そういう対応について、都がきちんと都の責任においてやるべきだということを主張しているわけでございます。

 この部分について、いろいろ御意見はございますでしょうけれども、今後とも東京都がその部分を専門的な領域において、どういうふうに改善をしようとするのか、あるいはどういう対応をとろうとするのか、東京都の責任においてきちんとされるべきだというふうに思っておりますし、そのことは再三東京都にも申し伝えているところでございます。

○志村委員
 結局、今の御答弁ですと、都が改善もしくは対応ということで、科学的な数値として出された、汚染されているということは、もちろん区としても否定できない。ですから、それを踏まえて改善を都の責任で求めると。当然、都の責任でそれはやらなくてはいけないんですけれども、そのように私は思いました。実際には、やはり汚染されている。だから、改善もしくは対応を都はちゃんと責任をとってやってほしいということだと思います。

 もちろん、ちゃんと対応をとらなくてはいけないんですけれども、私は第一回定例会の一般質問で、2001年8月の断固反対する会の築地市場再整備に関する声明というのを紹介して、区長の認識を問いました。そのときにはまだモニタリング調査の3月19日の再調査の結果などが発表されていないわけで、今回の専門家会議及び市場問題PTの指摘を受けて、当時の内容、声明ですけれども、本当にしっかりと本質を指摘しているなと思っているんです。

 読ませていただければ、移転候補地は、生鮮食料品を扱う市場とは相いれない土壌汚染という重大な問題を抱えており、消費者の不安は容易にはぬぐえない、揺るぎない築地市場の優位性を無視し、具体性のないまま移転を推し進めることは、地域に混乱と不信を増加させ、先人の努力の積み重ねによって築き上げられてきた歴史や文化を冒とくするものであり、到底都民の理解を得られるものではない、抜粋ですけれども、この声明文の指摘、正当性は明らかではないかというふうに思いますけれども、そのあたりの見解もお聞かせいただきたいと思います。

○吉田副区長
 再三申し上げておるとおり、この件については、私どもも2001年の時点においても、中央区として、汚染について、そういう履歴があるからだめですよということを指摘しているわけでございますけれども、その上で、2001年から今日に至る過程の中で、東京ガスの自助的な汚染対策でだめだったということを含めて、その後の東京都の対策、いろいろとられてきているわけでございますし、その部分について、専門家の助言もあって、改善をしながら今日に至っているわけでございます。

 その上で、基本的には、現実の問題として、まだ地下水がということでございますけれども、私どもとしては、その部分、いろいろこれまでの経緯も含めて、東京都の責任において、消費者である都民、それから利用者である事業者を安心させて、営業させるような環境をつくること自体が全て東京都の責任である、それをきちんとやれということが区としての一貫した姿勢でございまして、1回の計測がさらに加わったからといって、変わるものではないというものでございます。

○志村委員
 都が、この時点でも汚染されていて、しっかりと土壌汚染の対策を進めるということで、ある意味、信用して区はいろいろな施策を進めてきました。都と区の合意、繰り返し繰り返し本当に大丈夫なのか、都を信用できるのかというか、本当に汚染がきれいになるのかと私も繰り返しそこら辺を確認させていただきました。その大前提である安全性は都がしっかりやるという話で進めてきたんですけれども、実際はそれがやられていなかった。今の時点になっても、今の数値が出された汚染状況を改善する、対応する、都が責任を持ってやると。それは変わらないという中で、中央区として、ある意味、翻弄されるような事態が進んでいるのではないか。

 ですから、私は今の現状、もちろんきれいにするとか、ちゃんと約束どおり、例えば市場でなくても、東京都が都民に約束した、きれいにするんだということは都の責任でやらなくてはいけないんですけれども、都と区の合意に基づいて、移転を前提としたさまざまな施策が進められてきたわけなので、この部分はしっかり怒りを持って都に対して姿勢を示さなければならないというふうに思います。

 その点の確認と、それから農水省が2011年3月に土壌汚染対策法の概要という資料を作成したんですけれども、そこでは、土壌汚染対策法では、一般の土地利用の場合には、汚染土壌を除去しなくても、盛り土などを行って汚染が遮断されれば土地利用ができるけれども、生鮮食料品を扱う卸売市場用地の場合にはそういうことは想定し得ないということが明記されています。4月10日の参議院決算委員会の中でも、日本共産党の国会議員の質問に対して、山本農水大臣も、東京都が汚染の除去の処置を行わず、盛り土等のみを行った状態で卸売市場の用地とすることについて想定し得ないという認識を持っていると答弁しました。これは、汚染土壌の上に生鮮食料品の市場をつくることなんかとんでもないという内容になっていると思います。これが政府、農水省の基本的立場だということです。

 ですから、今、土壌汚染対策をやったといっても、汚染が残っているという状況の中で、豊洲に新市場を開設するということは不可能になっているというふうに思うんですけれども、そのあたりの見解もお聞かせください。

○吉田副区長
 いずれにしても、私どもの区は市場問題そのもの以前に、私どものまちの環境として考えましたときに、オリンピック関係のスケジュールは動いている。環状2号線のスケジュールはとまっているということで、同じ地域の中で動いているスケジュールと動かないスケジュールが併存していくために、区民のさまざまな生活のレベルでこれから混乱、困惑、いろいろ迷惑する事項もたくさん出てくるだろう。ですから、それらについて総合的に早く結論を出してくれというのが私どもの姿勢でございまして、その姿勢で東京都にも我々は働きかけていく必要があるというふうに考えております。

○志村委員
 こういう今の豊洲の状況の中では市場を開設するのはなかなか難しいというのが出されている中で、早期の決断という意味では、私は小池都知事が現在地で再整備しようという決断をするということを強く期待しているところです。私は、中央区としても、市場を築地で残すという立場に立っていただきたいというふうに思っています。

 3月29日に、市場問題プロジェクトチームの取りまとめに向けた課題と今後の検討スケジュールについてということで、豊洲の用地のさまざまな問題、豊洲で市場を開設したらどうなるのかという問題とあわせて、現在地、築地での改修案というものを発表いたしました。そして、4月8日に築地問題PTのメンバーが、市場の築地改修案と豊洲移転案の内容を紹介、説明をしました。

 プロジェクトチームが示した築地市場改修案は、詳細な建てかえステップを示して、施設を段階的に移転・更新することで順次種地を確保し、課題となっている耐震性とか、封じ込めているアスベストの処理を行うというものになっています。また、建てかえスケジュールでは、調査・企画に1年半、各種施設の移転・改築に5年半かければ可能とすると。7年という工程表も発表しています。小島座長は、築地市場の再整備は建築技術的には何ら問題なく可能だと述べ、築地市場の方たちがどれだけ築地で営業したいのかという思いと、市場関係者などの協力がなければできないというようなことも発言しています。

 築地市場の改修には事業予算案として約734億円として打ち出され、また改修による市場会計の年間の赤字額は10億から20億円程度で、豊洲市場を開設した場合に見込まれる年間赤字額100億円。豊洲でやった場合は年間100億円の赤字が出るという試算もPTはしているんですけれども、それと比べれば、築地での10億から20億の赤字というのは、営業努力で対処可能な額だという提案もされております。

 そういうことで、築地問題PTの築地市場改修案について、区としてどのような見解をお持ちなのか。

 また、築地魚河岸関係者の反応や場外市場関係者、場外の方たちは本場が築地にあったほうが一番いいわけなんですけれども、築地改修案に対する場外市場関係者の反応、声などを聞いておりましたら、お聞かせいただきたいと思います。

○吉田副区長
 これはなかなか大変な御質問でございまして、まず最初に、私どもは感情的にはびっくりしました。私どもの築地魚河岸がいきなり種地になっていましたからね。これで御挨拶が一切ないものですから、どういう考え方なのかなと。築地魚河岸は既に店が入っていますし、そこのところに全部飲食店をまとめますなんて言われても困りますねというのが当初の戸惑いです。

 いろいろ案を精緻に見てみないとわかりませんけれども、私どもの区にとってこれは困るなと思うのは、正直言うと、あの絵で見る限りにおいては、暫定道路も含めて環状2号線が完成しないとできませんから、いつごろできるのか全く見通しが立たない絵でございまして、それは都市計画的には、あるいは都市交通的には相当大きな問題だろうと思います。

 最後に、これは行政上、許しがたいと思っていることがございまして、正直言いますと、これはうちの区に関連することではないですけれども、例えば豊洲の容積率を倍にすれば高い値段で処分できるというふうに言っています。行政に近い人間が、土地を高く売るために容積率を高くするなんて言っていいのか。そういうことではないはずだと。志村委員から再三いろいろなレベルで御指摘いただいておりますけれども、公共的な、ある種の目標を達成するために、こういう部分をやっています、こういうことをやっていますということの積み上げで容積率は上げていくものであって、土地を高くするために容積率を上げますということを言うような計画を行政の周辺が出すことは大変危険なことだと。そういう意味で、見直していただきたいと思います。

 ただし、逆に、行政の周辺の方が言ってしまったために、築地の場外やら事業者の方の中では、できるだろうと思ってしまっている人がたくさんいらっしゃって、そういう反響をおっしゃる方もいらっしゃいます。だけれども、先ほど申し上げたような問題点をきちんと整理して、そういう人たちの期待感をいたずらにあおるようなことは、今後いろいろな意味で避けるべきではないのか、もっと慎重であっていいんじゃないかというふうに思う次第でございます。

○志村委員
 関係者の声とか場外の声の御答弁がなかったので、もしあれば出していただきたいです。

 私も豊洲の、こうしますなんて見て、えっとびっくりしたんですけれども、それと切り離しても、結局、豊洲では市場はもうだめだ、無理だと。農水省とか政府の立場を見ても、どこまできれいにできるのかというのは、建物が建った今ではもう不可能になっている。となると築地しかない。築地しかなければ、築地での改修案を考えなければならないということからやらないと、まだ何か豊洲でも開設できるんじゃないかという幻想をお持ちだと、そういうふうになってしまうのではないかなというふうに思います。

 築地魚河岸を仮の引っ越し場所とすることについて、新聞報道でも、区に事前に話がなかったような報道もあります。ただ、築地魚河岸にとって、前向きにこの問題を捉えることはできないかなと思ったんです。結局、築地魚河岸というのは、市場が築地からなくなったときの中核施設としてのコンセプト、機能を持つ。しかし、現在地にある場合は、今度は築地が本場として残る。築地市場が残って、あの施設をどう活用するかということで、残った場合は今と同じようなコンセプトなり形態はできないかなと思っています。となると、今、東京都のほうから、あの施設をということで、もし中を改築なりリノベーションするとしたら、例えば区が三十数億円かけてきた中の内装的な店舗の造作などにかかったお金は都にちゃんと払ってもらって、リノベーションは都のお金でやってもらって、改修が終わった後は、今度は中央区が求める市場、本場が残る中で、あの施設をどう生かすかという形に内装なり店づくりなり中身をつくっていくということで考えれば、東京都が今回の築地改修案の中に築地魚河岸を入れたおかげで、都と区の合意の安全という大前提が狂った中で起きている問題が、改修、リノベーションをするという中で、何か区の負担なり、今後の区の施設のあり方、ですから、何かメリットがあるんじゃないかなというふうに考えるわけです。ですから、そういう立場で議論をしていくというのが1つあるのかなと思います。

 それから、BRTを通すという意味で、あの築地改修案では環状2号線はあるんだけれども、地上に連絡する道がないんです。この絵だけではわからないんですが、何か広場みたいになって、建物が建てられるのかどうかわからないですけれども、そういう意味では、中央区はBRTでもって晴海、有明とか豊洲とか、あっちのほうからつなげていくということが伝わっていないのかなと思うと、やはり現在地再整備というのは、いろいろな意味で、区にとっていいし、豊洲には行けないという中で、BRTを通す、地上に持っていく、環状2号線の動線を早い段階から求めていくということも必要じゃないかなと思います。ですから、築地魚河岸についても、環状2号線の、とりわけ区としての活用という意味で、そういう捉え方をすれば、また展開は違うのかなと思うんですけれども、その点のお考えはいかがでしょうか。

○吉田副区長
 御案内のとおり、BRTは私どもの区が基本的に独自でやろうと思って計画をしていたものを、東京都が我々の責任でやらなければいけないということで取り上げていったものですから、BRTの計画自体は東京都がきちんと知っていなければいけない。ですから、今のところは、環状2号線本線ができ上がらなければ、基本的にはBRTというのは通りませんよということになっているわけです。みんな2019年に本格運行するんだねと言っているのは、環状2号線の本線が開通するからということで想定をしておったわけです。

 ところが、環状2号線の本線が通らないということになります。暫定道路ということになるわけです。ところが、現実に、今、志村委員の御指摘いただいた小島座長のPT案の中では、あれはどういうふうに絵を見ても、第6回まで橋のところで道は切れているんです。第7回になって初めて地下に行く道が出てきているんです。我々も、こんなことはあるわけないと思って、資料をおっくり返し、ひっくり返ししましたけれども、そういうふうにしか見えないですから、わかりません。つまり、道路というものを、この場合は現在地再整備を優先させていたから、道路を後回しにされているのかなと思います。ただ、私どもの築地市場あるいは中央卸売市場というものは東京都内で最大の物流基地ですから、やはり交通をおろそかにして計画は成り立たないので、全体の整備が終わってから道路ができますよみたいな案は、基本的には無理があると思います。

 だから、そういう意味で、もし現在地整備というのが本格的に決まるのであれば、環状2号線の計画そのものをもう一度つくり直さなければだめです。少なくとも今のその道路の計画はだめだと思いますよ。きちんとつくり直さなきゃいけないと思いますよ。

○志村委員
 築地魚河岸のほうの見解といいますか、メリット、そういう進め方によれば、都が負担する中で区の負担を軽く、また、これまで整備してきた築地魚河岸の部分の、都がこういう中で変える、その部分について都に負担をさせるということもできるんじゃないかという点についてのお考えを、お答えといっても別に正しい答えはないんです。お考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。そこに何かあるのかなというふうに思います。

 それから、環状2号線ですけれども、これは途切れているけれども、いろいろなやり方で、掘割をつくらなくても、先に暫定のBRTを通すということは可能じゃないか。

 ただ、それを都がやるのではなく、区の計画を都が持っていって、だけれども、やはり中央区にかかわることは地元自治体として意見を言う。本格的に決まってからというよりも、現在地、築地改修案について最初のほうから意見を言っていくということが、地元区としても大事かなというふうに思っている点です。それについては、別にここで議論して、方向性を示すということを我々ができるわけではないんですけれども、区の見方として、そういう角度から築地改修案というものを受けとめたらどうかと思います。

 築地魚河岸のほうについては、いかがでしょうか。

○吉田副区長
 志村委員に似合わず、大変寛容な言い方だったので、びっくりしてしまいましたけれども、現実の問題として、今入居されている方々に、私どもは次のスケジュールがはっきりするまでとにかく頑張ろうということをお声がけしながら、本当につらい思いをしながら頑張っている日々ですから、申しわけないですけれども、余りそこのところにいろいろな余談や偏見みたいなものを持ち込みたくない。やはりきちんと築地魚河岸については次のステップ、スケジュールが決まるまでに成功させる方向で運営していきたいというふうに思っていますので、この件については、大変恐縮ですが、私どもとしては、今の時点で何も申し上げることはなくて、逆に、方向性がしっかりした段階、はっきりした段階できちんと物を申させていただきたいというふうに思っております。

○志村委員
 現在地に築地市場が残るということは、場外市場にとって大変大きなことだというふうに思います。ですから、それをずっと一貫して、その立場で区も議会も進めてきた中で、東京都の動きを受けて、私たちは一貫していましたけれども、いろいろな対応をとってきたと思います。

 寛容と言うけれども、中央区がこうしたいではなくて、やはり東京都に翻弄されている。東京都がこうしてきている中で起きていることだと思うんです。そもそもの現在地で、当時2兆円の地域の経済効果があるという市場を守るんだというところに立てるチャンスがあるかなと。いろいろな条件、豊洲の汚染の問題もそうですけれども、そうなると、仲卸の人も場外の人も、市場が残るとなれば、それはそれで大変大きなことでありますし、できるだけそういうふうにいくために知恵も出すし、都に働きかけることが大事だと。今は、私は、都がどういう方針を出すかという待ちではなくて、地元区として、いろいろなものを発信していく、起こしていくというのが大事になっているんじゃないかなというふうに思います。

 ですから、この事態をいろいろな意味で、場外の人や市場関係者の方たちの声も聞きながら、吉田副区長がおっしゃるように、責任を持った、いろいろな正確なものに基づいてやらなくてはいけないと。それはあります。しかし、今起きている問題について区としての見解を述べる、区として、そういうものを明らかにするということもできると思いますので、その点をぜひいろいろ深めて進めて、何としても私も現在地の再整備、築地市場が残るということを大きく期待し、そのために力を尽くしていきたいというふうに思います。

 以上で質問を終わります。

○瓜生委員
 ありがとうございます。

 副委員長は副委員長席にお戻りください。

 議題、新しい築地等まちづくり及び観光・地域振興等に関することについては、継続審査ということでよろしいでしょうか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○瓜生委員長
 さよう取り扱わせていただきます。

 これにて築地等地域活性化対策特別委員会を閉会します。

 お疲れさまでした。

(午後2時46分 閉会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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