ページの先頭です
トップページ  の中の  会議録検索(本会議・委員会等)  の中の  令和3年第三回中央区議会定例会会議録(第3日 9月27日)

令和3年第三回定例会会議録(第3日 9月27日)

1.会期

二十四日(第三日)

九月二十七日(月曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後六時二分散会

3.出席議員

(二十九名)

一番 高橋 元気議員

二番 高橋 まきこ議員

三番 梶谷 優香議員

四番 田中 耕太郎議員

五番 かみや 俊宏議員

六番 太田 太議員

七番 二瓶 文徳議員

八番 しらす 夏議員

九番 奥村 暁子議員

十番 青木 かの議員

十一番 小坂 和輝議員

十二番 渡部 恵子議員

十三番 竹内 幸美議員

十四番 海老原 崇智議員

十五番 佐藤 あつこ議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 墨谷 浩一議員

十八番 山本 理恵議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 木村 克一議員

二十二番 瓜生 正高議員

二十三番 塚田 秀伸議員

二十四番 礒野 忠議員

二十五番 中嶋 ひろあき議員

二十六番 押田 まり子議員

二十七番 田中 広一議員

二十八番 中島 賢治議員

二十九番 原田 賢一議員

三十番 渡部 博年議員

4.欠席議員

(一名)

二十一番 富永 一議員

5.出席説明員

区長 山本 泰人君

副区長 齊藤 進君

副区長 吉田 不曇君

教育長 平林 治樹君

企画部長 浅沼 孝一郎君

総務部長 黒川 眞君

防災危機管理室長 北澤 千恵子君

区民部長 濱田 徹君

福祉保健部長 田中 智彦君

高齢者施策推進室長 吉田 和子君

保健所長 渡瀬 博俊君

環境土木部長 望月 秀彦君

都市整備部長 松岡 広亮君

会計管理者 鈴木 浩君

教育委員会事務局次長 生島 憲君

監査事務局長 高橋 和義君

企画部参事(政策企画課長事務取扱) 溝口 薫君

財政課長 大久保 稔君

広報課長 園田 典子君

総務部参事(総務課長事務取扱) 山﨑 健順君

6.議会局出席職員

議会局長 伊藤 孝志君

庶務係長 長田 基道君

議事係長 小倉 正信君

調査係長 佐藤 康之君

書記 桝谷 剛司君

7.議事日程

日程第一
 一般質問

日程第二
 議案第四十五号 令和三年度中央区一般会計補正予算

日程第三
 議案第四十六号 令和三年度中央区介護保険事業会計補正予算


午後二時 開議


○議長(木村克一議員)
 ただいまより、本日の会議を開きます。

 新型コロナウイルス感染症対策として、出席者の抑制を図るため、指定の議員は退席を願います。

 また、理事者についても同様に願います。

〔指定の議員並びに理事者退席〕


○議長(木村克一議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 まず、十番青木かの議員。

〔十番 青木かの議員登壇〕

○十番(青木かの議員)
 かがやき中央、青木かのです。質問通告に基づき、質問させていただきます。再質問につきましては、留保させていただきます。

 オリンピック・パラリンピックが閉幕しました。八年前のあの日、二○二○年の開催都市が東京に決定し、晴海が選手村になり、中央区にとっては、多くのことがオリパラ前、オリパラ後という時間軸で進むことになりました。そして、昨年、二○二○年からは、これにウィズコロナ、アフターコロナという時間軸も加わりました。また、コロナ禍が図らずももたらした移動制限によって、まちと、そのまちに住むという価値について考えた方も多いのではないでしょうか。その上で、改めて最低限の移動について考える。どの公共交通を使うのか。バスなのか、船なのか、あるいはコミュニティサイクルなのか。これらの点を総合して、区民の皆さんにとって使いやすい公共交通ネットワークをつくり上げる。地域モビリティの再構築が今日の私の一般質問のテーマです。

 地域モビリティ、つまり地域の公共交通とその周辺のサービスは、あらゆる意味で転換期にあると言われています。一般的には、少子高齢化、人口の減少、自家用車ドライバーの高齢化などが、その問題点として挙げられていますが、中央区の場合、人口の急増、都心にありながら交通不便地域があるという独自の問題を抱えています。この八月、私は舟運、水運の調査のために、頻繁に有明や青海や竹芝などの臨海部に通いました。そして、頻繁にゆりかもめに乗ることになったのです。そこで、ゆりかもめの魅力を改めて体感しました。車窓からの眺めのすばらしさ、車内からホームに降り立ったときに感じる風は一服の清涼剤であり、猛暑の中で体感できる何物にも代えがたい海の恩恵です。また、多くの駅から東京湾を見渡すことができる。まさに、湾岸を走る公共交通であることを再認識しました。また、沿線にオリンピック・パラリンピックの会場が複数あり、もし通常の開催ができていれば、オリパラ会場とゆりかもめとの相乗効果で、世界中から訪れる観光客の皆さんを楽しませていたことでしょう。

 さて、そのゆりかもめです。豊洲から晴海、勝どきと延伸し、最終的には新橋まで延びて、ゆりかもめが環状化することをかつて私は要望し、かつ期待していました。しかし、結果的に、二○○○年の運輸政策審議会答申第十八号で、二○一五年までに整備着手すべき路線とされていたゆりかもめの勝どき延伸構想は、二○一六年の交通政策審議会答申の検討路線から除外され、事実上白紙となってしまい、今に至ります。そして、このとき、臨海部地下鉄構想が新しく答申に入っています。臨海部の人口増が想定以上だったため、中央区は輸送量の観点から地下鉄を選んだと理解していますが、やはり実現までにかかる時間を考えると、ゆりかもめの延伸と環状化は捨て難いものがあります。

 そこで、もう一度だけお聞きいたします。

 ゆりかもめの延伸及び環状化について、中央区の選択肢から消えてしまった理由についてお知らせください。

 次に、BRTです。私は、BRTについて、これまで平成二十六年第三回定例会、平成二十七年第一回定例会、令和三年第一回定例会の三回、一般質問で取り上げてまいりました。そのときいただいた答弁を踏まえ、地下鉄が開通するまでBRTをいかに効率的に動かすか、輸送量を強化するか、交通不便地域をいかにして解消するかということを念頭に質問したいと思います。

 昨年十月、BRTはプレ運行を開始しました。プレ一次運行であるため、ルートが一つしかないことや、コロナ禍の影響も加わり、残念ながら、乗客数は想定の二割ほどと聞いています。今後、区民の生活が新しい日常に戻る中で、BRTもさらに便利に進化する必要があると考えます。

 そこで、私自身が利用した上で気づいた現BRTの問題点です。虎ノ門発着が新橋を経由するので、所要時間が長い。新橋のバス停が駅から遠い。平日ピーク時が十分おき、昼間十五分から三十分おきと運行間隔が長く不便。バス専用または優先レーンがなく、PTPSも導入されていない。以上。

 まずは、これらの問題点について区の考えをお聞かせください。今後、改善される予定があれば、その内容についてもお知らせください。

 今年三月に策定された東京都臨海部地域公共交通計画では、BRTの表定速度について、プレ運行時は路線バス並みの時速十一から十五キロメートル、本格運行時はLRTやゆりかもめ並みの時速二十キロメートル以上を目標にするとあります。また、東京都が、令和三年度以降、地域公共交通事業を実施しますが、臨海部、BRTの整備が対象事業に指定されています。事業内容としては、環状二号線の整備に併せて、鉄道やゆりかもめと同等の輸送力と速達性を有するBRTを整備するというもので、専有道路、優先道路がない現在の状況から考えると、かなりハードルが高いように思われます。

 そこで、質問です。

 BRTの速達性向上のため、今後、具体的にはどのような対策が取られるのでしょうか。

 次に、交通結節点についてです。

 交通結節点とは、交通機関同士が結びつく場所であり、まちと交通機関が結びつく場所でもあります。一般的には、鉄道やバスのターミナル駅前広場など、旅客交通のための施設や空間を指し、基本的には、交通機関とその利用者が主役となります。一方、中央区が掲げる交通結節点は、もっと広い意味で使われていると理解いたします。交通機関と利用者だけではなく、そのまちに住む、あるいはそのまちを訪れる人々にも広く公開される空間です。

 中央区の場合、その交通結節点に船、舟運が入っているのも特徴です。東京湾と隅田川、日本橋川、さらには多くの運河がまちの中を巡り、利用できる船着場も、現在、七か所あります。さらに、今後、再開発に併せて、築地、月島、勝どき、晴海にそれぞれ一か所、合計四か所が整備される予定です。東京都臨海部地域公共交通計画でも、成熟社会にふさわしい水辺空間の利活用として、臨海部と他の地区とのアクセス向上のため、臨海部の水辺環境を生かした舟運との連携や、船着場と水辺空間の一体的整備を挙げています。さらに、レジャーや観光分野だけではなく、交通手段としての活用が現実的になってきました。

 二○一九年、令和元年七月から八月にかけて、朝の交通手段としての舟運の有効性を検証するための社会実験が行われました。通勤時間帯である午前七時三十分から午前九時まで、日本橋と朝潮運河船着場の間を十五分間隔で無料で運行するというものです。結果は、八日間で二千八百三十四人の利用、乗船率は六三%でした。勝どきと日本橋間というルート設定が朝の通勤の足としてどれくらい需要があるかは疑問が残るところですが、早朝から船に乗って通勤することに多くの方が興味を持たれたことは事実です。実現化に向けては、むしろ東京湾を渡って竹芝や羽田空港方面へのルートが需要があるのではないでしょうか。

 そこで、お尋ねします。

 中央区が考える日常的な交通手段としての舟運の活用についてお聞かせください。

 また、当初予定され、二○一四年、平成二十六年に出された晴海地区将来ビジョンでは、広域交通としてBRTとともに示されていた水上バスの誘致。その後、この計画はどうなっているのでしょうか、併せてお尋ねします。

 さて、交通結節点に話を戻しましょう。現在、交通結節点の整備が予定されている晴海と築地の場合、再開発におけるまちづくりの中で、第一歩から交通結節点をデザインすることができる利点があります。まずは、晴海選手村跡地の再整備です。ここでは、マルチモビリティステーションと呼んでいますが、BRT、路線バス、コミュニティサイクル、船着場の交通結節点となっています。また、この施設は、中央区基本計画二○一八でも、多様な公共交通の乗り継ぎができ、誰もが利用しやすい交通結節機能を備えた施設として、導入の促進がうたわれています。

 そこで、お尋ねします。

 晴海五丁目、交通結節点における区が期待する用途についてお答えください。

 次に、築地の交通結節点についてです。

 先日開催された築地地区まちづくり協議会で配付された資料の中に、陸路、地下鉄、舟運に加え、空路を含めた交通結節点になるとの説明がありました。朝日新聞社の屋上にヘリポートがあることは承知していましたが、それ以外、これまであまりなじみがない話題です。

 そこで、お尋ねします。

 築地の交通結節点の役割について、空路の活用イメージも含め、お答えください。

 さて、今年五月、第二次交通政策基本計画が閣議決定されました。人口問題やコロナ禍による交通事業の経営悪化など、公共交通が直面する危機を乗り越えるため、今後の交通政策の柱として三つの基本的方針が定められています。その一つが、マルチモビリティのデジタル化です。運行情報の開示、運輸行政手段のオンライン化、物流DX、デジタルトランスフォーメーションの実現、自動運転車の早期実用化などが挙げられています。さらに、晴海地区将来ビジョンでも、スマートモビリティや燃料電池バス等の新たな交通システムの導入が取組項目の一つに挙げられており、今後の公共交通は、デジタル化することで大きく変わり、特に安全面とサービス面では飛躍的に進化するものと考えます。

 そこで、最後の質問です。これからの地域モビリティの発展のために欠かせないデジタル化についてです。

 BRTやコミュニティバスは、デジタル化に親和性があると言われています。また、この夏のオリンピック・パラリンピックにおいて、晴海選手村では自動運転の小型電気バスが走行しました。一度事故がありましたが、その後、原因を解明し、対策を講じた上で運転が再開しています。

 そこで、お尋ねします。

 今後の中央区、広くは臨海部の公共交通モビリティのデジタル化について、短期的・長期的視点から、それぞれお答えください。

 以上が一回目の質問です。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 青木かの議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、ゆりかもめについてであります。

 ゆりかもめの延伸計画につきましては、東京都が平成二十七年に交通政策審議会の答申に向けて策定した広域交通ネットワーク計画についての中で、ゆりかもめの延伸と都心部・臨海地域地下鉄構想の両路線を整備した場合、臨海部の需要が競合するため、ゆりかもめの延伸路線の収支採算性に課題があるとし、整備について検討すべき路線に含まれませんでした。その後、平成二十八年の国の答申では、ゆりかもめの延伸は盛り込まれず、都心部・臨海地域地下鉄構想が新たに国際競争力の強化に資する路線として位置づけられております。区といたしましては、都心部と臨海部を放射状に結ぶ大量輸送機関である地下鉄新線の実現が必要不可欠であるものと考えており、引き続き早期実現に向けて関係機関への働きかけを行ってまいります。

 次に、BRTについてであります。

 プレ運行が開始され、約一年が経過したところでありますが、環状第二号線本線トンネル開通までは地上部道路を利用することなどから、速達性、定時性に課題はあると認識しております。今後、都と運行事業者は、プレ二次運行、本格運行と段階的に充実・拡大し、輸送力や速達性、定時性を向上させる計画としております。環状第二号線本線トンネル開通後の交差点の通過時間や、新たな運賃収受方式の導入による停留所での停車時間の短縮が図られるなど、本格運行時には課題が改善されるものと認識しております。

 次に、舟運の活用についてであります。

 都では、舟運が身近な観光・交通手段として定着し、水辺のにぎわいを創出するため、平成二十八年度より、船着場を有する各自治体の協力の下、様々なルートや時間帯において社会実験を実施しているところであります。また、令和二年度に策定した「未来の東京」戦略では、舟運の幅広い活用や利便性の向上について継続して取り組むことが示されています。区といたしましては、舟運の活用は日常的な交通手段として、また、観光資源として有効であると考えており、引き続き都が実施する社会実験などに協力してまいります。

 次に、水上バスの誘致についてであります。

 都では、HARUMI FLAGの入居開始に合わせ、マルチモビリティステーションに隣接する位置に船着場を計画しており、定期船の誘致・就航が検討されております。区は、引き続き、晴海地区将来ビジョンを踏まえたまちづくりの実現に向け、関係機関と協議を行ってまいります。

 次に、晴海五丁目のマルチモビリティステーションについてであります。

 晴海地区では、HARUMI FLAGのまち開きに向けて整備が進み、一万二千人規模の新たなまちの交通需要に対応するため、誰もが快適で便利に移動できる公共交通網の実現に向け、各交通機関を適切に配置することが重要であると認識しております。マルチモビリティステーションは、BRT、都バスに加え、江戸バスやシェアサイクルなどが効果的に連携することで、地域のきめ細やかな交通を実現するものであります。さらに、隣接する船着場計画における定期船の誘致により、利便性の向上が図られるものと認識しております。

 次に、築地の交通結節点についてであります。

 築地市場跡地は、都心に残された唯一の大規模公有地であるとともに、幹線道路や水辺に囲まれていることから、東京湾岸エリアと都心とを結ぶ陸路・水路・空路から成る交通の要となり得る場所であります。この場所に交通結節点を形成することは、人や物のスムーズな移動を支えるとともに、災害時においては都心の防災活動拠点として、緊急車両や船舶、ヘリコプターによる人員・物資の輸送等の救助活動に資すると考えています。また、築地市場跡地では、都の築地まちづくり方針の中で、国際会議場や上質なホテルの整備も想定されており、このことから、陸路・水路に加えて、海外からの一部の来訪者による空路利用も想定されるものと考えているところです。区といたしましては、それぞれの交通手段が円滑なアクセスを確保するとともに、相互に連携することが重要と考えており、それにより、築地市場跡地が東京都心を支える広域的な交通結節点として大きな役割を担うことを期待するものです。

 次に、公共交通のデジタル化についてであります。

 公共交通のデジタル化など、先進技術の積極的な活用は、交通のさらなる利便性向上に寄与するものであります。これまでも、区では、江戸バスの運行状況を随時利用者に提供するバスロケーションシステムを導入するなど、利便性の向上に取り組んでまいりました。また、BRTでは、自動運転の技術を活用し、バスと停留所の隙間を最小化させる正着制御の実証実験が行われるとともに、本格運行に向けて、デジタルサイネージやバスロケーションシステムの導入について、段階的に検討していくこととしております。交通を取り巻く環境について、国は、交通政策基本計画の中で交通分野のデジタル化の取組を示していることや、臨海部での自動運転に関する実証実験を進めており、今後、これらの新技術が公共交通にも活用されていくものと認識しております。引き続き、公共交通のデジタル化に関する新技術の動向を注視するとともに、積極的な活用が図られるよう、関係機関へ働きかけてまいります。

 答弁は以上であります。

〔十番 青木かの議員登壇〕

○十番(青木かの議員)
 区長、答弁ありがとうございました。

 それでは、幾つか、陸と空と船、水運に分けて再質問させていただきます。

 まず、BRTにつきましては、答弁の中にもありましたように、今後、第二次プレ運行、そして本格運行、環状二号線も全面開通いたしますし、その中で期待できるところはあります。PTPSなども始まりますし、正着制御が本格運行されるということです。今、BRTがなぜ便利ではないかということを考えたときに、やはり乗っている人数、輸送量が低いということでサービスが悪くなる。つまり、運行間隔が広くなる。今ある需要はこれからますます高まりますので、需要が多くなり、多くの人が乗ることによって、それこそどんどん発着する。これがやはりBRTとしてのよさが発揮できると思いますので、BRTについては今後期待したいと思います。再質問はありません。

 海のほう、水運ですが、こちらは、これまでも中央区、それから東京都としてもかなり水辺の活用あるいは舟運、水運の活用ということで政策的には出てきていると思います。ただし、一般的に、臨海部といった場合、中央区、港区、江東区があるわけですが、例えば江東区ですと、もう既に水上バスが走っている。あるいは、水陸両用バスも走っている。それから、水上タクシーがもう走っているんです。このような、便利になるとともに、わくわくするような舟運がまだ中央区は遅れている。ただし、大変確実なんです。それが防災船着場。防災船着場とは言っていますが、ふだんは船着場としても利用できるわけで、中央区は、先ほど私の質問にありましたけれども、今、七か所あり、今後四か所も増えるということですが、港区には防災船着場が一つもないんです。中央区には、この狭いエリアで十一の防災船着場ができるということで、近い未来に向けて、これを生かした政策についてお聞かせいただければと思います。

 そして、もう一つが築地です。

 今、答弁ではっきり言っていただいてよかったです。国際展示場、つまり、前からお話がありましたけれども、MICEになるということですね。築地市場跡地がMICEになり、空路によってVIPをお迎えすると。はっきりと、今、初めてお聞きしたわけですが、VIPといいますと、どのくらい頻繁にいらっしゃるのか。MICEになりますと、逆に言うと、しょっちゅう国際会議を開かないと成り立たないわけですから、開かれるたびに毎日VIPがいらっしゃるのか、どのような使い方を想定しているのかというのが大変気になります。もちろん、それは騒音の問題です。そして、今回、これが議会には諮られず、築地のまちづくり協議会の中で出てきたということです。

 それも含めまして、もう頭の中がヘリコプターについての質問でいっぱいなんですが、まずは築地市場跡地のMICEという利用の中で、ヘリコプターをどのように、どのくらいの頻度で使うというふうに考えていらっしゃるのか。今お答えできる範囲で結構ですので、教えていただければと思います。よろしくお願いします。

〔副区長 吉田不曇君登壇〕

○副区長(吉田不曇君)
 築地の交通拠点に関するお尋ねでございます。とりわけ、ヘリコプターについてのお尋ねでございます。

 私どもが申し上げているのは、ひとまず御理解をいただきたいのは、委員会等でも御答弁させていただいておりますが、築地地区に既にヘリポートというのはある。そうすると、あそこで大規模な開発をしていったときに、そのヘリポートをどうするのかという問題はやはり生じてくる。例えば、新聞社のほうのヘリポートを廃止するのかどうかというような問題も含めて、調整をする必要があるだろうと。

 私どもは、その部分については、議会に諮られることなくというお話がございましたけれども、五月二十日の段階で都に出させていただいた第一次要望の中で、そういった部分について朝日新聞との間で調整をしなさいということは要望事項に書いてございます。その点については、大変恐縮でございますが、五月に提出する以前に、三月の下旬に全議員に案文を送付させていただいて、各会派の御了解を得ながら要望書を出させていただいております。今回の要望書についても、十月中に要望書を提出させていただきたいと思っておりますが、八月の下旬に全議員に送付させていただいておりますので、そこの中で十分議論を尽くして、最終的な取りまとめの段階で御意見をきちんといただければよろしいわけでございまして、この件について、お諮りすることなくみたいな表現というのはあり得ません。原案の段階からお示しして、こういうふうにお話ししているわけですから、そこについて、もし訂正事項がある、あるいはこういうところについてどうだということがあれば、それはそれで御意見を承ります。お諮りすることなくではなくて、お諮りしておりますので、その点、重々御理解をいただきたいと思います。

 その上で、ヘリポートの現実の使用頻度についてどう考えるかということでございます。

 基本的に、私どもはMICEを想定しているわけではなくて、先ほど区長が答弁で申し上げましたように、東京都の築地まちづくり方針の中でもMICE的なものを想定していると申し上げております。MICE的なものを想定しているから、ある意味で、MICEのときなどは、そういう部分を活用することもあり得るのではないですかということを申し上げただけでございます。例えばMICE的なものができるのは、大変申し訳ないですけれども、これから十年後です。どうあがいても十年後にしか完成していない。ただ、その時点で築地のポテンシャルは変わらない。東京湾に面しているというポテンシャルは変わりませんから、例えばMICEが行われるというようなことになった場合に、当然、例えば羽田から船で来る人もいるでしょう。あるいはヘリコプターで来る人もいるでしょう。そういう交通手段が取り得る土地であるということです。築地の跡地というのは、そういうポテンシャルを成立させ得る土地であるということです。

 今、何回使われて、どのぐらいの騒音なんだというようなお話でございますけれども、そのことについては、実際にそこで造られて、どういう計画が示されるかによって協議をしていかなければいけないわけでして、大変恐縮ですが、それらについては、相当具体的な実施計画が出てきて、そのときにどういうふうな活用をするかというところについて具体的な計画が民間事業者から提示されない限り、その部分について、正式な回答はできないです。民間側の考え方が出てきた際に、その部分を含めて、地元の人間として、そういう運行計画、交通計画というものについて、築地を、我々の、いわゆる都心東京の本当に要の土地として生かしていくための必要性の問題と区民生活との間に横たわる問題について、区として整理をしながら、民間事業者と話し合っていくということになるだろうと思います。

 これらについては、具体的な運行計画的なものは、現実の実施計画の中で、都市計画の図面の中で、こういう形でヘリポートを造りますとか何かという話の計画が具体的に出てきた段階で、これらの運行計画についてどうなんだという話をお互いにする段階で明確になるものでございまして、私どもはその可能性に触れているだけでございます。先ほどから申し上げておりますように、私どもは、その可能性というものについて、五月の段階においても、これは基本的には調整事項だと申し上げている。近隣との間を含めて調整事項だということを要望書の中にはっきり書いてありますから、今後の調整事項でございます。その点、十分御理解をいただきたいと思います。

 舟運についての考え方でございます。

 今、お話がございましたように、私どもは、基盤としての舟運、いわゆる船着場の計画というものはしっかり事前につくっております。それをどう運行するかということでございますが、実は、我々のほうでいろいろ基盤整備をしながらでございますけれども、単純に言いますと、例えば日本橋川というところは、架かっている橋が結構低うございまして、実は、水かさが増えていったときに、あまり大きな船は運航できないという制約がございまして、そういう部分の課題も含めて、我々としては、御案内のとおり、豊海橋などについては極端に低い橋でございましたので、河口の部分の豊海橋の架け替えや補強等を現実にやっているわけでございます。

 そういうことをやりながら、実際にトータルの舟運をどう実現できるかということを、我々としては整理していきたいと思っておりますが、この部分については、実は、運航そのものも含めて、河川の部分は東京都の河川局なんです。ところが、一部朝潮運河に入り込んでくる部分になりますと、港湾局なんです。そういったところを調整しながら、実際にそれぞれの局とも調整をしながら、どういうふうな交通計画があり得るかということをやっていかなければいけない。たまたまその辺については、東京都のほうが社会実験ということで局をまたがる形で実施しておりますので、そういう結果を踏まえつつ、具体的な計画を立てていく必要があるだろうと思っておりまして、先ほど区長が答弁で申し上げましたように、こういった種々の社会実験に積極的に協力していくんだというのは、そういう趣旨でございますので、その点を御理解いただきたいと思います。

〔十番 青木かの議員登壇〕

○十番(青木かの議員)
 吉田副区長、どうもありがとうございました。

 今、副区長の答弁をお聞きしておりまして、一番多く出てきた言葉が調整という言葉です。私も、質問をするときに、それは気をつけるようにしておりまして、BRTにしろ、舟運にしろ、築地の問題にしろ、私たちは地元区でありながら、東京都の管轄である以上、やはり最終的には理事者の皆さんに東京都と調整をしていただく必要がある。私たちは何ができるかというと、その調整にいく前に質問をし、要望を出し、できるだけ私たちがみんなで持ってきた区民の皆さんの声を委員会などでお伝えして、あるいは一般質問でお伝えして、いい形で都との調整に入っていただきたいという思いで今日も質問をさせていただきました。

 船の件、ありがとうございます。

 築地です。ヘリポートの件、MICEということで国際会議場、早くても十年先ということで、まだ具体的なことは決まっていないということは大変よく分かります。ただし、先ほど申し上げましたように、ゆりかもめもそうですが、はっと気づいたときには、もう遅いんです。中央区議会議員として、できることがない。そういうことが今後ないように、区議会議員として、できるだけのことはやっていきたいと思っています。それが今回の築地の件です。

 要望書を私も見ましたが、一言ですよね。要望書を読んで、私は、恥ずかしいですが、理解できませんでした。そこから、築地に常時使うヘリポートができるとは想像できなかった。読み取れなかった。朝日新聞社の屋上にヘリポートはありますが、そこと何か関わりが出てくるのかなと。相隣の問題という言葉もありましたので、何か相隣に関することかなとは思いましたが、私の力不足です。全くではないですが、そこまでのことは想像できなかったので、今回の一般質問でお聞きいたしました。

 これから十年ということですが、世の中はがらりと変わります。その中でしっかりと勉強して、また質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。(拍手)

○議長(木村克一議員)
 次に、一番高橋元気議員。

〔一番 高橋元気議員登壇〕

○一番(高橋元気議員)
 中央区議会会派かがやき中央の高橋元気です。よろしくお願いいたします。理事者の皆様方におかれましては、活発な御答弁のほど、心よりお願い申し上げます。なお、再質問につきましては、あらかじめ留保させていただきます。

 東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会が、今月、幕を下ろしました。本区におかれましても、数年間、大会機運の醸成や区民の安全・安心な大会運営のため、多大な御尽力をされてきましたことに心より感謝申し上げます。

 様々な御意見はあったと思いますが、コロナ禍の中でオリンピック・パラリンピックを無事開催できたという事実は、国や都だけではなく、区としても、今後の行政運営において自信となり、生かされる側面は数多くあると思います。そして、大会終了後のこれからこそが、大会のレガシーを後世まで伝えるという観点からも、改めてまちの方向性を考える大きなターニングポイントになるのではないかと思います。

 さて、本区も、これから令和四年度の予算編成へと本格的に着手されるとは思いますが、八月十一日に発表された令和四年度予算編成方針の中では、このようにあります。

 コロナ禍における「新しい日常」の下、区民生活を守り、地域経済の速やかな回復に向け、積極的かつ着実に取組を進めていかなければなりません。区民の安全・安心のためにも感染症による危機から早期に脱し、本区がさらに機能的で魅力あるまちとして発展し続けるためには、職員一人一人が真の区民ニーズを的確に把握することはもとより、社会環境の変化に即応した効率的・効果的な行財政運営に一層努める必要があります。また、厳しい財政見通しの下、施策全般にわたり緊急度・重要度などの観点から再検証し取捨選択を行うなど、将来にわたり健全で強固な財政基盤を堅持していかなければなりません。

 つまり、このコロナ禍の中、厳しい経済状況、財政状況の中では施策全般の優先順位をしっかりと見極めて取捨選択をするべきであるとあります。本区においても、新型コロナウイルス感染症の世界的な影響による個人所得の減少や、ふるさと納税による税の流出により特別区民税の収入が伸び悩んでおり、特別区交付金も企業収益の影響を受けるほか、法人住民税の国税化の影響により、財政の先行きは明るいとは言えない状況です。そのような状況の中では、区として、まちづくりのビジョンを掲げ、施策の優先順位をつけ取捨選択することは、これまで以上に重要となってきます。

 さて、中央区の人口は、令和三年九月二日時点において、十七万一千五百三十三人となりました。少し伸び悩んでいるものの、月島地域を中心に、子育て世代家庭の流入は依然として多く、選手村跡地に開発されるHARUMI FLAGをはじめとした新たな再開発により、この五年間で二十万人都市の実現は目前に迫っております。これからの本区のまちづくりの方向性として、私は、改めて子供たちを核とした子供ファーストのまちづくりを提案いたします。

 同じく、子供ファーストのまちづくりを掲げ、成功している自治体が兵庫県の明石市です。明石市は、二○一一年に現市長が就任するまでは、人口減少が問題となっており、持続可能なまちづくりを行うに当たって岐路に立たされておりました。そこで、戦略的なまちづくりの方向性として、子供たちを核に捉えたまちづくりを明確なビジョンとして、現市長は、子育てに関わる予算、児童福祉費を十年間で百二十六億円から二百五十七億円と、約二倍にいたしました。財政規模は中央区と同じく、約一千億円から一千二百億円規模となります。

 そして、その予算にて実現した政策は、例えば公立中学の給食費の無料、第二子以降の保育料無料、高校生までの医療費無料、公共的遊び場の親子利用料の無料、ゼロ歳児見守り訪問と満一歳までのおむつ無料宅配などと、子育て支援策に徹底的に集中をいたしました。結果、子育て世代を中心に人口は八年連続で増加、市税収入も六年連続で増加して財政健全化に成功し、土地の価格も上昇を続けております。また、合計特殊出生率は、全国平均を大きく上回る一・七○へと上昇しました。中央区においては、二十三区の中では高いほうですが、合計特殊出生率は一・四二になります。そうした人口増加により得た租税収入をさらに福祉施策へ投入し、財政的な好循環を生んでいるだけでなく、まちに愛着を感じると答えた市民は九○%を超え、市民の定住化も進んでいるとのことです。まさに、持続可能なまちへと変貌した点が、今、注目されております。

 また、重要な点は、その全ての施策に所得制限を設けていない点です。現金支給ではなく、現物給付にこだわったという点です。所得制限を設けることで対象を絞った政策では、親の収入で子供が線引きされ、ボーダーラインでこぼれ落ちてしまう子供が出ます。そもそも、どこで線引きをするのか、もしくは無駄な議論や行政手続にエネルギーや経費を費やすこととなってしまいます。今の時代に必要なのは子供自身に焦点を与えた支援をすることであり、貧困をテーマに要らぬ分断を持ち込んでしまうことなく、全ての子供に手を差し伸べることです。また、現金を給付すると本来の目的で使われない可能性もあり、詐欺の可能性も出てくる。そうなると、まちのためになりません。低所得層はもちろん、所得に応じて高い税金と高い保育料を支払っている共働きの中間層の子育て世帯にも高い恩恵が実感できることにより、まち全体として子供を育てる意識が生まれる、この考え方に私も同意いたします。

 しかし、決して全てが順風満帆ではなかったようです。そもそもの財政難の状況で、この財源を捻出するためには、公共事業の見直し、市の職員の削減、給与カットなどを断行いたしました。また、必要な公共事業がなくなるのではないか、高齢者福祉が削られるのではないかといった反対の声も大きく、市議会でも予算案が否決されるなど、その費用対効果が数値として現れ、市民の理解を得るまでは数年かかったとのことでした。しかし、現市長の、まちをつくるのは人であり、これからの明石のまちをつくるのは今の明石の子供たちである、全ての子供たちをまちのみんなで本気で応援すれば、まちのみんなが幸せになるとの理念から、徐々に理解者は増えていったとのことです。

 このように、まちづくりの方向性が明確であるからこそ、まち全体が子供たちを育てるという意識の下、人が集まり、人が集まれば、そのお金を高齢者福祉や障害者福祉等にも潤沢に使うことができると、全ては子供たちへの投資から始まり、波及する戦略的なまちづくりを行い、成功していたのが明石市のまちづくりのコンセプトです。もちろん、本区と明石市では、その歴史的沿革や立地条件、住民構成や財政状況など、様々な点で異なる部分があり、単純に比較できるものではないと思います。しかしながら、まちづくりを一つのコンセプトに特化し、分かりやすく住民にメッセージを伝えていくことは非常に大切ではないでしょうか。

 片や、中央区も二十年前までは人口減少に苦しみ、再開発に当たり容積率の緩和を主軸として、戦略的に居住誘導政策を続けることによって、人口回復を果たした都市でもあります。最新の区政世論調査では、住民が求める施策は、高齢者福祉・介護と子育て支援が第一位と第二位となっております。区民からのニーズは明確にあります。

 まず、居住環境の整備からまちづくりを行った中央区の課題としては、果たして今住んでいる人が何十年も住み続けてくれるのか、持続可能な都市なのかという点は、大きな問題となります。タワーマンションなど集合住宅に住む住人は、定住性が低いとも言われます。投資目的で住宅を購入される方もいらっしゃいますので、高く売れるようなら、すぐに出ていくことも多い。そして、大規模修繕にかかる費用も膨大であり、そもそも三十年後、四十年後を見据えたときに、タワーマンション自体の将来的な維持管理ができるのかといった点も大きな課題です。

 本区としても、人口の回復後、住民サービスの向上を目的として、学校や保育園などの公共施設の整備や改修、商業施設等の誘致に開発方針を切り替え始めていることは重々承知をしております。そこで、もう一歩、二十年後、三十年後を見据えたまちづくりを進めるためにも、私は、さらに大胆に子供たちを核にした子育て支援策をより重視した予算編成を要望いたします。そのような施策により、住民の定住化を促進していくべきではと思っております。

 そこで、お伺いいたします。

 第一に、本区の令和四年度の予算編成方針において、施策については、施策全般にわたり緊急度・重要度などの観点から再検証し取捨選択を行うとありますが、具体的に、どのような施策を重視し優先順位をつけて選択を行うのか、方針を教えてください。

 また、その施策の優先順位をつけるに当たっては、前年度の施策の評価の方法が適切である必要がありますが、どのような方法をもって評価を行っているのか、改めて教えてください。

 次に、兵庫県明石市のように、本区においても子供たちを核とし、まちづくりを行うとの明確なメッセージの下、令和四年度の予算編成を行うべきではと思いますが、大胆に子供に対する予算を割り当てる、子供ファーストのまちづくりという考え方についてどう考えているか教えてください。

 続けて、明石市の取組を参考に、具体的な子育て、子供を対象とした支援策の考え方について順次お伺いいたします。

 本区においては、子ども医療費については、十五歳到達後、最初の三月三十一日まで負担がなし、無料とされております。こちらの取組は非常に区民からも評価が高く、中央区に住み続けてよかったと言われる点でもあります。

 一方で、区内には都立晴海総合高等学校などを抱えるものの、ほとんどの子供たちは、中学卒業後、区外の高校へ通うこととなります。高校生を持つ家庭にとっては、子育てに係る経済的な負担は大きく、さらにコロナ禍の中にあって生活は厳しくなっております。そこで、高校生世代の子供を持つ家庭の経済的負担の軽減を一層図り、経済的な理由で病院へ行くことをためらうことがもちろんないよう、本区の子ども医療費助成制度の拡大を提案いたします。本区の子ども医療費助成制度においては、十五歳到達後、最初の三月三十一日まで医療費が助成されるものでございますが、これを高校生までに延長し、十八歳到達後、最初の三月三十一日までとする考えがあるか、教えてください。

 次に、公立学校給食費の無料化についてお伺いいたします。

 子育てにかかるお金、特に保育・教育費用は多岐にわたります。本来、憲法二十六条にて保障されております教育を受ける権利、義務教育はこれを無償とするとの精神に立てば、給食費をはじめ、教育の一環である一切の費用は無料にすべきとも思います。

 そこで、お伺いいたします。

 兵庫県明石市においては、国の幼児教育・保育の無償化に伴い、二○二○年四月から公立中学校の給食費を無料としておりますが、本区において、公立学校給食費の無料化の必要性については、どのように考えているか、教えてください。

 次に、待機児童問題についてお伺いいたします。

 中央区子ども・子育て支援事業計画の中で、令和四年度には保育定員を二百人以上拡大し、待機児童ゼロを実現する、つまりは保育定員が区民からの申請を上回るとされています。目標が半年後に迫り、改めて気になるのは、需要の大きいゼロ歳から二歳児も含めて、本当に定員が余る状況になるのかという点です。

 そこで、お伺いいたします。

 本区が打ち出しました令和四年四月時点における待機児童ゼロという目標が目前に迫っていますが、特に需要の大きいゼロ歳から二歳児の待機児童解消も含めて、本当に実現が可能か、改めてお聞かせください。

 次に、保育料の無料化についてです。

 国の幼児教育・保育の無償化により、三歳から五歳の全ての保育料が無償化の対象となり、ゼロ歳から二歳児については、住民税非課税世帯が無償化の対象となりました。一方で、所得制限により、ゼロ歳から二歳児を抱える多くの世帯においては、その対象となりません。保育ニーズが高いのは、言うまでもなくゼロ歳から二歳児であり、優先すべき世代なのに所得制限が設けられております。本当に少子化対策を考え、持続可能な社会を目指すのであれば、所得制限を設けない完全無償化を今すぐにでも全国で行うべきであると思っています。

 保育料の無料化は、本区が特に多く抱える中間層にこそ恩恵の大きな施策です。また、二人目を産んで育てたいと思えるかどうか、これは少子化対策の分岐点です。大人になって中央区を出ていった方々が、二人目の子供を産むために中央区に帰ってきてくれるかもしれない。子供が生まれ、一人目がまだ小さいうちは仮住まいで十分ですが、一人目が大きくなり、二人目が欲しいというタイミングで、どこに本住まいを構えるかを人は考えると思います。定住誘導しやすいタイミングは、二人目を産む前が最適なタイミングです。第二子を産む前の若い世帯、本区が最も抱える世帯にこそ響く施策を効果的に打ち出すべきではないでしょうか。

 そこで、お伺いいたします。

 二人目の子供を産みやすい環境を整え、持続可能な子供ファーストのまちをつくるためにも、本区においても、第二子以降の保育料を所得制限なしで完全に無料化するべきではと考えますが、その必要性についてどのように考えているか。また、その実現が難しい場合であっても、認可外保育所等に預ける家庭へのさらなる助成など、さらに手厚い助成制度の創設を要望いたしますが、その考えについてもお伺いいたします。

 次に、ゼロ歳児を抱える家庭へのサポートについてもお伺いいたします。

 本区においても、子ども家庭支援センターを中心として、妊娠・子育てに不安を抱える方に対するサポートを充実させているところではございますが、実際に家庭を見て回ることによって、相談ができることも、様子を見ることもできると思います。明石市では、子育ての悩みを把握するとともに、紙おむつなどの赤ちゃん用品を毎月無料で届けるゼロ歳児見守り訪問という施策を実施しています。このような、こちらから訪問してサポートをしていくという施策も、時には有効ではないかと考えるところでございます。

 そこで、お伺いいたします。

 ゼロ歳児がいる家庭を見て回り、子育ての悩みや困り事を把握するとともに、紙おむつなどの赤ちゃん用品を毎月無料で届けるゼロ歳児見守り訪問、おむつ定期便について、本区においては、その必要性をどのように考えているか、教えてください。

 次に、保育士の方々の待遇改善についてです。

 改めて論じるまでもなく、このコロナ禍の中においても、保育士の方々の負担は増大しております。保育施設を造った上で保育の質も上げていくために、保育士の方々へのさらなる支援が必要となります。本区においても、保育士等キャリアアップ事業や保育士資格取得支援事業、保育士等宿舎借上支援事業などを行ってはおりますが、直接的に保育士の方々を支援する制度について、導入の考えをお伺いいたします。

 保育士の方々の待遇改善策においては、本区においても様々な助成を行ってはおりますが、直接的に保育士の家賃や給料等を補助する制度について区独自で導入していく考えがあるか、教えてください。

 次に、親子による公共施設の利用推進についてお伺いいたします。

 コロナ禍においては、親子で一緒に遊べる場所を探すのも難しい状況であったかと思います。親子が一緒にもっと気軽に公共の遊び場を利用できるよう、例えば区内の天文館やスポーツ施設については、親子とともに区民の利用料を無料とするという考えがあります。本区においては、スポーツ施設については、中学生以下の利用は無料としておりますが、子供と同行する親の利用料も含めて、公共施設の利用を無料化するという施策の必要性については、どのように考えているか教えてください。

 最後に、里親制度への登録推奨についてお伺いいたします。

 日本では、児童相談所につないで一時保護した子供の中で、元の家に帰れる子供は五割程度といいます。また、帰れなかった子供たちの大多数が施設暮らしを余儀なくされます。ほかの欧米諸国では、七割ほどの子供が里親家庭に行くことができている現状で、日本では一割程度です。本区においては、児童相談所は現時点では設置せず、子ども家庭支援センター及び台東区と合同で運用するサテライトオフィスにて虐待防止体制を整備するとされております。一方で、全国的にも里親が不足している中、里親制度普及の啓発活動については積極的に取り組んでいくべきではないでしょうか。

 そこで、お伺いいたします。

 本区においても、様々な事情で保護者と暮らせない子供たちを支援するため、積極的に里親制度への登録を推奨していくべきと考えますが、本区における現在の里親制度の登録者数及びこれまでの取組と今後の方向性について教えてください。

 また、里親制度を体験してもらい、地域で子供を育てていくという意識を生むためにも、病気や出産のため、保護者が一時的に子供を養育できない場合等に、短期間専門のショートステイ里親制度もしくはボランティア里親制度を導入することについては意義があると思いますが、その必要性についてどのように考えているのか、教えてください。

 これにて私からの第一回目の質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 高橋元気議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、令和四年度予算編成についてであります。

 コロナ禍による厳しい財政見通しの中、拡大する行政需要に対し、限られた財源を有効かつ効率的に活用するためには、一定の取捨選択が必要となります。こうした中、新年度に重視する施策といたしましては、予算編成方針で定めたとおり、福祉や健康、防災対策、コミュニティなど、区民生活や地域活動に密接に関わる取組の着実な推進はもとより、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症の拡大防止と、地域活力を取り戻すための取組、ゼロカーボンシティ中央区宣言を踏まえた環境負荷低減に向けた取組、さらにはICTなどを活用した区民の利便性向上、行政の効率化などであります。また、施策の選択に当たっては、今取り組まなければ時期を失するかといった緊急性、課題に的確に対応し得るのかといった客観性、そして、目的とする成果が得られるかといった有効性を基本に判断する考えであります。これらを判断する際の評価については、利用者をはじめ、皆様から寄せられる意見や御要望のほか、各個別計画の進捗状況やフルコスト情報を活用した行政評価、さらには区政世論調査の結果など、様々な側面から事業や施策の課題等の把握に努めているところです。なお、未来を担う子供たちが健やかに育つまちづくりは、基本計画に掲げた施策の一つとして、これまでも本区が重視してきたところであり、家賃補助等の保育所開設支援や、認証保育所保育料助成、出産支援祝品及び新生児誕生祝品の贈呈、修学旅行費補助など、積極的な施策展開を図っております。こうした取組が評価され、現在、多くの子育て世帯が転入され、出生数も二千人を超える状況となっているものと認識しております。

 次に、子ども医療費助成についてであります。

 子ども医療費助成は、子供の健全な育成及び保健の向上に寄与するとともに、児童福祉の増進を図ることを目的に、病気にかかりやすいゼロ歳から義務教育修了までの児童を対象に実施しているところであります。対象者数は、現在、約二万四千人と、この五年間で五千六百人増加しており、今後も増えていくことが見込まれております。そうした状況にあって、高校生まで助成対象年齢を拡大することについては、将来的な財政負担や医療費の増加による各種保険制度への影響を考慮しなければならず、慎重に検討していく必要があると認識しております。区といたしましては、喫緊の課題である待機児童の解消に向けた認可保育所整備などの重点施策に財源を配分していく必要があるため、現在のところ、助成対象年齢を拡大することは考えておりませんが、今後も引き続き、様々な施策を通じて子育て家庭に対する総合的な支援に努めてまいります。

 次に、待機児童解消についてであります。

 本区では、待機児童ゼロに向け、認可保育所の開設を中心に、定員拡大を進めております。本年度は、十月の新規開設二園を含め、合計六園、三百九十七名の定員を新たに確保できる見通しとなっております。これにより、令和四年四月のゼロ歳児から二歳児までの保育ニーズへの対応は可能と考えており、待機児童の解消は達成できるものと認識しております。

 次に、第二子以降の保育料無料化等についてであります。

 子育て世帯の保育に係る経済的負担を軽減するため、認可保育園のゼロ歳児から二歳児の保育料につきましては、国の制度に基づき、第二子は半額、第三子以降は無償としており、第二子の無償化は考えておりません。また、認可外保育施設についても、国の制度に基づき、住民税非課税世帯で月額四万二千円まで保育料が無償となっております。現在、本区では、認可保育園の整備により待機児童の解消を目指しており、認可外保育施設の利用者へのさらなる助成を行う予定はございません。

 次に、ゼロ歳児の見守り訪問についてであります。

 本区では、赤ちゃんがいる御家庭を対象に、保健師・助産師による新生児訪問を実施しており、訪問事業以外では、区内七か所のあかちゃん天国や児童館八館に保育士等の資格を持つ子育て支援員を配置して、身近なところで気軽に子育て相談ができる環境を整備しております。さらに、出産後の孤立化や産後鬱対策として、育児支援ヘルパー事業やベビーシッター利用支援事業も実施しております。また、赤ちゃん用品の支給についても、新生児誕生祝品として区内共通買物・食事券を贈呈しております。現状においては、こうした取組により、見守りによる育児不安の解消や、子育てに関する必要な情報の提供などの役割は十分果たせているものと認識しております。

 次に、保育士の処遇改善についてであります。

 保育の質を維持・向上する上で、保育従事職員の処遇改善は必要不可欠なものと認識しております。区といたしましては、保育運営事業者が主体的に職員の雇用環境を改善することにより、その定着と専門性を向上し、経験豊富な職員による確かな保育を提供することが大切であると考えております。また、国や都においても事業者の取組を支援することを推進しており、今後も保育従事職員への直接的な支援ではなく、現行の制度を継続してまいります。

 次に、公共施設における利用料無料化についてです。

 区の施設は、それぞれに設置目的が定められており、受益者負担の観点から、原則として利用料を徴することとされているため、目的以外の利用や利用料の減免については、慎重な判断が求められます。御指摘のスポーツ施設における中学生以下の利用については、そうした考えの下、体育及びレクリエーションの場を提供するという施設の設置目的に合致し、子供のスポーツ活動振興の上で必要があると認められることから、無料としているところであります。区といたしましても、子供の健やかな成長には、保護者とともに気軽に遊び、過ごせる場が必要であることは十分に認識しておりますが、子供同伴の利用をもって一律に区施設における保護者の利用料を無料とすることは考えておりません。

 次に、里親制度への登録の推奨についてであります。

 里親制度は、東京都においては、養育家庭制度として児童相談所で実施しております。現在、本区では、四家庭が養育家庭として登録されています。区では、児童相談所と共催し、例年、パネル展示や相談会を実施するとともに、健康福祉まつりにおいて、養育家庭の体験発表会を実施してまいりました。今後も、より多くの区民の方に養育家庭として登録していただけるよう、広く制度の周知に努めてまいります。また、親の病気や出産などの理由による短期間のみの子供の預かりについても、現行の養育家庭制度で対応が可能となっております。加えて、本区においても、子どもショートステイを実施しており、対応はできているものと認識しております。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 給食費の無償化についてであります。

 保護者に御負担いただく給食費につきましては、食材料費の実費相当分であり、全て児童・生徒に還元されるものであります。一方、それ以外の調理員や栄養士の人件費のほか、光熱水費や給食設備に関する維持経費につきましては、公費負担としているところであります。また、本区では、従前より、子育て世帯への経済的支援を目的に、米飯給食に要するお米を現物により週三日支給しており、他自治体に比べ、給食費が廉価となっております。さらに、低所得世帯への負担軽減としましては、生活保護制度や就学援助により給食費を既に無償としております。こうしたことから、本区において、全世帯の給食費を一律に無償化する必要性は低いものと考えております。

 答弁は以上であります。

〔一番 高橋元気議員登壇〕

○一番(高橋元気議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございます。

 今回、令和四年度の予算編成方針が出され、そして、来年度の予算の優先順位をどうつけていくかという、まさに、今、議論がある中であると思っております。予算編成方針にも書かれ、今、御答弁をいただいたとおり、まずは喫緊の課題に対応すること、コロナ禍で財政が逼迫している中で、どこにお金をかければいいのかという点では、例えば子育て支援策でいえば、待機児童の解消を目指すために保育所の整備をすること、まずはそこに注力をしていくんだという形で私は理解をさせていただきました。その点につきましては、私も完全に同意ですし、今のコロナ禍の状況の中で、まずは本区が抱える課題を一つ一つ解決していくことというのは、私も重要であるかと思っております。

 一方で、どういう優先順位をつけるかという中で、例えばプライオリティ予算という考えがあります。予算に明確に優先順位をつけた上で、例えば三十一位以下をばっさり切っていくとか、完全に一位、二位、三位というような予算のつけ方をしていくという考え方もあるかと思っております。その見える化がなかなかされていないと私は思っております。現在の評価手法も、例えば行政評価の冊子などを私たちも頂いておりますけれども、結局はどういった優先順位がつけられているのかというのがなかなか不透明であるかと私は思っております。

 そして、子供ファーストのまちづくりという形で、ただいま私のほうからも提案をさせていただきましたが、社会福祉や区民活動、例えばコロナ拡大防止、地域コミュニティの活力をつけていく、環境負荷を軽減していく、ICT化をしていくなど、メッセージが多過ぎると思うんです。これだと、やはりなかなか伝わらない。あれもこれも全部やるということだと、これは優先順位というよりも、全てやるという形でのメッセージしか伝わらないので、区民の方からしたら、分かりにくいのはないのではないかと思っています。

 また、財源がないということであるかと思いますが、やはり覚悟を持って財源の捻出にも取り組んでいただきたいと思っております。各種団体や協議会、審議会への助成が適切であるか、もしくは公共事業の見直し、RPAやOCRが進んでいくのであれば、区役所内の単純業務の自動化・スリム化も行われるはずです。その中で、職員の数は適切なのかという点も、評価手法として、そして、大胆に財源が捻出できないかということを、外部からの評価も頼りに、しっかりと考えていっていただきたいと私は思っております。再質問はいたしませんが、その中で何ができるのか、何が優先なのかということも考えていただきたいですし、その結果、やはり私は子供に対するお金をもっとかけていただきたいと思っております。

 時間がないので、一つ一つ言えませんが、子ども医療費助成制度の延長についても、給食費の無料化の必要性についても、代替手段があるという形では理解をさせていただきました。その結果、対応ができているという御答弁が全てであったかと思っています。ただし、一方で、それがカバーできない世帯ももちろんいるはずです。所得制限が設けられて、住民税非課税世帯にしか現金給付がされないとか、支援ができないといった部分、まだ日が当たっていない部分もあるはずです。それも含めて、ぜひもう一度考えていただきたいと思っています。

 所得制限なしでの第二子以降の保育料の無料化も同じですが、お金がないから対応ができないではなくて、代替手段があるから対応しないではなくて、しっかりと財源がもし捻出できるのであれば、それも含めて、ぜひ前向きに検討していただきたいと思っております。その上で、子供たちのための施策に力を入れることができるような中央区の運営をしていただきたいと私は思いますので、要望させていただきます。

 今回、第三回定例会の場でこの質問を取り上げさせていただいたのも、区内でもワクチン接種率が七割を超え、ようやく暗いトンネルを抜けかけているタイミングでの令和四年度の予算編成に取りかかるという状況で、ぜひ、今を切り抜けるだけではなくて、未来のまちづくりをテーマに考えていただきたかったからです。

 私も、これまでの本区の取組を拝見させていただいておりますが、本区はまちづくりのプロであると思います。都市整備、再開発事業等については、中央区はもちろんプロであって、それは区長や副区長をはじめとして、職員の皆様がプロ意識を持って地元の方々との間に立って施策を進めてこられたからであると思っております。結果、人口は十七万人まで回復いたしました。区民の満足度も高いです。

 一方で、本区が苦手としているのは、はっきり申し上げれば、世代交代であると思っています。箱を造るだけではなく、人をつくっていくこと、次の世代にバトンを渡していくこと、今、自分たちがよければいいというわけではなく、若い世代、そして将来の子供たちにしっかりとその経験や知識をバトンとして渡していくことであると思っています。現時点で、本区も子育て支援策には力を入れていただいております。待機児童問題も解消に向かっています。それは、すばらしいことです。でも、それは今いる人たちの暮らしが助かるという応急処置の問題であると思っています。もっと積極的に、本区で子供を産み育てたいと思われる都市を目指して、持続可能な都市を目指すためにも、より一層の子供ファーストのまちづくりを要望させていただきます。

 そして、それは決して御高齢の方などをないがしろにしているわけでも、差別しているわけでもございません。将来世代にバトンを渡していくこと、若い世代がまちをつくっていくこと、最も大切なのは未来に投資をしていくことではないでしょうか。自分たちがよければいいでは終わらせない、ペイフォワードの精神を持って、私たちが一緒になってまちをつくり上げていくことを心より期待しております。

 以上をもちまして私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴誠にありがとうございました。(拍手)


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後三時二十二分 休憩


     午後三時四十分 開議

○議長(木村克一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。

 十七番墨谷浩一議員。

〔十七番 墨谷浩一議員登壇〕

○十七番(墨谷浩一議員)
 中央区議会公明党の墨谷浩一でございます。私は、令和三年第三回定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、通告書に従い、区長並びに関係理事者に対し質問をさせていただきます。どうぞ意のあるところをお酌み取りいただき、明快にして建設的な御答弁を期待するものでございます。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 新型コロナウイルス感染症対策について、順次質問をいたします。

 新型コロナウイルス感染症の第五波が各地で病床逼迫を起こし、九月一日時点で自宅療養者は十三万人を超えたとの緊迫した報道がありました。病床の逼迫で、すぐに入院できない自宅療養者が過去にない増加を示しました。東京都では、重症化を防ぐ切り札として、軽症から中等症の患者に対して酸素吸入や抗体カクテル療法などの医療を受けることができる施設を拡充してきました。区内の築地市場跡地にも、九月二十日に酸素・医療提供ステーションの設置がされたところです。

 区では、自宅療養者への支援体制の強化について、八月二十七日付でホームページにおいて、新型コロナウイルス感染症の自宅療養者への支援体制の強化を公表しました。保健所の人員の充実をはじめ、パルスオキシメーターの購入、食料品の配送の強化で、地域医療との連携を強化していくことを公表しました。また、新型コロナワクチン接種の加速化の取組として、希望する妊娠中の方などへの優先接種や、京華スクエアに集団接種会場を新たに設置し、体制の強化を図っています。九月十二日時点で、六十五歳以上の接種率は、一回目八八・九%、二回目八七・三%となっており、全対象者では一回目六八・四%、二回目の接種率五五・三%となっております。本区としても、最大限に命を守る新型コロナ対策を行ってきたと感じております。

 東京感染症対策センターのアンケート結果では、コロナワクチンを「おそらく接種しない」、「絶対に接種しない」と回答した人の割合が、二十代男女でそれぞれ一九・○%、一八・八%、接種しない理由には「副反応が心配」、「ワクチンの効果に疑問がある」のほか、「感染しても自分は重症化しないと思う」や「接種のために外出するのがめんどう・時間がとれない」という回答が多かったとの結果が出ました。ワクチン接種をめぐる多くのうわさが、SNSなどネットを中心に広がっています。中には、科学的根拠のないうそやデマも散見されます。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 本区では、区のおしらせ、ホームページ、SNSをはじめ、様々な媒体を活用した情報発信を行ってきたところですが、ワクチン接種をしない理由が間違った情報を基にされている可能性もあります。そこで、今後も継続的に、分かりやすい、正しい情報の発信が求められていると思います。行動変容につながる積極的な情報の提供に努めていくべきと考えますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、オンライン診療などのさらなる充実について。

 本区では、区ホームページで、九月十三日に、自宅療養者などに対する医療支援体制の強化が発表されました。自宅療養される方が安心感を得られる取組と感じました。品川区では、新型コロナウイルスに感染した比較的症状の軽い自宅療養者に円滑にオンライン診療を提供する、通称品川モデルを六月から展開しています。患者の不安解消と感染拡大に伴う過重な保健所業務の負担軽減につながり、注目を集めています。

 また、報道によりますと、東京都医師会の尾﨑治夫会長は、都内全域の自宅療養者・待機者に対して、地区医師会、往診専門医、在宅専門診療所、訪問看護など二十四時間見守り体制を導入すると発表したとあります。また、政府分科会の尾身会長は、九月十六日、新型コロナ感染の第五波について、新規感染のピークは過ぎたとし、第六波が到来する可能性や新型コロナ感染症の第六波に備える動きがあることと冬場に再拡大が懸念されることで、医療提供体制の構築を進める重要性を指摘していました。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 本区でも、医師会、薬剤師会などと連携して、地域ぐるみで自宅療養者を支えるオンライン診療などの仕組みの強化が求められていると考えますが、本区の電話・オンライン診療の現状と課題、今後の考えについて区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、経済対策について。

 中央区では、新型コロナウイルス感染症により事業活動に影響を受けている中小企業者等の皆様を支援するため、中央区中小企業あっせん融資制度、新型コロナウイルス感染症対策緊急特別資金をいち早く創設し、緊急融資を行っています。そして、その他支援策として、経営相談、経営セーフティ共済加入補助金、ECサイト活用補助金、販路拡大等支援事業補助金などを行っております。また、四月には、最大二○%戻ってくるキャッシュレス決済によるポイント還元キャンペーンを行いました。そして、区内共通買物・食事券、ハッピー買物券の増額発行もしました。それぞれのキャンペーンは、地域経済の活性化に資する取組と考えます。

 東京都では、令和三年度補正予算で「東京都生活応援事業~コロナに負けない!~」と題して、キャッシュレス決済などのプレミアムを市区町村に対して財政支援をしており、積極的に活用すべきと考えます。また、今後、例年六月に発行しているハッピー買物券はそのまま並行して、デジタルの力を活用したキャッシュレス決済によるポイント還元キャンペーンも行うべきと考えます。四月のキャッシュレス決済は、QRコードを用いた非接触型決済でお釣りもありませんし、商品券型に比べて支払いが比較的スムーズになっており、利便性が高いと考えます。しかし、QRコード決済を活用しない人にとっては、デメリットとなってしまいます。

 そこで、第三点目にお伺いいたします。

 六月の第二回定例会で、我が会派、田中広一議員の質問に対する東京都生活応援事業の活用についての答弁では、事業効果と財政負担の軽減の両面から検討していくとのお答えをいただいております。今年度の東京都生活応援事業の有効活用についてのお考え、そして明年度はハッピー買物券とキャッシュレスによるポイント還元、両方のキャンペーン実施についてのお考え、そして、今後の本区が目指す経済支援について、それぞれ区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、命を守るがん対策について。

 九月は、がん征圧月間でもあります。東京都がん対策推進計画(第二次改定)によりますと、一九七七年以降、都民の死因の第一位であり、都民の死亡者のおよそ三人に一人ががんで亡くなっております。国では、二○○六年、がん対策基本法の制定がされ、その後、第三期がん対策推進基本計画が発表されております。東京都では、二○○八年、東京都がん対策推進計画が策定されました。二○一八年三月には、第二次改定がされています。東京都では、三人に一人ががんで死亡、死亡者数の約八五%が六十五歳以上となっています。中央区保健医療福祉計画二○二○には、死亡原因として、悪性新生物、がんが三二・二%で一位となっています。

 公益財団法人日本対がん協会の二○二一年三月二十四日のお知らせによりますと、新型コロナウイルス感染症の流行で、がん検診の受診者が減少している実態を把握するため、全国のグループ支部の協力を得て、二○二○年の受診者数を調査しました。二○二○年に実施した五つのがん検診の受診者は延べ三百九十四万一千四百九十一人で、二○一九年の五百六十七万七百九十六人から百七十二万九千三百五人減少し、対前年比三○・五%の大幅減となっている調査結果を公表しました。受診率については、国のがん対策推進基本計画において、五○%以上の達成が個別の目標の一つに掲げられています。本区のがん検診については、子宮がん検診を除いて、受診率が下がっているとお聞きしたところでございます。

 中央区健康・食育プラン二○一三には、がんは生活習慣病であることを認識している区民を増やすとあります。生活習慣病の改善により、がんのリスクを低減することができます。本区では、健康福祉まつり、生活習慣病予防講演会、一般保健相談、区のホームページなどを通じて、がんに関する正しい知識の普及啓発を行っています。しかし、生活習慣病の改善により、がんをはじめとする病気のリスクが軽減することを理解しているが、実行できない環境にいる方もいるのではないでしょうか。がん予防に向けた生活習慣の改善を促してきましたが、さらなる取組が必要と思います。

 また、がんの中には、ウイルスによる感染が原因となるがんもあります。区ホームページに「乳がんについて正しく知ろう」とのページがあります。乳がんについてはもとより、本区の取組の紹介や外部サイトの連携がされており、正しい知識の普及につながっていると考えます。がんに対しての分かりやすい、正しい医療情報の提供・発信が必要と考えます。リンク情報も含めて、さらなる充実の取組が求められていると思います。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 さらなるがん検診受診率向上の取組について、また、がんに対するヘルスリテラシーの向上が必要と考えますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、がん教育について。

 国では、第三期がん対策推進基本計画が、平成三十年三月九日、閣議決定され、がん教育、がんに対する知識の普及啓発が盛り込まれました。新学習指導要領に基づき、中学校では今年度から保健体育の教科書が改訂されるなど、がん教育が本格的に始まっていると思います。教科書に専用のページが取り上げられているそうで、がん撲滅に向かって進んでいると感じております。東京大学中川恵一特任教授は、がん教育に取り組んだ自治体では、検診受診率が急増したケースもあった、子供が親に受診を促したためだが、大人へのがん教育にも引き続き取り組んでもらいたいと指摘されています。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 本区のがん教育について、現状と今後の取組、課題について、教育長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、中央区版がん対策推進基本計画の策定について。

 本区では、健康・食育プラン二○一三が策定され、基本目標の一つとして、がん対策の充実が掲げられております。その中では、定期的ながん検診をすることで早期発見・早期治療の重要性を指摘しており、がんのリスクを高める要因として、喫煙、過剰飲酒、運動不足、肥満・やせ、野菜・果物不足、塩分・塩蔵食品の過剰摂取といった生活習慣ががんになるリスクを高めることから、施策の取組が示されています。がんの早期発見・早期治療、がん予防に対する正しい知識の習得と支援体制の推進、たばこ対策の推進、以上ががん対策の充実として掲げられておりますが、健康・食育プラン二○一三も二○二三年で十年を迎えることから、見直しが求められております。

 そこで、第三点目にお伺いいたします。

 平成二十九年第四回定例会にて、(仮称)中央区版がん予防対策推進計画の策定を質問しましたが、区長さんの御答弁では、都では、国の新たな計画を踏まえたがん対策推進計画の改定を本年度内に予定していることから、これまでの動向を見極めながら、今後の取組について検討していくとの御答弁をいただいております。その点に対しての区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、高齢者施策の充実について。

 令和三年一月の人口推計によりますと、六十五歳以上の人口は、令和三年一月で二万五千百六十一人、令和十三年には三万二千三百八十四人と、着実に六十五歳以上の方が増加していくことが分かります。フレイルとは、加齢に伴い、体力や気力が低下し、食欲や活動量が低下して虚弱になっていく状態をいいます。要介護状態の兆候に早めに気づいて介護予防の対策を取れば、フレイルから健康に戻れます。フレイル対策には、社会参加、身体活動、栄養の三つの柱でしっかりと対策することが重要となります。そのため、フレイルに対する啓発は重要と考えます。

 二○二○年四月から、後期高齢者医療制度の健康診査で、フレイル健診という十五項目の質問に答える新しい健診がスタートしました。早期にフレイルを発見して、早期に既存のサービスにつなげる取組が求められていると思います。本区では、独自に六十五歳以上の方も対象にフレイル予防健診が行われており、早い段階でのフレイル予防の取組を進めています。

 健康寿命とは、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間です。高齢になっても制限なく日常生活を送れるような啓発が重要になっていると思います。健康寿命を延ばす施策が詰まったパンフレット「今すぐ実践!お役立ちガイドブック」が、本年五月に六十五歳以上の世帯に郵送されています。目次を見ると、運動編、生きがい編と大きく分かれ、自分に適した健康づくりができるお役立ちガイドブックになっております。報道によりますと、コロナ禍の影響で健康寿命に影響があると指摘され、感染すると重症化しやすい高齢者が外出を自粛した結果、運動不足で体力が低下する事態が懸念されています。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 フレイル予防健診を開始して、受診結果を踏まえて、コロナ禍でのフレイル予防をどのように考えていますか。現状や課題など、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、デジタルディバイドについて。

 本区では、令和三年二月に中央区情報化基本方針が示され、区民にとって、より便利でやさしい区役所の実現に向けてスタートしています。コロナ禍で、高齢な方がスマートフォンに機種変更するケースが多くなっていると思います。私が接する方の中にも、スマートフォンに機種変更されたと、お孫さんの写真を壁紙にされていて、見せてくれるケースもあります。比較的簡易な機能を画面に集約して、使いやすさを訴求したスマートフォンが人気のようです。携帯ショップなどでも、スマートフォンの利用教室を開催しているケースを目にします。本区でも、本年六月にオープンした多世代交流スペース「はまるーむ」にて、スマホちょこっと相談会を開催しており、勝どき敬老館では、定員四名で、スマホ講座を月三回程度行っていると伺っております。

 新型コロナウイルス感染症の拡大が加わり、社会のデジタル化が進む中、デジタル技術を扱うことができる人とできない人との間に生じる格差、デジタルディバイド、情報格差の是正が求められていると思います。今後、区の行政手続や情報発信など、デジタル化が急速に進んでいきます。災害時の情報収集などにも活用が見込まれるものと考えます。東京都では、デジタル機器に不慣れな高齢者が安心してスマートフォンを利用できるようにするため、二○二一年度当初予算案に約二億円の関連費用を計上したそうです。また、渋谷区では、スマートフォンを二年間貸与し、実証実験を開始したとの報道もあります。デジタルディバイドの是正が進むことにより、キャッシュレス化や、プッシュ型の情報収集、各種申請を自宅などでできるという、区民の皆様にとってのメリットも大きいと思います。現時点では今までの窓口業務がなくなるわけではありませんが、自治体にとっても、デジタル化による業務の効率化、情報発信がしやすいなど、様々なメリットがあると思います。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 本区が考える高齢者のデジタルディバイドの是正に向けての取組について、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、高齢者の住み替え住宅について。

 高齢になり、子供たちも自立して、住み替えを希望される方の相談をいただくことがあります。高齢な方が不動産屋に行き、入居を断られたとのお話をお聞きしたことが何回もあります。高齢な方に大家さんが貸したくないとのことです。そのような課題解決に対して、東京都は、東京ささエール住宅等の住宅セーフティネット制度を導入し、高齢者らの住まいを借りやすくする施策を進めております。本区としても、住宅セーフティネット制度のさらなる周知が必要と考えます。私が感じることですが、ここ最近は特にひとり暮らしを希望する方の民間住宅が減っていると感じます。不動産屋の話によりますと、五年ぐらい前は七万円弱のワンルームマンションがあったが、最近は特に減ってきたとの話も聞きます。入居はタイミング次第とのお話もいただきました。また、第五十一回中央区政世論調査には、区に望む高齢者保健福祉サービスの回答に、「高齢者向け住宅の整備・誘致」が三八・二%と上位になっております。

 本区には、高齢者向け優良賃貸住宅が四つあります。サービス付き高齢者向け住宅、ココファン勝どきは、所得に応じて家賃減額制度がある住宅です。今後、晴海にサービス付き高齢者向け住宅が建設されると伺っているところです。都営住宅の地元募集が中央区でも過去にありましたが、不定期な募集に終わっています。定期的な募集が求められていると思います。都営住宅の地元募集は、本区民のみの申込み・抽せんとなるため、区民の方へのメリットがあります。

 そこで、第三点目にお伺いします。

 誰もが住み慣れた地域で安心して住み続けられるよう、住み替え支援として、都営住宅の区民割当の充実と、高齢者向け優良賃貸住宅の誘致がますます求められていると思います。また、東京都の住宅セーフティネット制度の普及・活用により、高齢者の住み替え促進がされることが求められていると考えます。今後、ますます増加が見込まれている高齢者住み替え支援について、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 続いて、道路陥没対策について。

 東京都は、東日本大震災を踏まえ、首都直下地震などによる新たな被害想定を平成二十四年四月十八日に公表しました。そのうち、中央区の被害想定は次のようです。震源地は東京湾北部、震度六強、一部七、規模、マグニチュード七・三、気象条件は冬の平日十二時・十八時、風速八メートル毎秒で、発生確率が南関東で発生するマグニチュード七程度の地震、今後三十年以内に七○%の確率で発生、震度六強では耐震性の低い建物が破損する可能性があり、区内では一千九百四十二棟が全壊し、四千四百四十四人が建物の倒壊等により自力で脱出が困難になるとの想定が出ています。また、本区の死者は最大百六十二人、負傷者八千五百三十三人、ライフラインは上水道六八・五%、下水道二九・五%、ガスは二・六から一○○%、電気四○・三%、電話は一・八%に支障が出ると想定されています。そして、東京都内では、帰宅困難者が約五百十七万人、区内でも約三十万人と、行き場を失った人たちが滞留することが懸念されております。

 本区では、令和三年に中央区地域防災計画が修正され、首都直下地震をはじめ、風水害など総合的な防災力の向上に取り組み、大規模災害や感染症流行などの教訓を踏まえた災害に強い中央区の実現を目指しております。また、令和三年度には、地域防災計画の指針となる国土強靱化地域計画の策定をしているところです。

 さて、道路の陥没について、国土交通省調べでは、二○○五年度で約六千六百か所の道路の陥没が確認されております。本区では、平成十二年から定期的な路面下空洞調査を行い、道路下にある空洞を早期に発見し、重大な被害をもたらす道路陥没を未然に防ぐため、路面下空洞探査車などを使用した調査を実施しております。年々空洞の大きさが小さくなっていると伺っているところです。年間調査延長は、車道約二十四キロメートル、歩道約五キロメートルで、調査頻度としては、エリアや路線ごとに分け、車道は五年サイクル、歩道は七年サイクルで毎年行い、緊急時には必要に応じて調査の実施を行っています。災害時想定したときにおいても、区道の管理には日常的な巡回点検に加えて、定期的な路面下空洞調査などは有効であると思います。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 道路には、災害時に緊急物資を搬送する車両の走行空間の確保、けがをした人の緊急輸送などの確保が求められております。大変に重要な点であり、今後の中央区地域防災計画に反映させる必要があると考えます。区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、大規模災害時の路面下空洞緊急調査について。

 大規模災害時において、道路の安全を確保することは非常に重要なことは言うまでもありませんが、緊急物資の輸送や人命救助や消防活動等の緊急車両の通行の確保が求められており、地震発生時等においては、路面下の空洞が急激に大きくなり、道路が陥没する事例があります。国土交通省の下水道の維持管理の資料によりますと、管路施設に起因した道路陥没件数の推移が示されています。東日本大震災で、平成二十二年度約一千五百件、平成二十三年度約九百件、平成二十八年度は熊本地震、鳥取県中部地震で約一千三百件となっております。

 大規模災害時に、路面下空洞調査が災害査定に活用された事例について紹介いたします。

 二○一六年四月に発生した熊本地震で甚大な被害を受けた宇城市は、災害発生後に緊急車両や輸送車両が安全に通行できるように、早急に路面下空洞調査を行いました。その後、速やかに道路の補修・復旧がされ、補修費などの費用が災害査定に認められたそうです。二○二一年三月に作成された中央区道路維持管理計画には、調査対象路線以外についても、緊急時など必要に応じた調査を実施するとの記載があります。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 大災害時における区内にある特定緊急輸送道路、緊急輸送道路など主要な道路の安全確保が求められております。発災後に速やかな路面下空洞調査をすることにより、緊急車両や輸送車両などが安全に通行できます。大規模災害時の路面下空洞緊急調査が必要と考えますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、大規模災害時を想定した災害協定について。

 熊本地震で甚大な被害を受けた宇城市の例もあるように、周辺自治体が後手の対応となる中で、早急に路面下空洞調査ができたことにより、発災後の緊急車両、輸送車両が安全に通行できる筋道ができ、災害査定にも活用できるメリットがあります。板橋区では、地震、風水害及びその他の災害が発生した場合における道路機能の確保などを目的として、民間の路面下空洞調査会社と平成三十年八月に災害時における応急対策業務に関する協定書を締結し、大規模災害の備えをしております。

 そこで、第三点目にお伺いいたします。

 本区としても、地震などの大規模災害が発生した直後の対応を、事前に協定を結ぶことにより、より速やかな路面下空洞調査を実施する体制が整います。路面下空洞調査会社との災害協定の締結が必要と考えますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、食品ロス削減対策について。

 東京都では、東京都食品ロス削減推進計画を立て、二○三○年目標を、二○○○年と比較して半減させる計画です。二○五○年には、食品ロス発生量ゼロをゴールとして目標を掲げ、目標達成に向けた施策の展開を進めております。都の資料によりますと、日本国内の食品ロス発生量は六百十二万トンで、事業系が三百二十八万トン、家庭系が二百八十四万トンとなっています。都内の食品ロス発生量は約五十一万トン、事業系が三十八・五万トン、家庭系が十二・五万トンであり、事業系が七割以上を占めています。

 私は、過去に、食品ロス削減の取組の視察で長野県松本市、世田谷区、杉並区などを訪問いたしました。長野県松本市では、全国に先駆けて、平成二十二年度から食品ロス削減の取組を進めており、三○・一○運動の発祥の地でもあります。松本市の食品ロス削減推進店での一般市民の意識変化調査では、実に、九割を超える人が取組の意思があり、食品ロス削減への関心が高いことが分かりました。いかに行動に結びつけ、継続させるかが重要との結果が得られておりました。動機づけにより、半数を超える人に意識の変化が見られることが調査で分かったとのことです。食品ロス削減への啓発の取組の重要性が分かります。

 食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄される食品のことで、フードドライブとは、家庭などで使い切れなかった食品を持ち寄り、集め、フードバンクなどを通して必要な方に届けられます。本区では、食品ロスを減らし、食品の有効利用を図るため、令和二年八月三日から、中央清掃事務所においてフードドライブの常設受付窓口が開設されました。また、令和三年一月四日から、フードドライブの受付窓口が増設され、利便性の向上が図られました。フードドライブの認知度によりますと、「知っている」三七・一%、「知らなかった」六一・四%となっております。このことからも、さらなる啓発の取組の余地があると思います。十月は食品ロス削減月間でもあり、広報をはじめ、啓発の取組をされると思います。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 フードドライブのさらなる啓発の取組と、本庁舎のフードドライブの受付は七階にありますが、目につきやすい一階に移設することにより、認知度が向上すると考えますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、食品ロス削減の取組の充実について。

 江戸川区では、三○・一○運動の推進、あなたのまちの食べきり推進店、おいしく!たのしく!食品ロス削減!食べきりレシピ大募集!などを行っております。私は、過去に調査で江戸川区にある飲食店に食事に行きました。御飯の量などの増減をお願いしやすいように、メニューにも工夫がされ、あなたのまちの食べきり推進店のステッカーがあり、積極的な取組をしていることも分かります。昨年は富山県で食品ロス削減全国大会が開かれ、本年は第五回食品ロス削減全国大会豊田大会として、愛知県豊田市で行う予定です。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 平成二十九年第四回定例会での御答弁で、本区ならではの取組を検討していくとの区長御答弁をいただいています。本区でも、食品ロス削減の普及啓発に取り組んでいますが、家庭での取組、飲食店、企業などの取組について、本区の特性に合った施策の拡大が求められていると思います。区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、食品ロス削減推進計画の策定について。

 本区では、食品ロス削減の取組を行っているところですが、施策の拡大に向けて、SDGsの視点を踏まえて、本区と区民、関係団体、事業者等が食品ロス削減計画の目標達成に向けて取り組める環境整備が求められていると思います。中央区一般廃棄物処理基本計画二○二一には、食品ロス削減推進法に基づく食品ロス削減推進計画の検討を行っていることが重点取組としてあります。

 そこで、第三点目にお伺いいたします。

 本区の食品ロス削減推進計画の策定について、早期に整備が求められていると思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 第一回目の質問を終了いたします。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 墨谷浩一議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、新型コロナウイルスワクチン接種に関する情報提供についてであります。

 本区では、ワクチン接種の効果等についてホームページに掲載するとともに、接種に関する説明書を接種券に同封するなど、周知を行ってまいりました。また、ひとり暮らし高齢者に対するチラシによる勧奨や、ワクチン接種支援薬局の開設などを行ってまいりました。こうした取組を通じて、状況に応じた正しい情報の提供に努めてきたところであります。今後も、感染拡大防止のため、一人でも多くの区民に接種していただけるよう、区のおしらせやSNS等、様々な媒体を用いて、科学的根拠に基づいた正確な情報を分かりやすく発信してまいります。

 次に、電話・オンライン診療等の充実についてであります。

 今回の第五波のように患者数が急増した際に、病床が逼迫し、やむなく自宅療養となる方が増加した場合には、電話・オンライン診療が重要な役割を担います。現在、区内の医療機関においても、新型コロナウイルス感染症の自宅療養者に対応するオンライン診療が広がりつつあると認識しています。電話・オンライン診療においては、自宅において医療を希望される方や、保健所に体調を相談された方をどのように医療機関につなぐかが重要となります。また、電話・オンライン診療は、投薬等の軽症者対応が中心となるため、さらに病状が悪化した場合には、往診や酸素・医療提供ステーション、軽症・中等症対応病床など、他の医療資源が必要となります。区といたしましては、再度の感染拡大に備え、東京都にさらなる新型コロナウイルス感染症対応病床の拡大を要望するとともに、医師会等関係機関と連携を図り、自宅療養を支える体制の強化に努めてまいります。

 次に、経済対策についてであります。

 東京都生活応援事業につきましては、この間にもその活用を視野に入れた経済支援策の実施を検討してまいりましたが、補助対象期間などの課題もあり、今年度内の活用は困難であると考えております。しかしながら、今後も都が同種の制度を設ける場合には、様々な観点から、その活用を検討してまいります。また、ハッピー買物券とキャッシュレス決済ポイント還元事業については、厳しい経営環境にある幅広い区内事業者の支援に寄与することができるものと考えております。そのため、来年度における両事業の実施につきましては、他の支援策の具体化と併せて、総合的に検討し、判断してまいります。区では、これまでも緊急融資の創設をはじめとした各種の支援策を講じてまいりましたが、感染症による影響は既に一年半以上にも及んでおり、さらなる長期化が見込まれます。こうした中、中小企業の発展と地域産業の振興がまさに本区の生命線であるという認識の下、社会経済情勢の変化に柔軟に対応し、適宜有効な経済支援策を継続的に講じていく必要があります。区といたしましては、引き続き、関係機関とも連携しながら、区内事業者をはじめ、商店街など商工関係団体等の支援をしっかりと推し進めることにより、まちと地域経済の一層の活性化を図るため、効果的な支援策の構築と確実な実施に向けて積極的に取り組んでまいります。

 次に、がん検診の受診率向上についてであります。

 近年の本区のがん検診の受診率は、二十三区の中では高位に位置しているものの、子宮がん検診を除いたがん検診は微減となっており、どのように受診意欲を高めていくかが課題であると認識しております。これまでも、区では、がん検診の受診率向上を目指し、対象者全員への個別通知や、無料で検診を実施するなど、受診しやすい環境を整えてまいりました。今後も、コロナ禍における受診控えを踏まえて、昨年度の未受診者を抽出し、個別に受診勧奨を行うなど、受診率向上の取組を強化してまいります。

 次に、がんのヘルスリテラシー向上についてであります。

 膨大な健康に関する情報の中から、区民が必要な情報を選び、正確に理解し、疾病予防や健康の維持・増進に向けた活動を継続して行うことが重要であります。このため、区では、がんに関する情報をホームページに掲載するとともに、三○・三五健康チェックや生活習慣病予防講演会などで、がんの正しい知識の普及啓発を推進してまいりました。今後は、区民がより健康になる生活習慣を身につけることができるよう、これまでの取組に加えて、区民にとって有益な情報であることを確認した上で、がんに関する外部サイトと連携した情報発信を行うなど、健康情報の提供に積極的に取り組んでまいります。

 次に、中央区版がん基本計画の策定についてであります。

 平成三十年に改定された東京都がん対策推進計画では、思春期・若年世代や働く世代など、ライフステージに応じたがん対策、がん教育の推進、がんとの共生に向けた取組などが新たに盛り込まれました。区といたしましては、東京都の計画改定の趣旨を踏まえ、相談支援窓口の連携体制の構築や、学校におけるがん教育の推進、がんに対する正しい理解の促進などを行ってまいりました。一方、中央区健康・食育プラン二○一三については、来年度で十年目を迎えることから、現在、改定作業を進めているところであります。その中で、国や東京都の計画の内容や区のこれまでの施策の成果と課題を踏まえつつ、医師会など関係機関の御意見を聞きながら、今後の取組の方向性を定めてまいります。

 次に、コロナ禍のフレイル予防についてであります。

 フレイル予防健診は、昨年度から開始したため、新型コロナウイルス感染症による影響の分析は難しいところですが、受診者の約四割の方が運動機能の低下などを自覚していることが分かりました。区では、運動、栄養改善、口腔ケアなどのフレイル予防に集中的に取り組む、はつらつ健康教室などを実施しておりますが、現在は感染防止のため、教室の休止や人数制限を余儀なくされております。また、通いの場や高齢者クラブなど、身近な地域で皆が集まる活動が難しい状況でもあり、気持ちの落ち込みなどがフレイルの進行につながることも懸念されます。今後は、自宅において継続的に運動していただけるよう、「自宅で粋トレ!」の御案内を個別に通知し、参加を促してまいります。あわせて、通いの場や高齢者クラブなどに保健師を派遣し、具体的な感染防止対策等のアドバイスをするなど、活動再開に向けた支援を行い、高齢者が身近なところで交流や活動ができる環境の整備に努めてまいります。

 次に、高齢者のデジタルディバイドへの対応についてであります。

 デジタル化の進展に伴い、家族・友人とのコミュニケーションや各種の情報収集、ネットショッピングなど多くのデジタルサービスが活用されております。こうした中、区民が生活の利便性を高め、豊かに暮らしていくためには、デジタル技術を有効・安全に利用していくことも大切であります。とりわけ、デジタルに関する知識や機器に触れる経験が少なく、利用率の低い高齢者がデジタル機器に慣れ親しみ、デジタルサービスを十分に活用できるようにすることが必要であると認識しております。そこで、区では、敬老館などにおいて講座や相談会を開催し、パソコンのほか、手軽に利用できるスマートフォンについて学ぶ機会を提供しているところであります。今後は、都の事業も活用しながら、回数や内容の充実を図ってまいります。一方、本年度実施した区政世論調査では、七十五歳以上の四割近くがスマートフォンを今後も使用する予定はないと回答しており、全ての高齢者が利用を望んでいないことも明らかになりました。区といたしましては、デジタル機器の利用の有無にかかわらず、全ての区民が安心して生活できる、人に優しい中央区を目指してまいります。

 次に、高齢者の住み替え住宅についてであります。

 ライフステージの変化などによる住み替えの需要は高く、その支援として、高齢者の入居を拒まない住宅の確保は重要と認識しております。特に、都営住宅の区民割当は区民の優先入居が可能となることから、これまでも東京都に対して積極的に要求しており、昨年度は数年ぶりに一件、今年度は二件の割当てを確保しています。今後も安定的に割当てを受けられるよう、強く東京都に働きかけを行ってまいります。一方で、高齢者向け優良賃貸住宅など、民間活力の活用による住宅につきましては、都心区という特性上、なかなか供給促進が図られていない状況にあります。東京都宅地建物取引業協会との連携をさらに強化し、土地活用を考えている地権者等にタイミングよく働きかけられるよう、粘り強く取り組んでいく所存です。また、セーフティネット制度につきましても、孤独死や家賃滞納などのリスクにより、家主が高齢者の入居を敬遠することもあることから、登録が十分に進んでおらず、区としては、当該制度の周知に際し、地元不動産業者や家主に対してリスク解消に有用である、あんしん居住制度や家賃債務保証制度の周知を積極的に行うなど、活用の推進に努めているところであります。高齢者の入居を拒まない住宅の確保は一朝一夕に進まない状況ではありますが、今後も様々な方法を通じて確保に努め、高齢者が安心して住み続けられるよう取り組んでまいります。

 次に、道路陥没対策についてであります。

 災害時における道路機能は、救急・消火活動はもとより、避難経路や災害物資の輸送路の確保など、極めて重要な役割を有しております。このため、本区では、災害時においても重要な道路機能が保持されるよう、日常的な道路巡回パトロールや路面下空洞調査等を実施しているところであります。こうした取組について、今後、地域防災計画を修正する際に、どのように反映するか検討してまいります。

 次に、大規模災害時の路面下空洞緊急調査についてであります。

 地震などの災害時における道路陥没等の対策では、予防保全として路面下の状況を把握しておく必要があり、区では、毎年、路面下空洞調査を実施し、早い段階での補修を行うことで、発生抑制に努めております。道路は、交通量や幅員等により舗装構造の違いがあるほか、災害時は輸送路となるなど、活用方法が異なります。発災後、比較的幅員の狭い生活道路である区道では、建物の外壁などの障害物が道路上に散乱し、通行に支障が生じることから、緊急車両などの通行を確保するため、障害物の除去を優先しています。さらに、職員等による道路の点検を行い、路面の変化が発見された場合は、速やかに補修を実施するとともに、必要に応じて空洞調査を行うこととしております。なお、協定につきましては、発災後の道路の被災状況や地下構造物の埋設状況などにより対策が異なることから、その必要性について検討してまいります。

 次に、フードドライブについてであります。

 フードドライブは、食料を必要としている個人や団体への支援になるとともに、食品ロスを削減する効果が期待できるなど、その取組は非常に重要であると認識しております。区では、周知啓発として、現在、区のおしらせやホームページへの掲載、区施設等でのチラシの配布を行っているところであります。今後は、ツイッターなどのSNSを活用し、フードドライブに関する情報を継続的に発信するとともに、区内の小学校などを対象に実施している環境学習に新たに食品ロスとフードドライブを取り入れるなど、さらなる普及啓発に努めてまいります。また、受付窓口につきましては、現在設置している四か所について施設内に案内表示を設けるとともに、受付窓口の増設を検討するなど、利便性及び認知度の向上を図ります。区といたしましては、フードドライブの重要性を踏まえ、利用拡大について推進してまいります。

 次に、食品ロス削減についてであります。

 人口増加が続き、多くの飲食店や企業が集積する本区では、家庭や飲食店等に対し、食品ロス削減の取組を推進することが重要であると認識しております。そのため、家庭での取組については、引き続き教育委員会や保健所との連携を図るとともに、ごみと資源の分け方・出し方などを通じて普及啓発を進めてまいります。また、飲食店には、保健所が行う食品衛生講習会などにおいて、食品ロスの削減方法を周知するとともに、削減の取組に参加する飲食店を食べきり協力店として認定する制度についても検討してまいります。さらに、企業に対しては、事業用建築物への立入指導や、廃棄物管理責任者に対する講習会など、様々な機会を捉えて、食品ロスの削減に役立つ最新情報の提供を行うとともに、未利用食品が発生した場合は、フードバンク、またフードドライブの利用について周知してまいります。区といたしましては、さらなる取組の充実・強化を図り、計画的に削減を進めていくために、食品ロス削減推進計画の策定が効果的であると考えております。策定に当たっては、食品ロスの発生量を把握する必要があることから、ごみ排出実態調査を実施する次回の一般廃棄物処理基本計画の改定時に策定してまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 がん教育についてであります。

 生涯のうち国民の二人に一人が罹患するとされるがんは、日本人の健康増進を図る上で重要な課題であり、国民の基礎的教養として身につけておくべきテーマと認識しております。現在、小学校では、体育科の保健領域において、長期にわたる喫煙でがんにかかりやすくなることに触れるほか、中学校では、保健体育科の保健領域で生活習慣病などの予防の中で、がんについて学習をしております。特に、中学校二校におきましては、国立がん研究センターから医師を招いて講演会を開催するなど、健康教育の充実に努めております。こうした医師やがん経験者等の外部講師を活用した取組は、令和四年度までに全中学校において実施をする予定であります。今後とも、子供たちががんに対する正しい知識を習得し、生涯にわたり健康が維持できるよう、命と健康の大切さを育む教育の推進に取り組んでまいります。

 答弁は以上であります。

〔十七番 墨谷浩一議員登壇〕

○十七番(墨谷浩一議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 まず、最初の新型コロナウイルス感染症対策についてでございますが、中央区としても最大限の取組をしていただいているということ、様々な角度で充実していっていただいているということは、私としても認識しているところでございます。そういった中で、冬場に再拡大すると懸念されている第六波に対する医療提供体制の構築、また、その他をはじめとして、様々な備えが必要ではないかというふうに考えます。

 また、持病とかアレルギー等でワクチン接種ができない人への配慮というのも引き続き必要かなというふうに考えております。

 そして、経済の活性化については、適時、国や東京都の支援の動向を注視しながら、経済対策の施策展開をお願いしたいと思います。

 命を守るがん対策について、これからも引き続き早期発見・早期治療に結びつく取組、また、正確ながんの情報の発信をお願いしたいと思います。

 がん教育についても、令和四年度までに全ての中学校で行っていただけるというような御答弁をいただきました。ありがとうございます。

 そして、中央区版の包括的ながんの推進計画というのが策定されることを今後望んでおります。

 高齢者施策の充実についてでございますが、本区では、六十五歳以上のフレイル予防健診が行われていることは、すばらしいことではないかなというふうに感じております。また、今後、フレイル予防健診の充実など、健康施策に結びつけられるように取組を期待しております。

 デジタルディバイド、情報格差の是正について、今後、国や都なども取組を強化するということが報道等で出ております。本区ならではの取組を期待しておりますので、どうぞよろしくお願いします。

 高齢者の住み替え相談については、今後、ますます需要、ニーズが拡大すると思いますので、備えをしっかりと整えていただきたいというふうに思います。

 道路の陥没対策でございますが、本区では、平成十二年度から路面下空洞調査を行ってまいりました。平時の路面下空洞を調べて、未然に陥没事故を防いできたというふうに思っております。今後も大規模な災害時の備えが必要ではないかというふうに思い、質問をさせていただきました。

 最後に、食品ロス削減対策でございますが、様々情報発信をしていただけるというようなお話と、学校、あと保健所と連携というようなお話もいただきました。食品ロス削減対策については、今後、ますますの啓発というのがすごく大切かなというふうに思いますので、その啓発と、また包括的な食品ロスの削減の計画の策定というのをしっかりとしていただけるようにと考え、質問しました。

 以上で私、墨谷浩一の質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、併せて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後四時四十三分 休憩


     午後五時五分 開議

○議長(木村克一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。

 十八番山本理恵議員。

〔十八番 山本理恵議員登壇〕

○十八番(山本理恵議員)
 中央区議会区民の風の山本理恵です。令和三年中央区議会第三回定例会の一般質問を、さきの質問通告に沿って行わせていただきます。区長並びに各理事者の方々には誠意ある御答弁をお願い申し上げ、質問に入らせていただきます。御答弁によりましては、再質問を留保いたします。

 この夏、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により一年延期となった第三十二回オリンピック競技大会及び東京二○二○パラリンピック競技大会が開催されました。七月二十三日の夜にNHK総合で生中継されたオリンピックの開会式の平均世帯視聴率は五六・四%、瞬間最高視聴率は六一・○%と、驚異的な数字をはじき出しました。式典では、一千八百二十四台の小型無人機、ドローンによるライトショーが東京の上空を彩り、そのドローン群が東京二○二○大会のエンブレムを形づくり、そのまま青い地球へと姿を変えたのは、とても感動的でした。日本で五十七年ぶり、二度目となる東京五輪は、声援のない無観客での開催となりましたが、日本のメダルはオリンピックが五十八個で過去最多を更新し、パラリンピックが大会史上二番目の五十一個で、歴史的大躍進を遂げました。コロナ禍での大会開催で、様々な物理的・精神的な困難を抱えながらも、選手たちの東京五輪への熱い思いや諦めない姿勢、心揺さぶるスポーツマンシップ、そして心温まるエピソードに心を動かされた人も多かったと思います。まさに、東京二○二○大会のスローガンであるユナイテッド・バイ・エモーション、感動で私たちは一つになったのではないでしょうか。このスローガンには、コロナによって人と人とのつながりが希薄化していても、スポーツには世界中の人々を感動でつなぐ力があるという思いが込められています。

 まず、東京二○二○大会の総括について伺います。

 東京二○二○大会の開催を目前に、東京に四度目の緊急事態宣言が発出されました。都内の人流を抑制して感染拡大を防ぐため、お家観戦が呼びかけられましたが、世界最大のスポーツの祭典である東京五輪開会を合図に、日本は一挙にお祭りムードになりました。その雰囲気を味わおうと国立競技場周辺に大勢の人が押し寄せ、選手たちを一目見ようと、選手村周辺には多くの見物人が集まりました。

 感動と熱狂の裏で、感染力の強い変異ウイルスは猛威を振るい、日を追うごとに感染者数は爆発的に増え続けました。八月には都内新規感染者数は過去最多、五千七百七十三人まで膨れ上がり、それに伴い、重症者数も二百二十七人に上り、医療提供体制が逼迫しました。入院待機者と自宅療養者が三万人を超え、体調急変により自宅で死亡する事例が発生しました。また、職場や学校等の集団感染や家庭内感染の発生件数が急激に増え、国内どこでも感染拡大につながる環境へと変わりました。

 東京二○二○大会の開催に当たり、東京都は、選手村に滞在する選手等大会関係者の感染症対応として、晴海地区に保健衛生支援東京拠点を設けて保健所業務を担いました。また、東京二○二○組織委員会は、選手等大会関係者が遵守すべき感染症対策上の厳しい行動制限等を定めたプレイブックを作成しました。競技会場や選手村外部との接触を遮断するバブル方式により、安全を確保しながら、選手たちがパフォーマンスを最大限に発揮できるよう努めました。しかし、選手村から無断外出する者や大会委託業者の感染拡大が見受けられるなど、バブル方式の綻びが見られました。後に、組織委員会は、オリンピックとパラリンピックに関連した感染者数は八百六十三人と報告しています。このような状況を見越して、中央区と中央区議会は連名で組織委員会宛てに、プレイブックの実効性を担保するよう、安全な東京二○二○大会の実現に向けた要望書を提出しています。

 そこで、大会期間も含む四度目の緊急事態宣言下における区内感染状況の分析と感染症対策の内容、それに基づく効果についてお聞かせください。あわせて、晴海選手村を抱える中央区として、大会運営における保健衛生体制や行動管理などの感染症対応に対する評価を伺います。

 二○一三年九月の第百二十五次IOC総会で、二○二○年の五輪開催都市が東京に決定して以来、中央区は、オリンピック・パラリンピック区民協議会の設立をはじめ、気運醸成事業補助金活用事業の募集、おもてなしプロジェクトの企画、選手村周辺の交通マネジメントの検討など、大会成功に向けて中央区一丸となって取り組んできました。しかし、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を受け、多くの人を一堂に集めるイベントや区内を回遊する事業は中止となり、聖火リレーサポーターや選手村周辺おもてなし清掃ボランティアの活躍の場もつくれませんでした。長年にわたり地域一体となって進めてきたハード・ソフト両面の取組のほとんどが中止となった一方で、インターネットを活用した積極的な情報発信、動画配信、記録映像の制作、オンラインによる交流機会の創出やおもてなし事業の展開などにより、大会を盛り上げていくことが期待されました。

 そこで、中央区は、東京二○二○大会にどのような形で関わることができたのか、お聞かせください。また、それをどのような形で今後に生かし、中央区の将来の発展につなげていくのか、お尋ねいたします。

 中央区では、平成二十七年度から、東京都に先駆けて、区内全三十三校・園において中央区版一校一国運動などのオリンピック・パラリンピック教育を実施しています。その特色ある教育活動は、中央区教育広報紙「かがやき」で幾度となく紹介されています。東京二○二○大会の感動が子供たち一人一人の記憶に残り、その後の人生の糧となるような、かけがえのないレガシーを心と体に残すことができるよう活動を展開しています。また、オリンピック・パラリンピックを通じて心身調和の取れた人材の育成、国際感覚の醸成、ボランティア精神の育成、多様性を尊重する共生社会づくりなどを推進しています。

 東京二○二○大会の開催を契機に、区内小学校全十六校の子供たちが「オリンピック・パラリンピックと平和」をテーマに作成した原画を基に、障害のある方が制作に協力してモザイク平板に加工した平和モニュメントは、未来に継承すべきすばらしいレガシーの一つとなりました。子供たちの心のレガシーとなる3x3、バスケットボールの練習を見学する機会やパラリンピック競技を観戦する機会などを企画していましたが、それらは残念ながら実現できませんでした。選手らに声援を届けられない状況下で、子供たちは心を込めて育てたアサガオの鉢植えに大会への思いを乗せて、選手村に滞在する選手等関係者をもてなしました。

 東京二○二○大会を終えて、改めてオリンピック・パラリンピック教育の成果と今後の取組についてお聞かせください。

 次に、中央区におけるコロナワクチン接種の進捗状況について伺います。

 感染力の強い変異ウイルスが急速に拡大し、感染者数の増加に歯止めがかからない中、新型コロナウイルスワクチン、新型コロナワクチン接種が急ピッチで進められています。ワクチン接種は、個人を感染から守り、社会を感染拡大から守る上で一定の効果があるものです。接種希望者が早期に打ち終えることが望ましく、区民の命と健康を守る自治体は大きな役割を担っています。

 中央区では、四月下旬から段階的に接種券を送付し、円滑かつ効率的な予約や接種に努めています。集団・個別接種を合わせて一日平均二千回の接種体制を整え、九月中にはおおむね接種が完了する見通しでした。しかし、七月初旬に、一般区民への予約を開始した矢先に、国から一クール二週間当たりのファイザー社製ワクチンの供給量見込みが約半分に減少しました。国のワクチン供給計画が不透明な中、中央区は独自に一バイアル当たり七回接種可能な注射器を約六万本購入し、限られたワクチンの有効活用、安定接種、早期完了に努めています。また、モデルナ社製ワクチンを活用した夜間接種等を実施し、区民の接種機会の拡大や選択肢を増やす工夫を凝らしています。この努力と工夫により、十一月中旬に接種を完了する見込みとし、さらなる期間短縮を目指しています。

 国は十月上旬までに十二歳以上の人口の八割の方が二回接種するために必要なワクチンを配分する考え方を示し、国民に対し、ワクチン接種を強く勧奨していますが、その一方で、テレビ等では、若者を中心に、接種したくても接種できない状況が報道され、接種を半ば諦めたとの声も聞きます。

 そこで、国のワクチン供給計画や政策決定が二転三転する中で、現時点におけるコロナワクチン接種の状況と課題、今後の見通しについて確認をさせてください。

 未知なるウイルスである新型コロナウイルス感染症や新型コロナワクチン接種に対する区民の不安は計り知れないものであり、中央区が提供するコロナ関連情報は、区民の命や生活に直結するものです。区民の不安と不満を軽減するため、中央区は、区民が求める情報を分かりやすく発信していくことが望まれます。中央区では、新型コロナワクチン接種特設サイトを開設し、接種状況や接種率、接種予約の受付開始日などを公表しています。また、区民からの問合せにAIチャットボットで二十四時間対応しています。そして、区のおしらせちゅうおうやSNSなどの多様な情報媒体を活用して発信しています。

 日々、様々な情報が飛び交い、更新される中で、より多くの情報を発信すること自体が目的となり、区民が得たい情報にたどり着けない状況が見受けられます。また、情報発信が、区民の不安解消や理解促進、行動変容につながっているとは言い難い状況です。言うまでもなく、広報は目的ではなく、手段です。いかに有益な情報であっても、区民に伝わらなければ、その情報は存在しないものと言っても過言ではありません。情報は、しっかり伝わってこそ存在価値があります。

 そこで、区民目線の情報を発信するために、従来の区民に伝える広報から、区民に伝わる広報への転換を期待しますが、認識を伺います。また、戦略的な広報の実現を目指した杉並区広報戦略のような情報発信に関する総合的かつ戦略的な指針の策定を提案しますが、見解を伺います。

 コロナワクチンを接種することにより、感染を予防する、また、発症しても重症化を防ぎ、症状を軽くするなどの効果が報告される一方で、接種後の副反応や長期的な安全性への不安から、接種を希望しない方、重い急性疾患や重度の過敏症などで接種ができない方がいます。予防接種法第八条一項は、市区町村長等は、予防接種を受けることを勧奨するものとすると規定しています。また、第九条の規定では、対象者に予防接種を受けるよう努力義務が課されています。法は、行政側に接種勧奨を義務づけており、対象者に接種を義務づけるものではありません。希望者へのワクチン接種が進んだ際には、接種率の伸び悩みが予想され、任意が前提の接種率を引き上げるには工夫が必要です。

 接種率の頭打ちを打開するために、いかに若年層に接種を拡大していけるかが課題となります。若い世代ほど予防効果への疑問、副反応の心配、将来のリスクへの不安など、ワクチン接種に消極的になりがちだからです。つくば市では、東北学院大学及び大阪大学と共同でワクチン接種率の向上を目的に、行動経済学のナッジ理論を活用したワクチン接種勧奨メッセージに関する調査・研究を実施しています。ナッジ理論とは、軽く肘をつっつくように小さなきっかけを与えて、強制せずに人々の行動変容を促す心理です。重疾患等でワクチン接種ができない人を守るためにも、接種が可能な人に前向きな行動を促すことが大切です。

 そこで、自発的な接種行動を後押しするためのナッジメッセージによる接種勧奨を提案しますが、見解を伺います。

 コロナワクチンをめぐっては、接種ができない人や接種を希望しない人が差別や不当な扱いを受けないか懸念する声があります。接種済みを証明するワクチンパスポートは、接種率の向上に貢献する一方で、接種ができない人が不利益を被るおそれが指摘されています。厚生労働省は、職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをすることのないように注意喚起しています。ワクチン接種が進めば進むほど、接種を受けていない人に対し、有形・無形の同調圧力が高まることが心配されます。行政には、勧奨する義務があるのと同時に、勧奨に従わない人の人権に対して十分に配慮することが求められますが、認識を伺います。

 次に、二○四○年を見据えた中央区のまちづくりについて伺います。

 新型コロナウイルス感染症の蔓延により、日本では年間出生数が減少し、少子化が加速しています。その少子化の影響により、これまで以上に高齢化が進行することが危惧されています。厚生労働省の人口動態統計月報年計によると、二○二○年における日本の出生数は八十四万八百三十二人で、過去最少を記録し、二○一九年の合計特殊出生率は一・三六で、四年連続低下しています。また、四十七都道府県の中で出生数が一番低い東京都の合計特殊出生率は一・一五で、三年連続低下しています。その都内で高い合計特殊出生率一・三八を誇る中央区でも、二○一六年をピークに、三年連続低下しています。一方、総務省統計局の人口推計によると、二○二○年九月時点における日本の高齢者人口は三千六百十七万人と、過去最多を記録し、高齢化率は二八・七%で、過去最高となっています。団塊ジュニア世代が六十五歳以上となる二○四○年に高齢者人口はピークを迎え、高齢化率は三五・三%に上昇すると推計されています。総人口のおおよそ三人に一人が高齢者となります。また、令和二年版高齢社会白書によると、既に後期高齢者が前期高齢者数を上回り、日本人の平均寿命は、二○二○年の男性八十一・三四歳、女性八十七・六四歳から、二○四○年にかけて約二年延びる見通しです。今後は、長寿社会を強く意識したまちづくりが求められます。

 中央区高齢者保健福祉計画・第八期介護保険事業計画によれば、中央区の高齢者人口は、二○二一年に二万五千百六十一人、二○三○年には三万人を超え、その後も増加が見込まれています。高齢化率は一四・七五と、国や都の水準を下回っていますが、二○二五年に緩やかな上昇に転じ、二○三○年以降も上昇傾向で推移すると見込まれています。二○二○年に中央区の人口の四割を占める三十代、四十代の層が、将来的に壮年期から高齢期に順次移行していくことにより、高齢者人口は着実に増加すると推計されています。

 今年は、晴海地区将来ビジョンの実現に向けた晴海コミュニティ構想検討会議の設置のほか、日本橋上空の首都高速道路の地下化と日本橋川周辺五地区市街地再開発事業の連携による日本橋川沿いエリアのまちづくりビジョンの改定、東京高速道路(KK線)再生方針と築地川アメニティ整備構想の連携による銀座・築地周辺のみどりのプロムナード構想の策定、築地市場跡地のまちづくりに関する基本的な考え方を整理した中央区築地まちづくりの考え方の策定及び要望書の提出など、中央区は大きな転換期を迎えています。これらの再開発と都市基盤整備が一段落する二○四○年頃は、中央区の節目の年となります。

 京都大学こころの未来研究センター、広井良典教授は、令和三年度第一回特別区議会議員講演会「ポスト・コロナ時代における都市と日本社会」の中で、高齢者がゆっくり過ごせるような場所がまちの中にあることは、ある意味で福祉施設や医療施設を造ること以上に重要な意味を持つとし、都市政策と福祉政策をつなぐまちづくりの視点が重要であると訴えています。また、第五十一回「都市問題」公開講座の講演の中で、高齢化をチャンスとして、コミュニティ空間を重視した歩行者中心のまちの実現を政策提言し、高齢者の居場所を意識したまちづくりの重要性を説いています。

 そこで、二○四○年に想像される中央区のまちの姿と、二○四○年に向けたまちづくりの課題についてお聞かせください。

 また、高齢者が元気に健康に暮らせるまちづくりを推進するために、都市政策と福祉政策をつなぐまちづくりの方向性を明確に打ち出していくべきと考えますが、見解を伺います。

 世界の多くの都市で、町なかを車中心から人中心の空間へと転換し、沿道と路上を一体的に使って、人々が集い、憩い、多様な活動を繰り広げられる場へと改良する取組が進められています。これらの取組は、人中心の豊かな生活空間を実現させるだけではなく、地域経済の活性化、健康寿命の延伸、孤独・孤立の防止など、様々な地域課題の解決や、超高齢社会における新たな付加価値の創造につながります。

 令和元年六月に、国土交通省は、都市の多様性とイノベーションの創出に関する懇談会の提言として、「居心地が良く歩きたくなるまちなか」からはじまる都市の再生を取りまとめました。これは、街路、公園、広場等の既存ストックの修復・利活用を重点的・一体的に支援することを目的とする都市再生整備計画事業等の取組です。これを受け、国土交通省は、令和二年度より、まちなかウォーカブル推進事業を新たに創設し、歩きたくなるまちづくりを共に推進する都市を随時募集しています。令和三年七月末時点のウォーカブル推進都市に賛同した地方公共団体は三百十四団体で、東京都をはじめ、都内二十六自治体が手を挙げています。

 中央区の日本橋・銀座・築地エリアのまちづくりビジョンは、その方向性に合致するものであり、国とともに、ウォーカブルなまちづくりを推進していく都市として登録していくべきと考えますが、見解を伺います。あわせて、超高齢社会における都市空間のあるべき姿について見解を伺います。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 山本理恵議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、区や大会運営における感染症対策についてであります。

 区内の感染状況については、七月十二日から始まった第四次の東京都緊急事態宣言とともに、区民の新規感染者数は急増し、八月十二日に百七人にまで到達した後、減少に転じ、九月十日には十二人となっており、本区における感染傾向に国や都と大きな違いはなく、オリンピックとの関連は認められませんでした。そのため、区では、感染源の隔離や感染経路の遮断といった基本的な感染症対策を徹底するとともに、ワクチン接種を推進してまいりました。こうした対応が、現在の新規感染者数の減少につながっているものと認識しております。大会運営における保健衛生体制については、東京都と組織委員会が整備し、選手村における毎日のPCR検査や、新規感染者の迅速な移送・隔離と積極的疫学調査を行ってまいりました。疫学調査においては、濃厚接触者に大会関係者以外は認められなかったことから、行動管理に大きな問題はなかったものと考えております。

 次に、東京二○二○大会の関わり方についてであります。

 区では、世界各国から訪れる選手や大会関係者を安全にお迎えするとともに、期間中の区民の安全や生活を確保することを最優先として、今大会の開催に協力し、大きな混乱もなく、無事に大会を終えられたことと認識しております。こうした中、区民が直接参加する機会を創出することは難しい状況ではありましたが、区民団体等のパフォーマンス動画の公開や本区ゆかりの選手の応援、また、豊海小学校・豊海幼稚園のブラジルオリンピック委員会や、晴海中学校のオーストラリアパラリンピック委員会の選手たちとのメッセージのやり取りなど、間接的に大会と関わる機会を可能な限り設けてまいりました。また、選手村では、区立小学校の児童が育てた六百鉢のアサガオや、二十万羽を超える折り鶴ウェーブの取組によるオブジェを展示して選手たちをお迎えするなど、これまで児童・生徒や区民の皆様が心を込めてつくり上げてきたおもてなしの取組を提供することができました。区といたしましては、コロナ禍を踏まえ、これら区民の皆様と共に取り組んできた企画やイベントにつきましては、本区の各事業と併せて改めて整理し、スポーツ参加意識の向上や共生社会の実現、新たなインバウンド対策など、大会レガシーとして継承・展開してまいりたいと考えております。

 次に、新型コロナウイルスワクチンの接種状況と今後の見通しについてであります。

 本区は、週六日の集団接種と九十七医療機関による個別接種を安定的に運用しながら、平日の夜間や土曜日の接種会場を拡大するなど、その時々に応じた接種体制の充実に努めてまいりました。その結果、接種率は、一回目接種完了者が七割を、二回目接種が六割をそれぞれ超え、順調に接種が進んでおります。また、他区等で課題となっている若者への接種についても、本区では接種可能な状況となっており、現時点においては大きな課題はないものと認識しております。今後の見通しといたしましては、七月末時点での国のワクチン供給量に基づく試算では、十一月中旬の接種完了を見込んでおりましたが、その後の進捗状況を踏まえると、十月中に接種完了予定となっております。

 次に、広報についてであります。

 広報活動に当たっては、区政への理解を深め、区民との信頼関係を築いていくため、区民の視点に立った、多様で分かりやすい区政情報の発信が重要であると認識しております。そのため、区では、新型コロナウイルス感染症をはじめ、区政全般にわたる幅広い情報をカテゴリーやライフステージあるいは重要度・緊急度などに応じて整理し、適宜適切に情報発信しているところです。こうした情報発信の考え方については、各課に置かれている広報連絡主任、広報連絡員を通じて全庁的に浸透を図り、区が一体となって取り組んでいるところであります。現在、さらなる効果的な情報発信に向け、ホームページのリニューアルのほか、区民一人一人のニーズに応じた情報提供の新たな仕組みについて、組織横断的な体制で検討を深めているところであります。今後も、これらの取組や検討を通じて、広報力の強化に積極的に努めてまいります。

 次に、ワクチン接種の勧奨についてであります。

 区民に対する接種の勧奨については、ワクチン接種による発症予防等の効果と、接種しやすい環境が整っていることの周知が重要であると考えております。そのため、これまでもホームページやSNS等でワクチン接種による効果や接種の進行具合、予約の空き状況などをお伝えしてきたところです。今後も、より多くの方に接種していただけるよう、様々な媒体を活用して分かりやすい周知に努めてまいります。

 次に、接種を受けない方への配慮についてであります。

 国においては、接種証明の利用に関する基本的な考え方として、ワクチン接種を受けるかどうかは任意であることから、ワクチン接種や接種証明の提示の有無による不当な差別的取扱いは許されないと示しております。区といたしましても、社会通念等に照らして、認められないような取扱いはされるべきではないと考えております。

 次に、二○四○年に向けた中央区のまちづくりについてであります。

 本区は、首都東京の中心部として、これまでに培ってきた文化や産業をさらに発展させながら、世界中の人々から新たな価値を生み続ける場として選択される都市を目指しています。価値観やライフスタイルの多様化が一層進むと想定される中、ライフステージや個人の属性に応じて選択できる、住み、働き、憩う場を町なかで備えていくことが求められていると考えています。特に、高齢者が元気で健康に過ごせるまちづくりという観点においては、外出機会を増やし、様々な活動を楽しむ場を創出することが重要と考えており、ユニバーサルデザインの推進はもとより、多くの人と交流できる場や、気軽に休むことのできるオープンスペースなどが確保された安全で快適な歩行空間の形成など、高齢者の社会参加の促進につながるまちづくりを進めていく考えです。こうした考え方は、東京都の行政計画である都市づくりのグランドデザインにおいても、二○四○年代の東京の都市像とその実現に向けた道筋として示されています。本区としても、長寿社会を意識したまちづくりを都と共に取り組んでまいります。

 次に、ウォーカブルな町なかづくりの推進についてであります。

 人を中心とした歩きたくなるまちづくりは、これまでも区として強く意識し、目指してきたものとなります。本区の取組は、既に国の事業の紹介の中でも先進的なものとして取り上げられており、自治体間の情報共有を目的の一つとするウォーカブル推進都市への参加については、現状では見合わせています。今後のまちづくりにおいては、町なかの空間をネットワーク化し、多様な活動やコミュニティが生み出されるよう促していくことが極めて重要と考えており、高齢化社会という観点からも、一層重視していくべきだと考えています。日本橋・銀座・築地エリアのまちづくりでは、その象徴的な取組として、水辺環境を最大限に生かしたパブリック空間を創出するとともに、日本有数の商業地である日本橋・銀座・築地エリアをにぎわいと緑でつないでまいります。あわせて、地域の意欲を適切に捉えながら、エリアマネジメントの取組を積極的に促すなど、発信力の高い空間活用を目指します。さらには、こうした取組と区内各地の取組がつながっていくよう、河川や運河、臨海部など、都内随一となる豊かな水辺環境を通じてネットワークを広げ、区全体として、地域特性に応じた交流の場や憩いの場の形成と回遊性の向上を目指す考えです。都心中央区の個性ある魅力を味わえ、高齢者にとっても快適な、ゆとりあるウォーカブルなまちづくりを推進してまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 オリンピック・パラリンピック教育の成果と今後の取組についてであります。

 本区では、平成二十七年度より、各学校・幼稚園のメイン交流国との活動や、高齢者施設と連携したボランティア活動、パラリンピック競技であるボッチャの体験などに取り組んでまいりました。これらの教育活動を通して、異文化や障害を理解し、多様性を尊重する姿勢や、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度が育まれたと考えております。今回、パラリンピック競技の直接観戦はかないませんでしたが、自宅や学校、幼稚園でのテレビ観戦から、国や国籍を越えて選手同士がたたえ合い、励まし合う姿や、障害を乗り越えて挑戦する姿などを通して、子供たちは様々な思いや考えを表出しており、共生社会の一員としての資質が深まったものと認識しております。今後は、これまでのオリンピック・パラリンピック教育を踏まえ、教育的効果が高く、継続できる取組を学校・幼稚園二○二○レガシーとして、各学校・幼稚園の特色ある教育活動と位置づけ、着実に展開してまいります。

 答弁は以上であります。

〔十八番 山本理恵議員登壇〕

○十八番(山本理恵議員)
 それぞれ御丁寧な御答弁をいただき、ありがとうございます。

 コロナ禍の東京二○二○大会を終え、改めて世界が平穏な日常を担保しているからこそ行える平和の祭典であると強く感じました。中央区において、大会の感動と記憶を次世代に引き継ぐ最大のレガシーは晴海選手村です。選手村がリノベーション工事に入る前に、中央区の子供たちに選手村の空間を体験できる機会を設けるなど、かけがえのない心のレガシーを何か残せなかったのか、少し悔やまれます。

 コロナワクチン接種については、引き続き希望者が早期に接種できるよう努めていただくとともに、医療と保健がもたらす揺るぎない安心の提供を望みます。また、ブレークスルー感染の可能性、ブースター接種の必要性、異種混合(交差)接種の有効性など、新たな不安要素への対応もお願いいたします。

 最後に、都市政策と福祉政策をつなぐまちづくりについては、ぜひウォーカブル推進都市を推進していただきたいと思います。中央区まちづくり基本条例第七条において、開発事業者に地域貢献に資する反映事項を定めていますが、それは個別的な福祉施設の整備であって、包括的な福祉政策の視点ではありません。先ほども申し上げましたが、二○四○年に三人に一人が高齢者となります。また、二○三五年には二人に一人が独居になると言われています。十年後、二十年後の人口構造の変化、また社会構造の変化に対応した都市づくりにより、住み、働き、集う商業のまち中央区の持続可能な発展を期待いたします。

 以上で一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(木村克一議員)
 以上をもって一般質問を終わります。


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後五時五十一分 休憩


     午後五時五十五分 開議

○議長(木村克一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。


○議長(木村克一議員)
 日程第二及び日程第三を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第二及び日程第三を一括して議題といたします。

〔伊藤議会局長朗読〕


日程第二

 議案第四十五号 令和三年度中央区一般会計補正予算

日程第三

 議案第四十六号 令和三年度中央区介護保険事業会計補正予算


○議長(木村克一議員)
 提案理由の説明を願います。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 ただいま一括上程されました議案第四十五号及び第四十六号、令和三年度本区各会計補正予算につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 今回の補正は、一般会計で百八十六億四十六万三千円の追加、介護保険事業会計で三億五千九百八十万三千円の追加をするものであり、補正後の予算額は、一般会計は一千二百六十七億一千四百七十九万三千円、介護保険事業会計は九十二億七千六百五十七万四千円となるものであります。

 初めに、一般会計補正予算について御説明申し上げます。

 まず、歳入では、国庫支出金、都支出金、繰入金、繰越金、諸収入及び特別区債を増額いたします。

 次に、歳出についてです。

 総務費は、本庁舎の改修に伴う工事費及び個人住民税等の過誤納還付金を増額いたします。

 区民費は、(仮称)晴海特別出張所等複合施設の整備用地の購入費及び町会・自治会と区内の団体等が一体となり連携して行う事業を対象とした「地域コミュニティ連携事業補助金」並びに飲食業団体等が感染防止策を徹底しながら実施するイベント等に対する補助金を計上いたします。

 福祉保健費は、中央区保健所等複合施設を中心とした再編整備における、福祉センターと子ども家庭支援センターの一部移転改修の設計費及び新たに開設する私立認可保育所の事業者に対する開設準備経費補助金並びに新型コロナウイルス感染症患者の入院医療費を計上いたします。

 環境土木費は、中央区保健所等複合施設を中心とした再編整備における、リサイクルハウスかざぐるま明石町の移転改修の設計費を計上いたします。

 都市整備費は、築地場外市場地区における駐車場及び荷下ろし場の借入期間再延長に伴い、減額いたします。

 教育費は、晴海地区における小・中学校の整備用地の購入費を計上いたします。

 諸支出金は、介護保険事業会計への繰出金及び基金への積立金を計上いたします。

 また、繰越明許費は、一件の追加、債務負担行為は、三件を追加するとともに、一件の限度額を変更いたします。

 特別区債は、「晴海地区における小・中学校の整備用地購入」に伴い、限度額を変更いたします。

 次に、介護保険事業会計補正予算について御説明申し上げます。

 歳入では、国庫支出金、繰入金及び繰越金を増額いたします。

 歳出では、基金積立金及び諸支出金を増額いたします。

 よろしく御審議の上、御決定のほど、お願いいたします。


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について、動議を提出いたします。

 ただいま上程されております議案第四十五号及び議案第四十六号は、企画総務委員会に付託されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について、さらに動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、ただいま企画総務委員会に付託されました議案の審査の関係もありますので、明二十八日を休会とし、明後九月二十九日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十八日を休会とし、明後九月二十九日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     午後六時二分 散会


署名議員
議 長  木村 克一
議 員  青木 かの
議 員  竹内 幸美

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

ページの先頭へ