ページの先頭です
トップページ  の中の  本会議の結果  の中の  平成15年第三回定例会  の中の  一般質問・答弁の要旨 中央区議会自由民主党議員団 鷲頭 隆史議員

一般質問・答弁の要旨

中央区議会自由民主党議員団  鷲頭 隆史議員

 景気対策を問う

 都心のビルラッシュ、低価格を競うスーパーに溢れる買い物客、高額な自動車の順調な売れ行き等を見ると、経済活動が不活発で、不景気な状況にあるとは思えない。しかし、一方で多くの中小企業が資金繰りで深刻な状況にあり、失業率も高い水準にある。だが、資金不足の多くは金融機関がまともに機能していないのが大きな要因であり、失業率上昇も企業経営の効率化、若者の就業スタイルの変化なども影響している。このことは、企業が長期不況の中で生き抜く努力とITなど情報技術の発達と普及、さらに経済のグローバル化の進展などにより、経済構造が大きく変化しつつあるのではないか。そこには、従来の不況対策とは異なる景気対策が必要であり、新しい経済状況に対応するための情報提供や環境の整備、新たなビジネスモデル構築や就業のための支援など、いずれにしろ旧来の消費刺激型の不況対策ではないと考える。区長は、現在の経済状況と、その原因や要素をどう捉え、どのような施策を実施してきたのか。そして、その成果と評価、現在の状況判断に基づく今後の施策は。

区長 倒産件数が最悪の水準で推移するなど、区内事業者は極めて厳しい状況にある。経済低迷の原因は、産業構造や流通構造の変化、雇用不安等、様々な要素が複雑に絡み合ったもの。区では、中小企業への支援を中心に、融資制度の充実等に取り組み、景気対策本部を設置し、本区の活力を取り戻すための様々な施策の充実や税負担の軽減などを国、都へ働きかける等、総合的に実施している。今後も従来の取り組みを効果的なものにするとともに、産学連携や異業種交流、観光施策の充実等により、地域経済の活性化を図っていく。

 まちづくりを問う

 急速な人口増で、地域でのトラブルや行政上の課題も増えている。当面の目標であった人口10万人も具体的な視野に入ってきたが、区の産業動向や再開発などのまちづくりの将来像に基づく適切な目標人口を設定し直す必要がある。また、近年の昼間人口の減少、六本木、汐留などの大型都市開発、そしてネット社会と言われる中、中央区の交通至便というポテンシャルから、オフラインと衣食住をキーワードに、区の産業・社会構造の動きに対応する総合的な視点から思い切ったまちづくりの見直しが必要と考えるが。これからのまちづくりについての哲学とビジョン、想定される施策は。

区長 豊かな地域コミュニティとにぎわい・活力のバランスのいい維持・発展がまちづくりの本旨。これまで定住人口の維持回復を柱に、区民の居住継続と新たな居住者の増加に取り組んできたが、経済環境や産業構造の変化によりまちのにぎわい・活力が失われつつあり、新たな課題に取り組むべき時期を迎えている。今後は、本区のもつ都心機能の効率化・高度化を図り、人間性や地域の個性を活かしながら双方融合したまちづくりを進める必要がある。本区は多彩な顔を持っており、それぞれの地域の個性に磨きをかけ、首都東京の顔として世界に誇る小さくともキラリと光るまちづくりを目指す。

 高齢化社会を問う

 高齢化社会で医療や介護体制の充実は必要不可欠の要件であるが、本当に欲しいものは健康で楽しい生活である。そのためには、社会の一員として認められている緊張感のある生活が大切だが、
(1)高齢者の就業、ボランティア、趣味の集まりなどへの参加の環境作りに対する施策と成果、今後の進め方は。また、高齢者の豊かな知識や経験等を活かして労働市場に引き込むことは、産業の活性化に大いに役立つのでは。
(2)高齢者の生活・衣食住の向上に向けた施策は。
(3)かかりつけ医タイプの地域医療についての施策や今後の方向性は。
(4)佃地域に内科や小児科の診療所を誘致できないか。
(5)診療所の医師や薬剤師を24時間体制にできないか。開業時に一定の夜間診療が義務付けできないか。

区長 (1)生きがいづくりや社会参加のための「シルバー人材センター」、趣味や遊びの場となる「シニアカレッジ」、「健康増進事業」等の取り組みを推進してきた。今年度は、就労促進を図るため「シルバーワーク中央」を10月にオープンする。
(2)「栄養相談・指導」や「食事サービス」の実施や、「シルバーピア」を整備し、生活の安定と福祉の向上を図っている。
(3)「かかりつけ医マップ」を保健所等で配布し、かかりつけ医の定着促進を図っている。今後、高齢者全員がかかりつけ医を持つことを目標として努力する。
(4)隣接の月島一・二丁目に診療所が7施設あり、佃地域の医療もこれによりカバーされると思われる。
(5)多くの診療所は、医師一人と看護師などの少人数で運営されており、夜間診療の義務づけは過大な負担になる。24時間医療は、都の二次・三次救急医療機関の指定や区の休日応急診療所の設置など、行政や医療機関が役割分担し対応しているが、今後もその充実に努める。

 義務教育を問う

 「学校の自由選択制」は「特色ある学校作り」を通じて、教育事業のどのような目的の達成を目指すのか。

教育長 教師が、保護者や地域の願いを真に受け止め、創意工夫しながら教育活動の充実に生かすという意識での取り組みにより、教員の資質の向上が図られ、一方、保護者や子どもには、自ら主体的に学校を選択することで、「自分の学校」という責任感が芽生えると期待される。こうしたことは、学校教育の活性化に寄与し、一層の充実が図られると考える。

 区として義務教育をどういう姿勢で受け止めているのか。全ての児童生徒に必要とされる基礎知識、基礎技能、判断力や自ら学ぶ力などを身につけるための取り組みとともに、基礎学習だけでは能力をもてあましている子ども達の個性を伸ばすためにどのような対応をしているのか。

教育長 公教育においては、生涯学習の基礎を培うとともに、社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成を図ることが大切。基礎・基本の徹底と能力に応じた教育を行うため、複数教員による指導や習熟度に応じた指導等を行っている。習熟度の高い子どもには、解き方の工夫をさせるなどの発展的学習も行うなどしている。

 親の無限の愛に包まれて過ごす日々が子どもの優しく大きな人格を育むというが、この育児環境に近づける多面的施策が必要では。

区長 保育所の整備、病後児保育、親子フロアなどを積極的に取り組んできた。今後は、「認証保育所」の誘致を図るほか、「子ども支援センター」の整備を進めていく。

 幼稚園教育が担うべき役割と目的、具体的効果、幼稚園教育の必要性とは。また、幼稚園、保育園、家庭教育など、小学校就学前の保育環境の違いは、入学後に問題はないか。さらに、0才から2才の幼児教育についての考えは。

教育長 学校教育の出発点として、生涯にわたる人間形成の基礎を培うために重要である。役割として、健康な心と体、人への愛情や信頼感、多様な体験に基づく豊かな感性を育むことなどが求められている。また、保育環境の違いにより問題や差異が生じるものではなく、異なった経験をした子どもたちが出会うことにより新たな成長が図られると考える。次に、乳児期に豊かな人間関係の中にいることは、その後の成長に大きな影響を及ぼすと言われ、この観点からの養育が大切と考える。

 異なった年齢の子どもたちの集団の教育効果についてどう考えるか。このような集団づくりに向けた企画は。寄宿生活を経験させる意見についてどう考えるか。さらに義務教育の目的の達成度向上のために何か検討していることは。

教育長 将来、地域社会のよりよき形成者に成長するため、異年齢集団での体験を通して社会性の基礎を学び、他者を思いやる豊かな心を育む教育が大切。各学校では、異なる学年による清掃活動や交流給食などを実施しているとともに、小学生から大学生までが宿泊を共にする「少年リーダー養成研修」を実施している。また、柏学園などを利用して、宿泊を通した体験学習を小学校から行い、社会生活のルールやあいさつの仕方等を学んでいる。達成度向上のため、今後とも「中央区の教育を考える懇談会」の提言等を踏まえ、地域に開かれた魅力ある学校づくりの施策を検討していく。

 清掃事業を問う

 自区内処理の原則に沿い清掃工場を全区に建設するという計画が、今後新たに工場を建設しないものに変更された。計画変更の背景や必要性を説明し、清掃事業の取り組みを今後どう変換していくのか、明確なビジョンを示すことで区民の納得が得られるのでは。

区長 区民を中心に構成する中央清掃工場運営協議会で、ごみ量の減少、危機的な財政状況など、変更に至った経緯を説明し一定の理解は得たものと考えるが、さらに様々な機会を通じ、区民の十分な理解を得るように努めていく。今後とも、ごみの発生抑制を推進し生ごみの再利用へ向けての検討を行うなど、リサイクルの充実を図り、清掃工場への負担を軽減する資源循環型社会の実現を目指す。

平成15年第三回定例会 一般質問(要旨)に戻る

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

ページの先頭へ