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一般質問・答弁の要旨

グループ未来 大塚 忠彦議員

第2次適正配置を問う

 今から19年前の昭和60年、本区小学校の児童数激減に対し、区は「中央区立小学校適正配置検討委員会」を設置した。区議会文教委員会においても複式学級の実態を調査するため、北海道稚内の学校を視察した。この時、私の母校、京橋小学校でも、かつては全校で980名程度いた児童が激減しており、私はこの視察後、同校同窓会において京橋小学校と築地小学校の統合について話し合った。かつて朝海小学校が京橋小学校と築地小学校に分かれた経緯があるため、同窓会では抵抗がなく、子どもたちのためにも統合を可とする意見であったが、PTAの父母は、途中でエレベーターをおろされるのは困るとの意見が圧倒的であった。昭和63年に「中央区立学校適正配置等審議会」の答申があり、平成元年、実施計画が発表された。この間、私達は、統合に該当する小規模校6校を視察し、PTA父母及び同窓会と統合についての話し合いを行ったが、同窓会では、「何故、我が母校をなくすのか」の激怒の声に終始した。私達は、児童数が当時8名を割ると複式学級になり真の教育ができなくなるのではと訴え、運動会、学芸会、臨海・林間学校の課外の大切な行事ができなくなる状況を説明した。その中で、あるお母さんの「母校がなくなるのは寂しいが、私達は、今、子どもを育てている。急いでください」という声があった。お母さんは、子ども達のよりよい教育を、あるべき環境の中での子育てを願っていたのである。そして、平成2年に東華小学校と十思小学校が合併して日本橋小学校へ、平成4年に京橋小学校と築地小が合併して京橋築地小へ、平成5年に京華小学校と鉄砲洲小学校が合併して中央小学校になった。今、本区は、この時と同じ状況に追いつめられているといっても過言ではない。八重洲から大川端に至る地域に5校の小学校があるが、住民が少ないため児童・生徒の出現も望めず、交通のアクセスも悪く、子どもの通学やPTA活動など、人集めにも難しい問題を抱えている。今年3月、小学校で行われた「居住地確認」は当然のことと評価するが、このあとはどうするのか。今、問題なのは「特色ある学校づくり」ではなく、減少を続ける地域の小学校をどうするかが第一の問題ではないか。仮に特色ある学校を16校作るとしても、とても難しい問題を抱えている。英国では子ども達の教育に大切なものを、一に友人、二に先生、三に施設、四に環境としているが、小学校6年間の子ども達の基本的教育期間には、特色ある学校より、多くの学友こそが必要なのではないか。第1次適正配置は成功したといえるが、11年後の今、また、適正配置か否かの大問題、次代を担う子どもたちの将来を占う時がきた。「第2次適正配置」を時を置かずして行うべきでは。

区長 昭和63年4月「中央区立学校適正配置等審議会」答申の中では、「学校・学級の適正規模」「適正な通学区域」など、今日でも十分尊重すべき考え方が示され、また「小学校の配置計画」については、具体的な校名を掲げながらその方策が示されている。しかしながら、当時は、長年にわたって人口が減少傾向にあり、まちの様相も今日とは大きく異なり、当時と現在では学校を取り巻く状況が著しく変化している。近年、本区の人口増加に伴って学齢人口が大幅に増加する一方、地域ごとの人口偏在により児童数の学校間格差が拡大するなどの問題が生じている。さらに、この傾向は今後、十数年にわたって続くと予測されていることから、小規模校と人口増加地域の学校それぞれに課題を抱えており、早急に方向性をとりまとめることが求められている。また、防災拠点としての学校、地域住民の拠り所としての学校、あるいは貴重な遊び場としての空間を持つ学校等、地域における学校の役割が一層大きくなっている。こうしたことから、子どもたちのよりよい環境づくり、地域の核としての学校といった観点に立って、学校のあり方を検討する必要があるため、今年度、教育委員会において「学校教育検討会」を設置した。これまで、区立学校は、地域の方々、PTAなど、多くの方に支えられながら存立してきたが、改めて区民の皆様の意見を伺い、小学校のあり方について考えていく。

「特色ある学校」づくりを問う

 公立小学校の自由選択制や「特色ある学校」づくりには疑問がある。都から「特色ある学校」のメニューが示されているのか。あるいは、各区・各校でということなのか。それであれば、これをうけ教育委員会は各小学校に何をもって「特色」とさせ、そのための予算はどうするのか。また、今年度、設置された「学校教育検討会」の委員には、一番困っている学校長、PTA、同窓会の方々を入れて検討すべきでは。

区長 「特色ある学校づくり」は、各学校で培ってきた歴史や伝統、保護者や地域の方々の願いを受け止め、推進していく必要がある。国や都教育委員会から具体的なメニューは提示されていないが、本区では、全児童が一輪車や和楽器に取り組む学校、読書指導を重視し授業時間以外に朝読書や読み聞かせなどを行う学校、英語活動に加えてフランス語をはじめフランスの文化に触れ国際感覚の育成に取り組む学校など様々な工夫をしている。その外、地域の方をゲストティーチャーとして招き、伝統工芸品を作成したり銀座の柳の草木染めをしたりして、地域の理解や郷土愛を深めるなど地域と連携した取り組みをしている。「特色ある学校づくり」については、平成16年1月に答申のあった「中央区の教育を考える懇親会」の報告の中で「公立学校は、地域とともに歩む学校づくりが不可欠であり、保護者や地域住民からも魅力ある学校として評価されることが大切である」と述べている。これまでも、運動会や周年行事等における地域の協力や、学校公開授業や学芸会等に町会や自治会等からも参加いただき、地域の核として、地域に支えられ、育てられてきた。地域と学校が一体となって運営はされており、本区の特色ともなっている。こうしたことは、子どもたちにとって魅力ある学校づくり、地域から信頼される学校づくりという点からも大切なことと考える。今後さらに「特色ある学校づくり」の推進や適正規模の学校・学級づくりの観点から、他の自治体で実施している全教科の授業を英語で行うなどの教育特区の導入や小規模特認校等の検討を行うことも大切と考え、「学校教育検討会」で検討することとした。今後も、保護者などの区民の意見を聞き、本区にふさわしい「特色ある学校づくり」を目指していく。

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お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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