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一般質問・答弁の要旨

中央区議会自由民主党議員団 矢吹 和重議員

区長所信表明を問う

 区長は就任第一回目の所信表明では「わかりやすい政治の確立」と「血の通った行政の実現」を基本的政治姿勢とし、今回の所信表明では「快適」「環境」「災害」をキーワードに「日本一、世界一のまち中央区」をめざしたいとしている。現在、中央区を取り巻く状況は大きく変わり、また変わりつつあるが、改めて区長の「政治倫理の確立」についての所見を。

区長 社会経済環境が大きく変化しつつある中、区民が主人公の区政運営を進めるには、区民の区政への信頼が何より大切。ひとたび失われた信頼は容易に回復できないため、区長就任以来一貫して政治倫理の確立を訴え職員に徹底し、自身をも厳しく律してきた。これまで区政情報を積極的に公開し、情報公開制度の推進や、区長の資産等を公開し、職員には、綱紀点検調査委員会を設置し、不祥事防止の手引きを作成するなど綱紀粛正に努めている。ガラス張りの公正で透明な区政運営はすべての基本と考え、今後とも信頼される区政に向け全力をあげて取り組む。

都区制度改革を問う

平成17年度は、平成12年度の都区制度改革以来の残された課題である「主要5課題」を最終的に解決して、都区間の財源配分を見直す総仕上げの時期になっている。都から大都市事務についての考え方が提示されたが、これまでの都区協議に反し、都が行う事業を増やし、都が留保する市町村財源を膨らますなど、自らの財源確保に問題をわい小化させているとしか思えない。残された時間はわずかで、早急に解決を図るために活動を強化すべきだが、主要5課題の解決に臨む区の基本的な姿勢と決意は。

区長 首都である大都市東京が抱えるさまざまな課題は、都と区が対等の立場に立ち、それぞれの行政責任を果たすことで解決できるもの。主要5課題を解決し新たな都区関係を築くことが、道州制などの地方自治制度改革の動きに対応するためにも必要と考える。今後も区長会をはじめあらゆるレベルでの活動を強め、都区制度改革の完成をめざして努力していく。

防災問題を問う

  災害時において、認知症やアルツハイマーにかかっている高齢者や障害者の避難対応について、防災対策上の一定のマニュアルがあれば、介護する家族は安心すると思うが、区の考えは。

区長 区では、家族と地域住民も含めた行動マニュアル「災害弱者と地震防災」を作成し区内全世帯に配布するとともに、障害の種類に応じて「地震防災についてのカセットテープ」などを配っている。また、平成10年に都と特別区が作成した「災害時における保健所活動マニュアル」による援護として、500人以上の避難所には「医療救護所」を設置することや在宅で避難している方々には保健師などが巡回して相談・指導を行うなどとされているが、今後はこのマニュアルをさらに見直し、よりきめ細かい対策を講じる。

福祉問題を問う

 介護保険制度の見直しの中で、「地域包括支援センター」の創設が提唱されているが、現行の「在宅介護支援センター」との関係について、現時点での区の考え方は。

区長 地域包括支援センターは、ケアマネジメントの公平・公正の確保と包括的・継続的マネジメントを強化するための総合的な地域ケアを担う中核機関として位置づけられたものだが、現行の在宅介護支援センターの役割を検証しつつ、核となる組織を新たな地域包括支援センターに移行させることが現実的な対応ではないかと考えている。しかしながら、地域包括支援センター業務の詳細など具体的取り組み指針がまだ示されていないので、今後これら事項が明らかになり次第、これまでの在宅介護支援センターの活動実績が活かせるような設置方策を検討したい。

 民間活力の活用を図り、保育所待機児の増加と保護者の多様なニーズに対応するため、認証保育所を平成16年度から18年度までの3年間に計9カ所を区内に誘致する事業がスタートしたが、(1)課題と効果は。(2)平成16年度の実績を踏まえた、今後の取り組みは。

区長 (1)子どもと保護者の日々の通園時間を考慮し、待機児の分布状況に照らした配置計画が必要。効果の面では、待機児の解消のみでなく、夜間や休日保育など新たな保育ニーズにも対応できたものと考える。(2)待機児の地区別分布状況を踏まえたよりきめの細かい配置計画を立てるとともに、病後児保育や一時保育などにも応じられる認証保育所を誘致したい。

まちづくりを問う

 「築地市場再整備」と「東京駅前の再整備」の開発は、日本橋から銀座、さらには築地から晴海・月島地区に至る、本区の一層の発展を支える骨格を形成するものであり、この波及効果により、区内全域さらには首都再生の牽引力となるもの。この2つのプロジェクトの今後の進め方は。

区長 築地市場地区については、本年度、「築地市場地区の活気とにぎわいビジョン」をとりまとめ、都には「エリアゾーニングによる跡地利用」などを地元の最低条件として明らかにした。今後、豊洲新市場の都市計画具体化の中で、再整備の動きが本格化することが見込まれる。区としては、引き続き「ビジョン」をたたき台にして幅広い意見を聞き具体的なまちづくりの構想をまとめていくとともに、時宜を失することなく都とも交渉を進める。東京駅前地区は、4カ所に分けて再開発が行われており、京橋二丁目西地区は再開発組合を設立し、都と都市再生特区の活用について事前協議しているところであり、人間味のあふれる都心をめざして地元と協議を進めていく。これら2つの再整備は、首都を象徴する「国際性」や「歴史と文化」を生かしたシンボル的な機能の確保も含めて、気品と風格のあるまちづくりに主体的に取り組んでいく。

 これからのまちづくりには、環境との共生の視点が欠かせない。再開発を通じて都心機能をコンパクトに集約し、近郊に大規模な緑地を確保するなど、広域的にまちの構造を再編していくことが求められるのでは。都心区の環境への取り組みとして、大胆な環境との調和を含めた広域的まちづくりについて、国や都に働きかけることも重要と考えるが、区長の所見は。

区長 地域の状況を見定めたうえで、必要に応じて分散する業務・商業などの機能の集約化を図り、市街地の再編を通して環境負荷の少ない都市を構築することも必要と考える。さらに本区がこうした地域ごとの特性を踏まえたまちづくりを進めることで、周辺地域も含めた広域的なまちづくりにつながるものと考える。今後、環境に配慮したまちづくりについても十分な検討を行い、必要に応じて都などへ働きかけていく。

 本区は豊かな水辺に恵まれている。商店街との連携によるカフェテラスやイベントの実施、水上交通の整備、水辺の緑化や浄化など、まちづくりの新たな視点として、もっと水辺の活用を積極的に取り入れていくべきでは。

区長 水辺は本区の豊富な資源であり、利用の仕方を工夫することで、区民生活の充実と観光や商業のさらなる振興に寄与する可能性がある。新年度では水辺利用の活性化について調査を予定しており、この中で、イベント創設、水上交通ルート、水質浄化対策などを検討していく。水辺の緑化についても、隅田川沿いの公園などにサクラなどの植樹を行っていく。

 銀座地区と晴海通り沿いのまちづくりについて、(1)数寄屋橋公園をもっと人が集い、憩える空間として銀座のシンボルとなる大胆な改修をしては。(2)三原橋の不法占有はどうなっているか。(3)晴海通りは築地ビジョンとも関係し、銀座との連動性は欠かせない。数寄屋橋公園、三原橋に新しい空間が生じれば、銀座と築地を結び月島へとつながり、晴海通りは各エリアを結ぶ大動脈の役を担うことになるが、区長の所見は。

区長 (1)本年3月末には地下鉄のエレベーターが完成し、平成18年度には公衆便所を改修する予定。今後はより開放的で明るい公園をめざす。(2)三原橋に隣接する公衆便所跡地を含む区域に観光案内所を有する開発が計画されるなど周辺の状況も変化しており、この機会をとらえ都への働きかけを一層強化する。(3)晴海通り沿いの各地区の魅力を一層高めるとともに、銀座や築地を訪れる国内外からの多くの人々が月島・勝どき、晴海地区まで回遊できるまちづくりを進めることが、本区のさらなる発展のために重要。今後、都とも連携し、地域の魅力の相乗効果を高める軸線として晴海通り沿いのにぎわいの創出に努めていく。

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お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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