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一般質問・答弁の要旨

友愛中央 小坂 和輝議員

築地市場移転候補地である豊洲の深刻な土壌汚染状況を問う

 「豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議」で移転候補地の豊洲は「国内最大規模の汚染区域である」ことが明らかにされたが、この深刻な状況を受けての「移転断固反対、築地市場現在地再整備実現」に対する考えは。

区長 本区は、終始一貫して市場移転に反対し、現在地再整備を強く要望してきた。

 専門家会議メンバーには、地質学者、地震の専門家、有害化学物質の医学専門家が欠けており、調査内容や土壌汚染対策の技術的可能性の証明は、不十分であると考えられるが、分析は。

区長 都は有害物質、土質、水質、環境保健の分野に精通した専門家を選定し、土壌汚染対策の調査、検討を進めている。

 ベンゼンの慢性毒性(発がん性、催奇形性)、シアンの急性毒性が健康被害を及ぼす可能性は大いに考えられる。食の安心・安全、築地のブランドへの悪影響も多大であり、移転計画を白紙撤回する必要性があると考えるが。区の見解は。

区長 専門家会議の最終提言やそれに基づく都の対策の説明を受け、区議会や関係者と相談し、適切に対処する。

「中心市街地活性化法」を用いた築地市場地区を核とした活気とにぎわいづくりを問う

 築地市場には、かつて再整備の計画があったが、平成11年に都から移転整備が出された。区は、区長・議長連名で「再整備に関する抗議」や「7つの疑問」など意見書を都に提出してきたが、平成18年「築地市場移転に断固反対する会」の総会が開催され、活動の終了と「新しい築地をつくる会」の出発が決議された。当時、都と協議した課題と進展状況は。また、現在の取り組むべき課題は。

区長 万が一の移転に備え、「築地市場地区の活気とにぎわいビジョン」の実現に向けて、市場跡地の優先使用等を都と協議する必要があるが、土壌汚染やオリンピック招致問題等で、具体的な協議が進展していない。今後の課題は、駐車場や仮店舗機能などの充実、鮮魚マーケットづくりでは、管理運営主体と想定される仲卸業者との協議がある。これらの課題を克服し、今後、区有地を活用した先行営業のための具体的計画を策定し、段階的な整備を実施する。

 昭和6年に開場し、昭和63年に「整備計画」をまとめ、約15年の工期中、業務を継続しながら再整備を実現した「大阪市中央卸売市場」の例もある。築地市場現在地再整備は可能であると考えるが。

区長 「築地市場現在地再整備促進基礎調査」の事例分析では、工期や整備費の大幅な見直し・仲卸業者の統合による事業者数の削減などの対策に関係者が努力を重ね、成し遂げたと指摘。この事例を参考として、具体化の進展を期待する。

 都とまちづくりの協議をしていくには、権威付けた形で交渉に臨む必要がある。「中心市街地活性化法」に基づく、第3セクターによる(注)TMOを設立し、まちづくりを進める手法が可能と考えるが。

区長 有効な手法と考えるが、築地市場地区に適用した際には、整備費用の確保、輻輳した権利関係の調整など地元への負担が大きくなる。また、都の権限の区への移譲などの問題がある。「NPO築地食のまちづくり協議会」などと継続的に話合い、築地市場地区の新たなにぎわいづくりに向けてまちづくりを推進する。

築地市場を有する地元中央区の責任として、「築地市場現在地再整備(及び環状2号線地下化)」を実現するために、今こそ具体的行動を起こす必要性を問う

 本年7月に「専門家会議」の提言が出され、8月以降に都の方針が出されるが、今こそ、都に地元及び市場関係者の要望を伝えるべきでは。「土壌汚染地への移転断固反対の会」の立ち上げと都への抗議を。

区長 6月27日開催予定の区議会全員協議会での都の説明と質疑の状況を注視する。専門家会議の最終提言や都の対策の説明を受け、区議会や「新しい築地をつくる会」などと相談し、適切に対応する。

 都がオリンピック誘致計画の中で、築地市場をプレスセンター建設予定地としている以上は、区はオリンピック誘致には反対の姿勢で臨むべきでは。

区長 東京の魅力を全世界に発信し、友好親善を深め、世界平和に貢献できる機会になると考えるが、この計画には市場跡地のメディアセンター構想など本区のまちづくりに大きな影響を及ぼすものが含まれている。今後、区議会・区民の意見を聞いて課題解決に向けて都との協議に取り組むとともに、五輪招致実現に協力して行く。

 築地市場移転を前提に環状2号線は地上化になったが、移転がなくなる可能性が大いにある状況では、住民感情に配慮し、一時計画を中断すべきと考えるが、都へ要望をしていくべきでは。

区長 現状では土壌汚染対策で豊洲新市場の開場は数年遅れることが確実視されている。都の動きを注視し、一連の都の計画が整合のとれたものか検証の上対応を考える。

 6月9日の環境建設委員会で築地市場のアスベストの残存状況の質問に回答はなかったが、状況と対策の必要性は。耐震化の状況と合わせて、早急に調査して対策を。

区長 都が行った調査結果で、露出した吹付け材等が7ヶ所判明。その内早期の飛散防止対策が必要とされた4カ所は、除去工事が進められ、今年度中に完了予定。残る3カ所は、吹付け等が安定しており、現状では、飛散の恐れがなく、点検などで安全確保に取り組んでいる。都は平成8年度から耐震診断や耐震補強工事を実施している。

築地市場移転問題は、日本全体の問題であることを問う

 世界の生鮮市場は郊外型にあるのに対して、築地が首都の中心に現存するのは、築地市場を日本の食文化として象徴しているからであるが、現在地再整備による、築地市場地区や区の将来像は。

区長 築地地区の活気とにぎわいを発展させ、銀座などの周辺地域との連携により、日本の食文化の中心として、さらには都心商業の一大集積地として、繁栄に導くものと考える。

 日本の土壌汚染対策の悪しき前例を作らせないためにも、移転はすべきではないと考えるが。

区長 汚染対策は、法令等に基づき、専門的見地から調査、検討されるべきもので、生鮮食料品を扱う市場用地として適切かを判断できるものと考える。

 築地市場の売却により莫大な売却益が発生するが、それにより築地の食文化、魚河岸の文化を犠牲にしてはならないと考えるが。

区長 利権などにより、影響を与えてはならないことは当然である。


(注)用語の解説
TMO(タウン・マネジメント・オーガニゼーション) まちづくりを運営・管理する機関

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お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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