一般質問・答弁の要旨
中央区議会公明党 中島 賢治議員
子育て支援を問う
問 安心して生み、育てる環境が充実していない。教育費負担も増加し、更なる支援策の充実が必要では。
区長 子ども医療費の支給対象拡大等、独自に取り組み、今後も保育所新設や出産環境を整備する。
問 共働き夫婦への一番の支援は保育園の充実。今後も増える若い世代のニーズを考え、更なる整備を。
区長 新規認可保育所の開設と既存の保育園の改築による定員増で拡大を図る。また、認定子ども園の開設や開発事業者と保育スペースの確保を協議する。
問 規制等を緩和し、民間の認証保育園の誘致拡大を行うなど、早い対応が必要では。
区長 都の開設の改修費補助条件が厳しく、事業者の意欲が減少する状況。条件の見直し等、参加しやすい仕組みづくりを早期に検討する。
問 保育の中での充実した教育を望む声を聴くが、認定子ども園なども早期に推進、拡大すべきでは。
区長 平成23年4月に民間事業者による認定子ども園が開設予定。今後、拡大を検討する。
問 家庭福祉員が0歳から3歳の保育に大きな力となっているが、
(1)3人の保育は大変な負担。現在、11名と人数も増えず、増員を図るべきでは。
(2)保育効率でも、預かり年齢を下げたり、近い月例の保育など、保育環境も考えた取り組みに変えるべきでは。
(3)更に福祉員の必要性が高まるなら、複数による保育ができる環境や認証B型保育園なども取り入れるべきでは。
区長
(1)登録が少ないことから、十分に周知し、交代要員の確保等の支援施策の拡充に取り組む。
(2)保護者の希望優先などもあり、慎重な検討が必要。
(3)施設確保や責任体制など課題がある。B型は、平成19年度に1カ所移行した。今後様々な角度から検討する。
学校の通学を問う
問 来年度から特認校制度が実施されるが、隣接校への通学は認められていない。人口増による偏りから学校人数を緩和し、平均化を進めるためにも隣接校の通学拡大の早急な実施が必要では。
教育長 児童数が増加傾向の月島地域から57名が特認校通学を希望し、一定の成果。隣接小学校への通学は、今後の状況を見定めての検討。
高齢者問題を問う
問 地域に永年暮らす高齢者が安心して過ごすことの出来る住居の確保が福祉の基盤となる。今後の高齢者住宅の必要性と考え方は。
区長 安心して入居できる住宅供給の促進が重要。東京都宅地建物取引業協会等と連携し、高齢者を拒まない「円滑入居賃貸住宅」の登録促進など、積極的に取り組む。
問 民間賃貸住宅に住む低額年金受給の女性高齢者の家賃負担は、大きな問題。平成3年から19年まで実施した「中央区高齢者、身障者等の住み替え家賃助成」制度の再実施についての見解は。
区長 バブル期の底地買いなどによる立ち退き事例の多発により、都が開始し、昨年度終了した。今後は、「家賃債務補償制度」など支援策を図るとともに、家賃助成制度については、あり方を検討する。
問 賃貸で暮らす高齢者が多数いる。区の高齢者住宅の政策が福祉政策として開始した経緯から、一般住宅と同じ所得制限でなく低所得者に対応した所得制限にすべきでは。
区長 所得があっても、高齢や連帯保証人がなく入居できない例もあり、都営や区営住宅の単身者向け住宅に申し込むことが可能な低所得者だけでなく、高齢者であれば幅広く申し込めることが適当。
問 公営住宅の抽選は、ある意味公平性に欠ける。公共住宅に入れない低所得の高齢者への「住宅手当」支給など福祉政策として公平性を保つ政策も盛り込むべきでは。
区長 すべての世代に共通するものであり、現状では住宅手当の支給は難しいと考える。
問 成年後見制度は、個人の財産には有効だが、権利には万能でない。制度がスムーズに利用されるよう区民後見人(社会貢献型後見人)の育成を拡大すべきでは。
区長 社会貢献型後見人の育成制度は都が実施しているが、希望者が少ない。制度の普及啓発と後見人のサポート体制の充実に取り組み、参加の拡大に努める。
問 日常の金銭管理を行う地域権利擁護事業があるが、本区も事業の相談や金銭管理業務の拡大が懸念される。区の退職者やシルバー人材センター登録者で業務経験者などを活用し、充実すべきでは。
区長 担当職員は、社会福祉協議会で採用。利用者の増加が見込まれ、多様な人材を活用した体制強化が図れるよう支援する。
問 高齢者が日頃の生活状況、口座や保険証・年金番号などに加え、介護や葬儀の意向等を記録しておくことが認知症となった時に役立つ。本区においても気持ちを伝える記録ノートを実施すべきでは。
区長 万が一の時に本人の意思に沿った援助を可能とし、本人と家族双方に役立つ。各種の記録ノートが市販されており、高齢者の相談業務において、紹介していく。
環境問題を問う
問 京都議定書の2012年までの削減目標に対し、現在、減るどころか増えている。この状況での本区の削減状況と達成への可能性は。
区長 区内のCO2排出量は、2005年度で1990年度比14.1%増。前年比も9.4%増。本区の目標1990年度比5%削減達成に向けて全力で取り組む。
問 日本のエネルギー使用の中心の電気は、58%が火力発電。その過程でCO2を排出している。地方からの送電ロスは大きく、これを地産地消で最小限にすることが、効果的な温暖化対策と考える。地域での発電に太陽光発電があるが、本区の行政、民間の取り組みの現状は。
区長 公園にソーラー照明燈等、本庁舎等6施設に太陽光発電装置を設置。今後も、施設改修や新設時に導入を図る。民間施設への導入状況は把握していない。
問 都や国が太陽光発電の補助制度を予定している。太陽光発電は技術も向上し、発電効率も採算ベースに近づいている。本区も太陽光やクリーン発電の促進を図るべきでは。
区長 本区も事業所等に対する助成の上乗せを検討する。また、太陽光発電以外の新エネルギーは、技術の進歩を見定めながら研究する。
問 浄水場や下水処理場での電力使用量は多いといわれる。飲料用以外の生活用水に雨水を使うことがCO2削減につながると考える。本区もビル等の建築の際の指導要綱に雨水タンク設置を盛り込むなど、雨水利用を促進すべきでは。
区長 小中学校等17施設での雨水利用や、市街地開発事業指導要綱に基づく環境計画書制度での雨水利用の指導等、積極的に推進している。
環境教育を問う
問 都の「海の森」事業では、江東・大田区の小学生が苗木を育て、植樹した。本区も参加すべきでは。
教育長 本区でも数校が参加し、苗木を育て、将来的に植樹を計画。この経験が未来への環境教育と考え、今後、広く学校に周知を図る。
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