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平成19年  築地市場等街づくり対策特別委員会(11月14日)

1.開会日時

平成19年11月14日(水曜日)
  午後1時30分 開会
  午後3時20分 閉会

2.開会場所

第二委員会室

3.出席者

(9人)
委員長 押田 まり子
副委員長 中島 賢治
委員 神林 烈
委員 石島 秀起
委員 二瓶 文隆
委員 田中 広一
委員 志村 孝美
委員 小坂 和輝
議長 鈴木 久雄

4.出席説明員

(14人)
矢田区長
髙橋副区長
吉田副区長
小泉企画部長
新治企画課長
辻副参事(都心再生・計画担当)
斉藤区民部長
中尾商工観光課長
越地土木部長
弦間土木部管理課長
西都市整備部長
田野都市計画課長
田村地域整備課長
林副参事(都市計画事業・特命担当)

5.議会局職員

土屋議会局長
土谷議事係長
村上書記
相崎書記

6.議題

  • 築地市場問題及び東京駅周辺等地域整備に関すること

(午後1時30分 開会)

○押田委員長
 どうも御苦労さまでございます。ただいまより築地市場等街づくり対策特別委員会を開会させていただきます。

 まず初めに、本日、区長は公務のために途中で退席をいたしますので、御了承をよろしくお願いいたします。

 それでは、まず議題の審査に入りますけれども、質疑につきましては既に御承知のとおり、理事者報告に対する質問とあわせて行いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、理事者報告をお願いいたします。

○小泉企画部長

 1 第5回豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議の概要について(資料1)

以上1件報告

○押田委員長
 どうも御苦労さまでございます。

 発言の持ち時間制につきましては、既に御承知のことと思いますので、よろしくお願いいたします。ただいまの時刻は午後1時37分でございます。したがいまして持ち時間は、自民党さん76分、公明党さん48分、日本共産党さん34分、友愛中央さん34分となりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、発言をお願いいたします。

○神林委員
 土壌汚染対策等に関する専門家会議の報告についてまずございまして、これまでも区長を先頭に築地市場移転断固反対という流れがございまして、こうして今、新たな問題が提起されて、その調査結果については注目、強い関心をもっていくということだろうと思いますが、きょうはこの御報告の点以外で、若干お尋ねをしたいと思います。

 本年の6月19日に、いわゆる政府機関であります都市再生本部では、大変中央区に関係の深い一つの提言をまとめたわけであります。中央区は歴史的に産業その他いろいろな集積があるわけでありまして、衰退したもの、失われつつあるもの、あるいはいろいろな観点からいえば、日本の中心地としてさまざまな多機能の集積があるわけです。築地市場もそういう中のいわゆる日本橋にあった時代からの歴史的な集積機能として、一つ大きなテーマであります。

 ほかにももちろん、きょうは報告が出なかったわけでありますが、東京駅前等の都市再生、あるいは横山町地域の繊維産業の再生、そして、なおまだ印刷・製本等の集積地域での都市再生、さまざまな地域が抱えるそれぞれの地域特性のある都市再生というのがあるわけでありますが、忘れてはならない集積機能の一つに、渋沢栄一が創立に関わった、明治の初期の国立第一銀行ですね。その周辺における金融街地域というものが、これまで、明治以来、日本銀行、そしてこの兜町地域の金融街地域という特化された集積地域があって、これがIT化といいますか、そういう中で非常に分散化したりしているという部分もありますし、かつてアーバンルネッサンスというふれ込みの中で、もう20年近くなるわけでございますけれども、アーバンルネッサンスという中で日本がこれからバブル景気を迎えようとするときに、これじゃあ狭小にすぎるじゃないかというふうな兜町地域のオフィス事業に対して対応していかなくてはいけないという一つの大きなのろしが上がったわけでありました。それがいろいろな社会的、経済的な背景の中で、いったんすぼんだ経緯があります。

 今回、我が日本のこの金融市場としての国際的な位置づけが、かつてロンドン、ニューヨーク、東京と言われていた、その三つのトライアングルの一つ。それが現在、アジアでも4番目、世界的な金融市場の大きさからいって9番目、10番目に位置しているところとなっていることは御承知のとおりであります。そこで経済を支えていくところの根幹である金融というものにかかわるこの取り組みというのは、非常に大切なことでありまして、巷間さまざまに金融が悪いイメージを持って語られるニュース素材等が多いので、若干、比比的な、何、金融、あれ、何、株、そういうふうな印象があるわけでありますけれども、やはり金融というのはお金の出る、生む、そういう一つの大きな機能を持っているのでありまして、これなくして経済も成り立たないわけでありますし、経済が成り立たなければ財政的な行政基盤もまた成り立たないわけであります。ある意味で抑制された市場主義ということにおいて、これからの活性化を図るという意味では、中央区も一つの大きなこの地域の再生というものに対してどういうふうに取り組むんだろうと。

 政府機関としては、国際金融拠点機能の強化を図るとあります。今、結局、ITの関係で、いろんなセクションが、兜町地域以外の高機能を持ったオフィスビル等へ移転したり、ディーリングルーム等も各それぞれの証券会社が、競争的な配置の中で、集積的な機能というものを地域として持ってないものになってしまった。それゆえに非常に情報が散漫になる。情報が散漫になれば国際金融機関としても、協議する場というか、あるいは情報交換の場というものが非常に希薄になる。しかも、この地域へ行ってもさまざまな意味で国際金融拠点機能としての不足もある。周辺の、もちろん食べるものもそうです、いろんな方が来るときの生活環境もそうです、インフラもそうだし、あるいは医療機関はどうなんだ、あるいは教育機関はどうなんだ、そういうふうないろんな意味での角度からの国際金融拠点というものが、ロンドン、ニューヨーク等においては徐々に徐々に整備されているわけであります。それも集積的に整備されているという一つの実態があるわけであります。

 そこでお尋ねするのは、1点だけ、いわゆるこの国際金融拠点を、従来の明治以来の兜町地域、日本橋地域、そういったものに集積をさせようという、中央区としての取り組みのこれからの展望は、どういうふうに一つ持つんだろう。アーバンルネッサンスのときには、ああいう時代背景の中でそういうことになった。しかしながら中央区としては、これを失えばどうなるんだという影響を考えたときに、商業の反映というものを裏付ける国際金融拠点機能の集積、これについてどう取り組むんだろう。大きな関心があります。これを黙認して、なるようにしかならないとなったならば、これはやはり中央区の大きな損失であろうと私は思うわけであります。その点について、今後どのように取り組まれていくのか。これは別に、きょう、あした、一朝一夕でなる仕事ではありません。もちろん中期的に、長期的に、しかしスタートが肝心でありますから、その辺について、政府機関としては平成19年度中に一定の方向性を持ちたいと、こう考えているわけであると聞いておりますが、その辺についてのお考えをお尋ねをしておきたいと思います。細部にわたることではありませんが、基本的な姿勢の持ち方についてであります。よろしくお願いします。

○吉田副区長
 委員御指摘のとおり、今年6月に都市再生本部の方から、国際金融センター構想というのが打ち出されているわけでございます。この部分について、私どもも現実の問題として、現状の兜町、あるいは茅場町という従来の金融街と言われていたところとあわせて打ち出された構想というものを考えていった場合に、この構想については相当真剣に取り組まなければいけないと考えておりまして、現在、私どもは江戸橋地区というところで再開発の研究会等をやっておりますけれども、そういったものも広いこの国際金融センター構想の中において、具体的に検証する必要があるだろうと考えておりまして、この部分については積極的に取り組みたいと考えております。

 と申しますのも、平成10年に場立ちが廃止をされ、それから市場スケールが非常に大きくなったために、証券会社の法人営業部がほとんど、例えば代表的な野村證券などは千代田区大手町に移ってしまうというようなことから、かなり兜町はある意味で低迷というような状況が出てまいりました。近年に至りましては、兜町の真ん中にマンションが建つというような事態もあるわけでございまして、まちのアイデンティティーもやはり失われているのではないかと懸念される部分も出てきておりますので、そういった部分で、この金融センター構想については、現実の兜町のあり方、茅場町のあり方ということもあわせながら積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

○神林委員
 積極的に取り組まれていこうという御姿勢について確認をさせていただきましたけれども、もちろん御存じのとおり、金融取引のオフィス的な、ビジネス的な部分だけではなくて、やはり国際金融市場の拠点となるには、それを含み包み込むようなさまざまな文化的な要素であるとか、あるいは居住的な要素であるとか、あるいはアミューズメントのある地域性のつくり出し方とか、防災も含めて安全な地域環境、さまざまな角度からの非常に豊かな関係のあるそういう機能を持った地域形成、こういう意味でありまして、ただ株屋さんの仕事がやりやすくなるという意味ではありません。そういう集積をもう一度持ち直すという意味では、野村證券の大手町移転や日興コーディアルグループのやはり大手町移転、あるいはさまざまな拠点機能が退出している部分について、もう一度そこへ集積をさせようというという意味でございまして、ニューヨークはあれだけのインターネットの盛んな株式取引でありますけれども、いまだに場立ちをやっているわけであります。こういった意味でそういった関係機関等々の協議の上で、ぜひこの活力ある、情報交換ある、また人間味のあふれるようなそういうタウンというものを、もう一度、中央区の大きな力を発揮して、関係機関と協議の上、進めていくような、そういう取り組みを要望して終わります。ぜひよろしくお願いいたします。

○二瓶委員
 それでは1点、質問をさせていただきます。

 昨日、東京青年会議所が主催しまして、市民討議会というフォーラムが開催されました。城東小学校でやりました。私もOBとして呼ばれましたので、フォーラムに参加してまいりましたが、市民討議会というのは、いろいろパブリックコメントや公聴会がある中で、ドイツでとられた一つの手法ということで、無作為に住民の方に対して一つのテーマを決めて、参集していただいて、討議をする。そこで、賛否を問うというのが一つの特色であるというお話を聞かせていただきました。

 江東区、墨田区、葛飾区で実際に青年会議所主催の討議会に来られた住民の方が来ておりましたが、やはり意識レベルとしては、そういうところに参加されるという方は、いろいろな町会活動等、積極的に活動されている方なのかなという認識は受けました。パネラーの中にはNHKのラジオのディレクターの方とか、経済産業省の方、あとは学識経験者の学校の先生がいらっしゃっていましたが、話を聞いていまして、国レベルの官僚の方だとなかなか町場までおりてくることがなくて、本当に国民、市民、区民がどのような認識を持っているかというのがつかめないでいるのかなということを感じましたが、本区に置きかえてみますと、わりと中央区の行政の方は町場におりていって、いろいろまちの方の御意見を聞いているのも認識しておりますので、一つの手法としては市民討議会、目新しいものが好きな青年会議所のことですから、一つの手法としてはおもしろいのかなという認識をしてまいりました。

 その中で、パブリックコメント、またこういう情報公開制度の会議の討議の中で、どうしても発言されるという方は声の大きい方の発言が多いんですね。本来あるべき声なき声というんですかね、こういうところでは発言はされないけれども、潜在的に持っている意識等をどのように聞き出してくるかというのがこれからの課題だなと、きのうのフォーラムで感じたところでございます。

 そんな中で、今、築地市場に関しては、土壌汚染の問題を含めて、豊洲への移転、これは中央区におきましては矢田区長を筆頭に継続的に反対運動を展開してまいりまして、吉田副区長を筆頭に実務的に町場におりましていろいろな意見を聞きながら、万々が一、移転があったときの場合にどのようにしていくかという本区の立場を明確にされて、継続しているというのは、大変すばらしいことだと思っております。

 今回、専門家会議の中で報告されましたのは、やはり再汚染の可能性も大変高くて、発がん性の高いベンゼン等が基準値の1,000倍を超えるようなデータが出てきたということでございます。東京都議会の方の公営企業会計決算特別委員会におきましても、議員の方がこの問題を取り上げて、どのような対策を考えているか。それに対して東京都の中央卸売市場長の答弁は、これは防ぎようのある対策であるから、地下水は上に上がってきても、それは分散する。要するに、この基準値を超えるデータが出たとしても、対策としては講じられるのだ。予算的に規模はどうするのかというと、それは当然もともと汚染物質をつくってしまった東京ガスが経費負担をするから大丈夫ですという答弁を一貫してされているということで、土壌汚染の問題と築地市場が豊洲に移転してしまうという問題とが、今のところは東京都のいろいろな話の中では出てこないということでございます。

 そんな中で、私も職業柄、築地の場内外問わず、税理士として会計を数社見ておりますが、生の声を聞きますと、やはり市場移転はないならない方がいい。それよりもまずは今の現存する体力、要するに企業体としての体力を温存しながら、何とか商売が継続できる方法が一番うれしいんだということは常々聞いております。新市場に移転すれば、当然家賃の問題、また、よりいいんでしょうけれども管理費の問題等がかなりの負担になってくるということで、四苦八苦していて反対ということもあると思います。

 改めて、きょうは確認なんですが、本区としては万々が一ということをうたっていますが、そうはいっても東京都の姿勢というのは一貫して市場移転ありきなんだということをいろいろ認識しながら、本区における企業体、また築地市場の方々を守らなければいけないという観点から、改めてどのような認識をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。

○矢田区長
 築地市場の問題、特にこの土壌汚染問題ですね。これは、今、説明があったような対応を専門家会議が行おうということで進んでいるわけでございまして、期間も来年の7月ぐらいまでですか、その間、調査するということですが、大変重要な問題になってきている。東京都の皆さんが考えている以上に深刻な問題になっているんじゃないかなと私自身は受けとめているところでございます。

 今、食の安全性ですね。ちょっと日にちを、1日、製造日を変えただけでも大変なことになることが、また賞味期限の問題とか、食の安全というのは本当に重大、重要な問題にすぐなるという中で、土壌汚染があるところへ、東京都もこれからいろいろな対策をとられようとしているわけですけれども、そう簡単に解決できるのかなと私自身は認識しているわけでございます。

 とはいえ、設置者である築地市場の開設者、これは東京都の権限ですから、私たちにあれば、建てかえはとっくのとうに現在地で行うということで進められるわけですけれども、残念ながら東京都にあるということでございます。したがって東京都は何がなんでも豊洲へ移転であると、これは譲らないで、先ほど御紹介があったような姿勢をこれからもとり続けるであろう。こういうわけですから、私たちは市場移転断固反対という姿勢をこれからもとり続けますが、万が一ということはやっぱり行政の責任として、万が一、東京都が移転するということを、これをずっととり続けるとして、都民も国民も議会も理解を示すということになった場合に、じゃあ急遽どうするかというわけにもまいりませんから、そうなると大変な思いをするのは、あの地域の場内場外の方々、また消費者の我々、生活者の我々なんですが、したがって反対は続けるけれども、万が一ということを考えて、対応をしっかりとやっていく。これが私たちの責務であろうということで、区議会の皆様方の御理解を得ながら、また区民の御理解を得ながら今対応をしている、こういうことでございます。

○二瓶委員
 区長から力強い御答弁ありがとうございました。本当にこの問題に関しては、一貫して中央区は変わってないスタンスだと私たちも思っておりますし、行政、議会、そして区民と、三位一体になって、対応していかなければいけないと思っています。食の安全となると東京都都民全体の問題ですし、私は日中友好を進める一人としてなんですが、残念ながら今いろいろ、中国の食に関しては非常に危険なものもあると言われていますし、やはり食の安全というのは守らなければいけない。しかも我々中央区としては、中央区で商売をし、そして生活をする区民の方をしっかりと守っていかなければいけない。その決意を今、改めて区長さんからお伺いして、議会の方もしっかりと手をとり合って、今後ともこの築地移転の問題については検討して議論していきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 終わります。

○田中委員
 1点、質問させていただきます。今も、前委員さんも含め議論がありました。中央区、そして区議会の皆様と一体となって市場移転断固反対という姿勢の中で、早い時期から、特にこの土壌汚染問題についても七つの疑問等も含めて追求し、取り組んできた。そうした背景の中でこうした専門家会議で議論されている。そうした意味では本当に中央区、また区議会の皆様の大きな取り組みの一つの形として何か出てきたのではないかなと感じているところでありますけれども、いずれにしても再調査、追加調査が見込まれている。また一方では、オリンピックの検討している委員会の方が、方向性を総会で決めたことを発表されている。また地元は地元で、中央区のさまざまな御支援もいただきながら、歯を食いしばって商売を営んでおられる。いろんな状況が交錯している中で、当然、皆さん不安に感じながら、消費者の方も、また御商売されている方も思っていらっしゃるであろうと思いますし、私もそういう声を常日ごろ伺っているところであります。

 土壌汚染対策の専門家会議において、こうした調査が今後、長引いていく状況で、改めて確認でお伺いしますが、区民の皆様がどのように感じておられると、本区として受けとめておられるのか、まずその感想といいますか、御認識をお伺いしたいと思います。その上で、仮にこの土壌汚染対策に対して、今回こういった動きがあるわけですから、本区としてどのような行動を起こそうと考えておられるのか、お考えをお聞かせいただければと思います。

○小泉企画部長
 先ほども区長からお話がありましたが、食の安全といった問題については、日々の生活そのものの問題でもございますし、区民もやはり口の中に入れるものについて安心して食せるそういった食品、そういうものが確保されるということが一番大事だと思います。しかもそういった状況の中で、そういう汚染地に市場を移転して本当にいいのかどうかといった疑問も、心配もお持ちだろうと思っています。新聞報道でされているような、市場移転についての反対の意見がかなり強いということも、全体的にそういうものがあらわれていると感じているところでございます。

 そういう意味で、今回、新市場予定地がどういう汚染状況であるのか、汚染地であることは間違いないわけですけれども、一定程度の環境基準を相当超えるような汚染状況もはっきりして、数値であらわされて、問題がある土地だということも明らかになっております。ただそれに対して東京都は対策を講じていくということで表明しています。今回お示ししたものについても10メートルメッシュで調査を行っていくということでございますので、それらについて、やはり調査の行く末といいますか、最後までその結果を見届ける必要があるだろうと考えております。

 業界の関連の新聞報道等も、例えば東卸の代表者がこの調査について、これは環境基準の1,000倍を超えるベンゼンが出たと報道される直前でございましたけれども、ある意味で調査委員会を設けたことについての歓迎の意と同時に、やはり会員の方々が心配されているという状況があり、東京都からもきちっと説明してほしいという要望書も出ているというところでございます。そういう業界の関連の方々もこの調査についての行く末を心配されているという状況がございますから、区としてもあわせてこういった行き末をきちっと見守っていく必要があるのではないかと考えております。

○田中委員
 ありがとうございます。いろいろ難しい状況の中で、まずは注視していくという御判断されたことは理解させていただきます。

 若干お話は関連するんですが、先ほど来、区長さんの御答弁、今も企画部長さんからお話がありましたけれども、食の安全という1点、それから不安という区民の気持ち、その一つがあらわれたなと感じたのが、先日のまちづくり協議会で、環状2号線の換気塔の話が再度出てきたわけでございます。当然、以前からもいろんなところでそういった話が出てはいるんですが、やはりここへ来てもう一度、地域の方の代表がお話をされた。それはやはり食の安全の話も、それから不安だという気持ちも、いろんなことが交錯して、やはり何度も出されたのであろうと思います。後でいろいろお話を伺っても、難しい状況はわかっているけれども、でもやっぱり不安なんだというお気持ちだったようであります。

 私も素人ながらいろいろ調べてみたんですが、単純に考えれば、地下のトンネル構造の中で換気をするんですから、出入り口に換気塔を設けるのは普通の考え方だろうなと思うんです。ですけれども、東京都が決定されたとおりでいくというふうに言っている中で、基礎的自治体の本区として、区民の皆様の思いを受けて、何か対応すべきであろうと私は感じております。改めてその点について、区民の気持をどのように受けとめておられるのか、また検討することが可能なのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。お願いします。

○越地土木部長
 環状2号線の換気塔の件についてお答えいたします。先日、10月4日の段階で、環状2号線につきましては地上化という形で都市計画決定の告示がなされたところでございます。その中に換気塔の位置も、用地も含めて決定されたということで、東京都はこの前のまちづくり協議会の中で、この位置でやっていきたいというふうに説明したところでございます。当然、近くに現在お住まいの方ですとか、市場の方が、環境に対する御懸念、御心配等があるということは私どもも存じております。環境アセスメントの中では、きっちり調査した中で、環境問題についても、かなり換気塔の高さも高くなるので拡散もするし、その辺も全部計算したので大丈夫だと言っておりますので、私どもはそれが本当に大丈夫かということを再度きちっと検証した上で、その計算の根拠等も、当然、実施の段階において、東京都がまた事業説明という形で行うことになっておりますので、その辺もきっちり正した上で、我々も責任を持って東京都へやらせるという形で臨んでいきたいと思っております。

○田中委員
 ありがとうございます。再度、検証されるということで、今、御答弁を伺いましたが、いずれにしても区民の方の思いをしっかり受けとめていただいて、単純に東京都がやろうとしている取り組みについて、ただ検討だけではなくて、そうした大きな動きの中での、一換気塔かもしれませんけれども、改めてそういうお声があるんですと、そういったことをぜひとももう一度、東京都に区の方から上げていただくなり検討していただきたいと私は思います。ぜひともよろしくお願いしたいと思います。

 それからもう1点、これも関連で話す部分ですけれども、最近地域の、特に御商売されている方々とのお話の中で、例えば築地場外市場であればいろんなイベントをやっている、たくさんの人に来ていただいている。そういった中で、せっかくよそから人に集まっていただいているのにその場で終わってしまうのはもったいないだろう。今までも本区として一生懸命、この連続性がどうやったらとれるかどうか苦労しながら悩んでいろんな取り組みをしてきていることも当然皆さん理解はしているんですけれども、あえてこういう変化の中で、今一度そうした人が集まった中で、それがまたさらに連続性で他の商店街へも行くような、例えばイベントの日程をあわせるですとか、以前から主張させていただいております地域のコミュニティバス、これも生かしながら人が移動できるような環境をつくるとか、いろんな考えはあるかと思うんです。今までの取り組みは今までとして、改めて今後、そうした地域の活性化の上で連続性の持てる取り組みができるのかどうか、その点、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

○斉藤区民部長
 今回、観光商業まつりの中でも、各商店街を中心に多様なイベントをやっていただきまして、この期間に協賛行事だけでも41万人ほど集まったという実績がございます。中央区はある意味では小さいまちでございますし、それから交通機関も非常に発達してございます。今コミュニティバスのお話もございましたが、公共交通機関も発達して、歩いても楽しいまちということで、私どもも観光面、また商店街の活性化には回遊性というのが非常に大事だと思っております。既に大きなところでは東京湾大華火祭などにおきましても、帰りのお客さんについては西仲の方、あるいは銀座の方へ流れて、一カ所では必ずしも終わらないような状況であると伺っております。日常的なイベントの中でも観光協会、あるいは私どものチラシだとかホームページ等でも御案内をしているところでございまして、できるだけ回遊していただきたいという思いがあります。その辺についてはメッセージの出し方等もあると思いますので、ただ日にち、場所をお知らせするだけではなく、イベントの楽しみ方等を含めまして、より回遊性を高めるような取り組みをしたいというふうに思っております。

○田中委員
 ありがとうございました。いずれにしても、大きな変化の中で、不安の思いを、逆にそれを逆手にとって中央区のまちづくりを活性化させて盛り上げていくか、また安心・安全のまちをつくっていくか、またある意味では一つの考えるチャンスであろうと私は考えておりますので、ぜひとも今後とも御検討、特に環状2号線の換気塔の件については御検討をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 以上で終わります。

○志村委員
 11月になりまして、11月になったら土壌汚染の問題を、東京都にどうやって働きかけようかを含めた検討をしようというのが、当初、委員会の答弁であったんですけれども、その点の計画を、まずいつごろを予定しているのかお聞かせいただきたいと思います。

○小泉企画部長
 11月になってからというのは、当初、この専門家会議の立ち上げ時に一定程度の方向が出てくる予定ということでの議論かと思います。現在、こういう状況で推移をしておりますし、これらについても土壌汚染の状況がどうなっているのか、局部的には出てきているわけですけれども、正直いってまだ全体的な把握ができてない。それについての対策はとるのかといった問題も残っております。その対策の効果はどのような可能性があるのか、専門家会議の見解も必要だと思います。そういった少し先行きを見なければならないという状況に変わってきてございますので、この専門家会議の推移を見守っていきたいというのが現在の考え方でございます。

○志村委員
 私は今だからこそやるべきではないかと思います。以前は9月に専門家会議の提言が出るからということで、そのときに内容を見てということであった。それが無理になった。9月と今の11月の状況を見ると、この土壌汚染は大変深刻な問題だということが明らかになったと思うんです。だから、今だからこそ先行きを見て、最終的な結論というのもあるでしょうけれども、今の段階で判断して、築地市場の移転反対を強く望んでいる中央区として何を起こすべきかというのが、私は大事だと思うんです。これまでもこの土壌汚染の問題を質問として東京都に上げている。そういう中で今こういうことが起きているわけですので、ぜひそういうことが必要かなと思います。

 先ほど区長さんが述べました点、大変わかります、区長さんの立場は。だから私も、万が一築地市場が移転した場合の鮮魚マーケット構想が失敗してはいけないということで、万が一移転した場合を想定して、私もいろんな質問をしたり、提案をしたりしたこともありました。

 片や、やはり築地市場移転反対を、現在地再整備が望ましいと、これが一番いいんだという立場から、きょうは土壌汚染の現状を見ていきたいなと思っています。今、こういうショッキングな環境基準を超えるベンゼン、それからベンゾ(a)ピレン等の発がん性の物質が出たということでニュースなどでも取り上げられました。直近でも私が知る限りではフジテレビの番組とかテレビ朝日の番組でこの問題を批判的に取り上げているんです。今一番新しい論座という12月号では、これは朝日新聞社の発行になっていますけれども、築地市場移転の「ありえない」選択、毒物の上に食物を盛る「狂気」という形で出ています。これは大変コンパクトなんですけれども、この期間の経過がおおまかに書かれてありまして、私が議会でも取り上げたJAPICとの関係、つまり市場の跡地をどうするかというのは、以前からこの問題が財界とか金融界などでできているJAPICでやられていたことなども取り上げられていて、今の問題を理解するに大変いいのかなと思っています。こういう世論が、またマスコミが、このような問題でどうなのかというふうにいっている状況は、市場移転反対という立場に立っている私たちにとって有利に働いていると思います。東京都は頑として移転させようとしているんですけれども、しかし私は以前、委員会で綱引きみたいなものなんだということで、少しずつこっちに、まだまだ相手の力が強いんだけど、いろんな状況はこっちに有利に働いていると思うんです。今の客観的な状況を見て、市場移転反対という立場にとって優位な方向に展開しているのかどうかということについての見解はいかがでしょう。

○矢田区長
 本区が築地市場移転に断固反対であるということは東京都もよく認識していると思います。私のマニフェストでも築地市場については明確に移転断固反対であると。しかし、万が一の場合にはこうやりたいということを明確に出しているわけでございます。

 したがって、企画部長が答弁したとおり、専門家会議で何らかの方向が中間報告か何かで来年7月ぐらいには出るかもわかりませんが。本区の文書を出そうじゃないかということは、専門家会議は最初9月ごろ、あるいは11月ごろに提言と言っていたのが、さまざまな問題が出てどんどん後ろへ後ろへと行っているから、私たちの対応というか、そういう方針の見解も出せないできているわけでございます。したがって来年7月ごろ、次の専門家会議を開いて、そこで調査結果を述べるのでありましょうから、それを見極めた上でどういうふうに対応しようかということは、議長さんをはじめ区議会の皆様方によく相談して対応を決めたいと、こういうふうに思っているわけでございます。

 また、現在の世論等の状況を見てどちらが有利かどうかということはそんなに大事なことじゃなくて、区民、国民、都民がどういうふうに考えるかということが非常に重要でございまして、また、志村委員が市場移転断固反対一辺倒ではないんだと言われましたね。万が一ということは志村委員たちも考えているんだと。これは本当にありがたいと思うわけです。断固反対だけれども万が一ということも考えるということは、大体、区議会を含めて皆さんのコンセンサスなのかなということでは大きく自信を持ってこれからも取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っています。

○志村委員
 私は、万が一の場合も考えなくてはいけないけど、市場移転反対の立場に立っているのであれば、現在地で再整備をするということについて、万が一のことでビジョンを考えるよりも力を入れなくてはいけないという立場ですから、正しく理解していただきたい。そういう立場できています。だから、一番いいのは現在地での再整備なんですよということです。

 では、現在地での再整備という立場に立って、専門家会議に対してどのような結論を望んでいらっしゃるんですか。

○小泉企画部長
 この豊洲新市場予定地の広大な土地の汚染状況が少なくとも、まだスポット的な部分でしか把握できていないわけですから、汚染状況がどの程度あるのか、その対策というのは食品の市場として、実態的にはリスクをコントロールしていくという考え方に立っているようですけれども、そういうことが現実問題として可能なのかどうか、専門家会議の見解を出してもらう必要があると考えています。そういう結論が出た段階で、皆様と御相談しながら、今後の運動対策の取り組みについてお話し合いをさせていただくというのが、今の考えでございます。

○志村委員
 企画部長に認識があるかどうかわからないですけど、土壌汚染のリスク管理は無理だから市場移転はだめだということを出すような専門家会議ではないんですよ。さっき区長がおっしゃいましたけど、この市場移転を阻止するためにはいろんな運動とか、都民、国民の声、地元中央区、江東区などの声でとめなくてはいけないんです。ですから、専門家会議の結論がどうなのかで中央区がどう動くということではないんですよ。本当に移転をやめさせるためには、地元中央区、区民、都民がどういう声を上げるかというのが大事なんですね。

 以前から私も委員会で出しておりますけれども、この流れの中では東京都はここに市場をつくるんです、専門家会議はそのために土壌汚染の問題を検討して、それの対策を立てて、安全な市場をつくるためのリスク管理をどうするかという立場なんですよね。だから、ベンゼンが環境基準の1,000倍あろうとも封じ込めてしまえば使えますという立場に立っている。ベンゾ(a)ピレンもそうなんですけれども、リスク管理と、絶えずその立場に立っているんですから、これを、今のまま待っていれば、専門家会議の結論としては、汚染されていても上にいろんな対応をすれば大丈夫ですということになってしまうんですね。それだと中央区が一番切望している市場移転反対ということはできないんですよ。

 私、以前もこの委員会で言ったと思うんですけれども、専門家会議の座長である平田さんは、大阪のアメニティパークの中のマンション建設のときに、今の三菱マテリアルの立場で、その場所が土壌汚染されていて、その上にマンションをつくるということで大問題になったときに、その対応策を行ったときの座長をやった方なんですね。土壌汚染を封じ込めて、その上にマンションをつくるという立場に立った方で、論座によりますと、この平田座長というのは土壌汚染の修復ビジネスをやっている三井金属鉱業や前澤工業から、2001年から6年間で1,450万円寄付金を受けているんですね。土壌汚染をきれいにする企業からこれだけの寄付を受けている方が今の専門家会議の座長をやっていらっしゃるんです。資料1の2ページ目にもありますけれども、環境基準の10倍未満のものは処理しないんですかというのに、リスクをすべて除去するのではなく、リスクを管理していくとの考えのもと地下水を管理していくという立場なんですね。ですから、大変汚れているけれどもこれをどうするんですかとなれば、リスク管理で終わってしまうんですよ。これだと豊洲新市場予定地に市場をつくるということになってしまうんですね。ですから、こういう立場ではいけないと思います。

 地下水で環境基準の1,000倍を超えるベンゼンが検出されたということが出ましたけど、地下水というのは移動したりしますよね。それから、例えば乾いている土には毛細管現象で上に行くとか、そういう現象があるんですけれども、そのことについて調査するとなっていますよね。ここには今後対策をやると書いてあります。さらには液状化については、専門家会議は調査を必要と考えているといいながら、東京都は調査を実施しているという形に出ているわけですね。ですから、今の流れというものが、リスク管理の上で市場をつくるという立場になっている。今みたいな結論を受けてから中央区の動きをやりましょうというのは、市場移転を反対する立場に立てば、誤った判断を犯してしまうのではないかと思うんです。その点はいかがでしょう。

○小泉企画部長
 少なくとも専門家会議の結論を見込んで、行動を考えましょうということではなく、私どもの判断の材料の一つにしましょうということでございますので、少なくともそれで区民の安心が得られないとか、そういった一定程度の結論の中でいろいろ議論がまた出てこようかと思います。また、さらに疑問が出てくるとすれば、東京都を呼んで質疑をやる必要も場面としては出てくる可能性もあろうかと思います。そういった一定程度のまとまりの結論が出なければ、今そういう具体的な動きもとれない。そういう意味でこの調査の方向を今しっかりと見守る必要があるのではないかという考え方でございます。

○志村委員
 調査の方向を見守るという中で、この議事録もそうなんですけれども、例えば2ページに、調査については第三者のクロスチェックが必要ではないかということについては、今後の調査の中で検討していくというのがあります。それから先ほどの液状化については、専門家会議では調査が必要だと考えていると言いながら、東京都の方は平成18年に調査を実施しているという、こういう未確定なところがあるわけです。であるなら、そういうことをやるかやらないか、今の段階では私は不十分だと思うんですけれども、こういうことを実際やるという担保がとれているのかどうかお聞かせください。

○小泉企画部長
 今の段階で、これは専門家会議と傍聴者とのやりとりでございますので、その見解を述べたにとどまっているお話だと思います。したがって、東京都が具体的な対策を講じるかどうかの問題にもかかっていますので、その辺は東京都の判断も出てこようかと思います。そういう意味ではこれについての対策の確認を、どういうふうになるのかということも、それは事務的に私どもも東京都が結論を出せばその答えを引き出す、どういう対策をとるのかといったやりとりが実態的にはできるだろうと思います。それはこういった御報告の中で御紹介といいますか、御説明もしてまいりたいと思います。ただ、東京都が結論を出さない段階の中では、なかなか難しい面もあろうかと思いますが、そういった疑問点もいただいた上で、私どもも調査できるところは調査したいと思います。

○志村委員
 今やることは、こういう第5回の専門家会議を受けて、中央区がこういう調査はしっかりやってほしいという意見書を出したらどうかと思うんです。だって今まで土壌汚染問題を取り上げていたわけだから、そして最終的な結論でなくても、ここまで一応問題が浮き上がってきたわけです。4,100箇所調査を行うことはいいことですよ。そういうことはいいんだけど、例えば深さの問題とかをあわせて、私は今の段階で、中央区としてしっかりした安全性を確保できるような調査をどうやるべきかというのを検討して、意見書なりを出すということで、当初11月に専門家会議を受けて何かアクションを起こそうと言っていたそのことが、今できることではないかと思うんです。その点いかがでしょうか。

○小泉企画部長
 この間もテレビで、猪瀬副知事からちょっとコメントもありましたが、調査については完全にきちんとやっていくんだといった表明とともに、競争入札といった表現が出ておりました。ある意味で馴れ合いの調査機関を選ぶのではなくて、これについては区の方も確認しておりますけれども、きちんと競争入札をしながら業者を選定していくと。そういう意味で制度管理が必要だということも東京都は認識しておりますから、その辺については担保されていくと私どもは理解しております。何か不安があれば、その不安については東京都に対して疑問として投げていきますので、意見書とか特段の文書を出してそこまでやる必要性というのは、今の段階では私は感じておりません。

○志村委員
 そういう今言ったような部分はいいんです。例えばクロスチェックですね。第三者機関がサンプリングをいくつかして、行ったことが数値的に近かったとか、そういうものも科学的には必要ではないかと思うんです。だからそういうものも、今、疑問として投げかけるというやり方を公なもので私はやってほしい。それが、今まで11月になったら専門家会議のある程度結論が出るだろうから、それに対応して何かやろうということに合致すると思うんです。ですから、今の疑問として投げかけていくということをやるとするんであれば、事務局レベルじゃなくて、中央区として、質問状になるのか、形は協議すればいいと思うんですけれども、そういう行動をとっていく。疑問を今投げかけるというのであれば、それをもうちょっと公のものにしたらどうかと思うんですが、その点いかがでしょうか。

○小泉企画部長
 さしあたってそういう御疑問が出ておりますので、まずは東京都の見解を私どもは確認していきたいと思います。

○志村委員
 では早急にまずそれを確認していただいて、例えば私が疑問を持っている問題とか、そういうものが漏れていればそれを出して、それで精査するというような場を持っていただくとお約束していただけますでしょうか。

○小泉企画部長
 それはこういった委員会の場で御報告させていただきます。

○志村委員
 見解がいつ出るかがわかりませんね。予定で例えば、12月には特別委員会がないんですね。1月もないでしょう。そうなると、この流れから、例えば入札するとするならどういうものを調査するというふうに早めに予算づけも必要なわけです。15億円とか今言っていますけど。だけどこの調査もしなければということに、もし膨らめば、もっと都議会で予算をとらなくてはいけないので、早めにやった方がいいんですよ。だから委員会ではなくてそういう場を、まず方向性としては、見解が出たら各会派に説明して、そこから次にどういう行動をとるかとか、そういうのが年内に必要だと思うんです。そういう点ではどうでしょうか。

○小泉企画部長
 いずれにしても早急に今の御疑問について、クロスチェックは検討しますということで出ていますから、それについては東京都に照会等をすることはやってみます。それだけで先行きが明るくなるというお話ではありませんので、これの全体像、この調査のまとまりの報告というのは必要になってくるだろうと思います。少なくとも今調査をやる方向で出ておりますので、次の専門家会議、若干間があくという情報はとっておりますけれども、その段階ではどういうものが出てくるのか、その辺を見て、全体を見ていく必要があるのではないかと現段階でそういうふうに考えております。

○志村委員
 それだとすごく消極的じゃないですか。事務局が考えている疑問を出して、見解を受けて、その見解から、今、例えばクロスチェックというだけでいろんな方からいろんな意見が出た。クロスチェックだって、複数機関というだけであって、例えば一般の環境学会とか含めたそういうところのを公式に認めているという見解では私はないと思うんです。でも、そういうのがもしあればあったでいいんですけれども、そういう検討する場というのを早く年内に持つべきだと思うんです。それでは、次回の専門家会議は、今度具体的にこんな検査をするという前にやると、予算組みもする前に開催するという読みなんでしょうか。

○小泉企画部長
 クロスチェックだけをやるかやらないかが、すごく大きな次の対策の行動基準といいますか、判断材料になるとは今思えないんです。ですから、一定程度のまとまりの調査の考え方、具体的な調査のやり方を次の専門家会議まで待つ、それしか基本的にはないじゃないですか。ただ、今、委員がおっしゃるように、そのクロスチェックを専門家会議の中では検討をすると、専門家会議のメンバーが答えていますので、東京都についてはそれをどういうふうに考えているのか、その辺は確認します。これは確認できればお答えできます。ただ、それだけが次の動きのベースになる話ではございませんので、そういう意味では次の専門家会議の材料が出てくるまで、それまで待っていただくしかないのではないかと私は思います。

○志村委員
 次の専門家会議を待つ前に、今、行動を決めるわけではありません。これから調査をしようという中で検討事項があるわけでしょう、調査内容を考え検討していく中で、ロックしていくものを早めに決めていくことを調査の予算が固まる前にやった方がいいのではないかなという意味であり、何か私の質問している意味がわかってないかもしれないので、また別途したいと思います。そういうことで、私は必要だと思いますよ、早急に。

 築地市場移転の問題とオリンピック招致の問題は大変つながっていますよね。オリンピックを東京でやるということになると、築地市場は結局どうなってしまうんですか。

○小泉企画部長
 今、東京都の構想の中ではメディアセンターを築地市場の跡地につくるということで公表されているということでございまして、そういう理解です。

○志村委員
 ということは、オリンピックをやるということは、築地市場はないわけですよね。それでは、築地市場現在地再整備、移転反対という立場に立っている人が、オリンピックに来てくださいというのはメディアセンターに賛成ですということになりますよね。いかがですか。

○小泉企画部長
 それは今現在の流れの中でそういう構想を東京都が立てているわけで、築地市場が現在地再整備ということになれば、現実的にはそこでメディアセンターを整備するのは不可能でしょうから、それはまた別のところで考える構想が出てくると思います。

○志村委員
 築地市場移転反対という立場に立てば、オリンピック招致については反対になると思うんですけれども、その点いかがですか。

○小泉企画部長
 オリンピック招致自体を反対するとか賛成するという議論には、むしろ反対という立場には私は立つ必要はないと理解をいたしております。

○志村委員
 それでは、東京オリンピックはいいけれども、築地でのメディアセンター構想は反対だという、そういう立場なんですか。

○小泉企画部長
 築地市場の現在地再整備を、現在私は御説明をしているという状況です。

○志村委員
 全く理解できないですけどね。現在地で再整備するためには、東京オリンピックであそこをメディアセンターにするという構想はまずいのではないかというのが区の立場だと思いますよ。東京オリンピック構想の中でメディア関係は24時間体制の、メディアセンターというものが出て、結局この中での食品関係、食べ物などは、至近距離に立地する食文化の拠点である豊洲新市場等から新鮮な食材を提供しとあります。そういう意味で、ここに鮮魚マーケットとか場外市場はないんですか。それはどうなんでしょうか。

○小泉企画部長
 そういうふうに書いていただければそれにこしたことはないと思いますけれども、現行の計画では、東京都の思惑でそのように書いているわけですから、実態的にそういう流れの中にいくかどうかというのは、また別の問題だろうと理解をしています。

○志村委員
 今、東京オリンピック招致活動がなかなか盛り上がらない中で、署名活動をいろんな団体を通じてやろうとしています。市場の仲卸の社長さんとかに東京オリンピック招致の署名をしてくださいというのが来ていまして、みんなで何だこれはと話題になっていますよ。一般的に見れば、今回、署名の受付窓口が、中央区になっているらしいですけど、本当にひどい中身だなと思っています。

 ですから、この市場移転の問題とオリンピックの問題とあわせて、晴海のオリンピックスタジアムの問題があります。この間、東京オリンピック招致委員会で観客輸送の考え方が出ました。大江戸線の勝どき駅を改造するということなんですけれども、これは大変だなと思いました。現在、晴海トリトンスクエアや何かで勝どき駅を利用している方たちは何人ぐらいいらっしゃるんですか。

○吉田副区長
 現在、晴海トリトンスクエアの方に就業者が2万人いらっしゃいます。それの8割ぐらいはやはり勝どき駅を現実に利用されているわけです。勝どき駅の改修につきましては、オリンピックがやられようとやられまいと、今の現在のワンホームではまずいということで、区としては東京都にもう一つのホームの増設をということでずっと働きかけてきているところでございます。

○志村委員
 駅のホームを増設しても車両が小さいですよね。今1万6,000人で、今度これだと5万2,000人の輸送をするというのが想定されています。ですから、オリンピックが終わった後も、これをいろんな世界大会を開くようなスポーツ施設とか、日常のスタジアムとして活用していこうとなれば、オリンピックだけではなくても大変な駅周辺の状況になると思うんですよ。今、1万6,000人でも人が歩くのは大変だと言っているので、まちづくりの点から見ても、オリンピックスタジアムが晴海に来られたら大変になると思うんですけれども、その辺の見解はどうなんでしょうか。

○吉田副区長
 この間、オリンピックの東京都の基本的な計画ということで、アクセスの問題について三つの提案が出されたわけでございますけれども、その件については私ども10万人収容のスタジアムということを考えれば、到底やはり満足できないものであると。地元の方々も私ども地元区としても、地下鉄などの大量輸送機関なりがなければ、なかなか交通手段として十分なものではないだろうと考えているわけでございまして、現実に東京都の計画を伺わせていただきましたけれども、私ども区としてはさらに改善すべきものと考えているところでございます。

○志村委員
 バスも使いますよね。バスだと約1万1,000人、臨時バスを入れて1万8,000人ということですけれども、臨時バスということはあのスタジアムを使うときという、一番観客が多いときですね。オリンピック以降、もし使うとすれば専用レーンもつくるみたいなことを言っていますよね。ですから、一般車も規制するとか。オリンピックのときは規制できるかもしれないけれども、オリンピックではない一般の利用でスタジアムを使う場合は、そういう規制もできない。今は環状2号線がいろいろ、この中でも想定もされておりますけれども、晴海通りなどが、大変な事態になってしまうと思うんですね。そもそも晴海にオリンピックのスタジアムをつくるということ自体が無謀な計画だと思うんです。当初の中央区のイメージ、地下鉄の延伸も含めて、そういうのがなくなった現状では、この問題は到底受け入れられないという形で、何か働きかけみたいなのをする予定はあるんでしょうか。

○吉田副区長
 この間、いろいろ地元との話し合いもございました。BRTという表示をされております連結バス等につきましても、これまで東京都は口約束でいろいろ言ってきたけれども、こういうオリンピックがなくなったら消えてしまうような計画ではなかなか地元としては納得しにくいというお声も大分晴海地域などから聞いておるところでございますので、そういった御意見を含めて私どもとして東京都に働きかけをしてまいりたいと思っております。

○志村委員
 時間が来ましたので、終わります。

○小坂委員
 まず、専門家会議に関して質問させていただきます。私はこの第5回の専門家会議の説明は不十分だと思っております。10メートル間隔で調査をやるけれども、不透水層の上までで大丈夫だというその根拠は何なんですか。だれかわかる方いらっしゃいますか。私が思うに、油は下に沈殿するんですから、不透水層にも油は染み込むはずです。ですから不透水層もきちんと調査をする必要があると思うんですけれども、それをやらなくていいと、そのことを理解されている方がいらっしゃったら御説明してください。

 それに環境基準の10倍未満のリスク管理で大丈夫ということ。これはやはり環境基準のリスクで管理していくべきだと思うんですけれども、環境基準の10倍で大丈夫という、その大丈夫という理由は何なんでしょうか。そのこともだれか御説明していただけますでしょうか。

 また、液状化についての調査はやったということですけれども、この液状化に関しても十分に対策できるのか、そういうものを証明できるのかどうか、説明してほしい。

 また、クロスチェックに関しても、これは志村委員も言いましたけれども、クロスチェックは科学的な調査であれば、普通は再現材というものが大事ですからクロスチェックは当たり前、さあやらせてください、はいどうぞ、これが当たり前の科学としての立場ですので、クロスチェックはやれると、そういうふうなことが大事かと思います。

 教えてほしい点として、なぜクロスチェックをやらせてくれないのか。また不透水層の上までの調査でなぜ大丈夫なのか。環境基準の10倍未満のリスク管理だけでなぜ大丈夫なのか。御説明できますか。

○辻副参事(都心再生・計画担当)
 私も専門家でありませんので、自信を持って、正しい答えかどうかはわかりかねますけれども、私の認識といたしましてお答えしたいと思います。

 まず不透水層につきましては、委員も御案内のとおり、不透水層の下は今のところは汚染されてない状況のところを、穴をあけてしまうとそこから地下水がもぐって汚染範囲が広がってしまうということで、不透水層についてはなるべく傷つけたくないというのが専門家会議の中の意見だというふうに会議を聞いていて認識しております。

 次に、環境基準の10倍未満までのリスク管理でなぜいいのかという根拠につきましては、下水道法の中で、下水道として水を流していいという基準が、環境基準の約10倍になっています。多分そこを引用しているのだろうと思います。

 さらにクロスチェックをなぜさせないかということにつきましては、当初、私がこの会議に参加していたときは、いろいろ混乱を招くからクロスチェックはさせないという話をしておりましたが、今回、今後の調査の中で検討していくというふうになっておりますので、これは今後行われるのではないかと認識しています。

 あと液状化につきましては、当然、ものを建てるときには液状化の調査は土木の技術として事前に行うものでございます。ですから、東京都はこの辺は十分調査をしているという見解を出しているのだろうと認識しております。

 以上でございます。

○小坂委員
 私は今の説明では納得できませんので、ぜひ専門家会議の委員の方か、もしくは東京都の方から説明をいただきたいと考えるんですけれども、皆さんこれで理解できましたか。不透水層に穴をあけたら下に汚染物質が下がってしまう。そういう理由だから調査しない。それが食の安全を守るための理由となっていますでしょうか。私が言っているのは、不透水層に油が染みていてそこが汚染していたら、そこの油がじわじわとまた上がってきて、上の地下水をもっともっとベンゼンで汚染させていくという考え方がとれるのではないかということを問うているのであって、汚染物質を不透水層に穴あけたから下に逃していこうということを言っているのではないんです。皆さん今の説明で理解できましたか。私はぜひ東京都にわかるような説明をお願いしたいと考えるんですけれども、だめでしょうか。

○辻副参事(都心再生・計画担当)
 今の御質問に関しましては、私の方から、東京都へ地元区に対して今まで説明をしてきていると思うんですが、さらにそれよりわかりやすい説明がないかというのを直接確認したいと思います。

 以上でございます。

○小坂委員
 ではぜひ確認をお願いします。

 また、先ほど言いました地下水のリスク管理の考え方として環境基準の10倍、それも下水道法と同じだから大丈夫と。それで皆さん納得できますか。この上には、新鮮な、刺身になるような生の魚を扱うような市場をつくるのであるから、下水道法の基準よりも、きちんとした環境基準で管理していく。生鮮物を扱うのであれば、より厳密な基準でいくべきだと私は考えるんですけれども、下水道法と同じだから大丈夫という、それは理由になっていないと思うんです。できましたらここに関しても都からわかるような説明をいただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。

○吉田副区長
 小坂委員、大変恐縮ですが、理解できる方がいたら説明してほしいということで私ども管理職は御答弁申し上げているだけでございまして、そこのところは、そういう説明だったんですよという御説明を申し上げているところでございます。

 現実の問題として、今、調査期間中でございますので、その調査期間中の中で、現実に今お尋ねのような件について公式に委員方の前で御説明できるかどうか、そういう機会をうまくとらえられるかどうか、これは東京都とも一度我々は相談させていただきながら、どういう形が適当なのかということについては、私どもも検討させていただきます。

 ただ、くれぐれも、お話ししておりますように、私ども管理職が御答弁したのは、東京都がそういう立場で説明していますよということでございますので、ぜひ御理解をいただきたい。

○小坂委員
 そういう立場でというのはわかりました。都の言ったことに関しては、皆さんは理解したんですか。これで安心だ、食を扱うのに非常にデリケートな市場をそこにつくっていいと、その説明で納得されたんですか。私はオーケーと言えないから考えているんですけれども、その辺に関しては、どう思っていらっしゃるんですか。

○吉田副区長
 前から申し上げているとおり、私ども築地市場現在地再整備が望ましいと思っている立場なんです。そういう意味で、平成14年のときからこの問題については問題提起をし、食の安全に特にかかわっていく話ではないかということを申し上げているわけでございます。

 そういう立場において、今ここの専門家会議で出されている調査報告書の字面の中で、あるいはその会議の中での言葉の中で、我々が基本的にこの部分について十分理解するということはあり得ないわけです。この部分については、もう少し別の角度はないのかとか我々として常日ごろ感じているわけです。ですから、我々として十分これは納得したのかということになれば、この部分について区として、正直言うと十分納得している立場の者はだれもいないわけでございます。ただ、先ほどお尋ねがございましたように、これはどういう意味なんですか、どう理解されているんですかということでお聞きでございましたので、東京都はそういう説明をしていますよということをお答えしただけでございます。私どもはこの問題について十分納得したということは基本的にあり得ないわけでございまして、その点はくれぐれも御理解をいただきたいと思います。

○小坂委員
 今、論点が少しずれたと思います。私は科学的にそれを納得したのかどうかを言っているのであり、私の気持は当然そちらと同じで、築地市場現在地再整備が望ましいと思っています。このデータを、だれもが理解したくないと思っておりますけれども、私は、科学的にこれでいいのかというのを理解されたのかを聞いたわけであり、もしこれが科学的に理解できるのであれば専門家会議が言っていることは正しい。それはそれで私もきちんとした説明があれば納得する人間でございますので、科学的な話を私はしているわけです。

○吉田副区長
 それぞれに専門がございまして、私も自然科学の方は、建築ということで勉強しておりますけれども、トンとメーターでございますので、実際のところ、こういったピコグラムとかナノグラムという世界はほとんどわからないわけでございます。正直申し上げて、今私どもの管理職にこの部分を科学的に納得した者はいるのかと聞かれましても、大変恐縮でございますが、私どものレベルでそこのところを完全に理解した者はいないと思います。ですから、先ほど申し上げましたように、具体的にこの部分について東京都はこういう説明をしているけれども、いろいろ具体的な疑問があるので、その部分についてはどういう説明ができるのかということを東京都に問い合わせつつ、そういう機会がどういう形で設けられるのか検討させていただきますとお答え申し上げているところでございます。その部分で、科学者として完全に理解しているということは我々のレベルであり得ませんので、その点は御理解をいただきたいと思います。

○小坂委員
 私は行政であれば、科学的なところの根拠を持って理解すべきだと思います。メンバーが足らないのであれば、専門家を呼んで、これは科学的に大丈夫かどうかを理解しいていくのが行政のあるべき姿じゃないかなと思いますが、これ以上は突っ込みませんので、御検討のほどよろしくお願いします。

 先ほどの志村委員と同じなんですが、都の説明が足りない。クロスチェックの部分が足りない、不透水層の部分が足りないとか、環境基準の10倍で大丈夫か、その辺の説明が足りませんので、その辺をぜひ都にお伺いを立てて、その説明が、我々が理解できないのであれば、意見書として、ここはやっぱり不透水層を調査すべきだという意見を出すべきだと思いますし、環境基準は環境基準として守ってほしい。そういう意見を出すべきだと私は考えます。それは要望としてお伝えしておきます。

 では、2点目に移っていきます。区長もマニフェストとして築地市場移転断固反対ということですけれども、今、具体的に断固反対の行動としてどのようなことをお考えでいらっしゃいますでしょうか。

○矢田区長
 築地市場移転に断固反対ですよ。断固反対は断固反対で、これまでも、平成11年ですか、10月に東京都が市場移転の方向を出して以来、築地市場移転に断固反対する会を11月に立ち上げて、そして署名活動も議会の皆様方と一緒に行って、106,032人もの署名を集めてずっときたんですね。ですからその姿勢、これは区議会の皆様方、また区民の皆様方とともに今日まで来たわけでございまして、これからも、先ほど来、るる述べているとおり、専門家会議が来年の7月までに調査を終えるということでございますから、その調査をしっかりとにらむ。そして疑問点等怪しい点があればどんどんこれからも行動してまいりたいと、こういうふうに思っています。

○小坂委員
 区長、御答弁ありがとうございます。断固反対の行動の過去はわかりました。未来です。未来にどういう行動をとっていくのかというのをこの場で考えたいと思います。実際に平成11年に10万の署名を集められた。これはわかりましたが、そのような署名や区民の声を再度集められたことはありますでしょうか。

○辻副参事(都心再生・計画担当)
 その後も調査の中で、意識調査ですとかとアンケート調査を実施してございます。

 以上でございます。

○小坂委員
 アンケート調査の結果では非常にインパクトが弱いと思うんです。私は前回の区議会定例会でも御質問させていただきましたけれども、強い意志として、インパクトのある声として都に届けなくては、都は理解してくれないんです。その点からいいますと、前も述べましたが、住民投票というやり方を用いたり、もしくは先ほど二瓶委員からも説明がありましたし、私も青年会議所の1員として昨日の市民討議会という会に参加いたしましたけれども、これもとり得る一つの手法なのではないかなと思います。サイレントマジョリティーの声、市民、区民の声はどうなのかというのを、市民討議会という場で、土壌汚染のある場に築地市場が移転すべきかというのを問いかけて、それで市民討議会の場で提言を出していただく。それを都に届ける。これも一つの意見の集約の仕方なのではないかなと思います。ただ単にアンケートをしました、はい終わりではなく、インパクトのある声を区から都に届けていく、これも大切なのではないかなと考えますがいかがでしょうか。

○小泉企画部長
 今インパクトのある声をということでございますけれども、ではインパクトというのは何なのかということを常に私ども考えております。暗に不安をあおるだけではいけない、そういう意味では土壌汚染については今専門家会議で議論されて具体的な数値で示されて、極端な汚染の状況が出てきているという状況の中で、やはりこの結論を見る必要があるのではないか。東京都は既に1,000億円からの金を豊洲新市場予定地に入れているわけで、これは簡単に引き下がれない状況にあります。単に反対、反対、そういう声だけを東京都に届けるだけではなくて、具体的な、今行われているようなこういうわかりやすい問題で突き詰めていく必要があると、現時点ではそういうふうに考えております。今インパクトのある声というのはそういった取り組みだろうと思います。土壌汚染の問題について具体的に結論が出た段階になりますけれども、そういう取り組みをやっていく、そういうことがインパクトのある取り組みの一つになるのではないかというふうに考えております。

○小坂委員
 インパクトのある声に関しましてです。まちづくり協議会においても同じことが言えると思うんです。環状2号線を地上化する。それで大気汚染はどうか、これは大変心配だ、そういう声が上がっているにもかかわらず、まちづくり協議会の意見に都がきちんと対応することなくどんどん計画を押し進めていく。これもまちづくり協議会で出された声がインパクトを持って届いてないんです。もしインパクトのある声であれば、それはトンネル化でそのまま計画を進めることができたと思います。ですから、インパクトのある声を都に届けていくというのは我々の課題でありますので、今後とも検討していただきたいと考えております。

 その声を都へ届けていくというのも一つとり得る手段かと思いますし、あと、これも前回の区議会定例会のときに述べさせていただきましたけれども、皆さん諦めてしまっている部分もあるというところで、現在地での市場再整備は可能であるというのをまた夢に見ていただくように、再整備計画案を我々中央区の方からもう一度都に提示するのも一つの手法かと私は考えます。それに関していかがでしょうか。

○吉田副区長
 これも前回お答えしていると思いますけれども、市場の現在地再整備計画については、東京都自体が地下1階、地上3階の整備計画をつくっております。それから、市場移転という話が表に出たときに、仲卸の方々も含めて、これは具体的に現在地でできるんだという絵もかきましたし、そういう現在地でできるんだという話については、何度か絵として表に出ておりますし、そのことについて東京都とも協議をしておるわけでございます。東京都自身も現在地での再整備計画の絵は持っているわけでございます。ですからそのことが、先ほどから一連の流れでお話しになっているインパクトのある行動かどうかということについては、過去から今までの流れからすると必ずしもそうかなというふうに我々は思うところでございますし、同時に我々は、インパクトのある声を届ける以前に、どうやって築地地域を活性化した状態で今後とも発展させられるか、そういうことが基本的には大事だし、さらには地域経済をどういうふうに守っていけるかということは区として課せられた課題だと思っておりますので、そういった過去の経緯を含めて我々として一定の留保をさせていただかなければならないというふうに考えているところでございます。

○小坂委員
 ありがとうございます。ただ、かつて作成した現在地再整備計画をもう一度検討してみてもいいのではないですか。そこから技術は進歩しているわけで、よりよい再整備の計画の方法が立てられるかもしれませんし、以前つくられた再整備計画の案をもう一度、見直しして検討してみるのも一つの手ではないのかなと私は考えます。

 また、前回、区長が大前研一さんがすばらしい再整備計画案を出したということをおっしゃいましたが、それも、こういう案がかつてあったんだ、もう一度これを実現可能でないかというのを、我々区の方から都に再提案してみればどうかなと私は思うんです。それに都は、新市場予定地に1,000億円投じたからもうひけないということですけれども、築地に関しても1,300億円使っている、またあの新市場予定地の土壌を再度入れかえるためには600億円から700億円かかるという。それからすると、現在地での再整備でという方の話にも向いてくるのではないかなと思います。プラス世論は、やはり食の安全が大事だと言っていますし、区民は市場移転に絶対に反対だと言っているし、これは自然な流れだと私は考えるんですけれども、いかがでしょうか。

○吉田副区長
 築地市場再整備計画について、例えば平成5年に着工した現在地の再整備計画があるわけですね。平成9年まで現実的に行動して、今、委員御指摘ように東京都もお金を使っているわけですよ。その話が具体的に何かの形に実を結ばなくて、工事が途中で終わっている理由は、基本的には計画のよしあしではないんですよ。問題は基本的にはそこの中で、やはり現実の問題として、大卸さんと仲卸さん、それから青果の方々、それぞれがその施設をどういうふうに利用するかということをめぐっての協議がうまく整わなかったというのが内側にあるわけでございます。今回、案というものを、今、御提起いただいたわけでございますけれども、我々は市場の中で混乱をつくり出すことではなくて、市場は市場としてきちっとやってもらいたい。それも現在地であることが望ましいということなわけでございますが、今現在、関係者の皆さんが注目しているのはやっぱり専門家会議の行方であり、その専門家会議の結論を受けて、東京都が市場開設者としてどう考えるかといことでございます。その部分について東京都が納得のいく説明ができるかどうかというところに課題があるわけでございまして、その後の段階において、それでは東京都は市場開設者としてこうするんだというその結論のあり方によっては、いろいろ具体的な議論があるんだと思います。今の時点で、逆にある意味で、現在地整備計画の案を見つめたところで、それは具体的にあまり大きな意味を持たないだろう。やはり専門家会議の結論をきちんと見定め、そしてそれを市場開設者として東京都がどう判断するか。これをきちんと見定めて、そこから我々として全面的にいろんな形の取り組みをしていかなければならないだろうと考えているところでございます。

○小坂委員
 仲卸、大卸等内部の調整がうまくつかなかったということが平成9年あたりにあったということで、計画が頓挫してしまったということですよね。現状においてああいう土壌汚染がある場所に行くのであれば、やはり現在地でやりたいという声はあるわけです。そういう痛みを分かち合ってでもいいから再整備したいというのが彼らの声です。ですので、その彼らの声を我々がまとめて、市場内の意見をまとめて再整備計画案を出したらどうでしょうか。私は、痛みを分かち合ってでも現在地再整備をしたいと、それが市場内の声だと考えておりますけれども、区としては、市場内の方々は現在地再整備は難しいと、そういうふうに考えているという認識でいらっしゃるんですか。

○吉田副区長
 私どもも鮮魚マーケット構想を含め、現実の問題として仲卸の団体でございますとか青果の団体とかそれなりに、我々のパイプを通じてお話し合いをしていないわけではないわけです。それはきちんと話を聞いております。現在の状況の中で、やはりお互いに、現在の専門家会議の推移、その後の東京都の意思決定の問題、そういったものについて着目していこうということであります。現実に私どもの提起している鮮魚マーケットの問題についても、率直に申し上げると、この鮮魚マーケットの問題については、仲卸の方々と協議しないと鮮魚マーケット構想は基本的に成立し得ないと思っております。その問題についてすらこの専門家会議の行方が、やはり片がついてから区と正式に話し合おうと私どもも代表者から聞いているところでございますので、今なかなか、それからさらに戻って市場の現在地再整備の案ということで、仲卸の方々、青果の方々、大卸の方々と協議は整えられるという状況ではないというふうに考えているところでございます。

○小坂委員
 私は市場の現在地再整備をもう一度夢見るというのはとり得る手段かと思いますので、区長が大前研一さんのすばらしい案があったというものが、もし手に入りましたら、私はそれを資料請求して、いただきたい。それを再度検討して、今回も使えないかと検討したいと思いますので、資料請求は可能でしょうか。

○矢田区長
 あれはテレビで放送していたわけで、テレビ東京でしたかね。だからテレビ東京の方に頼めば出てくるのではないかと思いますけれども、あれはいいかどうかはわかりません。何しろあの人も独特の考えで、要するに産地直送の時代であると、築地市場があって卸かどうだというのではなくて、築地市場というのは事務所みたいな、その中にもちろん仲卸みたいなものも必要だけれども、冷蔵庫なんかはほかのところでいいんだという考えも持っているような案でございまして、それがいいかどうか、現実離れしているか、こういう時代だからちょうど合うのかどうか、これは各自の判断だと思います。そのビデオは広報課にあるのかどうかわかりませんけれども、あれば別に出したっていいのではないかと思います。

 それから、場外市場の方々は築地市場移転に断固反対していますけれども、もう少しいろいろ取材されるとおわかりのとおり、市場内に7団体あって、あの方々のいくつかはもう移転ということを決めて行動しているわけでございます。我々の気持ちは現在地再整備ですけれども、場内の卸だとか、青果とかいろいろある団体の代表者の方々に直接お会いして話を聞いてみれば、もう少し認識が変わるかもわかりません。

○押田委員長
 今の資料の件なんですが、ここでお答えできる問題ではないので、資料請求があったということだけ受けとめさせていただいて、後で論議いたします。

○小坂委員
 区長自ら答弁ありがとうございます。

 あと、具体的にとり得る方法というのは、まだまだ考えられると思うんです。それは築地市場、場外市場のイメージアップにもつながる手法といたしましては、例えば10月に築地秋まつりを2回ほど行っておりますけれども、そのようなイベントをもっともっと行っていき、田中委員がおっしゃったように、そのイベントと地域とを結びつけるような食だけじゃなくて文化とか音楽とか、そういうのに絡めた取り組みをもっと行っていくというのも一つの手だと思います。また、現在の築地市場にはこういう問題があるというチラシをつくって、これからの歳末商戦におきまして、多くの方々が築地市場、場外に来るわけで、そのときに買い物袋の中に一緒に入れてもらって、こういう問題を全国から集まってくる観光客などに渡して知ってもらう。この中央区だけで騒いでも無理なので、もっと全国的に、この細かい状況を知らしめしていくというのも一つの方法ではないかなと私は考えます。

 また、とり得る方法といたしましては、オリンピックの東京招致、これを区が率先してやっていくのはちょっと問題だと思うんですが、この話は置いておきながらも、オリンピックを招致するのはわかったけれども、築地市場をそのまま現在地で再整備したら我々は賛成するという、これを一つのカードとして使うというのも考えられるのではないかと私は思います。

 また、行政評価の48~49ページに、観光施策の4.施策を取り巻く環境の変化、(3)区を取り巻く今後の動きというところで、築地市場移転後の地域活性化、日本橋を覆う首都高移設、2016年夏季五輪の招致へ向けた動きが見られると書いているんですけれども、築地市場移転後の地域活性化って、ここの文章に、我々の大切な文章の中に、築地市場移転後とかいう文章は載せないでいただきたいと思います。築地市場移転はまだ決定したわけではないので、我々としては極力、築地市場移転計画(予定)があるが、それでも地域活性化というふうな、文章の書き方きちんとしていく必要が、細かいところでも私はあるのではないかと思っております。

 あと、時間がありませんので、まちづくり協議会に関しまして少しだけ述べさせていただきます。これは大きく話が飛ぶんですが、区が悪いわけではないんですよ、都が悪いんですけど、住民に対して、あまり誠実ではないなと考えております。なぜかといいますと、一つには、中立な座長がいないんですね。進行役は都市整備部長だったと思うんです。まちづくり協議会の進行役は中立な方がすべきであり、その指摘は5月に1回あったのに、今回のまちづくり協議会でも同じように改善していないというのは不誠実ではないかなと思います。あとオブザーバーからの発言というのも認めていいのではないかと私は考えますけれども、いかがでしょうか。

○吉田副区長
 まちづくり協議会においては、基本的に学識経験者の方々を座長に据えるという考え方を当初持ちながらやらせていただいておるわけでございますが、実は先生方がいろいろお忙しかったり何かして、都市整備部長が代理を務めるという形での進行もあるわけでございます。また地域の中においては、逆に区の方で進行していただいた方がスムーズだからということで、もともと学識経験者を入れていないという地域もございました。その点、今、第三者というニュアンスに近いような会議の運営については、これからもある意味で学識経験者の採用を含めて検討させていただきたいと思います。

 それから、オブザーバーの発言についてでございますが、オブザーバーはその事案ごとに変わるわけでございまして、その事案ごとに変わる中でオブザーバー個々の発言を認めていくということになりますと、まちづくり協議会そのものが成立しない部分もございますので、その点については固くお断りをさせていただいているのが実態でございます。昭和62年にこのまちづくり協議会の最初の母体をつくって以来、オブザーバーの発言は認めておりませんので、その点、御了承いただきたいと思います。

○小坂委員
 時間となりましたので質問は終わりますが、私は今後とも築地市場移転に断固反対の具体的行動に関して考えていきたいと思いますので、御指導のほどよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

○押田委員長
 御苦労さまでした。

 それでは、議題の築地市場問題及び東京駅周辺等地域整備に関することについては、継続審査ということでよろしいですか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○押田委員長
 それでは、そのように決します。

 次に、第4回区議会定例会における委員長報告の取り扱いについてでございますが、正副委員長に一任していただくということでよろしいですか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○押田委員長
 それでは、そのように取り扱わせていただきます。

 本日は、これをもって閉会させていただきます。御苦労さまでございました。

(午後3時20分 閉会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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