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平成20年第四回定例会会議録(第3日 11月25日)

1.会期

九日(第三日)
十一月二十五日(火曜日)

2.開会並びに散会

午後二時開会
午後六時七分散会

3.出席議員

(三十名)
一番 志村 孝美議員
二番 木村 克一議員
三番 礒野 忠議員
四番 増渕 一孝議員
五番 鷲頭 隆史議員
六番 田中 広一議員
七番 中島 賢治議員
八番 田中 耕太郎議員
九番 田辺 七郎議員
十番 二瓶 文隆議員
十一番 原田 賢一議員
十二番 石田 英朗議員
十三番 中嶋 寛明議員
十四番 鈴木 久雄議員
十五番 植原 恭子議員
十六番 鈴木 幸子議員
十七番 小坂 和輝議員
十八番 岡田 眞理子議員
十九番 小栗 智恵子議員
二十番 鞠子 勝彦議員
二十一番 今野 弘美議員
二十二番 押田 まり子議員
二十三番 神林 烈議員
二十四番 石島 秀起議員
二十五番 矢吹 和重議員
二十六番 田畑 五十二議員
二十七番 青木 幸子議員
二十八番 高橋 伸治議員
二十九番 渡部 博年議員
三十番 守本 利雄議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君
副区長 髙橋 邦夫君
副区長 吉田 不曇君
教育長 髙橋 春雄君
企画部長 小泉 典久君
総務部長 斉藤進君
区民部長 小池 正男君
福祉保健部長 斎藤 裕文君
高齢者施策推進室長 竹内 利雄君
保健所長 東海林 文夫君
環境部長 能瀬 晶子君
土木部長 越地 壽宜君
都市整備部長 室木 眞則君
会計管理者 西川 昭男君
教育委員会事務局次長 齋藤弘君
監査事務局長 山﨑 栄三君
企画部参事 新治満君
(企画課長事務取扱)
財政課長 田中武君
広報課長 信坂 留吉君
総務課長 田野 則雄君

5.議会局出席職員

議会局長 土屋 篤志君
庶務係長 遠藤 龍雄君
議事係長 土谷 昌彦君
調査係長 横山 信一君
書記 村上 和夫君

6.議事日程

日程第一
一般質問

日程第二
議案第五十五号 平成二十年度中央区一般会計補正予算


午後二時 開議

○議長(今野弘美議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(今野弘美議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 十七番小坂和輝議員。

〔十七番 小坂和輝議員登壇〕

○十七番(小坂和輝議員)
 平成二十年第四回定例会一般質問に、友愛中央の一人として、中央区の緊急に取り組まねばならない最重要課題について御質問いたします。質問は、九項目に分かれております。第一に民主主義的な区政運営について、第二が子育て支援の充実について、第三が障害のある方へのサービスのあり方について、第四が医療体制の整備について、第五が情報通信技術の活用について、第六がまちづくりの全般的なことについて、残り三つのテーマは、各地域の課題として、佃・月島エリア、日本橋エリア、築地市場を取り上げます。建設的かつ明快なる御答弁をどうかよろしくお願い申し上げます。

 「民主主義は、国民が政治に参加するには最悪の制度である。その他の制度よりはましな制度というだけである」とは、第二次世界大戦時のイギリスの首相チャーチルの言葉であり、放っておくと民主主義は堕落してしまう制度であることを言い得ています。だからこそ、地方政治であれ、国政であれ、国民とともに議員自身も衿を正して民主主義をチェックしていかねばならないと認識しています。行政と議会は両輪の輪であるとともに、議会がこのチェック機能をきちんと果たすことを胸に、議員活動をしております。

 第一の質問として、基本的なことでありますが、民主主義的な区政運営がなされているかどうか、原点に立ち返り、幾つか御質問させていただきます。

 まず、民主主義的な区政運営に向けて、区長はどのような方針で臨んでおられるのか、その方針をお聞かせください。

 私は、民主主義的な区政運営を行うに当たり、情報公開・情報開示、双方向性の意見交換、住民参加の三つのことがきちんとなされることが大切なことと考えており、順次、御質問いたします。

 民主主義的な区政運営をするに当たり、情報公開・情報開示はとても大切です。特に、決まったことを伝えるだけでなく、政策決定の過程を含め、区民に公開すべきです。例えば、現在検討中のコミュニティバスのルートは一案のみ検討委員会に提示して、それを検討していますが、その一案を決定するまでには幾つかの案が出ていたはずです。その幾つかのルート案から、なぜ今の一案を選んだのかを明らかにしていくというふうなやり方です。政策決定過程の公開はおろか、協議会、運営委員会の開催の広報でさえ、十分になされているとは言いがたい現状があるのではないでしょうか。

 中央区内を十二区分して地域のまちづくりの課題について話し合う、まちづくり協議会があります。つい先日、佃地区・月島地区、勝どき・豊海地区で開催され、そして、本日二十五日は午後六時半からアートはるみにおいて晴海地区まちづくり協議会が開催されますが、どれだけの区民がこれらのことを知っているのでしょうか。

 中央区には、区立小学校を中心に二十三の防災拠点があり、二十一の防災拠点運営委員会が組織されています。地域防災のあり方が話される、とても大切な会です。この会の存在について、ある勉強会の席上、十七名の区民に聞きましたが、知っていたのがわずか五名の三割弱でした。幅広く開催の通知や話された内容の広報をしていく必要があるのではないでしょうか。

 民主主義的な区政運営を行うに当たり、会議の開催日程の広報から始まり、政策決定過程の透明性を高めることを目指し、情報公開・情報開示の徹底をもっと図るべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、民主主義的な区政運営をするに当たり、区民と行政側との双方向性の意見交換をすることがとても大切です。上意下達、行政側からの一方向性の情報提供で終わらせるのではなく、住民の声、まちの声を大切にし、双方向に意見交換をしていかなければならないと考えます。

 例えば、十一月の環境建設委員会で報告のあった、マンションの適正な管理を推進するための新たな取り組みについてです。良好なマンションストックの形成とコミュニティの育成と振興の二つの目的で条例制定も視野に取り組み始めたということで、決定事項の報告でなく、取り組みという早い段階からの区議会への報告を高く評価するところです。ただ、マンション居住者が地域行事に参加したり、町会や地域防災組織等への参加を促していくという地元に深いかかわりのあるテーマでありますから、現在開催中のまちづくり協議会で同取り組みを説明し、地元の意見を幅広く聞くことで政策をつくっていく姿勢が欲しかったと思っています。

 個々の地域のまちづくりにおいても、行政側が住民に対し説明責任を果たした後、住民との意見交換をもっとしていくことで、それもアンダー・ザ・テーブルでなく、オン・ザ・テーブルの公開の場で意見交換をすることを通じ、よりよい再開発の実現につながっていくものと確信しております。再開発地域や現在地再整備の実現を待ち望む築地市場地区で、住民の声、地域の声をお伺いしておりますが、現在の区政運営において、果たして区民との双方向性の意見交換が十分なされているのか疑問に思うところがあります。

 改めてお伺いいたします。民主主義的な区政運営を行うに当たり、一方向性の上意下達ではなく、区民との双方向性の意見交換、アンダー・ザ・テーブルではなく、オン・ザ・テーブルで行うべきと考えますが、御見解をお聞かせください。

 民主主義的な区政運営の最後三つ目、住民参加についてです。

 中央区は、平成十八年三月、地域との協働指針を作成し、昨年十一月に協働の具体的な取り組みを検討するため、地域協働推進協議会を立ち上げ、その答申作成に向け、協議が続けられている状況です。来年秋ごろの答申が出るということですが、再来年度、二十二年度での予算化をし、積極的に取り組んでいただきたいと考えています。住民参加を促進し、産官学民の協働のもと、区政運営を進めるべきと考えますが、御見解をお聞かせください。

 二番目のテーマに移ります。

 若い世代の人口増加に伴い、子育て支援の充実は本区の最重要課題の一つです。区政世論調査では、子育て支援策の中でも、保育所・幼稚園などの施設整備の要望が三九・六%と、一番高いニーズでした。多様な保育サービスを導入することで、子育て支援の充実や早急な待機児童の解消を目指し、御質問いたします。

 まず一番目ですが、区役所内の一時預かり保育室の開設に関してです。

 区役所へ、子供と一緒に相談や届け出に来られることがあると思います。日中に講演会や協議会が開催されることもあります。区役所内で子供を預かることができれば、子供を連れて、何の支障もなく、それら相談をゆっくりとすることができますし、講演会受講、協議会参加、会議傍聴が可能になると考えます。もちろん、この区議会も傍聴可能になり、区政への関心が高まることの一助になることでしょう。ひとり親の就労支援の講習会の受講も、より参加しやすくなると考えます。区役所内に一時預かり保育室の開設の必要性を考えますが、御見解をお聞かせください。

 二番目に、緊急な事態にお子さんを施設で預かるショートステイを区内で開設することについてです。

 現在、区は、区外の施設に委託をしてショートステイサービスを行っています。生後七日目から二歳までの乳幼児は新宿区南元町、最寄り駅はJR信濃町駅近くの社会福祉法人二葉保育園、二葉乳児院で、二歳以上中学校三年生までは練馬区石神井台、最寄り駅では西武池袋線大泉学園駅から徒歩十三分の社会福祉法人東京都社会福祉事業団、東京都石神井学園で実施することになっています。月島からですと、二葉乳児院まで約三十分、石神井学園まで約一時間かかります。ショートステイサービスの利用実績は、昨年九月のきらら中央の開設以来、わずかに一件です。一方、区民からは、例えば出産時など、子供を預かってほしいというニーズはあります。ニーズがありながら利用がないのは、一つには預かる場所が区外にあって遠く、緊急のときにその施設まで行くことができないという状況があるのだと分析いたします。ぜひ中央区内でショートステイを可能にする施設の開設をし、区民ニーズにこたえていっていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 三つ目に、保育ママ制度拡充に関連してお伺いいたします。

 現在、中央区には十一名の保育ママがおられ、二十七名の保育が行われています。低年齢、特に乳児では、集団で預かるより、このような少人数保育が望ましいと考えられ、ますますの普及が望まれるところですが、この制度の認知度が少なく、保育ママのやり手もなかなかふえる状況ではありません。保育ママは、十分な研修を受けることで、特に資格がなくとも、やる気さえあれば行うことができる制度ですが、一人で毎日預かることの責任の重さから、ふえない現状があります。集団で保育ママが行うことでその重責感を和らげ、保育の質を向上させていくことが一つのとり得る方法と考えます。この集団保育ママ制度導入を今後検討し、保育ママ制度の拡充を図っていくことを望みますが、お考えをお聞かせください。

 四つ目に、幼稚園の預かり保育の拡充に関してです。

 現在、月島第一幼稚園、明石幼稚園、有馬幼稚園の三園で預かり保育を各園三十名、合計九十名で実施しています。その利用者は各園とも一日平均十五人程度であり、定員の五割程度の状況です。預かり保育を充実させることで、幼稚園に通う親御さんの就労支援に貢献することも可能になると想像します。預かり保育の利用者の増加を目指して、現在午後四時半までの保育時間を拡大したり、土曜日を実施するなど、実施方法の拡大を検討することや実施園を拡大するなど、預かり保育の拡充に対してのお考えをお聞かせください。

 最後に、幼保一元化の構想に関してお伺いいたします。

 現在、中央区には、幼稚園全十六園中、幼稚園の名はあるものの園児がいない園が昭和、常盤、阪本の三園あります。また、幼稚園実施の十三園の幼稚園の定員合計と現在在籍の園児数合計を単純に比較いたしますと、百名以上の定員に余裕が見受けられます。よって、中央区の幼稚園で幼保一元化を実施することで、三歳児以上の子供たちをかなりの数、受け入れることができる状況が見られます。保育園での保育サービスを三歳児未満に重点的に移行するとともに、区内全域の幼稚園を幼保一元化の園に移行し、三歳児以上は幼児全員が幼稚園教育を受けることを可能にする制度の導入を検討することは、待機児童の解消につながることと、ひいては、幼稚園教育と保育という別々の環境で過ごしていた幼児たちが小学校で初めて同じ教育を受けている現状を打破し、中央区の幼児には全員、ともに学び、生活する環境をつくることを実現させる一挙両得の施策に発展すると考えます。お考えをお聞かせください。

 三番目のテーマ、障害のある方への生涯を通じた一貫したサービスについてです。

 中央区は、障害のある方の地域社会での自立の実現に向けた協議をする場として、自立支援協議会を昨年七月に設置し、先日十一月十九日までに四回の会合を開きました。自立支援法の施行によりサービスの仕組みが変わり、国は基本となる骨組みをつくる一方で、それぞれの自治体は、実態に合わせて自治体自身がサービス内容をつくっていくこととなりました。自立支援協議会が、実態に合わせたサービスのあり方を具体的に検討する重要な役割を果たすことになっています。同協議会の設置要綱にも、第十二条に「協議会は、毎年六月末日までに、今後の障害福祉サービスのあり方に関する意見書をまとめ、福祉保健部長に提出しなければならない。福祉保健部長は、意見書の提出があった場合は、意見書に記載された内容を検討し、区の今後の障害者福祉サービスの方向性を明確にした回答書を協議会に提出しなければならない」として、その役割がきちんと明記されています。現在、自立支援協議会は、公募区民がそれぞれに四名ずつ無償ボランティアの形で参加した就労支援体制強化部会、地域移行促進部会、居住環境整備部会、障害児サービス部会、障害者サービス部会の五つの部会を設け、より細部にわたって検討を深めています。区民の声を幅広く聞き、障害のある方へのサービスのあり方を検討しようとする区の姿勢は高く評価いたします。

 その自立支援協議会での話し合いの中で、あるいは福祉保健推進協議会障害者部会の中で、障害のある方への一貫した療育・教育の必要性が指摘されています。幼稚園、保育園から小学校へ、小学校から中学校へ、その節目において、その子へ指導されてきた内容の蓄積が伝わっていきにくい状況があるのかもしれません。岡田議員が昨年の第三回定例会で取り上げられており、引き続いての質問となりますが、特別支援教育の充実のために、個人指導計画、個別支援計画を個人カルテのように作成し、切れ目なく一貫した療育・教育が実施されることを求めますが、いかがお考えでしょうか。

 次に、来年度から晴海中学校へ通級学級を新設するなど、特別な支援を必要とする子供への施策の充実を高く評価するところです。

 小学校の状況を見ますと、通級学級は月島第一小学校にあり、月島地域から十七名、京橋地区から二名、日本橋地区から五名、区外から二名、合計二十六名が通っています。特別支援学級は、現在、月島地区と京橋地区に一校ずつあり、月島地区の月島第二小学校では、月島地区から五名が、区外から一名、計六名が通っています。京橋地区の明石小学校では、月島地区から四名、京橋地区から五名、日本橋地区から三名が通っています。現在、日本橋地区に特別支援学級を持つ小学校がないわけで、日本橋から他地域へ通級学級と特別支援学級合計で八名が通う実態があります。かつて、特別支援学級が有馬小学校にありましたが、現在、休眠状態にあると聞きます。

導入検討中のコミュニティバスが、通級学級、特別支援学級に通う子供たちの足となることを強く望む一方、今後、日本橋地域の人口増に伴い生徒が増員することも考慮に入れて、通級学級も特別支援学級も持たない日本橋地域で特別支援学級を再開する必要性があると考えますが、御見解をお聞かせください。

 次に、就労支援に関連して御質問いたします。

 人の幸せは、人から愛されること、人から褒められること、人から必要とされること、そして、これらすべては働くことでこそ得られるとは、五十年間、障害のある方を雇用し、今では従業員の七割が知的障害のある方であり、生産ラインでは九割以上が障害のある方であるという会社、日本理化学工業の大山会長の言葉です。同社は、チョークのシェアは三○%を超えるといいます。障害のある方の就労がなぜ大事か、それは生活の糧を得ることとともに、就労こそ、大山会長の言葉にある、生きがいや幸せにつながるからです。

 先日開催された中央区立知的障害者生活支援施設レインボーハウス明石の五十二人展におきまして、笹谷施設長のお話の中で、レインボーハウス明石から二名の方が就労を実現したという報告を得、同施設のこれからの就労支援への貢献に期待を寄せるところであります。

 中央区の障害のある方々の就労支援の取り組みにおいては、障害のある方と就職する企業とをつなげるジョブコーチの役割が重要であります。しかし、現在、中央区ではジョブコーチは一名であり、全く不足している状況です。金融危機、景気の悪化があり、障害のある方の就労環境はますます悪化していく可能性がある中、就労支援を強化するために、団塊の世代の社会貢献を希望される方に依頼するなどして、ジョブコーチを積極的に増員することを求めますが、いかがお考えでしょうか。

 最後に、地域移行についてです。

 知的障害者生活支援施設レインボーハウス明石の入所待ちは、現在十九人といいます。この待機者の順番がなかなか回ってこない理由の一つに、レインボーハウス明石の入所生活で自立の足がかりができた方がいらしても、出て行く先のグループホーム、ケアホームがないということを聞きます。また、国の施策では、精神科病床三十二万床のうち七万人が社会的入院で占めているということで、今後十年間で、地域へその七万人を移行していく計画といいます。一年間で七千人、東京都は一割と考えると七百人となり、その受け皿を地域でつくっていく必要があります。私は、老朽化した家屋密集地域の再開発の際にグループホーム建設をするための資金補助を入れ、共同化建てかえをする手法が有効でないかと考えています。障害のある方々の地域移行に向けて、グループホームの増設を進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。どのような計画でグループホームを増設することをお考えでしょうか。

 四つ目のテーマ、区民に安心・安全を確保する医療体制の整備についてお尋ねします。

 本定例会の第二日目の一般質問でも、二名の議員が産科医療体制の充実を訴えておられましたが、安心して区内で出産を可能にする施設の整備が緊急の課題であると私も認識いたします。産科だけにとどまらず、在宅療養を普及し、安心・安全に実施するためや、さきに述べた障害のある方の地域移行の推進のためには、何かあればすぐ入院できる病院があって初めて成り立つものです。区民のための病床の確保、病院施設の整備の必要性を考えますが、いかがでしょうか。いかに確保していく計画でしょうか。

 次に、いつ発生してもおかしくない新型インフルエンザに関してです。

 人が抵抗力を持たない新型インフルエンザが万が一発生すると、四人に一人がかかります。子供では四割かかると言われています。死者数は十七万人から、最大死亡者六十四万人、これは平成十九年度の日本人の総死亡者数、約百十一万人の半分強に当たる数です。電気、水道がとまり、流通がストップし、倒産がふえ、社会機能が世界規模でパニックを起こす可能性があります。大震災などの自然災害と異なり、他からの支援は期待できないという特徴があり、地域内の危機管理体制を整えることがとても重要です。個人ができる対策は、普通のインフルエンザの対策と同じで、まずは手洗い、うがい、マスクです。あわせて、新型インフルエンザで大事なのは、不要不急の外出を避けることです。新型インフルエンザが疑われた場合、保健所に連絡をし、その指示に従います。これら内容の書いたチラシは既に区が作成し、町会自治会単位で配布、回覧されています。今後は、新型インフルエンザ流行に備え、中央区の事業継続計画の策定を早急に行うことの必要性を考えますが、いかがでしょうか。例えば、中央区の事業継続計画に当たり、コミュニティバスの運行を続けるべきか、在宅介護、医療をいかに継続していくか、保育園を開園するのか閉園するのかなど、区民生活と密接にかかわる話題であり、検討に当たっては、区民会議などを開いて区民とともに検討していく必要があると考えますが、あわせてお答えください。

 五つ目のテーマは、情報通信技術、IT技術の充実、特にメーリングリストについてです。

 区主催の会議、協議会、運営委員会、町会・自治会活動での構成員間の情報交換を簡単にし、会の活性化を図るために、メーリングリストの活用を可能にするシステムの構築をすべきと考えますが、いかがでしょうか。また、中央区災害対策本部メンバー間や中央区各防災拠点運営委員会メンバー間、防災区民組織メンバー間で携帯電話のアドレスを用い、メーリングリストを事前に整備しておくと、災害時に大変役立つものになると考えます。災害時、情報伝達の手段の確保が重要になります。携帯電話のアドレスに対して整備されたメーリングリストを用い、簡易に情報交換をすることで機動的な災害救助活動を実現可能にすると考えますが、いかがでしょうか。

 六つ目のテーマは、区民の手による、区民のためのまちづくりについてお伺いいたします。

 まず、まちづくり協議会の改革に関してです。

 住民の声を十分に反映し、住民の合意形成のもと、まちづくりを行っていくためには、まちづくり協議会が十分機能する必要があります。しかし、残念ながら、十一月十七日開催された勝どき・豊海地区のまちづくり協議会の席上、町会代表の協議会委員から、「朝潮運河に新設する架橋について周辺住民から反対の声が上がっているが、反対の声が多ければ中止も検討するのか」という問いに、「計画は進める」と区は回答しました。「それでは話し合いではない、まちづくり協議会というのは名ばかりであり、まちづくり説明会という命名に変えてほしい」という、まちづくり協議会に対する厳しい指摘が出されました。

 昭和六十二年十月に施行された東京都中央区まちづくり協議会設置要綱によると、まちづくり協議会を、地域のまちづくりについて、区と当該地域の住民とが協議を行うための組織とし、地域の整備構想や地域内の整備計画の調整に関することを協議すると定めています。自分たちのまちなのに何も伝わってこない、何も言えない、まちがどうなっていくか見えないなどの住民の不安、不満を真摯に受けとめ、住民の意思を反映したまちづくりを実現するために、まちづくり協議会を真に民主的な運営のもと、協議がなされる場とすることが求められています。

 以下、五点のまちづくり協議会の改革に向けた取り組みの必要性についてお伺いいたします。

 一つ目、まちづくり協議会の開催日程を区報やホームページを用い、幅広くお知らせすべきであると考えますが、いかがでしょうか。

 その二、まちづくり協議会で話された内容を当該地域の住民に広報すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 その三、学識経験者を委員として必ず入れ、議事進行役は都市整備部部長ではなく、学識経験者が中立な立場で行うべきと考えますが、いかがでしょうか。なお、現在の都市整備部部長の議事進行が中立的でないというのを言っているのでは決してございません。

 その四、今回、要望書なり請願が出された月島一丁目三、四、五番地区や湊二丁目東地区の再開発に伴う問題は、まちづくり協議会では十分な議論がなされていませんでした。地域住民の声が集約され、協議される仕組みづくりをすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 その五、十一月十七日開催の都市計画審議会において、月島一丁目三、四、五番地区都市計画と湊二丁目東地区都市計画は、両者附帯決議つきで可決されましたが、その附帯決議の内容がきちんと守られることを担保するために、当該地域のまちづくり協議会で分科会を設け、引き続きの協議の場とすることが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 次に、まちづくりセンター設置についてお伺いいたします。

 二十三区初の総合的まちづくり条例を有する練馬区では、区民協働の検討会の後、平成十八年四月に練馬区まちづくりセンターを開設しました。先日、私も視察いたしましたが、現在、住民主体のまちづくり活動を支援したり、また、大規模建築物計画にかかわる案件について、都市計画関係者、建築士、弁護士の三人からなるアドバイザーチームが中立的な立場で事業者と周辺住民のお互いの話し合いの論点や問題点を整理し、紛争の防止や、その区域の調和あるまちづくりに資するアドバイスを行う、大規模建築物にかかわる専門家派遣制度を運用しておりました。平成十八年開設来、四、五件の問い合わせがあり、実際、二件の事案を取り扱い、二件とも計画どおりのマンションは建つことになりましたが、うち一件は、その後、住民主体で地区計画を立案する動きにつながっているといいます。このように、住民有志によるまちづくりの勉強会を継続的に支援することや、まちづくりにおいて住民間のもめごとが生じた場合、第三者的に両者の調整を行う相談員を配置したまちづくりセンターを整備することを求めますが、いかがでしょうか。

 最後に、都市計画法での十六条での都市計画原案段階で意見書が提出された場合、その意見書を反映させて都市計画案を作成することを求めます。

 都市計画原案に対し意見書が出された場合、その意見書に沿って都市計画原案を再検討することはあるのでしょうか。もし意見書の内容が採用されないのであれば、引き続き行われる都市計画案の説明会の場で、都市計画原案の段階でどのような意見書が出され、それがなぜ採用されなかったのか説明をすべきであると考えますが、いかがでしょうか。

 七つ目以降のテーマは、地域の課題についてです。

 まず、下町観光拠点の整備についてです。

 佃・月島エリアは、NHK「瞳」の舞台となり、多くの観光客が訪れたことと思います。この舞台となった西仲商店街、通称もんじゃ商店街のアーケードに沿った一角の並び三軒が取り壊しされ、更地になろうとしています。商店街の連続性が崩れ、見た目上も問題になる状況です。何とか、その取り壊しを中止し、その一角にでも「瞳」の記念館や観光案内所、下町文化・情緒を味わえる休憩所などを新設し、商店街の繁栄に寄与する形で存続ができないか検討を加えるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 八つ目は、日本橋エリア、日本橋川の舟運観光と日本橋川上空の高速道撤去に関連した話題です。

 日本橋川周辺では、地元町会・企業が手を組んで、川のヘドロを分解するため、微生物の培養土を丸めて団子状にしたものを定期的にまいたり、大腸菌などの有害菌の除去用に微生物の活性液を毎週十トン川に流し込んで川の浄化に向けた取り組みがなされたり、川と親しむイベントが開催されています。水域が一八・三%と二十三区で最大の水の都というべき中央区は、平成十八年四月に、水の都中央区の復活、水辺とともに歩む中央区を目指して、中央区水辺利用の活性化に関する方策を定めました。将来の日本橋川上空高速道路撤去と日本橋川から隅田川にかけての舟運観光の発展のため、水辺の活性化は、本区の最重要課題の一つと考えます。韓国の高速道地下整備やソウルの清渓川の川辺遊歩道整備も一つの参考事例としつつ、検討を深めることを私自身も考えています。日本橋川南詰めの船着場整備を求める地元の声もある中、本方策の進捗状況をお聞かせください。

 最後のテーマとして、築地市場現在地再整備についてお伺いいたします。

 東京都が築地市場の移転計画を進める豊洲の土地は、東京ガス豊洲工場が昭和六十三年まで操業し、特に昭和三十一年から昭和五十一年にかけて石炭を原料に都市ガスを製造する過程で出たベンゼン、シアンなど有害物質が、敷地土壌と地下水を深刻に汚染しています。その土壌汚染調査と対策を検討した専門家会議の報告書が、本年七月二十六日、第九回の最終の会議のときに提出されました。

 報告書からわかる汚染の実態は、とても深刻です。土壌からは、発がん性や催奇形性のあるベンゼンが環境基準の四万三千倍の四百三十ミリグラム・パー・デシリットルで、呼吸障害や頭痛、めまいなど急性障害を起こす猛毒のシアン化合物、シアン化カリ(青酸カリ)として百五十から三百ミリグラムが致死量と言われるものですが、環境基準の八百六十倍の八十六ミリグラム・パー・リッターで見つかりました。地下水においては、全調査地点四千百二十二地点の一三・六%でベンゼンが、約四分の一の二三・四%にシアン化合物が環境基準を超えて検出され、広範囲に土壌汚染が広がっています。

 さらに、その報告書は不備の多い調査から作成されており、実際の汚染状況はそれ以上に深刻なものである可能性もあります。すなわち、日本環境学会も指摘するように、東京ガスの過去の工場操業に伴う地層汚染は、移転予定地の浅層部に広く分布する軟弱な自然地層である有楽町層までに及んでいる懸念が極めて濃いのに、専門家会議は、有楽町層は不透水層であるから汚染が及んだ可能性は低いとして、詳細調査の対象からも除外しています。調査せずに、有楽町層は安全だと結論づけているのです。このような報告書を、中央区はいかに受けとめているのでしょうか。中央区として、豊洲は市場としてふさわしい場所と考えますか、お答えください。

 次に、専門者会議の場でなされた重要な約束、都民との双方向性の意見交換であるリスクコミュニケーションをすることについてです。

 専門家会議の報告書で明らかにされた豊洲土壌汚染の現状を東京都は都民にわかりやすく説明すること、その説明後、専門家会議の提案する土壌汚染処理の対策をとり、豊洲への市場移転をするべきかどうかのリスクコミュニケーションを都民に対し実施すること、これらのことが専門家会議の場で約束されているにもかかわらず、東京都は一切行っておりません。都民とのリスクコミュニケーションの機会をつくることを求めて強く抗議すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 三つ目に、土壌汚染処理の技術的検討を、現在、技術会議で行っておりますが、その検討過程は傍聴を不可とした非公開の形です。技術会議の構成メンバーは、座長はロボット工学が専門の電気工学者、原島文雄東京電機大学未来科学部教授である以外は、環境、土木、情報処理の各分野から学識経験者六名の委員で、だれが委員であるのかさえ公表されていません。科学技術の検討は万人監視の公開のもと実施すべきであり、東京都の非民主的な運営に対し強く抗議すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 最後に、現在地再整備に向けた今後の取り組みに関してです。

 かつて、平成十一年当時、中央区は、築地市場現在地再整備する場合の種地として、築地川東支川の二千八百五十一平方メートルの提供を市場当局に申し入れをしたり、平成十二年には築地市場現在地再整備促進基礎調査報告書も作成しました。築地市場の現在地での再整備を行う上で課題となる種地不足を解消するため、種地提供策を盛り込むとともに、築地地区の活気とにぎわいを発展させ、銀座などの周辺地域の連携により、日本の食文化の中心として、さらには都心商業の一大集積地として繁栄に導く築地市場現在地再整備のビジョンを新たに作成し、東京都へ提案すること、築地市場を有する地元中央区の責任として、このことを行うことを強く要望します。お考えをお聞かせください。

 以上、第一回目の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 小坂和輝議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、区政運営の方針についてであります。

 区を取り巻く環境が大きく変化する時代の中においては、区民が主人公の区政を根幹に据え、血の通った行政の実現を基本姿勢に、住民の幸福追求のため、さまざまな課題の解決にチャレンジしていくことが区政運営の基本方針であると考えております。このため、透明でわかりやすい区政の実現や区民との情報の共有化を図るとともに、施策とその結果について説明責任を果たすことが重要であります。区は、これまでも情報公開や多様な広報媒体を活用した区政情報の発信に努め、開かれた区政運営を推進してまいりました。また、区民との意見交換では、行政懇談会や区政を話し合う会、モニター会議に加え、パブリックコメントなど、区民の声をいち早く施策に反映できるよう取り組んでおります。さらに、多様化する区民ニーズに的確に対応したきめ細やかな公共サービスを提供するには、産学官民といった多様な主体との協働が不可欠であり、現在、この仕組みづくりを精力的に進めているところであります。区といたしましては、今後ともガラス張りの区政を一層推進するとともに、本区にふさわしい地域との協働による住民参加をつくり上げ、区民から信頼される区政の実現に力を注いでまいります。

 次に、区役所本庁舎内での一時預かり保育室の開設についてであります。

 本区においては、三十代を中心とする子育て世帯が増加しており、区としてもこうした方々が手続や相談などのために乳幼児と一緒に来庁される場合への配慮が必要であると考えております。また、来庁される方からも授乳やおむつがえ等のための設備について御要望があったこともあり、本庁舎の改修工事にあわせ、ベビーキーパーやベビーシートを設置するとともに、一階に授乳室を設けたところであります。お尋ねの本庁舎での一時預かり保育室の開設につきましては、手続、相談などで来庁される方は短時間の利用が一般的であることや、会議等において必要な場合には託児を行っていること、また専用のスペースを確保することが難しいことなどから、当面、困難であると認識しております。

 次に、子供のショートステイについてであります。

 この事業は、保護者の出産や入院などで一時的に養育困難となった場合、一日二十四時間七日間まで子供を預かる制度で、区内に適当な委託先がないため、区外の乳児院などに委託して実施しております。事業の実績としては、これまで七件の相談がありましたが、利用は一件となっております。利用しなかった理由は、親族で預かってもらえることになったことや、入院せず自宅療養となったことなどですが、施設が遠くて使いづらいという声も一部にはいただいており、今後の課題であると考えております。なお、このショートステイは一時的とはいえ、親子が生活の場を別にするものであり、真にやむを得ない場合に利用されるものと考えております。

 次に、集団保育ママ制度についてであります。

 家庭福祉員の複数による保育につきましては、自宅のスペースを提供せずに保育ができることや、体調を崩したときの対応など、負担軽減につながる面があるものと考えます。しかし、責任体制があいまいになるおそれがあることや、施設の確保、設備基準、安全、衛生面など、多くの検討すべき課題があることに加え、少人数保育によるきめの細かさといった制度の特徴が失われる可能性もあります。こうしたことから、まずは家庭福祉員制度の十分な周知を図るとともに、交代要員の確保や保育所との連携など、負担軽減に向けた支援策の拡充に取り組み、より多くの方に御協力いただけるよう努めてまいります。

 次に、障害のある方の就労に向けたジョブコーチについてであります。

 障害のある方の一般就労は、中央区社会福祉協議会の障害者就労支援センターへ委託して実施しております。その実績は、平成十七年度から十九年度の三か年で三十一人の方が一般企業へ就労しております。このセンターにおいては、社会福祉協議会の職員である就労支援コーディネーター一名がジョブコーチの資格を取得し、企業との調整や就労者が円滑に職務に当たれるよう支援を行っております。障害のある方の就労は、今後も促進していくことが大切であり、そのためにはセンター職員のジョブコーチ資格の取得と体制の充実を進めるとともに、ボランティア等の資格取得の促進も図ってまいります。

 次に、障害のある方のグループホームについてであります。

 障害のある方の地域移行と自立の促進には、グループホームをはじめとした居住の場を十分に整備していくことが大切であります。現在、区内のグループホーム、ケアホームは、公設一カ所、民設二カ所があり、十八人の方が利用しております。しかし、現状ではレインボーハウス明石の入所待機者が十九人おり、さらに精神障害のある方の地域移行を進めていくことも課題であり、今後、さらに充実していく必要があると考えております。なお、本区においては、平成十九年から障害者グループホーム等支援実施要綱により、グループホーム事業等に民間の参入を促進する体制を整えたところであります。今後は、公共施設の有効活用などとともに、民間事業者への積極的な働きかけを行うなど、増設に努めてまいります。

 次に、病床の確保や病院の整備についてであります。

 東京都は、都内を十三の医療圏に分け、それぞれの医療圏の中で必要な病床数の基準や医療機関の連携を図る体制を示しております。本区の属する区中央部保健医療圏においては、基準病床数は約六千床とされておりますが、大きな病院が多いことから、実際の病床数は約一万四千床と、基準の二倍を超える状況となっております。こうしたことから、東京都は十九床以下の出産を取り扱う産科診療所等を除き、原則として病床を持つ医療機関の新設は認めないこととしております。しかし、一方では、急速な高齢社会への的確な対応や、障害のある方の地域移行を進めていく必要があり、地域医療を一層充実させていかなければなりません。このため、今後、区内の病院や医師会などと、安心して入院できる体制づくりなど、地域医療を充実させる方策を協議してまいります。さらに、安定した医療体制の確保に向けた医師不足の解消などの抜本的な対策を早急に講ずるよう、国や都に要望してまいります。

 次に、新型インフルエンザ発生時の事業継続計画の策定についてであります。

 新型インフルエンザが発生した場合には、区として、区民の生命と健康を感染から守ることが最重要課題と考えており、感染リスクを低くするため、原則として不特定多数の人が集まる区役所や区民施設などでの業務を休止することが望ましいと考えております。一方で、区のすべての業務を休止することは区民生活に甚大な影響を及ぼすことから、ごみ収集等、必要不可欠な業務は継続する必要があります。そこで、新型インフルエンザの発生時でも区が行わなければならない必須の業務と、休止する業務を明確にし、具体的な取り組みを定めるため、現在、各部局の庶務担当課長等で構成する危機管理対策検討部会で事業継続計画の検討を進めているところであります。なお、計画策定に当たっては、原則として区役所業務を一部休止することが前提となることから、まず事業責任を負う区において計画を策定し、その後、区民の意見を伺う機会を持つべきものと考えております。

 次に、メーリングリストの活用を可能にするシステムの構築についてであります。

 メーリングリストは、特定のテーマに関心を持つ者などの間において情報交換する場合が多く、メールアドレスの登録者に一斉に送受信することが可能であり、情報交換を簡便にできるメリットがあります。しかしながら、送信内容は登録者全員に即時配信されるため、特定の登録者との情報交換に向かない点もあります。その上、個人情報の漏洩やコンピューターウイルス感染の危険性など、多くの問題を内在しており、システムの構築には十分な注意が求められます。また、システムの開発や運用には多額の経費が発生するとともに、情報格差、いわゆるデジタルデバイド対策も必要となります。このように、広く区民との情報交換の仕組みとして区がこのシステムを導入するには課題も多く、難しい状況にあります。

 次に、災害時の対応についてであります。

 災害時には防災関係機関相互の情報連絡が重要であることから、区では防災拠点、警察、消防、ライフライン関係機関、医師会などの連絡のため、一般回線に依存しない地域防災無線を整備しております。現在、デジタル化の工事を進めており、再整備後は無線によるメール通信も可能となることから、災害時に活用してまいります。

 次に、まちづくり協議会の改革に向けた取り組みについてであります。

 まちづくり協議会は、地域のまちづくりについて、当該地域の町会や商工関係などの代表者と区が、学識経験者を交え、情報や意見交換をする場として昭和六十二年より各地区に設置され、現在では十二地区に設置しているものであります。これまで、まちづくり協議会において、まちづくり構想や整備計画、その他多くの意見交換がなされてきました。しかし、設置後二十年以上が経過し、より詳細な検討が必要となっていることから、分会や分科会を設置するほか、銀座や晴海地区でのデザイン協議会を地元とともに設置するなどして、より具体的な検討のため、弾力的な運用に努めております。区では、こうした状況を踏まえ、現在、まちづくり協議会のさらなる運営上の工夫を検討しているほか、学識経験者が不在となっている地区での人選に鋭意当たっているところであります。この過程で、開催の周知方法や会議内容の広報などについて整理を行うほか、より多くの区民の意見や意向を把握する方法を検討してまいりたいと考えております。

 次に、十一月十七日開催の都市計画審議会における附帯意見と、まちづくり協議会のかかわりについてであります。

 まちづくり協議会は、地域のまちづくり構想や整備計画等について、区と地域住民とが意見交換などを行う場として設置しているものであります。また、その協議会のもとに分会は特定地域の課題を、分科会は特定分野の課題を、それぞれ意見交換を行う場として設置するものであります。したがいまして、都市計画審議会での附帯意見のように個々の権利や利害関係にかかわる事項の調整をまちづくり協議会で行うことは、なじまないと考えております。このため、こうした問題については、個別に地域住民との話し合いや調整を進めてまいります。また、事業予定者への指導を通しながら、よりよいまちづくりを目指してまいります。

 次に、まちづくりセンターの整備であります。

 本区では、まちづくりの責任は区にあるとの基本的考えのもと、まちづくりを進めているものであります。このため、まちづくりを議論する場として各地区に設置されたまちづくり協議会へは、関係部課長が出席しているほか、個別地区のまちづくりにおいても、関係職員がまちに幾度となく足を運んでおります。こうすることにより、直接住民との会話を通して住民の意向や地域課題の把握に努めることができ、その結果、公平かつ中立的な立場からのきめ細やかな対応と政策の立案や充実を図ることが可能となります。したがって、今後とも、区はまちづくりを第三者にゆだねることなく、直接的かつ積極的なかかわりを持ちながら、地元のまちづくり活動等を支援してまいります。

 次に、都市計画法第十六条に基づく意見書の取り扱いについてであります。

 区は、都市計画の策定の際に寄せられる住民意見の反映方法について、都市計画法に基づいたルールのもとで適切に行うべきものと考えております。具体的なルールとして、都市計画法第十六条により、都市計画案の作成の際に講ずるべき措置として、住民の意見を求め、出された意見を必要に応じて計画に反映させることを目的に、意見の提出方法等を条例に定めております。また、同法第十九条第二項の規定により、出された意見について、その意見の要旨を都市計画審議会に提出しております。区では、いずれも都市計画に住民の意見を反映させるための規定と認識しており、区の決定する都市計画についても、これら規定に基づいて手続を進めているものであります。さらに、都市計画審議会に対して、住民意見の要旨とともに、意見に対する区の考え方を添えて提出し、審議をいただいているものであります。今後も、法に基づいたルールのもとで、住民の声を都市計画に反映するよう努めてまいります。

 次に、下町観光拠点の整備についてであります。

 NHKの朝の連続テレビドラマ「瞳」の放映などにより、月島地域への来街者が、放映前と比較し約三割増加していると伺っております。月島西仲共栄会商店街振興組合や周辺町会長から来街者の増加を維持するため、西仲商店街での「瞳」ギャラリーの開設について相談をいただいております。区といたしましては、基本計画二○○八で観光案内機能の強化を掲げており、一時的な話題づくりだけでなく、継続的に観光案内のできるものが必要と考えております。今後、地元地域と十分に協議しながら、地域活性化のために有効な施設整備のあり方について検討してまいりたいと存じます。

 次に、水辺利用の活性化についてであります。

 区では、中央区水辺利用の活性化に関する方策に基づき、平成十八年度から石川島公園の拡張や月島一丁目緑道などの水辺の整備、朝潮運河にぎわいづくり調査の実施など、具体的な取り組みを行っております。日本橋川については、首都高速道路の撤去に向けた検討を行うとともに、ツタ類等による護岸緑化、しゅんせつによる水質改善などを実施しているところであります。また、地域においては、日本橋川再生に向けた舟運イベントやEM菌による水質浄化、船からの水面清掃などのさまざまな活動の輪が広がっており、区ではこれらの活動への参加などの支援をしております。区としては、今後とも本区の方策の整備テーマである「日本晴れのまち空間 日本橋川」を目指して、水辺の活性化が図られるよう、各種活動を通じて地域との連携を深めてまいります。にぎわい拠点となる船着場の整備についても、整備主体や構造、活用方法などの具体案について、地域の団体や東京都などと調整を図ってまいります。

 次に、築地市場の現在地再整備についてであります。

 専門家会議の最終報告については、食の安全・安心の確保及び人の健康被害防止の観点から、東京都が実施すべき土壌汚染対策の考え方について、専門的見地から取りまとめられたものと認識しております。豊洲が市場としてふさわしい場所かどうかについては、少なくとも科学的見地に基づいて食の安全・安心が確保される必要があり、技術会議の結果を踏まえた東京都の土壌汚染対策に対する市場関係者をはじめ、広く都民の理解が不可欠であると受けとめております。リスクコミュニケーションは、この土壌汚染対策がまとめられた段階において、当然、図られるべきものと考えております。なお、技術会議の公開については、審査の終了後、会議録等をすべて公表すると聞いております。また、築地市場再整備のビジョンについては、市場整備の権限を持つ東京都と、利用者である市場関係者同士が市場の将来像や整備方針、財政負担の問題などを協議・検討して具体化すべきものであり、当事者でない本区が作成することは困難であります。今後とも、築地市場問題を取り巻く状況をしっかりと見きわめ、区議会をはじめ、関係者の皆様の御意見をお聞きしながら、適切に対処してまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 教育問題につきましてお答えします。

 まず、幼稚園の預かり保育についてです。

 現在、明石幼稚園、有馬幼稚園、月島第一幼稚園の三園で、夏季・冬季・春季休業期間も含む月曜日から金曜日の午後四時三十分まで実施しています。幼稚園は、学校教育法により設置される幼児教育を行う学校で、一日の教育時間は四時間が標準とされ、現在、午後四時三十分まで運営しております。預かり保育は、このような幼稚園の枠組みの中で子育て支援の一環として実施しています。実施園の拡大につきましては、今年度有馬幼稚園で開始し、三地域でそれぞれ一園と拡大したばかりであり、その利用状況等も勘案しながら、今後検討してまいります。

 次に、幼保一元化についてであります。

 本区では、これまで多様なニーズにこたえるため、既存の幼稚園を活用して教育と保育を一体的に運営する幼稚園実施型の認定こども園に転換することを検討してまいりました。しかしながら、より広いスペースが必要となることや、園児数の増加などから、直ちにそうした施設を整備することは困難な状況にあります。したがいまして、今後も引き続き、小学校の改築などの機会をとらえ、認定こども園の具体化を検討してまいりたいと考えております。このような事情でありますので、御提案の区内全幼稚園を幼保一元化の認定こども園への移行という大きな枠組みの変更につきましては考えていないところであり、当面、現行幼稚園教育のさらなる充実に取り組んでまいる所存であります。

 次に、障害のある方への生涯を通じた一貫したサービスの充実についてお答えします。

 まず、個別支援計画の作成についてであります。

 学校教育法施行規則の一部改正により、平成十九年度からスタートした特別支援教育の充実を図るため、関係機関が連携し、乳幼児期から中学校卒業までの一貫した教育体制の整備に努めているところであり、御指摘のような計画の作成は大変重要であると認識しております。本区でも、昨年度より、子供一人一人の教育的ニーズに対応し、各学校、幼稚園における指導の目標、内容などを盛り込んだ個別指導計画や、乳幼児期から学校卒業までの長期的視野に立って受け継がれていく個別の教育支援計画の作成に取り組んでおります。今後は、さらに関係機関との連携を深めながら、より実効性のある計画の作成に努め、特別支援教育の充実に努めてまいります。

 次に、特別支援学級の開設についてです。

 本区では、知的障害学級を明石小学校と月島第二小学校に設置し、施設的にはそれぞれ二学級十六名まで受け入れることができます。現在、明石小学校に十二名、月島第二小学校に七名が在籍していますが、例年三、四名程度が日本橋地域から通学しております。新たに日本橋地域に知的障害学級をとのことでありますが、その場合には小規模な学級になり、児童の社会性の育成に、また新設ということで豊富な経験を持つ教員の確保などに課題もあると考えております。したがいまして、当面は日本橋地域及び区全体の対象となる児童数の推移などを見ながら適切に対応してまいりたいと存じます。

 答弁は以上です。

〔十七番 小坂和輝議員登壇〕

○十七番(小坂和輝議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 まず、教育問題に関しましては、個別支援教育、個に丁寧な対応をしていく、そのことを検討して実際にやっているというふうな御答弁でしたので、それはとても大切なことであり、ぜひ障害のある子たちが保育園、幼稚園、小学校、そして中学、そして就労と、その施設というのがあると思いますけれども、その一つ一つで終わってから、療育なり教育のノウハウとかやり方、それが途切れることなく大切な情報が伝わっていくという御答弁だったと思いますけれども、そこのあたり、情報がきちんと、大切な情報が必ず伝わっていく、個人への支援の計画、これがきちんとなされることをここでも再確認し、また強くお願いをいたしますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 幼保一元化に関しては、私は非常に大きな構想のことを申し上げました。ただ、あり方といたしまして、現状の形が不自然なんじゃないかなと私は思っております。すなわち、一方の子は保育園に行って、一方の子は幼稚園に行く。教育委員会は教育委員会として幼稚園教育をする。同じ子供であるのに違う場所にいて、いきなり小学校になったら同じところに来る。別々のところでやって、そのような生活をしているのが果たしていいものかなと私は考えます。それよりは、保育のいいところと教育のいいところを同時でできるという幼保一元化というのが日本の将来の教育のあり方として大切なんじゃないかなと思います。幼保一元化をもっともっと能動的に、主体的に、国をリードするような形で提案していっていただけないかなと思いますが、これに関してはまだまだ大きな話題でありますので、また、その都度、ともに考えていければと思っております。

 では、区長答弁に関して、数点お伺いさせていただきます。

 ただ、私の質問におきまして文字の読み誤りがありましたので、それをまず訂正させていただきます。「いしかみい」は「しゃくじい」の間違いでした。「かみしゃくじい」の間違いでもあります。また、「だいせんがくえん」は「おおいずみがくえん」の間違いでした。改めて、この場においておわび申し上げ、訂正いたします。

 では、私の質問をさせていただきたいと思いますが、私のお伺いさせていただきたい点は、四点あります。まず、一点目は情報デバイド、デジタルデバイドに関して、二つ目は病床数に関して、三つ目はまちづくり協議会に関して、四つ目は築地市場に関して、数点少し引っかかったもので、お伺いを改めてさせていただきます。

 メーリングリストに関しまして、まずデジタルデバイドに関してですけれども、メーリングリストに関しましては、おっしゃるように、使える人と使えない人があるということで、このあたりを克服するというのは確かに大切なことです。であれば、区の今の情報発信の中でデジタルデバイドが本当にないのかどうかというのも、同じ視点であれば、考えていただきたいと思います。すなわち、パブリックコメントとかをやるといったときに、やるという情報はどこから流しているでしょうか。これは、区のホームページだけかもしれません。そうではなく、持てる者と持てない者のデジタルデバイドがなきようにしていっていただきたい。これは自分の言ったことと矛盾しますけれども、メーリングリスト、これは確かにそれを使える者と使えない人の差というのができてしまうものでありますので、それをすべて区の方針とするのは非常に現段階においては難しいかもしれませんが、デジタルデバイドのなきように、情報格差がなきようにしていっていただきながらも、一つの勉強会におきまして全員がメーリングリストを持てるとか、環境区民会議でメーリングリストを持とうと、そういう意思が統一されるのであれば、そこでは持っていてもいいんじゃないかなと。そのときに適切な区のアドバイスをいただければと思います。デジタルデバイドをなくすという区のあり方に関して、もう一度教えてください。

 二つ目は、もし協議会内でそのような話しでまとまった場合は、区も協力していただければと。ひとつ、今はIT化の時代でありますので、それに乗りおくれないようにしていく必要があるのではないかなと思いまして、御質問させていただきます。

 二点目は、病床数に関してです。

 確かに、このエリアは聖路加病院あり、大学病院ありで、たくさんの病床があります。ただ、先日、そのような病床がありながらも妊婦の方がお亡くなりになられたというふうなニュースが流れたわけであり、本当にこの地域は足りているのかというと、見かけ上は足りていても、本当は足りていないという状況があります。そこからして、やはり区民がどれだけ利用できる病床があるのかというのは、その都度注意して、その病床を確保するというが大事じゃないかなと考えます。そのあたりをきちんとしていっていただき、また国や都の考え方自体が足りていないのかもしれませんので、在宅医療をする場合とか、すぐに駆け込めるような場所というのは必ず大事でありますので、病床数確保に向けて、改めて覚悟等があれば教えていただきたいと思いますし、国・都のあり方というのが、それ自体の決め方が間違っている可能性がありますので、やはり国や都に現状をもっと強く言っていく必要があると思います。そのあたり、よろしくお願いしたいと思い、お伺いさせていただきます。

 三つ目は、まちづくり協議会に関してです。

 区長は、最初のところの民主主義的な運営のあり方で、ガラス張りの区政運営というふうにおっしゃいました。また、きめ細やかに情報提供していくというふうなことをおっしゃいました。ただ、私自身、月島一丁目の三、四、五番地区や湊東地区の方々とお話しして、開発を進める方々にはたくさんの情報が行っているんですけれども、その周辺の住民の方々にはなかなか平等な情報が伝わっていないというふうなことが見受けられます。周辺の方々の声を聞いたり、建築していく中で、風害なり、日照なり、それらをよくよく検討して、それでうまく整備計画を進めていくというのが、意見書の附帯決議の案だったと思います。附帯決議は、個々の対立の一方の利益のためにつけた意見ではないはずです。附帯意見は、地域のことを思ってつけたわけなので、その附帯意見がきちんと守られることを担保することが必要かと思います。その附帯意見をいかに守っていくか。これは、個々の対立を私は解決してほしい、紛争を解決してほしいと言っているのではなく、一つの建物が建った場合に、その周辺地域、皆さんがともに一緒に考えて、一つの建物が、すべて、それが建つことによって区全域において役に立つから建てよう、いいものをつくっていこうという話の流れができていくわけなので、そのあたりの附帯決議の担保のあり方は必要なんじゃないかなと思い、私は別に、個々の紛争の解決のために申し上げているわけではございませんので、やはり附帯決議の担保のためのまちづくり協議会の引き続きの検討は必要なんじゃないかなと考えますが、いかがでしょうか、教えてください。

 四つ目の、築地市場現在地再整備に関してです。

 区長は、当事者ではないというふうにおっしゃいました。市場内のやっている方々と都の関係であると。私は、区はその市場を有する地元自治体として一番責任のある立場に立っていると考えます。であるからこそ、平成十二年には築地市場現在地再整備促進基礎調査なるものを中央区が出したわけです。これと同じようなものは今後もつくれるわけです。当事者でないとおっしゃいましたけれども、私は、当事者としての行動がとれると考えます。それは、新しい築地をつくる会、これは平成十八年につくりましたが、この中でも区のあり方というのをもっと一緒に考えていくことができると考えます。このあたり、当事者としてなせる方法があると考え、そのあたり、何か区長として築地移転を断固反対することを考える中央区としては、何らかの当事者としてのとれるべき方法があると考えますので、そのあたり、何か区長としてのお考えがあれば教えていただきたいと思います。

 第二回目の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 IT技術に乗りおくれないようにすべきである、これはもうよくわかるところであります。どんどんどんどん、今、世の中進んでいるわけで、特にITのほう、どんどん進んでいるわけですから、それに本区が取り残されないように努力するというのは同感であるわけでございます。

 ただ、メーリングリスト、まだ、一斉に発信するというメリットがあるものの、さまざまな点で問題点もあるわけでございますので、直ちにというよりは、これから研究・検討してまいりたい、こういうふうに思うところであります。

 それから、病床数の確保ですね。先ほど答弁いたしましたとおり、東京都は十三、東京都が中心ですね。東京都のほうでこうした規定といいますか、基準を設けているわけでございます。したがって、なかなか難しいというのは、先ほども説明したとおり、本区、関係地域はほかの基準の二倍もある、こういう状況にあることから、なかなか難しい。御指摘する点も、よくわかります。今、こういう病床数、この間のさまざまな事件、事故も起こっているわけですから、そういった場合に直ちに入院できるような、そういう区民の要望、これはよくわかりますし、これまでもこの議会におきまして、そうした観点からの要望あるいは念願、希望等もあったわけでございますので、そういった点を踏まえて、今後ともできる限り区民のニーズに合うように整備してまいりたい、こういうふうに思います。

 それから、附帯意見、これは都市計画審議会でつけられた附帯意見でありますから、これは尊重するのは当然であるわけでございまして、そういう意味で、これは非常に重要な附帯意見である、こういうふうに私自身は受けとめているところであります。

 それから、築地市場の問題。当事者でない、つまりあそこの開設者は東京都ですね。土地も東京都。つまり、当事者でない、直接の当事者ではないということを申し上げたところでございまして、本区内にあるんですから、無関心、無関係であるということではございません。大いに関心を持っているからこそ、私たち、署名活動などをして十万人を超える署名も集まったわけでありまして、全く当事者ではない、無関心である、無関係であるなんていうことを申し上げているのではなくて、直接の当事者は東京都、開設者である東京都、また土地を持っている。二十三ヘクタールすべて、東京都の土地であるわけですから。また、財政の問題、こういうのも非常に重要ですね。私たちが絵をかいても、それがどのくらいの費用がかかるのかという点もあるでしょうし、これはもう本区の予算や基金では間に合わないほどのものでありますから、非常に難しいのではないか、こういうふうに申し上げたところであります。むろん、こういうようにすれば、こうしたふうに現在地でできるという考え方、アイデアですね、それがあれば、これは進めていくのにも私たち、やぶさかではないわけであります。

 以上でございます。

〔十七番 小坂和輝議員登壇〕

○十七番(小坂和輝議員)
 御答弁ありがとうございました。

 区長がおっしゃいました意見書ですね、意見書を尊重する、その言葉をここで聞くことができましたので、それを胸にまちづくりのあり方を今後も検討していきたいと思います。どうぞ意見書、附帯決議の尊重のほう、よろしくお願い申し上げます。

 また、築地市場に関しましては、確かに区のやれることは限られているかもしれません。しかし、新しい築地をつくる会で検討を深めたり、リスクコミュニケーションを都はやってくれるとおっしゃいましたので、それをきちんとやるように都に働きかけたり、また種地の提供はこのような方法がある、これをきちんと都に改めて申し伝える、まだまだ言っていくことはあると思います。それらを言うことで、我々の願いでありますところで、築地市場の現在地再整備、これは必ずや中央区のため、東京都のため、日本のために実現させていただきたい、実現しなければならないことだと思いますので、このあたりお願いを申し上げて私の質問を終わります。ありがとうございました。


○二十三番(神林 烈議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(今野弘美議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(今野弘美議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後三時二十二分 休憩


午後三時四十五分 開議

○議長(今野弘美議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。五番鷲頭隆史議員。

〔五番 鷲頭隆史議員登壇〕

○五番(鷲頭隆史議員)
 自由民主党の鷲頭隆史です。

 私たちは、今、避けては通れない極めて重大な二つの問題と向き合っています。一つは、以前から言われてきました地球温暖化現象、もう一つは、米国のサブプライムローンの破綻に端を発した世界的金融・経済危機です。これらの問題は、もちろん、本区など一地方自治体単独で対応できるものではありません。とはいえ、私たち市民、区民一人一人が明確な意識と自覚を持って解決に向けて取り組んでいかなくてはならない問題です。そのとき、そうした区民の取り組みに対して最も身近な基礎的自治体として、中央区は、どのような支援や援助あるいは方向づけをするのか。本日は、この地球温暖化と経済危機の二つを主要テーマに、子供、次世代の育成、まちづくりの展望なども含め、区行政の基本的な姿勢や考え方、具体的な施策などをお尋ねしてまいります。答弁によりましては、再質問をさせていただきます。

 初めに、経済危機についてお尋ねをいたします。

 我が国では、約二十年ほど前にバブル景気が崩壊し、その後、失われた十年と言われる長期間にわたる経済活動の停滞を経験してきました。その後、やや景気が上向く傾向を見せました。が、この状態が長く続いたことで、いざなみ景気などと言われましたが、全体的には極めて低い成長率で、中小企業など一般にはほとんど好況感は感じられませんでした。何とか本格的な経済の活性化をと望んでいた矢先に、今回の金融・経済危機が発生したわけです。これらは、我が国のバブル崩壊などとは比較にならない、世界を巻き込んだ大規模なもので、地球規模での経済恐慌も懸念されています。先日、この対応を協議する国際会議も持たれましたが、先行きは不透明なままです。海外だけでなく、国内でも大手企業の倒産や大幅な業績低下が次々と報じられ、私たちの不安は増すばかりです。

 そこで、まず、この経済危機についての区長の御見解をお尋ねいたします。

 この危機が、この先、我が国に及ぼすもの、我が国経済の中心地である東京、そして本区、中央区にどのような経済的、社会的変動を及ぼすか、その見通しと、それに対してどういう姿勢で対応していこうと考えておられるか、区の財政や都区財調への影響も懸念されていますが、あわせてお聞かせいただきたいと思います。

 次に、具体的な対応で、今度の経済危機に対して、二兆円規模の定額給付金や三十兆円規模の中小企業融資など、政府もいろいろと対応策を打ち出しています。本区の商工観光課へも、緊急融資については、応対ができないほどの問い合わせが続いています。しかし、これらはいずれも緊急避難的な対応です。業績が低下して資金繰りに困っている企業につなぎ融資をする、これ自体は必要なことです。資金がなければ事業を継続していくことはできません。とはいえ、単に事業を継続できても、将来が開けてくるとは限りません。バブル崩壊後の失われた十年、今回はもっと過酷な社会・経済状況も予測されます。一九三○年代の世界恐慌は、収拾がつかぬまま、やがて第二次世界大戦へとつながりました。

 緊急融資は、医療で言えば延命治療です。これ自体は、必要不可欠なものです。しかし、これだけで健康体を取り戻すことは難しいことです。生き続けるための将来展望とリハビリや筋力アップなど、体力向上の処方が必要です。企業経営においても、同じ事が言えます。企業存続のための融資だけでなく、活力向上のための支援策がもっと必要なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 先日、テレビで二つの元気な商店街が紹介されていました。

 山形県新庄市の百円商店街。商店街の九割以上のお店が参加する百円商店街というイベントを二、三か月に一回開催し、シャッター通りと言われた商店街をにぎわいの商店街に変身させました。このプランを発案、推進しているNPOは、市の職員らが主導して立ち上げたものです。全国でも十カ所を超える商店街が、この企画を取り入れて成功しています。もう一つは、板橋区のハッピーロード大山商店街。とれたて村という全国の特産品を扱うアンテナショップを商店街に立ち上げ、継続的なイベントと組み合わせて、商店街への一日当たりの来訪者数を三万人と、飛躍的に増加させました。どちらの商店街も、経済産業省の全国がんばる商店街77選に選ばれています。ハッピーロード大山は、一昨年の第二回東京商店街グランプリの活性化事業部門でグランプリを受賞しました。東京商店街グランプリといえば、昨年度の第三回グランプリ、イベント部門で、本区の人形町商店街も人形市で優秀賞を受賞しています。

 これらは商店街の活性化ですが、個別の商店や工場などでも、景気に左右されずに好業績を続けている事業所はたくさんあります。九月に開催された中央区商店街連合会の商店会加入促進大会で講演した法政大学の大学院教授、坂本光司氏は、「リピーターを呼ぶ感動サービス」というテーマで、そうした元気な企業の具体例をいろいろな分野から紹介されました。坂本教授は、現場で中小企業を研究し、頑張る中小企業を支援するをモットーに、研究室を飛び出し、北海道から沖縄まで、訪問した企業数は六千社を超えるそうです。その経験を踏まえ、その著作の中で、「業績の悪い企業の経営者は、その不振の原因を全て外のせいにする」と述べています。景気が悪い、政策が悪い、規模が小さい、ロケーションが悪い、業種が悪い、大企業、大型店が悪い、さらには人材に恵まれないなどなどです。そして、一方、好業績を続ける企業は、何のために、だれのために事業を行うのかという、出発点から考え方が違っているのだとも述べておられます。

 私も、広告や販売促進、商品開発などの仕事を三十年以上もやってきました。そして、教授と同じような考えから、景気が悪いから売れないではなく、あなたやみんなが売れば景気はよくなるのです、だから売れる商品、売れる方法を一緒に考えましょうと言い続けてきました。

 さて、ここで質問です。

 先日、平成二十年度の行政評価を拝見させていただきました。商店街振興、産業振興と、それぞれにいろいろと努力をされておられることは理解いたします。しかし、いずれにおいても、先ほど言いました延命治療への比重が大きいのではないかと思います。予測される大きな経済変動に対して、もっと積極的な生きる力、経営活力を付加できるような施策は考えられないでしょうか。社会の変動に左右されない経営体制づくり、ピンチをチャンスに置きかえる発想だって、あるかもしれません。ともかく、何としてもこの経済危機に負けない活力を区内にみなぎらせたいと思うのですが、お考えや意気込みをお聞かせください。

 今度の経済危機に関するもう一つの対応は、こうした経済状況の再発を防止する施策ということです。

 サブプライムローンの仕組みといい、投資銀行というよりも投機銀行と言いたいその詐欺まがいの内容に腹が立つのですが、こうした行為を抑制する、あるいはカジノのように、これに参加しない人には影響が及ばないようにするなどということはできないものでしょうか。もちろん、一地方自治体の立場では難しいことでしょうが、何かお考えや御感想がありましたら、お聞かせください。

 次は、地球温暖化の問題です。

 地球温暖化の原因には諸説ありますが、CO2などの温暖化ガスの急増が主要因の一つであることは広く認められつつあります。木材など植物を燃やしても、植物が大気中から固定した炭酸ガス、CO2を放出するだけですから、大気中のCO2総量は変わりません。化石燃料である石炭や石油を燃やすと、地中に固定されていたCO2を大気中に放出することになり、大気中のCO2量が増加し、温室ガス効果により地球の温暖化が進むということです。産業革命の進展とともに、十八世紀中ごろより石炭が多用されるようになり、やがて二十世紀の初頭、フォードが自動車の量産化を実現させたころから、石油の使用が急速に進みます。さらに、二十世紀の中ごろから、技術革新の進展とともに産業の機械化や大規模化、交通網の整備や商品の大量生産などにより、石油の消費量、そして、もう一つの化石燃料である天然ガスも加え、その消費量は爆発的に増加します。そして、一九九○年以降、気候の変化、地球の温暖化が確実視され、一九九五年の京都議定書へと進みます。このように、地球温暖化は私たちの現代文明を成熟させた二十世紀の遺産、負の遺産とも言えます。この遺産を私たちはどう受けとめ、また引き継いでいかなければいけないのでしょうか。

 温暖化対策としての京都議定書が採択されて、十年余がたちます。我が国も、二○一二年までにCO2の排出量を一九九○年実績より六%減らさなくてはならないことになっています。しかし、先日の国連気候変動枠組み条約事務局の発表によりますと、二○○六年時点で排出量は逆に六%もふえています。世界最大のCO2排出国であるアメリカは、議定書には署名したものの、削減義務の締結からは離脱、アメリカの目標は七%削減だったのですが、逆に一四%以上もふえています。ヨーロッパ諸国は削減目標に近づきつつあるようですが、一方で、京都議定書の削減案では少な過ぎて温暖化をとめることはできない、もっと大幅に削減目標をふやすべきだという意見も多くなり、最近はポスト京都議定書が議論されているようです。いずれにしろ、北極の氷の減少、超大型サイクロンやハリケーンの発生、海流の変化や漁場の移動など、日々伝えられる情報からも、温暖化は着実に進んでいるものと思われます。

 我が国においても、記録的な気温の上昇、これまで経験のない降水量の集中豪雨や多発する竜巻、本区や近隣区では豪雨による大型洪水の危険性も危惧されています。また、近年、国内外を問わず、大きな地震が頻発しています。インドネシアやペルー、中越沖や、岩手・宮城内陸地震、ついきのう、おとといにも岐阜県や米子で地震のニュースが流れておりました。一般に、地震と温暖化の関連は言われていませんが、夏には猛暑でレールが膨張してゆがみ、電車がストップしたなどのニュースはよく聞きます。地殻だって、温度が上がれば膨張するはずです。地球の周囲は約四万キロメートル、一万分の一の膨張率で計算して、百メートルで一センチメートルということですが、地球の周囲は四万キロメートルですから、この膨張率で四キロメートルにもなります。中越沖地震では、十キロメートルの断層が約一・五メートル滑っただけで、あれだけの地震が起きたと推定されています。とすれば、温暖化により大きな地震が多発しても不思議ではないと思います。

 同様に、温暖化により海水が膨張し、海水面の上昇することが心配されています。海面は、現在でも毎年数ミリずつ上昇しておりまして、年を追ってこの上昇量は大きくなっています。二一○○年までに六十五センチとか九十センチの上昇と予測されていますが、その何倍もの上昇を予測する人たちもいます。海水面が五十センチ上昇しただけでも、南方の島国では国家存亡の危機、我が国でも甚大な被害が予想されています。本区のような臨海部では、厳密な観測、予測、対応体制の準備が不可欠です。

 ここで、お尋ねをいたします。

 京都議定書以降、一向に進展が見えない対策、また地球温暖化の現状をどのように理解しておられるか、区長の御見解をお聞かせください。

 また、温暖化がこのまま進めば、二十年後、三十年後には気候変動の激化に加え、海面水位の上昇など、本区に及ぼすいろいろな影響も予測されます。これらへの備えと、中長期的視点が不可欠な都市計画、まちづくりにおける対応についても、お考えをお聞かせください。

 さらに、お尋ねをいたします。

 地球温暖化の問題は、極めて長期的な対応を余儀なくされます。CO2排出削減への区としての地道な対応とともに、この負の遺産を受け継いでいかなくてはならない子供世代も含め、常に現況と被害予想などを区民へ周知徹底し、心の備えが重要かと思いますが、どのようにお考えでしょうか。具体的な計画などもお聞かせください。

 ここで中長期的な視点ということで、本区に関連する東京都の施設や道路計画等に関して、少しお尋ねをいたします。

 最初は、オリンピック関連です。

 築地市場の移転問題との関連で、メディアセンターは国際展示場隣地へと変更されましたが、メーンスタジアムは依然晴海に予定されています。収容人員十万人以上、管理、運営、サービス、報道等々の人員を含めて十数万人が出入りする立地としては、不適切だと思います。大江戸線、有楽町線のラッシュ時の運行間隔でも、二線合わせて一時間でおよそ六万人弱。足りない分はバスで搬送するなどと言っていますが、東京湾華火祭を実施運営している私たちから見たら、到底無理な計画です。環状2号線沿いに新橋と国際展示場を結ぶ新しい鉄道でも引かない限り、メーンスタジアムへの足は確保できません。仮に、何らかの強引な手法でオリンピック期間を乗り切ったとしても、その後、残された施設を有効に活用していく目安が立ちません。晴海地域住民の日常生活、都市計画にも大きな問題が生じます。

 まちづくりは百年の計。先ほどの海水面の上昇も心配です。私は、決してオリンピックそのものに反対するものではありませんが、もう一度しっかりと交通アクセスや周辺との調和など、プランを立て直してほしいと思います。メーンスタジアムの他の場所への移転をも含め、計画の見直しを東京都に要求すべきだと思いますが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせください。

 次に、道路です。

 まずは、小さなところからですが、首都高の湾岸線から晴海へ抜ける路線の一部、豊洲までがほぼ完成し、豊洲出口は来年二月に開通予定と聞き、先日、現場を見に行ってきました。ここからゆりかもめ高架線の上を越えて晴海大橋を渡り、晴海側の橋詰まで約一キロメートルの区間を、四年後の開通を目指して工事が予定されています。その先の延伸予定は、今のところないようです。かつては、その先から地下を通り、築地や新富町から都心環状線へと接続する形で都市計画決定もしていましたが、現状は棚上げになっています。後で述べますが、この接続予定の都心環状の地下部分は、温暖化による洪水や海面上昇の影響が懸念されています。私の提案する都心環状線の見直しからの関連からも、この工事はこの豊洲出口を終点として打ち切りとすることを提案したいと思いますが、いかがでしょうか。豊洲出口から晴海までの交通量は、一般道の晴海通り、晴海大橋で十分賄えると思います。現場を御覧になって、そのように進言していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。これについても、お考えをお聞かせください。

 次に、首都高全体のプランです。

 東京の都心及び近郊には、首都高の都心環状線、中央環状線、高速自動車国道である外環道の三つ、さらに、これを大きく囲む形状で工事が進められている圏央道があります。これらの環状道路のうち、現在全線開通しているのは都心環状線だけです。しかし、中央環状線、外環状線、さらに圏央道も、何とか全線開通の見通しがついたようです。そこで、考えるのですが、これで首都高の都心環状線を撤去する時期に来たのではないかということです。かつて石原都知事は、「環七より内側には車の乗り入れを規制する、環七周辺に駐車場を設け、ここからは電車やバスなどの公共交通に乗りかえてもらう」などと言っておられました。「一人乗りで環七の内側へ乗り入れようとする車からは、シンガポールでやっているように税金を掛ける」などとも言っていた話も、ついぞ聞かなくなりました。私は、こうした不要不急な車の都心への乗り入れ規制の考え方に賛成でした。この考え方を進め、中央環状線と外環状線の二つの活用、さらに四、五年でかなりの部分の開通が見込まれる圏央道の利用も考えれば、都心環状線はお役御免でも、交通上、さほどの不便も渋滞も生じないと思うわけです。これで、名橋「日本橋」の景観問題もすっきり解決します。

 都心環状線は、前回の東京オリンピック対応で建設されてから五十年近くがたちます。東京が大きな地震に襲われたら、阪神・淡路大地震のときのように、高速道があちこちで倒壊することも予想されています。当時とは技術的な乖離も大きく、補修するよりはつくりかえた方が安上がりという声も聞こえてきます。安全確保のため、つくりかえが必要となれば、膨大な費用がかかります。本区の中心を貫く江戸橋から汐留へ抜ける地下部分は、先ほども述べましたが、温暖化による洪水や海面上昇の影響も危惧されます。都心環状線の廃止により、有楽町を走る高速道、入谷へ抜ける上野線も加えて、区内高速道路のほとんどすべてが撤去可能となります。都心乗り入れの規制によりCO2の排出量も大幅に削減され、温暖化対策としても大きな効果を発揮するはずです。都心の空気はさわやかに、そして、うっとうしい高架道路が消え、かわりにまち並みを映す憩いの運河が復活することになります。都心環状線の廃止といっても、一気にすべて取り去るわけではなく、工事は徐々に進みます。今後、我が国の人口は減少していき、車の数も減少していきますので、それほど大きなトラブルは起きないと思います。

 先ほど言いました、まちづくりは百年の計。美しい国際都市東京、子供たちが誇れる美しいふるさと東京に向けて、そして温暖化対策の大きな切り札としても、ぜひ首都高の都心環状線廃止に向け、東京都及び首都高速道路株式会社に意見提出をしていただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。

 次は、次世代の育成についてです。

 初めに、唐突ですが、最近報道された幾つかの事件に関連してお尋ねをいたします。

 最近、二つの、ひき逃げ事件というよりも引きずり殺人でしょうか、そんな事件が連続して起きました。容疑者の一人は二十二歳、もう一人は四十一歳。もう一つ、だれでもいいから殺そうと思って通行人に後ろからぶつけて逃げたひき逃げ殺人、こちらの容疑者は十九歳。事件の詳細は皆さん御存じかと思いますので、ここでは省きます。

 二十一歳、十九歳といえば、つい数年前までは高校生、中学生だったわけです。学校や家庭で社会や人々の暮らしや未来をどんなふうに学んできたのでしょう。二十一歳の容疑者は、保険金詐欺で有罪、執行猶予中、そして飲酒運転で免許停止中。この容疑者の父親は、テレビの取材に、「お詫びの言葉しかありません」としか話しませんでした。顔も写っていません。容疑者は未成年ではありませんから、親に責任はないのかもしれません。十九歳の容疑者は、「仕事のことで父親にしかられて、いらいらしていて、だれでもいいからひいてやろうと思った、殺すつもりでひいた」と言っています。もう一人の四十一歳の容疑者は、小学生、中学生の父親世代です。こんな連中が親になるからと言ってみたところで、何の解決にもなりません。

 事件は、この三つだけではありません。あの秋葉原事件、そして、同じような自分勝手な殺傷事件が頻発しています。この他にも、学生たちの大麻栽培等も報じられています。我が国の将来はどうなるのでしょう。学校教育はどうなったのでしょう。現在は、私の世代にはなかった道徳の時間も設けられています。でも、私たちの世代よりも圧倒的に多く、この種の事件が発生しています。家庭のしつけなどという言葉は、今や死語になってしまったのでしょうか。大変答えにくい質問かとは思いますが、これらの事件と教育や社会的背景などについて、区長の御見解、それから、お考えをお聞かせください。

 次に、もう一つ、事件というか、妊婦のたらい回し問題についてです。

 出産を間近に控えた妊婦が救急車でたらい回しとなり、八つの病院から受け入れを断られ、脳内出血で死亡してしまいました。これは、地方ではなく、医療機関が集中する東京のど真ん中で、しかも、かかりつけ医からの緊急受け入れ要請という、患者側から見たら最も信頼できる対応で起きた事故、いや、やっぱり事件でしょうか。しかも、今回問題を起こしたのは、総合周産期母子医療センターの指定を受けている都立墨東病院。築地産院閉鎖後は、私たち中央区民が出産時には最も頼りにすべき病院です。しかも、この病院は東京ER、救急室にも指定されているにもかかわらず、当直医が一人で対応できないとして断ったのです。マスコミ報道によれば、これまでにも同様のケースがほかに何例かあったようです。

 率直にお尋ねをいたします。

 この問題については、今回質問をされたほとんどの会派の方々が触れておられますが、この問題をどのように受けとめ、緊急にどのような対策を講じられましたか、もう一度お聞かせください。

 子育て支援などと言い、特殊出生率を少しでも上げたいなどと言いながら、こんな体制では安心して子供を産めません。国や都の対応を待つだけでなく、区独自での対策も考えるべきではないでしょうか。出産は病気ではありませんので、病床数の制限とは別枠で、区立の産院だってつくれるのではないのでしょうか。産科医が不足しているとも言われますが、都心区で集まり、あるいは二十三区で協議して、育児特区、出産特区など構造改革特区をつくり、産科医や助産師を育て、支援し、家庭での出産も含め、安心して出産できる体制づくりはできないものでしょうか。そうした将来に向けた具体的なお考えも、ぜひお聞かせください。

 さて、次は、次世代育成において、私たちが子供と接するとき、どのような心構えで、また姿勢で接したらいいのかということについてです。

 うそをついた子供に、「うそなんかついちゃだめ」と言うのか、「どうしてうそなんかつくの」と聞くのか、あるいは「うそをつくと、こんなことが起こるんだよ」と及ぼす影響を教えるか、「うそをつくのなら、気づかれないように、もっとうまくつけよ」か、子供と接するときの私たちの姿勢により、子供の心の成長が異なってくる、物事への判断の基準が異なってくるのではないかと思います。では、どんな姿勢、心構えで接するべきなのでしょう。

 ある本によると、我が国で育児が大きな転換期を迎えるのは一九六○年前後。このころ、大量の育児関連書が発行され、松田道雄の「私は赤ちゃん」がベストセラーに入り、「スポック博士の育児書」がブームを呼び、雑誌にも多くの育児関連記事が掲載されるなど、親から受け継ぐ育児ではなく情報育児の時代となってきたと、当時の様子が紹介されています。さらに、このころの育児情報の中で今日まで影響を与えているのは、しからない、褒めて育てる、子供の気持ちや意思の尊重、個性尊重、才能発掘などだとも記されています。

 ここまで引用して、ある本では失礼ですから、著者と書名を紹介しますと、著者は岩村暢子氏で、書名は「現代家族の誕生―幻想系家族論の死」です。この本の前に、岩村氏は「変わる家族 変わる食卓」という本も書かれています。こちらはアサツーディ・ケイという広告会社が現代の家族のあり方を調べようと、定点観測の場として食卓に注目し、一九六○年以降に生まれた主婦で子供のいる家庭百世帯以上をピックアップし、一日三食一週間分を写真つきで六年間にわたって調査したデータに基づいて書かれたものです。実際の食卓の写真も載っています。そして、この調査により明らかになった、想像を絶するほど激しく崩れ、激変した食卓や家族の実態を前にして、その変化の原因を検証しようと、対象主婦の母親たちにインタビュー調査、別名「親の顔が見たい調査」を実施し、そのデータ等をまとめたものが、先ほど紹介した「現代家族の誕生―幻想系家族論の死」というわけです。

 話を戻しますが、先ほど紹介した一九六○年代の情報育児の要点、しからない、褒めて育てる、子供の気持ちや意思の尊重、個性尊重、才能発掘等は、現在でも育児のキーワードとして生き続けているように思われるのですが、どうでしょうか。また、これらは、先ほど言いました子供と接するときの私たちの姿勢に対する回答にもなりますが、接する姿勢としての評価はどうなのでしょう。

 私は、これらの育児キーワードは、文面上は特に悪くはないと思うのですが、文面の解釈が適切に行われているかどうかということです。しからない、褒めて育てるでは、子供が悪いことをした場合にどう対応するのでしょう。一回目はしからずに、やってはいけない理由を説明して諭す。でも、同じ事を二回やった場合はしかってやることも大切なのではないでしょうか。同様に、言いつけを守らない場合はしかる。もちろん、いいことをした場合は大いに褒めてやることに異論はありません。子供の気持ちや意思の尊重も、文面上は悪くはありませんが、その気持ちや意思が社会的規範やルールに反するものであった場合はどうでしょう。あるいは、子供の意思の尊重でわがままを助長するようなことにならないでしょうか。個性尊重では、お行儀のいい子より個性尊重などと言う母親がいるようですが、行儀の悪さも個性だと言い始めたら、収拾がつきません。才能発掘でも、子供が三歳までに才能を発掘してやらなければと、ピアノもバレエも子供がやると言ったものは何でもさせました、でも、どれも飽きちゃって長続きしませんでしたといった母親たちの例が、先ほどの本にたくさん紹介されています。そして、長続きせずに子供がやめても、母親たちは引きとめたり、継続するように強く言うことはなく、「この子に何が向いているか見抜く力が私には足りなかった」などと言うのだそうです。

 先ほどの本には、さらに、この育児キーワードの文面どおりに従い、食事時間も食べ物も家族みんなばらばらという家庭が幾つも紹介されています。母親が用意した食事を子供が嫌いだと言うと、「じゃあ、好きな物を食べなさい」と勝手に冷蔵庫から出させたり、コンビニへ買いに行かせたり、これが子供の気持ちや意思、個性の尊重だと言うのです。そんな様子を知っても、その主婦の母親も、娘の考えを尊重してあげたいからと、何も言わないのです。

 前置きが長くなりましたが、私たちが子供と接するとき、どのような心構えで、また姿勢で接したらいいのか。しからない、褒めて育てる、子供の気持ちや意思の尊重もいいのですが、実際の適用例を見ると、文意の解釈に問題があるように思うのですが、お考えをお聞かせください。

 最後のお尋ねは、私たちは育児や教育を通じてどういう人間を育てようというのかということです。今お尋ねをいたしました姿勢で子供たちと接しながら、私たちは何を子供たちに伝えていくのかということです。これをお尋ねする意味は、一九六○年代に育児が転換したとき、しからない、褒めて育てるといった子供への接し方は広まったものの、子供たちが社会を担う大人になるためにどういう資質を身につけさせるべきかという視点が欠けていたのではないか、その結果が、先ほどの引きずり殺人などの頻発を招いたのではないかと思うからです。

 本日のメーンテーマとしました経済危機、地球温暖化のいずれも、私たち人類、人間の引き起こした問題です。経済危機は、社会や経済の仕組みをよく理解せずに、自分さえもうかればいいという考えで動いたのか、あるいは結果が予測できたにもかかわらずやったのか、いずれにせよ、自分勝手な行動の結果のように思えます。地球温暖化の方は、まさかこうなるとは思わなかったという予想を超えた現象かとは思いますが、私たちが少し自信過剰となり、社会や生命をゆだねる自然界との触れ合いがやや疎遠になっていたのかもしれません。できればこうした問題を起こさないような、あるいはこうした問題に直面したときにも適切に対応していける人、子供たちをそんな大人に育てたい、そうした次世代を安心して託せる人、その基本要件とはどんなものか。

 区長のお考えもお聞かせいただきたいのですが、まず、私の思うところを申し上げます。それは、特に難しいものではありません。一口で言えば、自分の置かれている立場の自覚ということです。この宇宙や地球、自然界に命を託して生息する人類、人としての自覚、そして、その人が集まって形成する社会の構成員の一員であるという自覚を持つこと、そうした自覚を持つことにより、自分だけでなく自分の生きる環境の中での役割や責任も見えてくるのではないかと思うのです。

 さて、そこで最後の質問です。

 今、お話をしました、私たちが次世代を担う子供たちに託したい人としての資質、基本的要件を区長はどのようにお考えでしょうか。そして、そういう大人を育てていくために、家庭教育で目指すべきもの、学校教育で目指すべきものは何か、そのためにどんな準備や対応が必要か、それぞれの役割なども含めてお考えをお聞かせください。

 以上で私の一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 鷲頭隆史議員の御質問に順次お答えいたします。

 まず、世界的経済危機が及ぼす経済的、社会的変動及びその対応についてであります。

 現在、世界的な金融危機が、信用不安や株価の低迷など、各国経済に深刻な影響を与えております。また、金融面だけではなく、実体経済においても需要が減少しており、多くの国で景気の減速や後退が起きております。我が国においても、金融面では他国より影響は少ないと言われておりますが、景気が後退局面に入っており、予断を許さない状況であります。本区におきましても、十月の景気動向調査では、平成十五年二月の調査開始以来、最低の数値となっております。特に、企業動向関連では、景気判断を示すDIが現状判断で一七・○、先行き判断で一八・○と、いずれも初めて一○ポイント台に落ち込み、区内企業の経営状況は大変厳しい状況と認識しております。また、企業業績の悪化は、都区財政調整制度の財源である法人住民税の減収となり、本区の財政状況にも大きな影響を与えるものと懸念しております。現時点で、この経済危機による国・東京都及び本区に及ぼす経済的、社会的影響を具体的に予測することは困難でありますが、国を挙げて、また都・区が連携を図りながら取り組むことで課題を克服していく必要があると考えております。本区といたしましては、既に八月から原油・原材料高騰対策緊急特別融資など七項目の中小企業向け支援策の実施を行っているところであります。さらに、東京都の原材料価格高騰対応緊急融資の中で、小規模事業者に対する保証料について都が行う二分の一補助に、区独自に上乗せ補助を行うことといたしました。今後も、景気の動向を注視しながら、状況の変化に応じた適切な施策を実施してまいりたいと存じます。

 次に、企業の業績が向上する活性化策、また社会変動に左右されない経済体制づくりなどの支援策についてであります。

 本区には約四万四千の事業所があり、そのうち従業員二十人未満の事業所が約三万七千五百と、全体の八五%となっております。大企業は資本金を含め体力がありますが、多くの中小企業の方々は景気の波を直接受けてしまい、現在のような景気の後退期には経営状態は大変厳しいものと存じます。こうした状況のもとで中小企業の方々が最も苦心されていることが資金調達であり、区としては、迅速に的確な融資制度を実施することが有効であると考えております。円滑な資金供給によって当面の事業継続を図るだけでなく、体力強化や新たな技術開発等の努力をしていただき、景気変動の影響を受けにくい経営体制づくりを促進しております。区といたしましては、こうした観点から、融資に伴う経営相談はもとより、商店街や工業団体への支援の充実も図っているところであります。今後とも、東京商工会議所などの関係機関と連携を図りながら、中小企業の質的強化を目指した施策の展開に努めてまいります。

 次に、世界的金融・経済危機の再発防止についてであります。

 金融・経済のシステムがグローバル化し、一国の経済的危機が直ちに世界へ影響を及ぼすような構造となっている今日、世界的な危機を日本のみで再発防止を図ることは困難であり、国を超えた素早い協調体制の確立と各国の的確な対策が重要であると認識しております。我が国は、これまでも幾度となく経済的危機を乗り越え、危機を教訓として発展してまいりました。区といたしましても、景気変動に強い地域経済の基盤づくりを進めるとともに、常に景気の動向を見きわめながら適切な施策を展開し、全国、全世界にその取り組みを発信してまいりたいと存じます。

 次に、地球温暖化についてであります。

 初めに、地球温暖化の現状の理解と京都議定書以降の対策についてであります。

 地球温暖化はもはや疑う余地はなく、北極や南極の氷の減少や海洋の酸性化など、多くの自然環境が既に温暖化の影響を受けるとともに、異常気象の頻発など、人間社会への影響もあらわれており、待ったなしの状況であると認識しております。しかしながら、京都議定書に基づく温室効果ガスの排出削減について、二○○六年度の達成状況は、議定書批准国のうちフランスやイギリスなど十六カ国は達成しているものの、日本をはじめ二十カ国が未達成となっております。このような厳しい状況の中、国は本年、六%削減を確実に達成するため、京都議定書目標達成計画を全面改正するとともに、業界のトップランナー企業が環境大臣に対し、京都議定書の目標達成に向けた取り組みを約束するエコ・ファースト制度や国民が温暖化対策に取り組みやすいエコ・アクション・ポイント事業等を実施しております。また、東京都は、本年六月に都民の健康と安全を確保する環境に関する条例を改正し、一定規模以上の事業所に対して温室効果ガス排出量の削減義務を課すとともに、排出量取引の仕組みを導入することとしております。本区においては、中央区環境行動計画に基づき、事業所や家庭等の二酸化炭素排出量の削減を着実に推進してまいります。今後、我が国や世界各国の協調した取り組みにより、温暖化対策の進展が図られるものと考えております。

 次に、温暖化による本区への影響に対する備えと、中長期的な観点からの都市計画やまちづくりについてであります。

 地球温暖化により多くの自然環境が既に影響を受けておりますが、河川、運河の多い本区において、海面水位の上昇による高潮被害は最も警戒しなければならないものであります。現在、東京都は河川、運河等の堤防や水門については一定の安全性を有しているとしていますが、区としては、今後ともスーパー堤防事業や護岸整備などにおいて東京都と連携を図るとともに、海面水位の上昇による影響について、国や東京都とともに検証してまいります。また、二酸化炭素の排出抑制を図っていくためには、中長期的な視点を持った都市計画やまちづくりが大変重要であります。このため、事業者に対し環境計画書の提出を求め、自然エネルギーの活用や最新の設備機器の導入などを積極的に指導しているところであります。しかしながら、事業者単体への指導では必ずしも十分な対応が図られないことから、広域的なまちづくりの中で計画的に取り組むことが必要と考えております。したがって、JRや地下鉄などの公共交通機関が充実し、多様な用途が集積している本区では、徒歩による移動性の確保や職住近接など、小さなエリアにさまざまな機能が高密度に存在したコンパクトな都市づくりを今後さらに研究・検討してまいります。

 次に、温暖化に対する区の対応と区民への周知についてであります。

 地球温暖化対策は、長期的かつ継続的に実施していかなければならないものであります。区では、本年三月、環境行動計画を策定し、あらゆる施策の基本に環境問題を位置づけ、全庁を挙げて地球の温暖化対策に取り組んでおります。具体的には、区の全施設の緑化や省エネルギー等を推進するとともに、民間の建築に対し環境計画書の提出を求め、省エネルギー・省資源設備の導入や緑化等を指導しているところであります。さらに、今後、事業所や家庭を対象とした省エネルギー機器設備や太陽光発電等への助成を検討するなど、着実に対策を積み重ねてまいります。また、地球温暖化に関する正確な知識と最新の情報の提供については、子供でもわかりやすいパンフレットの配布や家庭版二酸化炭素排出抑制システムに親子で取り組める内容を盛り込むことなど、あらゆる機会を通じて区民に積極的に周知してまいります。

 次に、オリンピックの施設計画等についてであります。

 オリンピックは、スポーツを通じて人々に夢と感動を与える世界最高のスポーツと平和の祭典であります。東京で約半世紀ぶりに開催されれば、とりわけ首都東京の中心である本区にとっては、地域の活性化にも大きく寄与するものと考えております。しかしながら、オリンピックスタジアムや交通アクセスの整備など、本区のまちづくりに影響をもたらすさまざまな課題があると認識しております。特に、交通アクセスにつきましては、オリンピック開催時の観客等の円滑な輸送や月島地域における将来の公共交通を確保する観点からも、重要な問題と考えております。さらに、現時点では明らかになっておりませんが、道路や駐車場等の整備、大会期間中の関係車両や観客による混雑、交通規制など、区民生活に影響を及ぼす数多くの課題が想定されるところであります。今後、区議会をはじめ、区民の皆様の御意見をいただきながら、これら諸問題の解決に向け、都に対し、本区と十分な協議をするよう求めてまいります。

 次に、高速晴海線についての御質問であります。

 高速晴海線は、高速湾岸線から都心環状線までの接続により、晴海・月島・築地地区等の交通環境の改善、臨海部と都心部との連絡強化、物流の効率化を図るための自動車専用道路として、首都圏の広域的な交通基盤を担う大変重要な路線であると認識しております。本路線のうち、有明から晴海間は既に平成十四年二月に事業認可を得て、当面の交通需要、周辺街路の整備状況等を勘案し、効果的な事業費の投資を行うため、段階的に必要な整備を行っていると聞いております。御指摘のあった豊洲から晴海間についても、事業認可区間の一部であり、本区といたしましても、高速道路と一般道路との適正な交通分担により、地域交通環境の改善に必要な路線であると認識しております。

 次に、都心環状線についてお答えいたします。

 都心環状線は、千代田区、中央区、港区を環状に結ぶ約十四・八キロメートルの路線であり、都心各所とのアクセス、放射線同士を接続する重要な役割を担う路線であります。首都高速道路株式会社によれば、現在、都心環状線以外に迂回路となる環状道路が未完成であることから、都心環状線の利用交通量の約六割が通過交通となっているとのことであります。こうした状況を踏まえると、現時点での都心環状線の廃止は不可能と思われます。しかし、国や東京都は平成二十八年までに三環状道路の九割を完成させることを目標としており、これにより都心部に集中する交通が分散し、渋滞が大きく減少することが期待されております。本区といたしましては、こうした三環状道路の整備状況を見きわめながら、御指摘にありますように、都心部への車両流入制限による脱車社会の実現や高速道路跡地を活用した運河の復活など、新しい国際都市東京、子供たちが誇れるふるさとの実現を目指して国や東京都に働きかけてまいります。

 次に、次世代育成についてであります。

 まず、最近起こった事件の見解についてであります。

 数々の残忍な事件の報に接し、命を奪われた方々の無念や御遺族の皆様の悲しみを思い、憤慨の念にたえません。それぞれの事件の犯人たちも、学校では道徳の学習を中心にして、自制心、自立心、克己心といった心のあり方について学んでいるはずであります。また、人の命の尊厳について考える機会も多々あったことと思います。このように考えますと、学校教育においては、これまで以上に命と心の授業を推進していくことが肝要であるとの認識をより深くしております。こうした悲惨な事件の背景は、社会規律の低下や人間関係の希薄化、孤立化、メディアの影響、また、家庭の教育力の低下など、さまざまな要因が複雑に絡み合っているものと考えております。本区で学ぶ子供たちが、こうした社会情勢にかかわらず、これからの社会のよき形成者として健全に育っていくためには、学校、家庭、そして地域がより一層手を携えて教育に当たっていくことが重要であると認識いたしております。

 次に、救急搬送が必要な妊娠中の方が八つの医療機関に受け入れを断られた事態についてであります。

 この最大の原因は、周産期医療に従事する医師等の体制が不十分であったことと受けとめております。このため、去る十一月十日に特別区長会の代表が厚生労働大臣に医師不足の解消策などの抜本的対策を講ずるよう緊急要望を行ったところであります。また、東京都に対しては、都立病院の周産期医療体制の強化等について強く働きかけてまいります。現在、区内には出産できる医療機関は一カ所のみとなっており、安心して出産できる体制づくりは緊急かつ重要な課題の一つであります。このため、区内で現に出産できる医療機関と、出産しやすい産科施設の増設に向けて協議を進めております。さらに、過去に出産を受け入れていた区内の医療機関に対しても、再開に向けた働きかけを行っているところであります。

 次に、子供と接するときの心構えや姿勢についてであります。

 子供が基本的な生活習慣や社会のルールなどを身につけるに当たって、親の役割は極めて大きいものであり、また、親によって育て方の違いもあります。褒めて育てることも大切ですが、誤った考え方や社会の規範に反するような場合にはしかることも重要なコミュニケーションであると考えております。その際、大人が感情的になると子供はおびえ、しかった意図が伝わらないため、愛情を持ってしかれるよう、大人が感情をセルフコントロールする力を高めていくことが大切であります。しかし、育児は試行錯誤の連続であり、特に初めての育児の場合は不安や悩みを抱え、戸惑うことも多いようであります。親子がともに成長していくためには、数多くの人たちとさまざまな交流や体験をしていくことが必要であります。そうした意味から、本区においてはあかちゃん天国や乳幼児クラブをはじめ、さまざまな地域のイベントや行事など、多様な交流の機会と場の提供に努めているところであります。こうした地域活動に参加を重ねていくことにより、大人も子供も人と接する心構えや姿勢が自然に育っていくものと考えております。

 次に、次世代を担う子供の育成についてであります。

 本区では、教育目標に、次代を担う子供たちが心身ともに健康で、勤労と責任を重んじ、広く国際社会において信頼と尊敬を得られる人間性豊かな人として成長することを掲げております。学校は、この教育目標のもと、確かな学力、豊かな人間性、健康・体力といった、いわゆる生きる力を育てることを目指しております。一方、家庭は、基本的な生活習慣や規範意識、人とのかかわり方を身につける役割を担っております。とりわけ自制心や命の尊厳といった心の教育は、いずれの場においても重要であると認識しております。したがいまして、今後とも学校と家庭の連携を一層推進するとともに、それぞれが子供の心の居場所として子供たちを支えていくことが重要であると存じます。

 答弁は以上であります。

〔五番 鷲頭隆史議員登壇〕

○五番(鷲頭隆史議員)
 非常に抽象的な質問に対しまして親切丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。なかなか答えにくい内容ではなかったかと、私は自分でも思っております。

 経済危機は、なかなか一区、一市町村等では対応できないものだと思うんですが、先ほどのように、坂本教授が言いましたような、一個一個の事業体が自分でもう少し生きる力をもう少し頑張って見つけていってくれないかなと。

 ちょっと具体的には難しいんですが、例えば教授が挙げているのは、事業というのは多くの人たちを満足させるという使命を負っているので、まずは勤める社員がこの会社に勤めていてよかったなと自覚できるような会社、それから、例えば協力会社でも、この会社の協力会社、下請けでよかったなと感じるような会社、それからお客さんも、このお店の客でよかったなというような商品やサービスが提供されるような会社、それから、地域においても、この会社がこのまちにあってくれてよかったなと地域の人が思うような会社、そして、最後にと言ってはなんですが、この会社の株主であってよかったなというような会社、非常に抽象的な、本当は具体的にもう少し坂本教授の本には書いてあるんですが、というようなことを目指していくという、そんな一人一人の考えをもう少し区内の企業体全体に広めていくというか、そういうようなことが何かうまくやりようがないかなと思うんですね。

 例えば、これは教授が言っているんですが、ちょっと暑いときにお茶を飲もうと思ってカフェか何かに入った。アイスコーヒーを注文をした。ぱっと出てきたコーヒーを見たら、あれっ、ちょっとこの氷、おかしいなと。「この氷、どうしたの」と聞いたら、「これ、コーヒーでつくった氷なんですよ。普通の氷ですと、溶けて水っぽくなっちゃいますからね、やっぱりお客さんにはおいしいコーヒーを飲んでもらいたいから」と言われたんだそうですが、それっきり、やっぱりそのお店を気に入っちゃって行くようになる。小さな話なんですけれども、そういうお客さんへの心遣いあるいは周囲への心遣いを一人一人がしっかりやっていくことによって、そんなことで不況が乗り切れるかと思われるかもしれませんが、そういうものの積み重ねで力のある事業所を育てていっていただきたいというふうに思います。

 それから、温暖化については、今すぐに、例えばCO2が全部排出をやめたとしても、多分ストップしないと思うんですよね。以前言われましたオゾンホールなどというのがありましたけれども、あれもいまだに、今、ほとんどフロンの排出量はゼロに近いんですけれども、まだこの先五十年ぐらい、あの影響がなくなることがないだろうとさえ言われているんですが、CO2のほうも、今なくなったとしても、まだ五十年、下手したら百年以上も続く。しかも、まだCO2の排出がとまるような状況が見えていないわけですから、この現実をどれだけしっかりと見つめてやっていくか、それを各自一人一人がやっぱり自覚していかなきゃいけないのかなというふうに思います。

 それから、オリンピックのほうは、何とかもう少しうまくプランを変えていただけるといいと思うんですが、それから首都高のほうは、何も今すぐにということではなくて、全体の交通の流れというものを見きわめたときに、もう少し今のやり方と違った視点があっていいのではないかなと思いましたので、そろそろ環状道路を、それこそあと数年、十年以内にはほとんどできてしまうような、それができるということですから、通過車両が六割もあるということですから、これをもう少し見直しをして、本当にいいまちにしていけたらいいと思います。

 それから、次世代の問題なんですが、引きずりの問題で一つだけ気になりましたのは、東京というのは非常に、お医者さんの数はちょっとわからないんですが、施設としては全国ではトップクラスに充実していると思うんですけれども、周産期の新生児死亡率では全国平均の四・七と同じなんですね。先日、ちょっとテレビで紹介されていたんですけれども、広島は三・六で、広島の対応の仕方というのは、施設だけではなくて、いかにそこをうまく誘導していくかというか、ソフトの面で非常に研究を重ねて、実は十年ぐらい前はこの死亡率は東京よりもちょっと多かったんですかね。それが、今、東京よりもはるかに少ない。さっき言ったのはパーセントでなく、千人に対して四・七、広島は千人に対して三・六ですから、○・四七と○・三六ですね、パーセントで言いますと。そういう数字なんですけれども、何かその運用の仕方を変えるだけでも、これぐらい、三割も落とせるということもありますので、せっかくのすばらしい施設が整っている東京都ですので、何かそういう方向からも検討していただけたらいいかなというふうに思います。

 それから、育児の件なんですが、実は一九六○年前後に何で育児が急に変わったかということなんですよね。一九六○年といいますと、昭和三十五年になるんですか、ですから戦後十五年ぐらい。そのころから子供を産み始める人たちというのは、終戦のころに五歳から十歳くらい、つまり幼少期を戦前・戦中で過ごして、戦後に小・中学生時代を過ごした。戦争が終わった途端に社会の価値観が全く変わってしまったんですよね。簡単に言いますと、わかりやすく言うと、お国のためと言われていたものが、いわゆる民主主義とか自由平等とかという、それまで全く知らなかったものに入れかわって、教科書も全部墨を塗られてしまったというような、だから、言うならば、それに関して何も教えられてもいないんですね。先生も親もどう対応していいかわからない。そういう混乱した時代の中で育って、そしてそのまま思春期を迎え、そして子供を産むようになった。折しも、そのころはちょうど高度成長が始まる時代で、地方からの集団就職みたいなものもありまして、育児環境も全く変わってしまった。ほかにどういうふうに教えたらいいかもわからずに、つまり、社会の環境が変わってしまいましたので、親から聞いたものよりも周囲の、社会的な一般的なレベルそのものが、言ってみれば一番自分でも納得できるということで、そういう雑誌なり、あるいはそういう情報に力をかりて、そこで言われたものをやったということになるんだと思いますが、ただ、これも先ほど言いましたお国のためにという、私は余り知らないんですが、そういうトラウマがあったために、その時代はやたらと個人の尊重のみが強調されまして、実際の民主主義というよりも個人の尊重のほうが強調されたために、先ほど言いました、しからない、褒めて育てる、子供の気持ちや意思の尊重などというものもほとんど子供をもう大人と同じようにみなして、その個の尊重というものに注目していたわけですね。

 先ほど、だから、どういう姿勢でと言われましたのも、抽象的な答えしか返ってこなかったんですが、子供を、だから、そういうふうに見ないで、私は視点を変えることだと思うんですね。子供を子供として見ること、つまり当たり前のことなんですが、大人が子供をどう育てていくかということを、やっぱりそういう視点を変えることで今の同じ言葉の意味も変わってくるのじゃないかなと。わかりやすく言えば、子供というのは、いわば、まだ成長過程にある未熟者である。これは、先日の決算委員会のときにも申し上げたんですが、子供を未熟者として、しっかり大人の目で見てやる。未熟者であるということを子供自身にも自覚をさせる。そのことによって適切な指導ができる。さっきのいろいろ紹介をしました家庭の、いろいろばらばらの家庭みたいなものも紹介しましたけれども、それについても、変に子供としてではなくて大人と同じように扱ってしまうから、子供も増長してと言ってはおかしいですけれども、同じレベルでしか物を考えない。だから、一見仲良しそうに見えるんですが、親を親として敬わない、子供を子供としてしからない、そういったお友達家族のようなものができて、それがみんなばらばら勝手なことをやっているみたいなものになってしまっているわけですね。子供は子供なんだよということをしっかりと子供自身にも自覚をさせ、それで、大人もそれを自覚するという形で生きていく、そういう見方でやると、このやり方はかなり、同じ言葉の使い方でも正しい育児といいますか、教育ができていくのではないかというふうに私は思うわけです。子供を少し、子供自身にも、それから大人から見てもちゃんと、まだ成長途上にあるんだよ、お前は未熟者なんだよということをしっかり自覚をさせるという、この私の考え方について、区長にもう一度、御感想がありましたら、お聞かせいただきたいと思うんですが。

 それから、私が提案をいたしました、さっきの、子供に持たせたい資質というのも、先ほど言いました自由主義とかいうのがどうも誤解をされている傾向があって、何でも好きなことをやっていいのとは違うんだよということですね。自由といっても、社会の中における自由ですから、私の自由は、ほかにも同じように自由がある人がいて、私の自由でほかの人の自由を奪ってはいけないわけですから、そういう社会の中に生きているというバランス感覚をしっかり持つという、そのために社会の中で自分の置かれているポジションをしっかりと自覚をする、そういうことを私は言いたかったわけで、生きる力とか、それはそれでいいんですけれども、つまりここで言った社会人としての認識、それは本当に環境の中で自分の置かれているポジションをしっかり、つまり自分のわがままだけで周りの人のことを何も言わないなどということではいけないわけですよね。

 ちょうど一九六七年からですか、先ほどの自動車の件であったんですが、あのころ環状線はほとんど着工していたんですけれども、あれが途中でストップしちゃうんですね。あのとき知事になられた方が橋の理論とかいうものを持ち出されまして、一人でも反対者がいたらつくらない。そんな一人のわがままのために何万人もの人が不便を感じるというようなことを、平気で十二年間やっちゃったわけです。あの工事は全部ストップしたんです。していなければ、つまり暗黒の十二年と言っていいぐらいで、あれがなければ、とっくに環状線は完成していますし、今の都心部のこんな渋滞もなくなっていたと思うんですよ。だから、しっかりと自分と周囲とそのバランスを見きわめられるような人間を育てていきたいというのが私の提案として申し上げたわけでございますが、そんなふうなところで。

 ちょっと一つ、もう少し時間がありますので。

 世田谷区では、日本人のそういう昔から周りの人に気を使うというか、昔、江戸しぐさなどというのもはやりましたが、そういうことで、今、日本語が乱れていることによって、そういう日本の文化もだめになっていくんじゃないかという危惧を抱いて、日本語特区というのを世田谷区ではやっているんですね。その中の教科書、つまり、日本語特区というのは、日本語という教科を小・中学校で設けて教えているんですけれども、その中に、本当に小学校の一・二年生の教科書の中に「子曰く、人遠く慮りなければ、必ず近き憂いあり」という論語が載っているんですよ。子が言いました。人は遠い先のことを考えておかなければ、必ず近いうちに困ったことが起こるのですよというのを一年生に教えているんですよね、小学校一年生に。同じ六年生の教科書には、「子貢、問うて曰く、一言にしてもって終身これを行なうべき者ありや。子曰く、それ恕か。己の欲せざる所は、人に施すことなかれ」。これは、孔子の弟子の子貢が先生にお尋ねをして言った。一言で言えることで一生それが身についていったらいいことがありますかと言うと、子が言うには、それは恕、すなわち思いやりだと。自分がしてほしくないと思うことは人に対してはいけないということだよと教えるんですが、さっき私が言いました、社会の中でしっかりそのことを、自分のポジションをつかんで周囲を見ていくような人というのが、私は育てていくべき方向じゃないかなと思うんですけれども、すみません、長くなりますので。

 では、先ほどの未熟者についてだけ、御感想をいただきたいと思います。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 どうも。

 子供ですね。次世代をいかに育成するかという観点、なかなか難しいんでありますけれども、ことしはちょうど周年行事が非常に多くて、先日、土曜日は泰明小学校の百三十周年ですか、また、今週の土曜日は佃島小学校の百二十周年と、行われる。既に四つほどの学校の周年行事へ出席して、最後が佃島小学校となるわけですけれども、そこでの児童・生徒の、式典だけではなくて、生徒たちのアクティビティーあるいは日ごろの勉強、活動の成果である展示物等々に接したり、鑑賞させていただいているわけですけれども、全くすばらしいものがあるわけですよね。ですから、もちろん、未熟者というお話がありましたけれども、成長過程にあるのは、これは間違いない。成長過程にあるのは間違いないわけでありますけれども、式典では皆さんきちっと姿勢も正しいし、礼儀も正しい。私たちが檀へ上がると、ちゃんと礼をしていただくというように、非常に姿勢は規律もあるし、生き生きとしている子供たちが成長しているな、いつも感服、感心させられるわけですけれども、子供たちも自分たちでよく成長過程にあるんだということを自覚して、恩師、学校長をはじめ、先生方の教職員の教え等々をしっかりと学んでおられるのではないかな、こういうふうに思っているわけでありまして、いろいろなその子たち、だから、事件を起こした人たちだって子供のころはしっかりしていた。今、厚労省の高級官僚をねらっての犯罪が、小泉という人ですか、犯人が捕まっておりますけれども、あれだって子供のころ、これが中学校のときや高校のときの顔だという写真を見せられますけれども、本当にかわいらしい顔をされている。そして、当時の恩師や、あるいは学友の声を聞いても、本当に明るくていい子だった、おとなしい子だったという評価があるわけでありまして、それが残念ながら、社会へ出てから、どういう加減かああいうふうになってしまうというのはまことに残念であるわけでございまして、だから、しかるとか褒めるとか、これも大事でありましょう。そういう中ですくすくと成長されていく過程が、どこかに落ち度があるのかなというと、そんなものはないんじゃないかなと私自身は思うのでありますけれども、それが今、社会に出て、いろいろな境遇に入ってしまう。小泉という人にしても、佐賀大学ですか、国立に行かれたと。何かの事情で、理学部だというんだから、それなりの勉強をされて入学されたんでしょうしね。それが、何かの事情でそこをやめざるを得ない等々から人生が狂ってきたのか何か知りませんけれども、いろいろな問題が起こってきているというわけで、やっぱりこの社会、残念ながら、右肩上がりでなくなって、右肩下がりになってきたとかいう状況、あるいは正規の職員ではなくていろいろなアルバイト的なものとか、そういう生活が不安定になってきている、そういった点も随分いろいろな問題が起こる原因になっているんじゃないかな、そういうふうに思うわけで、やっぱり私たち、中央区なら中央区の方々、みんなすばらしい方々であるわけですから、何とかこういう中央区のような社会、コミュニケーションも行き渡った、そういう社会をみんなでつくり上げてまいりたいな、こういう思いでいっぱいでありまして、残念ながら、日本の社会の中にああいう人生を狂わせるような不安定なものが起こっているということは、まことに残念であるわけでございまして、したがって、しっかりと社会みんなでつくり上げてまいりたい、築き上げてまいりたいと思いますし、また教育につきましては、先ほど申しましたように、家庭と地域と学校、これが三位一体となって子供たちの豊かな成長、また活動、活躍を願いながら、教育の中央区ということでこれからも邁進してまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。

 以上でございます。

〔五番 鷲頭隆史議員登壇〕

○五番(鷲頭隆史議員)
 ありがとうございました。

 子供のころはよかったんですけれども、何か社会の事情があってというようなお話でございましたが、未熟者であるという自覚は、実は子供だけじゃなくて、私たちも持ち続けなければいけないのかなというふうにも思っております。

 アップルコンピューターの創始者でありますスティーブ・ジョブズ氏というのが二○○五年にスタンフォード大学で卒業生に向けたスピーチ、もう三年以上もたつんですけれども、今でもネット上に話題になっています。このスピーチの最後に、彼は、彼が若いころバイブルとも慕っていた出版物が廃刊になるときに、その最終号に読者へのメッセージとして載せていた言葉を紹介します。そして、自分もこの言葉のように心がけてきた、卒業して新しい人生を歩み始めようとする皆さんにもそれを望みたいと、その言葉を紹介しています。それは、ステイ・ハングリー、ステイ・フーリッシュ、新しいものを求めてハングリーな気持ちであり続けること、学ぶ姿勢を忘れずに、フーリッシュ、未熟者の自覚を持ち続けること、ステイ・ハングリー、ステイ・フーリッシュです。私もそのように生きていきたいと思います。

 私の質問は終わります。(拍手)


○二十三番(神林 烈議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(今野弘美議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(今野弘美議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

午後五時九分 休憩


午後五時三十分 開議

○議長(今野弘美議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。八番田中耕太郎議員。

〔八番 田中耕太郎議員登壇〕

○八番(田中耕太郎議員)
 会派かけはしの田中耕太郎でございます。区民の意見を代表する者の一人として、中央区政、とりわけ導入を検討中のコミュニティバス及び都市計画について、区長以下、担当理事者の御見解をただすものであります。明快な御答弁をお願い申し上げます。

 コミュニティバスについては、長年の要望や構想があり、今般、実現に向けた具体的な検証作業に入ったものと理解しております。二回の公式導入検討会を中心として、所管委員会等でもさまざまな議論が行われております。地下鉄の数一つとっても、区内に延べ三十を超える駅を擁し、他自治体と比較して交通インフラの整っている本区において、独自のバス路線を運営するには相応の目的や強い意欲が必要であることは言うまでもありません。

 そこで、まず区長へお伺いいたします。

 区長の本事業にかける意気込みと、その展望についてお聞かせください。

 次に、具体的な運行ルートへの考え方についてお尋ねいたします。

 導入基本計画案では、さまざまな立場や角度からの意見を集約し、来月にも行われるパブリックコメント等を参考に、試験運行へ向かうとのスケジュールとなっています。しかし、現状を精査するにつけ、各委員や区民の意見を一つの運行ルートにまとめるのは大変困難であると考えております。

 その最大の理由は、根幹となる基本方針六項目とルートの方向性を定める着眼点七項目が、実際の運行ルート上において、並立させると矛盾するからにほかなりません。最も顕著なことは、方針六、スクールバス機能をあわせ持つとありますが、仮にこれを重要視するのであれば、コミュニティバスという名称自体がそもそも間違っていることになります。児童等の通学専用バスがスクールバスなのであり、その他に併用した段階でスクールバスを名乗ることはあり得ません。スクールバスに一般の大人も乗れるという施策はあり得るとしても、児童が大人の都合で関係のない目的地を経由し、長い時間バスに揺られることは、スクールバス機能がないと断言できます。また、方針三、方針四において、在住高齢者のニーズにこたえるとしながら、同じ方針内に、区外来街者及び商業観光振興への貢献というくだりがあり、高齢者の日常生活と来訪者の商業観光目的という、簡単には並立し得ない方針が併記されております。

 そこで、お尋ねいたします。

 現在の欲張り過ぎる基本方針をすべて満たす計画は、困難ではないでしょうか。ルートをはじめとする運営方針に矛盾が生じる場合は、どのように最終決定をするのかお答えください。そして、いま一度、区の考える最も重要なコミュニティバス導入理由を基本方針にのっとって明示していただくとともに、基本方針の中にも優先順位をつけ、目的をより一層明確にすべきだと考えますが、御見解をお知らせください。

 次に、コミュニティバスの具体的な運行・運営形態についてお尋ねいたします。

 現在、車両選定においては、ディーゼル車両の三十六人乗り小型バス、本体価格約千五百四十万円が有力となっております。しかし、小型といえどもバスであり、全長も全幅も一般的な軽自動車のおよそ二台分以上、すなわち軽自動車四台分以上の面積を占めるものであります。面積十・○九四平方キロメートル、東西約三キロ、南北約五・五キロメートルという、決して広くない上に一方通行の多い本区で、その移動を考えるならば、より小回りがきき、今後のニーズ等によって運行ルートが変更可能なサイズの車両等も検討すべきではないでしょうか。

 他の自治体の例を挙げるならば、現在、小平市で実証実験運行中のコミニュティタクシーがあります。車両は、いわゆるワンボックスのミニバンであり、定員十名です。しかし、まち中で路線バスが通らない、または通れないような場所をルートとしており、なおかつ定員オーバーの場合は追加車両が即時に運行するという、まさに地域に根差した、コミュニティと名乗るにふさわしい運行形態であります。

 また、長野県安曇野市で運行されているデマンド交通「あづみん」は、目を見張るものがあります。時刻表はなく、一時間に一~二便出発しますが、停留所はありません。同一地域及び共通エリア内までという制約があるものの、自宅から目的地まで直接送迎するというサービスであり、事前登録による電話予約制ながら、高齢者や通学生徒を中心に、市民のすこぶる高い評価を受けているとのことであります。自宅前までお迎えが来るため、高齢者や子供にとっては、予約制であっても苦にならず、安心でもあります。この「あづみん」導入に際しては、市民に対して徹底的な交通利用調査を行い、どの地域からはどこへの移動要望が多いのかをデータとして収集しており、最適なルート、車両を都度選定するシステムも確立しています。そのため、乗り合いながらも、人員や時間ロスの少ない効率的な移動手段と言えます。

 本区においても、このような交通利用調査や要望を区民から統計的に得る必要はあり、その上で、ルートも含む運行・運営形態を考えるべきです。

 そこで、お伺いいたします。

 以上述べてきたような成功事例は、交通インフラが整う本区においても十分に転用可能なノウハウだと思われます。このような小回りがよく、ルート変更が可能で、高齢者や子供に優しく、コミュニティを名乗るにふさわしい交通形態についてどのように考えているのか、また、このような形態を検討する意思がないのかをお答えください。

 さらに、運行形態にとらわれるべきではないと考える私自身としては、以下のような提案もいたします。

 区内には一般営業タクシーが常時多数あり、タクシー各社はGPS機能付のナビゲーションシステムを擁し、区内であれば十分以内に送迎がやってくることが大半であります。バス会社ではなくタクシー会社と連携を図り、対象とする区民や指定の管内施設等を選定した上で、利用に際して、利便性の高いシステムをつくり、そこに補助や優遇を行えば、私の試算するところでは同等の予算以下で区民お一人お一人のニーズに合ったタクシー利用制度が可能であり、所期の目的は達成できるのではないでしょうか。現在、中央区では各種対象者に対しタクシー券を給付したり、障害者等にリフト付ハイヤー等のサービスを行っていますが、これらを発展的に統合することも可能なはずです。以上のようなタクシーサービスの拡充をも、コミュニティバスの一形態と考えられないかをお知らせください。無論、スクールバスとしての機能を担保するために、バスタクシーのような形態のものも手配できれば、さらによいものと考えております。

 以上申し上げてきましたように、コミュニティバスの導入に向けてはさまざまな選択肢があり、よいものを取捨選択しなければなりません。しかし、残念ながら、現段階では近隣区等での実績に基づいた狭い範囲での類似形態のみが論じられており、原案導入を前提とした議論ばかりが行われているのではないでしょうか。初めに御意見申し上げたように、スクールバスと一般利用は明確に分けて検証し、アセスメント、つまりは交通調査のマーケティングによる区民交通ニーズの徹底解明、導入後の費用対効果について詳細な検証をし、よい結果が得られないのであれば、大幅な方針転換や事業の中止をも視野に入れた検討と議論をすべきだと考えます。御見解をお聞かせください。

 最後に、都市計画審議会の結果についてお尋ねします。

 前回の定例議会において、私は、都市計画のあり方、具体例として月島一丁目三~五番地の再開発計画について見解をお伺いいたしました。区長の御答弁は、「特別に大きな問題はなく、法令等にのっとり手続を進めていく」という趣旨のお答えでした。しかし、今般の都市計画審議会にて本件が審議され、結果として、地域の意見調整を積極的に果たすべきこと、高さや延べ床面積の改善に努めるべきことが附帯意見として採択されました。まさしく、私の一般質問における趣旨と意を同じくするものであり、委員各位の御賢慮には敬意を表するものであります。

 そこで、お尋ねいたします。

 区としては、この附帯意見をどのように受けとめているのか、さらには、事前に附帯意見の内容を回避するための努力を行ってきたのか否かを前回の私への答弁も踏まえて、いま一度明確にお答えください。さらに、今後、地権者や周辺住民に対して具体的にどのようなアプローチを行うのか。期日やプロセス、内容等を明示してお知らせください。

 以上で一回目の質問を終わります。御答弁によっては、再質問をさせていただきます。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 田中耕太郎議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、コミュニティバスについてであります。

 コミュニティバスにつきましては、区議会各会派をはじめ、区民からもさまざまな場面を通じて御要望が寄せられていたことから、昨年度調査において区民アンケート等によりその方向性を検討いたしました。その結果、区内交通不便エリアの解消や公共施設の利便性向上等を図るためには、コミュニティバスを導入する必要性が極めて高いと判断し、本年第一回定例会において二十一年度の導入に向け具体的な検討を行うと所信表明いたしたものであります。

 次に、コミュニティバス導入の基本方針についてお答えいたします。

 基本方針は、第一に公共施設へのアクセスの充実、第二、交通不便エリアの解消、第三、高齢者や外来者の移動の改善、第四、コミュニティの活性化、商業観光の振興、第五、地域の足となる、第六、スクールバス機能をあわせ持つであります。導入に当たっては、これらの基本方針に優先順位をつけるべきとの御指摘ですが、方針に優劣をつけるというよりは、むしろ六つの基本方針を踏まえ、コミュニティバスのシステム全体の調和が図られ、真に区民の足として機能するよう検討してまいります。

 次に、バスではなくタクシー等を活用したらどうかという提案であります。

 本区が導入いたしますコミュニティバスは、不特定多数の区民の足としての定期バスであり、デマンド式のような特定の人の移動を優先的に確保しようとするものではございません。コミュニティバスは、広く区民の皆様に利用していただくとともに、来街者の利便性にも配慮してまいります。

 次に、事前に事業アセスメント等を実施すべきとの質問であります。

 現在、検討会におきましては、事業収支のシミュレーション等を踏まえて料金設定等の検証をしており、今後はパブリックコメント等を通じ、広く区民の皆様の御意見を聞きながら実施計画を策定してまいります。また、本格運行を開始した後につきましても、区民ニーズに合ったサービスが提供されているか、事業収支を踏まえ、さらなる改善が必要かどうかなどを適宜検証することが重要であると認識しております。そのため、地域の代表や交通管理者、道路管理者等の行政、運行事業者などで構成される会議体の設置についても、今後検討してまいります。

 次に、月島一丁目三、四、五番地区の市街地再開発事業についてであります。

 市街地再開発事業は、都市再開発法の枠組みや、その他都市計画の各種基準の制約を受けながら行う事業であります。月島一丁目三、四、五番地区の市街地再開発事業は、こうした枠組みや制約の中で組み立てられ、都市計画案にある容積率や建ぺい率などの建物規模は適切に設定されているものと考えております。この事業の施設計画案は、平成十四年度の検討開始から長い期間をかけ、周辺への配慮等を含め、検討を重ねてきたものであり、今後の事業推進の中で、より詳細な検討が加えられることとなります。過日の都市計画審議会での附帯意見は、その際、都市計画の大枠の中で地域環境に対する計画上の配慮や地域貢献に向けた施設計画の充実を要請したものと認識しております。区といたしましても、今後の事業認可に向け、区議会の意向や地域住民の意見を踏まえ、よりよい施設計画や事業計画となるよう、準備組合への指導に努めてまいります。なお、地権者や周辺住民に対して具体的にどのようにアプローチを行うのかとのお尋ねについては、地域の町会や自治会を中心に区が調整の立場に立って適切に対応してまいります。

 答弁は以上であります。

〔八番 田中耕太郎議員登壇〕

○八番(田中耕太郎議員)
 御答弁ありがとうございます。

 コミュニティバスについてですけれども、一番の私が今回申し上げたい大前提となるところが、若干、区長ですとか、区の理事者の方と違うのではないかというふうに、今の答弁を聞いても思っておりまして、そもそも本区の交通インフラというのは比較的、いや絶対的に見て、すぐれているわけでございます。恵まれているわけでございます。その上で、ニッチなところ、不便なところですとか、御高齢者、お子様、交通弱者の方に御利用いただくというものを、あえて針の穴を通すごとくつくるというのが私の認識でございますので、不特定多数の方がバスでたくさん利用するというような御回答ではありましたけれども、そもそもそれであれば、今の地下鉄ですとか都バスの、逆に言ったら存在意義がないような形になってしまいますので、私は、今、交通が非常に不便であったりですとか、そもそもバスに乗ること自体、電車に乗ること自体が苦痛な方にとって必要なものは何かという基本方針の精神にのっとるのであれば、コミュニティバスではなくてタクシーですとか、バスだとしても、よりオンデマンド、要望のあった地域をその都度周回するようなシステムが都心中央区であれば確立できる、そういうふうに思って御質問させていただきました。区長の今の御答弁ですと、まだまだ本区の交通事情はよろしくないというようにも聞こえますので、その辺の御見解をいま一度お知らせください。

 さらに、都市計画についてでございますけれども、附帯意見は大枠の中で地域貢献及びそれに対する配慮を促すものだというふうな御回答でございましたけれども、今まで都市計画審議会、一般的に普通はこのような附帯意見はついていないはずでございます。ついていないということに対して、今まで普通に多くのものが、ついていないケースも多いわけでございますから、ついたということに対してどういうお考えなのかというのをいま一度お知らせいただきたいというふうに思います。

 また、周辺住民に対してどのように具体的にアプローチをされるのかという私の質問に対して、地域の町会や自治会へのアプローチ等を行うという御回答でございました。地域の町会や自治会、大変地域に貢献されている立派な組織ではございますけれども、すべての区民ニーズを要望するものではございません。今、町会や自治会は、その加入者数がふえないこと、伸び悩んでいることなどは大きな問題となっておりますし、新しい区民が町会に入らないことも大きな問題となっているわけでございます。そういった実情を踏まえるならば、より新しい方法ですとか、今までの方法にはよらない地域の意見の吸収、こういったものが必要になってくるというふうに考えます。その点について、いま一度御見解をお知らせ願います。

 以上でございます。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 コミュニティバス関係でありますけれども、これは、もちろん本区の交通インフラ、すぐれているわけで、自治体としてはトップクラスであるのは間違いない、そういうふうに認識しているわけであります。しかしながら、万々歳であるかというと、そうではなくて、私なんかは歩くのが好きですからね、ここから浜町ぐらいまで歩いたこともあれば、いろいろなところを歩きます。歩くというのはいいことだと言って、褒め過ぎて怒られたこともありますけれども、やっぱりまだまだ不十分な点もあるわけでね、したがって、こうした六つの目標、機能を持ったコミュニティバスを導入しようではないかということでございます。

 しかし、これ、いろいろまだまだ、申し上げましたとおり、導入した後もいろいろ各方面の意見を聞きながら手直ししてまいりたいというふうに思うわけで、実際に動き出せば、意見も議論ももっとわくのではないかな、そういうふうに思うわけでございます。したがって、先ほどこの会議体、地域の代表者や交通管理者あるいは道路管理者等の行政、運行事業者などで構成される会議体、こういうものも設置して、よりよいものにしてまいりたい。本当に区民に愛される、また導入されてよかったな、そう思われるコミュニティバスにしたい、こういうふうに思っているわけでございます。

 それから、都市計画審議会での附帯決議、これは、附帯決議、幾つかこれまでもあったということでございまして、これだけがこうした附帯決議が、当該の月島一丁目三、四、五番地区が初めてだというのではなくて、これまでも幾つかのそうした附帯決議が都市計画審議会でついたことはあります。その都度、適切に対応してきたわけでありまして、よりよいまちづくりにしたい、こういう思いでいっぱいでありまして、先ほども答弁させていただきましたけれども、もちろん、これは都市計画審議会という重要な審議会の附帯決議ですから、尊重して、各方面の意見を聞いて、そして適切に対応してまいりたい、こういうふうに思うわけであります。

 以上でございます。

〔八番 田中耕太郎議員登壇〕

○八番(田中耕太郎議員)
 御回答ありがとうございます。

 区長もおっしゃるように、トップクラスの交通インフラがあるということは区長もお認めのところでございますし、区長がおっしゃるように、かつて区長は、中央区は歩くまちだと、そのようなことをおっしゃったこともあったわけでございます。その上で、やはり不便を感じている方というのを考えていただくならば、私は、今後、もちろん詳細は未定ではございますけれども、バス停で寒い中、暑い中、真夏や真冬に二十分間、一本バスを逃したら待つというような状況に耐えられるような方ではないと思います、今、このバスを必要としているような方というのは。もちろん、そうではないという御意見もあるとは思いますけれども、今現在、何が足りないのかというのをもっとリサーチしていただきたいというのが一番の願いでございますので、果たしてバス停で本当に二十分待たれるような方がバスを必要とされているのかどうか、いま一度御見解をお知らせいただきたいと思います。

 その上で、先ほど来申し上げていますように、スクールバスとコミュニティバスを一緒にすることの危険性と危うさというのが大きな問題として必ず上がってくる、今、現段階でももう上がっているというのが私の認識でございます。スクールバスで一筆書きで大きく区内を周遊するというのは、スクールバスとしての機能がないというふうに私は考えますので、何分時間がかかっても、これはスクールバスなんだというふうに、区民や、少なくとも私を説得するほどの何か心意気や意気込みをぜひとも見せていただきたいというふうに考えております。

 中央区の方は余りバス停で長くバスを待たれた御経験がないと思いますけれども、私、郊外の育ちでございますので、バス停で一本逃してしまって二十分間バスを待つというのは、これは意外とつらいものでございます。しかも、多分、区内の現計画地を見ましたところ、とてもベンチ一つ置けるような場所というのも限られていると思いますので、そういった制約も考えると、立ったまま待つのか。喫茶店に入って一休みということになってしまえば、そもそもこの広くない区内でしたら、喫茶店で一杯五百円のコーヒーを飲むのであれば、そのお金を足してタクシーに乗ってしまえば着いてしまうわけですね。次から次へとタクシーがやってまいります。そういった趣旨も踏まえて、今の形で本当によいというふうにお考えなのかお知らせいただければ幸いでございます。

 都市計画に関しましては、今までも当然、附帯意見等ついたことはあるということでございますが、この件に関しましては、私のほうからも一般質問等でも問題があるのではないかということで前々から多くの方から御指摘を受けていたにもかかわらず、やはりついてしまったというふうに言わざるを得ないと思います。最初からわかっていてつけるというのであれば、それはちょっとおかしな話でございまして、たまたまついたとか、新しい意見であれば、それは非常に新しく都度対応するということでよろしいんですけれども、前々から危うさを指摘している声があるにもかかわらず、ああ、やっぱりつきましたねというのでは対応が悪いというふうに言わざるを得ないと思います。この点について、いま一度御見解をお知らせください。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 コミュニティバス、先ほど来説明しているとおり、六つの機能ですね、これを持たそうということで、今、導入を図ろうとしているわけでありまして、スクールバス、この六つを別々にやるとなると、また経費の面でもいろいろかかるでしょうし、やっぱりそれはみんなで知恵を出して、せっかく導入するわけですから、通学時あるいは帰るときのそういった児童・生徒の安全を図るという意味からも、また遠距離である場合にはコミュニティバスといいますか、スクールバスとしての機能を果たすということが必要なのではないかな、こういうふうに思っているわけであります。無論、先ほど来答弁しているように、また検討も、導入した後も続けると。いろいろ各方面から多角的に、どういう欠点があるのかとか、どういう問題点があるのかしっかりと分析して、よりよいものにしてまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。

 都市計画審議会の附帯意見ね、これは何か余りよくわからなかったんですけれども、こちらのほうで指導してつけさせたということですか。そういうことではないんでしょう。この都市計画審議会で自発的にこういう意見が出されたんじゃないんですか。したがって、私たち行政としては、それを真摯に受けとめていく、こういうことですね。

○議長(今野弘美議員)
 以上をもって一般質問を終わります。


○議長(今野弘美議員)
 次に、日程第二を議題といたします。

〔土屋議会局長朗読〕


日程第二
議案第五十五号 平成二十年度中央区一般会計補正予算


○議長(今野弘美議員)
 提案者の説明を願います。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま上程されました議案第五十五号、平成二十年度本区一般会計補正予算につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 今回の補正は、一般会計を二千六百三十三万四千円増額するものであり、補正後の予算額は六百二十億二千六百三十三万三千円となるものであります。

 それでは、補正予算の概要について御説明申し上げます。

 歳入の繰越金は、前年度からの繰越金二千六百三十三万四千円の計上です。

 歳出の教育費は、晴海中学校における通級指導学級の開設準備に要する経費二千六百三十三万四千円の計上です。

 なお、債務負担行為として、「人形町保育園等複合施設の整備等」一項目を追加計上します。

 以上、平成二十年度本区一般会計補正予算の概要について御説明申し上げました。

 よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。


○二十三番(神林 烈議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま上程されております議案第五十五号は、企画総務委員会に付託されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(今野弘美議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(今野弘美議員)
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。


○二十三番(神林 烈議員)
 議事進行について、さらに動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、ただいま企画総務委員会に付託されました議案の審査の関係もありますので、明二十六日、明後二十七日を休会とし、来る十一月二十八日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(今野弘美議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(今野弘美議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十六日、明後二十七日を休会とし、来る十一月二十八日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日はこれをもって散会いたします。

午後六時七分 散会


署名議員
議長 今野 弘美
議員 中島 賢治
議員 石田 英朗

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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