ページの先頭です
トップページ  の中の  会議録検索(本会議・委員会等)  の中の  平成21年 決算特別委員会(第8日 10月9日)
※発言が2箇所以上ある場合、「前を検索」「次を検索」で前後の発言箇所へ移動できます。

平成21年  決算特別委員会(第8日 10月9日)

1.開会日時

平成21年10月9日(金曜日)
  午前10時30分 開会
  午後5時6分 散会

2.開会場所

第一委員会室

3.出席者

(15人)
委員長 礒野 忠
副委員長 神林 烈
委員 鈴木 久雄
委員 石田 英朗
委員 二瓶 文隆
委員 増渕 一孝
委員 田畑 五十二
委員 田中 広一
委員 鞠子 勝彦
委員 小栗 智恵子
委員 小坂 和輝
委員 守本 利雄
委員 田中 耕太郎
議長 石島 秀起
副議長 植原 恭子

4.説明員

別紙理事者一覧のとおり

5.議会局職員

奥田議会局長
渡辺庶務係長
土谷議事係長
横山調査係長
岡野書記
村上書記
長田書記
武藤書記

6.議題

  • 議案第47号 平成20年度中央区各会計歳入歳出決算の認定について

(午前10時30分 開会)

○礒野委員長
 ただいまより、本日の委員会を開きます。

 なお、本日、区長は公務のため、午後の委員会はおくれて出席しますので、あらかじめ御了承願います。

 第7款「教育費」について、理事者の説明を願います。

○西川会計管理者
 (説明)

○礒野委員長
 第7款「教育費」について、質問者の発言を願います。

○増渕委員
 オリンピックは来なかったけれども、駅伝が来たということで、きょうはまず質問させていただきたいと思います。

 オリンピックが東京に来なかったことは大変残念で仕方ありませんが、この置き土産ともいうべき、東京都で初めて行われる中学校の駅伝大会が本区に参ります。

 まず、お聞きしたいのは、このお知らせが送付されてきた時期が10月1日、我々議員に来たと思うんですが、押しなべて都大会、もう一つ上に上がりますと全国大会なるものは、相当前からの準備が必要だというふうに私は思います。私もソフトボールの審判の立場から、江戸川区で以前行われておりましたソフトボールの女子選抜の全国大会、これの審判の立場でかかわりを長い間持たせていただきました。まず、毎年のことでありながら、競技が終了した1か月後ぐらいから、次の大会に向けて準備が始まるということを経験上知っております。その1つ下ではありますけれども、駅伝の中学校の都大会、これが開催されるに当たりまして、まず、一番先にこのような大会を行ってみたいと東京都の教育委員会のほうで俎上に上りましたのがいつごろか、それで、正式に決定したのがいつごろかお伺いしたいと思います。

○齋藤教育委員会次長
 中学生の駅伝大会ということで、今年度初めて東京都が主催して行われるということでございます。この検討の経緯、経過というか、東京都のほうでいつごろから検討を始めたかということでございますが、私どものほうに、こういったイベントをやりますよというお話を最初にいただいたのが今年度に入ってからでございます。ただ、その時点では詳細等は全く決まっているわけでございませんで、その後、詳細に検討して、結果がわかり次第、再度また中央区のほうに説明に来るということを伺っていたところでございます。最終的に、皆さんに通知をお渡しする2~3日前に、ちょっと日付は正確に覚えてございませんが、東京都のほうから詳細な説明とともに、その実施要項を受け取ったというところでございます。

 以上でございます。

○増渕委員
 正式に開催が決定されて中央区のほうに来たのは、日にち的にいつかということをお伺いしたいんですが。

○齋藤教育委員会次長
 これは、東京都の実施要項に基づいて実施される行事でございまして、その実施要項が、ちょっと日付については記憶にございませんが、最近、実施要項を定め、その実施要項に基づいて説明会を行ったということで、中央区のほうにその実施要項を送付され、なお、説明をいただいたのは9月の末ということでございます。

 以上でございます。

○増渕委員
 9月末。それで、私たち議員のほうに、このようなことが行われますよと来たのが10月1日。大変急な話。私、きょう質問するに当たって、まず申し上げておきたいのは、大変意義のある都大会だと思っております。私も中央区で生まれ育ちまして、このような屋外競技で中央区に都大会が来たというのは、まず記憶にございません。そのような中から、この大会が本当に支障なく無事終了することを心から祈るところでありますけれども、そうしますと、開催地であります中央区の役割というのは相当重要なものになってくるのではないかなと思っております。

 先ほど申し上げました江戸川区の例に関しましても、相当施設的にも優遇しましたし、区民の皆様の協力も得ました。はっきり申し上げまして、相当金銭的にも本区のほうから助成していかないとできないのかなと思っております。それで、これは当たり前のことですけれども、後援、予定として中央区の名前が入っております。この実施に当たって、細かい部分は申し上げませんけれども、1チーム合計50人の選手団が東京都の市町村から来るということになります。そうすると、市町村の数掛ける50、これだけでも大変です。なおかつ、これに絶対に応援の方たちも参ります。そうすると、相当な人数になることが目に見えております。先ほどの江戸川区の例ではございませんけれども、近隣の区でありますれば、その日に本区のほうに来場されても大した負担にはなりませんけれども、相当遠くの市町村ですと、必ず前日からの泊まりということも考えられます。

 今、次長さんがおっしゃいました9月末に決まって10月1日に我々に送付ということになりますと、これからの今後の予定ですね、いろいろな意味合いで。これは、中央区教育委員会の一所管だけでは、とてもじゃないけれども開催の受け入れ態勢が整えられるとも思えませんが、まだ来たばかりで、きょうはまだ10月の9日でございます。でも、行われるのが来年の3月21日。本当に間がありません。今現在お考えになっている日程で結構でございますので、これから教育委員会として受け入れの態勢をどのように整えていくのかお伺いしたいと思います。

○和田指導室長
 今、委員から御指摘がありましたように、東京都では前年度から、今年度予算を立てるに当たりまして、東京駅伝の開催を検討されていたということは、私ども、年度明けにお聞きして、具体的な内容については本当にこの2~3週間の間にいろいろな依頼を受けたところでございます。中央区の役割といたしましては、会場が晴海の会場を使うということがありまして、その地域の近隣の方々にぜひとも応援に出ていただきたいということと、それから東京都といたしましては、月島の商店街の方々に、何店舗か出店等をお願いしたいということでございます。あと、学校に対しましては、ステージも用意いたしますので、大会を盛り上げるためにブラスバンドであるとか、伝統の太鼓であるとか、そういうことの応援をお願いしたいということでございます。

 また、今後の予定でございますが、中央区も参加させていただきますので、これから選手選抜をして、それから11月、12月、1月にかけまして選抜チームの練習もいたしまして、その間、東京都と全体会の打ち合わせ等もございまして、3月の大会に臨みたいと、かように考えております。

 また、他部署との連携でございますが、先ほども申し上げましたようなこともございますので、地域の町会の皆様、また商店街の皆様、それから広報の方々、それぞれの関連部署には協力依頼をしているところでございます。

 以上でございます。

○増渕委員
 そうですよね。全庁挙げてとは申しませんけれども、やはり、これが一番意義のある、そしてまた心配なのが運営上第1回目ということで、この第1回目がスムーズにいくことが、この大会が今後もいろいろなところで受け入れてくれる見本になる、手本になるような運営を行ってもらいたいという意味で御質問しているんです。10月に行われます区民の体育大会に関しましても、マラソンがございます。これも、体育連盟の方々の応援を相当数受けております。私も以前、少年野球連盟のほうから応援に、沿道で安全の確認とか、いろいろやってまいりました。そのようなところから、今、指導室長さんは近隣と申されましたけれども、月島地域だけでなく、体育協会も交え、それからPTAも交え、あらゆる万全な態勢をとっていただきたいと要望させていただきます。

 あと、競技の中で本区は、おかげさまと言ってはおかしいんですけれども、私立の中学校が日本橋女学館1校ということでよろしいですよね。ほかの区は、9月の末に決まって、私立との調整なんか相当難しいんじゃないかと思うところも懸念しているところでございます。そこら辺のところも調整しながら、第1回目ということで大変期待しているんですけれども、大変でしょうけれども、我々議員のほうも何らかできることがあれば応援していきたいと。ほかの議員さんは知りませんけれども、私は本当にそう思っておりますので、よろしくお願いいたします。これに関しまして、細々にわたる詳報というか、今こんなところまでいっているんだ、今こんなところが課題になっているんだということがありましたら、私たちのほうにも逐一知らせていただきたいと思います。

 それでは、この質問は終わりにしまして、私、さきの一般質問で本区が始めました学習力サポートテストのことに関しまして質問させていただきました。そのときに、一番最後の質問の項目の中で、この公表に関しては秋田方式に近いのかというような質問をさせていただきましたときに、お答えをいただきました。どのような面で秋田方式に近いのかということは、個別の児童・生徒に課題を提示する面で秋田県のやり方に近いと。ということは、個別の児童、保護者の方に、お宅のお子様はこういうところが課題なんですよということを公表することが、秋田方式に近いんだという御答弁でよろしいかと思います。

 最近、自治体の中で広がっております秋田方式、秋田県が成績向上に当たって児童・生徒の成績が上位に来ている、一番上に来ているという一番大きな原因が、自宅に帰っての学習の時間が、ほかのところと比べてぬきんでているんだというようなことで、日常の学習の時間をいかに持たせるかということが成績、学力アップにつながるんだということだと思います。

 そこで、これはまことに基本的なことなんですけれども、今、本区の場合、宿題は教育委員会として正式に、出しなさいと、そのようなことをとられているのか、宿題に関してはおのおのの学校に任されているのか、そこら辺のところはどうでしょうか。

○和田指導室長
 それぞれの宿題につきましては、各学校の学習状況に合わせて任せているところでございます。

 以上です。

○増渕委員
 それでは、実態的に、定期的に、毎日とは申しませんけれども、定期的に宿題を出している学校というのがどの程度、小学校16校、中学校4校の中で行われているのか、もし御存じでしたらば教えていただきたいと思います。

○和田指導室長
 どの程度かという正確な数は調査をしておりませんで、つかんでおりませんが、学校の様子をそれぞれ聞くところによりますと、ほとんど全校でその都度、家庭学習については課題を課しているというふうに伺っております。また、小学校では家庭学習の手引のようなものをつくって、何年生では何分間勉強しましょう、どんなところを勉強しましょうと、そういうふうな具体的なものを各家庭に配っている、そのような事例も聞いているところでございます。また、中学校に関しましても、生活習慣を振り返る生活サプリノートというようなものを学校で出して、その中に学習についての振り返りの項目も入れているというような事例も聞いております。

 以上でございます。

○増渕委員
 そうしますと、学習力サポートテスト、第1回目でございますけれども、これと各学校で行われております日常的な宿題に関しての相乗効果、ここら辺は、学習力サポートテストを実施するに当たって、そこら辺のところも視野に入れておやりになったのかどうかお聞きしたいと思います。

○和田指導室長
 御指摘のとおり、テストの結果を受けて、児童・生徒が各家庭で自分の課題として自主的・主体的に学習に取り組めるようなものになればよい、そういうコンセプトのもとにテストを実施いたしました。また、各個人の分析内容につきましても、できるだけ具体的に課題をお示しして、児童・生徒が何をねらいとして学習をしたらいいのかというような内容を示しております。

 以上でございます。

○増渕委員
 全国的な自治体の取り組みの共通点、これが教育委員会主導で行っているという自治体がふえてきています。これは、やはりなぜかと申しますと、本区の例でいけば、16校が押しなべて同じ宿題を提出し、それによって課題を見つけるということではないかと思います。今、一番懸念されております、本区でも私、思うんですけれども、中学校教育。一例を挙げますと、高知市では中学3年生の、自宅での机に向かっている時間を調査しましたところ、平日全く机に向かっていないという生徒が全国平均の倍近くあったという危機感に向けて、これはおのおのの学校に任せてはいけない、教育委員会が主導的な立場で共通の宿題を出していって、その子の、おのおのの課題を見つけていくんだという取り組みが始まりました。これで、高知市の場合でいきますと、結構成果が上がってきております。ただ、ここで一番ネックになるのが、本当に日常業務で忙しい先生方が毎日毎日宿題を出して、その宿題を点検して課題を見つけてということが、果たしてできるのかという疑問もありました。でも、始めてみましたところ、いろいろな工夫をとりました。生徒同士の点検、生徒同士が教え合う、それでも無理な場合は1時間の授業を5分減らして、10分減らして、その時間に充てる。正規の授業をそれだけ減らしても、たった半年ですが、この効果が上がってきていると、そのような新聞報道がなされておりました。

 きょうの質問は中学校に限らせていただきますが、私も小学校の多分4年生か5年生のとき、植木算とか鶴亀算でつまずきまして、それ以降、算数が全く嫌になりました。だから、小学校の5~6年のつまずき、もっといけば4年生のつまずきがずっと尾を引いて中学校までいっちゃう。中学校で出す宿題に関しましても、小学校まで戻るんですね。そこから始めないと、中学2年の段階でも、3年、それから高校への進学というところで物すごい、それは自分自身のハンディキャップですけれども、自分が悪かったんですけれども、そのようなことで効果をあらわしていると聞いております。

 本区の場合、中学校の学力に関して大変心配しております。そのような意味で、学習力サポートテストに大いに期待するものなんですが、宿題を出すことによる相乗効果があるとお認めになるのであれば、もう一歩進んで、教育委員会の主導で中学校の学力のレベルアップに宿題を活用した取り組みが何とかできないものか、それについての再度の御見解をお伺いいたします。

○和田指導室長
 高知市の取り組みにつきましては、全市を挙げての取り組みということで、興味深く私どもも情報をいただいたところでございますが、ただ、心配いたしますのは、個々の事情によりまして、それぞれ学習環境が違いますので、同じようにできるかなというようなところでございます。やはり学習は主体的にやらなければ身につかないというものでございますので、一人一人の学習の習得状況に合わせた課題を出すのがいいのかなというふうに考えているところでございます。そういう意味で、学習力サポートテストの結果を、ぜひ活用してほしいというふうに考えているところでございます。

 また、それを教育委員会主導として全区的に取り組んだらどうかということでございますが、そういうふうな取り組みが広がれば、さらに効果はあるかなと思うところでございますが、今のところはサポートテストの結果を見まして、どのような児童・生徒の家庭での状況であるか、また保護者の受けとめがどうであるか等々を勘案しながら検討してまいりたいと思います。

 以上です。

○増渕委員
 ありがとうございました。

 今、指導室長さんのおっしゃった心配ですね、新聞報道にはこういうふうに書いてあります。自主学習中心だった当市の中学校の宿題の変化に、教員からは、宿題ができる家庭環境にない子や不登校傾向の子供への対応をどうするのかといった悩みも聞かれ始めていると。これが先生の言うところの心配ですね。でも、これは全然別の次元の心配じゃないかと思います。これはおのおの違う対応があるはずです。

 そういうことから思いますと、本区4中学校のレベルアップ、これが本区の小学校から中学校へ行く過程での、いろいろな意味合いで中央区教育委員会の取り組むべき緊急の課題ではないかと思います。中学校の学力アップを本当に心から要望いたしまして、私の質問を終わります。

○礒野委員長
 次の質問者の発言を願います。

○二瓶委員
 それでは、引き続き教育費に関しまして質問をさせていただきます。

 昨日、土木建築費の中でも台風に対する公立小学校・中学校の休校の措置につきまして御質問させていただいたところでございますが、私をはじめ、多分この決算特別委員会の委員には消防団員になっている方が、議長を含めて6人いらっしゃるんですが、そんな中で、昨日たまたま消防団の女性の団員の方が、こんなお話をされていました。その方がマンションのお知り合いのお子さん連れを、たまたまお母さんが3人を連れ出してくるところに遭遇したということでした。そのお母さんいわく、しっかりつかまれというかっぱ姿のお母さん、そして、そこにはピンクや赤の小さなかっぱ姿が3つ連なって歩いてきました。大変だなと思いながら、皆さん一列に連なって歩いている姿をかわいく見る一方で、小学校の休校ってどうなっているんだろうという素朴な疑問を彼女は持ったということでございます。そんな中で、共働き世帯で、なかなかこういう光景をできない御家庭もいるのであれば、そこでやはり消防団というものが地域に根差した形で、こういう送り作業ですか、もしそういうものがあればお手伝いできるのも一つの形ではないかなということでおっしゃっていました。しかしながら、消防団員の人数も足りないであろうし、今度は逆に、どのお子さんを連れていったとか、不公平だとか、そういう文句も出るんじゃないかなというような心配をされていたというお話がありました。

 そういう面では、危機管理というものは、各学校長にゆだねるのも一つなのでしょうけれども、インフルエンザの休校措置のように、やはり一定の基準を設けて、しっかりとした指揮命令系統の中で監督していかなければいけないのではないかなということを思ったところでございます。それは、改めて御検討いただくという御答弁をきのういただきましたので、ここで改めまして要望をさせていただきたいと思います。

 それでは、質問に入ります。

 まず初めは、平成20年、昨年の国会の中で衛藤晟一参議院議員が委員会質問の中で、渡海文部大臣(当時)に質問させていただきまして、また、あわせて平沼赳夫議員が質問書という形で、かつて、戦後、GHQの占領下における神道指令という形で、学校行事における靖国神社、護国神社の訪問というものが禁止されていた条項が、今現在、どうなっているかという質問に対しまして、文部科学省、また閣議決定という形で、その条例、通達はもう既に抹消しているということを正式に伝えたということでございます。

 平成20年6月30日から7月11日まで各地で行われました東京都府県、政令指定都市の教育長、指導主事会議におきまして、平成20年度小学校新教育課程説明会が開催され、その説明会で配付された資料のうち、修学旅行や野外研修を対象とする特別活動部会用資料の中に、この平沼赳夫議員の質問主意書への回答が添付されて、今回、昭和24年通達のうち、靖国神社や護国神社に学校行事として訪問を禁じた通達が失効されているという確認の経緯を文部科学省が説明をされ、資料として、あわせて添付したというふうに伝わっております。その後、文部科学省の中央説明会を受けた各教育長、指導主事が、8月に全国各地の市区町村教育委員会主催の説明会を開催し、学校長や各教科主任に同じ趣旨の説明をしたということが伝えられております。

 その事実というものを教育委員会は承知されているのかどうか、まずお聞かせいただきたいと思います。

○和田指導室長
 今、委員から御説明がありました教育課程説明会特別活動部会の報告等については、詳細については私どもは把握してございません。

 以上でございます。

○二瓶委員
 ということは、逆に、中央区の教育委員会におきましては、この問題に関しまして承知していない、伝わっていないということなのかなと思っております。であれば、逆に、こういう事実というものはしっかりと教育委員会のほうでも、多分東京都の教育委員会はつかんでおりますし、マスコミ報道も当時されたところだと思います。そんな中で、本区におきましても、現在、靖国神社参拝、訪問というものが、教育現場の中で教育行事の一環として行われていないということでよろしいのでしょうか。

○和田指導室長
 靖国神社への参拝については、行われてございません。

 以上です。

○二瓶委員
 今、私が参拝という表現を使いましたけれども、私はこの問題というものがただ単に、いわゆる靖国問題という政争の具になってしまっている問題についての、問題として取り上げさせていただいているわけではないのであります。今、小泉元首相のもとに、8月15日の靖国参拝が脚光を浴びて、8月15日の靖国参拝が、その前からですね、総理として参拝するかどうかというものを、必ずマスコミが報道で伝えるということでございます。しかしながら、私は、靖国問題というものは政争の具に使われてはいけないというのが、麻生前総理も申されていたのは全くそのとおりだなというのが実感なのであります。私も、今回、8月15日に麻生前総理に対しまして文書をもちまして8月15日、総理大臣として正式に靖国参拝をすべきだということを、意見書として上げさせていただきました。しかしながら、麻生前総理はクリスチャンということもありまして、一貫して、靖国問題、英霊たちが静かに眠っているのを政争の具にしてはならないんだ、静かに深く祈りを捧げる、それでいいじゃないかという言葉に私も納得をさせていただいたところであります。

 私自身は毎年、子供のころから1月1日には初詣として靖国を参拝させていただき、最近では8月15日、自由民主党東京都青年部の集まりとして正式参拝をさせていただいております。それとあわせまして、全国草莽地方議員の会といたしまして、主権が回復した4月28日にも正式参拝をしているところでございます。それはなぜかといいますと、やはり二度とあの戦争、不幸な戦争、痛ましい戦争を起こしてはならないんだ、そういう心を持ちまして参拝をさせていただいているところなのであります。まさに、歴史教育というものが、今、非常に大切だと言われております。

 奇しくも、岡田外務大臣は、韓国に行きまして、それぞれ日中韓共通の歴史教科書をつくるべきだ、そういうようなことを述べられたということが、けさ、また昨日の新聞報道でもされているところでございます。これは非常に危険な考え方だと私は認識をしております。鳩山総理も、総理になる以前から、日本は日本人だけのものではないという発言をされております。それでは、日本はだれのものなんでしょうか。日本は主権をとった国家、一つの国家なのであります。

 そこで、私は改めて靖国訪問をするということは、子供たちに遊就館を見ていただくということが、逆に、本当に平和教育、また日本という国がどうやって存立しているか、そのことを教えることが、まさに地域を誇りに思い、国を愛する心を養うと思うんですが、いかがでしょうか。

○和田指導室長
 小・中学校におけます歴史教育につきましては、正しい歴史観を養うということが大きなねらいでございます。児童・生徒が成長していく過程で靖国問題について、どういう認識を持つかということは、その成長過程においてどのようなことを見聞し、また考えたかによって決まってくるかというふうに思います。

 その過程の一つとして、例えば学校として、行事としての参拝、訪問とはしなくても、自分の自主研究の一つとして靖国問題というのは一体どういう問題なのか、なぜ問題になっているのかというふうなことを調べるというふうなこと、そういうようなことはあり得るかなと思いますし、また、私が現場で校長をしておりましたときに、6年生の児童でしたけれども、夏休みの自由課題で靖国問題について調べてきた児童がおりました。内容的には偏ったものではございませんでしたけれども、自分なりの疑問を持っていろいろ調べてきたということもございます。そのようなことはあるかなというふうに思いますが、学校としては正しい歴史観を子供たちに教えていくというスタンスで教育を進めていくべきであると、かように考えてございます。

 以上です。

○二瓶委員
 東京であれば、確かに靖国神社なんですね。各地方には、それぞれ護国神社という形で、さきの大戦で亡くなった英霊の方々をお祭りしているわけだと思います。さきの大戦、日本は敗戦、負けたのでありますけれども、そこで亡くなった方々というのは、決して職業軍人ばかりではないんです。一般の、本当に身近にいた方々が召集によって兵隊に行き、戦地に行って亡くなった。また沖縄をはじめ、日本本土でも東京空襲や原爆が落とされて、一般の市民もそれによって大きな犠牲を払った。その歴史というものを二度と繰り返してはいけない。それが、まさに平和教育だと思っております。

 いろいろな思想を持った方々が、靖国神社の遊就館は、まさに戦争を賛美している、そのように見られる方もいるのかもしれませんが、逆に、それは教育がしっかりと教育委員会のもとに、子供たちに命の重さとか平和の大切さというものを伝えるために、こういう戦没者の人たち、また慰霊祭に子供たちが学校行事として参加するということが大切だと私は思って、この質問をさせていただいているのであります。ということは、靖国問題という形での政争の具を教育の場に持ち込むべきではないし、あくまでも平和の大切さ、それが身近なところにある靖国神社というところ、本当にこの日本というのは、歴史というものは、逆に二千六百数十年、日本というものが、もし起源からとすれば、脈々と続いた中に自分という存在があり、またこれから未来永劫に日本人という形で伝わっていく、その一つとして自分が存在するんだ、だからこそ地域に誇りを持ち、日本に誇りを持つ、そのことを教えることが、まさに社会科の教育ではなくて歴史の教育だと私は思っております。

 恐らく戦後一番間違った教育方針というのは、まさにアメリカGHQ、占領軍に押しつけられた教育だと私どもは思っております。憲法もしかりだと思います。なぜ小・中学校におきましては歴史という科目をつくっていないのか。社会という名前に変えたのであります。それは、戦後のアメリカの押しつけの政策であります。社会科というのは、まさによき市民をつくる教育、歴史教育は日本の国民をつくる教育だと私は認識しております。それでは、よき市民とは何か。当然、それはアメリカ軍、占領軍にとってよき市民という形で押しつけた教育なのであります。その戦後一貫した教育基本法の大改正を安倍晋三元総理が行い、宗教教育に関しましても、宗教に関する一般的な教養を身につけなければいけない、また教育に政治の不当な介入を許さないんだ、そういうことをしっかりと改革をさせていただいたところでございます。

 中央区の学校も、例えば佃中学校などは広島に修学旅行で訪れたり、事前研究をしたり、平和教育に関しましては非常に熱心に取り組まれている実態もわかっております。しかしながら、やはり身近に、私もヒアリングをしたことがありますし、中央区の郷土天文館の中でも、さきの東京大空襲の語り部として語ってもらった方もいらっしゃいます。当時の男の方は軍隊に行って、東京大空襲の経験が少ないという方もいらっしゃいますが、そんな中で、いろいろと戦後六十数年を経て、改めてこの戦争の悲惨さを伝えて、本当に日本の誇り、地域の誇りを持つことが、まさに歴史教育の原点だと私は考えておりますが、御見解があれば、お願いいたします。

○髙橋教育長
 平和教育、それから歴史教育、そのあり方については、さまざまな考えがあろうかと思います。本区でも当然、さきの戦争のことも踏まえた上で、平和教育については、それぞれの学校で取り組んでおりますが、そのあり方について、例えば現状で、御指摘のようなことをしなければ十分その目的が達成されないと、そのようには私どもは受けとめておりません。各学校で、平和こそすべての礎でありますから、今後とも本当に児童・生徒にそれが徹底するような教育に努めてまいりたいと思っております。

○二瓶委員
 ありがとうございます。

 そういう面では、確かにさまざまなお考えがあるし、さまざまな教育方針があっていいと思っています。私がここであえて質問させていただいたのは、正式な形で文科省から、そういうような通達が失効しているんだということが、各市区町村の教育委員会まで通達しましたという事実をもとに、本区においては、その問題について、いかがとらえているのかということの確認をさせていただいたところでございます。

 私も領土問題に関しまして、非常に熱心に取り組みをさせていただきまして、竹島問題や対馬にも実際に視察をさせていただきました。対馬に行く際に、福岡県の護国神社に参拝をさせていただいたら、たまたま隣にNHKの福岡支局がございました。今、私も一員として、NHKの「JAPANデビューアジアの“一等国”」という偏向放送に対して、非常に抗議をしているところでございます。つい先日も、その中で、パリで開かれました万国博覧会におきまして、台湾の原住民でありますパイワン族の方々が、当時の文化を伝える一環で行われたものを、人間動物園という形で表現がなされ、まさに台湾の原住民のパイワン族の名誉と誇りを傷つけられたということで、今、訴訟が行われております。

 その方々が、今、日本に来ておられまして、歓迎会の場に出席をしましたところ、そこの原住民の方々が、訪問団のきっかけは、まず靖国神社に正式参拝をしたと、涙ながらにその方々は純粋にお話をされていた。なぜかというと、その方のおじさんという方も、さきの大戦で亡くなり、靖国神社に祭られている。それを日本人がこんなにも丁寧にお祭りをしていただいているということで、本当に涙ぐんでいたのであります。そういうことで、台湾の統治のときにも、嫌な日本人もいたでしょう。厳しいこともしたかもしれない。しかしながら、多くの台湾の方々は、そういう面で日本の統治というものは悪い部分もあったけれども、いい部分もあったよということで、非常に親日家が多いのも事実だということで思っております。

 そんな中で、NHKの話に戻りますが、NHKのところに、私たち地方議員10名がたまたま通りかかったらば、国旗掲揚のポールがあるにもかかわらず、日本の放送局、国営放送といわれているNHKの正門の前に国旗が掲揚されていなかったのを目にしまして、すかさず、担当者、総務部長を呼び出しまして、なぜ国旗を掲揚していないのか、たまたま時間的にもう降納してしまったのか、それを尋ねたところ、一切NHK福岡支局におきましては国旗の掲揚をしていないということでありました。なぜかと理由を尋ねると、公共放送ですから、いろいろな方がいらっしゃるからというお話でした。

 日本におきましては、国旗・国歌法が制定されて、正式に国旗を掲揚すべきということで、各種行事の中でも国旗掲揚がされているところであります。中央区役所におきましても、区役所本庁舎の前にも国旗掲揚がされているのも事実だと思います。区議会議場にはまだ国旗が掲揚されていないのは残念なことで、自民党におきましても各種の委員会におきまして各委員からそのことに対する要望、また掲揚すべきというお話もさせていただいているところでございます。それは、今、教育の款ですから、議論は別の場に譲るといたしまして、やはりこの国は主権を持った日本の国だということを改めて自覚をさせていただかなければいけないなという感じで思っております。

 もう一つ、日本の主権が脅かされた、壊された、侵害されたという大きな事件、それはまさに北朝鮮が日本人を拉致した問題であります。拉致被害者の御家族は、二十数名、まだ北朝鮮に生存が確認をされているにもかかわらず、その生存すら死亡という通知で何ら北朝鮮は対応を見せていない。また、政府が認定した拉致被害者のみならず、いわゆる特定失踪者という方々が数百名、その特定失踪者にも入っていない、拉致をされたであろう方々が数千人いると言われております。その中で、政府は一貫して厳しい北朝鮮に対する船舶検査法をとって、強い態度で望んでいるところでありますが、いまだ解決を見ないのが実態だというのであります。私も、拉致被害者家族会や救う会の皆様と一緒に、渋谷駅や数寄屋橋の駅で街頭に立ちまして、署名活動という形で国民の皆さんにこの問題をしっかりと認識してもらうために活動を続けているところでございます。

 内閣府におきましても、各種の政策を実行していただいているところでございまして、内閣府拉致問題対策本部からは、各種の教育委員会や学校長に対しまして、いろいろな通達、依頼が出ております。その一つといたしまして、映画「めぐみ」の上映依頼が平成20年3月10日付で各都道府県、また各都道府県の私学担当の管理課長、また人権教育担当課長さんあてに映画「めぐみ」の上映依頼をした。次いで、アニメ「めぐみ」の上映依頼を同年6月に各都道府県の図書館長や学校長あてに依頼をした。またアニメ「めぐみ」に関しましては、小中高各学校、さらには公立学校のみならず私立学校の小学校、中学校、高等学校、そして特別支援学校、高等専門学校、公立図書館にアニメ「めぐみ」を収録したDVDを頒布したということであります。私も内閣府へ赴き、調査をさせていただき、資料を取り寄せたところ、小・中学校全校にこのアニメ「めぐみ」を配布したということであります。また、当然、そのところにアンケート用紙を配布しまして、上映を呼びかけ、上映をした場合にはお知らせをしていただきたいということで行ったということでありますが、現在、8月の段階でこのアニメ「めぐみ」を上映したのは佃島小学校と月島第三小学校の2校というふうに内閣府のほうでは調査をしているというところでございますが、現在、その後、映画「めぐみ」、またアニメ「めぐみ」の上映を中央区内の小・中学校が行った実績があるかどうか教えていただきたいと思います。

○和田指導室長
 DVDの内容につきましては、私も拝見させていただいて、中身を確認いたしまして、偏った歴史観に子供たちがとらわれないような、そういう内容であるということを判断いたしましたので、配布をさせていただきました。アンケートの内容につきましては、学校から直接国に提出するものになっておりますので、私どもとしては、今、委員から御指摘いただいた2校以外の状況については、今のところ把握はしてございません。

○二瓶委員
 そういう面では、各種依頼文が内閣府拉致問題担当のところから、本当に頻繁に教育委員会に出しているところでございまして、映画「めぐみ」は全国で195校、アニメ「めぐみ」は1,331校が上映されているということでございます。8月の調査ですから、その後、ふえているところもあると思います。

 今、指導室長からお話があった、偏った歴史教育というのが、私にとったら、中央区の教科書選定の中で、逆に自虐的な歴史というものを記述していると指摘されているものを、教科書に選んでいるのではないかということも言われているところでございます。東京都でも、つくる会の教科書とか、自虐史観というものを払拭しなければ、正しい歴史をつくらなければ、やはり日本の国を愛する心とか地域を愛する心というのが養えないんだということで言われているところでありますし、私たちもそのように考えております。そういう面では、偏ったというのは、逆に自虐史観というものが私としては偏った歴史観だと思っております。日本人が日本のことを誇りに思える教育をすることがなぜ偏っているのか、非常に疑問に思うところであります。

 それは置いておいて、この「めぐみ」に関しましては、まさに歴史観というよりも人権問題なんですよね。人権侵害の問題でありますし、日本の主権が脅かされているという問題でありますから、まして、もっと身近に考えれば、本当に身近な御兄弟とかお子さんが忽然といなくなってしまったというのを身に振りかえてもらって考えれば、どれだけ大変なことなのか。もしこれが犯罪だったら、皆さん大変な騒ぎで騒いで捜査をするのに、もう北朝鮮にいるとわかっていて何も手を出せない、何も助けに行けないもどかしさというのを想像してもらえば、この問題はどうしても解決しなきゃいけないというのがわかると思いますので、改めて、そういう面では人権教育の大切さ、これはやはり、ぜひとも子供たちに何らかの形で中央区の小・中学校で上映することによって、人権というものがどれだけ大切なことか、人の財産、生命を守っていかなければいけないのが大切なことかということを改めて教育委員会のほうでも御指導いただきたいと要望をさせていただきたいと思います。

 一方では、人権教育とは別に、今、心の教育ということで、心のノートを使った教育が行われていると思います。まさに、これは道徳教育の中で心のノートを使って、人権教育を含めて総合的な教育が行われていると思います。しかしながら、民主党政権になりまして、心のノートというものを廃止しようじゃないかというような動きがあるやに聞いておりますが、その点、どこまで今現在なっているかお聞かせいただきたいと思います。

○和田指導室長
 心のノートが今後どのようになっていくかというのは、私ども、まだ正確には動きはつかんでいないところでございます。

 以上でございます。

○二瓶委員
 今、岡田外務大臣の発言とか鳩山総理の発言とかを聞いたり、民主党政権の中の一部の国会議員の動きを見ますと、まさにそういう道徳教育とか自虐史観をしっかり根づけて、日本は悪い国だったんだ、これは侵略戦争だった、日本が悪い戦争をしてしまったんだと、すべて日本人は自分たちの中で悪いというふうに植え込ませようという方々もいらっしゃるように見えます。当然、民主党の中にも本当に愛国者の方もたくさんいらっしゃるのも事実ですし、逆に言ったら、自民党の中でもすべてがそうかというと、そうではないかもしれません。

 しかしながら、そういう政策、イデオロギーの話はさておきまして、道徳教育に関しましては、やはりしっかりと、心のノートがもし万々が一廃止されても、中央区に関係がある公に尽くした人たちの話とか、そういう人たちもいっぱいいらっしゃると思うんです。例えば、荒川区は、自区で何か関連のある公に尽くされた人たちの独自の副教材を使って教育を行っているということもあります。そういう面で、今後、中央区独自に何か公に尽くしたとか、いわゆる偉人というんですか、そういう方々の副教材をつくって道徳なり、そういう教育をしていってはどうかと思うんですが、いかがでしょうか。

○和田指導室長
 心のノートの扱いにつきましては、国の動向も見ながら考えてまいりたいと存じます。

 また、中央区独自の教材として作成したらどうかという御質問でございますが、現在、小学3年生では「私たちの中央区」という副教材を使ってございまして、その中には当然、中央区ですぐれた業績を残した方々の学習もしているところでございます。それを義務教育全体にというような御趣旨かと思うんですが、今後、今、ちょうど教育基本計画も策定しているところでございますので、そういう教材の作成が可能かどうかということも含めて考えてまいりたいと存じます。

 以上です。

○二瓶委員
 要するに、私の考えは、地域に誇りを持つことということがやはり日本を愛する、国を誇りに思うということ、それは国際的にも自国に誇りを持てない人間がグローバル社会、国際社会に出ていって全く通用しないというのは事実としてあるんです。幾ら英語がしゃべれたって、本当に自国の文化をしっかりと誇りに思えない人は、相手にばかにされるんですよ、これは。これはもう事実です。

 英語の教育というのは、いろいろされていると思いますけれども、言葉のツールとして、私も本当に、自分が伝えられなかったり、聞き取れなかったりするというのは非常にもどかしいです。そういう面で、ツールとしての英語は絶対大切だと思います。子供のころから本当に耳で覚えるものですから、しっかりとこれはネイティブの教師が来て、文法とかそういうのでない、その言葉に触れるとか、なれるということが、非常に子供たちの耳はいいですから、耳で覚えるというのは大切だなということを実感しております。やることはいっぱいあるんですね、教育というのは。教えたいものはいっぱいあると思うんですが、その中で英語教育も実施されていると思いますが、そういう面で、ぜひ地域に誇りを持つことが、やはり家族を大切にすることを養い、国を誇りに思うということは、それは世界の平和につながっていくのは間違いないんです。自分たちだけがいいんだとか、自分だけがよければいいんだというような、何か誤った、間違った民主主義の中でのものが、どうも、まさにこれはアメリカ占領下の、ずばっと当たってしまった、政策にはまってしまったんじゃないかなというふうに思えてならないし、そういう御指摘をされる方も多いんです。

 本来であれば、プロパガンダかもしれませんけれども、鬼畜米英とか、あれだけ散々アメリカというのは怖い国で、とてつもないような人間がいて、捕虜になったら食べられちゃうんだぐらいの感じで植えつけて戦争をしたわけじゃないですか。にもかかわらず、戦後、大国というソビエトとアメリカが占領下に入ってきたときに、ソビエトは本当にそういう面では抑留されたりとか、急に進駐してきて、女性の人たちが大変な苦労をしながら日本に帰ってくる、いろいろな、そういう話をみんなするから、ソビエト、ロシアというのは大変変な国なんだというような植え込みがされる一方で、アメリカは政策的に、これはもう歴史的事実なんですが、アメリカの進駐する兵隊たちに、チョコレートとかガムとかを積極的に軍が配って、それを日本人の子供たちに渡しなさいと言って、いい紳士をつくっていきましょうよ、ということで政策を打ってきたのも事実だと思うんです。だから、アメリカに対する抵抗力がなくなって、そういう面ではアメリカの占領は、いつかは日本の憲法も変えればいいよ、いつかは教育基本法も変えればいいよと来たのが、何かずるずるそのままで、それよりも、まず豊かになろうよというところから日本が始まってきてしまった中で、まさに、今、道を歩いていても信号は無視する、自転車の通行も全く自分しか考えない、人の時間も無視する、そうやって自分だけよければいい日本人がどれだけ多いのかは、多分皆さんもいろいろなところで感じているところだと思います。

 そういう面では、まさにそれを変えるのは教育だと思いますから、ぜひ子供たちに自虐的な歴史観だけは絶対教えないほうがいいなと思っているんですが、御見解はどうでしょうか。

○和田指導室長
 今、委員御指摘のように、自虐的な、それこそ偏った歴史観だけは持たせたくないなというふうに思います。事実は事実として伝え、その中で自分がどのように考えるのか、また自分がこれからどのように行動していったらいいのかということを考える力を身につけさせるのが教育の役目だというふうに考えてございますので、今後とも正しい歴史観のもと、教育を進めてまいりたいと存じます。

○二瓶委員
 ありがとうございます。

 私も本当に安心をしているのは、教育長も増渕委員も私も同じ高校で学んだということでありますから、当然同じ教育を受けてきましたから、そんなに差がないと思いますので、安心しております。ぜひ、根底は、さきの大戦は職業軍人だけが戦ったんじゃない、一般の学生までも行って戦って、こんな日本じゃなくて平和な日本を望んで死んでいった方にやはり報いなきゃいけない責任が我々にあると思うから、こういう問題を取り上げて、決してこれは右翼の思想ではなくて、これがまさに新生保守の主張だと御理解いただきまして、質問を終わらせていただきます。

○礒野委員長
 次の質問者の発言を願います。

○田中(広)委員
 教育費について質問させていただきます。

 12時を少し回るかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

 私からは、まず最初に、学校図書館及び読書活動について、2番目、区立図書館について、3番目、教育分野における環境の取り組みについて質問をさせていただきます。

 まず最初に、学校図書館及び読書活動についてお尋ねをいたします。

 今までも常任委員会等で何度も述べさせていただいておりますが、新聞報道等によりますと、学力調査をめぐりまして文部科学省の専門家会議が分析したところ、いろいろある中の一つだと思いますが、授業で学校図書館を活用する、あるいは読書活動を推進する、また国語に力を入れたことによる他教科への学力向上の傾向など、さまざまあったかと思いますが、この点の御認識はいかがでしょうか。

○和田指導室長
 アンケートの中で、読書量でありますとか図書館の利用量とテストの正答率との相関性があるということは認識いたしております。

 以上です。

○田中(広)委員
 平成20年度児童・生徒の学力向上を図るための調査結果というのがありまして、いただいたんですけれども、例えば小学校4年生であれば、「読書を毎日およそどのぐらいしますか」という設問に対して、「読書をすることはない」は、中央区で11.1%、小学校5年生では同じ設問で8.1%、中学1年生で同様の質問で27.2%、中学2年生で17.3%と、「読書をすることはない」という方の回答があります。

 私がいつも一番危惧するのは、何度も同じ話を申し上げておりますけれども、なかなか授業が思うように理解できない、あるいは一度つまずいてしまって、その後、成績がなかなか上がらない傾向にある、そういった児童・生徒に対して何か支援ができないかといつも思っております。平成20年度におきましても、学力向上対策等を行っておりますし、これまでもさまざま現場で工夫されていることは存じております。当然、個人それぞれ考え方、また興味や趣味とか、またいろいろな段階がありますので、一概には言えませんけれども、先ほどの御答弁にもありましたとおり、読書を通し、また活字を読む、あるいは本に向かうことを少しでも多くしていきたい、また触れる場を設けていきたい、このように考えておりまして、質問をさせていただきたいと思っております。

 昨年度、平成20年3月に中央区子ども読書活動推進計画が策定されまして、大変私は期待をしているところでございます。そこで、そうした計画に沿って、いろいろ取り組んでいるわけでございますが、これまでの学校図書館における取り組み状況はいかがでしょうか。また、本区が目指す学校図書館とはどのような姿を目指しておりますでしょうか、御見解をお願いします。

○和田指導室長
 本区の学校図書館の状況でございます。本区は学校の図書館に図書館指導員を全校に配置してございまして、本の整頓はもとより、本に対する情報の提供等もしております。その中で、子供たちが本当に興味を持ちそうな本については、積極的に子供たちに提供しているというふうな活動をいたしております。また、各学校を訪問した際には、必ず学校長から図書館の利用頻度はどのくらいですかというふうなことも聞くところでございます。平成16年度と20年度、小学校で比べますと、小学校については顕著でございまして、16年度は1人当たり年間31冊という数でございましたが、20年度については44冊ということで、少しずつふえてきたかなというところでございます。中学校につきましては、少し寂しい数字でございますが、平成20年度については平均4冊というようなことでございますので、これからの中学校の読書活動に力を入れていかなくちゃならないなというふうに考えてございます。

 小学校の場合につきましては、読書ボランティアとか、それから朝の読書の時間等を設定しておりまして、意図的にそのような仕掛けをしておりますので、必然的に本に親しむ時間が長くなってくるのかなというふうに思います。中学校につきましては、なかなか本を読む時間がないのかなというふうに考えているところでございますが、できるだけ読書をさせて、読解力を身につけさせて、考える力に結びつけばいいなというふうに考えてございます。今後もこのような取り組みを続けていきたいと思うんですが、先ほど申し上げましたように、特に中学校においての読書活動の推進というところに力点を置いて、各学校に対する働きかけ、指導を強めてまいりたいと思います。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 御答弁ありがとうございます。

 まさに、今、御答弁ありましたとおり、特に小学校では仕掛けを行った。朝の読書とか、仕掛けを行った。ここが、今、一番のポイントかなと思っております。以前にもお話をさせていただきましたが、私も現場に伺ったり、指導員さんにお話を伺ったりしてきました。以前も申し上げましたけれども、校長先生がお勧めする本とか、本当にちょっとしたささいなことを展示、飾りつけしてもらうだけで、大変子供たちの興味が変わるというんです。そうした取り組みの成果があって、20年度では特に小学校では大きな成果になったのかなと、私は理解をさせていただいております。

 実は、ちょっと御紹介をさせていただきたいと思います。恐らく御存じだと思うんですが、先日、経済雑誌に「わくわくする図書館」という題名で記事が掲載されておりました。三重県の四日市のある小学校の学校図書館が紹介してありまして、その学校図書館は、運営を民間委託にしているという状況でした。確認ですけれども、民間委託がいいとか悪いとか、したほうがいいとかという話では全くございません。

 休み時間のたびに、学校図書館では生徒が駆け込む人気スポットとなっているようであります。以前は少数の一部の読書好きの生徒だけが集まっていた状況が、2008年度では4年前と比較して1.6倍も本の貸し出しが拡大したようであります。その工夫は、図書館の本に触れるまでの動線づくりなどにあるようです。教室から図書館に向かい、廊下を歩くと、まず視界に飛び込んでくるのが生徒たちの人気の本やかわいい絵の入った表紙などが飾りつけてあり、生徒たちの足を向けさせるようにしている。また、図書館に入ると、新刊本だけではなく古い本でも読んでもらえるように、生徒の感想文あるいは司書さんの推薦文など、さまざま興味を引く工夫をされているようで、子供たちにとっては宝の山に見えるようにいろいろしているようであります。

 この仕組みを考えた方は、もともと三重県の職員で、26年間高校の図書館経営に携わった経験がありまして、図書館が学校教育において重要であるにもかかわらず、なかなか担当者の力量によって任されて、その担当者がいなくなると機能しなくなる。そういったことに不満を感じて、あえて県職員をやめて、そうした起業をしたようであります。その企業によりますと、2008年度までの延べ実績は749校にも上っており、各新聞、テレビ、メディアに大変取り上げられております。

 私もこの記事を読んでいて、ここだなと思ったのが、その起業した方も同様のことを言っていたんですが、その記事の中で、社長さんが一番うれしかったのは、中学生の男子が分厚い本を抱えて受付に走ってくる姿を見たときだそうです。なぜなら、中学生の男子が一番本を読ませにくく、その子たちが本を抱えて走ってくる姿を見て、自分のやっていることは間違っていないなという確信を持ったということであります。また、学校図書館の存在意義として、生徒たちは本が嫌いなわけでもなく、本に接する機会が少ないだけだと語られております。子供は読書によって感性や表現力、想像力などが磨かれ、人間的に大きく成長すると述べられておりました。

 最近、東京都の教育委員会のいろいろデータを見ますと、暴力が大変ふえていると、こういったことも伺っております。当然、子供同士のけんかとか、あって当たり前だと思うんですが、ただ、その背景は、よく言われるキレやすいとか、伝えるコミュニケーションが足らないとか、そういったことからの暴力が余りにも多いと。気持ちをぶつけ合うところまでいっていないという、そういったデータがあるようです。そういったことも含めて、ぜひこうした取り組みを推進していただきたいなと私は思っております。

 先ほど御答弁にもありましたとおり、現場ではいろいろ工夫されておりますので、ぜひ小学校のいい部分を中学校の現場にも、また、ある学校でいいところはぜひ全体にも広げていただきたい、そのような工夫をお願いしたいんですが、例えば区立図書館でも貸出数とか、まず目標を決めて取り組んでいるんですけれども、指導していただく方にも目標を持ちやすいような、そうした貸出数の目標とかも、例えば次の子ども読書活動推進計画を更新するときに盛り込んでいただくとか、目標設定あるいは先ほど申し上げましたいろいろな工夫を全体に広げていただけるマニュアルといいますか、そうした冊子をつくって、全学校で取り組めるようにしていただきたいと思いますが、この点の御見解、いかがでしょうか。

○和田指導室長
 さまざまな取り組みがありまして、それぞれ効果を上げているというところは非常に参考になります。本区でもそれぞれの学校で図書館指導員の方を中心に、また司書教諭も配置されておりますので、それぞれ取り組みがなされているんですが、なかなか点と点がつながっていかない部分もあろうかと思いますので、ぜひその辺につきましては、指導室がその媒体となって取り組みを広めていきたいというふうに考えてございます。

 以上です。

○田中(広)委員
 ぜひ推進していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、区立図書館についてお尋ねをいたします。

 まず、京橋図書館の移転について、お尋ねをさせていただきたいと思います。

 これまでも労働スクエア東京跡地の展開について、さまざま質問、また議論等あったかと思います。当然、まだ確定されているお話ではございませんけれども、私としては、前向きに進んでいるものと思っておりますし、またそうなるものと確信をしております。その上で、本区として構想を掲げながら交渉を重ねている中だと思うんですけれども、本区としての一つの目標として、1万5,000平米をまず確保していきたいということがあろうかと思いますが、その1万5,000平米のうち、図書館の御担当といたしまして、どのぐらいの延べ床を想定し、どういった構想を現在イメージしておられるのか、その点の御見解をお聞かせいただければと思います。

○濱田図書文化財課長
 京橋図書館の移転整備についてのお尋ねでございます。

 委員おっしゃられたように、労働スクエアの跡地計画につきましては、まだ東京都のほうと交渉中ということで、具体的な計画ができる段階ではございませんけれども、庁内的に1万5,000平米の中で図書館を中心とした施設移転ということで、今、検討しております。具体的な平米数なんですけれども、これもまだ全庁的に入る施設いろいろございますので、その中で図書館がどの程度確保できるかということはまだ決定はしておりませんが、私どももいろいろな図書館を見学させていただいておりまして、その中で図書館としては、今よりももちろん大きなスペース、具体的には4,000平米から5,000平米ほどのスペースを確保できたらいいなと考えてございます。

 また、図書館のコンセプトとしましては、時代に即しましたIC的な話もいろいろ各図書館が導入してございますので、そういうところも当然導入しながら、子供からお年寄りまでだれでもが、いつでも気軽に利用できる図書館にしていきたいなと考えてございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。

 現段階ではあくまでも構想というところでございます。しかしながら、何としてでも前に進めていただきたいと思いますし、実現していただきたいと私は切に願っているところであります。

 今、今後の構想として、さまざまな新しい機器の活用とかありましたけれども、私も本当に、近くで言えば千代田図書館に伺ったり、いろいろな視察に行くたびに各地方の図書館を毎回毎回回って、少しでも本区の推進につなげられればなと思って取り組んでおります。

 その中で、やはり思ったのは、これもちょっと形になってしまうかもしれませんけれども、いろいろ調査した、研究したその内容をぜひ一つの構想を、計画書としてつくっていただいて、その計画書をつくることによって、当たり前ですけれども、いろいろな課題点が見えてきたり、ここは可能か、また不可能か、いろいろな協議がしやすいと思いますので、この進捗状況を見て、ほぼ確実にそうした東京都との交渉が成就できるという段には、ぜひそうした新しい移転の図書館の基本計画といいましょうか、そうしたものをしっかり立てた上で進めていただきたいなと思っております。

 私も新しい区民の方とお話しすると、公共の場と接するのは、確かに区役所に来るというのもあるんですが、特に若い世代からすると、やはり図書館が一番公共の施設とかと接するのが多いんじゃないかと。ぜひいい図書館を中央区は欲しいですねと、そういうお話がありました。全くそのとおりだなと思いまして、一図書館という機能ではなくて、今、いろいろなコミュニティの問題だとか、いろいろなことを欠いていることが、ある意味、この図書館の取り組み次第で一つ大きく前進するだろうなと私は思っております。そういった意味も含めて、ぜひ計画書のようなものも作成していただきたいと思いますが、この点の御見解はいかがでしょうか。

○髙橋副区長
 労働スクエアの跡地の件に関しましては、委員の皆さんにも大変御心配、また関心を持って注目されておりまして、ありがたいことだと思います。以前から御答弁申し上げておりますように、東京都のほうとの折衝を、これまでも2年ちょっとやっております。

 実は、その間に東京都のほうの事情が、計画と申しましょうか、構想が何回か変化をしております。当初は御案内のとおり、あそこの敷地全部を中央区のほうに割譲してもらいたい、譲ってもらいたいということで交渉を進めておりましたが、東京都のほうでも、もともと中小企業のための施設があった勤労福祉会館、労働スクエアですから、東京都のほうとしても、それをそのままゼロにするのではなく、やはり中小企業の支援のための施設をつくりたいと、そういう構想が産業労働局のほうに従前からありまして、現在もそういう構想を持っております。これは、私どもも東京都のほうに確認をしておりますけれども、そういう中小企業の支援のための施設をぜひつくりたいと。これは、これからも計画が変更することはないだろうと。ただ、その規模なり、どういう形で中小企業の支援をするような中身の施設になるのか、それによって東京都のほうも面積を最終的に絞っていくということになるようです。

 これは中小企業の支援の施設ということであれば、区としても、もちろん図書館については従前からの区長のマニフェストのお約束でもありますから、当然実現をするようにやっておりますけれども、ただ、中小企業の支援というのも、本区にとりましては大変重要な施設であると思います。したがいまして、どういう形になるか、これは東京都のほうでまだ全く細部を詰めておりませんが、そういう構想は確たるものとして持っておるようでございます。これもぜひ、そういう施設であれば区としては歓迎する施設ではないかと思っています。

 問題は、常々御答弁いたしておりますように、あそこの土地の地下の埋設物、下水道施設のかなり大規模なものが入ってございます。これの配置ぐあいですとか、この辺は東京都の土地、施設で、私どもとしてはそういう基本的なデータがないわけですから、これは東京都のほうから示していただいて、前の建物が建ったときもそういう埋設物の構造を考えながら、ああいう建物ができておりますので、新しくまた建物をつくる場合に、今のままの下水道施設のままで、上にどういうものが建てられるのか、また逆に、ある程度の容積の建物をつくるのであれば、少し例えばそれを切り回しをしなきゃならない、あるいは抜本的に少し構造も変えなきゃならない、そういうことが出てくるのかどうか、これは私どもで調査できるものではございません。

 したがいまして、これも以前御答弁いたしておりますが、昨年度におきまして、その埋設物の調査と、それから将来その上に建つ建物を想定した場合に、どういうような構造物との相関関係が出てくるか、また、その上でどれだけの容積の建物が建てられるかということを、東京都のほうで検討してもらいまして、それについては、詳細な資料はいただいておりませんが、交渉の中でおおむね容積的にはこの程度の建物が建つんじゃないかなという輪郭がそろそろ出てまいりました。最初お話しいたしましたように、そういう中で、やはり東京都と、これは都有地なものですから、なおかつ東京都も中小企業の支援の施設をつくりたいという構想があるわけですから、これは平たく言えばお互いに譲り合いながら、本区のほうの要望も極力取り入れていただき、また東京都のほうの施設も必要なものを建てると。そういうのはお互いの一種の妥協といいましょうか、話し合いの協議の中で、これから施設ができていくんじゃないかと。そういう中でも、全部が割譲してもらえないならば、せめて図書館を中心としたほかの施設も私どもは可能な限り、その中で配置をしたいと。

 基本的には、図書館を中心とした生涯学習の拠点というものが中心になりますけれども、さらにゆとりの面積があれば、こういうものもその中に取り込みたいというのがありますが、まずは面積が確定しませんと。例えば1万5,000平米ということを言っておりますけれども、1万2,000平米になるのか、あるいは1万5,000平米よりもうちょっとふえて1万6,000平米になるのか、この辺がまだ定かじゃございません。ですから、それは許容の面積の中で、可能な限り、区民にとって必要な施設を取り入れていきたい、そういう願望を持っています。

 肝心のお答えの、ちょっと回り道になりましたけれども、その間のデータというのは、その都度その都度変わっておりますから、極端なことを言うと、平たく言えば、前にこういう形でどうだろうと言ったものが、条件が変われば全部ほごになっちゃうんですね。ですから、そういうものを一々お示しするわけにはいかない。まさに、今、委員から御指摘、御質問がありましたように、ある程度輪郭が決まってきましたらば、当然議会のほうにも、こういう形でまず施設の全体枠が固まりそうだと。ついては、こういったものを区としては図書館のほかに、例えばこういったもの、こういったものを取り入れて、全体の面積の中で取り込んでいけると。

 そういうような、おおよその構想と申しましょうか、それがまとまれば、当然委員会等で御報告をさせていただき、また御意見等々を伺いながら、私どももさらなる検討をしていくと。最終的に、設計の段階に持っていくように東京都とさらに交渉したいと、そういうことで考えておりますので、その間のデータはということで、これまでこの委員会でも関係理事者が答弁していたとおりなので、その辺はひとつ御理解をいただきたいと思います。

○髙橋教育長
 ただいま副区長のほうから申し上げました全体の推移を見きわめながら、しかるべきときに、京橋図書館は100年の歴史がありますので、その歴史を踏まえて、未来志向型の、皆さんのよりどころとなるすばらしい図書館の構想を計画書としてまとめたいというふうに考えています。

○田中(広)委員
 本当に大変ありがとうございました。

 今の御答弁を伺っている中でも、自分の理解できないところで本当に一生懸命検討し、交渉し、取り組んでくださっていることは大変理解をさせていただきました。当然、区長さんのマニフェストにも載っかっている内容でもありますし、間違いなくそうした取り組みが実現の方向に向かって、すばらしい取り組みができるものと確信しておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

 それから、図書館でもう1点だけなんですが、今、教育長さんの御答弁にもありました100年たったという言葉がありまして、区のおしらせにも日本橋図書館が100年の歩みということで、展示会とか講演会ということが、たしか盛り込んであったかと思うんですが、京橋図書館においては何か取り組み等は考えておりますでしょうか、いかがでしょうか。

○濱田図書文化財課長
 今、委員御指摘のとおり、来年、京橋図書館は100周年を迎えます。ことし、日本橋図書館で講演会、展示会等を行ってございますけれども、今、来年の予算要求をまとめておりますが、来年、京橋がことしの日本橋に続きまして100周年を迎えるということで、また衆議院、参議院で決議決定しました来年は国民読書年ということもございますので、何かしらシンポジウムですとか展示会ですとか、そういったものをやってみたいなと考えてございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。ぜひ取り組みをお願いしたいと思います。

 先ほど申し上げましたけれども、新しく中央区に来られた方は大変多いと思いますが、中央区には本当にいろいろな先輩たちが築いてきた、いいものがたくさんあるんだと。その一つを知ってもらうのも図書館の100年の歩みとか、こういった取り組みも私は大変有効だというふうに考えておりますので、ぜひ取り組みのほどお願いしたいと思います。

 最後に、学校現場における環境についてお尋ねをさせていただきます。

 これから順次、学校現場で壁面緑化等の緑化がたしか行われると思いますが、教育御担当の現場として、どういった工夫をしてそうした緑化を推進していこうと考えておりますでしょうか、お願いします。

○浅沼教育委員会庶務課長
 子供たちが地球環境を考える上で、学校の緑化推進というのは大変重要なものであるというふうに考えてございます。これまでも本区の学校はなかなか敷地等が狭い中で工夫をいたしまして、例えばビオトープですとか、あるいは屋上・壁面緑化というものを進めてまいってきたところでございます。今後もそのような工夫をさらに進めていきたいというふうに考えてございます。

 なお、今般、補正予算で各学校におけます緑化推進の調査を組ませていただいておりますので、学校の意向を十分に聞きながら、各学校ごとに、どのような緑化ができるのかというものを調査して取り組みを進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。

 当然、本区のことですから、いろいろ考えて緑化されると思いますが、予算をつけていただいて緑化をする、当然、単に緑化ではなくて、ぜひ工夫して少しでも、例えば何度も言っていますけれども、ゴーヤとか、そういったものを育てながら、それがまた食育につながるとか、幅の広がる取り組みをぜひお願いしたいと思います。

 最後に、どうしても1つだけ確認で、考え方だけ伺いたいんですが、衛生費でも水質調査ですとか、水質浄化ですとか、水生生物の調査とかというお話をさせていただきました。学校現場を抱えております部局といたしまして、後世に、特に本区として特徴のある水辺、その環境を守っていこうという取り組みについて、どういったお考え、御認識を持っていますでしょうか、お聞かせいただければと思います。

○和田指導室長
 それぞれの学校で特色ある活動に取り組んでいるところでございますが、顕著な例といたしまして、例えば城東小学校と常盤小学校、橋洗いの日に船に乗せていただいて、日本橋川にEMだんごをまいたり、ハゼ釣りをしたりとか、そのような取り組みをやっております。また、城東小学校ではホタルの飼育をいたしまして、やはりきれいな水でないとホタルが住めないというようなところで研究しているところでございます。

 また、来週の金曜日、16日でございますが、阪本小学校が研究発表を行います。そのテーマは、地域の特性を生かした環境教育ということでございます。まさに、都心区の学校の中でいかにして環境教育を進めていくかということ、日ごろの実践を発表する機会がございますので、もし機会がございましたら、また情報提供させていただきたいと思います。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。ぜひともそうした環境に対する取り組みもしっかり行っていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

○石田委員
 第7款「教育費」の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後1時から委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後1時に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午後0時3分 休憩)

―――――――――― ◇ ――――――――――

(午後1時 再開)

○礒野委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。

 第7款「教育費」について、質問者の発言を願います。

○鞠子委員
 最初に、教育費の、子供の貧困あるいは貧困に伴う教育費の家計負担を軽減する、こういう問題について聞きたいと思います。

 これは朝日新聞でありますが、9月29日付で病院に行けない生徒ということで、毎日、学校の保健室で湿布をしてもらう。けがをしたけれども、病院へ行こうかと言ったら、やめてくれと、こういう例もあったというのがあります。そして、和歌山県の中学校の例として紹介されているのは、視力が0.9以下の場合に渡す視力手帳を生徒が丸めてしまう。なぜだと聞いたら、ひとり親家庭で、母親に眼鏡代の負担をかけたくないんだということで、学校から渡された視力手帳を丸めてしまう例もあると。埼玉県の中学校では、夕食も朝食もファストフードのハンバーガーだと。食生活が乱れているため、この生徒は風邪をよくひき、体調も悪いと。大変、リアルな実態が、これは教職員組合の全国的な、そうした貧困をめぐる実態の報告をし合うということで出たのを朝日新聞がまとめたものであります。

 あるところでは、東京都内の小学校4年生の子が、食べ物をちょうだいと言って、去年の夏休み、買い物袋を下げた通りすがりの人に食べ物をねだっているのを近所の人が目撃した。ここの家庭は、母親が障害を抱え、母親自身の生活もままならない。同居していた祖母も昨年亡くなって、男の子は給食を食べるために学校に来ているような状態だと。こういう例が各地で報告されております。そしてまた、厚生労働省の10月7日の発表では、8年連続で生活保護世帯が最多の数を更新した、これも報道されております。余りこういう数字をうんと言いたくはない状況であります。

 そこで、最初にお聞きしますが、こうした住民のこういう貧困の状況、特に子供を持っている小・中学生のいる家庭での、こういう貧困の実態、経済的困難な実態について、教育委員会はどのように認識しておられますか。

○長嶋学務課長
 中央区におきまして、貧困の実態ということでございますけれども、今、委員が挙げられた例のような事態につきまして、私どものほうに相談というのは、現在のところ寄せられておりません。また、基本的には、貧困の部分につきましては就学援助という制度の中で、ある程度救っていくというような形になっておりますけれども、その部分につきましては年度途中の申請等も受け付けているところでございます。

 以上です。

○鞠子委員
 先ほど紹介した事例は、全国的ないろいろな事例を幾つか述べたと。私が聞きたかったのは、今おっしゃったような中央区の状況で、深刻な事態はつかんでいないというけれども、先ほど厚労省の生活保護受給世帯の増加のことも言いましたが、全国的に、そうした経済的困難に陥っている勤労世帯、子供のいる世帯がふえているという、これは統計的にも後で御紹介しますが、裏づけられております。そういう全体的な現状で子育て中の勤労世帯での経済的困難についてどう認識しているかと、そういうことを聞いているんです。

○齋藤教育委員会次長
 委員御指摘のように、新聞等でさまざまな事例、経済格差とも言えるようなさまざまな報道がされているところでございます。子供たちの貧困の実態の把握というのが非常に難しいというふうに考えてございます。先ほど学務課長が答弁しましたように、本区におきましては、各種の保護者負担の軽減あるいは就学援助、こういった施策を講じているところでございます。また、今後、国において新聞報道でございますが、貧困率についての調査を行うということも聞いてございますので、こういった調査を踏まえて適切な対応をしていきたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

○鞠子委員
 それも後で言おうと思ったんですが、政府は、今までの政権はですよ、あるところから、ある時点から貧困率などという発表をしなくなりました。それまでは消費を通じて、あるレベルのものを貧困ととらえて統計も出していましたが、前政権の間では、その発表をやめてしまいました。新政権は、今おっしゃったように、少なくとも全国的に経済的困難、勤労世帯の困難がふえていることは明らかだし、貧困が広がっているということがあるだろうということで、政府として、貧困世帯の割合を示す貧困率の調査に着手すると明言したんです、厚労省が。これは、政府も、今広がっている貧困の状況は深刻ではないのかという認識で、そういう調査に着手したということで、我々もこれは従来から言っていたことなので、私は一歩前進だと思います。問題は、その把握の後、どういう具体的な対応をとるかということで、私は、きょうは教育費ですから、教育の分野での経済的負担をその点で軽減するという形で、こういう事態に区の教育行政はどう対応するか、ここを聞きたいと思うんです。

 それで、最初にお話ししますが、就学援助で対応するんだと、こういうお話をされていました。就学援助のデータもいただいております。資料11を見ますと、2004年で援助者数が児童・生徒合わせて823名です。それが、いただいている資料では2008年でいくと968名、2004年比で117%という事態になっています。援助率は2004年では14.4%ですが、2008年では就学援助の援助率は16.7%、いずれも増加していると見ます。この背景には、子育て中の勤労世帯の経済的困難が反映していると教育委員会は認識しておられるのか。

○長嶋学務課長
 御指摘のとおり、認定率については上がっております。そういった意味で、就学援助対象者がふえて苦しくなっているということは認識しております。

 以上です。

○鞠子委員
 就学援助は、もう私が言わなくても御存じのとおり、経済的理由で就学が困難な児童・生徒、小・中学生について、保護者に支給する。対象となるのは、まず生活保護を受けていること、もう一つの対象は生活保護に準ずる程度に困窮している場合、準要保護ということです。中央区では、この2番に当たる準要保護の所得の基準は生活保護基準の何倍になっておりますか。

○長嶋学務課長
 生活保護基準の1.2倍で適用しております。

○鞠子委員
 この委員会に先立って、23区と比較したいので各区の状況はどうかということで、資料の要求をしたんですが、教育委員会のほうからでは、各区が公表していないのでデータは出せないと、こういうお話でしたが、それでいいんでしょうか。

○長嶋学務課長
 正確なデータは公表していないということにつきましては、就学援助の算定の仕方ですけれども、ただ単に1.2倍という話ではなくて、それぞれ生活扶助ですとか住宅扶助、教育扶助等に対して何倍かというような形になっております。中央区につきましては、すべて1.2倍ということで、こういった表現ができるわけですけれども、各区それぞれ、基本的には主に1.2倍でございますけれども、それぞれある部分は1倍で計算していたり、いろいろなことがありますので、一概にそういった数字は出せないということでございます。

 以上です。

○鞠子委員
 私たちは東京の区議団、市議団を通じて23区の状況をつかみました。それによりますと、就学援助基準で生活保護の1.1倍の区は足立、葛飾の2区だけです。1.2倍が中央、千代田、港、新宿など15区、1.26倍は台東、中野などの3区、その他は品川、江東、江戸川、こういうのが我々の調べたものであります。どちらにしても、生活保護基準の1.1倍ということで対象を一番狭めている足立と葛飾の2区、それに比較して1.2倍は多少対象が拡大されているにしても、この1.2倍では今の深刻な子育て中の勤労世帯などの経済的困難に対応するということでは、私は不十分だと。もっと就学援助の基準を引き上げるべきではないか、そのように考えます。私たちは、当面、生活保護基準の1.5倍くらいにはしなければならないのではないか、このように思っておりますが、区の考え方はいかがですか。

○長嶋学務課長
 認定基準につきましては、基本的には生活保護基準の1.2倍というような形で、今現在やっております。どこまでが十分なのかという部分につきましては、さまざまな議論があるとは思いますけれども、実際、先ほど申し上げましたとおり生活保護基準の1.2倍ということ。それから、実際、先ほど委員がおっしゃいました大体15区が1.2倍程度でやっている。また、現在、これで運用してきて大きく非常に困ったという御相談がない。こういった点から考えまして、1.2倍というのはある程度妥当な数字ではないのかというふうに考えております。

 以上です。

○鞠子委員
 それでは、中央区は1.2倍というのは、ここがいわば貧困の生活保護基準のラインから見て貧困に近い、貧困世帯、こういうふうになるとは思うんですが、それでは、日本で貧困世帯がどのくらいかという基準というのはなかなか定まっておりませんが、生活保護基準の1.4倍で、そこを下回る場合は貧困世帯と見る方法が伝統的にあります。同時に、勤労世帯に着目しますと、生活保護世帯の、いろいろ世帯構成数で変わりますが、勤労世帯の場合、その平均値に給与所得控除を加えていくと、こういう場合があります。それで計算しますと、子供がいる4人世帯でいきますと、勤労世帯ですから、生活保護世帯の最低生活費の全国平均値に給与所得控除を加えた額というのは幾らになるかということで研究者がデータを出しておりますが、4人家族で461万円です。生活保護基準の1.4倍をとり、今言った勤労者に着目すると461万円は4人世帯でとると貧困世帯だと、こう見るのが妥当ではないかとも言われています。その比率でいきますと2007年の貧困世帯の率は22.3%、勤労世帯だけでいきますと19%に当たるのではないかと推計しています。

 就学援助の基準というのは、いわばどこで貧困と見るか、経済的困難が著しいと見るかという問題だと思いますが、1.2というのは今紹介した基準から見ても、正確に貧困の実態を押さえた上での基準ではないというふうに思います。このままでいきますと、貧困世帯である、特に勤労世帯に着目した場合、そこの多くが1.2倍では貧困世帯であるにもかかわらず対象にならないということになりませんか。この辺はどういうふうに考えておられますか。

○長嶋学務課長
 貧困自体をどういうふうにとらえるかという問題だろうと思っております。そういった意味で、いろいろな御意見の中で1.4倍程度という報告があるということにつきましては、今、御説明いただきましたけれども、そういった考え方の中で23区とのバランス等も考えますと、今現在では私どもは1.2倍程度で就学援助として学校のほうに十分通える数字ではないかというふうに考えているということでございます。

○鞠子委員
 生活に困窮している世帯を対象に設けられている制度ですよ。教育委員会が生活に困窮しているという認識が、今の基準で認識していたら実態に合わないということを言っているんです。現実に進行している勤労世帯で子育て中の世帯の貧困は、非常に広がっている。それに応じて、今までの収入基準も改めるのが現行の貧困状態に対応する教育の行政としての立場ではないか、これを言っているんです。貧困ということをもっと深刻に把握して、正確に把握して、その状態をつかんでいくのが教育行政のもう一つの役割だと私は思うんです。このことを強くこの面では言いたいと思います。

 そのかかわりで言えば、毎回言っておりますが、小・中学校別の標準服、教材費等の保護者負担額も大きいんです。今回出されたのは、前回、予算委員会と同じ資料でありますが、19年度で見れば、小学校で4万4,771円、中学校で6万3,146円が1人当たりの学校徴収金の状況です。それに標準服が小学校平均で男子が約1万5,000円、女子が約1万7,000円、中学校でいけば4万5,000円と5万2,000円、こういう負担もかなり大きいものだと思うんです。こういう面について、教育費の保護者負担も軽減する、これもあわせて今のような経済状況の中で、区民を支えるという面で教育行政が果たさなきゃいけない分野の一つだと私は思いますが、この面の軽減策は具体的にやるおつもりはないと。いつも、受益者負担だから、これは当然だと。この認識は今でも変わらないんですか。

○長嶋学務課長
 義務教育あるいは教育費に関する自己負担の考え方につきましては、何回か御説明させていただいておりますけれども、個人の持ち物になるものですとか、あるいは個人にその利益が帰属するものについては個人負担だという原則は、今でも変えておりません。

 以上です。

○鞠子委員
 これはこれでやめますが、デンマーク、ヨーロッパの多くは、義務教育の段階は高校まで無償だと。教材費も含めてノートも支給される、林間学校の費用も公に負担する、個人がそろえるのはかばんと筆箱だけです。これは、デンマークだけでなく、多くのヨーロッパの国で当たり前になっています。これは国の問題ではありますが、こういう観点で事実上義務教育の無償化ということを実質的に実現しなければ、これは言っているだけで、中身が伴わないという無償化になるんじゃないでしょうか。この点、改めて強く今後改善するように求めておきたいと思います。

 次に、全国学力テストの問題を含めた競争的な日本の、特に教育制度に伴う子供たちのいろいろな問題をたださなきゃいけないのではないかという声が上がっております。私も、区民文教委員会でもこの問題を取り上げました。果たして全国テストの意義があるのかということで、何のためにやるかの根拠が崩れているのではないか、これは何も全国一斉にやる必要はない、抽出テストでも十分だというのが多くの意見として専門的にも出されてきているということを指摘しました。

 そこで、お聞きします。これも新聞報道ですから、まだ正確にはわかりませんが、新政権での文部科学省は、鈴木文科副大臣が、全員参加方式はやめると。サンプルを取り出す抽出調査に切りかえる方向で、今、最終調整中だと。一斉テストよりも抽出テストのほうが財政的にも費用削減できるんだと。大きな方針の転換が、今、最終調整に入っている、こうなっております。こういう政府の方針は、結局、全国一斉テストに対する専門的な立場、現場の立場、生徒のうめき声、さまざまな声に政府自身がこたえ、この方針を転換しようということを打ち出したことだと思います。このことについて、御見解をお聞きしたいと思います。

○和田指導室長
 全国学力・学習状況調査につきましては、全国的な教育水準の維持と、またそのさらなる向上という観点から実施されているものでございます。本区といたしましても、全国的な結果を受けまして、東京都、中央区の課題を受けて学校でどのように授業を改善していくかというところで取り組んできたところでございます。昨日、マスコミ等の報道もございまして、承知してございますが、抽出のサンプルで全国的な学力向上の水準の状況が把握できるのか、また、その維持に向けての方向性が見出せるのか、この辺につきましては、専門的な分析を聞きながら、国の動向、都の動き等も見ながら中央区として対応してまいりたいと存じます。

 以上です。

○鞠子委員
 文科省が最終調整に入ったというのは、一斉テストをやらない、サンプルの抽出テストに変更するということで最終調整したということですよ。見守る状況ではなくて、明確に一斉テストはやらない、こういう方針なんですよ。その認識はどうなんですか。

○和田指導室長
 文部科学省がサンプル抽出で十分であるという方針のもとに行うということであって、東京都がそれを受けて東京都の方針として、そのような形にしていくということであれば、中央区としてもそのような形にしていくというふうに考えてございます。

○鞠子委員
 東京都や国の動向を見るのも結構ですよ。しかし、大きな方針転換がされざるを得ない。なぜか。中央区の教育委員会が独自にこの問題点を洗い出し、そうすべきかどうかということを独自に判断して必要な意見を、都や国に上げるというのが中央区の教育委員会の役割じゃないでしょうか。上のほうの決定ばかり待つというのは少人数教育でも一緒ですが、ずっとそんな姿勢をやっていたら、僕は中央区独自の教育というのはなかなか見出せないんじゃないかと思います。勇気のある自治体もあるんですよ。御存じのように、犬山市は一斉テストに参加しなかった時期があります。あれは弊害がある、そんなことをしなくても十分生徒たちの把握ができるんだと、こういう前提で犬山市の教育委員会のように参加しないという決断をした自治体もあるんです。私はそれを言っているんですよ。上の動きを見るだけ、それは必要ですよ。独自にやはり中央区は、本当にこの全国テストの弊害があるのかないのか、是非を独自の立場で分析して、独自の意見を国や東京都に発信する、こういう独自性がなければ、いつでも上の決定がないと中央区の教育の方向というのは決まらない。これでは上意下達という教育行政と言われても仕方ないのではないでしょうか。この点でも積極的な意見表明を私はすべきだと思いますが、一言でそのつもりがあるかないかだけで結構です。お答えください。

○和田指導室長
 教育委員会としての話し合いは、まだ、なされてございませんので、今後教育委員会の中で検討を重ねてまいりたいと思います。

 以上でございます。

○鞠子委員
 ぜひ独自の立場を打ち出せるのであれば、やっていただきたいなと思います。やはり子供たちの悲鳴というのは大きいですね。おもしろくないと。中央区でもテストが3回あるでしょう。全国があり、東京都があり、区独自の学習到達度。テスト、テストで追いまくられる。家に帰れば、早く塾に行けと。

 これは08年の調査でありますが、文部科学省の調査で、学習塾通いの状況が月6.6回、小学校低学年、月謝1万2,000円、9時に帰ってくる子は0.3%、10時以降にならないと家に帰らないのが4.4%、中学生になると10.5回塾に通っている。2万7,000円。9時に帰ってくる子は34%、10時以降に帰る子が39%だと。この実態は異常じゃないでしょうか。学校で勉強した後、また夜に家族との団らんもなしに、塾に行く。そして、こんな10時以降に帰る子が中学生で4割だと。小学生ですら中低学年を入れると10%近くが夜10時以降にならなきゃ塾から家へ帰ってこないんですよ。

 こういうふうに、テストや進学で、試験、試験で、進学がそういうことで入試という問題があり、こうせざるを得ないという状況を生んでいるということは異常な事態だと私は思います。過度な競争的な教育が行われているということで、国際的にも日本の教育行政は注意を喚起されていますね。是正すべきだと。こういう実態について、子供の立場から見て、子供は喜々として、喜んでこういう実態を受け入れているという認識ですか。

○齋藤教育委員会次長
 委員おっしゃるように、過度の競争というのは私も好ましくないというふうに認識してございます。ただ、学校教育におきましては、適度な競争あるいは切磋琢磨する、こういった場面をあえて取り入れてくことが学習意欲の向上にもつながっているというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○鞠子委員
 さっきからまたデンマークを出すのも気が引けるんですが、デンマークでは受験競争がほとんどないんだと。まず、日本でいう小学7年生が終わるまで、日本でいえば中学1年生が終わるまでは点数のつくテストは一切やってはいけない。一切やってはいけないというんですよ。なぜか。民主主義の基本は、人が人として尊重され、自分に自信を持ち、自分の考えを主張できることであると考えると。だから、順位や成績をつけるためのテストは、日本でいう中学1年まではやってはいけないと。これが国の教育方針です。そのかわりに、自分の進路を考えることに大変重きを置いた教育になっています。その進路指導というのは、向こうでいう6年生から始まるんです。進路指導専門家がいて、さまざまな対応をしています。例えば、弁護士になりたいという人がいれば、弁護士事務所に、9年生ですから、日本でいうと中学3年、卒業ぐらいですね、どんどん行くと。つまり、点数で進路を、日本でいえば弁護士になるには今はロースクールに行かなきゃいけない。ロースクールに行くには、いろいろな試験を突破しなきゃいけない。そのためにはいろいろな意味で偏差値の高い学校に入ってというやり方だが、デンマークは違うんですね。そういうところに自分の進路を、自分たちが成人し、社会に出た場合にどういう仕事につくかということの選択に、小学校、中学校で一番重きを置いている。こういうことです。競争的に人から1点でも2点でもなんていう事態は全くないと。子供が塾通いなんて、全くない。必要ないんです。入学試験もなしだと。今言った義務教育を卒業する内容でいきますから、日本でいう高校入試はないんです。一定の課程が終わっているという判定があればいい。それから、大学へ行くのも、高校段階での試験が、卒業試験みたいなものがありますが、それに受かれば、基本的には大学試験なしで入学資格がある。しかも、大学資格があっても、すごいですね。すぐ行く人は少ないんです。大体1年ぐらい外国で労働したり、いろいろなところの、国内のいろいろな分野で働いて、自分は一体何をやりたいんだということを考える時間が1年から2年ある。大学へ入学する平均は22歳ぐらいだと。十分社会で自分自身が働き、見聞を広めて、私はこれになりたい、そういう目的意識を持って、大学に入ると。試験なしですよ。

 教育というのは、子供たちを将来自分の希望でいろいろな選択肢を、本当に社会に出て、どう社会に生かすかという立場で、ここが本来の教育であると思います。デンマークが全部いいと言いませんよ。デンマークにもいじめがある。学習についていけない。いろいろな問題もある。あるんですよ。理想郷じゃない。しかし、少なくとも基本的なスタンスが大きく違う。競争的でないこと、学費や教材費も含めて無償であること、入学試験が基本的にないこと、テストが基本的にはないこと。大きな違いだと私は思うんです。この点で、日本の今の塾の子供たちの比較で、どちらのほうが子供にとっていい、ストレスがない状況だというふうに教育委員会は考えますか。

○和田指導室長
 今、委員お話しいただいたことは、まさに教育の本質でございまして、私どもも考え方としては同感でございます。自分が何を目指して勉強していくのか、また将来どういう職業につきたいのか、そのためにどんな勉強をしていくのかということ、その可能性を探すのが学校教育であるというふうに考えてございます。その点においては、全く同じでございます。

 ただ、例えば先ほどの全国学力調査にしても、東京都が行っております学力調査、本区がやっておりますサポートテストにしても、これは点数によってその子供たちを競争させよう、競わせようというものではございません。自分が何を勉強したらいいのか、これから自分が目標とするところは何か、そういうことを子供たち自身に発見させる、気づかせるためのテストでございますので、そういう点では進路イコール進学という考えではございません。自分の進路を見据えて、これから何をなすべきかということを見つけさせるためのテストであると、そのように認識していただければと思います。

○鞠子委員
 しかし、実際は入試制度とのリンクで、しかも入試のテストの仕組みからいって、そうじゃないじゃないですか、実態は。偏差値も含めてですよ。大学の場合、偏差値も非常に重視される。つまり、そういう関門をテストを軸にして突破しないと、進学そのものができないという状況だから、各家庭は必死に小学生から塾に通わないと、まずおくれると。点数が競争相手よりも低ければ、おまえの将来はないんだと、そういうこととセットで、今、追い立てられているのが状況じゃないでしょうか。ここを直さないと、本当に子供の学力や子供の自立心や、本当に必要な日本国民としての基本的な資質や将来に対する見通しも含めて、自信を持った子供が育たないじゃないですか。そこをどうするかこそ、今、教育改革で問われていることだと私は思います。その基本は、デンマーク、理想じゃありませんが、室長も言った教育の目的にそこは合致しているわけだから、そういうところを具体的にどうするかということを私はすべきだと思います。

 次の質問ですが、私が心配しているのは選択制の問題です。

 選択制の問題では、既に品川区や江東区、練馬区ではかなり大規模にやっています。現在、特に練馬、江東では見直しが始まっておりますが、弊害が出てきたということです。

 最初に聞きたいのは、中央区は、今、特認校制度や中学校の選択制を敷いております。これは、練馬、品川、そして江東区でやっているように選択制を、区の教育制度としてですよ、選択制を将来の目標に据えて行っているんですか。それとも、それとは関係なしに行っている制度なのかお聞きしたいと思います。

○長嶋学務課長
 選択制については、委員御指摘のとおり、特認校制度ですとか自由選択制、隣接校選択制、さまざまあります。その中で、私ども、小学校については特認校制をやっている。ただし、特認校制が完全な自由選択制を目指して、ワンステップとしてやっているのかということであれば、そうではございません。あくまでも学校づくり検討会の中で地元の教育を大事にしながら、地元校を大事にしながら、一定程度の保護者の方の選択というのを認めていこうと。ついては、学校の環境を悪化させない程度であれば、それを認めていこうということで特認校制度を導入したということでございます。

 以上です。

○鞠子委員
 大変この問題を研究している学者グループがいます。一橋大の大学院の中田助教授などの研究者が東京地区の調査グループということで、学校選択制について、足立区、目黒区、日野市、八王子市について研究しました。ここでは学校選択制で学校間の序列が固定化すると。たくさん集まる学校、がらがらになる学校、そういう結果が生み出されていると。学力テストがそれに拍車をかけているということでした。

 私が言いたいのは、中央区の問題です。区民文教委員会に9月3日、小学校特認校制度に関するアンケート調査結果というのが報告ありました。これを見ますと、当初、区立小学校を選択するに当たり、何を基準に考えたかということで、いろいろ出ています。通いやすさということ、校風・伝統、これが大体2割近いですね。ところが、区立小学校選択制に当たり、通学区域の学校などを考えたという人は1.2%しかいない。1.2%ですよ。それで、では特認校を選ぶのに、どんな情報を参考にしたか、父母に対して聞いています。これについては、友人・知人からの情報や評判、これが最も多くて4人に1人、25%がそうだと。学校の説明会を聞いたというのは4分の1だと、こういうことになっています。私が心配するのは、友人・知人からの情報や評判というのは、学校を決める際の有力な情報になっている。ここに風評ということと、あの学校はよいという場合に、例えば小学校ですから、私立中学校への進学率がいいんだ、点数が高い子がいるんだ、こういうのが事実かどうか確かめられて選んだとは思わないですね。これが評判とか風評になって学校を選択する基準になると。ここに私は大変危惧を持っております。

 それで、結果についてですが、何学校がどのぐらい入ったか。泰明小学校が、実に53.3%ですよ。ほかは大体1割台という結果が出ています。そうですね。最終的に学校は何小学校ですかというアンケートです。結果として、こういう結果を生んでいるということは、何を情報にして選んだかということとリンクしている問題じゃないですか。ここに一つの問題が私はあると思うんですが、そういう風評や評判というのが重要な選択基準になっていることは認識していますか。

○長嶋学務課長
 特認校制を検討する際に、教育の中央区学校づくり検討会というものを設置して検討させていただきましたけれども、その中で、実際こういった制度が出た場合、何を一番参考にするかという話の中で言えば、友人・知人からの評判というのが1位で圧倒的に多いというのは事実として既にわかっていたところでございます。

 そういった中で、では、どんな事情があっても、一律にもう選択はしちゃだめよと、例えば非常に細かい話になりますけれども、地域の中で同じ学年の友人同士でうまくいかなくなって、違う学校へ行きたいとか、そういったケースもお話としてはあろうと思いますが、そういった個別の事情をすべて一律だめですよという話ではなくて、ある程度認めていくべきじゃないのか、そういった議論を学校づくり検討会の中でさせていただきました。ですから、そういった意味で、この特認校制度を制度設計するに当たりましては、学校説明会への参加を完全に義務づけると。そういった意味で、今回のこのアンケートにつきましても、友人・知人からの情報、評判というのと同じレベルに学校説明会が非常に参考になったと言ってくれている。これはむしろ私どもとしては非常にありがたいなと思っているところでございます。

 以上です。

○鞠子委員
 一橋大の調査グループが足立区の調査で、足立区の場合は、05年度から区独自の学力テストが実施され、学校ごとに成績を発表した。05年度の学力テストの結果と06年度の入学応募者数の関係を見ると、学力テストの成績上位校に応募者が集中して、下位校は定員よりも下回っている調査結果が出てきたと。私が恐れているのは、さっき言った全国テストは公表しろという父母からの裁判で情報公開請求が却下されたのは不服だと。全面的に学校別の公表をしろと、こういう訴訟も起きていますよ。文科省は困っちゃっていますよ、今。そういうことをしないで実施しているのに、父母のほうは発表しろと、こういう一部の父母もいて、裁判の訴訟になっています。足立区はもう先行して、公表したという事例があるから、結果として、先ほどの風評、評判は学力テストの公表された学校別の結果が物差しになって、テストの成績がいいからということで集中した。テストと選択制が結びつくと、こういう弊害が出ると。

 門前仲町を抱える江東区では、制度はそういう制度でしたが、こんなことではだめだと。特に、門前仲町あたりのところでは昔からコミュニティが存する下町だと。祭りや子供会を通じて地域と学校の結びつきは極めて強いんだと。江東区での選択制によって、それが断ち切られたと。そんなことはまずいんだと。町会の運動会、祭りの参加、クリスマス会、もちつき、住民懇親会、町会レベルで子供が参加するケースが多数あった。地域に子供がいて、地域と密着するからこそ成り立ってきたコミュニティです。それが学校の選択制導入で、好きなところを選べるようになった。こんなことでは門前仲町のコミュニティ、昔からの地域性がなくなってしまうというので大きな異論が出たんです。そして、制度全体を変えないが、江東区では見直しを始めると、こうなっています。

 私が最初に聞いたのは、ほかの区で導入しているような選択制の全面導入のための特認校制度であり、中学校の選択制も事実上、枠を取っ払えば、全く自由選択になれば、同じことになる。そういう方向に向かうのか、それはまずいんじゃないのと。先行しているところでは、今、いろいろな問題が指摘され、見直しで変えようというところが出てきているということを指摘しているわけですよ。ということなので、テストと選択制とが結合するような仕組みは、絶対に中央区では導入すべきでないというのが私の意見ですが、御見解をお聞きしたい。

○長嶋学務課長
 選択制の中身といたしましては、基本的には一人一人に合った学校を選ぶということ、これにつきましては全く同じでございます。ですから、単一の、例えば、それが学力あるいはこの地域にいるからとか、そういった単一の価値で1つの学校に集まるということは、基本的には私どももいいことではないと思っています。そういった意味で、この特認校の導入に当たりましては、まず最初に地域の学校を十分理解してくれということで、パンフレットにつきましても特認校だけでなくて自分の学区域の16校すべてを理解してください、その上で、できれば、基本的に言えば地域の学校をみずから主体的に選択するという世界が一番正しいんだと。とはいいながら、いろいろな事情もある。お子さんが小さいので、余り大きな学校に行きたくないとか、そういった場合についてのある程度の選択肢の幅を広げようというのが特認校の考え方でございます。

 以上です。

○鞠子委員
 重ねて聞きますが、では、区の行っている特認校制度も含めた選択制は、他区で見直しを迫られているような学校選択制、品川、練馬、足立、江東区などで行われているようなものとは違うんだ、そういう仕組みは導入しないんだ、そういうことなんですね。

○長嶋学務課長
 完全な自由選択制、全区で一律の自由選択制ということに関しましては、もう既に教育の中央区学校づくり検討会の中では、余り好ましくないだろうという形で結論が出ております。また、今後、それぞれの時代とか状況が変わりましたら、また同じようにそれぞれ検討していかなければいけない課題だと思いますが、今現在は自由選択制、小学校においてはですが、小学校においては完全自由選択制についてはとるつもりはございません。

○鞠子委員
 中学校では一定の枠はありますが、これをさらに拡大して、中学校では全面的な選択制を敷くということはないんですね。

○長嶋学務課長
 中学校におきましては、実際に区立の中学校に通われている方が大体5割程度にしかすぎないということ、そういうこともありまして、基本的には自由選択制という考え方をとっております。ただ、今現在、教室の問題ですとか、あるいは余り多くの人数をやってしまったらいかがなものかということで、一応40人という枠をとっております。しかしながら、今現在、状況を見てみますと、大体希望者は全員それぞれの学校に入学できているというような状態でございます。

○鞠子委員
 私はやはり学校は地域に根差して地域が教育力を発揮する、地域の教育力の発揮、こういうことで地域が子供を育て、子供は地域によって育てられ、学校と地域が密接に連携することで、本当に目の届く、顔のわかる範囲で子供たちの成長を学校も地域も見守れる、当たり前の本来の姿だと思うんです。それが進学だのということが大きな動機になって、学力というのをテストの点数ということで一つの側面でしか判断しないことで、それがひとり歩きするようなやり方は絶対にすべきじゃない、私はそう思うんです。ですから、これ以上、選択制を拡大したり、一般的に拡大するようなことは、ぜひやめてほしいというのが父母の声ではないでしょうか。ただ、父母の中にも、先ほど言った、よい進学校という意識が強いことは確かです。それを正していくのも教育行政のあり方じゃないでしょうか。

 その意味で、私は公立学校が本当に力を発揮して、私学に半分以上の子が行ってしまうような事態を公教育の実力でそんな事態が起きないように、そういうことをつくることこそ区の教育行政が全力を挙げて行うべきことではないかということを強く要請して、質問を終わりたいと思います。

○礒野委員長
 次の質問者の発言を願います。

○小坂委員
 では、よろしくお願いしたいと思います。

 平成20年度の目玉はフロンティアスクールでした。この委員会の前に常盤小学校、城東小学校、阪本小学校を訪問させていただきましたけれども、常盤小学校では改修、城東小学校ではきめ細やかな指導、阪本小学校では先ほども申されたように環境と、さまざまな取り組みをされていて、やはり教育の中央区というのを私は肌で感じました。この教育の款もわくわくする款だなと、改めて感じております。

 ただ、今回の私の決算特別委員会の山は、今まで決算特別委員会、予算特別委員会、4回連続出させていただいておりますけれども、今までは土木建築費が自分の山だったんですけれども、今回はここ、教育費が自分の山であります。

 始めるに当たりまして、もしお持ちでしたら、3冊報告書を準備ください。小学校改築計画策定調査報告書、中央区学校教育検討会報告書(平成18年2月)、それと教育の中央区学校づくり検討会報告書(平成20年3月)、この3冊がお手元にあれば御準備ください。

 では、始めさせていただきます。

 まず、小学校改築、まさにこの3冊がかかわってくるんですけれども、小学校改築です。

 まず、1点目、策定調査報告書は326万余りを決算で計上されております。これは外注ですか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 これにつきましては、委託をして進めたものでございます。外注で委託契約を結んで調査を進め、検討を進めてきたところでございます。

○小坂委員
 外注ということで、こちらがつくったものではないということで確認させていただきます。いいんですよね。外注ですよね。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 調査につきまして委託をしたものでございまして、その内容を踏まえて、検討は教育委員会でしたものでございます。

 以上であります。

○小坂委員
 では、次にいきますけれども、まず小学校改築なんですけれども、結論からいいまして、京橋地域に3校は要らない。それよりは月島地域に1校つくるべきだと考えます。それは置いておきながらも、これが一番言いたいところなんですけれども、まず小学校改築が、今、述べられてきているところなんですけれども、まずこの決定のプロセスに誤りがあり、計画ありきで進めていると思います。5つ理由を述べます。

 まず、理由のその1は、区議会に対して正しいプロセスを経て計画が進められておりません。基本設計を、予算審議する予算特別委員会で判断材料としてとても重要な意味を持つ小学校改築計画策定調査報告書、ここには残念ながら平成21年3月と書かれておりますけれども、これが、私は何度も請求しましたけれども、予算特別委員会では提出されずに、我々議会に提出されたのは、明けて4月20日の区民文教委員会でございました。一方、予算が通っていないのに3月10日、3月6日には、予算審議最中でありますけれども、改築準備協議会はもう始まっている。そのようなことで、きちんと予算審議の前に判断材料となるようなものが提出されずに予算が進んでしまっているというふうな状況です。これは一つの事実として述べさせていただきます。今後、予算特別委員会におきましては、このような報告書とか計画が出たのであれば、これは2月中に私たちに渡していただき、予算特別委員会までに出していただきたいと考えます。決算特別委員会前に行政評価書が欲しいという同様な思いで申し上げさせていただいております。このあたりは事実として、これは回答は要りません。

 2番目の、この決定のプロセスの誤りを述べますと、これは区民に対して、正しいプロセスを経てこの計画をつくっていないと私は考えます。関心のある皆様が傍聴可能な公開の場で検討するのが本来のあり得る形です。多くの住民、区民の十分な意見を聞くことなく、この計画を進めていると私は考えます。実際に、これは改築に対して反対の声を多くの人が述べているにもかかわらず、その声には耳を傾けようとしておりません。私、結構ここの小学校のお母さん方と明石、明正、中央小学校、よくお話しするし、実際に生徒ともお会いして話すんですけれども、改築に関して、いいねと言った人はいません。大抵の皆様が、何でこんなことするのというふうな御意見です。それはそれとして、明石小学校PTAから学校改築に関してのアンケート結果が届いているとお聞きしますが、それはどのような趣旨のものであったかお知らせいただければと思います。この部分だけ、そのアンケート結果がどのようなものか私自身知らないので、それが改築賛成なら、それはそれで一つの声として私はここで受けとめたいと思います。

 3つ目は、中央区基本計画2008がありますけれども、そこにおきまして、何の根拠もなく3校改築と計画を書いていると私は判断します。同時期に出された教育の中央区学校づくり検討会報告書(平成20年3月)で第6章の「おわりに」において、昭和初期に建設された小学校の改築に関しては具体的に議論できなかったと明記されているんです。恐らく同時期に書かれたこの学校づくり検討会がもとになって平成20年の計画2008がつくられたと思うんですけれども、ここに当たってみると今のようなことで、改築に関しては具体的な論議はなされていないんですよ。それなのに、この中央区基本計画2008では3校改築しようというふうな結論を出してきている。その点におきましては、この2008年の3校改築の根拠を教えてください。何を判断材料として3校改築の御提案をしてこられたのか。

 決定のプロセスの誤りの4点目は、専門家や学識経験者の分析を経ていないと思います。これは経ていたら経ていたでいいんですけれども。1つ目として、小学校改築計画の計画書ですね。ここに専門家や学識経験者の分析が入っていないんじゃないでしょうか。もし入っていたら、教えてください。それと、今進んでおりますところの小学校改築準備協議会においても、専門家や学識経験者が入らずに進められているという状況です。専門家や学識経験者が会長となって、そういう協議会を進めていくのが一番好ましい形でありますけれども、もし専門家や学識経験者が入っているなら、どなたで、その方の所属はどちらでしょうか。

 最後に、またこれも一番大きなお話ですけれども、実際に小学校改築計画策定調査報告書、これ自体が誤りではないでしょうか。誤りと申したのは、もし言葉が過ぎれば、事実の過大評価、データの過大評価をして結論を導き出しておりませんか。

 それの具体例を申しますけれども、この調査報告書は3つの視点で書かれておりますけれども、3つの理由、分析のもと、改築対象校の選定をしたというふうになっております。3つの理由の視点3というところの改築に関するこれまでの経緯というところに、中央区学校教育検討会報告書(平成18年2月)では、中央小学校、明石小学校、明正小学校の3校は校舎改築等を含むあり方について、地域の方々などとともに協議を進めていくことが望ましいというふうなことがこの報告書の中で書いておりますが、この報告書に当たってみましたが、そのようなことが書かれている部分はございません。もしそれを書かれている部分があるのであれば、私の見落としですので、そこのページを指摘してください。それよりは、この報告書をきちんと読み込んだのであれば、この結論はどう書くべきかといいますと、この報告書の29ページに、これからの小学校のあり方で、中央区の学校のあり方に関する現状と課題において指摘した月島地域の人口増への対応策としては、学校の新設が考えられます。しかし、区の人口推計によれば、学齢人口は平成30年ごろをピークに減少することが想定されること、都心における学校用地確保が困難であること、他の学校における余剰教室の有効活用によって、増加する児童数への対応が可能であること等の理由から、教室不足に対応するための小学校新設の必要性は低いと考えざるを得ませんというふうに書いているんです。本来、この結論をここに持ってくるべきじゃないでしょうか。

 もう一つ理由は、引き続きもとの計画策定書に戻りますけれども、文章は続いております。この報告書があって、中央、明石、明正小学校の校舎改築等の地域の協議会をつくることが望ましいとしたという文章の続きに、また、教育の中央区学校づくり検討会答申(平成20年3月)では、地元協議会から要望があった、昭和初期に建設された小学校の改築について、今後地元との協議を踏まえながら、計画的に改築を進めていくことを望むとの考え方が示されたと書かれております。その該当箇所に当たりますと、該当箇所は6の「おわりに」というところに書かれているんですけれども、そこでは、地域協議会からも要望があった、昭和初期に建設された小学校の改築に関しては具体的に議論できなかったが、今後地元との協議を踏まえながら、計画的に改築を進めていくことを望みたいと書いております。あたかも何か議論がなされて、この3校の改築を望むという考え方があったというふうな書き方をしているのに、そうではなくて、その引用した部分では具体的な議論は一切なされておりませんというほうが重要じゃないですか。それを抜かして、ただ後半の文章だけ入れているわけなんですよ。このような書き方、論文の引用の仕方は科学的な論文であればデータの、言ったら、言葉は悪いですけれども、捏造にも当たるんじゃないでしょうか。なので、少なくとも、今言った中央区学校教育検討会の報告書におけるそのページがもしわかれば、どこにそのようなことが書いているのか教えてください。そこだけで構いません。

 5つの理由ですね、区議会への説明がないということ、2つ目に区民への十分なプロセスを経ていないということ、中央区基本計画2008への3校選んだ根拠がないということ、4点目に専門家や学識経験者の分析がないということ、5つ目にこの報告書自体が誤りであるということ、これらのことで、私はこの学校改築に関しては区のあり方は考え直したほうがいいんじゃないかなと考えております。それぞれの質問にお答えください。

○齋藤教育委員会次長
 質問が多岐にわたってございますけれども、まず区議会に報告がなされていないという最初の質問でございます。

 この報告書につきましては、3月に策定をいたしまして、4月の区民文教委員会のほうで報告をさせていただいているというふうに認識を持ってございます。

 それから、反対の方が非常に多いという委員の御紹介がございましたけれども、私どもは反対の声はほんの少数。ないとは言いません。確かに反対をされている方はいますが、大多数の方は賛成をしていただいているというふうに認識しているところでございます。ただ、賛成の方の中にも、学校の敷地内に改築の仮校舎をつくるということに対して工事中の不安、この辺は皆さん、多くの方が不安を感じているということがございました。そういったことがございましたので、我々もその改築工事期間中の安全性については専門家といいますか、技術部門の職員も同行いたしまして、安全性について最大限配慮していくということの御説明をさせていただくと同時に、現在同じような形で学校改築を行っている他区の状況も視察をいたしまして、その辺は不安の解消はされたというふうな認識を持っているところでございます。

 それから、次に、PTAのアンケート結果でございます。

 これについては、現在、協議会の中でこの学校改築の話を進めさせていただいてございます。その中のPTAの役員の方がPTAの代表として参画をいただいているところでございますが、このPTAの役員の方々がより広くPTA保護者の方の御意見を集約したいということで、PTAの役員の方々が自主的に実施をしたアンケートでございます。このアンケートを見させていただいても、非常に賛成であるという声があったということも御紹介させていただきたいと思います。

 昨年の12月にこの報告書をまとめた中間のまとめというものがございます。これも12月の委員会の中で御報告をさせていただいている。その後、報告書ができた段階で、さらに4月に委員会で御報告をしているという経緯でございます。

 それから、次に、改築をやる根拠がないではないかというような御質問でございます。

 これは、報告書を委員もお読みいただいたと思いますが、3つの視点といいますか、今現在、この3校が抱えている課題、まず明石小学校につきましては、当然、学校の築年数が長いということの老朽化に対する対応、それから、今後、明石小の学区域の児童がふえてくることによって教室が足りなくなるという状況を、今、予想してございます。教室が足りなくなるということは、学校設置者であります我々教育委員会としては、こういった状況が生じるということは避けなければならない。当然のことでございます。そこで、明石小学校については改築をする。それから、中央小学校につきましても、これは説明をさせていただきますので省略しますが、それぞれ学校の課題を解決する上で改築が不可欠であるというような結論を出したところでございます。また、地元の皆様からも非常に強い御要望をいただいているということでございます。そういったことから、今回、3校の改築に至ったと。

 当然、改築対象としての検討は、老朽化が著しいというか、築年数が80年を経過してございます7校を対象に、どの学校からまず改築をしようかという検討をした上で、この3校が緊急性が高い、優先順位が高いという判断をして建てかえ対象とさせていただいたところでございます。この建てかえ対象とした時点では、当然、その学校の関係者、地域の皆様とお話し合いもさせていただきながら、この基本計画2008の期間内における改築ということで3校を選ばせていただいたというところでございます。

 それから、専門家や学識経験者の分析を経ていない、入っていないかどうかということで、これは入ってございません。我々、教育の専門家といえば専門家でありますし、学校の校長先生、この方も教育の専門家でございます。

 改築協議会については、専門家というのは、教育の専門家は入ってございます。

 それから、小学校の現在の進行している小学校改築協議会、ここについては同様でございまして、教育の専門家として学校関係者が入っていると。当然、教職員も含めてメンバーで構成してございます。

 それから、すみません、質問が幾つか漏れているかもしれませんので、また後ほど御答弁させていただきます。

○小坂委員
 それぞれありがとうございました。

 もうお答えは要りませんけれども、中央区基本計画2008の根拠は何かとなった場合に、いろいろと今ある根拠で中央区区本計画2008の根拠があるというふうな、逆に戻っての言い方なんです。中央区基本計画2008が3校改築しましょうという根拠はないんですよ。それはもう時間がないので、これはまた後ほどということで、いいです、ここは議論をそれ以上は。

 それで、おっしゃるように、この改築の分析の中で建築の専門家は入っていないんです。そこが問題で、なぜなら、改築の1つの理由としての耐震性、耐久性、老朽化、そのあたりの問題に関してですが、これらは全部復興小学校であります。復興小学校のつくりは頑丈であり、多くの建築家が認めるところであります。このことは、この計画策定の報告書自体も述べていますよね。このうち、大正から昭和初期にかけて建設された小学校7校は、震災復興小学校として建設された鉄筋コンクリートづくりの堅牢な建物であり、これまで学校運営に支障ないよう、施設の維持管理や必要な改修を行っている。

また、耐震対策については、平成9年に必要な補強工事を終了し、すべての学校施設で耐震基準を満たしているということで、しかしということで取るに足らない理由が次に続いていますけれども、堅牢であるということを認めていらっしゃるんですよ。

 かつ、これは多くの建築家や建築の専門家も述べているところであり、「日本建築学会学術講演集」では、「東京における関東大震災後の復興小学校の転用・利活用」という論文の中で、仮に、新耐震基準に適合しないなどの場合にも安置な解体は慎み、地元はもとより有識者を交えて保全・継承の検討を経る必要があろう。現存する復興小学校の状況はさまざまであるが、その存在は、我が国の近代建築・近代都市計画史上貴重なだけでない。学校や地域に根差して紡がれた多様な個人史と大きな歴史とのかけ橋ともなる幅広い物語性を発揮するものであり、校庭や隣接する復興小公園等のオープンスペースとあわせて、地域コミュニティの核として今後も地域の結節性を保ち、多様な利活用の可能性を有している。これらを踏まえながら、今後のまちづくりを考える上で復興小学校は、極めて重要な地域振興の資源として再評価されることを切に望むものである、というふうに結論づけられております。

 実際、さらに分析するのであれば、東京都選定歴史的建造物として指定された泰明小学校、昭和4年、常盤小学校、昭和4年、中央小学校も昭和4年ですけれども、泰明と常盤は保存していくわけですよね。泰明と常盤は、そうしたら何年持たすおつもりですか。ちなみに、明石は大正15年建設なので82年経過、明正は昭和2年建設で81年経過というふうになっておりますけれども、実際に泰明と常盤は残していくんですよね。同じ論理で残せるわけです。ですので、泰明とか常盤は今後何年ぐらい残すおつもりですか。さらに、実際、十思小学校は解体することなく、現状を生かしてリフォームしているわけです。ボランティアセンターや十思保育園として再生しました。この十思小学校はいつ建てられて、今後この保育園は何年残していくおつもりですか。

 この3校は、実際に学校教育に支障なきように十分な修繕も繰り返してきているわけであり、バリアフリーすべき箇所は存在しているんですけれども、十分に屋上改修、外壁改修、校庭改修、床内部改修をしてきているわけでありますので、改築の対象とされる学校はそのように修繕されてきているので、泰明や常盤は実際に何年もたすおつもりですか。それと、十思小学校は何年もたすおつもりですか。そこだけ、何年か、簡単ですが、答えてください。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 泰明、常盤小学校でございます。こちらにつきましては、東京都の選定歴史的建造物に指定されてございます。報告書のほうでも御案内しているのは、保存あるいは再生というような形の検討あるいは、これから調査をしていくという内容で報告をさせていただいております。あくまでも保存を前提ということではございません。先ほども建築学会の報告書のお話がありましたが、あくまでも転用とか利活用という中で、今現在、学校施設として使われていない建物については、そういう検討も必要かと感じてございます。しかしながら、今現在、実際にお子さんたちが通う学校施設として、この課題を解決していく。そういう中では、やはり施設の課題は、現状の復興小学校のコの字の校庭を囲むような形のままでは十分施設の改善が図れないものと考えてございます。そういう意味で、改築ということで進めているところでございますが、泰明、常盤小学校につきましても、そういう考え方で何年というような、保存というような考え方はございません。

 また、先ほどの十思小学校でございますが、こちらにつきましては、昭和3年に建てられた建築でございまして、やはり震災復興小学校でございます。こちらにつきましては、御案内のように、今現在は、複合施設として十思の保育園も整備されました。この建物の内部のリフォームあるいはリノベーションという形で改修して使っているところでございます。

 以上でございます。

○小坂委員
 それですので、実際、泰明とか常盤、また十思ですね。十思のように解体することなくリフォームすることで使っていけるわけです。今問題になっております明石、明正、中央の3校におきましても、この考え方で少なくともいくべきだと。十思小学校ではエレベーターもつけることができましたし、バリアフリーも達成できたわけです。この考え方でやっていけると。泰明とか常盤もまだまだ保存していくと。皆様が建築の専門家を入れずにつくられているより、建築の専門家をもっと入れて考えたら、安易な解体・新築は結論としては出ないわけです。ですので、そのあたりをまた今後考えていただきたいと思います。

 教室数に関しておっしゃっていましたけれども、教室数に関しては、昭和62年、1987年には中央区には5,280名、学級数が183ありました。そこまで、5,280名まで、今は4,540ですが、そこまではキャパシティーはあるという見方もできます。今後、児童数の推計を出していただいておりますけれども、平成20年には4,540、平成22年には4,835、平成30年には5,634名ということで、だんだんだんだんふえていくわけですけれども、ふえていく場所はどこかとなった場合に、これは京橋ではなくて月島ですよね。だったら、余り増加のないところに3校教室をふやすという考え方は誤っているわけです。

 教室数に関して、資料166で出していただいておりますけれども、すべての学校において特別教室というのがあります。これがたくさんあるわけですけれども、これは、今、使っているといえば使っておりますけれども、中央小学校で特別教室が10、明石小学校で特別教室が11、明正小学校で特別教室が13ということであれば、6つ教室に使ったとしても、まだ余裕があるという判断もできます。実際に、教育の中央区学校づくり検討会報告書、平成20年3月のところでも、3ページのところにおいて、実際に先ほど読みましたけれども、小学校施設の状況において、今後、児童数が増加する学校においては、当面、余裕教室で対応していくが、その後はその他の欄に記載している部屋を、特別教室とかだと思いますけれども、普通教室に改修することを検討する必要がありますということで、学校を、先ほどの3校、明正、明石、中央を解体して新校舎を建てるというふうな考え方ではなくて、教室の変換、教室を改修していくということが一番我々が考えるべきことであると考えます。この考え方をもっともっと取り入れていっていただきたいと要望いたします。

 ここに関しては、別に御回答は要りません。

 実際に、私は、結局、この報告書が建築家とかの建築分野の専門家を入れずにつくられているわけですから、なかなか3校を、言い方は悪いですけれども、この明正、明石、中央小学校を標的にするような考え方で書かれていると思うんです。まず、7校を選択すると。建てたのが古い順から7校を選択したと。そこで、分析の中で児童数の推移を評価している。7校の中でしか児童数は評価していないんです。でありますので、これは中央区の全体の中で児童数は評価すべきなのに、何の理由もなく選んだ、古い順番に選んだ7校をまずピックアップして、それで、その中で児童数の増加を比較、検討して3校選んだと。3校が選ばれるようにして報告書を書いたと理解できます。これも別に私の分析であり、回答は要りません。

 結局、このような安易な解体して新築するというふうな、このまま進めると、これは先ほど引用させていただいた論文にもあるように、地域の大切な宝でありますところの、また地域の大切な心のよりどころであるところの校舎がつぶされる。また、将来の子供たちは風格、伝統、文化の薫りの漂う学びやで学ぶ機会を逸してしまう。そして、何の根拠もなく、罪もない子供たちが改築の間、プレハブで生活するという労苦をなめさせられるというふうなことになりますので、結論として、やるべきことは京橋地域ではないんじゃないんですか。中央区基本計画2008に書いておりますように、地域の人口別の比較がありますよね。京橋地域は、平成20年から平成30年に人口増加は5,546人、日本橋地域は7,564人、月島地域は1万3,560人。ということは、このデータから類推して、小学校の人口の伸びもどこが高いかというと、それは月島エリアであるわけです。ですので、3校の改築よりは、その金を本当に小学校の教室が足りなくなる月島エリアに、もう一度考え方を直すべきだと私は考えます。

 実際に、それですので、やめてくださいとまでは言いませんので、もう一度、公開の検討会を、朝潮運河にかかる歩行者専用橋のところで検討会を設けたように、今回、公開の検討会をもう一度つくって、建築の専門家を交えた公開の検討会を設け、ついでに言いますと専門家を会長として、そして中央区の全体の小学校の施設のあり方をもう一度、もむというふうな検討会をつくるべきだと私は考えます。本当にすべきことは、京橋地域の一番人口の伸びが少なかった部分の3校よりは、まずは月島、晴海、そこをどう手を打っていくべきか。2008の10年間で京橋地域の3校に力を注ぐべきなのか、それとも一番人口がふえるであろう晴海地区に力を入れるべきなのか、そのあたりをよく考えていただきたいと思います。

 この考え方に関して、後で答弁いただければと思います。

 次の話題に移らさせていただきます。あとは小さな話題になります。

 振興基本計画と生涯教育に関してなんですけれども……。

○磯野委員長
 では、一たんここで切っていただいて、今の御答弁をお願いします。

○髙橋教育長
 ちょっと基本から少し確認させていただきますけれども、月島地域は新増築なんです、対応するとしたら。今話題になっているのは改築なんですね。それは分けて考える。それはいろいろ議論あります。このままでは月島地域は足りないじゃないかという御心配もあろうかと思いますけれども、私どもは当分は対応していけると。ただ、再開発の動向については注意深く見詰めていくと、そういうふうにたびたび御説明申し上げています。

 今、基本計画で載せたのは改築です。改築は、子供たちがいる学校ですから、耐震性はすぐ調査して、地震で壊れないようにはしました。ただ、古いんです。機能的にも劣化しています。まず、一番わかりやすいのは、体育館は屋内体育館ではなくて講堂なんです。わかりますよね、現場を見ておられると思いますけれども。たびたび要望が出ています。だから、体育館だけ改造すればいいんだというお考えもあるかもしれませんが、その他、教室も狭いんです。60平米ないんですから。昔の寸法なんです。今は机も大きくなりまして、それなりの定員を入れたら狭くなるんです。

 何よりも、地域の方々からのそういう要望が強いんです。急に出てきたようなお話がありましたけれども、全然そんなことはありません。3期6年検討している中で、最初のころはソフトの話が多かったですけれども、メンバーの方はみんな改築はどうするんだということを頭に置いて、折に触れて発言されながら来たんです。その上で、学校づくり検討会では、先ほど御指摘ありましたけれども、具体的な検討云々ありましたけれども、話が出なかったんじゃないんですよ。ただ、優先すべき課題があったから、そちらを重点的にやったので、全員の方が、改築も大事なことだと。大事なことだからということで、全員の総意で、あの報告書は取りまとめられたんです。その辺のところをよく御理解いただきたい。

 それと、専門家が震災復興学校を残すべきだと。そういうお考えもあるでしょう。ただ、中央区から見れば、残るに適した学校は東京都の建造物の指定も受けていますから、残す方向でやっています。地元の要望の強い地域については、これはもう改築していくんだ、よりよい学校にしていくんだと。これは行政のそういう考えで、議会のほうのお考えでも、私は大方御理解を得ながら進めてきたと思っています。

 その辺のところをよく御理解いただいて、月島地域のところにつきましては、全然放っておくということではないんですから。私どもも開発動向を見ていますけれども、御案内のように晴海四丁目だって動いていません。昭和60年代初めに臨海部の開発計画ができてから、もう20年以上たって動いていないんですから。そういう状況をよく見ながら、それはそこにお住まいになっている方々が心配されたり、関係者が心配されるのは十分受けとめておきます、それは。ただし、何もしないということではなくて、それはそちらで対応する。改築は改築でやらせていただく。そういうことで進めておりますので、御理解いただきたいと思います。

○小坂委員
 わかりました。わかりましたというか、そちらの言い分はわかりました。

 ただ、それであれば、この学校づくり検討会でそのような内容をきちんと書いたり、学校教育検討会の報告書でも書いたりすべきなのに、そこでは十分に書かれていないんですよ。ぽんぽんと出た意見だけの、それが大切であれば、この報告書に反映させるべきなんです。それが全然書かれていないんです。そういう経緯があったというのは私も存じ上げておりますけれども、であれば、ここにもきちんと残していくべきです。

 それに、そちらが分析されるよりも、もっと、恐らく明石小PTAのほうは改築賛成よりも反対の数がもっと圧倒的に多かったんだと私は、見ていないけれども、思いますが、そこは結果はいいです、説明は。賛成の声もあったというふうな表現をされたので、私は理解したんですけれども。すべての報告書が、人口増加から冷静な目で、どこをどうすべきか考えた場合に、私は、この10年で一番最初に力を入れるべき場所は、それは月島エリアじゃないかと申し上げているのであって、全体の中で考えたら、京橋と月島どちらがということで1つ言っております。そしてまた、もつ、頑丈な建物は、わざわざ壊す必要はなく、それを有効に活用していくということでいけると思っております。それで行政の方々に対しての私の考え方を述べさせていただきました。

 では、次に移らさせていただきますけれども、振興基本計画と生涯教育に関してなんですけれども、振興基本計画の中では、生涯教育は取り上げるという考え方で理解してよろしいんですよね。第3回の委員会で出された中央区の教育振興基本計画の骨子の中の視点3に、学校・家庭・地域が連携した子供の健全な育成というふうなことを目指すと書いていて、その4番目に、文化・スポーツなどの生涯学習活動への支援と書いていて、1番、地域の学習拠点・情報拠点としての図書館機能の充実、2番、地域の学習資源を活用した教育の推進、3番、学校施設を活用した生涯学習活動への支援と書いておりますけれども、振興基本計画には生涯教育の視点も入っていると理解してよろしいかどうか、一応念のために確認させてください。

 2番目なんですけれども、ICT教育です。

 平成20年からICT教育を始めたわけですけれども、それの利点、欠点を評価する仕組みを持っているのかどうか。ぜひともやりっ放しというわけではなく、評価をしていっていただきたいと思っております。

 3つ目が、中央区障害者サポートマニュアルがあるんですけれども、もしこれの改訂が近ければということで、ぜひとも認知症の項目も入れてください。これはこの前も言っているんですけれども、一応もし近づいておればということで言っております。

 4点目は、図書館に関してなんですけれども、図書館という場所は、障害のある子の作業の場所としては非常に適しておりますので、それで、来年、読書年ということもあるということであれば、その方々の力も利用しながら図書館運営も考えていったらいかがでしょうかという御提案なんですけれども、何かお考えがあれば教えてください。

 お願いします。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 すみません、先ほどの答弁漏れがちょっとありましたので、ここで回答させていただきたいと思います。

 基本計画2008の中での位置づけでございますが、3校につきましては10年間の計画の中で、収支の予測の中で、中央区の事業全体の中で3校の改築というのを計画化させていただいたところでございます。

 また、アンケートでございますが、こちらのアンケートの内容につきましては、PTAのほうでまとめたものでございます。例えば、明石小でございますが、こちらにつきましては、実際にどのような学校にしていきたいかという内容に関する要望でございます。また、中央小につきましても、桜の木を残してほしいとか、あるいは正門のところを残してほしいというような内容のものでございました。

 すみません、答弁漏れがございましたので、ここでお答えさせていただきました。ありがとうございます。

○小倉福祉保健部管理課長(参事)
 障害者サポートマニュアルの中への認知症の記載でございます。

 この障害者サポートマニュアルは、主に障害のある方を中心に書いてあるものでございまして、認知症につきましては高齢のほうが中心になるかと思いますが、次回の見直しのときに、もし載せることが適切であれば、載せることを検討してまいりたいと考えます。

 以上でございます。

○浅沼教育委員会庶務課長
 教育振興基本計画と生涯学習の関係でございます。

 この計画でございますが、教育委員会が策定する計画でございますので、学校教育に関する計画が中心となるものでございますが、子供の教育、学校だけではございませんで、スポーツや文化、芸術活動といった幅広い社会教育があって、健全な育成が図れるというふうに考えてございます。そういう観点から、学校教育に関します地域の社会教育、生涯学習の分野についても、計画には盛り込んでまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○長嶋学務課長
 フロンティアスクールを中心といたしますICT教育の評価でございますけれども、フロンティアスクールにつきましては、推進協議会というのを20年度の実績で3回ほど開いております。この中で、その評価方法と同時にアンケート調査等も将来的には実施して、評価をかけていきたいというふうに考えております。

 以上です。

○濱田図書文化財課長
 図書館を障害者の働く場としてという御質問でございます。

 現在、図書館の運営、カウンター業務は委託をしております。それから、職員は専門的な司書等を配置しまして、選書等の業務を行っております。実際に、例えばブックカバーの装着などといったものは、シルバー人材センターのほうに頼むなど、そういう形のものを活用しております。御質問の障害者の方にどんなものが適しているのかというのはちょっと考えたことがございませんけれども、今後考えてみたいと思います。

 以上でございます。

○磯野委員長
 御答弁漏れはございませんね。

○小坂委員
 それぞれありがとうございました。

 障害者サポートマニュアル、障害者じゃないじゃないかという御指摘はごもっともだと思います。ただ、これは何のためにあるかというと、ノーマライゼーションを進めるためにあるんですよね。そういう考え方であれば、そのような考え方のもと、明るいまちづくりという本をつくっていただければと思いまして発言させていただきました。すべての方が一緒に暮らせるまちをつくるべきじゃないですか。それをこの明るいまちづくり、これ、皆さん、学生さんに配っているわけですよね。それなので、ぜひとも入れていただきたいと思います。

 ICT教育、今後評価が必要だと思いますので、この評価をきちんとしていってください。利点もあるんですけれども、欠点も見つかると思いますので、欠点をなるだけなくしていくようにお願いします。

 図書館に関しては、ぜひ何らかの形で見つけていっていただければと思います。

 教育振興基本計画は、今後でき上がることを大変待ち望んでおりますし、その中では、それは教育というのは、確かに学校教育がメーンですけれども、それだけでなく生涯教育としても、ぜひ入れた教育振興基本計画をつくっていただければと思います。

 これで私の質問を終わりますけれども、私自身も、もう一度地域に戻って皆さんの声を聞いてみますけれども、本当にこれは壊さなくていいものを、もし壊してしまったら大変罪じゃないですか。それを望む人のほうが多いと私は認識しております。本来、そのような計画をすべきところはどこかというと、もっと月島エリアであると。これは人口の増加から見るとわかるということですので、このあたり、よく検討していただければと思います。自動的に中央区基本計画2008があるから、どこか学校を探したとかいう流れではなく、今どうあるべきかということでもう一度再評価していただければと思います。

 質問を終わります。

○石田委員
 第7款「教育費」の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後3時5分に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後3時5分に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午後2時35分 休憩)

―――――――――― ◇ ――――――――――

(午後3時5分 再開)

○礒野委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。

 第7款「教育費」について、質問者の発言を願います。

○守本委員
 質問させていただきますが、大変恐縮なんですけれども、項目が非常に多くなってしまいまして、お答えはなるべく簡明にしていただけると大変ありがたいので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、質問をいたします。

 最初は、ほかの方からも質問が出ていましたが、全国学力調査、平成19年度から始めて3回実施されたということなんですが、きのう、文部科学省の副大臣、鈴木寛氏が、全員参加方式をやめてサンプルを取り出す抽出調査に切りかえる方向で最終調整しているという談話が出たんですが、このことに対しての区としての御見解を伺いたいと思います。

 それから、何個か質問して、お答えいただきます。

 小中一貫教育なんですけれども、品川区では平成18年度に全国の自治体に先駆けて実施しているということで、現在、横浜市を初めとして54校で全国で実施されているということでございますが、この小中一貫教育についての御見解を伺いたい。同時に、あわせて、品川区では小中一貫教育を補佐することも含めて独自の教員の採用を行っているということも、あわせてお答えいただければと思います。

 それと、もう一方では、小中一貫教育とはまた別な観点から、中高の一貫教育というのも行われているということで、都立高校と公立中学校との一貫ということで10校の整備計画がこれで完了したということでございますけれども、小中一貫教育、中高一貫教育についての、あわせて御見解を賜りたいと思います。

 それと同時に、文京区では、中央大学だったかな、附属高校と公立中学がタイアップして、これも中高一貫まではいかないんでしょうが、一つの枠が設けられて、私学のほうにも入れるというようなことも取り組んでいるようですけれども、このことについての御見解もあわせてお伺いしたいと思います。

○和田指導室長
 全国学力調査についての見解でございますが、昨日のマスコミ等の発表で、抽出サンプル校で十分であるというようなことが発表されました。先ほども御答弁申し上げましたが、この抽出校のサンプルだけで全国的な状況が把握できるということであれば、これは中央区としてもこれまでの国・都の動きに応じてやってきたわけですが、中央区としてもその動きを見ながら、それに合ったやり方をやっていかなくちゃいけないかなと考えているところでございますが、もう少しまた教育委員会の中でも議論をしたいと思っております。

 小中一貫教育でございますが、現在、中央区では佃中学校区ですね、佃島小学校と月島第一小学校を含めてカリキュラム連携型の小中一貫教育のモデル校研究を進めてございます。これは、佃島小と佃中は建物が一体化しておりますので、一体型というようなことも考えられるんですが、月島第一小学校も同じ旧校区にあるということでございますので、3校がカリキュラムで連携をして、小学校から中学校に円滑に子供たちが進学できるように、また少しでも公立の中学校で義務教育を終えるという子供たちがふえるように、魅力あるカリキュラムの研究を続けているところでございます。

 それから、品川区が実施しております独自教員の採用についてでございますが、これはいろいろ財政等の問題もあるかと思うんですが、採用した教員のキャリアアップについて、先行してやっておりました杉並区の事例なども聞いておりますと、やはり区の採用でございますので、東京都内での異動ができなくなるということ、その区の中での異動になるということで、教員として先々、自分がキャリアアップしていくときに同じ地区にとどまっていいのだろうかというふうなことがあって、結局は東京都の試験を受けるというふうな事例も聞いておりますので、そのようなことも参考にしながら、中央区においてはそれが実現可能かどうかというふうなことも含めて、また今後検討してまいりたいと思います。

 中高一貫教育につきましては、まだ具体的な話は進んでいないところでございますが、現実的には晴海中学校と晴海総合高等学校におきまして行事交流もありますし、それから授業交流等もやってございます。そういう実態もございますので、ある程度のそういう実績があれば、一貫教育とまではいかなくても、高等学校の推薦枠というような形で連携のあかしとしての枠がいただけるような話も聞いておりますので、この辺については可能性を探ってまいりたいというふうに考えてございます。もちろん、これまで続けてきた連携の行事、授業については進めてまいりたいと思います。

 私立の附属高等学校と区立中学校の一貫教育については、申しわけありません、まだ実態をつかんでございませんので、もう少し研究をさせていただければと思います。

 以上でございます。

○守本委員
 どうもありがとうございました。

 いずれにしても、小中一貫、品川区はもうほとんど全区域においてですよね、実施しているのは。ということで、成果としては、学年間交流が進み、中学2・3年生に当たる8・9年生の学校生活に落ち着きが見られるなどの効果が出ているなどというような評価がなされているんですが、小中一貫が一方で行われ、また一方では中高一貫というようなことで、やはりしっかりとその辺の分析をして、お母さん、お父さん方にここにはこういう効果がある、こういう場合にはこういうものがあるというようなことの指針のようなものを出すときに、もう来ているのかなという感じがするんです。このかいわいでは、白おうだとか千代田区の九段でしたっけ、がありまして、受験する子も結構ふえているようですけれども、その辺のところも、逆に言えば中高ということになると小学生で中学を受験するわけですから、その辺のところをしっかりと教育委員会としても現状を分析して、相談等があったときには十分対応できるようにしてほしいなというふうに思っております。

 また、本区としても、今後の課題としてこういった問題も出てくる。今、指導室長からも言われたように、小中の共同カリキュラムの一貫性とか、こういったことも進められている状況の中で、やはりこれは実験的ということではなくて、もうかなり具体に進んでいるわけですから、ぜひともその辺のところをさらに前に進め、前に進めるというのはそういうことを進めろということではなくて、情報等をしっかりと報告できる、また相談を受けられる、そういう体制を築いてほしいというふうに思います。

 次の質問に入っていきます。

 薬物の乱用防止教室というのが都教育庁で児童・生徒の薬物乱用防止に関する指導の徹底を求めた通知を都立学校長と区市町村教育委員会に送付されたと。芸能人やスポーツ選手の薬物事件報道が最近非常に多くなっているわけなんですけれども、教育庁は通知の中で、薬物乱用防止の指導を学校教育計画に位置づけて、計画的・系統的に行うことを要請する一方、麻薬取締官OBなど専門家を講師に招いた薬物乱用防止教室等を年1回開催することなどを求めているということなので、教育委員会として、この対応についてはいかがなものかということと同時に、さらに各学校においてもこういう教室等が必要になってきているということも含めて、今後の取り扱いについてはいかがなものでございましょうかということでございます。

 それから、もう一つは、同じく東京都の教育庁ですが、体力向上で推進本部を設置したということですが、今の東京の子供たち、体力が非常に低下しているということで、都の児童・生徒の体力テスト調査によると、小・中学生の体格は全国平均並みだが、握力や持久走など体力、運動能力となると全国平均を上回ったのはわずかで、ほとんどが平均を下回っているということで、体力向上推進本部を設置して、学校や地域住民を巻き込んだ効果的な施策を検討し、今後10年間でピークだった昭和50年代の数字にまで引き上げる考えだということでございます。

 本区においても、平成20年度の教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果に関する報告の29ページに、やはり学校における体育・スポーツ活動の充実というところの中で現在の調査をした結果が、小学校では、反復横跳びでは東京都・全国を上回り、50メートル走でも東京都を上回っていますけれども、長座体前屈が東京・全国を下回っている。20メートルシャトルラン、ソフトボール投げ、これも下回っている。上体起こしも下回っている。中学では、50メートル走で大体男女とも東京都と同程度だけれども、長座体前屈、立ち幅跳び、ハンドボール投げ、これも全国を下回っているということで、東京都も下回っていると。

 そこで、今後の取り組みの方向性ということで、各学校において一人一人の体力の状況を周知し、児童・生徒みずから課題及び目標を設定できるように支援していく、また外部指導員の活用を充実し、拡充し、部活動の一層の活性化を図るという方向性がこれに示されている。今、やはり外部からスポーツに関する専門家を部活動の中にも指導員としてというようなことが各地でも行われているし、またオリンピックは残念な結果になっているんですけれども、ゴールドメダリスト等も含めて積極的にスポーツの振興といいますか、アスリートの派遣というようなことも行われてきているわけですけれども、本区におけるその辺の対応の仕方についてお伺いします。

 それから、学校支援地域本部事業でございます。

 学校支援地域本部事業は、60年ぶりに06年に改正された教育基本法に学校・家庭・地域の連携・協力に関する規定が盛り込まれたということで、教育基本法第13条で「学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする」として、学校支援地域本部事業を行ってきているということのようですが、ここの3つの柱として、学校支援本部事業は地域コーディネーター、学校支援ボランティア、地域教育協議会から構成されているということでございますが、このことについて本区での取り組み状況について簡単にお答えを賜ればありがたいと思います。

○和田指導室長
 まず、薬物乱用防止教育についてでございます。

 今、御指摘いただきましたように、東京都からの通知を受けまして、本区でも各学校に通知をしたところでございます。本区の取り組み状況としましては、中学校4校すべてで警察官を呼びまして、薬物乱用防止教室を実施しているところでございます。小学校につきましては、6校が警察の協力を得て実施しております。あと、学校薬剤師の方々だとかライオンズクラブの方々でありますとか、そういうふうに外部の方々を含めて薬物乱用防止教室を実施しております。そのほか、もちろん各教科等の時間、それにかかわる内容については指導を徹底させているところでございます。

 それから、体力向上についてでございますが、本区では、今、小学校に順天堂大学と国際武道大学との提携によりまして、全学年全学級に小学校の体育指導補助員をつけてございます。これは、週3時間の体育の授業を子供たちにとって質の高いものにしよう、より運動に対する意欲を高めようという目的で配置したものでございますが、20年度につきましては、先ほど委員から御指摘があったような結果になってございますが、今年度の体力テストの結果を見ますと、小学校につきましては、男女ともソフトボール投げと立ち幅跳び以外は全国平均を上回るか都の平均を上回っている、そういう状況にございます。週3時間の体育の授業でございますけれども、子供たちの運動への取り組みが少しずつ実を結んできたかなというところでございます。ただ、中学校につきましては、やはり二極化の現象がまだ見られまして、運動する者とそうでない者との差が見られるところでございますので、今後、中学校での日常的な運動への取り組みというところが課題になろうかというふうに思ってございます。今後の方策について考えてまいりたいと思います。

 それから、都のスポーツ推進校の指定を中学校で2校、小学校で3校受けてございます。この学校につきましては、トップアスリートの派遣等の授業を受けられますので

そのようなこともしながら子供たちに運動刺激というんでしょうか、運動への動機づけというんですか、そのようなことをしながら、より多くの子供たちが運動に取り組むような、そういう仕掛けをしているところでございます。

 学校支援地域本部につきましては、まだ本区の中においてはその体制ができ上がってございません。地域コーディネーターの存在でありますとか、ボランティアの存在でありますとか、いろいろ体制を整えなければならない、人材を探さなければならないという幾つかの課題もございますので、この辺のところをそれぞれの地域の事情をよく探りながら、設置が可能かどうかということについて検討してまいりたいと存じます。

 以上です。

○守本委員
 ありがとうございます。

 薬物乱用の問題というのは、昨今では検挙人数は減少傾向にあるものの、押収量というのは急増しているということらしいですね。それで、中高生を含めた少年の大麻・覚醒剤の乱用状況も依然として高い水準にあるというようなことが指摘されているわけでございます。やはり今後は小学校段階からしっかりと指導を強化していくのが大事だということで、薬物乱用防止教室の開催では年度内に必ず1回、今、中学4校すべて、小学校6校、その他各教科で行っているということですが、小学校段階からもしっかりと、非常に薬物というものは健康を害するだけではなくて、こういう乱用をしてはいけないんだという問題を徹底していただくことが大事なのかなというふうに思っております。警察の関係者というのは、犯罪防止ということも含めて、もちろんのことで、一方では東京都では麻薬取締官のOBなどの講師ということなんだそうですけれども、学校薬剤師さんなどとか、そういった一番身近なところの方の講演というのも、犯罪、刑法違反だよという、もちろんこのことは大事なことなんですが、体によくないんだ、こういうようなことに手を染めていくと本当に自分が自分の体を壊してしまうんだよという、そういう面からの指導というのは大事なことだと思うんです。やっちゃいけない、やっちゃいけないということの前に、やはり健康を害するという、特に子供たちの健康というものはきちんとみずからも守っていく姿勢を持っていくんだということの教育指導というのが大事だろうというふうに思いますので、その辺のところの御見解も教えていただければと思います。

 それから、体力向上ですけれども、やはり小学生、中学生もそうだと思うんですけれども、優秀な指導員が入りますと一気に区内でトップクラスになったり、あるいは都大会のほうでも優秀な成績をおさめたり、本当に指導員次第ではどんどん伸び方も違うというのは目の当たりにしているんですけれども、中央区でもそういった意味ではそういう経験者を、今、順天堂大学の指導員ということで、地域の中にもそういう方はたくさんいらっしゃると思うんですよ。また、OBといいますか、青年層だけじゃなくて定年退職になった60歳以降の方でも体育の先生をやっていたとか、あるいは特別なスポーツの権威を持った形の中で実行してきた方々とか、そういう方もいらっしゃると思うんです。そういう人が本当にちょっと指導するだけで、本当に子供って素直だなと思うぐらいに進んでまいりますので、ぜひとも、体力向上ということですけれども、そういった内容、技術の推進ということも含めて、それと、こういった問題って学生をもっと活用したらという話も今までいろいろな形で私も他の委員さんも、ただ、教育だから、要するに技術だけに走ると本来の、確かに技術的な面は進んでも教育の面で首をかしげるようなことがあってはならないわけなので、その辺のところをしっかりとチェックといいますか、教育委員会がそれをしっかりすることが大事だと思うんです。ですから、その辺も含めて、ここも簡単で結構ですので、ぜひお考えを。

 それから、学校支援地域本部事業、今後の課題だということなので、一応きょうの段階ではそういうことで受けとめさせていただきますが、今、中央区でも人口が非常にふえて、コミュニティが大事だと。やはり学校という核を使いながら、いろいろな形で地域のコミュニティを推進する。ほかの町会とか自治会とか、そういう形の中のコミュニティもありますけれども、学校を中心としたコミュニティの推進ということも大きな課題だと思いますので、積極的に推進をしていただきたい、これは要望しておきます。

○和田指導室長
 まず、薬物乱用防止の薬剤師さんへの御依頼ということですが、小学校では20年度3校で実施したところでございます。今後、委員御指摘のような観点から、より薬剤師さんのお力もおかりできるように、生活指導主任会等でも薬物乱用防止の教室をやるときには地域の方の中で人材活用をしてくださいということで薬剤師さんも含めた方々の応援をお願いしているところでございますので、今後とも推進してまいりたいと存じます。

 それから、中学校の運動でございますが、現在、運動部活動につきましては、外部人材の活用ということで指導室で人材リストをつくりまして、中学校顧問の先生がなかなか指導できないというところには人材の提供をしているところでございます。特に、武道系の剣道につきましては、地域の方が多く入っていただいているというような現状もございます。ただ、やはり時間的なこともございまして、なかなか人が集まらないというのが現状でございますが、今後、人材の発掘に努めてまいりたいというふうに思います。現在、4校で24名の方の外部の指導員の方が部活指導に当たっているところでございます。日ごろの体育指導に関する援助につきましては、またそういう方がいらっしゃいましたらお力をおかりできるような形で、最後の地域支援対策本部の事業との兼ね合わせを考えながら進めてまいりたいと存じます。

 以上です。

○守本委員
 先ほど質問した小中一貫教育とか中高一貫教育とか、小中の場合は公立同士なので、義務教育の課程ですからあれなんですが、中高の場合ですと、いい面では6年間で高校受験をしなくて済むという面もあるわけですけれども、もう一方では中高ですから、私学も都立のこともそうなんですが、小学生が受験児というのかな、早ければもう4年生ぐらいから塾通いという状況、特に、今、中央区では公立中学に進むのが5割を切っているんですかね、私学等その他の中央区内の公立中学じゃないところに進学しています。そういった面でいくと、逆に言えば、小学生では体力が向上したということで、こういうこともしっかりと進めていただきたいと思いますけれども、逆に、受験勉強のほうに走って体力のほうがおろそかになる面も多々あるだろうと思いますので、やはりこういったところもぜひとも教育委員会として、そういった面をしっかりと見詰めてあげながら体力の向上のほうに努めていただきたいというふうに思います。

 それから、泰明小学校の向山行雄先生、今度東京都の公立小学校の校長会の会長になられたということで、これは自動的なようですけれども、全国の校長会の会長もお務めになられるということで、向山先生にインタビューがなされていた記事が載っているんですが、「校長の権威復権を」ということをまずおっしゃっていらっしゃいまして、今年度は特に4つの重点課題をということで、1つ目は管理職候補者の増加、管理職の不足が一番深刻なのが小学校であると。2つ目は、若手教員の育成、授業指導力の向上はもちろん、若手の教員が今の管理職に魅力を感じられないという現状を一刻も早く改善しなくてはいけない。これは、小学校の教員の問題だけじゃなくて、公務員の皆さんの中にも同じような状況が生まれているという認識もあるわけですけれども。3つ目は、新学習指導要領の円滑な実施に向けた体制づくり、そして4つ目に総じて保護者からのクレームや新型インフルエンザといった諸問題への対応だと。

 それで、これが課題だということで、この解決に向けて、管理職育成のためには、まず校長の権威の回復が求められているということで、社会情勢の負の影響として、校長が凜として存在を確立することが難しくなっているということもおっしゃっていらっしゃるんですが、そして、学校バッシングや責任追及によって元気をなくしてしまっている校長も多くて、それで学校全体の活力が弱まってしまうんだと。処遇や裁量権の拡大、新しく導入された主任制度といった人事などに関する要望を校長会で取りまとめ、7月、都の教育委員会あるいは都議会へと提出するよというようなこともおっしゃっていました。

 新学習指導要領への移行については、各学校の現状を把握するため、アンケートを実施すると。授業時間数の増加への対応について行ったということで、教育講演会を実施して、多様化する保護者からの要望への適切な対応と題して、学校問題サポートセンターの先生に御講演をいただいたということ、それから、校長会は各学校の問題や現状についての情報を取りまとめ、それらを継続的に各関係機関へ発信していきたいというようなことをインタビューでお答えになっていらっしゃるんですけれども、まさに今の小学校の校長先生を中心とする教育環境、教師側の教育環境というのはここに凝縮された課題と、そして解決に向けて、しなければいけない問題なのかなと私どももそういう認識でこの記事を読ませていただいたわけですが、このことに対しての御見解をいただきたいと思います。

 それから、渋谷区で幼保一体施設の管理運営ということで、これは小学1年生が集団生活になじまない小1プロブレムの解消が主なねらいだということのようですけれども、来年の4月から1カ所の区立幼稚園で1歳児から3歳児の保育を試行的に実施していこうと。幼保一体施設では、教育委員会が幼稚園、区長部局の子供支援の担当部署は保育園を管理運営するのが通例だが、渋谷区教育委員会では保育事業も実施すると。区教育委員会の一元管理で幼保施設から小学校にスムーズな入学を実現することによって、小1プロブレムの解消につなげたいんだということ。これは、今、幼保の一元化ということも、うちの区も検討しているわけですけれども、渋谷区については小1プロブレムの解消ということが大きなねらいだということですけれども、それと同時に、やはりもう一方では渋谷では幼稚園の定員割れと保育園の待機児を同時に解消したい。一方では、やはりうちの区と同じような形もねらっていると。さらに、午前7時半から午後6時半まで運営し、必要に応じて1時間延長する。まさに、これは保育の待機児解消策ということで、試行だということですけれども、こういうことも行うということですが、本区としての御見解。

 今、中央区では3歳児からの幼児教育というものはやっているわけですけれども、1歳児からということも含めて、教育的にもどういう、教育と保育は縦割りということだけではなくて微妙に違う面が多々あるわけなので、ただ、待機児解消すればというねらいだけで進めていけばいいというものでも決してないんだろうというふうに思うんです。だから、この辺は、私は幼保の一元化というのはかなり慎重にしっかりと現状をとらまえながら、行うのであれば、そういったものをしっかりととらまえていかなくちゃいけない問題だろうというふうに思うわけですが、御見解を賜りたいと思います。

○和田指導室長
 まず、前段の全国連合小学校長会、向山会長のお話についての見解でございますが、管理職志向の、いわゆるミドルリーダー不足というのは本当に教員の世界でも深刻でございまして、特に小学校については厳しい状況でございます。魅力がないんじゃないかというような声もあるんでございますが、魅力というよりは、私はやはり学校経営というものに対する士気というんでしょうか、意思というんでしょうか、意欲、そういうものを持った教員を育てることが大事ではないかなというふうに考えてございます。現在、平成21年度から学校には主任教諭が新しい職層として入りました。これは、OJTを充実させるために設置されたものでございます。若手教員が身近な教員にいろいろ相談もでき、また指導も受けられるということでございます。このことにより、主幹教諭、副校長、校長というラインが確立されて組織的に課題対応ができる、学校経営が全員の力でなされるということでございます。そういう学校組織ができれば、管理職としての腕を振るうこともできるようになるのではないかなというふうに思います。そういう管理職を見ると、それに鼓舞される若い教員もふえてくるのではないかなというふうに考えてございます。

 現在、中央区でも主幹教諭、主任教諭が活躍してございまして、管理職の方々も頑張っていただいておりますので、中央区からも将来、中央区の教育を背負って立つようなリーダーが育つものというふうに考えてございます。また、今後とも校長会との連絡を密にとりながら対応してまいりたいと思いますし、もし学校でさまざまなトラブルが起きて、学校長だけでは対応できない、また学校だけでは対応できないということがございましたら、これは教育委員会を挙げてバックアップするような体制で臨んでおりますので、少なくとも中央区においては学校経営も健全に行われておりますし、また教員の意気も高まっているというふうに考えているところでございます。

○長嶋学務課長
 渋谷区で来年の4月から取り組むと言われている幼保一体施設のお話でございます。こちらは独立した幼稚園で2部屋ほどあいているということで、そちらで1・2・3歳児を受け入れるというような形になっております。ただ、しかしながら、制度的には渋谷区の場合、4歳児、5歳児を幼稚園として実施しています。こちらの1・2・3歳児についてはあくまでも保育室という形で運営するという形になっています。ただ、その保育室も、当然、保育園でも認証でもありませんので、一応無認可というような形にならざるを得ないというふうに聞いております。そちらの中で小1プロブレム対策という話は、すみません、私は直接そういった話は渋谷区のほうから聞いてはいないんですけれども、待機児対策という面が1点。ただ、渋谷区自体も4歳・5歳児という2年保育ですので、そういった意味で保育室等あれば、1歳は教育と果たして言えるのかということはあると思いますけれども、3歳以降についてはそういった指導がある程度できるようになるのかなというふうに考えているところでございます。

 以上です。

○守本委員
 向山先生のお話でございますけれども、やはり大きな課題を抱えていると。中央区というのは教育環境が非常にいいので、よりよい人材がたくさん入ってきていただいているというふうに思うのでありますけれども、なかなかこういうのもそうでもないという声も聞きますし、一方では管理職を目指すミドルリーダー、中堅どころの人、そういった面も大事な面の一つなんですが、やはり若年の、いわゆる新卒等の教員という方の指導、教育、そういった面も、これは中央区だけに限らないと思うんですが、重要な課題で、ベテランの先生がそういったほうの補佐をするのに時間が割かれるというような問題もある。ただ、教員の採用については、指導室長おっしゃっているとおりでありまして、東京都が一括してやるわけですけれども、そのために他区との人事交流もできるという大きなメリットもあるけれども、一方では、やはり本当に中央区らしい、中央区の教育というもので育てても、ほかに行ってしまうということもあるし、逆にそういったメリットとデメリットもあるかもしれない。

 先ほど品川区の例を挙げたわけですけれども、品川区で独自の教員採用ですね。これなんかは新聞報道ですから、どこまでがあれなのかということもあるわけですけれども、4人しかとらないにもかかわらず、応募が、要するに教員を終わったOBの方も含めて非常に多くの方が応募してきたと。これを見ると、教育現場で経験のある者を対象として公募したんですが、16都道府県から113人の応募があって、55倍の倍率だったと。そして、5人ですね。5人採用したわけですけれども、そういうふうに、今の現状というのはこういうことなのかどうかというのは私も現場を知らないのであれですが、これだけ関心と、応募があるということは関心が高いということなんだと思うんですけれども、それと、そのほかに漏れた方はさらに成績優秀な10人以内を1年間任用教員として採用する予定だと。さらに、区では独自教員の採用と今年度から実施している区内留学制度と連携されて、区立小・中学校の中堅職員を特色ある教育活動をしている他校へ一定期間派遣する。そういうような形の中で、東京全体との動きは違いますけれども、品川区なりの工夫がなされているのかなというふうに思うわけですけれども、この辺はいかがですか。

○和田指導室長
 まず、品川区の取り組みでございますが、多くの方が応募したということは、それだけ教職という職業に魅力を感じているものだというふうにとらえます。ですが、本当に品川区の教育改革を理解し、また指導力を持ち、保護者、また児童・生徒の信頼も得て即戦力として働けるかどうかという観点になりますと、私も直接会ったわけではございませんので、わかりませんけれども、選ばれた方は優秀な方だというふうには思いますが、そういう観点から見ますと、やはり指導・育成が必要な部分もあるのではないかなというふうに考えてございます。本区も非常勤の小学校の算数講師でありますとか、中学校の英数国の講師でありますとか、これを募集しているところでございますが、応募はたくさんございます。その中には本当に教職経験をなさった方もおりますし、いろいろな経験をして立派な方もいるんですが、やはり若い方が多うございまして、若い方に関しては、やはり学校のほうからは指導・育成の観点から少し大変だなという声も聞かれているところでございます。ですから、公募して本当に区の方針に合ったいい人材が集まるかなというところについては、まだまだいろいろな研究をしていかなきゃならない余地があるのではないかなというふうに考えております。品川区がこれからどういう取り組みをしていくかということは着目をしていきたいというふうに考えてございます。

 また、中央区に関しましては、特に管理職の先生方につきましては、よく頑張っていただいておりまして、また、教育委員会としても予算的にも体制的にも学校を厚くバックアップしているつもりでございます。この中で力を振るっていただいておりますので、人材育成も含めまして、よりよい学校組織のためにこれからも頑張っていただきたいというふうに思っております。

 以上でございます。

○守本委員
 教育環境がすばらしいから、中央区の学校で子供たちを教えたいという人というのはたくさんいらっしゃるんじゃないかなというふうには思うんですけれども、ただ、やはり、今、人事権というのは都にあるわけですから、区としてはこの辺のところには目がまだまだ入らないということで、これは逆に御当地ソングと言われても、中央区の教育委員会としてはより優秀な人材を何としてでも持ってくるという気概と御努力を、これは指導室の先生が手腕を発揮するところだろうと思うんですけれども、情報もしっかりととらえながら、そういう人材を確保、まず新卒の先生も、あるいは異動の先生も含めて、来たはいいけれども、どうも使えないぞということがあっては困るわけですから、これは23区全部そういうことで必死に競争しているのではないかと想像するわけですけれども、ぜひとも中央区としてもその辺のところを手腕を発揮して、よりよい人材の確保と、また育成につなげていただきたいと思います。

 それから、小1プロブレム対策、これは記事ではそういうふうに書いてあるんですけれども、それと渋谷区の問題は一回置いといたとしても、この問題というのはやはり全国的なことでもあるわけですね。多動の子ということも含めながら、あるいは集団になじめない。逆に、今、中央区の中では幼稚園は別なところで小学校は通学区域の中ということで、また保育園の子もそんな面もあるわけですけれども、逆にそういうのがもう少し幼稚園と小学校がしっかりと、幼稚園でも抽選になることにも、今、なっていますので、なかなか難しい面もあるんだけれども、具体的に中央区では小1プロブレム問題というのは、問題になりましたけれども、ありますか。

○和田指導室長
 小1プロブレムの範疇に入るかどうかというようなことはわからないんですが、その傾向は見られました。

 以上でございます。

○守本委員
 だから、難しいところなんですけれども、学校選択制だとか特認校とかそういう形の中で、地域とはまた違うところに行くことによって、小1という問題だけではありませんけれども、また違う問題点も出てくる可能性が非常にある面もあるというふうに思いますので、ぜひともそういった現実をしっかりと把握して、現実あるというお話も、今、伺ったわけですので、対応方をしっかりとしていただければと思います。

 それから、次の質問のほうに入ります。

 クレーマー対策なんですけれども、東京都の教育委員会では区市の教育委員会代表や校長代表などを交えた公立学校における学校問題検討委員会を設置し、学校と保護者とのトラブル解決に向けた施策の検討に乗り出したということで、まずは公立小中高・特別支援の学校現場の実態調査を行い、その結果を踏まえて学校組織としての対応力の強化やトラブル解決に向けた支援策などの具体策をまとめたいと。そして、来年度の予算に反映させるという方向が出されたわけですけれども、23区では弁護士による相談制度や臨床心理士などを加えたアシストチームの編成などに取り組んでいる区教育委員会もあるということで、まずこの辺、うちの区としてのクレーマーの問題あるいはまた法律的な相談というものが現実的に、今、あるのかどうかということでございます。

 そして、いわゆるモンスターペアレントというような保護者や地域住民の対応というのが課題になっているというか、東京全般的な話なんですけれども、保護者の執拗なクレームで授業に支障を来したり、これも若い先生だと全く対応できなくなっちゃったりとか、さっきの話につながるわけですけれども、そういった問題が今や大きな問題点だということが指摘されてきちゃっているわけですね、残念ながら。

 国の教育再生会議は、昨年の6月の第2次報告の中で学校の問題を速やかに解決する体制づくりとして、大学教員や弁護士、臨床心理士、警察OBなどの専門家を加えた学校問題解決支援チームの創設を提言しているということで、大阪府豊中市では弁護士や臨床心理士ら専門家からなる学校問題解決支援チームを設置したということで、京都市でも同様のことを行っている。さらに、23区では港区が昨年の6月から、区内5地区に計10人の弁護士を配置している。区教育委員会が相談を受け、法律事務所に持ち込むというやり方をとっていると。それで、この1年間の相談件数は13件と少ないけれども、子供同士、保護者同士のトラブルであったということのようです。杉並区では、教育SATと称するスクールアシストチームを設置して、指導主事を初め、正副校長、OB、ソーシャルワーカー、臨床心理士などが組織的に学校問題で対応している。目黒区でも弁護士と契約してトラブル解決に当たっていると。そういったことで、都教委は、教育庁の関係部長級や区市教育委員会代表を招集ということで、この学校問題検討委員会を設置したんだということなんですね。現在では、公立学校で保護者らの理不尽な要望にかかわる問題がどの程度あるのかを、今、実態調査に入ったということなんですが、本区の状況というのはどうなんでしょうか。

 そしてまた、今後も、何年か前になるんですけれども、やはり学校の中で子供同士がけがをさせてしまったと。それを管理できなかったということで、当初は親御さんに申しわけございません、私の管理がというようなことで、ところが、法律に訴えるぞという話になってきてから、謝罪がないというようなことで逆に親御さんのほうが、被害を受けたほうが、何の謝罪もないと。ところが、法律関係になってくると、謝罪をすることがいけないみたいな、いわゆるアメリカ版にもう日本もなってきているということで、この辺も非常に日本人的には世知辛いことになってきているなというふうに、残念なんですが、そういうような対応の仕方というか、非常に難しい面があるんですけれども、ただ、問題が生じて弁護士さんに任せちゃうよと言ったらいいんですよ、逆に言えば、本人は入らないほうが、法律問題というのは。変に本人同士が入ると、こじれたりしますから。ところが、日本人的には本人同士あるいは教師の中で解決できれば一番いいんですが、時代がそういう時代ではなくなってきているということを含めて対応せざるを得なくなっているということも踏まえながら、お答えいただければと思います。

 それから、スクールソーシャルワーカーの問題ですが、文部科学省は平成20年度からスクールソーシャルワーカーの活用事業を展開しているということでございます。このことについて、お答えをいただければということです。

 それから、別な質問です。

 小・中学校で暴力が増加しているということで、平成20年で児童・生徒の問題行動などの実態調査が行われて、いじめは少なくなっているのだが、都内の公立小中高、特別支援も含めて2,214校を対象に暴力行為、いじめ、不登校、高校の長期欠席者・中途退学者の実態を把握する調査を実施した。その結果によると、教師や生徒間などの暴力行為は、小学校が364件、前年度241件、中学校は1,855件、前年度が1,465件と、いずれも前年度より増加しているということ、そして特に学校内での生徒間暴力が小中高ともにふえていると。教育庁では、学校サポートチームの都内全公立中学校への設置、児童・生徒の非行防止を目的としたセーフティー教室の実施などの対応策を打ち出しているということのようですが、本区の状況についてはいかがであると同時に、今後の問題としてもどういうふうな方向を進められるのか。

 もう一方では、中学生は4人に1人がトラブルを起こす。特に、子供のインターネットや携帯電話利用についての実態調査では、重要な課題と受けとめつつも、教員の7割近くの対応が、苦慮しているというような、そういった記事もあるんですね。そういったこと、この中身については、指導室長ですか、御案内だと思いますので、省略させていただきますけれども、そういった問題も含めてと思います。

 もう一つは、若干視点が違うんですけれども、質問をさせていただきます。

 工業高校はなかなか味なことをやる高校がありまして、都立工業高校なんですけれども、田無の工業高校なんですが、小・中学生にものづくりのおもしろさや達成感を体験してもらうわくわくどきどき夏休み工作スタジオというのをやったというんですね。3年目になるということで、応募開始から問い合わせが殺到しているぐらい人気のある企画だそうですけれども、田無工業高校ではジオラマのほか、木工時計、スターリングエンジン、ベーゴマをつくる講座を実施して、子供たちが参加しているということなんです。

 私なんかの子供のころ、鈴木委員もベーゴマなんかをやって、工具か何かでやって、それで工業高校へ行ったんですか。僕は余りうまくなかったから、普通科だったんですけれども。子供のころって、いろいろなことをやりましたよね。でも、今は本当にものづくりというか、めんこだって、そのまま買ってきたものをやるだけじゃなくて、油をつけてみたり、周りを丸くしてみたりとか、いろいろな工夫を先輩たちとやりました。やはり、今、そんなことを言っても、なかなかそういう集団的な遊びができないから、今のような話のことにつながってくる。あるいはまた大人が子供に昔の遊びを教えてあげるというような場面も出てきているわけなんですけれども、大切なことだと思うんですね。やはりそれも一つの文化だと思うんですね。また、ある意味の下町文化と言ってもいいかもしれません。

 ここは田無の工業高校ですけれども、本区においては、私学では日本橋女学館もあるし、先ほど出てきた晴海総合高校もある。晴海総合高校とは連携をしながら、いろいろな形のもので交流も持っているというお話もありましたけれども、やはりそういう中学生、高校生というともう小学生から見れば大人なんですよね。大人なんだけれども、本物のお父さん、お母さん的な大人ではない。お兄さん的な大人、そういう人にいろいろなことを学ぶというのも、また一つの大きな経験になるのかなという感じがいたしますけれども、その辺のことについてもお考えをお示しいただけたらと思います。

○和田指導室長
 まず、クレーマー対策ということでございますが、昨今は本当に委員御指摘のように、お互い顔を合わせて、どうもすみませんでしたとお互いにわびれば、それで気持ちが通じ合えるのになと思うようなケースも、なかなか話がこじれてしまって解決しないというケースがふえてまいりまして、教育委員会で学校から引き取るというケースもふえてまいりました。基本的には、やはり日ごろの人間関係づくりかなというふうに我々は考えてございます。特に、保護者同士の人間関係がきっちりできていれば、そういうときにも心が通じ合えるだろうというふうに考えるんですが、なかなかそれもうまくいかないのが今の状況だろうというふうに思っております。

 今後、他区でやっているような対策支援チームの創設についてはどうかとか、そういうことについては検討していかなければならないんですが、今のところは学校で起こった問題等で解決できないことについては、教育委員会または教育センターの臨床心理士も入ったりとか、それぞれの立場の方または子ども家庭支援センターであるとか児童相談所であるとか、いろいろな関係機関に入っていただきながら問題解決に当たっているというところでございます。また、その中に、先ほど委員から御教示いただきました文科省が始めたスクールソーシャルワーカー事業ですね、これはまだ本区では取り入れてはございませんが、こういう立場の方も取り入れることができればなというふうに考えてございますので、今後また、より情報を集めて可能性を探ってまいりたいと思います。

 それから、小中での暴力行為の増加でございますが、本区では相対的には数はそう多くはないんですが、20年度と今年度を比べると、多少ふえているかなというところでございます。その学年の子たちの特性といいましょうか、特性と言ったらおかしいんですけれども、状況もございまして、どうしても多い年というのがございます。ただ、悪質な暴力行為というのはまだございませんので、その都度対応しながら学校の中で子供たちが納得のいくまで先生が話をして、そして解決に当たっているところでございます。多少のトラブルは私も子供たちには必要だろうなというふうに思っております。それをまた解決していくのも一つの力だろうというふうに思っておりますので、暴力を容認するわけではございませんけれども、なるべく自分たちでも解決する力をつけながらの指導をこれからも努めていくということでございます。

 それから、インターネットでの問題でございますが、これについては、中央区では各学校に、特に中学校には十分注意をするように呼びかけておりまして、基本的には携帯電話の持ち込みは禁止ということにしてございますし、裏サイトへの書き込み等につきましても、東京都で書き込みの検索をするシステムをつくってくださいましたので、悪質な書き込みがあったらすぐに削除というふうな対策もとられてございますので、これについては引き続き指導をしてまいりたいと思います。また、その啓発用のリーフレットも各学校に配ったところでございます。

 それから、工業高校でのものづくり体験につきましては、もう3年前から募集がありまして、1回目は本当に希望者がなくて、中央区にもだれかいないかというふうな依頼が来たくらいでございます。今は本当に断るのに苦労しているという状況だそうです。やはりものづくりに対する興味が高まってきたんだなということを感じてございます。今後、このような機会を中央区の子供たちにも多く提供したいと思いますし、本区でも教育センターで、全員ではないんですが、希望する子については、夏休みにものづくり教室を開いておりまして、いろいろなものを使いながら発明できるような、そういう体験活動を実施しているところでございますので、今後ともそのような活動をふやしていきたいと思います。

 以上でございます。

○守本委員
 子供のインターネット、携帯電話の実態調査の件だけ再質問させてもらいたいんですが、再質問といいますか、携帯電話は持ち込み禁止ということなんですけれども、現在、さっきの質問とも関連してくるんですけれども、小学生が中学受験をするということで、学校からそのまま塾に行かせるということで携帯電話を持たせると。今は携帯でどこの場所にいるかとかいうのもわかるんですよね。これはお年寄りの徘徊する人なんかにも、今、どこにいるかというのがわかる、そういうのと同じような形の中でできると。それと、親御さんとも連絡が密にとれるので、今、これから帰るからとか、そういうことができる。中学生になると、またさらに高校受験でもそういうこともある。だから、悪い使い方もあるんですが、自分を守る形の使い方もあるんですけれども、単に持ち込み禁止、要するにだめだというだけでいいのかなというような感じもするんですけれども、この点いかがですか。

○和田指導室長
 御指摘のように、難しい問題をはらんでいるなというふうに考えているところでございます。ただ、持っていることによって、本当に必要最低限の使い方をすれば、それはそれで非常に便利なものであるとは思うんですが、持っていることによる弊害というんでしょうか、それが誘因になって犯罪に巻き込まれるとか、そういう危険性も、持っていることによって起こってくるということでございますので、我々としては、そちらのリスクのほうを心配しているというところでございます。

 以上でございます。

○守本委員
 特に、中学生クラスになると、私たち以上にいろいろな使い方ができる子供たちがふえていると思うんですけれども、小学生、少なくとも4年生、5年生ぐらいだとなかなかあれだし、また携帯によっては子供にはこれ以上使えないようなとかいうような形もいろいろあるんだろうと思うんです。その辺なんかも含めながら、ただ禁止禁止というだけでなくて、どう使ってはいけないのか、どう使えばもっと文明の利器として使い勝手がいいのかということを指導していきながらというものがつながってくるんだろうと思いますので、ぜひともその辺のところも含めてお願いしたいと思います。

 さらに、3つほどお聞きして終わりたいと思うんですが、CO2削減アクション月間ということで、17万人の小学生が参加したということで、東京都教育委員会では都内全小学校4年生に環境教育リーフレット、「みんなの地球」を配布するなど、地球温暖化防止のためのCO2削減に向けた環境教育の取り組みを推進してきて、今年度、京都議定書の約束期間である12年度まで環境月間である6月をCO2削減アクション月間と設定し、削減の取り組みを展開するということで、いろいろと子供たちに参加を呼びかけて、多くの子供たちが参加したということでございます。小学生らがやった結果、310トン削減されたということで、これも都内の小中・特別支援学校1,290校、約11万3,000人、削減されたCO2が310トン、今後CO2削減に取り組んだ学校に協力賞を贈り、顕著な成果を上げた学校には環境教育優良校として表彰するなどということで非常に取り組みが進められているのでございますが、本区での参加、そして今後の取り組み方を教えてください。

 それから、理科支援員ということで、決算書の318ページ、算数教育では5,107万4,995円、理科での教育については559万5,200円ということで、理科支援員というのは5・6年生ということで、教育センターで今まで理科のあれをやっていたということで、小学校3年から6年だったのが教育センターのほうは3・4年に変更するということで事務事業評価で出ているわけですが、金額だけ見ると、算数のほうと随分と、算数の1割ぐらいの数字になっていますけれども、いかがなものかということでございます。

 それから、外国人の児童・生徒の問題点ですが、今、小学校に絞っても、各学校、外国人のいない学校はないぐらいじゃないですか。各学年に何人か、学年ごとにもいない学年はないぐらい、ないぐらいといいますか、要は多くなってきていますよね。その子たちというのは、日本語がちゃんとできるのか、あるいは日本語がしっかりとできない子については、年齢的に5年生だけれども、3年生からとか、そういうやり方もされているんだろうと思うんですが、そういった支援的なことをどうしているのか。

 新宿と八王子をモデルに、日本語指導の教材開発ということで、やはりこれも東京都の教育委員会なんですけれども、日本語指導の指導内容や方法、教材の開発などを研究する日本語指導研究開発事業に乗り出したということで、都のほうもこれに問題を意識してきているということですが、うちの区の実態、かなり日本人並みにしっかりと日本語をしゃべっている子供ももちろんいるんだろうけれども、そういった問題点はどうなのかなということ、あわせて、逆に言えば、お父さん、お母さんは日本語が全くわからないけれども、子供はわかるとかいうのもあるんだろうけれども、そういった問題も含めた対応の仕方というのはどうですか。

○和田指導室長
 まず、1点目のCO2削減のアクションにつきましては、本区の4年生、それから5年生、それぞれの取り組みに全校参加いたしました。特に、泰明小学校につきましては、全学年がこれに参加したということで、東京都から表彰を受けるということでございます。今後とも取り組みを続けていくということでございます。

 また、区の環境部からチェックシート等もいただいておりますので、それに取り組んでいる学校もございますので、いろいろな形でCO2削減には取り組んでいるというのが現状でございます。

 それから、理科支援員と算数の非常勤との金額の差でございますが、算数の講師の場合は非常勤講師ということで、ほとんど週8時間、月16日ですか、時間数も多うございまして、報酬という形でお支払いをしてございます。理科支援員の場合は時間単価でお支払いをしておりまして、時間数も違いがございますので、その分の金額の違いでございます。

 それから、外国籍の児童・生徒への対応ということでございますが、まだ日本語が十分でない児童・生徒につきましては、日本語指導、その国の言葉が話せて日本語も話せる方をお呼びして、週何時間かですけれども、一緒に学習をしていただいて、家庭への連絡もその方からしていただくと。特に、保護者の方へ学校の状況が伝わるような、そういう外国語指導員というふうに呼んでおりますけれども、そういう人員を配置しているところでございます。

 以上です。

○守本委員
 ありがとうございます。

 それで、理科支援員なんですけれども、時間単位ということで、これはうちの区も理科支援員というのは大学生とか地域住民とか特別講師の企業関係者だとか、そういう方も支援員という形で対応できるというふうになっているんだろうと思うんですけれども、うちの区は具体的にどうなんでしょうか。何でこういうことをお聞きしているかというと、今、理科は、先生といいますか、教え方によっては物すごくおもしろいですよね。科学博物館とかあの辺の先生方がやっている実験なんか、大人が見ていても物すごくおもしろいし、関心もあるんですけれども、やはりそういうおもしろい教え方、それで非常に身近なもので理科につなげていく、そういったことが理科離れというものから、やはり理科はおもしろいというところにつながってくるんだろうと。

 そういうことを考えてくると、先生が型通りの教え方、それも大切なことだと思いますけれども、やはりそういう枠を超えて、大学生を、そういう物理の実験が得意な大学生であるとか、あるいは関心のある企業体とか、また江東区なんかでは学校給食の残ったのを東京ガスと協力してガソリンをつくってみたり、実験的で採算がとれるようなものではないようですけれども、そのようなことを見せていく。要するに、給食から車が動くものができ上がるとか、そういう結びつきの中で理科がおもしろいよ、興味があるよというふうにつながってくる。そういう意味では、学校の教師ということだけにこだわらないで、広く人材を活用する。スポーツも同じだと思うんですけれども、その辺はどうでしょうかね。

○和田指導室長
 理科支援員の募集についてでございますけれども、基本的に教員免許はなくてもいいですよというふうには言っているんですが、条件として、教職を目指している方とか、もちろん教員免許を持っていれば、それはそれでいいんですが、そのほか教育委員会が認める方ということで、やはり教え心というんでしょうか、今、委員が御指摘なさったような、そういう部分での子供たちへの接し方ができる人、ある程度のアイデアのある人という方を選んで配置してございます。実際、学校に行きますと、いろいろな準備から、子供たちの指導から、それなりに専門的な指導、助言をしておりますので、今のところはそういう人材を確保できているというところでございます。

 以上です。

○守本委員
 ありがとうございました。終わります。

○礒野委員長
 次の質問者の発言を願います。

○田中(耕)委員
 それでは、教育問題について、何点か質問をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、新しい学校のあり方、評価制度ですとか、検討制度、協議制度等、本区にはたくさんあるというふうに思っておるのですけれども、これらの各種協議会ですとか、評価制度、検討制度といったものがすみ分けといいますか、どのようにお互いに機能しているのかというのが見えにくいところがあると個人的には感じております。

 まず最初に、現在、本区の教育委員会内にあるこういった評価制度等について、相関的にお知らせいただきまして、そのすみ分けですとか、機能している点をお知らせいただきたいと思います。具体的には、学校づくり検討会、地域協議会、さらに学校評議員制度、事務の点検評価、学校評価制度、学校評価制度は学校教育法に基づく自己評価という形になるかとは思いますけれども、こういった各種検討会、評価会、協議会といったものがそれぞれどういう持ち場を持っていて、お互いにどういう形で連携していっていけているのかというのをお知らせいただきたいというふうに思います。

 まず、その点をお願いいたします。

○浅沼教育委員会庶務課長
 教育に係る評価制度、検討についてでございます。

 委員の御質問にございました学校づくり検討会ですとか懇談会といったものにつきましては、本区の教育のあり方あるいは進め方といったものについて検討していただく会でございまして、現在、懇談会ですとか検討会というものは設置をしてございません。

 また、教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価でございます。こちらにつきましては、地方教育行政に関する法律の中で規定をされているものでございまして、こちらは教育委員会の事務の評価・点検をするというものでございます。

 また、そのほか、学校ごとに評価委員会あるいは評議委員会というものがございますが、これは学校の学校運営といったものを評価したり、運営についての御意見をいただく場というものでございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 ありがとうございます。

 一つ一つの説明は抽象的な点でわからないでもないんですけれども、それぞれが有機的に影響を与え合っているのかどうかというのが、正直言ってよく見えないなというのが私の考えでございまして、例えば学校個別の評価ですとか評議員制度を敷いているわけでございますけれども、それが今後の中央区の学校全体の方針だとかに生きているのかどうかというのが、いま一つ私のほうでは確認できなかったものですから、有効活用されているのであれば、それで特に問題はないんですけれども、その点について後ほど詳しくお知らせいただければというふうに思います。

 また、あわせまして、そういう新しい学校のあり方ですとか検討・評価を受けまして、新しい取り組みを他の自治体等でも行われているかと思います。例えば、学校支援のボランティア推進協議会、これは国の制度になるかと思いますけれども、地域コーディネーターですとかボランティアを活用して学校の支援を行っていく制度でございますとか、足立区などで先進事例として取り上げられているコミュニティスクールでございますね。これも賛否両論いろいろな御意見もありますので、これがすばらしいということを特に申し上げるつもりもないんですけれども、ただ、やはり実際には越境して入学をしたいというような強い希望を持つ方もいらっしゃるということでございますので、今、何か公立学校や教育に欠けているものを地域の力ですとかボランティアスタッフの力なども利用して、底上げしているという魅力があるんだと思います。こういった、今申し上げました学校支援ボランティア推進協議会ですとかコミュニティスクールなどについて、本区の御見解ですとか、本区でも場合によってはそういう一部導入等の取り組みがあるのかどうか、お知らせいただければというふうに思います。先ほどの協議会同士が機能しているかともあわせてお願いいたします。

○浅沼教育委員会庶務課長
 まず、協議会等に関してでございます。

 学校を考える懇談会や教育検討会、学校づくり検討会につきましては、先ほども申しました学校のあり方等を検討していただいてございまして、その結果につきましては、施策に反映をさせていただきまして、事業、施策を各種、現在取り組んでいるところでございます。

 それから、学校ごとの評価、評議員は学校の運営状況、チェックをするというものでございます。学校ごとの評価とか評議員の制度がきちんと機能しているかどうかというものにつきましては、教育に関する事務の管理及び執行状況の中ですべての学校についてきちんとそういうものが働いているか、機能しているかというところのチェックをして、区全体の教育のレベルを上げ、推進を図っていくという仕組みで現在のところ、動いているところでございます。

 私からは以上でございます。

○和田指導室長
 本区におけるボランティア推進協議会、これは地域支援対策本部事業でございますけれども、先ほど前委員の御質問にもございましたが、この協議会を設置し、地域コーディネーターの役割をする方を選び、さらにボランティア活動をしてくださる方々を募るということもございまして、このあたりがまだうまく機能していない部分もあるかなというふうに、本区において、まだ多少はハードルが高い部分もあるかなということでございまして、本区においてはまだ進んでございませんが、先進地区の取り組み等を見ながら、学校の教育活動がさらに質が高まるものであるということであるならば、導入の検討も考えていかなければならないかなというふうに考えてございます。

 それから、コミュニティスクールについてでございますが、これは地域の意向が学校運営にも反映されるという、そういう面では、理想的に学校運営が運べば非常にすばらしい学校ができるということでございますが、やはり学校の方針と地域の方針とのすり合わせというんでしょうか、そういうものがうまくいかないと、なかなか機能しないということと、それからコミュニティスクールにつきましては、教員の人事についても意見を述べることができるというふうになってございます。このあたりで、学校長の考えと、また地域の冷静な教員を評価する目との違いというんですか、そういうふうなものが意思統一ができているかというような問題もあるというふうに聞いてございます。いい面もあるし、また難しい面もあるということでございますので、導入については今のところ、他地区の様子を見ながらというところが現状でございます。

 以上です。

○田中(耕)委員
 ありがとうございます。

 先ほどのボランティア推進協議会の制度の場合、本区の場合、ハードルが高いという御答弁でございましたので、具体的に例えばどういった点がハードルが高いというふうにお考えなのかというのは、今後の検討内容としてお知らせいただきたいなというふうに思います。

 また、コミュニティスクールは、先ほど私も申し上げましたし、御答弁いただいたように、非常に中心となるものが学校運営の中心が行政なのか、地域住民のほうにかなり力ですとか教育方針の権限を与えてしまうという部分もございますので、運営は非常に難しいんだろうなということは想像されますけれども、これを取り上げましたのは、本区でもフロンティアスクール制度を導入してございまして、小規模校といえども、先進的な取り組みですとか、区内でも独自の施策といったことが可能な学校もございますので、そういった学校においては上手に運用すれば、こういった制度をうまく適用できるのではないかというふうに個人的には考えましたものですから、ぜひとも研究を進めていただいて、中央区に合う新しい学校のあり方というものをもっともっと研究していただきたいなというふうに思います。

 先ほどのハードルが高いという具体的なお考えになっている要素と、あと、フロンティアスクールへの適応が難しいかどうかという点について御回答をお願いいたします。

○和田指導室長
 ハードルが高いという言い方は非常に地域の方々には申しわけないなと思うんですが、人材がそれだけ、協議会を開き、コーディネーターをしていただいて、学校にいろいろな形で入っていただくという人材の確保と、あと時間の確保ですね、それができるかなというところでハードルが高いかなというふうに申し上げました。これがうまくいくようであれば、これは学校にとっては非常にありがたいことであるなというふうに思いますので、導入も検討の余地があるかなということでございます。

○長嶋学務課長
 フロンティアスクールの中にコミュニティスクールの制度を導入できないかというお話でございますけれども、基本的にフロンティアスクール自体は中央区全体の教育課題を、まず最初に先行的に研究するというものでございます。また、一方、コミュニティスクール自体は地域の力を使いながら、地域の学校として地域の意見を取り入れながら運営していくというシステムでございますので、課題の先進研究校と地域に根差した学校ということですので、なかなかこの2つを一緒にするのは難しいかなというふうに考えております。

 以上です。

○田中(耕)委員
 ありがとうございます。

 本当に難しいということは重々承知してございますけれども、逆に、先進的な取り組みをする学校なわけでございますから、ほかのところで難しいところを挑戦してみたり、本区らしい独自の何か仕組みをつくっていこうという発想だけは失わないでいただきたいなというふうに考える次第でございます。

 次に、教員の事務量の多さについてお伺いしたいんですけれども、教員は当然、学校等での指導が最も重要な任務であるにもかかわらず、昨今、さまざまな事務に忙殺されていて、なかなか授業そのものに身が入らないといったお話が全国的に聞かれます。また、若手の教師の育成が状況的に困難であって、若手教師の離職率が高まっているというようなニュースも聞いてございます。

 そこで、本区において、そういった現状がないのか否かという御認識をお知らせください。事務量自体についての全体的な考え方と、若手職員の育成ですとか、あと離職率、就職後5年とか10年とかの若手職員が離職してしまっている数字ですとか、状況などについての御認識をお知らせいただきまして、事務の軽減へ向けた努力といったものを本区教育委員会として何か努力をされているのかどうかというのをあわせてお知らせいただきたいというふうに思います。

 よろしくお願いいたします。

○和田指導室長
 教員の事務量の多さにつきましては、昨年ですが、多忙感に関する調査というのを実施させていただきました。これによりますと、本当に98%の幼小中の教員が多忙感を感じることがあるというふうに回答しております。実際にどんなことがあるかといいますと、やはり学級事務であるとか、授業準備であるとか、そういうようなことでございます。これは、多忙感、忙しい仕事の中には入るんですが、これは教員としての仕事でございますので、それ以外の保護者対応であるとか、それから職場の中でのいろいろな人間関係のこじれとか、そういうことでの多忙感ということについては、要素はございませんので、仕事のやり方について、これは先輩教員が若手教員に対して効率的な仕事の仕方を指導するとか、そういうOJTの体制の組み方によって多少は解決していけるのではないかなというふうに考えているところでございます。

 離職率でございますが、多忙感を理由に離職したというケースはございません。ただ、病気であるとか、そのようなその他の理由でやめますといった若手教員は何人かございました。

 以上です。

○田中(耕)委員
 ありがとうございます。

 事務自体が、今おっしゃられたように、授業の準備ですとかは当然本業でございますので、ある程度は、正直申し上げまして授業の準備は切りがないものだと思いますので、充実しているというふうに考えられます多忙感は構わないと思うんですけれども、保護者対応なんかも顕著な例でありますし、あと、例えば学校で成績の管理でございますとか、先ほど一番最初に申し上げました学校の評価制度ですとか検討会等に出す資料の作成・準備など、教員本人が行わなければならないような事務量が近年ふえているのではないかといった指摘がされてございますので、そのあたりについて、要するにもう少しコンピューター化というか、ソフト化をもう少し図って全教員共通のツールの導入等が積極的に図られているのか否かという点で、もう一度お伺いしたいと思います。

 また、忙しくやめた方はいないということでございますけれども、また、忙しいのでやめますという人はいないと思いますので、その点は、理由はともかくとして、若手の教員でのデータのようなものがあれば、就職後5年以内とか10年以内の20代教員とかの退職が、理由は病気かもしれませんし、さまざまあるとは思いますけれども、総合的な職の魅力として失われていないかどうかという点が問題でございますので、離職率のようなものですとか、昨今、何人おやめになったとかいう数字がもしもございましたらば、お知らせいただきたいというふうに思います。

 お願いします。

○長嶋学務課長
 事務の軽減という意味で、学校のパソコンですとか何かを管理してというお話でございます。

 今現在、フロンティアスクールで計画の段階で、将来的にはそれら、なるべく事務を削減するという形で、例えば教材作成も1つのところにデータベース化をすることができれば、一人一人が最初からやらなくてもいいと。そういった体制も将来的には組んでいきたいと思っております。ただ、これに関しましては、今現在、学校の中でネットワークは組んでおりますけれども、学校間での、例えばA校でつくった教材をB校で使えますよというようなものについては、学校間のネットワークをどう考えるかという話も1つございます。それから、評価書あるいは成績に関しましては多少違いは出てくるかもしれませんけれども、統一したものを使うということについても、そういった学校間でのネットワークをどう考えるかという問題になっております。今現在、パソコンにつきましては、リースという形で行っておりますけれども、そこら辺の切りかえ時期にあわせて、そういったこともあわせて検討していきたいなというふうに思っております。

 以上です。

○和田指導室長
 若手教員の離職率でございますが、平成18年度に小学校で2名ございました。それから、20年度に中学校で1名、幼稚園で1名、この21年の現在までの数は以上でございます。

○田中(耕)委員
 わかりました。

 学校間のデータベース化については、私も以前少々質問させていただいたこともあったかと思うんですけれども、他区でも一部導入しておりますけれども、今度は情報の流出だとか、結構費用も莫大になるという、そのときは御回答だったかと思いますけれども、今後は当然、その学校の中だけだと、転勤されてしまったりしたときとか、例えば児童が隣の学校に転校したときとかの引き継ぎもうまくいかないというようなこともございますので、学校間のデータベース化、これは本区だけじゃなくて、場合によっては東京都とかで考えなきゃいけないレベルの話もあるかとは思いますけれども、より広域に効率のよい事務をぜひとも導入をしていただきたい。先生方に授業に専念していただける環境づくりというのをもっと推進していただきたいというふうに思います。

 離職率は絶対数が少ないので、確かにこれだと何とも言えないというところだとは思いますけれども、全体的には教職員、せっかく難しい難関を突破されている中にもかかわらず早期に退職されてしまうというのは大きな問題になってございますので、若手に対する指導方法ですとか、先ほども申し上げている事務量の軽減策等をぜひ図っていただきたいというふうに考えてございます。

 次に、学校の図書館についてお伺いいたします。

 子ども図書活動の推進ということで本決算にも計上されてございまして、施策としましても、区立図書館との連携データベース化、あと団体貸し出しサービス等がうたわれてございます。本区の小学校の学校図書室についてなんですけれども、予算は全体的に悪くないというふうにお伺いしているんですけれども、学校を個別に回りますと、ちょっと図書室、結構本棚がすいているなと思われる学校も個人的にはございまして、蔵書の購入額等はこれで、予算上と申しますか、十分という御見解なのかどうかというのをお知らせください。

 また、区立図書館との連携で、団体貸し出しサービス等は具体的にどのようなことを行っておられて、利用状況ですとか、教諭や児童からの評判といったものはどのような形になっているのかというのをお知らせください。

 以上、よろしくお願いいたします。

○長嶋学務課長
 学校図書館でございます。

 こちらにつきましては、確かに古い本を整理したりすると、学校の図書館の中で多少あきが出るということはあろうかと思いますけれども、現在、小学校におきまして年間の図書購入実績としましては、平成20年度で各校平均69万円ほど、中学校についても同じく69万円ほどでございます。それから、蔵書数につきましても、基本的には国基準のほうをおおよそ満たしているということですので、レベルを求めればどこまでもというところはありますけれども、基本的なレベルには十分達しているものというふうに考えているところでございます。

○濱田図書文化財課長
 団体貸し出しについての御質問でございます。

 学校におきましては、授業とか総合学習で図書などの資料を使いたいが、なかなか校内では資料が足りないといったような場合に、団体登録をしていただきまして、公立図書館のほうから図書の貸し出しをしてございます。具体的には、団体扱いということで、通常の個人の貸し出しよりも期間的にも冊数的にも多く借りることができます。期間につきましては1か月まで、冊数については100冊までということでございます。

 各図書館3館、基本的には地域の学校の窓口となって各図書館が存在してございますので、各図書館で受付をしてございますが、平成20年度の利用実績でいいますと、667件の団体さんに8,447冊の貸し出しをしてございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 それぞれありがとうございます。

 私の感覚的な問題なので、もっと充実を図っていただきたいなと、学校図書室、図書館に関しては思ってございます。

 それで、急で申しわけないんですけれども、議会局長、議会図書室の年間図書の購入額って、ちなみにお幾らでございますでしょうか。今、もしもわかりましたら、比較のためにお知らせいただきたいんですけれども。わからなければ結構でございます。

○礒野委員長
 田中委員、これは議会費のほうのことなので、また後ほど。

○田中(耕)委員
 申しわけございません。ちょっと比較でお伺いしたかったんですけれども、限りある予算でございますので、ひたすら上積みするというのは難しゅうございますけれども、やはり子供たちのために本はたくさん買ってあげたいなということを思ってございます。

 最後に、幼児教育の充実ということで、先ほど守本委員のほうからもお話ございましたけれども、私のほうでは預かり保育、20年度から有馬幼稚園のほうでも預かり保育が新規に行われたかというふうに思いますけれども、こちらの実際の利用状況ですとか、評判、それから本区の御見解についてお知らせいただければというふうに思います。

○長嶋学務課長
 まず、預かり保育の御利用実績でございますけれども、20年度から明石、有馬、月島第一幼稚園という形で年間大体236日利用しております。1日の平均的な利用人数につきましては、明石幼稚園が11.9人、有馬幼稚園が17.0人、月島第一幼稚園が11.7人、定数的には30人まで対応できるということですので、半分かそれよりも少し少ないというような形になっております。

 今現在、預かり保育につきましては、基本的にその園の中に、その学区域で入っている方は自由に申し込めますけれども、それで余裕があれば外から申込者を受け入れるというような形になっています。その余裕というのは、要は3歳児の枠がどれだけあるかによって、外から受け入れられるかどうかという話が1つ出てきます。そういった意味で、地元のお子さんだけでほとんど3歳児の枠が埋まってしまって、外から預かり保育をという形の中で、行きたいんだけれどもという方は行けないケースがあるというようなケースが若干ございます。ただ、預かり保育自体の運営につきましては、今申し上げましたとおり、運用実績がもうちょっと上がればなというのが正直なところです。そういった意味では、またさまざまな工夫が必要かとも思いますけれども、やはり預かり保育とはいえ幼稚園教育ですので、どうしてもお弁当という部分がありますので、そういった部分が多少出ているのかなというふうに思っております。

 以上です。

○田中(耕)委員
 ありがとうございます。

 預かり保育は、幼保一元化ですとか認定こども園ですとか、いろいろな話の流れで、ちょっとニッチなところといいますか、特殊な形なのかなとは当然思っておるわけですけれども、今のところ、空き状況もあるということで、今、御案内ございましたように、うまく使っていただくための方法というのはもう少し検討してもいいのかなと考えてございますので、またその点についてよろしくお願いいたしたいというふうに思います。

 私のほうは以上で終わります。

○石田委員
 第7款「教育費」の質疑も終了したと思われますので、次に、第8款「公債費」、第9款「諸支出金」及び第10款「予備費」について、一括して質疑に入るようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 第8款「公債費」、第9款「諸支出金」及び第10款「予備費」について、理事者の説明を願います。

○西川会計管理者
 (説明)

○礒野委員長
 質問者の発言を願います。

○鞠子委員
 最初に、3点お聞きします。

 現在の21年度の見込みで、主要3基金は472億9,600万です。平成20年度で472億9,000万以上ということになりますが、これは平成20年度で見ますと、歳出額の75%に当たると思いますが、それでよろしいか。

 それから、標準財政規模の20%というのを財政調整基金の根拠にしておりますが、この20%には具体的にどういう法的な根拠があるのかお答えをいただきたいと思います。

 3点目、基金というのは、基本的にいえば、各会計年度で、1つは歳出に不用額が出た場合、歳入が予想以上であるか、そのどちらかを前提とする場合のみ積み立てが可能となりますが、こういうことでよろしいですか。

 3点お答えください。

○田中企画財政課長(参事)
 まず、1点目の質問でございますが、その数値でよろしいかと存じます。まず、基金残高、主要基金の残高472億の割合でございます。

 また、財調基金の20%でございますが、これにつきましては、過去の委員会等でも御答弁をさせていただいておりますが、法的な根拠というものはございません。標準財政規模、本区、20年度ベースでは約453億円程度でございますが、その2割程度、単純に計算しますと90億円という数字になってまいりますけれども、最低でも2割程度積み立てておけば、今後の、財調基金自体は著しい経済変化などに対応するという年度間の財政調整のための基金でございますので、その程度あればいいだろうと。他区に比べますと低いというものもございます。

○西川会計管理者
 3点目の御質問でございます。

 積み立てるケースは、おっしゃったことのほかに、基金利子、これにつきましては条例に基づいてそのまま積み立てるということになっております。

○鞠子委員
 基本的には、私が言った2点だと思うんです、こういう場合にできるということ。問題は、この歳出総額、20年度で歳出総額の75%を積み立てているというのは異常じゃないんでしょうか。積み立てて、そのお金があることは私は否定しませんよ。しかし、その比率から見て、さっき言ったように、本来なら不用額か歳入が予想を上回った場合に積み立てているわけでしょう。本来は、そうした場合、積立金にどんどん積み立てるのではなくて、その間に生ずるであろう、生じているであろう行政需要、住民ニーズ、今後もできるであろう行政ニーズに積極的に活用していくことこそ、積み立てよりも積極的に財政の余裕ができれば使うことこそ財政の本来のあり方ではないんですか。そうじゃないというのなら、ないと言ってください。

○田中企画財政課長(参事)
 委員御指摘のとおり、財源の年度間調整ということで、剰余金が出た場合あるいは年度内に、20年度で申せば、財調基金が当初の予定より10億円程度多かった、また財産収入なども当初の予定より多かったということがございますので、そういったものを年度間調整のためにきちんとこれまでも積み立ててきているという状況でございます。

○鞠子委員
 私は、それがきちんとじゃないと言っているんです。本来、積み立てるために、それが目的になったら本末転倒だろうと言っているんです。区の財政の余裕がある場合は積極的に住民のニーズにこたえた施策を展開するところに財政の本来の活用のあり方があるんじゃないですか。

 私は、具体的に言います。行政需要がこの間、平成14年から20年度までの基金の数字は、さっき言ったように大きくふえていますね。平成14年と21年を比べても、この間に人口はどのくらいふえたか、世帯数はどれだけふえたか。平成13年に比較しますと、人口は132%、世帯は148%になっています。この平成13年以降もずっと積立金がふえていますよ。その結果が、さっき言ったように歳出総額の75%を占めていると。異様な積み立てですよ。この間、人口が1.3倍にふえ、世帯が1.4倍にふえた。保育園の待機児はどうか。待機児も出ていますよ。平成13年は定員総数が、認可保育園ですよ、1,228人だった。待機児は104人だった。20年はどうなったか。定員では1.2倍ふえた。しかし、待機児は104人が367人で3.5倍にふえている。まさに、需要が、ニーズが人口増加とともに、保育ニーズが高まってきた。それなのに、積み立てはどんどんふえる。しかし、結果として、例えば保育の例を私、とっておりますが、平成13年に比較して3.5倍に待機児がふえた。13年から20年までの7年間に、人口はふえることはもうわかっていたわけでしょう。我々は繰り返し言っていますよ。なぜ積極的に財政の力を使って待機児対策のための認可保育所を含めた保育所を、どんどん行政ニーズにこたえるように財政支出をしなかったのか。結果として、できなかったということでしょう。やらなかったということじゃないですか。

 それから、財政の問題だって、財政調整基金だって、これは国の締めつけもあるんです。財政調整基金は、各会計年度において、歳入歳出の決算上、剰余金が生じた場合、当該剰余金のうち2分の1をくだらない金額は積み立てろと、こういう仕組みになっているでしょう。これは明らかに自治体の自治的資金に対して国が制限しているということじゃないですか。枠をはめている。しかも、通常、歳計剰余金の処分方法というのは、1つは基金へ繰り入れるか、剰余金の積み立てまたは償還財源をやるか、一般財源にするか、いろいろあるのは自治権の問題でしょう。ところが、国が2分の1は強制的に積み立てろということになれば、自主権がその分失われるということになりますね。この積立金がふえる背景には、こういう仕組みももちろんあります。こういう要素はありますか。

○田中企画財政課長(参事)
 確かに、地財法の定めによりまして、そのような剰余金につきましては2分の1を2年内にということもございます。しかしながら、例えばでございますが、歳出総額の金額に占める割合というのは75%ということでございますが、単年度で当然それだけ支出したということではございませんし、これまでも健全な財政運営、また持続可能な財政運営ということを進めてきておりますので、例えばでございますが、基本計画2008の中でも10年間で計画事業だけで1,100億円程度の費用がかかる。さらに、その後の新しい保健医療福祉計画でも小規模特養という需要も出てくるということでございます。これまで何も歳出を、区民福祉を、サービスを著しく下げて貯金をしてきたということではなくて、きちんと区民の皆様方に喜んでいただける施策をやった上で、最少の経費で最大の効果を得ながら健全財政に努めてきた結果、このように基金を積み立ててきたという状況でございます。

 以上です。

○鞠子委員
 行革大綱でこの間の減り方は、14年から20年度で256人職員が減っていますよ。人口がふえているのに、前、私言いましたが、住民ニーズが高まっているのに職員は減らす、待機児はふえる。本来の財政が果たすべき役割が、この数字を見るだけでも、基金がふえる、待機児はふえる、これは積極的なそのときの行政ニーズにこたえる財政支出をしていなかったということに、結果として私はなると思います。この基金は区民のものですよ。そのときに緊急だけでなく、中長期的に必要なものはどんどんどんどん積極的に活用してこそ住民ニーズにこたえられると思います。このことを強く主張しておきたいと思います。

 終わります。

○礒野委員長
 次の質問者の発言を願います。

○守本委員
 家計で見ると、基金というのは貯金、公債費というのは借金というふうな簡単な見方があるんですけれども、平成20年度の、先ほども出ていましたが、基金残高472億9,600万円、区債の残高が53億9,900万円ということで、数値的に見ると非常に健全な財政の維持がなされているというふうに思っております。

 基金でございますけれども、そのうち、前年度に比べて65億4,200万円増加しているんですけれども、施設整備基金、教育施設整備基金という形の中に、また財政調整基金ということで積み立てたということだと思っておりますが、歳入でもお話をさせていただきましたけれども、平成20年9月の世界同時不況の始まりということが一つのシンギュラーポイント、平成21年度の予算も20年度に比べて非常に厳しい状況にあったと思いますし、さらに来年度予算というのは財政環境が厳しいことを想定しつつも、予算を立てなければならないのではないかなというふうに思っております。同時に、教育費でいろいろと議論がありましたけれども、小学校で3校、近々に改築が行われる。ここの教育施設整備基金123億9,300万円ですね。単純にですが、1校当たり40億円大体かかるだろうと。付加価値が非常に高いということも含めてですね。そうすると、もうそれだけで教育施設整備基金を取り崩して、そこに充てるとすれば、もうなくなっちゃうんですね。ですから、これを全部充てるとは思いません。と同時に、やはりいろいろな財政運用をして、小学校の改築を考えられると思うんですけれども、当然、基金の取り崩しだけじゃなくて、区の一般の会計もあるし、同時に、区債をどんどん、今、返済してここまで落としてきたんですが、新たにやはり教育債というのも考える一つの要素ではあろうかというふうに思うわけです。ですから、そこのところを1つ。

 それと、やはり財政環境は非常に厳しいですから、これから施設整備基金も、今まではかなり積み立ててきた。今の話とはちょっと違ってきますけれども、今までは確かに積み立ててきた面も、それは将来を見越して、こういうことを見越して積み立ててきたから、評価を私はしているんですが、ただ、これからは取り崩す時代に入ってくるんではないかなというふうに思いますので、その2点、お答えいただきたいと思います。

○田中企画財政課長(参事)
 まさに、委員御指摘のとおりでございます。

 例えばの例ということで、学校の建設のことを取り上げていただきましたが、やはり過去の世代の貯金である基金、これを有効に取り崩すというのは学校改築のためにためてきた基金でございますので、当然行うというもの、また、現世代ということで、一般財源のほうもある程度投入する、さらには将来の方々にも負担していただくということで起債も、区債の発行というものもあわせてやっていくということで世代間の調整あるいは年度間の調整というものを的確に図ってまいりたいというふうに考えます。

 もう一点でございますが、今後の財政運営、歳入のときにも若干答弁をさせていただきましたが、今後は大きく景気が回復するということの望みがない中で、厳しい財政運営が続くと。特に、財調については20年度決算が財調バブルのピークだと言われておりますので、今後これまで健全に積み立ててまいりました財政調整基金ですとか、そういったものを活用する場面がふえてくるのではないかというふうに予測をしているところでございます。少なくとも区民の皆様方に大きく、景気が悪いといっても、サービスの低下が起きないように、激変が生じないように、慎重に財政運営を図ってまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○守本委員
 景気も早く回復してほしいというのは、皆さん一緒の考え方だと思うんですけれども、やはりなかなか地方の財政状況は厳しい状況でありますから、なかなか景気も回復しないと、そういったことに影響すると同時に、新政権になって、いろいろなことが言われているわけですけれども、減税という声も最近はちらちら出てきていますね。そういったことを考えてくると、やはり財政状況をしっかりと見詰めて、区民サービスの低下につながらない運営をしていかなけりゃいかんだろうと。取り崩しの時代に入ってくるだろうと。にもかかわらず安定した財政の運営というものも求められるということで、大変厳しい。厳しいだけに、創意工夫が求められてくるということを認識して、財政の運営をしていただきたいということを要望して終わります。

○石田委員
 一般会計歳出決算の質疑も終了したと思われますので、次に、国民健康保険事業会計歳入歳出決算、老人保健医療会計歳入歳出決算、介護保険事業会計歳入歳出決算並びに後期高齢者医療会計歳入歳出決算について、一括して質疑に入るようお諮り願うとともに、本日はこの程度とし、明10日から12日までを休会とし、来る13日午前10時30分に委員会を開会されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 明10日から12日までを休会とし、来る13日午前10時30分に委員会を開会いたしますので、御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

(午後5時6分 散会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

ページの先頭へ