平成21年 決算特別委員会(第10日 10月14日)
1.開会日時
平成21年10月14日(木曜日)
午前10時30分 開会
午後3時8分 散会
2.開会場所
第一委員会室
3.出席者
(15人)
委員長 礒野 忠
副委員長 神林 烈
委員 鈴木 久雄
委員 石田 英朗
委員 二瓶 文隆
委員 増渕 一孝
委員 田畑 五十二
委員 田中 広一
委員 鞠子 勝彦
委員 小栗 智恵子
委員 小坂 和輝
委員 守本 利雄
委員 田中 耕太郎
議長 石島 秀起
副議長 植原 恭子
4.説明員
5.議会局職員
奥田議会局長
渡辺庶務係長
土谷議事係長
横山調査係長
岡野書記
村上書記
武藤書記
6.議題
- 議案第47号 平成20年度中央区各会計歳入歳出決算の認定について
(午前10時30分 開会)
○礒野委員長
おはようございます。本日もまた、よろしくお願いいたします。
ただいまより、本日の委員会を開きます。
総括質疑について、質問者の発言を願います。
○小坂委員
おはようございます。
では、子育て支援、教育、まちづくりという順番でお願いします。
まず、子育て支援、これは待機児童対策でありますけれども、かちどき西保育園の状態が、今、既存不適格というふうになっているといいます。この既存不適格というのはどのような法律に違反していて、そのようになっているのか、そのあたり、簡単に教えていただければと思います。
2つ目に入ります。
これは、教育費のところで申し上げましたけれども、小学校改築計画策定調査報告書絡みでのことであります。
これに関して、明石小学校等々の歴史ある、風格ある学びやを壊さないでくれというふうなことで、私はたくさんの区民の皆様から御意見をいただいております。きのうもそのような匿名での投稿をいただきました。
読ませていただきますが、初めて投稿させていただきます。私は、明石小学校の卒業生であり、現在は子供が在校している父兄でございます。実は、私は改築協議会のメンバーで、この1年くらい反対意見を出し、区、一部PTA、町会長などと闘ってきました者です。この文章を見れば、明石小学校のPTAであればだれかわかってしまうと思いますが、あえて匿名で投稿いたします。昨年、初めて改築の話を聞き、現在までの経緯はかなりひどいもので、協議会とは名ばかりで、常に区の主導下の報告会です。とりあえずは我々の意見は聞く耳を持ちますが、次の会にはすべてやんわり断られ、区の方針、意見に従うように仕向けられてしまいます。協議会に参加している教育委員会の区の職員は、話が進まないと、私の意見も途中で打ち切り、最終的には逆切れをしてきたこともありました。改築に関しては、常によいことばかりの話で、子供のことを何一つ思ってくれません。人口をふやすことばかり躍起になり、現在登校している子供のことは何一つ考えてくれません。焦点にしなければいけないのは、子供目線で学校を見たときに改築が必要なのか、再度見きわめることだと思います。私の子供は小学生ですが、今の学校が取り壊されると聞いたときに、涙を浮かべておりました。子供はこのように私に訴えておりました。お父さん、今の学校はとても楽しいよ。子供の声は今でも頭から離れないし、今、立ち上がらなければ取り返しがつかなくなりますね。お役に立てることがございましたら、ぜひ御連絡ください。
匿名の方なので、連絡のつけようがないんですけれども、このような感じの御意見をいただいております。教育委員会の皆様の分析では、賛成の方が多いというふうなことですけれども、このような意見があるということをとりあえずわかっていただければと思います。
そこで、質問に入りますけれども、私も教育費のところで何度も言いましたが、どうもこの小学校改築計画策定調査報告書というのは、これをもとに100億円程度の学校の改築がなされていくというのがどうも理解しがたい。すなわち、この報告書は概要版であって、本当に詳しい報告書はあるのかどうか。あれば、それを議会に提出していただきたいと思います。この報告書をもとに100億円もお金を出すような、そのようなものとは読めないんです、これは。それなので、そのあたりを教えていただければと思います。
以上、とりあえず2点お願いします。
○平林子育て支援課長
かちどき西保育園の既存不適格物件ということでのお尋ねでございますけれども、専門的に法律の第何条というのは、すみません、わかりませんけれども、基本的な考え方としましては、1つはあの敷地の中の容積的な問題、これは建築基準法だと思いますけれども、容積的に、基本的にはあそこをポケットパークにした状態において建物を計画がされているということで、現在の勝どき区民館等の複合施設をその容積で建てているという点が1つ。
それから、もう1つは、隣に建物がない前提で建ててございますので、消防法の関係等、そういった関係があるというふうに確認をしているところでございます。
○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
報告書の件でございます。
小学校改築の報告書につきましては、ここに書かれているものがまとめた内容となってございます。詳しい内容等につきましては、データとしてはございますが、公表の形ではまとめておりません。それをもとに、この内容を今回お示しさせていただいたところでございます。
先ほど100億円というお話がございましたが、これにつきましては、前回も御答弁したように、基本計画2008の中で改築、改修というものが今後小学校で必要になってくるという中で、3校の改築については財政面も含めて計画ができたということで、それの具体的な選定ということで報告書の中に示させていただいたものでございます。
以上です。
○室木都市整備部長
既存不適格の補足をさせていただきたいと存じます。
法律名は建築基準法でございまして、条文は52条第1項でございます。この中では敷地面積に対する延べ床面積の割合が定められているものでございますけれども、現在新築されている住宅のほうで、かちどき西保育園側の容積を使っていると。したがいまして、本来はかちどき西保育園がない状態で全体の延べ床面積が計算されているというものでございます。したがいまして、これが存在している限り既存不適格というものでございます。現在のところ、建物は完成を見ていない、仮使用の状態で、今、隣の建物が使われているという状態でございます。
以上でございます。
○小坂委員
わかりました。丁寧な御説明ありがとうございました。
今、待機児をいかに解決していくかという非常に苦しい立場にありますので、このかちどき西保育園ももう少しだけ、永遠にではないです。もう少しだけ延長できないかという方策を、法律の面からもお伺いさせていただいておりますけれども、そのシステムがなければ、そのシステム、法律を変えて、保育園という地域への貢献を考えて容積率をアップするとか、そのような発想がまたとれないかなと思いまして、素人ながらに質問させていただきました。このように既存の建物を、これだけにかかわらず幼稚園の休園中の部分もありますが、さまざまなあいている部分を探して、ぜひとも待機児解決のためのスペースを見つけていただければと思います。よろしくお願い申し上げます。既存不適格に関しては、さらに深まったところに関しては、今後また御相談させてください。
次に、小学校関連でございますけれども、私はどうしてもこの報告書は不完全であると思います。この報告書をもとに、そのような議決に至ったということは、私は考えたくないと思っております。その理由は前回も述べさせていただきましたが、以前から書かれている報告書とこの引用がちぐはぐである、矛盾しているということで述べさせていただいております。これのもととなる、これが概要で、本版があるのかなと思えば、それがなかったので大変残念なことでありますけれども、改築の計画はもう少し区民の意見を聞き、再検討も踏まえ、もしくは少なくとも建築学の専門家は入っていないということでしたので、その方々も入れて改修のあり方を、すなわち一部分のところの改築だけでも何とかなるんじゃないか、教室数をふやすことができるのではないかというところを見ていっていただければと思います。単に教室が広くなるということと、私はこの風格、伝統がある学びやで育つということと、どちらが教育効果があるかと考えた場合、今の学びやで学ぶということこそが中央区の教育のあり方であるし、その学びやということが教育にとってとても大事であると私は考えております。単にビルの中の広い教室でというだけではなく、今の建物を生かしつつ今の教育事情に合わせていく、そのような考え方で検討していただければと思います。これに関しては、まだまだ区民の合意形成が至っていないと思いますので、また今後とも御相談させていただければと思います。よろしくお願いします。
では、次にまちづくりに入らせていただきます。
まちづくりに関しましては、今回も、最近に至りましては勝どき五丁目の再開発の問題もまた持ち上がってまいりました。この開発も1つ建てば1,300戸ふえるというふうな開発であります。このような超高層住宅で一気に500やら1,000戸をふやすというふうな、そのような再開発のあり方というのはいつまで続けていくおつもりであるのか、そのあたり大変不安であり、お伺いさせていただければと思います。中央区の人口は13万人で、そこからカーブになるということでありますけれども、このあたり、この住宅政策、再開発の政策はもうそろそろ考え直したほうがいいのではないかと。リーマンショックで金融破綻が来たように、今度はこのような超高層マンション計画がまた、それと似たようにブレーキがかかってきていないところかもしれないので、早々にそのような再開発のあり方は切り上げるべきだと私は考えますが、いかがでしょうか。
○望月地域整備課長
再開発につきましてのお尋ねでございます。
再開発につきましては、地域の皆さんが共同して行うという形で地域のまちづくりを行っていくものでございます。区のほうとしまして、その地域の皆様がまちづくりを行うことについては、これまでも支援をしてまいりましたし、地域の課題解決のために必要な場合があると、そういうふうに考えてございます。ただ、これまでまちづくりを進めている中で住宅の量の確保というところから質の確保というところ、そういったことは地区計画の中でも転換してまいったところもございます。そういった中で、地域のまちづくりはやはり必要な部分で、住宅というものも地域の皆様がお住まいになる、住み続けていただく、そういった中で計画されるものと考えておりますので、これは必要に応じて検討していくべきものと考えております。
以上でございます。
○小坂委員
再開発の考え方は理解いたしました。ただ、今は勝どき五丁目でもそのようにたくさんの人が住んでいない部分に対して1,300戸もふやす。その1,300戸もいきなりふやすことによってコミュニティはつぶれるわ、インフラは整っていない。これは介護のところでもお伺いさせていただきましたが、きっとその1,300戸も建つような超高層の住宅であれば、そこで介護難民が生じる。ひとり暮らしの介護が必要な人の助けの声が届かないとか、地域の見回りネットワークが機能しないとか、そのような状況がきっとこの中央区ではますます問題として生じてくると思っております。
でありますので、まちの更新のあり方、それは月島一丁目の3・4・5番地であれば、まちの更新の一つの考え方としては超高層の考え方もわかりますけれども、今はそのような同様の開発が、振興がそんなにないところにもまだまだ開発していこうという勢いなんです。その勢いを早くとめるべきであると私は考えております。勝どき地域や晴海地域で同様にこのような超高層のマンションは建てていっていいものか、大変不安であります。このあたりで、いつまでその計画、このような考え方を続けるおつもりなのかを答えていただければと思います。
○望月地域整備課長
先ほども御答弁させていただきましたけれども、いつまでということではなくて、やはり中央区のまちづくり、これまで住み続け、働き続けられるまちづくり、こういったものを基本としておりました。そういったことはこれからも続けてまいりたいと考えております。ただ、地域の課題、これはさまざま地域の個性、特色がございます。それぞれの地域における課題がございます。そういったものもあわせて解決できるように、地域の皆様とお話ししながらまちづくりに取り組んでまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○小坂委員
いきなり1,300戸とか、ふえたことによって介護の需要が急激に増し、それに対応できなくなるということを私は恐れて申し上げております。そのあたりの心配がないというお考えですか。それが1つありますのと、コミュニティに関して申し上げれば、新たな住民がそこにふえてくるわけですよね。その方々がいかに地域に属していくかというところで考え方をもっと広げていく必要があるのではないかと思います。自治会・町会のあり方とも関連してきますけれども、新たにそこにマンションができれば、マンション管理組合ができます。マンション管理組合ができれば、それはそれでマンションを運営していきますけれども、そこに自治会ができた場合に町会とは別の新たな組織がそこに誕生することになります。そうしたら、その組織と町会とがうまくいかにやっていくかというところの課題が生じてきます。
この考え方でいくのであれば、月島一丁目や湊二丁目東地区の再開発においては、コミュニティづくりという観点では、新たにできた超高層のマンションには管理組合はできてもいいけれども、自治会ができてしまうと、もともとの町会と自治会との関係でコミュニティがうまく回っていかなくなるのではないか、よりよいコミュニティのあり方を考えるのであれば、管理組合だけにして、そのあたりの新たなマンションに関しては自治会組織は要らないのではないかというふうな考え方もできると私は思っております。ちょっと話が広がりましたけれども、新たにできたマンションがコミュニティをいかにつくっていくかという考え方で、そこは新たな住民同士で考えていくべきではありますけれども、区としてはどのようなサポートができるか考えていく必要があると思っております。
今後、保育だけでなく、このような介護の需要とか、きっとふえると思うんですけれども、そのあたりに対してどのように対策していくお考えでありますでしょうか。
○矢田区長
中央区のまちづくり、さまざまな御意見があろうというふうに思います。いつまで続けるかということでありますけれども、人類、この地球上、生存を始めてから繰り返し繰り返しまちづくりは永遠のものでありまして、人類がいる限り、まちづくり、各地域で進めていくであろう、こういうふうに思うわけですけれども、その地域に合った、また歴史や伝統をしっかり受け継ぎ、さらに時代の要請を的確にとらえていくまちづくりですね。そのためには、やはり何といっても地域の皆様方、企業の皆様方、そこでお仕事をされる皆様方、また行政が入って、そしてその地域のコミュニティ、コミュニティという言葉を随分お使いになりましたけれども、コミュニティをつくっていく。また、介護であるとか保育であるとか、そういった必要性をどんどん取り入れていく。そしてさらに、今、大変重要なのは環境ですね。環境の面で政府も25%CO2削減と、こう言っているわけですから、そういった環境面に大いに配慮した、そういうまちをつくっていかなければならない。つまり、そこに住まわれる方々が喜びを持って迎えられる、そういうまち、これが私たちの願いであり、行政の責務である、こういうふうに考えているわけでございまして、そういった意味で、どんどん意見を言っていただく、これが一番基本ですね。さまざまな、こうしてほしいんだ、ああしてほしいんだ、また、こういった点、インフラのほうはどうなんだ、こういった問題を具体的に出していただいて、それに的確にこたえていく、それが一番大事であろうというふうに思っているわけでございまして、これからも自由に話し合える、そういう中でのまちづくりを推進してまいりたい、こういう思いでいっぱいであります。
以上です。
○小坂委員
区長直々にありがとうございました。
私は、中央区のこの超高層住宅を建築し続けるというまちづくりは誤っている方向だと思います。もう少し低層でも、低いマンション、7~8階でまちを更新していくやり方は必ずあると思いますので、このあたりに関しましては、また第四回定例会におきまして御議論させていただければと思います。また、まちの声を届けていただきたいというふうなことをおっしゃっておりましたが、それであれば、もっともっとまちの声を聞けるようなまちづくり協議会をつくっていただいて、そこで住民の声も届くようにしていただければと思います。そのまちづくり協議会の改革に関しましても、ぜひともお願いしたく思います。
では、私は今後中央区のまちづくりをよりよいものとしていただけるようにお願いして、私の質問をすべて終わります。ありがとうございました。
○礒野委員長
次の質問者の発言を願います。
○守本委員
私は、平成20年度中央区各会計決算の総括的な質問をさせていただきたいと思っております。
最初に、歳入等でも御指摘、また意見も述べさせていただいたんですが、昨年の秋のリーマンショック、世界的な金融危機に端を発しまして日本の経済も大きな影響をこうむっているのも、現状、そのとおりだと思いますし、そういった背景のもとに財政環境も大変厳しい。今後の住民サービスの低下を招かない工夫をしながら前進をしていかなければならない大変厳しい時代に入ってきているということを私どもも認識をさせていただいているわけです。本区では、予算の立て方においてもフレーム予算を導入して、スクラップ・アンド・ビルドという形の中で展開をしてきているわけですけれども、今後もまさにこういう厳しい財政環境ですから、こういったスクラップ・アンド・ビルドの精神を生かしていかなくてはいけない。まさに、スクラップ・アンド・ビルド、スクラップは大切なこと、無駄を省くことですから。ただ、ビルドも、こういう厳しい財政環境でありながらも新しい、住民のサービスを目指してビルド化していくことも大きな大きな課題だと。そのためには、やはり行政マンも含めた人材の確保、そして育成という問題が大切であろうというふうな認識を持っておりますので、まず最初に、人材の確保・育成についての基本的なお考えをお示しいただきたいと思います。
○中島職員課長
御指摘がありましたように、区の事務事業を遂行していくためには、区の職員の力の発揮というのが非常に重要なポイントになると思います。定年退職で退職される方が毎年いらっしゃるわけで、それに見合う新規採用者を確保しつつ、事務事業の見直しの中で定数の適正化を図りながら新規採用等で人材の確保に努めているところでございます。また、一方で、新たな分野の行政需要もございます。例えば、プレディでありますとか、それから預かり保育、それから延長保育など、新しく行政サービスに対応する必要もございます。こういった新たに発生する分野については、非常勤職員の活用、そうしたことも実施をいたしております。
いずれにいたしましても、区の職員が採用から退職までの長いスパンの中で、それぞれの職責にあって力を発揮できるように職員研修にも努めているところでございます。
以上です。
○守本委員
今、課長からもお話がありました非常勤職員の活用でございますけれども、非常勤は1998年から99年ごろ、公務員法の改正によって新再任用制度ができてきたというふうに思うんですが、当時示した判断は、公務に従事する非常勤は一般職がよいというものだったようだと思います。そこで、能率や成果という概念とはおよそ無縁の身分保障とも言えなくもないような、そのような判断だったような気がいたしておりますけれども、当時は再雇用制度でも退職前と同じ仕事に従事する場合なんかが多くて、特別職といえども一般職の常勤と何ら変わらなかったというような時代もあったというふうに思います。
今現在では、正規職員と同等以上の能力、専門性、勤勉性を有しながら、業績においても貢献が大であるにもかかわらず、雇用への配慮がないというような非常勤に対する問題点も指摘されている面もございます。まじめに従順に働く非常勤の成績がよいにもかかわらず、雇いどめになるのは過酷だよというような意見もあります。やはり、今、非常勤問題というのは信義則、公正が問われているのではないかというような感じが私はしているところでございますけれども、この非常勤問題については、各区ともいろいろな形の中で対応して、また、ある意味では安定的な雇用の確保も含めた問題点に対する対策をしているところが多い。文京区の区立図書館の指定管理者制度導入で非常勤の継続雇用に配慮をという形の中で、文京区の取り組みもある。そういった状況、また、これはちょっと問題が全体的な問題とは外れますけれども、江戸川区立の中央図書館では非常勤の時間外未払いで労働基準監督署が是正の勧告をしている。そういった場合もあった。杉並区の区立図書館でもすべて指定管理者へということで、市民団体が凍結の署名運動などで反対の声も上がってきている。
そういうことで、非常勤職員の問題というのは、やはり行政のサービス、そして住民サービスを推進するという面と同時に、そこで働く非常勤の方々のいわゆる身分的な保障、そういった背景をもしっかりととらえてあげることが重要かと思いますけれども、いかがですか。
○中島職員課長
非常勤職員につきましては、現実的に、今、区の事務事業の大きな一角を担っていただいている、そうした認識でおります。さまざまなタイプの非常勤職員がおりますけれども、例えば産業医とか相談員のような専門的な知識を持ったような方、こうした、言ってみれば伝統的な非常勤に加えていろいろな、先ほど申し上げましたような保育補助員のような形で区の事務事業の補助的な業務を担っていただくような方、こうした方も多うございます。委員御指摘のように、非常勤職員の処遇あるいは身分の保障という問題については、地方公務員法の枠の中で、現在、運用しているところでございますが、全国的にも地方公共団体で非常勤職員が多数雇用されている中で、いろいろとやはり制度的な問題、言ってみれば制度疲労のような認識がやはりあるのではないか。こうしたことから、総務省でも制度及び運用の改善については、引き続き検討するんだと、そういったこともおっしゃっておられるところであります。
いずれにしても、非常勤職員は重要なポジションでございますので、きちっとした処遇及び待遇については確保していくことが必要だというふうに考えております。
○守本委員
今、歴史的な背景を意見として述べさせていただいたんですが、現在、特別職ということで免許や資格を有する特定の職を専門職とし、つまり特別職と分類した上で専門員や嘱託員として雇い入れられたのが通常の非常勤職員ということで、保育士等が列挙されるわけです。今、一部分について課長からも御説明いただいたんですが、中央区においては事業運営等補助員、指導員、生涯学習、保険・年金徴収員、図書館、児童福祉関係では保育園、児童館、プレディ、幼稚園、医療技術関係では産業医、保健師、栄養士等々、施設維持管理関係では保育園、相談員では経営相談、消費生活相談、生活相談、教育相談、学校教育関係では特別支援、柏学園講師、適応教室、そして、その他で女性センター館長、災害応急指令員などが中央区では非常勤という形の中で行っていると。
ただ、そういった状況の中で、ほかの区でもこの問題については非常勤の職員の処遇の見直しや改善の動きがあるんですね。例えば、荒川区や千代田区は非常勤職員の処遇の見直し・改善を進めているということで、荒川区においては、職員に差を設けて上級の非常職を設定し、あわせて処遇改善を実現している。総務省は、この問題については嫌っているようなことのようでございますけれども、自治を貫いた上策という評価も荒川区の問題については評価もされているようでございます。
勤務評定制度なども導入して、勤務成績がいい人はいつまでも頑張る。頑張る人がばかを見ない制度として整備されていくということのようですけれども、うちの区においても、非常勤の中で相談員、経営相談、消費生活相談等の相談員の方々は優秀な方がそろっているということも含めて、安定的な職の確保がなされていると思うわけですけれども、私が言いたいのは、職員数の適正化などで、行革で生み出した財源は、やはり社会の活力創出に振り向けることが、今、必要であるし、就職氷河期と言われている時代の中において優秀な非常勤として数多く働いている方もいらっしゃる。そういう成績をしっかりと見詰めながらも、そういった非常勤の雇用をしっかりと体制的にしていくことが大事ではないかというふうに考えているところでございますが、人材の確保は非常勤だけに限らず、やはり職員の研修等も重要な部分だと思うんです。
研修の話の前に、若干きのうも他の委員さんから、指定管理者制度の板橋区の例を挙げて問題提起の質問がされていましたけれども、やはり非常勤職員の問題というのは指定管理者制度ともラップするんですね。指定管理者制度を導入することによって、今まで非常勤で働いていた方が、逆に言えば能力優秀な人材であっても、そちらのほうに移行することによって、非常勤ですから1年の任期、2年の任期といいますか、終わりましたからどうぞおやめくださいというような形の中で、逆に言えば指定管理者制度の中に吸収されずに、そういった優秀な非常勤もそのまま雇用されないという状況も生まれている。23区の中ではそういう状況も生まれている。
板橋区のことできのうの議論もなされたわけですけれども、文京区の区立図書館の場合では、指定管理者の募集にかかわる業務要求水準書で、現在、文京区立図書館で働いている非常勤職員等については経験者雇用の面から人材の活用に配慮すること、そして非常勤の継続配慮に加えて、指定管理者にその非常勤も雇用するような形、これは希望的というのかな、指導まではいかないのかな、非常に精神はわかるけれども、実態まではなかなか難しい。事実、文京区は実際の雇用関係は指定管理者である業者と雇われる方たちの問題であって、区が関与することではないんだと。にもかかわらず、しかし、非常勤の優秀な人は確保していただけるとありがたいというような希望的な一つの指針になっているのかなという感じがするんですが、栃木市の市立図書館では、臨時職員で再雇用を望む者については、経験者雇用の面からも優先的に指定管理者に入れなさいというようなこともしてきているということで、文京区は本当にそういう意味では方向的にはいいんだが、実質的には指定管理者にお任せだよというような面がある。
きのうも議論になった板橋区は、それにさらにもう一歩踏み込んでおりますね。指定管理料のうち人件費の基準単価を区側がしっかりと提示して、それを積算する方式、そしてモニタリング評価制度も強化する。人件費の算定の考え方では、従来、職員標準人件費の6割を上限とする規定が指定管理料に含む正規従業員と非正規従業員の給与について、それぞれ単価基準を設定することで上限と下限を一元的に定めていこうと。これは、板橋区の指定管理者制度の運用に関する指針です。御案内だと思いますが。正規従業員は、特別区人事委員会の給与勧告に際し、民間従業員給与実態調査から企業給を規模別の職層別平均給与額を適用する。これに事業者側で負担する法定福利費を加えた金額を基準にするんだと。非正規職員については、区の臨時職員取扱要綱に定める一般事務、時間当たりの賃金単価かハローワークなど求人情報を参考に算出した民間企業における非正規従業員の賃金単価などを基準にする。そこに法定福利費を上乗せする。これらの単価に基づいて、各施設の職員配置基準などを勘案し、人件費の総額を積算する。基準単価は、毎年度財政課が各所管課へ提示する。職員の適正数などは、所管課と財政課が協議し、設定する。評価委員会は、業務内容のほか、事業者側の財務状況や従業員の労働条件などを点検・評価、結果を事業者名を含め、ウエブサイトで公表をしましょうということで、かなり進んだ形の指針が出されているんですね。
ただ、指定管理者というのは、逆に言えば、行政改革の一環の中にも入ってきている問題でもありますけれども、やはり民間でできる事業は民間で、そして、かつ財源的にも区の負担が少なく効率的に運用できるのであれば、しっかりとそういう形の中で、その分を逆に区民サービスに回していこうというのが精神だというふうに思っております。ですから、その精神と、先ほどから板橋区の例を挙げて言った雇用の確保、そういった問題をしっかりと整合していくことが何よりも大切であって、安いから、指定管理者の業務全般が区で直轄でやるよりも非常に財源が少なくて済むという面だけをとらえたときに、劣悪な状況が生まれたときにはだれがチェックをするのか、その劣悪なものが住民サービスのほうに影響するということが起きた場合には、指定管理者によって行っている業務委託が本来の住民サービスにもつながってこない。その辺の整合というものはやはりしっかりと区として明確にし、かつチェック機能を果たすことが大事ではないか。
ですから、今回、指定管理者の外部委託監査を行う。個別監査ということで、今度は区側が指定管理者のものをやっていくと。だから、例えば板橋区のようなこういう指針があれば、個別監査を行うに当たっても、監査をする人はこういうことも求めていくことも、私の私見では可能なのかなという気がいたします。だから、やはり個別監査をするということは、そういった劣悪じゃない状態をしっかりと保ちつつ、そして適正な運営費によって住民サービスの低下に結びつけない、そういう一つの監視という意味でも今度の個別監査というのは大きな意味があるのではないかというふうな気がいたしているんです。
そのためには、やはりさっきから申し上げているとおり、指定管理者のあり方、そして非常勤職員の問題のあり方についても区が積極的な、いわゆる整合性を含めた指針をしっかりと出していく。その指針に基づいて外部監査人にしっかりとそれを前提にして監査をお願いするという姿勢がやはり大事であり、でなければ、今の従来の監査で、ある意味では対応できる。しかし、個別にここまでやろうというのには、そういった背景もしっかりととらえること。それは板橋区にならえと言っているんじゃないですよ。板橋区に右ならえしろと言っているんじゃない。やはり区としての指針をしっかりと持つべきだと。難しいかもしれませんよ、確かに。要するに、求めているものと雇用の問題というのは非常に難しい面があるのも、私もギャップがあるのもわかっている。だが、しかし、そこのところを整合させながら、しっかりとした区の姿勢を出すこと、このことが大事ではないかという意味で質問しておりますが、いかがですか。
○斉藤総務部長
雇用問題、指定管理者、非常勤ということで委員のほうから種々御指摘、御示唆をいただきました。まず非常勤から申しますと、御発言にもありましたように、大変多岐にわたり人数もふえているという状況の中では、その活用を図りながら、一方でさまざまな問題も生じてきている。それは、地方公務員法上の制約を受けながらも、どのように解決していくかというのは大きな問題だと思っています。やはり、きちっとした雇用を区として率先して社会に示すということは非常に重要だと思っておりますので、この辺は引き続き十分検討していきたいというふうに考えてございます。
それから、指定管理者との問題でございますが、御指摘にありましたように、やはり効率性と区民サービスの向上というのが指定管理者導入の第一義的な問題でございまして、私どもが導入したときには雇用問題とか労働問題とかが必ずしも大きな問題ではなかったというふうに考えております。ただ、この1~2年の経済情勢の中でかなりワーキングプアという問題が取り上げられている中では、新たな問題として区も認識をし直して取り組む必要があるというふうに思っております。板橋区につきましては、そういう意味ではかなり先駆的なものであり、意気込みを感じるところではございますが、区でどこまでその辺の民間のノウハウに対して制約というか基準を設けてできるのかというのは十分検討する必要があるかなというふうに思います。
一例を挙げれば、事業者としてのいろいろな経営体系がございますので、本社機能と区指定管理を受けたところの職員の処遇との整合性なんかもあるかと思いますので、一律に区で決めてしまった場合に一定の業者を排除してしまったり、あるいはその中で業務に携わっている職員の場が区のほうに参加できないというような要素も考えられます、ほんの一例でございますが。幸いにも板橋区がそういう先行的な形でやっていただけるということであれば、その辺の十分成果は見させていただいて、区としてもどのように取り組むかというのを検討していきたいというふうに考えてございます。
○守本委員
やはり個別監査を行う。難しい面は確かにわかります。経営は、その部分の委託した中の財源プラスマイナスとかという範疇というのは、当然監査できるものですから。ただ、そこに附属する本体のほうの問題まで、どこまでできるかというのは、いろいろと専門的に考えなくちゃいけないことであろうと思う。しかし、委託した部分について、そこで働く人がどれだけの規模で、どれだけの給与をもらう、あるいは非常勤なのか常勤なのか、それに対応して住民サービスに影響があるのかないのか、そのチェックはすべきだと思いますよ。個別監査は今回は行政が、区長が監査人にするわけですけれども、これは住民請求からもできるわけですね。そして、区議会もできるわけですよ。区議会からも、個別監査で監査人にできるわけです。だけれども、まだ今始まったばかりですから、状況も区議会としては見詰めていこうと私は思っていますけれども、やはり行政もしっかりしたそういう形のものでチェックをし、実態を調べ、内容的にその監査の報告を受け、議会にも報告を受けて、そういう形で問題は少ないということであるならば、議会も住民も特別な個別監査をすることはないと思いますけれども、そういった両面もあるということも視野に入れながら対応していただきたいというふうに思います。
人材確保ですけれども、どうも荒川区のを新聞なんかを見ていますと、行政先進国というように新聞記事なんかには出ているんですが、荒川区は研修や人事異動で能力開発型に軸足を置いて、みずから能力を伸ばす仕組みということで人事戦略の転換を07年9月に策定した人事戦略構想に基づいて、これまでの型にはまった人事行政から、新たな創造的な人事行政に転換を図るために、職員の採用や人材育成、異動、処遇など人事制度全般にわたる見直し策を示しています。改革の柱というのは、みずから能力を伸ばし、力を発揮できる仕組みの構築ということで、昨年の秋には職員の研修制度を大幅に改正した。今後は能力開発型の研修に転換する。2年間を集中期間として行う。コミュニケーション力や思考力、IT対応力、みずからが必要と考える研修を選択し、スキルを高めていく。公募制人事の導入も図りたいというようなことで、一つの荒川区なりの方法が報道されております。
杉並区も、人材育成計画というものを策定して、職員の評価や研修を見直していこうということで、杉並区は人材育成基本計画を8年ぶりに改定して、職員評価制度の見直しや個々の職員のキャリアプランに沿った研修・人事のほか、係長選考の見直し、非常勤職員の常勤採用、内定者への事前教育など、多岐にわたる戦略を打ち出していると。そして、この計画の柱となる戦略は、まず1番目にやる気を引き出す、2番目にはみずから成長する意欲の支援、3番目には能力を発揮できる職場づくり。まず、やる気を引き出すための具体策として、職員評価制度を見直し、例えばルーチンワークなどふだんの仕事ぶりの評価はこれまでも行っているのだが、所属長の裁量に任せている部分が多く、きめ細かく評価する制度に見直していこうということ、そして、職員の持つ資格や免許の情報を集積してプロジェクトチームなどに活用する人材バンクシステムを運用しようというようなこと、そして硬直的だった降任制度を見直して、保育や介護などに配慮できるよう柔軟な制度運用も目指していく。人材の確保では、優秀な非常勤職員の常勤職への登用を人事委員会に働きかけていこうというようなこと。みずから成長する意欲の支援では、キャリアプランに基づく能力開発、そしてキャリアプランを配慮した人事配置や研修メニューの再編、職場づくりでは職員を評価する管理監督者のスキルアップに人事育成能力や効果的な指導方法の獲得を目指していくと。さらに、民間に委託して行う覆面顧客満足度調査について、ことしから事前に職場状況を把握して改善に向けた研修も行っていこうと。職員の研修を担っていた能力開発センターを人材育成課に変更して、職員提案制度などの業務を移管し、人材育成にかかわる業務を集約していくというようなことが杉並区ですね。
新宿区でも同じように、人材育成センターがあり、中身は多少違いますけれども、基本的な、方向的には杉並、荒川に準じた形のものが出ている。さらには、板橋区も人材育成基本方針というようなもの、キャリアデザイン支援を強化していこうというようなことで、やはり各区とも人材の確保・育成という、ここに挙げた区ということで限定いたしますけれども、積極的に取り組んでいる。要するに、方針、方向を明確にして、今後の職員のあり方をしっかりと明文化している。そこで方向を示しながら、職員と一体となって前向きな行政の執行をしていこうということでございます。
中央区で、平成20年度の研修機関ということで職層研修では新任研修、実務では文書研修等々、特別研修では友好都市交流等々の資料があるわけですけれども、やはり人材確保、そして人事のあり方、そして住民サービスを進める一番大切なのは職員の皆さん方一人一人がいかに問題意識を持って、そして先ほども言ったように新たな政策能力、立案能力、そういったものを開発して、それを進めることによって、そして一方では効率的な行政運営をするためには財源の確保あるいは無駄を省く努力、そういったことの中で、厳しい財政環境の中にあっても皆様方の職員一人一人の意識が高揚することによってサービスが向上していくんだという、そういう趣旨からすれば、やはり基本的な方向をしっかりと職員に、また区民に示しながら、住民サービスの低下に結びつかない職員体制を築いていくんだということを示すことが大切なことではないかなと。また、ある意味では、荒川区は自治体のシンクタンクというようなものも設置してきている。そういったことで、やはりよりよい、限られた財源の中でも区民サービスを低下させない職員体制、そういった意味も含めて、そういう基本的な姿勢を区はどのように考え、また今後近々の中に対応するお考えがあるのかどうか、そのことをお尋ねしたいと思います。
○髙橋副区長
今、委員のほうで種々、また御提言の部分も含めまして御意見をいただいたわけでございますが、基本的には私も全く同感であります。
ただ、幾つか問題が、委員もおっしゃいましたように、例えば中央区を一つの個別の企業というような団体と想定すれば、自身の力で職員を採用し、昇任もさせ、研修も独自の研修ができると。ただ、そういうことではなく、23区の場合には今のお話にもありましたような、採用も含めまして人事委員会を通してやっているわけです。しかし、人事委員会のほうも今のようなやり方でいいかどうかということは、区長会でも副区長会でもそれぞれこれまでも問題にしてきております。少しずつ改善はいたしておりますが、一番ネックになっておりますのが区間交流を円滑にするという、これが将来ともできなくなってしまうんじゃないか、そういう不安も持たれているようであります。つまり、23区統一の基準、統一の能力の実証で得られた職員を、事情があって区間交流するという場合にも、それをもとに円滑にやっていると。それが各区の独自のレベルでの採用ということになると、区間交流自体がなかなか現在のようにスムーズにいかないという一つの前からの議論もございます。ただ、この辺もぼつぼつ各区の独自性をさらに深め、区が必要とする人材を育てていく、まさに御意見のとおりでございますので、荒川区が、今、そういうことで人事委員会のほうにも話すような話も聞いておりますけれども、これはやはり23区全体でそういう形に取り組みませんと、1区だけでできる問題ではありません。問題意識はそれぞれ持っておりますけれども、まだその濃淡があるということで。ただ、方向性としては23区のためにつくられた人事委員会ですから、いろいろ不都合がある部分についてはなるべく速やかに改善をしていく、それで各区が目指す人事ができる、人材確保ができるという形にしていかなければならないと思います。
1つ、これも経験から言わせていただいて大変恐縮ですが、私もかつてそういう研修機関に若干いた経験がございまして、23区の様子を見ておりますが、フレーズは立派なんですが、なかなかフレーズどおり進んでいないというのが実態で、大規模な区は区独自に研修所、組織を設けている区もありますが、なかなか思うように育成ができないという悩みは伺っております。本区の場合も、仰々しいフレームは打ち出しておりませんが、例えば今一番困っておりますのは、仕事の意欲はあるんですが、管理職だけでなく、係長あるいは主任に昇進・昇任をする意欲がなかなかわき立ってこない。それで、悉皆の調査をしまして対象者に調査をやったんですけれども、やはりそれだけの責任に自分が任じられるかどうかという不安が一番大きいようでございます。また、現在の生活で満足をしているというような面もございます。
そういう中で、この組織を健全に育成していくためには、やはりしかるべき年齢層にしかるべき指導層になって組織を引っ張ってもらえませんと、組織が成り立ちません。ですから、そういうことで、私どもも本当に真剣に、また深刻な問題として、この問題をよく認識いたしておりますので、本区の、また本区にふさわしいような人材の確保、研修体制を鋭意築いてまいりたいと、かように存じます。
○守本委員
最後のほうに管理職試験を受けないというお話も出たんですが、これも人事委員会があるから、なかなか難しい面もあるんですが、部分的になんでしょうね。横浜市なんかは、逆に言えば民間からとか、いろいろな人事委員会の枠を超えるような形の取り組みもしている自治体もある。ただ、やはり23区、ある意味の一体な形の中で取り組まなければならない面が多々あるわけだし、また財政調整制度がある限りにおいては、突出した形ではできないということを重々承知しながら、しかし、その中においても区として独自の人材の確保、人材の確保というのは新任職員の確保というだけではなくて、非常勤の問題も含めた優秀な者に関して、さらに育てていくという意味での方向は、一つの大上段に構えたものがいいのかどうかはそちらのほうにぜひ検討していただきたいとは思いつつも、やはり区としての方向を、御旗を上げることは大事なんじゃないのかなという気がいたします。
それと同時に、先ほどの話に若干戻りますけれども、この間、人事委員会の勧告が出ましたけれども、やはりあれだってうちの区的に言うと微妙でありますね。民間よりも上になっているということだけれども、従業員規模からいったときに、大きな区と、23区、職員数の問題からいったときに、本当にそこの規模に合わせて多いだ少ないだっていいのかという問題も確かにある。
しかし、さっきの話でも、そういう状況の中においても、逆に言えば、民間の同率レベルのところの確保はしなさいよと言っているわけですよ、板橋区なんかは、指定管理者で働く人は。そこのところと、要するに公務員のところとあわせて、実態に合う現実的なレベルをちゃんと見なさいよと言っているわけなので、そういったことをやはりある意味の方向をしっかりと示すことによって、区がそういう姿勢があるということであれば、よりよい指定管理者だって公募してくる、厳しいけれども、運営上、ある意味では厳しいと思いますよ。だから、最初から言っているように、本当に縛りをかけちゃって、来たけれども運営はできなくて、途中でばんざいということでも困るわけですから。ただ、やはり姿勢はしっかりと御旗を立てておくことは大事だということを再度意見として述べさせていただきます。
次は、特別区の制度研究会、本年の8月20日に発足したわけですけれども、特別区長会の方針を受けて、特別区協議会が研究会を設置するのは初めてと。研究会ですね。これは23区職員で構成する。各課の実務者レベルの視点から、区のあり方の基礎的な調査研究を実施すると。テーマとしては4項目。1番目には国の地方分権改革などに対応した区としての考え方、2番目は区と他の自治体の連携のあり方、3番目は第2次特別区制度調査会が区から市への転換方向性を示し、対等協力関係での財政調整などのイメージの想定、4番目に同調査会の報告を踏まえた自治モデルの具体化への課題の整理ということがテーマだそうです。参加メンバーなんですが、企画課を中心に人選された係長、主任、主事で25人、そのうちの6~7人のチームを編成して国の分権改革、都区のあり方などをにらみながら具体的にテーマを絞り込んで調査研究を毎月1~2回のレベルで進めていこうと。平成22年、来年ですね、3月末までに期限を定めて、区長会、副区長会に中間報告や結果報告などを行うということのようでございます。
そこで、お尋ねしたいのは、中央区としてのこの研究会に対する、まず見解、そしてこの研究会に中央区からどういうポジションの方が参加しているのか、そしてまた現在まで、8月20日に発足ですけれども、現時点での取り組み、そしてそういう職員に対する区としてのバックアップのあり方、これは係長級の方ですから命を受ければ行きますけれども、しっかりとやはり区としてバックアップを、それで、よく研究して力をつけて、区の行政の中に生かしなさいというようなしっかりとしたバックアップ、ただ参加をさせておけばいいなんていうことは言ってはいませんが、そういうことでなく、しっかりとバックアップすることによって、この研究の成果が上がるんだというふうに思うので、お尋ねをしているわけでございますが、教えていただきたいと思います。
○田中企画財政課長(参事)
委員お尋ねの研究会についてでございますが、本区からは職員が参加しているということはないかと存じます。また、報道等で承知しているという範囲でございまして、詳細な通知等については手元には来ていないという状況でございます。しかしながら、取り扱う問題につきましては、本区を含めて、まさに特別区全体の今後のあり方、あるいは国や都とのあり方といったことに検討が及ぶものでございますので……。
大変失礼いたしました。企画部のほうの職員が参加をしてございます。大変失礼いたしました。そこら辺の情報については、適宜こちらのほうでもフィードバックを受けまして、全庁的に広めて、今後の議論が深く進むように全面的に庁内挙げて支援をさせていただきたいというふうに考えております。
以上でございます。失礼いたしました。
○守本委員
まさにバックアップしていないということを言っているじゃないですか。これ、特別区長会の方針を受けて特別協議会が設置したんですよ。だから、職員レベルで研究しようかと言って、では各課集まりましょうというようなものじゃないんですよね。だから、やはりこれは大切なことなので、しっかりとバックアップを、だれが出ているかはともかくとしても、やはりこれは係長級ですよね。ですから、課長級じゃないということで、逆に言えば一番現場をよく知っているということで、制度なんかを一番しっかりと研究しなくちゃならない立場にいる人なのかもしれません。ただ、権限的には課長級ではないということで、だから、ちょっとくどいですけれども、バックアップしてあげないと、ただ本当の研究だけで終わっちゃうんじゃなく、その研究の成果をしっかりととってくる。そして、区の中に生かしていく。その発信を区長会あるいは、ものによっては都や国にも発信する中央区全体のシンクタンクになるような派遣の職員であるべきだという観点からお尋ねしたので、ぜひともその辺のところのバックアップをしていただきたいと思います。
ということは、現時点ではまだ具体的な報告、内容というのは。ありますか。あるなら、教えてください。
○高橋副参事(都心再生・計画担当)
先ほどの特別区の制度研究会についてでございます。
これは会を発足するとき、企画を中心に若手メンバーでということで、企画部のほうの主査が出席してございます。最初、2年間かけてということで、ことし2年目でございますが、まだ昨年は基礎的な研究で、今年度まとめの段階にそろそろ入るのかなということで、まだ具体的にこうこうというところは固まってございません。そういった中で、大体概略が出てきたところで、また全庁的にバックアップ体制も含めて今後の流れにつなげていこうというふうに考えてございます。
○守本委員
次の質問に入りますが、これも前質問と関連してまいります。
都制度及び東京の自治のあり方、これも研究会なんですが、これは都区のあり方検討委員会で都側が区域再編を再三提案してきた。勝手な絵をかいて言ってきたわけですけれども、もちろん区側は、これは各区で決める問題だからということで、それには乗ってこなかったのが現在までの経緯だと思います。今後、地方分権などの議論が進む中で、区域再編の議論に入る前に、まず、そういった議論に入る前に入らない、今の段階では入りたくないし、私は入るべきじゃないと思っていますけれども、いずれ議論をする状況は出てくるかもしれない。その前に、都制度や東京の自治のあり方を研究しようと都区で認識が一致したということで、市長会や町村会も含めた研究会が設置されたということですね。
メンバーは地方自治制度などに詳しい学識経験者と、都と区市町村の実務者、これも実務者。テーマは、東京全体の各分野の課題や広域と基礎的自治体のあり方など。都側は、自治のあり方などそもそも論を議論し、東京のあるべき姿を探っていきたいと。区側とすれば、地方分権などでは必ず東京はどうすべきかという問題がいつもネックとなってくるということで、分権などの結論が出てからでは後手に回ってしまうと。したがって、自治のレベルで共存・連携に向かうかもしれないということで、この研究は必要であるという認識を持っているということだと思います。これは、2年間の議論を経てまとめると。中央区として、この研究会への見解、そして先ほどと同じですが、参加者、発足から今日までの経過説明、そして特別区協議会との整合性についての御見解をいただきたいと同時に、これも区挙げてバックアップしてあげることが大事だと思いますが、今の状況についてお答えいただきたいと思います。
○田中企画財政課長(参事)
先ほどは大変失礼いたしました。
今回の自治のあり方研究会の設置についてでございますが、まだ素案という段階で情報のほうを入手しているところでございまして、現時点では少なくとも私どものほうには正式に行政実務者の推薦依頼というものは参っておりません。また、その素案の段階では学識経験者数名と行政実務者数名ということでございますが、東京都から一定数、特別区から一定数、市から何名あるいは町村から数名ずつということでございますので、先ほどの研究会とは違って、係長級が入るとかそういったものとはまた違うのではないかという感触を持っているところでございます。
それで、今後検討される課題の例ということでございますが、委員御指摘ありましたとおり、東京の目指すべき方向ということで東京の現状分析あるいは東京を取り巻く状況の変化、東京の課題等、さらには都制度も含めた東京の自治のあり方など、幅広い議論が想定されているところでございます。特別区自体はこれまでも独立の自治体として一つ一つが競い合いながら自治を担っているわけでございますが、直ちにこの研究会をもって区の再編等につながるというふうには考えておりませんが、国が示しております地方分権に的確に対応できるような、そういった特別区の自治あるいは東京都を含んだ都内の自治体の自治のあり方というものが検討されてくるだろうというふうに認識しているところでございます。
○小泉企画部長
全体的な御説明はそうなんですが、実態的にはこの研究会の設置については決定されてございまして、7月段階から町村会の調整とか、あるいは市長会、区長会、それから東京都ということで調整がされてまいりまして、実態的には9月4日にこの研究会の発足といいますか、設置が実態的にはされてございます。それで、学識経験者7名でございまして、それと行政の実務でございますけれども、東京都から4名、これは行政部長以下4名が加わり、特別区からは、これは区長会長をされているところの経営企画部長、江戸川区でございますけれども、それとあわせて特別区長会の事務局長、さらに市のほうで2名、それから町村のほうでそれぞれ区と同じような体制の中で2名、こういった体制で、設置だけはされまして、これから具体的な協議に入るということでございます。
これは、そもそもいろいろ議論、経過がございますけれども、特別区の区域のあり方のお話がなかなか進まないというところから、これについて具体的に大都市の東京の自治のあり方という大きなテーマで、東京都全体で議論をしていく、研究していこうということでこの研究会が始まるということで承知いたしております。
○守本委員
ありがとうございます。
東京全体を検討する研究という意味では、私もこれからの将来的な東京、今、道州制の問題だとかいろいろな問題が出てきているわけですけれども、研究するのは悪いことではないとは思います。ただ、やはり三多摩も含めてということは、三多摩は三多摩の制度があるわけだし、法律的には23区は市とはまたちょっと違っているという面もあって、どこまでその辺の研究が整合できるのかなというものはあります。ありますが、やはりそういう研究をすること自体は大事なことであるし、逆に言えば、こういうことを通じながら三多摩や町村の方々の意思、認識を改めて知る機会ということも大事なのかなというような気がいたします。
ちょっと問題は外れるんですけれども、今の東京全体の研究会ではなくて、さっきの問題のほうが近いのかもしれないんですけれども、よく財政課長会とか企画課長会とか、いろいろ23区協議会の中でもあるんですよね。特に、財政課長会等の問題というのは都区財調の問題なんかについて、やはり当番区というのかな、そういう人たちが、23区全部じゃなくて、出ていて、いろいろと協議する。そうすると、そこに入っていない区はどうも情報がおくれて来ている。逆に言えば、うちの区が、当番といったらいいんですか、幹事というんですか、幹事になっていると、もう一線ですから情報が早い。しかし、やはり幹事から外れると、ちょっと遅いときもあるなと。だから、やはりそういうのは、くどいかもしれませんけれども、そういった意味の情報を的確に把握するためにも積極的にそういったものに参加する。ルール的にはなかなか難しい面もあるかもしれないけれども、こういったものについて、研究会にしても、検討会にしても、何々課長会等にしても、情報を早くとる努力、そして議会のほうにもなるべく早く、かつ的確に報告等をぜひともしていただく努力を要望させていただきたいと思います。
政府の地方分権改革推進委員会、10月8日に鳩山首相に第3次勧告を提出、国が法令で定める義務づけ、枠づけを見直すということで、施設・公物設置管理の基準、協議、同意、許可・認可・承認、計画の等の策定及びその手続について重点事項として第2次でしたか、で、第3次の勧告をしたということで、これによって保育所施設基準や職員配置基準は条例で定め、運営が可能になってくる。勧告ですけれどもね。学校では、学級編制の標準、教職員の定数の標準を条例で定めることもできる。
行政委員会の必置規制の見直しということで、ここでは教育委員会の選択制を見直して、長の所管とするかは自主的に自治体に任せますというような勧告なんですね。非常にここ何年か、全国的な中での賛否はあるわけですけれども、教育委員会無用論というようなこともありましたが、このことについてのことと、教育振興基本計画、教育基本法改正、18年に、新たに規定されて地方公共団体はその地域の実情に応じ、当該地方公共団体における教育の振興に関する基本的計画を定めるよう努めなければならない、努力義務です。
中央区では、新しい時代に対応した教育の中央区を目指すということで、ビジョンを示し、その実現に向けて取り組むべき施策を明確にした教育の振興に関する基本計画を策定するということを示しているわけなんですが、今現在の問題といいますか、いつごろをめどに、どういう形でということ、先ほどの問題については教育委員会のほうに絞ってお答えいただければと思います。
○齋藤教育委員会次長
まず、教育委員会の設置についていろいろ議論があるというのは、委員の御指摘のとおりでございます。ただ、地方分権の話もございましたけれども、今後ますます地方分権が進んでいきますと、自治体における機能の強化というのが当然求められてくるわけでございます。今、教職人事とか学級編制等々の基礎的自治体の権限と責任が今後拡大をするということを考えれば、これからも教育委員会が必要であるという認識でございます。
それから、教育振興基本計画につきましては、策定委員会を設置いたしまして、これまでに数回議論をしてございまして、今、中間のまとめに入っている段階でございます。今月中にはある程度中間のまとめということで策定いたしまして、それを所管の委員会等に今後御報告をさせていただくことになるかというふうに考えてございます。最終的には、今年度中には必ず策定するというものでございます。
以上でございます。
○守本委員
時間がなくなってまいりましたので、一言つけ加える形になるかと思いますが、お答えをいただかなかった問題の保育所、学校の問題、いずれにしても地方分権改革推進委員会で重要なテーマということで義務づけ、枠づけを見直していく方向はどんどん進んでくるだろうと。そして、保育所も、中央区が中央区の地価の高いところの中の基準であるとか職員配置であるとか、そういったことも可能になってくる。あるいは、学校の学級編制についても、ある意味ではいろいろな中央区の特色のあるやり方が、こういう枠を取り払うこと、義務を取り払うことによってできてくる可能性が非常に高くなっているということを踏まえて、しっかりと視野に入れて、今後の行政の中にこういった方向をしっかりと見詰めて、区としての具体的なあり方を進めていただきたいということを強く申し上げまして、私の質問を終わります。
○石田委員
総括質疑の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後1時に委員会を再開されるようにお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○礒野委員長
ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○礒野委員長
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。
午後1時に委員会を再開いたしますので、御参集願います。
暫時休憩いたします。
(午前11時51分 休憩)
―――――――――― ◇ ――――――――――
(午後1時 再開)
○礒野委員長
休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
総括質疑について、質問者の発言を願います。
○田中(耕)委員
それでは、総括質疑という形で、今までお聞きした点で少し漏らした点等をお伺いしたいと思います。
まず初めに、広いところで、私、今回の議会、一般質問でもさせていただいたんですけれども、本区の、現在行っております行財政の施策をより客観的に見詰めていく必要性があると考えてございます。理由は、本区の財政状況ですとか施策というのは全国的に見ても大変すぐれているというふうに認識は持ってございますが、やはり今後、本区は人口がふえておりますけれども、少子高齢化、人口減少社会を迎えまして、景気も悪いわけで税収の低下も見込まれるということで、先行きは非常に楽観視できないというふうに思います。体力のある今のうちに、本区が体力があるにもかかわらず率先して厳しい目をみずからに向けるという姿勢が非常に大事ではないかと考えてございます。
そういった中で、各種指標を示すところを見れば、本区の状況はよろしいわけなんですけれども、もっともっとやはり厳しく見ていかないと、どうしてもいけない。厳しく見るにはどうすればよいかということになってくると、やはり自己評価だけでは限界があるのではないか。やはり人間、組織もそうですけれども、自分自身を客観的に見ることというのは非常に難しいものだと思っております。また、本区独自の魅力であるとか、逆に言えば短所のようなものというのは、外部の方が見たほうがわかりやすいというふうに考えてございます。そういった観点から、よくまちづくりはよそ者、若者、ばか者を取り入れろというような発想などもございまして、客観的に見ていかなきゃいけないというふうに思っています。
一般質問させていただきました事業仕分けという手法、今回、新政府、民主党政権でも行政刷新会議の中に構想日本の加藤代表という方がお入りになられて、事業仕分けという手法を積極的に取り入れていかれると。これは、旧政権のもとでも、事業仕分けというもの自体は進めていくという大方針は出ていたわけなんですけれども、より具体的に、しかもこの事業仕分けは外部の目を入れる、本人の自己評価ではなくて完全に第三者の評価を、しかも公開の場でやるということを非常に重要視してございまして、私もこれは非常に大きな意義があるものだと。やはり、今、情報化、情報公開をして、いいものも悪いものもすべて白日のもとにさらして、その上で次をどうするかということを考えていかなければ、やはり新しい指針、新しい一歩というのは踏み出せないものであるというふうに考えてございます。
そこで、一般質問でも申し上げましたけれども、本区の行政評価への考え方、今現在も行政評価という形で冊子も出ておりますし、さまざまな点で自己評価、自己改革は行われております。決して悪くはないとも思っております。ですが、もう一歩踏み込めないのかどうか。第三者の評価、公開評価といったものを本区に取り入れていくお考えがないのかどうかというのを、いま一度お知らせいただきまして、その上で、もしもあるということであれば、具体的な手法についてもお知らせいただければというふうに思います。
よろしくお願いいたします。
○小泉企画部長
行政評価の第三者から見た評価といいますか、そういった関連でのお尋ねでございます。
事業仕分け、私も十分承知をしていなかった部分もございますが、今回、構想日本の加藤代表がこの考え方を、大分広めていらっしゃる。今回の行政刷新会議の事務局長をされるというような経過になっているようでございます。
一般質問で御指摘いただいた際に、ほかの自治体でのやりとり等もインターネット等で見させていただきました。公開の場でやられるということで、よくよく考えますと、これはやはりその事業に対する第三者からの評価で行政側が気づかなかった点、そういった気づきの部分が大きな点かなというふうに考えております。そういう意味で、第三者の目といったものをどういうふうに入れていくか、検討課題にさせていただきたいと思いますが、ただ、よくよく考えますと、例えば個別外部監査だとか、あるいは福祉の事業では第三者評価だとか、そういった個別の事業の中で、第三者としての評価あるいは目を入れていただいて、区政全体としてはそういった状況の中でいろいろな点での改善、そういったものを進めている実態がある。そういう点も含めて、どんなふうに考えるか、これについては整理をしていきたいというふうに考えております。
○田中(耕)委員
ありがとうございます。
個別外部監査ですとか、福祉で第三者評価ですとかを導入されているというお話でございました。それも重々承知はしてございますけれども、やはりこういった、今行われている評価というのは公開の場ですとか、全くの第三者という点からは、第三者は第三者なんですけれども、こちらから委託していたりする点もございますので、利害関係が全くない人間なのかどうかという点には、若干疑問がつく点も私はあると考えています。また、公開の場でやれば、見ているお客さんというか、第三者を取り巻く第四者といいますか、見ている方も全く利害関係のない方が見ているという中ですので、その判断というのが変わってくる部分が大きいのではないかというふうに考えております。
また、今、しつこく私が申し上げている事業仕分け等の要望といいますのは、今まではやはり基本的には住民サービスを充実させて拡充していくという考え方だったのが、場合によっては、今後縮小したりですとか、整理・統廃合していかなきゃいけない局面というのが当然出てくる。今までも出てきましたけれども、今まで以上に出てくるということを見込んでのお話でございますので、今やっている状況の評価が問題があるというよりかは、場合によっては今後、施策や事業の縮小ですとか、整理・統廃合もしていかなければいけない時代がやがてやってくるということを織り込んでお願いしてございますので、ぜひともそういう厳しい視点を持って、検討を今後重ねていただければというふうに思ってございます。
関連しまして、先ほど守本委員のほうからも少々お話が出ましたが、他区等では地域シンクタンクという形で、今後の行政方針ですとか、都市型住民の交流のあり方ですとかといったものを、座長に大学の教授ですとか、企業の外部評価者を置いての、そういったシンクタンクや勉強会等が昨今積極的に立ち上がってきているというお話がございました。こういった新しい動きに対して、本区ではどういった取り組みや考え方を持っているのかというのをお知らせしていただいた上で、現在行っている区として、新宿区、世田谷区、中野区などは、やっているというお話を聞いておるんですけれども、比較的立場の近い都心区としての連携でございますとか、都心区ならではの、そういうシンクタンクというか、新しい構想を目指すもの、今、新政権でも国家戦略局なるものができまして、まだいろいろ機能については不透明な部分も多いということで、国民の期待と不安、両方入りまじっているようなところはあるかと思いますけれども、本区においても、やはり中長期的なビジョンですとか、新しいあり方を検討・研究する機関というのが、必要になってくる可能性はあるかと思いますので、その点について、いま一度、方針でございますとか、お考えがございましたらば、お知らせいただきたいというふうに思います。
以上、お願いします。
○小泉企画部長
まず、シンクタンクのお話でございます。
これまでも必要に応じ、いろいろ学識経験者のお力をかりたり、検討会を立ち上げ、テーマ、テーマで行ってきております。例えば、本区全体の政策についてのテーマを掘り下げたり、いろいろな考え方について吸収していくような場面では政策調査会といったものについて、これまでも立ち上げながら、まちづくりのあり方、どんどん振り返りますと、住宅政策のあり方等、その時点時点での社会的な要請、行政が抱えた課題、こういったものについて、外部の非常に博識の高い方々にお集まりいただいて御意見をちょうだいしてきた。そういう方法で今後も進めていくということになろうかというふうに考えております。
○田中(耕)委員
ありがとうございます。
1つお伺いしたいのは、では、他区とか他自治体等でこういった動きが昨今盛んになってきた背景のようなものを、どのように分析されておられるのかということと、今の部長のお考えによると、今までも本区は個別、独自、テーマ型の政策調査会や研究会を立ち上げてきたわけなので、そういったものはすぐには必要はないというお考えだと思うんですけれども、本区には、今、そういった他区の状況とかから考えると、全くそういったものは必要ないというお考えなのかどうかというのをいま一度明確にお知らせいただければというふうに思います。
以上、お願いします。
○小泉企画部長
行政は永遠に課題を抱えつつ、いろいろなテーマに対して社会的にもそういった対応をしていかなきゃならない、そういう考え方はあろうかと思います。そういう意味で、住民の多様な考え方、こういったものについて課題を多く抱えている状況もございますから、ある意味で、常設で、そういった課題について研究していく必要性は、多分にあるというふうには考えてございます。
それにおいても、ほかの自治体で行われているものについても総合的な自治のあり方等、基本的な課題の掘り下げ、区政のそれに向けてどういうふうに進めていくかといった基本的な課題もあろうかと思います。実態的にはそれぞれの分野で掘り下げる状況、研究課題として分野別にやられている状況もございますので、そういう意味では、決して今のやり方が非常におくれているとかいうこともないのではないか。むしろ、そういったテーマを敏感に、必要性を感じながら、いかに立ち上げて掘り下げて、施策化をしていく、そういったタイミングを逸しない、そういう社会に向けた目、そういう視点が大事なのではないかなと、そんなふうに考えてございますので、それぞれの分野でこれについては、例えば施策評価だとか、そういったところのやりとりの中で目を膨らませながら研究を進めていく、そういうことに全力を尽くすということも必要ではないかというふうに思っております。
○田中(耕)委員
ありがとうございます。
私の聞いたところ、調べたところによりますと、やはり地方行政も区行政も縦割り型の行政の形から、横への連携でございますとか、先ほどの事業仕分けのときも申し述べましたように、やはり公開ですとか第三者、全く直接行政にはかかわらない住民の方の御意見を載せるという場が現状では不足しているので、それを改善するためのシンクタンク設立であるというような趣旨のお話を担当の方からお聞きしたこともございます。
まだまだ、今、部長も御指摘いただいたように、できたばかりでございまして、旧来のそういった検討会、勉強会、研究会等から比べて、特段にすぐれた成果を出しているというようなレベルには全然遠く及ばないとはいうものの、そういう包括的な考え方、公開での考え方、横のつながりの考え方というのが新しい政策の提言には必要なのではないかと思いますので、現状のもので十分機能しているからということではなくて、やはり違った角度から物事を見ていくという価値観を常に忘れないような形にはしていただきたいなというふうに考えてございます。
特に、本区は、都心区ということで、他の区とも違うところもございますし、ましてや周辺の自治体と比べても相当行政需要や実態から含めても特異な部分がございますので、平均的な一般論が当てはまらないというのは、もう重々皆さん御存じのことではありますけれども、であるならば、オリジナルの方法ですとかアイデアというものをどんどん考えていかなければならないと思いますので、ぜひともその点を念を押してお願いいたしたいというふうに思います。
続きまして、地域のブランド戦略といったものに関してお伺いしたいというふうに思います。
新聞報道等で、例えば墨田区では、ものづくりコラボレーション事業というようなものを行っていて、地域のブランド、墨田区であれば、当然墨田ブランドという形になるんでしょうけれども、その商品、サービスといったものを独自に企画、応援していくといった取り組みがなされているとお伺いしております。本区の場合は、押しも押されぬ日本橋、銀座、月島と全国区の地名の固まりでございますので、そういった支援を今もしておりますし、しなくても自動的にマスコミもしてくれるし、一般の方に周知されているという、とても恵まれた状況ではございますけれども、逆に、それであるがゆえに、老舗もそうですし、各企業間ですとか店舗間の連携ですとか、ブランドというのが意外とばらばらになってしまっているのではないかというふうに個人的には考えるところもございます。
でございますので、有名だからこその、そういったブランド戦略、デザインの話ですとか、統一の商標であるとか、いろいろな方法があるんですけれども、そういった地域としてのブランド戦略のようなものを区としてはお考えなのかどうかというのをお知らせいただきたいというふうに思います。やり方は本当にたくさんありますし、今現在もやっていただいている商工観光の政策といったものも、ブランドづくりには一致しているところもあるわけなんですけれども、これも委員会等でも質問させていただいたこともございます。本区は、例えば観光商業まつりをやるといった場合に、たくさんのお祭りがあるわけです。あるのはありがたいですし、喜ばしいことなんですけれども、余りにたくさんあり過ぎて、はっきり言うと焦点がぼやけてしまったりですとか、同じ旗を果たして掲げているのかどうかというのには非常に疑問を抱く点がございます。
これも、前も1点申し上げたことがあるかもしれませんけれども、今回は観光協会50周年の旗ですとか商標をつくったんですけれども、それがすべてのそういったお祭りですとかイベントに掲げられているかというと、せっかくつくったのに、そこが掲げられていなかったり、連携という意味では不十分ではないかというふうに思う点が多々ございますので、地域の商品ですとか、サービスもそうですし、行事も含めて、もう少し地域の一体感を共通で持てるような方策、施策というものを、もっと考えていただけないかというふうに思うんです。その点、墨田区の方向が、これもまた新しく始めたばかりでうまくいっているとも言えないかもしれませんけれども、そういう取り組みを始めていますし、職人の方に対して、墨田区でしたら墨田マイスターというのを認定して、そういうブランド力の向上に努めているわけなので、本区は高過ぎるブランド力をこれ以上高める必要性がないというお考えなのかもしれませんけれども、高いからこそ、さらに有効活用できると思いますので、その点について総合的なお考えがございますれば、ぜひともお知らせいただきたいと思います。
以上、よろしくお願いいたします。
○田中企画財政課長(参事)
本区のブランドということでございます。
委員の御発言の中にもございましたが、本区、中央区という名前または、それぞれ地域の銀座、日本橋、月島等々でございますが、それぞれの地名自体が大きなブランドにもう既になっているということは委員の認識と同じだというふうに考えてございます。歳入のところでも一部答弁をさせていただきましたが、それぞれの地域が個性を持って、今現在、もう世界的なブランドとして通用している部分もございますので、それをあえて、どういう形で統合していくかというところは、地域の方々の御意見を伺いながら、今後検討を進めていくべきものと考えております。
さきの答弁でも、例えば観光協会にも多くの老舗の方々や国際的なブランドを持ったお店が加盟していただいていますが、観光協会で推奨する中央区の名品というような取り組みもしていただいております。また、回遊性を高めて中央区の中のブランドを多く知っていただこうということで、委員の御指摘にもありましたが、観光商業まつりのほか、昨年度からは「中央区まるごとミュージアム」ということでさまざまな文化的な資産等の活用も含めて取り組みをしているところでございます。また、産業文化展、工業面でも特定のテーマを持って、ここ数年は産業観光ということで本区の伝統産業である印刷製本、こういった古くからある産業に触れていただいて、それを観光的な要素にしていくというようなことで共通のテーマ性を持って取り組みも進めているということでございます。それらの取り組み、地域の方々が中心になって鋭意、今、一生懸命取り組んでいただいておりますので、その発展形として、どういった統合ができるかというのは、今後とも検討を進めてまいりたいというふうに考えます。
以上でございます。
○田中(耕)委員
ありがとうございます。
さまざまな施策に取り組んでいただいていることは、もちろんそれも、重々承知してございます。ただ、もう一歩まとまりのあるもの、これは実際に御商売されている方ですとか、区民の方がそこまで考えていないと言われてしまうと、厳しいところもあるわけなんですけれども、ただ、一つ一つが輝いているからこそ、もう少し連携といったものを充実させていかなければならないと思っていまして、今現在やっていただいているものは一個一個は非常にいいんですけれども、まとまってどうだというふうなところに、なかなかたどり着きにくいのではないかというふうに考えるところがございますので、具体的な政策でございますとか行動といったものをどのような形にしていくのかというのは、一緒に勉強させていただければというふうに考えてございます。
関連して、今、地域のお話をさせていただきましたので、地域ごとの特色、今も申し上げたように一つ一つ非常に、企画部参事からもお話があったように、一つ一つが日本屈指、場合によっては世界レベルの地名であったりとかブランド力を持っているというお話なんですけれども、にもかかわらずと言ったらなんですけれども、本区の地域の郷土の歴史ですとか文化を体現するものとしては、郷土天文館にあるのを除いて、非常に小さなものに、まとまってしまっているのではないかというふうに考えてございます。敷地の問題でございますとか、区民ニーズの問題もございますので、これは早々にというふうには思っておりませんけれども、やはり中長期的に見て、日本橋や月島には地域博物館のようなものを整備していくという方針があって、しかるべきではないかというふうに考えます。
まるごとミュージアムをしていただいておりまして、どこもかしこも博物館なんだというのはすばらしい発想ではございますけれども、やはり拠点となる場所というのは必要で、現状も図書館であるとか、その他、施設の中にそういった展示等をしていただいている場所というのがございます。ございますが、日本橋の歴史を背負うような、中核となるような施設でございますとか、月島の担っている施設というのは、私は今あるものの中では不十分ではないかというふうに考えてございます。そういった地域郷土館、博物館のようなものを総合的に、中長期的に整備していくというお考えを、さっきの地域ブランドの問題とも関連してまいりますけれども、持っていただけないものかというふうに思います。
あわせて、その中には当然、本区では平和都市宣言していて、平和のまちづくりですとか、近現代の輝かしい文化の歴史を持っているわけでございますから、そういった展示も可能かというふうに思います。その点について、ぜひともお考えがないものかということを御答弁いただければと思います。
よろしくお願いします。
○田中企画財政課長(参事)
御指摘のそれぞれの地域ごとに博物館的なということでございます。
委員の御発言にもございましたが、本区、10平方キロメートルの地域の中で、明石町にタイムドーム明石ということで、これまでも先進的な取り組みを行いまして、多くのマスコミにも取り上げられているところでございます。タイムドーム明石自体は中央区全域をカバーしているという状況でございますが、今後のさまざまな施設整備がまだまだ続いてまいりますが、そういった中で新たな拠点の中でタイムドームの機能を補うような、補完するような仕組みというものを考えてまいりたいというふうに考えているところでございます。御指摘にもありました平和の視点、そういったものも当然でございます。今日的な課題、平和、環境、その他、本区の歴史や伝統を広く来街者の方々に知っていただいて、あるいは区民の方々にも再認識していただいて、中央区というものを再認識していただけるような仕組みというのは、これも引き続き検討を続けてまいりたいというふうに考えます。
○田中(耕)委員
ありがとうございます。
本当に、敷地の問題もございますし、コンセプトの問題もございますし、費用も非常に莫大にかかるというお話でございますけれども、やはり一つ一つが独立したブランドとして成り立つぐらいのまちだというふうにおっしゃっていただいており、特に観光商業のまちとして本区は成り立っておりますので、まさに観光の拠点にもなるような施設といったものは、今後ますます需要があると思ってございます。ぜひともそういった観点からも、本区にふさわしい郷土館、博物館のようなもの、ぜひとも日本橋館、月島館、銀座館のようなものをつくっていただければ、採算面でもとれるんじゃないかと個人的には思っております。非常に来たいという方は多いと思いますので、展示の内容も含めまして御検討をぜひとも中長期的にはお願いしたいというふうに考えてございます。
続きまして、間もなく運行予定のコミュニティバスについてお伺いしたいというふうに思います。
コミュニティバスについては、今まで検討会を重ねてまいりまして、議論のほうは出尽くして、間もなく本格運行を待つばかりという段階かというふうに思います。ですが、今回、運賃100円ということで多くの利用者の方に、手軽に御利用していただくという趣旨はすばらしいものがあるというふうには考えておりますが、やはり一方でコミュニティバス、各地区とも赤字運営で財政の補てんといった問題が出てございます。自治体によっては縮小したところも当然ありますし、人の乗るルートによっては逆に増便して、やはり栄えているところばかり通ってしまうような形で、逆に偏在を助長してしまったというようなケースもあると聞き及んでございます。
そこで、これは確認も込めてお伺いしたいんですけれども、現在の最終的な乗降客数を見込んだ上で、コミュニティバスの年間の赤字額並びに本区として負担しなければいけない補てん額といったものを、お幾らとして見込まれているのかというのを、いま一度明確にしていただいて、その見通しですね。当然、その後の乗降客数をふやすための努力もされていくわけですし、場合によっては多少のルート変更等も視野に入れているというふうには思いますので、見通しについてどのように考えているのかという点をお知らせいただきたいというふうに思います。
また、あわせて、先般、区民スポーツの日に月島運動場で大会等が開かれました。もともと最初のコミュニティバスの趣旨としては、本当は日本橋地区と月島地区とかの往来をたやすくするということも、大きな目標の一つでございました。今回のルートでは、区役所前等での乗りかえを視野に入れて、乗りかえることによって行くことは当然可能ではございます。可能ではございますが、やはり時間と乗りかえという利便性は損なわれてしまっていると思います。先ほどお話ししました区民スポーツの日ですとか、大江戸まつり、盆踊りですね、大きな区の行事等を行う際には、バスのルートを例えば一部変更したりですとか、規定時間等で決めて、月島地区から日本橋地区、日本橋地区から月島地区のシャトル便のようなものを、うまく融通して特別便を出すようなことが難しいのかどうかというのを区民の方の御質問でいただいたこともございますし、私もそのとおりだと思いますので、そういった、現在の案で出ていること以外の変則的な運行等が可能な余裕が果たしてあるのかどうかという点をぜひともあわせてお知らせいただきたいというふうに思います。
以上、その2点をよろしくお願いします。
○有賀土木部管理課長
コミュニティバスについてのお尋ねでございます。
委員からもありましたとおり、コミュニティバスは、12月1日からの運行の予定でございますが、なかなか収支のほうは厳しいという状況でございます。今後末永くコミュニティバスを区民の皆様にお使いいただくためには、赤字幅をできるだけ削減するというのが私どもの大きな使命だというふうに認識しております。現在、想定でございますけれども、コミュニティバスの赤字幅につきましては、営業経費がおよそ年間1億3,900万円ほどありまして、それに対しまして年間収入が4,600万円ほどということで、都合計算上9,300万円です。1年間で約9,000万円前後の赤字、イコール区の補てんになる可能性があるということでございます。これにつきましては、私どもとしましても、この9,000万円の赤字というのは非常に大きいものだというふうに認識しておりまして、例えば運行以外の収入、広告収入ですとか、そういったものについても、今現在、検討しておりまして、なるべく多く広告収入等を上げようとしております。今の試算ですと年間900万円ということでございますけれども、それを1,000万円、さらにできればそれ以上、2,000万円というふうに広告収入についても検討していきたいというふうに考えておるところでございます。
それから、シャトル便等の運行ということでございますけれども、現在、コミュニティバス8台で運行することを予定しておりまして、残り1台予備車というものがございますけれども、これについてもスクールバス等の運行等もありますので、実際にバスは現在、余分といいますか、自由に使える車両というのはなかなかないという状況がございます。また、運行ルートにつきましては、運輸局の認可を受けるですとか、あるいは、このバスにつきましては乗り合いバスということで、実際にシャトルバス等を走らせる場合には貸し切りにしなくてはいけないとか、そういうような問題もございますので、現在の時点ですぐに、このバスを例えばイベントのときに使うとか、そういうことはなかなか難しい状況ではないかというふうに考えております。
以上です。
○田中(耕)委員
ありがとうございます。
コミュニティバスの運行は約9,000万円相当の赤字を、現段階では見込まれているということで、私が数か月前にお伺いしたときは6,000万円相当だったような気がしたんですけれども、最近上がってしまったのかどうかというのはこの後お知らせいただきたいのと、あと、今後の見通しでございます。これは初年度の予定かと思いますので、その後の事業の推移について、どういうような試算をされているのか。これは今後の運行計画、交通のこういった整備といったものは当然長くというか、前提としては半永久的に行っていくということで導入されていると思いますけれども、現在の国の、国交省の空港の問題ではございませんけれども、やはり採算がとれなかったりすると、非常に改廃するのも難しいですし、大きな負の遺産になってしまう可能性はございますので、その辺の見通しを中期的といいますか、5年、10年スパンでどう考えていらっしゃるのかということはお知らせいただきたいと思います。
また、直行便に関してはシャトル化したり貸し切り化しないと難しいということで、事情は理解しましたけれども、実際、区営のバスで区の大きな行事のときにそういった融通がきかないというのは、制度としてはやむを得ない点があるんだと思いますけれども、何かしらの努力や方策はできないものか、というのを検討していただきたいと思います。別に、年がら年中そんなにやる必要性のある話ではございませんし、需要の時間帯等も決まっているお話でございます。予備車は修理ですとか整備の期間であったりしてすぐには使えないというお話もお伺いしておりますが、そういった面も含めて計画的にニーズを高めたりですとか、区民の方から、これは便利だと思っていただけるようなバス運営をしていただきたいと思いますので、検討をお願いいたしたいと思います。
とりあえず、赤字というか、収支状況の金額が昨今変わったのか否かという点と、中期的な収支についてお願いします。
○越地土木部長
ただいま委員の御質問、2点についてお答えいたします。
長期的な収支の関係でございます。
ただいま管理課長のほうでお答えしたのは、当面動かしたときに、どのくらいの赤字が出るかというような想定でございまして、今後、区民の皆様に乗っていただくようなさまざまな努力をした上で、私どもとしては最終的にはやはり6,000万~7,000万円ぐらいの赤字は年間出るのかなと。需要が初年度と比べて約1.5倍ぐらいまでは何とか伸ばすことができるかなという想定をしてございますが、それでも、なおかつ、やはり6,000万から7,000万円ぐらいの赤字が出そうだという想定をしてございます。それに対しましては、やはり企業からの協賛をいただくとか、あるいは区民の方からも、言ってみればバスのサポーターみたいな形で応援していただく方を募るとか、そういった形で区民の皆様からなるべく乗っていただけるような、区民の皆様の足になるような形でのバスの運行、さまざまな工夫をして考えてまいりたいと思ってございます。また、その一環として、今、委員から提案がございました、例えば、まるごとミュージアム等のイベントの中で、例えば休みの日に設定されているところは、あらかじめ区民の皆様にお断りして特別ダイヤを組むとか、そういった形で乗っていただくと、非常にバスに対する愛着も生まれてくるのではないかなと。そういった意味では、一つのアイデアかなと思ってございますので、今後そういう特別ダイヤを組めるかどうか、余分のバスはありませんので、当然通常のダイヤを廃止してという形、通常のダイヤではバスが回りませんので、そういった場合には特別ダイヤですよというようなことを周知しながら、そういったイベント対応でも使えないかという工夫も今後考えてまいりたいと思ってございます。
以上でございます。
○有賀土木部管理課長
以前6,000万円の赤字で、今回9,000万円ということでございますけれども、これにつきましては、前回お示ししたときは、バスの台数が6台で計算しておりまして、その後、実際に運行のときに車の台数がなかなか厳しいということで8台にした結果、約3,000万円ほど赤字幅が広がったという、そういうことでございます。
○田中(耕)委員
了解いたしました。
6,000万円や9,000万円の赤字が出ても、当然、区民の皆さんに喜んで納得していただければ全く問題はないわけでございますけれども、利用度が低くて1億円近い赤字ということになりますと、かなり問題が出てくる可能性がございますので、その点は十二分に留意していただきたいというふうに思います。特に、コミュニティバスの導入、前から地元の企業さんはメトロリンク等、無料でやっているバスが、地域は若干違いますけれども、東京駅駅前から日本橋地区には走ったりもしているわけでございますので、そこからすると100円でも高いというふうにおっしゃる方さえもいるというのが、特異な、特別な事情でございます。そういった中で、赤字を、当初の予算、非常に厳しく見積もっていただいているものと信じてございますけれども、やはり利用度が下がれば、当然、赤字額が大きくなってまいりますので、この点に関しては私も注意深く見てまいりたいというふうに考えてございますので、いま一度の努力をお願いいたしたいというふうに思います。
最後に、1点お伺いします。
先ほども地域館、博物館等の開設等も考えられないかという話をしましたけれども、本区の今後の施設整備の中での土地ですとか建物、不動産ですね。不動産の入手の予定についてどのようにお考えなのか、大きな方針をお知らせいただきたいというふうに思います。
都有地はさまざまなところで議論になっておりまして、他の委員からも都有地の跡地等の使い方や取得についての質問が出てございますけれども、それ以外で取得を今後検討するような場所とか体制といったものはあるのかどうかというのを、抽象的ではございますけれども、お知らせいただきたいというふうに思います。
現在、不況の真っただ中ではございますけれども、前も少し申し上げましたけれども、逆に、不動産の価格は下落しておりますし、金利の状況も低い状況でございますので、自治体としては逆に、入手するのであれば、景気の底支えも含めて、今が不動産等の取得の時期なのではないかと個人的には考えてございますので、その考え方自体がどうなのかというのに対しての御意見もいただきたいと思います。本区の場合は、箱物を何かサービスや施設を充実しようといった場合に、いつでもやはり用地の問題、不動産の問題が出てまいりますので、そんな大規模なものではなくても、場合によってはビル1棟を買い上げて改装して使えるような施設等もございますので、そういったものであれば、逆に今は掘り出し物が出てくるような時期やもしれませんので、その点について区としての考え方をお知らせいただきたいというふうに思います。
あと1点、確認なんですけれども、公債費の借りかえは、平成の初年度のほうの高金利のものというのは、7%を超えているものもありますけれども、政府系の公債になっているということで、これは借りかえができないということでよろしいんでしょうか。ちょっと話が若干ずれるんですけれども、その点もあわせてお知らせいただきたいというふうに思います。
よろしくお願いします。
○小泉企画部長
土地の関連でございますが、ビルも含めて物件が安いから買うという、そういう観点はございません。むしろ、施設の需要といいますか、こういう施設が必要だ、そういう観点から適地を求めてということになろうかと思います。公有地の場合は、公共施設を建てる場合、減免、減額制度等がございますので、そういう意味では公共の土地を買うといった視点は、特に上物の需要に応じて考えていく必要はあろうかと思いますけれども、こういう時代だから民間の物件を買い求めていく、そういった考え方は基本的にございません。むしろ、施設数は、現在かなり多い。老朽化が進んでいる。そういう意味では、集約をしていくような考え方、コスト的にもそういった方向を目指すべきだろうというふうに考えております。
公債費については、政府系の関連では、かなり高いものがございます。これは、教育債が中心でございますけれども、大体、政府債ですと20年とか25年とかいった長い年数でございますので、これは一括の返済については、当時そういう金利の高い時代に借りたものということでルールが最近はできてございまして、言ってみると利息に見合う相当分のペナルティーみたいな形で上乗せというようなことになりますので、基本的には負担は変わらないという状況でございます。将来的な財政、計画的な財政運営をやっていくという意味で繰上償還といった方法はあろうかと思いますけれども、今、手持ちの金を目減りさせてまで繰上償還をやっていく必要があるかどうかとなると、これは、今、そういう考え方には立っていないという状況がございます。状況状況を見ながら、それは判断していくものだというふうに考えております。
○田中(耕)委員
ありがとうございます。
土地の確保は、確かに需要がないものに買ってもしようがないですし、集約する必要性があるというのはおっしゃるとおりだと思います。ただ、例えば建てかえしたりですとか、仮移転するにも、当然、種地は必要になってくると思いますし、土地の値段とか、それもありますけれども、今、御案内のございましたように金利ですとかが時代によって相当変わってまいりますので、そういった観点は必要なのではないかという趣旨で質問を申し上げました。
いずれにしましても、大きな問題、小さな問題、たくさんあるかと思いますけれども、皆様の御努力を期待しまして、私の質問は終わります。
○石田委員
総括質疑の質疑も終了したと思われますので、次に、各会派の態度表明を行うようお諮り願うとともに、暫時休憩し、午後2時30分に委員会を再開されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○礒野委員長
ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○礒野委員長
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。
午後2時30分に委員会を再開いたしますので、御参集願います。
暫時休憩いたします。
(午後1時46分 休憩)
―――――――――― ◇ ――――――――――
(午後2時30分 再開)
○礒野委員長
休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
休憩前の総括質疑ですべての質疑が終了いたしましたので、これより、本特別委員会に付託を受けました議案第47号に対する各会派の態度表明をお願いいたします。
まず、自民党さん。
○鈴木(久)委員
中央区議会自由民主党議員団の態度表明をさせていただきます。
今、我が国は、かつてない難局に直面しております。世界は今なお、確固たる将来展望が見えぬままの厳しい経済状況下にあります。アメリカ発の金融混乱による世界同時不況の波は、あれから1年余りを経過しても、いまだにおさまる気配を見せておりません。緊急に日本経済を立て直し、国民に平和と安全を、安心と希望を、そして育ち行く子供たちの未来に夢と輝きをもたらすため、景気対策は最優先の課題であります。
本区では、区民生活を守るため、昨年より数回にわたる緊急経済対策を実行し、今、また、第3弾の総合経済対策により、迫り来る危機克服に向けて必死に取り組んでおられることは高く評価するところであります。
長年の目標であった定住人口10万人は、平成18年に見事達成し、昨年9月には36年ぶりに11万人を突破したところです。現在も若い世代を中心に増加を続けていることは、区長を初め、多くの方々の長きにわたる努力の結果と、これを高く評価するものであります。
平成20年度予算では、本区の将来像の実現に向けた「快適・定住都心 中央区を推進する予算」として、すべての人々が健康で生き生きと暮らせるまちづくりの推進等、より質の高い快適な都心居住の推進を目標に予算編成されました。今期の各施策の実施、推進を評価するとともに、より一層の快適定住都心の形成に向けて、区内商工業者の支援・育成の景気対策はもちろんのこと、人口増と一体化した少子高齢化対策、新型インフルエンザ拡大状況等にかかわる危機管理の強化、環境問題への積極的施策展開、そして民間活力のさらなる活用や行政財産の活用など、新たな行政課題解決の着実な実行と充実を期待するところであります。
また、男女共同参画社会づくりについては、男女平等はもとより、子育て支援、高齢者介護、コミュニティ、生涯学習など、広範囲にわたる問題でありますので、行政のみならず、家庭・地域・社会の力を十分活用しながら、男女共同参画行動計画2008を着実に推進され、男女一人一人の個性が尊重され、みんなが能力を発揮できる地域社会の実現を目指していただきたいと存じます。
財政においては、人口増加等により歳入増加になったものの、個人住民税のフラット化の影響により微増となっており、さらに今日の景気低迷の中、今後の財政運営は決して楽観できるものではありません。将来を見据えたバランスと弾力性のある効率的な財政運営を望むところです。
我が会派は、今回の各会計決算の審査に当たり、それぞれの施策が区民一人一人の楽しく感動ある日々の暮らしを守るため、適切に運用実施されてきたか、慎重に検討し、意見及び要望をさせていただきました。その過程で述べさせていただきました意見や提言を今後の行政プランに取り入れ、平成22年度予算編成に当たり、最大限反映されますよう強く願うものであります。
以上申し上げ、中央区議会自由民主党議員団は、本決算特別委員会に付託されました平成20年度各会計歳入歳出決算の認定に同意いたします。
○礒野委員長
次に、公明党さん。
○田中(広)委員
中央区議会公明党の態度表明を申し上げます。
10月9日、ノーベル賞委員会は、2009年のノーベル平和賞をバラク・オバマ大統領に授与するとの発表がありました。受賞決定を受け、オバマ大統領は、「21世紀の共通の課題に取り組むすべての国に行動するよう呼びかけたものとして受け入れる」との声明がありました。核兵器廃絶への挑戦は、戦争のない世界の基盤をつくる挑戦であり、その未曾有の挑戦に連なっていくことが未来への最大の贈り物になるとの誇りを持ち、グローバルな民衆の連帯を力強く築いていくべきであると考えます。
一方、日本経済は、昨年の米国発の国際金融市場の混乱により、深刻な経済危機に直面している中、一部回復の報道があるものの、依然として中小零細企業の倒産増に歯どめがかかっておらず、雇用問題やデフレ懸念が強まっております。
さて、本区では、昨年36年ぶりに待望の定住人口11万を突破し、現在も若い世代を中心に上昇を続けております。
平成20年度各会計決算の合計は、歳入総額877億2,316万8,000円、歳出総額816億5,668万1,000円となっております。中央区監査委員による決算審査意見書では、普通会計における財政指標等の分析結果などにより、おおむね健全な財政運営がなされたものと示されております。
歳入面では、主要一般財源である特別区民税が前年度比1.9%の微増にとどまり、個人住民税のフラット化の影響が大きいものと言えます。今後も納税者数の増加が見込めるものの、同様に微増にとどまるものと推測されます。また、特別区交付金は、前年度比7.4%の増となっておりますが、昨秋以降の急速な景気後退の影響により、法人税収の落ち込みが懸念されるなど、今後予断を許さない状況にあります。さらに、老朽化した公共施設の更新時期を迎えており、施設整備にかかわる中長期的な課題もあります。したがって、財政環境は楽観視できない状況にあり、収納率向上への取り組み強化や新たな財源の確保についても検討し、経営感覚を発揮するとともに、健全で安定した行財政運営を強く望むものであります。
歳出面においては、総合的な子育て支援策の充実・強化、教育環境の改善、保健医療の促進、障害者・高齢者福祉の充実、地球温暖化防止など環境対策、文化施策の展開や緊急経済対策など商工振興による地域の活性化への取り組み、防災・防犯対策の充実など、的確な事業が実施されました。中でも、公明党として強く要望してきました妊婦健康診査の充実などの子育て世帯の経済的負担の軽減や保育園の整備など、未来を担う施策の実施には評価するところでございます。さきの総選挙においても、少子化対策を競い合う現象は、今から40年前に児童手当創設を実現した公明党の政策にようやく各党が近づいてきたと専門家は分析しております。現在、子育て支援対策本部が設置されており、今後のスピード感ある一層の充実に期待するところでございます。
今後も、人口増を背景に多様なサービスの提供が求められる中、厳しいコスト意識を持ち、効果的・効率的な財政運営を図っていくことが重要であり、区民の皆様に信頼される安全安心な中央区の実現を目指していくべきであると考えます。
平成20年度中央区各会計歳入歳出決算の審査に当たり、私たち公明党は、区民の立場に立ち、生活者の視点から、各款にわたり厳正な審査を通じ意見を述べるとともに、さまざまな提案を申し上げてまいりました。今後の予算編成などにおいては、意見及び要望を十分反映していただきますことを強く要望いたします。
中央区議会公明党は、平成20年度中央区各会計歳入歳出決算の認定について同意をいたします。
以上申し上げまして、中央区議会公明党の態度表明とさせていただきます。
○礒野委員長
次に、日本共産党さん。
○鞠子委員
議案第47号、平成20年度中央区各会計歳入歳出決算に対する日本共産党中央区議会議員団の態度表明を行います。
ことし8月の総選挙で、暮らしから安心と希望を奪ってきた自公政権を国民がみずからの手で退陣させました。新しい政治への前向きの第一歩として、我が党は歓迎するものです。日本共産党は、新政権に対して、よいものには賛成、悪いことには反対、問題点はただすという建設的野党の立場で、現実政治を一歩でも二歩でも動かすために力を尽くします。
大企業の利益を優先する自公政権が進めた雇用ルールの破壊で、使い捨て労働が広がり、働く貧困層が1,000万人を超えました。社会保障の切り捨て政策は、大量の医療難民、介護難民を生み出しました。今こそ雇用、社会保障、中小企業、農林漁業、税制など、経済のあらゆる分野で、国民の暮らしと権利を守るルールを確立する改革が必要です。新政権は、国民のこうした要望に対し、労働者派遣法改正、高校授業料無償化、返済不要の給付型奨学金創設、後期高齢者医療制度廃止、障害者自立支援法廃止などを明言しています。日本共産党は、他の党とも協力し、その実現に全力を挙げます。
都議会議員選挙の結果も、新銀行東京への多額な税金投入、築地市場の豊洲移転を進める石原都政への厳しい審判となり、築地市場移転反対を公約した日本共産党、民主党などが都議会の多数派となり、築地市場現在地再整備実現に向けた大きな政治的変化をつくり出しました。中央区が現在地再整備に向けて、確固とした具体的行動を行うときです。
日本共産党中央区議会議員団は、こうした新しい政治状況の中での審議となった決算特別委員会で、区政運営の問題点を指摘するとともに、区民要求に沿った提案を行いました。また、2007年9月19日に265項目の予算要望書を提出し、2008年度予算案審議の予算特別委員会では予算修正案を提出しています。
我が党区議団は、各歳入歳出決算を総合的に検討した結果、2008年度予算執行には、十思保育園の整備や子どもの事故サーベイランス事業の実施など、区民要望を反映した施策はあったものの、区長の政治姿勢や諸施策が区民生活の実態と切実な要求にこたえていないと判断しました。また、暮らしと希望を奪った自公政権や築地市場移転を進める東京都に対しても、断固とした対応をとってこなかった区長の姿勢も看過できません。
よって、平成20年度中央区一般会計、国民健康保険事業会計、老人保健医療会計、介護保険事業会計、後期高齢者医療会計の各会計歳入歳出決算の認定に反対の態度を表明します。
次に、反対する理由を具体的に述べます。
平成20年度中央区一般会計歳入歳出決算について。
第1に、雇用不安を広げ、格差と貧困を拡大させる一方、大企業には減税、国民には増税・負担増を押しつけてきた自公政府の施策を正そうという立場がありませんでした。
第2に、区民の生活苦や貧困の実態調査が行われていません。区民の暮らしの安定を図る施策立案に不可欠な実態調査を実施すべきです。
第3に、主要3基金に65億4,200万円が新たに積み立てられ、主要3基金残高は平成20年度歳出総額の75%に当たる472億9,600万円と巨額です。平成20年は、平成13年比で人口は1.32倍、世帯数は1.48倍となり、住民ニーズは増大し、認可保育所の待機児数は3.52倍に増加しました。認可保育所の緊急的増設や学校施設の早期改修、住宅の耐震改修促進など、防災対策を初めとした区民要求実現のために基金を積極的に活用する姿勢がありません。財政の健全性を保つことは重要ですが、それは行財政が住民生活を守り、発展させているかどうかが尺度であって、単なる財政蓄積能力の有無ではありません。基金制度を運用して、どれだけ住民ニーズにこたえられたかが判断基準となります。年度ごとの多額の積み立てではなく、余裕財源は区民施策に積極的に活用すべきです。
第4に、東京湾大華火祭は隔年実施とし、経費削減を図るべきです。賀詞交歓会の簡素化や議員の費用弁償の廃止など、不要不急経費の削減に抜本的対策がとられませんでした。
第5に、市街地再開発事業に39億円余りが投入されました。大規模開発優先のまちづくりでなく、保育所など社会的インフラのキャパシティーと整合できるまちづくりに転換すべきです。
第6に、巨大建築で周辺の住環境を悪化させ、床面積の急増で開発前と比較しCO2発生量も激増させ、多大な環境負荷をもたらす超高層ビルやタワー型マンション建設など大型開発優先のまちづくりを転換し、地球温暖化対策を中心に据えた都市の成長管理による持続可能な都市づくりに転換すべきです。
第7に、地球温暖化対策の強化が求められています。新政権が中期目標として温室効果ガス25%削減を国際公約したことを受け、自然エネルギー利用数値目標の設定、可燃ごみの半分を占める生ごみの減量・資源化の抜本的強化など、中央区環境行動計画の充実発展が必要です。
第8に、都議会でも国会でも、築地市場移転反対を公約した政党が多数を占めた政治的状況を生かし、区長は、築地現在地再整備、環状2号線地下化に向け、具体的行動をとるべきです。
第9に、中央区の行革大綱の実行期間中に区内の人口・世帯数は急増し、住民ニーズが増大したにもかかわらず、サービスの第一線を担う正規職員が削減される一方で、非正規職員数が急増し、職員全体の約3割を占めています。貧困と格差拡大の根源は、雇用ルールの破壊にあり、新政権と国会の多数の会派により、労働者派遣法の改正が具体化されようとしているときに、中央区が官製ワーキングプアを増加させることは、自治体がみずから雇用ルール破壊の実行者となるということで、大きな問題です。また、区は、公契約条例制定や指定管理者制度の見直しも検討すべきです。
第10に、義務教育である小学校・中学校の教育費保護者負担軽減対策が不十分です。標準服購入への助成などに踏み切るべきです。また、就学援助について、現行基準を当面、生活保護基準の1.5倍に改定し、対象者を拡大すべきです。
第11に、全国一斉学力テストを初め、国・都・区による3回ものテスト実施など、競争と振るい分けの教育を是正すべきです。新政権も、テストの全員参加をやめる方針を示しました。
第12に、多くの改修要望が出ている学校改修の促進が求められています。また、防災拠点としてのトイレの洋式化など、バリアフリー対応を初めとした機能強化のための改修も急ぐべきです。
第13に、全国で大きく広がり、教育効果が明らかな少人数学級実現に積極的に対応しようとせず、学校や教員への管理体制の強化などは、いち早く進めています。こうした東京都教育委員会の指示に忠実に従う教育委員会事務局の姿勢を改めるべきです。
平成20度中央区国民健康保険事業会計歳入歳出決算について。
収入減とさまざまな負担増で区民の家計が苦しい中、支払い能力を超えた高過ぎる保険料のため、払いたくても払えないという滞納世帯が、08年度は04年度比で1.34倍の6,481世帯にふえています。問題は、保険証の取り上げと資格証明書の発行が2.56倍の359件にふえていることです。お金がないから医者に行けないという事態を生んではなりません。負担能力を超えた保険料を是正するなど、だれもが安心してかかれる公的医療制度に改善すべきです。国庫負担をふやし、国保財政基盤を強化するよう国に強く求めるべきです。
平成20年度中央区老人保健医療会計歳入歳出決算について。
歴代自民党政府が進めた、高齢者を医療費がかかる厄介者のように扱う差別的医療の撤廃が急務です。後期高齢者医療制度は廃止し、当面、老健制度に戻した上、75歳以上の高齢者の窓口負担無料化を目指すべきです。
平成20年度中央区介護保険事業会計歳入歳出決算について。
自公政権は、介護への支出を抑制するため、高齢者サービス利用を制限し、国民負担をふやそうとしてきました。新政権に対して、保険料・利用料の減免の拡充、要介護認定の改悪中止、介護施設などの整備促進、介護労働者の労働条件改善など、安心して利用できる介護制度への抜本的見直しを強く求めるべきです。
平成20年度中央区後期高齢者医療会計歳入歳出決算について。
生きている人間を75歳で線引きし、国保や健保から強制的に追い出して別の医療制度に囲い込む、世界に例がない差別医療制度は廃止すべきです。区がこの制度を肯定したことは問題です。制度廃止を求める国民の声は、新政権に制度廃止を公約させました。区は、その実行を政府に強く求めるべきです。
以上で、日本共産党中央区議会議員団の態度表明を終わります。
○礒野委員長
次に、友愛中央さん。
○小坂委員
友愛中央の態度表明を述べます。
平成20年は、リーマンショックなど信用収縮・金融破綻という金融危機が全世界規模で起こり、さらに原油高・原材料高の影響も受け、日本経済は景気後退へと進みました。本区は、いち早く原油・原材料高騰対策緊急特別資金融資を実施するなど、区内中小企業支援策を打ち出し、対応してまいりましたことを高く評価いたします。
また、同年9月には定住人口11万を突破し、子育て支援、教育、高齢者施策、地域振興、コミュニティづくりなど、さまざまな行政需要が生じる中、基本計画2008の最初の年として、ICT教育を取り入れたフロンティアスクールの実施、中央区まるごとミュージアムや観光検定の実施、コミュニティバスの導入検討、十思保育園や人形町保育園の整備など待機児対策、子供の事故防止対策等、さまざまな施策に果敢に取り組まれてきた点も高く評価いたします。
これからも健全かつ弾力性のある持続可能な財政基盤を堅持することを目指した、より一層の効果的・効率的な財政運営が求められており、本決算特別委員会におきまして、今後に生かす要望を織り込みながら質問するとともに、まちづくりのあり方について、以下に述べる3つに視点を置きつつ、分析してまいりました。
1、地域の宝を大切にしたまちづくりについて。
まるごとミュージアムというコンセプトが用いられるように、中央区には築地市場、歌舞伎座、そして数々の復興小学校や歴史的建造物など、地域を特徴づけるさまざまな個性的な宝が存在しています。
今、明石小学校、中央小学校、明正小学校の改築の問題が出ていますが、地元内外から多くの保存を求める声があるのも事実です。それらの小学校は、関東大震災に罹災し、その後、RC造により再建・新築された大変堅牢な建物です。その存在は、我が国の近代建築史上、貴重なだけでなく、地域住民の個人史の中に溶け込み、心のよりどころとして存在してきました。校庭や隣接する復興小公園等のオープンスペースとあわせて、地域コミュニティの核として、今後も地域の結節性を保つため不可欠な存在となっています。歴史と伝統、風格ある学びやは、その地域独自の校風を醸し出し、子供たちの豊かな情操をはぐくんでいます。そのもともとの堅牢なつくりゆえ、耐震性・耐久性の面から、現存のままでも子供たちの安全が確保されている以上は、安直な解体は慎み、賛否両論を、子供の目線を忘れることなく十分検討した上で、今後の教育の需要に合わせた更新を図っていくべきであると考えます。
築地市場もまた、中央区の大事な宝であります。今までも、中央区は日本の食文化を継承する築地ブランドをはぐくんできた築地市場の移転を断固反対し、現在地での再整備をあくまで実現することを目指してきました。築地地区の活気とにぎわいをさらに発展させ、銀座などの周辺地域と連携することにより、日本の食文化の中心として、さらには都心商業の一大集積地として繁栄に導く構想を有しているところです。移転候補地の豊洲六丁目東京ガス跡地の土壌汚染が深刻な状況下、東京都には土壌汚染対策に関する都民への十分な説明が求められています。
折しも、鳩山現首相は、「築地は世界の言葉である。築地は命の源である。東京都の暴挙を絶対に許すわけにはいかない」と、せんだって行われた都議会議員選挙初日の第一声を築地の地で明言されています。国政の中心にあられる方からの支援の言葉に、大変勇気づけられます。
大阪の市場も、札幌の市場も、営業しながら現在地で再整備を立派になし遂げることができました。築地市場地区を核とした活気とにぎわいづくり委員会や新しい築地をつくる会での公開の議論のもと、中央区として現在地再整備に向けて何ができるか真剣に検討し、種地の提供の手法の提案を初め、現在地再整備へ都を誘導する方策を今こそとっていくべきであると考えます。
1、コミュニティと町並みを守るまちづくりについて。
一挙に500や1,000という戸数のまちが誕生することになる超高層住宅の建築計画が中央区の各地で進行しつつありますが、超高層住宅のまちづくりを再検証する時期に入ったのではないかと考えます。平成20年度から本区も子育ての住環境と健康に関するアンケートを実施するなどして、高層住宅の居住環境による健康や子育てへの影響を評価する試みが始まりました。今後の高層住宅建築において、よりよい居住環境を形成する方向で役立てていく必要があります。同様に、高層住宅においては、地域の見守りや在宅介護においても課題が指摘されています。
中央区には、老朽化や防災面から、まちの更新が求められる地域が多数存在いたしていることは事実です。超高層住宅による再開発の手法を選ぶのであれば、同時に生じる子育て支援施設、学校、介護施設などの需要に対応した十分なインフラ整備も同時に考えたスキームで行う必要性が考えられます。また、新たな手法として、介護施設や高齢者や障害のある方々へのグループホーム、優良賃貸住宅など高齢者住宅などのニーズにこたえつつ、低層での建てかえを行い、町並みを守りながらまちを更新する新たな仕組みづくりをぜひとも検討いただきたいと考えます。
1、だれもが社会参加できる優しいまちづくりについて。
建物や道路のバリアフリーだけでなく、高齢の方も障害のある方もともに働き、芸術・音楽・スポーツなど、ともに楽しめる中央区がつくられていくことを願います。そのためには、70歳就労社会実現に向けた取り組みや自立支援協議会での検討結果も踏まえながら、相談事業や就労支援事業をさらに強化し、区役所内で生じる作業を中心に、就労の場の創出にもっと前向きに取り組んでいただきたいと考えます。区民スポーツの日、まるごとミュージアムなど、地域の各種イベントへのすべての区民の参加の輪がますます広がっていくことを期待いたします。
以上のように、地域を特徴づける個性的な宝を大事に守りつつも機能更新し、未来に継承していくまちづくり、コミュニティと町並みを守るまちづくり、そしてだれもが社会参加し、自己実現をすることのできるまちづくりの3つのまちづくりの理想が、ここ中央区にはあります。
EUの父とたたえられるクーデンホフ・カレルギーは、その著書「汎ヨーロッパ」において、「すべての偉大な歴史的出来事は、ユートピアとして始まり、現実として終わった、そして、一つの考えがユートピアにとどまるか、現実となるかは、それを信じる人間の数と実行力にかかっている」と述べています。
未来の子供たちに誇れる中央区であるために、そして日本の金融・経済・商業・観光の中心である中央区がこれからも世界に誇れる中央区であるために、それらまちづくりの理想をユートピアで終わらせることなく、行政、議会が一丸となって区民との協働のもと、実現していくことを切に願いつつ、平成20年度各会計決算の認定に同意いたします。
○礒野委員長
次に、民主党区民クラブさん。
○守本委員
民主党区民クラブの態度表明を行います。
平成20年度の特別区普通会計決算は、歳入総額4.9%増の3兆264億8,900万円で6年連続の増、歳出総額1.9%増の3兆327億4,000万円で5年連続の増であった。決算収支は、実質収支が0.6%増となり、昭和53年以降31年連続して全団体黒字となった。経常収支比率は0.8ポイント増の76.1%となっている。将来にわたる財政負担は、特別区債現在高が8.0%の減、積立金現在高が11.4%の増となったことにより、大幅に減少した。特別区の平成20年度の財政状況は、前年度に引き続き良好を示している。
一方、中央区一般会計決算は、歳入は691億9,163万円で1.0%の減、歳出は638億2,521万円で5.0%の減である。決算収支は、1.9%増の31億9,764万円、経常収支比率は0.8ポイント増の74.1%、将来にわたる財政負担は、区債現在高55億4,886万円、基金現在高558億9,501万円、将来負担比率マイナス90.3を示している。
しかしながら、特別区の歳入構造は、景気の動向に影響を受けやすく、特に昨年秋のリーマンショックによる金融危機が世界的不況に陥り、日本経済の景気の急速な悪化を招いた。まさに、昨年秋は本区の財政環境におけるシンギュラーポイントである。こういった中央区を取り巻く状況を視野に入れ、平成20年度予算執行が区民サービスの低下につながらず、さらに平成21年度を初めとする将来への安定した事業の継続に結びついたかをベースとして審議してきた。
現在の情勢を反映して、緊急経済対策、雇用対策、福祉施策の充実を進めるには、区民に一番身近な自治体として、地方分権のあり方、特別区制度改革を進め、職員一人一人の人材育成が求められている。
一般会計、特別会計のそれぞれの審査の中で、具体的施策のあり方とともに、未来に向けての展望をただしてきた。このことをしっかりと受けとめ、希望の持てる中央区へ前進していただくことを強く要望し、今回審議されました平成20年度各会計歳入歳出決算については、民主党区民クラブは認定に賛成する。
○礒野委員長
次に、かけはしさん。
○田中(耕)委員
中央区議会会派かけはしの態度表明を行います。
昨秋からの世界同時不況に伴い、本区内外における経済活動にも大きな影を落とし、今後の景気動向は予断を許しません。少子高齢化・人口減少社会を迎える我が国においても、なお人口増加を続ける本区では、新しい都市創造が求められており、地球規模の環境問題、子育て支援、障害者・高齢者施策、新住民ニーズの把握など、新たな行政需要が増大しております。
このような現状において、本区平成20年度決算を慎重に審議してまいりました。その中で、環境問題においては、緑化の促進や中央区の森の充実、子育て支援の充実においては、妊婦健診の充実や新規保育園の整備など、高齢者・障害者施策については、高齢者食事サービスの拡大、レインボーハウス明石の就労支援など、新住民ニーズに対して各種イベントの充実、町会・自治会ネットワークの創設など、区民ニーズにこたえる施策の充実は高く評価いたします。
また、本区の財政状況は、平成20年度財政力指数0.65(前年度比プラス0.01%)、実質収支比率で7.1%(同プラス2.7%)、公債費比率で3.7%(同マイナス0.4%)、経常収支比率7.1%(同プラス0.8%)と、主要指標は軒並み良化し、健全財政が引き続き運営されたことは、重ねて高く評価するところであります。
今後は、人口増による特別区税収は微増に推移が見込まれるものの、特別区交付金は法人税の落ち込みにより大きく減額することが想定され、限りある財源の最大有効活用を図らねばならない局面がふえてくると予想されます。将来を楽観視することなく、これまで以上に厳しいコスト意識を持ち、費用対効果の検証を進め、その上で各種公共サービス・施策の推進・充実をお願い申し上げ、会派かけはしは平成20年度中央区各会計歳入・歳出決算の認定に賛同の意を表明します。
以上です。
○礒野委員長
各会派の態度表明が終わりましたので、これより採決に入ります。
議案第47号、平成20年度中央区各会計歳入歳出決算の認定について、起立により採決いたします。
本案を認定することに賛成の皆様は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
○礒野委員長
起立多数と認めます。――御着席ください。
よって、議案第47号、平成20年度中央区各会計歳入歳出決算の認定については、これを認定すべきものと決定いたしました。
さらに、ここでお諮りいたします。
10月16日開会の本会議において、本特別委員会の委員長報告をすることとなりますが、その報告については、いかが取り計らいましょうか。
〔「正・副委員長一任」の声あり〕
○礒野委員長
正・副委員長一任の声がありますので、さよう取り計らいます。
なお、委員長報告案ができ上がりましたら、次の委員会で御検討していただくことになりますが、その際、各会派の態度表明部分の朗読を省略したいと存じますが、これに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○礒野委員長
御異議なしと認め、態度表明部分の朗読を省略いたします。
それでは、次回の委員会開会日時についてはいかがいたしましょうか。
○石田委員
来る10月16日午前11時に開会されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○礒野委員長
ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○礒野委員長
御異議なしと認めます。動議のごとく決します。
次回の委員会は、来る10月16日午前11時に開会いたしますので、御参集願います。
それでは、私より一言ごあいさつ申し上げます。
(あいさつ)
次に、議長よりあいさつをお願いします。
○石島議長
(あいさつ)
○礒野委員長
次に、区長よりあいさつをお願いします。
○矢田区長
(あいさつ)
○礒野委員長
本日は、これをもって散会いたします。
(午後3時8分 散会)
お問い合わせ先:区議会議会局調査係
電話:03-3546-5559