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平成21年第三回定例会会議録(第3日 9月18日)

1.会期

三十一日(第三日)
九月十八日(金曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議
午後六時八分散会

3.出席議員

(二十九名)
一番 志村 孝美議員
二番 木村 克一議員
三番 礒野 忠議員
四番 増渕 一孝議員
五番 鷲頭 隆史議員
六番 田中 広一議員
七番 中島 賢治議員
八番 田中 耕太郎議員
九番 田辺 七郎議員
十番 二瓶 文隆議員
十一番 原田 賢一議員
十二番 中嶋 寛明議員
十三番 今野 弘美議員
十四番 神林 烈議員
十五番 植原 恭子議員
十六番 鈴木 幸子議員
十七番 小坂 和輝議員
十九番 小栗 智恵子議員
二十番 鞠子 勝彦議員
二十一番 石島 秀起議員
二十二番 押田 まり子議員
二十三番 鈴木 久雄議員
二十四番 石田 英朗議員
二十五番 矢吹 和重議員
二十六番 田畑 五十二議員
二十七番 青木 幸子議員
二十八番 高橋 伸治議員
二十九番 渡部 博年議員
三十番 守本 利雄議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君
副区長 髙橋 邦夫君
副区長 吉田 不曇君
教育長 髙橋 春雄君
企画部長 小泉 典久君
総務部長 斉藤進君
防災危機管理室長 新治満君
区民部長 小池 正男君
福祉保健部長 斎藤 裕文君
高齢者施策推進室長 島田 勝敏君
保健所長 東海林 文夫君
環境部長 宮本 恭介君
土木部長 越地 壽宜君
都市整備部長 室木 眞則君
会計管理者 西川 昭男君
教育委員会事務局次長 齋藤弘君
監査事務局長 山﨑 栄三君
企画部参事 田中武君
(企画課長事務取扱)
広報課長 信坂 留吉君
総務課長 田野 則雄君

5.議会局出席職員

議会局長 奥田 春光君
庶務係長 渡辺 忠之君
議事係長 土谷 昌彦君
調査係長 横山 信一君
書記 村上 和夫君

6.議事日程

日程第一
一般質問

日程第二
議案第四十三号  平成二十一年度中央区一般会計補正予算

日程第三
議案第四十四号  平成二十一年度中央区介護保険事業会計補正予算


     午後二時 開議

○議長(石島秀起議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(石島秀起議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 九番田辺七郎議員。

〔九番 田辺七郎議員登壇〕

○九番(田辺七郎議員)
 日本共産党の田辺七郎です。党議員団を代表し、質問します。積極的な答弁を期待します。答弁によりましては、再質問、再々質問をあらかじめ留保しておきます。

 最初に、歴史的審判が下った総選挙、都議選と区長の政治姿勢について質問します。

 七月の都議選では、石原都政の最大与党の自民党が大敗し、八月の衆議院選挙では、責任力を豪語した党も、実現力を叫んだ政党も国民の厳しい批判を受け、歴史的大敗を喫し、自公政権は退場しました。都政でも、国政でも、歴史の新しいページが開かれたことを日本共産党は心から歓迎するものです。

 区長は、都議会議員選挙では自民党候補を、総選挙の小選挙区では政権継続を訴える自民党候補と、政権交代を訴える民主党候補の双方を応援しました。

 そこで、区長にお聞きします。

 総選挙と都議選で示された歴史的審判をどのように受けとめていますか、お答えください。また、区民は、国民・区民の審判をしっかりと受けとめ、これからの区政のかじを取ってほしいと願っています。区長の姿勢をお聞かせください。

 さらに、この選挙戦を通じ、各党の選挙公約、マニフェストなどで明らかにされているように、後期高齢者医療制度の廃止、障害者自立支援法の応益負担の廃止、生活保護の母子・老齢加算の復活、高等学校の授業料の無償化、返済不要の給付型奨学金制度の創設など、国民の切実な要求で多くの会派が共同でき、今では国会の多数意見となっています。一日も早く実現できるように、我が党も力を尽くすものです。同時に、区民の生活に直結している中央区政が、区長を先頭に、あらゆる機会を通じてその実現に積極的な対応が期待されています。決意をお聞かせください。

 次に、私たちの住む地球上から一刻も早く核兵器をなくす運動を強化することについて質問します。

 私は、党議員団を代表し、八月七日から九日に開かれた原水爆禁止世界大会・長崎に参加し、世界の仲間とともに、草の根からの核兵器廃絶の世論と発展を誓い合いました。私は、この機会に、被爆の遺跡・碑をめぐり、今なお残されている深刻なつめ跡を目の当たりにし、改めて残虐な核兵器の使用に心の底から怒りを覚えました。

 六十四年前、一九四五年八月六日、九日、アメリカは原爆投下を強行しました。原爆投下による爆発と爆風、熱線、放射線は、一瞬のうちに広島、長崎両市を壊滅させ、広島市では十四万人以上、長崎市では七万人以上の命を奪いました。世界には今も二万六千発に上る核兵器が存在し、そのうち数千発は、命令があればいつでも発射できるように警戒態勢に置かれています。このような核の脅威をなくすには、この地球上からすべての核兵器をなくす以外に道はありません。被爆者が中心となり、草の根からの運動が、今、世界を動かす大きな力になっていることは皆さんも実感していると思います。

 アメリカのオバマ大統領が四月五日、プラハで行った演説は、世界に大きな問題を提起しています。この演説は、第一に、アメリカ大統領として初めて、核兵器のない世界を追求することを国家目標とすると宣言し、第二に、広島、長崎への核兵器使用が人類的道義にかかわる問題であることを初めて表明するとともに、その立場から、核兵器廃絶に向けた責任を語り、第三に、核兵器廃絶に向けて世界の諸国民に協力を呼びかけています。アメリカに前向きの変化を促した根本の力は、平和を願う世界諸国民の闘いです。日本共産党は、戦後一貫して核兵器廃絶の闘いを続け、綱領にもその課題を明記している党として、この歴史的な闘いの一翼を担い、広範な人々と共同して、地球上から核兵器をなくすために積極的な役割を果たしていく決意です。

 そこで、区長に質問します。

 第一に、来年、二○一○年四月二十六日から五月二十一日まで国連本部で開催されるNPT(核不拡散条約)再検討会議において、核保有国による核兵器廃絶への明確な約束が再確認され、核廃絶の国際条約の締結交渉が進められることが期待されています。区長の積極的な対応を求めますが、決意をお聞かせください。

 第二に、核兵器廃絶のため、国連NGOに登録されている平和市長会議が活動しています。原爆による悲劇が二度と繰り返されてはならないとの信念のもと、都市と都市との緊密な連帯を通じて、核兵器廃絶に向けた市民意識を国際的な規模で喚起し、核兵器のない平和な世界を実現することを目的に、広島市、長崎市が中心になって一九八二年に設立されました。九月一日現在、加盟都市数は世界で百三十四カ国・地域で三千百四都市です。そのうち、日本では三百八十八自治体、都内では新宿区初め、九区市が加盟しています。「平和都市宣言」をしている中央区の区長として、積極的に参加し、世界の諸都市と、核兵器廃絶のため、力を合わせることを心より期待します。区長の決意をお聞かせください。

 第三に、核兵器廃絶をテーマに、原爆写真展を区内各施設で開設することを提案します。考えをお聞かせください。

 次に、築地市場移転を断念させ、現在地での再整備に向け、区の姿勢を明確にして取り組むことについて質問します。

 都議選、衆議院選挙で、石原都知事を初めとする築地市場移転推進派への厳しい審判が下りました。我が党は、この局面の大転換を心から歓迎するものです。

 総選挙後、この問題で、区長は、九月二日付朝日新聞の、「民主政権に期待することは」とのアンケートに、「築地市場の現在地再整備」と答えています。この姿勢に確固として立ち、ぶれることなく、これからの諸問題に立ち向かっていただきたいと考えます。区長の決意を改めてお聞かせください。

 また、石原知事の移転推進の姿勢を現在地再整備へ転換させるには、さまざまな行動が求められていると思います。まず、築地市場がある中央区の区長として、改めて中央区内外に築地市場の現在地再整備の姿勢を発信することを求めます。区長の姿勢をお聞かせください。

 今から三年前の二○○六年二月十七日に開催された築地市場移転に断固反対する会では、移転後を見据えた対応をすべきとの意見を取り入れ、新しい築地をつくる会へと改組し、その後は開催されないまま今日に至っています。会を開催し、今日の情勢と区の対応について積極的に問題を提起すべきだと考えます。見解をお聞かせください。

 このことと関連し、二○○六年四月十一日に設置された、移転を前提とし、区長を本部長とする築地まちづくり対策本部は、現在地再整備を目標に据えた対策本部に改組することを提案します。見解をお聞かせください。

 また、中央区は、広範な築地市場移転反対の運動と連帯を強めるとともに、新たな政治情勢の変化に伴い、石原東京都知事及び都議会各会派への働きかけを行う行動を起こすべきです。考えをお聞かせください。

 次に、築地市場移転が前提の諸計画を根本から見直すことについて質問します。

 まず、第一に、環状2号線道路の地上化・高架化事業の中止を求め、もとの地下化に戻すために、区は積極的に行動すべきです。一日六万台もの車が通り、まちを分断し、地域環境を壊す環状2号線道路の地上化・高架化計画は、築地市場の移転が大前提の計画であり、この大前提がなくなれば、地上化計画は破綻するものです。少なくとも、もとの地下化に戻すように、都市計画の再変更を提起すべきです。見解をお聞かせください。

 第二に、環状2号線の地上化・高架化と一体のまちづくりとされてきた勝どき五丁目第一種市街地再開発計画についても、根本からの見直しが求められていると考えます。見解をお聞かせください。

 この再開発計画は、築地市場移転を前提として二○○六年来、中央区が主導して進めてきたものです。先日、九月八日の環境建設委員会に初めて計画の概要が報告され、二○一○年一月に中央区都市計画審議会にかけ、二月には都市計画決定、告示に向けて都市計画の手続を行うという驚くべきスピードです。高さ百七十六メートル、地上五十四階、一千三百戸の住宅という巨大なタワー型マンションの計画は、周辺に大きな負荷をもたらします。隣接する既存の住宅には、冬至日で三ないし五時間の日影が生ずるという問題も含め、建築計画に近隣住民から批判の声が起きています。近隣住民との協議を準備組合任せにせず、開発を主導してきた中央区が責任を持って協議の場を設置するなど、積極的な対応が求められています。見解をお聞かせください。

 また、委員会への報告では、権利者数八十六人、同意者数八十一人と同意率の高さを誇っていますが、再開発地区の二六%が国、五九%が東京都、合わせて八五%が公有地です。区は、国・東京都とどのような協議をしてきましたか、明らかにしてください。

 さらに、計画が公表されたばかりであり、現に問題の起こっているこの再開発で、近隣住民との合意のないまま問答無用と都市計画手続の日程を優先するようなことはやめるべきです。見解をお聞かせください。

 第三に、築地市場移転問題に関連するオリンピック招致活動について質問します。

 築地市場移転計画は不透明になり、メインスタジアムへのアクセスとして最重要視されている環状2号線の建設計画も不透明となってきた今日、石原知事に求められるままにオリンピック招致活動に全面協力してきた中央区の責任と姿勢が問われています。

 二○一六年オリンピック開催を目指す候補四都市について、国際オリンピック委員会(IOC)の評価報告書が二日に公表されました。東京都と日本オリンピック委員会は、高い評価を受けたとして、これからも招致活動を活発に進めることを表明しています。しかし、東京はコンパクトな会場配置などを評価されたものの、「世論の支持が全国で五五%、東京都でも五六%にとどまり、比較的低く心配」と指摘されるとともに、ハードの面では、「多くの施設が既存施設と記載されながら、実際には建設する必要があることがわかった、明瞭さに欠けた」と指摘されています。今後、さらに予算が膨らむ可能性も出てきました。都民不在で多額の税金を使った招致活動や、都民の批判の強い大型開発とセットになった開催計画の無理とごまかしは通らないと考えます。中央区は、これからも東京都言いなりの招致活動に協力していくつもりなのでしょうか。IOCの示した評価とあわせて、見解をお聞かせください。

 次に、七十五歳以上の高齢者の医療費無料制度を中央区で実現することについて質問します。

 七十五歳以上を後期高齢者医療制度に囲い込み、お年寄りいじめの差別医療が導入されたことに、国民は腹の底から怒り、総選挙で与党惨敗という審判を下しました。我が党は、先進国では当たり前の窓口負担ゼロを目指し、医療費の負担軽減に踏み出すことを求めています。その第一歩として、就学前の子供の医療費無料制度を国の制度として創設するとともに、七十五歳以上の高齢者の医療費を無料化するために、新しい政府に実現を求めて頑張る決意です。

 既に、人口一万六千人の日の出町では、この四月から七十五歳以上医療費無料制度を実施され、全国から注目されています。区長は、日の出町の取り組みについてどのように評価していますか、お答えください。

 医療費無料化は、中央区の区民の皆さん方の強い願いです。中央区も、国に先駆けて高齢者医療の無料制度の導入に向け、検討を開始すべきです。見解をお聞かせください。

 私の質問の最後に、新型インフルエンザの本格流行への対策について質問します。

 中央区でも、子供たちが期待に胸を膨らませて迎えた新学期の学校で、新型インフルエンザの集団感染により相次いで学級の閉鎖に追い込まれています。国立感染症研究所の報告によれば、全国約五千カ所の定点医療機関から報告されたインフルエンザの患者は、八月三十一日から九月六日までの一週間では一万二千五百十五人と報告され、この一週間の全国の推計患者数は約十五万人とされています。また、新型インフルエンザに感染の疑いのある人の死亡は、昨日、九月十七日現在、国内で十五人とされています。

 厚生労働省の新型インフルエンザの流行シナリオでは、国民の二○%、約二千五百万人が発症すると推計されています。ピーク時には一日当たり七十六万人が発症し、四万六千四百人が入院すると予想されています。現在の流行がピークを迎えるのは、九月下旬から十月上旬以降と見られています。このような状況から、日本共産党国会議員団は、去る八月二十一日、当時の麻生内閣に対し、新型インフルエンザに関する医療体制についての申し入れを行いました。申し入れの内容は、一、感染状況について、国民や医療関係者に適切な情報提供や広報を行うこと、二、医療体制を緊急に強化すること、三、ワクチンを安全に接種できるよう体制を速やかに確立すること、四、予防や治療に係る医療負担軽減を図ることなどです。

 中央区は、秋・冬に向けた対策を発表しています。これを踏まえて、区長にお聞きします。

 第一に、流行期での区内の感染者数、重症患者数の推定人員について示してください。

 第二に、ワクチン接種の優先順位とその対象人員、さらに、ワクチンの確保の展望はどうでしょうか。接種開始の時期はいつでしょうか、お聞かせください。

 第三に、重症化が予想される人には、早目に見きわめ、早期治療を行う体制が不可欠です。これまで経験したことのない感染の規模と速度に見合った体制の確立が求められています。重症者のためのベッドや人工呼吸器などの準備は十分でしょうか、対応をお聞かせください。

 第四に、ワクチンは公費負担にすべきであり、区としても政府に強く要請すべきと考えます。また、国の対応が確定するまでは、中央区独自に公費負担制度を緊急に導入すべきと考えます。見解をお聞かせください。

 第五に、国民健康保険証のない資格証明書発行世帯に対し、少なくとも一年間有効の短期保険証を発行し、重症化や感染拡大を防ぐべきだと考えます。区の資格証明書発行の現状と、これからの対応についてお聞かせください。

 以上で日本共産党中央区議会議員団を代表しての私の第一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 田辺七郎議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、衆議院議員選挙及び都議会議員選挙についてであります。

 今回の衆議院議員選挙の投票率は六九・二八%、都議会議員選挙は五四・四九%といずれも高い投票率で、特に衆議院議員選挙は小選挙区制が始まって以来の最高の投票率でありました。国民・都民の関心が極めて高い選挙であり、結果につきましては、有権者一人一人の意思、民意のあらわれであると考えております。一昨日、新内閣が発足し、これからマニフェストに示されたさまざまな施策が実行段階に移るわけでありますが、大きな期待とともに、区民生活にどのような影響を及ぼすことになるのか、国の動きをしっかりと注視してまいる所存であります。区政運営につきましては、今後国から示される諸施策と区の施策との整合性を考慮しながら、引き続き区民福祉の向上に邁進し、中央区から安全、安心、元気を全国に発信してまいりたいと思います。

 次に、核兵器廃絶についてお答えいたします。

 核兵器廃絶に向けた動きにつきましては、来年三月にオバマ米国大統領の招待でワシントンにおいて核セキュリティーサミットが、また、来年五月には国連で核兵器不拡散条約運用検討会議がそれぞれ開催される予定であり、核廃絶に向けた世界的な機運が高まっております。特に、運用検討会議においては、準備委員会において暫定議題が採択されるなど、順調に準備が進められていることから、核軍縮、核不拡散及び原子力の平和利用についての合意文書が採択されるものと期待いたしております。また、平和市長会議につきましては、その目的が、核兵器廃絶を実現させるとともに、人類の共存を脅かす飢餓、貧困、難民、人権などの諸問題の解決、さらには環境保護により世界恒久平和の実現に寄与するものであることから、評価しております。今後、さらにその活動について把握してまいりたいと存じます。

 次に、原爆写真展の開催についてであります。

 原爆写真につきましては、平成十七年十二月に開催した平和特別展において、広島・長崎原爆資料コーナーを設け、被災物品とともに展示をし、原爆の悲惨さを伝えたところであります。今後につきましても、平和展等の中での展示を検討してまいります。

 次に、築地市場の現在地再整備についてであります。

 本区は、東京都が平成十一年十一月に豊洲への移転整備を打ち出して以降、これに関する抗議や要請などを繰り返し行い、終始一貫して築地市場の移転そのものに反対し、現在地での再整備を強く要望してまいりました。この考えは、区議会や区民を初め、地元区としての総意とも受けとめており、今後も決して変わるものではありません。現在、都議会において築地市場移転問題が議論されており、本区といたしましては、こうした都や国の動向を注視するとともに、区議会との連携をこれまで以上に強化しながら、適切、的確に対応してまいりたいと思います。

 次に、環状第2号線の地上化・高架化事業を中止し、もとの地下化に戻すべきであるとの質問であります。

 環状2号線は、平成十九年十月に地下式から地表及びかさ上げ式に都市計画変更され、同年十二月には国土交通省の事業認可を受け、事業を実施しております。平成二十一年度は、環状2号線の本体工事である(仮称)墨田川橋りょうの勝どき側橋脚工事及び(仮称)朝潮運河橋りょうの下部工事を予定していると聞いております。整備工事に伴い、周辺住民の生活環境への影響が心配されることから、東京都に対しては、地元まちづくり協議会での事前説明に加え、環状2号線に隣接する関係住民に対する工事説明会において、工事内容及び工程等について十分な説明を行うよう、強く要請してまいります。

 次に、勝どき五丁目地区のまちづくりについてであります。

 勝どき五丁目地区につきましては、周辺での大規模な土地利用転換や環状2号線の地上化問題、都営住宅の移転等を契機として、まちづくりの検討が進められてきたものであります。一方において、今後、土地利用転換が見込まれる倉庫等が周辺に立地することから、当地区には土地の一体的利用と高度利用を図ることで災害に強い住宅建設や風害など地域環境の改善、地域に不足している子育て支援施設などの公益施設の整備を図るまちづくりが求められております。こうしたことから、現在、施設計画づくりにおいて、建物形状の工夫やまとまった植栽の配置による風害の緩和、保育所やスーパーマーケット等を計画しているところであります。今後とも、地区を取り巻く状況の変化に柔軟に対応しながら、地域の課題解決の実現に向け、まちづくりを進めてまいります。

 次に、近隣住民との協議の場についてであります。

 再開発による地域の機能更新や課題解決を図るためには、開発区域住民はもとより、周辺住民の理解と協力が不可欠であります。こうしたことから、近隣の方々の御理解を得る取り組みとして、去る六月二十四日、再開発準備組合において近隣説明会を実施しております。この計画に対して、近隣から、建築物による風や日影の影響緩和、眺望の改善等の要望を受けておりますが、現段階でできる説明や検討を加えるなど、現在も誠意を持って対応しているところであります。区といたしましても、今後、まちづくり協議会での意見交換等や都市計画の手続の中で、地域の方々の御理解が得られるよう努めてまいります。

 次に、国・東京都との協議についてであります。

 国及び東京都に対しては、これまで計画区域の設定やまちづくりへの参加の意向確認等をしてまいりましたが、それぞれ賛同していただいております。

 次に、都市計画手続についてであります。

 当該地区のまちづくりにおいては、平成十六年から全体計画が動いてきており、地元権利者の同意率が高く、このことは地元権利者のまちづくりに対する期待と熱意のあらわれと理解しております。まちづくりを進めるには、周辺住民の理解を得ることは当然であります。したがいまして、今後の都市計画決定の手続やその他の機会をとらえ、区及び事業者がそれぞれの立場から、地区周辺の皆様の理解が得られるよう努力してまいります。

 次に、オリンピック招致についてであります。

 IOCの評価報告書における東京の評価につきましては、開催理念を初め、環境を重視したコンパクトな大会計画、充実した輸送システム、財政力などについて高く評価されているとのことであります。世論の支持については、その後、都が二回実施した調査では、招致機運の盛り上がりにより、約八割の支持を得られたと聞いております。また、幾つかの既存とされる施設が実際には建設する必要があるとのIOCの指摘につきましては、必要な施設整備の費用を立候補ファイルに盛り込んでおり、費用の計画変更が生じるものではないとのことであります。区といたしましては、世界最大・最高のスポーツと平和の祭典であるオリンピック・パラリンピックを招致することは、次代を担う子供たちに大きな夢と希望を与えるものであり、また、閉塞感に覆われた我が国の現状を打破し、日本再生の起爆剤になることから、大変意義があると考えております。十月二日の開催都市決定に向けて、本区におきましても、区議会や地域の皆様とともに招致活動に取り組んでまいります。

 次に、七十五歳以上の高齢者の医療費についてであります。

 日の出町の七十五歳以上の方の医療費の自己負担分の助成については、地域の特性を生かした独自の判断と受けとめております。我が国の医療制度は、安心・安全で質の高い医療提供体制の充実や、急速な高齢化に伴う医療費の増大、世代間の負担の公平、さらに負担と給付のバランスなど、さまざまな課題を抱える中で持続可能な国民皆保険を堅持していくことが重要であります。こうしたことから、無料化については慎重に判断していく必要があると考えております。

 次に、新型インフルエンザ対策についてであります。

 まず、流行期での区内の感染者数と重症患者数の推定人員であります。

 この九月に示された国の流行シナリオでは、高位推計で三○%、中位推計では二○%が発病するとされております。二○%の場合では、発病者のうち○・一五%程度が重症化すると見込まれ、特に高齢者に感染が広まった場合には、重症化する割合が高くなることも考えられます。これを本区の人口に基づき試算しますと、区内で約二万三千人から三万四千人の方が発病し、そのうち三十人から五十人程度が重症化するという見込みになります。

 次に、ワクチン接種の優先順位等についてであります。

 国が示しているワクチン接種の優先順位は、まず医療従事者、次に妊娠中及び基礎疾患を有する方、そして一歳から就学前までの小児及び一歳未満の小児の両親となっております。対象者は全国で千九百万人が見込まれていますが、人口割合で算出すると、本区では一万八千人となります。ワクチンについては、国が国産ワクチン一千八百万人分を確保し、契約医療機関等に配分するとしております。接種時期については、十月下旬より、優先度の高い方から順次接種を開始すると聞いております。

 次に、重症者のためのベッドや人工呼吸器についてであります。

 感染症による入院医療体制については、東京都が複数の区によるブロック制で対応することとしております。本区は、墨田区、江東区などとともに区東部ブロックに属し、基本的にブロック内で入院等の調整を行うこととなっております。ブロックごとのベッド数や人工呼吸器の台数は非公表となっております。医療体制については、現状においても一定の対応が図られていると考えておりますが、都との連携のもと、さらに充実強化に向けて取り組んでまいります。

 次に、ワクチンの公費負担についてであります。

 今回の新型インフルエンザワクチンについて、国は法定接種とせず、任意接種と決定しております。そのため、現状では接種を受ける方の全額自己負担となる見込みであります。公費負担につきましては、今後の国や都の動向を見定めながら検討してまいります。

 次に、国民健康保険の資格証明書についてであります。

 本区の発行状況は、本年八月三十一日現在、三百三十八世帯となっております。資格証明書で医療機関を受診した場合は、医療費を窓口で全額支払うこととされておりますが、新型インフルエンザに対する国の緊急措置として、五月十八日の通知により、発熱外来を受診した際には、資格証明書の提示があっても通常の被保険者とみなして取り扱うこととされました。しかし、その後、発熱外来は廃止され、一般医療機関での受診に変更されましたが、これについて、国から新たな通知は出されておりません。本区におきましては、資格証明書発行世帯が医療機関を受診する場合、個別に相談に応じるなどの対応をしてまいりました。しかし、今後、新型インフルエンザの大流行や重症化する可能性も指摘されていることから、区内の状況や国の動向などを見きわめながら適切に対応していきたいと考えております。

 答弁は以上であります。

〔九番 田辺七郎議員登壇〕

○九番(田辺七郎議員)
 それぞれ答弁がございましたけれども、率直に言いまして、全体、大変不十分だなと、こういうふうに思っております。

 総選挙を受けての区長の政治姿勢の問題では、新しい政治の一ページがいよいよ開かれたわけでありますし、早速新しい内閣もいろいろな政策の提言を、今、進められてきておりますし、それがこれから打ち固められていくのではないかというふうに思います。私は、繰り返しますけれども、区長が国民の歴史的な審判をしっかりと受けとめて、区民要求実現へ積極的に働きかけることを強く要望をしておきたいと思います。

 先ほど例示的に示しましたさまざまな後期高齢者医療制度の廃止などなど、こうした問題について、区長はそれぞれどのような評価をしているのか、お聞かせいただきたいと思うんです。私は、国会でも既に多数意見となっておりますこうした要求、国民要望については、直ちに実現していくように、私たちも積極的に働きかけますが、区長にも積極的な対応を求めておきたいと思うんです。そうした問題について、区長はどう考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

 それから、核兵器の廃絶に向けての問題でありますけれども、本当に新しい事態が生まれてきております。ことしの国連総会が、いよいよ開かれているわけでありますけれども、オバマ政権が核兵器なき世界を目指す決議案を既に配付している、こういう状況で、新たな進展がこの中では望まれるのではないか、こう思います。そうした動きを積極的に支えて、私たちは行動していかなければならないと思います。

 具体的に区長さんに提案しました平和市長会議ですね。この問題では、私、この三月の予算委員会で区長に質問をしました。そのとき、区長は、よく調査もして勉強もしたいというふうに言っておりましたけれども、先ほどの答弁も、評価しつつも、さらに活動について把握をしていきたいという答弁だったと思いますけれども、もうそういう時期は過ぎて、一緒に行動をしていくときではないかと思います。三月の予算委員会で私が質問したときと比べまして、この九月一日では先ほど申しました都市が参加しておりますけれども、この間、三百二十七都市がふえておりますね。世界的にふえてきております。日本の国内でもそうした動きが広がっている。これがまた、今の核廃絶に向けての大きな力になっているということを私はよく見る必要があるだろうというふうに思います。そうした点で、もう一度区長の、評価はするけれども、まだ研究だと、こういう段階からさらに一歩踏み出すことを求めますが、区長の見解をお聞かせいただきたいと思います。

 それから、築地市場の問題でありますけれども、先ほど朝日新聞の記事に触れましたが、十六日付の東京新聞にも区長の新政権への期待、築地市場の現在地での再整備と表明しております。

 さらに、きのうの新しい内閣で赤松農水大臣が就任の会見を行いました。冒頭で発言をしておりますけれども、きょうの日刊食料新聞にもその記事が載せられておりますけれども、赤松大臣は、ダイオキシンが何千倍、何万倍なんていうところに、きちんとした土壌改良をやったにしても、その結果が本人にとって、あるいは国民にとって安全なものだということが自分自身が納得できなければ絶対にサインしない、こういうふうに言っております。ですから、いよいよ築地市場の移転計画というのも大きなところでストップされてきているなと、こういうふうに思います。したがって、区長の先ほどの決意を新たな内閣の農林水産大臣も後押ししているわけでありますから、積極的な姿勢で臨んでいただきたい、こう思います。

 そうした積極的な姿勢を区民のものにしていく、あるいは大きな世論にしていく、そのためには、先ほど申しましたように、築地市場移転断固反対のところから改組した組織について、やはり会を開いて積極的な対応が求められていると思います。あの改定のときに、会を新しい築地市場を考える会に改組したわけでありますけれども、それをやはり断固反対する会に、また戻していくという、そのことを進めるべきだろうというふうに思います。このときに私たちの会派から鞠子議員が幹事長として出ておりましたけれども、鞠子議員は、移転反対を貫いてこそ、これからも道理ある闘いができると、ただ一人、改組反対の態度を表明しました。この姿勢というのは、今、輝いているというふうに私は思いますし、この姿勢に立って、区も一緒に行動すべきだと、こう思いますけれども、区長の見解をお聞きしておきたいと思います。

 それから、築地市場の移転整備というパンフレット、これは東京都が大量に発行して、この中央区でもあちこちの窓口に置いて配布されておりますけれども、これは言うまでもなく築地市場移転を、現在地でなぜ再整備できないかということに主眼を置いたパンフレットであります。こういうパンフレットはもう不要でありますから、撤去すべきだ、撤収すべきだと、こう考えますけれども、見解をお聞かせいただきたいと思います。

 それから、環状2号線の問題は、やはり移転計画が最大の理由でありますから、それがなくなったわけですから、この問題でも区長はしっかりとその立場に立って、環状2号線の問題についてはもとの地下化に戻すという都市計画の再変更を求めるべきだと、こう考えます。見解をお聞かせいただきたいと思うんです。

 それから、勝どき五丁目の再開発問題では、再開発準備組合に、結局、任せっ放しのようでありますけれども、これはもともと中央区が主導してあの再開発を進めたわけでありますから、この点で中央区はきちっと責任を持って周辺住民の皆さん方と、それから再開発準備組合の皆さん方との間に入って対応する必要があるだろうというふうに思います。計画決定を急ぐべきではないということを改めて申し述べておきたいと思います。区長の見解もお聞きしておきたいと思います。

 それから、新型インフルエンザの問題では、資格証明書の発行が三百三十八世帯ですね。それから、短期証明書が、今、七百六十二世帯ということであります。問題は、感染拡大や受診機会を失い重篤化することを防ぐという、そうした視点から、資格証明書の発行を、私のほうが提案しているように一年間の短期証明書発行に切りかえるという、そのことを改めて強く求めたいと思います。区長の見解を求めます。

 以上で第二回目の質問を終わります。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 どうも。どうも、どうも。

 総選挙ね、審判が下った後の対応等々であります。

 後期高齢者問題、御指摘ありましたけれども、その問題のほかに、本区、直接幾つかの点でかかわってきている問題が、築地市場であるとか財政の問題であるとか、あります。後期高齢者は、今、二十三区といいますか、六十二市区町村のほうですね、東京都下の市区町村ですね、自治体一体となって対応しているわけですけれども、これはやめるということでありますから、新たな対応をしっかりしていかなきゃならない、そういうふうに思っているわけであります。

 また、核廃絶の動き、急ピッチで進んでいるということ、もう大歓迎であります。オバマ大統領も真剣に真っ向から闘っているということでございます。大いに評価させていただいているわけであります。また、各自治体も真剣に取り組んでいる。当然、本区もそうでありますし、また、各団体等でも真剣にこれに取り組んでいるということ、区議会の皆様方ともしっかりと共同歩調をとってまいりたいな、こういうふうに思い、そして一日も早くこの地球上から核がなくなるように念願するところであります。

 それから、築地市場、これが本当に直接的に私たちに関係するわけですけれども、おかげさまで、新政権が現在地整備ということを政権公約にしていただいているということ、大変心強く思っているわけでございます。さまざまな経緯をもって今日まで来たわけでありますけれども、十八年に新しい築地を考える会の点はもう何回も何回も、ここでも、また委員会でも説明しているとおりでございまして、それは鞠子さんのおっしゃったことも、私、鮮明に覚えております。

 なぜああいうふうになったかといえば、私たち断固反対、断固反対はいいんですけれども、断固反対だけでは行き詰まる点がありますね。というのも、あそこの市場開設者は東京都であり、あの二十三ヘクタールは東京都であるということですね。ですから、私たちの権限が及ばない。幾ら反対だ、反対だと言っても、そのとおり東京都がやってくれればこれにこしたことはない。しかし、これはそうじゃない。もう御案内だろうと思いますけれども、どんどんどんどん移転だ、移転だということで進めてきた。もう数年後には移転だ。そのときになってどうするということでは困るというのが、場外を初め、築地の皆様方の考えでもあったし、それから関係者の声でもあったであろう。だからこそ、移転反対である、しかし、万が一そうならなかった場合、現在地再整備ということがならなかった場合にはどうするか、それから考えるということでは遅過ぎるのではないかということでね、万が一現在地整備ができなかった場合にはこうしようではないか、つまり鮮魚マーケットあるいは駐車場等をつくって対応していこうではないかということでございまして、あそこで再整備されれば、これにこしたことはない。これにこしたことはないんですよ。だから、私たちも今度、もうそういうところへ行きつつあるから喜んでいるわけで、ただ喜んでいてもいけませんね。しっかりこれを実現しなきゃいけないわけですから。

 それから、私たちといいますか、私は、土壌汚染が、今、焦点となっているようですけれども、土壌汚染だけじゃないんですね。土壌汚染だけじゃない。

 平成十一年十一月九日ですか、現在地というのを一転して東京都は移転だという方向、これはけしからん。あのときは、土壌汚染はそれほど言われていなかったんですね。でも、私たちは断固反対の会、区議会の皆様方と一緒に署名活動までやって、断固反対の会もブロッサムでやったり、行った。何回も東京都へ抗議にも行き、あれはいろいろな理由がありますけれども、やはりあそこで移転されて、東京都の姿勢はあの二十三ヘクタールを売却というんでしょう。売り払うというわけですよ。これ、どうなりますか。そのコンセプト、どういうものをつくるということもいまだに明らかにしていない。乱開発されるに決まっているんじゃないでしょうかね。

 汐留開発というのはありますけれども、あんな醜い、と言っては失礼かもわかりませんけれども、銀座の皆さんなんかは、ああいうまちだけはつくっちゃいけないなと今でも言っていますよ。やはりこちらから見ても、何があるんだかわからない。オフィスがあり、文化らしい、劇団四季ですか、なんかも入っているけれども、マンションがあったり、いろいろされておりますけれども、ホテルもあるようですけれども、同じようなまちがつくられる可能性というのはたくさんあるじゃないですか。そんな二番煎じ、三番煎じのものをあそこに持ってくることは、とんでもないことであって、オンリーワンですよ。築地というのはオンリーワンでしょう。ああいう市場は世界のどこにもないわけですからね、オンリーワンの築地市場、そして、今、外国の観光客もどんどん来ている。そして、私たちは、ああいう市場を持っているということを誇りにしているじゃないですか。

 それから、移転のパンフレットね。ですから、それはそうでしょう。パンフレット、大体、東京都の職員も頭のいい方がたくさんおられると思いますよ。したがって、今の政府の姿勢等々、それから赤松農水大臣の姿勢、発言の姿勢とか、こういうのを見れば、ああ、こうなりつつあるなということがわかるでしょうから、いろいろ環状2号線の問題でも、いろいろと考えてこられるんではないかな、そういうふうに思いますね。聡明な都の職員、たくさんおられるわけですから、そういう方々とも私たち、しっかりと、こちらも優秀な職員がたくさんいるわけですからね、しっかりと対応していこうではありませんか。

 環状2号線も、だから、今答弁したとおりであります。

 あと、インフルエンザは私よりも福祉保健部長が詳しいでしょうから、ひとつ、どうぞ。

〔福祉保健部長 斎藤裕文君登壇〕

○福祉保健部長(斎藤裕文君)
 新型インフルエンザ対策に関しまして、資格証明書の取り扱いについて、私から御答弁をさせていただきます。福祉保健部長でございます。

 区長の答弁にもございましたように、資格証明書、いわゆる保険料を払う能力があるにもかかわらず払っていただいていない方に資格証明書を発行しております。こうした方々が、医療機関、特にインフルエンザ等流行する中で、かかりたいというふうなお話があった場合には個別に担当の保険年金課で対応しております。

 現状で考えますと、これを一律に資格証明書発行世帯の方に短期証、いわゆる三か月、六か月もしくは一年といった短期証を一律に現在お配りする状況にはないというふうに考えております。しかしながら、区長もお答えしましたとおり、今後の流行の状況、また重症化の状況、そして国・都の動き、こういったものを見きわめながら、状況の変化には柔軟に対応して、万が一にもかかりたくてもかかれなくてインフルエンザで重篤化してしまったというふうな事例に至らないように配慮をしていきたいというふうに考えております。

 答弁は以上でございます。

〔九番 田辺七郎議員登壇〕

○九番(田辺七郎議員)
 築地市場問題につきましては、区長の姿勢も明確になってきたと思います。我が党の提案を積極的に受け入れて、積極的な対応をすることを改めて要請しておきたいと思います。

 これをもちまして私の質問を終わります。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(石島秀起議員)
 次に、十九番小栗智恵子議員。

〔十九番 小栗智恵子議員登壇〕

○十九番(小栗智恵子議員)
 日本共産党の小栗智恵子です。私は、日本共産党区議団を代表して質問します。御答弁によっては再質問、再々質問を留保します。

 最初に、総合的な子育て支援について質問します。

 子供は社会の希望であり、宝です。国連・子どもの権利条約は、すべての子供が差別されることなく、命と健康、文化、教育による全面的発達と意見表明、社会参加等が権利として保障されなければならないとし、そのための締結国の義務を定めています。

 ところが、日本では、子供や子育てに対する社会的な支援が先進国の中で際立って弱く、少子化に歯どめがかかりません。しかも、自公政権の下で弱肉強食の構造改革路線が進められ、深刻な雇用破壊、長時間労働、教育費や税金、社会保険料などの負担増などで事態は一層深刻となりました。特に、若者の二人に一人が非正規雇用で、結婚、子育てに直面する年代である二十五歳から三十四歳の労働者のうち、年収が二百万円に届かない人が三百万人にも上ります。

 しかし、こうした国民を苦しめてきた自公政治は、国民にノーの審判を下され、新しい政治の一ページが開かれました。これまでの政策の問題点を改める必要があり、その絶好の機会です。住民に一番身近な自治体である中央区が、総合的な子育て支援に全力を挙げ、国や東京都に対し、積極的に働きかけることが重要だと考えます。

 そこで、質問します。

 本区では、八月一日に区長を本部長とする中央区子育て支援対策本部を設置しましたが、この時期につくった理由と、国や都に対し、どのような内容を働きかけるのかお示しください。

 日本共産党は、総選挙政策で、一人一人の子供が大切にされ、安心して子育てできる社会を目指し、総合的な子育て支援策について四つの柱を打ち出しています。その第一は、子育てと仕事が両立できる社会にすることです。第二に、全国どこでも子供の医療費無料化、児童手当を現行の二倍にすること、第三に、教育費負担を軽減し、経済的理由で学業をあきらめる若者をなくすこと、第四に、生活保護母子加算の復活、就学援助・児童扶養手当の拡充など、子供の貧困の克服に力を尽くすことです。

 そこで、具体的な問題について質問します。

 まず、第一に、子育てと仕事が両立できるようにするためには、労働条件の改善が不可欠です。派遣切りで仕事も住まいも奪うような大企業の横暴勝手をやめさせ、暮らしていける賃金、働き続けられる労働環境をつくらせるのは政治の責任です。ワーク・ライフ・バランスは、個人の意識改革でできることではありません。国に対し、人間らしく働けるルールを確立し、各企業に強力に指導を徹底するよう求めるべきです。また、中央区としても、東京都と連携して区内各企業に指導徹底を図るよう求めます。御答弁ください。

 第二に、児童手当についてです。中央区は、中学三年生まで支給していることを評価しますが、我が党は、国の制度として十八歳まで広げることを提案しています。区としても、十八歳まで広げるよう求めます。民主党は、月二万六千円の子ども手当を掲げていますが、扶養控除、配偶者控除の廃止などの増税と抱き合わせでは問題です。見解をお聞かせください。

 第三に、子供の貧困をなくしていくために、就学援助は大切な制度です。小泉政権の三位一体改革で、それまでの国二分の一補助が廃止となり、利用できる対象者を狭める動きが出ています。中央区は、以前から、生活保護基準の一・二倍までの収入の家庭に対象者を制限しています。基準の引き上げ、支給額の増額を求めます。また、国庫補助を復活させ、さらに拡充するよう国に求めるべきです。お答えください。

 次に、保育所待機児童の解消についてです。

 私たち区議団は、保育園待機児の対策を早急に進めるよう繰り返し求めてきました。区は、子育て支援対策本部を設置し、保育所待機児童の解消のために緊急対策を行うとしていますが、問題は、急激な人口増で当然必要となるのがわかっていたのに、なぜもっと早く対策をとらなかったのかということです。この点で反省はあるのでしょうか、御答弁ください。

 今回、待機児童数を認証保育所に入所している児童数を除いた数字で示していますが、新定義にして整備目標を下げるのではなく、希望者すべてが入れるように、認可で整備する目標を立てるべきです。また、潜在的なニーズを満たすには、全国で百万人の拡大が必要と言われており、国と自治体の責任で保育所整備計画を作成し、計画的に認可保育所を設置するべきです。御答弁ください。

 今回、新たに勝どきのさわやか保育園分園の誘致が提案されましたが、その説明で、遊戯室がなく施設が手狭とあります。厚生労働省の委託による保育室面積の実証研究報告でも、現行の基準は低過ぎると報告されています。また、保育士の配置基準や労働条件の改善も急務です。これまで政府は、民間営利企業の参入や定員以上の詰め込みを認めるなど、規制緩和を進めてきましたが、これでは保育の質を保てないのは明らかです。国に対し、低過ぎる最低基準を改善するよう要請すべきです。また、民間施設の模範となるよう、区立保育園は施設面でも、人的にも、質の高い水準を目指すよう求めます。御答弁ください。

 さらに、我が党区議団が四月三十日に区長に申し入れした項目の一つで、国・東京都に対し、保育所整備への財政支援を求めることについて、六月の本会議では、「三位一体改革により一般財源化が行われており、要望になじまない」という御答弁でしたが、公立保育園の運営費と建設費への国庫負担を復活させ、国の責任を果たさせるべきです。また、労働スクエア跡地や京華スクエア施設の活用など具体的な提案に対し、「いずれも早期設置は難しい」という答弁でしたが、対策本部として、休園中の幼稚園、空き教室などを含め、再度検討し、東京都とも交渉すべきと考えます。それぞれお答えください。

 次に、全国学力テストの中止について質問します。

 三年目を迎えた全国学力テストの結果が、九月三日の区民文教委員会で報告されました。全国的な傾向として、昨年度と比べ、ほとんどの教科で平均正答率が高くなっているとのことでした。しかし、昨年は全体として問題が難しく、分量が多かったため、経年的な分析はできないというのが文科省の見解です。理解度、定着度を調べるというのであれば、ふだんのテストで十分であり、全国的な傾向を把握するなら抽出調査で十分です。結局は、すべての小・中学校をランクづけするためのものでしかありません。中央区では、都と区独自の一斉テストも行われています。そんなに何度もやる必要があるのでしょうか。競争を激しくし、序列化を生むばかりです。百害あって一利なしの全国学力テストを中止するよう求めます。御答弁ください。

 次に、少人数学級の早期実施についてです。

 我が党は、全国で東京都だけ実施していない少人数学級の早期実施を繰り返し求めてきました。都議選後初めての都議会で、日本共産党の吉田都議の代表質問に答え、都教育委員会の大原教育長は、「国の動向を注視しつつ、学級編制のあり方について、都教委として適切に判断していく」と述べています。総選挙で自民党と民主党も少人数学級を公約しており、大きな世論となっています。実施に踏み出すよう求めます。御答弁ください。

 最後に、特別養護老人ホーム、ケアつき住宅の整備について質問します。

 内閣府の○六年高齢者の住宅と生活環境に関する調査によると、高齢者で現在居住している住宅で困っている人は四割を超えています。特に、高齢者のみの世帯、ひとり暮らし高齢者が多くなっている中で、ケアつき住宅への入居希望者もふえています。また、介護が必要になって特別養護老人ホームへの入所を希望しても、常に二百人以上の待機者で、何年も待たなければならない状況が続いています。特に、日本橋地域には特養が一つもありません。早期に整備をというのが区民の長年の要求です。敬老大会での区長あいさつで、二十九人規模の特養を整備していくと話されていましたが、今後の整備計画、場所や規模、時期について具体的にお示しください。

 また、高齢者の状況に応じたシルバーピアや高齢者優良賃貸住宅、ケアハウス、共生住宅など、高齢者向けの住宅を計画的に整備し、住みなれた地域で暮らしていけるよう求めます。御見解をお聞かせください。

 以上で私の第一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 小栗智恵子議員の質問に順次お答えいたします。

 初めに、中央区子育て支援対策本部についてであります。

 人口減少時代を迎えた今日、我が国の出生率は著しく低下したままであり、少子化対策は国民的課題となっております。とりわけ、その傾向が顕著にあらわれている大都市においては、早急に少子化に歯どめをかける取り組みが求められております。本区においては、定住人口の回復とともに、特に子育て世代が力強くふえ続けている中で、保育所需要は増大し、少子化対策を強化する観点からも、待機児童の解消が喫緊の課題となっております。このため、対策本部を立ち上げ、保育所待機児童を解消する緊急対策を初めとした総合的な子育て対策を全庁挙げて積極的に展開していくこととしたものであります。また、国や都への働きかけについては、保育施設の整備を中心とした財政支援の充実などが必要であると考えていますが、今後の国や都の動向を見定めながら、さらに必要な対策を求めてまいります。

 次に、子育てと仕事が両立できる社会についてであります。

 子育てと仕事の両立を初めとするワーク・ライフ・バランスの実現に向け、平成十九年に政府、企業、労働者の三者により、仕事と生活の調和憲章及びその行動指針が策定されました。これに基づき、子育てのための短時間勤務制度の義務化や長時間の時間外労働勤務の抑制などが育児・介護休業法や労働基準法の改正により企業に求められ、雇用環境の改善が図られることとなっております。本区でも、今年度から中小企業を対象としてワーク・ライフ・バランス推進企業認定事業を実施し、区内企業にワーク・ライフ・バランスの推進を働きかけるとともに、講座を初め、情報誌「ブーケ」などにより、その普及や周知を図っているところであります。今後も、国・東京都との連携を密にし、区内企業へのさまざまな働きかけにより、ワーク・ライフ・バランスの実現に取り組んでまいる所存であります。

 次に、児童手当についてであります。

 児童手当は、家庭生活の安定や児童の資質の向上を目的として、三歳未満及び第三子以降に月額一万円、第一子、第二子に月額五千円を支給しております。国の制度では小学生までが対象ですが、本区におきましては、平成十八年度から独自に支給対象を中学生まで拡大しております。今後、さらなる支給対象の拡大につきましては、限られた財源という制約がある中で、これまでの施策の効果を見きわめながら検討してまいります。また、子ども手当につきましては、国において今後検討される見込みであり、その動向を注視してまいります。

 次に、保育所待機児童の解消についてであります。

 保育需要の予測につきましては、平成十九年に行った平成三十年までの人口推計をもとにしております。現在の状況では、人口総数はほぼ推計値どおりですが、乳幼児人口が推計を上回る増加となり、加えて景気の影響などもあることから、待機児がふえる状況となっております。こうしたことから、子育て支援対策本部において、これまでの計画を急遽見直し、平成二十四年度までに六百六十五人の保育定員の拡大を図ることといたしました。

 次に、認可保育所の整備についてであります。

 これまでも、保育所の整備に当たっては、認可保育所に力を入れてまいりました。今後の整備計画におきましても、六百六十五人の定員拡大のうち、認可保育所が三百三十二人、さらに認定こども園が百四十四人と全体の七割を超える割合となっております。なお、認証保育所は比較的設置が容易なことに加え、入所されている方の八割近くが認可保育所を申し込んでいないという状況があり、有効な待機児対策の一つであると考えております。今後の保育需要につきましては、直近の乳幼児人口のデータにより毎年推計作業を行い、これをもとに保育所の設置計画の見直しを迅速に行ってまいります。

 次に、保育所設置基準についてであります。

 認可保育所の設置に当たっては、国の定める最低基準を満たさなければならないこととされております。この見直しについては、既存保育所や今後の設置計画に与える影響が大きいため、慎重に検討する必要があります。なお、本区はこれまでも、ゼロ歳児一人当たりの保育室の面積を国基準の三・三平方メートルから区独自に六平方メートルに引き上げるなど、国の定める最低基準を上回る施設整備を行ってまいりました。また、運営面におきましても、区立保育所は、民間保育所と切磋琢磨しながら保育の質を高め合う努力を常に行っております。

 次に、運営費や建設費の国庫負担でありますが、これにつきましては、既に地方分権の実現に向け、三位一体改革により一般財源化が行われておりますが、今後、国の動向を見定めながら必要な対策を求めてまいります。

 次に、休園中の幼稚園や空き教室の利用であります。

 年齢ごとにゼロ歳児から五歳児までが利用する保育所と、四歳児・五歳児が中心の幼稚園では必要面積に大きな差があり、さらに専用の給食室の設置等の課題があるなど、現在休園中の幼稚園を保育所として利用することは困難であると考えます。また、都有地につきましては、適地がある場合にはその活用を要望してまいります。

 次に、特別養護老人ホームの増設についてであります。

 現在、区内には、民間も含め四カ所の特別養護老人ホームが設置されており、二十三区の中でもトップクラスの整備率となっております。しかしながら、依然として入所待機者が多いことから、第四期介護保険事業計画において、民間事業者の誘致も含め、定員二十九名以下の小規模特別養護老人ホームを整備することといたしました。現在、土地や施設の確保に取り組んでいるところであり、日常生活圏域ごとに整備を進め、平成二十三年度までを目途に一カ所、それ以降も順次整備してまいります。

 次に、高齢者向け住宅の整備についてであります。

 区では、高齢者の居住の安定を図るため、生活協力員を配置した区立高齢者住宅八十二戸に加え、建てかえ用地が確保できた区営勝どき住宅に、主として単身高齢者向けの住宅二十二戸を供給してまいりました。また、平成十七年度には建設費の一部や家賃減額の費用などに助成を行う制度を活用した民間事業者による高齢者向け優良賃貸住宅十四戸が月島地域に供給されたところであります。今後とも、これまでの取り組みを進めながら、区内に長く住み続けてきた高齢者が安心して住み続けられるよう、引き続き努めてまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 教育問題についてお答えします。

 初めに、就学援助についてです。

 就学援助は、学校教育法第十九条に基づき、経済的理由によって就学困難と認められる児童・生徒の保護者に対して、学用品や給食費などの援助を行う制度であります。本区の就学援助は、この法律の趣旨を踏まえ、生活保護世帯に加えて、世帯の所得額が保護基準の一・二倍未満の方など、いわゆる準要保護世帯を対象としているものであり、当面この認定基準を変更する考えはありません。

 次に、支給額についてであります。

 本区では、子育て支援対策本部において、十二月を目途に、子育て家庭への経済的支援など、今後の国や都の施策を踏まえ、区の子育て支援策を取りまとめることとしております。したがいまして、就学援助の支給額のあり方につきましては、この検討の中で総合的に判断してまいりたいと存じます。なお、準要保護世帯に対する国庫補助の復活につきましては、これからの国の地方財政対策の動向を見守ってまいりたいと存じます。

 次に、全国学力テストについてのお尋ねであります。

 このテストは、児童・生徒の学力・学習状況を全国的な状況との関係も含めてとらえるもので、授業改善に活用するとともに、児童・生徒一人一人の学力向上に資するものと考えております。しかしながら、このたび、新しい政権が発足し、文部科学大臣が現行方式の見直しの必要性について言及しておりますので、今後につきましては、国の動向に十分注意を払ってまいりたいと存じます。

 次に、少人数学級の実施についてであります。

 適正な学級規模につきましては、学習面や生活面をめぐってさまざまな意見や議論がありますが、全国的には拡大傾向が見られるとともに、一部の県に対するアンケート調査では、おおむね一定の効果があると取りまとめていることは承知しております。これまで、学級編制基準を定める権限が都にあることなどから、少人数指導の充実に取り組みつつ、都の動向を見守ってまいりました。しかし、このたび少人数学級の推進を公約とする新政権が発足しましたので、今後の国の動向及びこれを受けての東京都の対応を見据えながら、本区といたしましても適切に対処してまいりたいと存じます。

 答弁は以上です。

〔十九番 小栗智恵子議員登壇〕

○十九番(小栗智恵子議員)
 御答弁をいただきましたが、再質問をさせていただきます。

 総合的な子育て支援、本当に重要だというふうに思います。保育所の待機児の問題でも、私、ことしの三月の議会でもこの問題を取り上げまして、そのときの区長の御答弁は、「今後四年間に四百二十名をふやし、保育所の希望者の割合を、三歳未満は約三五%と推計して計画していく」という御答弁でした。今回は四年間で六百六十五名ふやすということで、その計画をふやしてきているということは大変積極的で評価するものですけれども、逆に言えば、これまでの見通しが甘かったということになるのではないかというふうに思います。

 保育所希望者の割合を三五%というふうに計画されていたようですけれども、中央区が行った二○○八年の実態調査、中央区保育需要・子育て支援に関する実態調査報告書の中でも、ゼロ歳から二歳の保護者の中で、保育サービスを利用したい、もちろん、この保育サービスというのは保育園だけではないと思いますけれども、保育サービスを利用したいという方が七割に及ぶという調査の結果も出ています。現在はまだ保育所の申請をしていないけれども、保育園に預けて働きたい、そういう方もたくさんいるということを踏まえて、積極的な整備計画を立てるよう求めるものです。この点について、もう一度御答弁をいただきたいというふうに思います。

 それと、公立保育所の運営費や施設整備費が一般財源化したために、全国的にも否定的な影響が出ているということが調査によっても報道されています。そういう意味で、待機児の解消がなかなか進まないというのが実態だというふうに思います。保育所整備に対する国の責任をきちんと果たさせる、そして、国と自治体の責任でしっかり整備していく、こういう立場に立つべきだというふうに思います。その点で再度御答弁をお願いいたします。

 全国テストについては、今、教育長のお話にあったように、新しい政府の川端大臣が、抽出調査でもいいのではないかということで全国一斉テストの見直しの考えを示しています。中央区は、国がやるからやる、国がやらないと言ったらやらない、そういう態度なのか、その点についてもう一度御答弁をいただきたいというふうに思います。

 少人数学級については、いろいろな適正な学級規模について議論があるということは、ずっと前からそういう御答弁は伺っていますけれども、区としては、本当は少人数学級をやりたいと思っているのかどうか、その点について区の考えをこの際お伺いしたいというふうに思います。

 小規模特養については、保育園と一緒で、今本当に困って特養に入りたい、そして、申し込んでいる方がたくさんいるわけです。二年も三年も待てないというのは保育所と一緒です。ぜひ早急に整備をすることを求めていきたいと思います。この点でももう一度御答弁をいただきたいと思います。

 私の再質問を以上で終わります。ありがとうございます。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 どうも。

 総合的な子育て支援、非常に重要です。今、我が国は残念ながら少子高齢化、人口がどんどんどんどん減っているという時代に入ってしまった。出生率が非常に低い。これを上げなければならないわけですけれども、これはやはりハード、ソフト両面ですね。経済的支援等々も必要であるであろう、こういうふうに思う。したがって、国や東京都にもいろいろと要望し、一体となってやっていかなければなりません。

 特に、保育所ですね。本当に御指摘があったとおりでありますけれども、私なんかも、まちを歩いていますと本当に要望されるんですよね。保育所何とかならないかというのをね。よくわかっているわけでございまして、何とかこれ、待機児ゼロ、これはそれこそ私のマニフェストにも書いてあるわけですから、これは何とかやっていかなきゃならないというふうに思っているわけであります。

 また、特養、これも重要なんですよ。前から重要だったんですが、今、若い御家族がふえているから、また、高齢化率もどんどん下がっているから、何か高齢の人は少なくなったんじゃないかという思われがちですけれども、そうじゃなくて、実数はふえているんだよね。高齢の皆様方の実数はふえている。そして、待機者もおられるわけですから、特養へのね。ですから、先ほど御答弁申し上げましたとおり、各地域、月島、日本橋、京橋と順次、二十九人以下の小規模特養等々のほうがつくりやすいであろうということで、今、計画に入っているわけであります。どうも。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 再質問にお答えいたします。

 まず、全国学力テストの件でございますが、学校におきましては、日々の授業はもとより、例えば中央区でいいますと、中央区の区費を投じてさまざまな補助員を投入したりして、いろいろな方法、ルート、手段を使いまして子供たちの育成に努めているところです。テストも授業の一部でございます。ですから、テストが児童・生徒に過剰な負担をかけて好ましくない影響が出るようでは困りますが、テスト自体は決して否定されるべきものではないというふうに理解しております。したがいまして、全国テストについても、役立てるべく参加したところでございますが、これは例えば国の方針で廃止になるということであれば、廃止をしないでくれというような要望は恐らく二十三区の特別区教育長会でも出すような検討はなされないんじゃないか、そういうふうに受けとめております。

 それから、少人数学級の実施でございますが、少人数学級を実施するとなれば、先生の確保を初め、いろいろ課題はあろうかと思います。しかしながら、しかるべきときにしかるべき条件が整えば、少人数学級を導入することについてはやぶさかではございません。

 答弁は以上でございます。

〔十九番 小栗智恵子議員登壇〕

○十九番(小栗智恵子議員)
 内閣府の調査でも、日本が子供を産み育てやすい国かどうかということを聞いた調査で、「そう思う」が四八%ということで、アメリカやフランスに比べても大変低い、そういう状態です。区長が御答弁されたように、ハード面、ソフト面、両面で子育て支援、社会的にサポートしていく、そういう支援を強化していかなくてはいけないというふうに思います。

 それから、教育の問題では、少人数学級、しかるべきときに判断するというような御答弁だったようですけれども、毎日新聞に、日本PTA全国協議会ほか、全国都市教育長協議会も含まれた二十三団体が一緒になった、子供の教育が第一、少人数学級の実現をという新聞広告が出ています。こういうのがもう既に出て、それが大きな世論ではないかというふうに思いますけれども、教育長の御答弁はそれに対してはちょっと後退している、まだそこまでいっていない、そういうふうに私は受けとめました。これから決算特別委員会でも、この問題も含めて議論をしていきたいというふうに思います。

 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(鈴木久雄議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(石島秀起議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石島秀起議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後三時三十六分 休憩


     午後四時 開議

○議長(石島秀起議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。二十九番渡部博年議員。

〔二十九番 渡部博年議員登壇〕

○二十九番(渡部博年議員)
 民主党区民クラブの渡部博年です。平成二十一年第三回区議会定例会に当たり、民主党区民クラブの一員として、区の一般事務及び区政の当面する課題に対しまして、質問通告に沿って質問させていただきます。区民の安全・安心、福祉向上に向け、建設的で即効性のある御答弁をいただきたいと思います。なお、再質問をこの場で留保させていただきます。

 まず、中小企業対策について伺いたいと思います。

 日本の社会経済環境は、かつてないほどのスピードで日々変化している現状であります。技術革新や価格変動、新技術や知識も数年をたたずして価値がなくなってしまうことも、多々見受けられるところであります。今までの産業や経済は、戦後、オイルショックを除き、右肩上がりの成長を続けてきましたが、バブル経済の破綻後の経済成長は低成長時期が長く続き、その後は銀行などの不良債権のめどもつき、企業活動が活発化して経済構造の変革期に入り、大企業を中心とする経済状況が好転したところでありましたが、記憶に新しいサブプライムローンに端を発した全世界的不況が始まり、先行きが不透明になり、景気後退の局面に陥ってきたところであります。この間に、一番影響を受けたのが中小零細企業であります。

 先ごろの新聞報道で、帝国データバンクが発表した七月の一千万円以上の企業倒産は、負債総額が四六・八%の減、上場企業の倒産がゼロとなり、負債百億円以上の大口倒産も四件にとどまり、二か月連続減少で、ことし最低の件数であったが、負債額五千万円未満の小規模倒産が一五%増、倒産件数全体は六・五%増、千二百四件と十四か月連続で前年を上回る結果となり、業種別の倒産件数は製造業二八・九%増、百八十三件、サービス業一八・二%増、二百二十七件、消費の影響を受けやすい業種で増加。原因別では、販売不振などの不況型倒産が九百七十件、全体の八○・六%、二か月連続で八○%を超える結果であったと報道されています。この結果を見る限り、さきに述べましたように大型倒産が減少する中、中小零細企業の倒産が増加傾向にあると判断されます。

 一方、中央区では、平成二十年度倒産件数は二百七十七件と、前年比四九%以上の増加、平成十三、十四年度の倒産件数と同等となっています。また、倒産企業の従業員数は、十九年度三千三百五十八人、二十年度千三百八十二人と、本区は四万四千の企業が集中しています。このような状況を考えた上で、今こそ地域に一番近い行政が中小企業とその従業員の皆さんの手助けをさらに進めていく必要性があると考えます。

 現在の融資制度は、わかりやすく改善してきているところでありますが、責任共有制度が導入され、金融機関の貸し渋りなどの状況も聞こえてきましたが、その後の融資状況報告と対応内容をお知らせいただきたいと思います。

 次に、商店街連合会加入事業所に対して優遇利率を適用するなど、商工業融資を他の商工振興施策に結びつける区独自の努力を進めているところでありますが、さきの企画総務委員会で出されたワーク・ライフ・バランス推進の見地からの利率優遇措置に見られる支援策など、一つの部、課にとらわれることなく、商工業融資制度を区の施策推進に幅広く活用する取り組みをさらに進めていただくようお願いいたしたいと思いますが、考え方と今後の対応について伺いたいと思います。あわせて、地域の商店主が町会や消防団を初めとする地域貢献に対しての商工業融資などとリンクした考え方についても伺いたいと思います。

 次に、地域商店街の活動と中央区観光協会特派員の皆さんとのかかわりについて伺いたいと思います。

 現在、特派員の皆さんには、インターネットなどでいろいろと活動報告などをしていただいているわけでありますが、中央区の商店街との連携については、どのような形で行われているのでしょうか。また、今後も観光検定を行っていきますが、特派員の将来のあり方も含めて、考え方をお知らせください。

 次に、区民との協働の観点での中小零細企業との連携について伺いたいと思います。

 地域商店は地域の交流の場であり、情報がある程度集中していると考えるところであります。協働と一言で言いますが、統一的な定義が確立されていない現状にありますが、基本は、共通の目的に向けて、いろいろな立場で行政と対等な連携、協力であると言われています。先ほども申し上げましたが、現実、零細企業店主は、商店街活動、消防団活動、町会活動など、行政と密接な関係を持っていると感じています。そこで、区内商店との協働についての考え方と今後の連携強化策について伺いたいと思います。

 次に、全般的な行政サービスの向上について伺いたいと思います。

 私は、幾度となく職員の人材育成などについて質問をしてきたところであり、これまで区独自で研修制度の改革、二十三区全体での改革を着実に進めてきたと思います。しかし、急速に変化する社会環境の中、区民の価値観や生活様式、行政に求めるニーズの変化は想像を超えるものがあると感じています。また、地方分権の推進に伴い、これまで以上の説明責任が強く求められるようになっています。区民と行政が区政の問題をともに考え、地域問題の共有化と解決をするためには、積極的な区民との協働による区政運営が必要となっているとも感じます。

 中央区の人口が十一万人を超えた今、このようなニーズの変化に的確に対応しなければなりません。この基本は、職員の皆様の能力向上を効果的、計画的に進めていくことで区民ニーズに的確に対応できる状況がさらに備わることが重要であると考えるからであります。現在の状況は、縦割り行政の中では限界が見え、各部の協力体制の確立も急務であるとも感じています。また、広聴、広報は必ずしも主管課だけが行うものではなく、各部門で行う会議なども含めて行政全体で構成していくものであると思います。

 以上を踏まえた上で質問したいと思いますが、人口十一万人を超えた今の職員研修のあり方について、その基本的考え方について、あわせて、この間、どのような改革を具体的に行ってきたのか。

 次に、区が区民に対する情報提供の立場から、職員の接客対応を含めて、区民が必要とする的確な状況を縦割り行政にとらわれることなく幅広く提供することも重要であると考えているところでありますが、この対応について伺いたいと思います。また、区の事業を推進する立場では、地域住民に対してだけでなく、すべての区民に対する説明責任も重要であると考えます。施策遂行においての区職員、管理職も含めて、しっかりとした情報をしっかり区民に伝える責任はあると考えていますが、そのことについての心構えも含めた研修や施策の理解についての考え方について伺いたいと思います。

 あわせて、ここ数年の団塊の世代の大量退職に伴い、東京都では再任用で管理職の不足を補ってきましたが、中央区もことし再任用で対応している現状もあるわけですので、管理職育成についてどのような考え方で推進をしているのか伺いたいと思います。

 次に、まちづくり対策について伺いたいと思います。

 まちづくりという言葉は、最近では、建物の建築だけでなく福祉や保健、医療、地域コミュニケーションに至る幅広い分野でしばしば使用されています。例えば、古い木造密集地域の住民の安全確保に係る道路の拡幅、公園の新設、建物の不燃化などの課題に対して、地震、火災など自然災害に対応した地域づくりでの論議を行うことにより、ふだん交流がない地域住民が共通認識を持つよい機会であり、地域のさまざまな情報が共有され、きずなまでが深まる活動であります。だからこそ、建物や道路を整備することのまちづくりは、地域のきずなや共通認識を持つまちづくりに生かす必要があると考えます。そして、中央区の居住形態は、八六%以上がマンション居住である現状を考慮することも重要であると思います。

 最初に、現状でのまちづくり協議会の役割を申し上げたような地域のきずなを含めて、全体的な論議ができるような体制に、協議会の委員会構成も含めて、変えていくことが必要であると思います。さきの質問の中でもいたしましたが、情報提供、情報収集、施策展開の意味でも、今後のまちづくり協議会については、新住民の方々にも地域の状況を理解してもらい、協力してもらうことを主眼とするよう変化していくことが望ましいと考えますが、まちづくり協議会のあり方、考え方をお知らせいただきたいと思います。

 次に、月島地域全体の都市設計について伺いたいと思います。

 バブル経済のつめ跡を今も残している月島地域は、バブル経済崩壊後に銀行の不良債権処理の進展により再開発が活発に行われてきました。その結果、月島地区は高層ビルと個別家屋の混在地域となっています。その一部は、まだ不燃化対策、耐震対策を早急に行う必要性があると推察します。

 都市は、公的開発、施設整備や民間開発などにより更新を繰り返し、日々変化しています。具体的には、都市を長期的・総合的な視点のもと、土地の合理的な利用計画を策定し、都市の健全な発展と整備を行い、都市に秩序を与え、区民の生活や産業、その他の地域の諸活動が快適で効率よく、安全に営むことができる都市をつくることが都市計画であります。

 しかし、どうでしょうか。都区制度改革により、区が主体的に地域の都市計画をつくることができるようになっても、東京都の影響は強いものがあります。真に中央区が後世に自信を持って残せるまちをつくるためには、全体調整の各区の秩序のとれたまちづくりを進めるための都市計画がしっかりした仕事の分担を行う必要性に迫られていると考えます。都区協議の検証と推進について、どのような形で進められているか伺いたいと思います。

 あわせて、地域再開発が多く行われてきた地域である月島地区は、今までの都市計画の犠牲になってきたように思います。大規模再開発は、今までのまちの交通網を劇的に変化させています。都市計画に、公共交通網のあり方のほか、開発地域だけでなく公共交通までのアクセスなども含めて、地域全体の考え方を確実に取り入れていく必要性を感じますが、どのような考えのもと進められているかお伺いいたします。

 次に、交通網に関して、月島地域全体の交通網の考え方について伺いたいと思います。

 公共交通の配置、大江戸線勝どき駅の混雑、歩道通行の困難性など、全体的に現状把握を行っていると思いますが、根本的に解決するためには、いずれも中央区単独では対応できないものであります。まず、大江戸線勝どき駅の混雑解消について、勝どき駅に至る歩道環境の整備について、現在の状況と対応、根本的な解決方法をどのように考えているのか伺いたいと思います。

 あわせて、人口十一万人に対応した防災拠点、保育園、高齢者施設などの公共施設のあり方も問われているところでありますが、区としての考え方も伺いたいと思います。

 次に、防災対策について伺いたいと思います。

 中央区の基本計画の中で、百万人が住み、働き、集うまち中央区とありますが、したがって、地震防災では住んでいる方の対策はもちろんのこと、通勤や通学、首都圏以外からのビジネス、観光などで訪れる方々の安全確保対策が重要であると考えます。いわゆる大都市特有の帰宅困難者対策、来街者対策であります。

 平成十八年に公表された東京都の被害想定では、都内全域で生じる帰宅困難者は約三百九十万人とされています。また、中央防災会議の報告では、首都直下型地震発生後に帰宅を急ぐ人々で道路があふれ返り、満員電車状態が延々と続き、二次災害の発生が懸念されます。このためにも、混乱や二次災害の防止に向けた広域的な対策を東京都全体で構築する必要があります。中央区では、まちの再開発事業とあわせて、帰宅困難者用の施設整備などの対策を事業者の地域貢献として推進しているところでありますが、中央区全体でどの程度まで対策を進めていくお考えなのかお伺いいたします。

 さらに、それらの施設が、東京都が推進している主要幹線道路上での対策や、東京都の防災計画の中でうたっている沿道沿いの自治体や隣接県との連携などの実情に適合したものになっているのでしょうか。帰宅ルートは、線でつながらなければ意味がありません。広域的な対策との調整や連携がどのようにされているのか伺いたいと思います。

 次に、超高層ビルの防災対策について伺いたいと思います。

 中央区では、市街地再開発事業に対しての区の指導要綱で、高層住宅に五階ごとに防災倉庫などの防災設備を設置することを行政指導しています。そこで、まず、二十階以上の住宅で防災倉庫を設置している建物は、全体で何%であるのか、そして、設置されていない住宅に対しての対策について伺いたいと思います。その際、このような高層住宅と区の防災拠点とはどのような関係にあるべきなのかなどの考え方を、お住まいの方々にどうPRされているのかお知らせください。

 次に、機能更新されていない地域の不燃化、地震対策について伺いたいと思います。

 早くから都市化が進んできた本区では、更新時期を迎えている高層建築物、地下街、木造密集地域などがあります。区では、耐震助成制度などの充実を図っているところでありますが、現状の把握と今後の対応について、どのような見解をお持ちか伺いたいと思います。

 さらに、災害時には電力供給までの間は自家発電しかないわけであります。この間、エレベーターなどはほとんど運行できない状況でしょう。何より、ほのかな光でもよいから、夜の明かりを確保しなければ生活は立ち行きません。その明かりがろうそくでは、余震などで二次災害発生の可能性も高くなります。そこで、太陽光や風力などの自然エネルギーを活用して防災拠点の最低限の明かりを確保する対策が重要と考えます。あわせて、技術開発が急速に進んでいる省電力のLED電球を、防災拠点だけでなく、区施設の照明に積極的に採用すれば、区の防災体制の向上が図られると思いますが、お考えを伺いたいと思います。

 次に、環状2号線、築地市場移転問題について伺いたいと思います。

 中央区議会も、中央区も築地市場現在地再整備を基本とし、東京都に対していろいろな行動を起こしてきました。築地市場移転については、そもそも東京都の都民に対する情報公開のあり方、環境、食品安全面からも紳士的でなかったことが問題であると感じています。やはり行政は、住民に対してしっかりとした情報提供と意見集約をすべきであります。現在、汚染状況の確認、検証などの作業を行っているところであると思いますが、現状の移転に対しての状況と、どのような方向性が都から打ち出されているのか伺いたいと思います。

 また、環状2号線については、築地市場現在地再整備と密接に関連しているところであり、地域開発も関連が出ると思いますが、以前から質問などをしてきたところですが、その後の都の区民に対する説明状況を含めての実情と対応について伺いたいと思います。

 次に、地域住民と行政の協働について伺いたいと思います。

 協働という概念は、共通の目的に向けた異なる主体との対等な連携・協力であると言われています。これまでの町会・自治会などの協力関係とは別に、NPOなどに見られる新たな概念が取り入れられています。大規模再開発により、マンション居住者が八六%を超える中での協働事業のあり方について、やはり地域の実情と地域住民の相互理解、行政の政策実現のための情報提供と情報収集など、これまで以上に行政はチャンネルを広げていく必要性に迫られていると感じています。

 そこで、これからの中央区の地域との協働についての考え方の基本と方向性について伺いたいと思います。

 以上で私の第一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 渡部博年議員の御質問に順次お答えいたします。

 まず、責任共有制度のその後と対応についてであります。

 責任共有制度につきましては、平成十九年十月の開始当初は、都市銀行の審査が厳しくなったとの声が一部にあったものの、同年の年末には落ち着きを取り戻しております。平成二十年度には、二度にわたり区独自の特別資金融資を実施したこともあり、融資実績は本年三月末現在で、あっせん件数が約二千三百件、あっせん金額が約二百七億五千万円と、いずれも平成十九年度と比較してほぼ倍増となっております。また、昨年十月三十一日からは、深刻な経済危機の影響で業況が悪化している業種について、区長の認定により保証協会から一○○%の保証を得られる国の緊急保証制度が大幅に拡充されております。本区においても、昨年十一月から本年八月末までに七千九百三件の認定書を発行するなど、区内中小企業の円滑な資金調達を全力で支援しているところであります。今後とも、国や都の動きと金融機関の融資動向を注視しながら、依然として厳しい状況にある区内中小企業への適切な支援策を講じてまいります。

 次に、商工業融資の考え方についてであります。

 平成十九年度から、商店街連合会などの商工観光団体あるいは町会・自治会、防災区民組織に加入している事業者の方々に対する商工業融資の特典として、優遇利率を適用する制度を創設し、順次その範囲を拡大してきたところであります。今年度も新たに、消防団協力事業所、ワーク・ライフ・バランス認定企業、中央区版二酸化炭素排出抑制システム認証取得事業所を対象に加えております。事業者が地域において期待される役割は、本来の事業活動のみならず、防犯・防災対策や環境・リサイクル対策、コミュニティの活性化など、社会状況の変化に伴って、ますます多岐にわたってきております。また、このような期待にこたえていくことは、事業所にとりましても、みずからの社会的な信用を高め、経営基盤を強化することにつながるものと存じます。このような観点から、商工業融資が単に事業者の資金調達を支援する機能にとどまらず、区のさまざまな施策における事業者の役割を促進する仕組みとなるよう、今後とも庁内の連携を図りながら取り組んでまいります。

 次に、中央区観光協会特派員についてであります。

 本年二月に実施した第一回中央区観光検定の上位合格者のうち、三十二名の方々を観光協会特派員として登録いたしました。現在、観光協会のホームページに開設されたブログ等を通じ、区の歴史・文化・観光など、独自の視点で取材したさまざまな情報を発信するほか、観光協会五十周年記念事業の一環で実施しているまち歩き産業コースにおいて、区内の老舗企業や特色ある店舗をめぐる案内役として御活躍いただいております。今後、特派員に区内各地の商店街をめぐっていただき、そこで実際に見聞きした情報を発信することにより、特派員活動の促進とあわせて商店街のPRを図る取り組みや、まち歩きイベントの充実、まるごとミュージアムへの協力など、それぞれの特派員の持ち味を生かした活動の場の拡大について、観光協会と協議し、推進してまいりたいと存じます。

 次に、商店と行政の協働の考え方についてであります。

 地域の商店やそれらが立地する商店街は、顧客に商品やサービスを提供する商いの場であるだけでなく、地域コミュニティの一員として、まちのにぎわいづくり、安全・安心の確保、環境美化など、地域のさまざまな課題への対応を担っていただいております。急激な人口増加により地域のコミュニティが変化する中、日常の買い物を通じて多くの人々が交流する地域の商店や商店街は、地域課題を解決していくための協働のパートナーとして、ますますその重要性が増してくるものと認識しております。今後とも、協働の観点から、商店の社会貢献活動に対する支援をさらに充実してまいります。

 次に、行政サービスの向上についてであります。

 まず、職員研修のあり方についてであります。

 職員個々の能力開発を絶えず図り、公務能力を向上させることが研修の基本的な考え方であります。特に、接遇は区職員としての基本であることから、平成二十年度において接遇力を向上させるため、中央区職員接遇マニュアルを職員の手でつくり上げ、全職員に配布するとともに、早速今年度の研修に活用しているところであります。このほか、昨年度に引き続き、政策形成能力、説明力向上、基礎知識・幅広い知識の習得を重点課題としております。また、新規採用者や主任主事、係長級など、各職層に応じた研修に力点を置きつつ、電算システムなど専門的知識を習得させる研修にも力を入れております。今後も、職員が広い視野と先見性を持ち、区民との信頼関係を築きながら、的確な判断力のもと、主体的に事務執行を行っていくことができるよう研修の充実を図ってまいります。

 次に、区民が必要とする情報の提供についてであります。

 区の事務事業が複雑で多岐にわたることが、区民にとって区民サービスにわかりにくさを感じる原因ともなっております。平成十六年四月に開設したまごころステーションや、本年十二月に開設予定の定型的な問い合わせを区のホームページから調べられる「よくある質問」は、いずれも縦割り行政を克服するもので、区民が必要とする的確な情報をわかりやすく提供するためのサービスであり、今後もこうした取り組みを充実してまいります。

 次に、情報を区民に伝える責任についてであります。

 区民の理解を得ながら円滑に事業執行を進めるためには、日ごろからの職場間での情報の共有化が欠かせません。特に、管理職においては、区政の重要な課題について庁議や調整会議を開催するほか、随時の会合や横断的な臨時の連絡組織を設け、情報の共有を密にしており、区民への情報提供の責任を果たせるよう取り組んでいるところであります。

 次に、管理職育成の考え方についてであります。

 管理職は、区政の最前線に立ち、事務事業の企画立案とその遂行を、職員をリードしながら進めていく極めて重要な役割を担っており、管理職には高い資質が求められます。対外折衝能力や部下職員を育成していく能力など、区では管理職向けの研修を実施する中で資質の向上を図っているところであります。一方で、職員の意識の変化により、仕事は適切に遂行するものの管理職への昇任は希望しないという傾向は、本区でも顕著となっております。現在の管理職六十七人のうち、今後十年間で四十八人が定年退職を迎える中で、人材の確保は必須の課題となっております。現在は、職員一人一台のパソコンから区政の主要な情報に直接触れられるようにし、区政全体への関心を喚起することや、個々の管理職が部下を指導する中で昇任への意欲を促す取り組み、昇任選考の勉強会の開催など、さまざまな対策を講じているところであります。さらに、管理職として責任ある立場で職務を遂行することの生きがいと魅力を、あらゆる機会をとらえて啓発し、管理職に登用する人材を確保してまいります。

 次に、まちづくり協議会のあり方、考え方についてであります。

 本区では、地域での協議を基本とする協議型まちづくりを進めており、その中心であるまちづくり協議会は、町会や商工業関係者など地域の代表者と区が情報や意見交換を重ねながら、地区特性を生かしたまちづくりを推進するため設置しているものであります。この協議会のもとに、特定地域や特定分野の課題について具体的な検討を必要とする場合は、分会や分科会を設置しております。広域的な課題は協議会で、特定地域の課題や特定分野の課題については分科会などで対応することで、より多くの方の意見や意向をまちづくりに反映することができるとともに、構成員間の相互理解と合意形成を図ることが可能になると認識しております。こうしたことから、新たに区民となられた方々の意見や意向も組み入れるため、まちづくり協議会や分科会などの運営上の工夫を図ってまいります。

 次に、都市計画に関する都区協議会の状況についてであります。

 都市の健全な発展を実現するためには、都市計画の活用による計画的な都市づくりが有効であります。例えば、本区の月島地域のように、地域の防災機能の強化を図るためのまちづくりが必要となる地域がありますが、こうした地域にとって必要な開発計画を立案する過程において、住民に身近な区が主体性と責任を持って関与し、地域環境への配慮や交通計画の検証など、将来を見据えた総合的な都市計画とすることにより、健全な都市を実現できるものと考えております。こうしたことから、区では現行制度を見直し、区が独自性を発揮できるようにするとともに、都の役割を広域的見地からの調整役とするなどの制度改善を図ることが必要と考えているものです。お尋ねの都市計画に関する事務移管の協議状況については、現在、継続協議となっていますが、区長会としても同様の見解を持っていることから、今後とも、都市計画における都区の役割分担の必要性や考え方を主張しながら、その実現に向けて取り組んでまいります。

 次に、都市計画に公共交通のあり方や地域全体の考え方を取り入れていくことについてであります。

 大規模開発は、居住人口や就業人口の増加により、市街地の交通環境に影響を及ぼすことから、交通計画は重要な検討項目であると認識しています。このため、都市計画を策定する場合には、初めに開発地周辺の交通量調査を実施し、現状把握を行うとともに、幹線道路や地下鉄等については、沿線における開発の情報収集を行うこと、次に、これらを基礎データとして、開発後の交通量等の予測を行い、歩行者等の交通動線を設定の上で、必要に応じて歩行者通路の整備や道路の拡幅を計画すること、さらには、公共交通事業者との協議を行うことなどで、周辺地域の交通環境に支障を来すことのないよう検証しております。加えて、開発される施設の用途によっては、利用者による交通機関の時差利用や新たな交通手段を講ずるよう開発事業者を指導しているところであります。区といたしましては、こうした取り組みにより、地域の交通環境の確保を都市計画に反映させているところでありますが、予測を上回る事態が地域に生じていることも認識しておりますので、今後も可能な限りの工夫を通じて適切に対応してまいります。

 次に、大江戸線勝どき駅の混雑解消と勝どき駅に至る歩道環境の整備についてであります。

 勝どき駅の混雑解消については、運行事業者である東京都交通局に対して、対策を行うよう再三申し入れてきたところであります。その結果、平成二十年第四回都議会定例会の交通局長答弁の中で、「ホームの増設を含め、駅の抜本的な改良について検討する」ことが明言され、今年度は都市計画変更に向けた地元説明を行うこととしております。今後は、将来の需要に即した出入り口の設置を検討するなど、区民の皆様が安全に安心して駅を利用できるよう要望してまいります。

 次に、勝どき駅周辺の歩道環境の整備についてお答えいたします。

 本区としては、晴海通りの歩行者交通の混雑緩和や行きどまり道路の解消による防災性の向上を図るためには、解決策として朝潮運河に歩行者専用橋の架橋が必要であると考えております。本件につきましては、区議会初め、地元の方々から早期整備を要望されている一方、一部の方の御理解がいまだ得られていない状況にあります。そこで、いま一度原点に戻って、朝潮運河周辺地域の歩行環境を改善するためにはどのようにしたらよいかについて、地元の皆様と話し合うための検討会を設けることとしました。この検討会では、地元の皆様初め、河川や防災などのまちづくりに造詣が深い学識経験者及び水面管理者である都港湾局や河川部等関係行政機関の職員に入っていただき、幅広く討議を進める中で、基本的な方向性を取りまとめてまいりたいと考えております。

 次に、公共施設の適切な配置のあり方についてのお尋ねであります。

 本区では、人口回復施策が着実に成果を上げ、力強い増加を続けております。それに対応すべく、基本計画や各分野別計画に基づき、高齢者施設などの公共施設整備を計画的に進めております。しかし、近年、若い子育て世代の増加により、保育園の待機児童解消が喫緊の課題となっております。そこで、本年度より、子育て支援対策本部を設置し、子育て支援施設の事務事業について緊急対応を行っているところであります。このように、公共施設の整備につきましては、状況の変化を的確にとらえ、柔軟に対応を進めています。一方、防災拠点につきましては、中央区地域防災計画に基づき、区内の小・中学校を指定し、災害時に避難を余儀なくされた区民の受け入れが可能な防災拠点として確保しています。また、防災拠点の機能が麻痺しないように、一定規模以上の住宅開発については、市街地開発事業指導要綱により、建物内で自立した生活を可能とする防災倉庫の設置を義務づけております。今後も、人口増加に伴う区民ニーズに的確に対応し、必要な公共施設の適切な配置に努めてまいります。

 次に、帰宅困難者用の施設整備についてであります。

 都市再生特別地区を活用した大規模開発事業においては、地域貢献策として、帰宅困難者への支援場所や地域防災倉庫、情報提供機能などの整備が提案されております。これまでに、銀座三越を初め、五地区の開発事業で約一万六千四百人分の支援場所が確保されましたが、本区の防災計画での帰宅困難者は約三十八万人強であることから、他の施設の活用を考慮しても、大幅に不足しているものと考えます。一方、これらの開発事業は、東京都の指定する中央通りなどの帰宅支援対象道路の沿道またはその近接地に位置しており、東京都の防災計画との連携が図れております。今後とも、大規模開発事業を行う事業者に対し、帰宅困難者への支援場所等の確保を誘導するほか、周辺区を含む広域的な連携方策のあり方について、引き続き東京都と協議をしてまいります。

 次に、防災倉庫の設置についてであります。

 本区では、市街地開発事業指導要綱で一定規模以上の住宅について、防災倉庫を設置することを規定し、平成十九年七月より指導しております。これまでに二十階建て以上の住宅で防災倉庫の設置が計画された件数は九件で、既存の建物を含めた二十階建て以上の住宅に対し、約一九%となっております。一方、防災倉庫の未設置な住宅に対しては、建築基準法などの制約もありますが、改修の機会をとらえ、区が実施する分譲マンション共用部改修費用助成制度等の活用により、その設置を誘導しているところであります。このような防災倉庫の整備状況にかかわらず、高層住宅にお住まいの方々は、震災時にエレベーターやライフラインがとまった場合に備え、水、食料、簡易トイレなどを備蓄しておくことが、自宅で生活を続けるために大変重要であります。また、居住者が防災拠点に避難せざるを得ない状況も想定し、平常時から管理組合や自治会が地域との共助体制や連携を構築しておくことが必要であります。区では、こうした高層住宅特有の防災対策や災害時の活動について、防災拠点運営委員会などで地域の皆さんに説明するとともに、高層住宅における震災対策をわかりやすく説明した防災パンフレットやDVDにより広くPRに努めております。

 次に、建築物の不燃化及び耐震対策の現状と今後の対応についてであります。

 まず、本区の不燃化率の現状は、建築物の総床面積の約九八%が不燃化され、高い比率となっております。また、耐震化率は、住宅で見た場合、総戸数の約八割であります。このことから、とりわけ建築物の耐震化率を高めることは、本区にとって、安全・安心なまちづくりの実現に向け、大きな課題と認識しており、平成十九年度に耐震改修促進計画を策定いたしました。これを受け、計画的に耐震改修を促進するため、平成二十年度において、耐震補強工事に関する助成対象者の拡大、助成限度額の大幅な引き上げ、一部屋補強工事などの簡易補強工事の追加など、メニューの多様化を図ったほか、本年度は緊急輸送道路沿道等建築物の助成制度を創設したところであります。平成二十年度の実績としては、簡易耐震診断三十件、耐震診断八件、補強工事五件で、これまでより多い件数でありました。今後とも、制度の普及や総合防災訓練等の機会をとらえ、耐震化に向けた意識の向上を図るとともに、建築士事務所協会や中小建築業協会などとも連携を図りながら、積極的に耐震化促進に努めてまいります。

 次に、災害発生時の自然エネルギー等の活用についてであります。

 首都直下地震が起きた場合には、電力の供給が途絶え、回復には六日間かかるものと東京都は想定しております。この間、避難所機能を担う防災拠点において、災害応急活動を進めるには、最低限の非常用電力が必要であり、自然エネルギーを活用した発電システムは有効な対策と考えます。このため、今年度、月島第一小学校に災害時にも電力供給が可能な蓄電機能を有する太陽光発電システムをモデル整備し、発電量や活用範囲などを検証することとしており、その結果を踏まえて、他の防災拠点への導入を検討してまいります。また、省電力で長寿命のLED照明を区施設に採用することは、環境面への配慮だけでなく、災害時に、限られた電力の中で効率的に明かりを確保する有効な方策の一つと考えます。しかしながら、LED照明器具の価格は、同じ照度の蛍光灯の数倍高く、器具のタイプによっては性能的に確立されていないものも見受けられます。そこで、今後の施設の改築・改修時におけるLED照明の採用に向けて、現在、改修工事を行っている月島区民センターの一部でLED照明を導入し、その効果などを検証してまいります。

 次に、築地市場の移転問題についてであります。

 都におきましては、都知事が専門家会議や技術会議の提言に基づく万全の土壌汚染対策を確実に実施し、豊洲への移転を進めていくことを表明しておりますが、新たに構成された都議会においては、現在、築地市場移転問題の是非が議論されております。また、都は、これまでにも土壌汚染対策などに関する説明会を市場関係者に対して開催してきたところでありますが、今後は広く都民を対象とする説明会を実施すると聞いております。

 次に、環状第2号線の説明会などの状況についてお答えいたします。

 地元住民に対する説明会は、平成十八年十月に地下式から地表及びかさ上げへの都市計画変更案の説明会、さらに平成二十年六月には事業及び用地測量説明会が行われております。また、平成二十一年二月と六月に開催されたまちづくり協議会では、隅田川橋りょう等の具体的なデザインや色、材質等について検討を行った環状2号線の景観意匠検討委員会の説明を行っております。さらに、今年度は環状2号線の本体工事である(仮称)隅田川橋りょうの勝どき側橋脚工事及び(仮称)朝潮運河橋りょうの下部工事の説明会が予定されております。そこで、本区といたしましては、東京都に対し、地元住民への周知を図るため、まちづくり協議会で事前説明をした後、環状2号線に隣接する関係住民に対する工事説明会では、工事内容や工程及び工事に伴う区民生活への影響等について、具体的かつわかりやすく丁寧に説明するよう要請してまいります。

 次に、地域との協働の考え方と方向性についてであります。

 現在、本区では、マンション居住者の急増やライフスタイルの変化に伴い、コミュニティ意識や近隣関係の希薄化が進み、これまで区と密接に地域の課題解決に取り組んできた町会・自治会への未加入者が増加するなど、地域においてもさまざまな課題が生じています。こうした中、区内ではNPOやボランティア団体などによる福祉や環境、文化、スポーツを初めとする多様な地域活動が行われております。今後は、こうした地域の力をさらに高め、行政とともに地域の課題解決に取り組む協働をより一層推進していく必要があります。そこで、平成十八年三月に策定した地域との協働指針の具体化に向け、平成十九年十一月に協働推進会議を設置し、本区にふさわしい協働の仕組みづくりや中間支援のあり方など、四つの項目について御審議をいただいているところであります。本年六月の中間報告で提案のあった中間支援拠点の役割には、活動団体の紹介や情報収集・提供機能のほか、地域の課題解決に向けて相互に話し合う場や協働のコーディネート機能などがあり、本区の社会貢献活動と協働事業を総合的にサポートする体制を構築するものであります。今後も、マンション居住者の増加が見込まれる中、本拠点の機能を効果的に活用しながら協働事業を推進するとともに、地域活動の主体的な区民参加を促し、躍動と潤いに満ちた都心コミュニティの実現に努めてまいります。

 答弁は以上であります。

〔二十九番 渡部博年議員登壇〕

○二十九番(渡部博年議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 今、本当に大企業だけ、この前までの景気がいい、いいと言っていたときは大企業だけのものだったんですね。だから、今、こういうときに来て中小零細企業の人たちが営んでいる会社が影響を受けているという状況が来ている。結局、大企業が下請けを締めつけていた部分というのがあったんだろうなというふうに感じています。ですから、身近な行政で相談を受けられる窓口があるという区では、やはりその企業、店主等にしっかりとした対応をしていただく。本人が求めているものは何なのかということを的確に把握ができるような、そういう相談システムをもう一度構築をしていただきたいなと。さらに進めていただきたいなというふうに思っておりますので、その辺はよろしくお願いをいたしたいと思います。

 地域貢献等の関係についても言われておりましたけれども、答弁いただきましたけれども、結局、地域で一緒に活動している地域と区と、地域の中で商店街の店主の人たちというのは、区と一緒になって行動している人たちが多いわけですね。ですから、そういう人たちの意見をしっかり聞いていただいて対応していただきたい。そこに情報が集まるということであれば、やはり地域の情報というのは、細かい話も含めて区は把握し切れないものだというふうに思いますので、そういうところとの協働をした上で、しっかり地域の意見に耳が傾けられる、意見を聴取できる、そういう形をつくっていただきたいなというふうに思います。

 観光協会との連携をして、特派員の皆さんが一緒にかかわりを持っていただくということは、これはよろしいことなんですが、また第二回目もあるわけですから、第一回目、第二回目の人たちとのかかわりだとか、そういうものも含めて、しっかり対応していただかないといけない部分というのはあるなというふうに思いますので、位置づけだとか、いろいろなものも含めて、しっかり対応していただきたいというふうに思います。

 行政サービスの向上については、要するに、接遇マニュアルだとかいろいろなこと、いろいろ地域の人たちの意見聴取も含めていろいろあるわけですけれども、ある事業があって、それを説明に行くということをするときに、その担当の課長、部長だけじゃなくて、やはりそれに付随する事業というのがいっぱいあるわけですよね。全体がどういうことでこの事業が成り立っているのかということを、区の行政課題全般として、やはり説明を地域の人たちにできるような形をとっていただきたい。そのためには、やはり課長も含めて、係の人たちも含めて相当な情報を収集した上で、区民の皆さんに情報を提供して理解もいただくということが必要なんだろうというふうに思います。

 それをやらないことによって地域が逆に混乱をしたりすることがあるわけですから、しっかりとした区の立場とか、そういうものも含めて説明できるようなことをしていただきたいというのがこの趣旨でありまして、仮に、仮の話ですよ、子供が病気をしまして、病院に通って治りましたと。でも、治ったら、すぐ保育園だとか、そういうところに行けませんねと。では、その人が相談に来たときにはどういう対応をとれますかということで、しっかり対応していただけるのであるとは思いますけれども、その人が本当に求めているということを酌み取ってあげるというのがこれからの接遇のあり方だというふうに思うんですよね。

 だから、そういうことも含めて、接遇マニュアルというのを作成したということでありますけれども、昔のことを言いますと、また怒られるかもしれませんが、言葉の手引きというのもあって、あれもどういうふうになったのかというのもわからない部分もありますけれども、やはり一時つくったものが消えていくということではなくて、それが連続して継続をされていくということが、すべての施策の中で継続されていくというのが本当のことだろうと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 まちづくりについては、いろいろ言いたいことは山のようにあるわけですけれども、まちづくり協議会のあり方を変えるというのは、やはりマンションに住んでいる人が多いということがあるわけですよね。ですから、そのマンションに入っている、居住されている方々にどうやってまちの状況を知らせるかということが重要なんだと思うんです。それを自治会なり管理組合なり、個別に区が対応しているのであれば、その状況というのは理解していただける部分というのはある程度あると思いますけれども、しかし、まちづくり協議会というのは、逆に周りの人たちの意見も聞けるということなんです。地域の意見も聞けるということですから、そういう場に積極的にマンションに居住している人たちが参加をしていただきたいというふうに、参加できる体制をつくっていただきたいというのが基本なんです。ですから、順次進めていくということでございますから、その辺については期待をしておきます。別の機会でも質問することはあると思いますので、その辺は見ながらいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 都市計画については、百年先を見据えて中央区は都市計画をつくっていくわけですから、やはり子供たち、将来の子供たちに対して中央区はこんな立派な都市計画をつくって、こういうふうな形でまちをつくってきたんだと誇れる都市計画をつくっていかなきゃいけないというふうに思いますので、その辺は協議もやっているということでございますので、しっかり対応していただければありがたいなというふうに思います。

 開発をされる都市計画で大規模再開発をするところの情報収集だとか、いろいろなことをされているということですけれども、その結果、勝どき駅だとか晴海通りの歩道の環境だとかということが出てきているわけですから、実際それだけで物事が済んでいるということではない。だから、積極的に、その収集のあり方も含めて、やはり変えていくことが必要なんだろうと思いますよ。違いますかね。

 いや、聞いてもいいんですけれども、要望しておきますけれども、だから、今までのやり方とは全然違うやり方をやはり考えていかなきゃいけないんだというふうに思うんですよ。どうですかね。その辺、違うんでしょうかね。別の機会で聞くとすることとしますが、やはり先の先を見てやっていかなきゃしようがない話ですから、そういうところはしっかり考えておいていただきたいなというふうに思います。

 交通局のほうの勝どき駅の混雑緩和については、申しわけないですけれども、きのう、日経新聞でしたっけ、どこでしたっけ、新聞発表されていましたけれども、本来、東京都というのは新聞発表する前に区に話をしに来るべきなんじゃないでしょうかね。どうなんですかね。そういうことがあるから、東京都と中央区との行政の乖離というのが出てきちゃうんじゃないですか。それは、説明も含めてしっかり聞いておいていただきたいなというふうに思います。

 不燃化率だとか、いろいろなことも言いましたけれども、高層住宅の関係については、防災危機管理室長、五階ごとに防災倉庫があるって知っている人って本当にどのくらいいるんでしょうかね。それ、調べてもらえますかね。それだけちょっと聞きたいなと思います。ちゃんとPRした結果、どのぐらい知っているのか把握しているんだったら教えてください。それだけちょっとお聞きしたいなというふうに思います。

 不燃化率だとか耐震化率というのは、それなりに進んでいるというのは、再開発だとか新しいビルができてきて、当然な話ですけれども、しかしながら、月島地域を見てもらえば、不燃化しなきゃいけない場所というのはまだいっぱい残っているわけですよね。

 ですから、そういったところに対してやっていくということは今まで区長の答弁の中にありましたけれども、では、逆に聞きたいなと思っているのは、弱者対策としてどれだけ進んできたのかなと。弱者対策を進めますよと言っていて、弱者対策は、では、どこまで進めてきたのかなということなんですよね。それは、一つの部屋を耐震化するということの作業も含めてやってきているんでしょうけれども、そういう対象者の人はいっぱいいるわけですから、そういったところでどうなのかということもあると思いますが、その辺のところは今後、少しずつ私も調べながらやっていきたいと思います。

 環状2号線と市場の問題については、都議会も国会も変わって、マニフェストの中にも出ておりましたから、私はそれに邁進して、しっかり対応していきたいというふうに思いますし、区長も先ほど、現在地再整備が最優先だということで言われておりましたので、区長と一緒に、気持ちは一緒であるから、一緒にしっかりこのことについてはやっていきたいと、市場の問題について。

 環状2号線の問題については、やっぱり説明が足りなかった。これも前に言いましたけれども、やっぱりまちづくり協議会で説明をさせるということが本来おかしな話だということは前にも言いましたけれども、そうじゃなくて、東京都の事業であれば、東京都がしっかりやるべきなんですよ。それをやってこなかったという事実があるから、地域にも不信感があるということなんですよ。だから、そういうことも含めて、東京都に対して物を言うべきことはしっかり物を言っていただき、そして、地域の人たちにはしっかり情報を提供して、地域の情報を収集するということをしっかりやっていただければありがたいなと。

 今回の質問の趣旨は、地域の人たちに区の行政の情報を提供して、区民の皆さんの情報を聞き取る。そして、その上で皆さんのためになる施策をつくっていくということが重要だというふうなことで今回の質問の趣旨は言いましたけれども、そういうことも含めて、今後決算特別委員会も行われるわけでございますけれども、その中で詳細に聞いていきたい部分というのもあるかなと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。

 一点、ちょっと細かな話ではございますが、お聞きしましたんですが、その辺についてお答えがあれば、していただければと思います。

〔防災危機管理室長 新治満君登壇〕

○防災危機管理室長(新治満君)
 超高層住宅、二十階以上の住宅、住民に対する防災拠点運営委員会とか地域活動との関係のPRについての御質問を承りました。

 私どもは、区長から御答弁申し上げましたように、二十階以上の建物について約一九%ぐらい、そういうふうな施設についての整備が進んでいるというところでございますが、そのPR関係につきましては、具体的にお住まいの方たちの何%がこういうのを理解しているかというような状況については、現在、把握できていない状況でございますけれども、各超高層住宅の防災対策、それぞれの住宅に応じた防災対策のマニュアルづくりとか、そういう中で一つ一つきめ細やかに、そのような地域との関連性について御説明しながら進めているところでございますので、今後ともそういうふうな防災マニュアルづくり、またDVD、パンフレット等の配布等を通じまして、地域住民の皆様方と、それから超高層住宅にお住まいの方たちとの防災対策の関連性等についてPR等に努めてまいりたいと思っているところでございます。

 私からは以上でございます。

〔二十九番 渡部博年議員登壇〕

○二十九番(渡部博年議員)
 御答弁ありがとうございました。

 でも、やっぱりよく一人一人にわかるようにやっていかないと、結局、つくったものも何も意味をなさないわけですから、しっかりPRをしていただきたいなというふうに思います。

 また、別の機会に細かくお聞きをしたいと思いますので、御要望も申し上げましたので、私の質問はこれで終わります。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(鈴木久雄議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(石島秀起議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石島秀起議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後五時十分 休憩


     午後五時三十分 開議

○議長(石島秀起議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。八番田中耕太郎議員。

〔八番 田中耕太郎議員登壇〕

○八番(田中耕太郎議員)
 会派かけはしの田中耕太郎でございます。一般区民と中央区行政のかけはしとなるべく、中央区政、とりわけ政権交代による本区への影響、保育園への待機児童問題並びに行政評価のあり方について、区長以下、理事者の御見解をただすものであります。明快な御答弁をお願い申し上げます。

 まず、政権交代による本区への影響についてお伺いいたします。

 さきの衆議院議員選挙の結果、一昨日、第九十三代内閣総理大臣に鳩山由紀夫氏が就任いたしました。民主党を中心とする新政権が発足したわけでありますが、今回の選挙でマニフェストに基づく各種政策の是非とともに、政権選択自体が大きな争点とされ、二大政党制に向けた国民の期待は大きなものがあったと感じているところであります。

 そこで、まず、区長にお伺いいたします。

 今般の衆議院議員選挙における民意と民主党のマニフェストの内容について、どのようなお考えを持っておられるのかお知らせください。

 また、新政権は、現在の国の補正予算を初めとする各種施策、政策の執行停止や新施策の早期導入を目指すことが報道されております。本区への今後の具体的な影響並びに今後の対応についてはどのように行っていくのか、お考えになっているのかをお知らせください。

 次に、さきの東京都議会選挙においても、新たに民主党が第一党となり、本区の懸案事項でもある築地市場の移転問題について新しい議論が行われる可能性が出てまいりました。本区としては、どのように都政や都議会とかかわり、今後対応していくおつもりなのかお知らせください。

 次に、保育園の待機児童問題についてお伺いいたします。

 本年四月一日現在の本区における保育所定員は千九百八名で、待機児童は百三十二名との報告をいただいております。この現状に対して、本区が全庁組織として子育て支援対策本部を立ち上げ、さまざまな対応策を積極的に講じていることについては、高く評価しているところであります。待機児の急増は、全国的かつ都区内は顕著であり、女性の社会進出と急激な経済不況を主要因として、働きに出たい母親が増加していると報じられております。

 ある新聞報道の中で、ある区の担当者は、「区内で認可保育所を幾らふやしても応募が殺到する。想定外の人数である」といったことを述べています。つくればつくるほど新たな需要が喚起され、想定に追いつかないという現実を述べたものだと思われます。中央区内においては、そこまでの状況ではないにしても、同様に入所希望者の増加が見込まれ、定数拡大の必要があることは間違いがありません。私自身も一歳の子供がおり、区内で子育てをしている一区民として、子育て支援の充実、とりわけ保育園の整備・拡充はありがたく、最重要課題であると考えています。

 しかし、その一方で、認可保育園を区立でつくった場合には、一カ所当たり億単位の建設費に加え、やはり億単位の運営経費が見込まれます。さらに、その大半が区の一般財源からの支出にならざるを得ません。今後、厳しさが増す財政状況の中で、雨後のタケノコのようにふえる待機児童を解消するためには、確固たるビジョンを持ち、ただやみくもに保育園をふやせばよいというような単純な発想からは脱却をしなければならないのではないでしょうか。

 そこで、お伺いいたします。

 本区における今年度以降の待機児童の状況は、どうなっていくと考えているのか。単なる予測数だけではなく、子育て世代のライフスタイルや生活実態をどのように把握、分析されているのかをお知らせください。

 また、人口増加の続く本区において、保育所整備の最終的な目標をどのようにお考えかをお知らせください。

 そして、就学前児童の保育・教育のあり方を今後どのように展開されていくお考えなのか御見解をお伺いいたします。

 最後に、本区で実施されている行政評価について質問いたします。

 現在、本区では行政サービスの向上を目的として、平成十五年度から施策評価、事務事業評価からなる行政評価を行っております。これらの評価は、一冊の冊子にまとめられ、平成二十年度版で二百五十ページにも及び、施策については全施策、事務事業については十三事業の評価がまとめられております。しかし、中をひもとくと、これだけの多項目な評価がありながら、どのような基準や角度から行った評価なのかが不透明に感じられます。

 例えば、施策評価を見てみると、成果が上がった、推進したなどの抽象的な文言が並び、施策の必要性の是非や費用対効果が検証されているのかは疑問であります。また、事務事業評価に関しても、区が関与する必要性、事業の妥当性、事業の有効性等の各項目について、いずれも三段階評価で最高位の「高い」が大半を占めており、自己評価によるお手盛り感があることは否めません。無論、評価にはさまざまな切り口や視点があることは言うまでもありません。しかし、物事を評価するためには、何を目的とした評価であるのかを定めた上で、客観的、批判的な視点が必要であることも、また間違いがありません。

 現在の本区行政評価は、評価というよりも現状の認識と現状の正当性のみを強調する傾向が強く、最悪の場合、自己弁護、自己擁護の手段になる可能性があります。このような問題を解決するために、国や他の自治体では、行政の事業仕分けと呼ばれる評価手法が一部導入されております。例えば、埼玉県の草加市では、昨年度に他の自治体職員や有識者を中心とした外部評価者を取り入れ、しかも、延べ二百七十一人もの傍聴者の前で事業仕分けを行い、問題点のある四十事業を具体的に検証したところ、何と十五事業が不要という結論に至り、その後の運営方針に大きな影響を与えました。

 この事例で特筆すべきは、第一に、公開の場で行われているということ、第二に、そもそも論から考えられているということ、第三に、外部の目を取り入れているということであります。縁も利害もない外部の人の参加をしてもらうことで客観性を担保し、よそ者だからこそ見える判断をしたわけであります。また、行政評価は、本区の行政マネジメントサイクルにおいて、決算同様に予算に反映することを大きな目的の一つとしているわけでございますが、現在の評価軸では費用対効果については検証が乏しく、予算に反映することが難しい現状だと推測されます。

 以上の点を踏まえまして、質問させていただきます。

 現在、本区で行われている行政評価、施策評価と事務事業評価の各評価基準は、どのような基準で行っているのか、評価の基本方針をお知らせください。行政評価は基本計画に基づいた重要な区政のマネジメントシステムの一環でありますが、行政評価は予算編成に対してどのような影響を与えているのか、具体的にお示しください。

 現状の本区行政評価は、担当部署による現状認識並びに自己評価の色合いが強く、各施策、事業の客観的、批判的評価がなされていないと考えます。国における行政改革推進法や、草加市、厚木市など一部自治体で採用、導入された住民や第三者を交えた行政の事業仕分けを本区にも導入し、客観的評価を推進すべきだと考えますが、御見解をお伺いいたします。

 以上で一回目の質問を終わります。御答弁内容により、再質問をさせていただきます。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 田中耕太郎議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、衆議院議員選挙の結果と民主党マニフェストの本区への影響についてであります。

 今回の選挙の結果につきましては、まさに有権者一人一人の意思のあらわれであると認識しており、築地市場の現在地再整備や地方主権の実現などを期待しているところであります。国の補正予算の見直しやマニフェストで示された施策につきましては、いまだそれらの詳細が明らかにされていない状況にありますが、区財政はもとより、区民生活や区内事業者の方々へ影響が出るものと思われますので、国会等での議論の推移を慎重に見守ってまいりたいと存じます。

 次に、築地市場移転問題についてであります。

 本区は、都が平成十一年に豊洲への移転整備を打ち出して以降、終始一貫して築地市場移転そのものに反対し、現在地での再整備を強く要望してまいりました。現在、新たに構成された都議会においては、築地市場移転問題の是非が論議されているところであります。今後は、この都議会での議論を注視し、区議会や関係各方面の方々とよく御相談しながら、必要に応じて都知事や都議会に働きかけを行うなど、適切に対応してまいります。

 次に、保育園の待機児童についてであります。

 地域の中で安心して生き生きと暮らすためには、仕事と子育てが両立できることが重要であり、こうした意味で、保育所待機児の解消は緊急に取り組むべき課題であります。本年八月一日現在、認可保育所の待機児は三百十五人であり、ここから認証保育所や家庭福祉員の利用者などを除くと、実質的に百六十六人となっており、早急な保育施設の拡充が必要であります。そのため、本年度四カ所の認可・認証保育所の新規開設を含め、平成二十四年度までに六百六十五人の定員増を図ることといたしました。こうした取り組みにより、平成二十二年度末には待機児の解消が図られ、その後の保育需要の伸びにも対応できるものと考えております。

 また、子育て世代のニーズの把握・分析につきましては、現在、小学生までの子供を持つ世帯に対して三年ごとにアンケート調査を実施しており、生活実態や施策に対する要望、満足度など、多角的な分析を行っているところであります。

 次に、保育所整備の目標についてであります。

 本区の人口は今後も増加が見込まれることから、保育ニーズもさらに増加していくものと推計しております。したがいまして、保育を必要とする方が待機することなく、安心して子供を預けられる状態を維持していくことが目標であると考えております。

 次に、就学前児童の保育・教育のあり方についてであります。

 幼児期は、生涯にわたる人格形成の基礎が培われる大切な時期であり、保育所及び幼稚園の果たす役割は極めて大きいものと認識しております。とりわけ、小学校への円滑な移行を図るための就学前教育は重要であり、これまで東京都のモデル事業指定研究、保育所・幼稚園・小学校連絡会の設置、保育所と教員の合同研修、子育て支援リーフレットの作成など、その充実を図ってまいりました。今後とも小学校教育への連続性の重視を基本に、保育所・幼稚園、小学校連携のさらなる強化や、より充実したカリキュラムの作成などに取り組み、すべての幼児が同じように、よりよい保育・教育を受けられるよう努めてまいりたいと存じます。

 次に、行政評価についてであります。

 初めに、評価の基本方針についてであります。

 施策評価は、本区の基本目標の達成に向けた施策の進捗状況を点検するとともに、施策を取り巻く社会状況の変化などによる課題を分析し、今後の方向について検証を行っております。一方、事務事業は、世論調査や事業実施後のアンケート等をもとに、区民のニーズや要望を把握し、事業実績や費用対効果、他区とのサービス水準の比較等を踏まえて評価を行っております。その上で、担当部と企画部による議論の場を設け、財政面など、多角的に内容の妥当性を検証しております。また、予算編成への影響についてでありますが、区では、行政改革本部において最終的な行政評価を取りまとめ、既存事業の統合や見直し、新規事業の構築などを行うことにより、評価結果を着実に予算に反映させており、計画、予算、評価が一体となった区政のマネジメントシステムを確立しているところであります。

 次に、行政の事業仕分けの導入など、客観的評価の実施についてであります。

 行政評価の目的である基本目標の達成に向けては、各施策及び事務事業を区が主体性を持って推進するものとの認識から、区民と身近に接する区の職員が積極的に施策及び事務事業の評価を行うことが効果的と考えております。評価結果につきましては、区民の皆様に公表し、御意見をお聞きしているところですが、より一層御意見をいただけるよう、公表のあり方などについて検討してまいります。

 答弁は以上であります。

〔八番 田中耕太郎議員登壇〕

○八番(田中耕太郎議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 まず、政権交代の影響についてでございますけれども、区長のおっしゃるとおり、まだ不透明な部分が非常に多いわけでございますけれども、政策の是非は別といたしましても、やはり区民、国民の非常に関心度も高くて、今後、区での対応はどうなっていくのかというような御心配の声も方々で聞かれますので、いろいろなケースが想定されるとは当然思いますけれども、常に機動的に対応して、今後、今までなかったことも多く想像されるかと思いますので、いろいろなケースといいますか、シミュレーションをして、本区としての対応を万全にしていただきたいという趣旨で御質問させていただきました。

 築地市場の移転問題に関しましても、今までも当然、都議会や都政と意見交換や、こちらが区の態度を表明してきたという経緯は重々承知してございますけれども、やはり議会の構成が変わって、基本的な方針が変わっていくということ、方向性自体が変わっていくということは、こちらも明確になってまいりましたので、今までと同じやり方で果たしていいのかということに関しましては、検討していく必要性があるだろうということで御質問をさせていただきました。都知事や都政そのものがすぐに変わるというわけではないやもしれませんけれども、都議会との連携といったことも、これまで以上に必要になってくると考えておりますので、その点の御配慮をぜひともよろしくお願い申し上げます。

 次に、保育園の待機児童についてでございますけれども、非常に、対策本部設置後、積極的な待機児童解消、保育所の最終目標は当然、待機児童ゼロというようなお話だというふうにわかってはおるんですけれども、他の議員の質問の中にもありましたけれども、保育所だけがすべてではなく、ファミリー・サポート・センターですとか保育ママの制度ですとか、さまざまなサービスを必要としている方がいらっしゃいますし、逆に言うと、保育園では賄えないようなサービスといったものがあるなということを、私自身も、今、一歳児を持つ者として感じているところでございます。

 委員会の中でも一部質問させていただきましたけれども、社会福祉協議会で行っておりますファミリー・サポート・センターなどは、なかなか、要望しても提供会員と依頼会員のミスマッチがございまして、現実的にはサービスの提供を受けることが難しいと。当然、受けたい方ばかりが多くて、提供できる方が少ないというのがそもそもの問題としてはあるわけなんですけれども、でも、現実問題としては余り機能しない点が多いというのは事実だというふうに考えておりますので、保育所の整備とあわせて、保育所がふえたことだけで解決しない問題というのがあるということを念頭に置いていただきたいという趣旨で、実態把握ですとか、最終目標はどのように考えるのかということを質問させていただいてございます。

 待機児童が減っていくということ自体は本当に喜ばしいとは思いますけれども、常にそういったニーズ、ほかのニーズもありますし、たくさんつくれば当然費用的な面も負担が大きくなるというふうなことがございますので、その辺を総合的にぜひとも考えていただきたいというふうに思います。

 最後に、行政評価については再質問をさせていただきたいなというふうに思うんですけれども、現在、本区で行っている行政評価というのは、量的には非常に立派な冊子でまとめられておりますし、質的にも決して悪いものではないというふうには思っております。ただ、こういった評価をしていく上で、やっぱり自己評価というのは、たとえどんなに厳しい目で見ても、自分自身を自分で評価するというのには限界があるというのが私の考えでございます。

 先ほどの御答弁の中では、主体性を持って各施策、業務を推進している職員が行ったほうが実態がわかっているので、効果的であるというような御答弁でございましたけれども、それは重々、やっている本人がやったほうがわかることはあります。自己分析、自己評価は大事なんですけれども、それとあわせて外部の目、それもどちらかといえば辛口の評価をあわせて、そこで初めて客観的な評価、自己評価と外部評価、そのあわせたところに本当の改善点というのは見出せるのではないかというふうに考えておりますので、良薬は口に苦しでございますけれども、ぜひともこういった外部の評価を取り入れるような方向性というのは御検討願えないのかというのをもう一度再質問でさせていただきたいなというふうに思います。

 また、外部評価、何でも外の目があればいいというわけではございませんで、そもそも行政のチェック機能というのは議会が第一には担当するというようなところもございまして、他の自治体の中では行政の事業仕分けを議会が推進しているというようなところもございます。その形としては、決算特別委員会ですとか、予算委員会のような場所の中で、細かい各施策の評価を事業仕分けの評価シートなどに基づいて行っていくなどというケースもあるように聞いておりますので、ここは今、区長に質問をさせていただいておりますけれども、議員の皆様にもぜひそういった個別の施策の評価を決算なり予算なりに反映していくような方法というのがあるということを問題提起として申し上げさせていただきたいなというふうに思います。

 以上の点で、今の行政評価の点だけ、いま一度、厳しい目が必要ではないかという点について御見解をよろしくお願いいたします。

〔副区長 髙橋邦夫君登壇〕

○副区長(髙橋邦夫君)
 再質問にお答えを申し上げます。行政評価、外部の方のさまざまな評価も含めてという御意見でございますが、先ほど区長からも御答弁申し上げましたけれども、まず基本的には、その施策を策定した者がみずから自省をする意味でも、まず自己評価をしてみる。ただ、議員の御質問中にもございましたように、より多くの方々の客観的な御意見を徴する、それをまた参考にして行政評価に反映するということは、これは大事なことであると思います。

 現に、そういう取り組みをしている自治体の先例も幾つか知っておりますけれども、やはり期待したような効果が上がっている部分、それから上がっていない部分も意見としては伺っております。それらも参考にしながら、要は、これからも区民の皆様に対する公表のあり方を含めまして、より一層行政に対する御意見をちょうだいできるようなシステムを私どももこれからも引き続き検討させていただきたいと存じます。

 答弁は以上でございます。

〔八番 田中耕太郎議員登壇〕

○八番(田中耕太郎議員)
 御答弁ありがとうございます。

 非常に、物事を評価するというのはこの上なく難しいことだということは認識してございますので、どうか、今の行政評価、自己評価として機能している点もあると思いますけれども、それにプラスアルファとして外部の目、できましたらば区民、また全く関係のない第三者という厳しい外部の目を入れていただいて、各施策、業務の改善に寄与していただければなというふうに考えております。

 私の質問は以上で終わります。(拍手)

○議長(石島秀起議員)
 以上をもって一般質問を終わります。


○議長(石島秀起議員)
 次に、日程第二及び日程第三を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石島秀起議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第二及び日程第三を一括して議題といたします。

〔奥田議会局長朗読〕


日程第二 議案第四十三号 平成二十一年度中央区一般会計補正予算

日程第三 議案第四十四号 平成二十一年度中央区介護保険事業会計補正予算


○議長(石島秀起議員)
 提案者の説明を願います。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま上程されました議案第四十三号及び第四十四号、平成二十一年度本区各会計補正予算につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 今回の補正は、一般会計で五億六千七百三十四万二千円を、介護保険事業会計で四千九百五十七万五千円をそれぞれ増額するものであります。その結果、一般会計は六百八十七億九千百八十一万一千円、介護保険事業会計は五十六億一千四十四万一千円となるものであります。

 初めに、一般会計補正予算の概要について御説明申し上げます。

 歳入の国庫支出金は、市街地再開発事業費補助金一億一千九百九十七万九千円の計上です。

 都支出金は、保育所設置促進事業費補助金七百七十七万三千円、待機児童解消支援事業費補助金一億四百六十万三千円、地球温暖化対策事業費補助金三百万円、都市計画交付金一千四百十七万九千円及び緊急雇用創出補助金四千九百七十九万三千円、合わせて一億七千九百三十四万八千円の計上です。

 繰入金は、財政調整基金からの繰入金七千九百八十万円、まちづくり支援基金からの繰入金二百六十七万円及び森と緑の基金からの繰入金七百万円、合わせて八千九百四十七万円の計上です。

 繰越金は、前年度からの繰越金一億七千八百五十四万五千円の計上です。

 次に、歳出について御説明申し上げます。

 まず、総務費は、新型インフルエンザ対策として、区施設の来庁者等の手指消毒とともに、各施設の日常清掃時における消毒の実施に要する経費四百八十八万円の計上です。

 地域振興費は、今年度実施予定の伝統工芸・近代産業に関する調査の調査対象拡大等に要する経費六百八十六万七千円の計上です。

 民生費は、私立認可保育所の分園誘致と私立認可保育所に対する開設準備助成経費一億四千六百十九万三千円及び認証保育所二カ所への開設準備に対する助成経費七千百九万三千円、合わせて二億一千七百二十八万六千円の計上です。

 衛生費は、新型インフルエンザ対策として、医療資器材等の追加整備に要する経費一千二百七十九万三千円と、予防方法等の周知用リーフレットの区内全世帯・全事業所への直接配布に要する経費四百三十七万九千円のほか、区立公園、児童遊園内におけるマナー向上のため、新たに巡回の実施に要する経費五百九十八万五千円、合わせて二千三百十五万七千円の計上です。

 土木建築費は、本年十二月に運行開始予定のコミュニティバス運行計画修正に伴う車両の一台追加購入と、全車両内にAEDの設置に要する経費二千三百四十六万二千円、民間施設の緑化促進助成一千万円の増、緊急構造計算書偽装問題対策事業補助金の二百六十七万円の増、市街地再開発事業助成二億三千九百九十五万八千円の増及び築地場外市場地区における区有地の地質調査に要する経費六百五十万円のほか、区内駅周辺等の放置自転車の整理などに要する経費二千六百五十一万四千円、合わせて三億九百十万四千円の計上です。

 教育費は、区立小・中学校等における緑化検討の基礎データ収集として行う緑化推進調査に要する経費六百四万八千円の計上です。

 次に、介護保険事業会計補正予算について御説明申し上げます。

 歳入は、前年度からの繰越金四千九百五十七万五千円の計上です。

 歳出では、諸支出金が前年度超過交付に伴う償還金四千九百五十七万五千円の計上です。

 以上、平成二十一年度本区一般会計及び介護保険事業会計補正予算の概要について御説明申し上げました。よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。


○二十三番(鈴木久雄議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま上程されております議案第四十三号及び議案第四十四号は、企画総務委員会に付託されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(石島秀起議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石島秀起議員)
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。


○二十三番(鈴木久雄議員)
 議事進行について、さらに動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、ただいま企画総務委員会に付託されました議案の審査の関係もありますので、明十九日から二十四日までを休会とし、来る九月二十五日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(石島秀起議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石島秀起議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明十九日から二十四日までを休会とし、来る九月二十五日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     午後六時八分 散会


署名議員

                 議長  石島 秀起

                 議員  礒野 忠

                 議員  田中 耕太郎

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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