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平成22年 決算特別委員会(第7日 10月7日)

1.開会日時

平成22年10月7日(木曜日)
午前10時30分 開会
午後4時37分 散会

2.開会場所

第一委員会室

3.出席者

(15人)
委員長 今野 弘美
副委員長 押田 まり子
委員 鈴木 久雄
委員 原田 賢一
委員 増渕 一孝
委員 木村 克一
委員 鈴木 幸子
委員 植原 恭子
委員 鞠子 勝彦
委員 小栗 智恵子
委員 高橋 伸治
委員 守本 利雄
委員 田中 耕太郎
議長 中嶋 ひろあき
副議長 石田 英朗

4.説明員

別紙理事者一覧のとおり

5.議会局職員

奥田議会局長
渡辺庶務係長
横山議事係長
金田調査係長
岡野書記
村上書記
長田書記
武藤書記

6.議題

  • 議案第62号 平成21年度中央区各会計歳入歳出決算の認定について

(午前10時30分 開会)

○今野委員長
 おはようございます。きょうもよろしくお願いいたします。ただいまより、本日の委員会を開きます。

 第6款「土木建築費」について質問者の発言を願います。

○守本委員
 それでは、質問させていただきます。

 橋梁の長寿命化修繕計画について、まずお尋ねしたいんですが、平成21年度の橋梁の健全度調査1,052万円、そして橋梁の維持管理費が4,666万円ということが計上されているんですが、現在、約5割が建設後50年を経過しているということで、10年後は約8割が50年以上となるということで、事後保全型の管理を継続した場合、修繕対象橋梁が集中して維持管理コストが膨大になることが予想されるということで、コスト縮減の効果をねらいながら、予防・保全による計画的な対策を基本とした長寿命化修繕計画の実施によって、従来型の事後保全的な対策と比較し30年間で約12億円のコスト縮減が可能だということがこの修繕計画で示されたわけです。

 事後保全型の管理の場合のコストという、この資料を見させていただいたんですけれども、具体的な方向とか状況というのはよくわかるんですが、財政負担のところが、今お話しした30年間で12億円のコストの縮減が可能ということで、5ページにその図解がされているんですね。2010年が維持管理費、低いんですけれども、2012年あたりには計画による維持管理費も3億5,000万円から3億8,000万円ぐらい。これ、グラフなので、ぐらいとしか読めないんですけれども、事後保全的な維持管理も大体2012年ぐらいは、ほぼ同じぐらいですが、それから2012年以降に若干下がってきて、2018年ぐらいに事後保全的な維持管理費がぐんと4億円近くに上がって、さらに2022年、2026年レベルでは事後保全的な維持管理費だとかなり上がっていると。

 長寿命化修繕計画だと、そこからかなり下がってくるというような図解があるんですが、そういうことなんだろうなというふうには思うんですが、30年とは言いませんけれども、30年で12億円という、まずその辺の計画といいますか、その辺を少し教えていただければありがたいと思います。よろしくお願いします。

○近江道路課長
 それでは、橋梁の長寿命化修繕計画について御説明申し上げます。

 中央区では、橋梁の点検につきましては、健全度調査と称しまして5年に1度点検を行っているところでございます。年間6つの橋の点検を行うことで、5年に1回の点検というものを実現し、現在は3巡目に入っているところでございます。

 その中で、これまでどこの部材が傷みやすいか、また、どの部材が何年ぐらい持つかというデータの蓄積が大分なされてまいりましたので、それらの部材につきましては、破断または欠損に至る以前の段階で修理を施していこうということで、それを予防保全型と申して、この計画に盛り込んだものでございます。これまでは点検の折、欠損の見られましたところに対して修繕を行ってまいりました。それによりますと、向こう30年間ではおおむね67億円の修繕費用がかかるものですけれども、予防保全型にすることで55億円にコストを圧縮できるという試算が出たものでございます。

 委員からの御質問のありましたグラフにつきましては、バックデータは、概要版ゆえ、ついておりませんが、各橋梁のどの部材が傷んでくるかということで、部材の補修箇所によりまして工事費用に大小が生じる関係で、その大きさがグラフになってあらわれているものでございます。

 概要としては、以上でございます。

○守本委員
 ありがとうございました。

 事後保全型であると30年間で67億円。しかし、この修繕計画に基づくと55億円程度でおさまるということなんですね。このグラフ、私、概要のほうで見ているので、本体のほうを見ていないので申しわけないんですけれども、グラフを見ていると2010年では両方とも約1億円。修繕計画のほうですけれども、さっき言ったように、高いところで3億5,000万円から3億8,000万円ぐらいのところというような状況で推移をしてくると。2038年でも2億円から3億円ぐらいというようなところですね。

 ということは、要するに、この程度だと予算の単年度レベルで対応できるというふうに認識していいのか、あるいはもう少し計画的な財政運営をすべきというふうに見ていいのか、その辺はどうでしょうか。

○近江道路課長
 現在の財政状況が推移した場合には、単年度の予算の中で対応していただけるものというふうに考えてございますが、長寿命化計画を立てますことで先々の財政支出の見通しが立てやすいという観点からは、単年度の行き当たりばったり的な予算の要望ということにならずに、計画的な予算が執行できるというところが最大のメリットというふうに考えてございます。

○守本委員
 ということは、実質的には1億円やそこらだと単年度で対応できるけれども、10年レベルあるいは20年レベルで、また、ここでいえば30年レベルのこういう方向でやるということ、ここら辺は、では中身はどうかということが書いてあるんですが、財政的な計画も付随してあるというふうに見ていいんですね。

○近江道路課長
 財政的な計画と申しますよりは、今、委員にごらんいただいているグラフをもとに、今後の財政支出の見通しということでとらえていただければと思います。

○守本委員
 わかりました。もう少し、私のほうも財政の問題も含めて研究したいと思います。方向としては、決してけちをつけているつもりはありませんので、この修繕計画に従って粛々と事業を行っていただきたいというふうに思います。

 それから、次は、日本橋船着場のことですけれども、平成21年度では基本設計で494万8,536円使われているということですが、現在の石づくりのアーチというのは1911年建造の20代目ということで、来年ちょうど100年を迎えるんだそうですね。そういうことも含めて、橋の南側にある滝の広場にこの船着場を整備するということで、平成22年度の予算は約2億円ぐらい。ただ、橋から滝の広場までは階段しかない。滝の広場から船着場までは区のほうでスロープをやるんですが、橋から広場までは階段しかないために、広場の管理者の国土交通省と協議するということになっているようなんですが、その協議結果、現在の状況はいかがなものでしょうか。

○石田公園緑地課長
 日本橋の船着場についてお答えいたします。

 22年度については、実施設計と船着場の工事費ということで予算を計上して、今、進めているところでございます。残念ながら、22年度においては滝の広場の階段部分のバリアフリーについての対応はできない形で整備をさせていただいているところでございます。もちろん、その形でいいとは思っておりませんので、今、国土交通省とその実現に向けて、滝の広場のバリアフリー化専用とか、そういう面も含めて、現在協議を進めているところでございます。

 今後の対応については、23年度以降予算的な措置も含めて検討していきたいというふうに考えております。

○守本委員
 ということは、まだ国土交通省と協議中ということで、まだその透明感が出ていないということなんですか。ぜひともこれは、せっかくこういう形で区の主導でやっている、そういうことを国土交通省にもぜひとも理解してもらいながら、バリアフリーの形で実現していただきたいと思いますので、その辺はよろしくお願いしておきたいと思います。

 それから、河川・運河を活用した舟運等に関する調査が335万円あるわけですけれども、この日本橋船着場に関して、ちょうどここの場所が江戸時代の木更津河岸があったところなんだそうですね。木更津市は、こういうような計画を御存じだったのか、江戸期の和船を復元して、特産のアサリやのり、ネギ、レンコンなどを当時のように日本橋に運び込む催しをしたいというような記事があったんですけれども、これはすばらしいことだなと。ぜひともそういうことを実現していただきたいと思います。

 その辺のところと同時に、やはり江戸期から中央区というか、江戸のまちは船を利用した水辺のまちということで、中央区も河川を利用した舟運等に関する調査を行うということなんですけれども、それと、今、お江戸日本橋舟めぐりということで、2009年9月から不定期運航で江戸東京再発見コンソーシアムの試みということで、地域振興団体がやっているそうなんですけれども、全くすばらしいなというふうに思っているんです。

 川を利用した中央区の再生という面も、いろいろな角度から、ほかの委員からも質問があって、そういうふうなこともお答えになっていたと思うんですけれども、要するに観光的だけじゃなくて実利も含めた舟運、そういったものというのはやはり大きな課題だなというふうに思いますので、ぜひともそれと関連しながらお答えいただければと思います。

○宮本土木部長
 日本橋船着場は、来年4月に向けてつくっていくわけでございますけれども、日本橋地域におきましては、今、委員おっしゃられましたようなお江戸日本橋舟めぐり、こちらは電気船でやっておりますけれども、それ以外にさまざまな船を使ったイベントが先行的に実施されているところでございます。そういう点におきましては、船着場をつくった後においても、こういう舟運イベントみたいなものについては、十分やっていただけるものかなというふうに考えております。

 そういう中で、地域の方々はいろいろと舟運イベントを考えておりまして、委員おっしゃられました木更津河岸、こちらについても、当然ながら魚河岸も含めて河岸があったということで、その関係のあった自治体のほうから荷を運んできて、河岸を再現するんだとかいう話が出ております。昨年もまるごとミュージアムのときに滝の広場で木更津の方々が来まして、あそこのところで物産を販売したというふうなところがございまして、船もたしか川船、打瀬舟ではないですけれども、そういう船を持ってきたところがございます。そういうことで、関係もできておりますので、そういうのも今後つなげていきたいというふうに考えているところでございます。

 また、これからできるスカイツリーの関係なんかもございまして、日本橋と墨田区、それから浅草、台東区、そういう関係も強くしていきたいと、そういうふうな形で、地域のほうは船着場ができることを機に地域の活性化をしていこうというふうに期待をして活動しているところでございます。

 以上でございます。

○守本委員
 ありがとうございます。

 中央区は本当に名橋が多いというふうな認識を持っているんですけれども、隅田川にかかる橋も東京都の橋もそうですけれども。私も橋の上を渡るということは通常やっているんですけれども、水面のほうから橋を見る、これもなかなかのものなんですね。ですから、今度の舟運等の調査、そういったことを含めて、やはりせっかくいいものがあるから、ただ、残念ながら、いろいろと日本橋の上の変なものがついていたりという、非常に残念なものがあるんですけれども、やはりそういった江戸情緒の薫りを薫らせながら、観光だけでなく区民の憩いの場にもなるような、そういったことをぜひとも進めてもらえればいいなというふうに思っております。

 銚子から初ガツオなんかがとれると、あそこからずっと川を上がってきて、それで江戸城に入ってくるなんていうようなもの、そういったことも今かなり、江戸ブームじゃありませんけれども、そういったこともいろいろと検討している部分があるようですけれども、やはりその一番の中心地というのが中央区ですから、そういった形の中でぜひともすばらしいものを実現するように進めていただきたいと思います。

 それから、きのうも質問がございましたけれども、遮熱性の舗装の問題ですが、これは太陽光線のうちの近赤外線を反射する特殊な塗料を使用してアスファルトの蓄熱と放熱を抑制する仕組みだということで、並行して進める低騒音舗装にも使用可能だということだそうですけれども、平成29年度までに約19億円かけて区道の9.9%を遮熱化する方針だということでよろしいですか。

 これは、経費の面だと1平米当たり6,700円というお答えがきのう出ていたと思うんですけれども、これは通常舗装の1.5倍から2倍ぐらいかかるものだというふうにも言われているんですが、その辺のところをもう少し教えていただきたいと同時に、これも効果と課題というのもあるようですね。

 それから、きのうもそういうような議論もされていたんですけれども、効果を発揮する時間帯以外では通常舗装よりも路面温度が高くなるというような課題があるとかというようなことが言われております。

 それと、やはりこういう状況ですから、ほかの区も、港区や品川区なども保水性塗装によるヒートアイランド対策を進めているということで、アスファルトに保水剤を注入して水分の蒸発に伴う気化熱で路面の熱を奪う効果を持続させる。効果は約10℃ということで、ほぼ遮熱性舗装と同じだけれども、温度を下げるため、遮熱性舗装と違い、人が温度の低下を実感できる効果もこちらはあるよというようなことで、各区ともいろいろと工夫されているようです。

 その辺のことも含めて、今後のあり方について、港区、品川区の問題とも関連して、また板橋区では保水性ワインブロックというような形のものも実験的に行っているというようなことも言われているんですが、いろいろと環境保全のために各区とも努力しているという面が報道されているんですが、中央区のあり方はいかがでしょうか。

○近江道路課長
 それでは、何点かいただきました質問に順次お答えしてまいります。

 まず、遮熱性舗装と低騒音舗装とのセット施工ということでございます。

 中央区道路行政は、ただいま環境、福祉、景観、地域振興、そういったところに軸足を置きながら道路行政を進めている最中でございます。環境につきましては、委員から御指摘のございました低騒音舗装による騒音の低下、また遮熱性塗料等によるヒートアイランド対策の防止というところに努めているところでございます。

 このうち、低騒音舗装と遮熱性塗料というものは、あわせての施工が可能ということで施工しているところでございます。従来のアスファルト舗装の上に低騒音舗装を施しますとスリップが生じやすいという問題点が指摘されてございますので、そういった点から、降雨時に路面に水のたまらない低騒音舗装の上に遮熱性塗料を塗っていくということで、騒音問題とヒートアイランド対策、両方にこたえるという形の施工を進めているところでございます。

 騒音につきましては、自動車騒音の9割がタイヤと路面の間で生じるものとされてございますけれども、低騒音舗装ではそれらの騒音を半減させる効果があると言われてございます。昨年度、人形町で遮熱性舗装と低騒音舗装のセット施工が完了いたしましたが、沿道の方からは地下鉄の騒音がよく聞こえるようになったというお話をいただいてございます。ひとえに、車が静かになったということのあらわれだというふうにとらえてございます。

 次に、他区において保水性の舗装を施しているということでございます。

 保水剤をアスファルトの中に練り込んで温度の低下を図るということは、私どもも承知してございます。ただ、保水剤をアスファルトに練り込んで、その上を車両が走った場合には道路に粉を吹いたように白くなるというような現象も観測されていることがありまして、それらの問題が解決されるまでは、中央区としては使うべきではないと判断してございます。

 また、もう1点は、保水剤につきましては、水を含んで初めて効果を発揮するというものでございます。1週間も雨が降らなければ、だれかが水をまかないことには効果を発揮できない。そういった点では、遮熱性塗料は降雨にかかわらず効果を発揮するということでございますので、中央区としては効率的な財政投入ということからは遮熱性舗装がよかろうということで採用しているものでございます。

 費用につきましてでございます。

 今現在、過去の平均値は1平米当たり6,700円かかってございます。従来のアスファルトだけの舗装に比べますと、委員御指摘のようにおおむね1.5倍から2倍程度のコストがかかってございますけれども、ゲリラ豪雨等の報道番組を見ますと、都心付近で発生した熱が海風にあおられ、練馬区付近で被害をもたらしているという報道が何度もされているのを目にしまして、都心区にある我々といたしましては、道路率が29%ということにかんがみましても、道路からのヒートアイランド対策というものを積極的に行っていきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○守本委員
 ありがとうございます。細かくお答えいただきました。

 品川区では、区内中小企業者も取り扱い可能な水溶性遮熱塗料を使ったヒートアイランド対策舗装工事を実施するというようなことが言われているんですけれども、うちの遮熱性舗装については、中小企業の、今、品川区がこういうふうに言っていることも中央区は対応できるんでしょうか。やはり特定の業者でなければならないのでしょうか。

○近江道路課長
 実は、遮熱性舗装材につきましては、さまざまな商品開発が行われてございます。私どもは現在、国庫補助が適用されるものという視点で仕事を発注してございますので、そういった観点で、そのものを補助対象にしていただけるかどうかということをポイントにしてございます。品川区のほうで水溶性の塗料が開発されたという新聞記事を私も目にしましたけれども、現在のところは補助対象にならないようでございますので、国の動向を見きわめがら、採用範囲が広がれば積極的に用いていきたいと、そのように考えてございます。

○守本委員
 次の質問に入ります。

 建築主事さんの養成支援ということについてお尋ねしたいと思います。

 特別区は、今後10年間に6割を超える資格取得者が定年退職を迎えるというふうに言われております。一般建築士では52.2%、建築主事さんでは65.3%という状況、深刻な数字だなというふうに思うわけですが、本区の状況はいかがなものでしょうか。

 それから、建築主事さんは個人名で建築確認を出すわけですね。ですから、訴訟のリスクも当然負うということで、日本建築行政会議がことしの4月から特定行政庁団体賠償責任保険をスタートさせ、6月から運用開始ということで、全国で98団体が加入、都内でも複数の団体が加入しているということが言われているんですが、このことについてもどのようになっているのか。

 それから、本区の状況をお尋ねしましたが、今後、建築主事さん等の養成については、具体的にどのように取り組んでいくのか、そのことも含めてお答えいただきたいと思います。

○永沢建築課長
 建築主事についてのお尋ねでございますが、23区の建築行政の担当課長会というのがありまして、その中では盛んに毎回議論されているところでございます。その中で、23区全体の建築職の数字とか、あるいは建築主事のパーセントとか、そういう数字も調査をしまして、特別区の研修所で養成の研修を来年からやっていこうというような動きがございます。

 中央区の状況を見ますと、建築職が現在37名おりますが、建築主事が11名ございます。この数字は23区全体で見ますと、一番少なくはないんですが、下から数えたほうが早い。区の規模もありますし、職員の数も23区では少ないほうですので、そういう状況でございます。

 それから、特定行政庁の保険の話もございましたが、その話も建築課長会ではいろいろ話題になっておりまして、区によっては地方公務員の団体賠償責任保険というんでしょうか、そういうものに入っている区もございます。日本建築行政会議のほうで特定行政庁の賠償保険というのを今、つくっておりまして、そちらの説明でも23区の中では何区か既に入るとか入る準備をしているというようなことも聞いております。中央区としましては、今のところはまだ確定していないんですが、そういう動きを見ながら今後、考えていきたいと思っております。

 それから、建築主事の資格につきましては、先ほど説明いたしました特別区の研修も来年度から行われるということですので、区の若い職員を含めて、今後、積極的にそういう研修を受講させて、主事の有資格者をふやしていきたいと思っております。

 以上です。

○守本委員
 区の単独というよりも23区の研修所等々で行われている養成講座等に積極的に参加して育成を図っていくということなんですね。いずれにしても、かなりの数字が低下しているという状況からすれば、民間でも建築確認ができるようになってきましたけれども、ただ、姉歯でしたっけ、ああいう問題が起きると、今度訴訟ということも関連してくるので、やはりその辺もしっかりと対応しないといけないなというふうに思いますので、ぜひともその養成と同時に、そういう身分保障といいますか、そういったこともしっかりと対応していただきたいというふうに思います。

 それから、次の質問ですが、新築マンションの防災用備蓄倉庫を設けた場合、倉庫分の面積を建築できる延べ床面積に上乗せできる制度を東京都が導入を決め、今秋から実施するというような報道がされているんですけれども、この辺についてはどういう状況になっていますでしょうか。

○永沢建築課長
 ただいまの新築マンションについて、備蓄倉庫等を設けた場合に、その容積の緩和をするような制度ということでございますが、これは東京都のほうが総合設計制度というものを改正しまして、総合設計制度といいますのは、公開空地を設けるとか、そのほか地域に貢献するような施設を設ける場合に容積率の割り増しをするという制度でございまして、そういう制度を東京都のほうで始めたということは私どもも聞いております。

 中央区においては、まだ総合設計の改正ということは、件数も少ないこともありまして、まだ検討はしておりませんが、総合設計の許可の中で個別に対応できるものについては考えていきたいと思っております。

 以上でございます。

○守本委員
 高さ60メートル、約20階建てを超すマンションで、都の建築許可の対象となる延べ床面積1万平米を超えるということだそうですね。

 ちょっとお尋ねしたいんですけれども、トウキョウ・タワーズが、ちょっとその辺不明確で申しわけないんですが、今、中央区はもう集合住宅にお住まいが85%ということで、マンション等の集合住宅等に対する対策を防災からもいろいろな角度から対応してきているというような中で、エレベーター等が停止した場合のためにエレベーターに備蓄をするとか、あるいは各フロアごとに備蓄をしていこうというようなことの方向も示してやっていますね。それで、上乗せとまではいかなかったかもしれないが、トウキョウ・タワーズじゃなかったでしたっけ、フロアごとに防災倉庫を設けさせたということですよね。ただ、それはそういう方向にさせたけれども、面積の上乗せ部分はなかったというふうに理解していますが、今後は、あのクラスのものはこういう形の中で対応できるんだよというふうに理解してよろしいですか。

○岸田都市整備部長
 トウキョウ・タワーズなど超高層マンションにおける防災備蓄倉庫の容積の取り扱いについての御質問でございます。

 現在、開発事業の指導要綱の中で備蓄倉庫を積極的に設置するように指導してまいったことは、委員御指摘のとおりでございます。直接には備蓄倉庫の面積相当分を容積率にカウントしないという取り扱いを行ってきたわけではございませんけれども、地域貢献施設としまして、例えば都市再生特区でございますとか、高度利用地区でございますとか、そうした都市開発の容積率の割り増しを制度の運用の中で、その地域への貢献もしくは棟内住民のための必要な諸施設の整備ということも勘案いたしまして、そうした容積率の割り増しなどもこれまでにも勘案しながら行ってきているところでございます。

 以上でございます。

○守本委員
 東京都は東京都で制度的に新制度ということですが、実態としては、うちの区はそれよりも先行していろいろと工夫をしてきたというふうなことなんですね。今後もこういう新制度も利用することもできるし、それぞれの対応の中で割り増しのことも含めた対応も今後はもっと積極的にできるというふうなことでよろしいんですね。ありがとうございます。

 若干関連するんですが、老朽化した住宅やマンションについて、住宅の建てかえや耐震改修をすれば、固定資産税や都市計画税を減免する制度も東京都はことし行っているんですよね。その辺をお聞きしたいと同時に、これは1980年以前の旧耐震基準で建てられた住宅の耐震化の促進が目的だということのようなんですけれども、本区の現状と、またそういった状況はいかがですか。

○永沢建築課長
 マンションの耐震化に伴う税の優遇措置の御質問ですが、ちょっと細かい資料が出ないんですが、そういう制度は都のほうで始めているというのは聞いておりますが、区のほうではまだ実績はございません。

 以上です

○守本委員
 実績がないということなんですけれども、これはかなり大事なことだと思いますので、もう少し御調査していただいて、私たちにもはっきりと時間の無駄のないようにお答えができる体制を築いていただいて、区民にも周知していただければ大変ありがたいと思いますし、やはり耐震の問題も含めて固定資産税等も減免されるということであれば、では本気でやりましょうということにも、かなりつながると思いますので、ぜひともお願いしたいと思います。

 マンション等の共有部分についての支援とか、いろいろ中央区はやっているんですけれども、いわゆる長屋住宅等の、マンションの共有部分に支援するなら長屋の生活レベルの中の支援も、これは高さか横かという問題はあるけれども、その辺はしっかりとやってもいいんじゃないかと思うんですけれどもね。これはお答えいただかなくて結構です。ぜひとも検討していただきたい。

 言葉は悪いですけれども、今、マンション等、私もマンションに住んでいるんですが、マンション、ああ、西洋長屋じゃないかと。西洋長屋、横から上に長屋形式ができたものじゃないかと。だけれども、今、中央区でも古い長屋形式のところがありますよね。私道だの何だのこうだのというような問題もね。でも、そういうところはやはり高齢化で、年金生活の人に自分でやりなさいよというのも、なかなか難しい。これも共有ですよね。ということだけ。では、お答えしていただけますか。

○吉田副区長
 若干きのうの委員会でのやりとりの中で、私道助成について、基本的には公衆用、つまり通るから補助していますよという概念でやっておりましたけれども、実際に、委員御指摘のような部分で、汚わい道の問題を指摘されますと、今、実は人は通れないんです。昔は通れたんだけれども、今は通れない。それよりもっと深刻なのは、実は通れないというのは、汚わい道の水洗化が進んだときにみんなつぶしちゃったんです、それぞれの家が。そこの下に下水道があって、現実には下水道が、具体的に言うと直しにくい。家を取り壊さないと直せないとか、何かかなり深刻な問題がある。

 そうすると、私道助成の考え方の延長ではなくて、実際に都市基盤の再構成として、そしてまた長屋にお住まいになっている方は御指摘のようにかなり高齢化されている世帯も多いというような観点から、新しいメニューを具体的に検討しないといけないだろうと。そういう部分がそんなにたくさん残っていて財政的負担が大変かというと、必ずしもそうではないようなので、そういう部分を含めて新たな研究課題として我々として検討させていただかないといけないなと。その辺、きのうの議論と今回のそういった議論とのかみ合わせというところを含めて、我々として新たに検討させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○守本委員
 余りこれも議論すると、質問した人に失礼になってはいけないんですけれども。

 要するに、住戸だって、確かにそこに住んでいるんだけれども、一般的には通るわけではない。だけれども、現実的に三軒長屋、四軒長屋がまだあるんですよ、中央区の中、湊町かいわいにもね。うちのほうにもある。きのうの勝どきのほうにもある。やはりそういうところの実態、どういう人が住んでいて、どういうふうに、だから、耐震の補強をする、あるいは改修、修繕をするにはいろいろ支援もする。でも、そういうものとあわせながらも何らかの形でそこに温かい手を差し伸べられる制度にしていただければ、個々の問題ということではなく、やはり今後の再開発等を待つような状況だと、お年寄りたちはそれを待てる状況じゃないという実態もしっかりと把握してもらいたいなというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 時間もないので、最後の質問にします。

 定例監査結果報告書で、20年、21年度で都市整備部に対して、公有財産の管理上の不適正、罹災者への使用許可、アとイということで指摘されておりますが、これについてお答えいただきたいと思います。

○望月地域整備課長
 定例監査の結果についてということでございます。

 昨年の決算特別委員会でも委員のほうから御指摘を受けました事柄かと思います。昨年の監査結果を受けまして、私どもとしましては阪神大震災の被災に遭われた方の使用ということにつきまして、訴訟も視野に入れてということでお答えをさせていただいたところ、訴訟を視野にではなく、訴訟するというような態度で臨むようにということで御指摘を受けたところでございます。

 それ以降、私どもとしましては訴訟ということを考えておりまして、現在は訴訟を起こすという判断をしております。また、その判断をするに際しまして、法務部、それからうちの文書係を含めて御相談しながら、また手紙等の文書、最終的な文書も送らせていただきまして、現在、第4回定例会での御審議ということでの予定をしております。今、それに向けて準備あるいは手続を進めておるところでございます。

 また、もう1件長い方がいらっしゃるということで、こちらは火災に遭われた方でございますけれども、そちらの方につきましても、それ以降お話をさせていただいております。今現在は3カ月での更新という形でお話をする機会をふやして対応しておるところでございます。前回6月にお会いしたときに、ことしの11月に住宅のほうの確保をいたしますと。それ以降は使用許可をしなくても結構ですというところまでお話をさせていただいておりまして、今、その推移、状況を確認すべくお話を進めているところでございます。

 より一層の適切な財産管理の立場で今後も取り組んでまいりたいと考えております。

 以上です。

○守本委員
 以上、終わります。

○今野委員長
 次の質問者の発言を願います。

○田中(耕)委員
 それでは、私からも質問をさせていただきます。

 まず、道路についてでございますが、歩道の拡幅についてのお考えをお聞きしたいというふうに思ってございまして、皆様御案内のように、近年、本区内は人口急増、特にマンションの建設ラッシュがずっと続いていたということもございまして、地域の特性が一部変わってきている部分もあるかというふうに思っております。

 かつては商業街、ビジネス街中心であった地域で荷物の出し入れ等が頻繁に行われていたために、余り歩道は整備せずに直接車がつけられるような状況の地区、これは日本橋などを中心に多いわけなんですけれども、昨今はマンションですとか近代的なオフィスビルというような形の場所がふえてまいりましたので、そうなってまいりますと、道路の実情は旧態としている問屋街に合わせてつくられているようなところがあって、ただ、実態は歩行者が非常に多いというような地域や通りといったものがあるのではないかと私自身は感じております。ですので、こういった場所をピックアップしまして、歩道の拡幅等を検討する段階に来ているのではないかというふうに思うんですけれども、これに対する御見解をお願いいたしたいというふうに思います。

 また、あわせて、当然、歩道の拡幅整備を行うということになれば、街路樹等の整備等も付随して出てくる問題になりまして、これに関してどういうお考えがあるかというのもお知らせしていただきたいと思います。

 昨今のニュースの中で少し気になったことといたしまして、江東区は東京都と連携して街路樹の共同整備を行ったというニュースが最近ございまして、記事によると、街路樹の種類ですとか高さ等も含めて都道と区道で連携性を持って、協力して整備をしているということが記事としてございましたけれども、本区は隣ですし、より、そういった必要性はあると思いますので、こういったことを本区でやっているのか否か、また、やっているとすれば、どういったことを注意してやっていくべきなのかという点についてのお考えをお知らせください。

 あと、もう1点は、21年度決算にも載っておりますけれども、歩道橋の撤去が1件ございまして、今後も幾つか予定されておるかと思いますけれども、歩道橋の撤去に際して、横断歩道等の整備を行っていく、当然そういう形になっていくと思いますけれども、そこに対しても同じように歩行空間、歩道の整備という観点から、今後、歩道橋の撤去をどのようなペース、スピードで行っていくのかということについてもお考えをお知らせください。

 以上の点についてお願いいたします。

○近江道路課長
 それでは、歩道の拡幅についての見解ということでございます。

 中央区では、人にやさしい歩行環境の整備というテーマのもとに、基本計画2008の中に歩道の拡幅を定めてございます。向こう10年間で5,010メートルの歩道の拡幅をしていくというように考えているところでございます。

 歩道の拡幅による効果といたしましては、委員御指摘のように、拡幅により生じましたスペースに緑をふやしていくことが可能ということでございます。人に優しいという観点から申し上げますと、歩道を拡幅することで車の乗り入れ部等に生ずるスロープの角度が緩くなる、また交差点部分でも同様のことが起こるということでございます。こういったことから、積極的に歩道の拡幅を進めているところでございます。

 次に、歩道橋撤去のペースということでございます。

 中央区では、今現在、歩道橋につきましては6橋を管理しているところでございます。昨年度1橋撤去いたしましたけれども、こちらにつきましては、地元の方からの御要望ということと、実態の調査をいたしましたところ、横断歩道橋を渡る方2に対して下を突っ切ってしまう方が1ということでございまして、地元の方からも、近隣の方たちの構成がだんだん高齢化をしてきたために歩道橋は渡りづらいというお話をいただきまして、近隣の学校の校長先生ともお話を重ねた上、歩道橋の撤去ということに至ったものでございます。

 今現在は、隣接歩道橋の撤去に取り組んでいる最中でございますけれども、やはり地域の方からは同様の声が寄せられております。こちらにつきましては、歩道橋を渡る方1に対しまして下を通る方が4いるということで、相当危険な状況ということでございます。

 撤去後の横断歩道の設置につきましては、交通管理者である警視庁との話を重ねているところでございますが、信号の処理との関係から、必ずしも歩道橋のあった場所に横断歩道を整備するということではございませんので、その点で交通管理者と地元の方との調整というところに苦労しているところでございます。

 以上でございます。

○石田公園緑地課長
 街路樹についてでございます。

 まず、拡幅にあわせて、できるだけ緑をふやして緑被率の向上、景観のレベルアップを図っていきたいというふうに考えております。

 また、都道との連携でございますけれども、例えば八重洲通りなどは区道の場所もあり、都道の場所もあるというような場所がございます。そういう箇所だけではないんですけれども、第一建設事務所と相談しながら、樹種の整合性を図ったり、景観的に、こっちが都道だ、こっちが区道だとはっきりわかるような連続性のない、整合性のない整備にならないように、話し合いながら整備を進めているところでございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 それぞれありがとうございます。

 歩道の拡幅は順次整備されていくということでございまして、それは非常に喜ばしいことというか、望ましいことでございますけれども、一番最初に私が申し上げたように、地域性が変わってきている場所や通りというのは存在するのではないかというふうに思ってございます。

 かつては本当に大きなトラックですとか、自社の荷物の運搬が激しかったというのが、最近では現物は中央区内のオフィスにはないというようなケースもふえてきていると思いますし、また現物、商品等を運搬する場合も大手の運送会社さん、ヤマトさんとか佐川さんみたいなところが出入りしているので、前に一時的にでも、とめたりするような機会が減っているのではないかなと。私なんかも繊維問屋街である堀留町に住んでおりますから、地域の皆さんにお聞きすると、かつてはやはりいっぱい車やトラックがとまっていたけれども、今は本当にクロネコさんや佐川さんが一生懸命走って荷台を押して動いているねというお話をよく聞きますので、そういう点からも必要性ですとかが変わってきていると思いますので、その辺の確認等をぜひともしていただきたいという趣旨も込めまして、歩道の拡幅について質問をいたしました。

 街路樹について、都道と区道で連続性を一体に保ってというお話でございましたけれども、これは新聞報道でしか私も存じ上げませんので、実際に江東区が東京都とどういう協力体制を敷いているのかということについては詳細は存じ上げておりませんけれども、かなりの、1万本単位での街路樹等について連携、協力を行って、見栄えもそうですし、高さなんかの工夫もしているという内容の記事でございましたので、本区においても同様の取り組みといったことは当然できると思いますので、検討のほうを引き続きよろしくお願いいたします。

 歩道橋につきましては、横断歩道に代替できるような場所とできない場所というのは当然あるかというふうに思います。ただ、今、御答弁にもございましたように、高齢者もふえる中で、やはり歩道橋といったものを使う方というのは、元来、余り多くないという話もありますけれども、さらに低下しているというのが実態としてあると思いますし、車の交通量自体も以前に比べれば激しい渋滞ですとか、とても車が多くて全く横断歩道が設置できないという場所も減ってはきているというふうに思いますので、歩いて暮らせるまちというのがお住まいになる方にとっても、仕事をされる方にとってもベストであることは間違いがないと思います。ですので、歩道橋、本区の場合は6橋の管理ということで、そんなに絶対数は多くないわけですけれども、必要性等の検討、検証は引き続きしていただきまして、対策のほうをお願いいたしたいと思います。

 次に、マンションの管理組合等の支援システムについてお伺いいたします。

 マンション管理組合支援システムを都市整備公社への、これは委託という形になるんでしょうか、来年度以降予定しているとお伺いしてございます。これは、インターネット等を使っての管理組合の業務を補助、補完していくようなものというふうに私自身は認識しているんですけれども、この支援システムの目指すものについて、もう少し詳細をお知らせしていただきたいなというふうに思ってございます。

 また、以前から私のほうで何回か申し上げたことがあるんですけれども、本区のマンション、今も新築ラッシュと言っていい状態だと思うんですけれども、管理組合さんに行政がかかわっていくためには、やはり新築でできたとき、新規に管理組合が結成されたときにコンタクトをとらないと、その後からというのが非常に難しいのではないかと思ってございます。

 私自身も自分の住んでいるマンションの管理組合の役員ですとか理事長をやらせていただいたりしましたけれども、やはり最初の段階でなる方というのは意識が高い方が多かったりすることもありますし、皆さんもお忙しいですから、結局前任者の引き継ぎ、引き継ぎというような形がございますので、最初の段階で行政と管理組合の連絡ですとか窓口がわかっていれば、いろいろな御相談ですとか、逆に区からのお願いもしていけるのではないかというふうに考えてございますので、新築マンションの管理組合の結成のとき、理事長選任の際等になると思うんですけれども、行政として、ディベロッパー等も通しての話になりますけれども、出席させていただくような仕組みですとかをつくっていただけないかというのをいま一度お聞きしたいと思います。

 私の住んでいる町会で、来年だと思いますけれども、また新しいマンションができるということで、私の町会の町会長が非常に町会への加入活動に熱心でございまして、当然、町会費もお支払いしていただきたいし、御協力もしていただきたいということでございまして、建つ前から積極的にかかわっていこうということで、マンションディベロッパーさん、担当者に話をつなぎまして、最初の総会で町会としての活動ですとか加入のお願いといったものをするというような形をしてございます。やはりそういう活動を区もしていかなければ、今後のマンションに対する行政、こちらから御協力をお願いすることもあれば、向こうからの御相談もあるという状況になってくると思いますので、この点については、ぜひとも、なかなか人を派遣するとなると大きな労力がかかるとは思いますが、やっていただきたいと思いますので、御見解をお願いいたします。

 それと、また江東区さんの事例になってしまうんですけれども、これも新聞報道でございまして、私も、にわかの話ではございますけれども、新聞報道で、江東区さんがマンションの新築時に駐車場を整備する際に1割に電気自動車用の設備を設けるというような行政指導を導入したという記事がございました。

 EVの、電気自動車に関しましては、本区でも取り組みは独自にやっておられまして、本来、衛生費のところでそれはお聞きする話なのかもしれないんですけれども、電気自動車の購入助成は、予算計上したにもかかわらず実績がゼロ円という悲しい状況ではございましたが、江東区さんの取り組みは事業者向けではなくて、民間のマンションで駐車場に今後の電気自動車の普及ですとか、プラグインハイブリッドの普及を見込んで行っているというお話でございまして、非常に前向きだなと思いましたので、この件に限らないわけでございますけれども、区として、マンションの新築時等にこういった今後必要となるであろう設備の指導体制について、どうなっているのか、お考えと現状をお知らせしていただきたいと思います。

 以上でございます。

○平野住宅課長
 まず、マンションのコミュニティのシステムのことについて御説明いたします。

 マンションがふえてくることによって、マンションと周辺の方々のコミュニティが円滑にいくようにということで、マンションのコミュニティのシステムを構築しようとするものでございます。まずは、マンションの中で、マンションの管理組合さんの中で、今、マンション、お隣近所でもなかなかコミュニティが難しいという状況もございます。時間帯が合わなかったり、いろいろなことがありますので、マンションの中で管理組合でこういうことがありますとか、町会からこういう連絡がありましたとか、そういったことのコミュニティをとっていただくためのマンションシステムというのを、まず初めの一歩として始めようというところでございます。これにつきましては、今年度設計中でございまして、1月から幾つかのマンションで御協力をいただいて、試行をした後、平成23年度本格実施という形にしていきたいというふうに思ってございます。

 以上です。

○望月地域整備課長
 マンション建築時の際のお話でございます。

 中央区の市街地開発事業指導要綱の中で、現在、マンションが例えば建てられまして管理組合ができましたときには、その報告をするように求めてございます。また、指導要綱の中では、マンション建築の際に地域の行事ですとか地域の町会さん、その行事予定あるいはそういったコミュニティの関係につきまして、事業者の方が必ず説明をしなさいという形をとってございます。それによりまして、建築以降の良好なコミュニティの形成につながるようにという趣旨でそういったことを規定しております。

 また、開発事業者の方は、入居される方に説明会というものがあるかと思うんですけれども、その際に区の関係職員が出席することがあるということで、それを拒んではならないというふうに要綱の中でも規定しております。そういった中で、要綱によりまして、建築の際にマンションの建築時から竣工まで、また竣工した後も良好なコミュニティがつながるようにということで、さまざま規定をしておるところでございます。

 また、電気スタンドの件でございますけれども、この10月1日から施行しております、まちづくり基本条例におきまして、必須の項目に環境対策というものがございますけれども、その中に電気自動車の充電用の設備については駐車場、こういったものも規定しながら取り組んでおるところでございますので、本区におきましては、この基本条例をもとに、そういった対策等に取り組んでまいりたいと、かように考えております。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 それぞれありがとうございます。

 新築マンションへの関与の件でございますけれども、こちらから報告してほしいとか事業者へ依頼しているというのは、やはり後ろ向きの姿勢だというふうに私は思います。事業者さんも、やってはいますよ、どこの会社さんも。でも、やはりどこまでいっても、そこは自分自身の商売につながるわけではないですし、熱意を持ってやるというよりかは、やるように言われていますからという姿勢や態度がどうしても出てしまうんです。

 ですから、私が申し上げているのは、労力はかなりかかるかもしれないけれども、区の職員、担当者等を、マンションが新しく一定規模で設立された場合は、しっかりと派遣をして、特に初回の理事会、管理組合の初回の総会等ですとか、先ほど御案内のあった入居者説明会ですとか、出席率が高い会に行って、今、区の状況や周りの状況はこうなっていますと。これは何もマンション管理という面だけではなくて、場合によってはごみ出しの話をしてもいいですし、いろいろなことを、本当は人がたくさん集まっている初回にこそやる意義があるというふうに思ってございますので、何とかその辺の、業者に依頼しているとか、報告をしてもらうことになっているという受け身の姿勢ではなくて、こちら側からコンタクトをとると。そこできちんと担当者の方の名前だとか意思が伝われば、マンション側から必要があれば御質問も来るというふうに思いますので、どうぞそこは新住民の多いこのまちでございまして、ほかのまちから来る方が多いというケースが実態だと思います。ですから、そこには逆に、ようこそ中央区へという気持ちで出向いていただきたいというのが私の希望と考えでございます。

 最後に、放置自転車対策についてお聞きします。

 放置自転車対策で21年度決算では8,850万円ほどの金額が計上されていて、それ以外に駐輪場整備として715万円相当が計上されているかと思います。この放置自転車対策は、この内訳はほとんど放置自転車の撤去に当たるんでしょうか。金額は意外と、意外とというか、かなり大きいものですから、この内訳について確認をさせていただければと思います。

○有賀土木部管理課長
 放置自転車対策でございますけれども、放置自転車対策につきましては、区内にある駐輪場がございますけれども、その駐輪場に朝あるいは場所によっては午後も含めて、シルバー人材センターのほうでそれぞれ駐輪している自転車の整備を行っておりまして、その整備に係る費用が年間で約3,600万円ということで、費用の大部分を占めているという形になっております。

 以上です。

○田中(耕)委員
 放置自転車対策の総額は8,850万円ほどになっておりますので、今のお話ですと、その費用、シルバー人材センターの委託等で3,600万円ということになりますけれども、残りはどのような費用ということでしょうか。

○有賀土木部管理課長
 そのほかに、今回は緊急雇用対策ですとか、あとは自転車の処理代、そのようなものでございます。年間約4,000台の自転車を処分しておりますので、その処分費用などでございます。

 以上です。

○田中(耕)委員
 わかりました。

 急に内訳をお聞きしたので、細かい内訳は出てこないというお話なんだと思いますけれども、金額自体は全体額で見ても大きいと思いますし、駐輪場の整備は今後も必要とされてくるかと思いますが、最後に駐輪場の整備の計画で、本区の場合、どうしても場所がないというお話になってくるかというふうに思いますけれども、他の自治体等で駅前等の地下を使った機械式の駐輪場、今回、人形町の新区民館施設でも一部導入を行いましたけれども、ああいった地下に埋設する方式ですとか、地上のタワーパーキング型の機械式のものですとかが近年普及してきているように思うんですけれども、本区でこういったものをより積極的に導入する計画ですとか、する必要性がある場所が、お考えがあれば、お知らせしていただきたいと思います。

○有賀土木部管理課長
 新しい駐輪場、今回、人形町にオープンしますけれども、中央区は駐輪場を整備する敷地等が非常に少ないということで、今後の対応策の手法の一つとして、路上への駐輪場、歩道への駐輪場整備、それとあわせまして、地下等への機械式等の駐輪場の整備については、用地等を探しながら検討していきたいというふうに考えております。

 それから、失礼いたしました。

 先ほど申しましたとおり、区内17駅にシルバー人材センターで3,700万円ほど放置自転車対策ということで経費を計上しておりますが、そのほかに地下式駐輪場、こちらのほうで駐輪場を管理している管理業務というものがございまして、そちらのほうに2,700万円ほど駐輪場の経費を計上しております。勝どき駅ですとか月島駅、こういう駐輪場に駐輪場の業務を担当している職員がおりますが、そういった経費で2,700万円ほど計上させていただいております。

 どうも失礼いたしました。

○宮本土木部長
 機械式駐輪場について補足させていただきます。

 人形町で今般できますけれども、204台に対して約1億7,000万円というふうなことで非常に高価なものでございます。ただ、非常に使い勝手はいいということで、江戸川区を初め、周辺区でもどんどんとつくられております。本区でも積極的に検討していきたいと思っていますけれども、なかなかほかの区のように駅前広場がないとかいうふうなところがございますし、お金も高いというところがございます。

 そういうふうなところがございますけれども、例えば児童遊園のちょっとした敷地があればつくれるところもありますので、地下の埋設関係なんかも留意する必要がありますけれども、児童遊園の下だとかいうふうな中で、あるいは道路のちょっとした広場的な中でつくれないか、またお金については、国庫補助とか補助金が得られないか、そういうところもしっかりと検討しながら、総合的に考えていきたいと思っております。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 それぞれありがとうございます。

 機械式の駐輪場に関しましては、先日、業者主催ではありますけれども、視察で江戸川区のほうとかも幾つか拝見させていただきまして、性能は優秀なんですけれども、やはりとても費用が高いというのがネックになってくるかと思います。ただ、本区の場合は土地を探すほうがより費用が高いですし、そもそもその場所がないというお話になってくるかと思います。今、土木部長のほうから、児童遊園等の小さいスペースでも場合によっては検討の余地があるということでございましたので、積極的な検討をお願いいたしたいというふうに思います。

 以上です。

○原田委員
 第6款「土木建築費」の質疑は終了したかと思われますので、次に、第7款「教育費」の質疑に入るようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○今野委員長
 ただいまの動議に御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 第7款「教育費」について、理事者の説明を願います。

○西川会計管理者
 (説明)

○原田委員
 ただいま「教育費」の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後1時に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○今野委員長
 ただいまの動議に御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後1時に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午前11時50分 休憩)

—————————— ◇ ——————————

(午後1時 再開)

○今野委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。

 第7款「教育費」について、質問者の発言を願います。

○増渕委員
 教育の増渕でございます。この決算特別委員会の盛んなる議論を通しまして、何とか平成23年度の予算につなげていただきたいということで、教育に関しましては、あらかた提案型の質問になりますので、よろしくお願い申し上げます。

 まずは、先生って本当に忙しいのという問題から入っていきたいと思います。

 今、新聞報道で、日本の先生は大変忙しいというようなことが紙上をにぎわせております。本当にいつもいつも私の思い出話で申しわけないんですが、昔の家庭訪問をなさる先生は、大体、家庭に来られると一杯飲んで帰られると。本当におおらかだったななんていう思い出を今でも持っております。先生は大変ですね、今の先生は。

 そんな中で、2009年度の、これは全世界の調査なんですけれども、それをちょっと御紹介させていただきます。日常の仕事に追われて児童・生徒に向き合う時間がない。小・中学校の教員の1日の平均勤務時間、日本が11時間6分、フィンランドは6時間16分。5時間近く長い。フィンランドの先生は、大体が学習指導が主な仕事。日本の先生は、そのほかに文書整理、部活、学校行事の準備など、いろいろあります。日本はフィンランドより20分早い午前7時36分に学校にお着きになって、学校を出るのが夕方の7時2分ということでございます。

 まずは、お聞きいたします。

 本区の先生の平均の勤務時間がわかりましたら、よろしくお願いします。

 それから、フィンランドの例を挙げましたが、学習指導以外の業務の平均時間がもしわかりましたら、お願いいたします。

 それから、一番先生を忙しくさせているという文書の作成なんですが、国や都からいろいろな形で調査依頼が来ると思います。これに関しまして、この調査依頼はどのような流れで先生のほうに行かれて、どのような流れで依頼先へ返っていくのかというようなところをお伺いいたします。

 これは確認なんですけれども、本区の給食費、教材、そのほかPTA会費の集金形態を改めて確認をさせてください。

 それから、学校の事務職員さん、想像はつくんですけれども、主な仕事を教えていただければなと思います。

 本区は、お聞きしましたところ、区採用がお二人、あとは全員が東京都採用ということでございます。確認のために、これも間違いがないかどうかお伺いいたします。よろしくお願いします。

○和田指導室長
 まず、教員の平均の勤務時間でございますが、これにつきましては、ことしの3月に教師の多忙感にかかわる調査ということで、幼小中それぞれ聞いたところでございます。その中で、全体の勤務時間の平均等は出してはございませんが、退勤時間で調べてございます。その中で、小学校におきましては、大体20時まで、午後8時までがおよそ80%以上を占めているという状況でございます。中学校におきましては、95%が午後8時まで勤務をしているという状況でございます。

 それから、これは学習指導以外の職務ということにも関係があるんですが、子供たちの指導が終わりましたら、それぞれの校務分掌、校務にかかわるそれぞれの仕事をやっていると答えている教員が7割以上ございます。それから、中学校につきましては、生徒指導であったり、部活動であったりするということでございます。それから、次いで多いのは授業準備でございます。授業準備の時間がかなりかかっているのではないかなというふうに認識しているところでございます。

 それから、各種調査の流れでございますが、これは都教委から来るもの、また国から来るもの、それぞれございます。それはすべて教育委員会の指導室を通して流すものがほとんどかというふうにつかんでおります。

 教員に行く流れでございますが、それぞれ、先ほどの校務の担当がございますので、まず関係する教員にその調査が行き、それを校内で決裁をして、区教委に上げるという流れになってございます。

 それから、学校事務職員の主な仕事でございますが、これは、例えば教員の旅費に関すること、それから給与に関すること等々、それから就学援助等に関する事務、そのようなものがございます。

 指導室からは以上でございます。

○長嶋学務課長
 集金の形態でございますけれども、学校につきましては、例えば学校長集金、給食費、通常はPTA会費等も同時に学校のほうで集金しているような形がほとんどだろうと思います。やり方といたしましては、基本的には皆様方に口座引き落としをお願いしておりまして、通常は郵便局だと思いますが、そちらのデータを事務職員が打ち込んで、それを郵便局のほうで引き落としをお願いするというような形態が中心だろうと思っております。ただし、督促に関しましては、基本的には事務職員という話ではなくて、副校長ですとか、あるいは担任が、徴収の種類によりましては行っているということでございます。

○田野庶務課長
 学校の事務職員の配置状況でございます。

 小学校につきましては、1校1名ということで、これは全部都の職員でございます。中学校につきましては、区の職員が各校1名、したがいまして、区の職員4名、それと都の事務職員が1名ずつで、中学校につきましては2名ずつ配置しているという状況でございます。

 以上でございます。

○増渕委員
 そうすると、午後8時までお残りになってお仕事をされているということでよろしいですね。すごいですね。びっくりしました。やはり先生は本当に忙しいんですよね。

 それで、1つだけ確認なんですが、集金形態をお伺いしました。今度は、これを払うとき、いろいろなものでお支払いになるあれがありますよね、備品とか。そんなのを払うときの形態について。これは後で聞きますから、後でお願いいたします。

 あと、区採用はよくわかりました。

 学校の事務職の方の主な仕事も、想像していたとおりということでございます。

 学習指導以外の業務で、フィンランドと大きな差が出ているんですけれども、その中でも文書の作成、これが1カ月当たり日本の場合は22.8回、フィンランドが5.7回。それで、差がなかったのが授業の準備。今、指導室長から、授業の準備に結構多くの時間をとられるということをお聞きしましたけれども、全国調査の場合は、授業の準備はフィンランドと余り差がない。1カ月35回、1週間の自宅作業が6時間ということの調査結果が出ています。それで、びっくりしたんですけれども、大きな違いが、先生の休暇ですね。夏季休暇、これも連続でとる。連続でとった場合、フィンランドが63日、日本の先生は5.7日。睡眠時間はフィンランドの先生より1時間20分短い。先生の平均で、睡眠時間が6時間23分。そのような全国調査が出ております。

 それで、1点、文書の作成の削減について。はっきり言って、流れが、教育委員会に来て、教育委員会からおろしていくという中で、教育委員会として、この文書は教育委員会のほうでどうにかなるだろうと思うようなやつが何かあるような気がしてしようがないんです。そのようなことで、本区教育委員会で文書の作成の削減を何とかできないかというような見解を1つお伺いいたします。

 それから、大変唐突な質問で申しわけないんですけれども、最近5年間ぐらいの事例で結構でございますが、試用期間を過ぎたあと採用されずにやめた新人の教員の中で、精神疾患による依願退職はありますか。これは、本区の場合だけです。あったとすれば、日本の先生の勤務実態、大変忙しい勤務実態が理由として考えられるのかということの御認識をお伺いいたします。

○和田指導室長
 今、委員御指摘のありました文書、調査ものの処理等につきましては、私どものほうでも何とか学校の負担にならないようにという工夫はしているところでございます。ですけれども、実際に学校の実態を一番よく知っている教員であるとか、または主幹以上の幹部であるとか、そういう者でなければ、なかなか正確な状況がつかめないものもございますので、そういう内容を見ながら、教育委員会で処理できるものはしていくというふうに現在しているところではございます。ただ、まだ学校に配布するものが多いというのが実情でございます。今、学校間ネットワークの整備が進んでいるところでございますので、そういう機器も使いながら、できるだけ効率のよい処理ができるように努めてまいりたいと思います。

 それから、退職者でございますが、過去5年間までさかのぼる資料が手元にはないんですが、一般教員でメンタル面での退職というのは、昨年1名ございました。それ以前については、今のところ把握はしてございません。

 以上です。

○増渕委員
 ありがとうございます。

 2008年度の調査では、東京都で精神疾患により、おやめになった先生が24人いらっしゃったということで、本区は1名ということで、そういうことが本当にないように、先生の多忙を何とか解消できる方法がないかということで質問をしております。

 昨年の予算特別委員会のとき、私、先生の、中央区独自採用の検討はいかがかということをお伺いしました。このとき、先進区の状況、財政上の問題点も多々あるということで、慎重に研究するとの御答弁だったと聞いております。あくまでも先生の忙しさを少しでも和らげるという観点でお聞きするんですが、先生の事務量の削減について考えたんですけれども、現在、都採用の事務職員、この方を何とか全員区採用でできないかと。これは予算が伴うことなので、それを承知の上でお伺いいたします。

 区立の小・中学校の事務職員が区採用となると、区内の異動はありますけれども、先生と事務職員の垣根をなくす、本当に地元で中央区の中で事務職員の方も、これは先生と一緒で、子供たちのためにお働きになっていると思われます。こういういろいろな効果が考えられますので、これは本当に突拍子もない提案と受けとめるかもわかりませんけれども、どのような見解をお持ちかお伺いいたします。

 それから、もう本区の教育委員会も御存じかと思いますが、先ほどお伺いいたしました集金形態のほうに入ってくるんですが、京都市の教育委員会が導入しました学校・園預り金支援システムというのがあります。この支援システムを取り入れましたところ、年間1校当たり、事務時間が800時間削減されたと聞いております。どうにかこのように忙しい先生の時間を何とか子供たちのほうに振り向けてもらうような意味でも、導入の検討というと早い話なんですけれども、これに関して、今現在の御見解があれば、お伺いしたいと思います。

○田野庶務課長
 学校事務職員を区で全員採用できないかということでございますけれども、区の採用となりますと区費でということになりまして、今、財調上、中学校については各校1人ということで、それから小学校についても各校1人ということでついておりますので、そこの部分で人件費の財政的な負担が多くなりますので、その部分については、今後慎重に検討させていただきたいということを考えております。

 以上でございます。

○新治教育委員会次長
 庶務課長の答弁に補足をさせていただきますが、先ほど委員から、例えば学校への調査もの等々のお話がございました。これは、指導室長の答弁のとおり、学校の実態、子供たちの教育の実情を知っていないと、なかなか回答できないようなもの、これは学校の先生方がきちんと回答をつくり上げていくわけでございます。そういう意味から申しますと、例えばそこの部分を事務職員にお願いするかといっても、子供たちを教えている現場の先生方でないと書けないもの、そういうものも多々あるわけでございます。そういう意味で申しますと、教育の現場に携わっている者と、事務的な下支えをする、きちんとした学校運営ができるように下支えをする事務職員と、職務の違いがございますので、ここの部分の垣根を取り払うというのはなかなか難しいのかなと思っているところでございます。

 先ほど、財調基準で区のほうでは事務職員を配置しているということでございますので、私どもとしては、その基準に沿って今後運営してまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○長嶋学務課長
 学校の事務の効率化というのは、今回の学校間での教育のネットワークも大きな主眼の一つでございます。そういった意味で、こちらの預り金支援システムについては、私、ちょっと詳細については存じ上げませんけれども、十分検討してまいりたいなというふうに思っております。

 以上です。

○増渕委員
 事務職員の区採用ということで私が何とかと思ったのは、私のいとこの子供が東京都の教育委員会に勤めておりまして、学校を2年ごとにかわるんですね。転勤になるんです、東京都の採用の方は。本区の実情は知りません。そうすると、幾ら事務職員の方だって、その地域、その学校に対する愛着心なんていうのは生まれるわけがないです。では、職員の方はそんなこと必要ないのかといったら、そうではないんじゃないのかなと思うんですね。そんな観点から質問させていただきました。どうぞよろしくお願いします。

 地域のほうでも、皆さん御存じのとおり、おやじの会なんていうのがいろいろなところへ出てきています。学校の先生が忙しいから、運動会の準備に前日行って、きれいにグラウンドをならしたり、テントを張ったり、後片づけを手伝っております。地域の人間も、先生が忙しいのは承知しております。そんな中で頑張っておりますので、教育委員会のほうも、いろいろな意味で子供たちのために先生の忙しさを少しでも緩和していただければなという思いで質問させていただきました。

 それから、学校の預り金について、これは新聞報道があるんですけれども、ここで長々と読み上げるつもりはありません。もし御興味がありましたら、学務課長さん、私のところにありますので、来ていただければなと思います。

 次に、これはどういう観点からの質問かと申しますと、中学校に限定しますけれども、教育委員会と生徒の直接的なかかわりが何かできないかと。そこら辺のことを視野に入れての質問でございます。教育委員会予算と中学校の生徒会予算、この点でございます。

 まずは、お伺いいたします。

 本区の教育委員会として、中学校生徒会活動を生徒指導の面、教育の面、さらには保護者及び地域とのかかわりの面などに関して、どのように認識されておられますか。

 それから、本区教育委員会予算の中で、生徒会活動へ限定した配分はあるのかないのか。そして、もしあるとすれば、その活動費は何に使われているのか、これをお伺いしたいと思います。

○和田指導室長
 生徒会活動と地域、保護者とのかかわりということでございますが、本区の4校の中学校に関して言えば、非常に活発に活動してございまして、例えば地域清掃等を積極的に展開している学校もございます。これは、生徒会が中心になって企画をしているところでございます。また、福祉施設の訪問でありますとか、また、朝、門の前に立ってあいさつ運動をするとか、それから、環境教育と関係がありますけれども、エコキャップ運動を積極的に進めてございますし、また、ある中学校では保護者と生徒会の生徒と教員の三者協議会というのをやっている学校もございます。そのような形で、学校の中だけではなくて、外のいろいろな交流も通して、生徒の視野が広くなるような活動をしているところでございます。

 指導室からは以上でございます。

○長嶋学務課長
 生徒会活動費につきましては、予算書の中では特別活動用という形で各学校のほうに配当等を行っております。ただ、その特別活動の中は、生徒会用に幾らという形ではなくて、実際問題としては、運動会ですとか儀式的行事ですとか、そういったもの全体で、学校単位でお金を令達しているというような形になっています。

 ですから、具体的に各学校が生徒会だけに限って使用した金額というのはちょっと把握しておりませんが、各配当の算出の考え方としては、生徒会費につきましては、消耗品ですとか、あるいは、だよりの発行ですとか印刷経費というような形で、大体各校34万円ぐらいは使うんじゃないかという形で令達をしているというところでございます。

 以上でございます。

○増渕委員
 すみません。今、ちょっと途中よく聞いていなかったんですけれども、生徒会活動に当たるものとして、1校当たり中学校年間34万円ぐらいだろうという解釈でよろしいんですね。はい、わかりました。

 そうですね。指導室長のお答え、よくわかります。私も地元の区立中学の状況なんかを見て、本当によくやられていると思います。

 それで、例えを挙げれば、日本橋中のブラスバンド、これなんかは本当に部活として地域の交流、それから、いろいろな意味合いで、日本橋中にブラバンありというようなことで認知もされております。ただ、中学校全体の地域活動や社会貢献としてとらえた場合に、生徒会を通して、ということは、生徒会というのは生徒の代表として学校の活動に当たる。ということは、ちょっと拡大解釈かもわかりませんけれども、生徒の総意をもってというようなことになるのではないのかなと思います。

 その視点で、生徒の自主性、リーダーシップをはぐくむ点から、ここで御提案を申し上げますが、生徒会を中心に、生徒みずからが企画した地域活動を費用面で本区教育委員会が支援する。企画の内容は、生徒と地域住民との交流を通した社会貢献を望む。そして、プランの企画書づくりや本区教育委員会との説明や相談、それは生徒と教育委員会が相対で行う。この辺のところを含めまして、まことに唐突な提案なんですけれども、いかがでしょうか。

○和田指導室長
 今、委員から御指摘いただいたように、生徒の総意をもってというのが理想的な形であるというふうに認識はいたしてございます。ただ、生徒と教育委員会がダイレクトにということになりますと、いろいろと難しい部分もあるかなというところでございますので、やはり間に学校または教員が入っていただくのがいいかなというふうに思っているところでございます。そういうシステムは別としまして、生徒の総意をもって中央区全体の生徒が企画したイベントとか取り組み、地域奉仕活動等、もしそういうものがあれば、これは積極的に支援をしていかなければならないかなというふうに思っております。

 今、いじめ撲滅サミットというのを中学校が合同で、生徒会の役員ですけれども、合同でやってございます。その中で、昨年度は、私たちはいじめをしませんということで、そのあかしとしてレッドリボンをみんなつけましょうなんていう、そういう話し合いもしたようでございますので、そういう取り組みをもとにしながら、さらに活動が広がるように支援してまいりたいと思います。

 以上でございます。

○増渕委員
 今の中学校の生徒さん、私の周りにいる方とお話ししても、やはり与えられることをやるのではなく、何か自主性を持ったものをやりたいなという意識はあるんですね。その仕掛けを、先生は忙しくてできないですよ。それを何とか教育委員会に頑張っていただいて、今度は新しい教育委員さんもお入りになりました。あの方と1回お話ししたことがありますけれども、私、大変期待しております。そこら辺の面でも、お願いしたいと思います。

 私も50年前に、ある区立中学で生徒会長をやっておりました。毎週1回、全校集会というものがございまして、その折は、生徒指導の先生がお1人だけ立ち会うんですね。生徒会に対する意見書なんていうのがありまして、その意見書を全校集会の中で読み上げる。私が生徒会長の折、生徒会長たる者が夜の8時に人形町商店街を女の子と一緒に歩いていいのかという投書が参りました。私は壇上から、どこが悪いんだ、夜の8時に女の子と歩いて、どこが悪いんだと。この投書をしたやつこそ民意が低いと。今でも思います。ああ、戦後民主主義の花が咲いたと。何だかよくわからないですけれどもね。なんていうことは抜きにいたしまして、よろしくお願いいたします。

 今度は、民主主義の悪い花、学校裏サイトの話でございます。

 私も超アナログ人間なので、最近はメールは見れるけれども、返せないというようなことをよく非難されまして、早いところ、メールの返しぐらい覚えなさいよと言われております。学校裏サイトという文字が踊ってから、さて、どれぐらいになるのか、大変問題のあるところだと思います。

 まず、お伺いいたします。

 裏サイトから子供を守れの観点より、本区裏サイトの対策費用は、もしあったら、いかほどあるのかなと。決算書を見たんですけれども、裏サイト対策費用なんて書いてあるわけがないですよね。どこかにあるのかなと思ったので、あれば教えてください。

 それから、本区教育委員会に報告が上がっている事例なんかがあれば、教えていただける範囲で結構でございますので、お願いします。

 そして、これは例外に漏れず、本区教育委員会も大変苦労されていると思いますが、この裏サイト対策に関して、本区の今後の具体的な取り組みが何かあれば、お教え願いたいと思います。

○和田指導室長
 学校非公式サイトというふうに東京都では呼んでございますが、特にそれ対策用の費用というものはございません。これまでは各学校の先生方で、学校の中で、または自宅でという方もあるかもしれませんが、自助努力をしていただきながら見つけてということがあったのでございますが、昨年度から東京都で学校非公式サイトの監視というのを開始いたしました。これによって、もし危険性、緊急性があるものはすぐに、それからリスクが低い、またはないと判断されたものは月ごとにということで、各教育委員会に報告が来てございます。21年度でいいますと、小学校が2件、中学校が17件、いずれもリスクが低いか、なしかという報告でございました。内容的には、自分の単なる紹介でありますとか、学校のことでありますとか、そういうふうな内容でございました。これは、リスクがない、または低いとはいえ、学校に報告をいたしまして、当該生徒が限定できれば、すぐに指導をしている、そういう状況でございます。

 また、今後でございますが、いつまでも都に依存していてはよろしくないかなというふうに思いますので、中央区のものが何かできればというふうなことは考えてまいりたいと思いますし、また、今現在、警察の方々のお力をかりていることが多いんですが、セーフティー教室を開いてございまして、その中でのこういう非公式サイトへの書き込みの怖さとか、それから重大性、そういうものについての指導は続けてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上です。

○増渕委員
 今のお言葉で、大変安心をいたしました。今後の取り組みに関しましても、指導室長のほうから言っていただきまして、都依存ではいけない、区のほうでも何かこれから考えなきゃいけないということでございました。これをそれから質問しようと思いましたけれども、大変決意のあることを言われましたので、そこら辺はさらっと流しながら、いきたいと思います。

 改めまして、知らない人もいないと思いますけれども、では裏サイトって何かということになるんですが、子供が自分たちの通う学校の情報交換や交流などのため、ネット上に設けた非公式サイト。生徒同士や教職員への誹謗中傷などが問題視されていると。2008年文部科学省の調査で、全国で4万サイト。2008年ですから、その後のことを考えると、想像を絶する数になっているのではないかと思います。

 都道府県単位で対策として行われている、自治体は余りないですよね。都道府県単位として行われているのは、いろいろあるんですけれども、教員が中心になってやっているというところは、そうはありません。今後、本区の取り組みがどのようになってくるか。また、そんなことになったら、また先生が忙しくなるというようなことも心配でございますけれども。

 今の指導室長のお答えですと、区独自のことも考えなきゃいけないということなので、その例として、江東区の動きですね。江東区が、区立中学校を対象にした学校裏サイトの監視を専門企業に委託。事業費は347万円。何か安いような感じもするんですけれども。専門企業は、学校裏サイトや、先ほど指導室長がおっしゃったのはプロフと呼ばれる自己紹介サイト、検索して、区内の中学校の生徒に関する書き込みがないかどうか調べる。結果を区教育委員会や各校に報告するということでございます。

 これは、先生が一々検索していたら、先ほどの本区の場合ですと、小学校2件に中学校17件ですか、こんな少ないのに探す労力も大変だし、多ければ多いでまた大変だし、いろいろな問題を含んでいるのではないかと思います。1つの学校で先生がやるということに問題があるとすれば、やはり自治体、区単独で、教育委員会で何か考えなきゃいけないのかなと思っております。

 改めまして、東京都にいつまでも依存していてはいけない、区独自で考えるということのあらわれを、江東区の動きも通じまして、もう一遍お答えを願いたいと思います。

○和田指導室長
 江東区は、都に先駆けて半年ほど早く始めたということで、非常に効果があるという話も聞いてございます。それは、今、委員御指摘のように業者に委託してのことでございます。予算のほうも大体、今、御指摘いただいたとおりでございますが、例えば区のシステムの中からそれを探す仕組みができないかどうかというようなこと、教育委員会の、または教育センターのどこかのパソコンを使って入るような、そういう仕組みができないかとか、そういうようなことから、いろいろな可能性については考えていきたいなというふうに思ってございます。

 以上でございます。

○増渕委員
 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

 今、ツイッターというのがあって、140文字でしたっけ、で自分のことを。私も大変興味を覚えまして、せがれに「おれ、ツイッターをやりたいんだけど」と言ったら、「おやじは絶対無理」と言われまして、今、どうにかしてアナログから脱しようと思ってもがいております。そんなところで、この裏サイトのほうも本当によろしくお願い申し上げます。

 次の質問でございますけれども、これも中学校ということで、部活動の運動部員の方のスポーツ障害、これが大変心配なんですね。またまた私の話で申しわけないんですけれども、私も少年野球の監督を10年ぐらいやっていたんですけれども、そのとき、小学校でしたので、4年生から上になると発達障害ということが起こってきまして、ピッチャーが大体多いんですが、投げさせまして、ひじが痛い、肩が痛い、これが発達障害なのかスポーツ障害なのかわからない部分がありましたので、私はそういうピッチャーを抱えたときは、即、今でも御厄介になっているんですけれども、中央区のスポーツ障害専門の整形外科の先生のところへ診に行かせました。私もついていきました。その先生は大変いい先生で、「もうこの子は投げられない」、「あと二、三週間すれば治る」、「ちょっと二、三カ月やめさせなさい」、そういうことを言ってくれるんですね。その子の目の前じゃないですよ。監督の私に。そうすると、いろいろな対処のしようができたというようなことを思い出しております。

 まず、本区の4公立中学校において、スポーツ障害と思われる生徒の報告は、教育委員会のほうで受けていらっしゃるかどうか。受けていれば、具体的にどんなことがあるのかお聞かせ願いたい。そして、なおかつ、その後、多分ちょっと重度の場合は医療機関に運ばれて処置をされたんでしょうけれども、どのような処置程度で済んだのか、現在わかっている範囲で結構でございますので、お願いいたします。

○和田指導室長
 今のところ、スポーツ障害として報告された件数はございません。運動部活動の中でけがをして、お世話になったというふうな事例はございますが、スポーツ障害というふうに明確に診断されたケースはございません。

○増渕委員
 本当に、そこら辺は安心いたしました。ただ、中学校ぐらいの男子も女子も、なかなか自分で言いにくい。それがやはり、さっき言いましたとおり、まだ中学2年ぐらいまでですかね、発達障害というのは必ず伴っていくということを整形外科の先生に聞いたことがございます。

 これもまた御提案で、まことに申しわけないんですけれども、スポーツ障害に造詣の深い、私も大分通いましたその先生もそうですけれども、そういう先生と連携をおとりになって、モデルケースで結構なので、スポーツ障害の予防という観点から部活の運動部の生徒さんにメディカルチェックをしていただくと、何かその後のことが助かる。それで、また中央区の運動競技に関して能力的にもアップする。部活を指導する先生の助けにもなる。そんなことで御提案いたしますけれども、いかがでしょうか。

○和田指導室長
 現在、本区の中学校の運動部活動の中に、いわゆるスポーツトレーナーのような方、またアスレチックトレーナーのような方がお越しになっているという事例はございません。ですが、今、本区では4校中3校が都のスポーツ推進校の指定も受けているところでございます。それは、いろいろなトップアスリートを呼んだりするというふうな内容もございますが、今、委員から御指摘がありましたような、そういうトレーナーの方をお呼びして合同の研修会を開いて、子供たちの発達に応じたトレーニングですとか、技能の習熟に応じた練習方法ですとか、そういうものの講習会を開いていくようなことも必要かなというふうに考えてございます。

 また、生徒たち自身にもメディカルチェックシートのようなもの、わかりやすいものを作成して、日ごろから自分の体について意識させていくような、そういう取り組みも考えられるのではないかなというふうに考えてございます。

 以上です。

○増渕委員
 すばらしい御答弁をありがとうございました。

 最後におっしゃった部分、これが肝心で、まずは自分の体のチェックを生徒自身がしなさいということが大事だということも、お答えがなかったら言おうかと思ったんですけれども、答えていただきまして、ありがとうございました。

 それでは、学力アップ大作戦にまいりたいと思います。

 子供の学力低下が叫ばれる中、家庭学習の重要性が、また見直されてきました。俗に言うところの宿題ですよね。これも他自治体の例でまことに申しわけございませんけれども、高知市のほうでは500ページの問題集をつくりまして、これを生徒に渡し、毎日復習し、問題を解いて、お父さんでもお母さんでも保護者の方が判こを押して、そして学校へ持ってきて、先生が点検して返却する。また、これも先生が忙しくなって申しわけないんですけれども、高知市の教育委員会の調査では、授業以外の学習時間が、聞いたところ、平日ゼロですと答えた生徒が全国平均の倍で、15%を占めたそうでございます。これで高知市教育委員会も多分このような方法をとったんでしょうけれども、子供みずからの家庭学習の習慣が学力アップへつながるのかということで、大変注目されております。

 まずは、多分2年目に入ったと思いますが、本区の学習力サポートテスト。今現在のことで結構でございますけれども、学力アップへの効果はいかがなものでございましょうか。まずは、それをお伺いいたします。

 それで、本区も、昔聞いたときに、宿題は出しているようなことをお伺いしたような、それは間違いでしたら間違いだとおっしゃってください。

 本区家庭学習への取り組みは、各校が独自で行っているのか、それとも、ある程度統一性を持たせて、手引書みたいなものですね、それに沿って行っているのか、そこら辺のところをお伺いいたします。

 家庭学習は、一番重要な要素を占めるのが保護者の方です。家庭学習に関して、保護者の方の協力が欠かせないと思われますので、今、宿題を出していないんだったら全然別なんですけれども、もし出しているとすれば、保護者の方との協力関係、これはどのような見解をお持ちか、お伺いをしたいと思います。

○和田指導室長
 まず、学習力サポートテストでございますが、2年目を迎えまして、問題も精査いたしまして、該当する学年の子供たちの実態がより浮き彫りになるような、そういう問題になってまいりました。また、その結果も、このサポートテストは個人別のカルテが出るというところが大きなところでございますので、それもより詳細になりまして、具体的な内容が子供自身にも伝わる、そういうふうな内容になってまいりました。そういう面からも、子供たち自身が自分の課題を見つけるという面においては、昨年度よりは効果があったのかなというふうに認識しているところでございます。

 また、家庭学習についてでございますが、これは学校独自で取り組んでいるということでございます。ただ、今申し上げましたサポートテストと関連しまして、教育振興基本計画の中にうたってございますが、サポートテストの内容と連動した自主学習支援テキストというようなものをこれから作成いたしまして、その子供の習熟度に応じた学習が自主的にできるようなことも考えているところでございます。

 また、保護者への啓発という意味でございますが、これは個人別のカルテの中に、次年度からは保護者へのメモというような欄も入れて、家庭でどういう学習を進めてほしいかというようなメッセージが載せられるような、そういう内容も考えているところでございます。

 また、小学校の事例でございますが、学校として、家庭でこんな学習をさせてほしい、こんなふうに勉強をさせてほしいということで、学校としての継続性のある、統一性のある手引を出している学校もございます。

 以上でございます。

○増渕委員
 ありがとうございます。

 何しろ家庭学習の一番大事なのは、本当に保護者と先生との一体感ですよね。保護者の方が自分の子供の学力アップには、保護者と子供というのは結構冷たい関係にありますから、保護者が直接言ってだめなものは、先生から言ってもらうのが一番いい。これが一体となって子供の学力がアップしていけば、本当に理想だと思います。

 そのような中で、今のお子さんはほとんどパソコンも、小学校の高学年ぐらいになりますと、できると伺っている中で、自宅で自主学習にIT教材を活用するというような自治体があらわれたそうでございます。小学校から中学校にかけて基礎的な学習内容のうち、子供がつまずきやすい部分を系統的に網羅したもの、問題の解き方のヒントがあったり、学習進度も確認でき、これ、できないといったら、もう一回下の学年に戻って復習もできる。これは不登校の傾向にあるお子さんの対策にも大変有効であると言われております。今のお子さんは、先ほども申し上げましたけれども、パソコンが当たり前の世界になってきました。本区も、家庭学習に、IT教材の開発、また、もう導入をしていらっしゃるかどうか、私にはわからないんですけれども、そのようなところで今現在の御見解をお伺いいたしたいと思います。

○和田指導室長
 自宅におけるICT教材でございますが、残念ながら、学校として開発しているという事例はまだございません。今、アフタースクールという制度がございまして、これは放課後、子供が残って補習的な学習をするんですが、それをICT機器、パソコンを使ってやりましょうということでございます。そういう取り組みの中から、学校の中で考えた教材というんでしょうか、習熟度に応じた教材ができればなというふうに考えてございます。今後の課題として、とらえさせていただければというふうに思っております。

 以上です。

○増渕委員
 つい最近の東京都教育委員会の調査で、学年が上がるほど自分が嫌いになるという調査結果が出ました。自分のことが好きですかという問いに、小学校1年生は80%が自分のことを好きだと。高学年になると減少してきて、6年生で59%、中学2年生になると40%になってしまう。都教委の見解は、友達と何か話をするときに成績だけで比較してしまう。自分はだめな人間なんだな、そのように思い込む嫌いがある。そのような中で、君は運動がすごいじゃないかというようなことで切りかえがなかなかできない。やはり子供にとって学力というものは、実に大変な、真剣に悩んでいるものなんだなということをこの調査でつくづく感じました。

 学力アップについて、本区はいろいろなことでやっていらっしゃってくれますけれども、もう一つ、もう一つと前に進んでやっていただければ、大変助かります。よろしくお願いいたします。

 それでは、最後の質問なんですけれども、学校と企業連携の授業について、この現状を簡単で結構なので、お教え願います。

○和田指導室長
 企業からの出前授業とか、また連携授業についてです。中央区にはいろいろな会社がございまして、それぞれの学校で継続的なものも含めて、単発的なものが多いんですが、幾つかやってございます。例えば、日本橋中学校では近くにカゴメ株式会社がございますので、食育の一環として、健康と体の栄養というようなことで講話をしてもらうというふうな授業をしてございます。また、阪本小学校は金融教育の一環として、三菱東京UFJ銀行から、お金の流通の仕組みみたいなものを子供にわかりやすく話をしてもらうというようなことで、各校でそれぞれ関係を持ちながら進めているところでございます。

 以上です。

○増渕委員
 できれば、今の金融のお話でしたら、最低でも2カ月に1回ぐらいで1年通すとか、継続的なものに、多分そこら辺まではいっていないのかななんていう思いでお伺いしたんですが、私も以前、公立中学校の社会科の先生から御相談を受けまして、IT企業へ連携として社会貢献の形で何かお願いできないかということで、お引き合わせしましたところ、学校側の希望と沿わなかった。これは日程とか、そういう問題ではないんですね。授業内容だと思うんですけれどもね。そんな中で、もうちょっと教育委員会としても、ここら辺の、企業との連携授業に力を入れてもらいたいなと思います。

 今おっしゃいました2社の例をとりましても、大企業は社会貢献というところに相当力を、入れてき始めたんじゃなくて、入れています。そんな中で、食育も結構です。金融も結構です。あらゆる分野、はっきり申し上げて、子供が興味を持つといったらITなんか一番興味を持つんでしょう。そこら辺のところで、教育委員会として、学校と連携しても結構ですから、企業のほうにお尋ねになって、このような授業を行ってもらえないかと。多分、企業さんは待っていると思います。今現在ですと、社会貢献したくてしようがないというようなこともお話を伺っておりますので、これからこの分野にも力を注いでくれますよう、お願い申し上げまして、質問を終わります。

○今野委員長
 次の質問者の発言を願います。

○植原委員
 それでは、教育費について質問させていただきます。

 質問の項目は、個に応じた指導の充実について、それから連携教育と進路指導について、それから中学校の部活動について、校舎等改修整備の中で豊海小学校の改修について、スクールバスについて、時間がありましたら、特別支援教育について質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 初めに、個に応じた指導の充実で不用額が1,500万円ほどあったということで、お示しをくださっていますが、これは人件費なのかなというふうに理解をしているんですけれども、その辺について御説明をいただきたいと思います。

 個に応じた指導の充実とは、いわゆる小学校1年生の35人以上の学級及び特別な教育的支援を必要とする児童・生徒が在籍する学級に対してきめ細かい支援を行い、学習指導を円滑にすることを目的として、学習指導補助員を配置していると行政概要にも御報告がありました。これについては、その対象となる学級数、それから対象学級にはすべて配置されたのかどうかということをお聞きしますとともに、学習指導補助員の目的というのは、今の御説明でわかっているんですが、担任の先生との連携等、その辺のことはどのようになさっているのかお尋ねいたします。

 それから、連携教育のほうですけれども、21年度の成果の説明書の中にも、カリキュラム連携型小中一貫教育の推進ということで御報告がありまして、モデル校として佃島小学校、月島第一小学校、佃中学校ということで推進をされているということですので、これについて御説明をいただきたいということと、今後また、例えば月島第三小学校、晴海中学校等もありますけれども、その辺についても今後お考えなのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。

 それでは、その2点、よろしくお願いいたします。

○和田指導室長
 まず、不用額についてでございます。

 これは、委員から御指摘いただきましたように、学習指導補助員に関する費用でございまして、人件費でございます。これは、22年度の予算を決めるときに、本区では第1学年で35人以上の学級になると大規模学級ということで補助員を1名、それからクラスに特別に支援を要する児童・生徒がいるとクラスに1名という形で補助員の配置を決めているところでございます。

 その補助員の人件費の算定の基準になるのが、1日5時間で週5日、年間、授業時間をカウントするときは35週というカウントをしますが、実際はそれ以上に学校に来ていますので、40週のカウントをして、それで何人分ということでカウントしているんでございますが、それが年度末になって学級編制の段階で、大規模学級が、こちらが算定したものよりは学級数が減ってしまったというようなこと、それから、今、特別に支援を要する児童への補助員につきましては、1週間フルにつけて1日5時間で週5日という形になってございますが、それが年間全部通しでつくというケースが余りないんですね。途中でその子が自立していったとか、それから、その補助員の方の事情でやめてしまったというふうなことがございまして、なかなかこちらが算定した基準の額に達しなかったということで、今申し上げました算定基準の8人分が不用額として出たということでございます。1人当たり、年間130万円ぐらいの費用でございまして、その8人分の費用が不用額として出たということでございます。

 次に、その配置についてでございますが、これは学級に配置するということでございまして、昨年度については80学級から希望がございましたが、51人の配置をしたところでございます。これは、先ほど申し上げましたように年間を通しての人数ではございませんので、ある学校には途中から人数が減ったとかふえたとか、そういうふうなこともございまして、トータルで51人の配置になったということでございまして、63.8%の配置でございます。ですけれども、希望のあった学級には、期間はいろいろありますけれども、配置はされたということでございます。

 それから、目的でございますが、この制度を導入するときに、その学級担任の補助ということでございまして、実際はその児童・生徒にかかり切りになってしまうんですが、学習指導、学級経営の補助ということが目的でございます。

 それから、2点目のカリキュラム連携についてでございますが、現在においては佃中学区でやってございます。今は算数、数学と体育と道徳の2教科1領域で進めてございます。カリキュラム連携は、ただペーパーベースでカリキュラムをつなげるのであれば、これはでき合いのものもございますし、先行研究もございます。それよりは、小6・中1の部分につきまして、より円滑に進行できるようなカリキュラムができないかということで、今、研究を進めているところでございます。研究授業を通しまして、その指導計画のあり方を進めてございます。

 今後につきましては、その成果をさらにほかの中学校区にも広めて、もし活用できる部分があれば活用したい、また、教科の枠が広げられれば広げていきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○植原委員
 ありがとうございます。

 学習指導補助員のことにつきましては、今、るる御説明いただきましたので、理解いたしました。

 そうしますと、教育委員会のほうで予定をしているといいますか、算定をされたものと、学校現場の、年度がわりとか途中のいろいろな経過もあったりすると、その辺の人数の違いが出てくるということで、それが不用額につながったということで理解してよろしいんですね。あとは、学校現場から80人の御要望があったということ、それに対して、結果として51人ということですが、これについても、いろいろな途中の経過があって、御希望があった、現場でやはり先生方が御要望されているわけですから、それに対して極力といいますか、100%おこたえできているということで受けとめてよろしいんでしょうか。それをもう一度確認させていただきます。

 それから、連携教育のほうですけれども、これは大変期待をしてまいりたいと思いますし、一貫教育がいいかどうかというのは、私もいろいろな課題もあると思いますので、まだよくわからないところですけれども、今後の研究ですか、実施されていく中で、その辺のことも、どういう効果があるのか、また一層、児童・生徒の、学力だけではなくて、いろいろな面で効果が上がる、影響が大きいというようなことも、今の時点でもしそういうことがおわかりでしたら教えていただきたいんですけれども、それについては今後期待してまいりたいと思います。

 それと、これは何回か質問をさせていただいているんですが、なかなか進まないことなんですけれども、晴海中学校と都立の晴海総合高校、ここは教育内容の違いもあったりして一貫教育ということは難しいということは前にも伺っております。中央区の現状としては、連携ということでいろいろ工夫をされていることと思いますが、その辺について、今、どういう状況なのかお示しいただきたいと思います。

 それと、これについて強く要望したいことは、ことしも高校入学、都立の入試は大変厳しかったというふうに皆さんからもお声を聞いております。そういう中で、ことしは晴海総合高校に入学された方がいらっしゃるかどうかも、その辺も教えていただきたいと思いますが、過去においては、先生方のお話によりますと、成績もオール5で、部活動、また生徒会活動も本当にリーダー格で積極的に頑張っていた生徒さんを学校から推薦したにもかかわらず、不合格となってしまったということで、先生が本当に落胆されていました。晴海総合高校にもっと、例えば地元区としての入学の推薦の優先といいますか、そういうものをふやしていただくとか。現状どういうふうになっているのか教えていただきたいと思います。

 せっかくあんなに立派な、バブル期に建ったので、東京都では一番施設が恵まれている学校だというのも聞いておりますし、また、いろいろな面でかなり学力的にも注目をされている学校なのかなと。また、地元の、区内にいらっしゃるお子さん、また保護者の方も、晴海総合高校に入学できればいいねというようなお声もたくさんいただいておりますが、現実としては、なかなか厳しい状況があるようなんですね。

 そういう中で、私もこのことはかなり前から、一貫教育がいろいろ社会的にクローズアップされたときから、数年前でしょうか、自分自身も、都庁のほうにも伺って教育委員会の方にお尋ねをしたんですけれども、困難だということで、一貫はとにかく無理ですということと、あとは区のほうが積極的に働きかけていただければ、東京都も考えますみたいな、その当時の都の教育委員会の方はそういうお話だったんですけれども、この辺について、教育委員会としては、今の東京都のお話も含めて、どのようにお考えか、お示しいただきたいと思います。

 それから、中学校の学力向上対策もこのたびの御報告に書かれておりましたけれども、区立小学校の区立中学への進学率も、今、5割前後なんでしょうか、そういう現状もありますし、やはり中学校の学力向上対策、またいろいろな面での視点からのレベルアップというのは大変大きな課題だと思います。そういう中でも、今申し上げた晴海総合高校との連携とか、もう一つはやはり進路指導、進路相談室も各中学校に整備されておりますけれども、その辺の現実ですね、現状どのように活用されているのか、また、教育委員会としてはどのように対応されていらっしゃるのか、その辺についてもお示しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○和田指導室長
 まず、先ほどの学習指導補助員についてでございますが、これは、あるクラスに通年で全部というわけにはいきませんが、御要望があったクラスには、長短はございますが、配置させていただいたということでございます。ほぼ100%ということでございます。

 それから、連携カリキュラムの効果でございますが、これは中1ギャップの解消でありますとか、入学してからの生活、学習への適応、またその内容も含めて、そういう面からも非常に効果のあることではないかなというふうに思ってございます。

 また、生徒同士、中学生になれば生徒になりますけれども、生徒同士の人間関係の円滑な進行という面からも効果があるかなというふうに考えてございます。

 それから、晴海総合高校との連携でございますが、今年度は6人の卒業生が入学をいたしました。2名ほど推薦をしたんだけれども、だめだったという話も伺ってございます。かなりの数の生徒が希望しているんだなということが、これからわかります。

 そういうこともございまして、本区では平成16年度から、行事だとかスポットの授業で晴海総合との連携を始めておりました。そういう協議会も立ち上がっていたんですが、経緯はわかりませんが、一度ストップしているという状況なんです。それをまた復活させたいと、基本計画にもきちっと載せましたので、復活させたいということで晴海総合とこれから話し合いを進めていくところでございます。地域の連携枠というものがございまして、その地域にある中学校との連携によって、ある程度の推薦枠がもらえるという制度がございます。これは、一定の条件を満たすことが決まっておりまして、3年間カリキュラム上の連携をしてくださいと。そういうことであれば、地域枠としての枠を設けますよということでございます。

 そういうことでございますので、これまで行事とか、いろいろな形の連携はあったんですが、もっと継続的なカリキュラム乗り入れ型の内容を考えていかなければならないかなということです。それが課題になっていくかなということでございます。そういう具体的な話も、これから進めていかなければならないというふうに考えてございます。

 それから、一貫校につきましては、例えば千代田区は九段高校との一貫校ができましたけれども、あれは中学校の適正配置構想と都立の改革とちょうど時期が一致したときにできたということでございまして、いろいろ聞きますと、準備等にいろいろ時間がかかったというようなこともございます。それよりは、日ごろからのカリキュラム連携によって、進路を希望する者は晴海総合高校に優先的に入れる枠がございますよというふうなところで活用していくのがよろしいかなというふうに考えているところでございます。

 それから、中学校の学力向上対策でございますが、これにつきましては、従前より申し上げてございますが、中学校には区の非常勤講師を、今年度からは英数国、理科、社会と5教科に広げて、希望があれば5教科使っていいですよというふうにしてございます。徹底した少人数指導で個に応じた指導を進めてくださいということ、それから、夏休みなどは教育センターを使いまして夏期補習も実施してございます。そのようなことで、子供たち一人一人の力に応じた指導を進めているところでございまして、そういうことからも、少しずつではございますが、子供たちの学習意欲、また学習内容の定着も見えてきたかなというふうに認識しているところでございます。

 それから、進路指導でございますが、これは各学校に任せています。中学校の先生、小学校の先生も集めて、進路指導担当の先生の研修会だとか連絡会もございますが、基本的には中学校においては、進路指導は学校にお任せしているというところでございます。進路指導室の使い方につきましても、任せているということでございますが、環境整備は大事なことでございますので、生徒にとって必要な情報がそろうようにというところは指導させていただいております。

 以上でございます。

○植原委員
 御丁寧にありがとうございます。

 学習指導補助員のほうは理解いたしましたので、ぜひ現場の学校の御要望には100%極力努めていただくように、よろしくお願いいたします。

 それから、連携のことなんですけれども、御答弁を伺って、晴海総合高校への入学というのは、やはり推薦枠を保っていったり、またそれを拡大していくには、今おっしゃられた3年間のカリキュラム上の連携という実績といいますか、そういうものを積み上げていくことによって、そこが広がっていくんだなと、希望があるんだなということで、よくわかりました。これについて、これから取り組まれることなのかなと、今お聞きしていたんですけれども、これは実際には学校が主体となって進められるのか、それとも教育委員会か、両者なのか、その辺も、これはぜひ早く、早くといっても、今、年度途中ですから、どういうふうな形になるのかわかりませんけれども、これは積極的にお取り組みいただいて、生徒たちの希望につながるように、ぜひ御努力をお願いしたいと思いますけれども、その辺について改めてお伺いいたします。

 それから、進路指導、相談につきましては、各学校にお任せしていらっしゃるということですので、これは教育委員会としても、時には現状を見ていただくなり、お聞きいただいて、やはりせっかくある相談室でもありますし、いろいろな資料も整っていると思いますので、子供たちにとって有効に活用されているのかどうか、その辺も教育委員会としては見ていただく必要があるのかなと思いますので、これは要望させていただきます。

 そこで、1つ、これは前にもちょっと指導室長さんにはお話をさせていただいたんですが、やはり進学はどうしても経済的な負担も大きいですよね、家庭にとっては。そういう意味で、今、こういう経済不況の中で教育費の捻出ということで、本当に困っている方とか、いろいろ皆さん大変な思いをして子供さんの進学にかかる費用を工面されているということもありますので、そういう意味での教育的な経済支援に関する資料を、奨学金の制度、東京都か国か、ちょっとわかりませんが、就学費用の貸し付けだとか、あと、あしなが教育資金でしたっけ、いろいろな種類の教育的な経済支援をするものがあると思いますので、子供たちには学校からもお知らせをいただいていると思うんですが、必ずしもそれが保護者のところに届くとは限りませんので、ぜひまた進路指導室、相談室に、保護者もそこには出入りができるものであれば、お子さんを通していただいてくることができれば、そういうところにそういう資料を置いていただくということもどうなのかなと。学校ではこういうことはもしかしたら嫌がることなのかもしれませんけれども、その辺について御見解をお示しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○和田指導室長
 まず、連携教育でございますが、これは、まず私ども教育委員会がイニシアチブをとりまして、話し合いの場を設定していきたいというふうに考えてございます。ずっとかかわっていくわけですが、流れができましたら、中学校と高等学校で自主的にできるようにというふうに考えてございます。

 それから、進路指導につきまして、教育費にかかわる資料等の進路指導室等への配置ということでございますが、これについては、確かに配慮をしなければならない部分もあるかと思いますので、これは内容を見ながら、いろいろな生徒が見ますので、そういう内容であれば置いても構わないと思いますし、また、これは直接保護者に話をしたほうがいいなというものであれば、子供を通してが心配ということであれば、担任なり進路担当から家庭に連絡をするという形でやっていくと。ケース・バイ・ケースで考えていくことが大切かなというふうに考えてございます。

 以上です。

○植原委員
 それでは、今後のお取り組みに期待をしたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 続きまして、中学校の部活動につきましてお尋ねいたします。

 先ほども前委員も触れられておりましたけれども、先日の読売新聞ですか、教育ルネッサンスというところの記事を読みました。この中で、学習指導要領で08年から09年の改訂で部活については、これは教員の方ですね、部活は職務という、すみません、時間がありませんので、説明を飛ばして申し上げますけれども、改訂によって、今後、部活は教師にとっても職務として扱う動きが広がっていくと言われていると。一方で、頑張っている教師を支援することも必要と、国は08年秋から自治体に交付する義務教育費国庫負担金の算定で、教員の休日の部活指導に支払う手当を1日当たり1,200円から2,400円に引き上げた。部活の振興に力を入れる東京都は、今春から国の基準を上回る3,200円の手当を支給するようにしたとありました。部活というのは、やはり先生方の勤務が、先ほど来ありますけれども、本当に多忙な中でも献身的な活動によって成り立っているんだということも、ここにありました。指導要領の改訂を機に、顧問となる教員を支える制度や組織をそれぞれの地域の特徴に合わせて構築してほしいという、首都大学東京の先生の御指摘もありました。

 これを読みまして、本区の今の部活の現状を簡単にお聞きしたいことと、それから外部の指導員の登録制度は、現状どのようになっているのかということと、それから、これはEメールのほうで見させていただいたんですが、部活とはもしかしたら関係がないのかもしれないんですが、教育地域人材バンクの開設に向けて、今、教育委員会が取り組んでいますというような、児童・幼児教育の質問に対するお答えが載っておりましたけれども、これと部活との関連というのはあるのかどうか教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○和田指導室長
 現在、本区におきましては、外部指導員、平成21年につきましては40名の方のお力もかりながら、各学校それぞれ活発に取り組んでいるところでございます。

 また、教育地域人材バンクでございますが、これは部活動も含めた学校教育の中で、地域の中で学校教育に協力をいただける方の人材を一度整理して、各学校に情報を共有しましょうというふうな取り組みでございます。

 以上です。

○植原委員
 そうしますと、過去にはいろいろな先生方の負担とか、指導者の方が途中で理由があってやめられた後の補充がないとか、いろいろな中央区内の部活の現場でもそういう問題が多々あったかと思いますけれども、このたびの教育地域人材バンクも、その部活動もその対象になるということであったり、また外部指導員登録制度が今現在40名もいらっしゃる。随分ふえたな、うれしいことだなと思いましたけれども、そういう方々に指導者として生徒たちに教えていただいているということで理解をいたしました。

 そうしますと、部活動も、100%ではなくても充実に向けて、現場ではいろいろな外部の方を活用しながらやっていただいているということで理解いたしましたが、最初に申し上げた東京都の制度の手当の支給の、そういうことを受けて、今の中央区の部活にかかわっている先生方の現状といいますか、何かそれについて教えていただければありがたいと思います。

○和田指導室長
 現在、部活動を担当している教員への手当でございますが、委員から御指摘がございましたように、東京都と同じように、私どもとしましても、終日、8時間、1日勤務で引率等があれば3,200円という形の手当を支給してございます。また、それ以外にも、時間によって日額幾らかの手当が出ているという状況でございます。

 以上でございます。

○植原委員
 それでは、また、ぜひ部活動が充実しますように、現場の生徒たちが困ったり、教えてくださる先生がいないと困るようなことは、余りもうこれからは心配ないということで受けとめてまいりますので、ぜひ今後の充実をよろしくお願いいたします。

 それから、次に、豊海小学校の校舎の改修整備で、これは改築とか、いろいろなことで中央区内の小学校もいろいろ課題はありますけれども、私がきょうお聞きしたいのは、豊海小学校の空調設備の改修のことでお聞きしたいと思います。

 豊海小の場合は、皆さん御承知のとおり、人口急増で児童も増加しているということで、教室不足とか、これはもう数年前から関係者の方、また地域の方からも、いろいろお声をいただいている中で、学校のほうから空調に関する改修の要望といいますか、これは学校だけではなくて保護者のほうからも教育委員会のほうに御要望等あったと思いますが、これについては、どのようになっているのかお示しいただきたいと思います。

 特に、どうしてこれをお聞きするかといいますと、やはりことしは猛暑で、教室の室内の温度が33度から35度あったそうです。そういう中で、水筒を子供たちが持参して学校に通学していたと。その中で勉強して、本当に快適に学習ができたのかどうか疑問なんですけれども、その辺の現状をもし教育委員会のほうで掌握していらっしゃれば、お示しいただきたいと思います。教室は何度ぐらいが一番いいのか、私も何度とは今すぐわかりませんけれども、その辺についても、勉強するに当たって33度から35度というのはかなり高くて大変だったんじゃないかなと思います。そういう中で、冷房ですか、空調の整備というのは、学校の問題よりも、やはりそれは早く、できれば来年の夏に備えて整備はできないものかなと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。

 それから、スクールバスについてなんですけれども、一般質問でもさせていただきまして、具体的に学校名は一般質問では申し上げませんでしたけれども、特認校制度の中でスクールバスが、小規模校の日本橋地域の3校について、月島のほうからということで、その辺のスクールバスのあり方については理解をしているんですけれども、それを実施されてから、現状、泰明小学校に通学する、特に低学年の保護者の方から、あの方たちは、皆さん定期を御自分たちで負担して通っていらっしゃると思いますけれども、どうして同じ特認校なのにスクールバスに乗れないんですか、区民なのに乗れないんですかという素朴な疑問があるんですね。

 それについては、ずっとお答えは変わらず、いただいておりますけれども、私もそこだけは納得ができないところなんです。特定の学校を優遇するとか、そういうことではなくて、やはり子供の安全を考えると、今の現状というのは教育委員会で掌握なさっていることだと思いますので、その辺について見直しというと、また大きな問題になると思いますけれども、何か対策が講じられないものかどうか、お聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○田野庶務課長
 豊海小学校の空調設備のふぐあいというか、故障につきましての御質問でございます。

 学校のほうから、ことしの7月の初めごろから空調のききが悪いというような連絡がございまして、すぐに空調機器の保守業者に機器の点検をしてもらいました。主に症状が出たのが3階のフロアということで、ここは1年生から3年生の低学年の教室があるところですが、3階のフロアが主にふぐあいがあるということで、専門業者に対応をさせたんですが、なかなか原因がつかめなかったということで、一たんは冷媒管、空調の機器に入っている管に空気が入り込んでいるんじゃないかということで、いわゆるエア抜きということをやったんですが、それをやってもよくならなかったということがございまして、これでは空調の保守業者だけではだめということで、区の営繕課の専門の職員に相談して、営繕課の職員も含めて原因調査を行いました。

 結果としまして、冷媒管の中の冷媒を全部抜き取って、冷気をつくり出すことができるようになりました。冷気はできるようになったんですが、今度、風量の調整にふぐあいが出まして、そこも調整をしまして整備したのが夏休みを明けまして、ことしは本当に猛暑、酷暑でありましたけれども、9月の中旬にやっと直った。逆に言うと、猛暑、酷暑が終わったのがちょうど9月の中旬ごろだったもので、本当に児童たちには大変な思いをさせたことと思っております。

 今後につきまして、教育委員会といたしましても、豊海小の空調機器、委員が御指摘のように学校の教育環境の中で30度を超す環境では、ちゃんとした教育が受けられないだろうということもありますので、今後、空調の全面的な改修になりますと、設計があって、それから工事ということで、一般的には2年ほどかかるんですが、これは今後内部で協議いたしますけれども、例えば設計を前倒しして、来年工事に入れるかどうか、内部的に協議しながら早急な対応をしていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○長嶋学務課長
 スクールバスについてでございます。

 まず、泰明小学校が、特に豊海、それから反対側の晴海レジデンスのほうからたくさん子供が希望して行かれている。また、その路線バスが、そういったことで比較的込み始めているということは十分認識しております。また、学校も、そういった意味で、下校の際ですけれども、下校の際等は分けて乗車させるようにしたり、あるいは保護者の方にいろいろ御協力をいただいて、同乗していただいた方もいらっしゃるそうですけれども、そういった形で、今現在対応しているというような状況になっております。

 それで、3校だけではなくて泰明小学校にもということでございますけれども、細かい説明はいたしませんけれども、3校につきましては、そのような理由で配車させていただいていると。ただ、特認校の考え方といたしましては、泰明小学校は住民の関係で永久に特認校になるとは思いますが、要は、学校施設に余裕のあるところに関して特認校として指定し、またそこで住民がふえた場合は特認校として解除するというようなやり方を今後もしてまいりますので、実際問題として、例えば、これは地元との協議が要りますけれども、今回の改築等で校舎が大きくなった学校等については、また別個に特認校にするかしないかという協議が出てくるような形になろうと思います。ですから、泰明小学校だけというか、例えば日本橋小学校、あるいは今後展開するであろう中央小学校、明石小学校、そういったところにすべてスクールバスを配車するのか、ましてや、エリア的に月島地区からだけ配車していくのかというような問題もございます。そういった意味で、基本的には区直営で運営するスクールバスということについては、特別なことがない限り、今の考え方を今後も踏襲していきたいというふうに思っています。

 ただ、安全という面に関しましては、当然、御懸念等もあると思います。そういった件につきましては、学校ともいろいろ協議して、また今後もどんどんふえていく可能性も若干あろうと思いますので、そういった場合はどうしていくのかということは、事実上考えていかなきゃいけない。ただ、バスの路線につきましては、大体10分間隔ぐらいで出ているような状況になっています。また、実際、都バスのほうとも、こういった状況で子供が実際ふえていくんですよというような情報提供を私どももしておりまして、それに対して東京都は、今の時点ではそこまでの形では思っていないということでございますし、学校自体も、私どもも今後どれだけふえていくかというような問題はあろうと思いますけれども、今の時点ではそういった交通マナーですとか、それから本数がたくさん出ておりますので、それの割り振りというような形で対応してまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

○田野庶務課長
 1点答弁漏れがございました。

 教室の適正な温度ということでございますが、手元にしっかりした資料がございませんけれども、一般的に、この本庁舎もそうですけれども、クールビズということで28度設定が国の方針でございます。お子さんたちに対してはちょっと高いのではないかということで、26度から28度ぐらいの設定で、各学校で設定をしているという状況でございます。

 以上でございます。

○植原委員
 いろいろとありがとうございました。

 今の学校の設備につきましては、ぜひよろしくお願いいたします。

 それから、スクールバスについては、これは平行線で、あれなのかなと思ってお聞きをしたんですけれども、都バスのほうにいろいろ御要望もしていただいているということですけれども、都バスのほうが何か見直しをするということはあり得ないのではないかなと思いますし、特認校を指定するときに、これも制度が実施されてスクールバスを運行して初めて、こういう現状が起きて、私自身も現場を見てわかった次第で、改善する、見直しをするということも、もし必要があれば、やはりそれを受けとめていただいて、お考えいただきたいなというふうに思います。

 保護者の方にも何人かお聞きしましたけれども、教育委員会のほうにそういう現状をお訴えしても、では来年から泰明小は特認校から外しますというお答えもいただいているというので、どういう制度なんだろうということもありますし、せめて低学年の安全ということとか、低学年というのは、バスに乗ればどこでも一緒ですけれども、大騒ぎ、何人か複数いれば、子供ですから、それはとめようがないぐらいのことも、私もいろいろなところで見かけています。マナーとか、もちろん教えるのは重要なことですけれども、そこもどこまで見るのかなという思いもいたします。

 かといって、やはり公平性だとか、今スクールバスを利用されている方は本当に喜んでいらっしゃって、安心して子供をスクールバスに乗せています、100%満足していますなんて、月島の出張所の前までお子さんを通勤途中に送られてきたお父さんとか、皆さんおっしゃっていましたけれども、一方ではそういう現状もあるということで、やはりこれについてはまた御検討いただきたいと重ねて要望させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

○原田委員
 ただいま「教育費」の質疑半ばでありますが、暫時休憩をし、午後3時に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○今野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後3時に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午後2時36分 休憩)

—————————— ◇ ——————————

(午後3時 再開)

○今野委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。

 第7款「教育費」について、質問者の発言を願います。

○鞠子委員
 小・中学校のトイレの問題を一番最初に、簡単にやりたいと思います。

 資料133で小学校、中学校の和式、洋式の内訳が出ております。小学校で和式が48.8%、洋式が51.2%という割合です。小・中学校合わせますと50.1%が和式で、洋式とほぼ同じということです。学校は防災拠点にもなり、避難所にもなります。高齢者の方も利用する割合が高くなると思います。前から私たちも要求しておりますが、学校の修繕や改修の要望が各学校から毎年出ておりますが、避難所として使う可能性の高いところでありますから、できる限り速やかに洋式化を、学校のトイレについては進める必要が緊急にあると思いますが、具体的な促進の方針についてお答えいただきたいと思います。

○田野庶務課長
 小・中学校の洋式トイレについての御質問でございます。

 現在の数につきましては、今、委員がおっしゃったとおりでございます。今後、トイレの改修工事にあわせまして洋式化を進めたいと思います。すべて洋式となりますと、洋式では苦手というお子さんもいたりしますので、和式を1つにして、そのほかを洋式のトイレにすると。それはフロアごとという意味の和式が1つで、そのほかを洋式ということで考えておりますので、今後、改修工事にあわせて、その方針でやっていきたいというふうに考えております。

○鞠子委員
 そういう割合で配置すると、今の比率は大体半々ですが、どのぐらいの比率に洋式がふえるんでしょうか。それから、年次計画でいつごろまでで完了させるという計画なのか、具体的に示していただきたいと思います。

○田野庶務課長
 将来的に全部、今の方針でなった場合の率でございますけれども、フロアごとのトイレの数というのが、今、資料がございませんので、全体で和式、洋式あわせて現在約1,080ございますので、ざっくり言って9割方洋式かなというふうに考えております。

 それから、年次計画でございますけれども、トイレ改修につきましては、今すぐに年次計画的な部分がございませんので、いつまでということは、現在のところ、言えない状況でございます。

 以上でございます。

○鞠子委員
 御存じのように、直下型地震は30年間で発生する可能性が非常に高いと言われていますから、避難所になる学校の改修については、優先的に改修を進めるべきだと私は思いますが、これは要望しておきたいと思います。一刻も早くそうしていただきたいというふうに思います。

 次に、明石小学校等の復興小学校の問題でお聞きしたいと思います。

 現在、解体の進行度合いは、全体の解体の何割、どういう部分が完了したのか。

 2点目は、記録保存については、どこに委託をして、どういうレベルの記録保存ができたのか、お答えいただきたいと思います。

○粕谷営繕課長
 私のほうから、最初の質問でございます明石小学校の現在の状況ということでございます。

 現在は、内装材の撤去が終わりまして、また、一部重機や撤去材を運ぶダンプを校庭の中に入れるために、昇降口の部分を壊したという状況でございます。

 以上でございます。

○岸田都市整備部長
 明石小学校の記録保存についてでございます。

 これまで設計を担当いたしました設計コンサルタントとともに、基礎的な調査、記録等を行ってきたところでございますが、日本建築学会から専門的な知見の御協力が得られないということが判明いたしました8月ごろから、より専門的な調査を委託することができる文化財のコンサルタントを探しておりまして、10月1日より、文化財保存計画協会と改めて専門的な部分につきまして記録保存の契約を締結いたしまして、より専門的な調査段階に入ったところでございます。

 以上でございます。

○鞠子委員
 先ほどのお答えのように、一方で解体は着々と進んでいるわけでしょう。重要文化財相当の建築物だと言われたけれども、解体を強行したんでしょう。この状況で、今、都市整備部長がお答えになった記録保存が、そういう専門知識を持ったところに委託したとして、本来の記録保存と言える記録保存になるんでしょうか。だって、今、解体中なんでしょう。解体を中断したんですか。設計委託の契約は10月1日に行ったんですか。これから本格的な調査というときにですよ、営繕課長がお答えのように、解体は進んでいるんでしょう。これで、本来求められている重要文化財相当と言われる歴史的な建造物の記録保存のレベルに達する、そういう記録保存ができるというお答えなんですか。

○粕谷営繕課長
 先ほどの答弁で、ちょっと不足した部分がございました。先ほど内装材まで撤去が終わったという答弁を申し上げましたが、今回、先ほど私どもの部長が答弁したように、文化財の記録保存ということで調査に入ってございます。したがいまして、本来であれば、コンクリートの躯体を壊す作業がこれから出てくるわけでございますが、調査のほうと並行して工事を進めているということでして、調査に影響のないところはやらせていただいていますが、調査にかかわるところは調査をやるということで、2週間ほどの工期の延伸を予定してございます。

○鞠子委員
 工事と並行して記録保存の調査ができるんですか。ちょっと待ってください。調査対象外のところをやるという意味なんでしょうか。そうすると、今のお話では2週間工期が延びると。重要文化財相当と思われる建築物が求められるような記録保存のレベルで、工期延長2週間の間でできるという、こういう契約をしたんですか。

○岸田都市整備部長
 それでは、記録保存の一般的な概要について、まずは御説明を差し上げたいと思います。

 建物の記録保存、調査記録と言ったりもいたしますけれども、につきましては、その建物の歴史でございますとか、当時の設計時の図面等の文献調査というものが非常に大きな割合を占めるということ、それから実測調査を行っていくということ、それから建物各部の写真撮影等を行っていくといった部分がございます。そうした点につきましては、一定の記録の文献調査、さらには必要な実測調査、必要な写真撮影等につきましては、これまでのところ、鋭意行ってまいったところでございます。

 さらに、調査記録につきましては、むしろ解体をしながら進めていくといった部分がございます。解体をすることによって、その建物の断面、今回は近代建築でございますので、コンクリート構造の中身がどうであるのか。例えば、鉄筋がどのような種類の、どのような太さのものが、どのように配管されているのか。おさまりなどと申しますけれども、おさまりがどうであるのか、さらに個別の後からの修繕の状況の記録、これも、例えば窓の部分などをカットしまして、それで、古いものがこう入っていて、その上から新しい補修をこういう工法でやったというようなことをやっていくものでございまして、実は文化財保存計画協会とは、従前に綿密な打ち合わせを行ってきてまいりまして、実際の解体工事の工程を少し合わせながら、必要な、もし文化財的に重要であると専門家が考えます部分につきまして、工期を適宜、解体の工程を細かいところを入り繰りをしながら、必要な部分の調査を漏れなく行うように、現在取りまとめを進めております。

 さらに、内装材につきましても、撤去している部分はございますが、従前の状況等についてもすべて記録をとっておりまして、また、保存すべきものについても、まだ保管をしてあるものについては別途、専門家が見て具体の検証を行っていくということで、実際の調査が進められると考えております。

○鞠子委員
 調査を委託した先は、日本建築学会が評価した重要文化財としての評価と同一の認識を持って、もちろん区のほうもそういう認識を持って、記録保存の対象物はそういう価値を持っているものだと、ここは十分に理解し、認識しているという委託先、そういう理解でいいんですか。

○岸田都市整備部長
 そのとおりでございます。

 お名前は差し控えますけれども、日本建築学会の学会員でいらっしゃる某大学の教授、実は文化庁の文化財調査官でいらした教授でいらっしゃいまして、こちらは、私、これまでの業務で培いましたネットワーク等を通じまして、日本建築学会の学会員からの御紹介、御推薦をいただいて、実際のところ、こちらの文化財保存計画協会がまさに適任である、ぜひそこに委託をすべきではないかというような御示唆をいただきまして、個別に調整を図ったものでございます。

○鞠子委員
 そうしますと、学問的なレベルから見て、今進めている記録保存の作業は、学問的評価にたえられる、そういう記録保存になる、こういうことなんですか。

○岸田都市整備部長
 調査機関、これまでに積み重ねてきたもの、さらに予算の額等の問題もございまして、私も文化財の専門家ということではございませんので、でき上がってみなければわかりませんが、十分にそれにたえ得るような内容で調整をしながら進めてまいっているところでございます。

○鞠子委員
 昭和初期の建築物として、最初に重要文化財になったのは明治生命館ですね。そして、ここは日本建築学会賞を受賞しておりますが、その受賞理由の一つに、事業者が保管していた創建当時の図面、記録類、映像資料などをデジタルアーカイブとして整備し、保管している。それらを2階に設置した資料展示室において、1階と2階の保存修復空間と一緒に一般公開しているということで、日本建築学会賞の受賞理由の中にそのことが入っておりますが、こういうレベルの記録保存が明石小学校においてもされていると。また、一般公開のことも含めて、そういうのにたえられるレベルに達していると、こういうことでいいんでしょうか。

○岸田都市整備部長
 明治生命館の概況について、当時の設計図面をデジタルアーカイブ化して公開しているといった取り組みがなされているということについて、それと同等レベルの調査記録の保存等がなされるのかという御質問でございます。

 現在進めておりますところでございますので、まだ決定していない内容も多うございますが、まず明石小学校の設計図面につきましては、当時の東京市営繕の図面がすべて残っております。こうした記録を今回の調査の中できちっと整理をしまして、それを皆様がごらんいただけるような形で報告書として取りまとめていくということを現在予定いたしております。デジタルアーカイブ化というところになりますと、どのレベルでアーカイブ化するのかといった問題がありますが、1つ、その報告書の内容はだれでも閲覧できるような形でやってまいりたい。

 さらに、これも、これまで御説明しているところでございますが、特に今回、明石小学校の部材の中ですばらしいとされております、例えば廊下面に張ってありました腰板などについても、新しい改築後の小学校の2階に歴史資料室の整備を予定しておりますけれども、その中で当時の教室の様子を再現するという形で、子供にもわかりやすく、そうした歴史をお示ししていくような公開の場をつくっていくことを予定しておるところでございます。

○鞠子委員
 私がなぜそれを強調するかというと、本来であれば、日本建築学会の見解等に従って、区長が決断して、後世に重要な文化遺産として、しかもリノベーションで、生徒たちが新しい機能を持ったリノベーションした学校で、しかも重要文化財の建造物で学ぶという、そのことができれば一番よかったんです。それを区長のほうは決断せずに解体を進めていますから、少なくとも、貴重な重要文化財として評価されたものの記録保存については、本当に万全の記録保存を高いレベルで行うことは、区長として、文化財を壊しているわけですから、その責務からしても、その点、最小限、記録保存については、高いレベルの、求められ内容でできる限りの記録保存をするということは、区長、この時点ではあなたがそれはきちっと決意してもらわないといけないと思うんですが、いかがですか。

○矢田区長
 当然じゃないでしょうか。そのとおり求めて、今行っているところでございます。

○鞠子委員
 残念ながら、重要文化財相当だという復興小学校が解体されつつあります。区長は、8月23日の見解のときに、残る復興小学校については、できる限りこういう教訓を生かして対応していきたいと。

 しかし、その内容は、泰明小学校と常盤小学校はリノベーションも含めて保存する、活用すると。しかし、城東小学校は東京駅前の開発動向を見ていくと。つまり、保存・活用という方向ではないですね、23日の説明を見ますと。そして、阪本小学校についても、泰明小学校と常盤小学校と同じ内容での保存・活用という記述はありませんね。そして、明正小学校もそうですね。明正小学校は、中央小学校、明石小学校を含めて3校は解体・新築だと。そうすると、今後、復興小学校を今度の明石小学校問題の教訓を得て、受けとめてやりたいという、そのお答えとしてはですよ、結局、泰明小学校と常盤小学校しか保存・活用、リノベーションの対象にしないということに区長は決めちゃったんですか。はっきりしてください。

 日本建築学会は、7月9日の要望書と見解の中で、現存の7復興小学校は初期型から後期型まで含めてバリエーションに富んで、保存状態もよくて、これはいずれも有形文化財の価値があるから保存すべきものだ、それを求めたいということを言っていますね。そういうものでありますが、区長の今後の対応というのは、常盤小学校と泰明小学校だけはそうすると。ほかの学校については、そういう選択肢はとらないということを表明されたんだけれども、それでは本当に明石小学校の教訓を生かしたことになりますか。

○矢田区長
 あのとき述べたのは、城東小学校について、これはもうおわかりのとおり、東京駅前再開発が行われるであろうというところでありますから、あのまま保存するということは難しいわけでありますね。ですから、そういうのにふさわしい特色がある学校をつくっていく、こういうことでありますね。

 また、東京都が平成11年ですか、に歴史的建造物と認定した泰明小学校及び常盤小学校、これにつきましては、免震対策も含めて、現校舎の保存・活用について調査を進めて、リノベーションというんですか、そういう修復を行って、しかし、これもしっかりやっておかないとね、先ほど最初に言われたとおり、いつ大きな地震が来ても不思議ではないというわけですから、それに耐えられる学校にしていかなければならない、そういうふうに思いますね。

 また、阪本小学校につきましても、将来的な改築、こういうものは地域もいろいろな動きがあるかもわかりませんからね。そういう面で、しっかり、第一番小学校ですか、それにふさわしいものにしていくと。

 また、中央小学校、これはもう皆さんに計画を発表しているとおりでございましてね、すばらしい小学校をつくり上げる、こういうことで改築ですね。

 また、明正小学校、これも御案内のとおり、どんどんこれから計画を、設計等々に取り組むと、こういうことで、まさに防災の拠点として大丈夫だという小学校をつくり上げてまいりたい、そういうふうに考えているところであります。

○鞠子委員
 それでは、先ほど言いましたが、7月9日に日本建築学会はこう言っているんですよ。

 以上のように、中央区に現存する復興小学校7校舎の外観意匠は、復興小学校としての初期型から後期型までを含むものであり、復興小学校のデザインの多様性、歴史的変遷を理解する上で、いずれも貴重な遺構で、これらの個性的な外観意匠は、いずれも現在良好な形で保たれていることから、今後はこの文化財的価値の高い外観意匠を積極的に生かし、登録有形文化財としての保存・活用が望ましいと考えると、こう言っているんですよ。

 ところが、区長の今のお答えは、そうするのは常盤小学校と泰明小学校だけですよと。ほかは、こういう評価が出ている歴史的建造物だけれども、そうしませんよ、壊しますよと。これでは、この明石小学校の文化財、復興小学校としての多様な変遷がわかるという、有形文化財としての保存・活用が望ましいと言われている、それを教訓とするということにならないじゃないですか。同じように、7校のうち5つは壊します、残すのは2つだけですといったら、一体、明石小学校のこの問題で、区は、教育委員会はどういう教訓を得たというふうに言えるんですか。

 それに、小学校改築計画策定調査報告以来、泰明小学校と常盤小学校は一貫してリノベーションの方向を出していますよ、既に相当前から。21年3月でしょう。こういう問題が起きて、新たに教訓を区長は得たんだから、なぜこの時点でその教訓を今後の復興小学校の保存・活用に生かさないのか。今のお答えのとおりだったら、全く変わっていませんよ、2年前と。それでは教訓を得たことにならないじゃないですか。私は、それを言っているんですよ。どうなんですか。見直す必要はないんですか。

○矢田区長
 中央区区政、これは建築学会の下請機関ではないわけでございましてね、建築学会の言われることは、これはもう十分尊重して、先ほど来述べているように、記録保存から、さまざまな保存の方法もあるわけですから、そういうことで、今回の問題を教訓としてやっていこうということでございますし、また、特に学校というのは何といっても、こちらの考え方も出したように、子供たちの幸せ、これを第一に考えるということで進めているわけでございまして、建築的価値、これはもう十分わかっているわけですから、そういう面を尊重しながら、学校は子供たちの幸せのためにはどうあるべきか、そういう立場からやっているわけでございます。

先日も、あるイベントに出ていましたら、お母様がお子様と見えまして、いろいろ騒がれているというのをわかっているわけですね。明石小学校のお母様でしたけれども、「区長、頑張ってくれてありがとう」と。本当に涙が出るほど感激いたしましたけれどもね。やはり子供たちの幸せ、これを第一義に考えて、私たちは進めているわけでございますし、それから、この前、明石小学校のPTAの皆様方と意見交換をしたときも、本当に泣きましたね。この明石で勉強させたいんだと。この改築中もね。すぐそばにはあかつき公園なんかがある。そういうところへ仮校舎をつくってはどうかという声もあったけれども、お母さんたちは、御父兄の皆様方は、あそこでやりたいんだと。これ、ちょっと最初、意味がわからなかったんですけれども、わかりましたね。5年生、6年生、あそこで卒業させたいんだということでありましょう。そういう保護者の皆様方の熱意、教育に関する熱意、これをしっかり私たちは受けとめていかなければならない。

 建築学会の言われることはわかりますから、これはもうしっかり、そういう点を尊重してまいりたい。こういうことで、保存の方法もいろいろあるわけでございますから、そういう点で御理解のほど、お願い申し上げます。

○鞠子委員
 区長、私が聞いたのは、明石小学校の教訓を本当に生かすならば、21年3月に決めたこの方向ではなくて、2年前の方向ではなくて、今度の教訓を本当に生かすならば、この時点での方向を改めて、7校ともいずれも重要な登録有形文化財だと言っているわけだから、そして、明石小学校の教訓を生かすならば、7校のうち残すのは2校だけだということではなくて、積極的に保存・活用を図るべきではないかと言っているんですよ。私、いろいろ言われるのはわかるけれども、端的に答えてください。この2年前の3月の報告書の方針は、今回の教訓を経ても、絶対に変えない。残すのは常盤小学校と泰明小学校だけだと、そういう立場なんですか。もう一度お答えください。そこだけ答えてください。

○矢田区長
 7月9日付の建築学会からの御意見、要望、手元にありますけれども、「現在、保存・活用の方法には記録保存から建物を保存改修して使い続ける方法まで様々な選択肢があります。貴下におかれましては、これら7校舎の持つ『文化財的価値』についてあらためてご理解いただき、こうした文化財的価値を十分に考慮した形での保存・活用方法をあらためてご検討下さいますよう、格別のご配慮を賜りたくお願い申し上げる次第です。なお、本会はこれらの建物の保存・活用に関して、できる限りの協力をさせていただく所存である」ということでございますので、それに沿って、私たちは行っているところであります。

○鞠子委員
 7月9日の要望書は、見解が一緒になっているんですよ。私が読み上げたのは、見解ですよ。見解では、記録保存ではなくて、登録有形文化財としての保存・活用が望ましいと言っている。

 では、文化財の担当者に聞きますが、記録保存は登録有形文化財なんですか。答えてください。建物はなくても、登録有形文化財になるんですか。文化財の担当者、答えてください。

○濱田図書文化財課長
 記録保存では登録有形文化財にはなりません。

○鞠子委員
 当たり前でしょう、そんなことは。ちゃんとそう述べているんだから、なぜそういう教訓を生かして、7校のうち、積極的にそれにこたえるような決断をしないのかということを僕は聞いているんです。方針を変えるつもりはないですか。常盤小学校と泰明小学校以外は解体・新築なんですか。

○矢田区長
 鞠子委員が読み上げているのは、見解のほうですか。

 私のほうのは要望ですからね、こちらのほうが強いんじゃないんですか。向こうの要望に沿って、こちらも対応しようと、こういうことでありますから。

 以上であります。

○鞠子委員
 要望を言われるのであれば、よく読んでくださいよ。いろいろ多様な方法がありますと言っていますよ。

 後段で何と言っているか。「本会はこれらの建物の保存・活用に関して、できる限りの協力をさせていただく所存」だと言っているんです。ここでしょう。保存・活用してほしいというのが要望書の最も重い内容じゃないですか。これ以降だって、建築学会とはやりとりがあるでしょう、区との間で。記録保存で結構ですと言った返事が一度でも来ましたか。区長、それ以降のやりとりで、日本建築学会は明石小学校も含めて、復興小学校は記録保存だけで結構ですと、こういう結論を出した文書は来ていますか。来ていないでしょう。いずれも、保存・活用を望みたい、協力したいと一貫しているじゃないですか。

 僕が言いたいのは、全国的にもいろいろな関心を持った、そんなにすばらしい歴史的な価値のあるものが、文化的な価値のあるものが中央区の学校として現存していると。このことがわかって、これは本当に区にとっても、区民にとっても、誇るべきことですよ、本来なら。しかし、それをあなた方は壊したんだから。

 少なくとも、壊した以上、残る7校については積極的に、復興小学校の文化財的価値を正面に受けとめて、積極的な保存・活用を図るという方向に立たなければ、これだけ多くの人が関心を持った明石小学校の教訓を区長は何も生かしていないということになりますよ。私はそれを言っているんですよ。なぜ2年前の方針をこのまま踏襲するのか。教訓を生かしたことにならないじゃないかと、それを言っているんですが、それでも教訓を生かしたと言うんですか。

○矢田区長
 復興小学校、117あったんですよ、117ね。知っていますか。そのうちの残っているのが10校ほどですか、そのうちの7校が本区。これは、中央区が大事に大事に使ってきたからこそ残っているわけで、まさに感謝こそされて、いいだろうというふうに私なんかは思うんだけれども、感謝されないで、何か批判ばっかりされますけれどもね。

 本当に、それで保存、文化財というか建築的価値、これに着目して、しっかり行おうと、こういうことでございまして、建築学会だけではなくて、いろいろな各方面の御意見も伺いながら、この2つは、泰明小学校、常盤小学校、これはしっかり残していくわけでございます。これでも本当に大変なことじゃないですか。だって、歴史的建造物であるということを東京都から評価されたわけでしょう。これをしっかり残していこうじゃないか。これが私たちの務めではないか、そういうふうに思うところであります。

○鞠子委員
 全く方針を変えるつもりはないということがわかりました。区長、そんなことを言ったら、本当にこういう問題で文化財としての重要性を広くわかってきた区民、それから東京に広くいる都民、そして全国からこの問題に関心を持った人たちから、非常にそれは残念だという声が出ると思いますよ。

 それから、さっき7校を残したことについて、建築学会も含めて大変高く評価しているんですよ。よく残っていたと。それで、もう廃校になっているけれども、別に転用した小学校も立派に区はリノベーションして、別の用途に使っている。大したものだと評価されているんですよ、区長。専門家はみんな評価している。だから、なおさら貴重になった7校については、できる限り保存・活用して、文化財としての価値を将来に残し、継承してくれと。ここを言ってきているんじゃないですか。

 だから、今が踏ん張りどきじゃないですか。今までの努力に加えて、大きな決断で、そうしようと。もし区長が決断すれば、全国的に文化財区長として有名になりますよ。いや、本当に。冗談じゃないですよ。それだけの決断をすれば、場合によっては日本建築学会だって高い評価を、行政手腕として決断したと。かもしれませんね、それは。今の関係では、よほど無理でしょうが。いや、無理ですよ、それは。評価されていないんだから。何で壊したんだという評価だからね。

 こればっかりやっていると時間がありませんから、次に移りたいと思います。非常に残念です、今の答弁はね。引き続き、この問題は私もただしていきたいと思います。

 次に、先ほども前委員から出た教員の問題、子供の問題という点で、いきたいと思います。

 超過勤務の問題については、先ほどもお話がありました。それで、実際に超過勤務の状況もあります。資料130、僕はこれを見て、びっくりしましたね。幼稚園、小学校、中学校、先ほどもお話ありましたが、僕もちょっと計算してみましたが、幼稚園、夜7時以降9時まで仕事をしている人が92.8%になりますね。それから、小学校、夜7時以降9時まで、それぞれ9時までいた人、8時までいた人、7時までいた人というふうになっていますが、夜7時以降も学校で仕事をしたという人が67%。中学校は、これは数字が違うんじゃないかと。いただいた資料によると100%になりませんね、これ、パーセンテージを足しても。ここを確かめたいんですが、中学校夜8時までが23人いて10.5%、これが違うんじゃないでしょうか。夜7時までが27人で41.5%のシェアだと言っているんだから、23人で10%ということはないので、これは正確には何%ですか。

○和田指導室長
 失礼しました。34.8%であります。

 以上でございます。

○鞠子委員
 それを修正しますと、81.9%が夜7時以降仕事をしているということです。異常じゃないですか、これは。私が住んでいるマンションのすぐそばは、住友商事だの、いろいろトリトンスクエアにあります。あそこも長いですね。夜9時過ぎたって、こうこうとライトがついています。先生も大変ですね。住友商事や最先端のビジネスマンと同じように長時間勤務です。こういう実態について、本当に私は、これでは翌日子供に元気な顔で、気持ちもリフレッシュして教育に当たろうという気持ちがあっても、なかなかこれは困難な状況に追い込まれるんじゃないでしょうか。

 私も、どんな状況か現場の声があるだろうということで、いろいろ見てみました。大変ですね。40年ぶりに文部科学省が勤務実態調査をしました。御存じだと思います。これでわかったのは、長時間過密労働が常態化している状況です。どういうことか。その勤務実態とあわせて、教員の意識調査をした。どういう答えかというと、仕事に誇りを持っている、仕事にやりがいを感じているんだ、教職員になってよかったと満足感が多いんです。しかし、同時に、休日出勤が多い、自宅に仕事を常に持ち帰ることが多い、体調が悪くても休めない、学校の中で休憩や休息がとりづらい、仕事量が多過ぎて、今のままでは長く続けられそうにないという負担感が多数を占める結果になりました。これは、そのとおりですか。

○和田指導室長
 文部科学省の調査かと思うんですが、そのような報告を私も確認してございます。

 以上です。

○鞠子委員
 具体的に、その調査で教員が行うべき仕事が多過ぎると感じている人、「とても感じる」が62%という数字ですね。これは実感としてそうだと、こういうことで、先ほどの超過勤務時間も必然的にそうなりますね。そういう実態です。

 それから、先ほど新任教師の問題が出ました。残念ながら、新任教師が自殺をする例が全国で後を絶ちません。今まで新任で中央区の場合、こうした最悪のケースといいますか、残念なケースというのはないと思いますが、どうでしょうか。

○和田指導室長
 これまで、私の存じ上げている範囲ではございません。

 以上です。

○鞠子委員
 教職員は2009年に173人が自殺していますね。うち57人はうつ病が原因だと。病気退職の新任教師は、調査した2008年では全国で90人いた。ほとんどが精神疾患だった。非常に深刻だと思います。サポートしようにも、学校全体がいろいろ仕事に追いまくられ、評価され、評価の目にさらされる。教職員集団が子供のために知恵を出し合おうなんていう、そういう気持ちがあっても、なかなかできない。常に評価が求められる。結果が求められる。仕事量が多い。新任教師が幾ら続けていい先生になりたいと思っても、なかなかサポートする体制がとり切れない。それが、こういう悲惨な結果につながっていると思います。

 では、教員はどうしたらいいと考えているか。ここも調査しましたね。どう答えたかというと、負担を解消するのに何が必要か。8割の教職員は、1クラスの子供の数を減らしてほしい。教員を増員して、担当授業時間を減らしてほしい。あわせて、約半数は、教員は子供の指導という本来の業務に特化させてほしい。3割強は、教育委員会などからの調査の精選、業務の合理化をぜひしてほしいと。先ほどの委員からも出ましたが、非常にこれは切実に求めていることだと思います。このことがない限り、今の現状、超過勤務が多い、精神疾患で亡くなる、自殺する人もいる、こういう実態をなくすには、多くの教員が、今、文部科学省の調査によって答えているように、この対応がない限りは抜本的な解決に至らないと思いますが、中央区の教育委員会としては、こういう教員の声、こうすればいいという声について、どのように具体的に対応するつもりですか。

○和田指導室長
 それぞれの要望については、うなずけるものと、自分の努力も必要ではないかなというものがございます。ただ、教員を取り巻く環境は厳しいものになっているなというのは事実でございますので、一つ一つその原因について、もし何か要望があれば、聞いていきたいなというふうに考えてございます。

 以上です。

○鞠子委員
 時間がないので、では、そういうことで子供のほうはどうかと。子供も大変ですね。中央区の教育振興基本計画で、43ページ以降、子供と保護者に期待される学校づくりの中でアンケートをとっていますね。これもなかなか考えさせられました。学校は楽しいか、自分のクラスは楽しいかというと大体88%だけれども、学校に行きたくないと思うときがあるというのは43%あったという数字になっていますね。こういう子供たちの実態の中で、先生は何とかしたい、こう思っていると思うんです。

 子供も大変だと思いますが、こういう状況の中で、教育委員会としては、こういう子供の実態と、先ほどの教員の、気持ちはあるが、なかなかそこまで授業や教育に集中できない、こういう問題の解消は、子供にとっても切実な問題だというふうに思いますが、具体的にどんな改善策を順次行っていくつもりなのか。この振興計画もいろいろ言っていますけれども、教員の労働条件等の関係と含めて、一言でお答えください。

○和田指導室長
 子供にとって、学校というのは自分の自己実現の場でございます。どういう場面で子供が自己実現をできるのか、教員一人一人が一人一人の状況を見ながら対応していくことが大事かと思います。基本的には、教員はやはり授業、指導力があって、子供に信頼されるものでございますので、そういう力をつけていくことが双方のためになるというふうに認識してございます。

 以上です。

○鞠子委員
 終わります。

○今野委員長
 次の質問者の発言を願います。

○高橋委員
 それでは、教育費の質問をさせていただきます。

 前委員からもお話がありましたけれども、具体的に中央区の教育委員会が現場の教師に対する負担軽減策というのを今年度打ち出したのかどうか。というのは、例えば英語教育にしても、それからICT教育にしても、どんどん充実をさせているわけですよね。充実をさせるということは、逆に言うと、さっきの話のように教師の自由時間が少なくなっていくということだと思うんですね。だから、そうだとすれば、どこかでやはり軽減策というのを真剣に考えていかないと、当然、必ずどこかで行き詰まりますよね。この辺をどうお考えになっているか教えていただきたいと思います。

○和田指導室長
 学校に求められるものが多くなっている、いわゆるニーズが多様化しているということは十分認識してございます。ただ、そういう教育ニーズにはこたえていかなければならないという公立学校の使命があるというふうに考えてございますので、それぞれ求められるものに対して1人の教師がすべて背負ってしまうのではなくて、だれかリーダーになる、中心になる人物を決めて、その人物を中心にした組織をつくっていくことが、それぞれの教員の負担軽減につながっていくのではないかなというふうに考えてございます。

 以上です。

○高橋委員
 そのとおりなんでしょうけれども、そうすると、大体どこの組織でもそうなんですけれども、仕事のできる責任感の強い人に、要は仕事って集中するんですよ。と思うんですよ。だから、今のような形でもしするとすれば、逆に言うと、特定の人に関して、どんどん自由時間がなくなっていくというような仕組みになってしまうと思うんです。もっと組織的に何かをやるということが重要だと思うんですよ。特に、やはり英語教育とかICT教育なんていうのは、もっと学生ボランティアみたいな人を授業の中に入れるぐらいの思い切った政策が必要だと思うんですよね。やはりこういうことをやらない限り、なかなか教師の負担は減らないんだというふうに思うんですね。

 実際に、教育課程をとられている学生さんなんかもたくさんいるし、やはり地元のために働きたいと思っている学生さんなんかもたくさんいるわけですから、そういう人たちも含めて、その部分については学生ボランティアを、授業の中にですよ、授業の中にもどんどん取り入れるような仕組みをつくったらいかがかと思いますけれども、どうでしょうか。

○和田指導室長
 現在、委員御指摘の英語、ICT教育については、学習サポーターのような形はつけてございませんが、先ほど御答弁申し上げましたが、人材バンク等の整理が済みましたら、英語教育に堪能な人間、ICT教育に造詣が深い人間等々ございましたら、学習サポーターとして学校に、要望があれば配置していくというふうな方法も考えられるというふうに考えています。

○高橋委員
 ですから、要望があればとか、そういう条件をつけちゃうと、責任感のある人は自分でやろうとするんですよ、絶対に。必ずそうなっちゃうんですよ。だから、そうじゃなくて、ある程度のものをきっちりと教育委員会のほうで指示をしてあげないと、なかなかこれは難しいと思いますよ。そうなってくると、当然、今度はどういう人たちを授業の中に入れるのか入れないのかということまでいろいろ基準を設けてやってくると思うんですね。そうなってくると、ある程度限定された人たちという形になってしまうでしょうし、人数だって、もっと自由にさせてもいいじゃないですか。

 ICTなんて、きっと、マンツーマンだってまだ手が足りないぐらいだと思うんですよ。当然、ICTをやらせるということは、コンピューターの使い方を覚えさせるだけじゃないでしょう。そうすると、レベルによって、いろいろな指導の仕方ってあるわけですよ、同じクラスの中でね。そうすると、やはりそこについてくれる人というのは何人も必要になってくると思うんですよね。だから、そうじゃなくて、極端な言い方をすれば、コンピューターの使い方だけ教えればいいというんだったら1人で済みますけれども、コンピューターを本当に使いこなせるようにするためには、1人や2人のサポーターでは足りませんよ。そう思うんですよね。その辺いかがでしょうか。

○新治教育委員会次長
 先ほど指導室長のほうから、学校の要望があればというお話をさせていただきましたけれども、委員御指摘のように、これからICT機器というものは習熟していくことが必要だと思います。ICT機器というのはあくまでも道具であって、それを通してさまざまなことを学んでいく、深めていくというのが教育の目標でございますので、それにはたくさんの人たちの手助けがあったほうが、それはいい学習内容になると思います。ただ、その人数を恒常的にどうやって確保していくのか、それを学校にどういうふうに情報提供していくのか、これはさまざまな課題があると思います。

 私どもとしましては、ただいま御提言をいただきました部分について、企業貢献とかいろいろな場面もあると思います。どのような情報提供の体制づくりができるのか、今後検討してまいりたいと思っているところでございます。

○高橋委員
 ですから、やはりそういうものはある程度学校単位の中でやらないと、なかなか難しいと思っているんですよ。その学校、その学校によって、やはりいろいろな特徴があるでしょうし、英語教育だってそうだろうし、ICTだって同じだと思うんですね。

 今、全国一律とか平均値というのは余り意味がないというような言われ方を行政の中でする場合も多くなってきましたけれども、基本的に、やはり特徴を出すことも、こういう問題というのは必要になってくると思うんですよね。ですから、逆に、それはある程度学校に自主性を持たせながら、教育委員会が最終的に、チェックをするという言い方はおかしいですけれども、全体を把握していくというような仕組みづくりをしないと、せっかくのいい先生方が、責任感の強い先生方がみんなつぶれていってしまうのでは、やはり中央区全体の教育程度が上がっていることにはならないというふうに思っていますので、ぜひその辺は御配慮いただければと思います。

 次の問題点は、教育委員会が考える家庭像、家族像、これはどのような家族像、家庭像を考えて教育に当たられているのか。いかがでしょうか。

○和田指導室長
 家庭または家族は、子供たちが基本的に一番最初に体験する社会でございますので、基本的なルールを身につける場またはコミュニケーションの力を身につける場ではないかなというふうに考えてございます。

○高橋委員
 学校から帰ったときに両親がいる家族、いない家族、それから、兄弟がいる家族、兄弟がいない家族、当然、分かれてくると思うんですよ。他の委員の方との別の款の質疑の中で、中央区の合計特殊出生率1.10という話がありましたよね。となってくると、ほとんどが、将来出てくる、今でもそうかもわかりません。ほとんどが、1人のお子さんで、保育園とか、そういうものの状況を見ると、この先、家に帰ったらだれもいない。そういうことでプレディをやったり、いろいろしているんだと思うんですけれども、家族像としたら、家に帰って学校で何かあったということに対して報告をする人もいないということなんですよね。だから、そういうことの問題点もあるし、もう一つは、PTAも含めて、保護者会も含めてですよ、学校の今の授業の時間帯の中で、親が出たくても出られない、会社を休まなきゃ出られないのが当たり前、会社を休んで来るのが当たり前だというような考え方というか、今だったら、そうならざるを得ないんですね。土曜日にやっているところもありますけれども、ふだんいろいろな会合や緊急保護者会とかに出てくると、どうしても昼間というのが多いわけですよね。結局、そういう形の家族像、家庭像というのを教育委員会が必然的に理解しているか理解していないかというのが、これからの教育問題の中で一番大きな問題になってくると思うんですね。その辺に対しての見解はいかがでしょうか。

○和田指導室長
 一つ一つの家庭すべてを詳細にと言われてしまうと、なかなか難しい部分もございますが、現在の家庭状況がどうであるか、中央区の中ではどうであるかという、そういう傾向については、私どもも考えてございます。また、それぞれいろいろな教育施策もありますが、それを各学校の中で子供たち、また家庭の状況に合った方法で展開していただくのがよろしいのではないかなというふうに考えてございます。

 以上です。

○高橋委員
 だとすれば、教育委員会の方針は変わってくるんじゃないんですか。今までのやり方と変わってきて、それは必然的に、多少というか、かなりの変化があっていいんじゃないんですか。どうも行政の家族像というのは、どう見ても、専業主婦がいて、それで子供に兄弟が必ずいる。だから、4人家族、両親と子供2人というのを前提に積み上げられている部分が物すごく多いんですよね。

 でも、今の指導室長さんのお話であれば、中央区はそうじゃないと。逆に言うと、一人っ子で両親が働いている可能性があるということも含めて、それを配慮に入れて、きっちりその実像をつかんでいるんだというのであれば、そういう形のさまざまな行動が出てくるのではないかなというふうに思うんですけれども、その辺が余り見えないというのは、どういうことでしょうか。

○新治教育委員会次長
 ただいま委員のほうから、家族という類型、姿でしょうか、お話しいただきました。確かに、中央区の世帯、人口を世帯で割ってみれば、かつては1.75ありましたけれども、それがさらに下がっているような状況の中、そして、片一方では学校教育は地域、家庭との連携と言われているのに、その家庭像はそういうふうな実情じゃないかというお話かと思います。

 確かに、例えば保育園需要とか幼稚園の子供がふえている状況を見ますと、その働いている類型、家族の就労の姿というのは変わってきているのかなと思います。それを踏まえて、例えば教育委員会、各学校では土曜日に土曜公開講座というものをやって、それにあわせて保護者会を行うとか、土曜日の参加のほうが保護者の皆様方が参加しやすいんじゃないかというような取り組みも始めたところでございます。やはりそういうふうな一つ一つの状況を見ながら、今後も家庭、地域、学校が連携できるような姿を模索してまいりたいと思っているところでございます。

○高橋委員
 やはり子供のことを考えたら、一番大きいのは、学校の授業が終わって家に帰ったときに親がいない。何かあったときに、学校でこんなことを褒められたんだと言いたい子供たちはたくさんいるし、それを親に言うことによって、子供はすごく満足感を得るんだと思うんですよね。でも、家に帰っても親はいない。だれかとけんかして、きょうは悔しい思いをしたとか、そういうのを聞いてもらう人もいない。何時間か後にはいますけれども、結局、やはり家に入ったときにそれを聞いてもらえるか聞いてもらえないか、結構大きな要素なんですよ、子供にとっては。ですから、そういうことがなかなか解決できないこれからの世の中の仕組みの中で、教育をどういうふうにしていくかというのがかなり大きな問題だというふうに思っています。だから、子供は満足感をなかなか得られないんですよね。

 ですから、逆に、学校の中でもっと褒めてあげるとか、もっと注目してあげるとか、そういうことをしてあげないと、家族がなかなかそれができなくなってきているという現状の中で、やはり教育を考えていかなければいけない、そういう時代なのかなというふうに思っているんですけれども、その辺について、何か考え方があれば教えていただきたいと思います。

○和田指導室長
 委員から御指摘がありましたように、子供にとって、確かに一番初めに伝えたい相手というのはいるはずだというふうに思います。同感でございます。ですが、なかなか状況として、そうでない子もいるということも認識いたしております。学校としては、その受け皿というんでしょうか、かわりはできないかもしれませんけれども、まずは担任であったり、学校の先生方がその気持ちを受けとめてあげるとか、それから、スクールカウンセラーが入っておりますので、そういう専門の方のところに行くとか、もちろん友達同士の関係もしっかりさせるとか、自分を取り巻く環境を子供たちがつくっていくこと、また、周りでつくってあげること、こういうことも大事なことかなというふうに思います。

 学校生活の中で、子供たちが、いわゆる自尊感情というんですか、そこに自分がいる価値というものを認めたときに、自分の家庭の事情も理解をし、満足とはいかないまでも、自分なりの心的な解決をしていく力がついていくのではないかなというふうに考えています。

 以上です。

○高橋委員
 私なんかが子供のころは、皆さんもそうだったかもわかりませんけれども、例えば家の周りに中学生のお兄ちゃん、お姉ちゃんがいて、「何かあったのか」と逆に聞いてもらったり、いろいろして、そういう関係もあったんですよ。喜んで帰ってくれば、「いいことあったの」とか言われて、それがうれしくてというのが結構あったんですよね。だから、さっきの話と同じなんですけれども、こういうところでもボランティアなり、卒業生とかが来てくれて話し相手になってくれるとか、そういう仕組みが昔は結構あったですよね。でも、今は、どうしてなのかわからないけれども、教育委員会が排除したわけじゃないんでしょうけれども、そういう関係がなくってきていますよね。逆に、そういうものを復活していくことが、復活させてもらうことが、やはり子供たちの精神的な安定につながっていくんじゃないかなというふうに思うんですけれども、その辺いかがでしょうか。

○和田指導室長
 NHKの番組で、「ようこそ先輩」という番組があります。母校を卒業された先輩が母校で授業をするという番組ですが、あれを見ますと、子供たちが非常に自分の学校に対して誇りを持つんじゃないかなという感想を持ちます。

 それと同じように、直近の先輩もございますけれども、母校を卒業されて活躍している方とか、そうでなくても非常に努力されている方ですね、そういう方をお呼びして話を聞くとか、それから、もちろん直近の先輩が来て、中学校の話を6年生にするとか、中学校であれば高等学校の先輩が来て話をするとか、そういう機会をつくっていくことは大事かなというふうに思っております。基本計画の中にもそういうような項目を盛り込んで考えてございます。

 以上です。

○高橋委員
 そういう公式な話も必要なんだけれども、そうじゃなくて非公式の何かというのが非常に重要なんですよ。みんなの前で「はい」と手を上げて、「私、こんな悩みがあるんです」なんて言う生徒はいないですよ。だから、そうじゃなくて、やはりもっともっと身近な部分で、何で昔、いたんでしょうね、卒業生とか、そういう人たちが結構学校に来てとかね。結構ありましたよね。だけれども、今は余り見えないですよね。だから、そういう部分を少し復活してもらえればいいのかなというふうに思っています。その辺、よろしくお願いいたします。

 スポーツをやり過ぎた人間が言う言葉ではないんですけれども、本当は復活してほしいと思うから言うんですよね。部活の参加者の推移というか、この傾向をお教えいただきたいと思います。部活動の参加者の推移。

○和田指導室長
 部活動につきましては、子供たちの任意の活動ということもございますので、なかなか全員参加というふうな形にはなりません。ここ数年の推移は、なかなかわからない部分がございますが、およそ90%近くの子供たちが何らかの形で部活に入っているというのが現状でございます。

 以上です。

○高橋委員
 それは、授業としての部活でしょう。授業としての部活ですよね。授業としての部活と、それから、その後の部活、その後の部活という言い方はおかしいですけれども、たしか、あれは分かれていますよね。そうですよね。制度としては、分かれているんじゃないんですか。その辺のことは私もわからないんですけれども、その辺を教えてもらえますか。

○和田指導室長
 中学校の事例でよろしゅうございますでしょうか。中学校は、1つ前の学習指導要領のときには部活代替というのがございまして、教育課程の中にクラブ活動というのがありまして、それをやると部活になりましたよというふうなことになったんですが、現在は部活は部活動として教育課程外の活動だけになってございます。ですから、参加については任意の形になってございます。

 以上です。

○高橋委員
 任意で90%の参加者がいるということは、非常にいいことだと思うんです。先ほどほかの委員の方等の質疑の中で、学年が上がるごとに自分が嫌いになるという話がありましたけれども、私もスポーツをやっていて、好きで始めたスポーツだけれどもという言葉がよく聞かれるんですよ。やはり私もそう思いました。ある時期から、毎日やめてやろうと思って練習をしていた時期がありましたけれども、基本的に部活動のやり方は非常に難しい部分があると思っているんです。指導者によって大分違ってくるだろうというふうに思うんですけれども、端的に言うと、練習自体が子供たちのレベルを超えていないかどうかという問題ですよ。子供たちのレベルを超えていないか。技術的なレベルだけではなくて、要するに時間的なレベルも含めて。この辺については、どのような見解をお持ちでしょうか。

○和田指導室長
 部活の活動の実績というんでしょうか、ある程度、都大会とか中体連の大会とかで実績を残しているというようなことであると、どうしても時間的に長くなってしまったりするような傾向があるかなというふうに思います。ですが、それは子供たちのいろいろな事情もございますので、状況を判断しながら指導しなければいけないのではないかというふうに考えてございます。

○高橋委員
 でも、日本のスポーツは、そういう意味でいうと、チームプレー重視だからかもしれませんけれども、どうしても夏休みは毎日練習だとか、合宿を当たり前のようにやるとか、そういう形になっていくんですよね。要は、上を目指す子供たちは、当然、自分のペースでどんどんやってくれる指導もあっていいと思うんですよ。だけれども、楽しいスポーツをやりたい、楽しいスポーツを続けたいと思っている子供たちのほうが圧倒的に多いはずなんですよ。そう思うんです。

 私は、両方を生かしてもらいたいんですよ、仕組みとして。両方生かせるようなものをしない限り、日本のスポーツはごくごく一部の限られた人のためのスポーツになってしまうので、それを教育というからには、やはり子供たちのレベルに合わせたというのが必要だと思うんです。ですから、そういう意味で子供たちのレベルを超えていないかという話をしたわけで、その辺についての認識はいかがでしょうか。

○和田指導室長
 御指摘のとおりでございまして、どの子も自分なりのレベルで楽しめるスポーツ、部活動が望ましいかなというふうに思います。それには、やはり指導者の資質もあるかと思いますし、その部の経営方針ですね、そういうものを生徒がどれだけわかっているかなというようなこと、それから一人一人の事情を生徒同士がお互いにどれだけ理解しているかということ、そういうふうなことも大事かなというふうに思います。生涯スポーツにつなげるための運動部活動であるならば、委員御指摘のような運営をしていくべきでありますし、指導者はそういう意識を持って指導すべきであるというふうに考えます。

 以上です。

○高橋委員
 私も少しはスポーツをやってきたんですけれども、基本的に、習うよりも、自分が教えたほうがレベルが上がるんですよね。でも、今、そういう機会が小学生も中学生も失われてきていることも事実なんですよ。自分が教えるというのではなくて、逆にどこかの指導者から教えられる一方という形のスポーツになってきているんじゃないかなと。それは、整備されて、みんなが協力体制をとってくれたというのはいいことなんですけれども、逆に、教育としてのスポーツを考えたときには、私は習うよりも教えるという、上下関係という言い方はおかしいですけれども、ちょっと技術のすぐれている人が、ちょっと劣っている人に何かをサジェスチョンするとか、そういう仕組みというのが本当の意味での教育じゃないかなというふうに思っているんですね。だから、教師から一方的にということではなくてね。そういう仕組みをぜひ大事にして、部活動にもっともっとみんなが積極的に参加するような仕組みにしてもらったほうがいいと私は思うんですけれども、その辺いかがでしょうか。

○和田指導室長
 生徒同士の教え合い、先輩から後輩へという教え合いですね、そういうものは本当に必要かなというふうに思います。それが本当にできている部活動については、どの子も自分のレベルで楽しめるのではないかなというふうに思いますので、これから運動部活動のあり方というふうなことについては、中学校の担当の先生方とじっくり話し合いをしたいなというふうに思いますし、また中央区の今の部活動の現状ですと、それぞれ楽しんでやっているかなというふうに思うんでございますが、もう一度精査いたしまして、検討したいというふうに考えます。

 以上です。

○高橋委員
 よろしくお願いをいたします。

 次に、学習方法。学習方法で一番問題なのは、新入生が入ってきたときに、学び方というか、そういうものを徹底的に教えているかですね。こういう学び方をしたほうがいいよと。例えば、家庭学習にしてもそうなんですけれども、家庭学習も、こういうやり方をしたほうがいいよと。型にはめるというのはよくないですけれども、ただ、そこから先の話は、生徒や児童の自分の考え方がどんどん入っていくんですけれども、基礎的なもので、学校ではこういう学び方、家庭ではこういう学び方というものについての指導を中央区はされているんでしょうか。

○和田指導室長
 学び方を学ぶというのは、今の学習指導要領、それから改訂学習指導要領を含めて、通っている精神でございますので、それを基本としながらも、例えば小学校低学年、入学したてのころ、なかなかまだそこまでいかないというレベルではございますが、学校での学びというのはどういうものか、教科によっても違いますし、パターンとまではいかなくても、どうすれば勉強が楽しくなるかという観点での指導は、各学校でしてございます。また、家庭に帰って何をすべきかというようなこと、宿題というような言い方もしますけれども、そういう課題も学校ではそれぞれ出しているところでございます。

 以上です。

○高橋委員
 先ほどもちょっと議論しましたけれども、やはり一人っ子が多い。一人っ子が多いということになると、コミュニケーション技術というか、それがなかなか難しい子供たちもたくさんいるわけでしょう。こんなことを言ったら怒られちゃうかもしれませんが、もしかしたら教えている教師で兄弟がいない人たちもたくさんいるかもしれないし。もうそろそろね。

 だけれども、その中でコミュニケーション技術というのをきっちり教え込んでいくというのは、非常に難しいから、これをちゃんとみんなで考えながら進めるような仕組みづくりをしなければいけないと思っているんですけれども、そういうことについては、これはちゃんとそういう研修もし、きっちり体系立てられているんでしょうか。よろしくお願いします。

○和田指導室長
 コミュニケーション能力の育成というのは、いつの時代にも求められていることでございまして、特にまた新学習指導要領の中でも強調されているところでございます。各学校におきまして、それぞれの学習活動の中で、話し合いの場でありますとか、それから一緒に共同作業をする場でありますとか、そういう場を意図的に取り入れて、子供たちのコミュニケーション能力を高めるような努力をしてございます。それは、指導計画の中に位置づけられているものでございます。

 指導者側として、そういうコミュニケーション能力を高めるための研修というのが体系立てられているかというと、これは大変恥ずかしい部分もございますので、そういう観点での研修はございますけれども、子供たちの状況を見ながら、必要であれば、そういう研修をもう少し取り入れてもいいかなというふうに考えてございます。

 以上です。

○高橋委員
 それで、例えば通学合宿、中央区だったら、場所を考えたら、敬老館をお借りして泊まって学校に通うとか、地方では公民館に泊まって学校に通うということをやっている。1週間ぐらいの単位でね。親ではない人たちとの触れ合い、それは柏学園とか林間学校、今はいいところに泊まっているから、林間学校と言わないのかもしれませんけれども、そういうもののほかに、それで学校に通う、そういうことは考えられないでしょうか。

○和田指導室長
 通学合宿につきましては、恐らく10年ぐらい前から出たんじゃないかと思うんですが、実は私も学校にいるときに実施した経験がございます。1週間とはいわないまでも、2泊3日でしたか、4年生以上でしたけれども、町会の会館に泊まって、食事も自分たちでつくり、銭湯に行き、そこから学校に通うと。ふだん学校行事としてやる宿泊体験とは全く別の体験でございます。これは本当に家族のように子供たちが触れ合って、大変いい効果があらわれたなという経験がございますので、中央区においてどんな形でというのは全く今は考えてはございませんが、効果のある取り組みであるというふうには考えてございます。

 以上です。

○高橋委員
 ぜひこういうものは前向きに取り組んでいただきたいと思うんですよね。やはり本当に、さっきも言いましたけれども、なかなか親とも接することが少なくなってきているということになれば、昔のように、がき大将組織があるわけじゃないし、子供たちが触れ合う機会というのも本当に少なくなっているんですね。公式の場では触れ合っているんだけれども、非公式の場で触れ合うということが少ないわけで、そこでどういう行動をとっていいのかわからない子供たちが多いんですね、今。ですから、やはりそういうことも含めて教育の中に入れていかないといけない。それが教育委員会だけでは無理だとすれば、先ほどから言っているように地域のボランティアの人たちとか、そういう人たちにも一緒に入ってもらって、そこで活発にいろいろな話をするとか、中には決まりをつくって、テレビなんかそこでは絶対見せないとか、ゲームなんかさせないとか、そこまで決めながら、いろいろな人たちと話をするんだと。普通の生活をするんだというようなこともありますけれども、やはり中央区は中央区なりのいろいろな決まりをつくりながら、こういうことも前向きに考えていただければありがたいなというふうに思っていますので、ぜひよろしくお願いをいたします。

 それから、1学年上の学年の結果、例えば6年生だったら6年生が1年間の間に指導の中でどれぐらいの成果を残し、どういう問題点があったかというものの分析をして、それを新6年生につなぐような体系づくりというのは、中央区ではなされているんでしょうか。やはりそれも、さっきも言いましたけれども、各学校ごとにいろいろ違ってくるわけでしょう。うまくいった学校もあれば、そうじゃなかった学校もある。でも、そういう結果というのは教育委員会にみんなきっちり上がってくるんでしょうから、それを各学校ごとに分析をして、新6年生、新5年生、下から上がってくる人たちにその結果を常に生かしながら、教育の体系をつくっているんでしょうか。よろしくお願いします。

○和田指導室長
 児童・生徒の状況も、いろいろな要素がございますので、さまざまな方法があるかと思いますが、例えば先ほど答弁申し上げました学習力サポートテストは、その学年の子たちが翌年度どういうふうになっているかというようなことを蓄積していきますので、当該学年ではないんですが、前の学年の子たちはこういうところでつまずいていたと。では、自分の学年はどうしようかというような形の引き継ぎというんですか、そういうものはできるようになってございます。

 それから、生活指導面等につきましては、子供たちの集団の質も大分変わってまいりますので、どういう行事が有効であったかとか、また学年としての取り組みがどういうものがよかったとか、そういうようなところについては、当然、学校としては共通理解を図ってございます。

 以上です。

○高橋委員
 だから、各学校ごとにそれを本当に生かしているかどうかなんですね。そういう反省点があるんですけれども、先生がかわっちゃうと全然違う方法になっちゃったりとかいうことは、当然あるでしょう。だけれども、例えば新任の教師の方とか転勤をされてきた方というのは、なかなかその辺の事情が、ちゃんとそういうものの申し送りとか、そういう仕組みがないと、わからない場合が多いんですよね。それで悩んでいる先生方もたくさんいるように聞いています。

 全部の学校を回っていませんから、その辺はわかりませんけれども、やはりそういうものが学校ごとにある程度体系づけられていれば、そこで困らない。そこで新任の教師の人たちもつまずかない。逆に、そういうものができると思うんですけれども、教育委員会としては、体系的にそれは調査結果として収集をしているかもわかりませんが、各学校がそういうものをちゃんと蓄積して、それを生かして教育に当たっているかどうかということなんですね。そこをお聞きしたいと思います。

○和田指導室長
 今、学校では学校評価、自分で学校がやる自己評価と学校の関係者の方々がやる学校関係者評価というのをやってございます。それによって、ある程度客観的にその学年1年の取り組みを振り返るようになっております。それは、当然、学校で共有するものでございますので、学校としての体系になろうかなと思います。また、児童・生徒についても、学習がどうであったか、学校生活全般はどうだったかというアンケートをとってまとめてございますので、そういうことも次の学年に対しての引き継ぎ事項になろうかなというふうに思います。今、一番はっきり申し上げられるのは、学校評価の内容ではないかなというふうに思います。

 以上です。

○高橋委員
 ですから、その辺を、例えば授業のやり方とか、そういうことまで踏み込んで申し送りができるような仕組みづくりができれば、もっといい方向に行くのではないかなというふうに思っていますので、ぜひその辺はよろしくお願いいたします。

 もう一つは、辞書の使い方。辞典、辞書。これは私も余り小学校のときには使った覚えがないし、中学に行っても、そんなには使わなかったんですけれども、辞書を早くから使っている学校のほうが、いろいろな意味で生徒たちの覚えがよくなったりとか、生徒・児童の覚えがよくなったとか、そういうものがあるというふうに聞いていますし、逆に、我々は、はっきり言うと携帯を持つようになってから本当に漢字が書けなくなったんですよね。携帯を持つと、漢字は書けなくなる、人の電話番号は覚えなくなる、便利になり過ぎて。そういうふうになっていて、子供たちも家の中で例えばDSをやったりとかいうことで、漢字は見てはいるんですね。見てはいるんですよ。ところが、これが当たり前になっちゃうと、電子辞書を使うのが当たり前になっちゃうと、本当に覚えなくなっちゃうんじゃないかなというふうに思っているんですね。でも、これからICT教育の中で、きっとそういう方向に向いてきちゃうでしょう。そういう方向に向いてきちゃうんじゃないかなと思っているんですけれども、自分で辞書を引く習慣が今の児童・生徒はどんどん少なくなっているんじゃないかなというふうに思うんですけれども、その辺いかがでしょうか。

○和田指導室長
 委員御指摘の実態は、確かにあろうかなというふうに感じているところでございます。辞書の使い方につきましては、学習指導要領の内容からいえば4年生からということになっているんでございますが、漢字辞典も同じでございます。実践によっては、傍らにいつも辞書を置いて、自分がわからない言葉があればすぐ引く。読めない漢字があれば、すぐ引くという実践をやっている。それで、どんどん附せんを入れて、附属小学校は盛んにやっていますけれども、附せんをどんどん入れていって自分の語彙数がふえたのを実感できる、そういう実践もございますので、これから偏りのない、ICT機器を使って、視覚的な言葉からではなくて自分で実際に苦労して答えを見つける、そういう学習体験も必要かなというふうに考えてございます。

 以上です。

○高橋委員
 それをもっと前倒しできないですかね。例えば、本当に成績が上がっている学校は、1年生のときから辞書を使う習慣をつけるというのが重要だというふうなことを言っている方々もいらっしゃいます。重いですからね。辞書をランドセルに入れて持ってこさせるというのはかわいそうだと思いますし、それはなかなか不可能だと思うんですけれども、でも、できるだけ早い時期からそういうものを使いなれるというのは、やはり使いなれるというのは一つの技術ですからね。そういうことがプラスに働くということであれば、それは僕は前倒しをしてでもやったほうがいいというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○和田指導室長
 学習指導要領上は4年生からということになってございますが、余り1年生入学早々から始めると、またいろいろあろうかと思いますので、発達段階に応じて使うことは、大いに推奨すべきじゃないかなと思います。指導の仕方には十分注意しながらということはございますが。

 以上です。

○高橋委員
 ですから、子供たちが家で辞書を引くことなんて、ほとんどないと思いますよ。家だったら、必ず電子辞書で何か打ち込めば、ぽんと出てくる。何も考えないで出てきちゃうんですよね。だから、周りを見て、こんな違ったものもあるんだなというのが気づかない。便利になり過ぎちゃったから。出てくるのが当たり前だという感覚になっちゃうと、きっと、もう遅いですからね。

 さっきも部活のところでも言ったんですけれども、要するに子供たちが、逆に言うと、強化することによって、いじめられていると感じちゃうと、もうやるのが嫌になっちゃうんですよね。それは家庭学習の中でも同じだと思うんですけれども、宿題とかそういうのを、やり方がわからない子供たちに毎日宿題を出すと、これは単なるいじめだというふうに子供たちは受けとめちゃうんですよね。ですから、一番最初に言ったように、やり方を徹底的に教えないと、宿題を出されること自体が重荷になっちゃって、そうすると学習意欲はどんどん下がっていきますから、そういうことも含めて、どういう形で学習を、家庭学習も含めて進めていったらいいんだというのをもう少し、そこを徹底するというか、その必要性というのがあると思います。

 最初の質問に戻ったようですけれども、最後に、教育委員会のこれからの方針というか、意思表示、前向きな答えをいただければ、これで質問を終わりますので、よろしくお願いいたします。

○新治教育委員会次長
 委員のほうからは、さまざまな御指摘をいただきました。子供たちは便利な機器になれ過ぎてしまうと、その中に自分が埋没していってしまうと見失うもの、失うものも多いんじゃないか、そういうポイントがございました。私どもとしましては、これからの時代の必要な機器についての勉強も必要でしょうけれども、それはあくまでも、先ほどの答弁でも触れましたが、道具と、それから私たちが学んでいかなきゃいけない、見つけていかなきゃいけないものの使い分けをしっかりしながら、さまざまな学習、それから実体験、そういうものも重視しながら、子供たちが未来に向かって十分活躍できるような生きる力を身につけていく、そういう教育体制を教育の中央区といたしまして、つくってまいりたいと考えているところでございます。

○高橋委員
 終わります。

○原田委員
 ただいま「教育費」の質疑半ばでありますが、本日はこの程度とし、明8日午前10時30分に委員会を開会されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○今野委員長
 ただいまの動議に御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 明8日午前10時30分に委員会を開会いたしますので、御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

 ありがとうございました。

(午後4時37分 散会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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