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平成22年第三回定例会会議録(第2日 9月21日)

1.会期

二十九日(第二日)
九月二十一日(火曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議
午後六時十七分散会

3.出席議員

(二十九名)
一番 志村 孝美議員
二番 二瓶 文隆議員
三番 木村 克一議員
四番 礒野 忠議員
五番 増渕 一孝議員
六番 田中 広一議員
七番 中島 賢治議員
八番 田中 耕太郎議員
九番 田辺 七郎議員
十番 鷲頭 隆史議員
十一番 石田 英朗議員
十二番 石島 秀起議員
十三番 今野 弘美議員
十四番 鈴木 久雄議員
十五番 植原 恭子議員
十六番 鈴木 幸子議員
十七番 小坂 和輝議員
十九番 小栗 智恵子議員
二十番 鞠子 勝彦議員
二十一番 中嶋 ひろあき議員
二十二番 神林 烈議員
二十三番 押田 まり子議員
二十四番 原田 賢一議員
二十五番 矢吹 和重議員
二十六番 田畑 五十二議員
二十七番 青木 幸子議員
二十八番 高橋 伸治議員
二十九番 渡部 博年議員
三十番 守本 利雄議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君
副区長 髙橋 邦夫君
副区長 吉田 不曇君
教育長 髙橋 春雄君
企画部長 斎藤 裕文君
総務部長 斉藤進君
防災危機管理室長 平沢 康裕君
区民部長 齋藤弘君
福祉保健部長 島田 勝敏君
高齢者施策推進室長 小倉草君
保健所長 東海林 文夫君
環境部長 田中武君
土木部長 宮本 恭介君
都市整備部長 岸田 里佳子君
会計管理者 西川 昭男君
教育委員会事務局次長 新治満君
企画財政課長 平林 治樹君
広報課長 信坂 留吉君
総務課長 中島 佳久君

5.議会局出席職員

議会局長 奥田 春光君
庶務係長 渡辺 忠之君
議事係長 横山 信一君
調査係長 金田 敏明君
書記 村上 和夫君


6.議事日程

日程第一
一般質問


午後二時 開議

○議長(中嶋ひろあき議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(中嶋ひろあき議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 二十七番青木幸子議員。

二十七番 青木幸子議員登壇

○二十七番(青木幸子議員)
 友愛中央の青木幸子です。平成二十二年第三回区議会定例会に当たり、会派のメンバーの一人として、さきに提出をいたしました質問通告の順序に従いまして、区長並びに関係理事者の方々に御質問させていただきます。中央区民の立場に立って、明快なる御答弁を期待いたします。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問することを留保いたしておきます。

 初めに、地球温暖化対策についてお伺いします。

 まず、何といっても、この夏の記録的な猛暑から始めたいと思います。とにかく暑かったというのが正直な感想です。東京での猛暑日の連続十三日間という記録は、観測史上タイ記録だったそうですし、大阪では三十日間という新記録でした。仕事中に熱中症で亡くなった方が平年の四倍の三十四人だったとか、ひとり住まいの高齢者だけでなく、三十代の若い男性も含めて、自宅で熱中症のため命をなくした方は五百人を超えたと報じられています。九月八日に関東地方を足早に襲った台風九号の大雨のおかげで、どうやら猛暑も峠を越し、最近では名実ともに秋が到来したようですが、猛暑は地球温暖化の影響が大きいことも考えると、毎年ひどくなってくるのではないかと懸念されます。

 そこで、やはり重要なのが温暖化対策です。まず、身近なところから積極的かつ優先的に取り組む必要があります。最も合理的な対策は、何といっても太陽光発電ではないでしょうか。最近、日本のあるメーカーが熱効率で五○%に近づく世界最高水準の太陽光パネルの試作に成功したというニュースがありました。今回の東京では八月十日から九月七日までほぼ一カ月間かんかん照りだったわけなのですから、太陽光発電で冷房を動かせば、まさに一石二鳥だったのです。これからは、自分たちで利用する電気は、可能な限り太陽光発電で賄うことが必要なのです。集合住宅では、陸屋根や駐車場や庭などに太陽光パネルを重点的に設置して各戸に配電する。オフィスビルもしかりです。

 本区では、住宅及び事業所への機器設置に対し助成を行っています。上限ではありますが、以下のとおりです。ア、太陽光発電システム、三十五万円(戸建て住宅)、百万円(集合住宅、事業所)。イ、ソーラーシステム及び太陽熱温水器三万円から十五万円(戸建て住宅)。ウ、高効率給湯器(エコジョーズ、エコウィル、エコキュート)五万円から十五万円(戸建て住宅)。エ、省エネルギー機器五十万円(中央区版二酸化炭素排出抑制システム認証取得事業所が対象)。

 そこで、お伺いします。

 住宅及び事業所への機器設置に対しての助成状況並びに中央区版二酸化炭素排出抑制システム認証書取得状況を教えてください。

 もっと国と地方自治体が協力して太陽光発電に助成すれば、雇用や内需も刺激し、温暖化対策のみならず経済効果も極めて大きいと考えます。現在の助成額の増額、さらに一歩進んで新規住宅、工場及びビル建設には太陽光発電を義務化するような条例をつくることも視野に入れるべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか、あわせてお答えください。

 温暖化防止とも密接に関連している学校の校庭の芝生化に言及させていただきます。

 管内視察で常盤小学校の屋上緑化、ビオトープなるものを見せていただきましたが、とても小さなものでした。他の小学校についても同じような規模で、とても校庭の芝生化に比べようがありません。東京都では、平成十八年十二月に策定した「10年後の東京」で掲げた水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の実現に向け、努力しているところです。平成十九年六月策定の「緑の東京10年プロジェクト」によりますと、平成十九年度から二十一年度に公立小・中学校百五十五校、十九ヘクタールが芝生化され、今後三年後の到達目標は、公立小・中学校三百三十校、五十ヘクタールの校庭芝生化となっています。このことは、以前から私が主張してきたのですが、本腰を入れて実現に向けた努力が必要なのではないでしょうか。

 ヒートアイランド現象の克服のために、太陽熱を吸収するようなアスファルト舗装など、いろいろと実験をされているようですが、校庭は都心にあって非常に広い空間であり、芝生によって太陽光線を吸収し、光合成でCO2まで吸収、酸素を放出するわけですから、こんなにすばらしいことはありません。マンションに住む子供たちが大多数なので、もちろん庭のない家庭が多いわけですから、広い芝生で思い切り遊べることは何よりだと思います。ぜひ実現に向けて努力を惜しまないでいただきたいと思います。維持が大変なことは承知していますが、父兄の方も賛同していただいて、お手伝いしてもらえるのではないでしょうか。

 公立小学校の芝生化に積極的に取り組んでいる大阪府では、この七月末までに実施した小学校は百二校に上り、今年度の目標としていた百校を年度の半ば前に達成したとのことです。橋下知事は、任期中に百五十校を目標としているそうですが、このペースでは実現するのではないでしょうか。大阪府のみどり推進課の話では、一校当たりの平均整備面積は約千百三十平方メートル、事業費が五百四万円とのこと。住民の協力で芝の植えつけを行うため、一平方メートル当たり四千四百四十七円だそうです。これは、業者の請負で行う東京都の二万円と比べ、四分の一にも満たない安さ、低コストです。もちろん、芝生の維持管理は重要ですが、この管理も地域住民の積極的な参加があればこそです。そこから地域としてのまとまり、円滑なコミュニケーションなどが大いに期待できます。

 本区の面積に占める緑の割合を示す緑被率は九・一%と、まことに少ない状況です。中央区緑の基本計画の中で、平成三十年までに緑被率一二%を目指すとありますが、校庭の芝生化、すなわち緑化は、この緑被率の上昇に大いに寄与するはずです。

 そこで、お伺いします。

 大阪府を見習って積極的に推進すべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

 地球温暖化に戻りますが、本区で平成二十年三月に策定した中央区環境行動計画の中で、二○二○年(平成三十二年)までに二○○○年(平成十二年)比二五%の二酸化炭素排出削減を目標にし、当面の目標として二○一二年(平成二十四年)までに一九九○年比五%の二酸化炭素排出削減をうたっています。しかし、実際にはどの程度実現するのでしょうか。甚だ疑問です。

 といいますのも、独立行政法人環境再生保全機構のホームページを見ますと、二○○七年度(平成十九年度)における我が国の二酸化炭素排出量は、一九九○年、これは京都議定書の基準年に当たるわけですが、この一九九○年に比べて、運輸部門がプラス一五%、業務その他部門がプラス四四%、家庭部門がプラス四一%と、大幅な増加となっています。唯一、非製造業、つまり農林水産業、工業、建設業からの排出量が大きく減少したため、産業部門だけマイナス二%と下がっていますが、いずれにしても、この程度の削減では焼け石に水です。

 温室効果ガスの排出量でいえば、二○○七年度の我が国の総排出量は、一九九○年比で九%の増加となっていて、京都議定書で決められた一九九○年比六%削減とは、実に一五%もの差があるのです。京都議定書の六%削減目標を達成し、二○二○年(平成三十二年)までに温室効果ガスの排出量を一九九○年比で二五%削減するという中期目標は、まず不可能としか言いようがありません。本区での中央区役所温室効果ガス排出抑制計画によれば、二○○六年度(平成十八年度)から二○一二年度(平成二十四年度)の計画期間で、二○○四年度(平成十六年度)を基準年度として、温室効果ガス排出量を三%以上削減するという目標を上げていますが、実際には二○○八年度、平成二十年度で基準年度より一・三%削減したにすぎません。

 そこで、お伺いします。

 三%以上削減に向けた新たな戦略があれば、お答えください。

 次に、禁煙対策についてお伺いをいたします。

 本年四月一日に施行された神奈川県の受動喫煙防止条例は、成立までかなりの紆余曲折があったようですが、画期的な条例であったと思います。これは、公共的空間を不特定または多数の人が出入りすることができる空間と定義し、これを有する施設を公共的施設として、そこでの受動喫煙を防止するルールを定めた条例です。公共的空間を有する施設を第一種と第二種に区分しています。第一種施設は、例えば学校、病院、劇場、映画館、集会場、運動施設、公衆浴場、物品販売店、金融機関、公共交通機関、図書館、それからもちろん社会福祉施設、官公庁施設などです。ここでは禁煙がとるべき必要な措置となります。一方、第二種施設としては、飲食店、宿泊施設、ゲームセンター、カラオケボックスなどの娯楽施設、その他のサービス業を営む店舗で、こちらは禁煙か分煙を選択することになります。喫煙所は、すべての施設に設置することが可能です。小規模な飲食店(百平方メートル以下)や宿泊施設、風営法対象施設は規制が努力義務となっていますが、いずれにしても、公共的な場所での禁煙を推進することは間違いありません。

 翻って本区の状況を見ますと、中央区保健所の作成した「受動喫煙防止推進のために」を読んでみますと、例えば受動喫煙防止の方法として、全面禁煙、時間分煙、完全分煙、空間分煙の四つがあると述べて、わかりやすく図示していますが、このうちの空間分煙が問題です。「一般的な方法で、多くの施設で実施されています」とあるように、確かに多くの飲食店で遭遇します。しかし、この絵にもありますように、間仕切りの上の空気は自由に行き来できて、禁煙席に座っていてもたばこの匂いはすぐに鼻につきます。中には何の間仕切りもしていないところもあって、これは一体どこが分煙なのかと首をかしげたくなる店もあります。そういう点からも、神奈川県の条例のように、公共的施設はすべて禁煙という規制をかけるべきです。

 そこで、お伺いします。

 本区でも神奈川県のような条例を制定するお考えはありませんか、御意見をお伺いします。

 喫煙で最も不愉快なのが、路上喫煙です。私も、これまで何度も取り上げてきましたが、日本を代表するメーンストリートの銀座に点々と設置された吸い殻入れは、何とかならないでしょうか。銀座商店連合会が設置していることは承知していますし、少し数を減らしたということも知っていますが、一日も早く撤去して、まさに路上喫煙全面禁止にしてほしいのです。

 そこで、お伺いします。

 いかがお考えでしょうか、お答えください。

 あの吸い殻入れの周りにたむろしている姿は、とても見苦しい限りです。最近は、外国の旅行者が、たばこの吸い殻だけでなく、たんまで吐くそうですが、なおさら不潔で、近寄りたくもない感じです。吸い殻入れを掃除する光景は何度か見かけましたが、大きなガラガラと引いている容器も実にぼろぼろで、世界に顔を向けた銀座の名が泣いてしまいます。

 平成二十年の厚労省国民健康栄養調査によりますと、喫煙率は二一・八%と年々減少してきています。このうち、男性は三六・八%、一方、女性は九・一%ですが、女性の二十歳代で一四・三%、三十歳代で一八・○%と、若年層で高い値を示しています。後で述べます子宮頸がんもこの二十から三十歳代で増加していて、増悪因子とされる喫煙の関与が注目されているところです。

 この十月一日からはたばこの値段が大幅に上がるということで、これを機会に禁煙しようという方がふえているそうで、禁煙外来を設けている病院では、かなり込んでいると報じられています。

 そこで、お伺いします。

 禁煙に努力されている、こうした禁煙外来のお医者さんや医療機関に対する助成をすることが肝要だと思いますが、いかがお考えですか、お答えください。

 次に、子宮頸がんワクチンについてお伺いします。

 今回、助成の対象となった子宮頸がんワクチンは、確かに画期的なワクチンであります。二○○八年のノーベル医学・生理学賞の受賞理由ともなった発がんウイルス、ヒトパピローマウイルスのタイプ十六と十八に対する抗体を体内につくることで、このウイルス感染を未然に防ぐ。これによって、日本人女性の子宮頸がんの六割から七割を防ぐことが可能になるとされており、将来にわたる人的、また経済的損失がなくなるメリットは、何にもかえることができないものです。現在、毎年一万五千人の方が新たに子宮頸がんにかかり、約三千五百人ものかけがえのない命が失われているのです。新聞などで報道されているように、おおむね三回の接種で五万から六万円の自己負担がかかるとはいえ、決して高いものではありません。

 本区では、区内在住の中学校一年生から三年生の女子に対して全額助成をします。大変すばらしいことです。しかし、問題があります。助成期間が最終年の中学三年の女子生徒のことです。その年に御両親の無理解や接種手続の煩雑さから接種を受けないことになれば、その女子生徒に大変大きなリスクが生じてしまいます。そのようなことにならないため、中学校での集団接種を行っているところもあります。

 そこで、お伺いします。

 本区においては、このようなことを回避するための措置はどのようにされるお考えですか、お答えください。

 また、子宮頸がんワクチンは、もちろん他の予防ワクチンと同様に保険がきくものではありません。したがって、医療機関は自由に価格、値段を設定できることになり、額にかなり差ができることが予想されます。本区は、かかった費用の全額を助成することにしていますが、医療機関に価格の差があると、公的助成として問題は起きないか心配です。多くは、先ほど申しましたように五、六万円だと思いますが、ある大きな病院では十万円以上かかるというところもあると聞いています。

 そこで、お伺いします。

 区内協力医療機関とはどのように話し合ったのでしょうか、お答えください。

 実は、公的にワクチンを補助すべき疾病は、まだいろいろとあり、これからもふえてくることが予想されます。例えば、高齢者の肺炎の起炎菌として重要な肺炎球菌ワクチンもそうです。本区では、一回に限り半額を目安とした四千円を六十五歳以上の高齢者に補助しています。これは、一回接種すると五年ぐらいは有効と言われています。したがって、五年以上たったら、高齢者の方はまた接種する必要が出てきますので、五年たったら、また補助できるといいのではないかと考えます。

 昨年、非常に心配された新型インフルエンザワクチンも一応の終息が宣言されましたが、半数近くの死亡が予想される致死性の新型鳥インフルエンザウイルスも発見され、今後も目が離せません。

 他の疾病ではなく、この子宮頸がんワクチンに関しても、この冬には新しい四価ワクチンの発売があるとか聞いています。この場合はどのように対応されるおつもりでしょうか。四価ワクチンとは、子宮頸がんを起こすヒトパピローマウイルスのタイプは十六と十八で変わらないそうですが、それに加えて尖形コンジローマという、いぼのようなものを引き起こすタイプが別に二つ加わっているワクチンだそうです。これはがんではないのですが、案外厄介ないぼのようですから、こちらのワクチンを選択する方も多いのではないかと予想されます。

 ワクチンと同じか、ある意味ではそれ以上に重要なのが子宮がん検診です。欧米では、このワクチンもかなり前から実施されていましたが、子宮がん検診率が日本と比べものにならないくらい高く、子宮頸がんによる死亡率の低下に大きく寄与しています。本区では、最も新しい検診率を見ても、子宮がんでわずかに一六・一%となっていて、これを少なくとも五○%以上に上げる努力がなされなければなりません。

 そこで、お伺いします。

 啓発や広報を一層充実する必要があります。どのような検討がなされていますでしょうか、お伺いします。

 次に、病児保育と産科クリニックについてお伺いします。

 子供がいて働いているお母さんにとって、保育所はなくてはならないものです。待機児童はまだ解消していませんが、仮に保育所に入れていても、その子供が病気になったら大変です。通常、元気な状態の子供しか預かってくれないからです。そこで、それを何とか解消する手だてが病児保育となるわけですが、子供はいつ病気になるかわかりません。本区のように、利用に当たっては登録申請書類の提出はまだしも、前もって予約をしないと受け入れてくれない。当日、熱が出て電話をしても、キャンセルがないと受け入れないというのは、利用者にとって不便です。

 そこで、お伺いします。

 現状はどのようになっているのか、お尋ねします。

 今回の新規事業について、他の医療機関でも病児・病後児保育を標榜しているところもあります。施設や設備、人員に問題なければ、ひとしく助成対象とするようにすべきではないでしょうか。後で触れる産科クリニックの場合、現状として本区にお産ができる医療施設がほかにないという事情から、同じように論じることはできませんが、公的な助成のあるべき姿に戻す必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか。

 さて、その産科クリニックの件ですが、分娩費用はなるべく安く、しかも質の高い、できるだけ自然なお産をという設立趣旨は、門外漢の私にも理解できます。正常なお産ならば、助産師さんたちに見守られていてお産することはすばらしいことでしょう。しかし、お産の怖いところは、予期しないというか、予期できない変化、異常が起こったときです。そのときには隣接する本院に急行するとのことですが、満床ならば他の医療機関に依頼するとなっています。いろいろな制限を設けて、全く正常に経過すると予想される妊婦さんしか受け入れないとなっている建前があるために、予期しない異常に気づくのがおくれたりしないものでしょうか。もし万が一事故が発生した場合、建設に多額の補助金を出している本区にも責任の一端を指摘されやしないか危惧されます。

 そこで、お伺いします。

 この点は事前にどのように検討されたのでしょうか。予想される具体的な事例に即してお答えください。

 したがって、この場合も、例えば本区に在住の妊婦さんが当該施設でお産されたら、一件当たり幾らかの定額の補助金を施設あてに出すという方式でよかったのではないでしょうか。このような形にしておくと、仮に将来お産を扱う医療機関が本区にできても、公平を欠くことにはならないと思いますが、いかがでしょうか。そもそも絶対に正常な経過をたどるお産と事前に決めつけ、それ以外の妊婦さんは排除するというコンセプトが、やはり無理があるのではないかと思います。いかがお考えですか、お聞かせください。

 高齢者所在不明問題についてお伺いします。

 この夏の猛暑は、最初に述べたとおり、まさに耐えがたいものでした。そのような中で、猛暑より驚いたことは、何と百二十歳以上の長寿の方が各地にいらっしゃったことです。中には、長崎県壱岐市に二百歳という、ギネスブックもびっくりの方まで出現しました。文化七年、西暦一八一○年生まれというのですから、驚きです。

 法務省が九月十日に発表したところでは、電子化された全戸籍の約九割を調べたら、百二十歳以上が七万七千人余り、百五十歳以上が何と八百八十四人もいたそうです。住所の記載のない戸籍が残った理由として、戦災や海外移住などが挙げられるそうです。故意に死亡届を出さずに年金を詐取していた事例は言語道断として、戦災のような悲しい歴史があったことから、戸籍が抹消されずに残った事実は重いと言わざるを得ません。本区も、空襲など、戦災被害に遭われた方も少なくなかったと思いますが、こうした所在不明のまま戸籍にまだ残っている例として、百歳以上の方が二千三十七人にも上ると御報告がありました。今後、順次、東京法務局と協議の上、消除手続をされるとのことです。本区では、百歳以上の方四十四名については、九月三日、区長、議長、部長以下、そして職員の皆さんで直接会って記念品を手渡されたことと思いますが、報道された新聞の記事を読みますと、百歳を迎えた人に国が贈呈する銀杯を手渡すことは、家族にとって迷惑だと思われているところもうかがえるとあります。

 そこで、お伺いします。

 本区での実情はどのようになっておりますでしょうか。家の都合で施設に入れているのを知られたくないとか、元気でいるかどうか詮索されるようで心外に思う家族の方もおられるのでしょうか。区民のみんなで長寿の方をお祝いするという感じに受けとめてもらえるように努力すべきかと思いますが、こうしたことも含めてお答えください。

 次に、女性を活用する方策についてお伺いします。

 つい最近、まことに時宜を得た本を読む機会がありました。岩波書店から出された竹信三恵子さんの「女性を活用する国、しない国」という本です。この中で、スタンフォード大学日本センター所長、アンドリュー・ホルバートさんの話として、欧米は一九八○年代の産業の構造転換の危機を、女性という新しい人材の活用で乗り切ったと紹介しています。

 我が国での女性の活用は、先進諸国はおろか、発展途上国の中でも下位に甘んじています。例えば、国連開発計画が毎年発表している女性の活躍度指数、ジェンダー・エンパワーメント指数のランキングで、二○○九年、百九カ国・地域中五十七位でした。これは、女性の国会議員比率や管理職と専門・技術職比率、男女の所得比率を指数にしたもので、国会議員や管理職の女性比率が高く所得格差が小さいほど、指数の順位が上がっていく仕組みになっているものだそうです。また、世界経済フォーラムが発表している世界ジェンダー格差指数のランキングでは、同じ二○○九年、百三十四カ国中百一位という低さだったとのことです。この違いは、その国の所得水準が反映されるジェンダー・エンパワーメント指数に比べ、世界ジェンダー格差指数は男女の格差だけがはかられているからだそうです。いずれにしても、恥ずかしいくらい女性を活用しない国、日本ということになります。

 そこで、お伺いします。

 本区でも男女共同参画型社会の構築に向けて行動指針を設け、実現に邁進してきたと思いますが、その実現度は具体的にどのようになっていますでしょうか。あわせて、本区での女性管理職試験を受ける実態を見ると、受験される女性の方がかなり少ないようです。これは、女性だけでなく、男性職員にも言えるようなので、職員の皆さんが管理職試験を受けてみようという意欲を持ってもらうような日常の指導が重要だと思います。具体的な方策はお考えでしょうか、お答えください。

 最後に、エイズの患者、感染者の増加についてお伺いします。

 この七月に、ウィーンで第十八回国際エイズ会議(エイズ二○一○)が開催され、ボランティアも含め、世界約二百カ国から二万人余りが参加したようです。しかし、先進国の中で唯一エイズ患者の感染者数がふえ続けている日本は、もともと少なかった上に、国や地方自治体のエイズ関連予算はさらに削減されているという現状があります。例えば、国の予算では、一九九四年度百九億円が二○一○年度には六十九億円に、都の予算では九四年度から半減して、ここ数年は三億円強にすぎないのです。一方で、患者・感染者数は約一万八千人にも上っており、捕捉されない実数は五万人になると推定されています。エイズは、今や適切な薬物療法を受けることで長く生きられる疾患の一つになったと言えるわけで、そうであるがゆえに早期発見が重要になります。私も、議員になって最初からエイズ問題を取り上げてきましたが、本区としても決して関心を失わずに積極的に啓発し、少しでも心配なら保健所で検査を勧める活動を続けていってほしいと思います。

 そこで、お考えをお聞きします。

 例えば、中央区国民健康保険から出ている「エイズのことがわかるQ&A」という小冊子は、読んでみて、わかりやすい表現で、エイズの啓発にはいいと思います。感染すると一生エイズと向き合っていかないといけないわけで、身体的のみならず、経済的にも非常に大きな負担になるわけです。そういう現実を年端のいかない子供たちに十分理解させることは並大抵のことではないと思います。したがって、あらゆる機会をとらえて啓発活動をすべきです。若い人たちはインターネットをよく利用していますから、中央区のホームページにスポット広告のような形態で、エイズの実態、検査の重要性を流すことはいかがでしょうか。このことについても、あわせてお答えください。

 以上をもちまして、私の第一回目の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 青木幸子議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、太陽光発電等の助成状況並びに中央区版二酸化炭素排出抑制システム認証取得状況についてであります。

 自然エネルギー・省エネルギー機器設置費助成は、制度を開始した昨年度から現在までに、住宅向け百三十二件、事業所向け五十一件となっております。また、中央区版二酸化炭素排出抑制システムでは、現在までに家庭用が申請三十八件で、認証取得十一件、事業所用が申請二十五件で認証取得十一件となっております。太陽光発電の設置については、建物形態や日照時間の問題などがあり、助成件数が少ない状況でありますが、国のグリーン電力購入制度や温暖化対策への有効性を一層PRしていくとともに、まちづくり基本条例なども活用して、区内での設置拡大を図ってまいります。

 次に、中央区役所温室効果ガス排出抑制実行計画の削減目標についてであります。

 基準年度である二○○四年度に対する温室効果ガス削減につきましては、二○○八年度は一・三%減でしたが、二○○九年度には二・六%減となっております。現計画は二○一○年度までに基準年度比三%の温室効果ガス排出削減を目標としており、本年度の行動がまさに重要なものとなっております。そのため、今年度から区施設の省エネ診断による温室効果ガス削減に取り組むとともに、すべての職員一人一人が日ごろから省エネルギー・省資源に取り組むことができるよう、研修の充実やパソコンの待機電力を削減するための器具の導入などを促進してまいります。

 次に、受動喫煙禁止条例についてであります。

 本区の受動喫煙防止対策は、健康増進法及び厚生労働省通知「受動喫煙防止対策について」に基づき、進めております。平成十八年九月に、二十三区では初めて禁煙・分煙ステッカーをすべての飲食店や公共施設に配布し、表示協力を依頼するなどの取り組みを行ってまいりました。その結果、現在では千カ所以上の飲食店や公共施設が禁煙・分煙を実施しております。御提案の受動喫煙禁止条例の制定についてでございますが、現在、国が労働安全衛生法の改正を行い、飲食店を含む職場におけるたばこの煙の濃度を規制するなど、受動喫煙防止対策を強化する動きがあることから、その動向を注視してまいります。

 次に、銀座通りの路上喫煙についてであります。

 銀座中央通りの吸い殻入れにつきましては、区長への手紙でも撤去を希望する御意見が寄せられており、大きな課題であると認識しているところであります。また、地元商店会からの要望や、撤去をした場合の周辺地区への影響なども十分考慮し、対応していくべきものと考えております。そのため、区では銀座通り連合会との話し合いを続ける一方で、関係部局による連絡会を立ち上げ、今後のたばこ対策を総合的に検討している状況であります。さらに、今後、まちづくり基本条例を活用して、公共の喫煙所設置を開発事業者に働きかけていくなど、喫煙者、非喫煙者双方が快適に銀座を楽しめる状況を創出してまいりたいと存じます。

 次に、禁煙する人に対する助成についてであります。

 喫煙は個人の嗜好ではありますが、ニコチン依存症となり、肺がん、虚血性心疾患などを引き起こすことが知られております。平成十八年からは、医師による禁煙指導が健康保険の使用できる治療として位置づけられており、現在、区内にも禁煙治療が可能な医療機関が四十カ所ございます。禁煙外来の医師や医療機関への助成につきましては、健康保険により、一定の条件のもとで医療機関がニコチン依存管理料を診療報酬として算定することが可能ですので、区の助成は必要ないと考えております。

 次に、子宮頸がんワクチン接種についてであります。

 本区では、若い女性の子宮頸がんを予防するため、七月二十六日より子宮頸がんワクチン接種の助成を開始しました。この予防接種は任意の予防接種であり、接種の際には保護者の同伴が必要であることから、区では助成を開始する前に、中学校での土曜スクールや保護者会での出前講座、保健所での説明会を開催し、ワクチン接種の必要性、有効性を理解していただくよう普及・啓発を行いました。そのため、七月と八月で二百人以上の中学生が一回目の接種を完了しております。また、助成期間の最終年となる中学三年生につきましては、接種には六カ月の期間が必要なことから、今年度に限り、受験時期等も考慮して、平成二十三年の九月末まで助成期間を延長しております。今後、期間内に多くの方が接種を完了できるよう、区のおしらせやホームページなどで周知してまいります。

 次に、ワクチン接種の助成額についてであります。

 任意の予防接種は、自由診療であるため、医療機関が独自に価格を設定しております。今回、区では保護者の費用負担が生じることのないよう、都内・区内などの医療機関のワクチン接種価格を参考に、三回の接種で総額五万六千円の公費負担とし、医師会の協力医療機関での接種事業を開始したところであります。

 次に、子宮がん検診率の向上についてであります。

 本区では、今年度より検診の御案内と受診券を個別発送する対象者をふやすことにより、子宮がん検診率の向上を図っております。また、七月に開始した中学生を対象とした子宮頸がんワクチン接種の案内の中に、保護者に向けた子宮がん検診を勧めるリーフレットを同封し、お送りしました。今後も、区のおしらせやホームページなどを通じて子宮がんの知識や検診の重要性を広報するとともに、十月に開催する健康福祉まつり、三月の女性の健康週間、その他女性の方が多く集まるイベントなどの機会をとらえて、子宮頸がんワクチン接種事業とあわせて、検診の重要性を積極的に普及・啓発を行い、子宮がん検診率のさらなる向上を目指してまいります。

 次に、病児・病後児保育の利用申し込みの現状と公的助成についてであります。

 この事業の利用に当たり、登録者の中から事前に御予約をいただいているのは、病気や回復期のお子さんを安全にお預かりするために、保育スペースや職員配置の関係などから受け入れ定員枠を設けているためであります。しかしながら、キャンセルなど定員に満たない場合には、当日の連絡でも御利用いただくなど弾力的な対応に努めております。今後も予約制のあり方や登録者への連絡体制について工夫し、利用者の不便を来さぬよう努めてまいります。なお、この事業は、区の委託事業として経費等を支出しているもので、今後の事業拡大については、各地域の保育需要や保護者の御要望を見きわめながら検討してまいります。

 次に、産科クリニックでの予期しない事態の対応についてであります。

 本年六月に開設した聖路加産科クリニックは、医師の指導のもとに助産師が中心となって自然分娩を扱う施設として計画されたものであります。そのため、開設に向けた聖路加国際病院との検討では、緊急事態の発生を未然に防止する観点から、まず病院側が妊娠中と出産時のリスクを分析し、心臓病等合併症や肝炎等感染症をお持ちの方などを施設の対象としない受け入れ基準とする一方、妊婦健診においてリスク判断もすることといたしました。そして、妊娠や分娩、産後の母子の経過が正常でなくなった場合など、緊急時には本院の産婦人科・小児科を中心に近隣医療機関と連携を図り、安全で安心な出産を支援していくこととしたものであります。また、施設に出産一件当たり定額を補助する公的助成につきましては、一つの選択肢ではありますが、区の将来にわたる財政負担も考慮し、聖路加国際病院と協議した結果、開設費を助成することとなったところであります。

 次に、高齢者所在不明問題についてであります。

 平成二十二年度の百歳以上となられる区民の方は、現在四十四名であります。このうち三十六名については、区長、区議会議長、区職員がお伺いし、賀寿状、記念品をお届けいたしました。残りの方々は、入院または遠方の施設に入所中のため、全員の所在を確認の上、賀寿状等を郵送いたしました。訪問時には御本人や御家族から喜びと感謝の声をいただきましたが、困惑されている方はおられませんでした。しかし、介護負担が大きい場合や認知症の症状を受け入れられないなどで、御家族が長寿を手放しに喜べない状況が起きることも考えられます。みんなが長寿を心からお祝いできるよう、介護保険や区のサービスの充実を図るとともに、認知症についての正しい知識の普及啓発等に努めてまいります。

 次に、本区における男女共同参画行動計画の達成度についてであります。

 中央区男女共同参画行動計画二○○八の進捗状況は、平成二十一年度までで百六十九事業中百五十四事業を実施し、進捗率は九一・一%であります。具体的には、子育て支援施設や介護施設の整備をはじめ、ワーク・ライフ・バランスを推進するための取り組み企業の認定、女性の再就職チャレンジを支援する講座などを実施しているところであります。今後は、配偶者等からの暴力防止と被害者保護に関する基本計画の策定などの未達成事業について、行動計画の最終年度となる平成二十四年度までに取り組むとともに、男女共同参画社会の実現に向けて、さらなる施策の充実を図ってまいります。

 次に、管理職試験の受験意欲の向上についてであります。

 本区の管理職試験の申込者は、平成二十年度は三十人、二十一年度は二十八人、本年度十九人であり、うち女性はそれぞれ三人、二人、四人であります。職員の昇任意欲の低下などにより、年々受験者が減少傾向にあることから、区政運営を担う管理職の確保は大きな課題となっております。現在、管理職が部下を日々指導する中で、責任を持たせた職務執行により達成感を体験させ、昇任への意欲を喚起するほか、昇任選考の勉強会の開催など、さまざまな取り組みを行っております。さらに、管理職の魅力ややりがいをあらゆる機会をとらえて発信し、昇任意欲を高めているところであります。

 次に、エイズの患者感染者の増加についてであります。

 御指摘の小冊子につきましては、昨年度も十二月一日の世界エイズデーに銀座、日本橋、月島の駅前で本区の職員による街頭キャンペーンで配布したり、保健所で検査を受診した方にお渡ししております。今後も、エイズの正しい知識の普及啓発のために活用してまいります。本区の保健所での検査を受けた方のアンケート結果からは、昨年度は二十歳代は約三割、三十歳代は約四割を占めていました。また、区のホームページから検査に関する情報を得た方が約七割おりました。若者に対する普及啓発の手段として、ホームページの情報は重要であります。今後もエイズの感染予防や検査に関して、わかりやすい情報を発信するよう努めてまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 教育問題についてお答えいたします。

 校庭の芝生化につきましては、校庭で遊ぶ児童の増加やけがの減少あるいは心の健康づくりにも役立つなどの効果があり、さらには夏季における校庭の表面温度の低下など、環境面での効果も期待できるものと認識しております。また、芝生の維持管理についてPTA等の協力を得ることで、学校と地域のつながりもさらに深まるものと期待しているところであります。こうしたことから、この夏、月島幼稚園及び京橋築地小学校、豊海小学校において、校・園庭改修の中でその一部を芝生化いたしました。三カ所の合計面積は約六百五十平方メートルであります。本区の学校は校庭が狭隘で、かつスポーツ開放など多目的利用が多いことや、芝の養生期間中は使用できないなどの課題から、全面的な芝生化が困難な面もある中で、学校と十分協議の上、少しでも芝生面積を広げるよう工夫して取り組んだところであります。現在、芝生の養生期間中でありますが、十月には緑豊かな芝生の上で元気よく遊ぶ子供たちの姿が見られるものと楽しみにしております。御指摘のとおり、芝生化は緑被率の向上にも寄与するものであり、今後とも本年の実績を踏まえながら、校庭改修時などの機会を活用し、少しでも可能な範囲を広げるよう、さまざまな方策を工夫しながら校庭の芝生化を積極的に推進してまいります。

 答弁は以上です。

〔二十七番 青木幸子議員登壇〕

○二十七番(青木幸子議員)
 御丁寧な御答弁ありがとうございました。

 少し意見を述べさせていただきます。

 小・中学校の校庭の芝生化の推進につきましては、ただいま教育長から心強い、三カ所六百五十平方メートルにすぎないとはいえ、第一歩を踏み出したということですので、今後充実に向けて図られることだと心強く思っております。

 芝生化につきましては、私はいろいろ手を変え品を変え御提案をしてまいりましたところですけれども、やはり屋上緑化の芝生化では校庭の芝生化にかわるものではないなということを実感したものです。ここで思い切って、佃島小学校か佃中学校、どちらかの校庭の芝生化をしてみてはいかがかなというふうに再度提案をさせていただきます。

 次に、銀座通りのメーンストリートの全面路上喫煙の禁止、撤廃に向けては、早期に実現することを望みます。区長も、それに沿ったお考えのように見受けられますので、大変このことについては早期に解決するのではないかと期待しております。

 次に、子宮頸がんワクチンについては、一番不利益をこうむる中学三年生については、期間を延長されるという大変御配慮もいただいて、さすが中央区だと思いますけれども、やはりそこで漏れてしまっては、無関心によって受けない女子生徒が不利益をこうむるということになってはいけないと考えております。アメリカでは集団健診が当たり前、集団接種が当たり前というふうになっているようです。そのことを考えると、また、他の行政のほうでも集団接種をやっている小学校、行政からの贈り物ということで集団接種を実施しているところもあるので、今後、集団接種をする方向を考えていただくように、よろしくお願いをいたします。

 私のような年齢になりますと、クラス会や同窓会などに行きますと、女性たちが集まると子宮がんや乳がんの話になってしまいます。本当に多くの人たちが婦人病にかかっているということがわかります。婦人病というのは、性質上、少しひどくなってから病院に行くことが多いので、今日の医療現場では日進月歩と言われている中で、早期発見がいかに大事であるかがわかります。その早期発見をするためには、女性がかかりやすい乳がんとか子宮がんの検診は、やはり恥ずかしいというふうに幾つになっても思われると思いますので、かかりやすい医療機関を確保するということが、まず第一。そのことによって、がん検診の向上が図られるというふうに思っておりますので、まず女性が行きやすい医療機関の充実を図られることを要望させていただきます。

 産科につきましては、本区がこのまま順調に人口が増加してお産の数がふえていけば採算が合うということで、産科を開業するお医者さんもいるんじゃないかと私は期待しているところです。そういうことになれば、大変子育て支援の中の、やはり中央区の中で子供を産み育てることができる、そのかなめの産科がふえるということ、そのときに助成については考えてくださればいいかなと思っています。お産を扱う病院ができればなというふうに思っております。これも要望とさせていただきます。

 高齢者問題につきましては、私の小・中学校の同級生のお母さんが、大変おめでたいことに、百歳になりました。高齢者施策推進室長がお祝いの品を届けられたと聞いております。お母さんは、明治生まれ特有のしっかりした頑張り屋さんで、身ぎれいにして、本当によい年のとり方をしているなというふうに、はた目では見えておりますけれども、やはり同級生の彼女の話では、ここ一、二年は一人にはできないということで、五人姉妹ですので、五人でローテーションを組んで、お母さんの面倒を見ているということです。ショートステイやデイサービスにお母さんが行っている間だけが、本当に自分の時間、ゆっくりできる時間だというふうに実感をこめて話してくれました。このことで、やはり高齢化が進む中、ショートステイやデイサービスの重要さがますます大きくなっていきますので、今後の充実を要望しておきます。

 最後に、エイズについてお話しさせていただきます。

 エイズについては、初めから大変関心を持っておりました。そして、身近にありました。私は、以前、原子力開発機関に勤めておりましたので、その中のある部署はウラン調査のため、アフリカのニジェールやマリ国に、長い人で二年間ぐらい出張ということになっていました。うろ覚えで申しわけありませんけれども、一九八一年にアメリカでエイズ患者の報告があり、そして日本では一九八五年に初めての報告例があったと記憶しております。私は、一九九一年一月まで勤めておりましたので、エイズの正体がわからない怖さの中、緊張感のある中で勤めておりました。

 しかし、今はエイズの患者さんの環境も違ってきています。でも、治らないということに変わりはありません。最近つくづく思うことは、ゲーム上で人が死んでも、また生き返ってピコピコと歩いていくようなゲームをしている世代の子供たちに、人生の中で取り返しのつかないことがあるんだよということをわからせることは本当に難しいと実感をしております。それですから、行政のほうもあらゆる機会をとらえて啓発していただくことを要望とさせていただきます。

 以上、すべて要望とさせていただきました。よろしくお願いをいたします。

 私の質問は終わります。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(押田まり子議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後三時四分 休憩


午後三時二十五分 開議

○議長(中嶋ひろあき議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。二十九番渡部博年議員。

二十九番 渡部博年議員登壇

○二十九番(渡部博年議員)
 民主党区民クラブの渡部博年です。平成二十二年第三回区議会定例会に当たり、民主党区民クラブの一員として、区の一般事務及び区政の当面する課題に対しまして、区長並びに関係理事者の方々へ質問通告に沿って質問させていただきます。区民の安全・安心、福祉向上に向け、建設的で即効性のある御答弁をいただきたいと思います。なお、再質問をこの場で留保させていただきます。

 初めに、環境問題について伺いたいと思います。

 現在、私たちが直面している環境問題の多くは、昭和四十年代の産業型公害とは異なり、まず原因が特定しづらい問題やさまざまな要素が関係し、原因が分散して問題が増加していることを考えたときに、法で規制するだけでなく、生産、流通、消費、廃棄などの活動を経済的に変えていく考え方や、自分たちで何ができるかを考える取り組みが必要であると思います。被害は空間を伝わり、次第に世界に広がります。私たち一人一人が原因者であり、被害者であるという認識のもと、負の遺産を将来の世代にもたらすことのないようにすることが重要であると思います。

 京都議定書が平成十七年に発効されたときに、特別区長会宣言を発表し、平成十八年度については、広報活動を中心に活動、平成十九年度から、みどり東京・温暖化防止プロジェクトとして東京都内全六十二市区町村の共同事業に拡大し、さまざまな取り組みがなされてきたところです。環境改善を目標に、各自治体には地域の特性に応じた対策の実施、率先した取り組みの実施、地域住民への情報提供と活動推進などが要請され、家庭や地域の事業所に対する広報活動や環境学習などの人材育成や、区民や民間団体の協働の推進、新エネルギーの利用促進、環境に優しいまちづくり、緑化の推進、リサイクルをはじめとする身近な問題から取り組んできたところであります。中央区でも、環境行動計画をはじめとする各種計画と中央区の森、ペットボトルなどの回収をはじめとする身近で具体的取り組みを実施してきたところであります。

 そこで、伺いたいと思います。

 区としてのこれまでの取り組み状況の検証と分析、これからのあり方について、どのような具体的施策に反映していくのか伺いたいと思います。

 また、先日、国土交通省が低炭素都市づくりガイドラインを発表したところでありますが、この中の現状に、「わが国における総CO2排出量のうち、都市における社会経済活動に起因することが大きい家庭部門やオフィスや商業等の業務部門と、自動車・鉄道等の運輸部門における排出量とが全体の約五○%を占める」と記されていますが、地域環境を考えたとき、現在進行中のエコタウン構想の区全体への広がりも必要であると考えますし、具体的施策を地域として確立していく必要もあり、区と地域の協働という観点からも重要であると考えます。区としても、体制づくりが急務であり、都市整備部、土木部、環境部との綿密な連携がさらに必要と考えるところでありますが、区の考え方を伺いたいと思います。

 あわせて、環境問題については、本区では、やはり清掃工場を中心としたリサイクルの拠点をつくることが必要であると考えます。私は、これまで都区制度改革の一つとして移管された清掃事業について、清掃工場建設時、二十三区清掃一部事務組合のあり方、東京エコサービスのあり方、区長会、議長会のかかわりなど、基本的に組織や事業について質問を行い、その質問を通じて、人事を含め二十三区が先頭になり、少しずつ改善に取り組んできたことは承知しています。区民直結の事業でありますので、まだまだ自己で改革していくことが必要であると考えます。

 現在の清掃工場は、ごみの処分場イコール焼却、そして焼却の熱を使った発電、そして地域施設への利用、中央区でいえば、ほっとプラザはるみというものであると思います。区では、区内事業所の協力やリサイクルハウスを中心に再利用可能なものの提供などを行っているところでありますが、ここで原点に返り、分ければ資源を徹底することで、ごみを資源として、先ほど述べました中で新エネルギーの活用、区民や民間団体との協働という観点と、地域に迷惑施設として考えられている清掃工場の認識も変える考え方をしていかなければならないと思います。区として、清掃事業を含め、清掃工場のあり方、将来展望、清掃工場を中心とする地球に優しい特区的な考え方も必要と思いますが、それぞれお考えを伺いたいと思います。

 次に、中小企業対策について伺いたいと思います。

 前回も老舗企業を含めて中小企業に対しての区と関係団体との支援体制についてお伺いしたところですが、特別資金融資の実施に当たって相談員を増員するとともに、相談時間の一時間延長など、状況の変化に応じて機能的に対応し、現在は八名の経営指導員を一日四名ずつに増員して配置した商工相談窓口を設置し、区独自の特別融資をはじめとする手厚い政策により、経営にかかわるさまざまな相談に対応していただいています。今後とも、経営力向上に向けた積極的なアドバイスなど充実した経営指導ができるよう、窓口の利用状況等を踏まえながら的確に対応していただきたいと思います。

 そこで、委員会でも発言しましたが、地域の中小企業の方から、融資相談で以前より時間がかかるというお問い合わせがありました。現在、区として特別融資の延長を打ち出したが、区として、現在の相談予約から融資実施までの期間が約三カ月という日数がかかっている商工相談、融資窓口の状況について、具体的に早急に改善する方法をお持ちかどうか伺いたいと思います。あわせて、現実的にこの時間的に待てる企業と待てない企業があると感じるところでありますが、この点についても伺いたいと思います。

 関連して、現在協力いただいている金融機関とさらなる連携をする必要があると考えます。金融機関には融資審査のプロが常駐し、それぞれの顧客に経営のアドバイスをしております。こうしたノウハウを区の融資についても活用し、連携強化をしていくことが必要ではないでしょうか。これからの銀行との協力関係のさらなる充実と貸出期間の短縮についての考え方について伺いたいと思います。

 また、地域での再開発事業区域内の中小企業対策について伺いたいと思います。

 現在、区内では大規模再開発が進行中、計画中のものがあります。その中でも、地域で長く営業してきた中小企業者に対して、開発敷地に入居する中小企業者の商工相談について、現状では、自身で区に出向き、通常の対応の中で行っていると思います。大規模再開発であるがゆえに、多くの方々が関係してくることと思います。日々営業し、地域の活動にも参加されていることが多く、逆に時間的制約があると推察できます。実際、古い話でありますが、晴海一丁目再開発のときに商工融資窓口の担当部署に出張窓口の開設をお願いしたところであり、再開発地域内の中小企業者に喜ばれた経緯もあります。大規模再開発でいろいろな諸条件があり、相当なストレスも感じているのではないかと思います。区民及び区内事業者に対して、再開発を担当している都市整備部と区民部の連携がさらに必要であると考えますが、現状と今後の考え方について伺いたいと思います。

 次に、高齢者対策について伺いたいと思います。

 日本の人口構造は、平均寿命の伸びと出生率の低下によって急激に高齢化が進んでいます。平成十九年十月現在の六十五歳以上の推計人口は二千七百四十六万人で、総人口の二一・五%を占め、初めて二一%を超えました。男女別に見てみると、男性は千百七十万人で、男性総人口の一八・八%、女性は千五百七十六万人で、女性総人口の二四・一%であり、国勢調査の始まった大正九年以降、昭和二十五年ごろまでは五%程度、その後、年を追って上昇し、昭和六十年には総人口の一○・三%、ここ最近は年○・五ポイント程度上昇、平成十七年には二○%と、総人口の五人に一人の割合となり、今後の高齢者人口を推計した国立社会保障人口問題研究所の平成十八年の人口推計によると、六十五歳以上の人口は今後も増加傾向が続き、平成二十五年には三千百八十五万人となり、総人口の二五・二%となり、四人に一人が六十五歳以上となると見込まれています。

 また、中央区の平成二十二年九月現在の六十五歳以上人口は、一万九千二百人を超え、総人口の一五%を超えているところであります。数字的には、他区に比べ高齢者人口は低いと言えますが、着実に高齢者人口はふえている現状であります。

 今までの高齢者というと、心身機能の衰えた社会的、経済的弱者としてとらえがちでありました。しかし、今日的な現状は、二千万人を超える高齢者の多くは心身ともに健康で、仕事やボランティアなどを通じて地域や社会に積極的に参加しています。また、心身的な機能が低下しても、地域社会において必要で適切なサービスを受けることにより、自分の意思のもと、自立した生活を送っていく高齢者も数多く見受けられます。このように、心身状況や生活状況、ライフスタイルなどの多様化している中で、これまでの高齢者の考え方を変え、知識や経験、技術を持つ能力と意欲を持つ人と位置づけ、活力ある高齢化社会を実現するために、地域で生かしていただきたいと思います。

 中央区としても、元気高齢者バンク、高齢者クラブの育成、シルバーワーク、シルバー人材センターなど、地域での活動支援、経験、技術を生かせる場の提供などを施策として展開を行っているところであります。中央区の居住形態のマンション居住が八六%を超える現状で、このような元気で地域にお住まいの方々に区の地域事業に参加しやすい環境や高齢者見守り事業に協力いただくシステムづくり、地域の活動拠点とでもいいましょうか、そのような場が必要であると考えます。現在もふれあい福祉委員会十七カ所程度、地域見守り支援事業十一カ所と、この種の事業が行われているところですが、民生委員と各マンションの管理組合、自治会とのかかわり方、さきに申し上げた地域にお住まいの元気高齢者の方の参加しやすい体制づくりが必要であると感じますが、現状分析と今後の施策推進の考え方について伺いたいと思います。

 あわせて、高齢者の家族介護の抱え込みという点で伺いたいと思います。

 連日、介護疲れによる暴力などの問題が全国各地で発生している現状があります。先日、花巻市の一人暮らし高齢者相談事業及び在宅介護者等訪問相談事業の報道がありました。その内容は、市内の現状分析の結果、ひとり暮らし高齢者、高齢者のみの世帯がふえている一方、在宅で介護する方々は介護内容や介護予防、日常の悩み、不安を多く抱えて生活を送っている実態があり、こうした方々の多くは出かけることのできない場合や自宅を離れることができない場合が多く、民生・児童委員などの訪問による相談活動を必要としているが、民生・児童委員にかかる負担も大きくなっているのが現状であると分析しています。

 平成二十二年度から事業開始している内容で、一人暮らし高齢者相談事業は、花巻市社会福祉協議会に事業委託し、新たに五人の相談員を雇用し、協議会で作成している安心カルテに登録されている四千五百人の中から、訪問相談を必要とするひとり暮らし高齢者などの約六百八十世帯について訪問相談活動を行っています。在宅介護等訪問相談事業は、市内五カ所の地域包括支援センターに業務委託し、新たに六人の相談員を雇用、対象者は在宅介護者のうち、全くサービスを利用していない要介護認定者の介護世帯約五百世帯と、在宅介護者実態調査で把握した軽度及び中度うつ傾向者のうち、地域包括支援センターが調査した約二百世帯の合計七百世帯への訪問相談活動を行うとなっています。

 中央区と花巻市の立地条件や置かれている現状については異なりますが、最近の介護疲れによる暴力などの現状を考えたときに、身内であるがゆえに介護の悩みを他人に相談できないなどを補い、助言、相談などに乗ってあげる必要性を感じるところであります。一般に言われている介護の抱え込みを区としてどのようにとらえているのか、また地域包括支援センターの機能を強化し、訪問体制をとれる組織にしていく必要性が問われてきているのではないかと思います。このような点を考慮して、区としての考え方を伺いたいと思います。

 次に、築地市場移転問題について伺いたいと思います。

 中央区議会も中央区も、築地市場現在地再整備を基本とし、東京都に対してさまざまな行動を起こしてきました。築地市場移転問題については、そもそも東京都の都民に対する情報公開のあり方、環境、食品安全面からも紳士的でなかったことが問題であると感じています。やはり行政は、しっかりとした情報提供と意見集約をすべきであります。豊洲の土壌汚染、処理方法、盛り土の汚染など、区議会をはじめとする関係者や住民への対応は大変問題であり、不満を持つものであります。

 現在地再整備については、現在、都議会の特別委員会で論議しています。都と都議会で現在地再整備原案が三つ提出されました。今後、この中身について論議されることとなるわけですが、その内容で現在地再整備費用は千七百億円程度となり、技術的には豊洲と築地は同等の規模の整備ができることが判明した事実。豊洲の整備に比べれば高い見積もりですが、高いとは思えない。なぜなら、東京都のこれまでの築地整備費用三千四百億円に比べたら、いきなり半額となった点であります。

 しかし、この論議で一番問題意識を持っている仲卸業者の方々、場外市場の方々や市場周辺の方々は、不安と不満を持っていると推察されます。市場開設者の東京都は、広い視野を持ち、確実な対応をしていくことが最も重要であるところですが、このような配慮も感じることができないのは、私だけでしょうか。この間の東京都の情報提供や情報収集、築地再整備費用の点について、区としてどのような御見解、考え方をお持ちか伺いたいと思います。

 また、環状2号線については、築地市場現在地再整備と密接に関連しているところであり、これから論議される市場整備での道路動線も変わってくることが読み取れるのと、市場周辺地域での開発にも影響が出てくると思いますが、以前から質問をしてきたところですが、再度、その後の都の区民に対する説明状況を含めての実情と対応について伺いたいと思います。

 次に、全般的な行政サービスの向上について伺いたいと思います。

 私は、幾度となく職員の人材育成などについて質問をしてきたところであります。これまで区独自で、幅広い分野での研修制度の改革、二十三区全体での改革を着実に進めてきたところであると思います。しかし、十一万人を超える区民が在住し、今までとは違い急速に変化する社会環境の中、区民の価値観や生活様式、行政に求めるニーズの変化は想像を超えています。また、地方分権の推進に伴い、行政が区民に対して、これまで以上の説明責任が強く求められるようになっています。区民と行政が区政の問題をともに考え、地域問題の共有化と解決をするためには、あらゆる機会を通じて積極的な区民との協働による区政運営が必要になっているとも感じます。

 この基本は、職員の個々の能力向上を効果的、計画的に進めていくことで区民ニーズに的確に対応できる状況を確立していくことだと考えます。現在の状況は、縦割り行政の中で限界が見え、区民の立場に立った各部の協力体制確立が急務であると感じています。また、広聴広報は必ずしも主管課だけが行うものではなく、各部門で行う会議なども含めて、行政全体で構成していくものであると思います。

 そこで、お伺いいたしますが、人口十一万人を超えた今の職員研修のあり方について、その基本的考え方について、あわせて人材育成計画の進捗状況も御報告いただければと思います。

 次に、区が区民に対する情報提供の立場から、職員の接客対応を含めて、区民が必要とする的確な状況を、縦割り行政にとらわれることなく幅広く提供することが重要であると考えますが、このような全体的な施策の把握を含めての区全体でどのようにされているのか、対応を伺いたいと思います。

 また、区の事業を推進する立場では、地域住民に対してだけでなく、すべての区民に対する説明責任も重要であると考えます。施策遂行においての区職員、管理職も含めて、しっかりした情報をしっかり区民に伝える責任はあると考えていますが、そのことについての心構えも含めた研修や施策の理解についての考え方について伺いたいと思います。

 続いて、ここ数年の団塊の世代の大量退職に伴い、東京都では再任用で管理職の不足を補っています。中央区も、ことし再任用で対応している現状もあるわけですので、しっかりと責任を持って行政遂行をしていく管理職育成について、どのような考えをお持ちか伺いたいと思います。

 以上で私の第一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 渡部博年議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、環境問題に関するこれまでの区としての取り組み状況と、これからの具体的施策についてであります。

 美しい地球を取り戻し、あすの世代に伝えていくことは、今を生きる私たちに課せられた責務であります。環境負荷の高い都心区として、本区はこれまで率先して地球環境、都市環境、自然環境などに関する施策を実施し、行政評価などを通じて常に検証、見直しを行ってまいりました。今後も地球規模で考え、足元から行動するという理念のもと、既定計画の着実な推進を図るとともに、最新のエネルギー技術や国内外の先進事例を積極的に導入するなど、すべての施策の根幹に環境を据えて全力で取り組んでまいります。

 次に、低炭素都市づくりガイドラインとエコタウン構想についてであります。

 本年八月に国土交通省が発表した低炭素都市づくりガイドラインは、都市のまちづくりにおいて、面的な建物の更新によるエネルギー利用の効率化や、公共交通、緑化の推進などにより、地域温暖化問題に対応しようとするものであります。一方、本区では、本年度から二カ年計画で、東京駅前地区と晴海地区をモデル地区としてエコタウン構想の策定に着手したところであります。この構想は、地域の特性や課題を踏まえたあるべき環境の姿を描き、具体的な取り組みを実践していくものであり、まさに国のガイドラインの趣旨に沿ったものと言えます。現在、それぞれの地区の区民の方々や事業者をはじめ、東京都の関係部局の職員、さらに区側からは環境部を中心とした関係部局の職員が組織横断的に参画し、検討を進めております。今後とも、区と地域との協働により、区民の皆様が快適に住み、働き、生活を楽しみながら低炭素社会を実現していけるよう、全区的に取り組んでまいりたいと存じます。

 次に、清掃工場を含めたリサイクル事業の将来展望についてであります。

 清掃工場に搬入されているごみには、生ごみなど分別することでエネルギーとして活用できるものも多く含まれております。近年、生ごみや紙ごみからバイオガスを回収するなど、新たな技術開発が行われていることから、先進事例の課題や成果も踏まえ、地域に還元できる新たなリサイクルの仕組みについて検討を進めてまいります。また、清掃工場の排熱等の有効活用についても、現在、エコタウン構想の中で議論されているところであります。今後、こうした議論を集約しつつ、東京二十三区清掃一部事務組合にも働きかけ、地域資源の有効活用の検討を積極的に進めてまいります。

 次に、商工業融資についてであります。

 本年四月から、緊急景気対策特別資金融資を開始したことに伴い、今年度の商工相談処理件数は、八月末現在で三千六百二十六件に達し、昨年同期の二千百九十八件に比べ、大幅に増加しており、事業者の期待も大きいことから、今回、受け付け期間を半年間延長したところであります。こうしたことから、本年六月以降は経営相談員を増員し、窓口機能を強化しているところでありますが、今後も申し込み件数の推移などを見きわめながら、相談体制のさらなる充実を含め、状況の変化に応じて機動的に対応してまいります。あわせて、金融機関の融資審査と信用保証協会の内容精査を並行して行う事前相談制度を活用するなど、よりスピーディーな融資実行に努めてまいります。なお、時間的に差し迫った資金繰りについては、申し込み手続が簡易である小規模企業特例緊急運転資金をあっせんするほか、日本政策金融公庫や東京都の融資制度を紹介しているところであります。また、商工業融資制度は、区、金融機関及び東京信用保証協会が協調して実施するものであり、融資申し込みから実行までの一連の手続を円滑に行うためには、とりわけ金融機関との緊密な連携が重要となります。今後は、経営相談員と金融機関との情報交換の場を設けるなど、相互にノウハウの共有化を進め、さらに利用しやすい制度の運営を図ってまいりたいと存じます。

 次に、再開発区域内中小企業に対しての対応についてであります。

 本区では、本年三月にまちづくり基本条例を制定し、この十月一日より施行することとしております。これは、これまでも進めてまいりましたが、地域が抱える課題の解決や保育所、駐輪場などの地域貢献施設の一体的な整備、さらには良好な景観の形成、環境や防災対策への配慮など、時代の要請にこたえることで地域に喜ばれる再開発を一段と進めるものであります。今後とも、地域、事業者及び区が一体となり、地域特性に根差した再開発の推進に取り組んでまいります。こうしたことから、お尋ねの再開発区域内の中小企業の対応については、これまでも市街地再開発組合などと都市整備部が窓口となり、商工融資など、区がかかわるべき内容の相談は区の担当部署へ案内、引き継ぎをするなど、連携を図り、対応してきております。今後も、都市整備部、区民部など、関係部署がより一層の連携を図り、再開発区域内の中小企業に向けた経営にかかわる適切な情報の提供や区主催による商工相談会、説明会を開催するなど、状況に応じたきめ細かな対応に努めてまいります。

 次に、高齢者対策についてであります。

 現在、高齢者の安否確認が大きな社会問題となっております。高齢者の見守り活動として、各家庭を訪問したり、だれもが気軽に立ち寄り、おしゃべりやお茶を楽しめる交流の場を設けるなどの取り組みは、非常に重要であります。こうした活動に元気な高齢者の方々が、地縁に加え、能力や経験を生かして取り組んでいただくことは、非常に有益なことであります。地域の方々による見守り活動を区内全域で展開していきたいと考えておりますが、現時点ではまだ一部地域での取り組みにとどまっております。今後は、実施地域を拡大するため、さらなる周知を進め、特にマンションの管理組合や自治会に対し、積極的に働きかけるとともに、NPO等の活用についても検討してまいります。また、元気な高齢者の方々ができるだけ多く活躍できるよう、見守り活動を行う各地域の取り組みに参加するためのシステムづくりを進めてまいります。

 次に、介護の抱え込みと地域包括支援センターの機能強化についてであります。

 介護の悩みをだれにも相談できず一人で抱え込んでしまうと、介護者は身体的、精神的に疲れ果て、うつ状態で要介護者への虐待を招くおそれがあります。こうした状況を早期に発見し、適切な支援につなげることが重要であります。このため、おとしより相談センターでは、民生・児童委員からの定期連絡や、医療機関、警察などからの通報により、地域において支援が必要な高齢者とその家族の把握に努めております。抱え込みが起きるおそれのある世帯に対しては、区の保健師やケースワーカーと連携の上、個別訪問を実施し、介護サービス等の利用の働きかけや各種機関への取り次ぎを行っております。今後、本人、家族からの相談や地域からの通報に加え、介護サービス等の利用状況や健康診査結果などから、抱え込み等のおそれがある世帯を把握し、より積極的に訪問等を進め、センターにおける地域見守り機能を一層強化してまいります。

 次に、築地市場についてであります。

 本区では、これまで終始一貫して移転反対を訴えるとともに、万が一の移転にも備え、鮮魚マーケット構想など、日本の食文化の中心である築地が将来にわたって活気とにぎわいを維持するための検討を行っております。このような観点から、本区といたしましては、このたびの都議会における現在地再整備案の検討の動きを注意深く見守っているところであります。東京都による豊洲の土壌汚染対策につきましては、実験データの一部の公開がおくれたほか、盛り土の一部に搬入時における試験が内規どおり行われなかったことなどの事実が明らかとなったことは、まことに遺憾であります。また、再整備費用の試算は、これまで示されてきたものと大きく乖離するものであり、都の説明によると、前提条件が異なり、単純には比較できないとのことであります。築地市場の再整備の動向は、市場関係者や地元区である本区に重大な影響を及ぼすとともに、広く都民、国民をはじめ、国際的にも注目が集まっております。東京都は、こうした点を十分に認識した上で、市場開設者の責務として徹底した情報公開を行い、幅広く理解を得るよう努力すべきだと考えております。そのため、本区は、本年八月、東京都による技術会議の報告を受け、区議会議長と連名で都知事に対し、わかりやすい説明や地域の意見を十分聞くことなどを要望したところであり、今後その趣旨が確実に実現されるよう、働きかけを強めてまいります。

 次に、環状2号線について、都の区民に対する説明状況を含めての実情と対応についてお答えします。

 東京都は、六月から七月にかけて開催された五地区のまちづくり協議会で、今年度区内で予定されている工事の説明を行いました。また、朝潮運河橋梁については、工事説明会を七月に二度開催した後、八月から工事に着手しております。しかし、築地市場現在地再整備と環状2号線との関係について、東京都は「市場移転問題は都議会で議論されているところであるが、工事を担当する部署としては、平成二十七年度までに整備する」との説明にとどまっております。区といたしましては、市場内の計画と、その検討状況について、区民や市場関係者に対して、適宜、具体的かつわかりやすく説明するよう働きかけてまいります。

 次に、行政サービスの向上についてであります。

 まず、職員研修のあり方についてであります。

 急速な時代の変化の中で、ますます多様化する区民の要望に的確にこたえるため、先見性と豊かな創造力を備え、新たな課題に挑戦していく意欲ある職員を育成していくことが、本区の研修の基本的考え方であります。研修の実施に当たっては、新規採用者や主任主事、係長級など、各職層に応じた研修に力点を置き、政策形成能力や的確な表現で確実に伝える説明力、区民との信頼関係を築くコミュニケーション能力の向上などに取り組んでおります。人材育成基本方針につきましては、今年度内の策定に向けて、全部局の庶務担当課長で構成する検討会において、課題分析と育成方策の検討を幅広く行っているところであります。

 次に、区民が必要とする情報の提供についてであります。

 区民に必要な情報を的確にわかりやすく提供するためには、職員が職務知識を習得することはもとより、広く区政全般に関する情報を身につけ、区民の求めに幅広く対応できることが必要であります。そのため、庁議、調整会議の結果を庁内ネットワークを活用して全職員に周知するとともに、随時担当課長会を開催し、情報の共有化を図っております。

 次に、情報を区民に伝える責任についてであります。

 区民の理解を得ながら円滑に事業を展開するためには、関係者はもとより、広く区民への説明責任を果たしていく必要があります。そこで、区のおしらせ中央やホームページの有効活用を図るとともに、各職層研修においてプレゼンテーション能力向上のプログラムを導入するなど、職員一人一人の説明能力を向上させながら説明責任への認識もより深めるよう取り組んでおります。

 次に、管理職の育成についてであります。

 管理職には、区政の最前線に立ち、職員をリードしながら事務事業を企画・立案し、実行する能力や対外折衝力、人材育成力などの高い資質が求められます。現在、区政全体への関心を高めるため、日々職員が主要な区政情報にアクセスできるよう、庁内ネットワークを活用するとともに、職務目標の明確化や責任を持たせた事務執行により、達成感、充実感を体験させ、昇任意欲につなげるほか、昇任選考の勉強会を開催するなど、管理職を目指す職員の拡大を図っているところであります。また、管理職として責任ある立場で職務を遂行することの魅力をあらゆる機会をとらえて発信するなど、引き続き管理職に登用する人材の確保を図ってまいります。

 答弁は以上であります。

〔二十九番 渡部博年議員登壇〕

○二十九番(渡部博年議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございます。

 環境問題については、いろいろ区として身近なところから実施をしているということはよく理解しているところでございますが、やはりエコタウン構想の部分でいっても、その地域でどういうことができるのかということをあらゆる年代のところ、小学生、中学生、高校生も含めて、そういったところで、地域の中、全体の年齢層で夢を持った、そして実効性のある対応をしていただきたいというふうに思っております。

 それとあわせて、清掃工場も含めてですけれども、やはり今まで清掃工場は、先ほど言ったように迷惑施設という位置づけが基本的な考え方だと思うんですが、そうではなくて、分ければ資源と先ほども言いましたが、そういったところを重視して、清掃工場そのものが、工場ということではなくてリサイクルの拠点という位置づけに変わっていくというのが本当に地域にとっていいことではないのかなというふうに考えております。その点も含めて、区長からは、一部事務組合も含めて、庁内も含めて全体で取り組んでいくというお話をいただいておりますので、その点については推進をしていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 中小企業の関係につきましては、電話で予約を受けてから三カ月かかるという状況は、これは先ほどもお話ししましたが、やはりそこで各金融機関との問題で、預託金制度も含めてですけれども、基金の問題も含めて、いろいろ預託、預金をしている部分もあるわけですから、そういったところも含めて、いろいろな方面から金融機関に協力をしていただくということを求めていく必要があるのではないのかなというふうに思っております。そういう点も含めて、もっと積極的にしていただきたい。そうしなければ、三カ月かかるということになると、やはり先ほども言った待てる企業、待てない企業というのがあるわけですから、そこで金融機関との連携を密にしてもらって、俗的に言えばつなぎ融資だとか、そういうものも含めて銀行が実施できるような、区と相談しながらやっていけるような、そういうシステムをつくっていくことも必要ではないかなというふうに思っております。

 再開発の関係についても同じでありますし、逆に、今、ここのところ何件か御相談をいただきまして、いろいろな問題を抱えているところであります。この点については、区民部の商工観光課も含めて、いろいろ相談に乗っていただきまして、ある程度の解決は見ているところなんですが、逆に言えば、再開発をしている地域については、やはりそこで長年対応してきていただいている中小企業の方々にしっかりと対応していっていただく必要があるんだろうと。ただ事業主から言われて、この日までに物を上げてくださいと。そうではないんですよね。その間には、いろいろそこの企業の人たちにとっては、地域に対しての貢献もあるわけですから、逆に言えば、そういうところを酌んであげて、スムーズな手続ができるような体制をつくってあげるということが必要なんだと思います。その辺については実情はおわかりだと思いますので、その辺はしっかり対応をしていただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。

 高齢者対策については、元気高齢者の方々と俗的に言われておりますが、やはりそういう方々が地域で町会活動に参加できるのか、高齢者クラブに参加できるのか、NPOに参加できるのかという、いろいろな情報も持てない部分というのはあるんだろうなというふうに思っています。だから、区としていろいろな広報はされていると思いますけれども、それ以外にどういったことが必要なのかということをしっかり検証していかなきゃいけないんだろうというふうに思っております。

 介護の関係でもありますが、マンション居住が八六%というこの現状の中で、管理組合とかマンションの自治会だとかの関係がしっかりなされなければ、地域の民生委員の人たちは入れないわけです、マンションに、オートロックで。なおかつ、そういったところでいけば、本当に緊急なときというのは対応しきれないということになってしまう。ですから、マンション管理組合の関係でいえば、都市整備部で行っているマンション管理のグループがあるわけですけれども、そこの中に民生委員の方々だとか、そういう人たちと一緒になって話をするだとか、いろいろな関連できることはいっぱいあると思うんですよね。そういうことを積極的にやっていただきたい。そうしなければ、最後に言った縦割り行政というものが抜け切れなければ、結局は人のためにならないということになるわけですから、あらゆる機会を通じて、情報の発信も含めて対応していただきたいというふうに思います。

 地域包括センターの話については、他の市の話を挙げたわけですけれども、中央区の地域包括支援センターの方は一生懸命やっていただいているというふうに思います。すぐに飛んでいって、その人の状況を見ながら、どういう対応がいいのかということも含めて一生懸命やっていただいていると思いますけれども、やはり一人にかかる、先ほど言った一万九千二百人を超える高齢者の人口を考えたときに今の体制でいいのかということを、やはりもう一度検証していく必要があるのではないのかなということで御質問させていただきましたので、その辺については部内でしっかり検討していただいて対応をしていただければありがたいなというふうに思います。

 築地市場の関係ですけれども、一回目の質問の中で紳士的という言葉を使いましたけれども、私的には全く信頼が置けるものではないなというふうに感じています。私が以前、区議会の委員会で発言したときに、汚染物質は飛散しないのかということで質問させていただいたこともあったかと思いますけれども、そのときには盛り土があるから大丈夫だという話だったんですが、結局、いろいろな話を総合してみると、盛り土も汚染されているということであるのであれば、やはり区民に対する、周辺に対する説明がまだまだ全然足りない。ましてや、区議会にも盛り土の話については全然説明に来ていないという状況ですよね。そういったことに関していえば、地域の安全、環境問題、健康被害も含めて、あるかもしれません。そういうことも含めて、やはり対応してもらわないといけない部分というのはあるだろうというふうに思いますね。説明責任ということであるんだと思いますよね。

 安心して暮らしていくためには、やはりそういうことを東京都にしっかり伝えていく。区長、議長連名で出したものもありますけれども、そういったものをしっかり伝えて、区議会にもしっかり対応してもらわなきゃいけないというふうに思っておりますので、その辺はよろしくお願いいたします。

 今、都議会で現在地再整備のプランが検討されているというところですけれども、結局、一番私自身が心配しているのは、市場の関係者なんですよね。まず一つは、検討している市場が本当に使えるものなのかどうかということもそうですけれども、この計画論議が長引けば長引くほど、市場関係者にとっては大きなマイナスになっていくと思うわけなんです。ましてや、今、論議されている中で、都議会からの話を聞きますと、地域の関係者に対する説明が、これまで築地は再整備をやらないということで豊洲に移転するということだったので、新たに発生するという状況が出てきたと。そういうふうなことであるのであれば、私としては、業界段階は移転という話でなっておりますけれども、私自身としては、逆に言えば、そういう言い方を東京都がするのであれば、地域の関係の人、ましてや仲卸の業者の人たちに対して意向調査というんですか、移転が賛成なんですか、反対なんですかという意向調査も含めて、やはり地元で意向調査をすると言ったのは、調整が必要だと東京都は言っているわけですから、だったら地域の中の市場の意向調査をしてもらいたい。仲卸、場外、地域周辺も含めて。本当ならば、そういったことをしてもらうことが重要だというふうに思うわけです。その辺のところだけなんですが、意向調査も含めて東京都に要求していってもらえるかどうかというのを、今の現時点で、この場で聞いているので明確な答えができるかどうかはわかりませんけれども、一番苦労しているのは仲卸の人たち、場外の人たち、要するに市場関係者の方々ですから、そういう人たちから意向調査をする必要性は、逆に言えば、東京都が進めていることの中では必要なんじゃないんでしょうかね。そう私は思うので、その辺のところを、その問題だけお知らせいただきたいと思います。

 朝潮運河の橋梁もかかってきた。環状2号線の問題については密接には関係していないよといいながら、今の現在地再整備が通れば、地下化になったり地上化になったり、いろいろな場面が出てくるわけですから、正直な話をすれば密接不可分ではないかというふうに感じているところでありますので、その辺についても区民、地域住民も含めて、関係者も含めて全然説明されていないというふうに思っています。委員会での論議だから、まだまだ説明する段階にないという話なのかもしれませんが、そういったことも含めて、要望をしていっていただければありがたいなというふうに思います。

 全般的な行政サービスの関係につきましては、やはり区民に対してしっかりとした説明ができなければいけない。しっかりした情報を提供してあげなければ、区民の人が必要としている情報を提供してあげなければ、何の意味もないわけです。余計な、過剰なものを教えてあげても、その人には必要ない部分もあるわけですから、そういったことも含めて、職員の方々の人材育成の計画を早急にまとめていただいて、やはり計画的に施策の把握も含めて、地域の区民の皆さんにしっかりした情報提供をする。情報提供をしたときに情報を収集する、そういうことをしながら区政に反映していく。そこで、上司の人たちは、管理職の人たちはしっかりその意見を聞いて、担当課長連絡会議ということで、いろいろやられていると思いますけれども、先ほど少し指摘した中でいえば、しっかりとした情報共有がされていない部分もあるやに思いますので、その辺も含めてしっかり対応していただければありがたいなというふうに思います。

 一点だけ御質問をしましたので、その点にお答えをいただければありがたいと思います。

 二回目の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 どうも。築地市場問題ですね。要するに、仲卸の皆様方の意向がどうなのかということを十分に把握すべきではないかということでございますね。

 先般、八月十二日付で議長さんと一緒に都知事に提出いたしました要望書にも、その点触れておりまして、土壌汚染対策などについて関係者への十分な情報公開。情報公開が一点ですね。それから、移転問題について、市場関係者や地域住民並びに本区の意見を十分に聞き、反映されるよう、改めて要望いたしますと。あわせて、このたびの技術会議の提言内容について中央区及び中央区議会へ説明を行うよう要請いたしますということを求めております。このことは、まさに意向調査を含めた十分なる意見の吸い上げですね。これが重要であるということを東京都に要望しているところでございます。

 以上であります。

〔二十九番 渡部博年議員登壇〕

○二十九番(渡部博年議員)
 御答弁ありがとうございます。

 意見の吸い上げということで、しっかりやっていただきたい。結局、業界団体の中だけでは移転という話はされていますけれども、本当の仲卸の方々は個人個人のことになっていけば、仲卸、場内の話だけ、やはり個人的にはいろいろな考え方をお持ちの方はいっぱいいらっしゃるわけですから、そういった意向もしっかり酌み上げていただくというのが重要なんだろうというふうに思っておりますので、区長御答弁いただいたとおり、意見の吸い上げをさらに東京都に、周辺地域も含めて、仲卸業者、場外、地域周辺の方々の意見吸い上げをしっかりしてくれ、意向調査をする必要があるということも含めて、ある場面に来ましたら、しっかり対応していただければありがたいなというふうに思っておりますので、これは要望をしておきたいと思います。

 後に決算特別委員会も開会されるかと思いますので、細かなというか、それから先の論議につきましては、決算委員会のほうで論議があると思いますので、私の質問はこれにて終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(押田まり子議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

午後四時二十八分 休憩


午後四時五十分 開議

○議長(中嶋ひろあき議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。五番増渕一孝議員。

五番 増渕一孝議員登壇

○五番(増渕一孝議員)
 戦後も六十五年が過ぎました。ことしも視点を変えた反戦を訴える映画、小説が発表されています。映画「キャタピラー」、小説、浅田次郎著「終わらざる夏」、「氷雪の門」の再上映も決定しました。

 さて、あらゆる世代の先人たちが戦争体験を乗り越え、私たちに残してくれたすばらしい戦後を考えてみましょう。戦争が終わり、食べることを心配することなく、日本社会において最も幸せな時期を生きてきました。高度経済成長の担い手として世の中に存在するという充実感、そして、まがりなりにも年金制度の恩恵も受けています。この世代が私たちです。先人たちの残してくれた戦後を享受できた最後の世代となるのでしょうか。自由の謳歌、生活の豊かさばかりではなく、父母への孝養、家族のあり方、地域の連帯感など、社会生活を送る上での知恵をも残してくれました。そして、その知恵が日本人の国民性の根幹でした。言い過ぎでしょうか。享受できたこの時代、それが昭和三十年代ではないでしょうか。

 現在、平成二十二年。「平成、平成、こんにちは。過ぎた昭和が懐かしい」、ことしもまた盆踊りで聞いた歌でございます。本当に昭和三十年代が懐かしい。昨今、昭和三十年代ブーム。その要素は幾つもあると思われます。大家族制が核家族化、経済力を身につけ、自立を目指す主婦の家庭内での発言権が強くなったこと、家父長の権威が弱体化し、子供たちが自己主張できるようになったことなどが、社会生活の最小単位である家族の中で要素として考えられます。そして、昭和四十年代以降、大衆消費社会、マスレジャー時代へと突入していきます。

 昭和三十年代ブームが起こっている要因は、当時の家族のあり方、社会生活を送る上で、地域の精神的支柱の存在を懐かしがっているのではないでしょうか。連日のように報道される幼児・児童虐待、子殺し、親殺し、そして、いるはずの住民、高齢者がいない問題、多くの自治体が頭を抱えています。これらの問題解決には、マンパワーの増員が不可欠であることは言うまでもありません。しかし、行政改革推進、公務員の計画的削減の立場上、それもままなりません。思い返してみるに、これらの問題への対処は、行政の仕事であったでしょうか。いや、行政の出番であったにせよ、ごくまれな、そして特異な例でした。昭和三十年代まで地域の力、地域の助け合いの精神が、端緒のうちから問題解決へと働いたと思われます。

 それでは、昭和三十年代へ戻れるのか。地域社会を復元するのか。無理な話です。とりわけ、本区の集合住宅居住率を考えれば、昭和三十年代まで残っていた隣組の存在など、望むべくもありません。しかし、あきらめてはいけません。すばらしい戦後を私たちに贈ってくれた先人たちに報いるためにも、享受できた世代である私たちは立ち上がるべきです。新しい昭和三十年代を行政と地域との協働でつくり上げていきましょう。

 私は、自由民主党の増渕一孝です。理事者の皆様には本来の意味での前向きな御答弁を期待するものです。そして、再質問を留保します。

 まずは、成年後見制度、市民後見人育成の促進です。

 成年後見制度は、認知症や障害などにより判断能力が不十分な人を保護し、支援するための制度として始まりました。具体的には、家庭裁判所により選任された後見人が、本人にかわって不動産や預貯金などの財産管理や福祉サービスや施設入所に関する契約締結などを行う。身寄りがいないなど、親族による申し立てができない場合は、区市町村長などが申し立てを行う。後見人には親族、弁護士、司法書士などが選任されるケースが多いが、最近は社会貢献型後見人、市民後見人が選任されるケースも出てきているとお聞きします。

 お伺いします。

 市民後見人養成事業への区民参加の現況、本区における市民後見人育成の見解を。

 そして、後見報酬についてお伺いします。

 専門職、弁護士、司法書士の月額報酬は家庭裁判所にて決まります。それでは、市民後見人の月額報酬は幾らかお聞きします。そして、本区社会福祉協議会において被後見人の資産状況により報酬が得られにくいケースについて、後見人に対し月額二万八千円を上限に助成を行っています。この助成の趣旨と、市民後見人に対しても当てはまるのかお伺いします。

 成年後見には、法定後見と任意後見の二つの制度があります。現在、本区社会福祉協議会では法定後見一件、任意後見一件を受任しています。権利擁護事業契約六十四件、活動連絡調整二千八百八十九回に及んでいます。この実績から見て、任意後見、受任一件という現況に対する御見解を。

 以上、質問の上、区民成年後見人制度についてお伺いします。

 本区高齢者の約四割が認知症を疑われる実情、そして専門職の後見人の引き受けが困難な事態が予想される現状から、世田谷区の取り組みを例に挙げ、お伺いします。

 世田谷区区民成年後見人養成研修設立の経緯は、平成十三年からスタートした成年後見連絡会設置により始まります。その中で、後見人候補者の選任や後見人の受任などを行ってきましたが、実際には引き受け手がなく、世田谷区成年後見支援センターの開設へとレベルアップしました。支援センター新規事業として、区民要望をマッチさせるため、世田谷区区民成年後見人養成研修事業がスタートしました。施設に入っている人など、比較的財産が少ない人を対象とする。弁護士などの専門家ではなくてもできるようなケースに、地域の支え合いで対応していくことが検討できないかとのもとに誕生しました。平成十八年度より、区民成年後見人の養成が始まりました。現在、区民後見人が二十二件を受任しています。

 本区でも、都の養成事業修了者が二名、月二回程度権利擁護事業、生活支援員としてお仕事をされています。二名の方は後見人候補者であると思われますが、間違いございませんか、お聞きします。

 権利擁護事業から任意後見へ、区民後見人育成には欠かせないステップと思われます。社会福祉協議会権利擁護事業生活支援員の資格要件をお伺いします。そして、本区独自の区民後見人養成研修の早期検討を求めますが、御見解を。

 次に、いるはずの住民、高齢者がいないについてです。

 連日報道されている所在不明高齢者問題も、自治体の後処理へ移行していきました。家族は、居場所は知らんと言い、現代版楢山節考の様を呈してきました。

 お伺いします。

 住民の居住確認は、自治体の基本的なことと思われます。住民基本台帳法の規定どおりであれば、本区において住民票の正誤の調査は行われているのが当然と考えられますが、御見解を。

 昔は、住民台帳よりの所在不明高齢者は、ほとんど例外的な問題でしかなかったと思われます。ここ三十年ほどの間に、社会、生活事情も大きくさま変わりし、現在、私たち地域は、「地域と呼べるもの」となってしまったように思います。起こるであろう所在不明高齢者問題などを予見し、解決すべく導入されたのが国の住民基本台帳ネットワークシステムであり、区では住民情報システムと解釈するが、御見解をお願いします。

 本区も、平成十三年度より平成二十一年度まで、約一億四千万円余りの予算執行を行ってきました。自治体の無理な支出を強いている総務省の縄張り拡張は見え見えですが、問題発覚でもわかるとおり、何の役にも立っていないのが現状でありましょう。八月三十一日付で、総務省より、「住民基本台帳の記録の正確性の確保について」なる通知が来ました。関係部局間の連携の強化、福祉部局、税務担当部局、選挙管理委員会などとの連携です。何を今さらとの感を否めませんが、本区においては定期的な住民調査を望むが、御見解を。

 総務省の通知で一点確認をします。「各市区町村長は、住民の住所の変更などの住民の地位の変更に関する事実については原則として住民からの届出により把握することとされている」、「改めて住民に対して制度の周知を行うこと」との文言は、総務省として何を伝えたいのか、お聞かせください。

 先ほど、「地域と呼べるもの」という言い方をしました。本来の地域を取り戻すに必要な一つが、地域名簿の存在です。集合住宅居住率八六%の本区において、町会名簿さえ存続が危ぶまれています。学校の名簿も姿を消してから、どれぐらいたったでしょうか。少年野球の連絡網さえ、ままなりません。新型インフルエンザ流行の際、集団登校単位ぐらいのグループ名簿が休校連絡の役割を果たしたと聞いています。しかし、学校名簿の不在は保護者のつながりの希薄化につながっていると相談が寄せられています。子供が遊びに行った友人宅の連絡先を知りたいなどがその一例でしょう。二○○五年、個人情報保護法が全面施行されました。しかし、同法は、決して名簿や連絡網の作成を禁じたものではないと消費者庁も言っています。衰退の一途をたどる地域力、ほうっておいたら絶対に復活しません。名簿の存在もその一例です。

 そこで、全国自治体で取り組みを開始した自治体条例での認証制度に注目しました。

 一、利用目的や管理方法などを明記した規約をつくる。二、名簿の管理者を決める。三、同意を得た上で情報を収集する。これらにのっとった名簿を自治体が認証する制度です。地域力の復活の一助と考えますが、御見解を。

 次に、高齢者配食サービスについてお伺いします。

 高齢者は、肥満よりもやせ、栄養不足のほうが問題との指摘がある中、介護予防の観点より、配食サービスへの関心が一段と強まっています。手渡しによる配食は、見守り機能もあわせ持ち、本区においても高齢者問題対策の重要な部分を占めています。

 一九七○年代以降、全国的にボランティア団体やNPOなど、地域住民を核として配食サービスが行われてきました。本区の現況は、週延べ対象者千四百七十一人、配食数千七食、そのうちボランティア団体配食数は五十三食となっています。本区三ボランティア団体は、設立の歴史に若干の差はありますが、大変おいしい食事の提供をいただいております。一食にかかる経費に差こそあれ、業者委託配食サービスとの内容の違いは歴然としております。

 高齢者配食サービスは、見守りも重要な要素です。大手飲食チェーン会社も配食サービス業界への参入を始め、社員に地域住民を雇用しています。見守りに地域力が欠かせないあらわれではないでしょうか。全国的にはまだまだボランティア、NPOなどに配食サービスを依存しています。そして、資金難、運営スタッフの高齢化問題など、その継続が危ぶまれています。

 お伺いします。

 本区配食サービスボランティア団体への行政の積極的働きかけを、育成を含め、お聞きします。

 介護予防の視点より、配食サービスの重要性をお聞きします。

 全国自治体は一日二食、本区は昼一食のみ配食サービスとなっています。レベルアップを含め、今後、本区の取り組みの御見解を。

 次に、家で死ねるまちづくりです。

 この言葉は、聖路加看護大学の川越教授がネーミングされたと聞いています。大変わかりやすくて、いいですね。その理念は、地域の力で、死にゆく人の尊厳を守るというものです。ケアプログラムの柱は、二十四時間ケア(症状コントロール、家族ケア、みとり)、グリーフケア(年一回の遺族会、遺族との週一回のお茶の会)、デイホスピスの三つです。主に、在宅末期がん患者をケアしています。ケアチームは、訪問看護師、医師、ボランティアグループで構成されています。特に、在宅ホスピスボランティアグループの役割は重要で、患者宅訪問、デイホスピスへの参加など、グリーフケアも含め、活動されています。

 さて、私たちの多くは家で最期の時を過ごしたい。しかし、無理だと思っているのではないでしょうか。家族の負担、みとってくれる人がいない。経済的負担。自宅で最期を迎えるのは一般的でないなどが理由ではないでしょうか。しかし、川越教授が提唱し、実践、活動されている取り組みは、確実な成果を上げています。二○○○年七月より二○○六年六月までのデータによれば、五百二十五例中、五百三名の方を在宅にてみとられました。

 この取り組みは、地域の力と協働して活動する市民参加型が大きな特徴です。区民も専門職も行政も、まずはみんなが思いを語り合い、知恵と力を出し合うことで、区民が望む最後の日々を地域で過ごすことがかなうと先生はおっしゃっています。本区世論調査にも、最後まで中央区に住み続けていたいとの高齢者の思いが結果として出ています。家で死ねるまちづくり、本区の御見解を。

 続いて、どうしても触れておかなければならないのが幼児・児童虐待についてです。

 お伺いします。

 初めに、妙に納得してしまう小児科医のコメントを、多少過激ですが、御紹介します。

 「またまた子供が虐待死しました。夫に似ているからとの理由です。子供が父親に似るのは当たり前です。それほど我が子や子育てが嫌なら、子供を人のいるところになぜ捨てないのでしょうか。彼らに育児の資格も道徳もない。子育ては無理なのです。親が大人になり切っていないのです。責任は甘やかした親と社会にあり、豊かな生活環境もそれに加勢しました。対処方法は、若者に自立心を養成することです。現状からの結論を言えば、虐待する側とされる側を完全に遮断するか、どちらかが死なない限り絶つことはできないでしょう」

 さて、妙に納得ばかりもしていられません。最近の事例を取り上げ、「責任は甘やかした親と社会にあり」の社会のほうの問題点を考えてみましょう。

 ことし一月、江戸川区の事例です。外部の目が初めて虐待に気づいたのは、昨年の九月でした。小学校の教師です。副校長へ報告しました。学校の結論は、「注意して見ていきましょう」でした。児童相談所への通知はありませんでした。同じ、昨年九月ごろ、児童の通院先の歯科医も左ほおのあざを見つけました。そして、区の子ども家庭支援センターへ通告しました。センターの業務は、通告への対応ですが、学校へ任せました。学校は、校長らが家庭訪問を実施しましたが、父親の「しつけだった。二度となぐらない。男の約束だ」との言葉を信じました。ここ数年、児童相談所への通告は、警察や近隣、知人がふえているのに対し、学校は減り続けています。

 お伺いします。

 本区子ども家庭支援センター、児童相談所も含め、通告元の状況と、学校であれば、その後の連携はどうなっていくのかお聞きします。

 児童虐待防止法の改正を受け、平成十七年から通告先に自治体が加わりました。そこで起こった問題が、自治体、子ども家庭支援センターが最初に対応し、難しいケースを児童相談所に送る二層構造に切りかわりました。各自治体によって、その能力差が出てきています。そして、両者の谷間に落ちるケースが出てきています。本区の御見解をお願いします。

 幼児・児童虐待の通告を受けた後、最大の課題は、最悪のケースを想定した子供レスキューへの時間との戦いです。児童相談所のある担当課長がこう述べています。「我々は、これまで家族の支援のため、親との関係を大事にしてきました。たとえ時間がかかっても、説得したいとやってきました。だが、介入に手間をかけ過ぎ、子供が亡くなっては元も子もありません」、平成二十年、法改正がなされ、児童相談所の介入を拒否する家庭への強制立ち入り調査が可能になりました。しかし、現在まで全国で三件しか例がありません。法改正の一年前、本区において、あらゆる行政機関に地域の人々を加えたプロジェクトチームによる子供レスキューが行われました。事例は、重大なネグレクト、育児放棄でした。私は、この本区初めてであろう救出に、今でも最大の賛辞を送ります。

 お伺いします。

 さきに自治体と児童相談所の二層構造による谷間に落ちるケースについて述べました。子供レスキューは、本当に時間との闘いです。本区単独でも実行できる子供レスキューシステムの構築が急がれるべきと思われますが、御見解を。

 この質問の最後に、どうしても紹介したい言葉があります。冒頭述べた浅田次郎の小説「終わらざる夏」です。学童疎開の教師の言葉です。

 「子供は、かけがえのない宝です。国の宝でも、親の宝でもない。あらゆる無限の未来をその小さな体にぎっしりと詰め込んだ、子供という存在自体が宝物なのです」

 次に、児童館機能充実についてお伺いします。

 昨今、中学生や高校生が放課後を過ごせる場所探しが急がれています。少子化で利用者が減少傾向の児童館も、居場所づくりとしての改装が都心区自治体で始まりました。学校の部活動に参加していない生徒らが安全に楽しく過ごせる場所の提供、非行防止の観点、地域のボランティア活動を支える担い手づくりを目指す動きも出てきました。また、逆の動きも二十三区自治体の中にあらわれています。渋谷区は、児童館は子育て支援施設に変更、中野区は児童館を減らす方向にシフトしました。江戸川区は中高生対応の教育プラザへと変更されています。自治体においても児童館機能をどう生かすのか、将来的につかめていないのが現状ではないでしょうか。

 お伺いします。

 本区児童館活用の中高生居場所づくりを考えているのか、御見解を。

 居場所としての施設を充実することも大切だが、非行や孤立を防止するため、人間関係の拠点となる場所でなければならない。地域の大人との交流も、より重要と思われるが、御見解を。

 児童館機能の中に中高生対応を組み入れるのであれば、新たなノウハウを必要とすると思われます。本区児童館指定管理者の導入は考えていらっしゃるか、御見解を。

 大型児童館が晴海に開設予定です。開館時間が午後八時までと拡大されます。全館開館時間延長のお考えは。御見解を。

 以上、新しい昭和三十年代をつくろうとの視点より質問してまいりました。

 最後に行き着く先は、協働ステーション中央の存在です。

 昨年の第三回定例会において、中央区協働推進会議報告書に基づき、一般質問を行いました。ステーションが中間支援拠点として、区民のため機能するか危惧はあるが、期待を持って見守っていきたいと申し上げました。本年四月二十八日開設、五カ月余りしか経過していないことを承知しております。第三回定例会の質問と重複する部分があることを御了解いただき、お伺いします。

 中間支援拠点の機能への質問をしました。「町会、自治会、そこから派生したボランティア団体などが事業提案を行った場合、ステーションはどのような役割を果たすのか」、答弁。「おのおのの団体が協働活動を維持、発展させていくためには、中間支援拠点が持つ話し合いの場やコーディネート機能を活用して、組織基盤を充実し、他団体との信頼関係を築いていくことが重要であります」と答弁でございました。私は、事業提案を行った場合と具体的に質問しました。答弁は、ずれていました。

 一カ月ほど前、協働ステーションを視察した際、上記の質問をより具体的に提示し、お伺いしました。複数の町会が協働事業として、人に、まちに優しい環境特区を立ち上げる。高齢者の見守り、青少年育成、環境美化活動を行うという事業提案です。住民四千名程度の広域事業となります。協働ステーション中央は、どのような役割を果たすのか、いまだ回答がありません。

 この提示した事業は、協働事業選定基準に基づく、一、行政課題に合致しているか、二、公共性があるか、三、団体の活動実績、事業遂行能力はあるか。いずれも現在個々の町会で活動中であるので、すべてに該当します。また、助成金対象事業も多く含まれていることを理解された上、この事業提案について、ステーションに文書にての回答を求めました。いまだ届いておりません。御答弁をお願いします。

 第三回定例会において、運営主体は本区、社会福祉協議会、ボランティア、区民活動センター。ステーションに活動の場を移すべきとの質問に、ステーションが手狭なことから移転しない方向で検討と伺っております。

 お伺いします。

 八月一日現在の協働ステーション中央、団体登録状況は四十七団体のうち、社会福祉協議会、ボランティア、区民活動センター団体の登録は七団体となっています。区民ボランティアの方にお話を伺う機会がありました。「協働ステーション中央事業そのものについて、よく理解できない。私たちは、社会福祉協議会において今後も活動するものと思っている」、運営主体は開設時より区民活動センターとなっています。

 さきの答弁にて、検討とありました。その結果と、移転しないのであれば、運営主体の中核をなす区民ボランティア活動センターのステーションでの存在は何なのか、御見解を。

 視点を変えてみましょう。

 協働事業選定基準A、B、Cに該当する団体、素直に頭に浮かぶ団体は、町会・自治会、長い歴史を有する区民ボランティアでありましょう。これら区民既存の団体が事業提案し、協働事業に至らなかった場合、財政支援、助成金などを行うと御答弁をいただきました。どのようなケースが想定されるのかお答えいただきたい。

 もっと具体的にお伺いします。

 本区社会福祉協議会事業である高齢者いきいきサロンを立ち上げたいと思ったとき、区民は協働ステーション中央に相談に行くことになるのでしょうか、お聞きします。

 このようなケースの線引きが大変わかりにくいため、本区社会福祉協議会登録団体ボランティアの皆さんとステーションとの乖離が生まれてきたのではないでしょうか。

 昨年の第三回定例会、「ステーションはNPO法人設立への指導、NPO法人との協働事業の推進に特化すべき」と質問しました。答弁は、「ステーションは、あらゆる社会貢献団体を側面から支援する。NPO法人のみに特化しない」とのことでした。協働ステーション中央の事業趣旨が変わらないのであれば、区民より生まれ、そして誕生する真の本区協働事業は大変おくれると言わざるを得ません。

 この質問の最後に、提案します。

 NPO法人の活用に消極的であった本区が、ステーション開設により一歩踏み出しました。もう一歩前進する方法があります。町会、自治会は除くとして、長い歴史を持つ区民ボランティアよりNPO法人への道を開くには、自治体、本区独自のNPO法人認証制度の創設です。近い将来、内閣府、東京都に続く認証機関が各自治体におろされると聞いています。平成十年、NPO法が成立しました。そのときの審議委員の方よりお聞きしたことです。本区のあらゆる政策課題を区民とともに協働する中央区民より誕生するNPO、検討の時期に入ったと思われますが、御見解を。

 現在、NPO法人も多数加わっている協働事業、その経済活動は数兆円の規模となってきました。雇用の創出の面からも大変注目されていることを申し添えておきます。

 一回目の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 増渕一孝議員の質問に順次お答えいたします。

 初めに、市民後見人の育成の促進についてであります。

 まず、東京都後見人等養成事業への区民の参加と本区における市民後見人育成に関する見解でありますが、都が実施する基礎講習の受講者を区のおしらせで募集したところ、二名の応募があり、現在、その選考を行っております。この事業は、成年後見制度の利用拡大に向けて、後見人のすそ野を広げることを目的としたものでありますが、これまで参加者が少ないのが現状であります。今後は、成年後見制度の普及啓発と後見人の支援体制の充実などに取り組み、参加の拡大を図り、本区においても市民後見人の育成に努めていく必要があると考えております。

 次に、市民後見人の月額報酬についてであります。

 後見報酬は、弁護士など専門職の後見人と同様、家庭裁判所が被後見人の資産や後見活動の状況を考慮し、決定されるものであります。報酬が得られにくい後見人に対し、月額二万八千円を上限に助成する成年後見制度費用助成事業は、後見人を必要とする方が資産の有無にかかわらず制度を利用できるようにすることを目的としており、市民後見人も助成対象となります。

 次に、現在、社会福祉協議会が任意後見を受任している件数が一件であることに対する見解についてであります。

 任意後見は、家庭裁判所が後見人を選任する法定後見と違い、将来の判断能力低下に備え、本人が後見人を選任するものであります。今後は、成年後見制度の普及に伴い、増加が見込まれますので、認知症高齢者や障害のある人が安心して暮らせるよう、制度の普及に努めてまいります。

 次に、権利擁護支援事業における生活支援員の資格要件でありますが、都の基礎講習を修了した区民となっており、二名の生活支援員も受講修了者であることから、後見人候補者であります。

 次に、本区独自の区民後見人養成研修でありますが、当面は民生・児童委員協議会に都の基礎講習への参加を働きかけるなど、この制度を活用した区民後見人の育成に努めつつ、区民ニーズを見きわめながら、その実施に向けた検討を進めてまいります。

 次に、住民基本台帳法に基づく住民票の記載事項に関する調査についてであります。

 住民基本台帳は、区民の居住関係を公証するとともに、各種行政サービスの基礎データとなるものであり、その記載内容は居住実態と一致している必要があります。そのため、法律では住民票の作成・削除等は住民からの届け出によることを原則として定めておりますが、必要な届け出が行われない場合や住民票の記載が事実に反する疑いのあるときは、実態調査等により確認の上、記載事項の正確性を確保するよう努めております。

 次に、住民基本台帳ネットワークシステムを利用した居住確認についてであります。

 このシステムは、居住関係を公証する住民基本台帳をネットワーク化し、全国共通の本人確認ができるシステムとして整備されたものであり、本区が導入している住民情報システムと連動しているものであります。こうしたことから、本区では住民情報システムを利用している部署が住民基本台帳の情報と異なる事実を知ったときには、速やかに所管課に通報する体制を構築するなど、関係部署間で密接な連携を図りながら、住民記録の適正な管理に努めているところであります。

 次に、定期的な調査の実施についてであります。

 本区では、これまで選挙における投票所入場整理券の返戻者などについて、訪問による実態調査を実施し、その住所に居住していないことを確認した場合は、住民票の記載の消除等の処理を行ってまいりました。平成二十一年度は、実態調査対象者五百三十六人に対し、百三十一人について職権で住民票を消除したところであります。また、高齢者の安否確認が社会問題となっている中、現在、介護情報等で安否が確認できていない九十歳以上の高齢者等に対し、関係部署が連携して訪問調査を行っているところであります。今後とも関係部署間の連携強化を図りながら、引き続き定期的に実態調査を行ってまいりたいと存じます。

 次に、総務省通知における住民に対する制度の広報についてであります。

 住民基本台帳の記録の正確性を確保するためには、住民からの住所の変更等に関する届け出が正確に行われる必要があることから、改めて制度の周知徹底を求める内容の通知があったものと受けとめております。区といたしましては、この通知の趣旨を踏まえ、今後とも区のおしらせやホームページなど、さまざま機会を通じて住民基本台帳制度について周知を図ってまいりたいと存じます。

 次に、地域活動における名簿についてであります。

 個人情報保護法は、個人の権利利益の保護と個人情報を活用することの有用性とのバランスを図るものであり、本来、名簿の作成を制約するものではありません。地域活動やグループ活動の活性化に名簿は欠かせないものと考えており、個人情報保護を理由として名簿が作成できない状況が見られることは、まことに残念であります。地域活動団体などの名簿作成を区が側面から支援することは有意義なことと考えますが、一方で個人情報を重視し、名簿への登載を望まれない方もおられると存じますので、区が名簿作成にかかわることにより、これらの方が活動しにくくなることは避けなければなりません。そこで、まずは名簿の作成状況について、地域活動団体の実情を把握するとともに、それぞれの御意見を伺うことが肝要と存じます。その上で、区としてどのような支援ができるのか、また条例による認証制度が必要か否かについて判断してまいりたいと存じます。

 次に、高齢者配食サービスについてであります。

 区では、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯等で健康上の理由や心身の状況により調理等が困難な高齢者の方々を対象に、配食サービスを行っております。食事摂取量の減少は、栄養不足の原因となり、生活機能の低下を招くため、本サービスは介護予防の点からも重要であります。また、日々手渡すことにより、本人の状態や安否を確認でき、高齢者の見守りにも役立っております。年間を通して毎日多くの食事を確実に提供する必要があることから、配食業者によるサービスが中心となりますが、地域のボランティアによる心のこもった取り組みは、利用者から大変喜ばれております。今後も現在のボランティア活動が継続できるよう、必要な支援を行うとともに、新たな配食サービスや会食の場を提供するボランティアの育成に努めてまいります。また、配食サービスの利用の拡大を図り、介護予防や見守りの効果をより多くの方々に享受していただけるよう、御指摘のように昼食だけでなく夕食の配膳についても実施してまいりたいと思います。

 次に、家で死ねるまちづくりについてであります。

 医療的ケアを受けながら、住みなれた自宅で最期を迎える療養者は、今後増加するものと予想されます。このため、区では医療機関、介護事業者、行政等からなる在宅療養支援協議会を設置し、終末期ケアも含めた在宅療養体制の構築に向けて検討しております。在宅で終末期を過ごすためには、二十四時間三百六十五日体制の医療・介護サービスの確保とともに、在宅療養を行う本人と家族を資金やマンパワーの両面から支えるために、ボランティア活動等地域の力の活用が不可欠であります。このため、既存のボランティアグループの活動促進策や新たなグループの育成等について、今後協議会で検討を進め、心安らかなる尊厳ある最期を住みなれた自宅で迎えられる地域づくりを目指してまいります。

 次に、児童虐待における通告元の状況と学校との連携についてであります。

 児童相談所と子ども家庭支援センターへの通告は、ここ数年、近隣、知人からが両者ともに増加しておりますが、子供に直接かかわる学校、幼稚園、保育所からは、児童相談所が減少している反面、センターではふえております。これは、子ども家庭支援センターが本区の通告における最初の窓口として周知されてきたものと考えられます。学校から通告があった場合には、まずセンターの相談員が通告から四十八時間以内に学校や家庭を訪問し、子供から直接話を聞いたり、保護者の相談に乗ったりするなど、学校側とも連携を密にしながら、きめ細かく対応し、必要に応じ児童相談所の支援を仰ぐなど、児童虐待の早期発見に努めているところであります。また、センターと児童相談所との役割分担により、要保護児童の把握や保護者の支援体制は整いつつありますが、その機能を十分果たしていくためには、虐待通告の受け手の専門性を高め、両機関のさらなる連携が必要であると考えます。今後、センター職員の研修の充実や関係機関で構成されている要保護児童対策地域協議会のさらなる機能強化を図り、子供や保護者を地域から孤立させないよう支援してまいります。

 次に、児童虐待における本区独自の子供レスキューシステムの構築についてであります。

 法が改正され、児童の安全確保のため、直接住居に立ち入ることは可能となりましたが、区が単独で行うことは難しいところであります。しかしながら、区においては、これまでも区民からの虐待通告に迅速に対応できるよう、子どもほっとラインを設置し、児童虐待の早期発見・早期対応に努めてまいりました。また、緊急的かつ重篤な場合は、児童相談所や警察署とも連携し、子供の安全の確認と保護に迅速に対応してきたところであります。こうした取り組みに加え、要保護児童の安全確保には地域住民の方々の協力が欠かせません。今後も町会・自治会、民生・児童委員、青少年対策地区委員会等、地域の皆様との連携を密にしながら、地域全体で子供を見守るネットワークの強化に努めてまいります。

 次に、地域との協働による中高生対応の児童館づくりについてであります。

 中高生は、思春期・青年期に当たり、大人へと成長するための自立性を養う大切な時期であり、児童館において子供たちが抱えるさまざまな悩みの相談に乗ったり、放課後等に活動できる居場所づくりを進めることは大変重要であると考えております。現在、佃児童館、堀留町児童館の音楽スタジオは、多くの中高生に御利用いただいており、改築中の勝どき児童館や平成二十四年度に晴海に開設予定の児童館においても、中高生の居場所づくりとしてスタジオや大型の体育館等を計画しているところであります。また、児童館は、異年齢の子供や地域の大人とが交流できる場でもあります。今後も児童館まつり等の行事において、中高生が青少年対策地区委員会の方々と一緒にボランティアとして活躍したり、乳幼児の親子との交流の機会を設けるなど、地域の中で幅広い人間関係を結べる拠点となるよう努めてまいります。なお、晴海の児童館については、指定管理者制度を導入し、開館時間の延長も行いますが、他の児童館については、管理運営上の問題点を検証し、利用者の御意見も伺いながら、今後検討してまいります。

 次に、協働ステーション中央の機能についてであります。

 初めに、協働事業提案制度における事業の取り扱いについてであります。

 提案事業の構築に当たっては、まず協働ステーション中央において、事業内容の組み立てなど、区と団体との協働に向けた具体的な相談や検討を行った上で、協働事業提案書を作成し、提出いただくことになっております。御質問にある提案事項につきましては、現在、事業構築に当たり、詳細な内容等を確認している段階にありますが、今後は区の担当部局との協議の場を設けるなど、引き続き提案内容の具体化に向けた支援に取り組んでまいりたいと存じます。

 次に、ボランティア区民活動センターは、これまで同様、社会福祉協議会に事務局を置き、十思スクエア内の協働ステーション中央の運営主体としての役割も担っております。こうしたことから、協働ステーション中央の業務を受託しているNPO団体とは、事業の進展ごとの協議や定例的な会議などにより密接な連携を図りながら、区内の社会貢献活動全般の総合窓口としての機能の充実に努めてまいります。

 次に、協働事業に至らなかった場合の財政支援についてであります。

 協働ステーション中央では、提案された事業が協働事業として選定されなかった場合におきましても、国や財団などの助成要件に該当する事業に対しては助成金制度の紹介や手続に関する支援などに取り組んでおります。また、社会福祉協議会の自主事業である、いきいき地域サロンを区民の方々が立ち上げる場合は、新たな協働事業の提案としてではなく、社会福祉協議会との協議を踏まえて事業展開を行っていただくことになります。

 次に、本区独自のNPO法人認証制度についてのお尋ねです。

 国及び東京都に問い合わせいたしましたが、区市町村における認証制度については確認が得られませんでした。認証制度のあり方につきましては、今後の国や都の動向を注意深く見守りながら検討してまいりたいと存じます。

 答弁は以上であります。

〔五番 増渕一孝議員登壇〕

○五番(増渕一孝議員)
 少々早く質問を読み上げましたので、大分再質問の時間が残っておりますので、ゆっくりといきたいと思います。

 まずは、ことしの浜町グラウンドで行われた大江戸まつり盆踊り大会、いつになく盛況で、さきの委員会でも私、どの程度の参加者がふえたのかなとお聞きしましたら、三千名がふえたと。昭和三十年代を思い返してみまして、今でも、区長さんのおかげですね。まちまちで七月の半ばから八月の最後まで盆踊り大会が行われています。あの当時は目をきらきらさせながら、将来への希望を持って踊り明かしたことを思い出します。

 そして、何といっても、昭和三十年代の大きなことは東京オリンピックです。オリンピックというのは八年前に決まりますので、その当時のことを数字で見てみましたら、国家予算が一兆円ちょっと。あのときのオリンピックに使われたお金も一兆円だったそうでございます。私の住んでいたまちも、東西南北高速道路に分断され、川はなくなり、橋もなくなり、でも、地域はしっかりと根づいて、お互い助け合いの精神でやっていたようなことを思い出しながら、今回の質問に入ったことでございます。

 前後いたしますが、まずは協働ステーションのことでございます。

 想像していたとはいえ、まことに、本当に想像したとおりのお答えでございました。一番の問題は、どうも、乖離という言葉を使うのは嫌なんですが、あるのではないのかな。ここで私が再質問するのもなんなので、今、ボランティアセンターで活動されています方からお手紙をいただきましたので、それを読ませていただいて再質問にかえたいと思います。

 「協働ステーション中央が開設してから五カ月がたちました。私には、以前の交流サロンとどのように変わって動き出したのか、全くわかりません。やっていることは、以前と同じこと。名前だけが変わったとしたら、座長でございました瀧澤先生の述べられたことは何だったのでしょうか。今まで社会貢献団体でも、町会・自治会は区民部、ボランティア団体は社協、ボランティア区民活動センター、NPOは団体交流サロンとの縦割りでございました。私たちの意識の上でも、これはボランティア活動だからボラセンと自己規制することがありました。自分たちの持ち場をちゃんとやっていれば、それでいいんだというようなことがありましたが、今の地域コミュニティの現状、そしてこれからの地域の活動のあり方を考えると、その縦割りの枠を外していかなければならないところに来ている。そこで、協働ステーション中央の誕生だったのではないでしょうか。私には余計に期待するものが大きかったのではないかと思います。名前が変わっただけの、中身は何も変わらない協働ステーション中央に、これから何を期待していったらいいのでしょうか。

 地域での町会・自治会などのエリア型コミュニティと、地域でさまざまな活動をしているテーマ型コミュニティとが手をとり合う。あるいは、区内に散在している子育て支援や高齢者支援の活動のネットワークを試行する。高齢者や障害者、子育て世帯や子供が、青少年たち、だれもが集えるようなサロンがあるといいねというような、ともに手をとり合い、協力していく豊かな地域を築くために、考えられることはたくさんあると思います。今の協働ステーション中央のように、まずはNPOありきではなく、もっと地域に目を向けることによって見えてくるものは、地域の課題を協働ステーション中央を通して取り組むことができれば、それこそ協働という豊かな果実をこの中央区に根づかせる一歩になるのではないでしょうか。

 私たちが日々暮らしているこの地域をよくするのは、行政だけでもなく、住民だけでもなく、まさに両者が手をとり合っての協働から生まれるものだと思います。その過程で、住民は気づくのだと思います。一人じゃないんだ、ともに手をとり合う人がいた、この地域、中央区に住んでいてよかったと。協働とは、何も難しいことではないと思います。地域でこういうことをやりたいね、こんなものがあればいいね、手をつなげるねという思いを協働ステーション中央で話し合い、語り合うことができたら、協働ステーション中央は地域のための、そして区民のためのものになると思います。一歩踏み出すのではないかと思います」

 こういうような手紙をいただきました。

 昨年、第三回定例会で私も質問しており、一年がたちました。地域との協働、何か言葉だけひとり歩きしている。行政と区民が共有する課題の解決を何が阻んでいるのか。区民の協働意識は高まっています。しかし、行政側にとっての壁は何なのか。これからますます進んでいくであろう地方分権をにらんで、中央区行政に勇気ある一歩を踏み出していただきたいという思いで、少々地域との協働、私、しつこいようですが、再度質問させていただきました。

 市民後見についてでございます。

 ニーズがない、需要と供給のバランスだとおっしゃいますけれども、これは需要と供給のバランスで考えるような問題ではないと思うんです。やはりこういう問題は先取り先取りしていく、この姿勢がすごく重要なのではないかと思います。そして、今、介護相談員や認知症のサポーター、いろいろな区民の方が高齢者問題に関して関心を持って働いていらっしゃいます。こういった人たちの中からでも、需要というのは幾らでも拾える。待ってちゃだめなんです。区民の方の協力を得て、この需要の喚起をぜひともお願いしたいと思い、区独自の養成研修を早くやってもらいたいなと思っての質問でございました。

 いるはずのない高齢者の問題なんですけれども、今回この問題を質問するに当たって、どこか視点を変えて質問しようかなと思いまして、システムのほうから質問させていただきました。おわかりのとおり、システムに関しましては、国のシステム、そして、それと連動した区のシステムという答えを先ほど区長さんのほうからもいただきましたが、いつにかかわらず、やはり我々住民の協力の姿勢、本人の正確なる申請義務というんですか、それがついてこなければだめだということはわかっております。ただ、私も全然住民基本台帳ネットワークシステムというものに対して、よくわからなかったんですけれども、今回、総務大臣になられた前鳥取県知事の片山さんが、このネットワークシステムに対して大変批判的だということを私は報道でも、テレビの番組でもお聞きしております。片山さんがなられたんですから、本当にお手並み拝見といきたいと思っております。

 それから、名簿づくりでございますが、私が活動している町会で、今、七十五歳以上の方がちょうど百名いらっしゃいました。それで、敬老のお祝い金を配ったところでございます。これはあくまでも住民票からの七十五歳以上百名。でも、町会はそうじゃないんですね。住民票がなくても、町会費をいただいていれば、これは敬老の祝い金をお配りする。住民票イコール私たちが大事に皆さんと相談しながらやってきた町会名簿というのは、そのために存在する。ただ、だんだんやはり拒否する方が多くなったのも事実ではないかと思います。

 中野区もこの問題、大阪の箕面市は一年ほど前に導入いたしましたが、中野区でも検討段階に入って、ことし上程ということでしたが、上程を見送りました。それは、町会の方々や自治会の方々の協力が、足並みがそろわない。やはり足並みがそろってこそ、区が認証する名簿づくりというのが立ち上がっていくべきだと思います。ただ、一つだけ言えるのは、やはりこの問題も待ってちゃだめなんですね。どうにか区のほうでモデル地区を設定していただいて、始めていただきたい。全部が全部何でもかんでも名簿をつくれというのではないんです。地域との協働の中で必要な名簿、この名簿づくり、区が認証してもらう名簿づくりを早いうちに考えていただきたいと思います。

 配食サービスは大変いいお答えをいただきましたので、一食から二食へと、これは区長さんの力強い御答弁をいただきました。これに関しましては何も言うことはございません。

 家で死ねるまちづくり、大変インパクトのある言葉で、私も最初聞いたときにはびっくりしたんです。先ほども申しましたが、これは末期がんの患者さんを在宅でみとるということでございます。みとりの期間は、平均二カ月。今、医学の進歩によりまして、比較的進行の遅いとされている高齢者の方の終末期が特定できるようになったんですね。このような中から、本区世論調査、先ほども申しましたが、一二・六%の方が主に家族の介護を受けながら自宅で暮らしたい、終末期を自宅でと。ささやかなお願いでございます。

 それから、幼児・児童虐待の件でございますが、これは皆様記憶に新しいところで、大阪の三歳の女の子と一歳の男の子がネグレクト、養育放棄による死亡事件が起きました。これは、第一通報者は近所の住民です。大阪の児童相談所は、五回も現場に足を運びました。だれが住んでいるかわからない。そんな状態でございました。管理人さんにかぎを借りまして部屋に入っていればと、大阪の児童相談所の職員が本当に悔しがっておりました。もっと臨機応変に人命救助に動ける仕組みが大切だとつくづく思いました。

 民生委員を含む町会、住民、マンションの管理人、理事長さん、そして不動産屋さん、あらゆる地域との連携のもと、きらら中央を核とする子供レスキューのさらなる、新しい単独のシステムですね。単独のシステムといっても、そんなに難しく考えなくとも、本当に中央区は、何回も申しますが、すばらしい事例がある。あのとき動いてくれた事例をもう一遍しっかりと検証していただいて、本当に中央区はそんなことは起こり得ないんだというようなことではなく、絶対に起こさないという決意のもと、この問題に取り組んでいただきたいと思います。

 それでは、私の質問はこれにて終わります。ありがとうございました。(拍手)

○議長(中嶋ひろあき議員)
 次に、二十四番原田賢一議員。

二十四番 原田賢一議員登壇

○二十四番(原田賢一議員)
 私は、中央区議会自民党の原田賢一でございます。先ほどの質問者、我が会派の増渕一孝議員に引き続き、質問通告に基づき質問をさせていただきます。中央区民の幸せを築く一歩となるよう、建設的にして明快なる御答弁を期待するものであります。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問を留保させていただきます。

 私よりは、明石小学校をはじめとする復興小学校の改築問題についてお尋ねをいたします。

 この問題は、御承知のとおり、さまざまな報道が繰り返され、もはや教育の域を越え、区政の方針にかかわるともいうべき重要な問題に発展してきていると思われます。未来を担う子供たちのために良好な教育環境を整備するため、これを計画どおりに学校改築を進めるべきとする私ども中央区議会自由民主党議員団といたしましては、この看過できない状況の中だからこそ、区議会のこの場で区長さんにその揺るぎない決意を再度確認させていただきたいと思うのであります。

 あの関東大震災は、我が国史上未曾有の被害をもたらした地震災害でありました。震災後に内務省がまとめた「大正震災志」では、このように言っております。「大正十二年九月一日、秋とは云へど、残んの暑さは煎りつけるやうに烈しく、湘南房総の海岸にはまだ暑を避ける人達が滞留してゐた其日の午に近い、午前十一時五十八分四十四秒に俄然として大地が震動し、引きつづいて大小の余震が日となく夜となく襲来し、歓楽の巷も平和の村も大自然の威力に脅かされた」とあり、さらに、震災志の記述は続き、無数の建物の倒壊と、これに次ぐ大火災、津波、土砂崩れなど、一府六県に及ぶ惨状を詳しく記載しております。

 学校の被害については、「小学校の罹災総数五百六十三、内焼失百四十六、全潰三百十七、一部倒壊乃至大破百」とあり、九月末までに判明した小・中学校の児童・生徒の遭難総数は「死亡千四百六十二名、負傷千四百六十一名、行方不明二百七十一名の多きを算する」とあり、まだ調査が十分でないので遭難数はさらに多い見込みとしておりました。震災当日は、暑中明けの始業式のため、大部分は午前中に帰宅していたので、校舎内での死傷は少なかったものの、家庭内や避難途中での死傷は少なからずあり、「斯くて可憐な小国民を数多犠牲に供したことは、実に云はうようなき悲痛事であった」とあります。

 中央区教育委員会が昭和四十九年に編集発行した「中央区教育百年のあゆみ」においても、区内の学校施設の被害状況のほか、震災後の教育再開時の屋外やバラック教室での授業などの苦労が書かれております。この機会に改めて読み返してみて、自然の猛威に翻弄された人々の惨状に胸がつぶれる思いをいたしたところであります。

 この大災害から首都東京の復興を推し進めたのは、日本の近代都市計画の父であります、かの後藤新平であります。震災後に内務大臣に就任した後藤は、復旧ではなく復興を目指したのであります。復旧は旧態の回復であり、復興は将来の発展を図る面目の一新であります。今日、その帝都復興事業の成果は、多くのものを見ることができます。例えば、区画整理による都市改造として、昭和通りや現在の靖国通りなどの幹線道路の新設、また日本橋から築地の海軍跡地に移転した築地市場、浜町公園をはじめとする三大公園や五十二の小公園などなど、そして今般問題となっている都市不燃化のシンボルとして建設をされた鉄筋コンクリートづくりの震災復興校舎であります。

 東京市小学校百九十六校中、焼失したもの百十七校。東京市は、この惨状を目の前にして、「教育の事たる一日も等閑に附すべき」でなくと、大正十三年度より七カ年にわたり、ひたすら復興に努めたのであります。その立派な教育施設を復興しようという意図は、震災を転機として、時代の最先端を行くすぐれた教育環境を提供し、未来ある子供たちを大切に育てようという愛であり、教育の心であります。ひっきょう、この復興こそが真の社会の復興であると考えたにほかなりません。

 過日の本年九月七日に開かれた区民文教委員会においては、この改築問題について、私も委員の一人として、我が会派の考え方を明確に述べさせていただいたところであります。すなわち、「建築学会から指摘された明石小学校の価値、評価については尊重するところでありますが、今や明石小学校の復興小学校としての使命は終わりました。平成の復興小学校として、しっかりと改築をされ、新しく生まれ変わった学びやで子供たちの未来の命をはぐくんでほしいと思っております」と表明をいたしたところであります。

 学校は、教育の場であるとともに、子供と先生の生活の場でもあります。大正、昭和、平成と年月が経る中で、老朽化への対応や教育を取り巻く環境の変化を総合的に検討しながら、安全・安心で快適に学べる施設として、計画的にこれを更新することは、復興小学校建設に夢を託した先人の高い志と思いを同じくするものであります。

 この復興小学校改築について、八月二十三日に区長さんは声明を発表され、引きつづく二十六日には記者会見も行われました。これは、さまざまな報道がなされている中、区としての方針を改めて明確にすることがぜひとも必要な時期であると判断された結果でありましょう。区長さんの、「子供の幸せを第一義に考え、明石小学校をはじめ、三小学校の改築計画を進める」という力強いメッセージに、私どもは大いに安心をいたしました。これは、新校舎完成を待ちわびている区民の皆さんに対しても、確実に伝わったことと思います。今後とも中央区議会自由民主党議員団として、改築事業を全面的に支持してまいりますので、引き続きの御努力を強く要望いたします。

 日本建築学会の要望書等を私も読まさせていただきました。そこには、復興小学校の建築的・歴史的な価値がるる述べられておりますが、雨漏りが続く校舎や、またスポーツが十分に練習できない体育館など、そこで学ばざるを得ない子供たちの学習環境や子供の幸せについては触れられておりません。

 また、各種報道の内容については、冷静に分析をする必要性を感じたのであります。保護者をはじめとする学校関係者や、平成元年に議会に提出されたあの約一万四千名にも上る早期改築を求める署名請願をはじめとする地域の改築への要望などの取り上げ方はどうだったのか。報道機関の影響が大きいからこそ、その正確性、また公正・中立性が常に求められるわけであり、今後も注視をしてまいりたいと存じております。

 さて、明石小学校では去る七月三日に、中央小学校では七月十七日に、それぞれ校舎お別れ会を催し、両校の子供たちは校舎に感謝の気持ちを伝えながら、お別れをしております。きのうまでの学びやがなくなることへのこの寂しさは、子供たちも学校関係者や地域の皆様も同じでありましょう。しかしながら、今や子供たちの目は未来の新校舎に向かって輝いているのではないでしょうか。広い教室、広い体育館、広い校庭、ランチルームや図書室など、伸び伸びと学び、遊べる新たな学びやに夢を膨らませていることと思います。この夢を受けとめて、未来にわたり誇り得る新校舎として子供たちに手渡すのは、私たち大人の責務であると思うのであります。

 そこで、お尋ねをいたします。

 子供たちの夢をかなえ、また改築を望み、新校舎を心待ちにしている区民の皆さんに盤石の安心を持ってもらうため、明石小の改築について、区長さんの御決意のほどを改めてお聞かせ願います。

 さらに、明石小学校ほか、改築が予定されている二校、すなわち中央小学校、明正小学校の改築計画におきましても、これを予定どおり進めていただくのは当然でありますが、その取り組みについてのお考えをお示し願います。

 なお、さらに残る四小学校についてであります。

 小学校改築計画策定調査報告書で、方向性の考え方が示されておりますが、復興小学校として持つ老朽化等の問題はないのでしょうか。また、いずれの校舎も文化財的な価値を云々されております。子供たちの幸せを第一義にしながら、当面、どのように取り組んでいくおつもりなのか、あわせてそのお考えをお聞かせ願います。

 以上、私の第一回の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 原田賢一議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、明石小学校の改築についてであります。

 この問題につきましては、さまざまな報道がなされ、区議会はもとより、保護者の方々をはじめとする区民や多くの関係者の皆様に御心配をおかけし、まことに恐縮に存じます。

 区といたしましては、去る八月二十三日に「明石小学校をはじめとする復興小学校の改築問題について」との声明を発表し、その中で改めて本区の考え方を明確にしたところであります。すなわち、教育の中央区を標榜する本区といたしましては、子供の幸せを第一義に考え、安全・安心で快適に学べる教育環境の向上や防災拠点をはじめ、地域の核としての充実などの今日的行政課題に対応するため、区の責務として改築を行う必要があると判断いたしました。学校こそ、いかなる災害からも絶対的に安全・安心なものでなければなりません。このため、建築的な価値に着目した日本建築学会からの御意見は、できる限り尊重しながら、現在の改築計画を進め、未来にわたり一段と誇り得る学校として再生し、この明石の地で子供たちが心身ともに健やかに学び続けられるよう、全力を尽くしてまいりたいと考えております。まさに、御質問にある復興小学校建設に夢を託した先人の高い志と熱い思いをしっかりと引き継いでまいる所存であります。

 また、中央小学校につきましても、現行改築計画に基づき、平成二十四年度の完成に向けて着実に改築を進めてまいります。さらに、明正小学校につきましては、新校舎の構想づくりに向けて、年度内には改築準備協議会を立ち上げ、平成二十六年度の完成を目指してまいります。区といたしましては、今後とも学校関係者をはじめ、地域や区議会の皆様のお力添えをいただきながら、明石、中央、明正の三校を地域の誇りとなる新校舎として未来に引き継いでまいりたいと存じますので、御理解、御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

 次に、今回改築対象となっていない復興小学校四校への取り組みについてであります。

 城東、泰明、常盤、阪本の四小学校とも、震災復興校舎として建設から既に八十年以上が経過しており、耐震補強は済んでいるものの、コンクリートの劣化など、老朽化が進んでいることは、否定できません。将来に向けては、こうした問題に加え、改築三校と同様、教育環境の向上や防災拠点など、地域の核としての充実の視点から、各校の事情に応じて、それぞれの課題を抱えているものと認識しております。これらの四校につきましては、平成二十一年三月策定の小学校改築計画策定調査報告書の中で整理した方向性に沿って中長期的に各校の整備のあり方を考えてまいりたいと存じます。すなわち、城東小学校は首都東京の玄関である東京駅前にふさわしい特色ある学校となるよう、まちづくりと連携した整備を時宜をとらえて検討してまいります。また、地域の歴史的景観やランドマークとして東京都の歴史的建造物に選定されている泰明、常盤の二校については、首都直下地震にも十分耐え得る免震対策を含め、リノベーションについて幅広く調査・研究をしてまいります。さらに、阪本小学校は将来的に改築などの検討を進めてまいります。また、これらの校舎はいずれも後世に引き継ぐべき建築的価値が高い建造物とされていることから、必要な時期に泰明、常盤以外の二校については、建物の記録保存等に努め、その価値をできる限り継承してまいりたいと存じます。

 答弁は以上であります。

〔二十四番 原田賢一議員登壇〕

○二十四番(原田賢一議員)
 ただいまは、学校改築に向けた力強い御答弁を区長さんよりいただきまして、大いに安心をいたしたところです。明石小学校、中央小学校、明正小学校、この改築計画の着実な前進とともに、残る四復興小学校への対応もまた重要であります。再開発の動き、また今、御答弁にありました免震対策等々、直ちにどう動くということはないでしょうけれども、改めて整備の方向性を確認させていただきました。

 改築を望む皆さんにとって、新しくすばらしい教育環境の実現は、余りにも当たり前のことであり、それを区が決断し、進めていることを静かに賛成していることと思います。そもそもこの復興小学校が建設をされた根本の意義とは何か、何のために建てられたのか。まず、一番にやるべきこと、それは教育。教育こそが今後の東京の真の復興につながるものであるという、かたい信念のもとに建てられたのが復興小学校なのであります。私ども中央区自民党は、この先人の教育に対する崇高な思いこそ、今日に、現在にしっかりと継承し、生かして、子供たちの未来を守ることこそ、これから改築され、生まれ変わる平成の復興小学校としての意義であり、価値であり、大義であると信ずるところであります。

 遠く古き時代の僧侶であります高僧、比叡山延暦寺を開いた伝教大師最澄。最澄はこう言っております。「国宝とは何物ぞ、宝とは道心なり。道心ある人を名づけて国宝と為す。故に古人の言わく、径寸十枚、是れ国宝に非ず、照千一隅此れ則ち国宝なり」と言っております。つまり、最澄の言う国宝とは、物ではなく人間なのであります。すなわち、現下の明石小学校をはじめとする復興小学校の改築問題において、保存すべきは何か。生かし、守り、輝ける未来ある子供たちへ確実に手渡していかねばならぬものは何なのか。それは、あの当時の復興小学校建設に心血を注いだ先人たちの熱い思いなのであり、その先人の思いこそを私たちの心に永久に保存し、子供たちに伝えていかねばならないものなのであります。

 ただいまは、かくかく質問に対し、子供たちの未来を開く建設的にして力強い御答弁をいただいて、我が会派はもとより、新校舎を心待ちにしている多くの区民の皆さんが、区政に対する信頼と安心を感じ得たものと思います。ここに改めて中央区自民党を代表し、復興小学校改築に寄せる区長の決意と、また子供たちの未来をしっかりと守るのだという確固たるその姿勢に敬意と賛同を評するところであります。

 終わりに際し、子供たちと区民の皆さんがともに学び、ともに未来を語り、新たな歴史と新たな思い出を刻むであろう新校舎の完成に向かって、なお一層の御努力を要望させていただき、平成二十二年九月二十一日、第三回定例区議会における私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(押田まり子議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明二十二日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(中嶋ひろあき議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十二日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします

午後六時十七分 散会


署名議員
議長 中嶋 ひろあき
議員 鈴木 久雄
議員 高橋 伸治

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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