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平成23年第二回定例会会議録(第2日 6月20日)

1.会期

十四日(第二日)

六月二十日(月曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後七時散会

3.出席議員

(三十名)

一番 加藤 博司議員

二番 瓜生 正高議員

三番 富永 一議員

四番 染谷 眞人議員

五番 木村 克一議員

六番 堀田 弥生議員

七番 青木 かの議員

八番 河井 志帆議員

九番 奥村 暁子議員

十番 小栗 智恵子議員

十一番 石島 秀起議員

十二番 礒野 忠議員

十三番 増渕 一孝議員

十四番 中嶋 ひろあき議員

十五番 墨谷 浩一議員

十六番 山本 理恵議員

十七番 田中 耕太郎議員

十八番 渡部 恵子議員

十九番 志村 孝美議員

二十番 石田 英朗議員

二十一番 鈴木 久雄議員

二十二番 高橋 伸治議員

二十三番 今野 弘美議員

二十四番 原田 賢一議員

二十五番 押田 まり子議員

二十六番 植原 恭子議員

二十七番 田中 広一議員

二十八番 中島 賢治議員

二十九番 渡部 博年議員

三十番 守本 利雄議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君

副区長 髙橋 邦夫君

副区長 吉田 不曇君

教育長 髙橋 春雄君

企画部長 斎藤 裕文君

総務部長 斉藤進君

防災危機管理室長 平沢 康裕君

区民部長 齋藤弘君

福祉保健部長 島田 勝敏君

高齢者施策推進室長 小倉草君

保健所長 東海林 文夫君

環境土木部長 宮本 恭介君

都市整備部長 岸田 里佳子君

会計管理者 田野 則雄君

教育委員会事務局次長 新治満君

監査事務局長 小泉 典久君

企画部参事 平林 治樹君(企画財政課長事務取扱)

広報課長 信坂 留吉君

総務課長 中島 佳久君

5.議会局出席職員

議会局長 田中武君

庶務係長 渡辺 忠之君

議事係長 横山 信一君

調査係長 金田 敏明君

書記 長田 基道君


6.議事日程

日程第一
一般質問


午後二時 開議

○議長(石田英朗議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(石田英朗議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 まず、十三番増渕一孝議員。

十三番 増渕一孝議員登壇

○十三番(増渕一孝議員)
 「二○一一年三月十一日、東北・関東一帯を大地震が襲った。マグニチュード九・○、死者・行方不明者二万七千人以上。観測網や観測技術がいかに進歩しても、大地震は、結局、ある日突然起きる。数ある自然災害の中でも、一瞬にして人間の暮らしを破壊し、命を奪い、生き残った人々の世界観を一変させてしまう。その唐突さにおいて、地震や津波は人間と社会において常に究極の非日常である。阪神大震災当時は、都市直下の活断層なるものが一躍脚光を浴びはしたものの、東京を初めとした都市圏は、どこも地震の危険を観念的にしかとらえず、決して我が事として心身にしみ込ませたわけではなかった。翻って、今回の東北・関東大震災では、首都圏にも若干の被害が出たことと、福島第一原発の深刻な放射能漏れ事故によって、ある種、本能的な不安が広がっており、おくればせながら東京もついに傍観者でいられなくなった」

 以上は、四月十日発売された作家、高村薫の寄稿の一部です。

 一般質問の冒頭に当たり、改めて東日本大震災、福島原発事故によるあらゆる被災者の皆様に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 この原稿を書いていまして、昭和四十五年当時ベストセラーとなりましたイザヤ・ベンダサン、「日本人とユダヤ人」を思い出しました。現在では山本七平、新保守主義の論客として知られている方のエッセーでございました、安全と水は日本人はただだと思っている、このような中身でございました。絶対にただだと思っている、空気までもがと。

 自由民主党の増渕一孝です。理事者の皆様におかれましては、私の質問を御理解され、区民のため、心のこもった御答弁を御期待申し上げ、なお、再質問は機会を留保いたします。

 三・一一の後、各自治体が独自の復興支援を行っています。北九州市と釜石市では鉄のまち、鹿児島県肝付町と大船渡市では宇宙探査機はやぶさの縁。大震災二、三日後に被災地入りし、避難所運営の手助け、給水活動を始めたそうです。本区も、都より派遣依頼、二十三区調整、そして本区独自の支援活動を行っていただいております。今回の大震災は、多くの被災者を出したと同時に、岩手県大槌町に代表される多くの被災自治体を生みました。そのような中、自衛隊、警察、消防、ボランティアとともに注目されたのが公務員、地方公務員の存在ではないでしょうか。被災地公務員は、大震災直後、不眠不休、現在もあらゆる復旧・復興に立ち向かうべく、業務に従事しています。

 まず、お伺いします。

 一般論で言うところの地方公務員の理想像をお聞かせください。

 大震災以前にまとまったと理解しますが、本区も初めて中央区人材育成基本方針が出されました。今回は、この指針より少々細部にわたりますが、質問させていただきます。基本方針策定の背景、三つが掲げられています。本区社会環境の変化、職員年齢構成、意識の変化は、二○○八年基本計画において示されていたこと、地方分権、行財政改革の推進は、一点挙げれば、私の個人的な見解としても、指定管理者制度導入に聖域なしの観点からも、予測できたことではないでしょうか。他自治体に比べ、基本方針策定の時期が少々遅い感がいたしますが、御見解を。

 各部局の庶務担当課長で構成する人材育成基本方針策定検討会において、今回の基本方針が策定されたと推察します。方針のよりよき推進はもとより、実現に向けた今後のフォローアップ体制の明記がない。あるとすれば、最終ページに数行あるのみと思われます。

 まず、お伺いしたいのは、本区職員構成の中で人材育成、組織の力の中間的位置にいる係長、主査クラスが検討会に参画していない疑問です。検討会が指標たる方針の検討であるとしたら、細部の肉づけをする作業班と呼ばれるものが必要ではないでしょうか。係長、主査の存在は、策定に当たっても、その後、見直しの観点からも、中心的位置をなすと思われますが、御見解を。

 人材育成を効果的に推進する取り組みとして、職場研修(OJT)の環境整備は絶対のものと考えます。職場研修の目的は、同じ職場で同じ仕事を担当する職員だからこそ、共通の問題意識を持つことができます。職員同士の学び合い、日々の現場で起こる事例を集積・分析して、組織としての解決策を、そして、よりよくなるよう実行していくことが職場研修の中心となるでしょう。

 お伺いします。

 OJT環境整備の本区のお考えを、より具体的にお聞かせください。

 本区においても、従来よりOJTが行われていたのは当然のことと思われます。しかし、本区社会環境の変化、地方分権・行財政改革の推進、職員の年齢構成、意識の変化が基本方針の冒頭にも記述されているとおり、OJTの姿は大きく変化することが必然と思われます。他自治体の傾向と同様、本区も職員構成は四十代、五十代が多くを占め、若手職員が少ない逆ピラミッド型になっています。従来、OJTの考え方は、上司、先輩から仕事に必要な知識、ノウハウ等を指導、伝授されるという受け身型のものであったと想像できます。今後、最も望まれるOJT、組織の力の形成は、公共サービスのあり方の変化、熟練が物を言う業務の割合の減少、このような状況のもと、とりわけ若手職員はみずからがあらゆる職務遂行過程の中で学び取っていく自学習得型が期待されますが、御見解をお伺いします。

 若手職員の職場研修で提案があります。それは、区民と直接向き合う職場の減少の中、接遇の機会をつくることです。本庁舎一階ロビーにて課長職(管理職)接遇業務はすばらしい成果をおさめ、考えられた所期の目的は十分果たしたと思われます。たとえ一カ月に一度の業務とはいえ、忙しい課長さんには大変もったいない時間と考えます。中央区職員接遇マニュアル、粋なおもてなしも結構ですが、区民、来街者との接遇は実践で覚えるもの、体で感じるものではないでしょうか。管理職にかわり、入庁二、三年の若手職員職場研修の場として提供してはいかがでしょう。御見解を。

 人材育成で過去何度も議論となった昇任試験の受験率の問題でお伺いします。

 二十三区との比較で見ますと、主任・主事選考、二十三区六○・三%、本区六六・三%、係長職、二十三区一九・五%、本区一九・八%、管理職、二十三区、平成二十年一一%、本区三・七%となっています。管理職選考の受験率、本区は極端に少ない。管理職は、人材育成の責任者であることは言うまでもありません。今後、受験率アップに向けた早急なる取り組みへのお考えをお聞かせください。

 人材育成基本方針の一年前、特定事業主行動計画の改定版が出されました。年次有給休暇の取得促進についてお伺いします。

 本区平成二十二年取得状況、主任・主事十三・四日、係長職十一・五日、課長職五・四日との報告を受けました。二十三区平均を調べてみました。主任・主事十四・五五日、係長職十二・九一日、課長職八・二○日。課長職の取得日数で見れば、二十三区の数区で十日を超えています。基本方針にも、ワーク・ライフ・バランスの推進として、「年休取得の促進、休暇制度の周知など、特定事業主行動計画を着実に実施し」と書かれています。本区取得促進に向けた御決意をお聞かせください。

 次に、環境エネルギーについてお伺いします。

 このたびの東日本大震災では、これまで我が国が経験したことのない規模の地震・津波により、福島第一原発所など多くの発電施設に被害が生じました。このため、国は今夏の電力供給不足に向け、事業所及び家庭に対し、昨年の最大使用電力量に対し一五%の削減を要請しています。この電力供給不足は当面続くものと考えられており、国は再生可能エネルギーや省エネルギーを柱とする新たなエネルギー施策の基本方針を年内に策定すると表明しております。私は、今回の大震災で、いかに我々の生活が震災など災害に対して脆弱であるということと、電力への過度な依存によっているかということを思い知らされました。特に、震災直後の首都圏では計画停電による鉄道の運行見合せや医療機関への電力供給の停止、また我が区においては飲食店から客足が遠のくなど、社会的及び経済的活動に大きな影響を受けました。震災を契機として、エネルギー確保の重要性や生活スタイルの見直しの必要性について認識し、エネルギー消費を効率的に行い、快適に生活できるまちづくりのあり方について真剣に検討すべきと考えております。そのためには、まずエネルギーをどのように確保し、どのように使うかという具体的検討が必要です。私は、原発事故や震災時に自家発電等、独自のシステムを持つビル、工場等が強みを発揮したという状況を踏まえ、エネルギーの確保に当たっては、自然エネルギーなどを活用した自立分散型のエネルギーシステムの確立が重要と考えております。

 そこで、お伺いします。

 今年度、中央区では未利用エネルギーの調査を行うこととなっておりますが、区として、本調査を行う目的と、どのような検討をしようとしているのかお聞かせください。

 また、太陽光、風力、河川水や海水などの再生可能エネルギーを積極的に活用するべきと考えますが、区長としての見解をお聞かせ願います。

 次に、今回の電力不足による節電対策では、使用が増加する昼間の時間帯における削減と、昼間から夜間への使用時間帯のシフトが求められています。このため、節電とあわせてピークオフにおいて蓄電・蓄熱機能を用い、電力を有効的に使用する方法を考える必要があると思います。区内には、民間事業者の開発に伴い、地域熱供給システムを導入しているビルが多くあり、中でも晴海アイランド地区(トリトンスクエア)などでは大容量の蓄熱槽と高効率のヒートポンプを組み合わせた最先端のシステムが導入されており、このシステムの特徴として、蓄熱されたエネルギーの約六割は夜間の電力を使用していることです。民間事業者の開発においては、こうしたシステムの導入が積極的に行われるよう、まちづくり条例等を通じて、区も取り組んでいただきたいと考えておりますが、見解をお伺いします。

 私は、地域住民が環境に関心を持ち、地域の環境を生かした活動を行うことは大切と考えています。箱崎では、毎年、夏に隅田川のテラスで納涼祭と打ち水を実施しています。この納涼祭は、地域住民の交流に大きな役割を果たしておりますが、一方で、地域の資源である隅田川と川を渡る涼しい風を感じながらビールを飲み、語らうという最高にぜいたくなものであります。また、打ち水についても、地域の保育園児も参加し、おふろの残り水をペットボトルで持参し、このような形で実施しております。こうした取り組みがさらに広がることにより、まち全体のエコが実現できると考えております。

 そこで、お聞きします。

 昨年度から取り組まれているエコタウン構想では、環境負荷の少ないまちづくりのために、目標となるライフスタイルやまちの将来像を明確化し、まち全体のエコの実現に向け、行政、区民、事業者それぞれが具体的に行動していくことを検討していると聞いております。検討に当たり、ワークショップを実施し、地域の方々がみずから地域のあるべき将来像について議論しているということですが、このワークショップでどのような議論がされているのかということを、構想策定に向けた今年度の取り組みと同時にお聞かせ願います。

 次に、地域のきずな、コミュニティの力についてお伺いします。

 大震災後、被災された方々の心の支えとなっているのが地域のきずなではないでしょうか。何回か報道された中で、岩手県大槌町吉里吉里地区等は、その代表です。何日か前のテレビ報道では、復活のまきというネーミングで、瓦れきの中から探した木材を利用し、まきの全国販売を始めました。そのきっかけは、被災住民の働き場の必要性でした。一カ月で百万円の売り上げを出しています。

 さて、本区において地域のきずなの根幹は、何を置いても町会・自治会の存在でありましょう。町会・自治会は、地域のイベント開催や防犯活動などに加え、災害時には住民の助け合いや行政との連絡の窓口となっています。しかし、地域住民の自主団体のため、従来は自治体の関与は薄かったのも事実です。本区も、地域振興課が中心となり、町会・自治会ネット、「こんにちは町会です」など、いろいろな仕掛けをしてこられました。もう一段のパワーアップした仕掛けをする時期が来たと思われます。折しも、東日本大震災が発生し、地域コミュニティが果たす役割の大切さが再認識されており、本区八六%集合住宅居住率の現況より、新たな仕組みづくりが求められます。まずは、町会加入の促進です。住民に加入を促す冊子の作成や呼びかけの強化など、今後の方策をお聞かせください。

 自治会・町会組織の人材育成は、現況を見ても、大きな課題です。墨田区は、今年度、指導者育成事業を始めました。研修会や活動の先進的な町会・自治会の視察、特に地域の結びつきの強かった大震災被災地の組織への視察も検討しているそうです。本区町会・自治会人材育成に対する行政関与のお考えをお聞かせください。

 さて、横浜市において、議会サイドで自治会・町会への加入促進を柱とした絆条例が議員提案され、賛成多数で可決されました。正式名称は、横浜市地域の絆をはぐくみ、地域で支え合う社会の構築を促進する条例。住民同士の助け合いを、市民、事業者はその役割を担い、横浜市職員の責務と定め、地域で支え合う社会を構築することをうたっています。急速に進む高齢化、核家族以上に進む単身世帯化、次世代への継承が困難な地域の発生、行政需要の増大・多様化、地域のきずなも条例化の時代です。私が言い続けている昭和三十年代、あの輝きを平成に、きずなの再生、待ったなしの状況を迎えています。新たな仕組みづくりという視点から、横浜市の条例化に対する御見解をお聞かせください。

 条例というのは、本当にすばらしいものでございます。歩きたばこ・ポイ捨て禁止条例、本当にまちがきれいになりました。私も本心からそう思います。

 次に、築地市場移転問題についてお伺いいたします。

 築地市場は、江戸時代から長い歴史を刻んだ日本橋の魚河岸が関東大震災により大きな被害を受けたことから現在地に移転し、昭和十年に東京市中央卸売市場として開場したのが始まりです。その後、戦中と戦後、しばらくは食料品の配給統制により、市場機能を十分に果たせなかった時期もあったようです。しかし、高度経済成長期を経て、今では取扱量日本最大の水産物をはじめ、野菜や果物、各種の加工食品などが取引され、外国人観光客にも人気があり、東京はもとより、日本の食文化を支える市場となったと言っても過言ではありません。

 その築地市場については、去る三月十一日、東京都議会において、豊洲への移転関連費を含む平成二十三年度中央卸売市場会計予算が可決されました。移転問題の長い議論に都議会としても移転の結論を明確に示したことになります。その直後、矢田区長は、都の結論を重く受けとめるとコメントを発表されております。我々としても、再三にわたり要望してきた現在地再整備の願いがかなわなかったことは、まことに残念でありますが、これ以上先行きの見えない状況が続くことは避けなければならないところであります。政治、行政の責任として、関係者が二十年を超えて議論された結果としての結論を受けとめるべきであると思っております。

 一方、三月十一日に発生した東日本大震災の際に、移転先である豊洲市場予定地に液状化が起こり、汚染土壌の噴出や移動が懸念されるなど、新しい不安材料も出てきております。都は、今後も不退転の決意で平成二十六年末の開場を目指すようですが、市場の安全・安心の確保は、移転の大前提であり、都民や関係者の信頼確保に向け、都が責任を持って対応するよう、今後もしっかり目を光らせていく必要があります。

 さて、中央区は、これまで都が着々と移転準備を進める中で、万一の移転も見据え、鮮魚マーケット構想、にぎわい施設といったビジョンを示し、都に要望してきました。いずれの構想も、移転後の市場用地を一部活用し、場外市場と一体となって活気とにぎわいを維持していこうというものですが、今後は、こうしたビジョンを確実に具体化し、将来の築地のまちづくりにつなげていくことが大切です。しかしながら、二十三ヘクタールの市場用地を所有しているのは東京都です。また、東京都は豊洲と築地、二つの市場をつくる考えはないとの考えを示しているなど、区のビジョンを実現するには多くの課題があるのではないかと思います。都の二十三年度一般会計予算には、築地地区を中心とした将来のまちづくりの検討費用として三千万円が計上されているようですが、これまでの区の要望は、この検討の中でどのように取り扱われていくのでしょうか。

 そこで、お伺いいたします。

 これまで都に要望してきた鮮魚マーケットやにぎわい施設など、市場移転後のまちづくりのビジョンについて、今後、区はどのようにして実現させていくのでしょうか。また、都が行う将来の築地のまちづくりの検討に区はどのようにかかわっていくのでしょうか、お考えをお聞かせください。

 築地のまちには、ほかに類を見ない独特の魅力があると言われています。世界から集まる多品種の品ぞろえ、それを選別して価格をつける目利きの力、市場利用者を支える四百店舗が集積する場外市場、こうした築地ブランドとも称される独特の魅力を引き継ぐためには、市場が移転した後も鮮魚マーケットやにぎわい施設が場外市場とともに食文化の拠点としての機能を引き継ぎ、一層発展させていかなければなりません。そのためには、これまで築地ブランドをはぐくんできた市場内の事業者や場外市場の皆さんの考えを十分に聞き、今後のまちづくりの計画に反映させることが重要であると考えます。

 区は、今後、こうした関係者の意見を築地のまちづくりの計画にどのように生かしていくのか、お考えをお聞かせください。また、築地の活気とにぎわいを将来に向けて継承するためには、現在の活気とにぎわいをいっときも絶やさない取り組みが何より重要になります。市場移転後の施設整備には一定の時間を要すると思われますが、その間、築地のにぎわいが一日たりとも絶えないよう、築地市場近隣の区有地などを活用し、モデル的に鮮魚マーケットを先行整備するなど、積極的な取り組みが必要になると考えますが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせください。

 次に、中央区の保育所待機児童対策についてお伺いします。

 子供は社会の希望、未来の力です。次代を担う子供の笑顔があふれるまちは、そのまちに住む人々をいやし、元気や勇気を与えてくれます。そのような社会を目指すためには、家族や親だけではなく、子供一人一人の育ちを社会全体で応援していくことが大切です。また、保護者が子育ての喜びを感じながら、ゆとりを持って安心して子供を産み育てられる環境を整備することも求められています。

 本区における乳幼児人口は、定住人口の回復とともにふえ続け、この十年間で三千三百五十二人から六千七百一人と倍増しております。また、出生数も、平成二十年には千二百二十二人、二十一年には千三百三十二人、二十二年には千四百四十七人と、おおよそ十年前の五百人台と比べると大幅に増加しており、全国的に少子化が進む中、大変喜ばしいことであります。

 しかしながら、一方では、こうした乳幼児人口の増大と共働き世帯の増加、勤労形態の多様化などによる保育需要の高まりから、急増する待機児問題と多様化する保育ニーズへの的確かつ迅速な対応が求められています。昨年の区政世論調査では、区に望む子育て支援策として、保育所・幼稚園等の施設整備が約六割と、最も高くなっています。待機児童の問題と多様な需要にこたえる保育サービスの推進は、中央区だけにとどまらず、全国的な課題のようであり、国では平成六年以降、エンゼルプラン、新エンゼルプラン、待機児童ゼロ作戦、子ども・子育て応援プラン、新待機児童ゼロ作戦など、計画が策定されました。そして、昨年二月には、子供と子育てを応援する社会づくりを目指した子ども・子育てビジョンを新たに制定し、この中では、潜在的保育ニーズの充足も視野に入れた保育所待機児童の解消などの施策を展開するとしています。

 このように、全国的にも保育環境の整備・充実が求められている中、待機児童ゼロを目指した中央区では、認可保育所の新設や多様な保育ニーズにも柔軟にこたえられる認証保育所の誘致や、認証保育所へ通う保護者への保育料差額助成の拡充など、保育サービスの質と量をともに高めてきております。その結果、この三年間で保育所定員枠を何と八百十名拡大するなど、積極的かつスピーディーに子育て支援策に取り組んでおり、大いに評価するところであります。

 こうした取り組みにより、保育所における待機児童は、四月現在では四十名いるが、保育所に入所している子供の数は保育所全体の定員枠にはまだ達しておらず、定員にあきがあるとの状況のことでございます。待機されている方の多くは、入所希望園を特定しているなど、個人的な事情で待機となっているケースがほとんどであると伺っております。こうした点を踏まえると、既に待機児童ゼロは達成されたものと私は理解いたしますが、区としての御見解をお聞かせください。また、今後の人口増や社会状況を踏まえれば、さらに保育需要が高まることが予測されます。待機児童の解消を一時的なものとはせず、引き続き実現し続けるべきものと考えますが、今後の待機児童の見通しと保育所整備計画についてお聞かせください。

 次に、教育問題についてお伺いします。

 都教委が昨年一月、土曜授業を月二回を上限とし、保護者や地域住民への公開が条件との通知が出ました。我が会派も、基礎学力の低下が社会問題となる中、土曜授業の再開を政策要望としてお出ししました。ささやかな一歩前進と喜んでおります。都教委の通知を受け、今年度実施が葛飾区十一回、港区が十九回、足立区は年十回とばらつきがあります。本区小学校四・七五回とお聞きしています。都教委通知、上限月二回と本区土曜授業、年回数の考え方をお聞きします。

 土曜授業は週五日制の考え方です。週五日制は、二○○二年完全実施され、土・日曜日を公立小・中の休業日とされました。しかし、現在、多くの自治体では土曜補習が行われています。土曜補習は任意参加で、授業時間の枠には入らない。これに対し、土曜授業は正規の授業の枠内となっています。都教委は、条件つきとはいえ、土曜授業の実施を後押ししています。本区土曜補習実施の現状と、土曜授業再開を後押しする都教委の通知に対する今後の考え方をお聞かせください。

 我が会派の要望のもう一つに、新学習指導要領へのスムーズな移行に向けての取り組みを掲げています。今年度、一年生は三十四時間、二年生は三十五時間、授業時間がふえます。学校週五日制、国に考慮しての月二回の上限という都教委の通知で、本区は対応できるのか、御見解をお聞かせください。

 教育問題の最後に、私があらゆる機会に質問し、提言し、検討をお願いしてまいりました世界一忙しい日本の先生、その軽減策、その後の教育委員会の取り組みをお聞かせください。

 ぜひとも、最後にお伺いしたいことがございます。

 中央区は、今、定住人口が着々と増加し、年間の出生数が以前の三倍近くに達するなど、活気と活力に満ちています。まちづくりの面でも、区内二十八カ所において再開発事業が進められ、日々成長を続ける都市であります。こうした中で、本区の輝く未来へ向けた行政と議会の役割は、ますます重要となっています。とりわけ、今回はさきの区議・区長選挙後の初めての議会であり、これからの本区の進むべき道筋や将来に向けた目標といった議論のスタートとなる重要な機会であり、私たち議員も全力で取り組んでいかなければならないと感じています。

 また、このたびの区長選で矢田区長さんが圧倒的な票を集めて当選されたことは、区民からの信頼度の高さを物語っております。人口の回復、子育て支援や高齢者対策の充実、安全・安心のまちづくりなど、これまでの政策が区民の暮らしの安定と幸せに結びついていることが、こうした結果をもたらしたものと受けとめております。本年二月の所信表明において、区長さんは、新たな保育ニーズへの対応や子育て支援の一層の充実、加速する高齢社会へ向けた在宅介護支援や特別養護老人ホームの増設、良好な都心コミュニティの形成など、課題も多々あり、区民の幸福追求への取り組みはまだまだ道半ばであるとして、これまでの集大成として、これらの課題に挑戦し、未来都市づくりへ向けた道筋を確立していくと述べられています。

 そこで、お尋ねします。

 矢田区長さんの今期の区政運営に向けた決意、そしてどのような課題に特に重点を置いていかれるのか、お考えをお聞かせください。

 私の第一回目の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 増渕一孝議員の御質問に順次お答えいたします。

 まず、地方公務員の理想像についてであります。

 一般論としては、地方公務員法に規定されている全体の奉仕者として、公共の利益を考え、住民福祉の増進を図るため、常に全力を挙げて職務に専念する職員が理想の職員であると考えます。

 次に、人材育成基本方針についてであります。

 本区の人材育成については、これまで日々の業務における職務知識や問題解決能力を高める職場研修や職層別などの職場外研修、職員の意欲を向上させる人事考課などの取り組みを進めてまいりました。今回の基本方針は、職員の育成を一層推進するため、こうした取り組みの実績を反映させるとともに、研修計画などの個別計画を統合し、総合的に取り組む具体的方策を示すものとして作成したものであります。方針の策定に当たっては、区政や職員育成に豊富な知識と経験を有し、人材育成の責任者でもある各部局の庶務担当課長で構成する検討会で検討を行いました。係長級職員につきましては、監督者として人材育成の中心的役割を担い、日々現場で職員を指導・育成する中で、この基本方針を検証するとともに、検証に基づき、今後の改善に取り組んでもらいたいと考えております。

 次に、職場研修の環境整備についてであります。

 職場研修は、職場の実態に応じて職員一人一人の状況を把握しながら指導できるため、人材育成において大きな役割を果たすものであります。そこで、職場研修が計画的・体系的に実践できるよう、各職場における研修リーダーの選任や研修計画の策定などを義務づけております。また、研修の円滑な実施のため、研修場所や資材の貸し出しも行っております。今後、職場研修の効果的な進め方や留意点に関するマニュアルを作成するなど、環境整備をさらに進め、一層の活性化を図ってまいります。

 次に、みずから学ぶ職場研修についてであります。

 職員が日々の職務の中で必要な知識や能力を自覚し、主体的に学んでいくことは、人材育成の基本であると認識しております。そのため、職員みずからが自発的に業務を把握し、職務知識を身につけることができるよう、職場に業務マニュアルや実務書籍などを整備しております。また、毎年行う職員の自己申告において、知識の習得や情報収集の取り組み状況をみずから評価することにより、学ぶ意識づけを図っているところであります。今後は、さらに自己研さんを促進する視点から、職務に関する資格取得の支援などについても検討してまいりたいと存じます。

 次に、若手職員の研修についてであります。

 まごころステーションのフロアマネジャーには、来庁者の用件や相談に的確・迅速にお答えし、担当窓口を案内することが求められることから、現在は区政に関する幅広い知識を有する管理職が担当しております。職務経験が豊富でない若い職員が単独でフロアマネジャーを担うことは難しいと考えますが、管理職の補助として従事するなど、来庁者へのサービス向上と職員の接遇向上、管理職の人材育成力の強化につながるような研修方法を工夫してまいりたいと存じます。

 次に、管理職試験の受験率向上についてであります。

 将来の区政運営の中核を担う管理職の確保は、大きな課題であります。現在、管理職が日々の業務の中で職員に責任を持たせた職務執行をさせることにより、達成感や充実感を体感させ、管理職昇任への意欲を喚起するほか、選考対象者への個別の受験勧奨、昇任選考の勉強会の開催など、さまざまな取り組みを行っております。急激な受験者増に結びつく新たな取り組みは難しいところでありますが、新たに管理職の仕事の魅力ややりがいを若手管理職が若い世代へ横断的に発信する機会を設けるなど、さらに昇任意欲の喚起につながる取り組みを実施してまいります。

 次に、有給休暇の取得促進についてであります。

 職員一人一人が意欲的に仕事に取り組みながら、充実した生活を営むため、特定事業主行動計画において、有給休暇の取得促進に取り組むこととしております。これまで、各所属では有給休暇計画表による休暇取得の促進や業務の事前調整等による計画的取得などに取り組んでまいりました。今後は、取得日数の少ない管理職がみずから率先して有給休暇を取得することや、各所属における取得状況を把握し、職場実態に合った取り組みの強化を促すなど、有給休暇を取得しやすい環境づくりに一層努めてまいります。

 次に、未利用エネルギーに関する調査についてお答えします。

 未利用エネルギーに関する調査については、地域の潜在的資源をエネルギーとして有効に活用することを目的としております。具体的には、清掃工場の余熱やバイオマス、河川・海水などを活用したエネルギーシステムの構築について、有効な技術の検証や課題解決の方策、採算可能性などを検討してまいります。

 次に、再生可能エネルギーの積極的活用についてであります。

 太陽光や風力などは、使ってもなくならない、いわゆる持続可能なエネルギーであり、今回の震災では非常用電源としても機能し、その価値が高まったと認識しております。震災後の社会の転換期において、エネルギーを多く消費する本区は、率先して再生可能エネルギーをつくり出していく必要があると考えております。そこで、これまでも施設の大規模改修等にあわせて太陽光や風力などを導入してまいりましたが、今後はすべての区立施設を対象として、可能な限り設置を図ってまいります。また、再開発などにおいても再生可能エネルギーの導入を積極的に働きかけるなど、環境負荷を低減するまちづくりをさらに推進してまいります。

 次に、民間事業者の開発に伴う本区のまちづくり条例の関与についてお答えします。

 地域熱供給システムは、複数の施設・建物に熱供給設備から温水・冷水を供給し冷暖房などを行うことにより、エネルギーの効率的利用が図られるほか、夜間の電力を使用して蓄熱するピークシフトの機能や蓄熱槽を活用した防災機能など、すぐれた機能があります。また、二酸化炭素排出量の削減効果が期待できることから、エネルギー需要が多い本区のまちづくりに有効なシステムであると認識しております。区といたしましては、昨年度制定した中央区まちづくり基本条例において、一定規模以上の民間事業者の開発に当たり、この地域熱供給システムが積極的に導入されるよう指導してまいります。

 次に、エコタウン構想の現況と今年度の取り組みについてお答えします。

 本区では、平成二十二年度から東京駅前地区と晴海地区でエコタウン構想の策定作業を進めております。昨年度のワークショップでは、それぞれの地区におけるエネルギーや緑と水辺、交通、まちづくりの分野別に地域の資産や課題について意見をいただき、目指すべき地区の将来イメージや、それに向けた取り組みをまとめてまいりました。主な意見といたしましては、未利用エネルギーの活用、河川や運河など水辺の整備及びカーシェアリング・レンタサイクルの導入などが挙げられております。また、本年五月に開催したワークショップでは、今回の震災を踏まえて、防災上の視点からのエネルギーの確保や環境活動に関する意見が多く出されました。今年度も引き続き、ワークショップでの意見や七月に開催されます中央区こども環境サミットでの意見を踏まえてプログラムの具体化を行い、エコタウン構想を策定いたします。また、策定後は、区民等に広く周知するためのキックオフイベントを開催する予定であります。

 次に、町会加入の促進についてであります。

 町会・自治会は、地域行事をはじめ、防犯・防災対策や福祉活動など、地域における住民の自主的な活動を支えるとともに、地域コミュニティの形成に重要な役割を担っていると認識しております。しかしながら、マンション居住者の増加やライフスタイルの変化、近隣関係の希薄化などにより、近年の加入率は低下傾向にあります。このため、区では、町会・自治会の取り組みがより多くの区民に理解され、活動の輪が広がるよう、手づくりイベントや盆踊りに対する助成のほか、活動内容を広く情報発信する町会・自治会ネットの開設など、加入促進に向けたさまざまな支援に取り組んでまいりました。また、平成二十一年十月には、マンションの適正な管理の推進に関する条例を制定し、建築主に対して、地域コミュニティの形成に資する協力などを義務づけたところであります。区といたしましては、今後とも町会・自治会と連携しながら、加入率の向上と活動の活性化に努めるとともに、活動情報誌「こんにちは町会です」の充実や、わかりやすい加入案内チラシを新たに作成するなど、より一層の施策の推進に取り組んでまいりたいと存じます。

 次に、町会・自治会の人材育成支援についてであります。

 現在、町会・自治会では、マンション居住者の急増など、新しい課題への取り組みや、役員の高齢化・後継者不足に伴う新たな人材の育成が課題となっております。このため、区はこれまでも地域活動のリーダーを育成する講演会の実施や専門的知識を有するアドバイザーを派遣するとともに、昨年度からは連合町会単位で地域懇談会を開催し、町会・自治会の運営上の課題などについて幅広く意見交換を行っております。今後は、こうした場を積極的に活用し、町会・自治会と連携しながら、本区の実情に応じた地域リーダーの育成支援に努めてまいりたいと存じます。

 次に、横浜市の条例につきましては、市民が主体的に行う地域活動を促進することを目的とするものであり、本区の基本計画二○○八に掲げる新しい形の公共と地域協働の推進の方針を基本的に一致するものと認識しております。したがいまして、現時点では同様の条例を制定する考えはありませんが、今後とも基本計画に基づき、区民の皆様が自主的・主体的に地域活動に取り組めるよう、さまざまな施策の充実を図ってまいります。

 次に、築地市場移転問題についてであります。

 去る三月十一日、東京都議会第一回定例会において、豊洲への移転関連経費を含む平成二十三年度東京都中央卸売市場会計予算案が可決され、東京都として築地市場移転の方針が決定されました。また、この際、一般会計に築地地区を中心とした将来のまちづくりの検討のための予算三千万円があわせて計上され、これに関して都は、中央区や関係者と協議して検討を進めるとし、本区との話し合いに前向きな姿勢を示しております。今後、都との協議を精力的に進め、鮮魚マーケット、にぎわい施設といった本区の構想の実現を図ってまいります。

 なお、この構想は、地域や関係者の皆様方と区が密接な連携をとりながら策定したものであり、今後、具体化に向けた都との協議の進捗や新市場整備事業の動向なども見据え、引き続き関係各方面の方々から幅広い御意見をいただき、築地のまちづくりに反映できるよう取り組んでまいります。

 次に、移転に先行した施設の整備についてであります。

 築地の活気とにぎわいを確実に将来に引き継いでいくためには、現在のにぎわいを一日でも途絶えさせないことが重要と考えております。そのため、市場移転に先行して、周辺の区有地などを活用し仮店舗等の施設を整備できるよう取り組むとともに、本格的な施設が移転後速やかに開設されるよう、積極的に都に働きかけてまいります。

 次に保育所待機児童対策についてであります。

 本区においては、待機児童ゼロを目指し認可保育所の開設、認証保育所の誘致など、積極的な保育所整備を進めてきた結果、本年四月一日現在における保育所定員枠は二千六百九十人で、入所者数二千三百五十八人を三百三十二人上回る状況となっております。このように、定員枠には余裕があるものの、待機児童が発生しているのは、自宅から近い園や兄弟姉妹で同じ園に通わせたいなどといった理由によるもので、現状では自宅での保育が可能な方がほとんどを占めており、こうした実態から、待機児童の解消はおおむね達成できたものと認識しております。

 次に、今後の待機児童の見通しと保育所整備計画についてであります。

 区内における出生数の増加など、乳幼児人口が予測を上回る伸びを示しており、今後さらなる保育需要の増加が見込まれるため、待機児童は増加していくものと思われます。そのため、今年度において認証保育所の新たな誘致を行い、平成二十四年、二十五年度では晴海・京橋地区それぞれに認定こども園を開設するなど、保育所のさらなる整備を進め、待機児童解消に向けた取り組みを今後も継続してまいります。

 次に、今期の区政運営についてであります。

 このたびの区長選挙で多くの区民の皆様方から力強い御支援をいただき、引き続き中央区長の重責を担わせていただくことになりました。今期の四年間に対しまして、改めて初心に返り、区民が主人公の区政を信条として、平和と環境を根幹に据えながら、区の発展と区民の皆様の幸せを第一に、いま一度全身全霊をかけ区政に邁進してまいる決意であります。重点的に取り組む課題といたしましては、まず東日本大震災を教訓に、災害対策に万全を期することであります。国は、秋ごろまでに津波を含めた総合的な防災対策を見直す考えを示しており、国や東京都と一体となった総合的災害対策を強力に推進いたします。あわせて、高層住宅の防災対策や帰宅困難者対策といった都心特有の対策についても一層充実してまいります。また、原子力発電所の事故を踏まえ、省エネ・省資源対策を積極的に推進するとともに、再生可能エネルギーの一層の活用などにより、新しいエネルギーをつくり出す創エネルギー対策にも力を入れてまいります。さらに、あらゆる世代の皆様が便利で安全で快適な都心居住を楽しめる気品と風格あるまちづくりの集大成に全力で取り組んでまいります。そのためには、未来を担う子供たちのために子育て支援と教育に力を注ぎ、保育所待機児童ゼロを維持していくことや、確かな学力・体力の向上など、教育施策の一層の充実を図ってまいります。また、生涯を通じた区民の健康づくりを推進するため、本区独自の健診体制の充実や最新の予防対策に積極的に取り組みます。あわせて、医師会、歯科医師会、薬剤師会の御協力のもと、命と健康を守る自治体ナンバーワンを目指すことをはじめ、高齢者や障害者の二十四時間三百六十五日の見守り体制もしっかり確立してまいります。人口増などに伴い、良好な都心コミュニティの形成と都市基盤の整備も重要であります。利用者がふえている勝どき駅の混雑緩和のほか、将来的に晴海、勝どきと築地、銀座をLRTなどで結ぶ土台づくりを行います。そして、都心中の都心である本区から、景気浮揚を軸に、全国へと元気を発信し、日本を覆う閉塞感を打破してまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 教育問題についてお答えいたします。

 まず、土曜授業についてであります。

 東京都教育委員会では、保護者や地域に開かれた学校づくりの推進という観点から、各月二回を上限に、確かな学力の定着を図る授業公開や道徳授業地区公開講座、地域の方による出前授業等を土曜日に行うものとしております。本区におきましては、中央区教育振興基本計画に基づき、平成二十二年四月から、当面、小学校は年五回程度、中学校は年二回程度でスタートしております。この回数は、従前からの小・中学校における土曜スクール、あるいは中学校で盛んに行われている部活動の状況などを踏まえた総合的な判断によるものであります。

 次に、基礎学力の定着を目的とした補習である土曜スクールの実施についてであります。

 平成二十二年度は、小学校では四年生以上を対象に、四分の一の児童が年間九日程度、中学校では三分の一の生徒が十五日程度参加しております。一方、二年目を迎えた土曜授業は、保護者の参観の増加や確かな学力を身につけることにつながるなど、成果があらわれてきております。こうしたことを踏まえ、今後は東京都教育委員会通知に基づく土曜授業の比重を高める方向で取り組み、両事業の特性を生かしつつ、土曜日を有効活用した学習指導の充実に努めてまいりたいと考えております。

 次に、新学習指導要領への対応についてでございます。

 既に、今年度から新学習指導要領が完全実施されている小学校においては、学校行事等の見直しのほか、週五日の枠内で弾力的に授業時数をふやすなどにより、必要時間数の確保を図っております。このような工夫により、土曜授業の実施回数が、都が示している上限月二回の範囲内であっても、新学習指導要領への円滑な移行に特段の支障にはならないものと考えております。また、来年度に新学習指導要領が完全実施となる中学校におきましても、小学校と同様の考え方に基づき、授業時数の増加に適切に対応するべく、各校において対策を講じてまいります。

 次に、教員の多忙感の軽減についてであります。

 教員が忙しさを感じる主なものとしては、校務分掌や職員間の打ち合わせ、会議、学校外での研修などが挙げられております。このため、教育委員会といたしましては、校務分掌の見直しや改善による効率化、学校を出ることなく実施できるOJTを中心とした研修方法への転換などを指導し、教員の負担軽減に努めているところであります。昨年九月には、教員一人に一台ずつのパソコンネットワークを整備し、会議や事務処理、教材研究等に効率的に活用することで、さらなる負担軽減を図っているところであります。また、これまで拡充を図ってきた区費負担の非常勤講師や小学校の体育指導補助員、理科支援員、学習指導補助員などのマンパワーを活用することで、教員が最も力を注ぐ授業づくりの支援にも努めております。今後とも教員が各種活動を効率的・効果的に進められるよう支援を充実させることで、多忙感軽減に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。

 答弁は以上です。

〔十三番 増渕一孝議員登壇〕

○十三番(増渕一孝議員)
 いろいろ御答弁ありがとうございました。

 人材育成の質問を行いましたが、本区の職員の方に、ここをかりまして一言お礼を申し上げます。

 私も、三・一一、ある防災拠点におきまして一晩被災者の皆様と過ごしました。その折、その防災拠点、区の職員の方が四名いらっしゃいまして、手を取り合って一晩を乗り切らせていただきました。ここに、区の職員の方に本当に御礼を申し上げます。

 職場研修なんですけれども、今回の質問に当たって、何自治体かの人材育成の基本方針を見させていただきました。中心となるのがOJTということなので、先ほどのお答えの中で、マニュアルを策定してくださるというお答えをいただきましたので、よろしくお願い申し上げます。

 それから、入庁二、三年の若手職員の研修なんですが、社会教育会館、それから近々では敬老館、ここが指定管理者になりまして、先ほども申しましたが、接遇のチャンスが本当に減っております。そんな中での要望でございます。課長さんの受け付け、ちらっとこの前、私、お聞きしたんですけれども、大変お見事な応対、区民の方に優しい応対をしていらっしゃいました。でも、もうそろそろよろしいのではないのかななんていう気持ちがありましたので、このような質問をさせていただきました。

 受験率のアップは、よろしくお願いいたします。

 有給休暇の取得率アップ、管理職が率先してとるというお答えをいただきました。管理職といっても、これは課長さんかと思います。今回は、部長さんに関しては調べませんでした。部長さんを調べたら、えらいことになっちゃう、惨たんたる状況だろうなと思います。部長さんがおとりになって、課長さんがおとりになって、係長さんがおとりになって、皆さんで有給休暇をおとりになって、リフレッシュして、また区民のために働いていただきたいということをお願いいたすものでございます。

 環境エネルギーにつきましては、二十年前、私の地区であります箱崎に日本IBM、このビルの地下に、何やら潮の満ち引きを使った未利用エネルギーというんですか、その発電所ができました。全然、私、見学したんですけれども、わかりませんでした。その当時から、二十年前から、このような未利用エネルギーが注目されていたのかなということを思いまして、このような質問をいたしました。

 レンタサイクルの導入、エコタウンの構想、徐々にわかってきました。

 地域のきずな、三年前、私も区民部主催の講演会を聞きました。でも、なかなか前に進まないんですね。どうしたらいいのかななんていう思いから、横浜市の条例をいかがなものかと言って、お答えをいただきました。自助・共助・公助、東日本大震災の教訓を生かして、新たなコミュニティづくりを皆さんと一緒に目指していきたいと思っております。

 それから、築地市場問題。まことに申しわけございませんが、期待した答弁と少々違いました。モデル的鮮魚マーケットの先行整備、これが私の今回の一番の質問の眼目でございます。少々違いましたので、今後の早急なる施策展開を強く要望しておきます。

 保育所の待機児問題につきましては、私の見解が合っていたということで安心いたしました。

 教育問題、これにつきましては、軽減策が行われているということなので、近々にこの検証をしていただいて、私たち議員のほうにも行った検証結果をお見せいただければなと思います。

 それから、最後の質問、これにつきましては、区長さん就任してから七万人を切るんじゃないかという時代がありました。そして、今回の報道の新聞のインタビューにも、十五万人を目指す、これは行政も議会も未知への遭遇でございます。そのような中で、我々議会と行政が手を取り合って区民福祉のために頑張っていただきますようお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○議長(石田英朗議員)
 次に、五番木村克一議員。

五番 木村克一議員登壇

○五番(木村克一議員)
 自民党の木村克一です。平成二十三年第二回中央区議会定例会の一般質問を、中央区議会自民党議員団の一員として、さきの質問通告に沿って順次質問させていただきます。区長並びに関係理事者の皆様には、中央区民の未来を見据えた積極的、前向きな御答弁をお願い申し上げます。なお、御答弁のいかんによりましては、あらかじめ再質問を留保させていただきます。

 質問に先立ちまして、このたびの三月十一日、東日本大震災でお亡くなりになられた方々並びに御遺族の皆様に御冥福をお祈り申し上げ、被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げます。そして、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 私の質問は、いまだ記憶に新しいさきの東日本大震災について、震災から得た教訓を防災計画に生かすという点から、防災対策一本に絞ってお尋ねいたします。

 平成二十三年三月十一日午後二時四十六分、東北及び関東を襲ったマグニチュード九・○の大地震は、都心でも震度五弱から五強に変更になるほどの激しい揺れをもたらし、まさに千年に一度という未曾有の出来事でした。宮城県栗原市で最大震度である震度七を記録し、東北及び関東地方の海岸線に津波が相次いで襲来し、市街地に壊滅的な被害を与えました。被害発生三カ月後の六月十一日現在、死者一万五千四百十三人、行方不明者八千六十九人、避難者八万八千三百六十一人が岩手、宮城、福島など、千四百五十九の避難所や自宅と遠く離れた異郷の地で避難生活を余儀なくされています。地元での仮設住宅の建設など、避難者の要望に沿った対応が速やかにされるとともに、瓦れき処理や福島の原子力発電所事故対策、義援金や被災者生活再建支援金の支給など、一刻も早い進展が見られることを期待しております。

 本区の場合、震度五弱の地震を受け、三時十分、直ちに中央区災害本部を本庁舎一階に設置、高齢者などの安否確認や区内の建物、道路、橋梁などの点検などを行う中で、軽傷者が二名、建築物や都市基盤に深刻な被害はなく、区民生活に大きな影響がなかったことは、まず安心をいたしました。しかしながら、今回の地震対応で課題となるべき事項も幾つか挙がっています。備えあれば憂いなし、後顧の憂いをなくす意味からも、幾つかの点について質問させていただきます。

 今回の大震災を受けて、実際に被災地を視察し、区長として、とても感じ入るところが多々あったかと思いますが、まずは区長の所感をお聞かせ願うとともに、本区防災計画を実施する上で基本的な考え方をお聞かせ願います。

 東京都防災会議地震部会が平成十八年五月に発表した首都直下地震による東京の被害想定をもとに、本区での被害が最大となる地震計画を前提とした被害想定の見直しについてお尋ねいたします。

 震源地、東京湾北部、震度六強、規模、マグニチュード七・三、気象条件、冬の平日午後六時、風速十五メートル/毎秒の想定データをもとに、本区では建物全壊件数千八百六十八棟、出火件数三十六件、死者六十六人、負傷者七千二百三十人、避難者三万二千七百九十九人、帰宅困難者三十八万一千五百八十三人、エレベーター閉じ込め台数六百三十二台と被害想定を立てています。

 そこで、お尋ねいたします。

 今後、中央区防災計画の見直しを行うに当たり、本区として特に重要と考えている事項についてお伺いいたします。

 次に、帰宅困難者対策についてお尋ねいたします。

 民間調査会社の推計で、三月十一日、地震発生時、外出中で都内にいた人は約一千万人、そのうち鉄道全面運休のため、新宿駅で三千人から四千人、池袋駅で三千人、赤羽駅で二千人から三千人、上野駅で約千五百人、東京駅で約千人の人たちが都内の駅ターミナルにあふれ返りました。帰れなかった帰宅困難者は約三百万人で、このうち約九万四千人が学校やホールなど千三十の公共施設に宿泊、新宿都庁舎には約五千人があふれました。

 そこで、お尋ねいたします。

 中央区内の公共機関利用時における駅周辺の一時避難場所マップの作成についてお聞かせください。

 区内には、都営地下鉄十駅、東京メトロ十四駅、JR東日本の新日本橋、馬喰町、八丁堀の三駅のほか、最寄り駅の東京、有楽町、神田、新橋の四駅を含めると三十以上の駅があり、何十万という利用客であふれ返っています。震災発生直後、これらの交通機関の全面ストップにより、それぞれの乗客たちは各駅駅員の誘導により地上へ避難を行い、ある駅では地域防災拠点に誘導、地元住民と共同の避難場所として開放されていましたが、今回は幸いにも、この程度の被害だったので、共同避難場所で済みましたが、被害がもっと大きくなっていれば、拠点避難住民と避難民との間でもっと大きな問題に発展する課題が残りました。

 そこで、お尋ねいたします。

 各駅周辺の一時避難場所のマップ作成や利用客を管理する企業との避難誘導対策の打ち合わせなど、いかがお考えでしょうか。

 本区では、当日の午後六時に、東京都から帰宅困難者受け入れ要請があり、直ちに小・中学校など十九カ所の防災拠点を開設し、最大で約二千人の帰宅困難者を受け入れたところであります。本区発行の事業所向け「防災スコープ」によると、事業所数約四万四千、従業員数七十三万人、卸売・小売業の年間販売額が三十九兆円と、文化・商業・情報の一大中心地であり、企業がひとたび大地震に襲われれば、区内のみならず日本全域もしくは世界じゅうに多大な影響を与えることになるでしょう。銀座や築地、人形町など、内外を問わず多くの観光客や来街者が訪れる繁華街もあることから、帰宅困難者が区内にあふれ、大きな混乱を招くことが予想されます。

 そこで、お尋ねいたします。

 こうした多くの方々が中央区に滞在する中で、社員を帰宅困難者とさせない対策など、警察、消防、行政、企業との間で合同打ち合わせなど、行われているのでしょうか、お聞かせください。また、このような帰宅困難者対策協議会を立ち上げるべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか、お尋ねいたします。

 現在、東京都では帰宅困難者用に、帰路の途中、トイレや水道水が使えるようにコンビニエンスストアやファミレスなど約八千三百店舗と協定を締結しています。

 そこで、お聞きいたします。

 区は、企業と災害協力協定を締結しているとのことですが、現在の締結状況と、区内幹線道路を徒歩で帰宅する方々に対しての企業支援対策や災害時帰宅支援ステーションの広報などの取り組みについてどのようにお考えでしょうか、お答えください。

 次に、災害時緊急連絡手段についてお伺いいたします。

 ふだん手にしている携帯電話は手ごろで身近な連絡方法ですが、今回の地震や津波の直撃で通信インフラが壊滅的なダメージを受けました。一方、首都圏では、インフラ自体破壊されませんでしたが、混雑などが原因で通信不能に陥り、ほとんどの携帯電話がつながりにくい通信不能状態になりました。これは、たくさんの人が一斉に電話をかけたことで交換機などの処理能力が限界を超え、通信の渋滞であるふくそうが起きるためです。一方、携帯メールや携帯電話の災害用伝言サービス、災害用伝言ダイヤル「一七一」などのデータ通信は、電話よりふくそうしにくい特徴があり、連絡がとれやすかったということがわかりました。携帯電話は、固定電話以上に普及台数が多く、基地局や周波数の容量にも限界があるため、固定電話よりつながらないのです。そのため、公衆電話から固定電話にかけるのが最もつながりやすい方法になります。ふだんからテレホンカード一枚を持ち歩き、公衆電話のある場所の確認が重要です。携帯電話の普及により、なかなか見かけられなくなりましたが、区内には千百九十八カ所もあります。災害時、貴重な通信手段として公衆電話の周知は重要なことと考えますが、今後の対応についてお聞かせください。

 今回、地震直後からネット上のツイッターやフェイスブックなどの交流サイトがライフラインの情報共有や帰宅難民の受け入れに大いに役立ちました。築地本願寺では、参拝客の避難所として仮本堂と斎場を開放、僧侶が午後五時半過ぎ、ツイッターを通じて知らせると、サラリーマンや家族連れの方々が続々と集まり、午後八時ごろには二百人を超えたそうです。

 そこで、お尋ねいたします。

 災害時につながりやすい携帯メールや災害用伝言ダイヤル「一七一」、ネット上のツイッターやフェイスブックなどの新しい分野の交流サイトの情報提供をいかにお考えでしょうか。区のホームページとリンクさせるべきだと提案いたします。いかがお考えでしょうか、お答えください。

 次に、防災拠点対策であります。

 活動マニュアルによると、震度五強で防災拠点運営委員会が拠点を立ち上げることになっていますが、たまたま今回は震度五弱ということで、公園にはたくさんの住民や事業所の方が集まっている様子が見受けられました。このような大きな地震は、住民の方たちも自宅にいることに不安を持っており、町会役員の方も、住民の不安解消を図るためにも早期に立ち上げたい意向を持っています。

 そこで、質問です。

 防災拠点立ち上げの基準の見直しは考えておられるのでしょうか、お答えを願います。

 防災拠点には区職員も参集するわけですが、防災拠点運営委員会との連携強化のためには、いざというときに参集する職員が日ごろの訓練にも参加するなど、関係を密にしておく必要があると考えます。いかがお考えでしょうか。

 また、防災拠点運営委員会の役員が防災拠点に参集する際、帰宅困難者と明確に識別できる腕章や帽子などの簡単な装備が事前に用意してあれば、無用なトラブルも回避できると考えますが、配備のお考えはいかがでしょうか。

 防災資機材、什器、備品等、備蓄の再確認も重要です。特に、今回の被災地での避難所生活から生の声を参考に、新たな資機材導入計画はおありでしょうか。

 福島原子力発電所の事故に伴う電力不足の問題は、当初混乱のあった計画停電を一応回避できるようになりましたが、今後、夏に向けて、再び電力の需給バランスが悪化の見込みとなっております。そこで、災害時における電力節電対策として、避難所に隣接する公園などでのソーラー街灯、かまどベンチなどの設置状況はどうなのか、お聞かせください。

 次に、避難所対策であります。

 被災地の避難所では、一般の避難者と高齢者、障害者など災害時要援護者、妊婦、乳幼児のいる御家庭が同一の場所で生活されている状況をよく目にしているところです。こうした避難所では、テレビ、ラジオの音量により乳児が起きてしまう、日ごろの生活環境の違いで情緒不安定になり、深刻なトラブルも生じていると伺っています。各防災拠点の災害弱者である高齢者、障害者、妊婦、乳幼児の要援護者名簿、安否確認のための緊急通報や、受け入れ人数等の把握はだれが、どのように行っているのでしょうか、お答えを願います。

 平成七年、阪神大震災が契機となり、中央区も獣医師会と災害時における動物救護活動に関する協定書を平成十八年に結び、「区があらかじめ指定する動物救護所などにおいて動物救護活動を実施するものとし、業務のために必要とする用地、施設、設備、物資などを可能な限り提供するものとする」としています。現在、東京二十三区中、二十区がこのような協定書を結んでいますが、各防災拠点においては動物アレルギーの方や鳴き声、においなどにより、なかなか認可されません。避難所で認可されるには、最低でも登録された鑑識票を必ずつける、予防接種証明書の提示、他人に迷惑をかけないようにふだんからほえないように飼い主の言うことをよく聞くことなど、マナーを守ることが必要です。さまざまな条件はありますが、飼い主にとってはペットも家族の一員同然です。ペットを連れて避難した方々との避難所のすみ分けも必要となってくるものと考えます。

 そこで、質問です。

 高齢者、障害者など災害時要援護者、妊婦、乳幼児のいる御家庭、ペット同伴の避難者をおのおの分離し、例えば日本橋、京橋、月島の三地域に各一カ所ずつそれぞれの避難場所を設けられないものか、御見解を伺います。

 学校防災対策についてお伺いいたします。

 このたびの東日本大震災は、地震と津波、放射能という三大被害の影響で日本全国が振り回されている状態です。特に、当日の首都圏では一斉に交通機関がストップし、多くの帰宅難民となる保護者が大量に発生し、数時間は携帯電話やメールも含めて、極めて通じなくなりました。

 そこで、お尋ねいたします。

 このような状況の中で、各地域の防災拠点となっている十六小学校、四中学校は、まさに就学時間中に地震が発生、その後、各学校は児童・生徒たちにどのような対応をしたのでしょうか、お答えください。学校は保護者との連絡をとったのでしょうか。今後、この貴重な体験を生かしていくために、教育委員会としてどのようなことをお考えでしょうか、お答えください。

 地震と津波による福島第一原子力発電所爆発事故は、いまだに収束の道筋が見えてこない状況のもと、放射性物質の拡散が広範囲に広がる事態になっており、子供を持つ保護者の方から、目に見えない放射線に対する不安の声が寄せられています。国や都は、現時点では健康に影響を与える数値ではないとしていますが、放射線の影響は地域的に必ずしも同じものとは言えません。東京都内でも、浄水場の水道水から乳幼児の摂取基準値を超える放射性ヨウ素が検出されるなど、区内の保育園、幼稚園はもとより、小・中学校における水筒の持ち込みや、学校給食の食材においても納入時の産地確認をし、出荷停止食材は一切使わない、納入後に出荷停止になった場合でも使用中止にするとホームページで公表しているのは知っていますが、保護者などの不安解消にどのようにお考えでしょうか、お答えください。

 今まで東京都が行っている放射線測定は、新宿区内にある東京都健康安全研究センター一カ所のみで、年間を通して環境中の放射線量を継続的に測定し、公表していましたが、ほかの地域や近県での野菜や茶葉などの農作物からも暫定規制値を超える放射性物質が検出され、大気中の放射線量に地域差があらわれているため、子を抱える御両親たちの不安は募るばかりでした。ようやく都も先日、百カ所の調査をスタートさせたところです。

 そこで、お尋ねいたします。

 放射線に対する区民の不安を取り除くために、今回、補正予算に区は独自に放射線環境測定調査を開始し、放射線測定を公表するとしたことは評価をします。放射線測定の基本的考え方や具体的測定方法、区民からの要望があった場合の測定実施及び測定器の貸し出しについては、どのようにお考えでしょうか。また、多くの区民の方から、乳幼児、児童・生徒などに対する心配の声が保護者から出ています。これらの声を聞いて対応する相談体制の一本化を確立すべきだと思いますが、区長はいかがお考えでしょうか、お答えください。

 最後に、区の防災教育の充実についてお伺いいたします。

 今回の東日本大震災の被害の中でも、多くの児童、教職員の方々がお亡くなりになった宮城県石巻市立大川小学校の事例は、大変痛ましく、胸が痛むものでありました。そうしたとうとい犠牲に深い悲しみと哀悼の思いを抱きつつ、今回の震災の体験をいかに児童・生徒が、自分の命は自分で守る、自分たちのまちは自分たちで守る、命の大切さ、人と人とのきずなの大切さといったことを学ぶ貴重な機会ではないでしょうか。御見解をお聞かせください。

 地震発生時に自分の身をどう守るのか、さらに、災害に対して自分たちはどのような役割を担い、どのように行動していくべきか、改めて児童・生徒への防災教育の徹底が急務だと私は考えますが、今後の児童・生徒に対して防災教育をどのように展開していくのか、お考えをお尋ねいたします。

 以上で私の第一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 木村克一議員の質問に順次お答えいたします。

 三月十一日に発生した東日本大震災は、千年に一度といわれる未曾有の地震であり、大津波の来襲や原子力発電所事故など複合的要素も相まって、大規模な激甚災害となりました。多くの亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 この大震災は、これまでの地域の防災計画のレベルをはるかに超え、市町村や都道府県レベルで対処できるものではなく、まさに国の対応が求められております。被災地の惨状を見るにつけ、喫緊の課題は災害対策であり、万全を期さなければならないとの意を強くしているところであります。発災後の三月三十一日に仙台市、石巻市を視察し、自分の目でその惨状を見てまいりました。お目にかかった稲葉仙台市副市長さん、亀山石巻市長さんには、被災の状況をお聞きし、被災地の一日も早い復興に力を尽くすことを約束いたしました。あの美しい東北のまち並みが瓦れきと化した光景には驚愕し、中でも、石巻市の大川小学校で起こった悲劇には、学校は何よりも安全でなければならないとの思いを強くしたところであります。この東京も、いつ大きな地震に襲われても不思議ではないと言われる中、旧耐震基準で建てられた住宅の耐震化など、まち全体を壊れにくい構造に変えていくハード面の整備と、防災拠点や防災区民組織の支援など自助・共助に基づく地域の支え合いの強化、広域連携が必要となる帰宅困難者対策など、国や東京都と一体となった総合的災害対策を一層強力に推進することで、区民の皆様に安心していただける災害に強い中央区の実現に全力で取り組んでまいります。

 次に、本区地域防災計画の見直しに当たっての重点事項であります。

 本区におきましては、区民の命を守るための旧耐震基準による住宅の耐震性向上と交通機関の途絶による帰宅困難者への対応が求められており、そして何よりも東日本大震災で大きな被害を生じた津波対策の確立が急務であります。政府の中央防災会議では、国の地震・津波対策を抜本的に見直すため、専門調査会を本年四月に設置し、この秋までに被害想定の点検・見直しも含めて、防災基本計画を見直します。東京都も、本年十一月までに防災対応指針を策定し、平成二十四年の東京都地域防災計画の修正に反映させる予定であります。本区におきましても、こうした動きと連動して、平成二十四年の早い時期を目指し、地域防災計画の見直しに取り組んでまいります。

 次に、一時避難所のマップ作成や避難誘導対策についてであります。

 三月十一日、地震発生当日は、JRや東京メトロなどの交通機関は全面ストップし、区内の幾つかの駅では防災拠点へ帰宅困難者を誘導した事例がありました。本来、住民の避難所である防災拠点に帰宅困難者を受け入れたことで、自分たちが避難できなくなるのではないかという心配などが区民に生じたものと認識しております。区としては、今回の教訓を踏まえ、帰宅困難者用の一時避難所を確保し、帰宅困難者を誘導することが住民の安心につながると考えております。一時避難所マップは、帰宅困難者を円滑に誘導するために有効であると考えております。今後、鉄道事業者と協議を行い、改札口の常時開放や地下鉄駅通路等の利用により帰宅困難者の発生抑制を要請するとともに、早急に一時避難所を確保し、マップを作成の上、その活用方法についても関係機関と協議してまいります。

 次に、帰宅困難者対策協議会についてであります。

 現在、区では帰宅困難者対策のため、再開発事業区域内に帰宅困難者の一時収容施設や防災倉庫の整備を行っております。しかし、それらが整備されるまでの間、区内の百貨店やホテル、寺院、主要幹線道路沿いの大規模事業所に対して、帰宅困難者への水、食料の提供や施設に余裕がある場合の一時収容等を要請しているところであります。六月十三日の区内警察署、消防署との打ち合わせ会議では、区の帰宅困難者への取り組みを説明し、協力を求めたところであります。このように、現状では区が事業所や警察署、消防署とそれぞれ個別に帰宅困難者対策について協議を行っております。さらに、今年度、再開発事業により整備される帰宅困難者一時滞在スペースと防災倉庫の運用を担う協議会づくりを進めることとしており、この協議会には、企業、警察署、消防署はもとより区民の方にも参画していただき、官民一体となった帰宅困難者対策を進めてまいる所存であります。

 次に、企業提携と企業支援対策についてであります。

 発災直後は、道路や交通機関、通信の混乱等により、警察や消防、区など行政機関の活動は著しく制約されることが予想されます。そうしたときに、区内企業の従業員が地域住民と協力して救出・救助活動や帰宅困難者等の整理・誘導などの対応等を行うことは、大きな地域の力になります。このため、区では、本年一月、地域への協力と帰宅困難者への対応を目的とした災害時協力協定を区内の三事業所と締結し、本年度も協力事業所の拡大に努めているところであります。また、徒歩で帰宅する方々への対応には、地元事業所の協力が必要となります。発災直後の帰宅は大きな混乱を招くおそれがあるため、安全に徒歩帰宅するための支援方法や帰宅支援対象道路・帰宅支援ステーションについての周知、さらに事業所にとどまるために必要な対策を紹介する防災パンフレットを配布するなど、事業所に対する帰宅困難者対策の普及・啓発を行ってまいります。

 次に、災害時の緊急連絡手段についてであります。

 東日本大震災当日は携帯電話がつながらず、家族等との連絡のため、本庁舎の公衆電話にも長蛇の列ができたところであり、災害時において公衆電話は有効な通信手段であると認識いたしております。いざというときのために、今後、公衆電話の設置場所の案内を防災マップやパンフレット等により区民や事業所へ周知するよう取り組んでまいります。また、災害用伝言ダイヤル「一七一」や災害用伝言板サービスは、災害時の安否確認手段として大変有効でありますが、認知度が低いという問題点があります。現在実施中の地域防災フェアをはじめ、防災訓練、その他のイベント等で有効性を積極的に広報してまいります。今回の大震災時において、ツイッターやフェイスブックといった新しい分野の交流サイトは有効な通信手段であったとの一部報道がなさました。しかしながら、情報の安定性や信頼性が十分とは言えないことから、本区ホームページとのリンクは今後の課題であると考えます。

 次に、防災拠点についてであります。

 防災拠点は、震度五強で立ち上げることとなっており、臨時非常配備態勢の設置基準など、地域防災計画と整合を図っているところであります。今回の地震では、二十三区は震度五強と五弱が混在し、防災拠点の立ち上げに混乱が生じたものであります。立ち上げ基準の見直しについては、防災拠点運営委員会の方々の御意見をお聞きし、その必要性について判断してまいりたいと存じます。

 次に、防災拠点運営委員会と区職員との連携強化についてであります。

 災害時には、区内及び隣接区に在住する臨時非常配備職員があらかじめ指定した防災拠点に駆けつけます。こうした職員は、資機材の取り扱い訓練等にも取り組んでおりますが、今後は防災拠点運営委員会に積極的に出席し、意見交換をしたり、その後の訓練に参加することにより地域の実情を的確に把握するとともに、運営委員会の皆様との連携強化を図ってまいりたいと存じます。

 次に、運営委員会役員の装備品についてであります。

 災害時の防災拠点では混乱が予想されることから、役員であることを識別できる装備は、拠点の開設を円滑に行うためにも重要であります。現在、活動要員用ベストを配備しておりますが、簡便に着用できる装備についても、防災拠点運営委員会の皆様の御意見をお聞きして配備してまいります。

 次に、新たな資機材の導入についてであります。

 このたびの被災地での避難所生活では、寒さや必要最小限の照明、板の間やプライバシーのない生活などが強いられ、避難者が極度のストレスを抱えている避難所も見受けられたところであります。このことから、区では避難者の肉体的・精神的な負担を少しでも軽減するために、避難所用マット、簡易ベッド、バルーン投光器、ガスボンベ式発電機等を新たに備蓄いたします。さらに、今後とも防災拠点運営委員会の意見を十分に伺うとともに、本年度の防災訓練で新たに開発された防災資機材の検証を行うこと等により、必要な備蓄品についての検討を行ってまいります。

 次に、ソーラー照明、かまどベンチの設置についてであります。

 ソーラー照明及びかまどベンチは、平成十六年度より、災害時の一時集合場所に指定されている公園、児童遊園等に順次整備を進めており、現在二十四カ所に設置しているところであります。今年度においても、中州公園、月島第二児童公園、晴海二丁目公園の三カ所に設置する予定であります。今後も、整備拡充を図り、防災対策を充実してまいります。

 次に、福祉避難所対策及びペット同伴の避難所についてであります。

 防災拠点における避難者の受け入れ人数や介助の有無等の把握は、防災拠点運営委員会が避難者受け入れの際に避難者名簿を作成して行うこととなります。また、各避難所には災害時要援護者、妊婦・乳幼児の居室が確保されており、介護度や障害の程度により個別に福祉避難所での受け入れも行います。

 次に、ペット同伴の避難所についてであります。

 ペットを家族の一員と考え、避難所生活でも一緒にいたいと思われる方がいらっしゃることは理解しているところであります。しかしながら、ふん尿による衛生上の問題、鳴き声や動物嫌いの人とのトラブル等が予想されることから、ペット同伴の避難所生活については、さまざまな問題を含んでおり、難しい点が多いものと認識しております。一方で、練馬区ではペット同伴で避難することを前提に、各拠点における受け入れ態勢の検討がなされているところであり、ペット同伴での避難については、本区の獣医師会、動物との共生推進員等の御意見を十分に伺ってまいりたいと存じます。

 次に、放射線測定の基本的な考え方についてであります。

 区では、区民の放射線に対する不安を払拭するため、独自に区内の放射線の測定を行うこととしました。測定方法につきましては、京橋、日本橋、月島の三地域において、地表から五センチ、五十センチ及び一メートルの高さで大気中の放射線量の測定を継続的に行ってまいります。さらに、プールの水や土壌の放射能も測定し、これらの測定結果につきましては、ホームページで速やかに公表するとともに、放射線に関する情報を提供してまいります。また、測定の要望につきましては、継続的に三カ所の定点で区内の状況が把握できるものと考えております。測定機器につきましては、精度の高い機器であり、専門的な管理が必要なため、区民への貸し出しについては難しいものと考えます。

 次に、相談体制の一本化についてであります。

 保健所では、放射線に関するさまざまな健康への相談を受けております。当初、妊娠中の方や授乳への影響、水や食品への影響などの相談が主でしたが、最近では、区内の校庭の土壌、公園の砂場、プールの水などの放射線量に関する問い合わせや測定の要望が中心となっております。一方、学校給食の食材の問題など、個々の具体的な問い合わせについては、各所管で回答しております。このように、さまざまな相談が寄せられておりますが、放射線に関しては、関係部署と十分に連携を図りながら、保健所が中心となって対応してまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 教育問題についてお答えします。

 まず、震災時の学校の対応や保護者との連絡方法、また、この体験をどう生かしていくかについてであります。

 今回の地震は、発生が下校時間と重なったことから、下校を終えた学年や下校指導中、学習中の学年が混在し、各学校とも多様な対応が迫られる状況でありました。さらに、余震が続く中、学校周辺の被害状況等を踏まえながら、各校の判断のもと、子供たちの安全第一に対応したところであります。具体的には、校内にいる児童・生徒の安全な場所への移動や、下校済みの子供の帰宅確認、教職員付き添いでの集団下校、保護者引き渡しの連絡などに、校長以下、全教職員でそれぞれの学校の事情に応じて対応したものと認識しております。次に、保護者への連絡は、通信回線がふくそうする中、電話やメールを繰り返し試みるなど最大限の努力をしたものの、必ずしも全員に連絡がとれる状況ではありませんでした。教育委員会といたしましては、こうした貴重な体験を今後に生かしていくよう、学校とともに学校危機管理マニュアルをより実情に即したものとするなど、災害時の児童・生徒、園児の安全確保に向けた対策を充実・強化してまいりたいと存じます。

 次に、給食食材への不安解消についてです。

 これまでも、食材の安全確保について、ホームページに掲載するとともに保護者へお知らせを配布するなど、不安解消に努めてきたところであります。学校給食は、いわゆる食育として、食事への理解を深め、健全な食生活を営むための判断力を培い、望ましい食習慣を養うことなども目的としており、学校教育の一環として行うものであります。したがいまして、教育委員会といたしましては、保護者の理解と不安の解消を図りながら、学校給食を適切に実施してまいりたいと考えております。今後は、風評被害につながることのないように十分配慮しながら、産地の公表についても実施してまいりたいと存じます。現在、各産地の自治体が実施している放射性物質の検査状況では、三月、四月と比べ大きな改善が見られ、五月にはほとんど検出されなくなった産地もございます。こうした自治体が公表している放射能測定結果もあわせて見られるようにするなど工夫し、保護者の不安解消に努めてまいりたいと存じます。

 次に、学校防災教育の充実であります。

 中央区の子供たちも、大震災の発生当日には、これまでにない大きな揺れに見舞われ、地震の恐ろしさを経験いたしました。また、現場の状況を伝える報道からは、自然災害の脅威、人々の助け合い、とりわけかけがえのない命の大切さを感じたものととらえております。各学校で行われた子供たちによる自主的な募金活動等は、このことのあらわれであります。まさに、御指摘のとおり、今回の震災を契機として、防災教育の一層の充実に努めていかなくてはならないと考えております。学校では、これまでも年間指導計画に基づいた避難訓練、引き渡し訓練の実施や、安全指導日における災害にかかわる指導の徹底に努めてまいりました。今後は、さらに総合的な学習の時間や特別活動を通して、大震災から学ぶことや日本の復興のために自分たちができること等、タイムリーなテーマを取り上げ、防災意識の高揚やボランティア精神を培うための教育を積極的に行ってまいります。特に、消防や警察との連携により、被災地支援で活動した隊員の生の声を聞くことを通して、自然災害の恐ろしさや困難時に助け合うことの大切さをより深く学べるよう取り組んでまいります。

 答弁は以上です。

〔五番 木村克一議員登壇〕

○五番(木村克一議員)
 いずれも前向きな御答弁、ありがとうございました。

 私も、去る六月十一日、東日本大震災発生後三カ月目、防災等安全対策特別委員会の委員長を務めさせていただいておりましたので、その委員会終了後、すぐ新幹線に乗って、一泊二日の強行スケジュールでありましたが、仙台市、そして石巻市を視察してまいりました。現地においては、高台にある日和山公園から石巻市が一望できるんですが、ここにおいて約一キロにわたって住宅や工業地帯があった地点が、ほとんど何もない状態、石巻市立病院の跡地だけが残っている状態が見受けられました。そのような状態の中で、身にしみて中央区の安全対策を考えていきたいというふうに考えました。また、区長より、災害に強い中央区を目指すということを大いに評価していきたいと思います。また、新たに、中央区では余り考えられなかったとは思うんですけれども、津波対策も含めた点検を見直すということも、お言葉をちょうだいしましたので、心強く思っております。また、中央区防災計画の見直しについては、国・都が行ってからということでありますが、早急に区自身でも、ある程度の想定を見て、対策を考えるべきだと私は思いますので、よろしくお願いいたします。

 また、帰宅困難者対策についてですが、首都圏の直下地震が起きた場合、六百五十万人の帰宅困難者、そして避難者は七百万人出ると言われています。中央区においても、このような帰宅困難者対策に、再開発事業の取り組みで既に完成している銀座三越では、広場に約四百人、テラスで二千人の一時避難のためのスペースを確保しています。また、今後の再開発事業としても、平成二十五年完成予定の東銀座駅直通の歌舞伎座でも約三千人、同じく二十五年完成予定の宝町駅直通の清水建設本社でも四千人の帰宅困難者を含め、今後六カ所で一万八千四百人の対応が可能だと聞いています。しかし、今必要なのは、今後のことではなく、今この時期に早急に起こったとき、どのように対応していくかということだと思います。ですから、現在、中央区にある都心のオフィスビル、百貨店、ホテルなどに協力要請をすることが一番重要だと思います。災害時の収容人員の集客力のアップを目指すべきだと思います。今、震災で国民の防災意識が高いこの時期に、企業と一刻も早く検討すべきだと思いますので、その点、よろしくお願いいたします。

 現在、三カ所の提携というところは、戸田建設、日清オイリオ、ブリジストンということを聞いているんですが、中央区内にはこのほかにも、百貨店関係が一般の、三月十一日にも実質的に帰宅困難者対策、本願寺も含め、東武ホテル等々が協力していただいています。ですから、こういう協力していただいたところといち早く、この時期だからこそ提携を結んで、多くの帰宅困難者対策を行っていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 また、一時避難所のマーク作成をしていただけるということは、大いにこれは評価をすべきだと思います。今回、中央区内にもこれだけ多くの駅があり、そこを使っている人たちがたくさんいらっしゃいます。その方が一斉に避難をしていくということになってしまうと、パニックになることは間違いないことです。ですから、そのパニックを一時おさめるためにも、今の態勢の状態でいかに待機をすることか、安心・安全が確認できた段階で次の行動を起こすことが必要だと思っております。

 このように、中央区内には大混乱の危険性があるホールや劇場などの商業施設、避難通路が狭く、浸水や火災時に危険的状況に陥りやすい地下鉄などがあります。特にまた、数多くある飲食店などの接客業は、スタッフの顧客対応措置や施設からの安全退去ができるような誘導訓練が必要だと思います。そのためにも、警察、消防、行政、企業と、ふだんからの対策協議会が必要だと思いますので、このような関連性を持った帰宅困難者対策の協議会を強く要望いたします。

 次に、防災拠点対策です。

 私も参加している防災拠点対策なんですけれども、区の内外の職員を防災対策の訓練にも参加していただけるということは、大いにありがたいことだと思います。現在二十三カ所ある防災拠点は、個々の防災拠点にそれぞれ特徴があると思います。自分たちの防災拠点だけで十分立ち上げられる拠点もあれば、地域的には泰明や城東、阪本、常盤、銀座中学校など、住民の高齢化や人口減少の地域では拠点の開設に問題があります。ふだんから地元の住民と地元の企業とともに、防災訓練や拠点の打ち合わせも重要だと思います。このような指導を区のほうからもやっていただけるよう要望したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 防災資機材のことに関しては、今回の災害において、避難用のマット、これは今までござだったのがマットになったと。これは、散々前から私、言っていたんですが、キャンプをするときにマット一枚があること、あるいはマットがなければ段ボール一枚でも全然そこに寝る人たちの対応が違ってきます。このようなことを含めて、今後の什器、備品の対応をお願いしたいと思います。

 ガスボンベ式の発電機、バルーン投光器、これはかなり有効に使えると思いますので、有効活用をお願いいたします。

 また、これは現地の声として、三カ月たった今でも足りないものということで聞いてみると、主食ということでカップラーメンが足りない、あるいは炊き出しをするための調味料がない、炊き出し用のみそ、砂糖、酢、しょうゆなどがないということがありますので、この点も今後考えていかなくてはならないことかなと思います。

 それと、余り気がつかなかったことなんですが、現地の声を聞いてみて、炊き出し用に使うクレペリンというゴム手袋、これが現地では相当足りなくなっていると聞いています。ですから、炊き出しを行うためにも、衛生管理の面でも、このようなゴム手袋も、ある程度余分を持った対応でお願いしたいと思います。

 また、段ボールやガムテープ、これもかなり必要だと思います。先ほど言った避難所の仕切り対策にも段ボールを使ってガムテープで仕切りをつくったと。簡易なパーテーションができるということも聞いて、それだけでも全然違うということを聞いていますので、よろしくお願いいたします。

 ソーラー街灯及びかまどベンチ、これは実際に拠点委員会にあるのは知っているんですが、拠点委員会の委員もどこにあるかわからないという現状ですので、今期の防災訓練で、ぜひこのかまどを使ってお願いしたいと思います。

 最後に、高齢者・障害者、妊婦・乳幼児のことの避難所に対してお聞きいたします。特に、障害者の方々には、さまざまな障害の違いや子供から高齢者まで複雑多岐にわたって、それぞれの対応の仕方も違っているため、一般の人と一緒の避難所生活は無理だと考えます。専門のスタッフが介護が必要、最初から福祉避難所への誘導、また障害者の作業場、学校からそのまま避難できるような、そのような対策を、避難所ではなく福祉避難所へ最初から行けるような対策をぜひお願いしたいと思います。

 障害者の方は、まず視覚障害者の方は、実際に物資の到着や配給の様子を自分の目で確認できなくて、必要な物を受け取れなかったという過去の災害時の体験者の声を聞いています。また、彼らは壁伝いに歩くために、歩きにくい。壁際は通路として確保しなければならないといった点もあります。聴覚障害者は、ふだんは携帯メールが頼りですが、今回は携帯がつながらず、筆談も紙とペンで行っていましたが、不足している事態があります。また、自閉症の子供は、環境変化や強い刺激のために、ふだんと違う場所で騒音に弱い人は避難所での生活は相当なストレス、パニック状態で大騒ぎする可能性もあるため、その御家族の方は避難生活を送れず、路上駐車した車内で避難生活を送っているそうです。新潟中越地震の際には、エコノミー症候群が原因となって車中で死亡した人もいました。このような方の対策として、避難所に間仕切りを持って区切る施設、あるいは専門知識を持ったスタッフを置くこと、そのような福祉避難所を障害者の方々に対して考えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 ペットの避難所に関してなんですが、私も練馬区の光が丘第二小学校に行って、実際に見てきました。この避難所は、実際はペットの避難所としては、開設していませんでした。たまたま東北から来た方々が犬を連れていたということで、ペットの避難所も開設したというきっかけがあります。ぜひとも、今後も、ペットも家族の一員だということも踏まえて、中央区でも福祉避難所的な形でペットを同伴できるような避難所をお願いしたいと思います。また、避難所を開設するに当たって、犬や猫のペットショップ、保健所、獣医、行政など、事前に登録制が必要だと思いますので、よろしくお願いいたします。

 最後に、私の政治理念といたしまして、私は、みんなで築く私たちの住むまち中央区ということを政治理念に持っています。多くの方々が安心・安全に住み続けるような、そのようなまちづくりを今後も目指していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(今野弘美議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(石田英朗議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石田英朗議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後三時五十三分 休憩


午後四時十五分 開議

○議長(石田英朗議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。二十六番植原恭子議員。

二十六番 植原恭子議員登壇

○二十六番(植原恭子議員)
 中央区議会公明党の植原恭子でございます。私は、平成二十三年第二回区議会定例会の一般質問に当たり、区が当面する行政課題について質問させていただきます。矢田区長、理事者の皆様におかれましては、どうか区民の立場に立たれ、わかりやすく建設的な御答弁をよろしくお願い申し上げます。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問を留保させていただきます。

 質問の前に一言申し述べさせていただきます。東日本大震災の発生から三カ月が経過しました。千年に一度といわれる巨大地震と大津波が東北・関東各県被災地にもたらした甚大な被害は、東京に住む私たちの想像を絶するものでありました。それに加え、人災とも言うべき原発事故は被災地住民に深刻な被害を及ぼしているだけではなく、日本国のみならず世界に波紋を呼び、原子力発電そのものの可否が問われるまで、国際的な社会問題となっています。被災された皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、国として一刻も早く救援対策が講じられ、国民の不安を払拭し、一日も早く被災地の復旧・復興への道が開かれますよう、ひたすらお祈りするばかりでございます。

 さて、震災の渦中でしたが、この四月二十四日に執行された区長選挙におきましては、矢田美英区長が多くの区民の信託を得られ、七期目の区政運営を担われることになりました。同様に、私たち区議会も改選となり、新たなスタートを切らせていただきました。矢田区長は、御自身の政策方針に「このまちから日本が変わる!」と掲げられ、「ふるさと中央区をもっと暮らしやすく、区民が幸せを感じるまちに」とありました。まさに、中央区から東日本大震災の被災地をはじめ、全国に元気を発信するために、今後の区政運営に大いに期待いたしますとともに、その実現のためには、私たち区議会公明党も努力を惜しまず最善を尽くしていく決意でございます。

 質問の第一は、災害に強いまちづくりについてであります。

 東日本大震災が発生した三月十一日午後二時四十六分、ここ中央区もいまだかつてない大きな揺れを経験しました。振り返りますと、区議会では予算特別委員会のちょうど休憩時間で、私も区役所九階の控室で待機しているときに地震が起こり、書棚などが倒れることはありませんでしたが、立っていられない状態で、大きな横揺れで机の上の書類などが床に散乱しました。即刻、委員会は中止となり、私も急いで地域へ駆けつけました。

 区役所の表へ出ると、どの道も、どこからこんなに人が出てきたのかと思うくらい、帰路に向かう在勤者と思われる大勢の人たちで混雑し、その中にはヘルメットをつけている人も多くいました。区役所から、私が住む勝どきまで歩いて約二十分ですが、人の流れで思うように進まず、ふだんの倍かかりました。ようやくたどり着いて地域を回ると、ほとんどの集合住宅などにおいて、既に町会・自治会・管理者の方々が手分けをして、それぞれ居住者の安否確認と建物の点検などを速やかに行っていました。この状況を見て、日ごろから区が地域と協力して行っている防災訓練並びに自発的に行われている区民防災組織や民間企業などにおける訓練が本当に生かされていると、私は率直に感じました。

 勝どき駅近くのある集合住宅では、地震発生直後に一人の若い青年が、上の階から順次各戸の玄関のドアをたたき、「大丈夫ですか」と大きな声をかけながらドアを開けてあげていたそうです。「ひとり暮らしの高齢者もいるので、助かりました。若者のとっさの行動に、本当に感心しました」と、自治会長が感謝し、話しておられました。

 私が住む地域の防災拠点である豊海小学校の体育館にも伺いましたが、校長先生と教職員、防災拠点運営委員会の方々とともに、避難してきた人たちに対応しながら、お話も聞かせていただきました。エレベーターが停止しているため、階段を上がるのが困難な障害のある方や小さなお子さん、余震が怖くて自宅に一人でいられないと訴える高齢の方もいました。また、避難しながらも、豊海小学校が東京湾に面しているので、津波は大丈夫かしらと心配している人たちも少なくありませんでした。大半の人が地域の住民と思われましたが、隣接している豊海区民館のロビーも、近隣住民の方々でいっぱいでした。

 このたびの地震で、特に中高層の集合住宅では上層階の被害は顕著で、大きな揺れで天井の電気が落ちたり、家具や電化製品の転倒とガラスなどの散乱などのために当日は自宅に戻れない家庭も目立ち、区内のホテルや親戚・友人の家に泊まったという区民も多くいました。玄関のドアが開閉できなくなったり、特につなぎ目部分の通路や壁の落下も目立ち、浴室の破損など、公立、民間ともに建物自体の被害も大変多くありました。被災地のことを思うと、この比ではありませんが、中央区でも、余震が続く中で区民がさまざまに大きな不安を抱えながら長い時間を過ごしたことは間違いありません。

 六月四日、私たち区議会公明党は、壊滅的な被害に見舞われた宮城県石巻市を訪問いたしました。報道で目にする以上の悲惨な大津波災害の跡を目の当たりに見て、言葉が出ませんでした。市の関係者は、対応を次のように語っていました。

 「何といっても、情報が全く途絶えてしまったことが最大の課題です。だれが、どこに避難しているかもつかめず、救援物資を届けることもできませんでした。毛布が届かなかったために、低体温症などで避難所で高齢者の方々が亡くなられたことは、本当に悔やまれてなりません。精神的ケアが必要になる人も多く、二次被害、三次被害が深刻を極めました。また、想定外だったと言われながらも、津波に対する危機意識をもっと持つべきであったと猛省しています。そして、改めて子供のころからの市民への防災教育も課題だと思いました」このようにお話をされていました。これらを伺い、私たちは中央区の防災行政を推進していく上にも大変重要な示唆をいただいたと、しっかりと受けとめてまいりました。

 今後、マグニチュード七を超える大きな余震が起こるおそれや、マグニチュード八を超える東海地震や東京湾直下型などの地震の危険が高くなった可能性があるとの政府の発表があったことも周知のとおりです。区民の防災に対する正しい意識をさらに高めるとともに、震災など非常事態にあっても、正しい情報を迅速に伝え、的確な行動によって減災につなげていくことが、区民の生命と財産を守る行政の役割であり、その責任は大きいと思います。

 これまで述べさせていただいたことを背景に、区民の生活現場の視点から、災害に強いまちづくりについて順次お尋ねいたします。

 今般の震災を教訓として、区政全体を総合的に見た場合、いわゆる防災対策にとどまらず、例えば地域コミュニティの維持や住民基本台帳システムの運用確保など、主な課題をどうとらえ、今後どのように取り組んでいかれるのか、矢田区長の御見解をお示しください。

 これまで中央区は、都心の特性に合わせた防災計画やマニュアルなどを作成し、防災・減災対策を促進され、地道な活動によって区民、企業、地域の意識啓発を図られてきたと認識し、高く評価いたします。今後は、国や都の防災計画について見直し検討が進むと想定され、区としても早急な検討が迫られると思います。中央区地域防災計画及び中央区洪水ハザードマップなどの見直しに関するめどをどのようにお考えですか、あわせてお示しください。

 本区においては、津波・高潮・液状化による被害の危険性は低いとされています。中央区ホームページにもはっきりと、「心配はありません」とありますが、同じくホームページの防災情報・水害のページには、「今年は明治四十三年大洪水から百年です」というお知らせがあります。千年に一度、百年に一度と言われる災害が世界各地で起こり、特に近年のゲリラ豪雨を考えると、不安を感じる区民も少なくないと思います。私は、さらに情報の裏づけを含めて、区民に安心感を得てもらうための情報提供について御見解をお伺いいたします。また、津波・高潮・液状化対策については、主たる担い手である国や都と連携しつつ、区としても独自に取り組むべきことがあるのではないかと私は考えますが、御見解をお聞かせください。

 東日本大震災では、未曾有の災害に対し毅然と立ち向かう日本人の姿が驚きと称賛をもって世界各国のメディアでも大きな関心を持って報じられ、ルース駐日米大使は、難局に対して日本国民は強靱さを示し、礼節を保って互いに助け合っていると述べられました。私は、日本人はこんなに我慢強く、思いやりのある国民性であることを改めて世界から知らされ、大変誇りに思いました。

 中央区では、災害時の安否確認や避難生活における支援等に使用するため、障害者やひとり暮らし高齢者などの要援護者を対象とした中央区災害時要援護者台帳を作成し、台帳は区で保管しているとのことです。さらに、これとは別に、対象者を同じくして、災害時の避難の際、単独では行動できず地域の手助けを必要とする区民が自己情報を区に登録し、区があらかじめ情報提供することで災害に備えた地域の協力体制づくりを推進する中央区災害時地域たすけあい名簿を作成していますが、その進捗状況についてお示しください。

 阪神・淡路大震災で壊滅的な被害を受けた兵庫県西宮市が独自に開発した被災者支援システムは、災害発生時の住民基本台帳のデータをベースに被災者台帳を作成し、被災状況を入力することで、罹災証明書の発行から支援金や義援金の交付、救援物資の管理、仮設住宅の入退去など一元的に管理できるシステムと伺いました。東日本大震災後に同システムを導入した宮城県山元町では、システム導入により罹災証明書がスムーズに発行でき、申請件数に対する発行件数は約九割に上っているそうです。同町担当者は、一度情報登録すれば一元管理により再度申請の手続は要らないので、行政にとっても住民にとっても助かると、同システムが効果を発揮していることを語っています。

 総務省は、二○○九年一月に全国の自治体に被災者支援システムをおさめたCD‐ROMを無償配布し、この四月十二日には都道府県と政令指定都市あてに、同システム構築への協力と活用を促す事務連絡を行ったそうです。今回の震災後、被災者の情報を一元的に管理する被災者台帳の必要性への認識が全国的に高まり、同システムの導入を申請する自治体がふえ、五月下旬にその数が三百に達したと聞きました。矢田区長は、この被災者支援システムの導入について、中央区としてはいかがお考えですか。現状を含め、御見解をお伺いいたします。

 さて、先日、ある小学校の保護者から、次のようなメールをいただきました。東日本大震災が発生した直後、子供が通う小学校は、急遽児童を集団下校させました。緊急時とは承知しておりますが、親が自宅にいない場合は子供は一人になってしまいます。子供が一人でいるときに災害に遭う可能性も否定はできません。親が引き取るまで学校にとどまらせてほしいと思います。このほかにも、迎えに行ったけれども、子供は下校していていなかったなどと、保護者の声がありました。震災発生時における児童・生徒の帰宅については、保護者が学校まで引き取ることを前提として、これまで訓練が行われていたにもかかわらず、今般の震災での対応は集団下校を指示する学校があるなど、対応にばらつきが見られたと聞きます。発災当日における学校での対応状況と、集団下校の判断、指示を下した経緯についてお示しください。

 また、避難所の開設については、各学校により対応にばらつきが見られたようですが、こうした状況をどう認識されていますか。一方、撤収については、余震が続く中、住居の状況に危険を感じながら避難してきた近隣区民もいましたが、翌日正午をもって撤収指示が出されました。この判断に当たっての考え方をお示しください。

 そして、防災無線が聞こえない、また聞き取りにくいという住民の声が大変多くありました。特に、月島地域では「防災無線の音が反響して何を言っているのかわからない、高層住宅が多くなったためではないか」との声もありました。このような区民の声に対する御認識と改善策をお示しください。

 次に、学校における安全管理と防災拠点としての課題について、四点御質問いたします。

 一点目は、学校は災害時に防災拠点、避難所となることを前提として、児童・生徒の避難経路の安全確保は当然のことですが、例えばロッカーや書棚等の転倒防止対策や理科準備室に保管されている薬品など危険物の管理など、安全性は十分に保たれているのかお尋ねいたします。

 二点目は、現在、各校に一台のAEDが設置されていると思いますが、防災拠点の機能を考えた場合、私は増設すべきではないかと考えますが、御見解をお示しください。

 三点目は、体育館が上層階に設けられている学校においては、車いすでの利用に対応できるようバリアフリー対策が必要と考えますが、現状と今後の取り組みについて、お考えをお聞かせください。

 四点目は、各学校に備えている防災備蓄倉庫や情報通信機器に関し、現在、設置場所の状況と災害発生時における機能維持に当たっての課題をお示しください。

 中央区においては、現在、学校などの教育施設と福祉施設に限って、すべてフィルムを張るなど、窓ガラス飛散防止対策が講じられていると聞きました。公明党としても、積極的に推進してきたところですが、区施設全体にわたる窓ガラス飛散防止対策の進捗状況をお聞かせください。あわせて、区民に対する家具類転倒防止器具取り付け事業の進捗状況、その普及促進と事業の拡大についてのお考えをお示しください。

 災害に強いまちづくりの最後に、危機管理体制のさらなる強化についてお尋ねいたします。

 東日本大震災の発災直後における区の対応を振り返り、中央区の危機管理能力を一層高めるために、まず自助の見地から見た区民それぞれの危機管理意識の向上への取り組みについて、また公助の見地から見た区の組織内における情報伝達や的確な判断、指揮命令など危機管理体制のあり方に関する御認識と今後の対応について、区長の御所見をお聞かせください。

 質問の第二は、よりよい教育環境の整備についてであります。

 私は、中央区の教育改革をさらに進め、未来を担う子供たちが安心と希望に胸を膨らませて学んでいくために、よりよい教育環境を整備していただきたく、次の三点について御質問させていただきます。どれも過去の一般質問や委員会の席上でたび重ねてお訴えさせていただいている項目です。どうか髙橋春雄教育長の前向きな御答弁を期待いたすものです。

 先日の少子高齢化対策特別委員会で、平成二十三年度の在籍児童・生徒・園児数に関する報告がありました。児童・生徒・園児ともに増加している中で、昨年と比較し百人を超える園児の大幅な増加は、特に目立っていました。これからこの子供たちが小学校、中学校にと上がっていくことを思うと、中央区教育振興基本計画に示されているとおり、十年後の姿を見据えた教育環境の整備が今こそ求められているのではないかと私は思います。そのような思いの上から、改めて御質問させていただきます。

 一点目は、小学校特認校制度の状況と課題についてであります。

 本区は、以前から、教育の中央区を標榜してきました。平成十六年に中央区の教育を考える懇談会、平成十八年に中央区学校教育検討会、平成二十年には教育の中央区学校づくり検討会を設置し、慎重に時間をかけて中央区における新しい学校・学校教育像の構築に向けた研究・検討を行い、学力向上や一人一人に応じた教育施策を展開してこられました。小学校特認校制度も、教育の中央区の新しい学校を構築するための意義ある制度と一定の理解をいたしておりますが、現状と制度が目指す方向性、今後の課題についてお示しください。

 あわせて、一部の学校を対象としたスクールバスの運行のあり方についてですが、同じ区民として、児童の安全確保の上からも公平性を確保すべきではないかと私は思いますが、教育長のお考えを改めてお示しください。

 二点目は、中高連携教育と推薦入学の拡充についてです。

 本区では、中央区教育振興基本計画にのっとり、カリキュラム連携型小中一貫教育研究として、佃島小学校、月島第一小学校、佃中学校の三校による合同研究を実施しています。これが中央区モデルとしての役割を果たした暁には、今後、区内全校が推進していく方向が示されております。このことは、区教育委員会が支援し、区立小・中学校が連携して実現できるものととらえ、大いに評価し、期待したいと思います。しかしながら、区立中学校の生徒、教員、保護者の間からは、区内にある都立高校に進学を希望し挑戦したくても、倍率が高いため、生徒によってはあきらめて倍率の低いところを選んでしまう現状もあり、なかなか入学が困難だという声が以前から多く聞かれます。

 晴海地区にある都立晴海総合高校は、バブル期に建設されたもので、都内随一の教育施設だと聞きました。現在では首都大学東京の法科大学院も併設され、教育環境がさらに充実されております。対面する区立晴海中学校とともに、朝潮運河の水辺環境を望み、月島第三小学校、月島運動場も近接し、まさに文教地区と呼ぶにふさわしい立地条件にあります。私は、生徒の希望にこたえる意味からも、中高連携教育を拡充し、ぜひ連携による推薦入学者枠を確保するなど、御尽力をお願いしたいと思いますが、教育長の御見解をお示しください。

 三点目は、区の奨学金制度の創設についてであります。

 これについては、平成二十年九月の一般質問において御提案させていただきました。質問の内容は重ねて申し上げませんが、そのときの御答弁では、既存の制度をより積極的に活用されるよう、生徒、保護者に周知を図っている、さまざまな既存制度との整合性を踏まえながら、新たなる対応が必要かどうかについて研究してまいりたいとお答えをいただきました。まず、それらについて状況をお示しください。さらに、二十三区の多くの区では、それぞれ貸し付けする対象者などを工夫したりして、区独自の奨学金制度を継続、実施しております。また、最近では民間企業の寄附金による給付型の奨学金制度を設けた地方自治体の報道もありました。これらをかんがみて、改めて教育長のお考えをお伺いいたします。

 以上をもちまして、私の第一回目の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 植原恭子議員の御質問に順次お答えいたします。

 まず、今般の東日本大震災を機に、本区が取り組まなければならない課題についてであります。

 東日本大震災では、大津波で避難所となる学校が大きな被害を受けた例がありました。また、庁舎の被害により、行政機能、住民の情報が失われた地域では、災害対応、被災者支援、復興の大きな足かせとなっております。住民の避難所となる学校、災害対策に当たる庁舎は、どのような災害に遭っても安全でなければなりません。本区においては、学校、庁舎の耐震性は確保されており、住民基本台帳のバックアップ体制も整備されておりますが、今後は津波などの対策にも、国・東京都と連携しながら、しっかりと取り組んでまいります。

 また、災害時に近隣で助け合う地域コミュニティの重要性についてであります。

 被災地では、ふだんから培われた地域のコミュニティが避難所運営などに力を発揮し、避難者の安心に大きく役立っております。本区においては、防災区民組織、防災拠点運営委員会やマンションの防災組織の活動を住民同士の助け合いの面での防災の基軸としており、こうした活動が、新しく転入された区民の方々と一体となって、さらに活性化していくよう、区も一層の支援をしてまいります。

 次に、中央区地域防災計画と中央区洪水ハザードマップについてであります。

 政府の中央防災会議は、津波対策を含め、この秋までに国の基本計画を抜本的に見直す方針であり、本区においても、国や東京都に連動して総合的な防災対策を強力に推進していくため、平成二十四年度の早い時期を目途に、中央区地域防災計画の修正に取り組んでまいります。また、現在の中央区洪水ハザードマップは、下水道施設の処理能力を超えた大雨を予想して浸水範囲を示したものでありますので、政府・東京都の津波対策に対応して、早期に必要なハザードマップを作成してまいります。

 次に、津波・高潮・液状化の災害対策についてお答えいたします。

 災害対策においては、日ごろから区民が正しい知識や情報を持ち、災害時に落ち着いて的確な行動がとれることが大切であります。区では、これまで洪水ハザードマップや浸水対策用リーフレットなどにより災害への備えをお願いしてきたところであります。また、今回の地震では、区内の状況を確認する一方、区民の不安を解消するため、津波や液状化に関する情報を防潮堤の整備状況や予測図などのデータを用いてホームページに掲載いたしました。今後においては、現在実施されている臨海部の防潮堤や水門等の整備状況、最新の知見などを含め、正確な情報をわかりやすくホームページや各種パンフレットなどを通じて適宜提供することにより、区民が安心して生活できるように努めてまいります。津波・高潮対策につきましては、ただいま申し上げましたとおり、現在、国や東京都において見直しを行っており、今後こうした機関との一層の連携を図るとともに、区としましては、区民への迅速な災害情報の提供や避難方法、避難場所の確保などについて検討してまいります。また、液状化対策については、都が予測図の修正を予定しており、本区においても、こうしたデータを参考に、必要に応じて橋梁などの対策を検討するとともに、ガスなどライフライン事業者へも要請してまいります。

 次に、災害時地域たすけあい名簿の進捗状況についてであります。

 平成十九年度に災害時要援護者台帳を整備し、それに基づき、対象者に対して勧奨を進めてきた結果、以前は三割に満たなかった登録率が、現在では六割まで向上し、約五千人が登録されております。本年は、本人からの申し出がなく情報が更新されていないことも懸念されるため、全登録者に対し、登録内容の再確認をお願いするとともに、おとしより相談センターやケアマネジャー等の協力を得て、さらなる登録率の向上に努めてまいります。また、名簿がより効果的に活用されるよう、名簿を提供している防災区民組織、民生委員、警察及び消防との日ごろからの連携を一層強化してまいります。

 次に、被災者支援システムの導入についてであります。

 震災発生時に自治体が担うさまざまな被災者支援業務を一元管理することができる被災者支援システムは、被災した自治体にとって有効なシステムであると認識しております。しかしながら、特別区においては、罹災証明発行に必要となる消防署の火災情報や固定資産税情報を東京都が保有しているため、このシステムをそのまま導入することができない状況にあります。今後、東京都では国と協力して、東京都版の被災者支援システムの開発に向けて取り組みを進めることとしておりますので、本区としては、その動向を注視し、新たなシステムが構築された際には早期に導入できるよう取り組んでまいります。

 次に、避難所の開設・閉鎖についてであります。

 避難所につきましては、震度五強以上の地震が発生した際に立ち上げることとなっております。しかしながら、震災当日は各学校に帰宅困難者や区民が避難してきた実情をかんがみ、各学校長の判断で避難者の受け入れを行ったものであります。帰宅困難者の受け入れ施設としての正式な開設は、東京都からの要請に基づき災害対策本部が開設を決定したものでありますが、事前の各学校長の適切な対応により、大きな混乱もなく、帰宅困難者の受け入れができたところであり、各学校長の判断は妥当であったと考えております。また、避難所の閉鎖時期につきましては、帰宅困難者については、公共交通機関がほぼ全面的に復旧されたことを受け、また区民の方については、一部外壁やガラス等の落下による建物被害があったものの、ライフラインに支障はなく、日常生活をする上で大きな支障がないものと災害対策本部で判断し、避難者に説明を行った上で、翌三月十二日の正午をもって避難所を閉鎖することを決定したものであります。

 次に、防災行政無線についてであります。

 防災行政無線は、区内九十四カ所に設置してある外部スピーカーを通じて一斉通報し、区民の皆様に迅速に情報を提供する有効なシステムであります。しかしながら、これまでにも再開発など新たな高層ビルやマンション建設に伴い、聞き取りづらいという声が寄せられ、その都度、スピーカーの位置の変更や角度の調節など、改善に取り組んできたところであります。今回の震災において、防災行政無線で津波警報を通報した際には、あわせて月島地域を中心に広報車により区民への周知を図っております。今後は、登録者数が現在二千四百人を超える安全・安心メールやホームページへの掲載、ケーブルテレビの一層の活用など、防災行政無線とあわせて情報連絡手段の多角化を図ってまいりたいと存じます。

 次に、学校における安全管理と防災拠点としての課題についてであります。

 災害時や日常的な児童・生徒の安全はもとより、区民の安全を支える防災拠点として、学校の施設・設備の安全管理は重要なことと考えております。理科準備室に保管している劇薬等危険物については、すべての学校の保管庫で施錠管理されており、安全が確保されております。各学校における書棚等については、おおむね転倒防止策が施されておりますが、一部未実施のものについては、早急に対処いたします。

 次に、AEDの学校への増設についてであります。

 AEDは、日常生活で起きる傷病者に備えて地域にバランスよく配備することが重要と考えております。現在、区では百四十台のAEDを保持しており、すべての学校や区施設に一台ずつ配備しておりますが、災害時のAEDの配備については柔軟に対応していきたいと存じます。さらに、避難時の車いす利用を想定したバリアフリー対策につきましては、各学校に要援護者用居室を設けるとともに、福祉避難所を開設し、御利用いただくこととしております。バリアフリー化につきましては、一般の避難者にとっても望ましいことでありますので、今後は学校改築にあわせ、バリアフリー化を進めてまいります。

 次に、防災拠点倉庫の設置場所の現状と災害発生時の情報通信機器の機能維持についてであります。

 防災備蓄倉庫は、地階、二階、校庭など、学校により設置場所は異なりますが、情報通信機器である地域防災無線は職員室、特設公衆電話は玄関に設置しております。いずれの設備についても、災害時に適切な機能を発揮できるよう、定期的な保守点検とともに、無線訓練や防災訓練を通じて操作方法の習熟を図っております。

 次に、区施設の窓ガラス飛散防止対策についてであります。

 本区では、区施設の地震時等の安全対策として、防災拠点、防災副拠点、広域福祉避難所、地域福祉避難所に位置づけられている施設について、原則としてすべて窓ガラスに飛散防止フィルムを張っております。具体的には、昭和六十一年度から小・中学校の対策を開始し、平成七年度には庁舎や保育園、十九年度には日本橋、月島の両区民センターや九カ所の福祉施設等について対策を講じております。また、十七年度からは施設内部の間仕切りのガラスにも飛散防止フィルムを張り、一層の安全対策に努めているところであります。なお、災害対策上の位置づけのない小規模な施設には一部未実施の部分がありますので、今後速やかに実施してまいります。

 次に、家具類転倒防止器具取り付け事業についてであります。

 六月五日より開催中の地域防災フェアにおいて、今年度はテレビの下に敷く耐震シートや食器の飛び出しを防止するとびらロックなど、家具類転倒防止器具等の種類を七種類にふやして、普及・啓発に努めているところであります。六月十九日までの器具の購入世帯は千三十一世帯で、平成二十一年度に比べ約三・九倍近い方が購入されており、区民の皆様の関心は高まっているものと理解しております。今後とも各種行事や各関係団体を通じて、本事業の普及促進を積極的に行ってまいります。また、当事業の拡大につきましては、地域防災フェアでの購入者数や取りつけ世帯数などの実績を踏まえ、検討してまいります。

 次に、危機管理体制のさらなる強化についてであります。

 今回の震災を受け、区民の皆様の防災意識は以前にも増して高まっているものと理解しております。六月五日から区内二十一カ所の各防災拠点で地域防災フェアを実施しておりますが、震災当日、居室内での家具類やテレビの転倒、落下物の散乱など、地震の恐ろしさを身をもって体験されたこともあり、前回実施より六割以上多くの区民の方々に御来場いただいております。防災対策の基本は、自助・共助であります。区民の皆様には、防災区民組織や防災拠点運営委員会の充実、地域防災フェアなどの各種行事を通じて、自助・共助といった防災に対する意識を高めていただいているところであります。公助につきましては、今回の震災を踏まえ、九月に実施予定の総合防災訓練をはじめ、災害対策本部運営訓練など、より実践的な訓練を通じまして災対各部の初動態勢の確立と役割の理解、指揮命令系統の確立、相互連携による災害対策本部活動の推進を図るほか、防災拠点となる学校等との連携を密にし、盤石な危機管理体制を築いてまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 教育問題についてお答えします。

 まず、震災発生時の児童・生徒の帰宅についてであります。

 本区の学校危機管理マニュアルでは、児童・生徒が在校中に発災したときは、各学校長は、保護者への連絡も含め、安全確認ができた場合に帰宅させることになっております。今回の地震では、発生が下校時間と重なったことから、各学校の事情に応じ、児童・生徒を校内にとどめた学校と集団下校を実施した学校と、それぞれの判断が分かれたところであります。なお、集団下校に当たっては、学校が通学路や学校周辺の安全を確認した上で、教職員が付き添って実施したものであります。教育委員会といたしましては、今回のことを貴重な教訓として、今後、各学校とともに学校危機管理マニュアルをより実情に即したものとするなど、災害時の児童・生徒・園児の安全確保に向けた対策を充実・強化してまいりたいと存じます。

 次に、特認校制度についてです。

 特認校制度は、学校選択の幅の拡大と、小規模化や児童増に伴う施設の狭隘化の進行を緩和することを目的に、平成二十一年度入学者から導入され、三年になります。特認校制度の本年度の利用状況は、申込者百十二人、特認校への就学者は五十七人となっております。そのうち、城東、常盤、阪本小学校へ就学した児童は十九名であり、小規模化の緩和には一定の効果があったものと考えています。今後の課題といたしましては、三十五人学級の動向や児童数増などの影響により、受け入れ枠の減少や特認校としての継続が難しくなる学校も出てくるものと思われます。また、特認校制度のこれからの方向性につきましては、実施後まだ三年でありますので、今後の推移を見た上で、必要な対応をしてまいりたいと存じます。

 次に、スクールバスについてであります。

 現行の特認校へのスクールバスは、いわゆる私立などで行われている通常のスクールバスの考え方とは異なり、先ほど述べました特認校制度の趣旨に基づく運行であり、利用者は月島地域の児童に、また通学先は特認校三校に限らせていただいております。こうした考え方は、全小学校PTA代表を中心に構成されました教育の中央区学校づくり検討会でさまざまな角度から検討され、方向づけられたものでありますので、何とぞ御理解をいただきたいと思います。

 次に、中高連携教育と推薦入学の拡充についてであります。

 本区における中高連携教育につきましては、かねてより、都立晴海総合高校との連携を図るべく取り組んでまいりました。近年では、晴海中学校が合同クリスマスコンサートや高校の部活動見学などの交流活動を実施しております。今年度は、交流はもとより、カリキュラムの連携を図るための区立中学校と晴海総合高校の協議会を設置し、取り組んでいるところであります。今後、さらに実のある交流・連携の実績を積み上げていくことにより、都の制度の枠内における晴海総合高校への推薦入学枠の確保について積極的に努力してまいります。

 次に、奨学金制度についてです。

 まず、東京都育英資金など既存の制度につきましては、積極的に活用されるよう、各学校において生徒、保護者にPRを図っているところであります。また、奨学金制度の多くは、現在でも同種の貸付金との併用ができないなどの問題があると認識しており、加えて、平成二十二年四月には公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律が施行されるなど、教育費負担をめぐる環境も大きく変化してきております。さらに、国では、高校では授業料以外にも学習費負担が多いことなどから、給付型の奨学金制度を検討する動きもあります。したがいまして、これら国の動向等を見守りつつ、今後も本区において独自の新たなる対応が必要かどうかについて、引き続き研究してまいりたいと考えております。

 答弁は以上であります。

〔二十六番 植原恭子議員登壇〕

○二十六番(植原恭子議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 災害に強いまちづくりにつきましては、おおむねといいますか、今、どなたもが感じていらして、また真剣に取り組まれている課題でございますので、区長の前向きな姿勢を確認させていただき、今後のお取り組みに期待をしたいと思います。その中でも、これから中央区地域防災計画、また中央区洪水ハザードマップは早期に国や都の動向を見ながら見直しに向けて取り組みますということですので、ぜひよろしくお願い申し上げます。

 あとは、二番目の、中央区として取り組む津波・高潮・液状化の災害対策、これも同様に取り組んでまいりますということでお答えをいただきました。やはり今、お答えの中では、避難場所の確保など、区としても独自で御検討されていらっしゃるのかなというふうにお聞きいたしましたけれども、例えば報道によりますと、三重県津市では津波の際に避難場所として提供していただけるビル、企業等の募集も行っているという報道もございました。中央区と三重県のほうと、また地域的な特性等も多少違うかもしれませんけれども、このようなことも参考にしていただいて、中央区ができる津波対策、津波に備えての支援対策について、ぜひ御検討いただきたいと要望させていただきます。

 それから、中央区災害時地域たすけあい名簿の進捗状況もお伺いいたしました。十九年度では三割から今現在六割まで拡大されて、区民の方の理解も徐々にいただいているということで、さらに登録していただく方をふやしていただくこととともに、この名簿の活用方につきましては、十分に地域の方とも、その取り扱いについては慎重に協議をしていただいて、安心していただけるような、そういう名簿、また登録していただきたいと、これも要望をさせていただきます。

 それから、震災直後の集団下校と、避難所の開設・撤収につきましては、教育長、また区長さんの御説明で理解をいたしました。ただ、避難所の撤収なんですけれども、今、区長の御答弁にもございましたが、まだ帰る住宅がなかなか生活するには危険な状態である方も、中にはいらっしゃいました。そういう場合の対応を、今回は例が少なかったかもしれませんけれども、避難所は大体、先ほどから帰宅困難者の対策としてさまざまに区としては最大の課題として今回取り組まれていらっしゃると思いますが、住民の方の避難所としての対応ということも、福祉避難所等のお話もございましたが、住宅の中で地震による被害を受けた方々のための対策も、避難できる場所の確保ということも、また改めて御検討をいただきたいと要望させていただきます。

 それから、集団下校の件につきましては、今回のことを教訓にして、ぜひ、先ほどの保護者の方のお声のように、基本はそうであると思います。学校のほうできちんと児童の安全を確保していくということが基本であると思いますので、教訓として、ぜひお願いしたいと思います。

 それから、防災無線のことなんですが、これは高層住宅が多くなって聞き取れない、再開発が進んで、なおさら聞こえにくくなって、その都度、スピーカーの位置を変更するなど改善していますということですけれども、その方法しかないのかどうか、この一点だけ、防災の関係では、ほかに講じられる対策がないのかどうかお聞きしたいと思います。九十四カ所ということで、先ほど御答弁ございましたが、やはり防災無線、このたびの東日本大震災でも、防災無線というのは大変住民の方には大きな効果といいますか、あったというふうにも中央防災会議の記録等でも載っておりました。やはり防災無線は、ホームページとかメールだとか、それはもちろん大事なんですけれども、やはり防災無線も大事だと思いますので、その辺の改善策をいま一度お尋ねしたいと思います。

 それから、学校における安全管理と防災拠点、四点ほど申し上げましたが、前向きの御答弁をいただいておりますので、ぜひお取り組みをお願いしたいと思います。

 AEDのことなんですが、これは、学校は一台だと思いますけれども、今、新しいマンション等も、また集合住宅、いろいろなところに、施設等にも設置がされていると思います。その辺の緊急事態のときの連携のほうも、今後、地域の方とのお話し合い、協議会等で課題として、ぜひこの辺の協議も、いざというときの連携もしっかりとつくり上げていただきたいと思いますので、要望させていただきます。

 それから、窓ガラス飛散防止対策、また、今ちょうど地域防災フェアの真っ最中でありますけれども、区のほうで大変力を入れてくださって、高齢者や障害者の世帯だけではなくて一般区民にも広く、例えば家具類転倒防止器具等もサービスして、皆さんに普及して購入していただいているということも伺っております。ぜひこの辺の普及をさらにまた促進していただき、その状況を踏まえまして、予算枠の拡大といいますか、事業の拡大、その辺も含めて、ぜひ前向きにお取り組みいただきたいと思います。

 それから、危機管理体制のさらなる強化ということで、自助・共助・公助ということで、自助と公助の見地からしかお伺いしなかったんですけれども、この辺についても、最初からの質問のお答えと大体重複したことだと思いますけれども、ぜひこの辺も、改めて中央区のいざというときの危機管理意識というものも、行政としても一層高めていただくように要望させていただきます。

 それから、教育問題につきましては、この三つの問題は何度か議会でも御提案をし、お伺いをさせていただいているところであります。

 二番目の中・高連携教育は、今年度カリキュラム連携に取り組まれていることもありますので、ぜひとも地元の中学から地元の高校への推薦入学の枠の拡充に向けて、ぜひ御努力をお願いしたいと思います。

 あと、特認校制度の状況につきましても、今、御報告をお聞きしまして、一定の理解をいたしております。ただ、スクールバスのことにつきましては、何度もお訴えさせていただいて、御理解くださいということでいつも御答弁をいただきますが、なかなかその辺が、区民の目線から見て、地域の方から見ても、やはり不公平だという声が大変多いです。区としては、月島地域から一部の小規模校にということで特定をして進められているんですけれども、それも検討会等での議事録を伺っても、理解はしますけれども、やはり公平性という観点から言うと、利用されている、また特認校制度によって通学している子供たちが区民だということを考えると、本当にいいのかしらという疑問がなかなか拭い切れないところです。これにつきましては、これから私自身もやはりまたさらに現場の声を聞きながら、調査、また研究してまいりたいと思います。

 スクールバスについて一点申し上げたいことは、今、区民の方が喜ばれている江戸バス、コミュニティバスの最初の立ち上げの検討委員会の中でも、スクールバスの運行ということで基本方針の一つとして位置づけられていたと思います。その辺もありますので、単に教育委員会の課題とするのではなくて、区としても、スクールバスのあり方について、ぜひ課題として取り組んでいただければありがたいなと思いまして、要望させていただきます。

 それから、奨学金制度の創設につきましては、前回も平成二十年のときに御提案をさせていただきました。そのときは、やはり世界的な金融危機ということも背景にありまして、国としても大変な中での背景もありましたけれども、そのときと今も、さまざま社会情勢は違っても、やはり日本の国の教育費の負担が家計にとって大変重いということは一向に変わらないのが現状ですし、今、教育長さんが御答弁してくださいましたように、国として、今、給付型の検討も進められているということで伺っておりまして、その辺のことも注視はしていきたいですけれども、先ほど申し上げましたように、二十三区の中でも区の独自の奨学金制度を実施している区も、現在、恐らく二十区ほどあると思いますし、ほかの区で制度が設けられて、どうして中央区で設けられないのかしらという疑問もありますので、また、この辺についてもこれから、財源の問題、また給付型という課題もありますが、民間の協力でこういう制度を設けられた自治体もあるということで最近報道で知りましたので、ぜひ前向きに制度の創設について御研究・御検討をいただきたいと要望させていただきます。

 以上をもちまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

 失礼しました。一点質問がございました。お願いいたします。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 そうですね。住民の皆様、区民の皆様へ迅速に、今、何が起こっているかということ、この情報を提供する、これは本当に非常に大事ですね。私も仙台、石巻を訪れましたが、亡くなった方が一万五千人ですか、行方不明八千人ということで、あんなに亡くなり、石巻だけで五千人の犠牲者ということでございます。特に、大川小学校の悲劇ですね。百八人の児童のうち七十四人が亡くなったり行方不明になった。先生十三人のうち十人が亡くなったり行方不明になった。あれは、やはり今どういう状況なのかということが瞬時にわかる、そこのところが今回情報がなかったということで残念に思うわけでございます。

 そういうことがないようにということで、本区、そうした情報の提供をしっかりやっていかなければならないということでございまして、それには何といっても行政無線ですね。今何が起こっているか、これを本当に地域の方々にお知らせするには有効な手段であるわけでありまして、九十四カ所に設置しているわけでありますけれども、残念ながら、聞きにくいところがあるという点で、御指摘の点があろうかと思うわけでございまして、何とかこういう点を改善に改善を重ねて進めてまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。

 同時に、それを補完するシステムということで、ラジオの中央エフエムであるとか、あるいはテレビのベイネットですね、ああいうラジオ、テレビ、これも本当に重要でございますし、おかげさまで本区と密接に関係があるといいますか、密接につながっているところでございますので、そうした民間の放送機関とこれからも、もっともっと連携を密にして、特に防災、災害の場合には御協力を願う、こういう体制をしっかりと確立してまいりたい、こういうふうに思っているところでございます。

 いろいろこれからも議会の皆様方、また区民の皆様方の声を聞いて改善に改善を重ね、またさらに迅速に情報を提供する手段を開発してまいりたい、こういうふうに思うわけであります。

 以上であります。

○二十六番(植原恭子議員)
 議席にて発言させていただきます。

 御答弁ありがとうございました。ぜひ改善に向けて、前向きなお取り組みをよろしくお願いいたします。

 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(今野弘美議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばでありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(石田英朗議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石田英朗議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

午後五時二十四分 休憩


午後五時四十五分 開議

○議長(石田英朗議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。八番河井志帆議員。

八番 河井志帆議員登壇

○八番(河井志帆議員)
 中央区議会みんなの党の河井志帆と申します。本日、初めての一般質問で非常に緊張しておりますけれども、私は今定例会に当たり、会派を代表し、区政の直面する課題につきまして、通告書に従い、区民の目線で区長及び関係理事者に対し、まちづくり全般についての質問をさせていただきます。どうか建設的かつわかりやすい、そして具体的な御答弁をお願いいたします。御答弁のいかんによりましては、再質問をさせていただきます。

 まず、災害に強いまちづくりについてお尋ねいたします。

 さきの東日本大震災で被災されました皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。

 また、都内でも震度五強という大きな揺れを経験し、区内には多くの帰宅困難者があふれる中、対応に全力を挙げてくださいました区長以下、皆様の御尽力に感謝申し上げたいと思います。

 私は、先月、ゴールデンウィークに石巻市の北の端にあります十三浜という地域で瓦れきの撤去のボランティアをしてまいりました。震災から二カ月近くたつ、そういう中、車がやっと通行できる幅の道が確保されている以外、ほとんど手つかずの状態であることには、正直なところ、ショックを受けました。区長も三月末に石巻を御訪問されたとのことで、あの悲惨な現実を目の当たりにして、被災地の復興のために何かをしたい、そういう気持ちは共有をさせていただいている、そう考えております。

 一方で、区内の震災の影響を振り返ってみますと、深刻な被害は見受けられなかったとはいえ、鉄道など交通機関が麻痺したことにより、園児・児童・生徒の保護者への引き渡し及び帰宅が遅くなったケース、また多くの区民が居住している高層住宅の一部ではエレベーターが長時間にわたり停止するなど、区民生活に影響を与えることとなりました。

 私が住んでおりますマンションでも、震災の当日はエレベーターが停止することになったのですが、そんな中で、階段を一段一段住民の皆様が声をかけ合い上り、そしてまた、翌日以降は会う方と被害の状況を住民の方が自発的に確認し合うなど、震災前に比べますと、住民同士のコミュニケーションがとられるようになったのではないかと感じております。あれから三カ月がたちましたが、すれ違いざまにごあいさつをさせていただきますと、ほとんどの方が「おはようございます」、「こんにちは」などとお返事をくださいます。これは、未曾有の大災害の中における一筋の光と言えるのではないか、そのように考えております。

 区民の八割以上の方が集合住宅に住み、また超高層といわれるマンションが五十棟近くある今日、中央区の防災に関する取り組み、これは都内のみならず全国から注目されております。

 そこで、質問をいたします。

 区としても、マンションごとの防災マニュアルの策定などに積極的にかかわっていくことが示されておりますが、このマニュアルづくりというのは、実はコミュニティづくりであるとも考えられると思います。行政として、どのように、そして、どのくらいの深さといいますか、範囲までかかわっていくおつもりなのか。例えば、マニュアルという物理的なものが完成したら終わりなのか、もしくは、例えば実際に災害が起きたときに災害対策本部の体制づくりなど、こういったところもサポート対象とされるのか、今回の大震災を踏まえて、意気込みをお聞かせください。

 また、中央区内は四万を超える事業所があります。携帯電話をはじめ、固定電話もなかなか使いづらい中、東北がどうなっている、千葉で火災が起きた、そういう情報はテレビなどで入手ができたわけでありますけれども、身近で重要な情報、例えば電車はまだとまっているのか、いつ動き出すのか、道路の状況はどうなのか、そういった情報が、現場に足を運ばなければ入手できないという状況が続き、経営者の方は従業員を自宅へ帰すべきか、事業の継続をどうするのか、難しい判断を迫られたと伺っております。事業所によっては、自主的に会議室などを帰宅困難者に開放されたり、独自の御判断でこの難局を乗り越えられたとのことですけれども、中央区として、このような事業所の方の判断の一助となるような情報の提供について、今後どのように進めていかれるおつもりなのか、首都直下型地震が発生したときを想定して、お答えいただきたいと思います。

 続いて、開かれたまちづくりについてお尋ねをいたします。

 先々週、六月六日に勝どき・豊海地区まちづくり協議会の勝どき五・六丁目及び豊海地区の分会が開催されました。定例会や各委員会、まちづくり協議会本会において、分会の話が出ましてから、地域住民として開催を心待ちにしておりましたため、本当にうれしく思っております。分会では、新しくメンバーになられた方からも積極的に御意見が出され、これからの新しいまちづくりを地域全体で考えていこうという姿勢が傍聴席からも感じ取ることができ、勝どき・豊海エリアの未来が明るいものになるのではないかと、当該地域の住民の一人として、非常に期待しております。

 中央区のまちづくりが記念すべき新たなステージへと進むことを意味する、この分会開催の情報ですけれども、実は、残念ながらオープンにされていませんでした。分会開催は、今までもいろいろな考えや御意見を持っていても発言する機会のなかった新しい住民の皆様の悲願でもあります。ですから、ぜひとも住民の皆様に広くその開催を知っていただき、またお時間の合う方には傍聴していただいて、区民の皆様が私たちの暮らすまちはこれからこのように変わっていくんだなという感覚を共有していただくことが大事だと考えております。

 そこで、お尋ねをいたします。

 今後のまちづくりのあり方について、昨年十月に施行されましたまちづくり基本条例におきましても、「区長は、区民の理解と協力を得るために、まちづくりに関する必要な情報を区民に提供するものとする」とうたってありますけれども、各地区のまちづくり協議会及び分会の開催予定、これについてホームページなどで広く案内することについて、実際に検討していらっしゃるのか、また、今後その可能性があるのかについてお聞かせください。

 また、このまちづくり協議会が地域住民の意見をまちづくりに生かすという本来の目的を果たすためにも、議事録はきちんと公表されるべきだと考えております。まちづくり協議会の構成員の方からも、毎回とても建設的な御意見が出ております。そのような御意見が、具体的な計画が進むにつれ、どう反映されていくのか、前回検討すると御回答のあった案件が、その後どうなったのかを確認する意味でも、議事録の公表は非常に重要だと考えております。この点についても、御見解をお聞かせください。

 次に、安全なまちづくりについてお尋ねいたします。

 私が暮らしております勝どき地域におきましては、この夏から環状2号線の工事が平成二十六年度中まで、また勝どき駅の改良工事がことしの冬から平成二十七年度中まで、そして来年度からは新島橋のかけかえ工事が平成二十九年度まで行われる予定です。新島橋のバス停からは、朝七時台にはバス一台当たり、多いときは十名近い小学生が乗車し、またベビーカーや自転車に保育園児を乗せた多くのお父さん、お母さん方が新島橋を渡られて勝どき駅方面へ向かわれております。今でも非常に多くの方が行き来しておりますけれども、これから幾つもの工事が同時に進められることを考えますと、その安全対策について不安を抱かざるを得ません。

 豊海小学校の学区に当たります勝どき五・六丁目及び豊海地区ですけれども、矢田区長をはじめとする皆様の熱心な人口回復策のおかげで、非常に多くの子育て世代の方が住んでいらっしゃいます。私もその一人でありますけれども、今までの定例会や委員会でもほかの議員が御指摘のとおり、新島橋より豊海側には保育園が一園しかございません。多くの保育園児は、混雑している新島橋を渡って通園していることになります。それは、保護者の方の通勤の途中に送り迎えができることを考えますと、非常に便利であることは理解しておりますが、やはり新島橋を通るしか保育園に行くルートがない、そういう点を考えますと、これから始まります幾つかの工事に対し、安全面で万全な対策をとっていただく必要性を感じております。

 そこで、お伺いいたします。

 今後、予定されております環状2号線の工事及び新島橋かけかえ工事に関しまして、園児・児童・生徒の通行の安全を守るために、具体的にどのような対策をお考えであるのか、お聞かせください。新島橋の仮橋として現状より安全なものをつくるのか、または追加で別のルートをつくることも実際に検討していらっしゃるのかもお知らせください。

 また、勝どき五・六丁目と豊海地区から小学校へ四月に入学した児童が全体で百人程度いらっしゃいますけれども、そのうち豊海小学校へ入学した児童は六十二名であります。残り四割近い児童がスクールバスか、もしくは徒歩、都バス、地下鉄もしくは自家用車などでほかの小学校へ通っていることになります。通学時間帯を調査した結果ですけれども、本当に多くの児童が、実は都バスを利用して通学している現実、これをかんがみますと、新たな対策を考える局面に来ていることは明らかであり、また実際に保護者の方からも多くの御相談や御要望、またほかのバスの利用者からの苦情も実際にいただいているところであります。

 そこで、お尋ねいたします。

 中央区として、バスや地下鉄などの公共交通機関を利用して区立小学校に通っている児童の人数など、実態を把握されているのか、また、その件についてどのようにお考えなのかをお聞かせください。

 また、児童の安全を守るためにも、ほかの議員からもありましたけれども、新路線のスクールバスを導入するか、もしくは都バスの一部を学バスとして、例えばある時間帯に出る便だけは児童優先にして、また途中とまるバス停も児童が下車するバス停数カ所に絞るなどという要望、これを都の交通局に対して行うなどということは検討していただけるものなのか、その可能性も含めて御見解をお聞かせいただきたいと思います。

 最後に、子育てしやすいまちづくりについてお伺いをいたします。

 リーマンショック以降の非常に厳しい経済状況に追い打ちをかけるように、東日本大震災が起きました。一部の経済指標、景気判断は上方修正されてきているとはいえ、各企業においても夏場の電力不足のリスクなどもあり、成長戦略を描きづらい状況に陥っています。各御家庭でも、本来であれば子供が小さいうちはお母さんがそばにいてあげられるのが望ましい姿ではありますが、収入面での御不安や女性の社会進出が進んだこともあり、共働きで子育てをされている世帯がふえていることは、御存じのことと思います。中央区では、このように働き盛りの世代、子育て世代の人口が急増しております。それは、中央区の持つ歴史・伝統・文化が魅力的であるのはもちろんのこと、職場に近いということ、これもその魅力の一つだと考えております。フルタイムで仕事をされているお母さんたちの姿が多い、また、朝、ベビーカーを押して出勤するお父さんの姿をよく見かけられるのも、中央区の特徴であります。

 昨年度、中央区では、子育て支援策を過去に例を見ない規模で拡充し、保育園の待機児童を大幅に減らせた、そのことは大変すばらしいことであります。しかしながら、現在は仕事の形も家庭の状況も多様化してきています。私も企業に勤めておりましたときは、海外拠点との会議などは日本時間の夜十時から始まっておりましたし、医療従事者の方などは夜勤の日もあり、子供を預ける場所に困っているというお話を伺うことがよくあります。中央区では、子ども家庭支援センターのトワイライトステイ事業、また社会福祉協議会のファミリーサポート事業など、利用価値の高い子育て支援体制があり、本当に助かっているという声をお寄せいただいておりますが、その一方で、区内には二十四時間型の民間託児所が数カ所あり、深夜帯に仕事のある子育て中の方々の唯一のよりどころとなっているという現実がございます。そのような施設は、利用料金が非常に高額でありますけれども、運営されている業者の方に伺ったところ、そのシステムを維持するためには、やむを得ない料金設定となっているというお話でした。

 そこで、お伺いいたします。

 仕事の都合により、やむなく深夜帯に民間の託児施設を利用しなければならないような世帯に対し、利用料金の補助などを行うことは検討に値すると思いますけれども、その点につき、どうお考えか、お聞かせください。また、このように多様化する保育ニーズに対して、今後どのように対応される御予定なのかをお示しください。

 また、中央区男女共同参画行動計画における計画期間も後半になり、二○○八年からの活動を検証する時期に入ってきていることと思います。ワーク・ライフ・バランスを区も企業も強力に推し進めた結果でしょうか、朝晩、保育園の子供の送り迎えで顔を合わせる保護者の方も、男性の割合がふえてまいりました。先日、宇宙飛行士の山崎直子さんの御主人である山崎大地さんのお話を聞く機会に恵まれました。山崎家では、基本的に子育ては御主人である大地さんの役割だったそうですけれども、社会の理解が得られないことも多く、やはりさまざまな葛藤があったようです。テレビで「おかあさんといっしょ」という番組がありますけれども、育児がおかあさんのものと決めつけているのはおかしいなど、独自の視点からのいろいろなお話があり、参考になりました。

 そこで、中央区として、男女共同参画のゴールはどのあたりに設定していらっしゃるのか、また地域社会にどのようにその認識を浸透していかれるおつもりなのかをお示しください。また、男女共同参画を推進していくには、女性が活動するのみならず、男性の理解や協力を得ることも第一歩だと思っております。八丁堀に女性センターブーケ21という施設がありますけれども、この施設の現状をどのように認識していらっしゃるのか、そして、今後のあるべき姿についてお考えをお聞かせください。

 以上で私の一回目の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 河井志帆議員の御質問に順次お答えいたします。

 まず、集合住宅の防災マニュアルについてであります。

 防災マニュアル作成においては、組織体制も含め、住民の方々の意欲と自主的な取り組みが欠かせません。また、災害時にマニュアルが効果を発揮するには、活動する住民の方々の相互協力と連携が必要であります。これまで、区では、防災マニュアル作成を支援するため、組織体制づくりをはじめ、防災訓練などについてもサポートしてまいりました。いずれの場合も、住民の方々の良好なコミュニティと積極的な取り組みにより、防災マニュアルが完成したものであります。区といたしましては、八六%の世帯が集合住宅に居住していることを踏まえ、今年度、補正予算案に計上いたしておりますように、マンション防災対策自己点検調査を行い、東日本大震災での被害や影響を明らかにし、マニュアル作成の支援を強化するとともに、マニュアル作成後のさまざまな課題に対しても十分な支援ができるよう取り組んでまいります。

 次に、事業所向けの情報提供についてであります。

 首都直下型地震が発生した場合、大量の帰宅困難者が駅などに滞留し、大きな混乱が生じることが今回の東日本大震災においても明らかになりました。区では、道路・交通機関の情報をいち早く伝えるため、防災行政無線、中央区モバイルサイト、ケーブルテレビ、中央エフエムなどを使って正確な情報提供を行ってまいります。なお、現在、事業所従業員向けの防災パンフレットの配布を行っており、その中で、発災直後の災害情報の入手方法について説明しており、今後も継続して普及・啓発を行ってまいります。

 次に、まちづくり協議会等の情報公開についてであります。

 まちづくり協議会は、地域協働のまちづくりを実現するために、町会、商工関係や小・中学校PTAなどの地域代表者と区が情報公開や意見交換をする場として、二十年以上の長きにわたり運営されてきているものであります。協議会の開催については、構成員の方はもとより、地域の代表である議員にも事前に案内しており、その結果、オブザーバーとして多くの区民の方が参加されております。また、協議会の内容を周知する趣旨から、当日の資料及び議事概要について区議会所管委員会に報告しているところであります。今後とも、区では周知方法等、まちづくり協議会のさらなる運営上の工夫を図り、地域に開かれたまちづくりに一層取り組んでまいります。

 次に、新島橋等の工事と安全対策についてであります。

 新島橋については、老朽化、新たな耐震基準に基づく耐震性、開発等による交通需要に対応するため、現在、かけかえに向け、設計作業を進めております。かけかえに当たっては、環状第2号線の工事とふくそうすることから、東京都との工事調整会議を設置し、具体的な安全対策について協議・調整を図ってまいります。また、仮設橋梁は、現在の橋梁付近に設置を行う予定であり、別ルートは考えておりません。今後、地域の交通安全確保が図られるよう、歩道幅員や通行機能について検討を進めてまいります。

 次に、民間託児施設の利用料金の補助と多様化する保育ニーズについてであります。

 今日、家庭における生活様式の変化や保護者の就労形態の多様化に伴い、夜間における保育ニーズが高まりつつあることは認識しております。本区においても、こうした保育ニーズにこたえるため、きらら中央や認証保育所において、夜十時までの夜間保育を実施しております。しかしながら、さらなる深夜保育は、子供の健全育成から、さまざまな問題を抱え、生活リズムも不規則になることから、保育士の配置や家庭的な雰囲気を備えた保育スペースの確保など、認可保育所に準じた保育環境が必要であると考えます。現在、深夜保育を行っている認可外保育施設は、必ずしもこうした基準に適した保育環境とはなっていないため、現時点で区として補助を行うことは難しいものと考えます。しかしながら、このような施設を利用せざるを得ない保護者がいることも承知しており、また深夜保育などのニーズがさらに高まることも予想されることから、利用者や施設に対する補助制度のあり方について、調査・研究を進めてまいります。

 次に、男女共同参画についてであります。

 本区の男女共同参画についての基本理念は、中央区男女共同参画行動計画二○○八に掲げる「男女一人ひとりの個性が尊重され、みんなが能力を発揮できる地域社会の実現」であります。これを実現するためには、企業、地域社会において、この理念を共有することが重要であります。このため、子育てのための保育園などの社会基盤を積極的に整備するとともに、ブーケ21の事業を中心とした地域社会への意識啓発を行い、また、本区四万一千の事業所、企業に対してワーク・ライフ・バランスの推進を働きかけるなど、基本理念を実現できる環境づくりに努めております。

 次に、ブーケ21についてであります。

 平成五年四月に開設以来、女性の活動拠点として、さまざまな分野の講習講座や女性相談などの事業を実施し、女性の地位向上と社会進出の支援を中心に取り組んでまいりました。一方で、男女共同参画社会を実現していくためには、男性の意識改革が欠かせないことから、男性向けの料理講座を開催するなどの取り組みも行っております。現状では、ブーケ21は女性向けの事業が中心となっておりますが、今後は男性がさらに参加しやすいよう工夫を凝らし、男性がさまざまな役割を担うことが自然となる社会を目指すことにより、ブーケ21を男女共同参画の拠点施設としてまいりたいと存じます。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 教育問題についてお答えします。

 スクールバスについてであります。

 公共交通機関を利用している小学校の児童数は、各学校において把握しておりますが、全体として約八百人前後であるととらえております。これら児童は、指定校変更や区域外就学、特認校など、さまざまな事情により公共交通機関を利用しており、その通学時の安全確保については、一義的には保護者の責任のもとに判断をお願いしているところであります。

 次に、新路線のスクールバスについてであります。

 現行の特認校三校へのスクールバスは、学校の小規模化や児童数増に伴う施設の狭隘化を緩和することを目的に、利用者は月島地域の児童に、また通学先はこれら特認校に限らせていただいております。お尋ねの、いわゆる一般的なスクールバスの運行につきましては考えておりませんので、御理解のほど、お願いいたします。なお、都バスの増発につきましては、東京都交通局に相談したことはございますが、現在の利用状況では難しいとのことでありました。また、都バスを児童優先として運行することは、事実上、固有のスクールバスと何ら変わることがなく、通常の都バス事業の中でそのような要望にこたえることは、公共交通事業者として、東京都においては困難であると考えております。

 答弁は以上であります。

〔八番 河井志帆議員登壇〕

○八番(河井志帆議員)
 それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございました。

 まず、災害に強いまちづくりについてですけれども、区民の命と安全を守ることは当然ではありますが、事業所の方からしますと、やはり無線など聞こえないオフィス街などの場合は情報が非常に大事だというお話をいただいておりますので、ぜひ区として積極的に取り組んでいただきたい、そのように考えております。

 また、まちづくり協議会の情報公開についてですけれども、一番お尋ねしたかったのは、協議会本会ではなく分会についての情報を公開していただきたいということを申し上げたかったので、分会の情報公開についての御見解を再質問させていただきたい、そのように思います。

 また、議事録についてなんですけれども、構成員や傍聴している人からしますと、検討すると言っていただいたことに非常に大きな期待をしてしまうのは当然のことでございまして、本当に検討しているのでしたら、それはその後、経緯を示すべきだと考えております。

 新島橋のかけかえについて、まちづくり協議会で話されたときは、別ルートの橋も検討するという御回答をどなたかからいただいていたかのように記憶しておりますので、本当に検討していないんだったら、そのときに、それは考えていませんということで、お話をいただきたかったなというのが正直な感想でございます。長い歴史を持つまちづくり協議会ですので、しっかりと連続性を持って進めていただくことを強く要望いたします。

 また、スクールバスについては、ほかの議員の方からも御質問があったとおりでございますけれども、それだけ地域の要望が本当に多いということだけは忘れないでいただきたい、そのように思っております。

 また、男女共同参画についてなんですけれども、これは社会全体の意識づけが大切なのはもちろんですけれども、日本全体を見回してみますと、地域によっても非常に差が大きいのは皆様御存じのことと思います。本当に一朝一夕でどうこうなる問題ではないと思いますので、今後もじっくりと腰を据えて、粘り強く取り組んでいただきたい、そのように考えております。

 再質問の一点、まちづくり協議会の分会の情報公開について再質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 まちづくり協議会、これは私が区長になったときから直ちに開くようにしたわけでございまして、これは先ほど来申しているとおり公開なんですよね。公開ということは、すべて公開ですから、本体はもちろん、分会のほうも同様に公開であるし、また同様の周知を図ってまいりたい、そういうふうに思うわけでございます。

 以上であります。

○八番(河井志帆議員)
 自席から失礼いたします。

 分会についても、事前に開催の情報などを公開、周知していただけるという御回答をいただきましたので、次回以降の開催について、近隣住民としても期待したいと思っております。

 それぞれ明確な御回答をいただきまして、本当にありがとうございました。

 以上、意見、御要望として、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○議長(石田英朗議員)
 次に、七番青木かの議員。

七番 青木かの議員登壇

○七番(青木かの議員)
 拍手をいただきまして、どうもありがとうございます。中央区議会みんなの党の青木かのです。河井志帆議員に引き続き、みんなの党を代表し、質問させていただきます。今回、私たちみんなの党は、四名全員当選させていただき、中央区議会にも中央区議会みんなの党が誕生しました。これからも皆さんの代表であるという気持ちを忘れず、そして区政に新しい風を吹き込んでほしいという区民の皆さんの御期待におこたえできるよう、頑張ってまいります。今回は、東京湾大華火祭の中止、地域とともにある学校、新しい公共、この三点について御質問させていただきます。明快な御答弁を期待します。内容のいかんによっては、再質問させていただきます。

 まずは、東京湾大華火祭の中止についてです。

 ウオーターフロント最大のイベントとして一九八八年から始まったこの華火祭は、全国からおよそ七十万人が集まる夏の風物詩として定着しており、毎年楽しみにしている区民の皆さんもたくさんいらっしゃいます。また、区内の飲食店も、当日から翌朝まで花火帰りのお客さんで例年にぎわいます。東京湾大華火祭の中止は、私も区民の一人として大変残念に思いました。

 一方、隅田川花火大会は、ことしも日程を一カ月おくらせ八月二十七日に実施、また先週、六月十五日には例年七月下旬に開催される足立区の花火大会が夏場の電力需要の逼迫を考慮し、また打ち上げ数も例年の一万二千発から一万発に縮小して実施することが発表されました。

 本区が中止を決定しましたのは三月二十二日、当時、日本じゅうが自粛ムードに包まれており、そのとき、その時点での区長のお気持ちは理解することができます。しかし、そのたった五日前、三月十七日に東京湾大華火祭のための予算、二億五千百九十二万七千円を含む平成二十三年度一般会計予算七百四億五千三百十九万四千円がこの議会で議決されたばかりでした。このタイミングでの中止発表には、議会を軽視しているのではないかと、どうしても違和感を覚えます。また、あの早過ぎる中止決定がなければ、その後、世の中のムードが被災地支援のためにも経済復興、いつもどおりの生活を送ろうと変わっていく中で再考の余地もあったと思うのですが、いかがでしょうか。

 その後、中止のニュースが伝わる中で、区民の皆さんからの問い合わせもふえ、四月五日、矢田区長名で、第二十四回東京湾大華火祭の中止についてというメッセージが中央区のホームページにアップされました。ここで、中止の理由について簡単に説明されていますが、果たして、このたった一ページの説明だけで十分なのでしょうか。区のこの大きな行事については、実施はもちろんのこと、中止についても、同じように区民の皆さんにしっかりと説明責任があると考えます。その後、どのような区民、関係者の皆さんからの要望やお問い合わせがあり、そして、それに対し、区としてどのような対応をしたのかお聞かせください。

 さて、三月十一日の大震災は、日本人にとって大変悲しい出来事でした。しかし、この大震災は、また私たちにさまざまなことを考えるきっかけを与えてもくれました。ビフォー三・一一とアフター三・一一では私たちの価値観が変わったと言っても過言ではありません。ある人は家族の大切さを再認識し、ある人は待ったなしの日本の経済の復興を考え、また、ある人は原発や化石燃料から完全なクリーンエネルギーへの転換を真剣に考え始めています。そして、私はといえば、子供たちへの思いがますます強くなりました。

 岩手県宮古市の昆愛海ちゃん、津波にさらわれ帰ってこない母親にあてて、「ままへ。生きているといいね。おげんきですか」と一生懸命に手紙を書いて、疲れてそのままこたつで寝てしまった四歳の少女の写真は、世界じゅうの人々の涙を誘いました。

 あの災害の最大の被害者は子供たちなら、復興のシンボルであり、これからの日本を担っていくのも、また、その子供たちなのです。そして、私たちが子供たちのために今できること、それは教育です。教育の中央区を標榜する本区でも地域の子供たちにとって、よりよい学ぶ環境づくりを、今、進める必要があります。

 こんなことがありました。

 私の娘は、中央区立小学校、区立中学校、都立高校と進みました。小学校六年生の年の二月一日、朝、学校へ行くと、いつもは三十人いるクラスメートが五人しかいません。この日は私立中学校の受験が集中する日なんです。帰ってくるなり娘が聞いた。「どうしてみんな区立中学校に行かないの」という質問。あの質問が、その後、公教育の改革に興味を持ち、政治家を志すようになった私の原点なのです。

 中央区立小学校の卒業生が区立中学校に進学する割合は、ここ数年五○%前後で、平成二十二年度の卒業生では五一・三%でした。六○%を切っているのは、千代田区、港区、中央区の都心三区のみです。子供たちを、そして保護者の皆さんを引きつける魅力ある公立学校づくりは、すぐにでも取りかからなければならない課題です。その解決のかぎとなるのが、平成十六年、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正により、学校運営委員会、いわゆるコミュニティ・スクールが制度化されて以来、各地で進んでいる、地域とともにある学校づくりです。学校や教育を教員や行政だけに任せるのではなく、地域の子供は自分たちの子供という意識を持って、地域の力、人材を学校に積極的に取り入れていく。中央区でも既にさまざまな取り組みが行われています。

 そこで、一、プレディのサポーター、二、学校評議員、三、小・中学校指導サポーターについて、それぞれの成果と、これからの課題をお聞かせください。

 次に、魅力ある公立学校づくりに関し、カリキュラム型小中一貫教育について質問します。

 私は、一貫教育を実践している佃中学校に行き、先生方にいろいろとお話を伺ってまいりました。佃中学校では、佃島小学校、月島第一小学校に月島幼稚園、月島第一幼稚園を加えた五校で幼小中の交流が積極的に行われています。交流事業だけではなく、小学生が中学校の部活動を体験したり、幼稚園の運動会の運営を中学生が手伝ったり、中学生が幼稚園で職場体験をするなど、さまざまな形での交流が行われています。少子化が進み、ひとりっ子も多い現代では、年代を超えた人間関係が地域の学校で自然にはぐくまれるということは、すばらしいことです。

 しかし、カリキュラム型小中一貫教育の本来の意味であり、中央区政年鑑にも明記してある小・中学校で九年間の連続した一貫性のある学習カリキュラム、これはどの程度取り入れられているのか疑問です。中央区の場合、幼稚園が小学校に併設されていますし、幼小中の十二年一貫教育も可能だと考えます。一貫教育導入に向けた取り組みと、その導入予定について具体的にお聞かせください。

 次に、土曜スクールについてお尋ねします。

 平成十四年、完全学校週五日制が導入されましたが、その後、ゆとり教育が見直される中で、年間授業日数が少な過ぎるとの反省から、近年では中央区内の中学校でも土曜スクールが開催されています。中央区基本計画二○○八、「子どもが輝く子育て・教育のまちづくり」の中でも、「個に応じた指導や学力向上のための補習授業の充実」、そして「中学校への区費負担講師の配置による個別指導」と掲げられています。

 そこで、土曜スクールや補習授業への区としての今後の対応、特に、さらなる区費負担講師の活用について、予定があれば、お聞かせください。

 最後に、新学習指導要領が小学校では今年度から実施され、中学校でも来年度から全面実施されますが、この新学習指導要領では、改めて子供たちの生きる力が見直されています。生きる力とは、みずから課題を発見し、解決する力や、コミュニケーション能力であり、多様な人々とかかわり、さまざまな経験を重ねていく中ではぐくまれていきます。決して、学校の教科書のみで学べるものではありません。各学校でも総合の時間などを利用して、さまざまな取り組みが行われています。校長先生方が異口同音におっしゃっていたのが、ゲストティーチャーを見つけることの大変さです。PTAや保護者のつてに頼っているのが現状で、それには限界があります。

 そこで、お尋ねします。

 平成二十二年第一回定例会で高橋伸治議員の教育ボランティアを含めた学校での外部人材の登用に関する質問に対し、教育長が、「区独自の教育人材バンクを創設するなど、さらなる推進に取り組む」と答えていらっしゃいます。すばらしいアイデアだと思うのですが、その後、教育人材バンクの創設は進んでいるのでしょうか、お答えください。

 続きまして、いわゆる新しい公共についてお尋ねします。

 現在、地域社会を取り巻く環境は、大きく変化しています。複雑化し、区民の皆さんのニーズそのものが多様化している中で、ボランティア団体やNPO、公益活動を実践する企業などと協力し、事業を展開していくことは、区政にとっても大変有効な手段だと考えます。その地域にとって最も効率的で、よい結果をもたらすようなバランスを模索していく必要があります。今回の大震災では、いち早く被災現場に入り活躍したボランティア団体の様子が各メディアでも取り上げられました。

 かつて、日本にはボランティア文化はないと言われていましたが、阪神・淡路大震災以降、しっかりとその文化が根づいていたことが証明されたのです。比較的時間のある学生はもちろんのこと、社会人も週末などを利用して、みずからの時間と力を社会に役立てたいと考える人がふえています。また、これからはリタイア後もまだまだお元気なシニアの皆さんの力も期待できます。

 はからずも、ことしは二○○一年のボランティア国際年から十周年に当たります。国連では、「ボランティア国際年+10(プラステン)」として、ボランティア活動や市民活動の推進を世界じゅうに呼びかけています。その意味で、ボランティア団体やNPOとの協働は、これからますます重要になると考えます。具体的には、NPOの持つ専門的知識、人材のネットワークが活用できるとき、公共の利益の解決に役立つとき、地域特有の問題解決を図るときに、その内容を把握し、地域に根差したNPOがあるとき、そしてNPOが主体的に実施することで高い当事者性が発揮され、区民が主体的に活動できるときです。

 現在、中央区に事業所を持つNPO法人は、四月末現在で六百六十団体、ただし、中央区の場合、日本全国を対象に活動している団体が多く、主に区内で活動する団体は、そのうちおよそ一八%しかありません。また、財政面でも会員からの会費や寄附や助成に頼っているところが多く、まだまだ厳しい状況にあります。一方、企業の社会貢献活動も、従来の寄附中心から本業を生かした地域貢献へと変わってきています。

 そこで、お尋ねします。

 区とボランティア団体やNPO法人、公益活動を実施する企業との協働を今後どのように進めていくか、具体的にお聞かせください。

 また、昨年度より始まった協働提案事業の公募は、すばらしい試みだと思います。ちょうど今、六月十日より七月三十一日まで、来年度実施に向けた協働提案事業の公募が行われていますが、昨年採用された、からだとこころの発見塾による「からだとこころ・いのちについて考える出前授業」、銀座ミツバチプロジェクトによる「自然・環境出前事業」、キッズドアによる「海外から編入学した児童・生徒の学習支援」、この三つのプロジェクトは今年度実施されています。これらのプロジェクトは一年だけで終わらせるのではなく、継続させてこそ意味があると思うのですが、公募で採用された事業は、二年目以降、どのような形で実施されるのか、お聞かせください。

 最後に、財政面でも自立した信頼できるNPOには、卓越したリーダーが欠かせません。これからNPOのリーダー育成、特に若い世代のリーダー育成に区としてどのように取り組んでいくのか、その意気込みをお聞きします。

 以上、最初の質問です。よろしくお願いします。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 青木かの議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、東京湾大華火祭の中止についてであります。

 毎年、全国から七十万人を超える方々が観覧する東京湾大華火祭につきましては、これまで何よりも来場者の安全確保を最優先とした実施体制のもとで開催してまいりました。しかしながら、未曾有の激甚災害となった東日本大震災発生後は、被災の長期化に伴い、会場及び周辺警備の人員確保や電力供給不足による交通機関への影響など、来場者の安全確保の見通しが立たない状況となっております。また、区議会からも三月二十二日に自由民主党・公明党・友愛中央・民主党区民クラブの四会派連名による中止の要望書が提出されており、こうした諸情勢を総合的に判断した結果、第二十四回東京湾大華火祭はやむを得ず中止したところであります。決定時期につきましては、華火祭開催にかかわる多くの関係機関、協力団体、関連事業者の皆様への影響や、中止による混乱ができる限り生じないよう、準備に着手する四月までの早い段階が適切であると判断したものであります。

 次に、再考の余地についてであります。

 本華火祭の中止決定後、今日に至るまで、警備などの関係機関の被災地への対応や夏季の電力事情などに大きな変化はなく、開催の前提条件となる、これまで同様の万全な安全管理体制の確保が困難なことから、中止決定を改めて見直す考えはございません。なお、大江戸まつり盆おどり大会をはじめ、例年行われている諸行事につきましては、節電や被災された皆様の心情などにも配慮しながら、確実に実施してまいります。

 次に、区民への中止の説明についてであります。

 三月二十二日の決定後、直ちにプレス発表を行うとともに、区のホームページや広報紙に中止に至った理由や経緯などを掲載し、区民の皆様にお知らせしたところであります。また、行政懇談会など、区民の皆様との会議や会合の場におきましても、機会あるごとに主催者として責任ある説明を行い、御理解をいただくよう努めてまいりました。なお、中止決定後、しばらくの間は区内外の方々から電話や区長への手紙などにより開催を望む御意見とともに、中止の決断を評価するなどのさまざまな声が寄せられました。開催を望む方々に対しましては、安全管理上の問題などにより華火祭の開催が困難であることを丁寧に御説明し、大半の方に御理解いただいたところでございます。

 次に、新しい公共についてであります。

 初めに、社会貢献活動団体との協働についてであります。

 本区では、町会・自治会などの地縁団体のみならず、市民活動や公共貢献に取り組むさまざまな主体と力を合わせ、地域課題にきめ細かく対応していくため、協働の基本的な考え方などを示した地域との協働指針を平成十八年三月に策定し、これまでさまざまな施策を展開してまいりました。今後とも本区の社会貢献活動を推進する拠点である協働ステーション中央を中心に、活動団体の育成や多様なネットワークづくり、協働提案事業の構築支援などに取り組み、社会貢献活動の輪を広げながら、協働のさらなる普及促進を図ってまいりたいと存じます。

 次に、協働提案事業の継続についてであります。

 今年度から新たに実施している協働事業は、原則として単年度実施でありますが、事業終了後には学識経験者など第三者で構成する協働推進会議において、区民ニーズや行政課題に的確に対応しているかどうかなどの評価を行うこととしております。今後、そうした評価結果を踏まえ、事業継続についての検討を行ってまいりたいと考えております。

 次に、NPO法人等のリーダー育成についてであります。

 区が幅広い分野で協働事業を展開していくためには、市民活動団体の活動が活発かつ継続的に取り組まれることが必要であり、専門知識や豊富な活動経験を持つリーダーの育成強化は重要であると認識しております。現在、協働ステーション中央では、個人ボランティア、団体リーダー、団体間をコーディネートする人材の育成事業に取り組んでおります。団体リーダーの育成では、市民活動団体の運営に不可欠なノウハウやスキルを身につけるための専門講座を開催するほか、交流会や専門相談なども実施しております。今後とも、本拠点の機能を有効に活用しながら、市民活動の発展を支える人材の育成を支援し、快適で活力に満ちた都市型協働社会の実現に努めてまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 教育問題についてお答えします。

 初めに、地域とともにある学校についてであります。

 保護者や地域の方が子供の見守り活動を行うプレディサポーターは、プレディの活動を通して地域ぐるみの子育て支援の輪づくりの一助になっているものと認識しております。一方、一日当たりの参加サポーターは、一校平均一・三人と少ないなどの課題も見られます。次に、学校評議員制度につきましては、地域や学校関係者からなる評議員の意見を聞くことで、理解や協力を得ながら教育活動の質の向上と特色ある学校づくりの推進に寄与しているものと認識しております。しかしながら、開催回数が年三回程度に限られることや、ややもするとメンバーが固定化するなどの課題もございます。また、学習指導補助員などの小・中学校指導サポーターについては、専門性が必要とされることから、広く公募することとしており、幅広い人材の活用を通して児童・生徒一人一人のきめ細かい指導につながってきているものと認識しております。しかし、地域とともにある学校という視点からは、こうした人材についても、できる限り地域にお住まいの方に活躍していただくことが望ましいと考えております。

 次に、カリキュラム型幼小中一貫教育についてであります。

 現在、中央区教育振興基本計画に基づき、佃中学校とその学区域内にある佃島小学校、月島第一小学校をモデル校として、カリキュラム連携型小中一貫教育の研究を行っております。平成二十三年度は、二十一年度から引き続いて取り組む算数・数学、体育に加えて、英語を重点教科とし、小学校高学年と中学校一年生の学習の接続に焦点を当て、指導内容の明確化、授業展開の共通化等を研究しております。今後は、研究成果を踏まえ、二十四年度の佃中学校区での試行実施を目指してまいります。また、幼稚園と小学校の滑らかな接続につきましても、幼稚園と小学校の教員が連携して、五歳児から小学校一年生にわたる接続カリキュラムを現在作成中であります。来年度以降、このカリキュラムを全幼稚園・小学校で活用し、幼稚園・小学校・中学校のより連続性のある一貫した教育を目指してまいります。

 次に、土曜スクールについてお答えします。

 土曜スクールは、基礎的・基本的な内容の定着を目的に実施してまいりました。その後、東京都教育委員会の通知により、平成二十二年度からは学校公開及び確かな学力の向上を図るための土曜授業を開始し、成果も上がっているところであります。今後は、この土曜授業への比重を高めつつ、土曜スクールとあわせて学習指導の充実を図ってまいりたいと存じます。また、中学校の区費負担講師の活用につきましては、平成十九年度から配置を開始し、二十年度には各校三人から六人に倍増し、二十二年度からは各校の実情に応じて国語・数学・英語以外の社会または理科の科目にも拡大し、習熟度別指導・個別指導の充実に努めてきております。当面は、この枠組みを維持しつつ、来年度からの新学習指導要領のもとでの教育的効果を検証してまいりたいと存じます。

 次に、教育人材バンクについてお答えいたします。

 学校の教育活動を支援する地域人材の活用を目指した教育人材バンクの開設につきましては、中央区教育振興基本計画に基づいて、本年度中に開設することとなっております。現在、教育センターが中心となって、各学校において活用実績のある人材情報の収集を行い、教科等の指導はもとより、地域理解や国際理解、環境教育、情報教育など、さまざまな教育活動に多様な地域の人材の活用が図れる仕組みづくりを進めております。おおむね年内には、それぞれの分野で一定の人数を確保し、教育人材バンクとしての活動を始めてまいりたいと存じます。

 答弁は以上であります。

〔七番 青木かの議員登壇〕

○七番(青木かの議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 要望書に関してですが、私もそれは承知しております。手元にそのコピーがあります。中央区議会自由民主党、中央区議会公明党、友愛中央、民主党区民クラブの各幹事長名で、確かに要望書が出されております。日付は、区が中止を発表した三月二十二日となっています。しかし、この要望書は、区民の皆さんの目に触れることはありません。私は、まだ議会運営に関しては、ふなれな点もありますが、やはりこの要望書についても違和感を感じたとだけ、つけ加えさせていただきます。

 そして、やはり東京湾大華火祭は中央区のビッグイベントの一つですので、今、区長がお答えになったように、区民の皆さんにきちんと説明責任を果たされるよう、重ねてお願いいたします。

 では、教育問題に移らせていただきます。

 ただいま、教育長より、一貫教育について、そして幼稚園との接続カリキュラムについても取り入れられるということで、大変うれしく思います。また、特に人材バンクについては、今年度中に開催されるというお答えをいただきました。ぜひ実施のほうをよろしくお願いいたします。

 このように、中央区でも大変地域に開かれた学校という意味では、取り組みが進んでいるように感じます。しかし、文科省が推進するコミュニティ・スクール制度そのものは、まだ導入されていません。全国に目を転じれば、昨年四月時点で全国で六百二十九校、現時点ではおよそ七百校にまでコミュニティ・スクールは広がっています。東京都でも、世田谷区や杉並区、三鷹市で積極的に導入し、その成果があらわれています。また、文京区と武蔵村山市では、今年度から導入が始まりました。

 この制度を導入することで何が変わるのか。それは、コミュニティ・スクール制度を導入し、学校の運営にまで地域の力を活用することで、学校を中心とした新しいコミュニティが生まれるのです。中央区の人口はまだまだ増加しており、ことし中にも十二万人を超えると見られています。今、最重要課題の一つである新しい防災拠点や地域コミュニティの核としての公立学校の推進のためにも、大変有効だと考えます。中央区基本計画二○○八、学校教育の項目でも、学校は家庭・地域と一体となって子供たちを育てていくという視点に立って、家庭や地域に対し、積極的に働きかけを行うとともに、学校運営についても、家庭や地域の意見等を把握しながら改善の努力をしていく、開かれた学校づくりの推進が求められているとあります。さらには、このコミュニティ・スクールは、まさに新しい公共学校、新しい公共型の学校ということができます。学校の先生やPTAを中心とした保護者だけではなく、地域ボランティアの皆さん、NPO、地域企業が一つになって地域の学校と、まさに協働していく、こうして学校・家庭・地域が力を合わせて取り組むことで、そこで形成されたネットワークが新たな活動を生む原動力となり、地域コミュニティを活性化させると考えます。

 平成十九年第三回定例会において、岡田眞理子議員のコミュニティ・スクール制度に対する質問に対し、髙橋教育長は、学校評議員制度を取り入れ、これらの制度の定着と充実を積極的に進め、その延長としてコミュニティ・スクールを目指したいとお答えになっています。あれから四年がたちました。機は熟したと思うのですが、最後に、新しい公共型の学校、コミュニティ・スクール制度の導入について、考えをお聞かせください。教育長、よろしくお願いします。

〔教育長 髙橋春雄君登壇〕

○教育長(髙橋春雄君)
 再質問にお答えします。

 コミュニティ・スクールについてであります。

 本区におきましては、各学校の創立以来、地域と学校が深い結びつきを持ち、その特色を生かした、まさに地域とともにある学校づくりを進めてきております。また、平成十八年度からの学校評議員制度も六年目を迎えております。先ほど、この制度の成果及び課題について概括的な御説明をいたしましたが、教育委員会といたしましては、これまでの五年間の総括的な検証を行いたいと考えております。この検証の中で、学校評議員の率直な御意見も伺いながら、あわせて他の区市における事例なども調査し、本区にふさわしいコミュニティ・スクールのあり方を引き続き研究してまいりたいと存じます。

 答弁は以上でございます。

〔七番 青木かの議員登壇〕

○七番(青木かの議員)
 ありがとうございました。

 新の教育の中央区を目指し、魅力ある学校づくりのために、これからは地域の力が欠かせません。そして、地域の学校が防災拠点となり、新しいコミュニティの中心として発展していくためにも、近い将来でのコミュニティ・スクールの導入を重ねてお願いして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(今野弘美議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明二十一日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(石田英朗議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石田英朗議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十一日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

午後七時 散会


署名議員
議長 石田 英朗
議員 鈴木 久雄
議員 渡部 博年

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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