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平成25年第三回定例会会議録(第3日 9月25日)

1.会期

二十八日(第三日)

九月二十五日(水曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後六時二十三分散会

3.出席議員

(二十九名)

一番 加藤 博司議員

二番 山本 理恵議員

三番 富永 一議員

四番 瓜生 正高議員

五番 染谷 眞人議員

六番 堀田 弥生議員

七番 河井 志帆議員

九番 奥村 暁子議員

十番 小栗 智恵子議員

十一番 増渕 一孝議員

十二番 高橋 伸治議員

十三番 木村 克一議員

十四番 石田 英朗議員

十五番 墨谷 浩一議員

十六番 青木 かの議員

十七番 田中 耕太郎議員

十八番 渡部 恵子議員

十九番 志村 孝美議員

二十番 原田 賢一議員

二十一番 中嶋 ひろあき議員

二十二番 鈴木 久雄議員

二十三番 礒野 忠議員

二十四番 今野 弘美議員

二十五番 押田 まり子議員

二十六番 植原 恭子議員

二十七番 田中 広一議員

二十八番 中島 賢治議員

二十九番 渡部 博年議員

三十番 守本 利雄議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君

副区長 小泉 典久君

副区長 吉田 不曇君

教育長 齊藤 進君

企画部長 中島毅君

総務部長 島田 勝敏君

防災危機管理室長 中島 佳久君

区民部長 浅沼 孝一郎君

福祉保健部長 平林 治樹君

高齢者施策推進室長 小倉草君

保健所長 和田 哲明君

環境土木部長 宮本 恭介君

都市整備部長 田村 嘉一君

会計管理者 平沢 康裕君

教育委員会事務局次長 新治満君

監査事務局長 坂田 直昭君

企画財政課長 黒川眞君

広報課長 園田 典子君

総務課長 長嶋 育夫君

5.議会局出席職員

議会局長 田野 則雄君

庶務係長 小暮 万里子君

議事係長 荻原 雅彦君

調査係長 金田 敏明君

書記 長田 基道君

6.議事日程

日程第一
一般質問

日程第二
議案第五十六号 平成二十五年度中央区一般会計補正予算

日程第三
議案第五十七号 平成二十五年度中央区介護保険事業会計補正予算


午後二時 開議

○議長(原田賢一議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(原田賢一議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 十五番墨谷浩一議員。

十五番 墨谷浩一議員登壇

○十五番(墨谷浩一議員)
 中央区議会公明党の墨谷浩一でございます。私は、平成二十五年第三回定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、通告書に従い、区長並びに関係理事者に対し質問をさせていただきます。どうぞ意のあるところをお酌み取りいただき、明快にして建設的な御答弁を期待するものでございます。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 中央区議会公明党は、二○二○年オリンピック・パラリンピックの東京招致について、中央区議会超党派の議員の皆さんと招致議員連盟を結成し、二○二○年オリンピック・パラリンピック招致に、IOCのお出迎えやイベントでのPR活動に取り組み、招致に対して推進してきました。そして、二○一三年九月七日に、二○二○年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市が東京に決定いたしました。

 オリンピックにおいては、本区晴海に選手村が建設され、約一万七千人の住居並びにアスリートの補助施設などが建設される計画となっており、オリンピックの中心的な拠点となります。そして、中央区内の競技としてはマラソンコースが、銀座を通過するコースとして選ばれております。マラソンコースの銀座中央通りは、ロンドン五輪のメダリストのパレードが行われた際には、約五十万人以上が詰めかけたことが記憶によみがえってきます。東京五輪の際にも、多くの観衆が沿道を埋め尽くすことでしょう。特に、パラリンピックでは、東京都内の環境はもとより、選手の移動に伴う環境整備も必要となると思います。

 このような整備を含め、経済に対する影響は著しく、東京都の試算によりますと、約三兆円の経済効果を生み、約十五万人の雇用が生まれるとの報道もありますが、本区内だけでも交通網整備や競技大会終了後の跡地についてなど、課題が山積しています。中央区議会公明党としては、現場感覚に立った、今後、暮らしの現場の課題や不安を払拭できるように取り組んでいきます。そして、オリンピック・パラリンピックの成功とともに、現場生活者の実感できる区民生活の向上をともに推進してまいります。

 初めに、バリアフリー推進についてお伺いいたします。

 第百八十三回通常国会で、障害者に関する二つの法案が可決されました。それは、障害者雇用促進法の改正、新法である障害者差別解消法です。この法案は、障害者への差別を禁止し、障害者の尊厳と権利を保障することを義務づけた国連障害者権利条約を批准するために必要な国内法整備と位置づけられています。

 新法である障害者差別解消法のポイントは、障害を理由とした差別的取り扱いと、障害者に必要な配慮や措置を講じない合理的配慮の不提供を禁止します。合理的配慮とは、例えば、目の見えない人に点字などで物事を説明したり、耳が聞こえない人に手話通訳などを提供したりすることです。こうした取り組みは、障害者本人や家族などからの求めに応じて行われます。ただ、現場に過重な負担を伴う場合は合理的配慮を行う必要はないとしています。

 また、この合理的配慮の提供については、国や地方自治体など公的機関に対しては法的義務とし、民間事業者は努力義務となっています。政府が、今後、差別的な取り扱いの具体的事例や合理的配慮の好事例などを事業分野別にガイドラインとして定めます。法律の施行は、国民への周知期間を確保するため、二○一六年四月とし、施行後三年をめどに見直しを検討されます。

 この法律は、国際法の障害者権利条約の批准のための国内法の整理段階であり、将来批准に向けての環境づくりでもあります。そんな中、今回のオリンピック・パラリンピックの東京開催は、国際規格による障害者権利条約批准に向けた絶好のチャンスでもあります。区内においてのさまざまなバリアフリーが、二○二○年のオリンピック・パラリンピックに大きな影響を与えることになります。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 二○二○年は、人口の約三割が六十五歳以上の超高齢化社会です。パラリンピック選手の対応施設や環境が整えば、誰もが手軽に利用できると思います。本区のバリアフリー推進について、どのようにお考えでしょうか。区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、点字ブロック等の整備について。

 私は、先日、晴海から晴海通り沿いに数寄屋橋交差点まで、往復徒歩で歩いて十八カ所の交差点、横断歩道などを確認してみました。特に、交差点や信号のある歩道では、点字ブロックの有無や信号機には音響式信号機、青延長用押しボタン付き信号機、経過時間表示機能付き歩行者用信号機などがあることが確認できました。

 晴海から歩き出して早々に、点字ブロックの上に自転車が放置されていました。

 今回気づいた点は、数寄屋橋交差点では、青信号のときに音声を発信する装置がついていましたが、青延長、経過時間表示機能付き歩行者用信号機はなく、晴海三丁目三原橋交差点は音響、青延長、経過時間表示機能付き歩行者用信号機も設置されていませんでした。また、月島地域では、経過時間表示機能付き歩行者用信号機は一カ所のみの設置でありました。私が今回確認した結果、経過時間表示機能付き歩行者用信号機は、十八カ所中に八カ所しか設置されていませんでした。

 点字ブロックについては、勝どき橋西交差点のトイレ付近に点字ブロックが設置されていない。また、銀座四丁目の交差点にも設置されていないことがわかりました。また、障害を持つ方にお聞きしたところ、点字ブロックが設置している場所でも、お店の看板が置いてあったために、けがをされた。点字ブロックが設置されていても、障害物が置いてあったりなどの運用面での課題もあります。

 公衆トイレに対しては、男女の表示が見えないので、声が出るトイレは助かりますとのお声も聞きました。

 IOC総会での最終プレゼンテーションでは、おもてなしが強調されていました。日本人にはおもてなしの心があるとスピーチがありました。晴海通りは、選手村から全ての道につながる道でもあります。晴海通りが国際都市の模範となるような道へ、障害をお持ちの方、高齢の方や全ての方をお迎えできる、そんなおもてなしの心が伝わる整備が必要と思います。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 晴海通りに、障害をお持ちの方や高齢者の方が今まで以上に安心して歩行できるために、点字ブロックやトイレなどの点検・整備が必要と思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、バリアフリー対応型信号機について。

 信号機の時間について、区内には広い通りもあり、健常者目線の信号時間など、交差点における不安を述べられる方も多くいます。そんな中、信号の切りかわる時間について、障害をお持ちの方の渡る時間なども考えられているのでしょうか、気になるところです。晴海地域で小さいお子さんを持つお母様は、晴海児童館へ行く場合は幅五十メートル道路を越えていかなければなりません。道幅がかなり長いので、途中で信号が変わってしまうのではないかとの心配のお声もいただいております。また、高齢者の方からも、渡り切れないで、つい急いだためにつまずいて、けがをしたことを聞いております。

 そこで、第三点目にお伺いいたします。

 健常者や健康な高齢者でさえ、現状、このような不便があります。晴海通りの交差点に対して、全てバリアフリー対応型信号機にすべきではないかと思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、中央区おでかけマップについて。

 中央区福祉保健部では、区内バリアフリーガイドの中央区おでかけマップを平成十九年二月に発行しています。この冊子は、障害のある人や高齢者、妊娠されている方、乳幼児を連れた方などがまちへ出かけるときの参考になる情報、例えば車椅子に対応したトイレ、障害者用駐車区画の表示、子育て支援などの情報が満載した区内バリアフリーガイドマップです。事前に知っておくことにより、便利で助かります。

 例えば、中央区観光協会では、中央区の魅力をまとめた各種観光マップを発行しています。中央区エリア別ガイドマップ、観光ガイドマップ、はじめて物語マップには、日本語、英語、中国語、韓国語に対応しております。中央区ふれあい街歩きマップ、日本語表記で国内の方向けに紹介をしています。観光協会の発行しているような、手軽に持ち運びができるようなエリア別、言語別のガイドブックは必要と思います。また、本区では、近年、著しくビルの建てかえなどがあり、区内バリアフリーガイドの内容についても更新時期に来ていると思います。

 そこで、第四点目にお伺いいたします。

 区内バリアフリーガイドの中央区おでかけマップの改訂と、中央区エリア別ガイドマップのようなエリア別、言語別の発行を考えるべきと思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、晴月橋のバリアフリー化について。

 晴海地域では、場所により、曜日や時間帯によって交通量や人の流れが極端に違います。土日は比較的に交通量も少ないし、歩行者も休日で会社員の方はまばらになります。晴月橋は一方通行で、車道が狭く、月島方面の坂は比較的に急坂になっています。

 晴海地域の方から、晴月橋についてのお話を伺うことがあります。晴月橋のたもとの晴海寄りにタクシーが停車しているところを都営バスが追い抜き、また自転車が通過したり、また別な方は、晴月橋に自転車が月島から、晴海からと来ているときに車が来たりとかは、ふだん見る光景です。時々、月島から車道を歩いている人もいます。そこに車や自転車が通行している。また、別な方は、自転車で運転していて後ろからバスが来ると怖い。また、自動車を運転している方よりは、自転車が月島方面から坂を上がっているときは、ふらふらして注意が必要だなど。私も、車椅子を押して車道を渡る方を見かけるときがあります。晴海方面から月島方面への下りは傾斜がきつく、車椅子の方も必死に、後ろからの車両を気にしながら、渡る姿に何度か遭遇したことがあります。

 私は、朝八時四十分ごろ、雨の日に晴月橋を徒歩で歩いてみました。晴海一丁目から晴月橋方面に、晴海から月島方面へ傘を差して歩いていると、私の目の前十メートルほど先を行くお母さんと手をつなぎ、黄色い帽子をかぶった子供が晴月橋に差しかかりました。向こうからは、朝の通勤の方の列が一列になり、お母さんは子供の様子をちらちらと気にしながら歩いています。通勤の列は、スマートフォンを見ながら、また操作をしながら歩行している方も見受けられます。

 晴月橋の歩道は、雨のとき、すれ違うためにやっとです。傘を差して歩くとなると、前の人の傘に注意しながら歩行しないと危険です。また、晴月橋は、車椅子を歩道上で渡ることが、構造上、できません。一日も早く、安心して通行できるようにできないものでしょうか。障害者、高齢者の方は大変な思いをして渡っています。

 本区は、これまで晴月橋に対して安全対策をしてきたと思いますが、今後、晴海地域には新しい高層住宅が分譲され、今まで以上に交通量や歩行者の増加が見込まれると考えます。

 そこで、第五点目にお伺いいたします。

 交通量や歩行者の増加が見込まれる晴月橋のバリアフリー化について、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、ホームページ運用の重要性についてお伺いいたします。

 本区での広報には、区のおしらせ、町なかでのポスター掲示、ホームページ、ラジオ、テレビでの区のおしらせなどの情報の発信がされています。

 四十代の区内で働く方とお話をする機会がありました。その方は、コンビニや駅などで置いてある自治体が発行するおしらせを活用して、この夏の子供たちのイベントを企画。中央区のおしらせにあった第二十五回東京湾大華火祭に出かけてくださったそうです。そのことを伺い、本区での情報発信は、区民の皆様はもとより、区内で四万社を超える企業で働く皆様、観光で来られる国内外の皆様に本区の情報を発信していることを再度確認しました。

 情報発信ツールとして、公式ツイッターによる情報提供を平成二十四年十一月一日より開始しています。また、ホームページアクセス数は、一九九六年二月十五日から一九九七年四月六日では約二万件であったのが、二○一二年四月一日から二○一三年三月三十一日の一年間では約百五十五万件となっており、アクセス数が格段に向上しています。二○二○年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が決定したこれからは、世界への情報の発信を考えた取り組みが必要と思います。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 おしらせを初めとする区民の皆様への情報発信、あらゆる災害に備えて、区民の皆様、区内で四万社を超える企業で働く皆様、オリンピック・パラリンピックを含む観光で来られる国内外の皆様に、全世界に向けた情報発信ツールとしてのホームページの重要性について、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、ホームページの利便性向上について。

 私も、中央区のホームページのトップの情報は、なるべく毎日パソコンでチェックしています。貴重な情報が発信されているからです。また、外出先ではタブレット端末で見ることもあります。近年は、パソコン、携帯、スマートフォン、タブレット、テレビやゲーム機でもホームページにアクセスできるようになっています。そのような利用環境への対応も必要です。

 区内在勤の方より、防災の日を前にして、中央区のホームページにある事業所防災対策、「あなたのオフィスは大丈夫!?」の映像を見ようとしたけれども、ファイルを再生できないと話がありました。会社のパソコンには他のソフトのダウンロードができない決まりがあるそうです。防災映像は、百聞は一見にしかずとの言葉がありますが、非常にインパクトがあると思います。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 ホームページの中にある映像は、特定ソフトをダウンロードせずに映像が簡単に閲覧できるように、パソコンやスマートフォンなど、さまざまな利用環境に対応が必要と思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、ウェブアクセシビリティについて。

 あるサイトには、ウェブアクセシビリティとは、ウェブを利用する全ての人が、年齢や身体的制約、利用環境等に関係なく、ウェブで提供されている情報に問題なくアクセスし、コンテンツや機能を利用できることですとあります。また、別の言い方をすれば、障害の方への配慮や高齢者の方への配慮、そしてパソコン、スマートフォン、携帯など、利用環境に制約されずにホームページを閲覧できるようにする配慮のことです。

 ウェブアクセシビリティ基盤委員会の方とお話しする機会をいただきました。その委員会では、簡単に説明すると、誰でもが使えるホームページ作成ガイドラインを推進しているとの説明をいただきました。それから、視覚障害者の方がホームページをどのようにして利用しているかを、ノートパソコンで画面読み上げソフトを使用して説明をいただきました。一般的には、マウスではなくキーボードを操作してパソコンを使うそうです。人により、音声ブラウザーや点字ディスプレイを使用する方もいるそうです。

 実際に、パソコンの電源を入れてブラウザーを起動して中央区役所のホームページを見てみました。中央区役所のホームページトップ画面から、防災情報、地震、避難方法まで開くと、挿絵があります。画面読み上げソフトを使用してでは、通常避難と読み上げた後に、挿絵については説明がなく、次に行ってしまいます。お話を聞きましたら、挿絵や写真などは伝えたい情報をソースコードに入力しないと読み上げないそうです。

 また、公的機関のウェブサイトにJIS X8341‐3:2010の対応が求められているのかを教えていただきました。その序文には、この規格は、主に高齢者、障害のある人及び一時的な障害のある人がウェブコンテンツを知覚し、理解し、操作できるようにするために、ウェブコンテンツを企画、設計、制作・開発、検証及び保守・運用するときに配慮すべき事項を指針として明示したものであるとあります。少し難しい感じがしますので、豊島区のホームページにある一文を紹介いたします。

 「豊島区では、これまでウェブアクセシビリティの日本工業規格JIS Ⅹ8341‐3:2004(平成十六年六月制定)への対応に取組み、毎年ホームページの利用しやすさ等についての調査や職員研修を行ない、改善に努めてまいりました。平成二十二年八月にJISが改正されたことにより、自治体などの公共機関はホームページのJIS Ⅹ8341‐3:2010への対応状況を把握したうえで、目標とする「ウェブアクセシビリティ方針」を定め、達成に向けた取組を進めていくことが求められるようになりました。また、平成二十三年四月には総務省から公共機関のJIS Ⅹ8341‐3:2010対応の指針となる「みんなの公共サイト運用モデル(二○一○年度改定版)」が発表され、公共機関が取り組むべき項目が示されました。そこで豊島区では、平成二十二年度に豊島区公式ホームページを対象に、JIS X8341‐3:2010への対応状況について現状調査を実施し、明らかになった問題点・課題を踏まえ「ウェブアクセシビリティ方針」を定めました。今後、継続的に検証などを実施し、更なるウェブアクセシビリティ向上につとめていきます」とあります。

 港区では、ウェブアクセシビリティ方針をホームページ上に公開して、目標を達成する期限を平成二十六年三月三十一日、JIS Ⅹ8341‐3:2010の等級AAに準拠を目標にしています。また、同様に、新宿区や千代田区などもウェブアクセシビリティ方針をホームページ上に公開しています。

 そこで、第三点目にお伺いいたします。

 特に、今後、JIS Ⅹ8341‐3:2010の等級AAに準拠に向けて、取り組みについて必要と思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 最後に、高齢者のボランティアについて質問いたします。

 高齢期を迎えても可能な限り長く健康で過ごしたいと思うのは、誰もが望むことです。介護を受けたり寝たきりになることなく、日常生活を支障なく暮らせる期間をあらわす健康寿命という考え方があります。二○○○年に世界保健機構が提唱しました。

 そして、高齢期を健康で元気に過ごすための具体的な方法の一つとして、高齢者が介護支援などのボランティア活動に参加することにスポットが当たっています。ボランティアをすることで世の中の役に立っていると生きがいを感じ、それが心身の健康の増進につながり、介護予防にも役立つとの指摘は多いです。介護支援ボランティア制度を実施する市区町村が徐々にふえています。

 私は、新宿区の介護支援ボランティア・ポイント事業、甲府市のみんなで支えあう《甲府市笑顔ふれあい介護サポーター事業》へ視察に行ってまいりました。

 新宿区は、平成二十三年度より、参加対象を六十五歳以上から十八歳以上に変更し、区内でのボランティア活動が可能な方を対象にしています。活動内容は、区内介護保険施設等でボランティア活動、地域見守り協力員活動(高齢者宅への訪問・見守り)、ちょこっと困りごと援助サービス活動(電球交換等三十分程度の日常生活支援)、甲府市では、六十五歳以上の方が、ボランティア精神のもと、サポーター活動に参加して、心身の健康の保持と増進及び介護予防を推進するため、笑顔ふれあい介護サポーター事業を行っています。

 市内の地域密着型サービス事業において、サポーター活動の実績に基づいた評価ポイントを付与され、そのポイント数に応じた交付金を交付されます。活動内容は、レクリエーション等の指導及び参加支援、施設の催事や行事の手伝い、お茶出し、配膳・下膳等の補助、散歩・外出及び館内移動の補助、話し相手、床掃除・草刈り・洗濯物の整理等、その他市長が認める活動です。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 介護支援ボランティア・ポイント事業を行っている自治体では、社会参加活動を通じた介護予防の効果、生きがいややりがいのある活動の場を提供することにより、生活に張りができた、健康につながっているという評価があります。本区では、社会福祉協議会が行っている虹のサービスがありますが、年会費二千四百円が必要で、利用時間一時間につき八百円が必要となります。

 サービスを提供していることは類似する部分もありますが、介護支援ボランティア・ポイント事業と出発のコンセプトが違います。介護支援ボランティア・ポイント事業は、ボランティアの皆さんが自治体等のマッチングにより高齢者などの皆さんにサービスを提供していくことです。地域の方がボランティアで支え合う、そのような介護支援ボランティア・ポイント事業について、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、介護支援ボランティア・ポイント事業の導入について。

 総務省が八月二十八日に発表した二○一三年三月末時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査によると、六十五歳以上は人口動態調査では初めて三千万人を突破しました。本区でも六十五歳以上は二万人を超えています。

 甲府市の御夫婦のエピソードですが、御主人が定年退職をして外出する機会が極端に減り、妻は夫の生活を変えたいと、退職後すぐに応募したそうです。御主人は、夫婦で介護サポーターができることは幸せだなと思う、奥様は、共通の話題ができたということで、いろいろなことに関して話が弾むそうです。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 地域の中で支え合う介護予防事業、高齢化社会の受け皿として、介護支援ボランティア・ポイント事業の導入が必要と思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 以上で私の第一回の質問を終わらせていただきます。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 墨谷浩一議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、本区のバリアフリーの推進についてであります。

 二○二○年のオリンピック・パラリンピック競技大会に向けては、障害のある方を初め、高齢者、乳幼児、妊娠中の方、外国人など、本区を訪れる全ての人に優しいバリアフリーのまちづくりを、これまで以上に総合的かつ計画的に進めることが必要であると考えております。また、大会の準備期間から開催期間中はもとより、大会終了後も見据えながら、区内の生活者の視点に立って、安全で快適な暮らしを維持し、向上させていくことも重要であります。本区は、これまでも中央区福祉のまちづくり実施方針に基づき、公共施設や都市基盤のバリアフリー化を着実に推進してまいりました。大会の開催決定を契機といたしまして、これらの諸施策をさらに加速するとともに、大会関連施設の整備に当たっては、関係機関に対して、地元区としての要望をしっかりと訴えてまいります。また、国や東京都と連携しながら民間を誘導して、バリアフリー化の線から面への展開を図り、本区が主体となって安全・安心で魅力あふれる都市空間づくりを進めてまいります。

 次に、晴海通りの点検・整備についてであります。

 晴海通りは、臨海部と都心部を結ぶ重要な幹線道路であるとともに、海の玄関口である晴海と築地や銀座をつなぐにぎわい軸でもあります。道路管理者である東京都においても、晴海通りの適正な維持管理やバリアフリー化を図っておりますが、点字ブロックのない交差点も一部見受けられます。このため、道路の点検や整備を要請するとともに、区としても、放置自転車の指導・撤去など、関係機関等との一層の連携を図ってまいります。また、公衆トイレは、改修等にあわせて、だれでもトイレの設置を進めておりますが、晴海通り沿いについては未整備な箇所もあることから、今後、整備を進めるとともに、トイレの音声案内について検討いたします。いずれにいたしましても、晴海通りは東京オリンピック・パラリンピックの主要な動線となることから、東京都と連携して、利用者の視点に立ったきめ細やかな点検や整備を進め、バリアフリーネットワークの形成を図ってまいります。

 次に、バリアフリー対応型信号機についてであります。

 歩行者用信号機の青や赤の灯火が切りかわる時間については、基本的に歩行者の安全と円滑な交通の流れを確保することを前提に、歩行者や車両の通行量等に応じて決められているものであります。現在、晴海通りには、青や赤の表示を音響によって知らせる信号機や、押しボタン等の操作により青時間を延長する機能がついた信号機、また灯火が切りかわるまでの時間を表示する、いわゆるゆとり信号機といったバリアフリー対応型信号機が、歩行者の通行状況に合わせて一定台数整備されております。しかしながら、今後は、人口が増加している晴海地区や勝どき地区の交通実態の変化に対応するとともに、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた交通安全施設の改善を図っていく必要があります。このため、高齢者や身体障害者の方を初め、誰もが道路を安全に横断できるよう、交通管理者である警察署に対し、バリアフリー対応型信号機の設置を働きかけてまいります。

 次に、中央区おでかけマップの改訂についてであります。

 中央区おでかけマップは、高齢者や障害者などの方が外出する際の重要なガイドとなるものであり、常に正確かつ最新の情報掲載が求められております。しかし、日々成長し続ける本区では、町並みの変化が速く、おでかけマップの掲載情報は、すぐに実際とは差異が生じてしまうため、適切な改訂時期を見極めることが難しくなっております。このことから、改訂版の作成に当たりましては、掲載する情報量や内容を見直すことにより、できる限り短いサイクルでの発行が可能となるよう取り組んでまいります。あわせて、高齢者や障害者など、皆様の御意見を伺いながら、御提案のようにエリア別や言語別などの情報提供のあり方についても検討し、利用される方にとって使いやすいものとなるよう取り組んでまいります。

 次に、晴月橋のバリアフリー化についてであります。

 晴月橋がかかる月島地区と晴海地区では、約二メートルの高低差があり、沿道の建物出入り口との関係などから、月島側の接続する道路は階段と斜路が併設された構造となっております。この構造では、バリアフリーの基準を満たしていないため、勾配等を改善する必要があると認識しております。区では、これまで、バリアフリー化に向け、歩道の設置等について交通管理者と協議を行ってまいりましたが、車道幅員の確保が困難など、課題が多く、改良に至っておりません。こうした中、昨年度、東京都港湾局で計画されている朝潮運河の耐震護岸整備にあわせたスロープ設置等の可能性について検討を行ったところであります。検討の結果、耐震護岸等への影響など、課題があることから、今後も関係機関等との協議・調整を図りながら、バリアフリー化に向けた検討を継続してまいります。

 次に、ホームページのバリアフリー化についてであります。

 ホームページは、大量の情報を即時に発信でき、必要な人がいつでも見ることができる重要な広報媒体の一つであると認識しております。区政世論調査においても、区政情報の入手方法として、ホームページの利用を挙げている方の割合が増加してきており、正確な情報をスピーディーに発信することに努めているところであります。区のホームページは、平成十七年十月に改定したもので、動画については、当時主流であったファイル形式を導入しております。現在は、当時に比べ、インターネットへの接続環境が向上していることに加え、動画のファイル形式も非常に多様化しており、今後はさまざまな利用環境への対応が必要であると認識しております。本区では、現在、高齢者や障害者を初め、誰にも見やすい、使いやすい、わかりやすいをコンセプトに、ホームページの改定に取り組んでいるところであり、その中で特定の環境に依存しない動画の配信や携帯端末向けの対応も図ってまいります。

 次に、ウェブアクセシビリティについてであります。

 区のホームページでは、中央区刊行物色使い指針を尊重した制作を行うとともに、音声読み上げソフトへの配慮など、利用する全ての人がホームページを閲覧できるよう、アクセシビリティの対応を行っております。改定に当たっては、総務省が日本工業規格への対応指針として作成した、みんなの公共サイト運用モデル改定版を活用し、公開時に同規格の等級AAに一部準拠することを目標として、より一層のウェブアクセシビリティの向上に取り組んでいるところであります。

 次に、介護支援ボランティアポイント事業についてであります。

 本事業は、高齢者が社会参加や地域貢献を行うことで、みずからの健康増進等が図れる有意義な取り組みであると認識しております。しかし、導入している多くの自治体では、活動者が少ないことや、ボランティア受け入れ場所の確保が困難であるなどの問題が生じております。こうしたことに加え、本区においては、多くの介護施設や健康づくり事業で既にボランティア活動が行われており、活動のマッチング等を行う元気高齢者人材バンクも設置しているため、事業の導入について検討を進めましたが、実施に至っておりません。現在、国が行っている介護保険制度改正に向けた検討において、介護支援ボランティアポイントの全国展開についても議論されております。この国の動向を注視し、導入について検討してまいりたいと思います。

 答弁は以上であります。

〔十五番 墨谷浩一議員登壇〕

○十五番(墨谷浩一議員)
 それぞれの質問項目に対しまして、御答弁、大変にありがとうございました。

 今回、区内のバリアフリーについては、ハード面の整備は、障害の方、高齢者の視点を取り入れていく、バリアフリーに取り組んでいくことが必要と思いました。それは、二○二○年、人口の約三割が六十五歳以上の超高齢化社会との報道もあるとおりです。パラリンピック対応の施設や環境ができれば、超高齢化社会に対応したまちづくりもされていくと確信いたします。

 また、今回は、晴海通りを中心に歩いてみました。バリアフリーが進むことによって、障害を持つ方が、高齢者の方が、外出が楽しくなれば、健康にもつながると思います。先ほども区長さんから御答弁いただきました利用者の視点、また国や都、関係機関との連携で、区内のバリアフリーについてはしっかりと取り組んでいくという御答弁、本当にありがとうございます。

 ホームページのバリアフリー化については、地域の方より、視覚障害の方のホームページ利用について教えていただいたのが今回の質問のきっかけであります。視覚障害者の方でも、弱視と全盲の方でも使い方に違いがあるそうで、雑誌や新聞をそのまま読むことができないため、ホームページは貴重な情報源となることを教えていただきました。本区でも、JIS規格、等級AAに対応していくとのお考えで、心強く思いました。

 また、高齢化社会に向けてのますますの読みやすい、使いやすいホームページを目指していただきたいと思いました。

 最後に、介護ボランティアポイント事業については、今回、甲府市と新宿区に視察に行ってまいりました。さまざまな課題があると思いますが、介護ボランティアを通して、ボランティアをする側の心身の健康保持、される側にもメリットがあり、健康寿命を伸ばしていく施策として必要ではないかと感じています。

 以上で私の質問を終了いたします。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手)


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後二時四十七分 休憩


午後三時五分 開議

○議長(原田賢一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十九番志村孝美議員。

十九番 志村孝美議員登壇

○十九番(志村孝美議員)
 日本共産党の志村孝美です。日本共産党中央区議団を代表して質問します。なお、再質問、再々質問を留保させていただきます。

 初めは、二○二○年東京オリンピック・パラリンピック大会についてです。

 二○二○年大会の開催地が東京に決まりました。東京都は、オリンピックをてこに、東京再生を図るための二○二○年の東京を既に作成しており、アジアヘッドクォーター構想による多国籍企業の東京への誘致に力を入れ、東京への一極集中をさらに加速させようとしています。東京大会は、三十七会場中、新設は二十二施設となり、道路などのインフラ整備も計画されていますが、既に整備費が千五百三十八億円から四千百億円へと二千五百億円以上膨らむことが報道されています。

 オリンピックを開催した後、莫大な借金を抱えて危機的な事態に陥った国や都市もあります。競技施設の豪華さを競い、交通、通信、警備などのインフラ整備の関係費を膨張させ、都民生活や福祉を圧迫してはいけません。環境を破壊せず、生活や環境と調和のとれた無理のない取り組みが求められています。

 東京招致が決まり、三兆円の経済効果だ、いや、百五十兆円だと浮かれた話も聞こえますが、新聞に載った仙台市の方の投書は、華やかに開発が進む都市部もあります。一方で、津波被害に遭い、とうとい人命を奪われ、多くの家屋や生活が流出したままの被災沿岸もあります。そこは荒れ果てた空き地で手つかず状態なのですというもので、胸に重く響きました。

 中央区基本計画二○一三では、既に、オリンピック招致を好機に地域の課題解決にもつなげていくことを打ち出し、東京招致が決まった直後には、区長が都知事に、豊洲・晴海開発整備計画の改定、交通基盤及び公共・公益施設の整備、財政負担の条件について要望するという手際のよさでした。

 現実問題として、晴海に選手村ができるわけですから、大会後を見据えたまちづくりを考えなくてはなりません。エコタウン構想を持つ晴海地区が将来のまちづくりのモデルとなるような、車社会から脱却して自転車専用レーンや低公害公共交通機関が整備されたまち、人と環境を中心としたバリアフリーでヒューマンスケールのまちをつくるチャンスになると私は思います。

 新歌舞伎座を設計した建築家の隈研吾氏は、道路や巨大な建物づくりに狂奔するだけだと話になりません。望まれるのはヒューマンで、スケールの小さいものに価値を置く感性です。選手村は、大会後、高齢者や障害者用の住宅に転用できる仕様にするとよい。巨大な道路をつくる必要もない。車社会から弱者に優しい公共交通が充実した社会へ、五輪を契機にすればいいと新聞紙上で述べています。

 そこで、区長にお聞きします。

 第一に、二○二○年東京大会の取り組みはどうあるべきか。また、大会成功のために中央区は何をなすべきとお考えですか。

 第二に、大会後を見据え、晴海地区を初めとした中央区のまちづくりにどのようなビジョンをお持ちですか。

 第三に、ロンドン大会の選手村は、大会終了後、半分が家賃の安い公共住宅として活用されています。晴海の選手村が低家賃の公共住宅として活用できるよう、都に要請すべきと思いますが、いかがですか。

 第四に、区や区民の要望が東京都に通るような仕組みをどのようにお考えですか。それぞれお答えください。

 九月十二日、警視庁は、晴海トリトンで爆弾テロへの対処訓練を早々と行いました。今後もオリンピックを想定した訓練を行うとしていますが、警視庁に対し、住民生活に悪影響を及ぼすような過剰な訓練や監視活動などを行わないように申し入れることが必要だと思いますが、区長の見解をお聞かせください。

 次は、原発問題についてです。

 安倍首相は、国際オリンピック委員会、IOC総会のプレゼンテーションで、状況はコントロールされている、東京は安全と述べ、福島の漁業関係者や専門家から怒りや批判の声が上がりました。海外の目は、日本で考える以上に、原発事故に対して厳しい視線を注いでいます。

 実際、福島第一原発の現状は、コントロールどころか制御不能に陥って、放射能汚染水がどこからどう漏れ出しているか、その全容すらわからず、今も放射能汚染水の海洋流出は続き、対策も具体的にとれていない非常事態に陥っています。IOC総会での安倍首相の発言は国際公約であり、汚染水の拡大や健康への影響が明らかになれば、国際的な信頼は失墜するとともに、オリンピックの安全性が揺らぐことになります。北京大会では、大気汚染が問題になり、ボイコットした選手もいました。

 非常事態の今、原発への態度や将来のエネルギー政策の違いを超えて、汚染水問題の抜本的解決を最優先に据え、政府や全ての政党、科学者、技術者、産業界の英知と総力を結集し、持てる人材・物的資源を集中することが、緊急かつ最重要の課題となっています。国が放射能で海を汚さないということを基本原則として確立し、放射能汚染水の現状を徹底的に調査・公表し、収束宣言を撤回するとともに、非常事態という認識の共有を図ることが必要だと思います。

 そこで、区長にお聞きします。

 第一に、区長は、福島第一原発の汚染水問題をどのように認識していますか。

 第二に、ここまで事態を悪化させた根本には、コスト優先、安全なおざりの東電任せになっていたことがあります。汚染水問題をめぐっても、もはや東電に当事者能力がないことは明らかです。こういう東電に事故対策の主体を続けさせるのではなく、東電を破綻処理し、国が事故収束と賠償、除染に全責任を負う体制を速やかに構築すべきだと考えますが、区長の見解はいかがですか。

 第三に、原発事故で避難生活を余儀なくされている十五万人の人々の生活再建についても、政府と東京電力が責任を果たすべきだと思いますが、いかがですか。

 第四に、大飯原発が十五日に定期検査のため停止し、現在、日本は原発稼働ゼロの状態になっています。区長は、第二回定例会本会議で、原発の再稼働は国が安全性を第一に判断すると答弁していますが、人類はいまだ放射能廃棄物の安全な処理方法を見つけ出していない状況であり、原発は人類の生存と相入れないものです。再稼働は中止すべきと思いますが、いかがですか。

 第五に、アスリートたちの放射能への不安や風評被害を払拭するためには、科学的なデータによって安全性を示すことが必要です。晴海地域を初め、全区的な放射線測定を定期的に行い、データを示し続けることが重要だと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次は、平和問題です。

 今、平和の祭典であるオリンピックを開催する地にふさわしくないことが起きています。安倍晋三首相は、戦没者追悼記念式典の式辞で、歴代の政府が表明してきた、アジアへの加害責任への反省、不戦の誓いという文言を削除したため、アジア諸国だけでなく、欧米からも批判と不信が強まりました。朝鮮日報は、五輪招致により国民の支持を受け、安倍政権が過去の歴史を否定し、憲法改正を通じて再武装の道を歩むかもしれないという憂慮があると警戒感を示しています。オリンピックを開催する国の首相として、安倍首相には、日本が起こしたアジア諸国への侵略の事実に真摯に向き合うことが求められています。

 安倍首相は、内閣の憲法解釈を担当する内閣法制局の長官を、集団的自衛権行使容認派に交代させたのに続き、秋の臨時国会で、行使に向けて政府の憲法解釈変更を宣言するとも言われています。このような集団的自衛権行使の容認について、政府の憲法解釈を国会で答弁してきた歴代の内閣法制局長官経験者からも、批判や異論が相次ぎました。

 そもそも、集団的自衛権とは、ある国が武力攻撃を受けた場合に、これと密接な関係にある他の国が共同して防衛に当たる国際上の権利とされていますが、これはアメリカが国連に押しつけてきた概念で、国際紛争の解決に武力を用いないという国連憲章に背くものです。これまで集団的自衛権を行使した戦争は、アメリカによるベトナム戦争や旧ソ連によるアフガニスタン戦争など、大国が侵略や軍事介入する際に、武力行使を可能とする口実に使われてきたもので、自国が攻撃されて行使した例は一度もありません。

 日本の憲法は、戦争を放棄し、武力を持たず、他国との間で戦争をしないことを原則にしています。歴代政府は、こうした憲法の原則を踏みにじって自衛隊の武力増強やアメリカとの軍事協力を進めてきましたが、交戦権は認めてきませんでした。日本が攻撃もされていないのに、アメリカなどのために武力を行使する集団的自衛権は、憲法を踏みにじり、歴代政府の見解をも踏みにじって、日本をアメリカが起こす戦争に引き込むものです。

 戦争をする国への転換は、平和の祭典であるオリンピックの精神とは相入れません。新聞各社の世論調査でも、過半数の国民が集団的自衛権行使に反対しています。

 そこで、区長にお聞きします。

 第一に、区長は、第一回定例会の私の質問に対し、集団的自衛権は、憲法第九条のもとで許容される実力の行使の範囲を超えており、行使することができないとされているとの認識を示しています。今でも、その認識は変わっていませんか。

 第二に、終戦記念日の靖国神社参拝など、過去の侵略戦争を反省しない政府が集団的自衛権行使を容認すれば、アジアと世界の反発は必至です。オリンピックにも大きな影響を与えるものであり、安倍政権の危険な企てをやめさせることが重要だと思いますが、いかがですか。

 第三に、戦後、日本は一人の戦死者も出さず、戦争によって一人の外国人も殺したことはありません。それは、憲法第九条があったからです。この世界に誇れる憲法第九条の精神を世界に発信するチャンスがオリンピックではないでしょうか。世界の国々の憲法に日本の憲法第九条、平和憲法の精神が盛り込まれるきっかけとなったと振り返られるような東京大会にしたいと思いますが、いかがですか。それぞれ区長の見解をお聞かせください。

 次は、消費税増税など、安倍政権の暴走についてです。

 安倍首相は、増税への環境は整ったとして、来年四月からの消費税増税の実施を強行しようとしています。しかし、不況はいまだ深刻で、最近の調査でも、労働者の基本給がふえないのに、物価だけが上がり、暮らしはますます大変になっています。中小企業は、長びく不況と円安による原材料価格の上昇という二重の苦しみの中にあります。このようなときに史上空前の大増税をすれば、国民の暮らしと営業を破壊し、日本経済は奈落の底に突き落とされるでしょう。

 五兆円の経済対策をとると言いますが、中身は、オリンピックのための整備費、投資減税や法人復興税を廃止するなどの法人税減税などで、庶民の生活には縁のないものばかりです。喜ぶのは利益を上げている大企業ばかりで、赤字に苦しむ中小業者には消費税増税が重くのしかかるだけです。消費税を増税しても、増税で景気が悪化すれば、他の税収が消費税増税分以上に落ち込んでしまいます。その上、大企業やゼネコン向けの大型公共事業や法人税の減税には莫大な税金を使うというのでは、借金がふえるばかりです。

 四月からの増税実施について、安倍首相の経済ブレーンたちからも、デフレからの脱却が明確でない状況で増税すべきでない、増税見送りをなど、増税の延期を求める意見が出されています。将来の税制のあり方について意見の違いがあっても、四月からの増税は中止をは国民多数の声になっています。

 そこで、区長にお聞きします。

 第一に、八月実施の中央区景気動向調査では、現状判断DIは全体で三・六ポイント低下しています。区長は、景気は回復基調にあるとお考えですか。

 第二に、区長は、区民、中小業者の立場に立って、国に対し、来年四月からの消費税増税の中止を求めるべきだと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 安倍政権は、公的介護、医療、年金、保育の諸制度を大改悪していく手順を定めたプログラム法案の骨子を八月二十一日に閣議決定し、臨時国会冒頭に法案を提出しようとしています。このように、社会保障の全面的な改悪へ突き進む手順を、あらかじめプログラムをつくって定めるというのは異例のことで、安倍政権は暴走を加速させようとしています。

 そこで、区長にお聞きします。

 安倍政権が進める消費税増税と社会保障制度の改悪は、国民の負担を増加させ、国民生活と中小業者の営業を行き詰まらせてしまうことになると思いますが、区長の認識をお聞かせください。

 次は、新自由主義と中央区行政についてです。

 国の悪政から住民の命と暮らしを守る防波堤となるのが、地方自治体の大きな役割でもあります。決して、中央区の行政が国や都の出先機関や執行機関になって区民生活を脅かすことはあってはなりません。私がそのような危惧を持つのは、最近の中央区行政に新自由主義的な考え方が目立つからです。新自由主義とは、経済的自由主義、自由貿易、民営化、規制緩和などを提唱し、公的部門の比率を減少させ、民間部門の役割を増大させる考え方です。

 ことし三月に発表された中央区基本計画二○一三には、効率性、民間の文字が目立ち、都心再生を目的とした新自由主義的な考え方が貫かれています。中央区の施策に新自由主義はどうあらわれているのでしょうか。

 まず、まちづくりについてです。

 中央区の行政がまちづくりで力を入れているのが、人口増加のための超高層マンション建設と多国籍企業誘致のための超高層オフィスビル建設ですが、区内の再開発事業等の計画は、完了地区が二十三地区、取り組まれているのは三十二地区で、規制緩和による大型開発が日本橋・東京駅周辺と月島地域に集中しています。ここは、日本プロジェクト産業協議会、JAPICが以前から開発のあり方を研究してきた地域です。

 財界は、次のような方針を地方自治体に求めてきました。まず、九六年の経団連ビジョンに、多国籍企業に選んでもらえる地域づくりが示され、さらに○五年の日本経団連提言、わが国の基本問題を考えるでは、企業活動のグローバル化の中で多国籍企業の権益の相互保護が強調されました。そして、二○○○年、経団連は、地方行財政改革への新たな取組みで、自治体における電子化への取組みのおくれと申請手続や縦割り行政は効率的・合理的な企業活動の展開を阻害していると注文をつけました。さらに、○七年、日本経団連は、道州制第一次ビジョンにおいて、道州制を究極の構造改革と位置づけ、公務員削減による財政削減効果、労働市場での有能な人材確保を示しました。

 財界のためのプロジェクトを研究するJAPICが、現在検討しているまちづくりや行政のあり方の内容は、ICTとまちづくりを融合させたU‐TOWN構想、カジノ導入に係る法規制システム・管理運営手法・施設整備手法、建物の長寿命化と街区単位での官民一体によるまちづくりの推進、公民連携による地域ビジネスの創出、自治体財政健全化法、公会計などの研究、自治体の遊休地などの利活用策など、多岐にわたっています。

 今、中央区の各地で進められている再開発は、区道を廃止し、街区を大きくして容積率を倍加するような手法を使って超高層オフィスビルが次々と建設されており、このような都市再生は、まさに財界の方針に沿ったものだと言えます。

 そこで、区長にお聞きします。

 第一に、財界のビジョンから脱却し、晴海に選手村が建設されるオリンピックを契機に、ヒューマンスケールのまちを目指し、大規模開発の全面的な調整・見直しを求めますが、いかがですか。

 第二に、古い住宅にリフォームやリノベーションなどの手法へのインセンティブを与え、中低層中心のまちづくりを図ることを求めますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次は、社会保障における受益者負担についてです。

 社会保障の分野に、新自由主義の特徴である市場経済、民営化、規制緩和、効率性などを導入すれば、福祉は破壊されてしまいます。福祉に市場経済を当てはめれば、受益者負担の考えが生まれます。中央区基本計画二○一三では、受益者負担の観点から、施設使用料や各種サービスの利用料金の設定・見直しなどを行うことを宣言していますが、社会保障の分野に受益者負担を導入することはふさわしくありません。社会保障はサービスではありません。憲法第二十五条によって守られている国民の権利なのです。そして、行政にはそれを実施する義務があるのです。決して、福祉を受け入れる人は利益を受けているわけではありませんから、受益者負担という考え方自体がおかしいのです。

 区は、ことし六月に、強固な財政基盤堅持に向けた当面二カ年の重点取組指針を発表し、区施設の使用料や受益者負担の現況を点検し、見直しを行うとしました。そして、今定例会には、保育料の値上げなどの議案が早速提出されています。地方自治法で定められている住民の福祉の増進を行政の基本的な責務に据えれば、受益者負担を求める相手は区民ではなく、再開発事業等で大もうけを上げるゼネコン、ディベロッパーなどの大企業ではないでしょうか。

 そもそも、社会保障は富の再配分として、社会全体で国民の健康と福祉を支えることが基本になるべきだと考えます。財源となる税は、消費税ではなく、累進課税による応分の負担を高所得者や大企業に求めるべきです。株で大もうけしていても、分離課税方式によって所得が正しく反映されず、正確に応能負担になっていない問題があります。法人税の減税や投資家減税を見直して、しっかり徴税する。税金の使い方も、社会保障とは真っ向から対立する軍事費や、鉄とコンクリートの無駄な公共工事も削減する。そのようにして財源を生み出し、社会保障を支えていけば、所得の差による保育料の違いなど、つける必要がないのです。

 そこで、区長にお聞きします。

 第一に、社会保障の施策に受益者負担を求めるのは、ふさわしくないと思いますが、いかがですか。

 第二に、受益者負担を求める相手は、莫大な利益を上げ、内部留保を蓄えている大企業などではないかと思いますが、いかがですか。

 第三に、地方自治法にある住民の福祉の増進の精神に立った点検をすれば、地方自治体がやるべきことは福祉の充実であり、イベントや再開発事業などは住民の立場で見直すことが必要だと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次は、自治体民営化についてです。

 新自由主義のもう一つの特徴は、民間企業への施策丸投げです。

 中央区基本計画二○一三には、積極的に民間活力を導入し、効率的で質の高いサービスの提供に努めます、指定管理者等、民間活力のさらなる活用を進め、効率的な管理運営とサービスの向上を図っていきますとあり、まさに自治体の民営化を進めていくという宣言に聞こえます。中央区は、これまでも、次々と福祉や区民生活関係の施策を民間に丸投げしてきました。区立八丁堀保育園は、保育分野に日本で初めて指定管理者制度を導入した保育園でした。ちなみに、来年四月、区内に開園する五つの認可保育所は、全て株式会社による運営で、初期投資には多額の助成金を投入することになっています。現在、五十の区施設に指定管理者制度が導入され、今後、図書館や児童館をも企業に丸投げしようとしています。企業の目的は、利益の拡大です。区民の暮らしや福祉が利益の対象となり、利用料によってサービスが異なってくるというのでは、福祉のあり方と大きくかけ離れてしまいます。税金だけ投入して行政の責任を放棄することは、やめるべきです。民間活力を信じ過ぎると、観光・文化振興・特命担当の任についていた任期付幹部職員が途中退職したように、民間の不安定さによって施策に悪影響を及ぼしかねません。

 そこで、区長にお聞きします。

 第一に、これ以上の施策の民営化を十年、二十年進めていくと、行政の空洞化、つまり行政としてのさまざまなスキルが失われていくと思いますが、いかがお考えですか。

 第二に、指定管理者制度を導入した施設について、行政の責務という点から検討し直し、直営に戻すことも必要だと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次は、雇用についてです。

 日本では、新自由主義的経営のもと、雇用条件の規制緩和や極端な効率化を進める中で、ブラック企業や過労死、官製ワーキングプアなどが広がっています。人の人生がどうなろうとも企業や行政の成績、効率性を上げるという考え方は、新自由主義の究極の発想で、海外ではあり得ない状態ではないでしょうか。そして今、安倍政権のもとで、首切りが自由となる限定正社員制度などのさらなる労働法制の改悪や、国家戦略特区による労働分野の新たな規制緩和の検討が行われています。

 さて、新自由主義の特徴に、公務員の削減があります。中央区の第二次行政改革大綱によって、職員数を○五年度の千六百七十一人から○九年度の千四百八十九人へと百八十二人、一一%削減し、削減目標を二十二人上回っています。一二年度までの七年間では二百三十三人、一四%も職員が減らされています。施策を民間に丸投げしながら公務員を減らす、自治体自身が身を削って新自由主義を実践しているのです。

 そこで、区長にお聞きします。

 第一に、中央区は急速に人口がふえていますが、これからも職員を削減していくつもりですか。

 第二に、中央区が非正規職員をふやし、官製ワーキングプアを生み出すのはもうやめるべきだと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次は、築地市場移転問題についてです。

 新自由主義と中央区行政を考える場合、築地市場移転問題に触れざるを得ません。築地市場移転計画の最大の動機は、銀座に隣接した広大な土地の効率的な活用であり、財界やJAPICが開発を求めていたものです。卸売市場が汚染された土地に行こうが、食の安全が脅かされようが、彼らにとっては、築地市場跡地がどうしても欲しいのです。また、豊洲新市場も、大商社や多国籍企業が求めていた食料の流通基地であり、TPPに対応した市場です。これにより、築地市場で働く多くの仲卸が淘汰され、労働者が職を失います。食の安全のためにも、働く人たちの生活を守るためにも、市場流通を守るためにも、中央区の経済効果を考えても、築地市場は現在地で再整備をすることが必要なのです。

 豊洲新市場は、施設設計の問題も未解決な部分を残しており、建設工事の契約はこれからです。さらに、深刻な土壌汚染の状況や、これまでの強引な東京都のやり方による思わぬほころびが今後発覚するかもしれません。まだまだ豊洲新市場建設は最終的に確定されていない中、現在地再整備しなければならない事態が生まれる可能性もあります。日本共産党は、築地市場の現在地再整備の可能性をあくまでも追求し続けます。

 区は、石原都知事は強引なので、反対していたら、とれるものもとれなくなると断固反対の旗をおろし、移転を着実に行うことを都と合意するまでになってしまいました。築地市場問題でも、中央区は、財界、大企業を応援する位置に立ってしまっています。

 そこで、区長にお聞きします。

 第一に、着実な移転を都と合意した中央区として、築地市場移転によって職を失う区民の方たちへの責任をどう感じ、どのような支援策を考えていますか。

 第二に、オリンピックが決まったことでスケジュールに縛りがかかり、汚染土壌の安全性の確認がいい加減なものになることを危惧します。土壌の安全性が都との合意の大前提であると主張する区として、土壌の安全性をどのように担保するつもりですか。

 第三に、築地新市場開設準備協議会で話し合われている内容で、現在決まっていること及び未解決の課題は何なのでしょうか。それぞれお答えください。

 次は、教育政策への政治介入と教育統制の動きについてです。

 安倍政権の教育政策への政治的な介入と統制が強められつつある中、静岡県知事が、四年ぶりに行われた学力テストの成績を見て、県教育委員会の反対を押し切って、ワースト一○○の校長の名前を公表すると、行政が教育に介入する発言をしたのには驚きました。学力は、以前は行政が管理するものではありませんでした。今は、学力テストの到達度を見て、他の学校と比べて低い、もっと上げろなどと人事考課による給与差別まで利用して、教師の授業の仕方まで指示しています。

 二○○六年の第一次安倍内閣のときに、教育基本法を改悪して、教育の目標を書き込み、教育内容に権力が関与する緻密な枠組みをつくりました。戦後、日本の教育が行政からの介入を許さなかったのは理由があります。それは、戦前、国家が教育に介入し、国のために命を捧げることが当たり前の若者、国民をつくり上げたという、二度とあってはならない経験をしてきたからです。集団的自衛権、憲法改悪、自衛隊を国防軍にと息巻く安倍内閣のもとでは、権力の教育への介入は、戦前を彷彿とさせる大変危険な事態となっているのです。

 振り返れば、中央区は、教育委員会の管轄であった社会教育の分野を区長部局に移し、社会教育会館を指定管理者に丸投げしました。ほかにも、成人式やスポーツ関係の施策を、教育委員会への介入どころか、次々と区長部局に移しました。

 そこで、教育長にお聞きします。

 第一に、学力の全国的調査は抽出調査で十分であり、点数や順位で競争を強いて、学力形成に逆に有害となっている全国一斉学力テストは廃止すべきだと考えますが、いかがですか。

 第二に、東京新聞は社説で、学力テストに使われる数十億円の巨費をきめ細かな授業を行うための少人数学級や教育の加配などに回す、子供の立場に立てば、その方が学習に役立ち、伸ばす近道にもなるだろうと主張していますが、教育長はどうお考えですか。

 第三に、学力テストにだけでなく、強まりつつある教育への政治介入について、どう認識していますか。それぞれお答えください。

 二○○○年、教育改革国民会議最終報告が、投資としての教育という方向を打ち出しました。これ以降、教育における新自由主義の本格的な動きが始まりました。新自由主義的教育改革の目的は、経済・労働力政策に従属した教育政策の実現です。そこには、多国籍企業などの大企業で働く一部エリートと、娯楽・飲食業などの第三次産業で安く働かせることができる多くの労働者をつくることを前提にした、公教育の縮小とコスト削減の考え方があると言われています。

 自民党の憲法改正草案第二十六条には、教育が国の未来を切り拓く、教育環境の整備に努めなければならないというのがありますが、これは、教育を国の経済発展のための手段として位置づけ、競争的な教育環境を整備するということではないでしょうか。中央区基本計画二○一三では、グローバル時代の担い手となる人材育成を図るため、都心の立地条件を最大限に生かした特色ある学校づくりなどを進めていくことを打ち出しており、日本橋室町三丁目地区再開発事業の中で、常盤小学校に世界に通用する人材育成を目指す教育施設を整備する計画が進行中です。これは、まさに政府の動きと歩調を合わせて、学校間に差別を持ち込み、競争させるものではないでしょうか。

 政府は、このような新自由主義的教育改革を進めるため、教育委員会を、首長が任命した教育長の諮問機関に引き下げようとしています。これは、教育委員会が教育行政の責任者として首長から独立した合議体としての執行機関となっている現行制度を、根本から大改悪するものです。

 そこで、教育長にお聞きします。

 第一に、本来教育とは、投資としての教育ではなく、子供の健やかな成長を保障するものだと思いますが、いかがお考えですか。

 第二に、世界では、教育における競争を抑えるために、高校入試は行わない、大学入試も一点差で決まるような競争的なものにしないなど、さまざまな工夫をしています。国連・子どもの権利委員会も日本政府に、高度に競争的な教育制度の改善を求めています。教育改革というのであれば、新自由主義的なものではなく、競争の教育を是正し、子供たちが連帯して助け合いながら、自分たちの人間性と知的能力をともに伸ばす方向に転換すべきだと思いますが、いかがですか。それぞれ見解をお聞かせください。

 以上で一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 志村孝美議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、二○二○年東京オリンピック・パラリンピック競技大会についてであります。

 去る九月八日に開催都市が東京に決定し、招致から大会準備へと新たなステージに移りました。東京都においては、準備会議を設置し、七年後に向けた開催準備を庁内の密接な連携のもと、着実に進めていくと聞いております。今後、開催に向けたさまざまな準備が進められていくものと思われますが、本区としては、大会が成功裏に終えられるよう、都、区議会、地域の皆様方、その他関係機関と連携し、全力で支援してまいります。とりわけ、本区においては、晴海地区に大会のコンセプトの中心である選手村の建設が予定されていることから、決定当日に二○二○年東京オリンピック・パラリンピック競技大会対策本部を設置し、大会実施に向けた支援や、大会後を見据えたまちづくりについて検討を進めることとしたところであります。今後、将来のまちづくりをしっかりと見据えて、都と協議を重ね、地域の課題解決に全力で取り組んでまいります。また、大会を成功に導くためには、テロ対策に万全を期すことが不可欠であります。区民生活への影響に配慮した上で、周到な訓練が積み重ねられ、大会実施に向けた十分な安全対策が講じられるものと認識しております。

 次に、晴海地区を初めとした本区のまちづくりについてであります。

 人口増加が確実視される中、課題を的確に捉えていけるよう、これまで同様、地元住民との協議を重ねながら、地域に合ったまちづくりを進めていくことが必要であります。とりわけ晴海地区においては、BRTなどの新たな交通機関の導入を初め、教育施設などの公共公益施設や生活関連施設の整備など、区民生活に欠かせない基盤整備について、限られた時間の中で、地元住民の意向を把握しながら確実に進めることが区の役割と認識しております。また、選手村施設は、東京都が効率的な大会運営と民間事業者の活用を表明しており、民間事業者により施設を整備し、大会終了後には分譲または賃貸することが決められております。こうしたことから、選手村を公共住宅として活用することは困難であると認識しております。晴海地区のまちづくりの実現に向けては、まちづくり協議会などを通じて地元住民の意見を把握した上で、東京都と十分な協議を重ね、晴海ならではの将来像を提案するなど、オリンピック・パラリンピックの成功はもとより、大会後の晴海のまちづくりの実現に積極的に取り組んでまいります。

 次に、原発問題についてであります。

 福島第一原子力発電所の汚染水問題は、いまだ解決には至っておらず、福島の一日も早い復興、再生を果たすためにも、汚染水問題を根本的に解決することが急務であると考えております。国では、九月三日に汚染水問題に関する基本方針を定め、技術的難易度が高い凍土方式の遮水壁の構築などについて、財政措置を行うとするなど、東京電力任せではなく、国が前面に出て必要な対策を実行するとしております。こうした汚染水対策や除染などについては、国が中心となり、事故収束に向けた対策を強力に推進することが必要であります。また、避難生活を余儀なくされている方々が一刻も早い生活再建ができるよう、当然のことながら、国及び東京電力が強力な連携のもと、復興に向けて全力で取り組みを進めていくべきものであると存じます。原発の再稼働につきましては、安全性を第一に、原子力規制委員会の規制基準を厳格に適用し、科学的、技術的知見から十分に調査検討がなされ、国の責任において判断すべきものと考えております。

 次に、区の放射線測定についてであります。

 現在、大気中の放射線量につきましては、区内三カ所でそれぞれ毎週一回測定を行っております。測定結果は、最高でも○・一マイクロシーベルトとなっており、基準値である○・二三マイクロシーベルトを大きく下回っております。また、本区を囲むように設置された八カ所の東京都のモニタリングポストで年間を通して測定している結果も、基準値を大きく下回っており、安定したデータを示しております。このち一カ所は、選手村整備予定地である晴海に近接し、競技場等の整備予定地である臨海副都心の青海にも設置されております。こうしたことから、区民の安全・安心の確保はもちろん、国内外に対しても安全性を示すことができると認識しております。したがって、現状では測定箇所をふやす必要はないと考えております。

 次に、集団的自衛権についてであります。

 憲法第九条のもとで許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため、必要最小限度の範囲にとどまるべきであり、集団的自衛権は保有するものの、行使できないというのが国の憲法解釈であるとの認識に今も変わりありません。現在、国の安全保障をめぐる問題については、さまざまな議論があることは承知しておりますが、広く国民の意見を踏まえ、国の責任のもとで検討されていくべきものと考えております。

 次に、オリンピックと憲法第九条についてであります。

 日本国憲法の平和の理念は、いかなることがあっても守られるべきものであり、世界の恒久平和を確立することは、人類共通の願いであります。本区においても、中央区平和都市宣言のもと、平和の理念を全ての施策の根幹に位置づけております。こうした中、東京で開催されるオリンピック・パラリンピックは、多くの人々に夢と希望、そして感動を与える、まさに世界最大の平和のイベントであり、日本が戦後一貫して平和を希求してきたからこそ、現在の豊かな国家を建設できたという事実を世界にアピールする絶好の機会でもあります。この大会を通して、本区を訪れる世界の人々に恒久平和の大切さを訴え、中央区から平和へのメッセージを力強く発信してまいります。

 次に、消費税などについてであります。

 区の八月の景気動向調査では、現状判断DIは、前回に比べ低下したものの、本年二月以降は景気の上向きの目安となる五○を超えております。また、九月の国の月例経済報告においても、景気は緩やかに回復しつつあると二カ月ぶりに上方修正しており、景気回復の基調が強まっているものと考えております。消費税率の引き上げと社会保障制度の改正は、国の税収が歳出の半分程度しかなく、少子高齢化の進展に伴い、年金や医療、介護などの経費が膨らむ中で、将来にわたって持続可能な社会保障制度を維持していくために取り組まれているものと認識しております。また、国は、消費税率の引き上げについて、景気回復の広がりを見極めた上で最終判断するとしており、低所得者への現金給付や中小企業、商店が適正に転嫁できる体制整備、さらには景気の腰折れを回避するための経済対策を検討しているところであります。区においても、こうした国の動向を注視し、これまでと同様に経済環境の悪化や社会状況の変化に柔軟に対応し、区民生活を守り、中小企業を支援する立場で施策に取り組んでまいります。

 次に、本区のまちづくりについてであります。

 本区では、区の約八割に及ぶ地域に地区計画を導入し、個別建てかえの促進を図るとともに、地域課題や地域の状況において、再開発などの面的な整備も必要となることから、地域住民との協議を重ね、適切な手法の選択により、まちづくりを進めてまいりました。その際、交通インフラや公共施設が不足しないよう、まちづくりを適切にコントロールしていくことが区の役割であると考えております。

 次に、リフォームやリノベーションについてであります。

 これらの手法は有効と考えますが、老朽化による建築物の安全性や建物所有者の費用負担などの課題もあることから、今後さらに検討してまいります。

 次に、受益者負担についてであります。

 受益者負担は、特定の区民等のために提供する行政サービスについて、受益の内容や負担能力に応じた適切な対価を求めるものであり、負担の公平性や将来にわたる健全財政を確保する上で、区の各施策において広く念頭に置くべき考え方であると認識しております。こうした観点から、八十二項目にわたる負担金、使用料等について、他区と比較した場合の本区の現状などを踏まえながら、点検・整理を行ってきたところであります。今後とも、単なる企業規模等の視点にとらわれることなく、受益と負担の関係、区民生活への影響等を多角的に考慮しながら、負担を求めるべき対象者や水準など、適正な受益者負担のあり方について検討を進めてまいります。

 次に、住民の福祉の増進についてであります。

 もとより、本区は、全ての区民が生涯を通じて生き生きと暮らし、活動し続けることのできる快適な都心居住を目指し、本年二月に策定した基本計画二○一三のもと、福祉サービスを初め、各施策のさらなる充実を図っているところであります。加えて、江戸以来、日本の文化、商業、情報の中心として発展してきた本区にとって、活気とにぎわいを欠かすことはできません。今後とも商工業の振興や都市観光の推進に向けた多彩なイベント、先進的なまちづくりなどを通じて、本区にみなぎる活力を力強く発信し、我が国の社会、経済を牽引する、都心ならではの使命を果たしてまいります。

 次に、自治体民営化についてであります。

 民間活力の導入につきましては、それぞれの専門的な分野で培ってきた質の高いサービスや柔軟できめ細かい事業運営など、すぐれたノウハウを行政が活用することで、より効果的・効率的に事業展開が図れるものであります。今日、社会環境が大きく変化し、区民ニーズが多様化している中で、柔軟で効率的な行政運営を進め、区民サービスのさらなる向上を図るためには、民間活力の導入は必要なものと考えております。民間事業者などを活用する際には、区が要求するサービス水準に達しているか、また、適正で安定的な運営がなされているかなどを把握し、事業運営者と十分協議しながら、質の高いサービスの確保に努めているところであります。また、民間事業者と区と切磋琢磨することで学ぶべき点も数多くあり、区の職員の専門性もより高まっていくものと存じます。こうしたことから、民間活力の導入により、行政の空洞化が生じるとは考えておりません。なお、指定管理者制度を導入している施設につきましては、利用者の御意見をいただきながら毎年評価を行い、区の責任と監督のもとにサービスが提供されており、直営に戻す考えはありません。

 次に、正規職員と非正規職員についてであります。

 区では、これまで効率的な行政運営を図るため、指定管理者制度などの活用により、職員配置の適正化に取り組んでまいりました。その一方で、人口増に伴う業務量の増加や、多様化する行政需要に的確に対応するため、幼稚園や保育所、防災などの分野に職員を増員し、区民サービスの向上に努めてきたところであります。今後も区民要望や事業の執行状況を見極めながら、人的資源の重点的・効果的な配置に努めてまいります。また、非正規職員は、正規職員では得られない専門知識を必要とする職務や、特別支援教育の充実など、多様な区民ニーズに対応するため、任用してきたものであります。その勤務条件については、正規職員の給与や本人の資格、実務経験などを十分考慮し、職務内容と労働時間に見合った処遇をしており、子供の看護休暇を初めとする休暇・休業制度、健康診断などの福利厚生面においても充実を図ってきたところであります。今後も、多様化する行政需要に応えるため、正規職員だけでなく、こうした非正規職員を活用した柔軟で効率的な職員配置を行うとともに、全ての職員が安心して働ける職場環境の整備に努めてまいります。

 次に、築地市場の移転についてであります。

 築地市場の移転事業に伴い生じる市場事業者のさまざまな問題については、まず開設者である東京都の責任において支援策の提示など、誠意ある対応がなされるものと考えております。本区としては、都の動向を注視しながら、利用可能な区の制度の周知に努めてまいります。食の安全・安心の確保は、当然ながら市場移転の大前提であります。都は、技術会議の結論を踏まえた土壌汚染対策を実施しており、昨年七月以降、都と市場事業者等で構成する協議会のもとで処理状況を確認しながら、無害化に向けた取り組みが進められているところであり、オリンピック決定による影響はないと聞いております。また、土壌汚染対策工事の処理状況については、都のホームページで公開されているところであり、本区としても、引き続き区民や関係者等への十分な説明と情報の公開を東京都に求めてまいります。先行営業施設開設準備協議会については、昨年、築地新市場の施設概要をまとめ、現在は入居者の募集条件等について検討を進めております。今後とも、地域の皆様方を初め、区内料理飲食業や市場事業者の方々と十分な協議を重ね、築地の活気とにぎわいの継承・発展に向けた取り組みを着実に前進してまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 齊藤 進君登壇〕

○教育長(齊藤 進君)
 教育問題について順次お答えします。

 初めに、学力テストについてであります。

 国の全国学力・学習状況調査は、小・中学校における全国的な学力状況を把握し、教育施策に生かす目的で実施されるものであります。また、制度上、教育委員会は学校名を明らかにした結果の公表はできないことから、序列化や競争につながることはないものと認識しております。

 次に、少人数学級や教員加配との関係についてであります。

 現在、各学校においては、調査結果から児童・生徒の学習状況を把握し、個々人の振り返りや教員の授業改善に生かすなどの取り組みをしております。さらに、本区では、既に小学校で算数非常勤講師を各校一名、中学校では非常勤講師を各校六名配置することで、きめ細やかな少人数指導や習熟度別指導を実施し、児童・生徒の学力向上を図っております。

 次に、教育と国や地方公共団体との関係についてであります。

 教育基本法では、国及び地方公共団体は、義務教育の機会を保障し、その水準を確保するため、適切な役割分担及び相互の協力の下、その実施に責任を負うとされております。この場合、地方教育行政においては、教育の中立性や公正性、継続性、安定性は、教育委員会制度において担保されているものであります。

 次に、教育の目的と方向性についてであります。

 教育の目的は、子供たちの自己実現や人格完成とともに、全ての人が個性や能力を十分に発揮できる社会を築くために、主体的に社会の形成に参画して、発展に寄与する人材を育成することにあると認識しております。国が目指す教育改革は、この教育の目的を実現するために、地方教育行政の権限と責任を明確にするとともに、学校の特色化や教育活動の点検・改善を図り、教育の質を向上させようとするものであると理解しております。子供たちは、学校でのさまざまな活動を通して、お互いを尊重し、助け合いながら、より高い目標に向かって切磋琢磨することで個性や能力を伸ばし、人間性豊かな人として成長していけるものと考えております。

 答弁は以上です。

〔十九番 志村孝美議員登壇〕

○十九番(志村孝美議員)
 答弁いただきましたけれども、オリンピックにつきましては、今、大変な経済効果ということで、この取り組みを起爆剤にしてと区長も発言しておりますけれども、そのような動きがあることについて、私、東京大会はどういう取り組みがあるべきかというのを聞きました。例えば、六四年の大会の後は、名橋日本橋の上の高速道路とか、大会後の経済の落ち込みとか、さまざまな問題点も残ったわけです。今は、いろいろな専門家の方たちも、六四年の大会じゃない新しい時代の成熟した社会のオリンピックをということで意見も出ております。

 復興の大会という中で、中央区議会全議員で石巻市にも行きましたけれども、日和山から見た、あの場所でまちが復興して、そして三十万人と言われる避難民の方たちが生活再建のめどが立つような、そういう中でオリンピックを迎えるというのが、私は、復興した日本を見てもらうということも言っておりますので、大事だと思うんです。だから、この七年間でやるべきは、東京一極集中ではない、起爆剤としてというのではなくて、やはり新しい時代のオリンピックというふうに思っているわけなんです。その点でどうあるべきか、そして中央区はどうすべきなのかというのも、改めて区長の見解をお聞きしたいと思います。

 それから、原発問題ですけれども、再稼働について国の責任でというふうにおっしゃっております。しかし、やはり原発というのは世界では大変注目している、事故があった国、そこで地震の多い国、ですから、オリンピックにかかわらず注目されているんですけれども、原発事故があったら本当に致命的になります。事故がなくても、核の恐怖と隣り合わせになっているという意味では、核のごみの処理方法がないわけです。ですから、今、稼働がゼロなわけですから、これを続けていくということができるのが一番現実的なんです。

 国の責任と言いますけれども、これを動かすのは世論です。ですから、区長が、再稼働はやめるべきだと、これを言う、このことが大変大事だと思いますので、その点の区長の見解もお聞かせいただきたいと思います。

 それから、平和の問題ですけれども、これも国の責任というか、責務というお話もありましたけれども、二○二○年のオリンピックを開く東京、日本が、平和な都市でなければいけないわけなんです。この七年間の間に憲法第九条が変えられる、自衛隊が国防軍になる、そして集団的自衛権を行使して、アメリカと地球の裏側に行っても戦争できると、そういう説明も政府はしておりますけれども、そういう地球のどこでも地理的な制限はないんだというふうに言っておりますけれども、そのような中でオリンピックは迎えられないと思うんです、平和の祭典。ですから、安倍首相に集団的自衛権の行使容認をやめろ、憲法改悪はやめろ、そういうことを言うことがオリンピックの成功にとっても大事だと思います。

 そういう点では、そういうこともやはり世論も必要だと思いますので、区長の見解を、ここもお聞かせいただきたいと思います。

 それから、消費税や安倍政権の暴走についてですけれども、消費税が社会保障を支えるものというのは、今、誰も言えないですよ。これだけ社会保障を削減していこうと。消費税を上げながら年金も改悪するわ、医療も福祉も、社会保障制度のための消費税というのは、ちょっとこれは違っているのではないかなというふうに思います。

 やはり社会保障と言うんだったら、さっき私も申しましたように大企業、ここにしっかり負担させる、大事だと思うんです。減税で十兆円ですよ。十兆円も大企業はいろんな形で税金をおまけされているし、消費税なんか払っていないんですからね。大企業は払わなくていいわけですから、システム的に。ですから、消費税が幾ら上がろうとも、法人税をどんどん下げてもらえれば、また内部留保をどんどんためることができる、そういう状況にもなるわけです。規制緩和をどんどん進めていく、そういう中で消費税が社会制度を支えるものという、このことについては違うと思いますけれども、その点についてもぜひお聞かせいただきたいと思います。

 低所得者対策と言いますけれども、これは一時的なものですからね。消費税を上げれば、ずっと続くわけですから。もちろん、国会の中で消費税廃止ということも、それは可能ですけれども、今の中では低所得対策といっても一時的なものですから、それでごまかされることは、国民はないというふうに思っております。

 それから、中央区行政と新自由主義についてですけれども、これは幾つかの分野でお話ししました。

 受益者負担について、広く区の施策を見回して受益者負担にふさわしい対象を見つけていく、大事だと思います。受益者負担にふさわしくないのが社会保障の分野じゃないですかと私は言っているんです。社会保障、福祉とかを受けている方は、利益を受けているわけじゃないんです。単なるサービスを受けているわけじゃないんです。やはりここをしっかり捉えて、見直すのであれば、ちゃんと利益を受けているところから取る、そういうところでやればいいんですけれども、今定例会に出ている保育料の値上げなど、またいろいろこれから精査される中でも、大変私は、考え方が、負担すべき相手が本当にふさわしいのかどうかという点で危惧を持っておりますので、その点についても区長の見解をお聞かせいただきたいと思います。

 都心にふさわしいまちづくり、そういう行政をやっていくんだということです。ですから、私も指摘しましたように、今、都心ですけれども、都心だからといって大企業をどんどん呼び寄せるというような、多国籍企業、二十四時間働くようなまちを、狭い土地だから、どんどん高くして効率的にという、私はそれはやはり新自由主義的な考え方になっているんだというふうに思います。行政であるならば、やはり住民の方たち、住民の福祉、その立場に立って頑張らなくてはいけないというふうに思います。

 この新自由主義というのは、もちろんご存じだと思うんですが、小泉政権の構造改革がありました。これで本当に格差が広がったという評価もされておりますけれども、新自由主義が破綻したのがリーマンショックだったんですよね。リーマンショックで世界的に新自由主義が破綻して、そして大変な事態になってしまった。今でもそれを引きずっていると言われております。こういう中で、安倍政権が成長戦略ということで、世界で一番企業が活動しやすい国を目指すということで、また、小泉政権のときに批判を浴びて、まだ破綻が続いているのに、これをやろうとしているわけなんです。新自由主義というのは格差とか貧困を拡大する、深刻にするということがもう明らかになっているわけですから、今、区長が御答弁されたような今までの新自由主義的なやり方をやっていくということは、格差と貧困を中央区行政が後押ししていくというふうに私は受け取れるんです。やはり区民犠牲のもとで進める多国籍企業誘致のためのまちづくりはやめるべきだと。国や財界や大企業が地方自治体に示す方針に沿って、財界のいろいろな提言とかJAPICのプロジェクトとか、ありますけれども、そういうものに沿って行政を進める、そういう逆立ちを正すことが必要じゃないか、逆立ちした今の区政を正すことが必要じゃないかというふうに思います。

 新しい時代の新しい都心のあり方、中央区のあり方を考えるときが来ていると思いますけれども、この点についても区長の見解をお聞かせいただきたいと思います。

 それから、教育についてなんですけれども、私が耳にしたのは、教育への政治介入というのは法的に守られているというようにあったんですけれども、しかし、今、例えば中教審が中間のまとめ案で提示するというのが、私もさっき言いましたけれども、教育委員会の権限を首長に移行する、そういうのがもう出ているんです、実際、スケジュールとして。ですから、今、法的に政治介入は守られているよと言っているけれども、実際、今の安倍政権のもとで動いていることは何なのか。私は、それを質問したんです。ですから、具体的に中教審が中間まとめ案で提示されている、教育委員会の権限を首長に移行する、このことについて教育長はどう受けとめているのか、お聞かせいただきたいと思います。

 以上で再質問を終わります。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 どうも。

 オリンピック・パラリンピックは、前回と今回、随分違うわけですよね。前回は、何といってもあの戦後の焼け野原のところから日本が再建してきたと。そのわずか十九年ですか、二十年足らずで再建した、復興したという姿、これを世界の皆様方が見て、本当に驚嘆したわけでありますけれども、今回のは平和の問題とも関係しますけれども、まさにこうやって日本が戦後一貫して平和主義を貫いてきた。平和を希求してきた。だからこそ、こんなにも豊かな国、そしてまちもすばらしくなっている。

 東京なんか、どんどん発展して、こんなすばらしいまちは、ありませんよね。あらゆる文化が享受できるわけでありますし、食べ物だって、いろいろな食べ物、世界中の食べ物を味わえるといったようなことやね。この東京のすばらしさ。

 しかし、御指摘にあったような、前回は負の遺産としては日本橋の上の、残念ながら、名橋日本橋の上の高速道路なんかができてしまった、前回はね。だから、ああいう負の遺産をつくることなく、いいものを残していこうではないか。オリンピック・パラリンピックの後、しっかりとしたまちを享受できるようにしようではないかということも非常に大切ですね。

 そういう意味では、戦後日本が生きてきた平和主義、これを世界にアピールする絶好のチャンスであるというふうに思っているわけでね。いろいろなところで紛争、紛争、そこら辺で紛争が起こっているわけでありますし、またテロも頻発しているということでありますから、またアジアでもいろいろな緊迫の度、緊張が高まっているというわけでありますから、世界にまさに日本の生き方を示して、こうしようじゃないか、こうやって平和をみんなで求めていこうじゃないかということを示すことによって、世界の恒久平和への道を日本がリードしてまいりたい、そういう意義があるのではないかというふうに私は思っているわけであります。

 また、まちづくりについても、さっき申しましたような負の遺産をつくることなく、いいものをね。せっかく選手村が本区にできるわけでありますから、そういう意味では、まさに良好なまちづくりの模範を示すようなことにしたいというふうに思うわけでございまして、そういう意味では、中央区がさらに発展する、まさに起爆剤、よりよいまちですよ。よりよいまちに向けての起爆剤になるもの、こういうふうに思っているところであります。ですから、東京一極集中だとか何とかという、そういうことではなくてね、良好なまちにしていく起爆剤という意味でございます。

 それから、原発問題ね。それはそうですよ。オリンピックとか何かをやろうとしているときに事故が起こったり何かしたら、これは大変なことになるわけですから、そういう意味では原発につきましては、国の責任においてしっかりと判断してもらいたい、こういうふうに思っているところであります。

 それから、集団的自衛権については、答弁したとおりでございまして、日本が、国のほうでは、これまでの憲法の解釈として、国の集団的自衛権は保有するものの、行使できないというのが国の判断であるわけですから、私もそう思うわけでありますけれども、その理解が正しいかどうかということで、今、国のほうで改めて研究・検討するということでありましょう。要するに、日本の安全性、これを確保するにはどうあるべきかということでありますから、憲法もそのことを否定しているわけではないわけでありますから、そういう意味で、しっかりと国の判断が今、これから検討して、安倍さんも言っていますよね。そう焦ってやるのではなくて、いろいろな機関で出てきたのをじっくりと検討していくのであるということを言っているわけですから。目的は同じだと思いますよ。いかにこの日本を守っていくかということ、日本の安全・安心ですね、それを守っていくかということなのであります。

 それから、消費税。これは、国の借金が今、一千兆円でしょう。そういうような中であるわけでありますから、そういう中で、これまでどおり社会保障制度をしっかりと持続可能な体制で守っていくにはどうあるべきかということで判断を表明すると。十月一日ですかね、安倍総理がはっきりと言うということでありますから、そういうのをしっかりと我々も見守ってまいりたいと思います。また、いろいろな低所得者への対策等々も行うであろう、こういうことであります。

 また、本区のまちづくり。これは、何といっても企業の活動は二十三区の中でまた一番になりましたね。港区さんが事業所の数、約四万でしたか、四万弱になりましたけれども、港区さんがこれまで一番でありましたけれども、ちょっと前までね、しかし、また中央区のほうが一番になったわけでありますから、そういった事業所の活動、企業活動ですね、これは本区の特色でもあるわけでありますから、そういう意味では特に中小企業の皆様方が活動しやすいまちをつくっていくということは非常に重要ではないでしょうか。

 それから、受益者負担については、当然であるんじゃないんですか。やはりいろいろな施策を展開するのは、全て税金で行っているわけですからね。そういう税金を単にむやみやたらにばらまくというのではなくて、負担してもらうところはしっかりと負担していただかなければならない、そういうふうに思うわけであります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 齊藤 進君登壇〕

○教育長(齊藤 進君)
 教育委員会制度について、再質問にお答えをさせていただきます。

 本区におきましては、現行の教育委員会制度はきちんと機能しておりまして、特に問題はない。首長と区長との関係で問題がないという認識をしております。

 しかしながら、全国的な動向を見ますと、やはり教育委員会の教育に対する権限と責任が必ずしも明確ではないということについての意見は少なからずあるというふうに認識しております。そのような中で、今回、ことしの四月に中央教育審議会のほうに今後の地方教育行政のあり方についての諮問がなされて、検討がされているところでございます。

 その中で御議論がされているわけでございますが、首長が教育への関与を強めていくという一つの方向性は出ているというふうには理解しておりますが、教育の中立性、公正性、それから継続性、安定性、この必要性については衆目の一致するところだというふうに認識してございます。中央教育審議会におきましては、具体的な制度設計についても審議が委ねられているわけでございますので、この辺の教育の中立性、公正性、継続性、安定性をどのような制度設計の中で担保していくかというのは、きちんと見ていく必要があるというふうに考えております。

 答弁は以上です。

〔十九番 志村孝美議員登壇〕

○十九番(志村孝美議員)
 まず、教育ですけれども、大阪の橋下氏を初めとして、全国で教育委員会のいろいろな介入があります。そういう面も中央区は大丈夫だという話でありました。そういう外堀というか、いろいろな現実をつくりながら、制度自身を変えていこうという動きをしっかり我々も見ていく、そういう動きをとめていかなくてはならないというふうに思います。

 区長の答弁で、オリンピック、平和主義をアピールしていくという力強い話もありました。ぜひ憲法第九条、その土台には憲法第九条があるわけですので、この大切さを訴えていただきたいし、それを変えようという動きには断固として反対の姿勢を貫いていただきたいというふうに思います。

 それから、よりよいまちへの起爆剤というようなことで、おっしゃいました。やはり一極集中ではない、そういうまちづくりが大事ではないかとおっしゃってはいるんですけれども、実際、中央区で行われているまちづくりというのは一極集中をどんどん加速させている、そういう内容になっているということでは、区長の政治姿勢と、今のまちづくりの行政にギャップがある、そこに大事な点が、きょう明らかになったんじゃないかというふうに思います。

 それから、消費税の点で国の借金、百兆円とおっしゃいますけれども……

〔「一千兆円」と呼ぶ者あり〕

○十九番(志村孝美議員)
 一千兆円。一千兆円と言いますけれども、これは国民生活、社会保障をよくしてできたんじゃないんですね。国債は、東京オリンピック、六四年の後からずっと来て、公共事業の中でこのような借金が膨らんできている。さらにまた、これをいろいろな形でふやそうとしている、こういう状況があると思います。

 新自由主義というのを、きょう取り上げましたけれども、これ、実は資本主義末期の症状ですね。公的分野も民間参入をやる、これは限りがあります。再開発のまち、これも限りがあります。そういう中で、国民が痛めつけられて、国民の我慢も限度がある。そういう中で、やはり資本主義の末期的な状況の中から、そういう今の政治の中から新しい社会を求める動きが私は生まれると思います。

 日本共産党は、ことし創立九十一周年、反戦平和、そして国民主権、これを貫いてきました。こういうことで、都議会議員選挙でも参議院議員選挙でも躍進することができました。これからも、国民が主人公、区民こそ主人公の立場を貫いて頑張り抜くことを表明しまして、私、志村孝美の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

午後四時二十九分 休憩


午後四時四十五分 開議

○議長(原田賢一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十六番青木かの議員。

十六番 青木かの議員登壇

○十六番(青木かの議員)
 中央区議会みんなの党、青木かのです。平成二十五年第三回定例会に当たり、さきに提出いたしました質問通告書に基づき、質問いたします。区長を初め、理事者の皆様には、簡潔で明快な答弁を期待いたします。答弁の内容によりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 さて、今月初め、区は、来春、中央区の待機児童がゼロになる見込みであることを発表しました。ことし四月の待機児童は百九十三名でしたが、先ごろ開設した京橋こども園を含め、今年度開設の三園に加え、さらに五カ所の認可保育所の開設を発表したもので、この八つの保育所でおよそ六百人の児童を受け入れることができます。待機児童解消に向けた区の取り組みは評価いたします。

 子育てしながら働く親にとっては、まさにさまざまな壁が存在します。国の施策としても、平成六年、文部、厚生、労働、建設の四大臣合同によるエンゼルプランの策定以来、総合的な少子化対策、子育て支援策が講じられてきました。それでも保育所がいっぱいで入れないため職場復帰できない一歳の壁、三、四歳から幼稚園に通わせたくても子供を預かる時間が短い四歳の壁、利用希望者が多く学童クラブに入れない小一の壁など、さまざまな壁が存在します。区民の皆さんが働きながら安心して子育てができるよう、長期的展望に立った一体的な取り組みが必要です。

 児童福祉法に基づく現在の放課後児童クラブ、いわゆる学童クラブの現状ですが、平成二十四年五月の調査によりますと、クラブ数は二万一千八十五カ所、登録児童数八十五万千九百四十九人となっており、平成十年と比較しますと、クラブ数でおよそ二・二倍、児童数でおよそ二・四倍となっており、就労する親がふえるとともに、学童クラブの需要が高まっているのは明らかです。

 今回、児童福祉法の改定により、対象が、小学校に就学しているおおむね十歳未満の児童から、小学校に就学している児童となり、小学校六年生までが対象となります。中央区では、区内に居住または区内の小学校に在籍している一年生から四年生までの児童で、放課後帰宅しても、保護者の仕事や疾病等の理由により、家庭で適切な保護育成を受けられない児童が対象となっています。指導日及び指導時間は、月曜日から土曜日が下校時から午後六時まで、夏休み等の学校休業期間が午前八時三十分から午後六時まで、ただし、必要と認められる場合は午後六時から七時三十分まで延長することができ、他の自治体より柔軟に対応しています。

 区内には、築地、新川、堀留町、浜町、佃、月島、勝どき、晴海の八つの児童館があり、総定員は四百五十四名となっています。

 さて、ここで本区の現状を見てみますと、ことし八月一日現在で浜町児童館で十六名、佃児童館で三十八名、勝どき児童館で三十二名の待機者が発生しています。逆に、昨年末オープンした晴海児童館は、定員八十名に対し、現在の在籍者は二十三名で、かなりの余裕があります。

 ここで、待機児童の受け皿として、選択肢の一つとなっているのが、教育委員会が主管しているプレディです。プレディは、本来、文部科学省の放課後子ども教室推進事業としてスタートしました。現在、国は、子供が犠牲となる犯罪、事件が相次いで発生し社会問題化したことや、子供を取り巻く家庭や地域の教育力の低下が指摘されることで、この文科省が進めていた放課後子ども教室推進事業と厚生労働省の放課後児童健全育成推進事業、いわゆる学童クラブといった放課後対策事業を、一体的あるいは連携して実施することを目標にしています。これが放課後子どもプランで、平成十九年度スタートしました。

 この取り組みについて、幾つかの自治体を見てまいりました。

 まず、御紹介したいのは、放課後子どもプランのモデルにもなったと言われている江戸川区のすくすくスクール。

 このすくすくスクールは、放課後の学校施設を有効に活用し、地域、学校、保護者の連携により、多くの大人との交流やさまざまな体験を通して子供たちの豊かな人間性を育むことが目的で、全児童対策に学童クラブ機能を包括する、いわゆる統合型です。平成十五年度モデル校として一校から始まり、十六年度に三十九校、十七年度には江戸川区内七十三小学校の全校で実施しています。一年生から六年生まで参加でき、現在の登録率はおよそ六五%、このうち放課後留守になる家庭の児童は、学童クラブ登録とし、出欠の確認をします。また、活動時間は午後五時までですが、学童クラブ登録の児童は午後六時まで延長することができます。登録料は、学童クラブ登録は育成料として月四千円、その他の子供たちは無料。ただし、子供たちは登録の違いに関係なく、全く同じ環境で時間を過ごします。すくすくスクールの特徴は、教育委員会が主導し、教育長、学校長のもと、学校が全面的に協力していること。すくすくスクールの専用ルームはもちろんのこと、図書館、体育館、運動場などで、子供たちは思い思いの時間を過ごしています。

 もう一つの特徴は、サポートセンターの充実です。元PTAの方、町会、シニアクラブなど、地域の方がサポーターとして、ボランティアで積極的に活動なさっています。この仕組みは、学校地域支援本部としての機能が今後期待されています。

 ちなみに、運営は全て区が行っており、民間への指定管理、業務委託は行っておりません。

 次に、お隣、江東区です。

 江東区では、併設型として、過渡期として、従来の学童保育事業を残しながらも、基本的に放課後きっずクラブ、登録はA登録の全児童対策、B登録の学童クラブ登録の二種類があり、平成三十一年度、完全統合を目指しています。現在、区内四十四校中、二十一校がこの放課後きっずクラブを実施しています。放課後きっずクラブは、A登録、B登録ともに教育委員会の所管ですので、学校施設、図書館や体育館の利用など、学校との連携がうまくいっているようです。

 そこで、お尋ねします。

 小学校六年生までの児童を対象とした区の学童クラブに対する基本的考えを伺います。

 また、現在の学童クラブ待機児童解消のため、どのような対策をお考えでしょうか。お聞かせください。

 折しも、平成二十七年度、子ども・子育て支援新制度開始に向けて、中央区でも子ども・子育て会議の第一回会合が八月二十八日、開催されました。子供に関係するサービスや事業は、私たちに最も身近なことであり、個々の価値観にも大きく影響します。だからこそ、行政から一方的に与えられるのではなく、現在子育て中の当事者の意見を反映した制度設計が求められます。中央区の子ども・子育て会議メンバー十九名にも、学識経験者、医療関係団体、保育・教育関係者とともに、子育て当事者として公募で選ばれた三名の区民が含まれていることは、期待できます。

 今後、五回の会議を経て、中央区の子ども・子育て支援事業計画が策定されますが、この中で、幼児期の学校教育、保育、地域の子育て支援について、区が定める区域、月島、京橋、日本橋の各地域ごとに量の見込み、確保の内容、実施時期を明示する必要があります。基本的には、地域子ども・子育て支媛事業には、いわゆる学童クラブは含まれていますが、全児童対策としての放課後子ども教室、中央区におけるプレディは含まれていません。

 しかし、先日の中央区子ども・子育て会議で配布された資料によりますと、実施中の子ども・子育て支援事業としてプレディが明記され、小学生の保護者を対象とした利用希望把握調査調査票の中では、放課後の過ごし方の選択肢に学童クラブとともにプレディが挙げられています。

 そこで、教育長にお尋ねします。

 子ども・子育て支援事業計画の中で、プレディをどのように位置づけていくのか、考えをお聞かせください。

 次に、学童クラブの保育料についてお尋ねします。

 厚生労働省の放課後児童クラブ基準に関する検討委員会の資料によると、学童クラブの運営費は、おおむね二分の一を保護者負担で賄うことを想定。残りの二分の一を三等分し、それぞれ国・都道府県・市町村が負担することが想定されています。実際、国の予算としても、今年度三百十五億八千万円が計上されています。

 今年度、学童クラブの保育料値上げを実施した文京区では、行財政改革に取り組む中で、受益者負担を明確に打ち出しています。受益者負担とは、特定のサービスを利用し、利益を受ける場合には受益者としてコストの一部を負担していただくという考え方です。保育料、施設の使用料、講座・行事等の参加費などがあります。

 文京区では、まず行政サービスを公共的か市場的か、選択的か必需的かの観点から四つに分類。学童クラブは、市場的で必需的、つまり民間でも提供しているサービスだが、住民に必要とされている社会保障的要素を含むサービスに分類され、利用者負担は二五~五○%となっています。そこで、負担割合を二五%として試算すると、負担金は月額一万二千六百円となります。昨年六月、まず区は一万円への値上げ案を提示、その後、区議会や住民説明会で時間をかけて話し合われた結果、三年かけて七千円に値上げする修正案が示され、議会で可決されました。この結果、今年度より五千円、二十六年度に六千円、二十七年度には七千円に値上げされます。

 二十三区内、各学童クラブの保育料を調べたところ、その多くが月四千円から七千円の保育料を徴収していますが、中央区は、港区とともに保育料を徴収していません。

 そこで、お尋ねします。

 今後の学童クラブ保育料に対する区の考え、今後の予定をお聞かせください。

 さて、二○二○年オリンピック・パラリンピックの開催都市が東京に決定しました。選手村晴海を抱える中央区にも、多くの選手、関係者、そしてオリンピック観戦者を含む観光客が世界中から訪れることになります。

 国では、観光を新成長戦略の一つに据え、平成十九年に施行された観光立国推進基本法の規定に基づき、観光立国推進基本計画が平成二十四年、閣議決定しました。平成二十八年度までの五年間の目標として、国内における旅行消費額三十兆円、訪日外国人旅行客千八百万人を掲げ、観光庁が主導的役割を果たす主な施策として、大都市における観光の推進、複数地域間の広域連携、新たな観光地域づくりのモデルとなる先進的取り組み、観光分野における人材の育成、そして観光地域のブランド化を掲げています。

 中央区には、銀座、築地、日本橋といった世界的ブランドが既に存在しますが、このブランド力に頼ることなく、区としての観光戦略が必要です。そこで、観光庁が掲げている施策と照らし合わせながら、区の観光戦略について伺ってまいります。

 中央区では、平成十七年、中央区基本計画二○○五において観光施策の方向性、平成二十年、中央区基本計画二○○八で区としての観光施策を体系的にまとめました。さらに、中央区観光協会は、「ほんもの」を「楽しむ」まちをコンセプトに、平成十八年、中央区観光振興戦略を策定、二十一年から中央区観光検定を実施し、検定の成績優秀者を観光協会特派員として情報発信、ボランティアガイドをお願いするなど、人材育成を行うとともに、観光施策の裾野を広げています。

 そして、中央区観光振興ビジョンの策定です。東京スカイツリーの開業や羽田空港の国際線強化など、中央区を取り巻く観光施策が活発になる中で、歴史と文化に根差し、築き上げられた都市の魅力を最大限に発揮する都市観光をコンセプトに、昨年、観光振興ビジョン二○一二として策定されました。

 まずは、複数地域間の広域連携についてです。

 折しも、墨田区にスカイツリーが開業し、東京都とその周辺区である中央、台東、墨田、江東四区による隅田川ルネサンスという新しい取り組みが始まりました。中央区も、観光協会会長、区民部長、環境土木部長が隅田川ルネサンス推進協議会委員として名を連ねています。かつて全国の人々が憧れ、江戸の華であった隅田川のにぎわいを現代に生まれ変わらせ、新たな水と緑の都市文化を未来につなぐとうたっています。

 中央区も、川と運河に囲まれ、その面積のおよそ一八%をも占める水辺の開発には力を入れています。まずは、昨年夏、新聞社が主催して、東京都とこの四区による隅田川サミットが開催されました。まさに、広域連携観光の実現のために継続的な開催が期待されましたが、残念ながら、その後、開催の予定はないようです。中央区を除く台東、墨田、江東三区は、その後、新しい空とにぎわいのまちをキャッチフレーズに、合同でパンフレットを作成するなど、三区の最新観光情報を共同発信していますが、ここに中央区は加わっていません。さらに、墨田区と台東区は、隅田川ルネサンス推進事業として、毎年五月、隅田川テラスを会場におよそ十万個の太陽光蓄電LEDを隅田川に放流し、幻想的な光の世界をつくり出す東京ホタルフェスティバルを開催し、初夏の風物詩となっています。

 そこで、お尋ねします。

 中央、台東、墨田、江東四区によるスカイツリーと水辺を活用した取り組み、隅田川ルネサンスは、その後どうなっているのでしょうか。これまでの実績と、これからの予定についてもお答えください。

 また、広域連携という意味では、千代田区長の主導で、中央、港、新宿の都心四区の連携協議も始められ、第二回会合も十月に予定されているようです。この中央、千代田、港、新宿、都心四区の観光施策での連携についても、進行状況、今後の取り組みをお知らせください。

 次に、インターネットの活用についてです。

 昨年、IMF国際通貨基金・世界銀行総会開催を契機に、まちを訪れた人が無料でインターネットを利用できる無線LAN、Wi-Fiの整備が進められました。昨年九月三十日の利用開始時には、銀座地区での整備範囲は一丁目から八丁目までの銀座通り沿いのみで、観光客には不十分なスタートでしたが、その後の委員会で質問した際、この範囲を点から線へ、線から面へ広げていくという御回答でした。

 最近は、銀座でスマホやタブレットを片手に、地図でお店やレストランを検索したり、検索しておいた欲しいものを店員に見せて買い物している外国人観光客の方をよく見かけます。このようなニーズに応えるため、区は多言語による海外の方専用サイト、「Visit Mid Tokyo」の開設を予定しています。さらに、このサイトでは、外国人特派員による英語、中国語、韓国語、それぞれの言語での身近な情報発信で外国人観光客へ中央区を積極的にアピールしていくことが期待されています。

 そこで、お尋ねします。

 現在、中央区における無料Wi‐Fiの整備は、どこまで進んでいるのでしょうか。

 この「Visit Mid Tokyo」というドメインは、既に取得されているようですが、せっかく取得したこのドメイン、現在どのように活用されているのでしょうか。また、今後の「Visit Mid Tokyo」の運営は、誰が、どのように行っていくのか、具体的にお聞かせください。

 次に、国際的に情報発信するための各種団体の活用についてです。

 区は、JNTO、日本政府観光局の会員です。JNTOは、ソウル、北京、香港、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルスなど、主要な訪日旅行市場十三都市に海外事務所を設置しており、各事務所は訪日旅行の促進にかかわる日本の現地事務所として、旅行会社やメディアとの日常的な連携、現地市場のマーケティング、情報の収集・分析等を行うとともに、現地の消費者に対する情報発信も実施しています。また、JNTOの海外事務所では、海外の訪日旅行マーケットに関する市場動向の情報提供、現地関係者とのコーディネートなども行ってくれるとともに、こちらからの情報提供があれば、それをJNTOのホームページで公開してくれるなど、情報発信の有力な機会となります。

 また、中央区及び中央区観光協会は、東京観光財団の賛助会員でもあります。東京観光財団は、海外からの旅行者の誘致、ビジネスイベントの誘致、地域の観光振興、観光情報の発信、賛助会員の交流などの事業を推進しています。東京都の観光公式サイト「GO TOKYO」の運営もしており、これから東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、協力が期待できます。

 そこで、お尋ねします。

 JNTOは、どの程度活用していますか。情報提供の頻度など、具体的にお答えください。また、東京観光財団はいかがでしょうか。同じく、活用方法とオリンピック・パラリンピック開催に向けた協力体制についてお答えください。

 さて、昨年策定された中央区観光振興ビジョンに掲げる施策を推進し、実現していく場として期待されるのが、京橋二丁目に整備が予定されている中央区観光拠点です。観光振興ビジョンの中でも、民の力を生かし、官との連携を促す。そのため、この中央区観光拠点は、独自に活動するのではなく、多種多様な観光の担い手が相互に連携、協働し合いながら、中央区の新しい魅力を創造・発信していくなど、まちを訪れる人と区民、ボランティア、NPO団体、事業者、商店街、そして区のまさに中央、中心に位置するのが、この中央区観光拠点なのです。

 平成二十八年度の開設が待たれるところですが、それまでの期間、観光振興ビジョンに盛り込まれている施策を推進するべく、昨年四月開設、設置されたのが都市観光ステーションです。設置時の区の説明でも、これまで区役所七階で業務を行ってきた中央区観光協会が京橋プラザへ移転することで、同協会の活動環境を整備するとともに、区と観光協会を中心に、区民、事業者、関係団体などと連携する場を確保することで幅広い観光振興の施策に取り組みながら、都市観光の実現を図る。平成二十八年度に設置が予定されている中央区観光拠点につなげるものであると明記してあります。

 そこで、お尋ねします。

 平成二十八年度開設の中央区観光拠点は、どこが主体となって運営することになるのでしようか。中央区の観光行政という観点から、お答えください。

 現在、都市観光ステーションと観光協会及び商工観光課の協力体制は、どのようにとられているのでしょうか。十分な意思の疎通は図られているのでしょうか。また、観光振興ビジョンの推進・実現に向けて、この都市観光ステーションは現在、どのような役割を果たしているのでしょうか。これまでに実現した施策、実績があれば、それも含めてお答えください。

 先日、都市観光推進協議会二回目の会合が開催されました。都市観光ステーション、観光協会、区の商工観光課、都市観光推進協議会、これらの連携はうまくいっているのでしょうか。中央区観光振興ビジョンの推進は、現在、どこが主導しているのでしょうか。明確にお答えください。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 青木かの議員の御質問に順次お答えいたします。

 まず初めに、小学校六年生までを対象とした学童クラブに対する基本的考え方についてであります。

 本区の学童クラブは、児童福祉法における放課後児童健全育成事業として、小学校四年生までを対象とし、さらに障害があるお子さんに対しては六年生までお預かりするなど、国の基準を上回る対象設定として実施してまいりました。今回の対象拡大は、子ども・子育て支援新制度の実施に当たり、学童クラブについては、就学前の保育から切れ目のないサービス利用が可能となるよう、質の確保を図りながら、低学年を中心としつつも、小学校全期を対象として量的拡大を図っていくことが重要であるとの考え方に基づき行われたものと認識しており、本区におきましても、法改正の趣旨を踏まえ、適切に対応してまいります。

 次に、学童クラブ待機児童解消のための対策についてであります。

 近年の急激な児童人口の増加に伴い、学童クラブの待機児童も増加傾向にあることから、保育園と同様に、待機児童対策は急務であり、区の重要課題の一つと考えております。本区では、これまで児童館の新設や改築・改修にあわせて学童クラブ数の増を図るとともに、各児童館において施設規模を最大限に活用した定員の弾力的な運用を行うなど、定員の拡大に努めてまいりました。待機児童の現在の状況を見ますと、佃・勝どきの学童クラブにおいて多くの待機児童がいる一方で、月島学童クラブには待機児童はおらず、晴海学童クラブにおいてはあきがあるというように、地域によってニーズが大きく異なっております。したがいまして、こうした地域バランスに配慮しながら、引き続きさまざまな機会を捉えてスペースの確保を図るとともに、今後、小学校全学年を対象とした放課後児童健全育成事業も視野に入れ、プレディとの連携を進め、待機児童対策に努めてまいります。

 次に、学童クラブの保育料に対する区の考え方についてであります。

 学童クラブは、保護者の就労などで放課後に家庭で養育できないお子様をお預かりし、安全な環境のもと、健やかな成長を見守りつつ、年齢を超えた集団生活を通して社会的なルールを学ぶ場であります。本区においては、学童クラブ事業を児童館における青少年の健全育成事業として実施していることから、無料で行ってまいりました。今後、学童クラブ事業につきましては、平成二十七年度創設予定の子ども・子育て支援新制度において、地域子ども・子育て支援事業と位置づけられ、対象年齢が拡大されるとともに、設備や運営に関する基準を区が定めることになるなど、その仕組みが大きく変更となりますが、基準の詳細等については、いまだ示されておりません。本区といたしましては、国における検討状況を注視しつつ、中央区子ども・子育て会議における議論を踏まえながら、事業の組み立てや仕組みづくりを行っていくこととなりますので、費用徴収につきましても、その中であわせて検討してまいります。

 次に、観光行政についてであります。

 初めに、隅田川ルネサンスについてであります。

 隅田川を中心とした水辺のにぎわい創出を図るこの協議会では、参加団体間の情報共有のほか、ホームページの開設やロゴマーク作成などのPR活動を行ってまいりました。今後は、地域主体の取り組みを促進するため、船上サービスの充実や川沿いにおける飲食事業などの社会実験を行っていく予定であります。

 次に、都心四区の連携についてであります。

 四区が連携して都心ならではの観光資源の魅力を引き出し、スケールメリットを生かした観光を推進するため、本年六月に連絡会議を設立いたしました。第一回会議では、各区の観光の取り組みについて情報交換を行ったところであります。今後、回遊性を高める施策や相互連携などの検討を行うこととしております。

 次に、無料Wi‐Fiについてであります。

 現在、区が把握しているものとしては、銀座通り沿道とソニービル、歌舞伎座、日本橋三井タワー、横山町問屋街で導入されており、今年度、晴海通り沿いなどに整備される予定であります。このほか、ホテルや駅、飲食店などにも数多く整備されているものと認識しております。外国人旅行客に向けた本区の観光ウェブサイト「Visit Mid Tokyo」については、このサイトから情報を発信する外国人観光特派員の検討を行っているところであり、サイトの運営や内容については未定であります。

 次に、日本政府観光局と東京観光財団の活用についてであります。

 両団体に加盟後、区や地域が行う各種のイベント情報を提供し、国内外に発信してもらうとともに、日本政府観光局の海外事務所に観光ガイドマップを配置しております。オリンピックにかかわる協力体制については、今後協議してまいります。

 次に、計画中の観光拠点についてであります。

 この施設は、観光案内のほか、本区の魅力を創造・発信する拠点として整備を目指しております。現在、機能やサービス内容を検討しており、民間の力を活用し、効果的で効率的な運営を行ってまいりたいと考えております。

 次に、都市観光ステーションについてであります。

 このステーションは、観光振興ビジョンで掲げた都市観光を推進していくための拠点として、計画中の観光拠点に先駆け、設置したものであります。ここでは、区と観光協会の職員が協力し合いながら観光案内を行うとともに、ビジョンで計画した施策の具体化を進めており、これまで舟運とまち歩きを組み合わせたツアーの実施や外国人特派員プロジェクトの検討、観光拠点の整備検討などに取り組んでおります。ビジョンについては、区の責任のもと、観光協会や地域の皆様の協力を得て、推進してまいります。そのため、観光にかかわる各分野の方々に御参加いただいた都市観光推進協議会において、進捗状況の点検と新たな事業の展開を協議していただいているところであります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 齊藤 進君登壇〕

○教育長(齊藤 進君)
 教育問題についてお答えいたします。

 プレディについてであります。

 プレディは、保護者や地域の協力のもと、小学校児童が放課後などに安全・安心に過ごせる子供の居場所を、学校施設を活用して提供する教育委員会事業であります。本区では、平成十七年度から順次開設し、現在、中央小学校の放課後子ども広場を含め、十校で実施しています。開設校の拡大とともに、参加児童は増加しており、平成二十四年度には延べ十万人を超えております。プレディは、同じ小学生を対象とすることから、子ども・子育て支援法上の法定事業である学童クラブと密接な関連性を有するものと認識しております。今後、本年八月に設置された中央区子ども・子育て会議において、支援事業計画におけるプレディの位置づけも含め、多様な子ども・子育てに関する支援策の検討が進められるものと存じます。教育委員会といたしましては、これらの検討を踏まえ、学童クラブとの連携を深めながら、プレディの機能を子育て支援にも最大限生かせるよう事業内容の充実を図り、地域とともに児童の健全育成を推進してまいります。

 答弁は以上です。

〔十六番 青木かの議員登壇〕

○十六番(青木かの議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 まず、学童クラブのほうです。

 私自身も、子育てを振り返ってみますと、まさにエンゼルプランとともに歩んできた。当時はまだ子育て支援という言葉も余り一般的ではなかった中で、やはり少子高齢化が進み、女性の社会進出が進む中で、家庭だけに任せるのではなく、社会が、そして国が支援していくという試みがちょうどできてきたときでした。

 その後、いろいろと名前も変わりました。エンゼルプランから子ども・子育て新システム、それから今回、子ども・子育て支援新制度ということで、ずっと来ているわけですが、何といっても今回の新制度、大きな特徴は、子育て支援の地域主権、地方分権ということで、まさに子育て支援というのは大変地域に根差した、地域ニーズが多様であるという政策です。この中で、やはり事業計画を各地方自治体、この地におきましては中央区がつくることができるという上で、大変期待できる制度です。

 私も、先日、中央区版子ども・子育て会議第一回を傍聴させていただきましたが、選ばれた区民の代表の方、そして現在子育て中の方三名、大変積極的に加わっていらっしゃいまして、大変期待できるところです。

 今回、私が特に取り上げました学童クラブ問題、最初に述べましたように、待機児童に関しましては、ある程度解消のめどが見えたという中で、次、働く保護者の方が心配になってくるのが、やはり小一の壁、学童クラブの待機なんですね。その中で実際に待機児童が発生しているという中で、取り上げました。

 これまで中央区は児童館を中心に行うという実績があったわけですが、今後の児童数の増加を考えますと、やはり児童館だけでは質、量ともに賄えない現状が出てくるかもしれません。そこで、きょうの答弁にも何度も出てきました二十七年の子ども・子育て新制度に向けまして、やはりプレディを活用していく、あるいはこれまでの意向として民間学童という区の意向も出てきたようです。まさに、この基準も区がつくっていくわけですから、この基準のつくり方によっては、民間学童も可能になる。民間活力の導入ということですね。民間学童の導入も視野に入れまして、福祉保健部と教育委員会、一体となった学童対策もとっていただきたい、二十七年新制度に向けて、しっかりとした事業計画をつくっていただきたいと思います。

 観光戦略のほうです。

 それぞれの隅田川ルネサンスあるいは都心区の四区広域連携、これからどんどん進んでいくようです。

 先日、一つの例として太陽のマルシェ、これも隅田川ルネサンスの一つの中央区が後援した事業のようですが、本当にたくさんの方が集まっていまして、これも水辺の活用として大変期待できる行事だと思います。

 今回、観光行政あるいは観光戦略と言いかえていいと思います。東京オリンピック・パラリンピックも決まりまして、まさにブランド力ではない、一体となった観光戦略が必要であるという中で、昨年策定されました観光振興ビジョン二○一二、何度も読みました。内容は大変すばらしいんです。本当にすばらしい。ただし、ビジョンは、つくるだけではだめなんです。もちろん、これから一つ一つ実現させていかなくてはならない。東京オリンピックという一つの目標もできました。その中で、実現に向けた戦略が見えてこないんです。

 二十八年、ちょっと延びまして二十九年一月になるということですが、京橋に開設予定の観光拠点、どこがリーダーシップをとるのかということです。現在は観光ステーションや観光協会、商工観光課があります。

 都市観光推進協議会につきましても、私、一回目から傍聴させていただきましたが、まさに委員の皆さんが、ビジョンが見えてこない、具体的な戦略が見えてこない、区のリーダーシップが見えてこないということを多くの委員の方がおっしゃっていました。私もそのとおりだと思いました。まずは、観光拠点、平成二十九年一月、すぐにやってきます。オリンピック東京、二○二○年というのは平成三十二年ですね。すぐにやってきます。その中で、すぐにでも区がリーダーシップをとって進めていただきたい。

 きょう私が取り上げました観光ステーション、「Visit Mid Tokyo」というドメイン、これを既に中央区が持っているんです。そして、JNTO、東京観光財団も既に会員になっている。情報発信の場は既に整っていると言うことができます。これからは戦略、その一つが世界に向けた情報発信になってくると思います。やはり外国語でアップデートできる、その場で情報発信できるスタッフを常駐させながら、この観光戦略を実現していくということも重要だと思います。

 中央区は、教育の中央区であり、子育て支援の中央区であり、そして観光の中央区でもあります。区長にはぜひ最先端の観光戦略を示していただき、今後の中央区、また明るい未来へ導いていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。(拍手)


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後五時三十四分 休憩


午後五時五十分 開議

○議長(原田賢一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。二番山本理恵議員。

二番 山本理恵議員登壇

○二番(山本理恵議員)
 無所属の山本理恵です。平成二十五年中央区議会第三回定例会の一般質問を、さきの質問通告に沿って行なわせていただきます。区長並びに各理事者の方々には誠意ある御答弁をお願い申し上げ、質問に入らせていただきます。御答弁によりましては、再質問を留保させていただきます。

 日本では、少子高齢化による人口構成の変化が大きな社会問題になっています。内閣府の高齢社会白書の一節、高齢化の状況では、平成七十二年に二・五人に一人が六十五歳以上、四人に一人が七十五歳以上になると推測しています。また、現在の日本人の平均寿命は約五年延び、女性の平均寿命は九十歳を超えると発表しています。今後も、さらなる医学の進歩や食生活の改善等で死亡率が低下し、これに伴い、平均寿命が伸びることが予測されています。人生を九十年に設定し、人生の長期化を前提とした、さまざまな対応が不可欠になります。

 特に、加齢に伴い発症する認知症は、現在にも増して大きな社会問題となることが予想できます。平成二十四年度厚生労働省の研究班の調査では、全国六十五歳以上の高齢者のうち、認知症の人は一五%に当たる約四百六十二万人に上ると示されています。認知症発症率は、七十四歳までは一○%以下、八十五歳以上で四人に一人と言われています。また、認知症になる可能性がある軽度認知障害の高齢者も約四百万人いると推計されており、六十五歳以上の四人に一人が認知症とその予備群となる計算です。

 一方、厚生労働省の平成二十四年度介護保険のデータでは、認知症高齢者は約三百五万人とされています。この数字から、要介護認定を受けていない認知症高齢者が約百五十万人以上いる計算になります。

 本区では、平成二十五年四月時点での介護保険制度における要介護者、要支援者の認定者は四千十七人で、第一号被保険者二万千百九十五人の約一九%を占めています。認定割合は微増傾向にあり、全国平均及び東京二十三区の平均を上回った伸びを示しており、介護サービス利用者は、この十年で約一・六倍に増加しました。また、第三次保健医療福祉計画では、介護認定を受けた在宅の認知症高齢者は千三百九十三人とされています。これは介護認定を受けた方に限った数であり、予備群まで含めれば、実際にはかなりの数に上ると考えられます。

 区は、認知症高齢者等の実数と生活実態をできる限り正確に把握することに努め、認知症の方とその家族が安心して地域でいつまでも暮らしていけるよう、適切な支援体制を構築していくことが大切です。

 そこで、認知症に対する施策について三点お尋ねいたします。

 まず、認知症サポーター養成講座についてお伺いいたします。

 認知症サポーターは、認知症の方のよき理解者として、地域の中で認知症の方を見守り、支える役割が期待されています。おとしより相談センターでは、専門知識を持った保健師、社会福祉士、ケアマネジャーなどによる認知症サポーター出前講座を実施しています。携わっている方々の御努力に敬意を表しますが、私は、認知症への理解をさらに進めていく必要があると感じています。

 現在の講座では、認知症に対する基礎的な知識や対応方法などが主な内容になっています。これに加えて、地域で認知症を支えるリーダーの役割を果たせるような内容も講座に盛り込むべきであると考えますが、区の御見解をお聞かせください。

 次に、認知症の早期発見について伺います。

 判断能力の低下には個人差があります。軽度の認知症の場合は、ごみ出し日を間違える、お金の支払いがお札でしかできないなどといった行動があらわれます。このようなささいな症状では、周囲が認知症に気づかないケースがほとんどです。区の健康診査等にあわせて行っている生活機能評価では、平成二十四年度、受診率が四八・三%にとまっています。生活機能の低下を早期に把握するためにも、受診率の向上が必要です。

 あわせて、いきいき館やおとしより相談センターなどでの取り組みも強化していくことも大切と考えますが、現状に対する所見と今後の対応について見解をお聞かせください。

 次に、介護者のための支援についてお伺いいたします。

 いつの時代でも、年をとった親を心配しない子供はいません。そして、親にとって子供が心の支えとなっていると思います。親の介護に当たる家族は、周囲などに協力を求めることを逡巡し、悩みを抱え込んでしまう傾向があります。

 そこで、在宅介護者が孤立することがないよう、支援の必要性が出てきます。現在、区が委託する三カ所のおとしより相談センターでは、地域ごとに介護者支援の事業展開がなされ、センターによっては、講座参加者同士の交流や介護者の息抜きの場を設けています。区においても、社会福祉協議会に委託して、年六回介護者交流会を開催しています。こうした取り組みは評価いたしますが、今後は在宅で介護する家族を社会的に評価し、その心に寄り添い、少しでも長く家庭で介護が続けられるように、介護者のための支援を充実していくべきであると感じています。介護者の目線に立った公的支援策の発展が重要であると考えますが、本区の現状とお考えをお聞かせください。

 次に、成年後見制度についてお尋ねいたします。

 厚生労働省の資料によると、認知症高齢者の日常生活自立度の判定基準九段階のうち、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できるとする判定基準Ⅱ以上の人数は、平成二十二年で二百八万人、十五年後の平成三十七年では三百二十三万人と、一・六倍に増加することが見込まれており、成年後見制度の重要性、必要性は一層高まってきます。

 戦後の日本の再建と発展を担い、子や孫の世代である私たちを育ててくれた方々が、最後まで地域でいつまでもその人らしく生きてもらいたいと思うのは私だけではないと思います。そのためには、制度利用の有無にかかわらず、早い段階で成年後見制度を正しく理解し、本人の判断能力があるうちに家族で話し合い、財産管理や身上監護について構図を描いていくことが大切です。

 中央区社会福祉協議会のすてっぷ中央では、成年後見支援事業を区の補助を受けて実施しており、平成二十四年度の相談件数は千百八十六件、後見人候補者の紹介が二十二件、書類の作成支援や家庭裁判所への職員の同行といった申立支援が二十一件となっています。区は、本区における今後の成年後見に対するニーズをどのように見込んでおられるのか、お伺いいたします。

 次に、区長申し立てと成年後見助成事業についてお伺いいたします。

 制度を利用したくとも、身寄りや頼れる人が誰もいないといった場合は、区長が申立人として審判請求ができる制度が設けられています。また、後見報酬等の費用の負担が困難な方に対して、助成制度も設けられていますが、ここ数年間での利用は、いずれも数件にとまっています。こうした結果は、周知が十分に行き渡っていないことにあると考えますが、区のお考えをお聞かせください。

 次に、後見人の監督について伺います。

 後見人による財産の使い込みや横領が大きな問題となっています。最近では、後見人である弁護士が四千万円を超える被後見人の財産を着服したニュースがありました。昨年一年間で成年後見の着服被害は全国で五百七十五件、四十五億七千万円に上るという報道もありました。

 成年後見人は、財産管理報告を定期的に家庭裁判所に報告する義務がありますが、現状ではこの制度が不正防止に十分な効果を果たしているとは言えない状況にあります。不正防止に向けて一層の対策強化が必要と考えますが、御見解をお聞かせください。

 次に、市民後見人の養成についてお伺いいたします。

 今後の成年後見ニーズの高まりを踏まえ、国は平成二十四年度に老人福祉法を改正し、区市町村が主体となって市民後見人を育成し、活用していくことが定められました。この内容は、研修の実施、適任者の家庭裁判所への推薦、専門職による支援体制の構築などとなっています。既に、江東区、墨田区などでは市民後見人養成のための研修を開始していますが、本区の状況についてお知らせください。

 最後に、普及啓発について伺います。

 成年後見制度は、平成十二年の制度施行から十三年目を迎えました。成年後見という言葉自体は、かなり普及してきたものと思われます。しかし、その内容を正しく理解し、適切に利用できていれば、消費者被害なども防げ、より安心で心穏やかな生活が送れているのではないかという例も幾つか目にしております。仕組みの理解や手続が面倒ではないかといった不安を払拭し、必要な方が必要なときにきちんと使える制度としていかなければなりません。そのためには、区民を初めとして、区内の介護施設職員や区職員も含めて普及啓発を展開すべきと考えますが、今後の活動についての見解をお聞かせください。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 山本理恵議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、認知症に対する施策についてであります。

 本区では、認知症やサポート電話等、区の取り組みに対する理解を進めるため、平成十八年から認知症サポーター養成講座を実施し、昨年度までに三千三百六十一名が受講しております。また、昨年度からは認知症サポーターステップアップ研修を新たに始めました。この研修は、養成講座を修了し、さらなる活動を希望された方々を対象に、知識の習得だけでなく具体的な活動のヒントを得ることを目的として実施しております。昨年度は三十三名が参加し、この方々の働きにより、新たな地域での認知症サポーター養成講座が開催されております。今後は、この研修を拡充し、区民による認知症の方々を支援する輪が広がるよう努めてまいります。

 次に、認知症の早期発見についてであります。

 本区では、健康診査にあわせて認知機能等の生活機能評価を実施しております。さらに、御本人や家族が認知機能の低下に気づけるよう、全高齢者世帯に配布している高齢者福祉事業のしおりに生活機能のチェックリストを掲載し、自己チェックを呼びかけております。また、認知症は、日ごろ接する機会の中で近隣の方が気づくことが多いものであります。このため、初期症状をわかりやすく説明したパンフレット等を作成し、民生委員や地域の見守り団体に配布し、気になる方の相談や情報提供をお願いしております。生活機能評価は、現在、任意実施となっているため、他の地域との比較は一概にできない状況となっておりますが、今後とも医師会と連携して生活機能評価の受診率向上に努めるとともに、おとしより相談センターやいきいき館等において認知症の早期発見に努めてまいります。

 次に、介護者支援についてであります。

 在宅介護は、介護者の心身の負担が大きくなることが懸念され、負担軽減は大変重要なことであると考えております。本区では、ショートステイの増床等に取り組むほか、三カ月まで宿泊利用できるミドルステイや食事券等を支給する介護者慰労事業等を実施しております。さらに、おとしより相談センターでは、介護者の息抜きの場であるピアサロンの開設や、社会福祉協議会が行う介護者交流会へ参加して助言するなど、介護者の孤立防止や負担の軽減にも取り組んでおります。また、民生委員や地域の方、ケアマネジャー等に情報提供を求め、負担が過大となっているおそれがある場合には地域ケア会議を開催し、適切な支援につなげております。今後も、介護者の心に寄り添いながら、負担軽減に取り組んでまいります。

 次に、成年後見についてであります。

 初めに、今後の成年後見に対するニーズについてであります。

 本区においては、高齢者の比率は、九月一日現在で一六・二六%と、他区と比べて低くなっておりますが、高齢者の実数は年々増加を続けており、要支援・要介護認定者数も平成二十年度の約三千二百人から平成二十四年度の約四千人へと、二割増加しております。また、平成二十四年度の中央区社会福祉協議会のすてっぷ中央における成年後見に関する相談件数や候補者紹介件数は、平成二十年度と比較して二倍近く上昇しております。こうした傾向を踏まえると、本区における今後の成年後見に対するニーズは着実に高まっていくものと見込んでおります。

 次に、区長申し立てと成年後見助成事業についてであります。

 区内在住の成年後見が必要な方の中で、配偶者及び四親等以内の親族がいない方など、親族等による審判請求ができない方については、区長が家庭裁判所に対する審判請求の申し立てを行っております。本区では、これまでに平成十八年度に一件、平成二十二年度に三件の合計四件の区長申し立てを行っており、本年度も一件の申し立て手続を進めているところであります。また、区長申し立てを行った被後見人が生活保護を受けている場合や報酬を負担することが困難であると認められる場合などには、後見人報酬等の費用を助成しております。現在、区長申し立てを行った四件中一件について、助成を継続して行っているところであります。区長申し立てや費用助成には、対象者とする要件があるため、利用状況の評価は難しいものと考えますが、今後とも、必要な方に適切な支援ができるよう、中央区社会福祉協議会、介護施設、介護事業者等との連携強化を図ってまいります。

 次に、後見人の監督についてであります。

 後見人となった弁護士による被後見人の財産の横領などの事件が発生していることは、まことに残念なことであります。また、親族が後見人となった場合にも資産の使い込みなどの事例が少なくないとの報告もあり、安心して後見制度を利用するためには、後見人の活動をしっかりと監督する仕組みを確立することが重要であると考えております。現在、家庭裁判所による監督だけでなく、別に後見監督人を選任する審判も多くなっております。また、弁護士会や司法書士会では再発防止の取り組みを強化しており、被後見人の財産を信託銀行に預け、家庭裁判所の許可なしに引き出せない仕組みも導入されております。今後は、さまざまな機会を捉えて弁護士会や司法書士会に不正行為防止を申し入れるとともに、区が養成した市民後見人を推薦する場合は、監督人を中央区社会福祉協議会が行えるよう、体制の整備を図ってまいります。

 次に、市民後見人の養成についてであります。

 現在、本区では、中央区社会福祉協議会と連携し、市民後見人の養成に取り組んでおります。まず、市民後見人を目指す方には、東京都が実施している五日間の基礎講習を受講していただきます。基礎講習修了者は、後見活動メンバーとして中央区社会福祉協議会で権利擁護支援活動に携わり、約一年間、職員に同行して活動を体験した後に、登録生活支援員として単独で活動していただきます。市民後見人候補者は、この登録生活支援員の中から推薦することとなります。現在、後見活動メンバーは六人おりますが、うち三人が既に登録生活支援員となっております。新たな市民後見人の養成については、本年度も基礎講習への受講希望者を募集する予定となっております。また、市民後見人養成に向けた研修会については、本区単独での実施は予定しておりませんが、現在、各区との共同開催も含め、検討を進めているところであり、東京都社会福祉協議会とも連携し、研修体制を整備してまいります。

 次に、成年後見制度の普及・啓発についてであります。

 適切に成年後見制度を活用していただくためには、後見が必要な方や親族など周囲の方々、介護関係職員を初め、広く区民の皆さんに成年後見制度について正しく理解していただくことが必要であります。このため、ポスター、リーフレットなどによる制度自体の周知を初め、高齢者福祉事業のしおりや介護保険べんり帳などによる支援事業の紹介などを行っております。また、中央区社会福祉協議会のすてっぷ中央では、親族や福祉関係者向けの講座、区民向けの講演会、個別相談会などを開催するとともに、町会・自治会や高齢者クラブの集会、介護関係職員研修会などに担当職員が出向いて行う出前講座も実施し、幅広く普及・啓発を図っております。今後とも、こうした普及・啓発事業を継続して実施するとともに、誰もが気軽に相談できる窓口の充実などに努めてまいります。

 答弁は以上であります。

〔二番 山本理恵議員登壇〕

○二番(山本理恵議員)
 御答弁をありがとうございました。

 認知症や成年後見制度については、本格的な高齢社会の到来に向けて、より一層の充実と幅広い理解が必要です。

 これからの認知症に対する施策に関しては、在宅で介護に当たる家族を社会的に評価し、在宅介護者のための支援の充実が重要であると考えています。

 また、成年後見制度の普及については、各方面でさまざまな取り組みが進められていますが、利用支援事業は、全国的に見ると、サービス内容にばらつきがあります。

 本区においては、都心区の強みである専門職の集積や活発なNPO活動、さらには住民組織や商店街、交通機関など、地域の多様な資源を生かして、できる限りの取り組みをお願い申し上げ、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(原田賢一議員)
 以上をもって一般質問を終わります。


○議長(原田賢一議員)
 次に、日程第二及び日程第三を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第二及び日程第三を一括して議題といたします。

〔田野議会局長朗読〕


日程第二

 議案第五十六号 平成二十五年度中央区一般会計補正予算

日程第三

 議案第五十七号 平成二十五年度中央区介護保険事業会計補正予算


○議長(原田賢一議員)
 提案者の説明を願います。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第五十六号及び第五十七号、平成二十五年度本区各会計補正予算につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 今回の補正は、一般会計で八億二千五百七十七万九千円を、介護保険事業会計で二千八百九十八万円を、それぞれ増額するものであります。

 この結果、補正後の予算額は、一般会計は八百十二億八千三百九十七万一千円、介護保険事業会計は七十一億九百九十九万六千円となるものであります。

 初めに、一般会計補正予算の概要について御説明申し上げます。

 まず、歳入についてであります。

 国庫支出金は、社会資本整備総合交付金七千二百万円の計上です。

 都支出金は、保育所設置促進事業費補助金一億一千四百三十二万一千円、待機児童解消支援事業費補助金二億三千三百三十六万六千円並びに都市再生土地区画整理事業費補助金三千六百万円、合わせて三億八千三百六十八万七千円の計上です。

 繰入金は、まちづくり支援基金からの繰入金三千二百三十三万円の計上です。

 繰越金は、前年度からの繰越金一億六千七百七十六万二千円の計上です。

 諸収入は、大規模開発事業者からの協力金収入一億七千万円の計上です。

 次に、歳出について御説明申し上げます。

 総務費は、地方税法の改正に伴う住民情報システムの改修に要する経費七百七十五万七千円の計上です。

 民生費は、来年四月に開設を予定している私立認可保育所五カ所に対する開設準備経費補助四億四千三百五十二万四千円の計上です。

 土木建築費は、湊二丁目東地区における都市再生土地区画整理事業助成一億四千四百万円及び同地区におけるまちづくり支援事業三千二百三十三万円、公共工事費の高騰などに伴う工事費の増額として、十思公園の改修三百十六万八千円、築地場外市場地区先行営業施設の整備七百十万円、合わせて一億八千六百五十九万八千円の計上です。

 教育費は、来年度から予定している久松小学校増築工事に先立つ、プール先行解体等工事一千六百五十万円、公共工事費の高騰などに伴う工事費の増額として、(仮称)中央区生涯学習交流館 本の森ちゅうおうの整備百四十万円、合わせて一千七百九十万円の計上です。

 諸支出金は、歳入に計上した協力金収入を各種基金へ積み立てるための経費一億七千万円の計上です。

 なお、繰越明許費については、「十思公園の改修」の金額を変更いたします。

 また、債務負担行為については、「久松小学校の増築」及び「月島第二小学校の増築」の二項目を追加計上するとともに、「十思公園の改修」、「築地場外市場地区先行営業施設の整備」及び「(仮称)中央区生涯学習交流館 本の森ちゅうおうの整備」の三項目の限度額を変更いたします。

 次に、介護保険事業会計補正予算について御説明申し上げます。

 歳入は、前年度からの繰越金二千八百九十八万円の計上です。

 歳出の諸支出金は、前年度超過交付に伴う償還金二千八百九十八万円の計上です。

 以上、平成二十五年度本区各会計補正予算の概要について御説明申し上げました。

 よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について、動議を提出いたします。

 ただいま上程されております議案第五十六号及び議案第五十七号は、企画総務委員会に付託されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について、さらに動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、ただいま企画総務委員会に付託されました議案の審査の関係もありますので、明二十六日を休会とし、明後二十七日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十六日を休会とし、明後二十七日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

午後六時二十三分 散会


署名議員
議長 原田 賢一
議員 押田 まり子
議員 守本 利雄

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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