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平成25年 予算特別委員会(第2日 3月8日)

1.開会日時

平成25年3月8日(金)

午前11時 開会

午後4時58分 散会

2.開会場所

第一委員会室

3.出席者

(19人)

委員長 礒野 忠

副委員長 中島 賢治

委員 押田 まり子

委員 鈴木 久雄

委員 今野 弘美

委員 木村 克一

委員 染谷 眞人

委員 富永 一

委員 田中 広一

委員 堀田 弥生

委員 志村 孝美

委員 奥村 暁子

委員 田中 耕太郎

委員 青木 かの

委員 渡部 博年

委員 渡部 恵子

委員 山本 理恵

議長 石田 英朗

副議長 守本 利雄

4.説明者

別紙理事者一覧のとおり

5.議会局職員

田野議会局長

渡辺庶務係長

荻原議事係長

金田調査係長

長田書記

猫塚書記

武藤書記

渡邊書記

6.議題

  • 議案第1号 平成25年度中央区一般会計予算
  • 議案第2号 平成25年度中央区国民健康保険事業会計予算
  • 議案第3号 平成25年度中央区介護保険事業会計予算
  • 議案第4号 平成25年度中央区後期高齢者医療会計予算

(午前11時 開会)

○礒野委員長
 ただいまより予算特別委員会を開会いたします。よろしくお願いいたします。

 ここで、私より一言御挨拶申し上げます。

 (挨拶)

 次に、議長より御挨拶をお願いいたします。

○石田議長
 (挨拶)

○礒野委員長
 ありがとうございました。

 次に、区長より御挨拶をお願いいたします。

○矢田区長
 (挨拶)

○礒野委員長
 ありがとうございました。

 本特別委員会に付託を受けました議案の審査方法については、いかがいたしましょうか。

○今野委員
 まず、総括説明を受けた後、一般会計の歳入予算より質疑に入り、その後、一般会計の歳出予算について各款ごとに質疑を進め、公債費、諸支出金、予備費は一括質疑することとし、続いて国民健康保険事業会計歳入歳出予算、介護保険事業会計歳入歳出予算及び後期高齢者医療会計歳入歳出予算を一括質疑し、その後に総括質疑、態度表明を行うという順で審査を進めるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 ここで、委員各位に申し上げます。

 先ほどの代表者会において、お手元に配付いたしました「平成25年予算特別委員会確認事項」、「予算特別委員会における質問者の取扱いについて」及び「予算特別委員会委員長報告及び委員会記録の取扱いについて」がそれぞれ承認されました。

 資料にありますとおり、各款等の質疑に当たり、総括質疑を除いて質問者は1会派2人まで行うことができます。また、副委員長にあっても質疑を行うことができます。

 なお、これらを行う際は、あらかじめ私まで御連絡またはお申し出いただきたいと存じます。

 さらに、本委員会記録作成に当たり、記録反訳により調製を行いますので、細部の取り扱いにつきましては、お手元に配付いたしました資料を御参照ください。

 ここで、本委員会記録の署名委員2名を私より御指名申し上げます。渡部恵子委員並びに山本理恵委員にお願いいたします。

 また、各委員並びに各理事者の発言の際におかれましては、録音を行いますので、マイクのスイッチを忘れずにオンにしていただきたいと存じます。

 理事者におかれましては、答弁の際、挙手をし、職名を述べてから発言されるようお願いいたします。

 さらに、既に御承知のとおり、第3委員会室において音声による傍聴ができることとなっておりますので、申し添えます。

 続きまして、審査に当たり要求される資料については、遅くとも前の款の冒頭に申し入れてくださるようお願いいたします。

 なお、一般会計歳入及び議会費については、資料要求があれば、この際申し入れていただきたいと思います。

○志村委員
 162件の資料要求がありますので、よろしくお願いします。

〔議事係長、志村委員から資料を受け取り、総務部長並びに委員長に渡す〕

○田中(耕)委員
 私どもは40件の資料要求をさせていただきます。

〔議事係長、田中(耕)委員から資料を受け取り、総務部長並びに委員長に

渡す〕

○島田総務部長
 早速調製して提出させていただきますが、内容によりましては御相談させていただくこともあろうかと存じますので、そのときはよろしくお願い申し上げます。

○礒野委員長
 それでは、まず理事者から総括説明を願います。

○中島企画部長
 (説明)

○今野委員
 総括説明が終わりましたので、一般会計歳入の質疑に入るようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 一般会計歳入について、理事者説明を願います。

○中島企画部長
 (説明)

○今野委員
 ただいま一般会計歳入の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後1時に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後1時に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 なお、先ほどの資料要求の一覧につきましては、後ほど席上に配付いたしておきます。

 暫時休憩いたします。

(午前11時46分 休憩)


(午後1時 再開)

○礒野委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。

 なお、気温が大分上がっておりますので、暑い方は上着を脱いで結構です。

 資料要求がありました5点につきまして、席上に配付をいたしました。

 一般会計歳入について、質問者の発言を願います。

○木村委員
 それでは、平成25年度一般会計予算歳入について質問をさせていただきます。

 早いもので、私が議員になって2期6年が終わろうとしています。その間、予算特別委員会、決算特別委員会と、委員会に出させていただき、質問も何回もやらさせていただいているんですが、イの一番に質問をするということは今回初めてということで、線の細い私、またひ弱な私にとっては、緊張の余り指が震え、手が震え、体が震え、倒れてしまうかもしれませんが、そのときには各会派の皆様並びに議会局の皆様、AEDを御用意して、何かあったときにはよろしくお願いいたします。

 区長のように大柄な、どっしりと腰の据わった方が大勢の前で話す、これはもうなれていることだと思うんですが、私はこのような大勢の人の前で、大きな声でマイクを持って話すことには全くなれておりません。そのような私が質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、昨年度末、29年ぶりに12月衆議院選挙が行われました。3年3カ月ぶりに民主党から政権が交代され、自民党の安倍晋三総裁が首相に任命されました。2008年9月のリーマンショックから、また近年のギリシャをはじめとする欧州諸国の債務危機などによるデフレや景気悪化に伴い、長引く不景気の打開策として、安倍首相はすぐさま実質成長2%などを目標にしたアベノミクスを掲げ、3つの政策として大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を打ち上げました。

 東京都においても、石原都知事の衆議院選挙くらがえにより、新しく猪瀬都知事が誕生し、東京は日本の心臓であり、東京が日本を支えていくという力強いメッセージを予算に込め、国や民間を動かし、新たな東京モデルを発信していくと、先駆的な取り組みや都民の安全・安心を守る取り組みに財源を重点的に投入すると発表しました。

 そこで、お尋ねします。

 国・東京都は、それぞれ新しい首相、新しい都知事にかわります。そして、それぞれが新たな政策を打ち出しました。本区として、国・東京都に対するこのような政策の認識、そして今後の中央区の政策について、まずどのようにお考えになっているのかお聞かせください。お願いします。

○矢田区長
 どうも。本当に力強い堂々たる御質問であるわけでありますけれどもね。

 昨年、総選挙で安倍政権が誕生したわけでありますけれども、安倍さんも5年前に1度、安倍政権を経験したわけでありますが、失敗は成功のもとという言葉がありますけれども、発足以来、いろいろな金融財政政策、また成長戦略等々を打ち出しているわけでありまして、今のところ順調にいっているように思われるわけであります。

 しかし、これを地に足をつけたものにしていかなければならない、それが大きな課題であろう、こういうふうに思うわけでありますが、私としては大いに御期待しているわけでございます。中央区はなぜいいかというと、何といっても政局が安定している。区議会の皆様方、区民の皆様方の御理解、御支援により政局が安定している。このことがさまざまな施策展開をどんどんできることにつながるのであろう。

 今、保育園問題、いろいろな区で大変な騒ぎになっておりますけれども、本区におきましては、子育て支援対策本部をいち早く立ち上げて、どんどん先手先手と今日まで来たわけでございます。無論、万々歳というわけではなく、生後1年、1歳児のところで待機児童がおられるというわけですから、ここを4月に向けてどういうふうにゼロ、待機児童なしというところまで持っていくか、これが大きな課題になっているわけであります。

 安倍政権、いろいろこれまでも安倍さんは自民党の幹事長あるいは官房長官等々の要職も務められて、5年前になりましたけれども、残念ながら体調を崩して短期で終わった。今、日本の国のほうは総理が1年交代にかわるというのが、もう20年近く続いている。こういうことでなく、やはりしっかりとして政権を担う、そういう方が必要なのではないかなと個人的には私は思っているわけであります。

 また、東京都の猪瀬さんも、もう副知事を2期8年やられて実績もあるし、今度のオリンピック招致もみずからマラソンに出たり、ロンドンまで行って、そこでマラソンに出たり、先日もIOCの皆さんが来ている前でテニスを御披露したり、本当に一生懸命やっているというのを打ち出して、それがいい評価になっているようであります。

 本区といたしましても、区議会の皆様方、また国や東京都と力を合わせて、さまざまな課題を乗り切ってまいりたい、また、新たな施策をどんどん打ち出してまいりたい、そういうふうに思うわけであります。

 以上であります。

○木村委員
 区長の力強い御発言、本当にありがとうございます。また、先ほども言いましたように大変しゃべることがうまくて、私も見習っていきたいと思っております。

 それと、区長の、まず力強いお話を聞かせていただきました。特に、今回は国のトップ、それから東京都のトップが同時にかわる、こういうことは過去にもあったかもしれないんですが、同時に2人ともかわるということは画期的なことじゃないかな、そのように私は思っています。今、区長がおっしゃったように、安倍首相、猪瀬都知事と2人とも積極的な政策を打ち出しているということは、私も同感でございます。

 本区に関しては、区長は中央区のよさとして、まず政局が安定していると、そのようなこともおっしゃっていただきました。まことにそのとおりだと思います。一連の流れとして、大きな日本の国があって、そことタイアップをするような形で東京都がある。そして、そのもとに特別区として中央区がある。このような形の一連のつながりが一番大事だと思っています。そのようなことを前提に、次の質問をさせていただきます。

 安倍首相は、アベノミクス政策を3本の矢に例え、将来の若者に希望が持てるようにということで日本経済を力強く立て直し、景気を射抜くと首相施政方針演説を行いました。猪瀬都知事は、首都直下型地震への備えや電力エネルギーの改革、少子高齢化における都心モデルの構築など、課題に迅速に手だてを力強く講じましたが、一方で、こうした施策の展開を支える都税の収入は、増加に転じているものの、依然としてリーマンショック直後の水準にとどまっているというのが現状だと思っています。今後の財政環境の変動にも備え、中長期的な視点から財政基盤の強化を図っているのが現在の東京都の予算だと思っています。

 そこで、お尋ねいたします。

 平成25年度本区予算編成についてお尋ねいたします。

 国・東京都も大変厳しい財政状況のもと、予算編成が行われていると思います。本区は、平成25年度当初予算として初の804億5,819万2千円、前年対比1.9%増の予算を組みました。

 そこで、質問です。

 初の800億円を超える超大型新年度予算の特徴は何でしょうか。また、どのような計画がこの予算の中に組み込まれているのでしょうか。今後の国・東京都の政策方針は、区内企業の経済情勢、景気動向につながります。経済政策の影響をどのようにお考えでしょうか。まず、この点からお願いいたします。

○黒川企画財政課長
 まず、新年度予算の特徴についてということでございますけれども、皆様御案内のとおり、このほど本区におきましては基本計画2008を改定いたしまして、新たな今後の10年間を見据えました基本計画2013を策定したところでございます。新年度の予算編成に当たりましては、新たな基本計画の策定作業と並行しながら進めてきたものでございまして、当然ながら、10年後の姿として描かれた5つのまちづくりに沿っていかに積極的に施策を展開していくかというところに注力をしたところでございます。

 具体的に申しますと、平成25年度予算におきましては、特に人口の増加等を踏まえまして、今後のさまざまな施設ニーズが想定されるというところをあらかじめ見込んだ上で、将来の快適な都心居住に向けました各種施設の整備に向けまして着手をしていこうというところが大きな柱としてございます。保育所、こども園等の子育て支援施設あるいは学校関係、教室不足が想定されるという中での学校施設の拡充、また高齢者施設の新設でございますとか、またさまざまな区民の交流、学びの場としての本の森ちゅうおうの整備、こういった将来の快適都心居住に向けました基盤整備のための経費といたしまして、100億円以上の経費を投入したところでございます。

 また、いまだに東日本大震災後の教訓というものは生かすべき部分が多々ございますので、東京都の新たな被害想定を踏まえました防災対策の充実、こういったところにも重点的な予算配分をしたところでございます。地域防災フェアの開催でございますとか、帰宅困難者対策の充実、また耐震改修の拡充等によります災害に強いまちづくり等にも重点的な予算を配分したということでございます。

 また、急がれるのは景気回復の部分でございますけれども、こちらも中央区のさまざまな魅力、ポテンシャルを積極的に配信いたしまして、にぎわいを創出していこうと。それを地域経済の活性化にもつなげていこうというねらいを持ちまして、にぎわいの創出に向けたイベントの開催でありますとか、商工業、それから商店街の活性化支援、また歴史・伝統を生かしました文化の発信等に51億円超の予算を配分したというところでございます。

 一方では、委員御指摘のとおり、まだまだ厳しい経済環境が続いている中で、今後、持続的な施策展開を安定的に進めていくためには、やはり不断の行財政改革という部分も欠かせないということでございまして、今般の新年度予算におきましても、これまでの既存事務事業の総点検をした上で必要な見直しを行うなどの重点的配分に注力をしたというところでございます。

 概要としては、以上のところでございます。

 また、もう一点ございましたけれども、国・東京都の経済政策がどのように影響してくるかという部分につきましては、きょうのニュース等を見ましても、株価もリーマンショック前の水準に戻ってきているというような状況がございます。これに今後、成長戦略あるいは東京都の新たな東京モデルといった施策が積極的に展開されまして、これが実態的な地域経済にも及んでくれば、それがひいては税収ですとか、そういった部分にも波及してくることを大いに期待したいということでございます。

 また、各種、国・東京都の施策を通じまして、さまざま補助制度等の創設も期待できるところでございますので、そういった補助制度をしっかりと区の歳入としても取り込んで、国・東京都と連携をした施策展開というのも十分に配慮していきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○木村委員
 御答弁ありがとうございました。

 今、中央区がこの予算の中で掲げようとしている中に5つの大きなテーマ、まちづくりというものがあります。今、企画財政課長に答弁していただいた人口増加に伴ったさまざまな施設、子育ての問題でもあり、高齢者の問題でもある。また、来週月曜日、3月11日には早いもので3・11からもう2年が過ぎてこようとしています。このまち中央区に住む区民の方々のためにも、このような防災対策も重点的に考えていかないといけないというのも、この予算の中に組み込まれているということもよくわかりました。

 今後の中央区のことを考えると、10年間という長い期間に向け、学校や高齢者の施設、生涯学習施設、各種の基盤整備に着手と前向きな御答弁ありがとうございます。それを着手するには、やはり根底となるお金が必要だということが大前提になっていると思います。そのため、今回は初めての800億円という大型予算が使われています。このお金を生み出すためにも、都心から景気回復を行っていかなくてはならないというような状況、まさにそのとおりだと思います。

 そして、皆さんが望んでいること、市場の期待として考えられていること、イコール景気回復は我々区民にとっても同じことだと思っています。区の地域が活性しない限りは税収も生まれてこない、周りの皆さんも元気に過ごすことはできないというのが現状だと思います。また、東京都の東京モデルのことについて御答弁いただきましたけれども、まさにそのとおりだと思います。今後、中央区がよくなっていくためには、まず東京都全体が特別区である23区にどのような活気、にぎわいをもたらすか、ここはつながっていることだと思います。また、特別区の中央区、そして東京都がよくなることによって国全体がよくなるというのは、全て歯車になって関連性のあることだと思います。

 また、まさに現在、国の大胆な金融政策、機動的な財政政策によって過度な円高が是正され、株価も上昇しているのは、先ほど御答弁いただいたとおりだと思います。地域経済の中でいかにお金を回すことが重要であり、経済が回復して、そして実のある、区民が喜べるような、そんな区の税収アップをぜひ考えていただきたいと思います。

 次に、10年後の中央区に描かれたまちづくり、先ほど言いました中央区基本計画2013についてお尋ねいたします。

 予算とともに重要なのは、今後の中央区の未来を左右する、そんな基本計画だと私は思っています。平成20年、今までの中央区の現行の基本計画を発展的に継承し、さまざまな課題を踏まえた新たな取り組みと10年後の本区の姿を明らかにし、遊・職・住の3拍子そろった都心中央区の魅力をダイナミックに世界へ発信すべく、基本計画2008が策定されました。基本計画2008の現行前期5年が平成24年度、今年度末に終了することに伴い、平成25年度から、これまでの状況変化や中長期で予測される変化を捉えた新たな施策を見直し、実施した10年後の中央区、そこに描かれた5つのまちづくりが基本計画2013に書かれています。

 まず、災害に強い都心のまちづくり、子どもが輝く子育て・教育のまちづくり、すべての人々の健康と高齢者のいきがいのあるまちづくり、地球にやさいし水と緑のまちづくり、歴史と先進性をいかしたにぎわいのあるまちづくりの推進に向けて、積極的な施策を展開するための第一歩として、「さらなる躍進へ『快適都心』の魅力発信!」を平成25年度の当初予算のテーマに掲げ、基本計画2013が策定されました。今回の基本計画2013には、あらゆる世代の人々が生涯にわたり安心して暮らしていくための基盤整備など、各種重要施策が盛り込まれています。今年度、基本計画の第一歩として道筋を開き、計画実現を確かなものにするため、極めて重要な年であります。

 そこで、基本計画2013の初年度としての意義をどのようにお考えでしょうか。また、基本計画2008から基本計画2013への改定に当たり、課題は何だったのかお答えください。お願いします。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 基本計画2013の初年度の意義ということでございますけれども、まず本区の人口、各世代とも現在、増加を続けてございまして、出生数の増加に伴う待機児童対策、それから就学児童の増加に伴います学校施設の確保、高齢者人口の増加に伴いますさまざまなニーズへの対応など、将来にわたりまして、こうした施設需要は増大していくものと想定してございます。こうしたことから、今後数年間のうちに集中的な基盤整備を行ってまいりまして、全ての区民が快適な都心居住を享受できる環境を今のうちから計画的に整えていくという意味で、キックオフの年に当たるのではないかというふうに位置づけているところでございます。

 また、基本計画2008から2013の改定に当たりましての課題ということでございますけれども、まず人口についてでございますが、人口全体では基本計画2008で見込んだ際の推計に近い形でこれまでは動いていったところでございましたが、特にこの間、乳幼児人口の伸びが非常に顕著でございました。これに伴いまして、保育所等の子育て施設に加えまして、学校の施設整備、学校の教室不足といったことへの対応も急務となっていたところでございます。

 加えまして、東日本大震災によります災害対策の強化、築地市場の移転、オリンピックの招致、こうした将来の区政運営にも大きな影響を及ぼす可能性のある動きにも的確に対応するといった必要がございました。

 このような課題を踏まえまして、全ての区民の皆様が将来にわたり安心して快適な都心居住を満喫していただけるような、10年を見据えた施策の道筋をお示ししたということでございます。

 以上です。

○木村委員
 ありがとうございます。

 この基本計画2013、先ほども言いましたように5つの大きなテーマをまちづくりに沿って行っています。施設の充実・強化を図ることが特色で、新規事業としても21の新しい事業が、そして充実事業として継続する事業は55の事業があります。人口の増加による動態の基本となる本年1月1日の中央区の人口は12万8,628人、16年連続で増加しています。特に、働き盛りの世代の30代、40代の方々の人口が増加しているのが本区の特徴だと思っています。また、この30代、40代の方々が多く中央区に入ってきてくれたことによって、赤ちゃんがたくさん生まれるベビーブームが、日本国全国を探しても、こんなベビーブームのところはないと思います。まさに、そのようなブームが我が中央区にはおこっているんだと思います。

 また、その反面、65歳以上の高齢化率は、何と16.1%、計算してみたんですが、23区中一番若くて、中央区の全人口の中の2万709人の方が65歳以上という形で、決して少ない数ではないんですが、中央区に住んでいる働き盛りの30代、40代の人口が多いために、高齢化率は一番低いというような状況になっているのが現状だと思います。

 ついこの間、あるところで多くの方々と会う機会がありまして、お話をした中で、すごく印象的なのが、皆さん、中央区って23区中何番目の面積の大きさですか、あるいは中央区の人口、23区中何番だと思いますかと聞くと、皆さん、23区中の上位を挙げるんです。上から何番目、悪くても真ん中ぐらいかなと。そんなことないんですよ、中央区の面積は約10平方キロメートルしかありません、中央区の人口も23区中22番目、面積、人口ともに2番目に小さいのが中央区ですよ、そのようなお話をすると、皆さんが驚きます。その中央区に住んでいるお年寄りの皆さんに、中央区の高齢者比率をどのくらいだと思いますか、全人口のうちの65歳以上の人口ですよと。中央区は一番年寄りの区なんじゃないのと、そう思われている方が大変いらっしゃるのが現状です。そこで、中央区は一番若い区なんですよと言うと、皆さん、驚かれる。それだけ自分たちの周りにはお年寄りが多くて、若い人たちが目につくことは少ないのかなというのが現状だと思います。

 また、平成11年には出生数、中央区で生まれる赤ちゃんは500人程度でしたが、何と今では7年連続で1,000人以上の子供が生まれている。そして、この3年間は1,400人以上。まさに、にぎわいと活気があるまち、これが中央区だと思っています。

 その反面、先ほども副参事に答弁していただきました乳幼児の人口の伸びが予想以上に多いんだというような状況でも、他区に比べると、この間もテレビで出ていた杉並区、足立区というのは、保育園に入れないお母様たちがたくさんいらっしゃって、テレビにも出ていましたが、中央区は健全財政があって、その上に先を見越した計画的策定によって、認証保育、認可の保育園もふやしているのが現状だと思います。今後、保育所の子育て施設、学校教室の不足、これらが急務になるということを前提として、京橋こども園、私立認可保育園を今回3園開設することになっています。また、保育園にいる子供たちが小学校に上がるということによって、今度は小学校の教室が足りなくなる。こういう連鎖反応が生まれているのが現状です。

 ですから、今回の予算の中には、前回、中央、明石、明正小学校の校舎建てかえ、改築計画が入っていましたけれども、新たに日本橋小学校、久松小学校、そして有馬小学校、日本橋地域も子供がふえています。月島地域の月島第二小学校もそうです。それぞれ増築を計画しています。また、豊海小学校においては、区内では一番新しい学校だと思いますが、もう既に子供の教室が足りないという現状に伴い、基金をもとにして新しい学校の施設をつくっていくというのが現状だと思います。

 また、このような新しい保育園や小学校の増築、本の森ちゅうおうの工事、高齢者施設サービスの充実として83事業、そして総事業費として1,181億の計画が立てられているということは大いに評価するところです。この計画を確実に実行する、それは今まで以上に健全な財政を堅持し、将来の変化にも持続可能な区政運営が不可欠だと思っています。このため、強固な財政基盤の確立、そして事務事業全般の見直しが必要だと思っています。そのような計画をぜひ行っていただきたいと思っております。

 今後の財政見通しについてお尋ねします。財政基盤についてです。

 本年度の一般会計予算額は804億5,819万2千円で、前年度の789億6,988万8千円と比べると14億8,830万4千円、1.9%の増になっています。

 一般会計予算計上総額の総括表の中から歳入の款を見てみますと、第1款の特別区税から第20款の特別区債まで、多くの款で歳入減が見られています。その中で、大きなマイナスとなっているのは特別区債の34億1,300万円が目立ち、この区債は明正小学校・明正幼稚園、新川児童館改築の工事の財源として区債を発行したものですが、中央、明石、両小学校・幼稚園の改築、晴海児童館、晴海こども園の整備財源としての特別区債の皆減により、前年度と比べ81.5%の大幅な減になっているのが予算から見受けられます。

 特別区税の11億4,539万8千円増の内訳としては、人口増加による納税義務者の増加によるもので、特に働き盛りの人たちがふえていったことによって特別区民税は3.5%の増、また、ここが今回特別なところだと思うんですが、特別区たばこ税についても、道府県たばこ税の一部が今回新たに市町村たばこ税として財源移譲されたこと、これが18.8%で大幅な増になっていること、そして特別区税全体として5.5%も伸びているということが今回の予算の中から見られます。

 繰入金の22億7,930万6千円の増は、さきにも述べた京橋こども園の施設の取得、月島一丁目地域密着型特別養護老人ホーム施設の取得などに充てる施設整備基金からの繰入金のほか、労働スクエア跡地の本の森ちゅうおうの整備用地取得に充てる教育施設整備基金、財政調整基金からの繰入金の増により、前年度比21.7%の増になるなど大幅な増額によって歳入合計で14億8,830万4千円の増を確保してきました。

 そこで、基本計画2013の推移に当たって、今後の財政の見通しについてお聞かせください。また、主要3基金として取得施設に充てる施設整備基金、本の森ちゅうおうなどの整備用地取得に充てる教育施設整備基金、財政調整基金があり、繰入金に加えて施設取得のため施設整備財源として基金、区債を活用していくことになると思われますが、現在の基金、区債の残高はどのくらいあるのでしょうか。また、この残高はどのように推移すると見込んでいるのかお答えください。

 また、基本計画2013を着手、推進していくためには、健全な財政の裏づけが欠かせないと考えています。今後どのように取り組んでいくのか、お考えをお示しください。

○黒川企画財政課長
 まず、今後の財政見通しということでございますけれども、新年度におきましては、快適な都心居住に向けました基盤整備の第一歩ということでございますので、ものによりましては設計段階でありますとか、まだ工事の初期段階といった事案がまだまだ多いというような状況でございます。これは年数が進むに従いまして、建物の建築経費といった形で、今後上積みをされてくるということでございますので、新年度予算800億円のラインを超えてきたところでございますが、さらに平成26年度には800億円台の半ば、またその翌年度、平成27年のあたりにさまざまな施設整備関係の経費が錯綜してまいりますので、さらに800億円台の後半に差しかかってくるのではないかというふうに、今のところ、見込んでいるところでございます。

 一方、歳入の面では、一定程度、特別区税でありますとか、都区財調交付金等の経常的な収入の増も見込んでいるところでございますが、なかなかこういった一時的な多額の需要に備えるだけの歳入は見込めないということでございますので、当然ながら基金、区債等の活用を図っていくということになってまいろうかと思っております。

 基金に関しましては、平成23年度末で、いわゆる主要3基金の残高490億円強がございますけれども、今後これをフルに活用して、この計画の推進に当たるということでございますので、向こう数年間は数十億円から100億円単位での基金の取り崩しというのを想定しているところでございます。その結果、計画の前期段階が終了するあたりには、おおよそ今の3割程度、140億円前後に目減りをするのではないかというふうに考えてございます。

 基金の目減り等、確かに心配な部分もございますけれども、これによって直ちに健全性が損なわれるというふうには考えてはいないところでありますが、今後さまざまな緊急課題に対応するに当たりましては、財政上の一定の余力は多いにこしたことはないということがございますので、健全性の維持の観点からも、今後特に2年間を射程に入れまして、新年度予算でも取り組んだところでございます。事務事業の総点検によります各種の見直しでございますとか、受益者負担の適正化等々、健全財政に向けた取り組みについても積極的に進めたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

○木村委員
 ありがとうございます。

 いずれにしても、この近々の2カ年というのが一番大事な年だと思っています。施設整備の竣工時期が重なるということも、この2カ年に集中していると思います。今後の予算としては、800半ばから900億円というような、また大きな予算がこのために組まれていくのかなというような考えもあります。予算規模の増大に対して、今までの無駄遣いをせずに大事に温めていた基金の運用、そして特別区債を発行することは、その実現に向けるため、必要不可欠な大規模財源対策だと思っています。

 そのようなことを中心として、5つの大きなテーマを掲げた基本計画2013、この計画を進めるに当たり、まず前期5年、特に2カ年を強固な財政基盤を維持していく期間として、どう乗り越えるか、これが最大の山だと思っています。また、平成30年度からは、これらの基金をうまく使い700億円を基本とする想定がされているという計画も載っていて、わかりました。行政評価を通した事業の見直し、財源、重点的配分、歳出の抑制、歳入の確保の強化を引き続き全庁挙げて今まで以上に取り組んでいってほしいと思います。

 現在、国の予算は92.6兆円あります。通常国会に提出する官僚中心の予算案づくりは、事業を継続する前年度踏襲型に陥りやすく、新しい事業に踏み切るには失敗が不安で、同じ事業を繰り返し継続していくことのほうが楽で、各省庁は予算を守るため、無駄な事業を要求してしまうと、本日の朝日新聞にも載ってありました。

 わずか5年で、中央区も126億円もの増額の予算が組まれています。将来にわたる安定的な区民サービスと健全な財政を維持していくために、これまでの質疑をしてまいりました。平成25年度予算を実行するに当たり、着実に施策を推移すること、各事業部の理事者の皆様に期待をして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○礒野委員長
 次の質問者の発言を願います。

○田中(広)委員
 一般会計歳入について質問させていただきます。

 私からは2点質問させていただきたいと思います。1点目は健全な財政運営について、2点目に財源の確保についてお尋ねをさせていただきたいと思います。

 まず、健全な財政運営について質問させていただきたいと思います。

 日ごろ、私、コンビニエンスストアによく足を運ぶんですが、本当にまちの中にふえてきたなと思っております。コンビニの店内を見ると、本当に変化が激しいなということを感じております。最近、若い方が、特に男性の方が甘いものを求める傾向もあって、大変スイーツの種類も味もよくなってきた、あるいは惣菜を小分けしての高齢者対策あるいはひとり暮らしの方々にも配慮している、また最近は100円コーヒーが出てきて、これは近隣の喫茶店は本当に大変なんですが、コーヒーによって大きくお客さんを受け入れようと、そういったこともあります。専門家によりますと、次はイートインの取り組みが進んでいくのではないかというふうにも語られておりました。このように、身近なところに目を向けてみてもわかるように、社会におけるニーズの変化というものが激しく動いているなと私は感じております。

 そこで、健全な財政運営について、社会の変化をしっかりと把握していくことが大切であるという視点から質問を進めさせていただきたいと思います。

 さて、本予算案についてですが、先ほど議論がありました。一つの特徴として、やはり人口増に伴う基盤整備、来年度の予算案はその第一歩であるというお話がありました。まだ設計段階ということもあって、100億円程度という状況でありましたけれども、やはり心配なのは、これが今度工事費になったときにどのぐらいかさんでくるのか、ここが私は大変心配なところであります。

 そこで、2点伺いたいと思うんですが、まず1点目に、こうした施設整備、来年度予算案の設計も含めて、いわゆる施設整備が大体ここ10年ぐらい、規模としてどのくらいを見込んでいるのか、教えていただければと思います。

 それから、もう一点お尋ねいたします。

 平成23年度の決算状況ですが、昨年の財政白書を見ますと、42ページの上段に5項目取り上げて、健全性をあらわしております。1つ目として、経常収支比率が適正である。2点目として、実質収支比率も適正水準である。3点目に、財政健全化法4指標についても健全な状況である。4点目として、主要3基金と特別区債の残高比較では基金残高が442億9千万円上回っている。5点目として、財政調整基金の残高が一つの目安である標準財政規模の20%を上回り、約40%であるため、おおむね健全を保っていると、このように指摘しておりました。

 そこで、お伺いいたしますが、本予算案が決算を迎えるときの予測として、先ほどの5項目についてどのような着地点を予測されておられるのか。あわせて、中期的な予測も含めて、今わかる範囲で結構でございますので、御見解をお聞かせいただければありがたいと思います。

 2点、よろしくお願いいたします。

○黒川企画財政課長
 まず、今後の施設整備関係の費用ということでございますけれども、着手をこれからしようとしておりますのが、まず本の森ちゅうおうでございます。それから、学校施設の関係では豊海小、久松小、それから月島第二小学校の増改築と。これに、地域密着型特養の整備も進行しているところでございます。これらさまざまあわせますと、特に前期5年間中にこの施設整備が集中するわけでございますが、これに約280億円超を見込んでいるところでございます。これに経常的な部分といたしましては、施設改修経費等々がございますので、こういったものも含めますと、計画期間10年間合わせますと約500億円、また前期期間だけでも400億円に近い施設関係需要が発生してくるというふうに見込んでいるところでございます。

 こういった今後の状況も踏まえた本区の財政の今後の健全性ということでございますけれども、委員から幾つか御紹介をいただいた各指標がございます。

 まず、経常収支比率、これは低ければ低いほど財政の柔軟性を保てるというようなことでございますけれども、向こう数年間の歳出の見込みから申し上げますと、投資的経費のウエートが今後高まるということでございまして、経常的な経費につきましては、当然、人口増に伴います扶助費等の緩やかな増加は十分想定されるところではございますけれども、経常収支比率上のあらわれ方としては、急激にこれが上がってくるといったようなことは今のところ想定していないというような状況でございます。

 また、基金、区債等の残高というお話もございました。

 こちらは、先ほどの前委員の質問にも若干触れさせていただいたところでございますけれども、当然、多額のこういった施設整備需要に応えていくために、基金、それから区債の積極的な活用をこれから予定しているところでございます。主に、この際は主要3基金という基金を活用していくことになるわけでございますけれども、先ほどもちょっと触れさせていただきました、平成23年度がこの3基金492億円、今年度、24年度末の見込みでは430億円強といったような残高を想定しているところでございます。これが25年度、26年度、またこの予算編成の中で繰り入れを予定しておりますので、最終的には29年度末あたりで140億円程度に減少してくる。

 これとあわせまして、特別区債につきましては、将来への負担の平準化を図るということで、学校施設等に活用していく予定でございますけれども、こちらの残高のピークが恐らく平成27年ごろ、200億円弱程度の残高に達するだろうということでございます。この段階で、基金と区債、いわゆる貯金と借金が一時的に逆転する現象が起こるわけでございますけれども、財政健全化法に示します各指標におきましては、適正な数値の範囲内に十分おさまるであろうというような認識でございます。

 また、今後の将来負担という点では、気にかけておかなければいけないのは、今後区債を起こす中で、その償還の負担がどうなるかというような部分でございます。こちらは公債費比率といった指標で通常あらわされるものでございますが、こちらにつきましても適正水準の3%から4%の範囲内で推移するであろうというふうに今のところ認識しているところでございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 御答弁大変ありがとうございました。やはりこれまで堅実に基金をためてきた、これが一つのこれから厳しくなるかもしれない財政を支えていく一番の柱かなというふうに、今の御答弁を伺って、先輩方、先人の方々、また職員の皆さんの御努力がそういったところにあらわれているのかなと感じております。

 また、一つの健全化をあらわす指標におきましても、きちっとした数字を押さえていく。経常収支比率も70から80%以内が一般的と言われておりますが、恐らく80%の前半あたりで抑えていくことができるんだろうと。また、公債費のところも3%から4%ということで、しっかり保っていく。やはりその背景の柱は、区債も活用しながら、基金がしっかりあるということをよく理解させていただくことができました。

 ちょっと心配していたことがありまして、基盤整備を行いながらも、これまで老朽化対策が、たしか200億円ぐらいかかるということをずっと議論されてきて、大変だ、大変だ、基金をしっかりためなければいけないという認識があったんですが、先ほど御答弁の中にも、その部分も含めた上で、大体500億円ぐらいですか、見込んでいるという状況ですので、その点も理解をさせていただきました。

 それから、もう一つ、基本計画を策定していく中で、いろいろ計画されていたと思いますが、これも先ほどの御答弁にありましたけれども、心配なのは、やはりピークがいつになるのかというところも伺いたかったんです。先ほどの御答弁の中でも、やはり平成26年を超えて27年、そして28年、29年に来たときに少し大きく厳しい状況になるのかなということも理解いたしました。ここの状況も見込みながら、しっかり対策を打っていくんだろうなということは、今のお話の中でも理解させていただきましたので、次に進めさせていただきたいと思います。

 これまで保育園の拡充ということでしっかり進めてきております。また、本予算案におきましては、学校の増改築3校、今後また2校出てくるという状況であります。過去には人口が減少してきたとき、さまざまな整備を行ってきた。例えば、小学校で言えば統廃合を行ったり、一定の規模に整えてきた。そういった背景があろうかと思いますが、やはりここへ来て小学校の増改築の話が出てきていることを踏まえますと、ある意味、今の中央区のキャパシティーが、一つの局面ですが、限界に来たのかなというふうにも感じております。そういった一つのターニングポイントで、基本計画をしっかり見直して、今回、その第一歩として本予算案を組んだということは大変重要な取り組みだと思っております。

 そこで、お伺いさせていただきたいんですが、これも先ほどの議論の中でもあったかと思いますが、基本計画2008から2013を策定するときに見直しをされたと思います。人口推計をしっかりと見直したというお話がありました。人口推計を見直したときに、どういったところに留意を払ったのか、注意をされたのか、その点の御見解をお聞かせいただければと思います。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 基本計画2013の策定の中で、どのように人口推計について注意を払ったかということでございますけれども、前委員の御質問にもお答えをしましたとおり、基本計画2008の人口全体の推計は、現時点まではほぼ推計どおりに動いてきたという実態がございます。

 しかしながら、年齢別人口の内訳を見てまいりますと、特に乳幼児について増加が顕著であったというところが確認できておりました。これをそのまま今後10年伸ばしていきますと、人口全体の年齢構成でありますとか総数でありますとか、そういったところにも恐らく一定の影響が出てくるだろうというところを見込みまして、乳幼児人口がこれからどれくらいふえていって、成長した乳幼児が学齢期に差しかかって、どの程度になっていって、それに伴い、どのような行政需要が発生をしていくのか、そういったところに注意を払いながら、人口推計、それに必要な施策を体系化するところに注意を払ったということでございます。

 以上です。

○田中(広)委員
 御答弁ありがとうございます。

 本当に、今の本区にとって人口推計をしっかり行っていく、これが財政基盤を支えていく上では大切なことだな、また歳出を進めていく上でも大切なことだなと思っております。

 これは、ある本に書いてあったんですが、財政運営の基本は財政の健全性を保持するということである中で、その要件は、長期的な視野のもとに予算が堅実性、弾力性、住民ニーズが満たされているかどうかということが一つの見方ではないか、そういったことが書籍に書いてありました。これまでの御答弁を伺っても、中長期的な視点に立って、堅実性、弾力性、そして住民ニーズに応えていこう、健全性を維持していこうということは理解をさせていただいたところであります。

 しかしながら、私が不安なことは、住民ニーズに応えていくということについて、先ほど申し上げたとおり社会の変化をしっかりと把握し続けていくことが大切であると思っております。例えば、30代、40代の人口の増加が著しい本区でありますが、やはり共働き世帯がふえているという、この視点は大変重要かなと思っております。

 私は、日ごろから新聞の折り込みをよく見るようにしておりまして、社会の動向あるいはチラシのデザイン性を学びたいと思って、よく拝見をしております。そこで、先々週あたりでしょうか、工事中の晴海の高層マンションの広告チラシが入っておりました。49階建てで800戸を超える大型物件であります。詳しく知りたいと思いまして、ホームページも拝見させていただきました。さすが大手デベロッパーさんだなと思いまして、すばらしい物件だと見ておりました。

 その中に、子育てのページがありまして、具体的に晴海児童館の御紹介もされておりました。ある意味、そこで子育てがしやすいんだ、そういった趣旨の内容がホームページに載っておりました。こうした折り込みチラシやホームページを見ているだけで、引っ越しをしたいと考えていらっしゃる方にとっては、大変期待して本区に転入してこられるんだなという感じがいたしました。

 また、2月21日発表の厚生労働省の調査によりますと、2012年のフルタイムで働く女性の平均賃金が前年比0.5%増の月額23万3,100円と、2年連続で過去最高を更新しております。また、働く女性の雇用数もふえておりまして、前年比6万人多い2,375万人と、これも過去最高を更新しております。企業内保育施設も4,000カ所以上にふえており、企業における子育て支援の必要性及び女性の力を求めている状況も考えることができます。

 さらに、日本経済新聞社産業地域研究所によりますと、4歳以上の子供を抱える主婦及び子供がいない専業主婦に調査したところ、自分の時間に働きたいという方が7割を超え、共働き世帯の予備軍は少なくないと分析をしているところであります。

 本区の新築マンションを見ますと、子育てを考えるのであれば、やはり3LDKが中心かなと思います。そうしますと、価格帯として5,000万円とか6,000万円とか、当然、高所得の方もいらっしゃるんだと思いますが、私が普通に考えて、まず共働きあるいは何らかの支援がないと住めないなというような物件だと感じております。人口推計を踏まえながら、やはり共働き、また女性の就労状況、こうした視点をしっかり把握していくことが大切ではないかと感じております。

 本予算案では、保育所の拡大、新たに小学校の増改築3校を盛り込んでおりますが、母親の就労という視点を考慮すれば、やはり学童クラブの需要は、大型マンションが計画されている地域においては、これまで以上に高まってくると私は感じております。先日の一般質問においても、児童館の増設の議論がありましたが、私も同様に感じている一人でございます。

 そこで、お伺いいたしますが、こうした共働き世帯の増加、この点について、財政御担当としてはどのように御認識をお持ちでしょうか、お聞かせいただければと思います。

○黒川企画財政課長
 本区は、ここ数年、30代、40代の流入に伴いまして、地域全体の活力というのも非常に高まっているということがございます。当然、生産年齢人口を中心として、こういった人口増加が顕著に進んでいるということからいたしますと、今の状況では稼ぎ手が非常に多いということで、なかなか経済状況が厳しい中でも、程度の差はあれ、本区におきましては確実な税収の増収傾向というのをこれまで保ってきたということでございます。こういったさまざまな若年世代の方々が都心の便利さを味わいながら定住して、継続的に、長期的に住んでいただけるといったような施策についても、やはり長期的にはしっかりと見据えていく必要があるだろうというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 御答弁ありがとうございます。

 先ほどから申し上げておりますけれども、人口が大変大きく動いている。そういった中で財政支出が大変多くなってくる。計画性を持って進めていかなければ、健全財政を維持することはなかなか大変だという、そういった局面に差しかかっているのかなと私は思っております。それでも、区として御努力して基金をしっかり蓄えてきたがゆえに、健全性を維持していく。当然、そういったことを私は理解させていただいてはおりますが、やはり社会の変化をしっかり踏まえていかないと、また後になって財政支出が急激に必要になるかもしれない、そういった状況が訪れるときもあるんじゃないかと私は思って、今のことを取り上げさせていただいた次第でございます。

 ですので、これは歳出のほうでもいろいろな御担当の部署がありますから、そこと財政担当課との検討が必要だと思いますけれども、やはり財政を預かる御担当のお立場の中でも、ぜひ共働き世帯がふえているという状況はしっかり把握した上で、財政支出の計画を立てていただきたい。私は、そういったことを主張させていただきたく、この質問を取り上げさせていただきましたので、ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、財源の確保についてお尋ねをさせていただきたいと思います。

 先ほども人口の動向について触れさせていただきましたが、やはり人口増に伴い、納税義務者数が伸びている状況にあります。歳入の大切な財源である特別区民税、これは本当に歳入の中では一番の比重を占めておりますし、本区にとっては一つの財産であると思っております。

 そこで、特別区民税の滞納状況について伺いたいと思います。

 まず、ここ数年見ていきたいと思うんですが、収入未済額と不納欠損額についてでございます。

 現年課税分と滞納繰越分を足して見ていきたいと思うんですが、平成21年度決算では収入未済額約17億1,400万円、不納欠損額約8,500万円、平成22年度決算の収入未済額約17億5,000万円、不納欠損額約7,800万円、平成23年度決算の収入未済額約18億1,000万円、不納欠損額約8,400万円となっております。納税義務者数が増加すれば、その分、収入未済額等もふえていく。その割合というのは当然理解をしておりますけれども、いずれにしましても、増加傾向にあり、高額な金額になっていると私は思っております。

 また、滞納繰越分の執行率では、平成21年度25.8%、平成22年度20.8%、平成23年度で18.0%となっており、当然量がふえてくるわけですから、大変だと思いますけれども、執行率が下がっている、減っている、そういった状況となっております。

 そこで、お伺いいたしますが、特別区民税の滞納状況について、どのような御認識をお持ちかお聞かせいただければと思います。

○井上税務課長
 ただいま数値につきましては、委員御指摘のとおりの結果でございます。納税義務者の増に伴いまして、一定数滞納額がふえるということはいたし方ないところではございますが、やはりそれにも増して我々の徴収努力によって減らしていけるという余地は十分あると考えてございます。私どもといたしましては、決して今の徴収状況が十分であるとは考えてございません。

 傾向といたしまして、平成19年度までの収入未済額は13億円程度でございましたが、20年度に17億円にはね上がってございます。これは、やはりリーマンショックの影響もございますし、ちょうどこのときに高額の滞納者の方が発生したということもございますけれども、それ以降、この数字が下がっていないというような現状がございます。高額滞納者の方は分納が進んでございますので、我々の推測しているところによりますと、平成19年度の住民税のフラット化に伴いまして低額の所得者の方が広く薄く滞納しておると考えてございます。

 今、執行率と言われましたけれども、収入歩合でございますが、これも落ちてまいっておりますので、今後はこれを高めていきまして、高額の滞納者ももちろんのことではございますが、広く薄く広がりました滞納者の方に対して効果的な徴収対策、新たな方法を検討して実践していくことによりまして滞納整理を進めてまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。本当に大変な取り組みだと思いますけれども、当然、納める側のほうとしても、景気が厳しい状況の中ですので、本当に難しい取り組みだと思います。

 そこで、滞納者の実情、それから徴収の取り組みについて伺いたいと思うんですが、例えば今年度の中で所得階層別に、また滞納額あるいは滞納者数がわかるような形で、またなおかつ割合とか、もしお手持ちの資料の中で御答弁いただけるような範囲の内容があれば、お聞かせいただければと思います。その実情を伺いながら、徴収の取り組みについてもお伺いをさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○井上税務課長
 現状の滞納者の方、滞納額等の状況ということでございます。

 これは、私ども、資料といたしましては、特別区民税の普通徴収分の、今ちょうどこの時期つくっている資料でございますが、1月末までの納期、第3期の納期までの普通徴収分の滞納状況についてデータを持ってございます。

 これを見ますと、滞納の金額、これは都区の合計になって恐縮でございますが、23億円ほどございまして、これは都と区の税収割合、4対6、区が6ですから、今、おおむね14億円程度の滞納が普通徴収で発生してございます。人数で申し上げますと1万822人、前年度は1万1,059人で若干減っていますけれども、やはり過去から見ますと増加傾向にございます。滞納額を50万円未満、50万円から100万円、100万円以上、滞納者の所得を200万円未満、200万円から700万円、700万円以上というような便宜的な分類をしまして、マトリックスにしまして分析をしておるところなんですが、滞納者の数並びに階層における滞納総額の大きさも、やはり私が先ほど申し上げたことでございますが、50万円未満の滞納で200万未満の所得の方が多いという傾向が、ここ数年ずっと続いてございます。

 人口的には200万円から700万円の方がどんどんふえておるところなんですが、やはり先ほど申し上げましたとおり平成20年度のリーマンショック以降、ふえました未済額、これはやはりこの層に広く厚く堆積しておるのではないかというふうに考えておるところでございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。経済情勢が厳しいという中で、所得階層で見ますと200万円以下の低い方々が、滞納金額は少額であったとしても大変多いと、今、そういったお話がありました。

 そこで、伺いたいんですが、今まで私もずっと予算、決算特別委員会に臨み議論させていただくと、どちらかというと高額の方を対象に行ってきた、そういった背景があろうかと思います。しかしながら、今のお話を伺いますと、200万円以下の所得の方が多い状況の中で、やはり最初に納期限が過ぎて滞納した状況、そこでしっかりと対策を打っていくということが効果的なのかなと私は感じるんですが、この点についてお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○井上税務課長
 今、委員の御指摘の点についてでございます。

 まさに、私どもも、今、そのような視点で考えてございます。従来は、やはり高額の滞納者を対象ということでやってございました。何年も前の滞納になりますと、年を経れば経るほど難しくなっていくという現状がございまして、それに果敢に挑戦しておったところでございますが、当然そうしますと、少額の滞納者の方にはなかなか手が回っていかないという現状がございました。そういうこともございまして、平成23年度から、逆に少額の方を中心にやっていこうという方針になりまして、それと同時に、滞納になる前、例えば納期限を過ぎて督促が出る前にも、滞納者にすることを防ぐ、今、そういう算段といたしまして、電話催告センター等を設けまして滞納者を防ぐというような方策もとってございます。やはり滞納をしてしまうと取りにくくなるという現状がございますので、早期解消、予防ということに重点を置いて、今後とも進めてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。

 今、電話催告センターですか、設けていらっしゃるというお話がありました。2点にわたって伺いたいと思うんですが、やはりこれだけ景気が厳しい中でありますから、区民税を滞納されていらっしゃる方は、ほかの使用料とかも滞納している傾向があるのではないかなと。私も、日ごろからいろいろな御相談を伺う中で感じている点でございます。したがって、先ほど御答弁でありました電話催告センター、こういった取り組みの中で、ぜひ他の部署もそういった状況を調査しながら、ぜひ電話催告センター等も生かしながら、全庁的に歳入の確保というものを進めていただきたいなと私は感じているんですが、この点が1点。

 第2点目に、やはり税務課に来られる方々は、相談したい、あるいは支払いに来なければいけないという、いわゆる大変な状況も抱えながら少し重い気持ちで来庁されると思うんです。当然、これは現場の御担当の職員の方々はこれまでもいろいろな御苦労があったり、本当にいろいろなことがあったんだとお察しいたしますけれども、しかしながら、納めていただく方のことを考えると、やはり少しでも納めたいという気持ちに進んでいくような、接遇の向上ではありませんが、例えば相談のお話を伺っているときのキーワードが出てきて、これはこういった部署にしっかりつないだほうがいいとか、そういうきめ細やかな窓口での対応、接遇の向上を進めていただく中で、ぜひ滞納額を減らしていただきたい、このように思いますが、2点について御見解をお願いいたします。

○井上税務課長
 現在、電話催告ということでやってございまして、まず税務の御案内をさせていただいております。同時に、委託している同じ業者で国民健康保険料のほうも御案内しておりますが、これは一緒にやっているということではございません。委員おっしゃったとおり、区の中には住宅使用料やいろいろな債権もございますので、そういうものを一緒にやっていくということはなかなか難しいところもございますけれども、今後、区民の方にとって便利なものであれば、そういう方向性も必要だと思いますので、検討を常に進めていきたいと考えてございます。

 それと、窓口に見えられた方への対応、職員教育も一番重要なことでございますが、税務の仕事は、まさにマンパワーと申しますか、人対人の仕事でございます。職員への心理的ストレスも大きなところではございますが、やはり滞納している方にはそれぞれの御事情がございますので、そういう気持ちをおもんぱかって、ただ税金を取ればいいということではなくて、払えるような環境を一緒におつくりする、一緒にお考えするというような気持ちになって窓口対応するように職員指導を今後とも進めていきたいと思っております。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。

 滞納対策、当然全く連絡をとろうとしないとか、表現で言えば悪質という言葉になるのかもしれませんが、そういったところにはしっかり毅然と対応していただきたいと思いますし、また一方で、少額であったり、いろいろな状況だったとしても、連携がとれる、話ができるという、一生懸命納めようとしている方々については本当に気持ちに寄り添っていただいて、少しでも区のサービスも使いながら納められるような取り組み、電話も含めた接遇の向上をぜひしっかり検討していただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、新たな財源の確保についてお尋ねをさせていただきたいと思います。

 現在、ホームページあるいは、わたしの便利帳等で広告を掲載しておりますが、こうした取り組みの成果及びさらなる拡大など、何か検討されている状況がありましたら、お聞かせいただければと思います。

○信坂広報課長
 委員がおっしゃったホームページ、今、2年目でございます。それから、わたしの便利帳につきましては、3年ごとに発行しておりまして、来年度は発行の年でございます。

 そのほかということでございますけれども、実は定期刊行物につきましては、区勢要覧をやはり3年に一遍発行してございます。こちらは来街者に中央区を知ってもらおうというような形で発行しておるものでございます。したがいまして、そちらのほうはなかなか難しいかなと思ってございます。

 それから、掲示板につきましては、過去に広告できないかということでさまざま検討を加えたことがございます。ただ、今、まちを歩いていただいてわかるように、上と下に広域避難場所ですとか、そういったものが書いてありますので、そこに広告するには難しい、掲示板については難しいというところでございます。

 ホームページにつきましては、平成23年度は11件で168万円、24年度は2月末まででございますけれども、14件で168万円ほどの広告収入がございます。それから、わたしの便利帳につきましては、22年度は14件、28区画で132万円ほどでございました。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。

 1点御提案をさせていただきたいなと思うんですが、今までも新しい財源確保について御提案させていただいたんですが、今回も、少額かもしれませんが、こういった取り組みはいかがかなと思いまして、御提案させていただきたいと思います。

 区役所本庁舎の1階に、よくJR等に置いてあるような地図を置いていただく、こういった取り組みを検討していただきたいなと思います。最近、23区内でも随分多くなってきておりまして、練馬区、中野区で設置されて、渋谷区あるいは板橋区でも、今、検討を進めている状況のようであります。

 一番のネックは、何といっても、やはり広告をとらなければいけないということなんですね。本区にとっては、特に何もアクションを起こすことなく、場所を貸したということで歳入になるという状況になります。ですから、その地図の下に広告を入れた収入で地図を設置する業者は賄っていくという視点なんですが、本区としては本当に場所を提供するだけで歳入になっていく。かつ、今、本区は新しい方が多く転入されておりますので、まず中央区の住民登録に来たときに中央区全体の地図を見るということは1つ重要かなと思っております。その中に、防災の対策の内容ですとか、あるいは中央区の特徴である江戸バスのルートとかバス停をしっかり明示していただければ、例えば江戸バスがあるということを理解していただいて、また江戸バスを利用してもらって、それがまた歳入の増加につながらないかなという思いもあって、御提案をさせていただきたいと思います。

 これについて御答弁を伺いたいと思いますのが1点と、もう1点は、話が少し戻るような質問で恐縮ですけれども、民間の協力あるいは企業の誘致等が財源の増につながっていくだろうと思いまして、質問させていただきたいと思います。

 先ほど来の財政運営のお話、いろいろ伺ってまいりました。財源が限られている中で、それでも、例えば民間活力を生かして、京橋こども園のように、これは区道の活用という点はあったかと思いますが、いずれにしても、民間活力を生かしながら整備してきたということもあります。また、一方で、企業を誘致することによりまして地域経済の活性化が促され、区内の飲食店や小売店の売上の増につながっていく。これが地方消費税交付金の増にも寄与し得るというふうにも考えますので、この点、財政というお立場の中で、今後のまちづくりについてどのようにお考えか、御見解をいただければと思います。

 2点、お願いいたします。

○長嶋総務課長
 庁舎管理という意味で、私のほうからお答えさせていただきます。

 地図をつけて、その下の広告収入で、それを運営するということでございますけれども、今、委員のおっしゃっているとおり、数区でそれを庁舎内でやっている区があるということは存じております。これにつきましては、確かに経費がかからず、また場合によっては収入がふえるという意味では、非常に効果があることだろうというふうには思っております。

 ただ、その一方で、広告自体を企業のほうで収集するということで、区役所の中にあるということが、逆にその企業が非常に信用があるとか、そういった形で思われてしまうというのも一つの懸念として私どもは持ってございます。とは申しましても、各区のほうで導入が進んでいけば、そういった懸念も徐々になくなってくるかとも思いますので、各区の状況を今後、見極めて、そういったことについても検討してまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

○黒川企画財政課長
 本区への企業の誘致というお話でございますけれども、こちらは区の経済的な活力を維持していく上で、ひいては税収にもつながってくる可能性がある、非常に課題であるというふうに思っております。本区におきましては、従来から企業等の活動が活発に行われておりまして、さまざまな業種の集積がある。こういった地の利というのも非常に生かしていけるメリットがございます。こういった本区の特性をしっかりとアピールしながら、さまざまな企業が本区に立地し、相乗的な効果ももたらしながら、地域全体の活性化につながるような施策というのも、本区としては、本区の成り立ちを見ましても大変重要な方向性かというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 それぞれ御答弁ありがとうございました。ぜひ御検討をお願いしたいと思います。

 また、質問の最初に変化を踏まえてというお話をさせていただきましたが、本当に本区は東京の中心ということもあって、まさに変化がここで起きている状況だと思います。しっかりそれを捉えて、健全な財政運営を進めていくことを要望いたしまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

○礒野委員長
 次の質問者の発言を願います。

○志村委員
 よろしくお願いいたします。

 昨年の決算特別委員会では、基本計画の見直しを視野に入れまして、区民の立場に立ったサステナブルなまちづくり、持続可能なまちづくりをテーマに検証し、そして提案もしてきました。例えば、見直しをせざるを得なくなった大きな要因の一つとして、タワー型マンション中心の大型開発のまちづくりが、いろいろなインフラ等が追いつかない状況を招いてきたし、そういうまちづくりを進めていけば、今回見直しをしても、さらにどこかで行き詰まりを見るのではないか、そういう指摘もさせていただきました。今回、基本計画2013でも、また区長の所信表明でも強調されているのが、今までのような大型開発中心のまちづくりを進めながら、一言で言えば人口急増に追いつかない施設を整備するため、財政が厳しくなるので、事務事業の見直し、つまり区民施策の縮減や受益者負担の適正化として区民への負担増を行っていく、そういうことが中身になっているというふうに思っております。

 私も本会議の一般質問で強調したように、区民への思いやりの視点から見て、区長の姿勢と基本計画2013は逆行するものだと指摘せざるを得ません。そこで、この予算特別委員会では、私は思いやりをテーマに検証を提案していきたいというふうに思っております。

 財源の確保についてなんですけれども、社会保障制度とか住民福祉の財源は、国とか都からの補助金や交付金に大きく頼らざるを得ない面も持っていると思います。ですから、国の姿勢で左右される面もあるのではないかと思います。今、ナショナルミニマムやナショナルスタンダードの法的根拠が薄められようとしている。地方分権とか地方主権といいながら、今、そういう責任が自治体に押しつけられる。こういう状況の中で、財源確保のための国や都への働きかけが今まで以上に重要になっている。財源を確保していくためには重要になっていると思うんですけれども、その点の見解をお聞かせください。

○黒川企画財政課長
 国におきましても、将来を見越した税財政のあり方というのがさまざま議論されているところでございます。一方で、地域主権、地域分権といった流れもございまして、基本的には、これまでの国が一手に引き受けてという動きから、それぞれの地方の実情に応じて、それぞれの地方公共団体が住民に対する責任を負いながら、必要な施策を展開していくといった大きな流れにあることは事実かというふうに思っております。当然、その責任を果たしていくためには、必要な財源というのは国から地方におりてくるべきだというようなところを基本認識といたしまして、地方側としては、地方団体を通じて国への働きかけをさまざましているところでございます。

○志村委員
 いろいろな責任とか施策を自治体に押しつけながら、財源が伴っていない。地方自治体がいろいろな施策を進めていく上で、財源が伴わない。ですから、自主財源がない自治体などは施策を進めていくのが大変になってくるというふうに私は思うんです。財源が伴わない中で地方分権、地方主権というのが進められているのではないかと私は思うんですけれども、その点の認識もお聞かせいただきたいと思います。

 それから、今まで国や都への働きかけをやっていないと言っていなくて、やっていることは認めておりますけれども、今後、こういう情勢の中で、さらに国・都への働きかけを強めていかなければならないのではないか、いろいろな形で工夫もしていかなければならないのではないかというふうに思いますけれども、今までのような取り組みでいいのか、それとももっと工夫をして財源を引き出す、財源を確保するための努力が必要なのかどうか、その点の認識もお聞かせください。

○黒川企画財政課長
 国と地方と役割に応じた適正な財源の配分といったことにつきましては、これまで重ねて国・都等に働きかけをしてきているというふうに認識してございます。こういった部分、まだまだ理想の形には遠い部分がございますので、引き続きこういった努力を重ねていくべく、本区としてもさまざま区長会、市長会等を通じて思いを伝えていきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○志村委員
 地方だけに仕事を押しつけられて、その裏づけがないというのだと本当に大変になると思います。そこをしっかり見ないと、どうしてもやっていくためにはサービスを削るとか受益者負担ということでふやすとか、そういう方法をとらざるを得ないというふうになってしまいますので、ぜひ努力もしていただきたいと思います。

 あわせて、今、自民党・公明党政権ということもありますので、ぜひ同じ党である区議会の自民党さん、公明党さんの皆さんも、区民の立場に立って政府を動かしていただきたいというふうに思います。

 次に、財源の確保で1つ質問したいんですけれども、予算書は68ページの道路占用料です。

 今回、占用料が3年ごとに見直しということになっておりますけれども、3年ごとの見直しというのは法的にどんな根拠を持って決めているのか、お聞かせください。

○田村環境政策課長(参事)
 道路占用料の3年ごとの見直しについてでございますけれども、道路占用料については、土地利用に対する対価として占用料をいただいているというところでございます。そういう考え方の中で、その土地の価値をどこで見出してくるかということでございますけれども、考え方としまして、固定資産税の評価額にその根拠を置いているという状況でございます。固定資産税の評価額が3年ごとに評価がえということで見直しが行われ、なおかつ固定資産税評価額については、基本的には固定資産税等を徴収する際の根拠になる部分でございますけれども、3年間据え置いて、そういった税の徴収等も取り扱われているというような状況等もございます。そういった関係の中で、私どもの占用料を算出するに当たりましては、固定資産税の評価額というところに着目をし、その価格をもとに算出をしていくということで、それによって3年ごとの見直しという状況になっているものでございます。これを3年ごとに見直しなさいという法的な位置づけ等は特別にございません。

 以上でございます。

○志村委員
 法的な裏づけはないんですね。ですから、3年間、固定資産税が変わらなくても占用料を激変緩和で上げていくことは可能です。

 国土交通省の道路占用の対価(占用料)の現状という資料がありますけれども、ここにはやはり3年ごとというのは書いておりません。書いてあるのは、激変緩和措置というところで、前年度の占用料の額に1.1を乗じるということなんです。ですから、前年度の占用料の額に1.1を掛けながら、だんだん引き上げていきなさいということなんです。だから、これは毎年見直しができるということでもあると思うんですけれども、その点の理解はいかがでしょうか。

○田村環境政策課長(参事)
 国のほうから示されておりますのは、今、委員のほうから御指摘ございましたように、激変緩和の考え方として、前年度の占用料に対して一定の率を掛け合わせて急激な上昇を抑えようということでございます。国は1.1倍というような形でやってございますけれども、東京23区におきましては、平成13年、23区の申し合わせとしてこれを2割の上昇に抑えようということで取り組んでいるところでございます。

 今、委員のほうから、国のほうが前年度ということを規定しながら、毎年値上げをしていくという考え方が示されているということでございますけれども、これについては一つの考え方ということで示されているということでございまして、3年ごとに見直しをしていくということの妥当性もあるというようなことも国のほうの考え方の中には、あわせて示されているような状況もございます。先ほど御答弁申し上げましたように、私ども、土地の価格というところを根拠に置いて占用料を算出している関係の中で、もし毎年見直しをしていくということになりますと、区独自に区内の土地価格というものを算出していく必要性が出てまいりまして、現実にどういった形でやっていくのかも含めて、相当な検討を要するというふうに考えてございまして、今、3年ごと、固定資産税の見直しにあわせて改定をしていくという部分については、一定の合理的なものというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 相当の検討をすれば、毎年引き上げていくのも可能だというふうに思います。

 さっき23区で申し合わせたと言っておりますけれども、23区の申し合わせから抜けて、独自に占用料を決めている区があると思うんですけれども、その点についてはいかがですか。

○田村環境政策課長(参事)
 23区の中でも、例えば千代田区あるいは港区というような隣接区ですけれども、いわゆる都心区ということで地価が高いところ、当初23区の統一的な考え方の中から少し考え方を変更してきているという状況は現にございます。

 ただ、例えば千代田区の例でございますけれども、見直しの更新時期に独自のものを採用していたけれども、これを3年ごとにまた戻したというようなお話もございますので、それらについても、もしそういった方向性で行くといいますと、先ほども御答弁申し上げましたように、そういったことが制度的には別に禁止されているわけではございませんけれども、実施するに当たっては慎重な検討が必要だというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 道路占用料ですけれども、今回、中央区が出している占用料、第一種電柱で港区と比較してみます。中央区が今年度は6,570円、これを今度7,880円にするんですけれども、港区は今年度1万2,000円なんです。中央区は6,570円、港区は1万2,000円。これはもう今、施行されています。固定資産税ではないんですけれども、道路価格、これは昨年の決算の区の資料ですけれども、中央区は224万3,795円、港区は153万8,748円。固定資産税ではないんですけれども、道路価格は中央区のほうが高いんですよ。しかし、道路占用料というのは港区のほうが2倍。これを一気に2倍にしようと私は言っているのではないんです。例えば、毎年1.1ずつ乗じていけば、3年間で1.331倍なんですよね。ですから、区独自で港区もやっているんです。千代田区も、今お話ありましたけれども、そういうことが慎重に検討するに値するんじゃないでしょうか。そういう点ではいかがですか。

○田村環境政策課長(参事)
 繰り返しの御答弁になりますけれども、確かに制度的にそういったものは禁止されているわけではないということでございますので、そういったことの検討の余地といいますか、可能性というのは当然あろうかと思いますが、例えばそのときの土地の価格というものをどういう形で位置づけていくのかということでございます。

 実は、固定資産税評価額をもとに、固定資産税を算出するに当たりましても、都税事務所のほうでは年が変わるごとに一定の土地の価格変動等々に一定の考え方をもって修正等々が調整というような形の中で行われているというようなお話もお伺いしたこともございます。やはり土地価格というものの位置づけについては、一定の検討の上、取り組むべきだというふうに思ってございますので、お隣の港区さんが、例えばそういったような取り組みをされているということの中で、直ちに中央区もということには必ずしもならないのではないかというふうに思っているものでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 道路占用料の出し方が、固定資産税に対応して出ているならいいんですよ。激変緩和なんですよ。もっと高く取れるんです。それを一気に上げることが大変だから、少しずつ上げていきましょうだから、少しぐらいの固定資産税の変化というのは大きく変わらないんですよ。今の激変緩和の措置としてですから。いろいろなことを慎重に検討しなければならないというのであれば、港区がどうやっているのか、よその区がどうやっているのか調べればできますからね。ゼロから考えろと言っているわけではなくて、実際にやっているところがある。そういう意味では、ちゃんとやらなければいけないと思います。

 例えば、NTT、東京電力、これは前回のときにも言ったんですけれども、体力はあるんですよ。内部留保。内部留保というのは、利益から税金とか株主配当、そういう社会流出分を引いた残りのものです。だから、全て使えとは言わないけれども、NTTでは4兆円ですよ。4兆円を超えている内部留保があって、東京電力も4兆円を超えている。これから見ると東京ガスは小さいけれども、七千数百億円あるんです。ですから、体力があるんですよ、こういうところは。そういう中で、激変緩和、おまけをしているんです。こういうところにちゃんと激変緩和のやり方を、毎年、例えばですけれども、1.1ずつ乗じて引き上げていく。これは全く無茶苦茶な話ではない。筋も道理も通っているというふうに思います。

 巨大企業に社会的役割を果たさせる、また内部留保の社会的還元をさせていくという意味でも、本当に無理な話ではないと思うんですけれども、その点の見解はいかがですか。

○田村環境政策課長(参事)
 この激変緩和措置につきましては、占用をしている企業を救済するということでは必ずしもなくて、こういった公共的な企業が占用としては大半を占めているという状況があるわけですけれども、結果的にはこういった企業は、住民の方、本区で言えば区民の方々の非常に身近な生活基盤を担っているというところでございます。

 そういったことで、ここでの道路占用料、全体的な事業規模からすればわずかな部分ということなのかもしれませんけれども、ここでの値上げというものが急激に行われることによって、結果的にはエンドユーザー、要するに利用者である区民の方への影響ということも懸念されることがあって、こういった激変緩和というような考え方が導入をされているというふうに認識をしてございますので、当然ながら、そういった考え方を変えていくということについては、繰り返しになりますけれども、慎重に検討して対応すべきだというふうに思っているものでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 本当に慎重に、検討すればできるんですから、やっていただきたいと思います。

 今、内部留保の本当に一部でも削って賃金を上げていこうじゃないかと、そういうのが広がっています。やはり区も遠慮することはないと思うんですよ。激変緩和をやめるわけではなくて、毎年見直していく、激変緩和であるんだけれども、適正な道路占用料を納めてもらう、それで社会的責任を果たしてもらおうじゃないかと。そこで生まれる財源を区民へのサービス向上に使っていこうじゃないかと、そう努力するのが、区民の立場に立った自治体の役割ではないかというふうに私は思います。だから、ここで思いやりが出るんですけれども、財源確保でも、大企業に思いやりをするんじゃなくて区民に思いやりを持ってほしいというふうに思います。

 あと一つ、これは検証が必要だと思うんですけれども、区独自に占用料を決めるということをしていくとしたら、例えばですけれども、電線の地中化、こういうのを促進させるために地上の占用料よりも地下のほうを低く設定するというようなインセンティブなどを与えると、そういうことも進むのか。これは簡単にはいかないですけれども、そういうようなこともできるのかなと思うんで、その点の見解をお聞かせください。

○田村環境政策課長(参事)
 占用料については、土地を利用することによる対価ということでございまして、その占用料算出に当たりましては、今お話しのように、例えば道路を1つ例にとりますと、道路部分については、地上部分、それから空中も含めてですけれども、地下部分、それぞれ道路区域の中だということでございまして、その空間の中を利用することについて占用料が発生してくると。この部分につきましては、算定をする段階において、効用比と申しますか、地上の高いところの価値、要するにGL、地上面と比べて、あるいは地下とした場合の価値、こういったものを計算の中で考慮するという形に現時点でなっております。

 そういった状況の中で、今、委員のほうからのお尋ねでございます、例えば一つの政策を進めていくときに、さらにそこに優遇といいますか、何かしていくことが可能かということについては、これもやはり道路という部分について一定の考え方で整理をされている占用料でございますので、そういったことは可能かどうかということを含めて、やはり検討というのは十分しなければならないというふうに感じるものでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 都心区と言われる港区、千代田区が独自に進めてきて、努力していると思うんです。23区の中で実際そうやっている区は少ないと思う。しかし、やはりそういうグループに中央区も入って、独自に道路占用料の問題も新しい財源の確保の道として研究していただきたい、実現させていただきたいというふうに思います。

 次は、予算書の102ページの施設整備基金繰入金なんですけれども、施設整備基金を活用できる対象というのはどういうものなのか教えてください。

○黒川企画財政課長
 施設整備基金の目的といたしましては、主に教育施設を除きます区の一般の区民施設等々におきます新規の整備でありますとか大規模な改修に充てる財源として活用しているところでございます。

○志村委員
 この中の11番に築地場外市場地区先行営業施設の整備があります。区の施設でもない。私、これまでも運営主体はどこなのかと聞いても、いや、まだはっきりしていませんという中で、区の施設でもない。はっきりしているのは商業施設ですね。ですから、今説明があったような施設整備基金を区の施設でない商業施設である先行営業施設に使うというのは妥当なのかどうか、その点をお聞かせください。

○黒川企画財政課長
 先行営業施設の位置づけといたしましては、あくまでも築地のまちづくりの一つの重要な基盤の整備であるというような認識から、これは区の責任においてこの施設の整備を進めるということでございます。したがいまして、これは区有施設の整備にかかわる経費ということでございますので、施設整備基金の対象となるものでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 これまで、そのような形で施設整備基金を活用した事例はあるんでしょうか。

○黒川企画財政課長
 今の施設整備基金の事例でございますけれども、今回の先行営業施設はこれまでにない性格の区の施設であることは間違いございませんので、こういった類似施設につきまして基金を投入した実績につきましては、現在のところ、これにぴったりと符合するものはないのではないかというふうに考えてございます。

○志村委員
 今までないと。これが初めての事例で、では、これからも区有地を使ったいろいろな施設をつくるときに施設整備基金を使うという想定もあるのかどうかお聞かせください。

○黒川企画財政課長
 今後、区もさまざまな施策を展開する中で、施設のニーズに応じた、これまでにない施設の整備というものも、具体的には今のところ想定はされませんけれども、当然そういった可能性というのはあるというふうに考えてございます。あくまでも区の責任として整備をしていく施設というのは、当然、区がその整備経費につきましても負担をするというのが基本的な考え方と存じますので、そういった際に必要に応じて、こういった基金の活用というのは可能性が当然あるものというふうに認識してございます。

 以上でございます。

○志村委員
 当初から税金を投入する、ただ、全部税金ではないということでありますけれども、どういう運営主体か、どういう中身かわからない中で予算化されるというのも、私は異例のことだと思いますよ。ある程度、今まで石橋をたたいて区長さんもやってきたような区の運営の中で、何だかよくわからないような施設にこういう基金を準備するというのは、やはり問題もあるんじゃないかというふうに思っています。

 次は、114ページにまちづくり支援事業の協力金があります。これは科目存置です。この間、竣工式がありましたけれども、歌舞伎座のビルとか、清水建設の本社ビル、まだ全部完成していない、工事もやっておりますけれども、本社ビルのほうはできていますけれども、その清水建設の本社ビル、そして環境情報センターの開設が計画されている京橋三丁目1地区の建設、ここからの開発協力金というのはどの程度を見込んでいるんでしょうか。

○平野地域整備課長
 開発協力金の見込みについてでございますが、歌舞伎座さんと京橋三丁目、清水建設さんでございますけれども、清水建設さんについては、既に平成20年と平成23年にお支払いをいただいてございまして、2億5,000万円のお支払いをいただいているところでございます。

 歌舞伎座さんと京橋三丁目でございますが、歌舞伎座さんについては、おおよそ協議が調いつつございまして、今、1億7,000万円という形でお支払いをいただこうというところで最終調整を行っているところでございます。それから、京橋三丁目につきましては、まだ協議の熟度が達しておりませんので、金額についてはまだ未定でございます。

 以上でございます。

○志村委員
 開発協力金の額については、方程式というか、算定のやり方がなくて、協議をしながら決めていくというようなことなんですけれども、ここで確認したいのは、そういう協議で幾らにしていくのかという中で、地域貢献とかがあるんですけれども、建物自体、計画自体が、地域貢献ということで容積率だとかいろいろなサービスがされています。あわせて、開発協力金の中での地域貢献で下がっていくのか、そのあたりの関係というのはどういう関係か、ちゃんとそのあたりはうまくなっているのか教えてください。

○平野地域整備課長
 開発協力金と地域貢献の関係でございます。

 委員おっしゃったように、建物の中に地域貢献施設が入っているものについては、開発協力金の金額は減額させていただいてございます。これとはまた別に、例えば特区であるとか総合設計であるとか、そういったときに、まち全体の考え方として容積率の緩和であるとか、そういったものは行われているわけですけれども、その制度として行っているわけでございまして、開発協力金については、開発協力金の考え方の中で整理をさせていただいているものでございます。

○志村委員
 その施設に地域貢献の施設が入っている場合は開発協力金を減額していると、今、答弁したんですが、それは二重のおまけじゃないですか。地域貢献の施設があるから、地域貢献をするから、いろいろ建物も含めてサービスしましょうと言っているのに、地域貢献の施設があると開発協力金も減額すると。だから、僕はそうなっていないでしょうねと言っているのに、今はそうなっていますというような答弁だと思ったんですけれども、もう一度正確にそのあたりを。

○平野地域整備課長
 開発協力金の算定につきましては、建物全体の中で地域貢献施設が入っていて、それが地域にどのようなメリットを与えるのかということも含めまして協議をさせていただいているということでございます。

○志村委員
 建物をいろいろ計画するじゃないですか。容積率なんかは、例えば100の容積のところを、地域貢献とか帰宅困難者対策をやりますからということで、100のところを200にするとか、やっているわけでしょう。だから、そこでおまけしているのに、さらに開発協力金もおまけするんですか。そうやっているということでいいんですか。

○平野地域整備課長
 すみません。説明が下手なんだと思いますが、建物の中で地域貢献施設があるというのは地域にメリットがありますので、それは減額しているんですけれども、例えば容積率をもらっているから事務所と同じように見るよというような考え方はしていないということで申し上げているということでございます。

 以上です。

○志村委員
 ちょっとよくわからない。今の地域整備課長さんの答弁だと、何か二重におまけしているように受けたので、また、この点については私のほうも、もう一度、地域整備課長さんに後でよく具体的に聞きたいというふうに思います。

 それから、先ほどもありましたけれども、区民税の徴税で特に低所得者の方の滞納がふえていると。それはフラット化などの影響だという分析結果がさっきありました。収入が大きくないのに、いろいろな税制の変化で税の負担に苦しむということがあるというふうに思うんですけれども、先ほども、これからは低い額の方たちへの徴収を強化していくという話、ただ、いろいろおもんぱかってやるよということなんですけれども、やはり低所得者の方たちの生活はきっと厳しいですよね。税金を払おうとしても払えないということで、納税者の方々の生活実態とか、適切な滞納整理というんですか、それをどう本当にやっていくのか、そして、その方が自立できて、いろいろな行政サービスと総合的に援助を受けて、ある意味健全な納税者になるようにする。低所得者だから、なかなかそのあたりは厳しいと思うんです。

 しかし、今の悪い税制といっても、納税者であればちゃんと納めてもらわなくてはいけないんだけれども、そこをどう支えていくのかというのは、私は単なる徴収ではなくて、本当に総合的にその人の生活を支えていくという立場で職員の方々が取り組んでいかなくてはいけないと思うんです。そういうことで独自で対応するとはおっしゃっているんですけれども、それだけではなかなか厳しいので、もうちょっと何か生活を支えるという意味の工夫が必要だと思うんですけれども、その点のお考えなどをお聞かせください。

○井上税務課長
 確かに、いろいろな御事情がおありになるというのは、私どもも日々滞納者の方とお会いして感じるところでございます。ただ、フラット化もございましたけれども、全体の税負担自体は国と地方の持ち分の変更ということでございまして、やはり税というのは一定の所得に対して客観的にかかるものでございますから、それに関しては納めていただくというスタンスは、私ども、堅持していただかなければいけないものと思っております。

 ただ、やはり不況の影響によって、以前はお勤めしていたけれども、今はお勤めができなくなって生活のほうに回ってしまうというような御事情もございます。そのような方につきましては、生活の御相談をさせていただくとともに、多重債務の方につきましては消費生活センターなどの、いろいろな支援部署を介して御案内申し上げる等、我々もアンテナを広げまして、その方にできる限りの援助を御提供するという形でやってまいりたいと考えております。

 工夫ということは限りないと思います。今後ともその方に、一番よろしいのは差し押さえや強制的な換価ではなくて分納等、自主的にお支払いいただくことがベストでございますので、それができるように取り組んでまいりたいと考えてございます。

○志村委員
 そういう意味では、一番シビアなところで区民の方々と接するというので、区の印象もそこで非道な行政と見られるのか、心優しい行政として見られるのか、大変大事な部署だと思いますので、お願いしたいと思います。

 それから、ちょっと確認したいんですけれども、全国的にも平成20年ぐらいから滞納がばっとふえているんですよね。税制の変化で、収入は変わらない。つまり、非課税だったのに納税者になってしまったという方も生まれているんじゃないかと思うんです。その点はどうなんですかね。

○井上税務課長
 課税標準の税額の掛け方というのは、基本的に変わることではございません。フラット化は、国と地方の総合的な税負担は同じなんですが、国と地方の税率の配分が変わることによりまして、地方のほうが低所得者の方に関しましては、区民税の場合、かつて3%というような税率がございましたけれども、そういう方が6%に上がって、区民税負担は名目上高くなっている方がいらっしゃる。国と地方を合わせれば変わらないけれども、国の場合は源泉徴収等がございまして、担税力が発生したときに既に取られてございますけれども、住民税の場合は翌年度課税になりますので、今までのつもりで住民税が来ると思っていたら、翌年度高くなったと。そういうことで払えなくなってしまう。

 同時に、少額の方がついうっかり、もしくは私どもが、先ほども申し上げましたけれども、高額の人を中心に滞納整理をしますものですから、文書の催告だけを重ねていると、なかなかお払いになることができる機会がなくて積み重なる。そういうことが悪循環として起こっているのではないかというふうに考えております。

 以上でございます。

○志村委員
 そういうことで、思いやりを持った歳入、財源確保も考えていただきたいというふうに思います。また、徴税についても、その点よろしくお願いいたします。

 以上で質問を終わります。

○今野委員
 ただいま一般会計歳入の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後3時35分に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後3時35分に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午後3時3分 休憩)


(午後3時35分 再開)

○礒野委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。

 資料要求がありました34点について、席上に配付いたしました。

 一般会計歳入について、質問者の発言を願います。

○田中(耕)委員
 みんなの党、田中でございます。

 それでは、本年度予算特別委員会の一番初めでございますので、気合を入れまして質問をさせていただきたいと思います。

 歳入全般について予算書等を拝見して気になった点等をお伺いしたいと思います。

 申し上げるまでもなく、納税は国民、区民の義務なわけでございますけれども、我々行政に携わる者がお預かりしている貴重な税金、財源を、納めていただいている納税者、また有権者、国民、区民に対していかに効率よく還元していくのか、サービスや具体的なものとして還元していくということは非常に重要でございますので、そういった観点からお話をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、区長の所信表明の中で、各種施策の充実強化とあわせて、社会経済状況が厳しい中、健全で持続可能な財政運営の観点から、既存の事務事業を総点検した上で必要な見直しを行うなど、限られた財源の重点的、効果的な活用に努め、さらに歳入確保の取り組み強化や計画的に蓄えてきた基金の活用、特別区債の発行による負担の平準化なども図りながら積極的な予算編成を行いましたという点と、健全財政のもとで基本計画2013に掲げる諸事業を推進していくため、一層の事務改善によるスリムで効率的な執行体制の確立、全庁挙げての歳入確保強化の取り組みはもとより、区民の皆様の御理解をいただきながら行政評価を通じた事務事業の見直しや受益者負担の適正化も図ってまいりますというくだりがございまして、非常にこういった歳入強化ですとか事業の適正化といった点に強い意思表示をお示ししていただいているというふうに思います。まず今申し上げたくだり、歳入確保強化の取り組みですとか受益者負担の適正化といった言葉がキーワードとしてございますので、本年度、とりわけここに述べられているようなことの具体例として、最も力を入れたことや成果が期待されることが何であるのかを、まずお示しいただきたいと思います。

○黒川企画財政課長
 本年度の歳入確保の取り組みでございます。これまでの質疑の中でも若干触れさせていただいた部分がございますけれども、例えば税務あるいは保険料の徴収に当たりまして、なるべく滞納を未然に防いでいくといった観点からの納税案内の事業の実施でありますとか、民間活力を活用いたしました私債権等の回収ノウハウの取得といったようなところ。また歳入の拡大といった意味では、さまざま、これまでも江戸バスのバス停のネーミングライツの導入でありますとか、そういった工夫を重ねながら歳入確保の取り組みを進めてきたところでございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 受益者負担の適正化という点も、今の中に含まれているということでございますかね。お願いいたします。

○黒川企画財政課長
 失礼いたしました。

 受益者負担という形につきましては、今般、今後2カ年にかけての重点取り組み指針というのを策定したわけでございますけれども、隔年度、現在の例えば施設使用料等については適正な水準なのかというのは定期的に検証を進めてきているところでございます。そういった中で、これまでの使用料のさまざま積算の方法が適当なのかどうかといった点を今年度、実は検証作業を進めているところでございまして、そういった検証結果、調査結果を踏まえながら、来年度におきます受益者負担の適正なあり方というところの検討につなげていきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 ありがとうございます。

 行政評価を通じた事務事業の見直しとあわせて、当然、受益者負担適正化というのを考えていかなければならないというふうに、まさにそのとおりだというふうに思うわけなんですけれども、例えば区民館の使用料1つとりましても、結構直前のキャンセルとかをされてもキャンセル料が余りかからなかったりするということもあって、そういった費用の損失といったようなものがサービス面で結構あるのではないかというふうに感じる部分があるんです。区民館だけではなくて、キャンセルですとか、そういう機会損失に対して、受益者負担ですとか使用料負担の場合にどういうお考えをお持ちのかというのをお知らせしていただきたいというふうに思います。

 当然、キャンセル料を請求するとなると、また、それを請求するための費用もかかったりしますので、必ずしもそれが望ましいとは思っていないわけなんですけれども、一般の民間のサービスであればそういった費用が発生してもやむを得ないかなと思うような場合でも、公営であるということのメリットでもありますけれども、そういった費用負担が発生しない。そのために、逆にキャンセルですとかのモラルが低下してしまうようなケースも見受けられるというふうに思うんですけれども、そういった点についての御見解お知らせしていただきたいと思います。

○濱田地域振興課長
 施設のキャンセルの扱いについてでございます。

 区民館というお言葉が出てきましたので、私のほうからお答えさせていただきますけれども、区民館につきましては、利用者の利便性を考えまして、公共施設予約システム等で予約した方に対しまして、当日までにお支払いいただければ結構ですという形での取り扱いをしてございます。ただ、今、委員おっしゃるように当日キャンセルということで、結果的には利用されなかったというような点が多々ございまして、数年前の監査のほうでもそういうことを指摘されておりますので、現在、区民部のほうで区民館を含めまして区民施設等のキャンセルの扱いについて一定のペナルティーが科せられないかということで検討している最中でございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 まさに、御答弁いただいたとおりだと思います。歳入の款でございますので、施設の運用の話にまでなってしまうと範囲を逸脱してしまうと思うんですけれども、区民館に限らず、使用料が発生する貸し館設備を持っている施設等のキャンセル等は、料金という意味でも一定の負担はお願いしたほうがいいだろうと思いますし、それは単純に収入という面だけではなくて、モラルの面や安易なキャンセルは許さないということですとか、借りたくても借りられない利用者の方がいらっしゃるということ考えたならば、やはり何かしらの手段というのは今後考えていっていただきたいというふうに強く思います。

 次に、財源関係の数値上のお話についてお伺いしたいと思うんですけれども、一般財源と特定財源の推移についてでございます。

 いただいている資料、財政白書等々を拝見しますと、平成20年度ごろからの一つの傾向、トレンドといたしまして、やはり一般財源が減少傾向で、特定財源の比率が上昇しているというのが、ここ4、5年間続いている傾向かと思うんです。このこと自体は、理由は当然あるんだというふうにわかっておりますけれども、そういう傾向が続くこと自体は危惧する部分があります。特定財源と一般財源の比率のあり方について、また、ここ最近5年ぐらいの流れについて、どういう御見解お持ちなのかというのをお知らせしていただきたいと思います。お願いいたします。

○黒川企画財政課長
 委員御指摘のとおり、やはり平成19年以降の5年間につきまして、昨年発行いたしました財政白書におきましても、比率の推移等を御紹介させていただいているところでございます。

 一番のところは、一般財源の面では、やはり景気の動向等に伴います都区財調交付金の減少傾向でありますとか、区民税が横ばいに推移しているといったような、一部リーマンショック後はかなり区民税収入についても落ち込んだという部分がございまして、それをいまだに引きずっているような要素があるという意味で、一般財源の比率としては、そういった減要因があります。一方で、特定財源につきましてはさまざま、国庫負担事業の執行でございますとか、市街地再開発に伴います国庫等の投入、あるいは施設整備にかかわります区債の発行等によりまして、総体的に、このところ、特定財源が増加の傾向にあるということを踏まえた動きかというふうに認識してございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 特定財源自体は別に悪いことではないというふうにも思いますし、目的、理念にかなった費用が使われたならば望ましいことだと思いますが、やはり一般財源の比率が下がってきているということは、柔軟な対応といった点では心配する点もあるかと思います。一般財源のあり方については、今まさにおっしゃられたように、ここ5年間ぐらいずっと低下する傾向が明らかだというふうに思いますので、特定財源とのバランスについては、ぜひとも私どもとしても注意深く見守ってまいりたいというふうに考えてございます。

 今お話のありました都区財調交付金等々について、本区の場合、人口が増加していて非常に行政需要がふえていると思うわけなんですけれども、ただ、財調交付金の基礎算定額となる基準財政需要額の算定額を見ますと、ここ5年、10年見て、ほとんど横ばいというふうな傾向に見えるかと思うんです。これは人口が増加していても、景気動向等によって本区への交付金の実態額は変わらないという理解でよろしいのかどうか、それとも、やはり人口よりも違う要素による変動幅のほうが大きいと考えるべきなのか、その点について御見解をお知らせいただきたいと思います。

○黒川企画財政課長
 まず、このところの財調交付金の動きを見ますと、景気の低迷によりまして全体の配分自体になかなか大きな広がりが見られない中で、限られた原資を23区で分け合うというような状況が生じているわけでございます。これも単純に需要を積み上げただけでは財源が追いつかないということで、ここ数年間はそれを割り落とすような財源対策も、財調算定上、行われているというような状況でございます。

 本区におきましては、委員御指摘のとおり人口増加に伴います需要の増というのが確かにあるわけでございますけれども、一方では、その基礎になります収入額自体も、若干ではございますが、増加傾向にあるという中で、その相関関係等によりまして、なかなか人口増加に伴ったイメージどおりには財調交付金も推移していかないというような、私どもといたしましても若干じれったい状況が続いているという認識でございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 私どもも、まさにそのように考えてございまして、都区財調の仕組みは、知れば知るほど中央区にとってはなかなか納得しがたい点もあるのではないかなというふうに思ってございます。いつも繰り返し申し上げておりますが、さまざまな23区の会合等でお話し合いや意見を出す機会があるかというふうに思いますので、本区の立場については、しっかりと我々の置かれている状況について態度を示していくといったことをお願いいたしたいというふうに思います。

 最後に、予算書の中の都支出金の項目についてお伺いしたいと思います。

 都支出金の金額が平成24年度予算、34億9,400万円相当から本年度47億3,900万円余というふうになっております。増加率が35.6%ということで、大変大きな金額になってございますので、この内訳といいますか、増加要因の主なことを御説明していただいて、具体的にどのようなサービスに還元されているのかというのをお知らせしていただきたいというふうに思ってございます。お願いいたします。

○黒川企画財政課長
 新年度予算におきまして都支出金が伸びた主な要因といたしましては、まず大きいのが耐震化促進事業費補助金の関係でございます。これは特定緊急輸送道路沿いの建築物に対します耐震化の助成で都支出金がかなりの部分を充てられておりますけれども、こういった需要に6億6,000万円程度の増額が反映されているということでございます。このほか、待機児童の解消支援事業費補助金でありますとか、保育所の関係の設置促進事業費補助金、こういったものも民間保育所の誘致、それから運営補助等の需要の増加に伴って増加をしているというようなことでございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 特定緊急輸送道路については、まさに喫緊の課題でもございまして、重要性も感じておる一方で、先日、区民の方からも御相談いただきまして、テナントさんなんですけれども、ていのいい追い出しに使われているんじゃないかといったような御指摘があったりですとか、耐震化自体は急いで行っていかなければならない一方で、お住まいの方や利用されている方からは、そんなに早急に全てすぐ対応できるわけではないといったような御意見などもありまして、簡単に耐震化が進めばいいんだという単純な問題でもないんだなという思いを強くしたところでございます。

 保育所の待機児童問題等は、また後に歳出の款のときにお話をお聞きしたいというふうに思いますが、都の重要施策に対しましても、本区としても機動的に対応していくということが非常に重要かと思いますので、そういった点、また後ほどお伺いしてまいりたいというふうに思います。

 歳入に関しては、以上で終わります。

○礒野委員長
 次の質問者の発言を願います。

○渡部(恵)委員
 それでは、歳入について御質問させていただきます。

 まず、区民にとって最も身近な基礎自治体として、行政は常に区民福祉の向上が求められております。そのためには、経済状況の変化などによって歳入の確保が難しい場合であったとしても、行政改革の推進や基金の活用なども図りながら、もちろん、各種施策の推進に向けて区民サービスを低下させることのないように強固な財政基盤を築き上げていかなければなりません。また、本区は地域特性が明確になっている土地柄もございまして、多様な特性による課題によっても的確に対応していく必要があると思います。

 こうした考えのもとで、今後歳入の確保というのは大変重要であると私自身も考えております。とりわけ、行政の裁量によって自由に活用できる一般財源で、かつ他に依存しない自主財源の確保が不可欠であると考えます。基本計画2013では、今後10年間を見越した財源対策を計画されているということで私も拝見しておりますが、これを踏まえて質問させていただこうと思います。

 平成25年度の予算説明書によれば、自主財源の大層を占めているのが特別区税218億8,302万7千円、そして予算の27.2%という構成比を占めています。さらに、特別区税の内訳を見ますと、特別区民税が185億7,059万9千円と、全体の84.9%を占めているということでございます。日本は、これから2040年に向かって75歳以上の高齢者が最もピークになっていくというふうに言われておりますが、2040年までは実質的にあと27年です。あと27年後にピークが迫るという中で、現在、既に団塊の世代の方たちは退職をして、実質的な納税義務者の方々も減少しているということが、昨今、日本で起きていることです。他方で、実質的な生産年齢人口も同時に減少しているというのが現状で、さらに今後も減少していくことが見込まれております中で、現在、本区においては納税義務者の推移というのはどのようになっているでしょうか。

 それから、2つ目の質問といたしまして、1人当たりの納税額の推移、直近のデータではどのようになっておりますでしょうか。

 3つ目の質問としまして、今後、本区独自の人口推計が想定されておりますが、5年後、10年後の納税額の見込みの推移ということもどのように計上されているのかということをお伺いしたいと思います。1人当たりの納税額は景気の動向によって左右していくということももちろん関連してくるとは思いますが、どのぐらいを想定しているのか教えてください。

○井上税務課長
 納税義務者数並びに1人当たりの負担額の推移ということで御質問でございます。それと同時に、5年後、10年後の税収予想という御質問でございます。

 まず、納税義務者の推移を御説明するに当たりまして、一番いいデータとしては、本区の人口が一番減りました平成9年度、このときに納税義務者もやはり最少の数字でございました。このときの納税義務者数が4万3,062人でございます。今、一番直近のデータということになりますと、平成24年度決算見込みの納税義務者数で7万5,920人ですので、実に3万2,858人、76%もの増ということになってございます。これは9年度から24年度の15年間でございます。1人当たりの負担額、これは税収額を納税義務者で除した金額でございますけれども、平成9年度で申し上げますと、お1人当たり20万6,000円、平成24年度決算見込みで申し上げますと23万9,000円です。平成9年度比で3万3,000円、16%増となってございます。

 それと、5年後、10年後の納税義務者並びに負担額、税収額の伸びの想定でございます。

 先ほど申しました平成24年度決算見込みがほぼ固まってございますので、これを基点とさせていただきまして、想定します。

 その前に、9年度から24年度だと間があき過ぎますので、5年前の19年度から24年度決算見込みの経過を追加で御説明しておきますと、納税義務者は9,154人、14%増、税収額は9億2,099万、5%増、納税義務者1人当たりの納税額は1万9,000円、7%減でございます。なぜこれを申し上げたかと申しますと、平成9年度から納税義務者数は一貫してふえてはおるんですけれども、平成22年度にリーマンショックの後の影響がございまして、唯一3年度税収が下がるということがございました。そのときに1人当たりの負担額も下がってしまいまして、平成22、23年度下がっている、このようなことを御説明したかったものですから、19年度から24年度の経過を説明させていただきました。

 今後の予想ということでございます。

 基本計画2013のほうは10年後を35年度としていますけれども、私ども、今手持ちの資料、24年度から34年度までということになって1年ずれますが、御容赦いただきたいところでございます。

 まず、計算の仕方でございますが、基本的には24年度決算見込みの1人当たり負担額に対して、今後想定される納税義務者数を掛けることによって税収額を見ていきます。したがいまして、基本となるのは24年度の1人当たりの負担額ということでございます。ただ、委員御指摘ございました今後の経済状況を見据えての推測ということにつきましては、前年度で予算を立てましても、なかなか予算どおり、見込みどおりいかないところがございまして、5年後、10年後を推測するというのは、昨今の経済状況を見ると非常に難しいところがございます。仮に1%でも1人当たりの負担額増となりますと、これがどんどん累積して上がっていき、非常に大きい数字になりますので、24年度決算見込み額の1人当たり負担額で固定して考えさせていただきますと、24年度の5年後の29年度では納税義務者は8万5,701人で、9,781人、13%増を見込んでございます。税収は205億2,355万円でございますので、約23億4,234万、13%の増を見込んでございます。納税義務者1人当たりの負担額は変えてございませんので、23万9,000円でございます。

 これが今後10年ということで、24年度より10年後の34年度で見ますと、納税義務者数は8万8,869人で、1万2,949人、17%の増でございます。税収額の見込みは212億8,222万で、約31億100万円、17%の伸びでございます。税収額の伸びは、それぞれ納税義務者の伸びでございます。

 ちなみに、納税義務者数は区のほうの統計で出しております生産年齢人口に対しまして、現在、過去の数字のデータでおおよそ88%が納税義務者になってございますので、この88%を掛けて求めた数字でございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 まず、最初の質問で、平成9年度に最少納税者人口が4万3,062人、現在が7万5,920人で76%増と。平成9年といえば山一證券が倒産したあたりで、日本の景気がすごく悪かったということを記憶しております。そんな中で、現在は納税者人口も76%ふえているということはわかりました。納税率のほうは平成9年度と24年度を比べると16%増というところで、納税者の割にどうなのかなという印象を持っています。

 次の質問にリンクしてくると思いますので、お答えいただければと思います。

 例えば、Aさんが納税額が50万円とします。そして、新しく転入してきたBさんが納税額が30万円だとします。そうすると、合計85万円になりますが、その次の年にAさんが転職等をして納税額が減ったら、たとえBさんの納税額が変わらなくても、全体の納税額というのはやはり沈み込んでしまうという形ですから、人口が伸びていくことと納税者人口が伸びていくこと、そしてまた納税額、その3つは必ずしも正比例はしてこないのではないかなというふうに思います。

 そうであるならば、やはり区は今後安定的な財政運営をしっかりと行うに当たって、自主財源を減少せず保ち続けられる、もしくは上向きにしていくための施策や取り組みを講じていかなければならない時期に来ていると思うんですけれども、区債発行ですとか基金、大変大事な区のお金になりますが、特別にそのほかに何か自主財源の確保のための具体的な施策を講じることについては、どのようにお考えでしょうか。

○黒川企画財政課長
 本区におきましては、ここ数年の人口増加、今後の人口推計におきましても、当面の増加が続くといった見込みでございます。さらに、その先というのを見てみますと、やはり委員御指摘のとおり人口構成自体の変化というのも時間とともに訪れてくるというのは当然に予想されているところでございまして、ましてや日本におきましては少子高齢化が急速に進んでいるという状況がございます。こういった部分の変化というのが、将来には必ず本区にも訪れることであろうというふうには当然認識しているところでございます。

 そういった意味では、その時点での税財政制度がどうあるべきか、それから行政と住民の関係がどうあるべきなのかといった根本的な議論というのはどこかの時点でされることとは思いますけれども、仮に今の制度でいくとすれば、どこかで税収のピークというのが訪れて下降線に生じるといったことは想定しておかなければならないだろうというふうに思ってございます。そういった意味では、当然、自主財源の確保という取り組み、努力をしていくわけでございますけれども、歳出の面でも、その時代時代に応じた有効な一般財源の活用という方向性も探っていく必要があるだろうというふうに思ってございます。

 今般、2年間の集中的な取り組みということでございますけれども、こういった取り組みを区のマネジメントとして着実に取り込んでいきながら、将来的にも安定的な行財政運営が図れるような体制というのを確立していく必要があるというふうに認識してございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 区が先々どうしても考えざるを得ない壁がやってくるということで、まだ自主財源確保のための具体的な策ということはお考えになりにくい状況であるということで理解しております。

 次の質問をさせていただきます。

 平成25年度予算では自主財源として471億5,720万7千円を計上して、予算に占める割合の58.6%を占めていると。前年度は自主財源の予算に占める割合は55.1%となっていて、3.5ポイント、25年度のほうが増加していると、予算書での説明をいただきました。これは自主財源が順調に増加しているように思いますけれども、施設整備基金等からの繰入金として127億9,680万3千円を予算として計上している金額を差し引きますと、343億6,040万4千円です。また、前年度の自主財源の総額から、こうした繰入金を差し引きますと329億7,311万6千円となって、これを比較いたしますと、今年度の自主財源の割合は50.8%となって、昨年は48.2%となるというふうに計算ができます。そうなりますと、自主財源は2.6ポイントの増加であるということが見えてきます。

 本区は、さきにも御説明いただきましたが、30代、40代の若い世代の転入の増加が著しくなって2007年から2012年までの直近5カ年では約1万1,400人が増加しているということですが、30代、40代の納税義務者の人口増にもかかわらず、自主財源の伸びが2.6ポイントにおさまっているということに対しては、どのような御見解をお持ちでしょうか。

○黒川企画財政課長
 新年度予算におきます自主財源の割合の分析をしていただいたところでございますけれども、委員御指摘のとおり、今般の新年度の予算の中におきましては、投資的経費の増大に伴います基金からの繰り入れ、これはすなわち過去からの蓄えを今後の財政の平準化のために活用していくといった意味でございますけれども、さまざまな財政運営をしていくに当たりましては、単年度の収支だけではなくて、常に長期的な視野で過去からの蓄えと将来に向けた負担の平準化、こういった双方の要素をかみ合わせながら慎重に検討していく必要があるだろうと思っております。

 新年度予算につきましては、そういった経過をたどりまして、通常の税収の増加等では賄い切れない投資的経費の部分を、過去からの蓄えを活用して充当していこうといった考え方で、財政負担の平準化を図っていくという考え方でございます。

○渡部(恵)委員
 財政の平準化ですね。非常に大切な視点でございますが、依存財源というのは、あくまでも会計的には他人資本であって、決して安定的に見込めるものではないですよね。そうであるならば、今2.6%で自主財源が増加しているということですが、2040年に向かって、やはり高齢者人口がだんだんふえてピークを迎えていきます。2040年以降は、高齢者人口が減っていくというふうには言われていますが、日本の高齢化社会が継続していくことには変わりがないと言われています。強固な財源基盤に不可欠な自主財源の安定的な増加を見込むのであれば、やはり5年先、10年先、さらに高齢者人口がピークを迎える30年後、27年後を見据えた財政運営に取り組まなければならないのではというふうに思っています。

 景気は先行きが不透明であることもよくわかっておりますし、現政府の経済政策のあんばいによっては地価が高騰して高値に推移をしていく危険性もあるというふうに言われておりますが、そうしたことを踏まえるならば、地価が上がれば、どうしても人口がまた目減りしていってしまうような危険も想定できるのではないでしょうか。やはりそうした経済的な外的要因や背景にかかわらず、柔軟に行政サービスをこれから先も継続していくためにも、また中央区に安心してずっと住み続けていくためにも、強固な財政運営というのはやはり、もはや皆さんおわかりのとおり必至であるというふうに思っております。

 歳入環境の早期好転が期待できないというふうに基本計画では示されておりますが、では具体的に何年先を目標にして強固な財政基盤を整えていけるというふうに思っていらっしゃいますか。

○黒川企画財政課長
 基本計画の中でも少し触れさせていただいたところでございますけれども、長期的な展望というのは、経済状況あるいは税財政制度の変遷といった要素がある中で非常に難しいところではございますけれども、少なくとも基本計画に掲げました10年のスパンでもって、どういった財源の裏づけを持って各施策を推進していくかというのは、当然必要なことであろうということで、今回、財政の見通しにつきましても基本計画の中で触れさせていただいたところでございます。

 その中でも、特に前期5年間の財政的な負担が予想されるということから、一歩先を見越した形で、そういった状況に備えていくという意味で、今般、当面2年間の取り組みなども進めながら、今後10年間にわたって安定的な財政運営が図れるような取り組みとして成果を生かしていきたいというふうに考えているところでございます。

 以上です。

○渡部(恵)委員
 ありがとうございます。直近では2年間を見据えた財政運営を安定的にしていくということですので、ぜひお願いしたいと思います。

 次の質問なんですが、中央区は皆様のおかげで他区よりも先んじてインフラ整備を行っていることは重々承知しております。しかし、先んじたインフラ整備をしたら、先んじて施設に、老朽化を初め、手を入れていかなければならないような再編とか改築費用など、さまざま要素もまた同時に出てくるというふうに思います。生産年齢人口とか納税義務者が減少していくということが見込める中にあって、やはり高齢者施策、子育て支援施策といった社会的な福祉に係る経費というものは、どの時代でもかかってくる大切な区としての行政サービス、区民サービスへつながっていくものだというふうに思います。

 平成25年度の施設整備基金を見ましても、本庁舎の改修、中央会館の改修、佃児童館等々、7施設の改修に係る費用が14億7千万円、また十思スクエアほか、地域密着型老人ホームの整備等、5施設の整備事業のトータルが34億9,218万4千円かかるということになっておりますが、これを見ましても、既存の施設に新たな付加価値をつけていく費用を施設整備基金から総額で49億6,218万4千円引き出していることがわかります。

 今後も、小学校の増改築の整備も予定されておりますし、現在新築の施設であったとしても、高齢者人口がピークになる27年後にはさまざま手を入れなければならなくなってくるほか、同時に、常に既存の施設にも手を加えていかなければならないという問題を本区も抱えております。現在の財源対策で、今後かかってくる施設のこうした整備や維持をやり続けていけるのですよね。というところをお伺いしたいと思います。

 また、今必要な整備も多々ある中で、区の財源対策をどのように講じていくのかということも含めましてお知らせください。

○黒川企画財政課長
 今後の特に施設関連経費を含めた財源ということでございますけれども、今般の基本計画2013の計画フレームにおきましても、この部分の占める割合がかなり高くなっているところでございます。前委員の質問でも少し御紹介をさせていただいたところではございますけれども、今、委員御紹介のありましたさまざまな施設整備、特に新規の施設の整備に当たりましては、約280億円といった金額、またそれにあわせまして、これまで使用してきております既存施設のメンテナンスあるいは付加価値をつけたような改修、こういったものにかかります経費、合わせまして、この10年間で約500億円程度を見込んでいるというところでございます。特に、前期期間にこのうち400億円がかかってくるということでございますので、この間、やはりこれまでに蓄えてきた基金を最大限に活用して財源対策をとっていくというような方針でございます。

 もとより、これとあわせまして、健全な財政の維持という観点からも、当然ながら必要な取り組みを進めていく所存でございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 前期で500億円中400億円というのは、先ほどの前委員からの御指摘による御答弁で私も重々理解しておりますが、やはりこれだけのものを投じていくということで、それも全て区民サービスにつながっていくものではありますが、本当にしっかりとした財政運営が必要であるという認識を新たにしました。

 次に質問させていただきたいことは、数字の読み上げになって恐縮なんですが、一般会計予算は804億5,819万2千円、前年度比14億8,830万4千円増加で1.9%の増、起債した借金返済に充てる公債費を除いた一般歳出が25年度798億6,935万4千円、前年度779億8,578万円を差し引き18億8,357万4千円増で、前年度比2.4%の増という御説明は先ほどいただいております。

 現在、中央区の新築マンションを購入している世代が30年後には60代から70代になっているということが容易に推定される中で、今後、来年度からの大型予算をこれだけ投じていく、それを生かしていくためには、やはり中長期的な中央区全体としての人口の循環と定着のための方向性が大切だというふうに私自身は考えています。すなわち、大体20代から50代の働き手が転出したとしても、同世代の働き手となる新住民がまた転入してくださる、これによって循環ができますし、若い働き手の方たちが中央区に来てくれるということが、これから先も継続していくことができます。

 また、現在中央区で成長している子供たち、この世代が成人して家庭を持った後でも中央区に住んで子育てをしていくという世代間の循環によって納税義務者を新たに安定的に継続してふやしていけるということで、区の財政も安定させていけますし、今後行う大型予算を先々生かしていける作用が働いていけるのではないかなというふうに考えています。そのためには、マンションの二世帯住宅が可能なように土地の高度利用化も含めて、中央区に親たち世代、そして子供たち世代、孫たち世代が住み続けられるというような施策を展開していくことも、これから先々は必要ではないかと思っております。

 緑化対策ですとか公園増設、児童館の整備、学校の整備等々、もちろん大切ですし、人が長く住み続け、そして何世代にもわたって住み続けていけるように、まちづくりのための施策と財源確保は、やはり今後もより一層必要であるというふうに思われます。30年後も中央区に住み続けていけるためのまちづくりについて、中長期的なビジョンをどのように考えておられますでしょうか。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 将来にわたって中央区に住み続けられるまちづくりということでお答えをいたします。

 都市の活力でございます力強いこれまでの人口増加を地域に確実に定着させていくということにつきましては、本区の一貫した基本目標でございます。そのためには、限りある財源の中で各世代の行政ニーズに的確に対応しまして、将来にわたって住み続けていただけるような安定した区民サービスを提供していくことが重要であろうと考えます。

 これまで数次にわたり策定をいたしました基本計画におきましても、こういった認識のもとで施策を展開してきたところでございますけれども、今回策定しました基本計画2013におきましても、子供から高齢者まで全ての世代の区民の方が生涯を通じて生き生きと暮らし続けられるというところ、そのための基盤づくりを行うというところを特に重視いたしました。例えば喫緊の課題でございます小学校の教室確保、それから高齢者、障害のある方に安心して住み続けていただくための施設サービスの充実、さらに多世代の学びの場、交流の場となる本の森ちゅうおう、生涯学習施設の整備、こういった施策を将来にわたる豊かな区民生活といった観点で体系化をいたしまして、中長期の財政フレームとあわせてお示しをしたというところでございます。

 今後、平成25年度以降、先ほど来お話ございますように財政的には厳しい局面に差しかかっていくと思われますものの、この新しい計画のもとで学校、保育所、高齢者施設など集中的な整備に取りかかりまして、あわせて教育内容の充実、東日本大震災を踏まえました防災対策の強化、さらに本区の多彩な魅力の発信、にぎわい創出、こういった施策についても積極的に展開をしていきたいと考えているところでございます。このような施策を積み重ねていくことによりまして、多くの人が本区の魅力に引かれ、集まり、快適な都心居住といったことのもとで、何世代にもわたって、将来にわたって住んでいただけるまちを実現していきたいという考えでございます。

 以上です。

○渡部(恵)委員
 御答弁ありがとうございます。

 当然のことながら、今後もまちににぎわいがなければ人はそこに魅力を感じませんし、また、自分がついの住みかとして選ぶためにも、さまざまな暮らしやすさ、それから行政サービスの充実というものはもちろん大切なことだと思います。しかし、やはり本区は安定的に財源を確保して、これだけ大きな予算を投じていくということがこれで2年目になって、さらにますます予算を投じていかなければならないということを生かしていくためにも、やはり新住民が入り、そしてそこで子育てが行われて、小さい子供たちから高齢者までがずっと住み続けていけるというような、そもそものハード的な部分のまちづくりという部分も財政安定化のためには大切だと思いますので、どうかその方向で皆様とともに将来の中央区、ますます輝いて、働き、そして住みやすい環境を整えていっていただけるようにお願いしたいと思いまして、質問を終わらせていただきます。

○礒野委員長
 次の質問者の発言を願います。

○山本委員
 無所属の山本理恵です。前委員と重複する部分もございますが、新年度予算に対する、提案も交えて質問させていただきます。御答弁のほどよろしくお願いいたします。

 歳入についてお伺いいたします。

 御案内のとおり、平成24年度の予算は財政規模において平成23年度を約12%上回るものでした。平成25年度は、平成24年度をさらに上回る数値となっております。これは、今後の人口増や区民の将来の社会的ニーズを勘案して先行投資するという意味合いがあろうかと存じます。

 まずは、2年連続で大型の財政規模になった要因について再度確認をさせてください。また、平成25年度以降も予算が増大していくのか、将来展望についてもお聞かせください。

○黒川企画財政課長
 委員御指摘のとおり、平成24年度を境に、本区の財政規模は大きく拡大をしたところでございますけれども、平成24年度におきましては、小学校2校の建てかえに代表されますとおり、これまでの施設の老朽化に伴う更新といった要素でございました。平成25年度以降は、今般の人口増加等に伴います新たな施設ニーズに対応していくためのこれからの備えと計画的な取り組みをスタートさせていくという意味で、2年連続で投資的な経費がかなり大きく膨らんでいるというような状況でございます。

 今後の見通しにつきましては、このほど策定をいたしました基本計画2013のフレームで申し上げますと、着手を始めました施設整備が26年度、27年度あたりにふくそうしてくるということで、さらに財政規模が膨らんでいく想定でございます。その後、計画期間の後期に入りますと、一定程度の集中的な施設整備が落ち着いてくるという想定のもとで、700億円台を緩やかに推移しながら上昇していくであろう、人口増加に伴って緩やかな上昇を続けていくだろうというふうに、今のところ見込んでいるところでございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 平成25年度は明正小学校・明正幼稚園及び新川児童館の改築工事の財源として、区債を発行予定としています。区債発行額については、前年度に比較すると81.5%の大幅減となっております。

 ここで確認ですが、まず1つ目に、区債の発行にはさまざまな方法がありますが、どのような方法をお考えになられているのか、目的や手段についてお聞かせください。

 2つ目に、区の債務については、当然利子が伴うわけですが、これは固定金利という理解でよろしいのでしょうか。

○黒川企画財政課長
 新年度予算で新たに特別区債を発行するわけでございますけれども、一般的には区債の発行方法としては、どこからその資金を調達するかという観点から言いますと、政府関係の公的資金から調達する方法、それから民間の銀行でありますとか、かつて区におきましても発行したところでございますけれども、市場公募債といった形で広く区民の方から資金を提供いただく、こういった政府関係資金と民間関係資金という大きな区分けがございます。一般的には、公的資金につきましては、より長期の償還期間が設けられている。これに対しまして、銀行等の民間資金につきましては、5年から10年ということで比較的短期の償還という設定がされております。

 金利につきましては、一般的に固定金利が採用されているところでございまして、最近の金利の情勢から申し上げますと、政府系の資金につきましては1%台の前半、1.4%とか1.5%とか、こういった利率で推移をしているところでございます。民間資金につきましては、短期のものについては1%を下回るような状況も出ているところでございます。

 そういった意味では、現在の状況としては、特別区債を起こすに当たっては、過去と比べますと比較的有利な状況ということがございますので、新年度予算におきます学校、それから児童館については、今後も長くお使いいただく施設というような性格も勘案をいたしまして、より長期の償還を設定できる公的資金での資金の調達を考えているところでございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 ここで、私の個人的な見解を申し上げたいと思います。固定金利であるとすれば、また今お話しいただいた金利のほうが公的資金、1.4%もしくは民間資金、1%以下ということであれば、起債を積極的に行い、資産を建物などにかえていく姿勢を強く持ってもよいのではないかという意見です。予算策定に当たっては、世の中の経済情勢というものを十分加味して、機動力を持った姿勢を堅持することが大切であると考えます。

 日本の場合は政権がかわり、アベノミクスと呼ばれている新しい経済政策が進められています。経済成長を重視している点と日銀に対するさらなる金融緩和を求めている点が特徴だと思います。日銀は、インフレ目標を今までよりも高い2%に設定し、政府との共同文書を発表しました。国債などの資産購入についても期限を設けない方式に変更する決定を行ったと認識しております。政権交代後から円安が進み、株価が上昇しました。

 そこで、私が申し上げたいのは、将来に対するリスク回避についてです。周知のとおり、政府や地方の債務は現在約1,000兆円に積み上がっています。政府の平成25年度予算案が発表されていますが、補正予算とあわせて軽く100兆円を超えています。補正予算後の平成24年度歳入に占める公債依存度は約52%と言われています。20年前の国債残高を皆さん、覚えていらっしゃるでしょうか。1993年度が約193兆円です。10年前の2003年度が約457兆円で、2013年度が約750兆円です。グラフにあらわすと、美しい右肩上がりになります。以前、ホームページなどで日本の借金時計というものが宣伝され、日本の国債残高の多さを問題視する声もありましたが、最近では以前よりもトーンダウンしているように思います。

 さて、財政の問題を語れば、日本だけではないと思います。リーマンショック以降の欧州では債務危機、アメリカでは財政の壁が存在しています。主要国は未曾有の量的緩和や歳出削減を実行し、危機回避に努めましたが、その結果、通貨の信任が損なわれつつあります。アメリカで申し上げれば、米国債を一番多く所有しているのはFRBであり、FRBのバランスシートは過去最大の3兆ドルを突破しています。日本に関しては、国内で株価が上昇したといっても、世界的な視点で見れば円という日本の通貨が毀損しているにすぎないと考えます。株式で利が乗ったとしても、毀損をした通貨の分だけ損をしなかったということになります。現政権では、物価上昇の目標を2%に設定設定していますが、これは将来通貨の価値を2%下げると表明していることと等しいと考えます。

 そこで、お尋ねいたします。

 このように国家財政が危機的状況を深める中で、大胆な金融緩和が同時並行的に行われれば、事実上の債務現金化が進みます。将来的なリスクとして日本国債の長期金利の急上昇といった最悪の事態も想定しなければならないと考えます。言うまでもなく、中央区政は区民の生命と財産を守っていくことを使命として帯びています。世界経済情勢や日本の政権交代における経済政策に関しては、どのような認識をされておられるのか、御見解を伺いたく思います。

 また、今年度の予算策定に当たって与える影響について、御所見をお聞かせください。

○黒川企画財政課長
 委員御指摘のとおり、昨今、経済のグローバル化というのが急速に進んでおりまして、海外で起きた経済的な環境の変化がほぼリアルタイムで国内の経済に影響するといった事態も生じているところでございます。現に、平成20年の秋のリーマンショックにおきましては、その翌年度、平成21年度の財政調整交付金が31億円の減少、またその翌々年度に影響があらわれてきます特別区民税につきましても16億円の減収といったような、非常に区の財政にとりましても深刻な事態を招いたということが示されているところでございます。

 もともと本区の財政構造自体が財調交付金などのように法人関係の税収を大もととする財源による部分が多いということ、また区民税につきましても、比較的高額の所得層の方々のウエートが高いということから、こういった経済変動の影響を受けやすい構造を持っているといった状況もございます。こういったことも踏まえまして、本区におきます予算編成におきましても、こういった経済の動向につきましては、日ごろから注視をしながら、できる限り精度の高い歳入の見積もりを立てていきたいということで努めているところでございます。

 また、現政権が進めておりますさまざまな施策でございますけれども、金融緩和あるいは財政出動といった部分におきまして、円高の修正でございますとか、株価にもその兆候があらわれているというようなことは見てとれるかと思います。あとは残りの成長戦略によりまして、実体的な経済がうまく循環するように進むことを期待しているところでございます。それによって、本区の地域経済にもやがては波及し、税収等にも反映されてくるといったことを多いに期待したいというところでございます。

 こういったことも含めまして、区としても、今後こういった大きな経済動向にも常に注視しながら予算編成に当たってまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 見通しが見えないということはよくわかります。しかし、将来へのリスク回避という点で、今回、私、一般質問でも世代間格差について質問させていただきました。将来の世代に現金として資産を残すのか、建物や道路といったインフラで残すのかという命題が与えられた場合、現在の経済の方向性としてはインフラ、社会的基盤で残していくというのが正解であると思います。固定金利で起債ができるのであれば、ここは積極的にインフラ整備を進めることが肝要かと考えます。

 もちろん、大枠として、地方財政法や地方債計画が存在していると思います。限度を超えてというわけではありません。最大限に起債を活用すべきと思います。世代間格差という点においても、地方債を活用して負担の平準化と将来との公平な負担を有利に進めて、分かち合うことになります。起債の発行のあり方について御所見をお聞かせください。

○黒川企画財政課長
 本区におきましては、これまでも特別区債を有効に活用しながら施設整備等を進めてきたところでございます。地方財政法におきましても、あくまでも起債というのは例外的な措置ということで位置づけられているところではございますけれども、単年度の財政負担をできる限り平準化していくということ、また、今の納税者と将来もその施設の便益を受けるであろうという将来の納税者との負担の公平を図っていくといったような観点からも、非常に有効な手段であるというふうに考えてございます。

 ただし、これを積極的に活用していくに当たりましては、やはり後年度の償還に当たっての負担というのを慎重に考えていく必要があるということでございます。本区におきましては、当面そういった公債費負担等の増大を招く心配はないというふうに考えているところでございますけれども、今後ともそういった起債、それから過去の蓄えを活用した平準化である基金の活用、また一般財源といった財源の組み合わせ、常にベストな形で財源対策が講じられるような慎重な検討を進めていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 確かに、起債した場合、償還等の手当ても留意していかなければならないということもわかります。基金と起債の組み合わせというのがすごく大事であると思うんですけれども、将来にわたる財政負担という意味では、基金と区債と債務負担行為が入ってくるかと思います。足し算で言えば、地方債残高足す債務負担行為、翌年度以降支払い予定額引く積立金現在高という形になるかと思います。

 ただ、現状についてお聞きしたんですけれども、今後国の制度とかが随時変わってくるかと思います。そこで、臨時増税や消費税増税の影響についてお伺いいたします。

 東日本大震災の復興財源として臨時増税がスタートしました。所得税は平成25年1月から25年間、所得税額の2.1%分が上乗せされます。特別区民税均等割の税率特例として、平成26年から35年までは税額500円が引き上げされます。これは区の分が500円、都の分が500円で合計1,000円ということになるかと思います。

 消費税に関しては、現状の5%から平成26年に8%へ、その1年半後に10%まで引き上げの予定です。法案の文面には、ことし秋の時点で経済が増税に耐え得るかどうかを見極める景気条項が盛り込まれていますが、消費税増税は避けられないと言われています。今回の消費税は、減税措置がないまま増税されます。消費税導入時には所得税、法人税など大幅な減税がありました。1997年の増税の際も所得税など減税とセットで、国民負担はほぼ変化しなかったといいます。しかし、今回の増税は純粋に負担増となります。

 そこで、平成24年10月から始まった地球温暖化対策税や東日本大震災の復興財源としての臨時増税、また消費税増税が本区予算編成に与える影響について御所見をお聞かせください。

○黒川企画財政課長
 幾つか今後の税制改正の影響等、御紹介いただいたところでございますけれども、まず地球温暖化対策税でございます。こちらにつきましては、さまざまな省エネルギー対策でありますとか再生可能エネルギーの普及といった諸施策に対します財源として国のほうでは位置づけられているところでございます。これがどのように地方の財源にかかわってくるのかという部分については、現状ではまだ十分に明らかになっていない部分でございますけれども、今後こういった国の動向にも十分に注視をしながら、歳入として取り込める部分につきましては積極的に活用していきたいというふうに考えてございます。

 また、次の復興増税でございますけれども、これは東日本大震災を教訓として全国的に緊急的な防災、それから減災のための対策に充てるための財源と位置づけられているところでございまして、本区におきましては、既に震災の直後から各種の備蓄品の充実でございますとか、住宅建築物の耐震化助成の拡充等、さまざま防災・減災対策の強化に取り組んでいるところでございまして、総体的にはこういった復興増税も今後の防災対策の拡充というようなところも含めた財源として有効に活用していきたいというふうに考えてございます。

 また、消費税でございますけれども、まず、これは2段階で税率が上がるということで、平成26年4月には、今、地方消費税につきましては1%相当なんですけれども、これが1.7%に引き上げられるということでございます。また、平成27年10月からはさらに0.5ポイント上がりまして、2.2%まで引き上げられるというような法律改正の内容になっているということでございます。引き上げられました部分の自治体への配分ということでございますけれども、この引き上げ分については、社会保障財源に充てるといった趣旨でございますので、基本的にそれぞれの自治体の人口によって案分されるというふうに今のところ聞いているところでございます。仮に、消費税が10%に上がった際の区への増収影響というのは、今のところ15億円程度かというふうに見込んでいるところでございますけれども、これらの活用につきましても、消費税法の改正の趣旨にのっとりまして、区におきます子育てですとか医療、介護などの施策に活用していきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 地方消費税については、5%のうち1%だったものが10%になったとき、2.2%になるということで、財源の確保が今までよりふえるという認識を持っております。ただ、区内の中小企業を対象として金融機関を通じて融資する商工業融資制度がございます。平成25年度からは緊急景気対策特別資金融資は休止しましたが、今後の経済動向や消費税率が上がることで中小企業の経営に影響を及ぼすのではないかと考えますが、御所見をお聞かせください。

○守谷商工観光課長
 緊急景気対策特別資金融資につきましては、申し込み件数が景気の回復に伴って減ってきた、問い合わせ件数も減ってきたということで、従来の融資で十分対応できるものということで休止ということになってございます。

 しかしながら、また景気の大きな変化が中小企業に及んだ場合、国・都、また区においても区内景気動向調査を2カ月に一遍実施をしてございますけれども、そういったところで大きな影響が出たということであれば、復活をして中小企業の支援に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

○山本委員
 私が懸念していたのは、中小企業が価格転嫁できるのかという問題と、課税事業者と非課税事業者といると思うんですけれども、課税事業者の場合、消費税を滞納するケースが出てくるのではないかと思っておりました。

 次に、税金に関しては、特別区たばこ税の税率引き上げについてお伺いいたします。

 平成25年4月以降に、都たばこ税と区たばこ税の割合が変わります。410円のたばこ1箱当たりを例にとってみると、市町村分の税収は92.36円から105.24円に引き上げられ、貴重な財源となっています。

 まず、平成23年度収入は31億1,300万円ほどありました。平成24年度収入については、ほぼ確定していると思いますが、見込みをお示しください。

○井上税務課長
 平成24年度特別区たばこ税税収見込みという御質問でございます。

 直近の見込みといたしましては、30億6,494万8千円を見込んでございます。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 平成25年度の予算ベースでの収入見込みは予算書のほうに書いてありましたので、これが当初予算として約32億6,500万円ということで、増収が見込めるということであると思います。ただ、中央区のホームページには平成23年度の中央区のたばこ税は31億1,300万円であり、この額は23区中15番目であると記載されていました。来街者、在勤者の多い都心区として低いように考えますが、こちらについて御所見をお聞かせください。

○井上税務課長
 非常に難しい御質問でございます。

 おっしゃるとおり、平成23年度決算を見ますと、中央区は31億円で15位でございますけれども、港区は59億円で、第1ブロック、都心区でも1位ということでございます。ただ、この金額を区民1人当たりの人口で割りますと、中央区は千代田区、港区に次いで3位でございます。港区に比べてどうかというと、少ないというとそういうことかもしれませんが、昼間人口の多さというものが、やはり影響して非常に上位になっているというふうに考えてございます。

 仮に、昼間人口をもとに中央区を100としますと、港区が140、新宿区は119、千代田区132と、いずれも大きいのでございますが、これに中央区の実税収31億円を各区の対中央区の人口比率で乗じてみますと、港区の場合はやはり43億円になりまして、実際の収入のほうが多くなってしまいますので、港区の場合は中央区よりは昼間人口の実入りが多いのかなというような考えもできますが、千代田区の場合は、仮計算しますと50億円で実質収入が38億円でございますから、決して中央区より昼間人口の実入りがなかなかいいとは言えません。これは各区域内の喫煙者の状況とか人口等の移動、商業、流通の構造の違いによりますので、なかなか分析は難しいものと考えてございます。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。私もそう思います。

 ただ、大切な財源として、できる限り中央区で購入していただけるよう奨励していただくのがよいかと考えます。

 今、港区さんの例が出ましたので、港区が始めた喫煙所設置費助成があります。駅や建物の禁煙化が進み、喫煙は路上やコンビニエンスストア、公園など、特定の場所に集中するようになりました。取り組みで大切なことは、非喫煙者に迷惑のかからない喫煙場所を確保することであると考えます。港区の場合は、建物内に公共喫煙所を設置する場合に費用を補助するという予定になっております。民間ビルの屋内でも一般開放が可能な喫煙所を設けてもらうそうです。本区においても、清水建設さんが一般開放型喫煙所を設置しています。特に、オフィス街や観光地、繁華街など、有用な取り組みであると考えます。また、ポイ捨て防止や地域クリーンパトロールの人件費、環境美化の観点などを考慮し、さらに有意義な施策展開を図るべきだと考えます。

 そこで、規制と自由を議論し、マナーのある社会を目指す方向へ向かうためにも、たばこ製造事業者あるいは地域の民間事業者の協力が不可欠と考えますが、本区は港区の取り組み等を踏まえ、どのようにお考えかお聞かせください。

○中野道路課長
 たばこの関係でございますけれども、たばこを吸われる方が安心してたばこを吸われて、吸わない方は吸う方がそういうところで吸えることによってたばこの煙を吸わない、そういう環境をつくるというのは非常に重要だというふうに思っております。これまで私ども、まちづくり基本条例に基づきまして、大規模開発事業者に喫煙所の設置を求めておりまして、これまで協議が調っているところが約11カ所だったと思いますけれども、今、そういう状況がございます。

 一方、たばこの事業者、JTになるかと思いますけれども、JTにおきましては、クリーンキャンペーンの協力だとか、あるいは公園内の灰皿の設置の協力、あるいは民間であれば銀座一丁目のちょうど緑地帯に当たるところなんですけれども、そういうところに喫煙所をつくっていただいているということでございます。今後も、区といたしましても、たばこ事業者、民間の力をかりながら喫煙所の設置を進めていきたいというように考えているところでございます。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございました。

 今、歳入ということで、また歳入のほうに話を戻します。特別区税のたばこ税は14%を占める税収であり、決して少額とは言えません。このことで区民への周知に関してお伺いしたいのですが、区内の事業者でたばこを購入すると区の税収になるという事実が周知されていないように感じます。過去にたばこの税収の仕組みについて、広報など周知を図ったことがあるのかお尋ねしたいと思います。

○井上税務課長
 過去に区のおしらせ並びにホームページでもそうですが、貴重な財源であるということではお伝えしたことはございます。ただ、積極的に訴えるという形ではなく事実としてお伝えしているにとどまっていたと考えてございます。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。私は積極的に周知すべきだと思います。貴重な財源であるということなので、たばこを吸えということではなくて、区内で買っていただくと区の税収になるということを事実として示すべきであると考えます。

 最後に、世の中の変化に対し順応性を高めるということについてお伺いいたします。

 昨年度の決算書を拝見しますと、本区財政は他自治体と比較しても、また財政健全性に関する指標を見ても、大変優良で有効であると認識しております。改めて、これまで堅実に区財政の運営に努めてこられたことに敬意を表します。

 過去の決算質疑でも申し上げましたが、昨今の世界経済情勢なども含め、世の中で起こるさまざまな出来事の影響は短時間で直接的に地方自治体の運営に影響をもたらします。景気動向が不透明な中、租税収入も常に潤沢であるとは言えません。中長期的な観点で健全財政持続のための取り組み、世代間格差縮小への取り組み、新たな取り組み、財源確保のための努力も必要と考えます。

 平成25年度予算においても、世の中の変化に対し迅速で機動力ある対応が求められると思います。これについてどのような配慮がなされたのかお聞かせください。また、次年度以降にいかにつなげていかれようとしているのか、お考えをお聞かせください。

○黒川企画財政課長
 柔軟で機動的な財政運営の確保ということでございますけれども、これまでも本区におきましては、例えばリーマンショック後の急激な地域経済の冷え込みに対しまして、数次にわたりまして補正予算などを駆使しながら緊急的な経済対策を打ってきた。また、発生から間もなく2年を迎えようとしております東日本大震災を踏まえまして、その直後から、区内におきます防災・減災対策の強化ということで、数次にわたって補正予算などを編成しながら、機動的な対応をとってきたというところでございます。

 新年度予算につきまして、今、御審議をしていただいているところでございますけれども、当然、来年度に入りまして、さまざま、急激な社会情勢の変化等が生じた場合には、それに機動的な形で対応するべく、予算の柔軟な執行でありますとか、必要に応じて補正予算によります必要な施策を講じていくといったようなスタンスで臨んでいきたいというふうに考えてございます。

 柔軟で機動的な財政運営を確保していくためには、やはり一定程度の余力というのは確保していかなければならないという観点からも、今後も不断の行財政改革に取り組みながら、そういった健全性、それから柔軟性、機動性を持った財政運営に心がけていきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 柔軟に対応していくということですが、私もやはり日本経済の先行きについては、世界景気の減速等を背景として、当面弱い動きが続くと見込まれ、歳入面の先行きが不透明であると考えています。予測困難な経済情勢の動向を注視しながら、積極的かつ果敢な財政運営に期待を申し上げたいと思います。

 最後に、今、世の中の変化の順応性を高めるという意味で3点、健全財政持続のための取り組みと世代間格差縮小への取り組み、新たな取り組みとして財源確保のための努力というものを掲げさせていただいたんですけれども、私の提案として、新たな取り組みとして、例えば公園の管理運営に指定管理者制度を使うとか、アダプト制度を使うといった考え方もあってよいのかなと考えております。平成25年度の公園総務費等、人件費、清掃委託費等を見ますと、かなりの金額がかかっておりまして、こういう新たな取り組みも取り入れていってもいいのではないかということを最後にお伝えして、質問を終わらせていただきます。

○今野委員
 一般会計歳入の質疑は終了したと思われますので、次に、第1款「議会費」の質疑に入るようお諮りを願うとともに、本日はこの程度とし、明9日、明後10日を休会とし、来る11日午前10時30分に委員会を開会されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 明9日、明後10日を休会とし、来る11日午前10時30分に委員会を開会いたしますので、御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

(午後4時58分 散会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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