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平成25年 予算特別委員会(第10日 3月21日)

1.開会日時

平成25年3月21日(木)

午前10時30分 開会

午後5時6分 散会

2.開会場所

第一委員会室

3.出席者

(19人)

委員長 礒野 忠

副委員長 中島 賢治

委員 押田 まり子

委員 鈴木 久雄

委員 今野 弘美

委員 木村 克一

委員 染谷 眞人

委員 富永 一

委員 田中 広一

委員 堀田 弥生

委員 志村 孝美

委員 奥村 暁子

委員 田中 耕太郎

委員 青木 かの

委員 渡部 博年

委員 渡部 恵子

委員 山本 理恵

議長 石田 英朗

副議長 守本 利雄

4.説明者

別紙理事者一覧のとおり

5.議会局職員

田野議会局長

渡辺庶務係長

荻原議事係長

長田書記

武藤書記

渡邊書記

6.議題

  • 議案第1号 平成25年度中央区一般会計予算
  • 議案第2号 平成25年度中央区国民健康保険事業会計予算
  • 議案第3号 平成25年度中央区介護保険事業会計予算
  • 議案第4号 平成25年度中央区後期高齢者医療会計予算

(午前10時30分 開会)

○礒野委員長
 おはようございます。ただいまより本日の委員会を開会いたします。よろしくお願いいたします。

 なお、本日、区長は公務のため、午後の委員会を一時退席いたしますので、あらかじめ御了承願います。

 本特別委員会に付託を受けました議案第1号「平成25年度中央区一般会計予算」に対し、志村委員外1名より「修正の動議」が提出されましたので、19日に修正案を席上に配付いたしました。本修正案の審査方法についてはいかがいたしましょうか。

○今野委員
 ただいま原予算案の質疑半ばでありますので、このまま質疑を進め、各会派の総括質疑が終了した後、修正案について提案者から説明を受け、続いて修正案に対する質疑を行い、その後、修正案に対し、起立により表決を行うという順序で進めるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 なお、審査の順序については、先ほどの「修正の動議」の採決の後、原案についての態度表明を行います。

 また、採決につきましては、従前の例に従い、各会計ごとに行うことを確認いたします。

 では、第7款「教育費」について質問者の発言を願います。

○渡部(恵)委員
 それでは、教育費について御質問させていただきます。

 既に、皆様御存じのように、東京都は本年2月に、第3次東京都教育ビジョンを2013年度中に策定し、来年度から5年間を中心に中・長期的な教育の方向性を示すと公表し、2013年度中に完成する予定ということが発表されております。

 この教育ビジョンの基本理念を皆様に申し上げるまでもないのですが、いま一度ここで申し上げさせていただきますと、社会全体で子供の知・徳・体を育み、グローバル化の進展など、変化の激しい社会におけるみずから学び、考え、行動する力や社会の発展に主体的に貢献する力を養うこととしています。

 さらにこの理念を実現するために5つの視点を設定しています。

 1つ目の視点は、全ての子供の力を伸ばすため、系統的、組織的な指導を重視し、一人一人の個性や能力に着目し、最大限に伸ばすとしています。

 2つ目の視点は、知・徳・体を生きる基盤と捉えた指導を行うとしています。

 3つ目の視点は、変化の激しい社会を生き抜く思考力、判断力、表現力、創造力を育てることを指針とし、知識、技能を活用して課題解決に取り組み、新たな価値を育み、育てることという内容です。

 4つ目の視点は、社会の一員としての自覚と行動、社会の発展に貢献しようとする意欲を高めることを軸とし、公共のために積極的に行動できる実践力を育てることに重きを置いています。

 5つ目の視点は、学校、家庭、地域、社会が相互に連携・協力して子供を育てるという5つの柱を設定いたしました。

 これを見ますと、1996年、当時の文部省の中央教育審議会の第1次答申、21世紀を展望した我が国の教育の在り方についての中身には、これからの子供たちに必要となるのは、いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ、みずから学び、みずから考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、また、みずからを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性であると考えた。たくましく生きるための健康や体力が不可欠であるということは言うまでもない。我々はこうした資質や能力を変化の激しいこれからの社会を生きる力と称することとし、これらをバランスよく育んでいくことが重要であると述べた内容を新たに設定し直しているように受けとめられます。

 つまり、この17年間、国も都も、子供たちの教育については変わらぬ方向性を示しています。この間、教育基本法が平成18年に改定され、平成23年度から小学校において新学習指導要領が全面実施され、平成24年度には中学校で新学習指導要領が全面実施されましたが、子供たちの教育に当たっての基本理念は変わらずに現在まで至っています。

 本区もこれに倣い、中央区教育振興基本計画を策定し、知・徳・体という生きる力を基盤とした中から、さまざま取り組む教育の内容を実践されておられますが、この17年間の教育の流れの中から見えてきた課題、そして変わらぬ主軸として置かれていくこと、そうしたことは一体どういうことなのか、この17年間の流れを教えてください。

○増田指導室長
 この17年間の流れということでございますけれども、本区におきましては、教育の中央区を標榜しているということで、やはり教育というものが子供たちの社会人としての成長を促すために大変重要なものと捉える中で、平成11年には、全国初となる教育環境に関する基本条例、これを制定いたしまして、さらに近年の状況を見ていきますと、平成16年に中央区の教育を考える懇談会、平成18年には中央区学校教育検討会、さらに平成20年には教育の中央区学校づくり検討会というようなことで、皆様のお声もいただきながら平成22年3月に、今、委員にも御紹介いただきました中央区教育振興基本計画を策定をさせていただいたわけでございます。

 実際の中身の部分を見ていきますと、子供一人一人の能力を伸ばして、自立的に生きる基礎を培う、これが小学校、中学校で教育基本法の中でも示されているとおり重要な点ということで、そういった中では知・徳・体それぞれの力を伸ばしていく、これは時代が変化する中でも人格形成の上で欠かすことのできないこと、重要なことであるという認識のもとに、そのために本区の教育振興基本計画の中におきましても、生きる力ということの中で知・徳・体のバランスがとれた教育を推進するということで定めさせていただいておりますし、それをもとに、今回の基本計画2013の中でも、さらにそれを推進していくという方向性で考えさせていただいているところでございます。

 しかしながら、この間、国のさまざまな方向性がある中で、子供の学力、あるいは生活の実態の変化、こういったことから充実が求められるような内容、例えば言語活動の充実でありますとか、道徳教育の充実、体験活動の充実、理数教育の充実、こういった事柄がございます。

 それから社会の変化、あるいは状況に対応するという中身としまして、情報教育でありますとか、環境教育、あるいは食育、安全教育、こういったようなものもございます。こういったものを教育内容で新たに子供たちに考えさせ、学ばせるべき問題として、今回の区の教育振興基本計画の中にはそれも盛り込ませていただいて、新しい方向性を見きわめさせていただいているという状況でございます。

 さらに、これが年々変わっていく部分もございます。そういったことの中では、学校が毎年、教育活動を進めるために、教育委員会におきましても、毎年、教育目標に基づく基本方針、それから、それを具現化するための主要施策ということで定めさせていただいておりますので、細かな部分の調整、あるいは、さらに付加する部分につきましては、その中でうたわせていただいて、各学校がそれをもとに年間の教育活動を構築していく、そのような方向性で進めさせていただいております。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 17年間変わらず主軸に置くところは、知・徳・体、子供たち一人一人の成長に主軸を置きながら、社会の変化に応じた必要なことを適宜年間の目標に置いて、学校の校長先生それぞれが取り組まれているということでございましたが、本区は、カリキュラム一体型の小・中一貫教育の推進ということを図られて、小学生、そして中学生に上がるときのさまざまな問題を起こさないような一貫教育の流れということを取り組まれておられますが、現在まで取り組まれて、その成果はどのような結果を生み出されていらっしゃるでしょうか。

○増田指導室長
 子供たちの成長を願うときに、やはり小学校と中学校という2つの学校があるわけでございますが、そこが一貫して教育を9年間進めていくということを大変重要と私どもは捉えております。

 その中で、平成21年度から平成23年度の3年間につきましては、佃中学校を中心にいたしまして、その学区域内にある佃島小学校、月島第一小学校の3校をモデル校として、それから、本年度からは晴海中学校を中心といたしまして、月島第二小学校、月島第三小学校、そして豊海小学校という4校で研究を進めさせていただいているところでございます。

 このカリキュラム連携小・中一貫教育ということの狙いは大きく2つございます。1つは、指導方法でありますとか、それから授業展開の方法でありますとか、そういったことにつきまして、小学校の教員も中学校の教員も、やはり共通理解を持つということでございます。重点的に学習する内容でありますとか、あるいは繰り返し学習する内容、そういったことをお互いに理解し合うということの中で、1人の子供に対しての連続的な学習内容の提供をしていくことができると、これが1点でございます。

 それから2点目につきましては、お互いの学習内容を理解し合うこととともに、指導方法につきまして、小・中学校の教師がお互いに理解し合うことによりまして授業改善を図っていくことができる、子供たちにとって学びの連続性を生み出すということでございます。

 今回この研究を進めてくる中では、成果といたしまして、やはり実際にお互いが授業を見合ったり、あるいは小学校の教員が中学校へ行く、あるいは中学校の教員が小学校に行って、授業を参観するのみならず、実際に授業を実践してみるということも行っております。

 その中では、やはりお互いが見えていなかった部分、例えば中学校でありますと、小学校でどのような学び方、あるいは指導方法がされていたのかというようなこと、逆に、小学校の教員にとりましては、中学校に行ったらこれがその先どのように発展していくのかというようなことについて、やはり実際のところを見てお互いにわかり合うことができた。あるいは望ましい方法についてお互いに話し合うことで、小学校ではここまで押さえていただくといい、あるいは中学校ではここから始めさせていただくといいというようなことがお互いに理解し合うことができたということで、教員からは大変意義ある内容であるということで評価を得ているところでございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 さすがに教育の中央区ということで、小学校、中学校で連携した学びの連続性を図っていらっしゃるということで、十分に再度把握させていただいた次第です。

 ただ、読み解く力ということが最近大変弱いと全般的に言われておりますけれども、現在OECDのPISAテストの読解力調査の結果が、2000年の8位から2006年は15位まで急激に順位を落としてしまったということから、日本の子供たちの学力低下が危惧されるようになったということが報道されておりました。PISAテストで求められる読解力というのが、日本の伝統的な物語文に代表される連続型のテキストを読み解く読解力とは異なって、非連続型の文章や写真、グラフ、図などを総合的に論理的に読み解く力ということなんですけれども、本区が実践する学習力サポートテストも東京都教育委員会が実施する児童・生徒の学習向上を図るための調査も、PISAに倣った非連続型のテキストから読み解く力を試験で試しているのか、それとも、伝統的な日本の読解力を試しておられるのか、どちらなのかなと思いまして、その点をお知らせいただきたいと思います。

 また、PISAのテストは、読解力のほかに数学的リテラシーと科学的リテラシーという内容もテストに盛り込まれておられますけれども、この点につきましても、本区の試験はどちらに倣っているのかなと思いまして、お知らせいただければと思います。

○増田指導室長
 このPISA調査の中では、今、御指摘のありました非連続型テキストということで、図とか地図とかグラフとかというようなことが挙げられておりますけれども、本区の学習サポートテスト、あるいは都の学力調査における読解力につきましては、この部分についても取り上げてございます。

 ただあわせて、やはり文章で示されたもの、物語文でありますとか、説明的な文章でありますとか、記録文でありますとか、いろいろございます。そういったものについてもあわせて取り上げまして、その中から児童・生徒がその書かれた内容を推しはかって意味を理解すること、これは思考力とか判断力につながってくる部分でございますけれども、それをもとにして、その情報を自分の知識や経験の中に生かしていくということでございますので、そういった部分を試す、それから、本区の学習力サポートテストの中でわかってくることでございますが、記述式の問題にやはり課題があるという部分がございます。これにつきましては、思考力、判断力とつながる部分でございますけれども、それをもとに表現をしていくということになってまいりますので、そのあたりについても確認をしていくということでございます。

 数学、科学等の分野等についてでございますけれども、学習力サポートテストの中で各教科の中にやはり応用力を試すものとして、思考、判断、表現、そういったものを確認するための内容を盛り込んでございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 本区独自、日本古来の読解力と、それから図形等を読み解く力というのを双方盛り込んだ試験だということを理解いたしましたが、教科全般的に読み解く力が弱いというふうに分析されているようなんですけれども、具体的に読み解く力、また読解力の向上に向けて、どのような取り組みをなさっておられますでしょうか。

○増田指導室長
 具体的に子供たちに力をつける方法でございますけれども、学校のほうは、このテストの結果をもとにして授業改善ということで、よりよい指導を教員が目指してまいりますが、その中で今実際行われていることといたしましては、1つは、複数の資料を関連させたり、あるいは比較したりして自分の考えをまとめる、そういった機会をできるだけふやすというようなことで進めております。

 それから、もう一つは、自分の考え、それから友達の考え、その辺に同じ点や違う点があるわけですけれども、それぞれのよさについて理解できるように丁寧に指導する。要は、子供に発言をさせるだけではなくて、それがどういうふうな理由でもってその児童・生徒が考えているのかというところを教員が丁寧にやはり取り上げて、それを子供たちによくわからせていくというようなところに重点を置いてやっているところでございます。

 また、表現力をつけるということの中では、ペアやグループ、そういった話し合いの機会をふやすことでありますとか、あるいは発表する機会をふやす、そのようなこと、あとノート指導などを通しまして、やはり自分の考えをまとめるということについて、それが表現力にもつながってまいりますので、そういったところを各授業の中で実際に意識をしながら進めているところでございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 思考の過程をたどりながら、丁寧に丁寧に各自に対して指導を行っていらっしゃるということ、また、思考をまとめていくということをノート指導までにわたって全般的に科目を通してやっていらっしゃるということで、かなり丁寧な御指導をされているということが十分にわかりました。

 さきに都の教育委員会が実施した児童・生徒の学力向上を図るための調査、読み解く力に関する調査では、同時に意識調査も行われておられましたよね。児童・生徒の学習や生活に関する調査ということが実施されて、自分のことを大切だと感じていますかという問いに、どちらかといえば思わない、思わない、不明と答えた児童が21.3%、中学校2年生では、32.3%が自己肯定感を持てないという結果が出ておりました。この背景にどういう事情が潜んでいるのかなということを、私自身そのとき深く心を痛めつつ、こんな小さい子がどうしてという思いもあったんですけれども、どういう問題が潜んでいるのかなと今も疑問に思っています。

 また一方では、また違う質問で、最後まで根気強くやり抜くほうですかという質問に対しては、児童では28.7%と3割弱が、また中学生では38.1%と約4割弱が、どちらかといえばそう思わない、もしくは思わないと答えています。

 これは、国や都が目指す自分で課題を見つけ、みずから学び、みずから考え、主体的に判断し行動し、よりよく問題を解決する資質や能力には、中学生になるとおよそ4割弱、ここに及んでいないという状態が見えています。

 こうした状態についてどのようにお考えなのか、御判断をお聞かせいただきたいと思います。

○増田指導室長
 子供たちが自主的、主体的に学ぶ、自分の生活を築いていくということの中では、やはり自分自身に自信を持てる、あるいは、自分がこういう姿勢でもって根気強くやっているという気持ちが持てるということは、大変重要なことと考えております。ただ、御指摘のとおり、やはりこれは現実として子供たちはそのように思っているという数字が出てきているという状況がございます。

 そういったことの中では、いろいろ原因も考えられますが、やはり自分の気持ちをわかってくれているという大人であるとか、友達であるとかがいるか、あるいは自分と友達の気持ちが通じ合っている、そういったような気持ちが持てるか、あるいは何かやり始めたら、それをやはりこつこつやっていって、そこから何か成果が見えてきてということ、最後までやり通すことが大切なんだというような実感が持てているか。あるいは自分の性格が好きというようなことで、自分に対して一定の評価ができているかどうか、そのようなことが大変重要な部分になってくるかと思っております。

 そういったことの中では、実際、数字として子供たちのこういう数字が出てきておりますので、学校、教員も、その指導の工夫を十分図っていかなければいけないと思ってございます。

 そういったことの中では、学校としては、1つは、褒められる経験というのが大変に重要かと思っております。子供たちができたときに達成感を感じて、こうやって根気強く頑張ってやればできるんだということを自分で感じて、それをやはりクリアできるように教職員が支援していく、目標の設定についても、その子に適切な目標の設定を支援していく必要がありますし、それからできたときには、よくやったねということで、褒めることとともに何がよかったのか、そこも本人に十分意識させていくというようなことが重要かなと。これは褒められるということでもありますし、それから認められるということでもあると思っております。

 それから、今、本区においてもさまざまな体験活動を重視して、人と人とのつながりということで、福祉でありますとか、環境でありますとか、その他いろいろやっているところでございますけれども、やはり人のために役に立った、感謝される経験、そういったことの中で、また自分の位置についても確認していくし、自分がやっていることのよさについても実感をしていくことができると、そのような点について、学校の教員が十分に指導の方向性の中におきながら子供たちに日々接していくと、その点が大変重要ではないかなと考えてございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 社会も複雑化していますし、時間も相当流れが速くなっている中で、子供たちがどこか家庭の中でも置いていかれてしまうような思いをしているかもしれない中で、学校の中で褒められる経験、またそれから、何がよかったのかということをしっかりと先生がお伝えし、また集団活動の中でも感謝される経験というようなことを通しながら、自分の立ち位置ですとか、それから自分の価値というものを少しずつ広げていける、そうした9年間が実施されているということなので、今後ともその取り組みをぜひよろしくお願いしたいと考えております。

 本区は、各自の習熟度に合わせた授業、そしてテキストをつくって個別指導の補習、それから夏季集中講座、土曜補習講座を行って、さまざま学習力の向上に努めておられます。今現在、こうした成果がどの程度出てきているでしょうか。また、自主的に興味を持って課題に取り組む姿勢づくりということは、個々人によって対応も違うと思うんですが、どのように取り組まれるのかお伝えくださいませ。

○増田指導室長
 まず、夏季補習等、区で実施をしている補習の状況でございますけれども、本年度夏季補習につきましては、4中学校ありまして、全体の生徒のうち約17%の生徒から申し込みがございまして、参加をしている状況でございます。

 それから、土曜補習講座につきましては、年間7回実施をさせていただきましたけれども、これは期ごとに分けて申し込みをしていただいているので、一律に割り返せない部分があるんですけれども、全体平均でほぼ9%の生徒に申し込みをしてもらい、参加されているという状況でございます。

 その中で成果として見えてきている点でございますけれども、実施後にアンケートを実施いたしまして、その夏季補習でありますとか、土曜補習がどう十分に役立ったのかということで確認をしてございます。

 その中で主なものとしまして、1つは、不得意な教科の内容やつまずいていた学習内容がわかるようになったと、これはまさしく補習講座の狙う部分でございますが、生徒のほうからずばりそのような回答が多く出てきております。それから勉強の仕方がわかるようになった、補習講座を進める中では、単に問題を解くことだけではなくて、講師のほうからこのような勉強の仕方をするとよいというようなことで、指導もしておりますので、そういうものがわかるようになったと。あるいは学習の習慣がついたということで、特に夏など、どのように目標を持っていくかということでございますけれども、ここでリズムをつくることによって、毎日一定の時間に一定の学習をすると、そのような習慣がついたというような声もございます。

 それからもう一つは、個別に丁寧に指導してもらってわかりやすかったという声です。その時間の問題の中で、わからなかったこと、これは明確でございますので、それを休み時間等に教えてもらう、あるいは、そこはわかりません、もう一回説明してくださいというようなことで、丁寧に指導してもらったのでわかりやすかったというようなことです。生徒の自信、あるいは意欲につながるような内容の感想が多く見られております。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 取り組まれてまだそんなに年数がたっていない中で、学習のわからないところがわかるようになったというのは、かなりうれしいことであり、子供たちにとっては進歩につながると思いますし、その中でやはり自信を身につけていく、そして、わかるようになればおもしろくなりますので、意欲もついて学習習慣がついていくと、1つだけでなく、2つも3つもいい効果が出ているということをよく教えていただいたと思います。

 そうした取り組み、今後もぜひ子供たちのために、また申し込み者もかなり多いようですので、引き続きその中で子供たちが適宜成長していけるようにお願いしたいと思います。

 いただいている資料についてこれから幾つか質問させていただきたいんですけれども、まず資料161、小・中学校理由別長期欠席者数について御質問させていただきたいと思います。

 平成24年度は、小学校で不登校が前年度から4名増加して13人、病気の方が3名増加して10名、その他が13名となっています。中学校では、不登校は前年度から1名少なくなって37名、病気が2名増加、その他それぞれ1名増加となっています。この病気は精神的、心理的病気なのか、それとも肉体的な病気なのかということがちょっと心配になりました。また、不登校の理由がわかっていたら教えてください。

○増田指導室長
 病気の部分に関しましては、いわゆる身体的に調子が悪いということで、メンタルにかかわる内容のもではございません。

 それから、不登校の理由でございますけれども、これはそれぞれケースによっていろいろございますけれども、1つは、小・中で若干違いがございますが、遊びとか非行というようなことで、子供の気持ちが学習、あるいは学校に行くほうに向かわないという状況があるというようなことが1つございます。それから人間関係づくりとか、あるいは集団生活への不適応ということで、学校に行くこと、あるいは人間関係を築くことに不安があって情緒的に安定せず、学校に行く意欲も湧かないというような状況のお子さんもいらっしゃいます。

 それから、複合要素でございますけれども、今、理由を申し上げたけれども、その理由が一方のものではなくて、その両方の要素が複合していると、そういったものも原因になっております。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 こうした不登校の児童・生徒たちに具体的な指導というのは、どのようになさっておられますか。

○増田指導室長
 不登校の子供たちにつきましては、何より重要なのは、その原因が何であるのかということを、やはり児童・生徒に寄り添って考えていくということが重要であると考えております。

 まず、学校のほうで行っておりますことは、担任でありますとか、養護教諭でありますとか、あるいはスクールカウンセラー等が学校の中におりますので、そのそれぞれが、児童・生徒、それから保護者、ここも重要になってくる点でございますが、話をしながら、どこに原因があるかというようなことで、まず探ってまいります。ただ、これも会おうとしてもなかなか会えないようなお子さんもいらっしゃいますので、その辺はそれぞれの状況に応じてということになってまいりますけれども、今、状況を見ますと、何らかの形で学校、あるいは関係機関がアプローチできる子供たちがほとんどの状況でございます。

 そういった中で、1つは、登校の促しということで、本区の場合、メンタルサポーターという制度を設けさせていただいておりますけれども、1人で学校に行きづらいという生徒さんであれば、家まで行って一緒に学校に行くというようなこともやりますし、ちょっと学校にはまだ行けないんだけれども、人とやはりかかわるということが重要でございますので、家庭のほうに派遣をして一緒に話をしたり、あるいは一緒にちょっと勉強したりというようなことで、まず一時的な対応をいたします。

 それから、学校には行けないんだけれども、別の場所ならば大丈夫というお子さんについては、教育センターのほうにわくわく21という適応教室を設けてございますので、そこに通学をしていただいて、個別にその子供さんの状況に応じて指導員のほうが指導していくというような形でございます。

 最終的には、このメンタルサポーターの制度もそうですし、それからわくわく21の制度もそうでございますけれども、学校のほうに何らかの形で行って、やはり学校体験をして、成長を促せるようにというようなことで、緊密に連絡をとりながら進めているところでございます。

 ただ、子供たちの状況でありますとか、それから家庭の状況でありますとか、そういったことも十分考えながら無理のないように促していく、これが重要であると考えてございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 一人一人原因も家庭の事情も違う中で、寄り添いながら怖がらずに学校に自然に行けるような取り組みを少しずつ少しずつ水にならしていくような形で取り組まれているという御努力は相当なものだと思います。ただ、やはり親御さん、それぞれ大変この件については悩まれていると思いますので、メンタルサポーターを初め、当区はさまざまなサポートシステムも整っておられますし、その中で一人でも登校がまた再開できるようになっていくことを願っております。

 次に、資料162についてお伺いしたいと思います。

 小学校では、平成23年度の8件から平成24年度19件、中学校では2件と横ばいになっていますが、いじめと認められた件数が小学校では2倍以上に急激に伸びてしまっているんですけれども、いじめられる側の家庭環境や児童自身の心理を教員がどこまで把握なさっておられるのか、あるいは、いじめられる側のいじめに起因する要素は何かなど、クラスでは教員がどのように具体的に対応されているのかなと思いまして、わかる範囲で教えてください。

○増田指導室長
 まず、小学校のいじめの件数の急激な増加でございますけれども、本年度につきましては、全国的にいじめが社会問題になっているという中で、途中で数度にわたりまして、いろいろな意味で調査もかけてございます。

 そういった中で、学校もこれまで気づかなかったもの、東京都の調査の中でも、今回いじめといじめの疑いというような形で2分類して調査してございますけれども、今までもいろいろケースがあるわけでございますが、一歩踏み込んで、単に子供たちのトラブルということで済ませるのではなくて、その先に何があるのか、原因に何があるのかというようなことについて、つぶさに見て、取り上げていったということの中で、数が今回ふえていると認識してございます。本区において、去年の状況とことしの状況が大きく変わってしまったと、そのようには捉えてはございません。捉え方の違いというところでございます。

 それから、実際のいじめの内容でございます。悪口でありますとか、からかい、あるいは仲間外れ、遊ぶふりをしてたたいたり蹴られたりというようなところが主な実際の中身でございます。その背景にあるものということでございますけれども、やはり子供たち、人間関係がうまく築けないで表面的な人間関係になるということで、例えば強い者に従って数の多いほうに入っていくと、そういったところが1つございます。それからもう一つは、我慢する力がやはり十分でない部分がありまして、これはいじめる側でございます。欲求不満のはけ口、いらいらの対象として友達に対していじめをしているというようなケース、あるいは、思いやりがやはり十分その気持ちが育っていないという部分があるかと思いますが、遊び感覚で愉快な気持ちになるということの中で、友達に対していじめの行為をしているというようなケース、それからあともう一つは、満足感を得ることが十分でないかと思われますが、やはり自分に自信がないということの中で、他に対していじめを行っていくケース、そのようなケースがあると認識してございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 こうした問題が起きると、よくいじめられるほうに問題があるようなことを言われることもありますが、私は、やはり加害者のいじめる心のほうを重視することも大切だと思っておりまして、そんな中で、やはり、いじめてしまう加害者の子供たちが、自分の自信のなさの裏返しだったり欲求不満のはけ口だということは、大変これまた逆の意味で気の毒なことだと思います。

 その中で、やはり先ほど来御答弁いただいておりますが、さまざまな福祉のお手伝いですとか、それから一人一人の子供たちに自信をつけて、そして褒められていく、そうした中で自信をつけていくということのトータルの学校生活の中で、加害者の児童たちに対しても、より違った形での自信のつけ方ということも、きっと学校の先生たち、学校の現場の方たちは、なさってくださっていると思いますので、こうしたことから、本区でのいじめの件数が減っていくことを願ってやみません。

 また、今回は数字が上がったのは、疑いも含めたということで急に数が増加したということですか。もう一度、御答弁をお願いいたします。

○増田指導室長
 説明の仕方が十分ではなく、申しわけございません。

 これは、いじめの数というふうに学校が認知した数でございます。いじめの疑いということを申し上げましたのは、東京都が7月に調査を行っておりますけれども、要は、最終的にいじめであったかどうかが問題ではなくて、子供たちの状況はどうなっているのかということを丁寧に見なさいということの中で、実は、いじめの疑いといじめと、いつもはいじめということがどれぐらいかなということで、はかっていくわけですけれども、広げて調査をしたということでございます。

 この数字は、本区として、学校として、いじめとして上がってきて、私どもとしても学校とやりとりをして、それがいじめに相当するものかどうかということを確認させていただいた数字でございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 ありがとうございます。

 次の質問をさせていただきますが、教育センターへの相談件数なんですが、来所した方の中で最も多かった来所事由が、集団不適応、不登校、友人関係などの相談、前年平成23年度から12件増加して114件、次に発達障害・遅れ、自閉症などの相談が続いて、しつけ、育て方、教育全般が前年度から1件増加し22件となっています。電話相談で最も多かったのが、しつけ、育て方、教育全般の相談で50件、しかし、これについては前年度から23件減少しています。かわりに、進学、転学などの相談が増加傾向にちょっとあるようだなということを資料を見て思いました。

 この資料の分析のとおり、年々、不登校や友人関係、発達障害の相談が増加しており、電話では専ら、しつけ、育て方の相談が多いという結果になっております。

 親が子供の育て方がわからないで、その結果、どのようにしつけをしたらいいかわからないという家庭環境があって、そして他方では、子供の不登校や集団不適応が起きていると、また、さきのように児童・生徒が自己肯定感を持てずにいること、そして、いじめが小学校で急激にふえてしまったこと、これら全て何らかの相関関係はあるのかなとちょっと疑問に思いました。この点、どういうふうに分析されているのか、わかる範囲で教えていただきたいと思います。

 また、先生方の超過勤務時間も前年度からさらに増加しています。前年度と異なる点は幼・小・中の先生方が、20時から21時以降に勤務されている先生の数がいずれも増加している傾向にあるんですけれども、こうした先生方の超過勤務の理由が、専ら父兄の方々からの御相談を受けて、御自身の授業の内容の取り組みが後手後手にといいますか、どうしても自分のことが後回しになって後ろになってしまっているのか、先生方のこうした超過勤務とも何か相関関係があるのかなと思ったんですが、その点についてはいかがでしょうか。

○増田指導室長
 まず、教育相談に関する内容の部分で、保護者と子供たちのそういった実態との関係ということでございますけれども、やはり、これについては不可分なものがあると思っております。

 子供たち、不登校もそうですし、それからいじめにかかる部分についてもそうですけれども、地域が担っている部分と、それから、より多くの時間を家庭で過ごしているわけでございますので、そういった中では家庭の状況として、核家族化とか、子供が少ない状況の中で、人間関係のスキルが子供たちは弱いという状況があると思います。保護者の方がやはり子供さんに期待される余り、あるいは子供をかわいがる余りに過保護になったり、あるいは過干渉になってしまったりということで、子供たちがなかなか我慢できないような状況が出てきたりとか、あるいは保護者の方の価値観も多様でございますので、そういった中で子供に何を期待するかというお考えのところも、学校は知・徳・体をバランスよく考えているところでございますけれども、保護者の方それぞれにお考えがあるというようなことでございますね。

 そういったことで、子供さんの状況と、それから保護者の方のいろいろなお考えとの間には、関係が全部があるとは申し上げ切れませんけれども、御相談を受ける中では、保護者の方とも一緒にお話をして、このようにやはり働きかけを変えていただくと、あるいは接し方を変えていただくと、また、子供さんが自信を持てるかもしれませんねとか、あるいは、みずからできるようになるかもしれませんねというようなこと、そのような御相談をさせていただいているところでございます。

 それから、教員の超過勤務との関係、帰りが遅くなるということでございます。その理由として何点か挙げられますが、1つは、学校の中でいろいろな仕事を分担して、校務分掌という形でやっておりますので、その事務分担に時間を費やす、あるいは教師の本務であります授業の準備でありますとか、評価、それから職員間の打ち合わせとか会議、そして、その中に保護者対応ということも内容としては出てまいります。

 ただ、いずれにしても子供のことを中心として考えますと、保護者の方とよく話をさせていただいて、学校と家庭が連携をして、同歩調でやはり取り組みをしていくということも大切でございますし、保護者の方にいろいろな不安があるとすれば、それを学校のほうで十分受けとめて、一緒に考えていく、そういうことが大切だと思っておりますので、これについては減らしたくても減らせない、減らすべきではない、最もやはり重要に考えるべき時間かなとは考えてございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 核家族化の中でお子さんが1人というお母様たちもいる中で、しつけ方がわからない、さまざま子供との関係が見えいないといいますか、かかわりをどうしたらいいかわからないということを、学校の先生たちが御指導されているというのは本当に大変なことだと思います。

 私の小学校時代の恩師が、ある公立小学校の校長先生をやっていらっしゃいます。この公立小学校は小・中一貫教育校のパイロット校に指定されているんですが、先日、その校長先生にちょっといろいろなお話を伺ってみました。

 そうしたところ、最近、規範意識が薄い子供たちもいるし、あと、それから読み解く力も弱いんだけれども、先生、どう思いますかと、私、聞いてみたんです。そうしましたら先生が、それは人間関係だよと、最初、どうして読み解く力が弱い理由が人間関係なのか、そこがどうつながるのかわからなかったんですが、先生は、このようにおっしゃっていました。最初は、子供たちというのは何もわからない。その中で、人と人の人間関係を通じながら心の機微ですとか、それから人の思いとか、相手をおもんぱかる心とか、そうしたものを幼いうちにまずは人間関係を通して学んでいくと。その人間関係を通して学んでいったものが、いずれ勉強に入っていく年代になったときに、読み解く力、文章の中からその登場人物の気持ちをどういうふうにおもんぱかるのかとか、さまざまそういうことに発展していくものなんだよというお話があって、そういうものなのかと、私自身、ちょっと違う意味でいい刺激があったんですけれども、それと同時に先生がおっしゃったことというのは、本来は3世代同居の中で、おじいちゃん、おばあちゃんが孫をかわいがり、かわいがられる子供というのは、無条件に自分に愛情を注いでもらえる環境にあるので、自信が持てる環境がつくられていくと。

 ところが、最近はやはり核家族の中で、自分と世代が違う親とは違う世代の人たちとのかかわり合いが少なくなっている、そうした問題があるのではないかというお話がありました。先生からは、中央区は地域のつながりも非常に強いですし、都心区なので、中央区はこういうこともできるでしょうという話もありました。中央区は地域とものすごく密着して、また、さまざまな取り組みの中でいろいろな世代の方たちと触れ合う機会が子供たちにたくさんつくられているんですというお話をしたところ、本当にそれはすごく子供たちの心にとって大切なことであると、やはり小さいとき、まだ小学校1、2年生は、まず何もわからないし、それは親が教え、そして大人が姿を見せて教えていくことが大事な時期である、そして3、4年生というのは、みずから進んでどんどん吸収していける、そういうような年代であって、その1、2、3、4というそうした流れの中で、今度は高学年、中学生になったときに、その子供の心の成長、そうしたものが物の考え方につながっていくんだよと、だからこそ本区が取り組んでいる小学校と、それから中学校のカリキュラム一体型の連綿とした学びの場ですとか、それからまた子供たちに対するさまざまな地域全体、また学校全体で行っている施策というのが、子供の成長に何よりも大切なことであると、校長先生の話を聞いて改めて再認識した次第でございます。

 先日の卒業式でも、中学生が自主・自立、そして友達とさまざま取り組んだ中で、さまざまな自分なりの成長を遂げることができたということを答辞でお話しされていました。また、学校の先生からも送る言葉として、東京スカイツリーを例えに新柱のお話がありましたが、本区の子供たちが本当に集団生活の中でこれから新柱として自分が主軸となって未来に向かって、この区を、また自分自身の人生を築いていけるような取り組みを教育の現場でしていただけますようにということを願いまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

○礒野委員長
 次の質問者の発言を願います。

○山本委員
 おはようございます。よろしくお願いします。

 まず、質問に入る前に、前委員のお話と御答弁を聞いておりまして、非常に読み解く力、読解力と表現力というものが大事であるということを改めて思いました。私も議員になって一般質問と、こういう委員会等の質問を書くときに、本当に文章が書けない、自分の意見が書けないということをつくづく思っております。今、自由自在という中学校受験向けのテキストをやっておりまして、本当に初歩から学んでおります。

 今回、教育ということで、国語力が基礎であるということを前提として質問させていただきます。

 さきの本会議における一般質問では、小・中学校における政治や経済、社会問題に関する学習について質問をさせていただきました。義務教育における教育カリキュラム上で、国民健康保険や年金、介護保険といった現在の社会保障制度を初めとした社会諸制度と社会問題に対する教育をもっと充実させるべきとの考えです。日本の現行制度が寄って立つ社会のあり方を知り、その制度が直面する課題について考え、社会の中で今後期待される自分の役割について学ぶことは、将来的に社会問題や政治への意識を育むことになり、政治参加の意義や投票の意味を理解することにつながると考えます。

 一般質問でも触れましたが、政治教育先進国である欧米では、さまざまな工夫がなされ、実践的な教育が行われています。ドイツでは、政治教育センターを連邦と州がそれぞれ所有し、社会の現実問題を取り上げ、実際に子供たちにアイデアを出させて社会問題を解決させるための教育を行っています。また、選挙前には、子供たちが地域の問題を調査し、立候補者の政策を吟味するといった内容を実際の学校の授業の中に盛り込むといった事例もあるようです。

 マニフェスト発祥の地のイギリスでは、総選挙になると、児童・生徒でも保守党と連動党の政策の違いについて大人顔負けの議論が交わされると言います。各国多様な取り組みがなされていますが、共通点は、学校教育において現在の社会問題を積極的に学ばせていることです。

 以上の事例を踏まえ、社会問題や社会保障に関する実践的な学習の現状と取り組みに対するお考えをお聞かせください。

○増田指導室長
 学校におきまして、現在の社会問題を子供たちがしっかり捉えて、それを自分の生きる力につなげていくというところは、今回の学習指導要領の改定の中でも特に重点が置かれている点でございます。

 具体的には、まず教科としては社会科の中でそれが扱われてまいりますけれども、小学校におきましては第6学年で扱う内容ということになりますが、地方公共団体や国の政治の働きということの中で、社会保障、災害復旧の取り組み、地域の開発など、こういった中から問題を取り上げて具体的に調べられるようにするというようなことで、内容が示されております。

 また、中学校につきましても、国民の生活と政府の役割ということの中で、社会保障の充実について基本的な内容を十分に理解させて、一層の充実を図っていくということで、内容が示されているところでございます。その中では少子・高齢社会とか、現代社会の特色を踏まえながら、これからの福祉社会の目指す方向について考えていくということでございます。

 特に重要な点といたしましては、これを単にテキストで学ぶということではなくて、具体的な問題としては、高齢者の問題とか、障害者の問題とか、福祉、健康、医療、環境等さまざま問題があるところでございますけれども、それを取り上げて地域の人々、あるいは国民がどんな願いを持っているかというようなことですね。それから、いろいろなさまざまな計画がありますけれども、それが実施されるまでの期間であるとか、途中の過程であるとか、予算なども含めて具体的に調べていくということで、調査活動を積極的に取り入れて学習を具体的にしていくようにということで内容が示されておりまして、各学校も、今回の学習指導要領の改定に伴いまして、そのあたりの指導について改善を図っているところでございます。

 また、体験を通しての学習というのは、現場を見る上で大変に重要になってまいりますので、総合的な学習の時間の中でも、福祉にかかわる問題であるとか、環境にかかわる問題でありますとか、さまざま地域に出かけていって体験をしてみてというようなこと、あるいは調査をしてみてという活動を行っておりますけれども、そういったところで疑問を持ったものを自分で解決していく、あるいは、現場は高齢者の問題ということを1つ取り上げましても、自分と高齢者の間がどういうふうに結ばれていくのかというようなことをやはり実際に感じた上で、高齢者の問題はやはり大変重要な問題として扱っていくということが重要かと思いますので、これはほかの問題にも通じると思いますが、そういった体験活動の部分も重視をして進めているところでございます。

 以上でございます。

○山本委員
 御答弁どうもありがとうございます。

 授業の中でさまざまな経験、もしくは調査したり、具体的に学ばせていると、今後も推進されるということで、子供たちが単に授業を受けたという感覚で終わらないように、それが今後、自分の社会での役割についてだったりとか、どういうふうにそれを理解して、つなげていくのかということを考えられるように、学習を展開していただきたいと思います。

 日本の社会問題や制度を学校で学習を通じて早期に考える力を養うことが、成人した際に社会の即戦力として活躍できる人材を生み出すと私は考えております。また、先ほどの御答弁でもありましたけれども、世の中のグローバル化がもたらす影響等も子供たちに今後さまざまな影響を与えてくると思っております。

 そこで、2番目の質問なんですけれども、教育のグローバル化、国際化の対応についてお伺いいたします。

 現政権は、世界トップレベルの学力の育成を目標に掲げ、外部人材を活用した学力向上を図る方針です。これは世の中のグローバル化への対応が迫られていることも示唆していると考えます。

 一方、現代社会では、新しい知識や情報が、政治・経済を初め社会活動の基盤として重要性を増していきています。情報通信技術の進展により、より市場の国際的な開放等が進み、人、物、情報の国際的移動を可能にしました。このことは同時に国境の意味をなくすことにつながると思います。各国が相互に協力、競争するなど、他国や国際社会の動向を無視できなくなっている現象が加速されていることにつながると捉えることもできます。特に、知性はもとより、容易に国境を越えるものでグローバル化の対応が教育に求められているゆえんです。教育分野では、諸外国との交流、人材の受け入れ、グローバル化に対応する教育体制の構築が重要となってきます。

 私がここで申し上げたいのは、単に英語の学習をふやせということではありません。多様な文化があることを知り、それに親しむ機会をより多く提供することだと考えます。人生の成長期でなれ親しんだ経験は、経験のない出来事よりも大人になったときに抵抗なく受け入れることができます。義務教育の中で時代の要請でもある国際化に向けた取り組みをどのように行っているのか、また、どのように行っていくのかをお聞かせください。

○増田指導室長
 国際化に向けた取り組みでございます。

 本区におきましては、国際化に対応するということの中で、各学校で主要な授業をやってございますが、1つは、重要なことは、自分の住んでいる地域について理解することがまず重要であると考えております。

 そういったことの中では、地域理解教室ということで、地域の方にさまざま来ていただきまして、江戸以来のこの中央区のそれぞれの地域の文化でありますとか、歴史でありますとか、伝統でありますとか、そういったお話を聞く、あるいは実際につくってみる、あるいは実際に見に行ってみる、そういった活動を通してまず理解を深めているところでございます。

 あわせて国際理解教室ということで、今、御指摘の中にもございましたけれども、やはり人と人とが交流する中で、国際人としてのセンスを身につけていくということで、さまざま諸外国に関係するゲストティーチャーの方をお招きしてございます。地域にあります大使館から人においでいただいて、お話をしていただくというような事例もございますし、あるいは国際関係、国際協力関係について海外で活躍された日本人の方をお招きして、いろいろその国のお話を聞くというようなケースもございますし、あるいは大学の留学生の方を連れて来てお話を聞く、あるいは場合によっては楽器の演奏を聞かせていただいたりとか、そういったことを含めて、子供たちが肌で海外、諸外国の生活をやはり感じて、それを理解した上で、最も重要なことはお互いに理解し合うということだと思いますが、自分の国のよさを認識して、それから相手の国のよさも理解して、その上でお互いに尊重し合う、違いを尊重し合う、認め合う、この辺がやはり小・中学生がこれからグローバル化の社会の中で生きていく中で、最も素地となる重要な部分だと思ってございます。

 今、地域理解教室と国際理解教室という2つのポイントで申し上げましたけれども、そのほか言語ということの中では、外国人英語指導講師による英語活動、英語指導も行っておりますし、また中学校の海外体験学習、オーストラリアでございますが、あるいはオーストラリアから受け入れて、また中学校に行っていただいて、一緒に生活をする中で、いろいろ話を聞いたり、一緒に体験したりして、例えばオーストラリアでの生徒たちの考え方の違いであるとか、また共通点であるとか、そういったことを実体験していく、そういったところに重きを置きながら、現在の国際化への対応、グローバル化への対応の取り組みはさせていただいているところでございます。

 以上でございます。

○山本委員
 丁寧な御答弁ありがとうございます。

 私も、大前提として国語力、日本の文化をきちんとまずは理解することが基礎になると思います。日本の文化、歴史を認識して理解して、そこから英語、語学ですね。日本語と英語というのは相互関係にあると言われています。やはり英語を学ぶとしても、日本語を理解していなければ英語は学べないということもありますし、例えば国語というのは日本の歴史とやはり通ずるものがある、英語もそうですね。その国の歴史と通じているものがあるので、ひとえに例えば英語を学べ、ひとえに国際化をすればいいということではないとは思っております。

 ただ、私はこのことを通じて、子供たちの情感豊かな情操を養う教育に重みを置いていただきたく考えております。また、このような国際教育においては、公立学校全体に広げていっていただきたいと思います。

 次に、土曜日授業が再度開始され、国の指針の変更の対応やカリキュラムオーバーによる教員への負担が増加していることが問題となっていますが、子供たちがこれから迎えるグローバル社会で強く生き抜くために、土曜日授業再開は最低限必要な制度であると考えます。この制度復活に対する研究や対応については、どのようにお考えでしょうか。また、どのように活用されていかれるのかお聞かせください。

○増田指導室長
 土曜日の授業の取り組みについてでございます。

 本年度、本区におきましては、小学校で年間5回、それから中学校で年間10回ということで、土曜日の授業を実施しております。この土曜日の授業は、土曜日に教授をやるような場合もございますが、土曜日に授業をやって月曜日に振りかえの休みをとらないということですね。中1日、日曜日だけが休みなると、そのようなことで、今一般的に土曜授業ということで言われているところでございますけれども、本区におきましては、これは東京都もガイドラインを示しておりますので、それに沿いまして、内容といたしましては、確かな学力の定着ということから、通常の授業をまず軸に置くとともに、土曜という機会でもございますので、開かれた学校づくりを進めるということで、地域の方、保護者の方にも子供たちの学習の様子をよく見ていただいて、御協力をいただくということで、例えば道徳授業地区公開講座というものを行ったり、あるいはセーフティー教室ということで、防犯等に関する教室を行ったりする場合もございます。あるいはそのときには、各学校、やはり土曜日でございますので、地域の方、保護者の方にゲストティーチャーとして来ていただいて、一緒にいろいろと子供たちの指導にもかかわっていただくと、そのような使い方で現在進めているところでございます。

 土曜日の活動につきましては、本区の場合には、地域の行事もいろいろ盛んでございますので、子供たちが土・日にそういう地域行事に参加するという状況もございます。あるいは、中学校におきましては部活動ということで、週末に試合が予定をされていたりすることもございます。また、中学校については、教育センターのほうで土曜補習講座ということで、子供たちが個別に指導を受けるような機会も設けてございますので、本年度の段階におきましては、校長会ともどの程度が最もよいか、教育内容との関係にもなってまいります。授業時数との関係にもなってまいりますけれども、そういった協議の中で小学校では5回、中学校では10回が適切であろうということで御相談をして、定めているところでございます。

 今後につきましては、国や都の動きを注視して、また、その必要性に応じて検討してまいりたいと存じます。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 国や都の動向等もあるかとは思いますので、本区として教育委員会や関係機関等々としっかり全校統一した方向性を示して有効的に活用していただきたいと思います。

 今、経済協力開発機構、OECDが3年ごとに15歳の学生を対象に行う学力到達度テストがあります。こちらの到達度テストでは、フィンランドが毎回トップレベルの成績を残しています。

 かつてフィンランドは、ソ連崩壊のあおりを受けて経済が悪化したことがありました。そのとき人々が望みを託したのが教育でした。よき納税者に育てることの経済効果を計算したと言われています。国民と政府が一体となって多額の資金を投入し、教育改革を推進しました。教育が未来への確かな投資であるということは、万国共通の理念だと私は考えております。教育の中央区のさらなる特色を図っていただきたく思います。教育委員会は、本区の子供たちの学力の現状をどのように受けとめられているのか、また、その方針について簡単にお聞かせください。

○増田指導室長
 区で実施をしております学習力サポートテストの中から見えてきます子供たちの実態でございます。1つは、読解力が十分でないということ、それから表現の部分になりますけれども、記述式でなかなか自分の考えをそこに書いていくことができないというような状況、それから基本的な基礎的な知識とか技能を活用して、さらに次の問題を、課題を解いていくと、そういうようなもの、その部分に課題があるということがわかってきております。

 各学校では、これについて授業改善をしながら取り組みをしているところでございますけれども、思考力とか判断力、表現力、これは実生活に生かすということを考えた場合に、子供たちですので、例えば人間関係づくりとか、コミュニケーション、そういったものにもやはりつながってくるもの、やはり自分をしっかり表現できることであるとか、あるいは理由を考えられる、あるいは相手の気持ちを考えられる、こういったことは重要だと考えておりますので、授業改善の中で子供たちに資料の使い方を工夫させたり、あるいは友達の考えをよく理解させたりということの中で、話し合いの機会であるとか、それから発表の機会をふやして自分で考えて、それを発信していく、そういった力を育てるという方向性で進めております。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 教育においてこれがいいとか、これが絶対だ、一番というのはないと思うんです。子供たちの教育現場、学習をすること、各教科を学ぶことと人間性を養うことというのは、すごく相互関係にあるとは思うんですけれども、なかなかそこがバランスよく育むことが難しい部分なのかなと思います。

 中央区では、学習指導要領の理念を踏まえた中央区教育振興基本計画を作成しています。中央区にふさわしい教育施策の計画的な推進と、バランスのよい確かな学力を育む教育活動に力を入れているということだったので、特に私はこのバランスのよい確かな学力、人間性を養う教育をしていただきたいなと思っております。

 逆に、今まで教育教科について質問させていただいたんですけれども、学校現場のほうに目を移させていただきます。教員の多忙な状況が指摘されており、その解消が重要視されています。小学校、中学校には事務機能がないため、教員が担当する事務や作業も膨大な量になっています。教育現場は、教育内容の充実や子供のケアに割くべき時間が不足し、多忙な状態です。これでは新たな課題への機動的な対応が困難になると考えます。教員をできるだけ事務や作業の負担から解放すべきと考えております。

 国は、平成25年度から補習等のための指導員等派遣事業、学校いきいきサポート人材を公立小・中学校に派遣する方針を固めました。サポーターは、退職職員や保護者など多彩な経験を持つ人です。サポーターの活用としては、放課後などの学習のサポート、教員業務、アシスタント、教師力向上支援など、主に教師の作業支援であります。

 例えば事務作業のアシスタントを設けるのも一手ではないかと考えます。あいた時間は学校評価の結果を自身の中で振り返り、教育サービスの改善に努めていく昇任選考受験のために時間を割いていくなど、教員ができる限り教育内容の質の向上と子供のケアに時間を使えるような環境の実現を目指してほしいと考えます。

 本区教育委員会は、この方針に対してどのようにお考えなのかお聞かせください。

○増田指導室長
 各学校におきまして、教育内容の質の向上に最も多くの時間を割く、そこに重点を置くということについては、委員御指摘のとおりであると思っております。

 そのために本区の教育委員会といたしましては、事務の負担軽減ということがまず1つ重要かと思っておりますので、学校間ネットワークの整備などを通しまして、書類作成でありますとか、資料の検索、あるいは作成、それから教材をつくる、こういったことの効率化を図る環境を整えているところでございます。

 それからもう一点は、マンパワーの活用ということで、子供たちの一人一人に丁寧な指導を進めていくということとあわせて、教員もいろいろな形でかかわっていけるということの中では、区講師であるとか、指導補助員などを入れて、教員が限られた時間の中で学級の子供たちにいろいろな形でかかわっていけるようにというところで、支援を図っているところでございます。

 この中で重要になるのは幾つかあるかと思いますが、今そういった支援を図っている中で、さらにやっていかなければいけないこととしては、教員の指導力の向上、これは実際にその教材の準備をするということ、あるいは児童・生徒にいろいろな問題があったときに的確な対応を図っていく、そういう力を高めていくこと自体が、また負担軽減につながっていくものとも思っております。それから各学校が組織的な取り組みをするということ、これは、どうしてもいろいろな対応があったときに担任だけに負担が偏ってしまったりとか、あるいは、担任以外の主任の教員のところに仕事が固まってしまったりというような状況がございますので、そういった意味での組織的な取り組み、あるいは職員間の打ち合わせは非常に重要なことなんですが、そのあたり効率化をして、やはり文書で済むものは済ませて、子供のこと、指導の内容は議論していかないとなかなかいい方向性は出てまいりませんので、そういった部分には十分時間を割いていくと、そういうような点について、今後、学校もまた努力をしていくように指導を進めていきたいと考えてございます。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 私は、教員が多忙な状況であっても、努力している教師の先生はいらっしゃると思います。教育委員会は、この努力している教員をどのように評価されているのでしょうか。また、努力をきちんと評価し、ほかの先生やほかの学校等に波及させていただきたいと考えます。ほか教員との協力、支え合いの体制の構築につなげてほしいと考えておりますが、いかがでしょうか。

○増田指導室長
 やはり教員にとりましても、自分が頑張っている点、仕事として取り組んでいる点について、適正な評価を受けるということは大変重要なことだと思っております。

 各教員が自分の年間の目標、自分の担当する学年、あるいは担当しました校務分掌に応じまして、年間の目標を立てまして、それを管理職とよく話し合い、それをもとに年間の業務を進めていく、年間の途中では、授業指導等も含め管理職がちゃんと授業観察をして、必要な指導、あるいは頑張っている点については、さらによい方向に行くようにしていく、あるいは年の終わりには、1年間のその業績について業績評価をしていくということで、年間を通して教員もやはりやる気が出る、適正に評価される、そういった取り組みを進めているところでございます。

 また、そういったところ、やはり細かに細かに声をかけていくことが重要だと思っておりますので、その時期の言葉かけだけではなくて、ふだんからそれを学校の中で職員も含めて、お互いにやはりよいところを学び合う、OJTということで、今、学校組織の中でも進められているところでございますけれども、そういったところも進めてまいりたいと。

 また、本区はメンターティーチャーということで、新しい制度を構築しているところでございますけれども、本年それぞれ研修でメンターティーチャー2名に活躍をしていただきましたけれども、そういった中で他校の先生にかかわっていただくことで、教員たちがまた別の角度で学んで評価もしてもらえる、あるいはメンターティーチャーのほうもまた別の活動の場を得まして、いろいろな考え方を学んでいくことができるということで、良好な成果を得ておりますので、来年度またメンターティーチャーをさらに充実させて、校内で、あるいは区の中でということで、いろいろな形でお互いに自分の活動を紹介し合い、またお互いに評価し合える場、そういったものを設けていきたいと考えております。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 今、評価ということがありましたので、中央区では学校関係者評価委員会で学校評価を行っていると思います。本区においては、学校評議員制度は平成18年度より全ての小・中学校及び幼稚園で実施されています。学校運営の発展、改善や子供たちがよりよい教育を受けられるように、学校評価、これは自己評価になるかと思うんですけれども、これを行っていることと思います。学校のすぐれている部分や抱えている課題を明らかにし、環境、教育改善を進める本取り組みは、今後も推進していくべきだと私は考えております。

 しかし、本来であれば評価結果を振り返り、今後の学校づくりに生かして行うべきであるのにもかかわらず、実際は単なる事務作業の増加となっていないのか、その効用を最大限発揮できているのかと懸念しています。学校評価を有効に活用し、公立学校のPRはもちろんのこと、保護者、地域、住民、学校関係者などと課題を共有し、学校運営を含めた公立学校の教育活動の向上につなげていくべきと考えますが、御認識をお聞かせください。

 さらに、各学校における評価結果についても比較一覧できるように工夫していただきたく思います。個々の学校の現状を明らかにすべきと思いますが、御所見をお聞かせください。

○増田指導室長
 各学校におけます自校の学校評価、あと学校関係者評価ということでございますけれども、これは、まさに御指摘のとおり、学校の教育活動を高めていく、これは地域、保護者と共有しながらということで、当該年度の評価につきましては、次年度の教育計画の作成、あるいは行事等も含めました教育活動の充実に役立てていくという内容のものでございますので、これについてはこれまでも続けてきているところでございますけれども、十分に充実させていくことが必要と認識しております。

 そういう中で、実際に評価委員会を開きまして、あるいは評価委員会のみならず、評議員会のほうでもさまざま御意見をいただきますし、それからPTAの保護者会であるとか、そういったところでも実際にいろいろなお声をいただきます。また、アンケートということで、生徒、保護者にもいろいろアンケートを実施しておりますので、そういったものを総合的に含めまして、いろいろな角度から、やはり1つの行事をめぐっても、あるいは1つの指導をめぐっても検討していく必要があると考えております。

 また、その結果を戻すことが特に重要と考えておりますので、その学校評価については当然ホームページ、あるいは学校だより等で地域、家庭にも戻していって、その方向性を示すとともに、新たに御協力をいただくもの、あるいは学校が力を入れていく部分については、共通理解のもとに進めていくことが大切だと考えております。

 2点目でございますが、比較一覧できる工夫ということでございますけれども、これについては現在のところ、比較一覧のような形で私どもがまとめて提供するというようなことは考えてございません。といいますのは、各学校ごとにそれぞれ歴史も違いますし、それから学校の運営の方向性、もちろん区の教育方針に基づいてやっていくわけですが、非常に中央区の場合、それぞれ特色を持った学校経営、教育活動を進めていただいておりますので、そういった意味では、一覧表にしたときに一律にそれが比較できるものではないと考えております。

 そういった意味では、各学校が逆に丁寧に御説明を行うことが必要で、全体ということではぼけてしまいますので、各学校がその年度の重点目標を3つほど掲げまして、それをもとにして学校関係者評価も行っていただいておりますけれども、その自校の取り組みの評価、それから学校関係者評価委員会からいただいた評価については、各学校のホームページに年度末に上げておりますので、やはりそこをごらんいただく中で、ホームページの中にいろいろな学校の情報もありますので、あわせてごらんいただいて、それがどうだったかと、その学校個々に活動、狙いが何であって、それが達成できたのかということをやはり判断をしていただく、それがやはり特色ある学校づくりを進めることにつながると思いますし、また学校が、教員が、前向きにモチベーションを持っていける、そういう評価になるかなと考えてございます。

 以上でございます。

○山本委員
 今の御答弁の中で、学校個々に特色ある学校づくりをしているので、一覧比較できないということなんですけれども、この掲げる特色あるというのは、中央区として特色があるのではなく、個々の学校でという認識でよろしいんですかね。

○増田指導室長
 学校の評価については、全般的な基本的な共通する部分の取り組みについて評価している部分と、あと、各学校が本年度についてはまず重点目標の1として、例えばその学校の子供の体力の状況が、ある部分についてもっと伸ばしたいという状況があるので、全学年、学校全体で例えば持久力の育成に力を入れていくとかというようなことになりますと、それが重点目標の1つとして掲げられてまいります。

 そういった意味で、学校の基本的な教育活動の部分としては、例えば授業がわかりやすく行われているかとか、そういった部分についてはどの学校も同じでございますが、特に重点を置くところについては、また、ごらんいただけたらありがたいなと思いますけれども、各学校によって、年度年度にその学校評価を踏まえて設定しているという状況でございます。

 以上でございます。

○山本委員
 ありがとうございます。よく理解しました。

 そういう意味では、共通する部分において一覧比較できたらいいなと私は考えるんですけれども、あとは個々別々の特色がある、重点を置いているということで、そこは一覧比較できない部分であるので、違う形で掲載するという形にはなるかと、評価するという形になるかと思います。

 学校評価においては、今、単なる事務作業の増加ではないかと申し上げましたが、もう一つ懸念することが、各学校がよい評価を出さなければいけないと無意識に思ってしまうのではないかと思います。抱えている問題や改善すべき事項があると、問題であるような雰囲気をこの制度自体がつくり出してしまっているのではないかと思いますが、この点に関してお聞かせください。

○増田指導室長
 この評価については、学校は決してよい評価を出さなければいけないとは捉えていないと考えております。

 そのために、実際に子供たちにアンケートを実施して、声を聞いたり、あるいは保護者の方にアンケートを実施したり、あるいは評価委員会も実施しているということで、当然そこの中では課題になることは上がってまいりますので、やはり学校はそれを真摯に捉えてやっていくということで、学校全体の評価を取り入れるときには、学校をオープンしていくということで、これは今のことではありませんけれども、かなり昔のことになりますけれども、学校を開いていくということは以前はなかなか抵抗もあったのかもしれませんけれども、今は学校は非常に開かれております。そういった意味では、保護者の方も地域の方もしょっちゅう来ていただいておりますし、また見ていただくということについて、教員も抵抗がなくなってきております。授業を公開することについて、どうぞという形で、いつ見ていただいてもいいという、そういう姿勢になってきておりますので、そういったことの中で学校評価に対する教員の意識というのは、とにかく改善点があれば、その参考にするという意識で捉えているという現状でございます。

 以上でございます。

○山本委員
 ありがとうございます。理解しました。

 学校の現場では、さまざまな問題や課題を抱えて日々御努力されている現状があるかと思います。そういう意味では、やはり時代の流れだったりとか、その時々の時代の要望といいますか、それに合わせて多角的な視点から積極的な教育展開をしていただきたいと思います。

 最後に、今回の質問の初めに、情報通信技術の進展により人、物、情報の国際的な開放が進み、私たちを取り巻く環境は多様化、複雑化していると述べました。ここで、子供たちを取り巻く情報の多様化、複雑化について聞かせていただきます。

 情報や知識の豊富さは、プラスに生かせば子供たちの発想を膨らませ、日常生活の幅を広げて豊かにするものであることは間違いありません。しかし、学校以外で得た情報は常に正しいものとは限らず、また意義のあるものとも限りません。子供たちが手にする情報は、パソコンや情報通信ネットワークの普及などによって興味本位のものが多く、その内容は学校の授業で学ぶものよりも子供たちの興味や関心を大いに引きつけるものが少なくないと考えます。

 このようなあふれる情報の中で、子供たちが誤った情報や不要な情報に惑わせることなく、真に必要な情報を取捨選択し、自分の情報を発信し得る能力を身につけることは、子供たちにとってこれからますます重要なことになっていくと思います。

 情報化の進展による子供たちへの影響、教育委員会としてどのように情報を淘汰していくのか、対策についてお考えがございましたら、お聞かせください。

○増田指導室長
 情報の選択についてでございますけれども、子供たちは、総合的な学習の時間と調べ学習を盛んに行って、その中でインターネットの活用等をやっているところでございます。その中で情報モラル教育として、やはりその情報の取捨選択はどうあるべきか、何が正しくて正しくないのか、そのあたりについても指導内容として加えて、子供たちに発達段階に応じた指導をしているところでございます。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 指導においては、これは本当に区内の学校全部共通だと思いますので、教員、保護者と関係機関等が情報管理体制を共有して、同じ方向を持って指導していっていただきたく思います。

 以上で質問を終わります。

○今野委員
 第7款「教育費」の質疑も終了したと思われますので、次に、第8款「公債費」、第9款「諸支出金」及び第10款「予備費」について、それぞれ一括して質疑に入るようお諮り願うとともに、暫時休憩し、午後1時10分に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後1時10分に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 なお、各会派の代表の方は、休憩中に議会応接室において代表者会を開会いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午後0時5分 休憩)


(午後2時31分 再開)

○礒野委員長
 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。

 代表者会が長引きましたので、休憩時間を延長させていただきました。

○鈴木委員
 懲罰動議が提出されている青木委員が本日の委員会に出席している。我々会派としては、今の状態では審査できません。したがって、青木委員の退席を求めます。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

〔青木委員退席〕

○礒野委員長
 第8款「公債費」、第9款「諸支出金」及び第10款「予備費」について理事者の説明願います。

○中島企画部長
 (説明)

○礒野委員長
 第8款「公債費」、第9款「諸支出金」及び第10款「予備費」について、質問者の発言を願います。

○志村委員
 安定的な区民サービスを提供するために基金は活用すべきであり、また公債の発行も必要なものだと思います。これまで私たち日本共産党は、この基金については区民施策を削ったり、また、区民の要望に応え切れない施策をそのままにして積み立てるということは批判をしてきました。今回の予算案や、また基本計画2013では、10年後には区民が15万人になるといった人口増と、学校改修や施設整備の必要性を強調して事務事業の見直しとして区民施策を削ったり、また受益者負担といって区民負担をふやそうとしています。

 そこでお聞きしますけれども、教育施設整備基金、施設整備基金は、将来の学校改修や施設整備を想定し、その場合でも区民施策に影響を与えずに計画を推進できるようにするためのものだと理解しているんですけれども、その点、お聞かせください。

 また、将来の学校改修や施設整備の計画が事務事業見直し、つまり区民サービス切り捨てと連動してはいけないと思うんですけれども、その点もお聞かせください。

○黒川企画財政課長
 まず、施設整備基金、教育施設整備基金の役割という点でございますけれども、委員お話しのとおり、今後のさまざまな区民施設、あるいは教育施設等々の整備、改修のために一時的な需要に対しまして、その財政不安を和らげるための役割、そういうことで非常に重要な役割を担っていると考えてございます。

 また、事務事業見直しのお話でございますけれども、こちらにつきましては、今後の継続的、かつ持続的な区民サービスを提供していく上で、全体として今後の財政見通しにおきまして、当然、こういった基金の活用、あるいは今後の歳入の見込み、その他総合的な判断において、安定的な財政運営を進めるためにこういった不断の行財政改革というのを進めていく必要があると、こういった認識から進めていくものでございます。

 以上です。

○志村委員
 そうは言いながらも、実際、例えば区長の所信表明などでは、人口がふえると、区民のそういうニーズも大変ふえて多様化していくと、あわせて学校改修、施設の整備、本の森ちゅうおうなどについては、そういう点でも進めなくちゃいけないと。そういう流れの中で事務事業の見直し、受益者負担と出ているんですね。

 ですから、印象的には、これからいろいろな規模の整備がある、学校も直さなくちゃいけない、人口もふえる、だから例えば区民の負担がふえても、また、いろいろなそういうサービスが後退してもしようがないんじゃないかというような印象を持ってしまうんじゃないかと思うんですね。ですから、そのあたりを今回の基本計画2013でも感じるわけなんです。学校の整備とか施設の整備、その基金を活用する一方で、区民サービスを削る口実にするというんであれば、整合性はとれないと思います。

 それでは、基金なんですけれども、定住人口を何人に想定して、この基金の積み立てを進めてきたのか、お答えください。

○黒川企画財政課長
 基金につきましては、それぞれ施設整備につきましては、今後の施設需要を十分に見込みながら、また、基金の中で主要なものといたしましては財政調整基金等がございますけれども、特に将来の人口を何人といった想定というよりは、現状の財政規模に照らして、仮に突発的な税収の減少でありますとか、災害等によります財政への影響、これを吸収するために必要な金額という形で積み立ての考え方を持ってございますので、必ずしも定住人口何人を想定しての基金額幾らというような形では想定してございません。

○志村委員
 そのような想定もしない中で進めてきている、基金をどんどんためればいいというわけじゃないんですけれども、やはり学校にしても施設にしても、ある程度のキャパシティーに応じた、ふさわしい身の丈に合った、そういう運営が持続可能な行政になると思うんです。

 これは昨年の決算でも質問して、はっきりお答えがなかったんですけれども、適正人口、つまりこの中央区において、さまざまな行政施策がうまく回っていくための適正人口というのを何人と今見ているのかお聞かせください。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 中央区の適正人口が幾らかというお考えにつきましてございますけれども、以前の委員会でも御答弁申し上げましたとおり、中央区は長年、定住人口回復という目標でやってまいりまして、現在はその力強く伸びている人口をいかに地域に定着させ、将来のにぎわいにつなげていくかという考えで動いてございます。

 そのために必要な施策を体系化したのが基本計画2013ということでございまして、適正人口が幾らかということではなく、この力強い人口増加を将来につなげるために、どのような施策がこの人口にふさわしいのかという考えで、施策を進めているということでございます。

 以上です。

○志村委員
 この基本計画2013の土台にある1998年の中央区基本構想では、定住人口が10万人の都市を建設するとあるんですね。それに基づいて策定したのがこの基本計画2013だと思うんです。

 あわせて1972年、昭和47年に、中央区再開発基本構想というのが出されております。そこでは、再開発の基本方針の目標というところで、ここに中央区の適正人口と出ているんです。これが適正人口の実現ということで、10万人から12万人、それから生活環境施設に見合う人口、これが11万人から12万人と出ているんです。この適正人口は1980年の中央区都市計画概要、ここにも掲載されております。

 ですから、一時期適正人口というのを10万人から12万人だと見て、そういう中央区をつくっていこうじゃないか、そういう生活環境施設、区民のための施設をつくっていこうじゃないか、こういう計画があったんですけれども、そういう計画というのは、いつこの数字がなくなったのか、また、変更したのか。定住人口10万人の都市形成というのに基づいてあるわけですから、この10万人という数字と今の数字、それからこれからの15万人という、この整合性というのはどうなんですか。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 委員御指摘の過去の定住人口10万人の目標、さまざまな局面でそういった数字を使ってきたところでございますけれども、非常に定住人口が減少していて、定住人口回復ということが至上命題であった時期に、当面の目標として捉えていた数字ということでございまして、それを達成したからそれは適正という考えではなくて、基本的には都市の活力の源は人口でありますので、そのふえた人口を基本的には維持し、いつまでも中央区に多くの人が住みたいと思っていただき、外から集まってこられるまちであり続けなければいけないというのが、本区の人口に対する基本的な認識ということでございます。

 以上です。

○志村委員
 こういう都市再生というのは国が音頭を取ってやっていますけれども、中央区の再開発の基本方針で12万人と出しているんですね。しかし今現在は、この再開発の基本方針というのがどうあるかわからない、数字がどうあるかわからないんだけれども、基本計画2013では、15万人という数字を打ち出しているわけなんですよ。1.5倍ですよ。中央区がこれまで変更していないんでしょうけれども、適正人口は12万人ぐらいだというところから見ても、あと、基本構想で10万人の都市と言っていることから見ても大幅に増加すると、これもやはり超高層のタワーを中心とする開発、これに基づいて急激な変化が生まれてきていると思うんです。ですから、区民施策も、また施設整備も適切に供給できなくなる、対応できなくなる、これは当然のことだと思いますよ。今、見直さなくちゃいけない、いろいろしなくちゃいけないという人口増、それから学校とか施設のインフラ整備のアンバランス、これは想定されていたことなのかどうか、お聞かせください。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 人口増とそれに伴う区施策のサービスのあり方ということでございますけれども、人口推計につきましては、定住人口回復を目標としている時代、それからそれを達成した時代、それぞれの局面においてできる限り3年、あるいは5年にしたといった形で実務レベルで将来どれぐらいになるだろうという推計を重ねているところでございます。

 ですので、現在、基本計画2013で示しました15万人近い数字というのは、過去5年、それから過去10年といったトレンドを見ながら、この調子でいけば10年後にはこうなるだろうというところを推計でお示ししまして、15万人近くの人口の皆さんが必要とされるサービスを適切に提供するためには、こうした施策が必要だろうというところを体系化したというところでございます。ですので、人口をその都度予測して、それに合わせた施策を体系化するのが基本計画の役目と考えてございます。

 以上です。

○志村委員
 全く場当たり的、本当にある意味、無計画なまちづくりになっていると私は言わざるを得ないと思います。

 中央区、この限られた面積の中で15万人の都市になると、こういうのは、以前も言ったんですけれども、本当に持続不可能な破綻の道につながると私は思います。財政も、また区民施策も抜き差しならぬ泥沼の事態になってしまうんじゃないかと本当に心配しています。やはりこの急激な人口増、これに歯どめをかけること、そして今では適正人口12万人とは言わない状況ですけれども、やはり、ある程度今の中央区にふさわしい、インフラも含めてふさわしい規模というのを据えて、さまざまなまちづくりへのインセンティブを含めて、まちづくりは本当に中央区の歴史と伝統文化などを生かす、そういうまちをつくっていくという抜本的な見直しが求められていると思います。

 そういうことで、今回、基金の活用ということで、学校、また施設の整備も、また本の森ちゅうおうなども出ておりますけれども、区民の施策のしわ寄せにならないように、基本計画2013、これもまだまだ見直さなくちゃいけないんじゃないか、そのように思っております。そういうことを述べて質問を終わります。

○今野委員
 一般会計歳出予算の質疑も終了したと思われますので、次に、国民健康保険事業会計歳入歳出予算、介護保険事業会計歳入歳出予算並びに後期高齢者医療会計歳入歳出予算について一括して質疑に入るようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 3特別会計歳入歳出予算について理事者の説明を願います。

○中島企画部長
 (説明)

○礒野委員長
 3特別会計歳入歳出予算について質問者の説明を願います。

○染谷委員
 それでは、よろしくお願いいたします。

 国民健康保険、介護保険、高齢者施策について質問いたします。

 初めに、国民健康保険料の賦課方式の変更に伴う経過措置と減額措置についてお尋ねいたします。

 特別区では、平成23年度から国民健康保険料の算定方法を住民税方式から旧ただし書き方式に変更いたしました。その際に、保険料負担が増加する階層が生じることから、平成23年度と平成24年度の2年間、3段階の区分で旧ただし書きの所得から一定率を控除する経過措置を実施しております。また、国の動きとして、国民健康保険法施行令が一部改正され、平成25年度からは全ての国民健康保険者の賦課方式が旧ただし書き方式に一本化されることになったことを受けて、今般、この経過措置を廃止して新たな減額措置を講じることとしています。

 そこでお尋ねいたします。

 2年間の経過措置を実施しましたが、その成果についてどのように考えているか、お聞かせください。

○伊藤保険年金課長
 2カ年の経過措置を実施したことの効果についてでございます。

 平成23年度に、保険料の賦課方式を住民税方式から旧ただし書き方式に変更いたしました。この変更は、中間所得層に負担が偏る住民税方式に比べまして、所得に応じて幅広い世帯が負担する相互扶助の理念にかなう方式でございます。特別区はこれまでも保険料の抑制に努めてまいりました。賦課方式の変更後も、他の政令市と比べまして保険料は安くなっているという状況でございます。

 しかしながら、保険料負担が急激に増加するという世帯につきましては、激変緩和は必要であるということから2年間の経過措置を実施いたしました。対象額は、特別区全体で各年度約90億円、被保険者の19%が対象となっておりまして、実施効果はあったものと考えているところでございます。

 以上でございます。

○染谷委員
 激変緩和の効果があったということですね。

 では、経過措置は3段階の所得階層を対象に2カ年とも同じ内容で実施いたしましたが、新たな減額措置は住民税非課税者だけを対象に段階的な措置を講じています。その理由をお聞かせください。

○伊藤保険年金課長
 保険料が急激に上昇する世帯につきましては、より手厚く経過措置を実施するということで、同内容を2カ年間実施するということにいたしました。

 経過措置廃止後は、本則適用することが23区の共通の認識でございます。第2、第3段階の経過措置の対象者は、課税標準額を使用して算定しているため、税制改正の影響を受けます。本来、賦課方式の目的からしますと適切ではないと考えてございます。

 しかし、住民税の非課税者に対しましては、直ちに本則適用ということになりますと、御負担が重たいということなので、きめ細やかな対応が必要であると判断いたしまして、今回の措置をとったというものでございます。

 以上でございます。

○染谷委員
 毎年、国民健康保険料の料率の改定がされ、区民の負担は決して軽いものではないことについては認識しています。

 激変緩和の経過措置終了後においても、住民税非課税対象者については、直ちに本則適用するには負担が重くなり、旧ただし書き方式の円滑な履行に向けて新たな減額措置を実施することについては理解いたしますし、評価いたします。

 一方、区財政が厳しい中、保険料を抑制するためにこれ以上一般財源を投入することはなかなか難しいことと考えております。今後引き続き関係部局との連携を深めながら被保険者の健康の保持及び増進を図り、区民が生涯にわたり健康な生活を送れるよう国民健康保険事業の運営に努めていただきたいとお願い申し上げます。

 次に、限度額適用認定証についてお尋ねいたします。

 医療機関や薬局で支払った金額が1カ月で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する高額療養費制度がありますが、限度額適用認定証の交付を受けると医療機関や薬局での支払い額が限度額までになります。平成24年4月の制度改正により、高額な外来診療の場合でも使用できるようになりましたが、実際はどのような方が使用されるのでしょうか。制度改正により限度額適用認定証の交付枚数はふえましたでしょうか。また、高額療養費の支払い状況に変化はありましたでしょうか。

○伊藤保険年金課長
 限度額認定証の外来での使用についてのお尋ねでございます。

 現在、把握しているケースといたしまして、がん治療の場合、外来診療でも月に数十万円程度の高額な治療費がかかります。限度額認定証につきましては、制度開設以来、毎月60枚から70枚新規の発行をしているところでございます。制度改正に伴いまして、この通常の発行枚数の変化は大きくは変わってはございません。

 次に、高額療養費の支払い状況ですけれども、大きな変化は特にございませんでした。これはやはり利用できるケースが非常に限定されるということのため、大きな変化がなかったものと考えているところでございます。

 以上でございます。

○染谷委員
 ありがとうございます。

 高額療養費制度は、私も確認しましたら、平成22年度が12件140万円、平成23年度が7件で44万円貸し付けとなっておりました。この状況が今年度はなかったということで、本当に高額療養費といいますか、適用認定証の利用が進むものと思います。医療の高度化が進む中でも、少しでも自己負担が減り、被保険者が安心して医療機関で治療できるよう、本区としてもこの制度が十分に活用されますよう、区民に周知を図っていただきたいと要望いたします。

 次に、在宅療養支援についてお尋ねいたします。

 区政調査では、要介護となったときに自宅で暮らしたいと7割の区民が回答しており、胃ろうなど医療的なケアが必要な在宅要介護者や、自宅でのみとりを希望する方の増加は予測されます。在宅療養を継続するためには、医療サービスとともに介護サービスが重要であります。今後、在宅療養をどのように支援していくかお聞かせください。本区でのこれまでの取り組みはどのようになっておりますか。よろしくお願いいたします。

○吉田介護保険課長
 在宅療養支援でございます。

 本区は、平成21年度に在宅療養支援協議会を設置いたしまして、医療機関や訪問看護ステーション、介護サービス事業者等による顔の見える連携づくりを通しまして、これまでに在宅療養に関する実態調査などを行いまして、在宅療養支援病床を3床確保、また本区の在宅療養のガイドラインであります手引きの作成や配布、これは1,200カ所に配布しております。また、今年度は区民の方に在宅療養についてわかりやすく説明いたしました区民向けのリーフレット等を配布したところでございます。

 また、本年6月からは、医療ニーズの高い要介護者向けの緊急ショートステイを開始して、介護者の支援を図っております。

 以上でございます。

○染谷委員
 ありがとうございます。

 中央区在宅療養支援協議会が設置されているということで、在宅療養支援専門看護指導士との関係とかがあるかと思うんですが、その辺、何かお知らせいただければと思います。また、今、緊急ショートステイということですけれども、この実施状況についてお知らせください。

○吉田介護保険課長
 病院に入院されていた方が退院されて、在宅に戻るときのために、病院には在宅医療へ結びつける在宅療養支援調整窓口というようなものがございます。そういうところにも先ほど御説明いたしました本区の在宅療養支援のガイドラインの手引きを持参いたしまして、そういった本区の流れについて御説明するなど、連携をとっております。

 また、今年度開始しました医療ニーズの高い方向けの緊急ショートステイでございます。こちら、現在までに11名の御利用がございます。内容といたしましては、胃ろうの方が5人と最も多く、その他インシュリン療法、また人工肛門の方、また在宅酸素療法といったような医療ニーズの高い方を受け入れております。

 以上でございます。

○染谷委員
 ショートステイ11名の方が利用されているという実績、本当にありがたいと思います。また、退院後に自宅で安心して療養できるかかりつけ医、歯科医、薬剤師、訪問看護師、また介護士、ケアマネジャー、病院、そしておとしより相談センターが連携をとり、介護医療サービスを利用して家族との生活がしていけるようサポート体制を充実することを望みます。

 次に、高齢者に対する地域包括ケア体制についてお尋ねいたします。

 平成18年より、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けるために、京橋、日本橋、月島の3地区に地域包括支援センターとしておとしより相談センターが設置され、介護保険、福祉サービス機関の案内、ひとり暮らし高齢者などの相談、権利擁護などの相談支援を行っています。

 まず、おとしより相談センターの相談受け付け状況、また相談内容等、最近の件数をお示しください。よろしくお願いいたします。

○吉田介護保険課長
 おとしより相談センターの相談内容についてでございますが、高齢者の総合相談窓口ということで、相談内容は多岐にわたっております。相談件数でございますが、平成25年1月現在で1万4,517件ということで、昨年度の3月末の件数を350件ほど上回っている状況でございます。

 こうしたことで、毎年、相談件数は約2,000件程度増加してございます。内容でございますが、福祉保健サービスに加えまして、入院を含みます医療相談、また施設の入所相談、また認知症に関する相談等がふえてございます。

 以上でございます。

○染谷委員
 年々ニーズがあり、350件とか、対応がふえていくということは認識いたしました。

 それで、中央区地域包括支援センター、3つの相談センターが支援する機関となっておりますが、具体的にどのような連携になっているのでしょうか。よろしくお願いいたします。

○吉田介護保険課長
 地域に3カ所、おとしより相談センターがございます。介護保険課のほうに中央区地域包括支援センターを設置してございますが、このセンターの役割といたしましては、3地域のおとしより相談センターを統括し、調整する役割ということで、月に1回3カ所のおとしより相談センター管理者と一緒に定例会議、また、おとしより相談センターによります社会福祉士、保健師、主任ケアマネジャーの3職種ごとの部会というようなものを開催しております。

 また、後方支援ということで、おとしより相談センターに対し事例検討会を行ったり、また、おとしより相談センターだけでは対応できない困難ケースにつきまして、地域包括支援センターがケースワーカーなどと一緒に後方支援を行っております。また、見守り事業を担うということで、地域見守りネットワークの事務局といたしまして、見守りキーホルダーのシステムの管理などをしてございます。

 以上でございます。

○染谷委員
 ありがとうございました。

 ところで、現在、国において地域包括支援センターが実施する地域ケア会議のあり方について検討されています。

 そこでまず、本区で行われている地域ケア会議の実施状況について、実施回数、出席者の構成、会議の主な内容等をお知らせください。また、国の検討を受けて今後どのように位置づけていくのでしょうか。展望をお聞かせください。

○吉田介護保険課長
 地域ケア会議でございます。

 現在、中央区では2種類の地域ケア会議を開催しております。まず1点目が、おとしより相談センターの役割を周知し、今後の活動につなげるという普及啓発型の地域ケア会議でございます。こちらは、各地域ごと年間で3回ずつ開催してございます。こうした会議には、独居高齢者や認知症高齢者とのかかわりを通じてというようなテーマを設けまして、町会、婦人部、高齢者クラブ、民生委員、警察、消防署、社会福祉協議会の方などに参加していただいております。

 もう一つの地域ケア会議でございますが、問題解決型と申しまして、地域の支援困難事例というような、例えば認知症の高齢者の方、近隣トラブルのある方というような問題が発生したときに、関係者に集まってもらいまして、情報交換や今後のかかわりの役割分担について話し合う会議でございます。こちらは各事例ごとに御家族ですとか、民生委員、ケアマネジャー、警察署等に集まっていただいております。こちらは随時開催してございますので、今年度は京橋が3回、日本橋が6回、月島は4回開催してございます。

 また、地域ケア会議の今後の位置づけでございます。国において現在、地域ケア会議のあり方が検討されてございますが、その中で5つの機能を持つとされております。中央区は既に個別課題の解決、またネットワークづくり、また地域課題の発見というものを行ってございます。今後、区との連携の中で、地域づくり、または区の施策への提言などの機能を持てるようにということで検討してまいりたいと思います。

 以上でございます。

○染谷委員
 御説明ありがとうございます。

 おとしより相談センターですね。地域における高齢者の見守りの核となっているということと、また、おとしより相談センターは24時間365日、地域を見守り、ネットワークとして活動していらっしゃるようで、本当に区民を代表してありがたいと思っております。

 加速する高齢化と核家族化により、ひとり暮らし、また高齢者のみの世帯がふえ、孤立死や孤独死が大きな社会問題に現在なっているかと思います。区としても、このおとしより相談センターを核として、高齢者だけの世帯というか、孤独死の実態等があればお知らせいただけますでしょうか。また、センターで受けている緊急時の通報状況ですね。直近に何かありましたらお知らせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○小林高齢者福祉課長
 私からは、高齢者のみ世帯等の実態、孤独死等の状況について御説明いたします。

 手元の資料に外国人の方は含まれておりませんが、3月1日付の住民基本台帳上、高齢者のひとり暮らしの方は7,687人、ひとり暮らし以外の高齢者のみ世帯の方が3,445世帯、6,948人ということで、合計で1万4,635人といったような状況になっております。

 したがいまして、高齢者の方は今2万人以上いらっしゃいますけれども、約7割の方がひとり暮らし、または高齢者のみ世帯という形になります。ただ、こちらは住民基本台帳によりますので、世帯分離されている方等もございますので、実際はそれよりもう少し少ないといったような状況になるものと考えております。

 また、孤独死の状況ですけれども、こちらにつきましては、東京都監察医務院のデータによりますと、ひとり暮らしで自宅で死亡された方の人数という形になりますが、これは平成23年になりますが、全体で46人いらっしゃいますが、そのうち高齢者の方は22人といったような状況になっております。

 私からは以上です。

○吉田介護保険課長
 おとしより相談センターが、平成23年6月から24時間365日の体制をとってございます。夜間と休日の対応状況でございますが、平成24年4月から平成25年1月まででございますが、夜間・休日の対応としては113件ございました。こちら当日対応したものが40件ということで、例えば御本人から、ぐあいが悪いんですが、どうしたらいいでしょうかというような場合は、東京消防庁の救急相談センターや休日応急診療所を紹介する、また近隣の方から、認知症の方が徘徊して保護しているけれどもどうしたらいいかというような場合は、おとしより相談センターが把握しております緊急連絡先にお電話して家族の方に来ていただく。また、前日から高齢者の方の姿が見えないので心配というような通報に対しては、警察署と連絡をとり、御本人を見つけるというような、そういったさまざまな対応をしてございます。

 以上でございます。

○染谷委員
 いろいろと御説明ありがとうございました。確かに、おとしより相談センターには本当に感謝しております。

 ところで、私は、日常生活の中でよく道でお会いしたり、御近所で顔を合わせる方、いろいろな方にお会いするんですけれども、その御親族、高齢者の方の御家族の方から、何か最近変わったことはないかということを気にされていまして、また、連絡してほしいという依頼をよく、私、まちで受けるんですけれども、そのとき、毎朝、例えば私なんかいろいろな場所に行って、植木とか、また買い物する時間、たまたま私の時間帯とそのお年寄りの方が偶然会うケースが多い方なんかだと、そういうお願いをされることがありまして、また、お互いの生活のペースの中、会う時間帯がありますので、地域で見守っていくというイメージがあるんですけれども、今現在、私の自宅の周りがマンションになってきまして、今までの地域の見守りの仕方がどんどんと変わっている状況だなと感じます。特に先ほど御説明があった見守りキーホルダーですね。これから中央区のほうで1,500件以上、申し込まれた高齢者がいらっしゃるということをお伺いしていますので、そういうのをどんどん周知して、役に立っていただければなと思います。

 私からの質問は終わります。

○今野委員
 ただいま3特別会計歳入歳出予算の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後4時10分に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後4時10分に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午後3時41分 休憩)


(午後4時10分 再開)

○礒野委員長
 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。

 3特別会計歳入歳出予算について、質問者の発言を願います。

○奥村委員
 初めに、国民健康保険料についてお聞きします。

 資料189を見ますと、国保料の滞納世帯は増加傾向にあります。2011年度の6,993世帯から、2012年度は1月末の時点で7,610世帯と約600世帯ふえています。このペースですと1年間で1割以上ふえると思われますが、このすさまじいペースで増加している国保料の滞納世帯数についてどのように区では認識されていますか。

○伊藤保険年金課長
 滞納世帯に関する増加についてでございます。

 滞納世帯につきましては、委員御指摘のとおり、滞納世帯がふえているという現状がございます。平成23年度の所得別の滞納者の分析をしてみますと、今回の経過措置がございますが、そういった影響を受けるような所得階層である100万円超300万円以下の世帯、これにつきましては、全世帯数の36.2%ということになってございます。この階層の世帯のうち滞納している世帯の割合は、全世帯のうちおよそ5.2%ということになってございます。全世帯のうち滞納世帯で100万円以下の世帯、これが2,177世帯で8%ぐらいいらっしゃいます。そのうち所得ゼロ円の世帯が1,230世帯、この方たちは均等割のみ賦課されるという世帯でございます。残りの947世帯、これは住民税非課税世帯であることから一部所得割が課せられているものの、段階的な均等割を受けているというような世帯でございます。

 全世帯に占める未申告の世帯というのが、一番大きな割合を実は占めてございまして、これらの世帯が申告をしていただければ、均等割のみ、あるいは、均等割軽減を受けられる世帯が相当数存在していると考えているところでございます。また、この世帯は、資格の喪失の世帯ということも可能性としてございます。私どもとしては、保険料が一概に高いために未納が多くなるということではなくて、こういった未申告の方に対して所得申告の勧奨をして、資格の適正化を図っていくというようなことが、滞納率を減少させる有効な手段の1つと考えてございますし、今後そのような対策に力を注いでいくべきだと考えているところでございます。

 以上でございます。

○奥村委員
 所得ゼロ円世帯1,280世帯のうち、滞納している割合がどれくらいなのかということと、あと、未申告の世帯というものの数を教えていただきたいと思います。そして、資格証の発行数も、10年前の2002年度には124件だったものが、2011年度には280件と倍以上の発行数となっています。ちなみにこの間の国保加入者数というのは、2万9,919人から3万1,392人へと、加入者数自体は5%しか増加していないにもかかわらず、この資格証の発行数が10年間で倍になっているということがあります。こちらもすさまじいペースで発行数が増加していると思いますが、この点については、区としてどのようにお考えなのかお聞かせください。

○伊藤保険年金課長
 まず、所得ゼロ円の世帯につきましては1,230世帯ということでございます。未申告世帯につきましては、改めて後で御回答したいと思います。

 資格証がふえ続けているということでございます。確かに資格証につきましては、国保料を1年以上滞納している方に対して交付が法的に義務づけられているものでございます。資格証につきましては、伸び続けているということにつきましては事実でございますが、それぞれ各年度伸びている、あるいは減っているということで、増減差がございます。これにつきましては、資格証の発行手順によって2年に一遍、保険料の更新というものがございます。その更新時に当たって、当然、新たな未納者が加入してきて、この方たちが短期証になるのか、資格証になるのかということで、2年に一遍増減が発生します。2年に一遍、資格証の判定をいたしまして、次の2年間に資格証の方が短期証に移ったり、短期証の方が全額納付をしていただいて普通証に戻ったりというような時点の推移がございます。

 そういう中で、確かに滞納率がふえていますので、資格証というのは10年間で増えているということでございますが、一定時点を捉えれば、そういった発行の仕組みの中でふえているということがございます。それと、資格証の発行につきましては、私どももできる限りその発行を抑制しようと努めてきているところでございます。したがいまして、発行に当たっては、高齢者の方や低所得者の方、こういう方たちに配慮をした資格証の発行というものを現在行っていまして、機械的な資格証の発行をしているものではございません。

 10年前に比べれば確かに伸びていますが、区としても、そういった被保険者の方のそれぞれの経済状況等を勘案いたしまして、機械的に発行せず、そういった方たちのお話をよく聞き、あるいは均等割のみの方ですとか、高齢者の方、この方たちに配慮するような資格証の発行をとってきているものでございます。

 以上でございます。

○礒野委員長
 御答弁の中で、先ほど奥村委員のほうからは、所得ゼロの1,230世帯の中で滞納者の数をというお話だったんですが、御答弁願えますでしょうか。後ほどでよろしいですか。

○奥村委員
 私も先ほど、最初は所得ゼロ円の世帯が1,280世帯と聞こえたんですけれども、その中で滞納世帯が1,230世帯ということなのかと私は理解したんですけれども、もう一度確認して御答弁お願いいたします。

 そして、資格証の発行数が280件、発行の仕組みの中でふえているということですけれども、いずれにしても、10年前に比べて倍以上の発行数となっているということは、これは事実だと思います。そして、高齢者ですとか低所得者に資格証の発行に際して配慮をしているということなんですが、資格証を発行しないという場合には具体的にどういう配慮をされているのかということもお聞きしたいと思います。

 そしてもう一点が、国保の滞納者の中で資格証を発行されたけれども、受診できずにいるという方もたくさんいるのではないかと考えています。保険料の支払い自体が滞るという、そういう経済状態の中で資格証というのは窓口で一旦10割払わなくてはいけない仕組みですから、保険料の支払いができないという世帯の方が、窓口で10割まず最初に負担をするということがそもそも困難だと思うんですが、資格証を発行された中で10割負担ができずに受診できずにいる人というものを、区はきちんと把握しているのかという点についてお聞かせください。

○伊藤保険年金課長
 資格証についてどういう配慮をしているかということでございます。

 これにつきましては、短期証から資格証に移る一定の滞納がある方については、未納期間の督促を行い、これから資格証を発行いたしますというような通知をしています。中には、なぜ資格証なんですかというお問い合わせも当然ございます。そういう中で御本人の今の状況を考えて、所得がある方も大勢いらっしゃいます。また、実際に現実的に失業なされているとか、直近で生活状況が悪くなったという方に関しては、資格証を発行せずに短期証にしているというところがございます。

 また、高齢者の方、特に70から74歳の方については、一部負担金が小額になっているという現実がございます。こういう現実を鑑みて、こういう方たちについては、なるべく悪質ではないような方については配慮をしているというところでございます。

 それと、受診できずにいる人がいるのではないかということについてです。資格証の場合は当然10割負担になりますから、受診の抑制につながって、実際のところ10割を負担している人がいるのではないかと、その実態を把握しているのかということでございますが、そちらについては、現在、区のほうでは把握はできている状況ではございません。

 資格証を発行して10割負担になっているこういう方々の中には、窓口のほうに緊急に御相談に来る方がいます。病気になっちゃったんだけども、10割の負担がちょっと払えないというような方については、緊急避難的に福祉的見地から1カ月証を発行して、すぐに対応するということを現在行っています。

 平成24年1月末で1カ月証の証明書の発行実績は129件ございます。原則1カ月証というのは発行しないんですが、やはり医療を受けるということは、最悪、御本人の命にかかわることでございますので、それは柔軟に対応しているところでございます。

 それと先ほどの所得ゼロ円の世帯でございますが、全体の世帯数のうち1,230世帯、これが所得ゼロ円の世帯ということでございます。

 以上でございます。

○奥村委員
 所得ゼロ円の世帯1,230世帯だということは理解いたしました。この中で滞納しているのが何件かという点をまたわかったら教えてください。

 そして、資格証を発行されていながら10割負担が困難で受診できずにいる、そういう方を区では把握していないということなんですが、全国保険医団体連合会が行った調査では、資格証を交付された被保険者の受診率というのは、一般の被保険者の受診率に比べて51分の1と非常に低いという結果もあります。区として国保の滞納者ですとか低所得者に対して、受診を抑制させない施策というものを十分に考えていただきたいと思います。失業中ですとか、そういった事情のある方には、1カ月証というものも発行しているということですが、治療が長引くような病気だったりした場合には、この1カ月証をずっと延長して、治療がきちんと終わって健康な状態に戻るまで使い続けられるような、そういうものなのかという点も確認させていただきたいと思います。

 それと、先ほどの未申告というのは、国保への加入手続をしていないということで、無保険者の人数とイコールということでしょうか。無保険者となっている世帯の実態の把握というものも必要だと思いますので、どのように調査しているのかという点と、把握した上で、区としてどのようにこういった方々にもきちんと医療が必要であれば受けさせていく策を講じるのかという点についてもお聞かせください。

○伊藤保険年金課長
 所得ゼロ円世帯についてですが、全世帯中7,911世帯ございまして、その中で未納世帯が1,230世帯ということでございます。それと、1カ月証を発行いたしまして入院が長引くということで、1カ月証の取り扱いはどうするんですかというお尋ねございますが、こちらにつきましては、当然ながら1カ月証が切れる段階になりますと、多分、入院なさっていると思いますので、そういう方は御親族の方、この方が御相談に来ます。そういう場合には、病状がまだ長引いているということでございますので、御相談に応じてその治療が終わるまでの間の短期証を発行するということにしてございます。

 それと、無保険者の実態把握ということでございますが、こちらについては、正確に無保険者の実態を把握するということはしてございません。国民皆保険制度でございますから、国保に加入、あるいはほかの社保に加入するということで、離脱するという期間は原則はないわけです。ただ、現実的に社保から離脱をして届け出をしていない方、この方たちについては一定期間無保険ということになってしまうんですが、私どもとしては、そういった方、中央区のほうに住居を転入して国保の資格のある方で国保の加入の手続をしていないというような方に対しては、御自宅に御連絡をして、実態がどうなっているのか、そういう確認をしています。例えば社保から離脱をして国保に入っていないという方であれば、加入をするようにという形で勧奨をしているところでございます。

 以上でございます。

○奥村委員
 国保料の未納による差し押さえというのは、中央区では今のところないというお話なんですが、区長の所信表明でも、歳入の確保のためには受益者負担の適正化を図っていくとあったんですけれども、受益者負担の適正化という考え方なんですが、これが区民生活を壊すということになっても、適正化と称して負担増を強いていくというおつもりなのか、このあたりの考え方についてお聞かせください。

 それと、国保加入者の平均所得というのは145万円で、減少傾向にあるんですけれども、保険料の負担率はずっと重くなっていくという傾向にあります。所得がない世帯に対しても保険料というのは課せられます。保険料の軽減措置というのが2割、5割、7割とありますけれども、それでも保険料は課せられるということなんですが、保険料の負担というものが家計を圧迫するというだけではなくて、気になる症状があって、既に病気を患っていても、受診料自体を支払うことが難しくて医療機関の受診を控えるという本末転倒な状況も生まれています。何のための保険なのかということが問われてきますけれども、かかりたいときにきちんと医療に適切にかかることができないような仕組みについて、区としてはどのように考えているのかという点についてもお聞かせください。

○平林福祉保健部長
 最初の受益者負担の関係についてお答えさせていただきたいと思います。

 国民健康保険料、福祉でもいろいろ受益者負担というのがございます。これにつきましては、私ども、慎重にやはり家計に与える影響というのを考慮しながら算定をしているつもりでございますし、国民健康保険料については、ある意味23区同一ルールということで、所得に見合った分を負担をいただくということで、これをもってして、軽いか重いかという認識でいえば、私は重いという認識ですけれども、すぐさまこれが家計を圧迫するかという判定では、そういう感覚には至っていないと。ですから、滞納状況につきましても、先ほど保険年金課長が答弁したように、窓口で滞納状況等を把握しながら、例えば短期証を発行しつつ、御相談に乗り、状況はどういうことなのかということを丁寧に相談に乗っていると。状況によっては1カ月証というのを発行したり、医療に影響のないようにやっていきたいと考えておりますし、今後については、受益者負担というのは適正化を図るべきだという観点で我々はやっていきたいと考えてございます。

○伊藤保険年金課長
 家計の負担等を圧迫して、受診したいときに受診できないという、このような仕組みについてどうお考えかということでございます。まず、保険料につきましては、所得に応じて応分に公平な負担の保険制度になっているというような前提がございますので、家計の負担で厳しい方については、均等割軽減ですとか、そういった対策が法的にとられているというところでございます。

 また、運営に関しても、先ほど答弁申しましたように、資格証、短期証を発行する場合においては、それぞれの状況を把握して、それに合った適切な発行をしているというような状況がございます。そういうような中で、受診抑制が図られているのではないかというところですが、先ほど答弁したような形で、さまざまな機会を捉えて適切に受診抑制をしないような形の資格証等の発行もしておりますので、私どもは、それによって受診ができなというような仕組みになっているとは考えているところではございません。

 以上でございます。

○奥村委員
 中央区は国保料の未納による差し押さえもしていないということですし、保険料の負担が重いという認識をきちんと持っておられるということなので、これからも滞納している方の実態に合わせて、即した対応をして、きちんと必要な医療は受けられるように十分に配慮していただきたいと思います。

 そして、今回の改定なんですけれども、加入者全体が支払う均等割額も基礎賦課分も後期高齢者の支援金分も、ともに所得にかかわらず一律に600円ずつ増額されて、合計で1,200円引き上げになるんですけれども、これも低所得者への負担増をますます進めるものになると思います。介護の納付金も、これは40歳から64歳までの方ですが、均等割額が900円引き上げられると。国保料が軽減されている世帯に対しても、それぞれ基礎賦課分、後期高齢者支援金分、介護納付金分は引き上げられるということで、低所得者、もしくは所得なしで軽減されているというのに、その中でも保険料を引き上げるということは、やはりちょっと納得がいくものではないと思いますので、その点についての見解をお聞かせいただきたいのと、あと、23区の値上げ案なんですけれども、モデルケースで見まして、1つ、これは年収200万円の給与所得者夫婦2人世帯で、2012年度と比べて今回3万4,978円で29%値上げになると。計算方式が変わる前の住民税方式のときから、2010年度から比べると6万5,971円、72%の値上げになるということです。これは非常に重い値上げだと思います。

 そして、もう一つモデルケースとして、年収300万円の夫婦と子供2人の4人世帯で、これは2012年度と比べて2万8,201円値上がりして、住民税方式のときと比べると、2010年度と比べると13万169円上がるということで、2013年度の国保料というのは、29万8,000円ということで、年収300万円の世帯ですから、年収の10分の1が保険料に消えてしまうという計算になるんですが、この重い保険料についてどう思われるかという点もお聞かせください。

 そして、もともと国保は滞納者が多いんですが、今回、新たな軽減措置を受けられるのは住民税非課税世帯と限定されています。措置を受けられるのは、約6,000人のうちの約1,000人のみです。この1,000人の方も平成25年度で50%、平成26年度で25%という控除がありますけれども、実質的には値上げということで、これまで減免措置を受けていて払えていた方も、今回の値上げで払えなくなるという方もいますし、この6,000人のうち軽減措置から外れる残りの5,000人の方、これまで減免措置を受けていて今回は受けられなくなるという方も値上げになるので、この方も払えないという方がふえてくると思いますので、こういう全ての方にとって負担増になる保険料の値上げというものの重さをどのように考えているのかという点。

 そしてもう一点が、住民税の非課税世帯と課税世帯の境目ぎりぎりの方がいると思うんですけれども、この方たちの負担増というものをどのように見るのかという点についてもお聞かせください。

○平林福祉保健部長
 今回、住民税方式から所得方式に変えた経緯でございますけれども、これはある一定の所得層の保険料負担がどうしても重くなってしまう。言い方を変えますと、低所得の方には相当優遇されていた措置でございますし、要するに上昇の直線がかなり急上昇する直線になると、これを適正な負担に直していこうというのが、いわゆる所得方式という形で、その線をフラット化していくという考え方、したがいまして、ある一定層の方々は負担増だったものが下がってくる。それから、今まで保険料を取られていなかった方々がふえてくる、こういった図式でございます。これについては、国の改正の中で一斉にこういった方式をとっていくという、そういう流れの中だと考えております。

 それから均等割でございますけれども、現在、特別区においては58対42という割合で均等割の割合を下げてございます。通常、政令ですと50対50という割合ですので、低所得者への配慮という視点、これはあると思います。ただ、今度、この割合が1ポイントが上がって数百円の影響がありますが、これが低所得者に対してどの程度の影響なのか、年額に換算して、こういったことも、やはり部長会の中でもいろいろ議論になっているところでございます。

 ただ、これは特別区としては、50対50に今後上げていきたいという考え方でおりますので、この辺は御理解をいただきたいと思っております。1ポイント上がりましても、先ほどお示ししたとおり、例えば1,000円に満たない額が1年で上がっていくというような割合でございますし、また所得に応じての均等割軽減も行っていくという考え方でございます。

 それから、新たな軽減については、これも相当部長会の中でも論議を呼んでおります。やはり国民健康保険料は重いというか、決して軽くはないとは考えておりますけれども、日本全国の中でも政令指定都市と比べても、中央区というのはかなり安い保険料、これはある意味一般財源の投入が行われているという中で考えますと、私は、決して軽くはないけれども、東京都においてはこの保険料というのは、相当他と比べても安くなっているという考え方でおります。したがいまして、この中での滞納の議論、全国から見ても相当恵まれている中央区におきまして、こういった議論というのはどうなのかなと私は逆に思っておりますので、適正な負担をしていただく、皆保険制度でございますので、医療費をみんなで支え合うという制度の中で、やはり適正に納めていただく方もいる中ですから、滞納についてはしっかりと我々も対応していく、生活状況によって変わってくれば、それはそれで私どもは親切に丁寧に対応していくという、そういう考え方で今後もやっていきたいと思います。

○奥村委員
 これまでが低所得の方に対して優遇されている制度だったということなんですけれども、今回の改定では低所得の方ですとか、家族が多い世帯により負担が重くなるような仕組みになっていると思うんです。やはり社会保障ですから、低所得者、そういった貧しい所得が少ない方々をどうやってみんなで支え合って救い上げていくかという視点も大事だと思いますので、低所得者の負担が今後軽くなるというわけではないですから、やはり社会保障というものがどういうものなのかという点も考えながら配慮していただきたいという思いがあります。

 そして、中央区はほかの区と比べても全国から見て保険料が安いということなんですが、今回、今まで保険料が払えていた方で払えなくなる方がふえるということは、事実としてあると思うんですけれども、その分、払えていた人が払えなくなるということは、保険料収入の減になると思いますが、払えなくなる方がどれぐらいいて、どれぐらいの保険料収入減を見積もっているのかという点もお答えください。

 それともう一点が、今回、保険料が値上げされて、実際に通知が届くのは6月になると思うんですが、そのときに混乱が起きたり、問い合わせが恐らく殺到すると思うんですが、そのことに対してどう対応していくのかという点についてもお答えください。

○伊藤保険年金課長
 今回の新たな減額措置をとることによって、今まで第2段階、第3段階の経過措置を受けていた方が外れて、収入率も下がるのではないかというお話でございますが、基本的には、先ほど福祉保健部長が答弁したように、幅広い世帯の中、特に中間所得層が今まで負担していたものを、今回の方式は1円でも所得があれば低所得者の方でも、払っていただく、そういった公平性の観点からの賦課方式になってございます。

 そういう中で、払えなくなる人をどれぐらい見積もるかということでございますが、実際には、こういった制度改正について、当然ながら住民の皆さんに周知をし、こういう方たちがすべからく保険料が払えないということはちょっと考えにくいので、現段階の想定では、払えない人がどれぐらいいて、どれぐらい金額を見積もるのかということは、ちょっと想定していないというところでございます。

 それと、実際にこの方式、新たな減額措置がとられて、2年間の経過措置が終了するということに対しての住民への周知でございますが、これにつきましては、区のホームページ、あるいは5月1日に区のおしらせをして、周知をしてまいりたいと考えてございます。当然、6月の賦課のときには、制度改正をきちっと記載した説明書を同封して御理解を得るというところでございます。

 こういう制度改正について混乱が起きるかということでございますが、2年前の激変緩和の賦課方式を変えて、激変緩和の経過措置を行ったところでございます。そのときも同じように、住民の方にさまざまなツールを使って周知を図り、皆さんのところに年間の保険料の通知を申し上げた、その時点で、現場の混乱、あるいは電話の対応ということで、こちらは態勢をいろいろ組んでいたところでございますが、その当時であっても、問い合わせ等につきましては、それほど多く件数が増加したということはございません。

 窓口の対応も、いろいろと現場へ来て御説明を求める方が大勢いらっしゃるのではないかと、そういうことを想定したんですが、いろいろ周知を図った結果、窓口現場も混乱がなくおさまってございますので、今回もそういったことにならないように、住民の皆さんに周知を図っていきたいと考えているところでございます。

 以上です。

○奥村委員
 国保というのは、年金生活の方ですとか、非正規の方ですとか、そもそも負担能力が高いとは言えない方々が集まる仕組みなわけですから、それが国保ですから、当然、国庫負担がそれなりに投入されなければ維持できない制度ですし、最終的な責任というのは国にあるんだと思います。ですので、国が医療費抑制のために国庫負担削減していることに対して、区としても国に国庫負担を上げることを強く要求するべきだと思いますし、区としても軽減措置を続けるために一般財源の投入をするということもぜひ考えていただいて、区民の方々の負担軽減に尽くしていただきたいということを要望して質問を終わります。

○礒野委員長
 質問者の発言を願います。

○田中(耕)委員
 特別会計について何点か質問をさせていただきたいと思います。

 まず、国民健康保険運営協議会についてでございますが、予算書のほうにも計上されてございまして、27名の委員で年2回協議会は開かれているということでございます。

 この協議会の審議内容について御説明をしていただきたいのと、その上で、被保険者の代表者8名ということでございますけれども、この選任方法等についてお知らせしていただきたいと思います。

 それと、予算書の件でございますが、保険給付の件で、医科、歯科、補装具等の給付額の件数が昨年度予算から今年度にかけて大変大きく、昨年度が1,460件だったものが2,331件という形で計上されているかと思いますが、この大幅な増加事由等についてお知らせしていただきたいと思います。

 また、海の家・山の家事業でございます。これは後期高齢者との合同事業と認識してございますが、この利用実態と、やはり必要性について教えていただきたいと思います。

 まず、以上の点をお願いします。

○伊藤保険年金課長
 運営協議会の審議内容でございます。

 運営協議会の審議内容につきましては、国保運営にかかわる重要な事項について御審議をしていただいているというところでございます。具体的には、条例改正が伴うような事項についてそれぞれ御審議をしていただいて、最終的に答申を受けるということになってございます。ここ数年では、当然ながら保険料率が毎年改定されてございますので、保険料率の改定について、あるいは国の制度改正について、今般、国の制度改正に伴う条例改正が幾つかございましたので、そちらのほうを御審議していただくというような中身になってございます。

 それと、任期でございますが、2年ということになってございます。それと、被保険者の代表者の選任方法でございます。こちらの方は国保の被保険者の方を選任するということでございますが、日本橋地区、京橋地区、月島地区、3つの地区の方から選任し、なるべく地域の実情に合った国保のあり方、そういったものを御審議していただくということでございまして、そういった地域の方にお願いをして選任してございます。福祉に造詣の深い、具体的には民生委員の方ですとか、そういう委員の方にお願いしているというところでございます。

 それと、海の家・山の家の実績でございます。平成23年度につきまして、収容人数に対する利用者数は、海の家が23.0%、山の家が35.0%でございます。ただ、日数の部屋数でいえば、80%ぐらいの稼働率ということになってございます。

 あと補装具につきましては、後ほど御答弁したいと思います。

○田中(耕)委員
 ありがとうございます。

 先ほどの被保険者の代表者は地域からの推薦で、ある程度地域特性を踏まえて地域の町会や自治会などの例えば代表者とか、民生委員だとかの方から御推薦をいただいているという認識でよろしいのかどうか、念のため確認させていただきたいのと、それと海の家・山の家は、その稼働率と部屋数というのがどういう意味なのかよくわからなかったんですが、期間が確かに限られていたりですとか、部屋数、これは民宿ですとか、旅館さんを借り上げているような形になっているかと思いますから、実際に使われる方、利用者が来られる時期というのは集中したり当然すると思いますが、ごめんなさい、部屋数というか、先ほどの稼働率の数字の意味がよくわからなかったので、もう一度御説明していただきたいと思います。

 海の家・山の家とかというのは、当然、国民健康保険のそもそもの制度の本筋というか、もともとの制度の趣旨からいけば、健康増進の目的で伝統的に有している制度だと思うわけですけれども、財政的に国民健康保険もやはり負担が厳しくなっていく中で、利用者が余り伸び悩んでいるようであれば、こういった制度も場合によっては見直していく必要性があるというのが従来から私どもの考え方としてあります。

 もう一点確認したいのは、海の家とか山の家の制度というのは、財源の中で先ほど国庫負担比率も下がったというお話、34%から32%に下がっておりますけれども、海の家・山の家等の福利厚生制度というのは、国庫ですとか、都の支出金ですとかのいわゆるひもつきといいますか、その条件に含まれているのか、それを財源としている制度なのかどうかという点もあわせてお知らせしていただきたいと思います。お願いします。

○平林福祉保健部長
 先ほどの運営協議会のメンバーでございますけれども、委員の言われた認識でよろしいと思います。地域の方々から御推薦をいただく、また民生委員の方から御推薦をいただくというような形で従来から行っておりまして、内部の中で附属機関と運営協議会という区の決定機関がございますので、そういった中でやはり内部でも審議をし、適正な方を選んでいるという状況でございます。

 それから、夏季施設の海の家・山の家でございますけれども、これにつきましては、利用状況等を見ながらこれまでも見直しを行ってございます。財源的にはたしかこれは一般財源で行っていると思いますけれども、利用率の悪い山の家を海の家に変更したり、また人気のない施設、こういったものを見直したりということは従前から行っておりまして、これについては、委員が言われたように、健康増進とレクリエーションを目的に従前から行っているというものでございます。今後におきましても、利用状況等を見ながら変更できる部分については変更していくということもやっていきたいと思っております。財源については、一般財源で、国と都は入っていないという状況でございます。

○田中(耕)委員
 ありがとうございます。

 海の家・山の家に関しては、見直しもしていただいているということで、そのこと自体は評価させていただきたいとは思いますけれども、やはり本区独自で保養所も持っていて、さまざまなそういった福利厚生やレクリエーションのサービスも提供しておりますので、国民健康保険でそういったサービスをどこまで提供していく必要性があるのかというのは、私としては考えるところもあるわけなんですけれども、もしも御見解があればお知らせしていただきたいと思います。

 続きまして、介護保険について幾つかお話をお聞きしたいと思います。

 介護保険事業もやはり国、都、それから区でそれぞれの負担割合、国25、都12.5、区12.5ということで、従来からの制度であるかと思いますが、まず介護予防事業についてでございますけれども、国庫から出ている介護予防事業費を充当している具体的な施策というのは何がそれに当たるのかというのを、もしも明確にこの施策がそうだというのがあるのであればお知らせしていただきたいと思ってございます。

 それと、月島地域包括支援センターの本年度の予算が、やはり昨年度と比べまして大変大きく増加しているとお見受けしております。この理由についてもお知らせしていただきたいと思います。お願いいたします。

○吉田介護保険課長
 介護予防事業でございます。こちらにつきましては、65歳以上の高齢者の方に日常生活の25項目のチェックをしていただきまして、その中で虚弱傾向のある方を把握いたします。その把握事業に費用がかかりますことと、また、把握した方に介護予防事業ということで、これまで筋力アップ教室、また、健康づくりサロンはつらつ、また、なかなか外に出られない方につきましては、保健師が訪問する訪問型予防事業、そのようなものを行っていたということでございます。

 また、月島おとしより相談センターの予算額が増加している件でございますが、こちらにつきましては、月島の高齢者の数が増加しているということで、来年度、包括の職員1人、また要支援1、2の介護予防プランをつくる職員を1名、合計2名を増員するということで、多くなっているということでございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 ありがとうございます。

 今御答弁がありました把握する費用というのも、この介護予防事業の費用の中に含まれているという理解でよろしいんでしょうか。また、その方法と費用の額というのはどの程度のものになるのかお知らせください。

○吉田介護保険課長
 この把握をする保健師がおりまして、その人件費といたしまして約600万円かかっているところでございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 そうすると、その保健師さんはこれを専業でやっておられるということ。ということは、1年中、把握の活動だけをされているというようなことでよろしいんでしょうか。お願いします。

○吉田介護保険課長
 把握するとともに、先ほど申し上げました閉じこもりがちな高齢者のところに訪問するという事業もあわせて行っております。

 以上でございます。

○伊藤保険年金課長
 失礼しました。まず、国保での海の家・山の家の今後についてでございます。

 これにつきましては、海の家で実績が少ない民宿の取り扱いを廃止しまして、施設数を減らしてきました。また、稼働率のいい箱根の山の家については、部屋数をふやしたという実績がございます。したがいまして、稼働率、利用率も非常にいいということでございますので、現段階では廃止ということはちょっと考えていないというところでございます。

 それと、医科、歯科、補装具等の件数の増加でございますが、実績額につきましては、ほぼ同額となっているんですが、1件当たりの実績が少ないということで、診療に見えた方のコルセット代等々、軽微な方がふえているというような状況で、1件当たりの実績額が減っている、そのため件数がふえているというような状況でございます。

 以上でございます。

○田中(耕)委員
 終わります。

○今野委員
 3特別会計歳入歳出予算の質疑半ばでありますが、本日はこの程度とし、明22日から24日までを休会とし、来る25日午前10時30分に委員会を開会されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 明22日から24日までを休会とし、来る25日午前10時30分に委員を開会いたしますので、御参集願います。

 本日はこれをもって散会いたします。どうもありがとうございました。

(午後5時6分 散会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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