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平成25年 予算特別委員会(第11日 3月25日)

1.開会日時

平成25年3月25日(月)

午前10時30分 開会

午後4時56分 散会

2.開会場所

第一委員会室

3.出席者

(18人)

委員長 礒野 忠

副委員長 中島 賢治

委員 押田 まり子

委員 鈴木 久雄

委員 今野 弘美

委員 木村 克一

委員 染谷 眞人

委員 富永 一

委員 田中 広一

委員 堀田 弥生

委員 志村 孝美

委員 奥村 暁子

委員 田中 耕太郎

委員 渡部 博年

委員 渡部 恵子

委員 山本 理恵

議長 石田 英朗

副議長 守本 利雄

4.欠席者

(1人)

委員 青木 かの

5.説明者

別紙理事者一覧のとおり

6.議会局職員

田野議会局長

荻原議事係長

長田書記

猫塚書記

武藤書記

7.議題

  • 議案第1号 平成25年度中央区一般会計予算
  • 議案第2号 平成25年度中央区国民健康保険事業会計予算
  • 議案第3号 平成25年度中央区介護保険事業会計予算
  • 議案第4号 平成25年度中央区後期高齢者医療会計予算

(午前10時30分 開会)

○礒野委員長
 おはようございます。ただいまより、本日の委員会を開会いたします。よろしくお願いいたします。

○田中(耕)委員
 冒頭、お時間を頂戴し、恐縮に存じます。

 去る3月21日木曜日の本委員会におきまして、私の一部言動、また不規則発言等により、本委員会の執行に支障を来しましたことを、委員各位並びに理事者関係各位におわび申し上げます。大変申しわけございませんでした。

 以上でございます。

○礒野委員長
 なお、青木委員は本日より本委員会を欠席いたしますので、御了承願います。

 3特別会計歳入歳出予算について、質問者の発言を願います。

○渡部(恵)委員
 それでは、よろしくお願いいたします。

 国民健康保険の加入者は、自営業、第一次産業に従事している方々、またパートやアルバイト職員の方々が多く、保険に加入していない方も中にはいらっしゃいます。こうした国民皆保険の最後のとりでと言われる市町村国保は、このような小規模な保険者が多いことから財政不安定に陥りやすいということが弱点と指摘されています。また、納付する保険料が、同じ年収でありながら自治体によって異なることから、不公平感が出ているなど、現在、制度としての問題点も同時に指摘されるようになっております。保険料も医療費が高額になれば連動して上がっていくために、財源を確保しておかなければ国民健康保険の運営も危ぶまれるということにもつながっていきます。

 そこで現在、本区の現状はどのようになっているのかお知らせください。

○伊藤保険年金課長
 本区の国保の現状でございます。

 まず、被保険者の状況でございますが、住民登録者の国保加入者の占める割合を見ますと、65歳〜69歳の方が国保加入者の11.37%を占め、平成23年度におきましては、11.49%を占めてございます。また、70歳〜74歳の方につきましては、平成22年度が10.39%、平成23年度におきましては、10.76%ということでございまして、本区において国保加入者の高齢化は微増ということになってございます。

 しかしながら、全体を支える被保険者全体を見ますと、本区においては国保加入者の割合が、平成22年度は28.5%、平成23年度は28.1%と、微増の傾向にございます。また、被保険者の資格得喪状況を見ますと、国保を支えている被保険者の減少が少しずつ上回るというような見込みとなっておりまして、国保を支える被保険者の減少が危惧されているというような状況がございます。

 また、医療費につきましても、医療の高度化の影響などにより、1人当たりの医療費も増加傾向にございます。また、国保を支える重要な財源であります保険料につきましても、保険料の収入未済額、こちらも発生しておりまして、これに伴いまして法定外繰入金を6億円程度入れているというような厳しい状況になってございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 大変厳しい本区の現状があるということでございますが、どのように解決していくのでしょうか。

○伊藤保険年金課長
 本区が保険者として健全な財政運営を行うためには、保険事業を通じて被保険者の健康管理を進めて、少しでも医療費の抑制に努め、必要な財源を確保していくために収納率の向上を図り、健全な財政運営を図っていくということは重要であると考えてございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 収納率の向上に当たっての具体的な対策というのはございますか。

○伊藤保険年金課長
 収納率向上につきましては、早期着手、新規滞納者をつくらない、また、ふやさないというようなことが重要であると考えているところでございます。

 具体的には、未納者に対して早期の段階で文書、電話、訪問催告などを実施してございます。また、平成23年度からは専門徴収員という方を1名増員し、計2名ということで、現在、収納嘱託員さんが臨戸訪問などを行っている際に、その課題、そういうものを指導していくということで、収納嘱託員の能力をアップさせようということで対策をとってございます。また、新たな滞納者の発生を未然に防止することを目的としまして、本年度から電話による納付案内を実施しているところでございます。

 新たな滞納の発生の芽を摘み、新規滞納者をつくらないというようなことで、今後も工夫を凝らして収納対策に力を入れていきたいと考えてございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 新規滞納者をふやしていかないという対策に力を入れていらっしゃるということと、また、平成23年度から徴収の専門員の方も増加しながら未納者に対する催告を行っているという御報告をいただきましたので、大変かと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。

 そして、最近ですと、広域化ということがうたわれるようになっていますけれども、この広域化に向けた課題というのは、現状どのように把握されていますでしょうか。

○伊藤保険年金課長
 広域化の現状についてでございます。

 国は、2010年に県単位の広域化を目的とした法改正を行ってございます。これに基づきまして、各都道府県におきまして広域化等支援方針を定めまして、広域化に向け準備を進めているという現状がございます。

 国は、広域化に向けて基本的には国保の財政基盤、こちらを強化していきましょうということを進めてございます。平成24年4月6日に国民健康保険法の一部改正がなされまして、その中で、国民健康保険の財政基盤強化策を恒久化すると言うとともに、財政運営の都道府県単位化の推進、あるいは、都道府県の調整交付金の割合を引き上げというような対策を講じているところでございます。

 一方、東京都におきましても、広域化については東京都国民健康保険財政安定化会議、こういうものが設置されてございます。この中で市町村と広域化に向けた協議を図っているというところでございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 では、現在、課題になっていることは、どのようなことが具体的に言えますでしょうか。

○伊藤保険年金課長
 広域化の課題でございます。

 被保険者の年齢構成が高く、所得水準が低いという国保の構造的問題がございます。こういう問題については、広域化では解決ができないだろうということは言われてございます。現段階で、各保険者の保険料率や医療費が異なるという状況がございますので、いかに整合性のある標準的な保険料率を決定することができるかというところも大きな課題になってございます。

 また、全国知事会と全国市長会は若干考え方が違いますので、そこの考え方の差をどこまで埋めることができるのかということが懸念されるというところでございます。本区といたしましても、市町村国保事業についてちょっと限界がある、持続可能な国保制度とするために、都道府県単位化という、こういった方策というのは有力な方策の1つであると考えてございます。

 しかしながら、国保を取り巻く状況というのは地域によって大分相違がございます。東京都におきましても、特別区は統一保険料方式をとっておりますが、市部においては保険者ごと保険料を決定しているので、大きな相違がもう既にございます。

 今後の広域化の課題については、広域化に向けた先ほどの協議の場である東京都国民健康保険財政安定化会議の中で、特別区長会で十分議論した上で、その意見を反映させられるように、東京都や市部と協議していくことが重要であると考えてございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 国民健康保険は、大変難しい課題が幾つもある中で、安定的な財政運営ということがまたここで大変難しい問題になると思いますが、どうぞ引き続き未納者への催告と、それから新規の未納者をふやさない取り組みをお願いしたいと思います。

 次に、介護のほうについてお伺いいたします。

 国の介護サービスに加えて、区独自でサービスを実施されていますけれども、具体的にはどのようなサービスを展開されて、また利用者についてはいかがでしょうか。

○吉田介護保険課長
 中央区は、介護保険制度に上乗せいたしまして独自サービスを実施しております。まず、介護保険サービスの量を補う上乗せサービスとしては、支給限度額いっぱい利用されてもなお不足するといったような場合に、訪問介護、これは生活援助と院外介助でございます。あと訪問入浴サービス、こういったものを上乗せして実施してございます。

 また、介護保険のサービスの種類を補うということで、介護保険サービスに住宅改修というものがございますが、その中のメニューにない例えば浴槽の取りかえなど、そういったものにつきましては、住宅設備改善ということで、横出しサービスとして種類を多くして実施しております。また、費用負担の軽減を図るサービスといたしましては、低所得者の方には訪問介護、また訪問入浴介護、訪問看護がございます。費用の負担は一般では10%でございますが、これを3%ということで、区のほうが利用料を助成いたしまして軽減をするサービスを実施しております。また、その他、布団乾燥ですとか、介護応援手当など、そういった事業を実施してございます。

 実績でございます。実績につきましては、介護保険のサービスの量を補う上乗せサービスといたしまして、生活援助のほうにつきましては、生活援助が67名、院内介助が62名の方、また、在宅支援入浴サービスにつきましては、39名の方に実施してございます。また、住宅設備改善につきましては、浴槽の改善等、今年度1月末現在で19名の方に改善を実施してございます。また、利用料の負担軽減ということで、訪問介護につきましては362人、訪問看護につきましては137人、訪問入浴については39人ということで、合計538人の方に利用料の負担を実施してございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員
 かなり手厚く皆さんに対して実施されていると思います。しかしながら、やはり区民の方にはいつまでも健康で、そして闊達で、お元気でいただくことが何より大切でありますので、本区はさまざま健康を維持する取り組みをなさっておられますし、元気高齢者づくりということでの取り組みもなさっておられますけれども、まずはここに力点を置いて、なるべく体力を維持して元気な御高齢者でいらしていただくことが、何よりもこうした保険を運営していく上では基本となる大変ベースとなる大事なことだと私自身は思いますので、引き続き御対応のほうをよろしくお願いしたいと思います。

 以上をもちまして質問を終わります。

○礒野委員長
 次の質問者の発言を願います。

○山本委員
 おはようございます。よろしくお願いします。

 各特別会計の保険料算定においては、国の税制度の変更が大きく影響をもたらしていると認識しております。そのたびに算定方式を変更し、また区民に対する周知に大変な御努力をされていることと思います。

 まず、国民健康保険料の率の改定についてと、新たな減額措置についてお伺いいたします。

 平成23年に所得割分の賦課方式が、旧ただし書き方式に変更となり、平成25年度は、特別区国民健康保険の賦課割合が59対41から58対42に変更になりました。旧ただし書き方式への変更により保険料負担が増加する階層が生じ、さらに所得割率と均等割率の基準料率を変更したことにより、保険料が増額される世帯が生じました。

 そこでまず2点確認させてください。特別区長会で賦課方式の変更を決定した経緯を再度確認させてください。基準料率は特別区長会で毎年改定されますが、基本的な考え方をお聞かせください。

○伊藤保険年金課長
 賦課方式の変更をした際の経緯ということでございます。

 近年、たび重なる税制改正がございまして、国民健康保険が激変する階層が生じるということで、住民税方式で賦課するということに問題が生じていたというところでございます。従前の方式では、医療費がふえ続ける中で、中間所得層のほうに負担が偏っていたというような問題がございまして、このような問題から、先ほども答弁いたしましたけれども、国民健康保険の広域化の流れに対応できないという問題もございました。そのため特別区では、所得割の算定方式の見直しについて検討を行った結果、全国の市町村が一般的に採用されている旧ただし書き方式に平成23年から移行するのが妥当だったということの結論に至ったというところでございます。

 それと2点目の毎年基準料率を変えてございますけれども、その基本的な考え方はどうなのかということでございます。

 23区は所得水準の格差が極めて大きいという現状がございます。そういう中で、各区の自助努力によって負担の解消を図れる規模ではないということなので、特別区の保険料は各区が決めるのではなくて、23区の統一保険料をとっているという現状がございます。その基準料率を改定するに当たっては、国保制度を取り巻く状況の変化、こういうものに応じて算定方法の見直しを進めておるところでございます。

 また、23区の共通の課題である高額療養費の問題等々がございまして、毎年各種調査を通じて、各区の実情を踏まえた上で基準料率を決定しているというところでございます。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 1点目に関しては、中間所得層の負担が大きかったということで、2点目に関して、23区の所得水準の格差が大きいということなんですけれども、そうしますと、今、国が打ち出している広域化について、23区以外の東京都の中の市町村が入ることによって、さらに中央区の負担というのが大きくなるのかなと考えます。

 今、国民健康保険料所得割分の賦課方式の変更に伴い、保険料負担が増加する階層への緩和のため、経過措置を2年間、平成23年度と平成24年度75%減額を実施していました。平成25年度は50%、平成26年度は25%も減額し、段階的に軽減措置を実施することになっておりますが、減額措置の額はどのような数字になっているのでしょうか。また、平成27年度以降については、どのような方向で議論されているのでしょうか。

○伊藤保険年金課長
 新たな減額措置につきましての影響額についてでございます。

 本区におきましては、平成25年度に1,917万円ほどの費用を、平成26年度には、その約半額の960万円程度の費用を見込んでいるというところでございます。

 2点目の平成27年度以降についてはどのような方向ですかという御質問でございますが、新たな減額措置というのは、2年間に及ぶ経過措置の実施状況を踏まえた結果、住民税の非課税の方に平成25年度本則適用とした場合には、移行時を上回る保険料の増額になるという世帯、こういう世帯を緩和しようということで実施したものでございます。したがいまして、新たな減額措置につきましては、平成26年度までとしまして、平成27年度からは本則適用することが23区の共通認識とされているところでございます。

 以上でございます。

○山本委員
 済みません。1つ答弁漏れで、平成23年度と平成24年度の合計の金額も教えてください。

○伊藤保険年金課長
 平成23年度、平成24年度の影響額でございます。

 平成23年度は1億2,000万円、平成24年度は1億2,600万円というところでございます。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 平成23年度から平成26年度にかけて大分減額措置の金額が減るということで、平成27年度から本則適用ということなんですけれども、今回の減額措置については、所得割のほうの変更であって、毎年、所得に応じて均等割の減額軽減措置があるかと思います。これが7割、5割、2割になるかと思うんですけれども、まず平成25年度の軽減見込額をお示しいただきたいのと、今後、新たな減額措置がなくなった場合、こちらの所得割にどのような影響が出てくるのでしょうか。また出てこないのであれば、そのことを教えていただければと思います。

○伊藤保険年金課長
 7割、5割、2割の軽減の影響額、見込額でございますが、平成25年度の影響額につきましては3億2,000万円ということでございます。それと、所得割への影響ということでございますけれども、今回、均等割、所得割の率を変更したというところがございますので、所得割率については、全体では均等割が上がっている分、その分所得割の負担が若干減っているという影響がございます。

 以上でございます。

○山本委員
 済みません、ちょっと理解できなかったので、もう一度聞かせていただきます。

 新たな所得割の部分の減額措置がなくなる平成27年度以降、本則適用される場合、毎年、均等割の部分の減額対象者がいると思うんですけれども、こちらには影響がないということか、それとも影響が出てくるのか、どのようにお考えかお聞かせください。

○伊藤保険年金課長
 新たな減額措置、こちらのほうがなくなって本則適用になった場合の影響でございますが、当然ながら、所得割の経過措置というものにつきましては、本来、所得割で賦課される部分が経過措置、あるいは新たな減額措置でその分保険料を減額しているというところでございますので、すぐ本則適用になれば、その分の減額が当然なくなるということなので、所得割率については影響がございます。というよりか、賦課総額がそれぞれ、賦課する金額が変わりますので、そのときの保険料率の情勢によってそれぞれ違いますので、ただ、所得割については、当然ながら、減額がなくなった分、影響が出るということでございます。

 以上でございます。

○山本委員
 所得割については影響が出るということですが、均等割については影響が出ないのですか。

○伊藤保険年金課長
 保険料というのは均等割と所得割で構成されてございますので、一方だけ影響が出る出ないということではございませんで、両方とも相関関係にございます。したがいまして、所得割のほうに影響が出れば、当然ながら均等割のほうにもその分の影響が出てくるということでございます。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。理解しました。

 経過措置に必要な財源は一般財源で賄うことになっておりますが、国民健康保険の会計には既に多額の一般財源繰り出しが生じています。一般会計繰り入れは、国民健康保険被保険者以外の加入者も負担することと等しく、望ましくないと考えます。特別会計である国保のあり方について、どのようにお考えかお聞かせください。

○伊藤保険年金課長
 国保のあり方についてでございますが、急激な高齢化、あるいは医療技術の高度化などによりまして、やはり、医療費が年々増加しているというような状況がございます。一方で、保険料の未納もございまして、一般会計の繰り入れによって収支の均衡が図られているという、委員御指摘のような現状が確かにございます。

 本区においても、いわゆる法定外の繰入金というものを6億円程度入れているという状況がございます。こういう中で、医療費の支出については、国・県、あるいは区などの一定の公費負担とともに、保険制度の趣旨からも被保険者の保険料負担が原則ということになってございます。

 本区といたしましては、国に対しては、必要な財源確保を特別区長会や全国市長会を通じまして要望するとともに、医療費の適正化に努めまして、負担の公平の観点からも少しでも収納率の向上を図り、健全な事業運営をすべく努力していきたいという考え方でございます。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 平成25年度の本区の賦課割合は所得割65、均等割35です。統一保険方式をとっている特別区として、50対50が理想ですというほかの委員への御答弁をお聞きしました。

 ここで懸念されるのが、均等割率が高くなると、軽減、減額措置対象者がふえるのではないかと私は考えるのですが、どのようにお考えでしょうか。さらに、本区高齢化率では緩やかな伸びが予想されています。実際の高齢者数の予測は、2030年には現在の1.35倍に相当する約2万8,000人以上に増加する推計となっております。今後、後期高齢者医療制度への移行が拡大し、国民健康保険一般被保険者の分母が減少することも懸念されています。特別区は、保険者として持続可能な運営を維持していくために、どのような対策を考えておられるのか、講じておられるのかお聞かせください。

○伊藤保険年金課長
 いわゆる賦課割合の考え方でございます。

 特別区の保険料体系というものは、低所得者の負担軽減を図ってきたというところから、現状は、所得割のほうに大きく依存するという仕組みになってございます。そのため、先ほど答弁申しましたように、中間所得者層への負担がかなり生じているという現況がございました。それを是正するために、所得割と均等割の均衡をとるということが必要なことであると基本的に考えているところでございます。

 国の基準政令におきましても、先ほど委員御指摘のとおり、50対50が賦課割合の標準と定められてございます。特別区においても、賦課割合50対50を目標とすることが区長会で確認されているというようなところでございます。

 それと、2点目の特別区は保険者として持続可能な運営を維持していくためにというような御質問でございますが、将来の広域化に備えて特別区の課題である幾つか、今、賦課割合の改善と申しましたけれども、そういうことを含めながら、それぞれ特別区独自の改善を図っていくということが必要であると考えてございます。

 一方、国民健康保険制度については、国の責任において必要な財源を確保するということも重要であるということから、保険基盤の強化策など、全国市長会に要望していくということが、持続可能な国保を運営するためには重要なことだと考えているところでございます。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 国からの財源確保、国の制度等を利用していただきたいと思うんですけれども、これから国保が厳しくなっていくと予想される中で、滞納者についてお伺いいたします。滞納者にはさまざまな理由があると思います。例えば組合や共済保険加入者の場合、滞納者は早期に脱会させられ、自動的に市町村の運営する国民健康保険に移ることになっています。組合は原則として減免制度や延納、分納制度がないためです。そして、移行してきた被保険者は、国民健康保険で軽減、減免、分納が可能です。こういった方々の医療費等も、きちんと支払う被保険者が負担しています。特に問題なのは、そもそも保険料は滞納分を見越して設定されていることだと私は思います。滞納者への収納対策に対して、どのような努力をされているのでしょうか。

○伊藤保険年金課長
 収納対策についてでございます。

 前委員の質問の中でも答弁させていただきましたけれども、収納率を向上させるためには、やはり、早期着手によって新規の滞納者をつくらないということが前提と考えているところでございます。

 先ほど答弁しましたように、本年8月からは、新たな滞納世帯の発生を未然に防止するという目的のために、電話による納付案内を実施しているというところでございます。実績でございますけれども、昨年度途中から実施ということなので、その効果について全て分析しているわけではございませんが、直近の実績で申しますと、1月及び2月の納付案内で、電話によって納付のお約束をとりつけて、実際に納付いただいた方の実績が約60%ございます。電話での納付案内の効果は一定程度出ていると考えてございます。

 この事業につきましても、1年間の実績を見た上で、その効果、あるいは課題等を検証して、さらに効果的な事業運営を図っていきたいと考えてございます。

 また、課内ですけれども、収納率向上のための検討会というものを本年度から設置してございます。その中で、いろいろ収納対策について、この検討会を通じて多角的な面から滞納者の分析を行って、効果的な滞納対策を実施していくということで、課題体制の整備にも努めているところでございます。

 以上でございます。

○山本委員
 わかりやすい御答弁ありがとうございます。

 新規滞納者をつくらないということで、納付啓発等の推進に力を入れていただいているということで、保険者として、それに加え医療費の抑制はもちろんのこと、保険事業費の見直し等も行う必要があると私は考えています。独立会計として運営できるよう努力していただきたく思います。また、区民の方に対しても、改定があった際にきちんと背景を説明し、理解していただけるように努めていただきたいと思います。

 最後に、介護保険特別会計についてなんですけれども、民生費のほうに紙おむつの支給というのがあります。これは一般会計の民生費ではなくて、介護保険に移すべきではないのかと考えますけれども、いかがお考えでしょうか。

○吉田介護保険課長
 前委員の質問にもございましたが、中央区は介護保険サービスを補完するということで、さまざまな区の独自事業を行っております。介護保険に関しましては、高齢化の進展に伴いまして、要支援・要援護者認定者の増加、また保険給付費の増加というのがございます。そういった中で保険料はこのところ上昇しておりますので、そういった介護保険以外の一般会計のほうで紙おむつの支給ですとか、さまざまな区の独自事業を行いまして、そちらの一般会計のほうで実施して、保険料の上昇を抑えるということが必要かと思っておりまして、実施しているところでございます。

○山本委員
 一般会計と、特別会計は、それぞれ独立した会計であると私は認識しております。今後、介護保険を圧迫するので、一般会計で事業を行おうということがふえると、どんどん一般会計の負担がふえてしまいますし、介護保険制度自体をどのように運営していくのかというあり方自体が問われると考えます。

 今、時間がないので、きょうはここで終わらせていただいて、また別の機会に質問させていただきます。

○今野委員
 3特別会計歳入歳出予算の質疑も終了したと思われますので、次に、総括質疑に入るようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 これより、総括質疑に入りますので、関係理事者の方は席の移動をお願いいたします。

〔理事者の移動〕

○礒野委員長
 では、総括質疑について、質問者の発言を願います。

○押田委員
 それでは、自民党の総括質問をさせていただきます。

 この委員会当初より、隣で今野進行役さんが赤鉛筆を持ったり、いろいろ時間の調整ばかりやっているのをずっと見てまいりましたので、できれば私は、コンパクトにまとめて質問をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 私は、一般質問で、施策を実施する場合の行政の説明責任について質問させていただきました。今、多くの事業を見直したりするに当たって、行政の説明責任のあり方が問われてきていると思います。

 本区は、長年、定住人口回復を明確な目標といたしまして、区も議会も一致団結して取り組んできました。そのかいがありまして、7万人まで落ち込んだ人口が、御承知のように、今では13万人が間近に迫り、15万人に近づくとの推計が出てきています。

 私たちは、この人口の増加を歓迎すると同時に、新しく区民になられた方、長くお住まいの方、また高齢者の方、若い方とさまざまな区民のニーズを受けとめて、限られた財源をバランスよく配分していくという非常に難しいかじ取りの場面に来ているんだと思っています。

 その中で特に重要になってくるのが、行政の説明責任、区民とのコミュニケーションではないでしょうか。これまで本区は比較的面積も人口もコンパクト、そして、まちのつがなりもかなりあった地域ですから、進んで行く方向を共有することが割とたやすかったんですね。でも、今40代、30代の子育て世代の方や、それから、お子さんもたくさん生まれてくると、行政ニーズの幅も非常に広がってきていると思います。ですから、行政が進めようとしていることを区民一人一人に説明していくというのは、非常に努力が要ると思っているんです。議会もともに地域のニーズを酌み取りながらも、できることとできないこと、これをきっちりその理由や方向などについて説明をしていく必要があると思っています。区民に対して御協力してくださいということは、なおさらだと思うんですよね。

 区は、今後、基本計画2013によって集中的な施設整備を進める一方で、健全財政の確保に向けてこれまで以上の厳しい目を持って全ての事業を検証していくとしていらっしゃいます。時代に合わせた事業の見直しというのは、当然、必要なものだと思います。時には区民が余りありがたくないなと思うような見直しも予想されてくると思います。

 私も、地域の高齢者クラブに会員ではなくてゲストとして行って、お話をするんですが、高齢者の方に説明をするのってすごく大変なんです。敬老買い物券の話もしています。だけど、昔も、特別養護老人ホームの待機者の話で、どのぐらいの時間がかかるかという話を始めた途端に、あなた、今から申し込まなきゃ間に合わないわよとか、早くあなたも申し込んだほうがいいわと、ざわざわしてきちゃって、皆さんはまだお元気だから申し込む資格がないんですよと言っても、誰も聞いてくださらない。敬老買い物券もそうなんですが、申し上げても、それはそうだねとか、仕方がないねと言ってくださる方はほとんどいらっしゃらない。それでも一生懸命に説明して、皆さんの子供さんやお孫さんのために、中央区が健全であるために、私、この予算に名前をつけたんですよと。何と聞かれたから、みんなで今少しずつ我慢しよう予算なんですよと言うと、へーと言いながら、わかってくださったんだかどうかわからないけれども、一生懸命に説明するようにしています。

 ですから、行政がこれから地域の住民の理解や合意形成に努めるために、区政や区の施策をどのような姿勢でマネジメントしていらっしゃるのか、まず、その基本姿勢を伺いたいと思います。

○中島企画部長
 区民と正しく情報を共有し、その理解を得ていくことは、やはり区政運営の基根でございますし、区の施策や事業を円滑に推進していく上でも極めて重要であると認識しているところでございます。

 今後、限られた財源で区民の幅広いニーズに対応し、基本計画2013に掲げました事業ですとか、施策を着実に推進しながら、将来にわたる持続的な発展を確保していくためには、今後やはり区民の皆様に理解や協力を求めていかなければならない、こういった局面が多々想定されます。

 特に事業を見直す際には、その理由ですとか趣旨、これを明らかにすることは当然のことながら、本区のサービスが、他の自治体と比較いたしましてもどれだけ充実しているのか、こういった点につきましても、やはり説明をしていく必要があると考えているところでございます。

 また、その過程におきましては、区の代表機関でございます区議会との綿密な意思疎通や連携、これを図っていくのは当然でございますけれども、区民サービスの第一線でございます各部窓口での対応や、地域の方々との会議体での意見交換など、そういったさまざまな機会を通じまして区民ニーズの把握に努めますとともに、やはり、職員一人一人が首尾一貫した認識ですとか、方針のもとで行政の考え方をわかりやすく丁寧に説明していくことがやはり必要だと考えているところでございます。

 今後ともこうした認識に基づきまして、各部が所管いたします施策の進捗状況、あるいはその方向性を全庁で確認いたします行政評価制度、また庁議ですとか、調整会議などの庁内での会議、またさらには区のおしらせ、パブリックコメント、または区長への手紙などのいわゆる広報広聴機能など、さまざまな制度や機会を活用しながら、全庁の共通理解を徹底させまして、区議会の御理解・御協力もいただきながら、区民への説明責任をしっかりと果たしていきたいと考えているところでございます。

 以上です。

○押田委員
 今、企画部長からもお話がありました。中央区の行政サービスは非常に充実しているということは、よく認識していますし、中央区にお住まいの方たちもわかっていらっしゃると思います。これから伺おうとしていたんですが、これからの見直し事業の中には、いろいろな問題があったときの解決策としてつくってきた事業というのもいっぱいあると思うんです。

 例えば出産支援タクシー利用券、当時、みんなが出産をしていた築地産院が平成11年になくなってしまいました。分娩できる施設が聖路加病院だけになった。区外に分娩施設を求めていらっしゃる方たちの経済的な負担も軽くしようということで、この出産支援タクシー利用券、3万円相当ですか。それに子供を産みやすいまちにしようということで、祝い金の3万円相当が贈呈されるということが決まったと思っていますし、先ほど申し上げました敬老買い物券、これも当時3,000円だったんですよね、私が知っているのは。それで、なぜ5,000円になったかというと、後期高齢者医療制度が発足したときに、病院でも使えるということで5,000円上乗せして8,000円になったと覚えています。これは平成21年の事務事業評価の中で対象になったんですが、これからは対象者がどんどんふえてくるから、これでいいのかなと、対象になったけれども、一旦は継続ということで今日まで来ているんだと思っています。これから先は高齢者も幼児も増加していく中で、行政サービスを継続していくことを考えたときに、見直しという結論は私は正しいと思っています。

 今後の問題は、先ほども申し上げたように、部長からも御答弁がありました、行政に携わる人々や議会が同じ認識で区民の方々に、こういう問題を説明できるかどうかということに尽きると思っています。とりわけこの委員会でも質問が出て問題になりました。出産支援タクシー利用券、敬老買い物券についても、どのような考えで俎上に上って、見直しを進め、整理をし、結論に至ったか、私たちが説明しやすいように、もう一度きちんと簡単に説明していただけますでしょうか。そして、区民への周知は今までどのようになされてきたのか、今後はどうなっていくのかもあわせてお答えください。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 まず、今回の見直し全体の考え方についてでございます。基本計画2013は、全ての区民の将来にわたる快適な都心居住、こうしたことに特に重点を置きまして、必要な施策を体系化したということでございますけれども、その確実な実施を裏づける健全財政確保と、さらに将来のさまざまな変化にも柔軟に対応できるような区政運営を確立していくためには、事務事業の不断の検証が必要といった基本認識に立ちまして、今年度は基本計画の策定作業と並行しながら、例年の行政評価に加えまして、事務事業の総点検という形で見直し事業を検討したということでございます。

 その中におきまして、将来にわたってサービスを持続して確保していくといったことを大前提として、対象者が増加傾向にある事業、後年度の財政負担が懸念されるような事業などを対象に点検をしたというものでございまして、その結果、区民生活への影響なども考慮いたしまして、実施可能な見直しから順次着手するといったことにしたものでございます。

 お話の出産支援タクシー利用券と敬老買い物券につきましては、乳幼児人口、高齢者人口、いずれも対象者が増加していると。その中で後年度の財政負担も増加していくということから、点検の対象といたしまして、どのようにしたらこのサービスを将来にわたって継続できるだろうといった観点で内容を検討しました結果、出産支援タクシー利用券の支給水準の見直し、敬老買い物券の支給水準と対象年齢の見直しが必要という評価をいたしまして、評価結果を予算に反映させたということでございます。

 これらにつきまして、区民の周知ということでございます。2月6日にプレス発表いたしました平成25年度予算案の説明資料の中で、見直し事業全体の項目を盛り込みますとともに、2月21日号の区のおしらせで事前に周知させていただきまして、さらに、必要に応じて各サービスの窓口で説明したり、関係者への説明会などを行っているということでございます。今後も適宜、区のおしらせ初め各窓口やパンフレットなどで丁寧に説明を行って、理解を求めていきたいと思ってございます。

 以上です。

○押田委員
 今いろいろ丁寧に説明をしていらっしゃるということ、よく理解するんですけれども、私がさっき話を出した高齢者クラブではないんですけれども、さまざまなそういう団体はいっぱいあると思うんですね。例えば高齢者だったら、シニアセンターもあるし、いろいろな部署、そういう部署で、どういうわけでこうなったかということを聞かれてもきちんと説明ができる、ある意味では説明してさしあげる。特に我慢していただくことが多いので、そのぐらいきめ細かな配慮をお願いしたいと思っています。

 事業の見直しの説明について、もうちょっと伺いたいんですが、区は今後2カ年の重点取り組み指針によって、今までの事業のさらなる点検や、使用料のあり方などにも踏み込んで検証を行うということですが、単に結論を皆さんに知らせるということだけではなくて、ステップをきちんと踏んで理解を求めていくことが大事だと思っています。

 区は、この指針の中で示している行政評価と使用料の見直しについて、対象となる事業の選定の考え方、優先順位なども考えた上で、議会や区民への説明などについて今はどう考えていらっしゃるんでしょうか。全ての事業を点検するということは大事だから、理解はするんですが、しかしともすると、区民の方には点検イコール見直しとか廃止ととられてしまうことが多いので、十分に注意をされながら進めていただきたいと思っています。

 さらに、この取り組み指針では、削減の目標は定めるつもりでいらっしゃるのかどうか。厳しい財政状況は、区民にどのように周知していらっしゃるのか、アピールしていらっしゃるのかもあわせてお聞かせください。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 まず、私からは、重点取り組み指針の今後のプロセスということで御説明させていただきたいと思います。

 現在、重点取り組み指針に基づきまして、2カ年で重点的に評価すべき事業を選定するということに向けての点検作業を行ってございます。またあわせて、施設使用料や各種サービスの利用料など、受益者負担全般についても現状を調査しているという段階でございます。

 今後、具体的な評価、検討作業を進めてまいりますけれども、その過程におきましては、区議会にも評価対象等を御報告したいと考えてございます。その後、全庁を挙げた議論を経まして、見直しの可否をするかどうか、廃止、縮小、充実といった方向性などを評価結果としてまとめまして、決算と同時期に区議会に御報告した上で、区民の御意見も踏まえながら、最終的な結論を次年度の予算に反映していきたいという流れで考えてございます。

 なお、行政評価イコール見直しととられることもあるわけでございますけれども、必ずしも行政評価は事業の見直しや効率化を検討するというばかりではなくて、事業の有効性を確認するという意義もあると考えてございます。その結果として、事業を縮小、再構築する場合でありますとか、使用料等の引き上げを行うといった際には、さまざまな機会を捉えまして区民への十分、かつ丁寧な説明に努めていきたいと考えております。

 私からは以上です。

○黒川企画財政課長
 削減の目標でありますとか、厳しい財政状況のアピールについてというお尋ねでございます。

 さきの副参事の答弁にもございましたけれども、今回の重点の取り組み指針、この目的といたしましては、あくまでも今後のあらゆる世代の区民の方々が暮らし続けられるまちづくりといったところを目標といたしまして、その上で中・長期的な財政の均衡を保っていくためには、健全財政の維持に向けてやはり先手をどんどん打って、考えていかなければいけないだろうと、こういった視点で取り組んでいるものでございます。したがいまして、現時点では、必ずしも数十億円とか、こういった削減の目標がありきといった形では今のところ考えてございません。

 今、一部の区におきましては、数年先にはこの基金が確実になくなってしまうといったような状況に陥ってから、さまざま大幅な削減目標を立てまして、区によりましては数十億円ですとか、数カ年にわたりまして百数十億円といった削減目標を掲げて、かなり広範囲、区民の方々への影響も避けられないような見直しをしているといった事例も見られるところでございます。

 本区といたしましては、そういった事態に今後陥らないようにということで、転ばぬ先のつえといいますか、そういった取り組みをこれからやはり地道に進めていく必要があるだろうという認識でございます。

 今後とも区民、また地域の皆様に真に必要なサービスといったものを、この限られております財源をいかに配分していくかという観点で不断の検証に努めてまいりたいと考えてございます。

 また、厳しい財政状況ということでございますけれども、本区におきましては、毎年度、財政白書等々といった形で決算の状況を取りまとめ、また、企画部副参事の答弁でもございましたが、今後この行政評価のプロセスの透明化といった部分も含めて、区政のマネジメントシステム全体を区民の皆様にわかりやすく説明し、区の現状等の御理解を得ていきたいと考えてございます。

 以上でございます。

○押田委員
 今、企画財政課長から、転ばぬ先のつえというお話があって、とても大事なことだと思うんです。

 区民の方も私も含めてそうなんですが、中央区はサービスもいいし、お金持ちだよ、大丈夫だよという意識が、どこかにあるんですよ。今、必要なのは、大変ですよ、財政が厳しいですよということよりもむしろ、ここまでサービスをしてきたけれども、長く続けるためには皆さんも少しずつ我慢して、みんなで協力してやっていきましょうねというようなアピールをしていくこと。そうでないと、財政の難しい問題をいろいろ説明しても、区民の方はなかなかわからない部分が多いので、その辺のところも行政の方はわかりやすく、今おっしゃったように、中央区の現状を説明していってあげてほしいなと思います。

 いろいろ価値観が多様化してくると、区民のニーズを全部行政がサービスで賄っていくというのはなかなか難しくなってくると思うんですよ。そこで説明責任も考えてお尋ねしたいのは、民間のセクターが、ニーズが多様化してくると成長してくるんですよね。それで、いろいろそういうサービスを行ってくるようになります。その中で、区は何をしたいかという軸だけはしっかり持たなければいけないと思う。だけど、民間でできるサービスは、ある意味民間に任せたり協働を進めたりするということも大事な時期に来ているんではないかなと思います。集中的に施設整備が進んできていますけれども、施設の運営についても、余り財政的に負担がかからない、そしてサービスもちゃんと受けられるというのであれば、指定管理者なんかの民間活力を導入していくことも必要になってくるんではないかと思います。これから多くの施設が、例えば新しい本の森ちゅうおうとか、観光拠点とかいろいろできてきますけれども、そういうものに対して、こういうサービスとかいろいろな運営方法をどのように考えていらっしゃるのかと伺いたいのが1つと、指定管理者についても、やはり十分に説明をしてあげなければいけないと思うんです。

 1つの例として、身近にあるから申し上げるんです。新川児童館に指定管理者を入れますよという話がありました。そのときに、ありがたいことに、区民の方は、行政がやる直営だったら絶対に信用はできるんだと、だけど、余り自分たちの身近に感じられなかった指定管理者になったときに、本当にこれは大丈夫なのという心配がすごく多く出てきたんです。でも、丁寧に説明してくださったので今では子供たちのためにいいサービスが受けられるんだねと多くの理解を得られるようになってきています。

 ただ、気持ちとしてはわかるんだけれども、この説明の仕方が、初めのうちはメリットばかりが多く目立ってしまった。それで、逆に言うと、不安になってしまったところがあるんです。だから、住民の方からは、経費も安くなるんでしょう、そういうこともはっきり言ってもらったほうがわかりやすいよなんていう声も出てきました。ですから、指定管理者になったときに、こういうサービスは非常に大きくありますよと、だけど、今までとちょっとこういう違うところもありますよと、正しく、それから丁寧な説明をしていただくということが、住民の理解を得る1つだと思うんです。

 いいことの説明というのはゆっくりでもいいんですよ、別に。皆さんが喜ぶ説明というのはね。だけど、我慢してもらったり、ちょっと皆さんに、これは酷かなという説明は、なるべく早くきちんとしてあげることが必要だと私は思っています。私は自分がそうだからよくわかるんですが、言いにくいこと、悪いことを言う場合は、なるべく後にずらしたい、できればぼやかしちゃいたいと、そういう気持ちがあるんですね。ですから、それをなるべくないようには努力をしています。ですから、指定管理者や何かの問題も、区民の方に行政が言いにくいことを説明なさる場合、基本的にどう考えてこれからもやっていかれるのか、お考えを伺わせていただきたいと思います。

○長嶋総務課長
 まず、指定管理者とか、いろいろな行政サービス、さまざまな手法がございます。それについて、当然メリット、それからデメリット、我々どもといたしましては、メリットが大きいから導入するというところは当然あるわけでございますけれども、そういったものも含めて、きちんと説明するというのは当然のことだろうと思います。

 そういった意味で、先ほど委員が児童館の例を挙げられましたけれども、児童館自体はなかなか民間ではやっていないような施設ですので、やはり御理解という面では、もっときちんとといいますか、丁寧に説明しなければいけなかったのかと。ただ、実際問題としては、例えば区民健康村ですとか、あるいは特養ですとか、民間施設が既にあるようなものがございます。そういったものにつきましては、当然、民間のノウハウというのも民間の中で蓄積されているという形になってございますので、そういった意味では、比較的御理解をいただきやすいのかなと思っております。

 今回も本の森ちゅうおうですとか、あるいは観光拠点、さまざまな施設ができてくるわけでございますけれども、それらにつきましては、やはり基本的に民間の非常に有意義なノウハウですとか、また同時に、例えば人のフレキシブルな勤務体制ですとか、そういった民間のメリットというのをしっかり確保した上で、行政サービスというのも、それは基本協定書の中でしっかりと私どもとしては押さえていきたいと考えてございます。そういったものを含めて、指定管理者の利用と、それからあと経費の削減というのは当然ございます。それも含めて、厳しい財政状況もございますので、そういった中できちんと施設の管理運営につきましても効率化を図ってまいりたいと考えてございます。

 以上です。

○押田委員
 なぜ、あえて私がこんなにしつこく説明責任とか説明と言うかというと、議会も同じように説明責任を負うんですよ、いろいろなことに対して。ですから、施策の事実関係のところにおいては、議会も行政もどこを切っても金太郎あめのように同じような説明ができなければいけないと私は思っています。

 そのためには、説明者側が施策を十分に理解して共通の認識を持つことが第一番だと思っていますので、これからもそういう努力をお互いにしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 では次に、いつの時代においても次世代を担う子供さんたちの教育、これは非常に大事なものだと思っています。私は、そういう意味では、教育費のところでさまざまな部分について質問させていただいてきました。

 これはゆっくり聞いていただかないとわかりにくいかもしれない。本区の教育委員会では、子供たちが心身ともに健康で勤労と責任を重んじ、広く国際社会において信頼と尊敬を得られる人間性豊かな人として成長することを目指して教育行政を進める。言っているうちに初めのほうを忘れてきちゃったり、それから、これが全部できたらすばらしい人間ができ上がるんだろうなと思いながら、これを申し上げているんですが、でも、これは目標値ですから、高く置いたほうがいいと思っています。これらの目標をきちんと達成していくためには、良好な教育環境というのをやはり整えていくことはとても大事だなと思います。もとより、教育というのは人から人に施すことですから、人材が何より一番大事だというのは言うまでもないことなんですよね。心に響く恩師からの教えや言葉が、その人の人間形成に非常に大きな影響を与えることというのも少なくありません。

 私は、自分の物差ししか持っていませんから、自分の話になって恐縮なんですが、小学校のときに図工という時間がありました。それでは絵の具を使ったりクレヨンを使ったり、たまには粘土を使ってぐしゃぐしゃになったり、手が汚れたりするからみんなギャーギャー騒ぐんですね。そのときに先生がおっしゃったのが、手は汚れても洗えば落ちるでしょうと。だから汚いところにでも平気で手を入れる人間になりなさいとおっしゃった。これは今でもなかなかできません。でも、自分の中で非常に心に残っている言葉の1つなんですよ。

 学校を選ぶときに、ソフトの部分、本当にその学校の学問であるとか、先生であるとか、そういう部分が選ぶときの一番最初の要素になると思います。だけど、もう1つの要素というのは、学校の教育環境、建物や設備などハードの整備、これも今は選ぶときの重要なポイントになってきていると思います。

 ハード整備ということでいえば、中央小学校、明石小学校、明正小学校、この改築は教育の充実に直結するもので、大いに評価できるものだと思っています。でも、ここに至るまでは本当に多くの反対とか、さまざまな提案があったり、紆余曲折の中で関係者の大きな御努力のもとにこれができ上がったというのも承知をしています。既に完成した2校は、子供さんや親御さんだけでなくて、地域の人にも大変喜ばれているんです。長くその地域の核になる建物だと思っています。前の2校を見ていますから、明正小学校も、児童館の併設も含めて、一日も早くでき上がってくればいいなというのは、これはまちを挙げての希望なんです。

 本区でも、少し前まではお休みのときでも、子供さんの声というのはまちの中で聞こえなかったんです。公園はというと、お散歩をしている人やお昼休みのOLさんたちの休み場でしかなかった。だけども、今では大勢の子供さんたちの声が聞こえたり、元気な姿が見えたり、今後もふえていく可能性がとても高いわけですから、そのためには教育委員会で教育環境の整備に関する基礎調査を行って、5校の増改築が基本計画2013で事業化されています。物事をやろうとする場合、よしとする意見と悪いという意見は必ず出てきます。しかし、教育環境の整備というのは、やはり将来を担う子供さんたちのものですから、何より優先されるべきだなと私は思っています。

 本委員会の歳入審査の中で、施設整備改修経費が今後10年間で500億円、ここ5年間がピークで400億円という話も出ていました。基金の繰り入れとか起債など、いろいろな手法を駆使してやらねばならないことはやるという考え方は、とても大事だと思っています。これからも多くの問題を抱えながらも解決をして、これらのことをきちんと実施していらっしゃるという決意をまずお聞かせいただきたいと思います。

○齊藤教育長
 教育の中央区を標榜している本区といたしましては、やはり子供たちの教育環境をきちんと維持・向上させていくというのは、大変重要だと思っておりますし、必須の条件だと思っております。

 学校の増改築が、これからまた5校始まるわけですけれども、いずれも地域によってはそれぞれ工事を当然伴いますので、問題が生じる余地というのはあると思っております。委員からも御指摘がありましたが、やはり優先順位とか必要性について、きちんと御理解をできるだけいただくという努力はいたしますが、やはりスケジュール感を持って、きちんと学校の増改築について進めながら、子供たちの教育環境を守って確保していくということを至上命題として取り組んでまいりたいと思っております。

○押田委員
 安心いたしました。

 それで、よく区長さんの所信表明もそうでしたし、さまざまなところのお話で皆さんおっしゃるんですが、京大の山中教授のお話を取り上げられた上で、中央区に育った子供が世界に羽ばたく人材となり、教育立国を象徴する日が来ることを願わずにはいられませんということを話されていらっしゃいます。そのためには学校施設の整備とともに、教育内容の充実が大切になってくると思っています。

 教育の基本は昔から、読み、書き、そろばん、我が会派の中にも教育はこれに尽きるとおっしゃっている方もいらっしゃいますが、世の中が変わっても必ず必要とされるもの、同時にこれからの時代・社会を見据えて必要とされるものがあると思います。全ての学問の基礎となるものをしっかり身につけさせた上で、次世代を担う子供たちにさらにどのような力をつけさせていきたいと考えておられるのか。さらに本区の特色ある教育、学校づくりはどのような方向を目指していこうと思っておられるのか。中央区が目指している教育の方向性について、お考えを伺わせていただきたいと思います。

○齊藤教育長
 委員から御指摘がございましたように、まず教育では基礎・基本が肝要であると考えておりまして、これはいつの時代も変わらないのかなと。あわせて、やはり時代の要請に合った教育というのは常々考えて対応していかなければいけないと思っております。

 その中で、これからきちんと教育委員会が取り組みたいという1つには、国際理解教育というものがございます。国際理解教育という中身については、具体的な検討はこれからでございますけれども、私自身はやはりまず、その子供といいますか、児童・生徒がきちんと自分を持つことが大事かなと考えておりまして、それは日本の伝統とか文化を理解したり、それから郷土について理解をする。できればこれを体現していくというようなことによって、本人の個のアイデンティティーがしっかりしていって、まず自分ができて、伝えるものだとか、あるいは、自分が知りたいこと等がしっかりわかってくるんじゃないかなと。このこと自体は今問題になっている自己肯定感にもつながるものだと思っております。ですから、国際理解教育と言いながら、まずは個をしっかりしていくという教育、日本伝統文化を理解しながらしっかりしていくという教育が必要かと思っております。

 あわせて、今日的にはやはりグローバル化というのが大変大きな流れになっておりまして、国内にいようが、国外に出ようが、やはりそういう国際社会に触れるという部分が非常に多くなっておりますから、これに対する対応もしていく必要がある。

 ただ、いわゆる言葉のコミュニケーションということではなくて、基本的なコミュニケーション能力を高めていく必要がある。そのためには、先ほど申し上げました個の力、自分というものの問題と、それから相手方に対する理解だとか、包容力といいますか、相手方が違うということを認識しながら、相手方を理解していったり受け入れていくという大きな力が必要になってくると思います。

 これは、外国の伝統文化と日本の伝統文化とは違いますので、必ずしも一致したり、全部同じだとか、あるいは理解して受け入れられるものではないと思います。ただ、そういうものを共存させていく必要がありますので、この辺を全体として理解をし、一緒にやっていくという力をつける必要があると思います。

 そのためには、そのツールとして、やはり言語の違いというのは大事ですので、外国語の教育というのが必要になってきて、やはり使える外国語、コミュニケーションにつながる外国語の取り組みというのは、非常に大事だと思っております。そういう子供たちが親になったときに、自分の子供を育てるときに、そういう国際感覚を持った育て方、日本の文化を大事にしながら他人を受容していくというようなことに取り組んでもらえるような教育を、これからしていきたいと思っております。

○押田委員
 本当に今おっしゃったように、そうなんですよね。国際理解教育について、私、いろいろ質問させていただきましたけれども、教育長がおっしゃったように、日本人同士でもそうです。相手と自分が違うということを知ってから、相手が理解できるというところもありますので、その辺も含めて、今、国際理解教育に非常に力を入れていらっしゃるということでしたので、これからも特徴ある教育行政を進めていっていただきたい。

 中央区の公立学校であるという大前提を崩してはいけないと私は思うんです。しかし、本区の中でも人口の偏在もこれから考えられてきたりもします。そのような中で、やはり特認校制度、自由選択制度なんかがいろいろあるわけですから、それらも含めて特色ある学校づくりが必要な要素になってくると思っております。児童や生徒が私立や他区に行くことよりも、本区の公立学校に通うことが誇りとできるような、そんな形の学校になっていってほしいと願っておりますので、教育行政のさらなる御努力をよろしくお願いしたいと思います。

 次に、区民の健康を守る立場から何点かお尋ねさせていただきたいんですが、今委員会でも子宮頸がんワクチンの話が話題に上ってきていました。それで、ワクチンを投与する場合、メリットばかりではないということも承知はしています。しかし、そのリスクを限りなくゼロにするために、細心の注意や理解を求めることは大前提ではないでしょうか。これにより多くの命が救われるということは、とても大事なことだと思っています。

 がんという病気で命を落とす人は、私のすごく身近にもおりましたし、皆さんの周りにもいらっしゃると思います。痛いとか、苦しいという症状が余りないこの病気というのは、発見もおくれたりするようになりますし、それからの治療しかこれまでもすべがありませんでした。予防も余りできないし、例えば食道がんだったら、熱いもの、刺激のあるもの、それからお酒も控え目にすればなりにくいとか、肺がんはたばことの因果関係があるとか、そんな形で、検査で発見される時期によって、治療とか効果が全く違ってしまうという大変困った病気だと思っています。

 その中で、これはワクチンによる予防ができるという唯一のものなんですよね。ただ、杉並区でのワクチンのお話が前もありましたように、接種で14歳の女性に重い副反応が出たということも報道されています。本ワクチンに限らず、ワクチンというのは有効性とともに安全性が確認されていると認識はしていますが、同時に副反応があるということも理解せざるを得ないのかなと思います。

 本区では、ワクチンにおいて重篤な副反応が出た方がいらっしゃるのでしょうか。また、区民には副反応が生じる可能性については、どのように伝えていらっしゃいますか。また、本当にあってはならないことなんですが、発生時、もし発生した場合にはどのように対処なさるんでしょうか。お尋ねさせていただきます。

○尾本健康推進課長
 委員が述べられましたように、予防接種で防げる疾患は予防接種で防いでいくというのが今の医療、保健の本流でございます。そうした中で、我が国におきましてもさまざまな予防接種を定期として、あるいは任意接種助成として行っているところでございます。

 そうした中で副反応の問題でございます。軽微なものも含めますと、実は副反応がない予防接種はないわけでございますが、こうした副反応におきましては、政策を根本で立案しております国も、接種による利益と副反応によるリスクを予防接種部会等でさまざまに検討しておりますし、実際、接種主体となります中央区におきましても、我々がさまざまに判断し、定期接種、任意接種の助成等を行っておるところでございます。同時に、我々が判断したところを、区民の方、接種を受けられる方にも十分理解いただけますように、さまざまな形でお知らせをしておるところでございます。

 衛生費の款で、子宮頸がんについて、その副反応等のお知らせについて、区ではA4サイズの紙4枚にわたりまして、詳細に、かつわかりやすく御説明しておるところも申し上げたところでございますが、そういう形で区民にお知らせをし、区民にも御判断いただき、我々も十分理解しながら接種を進めておるところでございます。

 なお、子宮頸がんの副反応については、現在、区ではその子宮頸がんの予防ワクチン接種による重篤副反応の報告は受けていないところでございますが、子宮頸がんに限らず、予防接種で重篤な副反応がございましたときには、区、あるいは国に直ちに報告が上がることになっております。それに対して、区が因果関係をきちんと詳細に検討し、対応していくということはきちんと決まっているところでございます。

 以上でございます。

○押田委員
 本当にメリットもあるけれども、多少のリスクは考えなければいけない、非常に行政側としても難しいところがあるんだなと。でも、一番のもとは、命がこれによって多く救われるということを忘れずに、きちんとした予防をしながら対処していっていただきたいなと思います。

 簡単に伺いたいんですが、福祉保健委員会でもほかの委員さんから質問がありました今話題になっております風疹の流行、それによる先天性風疹症候群の発症について、1つお尋ねをしたいんですが、本区における先天性風疹症候群という発症があるんでしょうか。風疹の予防接種を受けたことのない女性が妊娠初期にかかると、生まれていらっしゃる子供さんが先天性風疹症候群になることがあると言われていますよね。本区はこれまで風疹の流行に対する対応をとっていらっしゃったのか。それから、このワクチンについてどのように考えられているのか、お考えを伺いたいと思います。

○尾本健康推進課長
 まず、委員御質問の先天性風疹症候群の発生状況についてでございます。

 今、全国で6例、つい最近7例目の報告があったという報告がなされましたけれども、この7例は中央区の症例ではございません。また、都下でもないところでございます。

 風疹そのものの発生状況に関しましては、これまでにない発生状況が昨年秋から続いておるところでございます。風疹は全例・全数報告の疾患でございますけれども、現在も都下で週に100例ほど毎週毎週重なっておる状況でございまして、昨年同期の20倍を超えるような発生状況でございます。

 その中で、委員が述べられましたけれども、これまで風疹にかかったことがない、あるいは予防接種を打ったことがない、いわゆる抗体がないお母様が妊娠初期に風疹に罹患されると、先天性風疹症候群、心臓、それから目や耳に奇形を持って生まれてくるお子さんが発生することが最も懸念されるところでございます。

 この先天性風疹症候群は、現在、中央区の症例としてはないところでございますけれども、今の流行の状況に鑑みまして、我々は、防止を図っていかないといけないところだと認識しております。

○押田委員
 そうなんですよね。風疹の数を聞いただけで非常にびっくりしてしまって、こんなに大勢風疹にかかっていらっしゃる方がいるのかと、それによって先天性風疹症候群の子供さんが生まれる可能性があるということに非常にびっくりしました。

 それで、中央区では区長がうれしいことの1つとして、ベビーブームですとか、子供さんがたくさん生まれてというお話をあちこちになさって、私たちもとてもこれはすばらしいことだなと思っています。ですから、その後の育児環境の整備とか教育環境の整備、すごく大事だと思うんですが、同時にやはり健康で元気な子供さんの誕生というのは、何より優先されると思います。ですから、これからもそのお話のときに、多くの子供さんが誕生していますという言葉の前に、健康で元気な子供さんが多く誕生していますと胸を張って言えるような、そのためにも保健所初め健康推進課長たち、妊婦さんの健康を気遣ってあげられるような御努力をよろしくお願いしたいと思います。

 1点だけ、受動喫煙をもうちょっと長く伺おうと思ったんですが、たばこの問題は細かい問題なので、伺わせていただきますが、いろいろな話が出て、受動喫煙に対してはすごく問題が出てきていますよね。環境の整備が大事だという話も出ていました。

 やはり私は思うんですが、昔からたばこは嗜好品ですから、喫煙を勧めるわけではありませんけれども、ちょっと一服という言葉があるんですよね。仕事をしながらもちょっと一服しようよと、休みとたばこは結構結びついている部分もあったと思います。ですから、できれば中央区内で今再開発は限りがある場所だとは思うんですが、そこに喫煙環境を整備なさるんであれば、中央区らしい、そしてほかの区の見本になるような環境整備ができたらいいなと思うんですが、このことを一言だけでいいですから、簡単にお答えいただけますか。

○岸田都市整備部長
 委員御指摘のとおり、再開発の中で喫煙所整備をこれからも進めてまいりたいと考えております。またその際に、せっかく来ていただける方ですので、リラックスしていただいて、有意義に時間をお過ごしいただけるような、そういう工夫を事業者、組合等に対して求めてまいりたいと考えておるところでございます。

 以上でございます。

○押田委員
 ちょっと駆け足だったのでごめんなさい。そうなんです。新川区民館の前を昔通ったときに、人だかりができていて、何の大きな集会があるのかと思ったんです。受動喫煙ではなくて、ポイ捨てとか歩きたばこがだめだから、灰皿のあるところでしか吸えないから群がるんですね。そうすると、そこにいたのは集会の人ではなくて、お昼休みのサラリーマンとか、OLさんたちでした。撤去されて、その光景はなくなったんですが、ふっと、あの人たちは灰皿を求めてきょうはどこに行ったのかななんていう感覚があるわけで、受動喫煙を防止するにも、やはり環境の整備は必要だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 最後の問題で、今まちは集合住宅が非常に多くなってきているんですね。でも、それぞれ特徴があると思うんですよ。ただ、多くの町会に共通して言えることは、活動できる人の高齢化であろうと思っています。

 一般質問では、我が会派も町会の高齢化と若手の養成という問題を取り上げさせていただきました。その折のお答えは、これからの地域活動の担い手の中心として、若年層の皆さんに活躍していただくことが極めて重要であります。若い世代の方にも気軽に参加していただけるように、大江戸まつり盆おどり大会、区民スポーツの日、まるごとミュージアム、雪まつりなどを開催いたしております。町会・自治会などが行う季節行事や交流イベントなどへの援助を通じて、地域の皆さんに触れ合い、理解し合える機会づくりなどに努めているところでありますということでした。

 私のおりますまちも例外でなく、高齢者が多くなってきました。青年部もできたんですけれども、平日は勤めに行っているとか、家で仕事をしているので、平日の昼間にイベントの準備があったり、町会の用事があっても、働けるのはまちにいる高齢者ばかりなんです。この間もテントを張ったりテーブルを出したりするという準備があって、そのとき1人が笑いながら、この中で70歳以下のやつはいるのかと声をかけたら、誰も返事をしなくて、自慢じゃないんですが、私、私、と言ったのは私1人だったんですよね。本当にまちがそういう状況なのです。

 それで、小さなまちなので、全員が参加を目標にしているんですが、先ほども申し上げましたように、平日だと青年部はなかなか出られない。日曜・祭日にしてしまうと、多く加入していただいている企業の方が出られないと、痛しかゆしのところがあるんですよ。それでも私のいるまちは比較的中・小のマンションが多いので、マンションもまちの行事に割と参加してくださっています。町会とマンションの交流もあるほうだと思っています。

 昔、新川のまちは、早くから地上げの目標になりまして、あっという間に1,000人ぐらいがいなくなってしまったんです。まちで送別会をやって、ほかの区に行って新築祝いをやると、そういう日が続いて、議会から帰るときも、きょうも送別会なのでと言うと、先輩から、送別会屋さんと冷やかされてあだ名がついたくらいです。

 行政のほうも、いろいろとまちづくりを一生懸命考えてくださいました。地区計画や何かの説明会のときも、前面を1メーター下げると、高度利用ができて土地の利用が有効になりますよという話をしてくださったときに、当時の町会長たちは何を言ったかというと、ここで商売をやっている者にとって、1階を1メーター減らされてしまったら、幾ら上に伸びてもそんなスペースは欲しくないんだと。1階のスペースが何より大事なんだと言いました。まちのためを思って一生懸命提案したのにと思った当時の理事者はむっとなさったんですよね。よく覚えているんですけれども、そうだと思います。その後、そのせいかどうかわからないですけれども、幸か不幸か、新川のまちの中は高層・超高層マンションが余りなくて、薄くなりながらも町会もマンションもお互いの交流に努力をして続いているんですよ。

 本区の中には高層マンションの多い地域もたくさんありますけれども、中・小規模マンションでも交流はなかなか難しいのに、ちょっと言い方は申しわけないんですが、この高層マンションというのはもう町会の手に負えるレベルではないんです。防災などで行政が中に入っていらっしゃることで少しはできると思いますが、今後どのようなかかわりをこういうところに持って対策を考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

○平野地域整備課長
 新しく計画されております高層住宅における住民間のコミュニティでございます。

 このことにつきましては、いろいろな事業者さんであるとか、そういったところでも住民さんのコミュニティについての取り組みが行われているところでございます。区といたしましても、そういったものも参考にしながら、住民の方々のコミュニティがきちんとつくれて、災害時等にもきちんと対応できるようなコミュニティ形成につきまして、どういった方法があるのかというあたりについて、研究をさせていただきたいと思っておるところでございます。

 以上でございます。

○浅沼区民部長
 私より、少し補足をさせていただきます。

 委員御指摘のように、高層マンションになりますと、世帯数、また人口も非常に大きくなってしまいます。そういった中で、地元の町会の方からも、やはりその方たち全て、町会の中でコミュニティを形成するのはなかなか難しいというような声も聞いているところでございます。

 非常に大規模になってしまいますと、地元の町会さんとのお話ということもございますけれども、町会さんの中で独自に自治会をつくっていただきたいというようなお話もございます。そういうときにつきましては、マンションの方等のお話、それから町会の方とお話をさせていただきまして、独自に自治会をつくっていただいて、その上で地元の町会さんと交流等を図って、コミュニティを形成していただくということが第一かなと思ってございます。

 また、町会さんの中には、大規模のマンションであっても、やはり町会の中に加わっていただきたいという方もございます。そういうところにつきましては、きちんとお話をさせていただいて、入っていただくこともございます。ただ、最近のマンションですと、オートロックというようなことで、町会の方も中に入りにくいと、どなたが住んでいるのかわからない、また、高齢者の方の支援をしようとしてもなかなか入りにくいといったような声も聞くところでございます。

 また、こういったところのマンションでのコミュニティというのは、なかなか難しいところだと思いますけれども、例えば、防災といったような観点でございますと、やはりマンションの方も非常に関心を持ってございますので、これはマンションだけで終わるものと、そうでないものとがございます。そうでないものにつきましては、地元の町会さんと良好なコミュニティをつくっていただきたいと考えてございますし、また、例えばひとり暮らしの高齢者の方の見守りといったものは、オートロックで町会の方が入れないといったようなこともございますので、そういうときには、そのマンションの中でうまく見守り等の活動ができるようなコミュニティというものも必要かなと思ってございます。

 今後さまざまな形態というのが出てくるかと思いますので、町会・自治会の皆さん、また区民の皆様とお話をしてまいりたいと考えてございます。

 以上です。

○押田委員
 本当は私どもも悩んでおりますけれども、行政も悩んでいらっしゃるところで、これといった特効薬はなかなかない、そういう質問だったと思います。これからも努力をしていただくということなので、期待はするんですが、これまでの本区の行政、本区だけはないんですが、向こう三軒両隣じゃないんですけれども、そういう精神がありまして、町会の組織と行政は、密接な関係のもとに運営が行われてきたと思っています。区民に知らせたいことというのは、町会に知らせるとばーっと流してくれたりとか、今、少しそれは変わってきているんですが、それでも、まちに協力してよと言うと、みんなで協力していこうよという風情がまだ残っています。

 高層マンションに対しては、今、区民部長からお話があったので、あえて伺いませんが、これまで町会が果たしてきたような役割というのは、行政にとって、誰がどういうふうにしてくれるんだろうなという不安がすごくあるんですね。今までは町会があって行政があってと、こういうふうに行政からおりてきたものを町会がと、その足元が、町会自体もぐらついているところがあって、穴もあいていたりする。その土壌整備をこれからしていくというのはとても大事なことなので、新しい形の何かをやはりつくっていかなければならないのかなと感じていますので、その辺は、町会も行政も力を合わせて、これからの高層マンション対策をやっていかなければならないなと感じておりますから、よろしくお願いいたします。

 今回の予算審査の経緯を見ていますと、基本計画2013による多くの事業のあり方とか、継続的な財源の確保をということを考えて提示された予算、その予算に対する審査が多く行われてきたと思っています。もとより、先ほども企画財政課長がおっしゃいましたように、本区ではいわゆる財政危機管理宣言などは行っていませんよね。だけど、お金のなる木があるわけじゃないんですよね。ですから、当たり前のことですが、いかに限られた財源を効果的に使うかということは重要です。そのためには、やはり施策の優先順位をしっかり見据えた上で、行政を執行していかなければならないと私は考えています。

 だけど、簡単に優先順位と言うけれども、これもまた難しいことなんですよ、判断が。例えば100万円のお金があって、かなり困っている人1人に100万円を使うのか、ほどほどに困っている人100人に1万円ずつを使っていくのか、どちらが正しいというのはなかなか言えないと思います。ですから、行政は区民のために一番いいと思うと判断したこと、施策を展開することが必要ですし、私たち議会は住民から選ばれたという、その目線とプライドを持って、チェック機関としての役割をこれからも果たしていくべきだと思っています。

 時には行政のやることを後ろから押して、もっと進みなさいと言うときもあるかもしれない。とまりなさいよと言うときもあるかもしれない。それ以上に、勇気を持って撤退しなさいよと言う場面も出てくるかもしれません。しかし、この両者がきちんと自分たちのやるべきことをやっていけば、本区の将来は決して間違った方向には行かないと私は確信しています。

 私ども議会も、議員としてこれからも区のために職責をきちんと果たしていきたいと思っています。行政とも車の両輪として、お互いに緊張感を持って中央区の運営に当たっていきたいということを申し上げまして、総括質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○今野委員
 ただいま総括質疑の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、1時5分に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後1時5分に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午後12時5分 休憩)


(午後1時5分 再開)

○礒野委員長
 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。

 総括質疑について、質問者の発言を願います。

○田中(広)委員
 総括質問させていただきたいと思います。

 4点お尋ねさせていただきます。1点目に、中央区の将来像の実現について、2点目に、広報力の向上及びシティプロモーションについて、3点目に、防災対策について、4点目に、読書活動の推進についてお尋ねさせていただきたいと思います。

 まず初めに、中央区の将来像の実現についてお尋ねさせていただきたいと思います。

 平成24年6月実施の第42回区政世論調査では、定住意向を聞いたところ、住み続けたいが54.6%、できれば住み続けたいが29.7%となっております。一方、平成9年1月、基本構想改定のための意識調査では、同様の定住意向を聞いたところ、ずっと住み続けるつもりが47%、できれば住み続けたいが40.2%となっておりました。約15年前と比較し、定住意向については80%半ばでほぼ同様ですが、住み続けたいという積極的な意向は現在のほうが約8%も上回っており、時代変化もありますが、本区の取り組みに一定の成果があらわれていると考えることができます。現在、定住人口が13万人まで目前という状況に来ておりますが、さらに定住意向も強まると考えております。

 基本構想に掲げた100万人が住み・働き・楽しめるまち中央区の具体的な1つの柱でありました定住人口10万人の都心中央区の目標が既に達成され、社会の変化を踏まえた多様化するニーズに応えようと、子育て支援や教育環境の整備など、さまざまな政策を進めていると認識しております。これまでの議論では、基本計画2013は基本構想の総仕上げであり、本予算案はその第一歩であると御答弁をされたと伺っております。

 そこでお伺いいたします。本区の将来像を示す基本構想、その実現への道筋を具体的に示した基本計画2013、そして、このたびの本予算案の位置づけについて、改めて御見解をお伺いいたします。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 基本構想、基本計画、それから今年度の予算案の関係についてということでございますけれども、基本構想につきましては、平成10年に策定しまして、今度の新しい基本計画の策定過程で、ちょうど計画期間の目途であった20年を迎えようということでございます。そこで、目標として掲げました100万人が住み・働き・楽しめるまち中央区、こうした理念を基本計画でそれぞれこれまで3次にわたって策定してまいりましたけれども、3次にわたって策定した基本計画の中で、その将来像の実現に向けた具体的な施策を体系化してきているところでございます。さらに、基本計画の進捗状況をにらみながら、毎年度の予算に各年度の取り組みを具体的に反映しているという関係でございまして、今回の新しい基本計画2013につきましては、平成10年に基本構想をもとに定めた3次にわたる基本計画を踏まえて、その基本構想実現の集大成として定めたということでございます。その基本計画2013の実現を確かに裏づけるための初年度の予算を、平成25年度予算として計上させていただいたということで、基本計画2013に掲げました一つ一つの目標、これを確実に実施していくための一歩、例えば学校の改築・改修計画を初めとします各諸施策の第一歩となる予算を計上させていただいたというような関係でございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 御答弁ありがとうございます。

 基本計画を第3次にわたって改定してきて、今回が集大成であると、本予算案が当然その具体的な取り組みの一歩であるという御答弁がありました。

 平成10年、基本構想を策定してから今日まで約15年間、社会的背景としてもいろいろな出来事がありましたけれども、やはり1つの柱であった人口10万人、これを達成して、いかにどう定着していただくか、これが次の課題の中で施設整備等を行っていくんだろうと理解しております。

 歳入の質問の中でも確認をさせていただきました。今後の具体的な取り組み、施設整備費に10年間で総額500億円をかけていくと、そういった確認もさせていただきました。

 そうした取り組みの中で、あえて学校の増改築という視点について注目させていただきますと、平成24年度では、児童数4,666名、167学級であるところ、平成34年度では、児童数7,133名で249学級と推計しているように、乳幼児人口の増加とともに、共働き世帯の増加も考慮する必要があると感じております。したがって、歳入でも申し上げましたとおり、児童館などの子供の居場所の整備も地域によっては拡大していかなければならないと感じております。

 そこでお伺いいたしますが、基本計画には計上されていなくても、必要な事業であれば、当然、財政面も考慮した上で執行していくことが可能なのかどうか、その考え方についてお尋ねしたいと思います。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 基本計画の位置づけでございますけれども、先ほど申し上げたとおり、基本構想を実現するための主要な施策をそれぞれそのタイミングに応じて体系化を図ったというものが基本計画ということでございます。その中には、当然ながら、全ての事業をあまねく網羅するということではございませんで、ある一定の基本構想、それから基本計画の大きな目標に向かって、これとこれをやっていったら必ずこの将来像に結びつくだろうというようなことを体系化してお示しするといった性質のものでございます。ですので、当然ながら、基本計画に載っていない各個別の計画で載せている事業でありますとか、あるいは、個別計画につきましても、それぞれ行政分野ごとに体系化をするということでつくっているものですから、必ずしもそこに明確に書いていない仕事というのも多々ございます。ですので、基本計画の進捗、さらにはその各個別計画との整合を図りながらの進捗を踏まえまして、適宜、区民ニーズをきめ細かに読み取りながら、施策の軌道修正なり、目標実現に向けた具体的な道筋を各事業を通じて描いていくということでございますので、それぞれの各年度の行政評価などを通じまして、きめ細かい区民ニーズを捉えて施策展開を具体的に図っていくという関係でございます。

 以上です。

○田中(広)委員
 必ずしも基本計画が、当然、全て網羅されているわけではないと、そういった御答弁も伺いました。

 1つ、個別具体的に御提案といましょうか、お話をさせていただきたいと思います。

 児童館の設置についてでございます。現在、豊海小学校・幼稚園の建てかえに向けて、設計事業者の募集並びに改築準備協議会の立ち上げ等に取り組まれまして、着々と進められておりまして、大変期待をしているところでございます。

 今定例会の一般質問で矢田区長さんは、豊海小学校・幼稚園の改築において、児童館機能の整備は重要な課題であることを明らかにされました。振り返りますと、豊海地区の児童館の設置については、豊海小学校・幼稚園を取り巻く地区の人口が増加するずっと以前から、保護者や学校関係者等から強い要望がございました。会派といたしましても、9年前の平成16年3月、当時の豊海小学校・幼稚園の保護者を中心とした773名の署名をもとに、豊海地区に児童館の設置を求める要望書を区に提出させていただいております。その後、平成17年4月に、中央区初の子供の居場所プレディが月島第三小学校とともに、豊海小学校に開設された経緯がございます。地域の方々が子供たちを見守るサポーターとして協力していただいており、親子ともに安心できる事業として大変感謝をされております。

 しかしながら、御承知のとおり、この10年の間に当該地区はマンション建設で人口が急増し、特に児童数の増加が著しく、豊海小学校・幼稚園の教室不足が数年前から問題となっておりましたが、児童館の設置も課題であります。学区域である勝どき五丁目、六丁目、豊海町の住民基本台帳による年齢別人口を調べていただきましたところ、平成15年1月1日現在のゼロ歳〜18歳までの人口は707人、同じく平成20年は779人、平成25年は2,325人と推移し、10年前の3.3倍の増加、中でも未就学児に至っては、平成15年は308人、平成20年は331人、平成25年は1,330人と推移し、10年前の4.3倍に増加しております。

 近年5年間のマンション建設とともに、子育て世帯を中心とした転入が数字に大きくあらわれており、現在着工されている勝どき五丁目市街地再開発事業に加え、学区内では今後もさらに再開発が予定されている中で、単に学校施設だけではなく、乳幼児クラブ、学童クラブ、中高生の居場所など、子育て支援施設を有する児童館の必要性を否定することはできません。

 そこで2点お伺いいたします。

 区長さんが示された児童館機能の整備とは、具体的にどのようなイメージなのでしょうか。新たな児童館の設置が求められていると考えますが、基本計画2013には、明正小学校・幼稚園の改築に合わせて移転改築する新川児童館1カ所が示されているのみで、豊海地区の児童館は残念ながら計画がございません。周辺の勝どき児童館や晴海児童館の利用状況を見ても、豊海地区に新たな児童館の設置が必要であると訴えさせていただきますが、御見解をお聞かせください。

 2点目に、子供の居場所となりますと、プレディの設置も今後重要であると考えます。部屋の確保、職員の配置、経費、参加されるお子さんのニーズ、協力体制、さまざまな環境が整うことが前提でありますけれども、基本計画では10年間で12校としておりますが、これで完結なのか、あるいは全校設置することも踏まえて取り組んでいるまだ途中なのか、この点も御見解をお聞かせいただければと思います。お願いします。

○田中子ども家庭支援センター所長
 豊海地区における児童館整備についての考え方について御説明させていただきます。

 まず、児童館につきましては、今お話のありました豊海地区も含めまして、これまで小学生が徒歩で通える範囲を大まかな誘致距離といたしまして、区内7館、昨年12月晴海児童館ができまして8館になりましたけれども、整備を進めてきたところです。

 お話のありました豊海地区につきましては、勝どき児童館がおおむねの距離の中にあるということで、平成22年に児童館自体を改築しまして、3,500平米という一番大きな児童館をつくるという形の中で、エリア的に網羅していこうという考え方で整備をしてきたところでございます。

 しかしながら、委員のお話がありましたように、人口の増加に伴いまして、例えば学童クラブに至りますと、90名定員のところ、今回143名のお申し込みがあったということで、区内で一番待機児の多い学童クラブとなっている状況にございます。

 さらに、乳幼児クラブは、ゼロ歳、1歳、2歳とそれぞれの歳児で行っておりますが、例えばゼロ歳児のクラスを見ますと、近隣の月島地域では月島の乳幼児クラブが85名の利用に対しまして、勝どき児童館は228名という利用状況になっております。

 こうした状況を考えますと、やはり、現在の勝どき児童館の中で、オーバーフローしている機能があるということは認識しているところでございます。したがいまして、この前御答弁いたしましたとおり、早急に、まず今の勝どき児童館の中でどういった工夫ができるのかといったソフト的な視点ですとか、それからさらに足りない部分をどのような形で整備し、補っていくのかというようなところをソフト・ハードの両面を含めまして検討を行っていきたいと考えているところでございます。

 以上です。

○有賀教育委員会庶務課長
 私のほうからプレディについて御説明させていただきます。

 プレディにつきましては、ただいま委員からもありましたとおり、平成17年に豊海小学校と月島第三小学校にできまして、それ以来、ことし平成24年度、久松小学校にできたのが9校目でございます。また、10月には中央小学校に、これはプレディに準ずる形でございますけれども、放課後子ども広場というものができまして、こちらのほうを加えますと、現在、小学校16校中10校が整備されているということでございます。

 それから、今、基本計画のお話がございましたけれども、基本計画の中では、この中央小学校の放課後子ども広場プラス、現在改築中の明正小学校、こちらのほうのプレディを含めまして、最終的には現在11校体制になるというところまでは既定路線でございます。その後につきましてですが、こちらにつきましては、これまでの委員会の中でも答弁させていただいているところではございますけれども、プレディの必要条件としましては、学校内の場所の確保ですとか、地域の需要、あるいは地域の協力体制、このようなものが私どもでは必要と考えております。これを今後、現在未設置の各学校に対しまして、こういうものが実際にどうかというものを、これは常々検討しているところでございまして、現在の基本計画の中では11校体制でございますけれども、今後につきましては、今のこの条件をまた引き続き検討して、必要なところについては対応をしていきたいと考えているところでございます。

 以上です。

○田中(広)委員
 それぞれ御答弁ありがとうございます。

 まず、児童館についてでありますが、おっしゃるとおり、勝どき児童館のソフトの面をしっかり見直していく、それは当然だと思っておりますし、また逆を言えば、これまでもいろいろな御努力をされて、一生懸命子供のために取り組んできたとも私は理解しております。

 その上で、やはり物理的には、ハードとして整備していかなければならない状況なのかなと私は感じていますが、これは例えばですけれども、具体的な例として、今、取り組んでいる豊海小学校・幼稚園の改築、この中にあわせて複合化していくのか、あるいは単独でハードを整備していくのか、その点の現状のイメージ、また、どのあたりを目標に時期を考えておられるのか、お聞かせいただければと思います。

 それから、プレディについてでございますが、当然これは本当に難しいですし、もともとのプレディの考え方、理念というものがあると思いますので、それに合致する状況にたどり着かないと、なかなかできないと思うんですが、また一方で、例えば今ちょうど豊海地域の話をしておりますので、ここに住んでいらっしゃる方のお子さんが特認校の学校に通っている、実際その後、学校が1年生のときは地元の学童クラブに入れたけれども、では、2年生になってから入れるのかどうか。現状は大変人数が多いわけですから、なかなか入れない。そういったときに、地元の豊海小のプレディに行ってくださいと言われても、特認校の学校に行っていますので、なかなか友だち関係もないということで、行けないという、そういった状況もあります。やはりこれはプレディ、児童館、本当に今後子供の居場所をどうしていくのか、児童館であれば当然18歳までという考え方がありますから、この点は区長部局とやはり教育委員会がしっかり協議をしていただいて、基本計画は、10年後は一応12校という1つの目標がありますけれども、本当にどう子供の居場所を確保していくのか、今後の教育をどうしていくのか、この点はしっかり取り組んでいただきたいと思いますが、この点の御見解もお聞かせいただければと思います。お願いします。

○平林福祉保健部長
 豊海地区におけます児童館、それから児童館機能のハード的な問題でございます。

 従前から私どももあの地域におけます乳児人口の増加というのが、これほど急激に伸びてくるという予想もなかなかしづらかった部分がございます。これは保育園もそうでございますけれども、ただ、ハード整備になりますと、場所をどうするんだというところが一番の大きな問題でございまして、今回、明正小学校の改築に合わせて児童館を併設いたします。これは既存の児童館があったからできたという、こういった事例でございます。今回、豊海小学校の場合は、ある意味小学校単体の改築計画でございましたので、部局間の調整とかも含めまして、これまで具体的に話ができてこなかったというのが現実でございます。

 今回ちょうど、これから計画の実施段階に入ってまいりますので、実は我々区としては前々から欲しかった機能的な部分も含めて、教育委員会と連携を図りながら、どこまで検討ができるかというところ、それから、将来的な乳幼児人口の読みをどうしていくのか。当然いつかは乳幼児人口というのは減っていきますので、その後、例えばそれが何に転用できるのか。当然のことながら高齢者施設が必要になってくるのかと、そういった部分も視野に入れながら、今後、教育委員会と具体的な検討をしてまいりたいと考えてございます。

○新治教育委員会次長
 子供たちの健全育成ということで、プレディは平成17年から開始していますけれども、非常に重要な機能を果たしているのかなと教育委員会でも思っているところでございます。

 基本計画の中で12校という形で目指しているところでございますが、これは基本的にはその学校の学区域内に子供たちがたくさんいて、また、そのサポーターとなっていただける保護者、地域の皆様方が、本当に子供たちの健全育成に携わってもらえるような、そういう条件が整う地域はどこなんだろうかというところで、私どもは12という数字を出しているわけでございます。

 今、例えば具体的な学校名で言えば、城東小学校とか常盤小学校につきましては、特認校で別の地域から通っているお子さんがいらっしゃいますが、今のプレディにおいては、学区域内、自分のもとのお住まいの近くでプレディが開いていれば、そちらのほうにも登録できるという形で整備しておりますので、当然、地元に戻ったときに御近所の子供たちと一緒のプレディに通えるような体制も整えているところでございます。

 今後プレディにつきましては、やはり子供たちの一番安全・安心な居場所で、子供たちが自主的な活動ができる、そういう自主性を尊重する活動の場所と捉えているところでございますので、今後ともその子供たちが学んだり遊んだり、友達といろいろと話し合ったり、それから地域の方と交流できたりというような、そういうさまざまな事業の組み立て、これは教育委員会としても努力してまいりたいと思っておりますし、また、児童館でいろいろやっている事業、これも参考にさせていただきながら、プレディはプレディなりの事業展開を充実させていきたいと。その中におきましては、当然、福祉保健部も行っている事業等々のバランスもよく見ながら、事業の充実を図ってまいりたいと思っているところでございます。

○田中(広)委員
 それぞれありがとうございます。

 児童館につきましては、さまざまな検討状況があると思いますので、この点はぜひしっかりと検討して、今後の先々も考えて、どこまで施設整備が重要なのか、進めていただければと思いますので、よろしくお願いします。

 それからプレディについてでありますが、確かに自分の学区域内、例えば特認校へ行っていて、自分の学区域内の学校のプレディも利用する方法もありますよとおっしゃいますけれども、ただ、現実的には友達関係がなかなかそこにはないわけですから、特認校の学校に行っているわけですから、やはり、その中で何らかの対応をしなければいけない。だけれども、逆にそういう学校であればあるほど、地域に住んでいらっしゃる方が少なかったり、協力体制も得られない。いわゆる本来のプレディの理念を実現する上ではしづらいという、そういった環境があるのもよく理解はしておりますけれども、しかしながら、これだけ乳幼児人口がふえて、まさに今後、子供の居場所をどうしていくのか、児童館も一生懸命悩んでいる中で、ぜひこれは教育委員会と区長部局がしっかりと協議して、どういう体制を進めていくのか検討をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次の質問ですが、この中央区の将来像を実現するという項目では、3点にわたって伺いたいと思っております。

 今の子供の居場所が1点、2点目は、やはり、人口が増加している中でマンションが大変ふえている、その中のコミュニティの問題について取り上げていきたいと思います。

 皆様御承知のとおり、マンション居住者が本区では8割以上おられるという状況であります。平成23年7月施行の第41回中央区政世論調査では、集合住宅の近所づき合いについて聞いたところ、ほとんど知らないが48.3%で、約半数を占めている調査結果となっております。私も、地域のマンションに新しく越された方とお話をしたときに、当然、仕事も忙しくて、なかなか近所づき合いできないし、また余りかかわるのもどうかなという声も聞きますし、また、理事会等の活動もなかなか進んでやりたいとは思いづらいねと、そんなお声をいただくことがあります。いずれにしても、マンション内外でのコミュニティがなかなか広がっていかないなど、課題が指摘されて久しいわけでございます。一方で、基本構想の中で都心コミュニティが息づくまち中央区と基本的方向を示しております。

 そこでお伺いいたします。

 基本計画2013の人口推計では、10年後約15万人に達すると推測されているように、新築マンションがふえていくものと感じております。基本構想を実現する上で、今後のマンションの増加と、それからコミュニティの形成についてどのように考えておられるのか御見解をお伺いいたします。

○江原住宅課長
 マンションの推移とコミュニティの形成の状況についてございます。

 平成24年度につきましては、新築分譲マンションが760ございました。平成25年度の推移でございますけれども、今現在25ふえまして、777というような状況でございます。経済状況とか、建設状況とかの事情もあるとは思うんですけれども、大体25前後で推移していくのかなと考えている状況でございます。

 それから、コミュニティについてでございますけれども、私どもは中央区都市整備公社と協力し、マンションにおけるコミュニティの仕組みとしまして、スマイルコミュニティというものを開発し、区内の分譲マンションの管理組合の方々に御活用いただけるよう勧誘しているところでございます。

 この事業は、2011年に始めたものでございますけれども、今現在、加入状況は14というような状況でございまして、マンションの棟数から比べると、必ずしも順調に推移しているといったところではございません。しかしながら、今後ともPR、ホームページ、それから分譲マンション管理組合の皆様方と一緒に都市整備公社が行っておりますセミナー等を通じまして、これからもスマイルコミュニティの導入について御活用を進めていきたいと、このように考えているところでございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 なかなか現状は厳しいという、そういった御答弁かなと感じております。

 私、たまたま昨年、区民カレッジの講座に参加させていただきまして、その内容がコミュニティを促進するような内容の講座でありました。どちらかというと、自分の話し方をどう向上させるのかという視点の講座だと思っていたんですが、集まった中でグループに分かれて語り合う場があったんですね。平日の昼間なものですから、少し年配の方が多かったんですけれども、お話を伺うと、意外と家庭内での世代間のコミュニティで困っているとか、身近なところで本当に人とのつながりに大変悩んでいるという、そういう状況を聞いて、正直、講座の内容のイメージと来られている方の思いというのは意外と異なったところもありますし、深刻なんだなと感じました。

 内閣府の調査の中で、昨年8月25日に発表した国民生活に関する世論調査によりますと、今後の生活で、物の豊かさと心の豊かさのどちらに重きを置くか尋ねたところ、心と答えた人が過去最高の64%となったとのことであります。担当者としては、人とのつながりを大事にするようになっているのではないかと分析をしているようであります。

 これまでマンションについては、分譲業者さんとしては、余りコミュニティの形成というのは関心がなかったように私は感じております。むしろ、いかにスピード感を持って速く分譲して売却していくか、これが前面に出ているような気がしております。

 私もマンションに住んでおりますけれども、ちょっと挨拶ができたりするだけで本当にうれしい気持ちになりますし、逆にまた、そういうのがないとちょっと寂しいなと思うこともあります。本当にさり気ない挨拶を交わせるだけでも大切かなと思っております。

 そこでお伺いいたします。

 防災対策の重要性、これが語られている今、防災という切り口から、これは1つに焦点を絞りますが、新築の分譲マンションにおけるコミュニティの形成の促進について、一部、土木建築費でも伺っておりますし、先ほども御答弁が一部ありましたけれども、ぜひ一度、例えば業者さんとか、関係者とも協議していただいて、何か一歩でも前に進めることができないかどうか、お互いに知恵を出し合って、それを中央区の例えばまちづくり基本条例でも指導要綱でも、何らかの形で業者さんにメッセージを送る、こういう対応をしてほしいと送っていく、そうした中でコミュニティを形成する方法はできないかなと思いますが、基本構想に掲げる都心コミュニティを推進していく上で、ぜひ一度検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 それから、済みません、もう一点なんですが、衛生費の質問で江戸に学ぶということが大切だという御答弁をいただきました。今までもいろいろなところで議論したときに、江戸しぐさという言葉が出てきております。その江戸しぐさでは、いろいろな傘かしげがあったり、お互いの会釈の、目と目を合わせたら少し頭を下げるとか、いろいろなことがあるんです。これは本当に難しいなと思っているんですけれども、例えば江戸しぐさの、結構いっぱいありますけれども、簡単なしおりみたいなものをつくって、そのしおりを見たからみんなができるかというと、そう簡単にはできないと思うんですが、少しでも何か啓発できるような取り組みはできないかなと思います。

 例えば、住民票で転入されたときの手続に、中央区はもともと江戸の歴史がありますので、こうした江戸しぐさを推進していますので、活用くださいとか、何かちょっとそういった工夫ができないかなと思うんですが、この点もお聞かせいただければと思います。

○岸田都市整備部長
 新築分譲マンションにおけるコミュニティ形成について、より一層知恵をということでございます。

 委員御指摘のとおり、私どもも開発指導要綱でございますとか、先ほど答弁申し上げましたスマイルコミュニティなど、マンション内でのコミュニティの形成ということを非常に重要であると感じながら、なかなか難しい面もあるというのが現状でございます。

 しかしながら、御指摘のとおり、新築のマンションの分譲、入居者が入られる前になってしまうわけでございますけれども、ハード面を担当する部局といたしましては、ある意味、その時点で分譲事業者さんに対しまして働きかけを行い、入居していただく際に、何かしらソフトの面でコミュニティをつなげるような役割を進めていくということを非常に重要であると考えておるところでございます。

 これまでもそうした形で、特に防災面、東日本大震災以降、そういった関心も高まっておりまして、各事業者も関心を持っておるのではございますけれども、ハード面の対策に偏りがちなところもございまして、ソフト面ではまだ十分にできているとは言いがたい状況でございます。私どもといたしましても、いま一度事業者などからも知恵をもらいながら、何かしらそうした形で、新規入居時に事業者さんがアクションを新しく入居される方に引き継いでいく形で、つなげていくような形でコミュニティを形成する方策はないものかどうかにつきまして、検討を重ねてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○浅沼区民部長
 江戸しぐさに関してでございます。

 江戸しぐさは、江戸期の商人の方が御商売を円滑に進める上、また江戸という大都会で多くの方が快く生活できる上での工夫・知恵だと考えてございます。

 本区は、都心コミュニティというお言葉をいただきました。本区でも大勢の方が生活をしていらっしゃいますので、大勢の方がお互いを気遣って気持ちよく生活していく上での1つのよりよいしぐさの知恵であろうと考えてございます。

 例えば、家庭教育の学習会といったようなものがございますので、こういうところの啓発ですとか、また、転入された方へのしおりの配布というのもございました。また、どういう取り組みをして多くの区民の皆様にそういったお互いを気遣う心意気ですとか、それから規範意識といったものを啓発できるかというのは、少し検討させていただきたいと思ってございます。

 以上です。

○田中(広)委員
 それぞれ御答弁ありがとうございます。

 マンション内のコミュニティの問題は本当に難しくて、私もいろいろ考えてはいるんですけれども、やはり、人との触れ合いというのは自然的に進んでいくものだなという考え方も当然ありますし、また一方では、地域からいろいろな苦情をいただいたりする中で、何か方法がないかなという思いで質問させていただきました。

 ただやはり、今のこの時期は防災という切り口が一番重要だと思いますので、その目的意識がある中で、やはり何らかの共助を進めていかなければいけないねということで、どこか考えていただければと思いますので、よろしくお願いします。

 それから、江戸しぐさのことについては、なかなか難しいとは思うんですけれども、少しでも、一歩でも何か前進する、本区のこの歴史性を踏まえて取り組める方法があればということで質問させていただきました。ぜひ検討していただきたいと思いますので、お願いします。

 この項目については、最後に1点お伺いしたいと思います。

 本区の将来像を考える上で、大きな影響を与える今後の1つの取り組みとして、やはり築地市場の跡地がどうなっていくのか、これは大変大きいなと私は思っております。当然、所有権は東京都ですけれども、影響を受けるのは本区であります。今までも分割で売らずにまとめてということで要望もしておりますが、いずれにしても、もう一歩踏み込んで要望できないかなと思っております。

 基本構想の中には、世界に誇れる風格あるまち中央区と、1つの方向を示しております。また、平成9年1月に、基本構想改定のための基礎調査報告書というのが提出されております。その中に、世界都市東京の中心としての役割を担うまちづくりとしての課題が示され、次のように述べられております。東京は日本経済の成長に伴い、ニューヨークやロンドンと並ぶ国際金融情報センターとして、世界的にも重要な役割を担う都市へと成長している。したがって、中央区は世界都市東京の中心にあることを改めて認識し、一自治体としての行動にとどまらず、世界と交流するにふさわしい都市としての機能を高める必要があると指摘しておりました。さらに中央区として現在BRT・LRTの構想もあります。晴海、豊海、勝どき地域、そして築地と、1つ、縦の線ができるわけで、現在の想定で、考えているわけでありますが、広域的にも考えなければいけないと思います。

 また、今、地元の方も本当に苦労されて、先行営業施設の取り組みを進めております。これを何としてでも成功させていく上では、やはりこの跡地のことを抜きにしては考えられないとも思いますし、また、先ほど基本構想を考えていく上での基礎調査、この中でも中央区だけでとどまることではないと、本当に中央区というのは東京に、世界に影響を与えるだけの地域なんだ、そういった趣旨のことが指摘されておりました。

 そこでお伺いいたします。

 築地地域は現在でも世界から注目され、多くの方々が来られます。これからも世界に注目され、世界中から人々が訪れていただける文化の拠点が必要であります。基本構想の世界に誇れる風格あるまち中央区の実現のため、例えばちょうど近い地域であれば、学校、大学の発祥という学びの文化や、現在では食文化のまさに中心拠点というすばらしい歴史があります。そこで、何か文化的要素を踏まえた世界から注目されるような跡地の要望が一歩踏み込んで必要かなと思いますけれども、現状、本区の御見解をお聞かせいただければと思います。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 築地市場の跡地について、現在のところどう考えているかというところでございます。築地市場の跡地は、全体で23ヘクタールもの非常に広大な都心の希少な土地でございまして、この跡地については、本区の将来にもたらす影響が非常に大きいものと考えてございます。

 基本計画の中では、ある意味、理念的なところを書かせていただいたということでございますけれども、そこには現在、都民、あるいは国民的な関心も非常に高い築地市場の跡地の問題、これを持っております東京都の中でもまだ具体的な検討に着手がされていないという状況でございます。

 そうしたことから、区といたしましては、当面、基本計画の中では、絶対不可欠と思われる食文化の拠点の継承を確実に行っていくといった取り組みを掲載させていただいたというところでございます。当然ながら、この先具体的な検討が始まりますれば、委員のお話にもございました特に都心の非常に貴重な土地でございますので、都心の価値を高めるような文化的なものですとか、あるいは広域的な立地特性を生かして、何がこの土地でできるのか、こういったところについて全都的、全国的な議論も進もうと思います。その中で本区としても、この土地をぜひとも地元区の将来に確実に資する形で、また、都心中央区の価値を高める、都心全体の価値を高めるような形で使っていただきたいというようなことを具体的な形にして、いずれかのタイミングでは議論していきたいと考えてございます。

 以上です。

○吉田副区長
 この点はぜひ御理解いただきたいと思いますけれども、市場の跡地について、これは東京都のほうが築地市場の移転に関してハウツー本を出しましたときに、実際のところ、あそこの市場の7万坪を処分して、少なくとも豊洲市場移転に1,640億円必要だと言っているんですね。その時点で1,640億円ですから、ことしの1年延期で工事がちょっとふえましたということを含めれば、もうちょっと金額は膨らんでいるわけでございますし、それから、実際に市場会計の中から直接出しているお金が1,400億円ぐらいありますから、実際のところ、できれば3,000億円程度で処分したいというのが東京都の考え方であろうかと思います。

 しかしながら、今、現実の価値として見た場合に、私どもはこれをいわゆる不動産という形であそこの土地を見た場合に、基本的には事務所が建たない、事務所ではなかなかテナントが見つからない土地であるというようなところから、実際に私どもが一番懸念しておりますのは、マンション型で処分されて、切り売りをされてしまって、ばら建ちをするというような状態でございます。ただ、そこで出てくる経済的な価値を現実のところとして見ると、2,500億円とか3,000億円とかというレベルの、切り売りしてもそういう形である。現実の経済価値だけで判断すると、築地市場というのはとんでもない形になってしまう。そういう意味でいいますと、むしろ50年後、100年後に光り輝くような土地利用をするために、今の経済的な原則を少し外したところで、むしろ文化的な価値などに着目して利用すべきだということは、我々としても、地元区としてきちんと要望すべき内容であろうかなと思います。

 経済的に成り立つという話ではなくて、将来に向かって恥じない土地利用であるべきだということで、地元区としては要望をしていかないと、現実的な処分の話には負けてしまうところがございますので、これはきちんと私どもとしても、むしろその辺を発信していけるようにしていきたいと考えているところでございます。

○田中(広)委員
 御答弁大変にありがとうございます。

 私もつい時間を気にしてしまって、単刀直入に聞いてしまったんですが、本当に私が懸念しているのは、おっしゃるとおり、今の経済情勢を考えれば、やはりあれだけの土地、東京都が平成22年1月1日現在の価格で見て大体3,500億円と見ていると、おっしゃるとおり、高層マンションがメーンになってしまうんではないかと私は心配があります。そういった意味で、ぜひ一歩踏み込んだ要望ができないかなとも思っております。

 ある再開発物件をよく見に行くことがあるんですが、再開発をした会社の社長さんがおっしゃっていたのは、その再開発した物件は10年たったと。おかげさまで多くの方が訪れている。当然、商業ベース、あるいは経済ベースで考えて進めてはいるけれども、そこに文化という視点を入れたからうまくいったんだと。やはり、まちというのは、文化を育む都市、この視点が大変重要であると専門家もおっしゃっておりました。

 大きな話ですし、大変難しいこともたくさんあると思いますが、本区がこれまで苦労して進めてきた先行営業施設、これを成功させるためにも、やはり隣接地域を世界に誇れるような取り組みにしていかなければいけないなと思いますので、ぜひ、本区の基本構想に沿った取り組みをお願いいたします。

 次の質問に入らせていただきます。

 広報力の向上及びシティプロモーションについて質問させていただきます。

 本予算案では事務事業の見直しが進められておりまして、今後も展開されていくものと理解しております。一方で、事業の廃止、もしくは縮小だけではなく、一つ一つの事業について執行率を上げていく、あるいは政策に磨きをかけていくことも当然重要だと考えますが、御見解をお聞かせいただければと思います。

○黒川企画財政課長
 委員御指摘のとおり、今般、事務事業をさまざま見直ししていくわけでございますけれども、これは区全体として、事務事業のレベルアップを図ってくといった、こういった狙い、目標は一切変わってございません。

 そういった中で、既存の事務事業の効率、効果的な執行、こういったものにさらに磨きをかけていきますとともに、今後こういった施策がより区民に届きやすいような、そういった働きかけ等々もしてまいりたいと考えてございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。

 今回この質問の中では、先ほども議論の中で説明することが大切だとおっしゃられておりまして、私も全くそのとおりだと思っております。

 そこで、区が取り組んでいる事業をどう区民の皆様にお伝えしていくのか、そうした視点の中で、例えばチラシとかポスターとか印刷物をどうつくっていくのか、その点の質問を進めていきたいと思います。

 先月、福祉保健委員会が開会されまして、医療費の通知方法の変更について報告がありました。その資料は大変見やすくて、わかりやすかったんですね。1つの変更を伝えていく上では、見やすさ、わかりやすさ、これが大変重要だと私は思っております。

 しかしながら、区役所がつくられるチラシは、私が拝見する限りでは、何となく紙面に文字がいっぱい入って、伝えたい気持ちは伝わってくるんですが、なかなかわかりづらい、わかりづらいがゆえに、すぐ見ないでパスしてしまうのではないかという気がしているんですね。ぜひ読む側のことも考えることが必要かなと思っております。

 歳入でもお伝えしたんですが、日ごろから新聞折り込みのチラシとか、例えばスーパーとかコンビニに入ったときに商品のパッケージとかを見て、デザインのことで大変勉強になっております。同じように、歳入でマンションのことでチラシのお話をさせていただきましたが、晴海の高層マンションの新聞折り込みチラシ、見て、私は大変びっくりしたんですね。なぜかといいますと、両面裏表ありまして、表面は、晴海の写真を少し晴海の沖のほうから撮って、海があって、陸があって、ビルが建っている、その背景の写真がありまして、その右手側にキャッチフレーズがあります。ニューヨークのようですが、チューオーク晴海ですというキャッチフレーズで中央区は片仮名なんですね。さらに裏面は、同じようなロケーションでニューヨークの写真を撮って、すごく似た感じなんですね。右手には、チューオーク晴海のようですが、こちらはニューヨークですというキャッチフレーズが同じく右側に書いてありました。正直、このインパクトを与えられた読んでいる側としては、すぐ私はそれで、やはりネットを見て、ホームページを見てしまった。そうしたら近隣の児童館のことも書いてあって、ちょっと心配してしまったところもあるんですけれども、いずれにしても、興味を引くということはすごく大事だなと思っております。

 そこでお伺いいたしますが、広報として、区民の皆様に伝えていくことの重要性、この点の御認識を伺いたいと思います。あわせて、チラシやポスターなど印刷物をつくっていく上で工夫している点等がありましたら、お聞かせいただければと思います。

○信坂広報課長
 委員おっしゃいますように、区民に的確に情報を伝えるということは、本当に重要なことだと思ってございます。そういう意味におきましては、広報紙を初めテレビ、あるいはホームページ、ラジオ等さまざまな広報媒体を使いまして、的確なお知らせに励んでいるところでございます。

 そうした中で、昨年の11月からは、ツイッターでも情報提供しようというようなことで情報提供しているところでございます。さまざまなメディアを使ってやっていくというのは、受け手側がそれなりに見るものも違う、使っているものも違うというようなことがありますので、当然かなとは思ってございます。

 そんな中で、広報課のほうで年間40種類ぐらいのポスターを広報掲示板のほうに掲出してございます。確かにおっしゃるように、文字がかなり多くて、例えばそういうものはなかなか見づらいのかなというのは、つくっている私のほうでも、大変恐縮でございますけれども、感じているようなところがございます。

 やはり、見ていただいて、手にとって読んでいただかなければ情報は伝わりませんので、そういったところに工夫していきたいと、そのように思ってございます。個々の事業課さんのほうで、チラシを町会を経由して配布したり何なりというのもあるんでしょうけれども、やはり、読んでいただけなければ何の意味もございませんので、その辺のところを工夫してまいりたいと、このように思っております。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。

 そこで、以前からこの取り組みをぜひやりたい、工夫して進めていきたいなと考えておりまして、先日、印刷物のデザインなどに力を入れている足立区のシティプロモーション課を視察させていただきました。

 ここは、課長さんと係長さんのポストに民間人2名を採用して、新しい発想を取り入れておりました。特に、係長さんが中心となって関心を引く魅力ある広報チラシの作成を進めており、伝えたい本質を言い当てるデザインであることが何より大事だと考えております。

 例えば、1つ例を挙げさせていただきたいと思います。これは都政新報にも記事として掲載されておりましたので、御存じの方もいらっしゃるかと思いますが、特定健診のチラシについて御紹介したいと思います。

 本区においても特定健診の受診率は35%前後で、そんなに高い状況だとは思いませんし、足立区も同様のようであります。

 そこで、足立区の国民健康保険課の職員と、さらなる健診率向上を目指してチラシづくりを始めました。今、健診を受けなくてもすぐには困らないかもしれないが、10年後、20年後に差が出ることを伝えたいという担当者の思いを受けて、デザインを皆で考えたようであります。でき上がったチラシは、あなたはどちらを選びますかというキャッチコピーで見る人の心にまず引っかかりをつくりました。そして、右側と左側がありまして、左側に健診を受けました、その下段には、健診で異常を発見できよかったと書いてあるんですね。一方、右側には健診を受けませんでした、その下段には、自覚症状がないから大丈夫と思っていた。人生の計画が狂ってしまったというように、ビフォー・アフターの比較で興味を引くアイデアを採用していました。

 さらに、その文字の背景には、対象者に近い年代のモデルを職員さんで探して、40代、50代の雰囲気だな、ちょっと健康に気をつけなくちゃいけないなという雰囲気の方を探して写真を載せております。左側の受診されたほうは笑顔で、右側の受診しなかったほうは落ち込んでいる顔の写真、服の色も明るいのと暗い色で、上手に表現しておりました。このチラシを手にした方が、やはり自分のことと少しでも感じていただける、目にとめてもらえる、そういった紙面になったんではないかと評価していたようであります。その結果、健診率は1.4%増の約2,000人の区民が前年より多く受診したとのことであります。

 このシティプロモーション課の係長さんは次のように述べております。最初に国民健康保険課の職員が持ってきたチラシには、健診を受けたら結果を生かしましょうという題名で、よく読めばわかるが、伝えたいことが文字でぎっしり書き連ねられていて、健診なんて面倒なことは知らんぷりしたい対象者の目をとめるのは難しい。デザインは伝えたいことの本質を目に訴える、あるいは心に響く形に変える仕事である。まず、伝えたいことは何かを明確にする。次にそれをデザインする。人の目をとめ、心に訴えるためにはアイデアが必要であり、対象者に自分のことと感じてもらい、はっとさせる紙面を目指しているとのことでありました。

 そこでお伺いいたします。

 区民の皆様にお知らせするチラシやポスターなどの印刷物について、工夫することにより本区事業の執行率が上がり、さらに紙面作成において悩むことにより、担当職員の方々の意識も変わり、これまで以上に参加者をふやそうと、実績を上げていこうと、政策に磨きがかかってくると確信いたします。本区の職員の中にも、きっとデザインについて理解があり、得意な方がおられるのではないかと私は思いますけれども、全庁的に検討していただき、プロジェクトチームをつくるなど、進めていただきたいと思いますが、御見解をお聞かせください。

○中島企画部長
 いわゆるシティプロモーションといった場合、私は2つの意味があるのかなと思っております。1つは、区が対外的にどう本区の魅力を訴えていくかといった側面と、それと、やはり中の区民の皆様に向けた情報発信と、この2つがあろうかなと思っております。

 当然のことながら、現在、区民の皆様方に区政への参加、また住民サービスの充実などにつきまして詳細にお知らせした上で、区政への理解が高まるように努めているところではございますけれども、そうした中で、今、御指摘がございました心に響く、または訴える、そうした要するにプロモーションというのが非常に重要だとは認識してございます。

 現在例えば観光部門ですとか、商工業部門がばらばらにやっているようなところがございます。それをやはり組織的な取り組みにしていくというのが1つの考え方としてあるのではないかなと思っております。その中で、どんな工夫ができるのか、どういった手法が有効であるのか、そういった点につきましては、今後、十分検討させていただければと思っているところでございます。

○田中(広)委員
 ありがとうございます。ぜひ進めていただきたいなと思います。

 正直、私もデザインという言葉を聞いても、何となく外見が見やすいとか、格好いいとか、そんなふうに昔思ったことがあったんですが、たまたま民間企業にいた時代は、そういったことを問うこともあったものですから、理解しやすさもあったのかもしれないんですが、やはり相手にとってどう喜んでもらえるのかということを伝えるのが1つのデザインかなと思っております。ささいな取り組みのように感じるかもしれませんが、ぜひ全庁的に進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それから、最初、印刷物のデザインについて勉強しに行ったつもりだったんですが、シティプロモーション課の取り組みを聞いていたら、すばらしいなと感じまして、ぜひ進めていきたいなと思っております。

 足立区は、さっき企画部長さんが御答弁してくださったように、当然、区政のブランド化とかイメージアップとか、魅力探しとか、魅力づくり、また内外に発信するイベントを集客力の高いものにしていくとか、さまざま取り組んでいるんですが、やはり民間で外部から来た課長さんは、外から見て、区がやっていることがなかなか伝わっていないのではないかと、そんなふうに感じたそうであります。

 そこで、私がいろいろな話を聞いて印象に残ったのが、おいしい給食というキャンペーンでありました。これまで足立区の学校給食では食べ残しが大変多くて、課題となっていたそうであります。そこで、小・中学校の栄養士さんがみんな集まって、知恵を出してもらって、喜んでもらえるメニューを再検討したそうであります。そのおいしい給食の特集としてレシピをホームページに掲載したところ、大変好評となって、民間出版者が取り上げて、東京・足立区の給食室という本になったそうであります。約8万部の売り上げで、マスコミも取り上げるようになって、そのテレビとかを見た区民の方が、また喜びの声を区に届けてくるという、そういう状況でありました。

 課題であった給食の食べ残しも3年で激減しただけではなく、区民の皆様が足立区の魅力を感じて、地域のイベントなどにも参加する方がふえてきたともおっしゃっておりました。課長さんは、ピンチをチャンスに変えることによって、お金をかけないで課題を克服したばかりか、広く足立区の魅力を発信することができたとおっしゃっております。

 そのほかにもいろいろな職員向けの情報紙も、足立食堂という題名をつけて、何で職員向けの情報紙が足立食堂なんだろうと、こう思うんですね。それが手にとるという1つのきっかけではあるんですけれども、そういういろいろな工夫をしています。まち歩きの取り組みも、最後のゴールを高い建物の展望台にお連れする、そうすると自分が歩いて来たまちが一望できるという、それだけで喜んでもらった。お金をかけずに幾らでも工夫はできるんだ、そういったお話でありました。

 そこでお伺いいたします。

 先ほどの印刷物のお話にもつながってくるかもしれませんが、行政評価などを通して事業の見直しを進めております。当然、見直しした内容を理解していただくために伝えていくことも重要であります。また、事業の見直しを進めると同時に、その他の事業のブラッシュアップといいますか、政策に磨きをかけていけるような新しい取り組みが重要と感じております。職員の方々の現場の御提案や民間の知恵を生かすことなど、ぜひシティプロモーションの視点を生かしながら既存事業の課題を克服して、さらに中央区の魅力を内外に発信していけるような体制を構築していただきたいと考えますが、改めて御見解をお聞かせください。

○長嶋総務課長
 私どもも、広報活動を初め、地域、中央区の魅力発信ということで、各所管別に確かにさまざまな工夫をやっていると思います。また実際、私どももそのように取り組んでいるところでございます。

 ただ、やはりそれが横に展開されていかないというのが、多分、委員の御指摘だろうと思ってございます。そういった意味では、組織的にどういったものが必要なのか、あるいは、今後どういった取り組みが必要なのかというのは、具体的にはもう少し研究はさせていただきたいと思いますけれども、そういったことに広く全庁的に取り組んでいけるような形で今後推進していきたいと考えてございます。

 以上です。

○田中(広)委員
 ぜひよろしくお願いします。なかなか難しい点もあるという趣旨の御答弁も少しありましたが、例えばどこかの現場でいい取り組みをしていたら、本当にそれを皆さんで共有できる体制もとっていただきたいですし、各部局がつくったチラシとかポスターを、例えばですけれども、コンクールみたいにして、どれだけ区民の皆様に伝わったかということを、少し啓発する上で、アイデア賞みたいなのをつくってやっていくことも1つの方法かなと思いますので、ぜひ考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、防災対策についてお尋ねさせていただきます。

 第一生命経済研究所のライフデザイン白書臨時調査によりますと、日ごろから不安に思っていることを聞いたところ、これまで地震が断然トップであったにもかかわらず、昨年では低下傾向にあることがわかり、危機感が薄れていることが明確になっているようであります。

 防災科学技術研究所の研究員によりますと、大災害後、1年目は災害への備えや不安を感じる人が多いが、2年目以降はその意識が薄れがちである。特に、防災グッズを購入した、防災マップをつくったなど、何らかの対策をとったことによって、それに満足してしまうケースが多いとの指摘でありました。さらに、最も大切なことは、危機意識を持ち続けること、それこそが真の災害の備えとなるとも述べられておりました。

 そこでお伺いいたします。

 東日本大震災から2年が経過した今、区民の方々の防災意識についてどのように感じておりますでしょうか。お聞かせいただければと思います。

○高橋防災課長
 区民の皆様の防災意識についてでございます。

 東日本大震災から2年が既に経過したところでございますが、これまで東日本大震災の直後から、私どもはまちの皆様とさまざまな面で防災対策についてお話、あるいは御意見等を伺いながら防災対策を進めてきたところでございます。

 御指摘のとおり、発災直後の1年間ぐらいは、まちの皆様から、東日本で発生した被害状況に対する混乱というんですか、不安と申しますか、そういった御意見をたくさん頂戴したところでございますが、ここで2年たちまして、具体的なそういった話はどんどん少なくなってきているかなという思いはあります。ただ、本区が進めている防災対策に対してその推移について当時いただいた意見をもとに、現在どうなっているのかといった意味で、今でも御意見が寄せられるという状況にはあるかと思っております。

 ただ、これがやはり3年、4年とたっていったときに、どのようになっていくかということになりますが、防災対策を進める所管としても、こういった住民の意識が下がらないように、防災対策の重要性といったものは、今後とも引き続き区民の皆様に普及啓発してまいりたいと考えております。

 以上です。

○田中(広)委員
 御答弁ありがとうございます。

 いろいろな御意見も寄せられていると、また、それをしっかりもとにして対策を進めている、そういったお話をいただきました。

 先月、港区の区民センターで、防災講演会が行われました。そこの講師は片田敏孝教授が来られまして、いつも映像とか書籍でお話を勉強させていただいたんですが、初めてお話を直接伺える場があったので、行かせていただきました。

 片田教授は冒頭、ここに来てくださっている皆さん方は意識が高いので、むしろそのままお帰りくださいと言いたいぐらいですと、でも、来ていただいてこれから講演が始まるのに、何てことを言うんだろうと思ったのかもしれませんが、来ていただいている方は大変ありがたいと、やはりなかなかそういう関心を持てない方にどう災害文化、防災文化を進めていくのか、これが課題であると冒頭おっしゃっておりました。

 さらに、穏やかな気候、自然の中で我々は過ごしてきたと。都心ではいつの間にか自然に対する意識がなくなってしまった。自然とは、人間の想定におさまらないことがあるということを認識することであると語られまして、自分の命は自分で守ることの重要性を指摘しておりました。

 さらに、釜石での防災教育の取り組みを紹介しながら、こうした意識は未来永劫続けていかなければならないことであり、釜石のお作法、自然と向き合う災害文化として、継承して定着させていくことが必要であると述べられておりました。

 そこで2点お伺いさせていただきたいと思います。

 1点目に、9月の防災訓練は定着していると思いますが、3月11日の東日本大震災の教訓を生かすという視点から、3月上旬〜中旬にかけて、何か防災意識の向上につながるような啓発の取り組み、こういったことが行われているかどうか、お聞かせいただければと思います。

 2点目に、本予算案では地域防災フェアが計上されておりますが、大変私はすばらしい取り組みだと思っておりますけれども、次年度はどういった取り組みをされていこうと考えているのか、お聞かせいただければと思います。お願いします。

○高橋防災課長
 区で住民の皆様に向けた防災訓練は3月に、これまでの取り組みの中でも進めてきていないところでございますが、区職員向けの訓練、あるいは職員向けの講座を行って、区内部としての意識の向上を図っているところでございます。また、隣接します千代田区が帰宅困難者対策訓練を独自に行っているわけですが、こういったものへの協力ということで、私どものほうは取り組んでいるところでございます。

 今後この3.11という象徴的な期間に、何らかの形で区民の皆様に普及啓発できるような取り組み、これについては検討してまいりたいと考えてございます。

 また、新年度に行います地域防災フェアでは、これまでの取り組みでありました家具類転倒防止器具の普及啓発、普及促進、こういったものとあわせて、今回は家庭用の備蓄用の簡易トイレ、こういったものを区民の皆様に設置促進という目的で進めてまいりたいと考えてございます。あわせて、緊急告知ラジオの販売促進ということで進めてまいりたいと考えてございます。

 それと、今回の地域防災フェアでは、全戸に開催案内をお送りするということでございまして、今回作成します防災パンフレットのハンドブック、小さな形にまとめたハンドブックを開催案内の中に同封しまして、区民の全世帯に防災意識の向上といいますか、普及啓発用のパンフレット、これを折り込みまして、防災の意識向上に努めてまいりたいと考えてございます。

 以上です。

○田中(広)委員
 御答弁ありがとうございます。本当にいろいろ考えておられるということが理解できました。

 そこで、平成23年度、地域防災フェアが行われたと思うんですが、私もたまたま地域の方とお話ししたときに、地域防災フェアがありますよ、ぜひ行ってくださいねとお話をしたら、中には、そういう案内は来ていたかなとか、そういうのをやるんですかと、なかなか認識されていない状況が少しありました。一生懸命ぜひ行ってくださいと私もお話をさせていただいた経緯があります。

 また、少し話が飛びますが、民間企業で、これはキリンビバレッジさんなんですが、スマートストックという取り組みを行っております。当然、飲料水を売っている会社でありますので、おもしろい取り組みだなと思ったんですが、家族の安心をストックしましょうという考え方をもとに、災害が起こったときのために必要なものを必要なだけ備蓄しておく、そういった取り組みです。これは3月6日を見直す無駄なくとし、9月6日をくまなく無駄なくと位置づけて、スマートストックの日に制定をしております。つまり半年に一度、ストックしている食料を確認するきっかけの日として取り組んで、備蓄の大切さを推進していこうと、大変わかりやすい防災対策の1つと感じました。

 そこでお伺いいたします。地域防災フェアの御案内を、今回は当然今進めておりますけれども、例えばこれから先、検討する中で、3月上旬ごろに通知する工夫はできないでしょうか。つまり、3月11日近くなってくると、テレビとか新聞で復興の話題が出てきます。そういった中で意識が皆さん高まってきますので、そのタイミングで通知を出すという方法が1つ効果的かなと感じております。それが1点と、スマートストック、これは民間企業が取り組んでおりますが、例えば3月と9月ということであれば、ちょうど半年に一度という考え方ができますので、少しでも防災意識の向上につながるのではないかなと思いますが、何か防災意識の向上が継続できるような取り組みを、先ほど検討していただけるというお話がありましたが、ぜひこういったことを参考にしながら進めていただきたいと思いますが、御見解をお聞かせいただければと思います。

○中島防災危機管理室長
 地域防災フェアの関連でございまして、案内を3月にという、確かに1つ、先ほどのスマートストックの御指摘もございました。やはり何かのきっかけの日というのは、マスコミも大きく取り扱う、テレビなども大きく取り扱うと、その段階でそれぞれの御家庭の例えば備蓄品について期限が切れていないか、物はちゃんとあるかとか、そういったことを定期的に見直すということは大変大事なことだと思っております。

 例えば、それぞれの家庭の防災の日というようなお考えで、それぞれの御家庭で日を決めてそれぞれチェックをし合う。そうした中で、今、実は私どもは区民向けの防災パンフレット全戸配布のものも準備中でございますけれども、それぞれのチェックリストに年間2回ほど日付を入れて、備蓄品のそれぞれのチェックができるようなチェックシートなども入れようかというような工夫も今考えております。

 前段で委員のほうから御提案のありました、3月上旬、例えば3.11をにらんで、国民の防災意識が高まるころ合いとタイミングを合わせて、地域防災フェアの事業実施の案内ができないかという点につきましては、区の年間の事業執行のスケジュール等の関係もございますので、その辺については研究をさせていただきたいと思いますが、ただ、何かの日をきっかけにというところは、大変わかりやすいお話かと存じますので、工夫をしてまいりたいと思います。

○田中(広)委員
 御答弁ありがとうございます。全体のスケジュールがある中で、地域防災フェアの開催は難しいのかなと思いますが、やはり少しでも啓発しやすい環境をこちらも見据えて進めていただきたいと思いますし、継続していくということが大事だと思いますので、その点もあわせてよろしくお願いいたします。できれば地域防災フェア、いい取り組みですので、本当は毎年やっていただきたいぐらいではあるんですけれども、なかなか難しいというところもあるのかもしれませんが、要望にとどめさせていただければと思います。

 それから、やはり片田敏孝教授の話を直接初めて伺って、とにかく話の内容がすごくわかりやすかったのが正直な印象であります。当然、いろいろなお考えもありますし、本区もいろいろな防災講演会を行っております中で、もしまたチャンスがあれば、ぜひ片田教授のお話を聞ける場を推進していただきたいと思いますので、要望させていただきます。よろしくお願いいたします。

 最後の項目について質問させていただきます。

 読書活動の推進についてお尋ねいたします。

 ことしは基本計画を改定されておりますが、子ども読書活動推進計画も改定されるところであります。第二次子ども読書活動推進計画の中間報告の中でアンケート調査を実施しております。あなたは家で本を読んだり、学校の図書室で本を借りたりしますかの問いに、いいえとの回答は小学生が13%、中学生が34%という調査結果が出ております。さらに読書をしない理由として、小・中学生とも文字を読むのが嫌いというのが25%にも上りました。

 そこで2点お伺いいたします。

 1点目に、私が一番心配なのは、できる方はいろいろな環境が整っており、またいいと思うんですが、活字が余り好きではないとか、本が好きではないという方が多くいられるというのは一番心配であります。そこで、この調査結果を踏まえて、どのように御認識されているのかお聞かせいただければと思います。

 2点目に、第1次の成果や課題、それをどのように評価して、第2次ではどういった視点を特色として進めていこうと考えておられるのか、御見解をお聞かせください。

○粕谷図書文化財課長
 子ども読書活動推進計画についてのお尋ねでございます。

 最初にアンケートの結果ということで、委員が今御指摘になりました本の嫌いな子、余り読まないという子に対する私どものこれからの方向づけといいますか、それについてでございますが、やはりもともと本に対する、読書に対するきっかけが、本が余り好きでない子は少なかったんではないかと考えてございます。そういうことで、私どもとしては、いろいろな本を紹介しながら自然に読書へと向かえるような、そういった導きというんですか、導入を図っていきたいと思います。それには図書館だけでなく、学校も当然重要です。そういうところと連携しながら、良書の紹介を通し、子供が自発的に本を読むような環境を構築していくということが肝要かと考えてございます。

 また、現行計画はもうすぐ終了いたしますが、その成果と検証を踏まえて、第2次計画にどうつなげていくかということでございます。今回、計画の中間報告の中でも、そういった現行計画の検証、あるいは分析を踏まえまして、今回、現行計画と比して第2次計画、改定計画では、第1次、現行の計画が43の施策だったのが、今回、第2次は34の施策ということで整理させていただきました。図書の整備、そういうものはある程度第1次で達成されていると考えてございます。今回、第2次の我々の考え方は、現在ある本という資産をどう活用していって、人と本をどう結びつけていく、あるいは、関係機関でどう連携して読書活動を推進していくかということを中心に、今回の第二次子ども読書活動推進計画をつくっていこうと考えてございます。

 以上でございます。

○田中(広)委員
 御答弁ありがとうございます。

 今、御答弁がありましたとおり、人と本を結びつけていく、ここが本当に課題だと思っております。アンケートの中にもありましたとおり、最初の健診の中で絵本リストとか読み聞かせを行うと、その後、図書館に行ったりいろいろ効果が高いということが7割以上あったと思いますし、また読書の重要性については、保護者も9割以上の方が大変役立つと思っていると、こういった理解があります。したがって、この早い段階でどれだけ本との出会いをつくれるか、これが大変重要だと思っております。

 今回の第2次でも、いろいろな健診の中でさらにまたそういった啓発をしようとか、いろいろな取り組みを予定されておりますので、ぜひ期待したいなと思っております。

 1つ、本と人との出会いということで、乳幼児を対象にはしていないんですけれども、私は個人的に、そういう発想があるんだなということを随分前に感じた出来事がありました。

 時々近くに行ったら寄るんですが、六本木ヒルズの中にTSUTAYAがあります。六本木ヒルズの中のTSUTAYAは、日本初のブックディレクターの幅さんという方が最初に手がけたプロジェクトであるスターバックスと融合した書店であると。TSUTAYATOKYOROPPONGIと言われているようであります。書店内には丸いソファーやテーブル、キッズコーナーを設けたり、さらにカフェと本屋の間に線引きをつくらずに、コーヒーを片手に自由に書架をめぐって、本に思いがけなく出会ってもらいたいというコンセプトで進めてきたようであります。さらに幅さんは、本というのは遅効性の道具と主張し、次のように述べられております。さっと情報を得るだけならネットでもいい。けれども、本の本当の力は、今知りたいことにすぐ答えることではありません。極端な例かもしれませんが、若い人がもやもやや閉塞感を感じて暴力や殺人に走る、こういうことも本を読んでいれば防げたかもしれません。最終的には本の力が本当に効く出会いの場をつくりたいのですと語られておりました。まさに今回2次の計画でそういったいろいろなきっかけをつくろうとする取り組み、大変すばらしいなと思っておりますので、ぜひ進めていただきたいと思いますし、今の話はどちらかというと成人した若い方に、どういった形で触れてもらえるのか、そういう1つの画期的な取り組みであったなと私は感じております。

 そこで、最後に矢田区長さんにお伺いしたいと思います。

 区長さんは所信表明の中で、山中伸弥京都大学教授のノーベル賞受賞を受けて、教育の重要性について述べられておりましたが、本と人との出会い及び子ども読書活動、本区のさまざまある事業の教育の柱の1つにしっかりと位置づけて取り組んでいただきたいと私は考えますが、区長さんの御所見をお伺いいたします。

○矢田区長
 特にお子様、子供たちの読書活動の推進は、本当に重要であろう、そう思います。

 教育の中央区、また教育立国、これを目指していくには何といっても読書ですね。これを進めていかなければならないわけでございまして、特に学校教育、本区でいえば小・中学校、これが私たちの責務であるわけですから、そうした小学生、中学生がどんどん読書に親しめるようなことをしていかなければならない、そう思うわけでございます。

 そういう中で、図書館も本の森ちゅうおうということで、私たちが目指す親しく本と触れ合う、そういったことも重要であろう、こう思うわけございまして、山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞をいただいたわけでありますから、これを契機として、私たちはしっかりと教育活動を推進していかなければならない、そう思いますね。

 山中伸弥教授のインタビューを読んでいても、あの人も特別な方ではないようですね。自分はどちらかというと飽きっぽいんだとか、なかなか長続きしないんだと、仕事も五、六年に1回ずつ変えたり、研究のほうを変えたり、また、下宿先も1年に1回変えたり、スポーツのほうも柔道をやったり、ラグビーをやったり、本当にいろいろなほうを変えると。しかし、それがiPS細胞の開発にとってはよかったのではないか、そう言われておりましたけれども、本も本当にいろいろな本を読む、これでなければいけないということはないわけでありますから、どんどんいろいろな本に親しむということ、これが教育の充実にとって、また子供たちの成長、これにとっても非常に重要であろう、こう思うわけでございまして、子供の読書活動の推進、全庁を挙げて取り組んでまいりたい、こう思うわけであります。

 以上であります。

○田中(広)委員
 御答弁大変にありがとうございます。

 今、本当に人口がふえて、乳幼児人口もふえて、出生数が大変伸びている、こういった状況の中で、やはり教育をしっかり進めていく、これは本当におっしゃられているとおりでありまして、いろいろな事業を行っていく中の1つで、やはり本との出会いを大切にするということをしっかり中央区として進めながら、すばらしい人材の輩出の区になるような取り組みを進めていただいて、基本構想に掲げた本区の取り組みを実現していけることを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○今野委員
 ただいま総括質疑の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後3時5分に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後3時5分に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 なお、各会派の代表者の方は、この後、議会応接室において代表者会を開会いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午後2時32分 休憩)


(午後3時5分 再開)

○礒野委員長
 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。

 総括質疑について質問者の発言を願います。

○志村委員
 では、総括質問させていただきます。よろしくお願いします。

 最初は防災です。

 3月11日は東日本大震災から2年という日だったんですけれども、ことしの3月10日、東京大空襲から68年目のこの日、日曜日ですけれども、佃の一・二・三丁目の連合町会での防災訓練がありました。この防災訓練は、臨港消防署や臨港消防団の方々がいろいろ中心になって訓練させていただいたんですけれども、区の職員の顔が見えなかったような気がしました。ということで、参加していたのかどうか。参加していなければ、その理由は何だったのか教えていただきたいと思います。

 その訓練の際に、町会の人から私にこんな訴えがあったんですね。津波が来たときにオートロックのマンションに逃げられるようにしてほしいと区に頼んだら、そういうことは町会で対応してほしいと言われたということで、区は何もしないんですかと、そういう話なんです。

 高層住宅との災害時の協定は町会が行うとしても、その協定が結びやすいような道筋を行政がとるとか、そういうことも必要ではないかということは、これまでも繰り返し私も提案してきたんですけれども、津波避難ビルという、そういうものではなくて、一時的に津波が来たときに、オートロックのマンションの管理人さんを含めて、まちの人たちを一時的に保護するというか、避難させるという、そういうようなことを区がどのように働きかけてきているのか。また、そのような体制がとれるように努力してきているか教えてください。

○高橋防災課長
 3月10日の佃の訓練でございますが、こちらの訓練につきましては、佃の3町会、一丁目から三丁目の町会の防災区民組織の自主的な訓練であったということでございまして、これまで私ども区職員の参加はしていないものでございます。

 ただ、訓練を行うに当たりまして事前に開催の案内等がございますので、現地に行って見学という形で参加させていただいたところでございますが、今月の3月10日の訓練につきましては、区の職員は参加してございません。

 それと、津波対策で区民の方々からの御質問で、区のほうの対応でございますが、これは、佃の3町会を含めた防災拠点運営委員会の皆様にも御案内しているところでございますが、今般の都の被害想定の中で、佃が元禄型関東地震、これによって浸水のおそれがあるということで、その対策を区として計画の中に定めたところでございまして、この内容につきましては、既に佃島小学校・佃中学校防災拠点運営委員会の皆様にも御説明し、万が一の際の避難方法等については御説明し、理解を得ていると考えてございます。

 ただ、その地域地域によって、お近くにあるマンション等へ避難するということにつきましては、これは区の計画とはまたちょっと違いまして、地域の中でマンションの方々とよくお話し合いいただくということが重要かと思います。その橋渡しとして区が間に入るということも重要かとは認識してございますが、津波の発生確率というもの、それからその被害、こういったものを鑑みて区の進めております、いわゆる津波対策、こちらを中心にまちの皆様に御説明をしていきたいと考えているところでございます。

○志村委員
 防災区民組織の自主的な訓練だったのでこれまでも参加はしていないが見学はしてきた。ことしは見学しなかったということです。

 区の印のついたヘルメットをかぶったのは私だけでした。そういう自主的な訓練だからこそ職員の方が激励をするというのが大事だと思うんです。一般的な訓練のように、集合して、行政がやって、それでセレモニー的に区が挨拶してとか、そういうのではない、やはり自主的な訓練だからこそ、そういう激励が必要だと思います。いろいろな事情もあると思います。日曜日でもあると思うんですけれども、その点もやはり地域を励ますという意味で配慮していただきたいと思います。

 それから、津波のときの不安というのは、例えば科学的にとか、いろいろな形でそんなに大きなものは来ないよと言ったとしても、やはり、まちの人たちの不安というのはあると思います。いろいろ対策をとって説明もしてきているということも徹底はされていないわけですよね。それをどういう形で地域の町会なりに任せるのか、それともどのようにまちの中、住んでいる方々たちにそういうシステムを浸透させていくのか、そういう訓練になるのか、説明会になるのか、方法としてはわかりませんけれども、そういう点もぜひ行政のほうでアドバイスもしていただければと思います。

 私が訴えたというか、相談というのかな、区が町会でやってほしいというようなことを言った中で、橋渡しとして区が力も出しますよというニュアンスは、ちょっと感じられなかったんですよね。ですから、例えばマンション管理組合とか、そういうところの方々たちに、区が、こういう場合はこうしてくださいと言うのか、それとも両方集めてやるのかとか、文書にするのかとか、やり方はわからないんですけれども、橋渡しというあたり、防災課長がおっしゃったようなあたりで具体的にやっていることとか、また考えていることがあればお聞かせください。

○高橋防災課長
 まず、マンションの例えば管理組合の皆様に津波に対する地域住民への協力というお話が区のほうに仮に入ったとした際に、被害想定、どの程度の津波を想定しての話かといったことからまず前提条件が入ってくると考えてございます。

 現在の被害想定の中で、佃の一部地域で1メーター未満の浸水があるというのも、これも極めて限定的な地震、発生確率の低い地震、あるいはさまざま条件が重なっての話、そうした中で、マンションの皆様に万が一の津波といったその対策というものを説明するのも、なかなか理解を得がたいのかなという思いもございます。

 ただ、委員御指摘のとおり、地域の住民の皆さんが不安を抱えていて、どうしてもそのマンションと話し合いたい、協定を結びたいということであれば、まず話し合いの段階から区がコーディネートというんですか、間を取り持つといったことは可能かと考えてございます。

 以上です。

○志村委員
 ぜひよろしくお願いいたします。

 次は、危険物の取り扱い施設についてです。

 以前、勝どきで工場解体の際に有毒ガスが流出したという、そういう騒動というか、事故がありました。地域防災計画では、石油等の危険物の取り扱い施設は405施設、火薬類の施設が3施設、放射線等使用施設が27施設、高圧ガス関連施設が14施設、毒物・劇物の取り扱い施設28施設と書かれてあるんですけれども、危険物取り扱い施設というのは、区内ではどのような施設があるのかお聞かせください。

○早川危機管理課長
 地域防災計画に定めておりますこういった危険物等の施設の状況でございます。

 こういった施設につきましては、警察、それから消防のほう、こういったところに届け出が出されておるような施設、委員御指摘のとおり、数年前にも勝どきのほうでのアンモニアの異臭騒ぎだとか、こういったところにつきましては、それぞれあらかじめ警察、あるいは消防のほうに届け出をさせていただいている施設、こういったものをカウントしているものでございます。

 以上です。

○礒野委員長
 今、件数はおっしゃらなかったんですが。

○早川危機管理課長
 失礼しました。

 さまざまな施設がございますけれども、例えば放射能物質等ですと、病院だとか、こういったところにも放射線等を取り扱う施設がございますので、こういったところをカウントしているところでございます。

 以上です。

○志村委員
 あと、石油とかガソリンスタンドとか、そういうのはわかりますけれども、一般的にわからない施設も結構あるとは思うんですけれども、お聞きしたいのは、危険物の取り扱い施設における災害時の危険物の流出のシミュレーション、そういうのを作成しているのかどうか。また、こういう危険物が流出した、そういうことを想定した避難訓練等をその所有者、もしくはその施設がある地域で避難訓練などを行っているのかどうか、その点もお聞かせください。

○早川危機管理課長
 こういった場合のシミュレーション等でございますけれども、地域においての訓練、あるいはそういった施設を管理している方の訓練について、本区のほうで主体的に実施はしていないところでございます。ただ、区の中におきましては、防災危機管理室の中の訓練でこういった大規模災害に対する訓練、本年度につきましても12月に実施しておりますけれども、こういった訓練を実施しているところでございます。

 以上です。

○志村委員
 ということは、机の上でいろいろ訓練するということらしいんですけれども、例えば、危険物取り扱い施設が周辺に存在している学校、そういうのを把握しているのか。また、区民への情報公開ですね。とりわけ防災拠点運営委員会とか、地域の防災にかかわる方たちがそういう危険物を取り扱っている施設が、こことここにあるんだと、そういうことを情報共有できているのかどうか、その点もお聞かせください。

○早川危機管理課長
 現段階でそういったそれぞれの施設が把握しておるかという部分につきましては、把握はさせていただいてございません。

 ただ、こういった施設においての万が一の災害の際には、まず警察、消防、こういったところと連携をとりまして、迅速にそういった情報を提供していく。また、それにつきましては、区のホームページ、それからラジオ、そういったものを通じて、あるいは広報車等も通じて迅速に情報を伝達していきたいと考えているところでございます。

○志村委員
 危機管理という意味では、ちょっと質問の答えではないと思うんですね。

 例えば、市場の中で製氷とか、低い温度にする冷蔵庫がありますけれども、あそこで今ずっと出ているのが、アンモニアを含めて、移転するので、いつ修理したらいいかわからない、移転をするというので修理していないんだけれども、今だましだまし使っているというような、市場の中にもそういう倉庫があるんですね。あわせて、例えば豊海のあたりにもいろいろな倉庫がありますけれども、震災を含めたときに危険物が流出すると、もし学校のそば、保育園のそばでそういう事故が起きたときの避難訓練というんですか、どう避難するのか。例えばガスとかからどう守るのかとか、そういうことも求められるんではないかと思うんですけれども、その点はいかがですか。

○早川危機管理課長
 先ほども申しましたとおり、現在、防災危機管理室の中の訓練の中ででしか、そういった訓練自体はさせていただいておりませんが、関係する部局、こういったところとも訓練を実施していきたいと考えているところでございます。

 ちなみに本年度につきましては、大規模災害の中でも台風事案ということで、環境土木部、あるいは広報課、それから総務課、こういったところと連携をして訓練をさせていただいたところでございます。

 今後そういった事案につきましては、教育委員会等とも連携をして訓練を実施してまいりたいと考えているところでございます。

 以上です。

○志村委員
 解体工事でアンモニアが流出したということもあるように、地震だけでなくてもいろいろな事故などで、本当に予想もしない、想定もしない事故などで危険物が外に出てくるということも考えながら、とりわけ学校などや保育園も含めてですけれども、そういうところへの対策・対応をどうするのか。また、地域とそういう情報をどう共有するのか、区でぜひ、研究も含めですけれども、検討していっていただきたいと思います。

 それから、今、横須賀ではアメリカの原子力空母ジョージ・ワシントンが定期整備に入っているんですけれども、この間2年前の3.11のときも、横須賀に停泊していた原子力空母が、津波の関係でわずかで給水口から海水を吸い込むことができないような、そこまでいったという話もあります。

 原子力空母や原子力潜水艦というのは動く原発と言われております。海水の冷却水を使って冷ましているわけなので、地震とか津波によって海水による冷却ができなくなったときにメルトダウンを起こすという、こういう原子炉事故が起きる可能性も指摘されています。

 そのような場合、今ジョージ・ワシントンは原子炉が2基あるんですけれども、横須賀基地に停泊しているこのような原子力空母や原子力潜水艦などの事故を想定した対応というのが考えられているのかどうか、お聞かせください。

○早川危機管理課長
 今回の東日本大震災を踏まえまして、さまざまなあらゆる想定外の事故を想定していかなければならないということで、これは我々行政だけではなく、全ての人々が認識されたところかと思っております。

 こうした中で、今、委員御指摘のような原子力空母の事故、あるいは例えばコンビナートの火災であったりだとか、さまざまな大規模事故、あるいは台風と高潮があわせて来るだとか、そういった複合災害も想定していかなければならないと認識してございます。

 ただ、区の中で想定するには、やはり多々想定の限界もあろうかと思ってございます。現在、東京都、あるいは広域な都市圏で、そういった複合的な災害についても検討が進められておりますので、今後はそういったところを踏まえながら、区としても対応してまいりたいと考えてございます。

 以上です。

○志村委員
 自主的にも考える部分は、ぜひ防災計画の見直しなどで反映することも必要ではないかと思っています。

 それから、避難訓練なんですけれども、学校の中での避難訓練というのは行われてはいますけれども、子供たちを含めた家庭から地域の防災訓練に参加していく、家族ぐるみとか、そういう子供の参加による防災訓練、つまり教育委員会と防災課が協力して行う学校外での子供と地域の防災訓練というのも、これも大切なことだと思うんですけれども、その点の検討ぐあいはどうなんでしょうか。

○高橋防災課長
 お子さんの防災訓練の参加促進でございますが、防災拠点運営委員会が行います地域ごとの訓練、この委員会には学校の先生方、校長先生に御参加いただいている。さらにはPTAの方々にも御参加いただいている委員会がございまして、そうした中で訓練の内容を皆さんで御協議いただく際に、お子さんの参加促進、こういったものも進めていこうということで、それぞれ工夫をしながら現在進めているところでございます。

 以上です。

○志村委員
 私は学校単位で取り組む大規模なイメージなんですね。地域でやる防災訓練に子供たちが参加するのではなくて、学校の教師、学校の中での避難訓練と同じような形で地域と学校の先生たちが一緒に避難訓練を行うという、そういうイメージです。ですから地域での校長先生とか、PTAだけでの調整だけではつかない、大変大きな規模での取り組みをイメージしているんですけれども、そのあたりは実践的な訓練になると思います。そういう点で日曜日を例えば使うとなれば、代休の日を置かなくてはいけない。例えば1日かけた防災訓練をやるとしたら、そういうことも必要になるわけですから、そのようなことも考える必要があるのではないかなと思っております。これは1つの提案として受けとめてください。

 次は、東京湾大華火祭についてです。

 去年、晴海埠頭の先の海底でダイオキシンの汚染、海底の泥が汚染されているという報告がありました。これは場所的には東京湾大華火祭をやっている場所です。ですので、私は花火と関係があるのではないかと思いました。

 花火は、色をつけるための薬品があります。赤がストロンチウム、緑がバリウム、青が銅の化合物、黄色がナトリウム、紫がカリウム、銀がアルミニウム、この粉末が火薬として使われているわけですね。これを24回も行ってきたということで、1万2,000発の花火とすれば、28万8,000発の花火をあの同じ海上で破裂させているわけです。この環境への影響をどう考えているのかお聞かせください。

○濱田地域振興課長
 花火の環境への影響ということでございます。

 もちろん、今、委員がおっしゃったさまざまな物質が花火には使われているということで、全く環境のほうに影響がないということは考えてはございません。ただ、全国的に私どものほうももちろん申請してございますけれども、東京都のしかるべき火薬・電気の消費のところに申請しまして、ある一定規模以上の場合にはこういう措置をとりなさいとか、そういう指導のもとでやっているところでございますので、もちろん環境への影響は全くないとは言いませんけれども、ないとは認識してございます。

 以上でございます。

○志村委員
 都のほうに報告とは、どういう報告なのか。安全性を確認した内容なのか、そのあたりをもう少し詳しくお聞かせいただきたいと思うんです。

 色がついてパーンと破裂した火薬は、煙とかで中国の花火でPM2.5とも言われておりますけれども、煙になりますけれども、結構あれは燃えかすがありますね。花火の直下にいればぱらぱら燃えかすが降ってきますけれども、あれが1発どのぐらいの燃えかす、ごみをつくるかわからないんですけれども、例えば1キロとすると、28万8,000発の花火の破裂で28万8,000キログラム、288トンの花火の燃えかすがこの24回の大華火祭で海に落ちてきているという想定になるわけですね。

 ですから、先ほどの晴海埠頭の海底汚染、これがダイオキシンしかたしか言われていなかったと思うんですけれども、そのほかの有害物質についてはどうだったのか、これをお聞かせいただきたいんですけれども、そういうような大量のごみを晴海埠頭の先に落としていると。それと、やはり海底の汚染、これは無視できない状況だと思うんですけれども、東京都に対しての安全性の報告なり、あと、晴海埠頭の海底で見つかった汚染との関係などについても少し見解をお聞かせください。

○吉田副区長
 東京都の花火のほうの報告は私のほうでは答えません。ダイオキシンの話でございます。実は隅田川河口部の勝どきと築地の間でも、それから晴海運河でも、それぞれダイオキシン自体については検出されております。

 具体的には、戦前・戦後からのさまざまな作業活動の結果として隅田川沿岸の河口部に累積したものでございまして、今日に至って徐々にきれいになっているという状況であります。花火の影響というようなことについては、寡聞にして私は聞いておりません。また、ほとんどの方が聞いていないと思いますので、基本的には隅田川沿岸部の今までの生産活動の結果であると認識しておりますので、その点はぜひ御理解をいただきたいと思います。

○濱田地域振興課長
 東京都への申請内容でございます。

 いわゆる煙火消費の申請というものをしておりまして、安全性に関すること、それから消費に関すること全てを決まった書式の中で御提示しまして申請してございます。具体的には例えば、煙火消費に当たりまして火薬をどこからどう運ぶという経路の問題、それからどこに保管するんだという問題、それからもちろんでございますけれども、その火薬がどういったものでどのぐらいの量なのか、またどう消費するのかということを申請してございます。華火祭で打ち上がった後、朝まで警備員による現場確保を行いまして、日が明けて視界が見通せるようになった段階で、東京都の立ち会いのもとで安全面の検査をさらにしているといった状況でございます。

 以上です。

○志村委員
 そういうことで、因果関係はダイオキシン以外の物質も海底にはあるし、それもどういう因果関係があるかわからないですけれども、実際そういうごみを、燃えかすを発生させていると。それが地面に落ちる場合は清掃できるんですけれども、海の場合は漂ってどこかへ行くか沈殿するというようなことも、我々は、そういう華火祭をする上でのデメリットも生まれているということもきちんと認識しなければならないと思いますし、また環境汚染についても、どこかで調査しなくてはいけないと思っています。

 華火祭に関してなんですけれども、基本計画2013で貫いているのは、先ほどもありましたけれども、健全財政を確保するための区施策の見直しとか、受益者負担について区民の理解を求めていくというものだと思います。ただ、今やるべき受益者負担の適正化のためには、企業の理解を求めるということが必要ではないかと思っております。

 平成18年の東京湾大華火祭実施に伴う経済効果の調査というのを区がやっておりますけれども、ここでいろいろな経済効果が出されてあります。お聞きしたいのは、第1次経済波及効果ということで運輸が出されて、ここで6億8,740万8,890円の経済波及効果、消費増というんですか、これの数字が挙げられているんですけれども、運輸というのは具体的に何か。例えば東京メトロとか都営地下鉄のことを言うのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。

○濱田地域振興課長
 運輸ということであれば、今、委員おっしゃったように、東京メトロですとか、JR、また都バスなどのいわゆる輸送機関への波及効果と認識してございます。

 以上でございます。

○志村委員
 このような地下鉄とかJR、都バスなどからの協賛金というのは、実行委員会にあるんでしょうか。

○濱田地域振興課長
 今言った運送系の事業者からは協賛金はいただいておりません。

 以上です。

○志村委員
 同じく、この経済効果を調査した中には観覧船の消費増も出ております。華火祭実施に伴う観覧船の消費増は、約1億5,000万円という数字が出ております。この観覧船の協賛金は約1,700万円ですね。ですから、大体これの経済効果、華火祭をやったおかげで収入がふえ、ここで言うと、それの約1割、11%ですけれども、それに当たる協賛金を実行委員会に払っております。ですから、運輸関係の企業に屋形船と同じような、そういう程度の協賛金をいただくとすれば単純計算で7,561万5,000円になります。ですから、6億8,740万円の利益をプラスするという中で、協賛金を働きかけるということもできると思うんですけれども、これを今までやったのかどうか。やったのであれば、その反応もお聞かせください。

○濱田地域振興課長
 まず、経済波及効果の考え方でございます。今、委員がおっしゃった6億8,000円でございますが、当日、華火祭に来る方々が電車賃、交通費を使って来る直接的な経費、これも当然含まれますが、そのほか、それによって例えばですけれども、会社が潤って、その会社の利益が従業員の給与に反映されると、そういった間接的な経費も含まれているということで、その総額ということでございます。

 運輸系の事業者に協賛金をというお考えでございますけれども、基本的に私どもが華火祭を開催するに当たりまして、確かに運輸系のほうにそういった形でのお金の流れといいますか、そういうのはあるのは事実でございますけれども、私どもは、やはり安全に皆様が花火を見に来られて、安全に帰っていただくというためには、むしろ運輸系の事業者は協力をお願いする立場でございます。そういった意味からも、今まで協賛金を求めたということはございません。

 以上でございます。

○志村委員
 やはり利益を与えているという観点から見ても、受益者負担ということを言うんであれば、このあたりもちゃんと検討しなければならないと思っております。

 それから、今回出されている資料59の平成24年度(第24回)東京湾大華火祭協賛企業・団体一覧を読みますと、ホテルからの協賛金、これは5社で53万円なんですけれども、これはホテル何とかというものだけで見たんですけれども、見落としがあるのかどうか、ホテルからの協賛金は5社で53万円なのかどうか、お聞かせください。

○濱田地域振興課長
 ホテルからの協賛金でございます。

 私どものほうのさまざまな働きかけによりまして、ホテルとか商業施設から協賛金をいただいておりますけれども、今年度の華火祭ということで申し上げますと、ホテルからの協賛は区内、区外を含めまして8社からいただいていると把握してございます。

 以上でございます。

○志村委員
 これを見ると8社だとしても100万円はいかない状況ですね。

 この経済効果の調査では、大華火祭実施に伴うホテルにおける客室当たりの消費増額は、6万627円だそうです。華火祭近辺のホテルは22あって、客室合計が5,304室だそうです。ですから、この華火祭をやったおかげでプラスになる華火祭実施に伴うホテルにおける消費増額は、3億2,156万6,423円ということになるわけですね。屋形船の方々は、目に見える形で協賛金を払っているようですけれども、受益者負担ということで、屋形船と同じような気持ちで、屋形船と同じように考えれば、ホテル関係から3,537万円以上の協賛金をもらっても、これは数字的にはおかしくないと、経済効果相応の負担をしてもらうということも考えられると思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

○小泉副区長
 協賛金でございますけれども、これは使用料とか、そういったことで徴収しているわけでございません。受益者負担とか、そういう考え方よりも、従前から共産党さんが言われているような、これは協力をお願いする、そういう協賛でありまして、受益者負担という考え方で協賛金を求めているといった考え方は今までございません。その辺、受益者負担の言葉の使い方も若干違うのではないか、そう感じます。

○志村委員
 受益者負担ということで、例えば、今これは華火祭の話ですけれども、福祉とか、社会保障についての受益者負担についてとは、これはまた違うことですから、その点は御理解いただきたいと思います。

 結局この華火祭によって企業が利益を上げているならば、実行委員会自身を全く民間がやればいいわけで、そこにこれまでは区の3億円を超える税金をいろいろな形で投入すると、そういう中でこういう企業が利益を上げてきているというところにゆがみがあると思っているわけです。ですから、区民の税金を使ってやっていくところを、そこに例えば運輸と、またホテルからの協賛金を頂くとすれば合わせて単純に1億円なんですけれども、こういう形で区の財政負担がその分軽くなるわけですから、ここはきちんと見る必要があると思う。

 今までのは、中央区がやる華火祭に企業が金を出すと、それは受注関係も含めて問題が生まれるんではないか、そういう意味です。今回は実際に利益を上げている、それを踏まえて行政負担を軽くするためにお金を出すと、そういう考え方です。ですから、協賛企業が二百幾つありますけれども、華火祭によって利益を上げていないところでも中央区からお願いされれば協賛金を出しましょうというところもあるわけですよね。ですから、今、副区長が言ったような、一緒にするような、そういうごまかしはやめていただきたいと思います。

 そういうことで、今、運輸関係だけではなくて、こういうイベントで利益を上げている企業に、受益者負担という立場でこの大華火祭をさせていこうじゃないかとか、また利益を受けている自治体が実行委員会に参加して、中央区だけに負担をかけるんじゃなくて、みんなでやっていこうじゃないかと、こういうような仕組みを変えていくということが大事ではないかと思っています。

 ですから、結局、区民の税金を1人当たり2,500円ぐらい使ってやる、そういう取り組み、そこでもうけを上げている方たちがそのままになっている。それをしながら区民のサービスなり、また負担増を進めていく、これはやはりおかしいやり方だと私は思っています。

 ですから、この華火祭についても今後の運営のあり方、いろいろな施策の見直しをするんであれば、そのあり方を示す、ちゃんと確定するまでは隔年実施をして、本当に東京湾大華火祭のあり方を検討することが必要だと思います。

 今、日本共産党の区議団が区民アンケートを実施して、全戸配布してから返ってきています。1カ月ぐらいで三百数十戻ってきているんですけれども、この東京湾大華火祭については、毎年続けてほしいが26%、やめてほしいが31%、1年置きにしてほしいが34%ということで、やめてほしいと、あと1年置きにしてほしい、これを合わせると65%になるんですね。こういう区民の意向から見ても、私はやめろとは言わないので、この隔年実施を検討すべきだと思うんですけれども、その点もお聞かせください。

○浅沼区民部長
 東京湾大華火祭についてでございます。

 隔年実施というお話でございます。隔年実施という御要望につきましては、従来よりお答えをさせていただいてございまして、経済的な効果でございますとか、それから本区の魅力の向上でございます。また、一昨年、残念ながら中止をいたしましたときにも、多くの方から毎年やってほしいというお声をいただいたということでお答えをさせていただいてございます。

 そういうことで、区の負担がなるべく少なくなるようにということで、委員がおっしゃるような企業さん等も含めて、毎年多くの協賛をいただけるように働きかけをさせていただいてございますので、これからも多くの企業さんから御協賛をいただきながら、毎年開催してまいりたいと考えてございます。

 以上です。

○志村委員
 多くの企業さんの中でも、利益を上げているところからは、ちゃんと説得して、協賛金とは言うんですけれども、いろいろ事情も話しながら努力もしていただきたいと思います。

 次は、先行営業施設に関してです。先日、首都高速の環状線から首都高速晴海線の計画を東京都が調査して、5年間でできるという報告書があるというやりとりの中で、吉田副区長から不安をあおるなというような発言が私に対してありました。私はあおっているわけではなくて、不安を質問したわけです。そういうことで、不安を払拭させるような明確な答弁をいただきたいんですけれども、先行営業施設の下を、この計画のとおりだと首都高速晴海線が通ることになるんですけれども、今、東京都と協議をしていると思います。その中で、この首都高速晴海線の地下は、先行営業施設をつくっても、その下はつくらないという、そういう確約はとれているのかどうか、お聞かせください。

○吉田副区長
 首都高速晴海線の地下部分と言っている、晴海から築地に至る区域の部分については、基本的にはつくれない状況に今なっています。実はこれは御案内のとおり、私どもは再三、東京都のほうには都市計画線が入っております関係だけで建築制限がかかっておりますので、ここの都市計画を何とかとってくれよという話をさせていただいているところでございます。

 ただし、東京都というのはなかなか困ったところでございまして、基本的には1回定めた都市計画については、現実の問題として見通しが立っていないにもかかわらず、それを消すというようなことはなかなかしにくいんだよねという話で、ずっと中途になっているところでございまして、そういう形での交渉をさせていただいているところでございます。

○志村委員
 先行営業施設をつくるということは、東京都も知っていると。そこの下には計画があると。でも先行営業施設をつくってもいいですよということは、この下はそういう計画が今あっても、つくれないんですよというようなことを東京都がしっかり言ってくれているのか、そのあたりはどうなんですかね。

○吉田副区長
 先ほど答弁したように、私どもとしては都市計画をやめてくれと申し上げておりますが、東京都はそういう部分において、消すというのはちょっとというような状況でとどまっておるわけでございます。東京都が確約をしてくれたとか、何かと申し上げるつもりはございませんけれども、事実上、建設は不可能であると考えております。

○志村委員
 結局、吉田副区長が考えておりますということにならざるを得ないんですよね。実際、都はこういう形で調べてしまっているわけですから、やはり不安は払拭できないですね。

 あと、委員会でも何回か質問して、はっきりしなかったんです。きょうははっきりさせていただきたいんですけれども、この施設の手続的な問題なんですけれども、総合食料局長の通達があります。中央卸売市場における業務運営についてと。この中で兼業、仲卸をやりながら小売をやる兼業についてとか、ずっとあるんですけれども、この中で施設についてこうあります。卸売業者及び仲卸業者による法第15条第1項、または第33条第2項の許可にかかわる取り扱い品目の部類に属する物品(許可物品というこの項において同じ)の開設区域内での販売は、市場における取引秩序を維持するため」、だから市場の中で扱っている物品ですね。これを開設区域内で販売することについては、市場における取引秩序を維持するため、中略ですけれども、市場取引委員会の関与のもと、開設者への届け出、または承認を得た上で行うものとするということです。ということで、この先行営業施設については、開設者への届け出、または承認を得た上で行う施設だと私は思うんですけれども、その点の見解はいかがですか。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 卸売業と今度先行営業施設で扱います小売業との関係の卸売業の適正な業務についての都の指導ということでの御質問だと思いますけれども、中央区が先行営業施設の中で募集をします方々というのは、築地市場で仲卸の経験のある方に先行営業施設で小売の商売をやっていただきたいという募集をいたします。ですので、先行営業施設の中で行われる事業は小売の事業だと考えておりまして、仲卸業さんが仲卸業さんの形のまま小売業をされるということは、基本的には想定していないところでございます。委員お話しの保管であるとか、そういった運営については、仲卸業を所管します市場の開設者である東京都のほうで適切な指導が行われるべきものと考えてございます。

 以上です。

○志村委員
 東京都のほうから行われるべきものと。今、先行営業施設をつくるんですよね。その中でいろいろな法的とか、通達を含めて言われている。それは指導を受けるべきものという、ちょっと意味が、理由がわからない、都が指導を誰にするのか。例えば今みたいなことですと、先行営業施設というのは、今、区が考えているのは開設者への届け出も、また承認も要らない施設だという認識なのか。まずそれをはっきりさせてくださいね。

 それと、保管場所が今出ましたけれども、この保管場所も、この通達の中では、卸売業者及び仲卸業者の市場外での販売行為は兼業業務に該当するが、兼業業務に係る物品を市場内で保管等することは、本業である卸売業務を行うこととして整備した市場施設本来の目的に照らし、不適当な行為であることから、市場外での販売行為を兼業業務として営む場合は、市場外に拠点を設けて行うよう指導するということですね。ですから、先行営業施設で販売しようという仲卸が豊洲に店を出したときに、その品物の保管を豊洲の市場の中でやってはいけませんよと、きちんと豊洲以外の場所で保管をしなくちゃいけませんよという、そういう指導がもう文書としてあるわけですね。だから、都から指導を受ける前に、先行営業施設を計画しようとすれば、そういう保管場所もどうするのかというのがセットでなければ、指導を受けてから、では、そういう保管場所のない人は出せませんよとなっちゃうと、この計画自体もおかしくなってしまうと思うんですけれども、その点はいかがですか。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 まず、先行営業施設の位置づけにつきましては、卸売市場ではございませんので東京都に届け出る必要がございません。それから次に、先行営業施設は卸売市場ではないということは、小売の市場なわけですけれども、その営業に必要な保管場所も含めた機能を、今まさに設計を進めているということでございます。

 最後に、仲卸さんも含めて、卸売業の業務が適正に行われているかどうかの指導については、中央区ではなくて、東京都のほうで所管すべき事項だということでございます。

 以上です。

○志村委員
 その指導のところはわかりました。

 施設をつくるという意味では、出されている通達と法的なものも含めて、しっかりクリアしていかなくてはいけないということで確認させていただきました。保管場所は本当に大変だと思うんですね、施設でどうするかは。今、検討していると思うんですけれども。

 この施設については、東卸の理事長が移転を進めましょうという理事長にかわってから、先行営業施設は容認できないというような発言をされました。今、東卸ですね。水産の仲卸の協同組合の方たちは、日刊食料新聞の3月19日号を見ますと、移転に向けての意向調査で、本当に今大変だということです。とにかく移転する事業所の数を決めると。来年度中には店舗の抽せんをする必要があるというようなこと。そういう中で転売業をする人への支援、これをどうしていくのかということで、大変な状況だそうです。

 そういう中で、この先行営業施設は容認できないという発言もあったんですけれども、では、これを容認するための条件ですね。こういうのはどういうものが示されているんでしょうか。

○吉田副区長
 委員会でもお話ししましたけれども、容認できない発言があった後、私どもは東卸の理事長と直接お会いして、お話しをさせていただきました。当然あちらの移転というお立場に立つ東卸の理事長としては、容認できないということは容認できないんでしょうけれども、私どもは私どもとして、築地のにぎわいを維持するためにはこの施設をつくらなければならないということでございますから、別に東卸に容認していただかなくても、つくるものはつくりますよとお話をさせていただきまして、にっこり笑って別れたところでございます。

○志村委員
 この間の委員会の答弁と同じなので、容認しないままにっこり別れて、東卸に入っている仲卸の方々たちが、もし容認しないまま平行線になった場合、この先行営業施設に店舗を出すことができるのかどうか。また、募集を来年度に入ったらかけると言うんですけれども、そういう中で応募ができるような、そういう条件があるのかどうか、いかがでしょう。

○吉田副区長
 東卸という組合は、ここに入っている仲卸のお店の今後の経営のあり方まで全部含めて縛りをかけるような団体ではございませんし、私どもが先行営業施設についてお話をさせていただいている中でも、そういうことを含めて、私どもに出店をしたいという方は仲卸の方でたくさんいらっしゃいます。それは当然というよりも、むしろ何にもその部分では特に心配はしておりません。

○志村委員
 鮮魚マーケットや先行営業施設は、当初は豊洲に行けない仲卸の方たちに、ここで頑張ってもらおうではないかと、それがスタートだと思っているんですけれども、それがいろいろな中で、力のある店でなくてはという流れの中で、豊洲に出す仲卸でも、できたらそのほうがいいのではないかという流れの中で、今みたいな東卸とのハレーションといいますか、そういうのが起きていると思っております。ですから、本当に足並みそろえてこの計画が進んでいるとは言えない状況を今確認させていただきました。

 勝どき門駐車場は、本当はリフォームが必要だと思うんですけれども、今回この先行営業施設で二十数億円、今回というのは全体ですけれども、勝どき門駐車場のリフォームというのは、その中に含まれているのか。また、今のまま使うというよりも、この経費というのをどう見積もっているのかお聞かせください。

○吉田副区長
 誤解のないように申し上げますけれども、これはむしろこの鮮魚マーケットの性格にかかわりますから、この辺は御理解いただきたいと思います。私どもは特定の業種の特定の店を救済するために行政的な処置を行っているわけではなくて、この先行営業施設については、当初から築地のにぎわいを絶やさないためにやっているので、築地という私どもの区の中の商業地域の中でも、とりわけへそとも言うべき商業地域の陥没を防ぎたい、むしろ今まで以上に発展させたい、そういう願いを持って施設をやっております。当初からそういう流れでございますので、その点を御理解いただきたいと思います。

 それから、今、御質問にございました勝どき門駐車場についてでございます。

 これについては、基本的には、今、私ども予算案で出させていただいております二十数億円のお金につきましては、先行営業施設の建設費でございます。勝どき門駐車場の部分等につきましては、具体的に東京都は協力をすると言っておりますけれども、実態的には土地を貸し付けるということについては、当然のことながら有償だと思います。基本的には定期借地というような形で話を進めなきゃならんと思っております。これらの部分をどうリフォームして、リフォームする経費をどう捻出するか、さらに借りている地代とか、賃料というものについては、どう負担すべきかということも十分検討して、それらについて私ども区の負担にならないように、現実の問題として検討を進めているという状況でございます。

○志村委員
 場外の方からは、運営主体について都市整備公社が勝どき門駐車場を、また先行営業施設の運営主体もはっきりしていなんですけれども、今、駐車場を管理している都市整備公社ということも言われていますが、運営主体については、都市整備公社を想定されているのかどうか、いかがですか。

○吉田副区長
 都市整備公社も含めて検討中でございます。

○志村委員
 区の財政負担ということが大変重要になっていると思います。健全財政という中で、やはりしっかり見ていかなくちゃいけないと思っています。

 あと、豊洲新市場の開場がおくれて、それでも先行営業施設は大体予定どおり進めているということですけれども、この豊洲新市場の開場がまたおくれる可能性もあるわけですが、そのずれですね。先行営業施設の営業開始と豊洲の新市場の開場のずれ、この期間の維持管理というのをどう考えていらっしゃるのか。そのあたりはいかがですか。

○吉田副区長
 いずれにしても、この日程の調整については、1年延びたということなんですが、これらについても、実は詳細の部分についてはすり合わせを相当必要とすると思っております。

 当然のことですが、あれだけの大規模施設の移転でございますので、実態的には、1日で、その日で引っ越しが済みましたということはないんですよ。また、現実の問題としてその部分について、例えば変な話ですが、仮に4月1日だとして、それこそ3月31日の12時から、いろいろカラーコーンを立てて整理しなきゃならないような話も山ほどあると思う。実際に落ちついてきて、例えば4月1日から6カ月たった後で、どう市場のところが使えるかというようなことについても、これは相当調整をしなきゃいけない事項でございます。これらについて、つまり何段階かの時間収差の中で、どういう管理とどういう流れをつくるべきかということについても、詳細に検討する必要があるし、また東京都とも交渉する必要があると思っております。

 その前段階を含めて、私どもが1年延びたにもかかわらず今年度やらせていただきたいと思っておりますのは、基本的にはそういうかみ合わせの部分が課題としてございますから、現物ができ上がった上で、ある種の手直しとか、実態的には入居者の方々からの御希望を聞きながら動線的な整理をするとか、そういったものが必要だから、我々としては1年延びても今年度はやはり着工しておこうと考えているところでございます。その上で、その時点においては、今、検討している管理主体を含めて、区のほうでその施設を管理するということになると思っております。

○志村委員
 区の財政負担ということがどれぐらいの規模になるのかというのも、しっかり出さなければならないと思います。

 鮮魚マーケット構想とか、にぎわい施設の構想とかがありますけれども、先ほど、築地市場の跡地の文化的な提案を都にしたいということがありましたけれども、中央区が正門から半分使ったにぎわい施設、その構想のことを文化的提案と指しているのか、その点をお聞かせいただきたい。あと、基本計画2013、これから10年でいろいろな施設整備をしなくちゃならないと言われる中で、この築地市場の跡地を半分使った当初の鮮魚マーケット構想とか、そういう施設は、この施設整備の計画の中に入っているかどうか、その点もお聞かせください。

○吉田副区長
 まず、公共投資の部分でございますが、今回、予算でお願いしております23億円についても、基本的には使用料として、どのぐらいの年数で回収するかは別でございますけれども、23億円については私どもは回収をきちんとさせていただきたいと思っております。これは垂れ流しではございませんので、御理解をいただきたいと思います。必ず回収させていただきます。

 それから、その後にかかるいわゆる管理経費でございますとか、それから、今、話題になりました勝どき門駐車場周辺のリフォームであったり、そこを使用する賃料の問題などにつきましても、使用料として回収する対象でございますので、回収がどのぐらいのピッチで行われるかということについては、当然いろいろ議論はあろうかと思いますが、区民の税金を使って築地だけに何かをやっちゃうんだよなという話ではございませんので、その点はぜひ御理解をいただきたいと思います。

 それから、基本的には私どもとしては、やはり築地市場の跡地について7万坪全体を指しております。7万坪全体について、私どもは、文化とかスポーツのコンプレックスの中で一体的な土地利用が行われることが、やはり望ましいと考えております。切り売りされるべきではないと思っておりまして、その部分がこれからの21世紀後半の日本のある意味で新しい象徴となるような施設づくりが行われることが望ましいと思っております。その際に、基本的にでございますけれども、その辺はちょっと文化感が違うかもしれませんが、相当立派なものがある文化的な施設を何かつくったとして、そのそばに場外市場がある、つまり場外市場のああいう人間くさい空間と文化的な空間とが一緒に同居することが、むしろ日本的だということで表現されるべき空間だろうと私どもは思っております。そういう意味で申しますと、7万坪を総合的に文化的に活用した場合に、その部分の場外市場側については、もちろん地域の還元としてある種のマーケット的な整備であるとか、荷さばき的な整備とかが行われることが望ましいと考えておりまして、その部分には、むしろ税金を投与するよりも開発事業体の地域貢献としてそういうものができるように指導していくべきだろうと考えております。

○志村委員
 ということは、一応この基本計画などで示されている施設整備の中には入っていないということでよろしいですね。

○吉田副区長
 もちろん入っておりません。

○志村委員
 税金をつぎ込むだけではなくて、ちゃんと回収するんだという確認もとれましたので、次に行きます。

 豊洲の新市場の建設計画ですね。土壌汚染対策工事の工期が約1年ですね。最長で1年と言っているんですが、どの程度になるのかわかりませんけれども、汚染土壌が当初の28万立米から41万立米に増加したというのが1つの要因にもなっています。

 有楽町層、不透水層、その下は汚染しているよと。有楽町層が断続して、本当につながっているところはないんだよと、あちこちで穴があいているんだよということで、下も汚れているんだとずっと言っていたんですけれども、それを否定しながら、もし工事して出てくれば対策をとりますというようなことで都は逃げてきました。中央区の答弁もそういう状況でしたね。都の答弁そのままだったんですけれども、3月18日付の日刊食料新聞では、3月15日の東京都議会経済・港湾委員会で、都が底面管理で確定する汚染土壌の量について、当初算定に含んでいなかったということを認めたんですね。ですから、削りながら出てくれば対策をとるよと言っても、全然それも想定していなかったというようなことでした。技術会議の試算では、確定している分のみを対象に処理土量を算定したわけです。385カ所で実施した底面管理調査で増加する分は対象に含んでいなかったというような、本当にその場しのぎのやり方で、できるだけ量が少ない、経費も少ないという形で見積もってきてしまったわけです。それが今、豊洲の新市場の整備計画全体で4,500億円もかかるような、そういうような計画に今膨れ上がって、これもこの先どうなるかわからない状況もあります。

 それから、6街区というのが一番汚染も大変なところだったんですけれども、そこの底面管理調査はやられていないんですよね。この6街区については、5街区、7街区での調査結果をもとに検討しているという、こういう答弁もこの3月15日の都議会の委員会で答弁をしているという、本当にずさんな計画になっているわけです。

 今まで水を通さない、汚染物質を通さないと言っていた有楽町層の中も汚染して、その下も汚染しているという状況で、完全な浄化は無理だという、これは誰が考えてもそう思います。都は、いや、できると、また汚れたのが出てくればきれいにしますと言っているんですけれども、流動しているということは、今回200メーター離れた東京ガスと港湾局が土地を交換したその場所で、以前は数値が低かったシアンがまた高く出た。これはやはり地下水の流動による汚染も考えられるわけです。だから、豊洲の場所が、大変都の言うことが信じられないぐらいにいいかげんであると、汚染を浄化するのも本当に不可能に近いというような私は認識を持つんですけれども、区としてはどのような認識をお持ちですか。

○中島企画部長
 底面管理調査の結果、都の土壌汚染対策についてでございますけれども、平成21年の技術会議におきましても、不透水層内に汚染物質が存在する可能性は否定しておらず、この底面管理調査の実施により、その対象範囲を確定することとしておりました。

 都は、昨年9月に公表いたしましたこの調査結果に基づきまして、不透水層内での対象範囲を確定したので、確認した汚染物質は確実に除去するとしておりまして、土壌汚染対策の前提が崩れたという認識は持っていないとのことでございます。

 本区は、この新市場予定地の土壌汚染が、都の責任におきまして確実に処理され、無害化されることを前提といたしまして、市場移転後のまちづくりを進めているわけでございます。都はこの調査結果を受けまして、土壌汚染対策工事を確実に実施し、市場予定地の安全・安心の確保に万全を期すとしておりますことから、これをもってやはり都との合意、これは守られているものと考えております。私どもといたしましては、今後とも都の責任において無害化されるよう注視してまいりますとともに、都には引き続き区や関係者への十分な説明と情報提供を求めてまいりたい、かように考えているところでございます。

○志村委員
 結局、技術会議で汚染している可能性はあるとしながらも、そこでの試算ではそれを外して進めてきたんですよね、予算も工事のやり方も含めて。だから、今、部長がおっしゃるように、確かに汚染の可能性もあるけれども、それは工事しながら出てきたら対応しましょうという、結局、見切り発車だったわけなんですよ。だから予算が、土壌汚染の対策費がどんどん膨らんできているということですから、これはやはり、そのときを乗り切るためにやってきた都のやり方、これが私は問題だと思っています。これから注視するということでもありますけれども、本当に専門家の方たちの意見も聞きながら、この土壌汚染の問題については、注視だけでなくて、チェックしていくことが大事だと思っております。

 それからあと認識ですけれども、豊洲の新市場の設計ですね。これに対して市場関係者から批判が出て、一部ではまたやり直しではないのかという声も出ているんですけれども、その点の認識はいかがですか。それから千客万来施設、これについても具体的な内容も決まっていないという状況ですけれども、これらの進捗状況についての認識をお聞かせください。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 豊洲新市場施設の設計の状況ということでございますけれども、東京都は、業界団体とさまざまな協議・調整を進めながら、本年度の予算で設計を進めているということでございます。業界団体からさまざまな御要望が出ていまして、それを反映させるべく現在設計の最終段階で詰めを行っていると聞いているところでございます。また、千客万来施設につきましては、先般、事業の募集の方針が11月に出されているところでございますけれども、移転のスケジュールは、平成27年度の移転というところで、去る1月にスケジュールが新たに示されましたけれども、施設の設計・建設工事も含めまして、それに合わせて進められていくものと認識してございます。

 以上です。

○志村委員
 このようにずっと見てみますと、豊洲の新市場計画は、全てがうまくいっていないと思います。

 日本共産党の区民アンケートを先ほども若干紹介しましたけれども、これで築地市場の問題では、移転賛成は13%、反対は57%、どちらでもないが25%ということです。ですので、区民の意向も尊重する、また今の豊洲の状況なども鑑みれば、区は現在地再整備に立ち戻るべきだということを重ねて要望いたします。

 次は、いじめと体罰の問題です。

 資料162で、この数字がありながら、いじめは前年度と変わりませんと指導室長がお話ししました。平成23年度が8件で、平成24年度は2月28日現在で19件ということで、前年度と変わらない中で数字がこれだけ変化するということは、いじめの認定が変わったためなのかどうか。それと、平成24年度は大津市のいじめなどが問題となって、子供たちも教師も胸を痛めている時期だと思います。こういう時期なのに、本当だったら、いじめは減少してもいいはずなんですけれども、減らない、前年度と変わらない、このことについてはどのような認識をお持ちですか。

○増田指導室長
 いじめ発生件数の数の変化についてでございます。ここ数年の状況でございますけれども、そこに数を示させていただいておりますけれども、私どもとしては大きく変化しているとは捉えてございません。

 本年度につきましては、東京都、国を初め途中で調査をかけていくということでやっておりますけれども、今回、滋賀県大津市の痛ましい事件があったということの中で、やはり学校としてもいじめということについて、きめ細やかにつぶさに見て、子供たちが、これはいじめと認識しているものについては、できるだけ細かに拾い上げて、それに対応していくというようなことの中でやってきているところでございます。

 ということで、いじめの数は、確かに昨年度に比べますと小学校は倍以上の数になってございますけれども、そういったことでいじめが多発しているということではないかなと。ただ、いじめの捉え方というのは非常に難しい部分がございまして、それをどのように酌み上げていくか、その部分の違いということで、この数が多くなってきていると認識しているところでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 本当に大変難しいと思います。

 ちょっとお聞きしたいのは、生徒間のけんかとかトラブル、それといじめの違いをどのように認識しているのか。それから、けんかとかトラブルへの学校の基本的な対応というのはどういうものなのかお聞かせください。

○増田指導室長
 トラブルといじめの捉え方をどう変えていくかということでございますけれども、今回上がっているいじめの内容として主なものとしては、悪口でありますとか、からかい、仲間外れ、無視とか、あるいは遊ぶふりをして、たたいたり、蹴ったりというようなことが内容として挙げられているところでございます。

 いじめは、いじめられている子供のほうがいじめられているという認識を持った場合には、やはりこれはいじめと認識していくということで捉えるべきかと思っております。トラブルからいじめ、この辺が非常に区分けがしにくいところでございますけれども、トラブルの場合には、双方にやはり行き違いでありますとか、トラブルの原因になる部分がありますので、話し合いの中ではやはり双方が反省をしていかなければいけない部分があるということで、子供たちもそれを認識していくところでございます。やはりいじめの場合には、子供のほうはいじめられているという感覚を持つわけですので、そういった意味では強い、弱いというところの関係が、やはり弱い者のほうに一方的に作用が働いているという部分があるかなと考えてございます。

 以上でございます。

○志村委員
 いじめられていると認識する場合ということを今言われましたけれども、生徒同士ではなくて、生徒が先生にいじめられているという認識を持つ場合もあるんですね。

 私は、中学校3年生の不登校の方から相談を受けて、その生徒さんと話をする中で、先生にいじめられているという認識を持ってしまうんですね。それで、例えばですけれども、作文みたいなところで映画を見たと書いたら、先生に、何の映画を見たかちゃんと書きなさいと。友達と遊んだと書いたら、友達とどんな遊びをしたのか書きなさいということで、その生徒にとってみたら、すごく自分が監視されている、いろいろ言われていじめられているような認識を持って不登校になってしまったというのが、その生徒の話です。

 その先生ではないんですけれども、別の先生に、こういう事例があるんだけれどもと相談したら、先生の立場から言うと、ただ映画を見ただけじゃちょっと不十分だから、何の映画を見たのか書きなさいとか、何をして遊んだのか書きないさいと、先生だったらそう言うんじゃないかという、そういうことも言われて、ですから、どうしたらいいのかというのは本当に難しい問題になると思いました。その子のことについては、いろいろな方、学校の関係者も含めてという形で、自分の希望する高校に合格できたという意味では結果はよかったんですけれども、先生と生徒の間でも大変なことが起きているのかなと。そのクラスは不登校の子が、その生徒の話だとふえていると。確かに客観的に調べたらふえているみたいなんですけれども、そういう事例もあります。

 先生というのは本当に大変です。生徒の性格とか日常的な生徒同士の人間関係、これを教師が把握できていれば、ちょっとしたトラブルといじめの違いとか、そういう区別ができる可能性は高いんですけれども、そういう力ですね。教師が生徒たちに目配りしたり、また変化を感じ取れる感性とか、生徒たちの集団を洞察する力量とか、あと家庭訪問で生徒の暮らしの背景をつかめる教師のセンスとか、そういうのも問われている。だから、これは教師1人だけの努力では、やはり限界があると。いろいろな経験、そして教員の集団の中で学んでいくものでもあるとも言われています。

 教師間の信頼関係、また職員室での自由な議論、そういう環境が整っているのかどうか、こういうことも見なくてはいけないと思います。また、子供の悩みとか苦しみ、こういうのを理解とか、共感を通じて教員と生徒との信頼関係を築かなければ指導というのは成り立たないと思います。そのようなことができる環境整備、これを意識的に進めているのかどうか、教師間での環境整備、また生徒と教員との環境整備はどういう状況になっているのかお聞かせください。

○増田指導室長
 やはり子供たちのいじめのことも含めまして、生活指導に当たるということに関しては、教員がいかに子供たち一人一人を十分理解して進めていくかということが大変重要であると思っております。

 それとともに、担任教師1人がその担当の子供1人の指導に当たるのではなくて、学校がやはり組織としてその指導に当たっていく、同じ学年の教員もそうですし、それから生活指導の担当の者もおりますし、管理職もおります。またさらに、スクールカウンセラーと外部から専門職として入っている者もいるわけで、そこでいかに指導の方向性について情報を共有し合うか、その点については大変重要なことであると認識しております。学校も特に組織対応を進めていくということで、今、特にその点を重視して取り組みを進めているところでございます。その中で子供の悩みとか苦しみ、こういったことを教師との信頼関係で酌み取っていく、この点についてもいかに信頼関係をつくり出すか。

 先ほど委員御指摘の事例がございましたけれども、やはり同じことを1つとっても、子供たち一人一人の受けとめは違っておりますし、その指導について、こういうことだからこうやるのがいいんだよとかということで、一人一人に丁寧な指導を進めていくということが重要になってくると思います。各学校はその信頼関係づくりについても個人面談、そのほか機会を捉えて、十分力を入れて取り組んでいるところでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 みんなの力でなければ解決できない問題でもありますし、努力もよろしくお願いします。

 またあと、いじめを受けた子がシェルターとして逃げられる保健室の役割は大変重要だと思います。ですから、大規模な学校であれば1カ所ではなくて2カ所つくる、養護教員の方を2人でも配置できればいいんですけれども、そういうようなことも必要だと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

○増田指導室長
 校内における子供たちのシェルターの役目を果たす場所の問題でございます。保健室はさることながら、教育相談室ということで、カウンセラー、専任教育相談員、それから中学校の場合は心の教室相談員というのもおりますけれども、専門職がそういう場所で相談に乗る、あるいは、そこで勉強を進めるというようなこともできるようになっておりますので、保健室のみならず、複数のそういった場所を設けながら、子供たち一人一人のニーズに対応している状況でございます。

 以上でございます。

○志村委員
 命を守るという意味では、すぐぱっと逃げられる場所が学校の中に存在していく、そういう場所がみんなの中に、生徒たち、児童の中に自覚できるような、そういう雰囲気もつくっていただきたいと思います。

 次、体罰の問題なんですけれども、部活になるんですかね。桑田真澄さんが体罰には大変批判的で、桑田さんがプロ野球選手と東京六大学の野球部員約550人に行ったアンケート調査では、体罰が必要とか、時として必要と答えた人は83%だったそうです。外部指導員の方とか、また教員の中で、今、体罰が必要とか、時として必要と考えている方の割合というのは、どの程度と推測されるでしょうか。

○増田指導室長
 体罰につきましては、実態調査を実施しておりますけれども、その中でそういうような意識調査は実施をしてございません。ですから、それについて例えば外部指導員がどのような考えを持っているかということについては、ここで申し上げることができませんけれども、やはり部活動というのは、部活動スポーツでございますけれども、学校の中で非常に子供たちの個性を伸ばしていく、あるいは、いろいろな意味で力をつけていくということの中では、重要な教育活動と思っているところでございます。

 学校としても、やはり子供たちの意欲を引き出して力を伸ばすための部活動ということで、教員もそのことに意識を置いて取り組んでいるところでございますし、外部指導員については、外部指導員が指導するということではなくて、顧問教諭の監督のもとに外部指導員が専門的な指導にかかわるということでございますので、そのあたりはやはり学校の部活動ということの中で、子供たちの声をよく聞きながら無理のない目標を設定して、成長を正当に評価しながら行っていく、これを進めていくべきだと考えておりますし、各学校もその考えのもとに進めていると認識してございます。

 以上でございます。

○志村委員
 スポーツにおける指導者とか上級生からの暴力とか、あと、よく水を飲むなと、スポーツのとき、私も野球部にいたんですけれども、水を飲ませてもらえなくて、終わった後に飲んだという体験があるんですけれども、これは帝国陸軍の名残だそうですね。

 帝国陸軍は、日露戦争の教訓から、どんな理不尽な命令であっても必ず従う強い兵士とするために、日常的に理不尽な上官の命令に従う訓練をさせたそうです。上官の私的制裁、初年兵教育もその一環だそうです。水を飲むなというのも、陸軍戸山学校での、飲水するときは意志薄弱なるという無水行軍研究などの帝国陸軍の成果が根にあるそうですね。これらの帝国陸軍の手法が学校教育に導入され、戦後も残ってしまったということです。ですから、今もよくテレビでもありますけれども、スポーツの選手で体罰を受けて、おかげで強くなれたとか、気合いが入ったと言う人がいるんですけれども、そういう人は暴力を肯定しているので、自分が指導者になったときに暴力による指導が連鎖する可能性が高くなると言われています。

 暴力はだめだと思っても、どう指導していいかわからず、手を上げてしまうケースもあるということです。これを是正し、正しい方法を取得してもらうということが必要だということですけれども、学校の中での部活動などでは、こういう点についてはどのような努力をされているでしょうか。

○増田指導室長
 部活動での適正な指導の教員に対する周知ということでございます。これにつきましては、管理職が日常的に部活動が行われているところを、状況をやはりよく見て、そのあたりの指導が適切に行われているか、先ほど事例で挙がりましたけれども、水を飲むなというようなことは、今は熱中症対策の中では絶対行ってはいけないということで、大体各個人で飲み物を持ってきている、あるいは部活によっては汗をたくさんかくところは、そばにウオータークーラーが置いてあって、すぐそこに行って水分補給をするということの中で、かなり科学的な意味で指導が進められてきております。特に生徒の状態といいますか、実態に合った指導方法であるかどうか、そういったところについては、学校の中でも顧問がお互いの指導の様子を見ながら、教員も情報交換を行っているところでございますし、管理職もそれが適切に行われているかどうかということを、各顧問の教員に対して日常的に指導しているということで、子供たちの健全な活動を担保しているという状況でございます。

○志村委員
 今の指導室長のお話を聞けば、中央区では体罰は起きていないと確信できるかなと思います。スポーツの根本には自発性がありますから、やはり体罰とか暴力が入り込んだ時点でスポーツではなくなるとも言われています。指導者も選手も、言葉の暴力も含めてあらゆる暴力を認めない、そういうことが必要だと思っております。

 時間の関係で教育に来てしまったので、次は敬老館のほうに戻ると言っては変ですけれども、桜川敬老館が本の森ちゅうおうのほうに移転というんですか、行く予定ですけれども、まず、桜川敬老館を移転した後の施設計画というのはどういうものなのか。近くの人はどうしても、桜川敬老館が近かったので足しげく通っていたんですけれども、新大橋通りを越すとなかなか大変だということで、近場にサロンみたいなものが欲しいなという、そういう声も区の方も聞いていると思うんですけれども、そういう要望などを反映した中身になるのかどうか。それから本の森ちゅうおうのほうでの敬老館、いきいき桜川の内容というものは、どう考えているのか、今、利用している方たちの意向にどう配慮して、今、計画を進めているのかお聞かせください。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 まず、私のほうからは、桜川敬老館の移転の後の計画ということでお話しさせていただきます。

 本の森ちゅうおう計画に伴いまして、桜川敬老館でありますとか、それから郷土天文館、さまざまな施設にあきが出てございます。それの跡利用につきましては、区民ニーズ、施設需要それぞれを見きわめながら具体的に検討してまいりますが、例えばということでございますが、今、桜川敬老館の跡につきましては、非常に地域のニーズの高い特別養護老人ホームの整備などを中心に考えていきたいと考えているところでございます。

 以上です。

○小林高齢者福祉課長
 労働スクエア跡地のほうに移転した後での運営なんですけれども、敬老館につきましては、現状でも60代の方から本当に100歳近くの方まで御利用されているといったような状況がございます。

 そういった中では、当然、今まで利用されている方も同じくまた利用していただきたいということで、特に例えば高齢者の方の中でも、高年齢な方のために浴室であったり、リラックスできるような専用スペース、こういったものも設けます。また一方で、やはり現状、今、敬老館、いきいき館でもそうなんですけれども、やはり生きがいづくりとか健康づくり、こういったものにもかなり力を入れておりますので、今後は図書館、あるいは生涯学習施設のほうとも併設という形になりますので、そこの部分とも連携しながら、より活発にそういった活動も行っていきたいと考えているところでございます。

○志村委員
 本の森ちゅうおうのほうに行って、今まで利用していた方たちが、敬老館が消えちゃったという、溶け込んじゃって、別に縄張りとかそういうのではないんだけれども、大事にされなくなっちゃったと思わないような工夫というんですか。行って、この広いスペースがいきいき館なんだという、そこに多年代の方たちがという、そのあたりの配慮というのはどんな工夫というか、考えているのかお聞かせいただきたいんですけれども。

○小林高齢者福祉課長
 労働スクエア跡地のほうに移転した場合につきましては、確かに専用スペースという意味では、浴室、あるいはリラックススペース、こういった部分に限定されますけれども、それ以外の生きがいづくり、健康づくりを行う講座系の部分については、共用という形になりますが、一般的にその中でもいきいき館の利用者が主に使われる部分とか、そういったような部分もつくっております。また、いろいろなホワイエとか共同のスペースもございますし、前回の決算特別委員会でも申しましたけれども、まさに高齢者の方にどんどん来ていただいて、全体を占領していただくぐらい来ていただきたい、それぐらいの気持ちでおります。それだけいらっしゃれば、また皆さんも来やすいんじゃないのかなという部分もございますので、よく御説明等もしながら取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。

○志村委員
 占領するぐらい来るというのは、結構口コミが大事だ。いいところだよ、いいところだよと。ですから、口コミ次第になるので、やはりいい施設をつくっていただきたい。ですから、ソフト面にもなる可能性がありますし、レイアウトとかにもなると思うんですけれども、ぜひ、きめ細かく利用者の方たちの声も聞きながら、みんなでつくったんだという、みんなの声を反映した施設になったんだという、そのようなこともちょっと頭の隅に入れていただきたいと思います。

 あと、本の森ちゅうおうなんですけれども、年間の維持費とか管理費をどのように考えているのか。これから結構立派な建物になりそうなんですけれども、その点はどのように想定しているのかお聞かせください。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 本の森ちゅうおう、非常に大規模な建物ということでございまして、現在、施設の実施設計を進めているところでございます。この実施設計を完成させながら、施設の維持・管理経費がどれぐらいになるのか、これをできる限り縮減するような設計に努めるということも前提でございますけれども、どのようなコストがかかってきて、運営方法はそれに対応してどのような方法がいいだろうか、そういったことをトータルで考えていきたいと思ってございます。

 以上です。

○志村委員
 やはり先々のことまで考えているとは思うんですけれども、維持・管理が大変重要になると思いますので、そういうことも踏まえながら、現在の計画を負担が大きくならないような、そういう計画を進めていただきたいと思います。

 それから、学校図書館の話ですけれども、本を読むというのは大切だという議論もこの委員会でされました。そういう意味で、学校の図書館への司書ですね。専任の司書を全学校に配置する必要があると思うんですけれども、その点の見解はいかがでしょうか。

○増田指導室長
 学校図書館の指導員でございますけれども、本区の場合には年間350時間ということで、週に1回1日5時間程度、各学校に学校図書館の指導員を配置しているところでございます。

 その中で、学校の中に学校図書館の担当の教諭がおりますので、そちらとうまく連携を図りながら、あるいは保護者の方でボランティアなどの御希望があって、協力をしてくださる方もいらっしゃいますので、そういう体制の中で現在のところは子供たちが本を好きになる、あるいは本で学ぶ子供、そういったものを推進していくための環境は整えられていると認識しているところでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 この指導員の方たちというのは非正規雇用なのかどうか。そして、事前に調べたらよかったんですけれども、指導員はいるけれども、司書というのは別に配置するという考えはないのか、指導員と一緒なのかどうか、その点についてもお聞かせください。

○増田指導室長
 ただいまお話をいたしました学校図書館指導員につきましては、非正規の非常勤の職員でございます。ただ、非常勤でございますけれども、やはりそういった区全体の図書館の施策等も踏まえて、御協力をいただいていくということの中では、年間2回、担当者の連絡会もやりまして、どういう方向性で子供たちの読書力を高めていくかというようなことについて、研修もさせていただいているところでございます。

 司書でございますけれども、学校のほうは12学級以上の学校につきましては、教諭の中に学校図書館の司書教諭の資格を持った学校図書館司書教諭を配置するということで、その教諭を中核にして、学校図書館の活動を進めていくというようなことになってございます。

 以上でございます。

○志村委員
 今そういう状況ですけれども、やはり専任の司書を置いて、子供たちにいろいろな読書の紹介もできるような、そういう楽しい図書館にしていただければと思います。

 次は、親子観劇会です。今回これを廃止して210万8,000円マイナスになるんですけれども、この親子観劇会を実施した目的、これはどういう目的だったのか。これの参加者ですけれども、参加者がどのくらいで、どういう感想が出されているのかお聞かせいただきたいと思います。

○鈴木文化・生涯学習課長
 親子観劇会でございます。

 この観劇会につきましては、昭和52年度から開始いたしまして、ことしで40回目を迎えるものでございます。この目的といたしましては、優良な演劇の鑑賞、こういったものの機会を提供いたしまして、子供の健全育成を図るという内容で実施しているものでございます。具体的には、親子で観劇をいただく、家に帰って、その感想等を話し合っていく、そういった一助ということで実施しているものでございます。

 参加者につきましては、今年度3月3日、実施したところでございますが、この日は882人の方に観覧をいただいたところでございます。アンケートの中身としましては、やはりお子さん、親御さんを含めてなんですが、楽しかったという意見が多かったという内容でございます。

 以上でございます。

○志村委員
 では、これをなぜ中止するのか、その理由を教えてください。

○鈴木文化・生涯学習課長
 この親子観劇会についてございます。

 今年度におきまして全庁的に事務事業の総点検を行いました。その中でさまざまな機会がある中で、区がみずから実施すべき事業、また実施するのであれば自己負担を求めるなどの検討が必要かどうかなど、いろいろな視点で検討を行った結果なんですが、区が直接実施する事業としては廃止をするという結論となったところでございます。この事業につきましては、他区との比較でありましても、本区と江東区2区しか実施していない、こういった実情もございます。

 40年を経過したということもございました。その中では社会環境が変わりまして、多くの方は映画ですとか、演劇、こういったものを観覧いただいている、こういったことがアンケートの中でも認められているという内容でございますので、これらを踏まえまして廃止となったものでございます。

○志村委員
 さっきの目的と、あと参加者ですね。特に私は、やはり親子で見る機会、それはいつでも行けるというのはあるけれども、しかし、区が設定したときに一緒に行って、演劇を見て、感想を語り合う、大変大事な機会を提供していたと思います。テレビとかゲームとかがあるけれども、やはり生の芸術、演劇に触れるというのは、大変重要なことだと思うんですね。

 例えばいろいろな道徳を押しつけるよりも、内面的な美しさを醸し出す芸術に触れる機会、これをつくり出すということが本当に重要だと思っています。また、これが文化団体への支援にもなると思っています。

 私も、小学生のときに観劇会があって生のを見たんですね。それが裸の王様というもので、ずっと見ていて、ストーリーはご存じですね。子供が王様は裸なんだと言うのをやるんですけれども、我々子供たちは見ていて、その少年が席におりてきて、そして王様がここにパレードに来るから、みんなで王様は裸って言いましょうと言って、とにかく観客参加型ですよね。来て、みんなで王様は裸だって言ったという、そういう劇を体験しました。今でもそれは残っているのかな。そういうことで、やはり小さいころにそういう芸術に触れるというのは大変重要なことだと思います。

 今回の予算特別委員会では、誰の立場に立って区政を進めるのか、そういう思いでずっと質問もしてきました。まだまだ質問したいことはあるんですけれども、やはり、いつも区民の立場に立って区政が発展していく、そのためにも私たちも力を込めてさまざまな提案もしていきたいと思っております。

 以上で質問を終わります。

○今野委員
 ただいま総括質疑の質疑半ばでありますが、本日はこの程度とし、明26日午前10時30分に委員会を開会されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○礒野委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 明26日午前10時30分に委員会を開会いたしますので、御参集願います。

 本日はこれをもって散会いたします。ありがとうございました。

(午後4時56分 散会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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