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平成26年 区民文教委員会(11月10日)

1.開会日時

平成26年11月10日(月)

午後1時30分 開会

午後3時16分 閉会

2.開会場所

第一委員会室

3.出席者

(8人)

委員長 守本 利雄

副委員長 鈴木 久雄

委員 礒野 忠

委員 中島 賢治

委員 増渕 一孝

委員 小栗 智恵子

委員 山本 理恵

議長 原田 賢一

4.出席説明員

(14人)

矢田区長

小泉副区長

齊藤教育長

新治区民部長

高橋区民生活課長

濱田地域振興課長

吉原文化・生涯学習課長

森下スポーツ課長

田中商工観光課長

坂田教育委員会次長

林教育委員会庶務課長

伊藤学務課長

佐藤指導室長

俣野図書文化財課長

5.議会局職員

田野議会局長

荻原議事係長

鎌田書記

川口書記

6.議題

  • 区民生活及び教育行政の調査について

(午後1時30分 開会)

○守本委員長
 皆さん、御苦労さまでございます。それでは、ただいまから区民文教委員会を開会いたします。

 本日は、理事者報告の関係で、スポーツ課長及び図書文化財課長が出席いたしますので、御了承願います。

 また、先般の議会運営のあり方検討協議会におきまして、11月の委員会からは音響設備を使用することができる第一委員会室で開催することが決定しております。発言の際におかれましては、マイクのスイッチを忘れずにオンにしていただきたいと存じます。

 過日の行政視察の実施に当たりましては、所期の目的を十分果たすことができたと思いますので、今後の施策の参考になればと考えております。なお、内容につきましては、第四回定例会での委員長報告で報告をさせていただきたいと存じます。

 それでは、理事者報告を願います。

○新治区民部長

 1 中央区立区民館等の指定管理者候補事業者の決定について(資料1)

 2 平成26年度中央区まちかど展示館の認定について(資料2)

 3 第26回「区民スポーツの日」の実施結果について(資料3)

○坂田教育委員会次長

 4 平成26年度学習力サポートテストの結果に基づく授業改善に向けた取組について(資料4)

 5 中央区民文化財の登録抹消について(資料5)

以上5件報告

○守本委員長
 御苦労さまでございました。

 発言の持ち時間制につきましては、既に御承知のとおりですので、よろしくお願いいたします。ただいまの時刻は午後1時46分でございます。したがいまして、自民党さん44分、公明党さん32分、区民の会さん32分、日本共産党さん32分、民主党区民クラブさん32分、無所属さん10分となります。

 それでは、理事者報告に対する質疑に入ります。

 発言を願います。

○礒野委員
 それでは、中央区民文化財の登録抹消についてということで御報告がありましたので、その点につきまして御質問させていただきます。

 建物の老朽化が激しくて、耐震性という部分でも、そこに住まわれている持ち主の方がとても不安を感じられて、教育委員会としては何とか残してもらいたいという意向を示しつつも、最終的には取り壊すというような結論になったという御説明をいただいたんですが、先日の委員会でも御報告いただきました近代建築物調査で挙がっている建物等が100件程度あるということで、その100件のお宅が、今後、区民文化財としての登録のほうに移行していくような考えを持たれているのかどうかをお聞かせいただきたいと思います。

 また、文化財登録というのと文化財指定というものの違いというのがよくわからないので、そこの部分に関しての説明をいただきたいと思います。なぜかといいますと、例えば建物の老朽化が激しくなっていて、持ち主の方が何とかここの部分を補修したいんだけれども、登録と指定によって、そういった部分での補助だとかというのがそこに引っかかるのかどうかというのが知りたいんです。結局、国の指定文化財みたいな形になると、やはり国のほうでいろいろな部分で手厚く補助を出しながら、そのかわり、自分の家であってもなかなかてこ入れをすることができないとかというのがあると思うんですが、そういった部分で、どのような考え方で文化財というのを中央区として今後進めていくのか、そういった部分を含めてお考えをお示しいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○俣野図書文化財課長
 まず、1点目でございますけれども、本年9月、本委員会にて御報告させていただきました近代建築物調査でございます。

 こちらにつきましては、建造物が92件、それから群というものでございますけれども、こちらを11件御報告させていただいたところでございます。こちらにおいて調査したものでございますけれども、その当時の卓越した意匠であるとかデザインの建造物、味わい深い景観を醸し出しているものでございまして、そういったものについて多く調査できたというふうに認識してございます。現在、これらの建造物につきましては、一部の例外を除きまして、まだ文化財というものではございません。しかしながら、特色ある建造物としまして、今後、区あるいは国制度の文化財として指定・登録をされる可能性は十分にあると考えてございます。その際でございますけれども、文化庁ですとか東京都、こういった機関と適切に連携を図りながら対応をしていくというような考え方でございます。

 続きまして、文化財の登録と指定との関係でございます。

 まず区の制度でございますけれども、文化財保護条例で対応するということが基本でございまして、区民有形文化財については補助制度等はございません。ただ、より価値の高い区指定有形文化財となりますと、管理または修理のために多額の経費が必要な場合で、さらにはその所有者が負担に耐えられない場合でございますけれども、経費の一部を予算の範囲内で措置するという考えが文化財保護条例にございます。加えまして、区指定有形文化財の場合でございますけれども、固定資産税であるとか都市計画税の2分の1減免、こういったものの措置がございます。また、保護奨励金といたしましては、区民有形文化財、区指定有形文化財ともに3万円の支給があるところでございます。

 一方、国の文化財でございますけれども、登録有形文化財あるいは国宝ですとか重要文化財ともに、レベルの差は少々ございますけれども、保存・修繕に関する経費の補助ですとか、あるいは固定資産税の減免を初めとする各種の税制優遇措置、こういったものがあるところでございます。

 以上でございます。

○礒野委員
 ありがとうございます。

 そうしますと、今、近代建築物調査のほうで挙がっている住宅ないし、そういった建物は将来的に、ある程度しっかりと保存されていて、今後そのまま維持されていれば、もしかしたらそれ以上の部分で区の文化財とか、もしくは国の文化財のほうに上げていくということで理解してよろしいわけですね。そこに上がるまでの間がとても問題だと思っていまして、今のお話ですと、やはり区の指定有形文化財という部分までいけば、ある程度の予算が組まれて、それに対する補助というようなことが出てくるんですが、例えばそこで皆さん商売をやられていて、上に住まわれているとか、そこで利用されている、生活されている状況でそれを維持していくというのはとても大変だと思うんですが、今後そこに至るまでの間で、中央区として何か手をかしてあげられる、助成でも何でもそうなんですけれども、そういった部分はどのように考えているのかお聞かせいただきたいと思います。

○俣野図書文化財課長
 指定有形文化財でございますと、場合によっては一定の条例上の補助措置というものが対応できる部分でございますけれども、それまでに何かできないのかという部分につきましては、現状の仕組みにおきましては、保護奨励金という仕組みでもって、そちらの所有者の方に年額3万円を支給するという考え方で対応してございまして、現状においては、条例上、これ以外の補助をするメニューはないところでございます。

 以上でございます。

○礒野委員
 そうですよね。件数が多いですから、それを手厚くといっても、なかなか難しいだろうなというのはわかるんですが、今、中央区は新しいまちにだんだん生まれ変わっていまして、昔からある仕舞屋さんだとか、とても希少な部分は感じています。そういったものを残していこうという取り組みですから、3万円の奨励金のお話はわかりましたけれども、そこに住まわれて、もしくは商売をされて、建物を維持されているわけですから、お金だけではなくてほかに何かいろいろな要望や、お話もしっかりと聞き入れて対応していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 終わります。

○中島委員
 せっかくですので、資料5の中央区民文化財の登録抹消についてお聞きしたいと思います。

 疑問に思う部分も幾つかあるんですが、まず所有者の鳴海利彦さん、以前は所有者はこの方ではなかったというふうに認識しているんですが、いつからこの方にかわったのかということと、一番最初の経緯の中で、老朽化が激しいことや耐震面でも不安があると。この調査に関しては、この方がお答えになっているのか、区として調べたのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

○俣野図書文化財課長
 まず、濱野家の所有者の件でございますが、平成18年2月ごろ、濱野家の御当主様がお亡くなりになられた後、実はこの間、空き家になってございました。その後、相続人の方が売却ということで売りに出されておりました。そうしたところ、平成26年9月25日付で新所有者に移ったというところでございます。

 それから、耐震面等の御不安という部分でございますけれども、先ほど御説明いたしました濱野家の御相続人の方から、こちらについては、建物自体も耐震基準に合っていないようなところもございまして、今後この家に住み続けることは難しいというようなお話があったものでございます。

 以上です。

○中島委員
 よくわかりました。基本的には、買った人が新しく家を建てたいから、潰したいというだけの話だというふうに認識をさせていただきました。濱野家、私も以前から気にとめておりましたので、本当は大切に保存していただきたいというふうに思ってはいたんですが、やはり個人の所有物なので、いろいろな状況下にもありますので、こういう決定もしようがないのかなとは思います。ただ、先ほど前委員も言いましたけれども、どうにか区として残したい建物を、そんなたくさんにという意味ではないんですが、もう少し力強く残すような取り組みができないのかなというふうに、今回も抹消ということで、重ねてそういうふうに思う次第であります。今後とも、建物だけではないですが、いろいろな登録に関しても御尽力をいただくようによろしくお願いしたいと思います。

 それと、資料4の学習力サポートテストの件ですが、理科系出身の立場としては、理科が全体的に平均よりもみんな落ちているのが気になります。その辺を教育委員会としてどのように思われているのか、それと、今後の対策はどのようにとっていくというふうにお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○佐藤指導室長
 理科の学力ということについてでございますが、この学習力サポートテストそのものが、理事者説明でもございましたけれども、業者をかえたということが1点ございまして、問題のつくり方が少し変わっているところがございます。そういうところで今回こういう理科の結果が出ておるところでございますけれども、問題の傾向も含めて、もう少し数年間の分析が必要かなと思っております。

 また、今回の理科のテストにおきまして、どんな分野が弱かったかと申しますと、太陽と地面の様子、植物の育ち方、実験・観察の技能、生命とか地球に関する問題であり、やはり自然科学、自然体験とか生活体験を通して学ぶ部分については、参加校の中の平均よりも低い状況があると。そういうことから考えますと、都心区の中で自然体験とか生活体験が十分であるのか、あるいはそれを学習の中でどういうふうに力を入れてやっていかなければいけないのか、そういうことは今後の検討課題としてしっかり把握させていただいて、その指導に生かしたいと思っています。

 2点目の、これをどういうふうに改善して生かすかということでございますけれども、教育委員会のほうでも全体の分析はこうですと夏休み中に出しております。また、学校は学校ごとにいろいろな状況がございますので、学校の中でしっかり学校のものを分析していただいて、そして改善プランが立てられて2学期がスタートしております。しっかり着実に授業を改善するプランを実施していただいて、その成果をみていく形で進めております。

 以上でございます。

○中島委員
 どうもありがとうございます。自然に触れる場所がないのが都会の欠点かなというふうにお聞きしたんですが、ただ、そんな中で、私が小さいころなんかは植物を年間通して育ててみるというような形のもので、アサガオとか、いろいろな取り組みをしていたんですけれども、最近のお子さんはアサガオを持って帰ってくる子も余り見られないですし、植物に触れる取り組み自体、教育委員会としては指導されていないのかなというふうに思っているんですが、植物、自然科学に対しての取り組みで実際に行われている内容を、もしありましたら御紹介いただければと思います。それと、今のコメントに関しての感想もあれば、お聞かせいただきたいと思います。

○佐藤指導室長
 今回初めて業者をかえたテストでございますので、一概にこれがこうだということの断定はできないかと思いますけれども、自然科学とか生き物についてのことは、幼稚園の段階からもやっているんですけれども、例えば委員おっしゃったようにアサガオの観察も全員がやっておりますし、アサガオだけではなくて、ヘチマとか、いろいろな植物を通しての観察をしております。それから、メダカとかザリガニとか、そういう小動物、生き物を飼育する中で日ごろから観察していく。また、ヤゴとか、そういうようなものがかえっていく状況もやっております。あと、本区は、16校全てにあるわけではないですが、ビオトープが16校中11校にございまして、ビオトープを通して循環的な自然の観察をしていく、そういうことを日常的には行っておりますので、それが本当に実際に自分の学力として身についていっているのかということについてもう少ししっかり分析をしていく必要があるのかなと。決して、都心区の状況だからこうだということは断定はできないわけでございますし、いろいろな知識とか知的好奇心というのは中央区のお子さんは非常に高いですけれども、実際の実感をもって理解できるというところがどうなのか、それが今後の課題かなと思っておりますので、それについてしっかり指導に生かしていきたいと思っております。

 以上でございます。

○中島委員
 どうもありがとうございます。いろいろお話を聞けば、まだまだやることはたくさんあるというような考えはしますけれども、区の政策としても、緑被率が9.3%で23区で一番少ないとか、そういった面で緑に触れるところがなかなか私たちの生活の中で少ないのが一つの大きな原因かもしれないというふうに思っております。そんな中で、そういったものを補っていただくのは教育、教育委員会の指導力だというふうに思っておりますので、都心部だからという弊害のないような教育をぜひ子供たちにこれからも続けていただくようにお願いさせていただいて、質問を終わります。

○増渕委員
 前委員さんとなるべく重複しないようにお伺いします。

 まず、資料5の関係で、この理事者報告を読ませていただきまして、私の友達の日本橋蛎殻町にある住宅なんでございますけれども、中央区近代建築物調査の建造物の92件の中の1件となっており、大変興味を持ちました。

 まず、1点目、この濱野家住宅は大正か昭和か、もしくは何年の建造物であるかがおわかりでしたら、お願いいたします。まず、そこを1つ、よろしくお願いいたします。

○俣野図書文化財課長
 濱野家さんの建造の年月日でございますが、昭和5年でございます。

 以上でございます。

○増渕委員
 ありがとうございました。日本橋の蛎殻町のほうは、先ほど確認しましたら昭和8年ということで、思い出すんですけれども、この住宅のすぐ隣に民間マンションの計画が今から七、八年前にありまして、そのとき御相談を持ちかけられたのが、基礎工事とかそのようなときに、とてもじゃないけれども、古い私の家がもつのかどうか、これから隣の業者とかけ合うんだけれどもなんていうのを、今、思い起こしておりました。

 そんな中で、中央区の近代建築物調査というのは今回初めての調査ということで、大変いいことだと思います。この近代建築物調査に当たりましては、このような形で92件の中に紹介したいということで区の方々が必ずその家に行かれたとお伺いしたんですけれども、このときは、先ほど図書文化財課長は外観上のお話をしましたけれども、中に入られて、中のほうも見させていただいて近代建築物調査ということになったのかどうかということと、さっき私はよく聞いていなかったんですけれども、年額3万円というのは、この92件の方が対象でよろしいのかどうか、お伺いいたします。

○俣野図書文化財課長
 近代建築物調査を実施するに当たりましては、建物の外観が非常に意匠、デザイン的にすぐれているもの、まずはこういったものを抽出してきました。加えまして、建造物の中身につきましても、御当主のそちらに住まわれてきた使用の履歴であるとか、あるいは欄間であるとか、ふすまであるとか、非常にデザイン的にもすばらしい、すぐれたものがあると事前にわかっているものが多数ございましたので、ほとんどのケースにつきましては、中身も調査をさせていただいたところでございます。

 また、保護奨励金3万円の件でございますけれども、こちらにつきましては、中央区の既に登録されている文化財が対象でございますので、近代建築物調査の物件には適用ができないところでございます。

 以上でございます。

○増渕委員
 ありがとうございます。

 この蛎殻町のお宅には私も何回もお邪魔いたしまして、珍しく忍者屋敷みたいな、どんでん返しみたいなものがあるんです。それぐらい珍しい家でございまして、これはどんでん返しがあるといっても、おかしな家ではございません。ちゃんと素人の方のお家でございまして、いまだに住んでいらっしゃいます。本当に中央区の取り組みに大変感謝申し上げるんですけれども、今、この家は区のほうの勧めで耐震化の診断に入ったそうでございます。そして、その方法が見つかりましたら、これから耐震化に入っていくんですけれども、前委員もおっしゃったとおり、中央区はこのようなまちの変貌を来してきて、今度の登録抹消にあるように、こういう重要な建築物を維持・保存していくのがなかなか難しい。ですから、92件の段階から、できれば耐震化のことも区のほうで指導していただいて、この家もそうなんですけれども、木造建築には手厚い助成金のほうもありますので、積極的に92件の中から中央区民文化財へとワンランク上げていただくように御指導、御協力をお願いして、資料5のほうは終わりにします。

 それから、次は資料4でございます。

 これを見させていただいて、中央区の教育委員会の報告の中で学習力サポートテストというのは本当に高い評価を受けています。いろいろな報告書の中でも区独自でやっている学習力サポートテスト、そのときの評議委員さんから言わせても、すばらしい取り組みだとおっしゃっていることを思い出しながら質問させていただきます。

 今まで区独自のテストを実施しとあったものですから、前にもお伺いしましたけれども、これは先生がつくるわけではないと。さっき業者の変更とおっしゃいました。それはわかりました。一番疑問に思ったのが、今回は参加校との比較ということなんですけれども、この業者を使った参加校の規模はどれくらいか、それから参加校は公立校に絞られているのか。数と関連してくるんですけれども、私らにとって関心が高いのは、国全体より都心区である第1ブロック、中央、千代田、港、新宿、この4区あたりとの比較が出ているのかどうか、もし出ていたら、それをお伺いいたしたいと思います。

 それから、これと併用して児童・生徒の生活及び学習に関する質問紙調査を行ったとありますけれども、この目的は、これは私のうがった見方になるかもわかりませんけれども、国がこれから行おうとしている道徳教育の教科化の関連性をもって今回この調査を行ったのかどうか、そこら辺のところをお伺いします。

○佐藤指導室長
 学習力サポートテストについてでございます。

 まず、参加校につきましては、全国には3万2,000の公立の小・中学校がございますけれども、今回このテストを全国の中で受けたのは1,100校です。また、私立と公立、どちらも受けていたりするんですけれども、全て企業側がつくっているものなので、どこの県でどういう学校が受けているかということを公表しておりません。公立であるか私立であるかも公表されていません。何度か問いただしたんですけれども、実際にはそれは企業秘密なので教えられないということで、受験校数だけお聞きをしたところ、1,100校であると。そうすると、全国に3万2,000の公立学校がある中で1,100校ですから、大体3.4%ぐらいの学校しか受けていないということです。自治体でお金を出して受けようというところの中での数値である参加校ということですから、これを全国の平均点という形では私たちは受けとめてございません。私立の中でいろいろ学力の高い学校は受けている学校もあるでしょうし、そのあたりが全く明らかにされていないものでございますけれども、全国の中でいろいろ受けているということなので、参加校平均率を出したということでございます。

 それから、2点目の港、中央、千代田、新宿の4区の比較につきましても、中央区以外の学校はこの業者のものを使ってはいない状況です。ですので、都心区4区の比較というものが実際にはわからないですし、もし仮に受けたとしても、それを公表するという形にはこの業者はされない状況でございます。そういう意味では、全国のいろいろな地区で受けている汎用型のテストだということで、以前は平成21年度から6年間は学校の先生と業者と教育委員会とが一番いいテストの問題はこうだという形でつくってきたわけですけれども、今は業者が汎用的な問題としてつくっているということでございます。

 3点目の、生活と学習の意識調査と道徳の教科化ということでございますけれども、これは特に特別な教科となり得る道徳との将来方向の関連性ということで捉えたわけではなくて、やはり学習集団あるいは生活集団、学級の中でどういうふうに子供たちが学んでいるか、あるいは人間関係がどうかということも含めて、学習の集団や学級の集団をしっかり捉えた中で学習がこの子たちは身についているか、そういう視点で今回の意識調査をさせていただいております。今後はそういうことを踏まえての視点も出てくるかもしれませんけれども、特段、導入段階では道徳についてとの関連性を意識したということではございません。

 以上でございます。

○増渕委員
 最後の道徳の教科化、これに関しては私も別に述べるところではないんですけれども、それでは、この質問票は東京都教育委員会からのものなのか、それとも区独自で行っているのかの点と、戻りますが、前回まで行っていた区独自のテストの実施をやめて、今度このような業者の問題を活用してやることに当たって、教育委員会のほうでいろいろな形で議論されてきたと思うので、そこら辺の経緯をお伺いしたい。

 単純に言って、すごく心配になるのは、教育の中央区としては、これは1,100校の平均回答率というふうに考えていいわけですよね。そうしますと、日本全国で教育の差というのは、俗に言うところの正答率、簡単に言えば偏差値の差からいうと、中央区は結構上のほうのレベルにあるんじゃないのかなと思っているんです。私はいつでも中学校の教育レベルの話をしてきたんですけれども、中学1年で、数学と理科、それから中学3年で社会と理科が参加校平均を下回っているということなので、1,100校の正答率、さっき申し上げた、本当は教育は日本全国一律でいかなきゃいけないんでしょうけれども、そこら辺、今回この結果を見て、教育委員会指導室として、どのような感想をお持ちか、概略のところをお願いいたします。

○佐藤指導室長
 まず、意識調査の質問項目でございます。

 これにつきましては、東京都や国も意識調査をしているんですけれども、そこと何かこの業者が関連して質問項目をつくっているというわけではなくて、この業者が独自に質問項目をつくっている。結果的には携帯電話の所持率とか、同じような傾向の問題が意識調査の中ででき上がっているというふうに見ていただければと思います。国と都の関連性があるわけではない。そこと何かお互いに意見調整をして質問項目を決めたということではございません。ただ、出てきたデータについてはしっかり分析をして、学校にも反映していきたいと思います。

 2点目は、独自問題から今回のような形の汎用性のあるテストに変えた経緯でございます。

 まず、平成21年からサポートテストを私たちは導入したわけですけれども、その当時の学習の効果測定をするときに、実は国も都もテストの状態が不安定だったんです。東京都は実際に毎年のようにやったり、やらなかったり、抽出をしたり、そういうことが過去にずっとありまして、国のほうも政権がかわって、やったり、やらなかったり、そういう不安定な状態が数年間続きまして、それではきちんとした把握ができないだろうということで、国や都の状況等に左右されずに本区独自で問題をつくりながら継続的にやっていくことが必要ではないかというような議論がありまして、前回の形でのサポートテストを6年間させていただきました。しかしながら、問題作成にも労力がかかります。あるいは、経費の面とかもあり、実はそれを昨年、監査のほうから重点事項として指摘もされておりまして、その指摘の話の中では、大半の区は市販の問題で実施しておりますよ、そういうところでもう一度検討されてもいいのではないですかということで監査の方からも御意見をいただきました。それと同時に、国と都のテストが安定的に去年からしっかりやっていくという方向を打ち出して、毎年のようにころころ変わらないということがしっかり明言されてきておりますので、そうであれば、いろいろなことを考えて、今回、汎用型と。汎用型ですから、どの県でもやられる学校はあるんだろう、そこで一旦はやってみてもいいのではないかいう形で、このテストにしてきたと。なお、この業者につきましては、教科書を作成している関係の業者ですので、非常に信頼度の置ける業者であるというふうな形で、選定させていただいております。

 3点目につきましては、感想でございます。

 確かに、学力面でいろいろこれからしっかり分析をしていかなければならないかなと思っておりますけれども、今、委員御指摘のとおり、中学校のということでございますが、これを見ていただくと、例えば中学校3年の英語は非常に高いんです。中央区がやっているALT週5日間、外国人講師をつけて日常的に指導していると、3年間たつと参加校よりも10点英語で学力が上がっている。逆に、数学のほうでは一旦中学校1年生では、私立に抜けるお子さんもいて、公立の中学校に来るということでは、中1に関しては同程度という形ですけれども、そこから少人数の先生たち、区の講師を配置させていただいておりますので、その中で子供たちの学力を上げていくということでいけば、3年間の伸びはしっかりあるのかなと。ただ、先ほども申し上げたとおり、理科に関しては、いろいろどうなのかなということをしっかり見ていかなければならない。

 そういう意味では、学力の一側面でございますので、これがこうだということをすぐ断定はできないかなと思っておりまして、来年もまた引き続き、しっかり分析をしていきたいと思っております。

 以上でございます。

○増渕委員
 私が最後に、これはすばらしい、英語の平均が10.7ポイント上回っているということを言いたかったんですけれども、先に指導室長に言われてしまいました。本当にこれは大したものでございます。

 これから汎用型のテストということでこのような業者を選ばれてやっていくのと、それから区独自で先生と業者と教育委員会も入ってやるのと、結果が出るのはあと二、三年かかるのではないかと思うんですが、済みません、先に1点だけ確認するんですけれども、資料4、別紙2のほうの調査の分類項目、これも汎用型をやっている同じ業者がつくったということでよろしいのかどうか確認させていただきます。

 最後に、細かいことになるんですけれども、やはり一番心配なのは、中学の場合は中1ギャップの解消に尽きると思うんです。中学3年生の場合は高校への受験ということに尽きるんだと思います。先ほど前委員のほうから、理科に関しては心配な点があって質問されたので、やめておきますが、社会が3.2ポイント下回ったという理由の中で、授業の改善の方向性ということが書かれておりますが、歴史的分野では明治政府の諸改革や大日本帝国憲法云々とあります。間違いであればおっしゃっていただきたいんですけれども、私が心配しているのは、昔のことを思い出しますと、近代史になりますと、ほとんど時間がなくなってしまうということです。ここのところで、はっきりと明治政府以降のことが書かれているということは、中央区の社会科の授業の中で私が心配していたような、近代史に入ってくると時間がないので、なかなか教え切れないというような心配な点があるのかどうか、そこら辺だけ確認させてください。

○佐藤指導室長
 まず、意識調査につきましても、同じ業者でございます。

 それから、社会科は中学校では一番分厚い教科書でございまして、近代史の量が学習指導要領で今回すごく量的にふえたんです。しかも、近代史になってくると1年間の中で一番最後のところで扱う。複雑な国と国との関係の中で近代史ができ上がっているということで、そこの部分が苦手なのかなと。今回のテストにおいてはそういう状態だということだったので、そこについては、授業をどういうふうにしていくかということは学校を指導する中でしっかり改善させていくような形をとっていきたいと思いますけれども、確かに、委員御指摘のとおり近代史は後半でやるということでございますので、教え方をしっかり工夫させていくように指導していきます。

 それから、中1ギャップ、それから高校受験ということでございます。

 まず、中1ギャップの問題につきましては、小学校も中学校もこの状況のデータとか指導室のほうで分析したものを中学校のものも小学校に渡しています。また、小学校のものも中学校に渡しています。その中で、ここが小学校で弱かった、それを中学校はしっかり把握して指導に生かしてくださいと。そういうような指導をやっておりまして、年2回の小中連携日の中でそういうことを重点的にやっておりますので、その中でしっかり学習の連携をしていく、そういうことにつなげていきたいと思っております。

 また、高校受験につきましては、ギャップとは全く別な問題として、それぞれ子供たちが苦手な教科とか得意な教科はきっと出てくるかもしれませんけれども、行きたい高校に行けるような学習あるいは進路指導を充実するように、しっかり学校を指導してまいりたいと思います。

 以上でございます。

○増渕委員
 ありがとうございました。理科のほうはぞっとする数字なので、13.3ポイント下回っていると。ここら辺は教育委員会、学校のほうと努力に努力を重ねていただきまして、お願いしたいと思います。

 今回、区独自のテストから汎用型の市販の業者ということで、結果がよく出れば結構なんです。あと、もう一点、先ほど指導室長がおっしゃいましたけれども、先生の負担の軽減につながって、同じ結論、よい結果が出るのであれば、私は本当に前から先生の忙しさの軽減というのは申し上げてきましたので、大変結構なことだと思います。区独自から市販の問題の活用に至った経緯はわかりましたから、いろいろな報告書の中ですばらしい取り組みだと皆さんから言われている中央区独自のやり方をこれからも継続してやっていただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わります。

○小栗委員
 それでは、私も資料4の学習力サポートテストについて伺います。

 今までのやりとりを聞いていますと、これまで区独自にやっていたものを市販の問題を活用することにしたということなんですけれども、昨年もこのサポートテストの結果の報告があったときに、結局、業者に委託をして、業者が採点してやっているんですということだったんですが、今の御説明とかを聞いていると、業者と一緒に区の教員の方も入ってつくっていたということなんですけれども、それをやめて、今回は市販のものを使ったことで、経費的に安くなったということなのか。また、今までやっていたものを変えた理由として、経費的にどうなのかと監査で指摘されたという話もありましたけれども、経費の問題だけなのか、これが本当に授業改善などに生かされているのかとか、学力がこれではかれるのかとか、そういう今まで実施してきた中でのいろいろな問題点というのはないのか、その点について伺いたいと思います。

○佐藤指導室長
 学習力サポートテストの問題作成ということでございます。

 実際に、前回までの業者は、細かいことをつくっていくんですけれども、問題の方向性等はそれぞれの教科の担当の学校の先生たちと指導室と、そして業者が入ってと。これででき上がった問題の実際の採点は業者がしておりました。そういう形で数年間続けておりまして、今回のものは全て業者がつくって、問題も私たちは当日までわからない、そういうことでございます。

 2点目の経費につきましては、実際には、変えた原因の中のたくさんある中の一要素になるかと思います。前回の業者を使っていた総額の半額になるということで、1,000万円規模のものが500万円規模ぐらいに経費面からは削ることもできたところでございます。

 次に、実際の効果の面でございます。

 いろいろな委員から御指摘いただいておりますけれども、実際にサポートテストは区独自でやってきておりますけれども、東京都がやるテストもございます。これにも理科や数学、算数、英語、社会があるわけです。ですから、そことの調整なんですが、そこの成果も見ていくと。そこの成果では、理科はそれほどそういう形になっているわけではない。今回はそうですけれども、そういうことからすると、やはり学力の一側面という要素はあるのかなと。そういう中で、ことしあるいは来年をしっかり見て、東京都のテストも見て、国のテストも見て、そして、このサポートテストを見ていく。ただ、それであっても学力の一側面、一断片だと。そういう中で、子供たちにしっかり学習したことは身につけさせていきたい。それから、先生たちにもいい授業をしていただきたい。そういうことにしっかり役立てるテストになるように、私たちは学校を指導していきたいと思っております。

 以上でございます。

○小栗委員
 学力テストではかられるものは本当に学力の一側面だということを、指導室長のほうからも何度もお話がありましたけれども、本当にそうだと思うんですよね。小学校4年、6年、中学校1年、3年は中央区の学習力サポートテストをやる。都の学力調査を小学校5年と中学校2年でやる。全国のを小学校6年と中学校3年でやるということで、子供たちにとっては毎年毎年いろいろな調査があって、平均よりよかったとか悪かったとかと言って、点数が出ればどうしてもそれに対して、理科が弱いとか社会のここが問題だったとかということで言われるわけですけれども、実際受けている子供たちにとっては毎年違う問題を受けて、それでまた比べられて、ここが問題だみたいな、そういうふうになることが繰り返されているわけで、こういうふうに毎年毎年いろいろな種類の違うテストをやるわけなので、それで比べて、できたとかできないとか、そういうことで学校のほうも授業の改善のためのプログラムをわざわざ文章化してつくらなくてはいけないとか、そういう外側のものだけに目が奪われてしまう危険があるというふうに私は考えます。

 これまでも何度もこの問題を取り上げてきましたけれども、日本の勉強のやり方が、テストで比べる、そういうことが何度も何度も繰り返されて、本当に日本の子供たちはストレスが多いということが国連の子どもの権利委員会で何度もそのことを指摘して、発達に障害をもたらしているという指摘まであるくらい、子供たちがテストで比べられる、勉強に追い立てられているというのが現実だというふうに思います。こういうテストのやり方はもっときちんと考えて、本当に学力をつけていくにはどうしたらいいのかというのを、現場の先生が目の前の子供たちを見て一緒に工夫していけるようなやり方を私はするべきだというふうに思いますけれども、その辺についての御見解を伺いたいと思います。

○佐藤指導室長
 子供の立場と学校の先生の立場ということでございます。

 まず、きめ細かく子供の学習状況を把握するということについては、非常にこれは大事な観点かなと。今までの教育の流れの中では、そこの部分は、ある意味弱かったというふうに私は教育史の中で思っておりますので、きめ細かく把握していく、これは大事な観点だと思っております。

 そういう中で、子供のストレスということでございます。

 確かに、テストは誰も余り好きなことではないと思いますけれども、だからこそ、今回きめ細かく把握するということではありますが、重なり感のない形で、東京都は小学校5年と中学校2年、サポートテストのほうはそうではない学年と、どの学年も何回も重なるということのない形で、そういうことには一定程度配慮している。ただ、国につきましては、算数と国語と数学で、小学校6年と中学校3年は国指定でございますので、これは国の施策には従うというか、やっていくべきだと思って、ここだけが本当に重なる部分でございますので、ストレス感とか重なり感ということを最小限におさめていっているということでは、配慮を一定程度させていただいております。

 それから、その実態を把握して授業の改善に生かすということでございます。

 これも、先生たちの負担にならない形で授業の改善の手だて、授業改善プランと。実際に、5月2日にテストをやって、結果が7月に出たものを夏休みは授業がないわけですから、夏休みの1カ月半かけて先生たちが分析をして、先生たちがいろいろな次の2学期の準備の手だてのために夏休みを使って改善プランをつくる。そういうことで、負担感にならない形で、一定程度先生方の夏休みをしっかり有効に活用していただく、そして次の授業の改善に生かしていただく、そういう形での配慮もさせていただいてはおりますので、そこについては、学校ともやりとりをしながら、どこでそういうふうなものの次の手だてを立てるかと。やはり夏休みに集中的にやることがいいということを、学校とのやりとりの中で、教育委員会でやらせていただく中で、一定期間させていただいておりますので、それについても一定の負担感のない形でやっているということでございます。

 以上です。

○小栗委員
 このテストの結果で平均よりも上回るとか下回るとか、そういうところにどうしても目が奪われてしまうわけですけれども、例えば平均より上回っているとしても理解が十分でない子の割合が多かったり、上のほうの人が多いので平均が上がっているとか、そういういろいろな分析が必要なものもあるのではないかというふうに思いますし、全国で3.4%しか参加していないテストの中で比べて、よかったとか悪かったとか、そこに一喜一憂してしまうようなものは、私は大変問題ではないかというふうに考えます。やはりテストの成績で競い合うということよりも、一人一人にきちんとした学力の定着ができるような教育をぜひ行っていただきたいということを要望して終わります。

○山本委員
 よろしくお願いします。

 まず、私からは資料5の中央区民文化財の登録抹消について、幾つか確認をさせてください。

 まず、1点目に、本区の区指定文化財及び中央区民文化財の登録と、国や東京都の文化財との整合性、重複などについてお聞きしたいんですけれども、国や都の登録にもあるもの、また逆に、国や都にはあるんだけれども、区の登録にはないものというのはあるのでしょうか。

 そして、2点目に、先ほどもほかの委員の方の御答弁にあったんですけれども、今回、登録後に所有者が死亡されて、相続人が売却されて、登録の抹消になったということなんですけれども、今後もこういった事例がふえてくるのではないかと感じておりますが、そちらについての見解をお聞かせください。

 3点目に、文化財登録をした後の活用については、どのようにお考えなのでしょうか。

 3点お願いします。

○俣野図書文化財課長
 まず、1点目でございますが、文化財に関する国ですとか都とか区の指定・登録の部分の整合性、重複に対する考え方でございますけれども、例えば区の文化財であっても、より価値が増しまして、例えば国のほうで登録したいであるとか指定したいというようなお話があった場合には、基本的にはより上位の制度のほうにつなげていくという考え方でございます。さらに、そこの部分、例えば区の文化財が国と重複するのかといった場合につきましては、二重指定という部分については、そういった考え方は持ってございませんので、役割分担の中で文化財の登録指定制度をやっているというところでございます。

 それから、今回の濱野家さんのように、御当主の方がお亡くなりになりまして、それから相続人の方が売りに出して抹消に至るようなケースが今後もあるのかというような部分でございますけれども、実はこういった文化財の抹消に至るような案件につきましては、比較的個人所有のお宅が多いわけでございます。そういった観点から見ますと、現在、中央区ではこれ以外に90件文化財がございますけれども、建造物につきましては、個人所有のものはこれ以外にはございません。法人所有であるとかという部分が非常に多くございますので、今後につきましては、余り多くは発生しないのではないかというふうな見込みを立ててございます。

 それから、活用面でございますけれども、文化財であるとか、近代建築の関係もありますとおり、活用につきましては、観光面といったものについても非常に重要な視点かというふうに存じております。当然、御当主様の考え方というものはあるわけでございますけれども、例えば生活の一所有の御家庭におきましては、個人が生活を営まれている場でもあったりするわけでございまして、例えばまち歩きですとか文化財めぐり、こういったもので活用していくという部分もございますけれども、なるべくイベントごとに御当主様の御理解を得ながら、文化財に対して、見て、触れてというような視点も重要でございますので、そういった面で活用を図っていくというような考え方でございます。

 以上でございます。

○山本委員
 御答弁ありがとうございます。

 今の御答弁の中で1点わからないものが、今回の建造物以外は法人の所有であるということなんですけれども、観光面等において、そこに居住している方もいらっしゃるので配慮しなければいけないというのは、法人所有の物件であるけれども、そこにお住まいの方がいるという理解でよろしいですか。

○俣野図書文化財課長
 少し説明がまずかった点がございますので、訂正をさせていただきますけれども、区の文化財につきましては、これ以外のものについては、ほとんどが法人所有でございます。それから、近代建築物調査のほうで調査をさせていただいた物件につきましては、いまだ個人所有のものが多いというような考え方でございます。

 以上でございます。

○山本委員
 ありがとうございます。理解できました。

 このような重要な文化財に関して、特に建造物に関しては、やはり古いものがよいとされるわけですよね。価値があるといいますか、保存していこうという方向性なので、例えば台風などが来たときに、ニュースでもやっておりましたけれども、建物の一部が飛んでしまうなどということはないかとは思うんですけれども、そういった部分にも配慮しながら保存していただきたいなと考えます。また、区民部と環境土木部などとの連携というんですか、情報の共有などを図ったほうが、より有効に保存ができるのかなと感じました。

 そして、2点目に、資料2についても少しお聞かせいただきたいと思います。

 平成26年度中央区まちかど展示館の認定についてですけれども、いただいた資料2の7番に、展示館の整備助成については平成26年度認定分をもって終了としと書いてあります。終了するとなった経緯についてお知らせください。

○吉原文化・生涯学習課長
 平成25年度までの認定で19件認定をしたところでございまして、数としてはそろそろ出そろって、今後はこの有効活用に向けた検討をすべきというような視点でございます。そういった内容につきましては、まちかど展示館の認定審査会のほうからも御指摘いただいておりますし、そういった中で、今後はその活用に向けた検討をしていくというところで、26年度をもってシフトしたところでございます。

 以上でございます。

○山本委員
 御答弁ありがとうございます。

 では、今後はもう認定はしばらく行わずに、今あるもので活用するということで、第2段階へステップアップしていくという理解でよろしいんでしょうか。

○吉原文化・生涯学習課長
 今後は、回遊性も含めまして、22館認定をしたものの活用の検討を進めていきたいというふうに考えております。その活用を検討し、そのスキームとか、さまざまな活用方法が確定し、それが円滑に循環していった暁には、再度まちかど展示館の今後について考えていきたいというふうに思っております。

 以上でございます。

○山本委員
 どうもありがとうございます。

 行政評価、事務事業評価等も見せていただいているんですけれども、この事業の成果というもの、また目指す目的というのですか、そちらについてはどのようにお考えでしょうか。

○吉原文化・生涯学習課長
 この事業の目的といたしましては、やはり区の持つさまざまな文化資源を、区民の方はもちろん、来街者の方にも知っていただきたいというところがございます。そういった文化の資源の掘り起こしと、さらにはそれを多くの区民の方、これまで住んでいた区民だけではなくて、新しく中央区に転入されたような区民の方にも知っていただいて、中央区の魅力を発信したいという思いでやった事業でございます。

 以上でございます。

○山本委員
 御答弁ありがとうございます。

 まだまだこの事業については、もっとお聞きしたいこともあるんですけれども、時間があと1分弱になっておりますので。この事業、今後活用を目指すということで、例えば展示館のネットワーク化であったりとか、まち歩きマップやアプリを連動させて、まちかど展示館について、より多くの方に知っていただくというのが多分今後の方向性なのかと感じております。この活用を見て、件数もふやすということなので、後年度負担に関しては、その活用後にまた聞かせていただきます。

 では、質問を終わります。

○守本委員長
 それでは、理事者報告の質疑につきましては、終了いたします。

 続きまして、議題、区民生活及び教育行政の調査についてに入りますが、質問ありますよね。お1人だけですか。それでは、ここで休憩いたします。再開時刻を午後3時ということで、よろしくお願いいたします。

 休憩いたします。

(午後2時51分 休憩)


(午後3時00分 再開)

○守本委員長
 それでは、休憩前に引き続きまして、委員会を再開いたします。

 発言者の発言を願います。

○小栗委員
 それでは、3つの問題で質問したいと思います。

 1つは、子ども・子育て支援新制度が4月から実施される予定なんですが、区立幼稚園の保育料はどうなるのか。リーフレットを見ますと、現行の保育料を上限として設定する予定ですということで書かれていますけれども、この辺の予定はどうなっているのか伺いたいというふうに思います。

 2つ目に、道徳の問題なんですけれども、中央教育審議会が、今度、道徳の時間を特別の教科とするという答申を文部科学大臣に出しています。これまで道徳の時間、いろいろな形で学校で実施されてやってきたわけですけれども、教科でないとだめだということが実際の現場であるのかどうか、その辺を伺いたいというふうに思います。

 3つ目は、35人学級の問題です。これも国のほうで財務省が小学校1年生の35人学級を40人学級に戻すように文部科学省に求めるということが伝えられています。35人学級によって、小学校1年生、そして特別に2年生もそのままのクラスが維持されるということで実施されていると思いますけれども、35人学級になったことで、例えば明正小学校は、ことし1年生が39人だったわけですけれども、2クラスになって、そういう意味では、1クラスの人数が20人前後ということで、大変勉強のしやすい環境になっていると思います。そういう点で、35人学級を40人学級に戻すことについて、財務省がそういうことを言っているわけですけれども、学校の現場としてはどのように考えるのか、お示しをいただきたいと思います。お願いします。

○伊藤学務課長
 1点目の子ども・子育て支援新制度におけます幼稚園の保育料の件でございます。

 委員が御指摘されましたパンフレットにおきまして、公立の幼稚園については、公定価格の影響とはかかわらず、設置者において定めるという考え方に基づいておりますので、教育委員会といたしましては、新制度の移行を契機に保護者の負担が変わるというようなことがないように、今後工夫して進めていきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○佐藤指導室長
 2点目の特別な教科としての道徳の教科化ということでございます。

 これにつきましては、中央教育審議会の議論を踏まえて国がその方向性を出してきたものと受けとめております。今の子供たちの現状を見ますと、例えば思いやりの心とか、あるいは規範意識の問題や自尊感情、生命尊重、そういうような大きなテーマで子供たちにしっかり身につけさせる、あるいは子供たちの中で主体的に考えていく、そういう時間を道徳の中でしっかり養っていくということが大事だと思っております。

 35人学級につきましては、これは財務省のほうから出てきているものでして、文科省のほうからは、定数については次の学年も35人学級という方向を基本の考え方として持っているわけですけれども、これは国の中の財務省の問題と文科省の問題で、文科省のほうは学級の定数という形でのルールで行っているものでございますので、そのような国の形を踏まえて、東京都あるいは中央区が考えていくべきものだと思っております。

 以上です。

○小栗委員
 幼稚園の保育料については、変更しないという方向だということで確認をさせていただきたいと思います。

 それと、道徳の問題ですけれども、思いやりの心とか自尊感情とかを身につけさせるという道徳の目的が教科でないから達成できていないということは、私は全然違うのではないかというふうに思います。答申では、教科でないから道徳教育が軽視されているというような議論もあるようですけれども、この教科化を提起している教育再生実行会議も大津市の男子中学生のいじめ自殺事件を例に挙げて、この事件が起きた背景には道徳の教育が弱くて、いじめの事態が改善されていないからだというような言い方もされています。しかし、実際には、この事件が起きた中学校というのは文部科学省指定の道徳教育実践研究事業の推進校で、いじめのない学校づくりを掲げて道徳教育もやっていた学校であり、大津市の第三者調査委員会の報告書では、道徳教育や命の教育の限界ということを挙げて、道徳教育が教科ではないから限界があったというのではなくて、道徳教育や命の教育だけをやっていくのでなくて、学校間の格差とか受験競争の中のストレス、こういういろいろな問題でそういう事件が起きているということで、道徳が教科ではないからだめだったんだということではないというふうに私は考えますけれども、どうしても教科化が必要だというふうに言っている、そのことについて、区の実際に道徳教育を進めている現場としてはどのように考えるのか、もう一度伺いたいというふうに思います。

○佐藤指導室長
 道徳におきましては、これまでも道徳教育を学校全体の教育活動で取り組んでいくという趣旨は全く変わらないものだと受けとめております。さらに、これからの子供たちに必要なのは、子供たちが自分の生き方について、よりよい生き方はどういう生き方なのかということを自分自身が主体的に、周りの他者との関係の中で、そういうことを考えていく時間がしっかり育まれるという意味で大事なものだというふうに受けとめております。特別な教科としての道徳ということは、そのような趣旨も十分あるのかなと、そういうふうに思っております。

 以上です。

○小栗委員
 市民的な道徳教育というのは大変大切なことだと思いますし、子供たちがみずからモラルを形成しながら、基本的人権の尊重を中心に据えて市民道徳を身につけていくということは大変重要な課題だというふうに思います。ですが、今回の教科化によって評価をするということも言われています。評価というのは、結局、お手伝いをしましたかとか、宿題をやりましたかとか、そういう目に見えるもので評価していくことに結局はなってしまう危険もありますし、児童や生徒の作文をいろいろ見たりとか、発言や行動を観察したりとか、そういうことで、点数ではつけないという話もありますけれども、子供の道徳が身についているかどうかという評価をするということは、逆に、先生の前ではいい子に振る舞うというようなことを子供たちに強いるようなことにもなるわけですし、そういう意味では大変教育的ではないというふうに思いますけれども、この辺の評価をする関連についてはいかがでしょうか。

○佐藤指導室長
 評価のことでございますけれども、先ほど委員がおっしゃったようなA、B、Cとか1、2、3ということではないと。総合的な学習の時間もそうでございますけれども、生き方についてしっかり考えていく中で、文章でこういうことについてしっかり考えるようになれたとか、そういう形で、評価といっても文章で状態をしっかり評価するというか、あらわすということでございますので、そこについては、国のほうもしっかり考え込まれているものだと思っております。

 いずれにしましても、先ほど申し上げたとおり、子供たちみずからが生き方について主体的に考えていく、そういうことが大事だと思っておりますので、そういう授業が進んでいくものだと思っております。

 以上です。

○小栗委員
 今、中央区で道徳教育の教材として使っている小学校3・4年生の教科書を図書館で借りてきたんですけれども、第3章に、自分を見つめて学ぶというのがあるんですけれども、自分の健康は自分で守ろうとか、自分で身の回りをきれいにしようとか、自分で時間を上手に使おう、自分から進んで学習しよう、体を鍛えよう、こういうのはもちろん大切なことですし、こういうものを身につけたいというふうに子供も思っていると思うんですけれども、思っても、なかなかできない。宿題もやらなくてはいけないなと思うけれども、寝てしまったとか、いじめの問題もいつも出ることですけれども、正しいことには勇気を出そうということで、わかっているけれども、なかなかできない、こういう問題についてみんなで話し合って意見を出して自分の考えを書こうみたいなつくりの道徳の教材があります。例えば、こういう問題でも、今までも学校の現場で、例えばいじめがあれば、いじめをやめましょう、はい、そうしましょうという言葉だけではなくて、どうしてそういうことが起きてしまったのかをクラスみんなで考えたり、いじめを受けた子供の気持ちになって考えてみようということを、道徳も含めて考えていく。そういう時間の中で、みんながそういう問題を考えて、自分なりに価値観をつくり上げていくということだと思うので、そういうものに対して、わかったか、わからなかったかみたいな評価をするというのは大変難しい問題だというふうに私は思います。そういう意味で今回、教科にするということは検定の教科書を国がつくって、それがちゃんと子供たちに身についたかどうかというのを評価の対象にするわけなので、戦前の修身の時間ではありませんけれども、上からの徳目を生徒が覚えるように強制するような危険性というものも大変あるのではないかというふうに私は考えます。そういう意味で、道徳というのは心の問題というか、どういうふうに生きていくかという問題と重なり合った大変重要な問題を評価する難しさというのはあると思いますし、そういう意味では、道徳を教科にして評価をすることについては問題だという思いがないのか。問題だということであれば、文科省に対しても意見を上げていってほしいと私は思っているんですけれども、その辺の考え方についてもう一度お願いしたいと思います。

 あと、35人学級の問題ですけれども、これも文科省はそういうふうにすると言っているわけではないので、ぜひ35人学級を小学校1年生、2年生だけではなくて、もともとは全学年に広めるということで最初つくった制度の改革だと思うので、それをこの二、三年の状況だけで、いじめが減っていないとか不登校が減っていないとか、都合のいい数字だけ見て、お金がかかるから減らしてしまおうという財務省の考え方というのは大変問題だというふうに思います。やはり35人学級、少人数の学校のほうが学校の現場としては大変勉強しやすい環境になってきていると思います。35人学級を40人に戻すようなことをしないようにということをぜひ国にも上げるべきではないかと思いますけれども、お考えを伺いたいと思います。

○佐藤指導室長
 まず、道徳についてでございますが、これは根本的な問題として、子供たち、人間全てですけれども、多様な価値観と考えの中でお互いを認め合って生きていく。こういう中で道徳そのもの、あるいは学校教育が営まれているということでございますので、ある価値を教えるとか、そういうことではなくて、先ほども申し上げたとおり、子供たちがよりよい生き方を目指して、そして主体的に考えていく時間、そういう形での特別な教科としての文章による評価がなされるものだと認識しております。また、教材につきましても、中央区が副教材として各学校独自で選んでいるもの、それから東京都の教材、そして国の教材、さまざまな副教材がある中で、よりよいテーマを選んで復読をして授業を組み立てているということでございますので、適切に行われていくものだと考えております。

 また、35人学級につきましては、中央区としては国の動向をしっかりと注視していきたいというふうに考えております。

 以上です。

○小栗委員
 道徳については、今は中央区の教材を使ったり、何かいい教材はないかということでやっていますけれども、これから教科ということになれば、教科書がつくられて、教科書も全部国のほうで検定に合格したものしか使えないということになって、とても息苦しいものにならないかということが専門家の人たちからも指摘されているわけです。そういう意味では、道徳を教科にして、どういう子供たちを育てようとしているのかという今の国の教育改革の流れを見ると、大変危険なものを私は感じますので、その辺も、国が決めることだからということで、ただ従うだけではなくて、きちんと現場からの意見を上げていただきたいということを申し上げまして、終わります。ありがとうございました。

○守本委員長
 そのほか、議題につきましての発言はございませんか。

 それでは、議題、区民生活及び教育行政の調査につきまして、継続審査ということでよろしいでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○守本委員長
 ありがとうございます。御異議なしということですので、継続審査と決します。

 第四回区議会定例会における委員長報告の取り扱いでございますが、正副委員長一任ということでよろしいでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○守本委員長
 ありがとうございます。正副委員長一任ということで、そのようにさせていただきたいと思います。

 以上をもちまして区民文教委員会を閉じさせていただきます。

 御苦労さまでございました。

(午後3時16分 閉会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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