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平成26年第三回定例会会議録(第3日 9月24日)

1.会期

二十八日(第三日)

九月二十四日(水曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後五時二十六分散会

3.出席議員

(二十九名)

一番 加藤 博司議員

二番 青木 かの議員

三番 瓜生 正高議員

四番 染谷 眞人議員

五番 富永  一議員

六番 山本 理恵議員

七番 河井 志帆議員

九番 奥村 暁子議員

十番 小栗 智恵子議員

十一番 田中 耕太郎議員

十二番 増渕 一孝議員

十三番 木村 克一議員

十四番 石田 英朗議員

十五番 中嶋 ひろあき議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 墨谷 浩一議員

十八番 渡部 恵子議員

十九番 志村 孝美議員

二十番 高橋 伸治議員

二十一番 原田 賢一議員

二十二番 鈴木 久雄議員

二十三番 礒野  忠議員

二十四番 今野 弘美議員

二十五番 押田 まり子議員

二十六番 植原 恭子議員

二十七番 田中 広一議員

二十八番 中島 賢治議員

二十九番 渡部 博年議員

三十番 守本  利雄議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君

副区長 小泉 典久君

副区長 吉田 不曇君

教育長 齊藤 進君

企画部長 田中武君

総務部長 島田 勝敏君

防災危機管理室長 中島 佳久君

区民部長 新治満君

福祉保健部長 平林 治樹君

高齢者施策推進室長 長嶋 育夫君

保健所長 和田 哲明君

環境土木部長 宮本 恭介君

都市整備部長 田村 嘉一君

会計管理者 平沢 康裕君

教育委員会事務局次長 坂田 直昭君

監査事務局長 有賀 重光君

企画部参事(企画財政課長事務取扱) 黒川眞君

広報課長 園田 典子君

総務課長 古田島 幹雄君

5.議会局出席職員

議会局長 田野 則雄君

庶務係長 小暮 万里子君

議事係長 荻原 雅彦君

調査係長 東 雅之君

書記 渡邊 千可雄君

6.議事日程

日程第一
一般質問

日程第二
議案第五十九号 平成二十六年度中央区一般会計補正予算

日程第三
議案第 六十号 平成二十六年度中央区介護保険事業会計補正予算


午後二時 開議

○議長(原田賢一議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(原田賢一議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 二十九番渡部博年議員。

     〔二十九番 渡部博年議員登壇〕

○二十九番(渡部博年議員)
 平成二十六年第三回区議会定例会に当たり、民主党区民クラブの一員として、渡部博年が質問させていただきます。さきに提出した質問通告書に沿って質問していきますが、前質問者と項目などが重なる部分については、角度を変えて質問いたしますので、よろしくお願いいたします。区民目線でしっかりした区政運営を行う上で、実効性のある御答弁をいただきたいと思います。なお、再質問については、この場で留保させていただきます。

 本年九月一日付の中央区の人口は十三万六千八百六十二人、前年対比五千四百九十五人の増となり、特にゼロ歳から四歳、二十五歳から五十四歳の方のふえ方が過去との比較でわかります。これは再開発が起因と思われる人口増加だと推測すると同時に、この傾向は今後も続くことと思います。また、年齢別人口分布を見たところ、ゼロ歳から十四歳一万六千九十三人、十五歳から六十四歳九万八千四百六十八人、六十五歳から七十四歳一万一千八百二十五人、七十五歳以上一万四百七十六人であり、高齢化率は低いと言われているわけですが、注目すべきは、六十五歳以上の方々が二万二千三百一人いらっしゃるということだと思います。

 これまでも、子育て関連事業についても重要であると発言してきましたが、高齢者人口を見たときに、去る六月十八日、医療法や介護保険法の改正を一本化した地域における医療・介護総合確保推進法が国会で成立し、このことにより、介護保険制度が来年度から改正されることが決定したこと、先日の新聞報道で七十歳以上の外来医療費の上限の引き上げを検討しているとの報道があり、この内容は、簡単に、現状、七十歳以上の外来医療費の上限額は、年収三百七十万円以上と未満に分かれ、以上の方が四万四千円、未満の方が一万二千円、住民税非課税世帯は八千円となっているのを、それぞれ八万百円、四万四千四百円と上限額が上がる考え方であるとのことでした。一方、高齢者の方々の大多数は年金収入の方々だと思いますが、年金支給額については、物価スライド条項によって、以前より支給額自体が下がっている現状に加え、介護保険利用者が介護保険第一期に比べ大幅にふえたことにより、介護保険料の値上げもあります。事実、国保、介護、後期高齢者医療保険制度それぞれが保険料の上昇となっているわけであります。収入が決まっているのに出費が多くなっている現状ではないかと思います。

 今挙げた事例だけでも収入が減少している現状を考えたときに、高齢者の将来設計については不安であると感じますし、実際、お話を聞くと、窮状を訴える方もいらっしゃいます。現在、区では、介護保険制度の改正及び第四次保健医療福祉計画策定のために情報を整理し、的確な方向性を見出している最中であると推測します。国からの情報が整理されていない状況でありますが、介護保険制度の改正について、区の基本的な考え方を伺いたいと思います。

 昨年十二月に成立した社会保障制度改革プログラム法の内容を具体化していくために、医療・介護等の連携のもと、高齢者が住みなれた地域で生活を送ることを目指す地域包括ケアという考え方に基づくサービスや、日常生活支援体制の整備・充実を図ること、費用負担の公平化、また保険料上昇を抑える観点の流れの中で、国会等の機関で議論され、今回の介護保険制度改正が行われていくと思います。

 改正の主な内容というと、一、特別養護老人ホームの新規利用対象者の見直しにより、原則、要介護三以上に限定する。二、比較的軽度の要支援一・二に関する一律の訪問介護、通所介護の予防給付を市区町村事業である地域支援事業に段階的に移行していく。三、低所得者の保険料軽減の拡充。四、一定以上の所得があるサービス利用者の自己負担を現行の一割から二割に引き上げる。五、施設利用者の食費、居住費を補塡する補足給付を、預貯金等の資産要件を追加し、見直しを行う。簡単に申し上げましたが、この中においても、これまでの介護保険制度で行われていた事業が大幅に変わることとなります。

 そこで、質問いたします。

 この改正により、要支援一・二の予防給付のあり方については、基本的には市区町村に委ねると受け取れるわけですが、この改正の趣旨を踏まえて、区として、どのように取り組んでいくお考えなのか。また、地域包括支援センター、おとしより相談センターについても、この改正により、多くの変化が出てくると考えますが、どのようにお考えかも、あわせて伺いたいと思います。

 次に、元気高齢者を初め、要介護や要支援までには至らない方に対しては、これまで保健事業の中では予防に関しての考え方が入っていない状況にあり、考えられる中では健康診断ぐらいしか思いつかないところでありますが、介護予防についてどのように対応していくのか、お考えを伺いたいと思います。

 次に、このような大規模な改正を行うのであれば、介護自体の質の向上、介護度を改善していく事業者のさらなる努力が必要であり、重要であると思います。介護事業会社はもとより、元気で地域で活動し、介護を受けないようにしていく、介護を軽減していく個々人の考え方も介護保険制度の根幹にあるわけですが、これまでの課題も含め、今後の考え方について伺いたいと思います。あわせて、来年度から施行される介護保険料の段階設定と考え方、現在の保険料からどのくらい上昇するのか伺います。

 介護関係の最後に、今回の介護保険改定は、現在、区として策定中である第四次保健医療福祉計画とも密接に関係することとなると思います。先ほど触れました元気高齢者の方々に対しての筋力アップなどの運動の促進の考え方については、現状ではいきいき館を中心として努力されているところですが、これら介護予防事業を拡大していく必要があると思います。具体的に、拡大していく際の考え方について、どのような機会と場所を提供していく考えなのかお知らせください。

 また、第四次保健医療福祉計画の現在の進捗状況と、第三次計画の総括を踏まえ、第四次計画に生かされていくべきもの、新たに取り入れていくべき方向性はどのようなものなのか、医療と介護予防との連携も含め、お考えを伺いたいと思います。

 次に、以前も質問いたしましたが、七十歳就労社会の実現について伺います。

 基本計画二○一三には、七十歳就労社会の実現に向け、臨時・短期・軽易の仕事から本格的な就労まで、高齢者の働く場や機会を提供するため、シルバー人材センターや無料職業紹介所シルバーワーク中央の機能強化による求人の確保や、高齢者雇用に積極的に取り組んでいる事業者に対する奨励金の交付等により就業の拡大を図ります。高齢者の豊かな知識と経験等を地域の中で生かせるよう、ボランティア活動等を希望する人と、それを必要とする個人、団体のマッチングを行い、活動を推進することで、高齢者の生きがいづくりと社会参加を促進します。高齢者の憩いや交流などの場であるいきいき館において、英会話、コーラス、フラダンス等の各種講座や発表会等を開催し、生きがいづくり等を支援します。また、いきいき館機能を含む生涯学習の拠点施設、本の森ちゅうおうを整備し、他の世代と幅広く交流できる機会を提供しますと書かれています。

 本の森ちゅうおうについては、建設費上昇により、建設を延期しています。

 前回の質問で、区長の答弁として、平成二十四年度の国民年金平均月額は五万五千円であり、都心区の本区において収入が年金のみの世帯では、預貯金等の資産がない場合、高齢者優良賃貸住宅を含め、賃貸住宅の家賃の支払いは難しいものと認識しております。また、平成二十三年中央区高齢者の生活等実態調査においても、仕事をする目的として、生計の維持と回答した方は半数を超え、最も多い結果でありました。このため、高齢者の収入増の観点からも、七十歳就労社会の実現が求められます。今後も、シルバー人材センターにおける区からの発注業務増や就業専門員等の増員による就労の場の確保、シルバーワーク中央における独自求人の確保、奨励金の交付による高齢者を雇用する事業者の増加等に取り組んでまいりますといただいているところですが、生計のためと回答いただいている方が過半数ということを考えたときに、実際、雇用につかれている方々については、福祉保健委員会での報告でありました、社会福祉協議会で求職者一千七百五十一人、就職者百九十二人、面接会二回開催、参加者百三十六人、シルバー人材センターで就職者四百八十三人という現状であり、相当事業に対して努力をしていますが、高齢者求職者全体から見て、七十歳就労社会事業として、成果がどの程度達しているとお考えなのか、また、今後の進め方について伺いたいと思います。

 次に、本の森ちゅうおうの建設は延期されましたが、いきいき館など高齢者が活動する拠点も高齢者が利用しやすいように配置していく必要があると思いますが、あわせて考え方を伺いたいと思います。

 この項の最後にお聞きしたいのは、中央区の人口推計についてであります。

 基本計画上の人口推計が行政の計画遂行の基本となると思うところですが、これまでも申し上げてきたわけですが、オリンピック・パラリンピックの開催が決定して以来、さらに中央区を取り巻く情勢に変化があらわれてきていると感じています。何度も申し上げて申しわけありませんが、現状の状況を加味した人口推計を行い、区内施設の更新時期も含めて、変化していくと思うところですので、再度行う必要性について、ないのかどうか伺います。

 次に、二○二○年オリンピック・パラリンピックに伴う中央区の考え方について伺いたいと思います。

 本年三月に、中央区長、議長連名による要望事項を東京都に対して提出いたしましたが、先日、全議員送付による資料により都からの回答をいただいたところです。回答書については、東京都オリンピック・パラリンピック準備局長名であります。区からの説明によると、関係各部署との連携のもと作成されたと聞いていますが、この前発言させていただいた港湾問題都区連絡協議会でのやりとりも含めて考えたときに、本当に責任を持って推進していただけるものなのかが不安であります。

 個別案件の内容についての疑問点について述べておきたいと思います。

 一点目の交通基盤の整備についてであります。

 この中で、東京都は、中央区と話し合いを持ち、対応していくとの回答でありましたが、八月二十九日、東京都都市整備局の発表で、都心から勝どきを経由して臨海副都心に至る地域において、選手村の後利用を初めとしたオリンピック・パラリンピックを契機とする開発需要に柔軟に対応するため、都心と臨海副都心とを結ぶ公共交通に関する基本方針を策定しました。今後、本方針に基づき、事業協力者を公募し、着実に実現可能な基本計画の策定を行うなど、当該地域への中規模な公共交通導入に向けて取り組んでいきますとし、具体化するための公募も行っています。この中に、二○一九年度内運行可能な中規模交通システムを想定していますともあり、中央区の進めている事業より後退しているところであります。

 区としては、段階的に導入も含めて申し入れを行い、区の考えに近いものとしていくと委員会などで回答いただいていますが、それだけではなく、晴海地区の交通網整備についても、近い将来的には都営バス新路線、そして地下鉄の導入についても、東京都が積極的に交通政策審議会の議題に加える行動に向けていくことが重要であると考えます。

 しかし、回答書によると、将来予想される交通需要に適した中規模な公共機関が必要と認識しておりますにあるように、地下鉄導入については消極的ととれるように思います。東京都は、晴海地区の土地利用計画の変更により、四万人を上回る居住人口と三万人を超える就業人口を想定していますし、月島地区だけでなく臨海部の開発動向を踏まえた公共交通の構築を進めているとは考えられないと思います。

 また、平成二十三年第一回区議会定例会において、開発事業と公共交通網の質問に対して、まちづくりは、個別の開発区域のみならず、公共交通網など、周辺地域を含めた地域全体の考え方を総合的に示し、取り組んでいくことが重要であると考えております。このため、今後、まちづくりを進めるに当たっては、都市における公共交通の位置づけを踏まえた地域ビジョンの一層の明確化に取り組むとともに、例えば臨海部と都心を結ぶ公共交通網の充実に関し、東京都に対して、豊洲・晴海開発整備計画への反映を求めていくなど、関係各方面にも積極的に働きかけてまいりますと回答いただいているところでもあります。また、区の認識では、晴海地域は交通不便地区と考えておられるわけですが、果たして、現状の人口増を考えたときには、さらに公共交通不便地区として進んでいくことと思いますし、月島駅、勝どき駅の混雑については、さらに進むものと思います。

 二点目の第一の公共公益施設等の整備についてでは、具体的協議を進めていくとの回答を得ているところでありますが、どうなのかというところであります。

 第二については、オリンピック・パラリンピック選手村自体がレガシーのように受け取れます。五点目との関連でいっても、オリンピックによって中央区のスポーツ行政が後退することは絶対に許されないことだと思いますが、この二つについても疑問の残るところです。

 三点目の未利用エネルギーに関しては、私の以前からの質問に対して中央区の回答と重なるものがあり、本当に実現していくのか疑問であります。

 四点目のセキュリティーについては、晴海四丁目地区には事業所及び住宅があり、五丁目には触れていませんが、住宅が直近に存在しています。事業所については、将来の会社のあり方まで左右するところであると思いますが、いつごろ具体的説明ができるのかわかりません。

 この回答書に対して、区から説明を受けて、東京オリンピック・パラリンピック対策特別委員会で区長から御答弁をいただいているところですが、東京都として、中央区民に対して責任を持った誠実な回答であるのか伺いたいと思います。また、それぞれの個別回答についても御見解をいただきたいと思います。あわせて、晴海の将来ビジョン検討委員会中間報告について、東京都の受けとめ方と東京都各局は情報共有を行っているかどうかもお聞きしたいと思います。

 さらに、オリンピック・パラリンピックを挟んだ東京都長期ビジョンについては、現在、中間発表という形でパブリックコメント期間中であると思いますが、中央区にかかわる部分について、どのような御見解か伺いたいと思います。

 この問題の最後が、財政問題であります。

 具体的内容がないまま、区として、学校の新設が課題として上がってきます。平成二十五年度末現在の基金として、施設整備基金百五十七億二千五百二十八万八千円、教育施設整備基金九十四億四千八百二十八万三千円、財政調整基金百七十八億八千六百九十三万六千円となっていますが、現状の小学校一校の建設に六十億円程度かかっていることを考えますと、小学校一校、中学校一校の整備や、オリンピックレガシーとしての運動場整備についても、東京都の回答を見る限りでは、区が整備主体になる可能性もあり得ることを踏まえると、区の基本計画二○一三の推進にも支障が出てくる可能性が懸念されます。東京都との協議はこれからになると思いますが、展望はどのようになっているかも伺いたいと思います。

 以上で私の第一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 渡部博年議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、介護保険制度改正による要支援者への取り組みについてであります。

 要支援の訪問・通所介護の地域支援事業への移行は、全国一律のサービスではなく、地域の実情に応じ、NPOなどさまざまな事業主体がより効果的・効率的にサービスを提供することを目的としております。そのためには、さまざまな事業主体の参加を促すとともに、サービスの種類ごとに基準や単価などを定める必要があり、三年間の移行期間が設けられているところであります。今後、省令等を踏まえ、サービス内容を具体的に検討するとともに、新たな事業主体とも十分に協議を進め、円滑な制度移行に努めてまいりたいと存じます。

 次に、おとしより相談センターについてであります。

 地域支援事業への移行により、さまざまな主体によるサービスが提供されることになれば、今まで以上により適切にケアマネジメントを行うことが求められます。加えて、認知症施策の推進や地域ケア会議の充実等、今後さらに取り組むべき課題もございます。そのため、おとしより相談センターの役割は今後ますます重要となりますので、これら事業の進捗状況に合わせて、その機能の充実につきましても検討してまいりたいと存じます。

 次に、介護予防の考え方についてであります。

 介護予防とは、心身機能の改善等を通じて生活機能を向上させ、一人一人が生きがいを持ち、社会に参加することによって、生活の質の向上を目指すものであります。区では、これまでも介護保険の地域支援事業として、元気高齢者向けのさわやか健康教室や、生活機能に低下が見られる方向けのはつらつ健康教室等の介護予防事業を実施し、心身機能の改善を図るとともに、いきいき館においてヨガやコーラス等のさまざまな講座の開催や生きがい活動リーダーの高齢者クラブへの派遣など、高齢者の社会参加や生きがいづくりを支援してまいりました。介護予防は、ともすれば生活機能の改善と考えがちでございますが、元気なうちは働き、社会活動に参加し、趣味を持つなど、生きがいづくりにつなげていくことが大切であり、今後とも介護予防、生きがいづくりを総合的に推進してまいりたいと存じます。

 次に、介護の質の向上についてであります。

 介護事業者が介護の質を向上させ、利用者の介護度を改善していく努力をすることは大変重要であります。本区におきましても、平成二十五年度に一年間予防通所介護に通った要支援認定者八十一名のうち、十三名の方の介護度が改善いたしました。これは、御本人の努力とともに、介護事業者の適切な支援があったものと考えております。介護の質を確保するためには、人材の育成が欠かせません。しかし、比較的規模の小さい事業者は、独自に専門的な研修を実施することが難しい現状があります。そのため、本区では、平成十四年度から毎年度介護事業者への研修を実施し、介護の質の向上に努めているところであります。今後とも、研修会や事業者同士の連絡会を通じまして、介護事業者が利用者の日常生活自立度を高める取り組みを支援してまいりたいと存じます。

 次に、介護保険料についてであります。

 今回の制度改正で、国は保険料の段階設定を標準六段階から九段階に見直しいたしますが、本区では既に十三段階の設定をしているところであります。国の見直し後も保険者判断による多段階化は可能でありますので、国よりもきめ細かい段階設定をすることによって、公平に御負担をいただく考えに変わりはございません。また、保険料につきましては、今後の介護サービス利用の伸びを慎重に見きわめるとともに、現在国で議論されている介護報酬改定も踏まえて算定し、その後にお示ししてまいりたいと存じます。

 次に、介護予防事業拡大の考え方についてであります。

 区では、運動習慣や栄養の大切さなどを知っていただくため、そのきっかけづくりとして、さわやか健康教室やはつらつ健康教室などを行っております。今後は、これらの事業で向上した状態をその後も継続的に維持する活動や、社会参加につなげる取り組みを積極的に行っていく必要があり、そのためには身近な場所で運動できる機会をふやしていくことが大切であります。現在、さわやか体操リーダーは、いきいき館や浜町高齢者トレーニングルームの四カ所で介護予防教室を開催しておりますが、今後は高齢者クラブ等へ出張して指導するなど、地域の中に出て活動する場を広げてまいりたいと存じます。また、まだ介護予防に取り組んでいない方々に対しましては、区内の運動できる施設や地域の活動団体の情報を提供するなど、一人一人がその健康状態に合わせて取り組めるよう支援してまいります。

 次に、第四次保健医療福祉計画についてであります。

 第三次保健医療福祉計画の評価報告書によりますと、高齢者施策はおおむね順調に達成されているものと考えております。その中で、介護予防につきましては、高齢者人口の増加に伴い、今後も活動を継続しやすい環境が整備されることを期待するとの御指摘をいただいているところであります。第四次保健医療福祉計画は、現在、子供、高齢者等の分野別に、今後の十年後を見据えたビジョンについて議論されており、十一月に中間報告書をまとめ、パブリックコメントを経て、今年度末に計画書を策定する予定となっております。二○二五年には、本区の高齢者人口は現在の約二万二千人から約二万五千人に増加するとともに、団塊の世代が後期高齢者となり、介護需要も増加するものと見込まれることから、第四次保健医療福祉計画では重点的に介護予防に取り組む必要があると考えております。医療と介護予防との連携につきましては、現在、健康診査にあわせて生活機能評価を実施し、そのデータをもとに、おとしより相談センターから介護予防事業への参加を勧奨しております。今後も引き続き、医療を初め、さまざまな関係機関と連携を図り、一人でも多くの高齢者が介護予防事業へ参加していただけるよう努めてまいりたいと存じます。

 次に、七十歳就労社会の実現について、事業の成果と今後の進め方についてであります。

 シルバー人材センターは、五年間で会員数が一・三倍、受託件数が二・八倍に増加するなど、事業規模は順調に拡大しております。今後は、受託件数が特に伸びている民間企業や一般家庭に積極的に働きかけ、受注拡大をさらに図ってまいります。シルバーワーク中央は、求人開拓に努めた結果、独自求人数は、平成二十三年度の五百十一人から平成二十五年度は一千五百六十五人と約三倍に増加しておりますが、就職率は一一%程度で推移しているところであります。これは、求人の約五割が清掃、保安業務という職種である一方、求職者の約四割が事務職を希望しているためと考えております。そこで、事務職の求人開拓に努めるとともに、再就職支援セミナーにおいてキャリアチェンジ等のアドバイスを行ってまいります。今後とも、高齢者の働く場や機会の確保に努め、七十歳就労社会の実現を目指してまいりたいと存じます。

 次に、高齢者の活動拠点についてであります。

 区では、区内三カ所にいきいき館を設置するほか、シニアセンターや浜町高齢者トレーニングルームにおいて各種事業を実施しており、平成二十五年度からは、より身近な場所で活動できるよう、ゆうゆう講座を社会教育会館三カ所で開催しております。また、高齢者クラブにおきましては、区民館の優先利用により、現在、二十九団体が地域の区民館でさまざまな活動を行っております。今後もいきいき館等を中心的な活動拠点としながらも、高齢者の方が身近な場所で活動できるよう、社会教育会館や区民館など既存施設を有効に活用してまいりたいと存じます。

 次に、区の人口推計についてであります。

 人口推計は、区が抱える行政課題を把握し、将来を見据えた施策を展開するための基礎資料として重要であると認識しております。昨年策定した基本計画二○一三では、中長期的な視点から十年間の人口推計を行うとともに、近年の人口増加など、本区を取り巻く環境変化を踏まえ、保育所の整備や学校施設の増改築、地域密着型特別養護老人ホームや小規模多機能型居宅介護事業所の整備など、各種施策を計画化いたしました。個々の行政需要への対応については、施策ごとに対象者の動向をきめ細かく捉え、必要に応じて見直しを図ることとしております。本区にとって特に影響の大きい選手村の後利用計画については、人口フレームとして一万二千人増という数字はあるものの、開発規模など具体的な内容が明らかにされていないことから、現段階で推計に加えることは困難であります。区といたしましては、基本計画や各種計画に基づき、多様化する行政需要に対応した施策の一層の推進を図るとともに、今後の人口動向やオリンピック・パラリンピックを初めとする社会情勢の変化を十分見きわめた上で、適切な時期に人口推計を行ってまいりたいと考えております。

 次に、二○二○年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に伴う本区の考え方についてであります。

 本年三月に提出した要望書に対する東京都の回答につきましては、本区のBRT計画と連携していくことや、来年度の東京湾大華火祭の開催など、現段階での都の見解が示されましたが、いずれの項目におきましても、十分納得できる内容ではありません。特に、交通基盤に関しましては、地下鉄の導入についての言及がないことなど、臨海部の将来を見据えたものとなっているか懸念されるところであります。公共公益施設等につきましては、都も一定の必要性は認識しているものの、具体的な施設計画が示されていないことなど、さらに強く働きかけていく必要があるものと認識しております。また、四百メートルトラックを初めとした関連施設の恒久化や未利用エネルギー等の活用につきましても、その実現に向けた協議・検討を継続的かつ積極的に行っていく必要があるものと考えております。区といたしましては、今後の要望等に当たっては、区議会や地域の方々と連携しながら、納得いく回答が得られるよう、継続して働きかけてまいります。

 次に、晴海地区将来ビジョン検討委員会の中間取りまとめについてであります。

 委員会には都の関係職員が毎回出席していることから、当然、情報共有が図られているものと認識しております。今回、都から示された選手村の建物配置案においても、中間取りまとめが反映されたものと考えております。また、都の長期ビジョンは、広域的な観点から都全体の持続的発展に向けた施策の方向性が中間報告として示されたものと認識しております。長期ビジョンに基づく具体的な施策の実施に当たっては、本区の良好なまちづくりに資するよう、都に対して積極的に働きかけてまいりたいと存じます。

 次に、今後の財政展望についてであります。

 学校を初めとする公共公益施設など、大会後の人口増加に対応した基盤整備につきましては、多額の経費を要するため、今後、東京都と財政措置を含めた具体的な協議を行うこととしております。協議に当たっては、大会後の良好なまちづくりに向け、都、民間事業者及び本区が担うべき責任と役割を踏まえた上で、必要な負担のあり方について、現行の枠組みにとらわれることなく、多角的な観点から検討に臨んでまいりたいと存じます。本区を取り巻く社会経済状況は、オリンピック・パラリンピックを大きな契機として将来にわたっても変化し続けるものと想定されます。そうした変化に的確に対応しつつ、ますます増大し多様化する行政需要を賄っていくためには、強固な財政基盤の維持が欠かせません。基金や区債の活用とともに、国や都との連携や多様な主体との協働、優先度・重要度による事業選択などにより、限られた財源を最大限に生かしながら、今後とも健全で持続可能な財政運営に努めてまいりたいと思います。

 答弁は以上であります。

     〔二十九番 渡部博年議員登壇〕

○二十九番(渡部博年議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 介護保険については、まだ現状、国からのいろいろな細かな法整備自体が整っていないという現状もあり、区が今どういうふうに考えているのかということを基本的に聞いたつもりでございます。

 一番私が今思っているところで言いますと、やはり介護の質ということを向上させていかなければいけない。十何人、ちょっと聞き漏らしたんですが、介護度が改善されたという方がいらっしゃるということは、これはすばらしいことであるかと思いますけれども、対象になられている方はもっと多いわけでございますし、ドイツでしたっけ、介護の質の確保法とかいうのがドイツではあって、その事業者自体がどういうふうにしていくのかというのを今やられているところであります。ドイツは、いろいろな関連法があって、介護に関することは、認知症も含めていろいろあるわけですけれども、区として、そういう考え方を、国の制度ではあるにしても、区が保険者であるという状況を踏まえて考えたときには、やはりそういったところも、今、やっている現状はよく理解するところではありますけれども、もう一段上げてやっていく必要があるのではないのかなと。だから、これからさらに、こういう改正の機会であるからこそ、そういうものを取り入れていく必要があるのではないのかなというふうに、今、思っている次第であります。

 予防の観点という話をさせていただきましたが、健康保険では、予防ということで言えば健康診断ぐらいしかないんだろうなというふうに思っておりますし、これから六十四歳までの方、会社を退職されて六十五歳、七十歳までの間の方も含めまして、そういう方々が地域で元気で過ごしていただけるという施策が必要なんじゃないのかなと。それは、一般的に、今、晴海でやっている晴海三丁目の公園の芝生の育成だとか、ああいうところでは高齢者の方々が来て芝生の手入れをしている。それを自主参加でやっているということもありますし、そういう活動の拠点というのは、その地域にいっぱいあるのではないのかなと。そういう仕掛けが、中央区としてやっていくべきことではないのかなというふうに、今、感じております。そういうことを予防の基本的なことに据えて地域で活動していただいて、NPOだとか、そういう立派な組織もありますけれども、そうではなくて、町会・自治会、高齢者クラブだとか、そういうところも含めて、そういうものを仕掛けていくような形を区が先導できるような形をつくってもらえればありがたいというふうに思っております。

 七十歳就労も予防と一緒で、地域で働くこと、生きがいも含めて、やはりこういったことをやっていくという地域での諸活動、これも仕掛けの中に含めてやっていかなければ、要介護として介護を受ける方々がふえていってしまう。それは、二万五千人に二○二五年にはなってしまうということも含めて、対象者が多くなるということも含めて、今のうちからそういうことを対処していかなければいけないんだろうというふうに思っておりますので、七十歳就労社会についても、これからも一層進めていっていただきたいというふうに思っております。

 活動の拠点の話でありますが、いきいき館、本の森ちゅうおうは建設費高騰で若干建設年次が延びたということでありますが、いろいろ新聞などを読ませていただきますと、大規模な団地でありますと、どこでしたか、地域は忘れましたが、URの地域では、そこの一つの部屋を、部屋でしたっけ、集会場でしたっけ、そういうところを一つ開放して、地域の人、その団地の中の人を集めてやっている。高齢者の人たちが交流できる場所をつくっているということも新聞に載っていたと思います。そういうことも含めて、高齢者になればなるほど歩く距離というのが短くなっていくわけですから、やはりそういうところでしっかり、自分では年齢に合わせてどのくらいの距離が歩けるのかというのを調べてもらいながら、地域における、そういった施設をつくっていくことが肝要じゃないかなというふうに思っております。先ほど人口推計の話もしましたけれども、人口の分布、高齢者だとか年齢の分布も含めて細かく調べていって、何がどこにどういうふうに必要なのかというのを検討していったりすることが必要なんじゃないのかなと。六十五歳以上の人がここには何人いる、ここにはゼロ歳から四歳の人たちが何人いるということを地域別に着目点をいろいろ変えながらやっていく必要があるんだろうというふうに思いますので、推計だけでなく、そういった人口の年齢別も含めて、分布を含めて考えてもらえればありがたいなというふうに思っております。

 オリンピックの関係については、区としても十分納得できるものではないという認識であることは、私も一緒でありますし、区長もそういう認識のもとで、これから交渉していただくということであると思いますけれども、交通基盤については、四万人の人が住んで、四万人の方のうち何人が移動するかということはありますけれども、BRTの話、この前の東京オリンピック・パラリンピック対策特別委員会でいろいろと御答弁もいただいているところでありますけれども、やはり大規模な公共交通が必要だろう、導入していかなきゃいけないだろうと。そのために、戦略的に、今、いろいろな形で区は取り組んでいるということは認識している上で、都に対して交通政策審議会にそういうものをさらに盛り込んでいただく努力をしていただくことが必要だろうというふうに思っております。

 スポーツ施設の関係で、四百メータートラックとか、ああいうのは、回答書には大会終了後は撤去するものだという形で書かれておりましたけれども、中央区としては、そういうものも含めて残してもらいたいという形であり、今、現状で晴海ふ頭公園を管理しているのは東京都の外郭団体の、東京港埠頭公社だと思いますけれども、そこが管理しているという状況があるわけで、そういったいろいろな考え方のもと、中央区がその指定管理者も含めて努力をすれば、また違った財政の出動の仕方もあるのではないのかなというふうに思っておりますので、その辺も含めて、これから粘り強く交渉をしていっていただきたいというふうに思います。中央区がなれるかどうかという話はまた別ですけれども、そのときには都市整備公社なり、そういったものもあるわけですから、あらゆる手段を考えて、区の財政のものを含めて施策として対応していただきたいなというふうに思います。

 いろいろ人口の話もしてきましたけれども、先ほどの高齢者の話も含めて、区長、今回の区議会の最初のときに人口が七万人を切る時期もあったという話をされておりましたし、今、十三万人を超えて十四万人になろうとしているという話もありましたけれども、人口が減ったときにコミュニティが崩壊したという話をされておりました。でも、人口がふえたときには、同じ問題として、コミュニティをどういうふうにつくっていくのかという、今度、構築が問題になってきている。そこで、高齢者の方々がその地域でどういった役割を果たしていけるのかということも含めて考えていかなきゃいけない課題というのが、区として、区民の方々は自分たちで考えてやれることというのはいっぱいあるわけです。区がこういうことに助成しますよとか、お手伝いしますよということをやってあげれば、地域の人たちは地域の人たちが考えてやること、できることがいっぱいあると思うんです。そういうことも含めて、コミュニティという問題が一番基本になってきて、オリンピックの問題も含めて、一万二千人の人が、現状で計画されている中でいけば、晴海の地域にできる。では、その人たちのコミュニティをどうするんだという話も出てくるわけですから、安全・安心も含めて対応していく中では、そういったことが必要だなというふうに思っております。

 決算特別委員会がこの後、結成されるということでございますので、きょうは要望にさせていただきますが、また違う機会にもう少し細かな話をさせていただきたいと思いますので、私の質問はこれで終わります。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後二時五十四分 休憩


午後三時十五分 開議

○議長(原田賢一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。三番瓜生正高議員。

     〔三番 瓜生正高議員登壇〕

○三番(瓜生正高議員)
 中央区議会自由民主党の瓜生正高です。平成二十六年第三回区議会定例会に当たり、自由民主党議員団の一員として、中央区の当面する諸課題について、質問通告の順序に従い、質問させていただきます。区長並びに関係理事者の皆様には、区民の視点に立った積極的な御答弁を期待いたします。なお、御答弁のいかんによりましては、あらかじめ再質問を留保させていただきます。また、本日一般質問最終日になりますので、ほかの質問者と重複する内容につきましては、その趣旨を御賢察の上、御答弁いただきますようお願いいたします。

 まず、初めに、月島地域の交通対策について質問いたします。

 中央区は、伝統的に商工業を中心に繁栄を極めてきたまちであり、本区の地域行政区分として三地域に分かれており、日本橋地域、京橋地域、月島地域の地域環境にそれぞれ違いはありますが、おのおの大変魅力的な地域であります。私の住む月島地域の商店街では、従来は物販店が多数を占めておりましたが、十数年前より、もんじゃのまち月島と、名前も全国区になっており、テレビや雑誌でも取り上げられ、地域経済の活性化に大きく寄与しています。これは、発想の転換から生まれた元祖まちおこしとしての最たる例ではないでしょうか。

 昨今の経済情勢や周辺環境から鑑みても、日本全国の商店街は、一部の例外を除き、深刻な不況のもと、シャッター通りとやゆされるほど閑散としております。もんじゃが子供の駄菓子屋のおやつから、一時のブームを経て、下町を代表するB級グルメとして定着してきました。現在も、土日・祝祭日はもちろんのこと、ゴールデンウイークを初めとする大型連休に観光客や修学旅行生に多数来街していただき、商店街及びもんじゃストリートに活気とにぎわいを創出しています。

 中央区の観光商工振興策の一環で補助され、春と秋の年二回にわたり開催されている、月島もんじゃありがとうフェアがあります。そのほか、企業の協賛やタイアップを活用しながら、常に自助努力をされていると感じており、本区月島地区において基幹的商業に位置づけても過言ではない、もんじゃを中心とする飲食業のさらなる発展が今後の地域経済の底上げになると確信しています。

 今では年間三万人を超す修学旅行の生徒たちが都内各名所を観光した後、月島にもんじゃを食べるために来街するそうです。各旅行会社も企画を練り、我が月島地域における集客力を高める努力をしていますが、そこで大きな課題があります。修学旅行生を乗せた大型観光バスの停車所がないことです。現在は、清澄通りから一歩裏手に入った通りにバスを停車し、飲食店の従業員が、乗客である生徒及び学校関係者を安全に店舗まで送迎していますが、停車時の騒音などにより、近隣施設や一部住民とのトラブルも発生している現状があります。

 そこで、お尋ねいたします。

 せっかく月島地域に来街していただき、よき思い出をつくり、リピーターとなっていただきたい方々に悪い感情を与えないためにも、大型観光バス専用の停車所を安全な場所に設置することが必要だと思いますが、本区のお考えをお聞かせください。

 続いて、本区の自転車対策について質問いたします。

 都内各自治体にとっても、昨今急増した放置自転車対策は喫緊の課題であると思います。我が会派の政策要望及び私の過去の一般質問でもお尋ねをし、さきの環境建設委員会でも報告いただいたとおり、本区では自転車対策として、本年一月、放置禁止区域内での即日撤去を開始するとともに、本年度には東京駅前において民設民営の駐輪場を整備・計画をし、駅周辺への駐輪場の拡充を進め、放置禁止区域の設定や即日撤去の強化を図っていくと聞いております。放置自転車の減少及び区民所有の自転車の総量を抑制し適正化をするために、コミュニティサイクルの導入や集合住宅におけるサイクルシェアの早期実現を行政として積極的に推進していくことを期待しています。

 そこで、お尋ねいたします。

 コミュニティサイクルをいち早く導入した近隣区の状況を踏まえながら、本区としての導入のあり方について、お考えをお聞かせください。また、あわせて本区の定住人口の八八%が高層マンションを主軸とする現状を踏まえ、集合住宅に居住する自転車を常に利用する世帯のニーズを的確に捉え、サイクルシェアの推進のため、モデルケースとして自治会や管理組合と協力し、サイクルシェアの助成などにも力を注ぐべきであると考えますが、本区のお考えをお聞かせください。

 現在、本区の駐輪場の利用料は無料であり、かつ撤去自転車の撤去・保管手数料を徴収していない状況でありますが、これからの自転車施策の総合的な展開として、利用者のさらなる利便性向上のため、利用者にも適正な負担が必要であるとした駐輪場の有料化には一定の理解を示します。そこで、現在の都市型ライフスタイルを満喫するファミリー世代に持続可能でスマートな自転車利用を行ってもらうためにも、今後の本区の自転車施策の方向性についても、改めてお答えください。

 また、駐輪場の有料化や自転車撤去・保管手数料の徴収を行うに当たり、いささかの混乱や従来どおりの接遇が許されるものではありません。その点についても、本区のお考えをお聞かせください。

 また、従来の駐輪場内での撤去移動では、シルバー人材センターから派遣されている高齢者の方々に作業に従事していただき、一定の成果を上げました。駐輪場での自転車整理や放置禁止区域内での啓発活動もシルバー人材センターの主要業務であると深く認識されるところです。その中において、今後、駐輪場内での委託管理業務を外部に委託すると聞き及んでおります。

 そこで、お尋ねいたします。

 シルバー人材センターの役割は、本格的な高齢化社会を迎える中で、健康で働く意欲のある高齢者などの経験、能力、希望などに応じた多様な就業を援助し、高齢者の福祉の増進と地域社会の活性化に寄与することを目的としています。これは、区長が常々おっしゃっている七十歳就労社会の実現の一翼を担っています。また、年金受給者である高齢者の方々が、昨今の経済状況や社会的環境のもと、月々数万円の収入を得ることにより老後の生活設計を維持している現状を踏まえ、本区の自転車施策の一環である駐輪場の有料化及び自転車撤去・保管手数料の徴収を進めている一方、シルバー人材センターの仕事が減少するということについて、本区はいかがお考えかお聞かせください。

 次に、通学路の安全・安心について質問いたします。

 全国では、子供を狙った略取誘拐、傷害事件や登校中の交通事故など、子供が被害に遭う事件、事故が後を絶ちません。本区においても不審者情報がたびたび寄せられ、危惧している現状があります。そこで、区内においても、まちじゅうで防犯カメラを複数箇所設置し、町ぐるみで安全・安心力の向上に努めていることがうかがわれ、区民の防犯意識の啓発の一助になっていることと思われます。

 区が学校、保護者、地域とともに取り組んできた施策の一つとして、こども安全安心メールがあり、これは警察や地域から連絡のあった不審者の目撃情報などを携帯電話やパソコンのメールで区や学校から保護者に通知しているものがあることや、児童・生徒が緊急時に外部に自身の危険を知らせるために防犯ブザーを全小・中学生に配付を行い、安全・安心力の向上に努めています。

 また、こども一一○番として、子供が路上犯罪に巻き込まれないように、緊急時に逃げ込める避難場所として、区内の家庭、店舗、事業所などに協力依頼し、協力していただいているところにはこども一一○番のステッカーを掲示し、さらなる安全の確保をしています。

 PTAによる安全パトロールでは、小学校PTAが、日常生活の自転車走行時や安全パトロールを実施する際、自転車に掲示できるプレートを配布していることや、通学路の安全点検として各学校がPTAや所轄の警察署の協力を得て毎年四月から六月ごろを中心に実施し、地域イベントや学校行事などを考慮しながら交通安全などの啓発活動や工事現場などの通学途上の危険箇所の確認などを中心に活動しています。

 そこで、お尋ねいたします。

 子供たちを事件や事故から守るためには、区と保護者、地域がさらなる連携を図り、一体となって取り組む必要があると考えますが、本区においては、さきの取り組みの現状における課題や改善点及び今後の方針について御見解をお聞かせください。

 本年四月の新聞報道によると、通学路の安全を守るため、東京都は今年度、都内の公立小学校全千三百校の通学路に防犯カメラをつける事業を始めました。二○一八年度までには六千五百台を設置する予定となっています。これは、都内で昨年、練馬区内において下校中の男児三人が男に刃物で切られる事件などがあり、二○二○年東京オリンピック・パラリンピックまでには治安をよくすると強く訴える舛添都知事の肝いりで行われている事業です。一校の通学路にカメラ五台を置く想定で、都内全域を対象に、事業費は二十四億七千万円になり、費用は東京都と区市町村で折半するとのことです。都は、今年度二百六十校に設置予定であり、区市町村教育委員会に協力を呼びかけているそうです。

 そこで、お尋ねいたします。

 誰もが安心して安全に暮らせるまちづくりを標榜する本区でありますが、何よりも優先して安全・安心が担保されるべき小学校の通学路において、設置場所やプライバシーの配慮について、どのような方向性を模索されているのか、現時点での本区のお考えをお聞かせください。また、教育的観点から、防犯カメラを過信せず、地道な防犯活動の有効性や不審者に対する自己防衛策などをどのように児童たちに指導するのか、あわせてお答えください。

 以上で私の一回目の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 瓜生正高議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、月島地域の交通対策についてお答えします。

 西仲通りを中心とした月島地域に観光バスで来街し、清澄通りなど近隣道路において乗降することが地域の課題になっていることは御指摘のとおりでありまして、区も十分認識いたしております。道路上での乗降は騒音や排気ガスなど地域の生活環境への影響や交通安全上の問題があることから、こうした状況の早期解消を図っていく必要があると思っております。そこで、今後、近隣において観光バスの乗客が安全に乗降できる場所の確保について、具体的に、積極的に検討してまいります。

 次に、コミュニティサイクルの導入についてであります。

 コミュニティサイクルは、自動車利用の抑制による環境負荷の軽減や放置自転車の削減、観光振興など多くの効果が期待されることから、区では導入に向けた検討を進めております。また、千代田、港、江東の周辺三区や東京都と広域連携を含め、情報交換を行っているところであります。導入においては、ステーション用地の確保や事業採算性などの課題がありますが、早期の本格導入に向け、周辺区との広域連携も視野に入れながら、社会実験の実施に取り組んでまいります。

 次に、集合住宅におけるサイクルシェアについてであります。

 区では、昨年十一月に市街地開発事業指導要綱の見直しを行い、サイクルシェアによる駐輪場の緩和規定を導入し、集合住宅におけるサイクルシェアの促進を図っているところであります。既存の集合住宅における助成については、既に居住者が自転車を保有している中で、共同利用の考え方や合意形成などの課題もあることなどから、難しいと考えておりますが、今後、コミュニティサイクルの社会実験の中で、集合住宅への効果や課題について検討してまいります。

 次に、本区の自転車施策の方向性についてであります。

 本区においては、平成二十四年六月に策定した自転車利用のあり方に基づき、駐輪場の整備や放置自転車撤去の強化など、放置自転車対策の充実のほか、自転車の総量抑制を目的としたコミュニティサイクルの導入検討や、集合住宅でのサイクルシェアの促進などを図っております。あわせて、広報・教育の充実により、自転車の走行ルールの周知やマナーの改善を図っているところであります。今後も自転車の総合的な取り組みを推進し、安全・安心・快適な自転車利用によるエコシティ中央の実現を目指してまいります。

 次に、駐輪場の有料化等に向けての区民への対応についてであります。

 区民への周知に当たっては、利用方法などについて早い段階から区のおしらせやホームページ、立て看板などにより幅広い広報を実施してまいります。また、接遇につきましても、受付・対応マニュアルの作成や受託業者による従事職員への教育体制の強化などにより、丁寧な接遇や正確な説明を行うとともに、現場及び受託業者等との情報の共有化を図ることで、苦情などへの迅速な対応に努めてまいります。

 次に、駐輪場におけるシルバー人材センターの活用についてであります。

 現在、シルバー人材センターに委託している業務のうち、月島駅地下駐輪場及び勝どき駅地下駐輪場の管理業務につきましては、有料化に伴い、新たに利用申請受付・審査業務と利用料徴収業務が加わるため、有料駐輪場の運営管理経験を有し、そのノウハウを保有している事業者に委託する予定であります。また、撤去自転車の返還業務につきましても、撤去・保管手数料の徴収が新たに加わることや、撤去から返還までを一つの業務として委託することから、返還業務の運営管理経験を有し、そのノウハウを保有している事業者に委託する予定であります。このため、両業務につきましては、来年度以降、シルバー人材センターへの委託を取りやめる予定でありますが、路上にある無人の駐輪場の整理業務及び繁華街での放置自転車の整理業務につきましては、引き続きシルバー人材センターへ委託する予定であります。なお、引き続き委託する業務につきましては、有料化に伴い、駐輪場における管理の徹底が必要となること及び駐輪場周辺での放置自転車の増加が予想されることから、これら業務内容の追加や業務時間の拡大を予定しております。

 私からの答弁は以上であります。

     〔教育長 齊藤 進君登壇〕

○教育長(齊藤 進君)
 教育問題についてお答えをいたします。

 初めに、通学路の問題についてであります。

 教育委員会では、子供を登下校時の事件・事故から守るためには、学校を中心に、PTA・地域が連携して子供を見守ることが重要であると考え、さまざまな取り組みを行っております。こうした取り組みのうち、こども一一○番については、協力店舗の移転が多く見られるため、さらに協力ボランティアの拡大を図る必要があること、また、通学途上の工事現場などの危険箇所については、日々変化する状況を的確に把握し、速やかに子供への指導につなげる必要があることなどが課題として挙げられます。教育委員会といたしましては、こうした課題に対し、学校・PTA・地域との連携をより一層密にして取り組み、子供たちの安全な通学を確保してまいる所存であります。

 次に、小学校の通学路における防犯カメラの設置についてです。

 東京都は、本年度から五年間で、希望する全ての公立小学校の通学路に一校当たり五台を基本に防犯カメラを設置できるよう、区市町村に設置経費の二分の一を補助する事業を開始しました。東京都の補助事業には、設置に関し、近隣住民の合意を得ることや、明確かつ適切な方法で防犯カメラを設置している旨表示することなどの条件が付されております。防犯カメラの設置については、これらの条件やプライバシーへの配慮などの課題がありますが、区の補助のもと、町会・自治会や商店会に設置されている事例も参考にしながら、都の補助事業の活用について積極的に検討してまいりたいと存じます。

 次に、防犯活動と児童・生徒への指導についてであります。

 子供の安全を確保するためには、こども一一○番や安全パトロールなど、PTAや地域・事業所と連携した地道な防犯活動は欠かせないものであります。あわせて、子供たちみずからが危機予測や危機回避の能力を身につけることが極めて重要であります。各学校では、毎月の安全指導日や日常の授業の中で、さまざまな場面を想定した安全指導や意識啓発に取り組んでおります。また、警察などと連携して開催するセーフティ教室では、ロールプレイなど体験的な活動を通して具体的に危機回避の方法などを指導しております。さらに、児童・生徒に通学路安全マップや地域安全マップを作成させることによって、危険な場所を自覚させ、危機を予測する能力を育成しております。こうした取り組みが生き、本年六月には下校中に不審な男性から車に乗るよう声をかけられた児童が、きっぱりと断るとともに、防犯ブザーを鳴らして難を逃れることができました。教育委員会といたしましては、今後も安全指導に関する教員研修の充実や、指導に有効な教材の提供を積極的に行い、児童・生徒への実践的な安全指導に取り組んでまいります。

 答弁は以上です。

     〔三番 瓜生正高議員登壇〕

○三番(瓜生正高議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 まず最初に、月島地域における大型観光バスの停車所についてでありますが、これは地域の悲願と言っても過言ではないものであります。例えば、日本橋地域では日本橋ブランド、京橋地域では銀座、築地ブランドと確立をされていますが、まだまだ月島地域は住宅地という側面もありますので、月島ブランドと言えるほどのものが確立されているとは言えません。そのためにも、まずもって地域経済振興が何よりも大切だと思いますので、そのためには大型観光バスの乗降場所について、しっかりと区長の果断なるリーダーシップを求めたいと思います。

 次に、コミュニティサイクルの導入について、これは広域的な連携が必要であるという御答弁だったと思いますが、駐輪場が今回、来年四月から本区は駐輪場の有料化をしますが、この導入をしっかりとすることによって、自転車の総量抑制や自転車振興策についても、全ての政策がまとまってくるものだと思いますので、ぜひその点もしっかり配慮、検討していただきたいと思います。

 本日の新聞報道にもコミュニティサイクルについて書いてあったんですが、都心区ではおくれている本区の対応と言わざるを得ないところもありました。よく言えば、後出しじゃんけんで実利をとる戦略なのかなと見受けられますが、単純にリーダーシップの不足が起因しているのかなというふうに区民の方が判断するところもあるのかなと思いますので、さきにも申し上げたとおり、リーダーシップを強く発揮していただくことを要望いたします。

 シルバー人材センターの活用については、御答弁をいただきましたが、来年四月に有料化で委託管理業務が、制度移行するときには若干人手が必要であると。しかし、現実的には、その委託管理業務が軌道に乗ると、三割ぐらいの方が人員整理、そして適正配置となるというお話を聞いております。シルバー人材センターの所期の目的は生きがい、やりがいに特化するという、そういった趣旨もあったと思うんですが、現在の状況では、さまざまな質問の中にあるとおり、高齢者の方の老後の生活を補完する、そういった意味合いも多分に含まれている部分もありますので、その辺の調整を、関係部署のもとに、しっかりと対応していただきたいと思うんです。

 これは、おのおのの施策自体は最高にしっかりと関係調整をされていると思うんですが、例えば経済用語で言うと、合成の誤謬という言葉があるんですが、要は、おのおのの施策がしっかりしていても、合わさった途端に、公共の福祉という観点から見ると、若干矛盾をしてくるんじゃないかなと、そういうふうに感じるように私も思いますので、新たなアイデアが求められているところですので、その点も御要望をさせていただきます。

 最後に、通学路の安全・安心についてなんですが、これは通学路における都の防犯事業を踏まえた本区の通学路の安全対策についてということで、積極的に教育委員会を中心として働きかけを行っていただいているところでありますが、けさの新聞報道、テレビでも報道されていましたが、神戸市において小学生女児の残念な事件がありました。これは、改めて御冥福をお祈りいたします。

 今回の事件を例に挙げるまでもなく、防犯カメラの必要性は日に日に高まっています。早急に対応してくださることを要望いたしまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○議長(原田賢一議員)
 次に、四番染谷眞人議員。

     〔四番 染谷眞人議員登壇〕

○四番(染谷眞人議員)
 自由民主党の染谷眞人でございます。平成二十六年第三回中央区議会定例会の一般質問の機会をいただき、中央区議会自由民主党議員団の一員として、さきの質問通告に沿って順次質問させていただきます。区長並びに関係理事者の皆様には、区民の方々にわかりやすい言葉で御答弁をお願い申し上げます。なお、御答弁のいかんによりましては、あらかじめ再質問を留保させていただきます。

 初めに、子ども・子育て支援について質問させていただきます。

 まず、子ども・子育て支援新制度に向けた事業計画についてお伺いいたします。

 子ども・子育て支援新制度は、平成二十四年八月に成立しました子ども・子育て関連三法に基づき、子育て中の全ての家庭を支援し、多様な保育の確保により待機児童の解消に取り組み、地域のさまざまな子育て支援の充実を図るなど、消費税増税分を財源に充て社会全体で子ども・子育て家庭を支援する新たな仕組みで、本年五月二十六日に行われました国の子ども・子育て会議にて平成二十七年四月に施行するという方針が正式となりました。

 市区町村においては、地方版子ども・子育て会議を設置し、地域のニーズに基づき計画を策定、取り組むこととされており、本区では、昨年八月に第一回の中央区子ども・子育て会議が開催されて以降、二十五年度は三回、本年度もこれまで三回開催され、学識経験者、保育事業関係者、区民公募委員の皆様などにより十分な審議がなされてきたものと認識しております。この間、第一回の会議では教育・保育施設及び地域子ども・子育て支援事業における需要量が示され、第二回の会議において、それらの確保方策が示されました。

 そこで、お伺いいたします。

 今後は、これらの需要量、確保方策をもとに、中央区子ども・子育て支援事業計画が策定されることとなりますが、国の待機児童解消プランにおいては平成二十九年度中に待機児童をゼロにする方針が示されております。この計画に対する区の考え方についてお聞かせください。特に、待機児童数が多い零歳児、一歳児について具体的にどうするか、考えをお聞かせください。

 次に、新制度における新たな認定手続についてお伺いいたします。

 新制度では、幼稚園、保育園、認定こども園に入園を希望する場合、原則として、満三歳以上で教育を希望される場合は一号認定、満三歳以上で保育の必要な事由に該当し、保育を希望する場合は二号認定、満三歳未満で保育の必要な事由に該当し、保育を希望する場合は三号認定といった三つの区分による認定を受けて、入園の申し込みをすることになります。

 そこで、お伺いいたします。

 新制度においては、このような新たな認定手続が必要となるわけですから、来年度から幼稚園や保育園の入園を希望する保護者や現在の利用者に対しても理解いただくよう、十分な周知・説明を行う必要があると考えますが、区としてどのような対応をとられる予定でしょうか、お示しください。

 次に、利用者支援事業についてお伺いいたします。

 地域子ども・子育て支援事業の一つとして位置づけられる利用者支援事業は、子育て家庭のニーズに合わせて幼稚園、保育園などの施設や地域子育て支援を行うものとされております。他の自治体では、既に子育てコンシェルジュなどの名称で実施しているところでございます。

 そこで、お伺いいたします。

 中央区では、園長経験のある保育士を配置して保育園入園相談などを受けていると伺っておりますが、今後は、より身近な場所で相談ができる環境整備を図っていく必要があると考えますが、新制度実施後の相談体制についての区のお考えをお聞かせください。

 続きまして、高齢者対策についての質問に移らせていただきます。

 総務省が九月十五日の敬老の日に合わせてまとめた推計人口によりますと、六十五歳以上の高齢者人口は三千二百九十六万人で過去最高となり、八人に一人は七十五歳以上の後期高齢者ということが示され、高齢化社会が進んでいる実態が示されました。

 そこで、まず認知症対策についてお聞きいたします。

 ことしの四月に、認知症の男性が、八十五歳の妻が目を離した数分の間に自宅を出て線路に立ち入り、列車にはねられ、その家族に損害賠償が求められたということが報道されました。また、五月には、認知症のために身元がわからずに七年間群馬県の施設で暮らし続けていた女性が、テレビ番組をきっかけに、東京の六十七歳の女性であることがわかりました。これらは、認知症の徘回に起因するものではありますが、認知症の方を、ただ出歩かないように安全な場所に保護すればよいというものではありません。最後まで自分らしくありたいということは、誰もが望むことであります。そのためには、認知症に対する総合的な対策が求められていると思います。

 国では、要介護認定や要支援認定を受けている日常生活自立度二以上の認知症高齢者は、平成二十二年で二百八十万人であり、平成三十七年には四百七十万人にまで増加すると推計しております。このような中、今までは認知症の症状が悪化し、行動・心理症状などが生じてから医療機関を受診しているケースが多いとして、早期診断・早期対応の重要性を訴えており、今回の介護保険制度改正においても、認知症施策の推進を一つの柱として掲げ、早期診断・早期対応を求めているところであります。認知症の中でも、アルツハイマー病は薬で進行をおくらせることができ、早く使い始めることで健康でいられる時間を長くすることができます。また、慢性硬膜下血腫などの場合、脳外科的な処置で劇的によくなる場合もあると聞いております。

 そこで、お尋ねいたします。

 このようなことから、本区としても、認知症の早期診断・早期対応を区民の方に積極的に訴えていく必要があると思いますが、お考えをお聞かせください。

 次に、心のケアの問題です。

 早期診断・早期対応の重要性は認めましても、実際に自分が認知症の初期であることを告げられるのは非常にショックなことであり、それは御本人だけでなく家族の方も同様であります。認知症を何もわからなくなる病気と考え、徘回や大声を出すなどの症状だけに目を奪われ、不安が募り、その結果、周りの方との関係が損なわれたり、家族が対応に疲れて倒れるようなことがあってはなりません。

 そこで、お伺いいたします。

 認知症の対応として、早期診断・早期対応だけでなく、本人や家族の心のケアをあわせて行う必要があると思いますが、お考えをお聞かせください。

 続きまして、危機管理体制についてお尋ねいたします。

 昨今、医学・医療の進歩や衛生基準の著しい向上により、多くの感染症が克服されてきましたが、一方、新たな感染症の出現や既知の感染症の再興により、感染症は新たな形で今なお人類に脅威を与えています。また、近年では、輸送手段の発達などにより、感染症流行地域から我が国への、人や物資などを介した病原微生物の侵入が懸念されています。

 世界的に蚊を媒介した感染症は多く発生し、特に熱帯・亜熱帯地域で広く流行しています。厚生労働省の調べによると、中でもデング熱は年間一億人近くの患者が発生していると推定されており、特に、近年では東南アジア、中南米で患者の増加が顕著となっています。こうした流行地域で日本からの渡航者がデング熱に感染するケースも多くなってきています。海外の旅行地で感染し、帰国した症例は毎年二百名前後報告されています。日本国内で感染した症例は、過去六十年以上報告されていませんでしたが、二○一三年には日本で感染したと疑われるドイツ人渡航者の症例が報告されました。また、本年八月以降、東京都立代々木公園に関連する患者の発生が報告され、国内の感染者は百二十名を超えています。

 日本に生息するヒトスジシマカは、デングウイルスを媒介することができるため、流行地で感染した人が帰国し、蚊に吸血されることにより、その蚊が周囲の人にウイルスを伝播する可能性は、低いながらも、あり得ます。我が国では、地球温暖化や都市のヒートアイランド現象によって、デング熱を媒介するヒトスジシマカの生息域が拡大していることがわかってきました。最近の調査によると、ヒトスジシマカは秋田県及び岩手県以南の日本のほとんどの地域に分布しています。その活動時期は五月中旬から十月下旬です。ヒトスジシマカの幼虫は、例えばベランダにある植木鉢の受け皿や空き缶、ペットボトルにたまった水、放置されたブルーシートや古タイヤにたまった水などによく発生します。人がよく刺されるのは、墓地、竹林の周辺、茂みのある公園、庭の木陰などとされています。

 そこで、お伺いいたします。

 中央区では、デング熱患者さんの発生がないと伺っていますが、患者発生を未然に防ぐ区の取り組みも必要と思いますが、お考えをお聞かせください。また、デング熱以外にも、報道されているように、エボラ出血熱等、多くの感染症があるかと思いますが、このような感染症の患者さんが発生したときの危機管理体制を確立すべきと思いますが、お考えをお聞かせください。

 続きまして、住みやすく世界に誇れる環境整備についてお伺いいたします。

 本年開催されたサッカーワールドカップブラジル大会において、日本代表の試合の後、日本人のサポーターが観客席のごみ拾いをしたことは、リオデジャネイロ州政府から表彰を受け、ブラジル国内からも称賛されるだけでなく、世界各国からも注目を集めました。二○二○年のオリンピック・パラリンピック開催国として、世界に誇れるように、まちの環境整備、美化活動に一層の取り組みを強化すべきと思います。日本人のマナーが国際水準の目標となれば、このことがオリンピックレガシーの一つとなるでしょう。

 そこで、まずガムのポイ捨て防止について質問いたします。

 平成十六年三月に、中央区歩きたばこ及びポイ捨てをなくす条例を制定し、現在までさまざまな取り組みを行い、主要交差点六カ所で行った路上の吸い殻の本数調査によれば、平成十六年四月の条例制定前の二千七百三十三本と比較し、平成二十三年は平均六十三本と、大きく減りました。これは、区民の皆様を初めとし、事業者と行政の協力により続けてきた街頭キャンペーンやパトロールなどの取り組みの成果が出たものと思います。喫煙のマナーについては、分煙も進み、認識が高まっていると実感します。まちを歩くと、吸い殻が落ちているのは路肩の植え込みの中や駐車場の周辺が目立ちます。

 また、歩道や路上で目につくのがチューインガムです。うっかり踏むと、靴の裏に張りついて、簡単に取れません。清掃するにしても、吸い殻のようにつまむことも、ほうきでかき集めることもできず、削り取るにしても、大変面倒なものです。結局、そのまま放置され、路上に黒くて丸い斑点の模様が醜く残っています。ポイ捨ては、たばこの吸い殻だけでなく、空き缶、ペットボトル、新聞紙、雑誌、ガムのかみかすについても、当然ながら明記されています。

 そこで、お伺いいたします。

 中央区歩きたばこ及びポイ捨てをなくす条例のポイ捨てにおいて、ガムのかみ捨てに対する意識を高める取り組みが必要と思いますが、お考えをお聞かせください。

 環境美化についてお伺いいたします。

 快適で美しいまち、よりよい環境を次の世代に引き継いでいくことは、中央区に住み、働き、集う人々の願いです。その実現に向け、区では地域の美化意識の高揚を図るとともに、たばこの吸い殻や空き缶、ガムのかみ捨てなど、散乱を防止するため、町会・自治会、学校、事業所等が地域クリーン活動などを実施されており、参加団体も増加傾向にあると聞いています。区民の清掃活動は、毎年五月第四日曜日に、町会・自治会を中心に、歩道や植え込みを清掃するクリーンデーの実施のほか、住みたい、働きたい、訪れたい、清潔で美しいまちを目指し、地域で一斉に繰り広げようと、平成十七年より、毎月十日の午前九時から三十分程度、自宅や事業所周辺など、身近な場所の清掃を町会・自治会、商店会、多数の事業者が登録して参加いただいております。

 そこで、お尋ねいたします。

 二○二○年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まり、世界中から注目されるこの機会を捉えて、住みやすく、世界に誇れる環境整備をさらに進めるべきと考えますが、今後の環境美化への取り組みについて区のお考えをお聞かせください。

 以上で一回目の質問を終わります。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 染谷眞人議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、中央区子ども・子育て支援事業計画に対する区の考え方についてであります。

 本計画は、国の方針に基づき、平成二十九年度中に待機児童を解消する確保方策を策定するものであります。しかし、本区におきましては、計画よりさらに前倒しして、平成二十七年度中には待機児童を解消すべく、私立認可保育所の開設を支援し、積極的に保育定員の拡大を進めているところであります。また、保育ニーズが高く待機児童も多いゼロ歳児、一歳児につきましては、ゼロ歳児から二歳児までに特化して保育を行う家庭的保育事業、小規模保育事業等の地域型保育事業の実施や、新園の定員に満たない五歳児クラス等の保育室を活用して期間限定で保育を行うなどの工夫を重ねながら、全庁を挙げて早期待機児童の解消に取り組み、誰もが安心して子供を産み、喜びを持って育てることができる環境づくりを推進してまいる所存であります。

 次に、新制度における手続の周知についてであります。

 子ども・子育て支援新制度や認定手続につきましては、保護者の方に十分御理解いただく必要があるため、制度の概要や新たな手続方法などを解説したパンフレットを作成し、区立幼稚園や保育園の入園申し込みにあわせて配付いたします。さらに、区のおしらせやホームページの活用に加えまして、あかちゃん天国や保健所などにおいてもパンフレットを配布し、子育て世帯に情報が行き渡るよう周知の徹底を図ってまいります。また、既に幼稚園や保育園などを利用されている方に対しましては、園を通じて周知し、新制度における手続を進めてまいります。

 次に、利用者支援事業についてであります。

 この事業は、身近な場所で相談等を受けられるようにするものであることから、本年度試行として八月と九月に計四回、園長経験のある保育士が特別出張所で相談窓口を開設したところであります。本庁まで出向くことなく身近な場所で相談や情報提供を受けられることから、大変好評でありました。今後もこのような出張相談を実施していくとともに、平成二十七年度には実施場所の拡大や回数の増加など、充実を図ってまいりたいと存じます。

 次に、認知症対策についてであります。

 本区におきましても、認知症による日常生活自立度二以上と判定された方は約二千六百名おられ、認知症対策は、非常に重要な課題であります。認知症は、早期に発見することで症状の改善や進行をおくらせるだけでなく、病気が理解できる時点で受診し、かかりつけ医や相談に乗ってもらうケアマネジャーを持ち、日常生活自立支援事業や成年後見制度などを利用すれば、かなり進行するまで自分の意思に沿った生活をすることができると言われております。そのため、おとしより相談センターが認知症の出前講座を町会・自治会などで開催するとともに、医師会の協力のもと、認知症相談医のパンフレットを配布するなど、早期発見・早期対応の重要性について周知に努めているところであります。また、認知症を告知された場合の心のケアも重要であります。将来への不安から鬱状態になったり、また自暴自棄になって周囲とトラブルを起こしたりすることがあってはなりません。そのためには、認知症は年をとれば誰でもなる可能性があり、進行をおくらせる薬もある、今の暮らしを続けることもできると理解してもらうことが大切であります。区では、おとしより相談センターや認知症サポート電話において、御本人の不安を受けとめるとともに、地域の方々に対しても認知症サポーター養成講座等で正しい理解の普及・啓発に努めております。認知症対策につきましては、本人、家族、そして地域の認知症に対する正しい理解が何よりも重要であるとともに、病気の初期から進行した場合まで切れ目のない支援を続けていくことが大切であると考えております。今後とも、認知症になってもできる限り自分らしい生活を続けていけるよう、認知症対策を積極的に推進してまいります。

 次に、デング熱などの感染症対策についてであります。

 国内でデング熱に感染した患者の発生を受け、八月二十八日にホームページを立ち上げ、区民への注意喚起を実施しており、またデング熱の症状、予防法、蚊の駆除等に関する区民からの相談に応じております。蚊の幼虫対策としては、毎年四月から十月に区内の雨水ます一万三千七百カ所に昆虫成長制御剤を投入しているほか、成虫対策として、八月二十九日から区内の公園、児童遊園の一部で薬剤散布による害虫の駆除を強化しております。人から人への感染はなく、重症例の報告もないため、過度の心配は必要ないと考えておりますが、今後も国や都と連携し、予防策に取り組んでまいります。危機管理体制については、感染症法で感染力と罹患した場合の重篤性に基づく総合的な観点から、行政的な措置と対応が定められております。これに基づいて、平常時から感染症の流行や発生状況を把握し、患者が発生した際には隔離、消毒や感染経路の遮断による感染拡大防止に取り組んでおります。区においては、このように危機管理体制を確保しているところであり、感染症発生時には迅速な対応を行ってまいります。

 次に、歩きたばこ及びポイ捨てをなくす条例の強化についてであります。

 この条例は、喫煙マナーや環境美化意識の向上により、たばこの吸い殻や空き缶、ガムのかみかす等のポイ捨てをなくすことで快適な歩行空間や清潔な地域環境を確保することを目的としております。ガムのポイ捨てについては、パトロール員による指導件数は少ない状況でありますが、道路上に付着したガムのかみかすはまちの美観を損ねるため、ポイ捨て防止の徹底が必要であります。このため、エコまつりや環境パネル展など、さまざまな機会を捉えまして、ポイ捨て防止の啓発活動を行うとともに、ガム製造会社と連携してキャンペーンを実施するなど、ポイ捨てのない清潔なまちの実現を目指してまいります。

 次に、美化活動の推進についてであります。

 区では、快適で美しいまちの形成を図るため、平成元年に花の都中央区宣言、また平成十年にクリーン・リサイクル中央区宣言を行い、まちの美化活動を推進してまいりました。これらの取り組みの結果、毎年五月に実施するクリーンデーには多くの区民や学校、事業所などが参加するとともに、まちかどクリーンデーの参加登録団体は百九十八団体、また、花咲く街角、公園等の花壇を管理する緑のアダプト参加数は三十四団体、六百十八名に上るなど、区民、事業者の協力によるまちの美化が図られております。こうした中、昨年九月、二○二○年東京オリンピック・パラリンピック大会の開催が決定いたしました。区では、これを契機に、区民、事業者と一体となった地域の美化活動をより一層推進することにより、本区を訪れる外国人観光客を初めとする多くの人々から、清潔で美しいまちと評価していただける中央区の実現を図ってまいる所存であります。

 答弁は以上であります。

     〔四番 染谷眞人議員登壇〕

○四番(染谷眞人議員)
 御答弁ありがとうございます。

 まず、子ども・子育て支援について御答弁いただきました。

 平成二十七年度に区が認可を行うこととなる家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事業所内保育事業においては、保育園、幼稚園、認定こども園の連携・協力をしっかりと確保し、安全で質の高い保育環境の提供を望みます。

 三つ子の魂百までということわざのとおり、五歳までの幼児期は人間形成においてもとても大切で、親子が愛情を育む、かけがえのない時期であります。また、親自身も子育てを通して人間性を高め、成長することができます。お子さんが家庭の愛情に包まれて元気にすくすく育つために、良質な保育環境であること、きめ細かに相談を受ける体制づくりに期待いたします。

 次に、認知症についてですが、私自身も母が認知症になり、その経験を通してわかったことがあります。早目に受診し原因を確かめることにより投薬の治療が可能であることや、家族や身近な人の話しかけや接し方で症状が改善することもあるということです。また、認知症は徐々に確実に進行しますので、家族は常に気にかけているため、ストレスが蓄積されます。デイサービスやヘルパーさんによる生活支援は、本当にありがたいです。

 NHKの番組で、認知症の方が、あったことは忘れてしまっても、そのときの幸せな気持ちは心に残ると語っていました。認知症を正しく理解することが第一歩と思いますので、勉強会や意見交換、介護を担う家族が体験談を話し合う機会をつくり、参加していただくことや、これからは若い世代の方々にも関心を高めて働きかけて認知症サポーター育成を進め、オレンジリングの輪を広げていく積極的な取り組みを期待いたします。

 デング熱の感染は、九月二十二日現在、十七都道府県百四十二名と報告され、しかも、隣接する台東区の上野恩賜公園で感染した可能性のある患者さんが確認されるなど、新たな場所に広がっています。中央区では、報告を受け、直ちに公園の蚊の駆除を実施し、注意喚起も行い、今のところ、区内での感染は確認されておりませんが、油断はできません。蚊に刺されないこと、身近な場所の蚊の発生源をつくらないなど、継続して注意と協力を呼びかけ、情報発信を願います。

 また、冬の季節に向かうと、別のウイルスの脅威も起こります。既に、九月二十日のNHKニュースにおいて、乳幼児に肺炎を引き起こすRSウイルス感染症の患者が、西日本を中心にふえ始めていて、今後全国に広がると見られ、国立感染症研究所が手洗いなど対策の徹底を呼びかけることを伝えています。これからも区民の皆さんの健康を守るため、早期対策、情報発信をお願いいたします。また、区民の皆様の冷静な対応を願います。

 環境美化について、路上のガムについてですが、立て看板の表示は、路上喫煙、ポイ捨て禁止と書かれていることもあり、たばこのポイ捨ての印象が強く、ガムや空き缶、紙くずに対してのアピールが少し弱いように思われます。他の自治体では、ガム取り活動として実施している区もあります。豊島区では、シルバー人材センターの委託事業と、まちづくりNPOの協力で活動を実施し、ガム取り用具の貸し出しも行っています。私も、実際にスクレーパーというへらを購入して試してみましたが、一つ除去するにも手間がかかります。

 そこで、提案ですが、例えば三年間をポイ捨て禁止の強化年として、集中して美化運動を展開することで効果が期待できると思います。小・中学生にポスターを募集したり、ガム取り用具を備品として備え、貸し出しすることなど、取り組める方法もあるかと思います。また、美化活動は一人でも参加しやすいので、町会など組織に属していない方にも参加を呼びかけることで、地域の知り合いをつくるきっかけになるかと思いますので、前向きな検討を要望いたしまして、私の一般質問といたします。本日はありがとうございました。(拍手)

○議長(原田賢一議員)
 次に、二十二番鈴木久雄議員。

     〔二十二番 鈴木久雄議員登壇〕

○二十二番(鈴木久雄議員)
 平成二十六年第三回区議会定例会におきまして、中央区議会自由民主党の一般質問のしんがりを務めます、鈴木久雄でございます。私は、BRT計画と地下鉄新線の導入について質問いたします。議論がかみ合う、中央区らしい誠意ある答弁を期待して質問いたします。

 本区の人口は増加の一途をたどっており、最新の本年九月一日時点で十三万六千八百六十二人となり、この一年間で約五千五百人増加しております。特に、月島地域の人口は六万一千三百二人で、約二千七百人増加しており、区内全体の人口増加の約半分が月島地域となっております。この傾向は、勝どき・豊海・晴海地区を中心とする臨海部の再開発や、二○二○年東京オリンピック・パラリンピック開催後に選手村が住宅に転用される計画となっていることから、今後も続くことが予想されます。

 このような状況を踏まえ、中央区では、勝どき・豊海・晴海地区の人口増加への対応として、BRTを平成二十八年度に導入するための調査・検討を進めておりますが、具体的には晴海通りルート、環状二号・みゆき通りルート、同じく環状二号・海岸通りルートの三ルートについて、周辺交通への影響等を調査し、関係機関と協議を行っていると聞いております。

 こうした中、先月二十九日に東京都が、環状二号線を中心として都心と臨海副都心とを結ぶBRTを整備すると発表しました。都が公表した基本方針によりますと、区間は東京駅、新橋、虎ノ門の都心部と豊洲を含む臨海副都心の間、そして今年度は事業協力者を募集し、基本計画の策定を行う、運行開始時期は平成三十一年度内とするとしています。また、中央区の検討結果も踏まえ、同区と連携して進めていく等が記載されています。

 が、しかし、どこまで連携のそれが担保できるのか。本区に大きな財政負担が生じることなくBRTの導入が実現できることで、大変喜ばしいことだと簡単に片づけられるような問題ではなく、区のこれまでの考え方と都の方針を比較すると、都心部と臨海部を結ぶ路線として環状第二号線を利用する点は区の計画と似通っているものの、そのまま環状第二号線で虎ノ門に向かう可能性がある点や、運行開始時期が区と都で三年程度差があるなどの相違点もあります。

 これは、区が独自に進めてきた計画でもあり、東京都が横取りしたとまでは申しませんが、これに都が乗ってきたことは、客観的に見て極めて明白な事実であり、今後、都が中心となって進められるものとは思いますが、区の検討結果も十二分に取り入れた上で、これを進めていってもらわなければならないと強く思うと同時に、区として言うべきことはしっかりと主張していかなければならないと思うものであります。

 そこで、質問をいたします。

 区は、この実現に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、また、都の計画とどのように整合させるのか、さらには、起点と終点の設定や運行時期の前倒しなどについて、区のお考えをお聞かせください。

 次に、地下鉄新線の導入について質問いたします。

 都のBRT計画については、今申し上げたごとく、区の意向が十分に反映されたものならば、一定の評価をし、実現に期待するところではあります。しかしながら、二○二○年東京オリンピック・パラリンピック後のまちづくりを考えたとき、将来を見据え、さらに輸送能力の大きい交通機関の整備が何としても必要であると考えます。先ほど申し上げたように、勝どき・豊海・晴海地区の大幅な定住人口の増加が予想される中で、快適な都心居住を実現するためにはさまざまな課題が発生しており、特に、この地域への交通基盤の整備が強く求められています。

 また、江東区有明や港区台場等の臨海副都心においてはさまざまな競技施設が計画されるとともに、東京ビッグサイトでは国際放送センターやメーンプレスセンターの設置に向けて施設の拡張が計画されており、大会後は国際会議や展示施設として活用される予定となっております。このように、より一層の国際化が図られることから、新都心とも言えるこれらの地域と伝統ある都心とをつなぐ交通機関の必要性が大いに高まっております。

 こうした状況を踏まえると、大量輸送機関である地下鉄を臨海副都心へ整備することは、東京圏の交通網の位置づけとして必要不可欠であると考えます。本区では、増加する交通需要への対応や交通弱者等の移動支援など、都市交通の課題解決に向けて地下鉄新規路線の導入に関する検討の調査費が、平成二十六年度の予算に一千万円計上されております。私たちにとって、銀座を起点として築地、勝どき、晴海を経由し、有明、台場等の臨海副都心へとつながる鉄道網が整備されることは長年にわたる悲願であり、あわせて将来を見据え、ハブ空港化される羽田国際空港への延伸も視野に入れながら、区が調査・検討することについては、地元では大いに期待が高まっております。

 そこで、お尋ねいたします。

 現在、東京圏の鉄道整備は、運輸政策審議会が平成十二年に行った答申に基づき実施されています。この答申において、整備目標年次を平成二十七年度としており、今後、新たな答申が出されるものと考えます。しかしながら、東京都がこのたびの区に対しての回答で、地下鉄新線の要望に対して何ら答えていない中で、区として本年度実施の地下鉄新線導入に関する調査を踏まえ、どのように実現に向けて進めていく予定なのか、また、地元の盛り上がりをどのように受けとめているのかをお聞かせください。

 以上で第一回目の質問を終わります。なお、場合によっては再質問も行います。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 鈴木久雄議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、BRT計画についてお答えいたします。

 区では、平成二十四年度から二年間にわたり、BRTの早期導入に向けた調査を進めるとともに、この間、都に対し技術的な支援を働きかけてまいりました。こうした中、都においても新たな公共交通の導入が必要であるとの立場から、基本方針発表に至ったものであります。BRTの導入は都が主体的に進めることから、本区の財政負担などの面でメリットがある一方で、本区が目指す平成二十八年度に銀座・晴海間へのBRT導入という計画と都の計画に違いがあることは、区も認識いたしております。また、江戸バスとの連携についても検討が必要であると考えております。区といたしましては、人口の急増が著しい勝どき・晴海地区における交通不便地域の早期解消が喫緊の課題であるとともに、BRTや江戸バスなどが区民の皆様にとって利用しやすい交通機関となることが重要であると考えております。都は、本区の検討結果を踏まえ、区と連携して進めるとしていることから、都が本年度策定予定の基本計画に、銀座や晴海が起終点となるルートなど、これまでの区の検討結果が反映され、できる限り早期の導入が図れるよう、都と協議してまいります。

 次に、地下鉄新線の導入についてであります。

 東京オリンピック・パラリンピックの開催決定に伴い、大会後の晴海地区における人口増加や大規模開発による交通需要増への対応等、都市交通の課題解決を図るためには、お台場・有明地区と中央区を結ぶ地下鉄新規路線の整備が必要なものであると考えております。そのため、本区では、本年度より地下鉄新規路線の導入に関する検討調査を実施しているところであります。地元の皆様の地下鉄導入に対する期待の高まりを区でも強く感じており、調査・検討にあわせて設置した検討委員会に住民代表として、銀座、築地、勝どき・豊海、晴海地区の四地区の代表者に参加していただき、地下鉄導入についての御意見を伺っております。また、地下鉄を新規に導入するためには、国の政策的な位置づけが必要となることから、平成二十七年度に予定されている交通政策審議会答申に位置づけられるよう、国や東京都等、関係機関に積極的に働きかけてまいります。区では、本地下鉄の整備は東京圏の交通ネットワークの形成や東京のさらなる国際競争力の強化に必要不可欠なものと考えており、地元の皆様の御協力も得ながら、不退転の決意で地下鉄導入に向けて取り組んでまいります。

 答弁は以上であります。

     〔二十二番 鈴木久雄議員登壇〕

○二十二番(鈴木久雄議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 BRT、地下鉄ともに、答弁の中身につきましては、我々自民党の考えに沿っておりまして、現時点では、区の立場としては、ただいまの答弁が精いっぱいのものであると理解をいたします。

 そこで、要望いたしますが、要望の趣旨を明確にお伝えするために、明確に朗読をさせていただきます。

 ここで私が声を大にして言いたいのは、東京都の姿勢であります。東京都は中央区のことを真剣に考えているとは、とても感じられない。

 まず、区の要望に対する回答が、何とオリンピック・パラリンピック準備局長から出されたこと。都は、関係部局と調整を図った上での準備局長からの回答だとしているようでありますが、とんでもない話でありまして、問題の性格からして、当然、都知事からの回答であってしかるべきだったでありましょう。

 また、黙っていれば、BRTは交通不便地区の晴海を縦断せずに、有明から横断し、環状二号線で一直線に虎ノ門へ持っていかれるおそれも含んでいます。

 いわんや、地下鉄の地の字にも触れていないとは何事でありましょうか。区の意向を全く無視した地下鉄無回答は、絶対に納得できません。区にとって、この地下鉄問題は、数十年もしくは百年に一度の大きな課題であって、まさに区の命運をかけた大仕事だと言っても決して過言ではないでしょう。近隣区やJRの基幹的交通網の計画が新聞や、その他マスコミで華やかに取り上げられている昨今、我が中央区は、このまま黙っていていいのでしょうか。これまでの間、地下鉄問題で区が強い政治力を発揮して、国や都、さらには周辺自治体に対して戦略的な動きを十分に駆使してきたとは、私には到底感じられません。

 そこで、結びに当たり、あえて申し上げます。区は、周辺区に見られるような戦略的な強い政治力を発揮して、やればできるの信念で、挙げて国や東京都、そして周辺自治体に対し臆することなく、勇猛果敢に物申していかなければならない。ぜひそうしてほしいと強く要望をいたしまして、中央区議会自由民主党議員団の質問を全て終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

午後四時三十分 休憩


午後四時五十分 開議

○議長(原田賢一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。六番山本理恵議員。

     〔六番 山本理恵議員登壇〕

○六番(山本理恵議員)
 無所属の山本理恵です。平成二十六年中央区議会第三回定例会の一般質問を、さきの質問通告に沿って行わせていただきます。区長並びに各理事者の方々には誠意ある御答弁をお願い申し上げ、質問に入らせていただきます。御答弁によりましては、再質問を留保いたします。

 今回は、自転車をテーマに質問をいたします。

 自転車は、都市における手軽な交通手段であるとともに、環境負荷の軽減や健康増進にも寄与することから、その利用が拡大しています。そのため、自転車利用を取り巻く環境整備は急務と言えます。しかし、自転車で安全に走行できる空間が不足していることや、自転車による交通事故が増加傾向にあること、駅周辺における放置自転車問題など、直面する課題は枚挙にいとまがない現状です。

 国土交通省のデータによると、日本人の総人口一億二千七百十三万人に対して自転車保有台数は約七千万台であり、一世帯当たりの自転車平均保有台数は一・三六台と公表されています。最近は、ビジネスパーソンが通勤や営業の足として自転車を活用する姿も目立ちます。そこで、自転車を取り巻く環境や、これからの自転車のあり方に関し問題提起してまいります。

 まず、自転車走行空間について伺います。

 近年、区内道路を大型車両が通行することがふえ、路上に駐停車している光景をあちらこちらで見受けます。晴海や勝どき地区などの大規模再開発、都営大江戸線勝どき駅のホーム増設工事、さらに、今後は豊洲新市場整備や築地市場移転、築地場内跡地整備、二○二○年オリンピック・パラリンピック選手村整備等により、より一層大型車両が区内車道を通行することが予想されます。

 自転車走行空間は、自転車道や自転車レーン、自転車歩行者道など、さまざまな整備手法があります。平成二十五年末時点の整備状況は、都道全体で百二十六キロメートルが整備済み、本区内では都道四・一キロメートル、区道○・三キロメートルとなっております。なお、車道に整備した区間では、自動車の駐停車が七割も減少しているそうです。自転車が走行するスペースがあることで、駐停車抑制の効果が発揮されています。

 本区においては、車道の交通量が多いことや、パーキングメーターへの駐車、路上に停車しての荷さばきなどの課題があり、車道に自転車の走行空間を確保することが困難であることは理解しています。しかし、これらの課題を克服し、対策を講じていくことが求められます。東京都では、これまで整備してきた百二十六キロメートルに加え、二○二○年の東京計画において、平成三十二年までに計二百三十二キロメートルを整備することとしています。都の計画に対する所見及び本区の現状と課題、方向性についてお聞かせください。

 次に、自転車事故のリスク認識についてお伺いいたします。

 自転車利用者が無秩序に歩道を走行することは、法律上できないこととなっています。道路交通法では、自転車は原則車道を通行することになっているとはいえ、自転車の走行は車道が原則であることの認知が十分でない上、変幻自在に走行する自転車を取り締まることは容易ではありません。自転車が関係する事故は、全国で交通事故の一九・二%、都内で三四・七%を占め、都内での事故割合は全国の約一・八倍です。死亡事故の原因の六割、負傷者数全体では四割強に自転車側の違反が見受けられ、交通安全対策と自転車対策は延長線上にあります。警視庁では、地理情報システムGISを活用し、都内の交通事故発生状況をインターネット上で公開しています。この交通事故発生マップは自転車事故のみ抽出可能で、区内では銀座や日本橋、勝どき交差点付近の事故発生率が高くなっています。

 事故を起こすと、加害者として一生かけても払い切れないような賠償金を負わなければならない場合もあります。たとえ加害者が未成年の児童でも、賠償責任を親権者が負わなければなりません。民法第七百十四条第一項の監督義務者の責任では、責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負うと規定されています。自転車事故のリスクの大きさの認識、理解を児童や保護者に積極的に周知していくべきと考えますが、見解を伺います。

 次に、放置自転車と駐輪対策について伺います。

 最近では、安価な自転車が市場に出回り、より安易な自転車利用が増加しつつあります。放置された自転車は歩行者の往来を阻害するとともに、バリアフリーのまちづくりに逆行し、災害時の安全性や環境美化の観点からも悪影響を及ぼしていると考えられます。道路交通法第五章の中で、何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならないと記載されています。違反した者は三カ月以下の懲役または五万円以下の罰金が規定されています。一方、道路管理者においては、管理道路上に自転車が放置されていた場合は撤去しなければならないと決められています。

 取り締まりを強化するには、同時に駐輪場の整備が求められます。区は、本年度に新たに東京駅前に十一カ所、五百台以上の駐輪場を整備し、今後も銀座地区などに順次整備していくこととされており、こうした御努力は評価しております。しかし、一方では、集合住宅周辺で放置自転車が増加しており、この対策にも力を入れていく必要があります。本区は、中央区市街地開発事業指導要綱に基づき、住宅系の開発において、駐輪場確保を課しております。

 そこで、これまでの要綱に基づく成果と実績、そして開発事業者の協力状況について見解をお聞かせください。

 次に、自転車放置禁止区域についてお伺いいたします。

 本区は、平成二十六年一月に放置禁止区域内での即日撤去を開始し、放置自転車の取り締まりを強化しています。対策強化してから半年余りが経過しましたが、その成果と課題をお聞かせください。

 この放置禁止区域の範囲は、平成八年に条例で定められたものです。既に十八年が経過し、駐輪場整備環境や居住環境は異なっていると感じています。現状を把握し、放置禁止区域の範囲を見直す必要性があると考えますが、認識を伺います。

 次に、区立駐輪場の利用料及び撤去及び保管に係る経費の有料化について伺います。

 今定例会では、中央区自転車の放置防止に関する条例の一部を改正する条例が議案として提案されています。区立駐輪場の利用料及び撤去及び保管に係る経費は、これまで区条例で徴収できるとされながらも、二十三区の中で唯一無料の設定を続けてきました。平成二十四年度決算では、区立駐輪場の維持管理費は約六千万円でした。さらに、撤去・保管・廃棄に要する経費が約四千八百万円計上されています。撤去された自転車三千四百二十五台で単純計算すると、一台当たり約一万四千円の税金が投じられています。他区在住者及び企業保有の自転車であっても、撤去料は無料の設定であることに対し、区民の方から、区民の税金を投入することは望ましくないとの意見もいただいております。今定例会の議案では、区立駐輪場の利用料及び撤去及び保管に係る経費の設定が提案されておりますが、この時期に有料化する背景や理由を確認させてください。

 次に、防犯登録情報の共有について伺います。

 現在、区道は中央区環境土木部、都道は東京都第一建設事務所、国道は国土交通省の各出張所、私道または私有地は所有者及び管理者が管理することになっています。窓口や所管が違えば、当然、放置自転車への対応も異なることになります。区の所管である区道及び区営駐輪場の管理や誘導整理、放置自転車の整理等に関しては、公益社団法人中央区シルバー人材センターに委託しています。撤去作業については、別事業者となっております。保管場所に移送された放置自転車を引き取る場合、所有者は身分証明書の提出及び氏名・住所を記載し、所有者がみずから探し、持ち帰るルールとなっています。引き取り間違いやトラブルが生じないためにも、返却時の徹底したルールや情報管理が不可欠です。

 最近は、廉価な自転車が市場に出回る一方で、高級自転車ブームが起きています。そのため、自転車の窃盗が問題となっています。細かくパーツ単位に分解して中古店に売却という実態があるそうです。一方で、放置自転車の中には、盗まれた上で捨てられた自転車も存在します。放置自転車の撤去の際に、乗り捨てられた盗難自転車であると確認するためには、所有者が警察署に盗難被害届を提出していることが前提となります。どこの誰の自転車かを即時に把握できるシステムがあれば、撤去後の返還を迅速に行うことができます。

 現在、自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律では、全ての自転車に防犯登録を行うことが義務づけられていますが、罰則規定がないことや、通信販売やパチンコの景品などで入手される自転車に関して登録が行われていないことがあり、登録率は六○%程度にとどまると言われています。また、登録データの管理者が警察であるため、放置自転車対策の主体である区が検索を行うことができないことなどが課題です。防犯登録情報の共有など、一歩進んだ対応が求められると考えますが、区のお考えをお伺いいたします。

 最後に、広域シェアサイクルについて伺います。

 千代田、港、中央の都心三区は、慢性的な交通渋滞の緩和とともに、都心にふさわしい質の高い都市基盤の整備が望まれています。そんな中、二○二○年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、シェアサイクルのシステムが期待されています。東京都の舛添知事は、世界一の自転車利用の促進を掲げており、二○二○年までに一都六県で共通のシェアサイクルの実現を目指しています。

 ことし八月末から、港区が貸し出し用自転車を複数の拠点間で自由に乗り降りできるシェアリングを開始しました。江戸川区や世田谷区などの住宅街の活用と異なり、会社員らの通勤や営業のほか、観光客の足としても期待されています。また、千代田区でも事業者がことし十月から、区内全域でシェアサイクルを始めると発表しています。国道や都道などにも拠点を設けるため、国や都との調整を行っていくそうです。

 そこで、広域シェアサイクル構想について伺います。

 二○二○オリンピック・パラリンピック開催を見据えた場合、区ごとにシステムが異なり、シェアサイクルの活用範囲が限定されていては、せっかくのよい施策の効率も限定的と言えます。私は、近隣区と連携し、相互乗り入れ可能な体制を目指すべきであると考えます。港、千代田、中央区及び平成二十四年秋ごろから臨海部で実証実験をしている江東区にも呼びかけを行い、能動的な行動を期待しますが、見解をお聞かせください。

 以上で一回目の質問を終わります。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 山本理恵議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、自転車走行空間についてであります。

 歩行者、自転車、自動車がともに安全で安心して通行できる道路とするために、自転車走行空間の整備は重要であると認識しております。走行空間について、東京都が二○二○年東京オリンピック・パラリンピックまでに整備を倍増するとともに、選手村から半径八キロメートル圏内において自転車推奨ルートを整備するなど、自転車の走行環境の整備を積極的に推進する考えを示したことは、区内の自転車利用環境の向上や自転車利用の普及につながるものと考えます。本区においては、限られた道路空間の中で既存交通への影響やバス路線及び荷さばき車両等の対応などから、車道上に自転車レーンを設置することが難しい状況にあるため、これまでは昭和通りや清杉通りの広幅員の歩道において、視覚的分離による自転車歩行者道の整備を実施してまいりました。今後は、都や警察と連携を図り、自転車ナビマークの設置など、さまざまな手法により、自転車走行空間の整備・拡充を図ってまいります。

 次に、自転車事故のリスク認識の周知についてであります。

 自転車は、身近で手軽な交通手段である一方、ルールやマナーを守らないことにより重大な交通事故が発生し、高額な賠償を求められる事例も見受けられます。区では、こうした自転車事故のリスクを周知するため、区役所の窓口等でリーフレットを配布するとともに、春秋の全国交通安全運動期間中に親子自転車実技教室を開催しているほか、警察においても、各小学校での自転車実技教室を実施しております。しかしながら、いまだに児童や女性、高齢者等、いわゆる交通弱者が悲惨な事故に遭っていることから、より一層の自転車安全対策が必要と考えております。このため、今後も警察等と連携し、児童や保護者を対象とした自転車安全教育の充実や、学校周辺の通学路などでのリーフレットの配布等を通じて自転車事故のリスクを広く周知するとともに、万一の事故に備えた自転車保険の加入についても奨励してまいります。

 次に、中央区市街地開発事業指導要綱に基づく駐輪場附置の成果と実績についてであります。

 マンション居住者による路上駐輪を防止するため、区では市街地開発事業指導要綱に基づいて、マンションの敷地や建物に世帯当たり一台以上となる駐輪場を整備するよう、開発事業者を指導してまいりました。こうした指導により、開発事業者もその必要性を認識し、平成十年の指導開始から、現在まで約七万台分の駐輪場が整備され、マンション周辺の路上駐輪対策に効果があったものと考えております。しかしながら、近年、各世帯の自転車保有数の増加が見られることから、昨年十一月に要綱を改正し、世帯を対象とする駐輪場附置の割合を一・四台以上に引き上げるとともに、マンション全体の自転車保有数の削減に資するサイクルシェアリングの導入に努めているところであります。区としましては、今後も要綱に基づき、開発事業者を積極的に指導し、マンションの適正な駐輪場整備に取り組んでまいります。

 次に、自転車放置禁止区域内の即日撤去の成果と課題についてであります。

 本区では、本年一月より放置禁止区域内での即日撤去を開始いたしました。即日撤去の実施により、開始前に比べると、区域内での放置自転車が大幅に減少する一方、駐輪場の利用登録が増加するなど、自転車利用者の放置防止意識の向上及び道路環境の改善が図られております。しかしながら、放置禁止区域内にはいまだ自転車の放置があることから、さらなる撤去の強化が必要であります。あわせて、撤去自転車の保管場所についても不足していることから、新たな保管場所の確保及び撤去、返還業務の効率化を図る必要があると考えております。

 次に、自転車放置禁止区域の範囲見直しについてであります。

 放置禁止区域につきましては、自転車の放置防止に関する条例において、自転車の放置により生活環境が阻害され、かつ駐輪場が整備された地域において指定することとされております。本区においては、平成八年に浜町公園地下駐輪場が整備されたことにあわせ、浜町駅周辺を放置禁止区域に指定して以降、駅周辺で自転車利用の需要を満たす規模の駐輪場が整備された場合、その周辺地域を放置禁止区域に指定してまいりました。現在、八つの駅周辺が放置禁止区域に指定されておりますが、平成二十四年度に勝どき駅周辺の放置禁止区域において区域の追加を行うなど、見直しも行ってまいりました。また、今年度東京駅周辺に五百台以上収容の民設民営駐輪場の整備を予定しており、その運営開始に合わせて同地域周辺に放置禁止区域を指定することを検討しております。今後も、駐輪場の整備にあわせた放置禁止区域の指定や、地域の実情に合った同区域の見直しを図るなど、放置自転車への取り組みを進めてまいります。

 次に、駐輪場の有料化及び自転車撤去・保管手数料徴収の背景と理由についてであります。

 区では、これまで駐輪場の整備や放置自転車の指導、警告、撤去等を行ってまいりましたが、急激な人口の増加や自転車利用の高まりにより、駐輪場の確保や放置自転車対策の強化などの課題が生じてまいりました。このため、平成二十四年六月に中央区自転車利用のあり方を策定し、これに基づき、東京駅を初めとする区内の駅周辺での駐輪場の整備やまちづくり基本条例による駐輪場の整備、放置禁止区域での即日撤去などを推進するとともに、自転車の総量抑制や放置自転車対策としてのコミュニティサイクルの導入検討、集合住宅でのサイクルシェアの促進などを図っているところであります。区といたしましては、これらの自転車対策を総合的に展開するためには、自転車利用者の適正な負担が必要であることから、平成二十七年四月の駐輪場利用の登録更新時期にあわせて、駐輪場の有料化及び自転車撤去・保管手数料の徴収を図るものであります。

 次に、防犯登録情報の共有についてであります。

 防犯登録制度については、自転車の所有者を明確にし、盗難防止と被害回復の促進を図ることを目的に、自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律で定められているものであり、登録情報は警察で管理されております。区では、撤去自転車の返還業務において、警察署に防犯登録の照会をし、その回答に基づき所有者に返還の通知をしておりますが、登録情報を警察と共有管理することは、警察捜査の守秘により、困難であります。今後は、警察と連携し、迅速な照会・回答に努めるなど、撤去・返還業務の効率化を図ってまいります。

 次に、広域シェアサイクルについてであります。

 区では、自動車から自転車への転換、放置自転車の減少などを目的として、コミュニティサイクルの検討を進めております。コミュニティサイクルの導入においては、ステーション用地の確保や採算性の確保などの課題解決が必要でありますが、二○二○年東京オリンピック・パラリンピックの開催や利便性の高い魅力あるコミュニティサイクルの構築において、広域連携も重要と考えております。しかしながら、広域連携においては、料金制度や運営方式、自転車の再配置などの課題があります。現在、本区は千代田、港、江東の周辺三区や東京都と広域連携を含めたコミュニティサイクル事業に関する情報交換を行っていることから、今後も引き続き周辺区と検討を進めてまいります。

 答弁は以上であります。

     〔六番 山本理恵議員登壇〕

○六番(山本理恵議員)
 御答弁をありがとうございました。

 先ほど申し上げたとおり、放置自転車対策にかける費用は決して少なくありません。また、放置自転車に対する対処や苦情処理など、自治体職員の労力も少なくありません。ここで、思い切ってシェアサイクル及び駐輪施設の整備を行い、自転車問題の解決に向け、一歩前進することが大切です。

 広域でシェアサイクルを実施する場合、多くの行政体にまたがるため、国や東京都、各区の意向への配慮や制度設計、管理体制などの課題もありますが、中央区基本構想に掲げる地球にやさしい環境づくり、都心にふさわしい都市の基盤づくりを実現するために、私は自転車の広域シェアサイクルシステムの実現を大いに期待したいと思います。

 以上で一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(原田賢一議員)
 以上をもって一般質問を終わります。


○議長(原田賢一議員)
 次に、日程第二及び日程第三を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第二及び日程第三を一括して議題といたします。

     〔田野議会局長朗読〕


日程第二

 議案第五十九号 平成二十六年度中央区一般会計補正予算

日程第三

 議案第六十号 平成二十六年度中央区介護保険事業会計補正予算


○議長(原田賢一議員)
 提案者の説明を願います。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第五十九号及び第六十号、平成二十六年度本区各会計補正予算につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 今回の補正は、一般会計で三億二千五百二十八万一千円を、介護保険事業会計で六千四百二十九万二千円を、それぞれ増額するものであります。

 この結果、補正後の予算額は、一般会計は八百三十五億八千二百三万九千円、介護保険事業会計は七十六億二千六百九十五万六千円となるものであります。

 初めに、一般会計補正予算の概要について御説明申し上げます。

 まず、歳入についてです。

 使用料及び手数料は、駐輪場使用料二千百六十四万七千円の計上です。

 都支出金は、待機児童解消支援事業費補助金一億六千二百四万一千円及び安心こども基金事業費補助金七千二百七十六万五千円、合わせて二億三千四百八十万六千円の計上です。

 繰入金は、介護保険事業会計繰入金百一万四千円の計上です。

 繰越金は、前年度からの繰越金六千七百八十一万四千円の計上です。

 次に、歳出について御説明申し上げます。

 民生費は、来年四月に開設予定の私立認可保育所三カ所に対する開設準備経費補助三億百三十二万四千円の計上です。

 土木建築費は、来年四月からの有料化を予定している駐輪場使用料徴収のための機器設置など放置自転車対策に要する経費二千三百九十五万七千円の計上です。

 なお、債務負担行為については、「湊二丁目認知症高齢者グループホーム等の整備」の一項目を追加いたします。

 次に、介護保険事業会計補正予算について御説明申し上げます。

 まず、歳入ですが、国庫支出金は、過年度分に係る介護予防事業地域支援事業交付金三十八万一千円の計上です。

 支払基金交付金は、過年度分に係る地域支援事業支援交付金四十四万三千円の計上です。

 都支出金は、過年度分に係る介護予防事業地域支援事業交付金十九万円の計上です。

 繰越金は、前年度からの繰越金六千三百二十七万八千円の計上です。

 次に、歳出ですが、諸支出金は、前年度超過交付に伴う償還金六千三百二十七万八千円及び一般会計繰出金百一万四千円、合わせて六千四百二十九万二千円の計上です。

 以上、平成二十六年度本区各会計補正予算の概要について御説明申し上げました。

 よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について、動議を提出いたします。

 ただいま上程されております議案第五十九号及び議案第六十号は、企画総務委員会に付託されるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。


○二十三番(礒野 忠議員)
 議事進行について、さらに動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、ただいま企画総務委員会に付託されました議案の審査の関係もありますので、明二十五日を休会とし、明後二十六日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(原田賢一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十五日を休会とし、明後二十六日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

午後五時二十六分 散会


署名議員
議長 原田 賢一
議員 山本 理恵
議員 木村 克一

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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