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平成27年第三回定例会会議録(第3日 9月18日)

1.会期

三十一日(第三日)

九月十八日(金曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後六時四分散会

3.出席議員

(三十名)

一番 海老原 崇智議員

二番 塚田 秀伸議員

三番 佐藤 敦子議員

四番 瓜生 正高議員

五番 富永 一議員

六番 山本 理恵議員

七番 松川 たけゆき議員

八番 小坂 和輝議員

九番 加藤 博司議員

十番 奥村 暁子議員

十一番 原田 賢一議員

十二番 染谷 眞人議員

十三番 田中 耕太郎議員

十四番 堀田 弥生議員

十五番 墨谷 浩一議員

十六番 青木 かの議員

十七番 森谷 歩美議員

十八番 渡部 恵子議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 志村 孝美議員

二十一番 鈴木 久雄議員

二十二番 木村 克一議員

二十三番 押田 まり子議員

二十四番 礒野 忠議員

二十五番 石田 英朗議員

二十六番 中嶋 ひろあき議員

二十七番 田中 広一議員

二十八番 中島 賢治議員

二十九番 石島 秀起議員

三十番 渡部 博年議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君

副区長 齊藤 進君

副区長 吉田 不曇君

教育長 島田 勝敏君

企画部長 平林 治樹君

総務部長 田中武君

防災危機管理室長 林 秀哉君

区民部長 新治満君

福祉保健部長 黒川眞君

高齢者施策推進室長 長嶋 育夫君

保健所長 中橋 猛君

環境土木部長 宮本 恭介君

都市整備部長 田村 嘉一君

会計管理者 平沢 康裕君

教育委員会事務局次長 坂田 直昭君

監査事務局長 有賀 重光君

企画財政課長 濱田徹君

広報課長 園田 典子君

総務課長 古田島 幹雄君

5.議会局出席職員

議会局長 田野 則雄君

庶務係長 小暮 万里子君

議事係長 荻原 雅彦君

調査係長 東 雅之君

書記 笠井 光輝君

6.議事日程

日程第一
一般質問

日程第二
議案第六十九号 平成二十七年度中央区一般会計補正予算

日程第三
議案第七十号 平成二十七年度中央区介護保険事業会計補正予算

日程第四
議案第七十一号 中央区基本構想の議会の議決に関する条例

日程第五
議案第七十二号 中央区基本構想審議会条例

日程第六
議案第七十三号 中央区個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例

日程第七
議案第七十四号 中央区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例

日程第八
議案第八十一号 中央区立月島第三小学校等複合施設増築及び大規模改修工事(建築工事)請負契約

日程第九
議案第八十二号 中央区立月島第三小学校等複合施設増築及び大規模改修工事(機械設備工事)請負契約

日程第十
議案第八十三号 中央区立月島第三小学校等複合施設増築及び大規模改修工事(電気設備工事)請負契約

日程第十一
議案第八十四号 橋梁長寿命化修繕工事(采女橋・祝橋)請負契約

日程第十二
議案第七十五号 中央区事務手数料条例の一部を改正する条例

日程第十三
議案第七十六号 中央区女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例

日程第十四
議案第七十七号 中央区難病患者福祉手当条例の一部を改正する条例

日程第十五
議案第七十八号 中央区自転車の放置防止に関する条例の一部を改正する条例

日程第十六
議案第七十九号 中央区借上住宅条例の一部を改正する条例


午後二時 開議

○議長(鈴木久雄議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(鈴木久雄議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 七番松川たけゆき議員。

     〔七番 松川たけゆき議員登壇

○七番(松川たけゆき議員)
 維新の党の松川たけゆきでございます。平成二十七年第三回定例会に当たり、維新の党を代表して、さきに提出いたしました質問通告書に基づき、質問いたします。区長及び理事者の皆様におかれましては、区民の皆様にわかりやすい明快な御答弁をお願いいたします。御答弁の内容によりましては、再質問をあらかじめ留保いたします。

 私は一九九一年に本区に住み始めましたが、当時の人口は七万五千九百五十一名、人口がV字回復に向けて伸び始めたころでしたが、本年九月一日現在、十四万一千五百八十人と、人口は激増しております。私自身、当時本区に持っていたイメージは、さまざまなショップが集まる商業のまち銀座、日本一の水産卸売市場のある築地、時代劇や落語などでよく見聞きする歴史あふれる日本橋、古き下町の薫りが残る月島、いずれも憧れのまちでした。途中、本区以外の区にも住みましたが、やはり本区が都会的であり、下町の安心できる環境の両立した住みやすいまちだと思い、本区に戻ってまいりました。まさに、矢田区長が推進されてきた職住近接の戦略にはまって、移り住んできたわけであります。

 現在、本区内の再開発の状況やオリンピックを見れば、これからも人口は順調にふえ続けるめどは見えたと言っていいでしょう。これからは、昔からお住まいの方だけでなく、新しく住み始めた新住民の方々にも長く本区に住んでいただきたい。そして、本区で生まれたお子様に安心して定住していただけるまちづくりが必要だと思います。

 本区は、商業のまちとして、夜間人口よりも昼間人口が大幅に多く、銀座、築地、日本橋、オリンピックの選手村のできる晴海と、観光面でも大変魅力あふれるまちが多くあります。本区の魅力を区内外に幅広く発信を行って、在勤者、そして新住民の皆様に、本区に対してアイデンティティーを持っていただく必要があると思います。これから導入されるコミュニティサイクルを利用して、休日に本区内を探索したり、親子で本区内の歴史を学ぶ姿を想像しております。本区では、商業、観光、教育、居住の四つが重要と考えます。車でいえば、その一つ一つがタイヤであり、四つのタイヤのどれが欠けてもならないものと思います。観光客、在勤者、住民、全ての方々に区内をくまなく回っていただきたい、そのように思います。

 そこで、お尋ねいたします。

 一つ目に、区の駐輪場の展望についてです。

 現在の交通状況だけでなく、これからできるコミュニティサイクル、駐輪場の一時利用、BRT、地下鉄と、さまざまなサービスができますが、それでも区内の駐輪場の不足は目立つところではないかと思います。そして、本区は土地が少ないという弱点がどこまでもついて回るところであり、さまざまな開発の状況からして、工事期間が長期にわたる地下工事は、工期、予算の観点からいっても厳しいものと思われます。自転車版マンションのようなサイクルツリーであれば、地下だけでなく、地上でも、土地の少ない場所に建築が可能です。景観も保たれ、現実的な解決方法の一つだと思いますが、サイクルツリーの導入の可能性を含めて、区の長期的な駐輪場に対する考え方をお聞かせください。

 二つ目に、自転車のマナー問題です。

 本年の六月一日より、自転車の取り締まりが、新たに十四項目の取り締まり項目が厳しくなりました。本区を通行される方は、おおむねマナーがいいように見えます。ですが、本区は、主要道路だけでなく、一本入った一方通行の道路にもパーキングメーターが設置され、原則、歩道を走れない自転車は、パーキングメーターに駐車された自動車の横を走る必要があります。国道や都道は、両側三車線以上ある通りがほとんどです。また、左折専用レーンなどもあり、仕方なく歩道を走行する自転車も多く見られます。歩道を走行する自転車は、直ちにとまれる速度のおよそ時速六キロ程度での走行が義務づけられておりますが、特に勝鬨橋などを走行する自転車は、速度オーバーをしている自転車が多く見られます。警察だけでなく、本区のほうでも、積極的な自転車のマナーに関する啓蒙活動が必要と思いますが、本区の考え方をお聞かせください。

 三つ目に、観光バスの待機についてです。

 昨今では、爆買いと称される観光客の買い物が報道されております。本区でも、外国人の方が大荷物を持って歩く姿を毎日のように見ます。経済の本区としては、大変うれしい状況でありますが、観光バスの乗り降りや待機の問題も出ております。本区の道路は交通量が多く、車道での長時間の待機を行うことは難しい状況です。経済の状況は刻一刻と変化しており、待機場だけをつくればいいという問題ではないと思います。利用されなくなれば、負債になる可能性もあります。この問題をどのように捉え、今後どのように解決しようと思っているのか、お聞かせください。

 次に、民泊についてお尋ねいたします。

 エアビーアンドビーを初め、インターネットを通じて民泊を取り次ぐサービスが注目をされております。本来は、一般の御家庭で、旅行中など不在時に宿泊をしていただくためのサービスであります。日本では旅館業法違反になる可能性が高く、長らくグレーゾーンと見られていました。しかし、政府は、二○一五年六月三十日に、規制改革実施計画で民泊の規制緩和を実施することを閣議決定しました。そちらのほうで、小規模宿泊業のための規制緩和というものが三つ出ております。

 一つ目に、イベントなどを実施する際の民泊における規制緩和。この項目には、イベント開催時であって、宿泊施設の不足が見込まれることにより、開催地の自治体の要請などにより自宅を提供するような公共性の高いケースについては、旅館業法の適用外となる旨を明確にし、周知を図る。

 二つ目に、農林漁家民宿の規制緩和の拡大。この項目は、体験学習のさらなる推進の観点から、農林漁家民宿の受け入れ先をふやすべく、農林漁業者以外でも自宅の一部を活用して宿泊サービスを提供する場合には、簡易宿所の客室面積三十三平米以上の条件の適用除外とするよう検討し、必要な措置を行う。

 三つ目に、インターネットを通じ、宿泊者を募集する一般住宅、別荘などを活用した宿泊サービスの提供。この項目には、インターネットを通じ、宿泊者を募集する一般住宅、別荘などを活用した民泊サービスについては、関係省庁において実態の把握等を行った上で、旅館、ホテルとの競争条件を含め、幅広い観点から検討し、結論を得る。このように、政府は規制緩和に向けて動いております。

 自宅を提供して他人を宿泊させる民泊について、イベント開催時に宿泊施設の不足が見込まれれば、旅館業法の適用外とし、民泊を許可するといった内容です。これを推進するためには、区でも条例などをつくる必要なども出てまいります。現在、エアビーアンドビーで検索をかけてみますと、本区でも区内全域に既に二十件以上のホストが登録をされております。古民家からタワーマンションまで、さまざまな住居形態がホストとして登録をされております。

 観光庁が六月に公表した観光白書によりますと、二○一四年度で東京、大阪のホテルの稼働率は八一%を超えております。一般的に、八○%の稼働率を超えますと、予約が困難となり、宿泊料金の高騰等も起こります。本区だけに限れば、八一%を大幅に上回る稼働率ではないかと推察されます。海外で行われたオリンピックでは、オリンピック期間中のホテルは、オリンピック前には二万円台のホテルでも、期間中は十万円を超える、そのような価格に高騰しております。また、海外でのエアビーアンドビーを利用するホストはふえており、運営代行会社なども出てきております。専門業者は民泊をなりわいとしており、政府の規制緩和の趣旨とはずれるのではないかと思います。また、ロンドンでは、ホテルとの競合を考慮し、一般市民の三カ月の貸し出し期間を許すという規制緩和策を打ち出しました。ですが、日本では、先日、エアビーアンドビーの利用客と思われる幼児の転落事故なども起こっております。

 そこで、お尋ねします。

 住民の約八八%が高層住宅に住むという特殊な環境を抱える本区としては、民泊の推進を行うにしても、規制を行うにしても、住民以外の不特定多数の方が出入りをするという環境は、住民同士のトラブルを生むものと思われます。現在のマンションの管理規程や規約だけではカバーし切れない部分も出てきています。まだ大きな問題は起こっていませんが、問題が顕在化する前に取り組む必要があると思います。ですが、ホテルが慢性的に足りない本区としては、ホテル不足を解消する方法の一つではないかと思います。今後の宿泊施設の不足の解決をどのように行うのか、区としての意見をお聞かせください。

 次に、区内の移動動線についてお尋ねします。

 外国人観光客の方はもちろん、在勤者、区民の皆様に区内をくまなく移動していただきたいと先ほど申し上げましたが、最近ではSNSなどを通じ、体験したことをリアルタイムに友人や不特定多数の方に発信することが常識となりました。以前であれば、飲食店などで料理の写真を撮ったり、スマホを操作するなどの行動は断られることも少なくない状況でしたが、無料で宣伝してくれるという観点からも、現在では歓迎される状況に変化してきました。Wi‐Fiの設置は、商店側からは、滞在時間が延びる、設置場所がないなど反対も多かったのが、最近では、本来回転率を求めるファストフード店でも積極的に設置を行うなど、積極策に変わってきました。インターネット上のお店の紹介サイトなどでも、営業時間やサービスの紹介に続き、携帯電話の電波状況、そしてWi‐Fiの設置の可否を掲載しております。

 防災面でも、東京都が出している二○二○年の東京を支える十二のプロジェクトでも、防災共助プロジェクトの面でソーシャルメディアや無線LANなどを活用した情報通信基盤を強化や、ツイッターなどを活用した情報提供や無線LANの設置を促進というものが出ております。東日本大震災でも、SNSでの情報発信により、正確な情報が届き、パニックにならなかったような例も多くあります。区内を移動し、さまざまな情報の発信を行うために、行く先々、そして、その動線上に公衆無線LANなどが必要と考えます。

 そこで、お尋ねします。

 一つ目に、公衆無線LANの導入についてです。

 区のおしらせ四月十一日号でも、観光情報センター(仮称)の整備のための予算の計上がされたと告知されております。さらに、ことし、二○一五年三月に発行されている「二○二○年に向けた中央区の取組」でも、観光・文化の欄で、商店街におけるフリーWi‐Fiの整備の促進というのがあります。本区としても、公衆無線LANの整備は待ったなしというようにとれます。防災面でも、災害はいつ起こるかわかりません。また、災害が起こってからではなく、ふだんから利用することにより、災害時にも使いこなせます。区内の移動の動線上にWi‐Fiの整備が必須だと思います。Wi‐Fiの整備について、考え方をお聞かせください。

 二つ目に、観光アプリについてです。

 日本では、二○二○年までに訪日外国人数二千万人を目標としておりますが、円安などにより爆発的にふえております。現在の伸び率でいけば、ことし一千七百万人を超える状況です。二千万人の目標も、二○二○年より前倒しで達成される可能性も見えてきております。特に、アジア圏の伸びは著しく、それらの国は、それぞれ言語が別な言語を使用しているところがほとんどです。スマホを利用したアプリのニーズも強くあり、多言語対応が一日も早く望まれます。また、リピーター化していただくためにも、日本の文化を知っていただく必要があります。区内在住者の方にも、休日などに本区の歴史を学ぶ上で、何かしらのツールの充実が必要と思います。

 そこで、お尋ねいたします。

 本区の多言語対応アプリや在住・在勤者向けのアプリの考え方をお聞かせください。

 以上で一回目の質問を終了します。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 松川たけゆき議員の質問に順次お答えいたします。

 初めに、駐輪場の整備についてであります。

 本区においては、人口の増加や自転車利用の高まりによりまして、放置自転車が増加していることから、新たな駐輪場の整備を図っているところであります。御提案のあった機械式駐輪場につきましては、人形町二丁目地下駐輪場に設置するとともに、銀座六丁目においても再開発事業者が導入を予定しておりますが、本区においては、用地確保の問題や地下構造物の存在、さらに費用面などから、整備が難しい状況にございます。このため、区では、昨年度、東京駅周辺の歩道上に民設民営駐輪場を整備したところでありまして、今後も広幅員の歩道などに整備を進めてまいります。また、民間の再開発におきましては、まちづくり基本条例を活用して駐輪場の整備を要請しており、これまでに銀座三越、東京スクエアガーデンなどに整備してまいりました。今後も、日本橋二丁目地区や八重洲一・二丁目地区、日本橋室町地区などにおいて整備を図ってまいりたいと思います。

 次に、自転車の交通マナーについてであります。

 本年六月、自転車利用者に対しまして、交通ルールを徹底するため、自転車運転者講習制度が施行されましたが、区内におきましても、勝鬨橋などで必要以上にスピードを出した自転車走行が見られることなどから、区内警察署では、幹線道路などで定期的かつ重点的な指導取り締まりを実施しております。本区においては、これまで区内警察署等と連携して、春・秋の交通安全運動期間中に、走行ルール遵守とマナー向上を呼びかける自転車マナー向上キャンペーンの実施や、自転車事故を再現しながらルールを守ることの大切さを伝えるスケアード・ストレート方式の自転車交通安全教室を、今年度は銀座中学校や佃中学校など五カ所で開催しているところであります。今後も、区内警察署や関係機関との連携を一層強化して、自転車のルールやマナーに関する交通安全教室等を継続的に実施するなど、啓発活動に取り組んでまいります。

 次に、観光バスの待機についてであります。

 銀座や月島などにおいて、来街者を運ぶ観光バス等が路上で乗降させることによりまして、人だまりや停車及び待機駐車が車両の通行を阻害しており、地域の深刻な課題となっております。区では、大規模開発の機会を捉えまして、バス待機場所等の整備を事業者に働きかけており、現在、銀座六丁目の再開発事業では観光バス乗降所を整備しております。都心に位置する本区で観光バスの待機場所等を確保することは難しい状況でありますが、引き続き、大規模開発の機会などを捉えまして、待機場所等の整備を開発事業者に働きかけるとともに、公共用地を活用するなど、待機場所等の確保に向けて、さまざまな検討を進めてまいります。

 次に、民泊に対する本区の考え方についてです。

 自宅を提供して他人を宿泊させる民泊が、近年、急速な広がりを見せていることは、国内外からのさまざまな滞在ニーズに柔軟に応えるものとして、利用者から一定の評価を得ているものと認識しております。一方で、一部の分譲マンションなどでは、見知らぬ人物が出入りすることに不安を抱く住民もおり、利用者と住民とのトラブルも懸念されるところであります。今回、政府が民泊の規制緩和に乗り出しましたが、本区としては、区民生活に与える影響を十分に考慮し、引き続き、国や他自治体の動向を注視しながら、慎重に対応してまいります。また、本区を訪れる外国人旅行者の増加が見込まれる中、誰もが快適に滞在できる環境を整備することは、都市観光を推進していく上でも重要であります。今後の宿泊施設の需要や、都心区にふさわしい滞在のあり方を見きわめながら、適切な対応を図ってまいります。

 次に、Wi‐Fiの整備についてであります。

 Wi‐Fiは、外国人観光客はもとより、誰もが手軽に情報を入手・発信できることから、災害時も含め、安全・安心なまち歩きを担保する上で効果的な通信手段であります。現在、商店街を初め、宿泊施設や鉄道事業者、飲食店などの民間事業者により、独自に整備が進められておりますが、サービス提供事業者ごとに利用登録が必要になるといった問題点も指摘されております。こうしたことから、東京都は、平成二十六年十二月に策定した外国人旅行者の受入環境整備方針に基づき、Wi‐Fiの利用手続きを簡素化する官民一体の取り組みと、民間事業者の主体的な整備を促進することで、都内全域における接続環境の向上を目指すとしております。また、国におきましても、自治体や民間事業者も加わった公衆無線LAN整備促進の協議会を立ち上げ、より利便性の高い仕組みづくりに取り組んでおります。区といたしましては、こうした東京都や国の動向を見定めながら、商店街における取り組みへの支援を含め、区内におけるWi‐Fi環境整備の方向性を整理してまいります。

 次に、観光アプリについてであります。

 本区を紹介する観光アプリとしては、中央区観光協会が、二十三区初となる中央区まち歩きマップの無料配信を平成二十五年度より行っております。このアプリは、観光客はもとより、在住・在勤の皆様がスマートフォンやタブレット端末を使って区内の観光スポットを巡れるものでありまして、GPSにより、現在地を確認しながら、迷うことなくまち歩きを楽しむシステムとなっております。また、地図画面を江戸や明治期の古地図に切りかえることで、本区の魅力である江戸以来の歴史についても触れることができるものであります。さらに、本年度は、昭和初期の切りかえ地図を追加することで内容の充実を図るとしております。また、多言語化につきましても、既に対応ができている英語に加えまして、急増する中国人観光客対策として、中国語版の作成が計画されております。今後とも、区内観光やまち歩きの中で、より多くの方々に中央区の魅力を実感していただくツールとして、さらなる充実が図られるよう、観光協会と協議してまいります。

 答弁は以上であります。

     〔七番 松川たけゆき議員登壇〕

○七番(松川たけゆき議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございます。

 まず、駐輪場についてでございます。

 駐輪場は、今御答弁いただきましたように、人形町ですとか銀座六丁目、そういったところの整備が進んでいるということは大変いいことでございますが、人口が今最も伸びているのは、月島地区です。来年には、タワーマンションがまた複数棟竣工いたします。人口が爆発的にふえている中で、当然、自転車も爆発的にふえるのは月島地区だと思っております。委員会などで何度か私も質問させていただきました公園内の駐輪は、まだまだ減ってはおりません。まさに、そういうところにこそ、機械式の駐輪場が必要ではないかと思います。

 そして、自転車のマナー問題でございます。

 この問題を区民の皆様からお寄せいただき、私自身、いろいろと調べてみました。数日間、夜間、勝鬨橋の麓に立ちまして、約八百台の自転車を定点観測しました。約七五%もの方が時速六キロ以上の速度で通行されており、私が見ている間だけでも数回、歩行者の方との接触が危ぶまれたときがございました。実際、この問題につきまして警察等にも確認をしたところ、警察のほうも、まだどのようにするかという対策がないような状況でございました。警察との連携というのも大事ではあるかと思いますが、区としても、積極的にマナーの向上を図っていくことをお知らせするのがいいのではないかと思います。

 また、交通マナーの部分でいきますと、社会人として働かれている方々に関しましては、朝早く出て、夜遅く帰ってこられる方も多くいらっしゃいます。実際に、区内の方は自転車で通勤される方も多くいらっしゃり、そういう方々、朝早く出て夜遅く帰ってこられる方々は、自転車の走行が時速六キロ程度でなくてはいけないという事実を知らない方が多いのではないかと思います。警察とかが手の届かないそういうところこそ、区が積極的にやっていかなくてはいけないのではないかと思います。

 次に、バスの待機場所の問題でございます。

 バスの待機場所もそうです。御答弁でいただきました銀座六丁目のバスの乗降所、こういったところにつきましても、最近やってこられる外国人の方々は、集合時間を守る方も少ないと聞いております。したがいまして、そのような場所を設けただけでは、集合されずにバスが渋滞し、人々が路上にあふれるような状況にもなるのではないかと危惧しております。その辺の対策につきましても、今のうちに御協議いただきたい、そのように思います。

 そして、民泊の部分です。

 私の知人で、まさにエアビーアンドビーで民泊を提供されている方がいらっしゃいます。その方は、築四十年の一軒家を改築しまして、一階を外国人の方に、二階をホストファミリーが住むというような形に改造しました。そこに来られている方と、私も、先日、ちょっと交流をしました。その方は、高い値段、安い値段でホテルにとまりたいというわけではなく、日本の文化に触れたい、日本人と交流がしたい、そのような理由でエアビーアンドビーでホストファミリーを選んだと言っておりました。その方は、ドイツの政府の関係者の方でした。日本語にも大変たけておりまして、私とも日本語と英語でコミュニケーションをとりましたが、日本のことについてもいろいろと勉強されており、私自身、いろいろと見直す、そのようなチャンスがございました。

 そして、今の御答弁の中でも、国の動向、ほかの自治体の動向を見られるというふうな御答弁がございましたが、この中央区は先進的なまちであり、他区の見本となるようなまちでなくてはいけないのではないかと思っております。他区に先駆けてする、他区に私たち中央区の背中を見て追いかけていただくような積極策も打っていく、そのようなことがあってもいいのではないかと思っております。

 次に、Wi‐Fiについてです。

 先ほどのまち歩きマップ、私自身も使ってみておりました。その中で、感想を言えば、非常によくできています。ですが、少々凝り過ぎている面がありまして、私が全く中央区に興味のない、初めて来た人だという観点から見た場合、ちょっと使いづらいというのが正直な感想でございました。外国人の方が、もしくは観光客の方が初めて中央区に来て、そのマップを開いて、いろいろと見て、おもしろいんですが、実際にそれを使って移動しようとすると、ちょっと不便かなと。そして、古地図を見るにしましても、ここに昔何があったんだろうと興味を持って拡大をしても、もともと地図が読み取りにくいのかもしれませんが、拡大をすると、字が読めないんです。なので、もっと深く知ろうと思っても、今のマップを使っては、残念ながら、勉強はできないという状況です。その辺につきましても、ぜひ改善の余地があるかと思いますので、凝ったもの、そしてシンプルなもの双方で何かできないか、そのようにも思います。

 そして、多言語化の部分です。

 先ほど中国語というのが出てきました。先ほど私も述べさせていただきましたように、現在、多くふえているのはアジア人です。もちろん、中国語を使われる方が最も多いかもしれません。先日、パチンコ屋さんの前を通りましたら、パチンコガイドブックというのが置いてありました。そこには、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、ロシア語、日本語、以上の七カ国語でパチンコの楽しみ方が説明されております。民間の方々は、これぐらいの言語が必要と思ってやっています。行政が三カ国語では、ちょっと寂しいのではないかと私は思います。もう少し言語をふやすことができないのか。やはり中央区としましては、民間に比べて後手後手になるのではなく、率先して積極的にやっていく姿勢を持ってやっていっていただきたい、そのように思います。

 以上で私の質問を終わらせていただきます。(拍手)


○二十三番(押田まり子議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後二時三十九分 休憩


     午後三時 開議

○議長(鈴木久雄議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十三番田中耕太郎議員。

     〔十三番 田中耕太郎議員登壇

○十三番(田中耕太郎議員)
 中央区議会自由民主党議員団の田中耕太郎であります。平成二十七年第三回中央区議会定例会に当たり、会派の一員として、さきに鈴木議長へ通告をいたしました内容に沿って、順次質問をさせていただきます。区長を初めとする関係理事者の皆様には、区民を初めとする当事者の立場に立ち、将来を見据えた積極的な御回答をよろしくお願い申し上げます。なお、御答弁の内容によりまして、再質問を留保させていただきます。

 質問に先立ちまして、先週の台風十八号から発生いたしました低気圧の影響により、関東と東北地方で甚大な豪雨災害が発生いたしました。亡くなられた方の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。多くの方が大切な住居や家財を失い、厳しい避難生活に耐えておられます。被災された全ての皆様にお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧、復興を願ってやみません。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 まず、平成二十六年度決算と平成二十八年度予算についてであります。

 現在、ギリシャ金融危機、中国経済の失速等に端を発した世界経済の不安定化が指摘されております。先月末から日経平均株価の下落率が、わずか十一営業日で約一五%に達し、その後の三営業日で八%の急反発を見せるなど乱高下し、我が国並びに本区を取り巻く経済環境は、楽観視することが極めて厳しい状況となりつつあります。

 本区の平成二十六年度各会計決算総額は、人口増加により、特別区税を初め、増収となり、アベノミクス効果による企業収益の好転のため、市町村民税法人分の税収も加わり、前年度比四・三%増の四十三億一千三百四十二万一千円の増収となりました。また、一方で、歳出総額も前年度比三・七%増、三十六億五千九百五十六万三千円増加し、高齢者や乳幼児、児童の絶対数の増加が顕在化しつつあり、今後の社会保障費、教育費を中心とする歳出の増大は避けられません。これらの本区の動向を踏まえて、まずお伺いいたします。

 平成二十六年度本区の決算について、どのように総括し、評価しておられるのか、区長の見解をお聞きいたします。なお、詳細につきましては、今定例会で設置が予定されております決算特別委員会での審議が待たれるところであります。本区を取り巻く環境の変化に対する区政の対応状況を中心に、概観をお知らせください。

 次に、平成二十八年度予算編成と今後の財政運営についてお伺いをいたします。

 内閣府が公表した先月の月例経済報告によれば、日本経済の先行きは、消費者マインドの弱さや海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意する必要があることが指摘されており、本区実施の六月区内景気動向調査、景気の現状に対する判断についても、「悪くなっている」、「やや悪くなっている」との回答が合わせて七・八ポイントも上昇し、さきに述べた先月からの世界経済の失速等を加味すれば、先行き不透明感がさらに増している状況です。

 本区の区民の平均年齢は、本年一月一日現在、四十二・二四歳と二十三区で一番若く、全国的に見ても、最も若い水準にあります。三十代から四十代を中心とした生産年齢人口が増加をし続けていることは頼もしい限りですが、都心であるがゆえに、景気経済環境の影響を受けやすく、安定的な財政運営を目指す必要があります。本区では、これまで比較的堅実な財政運営を行ってきたと評価しておりますが、歳出面では、二○二○年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた選手村建設予定地周辺の整備事業や、さらなる人口増加に伴う新たな行政ニーズの発生、更新時期を順次迎える各種区有施設、インフラ整備等、さらには高齢化による社会保障関係経費のさらなる増加も懸念されます。

 そこで、今後訪れる可能性が高い、厳しい経済環境が本区に与える影響についての現状認識と、平成二十八年度予算編成並びに中長期的財政運営に対して、今後どのように取り組まれるお考えであるのか、区長の御所見をお伺いいたします。

 さらに、現在の各種基金などの積立金残高の累計は、平成二十六年度の決算年度末でおよそ四百六十四億円となっておりますが、人口増大と多様化する行政ニーズに対応し、基金の取り崩し額は、近年、増大傾向にあります。この点についての現状認識と、今後の基金等の有効利用とあり方についてのお考えも、あわせてお知らせください。

 次に、都市型水害対策について質問をいたします。

 先週、九月九日十時過ぎに愛知県知多半島に上陸した台風十八号は、そこから変わった低気圧に向かって南から湿った空気が流れ込んだ影響で、西日本から北日本にかけての広い範囲で大雨となり、特に関東地方と東北地方では記録的な豪雨となりました。本日現在、三県で八名の方が犠牲となられ、およそ一万一千軒の家屋が浸水の被害を受けております。とりわけ、本区からも常磐自動車道路でわずか一時間圏内の茨城県常総市では、鬼怒川の堤防決壊により二名の方が犠牲となられ、浸水した地域では約四十平方キロメートルという広範囲で水道、電気を初めとするライフライン機能が停止し、懸命の復旧活動がただいま現在も行われております。

 私自身、今週の十五日に、常総市へ災害ボランティアとして行ってまいりました。被災後のごみ量が平常時の一年間の総量を既に上回っている厳しい状況や、比較的新しい市役所本庁舎の想定外の浸水、市議会本会議場の避難所利用、外国人等の災害弱者の方々への対応等、さまざまな問題、課題を目の当たりにいたしました。また、そのような状況下でも、懸命の復旧作業を行う地元の方々や多くのボランティアの協力、非日常を物ともしない子供たちの無邪気な笑顔と頑張りが、素早い復興を予感させるものであります。

 早稲田大学の関根正人教授ら水害土木分野の専門家によりますと、今回のような大雨は、日本全国どこでも発生する可能性があり、その際に、堤防を中心とするハードウエアだけで完全に防ぐことは困難であることを指摘しています。これまで、本区の想定される自然災害は地震によるものが大きな地位を占めてまいりましたが、河川と海に囲まれた中央区は、改めて水害の恐ろしさとその対応の重要性を見つめ直さなければなりません。

 本区では、これまで水害時の想定として、中央区洪水ハザードマップ及び浸水実績図を作成し、隅田川・神田川・日本橋川版ハザードマップでは、東京都都市型水害対策検討会が作成した予想区域図をもとに、平成十二年九月に発生した東海豪雨の大雨レベルによる浸水が予想される範囲と、その最大浸水深度並びに避難所等を公開しております。

 また、荒川版ハザードマップでは、国土交通省関東地方整備局が作成した荒川水系荒川浸水想定区域図をもとに、浸水が予想される範囲とその深さ並びに避難所等を示したものです。おおむね二百年に一回程度起こる大雨、三日間の総雨量五百四十八ミリを想定し、これが降ったことにより、荒川が氾濫した場合に想定される浸水状況をシミュレーションしています。この際に、区内で浸水が始まるのは、堤防の決壊からおよそ十二時間後と想定されています。また、このシミュレーションでは、隣接する河川の同時氾濫や雨水が河川に排水できなくなり生じる浸水被害等は考慮していないと明記されています。

 これらのハザードマップを具体的に検証いたしますと、地域、地点による差異があることは当然ながら、具体的にどのように対応すべきかまでは一般の方にはわかり得ません。また、甚大な被害が予想される荒川版のハザードマップでは、出張所や防災拠点の中でも最大五メートルの浸水を予想されている地点があり、具体的な避難先や避難経路も示されてはいません。

 荒川の氾濫については、本区の北部に位置する荒川近接の自治体や政府、国土交通省は強い危機感を持っており、北区、板橋区、足立区をモデルエリアとして、荒川下流タイムライン検討会が設置され、本年五月からの運用が開始されています。タイムラインとは、事前防災行動計画であり、災害が発生することを前提として、関係者が災害時に行う行動を時系列にまとめたもので、いつ、何を、誰が、これらを明確にすることで防災力を向上させ、平成二十四年に米国ニュージャージー州を襲ったハリケーン・サンディの対応において、大きな効果をおさめたとされています。

 先ほども述べましたが、本区は、荒川が万が一氾濫した際は、十二時間後に浸水し、最大五メートルもの浸水被害を予想しています。氾濫前の情報収集から始まり、氾濫後、洪水が到達するまでの十二時間は、区民の生命と財産を守るためにも一秒たりとも無駄にできない、まさに命のタイムラインであります。今回の常総市の災害現場でも、避難先の一つであった市役所本庁舎も浸水いたしましたが、堤防が決壊しても、ここまでは水は決してやってこないと思っていたと市役所近隣住民の方がおっしゃっておられたことが最も印象深く、私たちが学ぶべき最大の教訓であると現地で実感をいたしました。

 以上の観点を踏まえて、質問をいたします。

 第一に、隅田川・神田川・日本橋川版の中央区洪水ハザードマップにおいては、区内全域で○・五メートル未満及び一メートル未満の浸水を想定する被害予測と被災予想地域に対して、具体的にどのような対応策をとっていくのか、お知らせください。

 第二に、荒川版の中央区洪水ハザードマップについても、想定する被害予測を明確にした上で、本区の対応策について具体的にお示しください。また、洪水発生から本区が被災するとされる、およそ十二時間を含めた、いわゆる荒川タイムラインに対する本区の考え方と、本区の実態に合わせて、荒川下流タイムライン検討会への参加や本区独自の導入を検討すべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。

 第三に、都市型水害では、地下鉄を初めとする地下施設への浸水や都市特有の水害対策、復旧対策が必要とされます。都市型水害対策の進捗状況と、万が一の被災時における迅速な復旧策をお知らせください。特に、本区内の防災倉庫や防災対策を行う拠点の中で、地下や低層階に配置されている施設等は、水害に際してどのように対応していくおつもりなのか、あわせて住民及び滞在者への避難勧告や情報提供のあり方についても具体的にお示しをお願いいたします。

 次に、超高齢社会について質問をいたします。

 地方創生に向けて、地方版まち・ひと・しごと創生総合戦略が昨年十二月に閣議決定され、地方自治体においても、国が策定した総合戦略等に基づき、地方版総合戦略等を策定し、実行するよう求められています。地方の人口減少問題が国家の主要課題として認識され、民間の研究機関である日本創成会議の分科会が公表した、いわゆる消滅自治体リスト及び東京圏高齢化危機回避戦略等の公表が社会への大きな問題提起として注目されており、国が基本目標とした、地方への新しい人の流れをつくるは今後の大きな論点の一つとなっています。

 二十三区各区においても、人口ビジョンと地方版総合戦略の策定に向けた動きが広がりつつあり、例えば、文京区では、子育てファミリー層、若年層の定住化を総合戦略の基本目標に取り入れたり、杉並区では、地方連携の観点から、お試し移住を静岡県南伊豆町と検討しており、豊島区は、戦略に高齢者の移住コミュニティである日本版CCRCを秩父市と検討することや、区外での特別養護老人ホームの検討にも着手したとされています。

 地方創生の動きは、地方の人口減少と東京の一極集中を大きなテーマの一つとしており、国土全体を俯瞰すれば、東京の優位性が際立っていることは、あながち間違いではありませんが、東京の由緒正しい都心である本区においては、伝統と先進性を礎に、本区内の都心機能の更新とさらなる発展によって、区民はもちろん、国や地方に対しても貢献すべき立場であります。しかし、一方で、本区にも近い将来訪れる超高齢社会への移行に際しては、現在の枠組みや区内だけで完結が困難な住居、福祉、医療、介護、生きがいづくり等の問題が指摘されています。区民のライフスタイルも多様化しつつあり、高齢者に対してさまざまな選択肢を検証し、提供する必要も、場合によっては考えられます。

 以上の観点から質問をいたします。

 日本創成会議が提唱した東京圏高齢化危機回避戦略、主に広域連携による高齢化対応策及び政府の日本版CCRC構想有識者会議が発表している日本版CCRC構想、すなわち高齢者の地方移住策、これらについて、本区における地方創生へのお考えをお示しいただき、将来の超高齢社会における高齢者の住居と生きがいづくり等で、本区はどのような想定、選択肢を有するのか、お知らせください。

 最後に、教育委員会制度改革について質問をいたします。

 本年四月より、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律が施行されました。改正の主なポイントは、第一に、教育委員長と教育長を一本化した新教育長の設置、第二に、教育長へのチェック機能の強化、会議の透明化、第三に、全ての自治体に総合教育会議を設置、第四に、教育に関する大綱を首長が策定の四点となっています。

 第一の教育委員長と教育長の一本化につきましては、これまで、長のつく主体者が二人いることにより、いじめ等のスピード感の求められる問題への対応のおくれや責任所在の曖昧さが指摘されておりましたが、今後は、新教育長を中心に、迅速な課題対応が期待されます。

 第二のポイントである教育長へのチェック機能につきましては、これまでも、本区では委員会議事録等の公表を行っているものの、さらなる会議の透明化、情報公開と風通しのよい委員会運営を望みます。

 第三の総合教育会議においては、首長、すなわち本区においては、区長と教育委員会の連携、連動性を高めるものであり、第四の大綱制定に際しては、既に策定しております本区の教育振興基本計画の趣旨が生かされることを大いに期待するものであります。

 以上の点を踏まえて、質問をいたします。

 教育委員会制度改革に対する本区の見解と対応、並びに教育長並びに教育委員の区長による任命責任を初めとする、区政と教育委員会の独立性と連携を生かしたガバナンス体制について、また教育長のリーダーシップが高まる中で、レイマンコントロール、すなわち教育行政への一般参画の重要性とその担保策について、本区の考え方をお示しください。

 以上申し上げてまいりましたように、新教育長には責任とリーダーシップがこれまで以上に強く求められます。島田新教育長は、これまで総務部長を初め、本区の要職を務められ、区政全般へ精通しておられ、その手腕を大いに評価し、期待するところでありますが、教育委員会及び教育行政への関与は限られていたものと存じます。ここは、ぜひとも新教育長に、本区における教育・文化行政のあり方と、その方向性について、所信と決意の表明をお願いいたしたく存じます。

 以上で私の一回目の質問を終わります。御答弁の内容によりまして、再質問をさせていただきます。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 田中耕太郎議員の質問に順次お答えいたします。

 初めに、平成二十六年度決算の総括と評価についてであります。

 近年の本区を取り巻く環境は、引き続く人口増加に加えまして、築地市場移転と跡地の活用、二○二○年東京オリンピック・パラリンピックとその後を見据えたまちづくりなど、これまでにない新たな局面を迎えております。こうした背景のもと、平成二十六年度では、学校の増改築や保育所の定員拡大、高齢者施設の整備など喫緊の課題への対応に加えまして、晴海地区将来ビジョンの策定や臨海部と都心部を結ぶ地下鉄計画の検討調査など、中長期的な課題にも積極的に取り組んだところであります。いずれも、豊かな区民生活を支える基盤づくりや二○二○年大会後を見据えたまちづくりに欠かせないものでございまして、本区の目指す快適な都心居住の実現に向けて着実に前進させたものと認識しております。

 次に、経済環境が本区に与える影響と平成二十八年度予算編成及び今後の財政運営についてであります。

 特別区民税や財政調整交付金を主要な財源とする本区は、元来、景気に左右されやすい財政構造を有していることから、今後の経済動向によっては、区財政に大きな影響を与えることとなります。加えまして、国におきましては、法人住民税の一部国税化のさらなる拡大を検討しており、本区財政を取り巻く環境は、依然として予断を許さない状況にあるものと認識しております。こうした中、行政需要が質、量とも拡大している現状を踏まえまして、平成二十八年度予算編成に当たっては、既存事業の積極的かつ不断の見直しと、区民の負託に応える施策展開のための財源確保を基本方針に掲げまして、取り組んでいくことといたしました。従前のフレーム予算方式を見直しまして、全ての事業を一件算定方式により精査するとともに、収納率の向上や収入未済の解消、受益者負担の適正化、国・都等の補助制度の積極的活用などにより、さらなる歳入確保に努めてまいります。中長期的な財政運営につきましては、歳入確保の取り組み強化や基金、区債の計画的な活用、行政評価による事業の見直しなどにより、社会経済状況の変化にも的確に対応し得る強固な財政基盤を堅持してまいる所存であります。

 次に、基金の現在の状況と今後のあり方についてであります。

 近年、出生数の伸びや引き続く人口増に伴う年少人口の増加を背景に、学校の増改築や保育所の整備など、計画的に進めてまいりました。こうした基盤整備の財源として、特別区債のほか、基金を積極的に活用した結果、平成二十二年度以降、基金残高は減少傾向にあります。しかし、これまで堅実な財政運営に努め、基金を着実に蓄えてきたことによりまして、平成二十六年度末における主要三基金の残高は、十年前と比べ、約百二十億円上回る四百十六億円となっております。今後の人口増加や施設の老朽化への対応、二○二○年東京大会後の区内全体の良好なまちづくりに向け、さまざまな財政需要が見込まれることから、中長期的な財政見通しのもと、施設需要と基金残高の水準等を見きわめつつ、不測の事態にも対応し得るよう、基金の確保に努めてまいります。

 次に、洪水ハザードマップに基づく本区の対応についてであります。

 区では、想定される浸水の区域や程度、避難場所等の情報をわかりやすく図で示した洪水ハザードマップを公表し、事前に区民へ広く周知しております。隅田川・神田川・日本橋川で想定される浸水は、内水氾濫により比較的浅いことから、区や消防署、消防団による土のうの設置やポンプによる排水など、水防活動を実施するほか、状況に応じて、建物の二階以上に避難していただくよう情報伝達することとしております。一方、荒川で想定される浸水は、区内の一部で深い浸水地域が予想されることから、人命の安全を最優先に、適切なタイミングで避難勧告等を発令することとしております。特に、木造等の居住者や滞留者につきましては、浸水のおそれがないエリアを初め、小・中学校等の防災拠点や二十四時間いつでも避難可能な本庁舎、両区民センターなどの指定緊急避難場所への避難を促すとともに、警察、消防、消防団等と連携した避難誘導に当たることとしております。

 次に、荒川下流タイムラインにつきましては、国や都・関係区を初め、警察、消防、鉄道事業者などが参画し、広域避難や交通機関の運行停止などが盛り込まれた全国初の防災行動計画であり、各機関の協働により、確実に減災につながるものと認識しております。この検討会は、国土交通省が首都機能への影響が大きい墨田水門上流でのモデル計画として設定したものであり、本区関係職員も出席し、傍聴してまいりました。今後とも、こうした検討会を浸水のおそれのある自治体に拡大するよう働きかけるとともに、関係課長会などの機会を捉えまして、防災行動等についての情報共有に努め、本区の水防対策に反映すべく、研究してまいります。

 次に、地下施設への浸水対策についてであります。

 東京都では、平成二十六年六月、東京都豪雨対策基本方針を改定し、総合的な治水対策の一層の推進を図っております。本区内におきましては、地下街対策として、東京駅八重洲口に地下貯留管が整備され、さらに、銀座駅周辺に地下貯留施設の設置を検討するなど、浸水対策の強化が図られております。本区では、荒川浸水想定区域内の地下街等の施設として、八重洲地下街や地下鉄駅など二十九施設を地域防災計画に位置づけており、全施設において、水防法に基づき避難確保計画が作成されております。この計画には、浸水時の体制が明記されており、浸水が発生した場合は、各々の管理者において復旧活動を実施するとしております。

 次に、防災倉庫につきましては、主に大規模地震を想定し、地下を含む建物の低層部に設置しております。浸水が予測される場合には、土のうや止水板の設置など、浸水防止措置を図るほか、状況に応じて必要な備蓄物資や資器材等を安全な場所に確保してまいります。また、避難勧告等の情報提供につきましては、空振りを恐れず早目に、夜間であっても発表することを基本に、防災行政無線、緊急告知ラジオ、安全・安心メール、エリアメール、ケーブルテレビ、広報車など、あらゆる手段を用いまして、区民や来街者の方々に伝達してまいります。

 次に、超高齢社会に向けた本区の取り組みについてであります。

 東京圏への人口集中が進む中、地方創生の観点から、地方への新しい人の流れをつくることが国の重要な課題となっており、高齢者の地方移住は、そうした動きの一つとして認識しております。地方移住は、結果として地方の活性化にも寄与するものでありますが、高齢者がみずからの今後の生活を考える上での多様な選択肢の一つであると考えております。区といたしましては、住みなれた地域・家庭で安心して暮らし続けることができる地域社会をつくることが最も重要であり、医療・介護・生活支援サービスが適切に提供される地域包括ケアシステムの構築に取り組むとともに、在宅での療養が困難になったときのために、特別養護老人ホームや認知症グループホームの整備などを進めてまいりたいと存じます。また、生きがいにつきましても、高齢者の方々の御希望に応じまして、さまざまな活躍の場を選択できるよう、七十歳就労社会の実現や生涯学習の充実等を図っているところであり、今後も多様な生きがいづくりの場や機会を提供してまいります。

 次に、教育委員会制度改革についてであります。

 本年四月にスタートした新制度につきましては、教育の政治的な中立性・継続性・安定性を確保しつつ、責任体制の明確化、迅速な危機管理体制の構築、首長と教育委員会の連携の強化などを図るものであり、その趣旨を十分に認識し、対応しているところであります。本年四月八日には、区長と教育委員会で構成する第一回総合教育会議を開催し、それぞれの立場から自由闊達な意見交換を行ったところであります。また、第二回区議会定例会で御同意をいただき、新制度における初の教育長を任命いたしました。教育委員につきましては、これまでどおり教育委員会の重要事項の意思決定を行うとともに、これまで以上に教育長及び事務局をチェックする役割を担うことが求められることから、引き続き、現任の教育委員と同様に、教育に対する高い知見や熱意を有する幅広い人材の中から任命してまいります。新制度におきましても、教育委員会は合議制の執行機関として、いわゆるレイマンコントロールの機能を果たしておりますが、学校評議員制度や学校評価制度を通じまして、より一層区民の意向を反映するための取り組みを推進することが重要であると認識しております。今後とも、教育委員会との連携を密にし、教育の中央区にふさわしい、質の高い教育行政の確立を目指してまいります。

 私からの答弁は以上であります。

     〔教育長 島田勝敏君登壇〕

○教育長(島田勝敏君)
 教育問題についてお答えします。

 教育・文化行政についての所信であります。

 本区は、かねてより教育の中央区を標榜し、全国初となる教育環境に関する基本条例を平成十一年四月に制定するなど、教育行政の推進に力を注いでまいりました。教育委員会では、各委員それぞれの視点から活発な議論が行われ、委員の合議により基本方針や重要事項を決定し、各種施策において着実に成果を上げてきたところであります。今後も、引き続き、新たな教育委員会制度のもと、本年三月に改訂しました中央区教育振興基本計画に基づき、いじめの防止対策や教育環境の整備・充実、さらにはオリンピック・パラリンピック教育の推進など、教育行政の新たな課題に積極的に取り組んでまいります。また、文化行政につきましては、総合教育会議を通して区長との連携を図り、文化振興に貢献してまいりたいと存じます。

 今、子供たちを取り巻く環境は、大きく変わってきております。こうした中、学校・家庭・PTA・地域とともに、次代を担う子供たちが心身ともに健康で、勤労と責任を重んじ、広く国際社会において信頼と尊敬が得られる人間性豊かな人として成長できるよう、教育の中央区のさらなる発展に向け、全力を尽くす所存であります。

 答弁は以上です。

     〔十三番 田中耕太郎議員登壇〕

○十三番(田中耕太郎議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 質問の一点目、決算と予算に関しましては、基本的な考え方、基本方針を再度確認させていただきました。詳細につきましては、この後設置される予定であります決算特別委員会で各委員等からも熱心な御質疑があることと存じますので、課題の整理をして、今後に生かしていただければというふうに考えております。

 二番目に質問申し上げました都市型水害対策についてです。

 先週、大きな水害がこの関東地方でも起きたということもありまして、取り上げさせていただきました。

 今、地域防災計画等の中で、本区が既に制定している内容等々のお話もありました。私がハザードマップについて何点かお聞きした点で、今回の常総市の例などで本区にも当てはまるであろうと思う点がありました。ハザードマップ自体は、やはり常総市でも当然作成しておりまして、実は、このハザードマップの浸水区域と今回の実際の水災区域というのは、ほとんど一致してしまっているんです。ただ、残念ながら、住民の方も行政の方も、本当に何十年、何百年、場合によっては千年に一回の洪水に対しては危機感を持って対応できなかったというのが、行政や住民の方の反省点ということで、今、取り上げられております。

 御答弁にありましたように、特に荒川が氾濫した場合の洪水被害というのは、本区も含めて、想像を絶するような被害というふうに言われております。避難地域等については、各防災拠点や本庁舎を含む区民センター、出張所等を指定しているということでございましたが、荒川が氾濫した場合は、ハザードマップ上でも、避難場所の中で結構大きな浸水が予想されている地点もあるわけでございます。ですので、今後、ぜひとも避難地点、また避難経路も含めて再度見直しをしていただければというふうに考えております。

 三点目に質問いたしましたCCRC等を含めます今後の高齢者の居場所、居住についてであります。

 御答弁にもありましたように、本区は当然、生まれ育った、また住みなれたこのまちにいつまでも住んでいただくというのが大前提だと私自身も思っております。思っておりますが、一方で、やはり医療や介護の問題等で厳しい現状を突きつけられている方というのは今現在もおりますし、これからの人口動態を考えるならば、残念ながら、かなりの努力をしても、この問題を完全に解決することは難しいのではないかという趣旨で質問をさせていただきました。

 質問の中でも申し上げましたが、他区の中には、苦渋の決断なのか、積極的な決断なのかはなかなか難しいところですが、他地域や広域連携を念頭に置いた活動をし始めているところもあるわけでございます。本区においても、選択肢の一つとして、そういったものも検討、検証する段階がやがてやってくるのではないか、そういった観点で質問をいたしました。ぜひとも今後の高齢者施策の一つの選択肢としてお考えをいただければというふうに思います。

 教育委員会制度改革並びに教育長の所信については、理解をさせていただいております。新教育長ということで、今までとはまた異なる責任感、リーダーシップが求められるシーンがあるかもしれませんので、ぜひともこれまで以上に頑張っていただきたいというふうに思います。

 以上で私のほうの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

○議長(鈴木久雄議員)
 次に、二十四番礒野 忠議員。

     〔二十四番 礒野 忠議員登壇

○二十四番(礒野 忠議員)
 中央区議会自由民主党議員団の礒野 忠です。田中議員に引き続き、質問をさせていただきます。

 去る七月二十七日、我が中央区議会自由民主党議員団、中央区議会公明党、民主党区民クラブの三会派連名により、新たな基本構想・基本計画の策定に向けた要望書を矢田区長に提出いたしました。

 現行の基本構想の策定から十七年が経過する中、人口十四万人の突破や二○二○年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催など、本区を取り巻く環境は、当時と比べて大きく変化しております。そのため、人口回復を中心に据えた、これまでの政策を転換すべき局面を迎えており、将来にわたり、真に住みよく、活力に満ちた地域社会の実現を目指した将来像を改めて描くことが重要と言えます。このことから、区長におかれましては、区議会と連携を一層図りながら、基本構想・基本計画の策定を進めていただきたいと考えております。

 基本構想・基本計画については、激変する環境下において、長期的な視点に立って本区の目指すべき姿を明らかにし、その実現に向けて施策を策定、展開していくものでありますが、本日は、中短期的な視点に立ち、本区を取り巻く喫緊の課題を中心に、質問させていただきます。

 二○二○年東京大会の開催まで、ついに五年を切りました。平成二十五年九月八日に開催されたIOCの総会において、開催都市として東京の名前が呼び上げられた瞬間の興奮は、今でも忘れません。そして、その後、本区の早い対応は目を見張るものでした。他区に先駆け、決定当日に区長を本部長とする二○二○年東京オリンピック・パラリンピック競技大会対策本部を、翌十月には新たにオリンピック・パラリンピック調整担当課を設置し、大会実施に向けた支援や、大会後を見据えたまちづくりについての検討を中心に都との協議を進めるなど、組織を挙げて地域の課題解決に全力で取り組む体制を整えたことは、高く評価をいたします。

 また、平成二十七年度当初予算では、オリンピック・パラリンピックを念頭に置き、各種事業の充実・強化が図られるとともに、二○二○年大会と、その後の将来を見据えた本区の取り組みが示されています。大会の成功はもとより、大会後の本区のさらなる発展に向けて、総力を挙げてまちづくりの将来像を描くことは、極めて重要であります。首都東京において、交通ネットワークの整備は、区民や地元企業にとって、さまざまな社会・経済活動を支える基幹的なインフラであると思われます。また、今後、人口動向の変化が見込まれる中で、誰もが安全で快適に移動でき、地域や拠点間の交流を促していくためにも、交通ネットワークの充実は必要と考えております。

 そこで、二○二○年大会の中心となる選手村を擁する晴海地区や、高層マンション等大規模開発が次々と計画される中で、今後の交通政策などについて、幾つか整理させていただきます。

 ことし七月、東京都都市整備局からの広域交通ネットワーク計画についてに基づき、交通政策審議会答申に向けた検討のまとめが公表されました。これまで、二○二○年大会後の晴海地区における人口増加や大規模開発による交通需要増への対応等、本区の都市交通の課題解決を図るため、お台場・有明地区と中央区を結ぶ地下鉄新規路線について、さまざまな形で国や都に対して強く働きかけをしてまいりましたが、今般、都の広域交通ネットワーク計画に選定されたことは大変喜ばしく、本区の取り組みが結実したものと考えております。

 この広域交通ネットワーク計画が公表された背景としましては、平成十二年の運輸政策審議会答申第十八号が目標年次に近づいていることから、国では、二十六年四月に交通政策審議会へ、東京圏における今後の都市鉄道のあり方についてを諮問し、今年度中に審議会答申がまとめられる予定であります。都においても、当該次期答申に向け、平成二十六年五月、委員会を設置し、国の交通政策審議会の次期答申に向けた今後の鉄道ネットワークのあり方について検討を進め、二十七年三月に中間まとめとして発表しています。その後、路線整備効果や収支採算性、費用便益比などについて検討を深め、その最終結果が取りまとめられたものであります。

 地下鉄新規路線については、中央区にとって新たな人の流れが生まれ、臨海部の交通の大動脈となる大切な施策であると考えております。現行の答申で目標年次までに整備を推進すべき路線のうち、目標年次までに開業することが適当である路線と位置づけられた路線は、おおむね事業化されております。目標期間を二○三○年ごろまでとする次期答申では、路線の位置づけをどのようなカテゴリー分けにするかについては、現時点では確定しておりませんが、本区の地下鉄新規路線が事業化の可能性が高まる路線として位置づけられるよう、さらなる努力をお願いしたいと思います。

 この地下鉄新規路線については、平成二十七年第一回定例会において、区長から、答申に位置づけられた場合には、運行開始を目指して、事業化に向けた詳細検討を行う必要があり、地下鉄を開業するためには、事業主体の決定、事業認可の取得や都市計画の決定、事業者間調整など、さまざまな手続きが必要であるとの答弁がありました。まだまだ解決すべき課題は山積しているものと考えますが、区の財政負担の軽減を図りつつ、安全かつ早期の事業化に向けて、みんなが知恵を出し合って、一つ一つ課題を乗り越えていただきたいと考えております。

 そこで、質問です。

 将来にわたる本区の持続的な発展を目指し、臨海部を中心とする人口増に耐え得る大量輸送機関である地下鉄新規路線の導入を今後どのように実現させていくのか、本区のお考えをお聞かせください。

 地下鉄新規路線は、将来的な首都圏交通ネットワークの構築に向けて極めて重要と認識しておりますが、二○二○年大会開催時には、その整備は間に合わないと思われますが、現在、大会に向け、選手や大会関係者、観客などの円滑な輸送機関については、他の交通機関を中心に検討が進められていると認識しております。

 中長期的な期間において、その役割が期待されるBRTと、将来の大量輸送を見据えた交通機関として整備が期待される地下鉄新規路線は、時間軸が異なりますが、それぞれの交通機関を有機的に連携させ、首都圏交通ネットワークのさらなる充実を図ることで、活発な都市活動を支える本区の将来像において、都市づくりのグランドデザインとして示していくことが重要と考えております。

 昨年八月には、東京都都市整備局は、「都心と臨海副都心とを結ぶ公共交通に関する基本方針」―BRTを中心とした中規模な交通機関の必要性―を策定いたしました。この基本方針は、環状二号線を中心に、都心と臨海副都心を結ぶ魅力ある中規模な交通機関として、BRTの整備を検討する内容となっております。その後、十月には、都心と臨海副都心を結ぶ公共交通計画の具体化を図るための事業協力者として、京成バス株式会社と東京都交通局を選定し、今週、九月十五日に京成バス株式会社が事業者として決定いたしました。そして、本年四月には、BRTの運行に必要な基本的な考え方や、今後の実現に向けた協議を行う事業計画の素案ともいうべき基本計画を策定、公表しております。

 今年度、事業者が決定し、事業計画の策定など、BRTの整備に向けた検討をさらに進めております。都において検討が進んでいるBRTは、まさに都心部と臨海部との交通アクセスの拡充とともに、近隣地区に居住する区民の利便性向上など、総合的な交通対策の一環として捉え、都と十分に連携をして取り組むべきと考えます。

 一方、大会期間中は環状二号線の往来ができなくなるという話があり、区民が利用するBRTはどうなるのか、また、晴海地区の選手村から、どのように効率よく選手や大会関係者を競技場へ輸送するのかといった心配の声も上がっております。さらに、BRTは、二○一九年の運行開始を目指すとのことですが、BRTの発着場所となる停留場所や専用レーンの確保など、解決すべき課題は多いことも指摘されております。また、中央区で検討を重ねてきたBRT構想に都が賛同し、現在に至っているわけですが、運行ルートも本区が考えていたものと都の打ち出しているものには乖離があると思います。

 そこで、質問いたします。

 BRTやバス路線の再編などについて、都との連携を含め、検討状況はどのようになっているのか、今後どのような方向性で検討していくのか、お伺いいたします。

 水素は、最も有望な次世代エネルギーの一つであります。さまざまな資源から製造することができ、輸送や貯蔵が可能であるため、日本のエネルギー構造の変革につながるものと期待されております。さらに、利用時に排出されるのは水だけでありますから、低炭素社会の切り札になると思われます。

 このような中、都における、水素社会の実現に向けた東京戦略会議(二十六年度)とりまとめにおいて、今回検討しているBRTにも水素などの燃料電池車を積極的に導入すべきと位置づけられており、二○二○年度以降に燃料電池バスの本格運行を目指すとしております。本区としましては、昨年十二月に構成された晴海地区将来ビジョン検討委員会において、大会後の晴海地区の魅力あるまちづくりを目的に取りまとめた晴海地区将来ビジョンを東京都にも提出し、働きかけてまいりました。この中でも、燃料電池バスなど、新たな交通システムの導入や燃料電池車の普及を支える水素ステーションの設置促進といった取り組みが盛り込まれ、環境に配慮したまちづくりとして期待されております。

 そこで、質問をいたします。

 晴海地区における環境に優しい地域交通の導入に向け、区としてどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いいたします。

 現在、環状二号線が全面供用されるまでの間、築地大橋から築地川沿いの搬出用道路を通り、汐留の汐先橋交差点手前までの地上の仮設道路による供用となります。今でさえ、汐先橋交差点は渋滞が発生していますので、そこに晴海・勝どき方面から流入すれば、新大橋通りと交差点の混雑は激しくなるのは明白です。新大橋通りの渋滞が発生すれば、周辺道路や晴海通りの交差点といったところにも影響が及ぶものと想定されます。さらに、環状二号線は豊洲市場の大規模物流を支える主要幹線として役割を担っていると思われますが、慢性的な渋滞を回避するため、トラックの運転手は迂回ルートを選んで走ることになり、周辺道路に大型輸送トラックがあふれることも想定されます。このような状況から、定時性、速達性といったBRTのメリットを確保できる運行方法の検討や、環状二号線の整備内容等、ハード、ソフトの両面から検討すべき課題だと考えております。

 そこで、質問いたします。

 環状二号線仮設道路における通行車両のスムーズな流れに向けた都の対応や、区で検討し得る交通渋滞解消に向けた取り組み等についてお聞かせください。

 二○二○年大会を見据えると、晴海地区の選手村や勝どき東地区など、臨海部だけでも多数の大規模開発が予想されております。この地域は、近年、高層マンションを中心とした開発が進み、三十歳から四十歳代の若い家庭がふえており、年少人口も急増しております。このような中、工事車両の往来がふえることで、交通渋滞による日常生活への影響といった不安を周辺住民は感じているのではないかと心配しています。また、工事現場が住民の生活圏内に隣接していることもあり、例えば、建築現場の横を通行する際に事故に巻き込まれたり、工事現場の中でも作業員の方が労働災害に見舞われたりと、危険と隣り合わせで長期間生活をしていかなければならない住民や関係者にとっては、不安は増すばかりとなっていると思われます。

 このような大規模工事が同じエリアで同時期に実施されること、工事車両がどのようなルートを通って資材を搬入・搬出するかといった車両動線の問題、騒音、振動など、都は臨海部全体を俯瞰して、しっかりとそれらの課題を把握しているのか、過去の都の対応などを見ていると、とても不安に思うと同時に、疑問に感じております。これは、都の組織の縦割りを含め、地域住民との対話不足による弊害だと思っておりますが、それぞれの所管で進めている事業全体を全庁で整理されていないことが要因と考えられると思います。

 そこで、質問です。

 今後、臨海部を中心に進められる大型開発に伴い、増加する工事車両などの交通対策や区民生活への影響などについて、区としてどのような考えを持ち、都とどのような協議を行っていくのか、お聞かせください。

 本年七月に、都から正式名称として豊洲市場が提示され、平成二十八年十一月七日に開場と公表されました。両親の代から築地で生まれ育った私にとっては、とても残念なことですが、築地市場の豊洲移転は待ったなしとなってしまいました。歴史と伝統のある築地の市場エリアは、日本の、また世界の食文化のまちとして栄え、現在に至っております。さらに、浜離宮庭園や築地本願寺、波除稲荷神社などもあり、多彩な文化のある都市空間を形成しております。平成二十四年二月に都と締結しました築地のまちづくりに関する合意に基づき、築地の活気とにぎわいを継承していくことの重要性を互いに認識し、場内施設の暫定的な活用について検討しているところと認識しております。市場移転の迫る中、築地の活気とにぎわいが途絶えることのないよう、地域住民や先行営業施設の入居者などの最大の不安となっている荷さばき場や駐車場などのスペース確保に向け、これまで以上に都と協議を早期に進めていただきたいと思います。

 また、二十三ヘクタールの都心に残された唯一とも言える広大な跡地開発について、舛添都知事から、築地市場の跡地利用は白紙であり、地元の声を聞いていくとの発言がありましたが、そのとおりだと思っております。今後において、地元区である本区としっかりと協議を重ねながら、進めていただきたいと考えております。これまで区長は、スポーツ施設やアミューズメント施設といったお考えを示しておりますが、築地の活気とにぎわいを将来にわたり継承、発展させるため、市場跡地の開発は重要な位置づけになることは明らかだと思います。将来を見据え、区の成長と発展につながるまちづくりを検討し、意見を強く都に対し申していくべきだと考えております。

 山積している課題の中には、移転後の市場内施設の撤去・解体を進めるに当たり、騒音やアスベスト等の対策、埋蔵文化財発掘調査における文化財保護の取り組みなど、跡地の整備に着手するまでには相当の時間を要する可能性が高く、二○二○年までに何かしら大規模施設が完成することは極めて困難であると思われます。二○二○年までに開業が可能な事業、それ以降に開発すべき事業を区と都で丁寧に整理し、今後の時間軸を共有することが重要であると思います。それぞれが抱えている課題を早期に洗い出し、その解決に向けて、区と都の役割分担を明確にすることが必要だと考えます。

 最後に、喫緊の課題でもある築地のにぎわいと活気を維持するための荷さばき場や駐車場などについて、都との話し合いの進捗状況と、これまでの質問の中で取り上げたさまざまな課題について、区単独で解決できるものではなく、都などと共同して対応していくことがとても重要だと思いますが、これらの課題について、都に対し強く要望していただきたいと思いますが、区のお考えをお伺いいたします。

 これで一回目の質問を終わります。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 礒野 忠議員の質問に順次お答えいたします。

 初めに、地下鉄新規路線の導入についてであります。

 地下鉄新線の導入は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会後の晴海地区の大幅な人口増や、臨海副都心における大規模開発による交通需要の増加を考えると、必要不可欠でありまして、東京における国際競争力強化にも寄与するものと考えております。このため、昨年度、地下鉄新線の検討調査を実施するとともに、国や都に働きかけを行い、本年七月、東京都が公表した広域ネットワーク計画について交通政策審議会答申に向けた検討のまとめにおいて、整備について検討すべき路線に位置づけられたところであります。区といたしましては、今年度、運行計画や建設計画の詳細な検討を図るとともに、昨年度調査で課題としたBRTを含めた他の交通手段との適切な役割分担や、広域的な交通ネットワークの形成に資する路線の意義や必要性の整理などの検討を進め、本年度予定されている国の交通政策審議会答申において、本路線が優先度の高い路線として確実に位置づけられ、さらに早期の導入が図られるよう、全力で取り組んでまいります。

 次に、BRTの検討状況についてであります。

 都は、基本計画を公表した四月以降、運行事業者を募集し、先日、京成バス株式会社を選定したところであります。今後は、運行事業者がルートや停留施設の位置、運行間隔等、より具体的な事業計画を今年度中に策定する予定となっております。区といたしましては、昨年度に引き続き、都が設置する協議会に参加し、基本計画で今後検討とされた環二・東京駅間のルートや停留場所を提案するとともに、早期の運行開始や既存公共交通との連携などについて協議してまいります。また、BRT運行開始までの間についても、勝どき・晴海地区の交通不便の解消に向けて、既存バスの再編・拡充が行われるよう要請を行ってまいります。

 次に、晴海地区における環境に優しい地域交通の導入についてであります。

 走行時に二酸化炭素や排ガスを排出せず、災害時のエネルギー源としても有効な水素エネルギーは、有望な次世代エネルギーの一つであると考えております。東京都は、水素社会の実現に向け、二○二○年までに燃料電池バス百台以上の導入を目指す目標を掲げ、本年七月、来年度からの都営バスへの導入に向けて、燃料電池バスの実証実験を行いました。また、現在計画を進めているBRTにおいても、運行当初から導入を図るとともに、連節バスについては、メーカーと連携した開発を行い、将来的には全ての車両を燃料電池バスにすることを目指しております。区といたしましては、本年三月、晴海地区において水素エネルギーの活用を含めたスマートシティの実現を都知事宛てに要望しておりますが、今後も、災害時にも活用できる水素ステーションの設置などを東京都に要請してまいります。さらに、晴海選手村に予定しているBRTの停留施設にコミュニティサイクルのポートを設置し、乗り継ぎを可能にすることなどにより、晴海地区における環境に優しい地域交通の実現を図ってまいります。

 次に、環状二号線仮設道路の交通渋滞解消に向けた取り組みについてであります。

 都が整備している環状二号線仮設道路のうち、都心方面行きの車道は、汐先橋交差点付近が片側二車線で計画されている一方、築地大橋取り付け部分は片側一車線で、また、臨海方面行きの車道も片側一車線で計画されております。しかしながら、区では、現在東京都が計画している片側一車線の仮設道路では、豊洲市場開場後に道路容量が不足し、交通渋滞が発生するおそれがあることから、東京都に、片側二車線での道路整備を要請しているところであります。今後におきましても、地域の良好な交通環境の確保に向けて、引き続き東京都に要請してまいります。

 次に、臨海部大型開発に伴う工事車両等交通対策と区民生活の影響についてであります。

 築地、勝どき、晴海を含む臨海部では、選手村整備を初め、築地市場跡地の解体工事、市場跡地内の環状二号線整備、勝どき駅改良工事、臨港消防署建設工事、江東区内のスポーツ施設建設工事など、東京都関連の大型工事が長期にわたり多数見込まれております。これら工事における工事車両は、相互に調整が図られなければ、都心から臨海部を唯一貫通する晴海通りに集中し、慢性的な交通渋滞や騒音等、区民生活に多大な影響を与えるものと懸念しているところであります。これらの影響を最小限に抑えるためには、東京都が主体的かつ一体的に、海上輸送や臨海部からの車両進入ルートの徹底など、さまざまな対策を立案し、各工事への指導・調整が必要であると認識しております。また、工事概要や進捗状況を適時適切に区民に説明するとともに、工事車両の交通マナーや時間外作業などの苦情に対して速やかに対応するため、窓口を一本化することも必要であると思います。選手村整備工事に伴う地域への影響につきましては、本年三月に東京都に要望しており、この要望に基づき、協議調整を行っているところでありますが、臨海部全体を俯瞰した工事調整については、引き続き、さまざまな機会を捉えまして、積極的に東京都に働きかけてまいります。

 次に、都との連携や要望等についてであります。

 本区は、二○二○年東京大会や築地市場の移転などを契機に、将来を見据えた活力あるまちづくりに一段と弾みをつけていきたいと考えております。そのため、BRTや地下鉄の早期開通などの公共交通基盤の整備はもとより、渋滞の発生など大都市特有の課題に対する交通政策についても、東京都と十分協議を進めていく必要があると認識しております。これまでも、さまざまな課題に対し、東京都と緊密な連携を図りながら解決を目指し、節目節目で提案や要望を行っております。区にとって最重要課題の一つである築地の活気とにぎわいを継承するための市場施設の暫定利用の協議は、最終合意に至っておりませんが、現在、あらゆるレベルにおいて話し合いを重ねているところであります。今後につきましては、今挙げられました交通政策を中心とする課題解決に向け、区は総力を挙げて取り組んでいく所存であります。そして、区議会の皆様の御協力をいただきながら、東京都に対し、強く要望していく考えであります。

 答弁は以上であります。

     〔二十四番 礒野 忠議員登壇〕

○二十四番(礒野 忠議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 今、一番最後に区長さんにおっしゃっていただきました部分が、一番今回打ち出してほしいなという部分だったんですが、地下鉄新規路線の問題、それからBRT、バス路線の再編ということです。それ以外に、環境に優しい部分で、やはり今後取り組んでいただきたい、水素ステーションを含めてスマートシティの実現。環状二号線なども、今、全面開通までの間がとても中央区にとって影響が出ると思いますので、そうした部分の取り組み、それから今お話に出たように、これからどんどん東京都が中心になってやっていくような工事が多々、晴海地区を中心に起こってくるわけですが、そうした部分での安全確保。

 一番何が言いたかったかというと、中央区と東京都がしっかりと連携をとって、ただ東京都から言われて、そのまま押し流されるのではなくて、中央区の意見をしっかりと伝えていただいて、区民が安心して生活し続けられるよう、特に地下鉄新規路線の話などもそうなんですが、全力で取り組んでいただけるということなので、とても安心したんですが、こうしたものをしっかりと解決していかないと、今度、晴海だけで今までの三地区に分かれていたぐらいの人口がふえるわけです。そのぐらいの規模の人口になってしまうということで、どうしても必要な路線でもあるわけですし、そうした部分をしっかりと取り組むことによって、中央区のさらなる発展があると思いますので、ぜひ東京都、それから国に対しても、中央区が遠慮することなく、申し述べることは申し述べていただいて、さらに発展するように頑張っていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(押田まり子議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後四時二十三分 休憩


     午後四時四十五分 開議

○議長(鈴木久雄議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十一番原田賢一議員。

     〔十一番 原田賢一議員登壇

○十一番(原田賢一議員)
 私は、中央区議会新青会の原田賢一です。平成二十七年第三回区議会定例会に当たり、さきに提出いたしました質問通告書に基づきまして、区政の転換期における現状認識と今後の展望と題し、第一に、平成二十六年度決算を総括した区長の見解について、第二に、新たな基本構想策定に向けた現下の社会経済状況に対する認識について、第三に、二○二○年東京大会後の人口増を見据えた財政需要の見通しと財源対策について、そして第四に、歳入と歳出のバランスのとれた持続可能で健全な財政運営について、以上四点につきまして質問をさせていただきます。昨日、また本日と質問がラップすることがありますが、視点を変えての質問です。区長さんを初め、理事者の皆様には、どうぞ建設的にして希望あふれる明快なる御答弁を期待するところであります。なお、再質問はあらかじめ留保させていただきます。

 それでは、第一点目の質問です。

 昭和六十二年、この年は御承知のとおり、矢田区長が中央区長として初めて就任された年でありますが、その年の予算規模は約四百十八億七千万円で、これは前年度当初予算と比べ八十六億円、二六%もの増であり、初めて四百億円台となる大型予算でありました。また、当時の本区の最重要課題でありました人口にあっては、昭和六十二年四月一日現在、八万四千七百八十九人で、毎年一千人から二千人もの人口減少が続いておりました。今となりましては、かなり昔のように感じられますが、当時、減少が進んでおりました本区の人口は、矢田区長の強いリーダーシップのもと、さまざまな先進的な施策の成果が実り、平成九年を境に増加に転じ、平成十八年四月四日に定住人口十万人を達成、そして増加に転じてから十八年がたった本年四月二十七日には、昭和三十九年以来五十一年ぶりとなる十四万人を突破したところであります。

 乳幼児や若い世代を中心とした人口増加などを背景としまして、私の地元、月島はもとより、中央区のどこにいましても、子供たちの元気な声が絶えず聞こえるようになりまして、まちに活気とにぎわいが満ちあふれ、本区の魅力がより一層増していると感じているところであります。

 しかし、急激な人口増加がもたらすものは、よい面だけではありません。さまざまな課題なども顕在化してきております。本区の高齢化率自体は二十三区の中で一番低いものの、高齢者人口は着実に増加をしているほか、出生数の増などに伴い、乳幼児人口も増加しております。そのため、学校を初め、現有施設のキャパシティーも限界になりつつあり、本区が目指す快適な都心居住のための都市基盤の整備は、待ったなしの状況にあります。

 こうした背景の中、編成をされました平成二十六年度当初予算は、四年連続で増加をし、四年連続で過去最大規模を更新する八百二十六億円で、区長就任時のほぼ二倍となる超大型の予算規模となりました。この執行結果であります平成二十六年度決算が本定例会に提出されたわけでありますが、そこで、お尋ねです。

 今回の平成二十六年度決算を総括した区長さんの御見解について、まずはお聞かせを願います。

 続きまして、第二の質問です。

 昨年七月、東京都は、東京国際金融センター構想を公表しました。この構想は、かつてニューヨーク、ロンドンと並ぶ世界の金融の拠点の一角を占めていた東京が、バブル経済崩壊後、その地位を大きく後退させている状況の中、もう一度輝かしい金融都市として返り咲くことを目指しまして、国・都・民間が連携して取り組んでいくものであります。また、ことし六月には、金融センター構想推進会議におきまして、ニューヨークのウォール街やロンドンのシティーのように、東京でも大手町から兜町までの永代通りを中心に、金融街としてふさわしい名称を検討していくことが発表されているところです。このような都や国の動きの中、日本橋兜町の東京証券取引所を擁する本区にとりましては、東京や日本の国際化・グローバル化を牽引していく役割を担っているものと思われます。

 昨今の商取引を含むさまざまな社会経済活動は、世界的な情勢と密接に結びついており、世界との距離はますます縮まってきているものと思われます。さらに、二○二○年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を絶好の機会と捉えて、より一層のグローバル化が期待されているものと認識をしております。加えて、国では、二○二○年までに外国人観光客を二千万人にまでふやすことを目標に掲げておりまして、本区におきましても、世界中からたくさんの外国人観光客の来訪が見込まれます。

 本区は、江戸開府以来四百年にわたり、日本の文化、商業、情報の中心地として発展をし、文化・伝統を受け継いできたわけでありまして、銀座、日本橋、築地といった日本を代表する観光名所が充実しております。本区に集う観光客が安全で快適に個性あふれる観光を堪能することで、何度も訪れたいと思っていただける中央区ファンを一人でも多くふやして、リピーター観光客として呼び寄せることができるよう、新たなまちの価値を創造していくことが重要と考えます。また、有史以来脈々と日本人の心に培われてきました、あのおもてなしの文化を強みとして、国内外に本区の魅力をいかにして発信するかなど、将来の中央区を議論する上では重要な鍵になるとも思われます。

 現在の基本構想を策定してから、御存知のように十七年が経過しております。当時は、定住人口の回復を区政の最重要課題として掲げる中、二十一世紀を展望した本区の将来像を描いております。十年一昔と言われますが、策定時と比べて定住人口は力強く回復をし、金融、人、情報のグローバル化も確実に進んでいるなど、時代は大きく変容しております。また、少子高齢化社会が到来する中で、地域コミュニティを取り巻く環境など、さまざまな部分で変化を来しております。さらに、東日本大震災以降は、地域防災の観点で多くの区民から強い関心と意見、また新たな取り組みを求める声が寄せられております。二十年という長期にわたる構想を策定するに当たって、この期間の社会情勢や経済環境等の見通しを的確に予見することは極めて困難であることは承知しておりますが、しかし、その入り口となる現時点での状況をしっかりと捉えた上で、将来を見通すことは必須のことと思われます。

 そこで、お尋ねです。

 区政を取り巻く現下の社会経済状況について、現在の基本構想策定時と比べ、どのような認識をお持ちなのか、お聞かせを願いたいと思います。

 続きまして、第三の質問です。

 まだ皆様も記憶に新しいと思いますが、平成二十五年七月、米国のミシガン州にあるデトロイト市が、連邦破産法に基づく破産を申請しました。負債総額は百八十億ドルを超えて、全米で過去最大の財政破綻と報じられました。この財政破綻は、自動車産業の盛衰とともに、かつて百八十万人に達した人口は七十万人にまで減少し、税収が大幅に落ち込んだこと、自動車産業にかわり、雇用や地域経済など波及効果の高い新たな産業を成長させることができなかったこと、また退職した市職員の医療費や年金といった負の遺産、レガシーコスト、これが大きな歳出の負担となり、多額の財政赤字が常態化したことなどが主な要因と言われています。

 また、我が国におきましても、夕張市、炭鉱閉山による人口の大幅な減少と、石炭にかわる産業、雇用の場として期待された観光施設の整備と振興策に過剰な投資を実施したことなどにより、歳出規模は拡大し、赤字が膨れていったと言われています。

 本区の平成二十七年度当初予算では、二十六年度当初予算の八百二十六億円をさらに上回る九百九億円となり、財政規模は一層増大しております。さらに先を見通すと、二○二○年東京大会後の晴海地区の選手村は住宅に転用し、一万二千人もの定住者が見込まれておりまして、新たな行政需要が生じるものと考えられます。一方、人口動向につきましては、日本全体では既に人口減少社会に突入をし、東京の人口も二○二○年には減少に転じると見込まれております。このような中、超長期的視点に立てば、本区の人口の増加ベースも徐々に鈍化をし、減少に転じることも想定しておかなければならないと思います。

 こうした状況を踏まえますと、デトロイト市や夕張市のケースは、決して対岸の火事の問題ではありません。今後とも健全な財政運営を堅持するためには、将来にわたる精緻な人口推計と行政需要を早急に把握し、その上で各種基金や特別区債の計画的な活用を行いつつ、限られた財源を重点的、また効果的に配分をして、最重要課題に取り組むことが極めて重要と思われます。

 そこで、お尋ねです。

 二○二○年東京オリンピック・パラリンピック競技大会後の選手村跡地利用や、旺盛な臨海部開発に伴う人口増に的確に対応するための公共施設整備や各種区民サービスなど、ハード・ソフトの需要増の見込みと財源対策についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。

 それでは、四点目、最後の質問です。

 少子高齢化など、急激な社会情勢の変化の中で、まちづくり、子育て支援、高齢者福祉、環境といった多様な区民ニーズに的確に応えるためには、歳入歳出の両面をしっかりと見きわめていくことが重要と考えております。

 まず、歳入面においては、自主財源の確保が重要な課題であります。自治体財政の基本であります地方税は、行政需要を補うための貴重な財源でありまして、区民からいただく特別区民税や企業からいただく法人住民税は、その地域の自治体に納め、区民生活や企業活動を支える行政サービスなどの財源として活用すべきものであります。しかしながら、国は、税源偏在是正の名のもとに、平成二十六年度税制改正において、法人住民税の一部国税化を強行し、消費税率一○%への引き上げ時にはさらなる国税化も示唆しているところであります。我が中央区議会におきましては、昨年十月十六日付で衆議院議長などに対し、この国税化の撤廃などを要請する意見書を提出したところでありますが、本区を初め、企業が高度に集積する大都市自治体にとっては、これは死活問題であり、いかにして財源を確保するかが今後の財政運営の鍵になるものと思われます。

 歳出面におきましては、二○二○年東京大会のインフラ整備も重なりまして、しばらくの間、工事費は高どまりするものと見込まれます。新たな基本構想におきましては、現在の公共事業等における厳しい契約環境や今後の社会経済動向等を見据えると、人口増加に伴う行政サービスに係るコスト増だけでなく、新たな施設整備や既存施設の老朽化に係るコストの増加なども予想をされ、厳しい財政環境が懸念されるところであります。

 そこで、お尋ねです。

 今後とも、歳入歳出のバランスのとれた持続可能で健全な財政運営に向けた、その決意をお聞かせ願いたいと思います。

 以上をもちまして、私の第一回目の質問を終わります。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 原田賢一議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、平成二十六年度決算の総括についてであります。

 平成二十六年度予算は、二○二○年オリンピック・パラリンピック競技大会の東京開催決定後、初めて編成した予算でございます。その特色といたしましては、豊海小学校等の増改築や保育所新設による定員拡大、十思スクエア内の介護施設整備など、人口増加への的確な対応に加えまして、二○二○年大会後を見据えた晴海地区将来ビジョンの策定や地下鉄計画の検討調査など、中長期的な課題にも積極的に取り組んだところであります。こうしたことから、本区の目指す快適な都心居住の実現に向けて着実に前進させたものと認識しております。

 次に、区政を取り巻く現下の社会経済状況に対する認識についてであります。

 現在の基本構想を策定した平成九年ごろと比べまして、経済のグローバル化の動きは近年さらに加速し、世界経済は大きな成長を遂げてきました。平成二十年秋の米国に端を発した金融危機の際には、景気は一時減退したものの、日本や先進諸国の財政・金融政策によりまして、各国経済は緩やかに持ち直しつつあります。本区におきましては、平成九年四月には戦後最低の七万一千八百六人まで人口が減少し、都市の空洞化や活力の低下などが深刻化しておりました。その後、住環境の整備を中心とした総合的な取り組みを推進した結果、現在の人口は十四万人を突破し、快適都心として見事に再生いたしました。このような中、二○二○年大会とその先を見据えた交通インフラなどの基盤整備、築地市場移転後の跡地の活用、文化・観光振興に向けた良好なまちづくり、子育て支援、教育、高齢者福祉のさらなる充実など、本区を取り巻く環境は大きく変容し、新たな難問や課題に直面しております。今後とも、平和と環境をあらゆる施策の根幹に据えまして、さまざまな難局を乗り越えていく所存であります。

 次に、今後の財政需要の見通しと財源対策についてであります。

 本区では、今後の人口増加に伴う扶助費等の経常経費の上昇が確実に見込まれるほか、二○二○年大会後のまちづくりにおいては、学校等の公共施設の整備を初め、防犯・防災対策や地域コミュニティの醸成に向けた支援など、ハード・ソフト両面で多額の財政需要が生じるものと認識しております。こうしたことから、これまで以上に効果的・効率的な財政運営に努めることはもとより、今後の財政需要を厳しく精査し、事業の再構築や存廃を含めた不断の見直しを行ってまいります。一方、本区歳入の根幹である特別区民税につきましては、人口増加を背景とした増収が想定されるところであります。しかしながら、単年度に多額の経費を要する施設整備等に当たっては、これまで計画的に積み立ててきた基金を最大限に活用するとともに、特別区債の発行による財政負担の平準化を図ってまいります。

 次に、持続可能で健全な財政運営についてであります。

 区民の皆様が住みなれた地域で安心して住み続けられるよう、財政の健全性を維持していくことは、自治体の責務であります。そのため、歳入面では、収納率向上や収入未済の解消に努めることはもとより、受益者負担の適正化を図るなど、負担の公平・公正性を高め、自主財源を確保していくことが重要でございます。一方、歳出面では、最少の経費で最大の効果が得られるよう、施策や事業の効率性を厳しく精査するとともに、区民ニーズに的確に対応しているか絶えず検証するなど、成果重視型のマネジメントサイクルを徹底していく必要があります。こうしたことから、本区では、これまでも、行政評価などにより、成果を重視した質の高い区政運営に努めてきたところであります。今後は、新たな公会計制度により把握が可能となるフルコスト情報を行政評価等に活用することで、効率性の検証や受益者負担の適正化など、歳入歳出両面にわたる取り組みを強化し、持続可能で健全な財政運営に努めてまいる所存であります。

 答弁は以上であります。

     〔十一番 原田賢一議員登壇〕

○十一番(原田賢一議員)
 大変御丁寧なる、また心強い御答弁をありがとうございました。

 今回は、中央区の未来を承継し、そのための確実なる財政の確立という観点から質問をさせていただきました。

 今期決算を初め、二○二○年東京大会後も見据えた今後の区政運営に対する質問につきましては、新たな基本構想の策定に当たっての的確なる現状認識のもとに、今後とも健全財政を堅持しつつ、しっかりと行財政運営を進めていくのだという御答弁と理解をいたしました。

 財政運営については、このたびの監査委員さんによる決算審査意見書を読知すれば、財政収支は健全安定の財政基盤のもとにあり、財政指標を見れば、実質収支比率は適正水準を維持していると。公債費負担比率は低い水準を維持しておりますが、ただ、来年度以降、新たな償還が始まりますよと言っております。将来の財政負担につきましては、現在は基金残高の合算内におさまっているとしながらも、平成二十五年度の二十三区の平均から見ると、本区では、先ほど九年前のお話をされましたが、二十二年度と比較をしまして、区債現在高と債務負担行為額は増加をし、やはり基金残高は減少しているとあります。そして、この意見書のまとめでは、人口増に伴う行政需要の増大によって、その経費負担が本区の財政を圧迫する懸念もあるとしております。これは、きょう、あすということではありませんけれども、今後の推移を注視する必要があると書かれております。したがいまして、区民ニーズには的確に対処しつつも、財政出動につきましては、今後、徐々にアクセルからブレーキへと切りかえる場面も想定しなければならないものと思います。

 戦後七十年を経た今日、本区は、今、大きな岐路、ターニングポイントに立っているものと思います。新たな視点を持って多様な転換を考えるときであると考えます。また、未来を展望するには、過去を知り、また分析することも必要かと思われます。今日の日本、また東京の中心であります本区、中央区を築いてこられた幾多の先人の知恵にも学ぶべきものがあると思います。

 新たな基本構想の主題の一つに、まちづくり、いわゆる都市計画におきましては、これは大変古い話で恐縮ですが、あの関東大震災後のこの東京の大復興計画実行に力を注いだ、本区にもゆかりがあります後藤新平、生誕百五十年を超えて今なお、後藤の夢はいまだ終わらずと言われています。当時の東京の人口は二百万人、現在は三千万人、中央区の人口は現在十四万人。未来を見据えるとき、果たして本区の人口は何万人になっているのでありましょうか。現在の東京の都市構造は、震災復興のグランドデザインからできているのであります。先人の知恵に学ぶところ大と考えます。

 もちろん、時代は大きく変化をしてきており、グローバリズムの時代であり、当時のオリジナルデザインをそのまま踏襲することはできませんけれども、歴史から、また過去から学ぶべきものは一体何か。それは、何が変わったかではなく、何が変わらなかったかを学ぶべきものと思っております。

 後藤新平、彼は官僚行政マンでありましたが、本区におきましても、本日、この本会議場に御出席の理事者の方々はもちろんのこと、職員の皆さん、皆、実に優秀な方々であります。この大きな転換期を迎えた本区の未来をつくる、その方向性をいかに導き出すか、皆さんの行政手腕に大いに期待させていただくところです。

 また、その行政の長であります矢田区長さんには、激動と混迷を続ける現代にあって、八期目二十八年という長きにわたり、見事に中央区政のかじを切ってこられた、その御経験を、まさに今大いに発揮をしていただいて、今後とも全ての世代の区民の皆さんが心から夢と希望を持って住み続けることができる、すばらしいまちを実現していただくことを御期待申し上げて、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(鈴木久雄議員)
 次に、二番塚田秀伸議員。

     〔二番 塚田秀伸議員登壇

○二番(塚田秀伸議員)
 中央区議会、止水の塚田秀伸です。平成二十七年第三回中央区議会定例会に当たり、東京オリンピック・パラリンピック大会の選手村施設の計画につきまして質問させていただきます。また、オリンピック・パラリンピック大会開催に向けた国際親善及び商業観光並びに水上交通、さらには学校教育及び生涯学習の取り組みにつきまして質問させていただきます。区長並びに関係理事者の皆様におかれましては、区民の立場に立たれた御答弁をお願いいたします。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問を留保させていただきます。

 それでは、まず二○二○年に開催される東京オリンピック・パラリンピック大会の選手村並びに関連施設の建設計画につきましてお尋ねいたします。

 開催まで五年を切った東京オリンピック・パラリンピック大会(以後は大会とさせていただきます)ですが、道路や交通インフラ整備など、多面的な環境整備計画も大幅に進展してまいりました。我が中央区におきましても、晴海五丁目西地区の十八ヘクタールに建設される選手村は、関係者約一万七千人の寝食を担う大変重要な施設として、組織委員会及び東京都オリンピック・パラリンピック準備局(以後は都とする)において、計画調整の最終段階を迎えているかと思います。選手村は、また閉会後の居住施設への転用だけでなく、大会関連施設の転用計画など、区民のみならず、世間の関心も徐々に高まっております。

 私は、本年八月、大会の成功のみならず、閉会後のレガシーにおきましても世界的に評価が高い、前回開催のロンドンオリンピック跡地を視察してまいりました。大会開催前に英国政府が発表した計画には、ロンドン東部の工場地区を変革するという項目がございますが、これは、再開発が困難とされた約二百二十七ヘクタールの工場跡地を除染し、大会会場につくりかえ、閉会後のマンション転用までを記したものであります。記述のとおりに、小規模運動施設や遊歩道の整備も終え、植樹された林を中心に、自然公園のたたずまいとなっております。また、低所得者向けや高齢者住宅を含む低層棟への入居も既に完了しております。閉会から三年を経て、大会開催地という歴史の舞台を効果的に演出し、住宅街区として高い付加価値を生んでいるのであります。

 さて、二○二○年の大会会場敷地となります晴海五丁目西地区におきましては、ロンドンの成功例から何を学ぶべきかでございます。もちろん、晴海とロンドンとでは土地の歴史も規模も異なりますので、単純な比較はできませんが、本区にとりましても、また滞在する選手団にとりましても、機能性はもとより、緑にあふれ、健康的な環境整備を施し、後世に歴史を残す意識のもと、鋭意注力し、関連施設を完成させることではないでしょうか。

 選手村の関連施設や敷地内の配置などにつきましては、今後、組織委員会並びに都によって決定されるのですが、閉会後は、当然ながら、本区のまちであり続けます。昨年十二月二十六日に都に提出した晴海地区将来ビジョンで、地域の方々の意見を踏まえた開発概要を提案されておりますが、改めて強調すべきは、この場所こそが歴史の舞台たる本当の選手村跡地であるということ、そして、今後の晴海地区開発のイメージを牽引する重要な場所であるということでございます。

 選手村敷地内におきましては、区からの要望が細部に至るまで反映されることは難しいと理解しております。しかしながら、昨年十二月十九日に都から発表された大会終了後における住宅棟のモデルプランには、住宅棟の密集した概略図があるだけで、大会を印象づけるものは何もなく、また、その図案が今日まで修正もされないため、まちづくり協議会に参加された方々はもとより、区民の理解を得ることも難しいのではないでしょうか。

 昨年三月十四日に、区長、議長、連名のもと提出した要望に対して、同年九月四日に都から届いた回答の二の(二)項には、次のように記されております。練習施設を残す場合には、恒久施設としての位置づけ・必要性の整備や、施設整備の費用負担あるいは大会後の施設の維持管理費などについて課題があります。中略。これらの諸課題があることを踏まえ、大会組織委員会も含め、貴区と協議・検討していきたいと考えておりますとの文言がございます。つまり、大会施設からの公共施設への転用もしくはスポーツ施設の恒久化を、都も否定はしておりません。本年三月にも都に対してさまざまな事項を盛り込んだ要望を提出しておりますが、可能であるならば、いま一度都への要望を提出されてはいかがでしょうか。

 そこで、お尋ねいたします。

 一、選手村に建設される施設におきまして、転用や恒久化への計画修正要望に加え、本区にとって有益な遺産を一つでも多く残せるよう、より具体的な要望を再度都に提案することにつきまして、どのようにお考えでしょうか。本区の御見解をお聞かせください。

 続きまして、大会開催時に可能な、商業観光及び地域経済への貢献並びに国際交流などについてお聞きします。

 選手村内部は、何一つ不自由のない施設であると聞いておりますが、滞在が長期に及べば、まちに出たくなるのも当然でしょう。そんな需要に向けて、区内観光を兼ねた買い物バスを走らせてはいかがでしょうか。月島、築地、銀座エリアはもちろんですが、特に日本橋エリアにおきましては、かねてより晴海からの直通バスを求める声が高まっております。一方で、選手村から徒歩圏内にある空地や公園あるいは中央通りなどの車道開放等、適当な用地を確保できるならば、区民と各国大会関係者とが気軽に顔を合わせ、親善を図れるような簡易交流広場を開設してはいかがでしょうか。また、広場には四十七都道府県の交流広場も併設し、先端産業のPRや名産品などの販売をしてはいかがでしょう。気軽な国際交流を実現するとともに、国内各地の親善の橋渡しにもなるのではないでしょうか。

 そこで、お尋ねいたします。

 二、選手村滞在者の本区全域への誘導を想定したバスの運行につきまして、並びに区民との国際親善広場及び都道府県PR広場など、選手や大会関係者との交流につきまして、どのようにお考えでしょうか。本区の御見解をお聞かせください。

 続きまして、水上交通についての質問です。

 長らく晴海の代名詞であり、世界的に知名度も高い晴海埠頭でございますが、近年の外国客船の大型化により、レインボーブリッジをくぐれず、寄港を諦める客船がふえております。かつて東京港の玄関といえば、晴海埠頭を指しておりましたが、現在では、その名を他所に譲りつつあります。そこで、埠頭イメージを回復させ、交通インフラの新たな軸とすべく、水上交通の本格稼働並びに埠頭施設の再整備を進めてはいかがでしょうか。リニア新幹線の始発駅とされる品川駅を筆頭に、羽田空港や有明フェリー埠頭または幕張、横浜埠頭など、時間短縮面でも、ほかの交通機関をしのぐ可能性を有します。さらには、周辺区との連携により、東京湾岸及び隅田川舟運観光のハブとしても利用が見込めるのではないでしょうか。これら事業は、所轄省庁及び関係機関との相互的協議が必要ではありますが、水上交通網の整備は、地理的に見ても、また歴史的に見ましても、本区が先導すべき懸案かと思いますが、いかがお考えでしょう。

 そこで、お尋ねいたします。

 三、水上交通の定期便運用は、新たな交通手段として大きな可能性を示すだけでなく、川に囲まれた本区の災害時の移動手段としても高い能力を発揮すると考えられることから、晴海埠頭を利用した船舶の運航について、本区の御見解をお聞かせください。

 続きまして、大会開催を契機とした学校教育について並びに生涯学習についての質問をさせていただきます。

 大会開催都市において、頻繁に耳にします言葉に、レガシーという単語がございます。オリンピック憲章から意訳しますと、大会開催で得られるスポーツ、文化、社会、環境、都市、経済等への持続可能かつ後世代に好影響を及ぼす物事と解釈することができます。五年後の大会開催に向けては、組織委員会及び都が具体的なレガシープランを作成し、IOC、国際オリンピック委員会に提案した内容を責任を持って実現せねばなりません。それらは、閉会後、数年を経て、提案どおりに実行されているか審査され、大会の成功、不成功をはかる基準の一つとして、後年、評価がつけ加えられるのです。立候補時に都からIOCに提出されたレガシープランには、各種のインフラ整備や、方針としてのレガシーはございますが、より具体的で、かつ詳細な内容は、これまでに発表されておりません。

 そこで、お尋ねいたします。

 四、国際都市東京の中核たる本区としまして、将来の有益な遺産となるよう、スポーツ、文化、学校教育あるいは生涯学習などにおきまして、まずは無形のレガシーを制定し、いち早く実践してはいかがでしょうか。本区のお考えをお聞かせください。

 続きまして、本年四月十日に文部科学省が作成しました、レガシー創出に向けた文部科学省の考えと取組の項目四及び五項に、障害者と子供の交流・共同学習の推進や、小学校段階からの主体的・協働的な学びの推進との記載がございます。ここからは、将来の国際教育や海外留学などを踏まえ、小学生からの主体的学習の推進に加え、障害のある方や広く見識を持つ方あるいは外国人との交流を通して、バリアフリー教育の強化を読み解くことができます。

 例えば、小学生に向けた、より実践的な英会話教育を区内全校で平準化し、日常に外国人と会話をする機会があれば、国際的なコミュニケーション能力向上や発信力を育成する大きな機会となりましょう。さらには、ボランティア活動への参加を促し、選手村周辺もしくは関連施設等に派遣し、一人一人が交流を実体験することで、学習内容は多面的かつ総合的なものとなり、子供たちにとって大きな達成感を得る機会となるでしょう。一方で、生涯学習として、広く区民を対象とした英語講習を含むガイド講座を強化し、修了者はマスターガイドとして認定し、子供たちのボランティア活動を補完していただくことで、小学生の主体的・協働的な学習への力強い後ろ盾となるでしょう。特に、パラリンピック開催の意味からも、障害のある方やお年寄りが小学生の活動を支えてくださるならば、さらに意義のある体験になるかと思われます。

 一九六四年の東京大会におきましては、運営スタッフの不足から、一万五千名もの少年がボランティアとして、その役割を果たしたそうです。当時とは、ボランティアの意味合いも変化しましたが、そのような機会を子供たちに与え、国際人の礎となるよう、貴重な体験学習になればと考えておりますが、いかがでしょうか。

 そこで、お尋ねいたします。

 五、本区におきましても、中央区教育振興基本計画の中に、大会教育の推進が今後重点的に取り組む施策と示されております。小学生に向けた英語教育やボランティア活動の推進並びに一般に向けた生涯学習などを含めまして、本区の教育の取り組みについて、現状及び今後の展望をお聞かせください。

 続きまして、最後の項目になります。

 文化交流につきましての質問でございます。

 選手村を抱える本区ならではの機会としまして、世界の方々との文化交流がございます。文化交流といえば、長野オリンピック開催時に考えられ、その後、世界的に広まりました一校一国運動は、その好例であるかと思います。既に、本年三月に、中央区教育委員会より提案された改訂教育振興基本計画にも詳細が記されておりますが、小・中学校がそれぞれに応援する国や地域を決め、その国の歴史や文化を学び、両国の子供同士の文化交流や、競技者と直接交流を果たすという運動でございます。この運動を、さらに学校かいわいの町会や各種の団体なども参加するよう運動を拡大すれば、中央区全域を挙げての盛大な大会支援及び意義深い国際交流の機会になるでしょう。これは、中央区全域が大会を支え、区民の参加意識を高め、大会を成功させる意味合いからも、大変重要ではないでしょうか。

 そこで、お尋ねいたします。

 六、既に教育計画の一環として、一校一国運動の実施を発表され、また既に活動を進められているかと思いますが、現在の進捗状況をお聞かせください。また、同運動の本区全域への拡大につきまして、御意見をお聞かせください。

 以上をもちまして、私の第一回目の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 塚田秀伸議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、選手村整備に伴う東京都への要望についてであります。

 開催都市決定以来、これまで東京都に対して三回にわたり要望書を提出してまいりました。現在、東京都とは本年三月に提出した九項目に及ぶ要望事項について、さまざまなレベルで協議・調整を進めているところであります。こうした中、大会後のスポーツ施設として四百メートルトラック等、大会時に選手が使用する練習施設につきましては、いまだ組織委員会から詳細が示されていないことから、現段階で具体的な要望をしていくことは難しいものと考えております。区といたしましては、大会後の晴海地区が単なる住宅開発とならないよう、公共交通の充実や多様な人々が交流し続けるまちづくりの実現に向けて、東京都に粘り強く働きかけていくとともに、選手村のレガシーとして、誰もが身近にスポーツを楽しめる環境の整備にも努めてまいります。

 次に、選手や大会関係者との交流についてであります。

 二○二○年大会期間中は、二百を超える国や地域から一万七千人もの選手や大会関係者の方々が本区の選手村に滞在する予定でございます。しかしながら、選手村や競技会場などでは、アスリート・ファーストの視点からも、万全なセキュリティーが計画されておりまして、大会関係者以外の出入りにつきましては、相当厳しい制約があると伺っております。こうしたことから、区が計画的に区内観光などを目的としたバスを運行することは難しいものと考えております。選手村周辺における国際親善広場などの交流広場につきましては、大会関係者だけでなく、世界各国から訪れる方々との交流機会の創出においても有効な取り組みであると認識しております。区といたしましては、今後、大会組織委員会や東京都との役割分担を踏まえた上、中央区オリンピック・パラリンピック区民会議で地域や関係団体の皆様と情報共有を図りながら、本区ならではのおもてなしの取り組みを検討してまいりたいと存じます。

 次に、水上交通についてであります。

 本区は、水域面積が一八・三%と豊かな水辺に恵まれており、日本橋船着場や朝潮運河船着場による舟運の活性化が図られるとともに、災害時にはけが人の搬送や物資輸送など、水上交通が大きな役割を果たす環境にあります。水上交通について、東京都は長期ビジョンで隅田川の玄関口として海・川・街をつなぐ舟運ターミナルの機能を築地に整備するとしているほか、本年七月、利用者の視点に立った東京の交通戦略推進会議におきまして、羽田空港と都心・臨海部を結ぶ航路の充実等について検討を開始したところであります。水上交通の定期航路は、船着場を含めた舟運ルート、観光舟運のポテンシャル等、利用者、事業者双方の視点での検討が必要であると考えております。そのため、区といたしましても、晴海埠頭を含めた定期航路のあり方について多角的に検討を行いながら、都や関係機関に働きかけてまいります。

 次に、本区におけるオリンピック・パラリンピックの大会レガシーについてであります。

 大会組織委員会では、本年一月にIOCに提出した大会開催基本計画の中で、来年開催されるリオ大会までにアクション&レガシープランを策定すると示されております。本区におきましては、本年三月に策定した二○二○年に向けた中央区の取組の中で、スポーツや国際教育、観光・文化等、大会に向けた五つの分野を総合的に推進し、大会後の本区のレガシーにつながるよう、取りまとめてきたところであります。学校教育や生涯学習など、無形のレガシーにつきましては、地域はもとより、区内各関係団体との緊密な連携・協力等が不可欠であることから、区民会議の中で情報共有を図りながら、皆様方と一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。区といたしましては、大会開催を契機に、こうした取り組みが大会後も地域のレガシーとして継承されていくことが、本区のさらなる発展につながるものと考えております。

 私からの答弁は以上であります。

     〔教育長 島田勝敏君登壇〕

○教育長(島田勝敏君)
 教育問題についてお答えいたします。

 初めに、小学校における英語教育及びボランティア活動並びに生涯学習についてであります。

 現在、本区では、小学校全学年で外国人英語講師、ALTを活用し、英語でのコミュニケーションを重視した学習活動を行うとともに、国際教育のパイロット校である常盤小学校では、英語を話せる子供の育成を目指した授業を実施しており、このパイロット校の成果を他校に広げてまいります。また、小学生のボランティア活動については、地域清掃活動、高齢者施設や障害者施設への訪問などを行い、生涯学習における英語講習やガイド講座については、中央区民カレッジでの語学講座や、まち案内ボランティアへの研修などを実施しております。今後は、東京オリンピック・パラリンピック大会に向け、子供たちの実践的な英語力の向上を図るとともに、外国人や障害のある人への理解を通して、共生社会の実現やボランティア精神の醸成に努めてまいります。また、生涯学習で学んだ大人と子供たちが協働して社会貢献できる仕組みづくりについても研究してまいります。

 次に、中央区版一校一国運動についてであります。

 本年度から、区内全ての学校・幼稚園で、オリンピック・パラリンピック大会にかかわる国や地域の文化・歴史を学ぶ学習や交流活動、応援活動につながる中央区版一校一国運動に取り組んでおります。初年度の取り組みでは、特定の国・地域に絞り込むことなく、児童・生徒が広く興味・関心のある国々を調べたり、交流活動が可能な国の方々を招いた学習を行うなど、児童・生徒が主体的に活動に取り組む態度を育成しております。こうした取り組みに加えて、オリンピック・パラリンピック教育にかかわる連絡協議会を設置し、各学校・幼稚園の取り組みについて情報の共有を図るとともに、次年度以降、具体的に交流、応援をする国などを選定できるよう、準備を進めているところであります。教育委員会といたしましては、今後、学校・幼稚園を主体とした一校一国運動を進めてまいりますが、地域、町会等との一体的な取り組みについては、区長部局とも連携しながら検討してまいります。

 答弁は以上であります。

     〔二番 塚田秀伸議員登壇〕

○二番(塚田秀伸議員)
 それぞれに御答弁ありがとうございました。大変ありがたい気持ちでいっぱいでございます。

 質問一につきまして、江戸時代以降、数々の歴史の舞台となりました本区でございますが、過去、震災、たび重なる火災あるいは水害、そういった災害におきまして、中央区にございます歴史の遺産といいますか、そういったものは数えるほどしかございません。そういう意味では、このオリンピックの会場跡地というものも、将来的には一つの歴史遺産になるのではないかと考えております。そういう意味でも、何かすばらしい施設、あるいは競技施設もそうですが、公共施設などに転用し、残すことができるならば、次の世代に向けて一つでもいい遺産を残すという意味で、ぜひともこの流れをそのまま推進していただきたいと思います。

 そして、二番目でございます。

 選手村滞在者に向けて、やはり人員の誘導であるとか、区長もおっしゃったように、なかなか内部に干渉するというのは難しいところでございますが、今後も交渉を重ねていただくことで、何かしらの突破口はあると思いますので、実現に向けて、引き続き交渉を続けていただければと思います。

 そして、質問三の水上交通でございます。

 区長からも大変前向きな御答弁を聞かせていただきまして、私もうれしい思いでございます。新たな水上交通を運行させ、また、先ほど築地という地名で出ておりましたけれども、本区の裁量だけで決定できるものではございませんが、隅田川、そして東京湾においても舟運への期待が非常に今高まっておりますので、オリンピックという世紀の祭典、このときのタイミングを見計らって、水上交通を実現させるように、何か千載一遇のタイミングを見計らって、調整することはできないだろうかということで、私も今後いろいろ調べてまいりますが、一緒に、所管省庁であるとか関係機関との協議を進めていただきたいと思っております。

 そして、四番目の質問につきまして、解釈の幅の広いレガシーでございますが、それだけ広範かつ横断的に内容を盛り込むことが可能であると思います。特に、未来を担う子供たちにおいては、将来の有益な遺産となるような無形レガシーを早期に制定し、実践していただけるようにお願いしたいと思います。

 質問五についてでございますが、英会話や国際教育は、子供たちの将来において必然のものになるかと思われます。早期の平準化、一校だけのモデルケースではなくて、全ての学校において平準化をお願いするということと、さらなる強化をお願いしたいと思います。年齢や国籍を超えたいろいろな方と協力して、何かをなし遂げるということも、大会ならではの機会かと思いますので、既に高い水準で教育を遂行されておりますが、大会に向けた教育内容の強化をさらに望みます。

 そして、最後、質問六につきまして、一校一国運動は、近隣町会へ拡大することで大会への参加意識が格段に高まり、やがて大きな運動につながるかと思います。また、身近な生活空間での国際交流は、今後、より増加するであろう外国人の転入者の受け入れのヒントにもなるのかと思います。

 以上をもちまして、私の一般質問を終わらせていただきます。それぞれの課題につきまして、引き続き強力に推進していただけるように要望し、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

○議長(鈴木久雄議員)
 以上をもって一般質問を終わります。


○議長(鈴木久雄議員)
 次に、日程第二及び日程第三を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第二及び日程第三を一括して議題といたします。

     〔田野議会局長朗読〕


日程第二

 議案第六十九号 平成二十七年度中央区一般会計補正予算

日程第三

 議案第七十号 平成二十七年度中央区介護保険事業会計補正予算


○議長(鈴木久雄議員)
 提案者の説明を願います。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第六十九号及び第七十号、平成二十七年度本区各会計補正予算につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 今回の補正は、一般会計で五億七千六百十七万八千円を、介護保険事業会計で一億九千三百九十二万一千円を、それぞれ増額するものであります。

 この結果、補正後の予算額は、一般会計は九百十九億五千六百六十六万三千円、介護保険事業会計は八十億五千百五十九万四千円となるものであります。

 初めに、一般会計補正予算の概要について御説明申し上げます。

 まず、歳入についてです。

 国庫支出金は、社会保障・税番号制度事業費及び事務費補助金、保育体制強化事業費補助金、合わせて五千二百五十九万円三千円の計上です。

 都支出金は、子ども家庭支援事業費補助金、待機児童解消支援事業費補助金、安心こども基金事業費補助金、保育体制強化事業費補助金及び保育士等キャリアアップ事業費補助金、合わせて三億九千五百四十五万六千円の計上です。

 繰越金は、前年度からの繰越金一億五百六十二万九千円の計上です。

 諸収入は、地域環境力活性化事業費収入、放置自転車対策事業費収入、合わせて二千二百五十万円の計上です。

 次に、歳出について御説明申し上げます。

 総務費は、新たな基本構想の策定、税制改正による軽自動車税システムの改修及び社会保障・税番号制度の導入・運用、合わせて四千百五十一万九千円の計上です。

 民生費は、来年四月以降に開設を予定している私立認可保育所四所に対する開設準備経費補助、保育支援者雇用に対する補助、保育士等のキャリアアップ事業及びアレルギー児対応等補助、合わせて四億四千九百五十七万四千円の計上です。

 衛生費は、コミュニティサイクル導入に係る経費三千五百万円の計上です。

 土木建築費は、区立駐輪場の一時利用に係る経費五千八万五千円の計上です。

 次に、介護保険事業会計補正予算について御説明申し上げます。

 歳入は、前年度からの繰越金一億九千三百九十二万一千円の計上です。

 歳出の諸支出金は、前年度の国庫支出金等の超過交付に伴う償還金一億九千三百九十二万一千円の計上です。

 以上、平成二十七年度本区各会計補正予算の概要について御説明申し上げました。

 よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。


○二十三番(押田まり子議員)
 議事進行について、動議を提出いたします。

 ただいま上程されております議案第六十九号及び議案第七十号は、企画総務委員会に付託されるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。


○議長(鈴木久雄議員)
 次に、日程第四から日程第十一までを一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第四から日程第十一までを一括して議題といたします。

     〔田野議会局長朗読〕


日程第四

 議案第七十一号 中央区基本構想の議会の議決に関する条例

日程第五

 議案第七十二号 中央区基本構想審議会条例

日程第六

 議案第七十三号 中央区個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例

日程第七

 議案第七十四号 中央区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例

日程第八

 議案第八十一号 中央区立月島第三小学校等複合施設増築及び大規模改修工事(建築工事)請負契約

日程第九

 議案第八十二号 中央区立月島第三小学校等複合施設増築及び大規模改修工事(機械設備工事)請負契約

日程第十

 議案第八十三号 中央区立月島第三小学校等複合施設増築及び大規模改修工事(電気設備工事)請負契約

日程第十一

 議案第八十四号 橋梁長寿命化修繕工事(采女橋・祝橋)請負契約


○議長(鈴木久雄議員)
 提案者の説明を願います。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第七十一号から議案第七十四号まで及び議案第八十一号から議案第八十四号までにつきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第七十一号、中央区基本構想の議会の議決に関する条例であります。

 本案は、地方自治法第九十六条第二項の規定に基づき、本区の基本構想の策定等を議会の議決事件とするものであります。

 次に、議案第七十二号、中央区基本構想審議会条例であります。

 本案は、本区の基本構想を策定するため、区長の附属機関として、新たに「中央区基本構想審議会」を設置するものであります。

 次に、議案第七十三号、中央区個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」の施行に伴い、区の機関が保有する特定個人情報に係る目的外利用の制限その他の保護措置に関する事項等を定めるほか、規定を整備するものであります。

 次に、議案第七十四号、中央区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例であります。

 本案は、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」の施行に伴い、区の機関が保有する特定個人情報を利用する事務等を定めるものであります。

 最後に、議案第八十一号から議案第八十四号までの工事請負契約であります。

 これらの契約につきましては、厳正に入開札を執行いたしましたところ、議案第八十一号から議案第八十三号までの中央区立月島第三小学校等複合施設増築及び大規模改修工事につきましては、建築工事は松井・クリスタルジャパン建設共同企業体に、機械設備工事は新日空・清田建設共同企業体に、電気設備工事は浅海・東神建設共同企業体に、議案第八十四号の采女橋及び祝橋における橋梁長寿命化修繕工事につきましては、ショーボンド建設株式会社に落札いたしましたので、それぞれ仮契約を締結したところであります。

 本契約につきましては、本区条例の規定に基づき、議会の議決を必要といたしますので、これらの案を提出したものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(鈴木久雄議員)
 ただいま上程されました議案第七十一号から議案第七十四号まで及び議案第八十一号から議案第八十四号までは、企画総務委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、企画総務委員会へ付託いたします。


○議長(鈴木久雄議員)
 次に、日程第十二を議題といたします。

     〔田野議会局長朗読〕


日程第十二

 議案第七十五号 中央区事務手数料条例の一部を改正する条例


○議長(鈴木久雄議員)
 提案者の説明を願います。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま上程されました議案第七十五号、中央区事務手数料条例の一部を改正する条例につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 本案は、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」の施行に伴い、通知カード及び個人番号カードの再交付に係る事務手数料の額を定めるとともに、住民基本台帳カードの交付及び再交付に係る事務手数料を廃止するものであります。

 よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(鈴木久雄議員)
 ただいま上程されました議案第七十五号は、区民文教委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、区民文教委員会へ付託いたします。


○議長(鈴木久雄議員)
 次に、日程第十三及び日程第十四を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第十三及び日程第十四を一括して議題といたします。

     〔田野議会局長朗読〕


日程第十三

 議案第七十六号 中央区女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例

日程第十四

 議案第七十七号 中央区難病患者福祉手当条例の一部を改正する条例


○議長(鈴木久雄議員)
 提案者の説明を願います。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第七十六号及び議案第七十七号につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第七十六号、中央区女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、専修学校の一般課程に係る修学資金の貸付限度額を改定するとともに、貸付金の償還に係る延滞利子の割合を変更するものであります。

 次に、議案第七十七号、中央区難病患者福祉手当条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、難病患者福祉手当の支給対象疾病の追加、細分化等をするものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(鈴木久雄議員)
 ただいま上程されました議案第七十六号及び議案第七十七号は、福祉保健委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、福祉保健委員会へ付託いたします。


○議長(鈴木久雄議員)
 次に、日程第十五及び日程第十六を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第十五及び日程第十六を一括して議題といたします。

     〔田野議会局長朗読〕


日程第十五

 議案第七十八号 中央区自転車の放置防止に関する条例の一部を改正する条例

日程第十六

 議案第七十九号 中央区借上住宅条例の一部を改正する条例


○議長(鈴木久雄議員)
 提案者の説明を願います。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 ただいま一括上程されました議案第七十八号及び議案第七十九号につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第七十八号、中央区自転車の放置防止に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、一部の区立駐輪場について、一時利用ができるものとするとともに、当該一時利用に係る使用料の限度額等を定めるものであります。

 次に、議案第七十九号、中央区借上住宅条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、社宅利用型借上住宅の申込資格に、中小企業者以外の保育事業者を加えるものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(鈴木久雄議員)
 ただいま上程されました議案第七十八号及び議案第七十九号は、環境建設委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、環境建設委員会へ付託いたします。


○二十三番(押田まり子議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、ただいま常任委員会に付託されました議案の審査の関係もありますので、明十九日より二十七日までを休会とし、来る九月二十八日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(鈴木久雄議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明十九日より二十七日までを休会とし、来る九月二十八日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     午後六時四分 散会


署名議員
議長 鈴木 久雄
議員 木村 克一
議員 渡部 博年

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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