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平成29年第一回定例会会議録(第2日 3月1日)

1.会期

三十一日(第二日)

三月一日(水曜日)

2.開会並びに散会

午後二時開議

午後五時三十九分散会

3.出席議員

(三十名)

一番 渡部 恵子議員

二番 山本 理恵議員

三番 海老原 崇智議員

四番 佐藤 敦子議員

五番 塚田 秀伸議員

六番 田中 耕太郎議員

七番 小坂 和輝議員

八番 松川 たけゆき議員

九番 加藤 博司議員

十番 奥村 暁子議員

十一番 原田 賢一議員

十二番 富永 一議員

十三番 瓜生 正高議員

十四番 染谷 眞人議員

十五番 木村 克一議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 青木 かの議員

十八番 森谷 歩美議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 志村 孝美議員

二十一番 押田 まり子議員

二十二番 石田 英朗議員

二十三番 石島 秀起議員

二十四番 礒野 忠議員

二十五番 中嶋 ひろあき議員

二十六番 鈴木 久雄議員

二十七番 墨谷 浩一議員

二十八番 田中 広一議員

二十九番 中島 賢治議員

三十番 渡部 博年議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君

副区長 齊藤 進君

副区長 吉田 不曇君

教育長 島田 勝敏君

企画部長 平林 治樹君

総務部長 田中武君

防災危機管理室長 林 秀哉君

区民部長 長嶋 育夫君

福祉保健部長 黒川眞君

高齢者施策推進室長 古田島 幹雄君

保健所長 中橋 猛君

環境土木部長 望月 秀彦君

都市整備部長 田村 嘉一君

会計管理者 坂田 直昭君

教育委員会事務局次長 高橋 和義君

監査事務局長 小林 秀規君

企画財政課長 濱田徹君

広報課長 園田 典子君

総務課長 吉原 利明君

5.議会局出席職員

議会局長 田野 則雄君

庶務係長 小暮 万里子君

議事係長 荻原 雅彦君

調査係長 東 雅之君

書記 鎌田 智之君

6.議事日程

日程第一
一般質問


午後二時 開議

○議長(押田まり子議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(押田まり子議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 二十番志村孝美議員。

〔二十番 志村孝美議員登壇〕

○二十番(志村孝美議員)
 日本共産党の志村孝美です。日本共産党中央区議団を代表して質問します。なお、再質問、再々質問を留保させていただきます。

 まず初めは、区長の所信表明についてです。

 昨日の所信表明で区長は、新年度予算は、二十万都市への幕開けをテーマに、都心にふさわしい基盤づくりに重点を置きましたと述べました。予算案を見ると、大規模開発中心となる市街地再開発事業だけで予算の一四%を占め、昨年の一三%を上回っています。金額においては、一般会計三億円の伸びに対して十億円の伸びとなっています。安倍政権が進める国際競争力強化のまちづくりと歩調を合わせた二十万都市を目指す大規模開発中心のまちづくりは、想定どおりにいく保証があるのでしょうか。

 日本共産党区議団が現在行っている区民アンケートには、二十代女性の、保活真っ最中ですが、完全に出おくれてしまいました。保育園の早目の整備を祈りますという声や、七十代の方の、中央区に長年住み、税金もきちんと払ってきた。施設や病院も少ない。長く住んだ人の優遇もあっていいのではという声、四十代の方は、住んでいる私たちには大規模開発は本当に迷惑ですという声など、多くの方から区政への不満が寄せられています。

 区長は、所信表明で、乗り越えるべき新たな課題も生じているとして、人口増加に伴う教育環境の整備、子育て支援の充実、良好な地域コミュニティの形成などを挙げましたが、これは大規模開発を促進し人口を急増させてきた、区みずからがつくり出した課題です。その反省もなく、三十一もの大規模開発を軸に、二十万都市という量を追い求めれば質が追いつかず、区民の失望は増すばかりです。

 そこで、お聞きします。

 第一に、大規模再開発による環境変化や生活インフラ整備のおくれなどによって、既存住民に対して負の影響を多大に与えていると思いませんか。

 第二に、二○一六年の中央区の人口増減は、転入・転出の対比は五八対四二、日本橋と京橋は五五対四五と拮抗しています。憧れが失望に変わって転出が増加すれば、大規模開発による人口増の想定は破綻すると思いませんか。それぞれお答えください。

 区長は、所信表明で、思いやりのあるまちとして、子育て支援、高齢者施策、障害のある方への施策は述べたものの、生活困窮者への施策は触れませんでした。それどころか、生活保護の夏と歳末の見舞金を段階的に廃止しようとしており、来年度は歳末見舞金三百七十五万五千円を廃止するとしています。また、高過ぎて暮らしを圧迫している国民健康保険料を一万円近く値上げするとともに、税や保険料の滞納者には督促・催告の強化、自動電話催告システムの導入、さらに法的措置への積極的な取り組みを行うとしています。滞納者の生活実態を無視した徴収強化はやめるべきです。

 今、見えない貧困は深刻で、スマホ片手にまちを歩く若者の六人に一人が貧困状態にあるといいます。私たち日本共産党が就学援助の入学準備金を入学前に支給することを求めても、区はシステム改修の必要性を理由に拒否しています。区には、区民生活を守る防波堤の役割を果たし、福祉の増進を図るという自治体本来の姿への転換が求められます。

 そこで、お聞きします。

 アベノミクスの失政による格差と貧困が広がる中、生活困窮世帯への施策をどのように拡充するのですか、お答えください。

 新年度は、本庁舎整備や月島地区における区施設のあり方について調査・検討を行うとともに、八丁堀駅周辺施設の再編、本の森ちゅうおうの設計に着手するとしています。区長が所信表明で言った多様化し高度化する行政需要に対応するための整備を進めるためには、基本計画や基本方針策定という初期の段階から、ワークショップなどの区民参加による検討が欠かせません。区施設の調査・検討、再編計画における初期の段階からの区民参加について、区長のお考えをお聞かせください。

 次は、木質・木造建築とリノベーションまちづくりについてです。

 区長は、所信表明で、環境にやさしいスマートシティの実現を積極的に推進すると発言しました。私は、環境にやさしいまちづくりの実現には木材の活用が効果的だと考えます。戦後、国の政策で杉やヒノキなどの植林を進めてきましたが、樹木は大きく成長しました。今、その活用が課題となっており、国は、公共建築物等木材利用促進法を制定して、木建築の普及に取り組んでいます。

 日本の国土に占める森林の割合は約七割で、先進国の中ではフィンランドに次いで世界第二位です。日本の都市では、非木造建築を中心とするまちづくりが進められてきましたが、持続可能な循環型社会の構築において、重要なファクターとなり得るのは、都市型木造建築物と言われております。中央区では、学校建築などに木材を積極的に使っていますが、中央区のこれからのまちづくりでは、鉄とコンクリートのタワー型建造物でなく、中高層木造建築中心の持続可能なまちづくりを促進すべきと考えます。

 今では、耐震・耐火の技術も進化し続けています。縦横交互に板を組み合わせて高い強度を持たせたCLT、クロス・ラミネーティッド・ティンバーや、アーチ型で大空間を可能にするシザーストラスアーチ、木と鉄とコンクリートを合わせたハイブリッド工法や、木とカーボンファイバーを組み合わせた建材、江東区で建設中の有明第二小・中学校の木構造建築にも使われている耐火性を高めた燃エンウッドなど、さまざまな技法が研究・開発、実用化されています。ある大手ゼネコンは木造・木質建築推進本部を立ち上げるなど、これからの日本の建築において、木材の活用は注目されています。

 さて、地域の魅力や個性を生かしたまちづくりの例として考えたいのが、区内でもあちこちで目立ち始めたリノベーションです。例えば、月島の路地で少しずつふえているのが、長屋などの木造家屋をリノベーションした個性的で魅力的な店舗です。路地、路地に新たな魅力が創出されていき、リノベーションが面的な広がりを持てば、西仲商店街のもんじゃ目当てだけではない、幅広い集客の可能性も広がります。店舗に居住すれば地域の活性化になり、リノベーションによるまちづくりは区を挙げて取り組むべきものだと考えます。

 草加市では、民間自立型まちづくり会社がリノベーションを通じてまちを再生しようと、草加市とリノベーションまちづくり協議会が協働で、補助金にできるだけ頼らない民間主導の公民連携でまちづくりに取り組んでいます。

 そこで、お聞きします。

 第一に、区長の言う環境に優しいスマートシティの実現と木材の活用についてどのような認識をお持ちですか。

 第二に、中央区における中高層の都市型木造建築物を中心とするまちづくりとリノベーションまちづくりについて、どのような見解をお持ちですか。それぞれお答えください。

 次は、木育と本の森ちゅうおうについてです。

 中断していた本の森ちゅうおう計画が動き始め、図書館、郷土資料館、生涯学習機能を内容とする方向性が示されました。よりよい施設とするための区民参加による検討が必要と考え、私からも提案させていただきます。

 まず、施設の核となる図書館についてです。

 これまでの計画では、図書館に指定管理者制度を導入するとしていましたが、計画を見直すこの際に、指定管理者制度導入は中止すべきです。社会教育調査によると、全国の図書館への指定管理者制度導入は一○・七%と低く、他の社会教育施設に比べて職員の果たす役割が大きいこともあり、指定管理者制度が導入しにくい施設となっています。図書館業務は単なる受付業務ではなく、利用者の相談にも応える業務となっているので、資料についての豊かな知識が求められます。そのため、スキルが備わった職員の安定雇用が求められますが、指定管理者制度では短期雇用にならざるを得なくなり、官製ワーキングプアも生まれます。

 佐賀県武雄市の図書館の指定管理者が本の購入などで批判を浴びたように、利益を追求する民間企業には、収入を生まない図書館はなじみません。図書館に指定管理者制度を導入すれば、自治体から計画作成能力と図書館奉仕を行う能力が失われ、地方行政から図書館経営の能力が失われていくとの指摘もあります。このように、指定管理者制度は公立図書館の運営と相入れません。また、利用者は、図書館の重要な構成要素と言われ、よりよい図書館づくりのためにも、住民や利用者の図書館への参加が大切になっていると言われています。

 そこで、お聞きします。

 第一に、教育機関であり、その事業の継続性、蓄積性、安定性が求められる図書館への指定管理者制度の導入は中止すべきだと思いますが、いかがですか。

 第二に、区民参加による図書館づくりをどのようにお考えですか。それぞれお答えください。

 所信表明で区長が示した本の森ちゅうおうの、図書館機能を中心に、エリア全体で出会い・発見・交流ゾーンを形成するというコンセプトは、ブーケ21や敬老館から続く桜川公園から本の森ちゅうおうまで、緑の連続性を考慮した植樹や、本の森の名にふさわしい都心のオアシスにもなる木に囲まれた図書館が目に浮かびます。そこに、檜原村や中央区の森などの多摩産材が使用できれば最高です。

 木に親しみ、木を生かし、木とともに生きていく木育について二○一五年第三回定例会で取り上げたとき、区長は、感性豊かな心の発達を促すとともに、国産材の利用促進による森林業の活性化や地域経済を潤わせる効用があるとの認識を示しました。そのとき、中央区の森がある檜原村でウッドスタートを始めたことを紹介しましたが、今はさらに発展して、檜原村は日本で初めてトイビレッジ構想を制定し、二○一九年九月に檜原おもちゃ美術館をオープンする計画が進んでいます。本の森ちゅうおう館内には、木に包まれる魅力的な読書室とともに、檜原村トイビレッジ構想や檜原おもちゃ美術館の協力と連携によって、大人も子供も対象とした木育コーナーやおもちゃ美術館、木のおもちゃの部屋が設置できれば、本の森ちゅうおうと中央区の森のつながりが生まれます。

 そこで、お聞きします。

 第一に、桜川公園の緑と連続性を持った植樹、木材を活用した施設、木に囲まれて本が読める図書館についてどう思いますか。

 第二に、木育コーナーやおもちゃ美術館、木のおもちゃの部屋などの設置について、いかがお考えですか。

 第三に、さきに紹介した区長答弁を踏まえ、木育を区の施策として位置づけることが望ましいと思いますが、いかがですか。それぞれ見解をお聞かせください。

 次は、個人情報にかかわる業務委託についてです。

 中央区の業務が委託されている会社で働くスタッフの方から、個人情報の取り扱いを心配する相談がありました。私は、その方からお話を聞くとともに、委託会社の担当者同席で聞き取りを行い、区の経理課長にも事実確認をしていただいて、相談内容がほぼ正しかったことがわかりました。今回明らかになったのは、委託会社は、区役所に派遣する労働者に個人情報保護法の説明や業務における心構えなどの事前研修は行わず、個人情報に関する誓約書にサインをするだけで事前研修を行ったとしていることでした。委託会社は、資料を自宅に持ち帰り業務を行うことを指示し、仕事中のスマートフォンの使用を禁止していません。パソコンは委託会社の持ち込みで、職員がチェックすることはないとのことです。その上、マニュアル、手順書には区民の個人情報が使われていました。マニュアルにある個人情報については、区が確認し、黒塗りの処置をしました。また、書類を保管する場所が不足しており、仮置きの状態だそうです。

 中央区では、指定管理者制度の導入や業務委託によるアウトソーシングが進んでいますが、区役所の仕事にはたくさんの個人情報が集中しており、個人情報の漏えい、流出、悪用が危惧されます。中野区では、マイナンバーを扱う業務につく臨時職員が三千八百回にわたり個人情報にアクセスし、ひとり暮らしの女性を次々と狙った容疑で逮捕されました。よその自治体で個人情報の漏えいや悪用した事件が報道されるたびに、中央区は大丈夫なのかと心配します。新年度予算で約一億六千万円かけ、OAパソコンのデスクトップの仮想化を図り、情報漏えい対策を強化するとしていますが、それで不安が払拭されるものではありません。

 そこで、お聞きします。

 第一に、中央区において、個人情報を取り扱う業務における民間委託の割合はどのくらいですか。

 第二に、入札時に、個人情報の事前研修を条件にしているのですか。また、委託業者の事前研修の有無を把握しているのですか。

 第三に、委託会社の個人情報の扱いについて、どこが責任を持ち、どのように徹底しているのですか。また、個人情報が不適切に取り扱われた事例は、ここ数年でどの程度ありますか。

 第四に、個人情報を扱う業務中の委託業者や派遣労働者のスマートフォン使用は、情報漏えいの危険が高いと考えます。適切な対応が求められると思いますが、いかがですか。

 第五に、事故を未然に防ぐためにも、資料の収納スペースを十分に設置すべきと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次は、築地市場移転問題についてです。

 築地市場の豊洲移転問題を調査する都議会百条委員会の設置が決まり、証人喚問を三月の四日間で行うことになりました。豊洲移転は、石原慎太郎元都知事などが、深刻な土壌汚染を知りながら、強引に土地を買収し、六千億円もかけて進めてきたものであり、その責任は重大です。日本共産党は、強力な権限を持つ百条委員会の設置をいち早く提案してきましたが、今回、反対していた他の党も設置に合意しました。

 豊洲新市場の予定地は、もともと東京ガスの工場跡地という土壌汚染が深刻な場所で、生鮮食料品を扱う市場にしてはいけないところです。東京ガス豊洲工場で働いていた元社員の話を聞く機会がありましたが、豊洲工場では、石炭からガスを製造する過程で発生するガス以外の気体は煙突から排出され、東京の空を汚しました。固形物のコークスは、山となって積まれていました。液体のタールなどは、おがくずを敷いて地中に直接流し込んでいたといいます。上のほうの土をきれいにしただけでは、地中にタールなどの汚染物質が含まれる廃棄物が残っているのです。調査すれば、有毒物質が検出されるのも当然です。

 環境基準値の七十九倍のベンゼンや、出てはならないシアン化合物やヒ素が検出されたことが一月十四日に公表されたことを契機に、移転中止の世論が広がり続け、移転中止の検討が避けられない状況が生まれています。二月十八日、豊洲移転中止署名をすすめる会が呼びかけて、築地四丁目交差点に集まった二千五百人の人たちが署名やリレートークの大デモンストレーションを行い、労働組合は移転反対のパレードをしました。千代田区長選挙の出口調査では、「移転は断念すべき」が五○%、「豊洲に移転すべき」が三五%という、情勢の激変を感じさせる結果が出ています。東卸の理事長選挙では、移転慎重派の候補が七六%の支持で圧勝しました。新理事長は、記者会見で、私たちはあくまでも築地で働く市場の仲卸であるということ、これを大前提としたこれからの方向性をみんなで話し合っていきたいと思いますと述べています。

 そこで、お聞きします。

 第一に、豊洲移転をめぐる現在の都議会の動きについて、どのような見解をお持ちですか。

 第二に、モニタリング調査の衝撃的な結果を踏まえ、豊洲の土壌汚染についてどのような印象をお持ちですか。

 第三に、移転反対の世論の広がりをどう感じますか。それぞれお答えください。

 小池都知事に早く決断してほしいと悲痛な声が、市場業者から聞こえます。都議選後を待つのではなく、一刻も早く移転中止を決め、そのための対応策をとらなければ、傷口は広がり続けてしまいます。移転中止を小池都知事に早く決断させるために、今こそ築地市場がある地元中央区が小池都知事に働きかけるときです。

 二○○一年七月、浜渦副知事が区長を訪問して移転への協力を要請した直後の八月に、断固反対する会は、築地市場再整備に関する声明を発表し、移転候補地は、生鮮食料品を扱う市場とは相いれない土壌汚染という重大な問題を抱えており、消費者の不安は容易にはぬぐえない。揺るぎない築地市場の優位性を無視し、具体性のないまま移転を推し進めることは、地域に混乱と不信を増加させ、先人の努力の積み重ねによって築き上げられてきた歴史や文化を冒とくするものであり、到底都民の理解を得られるものではないと、都に厳しく抗議しました。なんとすばらしい声明でしょう。区長と区議会、市場関係者と区民が一つになって東京都と対決した画期的なものです。基礎自治体のあり方、本来の自治体の姿を示した歴史的な闘いと言っても過言ではありません。日本共産党中央区議団は、移転反対を鮮明にしたこの声明の立場を堅持し続けています。

 そこで、かつて移転反対の立場に立っていた区長にお聞きします。

 第一に、小池都知事が行う決断について、区長は、豊洲への移転の決断または移転の中止のどちらを望んでいますか。

 第二に、豊洲移転をめぐる現状を見ると、この断固反対する会の声明の内容は今も生きていると思いますが、いかがですか。

 第三に、区長は、現在行っているモニタリング調査によって汚染物質が検出された場合、二○○一年の声明の立場に立ち戻った意思表明を早急に小池都知事に行うべきだと考えますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次は、ヘイトスピーチ対策についてです。

 中央区には、中国、韓国、朝鮮の方など、四千六百三十五世帯、六千百七十六人の外国人が住民基本台帳に登録されています。区長が所信表明で行った、誰もが憧れ住んでみたいと思えるまちをつくるために、ヘイトスピーチ対策は避けて通れません。特定の民族や国籍の人々を激しい言葉で攻撃し、差別や憎悪をあおる表現として社会問題となっているヘイトスピーチ、ヘイトデモに対する行政の対応は、大きな課題になっています。

 昨年六月三日に、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律、いわゆるヘイトスピーチ解消法が公布、施行されました。この法律は、ヘイトスピーチ、ヘイトデモなどの解消に向けた取り組みについて基本理念を定め、国等の責務を明らかにするとともに、基本施策を定め、これを推進しようとするものです。基本的施策として、国は、相談体制の整備、教育の充実等及び啓発活動等を実施することとし、地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、これらの基本的施策を実施するよう努めることとしています。

 昨年十二月に、法務省は、ヘイトスピーチ解消法の解釈指針となる参考情報を、ヘイトデモ、街宣で深刻な被害が生じている全国十三自治体に提示しました。ここには中央区も含まれています。その後、参考情報は、希望する七十自治体に提供されています。

 地方自治法二百四十四条二項では、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならないとしていますが、参考情報では、解消法を指針に、正当な理由があると認められた場合、利用を拒むことができるとしています。つまり、正当な理由があるかどうかを、不当な差別的言動は許されないとした解消法の理念を指針として判断することができ、脅迫的言動や、昆虫や動物に例える著しい侮辱、まちから出ていけなどの排除をあおる文言が当てはまるとしています。例えば、公園など公共施設を利用し、ヘイトスピーチが行われることが予想される場合、法の理念を判断指針に、正当な理由が認められれば、利用を拒むことができます。ヘイトスピーチ解消法の理念が、本当の意味で実現されるためには、法律ができることによる社会の変化をそれぞれの地域が体現していくことが不可欠です。

 二月四日、川崎市で開催された集会で、ジャーナリストの安田浩一さんは、ヘイトデモは、差別の対象となる当事者だけでなく、地域を、社会を壊す。私たちには人と社会と地域を守り抜く義務があると講演し、条例制定の必要性を訴えました。

 そこで、お聞きします。

 第一に、ヘイトスピーチ解消法で示されている当該地域の実情に応じ、これらの基本的施策を実施するよう努めることをどう受けとめていますか。

 第二に、参考情報に基づき、区はどのような対応をとるのですか。また、条例制定について、どうお考えですか。

 第三に、中央区人権擁護委員会ではヘイトスピーチ問題がどのように審議されているのですか。それぞれお答えください。

 次は、安倍政権のもとで進む海外で戦争する国づくりについてです。

 区長が所信表明で言及した、世界で最も安全で安心な都市東京となり得たのは、戦後、平和憲法のもとで日本が歩んできたからにほかなりません。安倍政権は、この平和憲法を踏みにじって、日本を戦争する国に変えようとしていますが、そのやり方はうそ偽りで国民を欺くものです。

 例えば、破棄していたと政府が答弁していた陸上自衛隊南スーダン派遣施設隊日報が存在していた問題です。日報には、自衛隊宿営地のすぐ目の前のビル付近で、日没まで激しい戦闘があったことが記されています。日報に基づき、上級部隊の中央即応集団司令部が作成したモーニングレポートには、七日の銃撃戦を発端とした政府軍と反主流派の衝突は、ジュバ市内全域の戦闘へと拡大。戦車や迫撃砲を使用した激しい戦闘が確認される等、緊張は継続と記述しています。

 この日報やモーニングレポートで報告された内容を隠したまま、安倍首相は、戦闘行為ではなかった、衝突、いわば勢力と勢力がぶつかったという表現を使っていると説明し、自衛隊の派遣延長と駆けつけ警護などの新任務付与を強行しました。稲田防衛相は、衆院予算委員会で、戦闘という言葉を使わない理由を、憲法九条の問題になる言葉を使うべきではないから、一般的な意味で武力衝突と言っていると説明しました。つまり、自衛隊の南スーダンPKOへの派遣が憲法九条違反になるので、戦闘を武力衝突という言葉に置きかえたというのです。

 南スーダンは、現在、停戦合意が成立していない、自国民を虐殺している現政権は国と言えない、日本政府は現政権を支持しており、中立とは言えないという状況で、PKO参加五原則は完全に崩れています。歴代自民党政権で安全保障を担当してきた柳澤協二氏も、今の南スーダンの現況はPKO参加五原則を満たしていないと指摘しています。アメリカさえもPKOを送っていないのです。南スーダンの現実を直視しないばかりか、自衛隊派遣を正当化するために情報を隠す日本政府の姿勢は、現地で活動する自衛隊員たちの命を危険にさらすことになります。自衛隊を直ちに撤退させるべきです。

 そこで、お聞きします。

 第一に、現在の南スーダンの現状を見て、PKO参加五原則は成立しているとお考えですか。

 第二に、政府は、南スーダンが内戦状態にある厳しい現実を直視し、自衛隊を直ちに撤退させるべきと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 今開かれている国会に、安倍政権は、これまで強い反対世論のもとで三回も廃案になった共謀罪と同じ中身の法案を、テロ対策のためとして、名称をテロ等組織犯罪準備罪と変えて、出そうとしています。共謀罪は、犯罪を共謀していると判断したときに罰することができるもので、具体的な犯罪行為を罰するという近代刑法の原則に真っ向から反し、その対象は一般市民にまで及びます。これは、憲法がその自由を保障する思想や内心が罰せられる危険性をはらんでいるため、平成の治安維持法、監視・密告社会の再来と言われています。テロ防止に関する条約は世界で十三本つくられており、日本は、その全ての条約を締結し、条約に基づく国内法も整備されているため、テロ対策は今の刑法などで十分対応できることは、国会審議でも明らかになっています。

 今回の法案創設の根拠として、国際組織犯罪防止条約の締結のため、国内法の整備が必要だと説明していますが、この条約は、そもそも国際的なマフィアなどを取り締まる条約です。三十四条一項には、国内法の基本原則に従ってとあり、条約を締結するのに共謀罪などの法律をつくる必要はなく、テロ防止のためというのは全くのうそなのです。戦前、絶対主義的天皇制のもとで、治安維持法などの弾圧立法が猛威を振るい、思想・信条の自由、言論の自由を処罰することによって、自由に物が言えなくなり、日本は侵略戦争へと突き進んでいったという歴史があります。

 安倍政権が強行成立させた安保関連法、いわゆる戦争法の本格的な発動、軍備拡大や武器輸出、国民の目と耳、口を塞ぐ秘密保護法、警察が気軽に盗聴できるようになった刑事訴訟法の改悪、憲法九条改悪の策動などと一体となった共謀罪の創設は、日本をまた戦前の暗闇の時代に逆戻りさせる、海外で戦争する国づくりの一環と言えます。安倍首相は、核兵器の増強まで公言するトランプ大統領と安保条約による同盟関係をさらに強化するとしていますが、日本がこのまま突き進み、戦争する国に変質してしまったら、二○二○年まで安全で安心な東京を維持できるのでしょうか。

 そこで、お聞きします。

 第一に、テロ等組織犯罪準備罪などとテロ対策を装っての共謀罪創設はやめるべきだと思いますが、いかがですか。

 第二に、安倍政権が強引に進める安保関連法、秘密保護法、刑事訴訟法の改悪、憲法九条改悪の策動、共謀罪創設などの動きについて、どのような見解をお持ちですか。それぞれお答えください。

 国有地売却をめぐる問題や差別的な言動が問題となっている大阪市の森友学園が運営する塚本幼稚園は、戦前の道徳教育の柱とされた教育勅語の暗唱や軍歌の合唱など、特異な教育内容が注目され、批判も出ています。

 安倍政権は、日の丸・君が代の押しつけを保育園などにまで広げようとしていますが、これは、憲法十九条、思想良心の自由に反するとともに、愛国心を振りかざし、従順に国に従う国民を育成しようとするものであり、断じて許されません。もともと日の丸・君が代は、戦前、日本の侵略戦争のシンボルとして使われたもので、拒否感を抱く国民は少なくありません。君が代の歌詞は、天皇の世の中が未来永劫続きますようにというもので、主権在民という国のあり方に真っ向から反する内容です。安倍政権のもとで進むこれらの動きは、戦前への時代錯誤というだけではなく、まさに海外で戦争する国への体制づくりであり、今を戦前にしようとするものと言っても過言ではないでしょう。

 そこで、お聞きします。

 保育園に日の丸・君が代を押しつける計画は、憲法を踏みにじる上、子供の心身の成長にとっても有害だと思いますが、いかがですか。お答えください。

 以上で一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 志村孝美議員の質問に順次お答えいたします。

 初めに、大規模開発計画についてであります。

 現在、本区では、生活スタイルの多様化に伴う公共施設整備や、増加するインバウンドへの対応が求められており、こうした課題に的確に対応していくためには、生活環境の変化にも対応した面的な整備も必要なことと考えております。その一方、人口が増加している中で、公共施設等の整備が必ずしも追いついていないことは十分認識しております。こうしたことから、面的な整備が行われる際には、区として適切な計画誘導を図りながら、公共施設整備等の取り組みにおくれが生じないよう、先見性を持って着実にまちづくりを進めていく考えであります。さらに、区として誇れるまちの歴史や個性を大切にしたまちづくりに取り組むことが、誰もが憧れを持つまちの実現につながるものと考えており、新たな基本構想に示される中央区の将来像の実現に向けて、まちづくりを積極的に進めてまいります。なお、人口増の想定は、行政施策を展開する上での重要な指標の一つでありますが、社会情勢等の変化によって、その値は変動するものと考えております。

 次に、生活困窮者に対する支援についてであります。

 区では、生活困窮者の自立に向けて、仕事や住居等を喪失された方が安定した生活を取り戻すため、就労支援や自立支援施設への入所など、一人一人の生活状況に応じた対応を図っております。来年度は、家計相談支援事業に加え、短期的に住居を提供する一時生活支援事業を新たに実施し、生活困窮者の支援策を拡充する予定であります。また、生活困窮者の中には複合的な課題やリスクを抱え、困窮状態の改善が難しい方もおり、多様な相談に迅速で的確に対応することが重要であります。今後とも、支援員の増員など、相談支援体制を強化し、個々のケースに寄り添ったきめ細やかなサポートを行ってまいります。

 次に、施設整備計画への区民参加についてであります。

 公共施設は、区民サービスの拠点であると同時に、全ての区民共通の財産でもあります。そのため、これまでも施設整備計画などを盛り込んだ基本計画や個別計画策定の際にはパブリックコメントを実施してまいりました。また、学校建設時には改築準備協議会を設けるなど、施設の特性に応じてさまざまな機会を捉え、意見の反映に努めてきたところであります。施設整備に当たっては、中長期的な需要予測や収支見通しなど区内部で検討する時間が一定程度必要となりますが、今後ともあらゆる機会や手段を通じ、早い段階からの区民参加に努めてまいります。

 次に、木質・木造建築とリノベーションまちづくりについてであります。

 木材の活用は、循環型社会の形成や森林保護などにつながることから、環境に優しいスマートシティの実現に寄与するものと考えており、区といたしましては、今後も積極的に公共施設などで木材の活用を進めてまいります。また、木造建築物として活用するに当たり、本区では、浜離宮を除く全域が防火地域であることから、建築物の不燃化、耐火が必要となっております。昨年四月にCLTを用いた建築物の一般的な設計法が国から示されたものの、現段階においては工事費も高く、その活用規模としては準耐火構造三階建て以下とされているなど、さまざまな制約もあり、中高層木造建築物への適用については、今後のさらなる技術革新を注視しているところであります。既存の建築物についても、リノベーションにより建築物の再利用をすることは、建てかえに比べ、環境に優しい方法であると考えております。しかしながら、建築物の用途、規模により法規制の対象となることから、現時点では、その活用には課題もあると認識しております。

 次に、木に囲まれて本が読める図書館と木育コーナーなどの設置についてであります。

 本の森ちゅうおうの計画に当たっては、桜川公園と一体的に整備することにより、緑を取り入れた快適な空間でゆったりと本が読める環境を生み出すことができるものと考えております。木育コーナーなどについてですが、今後、基本設計・実施設計の中で、児童室や展示コーナーなど館内諸室の設置に当たり、誰もが親しめ、心地よく過ごせるものとなるよう、木材の活用も含め、さまざまな検討を進めてまいります。

 次に、木育についてであります。

 木育は、子供が育つ過程に木と接する機会を取り入れ、子供の五感に働きかけ、感性豊かな心の発達を促すだけでなく、これら幼少期の体験を通じ、環境についてみずから考え行動できる人間を育む契機となるものと認識しております。このため、区では、これまで中央区の森の間伐材を公園のベンチや環境情報センターのテーブル、豊海小学校の本棚などに活用したほか、エコまつりなどでは木製の遊具やワークショップでのペンケースの組み立てなどを通して、木のぬくもりや香りを体感していただいております。今後も、こうした取り組みに加え、本の森ちゅうおうを初めとした施設整備の際には、可能な限り中央区の森間伐材を活用するなど、幅広い方々に木に触れ感じてもらう機会の創出を図ってまいります。

 次に、個人情報にかかわる業務委託についてであります。

 まず、御指摘の委託業務において、個人情報の外部への流出や持ち出しといった事実はございません。現在、本区における個人情報を取り扱う業務のうち、民間委託の割合については、約七割となっております。区では、個人情報を取り扱う委託契約を締結する際、適正な安全管理を確保するよう、受託者の責任において、従事者に対し研修等を実施し、個人情報保護の啓発を図ることとしております。また、個人情報の取り扱いにつきましては、主管課と経理課が連携しながら指導・監督しており、これまで情報漏えいにつながるような業務中のスマートフォンの使用はなく、個人情報が不適切に取り扱われた事例も報告されておりません。資料の保管など個人情報の安全管理措置につきましては、引き続き適切に対応してまいります。

 次に、築地市場の移転に係る現状認識についてであります。

 都議会におきましては、築地市場の移転問題を集中審議するための特別委員会が設置されるとともに、先般、百条委員会の設置が決まり、今後は豊洲地区の用地取得の経緯などが明らかになるものと認識しております。また、本年一月に都が公表した九回目の地下水モニタリングの結果につきましては、これまでの傾向と著しく異なる結果であったことから、都の専門家会議の指示で市場敷地内二十九カ所の地点で再調査を実施しているところであります。今後、都は、都民・区民の不安解消や信頼回復に向けて、小池都知事が示した大枠の道筋の工程を一つ一つ進め、責任を持って必要な対策を確実に遂行するなど、丁寧に対処していくものと考えております。

 次に、築地市場の移転の判断等についてであります。

 築地市場の移転に関しまして、本区は、平成十一年に都が移転整備の方向性を示して以来、区議会、地元住民などと一体となり、現在地再整備を願い、要望や働きかけを重ねてまいりました。このような中、平成十八年、築地市場移転に断固反対する会は、市場移転も視野に入れたまちづくりに向け、新しい築地をつくる会として再出発しております。そして、平成二十三年三月に都議会で移転関連経費を含む予算が可決されました。区は、このことを重く受けとめ、食文化の拠点として築地の活気とにぎわいを確実に継承・発展させていくため、全力で取り組んできたところであります。食の安全・安心の確保は極めて重要であり、市場開設者である都の責任において適切に対応すべきものという考えは、変わることのない基本姿勢であり、これまでも一貫して主張してまいりました。移転か否かの判断につきましては、都において移転に関連する調査や審議などの工程を着実に進め、最終的には都知事が判断するものと考えております。区といたしましては、引き続き早期の判断と明確なスケジュールの提示を要請するとともに、さまざまな影響等を見きわめつつ、必要な対策を講じてまいります。

 次に、ヘイトスピーチ対策についてであります。

 ヘイトスピーチ解消法に基づく基本的施策の実施については、法の趣旨を踏まえて推進していくべきものと考えております。そのうち、啓発活動として、本法律の施行後、啓発ポスターの掲示やチラシの配布場所を拡大してまいりました。今後も、ヘイトスピーチ解消に向けて、各施策の実施に取り組んでまいります。また、法務省による参考情報は、ヘイトスピーチの典型的な具体例を示したものであり、この参考情報をもって公共施設の使用の可否を判断することは、公権力による表現行為の事前規制となるおそれがあることから、現時点では難しいものと認識しております。条例制定につきましては、憲法第二十一条やヘイトスピーチ解消法との関係を踏まえ、先行する大阪市の効果について見定めてまいりたいと考えております。また、中央区人権擁護委員の役割は、人権侵害の被害者の救済や人権意識の普及を図るものであることから、ヘイトスピーチについての審議は行っておりません。

 次に、南スーダン情勢についてであります。

 政府は、昨年十一月からPKO参加五原則のもと、南スーダンにおける道路や避難民向けの施設などを整備するため、自衛隊の施設部隊を派遣しているものと認識しております。しかし、防衛省が開示したPKOの活動の日報がきっかけとなって、現在、国会において、現地における武力衝突についてさまざまな議論がなされていることは承知しております。首相は、有意義な活動が困難と判断する場合には撤収をちゅうちょすることはないとしていることから、国の責任において適切な判断がなされるものと考えております。

 次に、テロ等準備罪についてであります。

 現在、国会においてテロ等準備罪の新設についてさまざまな議論がなされていることは承知しておりますが、いまだ法案の閣議決定もなされていない状況であります。テロ等準備罪につきましては、広く国内世論を踏まえ、国の責任において慎重かつ十分な議論がなされるべきものと考えております。

 次に、安全保障関連法等の動きについてであります。

 我が国を取り巻く安全保障環境や社会経済情勢などの動向を踏まえ、既に安全保障関連法等は国会での慎重な審議を経て制定されたものと認識しております。憲法第九条の改正につきましては、国の根幹にかかわる事項であり、国民的議論が幅広く展開されることが重要であります。その上で、国権の最高機関である国会において、十分な審議がなされるべきものと存じます。本区では、これまでも憲法の平和主義の理念を区政の根幹に据え、あらゆる施策を通じて戦争絶対反対、核兵器廃絶、テロ撲滅を国内外に訴えてまいりました。引き続き、憲法を尊重し擁護する姿勢をしっかりと堅持し、東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会を通じて、本区を訪れる世界の人々に恒久平和の大切さを訴えてまいります。

 次に、保育所保育指針の改定案についてであります。

 この改定案は、保育ニーズの高まりや子ども・子育て支援新制度の施行など、現在の社会情勢の変化を踏まえ、平成三十年度からの実施に向けて検討されているものであります。今回の改定案の中では、三歳児以上の保育内容に関し、幼児教育を積極的に位置づけ、幼稚園などとの整合性を確保するため、国旗や国歌に親しむことが盛り込まれたものと認識しております。各保育所においては、保育指針に示される基本原則を踏まえ、それぞれの特色を生かし、創意工夫を凝らしながら、保育内容の充実や保育の質の向上を図っていくべきものと考えております。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 島田勝敏君登壇〕

○教育長(島田勝敏君)
 教育問題についてお答えします。

 図書館における指定管理者制度と区民参加による図書館づくりについてであります。

 現在、本の森ちゅうおうについては、新たなコンセプトのもとに整備計画を策定しているところであります。管理運営についても、指定管理者制度を含め、図書館サービスの向上に寄与し、効果的・効率的な施設運営を行っていく観点から多角的に検討してまいります。また、区民参加による図書館づくりにつきましては、図書館利用者懇談会や小・中学生へのアンケート調査など、さまざまな機会を捉え、幅広く区民の意見を取り入れながら、誰もが親しみやすい図書館を整備してまいります。

 答弁は以上です。

〔二十番 志村孝美議員登壇〕

○二十番(志村孝美議員)
 再質問させていただきます。

 まちづくりに関しては、適正な計画への誘導というふうに言いました。これがミスリードにならないようにということで、私も質問で取り上げています。

 適正な計画ということで市街地再開発事業などを進めているんですけれども、不動産関係者の方に会ったときに、景気はどうですかと聞いたら、よくない、動かないという話でした。だけれども、中央区とか湾岸部はいいでしょうと言ったら、とまっていると言うんです。中国からの投資も勢いがなくなっているという返事でした。だけれども、タワーマンションなどはもう完売しているんじゃないですかと言ったら、ああ、あれはうそだよということでした。私も食い下がって、でも、二○二○年までは、オリンピックまでは大丈夫でしょうと言ったら、先生、オリンピックをやれると思っているのかと言われたんです。業界では、二○二○年はやれないかもしれない、東京オリンピックはやれないかもしれないという話もされているそうです。聞けば、世界の政治情勢の不安定さ、さらには、アメリカも中国も軍事費を拡大している中、トランプ大統領が生まれたアメリカと、日本が同盟関係を深めて、一緒に戦争をする可能性が出てきたと。だから、二○二○年までに何かあったらオリンピックはできなくなるかもしれないということで、不動産関係者の中では様子見が今あるという状況だそうです。

 確かに、二○二○年までに戦争は起きないのか、また、大きな地震は起きないのか、また福島原発の廃炉作業や放射能汚染が世界的な問題にならないのか、こういう不安定要素は数多く存在して、東京オリンピックが本当に夢に終わってしまうという可能性はゼロではない、私はこの方と話してこのように思いました。

 東京オリンピックがだめになったら、大手ゼネコンやディベロッパー、またホテル業界、観光業界などに深刻な影響を及ぼしてしまう。今、大きな話題になっておりますけれども、原発事業に重点を置いた東芝が、今、消滅の危機に陥っているというのと重なります。こういう今の平和と世界の動きとオリンピックとの関係、こういうことで大規模開発中心、選手村、また、オリンピック万歳ということで進めているまちづくりが直撃される可能性もあると。ですから、日本がアメリカと一緒に戦争することになれば、世界中に敵をつくることになって、世界一の都市になれるわけがない。経済的にも打撃を与え、不動産への投資は激減すると思います。また、軍事費を増強していけば、社会資本整備費は削られる。市街地再開発事業への交付金も出るかどうかわからない。市街地再開発計画が成り立たなくなる。こういうように思います。

 安倍政権が進める海外で戦争する国づくり、区長の答弁では、ちょっと人ごとみたいに感じました。しかし、区民生活にも、経済にも、また中央区のまちづくりにも負の影響を与える可能性があるというふうに思います。

 そういうことで、吉田副区長にお聞きしますけれども、こういうような大規模開発をめぐる認識です。これと、本当に持続可能なまちづくりを進めていくためには、誘導すると区長はおっしゃいましたけれども、行政として、どのような方向で、適切な計画を進めていくかという意味での見解をお聞かせいただきたいと思います。

 それから、人口の増減についてですけれども、社会情勢の変化でこれが変動するということで、憧れが失望に変われば、大規模開発を進めて人口二十万を想定しても、転出が増加すれば、そういう計画は破綻するじゃないかという、そのことに対しては否定もしなかった。社会情勢が変われば、そういう変動もあるという形でおっしゃいました。

 銀座の方から四月の保育園が決まったと聞いたので、よかったですねと言ったら、そうでもないんですと言うんです。保育所の場所が新川にあって、銀座から新大橋近くの保育所に行って、築地のオフィスに行くと。残業も多いので、送り迎えをどうしようかと考えているということで、私もどう対応したらいいかという状況でした。

 区議団が取り組んでいる区民アンケートにも、区政やまちづくりへの不満がたくさん寄せられています。こういう状況の中では中央区に住み続けられない、そういう人が本当にふえていくと感じております。ですから、憧れが失望に変わったときに転出がふえるということになれば、二十万都市は不可能になっているのではないかと思いますけれども、改めてこの点についてもお聞かせいただきたいと思います。

 それから、本の森ちゅうおうについては、木に囲まれる図書館はいいという話で、お聞きしたいのは、木工造の建築です。こういう検討が本の森ちゅうおうにできないのかどうか、これも改めてお聞かせいただきたいというふうに思います。

 それから、図書館についてですけれども、今、多面的に検討しているということですけれども、指定管理者制度というのは短期更新になるわけです。そういう指定管理者制度と継続性、蓄積性、安定性を求める図書館業務、この部分は相入れないと思うんですけれども、この点についてもう一度説明をしていただきたいと思います。

 それから、個人情報につきましては、私も流出は確認はしておりません。しかし、そういう中で、流出したり、そういう事故が起きる可能性があるということで、きょうは取り上げさせていただきました。これから入札の時期になりますけれども、アウトソーシングを進めることは、個人情報の流出、悪用の危険性をますます高める、そういう認識を持って、絶対に事件や事故が起きないようにぜひしていただきたいというふうに思います。

 築地市場の問題については、なぜ主体的に中央区から声を上げられないのか。移転中止ということを地元区から出せば、大きなインパクトを与えるというふうに思います。なぜ、小池都知事が決断する、この決断が移転の中止というのを望んでいると言えないのか、そこについてももう一度御答弁をお願いしたいというふうに思います。

 ヘイトスピーチについては、結局、昨年末に出された参考情報というのは、多くの自治体で歓迎されているんです。法律だけではいけないけれども、この参考情報で具体的にどういう対応をすればいいのかと歓迎されているんです。きょうの答弁を聞くと、参考情報が出たけれども、これをやるのは難しいものというふうに言われました。一部では歓迎して、渋谷区などではダイバーシティ条例とあわせて、ヘイトスピーチの条例もそこに盛り込もうかということで区長も前向きに今動いています。

 お聞きしたいのは、参考情報というのが出された、何のために出されたのか、なぜ参考情報が出されたのかという認識をお聞かせいただきたいというふうに思います。

 そういうことで、平和の問題については、先ほどの最初のことと一緒になりますので。あと、いろいろ提案させていただきましたけれども、ぜひ前向きな検討をお願いしたいと思います。

 以上で再質問を終わります。(拍手)

〔副区長 吉田不曇君登壇〕

○副区長(吉田不曇君)
 お尋ねにお答えいたします。

 まず、持続可能なまちづくりというお話でございますが、今の先行きの見通しのきかない全体的な社会状況の中で、まちづくりがどうあるべきかというお話だったと思います。確かに、私どもも、さまざまな不安定要素がありますし、見通しがきかないということは同じでございます。しかしながら、やはり現実に今住んでいるまちの人々の不便とか不安とかというものをどう対処しながら、まちづくりを進めていくかということが、私ども区役所の仕事の中のまちづくり部門の考えるべきことかと思います。

 大変深刻なところもございまして、実は、私どもとしても、ある程度、住宅建設を中心としたまちづくりについては少し手控えなければいけないということは考えている傍ら、現実の問題として、例えばかなり老朽化した長屋の地区であるとか何かについては、実態的に高齢化も進んだり、空き家がふえているというような状態もございまして、そういった空き家問題に実態的に対処していくときに、地域の方々から、逆に再開発を望む声も出てきておりまして、そういう部分を含めて、どう取り扱っていくかというのが私どもの基本的な課題でございます。

 そういう中で、今御指摘のありましたようなリノベーションなり何なりというものを含めて、いわゆる個別の建てかえというような問題と、面的に開発をすべき問題と、それをどういうふうに取り合わせてまちづくりをしていくかというのが、私どものまちづくりの根幹的な役割でございます。

 まちづくりの中で我々行政が絶対に避けなければいけないのは、基本的に、全部同じような目標を持って、そこに全部合わせるような形でまちづくりをしていくことで、現にある地域の特色なり、地域の持っている固有の課題なりに沿ってまちづくりを進めていくということが大事だと思っておりまして、統一とかということの概念よりも、むしろ、いわゆる秩序ある混在みたいなものをどういうふうに実現していくかということを考えなければならないだろうと思っておりまして、そういうことを含めて、まちづくりは進めていきたいと思っております。

 それから、二番目のお尋ねで二十万都市のお話がございましたけれども、私どもは別に二十万都市を目標としているわけではない。二十万都市が目標ではなくて、二十万都市になっても、住みやすく、住み続けられるまちにするために、どういうふうな施策を打っていかなければならないか。仮に、二十万都市になるとしても、その部分において住みやすく、住み続けられるまちであることを我々としては目標としているので、数字そのものを追い求めているものではございません。その途中過程において、さまざまな御不便があることは御指摘のとおりかと思いますけれども、それらの御不便をできる限り解消するのが、やはり区政の目標であろうと思っております。

 それから、木工造の部分についてのお話でございます。

 木工造の部分については、御指摘のとおり、私どもも積極的に生かしていきたいと思っておりますが、残念ながら、私どもの区域は、今、土地が日本一高いところでございますから、ここのところで容積率が五○○%を基本的には超えています。指定容積率自体が五○○%を超えています。そういう中で、今の木工造の構造制限の、いわゆる三階建て以下というような構造制限の中では、主体構造の中に木造を使っていくことは極めて難しい。ですから、本の森の中でも木の活用ということは、御指摘のとおり重要な検討課題でございますけれども、その部分を主要構造部というふうに言われると、なかなか立ちどまってしまうところがあって、それをうまく内部の中で使いこなしていくということの検討はさせていただきたいというふうに思っているところでございます。

 以上です。

〔教育長 島田勝敏君登壇〕

○教育長(島田勝敏君)
 本の森ちゅうおうの管理運営について、再度御質問をいただきました。

 今後の管理運営形態を決めるに当たりましては、従来の図書館業務の事業の継続性あるいは安定性を確保していくことは、もちろんでございます。そうした上に立って、さらに区民サービスの向上あるいは効率的・効果的な、区民にとって喜ばれる管理運営はどういう形がいいのかということを、さまざまな角度から今後検討していくということで御答弁させていただいたところでございます。

 以上です。

〔企画部長 平林治樹君登壇〕

○企画部長(平林治樹君)
 それでは、再質問のヘイトスピーチの参考情報の認識についてお答えをさせていただきたいと思います。

 そもそもヘイトスピーチという言葉でございますけれども、本邦外出身者に対する不当な差別的言動と法律名称で書かれているように、どういったものが差別的言動に当たるのかというところを具体的に法務省が参考情報として示したものでございまして、この辺の例示につきましては、先ほど議員から御紹介があったかと思います。これをもってして、いわゆる公的施設の使用許可の可否については、先ほども述べましたけれども、公権力によります表現行為の事前規制ということから、相当厳格に行う必要があるだろうというふうに考えてございまして、先ほどの答弁のような概念で申し上げたということでございます。

 以上でございます。

〔副区長 吉田不曇君登壇〕

○副区長(吉田不曇君)
 やはり答弁漏れがありまして、恐縮でございます。

 築地市場の問題でございます。

 この問題については、私どもとしては都知事が判断すべきことで、都知事がきちんとした判断を下さない限り、築地の中で働いている業者の方も含めて、納得されない。現実の問題として、豊洲に行くにしろ、築地に残るにしろ、それは知事がきちんと明確に表現しなければならない問題でございまして、この部分について、私ども区がいろいろ申し上げるべきではないというふうに考えております。

 その上で、私どもとしては大変懸念しておりますが、こういう過程の中で豊洲についても相当風評のいろいろな課題、問題が出てきているわけですが、同時に、この流れの中で、築地市場、築地という地域についていろいろイメージがダウンするようなことがあってはならない。その部分において、しっかりこの築地というまちのブランドと活力をなくさないように私ども区として努めていくのが基本的には優先事項でございまして、移転そのものについての判断は東京都を担う都知事が判断すべきもだというふうに考えておりまして、区としては発言するつもりはございません。

〔二十番 志村孝美議員登壇〕

○二十番(志村孝美議員)
 二十万は目標ではないと言いましたけれども、二十万都市の幕開けというのを華々しく打ち出しているということは、目標なんですよ。

 それから、再開発については、それもいつまでも続くものではない。これは自転車操業と同じように、どこかで途切れなくてはいけない。途切れてしまうものなんですよ。リノベーションをどうやったらいいかわからないとか、今、吉田副区長はおっしゃいましたけれども、だから、私は、草加市での公民連携の取り組みとか、月島で起きている、点的ですけれども、点在的に起きている、そういうことも紹介しましたので、ぜひ研究していただきたいと思います。

 本の森ちゅうおうの施設も、紹介した有明第二小・中学校は、一部木工造なんです。ですから、ハイブリッドでつくるというやり方もどんどんやってほしいと思います。

 図書館については、サービスなどありますと。基本的には、私が言っていた指定管理者と相入れない、継続性とか蓄積性とか専門性、ここがポイントです。ここを大事にした判断をぜひしていただきたいと思います。

 築地市場については、小池都知事の判断に対して、区としてどう臨むのか、区の意見表明はどうなのかというあたりを聞いたんですけれども、それを避けられてしまいました。

 ヘイトスピーチについては、他自治体で喜んでいるのに、歓迎しているのに、中央区は腰が引けている状況です。これはもっと研究していただきたいと思います。

 確かに、これからのかじ取りは難しくなりますけれども、そういうときこそ、区民に依拠する、また行政と議会が知恵を出し合って検証して取り組むことが大事だというふうに思います。

 最後になりますけれども、安倍自公政権が強行成立させた安保関連法によって、日本は海外で戦争できる国になりました。今、日本を海外で戦争する国に変えようとしています。このままでは、日本はアメリカとともに海外で戦争している国になってしまうでしょう。これは、日本が戦時中になることを意味します。戦時中という社会が区民生活や中央区行政にどのような影響を与えるのか、考えざるを得ない状況を近い将来に迎えるかもしれません。そうならないように、安倍政権の海外で戦争する国づくり、これをとめるのが区民生活を守る行政と議会の役割だと強く思います。

 そのことを指摘しまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(石島秀起議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後三時二十三分 休憩


     午後三時四十五分 開議

○議長(押田まり子議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。三十番渡部博年議員。

〔三十番 渡部博年議員登壇〕

○三十番(渡部博年議員)
 中央区民クラブの渡部博年です。平成二十九年第一回区議会定例会に当たり、中央区民クラブの一員として、当面する区政の課題について、さきに提出してあります質問通告書に沿って質問いたしますので、区長並びに関係理事者の皆様には、区民福祉向上を第一に、誠意ある御答弁をいただきたいと思います。なお、再質問はこの場で留保させていただきます。

 中央区の人口も本年一月十三日に十五万人に達したところであり、この間の定住人口回復の施策については、当初目標の十万人を大きく上回る成果を上げたということになります。今年度新たな基本構想に着手し、基本構想審議会で議論され、二月二十日に答申が区長に提出され、新たな中央区の進むべき方向性が示されたところであります。今後、議会の議決を経て、中央区民の皆様と行動をともに、この新基本構想実現のために努力していくこととなります。

 この審議会の初回に提出されている人口推計資料では、平成三十六年には定住人口二十万人を突破する見込みとされています。平成二十八年四月一日の数値で申し上げますと、中央区の面積は十平方キロメートル強、陸地面積と人口及び人口密度は八・二七六平方キロメートル、十四万五千四人、一平方キロメートル当たり一万七千五百二十一人で、地域別では京橋地域三・二四二平方キロメートル、三万五千二百八人、一平方キロメートル当たり一万八百六十人、日本橋地域二・七○三平方キロメートル、四万四千七百四十一人、一平方キロメートル当たり一万六千五百五十二人、月島地域二・三三一平方キロメートル、六万五千五十五人、一平方キロメートル当たり二万七千九百九人、一番狭い月島地域が人口及び人口密度が高いことを示しています。

 今後も、月島地域は活発な大型開発が行われていくところであり、東京二○二○オリンピック・パラリンピック選手村跡地活用で晴海地区だけで四万人という人口になり、各地域においても活発な開発が行われています。このような状況の中で、やはり問題となってくるのが月島地域の交通網対策であると感じます。

 以前から申し上げているとおり、月島地域には大江戸線月島駅、勝どき駅、有楽町線月島駅の三駅がありますが、大江戸線勝どき駅拡張工事による晴海通りの混雑も大きな問題であり、公共交通の都バス、中央区の江戸バスも渋滞に巻き込まれているのが現状であります。平成二十八年四月の交通政策審議会で地下鉄新線の方向性が確認されたところでありますが、計画実現のためには、まだまだ超えなくてはならないハードルが多くあるように感じますし、長い年月がかかると思います。

 この前の質問と大きく違うことは、築地市場移転問題で環状二号線の全面開通が延期され、オリンピック時にも仮設道路を使用し、二○一九年度中のBRTについても明確な方針が出されていないのが現状であります。区も努力され、東京二○二○オリンピック・パラリンピック選手村建設における環状二号線暫定利用の方向性が出されたわけですが、主要幹線道路は晴海通り、三ツ目通り等、限られたものとなり、現状でも生活道路への一般車両の流入も多く、選手村等、晴海地区で行われている工事車両も大変多くなってくることで、ますます交通環境は悪化していくと考えられます。区内小学校、中学校等の通学地域の安全性の確認と確保も踏まえて検証していく必要もあると思いますし、以前と状況が大きく変わり、東京二○二○オリンピック・パラリンピックを控え、その後の選手村活用方針も考えたとき、また、月島地域には大型開発が多数控えている中で、大きな不安を感じています。

 先ほど申し上げたとおり、状況が大きく変わっていることを踏まえ、今後、総合的に判断し、東京都と真剣な話し合いを行い、これからの課題について整理し、どのような解決手段を推進していくかが鍵であると思います。これまでの広域幹線道路整備事業の進捗状況とともに、区の公共交通全般、そして区民の安全の考え方をお伺いいたします。

 次に、市場移転延期により、区としても影響を受けている築地魚河岸についてであります。

 小池知事の移転延期により、区の想定と乖離しています。現在、家賃減額という措置をとっているところでありますが、この先の見通しがつかず、築地市場本場がある以上、買い出し人の方々もこれまでどおりに本場に行かれる現状であり、築地魚河岸については、基本として、プロに通用する食材の提供を堅持していくことが重要でありますが、現状を考えたとき、築地市場本場の役割と違う役割を果たしていくことが重要になっていると考えます。

 築地魚河岸で先日行われた東北地方の行政とのビジネスマッチングなどに見られる新たな方向性も模索しながら、多様性を持たせた新たな市場づくりが必要と考えます。一例で言えば、地方漁協との連携、区民の日の制定、開場時間なども踏まえた見直しが必要であると考えられるところであり、中央区築地から全国を元気にすることと同時に、中央区民の市場として、区民に親しみが持てる市場としていくために、何度もお聞きしているところでありますが、区としての考え方、築地魚河岸に対しての支援方法などをお伺いいたします。

 あわせて、豊洲移転問題で仲卸業者の方々からいろいろと御相談を受けることがあります。以前も発言していますが、風評被害や移転延期で先行きが見えない状況の中で、中央区として仲卸事業者の支援策として、商工相談、融資など、区としてとり得る手段を講じているところでありますが、先行きが見えない市場移転問題での区のさらなる支援策をお伺いいたします。

 次に、政府は、二○二○年に訪日外国人旅行者四千万人に向けた方針を発表しています。この中で、観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化を外国人目線で行うことが重要と言われ、その環境対策の一環として、無料公衆無線LANの整備促進協議会を発足させ、対応協議を行っているところであります。

 既に、各飛行場、旅客運送会社、京都府、福岡市を初めとする各行政で実施されているところであり、中央区でも銀座通り、並木通り、晴海通りの一部において区の補助金を活用し、銀座G Freeが平成二十四年から運用され、区として、平成二十九年度予算では京橋三丁目から日本橋室町までの拡大を行う予算がつけられています。このことにより、銀座から日本橋の中央通りを中心とした主要観光地域の一部の整備事業の拡大となり、区の事業と連携についてはどうなっているのかがわかりませんが、今後に期待したいところであります。

 皆様も御存じのとおり、Wi‐Fi整備については、いろいろと議論され、議会でも質問されているところでありますが、同じ行政で福岡市のWi‐Fi事業の観点は、都市の魅力及び都市間の競争力の向上を目指し、一、海外からの旅行客を初めとする来訪者の利便性向上、二、情報発信力の強化、三、災害時活用を目的とし、ビッグデータの活用なども含め、都市の発展に寄与できるものとしています。

 私がこの中でも注目したことは、災害時対応でありました。東日本大震災だけでなく、大規模災害が発生したときには、携帯及び固定電話の利用が集中する中、行政などを優先回線とし、一般利用が制限されることとなっています。防災無線は区民でも反響し聞き取りにくい現状で、外国人来訪者には理解できないと思います。しかし、メールなどに代表されるインターネットによる通信は、比較的つながりやすく、ツイッターやフェイスブックなどで、災害時でもリアルタイムに情報発信が行われたところであります。

 福岡市では、ホームページが多言語対応であり、フリーWi‐Fi経由で市のホームページにアクセスし、情報を入手する方法をとっていますが、ITの進歩は日進月歩であり、アプリ登録者に対して情報を発信できるようになっているともお聞きしています。

 また、フリーWi‐Fiを活用して、地域への情報提供として、スマートフォンなどを持たない方々にもデジタルサイネージを活用し、情報発信ができることとなります。

 整備事業の問題としては、整備主体であると考えます。民間ベースで行うのであれば、サービス導入コストやランニングコストは低く抑えられるが、サービス内容やアクセスポイントの設置場所なども含めて、特定の民間事業者に依存して行政サービスとしての明示ができないデメリットが生まれてきます。また、行政独自での整備については、全ての投資が行政であり、幅広い行政分野での活用の自由度が高い反面、整備コストの面でいえば高額になり、アクセスポイントの設置、維持管理も行政みずからが行う。民間プラス行政の整備であれば、比較的安価で行政が必要なサービスができることがメリットであるが、サービス提供できる民間事業者が少ないことが多少のデメリットであります。いろいろな組み合わせがありますが、それぞれに課題があり、プライバシーの問題も含め、しっかり検討していかなければならないところであります。

 あわせて、先ほど中央区の人口などをお話ししましたが、この間、外国人居住者の数も伸び、平成二十八年一月一日で五千五百四十七人、本年一月一日で六千百七十六人となっています。中央区を訪れる方たちだけでなく居住人口もふえている中、行政として、居住者に対してのサービスの提供を行う義務がありますが、外国人居住者へのサービス提供、施設利用での言葉の問題など、諸問題があると思います。このようなことに対しても、多言語対応されているものを活用していくことも一つの手段であると思います。

 そこで、お伺いします。

 現在、中央シティフリーWi‐Fiは観光情報センターに設置されているところでありますが、区として、他の設置場所があるのかどうか。先ほども申し上げました銀座G Freeとの関連性についてはどうなっているのか。そして、中央区として、フリーWi‐Fiについてどのような考え方をお持ちか。また、今後のあり方、整備計画、整備所管部署、東京二○二○オリンピック・パラリンピックを控えている中、外国人旅行者、国内旅行者、区民にとっても大変有効で、防災面、生活情報も含めて提供できると考えていますが、伺いたいと思います。

 次に、人に優しいまちづくりについて伺いたいと思います。

 この間、いろいろな場面で質問してきた課題であります。区としては、あらゆる機会を通じ問題点を把握するために、区を挙げて点検し、改善してきたと思います。しかし、この数年の中小マンション建設において、地域とトラブルになり、相隣問題、その後、生活面での問題も多くあると認識しています。人にやさしいまちづくりとは何だろうと、自分自身の経験も含め、改めて考えてみました。

 中央区にも、福祉のまちづくりに関して、東京都福祉のまちづくり条例に基づき、中央区福祉のまちづくり実施方針などにより、みずからが改善に取り組み、あわせて中央区まちづくり基本条例でも建築などに対して指導等を行っているところであります。このことにより、高齢者、障害者、ベビーカーを押す方や交通弱者の方々にとって、外に出かける機会がふえたと思います。

 しかし、建物や公園、交通機関などが整備されるだけでは、人に優しいまちはできないと思いました。まちを見ると、誘導ブロックの上に自転車やオートバイ、障害者利用枠の駐車車両、ごみの出し方、そして地域によってはビル風による強風で高齢者の外出も困難であり、これもバリアではないかと思いました。障害者の方々も、障害の内容や程度は人それぞれであり、本当に困っている方がいたら声をかけてあげられるまちが理想ではないかと感じている次第であります。人に優しいまちづくりは、区民一人一人が感じ、決して他人事ではなく、自分自身にかかわってくる大事なことでもあると思います。

 これまでのまちづくりは、ハード面中心であったと思います。しかし、先ほども申し上げたとおり、高層ビル建築後の風の問題も問題であるということで発言を行ってきたところですが、本来は都市計画で対応する必要があると思いますが、今後、さらに建築後の環境整備が必要となっていくのも現状ではないでしょうか。

 近年は、まちづくりイコール人づくりと言われてきています。先ほどから申し上げているとおり、中央区の人口も将来予測では二十万人とされていることを考えたときに、居住形態はマンション居住率が九割を超え、これまで行政が進めてきた町会・自治会の機能が低下していくと危惧されていますし、その中で行政が進めていく一つの課題として、先ほど申し上げた町会等の組織充実はもとより、協働、地域コミュニティの構築等、地域の力を高めていくことが重要になっています。地域力を高めていく施策の充実が急務であると感じているところであり、建物も道路も歩道も点から面へ、そして、その後の確認と対策も必要であると考えます。

 そこで、伺います。

 以上のことを踏まえ、東京二○二○オリンピック・パラリンピックを目前とし、将来人口二十万人、居住形態の九割近くがマンション居住という現状を踏まえ、今後の建築環境も考えた、区民の皆様とともにつくる人に優しいまちづくりを推進するための具体的施策について伺いたいと思います。

 次に、区長所信表明について伺いたいと思います。

 所信表明において、平成二十九年度予算の主要事業に込められている区長の区政進展の考え方や、区民の皆様とともに目標を持ち、進む必要性をお話しになっていると感じたところであります。来年度の課の新設などを見ても、より課題に取り組む姿勢も見えてくるところであり、期待をしています。しかし、業務の効率化の観点からは、一つの事業で二つ、三つの効果を上げることが期待できる施策もある中、関連性があるものでも縦割り行政の弊害があらわれていると感じています。区内部でのこれまで以上のしっかりとした連携が、これからの行政に求められていると思います。

 所信表明でも触れられていました新基本構想について、あわせてお伺いします。

 新たな中央区のまちづくりの基本が議論されてきたところであり、区民公募委員を初め、活発な議論がされてきました。この中で、今住んでいる方々に新基本構想を理解していただき、中央区の骨格を地域でつくり上げていくことが、他地域にお住まいの方々に対して、魅力あるまちに私たちは住んで生活していますということを発信すると同時に、企業で働く方々にも理解していただき、働きやすいまちであること、中央区にかかわっている方全ての方々が誇れるまちとして発信していただくことが重要であると感じています。ですから、新基本構想について、まず区民に浸透させていくために、あらゆる手段を講じていただきたいということ、そして東京都などに対してもこれまで以上に伝えていき、中央区の将来像をともにつくっていくという立場に立って行動してもらうようにすること、次に、新基本構想から新基本計画に向けては、人口動態、年齢構成などを的確に把握し、区民ニーズを捉え、計画的かつ非常時に即応できる財政運営が重要であると思います。

 そこで、お伺いいたします。

 東京二○二○オリンピック・パラリンピックを控えた中、区としては、平和をあらゆる施策の基本としています。視察に行かれた報告書も読ませていただきました。区民の安全・安心を第一に、関係団体との連携強化を推進し、開催時には心の底からおもてなしができるよう、今後も矢田区長のリーダーシップのもと、行政内部の縦割り行政の弊害を区民に押しつけることなく、中央区の明るい未来に向けての出発の年になる今議会で、強い意気込みと取り組み姿勢をお聞かせください。

 以上で私の第一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 渡部博年議員の質問に順次お答えいたします。

 初めに、月島地域の幹線道路についてであります。

 臨海部と都心部を結ぶ環状二号線は、築地市場の移転延期により開通のめどが立っていない状況であります。また、勝どき・豊海地区と港区海岸一丁目を結ぶ環状三号線は、平成二十八年三月に策定された東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)において、平成三十七年度までに優先的に事業に着手すべき路線として位置づけられております。

 次に、公共交通についてであります。

 月島地域においては、大規模開発等に伴う人口増加に対応できる、利便性の高い交通を実現することが喫緊の課題であると認識しております。そのため、都と連携し、BRTの導入を進めるとともに、交通政策審議会答申に位置づけられた地下鉄新線の早期実現に向け、国や都に積極的に働きかけてまいります。また、区では、路線バスのルート見直しや増便を都に強く要請してきており、こうした取り組みを受け、本年二月二十七日より、東京駅と東京ビッグサイトを結ぶ東十六系統が増便されております。今後、区内の他の系統も充実が図られるよう、引き続き働きかけてまいります。なお、工事車両などによる交通増加への対応については、交通管理者である警察署や晴海地域工事連絡会及び教育委員会とも緊密に連携し、歩行者等の安全確保に努めてまいります。

 次に、築地魚河岸の支援方法についてであります。

 築地市場の豊洲移転問題により、築地魚河岸のプレオープン期間が少なくとも一年以上続くことが明らかになったことから、区では、食のプロに支持され、一般客や観光客にも親しまれる、食のまち築地のにぎわいの拠点となる施設という当初のコンセプトに基づいて営業できるよう、入居者賃料を本年六月まで減額したところであります。一方で、入居者による事業協議会や管理運営を行う都市整備公社においても、食のプロから支持を得る方策として、東北地方の食材の仕入れに関する商談会を開催したり、施設の認知度の向上を図るため、情報発信の強化方法や一般客向け宅配サービスの検討など、さまざまな取り組みを行っております。こうしたことから、区といたしましては、築地魚河岸が食のプロに支持され、区民も利用しやすい施設になるよう、引き続き事業協議会や都市整備公社、場外市場関係者と連携するとともに、築地魚河岸発信による食を通じた施策について検討してまいります。

 次に、仲卸事業者に対する支援についてであります。

 区では、これまでも御相談に適切に対応しつつ、状況に応じて運転資金や経営改善支援資金など、さまざまな融資あっせんを行っております。また、築地魚河岸への出店のため新会社を設立する場合などは、東京商工会議所中央支部や日本政策金融公庫とともに支援してまいりました。今回の豊洲市場への移転延期に伴う支援につきましては、基本的に東京都が対応すべきものと考えておりますが、今後とも関係機関と連携を図りながら、仲卸事業者の皆様が安定して事業を営めるように支援してまいりたいと存じます。

 次に、フリーWi‐Fi事業についてであります。

 本区の中央シティフリーWi‐Fiは、主に外国人を初めとする観光客の利便性の向上を目的としているため、一度登録を行えば他のWi‐Fiサービスにつながる相互認証機能が必要であると考えております。そのため、同様の機能を持つ東京都のFree Wi‐Fi&TOKYOと連携して、中央通りの銀座地域を除くエリアに歩行者用観光案内標識とあわせて整備を行っていく予定であります。G Freeは、中央シティフリーWi‐Fiとの相互認証サービスではありませんが、メールアドレス等の登録が不要ですので、利用者には特段の負担感はなく、中央通り全域での利用が可能であると考えております。

 次に、中央区の今後のWi‐Fi事業の考え方についてであります。

 フリーWi‐Fiを活用する目的は、外国人旅行者等に対するインターネット環境の提供のほか、区民、在勤者、来街者などへの区政情報、イベントなど、地域に関する情報の発信や災害時における情報収集、安否確認など、さまざまであります。そうしたことから、今後のWi‐Fi整備に当たりましては、観光や防災など、その目的と役割に合わせて民間事業者等との連携も含め、財政的な負担の軽減を図るなど、創意工夫を加えながら進めてまいりたいと存じます。

 次に、人に優しいまちづくりについてであります。

 本区では、個別建物の更新と面的な整備をまちづくりの両輪と考え、地区計画やまちづくり基本条例等をもとに開発計画を指導しております。特に、面的整備においては、地域の課題を踏まえ、地域に求められる施設の導入や基盤整備を行うとともに、交通環境や日影、風環境については、事前検証を踏まえて、周囲への影響を軽減するよう指導をしているところであります。しかしながら、建物竣工後の利用方法や周囲への影響、コミュニティの形成について、当初の想定とは異なる場合もあると認識しております。また、東日本大震災の経験や月島地域の大規模なマンション開発を見据え、マンション内はもとより、地域全体のコミュニティ形成が求められております。こうしたことから、特に東京二○二○大会後に約五千六百戸の住宅が新たに整備される晴海地区では、既存住民と今後増加する住民とが一体となった良好なコミュニティによるまちの将来像を描き、住民間の交流が図られる場の確保など、必要となる都市機能や施設配置を計画しております。今後、本区としましては、計画段階はもとより、開発後も良好な地域コミュニティが醸成されるよう、地域と協議型のまちづくりを進めてまいります。

 次に、今後の取り組み姿勢についてであります。

 本区は、かつての著しい人口減少による厳しい状況を乗り越え、今や活力みなぎる成長都市へと生まれ変わりました。今後は、二十万都市を見据えつつ、世界一の都市を目指す東京の牽引役として、さらなる発展を遂げていかなければなりません。特に、三年後に迫った東京二○二○の大会を本区の飛躍に向けての絶好の機会と捉え、このチャンスを最大限に生かしていく必要があります。昨年の海外視察では、ロンドン市が大会後の今もなお、選手村を中心に発展し続けている姿を目の当たりにしました。本区においても、大会開催に向けた取り組みはもとより、大会後を見据えた良好なまちづくりを着実に進めてまいる所存であります。本区の次なるステージに向けた新たな将来像については、先月二十日、基本構想審議会から、平和を基本理念とする都心中央区にふさわしい最終答申をいただきました。今後、これまで以上に各部が連携し、構想を具現化する基本計画を策定するとともに、組織を横断した取り組みを全庁一丸となって強力に推進してまいります。本区の輝かしい未来に向けて、ひるむことなく不屈の精神をもって、区民福祉の向上と区政のさらなる発展に邁進してまいる決意であります。

 答弁は以上であります。

〔三十番 渡部博年議員登壇〕

○三十番(渡部博年議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございます。

 最後の区長の意気込みで、最後、理解するところではあるんです。やはり市場の移転延期というのは、本当に食の安全のために延期を決めたということは正しいことであるということは理解するところでありますけれども、移転をする、しないということが先に延びたということはあります。三年後に迫った東京二○二○オリンピック・パラリンピックで環状二号線がないということに関して言うと、中央区内、月島地域も含めて、いろいろなところに波及していくことなんだろうなというふうに思っております。

 何が問題で環状二号線ができないのかとか、何をどうすれば環状二号線は工事に着手できるのかとか、いろいろな形も含めて、目の前の解決しなければいけない問題については、区として積極的に東京都なりと話をしていただきたい。そうしないと、地域の交通が麻痺してしまうということになってしまいますので、そういったことも含めて、対応していただければありがたいというふうに思っております。

 江戸バスの話も含めて、都バスも含めて、いろいろ改善をしていただいているところでありますけれども、やはり環状二号線という問題が一番、先ほど言った東京都との話し合いの中ではBRTの問題もしっかり対応していただかなければ、もともと二○一九年には運行するということであったわけですので、中央区の交通の手段として、一つ手段がなくなってしまっているということも含めて、しっかり東京都と積極的に対応していただきたい。そのためには、環状二号線を通さなければいけない。先ほど言った環状二号線を通すためには、何が問題なのかということを東京都に把握していただいた上で、対応していただければありがたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 市場の関係については、いろいろありましたけれども、仲卸業者の方々は移転の延期の問題で先が見えない大変な状況になっているということも言われておりますし、苦労されているということはよく理解しておりますし、区としても、先ほど区長の答弁があったとおり、しっかり適切に親身になって対応されてきたということは理解しておりますが、何か商工相談なりがありましたら、しっかりこれまで以上に対応していただければありがたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。

 築地魚河岸については、今、移転が延期されて一年以上ということになっておりますので、その間、求めていくべきものというのがやはりあるんだと思います。根本を変えることはできないと思いますが、根本を変えることなく、新たな市場の考え方を、そこに入っている事業者の方々、またNPOの築地食のまちづくり協議会の皆さんとか、築地地域の皆さん全体で考えていき、そして、中央区内全体に波及できるような形をとっていただきたいというふうに思っています。その辺については、これからもしっかり対応していっていただいて、区が押しつけることなく、一緒にやっていっていただくこと、サポートしていっていただくことが必要だというふうに思います。魚河岸の人たちは両方やっているという状況もありますので、大変な状況であるかもしれませんが、区として、しっかりその辺も含めて、事業が成長できるように対応していっていただきたいと思います。

 フリーWi‐Fiの関係については、銀座G Freeとは関連性はないが、使えるということであります。G Freeというのは、もともと中央区の今の観光情報センターで観光ということが主体でフリーWi‐Fiはつくられているわけですけれども、根本に何が必要なのかといったら、区民の安全確保だとか、区の情報をリアルタイムに流せるということも含めて、やはりそういうところを基準に考えていくべきなんだろうと思います。ツイッターだとかフェイスブックというのは、全世界に発信できます。フリーWi‐Fiで登録をしている人たちは、区内にいる方も含めて、登録してある人たちにちゃんと情報が流れるということになると思いますので、そういったことも含めて、防災面も含めて、大変だということで、最後に質問した縦割り行政の部分でいくと、何が問題なのかということは、本当は防災でやらなければいけないもの、観光でやらなければいけないもの、いろいろなものを、一つの事業で三つも四つも関連性が出てくるというところで、そこでリーダーシップを発揮していただいて、どういう形でやっていくのかということをしっかり対応していただきたいなというふうに思っています。

 フリーWi‐Fiというのは、それだけではなくて、いろいろな使い方ができるということで、先ほど言いました多言語対応できるようになれば、外国人の方々にもそれを使った施設の対応もしやすくなる部分があるのではないのかなということがあって、両方通行できるような形でやれるようなフリーWi‐Fiを構築していただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いします。

 人に優しいまちづくりというのは、今回はハード面を中心にお伺いしたところでありますけれども、今、高層住宅のところ、晴海もそうですが、勝どき地域の高層住宅のところで、お年寄りが買い物に出かけますといったときに、若干足腰が弱くなってきているというのもあるのかもしれませんが、ビル風によって転倒してけがをした。私の知っている方で、骨折をしたという方がいらっしゃいました。今まで風環境だとか、いろいろなことも含めてやってきた。建築基準法だとか、いろいろな形もあるんでしょうけれども、そのほかに、完成後一年間は風環境の調査をするということになっておるところですけれども、区長の御答弁の中で、全てを最初からしっかりやっていくよということを言われておりましたので、そういったところも含めて対応していっていただかないと、高齢者の方々がまちに出ていく機会が減ってしまう。また、風が吹くことによって買い物にも行けないという苦情も、先日、私のところに来た方が言っておりました。一人では買い物に行けないから、ヘルパーさんと一緒に外に出ていった方がいて、その方が転んでしまったとか、転ぶから行かないとか、一人だから行かないとかという形になって、今までのバリアと違うバリアが出てきているということで大変苦慮している人たちもいるということを理解していただきながら、ハード面だけではなくて、ソフトの面でどういう対応ができていくのかということをあわせて考えてやっていただきたい。

 安全性とか、人に優しいまちづくりでいけば、一階の部分に店舗があるかないかということがやはり重要であるというふうに思いますし、地域に人の目が注がれるということが地域の安全につながっていくんだろうというふうに思いますので、そういうところも含めて、しっかり対応していただければありがたいというふうに思います。

 区長がこれからもしっかりリーダーシップをとって、区民の先頭を切って対応していっていただいて、いろいろな行政の弊害を区民に押しつけないということを目的としながら、しっかりと対応していただくという決意もお聞きしましたので、そういったことも含めて、これから新基本構想、そして新基本計画に向かって対応していかなければいけない時期ということになりますので、しっかり対応していただきたいというふうに思います。

 今回は予算特別委員会も設置されるということでございますので、一般質問については要望にとどめさせていただきます。細かな話については、予算特別委員会の中でしっかりと議論をさせていただきたいというふうに思っておりますので、どうかよろしくお願いいたしたいと思います。

 私の質問は終わります。(拍手)


○二十三番(石島秀起議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後四時三十二分 休憩


     午後四時五十五分 開議

○議長(押田まり子議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十七番青木かの議員。

〔十七番 青木かの議員登壇〕

○十七番(青木かの議員)
 改革二○二○、青木かのです。さきに提出いたしました質問通告に基づき、質問させていただきます。前議員と重なる部分もありますが、違う視点から質問させていただきますので、お取り扱い、よろしくお願いいたします。十分なお答えをいただけなかった場合、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 中央区は、ことし、二十年後の区を見据えた長期計画、基本構想を策定します。既に終了した審議会では、将来の人口動向を踏まえた公共サービスのあり方と、東京のエンジンとなり、日本全体の持続的な発展を牽引するの二つの視点で検討がなされました。

 そこで、大きな飛躍の原動力となるべき二○二○年東京オリンピック・パラリンピックですが、その前に、中央区に立ちはだかる大きな課題があります。それは、築地市場の移転、環状二号線の全面開通、BRTのサービス開始、晴海選手村の工事に伴う問題への対応です。これらの問題の共通点は、全て東京都の管轄であり、東京都との協議・連携なしに解決できないということ、その中で、いかに地元区民の要望を都政に反映させていくか、このような視点から、区の取り組みや考え方について順次質問してまいります。

 今週月曜日から、選手村の建築工事に伴う工事車両運行のために、まずは搬入ルートとして、環状二号線の未開通部分であった豊洲から晴海までが暫定開通いたしました。引き続き、搬出ルートとして、晴海から豊洲方面が三月末に暫定開通することとなっています。昨年、当初、東京都が示してきた工事概要では、工事のメーンルートとして予定してきた環状二号線が使えないため、その車両を晴海通りと有明通りに振り分ける。その影響で、晴海通りの交通量がピーク時で三倍になるというものでした。これに対し、地元晴海の皆さんから、安全性や騒音、振動などへの不安から、強い反対意見が出されました。これは当然のことだと思います。

 そこで、昨年十二月十四日の晴海地区まちづくり協議会で、町会・自治会等の地元代表の皆さんが都の担当者に直接改善策を訴え、晴海連合町会会長名で小池東京都知事宛て、メーンルートとして、現在、未開通状態にある環状二号線の豊洲・晴海間を暫定開通し活用すること、一層の海上輸送に努めること等の要望書が出されました。そして、年が明けて二月十日、東京都は、先ほどの豊洲・晴海間の暫定開通を発表したというわけです。もちろん、この間に区や区議会からも要望書を出しておりますが、まさに区民の意見が都を動かしたと言えるのではないでしょうか。

 さて、まずは築地市場の移転問題からお尋ねします。

 現在、移転予定先の豊洲市場で土壌汚染対策の盛り土がなされていなかったことに続き、地下水のモニタリング調査では国の環境基準を大幅に超える有害物質が検出されたことで、移転は延期となり、改めて徹底的な安全性の調査が、そして審議会が行われています。その結果をもとに最終的な判断を下すのは、区長もおっしゃるとおり、吉田副区長もおっしゃるとおり、小池東京都知事です。しかし、その判断によっては、市場関係者はもちろんのこと、中央区民にとっても多大な影響を及ぼします。お隣、江東区長は、安全性が確認されない限り、移転を認めないと語り、先週始まった江東区議会第一回定例会では、二十一日、豊洲市場の土壌汚染による風評被害への対応を求める意見書を全会派一致で可決するなど、区としての姿勢を明確にしています。

 矢田区長は、昨日の所信表明の中で、本区としても大変憂慮しているところであるが、今後、東京都の判断を見守りつつも、区民や区内事業者に混乱が生じないよう、しっかりと対応してまいりますとおっしゃっていますが、重要施策の一つにしては積極性に欠けるのではないでしょうか。

 そこで、お尋ねします。

 中央区長として、このような状況の中、築地市場の豊洲への移転についてどうお考えになりますか。ことし中の移転、オリンピック・パラリンピック以降も含め、来年以降の移転、さらには現地再整備という選択肢も出てまいりました。区長の現在の率直な御意見をお聞かせください。改めてお願いいたします。

 次に、交通問題についてお尋ねします。

 この築地移転の延期に次ぐ延期により、環状二号線の全面開通にはいまだ至っておりません。しかし、晴海・勝どき地区の高層マンションは次々と竣工し、人口の増加は続いています。もともと、中央区が将来の人口急増を見越して、交通機関として計画を始めたLRT、その後、計画はBRTに変わり、東京都の広域事業として引き継がれました。平成二十七年には運行事業者も決定し、ルートもほぼ決まり、運行開始は平成三十一年と東京都都市整備局は発表しています。しかし、メーンルートが環状二号線となっており、全面開通のおくれでBRT事業にも影響が出ることは必至です。

 そこで、お尋ねします。

 現在のBRTの進捗状況と、運行開始予定年度の延期の可能性はあるのかお知らせください。

 また、環状二号線については、築地市場内を通る四百五十メートル区間が工事未着手のため、二○二○年に間に合わせるために、都は片側一車線の暫定道路をつくるとしています。そこで、中央区では、周辺道路や地域への影響を考慮し、都に対し、昨年六月、この暫定道路を少なくとも片側二車線にするよう要望書を提出しました。この暫定道路の片側二車線化について、都の回答をお聞かせください。

 いずれにしても、環状二号線については、一部暫定道路での開通は避けられない状況です。さらに、暫定道路に着手しても、完成までには時間がかかるため、その対策が必要です。既に、勝どき駅はパンク状態にもかかわらず、臨海部の高層マンションは次々と竣工し、人口もふえ続けています。

 そこで、お尋ねします。

 暫定道路ができるまでの、さらに暫定的措置が一刻も早く必要ですが、区の考えと、その具体的な案があればお聞かせください。

 次に、晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業、つまり晴海選手村の整備及びその跡地の活用についてです。

 この事業については、再開発施行者は東京都ですが、特定建設者として三井不動産レジデンシャルを代表者としたディベロッパー十一社が決定しました。このJVには、住友不動産、大和ハウス、東急不動産、野村不動産、三菱地所など、日本の名立たる不動産会社がグループ構成員として名を連ねています。特定建築者とは、市街地再開発事業において整備する再開発ビルを、施行者に成りかわり建築させることができる制度で、この制度により、民間資金や民間のノウハウを積極的に活用することができるため、現実的かつ経済的な制度ということができます。

 東京都の資料によりますと、費用負担については、当初取り決めにより、特定事業者はみずからが行う分譲・賃貸部分を負担、行政側は選手村の内装、設備費用など、大会にかかわる費用を負担、また、この土地の譲渡については、都の最低予定価格と同じ百二十九億六千万円で特定建設者一者に決定し、また、その譲渡価格が周辺地の六分の一以下であるとして、問題として取り上げたメディアもありますが、実情は違うようです。

 特定事業者の内部資料によりますと、この晴海五丁目は、BRTの計画はあるものの、最寄りの地下鉄勝どき駅まで徒歩およそ十五分、また、もっと駅に近い月島や勝どき地区にも高層タワーマンションの建設が予定されており、ディベロッパーとしては、事業性がよくない物件と位置づけられています。また、オリンピック・パラリンピック後の平成三十六年に事業完了ということで、その時期に六千戸を超える大型分譲事業としては、販売リスクが高いともしており、このことは特定建設者が十一者ものJVを構成し、リスクをシェアしていることからも明らかです。

 そんな中、先日、東京オリンピック・パラリンピック後の選手村活用のための大規模改修に五百億円が必要で、この負担は東京都であることが想定されるとの組織委員会試算が明らかになりました。この大規模改修とは、間取りの変更、多目に設置したトイレや車椅子対応で広くした浴室の撤去などが含まれています。確かに、特定事業者の資料によると、二○二○年一月に東京都に賃貸借開始、大会後、原状回復工事の後、二○二一年一月に賃貸借終了となっています。

 そこで、お尋ねします。

 この土地は、中央区です。昨日の所信表明で、区長は、選手村は大会後、誰もが憧れ住んでみたいと思えるまちを目指すとおっしゃっています。私もそう願うばかりです。万が一にでも、箱ができても人が来ない、まさに仏つくって魂入れずでは、せっかくのオリンピック・パラリンピックレガシーが台なしになってしまいます。この点について、区はどのようにお考えですか。率直な御意見をお聞かせください。

 いずれにしても、選手村の再整備が無事終了し、住宅の販売・入居が始まると、それ以降の行政サービスは中央区の管轄となります。そこで、区として、どのような施設整備が必要になるか、改めてお聞きいたします。改めて、財源についてもお聞かせください。

 その参考として、勝どきエリアの開発は、交通の問題を除くと、コミュニティの醸成としては、大変成功しているように感じます。元倉庫街に次々と新しい高層マンションができる中で、もとから住んでいる住民と新しい住民の交流を図るため、積極的にイベントが開催されていますが、中でも、二○一三年九月に始まった太陽のマルシェは、勝どき、晴海、月島、日本橋の住民はもちろん、日本全国から来訪者があるほど、今や勝どきの名物イベントとなっています。同時にフリーマーケットも開催されるなど、住民の交流の場として大成功しています。これも、民間事業者の発案に、もとから住んでいる住民の皆さん、特に町会・自治会の皆さんの御協力があればこその成功だと思います。

 そこで、晴海の選手村跡地の問題に戻ります。この選手村予定地には、現在、誰も住んでいません。つまり、コミュニティづくりはゼロからのスタートとなります。区は、このコミュニティづくりについて、どのようなアイデアをお持ちですか。また、町会・自治会づくりに関しては、マンション販売会社の協力も必要になってくると思いますが、その点についてもお答えください。

 最後に、幼稚園、小学校、中学校など、教育施設の整備も重要な区の施策の一つです。区長は、教育の中央区を標榜され、教育施策に大変力を入れていらっしゃいます。また、区民の皆さんも教育水準が高く、教育熱心な方が多くいらっしゃるように感じます。ところが、中央区内には私立の学校は中学が一校、高校が一校しかありません。これは、私もよく住民の方から指摘されるところです。教育の多様性を確保するという点からも、そろそろ私立学校の誘致が必要かと思われます。

 そこで、お尋ねします。

 この選手村跡地には、幼稚園と小学校、中学校建設のための敷地がそれぞれ確保されています。昨日の区長の所信表明の中では、小学校及び中学校を整備することとし、平成三十五年度の開校を目指し、設計に着手するとありましたが、この土地に私立の一貫校を誘致するという選択肢はないのでしょうか。現在の区の考えをお聞かせください。

 これで、一回目の質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 青木かの議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、築地市場の移転についてであります。

 現在、都では、小池都知事が示した築地市場の豊洲地区への移転に係る大枠の道筋に沿って、その工程を着実に進めているものと認識しております。これらの手続の中で、都民の不安解消や信頼回復に向け、責任を持って十分な説明や必要な対策の遂行など、丁寧に対処していくものと考えております。移転の可否や移転をする場合の時期につきましては、都が実施している調査や審議内容などを踏まえ、都知事が総合的に判断するものであります。本区といたしましては、引き続き早期の判断と明確なスケジュールの提示を要請するとともに、どのような判断であっても、区民や区内事業者に対するさまざまな影響等を見きわめ、適切に対応してまいります。

 次に、BRTの進捗状況についてであります。

 東京都並びに運行事業者である京成バス株式会社は、平成二十八年四月に都心と臨海副都心とを結ぶBRTに関する事業計画を策定しており、その事業計画では、平成三十一年内にBRTを運行開始するとしております。しかしながら、BRTの運行については、環状二号線の本線整備が大きくかかわることから、先行きが見通しにくい状況になっております。区といたしましては、交通事情が逼迫していることを踏まえ、暫定道路を活用した先行的な運行について、都と協議してまいります。

 次に、環状二号線暫定道路についてであります。

 都の当初の計画では、環状二号線暫定道路の供用開始は平成二十八年内としておりましたが、築地市場移転延期に伴い、暫定道路を含め、開通のめどが立っていない状況です。そのため、区からの要望について、現在、都が回答できる状況にないものと考えております。また、周辺の交通や地域住民への影響を軽減するためにも、環状二号線の早期開通が必要と考えますが、暫定的措置については、築地市場の移転の状況に大きく影響を受けることから、都の動向を十分に注視してまいります。

 次に、選手村跡地の活用についてであります。

 東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会後に、にぎわいのあるまちづくりを進めていくためには、特定建築者だけではなく、都の快適な道路空間の整備や区の公共施設等が一体となり、調和をとることによって、まちの魅力が増すものと認識しております。こうしたことから、現在、大会後の選手村エリア全体の修景内容や、交通結節点であるマルチモビリティステーションの整備、区民の憩いの場である晴海ふ頭公園の再整備や、水辺のプロムナードの連続化、水素の活用を含めた選手村地区のエネルギー検討等について、都や特定建築者等の関係者とさまざまな会議体を通じて協議を進めております。また、地元住民や事業者とも連携しながら、持続可能なまちづくりの検討を進めており、ハード・ソフト両面からのレガシーを大会後の区民生活の中に育んでいくことが重要であると考えております。

 次に、必要な公共施設についてであります。

 公共施設の整備に当たっては、民間開発等に伴い、人口増加が著しい月島地域全体の将来を見据え、適切な施設配置を検討していく必要があると考えております。特に、大会後の選手村跡地には五千六百三十二戸、約一万二千人もの人口増加が見込まれていることから、こうした人口の増加にも対応した保育施設を初め、小・中学校や特別出張所の派出所、保健センターなどの公共施設を整備する必要があり、大きな財政負担を見込まなければなりません。こうしたことから、都に対しては、大会後の人口増加に伴う公共施設整備の財源支援についても要望してきたところであり、区といたしましては、今後とも大会後のまちづくりを見据え、適宜働きかけてまいります。

 次に、コミュニティづくりについてであります。

 選手村後に整備される住宅に短期間のうちに多くの方が転入してくる中、地域コミュニティを育成していくためには、入居される方々に地域行事を初め、防災・防犯や福祉活動などを行う町会・自治会の重要性を理解していただくことが何より大切であります。そのため、住宅の販売事業者と協力し、入居説明会などの機会を通じて、本区の町会・自治会の活動や連合組織などを説明するとともに、地域手づくりイベント助成を初め、アドバイザー派遣、地域コミュニティの担い手養成塾などを紹介しながら、状況に合わせて町会・自治会の設立に向け、さまざまな支援を行ってまいります。

 次に、私立小・中学校の誘致についてであります。

 大会後の人口増も鑑み、選手村跡地の晴海五丁目には約一・六ヘクタールの土地に小学校、中学校整備を予定しております。新たに通われる児童・生徒にも本区の良好な教育環境を提供するとともに、地域におけるコミュニティの核としての機能や防災機能を充実させていくといった観点からも、区が公立学校を整備するものであります。また、晴海四丁目にも約一ヘクタールの土地を確保しているところでありますが、大会後の保育需要への対応や、将来的な児童数の増加等も視野に入れ検討しているところであり、当該敷地において私立の学校を誘致することは、現在、考えておりません。しかしながら、晴海地区の方々から成る将来ビジョン推進会議の中でも、晴海の中心軸に大学など文化教育施設等を誘致するよう取り組みの方向性が示されていることからも、今後ともさまざまな可能性について検討してまいりたいと考えております。

 答弁は以上であります。

〔十七番 青木かの議員登壇〕

○十七番(青木かの議員)
 御答弁ありがとうございました。

 納得するお答えも多くいただきまして、二点だけ指摘させていただきます。そのうち一点は、再質問です。

 まず、私立小・中学校の誘致です。

 私も、場所を、晴海に新しいまちをつくるということで、そういう私立の誘致というイメージをいたしましたが、区長の答弁にもありましたように、場所はここに限らず、あるいは小・中学高校、高校に限らず、大学も含めて、さまざまな可能性がある。都有地は、まだ残っています。ということで、人口の流動性ですね。晴海地区将来ビジョンの中でも、どうやって中央区の活気、二十万人までふえても、今、二十三区で一番若い、この活気を続けることができるか、それに重要なのは流動性というのがありました。そのために、やはり私立の学校あるいはインターナショナルスクールなど、さまざまな選択肢をふやして、その中で、例えば留学生も受け入れて、区民の皆さんにホームステイをしてもらう。もともと、晴海は国際交流センターができるという予定も、前にありました。

 そういった意味からも、今御答弁にあった水素エネルギーを中心としたスマートシティと、多様性という意味でのダイバーシティ、そしてインターナショナル、この三つをしっかりと生かした晴海、そして中央区のまちづくりをお願いしたいと思います。

 それでは、築地のほうに戻ります。

 済みません。また、しつこくお聞きしてしまったのですが、やはり東京都の小池百合子都知事が総合的に判断することと。それは、私もよく理解しております。その総合的というところに、これから結果が出る安全性の問題であり、あるいは審議会の結果であり、そして最も関係する江東区と中央区の区長のお考えというのも総合的の中に入ると私は考えて、質問させていただきました。ただ、区長のお立場としては、お答えすることが大変ということは理解いたします。それでも、あえて中央区としての方向性を示していただきたかったなというのが私の感想です。

 そこで、質問に移らせていただきますが、答弁の中に、それから前議員への答弁の中にも、いずれにしても移転まで一年以上はかかるということで、築地魚河岸の支援についての質問です。

 二月十六日の築地等地域活性化対策特別委員会の中で、委員の方が現在の築地魚河岸の状況について質問しました。その答弁が、年末はごった返していたが、現在は当時と比べ、半分から三分の一に入場者が減っている。特に、七時前は少ない。九時ごろからふえ出して、九時以降からちょぼちょぼと。そして、十一時以降に、ランチの方も含めて、一番お客様がふえるという御回答でした。

 そこで、課題として、一般客や観光客向けの商品が拡大し、一般の小売店舗施設というイメージの定着により、市場移転後、プロが買い出しに来ない状況になることを防ぐことが必要であるということを課題とし、現在の仲卸業者、事業者の皆さんに経済的な支援をすると。これは理解するところです。重要なところです。短期的に支援、財政的支援をするということはわかりますが、長期的になった場合、築地魚河岸の役割や目的自体、考え直す必要性が出てくるのではないかと思いますが、その点について再質問させていただきます。

 以上、再質問です。

○議長(押田まり子議員)
 青木議員に申し上げます。築地の再開発についての御質問の通告はあったんですが、築地魚河岸についての質問通告がなくて、築地魚河岸についての再質問ということはちょっとなじまないと思いますので、今後御注意ください。

○十七番(青木かの議員)
 はい、わかりました。ありがとうございます。

〔副区長 吉田不曇君登壇〕

○副区長(吉田不曇君)
 築地の問題についての全体的なお尋ねでございます。

 私どもの区は、基本的に、この部分について、いずれにしても移転するのか移転しないのかという方針、そして、その後のスケジュールという問題について、とにかくこの問題については、事業者のいろいろな血と汗がにじんだような話があるのだから、それらについて早期に回答を出してくれというのが私ども区の立場でございます。いろいろな判断要素を都知事はお持ちでしょうけれども、それらについて早く結論を出してもらって、方針を出してもらうということが何より大事だというふうに私ども区としては考えております。積極的だとか何かということについて、いろいろ御意見があったようでございますが、私どもの今の立場で言えば、方針がはっきりすること、スケジュールがはっきりすること、そのことが何より大事であるということを地元区として強調しておきたいと思います。そのことが私どもの姿勢でございます。

 築地魚河岸について、長期にわたるということでございますが、長期にわたるために、現実に開いてしまった築地魚河岸の現実の役割は、当初の想定とは違っておるわけでございます。その部分において、どういうふうにしていくかということでお尋ねがあるわけでございますが、私どもとしては、先ほど前議員の方にもお答えをしましたけれども、PRの強化であるとか、それから配送方法の工夫であるとか、協議会の皆様あるいは場外の皆様と一体となって、そういった工夫をしていきたいと思っております。

 ただ、私どもが築地魚河岸を開いて気がついたことがございまして、実は、まちに生魚を売っている魚屋さんがだんだん減ってきている。そういう中で、築地魚河岸に行ってみると、意外と、これは魚屋さんなんだということで非常に喜んでいるお客さんもふえているということでございますので、逆に言えば、その点を強調しながら、一般の消費者の方々に、魚屋さんで魚を買う喜び、そういったものを取り戻せる機会を私どもの築地魚河岸はつくっているのではないか、そのことを少し強調する必要があるなというふうに思っておりまして、そういう部分を私どもとして生かしながら、築地魚河岸の支援をしていきたい、そういうふうに考えております。

 以上です。

〔十七番 青木かの議員登壇〕

○十七番(青木かの議員)
 吉田副区長、お答えいただきまして、ありがとうございました。

 確かに、今の子供たちは魚屋さんで魚を買うということがないですね。パックに入った魚をスーパーで買う、あるいはコンビニで買う。そういった意味でも、築地魚河岸、あくまでもプロ仕様でありながら、そこで一般の方あるいは観光客の方がお買い物ができるという、そのお気持ちをしっかりと受けとめました。

 そして、とにかく東京都に早期決定してもらう。そして、スケジュールを明らかにする。これもしっかりと受けとめてまいりたいと思います。

 私は基本構想審議会の委員もやらせていただいたんですが、その中に一般区民代表の方で若い方が二人いらっしゃって、二人とも中央区が憧れのまちだし、これからも住み続けたいし、みんなにとっても住んでみたいまちにしたいということを本当に心からおっしゃっているのを聞いて、うれしくなりました。

 ちょうど人口が十五万人に回復した、これまでの区長、副区長、そして役所の皆さんや議員の皆さんの努力、これまでの先輩方の努力によって十五万人を回復し、これから私は、二○二○年は平和に東京オリンピックが大成功すると確信しています。そして、東京二○二○アンド・ビヨンド、それ以降も中央区が発展し、子供たちのすばらしいレジェンドとなるよう、レガシーを残せるまちとなるよう祈りまして、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)


○二十三番(石島秀起議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明二日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     午後五時三十九分 散会


署名議員
議長 押田 まり子
議員 海老原 崇智
議員 加藤 博司

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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