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平成29年第三回定例会会議録(第2日 9月25日)

1.会期

二十八日(第二日)

九月二十五日(月曜日)

2.開会並びに散会

午後二時開議

午後五時三十三分散会

3.出席議員

(二十八名)

一番 渡部 恵子議員

二番 山本 理恵議員

三番 海老原 崇智議員

四番 佐藤 敦子議員

五番 塚田 秀伸議員

六番 田中 耕太郎議員

七番 小坂 和輝議員

九番 加藤 博司議員

十番 奥村 暁子議員

十一番 原田 賢一議員

十二番 富永 一議員

十三番 瓜生 正高議員

十四番 染谷 眞人議員

十五番 青木 かの議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 松川 たけゆき議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 志村 孝美議員

二十一番 礒野 忠議員

二十二番 石田 英朗議員

二十三番 鈴木 久雄議員

二十四番 木村 克一議員

二十五番 中嶋 ひろあき議員

二十六番 押田 まり子議員

二十七番 墨谷 浩一議員

二十八番 田中 広一議員

二十九番 中島 賢治議員

三十番 渡部 博年議員

4.出席説明員

区長 矢田 美英君

副区長 齊藤 進君

副区長 吉田 不曇君

教育長 島田 勝敏君

企画部長 平林 治樹君

総務部長 田中武君

防災危機管理室長 林 秀哉君

区民部長 長嶋 育夫君

福祉保健部長 黒川眞君

高齢者施策推進室長 古田島 幹雄君

保健所長 中橋 猛君

環境土木部長 望月 秀彦君

都市整備部長 松岡 広亮君

会計管理者 坂田 直昭君

教育委員会事務局次長 浅沼 孝一郎君

監査事務局長 高橋 和義君

企画部参事(政策企画課長事務取扱) 濱田徹君

財政課長 大久保 稔君

広報課長 園田 典子君

総務課長 吉原 利明君

5.議会局出席職員

議会局長 田野 則雄君

庶務係長 荻原 雅彦君

議事係長 一瀬 知之君

調査係長 東 雅之君

書記 鎌田 智之君

6.議事日程

日程第一
一般質問


午後二時 開議

○議長(礒野 忠議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(礒野 忠議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 十五番青木かの議員。

〔十五番 青木かの議員登壇〕

○十五番(青木かの議員)
 改革二○二○、青木かのです。今回は、現在作業が進んでいる中央区基本計画にも大きな影響を与えると思われる市街地再開発事業並びに先日委員会で報告された地区計画改定を含む、これからの中央区のまちづくりについて、長期的視点から質問させていただきます。ことし策定された基本構想に基づき、基本計画ではより詳細な数値も出てくると思いますが、可能な範囲で具体的にお答えいただければと思います。なお、内容によっては、再質問を留保させていただきます。

 まず、推計人口についてです。

 基本構想策定のために出された人口ビジョンでは、東京二○二○大会のちょうど十年後、二○三○年におよそ二十三万人でピークに達するという想定が示されています。日本全国を見渡してみますと、人口減少にどう歯どめをかけるかという問題に取り組んでいる自治体が多い中、ある意味、ぜいたくな問題とも言えますが、中央区の人口増加はこれからもしばらく続きます。また、子供が生まれても、区内で子育てをしてくださる住民がふえており、新生児もふえて、区民の平均年齢は東京二十三区一若い、つまりオリパラ以降は晴海選手村跡地の再整備による人口増加も含め、その勢いはとまりません。今年度の予算案のキャッチフレーズも、二十万都市への幕開けでした。

 ところで、ことし五月に国土交通省が出した平成二十九年版首都圏白書によりますと、我が国は平成二十年のおよそ一億二千万人をピークに人口減少社会に突入し、少子化は深刻で、極めて速いスピードで高齢化も進んでいる。首都圏においても、東京圏への一極集中により人口は増加傾向にあるものの、今後は減少すると思われるとあります。確かに、昨年の中央区基本構想審議会メンバーには「東京一極集中が日本を救う」の著者、市川宏雄氏も入っており、精力的に発言なさっていらっしゃいましたが、私も、中央区はもうしばらく東京、特に臨海部の一極集中的発展は続くと思いますし、中央区はその牽引役になるべきと考えます。

 しかし、十平方キロメートルしかないこの狭い中央区において、インフラ整備や行政サービスを考えると、おのずとその限界があるのは否定できません。先日の企画総務委員会で、基本計画策定のために人口推計をやり直すとの答弁がありました。

 そこで、最初にお尋ねいたします。

 新たな人口推計で特に注目している点があれば、お答えください。

 東京二○二○大会を控えて、区内各地で再開発事業が進んでいます。その数は、現在、区内で三十一地区。再開発事業の目的は、生活環境などが悪化した平面的な市街地において、細分化された敷地を広く統合し、不燃化された共同建築物に建てかえ、あわせて公園、緑地、広場、街路などの公共施設とオープンスペースを確保することによって、快適で安全な都市環境を再生させようというものです。また、基準を満たせば、大幅な容積率の緩和も適用されています。

 従前権利者の権利は、原則として、等価で新しい再開発のビルの床に置きかえられます。再開発の施行者は、高度利用で新たに生み出された、この権利床以外の保留床を第三者に売却し、その収入を事業に充てることができます。また、基準を満たせば、事業費の一部について、住宅ですと総費用のおよそ一五から二○%に当たりますが、その費用の三分の一が国から、都及び区からも合わせて三分の一の補助があります。権利者にとっては、資金をかけずに建てかえができますので、魅力的ではありますが、権利床以外の床がふえる。特に、中央区の場合、高層マンションが次々と建っていく。

 これが中央区のこれまでの居住人口回復策の一つであったわけですが、この再開発について、先日の環境建設委員会で地区計画の改定について報告がありました。これこそ、吉田副区長が最近答弁でお使いになっている、「そろそろ人口増加策のかじを切る」の始まりだと思いました。現在工事中あるいは予定されている事業については適用されないということですが、今後の中央区都市計画に大きくかかわっている政策の改定です。

 理事者説明によりますと、本区では、定住人口の維持・回復を目標として、平成五年七月に用途別容積型地区計画、平成九年七月に街並み誘導型地区計画を定めるなど、区内およそ八割に地区計画を導入し、個別建てかえ等の促進を図ってきたが、定住人口は回復し、当初の目的が達成されたことから、中央区基本構想を踏まえつつ、今後のまちづくりを見据えた、各地域にふさわしい土地利用を推進していく、そのような地区計画の改定に向けた検討を行うということです。

 まず、大きな変更点の一つが、住宅に対する容積率の緩和について、原則廃止ということ。これまで、容積率の緩和は、マンション事業者への一定の恩恵を与えていたことは事実で、その恩恵などにより、区内のマンション建設が促進されてきたのは確かです。これを、今回の改定により、住宅に対する容積率の緩和を廃止することから、今後、マンション計画をする場合には、第二種住居地域では四○○%、商業地域では五○○%または六○○%が原則になると認識しております。大ざっぱに言いますと、明石町を除く日本橋・京橋地域が商業地域、月島地域は第二種住居地域と商業地域が混在しています。

 そこで、お尋ねします。

 今回の容積率の改定により、人口推計の観点から、全国的に見て、どのような効果、つまり人口増加がどの程度抑制されると想定しているのでしょうか、お尋ねします。

 また、第三ゾーンである佃二丁目と三丁目、月島一丁目から四丁目、勝どき一丁目から四丁目では、他の地域同様、幹線道路沿いを中心とした商業地域では、まちに調和した良好なホテルについても誘導することを検討していくという文言が入りました。これまでホテルがなかったこの地域にホテルを誘致するとも読めますが、具体的に区の考えをお知らせください。

 さらに、この第三ゾーンでは、生活関連施設や商業施設を誘導するため、容積率緩和に当たっての条件を整備との文言も新規で入っております。この生活関連施設や商業施設とは、どのようなものを想定しているのかについてもお答えください。

 さて、最後に、また人口想定に戻ります。

 ことし三月に出された人口推計では、二○三二年におよそ二十三万人でピークを迎え、その後はしばらくその状態が続く。徐々に減少する。ある程度速い速度で減少する。この三通りの参考推計値が示されています。ここで重要なのは、都心区中央区が中央区の活力をいかに持続するかということですが、私は、それは人口二十三万人から、多くて二十五万人が教育、福祉等、十分な行政サービスを受けられることを基本とし、いわゆるサステーナブル、持続可能性のある活力を育てることだと考えます。そのためには、マンション居住率が極めて高い本区においては、マンションの資産価値を良質に保っていくことや、その良好なマンションにおいて、適切な資産の継承や不動産活用等が図られていくことが重要であると考えます。つまり、長期的視点から見ると、ある程度の人口の流動性が必要だということです。

 そこで、お尋ねします。

 この人口の流動性について、区はどのような見解をお持ちですか。また、持続可能な区の活力のあり方についての見解もあわせてお聞かせください。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 青木かの議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、人口推計についてであります。

 人口推計は、区の行政計画を策定する上で基礎となる重要なデータであり、新たに基本計画を策定していく中でも、最新の人口を反映した推計値を算定していくことが重要であると認識しております。新たな人口推計においては、人口ビジョンと実態値の乖離を検証した上で、予定されている大規模開発の動向や出生数の増加、転出入数の傾向を適切に把握し、反映していくことが必要であると考えております。

 次に、容積率の改定が人口推計に与える影響についてであります。

 現在公表している今後十年間の人口推計においては、既に分譲などの時期が見通せる再開発事業を勘案しております。そのため、今後予定されている地区計画の改定が直ちに推計値に影響を与える可能性は、低いものと考えております。なお、十一年目以降となる平成四十年代については、今回の改定の効果があらわれ、中央区人口ビジョンの参考推計値の中位、低位推計に近づいていく可能性はあるものと考えております。

 次に、第三ゾーンにおけるホテル誘導についてであります。

 現在、第三ゾーンの月島・勝どきの一部の地域では、中高層階住居専用地区を指定し、一定の階層以上の部分を住宅及び住宅関連の用途とする制限をかけております。今回の地区計画改定の検討では、その用途制限を廃止し、建物の上階部分においても、住宅以外の用途が計画できる環境を整えるものであります。区では、これまで育まれてきた住環境を確保しつつ、幹線道路沿いを中心とした商業地域において、まちに調和した良好なホテルを計画誘導していくことにより、月島・勝どき地域においても、内外の観光客を初めとした来街者を受け入れ、多様な交流とにぎわいのあるまちの形成を目指していくものであります。

 次に、第三ゾーンにおける生活関連施設及び商業施設についてであります。

 現在の地区計画では、居住機能を支える飲食店などを住宅関連施設と位置づけ、一定の範囲に限り、住宅とみなして、容積率の緩和を認めております。今回の改定では、この住宅関連施設を含め、区民の生活に必要な施設やまちのにぎわいに寄与する商業施設をさらに計画誘導していくため、これらを対象とした容積率の緩和を検討していくものであります。区といたしましては、こうした取り組みにより、住み、働き、集う全ての人々が、より快適かつ良質な都心環境を享受できるまちづくりを目指していくものであります。なお、生活関連施設等の具体的な内容については、今後検討してまいります。

 次に、人口流動性と持続可能な区の活力のあり方についてであります。

 日本各地で、居住者の高齢化問題などと相まった老朽化したマンション、団地の建てかえが大きな問題となっており、本区においても、人口の流動性を維持し、地域の活力を維持していくことは重要な課題であります。中央区の人口動態は、近年、転入超過が続く中、毎年一万人を超える転出、転入があり、一定の人口の流動性が確保されているものと考えており、こうした状況を維持していく必要があります。例えば、晴海五丁目では、東京二○二○大会後のまちづくりにおいて、五千戸を超える住宅が供給される予定となっておりますが、分譲住宅だけでなく、民間賃貸住宅も同時に計画されていて、人口の流動性は確保されているものと考えております。中央区では、働き盛り世代の転入が続いており、こうした世代の増加は、まちににぎわいをもたらし、区の活力を持続的に高めてくれるものと考えております。

 答弁は以上であります。

〔十五番 青木かの議員登壇〕

○十五番(青木かの議員)
 それぞれ答弁ありがとうございました。

 なぜ今回、このような質問をしたかと申しますと、幾つかに質問は分かれておりますが、根本にある疑問というのは一つであります。

 今、お答えの中にもありましたが、今後、中央区の人口はまだまだ人口推計どおりに進んでいく、そして、今回の改定によっても二十三万人から二十五万人くらい、この推計ですね。今出ている高・中・低の三つの人口推計のとおりに近づいていくであろうということでした。

 その中で、調べましたら、不動産業者によって、いろいろな数値が出されておりまして、はっきりとした数値ではないんですが、やはり最近人気のマンション、湾岸地域の臨海部のマンションが、中央区内だけではなく、港区、そして江東区の中で流動をしている方々も多い。二割くらいはいらっしゃるのではないか。つまり、自分が今住んでいるマンションを賃貸にして、自分は最新の高層タワーマンションに移るですとか、資産として幾つか買っていくということが一つの事実としてあります。そして、もう一つ、やはりオリンピック以降、不動産バブルが崩壊するのではないか。これも両方意見があり、私もどちらになるかはまだわかりません。勉強したところで、まだわかりませんが、不動産バブルという危機の可能性もあるということですね。

 その中で、中央区は、今の区民の方にいかに住み続けていただけるか、そして、それとともに流動性も持ち合わせていくか、それが今ある中央区の活力だと思っておりますので、その点について質問させていただきました。

 今回の改定により、月島地域、その他、勝どき、佃を含めまして、第二種住居地域になりますので、この規定によりますと、そのほか、劇場、映画館、演芸場、これはつくってはいけないものですね。キャバレー、ナイトクラブなどもバツとなっておりますが、三角となっている大規模集客施設に該当しないものということで、ホテルですとか、そのほかの商業施設がこれから整備されていく。さらには、魅力的なまちになるためにやっていくのだと思います。

 それから、もう一つの大きな要素として、国家戦略特区にも中央区は指定されておりますので、プロフェッショナルな外国人の方の住宅ですとか、留学生のための施設ですとか、あるいは学生のための住居ということで、これも中央区の中での流動性というものをキープできるのではないかと思っております。

 この流動性ということの中で、区長の今の御答弁、そして、私からもつけ足しで申し上げましたが、その点について、ホテルについてはまだ場所は決まっていないということでしたが、もう少し具体的にお話しいただけるならば、よろしくお願いいたします。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 どうもありがとうございます。

 誰からも憧れられるまちをつくっていくというのが中央区の基本的な態度でございまして、憧れて中央区に来ていただくためには、これはマンションだけでは憧れて来られるわけではなく、先ほども申し上げましたけれども、住み、働き、そして集う、さまざまな方々が楽しめるまちをつくり上げていくためには、ホテルとか、それから医療施設であるとか、学校であるとか、さまざまな方面から検討して、そして中央区に来ていただきたい。

 特に、第三ゾーンは、まさにこれからのまちづくり、オリンピックの選手村を初め、これからのまちづくりであるわけでございまして、人口も随分どんどんふえていく。今、晴海は百ヘクタールあり、人口は一万人程度ですけれども、将来的には、選手村跡地だけでも随分伸びるということでありますし、晴海全体だと人口が四万人を超えるであろうという推計もあるわけでありますが、マンションだけをつくっても楽しいまちとは言えないわけで、魅力あるまち、憧れて住もうというまちではないわけであります。議会の皆様方もさまざまな御意見があるでしょうから、それこそサステーナブルなまちをみんなでつくり上げてまいりたい、そういう思いでいっぱいであります。

 以上でございます。

〔十五番 青木かの議員登壇〕

○十五番(青木かの議員)
 ありがとうございました。

 今後、築地、そして晴海の土地が東京都からディベロッパーへ売られる。そこで都の役目は終わり、そしてディベロッパーがオフィスビルあるいは商業施設あるいは住宅をつくったら、ディベロッパーの役目はそれで終わり、そして、最後にそこに住んでくださる中央区民の方々あるいは訪れてくださる方々、ここにその責任を持っているのが中央区であり、地方自治体であると思います。

 今後も、初めの段階からしっかりと東京都と打ち合わせをしながら、発言をしながら、意見交換をしながら、まちづくりを進めていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(鈴木久雄議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後二時三十一分 休憩


     午後二時五十分 開議

○議長(礒野 忠議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。まず、五番塚田秀伸議員。

〔五番 塚田秀伸議員登壇〕

○五番(塚田秀伸議員)
 中央区議会自由民主党の塚田秀伸でございます。平成二十九年第三回中央区議会定例会の一般質問に当たり、質問通告書に沿った内容にて質問をさせていただきます。まず、初めに、二○二○年以降の大規模再開発事業並びに交通インフラの整備について、二つ目は、健康寿命の延伸並びに介護予防の取り組みについて、三つ目は、近年急増するながらスマホなどの迷惑行為の防止とその対策について、最後に、子供の運動場所の確保について、それぞれ質問させていただきます。区長並びに関係理事者の皆様におかれましては、区民の立場に立たれた御答弁をお願いいたします。なお、御答弁のいかんによりましては再質問を留保させていただきますので、何とぞよろしくお願いいたします。

 それでは、まず新しい時代の大規模再開発事業並びに高速道路の地下化、そして新しい公共交通についてお尋ねいたします。

 本年六月に議決されました本区の基本構想には、「輝く未来へ橋をかける ―― 人が集まる粋なまち」という表題のもとに、二十年後の本区の姿が策定されております。そこには、新たなまちの魅力を創造し、さらなる地域社会の発展を目指した誰もが憧れるまちを築き上げるとうたわれており、これまでと違った行政の指針を示すとともに、新しい時代の幕あけを告げております。また、別項には、急激な人口増加に伴い、今後の人口動向を見きわめつつ、しかるべき手を打っていくとの記述もあり、急増した人口に向けて、より充実した行政サービスや公共施設のあり方などを検討し、健全な行財政運営を行っていくと記されております。

 現在、約十五万五千人の人口は今後もしばらくは増加し、二○三二年ころには中位推計でも二十二万人を超えると予測され、過去最多であった昭和二十八年の人口十七万二千人を大幅に更新するとされています。これら将来像をいち早く意識しなければならないのが、長い検討期間を要する各地の再開発事業ではないかと考えます。

 現在計画されている市街地再開発事業の中で、主に住宅が中心となるのは、五輪選手村跡地の晴海五丁目西地区を筆頭に、月島三丁目南、勝どき東、豊海地区と、いずれも月島地域の案件でございます。また、将来的に開発の余地を残す晴海二丁目を含め、今後増加する人口の大半がこの地域に集中し、日本橋、京橋、月島から成る中央区三地域の人口比率も大きく変化することになります。

 既に最終計画段階となりつつある晴海五丁目西地区の開発におきましては、区立小学校や区民館など、生活に密着した小規模公共施設の計画こそされてはおりますが、それ以外の目立った公共施設はございません。平成九年の最少人口から劇的な人口回復を経て、二十年間で人口は二倍以上にふえましたが、公共施設全般においてはそこに至らず、区民の皆様から聞こえる不満の声も次第に大きくなりつつあります。今後、幾つもの大規模再開発が進められるこの契機に、まずは施設の適正配置の観点から、あるいは不足しているホールや運動施設、緑地広場など、少なくとも区内に一つもしくは二つは必要とされる中規模ないしは大規模公共施設の配置の検討をするべきではないかと考えます。

 そこで、お尋ねします。

 基本構想にある「輝く未来へ橋をかける ―― 人が集まる粋なまち」、この実現に向け、先ほど述べさせていただいた大規模再開発を契機として、今後、必要となる中規模または大規模公共施設の整備をどのように進めていくのか、区のお考えをお聞かせください。

 また、今後、人口が急増する晴海、勝どき、月島エリアへは、公共施設の適正配置の観点から一定の施設整備が必然となります。その際の候補地並びに想定される公共施設の用途など、あわせてお答えください。

 開発事業に関連した交通インフラ整備につきまして、もう少しお尋ねいたします。

 市街地の大規模再開発を進める上で、一心同体とも言えるのが公共交通機関の整備や道路網の充実でございます。一足先に計画が進められたBRTにつきましては、環状二号線の開通遅延により、計画が足どめされておりますが、道路開通とともに、まずは着実な開通を望むところでございます。

 他方、昨年四月に国土交通省の答申にて整備検討が進められることになった地下鉄新線でございますが、都心部と臨海部をつなぐ新路線として、新たな交通の基軸となり、また、本区の交通不便地域を解消する意味からも、期待は大きく膨らんでおります。既に、多くの交通機関が存在する本区におきましては、新路線による不便地域の解消にとどまらず、乗りかえのしやすさや、バリアフリー観点に沿った都心の交通結節点にふさわしい利便性の高い駅構造が求められます。

 そして、もう一点、日本橋川にかかる首都高速道路の地下化におきまして、本年七月の国土交通省及び東京都の方針発表も大きく報じられ、今後は実現に向けた動きが加速すると思われます。ところが、一石橋から日本橋兜町に至るまでの区間は、大幅な高低差、そして連続急カーブに加え、分岐のための構造物が幾重にも重なる、設計上大変な難所でございます。そして、日本橋川周辺は大規模再開発事業が進められ、将来的には東京を代表する景勝地となり、また、大きな観光資源ともなるだけに、カーブの形状や連結部のレイアウトは、周辺との調和や美観までも含め、最新の配慮を必要といたします。また、近隣への環境影響も小さくないことから、その視点においても、本区からの細部に至る提案が重要であると考えます。

 先ほどの地下鉄新線並びに首都高速地下化の両案件とも、既に意見書の提出がされておりますが、各所での仕様いかんによりましては、その価値を左右するほど大きな意味を持つように思います。つきましては、地域とすり合わせをした内容をいち早く国や都に提案し、本区の案を採用していただけるよう粘り強く交渉していただきたいと考えます。

 そこで、お尋ねします。

 昨年四月に国土交通省の答申にて整備検討が進められることとなった地下鉄新線につきまして、現時点では何も決定していない状況かと存じますが、交通結節点や乗りかえの簡便さなど、広い視野から鑑みて、区が考える最も望ましいルートがあるかと思います。想定される理想ルートとともに、その理由もお知らせください。また、今後、国に働きかけていく考えなどございましたら、あわせてお答えください。

 そして、もう一点、国及び東京都などが着手を表明した日本橋川上空の首都高速道路の地下化について、現在、川沿いの五地区で進められている再開発準備組合とどのような形で連携を行っていくのか、お知らせください。また、国や都に対して、今後、どのような働きかけをしていくのか、あわせてお答えください。

 続きまして、健康寿命の延伸並びに介護予防の取り組みについてお尋ねいたします。

 本区の人口推計からも見てとれるように、戦後数年間は飛躍的に人口がふえ、昭和二十八年に最多人口を記録しております。いわゆる団塊世代の出生による自然増でございますが、その世代の皆様も、既に六十五歳を超え、五年後からは順次後期高齢者となられます。現在、高齢者福祉施設として、桜川敬老館の改築計画にあわせ、地域密着型特養老人ホームや認知症高齢者グループホームなどの入所施設の整備により、申込者の増加に見合った施設数となっておりますが、今後は大幅な需要の伸びが予想され、施設の増設が大きな課題となるでしょう。

 その一方で、高齢になられても、心身ともに健康で、生活上の自立ができる、いわゆる健康寿命が維持されれば、施設に入所せずとも自宅で過ごす時間を延ばすことができます。厚生労働省の二○一三年のデータでは、平均寿命と健康寿命とは男女ともにおおむね十歳の開きがあり、今後は、その差を縮めることが重要とされています。健康寿命と実寿命とに大きな開きがなく、いつまでも健康に過ごし、与えられた天寿を全うされる、これこそが高齢者の皆様の願いであると考えます。

 本区におきましても、通いの場の増加や各種健康講座の開講など、介護予防に向け、幾つも実績を上げられておりますが、なるべく早い時期からの健康づくりが大切であるともされており、今後は、より若い年齢からの取り組みを促し、この活動がいかに有用であり、介護予防につながるかを訴えるべきかと考えます。来年度から計画期間となる高齢者保健福祉計画や第七期介護保険事業計画の策定に取り組まれている最中かと思いますが、介護予防の考えをさらに拡大し、来るべき二○二五年問題に対処していくべきではないかと考えます。

 そこで、お尋ねします。

 区内十二カ所に開設された通いの場ですが、高齢者が外出するきっかけとなり、また、介護予防を認識し、健康寿命を延ばす上で大変有用と思われます。本年四月から約半年間活動されてまいりましたが、これまでの状況と問題点などをお聞かせください。

 また、地域包括ケアシステムの取り組みについて、そして、今後の介護予防や高齢者の健康づくりのあり方について、方向性などがありましたら、お聞かせください。

 続きまして、近年増加する迷惑行為の防止と、その対策についてお尋ねいたします。

 基本構想の第三章には、都市観光の推進という項目があり、国内外からの来街者が楽しく快適にまち巡りができるよう整備すると記されております。安心してまちを回遊していただくには、歩きながらのスマホ操作やくわえたばこなど、他人を顧みないような迷惑行為が野放しであってはなりません。

 特に、ここ数年は、スマホの高性能化、そしてスマホを片手に移動しながら遊ぶゲームの大ヒットもあり、歩きながらのスマホ操作は、どこでも見かける、ごくありふれた行為になりつつあります。しかし、歩きスマホは時として重大な事故を引き起こし、そうでなくても、他人にとって実に迷惑な行為となる場合がございます。

 また、かつての迷惑行為の代表格であった歩きたばこですが、平成十六年に制定されました中央区歩きたばこ及びポイ捨てをなくす条例の効果も大きく、以前ほどは見る機会も減りましたが、今なお路上喫煙者と遭遇することもございます。かつては交差点の路上に張られていた禁煙ステッカーや、あちこちに立てられていたマナー啓発看板が少なくなってしまったことも一因ではないかと考えておりますが、今後は、外国人観光客にもわかりやすいイラストとともに、歩きたばこの禁止を促すステッカーなどを再度掲示するべきではないかとも考えております。

 そこで、お尋ねいたします。

 他人の迷惑をまるで感知しないほどに集中する昨今のながらスマホは、重篤な事故が起きる前に、しかるべき対策を講じるべきと考えますが、区はどのようにお考えか、お聞かせください。また、条例の制定など、何かしらの対策を考えられているようであれば、その内容もお聞かせください。

 もう一つ、平成十六年に制定された中央区歩きたばこ及びポイ捨てをなくす条例に基づく各種の啓発活動やパトロールが効果的であり、路上喫煙者も大幅に減ったと思います。路上の喫煙マナーを現代風に見直し、改めて啓発を考える昨今、条例制定時から現在までの実績となるデータや、効果的であった成功事例などあれば、あわせてお聞かせください。

 そして、最後にもう一点質問させていただきます。

 子供の運動場所確保についてお尋ねいたします。

 かねてより運動する場所が少なく、また、そこでの運動内容も限定的であることが多い本区におきまして、発育盛りの子供の運動場所確保は大きな問題でございます。学校におきましては、児童の増加により施設の利用範囲が狭くなるケースや、校舎の建てかえなどにより校庭やプールの利用が制限されるなど、子供たちの運動量が不足し、健全な発育や健康な体づくりに悪影響を及ぼしかねません。ただでさえ、遊びの質が変化し、屋外で走り回る機会が減少する昨今、まずは運動スペースを確保し、子供たちが安心して走り回れる環境をつくること、そして、より積極的な運動参加につながるよう、指導者の登用など、対策を講じるべきかと考えます。

 そこで、お尋ねいたします。

 最も身近な運動場所の一つであります校庭開放ですが、子供の参加人数が減少傾向にある現在の内容について見直し、また、積極的な参加を促すよう検討するべきかと考えますが、いかがお考えか、お聞かせください。

 また、柏学園や江戸川河川敷グラウンドなど区内外の運動施設において、子供の優先時間を設けるなど、現有施設のさらなる有効活用を考えられないか、あわせて区の見解をお聞かせください。

 以上をもちまして、私の第一回の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 塚田秀伸議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、今後必要となる公共施設の整備についてであります。

 本区の人口は、本年一月に十五万人を超え、今後も月島地域を中心に増加傾向が続くことから、施設需要も増していくものと認識しております。中規模または大規模公共施設の整備は、敷地の確保とともに大きな財政負担が生じることから、区による新規整備だけでなく、都や関係機関との連携や民間の力を活用した整備など、さまざまな段階であらゆる手法を検討するとともに、タイムシェアなど既存施設の有効活用や地域のニーズに合わせた転用など、資源を最大限に活用しながら進めていく必要があるものと考えております。また、月島地域につきましては、特に選手村においては、大会後、一万二千人もの人口増が見込まれていることから、さまざまな公共・公益施設の整備は喫緊の課題であると認識しております。これまでも、まちづくり基本条例に基づき、保育施設や高齢者施設など、再開発事業の中で整備するよう取り組んできたところであります。また、都に対しては、大会後の魅力あるまちづくりの実現に向けて、水素ステーションやマルチモビリティステーションなど、都有地を活用したさらなる施設整備について、引き続き働きかけてまいります。区では、大会後の児童・生徒の増加にも適切に対応するため、晴海五丁目の都有地を活用し、小・中学校の整備に取り組んでいるところであります。また、地域に不可欠な特別出張所の派出所や保健センターなどの公共施設につきましては、晴海地区だけでなく、月島地域全体の人口増も見定めながら、継続的に検討を進めております。本区といたしましては、今後とも、住み、働き、集う全ての人々が幸せを実感でき、にぎわいと活気に満ちあふれたまちづくりを目指し、公共施設の適切な配置・整備を推進してまいります。

 次に、地下鉄新線についてであります。

 区では、平成二十六年度から実施した都心部と臨海部を結ぶ地下鉄新線の整備に向けた検討調査において、月島地域の交通需要予測のほか、BRTのルートや地下鉄の導入空間などを考慮し、銀座など都心部から月島地域など臨海部へつながる晴海通りを通るルート及び晴海通りと環状第二号線との間を通るルートの二路線や駅構造等について検討を行いました。その後、本区で検討した地下鉄新線と常磐新線延伸との一体整備が国の交通政策審議会答申に位置づけられたため、国や都に早期実現に向けた要望書を提出したところであり、さらに早期着工・早期開通に向けた要望書を改めて都へ提出してまいります。地下鉄新線の整備に当たっては、関係自治体や鉄道事業者等とともに、具体化に向け、事業スキーム等を検討する場が必要であることから、都が主体となった検討組織の設置を強く働きかけるとともに、こうした場合において、地域全体の交通環境がさらに充実・発展するよう、地元区として積極的に発言してまいります。

 次に、日本橋川上空の首都高の地下化についてであります。

 本年七月二十一日に国土交通大臣及び東京都知事から同時に発表された首都高の地下化に向けた取り組みは、長年の悲願に向けて、具体的な大きな一歩を踏み出したものであり、区としても大変喜ばしく思っております。現在、日本橋川沿いでは、五地区の再開発準備組合により、まちづくりの検討が日々進められております。本区としましては、各地区の準備組合が立案する事業計画等と首都高の地下化の取り組みとの整合性が図られるよう、国及び都と緊密に連携し、本取り組みが着実に進むよう努めてまいります。そのためにも、これまで以上に地元と密接な関係を築き、検討活動を支援し、地元の合意形成に対して責任を持って全力で取り組んでまいります。また、今後、再開発事業が円滑に推進するよう、施設計画及び事業計画に及ぼす影響や目標スケジュールなど、まちづくりを進めていく上での課題等について国及び都と速やかに共有し、その課題の解決方策等の検討について積極的な働きかけを行っていくとともに、区としてできる支援方策についても検討してまいります。

 次に、健康寿命の延伸についてであります。

 高齢者の交流サロン、通いの場につきましては、四月の六カ所から事業をスタートし、現在、区内十二カ所で多彩な取り組みが展開されております。八月の延べ参加者数は四百名を超え、うち約百名がスタッフとして活躍され、参加者、スタッフともに増加を続けております。担い手の多くは民生・児童委員など区民の方々ですが、地域貢献として、民間事業者による通いの場も開設され、それぞれの工夫により、体操や歌だけでなく、季節のイベントなど、さまざまな活動が行われております。八月に開催した第一回地域支えあいづくり協議体においては、ひとり暮らしや孤立しがちな高齢者、特に通いの場への参加が少ない男性に働きかけていくことが必要であるとの課題が挙げられました。また、新たな通いの場の担い手をいかに発掘し、立ち上げに結びつけていくかが話し合われたところであります。今後とも、地域包括ケアシステムの実現を目指し、男性に焦点を当てたプログラムの工夫や、担い手養成講座の開催などによる通いの場のさらなる拡充を図り、地域の支え合いによる介護予防や健康づくりの取り組みを着実に推進してまいります。

 次に、歩きスマホについてであります。

 歩きスマホは、画面に集中することで極端に視野が狭くなり、周囲の危険を発見することがおくれるため、他の歩行者や自転車等との接触、衝突の危険性が高まる行為であり、近年では、歩きスマホに起因する事故、事件やトラブルが増加し、社会問題になっております。そのため、鉄道事業者はもとより、携帯電話各社においても、歩きスマホの抑制に向けた取り組みが行われております。条例による規制につきましては、慎重な対応が必要であると考えており、区といたしましては、区民の安全・安心を図るため、広報紙やホームページへの掲載など、一層の普及啓発を図るとともに、今後、区内警察署等の関係機関と連携し、交通安全運動や各種キャンペーンなど、さまざまな機会を通じて歩きスマホの防止と歩行ルール、マナーの向上に努めてまいります。

 次に、歩きたばこ及びポイ捨ての取り組みについてであります。

 区では、これまで町会や事業者等と連携した街頭キャンペーンや英語、中国語、韓国語による多国語併記の路面シートの貼付、立て看板の設置を初めとする各種PR活動を実施するとともに、ポイ捨て等の多い交差点、駅周辺を重点的に巡回指導するなど、まちの美化活動を推進してまいりました。その結果、主要交差点六地点における吸い殻の数は、条例施行前の一日二千七百三十三本に対して、平成二十八年度の調査では百三本と減少しております。さらに、歩きたばこ、路上喫煙を防止するため、中央区まちづくり基本条例に基づき、開発事業者に喫煙所の整備を要請し、現在、二十六事業で協議が整い、七カ所に設置されており、地域の環境改善に寄与しているものと認識しております。今後も、地域等と連携したキャンペーンや適切なパトロールなど、これまでの取り組みを積極的かつ粘り強く続けるとともに、区民や事業者等と連携したクリーン活動などを推進し、快適で美しいまち中央区の実現を図ってまいる所存であります。

 次に、子供の運動場所の確保についてであります。

 子供が運動やスポーツをする場の確保は、大変重要な課題と認識しております。そのため、区では、晴海臨海公園に少年野球場を設置するとともに、少年少女スポーツ団体のために、学校の校庭や体育館を土曜日に開放しております。また、親子や子供同士で気軽に運動ができるよう、月島運動場の遊び場開放を、昨年九月より、月二回から毎週一回に拡大したところであります。区外運動施設につきましては、広々とした環境で伸び伸びと運動できる貴重な場でありますので、より一層の周知に努め、活用を図ってまいります。今後とも、区立施設や学校、公園、遊歩道などの公共空間を運動やスポーツのために有効に活用できるよう、さまざまな工夫をしてまいりたいと存じます。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 島田勝敏君登壇〕

○教育長(島田勝敏君)
 教育問題についてお答えします。

 校庭開放についてであります。

 子供たちの健やかな体を育むことは、生涯にわたり健康を保ち、生き生きと生活していくための源であることから、学校教育全体を通して体力づくりの充実に努めております。また、PTAの協力を得て、校庭を安全な遊び場として開放し、成長期の幼児・児童が自由に動き回り、体力を増進したり、社会性を身につけたりする機会を提供しています。多い学校では、一回当たり五十人を超える子供たちに利用されていますが、十分に活用されていない学校もあると認識しております。そこで、今年度より、月島第一小学校の校庭開放時に、月一回程度、地域スポーツクラブ・大江戸月島との協働事業として、スポーツ指導者による子供が気軽に楽しく参加できるテニスやフットサル、キャッチボール、水鉄砲遊びなどを実施しております。保護者の方からは、指導者がいることで安心して参加させることができる、スポーツの基本を身につけられる、子供と一緒に体を動かすきっかけになったなどの声が寄せられたところです。今後も、地域で活動する団体との連携などにより、子供たちに遊びや運動の楽しさを伝えていくことで学校施設を積極的に活用してもらえるような取り組みを工夫してまいります。

 答弁は以上です。

〔五番 塚田秀伸議員登壇〕

○五番(塚田秀伸議員)
 それぞれに御答弁ありがとうございました。

 まず、再開発につきましてですが、基本構想第二章の二の三の表題に、「誰もがあこがれ、住みたい・働きたい都心の実現」という表題がございます。今回の質問の幾つかは、これら基本構想の趣旨に沿ってお尋ねしております。これらは、区民の皆様の期待をあらわした内容であるとともに、どのタイミングで、どのような施設が必要であるか、そういったことをぜひとも見きわめていただいて、需要にマッチした計画を、今後も萎縮することなく進めていただくようにお願いいたします。

 そして、交通インフラにつきましてですが、もう既に計画案として中央区からも何度かにわたり提案されていると聞いておりますが、銀座線となりますと、地下鉄の第一号、アジアで一番最初ということで、この開通が一九二七年、ことしでちょうど九十年となるわけでございます。そして、何度か延伸であるとか、路線の変更等ありましたが、基本レイアウトは当時のまま、そして駅構内の意匠などにおきましても、これは往時をしのばせる、そして何も変わっていないものが多いわけでございます。そして、日本橋川上空の首都高速道路においても、建造後、もう五十年以上が経過する。そういう意味では、どちらにおきましても、耐用年数は半世紀以上に及ぶ。そういう意味では、一度完成してしまうと、簡単な修正であるとか調整というのはなかなか難しいわけでございます。

 つきましては、やはり実用面、機能面でももちろんなんですが、地元からの御意見を反映した、あらゆる想定、例えば観光地化した場合、どうであるとか、美観であるとか、将来性も鑑みて、本区からの積極的な意見提案を今後も続けていただきたいという思いでございます。そういう形で、どうぞよろしくお願いいたします。

 そして、高齢者の健康寿命、そして介護予防ということですけれども、施設に入らず、もしくは短い入所期間だけで、できれば、また家の近くで家族にみとられながら天寿を全うしたいと思われるのは、皆様の共通の願いかと思います。それには、まず健康寿命を延ばす、これが一番近道なのかなという思いでございます。そして、これに向けましては、なるべく早い時期から対策が必要となる。介護予防とともに、地域包括ケアシステムなどの仕組みを理解して、趣味や地域活動などを絡め、積極的に参加していただける、また、長期間続けられるような対策を講じることが重要かと考えております。二○二五年に団塊世代の方の多くが後期高齢者になられる。これに向けて、まだ八年ございますので、早い段階で、そういった皆さんに健康寿命の延伸を促すような対策をどうぞ進めていただきたいと思います。

 そして、もう一つ、ながらスマホの問題でございます。

 これも、公共マナーやエチケットに期待する段階は、もう終わってしまいました。先ほど区長の御答弁でもありましたが、一定の抑止につながるような条例をつくりますということでありますので、これをぜひとも今後期待していきたいと思います。

 そして、歩きたばこの抑止においても、かなり改善されたということもありますので、ぜひともながらスマホの対策においても、それをつなげていただくという思いでございます。

 それと、最後、五輪選手村の建築に当たって、本区のスポーツ施設が大変減少するという少し皮肉な流れの中で、大人についてのスポーツ施設もそうですが、やはり発達する小学生の子供たちにおいては、スポーツする場がないというのは大変な問題かと思います。そういう中で、なかなか新しいスペースもないわけでございますが、先ほど答弁でもいただきましたけれども、校庭開放をもう少し見直して、例えば利用時間であるとか、あるいは専門の講師を招くであるとか、そういったことの対策というのは本当に大切かと思いますので、今後もどうぞ続けていただければと思います。

 そして、一点だけ再質問させていただきたいのですが、先ほど通いの場において、今後、男性をふやしていきたいと。これまでに男性の参加者が少ないということだと思うのですが、その理由といいますか、背景、そして今後、どのような手段といいますか、対策で男性の参加を促していくのか、それについて一点だけお答えください。

〔高齢者施策推進室長 古田島幹雄君登壇〕

○高齢者施策推進室長(古田島幹雄君)
 通いの場についての質問をいただきました。

 通いの場について、なぜ男性が少ないか、実態を申し上げますと、全体の参加者につきましては、八月に四百名程度いらっしゃいましたけれども、その中で、男性は一割未満でございます。

 男性になかなか出てきていただけない理由でございますが、女性については、高齢者になる前から地域とのかかわり、学校ですとか、あるいは地域の関係で、いろいろと交流も多いわけですけれども、やはり男性については、仕事、会社などに行っていらっしゃるということで地域とのかかわりが少ない方もおり、高齢になってから地域にデビューしていただくということで、なかなかこういったところにも通っていただけないのではないかというふうに思っているところでございます。

 今後の対策でございますけれども、やはり女性が多いところへ男性に来ていただくというのはなかなか難しいのかなというふうに思ってございまして、男性専科といいますか、何か男性に絞った形の通いの場というようなものができないかなと。そのあたりについては、まずは男性に絞った形の講座みたいなものを開く中で、できればグループをつくっていただいて、通いの場のようなことを始めていただければなというふうに思っているところでございます。

 今後とも、さまざまな形で通いの場を拡充していき、区内全域にさらに広げてまいりたいというふうに思ってございます。

 以上でございます。

〔五番 塚田秀伸議員登壇〕

○五番(塚田秀伸議員)
 御答弁ありがとうございました。

 私も男ですので、非常に気持ちがわかる御答弁だったと思います。やはりリタイアされた方が改めて地域の社会に飛び込んでいくというのが難しいのは何となくわかるので、ぜひとも、通いの場というのは大変期待される事業ですので、今後も数をふやしていただいて、何よりお年寄りが歩いて行くことができる距離にあるというところが肝だと思いますので、長く続けられる楽しいカリキュラムであるとか、そういったことの追求とともに、ぜひとも男性も楽しく来られるというような場にしていただければという思いでございます。どうぞよろしくお願いします。

 それと、先ほど迷惑行為の中で条例の制定という話をさせていただきましたけれども、私の聞き間違いでございました。ぜひとも、今後は条例を作成していただき、歩きスマホあるいはながらスマホの迷惑行為を抑止、抑制していくという形で、どうぞ進めていただければという思いでございます。失礼いたしました。

 最後に、基本構想にございます本区の将来像には、「輝く未来へ橋をかける ―― 人が集まる粋なまち」という文言がございます。基本構想の策定を進める審議会では、こんなお言葉がございました。粋とは、他人への思いやりであり、他人が不愉快に思わないことである、したがって、粋なまちとは、人を受け入れる雰囲気がある思いやりのまちであると。先進的なスマートシティの実現など、最先端の都市モデルを標榜する一方で、思いやりのあるまちであること、これこそ歴史に培われた中央区スタイルのあり方ではないかと考えます。

 再開発事業におきましては、全ての方への思いやりを忘れずに取り組んでいただけるよう要望して、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)

○議長(礒野 忠議員)
 次に、十二番富永一議員。

〔十二番 富永 一議員登壇〕

○十二番(富永 一議員)
 中央区議会自由民主党、富永一でございます。さきに提出いたしました質問通告に沿いまして質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。なお、答弁によりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 さて、猛暑と言われた夏もすっかり秋の気配となりました。はっきりとした四季、そして季節の移り変わりの美しさも、日本が世界に誇る宝ではありますが、日本を取り巻く気候帯も大きく変わってきています。身近なところでは、熱帯地方の植物が育つようになり、海では魚の旬がずれたり、旬がなくなったり、今、テレビでもサンマがとれないとやっておりますが、これも気候帯の変化が大きく影響しているものと考えられます。

 かつて、拝聴した講演の中に、地球が誕生してから現在までを三百六十五日のカレンダーに置きかえると、人類が誕生してから三時間、人間の一生を八十五歳とすると、わずか二十七秒にすぎない。その三百六十五日の中で、地球は熱くなったり冷たくなったりしているのですという一説がありました。三百六十五日の中のたった二十七秒なのかと、強烈に印象に残っているお話でございました。

 その三百六十五日の中のたった二十七秒の人生の中で、多くを学び、喜び、悲しみ、怒り、後悔し、さまざまな経験をします。地球の中で暮らす環境が変われば、暮らしやすい場を求めて、動植物は移動していき、または姿を変えていきます。その中で、唯一人間が火を使うことを覚え、自分たちに合わない環境の中でも生活するすべを見出してまいりました。

 地球の温暖化が叫ばれる中、異常気象による大雨やゲリラ豪雨と呼ばれる突発的な気象の変化と、近代類を見ない状況が我々の生活を取り巻く中、北朝鮮の軍事力による世界への挑発行為など、自然的、人為的な危険に脅かされることが日常の中に入り込んできています。今までにも増して、区民の皆さんの安全を守ることを第一に考えなくてはなりません。

 本区は、今、築地市場の移転や東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会の開催など、連日のテレビ報道等でもわかるとおり、全国的に大変大きな注目を集めています。その中で、この二つの国民の大きな関心事の真っただ中にいるのが、私たちの中央区でございます。市場の移転スケジュールに合わせて進めてきた本区の取り組みも全て歯車が狂い、それらは、関係者を初め、行政にも大きく影響してしまっています。市場の移転にあわせて進めるはずだったインフラ整備も、予定が狂ってきてしまっています。今後ふえる数万人の新たな区民を迎え入れるためにも、しっかりと行政運営をしていかなくてはなりません。

 議員になって六年がたちましたが、まちの中を歩いていると、その町並みが大きく変わってきていることが実感できます。中央通り沿いには高さ百八十メートル以上の高層ビルが並び、晴海地区では高層マンションが並び、商業と住居が同時進行で成長しているさまが見てとれます。インバウンドで海外からのお客さんもふえ、まち歩きツアーや舟運企画、そして朝の出勤前にセミナーや異業種交流会を開き、地域のことなどを勉強する、いわゆる朝活など、さまざまな活動が活発になされ、中央区の持つ魅力を配信しています。大変喜ばしいことです。

 子供たちの姿もふえ、ランドセルを背負って登校する姿、下校する姿を見たり、また、学校の近くを通れば、校庭から漏れ聞こえてくる声を聞くと、大変ほほ笑ましく思えます。都会で育つ子供たちが思いやりを持って活発に育っていくことを願いつつ、地域社会が子供たちを見守り、どのように育てていくのが望ましいのか、思いは尽きません。本区の持つすばらしい文化や伝統を体験しながら、中央区民であるという誇りを持って、将来の中央区を背負って立つ大人になってほしいものでございます。

 さて、九月十五日の朝、起床してテレビをつけたら、何か物々しい絵が映し出されていました。すぐにJアラートに関するものだとわかりましたが、それは、ここ最近の、たび重なる北朝鮮のミサイル発射実験に関する検証をしているのだと思いました。しかし、何か様子がおかしいので、テレビ画面を注視していると、数分前に、また北朝鮮がミサイルを発射し、それを受けてのJアラートだったことがわかりました。ミサイルは、北海道上空を通過し、襟裳岬の東、約二千キロの海上に着水しました。爆弾を積まない空のミサイルとはいえ、万一本土に落下したり、着水点に船でもいたら、大変なことになります。即戦争にもなりかねません。

 さて、このJアラートは、全国瞬時警報システムの通称で、通信衛星と区市町村の防災行政無線や有線放送を利用し、緊急情報を住民に瞬時に伝達するシステムです。総務省消防庁が二○○四年から開発・整備を進めており、実証実験を経て、二○○七年より一部の地方公共団体で運用が開始されております。本区では、二○一一年七月より運用されています。しかし、今回のミサイル発射に関しましては、飛行経路が北海道であったため、本区ではJアラートが鳴りませんでした。

 さきにも述べましたが、このJアラートは、瞬時に緊急情報を伝達をするシステムです。本区においてJアラートが鳴ったとき、これは第一報にすぎず、そこから先は、地域別避難場所の開設、インフラ対策など、本区独自の情報を的確に区民に伝達していかなくてはなりません。本区のホームページでも、Jアラートや弾道ミサイルについてのページもありますが、情報内容は「外部サイトへリンク」が多いように感じます。ここはどうか本区独自の区民の安全のための取り組みをしっかりと伝えて、また、しっかりと危険に備えることが必要です。昼間人口の多い本区において、ミサイルの脅威、また、大地震に見舞われたとき、頑丈な建物内に避難するとか、地下に避難するとかで人々がそれらに殺到するようなことがあれば、大きな混乱を招き、またはそれらが災害へと発展してしまうことも考えられます。中央区としては、防災・減災の面から、しっかりとした地域に合った確かな情報を素早く配信していかなければならないと考えます。

 ここで質問です。

 SNSやラジオを初め、さまざまな情報伝達手段がある中、区民の安全を守るために、本区としては、今後、リスク管理をどのようにしていくのか、考えをお聞かせください。

 本区が抱える課題としましては、保育園における待機児童、高齢者施設になかなか入所できない待機高齢者の問題があります。必要とされている福祉施設の整備としては、銀座一丁目の水谷橋公園に、平成三十一年度の開設に向けた約八十名規模の保育所、それから日本橋三丁目の中央警察署跡地には、平成三十二年度の開設に向けて、保育園の準備が進んでいるところであります。

 保育における待機児童問題は、多くの自治体が抱えている課題であり、それぞれの自治体が待機児童の解消に向けて努力をしておりますが、なかなか解消されず、大勢の方々が入園を待っている状況です。実際、働くために子供を何とか保育園に入れたいという声を多く聞きます。会社勤めの親御さんの話だけではなく、飲食店などの事業を営んでいる親御さんからの声も聞きます。小さなお子さんのいらっしゃる家庭では、切実な問題となっております。また、お子さんを御自身で育てていらっしゃる親御さんたちからも、子育てに関する悩みや要望を耳にすることがございます。そのような子育てに関する悩みを、しっかりとサポートしていかなくてはなりません。保育という部分での子育ては、ハードでは福祉の所管ですが、ソフトの部分で、例えば区民サービスとして保育を何かサポートできないものでしょうか。

 また、高齢者においては、施設への入所を希望しても、すぐに入所できない待機高齢者の問題があります。待機高齢者の数につきましては、実は、待機児童数よりも多い現状があります。本区では、特別養護老人ホームのベッド数三百二十九床に対し、約二百五十名が入所待ちをしている状況です。おおむね半年程度の待ち期間が生じています。高齢者施設は、全国レベルでは空きがありますが、都心部では入所希望者が多く、待機が発生しております。保育園と同じく、ニーズに沿うように施設を整備しようにも、用地の確保も容易でない本区ですが、管外に施設を整備することによって入所しやすい環境をつくっていくことも、課題の解決に向けて大切ではないでしょうか。管外のあきのある施設を紹介しても、御家族にとっては近いところの施設がよく、遠方ではちょっとというようなことをおっしゃる方々も多くおられます。今後の高齢者施設のニーズと対応策については、どのようにお考えでしょうか。

 さほど距離が離れてなく、交通の便がよく、海があったり、山があったり、また湖があったりと、心の休まる場所にゲストルームを備えた高齢者施設を整備し、入所者の御家族が週末などに泊まりがけで施設を訪ね、御家族とのひとときを過ごしたり、自然を楽しんだりできるようになれば、待機高齢者の課題の改善にも大きな成果を生むと思いますが、いかがでしょうか。かなり大きなハードルもあり、実現は難しいかもしれませんが、ハードルを越えることは、大切かつ必要だと考えます。

 例えばですが、どこかのゴルフ場を買い取って、クラブハウスを改修し、本区の保養施設や高齢者施設を兼ねた複合施設にするのです。入所されている方々は、早朝と夕方にゴルフコース内を散歩したり、また、カートでコース内を散策したり、施設の浴場とは別に、大浴場を御家族とともに利用したり。ゴルフ場であれば、二十万坪とか三十万坪の敷地があるので、アイデア次第では、使い方の可能性が広がっていくと思います。スポーツとレジャーと福祉の複合となるわけです。週末には御家族で入所者を訪ねて、丸一日使って家族でコミュニケーションをとることができます。まことに夢物語的なアイデアですが、実現したら、すばらしいのではないかと思います。これはもう二十年近く前の話なんですけれども、民間で高齢者施設とゴルフ場を複合させたプロジェクトがあり、視察などに同行させてもらったことがあります。かなり斬新なアイデアとは思いますが、決して実現不可能なことではないと思います。ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。

 そこで、質問です。

 待機児童対策として、区民サービスとしての保育へのサポート、待機児童よりも多い待機高齢者の課題の解決に向けたお考えをお聞かせください。

 本区では、いっとき、区民の減少とともに、子供たちの数も激減いたしました。学びやである学校も、それにあわせて統廃合がなされました。そのような状況の中で、現在では十六校の小学校があり、今後、晴海地区にも、オリンピック・パラリンピックの後には新たな小学校の建設が一校予定されております。今後、さらにふえていく子供たちの教育の場をしっかりと守っていくために、耐用年数内である学校も含めて、既存の学校の増築・改築をしながら、人口の回復とともにふえている子供たちに対応しています。

 その中で、城東小学校、常盤小学校、阪本小学校、泰明小学校は特認校として指定し、通学区域外からの通学を認めています。中でも、子供たちがふえている月島地域から比較的距離の離れている城東小学校、常盤小学校、阪本小学校に通う児童には、月島、勝どき、晴海、佃の四カ所からスクールバスを運行しています。そのスクールバスですが、今年度では二百四十四名の児童が利用の申請をし、利用しているところです。登校時には七台、下校時には二度に分けてそれぞれ六台ずつが運行されています。

 城東小、常盤小、阪本小では、現在、約四百五十名の児童が学んでおります。阪本小は、現在、建てかえ工事が始まっています。城東小学校も、間もなく建てかえ工事が始まります。阪本小学校横の、国から土地を借りている坂本町公園内に仮校舎を建設し、そこへまず、この二学期から阪本小と城東小が引っ越しをしました。阪本小学校が完成すると、今度は阪本小と城東小が仮校舎から阪本小の新校舎に引っ越しです。そして、城東小が完成したら、阪本小から城東小が新校舎へと引っ越しします。

 全てにおいて大変な作業ですが、今後もふえる子供たちへの対応のためです。両校が完成の暁には、各学年二クラスずつ、全校で四百六十名対応の小学校になります。常盤小についても、各学年二クラスに向けて準備がなされております。将来的には、三校合わせて一千三百八十名の児童が学ぶことになります。現在は約四百五十名なので、約三倍近くにふえるわけです。当然、スクールバスの利用者もふえるということは容易に想像できるわけですが、ただ、スクールバスをふやせばいいということではないと考えます。単純に考えただけでも、用意しなければならないバスの数は三倍以上、そうなれば、乗降場所の確保、乗降に要する時間の調整など、考えなくてはならない課題も山積していくと思います。

 そこで、質問です。

 今後もふえる特認校の児童に対し、しっかりと子供の安全を確保しながら、通学手段をどのようにしていくのか、考えをお聞かせください。

 先日、東京オリンピック・パラリンピック対策特別委員会の視察で長野市を訪ねてまいりました。一校一国運動の取り組みを視察するために、市内の小学校に向かったときのことです。校門の前に着いたら、遊んでいた子供たちが六、七人駆け寄ってきました。「こんにちは。どこから来たんですか」、とても人懐こく、わんぱくそうな元気な子供たちに囲まれ、話をしていると、「ほら」と手のひらに乗せた大きなクワガタを見せてくれました。校舎内に入り、校長先生に案内されながら廊下を歩いていくと、先ほどの子供たちがついてきて、手をつないで校舎内を先導してくれました。説明会場にて一校一国運動の取り組みを先生から聞いた後には、子供たちによる報告会がありました。きらきらと輝く子供たちの表情がとても印象に残っています。

 本区においては、残念ながら、子供たちが土や緑に触れて遊べる環境が非常に少ないです。都心区として仕方ないところではございますが、とても残念なことです。何とか子供たちに土や緑にもっと多く触れさせてあげたい、この思いはいつも胸の中にあります。檜原村には、中央区の森があります。区民の憩いの森として、もっと活用できないでしょうか。

 現在、中央区の森は、地球温暖化防止への理解を区民から得るために、事業が継続されています。森の整備のために訪れる団体や企業のツアーには、補助金が出されています。また、本区では、一般区民に対してはツアーも企画していますが、区民が個人的に中央区の森に行ってくれるようにしていくことがとても大切なことだと思います。先ほど長野市の子供たちがクワガタを持って遊んでいたことをお話ししましたけれども、この中央区でも、中央区の森に行けば自然に触れられるということで、もっともっと活用しなければ、本区が中央区の森を持っている意味がないと考えます。

 それにはまず、中央区の森へ行きやすい環境の整備が必要です。マイカーをとめる駐車場、トイレ、水場のある管理棟をつくるのはいかがでしょうか。中央区の森の少し先には都民の森があります。こちらは、普通車百台、大型バス五台の駐車場があります。さすがに、そこまでのものは求めませんが、せめて普通車十台程度の駐車場を整備して、今度の日曜日は中央区の森に行ってみようかなんて会話が家庭内でなされるようになったら、すばらしいと思います。お弁当を持ってハイキングして、昆虫採集したり、泥んこになっても、しっかりと手を洗える施設もあれば、そこで区民が持つ中央区の森への意識がぐっと近づいていくと思います。ツアーで中央区の森を訪れる際には、バスの中で地球温暖化防止に向けた森林の大切さの勉強会を行うこともいいと思います。

 中央区の森環境ふれあい村構想の中に、間伐材利用促進が盛り込まれていますが、公園のベンチですとか、それから環境推進課の行事の中で多少使われている程度に感じます。また、豊海小学校の図書館などにも使われていますが、区民へのアピールとしては弱い気がしますが、いかがでしょうか。オリンピック・パラリンピック選手村跡地への公園整備の際に、中央区の森の間伐材を使ったフィールドアスレチックコーナーを設けるとか、もっと大々的に中央区の森をアピールしていかなくてはならないと思います。

 そこで、質問です。

 区民の方々が気軽に中央区の森に行きやすくするために、駐車場、管理棟の整備に関すること、区民へのさらなる周知、また、現在は環境推進課の所管となっており、意義としては、地球温暖化防止について区民の理解を広く得るためとなっておりますが、例えばハイキング目的で行くのであればスポーツ課、バーベキュー目的で行くのであれば水とみどりの課、子供たちの自然学習目的で行くのであれば教育委員会というふうに、多方面からサポートすれば、もっと多くの区民の方々に親しみを持っていただけるようになるのではないでしょうか。間伐材のさらなる利用を含めまして、考えをお聞かせください。

 これで一回目の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 富永一議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、武力攻撃事態等における情報伝達についてであります。

 弾道ミサイル攻撃など武力攻撃事態等においては、区民の方に必要な情報を迅速かつ的確に提供し、適切な行動を促すことが重要であります。区では、本区国民保護計画に基づき、弾道ミサイルなど、対処に時間的余裕のない事態においては、Jアラートの自動起動により、防災行政無線や緊急告知ラジオで特別なサイレンやメッセージを流すほか、通信事業者による緊急速報メールにより、瞬時に緊急情報を提供することとしております。また、事態によっては、警報や避難指示なども想定されることから、国や都、警察、消防等から正確な情報を収集し、区ホームページ、安全・安心メール、ツイッターなどを用いて広く区民に情報を周知してまいります。今後とも、緊急時に区民が落ち着いて行動できるよう、国や都と協力しながら、適切な情報を発信し、区民の安全・安心に向け、万全を期してまいります。

 次に、子育て家庭に対する支援についてであります。

 区では、保育所を待機している方を含めて、全ての子育て家庭に対し、あかちゃん天国や乳幼児クラブなど、親子の触れ合いや交流の場の提供を行うとともに、本年十月に十思スクエアに一時預かり保育室を新たに開設するなど、子育て支援サービスの拡充を図っております。本区における子育て世代は今後も増加していくことから、これらのサービスの充実とあわせて、育児に対する不安や負担を感じている保護者に寄り添った支援が必要であると認識しております。そのため、区では、子ども家庭支援センターと保健所・保健センターにおいて、子育て相談や新生児等訪問指導、産後ケア事業など、各事業の連携を図りながら、きめ細やかなサポートを行っているところであります。今後とも、母子保健コーディネーターの活用を進めるなど、個々の御家庭の実情に応じた適切なサービスが利用できるよう、妊娠期から子育て期における切れ目のない支援体制のさらなる強化に努めてまいります。

 次に、高齢者施設の整備についてであります。

 区内の特別養護老人ホームにつきましては、平成二十五年度以降、合計八十四床の増床を図ったことにより、必要性が高い方については、長期間待機することなく入所できる状況となっております。また、区外の特別養護老人ホームを御案内しても、ほとんどの方が遠方にある施設を敬遠し、区内の施設に入所することを希望しており、さらに、在宅での介護を支えるサービスの充実により、入所申込者にお声がけしても、在宅介護の継続を選択されるケースも増加しているところであります。しかしながら、高齢者人口の増加に伴い、今後も、在宅生活が困難となった場合のセーフティネットとして、特別養護老人ホームなど施設サービスのニーズは高まるものと考えております。このため、現在、桜川敬老館等複合施設の建てかえにあわせて、地域密着型特別養護老人ホームの整備を進めているところであります。今後も、引き続き在宅サービスの一層の充実を図るとともに、施設サービスと在宅サービスの供給バランスを考慮しながら、民間活力を含めたさまざまな手法により、区内での施設サービスの着実な整備に取り組んでまいります。

 次に、中央区の森についてであります。

 中央区の森は、行政の区域にとらわれない広域的な視点に立ち、地球温暖化防止に寄与する二十三区で初めての森林保全支援事業であります。区では、これまで、区民の方々に本事業の理解や協力が得られるよう、間伐や植樹作業等を体験する中央区の森体験ツアーを実施しております。ツアーは、大型バスで移動し、檜原村や地元NPO団体の協力のもと、公衆トイレのほか、足洗い場、駐車スペースを利用させていただいております。こうした施設は一般の方も利用できますが、本事業の趣旨から、森までの移動については、公共交通機関の利用をお願いしているところであります。

 次に、区民への事業の周知については、これまで、区広報紙、ホームページのほか、環境イベント、環境情報センターにおける中央区の森紹介展などを通じ、事業の周知に努めております。今後も、一層の事業の普及啓発を図るため、これまでの取り組みに加え、SNSなどの媒体を活用するなど、周知方法について検討を進めてまいります。また、中央区の森体験ツアーでは、間伐や植樹など森林保全活動の体験のほか、都民の森散策、川遊び等による自然体験、学習などを行程に入れております。今後も、区関係部署等を構成員とする中央区の森環境ふれあい村推進協議会を活用し、多くの区民の方が森に親しんでもらえるよう、多様な体験ツアーの充実に努めてまいります。なお、間伐材については、街路樹の支柱や公園のベンチのほか、環境情報センターの内装材、豊海小学校の本棚などに有効活用しております。今後についても、大規模な区施設の整備があることから、可能な限り活用を図るとともに、中央区の森間伐材の使用がアピールできる表示についても工夫してまいります。

 私から答弁は以上であります。

〔教育長 島田勝敏君登壇〕

○教育長(島田勝敏君)
 教育問題についてお答えします。

 特認校における通学手段についてであります。

 平成二十一年四月から、特認校制度の実施にあわせ運行したスクールバスは、利用児童数が年々増加しております。今後も引き続きふえていくことが見込まれることから、台数増に伴う停車スペースの確保、限られた時間内での運行や配車計画など、さまざまな問題も生じてくるものと認識しております。こうした課題に適切に対処していく上で、保護者の理解、協力が欠かせないことから、PTA、学校長、教育委員会による協議の場を設け、現状における問題点も含め、現在、意見交換を重ねているところです。教育委員会といたしましては、引き続き保護者の学校選択の要望に応えられるよう、特認校における特色ある教育活動の推進を図りながら、スクールバスのあり方について検討し、安全で通いやすい通学環境の整備に努めてまいります。

 答弁は以上です。

〔十二番 富永 一議員登壇〕

○十二番(富永 一議員)
 さまざまに御答弁ありがとうございました。

 まず、Jアラートのことなんですけれども、やはり物すごく大切なことは、伝達する内容ですよね。もしこういうことがあったら、皆さん、こういうふうにしてください、こういうことがあったら、こういうふうにしてくださいというようなことを、今、毎日のように北朝鮮の報道もテレビでなされていますし、また、各地、世界を含めて、地震が起こったり、それから大雨による洪水、川が氾濫して多くの方が被災されてしまったなどということも本当に連日目の当たりにしていますけれども、本区の特性において、頑丈な建物が非常に多い中で、実際、ミサイルというのは多分そんなには、難しいところなんですけれども、それに限らず、とにかく何かあったとき、こういうときにはこういうふうに区民の皆さんの安全を図ります、こういうことがあったらこういうふうにと、いろいろなことを想定しながら、それをふだんから区民の皆さんに何らかの形で周知しておいて、いざJアラートが発令されて、それに該当する事案のときには、皆さん、その中のこれでいきますよというようなことを、最初から区民一体となってリスク管理ということも考えていくことが必要ではないかと思います。

 何年か前の一般質問のときに、今、中央区内においてもデジタルサイネージ等々が盛んに使われているようになっているので、それと区が連動して、有事の際の安全確認のための情報伝達手段として使えないものでしょうかというような質問をさせていただきましたけれども、何かあれば電源の供給ということがやはり大きな問題になってきまして、そうなってくると、最初はまだ余り物を考えないで、イメージだけでデジタルサイネージなんていうことも質問させていただいたんですけれども、もしまちの中で電気の供給がなくなったときに、それでは、どういう手段でそういう危険に関する情報を伝達していくのか、また、SNS、スマホ等を使っていても、なかなかバッテリーの問題もある。今、何かあれば、すぐ、どんなことでもスマホを頼りにしている生活の中で、今度、それらの電源が落ちてしまって一切それが使えなくなったときの皆さんの気持ちの持ち方というか、パニックにならないかとか、そういうようなことも含めて、今後、より一層区民の安全のために何か対策をしっかりと考えていただきたいと思います。

 それから、保育に関するサポート、さまざまお答えいただき、ありがとうございました。非常に心強く感じるところではございます。

 今、多くの赤ちゃんをまちの中で見かけると、つい、かわいいですねとか、声をかけたくなるんですけれども、余り声かけしてしまうと不審者だなどと思われてしまったりするといけないので、遠慮するんですけれども、それだけ、中央区の中でも赤ちゃんがベビーカーに乗っかって、元気にお散歩とかお買い物をされている姿を多く見ますので、引き続きサポートをよろしくお願いします。

 高齢者施設に関しては、今、区長の答弁にもありましたけれども、やはりどうしても近くがいいというニーズがある中で、なかなか難しいのかなと思います。私の父親も在宅で寝たきり七年なんですけれども、何とか在宅でできておるんですけれども、在宅にせよ、それから施設に入所するにせよ、しっかりとしたサポート体制をこれからもぜひよろしくお願いいたします。

 中央区の森に関しては、皆さんにもっともっと中央区が持っている森を知ってもらう、そして、そこから先、親しんでもらうということが、やはりこれからは必要になっていくのではないかなと思う中で、個人的に気軽に行ける環境ですね。今、車をとめるとなったら、中央区の森の入り口の前にはバス停があって、その横にちょっととめてしまったりしなければいけない状況です。区長の答弁にありましたとおり、近隣の施設を借りているというようなお話もありましたけれども、一回目の質問でさせていただいたとおり、十台ぐらいの駐車場は整備していただいて、今度、夏休みの宿題の理科の自由研究で中央区の森へ行って昆虫でもとってこようかと、そのような会話が家庭の中でされるようになると、今、中央区の森の応援団の皆さんが大変一生懸命中央区の森に関してやっていらっしゃいますけれども、皆さんの中からも、もっともっと区民の皆さんに中央区の森を知ってもらいたい、もっともっと来てもらいたいという声を強く聞きますので、その辺を含めて、ぜひよろしくお願いいたします。

 それから、最後、バスの問題ですけれども、本当に大変な状況だなと。待ったなしで子供たちがふえていく中、それから、いよいよ学校の完成も間近に迫った中で、どうやったら子供たちの安全を確保しながら、きちんと時間どおりに子供たちを学校に送り、また、学校が終わった後、御家庭まで送り届けるかというのは、本当に大変な問題だと思います。

 これが中央区にとってできるかできないかというのは、また別の話になってくると思うんですけれども、よく海外では二階建てのスクールバスを走らせていたりしているというところもあるんですね。この間、海外で暮らす人から聞いたんですけれども、調べてみると、今、日本で走っている大型の二階建てバス、大人がゆったり八十人乗れると。大人がゆったり八十人乗れる長距離バスということは、椅子や何かもそれなりに広くとっているんでしょうから、それを、例えば子供たちの通学用に改装したら、もっともっとたくさん乗れると。本来であれば、四十人の子供が八十人になれば、バスが二台必要なところでも、二階建てバスをうまく使えば一台でいけるのではないかななんていうことも考えたりします。そのバスを区が買い取ってやるのかというと、またそれも難しい問題。では、今、協力してくれている交通事業者さんにそれをどこまでお願いできるのかというのも、また、いろいろな難しい問題があるとは思いますけれども、中央区の状況によって、これからまた多くの子供たちがふえ、また、オリンピックも来て、いろいろなところで注目を集めていく中で、さすが中央区だなと世間に言わせるような、しっかりとした形で、これから子供たちの安全を見守っていただけたらなと思います。

 今回、短い間でいろいろ質問させていただきました。どれもこれも難しいとは思いますけれども、なるべく前向きに検討していただいて、区民の皆さん一人一人、多くの方々がこの先も中央区で暮らし続けたい、また、中央区に来てよかったなと、また、商売をされている皆さんも、事業をされている方々も、やはり中央区でやってきてよかった、中央区を選んでよかったと思えるように、行政として、しっかりと区の運営をしていっていただきたいと思います。

 ありがとうございました。これにて終わります。(拍手)


○二十三番(鈴木久雄議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後四時十八分 休憩


     午後四時四十分 開議

○議長(礒野 忠議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十六番堀田弥生議員。

〔十六番 堀田弥生議員登壇〕

○十六番(堀田弥生議員)
 中央区議会公明党の堀田弥生でございます。私は、平成二十九年第三回中央区議会定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、通告書に従い、質問をさせていただきます。矢田区長並びに関係理事者の皆様におかれましては、どうか区民の立場に立たれ、わかりやすく建設的な御答弁をお願い申し上げます。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 まず初めに、スポーツの推進についてお伺いいたします。

 スポーツに親しみ、日ごろから何かしら運動を実践することは、人が健康的に生きていくために重要なことです。子供にとっては、心も体も柔軟なこの時期だからこそ、スポーツを通して学べることはとても多いと思います。また、高齢者の方にとっても、介護予防の意味がありますし、さらには認知症を予防する一つの方法として適度な運動が挙げられるなど、スポーツや運動は年齢に関係なく、幾つになっても実践していくことが大切です。

 本年三月、本区では、中央区スポーツ推進ビジョンを策定されました。これは、平成二十三年六月に制定されたスポーツ基本法の基本理念と、それに基づき国や東京都が定めたスポーツ推進の計画や方針を踏まえたものです。このビジョン策定においては、スポーツ推進に関するさまざまな課題を洗い出し、それに対する施策や取り組みを定め、より多くの区民が日常的にスポーツを楽しむことができる機会の充実、また、スポーツ活動を通じて地域コミュニティの活性化に寄与することを目指しています。そして、基本理念を、誰もがスポーツを楽しみ、人と地域が輝くまちと定めました。

 以上を踏まえ、スポーツ環境の整備について、区立スポーツ施設における利用方法について、最後に、子供のさらなるスポーツ推進について順次お尋ねいたします。

 まず、スポーツ環境の整備についてでございます。

 本区は、東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会の選手村予定地を抱え、これまで区が使用していた晴海グラウンドなど、多くの土地をその供用に宛てがうこととなり、区民が運動する場所、施設が減ってしまいました。これは、本区におけるスポーツ推進に当たっての大きな課題であるとして、ビジョンの中でも、スポーツができる場の確保・整備を基本目標の一つに掲げておられます。

 ただ、都市機能が集中する本区では、新たなスポーツ施設を確保するには限界があります。そのような中、区として、例えば江戸川河川敷に野球場やサッカー場を確保するなどの対応をしていただいており、この点は評価したいと思います。しかし、区民が日々ふえ続けている本区にあって、しかも、毎年の区政世論調査においても、スポーツ施設の増設・充実を望む人がふえている現状を鑑みると、このニーズに応える、さらなる対策が必要なのではないかと思います。これまでに議会からも東京都へ要望書を提出しておりますが、オリンピック・パラリンピック選手村整備に当たり、区民がスポーツをできるよう、場所の確保に向けて、さらに御努力をお願いしたいと思います。

 そこで、お尋ねいたします。

 区民のスポーツできる場を確保し、さらに充実させていくために、区としてどのように取り組んでいかれるのか、現状と今後の方針をお聞かせください。

 次に、区立スポーツ施設における利用方法についてお尋ねいたします。

 区立スポーツ施設は、その運営を指定管理者に委託して、既に十年以上が経過しております。指定管理者の自主事業実施の工夫、努力もあり、施設の利用者が以前と比べ大幅にふえているようです。それは大変すばらしいことだと思うのですが、その結果、これまで随分前から、それこそ区が運営していた当時からこのスポーツ施設を利用してお友達と楽しみながら運動してきた方々、今や高齢者の枠に入る年齢に達している方々ですが、近年増加している利用者にはじき飛ばされるような形で、以前のようには施設を使えなくなったという問題が起こっているようです。総合スポーツセンターのトレーニングルームは、その利用者数が年々ふえ、休日はトレーニングルームの待機者が出ています。その待機者が準備運動などをしながら待つ場所が、まさにこの方がお友達と一緒に運動をしていた場所なのです。

 ところで、トレーニングルーム利用者には、区民以外の方が相当数含まれていると考えられると伺いました。先ほども述べましたが、本区の人口は日々ふえ続けており、また、本年五月に実施された第四十七回区政世論調査でも、スポーツの項目で区に望むことの第一位は「スポーツ施設の増設・充実」であり、その割合は昨年比五・八%増の四二・四%、実に四割以上に上りました。区の人口は、以前と比べ飛躍的にふえており、かつスポーツ施設の利用に期待を寄せる区民もふえているのです。

 区立スポーツ施設は、本来は区民のための施設であります。そのことを考えれば、区民とそれ以外の人とを利用に当たって区別する方法も、検討するべき時期に来たのではないかと思います。ちなみに、同じ都心区である港区や千代田区のスポーツ施設の個人利用の方法を調べたところ、全ての設備利用において、区民と一般(区外者)とで利用料金の区分を設けていました。本区の総合スポーツセンターでは、温水プールについては利用区分を設けているものの、トレーニングルームはなぜか区分がなく、同一料金です。区民でない方の利用を拒むわけにはまいりませんが、区民以外の方の利用がふえ、その結果、区民の方、しかも本区に長くお住まいの方が利用しづらくなるという状況は、行政の本来あるべき姿からすると、本末転倒なのではないかと考えます。一般(区外者)の料金を新たに設定することで、もしかすると利用者数が減るかもしれませんが、区民とはきっちりと区別するべきではないでしょうか。

 そこで、お尋ねいたします。

 人口増加に伴う利用者増、また、区外の方の利用もふえているという現状を鑑みて、従前の一律の利用料金を区民と一般(区外者)とで区分を設けるなどの改善をすべきと考えますが、区の御見解をお聞かせください。

 この質問の最後に、子供のさらなるスポーツ推進についてお尋ねいたします。

 さきの中央区スポーツ推進ビジョン策定に当たっては、二十歳以上の区民と小・中学生、そして区内でスポーツ事業を展開する民間事業者と、それぞれ分けてアンケートを行っておられます。そのアンケートによりますと、運動やスポーツをすることが「好き」と答えた小学生は六三・七%、中学生は五一・九%でした。また、学校の部活動で運動していると答えた中学生は約六八%でした。最近の子供たちは、家の中でゲーム遊びに興ずる子が多く、余り運動をしたがらないのかと思っておりましたので、過半数の子供たちが運動しているとの結果は、よい意味で私の予想を裏切ってくれました。また、反対に、運動やスポーツをすることが「嫌い」と答えた子供たちの理由は、小・中学生ともに「苦手だから」と「やりたい運動やスポーツがないから」というものでした。

 子供のスポーツを今後さらに推進するには、既に運動している子供たちがもっと頑張ろうと思えるきっかけ、また、これまで運動に興味を持っていなかった子供が興味を持てるようにするきっかけづくりが必要ではないでしょうか。最近、十代の若い選手がさまざまなスポーツで目覚ましい活躍を見せており、同世代の子供たちにとって大きな刺激となっていると思います。また、本区では、以前よりオリンピックやパラリンピック等で活躍した選手の方を学校へお招きし、講演をしていただいており、これもスポーツに触れるよい機会となっていることは間違いないと思います。ただ、もっと身近に運動やスポーツを感じられるような存在がいれば、さらに子供たちの中で運動する人数がふえるのではないでしょうか。

 本年六月、日本橋中学校のダブルダッチのチームがアメリカで行われた世界大会へ出場し、参加した三つのチームがそれぞれのカテゴリーで見事優勝を果たしました。選手の生徒たちは、帰国後、区長さんへ表敬訪問させていただき、励ましの言葉をいただいて、皆、大喜びでした。実は、三年ほど前、有馬小学校のダブルダッチのチームがやはり世界大会へ出場し、同じく優勝、その後、区長さんを表敬訪問しています。以来、区長さんは、さまざまな場面でこのダブルダッチのことをお話ししてくださっています。本年優勝した日本橋中学校の生徒たちは、三年前に有馬小学校の先輩たちが優勝し、注目される姿を間近で見ていた子たちなのです。先輩たちの姿に憧れ、確かな目標ともなり、何年も練習を重ねて、晴れて今回の栄冠をつかんだと言えるでしょう。また、有馬小学校では、三年前の優勝以来、ダブルダッチを始めるようになった子供が年々ふえ、今はすっかり人気が定着しているとも伺っております。子供たちが運動やスポーツを頑張る、また、始めるきっかけは、身近にいる憧れの存在なのだと教えられました。

 ダブルダッチ以外でも、それぞれのスポーツで一生懸命努力している子供たちがいると思います。たとえ優勝などのずば抜けた成績とまではいかなくとも、目標に向け、精いっぱい頑張った子供たちにスポットライトを当て、大きくたたえるような取り組みが子供たちのさらなるスポーツ推進を図る上で効果的なのではないかと考えます。そして、そのためにも、周囲の大人の側が遠慮せずに子供たちを前に押し出すよう、意識を変えていただきたいと思います。

 そこで、お尋ねいたします。

 今後、さらに多くの子供たちが運動やスポーツに親しんでいけるよう、身近でお手本となるような存在の児童・生徒たちに光を当てたり、前に押し出すなどの取り組みをしていただければと思います。そして、そのためにも、大人の側の意識を変革することが重要だと思いますが、区のお考えをお聞かせください。

 次に、障害者施策についてお伺いいたします。

 本区における障害者手帳交付者数は年々ふえており、それに伴い、障害者施策として、さまざまな事業を拡充していただいております。中でも、区内在住の六歳から十八歳までの障害のある児童・生徒が利用できる放課後等デイサービスは、定員や利用時間、スペースなどを拡充していただき、以前と比べて利用しやすくなっており、改めて評価させていただきます。特に、利用時間を十九時まで拡充したこともあり、両親が就業している御家庭にとっては、大変ありがたく、なくてはならない事業となっています。

 ただ、残念なことに、このサービスを利用できるのは、現行では十八歳、高校卒業までであるため、卒業後の居場所の確保、生活支援の体制について不安を抱く保護者もいらっしゃるようです。障害児の中でも、特別支援学校に通うような重度のお子さんの場合、卒業後は行政の作業所等に入ることが多く、その場合、勤務時間は十六時ごろ、つまり夕方までというケースがほとんどです。十八歳までは十九時まで預かっていただけたのに、高校を卒業して成人になると、逆に、帰宅時間が早くなり、自宅で一人でお留守番ができない重度の方の場合、高校卒業後は親が仕事をやめなくてはならない事態となるのです。

 ちなみに、放課後等デイサービスは、十八歳未満を対象とする児童福祉法の児童が心身ともに健やかに生まれ、かつ育成されるようにとの理念のもと、障害のある児童についても、等しくその生活を保障され、愛護されながら、年齢や障害に応じた健やかな成長を促すという観点に即した法定のサービスという位置づけです。しかし、十八歳以上を対象とする支援を定めた法律である障害者総合支援法においては、障害者が個人としての尊厳にふさわしい日常生活または社会生活を営むことができるようとの理念のもと、障害者本人の地域における自立した生活を支援するという観点に即したサービス体系となっており、就業後などの夕方以降の支援は想定されていません。つまり、法律の違いにより、十八歳以上の障害者への生活支援が、十八歳未満の障害児に比べて手薄になっていると言えます。

 この課題については、全国的にも徐々に認知されてきており、特に神奈川県川崎市では、障害のある青年たちの学校卒業後の夕方支援として議論され、対象者へアンケートをとるなど、取り組みを進めています。その結果、夕方以降の支援を求める方は六六・五%に達し、延長する時間が十九時までが最多の三五%でした。市は、ニーズが高まっていることを踏まえ、職員報酬にまつわる単価設定の引き上げなどを国に対して要望するとともに、市独自の延長支援サービスを検討しておられます。

 本年三月に発行された中央区障害者(児)実態調査報告書によりますと、課題の一つとして、日常生活における介助の支援の充実を図ることが必要である、特に、知的障害者は、介助を必要とする場面が多く、家族が介助をする時間も長い傾向にあるため、本人への支援とあわせて、家族の支援が必要であるとまとめています。私も、先般、特別支援学校中学部二年在学中のお子さんを持つ区民であるお母様から、夕方以降の支援について強い御要望をいただき、本区においても、今後検討していくべき重要な課題だと考えております。現在、重度の障害者を支援する成人室というサービスが実施されていると聞き及んでおりますが、現行の支援体制の延長・拡大に向けた取り組みをお願いしたいと思います。

 そこで、お尋ねします。

 重度の障害のある青年たちの学校卒業後の夕方支援として、本区の現状の体制はどのようになっているのでしょうか。利用者の方からの声、要望などもあわせてお知らせください。また、現行の体制の拡充に向けた取り組みが今後必要であると考えますが、本区としての御見解をお知らせください。

 次に、軽度外傷性脳損傷の周知・啓発についてお尋ねいたします。

 軽度外傷性脳損傷とは、交通事故やスポーツ外傷、スポーツの最中に発生する突発的なけがや転倒・転落、乳幼児の場合は揺さぶりなどにより頭部に衝撃を受けた際、脳内の情報伝達を担う軸索と呼ばれる神経繊維が断裂するなどして発症する病気です。軽度と病名についてはいますが、記憶力、理解力、注意力の低下を初め、てんかんなどの意識障害、手足の麻痺など、症状は神経系に複雑多様な異常を来すものであり、重症の場合は寝たきりの生活となります。医療従事者の間でさえ、ほとんど認知されていませんが、平成十九年の世界保健機関の報告によりますと、軽度外傷性脳損傷の患者は年間九百万人、国内でも累計で数十万人に上ると推測されており、その対策が求められています。この病気は、CTやMRIなどの画像検査では異常が見つかりにくいため、正確な診断を受けられず、労災保険や自賠責保険の補償対象にならない場合が多いそうです。さらには、本人も周囲もこの病気を認知していないため、誤解を生じ、悩み、苦しむケースも多く、成人で働けない場合には経済的に追い込まれることにもなります。

 本件については、平成二十五年七月三日付で、軽度外傷性脳損傷者に関わる労災認定基準の改正などを求める意見書を当時の中央区議会議長から内閣総理大臣、厚生労働大臣、文部科学大臣宛てに提出し、労災認定基準の改正と当該の病気の、国民を初め、教育機関への啓発・周知について適切な措置を講じるよう要望しております。そして、労災認定基準の改正については、既に厚生労働省より通知が出ており、労災審査での画像偏重を改め、各労働基準監督署ではなく本省協議による個別の判断を始めております。そして、要望の残る一つ、国民や教育機関への啓発・周知については、区としても取り組めるのではないでしょうか。

 実は、本年七月、日本で最大の教育専門の全国紙である日本教育新聞に、この軽度外傷性脳損傷に関する記事が掲載されました。東京都目黒区障害福祉課が、この病気を啓発するリーフレットを作成し、区内の小・中学校に配布したという内容です。この新聞報道を機に、この病気で悩む患者さんたちによる友の会の方々から、中央区内における理解の輪を広げていただきたいと、改めて強い御要望をいただきました。成人はもちろん、特に成長の過程にある子供たちがスポーツや遊びの中で軽度外傷性脳損傷を負ったときに、この病名、症状について知っているか知らないかでは、周囲に誤解され悩む時間が異なってくると思います。ぜひ、中央区においても、この軽度外傷性脳損傷について理解を広げる周知・啓発の取り組みをお願いしたいと思います。

 そこで、お伺いいたします。

 軽度外傷性脳損傷を、小さい子供たちを含む区民へ周知・啓発するための取り組みが必要だと思いますが、区の御見解をお知らせください。

 次に、認知症対策についてお伺いいたします。

 認知症は、脳の病気や障害のために脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりして記憶や思考などの能力が低下し、生活する上での支障が出ている状態のことを指します。認知症の最大のリスクは高齢と言われており、高齢者がふえれば認知症の人もふえるのは、ある意味、当然のことと思われます。この認知症も早期に発見し、適切な介入を行うことで進行をおくらせることができ、その結果、本人も、また家族も安心して暮らせるようになります。それを目指し、各自治体で医療と介護の専門職の方たちにより組織される認知症初期集中支援チームが始動しており、本区におきましても本年十月から開始するとのことで、この取り組みに大変期待するものであります。先行する自治体の状況を伺うと、専門医の不足が課題となっているようですが、ともあれ始めることが重要だと思います。

 そこで、お尋ねいたします。

 認知症対策として、早期発見・早期介入が大切であり、初期集中支援チームの活動に大いに期待しておりますが、本区の体制、準備状況はどのようになっているのでしょうか、お知らせください。

 また、早期発見の重要性という点で最近大変注目されているのが、軽度認知障害です。軽度認知障害は、記憶力の低下が年相応以上にあるけれども、日常生活に大きな支障がないという状態で、認知症の手前のグレーゾーン、認知症予備軍とされています。つまり、健常者と認知症の中間に当たります。初期もしくは軽度の認知症と混同されてしまいがちですが、そうではなく、認知症までいっていない状態ということで明確に異なります。この軽度認知障害は、MRIで脳の画像を撮影しても、アルツハイマー病の症状である脳の萎縮が見られないケースが多いそうで、診断は脳の血流などの検査で行います。軽度認知障害と診断された方のうち、放置しておくと一年後に一割、四年以内に約半分が認知症になると言われています。しかし、この段階で対策を始めれば、正常に戻ることができたり、また、認知症への移行をおくらせることができるのです。将来認知症になる人を減らすためには、まだ認知症にはなっていない、この軽度認知障害の段階で早期に発見する取り組みが必要です。

 実際の暮らしの中では、行政、また関係者の努力により徐々に認知症への理解が広がり、また、取り組みも進んできていることを感じております。認知症に関するパンフレットやケアパス等も区で作成いただいており、これはこれで区民の皆様に役立つものと思っておりますが、残念なことに、これらの中には軽度認知障害との言葉は記載されておりません。軽度認知障害という概念がまだ知られていないため、いわば認知症なのか認知症ではないのかという一元的な判断しかできず、もし認知症になると、もう終わりだと悲観的に捉えてしまう方がいらっしゃるのも事実です。認知症の疑いが生じたとき、本人もさることながら、家族が受けるダメージ、否定したいという思いはとても大きなものです。認知症について、認知症になる前段階である軽度認知障害という状態があるということ、その段階で適切に対応すれば回復する場合もあるということを知っていれば、認知症に対する捉え方も変わってくると思います。そのために、軽度認知障害を広く周知すること、また、この段階での早期発見が重要だと思います。

 そこで、お尋ねいたします。

 将来認知症になる人を減らすためにも、軽度認知障害という認知症の前段階で早期に発見すること、そのために、この概念を広く周知することが重要だと思いますが、区の御見解をお聞かせください。

 次に、日本橋上空にかかる首都高速道路の移設撤去に向けた取り組みについてお伺いいたします。

 本年七月二十一日、国土交通省は東京都、首都高速道路株式会社と共同で、日本橋上空に覆いかぶさる周辺区間の首都高速道路の地下移設に向けて検討を進めていくと発表しました。同日、中央区も矢田区長名でコメントを発表しておられます。日本橋上空に青空を取り戻すことは、地元の方々の長年の悲願であり、今回の発表は、その実現に向けた大きな一歩となったと受けとめております。

 日本橋付近の首都高速の撤去については、これまで何度も浮かんでは消え、消えては浮かんできました。二○○六年八月には、小泉元総理の指示により検討を進めていた有識者会議から、地下化に前向きな方向が示されました。しかし、同時に、日本橋川両側の民有地を整理してあけてもらうことが首都高地下化を実現する鍵となるとの指摘があり、その後、具体的な動きには至りませんでした。また、二○一二年にも国交省の有識者会議が地下化の提言をまとめましたが、財源の問題もあわせて、遅々として進まない状況が続いていたのです。そのような中、今、ここになって改めて具体的に動き出した理由として、国交大臣は、当時はまだそれほど進んでいなかった首都高の大規模更新計画や周辺の再開発事業計画が進んできたこと、さらにコスト縮減策や費用負担も含め、具体的な計画調整、検討について関係者間で協力していく環境が整ったことを挙げています。また、何よりも地元中央区から地下化への協力について責任を持ち、全力で取り組むとの申し入れが国・都に対してなされたからと述べています。

 もとより、日本橋は国道であり、首都高は国交省や東京都の管轄下にあるわけですから、高速道路撤去・地下化については、残念ながら、中央区の裁量の及ばないところではあります。しかし、地元区としての思いを国にはしっかりと受けとめ、また信頼もしていただいたのかとも思いますし、中央区が重要な役割を果たすべき立場であることは間違いないと思います。また、東京都知事も、会見の席上、周辺のまちづくりと連携して進めていきたい、関係者が力を合わせて百年後にも誇れる東京の姿を未来に残していきたいと発言しています。この関係者の中には、紛れもなく我が中央区も含まれていると思います。

 そこで、お尋ねいたします。

 日本橋上空にかかる首都高速道路の移設撤去に向けた取り組みに当たり、主体的には国や東京都、首都高が進めていく中で、我が中央区が果たすべき役割についてどのようにお考えでしょうか。御認識をお聞かせください。

 次に、品格ある景観形成のための取り組みについてお伺いいたします。

 首都高速道路は、さきの東京オリンピックにあわせて緊急的に整備され、首都東京の大動脈として大きな役割を担ってきました。一方、既存の河川上空などを無理に活用した結果、貴重な水辺空間を消失するなど、都市の景観や快適さを損なうこととなりました。今回の発表で、国交省も東京都も、地下化により単なる老朽化した首都高速の更新にとどまらない、魅力ある都市景観の再生、国際金融都市にふさわしい品格のある都市景観の形成を目指すと明言しています。そして、これは中央区基本構想にも盛り込んであるとおり、我が区の思いでもあります。

 ただ、都市景観の再生、形成といっても、単に日本橋上空の高速道路を撤去し、青い空を取り戻せばよいというものではありません。都知事は、会見の席上、オリンピックには間に合わないけれども、東京都がこれからも持続可能なまちであり続けるための一つのメルクマールになるのではないかとおっしゃっていますが、まさに日本橋における高速道路撤去後の景観形成については、東京、ひいては日本の中心地としてメルクマール、指標として、誰からも、また、どこからも、さすがだと納得していただけるものとしなければならない。それだけの重責があると思います。

 世界に目を転じると、都市の中心部を走る高速道路を撤去し、良好な景観を形成することに成功した都市は幾つもあります。高速道路を撤去し、川を復元して水辺空間を形成したことで有名なのは、韓国のソウルです。また、撤去後、緑地や公園が新たにつくられた米国のボストン、市民の運動が発端となって撤去が実現した米国のポートランドも、その後の暮らしやすいまちづくりにつながっており、その都市計画が高く評価されています。

 これらの成功例を受けて、日本にも日本橋撤去後の景観をどう形成するのかという観点で研究、提言をしている専門家や研究者、企業が多く存在します。また、日本橋から日本橋室町、本石町に連なる一帯では、三井本館、三越本館などの歴史的な名建築を活用した再開発、まちづくりが既に進行しており、これらと連動させた景観づくりが必要だとも考えます。歴史と伝統ある日本橋、国際金融都市東京の顔にふさわしい日本橋のすばらしさを十二分に表現した景観を形成するために、これら民間の力を広く結集することが必要だと思います。

 そこで、お尋ねいたします。

 高速道路撤去後の日本橋及び日本橋周辺の景観を形成するに当たり、専門家や民間企業などの民間の力を集結し、最大限に活用していくことが必要だと思いますが、区の御見解をお聞かせください。

 以上で私の一回目の質問を終わります。

〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 堀田弥生議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、スポーツ環境の整備についてであります。

 子供から高齢者まで、区民の誰もが身近なところで日常的にスポーツを楽しめる環境づくりは、大変重要なことであります。区では、これまで総合スポーツセンター、月島スポーツプラザでの早朝利用の実施、豊海テニス場での夜間開放など、可能な限り利用時間の拡大に努めるとともに、中央小学校や豊海小学校など学校の改築の機会を捉え、学校体育施設のスポーツ開放を進めてまいりました。都心機能が集積する本区では、競技スポーツができるグラウンドなどの確保には限界があることから、スペースが狭くても練習に使用できる場を確保するなど、限られたスペースと施設の有効活用により、スポーツをすることができる場の確保・整備に努めてまいります。また、晴海ふ頭公園の再整備は、新たに広いスペースを確保する絶好の機会でありますので、スポーツ機能を持たせた広場や子供の遊び場を配置するよう東京都に要望しており、引き続き、その実現に向けて強く働きかけてまいります。

 次に、区立スポーツ施設における区民と一般の料金についてであります。

 スポーツ振興のためには、より身近なところでスポーツができることが望ましく、お勤めの方は、居住地だけでなく勤務地の近くでもスポーツを楽しんでおられます。そのため、本区の区民も他区の施設を利用するなど、相互に利用し合っている状況にありますので、多くの区では区民と一般を同一料金としておりますが、都心の一部の区では料金に差を設けているところであります。本区におきましても、都心区として同様な状況でありますので、スポーツ施設利用者の増加や他区の状況を踏まえ、どのような利用方法や料金設定がよいのか、スポーツ推進審議会や関係団体の御意見も伺いながら、検討してまいりたいと存じます。

 次に、重度障害のある青年たちの夕方支援についてであります。

 本区では、特別支援学校高等部を卒業した重度障害のある方の多くが、福祉センターやレインボーハウス明石の通所事業を利用し、午後四時まで作業や創作などの活動を行っております。一部の保護者からは、時間が延びると助かるという声もあり、こうしたニーズに対しては、区の任意事業として、レインボーハウス明石で実施している日中一時支援事業を御利用いただき、午後八時まで過ごせる場を提供することで現在のところ対応できております。しかしながら、福祉センターの放課後等デイサービスの登録者は年々増加しており、その方たちが将来的に特別支援学校を卒業した際の夕方の居場所づくりは、保護者の就労支援とともに、利用者の経験を広げ、生活を豊かにするという点からも、区として重要な課題と認識しているところであります。今後、そのようなニーズの増加に応えるため、通所事業の時間延長や日中一時支援事業の拡大について検討してまいります。

 次に、軽度外傷性脳損傷の周知・啓発についてであります。

 世界保健機関の報告によれば、本区の人口規模で毎年数百人の患者が発症しているものと推計されますが、その要因や症状は多岐にわたり、診断が確立していないため、神経学的検査を含む詳細かつ総合的な診察が必要とされております。区といたしましては、この病気の要因の一つである日常生活での転倒事故などを予防することが、まず何よりも大切と考えており、保健所・保健センターでは各種健診や講習会等での子供の事故防止対策について取り組んでいるところであります。また、福祉センターでは、軽度外傷性脳損傷を含む、さまざまな要因により高次脳機能障害を発症した方への支援事業を実施しております。その中で、この病気に対する周囲の理解がさらに広がるよう、区民の方への普及・啓発を進めてまいります。

 次に、認知症対策についてであります。

 認知症初期集中支援チームにつきましては、昨年度から、在宅療養支援協議会などにおいて、中央区医師会、日本橋医師会を初め、医療や介護の専門職との協議を重ねてまいりました。現在、両医師会から五名の専門医を御推薦いただくなど、チームの編成や支援手順などの準備が完了し、十月二日より始動することとしております。本区の支援体制は、医療や介護サービスを受けていない方などについて、御家族からの相談や地域の方からの通報に基づき、区の認知症支援コーディネーターが中心となって、医師一名、おとしより相談センターの専門職員二名の計三名から成る支援チームを編成するものであります。編成された支援チームは、速やかに本人及びその家族を訪問し、診断や家族支援などの初期支援を行うことで、これまで御本人の拒絶などにより介入できなかった方に対する適切な医療・介護サービスの提供につなげてまいります。今後は、実際の運用を重ねる中で、より効果的な支援体制の構築を図り、認知症になっても、本人の意思が尊重され、住みなれた環境で暮らし続けられる地域づくりを進めてまいります。

 次に、軽度認知障害についてであります。

 認知症だけでなく、軽度認知障害について広く周知し、御本人や御家族の迅速かつ適切な対応を促すことは、認知症の予防に大きく寄与するものと認識しております。区では、認知症に関して何でも気軽に相談できる専用の認知症サポート電話を開設しており、相談件数は年々増加しております。自分は認知症なのではないかと不安を抱えた方からの相談も多くなっており、詳しく状況をお聞きした上で、場合によっては近くの専門医を紹介するなど、早期の発見と適切な対応に努めているところであります。今後も、認知症サポーター養成講座やおとしより相談センターの出前講座、また、認知症チェックリストを活用した介護予防事業などを通じて軽度認知障害に関する正しい知識の普及・啓発を図ってまいります。あわせて、認知症リスクを下げると言われている運動の習慣化や生活習慣病の予防に向けた行動改善を促すなど、より積極的な認知症の発症予防に取り組んでまいります。

 次に、日本橋上空にかかる首都高速道路の移設撤去に向けた本区の果たすべき役割についてであります。

 首都高の地下化の実現は、日本橋周辺の再開発事業と効果的かつ効率的に連携していくことが不可欠であります。そのため、日本橋川沿いで展開されている五地区の再開発事業の合意形成や、国・都及び事業主体となる首都高との協議・調整役を担いながら、地下化に対する協力について、責任を持って全力で取り組むことが本区の役割と認識しております。

 次に、日本橋及び日本橋地域の景観形成についてであります。

 首都高の地下化は、首都東京の都市再生に向けて、百年先を見据えた極めて重要な都市基盤整備であり、未来へ向けて美しい景観や魅力を創出する日本各地の都市再生プロジェクトの中でも、先駆的なものとして、日本橋地域にとどまらず、我が国の成長戦略にとって大きく寄与するものと確信しております。その上で、歴史的建築物を初め、水辺空間に配慮した川沿いの修景や、通りの特色を踏まえた多彩な表情を見せる景観づくりなど、川沿いや船上からまちを眺めたときに、川や橋、まちとのつながりの中で、にぎわいと潤いある景観を形成していくことが重要であります。区といたしましては、権利者はもとより、再開発事業に関係するあらゆる民間の活力を結集するとともに、東京都と連携を図りながら、川沿い五地区の調整を図っていく考えであります。こうした取り組みにより、世界に誇る首都東京の魅力的な水辺景観を実現してまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 島田勝敏君登壇〕

○教育長(島田勝敏君)
 教育問題についてお答えします。

 子供のスポーツ推進についてであります。

 教育委員会では、教育委員会表彰制度に基づき、スポーツ、学習、芸術などですぐれた成績をおさめた児童・生徒を表彰しており、子供たちの励みや意欲の喚起につながっています。また、こうした子供たちを多くの保護者や地域の方々に知っていただけるよう、教育広報誌「かがやき」への掲載やスポーツイベントなどでの発表の場を設けているところです。教育委員会では、競技結果や成績だけでなく、子供たち一人一人の努力を認め、評価し、活動を支えていくことも重要であると認識しており、学校現場と一体となって、引き続き全ての子供たちが学習やスポーツを通して達成感や自己肯定感を得られるよう取り組んでまいります。

 答弁は以上です。

〔十六番 堀田弥生議員登壇〕

○十六番(堀田弥生議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 まず、スポーツ環境の整備についてということで、特に晴海ふ頭公園の再整備につきまして、スポーツができる場をつくるということで、引き続き東京都への働きかけを続けていただけるということで、お願いしたいと思います。

 あと、区立スポーツ施設における利用方法の部分ですけれども、区分を設けることについて検討していくということで御答弁いただきました。区民サービスのための施設であるという本来のあり方、また、区民そのものの人口が激増していることを考えたときに、区民と区民外とを区別するよう、そのような改革を検討する時期に来ているのではないかという思いで提案させていただいた次第でございます。

 ちなみに、区内在勤者については、港区では、区民の枠に含めており、また、千代田区では、一般区外者の枠に含めています。また、利用料金については、受益者負担の観点から算出した料金に対し、港区では、一般を高くする、千代田区では、区民のほうを安くするというような設定をしており、考え方がここでは異なっているようでございますが、そういうことも参考にしていただきながら、今後、実りのある御検討をお願いしたいと思います。

 子供のさらなるスポーツ推進についてでございますが、要は、頑張った子供たちをたたえることに対して、学校の教育現場の方も含めて、大人がちゅうちょせずにというか、遠慮せずに押し出していただきたい、そういう思いでの質問でございましたので、また、今後、そのことをきちんと皆様に浸透させていただければありがたいなと思います。

 次に、障害施策についてでございます。

 重度障害のある青年たちの夕方支援について、こちらも延長を今後検討していただくということで、お願いしたいと思います。

 ちなみに、先ほどの神奈川県川崎市では、介護保険法による小規模多機能型居宅介護事業所が生活介護及び短期入所の障害福祉サービスも提供できるよう、基準該当サービスの事業登録を行うなどの取り組みをしているということで、介護サービスを行うところが障害者の方に対しても対応していけるように改善しているということでございましたので、こちらもまた研究・検討していただければと思います。実際に本区での取り組みが具体的になるのは、もう少し時間がかかり、先のことなのかもしれませんが、計画を始めていただきたいという思いでございます。

 また、軽度外傷性脳損傷の周知・啓発についてということで、こちらもさまざま、現場でも転ばないようにということで、私も、確かにそのとおりだなと、答弁をお聞きしながら思っておりました。そのことも含めて、広く区民の方に周知していただければと思います。よろしくお願いいたします。

 認知症対策についてでございます。

 認知症については、解明されていない領域も多く、国としての方策もまだまだ暗中模索、試行錯誤の段階であると感じております。その中で始まる初期集中支援チームは、先ほど、本区におきましては医師一名、また、おとしより相談センターのほうで二名、計三名の体制で進めるということで、本当に今からだなというところであるかと思いますが、これまで介入が難しかった人に介入できる道が開けたということで、大変期待をしております。よろしくお願いいたします。

 また、現状では認知症になった後の取り組みが主となっておりまして、予防という観点での取り組みは、まだこれからという状況だと思います。しかし、国に比べ、より身軽に動けるのが基礎自治体である区だと思いますので、先行自治体の事例を研究していただき、今後もよりよい施策をお願いしたいと思います。

 また、本年から本格実施している通いの場で、一部認知症予防の取り組み、脳トレなどもなさっていると承知しております。場所、回数ともにさらにふえていくこと望みます。

 最後に、日本橋上空の高速道路撤去についてでございます。

 これは、地元の方々にとって悲願であるのはもちろんですが、同時に、住民ではないけれども、日本橋という地域に注目し、愛着や畏敬の念を抱いている多くの方々もいらっしゃり、そして大きな関心を寄せていると思います。ただ、ごくわずかですけれども、否定的な意見を持つ人がいるのも事実です。そのような人たちからも、やはり撤去してよかったねと思っていただけるような、すばらしい品格ある景観としていただきたいとの思いで取り上げさせていただきました。

 ともあれ、今後も区民のためのよりよい施政をお願いいたしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(鈴木久雄議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明二十六日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十六日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

午後五時三十三分 散会


署名議員
議長 礒野 忠
議員 青木 かの
議員 押田 まり子

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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