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平成30年第四回定例会会議録(第2日 11月26日)

1.会期

十五日(第二日)
 十一月二十六日(月曜日)

2.開会並びに散会

午後二時開議

午後六時三十七分散会

3.出席議員

(二十八名)

一番 青木 かの議員

二番 渡部 恵子議員

三番 山本 理恵議員

四番 海老原 崇智議員

五番 佐藤 敦子議員

六番 塚田 秀伸議員

七番 小坂 和輝議員

九番 加藤 博司議員

十番 奥村 暁子議員

十一番 原田 賢一議員

十二番 田中 耕太郎議員

十三番 富永 一議員

十四番 染谷 眞人議員

十五番 木村 克一議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 松川 たけゆき議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 志村 孝美議員

二十一番 礒野 忠議員

二十二番 鈴木 久雄議員

二十三番 瓜生 正高議員

二十四番 石田 英朗議員

二十五番 中嶋 ひろあき議員

二十六番 押田 まり子議員

二十七番 墨谷 浩一議員

二十八番 田中 広一議員

二十九番 中島 賢治議員

三十番 渡部 博年議員

5.出席説明員

区長 矢田 美英君

副区長 齊藤 進君

副区長 吉田 不曇君

教育長 平林 治樹君

企画部長 浅沼 孝一郎君

総務部長 田中武君

防災危機管理室長 濱田徹君

区民部長 遠藤 龍雄君

福祉保健部長 黒川眞君

高齢者施策推進室長 古田島 幹雄君

保健所長 中橋 猛君

環境土木部長 望月 秀彦君

都市整備部長 松岡 広亮君

会計管理者 坂田 直昭君

教育委員会事務局次長 長嶋 育夫君

監査事務局長 高橋 和義君

政策企画課長 山﨑 健順君

財政課長 大久保 稔君

広報課長 園田 典子君

総務部参事(総務課長事務取扱) 鈴木浩君

6.議会局出席職員

議会局長 田野 則雄君

庶務係長 長田 基道君

議事係長 一瀬 知之君

調査係長 工藤 久栄君

書記 秋山 和美君

7.議事日程

日程第一
一般質問


午後二時 開議

○議長(礒野 忠議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(礒野 忠議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 まず、五番佐藤敦子議員。

     〔五番 佐藤敦子議員登壇〕

○五番(佐藤敦子議員)
 自由民主党の佐藤敦子です。平成三十年第四回区議会定例会の一般質問を、自由民主党区議団の一員として、これより行います。区長並びに関係理事者の皆様におかれましては、具体的かつ建設的な御答弁をお願いいたします。再質問については、あらかじめ留保させていただきます。

 人口回復を打ち出し、本区が新しい道を歩み始めたのは、三十年前です。その後、平成十年に四十五年ぶりに人口増加に転じてから、既に二十年の月日がたちました。二十年以上本区に住んでいる人たちは、およそ二○%、居住期間が三年未満の二○・一%に並んで、現在の最も分厚い生産年齢人口を構成していることは、ことしの中央区政世論調査が示しています。二十歳代から住み続けている人は既に四十歳代、三十歳代から住み続けている人は五十歳代になります。現在の中央区を支えているのも、また、この方たちなのです。

 平成十年以降、人口は回復したものの、しかし、一方で、平成十年当時、全国の合計特殊出生率が一・三八である中、本区においては○・九四でした。つまり、全国有数の出生率の低い地域であったのです。子供を産み育てやすい社会にする、これは全国的にも出生率の低かった当時の本区において、最大の課題であったはずです。利便性や先進性を求めて本区に移住してきた人々は、たくさんいます。しかし、ただの憧れや流行という認識で終わることなく、暮らすにつれ、ほかのどこの地域とも異なる本区の独自性、つまり文化、歴史といった先達の築いた価値の総体が裏づけられた、新たな価値への創造の理解者として後世にその独自の地域性を伝えていってほしい。そのために、今、我々ができることは何でしょうか。

 本区の目指す地方創生の出発点は、まさしく三十年前に打ち出した人口回復策です。ただし、内向きの人口回復、つまり、ほかの自治体から移住してくる多くの子育て世代をただ単に迎え入れるのみならず、本区において、さらに安心して子育てができる環境を整え、日本の構造的問題である少子高齢化に先進的に取り組む自治体の成功事例を目指し、真に取り組むことが求められており、それこそが、本区の人口回復策が目指すべきゴールなのです。ただ一つの公共団体としての意識をはるかに超越する志をリーダーたる区長が持ち得ることで初めて、本区は持続可能な発展を遂げるのです。少子高齢化に深くかかわる子育て支援は、今、最も力を注ぐべき最重要課題であると確信をしています。

 そこで、区長にお伺いします。

 国が抱える構造的な問題でもある少子高齢化問題に対し、昭和六十三年以来、継続的に取り組んできた結果、本区の安定的かつ長期的な政治基盤と経験豊富な矢田区政において、既に一定の成果を上げていると言えましょう。平成二十九年は二千七十九人となった出生数からも、成果は厳然たる事実であり、安心して出産し子育てができるまちづくりは、同時に少子高齢化問題への取り組みでもあることを示しました。日本の少子化問題に貢献する先進的な子育て支援策に取り組む区長の御決意をお聞かせください。

 少子高齢化の進む成熟国家では、やがて労働人口が継続的に減少し、経済は縮小され、税収が減り、行政サービスも低下します。さらに、防衛、外交、治安など、国民の安心・安全を維持するために必要な予算を捻出することも困難になると、国家の安全が脅かされます。本区は、利便性や先進性のまちづくりを通じ、移り住んでくる若い世代の人々が多く、少子高齢化に対し、既にある一定の成果を上げていますが、今後も継続し、具体的な目標を掲げ、そこに向かって傾斜する、これはあらゆる目標を達成するために行う戦略の基本中の基本です。継続的に懸案に取り組む以上、中途半端は最悪なのです。本区は、今後も継続して子育て支援に通じた少子高齢化対策を成功させるべきであります。

 そこで、お伺いします。

 人口増加、特に生産年齢人口が劇的に増加する本区だからこそ、ただ一つの公共団体としての意識をはるかに超越する志を持ち、先進的な子育て支援策に取り組むことで少子高齢化問題に真正面から向き合う、その決意もあわせてお聞かせください。

 さて、夫は外で働き、妻は家庭を守るという考え方について、どのような印象を持つでしょうか。平成二十七年度少子化社会に関する国際意識調査報告書によると、日本では、「賛成」、「どちらかといえば賛成」とする国民が、男性で五七・七%、女性で五六・七%です。つまり、育児も含めた家事全般を主体的にこなしている大多数は女性であり、このことを男性も女性も肯定的に捉えています。しかし、女性が家庭の仕事を専業で行っていたかつての時代とは異なり、家事や育児をこなしながら、就業する女性の比率も確実に増加しています。私自身は、ある一定期間を子育てに集中し、専業主婦として過ごしましたが、十年前との比較においてすら、その実態は大きく変化をしたと感じます。内閣府による第一子出産前後の女性の継続就業率を見ると、二十年前には二四・二%であった出産後の女性の継続就業率は、二○一四年には三八・三四%に上昇しています。そして、さらに出産を機に退職する女性の比率である三三・九%を四・四四ポイント上回りました。

 そこで、お伺いします。

 本区の子育て支援策において、家事や子育てを主体的に担うのは母親であり、世の半数を占める女性の視点は最重要視されるべきです。区の考え方をお知らせください。

 あわせて、女性が実際上の生活において本当に望むこと、苦労している点を子育て支援策づくりに反映することこそ重要ですが、女性の視点をどのように子育て支援策に反映しているか、具体的な政策決定プロセスにおける女性の視点の活用についてお聞かせください。

 また、女性の視点を施策として磨き上げ、落とし込むプロセスにおいて、女性幹部職員の育成も重要視すべきです。内閣にはすべての女性が輝く社会づくり本部が設立され、地方公共団体における女性職員活躍が明記されました。各地方自治体における女性活躍の好事例や今後の課題が検討されることとなりましたが、本区における女性幹部職員の現状と育成について、区のお考えをお聞かせください。

 家庭や育児は女性が主体的に担うべきという価値判断が肯定されている中において、女性の就業率が確実に上昇したことを、まず事実として受けとめる必要があります。その上で、できることならば家庭に専念をしたいけれども、仕事を続けざるを得ない方も、みずからの判断で仕事を続ける方も、多くの女性は育児をこなしながら働いているという現実、それはなぜか。経済力を蓄えなければ、育児、医療、教育、娯楽など、家庭生活の全てが成り立たないというのが価値判断の帰結するゆえんだからです。感受性を豊かにしてまちを歩くと、その価値判断は確実に読み取れるはずです。

 ところで、江戸時代のこの地域の歴史を調べると、最も驚かされるのが女性の労働力です。どれほど気風のいい亭主を養っているか、いかに家を切り盛りしているか、現実への対処能力と自身の労働力によって家庭を養いつつ、家を守り、支えていた形跡が残されています。ところが、一気に近代化した明治時代を迎えると、就学という新たな価値が登場し、女性の労働は激減したのではないかと予想していた私は、早合点でした。明治時代の女性は、就学し、相も変わらず働き、家を支え、何もかも背負わされたままなのに、あらゆる外患から家庭を守り、ユーモアとひたむきさで苦境な時代を乗り越え、喜々として八面六臂の活躍を見せる、明るい明治の女性が多くの資料で残されています。無理に無理を重ねることで大変革をなし遂げた明治のエネルギーは、江戸時代からの実業面と、新しい時代に対応する教養面という二つの重圧を背負いながら、余の世界に例のない、日本独自ともいうべき発展を遂げました。その中心地であったのが、この中央区です。かつてのこの地域の女性活躍を見るにつけ、この中央区から女性活躍の推進を大いに成功させたいと強く願います。ますます女性が輝く本区の施策づくりを心より要望をいたします。

 次に、女性活躍の根幹をなす子育て支援の各論について、女性の視点を踏まえ、お聞きします。

 主体的に子育てを行う女性が行政に何を求め、何を必要としているのかに注目をすると、実務面の極めて細部に及ぶ要望がある一方で、行政に頼り過ぎるべきではなく、子育ては各家庭で保護者が責任を持って主体的に行うべきであるという二つの立場が存在します。こういった傾向は、私自身が子育てに専念をしていたころよりも、さらに歴然たる違いとなってあらわれていると感じますが、女性を取り巻く社会生活の変化と価値の変貌につれ、この傾向はますます強まる蓋然性を備えています。

 そこで、お尋ねいたします。

 区として、異なる二つの立場を初め、子育てをめぐる多様な意見をどのように捉えているのか、多様なニーズに対する基本姿勢についてお聞かせください。

 特に、専業主婦として、ある一定期間子育てに専念するという選択をした方の価値観が近年の時流により淘汰されることは、近年議論される多様性とは真逆に位置する愚挙であると思います。また、この方たちが制度のはざまに陥り、報われないことがないよう、多様な意見を子育て施策に吸い上げるよう、工夫を切にお願いしたいと思いますが、その点についての見解もお聞かせください。

 さきに述べたとおり、二十五歳から四十四歳の女性の就業率は、確実に上昇し、保育利用の希望者も確実に増加します。二○一七年六月に公表された子育て安心プラン及び二○一七年十二月に閣議決定された新しい経済政策パッケージでは、女性就業率八○%に対応するため、約三十二万人分の保育整備を決定しました。本区においてもまた、保育所の整備を通じた待機児童解消に全庁を挙げて努めておられますが、ハード面、ソフト面ともに、質も量も整備が求められている時代です。例えば、時代の移り変わりとともに、職場でも理解が深まりつつある子供の病気による有給休暇ですが、やはり働く母親が一番懸念する点は病後児保育です。

 そこで、質問いたします。

 病後児保育の充実は、このような取り組みを区として推進する限りにおいて、働く保護者の視点に立って、利便性の向上に努めるべきです。この施策は、特に母親が最も行政に求める施策の一つであり、この点を充実させていただくことについてのお考えをお聞かせください。

 現状、病後児保育の充実を求める声は大変多く、利便性が向上すれば利用したいとの意見は、本区にも届いているのではないでしょうか。有給休暇を無理やり取得するなどして、対応している保護者は数多く存在します。一方で、このような多くのニーズに対し、病後児保育の稼働率の一例は、定員に対する利用者が五二・四%、予約に対する利用者が四二・四%です。この稼働率の低いことを理由に、ニーズが存在しないと理解できるのか、さらなる検証を求めます。つまり、実際に病後児保育を求める数は大変多いにもかかわらず、稼働率が低いという現実を区として把握していただきたいと思います。まず、この点に関する見解をお聞かせください。

 あわせて、質問いたします。

 病後児保育のニーズを改めて区として把握し、現状の制度と保護者のニーズを改めて調査・研究し、よりよい病後児保育の仕組みづくりを含め、検討していただきたいと思います。例えば、二十三特別区において、本区以外のほぼ全ての区で対応している入室前のかかりつけ医診断は、本区においては限られた指定医のみで対応をしています。人口が増加する中、予約をすることすら困難な状況です。さらに、二十三特別区の約半数で一部導入または導入をしている病後児保育の給食制度も、利便性向上の観点から、検討課題として御認識ください。お考えをお聞かせください。

 次に、教育についてお聞きします。

 本区の教育現場を俯瞰すると、少子化とはまるで無縁であるかのような活気にあふれています。生産年齢人口の増加に伴い、園児・児童数も増加しており、運動会の様子は、園庭、校庭が保護者、児童・生徒、関係者であふれています。その大きな特徴は、保護者の持つ価値基準の多様性です。学校教育やPTA運営についても、多様な考えが存在します。しかし、学校内における教員や保護者による学校運営は特に明文化されることなく、それまでの慣習に従ったルールによるところが多く、その結果、一方では、長年の慣習とみなし、また一方では、非効率性を問われます。この慣習をやめれば、その地域の伝統は途切れ、効率化が進みます。この価値判断をどちらかが一方的に押し通すことも、多数決の論理で押し切ることも、多様性とは真逆の画一性につながります。今、この多様性とどのように向き合うか、幾つかの質問を通じ、多様性と地域性のバランス、そして共生社会に向けての区の基本姿勢についてお伺いをいたします。

 まず、お伺いします。

 多様な価値基準を持つ保護者と学校、教育委員会とのコミュニケーションは非常に重要です。多くの時間が割かれていることも事実です。対話を通じて落としどころを探り、妥協点を導き出すという労力を惜しむべきではありません。改めて、学校と保護者のコミュニケーションの重要性について、区として、どのように認識されているか。あわせて、それぞれの地域性を生かした慣習とのバランスを持続することは非常に重要であると認識しますが、区の基本姿勢をお聞かせください。

 次に、多様性、共生社会における自己肯定感の重要性についてです。

 改訂学習指導要領の前文でも示された自己肯定感。日本は、高校生を対象とした調査において、七二・五%もの子供たちが、「自分はダメな人間だと思うことがある」と答えています。日本の高校生は、二○一五年のOECD生徒の学習到達度調査、国際数学・理科教育動向調査でもトップクラスの成績であるにもかかわらず、「私は、勉強が得意な方だ」との回答が二三・四%、これは世界各国と比較し、圧倒的に低い割合です。多様性を認める社会でこそ、自己を軸とした、柔軟で折れない体と心を育む環境が重要であることから、多角的に子供たちの自己肯定感を育む取り組みが行われつつあります。

 そこで、お伺いします。

 私は、こういった教育の基本は、家庭教育を中心とした保護者との生活であると確信をしています。自分のアイデンティティに目を向け、短所を含めた自分らしさを家庭で認識することは、成長の第一歩です。その上で、家庭から外に出たときでも積極的にチャレンジし、みずからを高めていく姿勢を醸成するなど、さまざまな居場所を通じて自己肯定感が醸成されるものと思います。自己肯定感をめぐる取り組みは、まだ始まったばかりですが、区としての見解及び基本姿勢をお答えください。

 その際、旧来のやり方では機能しない一面があります。自己肯定感は、自己の内面に新たな価値を創造し、自己を高めていくことで醸成されるわけであり、さまざまな人、さまざまな環境が必要であることは言うまでもありません。時には、保護者以外の大人から叱られる経験も必要です。そこで必要となるのは、従来の地縁団体や代表する特定の個人だけに依存しない新しいつながりです。PTA、地域の高齢者、成人、学生、NPO、民間企業など、地域と教育をつなぐ新しいコミュニティの積極的創出が求められていますが、この点に関する見解、基本姿勢をお答えください。

 教育力の向上、教育再生のかなめは、地域と教育をつなぐことです。文化、スポーツ、まちづくり、社会教育など、多様な価値観に触れながら、学校以外の学習機会の場へとつながり、やがて年齢を重ねると生涯学習社会へとつながります。したがって、これからの教育委員会は、学校だけでなく、広く学習振興のために、各部局との連携・協働というつながりが必須です。冒頭から繰り返し述べている多様性への寛容は、家庭を基本とした重層的な社会経験を通じて醸成されます。教育委員会におかれましては、さまざまな人々が活躍する各地域とのかかわりを通じて、地域で支える教育文化の再興を心からお願いいたします。

 最後に、特別支援学級の新設を含めた障害のある子供たちの学ぶ機会について、お伺いをいたします。

 人口増加とともに、本区における特別支援学級の在籍児童・生徒数は増加傾向にあります。小・中学校ともに、新たな学級の設置に際し、人口推計や通学距離、また、各学校の空き教室の状況、設置時期を十分に検討していただいていると認識はしております。

 そこで、お伺いします。

 明石小学校の杉の子学級、月島第二小学校の陽だまり学級の二校に続き、現在、特別支援学級が設置されていない日本橋地域から特別支援学級に通学する子供たちの安心・安全を担保するために、交通手段を確保していただきますよう要望をいたします。その点についても、具体的状況をお知らせください。

 また、交通手段の確保は、あくまでも一時的な措置であることに変わりはありません。根本的な解決としては、あくまでも日本橋地域に特別支援学級を新設することであることを御認識いただきたいと思いますが、この点についても見解をお願いいたします。

 近年、国においても、特別支援学校や特別支援学級に在籍している幼児・児童・生徒が増加する傾向にあるだけでなく、学習や生活の面で特別な教育的支援を必要とする児童生徒数について、文部科学省が平成二十四年に実施した、通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査の結果は、約六・五%の割合で通常の学級に在籍している可能性を示しています。今後も増加することが予測されている特別支援学級を必要とする児童・生徒のために、迅速な対応を強くお願いいたします。

 障害のある子供の学ぶ権利において、福祉と教育の連携の重要性がしばしば指摘されます。子供の就学時には、保育所や発達支援センター及び小学校や特別支援学校・学級との連携が必然です。ことし六月に任命同意を得られました平林教育長は、とりわけ福祉分野に長年従事され、最も福祉施策に精通された教育長です。改めて、特に福祉分野と教育との連携を余すところなく生かしていただきたいと御期待を申し上げます。

 そこで、お伺いします。

 特別支援学級に通う子供たち、とりわけ特別支援学級のない日本橋地域から他地域に通っている子供たちに、毎朝の通学における安心・安全を担保することは、極めて重要なことです。障害のある子供たちの成長を画一的に捉えることはできません。福祉的な視点から、個々の成長に合わせ、自立に向けて、区として対応していく基本姿勢を求めたいと思います。このことについて、お考えをお聞かせください。

 多様性、共生社会、自己肯定感と、時代の変遷を感じる難しい時代の教育長におかれましては、これまで以上に判断力、そして実行力が求められています。どのような境遇にある子供たちも、どのような障害のある子供たちも、第一に、生まれてきたことの価値にまさるものはありません。福祉と教育の連携を通じ、学校を核とした地域づくりにおける地域との連携・協働という観点から、所信もあわせてお聞かせください。

 以上で私の一回目の質問を終わります。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 佐藤敦子議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、子育て支援策と少子化問題に取り組む決意についてであります。

 いろいろ質問いただきました。数字がいろいろぽんぽん出てきて、やはり数字はいいですね。数字を出してくれるということは、数字はうそをつきませんからね。現状を的確に表現するわけでありますから、数字は大事にしていかなければならない、そういうふうにふだんから思っているわけであります。四十年以上にわたる著しい人口流出によりまして、平成十年には七万人を切るかと思われた本区の定住人口は、本年五月十四日、十六万人を突破いたしまして、きょう現在は十六万二千二百二十二人と。これも二が四つ並んでいるということで、十六万二千二百二十二人。全国的に見れば、少子化が続く中、出生数も十年間で約二倍に増加いたしました。十年間で約二倍ですけれども、平成十一年までは、年間わずか五百人しか生まれていなかった。それが、どんどんふえて、この十年間では約二倍になったということでございまして、平成二十九年の合計特殊出生率一・四二は、二十三区中、第一位でございまして、やはり一位というのは気持ちがいいですね。赤ちゃんが生まれてきてくれている。おととしは二千三十二人、去年は二千七十九人、ことしはもっと上回るであろうということでありますから、いいなという面もありますけれども、保育園の待機児童数は、ことし四月一日で見ると、何とまだ百八十八人もおられるということでありますから、私たちは、待機児童対策に全力で取り組んでいるところであります。また、全国には千七百四十一の区市町村がございますけれども、「週刊東洋経済」という経済誌が「人が集まる街、逃げる街」という特集を組んでおります。その第一位に出てきたのが本区で、もちろん人が集まる街ということで、先週も、ちょっと前ですか、街の力をはかる偏差値ランキングでは関東第一位となり、活気があり、住みやすいまちとして評価されたところであります。こうした状況は、日本を代表する都市として、常ににぎわいとともにあった本区の活気を取り戻したいという思いで、都心に人が住めるようにしようではないかということを全職員と取り組んできた努力の成果であろう、こういうふうに思うわけでございます。都心再生を旗印に、住環境の整備や子どもを産みやすく、育てやすい自治体ナンバーワン、これを目指して取り組んできた子育て支援施策など、総合的な人口回復施策が実を結んだものであると考えております。今後も、基本構想に掲げる、誰もがあこがれ、住みたい・働きたい都心の実現を目指して、保育施設等の整備を初め、多様な子育てニーズに応える子育て支援策を着実に推進し、安心して子供を産み育て、中央区に住み続けたいと思えるような子育て環境の整備を図ってまいる所存であります。

 次に、子育て支援施策に対する女性の視点の反映についてであります。

 子ども・子育て支援法においては、事業計画を策定するときには、子供の保護者、その他子育て支援に係る当事者の意見を聞くよう定められております。子育て支援施策を展開するに当たっては、法の趣旨を踏まえ、母親を初め、保護者の方々はもちろん、地域や保育関係者など、子育てにかかわるさまざまな立場の方々から、多様な意見を伺いながら進めていく必要があると考えております。子育て支援施策の調査・審議を行う子ども・子育て会議は、学識経験者や区民公募委員等で構成されておりますが、委員の半数は女性であります。この会議の中で、それぞれの立場から多くの議論をいただいているところであり、今後も多様な視点からの意見を子育て支援施策に反映してまいりたいと考えております。

 次に、女性幹部職員の現状と育成についてであります。

 本区では、平成二十八年四月、女性活躍推進法に基づく中央区特定事業主行動計画を策定し、各役職ごとの女性職員の割合の向上などを目標に掲げまして、その推進に取り組んでいるところであります。本区の女性管理職の割合は、平成三十年度当初において、部長級が一○・五%、課長級が一四%、係長級が三六・五%となっておりますが、課長級、係長級については、それぞれ目標値である二○%、四○%に向け、まだ道半ばであります。しかし、内閣府が公表しております平成二十九年度市町村女性参画状況見える化マップでは、本区の女性管理職の割合は二四・七%となっており、これは東京都内で四位、特別区の中では一位となるなど、一定の成果を上げているところであります。今後とも、目標値達成に向け、昇任を見据えた職務経験やジョブローテーションのあり方の検討やキャリア形成支援のための研修を実施するとともに、ワーク・ライフ・バランスに配慮した、働きやすい職場環境づくりを進め、女性幹部職員の育成と充実を図ってまいります。

 次に、子育て支援施策への多様なニーズに対する基本姿勢と、さまざまな意見を施策に吸い上げる工夫についてであります。

 働き方や生活様式の変化に伴い、子育て支援ニーズも多様化する中で、子供の最善の利益という視点に立ち、家庭での育児、保育施設での保育を問わず、全ての子育て家庭を対象とした支援策を推進していく必要があると考えております。現在、第二期子ども・子育て支援事業計画の策定に先立ち、子育て支援に関するニーズ調査を実施しているところであります。ゼロ歳から十二歳までのお子様の約半数にわたる九千人に調査票を配布しており、子育て支援に関するニーズをきめ細やかに把握できるものと考えております。この調査を通じまして把握した子育て支援ニーズを踏まえ、来年度中に第二期事業計画を策定し、子育て支援施策の充実を図ってまいります。

 次に、病児・病後児保育の充実についてであります。

 これも大事ですね。まことに大事であります。本事業は、仕事を休めず、近隣に頼れる人がいない保護者を支援するセーフティネットとして不可欠なサービスであると認識しております。そのため、区では、本年六月に晴海地区において病児保育室を新たに開設し、病児保育室及び病後児保育室、それぞれ二カ所で事業を実施しているところであります。仕事と子育ての両立は、働き方の見直しなどの観点からも検討すべき課題であることから、本事業の充実につきましては、今後のニーズとともに、子育てを取り巻く社会環境や意識、価値観の変化を踏まえながら対応してまいりたいと存じます。

 次に、稼働率についてであります。

 稼働率につきましては、おおむね五割にとどまっておりますが、感染症の流行時期とそれ以外の時期では利用状況が大幅に異なること、お子様の体調の改善等による当日キャンセルが多いことが主な要因と捉えております。特に、当日キャンセルについては、本事業を行う上での課題の一つとなっておりますから、予約時において定員以上の人数をキャンセル待ちとして受け付けるとともに、定員にあきがある場合は当日の受け入れも可能とするなど、稼働率の向上に努めているところであります。

 次に、利便性の向上についてであります。

 本事業につきましては、お子様の体調が急変するおそれもある状況でお預かりすることから、細心の注意が必要でありまして、健康管理を最優先すべきと考えております。そのため、実際にお子様をお預かりする事業者と協議を重ねた結果、指定医のみの対応としているところであります。また、給食の提供につきましては、事業者によって設備など個々の状況が異なることから、一律に導入することは困難ではありますが、事業者と実施に向けた協議を行ってまいります。今後とも、仕事と子育ての両立を支援するため、利用者の意見を伺いながら、より利用しやすい環境の整備に努めてまいります。

 私からの答弁は以上であります。

     〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えをいたします。

 初めに、教育現場における多様性への基本姿勢についてであります。

 学校と保護者のコミュニケーションについては、学校と保護者どちらか一方の都合や価値基準ではなく、ともに子供を育てるという姿勢で話し合いを進めていくことが重要であると認識しております。また、学校行事などの慣習については、伝統を受け継ぎつつ、児童・生徒の実態や地域の実情に合わせた取り組みとしていくことが大切であります。しかしながら、価値観の多様化により、対応が難しい現状があることも承知しております。各学校では、保護者、地域の意見や要望を踏まえた上で、十分な時間を確保して話し合いを進めるとともに、学校の考えを丁寧に説明し、保護者、地域の賛同を得ながら、児童・生徒の健全育成に努めてまいります。

 次に、自己肯定感の醸成についてであります。

 これからの社会で子供たちが未来を切り開いていくためには、自分のよさを肯定的に捉え、自分のことをかけがえのない存在、価値ある存在として捉える自己肯定感を高めていくことが重要であると認識しております。現在、学校では、自己肯定感を高めるために、子供たちができた、わかったと感じられる授業を展開するとともに、教員を初めとする周りの人たちから褒められたり、認められたりする経験を大切にしております。また、そのほかにも、自然体験や集団宿泊体験、職場体験において達成感や成功体験等を実感させ、みずからの存在意義を認め、主体的に取り組める子供たちの育成を進めております。今後も引き続き、学校だけでなく、家庭、地域等と協働しながら、自己肯定感を育んでまいります。

 次に、学校と地域をつなぐ新しいコミュニティについてであります。

 子供の健やかな成長のためには、学校と家庭、地域が連携して取り組むことが重要であります。しかしながら、核家族化やライフスタイルの多様化による地域社会の教育力の低下や人間関係の希薄化により、子供たちの規範意識や社会性、自尊感情等の問題が指摘されるようになりました。国は、こうした子供を取り巻く環境の変化を踏まえ、新しい時代の教育の実現に向けて、地域社会や企業、NPOを初め、さまざまな専門知識・能力を有する人材、関係機関、団体等が学校と相互にパートナーとして連携・協働し、地域全体で学びを展開していく教育体制の構築を提言しております。現在、中央区の各学校では、授業はもとより、放課後や休日など、多くの企業やNPOなどの参画により、多様な学習、体験活動が実施され、成果を上げているところであります。教育委員会といたしましては、こうした取り組みは国の提言する方向性と合致するものと考えておりますが、教育環境のさらなる充実に向けて、地域との連携・協働による新しい教育体制の可能性を探ってまいりたいと存じます。

 次に、日本橋地域における特別支援学級の新設についてであります。

 日本橋地域から特別支援学級に通う児童の通学につきましては、自宅から学校までの距離、発達段階の観点から、自力での通学が困難と予想される第一学年から第三学年までの児童を対象に、送迎による通学支援を行ってまいりました。この通学支援については、保護者の方から、第四学年までに一人で通えるよう、親子で登下校の練習をして、本人の自立が促され、成長しましたというお声をいただくケースもあったところであります。しかし、昨今、まちや家庭の状況も変化しており、通学支援につきましても、学年にかかわらず、一人一人の障害の内容や教育的ニーズ、保護者の意向を考慮し、検討してまいりたいと存じます。また、日本橋地域の特別支援学級につきましては、対象児童数の増加、学級編制、教室や教員の確保、通学路の安全性等に考慮しながら、設置に向けて検討してまいります。

 次に、教育と福祉の連携についてであります。

 現在、教育委員会では、発達に障害のある子供たちが円滑に就学し、学習できる環境整備に努めており、各学校では、個別の教育支援計画を活用し、子ども発達支援センターや専門的医療機関と連携して、支援をしているところであります。子供が将来自立し、社会参加するためには、教育と福祉の連携は不可欠であり、育ちのサポートカルテなどを活用して、子供の成長にかかわるさまざまな関係機関と適切な支援方法や課題を共有しながら、就学から就労まで、成長段階に応じた、切れ目のない支援が提供されることが大切であると考えております。

 次に、学校を核とした地域づくりについてであります。

 グローバル化や情報化社会が進む中、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々が多様なあり方を相互に認め合える共生社会の実現に向け、教育が果たすべき役割は大変重要であると認識しております。学校教育では、障害の有無にかかわらず、地域の方々の協力を得ながら、自己の能力と可能性を最大限に伸ばす教育活動を充実させているところであります。今後も、地域、医療、保健、福祉との連携・協働をさらに深め、全ての子供たちの可能性が開花し、心身ともに健やかに成長する魅力ある学校づくりを推進してまいります。

 答弁は以上でございます。

     〔五番 佐藤敦子議員登壇〕

○五番(佐藤敦子議員)
 子育てと女性視点の政策決定について、五項目の質問をさせていただきました。特に、女性活躍と子育て支援の関係性というのは、非常に密接性があり、そして、保育園、公園、地下鉄のエレベーターであるとか、上下水道、ごみ出し、そういった全ての生活のインフラに、行政が少なからず関連をしております。生活で一番そのインフラを利用するのは、多くの世帯において女性である、このことが言えます。このことからも、女性の視点が、行政にとり、いかに大切であるか、この点を理解いただけるかと思います。女性活躍の推進及び日本の少子高齢化に真正面から向き合い、先進的な成功事例を目指して、本区でなし遂げていただきたいと思います。

 そして、子育て支援の各論について、四項目の質問をいたしました。子育ての現場が非常に変わってきているというふうに感じます。そして、多様性が進むにつれて、現状が変わってきて、価値観が変わってくる。しかし、子育てを取り巻く状況がどんなに変わっていこうとも、やはりこの地域というのは、急激な変革というのを望まない、そういうところがあると思います。ですから、極端な変革を遂げるわけにはいかないけれども、だからこそ、地域の安心・安全というものを担保しながら、よりよい方向に変えていく、こういったことの御支援をお願いしたいと思っております。その視点に立ち、よりよい仕組み、体制づくりを整えていただきたいと思います。

 そして、最後に、教育についてでありますけれども、教育についても同様に、多様性との関係性、そして基本姿勢という観点から、六項目の質問をさせていただきました。そしてまた、教育長における教育に対する考え方というのも、十分にお聞かせいただきました。特に、一昨年盛り込まれました幼児教育の無償化、待機児童の解消、高等教育の無償化と、二兆円規模の投資というふうにされていますけれども、このことからも、今後もますます教育と福祉の連携という点が必要とされる時代となることが予測されます。

 るるいただきました答弁に関しましては、おおむね理解をいたすところでございました。さらに、細目については、来年開催されます予算特別委員会の席上でも議論が深められていければと思います。

 私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○議長(礒野 忠議員)
 次に、十三番富永一議員。

     〔十三番 富永 一議員登壇〕

○十三番(富永 一議員)
 中央区自由民主党の富永一です。さきの質問通告に沿って、順次質問させていただきます。なお、答弁のいかんによりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。どうか建設的な御答弁をよろしくお願いいたします。

 私がこの中央区に生まれて、五十一年がたちました。子供のころには、料理店を営んでいた祖父に手を引かれて築地の魚河岸に行くのがとても楽しみでした。魚屋さんに行けば、これ、孫に食わせてやりなと魚がもらえるし、鳥肉屋さんに行けば骨つきのもも肉を、また、八百屋さんではメロンなんかをもらいました。買い出しが一通り終われば、すしを食べさせてもらいました。祖父は、ラーメンでも食うかいと言うのですが、私は、おすしがいいと返事をしていたものです。そんな思い出深い築地の市場が、当初の予定から二年おくれて、ついに豊洲へ移転してしまいました。世界的に有名になった築地、にぎわいを今後どのように守っていくのか、大変大きな課題です。

 東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会の選手村を抱える本区では、市場の移転が延期されたために、交通インフラを初めとする選手村付近の整備や経済活動へ大変大きな影響を受けてしまっております。市場の移転に関する課題、オリンピック・パラリンピックを迎えるに当たっての課題が山積し、同時進行で各地では、再開発や学校の建てかえなどが休む間もなく全力疾走しているのが本区です。その中には、念願だった日本橋上空の首都高の取り外しが、首都高の地下化ということで形が見えてきました。これも、近隣地区の再開発が大きくかかわっています。かつて七万人台まで減少した人口も、今では十六万人を超え、最終的には二十万人を超えるだろうと言われております。誰もが安心して安全に明るく暮らせる中央区をつくっていくために、主にまちづくりの観点から幾つか質問をさせていただきます。

 まず、今後の本区における分煙・禁煙・喫煙環境について質問させていただきます。

 五十六年ぶりに東京で開催される東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会を目前に、東京都内の飲食店は、ほぼ全店において禁煙になります。現在、本区には約一万一千三百もの飲食店が商いをしています。それらが一斉に禁煙化になるわけです。まだ監督指導の詳細が明らかになっていないとのことですが、保健所の担当部署だけでしっかりと全てを監督できるのでしょうか。また、法律と、法律より重い制約の都条例で、複雑な規制になっています。どのようにして飲食店などの方々に説明していくのでしょうか。大きな課題と言えます。

 まだこれだけ喫煙者人口がある中で、飲食店での喫煙ができないとなると、店の外に出て喫煙をする人がさらにふえるのは、目に見えております。まちの中では、暗黙の喫煙コーナーとなっている箇所が多数見受けられます。自動販売機が並んでいる場所や路地、一部の公開空地などです。たばこ店の先頭に置かれている吸い殻入れの前に喫煙者が集まるようになり、歩道いっぱいに広がったり、隣の商店の前まであふれてしまい、区には、煙たくて通れない、商売の邪魔になっているなどといった苦情が多く寄せられています。喫煙所のある公園等は、以前は七十以上ありましたが、今は二十四カ所に減っています。灰皿が置かれているところはまだよいのですが、そうでないところでは、飲み物の缶を吸い殻入れにしたり、吸い殻入れを持たずに喫煙しています。吸い殻の入った缶をその場に放置していったり、吸い殻をその場に捨てていったり、とにかく捨てられている吸い殻が目立ちます。

 東京駅前地区では、東京エキマチキラピカ作戦と銘打った清掃活動が展開されています。これは、JR東京駅が発起人となって、地元のディベロッパーが窓口になり、毎月一回早朝に、地元町会、地域の企業が参加して、まちの清掃活動を行っています。私も毎回参加しておりますが、今月は二十九日に行われる予定です。当日は、二十二団体、約二百五十名が参加する予定となっています。こうした清掃活動を通じてみても、まちに捨てられているごみの中で一番多いのがたばこの吸い殻です。車道や歩道、植え込みに多く捨てられており、下水溝によっては、詰まっている箇所もあります。

 本区では、平成十六年に、区内全域の公共の場所において、中央区歩きたばこ及びポイ捨てをなくす条例を定め、公共の場所のうち、人で混雑する場所や吸い殻入れのない場所での喫煙を禁止しています。これまでに、町会や商店会、事業所と連携して、街頭キャンペーンや立て看板の設置、路面シートを張るなど、条例の厳守、徹底を図るために、年末年始を除く毎日、パトロール員を区内全域に巡回させながら注意喚起や指導を行っておりますが、効果はどの程度出ているのでしょうか。残念なことですが、さきにも述べましたが、まちに捨てられている吸い殻を見る限り、効果は余り上がっていないように感じます。ある地域では、美観や環境浄化の観点から、メーン通りに設置されていた吸い殻入れを六年前に一斉に撤去しました。吸い殻入れのなくなった表通りの環境はよくなりましたが、反面、裏通りは以前よりもたばこを吸う人の姿が目立つようになり、吸い殻のポイ捨てもふえたとのことです。一方はきれいになるが、もう一方は汚くなる。それでは、だめです。全てがきれいにならなくてはなりません。こうした中で、二○二○年の四月から多くの飲食店で喫煙ができなくなったとき、まちの美化、環境を所管する環境土木部は、どのような対策をとっていくのでしょうか。東京都は、飲食店における喫煙を禁止する反面、喫煙環境を整備していくために喫煙所を設けることへ助成金を出す制度をつくりました。これを利用して喫煙所をつくり、しっかりと分煙を進めていく考えはあるのでしょうか。

 路上における喫煙に対して規制が強まったことをきっかけに、駅近くの繁華街に民間の喫煙所が数カ所できて、一時期注目されたことがありました。ちょうど私が区議会議員になったころですから、七年ぐらい前のことだったと記憶しております。当時、お隣の神田にできた、その施設を視察しに行ってまいりました。その施設は、利用料を払って使う施設でした。缶の飲料を百二十円で購入して、それを飲んで、空き缶として吸い殻入れにするのならとの考えから、その施設の利用料は一回百円程度だったと記憶しております。また、一回だけでなく、一日に何度も、それから一カ月間利用できるようなプランもありました。利用料を払って入る店内には、当然ながら、排煙機能はもちろん、冷暖房もしっかり完備されており、インターネット環境も整っている上に、無料で使える飲み物の自動サービス機もありました。運営する会社の担当者にお話を聞いたところ、採算ベースにするには五十店舗までふやさないといけない、まずはそこが目標ですと話されていました。たばこを吸うのにとても快適な空間のはずでしたが、利用者は、残念ながらふえず、数店舗が開設されただけで、すぐに撤退してしまいました。

 喫煙者と非喫煙者が共存をしていくには、行政が率先して対策を講じていかないとだめです。民間に任せたのでは、先ほどお話しした例のように相当な負担がかかり、最終的には頓挫してしまいます。そこで、しっかりと分煙化を進め、喫煙者と非喫煙者相互の共存を図るために、区の管理施設の中で可能なところに喫煙室を設けて、施設利用者だけではなく、たばこを吸うだけの人もその喫煙室を利用できるようにしていくべきと考えます。例えば、公衆トイレの転用による喫煙室増設や、区民館など公共施設への喫煙者の積極的な誘致です。また、将来的に喫煙者人口が減少すれば、喫煙者と非喫煙者が共存することが今よりもずっと簡単になるはずです。そして、将来的には、たばこゼロの社会を実現することが、究極の受動喫煙防止対策ではないでしょうか。そのためにも、たばこが健康に及ぼす悪影響を教育の立場で現場でしっかりと教え、子供たちが大人になる十年、二十年後には喫煙者人口を減らす取り組みが必要だと私は考えます。

 そこで、質問です。

 他区では、積極的に喫煙所を設けるなど、喫煙者、非喫煙者の共存へ向けた取り組みに力を入れている区がある中、本区は共存から遠ざかっているように感じます。来年の九月から、本庁舎でも喫煙室を撤廃して庁舎内が完全禁煙になりますが、公共施設も含めて、区内全体の喫煙環境について、どのようなお考えをお持ちでしょうか。また、将来的に喫煙者人口を減らすための若年期からの教育について、御回答をそれぞれお願いいたします。

 次に、障害のある方も楽しめるスポーツへの取り組みについて質問させていただきます。

 現在、本区では、障害者スポーツとしてボッチャを推進しております。パラリンピックの正式種目でもあるボッチャは、重度脳性麻痺者もしくは四肢重度機能障害者のために考案されたスポーツです。区では、ボッチャの体験会を実施して、障害のある方がスポーツを楽しむ環境をつくっています。障害者スポーツは、このボッチャのように障害者のために考案されたものから、既存のスポーツを障害者の要求に応じて修正したものもあります。

 障害者スポーツは、障害の種類によって、視覚・聴覚・身体・知的・精神障害者の五つのグループに大きく分かれています。障害のある方がスポーツを楽しむことによって、体の運動機能を高めたり、友達をふやすことは大切なことです。障害のある子供たちが学校以外でもスポーツをすることによって、筋力やバランス機能をアップさせていくことは、その子の将来のためにも、とても重要なことです。施設の専用車椅子に乗りかえて、車椅子のまま、スロープを使ってプールに入る障害者対応のプールを持つ自治体もあります。全ての障害者へ向けたスポーツの取り組みは難しい課題かもしれませんし、本当に容易なことではありませんが、まずは簡単なところからスポーツに触れる取り組みが必要だと考えます。総合スポーツセンターに障害者スポーツ指導員を配置し、スポーツ用の体験用の車椅子を用意して、四階のランニングコースを利用してもらうなどしていくことは、そんなに難しいことだとは思いません。いかがでしょうか。

 障害者スポーツの指導員は、全国に二万五千人以上、都内だけでも二千八百人以上が登録されておりますが、残念なことに、活躍の場が少ないのが現状でございます。

 そこで、質問です。

 障害のある区民がスポーツを楽しむための取り組みについて、区長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

 次に、世界的スポーツイベントを目前に控えての本区の取り組みについてお尋ねいたします。

 来年には、いよいよラグビーワールドカップ二○一九日本大会が、我が国で初めて、そして、これはアジア圏でも初の開催となります。世界から大変注目を集めている大会ではございますけれども、この大会期間は二○一九年九月二十日から十一月二日で、全国の十二都市で二十のチームが参加して、四十八試合が開催されるところでございます。世界から訪日するラグビーファンは、二週間から三週間日本に滞在して、全国を移動して、観光を楽しみながらラグビーの試合を観戦するそうです。お隣の千代田区では、東京駅の丸の内側で、ラグビーを初め、多くのスポーツイベントを展開しております。皇居があり、緑があり、行幸通りがあり、イベントを開催するにはとてもよい条件が整っており、これは大変うらやましく思うところでございます。

 聞いたところによりますと、ラグビーワールドカップを観戦に来る訪日客たちの多くは、こちら側、つまり中央区に宿泊して、食事をして、東京駅から試合開催地へ向けて移動していくだろうということです。八重洲、日本橋、京橋では、地元町会、商店会、企業、中央区ラグビーフットボール協会が協力して、さくら祭りや日本橋・京橋まつりの中でラグビーイベントをここ数年開催しており、大変盛り上がってきています。ラグビーワールドカップ二○一九組織委員会、日本ラグビーフットボール協会の協力を得て、トップリーグで活躍中の選手たちもイベントに参加してもらっており、これは確かな実績となっています。訪日客をお迎えするに当たって、八重洲通りにワールドカップのバナーをかけることや、商店街のビルをワールドカップカラーにラッピングするとか、既にまちはラグビーを盛り上げる準備はできているので、区が積極的に働きかけることで機運を盛り上げていくことができると思います。ワールドカップのエンブレムを使用するには、東京都の協力が必要です。時間がもう余りありません。区が、都や組織委員会にしっかりと積極的に働きかけていただきたいと思います。

 また、区内の小学校では、体育の授業にラグビーを取り入れている学校があります。中央区ラグビーフットボール協会のボランティアが区内の小学校に出向き、体育の時間にラグビーを子供たちに教えています。この取り組みも四年目を迎えており、七つの小学校に及んでおります。学校も含め、しっかりと機運を高めていきたいと考えます。その盛り上がった機運をそのまま、翌年にやってくるオリンピック・パラリンピックに向けていければと思います。

 東京の空にブルーインパルスが五輪を描いたのが一九六四年。私は、まだ生まれておりませんでした。先日、中央区還暦のつどいが開催されましたが、還暦を迎えられた皆さんは、前回の東京オリンピックの記憶をはっきりとお持ちのことだと思います。撤去、地下化決定された日本橋上空の首都高、新幹線の開通も、前回の東京オリンピックにあわせて整備されました。高度成長期にあった日本で開催された前回の東京オリンピック、建設業に携わっていた方々を初めとして、日本が意地とプライドで成功させた大会でありました。中央区で活躍されている御高齢の先輩方の中には、前回のオリンピックに携わった方も大勢いらっしゃると思います。この二度目となる東京二○二○大会の選手村を抱える本区としては、特別な思いを込めて、東京二○二○大会を迎える必要があるはずです。ラグビーワールドカップでつくった機運を、そのまま東京二○二○大会へつないでいくには、どのようなことができるでしょうか。また、すべきなのか。

 本区には、世界に誇る目抜き通り、中央通りがあります。中央通りの室町四丁目から銀座八丁目まで、全区間を使ったオリパラ歓迎イベントをやることはいかがでしょうか。区内の多くの町会には、まちの誇りであるまちみこしがあります。民舞連があります。全国レベルの中学校の吹奏楽団もあります。ほかにも、多くの地域の宝があります。それらが一堂に会して、東京二○二○大会を歓迎するのです。開催まで時間がない中、準備は大変ですが、オール中央区となるチャンスです。

 そこで、質問です。

 ラグビーワールドカップ、東京二○二○競技大会の開催を機会として捉え、こうした資源を活用した機運醸成について、中央区の考えをお聞かせください。

 次に、公園等に設置されている防災設備について質問いたします。

 ことしの夏は、全国各地で大きな災害に見舞われました。六月十八日に発生した大阪府北部地震に始まり、六月下旬から七月初旬にかけては猛威を振るった西日本豪雨、その後も、台風二十一号と台風二十四号の相次ぐ上陸、さらに九月六日には震度七を観測した北海道の大地震が発生しました。一時は、あの広大な北海道が全域にわたって停電し、都市機能に大きな影響をもたらしたことは、記憶に新しいところです。大阪府北部地震における避難所での避難者数は、一時二千六百人に達し、北海道胆振東部地震では、ピーク時には一万三千人を上回ったと報じられています。危惧されております東京湾北部地震が発生すると、本区において、避難者は最大で四万五千人に及ぶと見込まれており、実際に発生したら、大変な混乱になるのではと改めて考えさせられます。

 さて、本区では、いつ起こるかわからない災害に備えて、区内の三十三の公園に七十一基のかまどベンチが整備されております。また、現在、八十三カ所ある公衆トイレのうち、四十三カ所が災害時対応型の公衆便所として整備されているとともに、防災拠点にはマンホールトイレが設置できるようになっています。しかし、これらの存在は、防災区民組織の役員など一部の人が知るのみで、広く区民に周知されているとは言いがたい状況であることは間違いないと思います。防災拠点訓練の際に、マンホールを開けて、組み立てたトイレを設置するなどの訓練が行われていると伺っておりますが、私の見る限りでは、それほど頻繁に行われていると思えません。公園内にあるかまどベンチや災害用トイレを使用している場面も余り見かけたことはありません。これらの設備は、誰でも簡単に使用できるようになっているのでしょうか。身近な公園に防災機能として施設・設備があっても、いざという時にそれらを使いこなせる人がいなければ、意味がありません。

 そこで、質問です。

 公園のかまどベンチや災害時用トイレを平常時から防災訓練や地域イベント等で幅広く積極的に活用していただき、これらを通して、多くの区民の方々に設備の使用方法を理解してもらうとともに、防災意識の向上につながるように取り組むことが必要と考えますが、区の見解をお聞かせ願いたいと思います。

 以上で、一回目の質問を終わります。御答弁をよろしくお願いいたします。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 富永一議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、公共施設も含めた区内の喫煙環境についてであります。

 今回、国の健康増進法の改正と都の受動喫煙防止条例の制定を受けて、区民への周知はもとより、区有施設での喫煙のあり方や、一万店を超える飲食店への周知や支援などについて検討を進めているところであります。区といたしましては、受動喫煙を防止し、健康増進を図るという法改正や条例制定の趣旨を踏まえ、喫煙される方とされない方が共存できるまちを目指してまいります。また、子育て関連施設との合築が多い区有施設においては、子供の健康を重視した対応を検討してまいりたいと考えております。

 次に、障害者スポーツの取り組みについてであります。

 障害のある方がスポーツを楽しむことは、体力の向上や心身の健康維持・増進に加え、自立や社会参加の促進など、さまざまな効果があることから、スポーツ施設のバリアフリー化や障害者スポーツ体験会の開催、障害者団体への指導者派遣などを行っております。総合スポーツセンターへの障害者スポーツ指導員の配置につきましては、障害のある方が安心して楽しくスポーツに取り組めるよう、資格を持つ地域の指導員の活用や従事職員の資格取得などについて、指定管理者と協議してまいります。スポーツ車椅子の配置につきましては、各種イベントでの体験会の実施や今後の需要を踏まえ、体育協会や障害者スポーツ協会などの意見を伺いながら研究してまいります。今後は、東京二○二○パラリンピック競技大会を契機に、障害のある方がスポーツに取り組むきっかけづくりや、身近な場所での継続的な活動への支援、施設のバリアフリー化など、さらなる充実強化を図り、誰もがスポーツを楽しめる環境づくりを推進してまいります。

 次に、二○二○大会などの開催に向けた機運醸成についてであります。

 今大会の中心となる選手村を擁する本区において機運醸成を図っていくことは、区民はもとより、国内外から訪れる多くの来街者に対しても大きな発信力を持つものと考えております。とりわけ世界的なショッピングストリートである中央通りを活用したイベントは、道路管理者や交通管理者等との協議・調整が必要であるものの、これまでもメダリストパレードや車椅子テニスのイベントなどが行われ、話題となりました。特に、昨年十月に開催されました千日前イベントでは、地元の町会、商店街や、区内のジュニアコーラスが参加し、本区の歴史と文化に培われた心意気や情熱を披露するなど、大いに盛り上がりを見せたところであります。区といたしましては、ラグビーワールドカップや東京二○二○大会の機運がさらに醸成されるよう、今後とも地域と一体となった行事の開催などを都や組織委員会に積極的に働きかけるとともに、地域での自主的なイベントや取り組みを支援してまいります。

 次に、公園内の防災設備の活用についてであります。

 大規模災害発生時、公園は、火災の延焼防止や自衛隊等の支援拠点としての機能のほか、避難場所としての活用など、大変重要な役割を果たす施設であると認識しております。平成二十八年に発生した熊本地震においても、自助・共助による炊き出しや救援物資の配布といった活用事例が数多く見受けられました。本区においても、災害時にこうした活用を図っていくためには、平時から地域住民が身近な公園の防災設備への理解を十分に深めていただく必要があります。そこで、今後、防災拠点訓練における実践的な炊き出し訓練の充実を図り、かまどベンチの積極的な活用を促すとともに、防災区民組織等が実施するイベントにおいても利用できる機会を提供することにより、子供から高齢者まで地域の誰もが気軽に楽しく参加しながら、地域コミュニティの醸成と防災意識の向上を図る取り組みについて検討してまいります。災害時用トイレにつきましては、施設管理上、訓練等で実際に使用することは困難ではありますが、わかりやすく工夫した使用方法を表示するなど、いざという時に確実に活用できるよう周知に努めてまいります。

 私からの答弁は以上であります。

     〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 若年層に対する非喫煙の教育についてであります。

 児童・生徒に対して、喫煙による心身の健康に及ぼす危険性を正しく理解させることは、健やかな体を育む上で大変重要であると認識しております。現在、小・中学校では、学習指導要領に基づき、保健の授業において、喫煙や受動喫煙の害、未成年者の喫煙による身体への影響などを学習するとともに、喫煙と病気の関係について医師や薬剤師などの外部講師を招いて講演する取り組みも行っております。今後も引き続き、喫煙にかかわる健康教育を適切に実施し、児童・生徒の喫煙を予防する指導に取り組んでまいります。

 答弁は以上でございます。

     〔十三番 富永 一議員登壇〕

○十三番(富永 一議員)
 答弁ありがとうございました。

 私自身はたばこを吸わないんですけれども、たばこが健康を害することというのは、子供のころから、保健室の前にポスターを張ってあったり、いろいろ悪いというのは重々承知です。ただ、やはり嗜好品として法律でも認められている、また、たばこを売ることによって商売をされている方々もいらっしゃる。そして、中央区に入ってくる税金も、年間三十億円と大変大きなものです。やはりきちんと共存をした上で、先ほど一回目の質問の中でも言いましたけれども、本当に小さなうちから子供たちに、絶対たばこはだめだよ、体に悪いんだよということを教え込みながら、その子が大人になるころには、間違いなく喫煙しないような環境をつくっていく。ただ、学校だけでそれをやるのではなくて、社会全体でももっともっと、たばこは体に悪いんだよというようなことをしっかりと子供たちに教えながら、その子たちが大人になったころには、体に悪いから、たばこなんか吸わないよという人がふえれば、間違いなく喫煙者人口というのは減るはずです。最終的には、もうたばこをこの世の中からなくそうという動きが世界で起こるかもしれませんし、そうなることを願いながら、しっかりと分煙していくことが大事だと思います。

 飲食店で、本当に今、飲食店の中でも、もう世の中がこうなってきているから、うちはたばこをやめたよというところもある反面、まだまだ小さな喫茶店などは、たばこが吸えるからといって、愛煙家の人たちでにぎわっているようなお店もあります。その人たちの商売、生活のことも考えて、今後どうするのか。条例に関して指導、それから所管するのは保健所ですけれども、やはり外に出た場合のたばこの環境、それから景観ということは全部環境土木部の所管になっていきますので、しっかりと。これからラグビーワールドカップも来ますし、オリンピックも来ますし、海外等からいらっしゃったお客さんが、何だ、これ、汚いじゃないかと思われないような中央区にしていっていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 障害者スポーツへの取り組みなんですけれども、つい先日、群馬県伊勢崎市で第一回みんなのバリアフリー運動会というのが開催されることを知ったので、ちょっと見てきたんですけれども、市の施設の大きな体育館を借りて、障害者の人たち、主に車椅子利用の方々なんですけれども、それと、おそろいのジャージを着ていたので近隣の高校生たちですかね来ていたり、あと家族連れも来ていて、本当に和気あいあいとしながら、車椅子を使ってリレーを楽しんだり、そのときはバトンのかわりにハートの形をした風船を持って、朝九時半から三時ぐらいまでやっていたイベントなんですけれども、すごく皆さん和気あいあいとされていて、これでお開きですと終わったときに、担当している車椅子利用のスタッフのところに何人もが笑顔で来て、おもしろかったよ、楽しかったと言っている姿がすごく印象的だったんです。

 どうしても車椅子のスポーツというと、今、テレビなどでやっている、例えばラグビーとかバスケットとか、すごく激しいものを想像しがちなんですけれども、あれは本当に激しい、最高峰のところであって、まずスポーツに触れてもらうことが大切だと思って、今回、質問をさせていただきました。中央区の総合スポーツセンターができるときには、総合と名乗るからには、しっかりバリアフリーにもしなければいけないねというような考えで、大変大きな予算をかけて、あの体育館がつくられたのはわかっているんですけれども、何かイベントをやるときに、障害者の皆さんもぜひということではなくて、やはり日常からスポーツに触れてもらうということが大事なのかなと思って、今回、質問に至ったわけです。

 私の同僚議員でも、スポーツ指導員の資格を持っている議員もおります。年会費を払って登録しているんですけれども、実際には、登録しているだけで、一切活躍の場がないのが現実なんです。そうした方々も東京都には二千八百人おります。もちろん、中央区にも大勢いらっしゃることでしょうから、その人たちの力をかりて、中央区の中でもっともっと障害者の方々に楽しく気軽にスポーツに触れてもらう。区民マラソン大会もありますよね。あそこは車椅子の部門はないと思うんですけれども、何も車椅子でレースをするだけがスポーツにかかわるということではなくて、例えば御自身で車椅子を動かせない方もいらっしゃるわけです。そういった方々は、ゼッケンをつけて、押してもらいながら、グラウンドの周りを一周するだけ、歩いてもいいと思うんですよね。でも、そこでゼッケンをつけて、それに参加していることによって、自分もスポーツをやっているんだという気持ちを皆さんで持つことが大事ではないかなと思い、今回、質問させていただきました。

 ワールドカップ、それからオリンピックに向けた機運醸成のことですけれども、中央通りは全国にも本当に自慢できる目抜き通りなので、先ほど区長答弁にもありましたように、千日前イベントをやったり、いろいろなことをやっていますよね。中央区には、日本橋も立派なおみこしを持っているところがたくさんあります。京橋地域のほうに来ると、鉄砲洲稲荷神社ですとか、また、佃でも立派なおみこしがあります。晴海にもあります。それらが一堂に会することによって、華やかになるのはもちろんなんですけれども、みんなでそれをつくっていくんだよ、やっていくんだよというところで、各地域の人たちが集まって顔を合わせることによって、オール中央区というのが生まれてくるのではないでしょうか。それぞれの地域では、お祭りとかイベントを、本当に物すごく力を入れてやられている。それが一堂に集結することによって、本当の中央区の力強さというのが出てくるのではないかなと思って、今回、質問させていただきました。

 そうはいっても、本当にあと数カ月、もう一年を切っています。あと十カ月、来年の今ごろは、もうラグビーは終わっていますね。十一月二日ですから。テレビでも、この間も、イングランドか、やっていて、前半、すぐに逆転して、日本が優勢になった。すごいな日本と思っていたところに、最終的には逆転されて負けてしまったんですけれども、今、どんどんテレビでも、夜中にもかかわらず、ラグビーはおもしろいと見ている人がふえてきているんですね。

 子供たちも、今、授業の中でタグラグビーをやっています。その子たちがラグビーのことを目の当たりにし、自分が住んでいる中央区でやるんだよ、盛り上げるんだよということを子供たちに味わわせてあげれば、その子たちが大人になる五十年、六十年後に、また、日本でラグビーが開催されるとなったときに、第一回目は、俺はまだ四歳だったよ、五歳だったよ、すごかったねと。それがどんどん、中央区で暮らしていく誇り、僕は、あのとき中央区に住んでいて、一緒になってラグビーの旗を振って応援したんだよというようなことが中央区の宝になっていくと思います。

 教育の問題、それから健康における喫煙の問題、環境の問題、いろいろありますけれども、全部まちづくりに入るかなと思いまして、短い間でしたけれども、今回、質問させていただきました。

 中央区議会議員になりまして、七年間、いろいろ勉強してまいりましたけれども、まだまだ中央区のことを一生懸命やってまいりたいと思います。どうか中央区の皆様方も、明るい中央区、誇りある中央区のために、今後ともよろしくお願いいたします。

 これで質問を終わります。(拍手)


○二十三番(瓜生正高議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後三時三十二分 休憩


     午後三時五十五分 開議

○議長(礒野 忠議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。二十九番中島賢治議員。

     〔二十九番 中島賢治議員登壇〕

○二十九番(中島賢治議員)
 公明党の中島賢治です。私は、平成三十年第四回区議会定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、通告に従い、区長並びに関係理事者に対して質問をさせていただきます。どうぞ意のあるところをお酌み取りいただき、前向きな御答弁をお願いいたします。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 ことし策定した中央区の基本計画には、誰もがあこがれ、住みたい・働きたい都心の実現、個人の多様なライフスタイルに応じて、子ども、高齢者・障害者など誰もが安心して暮らし参加できる社会を構築していきますと明記されております。この中央区の中でも、ひとり親の家族や独居暮らしの高齢者、障害者は、生活弱者として日々暮らしております。独居高齢者におきましては、現在、区内の高齢化率は東京都の中でも最も低くなっておりますが、これも若い世代による人口増による数値であり、高齢者人口の数は確実にふえております。独居高齢者の増加も気になるところではありますが、障害者やひとり親家族は、それ以上に深刻な状況で生活しております。

 基本計画では、障害者が地域で自立し、充実した生活を送ることができる環境づくりが示されております。基幹相談支援センターが中心となり、相談支援事業所を初め、障害福祉サービス事業所間のネットワーク強化を図り、障害者の生活全般にわたるサービスを調整するケアマネジメント体制のもと、一人一人のニーズに応じた適切な支援を行うと示されております。障害者が安心して暮らせるようになるには、就労支援や施設から地域への移行支援等の充実を図る必要があります。また、生涯にわたって地域で自立し、充実した生活を送れるよう、居住支援を初め、障害者の生活を地域全体で支える体制が必要となります。

 我が国の障害者の比率は人口の六%と言われておりますが、日本においても、障害者などの認定をされない方も加えると、人口の一○%ほどが障害者と考えられております。中央区の障害者手帳所持者数は増加傾向にあり、平成二十九年四月一日現在、三千九百三十七名で、平成二十五年時点と比較すると、一・一五倍となっております。中央区の平成二十九年の障害者(児)実態調査によれば、多くの障害者は将来の生活に不安を持っており、多くの障害者が長く家族と住んでいたいと考えております。実際は親のほうが先に亡くなるわけですが、親としても、自分の子供を残していくことに大きな不安を持っております。そんな中、お子さんの自立に向けた取り組みこそが、将来にわたって安心して暮らす要因だと考えております。実態調査によれば、ひとり暮らしをしたい障害者は二○%を超えております。さらに、福祉施設からの一般就労移行と就労定着に向けた支援、精神障害者の入院からの地域移行支援、身近な地域での支援の提供等、障害特性に応じたサービスの充実が必要であります。そして、一人で自立して暮らすには、障害者がみずから働くことができれば、障害者の自立につながると考えております。

 そこで、お聞きいたします。

 自立のための障害者の就労の必要性をお伺いいたします。

 しかし、ことし発覚した障害者雇用水増しに関する不祥事、本来率先して公的機関が進めるべき障害者雇用施策のはずが、各省庁及び地方自治体等の公的機関において、障害者手帳の交付に至らないなど障害者に該当しない者を障害者として数え、障害者の雇用率が水増しされていたことが問題になっておりました。幸いにも、本区においては、そのような偽装がなされていなかったことを感謝申し上げる次第であります。

 国は、中央省庁の公務員で現在二・五%の障害者法定雇用率を達成するには、約四千人の雇用が必要になるとして、来年の二月に障害者採用統一試験を実施することになりました。四千人もの障害者を雇用することは、決して悪くはないというふうに思っておりますが、そこで、お聞きいたします。

 中央省庁がいっときに障害者の雇用を集中することで、各自治体に対する影響はもちろん、障害者自身にとって、どのような影響を及ぼすと考えられるか、お聞きいたします。

 政府としては、ただ早期の大量採用の方針は、応募者数などの見積もりが立たない側面も強く、四千人はあくまでも努力目標との声もあるとコメントされておりました。しかし、障害の状況で雇用条件も変化する中、せっかく思いのある障害者の気持ちを無にしなければよいと思っております。

 次に、ひとり親世帯支援についてです。

 全国で約百二十三万世帯に上るシングルマザー世帯、母子家庭の平均年収は、全世帯平均年収を大きく下回り、子供たちを巻き込んでの貧困状態にあえぐことになります。母子のみにより構成される母子世帯数は、全国で七十六万世帯、父子のみにより構成される世帯数は九万世帯となっており、他の親族と同居を加えると、母子世帯と同居が百二十三万世帯、父子世帯が二十二万世帯となり、いかにひとり親母子世帯が多いかがわかります。中央区においては、平成二十三年のひとり親家庭実態調査対象が七百二十一世帯、平成二十九年の児童育成手当受給者が千百十世帯に及んでおり、一・五倍にも拡大しております。

 ひとり親世帯になった理由で多いのは、生き別れが六五%、このほか未婚が一五・八%に及んでいる。就労状況は、ひとり親父子が、八五・四%のうち六八%が正社員、六%が派遣、パート社員。母子が、八一・八%の就労のうち、半分が正社員、半分が派遣またはパート社員、そして生活保護を受給している母子、父子、合わせて約一割になっております。離婚にかかわる養育費の現状は、取り決めても、実際に払われているのは半分にも満たない。一年以上継続して養育費を払うケースは一○%ほどしかありません。

 そんな中、所得の少ない母子のひとり親家庭は、収入をふやそうとすると、就労時間が長くなるだけではなく、長時間働けないと就労の数がふえてきます。私が相談を受けた方は、朝四時から七時までパン屋さんで働き、帰宅し、子供を学校に送り出し、その後、自宅の掃除、洗濯をこなし、十時ごろから十四時、午後二時ごろまでコンビニで働き、その後、買い物をし夕食をつくり、子供を迎え入れ、七時から十時まで働く。帰ってきて後片づけをし、就寝する。このような母親、長時間就労のために子供とコミュニケーションが十分にとれないと考えている母親が五六%もいます。また、子供が急に病気になったときに、かわりに面倒を見てくれる人がいないと感じている母親が四九・七%もいます。こんな状況下にいる親御さんの希望する支援は、ひとり親世帯住宅の充実や、家賃助成などの居住支援策で、五○・五%と最も多く希望されております。

 こんな綱渡りみたいな生活を送っている母子家庭の家族、この大きな原因の一つに、高い住居費があります。そのため、無理をしてでも長い時間の労働を強いられております。この現状、区の政策は、区立のひとり親住宅の建設や公営住宅のひとり親優先または低所得者用の住宅など、ひとり親住宅は恵まれているかもしれませんが、結局、抽せんに漏れたひとり親家族は、今の状況に変化はなく、これからの長時間労働と子供とのコミュニケーションの薄い状況には変わりありません。せめて、大変な暮らしをしている世帯の応援を抽せんで決めるのではなく、支援策があればと感じております。

 そこで、お聞きいたします。

 抽せんで落ちたひとり親家庭と当せんした家庭との公平性は、どのように感じておりますか、お聞かせください。

 ひとり親調査によれば、家賃のない方が二三%、七万円から十五万円を支払われている方が約四割おります。この住宅費を払っているひとり親世帯で区内に頼れる身寄りのいない人に住宅費を少しでも援助できないかと思っております。武蔵野市では、先進的に行われており、平成三年より、上限月一万円を支給する制度があります。一時、給付による支給の延期も考えたと言われておりますが、ひとり親に対する独自の支援策として、現在、残っております。

 そこで、お聞きいたします。

 中央区においても、親と子の時間を確保するために、住居手当の支給を考えていただけないでしょうか、お聞きいたします。

 次に、まちづくり支援施設についてお聞きいたします。

 中央区において、多くの再開発が予定されております。さらに、来年には選手村のマンションの販売も開始され、月島、晴海、勝どきを中心に再開発が着々と進んでおります。しかし、これだけマンションが立ち並ぶと、全戸による建てかえ需要より、各戸のリフォームが主流になっております。そこで、今後、需要として、現在住まわれている方々の住みかえも重要な取り組みと考えております。まちづくり支援施設の利用に関しての確認をさせていただきます。

 中央区立まちづくり支援用施設条例によりますと、まちづくり支援用施設の申し込み資格の一つとして、住宅の建てかえを行う際に仮住宅を必要とする者が対象となっております。この対象についてですが、区内には、少なくなっている戸建て住宅や長屋の共同による建てかえは、もちろんある程度の需要があるとは思いますが、特に再開発事業に関しては、例えば月島三丁目において、これから予定されている地区のように、対象となるものが一斉に発生し、ある時期に多くの仮住宅の需要が発生することが想定されることから、それに備えた空き住宅を用意しておく必要があることに対しては、理解をしております。

 一方、区民が暮らす住宅の大部分を占めるマンションについては、戸建てとは違い、いきなり全体を建てかえるというよりも、個別にリフォームするなどの需要が多くなり、今後もますますふえてくると思われます。解体をしてから新たな建物を建てる建てかえ工事と比べ、リフォーム工事は工期が短いため、再開発やマンション建てかえなどの大規模事業に備えて、空き家を用意しておかなければならないとしても、その合間に短期のリフォームなど、まちづくり支援用施設を活用することは、区の資産の有効利用の面においても、区民の居住環境の向上の面からも、双方にとってメリットがあるのではないかと考えております。そこで、現在は建築物の建てかえに限って対象としている仮住宅の対象要件を拡大し、住み続けるために必要なリフォームや耐震改修工事などにおいても、借りかえ住宅が必要と考えております。

 そこで、お聞きいたします。

 本年三月の予算特別委員会において、我が会派からも提案をさせていただいた事項ではありますが、まちづくり支援用施設の利用拡大について、その後の検討状況について、本区の見解をお聞かせください。

 次に、光害防止条例についてお聞きいたします。

 再開発が進む前は、我が家の目前には広々とした緑の都有地と隅田川の河口と青く広い空が見えておりましたが、都有地の売却による再開発のため、高層住宅が立ち並び、海への視界は失い、道路に面した春海橋公園跡地の樹木は、開発予定地のため、削られて、もとの樹木の三分の一ほどになっております。さらに、この都有地にBRTのバスターミナルの建設が決まり、ますます樹木は削られ、晴海に何十年と根を生やしてきた樹木たちがさらに少なくなっていきます。しかし、地域の再開発は多くの人が望んでいることであり、地域の再生のためにと受け入れてまいりました。

 それでも、最近は、高層住宅ができるたびに、みずからの建物を主張するかのように、屋上付近にシンボル的な帯状の照明をめぐらせております。それも、前に建設されたものよりも目立つようにとの思いもあるのか、建設の数が増すに従い、明るく広くなり、目立つようにと変わってきているように感じます。雨雲が低いときには、雨雲に光が当たり、間接照明のように地面を照らし返すこともしばしばあります。高層住宅建設のたびに、光が地域にあふれ過ぎているように感じております。地域の方からも、窓を開けるとまぶしく感じると言われております。さらに、区内の繁華街のネオンや車のライト、中央区においては、住居の照明など、人工の光により、窓を開ければ、いろいろな光が目につき、夜を感じさせない明るさが本当に必要なのかと疑問に思います。

 そこで、お聞きいたします。

 区内の人工の光の状況をどのように感じますか、お聞かせください。

 よく資源問題で、有限だとされている石油の量が問題にされ、大切に使う必要性を訴えております。今思えば、一九七三年ころ、オイルショックのときには、十一時以降、銀座通りのネオンは消え、テレビ放映は十二時で終わるなど、エネルギー使用に対しての取り組みが日常生活に影響を与えており、今後のエネルギーを心配していたことを思い出します。しかし、現在、省エネルギー対策やリサイクルが進んだように見え、化石エネルギーの重要性を語ることが少なくなっております。

 もともと日本は、石油や天然ガスなどの化石エネルギー資源が乏しい国です。二○一五年の日本のエネルギー自給率は七・四%であり、他のOECD諸国と比較しても低い水準となっております。原発が作動していた二○一○年には、自給率が二○%を超えておりましたが、東日本大震災により原発を停止したことにより二○一六年には八・三%に自給率が下がっております。それにもかかわらず、電気使用量はほとんど変わらないどころか、右肩上がりで伸びております。中でも、照明に対する電気使用量は、家電製品の伸びと比例して拡大しております。

 そして、このエネルギーは、海外から輸入される石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料に大きく依存しております。震災前、化石燃料の海外依存度は八一%でしたが、原子力発電の稼働停止に伴う火力発電のたき増しによって、依存度はさらに高まり、二○一六年には八九%となっております。火力発電の使用により、東日本大震災以降、日本の温室効果ガス排出量は増加し、二○一三年度には過去最高となる十四億トンもの温室効果ガスを排出してきました。二○一四年度以降は減少に転じておりますが、二○一六年度でも十三億七百万トンもの温室効果ガスを排出しております。限りある資源を有効活用することは、省エネにもなり、CO2排出も抑制され、地球温暖化問題の解決にもつながります。省エネは、いつでも取り組まなければなりませんので、そこで、お聞きいたします。

 電気使用量削減のために、不要な電気照明を抑制すべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。

 我が国の発電電力量に占める再生可能エネルギー比率は、二○一六年時点で一四・五%です。主要国と比べると、再生エネルギー比率は低く、さらなる導入拡大が求められています。人工衛星のランドサットから地球を映し出した写真などのコメントで、人間のつくり出した造形物が確認できるのは万里の長城だけだと、よく聞きます。しかし、夜になると、それが変わり、地球を上空から見て、夜空の照明で国の形がわかるのは日本だけだと言われております。上空から見て、それだけ輝いている日本、エネルギー消費量は、中国、アメリカ、インド、ロシアに次いで世界で五番目ですが、国土の狭い日本において、ふんだんにエネルギーを使っている現状です。その日本において、エネルギー消費の一六・四%が照明に使われております。

 国際的な光害防止条例の動きとしては、住環境である屋外照明の本来のあり方を見直し、一般的な環境改善や省エネルギー、そして電力費用削減を実現することを目的とした条例が策定されております。この中には、障害光や漏れ光の改善、地球温暖化対策も含まれております。また、海外の条例で大きな特徴の一つは、人口の密集している大都市でも多く条例化の動きが出ていることです。光害対策が都市部でも実施され、環境改善や地球温暖化防止に貢献することの認識が高まっております。この中でも、都心における光害防止条例ないしは光害対策を盛り込んだ照明基準の策定は、以下のことについて検討され、実施されております。野生動植物への影響の防止、住環境の改善、都心部、繁華街の過剰な屋外照明の抑制、省エネルギー、天体観測への影響の防止が検討され、条例化が進められております。この五つの検討ポイントは、どれをとっても、我が区において影響が大きいと考えております。

 そこで、お聞きいたします。

 この中央区にも光害防止条例が必要だと考えておりますが、いかがお考えでしょうか。

 以前の東京の空とは変わり、夜空も澄んできております。そして、天体の美しさを知っていただくためには、夜に天体観測を経験することは、子供たちにとっても重要な自然学習の一つだと考えております。日本では、人工の光で日本人の約七割の人が天の川を見ることができないほど、明るい夜を過ごしております。また、都会から満天の星を求めてツアーが計画され、大盛況となっております。例えば、鳥取県は、星取県をうたい、全国最少の人口で照明の少ないことを観光のアピールに使っております。さらに、ことしの四月よりは、美しい星が見える地域を星空保全地域と定め、野外照明に厳しい規制を設けております。また、長野県の日本一星空が美しいと言われる阿智村では、夏場のスキー場を星空観察会に利用し、標高千四百メーターの草原から星空を見上げるツアーを実施しております。昨年は十二万人の参加があり、町おこしにもつながっております。このように、自然のままの光を楽しむ喜びが日本全土で行われております。そのために、各所において光害防止条例が整備され、照明の規制がされるところが全国で五十九地域に及んでおります。

 最近は、東京においても、星を見ることができます。六本木ヒルズなどは、高層ビルを利用した地上二百四十メータースカイデッキを、二十四時、零時まで、夜景と星を見るために有料にて開放しております。また、先月、十月三十一日には、羽田空港においても、国内線第一ターミナルデッキにおいて、四十組百六十人の天体観測が行われておりました。私は、三年前に中央防波堤の内側、お台場のすぐ近くにある海の森で二○一五年十二月十三日夜から十四日の朝にかけて、ふたご座流星群を観察させていただきました。このときは、将来の海の森の開園時のイベント検討のために実験的に実施させていただきましたが、夜中の二時から四時まで、約四十個の流れ星を見ることができました。毎年、自宅のベランダから眺めていても、一時間に五、六個の流れ星が見られますが、近年は東京の空もきれいになりつつあり、夜空も楽しめるようになってきております。しかし、目の前のマンションに夜空を遮られるだけではなく、シンボルライトなど広い範囲で明るく、星を見ることができません。夜間の自然をいつの間にか失いかけている現状、都心部における権利として、星空を大切にしたいと考えております。区内に住む子供たちに星空の美しさを知っていただきたいと考えております。

 そこで、提案ですが、区内のビルの屋上に天体観測のできる施設をつくっていただけないか、お伺いいたします。

 次に、バリアフリートイレについてお聞きいたします。

 十一月十日は、いいトイレということで、日本トイレ協会が一九八六年にトイレの日を制定いたしました。日本の公共トイレの質の高さは国内外ともに認知されておりますが、程度の差はあるものの、現在も多くの問題を抱えております。

 注目すべき新たな課題として、一つは、二○二○年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピックです。世界でトイレを使って排せつされている人の割合は、三人のうち二人しかいません。このことにより、トイレの使い方がわからない外国人の方がいます。最近の設備はさらに進化して、初めて使う人は、なかなか思うようにはなりません。

 二つ目は、近年増加している外国人観光客、世界の国からの訪問者に対して、多言語やシンボルマークでトイレの使用方法を説明する必要があります。

 三つ目は、高齢者人口の増加により、高齢者介護のためのベッドをトイレの中に置くことにより、トイレの使用時間が伸び、だれでもトイレを使う人が長時間待たされております。

 四つ目は、女性が活躍できる社会整備のために、公衆トイレにおいても常に清潔が求められるようになりました。

 五つ目は、LGBT等の多様性を見直す動きで、シンボルマークに青や赤で男女を表現したり、室内などを色分けすることで使いづらいと感じる人がおります。古くからの問題と新たな課題をともに考え、これからの公共トイレのあるべき姿について考える必要があると思います。

 そこで、お聞きいたします。

 中央区の公共施設や公衆トイレの表示や使い方など、せめて多言語やシンボルマークによる表示が必要と思いますが、いかがお考えでしょうか。

 バリアフリートイレのルーツは、一九七○年の車椅子使用の広いトイレがスタートとなります。二○○六年のバリアフリー法の成立で、全ての障害者が対象となり、オストメイトを初め、ベビーチェアや介助用ベッドなども加わり、多機能化に進んでおりました。一つのトイレを多くの人が使うので、障害者の使用の際、長く待たされることもあります。二○一二年より、国の方向性も変わり、機能分散型のトイレの推進を図っております。

 そこで、お聞きいたします。

 新庁舎建設の際、機能分散型のトイレを推進してほしいと思いますが、いかがお考えでしょうか。

 最後に、区内の歴史についてお聞きいたします。

 慶長八年、一六○三年に江戸幕府が開かれて以来、長きにわたって戦乱のない平和な時代が二百六十年以上続きました。この江戸時代は、日本文化が大きく花開き、生活様式や社会秩序も安定を迎えた時代でもありました。この時代の人々の暮らしの中から、四季折々の年中行事や祭りが生まれ、洗練された寺子屋などの教育も行われ、結果、識字率は世界でも最高の水準に達しました。環境に優しい循環型社会の知恵や、多くの地震や火災などの災害を乗り越えた都市でもあります。江戸時代のすぐれた文化は、中央区を中心とした重要な位置にあるからこそ、まるごとミュージアムのテーマも「歴史と文化が出会う街」を掲げ、行われることに理解をするものであります。さらに、リーフレットの挨拶には、次のように書かれております。

本年は一六○三年の江戸幕府から四百十五年、江戸から東京にかわり百五十年の節目に当たります。さらに、中央区は、江戸から続く歴史と伝統と語られております。

この挨拶にもわかるように、本区において、歴史文化は重要なかかわり合いを持っております。

 そこで、お聞きいたします。

 中央区の江戸から現代までの歴史文化を区民に知らせていただく必要があると思いますが、お考えをお聞かせください。

 例えば、中央区役所は土佐藩邸であったことや、京橋近くには北辰一刀流の千葉道場があったことを考えると、間違いなく、あの坂本龍馬がこの辺を歩いていただろうと推測されます。例えば、まるごとミュージアムのリーフ、十四ページには、手引き活版印刷機による印刷体験が載っております。そして、築地が日本の活版印刷発祥の地であり、さらに活版印刷を考案した平野富二が水戸藩の造船所を買い取り、民間造船所としてスタートし、その後、石川島造船所になっております。しかし、その歴史を語り継いでいかないと、薄らいでしまい、みずからの郷土としての歴史も見失ってしまいます。

 そこで、お聞きいたします。

 区内の歴史をまるごとミュージアムでもっと取り上げて宣伝していただきたいと思っておりますが、お考えをお聞かせください。

 ミュージアムとは、一般的に博物館などを意味します。そして、広辞苑には、博物館とは、考古学資料、美術品、歴史的遺物その他の学術的資料を広く収集・保管し、これを組織的に公衆に展覧する施設と書かれております。この考えに沿えば、区内の方に区の歴史を知っていただく方法として、まるごとミュージアムを活用することは、まるごとミュージアムの名前からして十分できると思っております。

 歴史上、中央区は地理的な日本の中心だけではなく、江戸時代の終わりを告げる明治維新、この時代は大きな転機でもあり、日本においての民主主義のスタートの時代でもあります。そのときにおいて、大きな変動の時代を乗り越えた時代の出来事を中央区としても形に残す必要があり、あふれるほど時代の遍歴が刻まれた中央区の歴史的魅力をあらわすべきと考えております。

 そこで、お聞きいたします。

 中央区の区内散歩のような史跡と歴史を訪ねる冊子はありますが、雑誌のようなA四版サイズの四十ページほどで写真を多く載せた、気軽に読める区内史跡ガイドブックを多言語対応で発行できればと思いますが、いかがお考えでしょうか。そして、このガイドブックで中央区に引っ越してきている方に中央区のすばらしさを知っていただき、さらに、来られる外国人の方に日本の心を感じていただく手だてになればと思っております。みずからの郷土の愛着は、郷土の歴史を知ることにほかならないと感じております。歴史と伝統の積み重ねが、この中央区をつくっております。そんな中央区の誇りを皆さんに伝えたいとの思いで、質問させていただきました。

 以上で一回目の質問を終わります。

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 中島賢治議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、障害者の就労支援についてであります。

 大変重要なことであります。障害者が地域で自立した生活を営み、喜びと生きがいを持って暮らし続けるためには、企業などへの就労に結びつける取り組みとともに、就労後も安心して働き続けられるよう、一人一人のニーズや適性、能力に応じた支援を行っていくことが重要であります。本区では、障害者就労支援センターを中心に、ハローワークや区内福祉施設と連携し、訓練や職場実習を通じて一般企業への就労につなげるとともに、専任のコーディネーターによる生活面と就労面の支援を一体的に提供しております。また、企業に対しても、ジョブコーチが働きやすい環境づくりへの助言を行うとともに、障害者の不安や要望について職場との調整を図るなど、個別の課題に応じた支援を行っております。今後とも、障害者就労支援事業所ネットワークにおける就労支援セミナーの開催や、福祉施設が実施する就労定着支援事業との連携など、さらなる就労促進に向けた取り組みを進めてまいります。

 次に、中央省庁における障害者雇用の影響についてであります。

 本区の障害者採用につきましては、特別区人事委員会において一括して選考を行った上で、区が最終面接を行い、採用しているところであります。中央省庁では、今回の水増し雇用問題への対応として、平成三十一年末までに常勤職員を千二百十名、非常勤職員を約三千百五十名採用する方針を示しており、今年度内から障害者を対象とした採用試験を実施し、法定雇用率の確保を目指すものと承知しております。こうした状況は、各自治体の障害者雇用に一時的な影響を及ぼすことが見込まれるものの、今回の事案を契機として、官民を問わず、障害者雇用が継続的に拡大し、共生社会の実現が図られることを期待しているところであります。

 次に、ひとり親住宅についてであります。

 区民住宅は、さまざまな理由により住宅に困窮する世帯を対象に供給しており、特にひとり親世帯は経済状況が厳しい中で住宅に困窮することも多く、本区では、より多くの方に入居いただけるよう、特別区では二区のみが実施しているところですが、ひとり親世帯専用の住宅を供給しております。住宅に応募される方の住宅困窮の理由はさまざまでございまして、経済状況のほかにも、狭い住宅での居住や現住宅の老朽化による転居なども要因となります。このような個々の事情に対し、区として優先度をはかることは困難であることから、抽せん方式を採用することで公平性を担保しております。

 次に、住宅手当についてであります。

 区では、ひとり親家庭に対して、住宅資金や転宅資金を貸し付けるほか、離職等により生活が困窮した場合には住居確保給付金を支給するなど、住まいに関する支援を行っております。限られた財源の中で住宅手当の支給は難しいものと考えておりますが、ひとり親家庭においては、生活の安定に向けた総合的な支援策が必要であることから、児童扶養手当、児童育成手当などの経済的支援を初め、就業支援や資格取得支援、さらにはホームヘルプサービスや休養ホーム事業などにより生活上の支援を行っているところであります。今後とも、現在実施している実態調査の結果を踏まえながら、ひとり親家庭に対する支援に取り組んでまいります。

 次に、まちづくり支援用施設の利用拡大についてであります。

 まちづくり支援用施設は、区民の居住継続と生活環境の整備・改善を図る観点から、建てかえ事業中に必要となる仮住宅の供給を行うものであります。その趣旨から、一定数の空き家の確保は必要であるものの、多数の空き家が長期間にわたり発生していることが課題となっております。そこで、現在、中央区立まちづくり支援用施設条例の改正に向けて検討を進めているところでありまして、その中で、対象事業を建物の新築や増改築に加え、マンションも含めた修繕や模様がえも追加することを初め、入居者の要件を現在地での建てかえのほか、区内での転居も認めていく考えであります。今後、早い段階で条例改正の手続に着手し、まちづくり支援用施設の利用拡大を図ってまいります。

 次に、光害についてであります。

 本区は、首都東京の中心に位置し、活発な商業活動が展開され、人工の明かりにより一定の明るさが確保されることは、防犯上の観点から、安全・安心なまちづくりに資するものと考えております。一方で、地球温暖化への対応は急務であり、照明に必要な電気の使用量を削減するためのLEDランプや省エネルギーに資する設備の設置など、二酸化炭素排出量の削減を図っていくことは重要な取り組みであります。これまでも、環境対策として、中央区まちづくり基本条例、中央区市街地開発事業指導要綱に基づき、省エネルギー機器の導入などを開発事業者に指導してまいりました。今後は、条例や要綱の環境対策に資する協議において、計画上の配慮事項に過剰な屋外照明の抑制などを含め、指導してまいります。

 次に、高層建築物の屋上への天体観測スペースの設置についてであります。

 建築物の屋上は、不特定多数の人が出入りすることを想定していないことが多く、設置に当たっては、セキュリティの問題や利用者の安全確保の観点などから、困難な面があるものと認識しております。しかしながら、高層建築物での天体観測は、都心部中央区の魅力向上につながるものであり、さらには子供たちが星空の美しさを体感できる場としても活用できるものと考えております。このことから、今後、御紹介の事例なども含め、研究を進めてまいります。

 次に、区内の公共施設や公衆トイレ内の多言語による使用方法の記載についてであります。

 区では、これまでも施設の改修等にあわせ、だれでもトイレを設置するなど、区施設のバリアフリー化に取り組むとともに、トイレの場所や機能をわかりやすい案内サインで表示することに努めております。また、二○二○年のオリンピック・パラリンピック大会を控え、本区を訪れる外国人観光客がますます増加することが見込まれるため、トイレの使用方法を多言語化することなどにより、利便性、快適性を高めていくことは重要であると認識しております。こうした中、例えば区内の公衆トイレでは、使用方法を四カ国語で、かつイラストを用いた案内表示を順次進めており、今後、他施設においても、外国の方の利用を考慮した多言語化等の取り組みを推進してまいります。

 次に、新庁舎における機能分散型のトイレの設置についてであります。

 現在、庁舎内には、オストメイトなどに対応した多目的トイレを四カ所設置しております。これまで、障害のある方などから、長く待たされて困ったというようなお声はいただいておりませんが、本来必要とする方の御利用に支障のないよう、留意してまいります。また、新庁舎整備に当たりましては、トイレの配置や機能などを含め、区役所を訪れる全ての方が安全で快適に利用できるよう配慮した区役所とすることを、新庁舎の目指す姿の一つの観点として掲げ、検討を進めております。お尋ねの機能分散型のトイレにつきましても、建築面積の制約等もございますが、障害者を初め、高齢者、子供連れの方、介助が必要な方などの利便性に十分配慮しながら検討してまいります。

 次に、区の歴史・文化の周知についてであります。

 本区は、国指定文化財を初め、有形・無形の多様な文化遺産を多く有しており、その一つ一つが江戸以来の歴史・文化を物語る地域の貴重な財産と捉えております。こうした魅力を多くの区民に知っていただくため、区民カレッジの各種講座や郷土天文館の特別展、区内の史跡・旧跡を巡る文化財めぐりなどを実施するほか、文化財説明板を設置するなど、普及・啓発に努めてきたところであります。また、まるごとミュージアムでは、文化財サポーターの企画するまち歩きツアーや、民間事業者主催による古地図街歩き、築地外国人居留地の施設巡り、講談体験など、区の歴史や伝統に触れるイベントも多く盛り込んでおります。今後は、まちかど展示館のさらなる活用や郷土天文館とのタイアップなどにより、江戸から続く本区の魅力を、区民を初め、多くの方々に発信してまいります。史跡ガイドブックにつきましては、これまでも写真に解説を加えた文化財めぐりマップなどを発行してまいりましたが、本区の歴史・文化への理解が深まるよう、さらに内容を充実させた親しみの持てるガイドブックの作成を、外国語版も含め、検討してまいります。

 答弁は以上であります。

     〔二十九番 中島賢治議員登壇〕

○二十九番(中島賢治議員)
 いろいろと丁寧に御回答いただきまして、ありがとうございます。本当に前向きに捉えていただいたなと思います。

 障害者の雇用に関しては、ああいった問題があったので、どこかで文句を言いたいという気持ちで、本来はやはり、ある程度計画的に障害者の方を雇用していかなければいけないんだろうと。個人によって対応が違いますし、状況も違うので、どういう契約内容かも変わってくる。それなのに、ごっそり四千人もという、それがちょっと気に入らなくて、発言をさせていただきました。区においてはよくおわかりだと思うので、結構なんですが、ぜひ障害者の立場に立った雇用の仕方を持続していただければというふうに思っております。

 母子家庭の支援ということで質問をさせていただきました。

 これは、随分前に、七年前ぐらいだったと思うんですけれども、同じ質問をさせていただいたんですが、なかなか個人に対しての手当を出すということは難しいという、前回と余り変わらず、その点に関しては難しかったかなというふうに思っているんですが、ただ、前回はフランスの事例を出して、二万二千円という話をしたんですけれども、今度は国内で武蔵野市が一万円でやっているという話で、お話の中で一人の相談者の話を出したんですが、結局、現在は中央区には住んでいなくて、千葉に引っ越してしまったと。ある程度お子さんが大きくなって、手が離れるようになって長時間労働ができるようになると、やはり広くて安い家賃のところということで、引っ越されて、細切れの労働ではなくて、もう少し長時間の仕事につかれたというお話でした。それはそれでいいのかなというふうに思うんですが、お子さんが小さいときは、どうしてもああいう形で取り組まなければいけない現状が母子家庭にはあるのかなと。ぜひ、そういった一番大変だと思う方に対して手を差し伸べるような行政であっていただきたいという思いを込めて、質問をさせていただきました。

 次は、再開発というか、住みかえの問題です。

 これは、単純に言えば、売るよりも、まず改装が先だろうと。これだけマンションがふえて、集合住宅に九割方の方が住んでいて、所有者もかなりいるわけですから、そうなったときに、大きな建てかえというのがだんだんできなくなってくる中で、やはりそういったものに対応していただきたいと思っております。今回、条例化も進めるというお話ですので、ぜひ前向きにどんどん進めていただければと思います。

 あと、光害防止条例に関しては、これは現場を見ていただかないと、よくわからないというふうに思っています。本当に、シンボルというか、最上階のところにライトがつくと、曇りのときに、それが雲に当たって下が明るくなる。あれは、どう見ても、電気を使い過ぎだろうと。幾らLEDにしたとしても、あの光は必要ないのではないか。曇っていなければ、それが空に打ち放たれているわけですから、そうなると、なかなか星を見ることができない。本来、真っ暗であれば、日本というか、地球において、人間の肉眼では五千個の星が見られるというふうに言われています。それが、ふだん見ていると、十個も見えないかもしれない。それだけ地域の光が空の星を見るのに障害になっている。

 また海の森でのイベントの話なんですが、三年前には、子供たちと一緒にスーパームーンを七月二十八日に見たんです。七時ぐらいに行って、スーパームーン、月が一番大きくなる時期に見て、そのとき、七時四十八分に、ちょうど国際宇宙ステーションが上空を通るんです。みんなで、わっと言って騒いで手を上げるんですが、実を言うと、四百キロも上空を飛んでいて、大きさがサッカー場と同じぐらいで、百十七メーターの七十五メーターなんです。大きなところに、結局、太陽電池のために反射板をつけている。それが光って、よく見える。四百キロとはどのくらいかというと、大阪に飛んでいるのと同じ距離なので、聞こえるわけはないんですけれども、ただ、子供たちはいい思い出になったなと。大きな真ん丸の月と国際ステーションを見上げることによって、やはり宇宙の大きさを体感できたかなと。みんなが本当に一様に笑顔で喜んでいた姿が、何とも言えず、うれしかったです。そういう思いがあったので、今、時代のブームとしては、星を見るというのが一つのツアーになり得るぐらいですので、中央区でも見られるんだというところをぜひ知っていただきたい。それを見るには、やはり六本木ヒルズでお金を出して見るのではなくて、年に一回でも、そういった場をつくっていただいて、見られれば、また中央区のよさが象徴できるのではないかなというふうに思っております。

 バリアフリートイレ、これは、余りにも私どもの日本でトイレが進み過ぎていて、トイレの使い方がよくわからない。トイレは、入って座ればどうにかなるというふうに思ってはいるんですけれども、初めての人は、なかなか使い勝手がわからない。私たちも、昔の話ですけれども、洋式トイレをどうやって使うかわからなくて、和式と同じように、あの上に座った人が何人もいたという、それと同じかなと思うんです。多言語で書くというのは、なかなか難しいので、シンボル的な絵で使い方を表示するとかして、二○二○年にはオリンピックで各国の方が来られて、四カ国語だけでは足らないかもしれないし、そうなったときに、やはりみんながわかるような表示もお願いしたいなと、そういう気持ちで質問させていただきました。

 最後の、中央区の歴史、これはいっぱい言いたいことがあるんですが、日本においての中央区の歴史というのは、やはりすごく重要だなと。その中央区が余り感じていないというのが、一つの寂しさを思っていまして、今回のまるごとミュージアム、明治維新になって百五十年というイベントというか、それも余りなかったように思いますし、さらには伊能忠敬の没後二百年。伊能忠敬は、地図をつくりたくて三角測量したのではなくて、地球の大きさが知りたくて、三角測量をしたと。小さいときのロマンをそのまま受けていった人間だなというふうに思っています。

 そういう意味では、たくさんあって、佃島は世界で初めて罪人の更生施設として開けた場所だったとか、先ほど水戸藩の造船所の話をしましたけれども、あそこでは太平洋に出るための船が水戸藩で初めてつくられた。今まで箱型の船だったのにもかかわらず、あそこで竜骨船と言われる振り子型の船がつくられるんです。また話が長くなるんですが、その船の基本となったのが、ディアナ号という船にあったスクーナー級の二本マストの設計図がもとになっているということで、いろいろな歴史が中央区にはあるんですが、物が残っていないということで、ですから、今わかっているだけでも、どんどん形に残すべきだろうなというふうに思っております。これができるのは、やはり今の行政の方のお力をかりないと、できないかなと。ぜひ中央区のよさを、歴史から入って、民主主義の中心となったこの地域を、ぜひ地域の方、さらに来館者というか、区に来られる方にも知っていただき、アピールをしていただきたいという思いで、このガイドブックをつくっていただきたいというふうに申し上げました。

 数々言いたいことを述べましたが、中央区のためになるというふうに思って発言をさせていただきましたので、お取り組みをお願いさせていただいて、私の一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(瓜生正高議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後四時五十八分 休憩


     午後五時二十分 開議

○議長(礒野 忠議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十番奥村暁子議員。

     〔十番 奥村暁子議員登壇〕

○十番(奥村暁子議員)
 日本共産党の奥村暁子です。日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。答弁によっては、再質問、再々質問を留保させていただきます。

 初めに、アメリカ、ロシアに屈し、国益を損ねる安倍政権についてお聞きします。

 十一月十四日、安倍晋三首相は、訪問先のシンガポールでロシアのプーチン大統領と会談し、一九五六年の日ソ共同宣言を基礎として、平和条約締結を加速させることで合意しました。この五六年の日ソ共同宣言には、平和条約締結後に歯舞群島、色丹島を日本に引き渡すと明記されていますが、国後、択捉などには言及がなく、主権については不確定なまま、現在に至っています。今後、両首脳は、主権を曖昧にしたまま、二島先行返還も視野に交渉を進めていく可能性があります。しかし、平和条約を締結してしまえば、国境線は確定され、それ以上の領土返還交渉の道は閉ざされることになります。二島返還で平和条約を結ぶことは、歴代日本政府の立場の自己否定となり、ロシア側の主張への全面屈服になるため、絶対にしてはいけません。

 日本とロシアの領土問題の根本には、第二次世界大戦の戦後処理の不公正と、それを正すことができない歴代日本政府の道理ない外交政策があります。そもそも歯舞、色丹は北海道の一部であり、国後から占守まで千島列島全体は、一八七五年の樺太・千島交換条約で日本の領土として確定しているものです。しかし、第二次世界大戦後、旧ソ連のスターリンは、一九四一年の大西洋憲章と一九四三年のカイロ宣言で確認された領土不拡大という戦後処理の大原則を破り、一九四五年のヤルタ秘密協定で千島列島の引き渡しを要求しました。アメリカ、イギリス側がこれに応じて協定に書き込み、その延長線上で、日本政府は一九五一年のサンフランシスコ講和条約で、旧日米安保条約の締結とあわせて千島列島の放棄を宣言しました。

 ところが、自民党政権は、戦後処理の不公正にメスを入れないまま、サンフランシスコ講和条約を不動の前提として、国後、択捉は千島にあらず、だから返還せよと主張してきました。国後、択捉は千島にあらずとの主張は、アメリカの入れ知恵で一九五五年に突然始まったものですが、歴史的にも国際法的にも通用しない主張です。今日まで領土交渉が進んでいない事実を見ても、その破綻は明らかです。

 領土問題を根本的に解決するためには、ソ連などを除いた単独講和であるサンフランシスコ講和条約の千島関連条項を廃棄・無効化し、国際法と歴史的事実に基づいて道理ある解決を目指し、本腰を入れた国際交渉が必要です。一度結んだ条約でも、国際法と民主主義の道理に照らして、問題があれば、それを是正することはできます。現に、スターリンが第二次世界大戦時に不当に行ったバルト三国の併合、ポーランドの一部地域の併合は、ほとんどが既に解決しています。千島列島だけが未解決で残されているのです。戦後処理の不公正を正し、全千島返還を要求する国際法上の立場を確立して、正面から全面返還を求める交渉を行ってこそ、解決の道が開かれます。

 そこで、お聞きします。

 第一に、歯舞、色丹は北海道の一部であり、千島列島は日本の領土だという歴史的事実について、どう認識していますか。

 第二に、歯舞、色丹の二島先行返還はあり得ることですが、その場合、中間的な条約と結びつけて処理することとし、平和条約は領土問題が最終的な解決に至った段階で締結すべきだと思いますが、いかがですか。

 第三に、六十年以上にわたり日ロ領土問題が前進しなかったのは、国後、択捉は千島にあらず、だから返還せよという日本政府の主張が、歴史的事実に照らしても、国際法的にも通用しない主張だったことにあります。このことを正面から認め、領土交渉の方針の抜本的な再検討をすべきだと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次は、日米地位協定についてです。

 ことし七月、全国知事会は、一、米軍への国内法の適用、二、事件・事故時の自治体職員の立ち入りの保障など、日米地位協定の抜本的な見直しを求める提言を採択しました。これは、沖縄県の故翁長雄志知事のもとで研究・検討され、第二次世界大戦敗戦国のドイツとイタリアが米国と結んだ地位協定の現状をまとめた報告が基調となっています。ドイツやイタリアでは、国民世論に応える形で地位協定は改定されており、全国知事会の提言は主権国家として当然の要求です。沖縄では、MV22オスプレイの墜落や小学校・保育園への米軍機の部品落下など、事故が相次いでいますが、警察や自治体職員が現場に立ち入ることもできません。米軍横田基地には、十月からCV22オスプレイが配備されましたが、夜間訓練の増大や住宅地でのホバリングにより、住民から、家が壊れる、壁にひびが入ったなどの訴えが出され、騒音の被害が広がっているのに、国の対応は全く後ろ向きです。全ての根本には、日米安保条約に基づき、在日米軍に異常な特権を与えている日米地位協定があります。

 そこで、お聞きします。

 第一に、米軍基地に立ち入る権利、訓練等の事前許可や通知、国内法の適用が実現されているドイツやイタリアと比べ、事故が起こっても日本が指一本触れることができない現状をどうお考えですか。また、他国と比べ、余りに不平等な日米地位協定の改定を国に求めるべきだと思いますが、いかがですか。

 第二に、在日米軍はCV22オスプレイを、沖縄県以外で初めて横田基地に配備し、関東一円で危険な訓練を行っていますが、都民の命と安全・安心を脅かす危険なオスプレイ配備撤回を国に求めるべきだと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次は、九条改憲についてです。

 安倍首相は、執拗に改憲への旗を振り続けています。改憲を急ぐ背景にあるのは、アメリカの存在であることは、事実が証明しています。例えば、二○○四年七月の参院選直後に、アーミテージ米国務副長官が、憲法九条は日米同盟関係の妨げの一つと発言し、八月には、パウエル国務長官が、日本が安保理の完全なメンバーとしての義務を負うのであれば、その観点から憲法九条を再検討する必要があると発言するなど、アメリカ政府高官が相次いで改憲について内政干渉していました。アーミテージ氏は、二○○○年、二○○七年、二○一二年の三度にわたり安全保障対日要求報告を発表し、日本が集団的自衛権を禁止していることが同盟協力の制約だなどと改憲を露骨に迫っていました。

 そこで、区長にお聞きします。

 第一に、今、安倍首相が必死になって九条改憲に走るのは、このようなアメリカの意向に沿って、日本を戦争ができる国に変えたいと思っているからだと考えますが、いかがですか。

 第二に、アーミテージ米国務副長官が発言したように、憲法九条は日米同盟関係の妨げの一つだと区長は思いますか。

 第三に、千島問題も、日米地位協定の問題も、九条改憲も、全て根本に横たわるのは日米安保条約ではないでしょうか。日本がアメリカの従属的な支配から脱し、真の主権国家として地位を確立するためには、日米安保条約を廃棄することが必要だと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次は、消費税増税についてです。

 安倍首相は、来年十月からの消費税率一○%への引き上げを強行する立場を繰り返し述べています。消費税は、もともと低所得者ほど負担が重い逆進的な税金である上に、今回の増税は軽減税率を導入するなど、格差を一層拡大する中身です。

 区長は、区議会第三回定例会で、我が党の小栗議員の質問に対し、消費税率の引き上げについては、軽減税率による低所得者対策を講じるとし、消費税増税を肯定する立場を示しました。軽減といっても、現在の八%の税率はそのままであり、○%になるわけではないので、軽減でも何でもありません。たとえ軽減税率が生活必需品に適用されても、高所得者も同じように恩恵を受けるので、低所得者との格差が縮まるわけでもありません。また、ポイント還元を打ち出していますが、そもそもカード決済をしていない商店が大多数であり、クレジットカードを利用しない高齢の消費者などにとっても何の恩恵もありません。そのほか、低所得者対策として打ち出したプレミアム付き商品券やマイナンバーカード・ポイント還元もうたわれていますが、増税分を戻すぐらいなら、最初から増税をやめればいいのではないでしょうか。

 生活必需品を含め、原則としてあらゆる商品やサービスに課税される間接税、すなわち消費税が逆進的な税金であることは、マルクスが活動した十九世紀から問題になってきたことです。同じ時代の政治学者ラサールは、「間接税と労働者階級」という本の中で、間接税は比較的貧困な階級に過大な負担をかけると批判しました。現在、内閣官房参与を務めている藤井聡京都大学大学院教授も、一○%への増税は日本経済を破壊すると警告しています。

 そこで、お聞きします。

 第一に、所得に占める消費税の負担割合は低所得者の方がより高いという実態について、いかがお考えですか。また、軽減税率を実施しても格差や不公平感は解消されないと考えますが、いかがですか。

 第二に、混乱を招きかねない複雑なシステムを継ぎはぎして増税分を戻すぐらいなら、最初から増税をやめればいいと思いますが、いかがですか。また、区民に多大な負担を強いる消費税一○%への増税は中止するよう国に求めるべきだと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 消費税増税について、区長は、引き上げ分を社会保障財源とするものであり、高齢化などにより今後も増大する社会保障費を賄うためのものとも答弁しています。しかし、それは事実でしょうか。消費税が始まってから三十年間の税収は三百七十二兆円、その間の法人税の減税は二百九十一兆円、消費税収の八割が法人税減税で消えたことになります。第二次安倍政権発足以来、この六年間で、年金、医療、介護、生活保護を五兆六千億円も削減しました。その上、財務省は、今月の審議会で、七十五歳以上の方が病院で払う医療費を二倍にする、介護保険の利用料を一割から二割に引き上げるなど、今後の社会保障改悪メニューを示しています。消費税増税は社会保障のためには使われておらず、法人税減税分の穴埋めに使われているのが実態なのです。

 そこで、お聞きします。

 第一に、消費税増税が社会保障のためには使われておらず、法人税減税分の穴埋めに使われている実態をどう認識していますか。

 第二に、社会保障などに必要な財源は、低所得者に負担が重い消費税に頼らず、空前の利益を上げている大企業や高額所得者の適切な税負担を中心に確保すべきだと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次は、築地の今後についてです。

 多くの方々が不安な気持ちを抱いたまま、豊洲市場が十月十一日に開場されて、一カ月半が経ちました。小池都知事が、食の安全・安心を守る、築地は守るという公約を破り、豊洲新市場への移転を強行したことに、日本共産党区議団は強く抗議するとともに、築地市場の解体工事の中止を求めます。

 豊洲市場では、地盤沈下によるひび割れが起きたり、環境基準を超える汚染物質が引き続き検出され、マンホールからは未処理の地下水が噴出しています。また、交通アクセスの悪さ、物流動線の悪さ、空調の風で冷凍マグロが溶けてしまう、低温管理が不十分で室温が高い、カビが発生する、排水溝が詰まる、悪臭がひどい、海水で床を洗えない、スロープの安全性や耐荷重が不足している問題など、開場前から指摘されていた問題が山積したままです。専門家や市場関係者、都民からは首都直下地震発生時の液状化に対する懸念も出ており、あらゆる面から見ても、豊洲市場が今後使用できなくなる可能性は捨て切れません。

 そこで、お聞きします。

 第一に、豊洲市場の欠陥について、直ちに改善することを都に求めるべきだと思いますが、いかがですか。

 第二に、豊洲市場は、早晩、使用が不適切になる可能性があります。そのときの受け皿として、築地市場が必要になると思いますが、いかがですか。

 第三に、小池知事は、昨年六月、築地は守る、豊洲を活かすとする基本方針を打ち出しており、豊洲市場で営業をスタートした市場業者の方たちからも、築地市場は解体しないで戻れるようにしてほしいとの声が寄せられています。築地市場は、建築家や研究家から、基本構造を残してリニューアルすれば、築地の歴史と文化を再生できる、築地市場の骨格構造を残せば、世界遺産に登録させる可能性は十分にあるなどと、その価値が高く評価されており、建物を保存、再生、活用することは、築地のまちの価値を高め、中央区にとっても意義深いものになると思いますが、いかがですか。建物を残すために、東京都に対し、築地市場の解体工事中止を要請することを求めますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 日本共産党区議団は、場外市場や築地のまちなど地域を回り、市場移転後、どのような影響が出ているか、御商売をされている方、住民の方などから聞き取り調査を行っています。その中で、さまざまな貴重な声を直接聞くことができました。築地市場移転後の築地場外市場では、観光客が減り、寿司屋などの飲食店で売り上げが落ちたといった嘆きが聞かれ、まち全体としても、人通りが減るなど、さまざまな影響が出ています。築地のお店では、市場での仕事帰りに寄って酒を買っていったお客がいなくなり、売り上げが激減したという声や、昼から営業している居酒屋では、市場関係者の客がごっそり来なくなった、大体七割減という声、豊洲への仕入れに行くが、時間がかかるという飲食店店主の声、マンション住民が減っている、市場関係者の事務所が移転し、空き室がふえた、まちに地上げ屋が出没しているという声、築地のホテルは、市場見学目的のお客が来ないからか、宿泊客が減っているという声などがありました。移転を機に廃業したという仲卸の方もいました。

 築地のまちを歩いて調査したのですが、あちこちでマンション建設が進んでおり、築地らしさが失われ、特徴のない画一的な町並みに変わっていくのではないかと危惧します。築地市場が移転したことにより影響を受けた区内のさまざまな業者や店舗のため、また今後の築地のまちの発展のために、区の積極的な対応が求められます。

 そこで、お聞きします。

 第一に、場外市場の業者や周辺の飲食店などの関係業者、また、まちの方たちから、今現在、どのような声を聞いていますか。できるだけ詳細にお答えください。

 第二に、区として、今後、売り上げが落ちている各種店舗への支援やまちの活気を取り戻すため、対応すべきと考えていることをお示しください。

 第三に、築地らしさ、築地の魅力とはどこにあるとお考えですか。築地のまちのよさをどのように継承すべきとお考えですか。

 第四に、築地のまちでマンションが乱立しているのはなぜだとお考えですか。開発により、まちの景観が変わり、郵便局がなくなるなど、住民の不安は募るばかりです。区として対策を講じるべきだと思いますが、いかがですか。

 第五に、今後、区がまちのニーズに応え、的確な支援策を講じていくためにも、まず築地市場がなくなったことによる影響調査に早急に取り組み、調査を継続していくことが必要だと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次は、大規模開発優先の税金の使い方についてです。

 東京都総務局の特別区決算状況などをもとに二十三区を比較すると、歳出総額に占める土建費の割合は、二○一三年度から二○一七年度まで、中央区は二十三区の中で連続して一位となっており、二○一八年度予算でも一位という状況です。区民一人当たりの土建費の金額も、二○一四年、二○一六年は二十三区で一位、それ以外の年も二位となっています。とりわけ、中央区では、市街地再開発事業に対し、二○一六年度は百四十五億円、二○一七年度は百二十三億円もの補助金が投入されました。しかし、市街地再開発事業などの大規模開発を進める中で、中央区の歴史や文化、町並みが破壊され、タワーマンション建設による住民同士の分断、急激な人口増に追いつかない行政サービスへの不満、さらに地区計画の変更によるホテル誘致の促進への反発や容積率緩和の撤廃による住宅の建てかえの不安などが広がっています。

 その一方で、ことしの夏は記録的な猛暑だったにもかかわらず、区は生活保護世帯への夏季見舞金を打ち切ってしまうなど、福祉の切り捨てが冷たく行われています。夏季及び歳末見舞金は、約一千万円で継続できる事業です。これまでに、出産支援タクシー券や敬老祝い金なども引き下げられてきました。また、十一月十六日現在で千三百六十七人と増加し続ける認可保育所への待機児童、学童保育の定員数と低学年児童数に占める割合、すなわち学童保育普及率が二十三区で最下位など、区民の切実な要求に応えられていません。

 そこで、区長にお聞きします。

 第一に、二十三区で土建費が第一位という現実をどのように認識していますか。

 第二に、税金の使い方が、大規模開発優先、区民生活後回しになっているのではありませんか。

 それぞれお答えください。

 次は、国民健康保険についてです。

 中央区では、高過ぎる国民健康保険料が払えず、滞納している世帯は二割に上っていますが、国保会計への補助を二億円も削り、ことしも保険料が一人当たり四千円引き上げられました。国民健康保険は国民皆保険制度の重要な柱を担う制度で、国民の四人に一人、中央区では五人に一人が加入しています。高過ぎる保険料は、住民の暮らしを苦しめているだけではなく、国保制度の構造的な危機となり、医療保険制度としての持続性を揺るがしています。加入者一人当たりの平均保険料は、政府の試算でも、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの一・三倍、大企業の労働者が加入する組合健保の一・七倍という水準です。

 全国の滞納世帯は二百八十九万世帯で、全加入世帯の一五%を超えていますが、中央区は全国平均より多い二○%となっています。中央区での国民健康保険料の滞納世帯数は、二○一四年度から二○一七年度の過去四年間、六千世帯前後で推移しており、大きな変化はありませんが、滞納世帯に対する差し押さえ件数は、二○一四年度の七件から、二○一七年度は二百五十九件と三十七倍の数に激増しています。計算すると、二○一七年度は、滞納世帯の二十二世帯に一件の割合で差し押さえが行われていることになります。

 そこで、お聞きします。

 第一に、滞納世帯の所得階層をお示しください。

 第二に、ことし三月の予算特別委員会で差し押さえ件数の増加について質問した際、再三の通知、督促、催告にも応じていただけない方に資産調査をし、差し押さえにつながっているという答弁がありました。また、悪質な滞納者が少なからずいるのが主な要因という答弁もありました。二○一七年度に差し押さえが行われた二百五十九世帯は、資産調査を行った上で悪質だと判断し、差し押さえを行ったということなのでしょうか。差し押さえられた方たちの資産や預貯金は、どのようになっていますか。また、この二百五十九世帯の所得階層をお示しください。

 第三に、予算特別委員会では、給与口座、年金口座の差し押さえについては極力行わないようには努めているとの答弁がありましたが、二百五十九件のうち、給与口座、年金口座の差し押さえは何件あったのでしょうか。

 第四に、二○一七年度から差し押さえのノウハウを持つ非常勤職員の徴収専門員を一名、ことし、二○一八年度からは二名ふやし、計三名で滞納処分を強化しています。今後も徴収専門員をふやし、さらなる差し押さえを強化するおつもりですか。差し押さえの件数の目標値を決めているのでしょうか。また、徴収率に応じて交付金が自治体に支払われる保険者努力支援制度は、差し押さえ件数を自治体間に競わせるもので、問題だと思いますが、区の認識をお示しください。

 第五に、差し押さえというのは、滞納者と接触する機会をふやすという観点から重要である、差し押さえをすることは収納相談の重要な機会と捉えているとの答弁もありましたが、差し押さえを行った二百五十九件のうち、分納などの収納相談や生活困窮者自立支援、多重債務相談などにつながったケースは、それぞれ何件あったのか、お示しください。

 第六に、全国知事会、全国市長会、全国町村会などの地方団体は、国保を持続可能とするためには抜本的な財政基盤の強化が必要だと主張し、一兆円の公費負担増を政府に要望しています。一兆円の公費負担をふやすことで、協会けんぽ並みの保険料に引き下げることは、今、あらゆる自治体、団体、政党の垣根を超えて協力すべき、待ったなしの課題です。国に対し、公費負担の引き上げを今まで以上に強く求めていただきたいと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次は、保育ママのもとでの死亡事案についてです。

 第三回定例会でも小栗議員が質問しましたが、改めて質問します。

 ことし七月二十七日、日本橋の保育ママのもとで、生後十一カ月のNちゃんがお昼寝中に亡くなりました。認可保育所を希望しても入れないため、保育ママを利用せざるを得ない方もいる中、中央区内の保育ママでの死亡事故は、これで三件目です。一件は病死扱いとなっているものの、二○一一年、二○一六年、そして今回の二○一八年で、いずれも○歳から一歳の乳幼児です。二○一六年には、区内の認可外保育所でも一歳二カ月の男の子がお昼寝中に亡くなっています。なぜ、こんなにも死亡事故が相次ぐのでしょうか。とりわけ保育ママのもとで死亡事故が繰り返されるのは、なぜなのでしょうか。事故の教訓は生かされていると言えるのでしょうか。いとおしくかけがえのない我が子を亡くした親に、区はどのように寄り添ってきたのでしょうか。保育ママを認可し、保育ママを紹介しているのは中央区です。死亡事故を根絶し、幼い命を守る責任が中央区にはあります。

 今回の死亡事故の検証と再発防止のため、区は事後的検証委員会を設置しました。九月十八日に第一回検証委員会が既に開かれていますが、管轄している内閣府に確認したところ、保育ママでの死亡事故に関して検証委員会が開かれるのは、全国でも中央区が初めてとのことでした。また、内閣府でこれまで確認できている保育ママでの死亡事故自体、中央区だけとのことでした。保育ママでの死亡事故が中央区でだけ相次いで起き、全国で初めて検証委員会が設置されるという事実は、極めて重大だと言えるのではないでしょうか。

 そこで、お聞きします。

 第一に、我が子を突然亡くしたお母さん、お父さんの受けた衝撃と悲しみは想像を絶するものがあります。Nちゃんが亡くなってから現在まで、区は、御両親に対してどのように向き合い、どのような対応をしてきましたか。詳しくお聞かせください。

 第二に、事故当日、十六時五十分ごろ、睡眠チェック時に呼吸がないことが確認されてから救急車を要請するまで十四分かかったと聞いています。区の報告によると、当時、保育ママと保育補助者がいたということですが、複数名いながら、なぜ迅速に救急車を呼ぶことができなかったのですか。

 第三に、二○一六年三月三十一日付で内閣府から出された通知には、検証についての基本的な考え方として、事故に遭った子どもやその保護者の視点に立って発生原因の分析等を行うことにより、必要な再発防止策を検討するために行うと書かれています。Nちゃんの保護者の方と十分に話をし、保護者の方の視点に立った検証はされていますか。

 第四に、保育ママは、区が認可し、認可保育所に入れないお子さんを区が紹介する事業であるため、区の責任は大変重大だと思いますが、その認識はありますか。

 第五に、全国的に見ても、中央区でだけ保育ママの死亡事故が相次いでいるという事実をどのように受けとめていますか。

 第六に、検証委員会には、NPO法人家庭的保育全国連絡協議会会長が参加しています。この家庭的保育全国連絡協議会は、家庭的保育の安全ガイドラインを出しています。その中では、乳幼児突然死症候群への対応と乳児窒息予防として、うつぶせ寝、妊娠中の喫煙、赤ちゃんの周囲での喫煙、人工栄養、未熟児、肺炎などへの確認を指摘するとともに、保育をする上での幾つかの注意点が指摘されています。それらに基づいて、再発防止のために検証すべきチェック項目は、一、熱や風邪症状、鼻閉を確認していたのか、二、保育者が常に寝ている子どもの顔が見えるような位置に寝かせていたのか、三、よだれかけを外してから寝かせ、顔は寝具で覆われないように注意していたのか、四、顔の近くにぬいぐるみなどを置いていなかったのか、五、子どもの布団は堅いものを使用していたのか、六、子どもを暖めすぎていなかったのか、七、子どもが寝返りをし、うつぶせ寝や横向き寝になった場合は、必ず仰向け寝にしていたのか、八、午睡中に、すべての子どもの呼吸確認を五分ごとに健康観察チェック表に記録していたのか、九、救急車には誰が同乗したのかなどが挙げられます。検証委員会では、これらのチェック項目について調査をするのか、お聞かせください。また、検証委員会で行わないならば、区が調査するべきだと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 次は、市街地再開発事業における買い物客などの駐輪スペース設置についてです。

 市街地再開発事業により建てられ、保健センターや月島保育園など区施設も敷地内に併設されている月島二丁目のタワー型マンション、ムーンアイランドタワーの敷地内に、ことし五月七日からロープが張られ、自転車が締め出されるという状況が続いています。二○○二年に竣工したときから買い物客などの自転車が駐輪されていたスペースの突然の閉鎖に、住民から戸惑いや怒りの声が上がっています。当該マンションにはスーパーマーケットや飲食店、小売店などが入居しているため、自転車利用者は多く、理由の説明もなく、急に締め出され、困っている、ロープ脇に自転車をとめたら、撤去を予告する張り紙を張られた、歩きでは、とても買い物した荷物を持って帰れない、地下の区立駐輪場利用を促されたが、高齢だし、とても引っ張っていけない、締め出されたことで歩道や裏道での駐輪がふえており、道を歩きづらいなど、さまざまな声が寄せられています。

 今、大規模改修の工事中であり、工事終了時には締め出しロープを撤去する予定となっているそうですが、そのときには、以前と同様に駐輪スペースとして利用できることを住民の方は願っています。もともと買い物客などのために設置されている駐輪スペースは、区施設側三十台とマンション側三十台の計六十台分があるものの、店舗従業員の利用で埋まっているなど、買い物客などのために十分な駐輪スペースがないことが問題であり、そもそも市街地再開発事業の計画では、どのように位置づけられていたのか疑問です。多くの店舗が入居する大型マンションで、自転車を利用する買い物客や通勤者が集まるのは想定できることであり、居住者向けとは別に、買い物客などに対応する十分な数の駐輪スペースを事業者側の責任で設置することは必要なことではないでしょうか。

 同じように、多くの店舗が入居するタワー型マンションで、勝どきビュータワーや浜町トルナーレなどでも自転車が集中していると地元の方から聞いていますが、どれも市街地再開発事業により建てられたものです。

 そこで、お聞きします。

 第一に、市街地再開発事業は、区も多額の補助金を投入し、進める事業です。計画段階で買い物客などの見込みを正確に捉え、十分な駐輪スペースが確保されるよう指導することが必要だと思いますが、どのように指導してきましたか。

 第二に、今後進められる市街地再開発事業の計画の中で、その規模に見合った買い物客などに対応する駐輪スペース整備を事業者側に義務づけることが必要だと思いますが、いかがですか。

 第三に、今回の事例のように、結果として買い物客などの駐輪スペースが足りない事態が起きた際にも、事業者、管理組合任せにせずに、区としても協力すべきと思いますが、いかがですか。

 それぞれお答えください。

 以上で第一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 奥村暁子議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、日本とロシアにおける領土問題についてであります。

 この問題につきましては、両国間の長い歴史的背景のもと、さまざまな意見や解釈があると承知しておりますが、国においては、北方領土四島は我が国固有の領土であり、これらの帰属を解決して平和条約を締結することとしており、日露首脳会談後における国の見解からも、従来の立場に何ら変わりはないものと考えております。一日も早く領土問題が解決することは、我々も望んでいるところであります。

 次に、日米地位協定と憲法第九条改正、日米安全保障条約についてであります。

 国は、日米地位協定に関して、他国の同様の条約を踏まえて作成され、外国軍隊の扱いに関する国際的慣行から見ても、均衡がとれたものとしておりますが、全国知事会が見直しを提言したことは承知しております。また、オスプレイの横田基地への配備については、本年八月に東京都と周辺自治体が国や米軍に対し、安全対策配慮などを要請し、その結果、国も米軍と連携し周辺住民への影響が最小限にとどまるよう対応するとしております。いずれにいたしましても、この日米地位協定を含めた我が国の安全保障のあり方や憲法第九条の改正については、国の根幹にかかわる事項でありまして、国民的議論が幅広く展開されることが重要であります。その上で、国権の最高機関である国会において、十分な審議がなされるべきものと考えております。

 次に、消費税増税についてであります。

 現在、国においては、消費税増税の負担軽減とともに、景気に影響を及ぼさないよう、飲食料品等を対象とした軽減税率制度やクレジットカード等のポイント還元など、さまざまな対策が検討されているところでありますが、これらは区民生活や区内事業者に広く影響を与えるものであることから、今後の動向を注視してまいります。

 次に、消費税増税の目的と社会保障の財源についてであります。

 消費税増税は、安定的な財源確保により財政の健全化を図るとともに、少子高齢化に対応し、将来にわたって持続可能な全世代型社会保障を実現するためのものであり、法人税減税のための財源ではないものと認識しております。また、社会保障に必要な財源につきましては、租税のほか、社会保険料等も含めた国民負担や企業負担のあり方について、国の責任のもと、総合的に検討されるべきものと考えております。

 次に、豊洲市場についてであります。

 豊洲市場の整備や修繕については、開設者であり施設の所有者である東京都が、場内の事業者と連携しながら、必要に応じて行われているものと認識しております。

 次に、築地市場跡地の利用についてであります。

 築地市場は、本年十月十一日に豊洲市場に移転し、解体工事が予定どおり進んでいると聞いております。築地市場跡地は、今後、環状第二号線の整備や東京二○二○大会の車両基地としての活用が予定されており、都や組織委員会の責任において、計画どおり事業が実施されるべきものと考えております。

 次に、築地市場移転による影響についてであります。

 市場移転後、まだ一カ月半でございまして、区では、築地場外市場の事業者等に対する本格的なヒアリングを行っておりませんが、一部の方から、場外市場への来街者や飲食店関係の売り上げが減少しているという声を聞いております。一方で、築地魚河岸を含めた物販関係の方からは、これまでどおり築地で買い出しをしたいという飲食店のプロの方々の利用がふえ、来店者や売り上げが伸びたという声も届いております。築地場外市場のにぎわいや活気を継承していくためには、目利きといった築地ならではの食文化の魅力を発信し続け、これまでどおりプロの方々に場外市場に足を運んでいただくことが重要であると考えております。そのため、買い出しにおける利便性が向上するような配送システムの構築を初め、観光の観点から、人のにぎわいを生み出す観光バス等の駐車施設の整備などの検討を行っております。

 次に、築地のマンション建設についてであります。

 築地は銀座の隣接区で、場外市場を中心に生活利便施設が充実していることが、マンションの立地に適した要因であると認識しております。今後、地区計画の改定により、都心居住に向けた生活環境の改善等を図るとともに、住宅の容積率の緩和を廃止することから、マンション建設の進行は緩やかになるものと考えております。

 次に、築地市場移転に伴う影響調査についてであります。

 直ちに調査を行う考えはありませんが、中長期的な視点を持って、築地魚河岸の入居者や築地食のまちづくり協議会等と緊密な連携を図り、築地全体が発展していくために、必要な環境づくりについて、さまざまな観点から検討し、支援を行っていく考えであります。

 次に、税金の使い方についてであります。

 土木建築を含めた土木費は、住み、働き、訪れる全ての方が利用する道路、橋梁や公園の整備に加え、市街地再開発事業助成など、良好なまちづくりのための経費であり、都心における快適な区民生活を支える重要な基盤となるものであります。区は、これまでも子育て支援施設や高齢者施設の整備を初め、学校における良好な教育環境の確保、プレディによる学童保育ニーズへの対応など、各分野が連携し、直面する課題の解決、ひいては区民福祉の向上に努めてまいりました。こうした取り組みが評価され、人が集い、活気とにぎわいのあるまちに成長してきたものと考えており、今後とも区民の視点に立った適切な予算の編成に努めてまいります。

 次に、国民健康保険における滞納等についてであります。

 本年八月末現在の滞納世帯は五千九百三十七世帯で、所得階層別の内訳は、賦課の基礎となる所得二百万円未満が三千百八十九世帯、二百万円以上四百万円未満が七百三世帯、四百万円以上が四百二世帯であり、未申告により所得が把握できない世帯が千六百四十三世帯となっております。また、平成二十九年度に差し押さえを行った二百五十九世帯の所得階層別の内訳は、二百万円未満が五十七世帯、二百万円以上四百万円未満が八十九世帯、四百万円以上が百十三世帯であります。このうち、分納や完納により差し押さえ解除となったものは三十八件あり、生活困窮者自立支援等に直接つながったケースはありませんでした。なお、差し押さえを行った口座には、把握できる範囲では給与口座が八十一件、年金口座が三件含まれております。差し押さえは、滞納者と折衝を行う中で生活状況を聞き取り、十分な資力があるにもかかわらず、納付に応じない方等に対して行っております。また、再三にわたり接触を試みたものの、一切連絡がとれない方についても、接触を図る目的で差し押さえを行っております。今後も、被保険者間の公平性を確保するため、一定の目標を掲げながら、特別な事情がないにもかかわらず滞納している方に対して、法令にのっとり滞納処分を行ってまいります。また、保険者努力支援制度は、収納率向上だけではなく、生活習慣病の重症化予防など、健康寿命の延伸に向けた取り組みにも重点を置くものであり、区としましては、制度の趣旨にのっとり、多面的な取り組みを進めてまいります。

 次に、公費負担の引き上げについてであります。

 国民健康保険の現状につきましては、被保険者に占める高齢者や低所得者の割合が高く、保険財政の脆弱化が進んでいるという構造的な問題が指摘されております。今般の制度改正では、安定的な財政運営等を図り、将来に向けて制度を持続可能なものとするため、都道府県が国保運営の中心的な役割を担うとともに、保険者による一般財源の法定外繰り入れを段階的に解消することとしております。こうした制度改正の趣旨も踏まえながら、国民健康保険制度が安定的かつ持続的に運営できるよう、新たな財源措置や保険料負担軽減策の拡充について、引き続き特別区長会等を通じて国に要望してまいります。

 次に、保育における死亡事案についてであります。

 保護者の方には、担当職員が面会し、お悔やみを申し上げたのを初め、事後的検証委員会の趣旨等も直接御説明したところであります。検証に当たっては、関係者へのヒアリング等を通じて得られた情報をもとに、疑問点や不明な点を整理した上で、家庭的保育の安全ガイドライン等を参考に、課題の抽出、再発防止策の検討を行うこととしております。また、検証委員会の委員からは、保護者の御意向をできる限り踏まえながら進めていくことが望ましいとの御意見もいただいているところであります。家庭的保育事業の利用自体は、利用者と事業者との直接契約という関係となりますが、区は、事業者に対し、法令に基づく指導検査等の責務を担っているものと認識しております。区では、これまでも指導検査や巡回指導、家庭的保育事業者の打ち合わせ会を通じて、緊急時対応などの指導を行ってきたところであり、今回の事案は極めて残念なことと受けとめております。今後とも、巡回指導の強化を初め、区としてとり得る対策を着実に講ずることにより、再発ゼロを目指してまいります。

 次に、市街地再開発事業における駐輪場の確保についてであります。

 市街地再開発事業の計画段階における駐輪台数は、事業者が用途や規模により需要台数を算定したものに対し、それを上回る台数の駐輪場の設置を指導しているところであります。月島駅前地区において、現在、管理組合が閉鎖している区域の大部分は公開空地であり、駐輪場ではありません。区として、私有地内の問題につきましては、計画時に位置づけた店舗用駐輪場に買い物客が駐輪できるよう、管理組合に対し、運用の改善を指導いたします。また、歩道などの違法駐輪につきましては、取り締まりを強化するとともに、区立駐輪場の利用を促してまいります。

 答弁は以上であります。

     〔十番 奥村暁子議員登壇〕

○十番(奥村暁子議員)
 それでは、再質問をさせていただきます。

 まず、駐輪スペースについてです。

 事業者のほうで大体どれぐらい必要になるかということを算定するということなんですけれども、きちんと算定ができていないからこそ、こうして自転車があふれるという状況になっているのではないでしょうか。それを上回るものという指導もきちんとできていないというのが、今の状況だと思います。どう今後改善していくのか、改めて御答弁をいただきたいと思います。

 次に、保育ママでの死亡事故について伺います。

 Nちゃんのお母さんですけれども、現在、心療内科に通って、いまだに職場復帰できていないということです。区として、御両親にどう寄り添ってきたのか、どう対応してきたのか、また、これからどう対応していくのかということは非常に重要だと思います。こうしたお母さんの心身のケアというものに区はどうかかわっていくのか、職場復帰できるように、どう支援をしていくのかという点について伺いたいと思います。

 それと、区からは、亡くなった際、お悔やみの言葉も謝罪の言葉も一切ないということを聞いていますけれども、区に責任があるという認識なのであれば、やはりこういった言葉はかけられて当然なのではないでしょうか。その点についても伺いたいと思います。

 保育ママは、区が認可して、認可保育所に入れないお子さんを区が仲介する事業です。御両親のお話では、Nちゃんも認可保育所に入れなかったけれども、区の担当者から電話をもらって、保育ママに一つ枠があるということを教えられて、保育ママに入所を決めたということでした。やはり区が大きくかかわっているということになります。その際、区内の保育ママでこれまで死亡事故があったということは何も知らされていなかったということです。この点について区の責任をどう考えるのか、お聞きしたいと思います。保育ママでこれまでに事故が起きているということをもし知らされていれば、Nちゃんを保育ママに預けなかったかもしれないし、Nちゃんの命は救われたかもしれないと思うと、非常に悔やまれます。

 そして、二○一六年の死亡事故があった際に出された区の資料で、家庭的保育事業利用時の死亡についてという、この資料の中では、体調急変時にはちゅうちょなく救急車の出動を要請するという文言があります。こういうマニュアルをつくっていながら、十四分、要請するまでに間があいてしまったと。まずは、真っ先に救急車を要請して、その後、必要であれば心肺蘇生や人工呼吸などを行うべきだったのではないかと思うんですけれども、このあたりのルールが徹底されていなかったということに対して、指導も十分ではなかったということに対しての区の認識も伺いたいと思います。

 また、緊急事態発生時には記録を作成するということも決められていました。でも、今回の事故では記録の確認もとれていないということも、御両親から聞いています。それを、今ではきちんと区は確認しているということなのか、今後、このことについて、どう検証していくのかということについてもお聞きしたいと思います。

 また、御両親からは、いまだに検死結果が出ていない中で、こうした検証委員会が繰り返されるということについても疑問の声も出されているので、やはり亡くなったお子さんの御両親に寄り添って、御両親の視点で検証していくということであれば、こういった御両親の声にもきちんと対応していくべきであり、検死結果が出たら、また、その段階で再検証の検討委員会も実施する必要もあると思いますので、そういった点についても確認をさせていただきたいと思います。

 また、質問で示したNPO法人家庭的保育全国連絡協議会の安全ガイドラインに沿ってのチェック項目をきちんと検証していくということについてですけれども、もし検証委員会で検証しないという判断になるのであれば、区で調査するのが当然のことだと思います。家庭的保育事業を全国的に取りまとめているNPO団体の会長さんが検証委員会に入っているわけですから、この点についても、きちんと検証すべきではないかということを改めて質問させていただきます。

 築地の問題に移ります。

 築地の建物の保存や活用については、特に御答弁がなかったかなと思うんですが、築地の建物の建築学的な価値というものについて、区は、これまでどのように検討してきたのか。専門家などからもお話を聞いて、維持していく可能性もあるという立場で考えたことがあるのかどうかということをお聞きしたいと思います。

 また、そういったことがないのであれば、専門家などと懇談したり、意見交換をするなどして、きちんとこの建物を保存していく、それを中央区の観光資源としても生かして、中央区の価値を高めていくということが必要ではないかと思いますので、その点についても御答弁いただきたいと思います。

 日米地位協定の問題についてですが、これは他国と比べても非常に不平等だということで、今、全国でも意見書が提出されています。七月二十七日から十一月八日までの間で、日米地位協定の廃止を求める意見書が、北海道議会のほか、長野や和歌山、宮崎の三県議会、札幌市、長野市など十二市町村の議会で可決されていて、つい最近、十一月二十二日には佐賀県議会も地位協定の見直しを求める意見書を全会一致で可決しました。これは、やはり多くの方にとって、今の現状、この地位協定の状況はどうしても不平等だという声が広がっている、そういう受けとめが広がっているということのあらわれだと思いますが、その認識はございますか。御答弁をいただきたいと思います。

 以上で再質問を終わります。(拍手)

     〔区長 矢田美英君登壇〕

○区長(矢田美英君)
 日米地位協定につきましては、これはもう日米、日本とアメリカの間でこういうように決めているわけでございまして、ですから、まさに今後、国において論議されるべきものであろう。無論、佐賀県とか他の地方自治体でも反対というか、疑問があるという御指摘があったということでありますけれども、私としては、これは国において、しっかりと論議していただきたい。また、国民的議論も含めて、行っていただきたい、こういうふうに思っているところであります。

 他の問題については、理事者から答弁いたします。

     〔副区長 吉田不曇君登壇〕

○副区長(吉田不曇君)
 二点について御答弁を申し上げます。

 まず、築地の市場の建築学的な価値の問題でございます。

 これは、御指摘いただきましたように大変ユニークな建築物でございまして、貨物車両を、直接鉄道車両を市場に導き入れるという計画自体がユニークであるということと、それから、鉄骨を主として使ったアール・ヌーヴォー、セセッションの建築でございまして、建築学的にも価値の高いものであるということは、私どもも十分承知をしております。

 ただし、いわゆる設計図とか、基本的な組み立てとかというものは明確でありまして、現実の問題として、その建物を現に残していくほどの価値があるかどうかということについては、いろいろ議論があるところでございまして、この活用については、私どもの中でもあるいは具体的にそういった建築の歴史等を学んでいる方々ともお話をしましたけれども、そこまで区として東京都に要請するほどの必要性は認めなかったということでございます。

 それから、駐輪場の問題でございます。

 駐輪場の問題については、区長のほうからも御答弁申し上げましたように、必要な台数に、さらに余裕を持たせて台数の算定はしておるのでございまして、月島駅の地下にも駐輪場は整備をしておりますが、駐輪場まで運ぶのを嫌がって、お店に来たのではない来街者の方も含めて、いろいろ置いてしまうというような実態があって、今日の問題が生じているわけでございます。今後、その辺の可能性も含めて、私どもとしては、公開空地等についての違法駐輪については、やはり今後とも厳しく対応して、逆に、そこの利用者の方々に公共の駐輪場を使ってもらうようなマナーの確立のほうが、この地域については重要であろうというふうに考えている次第でございますので、御了解をいただきたいと思います。

     〔福祉保健部長 黒川眞君登壇〕

○福祉保健部長(黒川眞君)
 私からは、家庭的保育事業の件につきまして御答弁をさせていただきます。

 まず、一点目といたしまして、保護者との関係ということでございますけれども、区長の答弁にございましたとおり、事故がありましてから、保護者の方に面会を求めまして、この際、保育を担う行政の立場として、お悔やみのお気持ちをお伝えしたところでございます。

 また、今後の保護者とのコミュニケーションにつきましては、これから検証委員会での検証も進んでいくという中で、保護者の方の御意向等も十分に踏まえながら進めていく必要があるというふうに思っておりますので、今後も保護者の方と御関係をとらせていただいて、その中で、今の御家庭の状況等々もお伺いをしながら、区として支援できることがあれば、しっかりとサポートをしていきたいというふうに考えているところでございます。

 また、区の責任という点でございます。

 家庭的保育事業の利用につきましては、一般の認可保育所と同様に、利用の調整をさせていただくということでございまして、区としては、お申し込みをいただいた方の御家庭の状況等を勘案しながら、認可保育所の入所選考と同じように、優先順位をつけさせていただいているという調整の内容となっております。その結果、保育ママを利用いただけるという御家庭には御連絡をさせていただいた上で、実際に保護者と事業者との間でいろいろ面談をしていただいた上で、利用について最終的な御意思を決めていただくという内容になっております。区といたしましては、家庭的保育につきましては、地域型保育の一類型ということで、その認可権限を持っているわけでございまして、その認可の基準に沿うかどうか、ちゃんとその保育内容に沿った設備、人員等を整えているか等々の要件を確認した上で、必要な指導監督を行っているという立場でございます。今回の事案につきましては、いろいろとまだ不明な点等ございます。こういった点につきましては、今後、検証委員会の中で、できる限り客観的な情報あるいは関係者から聞き取った情報等を整理しながら進めていきたいというふうに考えているところでございます。

 また、この検証委員会自体は、その目的が、こうした事案を繰り返さないために何ができるのかといったところを議論していただく場というふうに考えておりますので、やはり再発防止策、できるところは、できるときから講じていかなければならないというような状況もございますので、そこは検証の進め方とあわせて、どういうふうに再発防止策を打ち出していくかというところもしっかりと慎重に検討していきたいというふうに考えているところでございます。

 そうした中では、議員から御紹介をいただきました家庭的保育に係りますガイドライン、こういった内容も十分に参考としながら、その検証を進めていくということが、検証委員会の中でも共通理解を得られているところでございますので、その推移について、しっかりと区としても注視をして、必要な対応をとっていきたいというふうに考えております。

 答弁は以上でございます。

     〔十番 奥村暁子議員登壇〕

○十番(奥村暁子議員)
 初めに、駐輪スペースについてです。

 区立の駐輪場の利用を促していく、そういうことも必要だと思いますけれども、市街地再開発事業で建てられたマンションの中には、区立駐輪場が近くにないというようなところもあるわけですから、やはり事業者での算定をきちんとしていくこと、区の指導を適切にしていくということが大事だと思います。

 そして、日米地位協定等々の問題については、区長としては、これを不平等だとは考えていない、そういう認識なのかと思います。非常に、これは国民の感情ともずれているのではないか、差があるなという思いです。アメリカから見れば、日本は最前線の軍事基地であって、今はもう冷戦も終わっているわけなので、日米安保条約のような軍事同盟はもう必要ない。外交努力で平和的で友好的な国同士の関係を築いていくということが必要だと思います。日本のように、日本の国土内に都合よく米軍基地がつくられて、思いやり予算で米軍を支援している、そんな国はありません。国民の合意で日米安保条約を廃棄していけるよう、私もさまざまな場所で訴えていきたいと思います。

 保育ママでの死亡事故については、保護者の方から聞いているお話と区の認識と、かなりずれがあるかなと感じました。区の対応がもししっかりしていて、御両親にとって納得いくものであれば、そもそも私たちのところに連絡などないのだと思うんです。ですので、区として、今後、御両親の気持ちに沿って、必ず再発防止がされるような検討会をしていく必要がある。再発防止のためには、やはりなぜそういう事故が起きてしまったのか、その検証なくしては再発防止策などつくれないわけですから、事故の詳細について、質問でも述べた十四分の救急車を要請するまでの時間、こういったものも一つ一つ丁寧に調査しながら進めていく必要があると思います。

 そして、保育園がないということで、保育ママに預けて、事故がありました。中央区のまちづくりの改善を求めます。(拍手)


○二十三番(瓜生正高議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明二十七日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(礒野 忠議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十七日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     午後六時三十七分 散会


署名議員
議長 礒野 忠
議員 原田 賢一
議員 田中 耕太郎

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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