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平成30年 予算特別委員会(第9日 3月23日)

1.開会日時

平成30年3月23日(金)

午前10時30分 開会

午後4時21分 閉会

2.開会場所

第一委員会室

3.出席者

(17人)

委員長 押田 まり子

副委員長 富永  一

委員 木村 克一

委員 染谷 眞人

委員 田中 耕太郎

委員 塚田 秀伸

委員 佐藤 敦子

委員 墨谷 浩一

委員 堀田 弥生

委員 小栗 智恵子

委員 奥村 暁子

委員 青木 かの

委員 松川 たけゆき

委員 原田 賢一

委員 渡部 恵子

議長 礒野 忠

副議長 田中 広一

4.説明員

別紙理事者一覧のとおり

5.議会局職員

田野議会局長

荻原庶務係長

一瀬議事係長

東調査係長

秋山書記

桝谷書記

鎌田書記

黒須書記

6.議題

  • (1)議案第1号 平成30年度中央区一般会計予算
  • (2)議案第2号 平成30年度中央区国民健康保険事業会計予算
  • (3)議案第3号 平成30年度中央区介護保険事業会計予算
  • (4)議案第4号 平成30年度中央区後期高齢者医療会計予算
  • (5)議案第35号 平成30年度中央区一般会計補正予算
  • (6)議案第36号 平成30年度中央区国民健康保険事業会計補正予算

(午前10時30分 開会)

○押田委員長
 おはようございます。ただいまより本日の委員会を開会いたします。

 本特別委員会に付託を受けました議案第1号、平成30年度中央区一般会計予算に対し、小栗委員ほか1名より修正の動議が提出されましたので、修正案を机上に配付させていただきました。

 本修正案の審査方法についてはいかがいたしましょうか。

○木村委員
 ただいま原予算案の質疑半ばでありますので、このまま質疑を進め、各会派の総括質疑が終了の後、修正案について提案者からの説明を受け、続いて修正案に対する質疑を行い、その後、修正案に対し起立により表決を行うという順序で進めるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○押田委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○押田委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 なお、審査の順序については、先ほどの修正の動議の採決の後、原案についての態度表明を行います。

 また、採決につきましては、従前の例に従い、各会計ごとに行うことを確認いたします。

 それでは、総括質疑について、質問者の発言を願います。

○染谷委員
 おはようございます。それでは、総括質疑を始めさせていただきます。

 これまで7日間にわたり予算質疑を行ってまいりましたが、自民党会派の最終質問者としてお聞きしていないところやもう少し深めて伺いたい部分を中心に、健康づくりにつきまして、そして福祉政策からは子育て支援、障害者支援、高齢者支援、防災について、また、本の森ちゅうおう図書館の整備については、時間があればお尋ねしたいと思います。さらにスポーツ活動の推進について、都区財政調整について、基本計画2018に沿って伺っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 まず、ライフステージに応じた健康づくりの施策として、目指す方向と具体的な取り組みについてであります。

 区長が常日ごろから言われるように、区民生活にとって何よりも重要なのは命と健康であります。少子高齢化や疾病など変化が進む中、全国的な傾向と同様に本区においても、主要な死因はがん、心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病が上位を占めています。このことから、子供のときから正しい生活習慣を身につけ、高齢者になっても健康でいられるよう、生涯を通じた健康づくりが重要とされています。今般策定された中央区基本計画2018では、基本政策の第1にすべての人々が健康で安心して暮らせるまちをうたい、施策としてライフステージに応じた健康づくりを掲げております。

 そこでお尋ねいたします。ライフステージに応じた健康づくりについてでありますが、まず、平成30年度からの胃がん検診について内視鏡検査が導入されますが、内視鏡検査と従来のエックス線検査との違い、そして内視鏡検査導入のメリットはどこにあるのか、また導入により予算的にはいかほど増額となるか、お聞かせ願えますでしょうか。よろしくお願いいたします。

○井上管理課長
 胃がん検査のことについての御質問でございます。

 胃がん検診について、従来からのエックス線検査は、バリウムを飲みまして撮影をして、その撮影した写真を見て、間接的に病変の部位といいますか、胃がんを発見するというものでございます。内視鏡検査は、御存じのとおり、胃カメラを鼻、もしくは口のほうから直接胃の中に入れまして胃の内壁を直接見るということでございます。従来、胃カメラの検査というのは、バリウム検査の後の精密検査的な性格が非常に強うございました。今回、それができるということになりますので、当然病変の発見率が高まるものであるというのが一つのメリットではないかというふうに考えてございます。

 また、先進自治体の川崎市などもそうなんですが、導入することによって受診率そのものが上がっていくという傾向がございます。3%ぐらい上がっていくというデータもございますので、全体の胃がん検診の受診率を上げていくという効果があろうかというふうに考えてございます。また今回、国のガイドラインにのっとって胃カメラを導入し、50歳以上の偶数歳の方が対象となりますが、今まで、これも先進自治体の例でいきますと、胃カメラと従来のエックス線検査を比べると、7割から8割の方が胃カメラ、内視鏡を選択されるということでございます。

 とはいいましても、それぞれの検査、いい点もありますが、なかなか課題もございまして、エックス線のほうは、以前から言われてございますが、放射線の被曝という問題がございます。また、内視鏡のほうも、異物を胃の中に入れるわけですから、万が一の偶発性の事故の危険性というのが全くないわけでもございませんし、これは麻酔をかけないと入れられませんが、麻酔というのはそれなりのリスクがございます。そういう懸念もありますけれども、全体としては胃内視鏡検査によってがんの発見が高まっていくものというふうに我々は期待しているところでございます。

 それと、新年度の予算でございますけれども、予算としては、胃がん検診に関しては全体で2億円をとってございます。今回、内視鏡以外にも、従来どおりのバリウム検査もあわせてやります。仮に、1回目で内視鏡検査を行わず、全部バリウム、エックス線検査を行ったというふうに想定して計算してみますと、その差額で言いますと、内視鏡を導入することによって、大体2,300万円ほどアップするというような試算になってございます。

 以上でございます。

○染谷委員
 ありがとうございます。内視鏡検査導入によりまして、受診率がまず高まるということ、そしてがん発見者数が増加することが期待されるということがわかりました。また、予算についてもわかりました。

 本区がそれを導入するに当たって、どのような問題があり、またどのように対応するのか、まずお知らせいただけますでしょうか。

○井上管理課長
 まず、導入に当たってどのような問題があり、またどのような対応をするのかという御質問でございます。

 やはり今までの検査とかなり違うところがございまして、今まではバリウムを飲んで検査するということで、直接医師が行わなくても、検査技師さん等が撮影をして後で医師が読影するということになるんですが、今回、医師が直接カメラを入れるということでございます。こういう医師が行うという体制をしっかり整えていくというのが非常に大変でございます。

 内視鏡検査が有益だというのはかねてから言われていたんですけれども、これが、対策型検診といいますか、集団検診として根づくまでにはいろいろ時間がかかりました。科学的なデータに基づいて内視鏡検査をやった結果、死亡率が下がるというような、はっきりとしたエビデンスといいますか、証拠、立証するものがなかなかなかったということなんですが、その後、国立がんセンターの研究、もしくはお隣の韓国の大規模な統計データ等によりこれが実証されてきたところでございます。

 これによって死亡率減少が科学的に証明されたわけでございまして、国の指針も改定されてきたわけでございます。平成28年2月に国の指針が改定されまして、胃がん検診ではエックス線検査または内視鏡検査、いずれかを選択できるということになってございます。

 これに伴いまして、本来は平成29年度から検査の導入ができるところではあったんですが、やはり先ほど言いました従来の検査とは違うという非常に難しいところがございます。具体的に申しますと、さきにも申し上げました偶発症をどういうふうに予防していくかという体制を整えなければいけない。また、異物を入れますので、当然感染症のおそれがございます。感染症を防ぐために、消毒とか、そういう器具の衛生面をどう整えていくか。また、誰でもできるわけではございませんので、やっぱり日本消化器内視鏡学会の資格を有するようなお医者さんなどに限定していく必要がございます。

 また、撮影した後、普通の胃カメラの検査だと見た人がそのまま判定するんですけれども、今回のガイドラインでは、それだけではなくて、必ず二重読影、要するに再チェックをしなければならないと、そういう非常に厳しいハードルがございます。これを受託していただきます医師会の先生方と綿密な協議により慎重に検討してまいったところでも、いろいろとこういう課題が出てまいりました。

 とりあえずやってしまうという考え方ではできるものではございませんので、拙速な導入を控えまして、1年間、本当にじっくりと、導入することを前提に検討を進めてきた結果、いろいろと大変だったということがございます。

 私からは以上でございます。

○染谷委員
 さまざまな内容をいただきましてありがとうございます。

 確かに今回の内視鏡検査、従来はエックス線によるバリウム検査のほうが主流でありまして、本区においても、今回はこの内視鏡検査を実施するに当たりまして多々課題はあるかと思います。

 まちの方の感覚は、高齢者になるとどうしてもバリウムを飲んで検査台の中で回転することは本当に苦痛であるとか、そういうつらさを結構訴えておりまして、今回、この内視鏡検査ができることによって、利用する側のほうにはつらいところが緩和されるのかなと思いますので、ぜひとも、この1年間でいろんな課題があるかと思いますけれども、解消していただきたいと願います。

 また、胃がん検診のほかに本区ではさまざまながん検診を実施しておりますが、受診者数や受診率等について傾向的なものがあればお知らせいただけますでしょうか。また、国による各がん検診の受診率目標は50%と聞きますが、これを目指した本区の受診向上に向けた取り組みについてお知らせいただけますでしょうか。

 よろしくお願いいたします。

○井上管理課長
 がん検診の現状といいますか、傾向と受診率目標50%を目指して何をすべきかという御質問でございます。

 本区では、胃、肺、大腸、前立腺の各がんと、女性特有の子宮がん、乳がんの検査を実施しているところでございます。この中で、高齢者の男性に非常に多いんですが、前立腺がんは国の指針には含まれておりませんので、本区で独自で行っている検診でございます。また、胃がんや乳がんの検診は、指針より対象年齢を下げてというか、拡大してやってございます。

 全てのがん検診について言える傾向でございますが、受診対象者数は、人口増がございますので、一貫して増加傾向にございます。受診者数も同様の傾向ですが、平成28年度は、若干前立腺がん検診が少し増えましたけれども、そのほかのがん検診では受診者数は少し減っているという特徴的な傾向がございます。原因については、今分析中でございます。

 受診率については、前立腺がん検診が高く、約30%程度で推移してございます。受診者は高齢者の方が多いんですが、しかも高齢者の方は平均的に受診率が高いです。次いで高いのが女性の特有のがんである子宮がん、乳がん検診。その次にいきますと肺、大腸、胃の順になってございます。胃がん検診が一番低いので、それも課題になってございます。先ほど言いました国の指針の対象になっているがん検診について、平成28年度の受診率を見ますと、最も高いのは子宮がんで24.2%で、最も低いのは胃がんで10.7%となっております。この受診率は、経年で見ますと横ばい状態になっておりまして、なかなか上がってこないというところがございます。

 今までは傾向としての御説明なんですが、国はがん対策基本法を平成19年に施行し、目標として全てのがん検診の受診率50%というのを掲げているんですが、先ほど御紹介しましたように、今の数字ですと乖離が大きいと。しかし、中央区の場合は給与所得を受けている会社員の方がたくさんお住まいになっております。区のがん検診以外に、会社でやったり、人間ドックで受けている方も多くおられると思います。こういうこともございますので、東京都はこのことを考慮して、職域の受診状況等も加味した推計を出してございまして、これが人口率換算受診率というんですが、これによりますと、統計は1年古いんですが、平成27年度で、最も高い子宮がんで36.2%でございますので、ほかのがん検診も含めて中央区は区部では非常にいい成績、一桁台、1位とか2位であったりとか、そういう成績になってございますので、今後上げていく必要があると思います。

 受診率向上について何が一番大事かというと、やはり受診しやすい環境を整えることだというふうに考えてございます。その意味で、中央区では原則全ての検診は無料にしてございます。区によっては一部負担金があるところもございます。また、対象者全員に対して原則的に受診票を送る、広報で募集する手挙げ方式ではなくて受診票を送るという手厚い方法をとってございますし、未受診者に関しては受診の再勧奨を行っているところでございます。

 また、特定健康診査とがん検診を併用して身近なかかりつけ医で受診ができるように環境を整えたところでございます。今後ともこのような受診しやすい環境の整備に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○染谷委員
 御答弁ありがとうございます。確かに、最後の受診率の向上の中で、本区はそれなりに、成績というか、受診率がいい方向かなと思うんですけれども、ただ、御説明の中で胃のがん検診についてはちょっと低いのかなというふうに感じましたが、今回の新しい取り組みを選択することができますので、区民の方がそれで予防することができることを期待したいと思います。また、環境についても、本区は受診者に対して受診票を送っているということですので、本人が意識して検査を実施していただければと願います。

 厚生労働省は本年3月9日に、介護などの必要がなく日常生活に支障なく過ごせる期間を示す健康寿命の2016年の推計値を発表いたしました。男性は72.14歳、女性は74.79歳で、2013年の前回調査より男性は0.95歳、女性は0.58歳延びております。健康寿命の延伸には、若い世代のうちから栄養バランスのよい食事、十分な睡眠、禁煙とともに身体活動、運動が重要と考えております。本区は平成30年度予算で健康ウォーキングマップの作成を掲げておりますが、どのような経過でウォーキングマップ作成を考えたのか、お知らせいただけますでしょうか。

○佐瀬健康推進課長
 ウォーキングマップ作成の経緯について御質問でございます。

 本区は中央区健康・食育プラン2013におきまして、総合目標として健康寿命の延伸と主観的健康観の向上を掲げて、それを実現するための5つの基本目標を設定しております。また、プランの進捗、達成状況を評価するために健康指標と意識・行動指標を設定しております。平成28年度にこれらの指標の中間評価を行いましたところ、運動習慣のある区民は当初よりも増加しており、身近な場所で運動する意識が高くなってはいるものの、健康づくりのため日常的に気軽に取り組める環境づくりが重要でありまして、運動する時間がないと感じている方たちの運動不足を解消するため、日常生活の中で行える取り組みについて普及、啓発していく必要があるとされました。

 そこで、区民の方々の日常生活における身体活動量や歩数をふやす取り組みを促進し、生涯にわたり健やかに暮らせる社会の実現を目指すためウォーキングマップの作成を検討したものです。

 以上でございます。

○染谷委員
 大変すばらしいと私は思います。今回、この健康ウォーキングマップによって区民の方が関心を持っていただければなというふうに思っております。

 特にウォーキングマップのルートが6つありまして、所要時間は60分、90分の2種類ということですが、具体的にどのような内容を想定しているのか、また、ルートの実際の地点の場所に、例えばスタート地点である表示とか、スタート地点からの距離をあらわす表示などがあるんでしょうか。よろしくお願いいたします。

○佐瀬健康推進課長
 ルートについての御質問でございます。

 中央区は、大きくは日本橋地域、京橋地域、月島地域のエリアに分かれておりますので、それぞれ2コースずつ作成したいと考えております。また、国は健康づくりのための身体活動指針におきまして、18歳から64歳までの男女に対して、生活習慣病や生活機能低下の予防のために1日8,000歩に相当する身体活動を推奨しております。8,000歩を一度に歩くには90分程度必要でございますので、まずは90分のコースを想定しております。さらに、より気軽に取り組んでいただきたいので60分のコースも作成したいと考えております。

 スタート地点や距離の表示につきましても、歩いていただくために大事なことと考えますので、コースの設定を検討する中で考えてまいりたいと思います。

 以上でございます。

○染谷委員
 御説明ありがとうございます。8,000歩が目標で、90分、60分という目安があれば、目標を持って歩くことが大切かと思います。実際、私も1日8,000歩というのはなかなか厳しいなというふうに今感じている次第なんですけれども、せっかく作成するので多くの区民に活用していただきたいと思いますが、三日坊主で終わらせることのないよう、マップを継続的に活用していただくための工夫や展開について区として何か考えがありますでしょうか。よろしくお願いいたします。

○佐瀬健康推進課長
 まずは、平成30年度にはよいマップをつくれるように考えて作成をしてまいりますが、平成31年度には関係課と協力をしてウォーキングイベントを実施するなどさまざまな切り口からの取り組みを検討していきたいと考えます。

 以上でございます。

○染谷委員
 ありがとうございます。いろんな区の行事、またイベントがありますので、それに踏み込んだ取り組みをしていただければと思います。また、日常的に気楽にできる、継続できる運動習慣になると私も期待しています。紙ベースで5,000部作成とのことですが、皆さんスマートフォンでコースを確認できるなど利用が広がればいいかなと思っておりますけれども、例えばホームページに掲載し、ダウンロードして、もしくはアプリにするなどの検討をしていただければと思っております。また、スポーツリーダーやスポーツ指導者を通して広めるなど普及を図って効果も検証していただきたいと願っております。

 それでは、続きまして子育て支援について移らせていただきます。

 区長は所信表明で、子どもを産みやすく、育てやすい自治体ナンバーワンを目指すとしており、具体的な取り組みとして、保育所待機児童の解消に向けた私立認可保育所の開設支援を行っております。実際に、5年前の平成25年4月時点における認定こども園を含む認可保育所数は22園でありましたが、平成30年4月には52園と倍以上の保育所が開設されているなど、近年の人口増、特に子育て世帯の急増や出生数の増加、保育ニーズの増加などの対応が図られているところでありますが、平成30年度予算では旧中央警察署跡地の区有地を活用した整備に着手するとのことです。これまでも用地確保が困難な中、保育定員の拡大に対し取り組んでいることについては大変評価しております。

 しかし、一方では保育所の開設に伴う課題も大きくなっています。保育所の量的な確保についてはさまざまな取り組みがなされておりますが、保育の質についても、これだけ保育所がふえた以上万全を尽くしていかなければなりません。保育の質の向上が伴わなければ、中央区の、ひいては日本の未来を担う子供たちの健やかな成長に影響が出るのではないかと危惧しております。そのためには、量だけではなく質の高い良好な保育を提供しなければならないと考えておりますが、そこでお尋ねいたします。今後、区としては質の高い保育の提供を行っていくための考え方を具体的にお知らせいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

○矢田区長
 子どもを産みやすく、育てやすい自治体ナンバーワンを目指していこうというのは、本当に大事なことでありまして、去年も2,079人も生まれた、おととしは2,032人も生まれたということで、どんどん赤ちゃんが生まれる。これは、親のほうも、この区は子供を産みやすく育てやすい区だということを認識していただいている結果であろうというふうに思っているわけでございます。

 そういう意味では、保育園、もう一生懸命つくっているんですけれども、お子さんがどんどん生まれるということで残念ながらなかなか難しい面もあるわけです。これからもしっかりと、警察署の跡地に保育園をつくったり、それから子供がすくすくと遊べる良質な場をつくらなきゃいけないということで、もう御案内と思いますけれども、おととしからですか、浜離宮恩賜庭園という名庭園がございますね、25ヘクタールもある、あそこにお子様を親御さんが連れていけば、無料で入れるわけでございまして、そういう意味で、ああいう広々としたところで思いっきり遊んでいただく、そしてまた、日本のすばらしい文化を知っていただくということでございます。

 さらに、あそこに保育園をつくったらいいのになと東京都知事にも申し上げて、申し上げてもなかなか許可が得られないのではないかと。文化庁を通して東京都に来るわけですけれども、何しろ文化庁というところはかた苦しいところで、ただ保護をすればいい、名庭園であるからただ保護をすればいいというところに力点を置き過ぎて、現在生きている私たちが楽しめる場、そういうものを私はつくっていきたい、そのためにも、あの25ヘクタールのすばらしい場所、あれはどんどん区民のために活用できるようにすべきであると、こういうふうに思っているわけでございまして、あそこへ保育園をつくることは、まだ絶対に断念したわけではございません。

 以上であります。

○染谷委員
 区長、ありがとうございます。確かに遊べる場、子供にとってとても大切だと私も考えます。浜離宮については、本当に、まだわからないですけれども、いろいろとありますけれども、今回、施策の中でも浜離宮へ入園料が無料にて親子で入れるという環境が整備されていますので、これも広報でお知らせして活用していただきたいと思います。

 今回、子供を取り巻く環境について考えますと、近年核家族化が進みまして、さらに他の自治体から転入している方も多くいることから、知り合いや友人が区内にいない中で誰にも頼れずに子供を一人で育てている母親も少なくないと思われます。また、保護者の方から、子供が生まれると今までの生活から子供中心の生活に大きく変わり自分の時間が持てない、配偶者も激務で夜遅く帰宅するので一日中人と話す機会がなくつらいという話も聞いております。

 そのような閉鎖された環境では、子育ての孤立化や保護者の不安、負担感の増大が懸念され、さまざまな弊害が出てくると思いますが、区ではどのような弊害があると考えているか、お知らせ願えますでしょうか。

○植木子ども家庭支援センター所長
 孤育て、いわゆる孤独の弧の字を使った弧育ての弊害ということでございます。

 お子さんの夜泣きなどで睡眠時間が十分確保できない中、今まで育児等をしたことがなかった方が急にそういった状態になりまして、体が疲労するとともに、孤立しているというところから心の疲労につながっていくということがございます。そういった中で、子育てが大きなストレスとなって、いらいらして子供をたたくなど、そういった虐待に走るケースや、また、産後鬱や育児ノイローゼなどの心の病を引き起こすケースがございます。また、そういった理由からお子さんが乳幼児期に保護者の方ときちんと愛着を築くことができないとなりますと、情緒や対人面で問題が起きてくるといった愛着障害が起こる可能性もあると考えております。

 以上でございます。

○染谷委員
 御答弁ありがとうございます。確かに心の関係ですね、孤立した中で子供たちを育てるということは、虐待や心の病、愛着障害など親にも子供にも影響を及ぼしかねないということがわかります。

 では、こういった状況の中で、保護者の不安が軽減され、安心して子育てできる環境の整備が求められると思いますが、本区ではどのような支援を行っていくのか、その辺についてお知らせ願えますでしょうか。

○植木子ども家庭支援センター所長
 区の取り組みについてでございます。

 お子さんの健やかな育ちには、保護者自身が子育てに喜びや幸せを感じながら安心して子育てができる環境が不可欠というふうに認識しております。そのため、子ども家庭支援センターにおいては、育児不安の対応のための相談事業や負担軽減、育児負担の軽減のための一時預かり保育、または育児支援ヘルパーの派遣などの事業を行っております。一時預かり保育につきましては、昨年10月に十思分室を開設し定員を図ったところでもございます。

 また、孤立感の解消のためには、あかちゃん天国や児童館での乳幼児クラブ等で親子の交流ができる場の提供を行っているところでございます。それとともに、子ども家庭支援センターを中心的な窓口としまして、保健所、保健センターなどと連携しながら、お子さんや保護者が抱えるさまざまな悩みや困りごとに対して対応しているところでございます。

 また、毎年子育て講座を行っているところではあるんですが、平成29年度は中央区の協働事業として子育てがラクになるワークショップ事業ということをきらら中央と児童館2館の3カ所で実施し、平成30年度についても引き続き実施していくなど、お子さんや保護者の方々のそういった負担を軽減するようなことを行っております。

 以上でございます。

○染谷委員
 御説明ありがとうございます。先日、結婚を機に中央区に転入された方が私のほうに来まして、初めて出産されて間もないお子さんを抱いた方にあかちゃん天国をお知らせしましたら早速利用されまして、子供に関する情報が得られ本当に気楽に相談できる場所があるということで、安心して子育てができると大変喜んでおりました。また今回、一時預かり保育の十思分室が増設されましたことも、施策として本当に順調に実施されているんだなというふうに感じております。

 現在の取り組みについて理解いたしましたが、今後新たな取り組みについて行っていく予定はございますでしょうか。また基本計画2018では、子ども子育て応援ネットワーク(子育て世代包括支援センター事業)を構築し、子育て支援分野と母子保健分野の両面から子育て家庭を支援していくなどとなっておりますが、具体的にはどのようなことを行っていくのか、お知らせ願えますでしょうか。

○植木子ども家庭支援センター所長
 新たな取り組みということでは、平成30年度につきましては、拡充ということで病児・病後児保育の定員を拡大するということがございます。また、子ども子育て応援ネットワークにつきましては、子育て世代包括支援センター事業ということで、こちらについては母子保健法の改正によりまして妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行うため市区町村が平成32年度末までに設置するよう努めることというふうになりました。

 それを受けまして、今後、区としましても設置していく予定なんですが、センターというと建物かなと思われるかもしれないんですが、そういった建物ではなく仕組みを示すものということで、今後、区のほうでは子ども子育て応援ネットワークといった名称を使っていきたいというふうに考えております。

 また、内容につきましては、国のほうで示された必須業務としましては、妊産婦・乳幼児等の実情を把握すること、妊娠・出産・子育てに関する各種の相談に応じ、必要な情報提供・助言・保健指導を行うこと、支援プランを策定すること、保健医療又は福祉の関係機関との連絡調整を行うことというふうになっております。今後、こちらにつきましては、保健所、保健センター、子ども家庭支援センターにおいて、また児童関係課においてネットワークをどのように連携して行っていくかということを検討する予定となっております。

 また、先ほど言いました妊産婦や乳幼児の実情把握につきましては、既に保健所、保健センターにおいて母子保健コーディネーターの導入によりまして、現在、妊娠届出時の支援が必要な妊婦さんのスクリーニングについては行っているところでございます。

 また、平成30年度については、児童館やあかちゃん天国にいる保育士が既に相談を受けてはいるんですが、今後、東京都が実施する利用者支援専門研修というのがございますが、そちらを受講してもらい、平成31年度以降、利用者支援専門員として配置して相談機能を強化していくということを考えているところでございます。今後とも妊産婦さんや保護者の方の個別の疑問や不安などにできる限り丁寧に対応していきたいと思っております。

 以上でございます。

○染谷委員
 御説明ありがとうございます。確かに一番最後の不安ですね、お子さんを育てるに当たっての環境がとても大切だと思います。今回、いろんな施策の中には、母子健康診査、お子さんがふえた関係で日数もふえたということと、また母子保健指導のいろんなネットワーク、それが充実されることを期待して次の質問に移ります。

 次に、障害者支援について伺ってまいります。

 昨年12月に公表された第5期中央区障害者福祉計画・第1期中央区障害児福祉計画の中間のまとめによりますと、福祉センターの子供の発達相談件数は、平成28年度が6,819件と報告され、平成20年度4,583件の約1.5倍となっております。そのような増加に対応するために、この4月から子ども発達支援センターを開設し子供の発達支援事業の充実を図るということですが、具体的にどのように対応するのか、お知らせ願えますでしょうか。

○北澤福祉センター所長
 子ども発達支援センターについてでございます。

 委員御指摘のように、ここのところ、中央区の子供の数がふえていることに伴いまして福祉センターの子供の発達相談を利用する方の数も非常にふえております。福祉センターのほうでは個別の心理面接ですとか、言語療法ですとか、そういった支援を行っているんですけれども、これまではスペースの関係で相談室が足りないということでなかなか回数をふやすことができなかったんですけれども、今回、福祉センターの改修工事を行いまして子ども発達センターとしてスペースを広げたことで、相談室を増加いたしまして、個別の理学療法士ですとか、言語療法士等を増員いたしまして相談件数の増加に対応していきたいというふうに考えております。

 また、同じく改修工事で集団療育のお部屋もスペースを広げまして定員を増加することで、より多くのお子さんを受け入れていきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○染谷委員
 スペースが拡大することにより利用しやすくなるということで、特に相談件数の増加に対応し、個々のケースに即したきめ細かな相談体制の構築が重要であると思います。先ほどの計画で、子供の育ちに関する相談や支援については、子供の発達状況に応じた専門的な支援を提供し、関係機関の連携によりその支援につないでいくことが大切であると思います。関係機関との連携はどのように進めていくのか、お知らせ願えますでしょうか。

○北澤福祉センター所長
 福祉センターでは、子ども発達支援センターの開設に先立ちまして平成26年より子ども発達支援のあり方検討部会という部会を開催いたしまして、教育や福祉、保健の各関係機関の職員でどのように子供の発達支援を行っていくかということについて検討を進めてまいりました。そこでさまざまな連携方法について協議をしたんですけれども、その結果をこれから子ども発達支援センターの中で実践していきますが、今後は、その実践内容について関係機関で検証していくような連携会議を定期的に開催する予定としております。

 以上でございます。

○染谷委員
 御答弁ありがとうございます。関係機関の仕組みについては理解いたしました。体制の中で支援につなぐというのは具体的にいろんなことがあると思いますが、成長の段階に合わせて18歳まで継続的に支援するということが記載されておりますけれども、相談内容に対しては、一人一人のニーズにきめ細かくスピーディに対応されることが必要だと思います。特に障害児については、どちらかというと保護者の理解、認識が不可欠だと思います。連携についてさまざまな角度から判断し、支援につなげるよう十分な配慮をもって行っていただきたいことを願います。

 次に、心のバリアフリーの認識についてお尋ねさせていただきます。

 韓国で行われた平昌冬季パラリンピックで10個のメダルを獲得した日本人選手の活躍が連日テレビ等で放映されました。これまでにない障害者スポーツへの関心が寄せられました。昨年9月に行われた東京都の調査でも、障害者スポーツに関心があるという都民は58%に達し、今後、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会へ向けてさらなる関心の高まりが期待されております。

 こうした中、東京都では東京2020大会を見据え、東京都民及び事業所が障害者への理解を深め障害者差別を解消する取り組みを進めることで共生社会・ダイバーシティへの実現を目指すとしております。本年10月に東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例の施行を予定しております。本区でも、基本構想及び中央区基本計画2018において、多様性を認め合う社会の構築に向けて心のバリアフリーを推進していくとしております。今後、東京2020大会へ向けて施設や公共道路などハード面のバリアフリーが加速していくと思いますが、ソフト面の目に見えない心のバリアフリーを広めていくことは最も困難で最も重要であると考えております。まず最初に、心のバリアフリーについてどのように捉えているのか、認識をお知らせいただけますでしょうか。

○黒川福祉保健部長
 確かに、一口で心のバリアフリーとよく言われるところでございますけれども、例えば段差の解消みたいに形のあるハード面でのバリアフリーというのは誰にもわかることなんですが、お一人お一人の心の中とか意識の中の壁を取り払うということでございますので、さまざまな捉え方もあろうかと思います。

 一つのヒントになるのかなと思いましたのが、昨年の8月にパラリンピアンの田口亜希選手をお招きして、オリンピック・パラリンピックに関する講演会を行いました。その中で、ブラジルのリオの体験談だったと思いますけれども、段差があって車椅子が通れなくて困っていた、そうしたところ、周りを通りがかった方がすぐに声をかけてくれて、みんなで車椅子ごと抱えてくれたというようなエピソードを御紹介されていました。ブラジル全体としては、ハード面の課題というのは非常に多いなというふうに感じたんですけれども、このエピソードを通じまして、本当に、自然に、さりげなく声をかけてくれたというようなところに非常に感心をされておられたことがわかりました。

 障害者の差別解消、ひいては共生社会の実現というところにつながるかと思いますけれども、そのためにはまずお互いのことを理解し合う、そして支え合うということが重要になってこようかと思います。ちょっと抽象的な言い方になってしまいますけれども、心のバリアフリーというのは、決して押しつけがましくなることなく、かといって遠慮することもない、そういった自然な雰囲気の中でお互いに配慮し合いながら居心地のよい社会をつくっていくことというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

○染谷委員
 御答弁ありがとうございます。心のバリアフリー、確かに車椅子の方に対しても、健常者の方から声かけすることによって普通に対応していただければというふうに私も思っております。私の義理の母が車椅子で移動したりするときに、この前なんですが、大会があって道路で応援している人たちが、車椅子だと思ったら、ちょっとした段差のところで車椅子が動けなかったとき、知らない方にいきなり車椅子の前を手で押さえて持ち上げていただきまして、周りの方に協力していただけるというのは本当にありがたいことだなというふうに感じた次第です。

 私も、心のバリアフリーとは、お互いを尊重し多様性を認め合うものであり、まさに共生社会の基盤となる重要なファクターであると考えておりますが、本区では現在の心のバリアフリーを推進するために具体的にどのような取り組みを進めていくのか、お知らせ願えますでしょうか。

○遠藤障害者福祉課長
 心のバリアフリーの取り組みでございます。

 この3月に策定される第5期の障害者福祉計画、また第1期の障害児福祉計画、先ほど御紹介いただきましたが、この中でも心のバリアフリーの推進、この施策を重要な施策の一つの柱としてございます。そうした中で共生社会の実現に向けた取り組みを進めていくとしているところでございます。

 具体的な現在の取り組みでございますが、先ほど障害者差別解消法、この趣旨が共生社会の実現であるというお話を福祉保健部長のほうからもさせていただきましたが、この普及・啓発に力を入れてございます。

 また、内部障害のある方であるとか、義足の方であるとか、外見ではわからない方、こうした方が身につけるヘルプマーク・ヘルプカードというものがございます。これも東京都のほうで推進してございまして、昨年7月から全国共通のマーク、JIS規格となってございます。こうしたマークの普及・啓発、また、さまざまな障害の特性であるとか、その特性に合わせたサポートの仕方、こうしたことを冊子にまとめました障害者サポートマニュアル、これは小学校、中学校にお配りしてございますが、これらを広く区民の方、また事業者の方にも配付をしてございます。そうしたことで障害者理解を促進する、そうした取り組みをしてございます。

 また、福祉センターの作業の一環で、建築廃材を使ったモザイク平板、こちらのほうも毎年公園等の施設に設置させていただいておりまして、区民の皆様に鑑賞していただいております。また、健康福祉まつりを初めとしたさまざまなイベント、これを通じた地域の方々との交流、こうしたことを通じて心のバリアフリーの促進を現在図っているところでございます。

○染谷委員
 御答弁ありがとうございます。確かに心のバリアフリーといっても、なかなか健常者の方にとっては難しいこともあると思います。お互いに理解するということが必要なんですけれども、やはり理解の仕方というのが、私が思うには、福祉まつりとか、そういうところに健常者の方も参加していただければ、それが障害者の理解に一番重要だと思いますので、今後ともそういう施策等を行って、イベントを通して、障害者の方が参加することによって健常者ともお互いを理解できるのではないかなと思います。

 実は私もヘルプマークを持っておりまして、腰を痛めてつえをついていたら知り合いの方がわざわざ私にヘルプマークを渡してくださいまして、最初、そのときに私はこのマークが何だかよくわからなかったんですけれども、周りの方が心配されてそういうのを届けられて、これがこれから普及していくと、腰の悪い方などが周囲の方にわかりやすいのかなというふうに感じました。どちらかというと対象は障害者の方なんですけれども、それはそれとして、とりあえずありがとうございます。

 東京2020大会は共生社会の実現に向けて障害のある方とのかかわりを変えていく大きな一歩を踏み出す絶好の機会だと考えております。そのレガシーとして、心のバリアフリーを広く区民の方の心の中に広めていくことが期待されるものであります。

 そこでお尋ねいたします。今後、東京2020大会に向けて、心のバリアフリーを広げるためにさらに機運を高めていくことが必要だと思いますが、本区の取り組みをどのように進めていくおつもりか、あればお知らせください。よろしくお願いいたします。

○遠藤障害者福祉課長
 心のバリアフリーの推進でございます。

 これはゴールがあるようなものではなくて、継続的に取り組んでいく、そうした課題であろうと思ってございます。先ほどお話しした現在行っているさまざまな取り組み、これを粘り強く着実に進めていく、こうしたことが重要だと考えてございます。また、委員のお話のように、東京2020大会に向けて、障害者理解を深めて心のバリアフリーを広めていく絶好な機会だと認識してございます。障害者団体の方たちとよく話すことでございますが、大会に向けて障害者理解を広めていくために何かできないであろうか、そんなことをよく話してございます。また、民生・児童委員の方であるとか、あるいは事業所のさまざまな団体の方からも、同様に何かできることはないだろうかという御相談もいただいてございます。まさに、東京2020大会に向けては、共生社会を目指した地域の機運が高まっていると、そういうことを感じているところでございます。

 今後につきましては、障害者団体を初め区民、事業者、またボランティアの方々、さまざまな人々と連携した活動を通じて、またその活動の輪を広げていきながら、地域全体で心のバリアフリー、これを醸成していくような、そうした取り組みを展開してまいりたいと考えているところでございます。

○染谷委員
 ありがとうございます。特に今回、東京2020大会におきましても、この共生社会を実現するに当たりましても、区民の意識を高めるという方法を区としてもいろいろ取り組んでいただきたいと願います。先ほどのお話の中にもありましたように、車椅子について、いろんなところにどうしても段差がありますので、その辺について区のほうも対応していただければと願います。

 続きまして、高齢者の就労支援についてお尋ねします。

 先ほども申しましたが、健康寿命が延び、高齢者が元気で過ごせる期間はますます長くなっております。政府は、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、障害や難病のある方も、家庭で、職場で、地域で、あらゆる場で、誰もが活躍できる、いわば全員参加型の社会である一億総活躍社会の実現を目指しております。

 平成29年3月に策定された働き方改革実行計画では高齢者の就業促進がテーマの一つとされ、65歳以降の継続雇用延長や65歳までの定年延長を行う企業への支援を充実し、将来的に継続雇用年齢等の引上げを進めていくための環境整備や多様な技術・経験を有するシニア層が、一つの企業に留まらず、幅広く社会に貢献できる仕組みを構築するための施策が盛り込まれました。平成29年度高齢社会白書によると、平成28年の労働力人口は6,673万人、労働力人口のうち65歳から69歳の方は450万人、70歳以上の方は336万人であり、労働力人口総数に占める65歳以上の割合は11.8%と年々増加しております。白書では、現在仕事をしている高齢者の約4割が働けるうちはいつまでも働きたいと回答しており、70歳ぐらいまでもしくはそれ以上との回答を合計すれば、約8割の方が高齢期も高い就業意欲を持っていることが伺えます。

 高齢化の進行の中で、高齢者の社会参加や生きがいづくり、さらには活力、地域社会づくりの観点から、働く意欲のある高齢者がこれまで培った能力や経験を生かし生涯現役で活躍し続けられるような生涯現役社会を実現することが必要となります。

 そこでお尋ねいたします。本区においては、生きがいづくりや地域への参加を目的とする高齢者を中心に全員に仕事を提供するシルバー人材センターや、ハローワークの協力があり、フルタイムやパートタイムの仕事を希望する高齢者に対する無料職業紹介所であるシルバーワーク中央がございます。高齢者の就労支援を行うことの現状についてどのように捉えておりますか。また、今後ますます高齢者の社会参加の促進が必要と考えますが、高齢者の支援を初め生涯現役社会の実現に向けた施策をどのように推進していくか、お知らせ願えますでしょうか。

○吉田高齢者福祉課長
 高齢者の就労支援を初めとする生涯現役社会についてのお尋ねでございます。

 委員御指摘のとおり、高齢者の方々がそれぞれの目的や自分の健康状態に合わせまして希望する働き方や地域活動を選択できるように支援していくことは、今後ますます重要であると考えております。

 昨今、定年延長などにおきまして、高齢者の雇用環境の変化により全国のシルバー人材センターにおきましては多くのセンターで会員の減少が顕著になっている中、本区シルバー人材センターでは会員数、契約実績も増加しております。これは就業専門員によります就業開拓やきめ細かいマッチングなど地道な取り組みによりまして、特に民間企業や家庭からの受注が伸びているというところが特徴でございます。

 そのほか、就労支援に関してですが、今年度初めてシニア生涯ワーキングセミナーを2回、両特別出張所の区民センターにおいて開催いたしました。そのセミナーの内容でございますが、まず東京しごと財団から高齢者の雇用情勢、履歴書の書き方、面接のポイント等の実践的な講義の後、本区のシルバー人材センターの紹介、また同じ京華スクエアの隣にシルバーワーク中央もございまして、ぜひ足を運んでほしいというふうにPRをさせていただきました。また、最後に高齢者福祉課の元気高齢者人材バンクの説明をあわせて行いまして、就労を切り口に高齢者の社会参加を支援している4つの事業の担当者から総合的な情報提供ができまして、それぞれのコーナーで質問や登録をお受けいたしました。

 その中で、一人の方ですが、実は私はバイオリンを弾くことができるので何かお役に立てればということで、元気高齢者人材バンクにその場で登録したいと申し出てくださった方がいました。昨年度実施いたしました中央区高齢者の生活実態調査におきましても、現役中は忙しく社会活動や地域活動を行っている方は半数以下でしたが、もし活動場所の情報提供や勧誘、声かけなどがなされれば参加したい、参加してもよいと答えた方が6割という結果が得られました。

 そこで、来年度、退職前後で今まで地域とのつながりがなかなか持てなかった方、特に男性の方を対象に退職後の生き方塾を開催したいと考えております。このような塾への参加をきっかけにして地域での活動の場や機会を広げていただけるよう生涯現役社会の実現を目指して取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○染谷委員
 御答弁ありがとうございます。生涯現役社会、これからは、ただ長生きするだけじゃなくて仕事をほどほどにできる社会、ワーク・ライフ・バランスと言われますけれども、本当に今までの仕組みづくりを変えていかなければならないかなというふうに思っております。特に本区については若い方たちがおりますけれども、これから先高齢化が急速に進むと思いますので、その辺の施策について今後ともよろしくお願いいたします。

 次の質問に移らせていただきます。スポーツ活動の推進についてです。

 スポーツを取り巻く環境や国民のスポーツに対する意識の変化を背景としまして、平成23年6月にスポーツ基本法が公布され、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは人々の権利であるとの考えに立ったスポーツ基本理念を掲げ、地域スポーツの推進や障害者スポーツの推進などが明記されるなど、超高齢化社会を迎えた今、健康寿命を延ばし、生きがいづくりに有効であるスポーツに対する期待はより一層大きくなっております。

 そうした中、本区では、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催の機運を捉え、国や都の方針を踏まえながら本区のスポーツ推進の方向を示す中央区スポーツ推進ビジョンを平成29年3月に策定しております。先月、今月と平昌オリンピック・パラリンピック大会で熱戦が繰り広げられ、日本人選手の活躍に日本中が熱く盛り上がりました。いよいよ2年後にこのオリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、スポーツの持つ力とすばらしさ、その価値を改めて全ての国民が再認識することになるはずです。

 本区においても、選手村もあり、大会の中心となります。これはスポーツ振興を図るまたとない貴重な機会であり、この大会を契機にスポーツが日常に溶け込み、誰もが健康で生き生きと豊かに暮らせる生涯スポーツ社会を実現していくべきだと考えております。ビジョンでは誰もがスポーツを楽しみ、人と地域が輝くまちと基本理念が掲げられ、その実現に向けて、週1回以上のスポーツを行う成人の場合、いわゆるスポーツ実施率について、現状値52.5%を65%に上げるという数値目標を設定しております。本区として、基本理念の実現、数値目標の達成に向け、どのように問題意識を持ち取り組んでいこうと考えておられるかお知らせ願えますでしょうか。

○小林スポーツ課長
 中央区スポーツ推進ビジョンの基本理念、それから数値目標、こちらの達成に向けてということでございます。

 大きなポイントとして、今回、スポーツ推進ビジョンでスポーツの概念を広げてございます。従来の競技スポーツ、野球ですとか、サッカーですとか、バスケット、バドミントン、剣道、そういったものだけではなく、体操ですとか、あとは散歩、レクリエーションまで、そういったことを含めまして目的を持った身体活動全般を幅広くスポーツと捉え直してございます。

 このことに伴いまして、スポーツの推進はスポーツ課だけで推進するのではなくて全庁横断的に連携を図っていく必要があるというふうに考えてございます。学校はもちろんのこと、水とみどりの課、子育て支援課、健康推進課、高齢者福祉課、障害者福祉課など、こういったところと関係部署とがいかに連携、協力してさまざまな局面でスポーツ振興を図っていくかが重要だというふうに考えてございます。

 この連携を全ての施策の念頭に置きまして、特に重要と考えている課題といたしましては、まず1番目にスポーツの場の確保ということでございます。私もまちに出たときに繰り返しお聞きすることでございますけれども、都市機能が集積する本区では、スポーツ専用の施設、グラウンドですとか、体育館、こういったものを新たな用地を確保して整備するということは非常に難しいということでございまして、そのため、新たに整備するというよりも既存の施設をいかに有効活用していくか、シェアリングしていくかということが重要だというふうに考えてございます。

 大事な考え方として、先ほど申し述べましたスポーツの概念を広げたことということでございまして、従来の競技スポーツのコートですとか、そういう寸法、そういったものがとれないということでございましても、試合ではなくても練習に使える、ちょっとした運動ができると、そういう考え方をしていくことが重要だと考えてございます。そして何より、学校、それから公園、当然本来の行政目的の使用に支障がないということが大前提でございますけれども、既存の施設、公共空間、こういったものを有効にフル活用していくということが重要だというふうに考えてございます。

 学校施設の一般のスポーツ開放、こちらのほうは本区においては非常に重要な施策というふうに考えてございまして、学校の改築ですとか、新築、そういった機会を重要な機会というふうに捉えまして、スポーツ開放を念頭に置きまして、事前の改築、新築の設計のときからつくり込み、しつらえができるように、教育委員会と連携、協力しながら、調整を図っていきたいというふうに考えてございます。

 また、子供に対する取り組みと、あとは子育て、働き世代、こういったところに対する取り組みも非常に重要というふうに考えてございます。子育て、働き世代、こちらのほうは、調査の結果では30代、40代のスポーツ実施率が低くなっておりますので、こちらに対する取り組みが非常に重要だというふうに考えてございます。

 あと、子供に対する取り組みも、やはり運動能力の基礎を養う期間ということでございまして、こちらのほうにも非常に力を入れていきたいというふうに考えてございます。何より連携を念頭に置きまして多面的に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。

 以上です。

○染谷委員
 御答弁ありがとうございます。スポーツ推進ビジョン、本当にとても大切だと私は認識しております。何しろ健康であって、また身体機能の維持をするにしても、どうしてもスポーツは欠かせないかと思います。今の御説明の中に、概念を広げていくとありました。とても大切だなというふうに考えます。確かに、本区については、学校施設、また公共施設の中では公園なんですけれども、そうしたものを有効利用できればいいと思います。ただ、公園でも規制がいろいろとありますので子供たちがまだまだ使いづらい面もあるんですけれども、ただ、公園としての機能は極めて大切だと思います。

 今回このスポーツ推進ビジョンの中で、今説明がありました30代、40代の方のスポーツ実施率が低いと。特にコミュニケーションの中で、スポーツを通してのコミュニケーションはとても大切ではないかなというふうに感じておりますので、その辺の取り組みをぜひともよろしくお願いいたします。

 地域スポーツクラブについてですが、本区では、これまでスポーツ施設の整備、充実やスポーツ教室の開催などハード、ソフト面からスポーツの場を提供するとともに団体の活動支援や指導者の確保、育成を図りながら地域スポーツの推進を図ってまいりました。今後、スポーツ推進ビジョンをもとに、これまでのスポーツ推進の取り組みを一層充実、発展させるとともに全庁横断的に連携を図りながら各施策を進めていただきたいと思います。

 そうした中で特に注目しているのは、ビジョンの基本目標に掲げられているスポーツが持つ力の地域への活用であります。人口増加が著しい本区では、スポーツを通した住民同士の連携や世代を超える交流、地域に一体感を高めるなど人と人との結び、地域のつながりを深める機会の充実が重要と考えております。地域スポーツクラブは、身近な施設、主に学校で地域住民が主体となって自主的に運営するクラブであり、子供から高齢者まで世代を超えて誰もが気楽に身近な場所で日常的にスポーツを楽しむ生涯スポーツの推進に重要な役割を果たすとともに地域コミュニティづくりに大きな意義を有するものであり、その活動を支援することがとても大切だと考えます。

 本区における地域スポーツクラブの現状と区が行っている支援についてお知らせ願えますでしょうか。

○小林スポーツ課長
 地域スポーツクラブについてでございます。

 本区では、平成25年2月に月島地域で地域スポーツクラブ大江戸月島が設立されまして、これで丸5年が経過したところでございます。順調に会員数、延べ参加者数、こういったものも伸びてきておりまして、平成28年度末で会員が709名、延べ参加者数が9,360名というふうにお伺いしております。最新では、会員は、平成29年度末、30年では1,000人を超えて、延べ参加者数も1万人を超えているというふうにお伺いしています。

 その中でも人気の教室は、水泳ですとか、体操、フットサル、特に子供、未就学児の教室が人気があるというふうにお伺いしています。それから女性向けのヨガですとか、高齢者向けの貯筋体操トレーニングなんかも人気があると。それから、スポーツに加えましてチアリーディングですとか、フラワーアレンジメント、フラダンスなどの文化活動、こういったものも盛んに行われているということでございます。非常に活気がありまして、活発に活動していると。特に新しい住民、子育て、働き盛り世代の親子などを会員に取り込むなど非常に大きな成果を上げており、スポーツを通じた交流、横のつながり、地域コミュニティづくりの一翼を担っているというふうに認識しております。

 区の地域スポーツクラブに対する支援でございますけれども、やはり1番目に広報、PRがございます。大江戸月島の方にもお伺いすると、人集めが非常に重要な要素だというふうにお伺いしておりまして、区のおしらせ、こういったものが広く区民の皆様にごらんいただけるということで効果が大きいと。それから全児童・生徒への学校を通じたチラシ配付、こちらのほうも非常に効果があるというふうにお伺いしてございます。こちらのほうを積極的に進めていきたい。あとは活動場所の確保に関する支援ということでございまして、こちらのほうにつきましても、学校は使用料が免除ですので、学校と調整の上利用をしてございます。

 そのほか、今後とも地域の誰もが身近にいつでも参加できる、こういった地域スポーツクラブの活動について安定運営に資する活動支援、こういったものを積極的に行っていきたいというふうに考えてございます。

 以上です。

○染谷委員
 ありがとうございます。地域スポーツクラブにつきましては、今後ともクラブの会員、プログラムの参加者がより一層ふえるよう引き続き区の支援を積極的に行っていただくようお願いいたします。また、人口増加やスポーツへの関心の高まりからスポーツのできる場の確保が大変重要だと思います。特に野球、サッカー、ラグビー等グラウンドを使用する種目については場所の確保が難しくなっています。毎年行っていた地域の行事のソフトボールとバーベキュー大会が、会場が確保できずバーベキュー大会になってしまっている例があります。引き続きグラウンド等スポーツの場の確保についてお取り組みをお願いいたします。

 次いで最後の質問に移らせていただきます。

 これまで質問してきました各施策、各分野の取り組みを着実かつ積極的に推進するためにもしっかりとした財政基盤が前提となる。行政需要を支える財源については本委員会の初日に特別区民税を中心に質問してまいりましたが、時間の関係で質問できなかった特別区民税に次ぐ基幹的な歳入の一つであります特別区財政調整交付金、特別区交付金について確認したいと思います。

 この交付金の原資となるのは、一般市であれば市町村税となる固定資産税、市町村民税法人分などであります。本来、市町村民税上、区内から集められた税はその納税者である区民、区内事業者に対する行政サービスの財源として還元され活用されるべきでありますが、この財政調整交付金は、本区、あるいは都心区の需要がなかなか反映されない状況と聞いております。新年度に向けて都区財政調整協議における状況はどうだったのか、そして今回の協議の特徴的なことがあればお知らせ願えますでしょうか。

○大久保財政課長
 平成30年度に向けた都区財政調整の協議についてでございます。

 平成30年度に向けた財調協議についてですけれども、まず都心区の需要を毎年訴えているところでございますが、今回、区も含めて第1ブロックが提案した項目としましては、大きく3点ございます。1つが公衆便所の維持管理費、これがなかなか中央区の需要と実際に算定されている需要額に乖離があるということ。あとは例年提案しているところですけれども、自主財源の確保ということで本来財政調整の需要の中では標準的な行政サービスを算定する内容となっていますが、各区の特殊な事情、あるいは特徴的な行政需要に対する財源の確保のために、本来一般財源の25%相当は各区で保留する財源として確保される制度となっております。これが都心区を中心になかなかそういった制度が確保されていなくて、本区でも7億円程度のマイナスが生じているということがございますので、こういった制度を改めるような提案をしております。また、都心区として当然昼間人口が多いということで、これらに対応した行政サービスの需要額の積み増しということも例年と同様訴えてきたところでございます。

 最終的な協議の結果としましては、例年と同様、この3項目全てが特別区として東京都に提案する項目の精査の中で見送られた結果となりまして、今年度も都心区の需要はなかなか反映されないという結果となってございます。

 そして、特徴的なことですけれども、近年の動きとしまして、特に平成30年度に向けましては、国保制度改革がございます。これに伴いまして国保制度に伴う需要額をどう算定するかということが大きな点でございまして、これにつきましては東京都と国も方向性を示しておりましたけれども、保険料の軽減のための法定外繰り入れの経費について、今後6年間で段階的に廃止するという方向性で合意を得たところでございます。

 それと、児童相談所についてですけれども、今すぐではないんですが、開設区がふえた段階でこの児童相談所の経費についても算定するようにということ、それと、大きな事務配分の変更になりますので、この45対55という今の東京都と区の配分割合についても東京都から区のほうにもっと財源配分をふやすようにという将来的な見直しについての提案も行ったところですけれども、これについては東京都との認識のずれがございまして合意には至っていないというところが、例年にはあまりない大きな変更点となってございます。

 それと、金額の面では新聞報道でもございましたが、法人住民税の一部国税化によるマイナス影響がございましたけれども、固定資産税の増、あるいは法人住民税の増などによりましてこの財調交付金の総額については、特別区全体で増額となりまして、平成20年度以来の1兆円を超える金額、過去最大の規模になったというところが大きな特徴と言えると思っております。

 以上でございます。

○染谷委員
 御答弁ありがとうございます。今の御説明の中で、特にこの3つのうち、昼間人口について、本区にお住まいの方は15万人ということですけれども、60万人の方がこの区内で活動しています。そうすると、財源について、私どもも本当にこの辺も対応しなければ、今後来街者の方もふえていきますので、いろんな施設に対する税源、負担のほうの都区財政調整協議におきまして、保留した7億円といった特徴的なものがありますので、対応していただきたいと思います。

 それで、都心区の需要の反映について、23区の特別区において都心区は少数派でありまして、この特別区としての提案事項の取りまとめに当たりなかなか都心区の声が届かないという答弁かと思います。国が手を変え品を変えさまざまな歳入について都心区の財源を強化しておりまして、東京都、とりわけ特別区を取り巻く財政環境は一層厳しさを増していくと思います。

 そうした中、先月の2月の企画総務委員会におきまして平成30年度都区財政調整方針などに関する報告がありましたが、先ほどの答弁にもありますが、平成30年度の財政調整交付金は、法人住民税の一部国税化の影響はあるものの、企業収益の改善などによる特別区全体の交付見込総額は1兆円を超え過去最高になったとのことであります。財政を取り巻く環境の厳しさが増す中、堅調な伸びを示す特別区共通の財源である財政調整交付金を、都心区、そして本区の行政需要のための財源としてどのように確保していくのかは重要な課題でありますが、こうした考えの認識について、また、本区におけます都心区の需要を反映するための今後の取り組みについてお知らせ願えますでしょうか。

○大久保財政課長
 本来市町村民税である調整財源の本区への財源の確保でございます。

 今、委員おっしゃったとおり、財政調整交付金の原資は、一般市であれば市町村税となるものですので、納税者である区民等に還元されるべきものというふうな認識は同じでございます。財政調整交付金の原資である固定資産税、あるいは法人住民税などは、その性質上、土地の評価額、あるいは企業活動が活発なことで歳入がふえるという特性から、やっぱり都心区からその多くが納められているというふうに考えております。

 そうしたことから、本区では、毎年財政白書の中でも、いわゆる都心区、あるいは中央区からこの調整3税がどれだけ納付がされて、そのうち交付金としてどれだけ戻ってくるかという、いわゆる還元率という考え方で、多く納めているけれどもそれがなかなか中央区には戻ってこないという数字をお示しして区民にも広く周知を図っているところでございます。

 財政調整交付金につきましては、その言葉のとおり、特別区間の財源の調整を図る、そういった制度でございますけれども、本来、地方税として考えるべき納税者への還元という観点がこの制度にはございませんので、こうした概念がより一定程度は反映されるような方向で考えていきたいというふうに考えております。

 それと、今後の取り組みですけれども、近年、国において、いわゆる先ほどの法人住民税の国税化など財源が奪われているということで、特別区の主張という観点で一体となって毎年反論を進めております。

 実は、この特別区の主張の中でも、ちょっと今読み上げさせていただきますけれども、特別区全体の意見の中で、特別区は企業等が高度に集積するメリットを生かして付加価値を生み出しており、日本の社会・経済を牽引しているということを特別区全体としても訴えております。また、首都直下型地震、あるいは高齢化、子育て支援、社会インフラの老朽化対策など大都市特有の行政需要が多くあるということを、特別区として東京都、あるいは国に訴えているところでございます。これは特別区、あるいは大都市というのを、中央区、都心区と言いかえても成り立つような内容でございまして、こういった観点をほかの特別区にも訴えて都心区の需要というのをしっかり訴えていきたいと、そういう取り組みを進めていきたいと考えております。

 以上でございます。

○染谷委員
 御答弁ありがとうございます。これから本区の主体性を確保しつつ国や東京都、他の自治体との総合調整をし、役割分担と連携を図りながら歳入の財源を確保していただきたく願います。中央区の輝く未来のまちづくりのための健全な区政運営を要望して私の質問を終わります。

○木村委員
 ただいま総括質疑の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後1時に委員会を再開するようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○押田委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○押田委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 暫時休憩し、午後1時に委員会を再開しますので御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午前11時51分 休憩)


(午後1時 再開)

○押田委員長
 それでは、休憩前に引き続き委員会を再開いたします。

 総括質疑について質問者の発言を願います。

○墨谷委員
 私のほうから総括質問をさせていただきたいと思います。

 3月9日に歳入に入って、はや総括となりました。まず最初に、本区の置かれている現状について確認したいと思います。今後の主な行政需要として、築地市場の移転や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会、その後を見据えた区内のまちづくり、また災害に強い都市をつくっていく、急激な人口増に対応すべく小・中学校の整備や保育所などの子育て施設、高齢者施設の基盤づくりにますます財源の確保が必要となっているというふうに思っております。また、保育士や介護従事者の不足、医療や介護費の増加が見込まれていると思います。また、2025年以降はいまだ経験したことのない時代に突入してくると思います。行政需要の拡大に対してしっかりと取り組んでいく、また持続可能な財政運営も同時に求められている、そういった矛盾したことを今後もやっていっていただきたいというふうに思っております。

 まず最初に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーの一つとして提案したいんですけれども、ボランティアのマッチングということで提案させていただきたいと思います。定年を迎えた人とかの生きがいとか、幅広い年齢層の人たちも含まれると思うんですけれども、ボランティア、本区でもプロアクティブ・コミュニティということで推進をこれからもさらに加速していくというようなお話があると思います。

 そういった中で、ボランティアということで災害時のボランティアもテレビで見ているとお若い人たちがたくさん集まっている、そういったボランティアということに関してこの東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のボランティアや、例えば社会福祉協議会のボランティア、また教育委員会でもボランティア、観光でもボランティア、いろいろな所管でボランティアのそういった取り組みがされているのではないかなというふうに思っております。

 そこを集約して、ワンストップで職業案内所みたいな形で、そこに行けば、短い期間、長い期間、自分のスキルに合う、そういったさまざまなボランティアがわかる、そういうようなオリンピックのレガシーとして、本区のプロアクティブ・コミュニティを加速するような取り組みとしてのボランティアのマッチングについてまず質問します。よろしくお願いします。

○早川オリンピック・パラリンピック調整担当課長
 ボランティアの活用についてでございます。

 東京大会のボランティアにつきましては、東京都、それから組織委員会のほうで本年1月に11万人のボランティアを活用するということが発表されました。本区におきましては、中央区オリンピック・パラリンピック区民協議会、その下にボランティア検討部会というものを置いて、本区ならではのボランティア、どういうふうに展開していくか、こういったものを現在検討しているところでございます。

 この区民協議会のメンバー、また今申しました検討部会のメンバーにもさまざまな団体の方々の参加をいただいておりまして、福祉の団体の方々、それからボランティアを所管している社会福祉協議会など、こういった方々もメンバーとして加わっていただいているところでございます。

 1月に行われましたボランティア検討部会の中でも、そういったボランティアの横のつながりを設ける必要があるのではないかというような意見が、その構成員のほうからも出されまして、今、委員おっしゃられたようなさまざまなボランティアのものを一括して、集約して提示できるような、そういったサイトを区のほうで設けていったらどうかというような検討案も出されたところでございます。

 現在、事務局としまして本区のほうで検討しているところでございますが、今後、来年度に向けましては、今おっしゃったようなボランティアの横のつながり、こういったものをつくれるようなサイトを設けながらボランティアの横の連携を区としても図ってまいりたいというふうに考えてございます。

 以上です。

○墨谷委員
 御答弁ありがとうございます。いろいろとボランティアに対して、自分のスキルというか、経験、書道がうまいとか、いろいろなお問い合わせをいただいて、私もいろいろな所管課とお話をしてつなげさせていただいています。書道の方は教育委員会のほうでつなげさせていただいたりとか、社会福祉協議会のほうにも電話をしたんですけれども、そちらからいろいろなところにつなげていきますということはお話がありました。今後、ワンストップで、そこに行けば自分の力に合った、自分のスキルに合ったボランティアができる、そういったまちづくりも必要ではないかというふうに思いまして質問をしました。

 続きまして、教育費の款でひきこもりについて質問をしましたが、今度は義務教育を卒業した後のひきこもり支援ということで質問させていただきたいと思います。

 私のところにも20代、30代、40代の家族が長年ひきこもりについて悩んでいる、なかなか解決しないといった御相談があります。私も東京都のパンフレットなどをお渡ししたりとかしました。そういった中でも、本当に皆さん悩んで、家族で抱え込んでいるというのが、特に男の子ですと年齢が高くなると親に対してのいろいろな暴力とか、そういったこともあるように見受けられます。親への支援、また子供への支援が必要となっているのではないのかなというふうに思います。

 その中で、そういった人たちをつなげていくということがすごく大切ではないかなというふうに思います。私も調べましたら、ひきこもりサポートネットというのがあって、中央区では区民部のほうが所管となっております。そこからまたしっかりとつなげていくということがすごく大切ではないかなというふうに思っております。

 東京都の実態調査では、ひきこもりの若者はおよそ2万5,000人という推計がございます。ひきこもりは誰にも起こりうることで特別なことではない、ただ、回復には時間と周囲の理解とサポートが必要になっている、また、医療の助けが必要なこともあるというふうに出ております。本区での義務教育終了後のひきこもりの支援、またひきこもりの実態について押さえていらっしゃるのか、まずよろしくお願いいたします。

○生島文化・生涯学習課長
 本区のひきこもり対策についてでございます。

 まず、ひきこもりにつきましては、社会的な参加の場面が狭まって自宅以外での外の生活が長期に失われているような状態、こういったことが継続している方々というふうに認識しております。その状態に至る要因は本当にさまざまなものがあるというふうに承知しております。本区におきましても、要因によってその相談窓口はいろいろと分かれているところでございます。

 委員から先ほど御紹介いただきました東京都のひきこもりサポートネット、こちらのほうは、平成26年に訪問相談サービスが追加された際に当課のほうが区の窓口担当ということで設定されております。窓口となるに当たりまして、保健所ですとか、福祉センター、教育センター等さまざまな窓口と協議をいたしまして連絡体制を確認いたしました。当課の窓口に何らかの相談があった場合には、その内容ですとか、年齢などから担当する所管課につないでいくというような流れになっております。例えば精神的な病気にかかっているなどの場合は、保健所の健康推進課に御相談をする、打診をする、あるいはそれが生活困窮など経済的な理由であれば生活支援課のほうにというふうな形で振り分けを行っております。

 もしこちらのほうで所管課がわからない場合は、ひきこもりサポートネットのほうで電話相談等を受けておりますので、こちらにはさまざまなケースに対応した体制があるということで、そちらに相談のほうをお願いするという場合もございます。まず相談の入り口のところに関しましてはこういった形になってございます。

 以上です。

○墨谷委員
 御答弁ありがとうございます。ひきこもり支援について、窓口として、例えば精神的な病気であれば健康推進課のほうにつなげる、また就労支援、就学支援なども、そういった形で窓口としてやっていると。

 先ほどもちょっと質問の中でお話ししたひきこもりの実態ということなんですけれども、東京都では推計で2万5,000人ということなんですけれども、本区としてひきこもりの実態についてどのように把握されているのかと、義務教育を卒業して、その後の連携ですね、義務教育が終わった後もひきこもりをされている方にしっかりと対応されているか、その辺について確認したいと思います。

○生島文化・生涯学習課長
 ひきこもりの実態についてですけれども、直接相談を受けているわけではないんですけれども、担当課のほうから幾つか件数等はいただいているところです。ただ、それぞれ内容が非常に分かれておりますので、端的な数字としてお伝えできるような形でまとまったものはございません。例えば健康推進課のほうでは、平成28年度に関しまして、ひきこもり関係として14件という数字をいただいているですとか、生活支援課のほうでは訪問をしたものが1件であるとか、そういった形でいただいているので、済みません、総括的にどれがどうということではまとめておりません。

 義務教育の終了後というところで言いますと、ケースによって連携の流れは確認をしておりますので、例えば子供の教育上の悩みなどですと、18歳までであれば教育センターのほうにお願いをしたりということで御相談をつないでおります。

 以上です。

○墨谷委員
 御答弁ありがとうございます。適切につなげていくということがすごくポイントではないかなと思います。教育委員会からも義務教育を卒業した後の連携ということに関して一言ございましたらお願いしたいのが1点と、ひきこもりについては本区の窓口となるのが区民部と考えてよろしいんでしょうか。

 この2点についてお願いします。

○吉野指導室長
 義務教育中といたしましては、ひきこもりというか、不登校というような言葉で対応させていただいております。それと、義務教育後ということでありますと、教育センターのほうで引き続き、18歳までというような形になりますけれども、高校生の相談もしっかり受けているということでございます。

 以上です。

○生島文化・生涯学習課長
 東京都のほうに担当窓口として御紹介させていただいておりますので、基本的に、私どものほうに御相談があった場合には、先ほど申し上げたような形でそれぞれの担当課につないでいくということで、連絡相談の窓口ということで考えていただいていいと思います。

 以上です。

○墨谷委員
 ありがとうございます。私としては、適切につなげるためには、小・中学校でも専門のカウンセラーがいらっしゃって、そういった中で対策をしているというお話もあったと思いますので、まずこの専門のカウンセラーの設置が必要なのではないかなと、そこからいろいろなところにつなげていく、そういったシステムというのも必要ではないかなというふうに思います。

 そこで、相談件数とかがありましたらお願いします。また窓口での専門のカウンセラーの配置について、以上2点、お願いします。

○長嶋区民部長
 後ほど件数につきましてはお答えさせていただきますけれども、ひきこもりに関しては、正直言いましていろんなケースがあります。先ほども申し上げたとおり、精神的な問題がございますし、あるいは就職に失敗したショックでというようなこともございますし、さまざまな原因があります。そういった意味で、私どもが中心となっていろんなセクションをつなぎ合わせないとどうしても対応できないという実態がまずあります。

 それと同時に、専門という話になってきますと、やはりこれに関しての専門というので、今現在は東京都のサポートネットのほうで臨床心理士、それから精神科医等を配置してございます。我々が窓口になっている中心といいますのは、基本的にはそことの連携になってございます。その中で、それぞれの原因等がわかったといいますか、なかなか難しいんですけれども、その中で相談を伺いながら、区役所の中の各セクションにつないでいくというような形になります。

 ですから、本当に実際問題として、原因も何もよくわからないと、ただ単にこういったような御相談のときには、私どもは基本的には東京都のサポートネットのほうにお願いをして、そこの臨床心理士のほうで対応してもらっているというような形になっています。委員のおっしゃるとおり、心の問題というのも非常に大きいですので、臨床心理士のサポートというのはどうしても必要になってくるとは思います。ただ、それをちょっと専門的にやるということ自体がなかなか難しいのかなと。

 一番大きいのは、実態として、正直なことを言って、先ほども文化・生涯学習課長が申し上げましたけれども、中央区に何人いるんだというところも、つかめていないというのが実際になります。定義としては6カ月以上自宅のほうに引きこもってというような定義がございますけれども、それがどの時点で起きてそれをどう捕捉するのかというのは、正直、御相談を受けなければわからないという状態になっています。

 ですから、そういった意味では、なるべく御相談をしていただいた上で、専門的な東京都につないだり、原因がわからない場合も、基本的には東京都へつなぎたいと思っていますが、それ以外に、例えばそれが生死の問題であるとか、あるいは就職の問題であれば商工観光課のほうで若者の就労支援みたいなものをやってございますので、そちらのほうにつないでいくと。そういった形で、直接文化・生涯学習課のほうで解決はできないんですけれども、東京都と区役所の各機関を結び合わせるという意味で私どもが中心になってやっているというふうに御理解をいただければと存じます。

 以上です。

○墨谷委員
 御答弁ありがとうございます。東京都でもおよそ2万5,000人ということで、本区としても実態調査をしていただいて、私が御相談いただく中でも数名いらっしゃいますので、家族で抱え込んで40歳になってしまったとか、そういう方なんかもたくさん、テレビを見てもそういった報道がなされていると思いますので、まずは実態調査からスタートしていただきたいなというふうに思います。

 続きまして、図書館について質問していきたいと思います。

 魅力ある図書館づくりということなんですけれども、急激な人口の増加により、学習スペースとか読書スペースが不足しているというお話をすごくお聞きします。本区としても、本の森ちゅうおうが平成33年にでき、晴海に図書館が平成35年にできると。それらができるまでの間の人口というのは、例えば平成30年の実態としては15万6,823人、平成33年には17万6,520人ということで、人口が増加すると推計されています。

 また、月島地域単体で見ますと、平成30年が7万2,539人、平成33年には8万2,259人というような形で人口推計が出ていると思います。やはりお声の中でも、学習スペース、読書スペースというのがすごく足りないのではないかというふうに、特に夏休みは勉強しにいろんな方が来ますので、学生さんが勉強したいと思って行ったら満員だったというようなお話もあります。また高齢の方からも、椅子に座るようなところを拡張してほしい、本を置いてあるところを少し削っていただいて広げることができないかなど、そういったお声なんかもたくさん来ております。

 そういった中で、学習コーナーの利用の推移を見ていても、中央区の資料によっても、ふえていることがわかります。まずその点について本区としてどのような考えか、どのような対応をされているか、お願いいたします。

○志賀谷図書文化財課長
 図書館の席数不足についてでございます。

 委員、おっしゃるとおり、人口増に伴い図書館の利用者数も年々増加しているところでございます。そこで、座席数が足りないということで、御利用される方には御迷惑をおかけしているところでございます。特に日本橋図書館と月島図書館では席数の不足についての御意見もいただいているところでございます。

 そこで、日本橋図書館では、本を読める席といたしまして、閲覧席のほか、昨年度の改修工事に合わせまして学習席を3席から15席に増設したところでございます。また月島図書館につきましては、土・日や夜間などの利用が多い時間帯に会議室を開放いたしまして本を読めるようにするほか、小さいお子さんに対するお話会などを同じ建物にございます社会教育会館で実施するなど、既存のスペースを有効利用してやりくりしているところでございます。また月島図書館につきましては、新年度になりますが、閲覧席を4席増設する予定でございます。今後もそれぞれ施設の面積が限られている中で多くの方が本を読めるような工夫をしてまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○墨谷委員
 御答弁ありがとうございます。本区としては、今お話の中では最大限に座席を拡大する取り組みをしていると伺いました。本当にそれはしっかりとやっていただいているというのもわかりました。

 そこからなんですけれども、本区としても、地域開発などで、今後ホテルの誘致とか、いろいろとそういった形で開発について変わってくると。地域開発などについて、例えば子育てや介護施設などはそういった中に組み込まれると思いますが、10代とかそういった若者たちの学習の場、読書の場というものをしっかりと、例えばまちづくり基本条例とかに入れていただくとか、また、本の森ちゅうおうが平成33年にできますので、そのスペースについてはまた違うものに使っていくとか、区民館が今足りないので区民館に変えていくとかというような形で、平成33年の本の森ちゅうおう、平成35年の晴海の図書館ができるといった以前のところの対処について、まちづくり基本条例などに入れていただいて、そういった人たちのスペースをつくっていくという施策についてどのようにお考えでしょうか。

○菅沼地域整備課長
 今、図書文化財課長が答弁しましたとおり、実態的な数字の捉えとして、今そういった需要、ニーズがございます。平成30年度を初年度として10年の体系で基本計画を取りまとめたところでございますけれども、私ども、今、委員御提案あった部分につきましては、例えばではございますけれども、まちづくり基本条例の中で、きちんと地域ごとの公共財の導入、例えば学習スペースとか、読書スペースといった話も含めまして、地元の方々の御意見も大切にし、かつ私ども区の施策そのものの展開に対してはまちづくり基本条例が有効に協議のツールとなって、まちに新たな、そういった公共スペースが生まれるという発意は当然あるべきだというふうに考えてございますので、横断的な形で全庁的にこのまちづくり基本条例の協議をきめ細かに進めていきたいといった考えでございます。

○墨谷委員
 前向きな御答弁ありがとうございます。若い人たちの意見というか、声というか、また勉強したいと、そういったことについてもしっかりと協議の中に取り入れていっていただきたいというふうに要望いたします。

 次に、図書館の未返却本の取り扱いについて質問します。

 報道によると、新宿区では貸した本が返ってこないというのが4年間で4,502冊あり、また埼玉県川口市では督促のはがきを1万7,000枚送っていて84万円かかったということで、そういった課題があると思います。そういった課題なんですけれども、本区としての未返却本の実態と取り組みについてまずお聞かせいただきたいと思います。

○志賀谷図書文化財課長
 本区の図書館の未返却本につきましては、取り扱いといたしまして、返却期限から3日過ぎますとメールもしくは電話による督促を行っております。その後2週間後に督促はがきを送付いたしまして、返却期限から4週間を経過した時点で貸し出し停止処分処理をしてございます。4週間経過いたしますと、その方は、その後本の返却をしない限りは新しく本が借りられないような仕組みとしてございます。

 また、基本的に延滞されました本はほとんど返却されている状況でございまして、平成28年度につきましては、督促の送付が1万8,065件で、最終的に返却されなかった資料につきましては650点、パーセンテージで申しますと約3.6%程度が返却されなかったものでございます。

 以上でございます。

○墨谷委員
 御答弁ありがとうございます。本区としても、未返却本の取り扱いについては、督促が1万8,065件、未返却が650点というような中で対策をされている。また、そこには当然督促に対する費用とか、そういったものもあるのではないかというふうに思っております。私もいつも思うんですけれども、家内がドラマのビデオを借りに行くときはいいんですけれども、返すときに、お父さん、行くんだったら一緒に返してくださいみたいな形で、借りるときはいいんですけれども、返すときというのは大変なのではないかなというふうに思います。

 ですので、そういった意味でも返却ポストの設置の利便性ということで、私も江東区のほうを見てきましたけれども、江東区では貸し出し、返却に特化した取り組みがあって、区民館でやっておりました。本当に区民館の一角を使って返却ポストと貸し出しがされておりました。そういった形で利便性を向上させることによって未返却というものを抑止できるのではないかというふうに私は考えます。その点について、最後お願いします。

○志賀谷図書文化財課長
 現在、返却ポスト、ブックポストと申しますが、こちらにつきましては各図書館の休館日に返却できるように、各図書館に設置しているところでございます。図書館の返却場所として図書館以外の身近な場所に整備されるということにつきましては、図書館利用者の利便性が向上するとともに返却場所が身近にできるということで本への親しみや読書のきっかけづくりにもつながっていくものと考えているところでございます。

 図書館以外の場所へのブックポストの設置につきましては、設置場所や収集に係る管理経費、また防犯上の課題などもございますが、今後検討してまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○墨谷委員
 ありがとうございます。図書館利用者の利便性の向上、返却しやすいという環境を整えていくことによって、督促とか、未返却が減るのではないか、また本に対する親しみというか、貸し出し停止になってしまうという人たちを減らしていく取り組みにもつながっていくのではないかというふうに感じております。

 続きまして、高齢化社会、そういった中で、地域包括ケアシステムの構築ということで、本区としても毎年新たないろいろな施策が取り込まれていると思います。人生100年時代を見据えた社会実現に関する論議も深まっていると思います。また、2025年以降の人口構造の変化を見据えつつ、区民の一人一人が安全で安心で質の高い介護、医療、そういったものが受けられるような取り組みに向けてしっかりと本区の実情に合ったものが求められてくるのではないかというふうに思っております。また、本区としてもそのような取り組みをしているのではないかというふうに思います。

 中央区基本計画の資料によりますと、平成37年、2025年の高齢者人口は65歳以上が2万7,724人とされています。平成30年度では2万4,239人ということで、高齢化率としては低くなっておりますが、人口としてはふえている。平成37年の人口は20万782人ということで、そのときには20万人を超えている、そういったまちに変貌していると思います。また、国勢調査の資料でございますが、ひとり世帯、単独世帯では、平成22年と27年を比べてもひとり暮らしの単独世帯がふえている。そういった本区の特徴を踏まえて、この住みなれたまちで医療や介護が受けられるような、そういったシステムの構築についてまず教えていただきたいというふうに思います。

○古田島高齢者施策推進室長
 委員おっしゃるとおり、高齢者の人口の増加、これは年々進んでおりまして、特にこれから問題になりますのが75歳以上の方の人口の急激な増加でございます。これに伴って医療、介護ニーズがより高まってくるだろうというふうに認識しているところでございます。

 また、本区においては、先ほど委員おっしゃったとおり、ひとり暮らしの世帯が現在も43%ということで、国がまだ27%程度でございますので、10ポイント以上高いという状況がございます。ひとり暮らしでも、特にマンション等の高層住宅で暮らしている方については、なかなか情報が届きにくい、あるいは支援等も当然届きにくいということで、先ほどひきこもりというのがありましたけれども、高齢者ですと閉じこもりという状況、孤立化、最終的には孤立死というような問題も出てくるだろうというふうに認識しているところでございます。

 当然、2025年を目途に、地域包括ケアシステム、これは介護サービス、あるいは区独自サービス等の充実を含めて今後もやっていかなくてはいけないというふうに思っているところでございますけれども、特に今後必要となるのは、今回新たな高齢者保健福祉計画・第7期介護保険事業計画の中でもその理念として掲げさせていただいたのが、地域の支え合い、これをさらにしっかりと推進していく必要があるだろうと。本年度から通いの場の支援事業というようなことも始めさせていただきましたけれども、それに限らず、見守りだとか、生活支援だとか、あらゆる場面で、区民ボランティアさんに限らず、本区は企業も多いわけですから、企業の力もかりながら地域の支え合いをさまざまな多面的な形でつくってまいりたいというふうに思っておるところでございます。

 また、介護の面については、今後、希望者も多いということで在宅での介護がふえてくる、その辺の推進をしていく必要があるということで、特に中・重度になった方の支援ができるようなサービス、例えば小規模多機能型ですとか、24時間365日型のサービスなんかの充実もしていかなくてはいけないというふうに思っておりまして、そういった部分も含めて、誰もが最期まで生き生きと暮らせるような地域づくりを進めてまいりたいと思います。

 以上です。

○墨谷委員
 御答弁ありがとうございます。本区としてもそういったおひとり暮らしの孤立化を防ぐ、地域で支え合っていく、そういった取り組みをしっかりと力を入れていく、また通いの場を通してそういったことについても広げていくというお考えでしっかりとそういったものを広げて、2025年になってもそういった地域での支え合いというものがしっかりと根づいているということが大切ではないかなというふうに感じました。

 また、私が感じているところの中で、自宅での介護、24時間介護とか、自宅でのみとりとか、そういった医療が受けられるという環境が本区としてもある程度整っているのではないかと思っているんですけれども、まだまだ最終的に特別養護老人ホーム、特養に申し込む、希望される方というのはたくさんいらっしゃると思うんですね。

 それで、御自宅で医療、介護が受けられるという環境が徐々に整っているとは思うんですけれども、その辺についてきめ細かい啓発というのがこれからも必要ではないかなというふうに感じているんですけれども、現在のその辺の啓発の取り組みについて本区のお考えがございましたらお願いいたします。

○志原介護保険課長
 いわゆる在宅療養の啓発のお尋ねでございます。

 本区では、どうしても従来、介護は施設でという、昔の考えといいますか、そういった考えが広がっていた中で、介護保険ですとか、さまざまな介護サービスを使って在宅での介護生活もできるということでの啓発活動に早い段階から、平成21年から在宅療養支援協議会を立ち上げまして、そこを中心に区民向けのシンポジウムですとか、講演会等を続けてきたところでございます。

 こちらは、もう毎年恒例になっておりまして、医師会、歯科医師会、薬剤師会の六師会に御協力いただいて、毎年持ち回りで区民向けの講座ですとか、あと医療・介護連携ということが在宅療養ではすごく大事でございますので、専門職の間での医療関係者と介護関係者の連携強化の取り組みというのを毎年続けてきているところでございます。

 また、こちらの計画策定に当たりまして関係者にアンケート等もとりましたところ、今後もこの連携ですとか、啓発活動が大変重要であるということを皆さんお答えいただいているところでございますので、引き続きそちらの強化に努めてまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○墨谷委員
 引き続ききめ細かい啓発活動をお願いしたいというふうに思っております。

 一人で介護という形で、娘さんなり、息子さんなりが中央区にはいなくて面倒を見ているという人も何人も御相談を受けるんですけれども、おとしより相談センターにつなげさせていただくんですけれども、つながっていくといい方向にどんどん進んでいるんですけれども、悶々としているというか、区民ではない人が介護しているとか、そういった方なんかもいらっしゃると思いますので、また今後ともしっかりときめ細かい対応を要望して、次は認知症対策について伺います。

 本区ではさまざまな認知症対策をしていると思います。国によると、平成37年、2025年には認知症患者数が約700万人に増加する、65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症を罹患すると見込まれているというふうに資料には書いてあります。そういった中での本区の今年度の認知症対策の支援の拡充というところについて端的にお願いしたいと思います。

○志原介護保険課長
 認知症施策の推進事業についてのお尋ねでございます。

 本区では、認知症の取り組みは、基本的には新オレンジプラン等の方針に基づきまして着実に整備を進めてきたところでございます。今年度の一番の特徴としましては、これまでも進めてきたさまざまな施策の充実を図っているところですが、一番大きいところは、最後になってしまっていた認知症初期集中支援チームの設置でございます。こちらは両医師会との協力で何とか体制をつくることができまして、昨年10月から始動することができたというところでございます。

 また、認知症サポーターの取り組みなんですけれども、こちらは毎年、特に中央区の場合は大体毎年2,000人ぐらいの方がサポーター養成講座を受けているんですけれども、特に企業の方が非常に多くふえているところでございます。毎年そういった形で着実にサポーターの数がふえているというところです。ただ、一方の取り組みとしまして、今年度につきましては、児童館で児童向け、小学校低学年向けの認知症サポーター養成講座というのを試験的にやらせていただきまして、大変好評でございまして、こちらも引き続き来年度も拡大していこうと考えているところでございます。

 以上でございます。

○墨谷委員
 御答弁ありがとうございます。本区としても認知症初期集中支援チームによる支援を行うというような形で確認ができました。また、認知症サポーターの養成については子供たち向けにも広げている、また企業でも広がっていると。そういった形で認知症サポーターの養成の取り組みを地道に続けることによって地域に認知症についての理解が広まって、それが認知症の方を、御家族、また地域が支え、そういった意味で、また認知症の方が住みよいまちづくりができるのではないかというふうに私は考えます。

 次に、認知症カフェについてなんですけれども、ある資料によると、平成26年には655カ所だったものが平成28年には2,728カ所に拡大していると。さまざまな特徴を持った認知症カフェ、呼び名もオレンジカフェとか、レモンカフェとか、またカフェという名前がつかないものもいろいろとございます。認知症を知っていくことによって、また認知症の方をそちらのところで包み込んでいくというような認知症対策だと思います。2025年、その後には認知症の方がふえてくる。そのために各自治体では認知症カフェを拡大しているのではないかなと。そこで、本区での認知症カフェの現状について、まず教えていただきたいと思います。

○志原介護保険課長
 本区の認知症カフェの現状についてでございます。

 本区の取り組みの方法としましては、各おとしより相談センターを中心に、現在、認知症サポーターステップアップ研修というのを、こちらの養成講座を受けた方でさらにより深く学びたい、また地域での活動に生かしたいという方、そういった意欲のある方を対象とした研修なんですけれども、こちらを受講された方たちを担い手とする認知症カフェということをおとしより相談センターを中心に進めているところでございます。

 こちらの本年度の状況でございますが、地域の方々が中心でやりますので、これまでなかなか進まなかったところがあったんですが、今年度に入りまして、1月から京橋おとしより相談センターを会場とするカフェを1回何とか立ち上げることができまして、今後は大体2カ月に1回程度で開催して、より頻度を上げていくと。あと、この間できました人形町おとしより相談センターのスペースを使って、先ほどもいろんな名前があるとおっしゃいましたが、こちらの名称は横丁カフェといいますが、3月に初めて行われました。あともう一つ、勝どきおとしより相談センター、こちらは3月30日が第1回なんですけれども、何とか年度内に開催して、こちらも大体2カ月に1回程度の開催で、勝どきの名前が、今のところ仮ですけれども、カフェ・ド・勝どきということで、認知症カフェという形で何とか立ち上げてスタートすることができたところでございます。

 それ以外にも、こちらは社会福祉法人を中心に進めているところですけれども、特別養護老人ホームですとか、あと認知症グループホームなんかのスペースを使って、こちらは法人を中心に進めている認知症カフェ、大体こちらも2カ月に1回程度の開催頻度で進めているところで、区のほうで今支援している状況としては、確認しているものでは今のところ5カ所ということで、何とか整備にこぎつけたというところでございます。

 また、通いの場を展開して進めています。この通いの場は立ち上がったばかりですので、今は比較的お元気な方が中心なんですけれども、残念ながら通っていた方も認知症になられる方が今後出てくるのはやむを得ないと思っていまして、ただ、認知症になっても引き続きそこの通いの場に通い続けられるという体制を整備していくことで、要はこちらにも認知症カフェのような機能を付加していくということも考えております。通いの場の活動をされているところに認知症の専門相談員等を区のほうで派遣して、今後もし認知症の方があらわれても引き続き相談する機能とかを十分に持ちながら展開していけるような形で総合的に認知症カフェを展開していくことを考えているところでございます。

 以上でございます。

○墨谷委員
 認知症カフェの取り組みについても確認させていただきました。徐々に本区としても広がりを見せているということで確認ができました。ありがとうございます。今後もしっかりと定期的に開催、またそういったマップなどでも今後掲載していただきたいなというふうに思う次第でございます。

 続いて、介護職員の職改善というか、そういった取り組みなんですけれども、2025年には介護人材が約38万人不足するというような報道もあります。本区としても、社宅の助成、また他の業界からの介護人材の確保を考えているというふうに御答弁をいただいたことがあると思います。そういった中で、しっかりと介護職員の人たちを集めていこうという取り組みをされていると思います。

 角度が少し違うかもしれませんが、福岡市の取り組みとしてのユマニチュードという取り組みを会派で視察してまいりました。認知症のコミュニケーションのケア技法ということで、皆様も御存じだと思うんですけれども、福岡市がユマニチュードの取り組みにしっかりと力を入れています。昨年視察に行きましたが、ことしはまたパワーアップしているということをホームページで確認しました。

 福岡市では、介護の負担を軽減する、仕事のやりがいがそれによって向上していく、人材不足に歯どめをかける一つの施策として認知症コミュニケーション技法のユマニチュードを導入しております。ユマニチュードの取り組みをすることによって、介護福祉士さん、特に初心者の介護福祉士さんからケア力がすごくアップするといったお声もあるそうです。テレビの中では、拘束されていた人で長らく歩いていない方が、フランスの方が来てにこにこして歩けるようになっている、それ以降拘束がとれたというような、魔法ではないこの技法について福岡市ではすごく力を入れております。

 認知症の方が住みなれたまちで安心して暮らせるようなまちにしていくために、先ほども日常サポーターの取り組みを拡大していただいているのもわかってはいるんですけれども、さらなる取り組みとしてこのユマニチュード、認知症のコミュニケーションケア技法を、本区として導入というのはなかなか難しいとは思うんですけれども、今福岡市でもエビデンスをとっていろいろとやっているということです、そういった研修や講演など本区で御検討いただけないかというふうにまず思いました。その点についてよろしくお願いします。

○志原介護保険課長
 ユマニチュードの導入についてでございます。

 ユマニチュードはフランス発祥の知覚感情言語による包括的コミュニケーションに基づくケアの技法ということで、こういったコミュニケーションでの基本的なスキルといいますか、技法ということで、最近日本でも広がってきている技法だということで認識しております。

 こちらについては、区で認知症にかかわっている専門職員は基本的にこのあたりは皆さんある程度知っていまして、専門研修の中ですとか、あと自己研さん、皆さん本とかで勉強されていますので、日ごろの認知症の方との対人支援において、基本的なこういった技法を活用しながら、実践しながら認知症の方の御相談とかにも十分取り組んでいるというのが現状でございます。

 ただ、専門職の間では比較的知られているところではあるんですけれども、例えば認知症サポーター講座ですとか、あるいはもうちょっと上級編のステップアップ研修ですとか、こういった中で今後こういった技法も御紹介しながら広めていくということは大変有意義なことだと思っております。テレビとかでも紹介されて、本とかもさまざま出ているものでございますので、さまざまな折に紹介しながら、こういった技術を皆さん、専門職ではない方も知るということが地域包括ケアの構築のためには非常に重要なことだと思います。ただ、認知症の方については、その方の理解、認知症がどんなものか理解するということが非常に重要ですので、そういった取り組みも進めていくことができるように検討してみたいと思います。

 以上でございます。

○墨谷委員
 前向きな御答弁ありがとうございます。私の母が、もう亡くなったんですけれども、認知症で、このユマニチュードというのをテレビで見たんですけれども、認知症の方は、人によっては指でこう、視界が狭い、前から来ないとびっくりしてしまうとか、そういったテクニックと、あと哲学がもとになったケア技法だというふうに言っておりました。しっかりとそういったことも御検討していただきたいなと。私もそれを知っていれば、もう少しこういうふうにやってあげたほうがよかったかなというふうに、今思うことなんですけれども、すごく感じましたので、そういったものを広げていっていただきたいというふうに思います。

 続きまして、健康はやはり根幹だと思います。がん対策について質問をしてまいりたいと思います。

 昨年の国の指針となる第3期がん対策推進基本計画が発表されております。その中で、全体目標としては、がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指すというふうにあります。そういった中で、今回新たにがんを知り、がんの克服を目指すをスローガンにがん予防、がん医療の充実、がんとの共生の3本柱があります。特に私が訴えたいところは新しく入った共生というところなんですけれども、仕事との共生、がんになってしまったがんサバイバーの方の支援がますます必要ではないかというふうに思います。

 なぜかといいますと、3人に1人が働く世代でがんになってしまう、がんも治療方法の確立がすごくよくなってきている、薬で通院してがんと闘いながらまた生活ができる、そういった時代に変化してきているというふうに感じております。そういった中で、職場に迷惑をかけたくないとか、頭が真っ白になって治療が始まる前に仕事をやめてしまう、そういう人たちが約4割を超えているという調査もあると。そういった中で、治療と仕事の両立の効率がますます必要ではないかと私は思っております。

 そういった中で、がん教育ということで行っている取り組みというのがあるということで、文部科学省が2017年度からがんに対する正確な理解を深め命の大切さを学ぶがん教育の全国展開の取り組みをしているということで、本区のがん教育の取り組みについて簡潔に教えていただきたいと思います。

○吉野指導室長
 まず、学校におけるがん教育でありますが、小学校では5年生、6年生、中学校では3年生の保健体育の学習においてがん教育を行っております。内容といたしましては、規則正しい生活習慣を身につけることでがんを予防できる、また病気を早期に発見できる検診の有効性などを学んでいるところでございます。

 また、授業以外では、東京都が作成しましたがん教育のリーフレット、これは小学校、中学校ともにそれぞれのリーフレットがありますので、そちらをもとに学んでいるところでございます。このリーフレットにつきましては、保護者へのメッセージというところもついていますので、家庭での子供との会話の中でがん教育を取り上げていくというところを狙っているところでございます。

 あわせて中学校のほうでは、国立がん研究センターがありますので、そこと本区の銀座中学校のほうで連携しながらがん教育を進めているところでございます。今年度におきましては、がんセンターの院長の西田先生の出前授業というような形で行っております。

 以上です。

○墨谷委員
 がん教育について本区としてはかなり進んでいるのかなというふうに思いました。私が見た新聞では、がん教育ということで、早期発見の検診が大切だということを子供たちが学ぶということで、東京女子医大の教授が講演しているということで拝見させていただきました。そういった中で、本区としては国立がん研究センターがあって、そこの西田先生と連携をとってやっているということで、すばらしい取り組みではないかなというふうに思います。

 歳入でもちょっとお話ししたんですけれども、2025年に向かって矛盾したようないろいろな施策を展開していかなければいけない、財政も安定した財政基盤の中でいろいろなことをやっていかなければいけないということで、職員の方の健康というのが一番ではないかなというふうに思います。健康診断とがん検診ということで資料がホームページに出ていました。平成28年度の定期健康診断の受診率が98.2%と出ております。がん検診でありますが、胃部では42.3%、大腸がんでは52.4%、婦人科系では子宮がん76.5%、乳がん77.0%というような数値になっております。未受診者の方がいらっしゃると思うんですけれども、その辺については本区としてどのような対応をされているか、お願いします。

○春貴職員課長
 職員の健康管理でございます。

 委員おっしゃるとおり、職員が健康に働き続けられることが、職員にとっても、また職場にとっても非常に大切だろうというふうに考えてございます。そのために病気になることを予防するということが必要ですし、また病気であったとしても早期に発見していくということが重要だろうというふうに考えてございます。今、委員のほうからお話がございましたように、定期健康診断につきましては98.2%という受診率になってございます。実は、5年前につきましては91.7%と非常に低い状況でございました。

 健康診断につきましては、先ほどの考え方から受診していただくということが重要であろうと考えておりまして、私どもの健康診断ですと集団健診が基本となっておりますが、受けられなかった職員については、後日健診機関に行って個別で受診していただくという方法もとってございます。また、長年未受診の方、当該年度で受けられなかった方につきましては、再度受けていただくように何度も受診勧奨をして受診率を上げているところでございます。

 以上でございます。

○墨谷委員
 やはり職員の皆さんの健康がまず大切で、そこからいろいろな施策が出てくる、知恵が出てくるのではないかなというふうに思います。先ほども少しお話ししましたが、がんの診断のショックから、十分に働く力があるにもかかわらず職場に迷惑をかけたくないというふうに早まってやめる方もいらっしゃると思います。そういった方たちに対してのフォローなどもお願いしたいというふうに思います。

 これまでも本区としてもさまざまな課題に挑戦されていると思います。これからもさらなる本区の課題に挑戦していただいて、解決への取り組みをお願いしたいというふうに思いましてこの質問をしました。

 続いて、小型家電の回収についてです。

 小型家電の回収の取り組みが環境に寄与しているというふうに思います。持続可能な取り組みとしてしっかりとこういったことも取り組んでいくことが必要だと思います。また今回、東京2020組織委員会が主催する都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクトでは、全国から小型家電を収集し、これらから取り出したリサイクル金属を原料に東京オリンピック・パラリンピックで必要な5,000個のメダルをつくっていく、リサイクル率100%を目指していくというような取り組みをしていると思います。本区としても取り組みをしております。

 なぜ質問したかといいますと、この平昌オリンピック・パラリンピックを見ていた方が、自分も平和の祭典オリンピックに参加しようと思って携帯電話を月島特別出張所に持っていきましたということですが、月島特別出張所では回収していません、本庁舎へ行ってくださいということで残念だというお話があったんですね。こういった小型家電がオリンピックのメダルになると、そういった意味では、オリンピックに参加していくといったことにもつながってくるのではないかなというふうに思います。

 本区では回収場所と回収の拡大についてお考えがあるか、端的にお願いします。

○竹内清掃事務所長
 オリンピックのメダルのための小型家電の回収は、現在、本庁舎と中央清掃事務所、そしてリサイクルハウスかざぐるま明石町・箱崎町におきまして常設の拠点回収をしてございます。そのほか土曜日の午前中になりますけれども、全小学校と日本橋・銀座中学校におきまして拠点回収をしているところでございます。

 おかげさまをもちまして、昨年、平成29年の回収量につきましてはかなりの上昇をしているところでございます。この事業は今年度4月の下旬から始めたものでございますけれども、本庁舎では7月から回収いたしました。この設置場所につきましては人の目が行き届き、持ち去りができないというところというのが条件でございまして、本庁舎におきましては総合案内カウンターの横に置いているところでございます。

 本庁舎の回収箱につきましては、一切の費用をかけないで職員が手と足を使ってリサイクルルートに乗せるという方式をとっております。それが日本橋とか月島の特別出張所になりますとそういうわけにはいきません。今後、その効果と費用、そういったものの兼ね合いを見まして考えてまいりたいと思います。

 以上です。

○墨谷委員
 オリンピックが近くなっていますので御検討していただけるというお話ですけれども、早急に対応していただいて、皆さんがオリンピックにどういうふうに参加していくのか、人それぞれだと思います。テレビを見て参加するのかもしれませんし、出て行く、いろいろな応援の仕方もあると思いますが、そういった意味でこの小型家電の回収の取り組みということはすごく大切なことではないかというふうに思いまして質問させていただきました。

 今回、我が会派として3月9日の実質審査第1日目から質問させていただいて本日の総括質疑というふうになってまいりました。先ほどもお話ししましたが、本区の置かれている背景としては、本当に人口増加、それに伴って特別区民税は伸びている、しかしふるさと納税のマイナス、特別区交付金等の法人住民税の一部国有化、地方消費税交付金については都道府県間の清算基準の見直し、それぞれマイナスの影響も見込まれていると。そういった中で、本当に背景として今後も予断を許さない状況があるというふうに思います。

 また、年間の出生数が2,000人を超えていて、こういった子育てのニーズ、引き続きの人口増加、また、そういった行政需要というのがますます拡大してくるのではないかというふうに感じております。中央区の人口は、2020年は17万1,573人、2025年については20万782人という形で右肩上がりに今後の人口が推移していきます。また、先ほどもありましたが、高齢者の単独世帯ということで、そういった対応、また若い人たちが入ってきて子育て需要のニーズがますます広がっている、そういったことでの待機児童解消の取り組み、また災害に強い都市づくりの形成、市場の移転後の活気・にぎわいの継承、東京オリンピック・パラリンピック競技大会とその後のまちづくりなどなど、本当にいろいろな形で財源の確保が必要となってくると思います。また、2025年は誰もが経験したことがない超高齢化社会となり、保育士、介護従事者の不足などさまざまな課題が見込まれます。

 本区はまさに大きな転換期ではないかというふうに思っております。それと、ますます持続可能な財政運営が求められているのではないかと思います。そういった中で、長期的な視点、例えば医療や介護費等の負担増が今後見込まれているといったことというのはしっかりと丁寧な説明が必要ではないか。その上で区民の皆様へ理解を得られるような施策や広報が求められているというふうに思っております。

 その点について、長期的な視点で、医療、介護等の負担増が見込まれている、そういったことに対して区民の皆様にしっかりとした理解、またこういった施策をしていく、こういったことがあるということを丁寧に説明していかなくてはいけないと思うんですけれども、その点についてまず御答弁お願いします。

○大久保財政課長
 今、委員からいろいろ御紹介いただきましたけれども、本区の置かれている環境といたしましては、築地市場の移転やオリンピック後のまちづくり、そして、今御紹介いただきました医療・福祉など社会保障の増加ということも当然人口増に伴いまして見込まれているところでございます。こういった行政需要に対してしっかり対応していくことが結果的に区民の負託に応えることになると思っております。そのためにも、委員がおっしゃったとおり、しっかり介護、医療などを含めた各種施策を区民に理解していただく、こういった取り組みはこれまで以上にますます重要になってくるということでございます。

 そうした中で、本区といたしましても、医療、福祉だけではないんですけれども、各施策につきまして毎年度施策評価などを行いまして、しっかりこれまでの取り組みの評価、そして現在置かれている課題、そして今後どういう方向に向かっていくのか、こういったことについて、毎年度、全ての分野について議論を交わして行政評価という形で広く皆さんにお示ししているところでございます。そして、パブリックコメントなどを通じまして皆さんからの意見を伺ったりとか、そういったことを踏まえまして翌年度以降の予算編成などに活用しているというところでございます。

 国にかなり財源を持っていかれているという現状の中、限られた財源でこれまで以上に充実した福祉、あるいは行政サービスを図っていくためには、これまで以上に必要性、あるいはその効果というものを明確に示して区民にお知らせしていかないといけないと思っておりますので、こういった仕組みについてはさらに研究して、皆さんの御理解がいただけるような取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○墨谷委員
 ありがとうございます。今後、医療費、介護費等の負担増が見込まれていると思います。それに対して丁寧な説明というものがますます必要になってくるのではないかなというふうに思います。年金が少なくなったというようなお話もあって、年金から介護費とか、そういったものが引かれているということを御存じではなかったのかわからないんですけれども、減っているというような形で誤解される方もいらっしゃると思います。今後も、そういった負担増が見込まれているというところの中でしっかりとした丁寧な説明がますます必要になってくるのではないかというふうに私は考えております。

 また、新公会計制度になりコスト重視になる可能性も分野によってはあるのではないか、収納率の向上や受益者負担の適正化、そういった中でもしっかりとした福祉的な支援が必要な方への配慮がすごく必要ではないかというふうに思っております。そういった今後の対応、福祉的な支援が必要な方への対応についてどのように考えているか、お願いします。

○黒川福祉保健部長
 本区の今後の展望も含めまして委員からさまざま御意見をいただいたところでございますけれども、そういった人口増加に伴う福祉的なニーズの受け皿づくりといった部分、また、社会状況なども変化する中で、福祉的な支援が必要な方の中にも、多様化といいますか、実情を持った方がいろいろふえてきているというような状況でございます。

 そういった中では、いかにきめ細かなサービスの仕組みを組み上げて、必要な支援につなげていくかという部分が大変重要になってくるというふうに考えておりますので、庁内さまざまな連携を施しながら、また地域との連携、こういったものも進めながら、そういったきめの細かいセーフティネットづくり等々につなげてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○墨谷委員
 御答弁ありがとうございます。最終的にはこの福祉的な支援が必要な方への配慮なども含めて、新公会計制度などコスト重視型、収納率の向上、受益者負担など、そういったこともますます必要となってくると思いますが、そういった配慮も、本区として、今までもやっておりますが、さらにこれからもしっかりとそういったところの取り組みをお願いして私の質問を終了いたします。ありがとうございました。

○木村委員
 ただいま総括質疑の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後2時50分に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○押田委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○押田委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後2時50分に委員会を再開いたしますので御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午後2時18分 休憩)


(午後2時50分 再開)

○押田委員長
 それでは、休憩前に引き続き委員会を再開いたします。

 総括質疑につきまして質問者の発言を願います。

○小栗委員
 それでは、総括質疑をさせていただきます。最初に、議会費のところでちょっと触れられなかったので、広報ポスターのことで一言述べさせていただきます。

 昨年の決算特別委員会のときに、第3回定例会のお知らせの広報ポスターが期日が過ぎてからの掲示で早くしてもらいたいという要望をさせていただきましたが、第4回定例会と今回の第1回定例会のポスターについては期日前に掲示されているということで、ありがとうございます。今後もぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、質問に入ります。今回の予算は、昨年策定した基本構想、そしてそれに基づく基本計画、それの初年度の予算ということですので、その大きな流れの中でこの予算の審議を私たちも進めてきました。基本構想の中には東京一極集中というような文言はありません。ですが、中身的には、基本構想、基本計画の中にも東京一極集中を進める、そういう計画があり、そして、それに基づいた予算ではないかというふうに私は考えております。

 今、地方は人口流出もあり、限界集落などというようなお話などもあったりして、本当に地方の疲弊というのがたびたび話題になりますけれども、中央区の場合は人口がどんどんふえているということがあります。東日本大震災から7年たっても被災地の復興もままならないというような現状もある中で、中央区だけよくなればいいのか、東京だけよくなればいいのかということではないというふうに思いますけれども、そういう問題意識を持って質疑をさせていただきたいと思います。

 最初に、日本橋上空の首都高速道路地下化及び日本橋再生に向けたまちづくりについてです。プレス発表のときの資料を見ますと、平成29年7月21日に国及び東京都から日本橋周辺のまちづくりと連携して首都高速道路の地下化に向けて取り組む旨が発表されたと。11月1日には首都高日本橋地下化検討会が設置されて首都高の地下化に向けた計画案について本格的な検討に着手したということです。今後、地元区としてまちづくり検討組織に対する支援などを行うとともに国及び東京都などと緊密な連携を図りながらその実現に向けた検討を行うということで予算がついています。

 それで、この内容についていろいろ見ていましたら、2016年に中央区が首都高速道路の移設撤去に係る検討についてという線形案を都市整備部としてまとめたという内容があります。結局、これに基づいて中央区の考える線形、移設に当たって留意する点など踏まえて国や都がこういう方向で周辺のまちづくりと一緒に進めましょうというふうになったと、そういう経過として考えていいのか、まず伺いたいと思います。

○菅沼地域整備課長
 首都高の移設撤去に向けた取り組み、地下化のお話でございます。

 今、委員御質問の中で御紹介いただきましたとおり、具体的な話で言うと、平成28年1月の段階で、私ども、これまでの幾重の国レベル等で議論されてきたことを踏まえまして、日本橋川沿いで今具体的になっている再開発事業を契機として、いわばこれがラストチャンスだと、まちづくりが先に起きてしまうと、地下化というものが単なる絵に描いた餅になる、といった思いを含めまして、2016年、平成28年1月に具体的な検討に着手したということでございます。また、今、委員に御紹介いただいたとおり、その7月、夏ごろには区としての線形案、8項目ぐらい留意すべきという区が望ましい線形案を描いたところでございます。

 御質問の部分につきましては、私どもは、そういった留意すべき点を踏まえながら国や都に粘り強く働きかけを行った結果、今般昨年の7月21日に発表された国、東京都が具体的に検討するといった表明があったものと受けとめてございます。

 実際、その線形案が、いわば何かたたき台的になっているかというところからすると、私ども、そこは今まだ検討途中でございますけれども、この線形案がたたき台というか、一つの案ということではなくて、国、東京都、首都高速道路株式会社において、実態的に地下化はどういったところを通ることが本当に望ましいんだという検討、地下のどの部分を通ったり、あるいは地下の埋設物をどのように避けたりという技術的な検討を今しているというふうに認識してございますので、私どもの描いた線形案を一つの案として見ながら、国、東京都で具体的な検討に着手したものというふうに受けとめているところでございます。

 以上です。

○小栗委員
 今、技術的な検討に入っているというようなお話でしたけれども、中央区としてこういう案でどうかということを出した、それを受けて国や都もそういう周辺のまちづくりと連携してやるという方向で動いているということだと思います。

 それで、この日本橋の上空にかかる首都高の撤去、これは本当に地元の長年の悲願でもありました。ですが、今この撤去だけじゃなくて地下化にするというようなことに対していろんな意見が出ています。榮太樓總本鋪の6代目の細田安兵衛氏が日本橋に首都高いらないということで新聞インタビューを受けた記事があります。1964年の東京五輪の前年に首都高速道路がかかってから我々が願っていることはただ1つ、変わっていません。とにかく前を向いてくれたことはありがたいけれども、ただ地下化となると工期も工費もすごくかかる。個人としては地下化が唯一無二の方法とは考えていない。2006年に当時の小泉純一郎首相のもとで日本橋の高速地下化が浮上したときには5,000億円かかると言われていた。竹橋からとして、わずか3キロメートル程度。1センチメートルで170万円。大変なお金なんだよな。今なら資材高などでもっとかかるかもしれないということで、じゃあ、どうしたらいいと思いますかという問いに対して、そりゃあ、不要論ですよ。壊してしまうのが一番いいということで、3環状が完璧にできれば日本橋を通過する車はなくなるんじゃないか、今はもう車社会じゃないんだ、都心に高速道路は要らないということも含めて交通体系全体を見直しする中で撤去するということができるんじゃないかというような指摘だったと思います。

 私も大変重要な指摘ではないかというふうに思います。こうした問題、特に工期も工費も大変かかるということになってしまうわけですけれども、こういう点についての区の見解はいかがでしょうか。

○吉田副区長
 先ほどラストチャンスというような話もありましたけれども、地元のほうの開発の機運も確かに出てきているんですけれども、一方で、実は平成26年、首都高の中期計画がございまして、現状の姿で耐震化をしますという話が具体的に中期計画の中で発表されているわけでございます。それはもう実施計画に至りますれば、当然きちっとした耐震化をしてしまうわけですから、それなりのお金をかけて。そうしますと、結局これから、悲願だ、悲願だと言いながら、やっぱり50年、60年はあのままの形で残ってしまうと。そういうことで、耐震化というタイミングと基本的には周辺の再開発のタイミングの中で今回がラストチャンスだろうということで働きかけをしているわけでございます。

 委員御指摘のように、一部地元の中で、特に安兵衛さんなどを含めて不要論というのはあるんですが、3環状ができ上がっても、首都高速道路環状線の交通がどのぐらい落ちるかということは、ある程度具体的なシミュレーションをしてみますと、実は3%、4%なので、実態的に不要論まではいかないというのが今のところの全体としての認識でございます。

 ただ、その中で、結局、今私どもがお話しさせていただいているのは環状線の部分ですから、一方で上野線というのはまた交通量が全然違いますので、そういったものを含めてトータルで考えていった場合には、やはり撤去と地下化というものをうまく組み合わせながら整備をしていかなきゃいけないというのが現在の考え方でございます。

○小栗委員
 以前のこの問題でのやりとりで、これは2013年ですけれども、この日本橋上空の撤去の問題で、志村議員の質問に対する吉田副区長の御答弁ですけれども、2013年3月のときには日本橋だけ埋めるのでも5,000億円かかる。つくりかえもあるだろうけれども、撤去という方向もあるだろうということで、いろいろ検討が必要だということでお話があった記録です。

 今のお話ですと、耐震化のタイミングで耐震化のほうだけ決まっちゃうと大変だということで考えたんですということでしたけれども、撤去だけじゃなくて地下化だけということで区として提案するというふうになったのはいつの検討でそうなったのか、もう一度御答弁をいただきたいと思います。この数千億円かかるこういう工事を周辺のまちづくりと一緒にやればもっとお金をかけないでできるという判断なのか、その辺も伺いたいと思います。

○吉田副区長
 基本的には私どもも撤去という部分を含めて検討していたことは事実でございます。撤去論のほうが手っ取り早いわけですから、それはそうなんですが、実態的には、その部分について私どもで調査してみたとき、先ほどお話ししたようなシミュレーションの結果もあり、それから国、東京都、首都高そういったところとの話し合いの中でも、現実にはやっぱり代替措置を講じていただかないとというような話もあり、結論として地下化という方向になったわけでございます。

 そういう中で、基本的に、例えばお金の問題でございますが、この首都高速道路の地下化というような問題において最大の問題は、やっぱりこの辺が日本で一、二を争う土地の値段の高いところで、そういうところに、例えばこれは地下鉄でも同じでございますけれども、高速道路などを入れましたときには、高速道路を入れた地域の土地に地役権を設定しなきゃいけないわけでございまして、そこを使いますよという権利を設定することになりますが、つまり土地代がかかるわけでございます。首都高が地下に入るということで、いわゆる俗に言えば借地権みたいなものが発生するわけでございます。そういうものも含めてお金が大変かかると。開発の中で全体の理解を得ながらそういった地役権の問題等をクリアしていけばそれなりに経費は圧縮できるのではないかということで検討を進めているのが現状でございます。

○小栗委員
 いろいろ考えてこういう提案をしているんですというお話だったようですけれども、やはり大変なお金がかかるのは確かですし、地価の高いところだというお話がありますけれども、この撤去に合わせて周辺の5つの街区を設定して再開発するということがセットになった計画です。本当に大変な大規模再開発だというふうに思います。

 同じインタビューの中で、細田氏は、東京はどこでも高層ビルの計画ばかりですが、この先オフィス需要は果たしてどれだけあるのか。大きな容積率をいただけるのはありがたいですが、将来ビルの中はがらがらということだってあり得る。これからは低層でも気のきいた建物をつくる時代になっているんじゃないですかというような指摘もありました。大変重要な指摘だというふうに私も思います。

 以前の本会議での私の質問に対して吉田副区長は、もう既にオフィスもマンションもオーバービルディングなんだ、供給過剰の状態なんだ、だけれども老朽化した建物の更新は必要なんだからいいということと、あと東京駅とか日本橋というのは全然価格が、相場も落ちていない、つくれば埋まるというようなところなんだ、これからもつくっていく、どんどん超高層の再開発をやっていっても大丈夫なんだというような主張だったんですけれども、本当にそんなことが言えるのかというのは大いに疑問です。

 この5つの部分の再開発も区が主導してたたき台を示しているという中で、再開発も区が全体をまとめながらやっていく、これから何年間かわかりませんけれども、かけてやっていく、そういう巨大開発を進めていくという宣言なのかという点について伺いたいと思います。

○吉田副区長
 現実の問題として、日本橋というところは、金融・証券のまち、それから江戸以来の商業のまちとして発展してきたわけですけれども、委員も御案内のとおり、実は、特に兜町の証券取引所で場立ちがなくなって大証券会社が基本的に大手町に移動するというようなことが起こってくる中で、実態的には、平成の10年代は日本橋は相当寂しい状態になったわけでございます。

 今現に、兜町周辺については、日々人もいないというような状態にあります。ですから、そういうまちの状態でいいのかということはありますし、それから兜町なら兜町というところに、例えば将来的にマンションが建ちますよといって兜町のアイデンティティが保てるのかという問題もあるわけでございまして、それぞれにその地域その地域の中でどういう開発があり得るのかというのを検証するのは必要だと思っています。

 今、御意見は御意見として伺いますけれども、私どもとしては、あそこの日本橋地域を、さらにもう1回、いわゆる日本の金融業務のセンターとしてつくり変えていくための開発を進めていくことについて、基本的には不安を持っておりません。

○小栗委員
 今、兜町周辺の証券のまちのことについてもお話がありましたけれども、これも小池都知事が国際金融都市をつくるんだということで、兜町から大手町のほうを含めたそういう地域に、今言った日本橋の周辺、橋の周辺も入っているわけですけれども、そういうのを立ち上げました。吉田副区長もシンガポールとかに負けない金融都市・東京としてアジア一番のまちをつくるんだということを前に発言されていましたけれども、それが本当に、高機能ビルをばんばん建てることがまちの発展につながるのかというのは、大いに私は疑問です。金融都市をつくるといっても、実体経済に不相応な金融の肥大化ということも問題になってくるというふうに思いますし、そういうオフィスビルをたくさんつくることがまちの繁栄になるのかというのは、全然方向が違うのではないかというふうに私は思います。

 東京ミッドタウン日比谷がオープンして、きょうも朝のニュースでオフィスビルの供給過剰がニュースになっていたということを見ても、今、全体的に東京、特に都心部、中央区、千代田区周辺を含めて、そういうところに集中して大きなものをどんどん建てて、それが経済を牽引していくんだというような、そういう構想がありますけれども、それで本当に経済が活性化するのか、まちのにぎわいが取り戻せるのかというのは、私は大変疑問です。

 東京オリンピック前後の不動産価格の暴落、いわゆる2020年問題というのもずっと言われておりますし、今、事業規模が、いろんな再開発が大きくなっていて、一度動き始めるとなかなか軌道修正ができない、とにかく需要があろうがなかろうがいくしかないという状態になってしまうというのが一番危険だというふうに思います。

 日本全体としては人口減少社会ですし、中央区も高齢者の人口が増えていく、そういう高齢社会に向かっていく中で、不動産市場の過剰供給を受けとめる需要は存在しないじゃないかというような指摘が各専門家からも言われています。

 だから、吉田副区長が言われるように、オーバービルディングだけれども中央区は大丈夫だ、日本橋は大丈夫だ、東京駅前も大丈夫なんだというようなことでどんどん進めていって、そういう開発が進んでいった先に、今、局地的なミニバブルと言われていますけれども、そういうものがはじけたときにどうなるのかということを考えると大変問題が大きいのではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○矢田区長
 日本橋上空の首都高、これはもう前回のオリンピックの負のレガシーの象徴となっているわけでありまして、これはビルをつくればいいとか、もうかるとか、そういう問題だけじゃないんですね。日本の文化、東京の文化、また環境ですね、環境を無視してまちをつくってはいけないわけで、自動車が通ればそれだけ排気ガスも出るわけだし、そしてまた文化性、こういう日本の東京の江戸以来の文化もしっかりと根づいている地域でありますから、そういう面で、文化、あるいは環境、日本橋がきれいになってきた、魚も泳いでいるのが見えるようになってきたと、そういう周辺の皆様方の力、これはもう本当にすばらしいものがある。

 この日本橋にかかる首都高を撤去しようではないかということで、ことしはちょうど40年を迎えると。むろんできたのはもっと前ですよ。前のオリンピックのときですから、54年ぐらいたっているんですかね。でも、それを見直して、これじゃあいけないんじゃないかという空気が自然発生的にできて、もっと文化を大事にしようじゃないか、また環境も大事にしようではないか、川も大事にしようではないか、水も大事にしようではないかということで、日本橋を再生しようというのができて40年たつということでございます。

 そして、ちょうど耐震化の時代に入ってきたと。あの辺に来る車はただ通過するだけなんですよ。おりるわけじゃない、買い物をしようとしておりるわけではなくて、ただ通過するための高速道路があそこにあっていいのかどうか、周辺に公害だとか何かをまき散らすだけのものがあっていいのかどうかということです。

 舛添前都知事さんが言っていましたね。新宿から羽田空港へ行くのに、新しい高速道路をつくったら今まで40分かかっていたのが10分か20分になっちゃったと。高速道路をつくればさあーっと行ける、10分か20分で行けるものを今までは40分も1時間もかかっていた、ちょっと渋滞すれば1時間ぐらいかかっちゃうわけでありますから。また、この地域の皆様方も、別に金もうけのためにやろうというわけでもないでありましょう、いいまちをつくってそしてみんなに喜んでもらおうということで5つのプロジェクトが今動き出していると。せっかく動き出してきているわけですから、それをチャンスとして捉えて、地下化すれば公害もなくなるだろうし、美観、まさに日本橋に光が差し込む、太陽が差し込む、そういうまちを私たちはつくって、そしてその下には道路元標、どこに行くのでも何キロと。あれは日本橋から数えての距離です。日本橋から数えて、ここは50キロだとか、60キロとか、高速道路に書いてあるでしょう。あれは、みんな日本橋からの計算なんですよ。

○小栗委員
 だから、公害をまき散らす高速道路は要らないということを私も言っているんですよ。だから、撤去したらどうかということなんです。

 それと、この5つの再開発が全部こういう高層じゃないと思いますけれども、今、都市計画決定もされた日本橋一丁目中地区の計画概要を見ると、巨大なビルですよね。青空を取り戻そうと言って青空をふさぐような巨大なビルを建てるというような計画です。こういう巨大ビルがこの周辺で5つも6つも建ち上がったらたまらないというふうに私は思います。

 前に、これは2015年に区のほうでまとめた川沿い空間のイメージということで、これは高層なのか、立体的じゃないのでわからないんですけれども、随分川辺に向けて空地をうんととって、広場なども周辺にとって、すごく人間味あふれるイメージ図が出てきたんですけれども、こういうふうにしてまちづくり全体を考えていくということであれば夢があるなというふうに思いますけれども、地価の高いところなんだからそれを回収するためには大きなものにならざるを得ないということでどんどんこういう超高層のものがつくられるまちづくりが進められたらたまらないなと私は思います。

 コレド日本橋を建てるときに、後ろにある低層の建物の上のほうの容積をコレドに載せて超高層をつくったんですよね。ここはもう高いものはつくらないんですよねと、その当時、私が委員会で質問したら、都市計画で決めていますからつくりませんと言っていたはずなのにすごい超高層のビルができるということになっています。仕組みを変えて巨大なものが建てられるということがどんどん進められている。それが、オフィスの供給過剰に全体としてもなっている中で本当に大問題だというふうに思いますので、その点を指摘したいと思います。

 この間のまちづくり協議会の中でも、都市再生特区や国家戦略特区などをツールとしてつくると、容積率が今まで800%だったのが1,800%になったりする、小さいビルはそういうことは不可能だということで、大規模な開発なら配慮されて容積率も緩和されるけれども小さいところは排除されるというふうなことで、委員の方からもそういう意見が上がっていました。本当にこういう大規模開発優先でどんどん進める、そういうまちづくりからの転換が必要だということを改めて申し述べたいと思います。

 それと、マンションについても供給過剰だということが今、指摘されている問題に関連して、選手村のことについても質問したいと思います。

 今回の予算審議を通じて、選手村とその後利用についても大変私は不安に思いました。選手村の後に超高層住宅を2棟追加して建てて約6,000戸のマンションを売り出すことになるわけですけれども、それが完売できるのかというような声も上がりました。売れないと周辺のマンションの資産価値も下がってしまうので売れるようにするためには交通アクセスの充実が絶対必要だというようなお話もありましたけれども、日本橋上空の高速道路が前回の東京五輪の負の遺産になって今に続いているように、晴海の選手村がそうならないのかというような、大変な危惧を持ちました。

 既に、本当にマンションも供給オーバーで、中央区ではタワー型のマンションはこれからもどんどん建ち上がる予定ですけれども、人口自体はもうこれ以上ふえなくていいということで、地区計画を変更するのにタワー型マンションを中心にこれからもどんどん建てていくというのが中央区の計画になっています。

 現在、23区内で年間に供給されるマンションの戸数が1万5,000戸と言われている中で、オリンピック選手村が6,000戸売り出すということになったら、すごくまとまった規模の住宅ということになります。超高層はもちろんオリンピックが終わった後に建てるのでもともと不必要なマンションですけれども、板状の建物も、全部選手村として使うわけじゃないですよね。ある程度の階層で、全部のマンションを選手村に使うわけではないというふうに私は記憶しているんですけれども、本当に選手村としてもこんなにたくさんの戸数が要るのかということも大変疑問に思っているんですけれども、このような選手村の計画というのが果たして本当にうまくいくのかという点では大変不安に思っています。

 この点でもう一度御答弁いただきたいと思います。

○吉田副区長
 この件については、正直言うと同じような不安感を持っています。正直なところ、板状棟だけで、5,000戸は切りますけれども、4,000有余の戸数のマンションになるわけでございます。これを1団地で同じ時期に売るということは大変な話でございます。その上で、実はここからの交通機関であるBRTの計画が、結局2年延びておりますし、現実にまだ会社の設立のめども立っていないというような状況からすると、大江戸線勝どき駅から徒歩28分という表示でございますから、基本的には売れないという状態が出てきてしまう、現実の問題として。

 だから、その部分で、基本的には、選手村をあそこに選んだというところから含めて東京都の責任ですし、それからBRTの計画は、もともと地域の利便性のために我々が検討していたものを東京都が持っていったので、そういうものを含めて、少なくともことしじゅうにBRT会社の設立と運行計画についてははっきりしてくれないと交通環境上問題があるということは、私どもは東京都に強く申し入れているところでございます。

 その上で、ただ、私どもが大変懸念しておりますのは、住宅団地だけということですと、やっぱりまち全体が、基本的には建物と一緒に高齢化をいたします。これは高島平現象であったり、多摩ニュータウン現象であったりしますので、晴海というところがそのようになってはいけないというふうな意味で、まちのありようをどうするかということについても、交通環境だけではなくて工夫をしなきゃいけない、そういうものをなるべく早くまとめて整理をしていきたいと。

 晴海というところは、文化的で、かつ快適な都心居住が享受できるまちで、常に若い者の声があふれているところなんだというようなイメージをつくっていかないと、少なくとも従来と同じ形で4,000戸あまりのマンションは売れないということになるだろうというふうに思っておりますから、その点では危機意識を持っております。そういう部分について、ここ1年余の中で具体的な計画をつくっていくことが私どもの仕事であり東京都の仕事であり、それについては東京都の部分が多いんですけれども、きちっとそういうふうな対応をしてくれということを要請しているところでございます。

○小栗委員
 この晴海の選手村については、土地の激安払い下げということで、何度か問題として委員会でも紹介していますけれども、13ヘクタールの土地を1平米10万円、130億円ぐらいのところで特定会社に売ったということで、近隣の工事価格で言うと、晴海五丁目1-4のところでは89万円、晴海三丁目では132万円と。そういう近隣の工事価格と比べても、1平米10万円ということで、今問題になっている森友と比較しても全然比較にならないぐらいの激安の土地の払い下げが行われ、そして選手村で使った後のマンションをリフォームするのも東京都が費用を持ちましょうみたいな話があったり、基盤整備に540億円もかけて、今、土地の整理とかやっているわけですけれども、本当にすごい大サービスをして、売れるかどうかわからない、そのために何とか区でも都でもお金を出して支援しましょうみたいな話になるのは、どうも私は納得がいかないと思っています。

 それとあわせて、今、晴海ふ頭公園の樹木も、せっかく大きく育っていたのにばんばん切ってしまっているというようなことも含めて、晴海の選手村、中央区にある本当に貴重な公有地だったのを安く大きなディベロッパーのグループに売り払ってしまって、売れるかどうか大変心配される巨大な団地ができるという計画自体も本当に問題があるのではないかというふうに思います。その点を指摘して次の問題に移ります。

 築地市場の移転とその後利用の問題です。

 都議会では築地市場の建物の解体工事の予算も可決したというようなことで、今、移転に向けてどんどん進めようとしているわけですけれども、本当に豊洲に移転して築地の建物を壊してしまっていいのかというふうに私は思っています。

 私たち、区議団で、毎年、区民アンケートということで全戸にアンケート用紙をお配りしていろんな御意見を寄せていただいています。築地市場の豊洲移転をどう思いますかという設問に対して、豊洲移転に賛成というのが21%あります。どちらでもないというのが、今こういう状況ですので38%ですけれども、今からでも中止すべきではないかという声が36%になっています。もう移転だ、移転だということでそういう動きが強まっていますけれども、やはり土壌汚染の場所に市場を移していいのかという点では、実際に仕事をしている業者の皆さんからもあんなところには行けないという声も根強く上がっていますし、消費者も含めて理解が得られている状態ではないということを改めて指摘をしたいと思います。

 それで、もともと中央区も、区議会も、地域も挙げて、最初に石原元都知事が移転するということを言ったときには反対してきたわけですよね。断固反対する会というのを立ち上げて、都にも、都議会にも、何度も要望書なども出して、移転をやめるようにということでやってきました。

 そのときに東京都に出した築地市場移転についての7つの疑問というのを改めて見てみたんですけれども、これは2006年ですかね、2005年ですかね、に出していた7つの疑問という要望書ですけれども、1つ目に移転先の44ヘクタールの土地の確保はどうするんだと。2つ目に築地市場用地の扱い、3つ目に交通アクセスの問題、4つ目に場外市場の問題、5つ目に移転までの間の現市場の整備、6つ目に土壌汚染の問題、7つ目に財源確保の問題ということで、7つの疑問を呈して、この計画はおかしいんじゃないかということで中央区、区議会と一緒になって東京都に質問を出していました。移転先の土地の確保については豊洲に土地は確保されましたけれども、その土地自体が大変な土壌汚染の場所だということで、その問題が一番大きく今も尾を引いているということです。

 いろんな経過をたどって、2006年には断固反対する会から新しい築地をつくる会に変えて、2011年の東日本大震災が起きた日に都議会で予算が可決されたことをもって、これで移転が決まったということで区長もコメントを出されて、その翌年に、東京都は平成26年度中を予定する築地市場の豊洲地区への移転整備を着実に行い、区もこれに同意するという築地のまちづくりに関する合意を交わして今に至っています。

 だけど、これも7年前に出したのにいまだに移転ができていないというのは、やっぱりいろんな問題が解決されていないから今に至っているというふうに思います。地元区が移転計画はおかしいと前に7つの疑問を出していた時点の姿勢を貫いて声を上げ続けていれば違った解決になっていた、もう既に現在地で再整備もできていたのではないかというふうに私は今でもそう考えています。

 お聞きしたいのは、跡地利用について、2010年に中央区がにぎわい施設構想として提案したものがあります。築地の地域の半分を再開発するならしていただいて、半分はにぎわい施設にしてくださいと、結構広大な場所を中央区のにぎわい施設としてつくりたいと、そういう構想だったんですけれども、これはもう全く白紙なのか、いつ提案をおろしたのか、伺いたいと思います。

○吉田副区長
 それについては、結局、東京都の計画としてにぎわい施設をつくってくれませんかということで私どもは要請をしております。御案内のとおり、7年前に東京都と合意をしていったときに、暫定で、私どもに貸し付けをしていただける土地とか何かという基本的な方向性が出てくる中では白紙撤回をされております。

○小栗委員
 では、この構想自体がもう白紙としても、今、中央区は築地魚河岸の営業を支えるスペースとして要求していますけれども、一応それがきちんと確保されれば、あとはもう特に、交通の拠点としての整備というのはありますけれども、区として何かこういうにぎわい施設みたいなものを考えているとか、そういうことはないということでいいんでしょうか。

○吉田副区長
 基本的に私どもとしては、今、東京都から提供されております荷さばき場、あるいは駐車場としての4,500平米というものについては、現状の大きさ、位置について必ずしも満足しているものではありません。それについてはできる限り広く確保してほしいということを我々としては東京都にずっと折衝しているわけでございます。

 その上で、そういったものがうまく確保されて、つまりこれから解体をされました後はオリンピックのデポになる、デポになった後、今度また総合的な開発が行われる、そういう中で、ある程度きちっとした位置に4,500平米以上の土地をそれなりにずっと確保し続けるということを我々としては最低限やり遂げなきゃいけない。

 その上で、全体開発の中では、少なくとも東京都は、築地は守る、豊洲は生かすと言ったわけですから、その守る、生かすという守る部分についてはどういう形で表現されるのかということが我々としては課題でございまして、その部分、交通の問題でもございますし、場所の問題でもございますけれども、そういった部分がこれから折衝事項になるだろうというふうに思っております。

○小栗委員
 オリンピックのデポ、デポというのがちょっとよくわからないので後で説明いただきたいと思います。

 それで、駐車場の問題も、都心部に駐車場をつくったら逆に交通が集中して問題じゃないかというふうに私なんかは思いますけれども、そういう計画自体も、とにかくオリンピックに間に合うように環状2号線もつくらなければいけない、交通アクセスを考えなければいけない、だから早く築地市場はどいてもらわないと困るというようなことで、今や築地から早く移転してもらうことを願っている、それが今の中央区の姿勢なのかなということで、私は大変残念に思います。

 豊洲の市場としての安全性の確保というのは、まだ今、追加工事、対策工事をやっていますけれども、指名停止中だった大成建設に特命随意契約で発注してまでやっている、そういう工事自体も大変問題があり、工事の発注の仕方も問題です。土壌汚染の対策工事がきちんと本当に安全というふうに保障される、そういうことも全然まだわからない状態ですし、ルールまで破ってそういう工事をどんどん急いでいるというのは、そうしないと移転期日に間に合わないということで急いでいる、とにかく無理に無理を重ねて道理が引っ込められている、それが今の築地市場の移転問題だというふうに私は思います。

 築地市場の建物自体は、イコモスの後世に残す文化的な建物として世界文化遺産の推薦を受けた建物でもありますし、そういう建物を早く壊して早く道路をつくろうみたいなことでやってしまうというのは、本当に問題だというふうに思います。道理の通らない無理な計画は、私は、今からでも中止して、ちゃんと道理ある、本当に市場の安全が守られ、みんなが安心してそこで仕事ができ、そして地域経済の核になる築地市場をきちんとここで整備していくという方向で道理ある解決を望みたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。

○吉田副区長
 ちょっと補足をさせていただきますが、オリンピックの選手村が晴海にございますと、晴海には選手、役員で1万7,000人とか1万8,000人の人がいるわけでございます。その方たちを競技場などに運んでいくためのバスが必要でございまして、そのバスがとまっている場所、これがデポと言っているものでございまして、この850台分を築地市場の跡地で確保したいと言っているわけでございます。その850台分が、例えば出てきますときに、それじゃあ、我々の4,500平米はどこに確保されるんだというようなことを今後折衝していかなきゃならないというふうな調整はまだまだ必要であるということを申し上げたわけでございます。

 その上で、駐車場の問題についてお触れになりましたけれども、私どもは、あそこは都心の中で最後の公有地でございますし、晴海通り、環状2号線、そして新大橋通りに接しまして、その上で隅田川の河口で東京湾に接しておりますから、水上輸送、陸上輸送、そういったものの拠点になるべき土地だと思っております。

 それから、私どもの銀座なり、築地なりにインバウンドの方々がたくさんいらっしゃるときのバスの駐車場というのが必要なわけでございます。そういう部分で、交通の拠点として築地市場の跡地については最低限使ってもらわないといけない。別にそれだけに使えと言っているわけではないですけれども、そういう交通拠点として使ってもらいたいということを要望しているところでございます。

 いずれにしても、昨年来スケジュールがはっきりいたしませんで、冒頭お尋ねがございました選手村の問題を含めてスケジュールが決まらないために何もできない状態になっておりましたので、ここの中で具体的な対応をとるのは地元の自治体として当然の役割であるだろうというふうに考えておるところでございます。

○小栗委員
 もうとにかく早く移転してもらって、交通拠点をつくって、土壌汚染が解決しようとしまいと豊洲で開場していただきたいという方針だということでいいんでしょうか。私は大変残念に思いますけれども、そういう計画で今どんどん進めているのが中央区の今の立場ですということなのか、もう一度伺いたいと思います。

 次に、福祉の問題で伺います。先ほども紹介した区議団のアンケートで、中央区にもっと力を入れてもらいたい施策は何ですかという項目があるんですが、1位は高齢者福祉、2位が保健・医療、3位が緑化・水辺の活用でした。今回の予算を見ますと、福祉分野、保健・医療の分野で内視鏡の採用など新たな施策や充実もありますけれども、先ほど来議論している大型開発には多額の税金が投入される一方で、福祉分野の区が独自にやってきた施策が、そんなにお金はたくさんかからないのに一つ一つよく見て削っているなと思うぐらい福祉分野の予算の切り下げが進められているのではないかというふうに思っています。

 既に、敬老祝い品、これは対象者の年齢を上げて、もらえるかなと思ったら年齢が引き上げられてしまって祝い品がもらえなかったという人が何人もいましたけれども、そういう敬老祝い品の削減が行われています。今の年度で生活保護世帯への夏期、歳末見舞金も順繰りに廃止して、新年度からは見舞金はなしですということになっています。それとあわせて、今回の予算のところでは具体的に記述はされていませんけれども、介護サービスの利用料の3%への区独自補助、これをなくしていくという方向が出されています。

 これについては2月の福祉保健委員会で説明がありましたけれども、訪問看護サービス等の利用者負担額助成事業、これを段階的に廃止していくということで、訪問介護や看護、入浴サービスの利用時の自己負担額を10%から3%に軽減する、そういう区独自の助成制度がありましたが、現在、年金収入などで44万6,400円以下の方に対して3%に軽減するサービスを行っているわけですけれども、今、利用者が430人いるということなんですが、これをことしの8月以降の新規の認定を停止して、今まで認定を受けていた人については3年間受けられますが、平成33年7月で全部の事業を廃止するという内容です。

 それとあわせて、介護保険の上乗せサービスを適正化するということで、生活援助サービス、訪問入浴サービスの区独自の上乗せサービスの対象者を要支援、要介護者から要介護5に限定するということも行うというような報告がされています。この訪問介護サービスの利用者負担助成については要綱がありますけれども、この要綱では、保健・医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的としてこの事業を実施するということも明記されています。予算額で見ると、新年度予算で約2,200万円なんですけれども、こういうものまで細かく見て削ってしまうというのは大変冷たいやり方ではないかというふうに思います。ぜひこれからも続けていくべきだというふうに思いますけれども、この点についても御答弁をお願いします。

○黒川福祉保健部長
 ただいま、委員からいろいろとお話がありましたけれども、区の施策、その時々の状況、また将来を見据えながら、さまざまな改善ですとか、見直し、これは不断に続けていく必要があるというふうに認識しております。その上で、今回福祉サービス等々の見直しというようなお話でございますけれども、少なくとも単純にこれをやめるというだけではなくて、じゃあ、そのかわりに何をすべきなのかというところも含めてるる検討した結果ということで御理解をいただきたいというふうに思います。

 また夏期、歳末見舞金等のお話もありました。これにつきましては、やはり生活困窮の方を幅広く支援していくための取り組みが必要ではないかというような観点から、生活困窮者の自立支援の取り組みの充実に回したりですとか、介護保険の関連のお話もございましたけれども、こちらにつきましては区民負担のあり方、それから介護サービスの適正なあり方、供給のあり方、そういったことを総合的に勘案をいたしまして、低所得者の方への配慮も十分に施しながらそうした見直しをしていくと。そういったことによって今後のさまざまな行政需要の量的、質的な拡大に対しまして、持続可能性、こういったところも十分に検討した結果の予算の反映であるというふうに御理解をいただきたいと存じます。

 以上です。

○小栗委員
 ほかに補うこともやりますというようなお話でしたけれども、せっかく中央区が独自施策として低所得者の人たちの負担の軽減ということを考えてやってきた制度ですので、ぜひ続けるべきだというふうに思います。やめることに御理解くださいというお話でしたけれども、私はちょっと理解はできません。

 さっきの築地市場の問題について、お願いします。

○吉田副区長
 本区の土壌汚染に対する態度は、あくまで土壌汚染は東京都の責任においてきちっと処理すべきだと言っているのであって、委員のおっしゃるような、土壌汚染も何もかなぐり捨ててこのスケジュールに協力している中央区というイメージは、これはやり過ぎじゃないかと。そんなことあり得ないので、ずっと一貫してそう言ってきているので、私も、東京都の責任できちっとやるべきだというふうに言ってきているので、その点は御理解をいただきたいと思います。

 それから、我々としては、この問題について、基本的に今から起きてくる問題の中でもこの周辺について交通関係を含めてさまざまな困難が予想されているわけです。ですから、簡単に移転に賛成だとか何かということではなくて、ついこの間も区議会の皆さんと御一緒に要望書を出させていただいたように、交通関係を含めたさまざまな課題が山積しておりますから、これはかなり深刻な問題だと思っております。そのことも含めて、今後もまた東京都に要望や折衝を重ねていくつもりでございます。

○小栗委員
 土壌汚染の問題は、それは東京都にちゃんとやってもらわなくちゃいけないことですし、いろんなふぐあいが豊洲の新市場の物流の拠点として機能するのかというようなこともいろいろ今問題になっていて、そういう問題の解決というのはもちろん東京都が責任を持ってきちんとやらなくてはいけないし、中央区にそれをやってくださいと言っているつもりは全然ありません。

 ですが、もともと築地で再整備してこそ市場の機能も守れるし、地域経済にも大きな影響があるということで断固反対してきた、そういう経過の中で、やはり守るべきものをきちんと守っていくということを今でもきちんと主張していくということをやっていただきたいというふうに思います。

 次に、教育の問題について質問します。区長はよく教育の中央区ということを標榜されていますけれども、教育の中央区というのはどういうことをあらわしているのかということを改めて伺いたいというふうに思います。

 それと、泰明小学校の標準服の問題で、区長の所信表明では泰明小学校の標準服を巡る問題では、保護者をはじめ区民の皆さまに多大なご心配・ご迷惑をお掛けしましたこと、誠に申し訳なく存じております。学校の独自性・自主性は尊重されるべきものではありますが、今回に関しては学校と教育委員会、そして区におけるそれぞれの役割認識に加え、相互の連携が不十分であったと痛感いたしておりますということでした。

 この所信表明で言う学校、教育委員会、区の役割認識、これはどういうことなのか、その相互の連携が不十分だったということなんですけれども、どういう点が不十分だったというふうに考えておられるのか、伺いたいと思います。

○矢田区長
 教育の中央区、いい言葉でしょう。教育を第一に考えていこうじゃないかと。次の世代がしっかりと元気いっぱいに成長されて、そして私たちの後を担っていただくという意味で、先般も晴海中学校、佃島小学校の卒業式に行きましたけれども、本当に元気いっぱいに卒業されて、泣く子なんてのは、かつてはちょっといたかもわかりませんけれども、今はもう本当に元気いっぱいに卒業されていくんだと。小学生は次の中学校へ、中学生は新しいいろいろな分野で活躍するんだという意欲がもうひしひしと感じられて、本当にすばらしいなというふうに思いました。

 教育の中央区、一言で言えば、教育立国とよく日本は言われますけれども、そういった教育立国の姿を我が中央区から全国へ発信していこうじゃないかということですね。山中伸弥先生も言われておりますが、日本は本当に資源が乏しいところである、だからこそ教育を大事にして、そして教育のほうで大いに世界をリードできる、そういう実質的な面での教育立国、これをつくっていくことが日本が世界に生きていく道であるというようにノーベル賞を受賞された際に述べられております。

 やはりそれだけ私たちは教育ということを常に考えて、そしてPTAの皆様方や先生方と一体となってすばらしい教育をつくっていくのであるということで、ほかの問題は教育長、教育委員会のほうに任せますけれども、教育立国というのは、そういう意味で、常に私は、これは人から倣ったんじゃなくて自分で自主的に考えて、そして実施しているところであります。

○齊藤副区長
 区長の所信表明の件についてお答えをさせていただきます。

 委員も御案内のように、地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正されまして、首長の教育に関する権限、関与が強められたところでございます。総合教育会議の設置、それから教育大綱の策定等でございます。ただ、その中において、やはり教育の公平性、中立性という観点から首長の関与についても一定の制限が設けられておりまして、これは明確に新しく法律の中に書き込まれていることで、一般的な教育委員会の権限とされることについては関与するものではないというのが明記されております。

 そのような中で、今回の標準服の問題につきましては、基本的には学校の管理運営上の話ということで、学校長、PTA、保護者等のお話し合いのもとに決定されるべきものであります。法的な観点からすると、教育委員会そのものが直接決めたりするものではなくて、あくまで学校の話というのが1つございます。

 ただ、教育委員会としては、全体としての教育に関する権限を担っているわけですから、さまざまな課題に対して学校をサポートしていく、指導したり助言をしたりするということはございますので、そういう部分について不足している部分があったのではないかというのが教育委員会からの発言にあるかと思います。

 加えて、区長部局といたしましては、さきに申し上げたように、この権限そのものについては、区長が関与して標準服はいいとか悪いとかという立場にはございません。ただ、区民の安全・安心を守る、あるいは広い意味で教育環境を守っていくということからすると、やはり区長部局としても教育委員会と連携しながらさらに取り組むべきことがあったのではないかという意味で区長のほうからの所信表明の言葉とさせていただいたところでございます。

 以上です。

○小栗委員
 あくまで標準服はどういうものにするのか、それは学校のほうで決めていただくことですということでした。それで、校長は3年前に、泰明に配属されたときから制服をかえたいなというふうに考えていたと、区の報告でもそういうようなことだったと思うんですけれども、デザインをそういうブランドのところに頼みたいということであちこち当たったという話もありましたけれども、どうしてそういう校長の独走を許してしまったのか、その原因はどこにあるというふうに考えているのかという点について伺いたいと思います。

 あと、価格がわかったのが11月ぐらいだったという話もありましたけれども、大変高い標準服代になるわけですよね。一覧表をいただきましたけれども、女児130センチ、5万5,000円ですか、そういう結構高い洋服代になるわけですけれども、それはアルマーニというデザイン料みたいな、そういうものもあるのかもしれませんけれども、あとデパートを通じた販売だからじゃないかとか、いろいろ報道がされています。

 公正取引委員会も、公立中学校の通学服である制服が結構高いということで、販売価格が近年上昇傾向にあるということで昨年の11月に調査をして、独占禁止法違反とかにならないようにしていくことが必要だというようなことも指摘されています。そういうことも含めて、高い標準服代ということで、もうこういう値段というふうになっているわけですけれども、それが適正なのか、そういう調査というのは区としても必要ではないかというふうに思います。その辺の、なぜこの金額になったのか、ほかの小学校も結構高いところもあるんですけれども、そういう金額が適正なのかということで問題意識を持って考えるという姿勢というのはないんでしょうか。

○伊藤庶務課長
 まず1点目でございますが、泰明小の校長が3年ほど前からこの考えを温めていたという話は、校長自身が会見でも述べていますからそのとおりでございますが、これまでも私どもも報告しておりますが、学校長から実際に教育委員会に話があったのは昨年の6月以降、教育長は6月か7月に話があったというふうに申しております。それまで私どもには話がございませんでした。ですので、1点は、我々が事実として確認したというのがその時点だということをまず御報告しておきます。

 それから、先ほど委員は3年前から温めていたのに校長の独走を許したというような表現をされておりますが、私も繰り返し申し上げておりますが、教育委員会の立場として適切な指導、助言ができていたかどうかの反省はございますが、校長自身は決して独走したわけではありません。校長としては、その都度その都度全体保護者会で口頭で報告したりということはやってきたというふうに申しております。

 ただ、その説明をしてきたプロセスが十分な内容であったか、あるいは御関係の方の意見をきちっと酌み取れていたかどうかというところには課題があります。ただ、それを独走していたと、何も誰の意見も聞かず、あるいは誰に対しても断らず一切を決めて11月に初めて公開したがごときに一部で報道もされていますが、そういう事実はございません。

 繰り返しですが、その間に果たしてそのプロセスとして十分な御意見を聞く機会をきちっと持てたか、酌み取れていたかどうかということに対する反省点、あるいは教育委員会は、それに対して適切にその都度その都度、指導、助言ができたかという反省点はございます。私ども教育委員会としてはそういう見解でございます。

 それから、価格についてでございますけれども、これも標準服のありようにかかわっている問題でございます。すなわち価格も含め、デザインも含め、広く関係される方々がそれぞれのお立場からいろんな意見を言い、そういった形で標準服というのは各学校でこれまでも決められてきたものだというふうに認識しております。その結果が今にあるというふうに思っております。

 そういう意味では、泰明小学校でもアルマーニありきでやってきたわけではなくて、そこだけがおもしろおかしく拾われておりますが、あくまでもこれも本来のありようで言えば、たとえその発意が校長であっても、それを関係される方の中で、その学校長の考えも含め、標準服をかえることについてどういう形が望ましいかということについて広く議論された結果として本来はあるだろうと、そしてその中に価格もあるだろうというふうに思います。ただ、その内容について十分に意見が交わされたかどうかというところについて課題があったのではないかというところが今回の状況だというふうに思っています。

 今後については、4月の取り扱いは既にこの委員会でも御報告申し上げたとおりでございますが、4月以降、改めてその取り扱いについては広く皆様の意見をお伺いして進めていきたいというふうに学校長も申しておりますので、まずはその進め方を踏まえ、そして教育委員会もこれまでの反省点を踏まえて適時適切に指導、助言をしていきたいというふうに思います。

 最後に、調査をするべきではないかという御質問でございます。

 標準服のありようというのが公正取引委員会でこのように取り上げられたというのは、広く中央区だけの問題でなく標準服というものそのものについての大きな課題が全国的にあるんだろうという公正取引委員会の問題意識だというふうに思います。そういう意味では、それは中央区でも同じ問題であると思います。繰り返しでございますが、これまで決まってきた経緯が経緯でございますし、そのような認識のもとで、ただ、保護者の負担について過剰になっているかどうかという視点は大切な視点でございますので、そういった視点を踏まえて、これまでの標準服のありようというのが、価格も含めこれでよかったかどうかということは私どもは改めて謙虚に状況を確認し、必要な今後の対応というのは、これからまた私どものほうでも検討していきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○小栗委員
 ぜひ確認し対応していただきたいと思います。制服自体、これは泰明小学校のことじゃないというのはもちろんそのとおりで、私もそういうつもりで公正取引委員会のことを言ったわけじゃなくて、制服自体の価格が結構高くなっているということで問題になっている中で、中央区の学校の標準服、泰明小学校もそうですけれども、高いところもあるので、保護者負担が重くならないようにきちんと考えていくという視点は大切だと思いますので、ぜひそういう意味でお願いしたいというふうに思います。

 決めるのは校長で、関係者、保護者とか含めてということで何回もお話はいただいていますけれども、子供の意見はどういうふうに尊重されたのかなというのをちょっと伺いたいんですけれども、制服を着る子供たち、よく幾つかデザインを挙げてどれがいいですかと決めるとか、そういうふうにやっている学校なんかも、日本橋中学校で前にかえるときにそんな話を聞いたような気がするんですけれども、そういうことも含めて子供の意見はどういうふうに尊重されたのかなというのを伺いたいと思います。

 それと、学校間の格差の問題についてもう1点伺いたいと思います。

 新年度予算で京橋築地小学校、阪本小学校、銀座中学校においてタブレット使用の授業を始めて、それをその後全校にどういうふうに広げていくかというのを考えるというようなお話だったんですけれども、また平成20年に城東小学校、常盤小学校、阪本小学校がフロンティア校として指定されてICT教育を進めるんだということでやってきたと思うんですけれども、そのときは何をICTとして導入して、どう活用し、ほかの学校にどういうふうに普及してきたのかという点について改めて伺いたいと思います。

○森下学務課長
 まず、標準服を決めるに当たっての子供さんの意見というところでございますが、小学校という話では私の記憶にはないところでございますが、一番近いところでは、晴海中学校で標準服を変更した際に、もちろん保護者とPTAの意見も伺った上で2種類用意をしまして、その2種類のうちどちらのほうがいいかというのを、生徒の意見も伺いながらそれを決めていった、そうした事例は聞いたことがございます。

 それと、ICTの関係でございます。委員おっしゃったフロンティアスクールの話でございますが、フロンティアスクールとして導入したときには、電子黒板、プロジェクター、それと電子教科書を導入したところでございます。

○吉野指導室長
 フロンティアスクールの件ですが、機器に関しましては、今、学務課長が答えたとおりでございまして、その活用の仕方等を、当時その3校を中心に研究してまいりました。各学校で大型テレビ、電子黒板ということで活用してきたところでございます。

 ただ、どうしても機器がどんどん新しくなっていきますので、平成20年当時から研究を始めたものは、もう今は時代的には、古いという言葉を使わせていただきますけれども、そういう状況になっております。このICT教育というのは常にやっていかなくてはいけませんので、今までのフロンティアスクールの成果をきちんと踏まえながら今回の研究校でさらに研究等を進め、また中央区のICT教育を充実させていきたいというようなことでございます。

 以上です。

○小栗委員
 このプロジェクター、大型テレビ、本当に使いにくくて、授業の準備でごろごろ持っていって設定している間に時間がきてしまうみたいな、そういう話もちょっと聞いたことがあったりするんですけれども、一部のフロンティア校ということで利用を検証してどういうふうに普及していくかということでやったという説明なんですけれども、本当に特定の学校だけ選ばれて、パイロット校として城東小と常盤小には平成27年にタブレットが配置されていますけれども、その他の学校にはなかなかそういうのが普及してこないと。新しい学校には教室ごとにテレビがあるけれども、テレビとかそういう設備が全然ない学校もあるということで、差別が特色じゃないかと言うような方もいるんですけれども、そういう学校間の、建物が古い新しいというのはもちろんあると思いますけれども、設備的にもいろいろな格差を生んでしまうような予算の配分というのは私は問題ではないかというふうに思っています。

 まずやってみてそれを普及するんだということなんでしょうけれども、やっぱりきちんとどの学校でも同じような学習ができるような環境にするということが区の役割だと思いますので、そういうことが必要ではないかというふうに思いますので、その点についてももう一度御答弁をいただきたいと思います。

○浅沼教育委員会事務局次長
 学校間での教育の格差というお話でございますけれども、基本的な学習指導要領に基づいた教育というのは本区の学校どこでも同様にやっているわけでございます。その上で、さらに教育の質を高めるといったところでさまざまな取り組みを学校がそれぞれ特色を持ってやってございます。フロンティア校、ICT関係、それから国際理解教育ですとか、理数教育のパイロット的なものも、全ての学校に一遍に入れるわけにはまいりませんので、それぞれパイロット校、あるいはフロンティア校といったようなところで取り組み始めて、その成果を広げていって中央区全体の教育の質を上げる、教育のレベルを上げていくという取り組みをしているところですので御理解いただきたいと存じます。

○小栗委員
 学校間格差を広げるような予算配分は問題だということを改めて指摘をさせていただきたいと思います。

 最後に、予算修正の提案を私たちは出させていただきましたけれども、それに関連して区長の交際費ですが、予算が550万円で、昨年度でいうと463万円の決算額ということで、件数が451件です。議長交際費は150万円の予算で61万円の決算額ということで、件数も66件です。ことしの1月の区長の交際費の表を見せていただきましたら、新年会とかいっぱいあって93件、1日に5カ所も6カ所も回っていかれて、体は大丈夫かなと心配するぐらい御活躍なんですけれども、区長は1月で言えば93件回り、議長は24件で、何でこんなに差があるのかなというのもちょっと不思議でした。

 他の区と比べても、江東区も550万円の予算ですが、人口は50万人いる区ですから、420万円の決算額になっていましたけれども、それと比べても中央区は多いんじゃないかというふうに思いました。港区は人口が24万人で交際費は250万円の予算で177万円ということです。他区と比較してもちょっと断トツに交際費が多過ぎる、もっと精査すべきではないかというふうに感じました。これは答弁は要りません。区長の健康も心配ですのでもっと精査していただいたほうがいいのではないかというふうに思います。

 今回の予算のテーマは輝く未来へさらなる飛躍‼オリンピック・パラリンピックとその先を目指してとされています。私は本当に輝く未来につながるのかという視点で教育の問題や東京五輪、市場の問題、首都高地下化への対応について質疑をさせていただきましたが、不安が払拭されるどころか大変問題は大きいなということを実感しております。各款での質疑も含めて問題提起に対してぜひ真剣な検討をお願いしたいと思います。そのことを述べて質問を終わります。ありがとうございました。

○木村委員
 ただいま総括質疑の質疑半ばでありますが、本日はこの程度とし、明24日、明後25日を休会とし、来る26日午前10時30分に委員会を開会されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○押田委員長
 ただいまの動議に御意義ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○押田委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 明24日、明後25日を休会とし、来る26日午前10時30分に委員会を開会いたしますので御参集願います。

 本日はこれをもって散会いたします。

 御苦労さまでございました。

(午後4時21分 散会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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