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平成31年 予算特別委員会(第6日 3月11日)

1.開会日時

平成31年3月11日(月)

午前10時30分 開会

午後4時20分 散会

2.開会場所

第一委員会室

3.出席者

(15人)

委員長 鈴木 久雄

副委員長 田中 耕太郎

委員 中嶋 ひろあき

委員 石田 英朗

委員 瓜生 正高

委員 富永 一

委員 佐藤 敦子

委員 中島 賢治

委員 墨谷 浩一

委員 志村 孝美

委員 奥村 暁子

委員 渡部 博年

委員 山本 理恵

委員 渡部 恵子

副議長 田中 広一

4.欠席者(1人)

議長 礒野 忠

5.説明員

別紙理事者一覧のとおり

6.議会局職員

田野議会局長

長田庶務係長

一瀬議事係長

工藤調査係長

秋山書記

酒井書記

桝谷書記

黒須書記

7.議題

  • (1)議案第1号 平成31年度中央区一般会計予算
  • (2)議案第2号 平成31年度中央区国民健康保険事業会計予算
  • (3)議案第3号 平成31年度中央区介護保険事業会計予算
  • (4)議案第4号 平成31年度中央区後期高齢者医療会計予算
  • (5)議案第22号 平成31年度中央区一般会計補正予算

(午前10時30分 開会)

○鈴木委員長 
おはようございます。

 ただいまより本日の委員会を開会します。

 本日、議長は欠席いたします。

 なお、東日本大震災8周年追悼式に際しまして、午後2時46分に黙祷を行いますので、あらかじめ御了承願います。

 資料要求がありました27点について、席上に配付いたしました。

 第7款「都市整備費」について、理事者の説明を願います。

○浅沼企画部長 
(説明)

○鈴木委員長 
第7款「都市整備費」について、質問者の発言を願います。

○佐藤委員 
おはようございます。

 早速ですけれども、都市整備費について質問を始めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

 本来、商工業のまちである中央区が人口減少を経て、矢田区長の定住人口回復という強い思いから中央区を取り戻す闘いの末に、昨年5月に59年ぶりに人口16万人を回復いたしました。

 これは、矢田区長の為政者としての御功績であると同時に、スタート地点であった人口の少なかった時代に思い描いていた中央区スタイルとなって今に至ります。

 にぎわいを取り戻した今、まちのあり方も変化して、これまでの住宅計画に対する容積緩和から、区内に在住・在勤の方々が快適に過ごすためのまちづくりに向けて、販売、飲食あるいは保育所などの公共、公益に資する地域に開かれた良質なホテル計画を誘導するために容積率緩和を行う。これが地区計画の変更であります。

 地区計画制度を導入してから約20年間が経過して、大きな転換期を迎えている今でありますけれども、時代の変化にあわせて土地利用の柔軟性を方向転換していくことは重要であるというふうに認識、評価しているところであります。

 その地区計画の変更に伴い、市街地開発事業指導要綱の一部を改正するという報告がありました。今回の市街地開発事業指導要綱の改正目的は、地区計画の変更に伴って指導要綱にホテル計画における遵守事項などを追加するということになります。その点について幾つか質問いたします。

 まず、建築主の方がホテル計画をする場合に、近隣の住民に対して、そのホテルの運営の方法などに関する事前説明を行うという旨の規定を追記いたしますけれども、本区においてその指導の目的をお聞かせください。

○菅沼地域整備課長 
今、御質問がございました、地区計画の変更によって良質なホテル計画に対する容積率緩和を行うこととしてございますけれども、今般、この地区計画の変更にあわせまして、要綱の一部改正を予定してございます。

 現在、窓口等で御案内してございますけれども、来月、4月22日に要綱の一部改正を施行する予定となってございます。

 お尋ねのホテル計画の事前説明についてでございますけれども、まちにどのようなホテルが建てられるのか、あるいは、地区計画で緩和の要件とする公共性の高いホテル関連施設として、どのようなものがつくられるかといったことに関して、近隣住民の方々へ周知する旨の条文を追記するものでございます。

 その目的ということに関しましては、現在、近隣住民との紛争の防止のために、近隣説明会の開催を指導しているところでございますけれども、今回の要綱の改正によって、なるべく早い段階で、ただいま御説明した内容を含めまして、建設されるホテル計画の内容を事業者の方から近隣の方々へ説明していただくことで、近隣の方々の御不安等を解消するといったことを目的としたものの改正でございます。

 以上です。

○佐藤委員 
るる御説明ありがとうございます。

 説明をするということは不安をなくすというところに非常に有効な手だてだというふうに思います。

 さらに1点なんですけれども、容積率の緩和を受けるホテルの計画に対して規定を追記するという点なんですけれども、帰宅困難者の受け入れの協議及び宿泊者、ホテル従業員、帰宅困難者用の防災備蓄倉庫の設置に関する規定というふうにあります。

 防災の3原則、自助、共助、公助ですけれども、震災が起こってから72時間は自助、そして、共助しか機能し得ないというふうに思うわけですけれども、追記することによって、より一層ホテル事業に自助、共助の意識が高められていくということも期待できるというふうに思います。

 区として、この追記によって、問題意識をどこに絞り込んでおられるのかお聞かせください。

 そして、その中において、帰宅困難者の受け入れ協議が平常時に想定できることとできないことがあると思います。したがって、ホテル側も当然、帰宅困難者の受け入れについては賛否両論あってしかりと思うんですけれども、区としてどういった方向に導きたいのか、つまり、指導要綱の改正でどのようなゴールを思い描いておられるのかお聞かせください。

○菅沼地域整備課長 
今、御案内あった部分に関して簡潔に私どもの思いということで言いますと、地域防災力の向上、強化という観点がまず一番の目的といいますか、狙いでございます。

 ホテル計画をするに当たって、本区の強みというのは、何といっても、極めて高い交通環境、鉄道網を有していることでございまして、その観点から申しますと、銀座、築地、日本橋という商業集積地ばかりでなくて、現状もそうでございますけれども、どのまち、どのエリアにも基本的にホテル事業に適した立地環境を有してございます。

 したがって、地区計画の変更によって、今後、良質なホテル計画がされていくことを考えますと、単ににぎわいの創出ということばかりではなくて、良質なホテル計画によって、今、委員御紹介ございました防災備蓄倉庫などがそのホテルの中に、個々の建物に整備されることによって、地域防災力の向上に資する取り組み、効果がもたらされるというふうに考えているところでございます。

 想定できること、想定できないことというお話がございましたけれども、何といいましても、有事の際、発災時に、鉄道網が発達しているこの裏表の関係になると思いますけれども、そこの鉄道の駅構内にとどまることができなくて、例えば地下鉄駅から出てきた一時帰宅困難者の受け入れといったことも、ある種そのホテルが受け皿となって機能していく。そういったことによって地域防災力の強化も図れるだろうというように想定しているところでございます。

 以上です。

○濱田防災危機管理室長 
防災上の観点から若干補足させていただきます。

 くしくもきょう、東日本大震災から8周年ということで、当時やはり都内でかなりの帰宅困難者が発生して、それから各自治体において帰宅困難者対策ということでまず対策が始まったところでございます。

 実際に東京湾北部の直下型が起こりますと、今、想定では、区内で30万人強の帰宅困難者が発生する。その対策として、基本的には事業者等につきましては、一斉帰宅の自粛というお願いをしていく中で、それでも身の寄せどころがない、いわゆる帰宅困難者が6万人ぐらい発生するだろうといわれているところでございます。そうした中、区として帰宅困難者施設の確保に取り組んでおりますけれども、現在、屋内、屋外含めて約3万人分、半分ぐらいしか確保できておりません。

 この確保に向けて、やはり既存の建物にお願いしましても、スペースの問題とか、そういったことで既存の建物を帰宅困難者施設にするのは物理的になかなか難しい面がございます。

 そうしたことから、再開発等で新しく建てる際に、地域貢献ということも含めまして、帰宅困難者施設をお願いする中で、そういう施設をふやしていこうということで、防災面とまちづくりの分野が連携して取り組む形でございます。

 以上でございます。

○佐藤委員 
るる御答弁ありがとうございました。

 30万人強の帰宅困難者に対して3万人分を確保しているということで、約1割です。まだまだ厳しい状況なのかと思いますけれども、ぜひ帰宅困難者の受け入れを前提に協議を進めていっていただきたいというふうに思っております。

 その自助、共助によって一時的に震災による危険性をやり過ごして、その後、安心して帰路についていただくというその通過点になるのが、まさに地下鉄が張りめぐらされている本区の役目であるということなんです。

 今、3万人分というふうにおっしゃいましたけれども、やはりけが人や急病人が来るかもしれないし、防犯の意識もこれからどんどん大切になってくるのかと思いますし、備蓄も必要かと思います。できる限り想定外のないように、十分な協議が進みますよう、本区としても指導等お願いしたいと思っております。

 帰宅困難者を受け入れるという意識を1つのホテルで完結するということではなくて、まちや地域全体として、いざというときにはその帰宅困難者を受け入れる地域であるのが本区であるということを常々認識していかなければいけないと思います。

 やはりまちの開発や発展というのは地域の理解があってこそというところに行き着くわけですけれども、そういった視点から、次にデザイン協議会についてお聞きしたいと思います。

 今回の地区計画の変更においても、例えば銀座デザイン協議会との協議により、地域の声を十分に反映する形で地区計画の内容を変更するという部分があったと思います。

 デザイン協議会は、市街地開発事業指導要綱の11条に規定されているとおり、区長が指定する形をとって組織されておりますが、デザイン協議会の具体的な活動が地元の方々に開かれて、かつ、主体的でいろいろな意見を吸い上げるための取り組みであるのであれば、それはすばらしいというふうに思います。

 具体的にデザイン協議会として区長が指定している団体はどのくらい存在するのか、また、今年度のデザイン協議会の実績及びそれぞれの内容について、概要で構いませんので、お答えいただければと思います。

○菅沼地域整備課長 
デザイン協議会の指定の状況でございます。

 現在、指定している団体は3団体でございます。平成18年に指定した銀座デザイン協議会を初め、晴海デザイン協議会、それから、直近では平成28年12月に指定した日本橋問屋街デザイン協議会、3つの団体を今、指定してございます。

 また、今年度の実績でございますが、銀座デザイン協議会では、地元デザイン協議会の協議件数として334件、内容としましては、銀座にふさわしい景観あるいはデザインの指針について地元のほうで定めてございますので、その部分についてデザイン協議会が事業者と個別協議をしたものでございます。

 また、晴海デザイン協議会におきましては、協議件数として4件、内容としましては、晴海三丁目東地区あるいは四丁目に整備する公共施設の整備、さらには晴海に新設する小学校、中学校の協議をしたといったところでございます。

 最後、日本橋問屋街デザイン協議会としましては、協議件数は2件、内容としましては、日本橋問屋街デザイン協議会が策定している将来ビジョンとか、デザインコードに基づき、個別建築計画に対する協議をしたというふうに伺ってございます。

 以上です。

○佐藤委員 
御説明ありがとうございました。

 それに加えて、日本橋室町一丁目、そして、本町一丁目において、まちの発展に向けて話し合いが持たれているというふうに伺っております。

 まちづくりには歴史、それから、文化、景観、防災、いろいろな考え方、コミュニティに対する考え方もそれぞれに存在するというふうに思っています。歴史や文化にすごく縛られ過ぎると逆に先進性を排除したり、時代おくれになってしまうし、逆に先進性だけを重視すると、伝統や文化というアイデンティティのない空虚なまちづくりとなってしまうというふうに思います。

 その点をよいバランスをとりながら、より多くの新旧の住民あるいは関係者が賛同して利便性の高いまちづくりのためにこのデザイン協議会が貢献してくださることを強く願っております。

 それで、この分野に関しては、最後にお伺いいたしますけれども、デザイン協議会の指定は区長がなさるという点と、一方で、まちが主体的に行う活動である点、こういったあり方、方向性を踏まえて、今後のデザイン協議会の発展のために区としてどのような展望を抱いておられるのか。そして、今後、どのようにこのデザイン協議会を発展させていくおつもりなのか、そのビジョンについてお聞かせください。

○菅沼地域整備課長 
デザイン協議会の組織のあり方についてでございますけれども、幾つかキーワードがあると思ってございます。今、委員御説明があったとおり、それぞれの地域の地元の方々の思いがどのように具現化していくか、それが1つ大事なことかと思ってございます。今、先進性とか伝統、文化といった話がございましたけれども、地元の方々が、自分たちのまちを今後、どのように発展させていくのか。あるいは、まちづくりを行っていく上で、共通の理念といったものがどんなものなのか。そういったことを地元の方々がみずから考え、議論し、具現化していくことが大切であるというふうに考えてございます。

 また、具現化する上で、その過程、プロセスの話も大事でございまして、その1つのキーワードは時間というところが挙げられると思います。そういった基本的な考え方について、一定の時間をかけながら、まちづくりのさまざまな観点から意見交換であったり、議論を行って熟成させていく、そういった時間ということもある種重要かと思ってございます。

 さらに、もう1つ大事な話は、持続可能な体制づくりといったことも重要だと考えてございます。デザイン協議会が発足して、組成されて3年、5年で活動はおしまいといったことはあってはなりませんので、地元の方々がまちづくり、あるいは、個々の建築計画等の相談、協議に応じる受け皿づくり、さらには、将来の担い手づくりといったことの観点からも、その持続可能という点で必要であり、重要なことと思ってございます。

 今後の展望というところについてでございますけれども、今、区内では、東京駅前地域のまちづくりガイドラインとか、あるいは、直近で月島、勝どきのまちづくりガイドラインなど、まちづくりのビジョン、指針が6地域で定められてございます。銀座とか日本橋問屋街、あるいは、今、委員から御紹介ございました日本橋一の部の室町一丁目、本町一丁目の部分につきましても、こういったまちづくりの将来像といったものが取りまとめられているところでございます。

 そういった地元の方々がみずから考える将来像、あるいは、まちの発展に資する活動は私ども区と協働しながら、一定の時間をかけてつくった、いわゆる協議型のまちづくりを実践してきたというふうな意義ある活動だと認識してございます。

 したがいまして、今後の活動としましては、そういった地元活動が生じてきた際には、委員から今、お話あった内容を含めまして、地元との対話を大事にして、このデザイン協議会がきちんと、未来永劫といいますか、長年にわたって、地元はこう思うんだといったところのアイデンティティであったり、ある種の伝統文化が守られる体制が育まれていくことが大切であり、そのことが将来展望だというふうに受けとめているところでございます。

 以上です。

○佐藤委員 
御丁寧な説明ありがとうございます。

 中央区らしい、それぞれの地域らしいまちづくりを通じて、利便性や先進性だけではなくて、中央区独自のすばらしさを共有できるまちづくりにデザイン協議会が大いに寄与することを心から期待しております。

 そこで、今、まちづくりを具現化していく、計画を具現化していくためのプロセスとして時間というキーワードを挙げていただきました。もちろん時間がかかることだと思いますし、それと、もう1つの価値観として、やはりこれだけ多くの新住民の方たちが区に移り住んでくるという中で、どこまで広くあるいは多くの意見を取り入れるのか、まちづくりに対してそういった意見を取り入れるのかという価値観も1つであると思います。

 その点を区としてどのように整理なさっているのか、お考えがあればお聞かせください。

 そして、ちょっと話題を変えまして、旧耐震基準の集合住宅についてお伺いいたします。

 昭和56年5月31日までの建築確認において適用された、いわゆる旧耐震基準により建設された集合住宅も区内にあります。マンションの耐震補強の実績が3件であるということが資料からわかりますけれども、その3件はそれぞれ分譲のマンションなのか、1点お伺いするとともに、区内における旧耐震の分譲マンションは何棟ほどあるのかお聞かせください。

○菅沼地域整備課長 
今、お話ございました、どこまで広く、多くの意見を取り入れていくのかということに関してでございますけれども、デザイン協議会が組成する過程、プロセスにおいては、実態的にはそこはやはり地元の方々の自主的な発意であったり、自主的な行動というところがございます。

 一方で、私ども今、まちづくりの案件を包括して行っているのは、御案内のとおり、13地区で設置してございますまちづくり協議会でございます。

 区が地域の代表としてのまちづくり協議会と、地元の方々がどこまで広く、多くの意見を取り入れるかということに関しては、その地元の方々が、それこそどういったことを対象に、どういったことを考えるというところの広い呼びかけをしていくことが大事だろうと思ってございます。

 今、例えば日本橋室町、本町一丁目の一部で組成しようとしている取り組みについては、この3月に住民説明会を3回開くというところでございまして、そういったことのお声がけをし、なおかつ、その説明会ではアンケート調査といったところもやっているというふうに聞いてございますので、そういったことの自主的な部分を、私ども区として尊重し、うまく協働しながらまちづくりを進めていきたいというように考えているところでございます。

 以上です。

○暮田建築課長 
私のほうから2点お答えいたします。

 まず、マンションの改修実績の内訳についてでございます。こちらは分譲マンションは1件でございます。残りの2件についてなんですが、1件が賃貸マンション、また、この表の中に非木造の住宅の改修も含んでおりますことから、残りの1件が個人住宅となってございます。

 それから、区内の分譲マンションの棟数でございますが、古い数字で申しわけございませんが、平成24年度と25年度に東京都と連携して行いましたマンション啓発隊におきまして、約250棟ほどございました。

 その後、建てかえ、除却等もございますが、まだ百数十棟はあるものと認識しております。

 以上でございます。

○佐藤委員 
まず、地元の人が広い呼びかけをするというところで、地元にその辺の判断を委ねるという御答弁かと思います。

 広く意見を吸収したいというところもあるだろうし、そうではなくて、私たちがやりたいというところもあるだろうし、その辺は地元の自主的な取り組みというところでいいのかというふうに思います。

 そして、旧耐震の分譲マンションについてです。分譲マンションが1件、賃貸1件、個人住宅が1件ということです。そして、東京都と連携してマンション啓発隊を行ったのが250棟ということです。さまざま御努力を重ねてくださっているんだろうというところは承知いたしておりますけれども、まだまだ分譲マンションに耐震化が必要なところが多く残されているという印象を持っております。

 先日も青森県東方沖から房総沖にかけての日本海沿いで30年以内に発生する地震の確率について発表されたところです。政府の地震調査委員会によると、東日本大震災のような巨大地震の確率はほぼ0%とした一方で、マグニチュード7クラスの地震が発生する確率が最大で90%以上という見解が示されました。

 耐震について課題が残る集合住宅の皆様は大変不安に感じていることと思います。ただ、不安とは裏腹に、本区における旧耐震基準の分譲マンションは250棟と、なかなか耐震化が進まない。

 その点について、進まない原因はどこにあるのか、そしてまた、耐震化を進めていく、その方向性での区としての御努力あるいは現状のお取り組みについてお聞かせください。

○暮田建築課長 
まず、耐震化が進まない理由、原因についてお答えいたします。

 分譲マンションにつきましては、区分所有者がいらっしゃいますことから、合意形成という点で耐震診断や改修への意見の統一がなかなか難しいというところがございます。また、規模も大きいことから、費用負担ということもなかなか大変だということも聞いております。さらに、耐震改修をするときに多く見られますのが、開口部を壁でふさいだり、また、ブレースをつくったりということで、居住環境の悪化といった懸念も主な理由となっているものでございます。

 そうしたさまざまな要因に対しまして、区としての取り組みとしてでございますが、まず、合意形成につきましては、本区でも平成29年度に耐震化アドバイザー制度というものをつくりました。建築士等の専門家の方にそれぞれのマンションの管理組合ですとか理事会のほうに行っていただきまして、耐震化の必要性とか、進め方の、特に技術的な面について御相談に乗るような制度がございます。

 また、合意形成に当たって、マンション管理組合に対しての支援としましては、現在も中央区都市整備公社のほうで分譲マンション管理組合の支援の事業を行っておりまして、その中でマンション管理士さんの派遣ですとか、相談などがございます。どちらとも連携しながら合意形成について何とか御支援したいと考えております。

 また、費用負担につきましては、現在、分譲マンションにつきましては一律3,000万円が助成の上限となってございます。マンションも規模によってかなり耐震改修にかかる費用の差がございます。そうしたことから、現在、マンションの規模等によって、もう少しこの耐震改修の費用等が御支援できるような形での補助制度の見直しを検討しているところでございます。

 また、環境の悪化ということにつきましては、なかなか耐震基準、Isを0.6にするということになりますと、住んでいる場所の改修も必要となるということで、それがなかなか耐震化が進まない1つということも聞いております。

 そうしたことから、現在、段階的改修ということで、Isを0.6にできなかったとしても、0.3といわれているかなり耐震性の低いものをそれよりもよくするということで、共有部とかやりやすいところで耐震化ができるような、そういった助成制度のほうも用意して御支援しているところでございます。

 以上でございます。

○佐藤委員 
御答弁ありがとうございました。

 今、アドバイザー派遣制度というキーワードが出てきたんですけれども、例えば建てかえが必要なほどの老朽化とか、そういった耐震性の深刻な問題を抱えるような集合住宅に関して、簡潔にお伺いしたいと思うんですけれども、2018年度のマンション実態調査によると、建築年数が40年以上の分譲マンションが54棟あるということです。

 こうしたマンションに対して、維持管理への御支援ですとか、耐震化の促進といった、いわゆる良好なマンションストック形成に区として取り組んでおられるというふうに認識しているんですけれども、建てかえには少なくない費用が発生しますし、建てかえなのか、耐震化なのかというところも意見が割れてしまうというところもあると思います。

 その点について、どういった方向性で良好なマンションストックの形成に導いていくのか、区としての方策を簡潔にお答えください。

○川島住宅課長 
老朽化の度合いが非常に進行したマンションに対する支援についてでございます。

 やはり耐震性に問題がある場合に、耐震化自体が非常に高額のお金を要するというところもありますので、あわせて建てかえのほうを検討するといった組合の方が多くいらっしゃる、頭を悩ませている状況というのは区のほうにも耳に届いてございます。

 基本的には区としては、良好なマンションストックの形成という中では、長寿命化を意識して、日ごろからの維持管理といったところの促進に力を入れていこうと考えているところはございますが、当然こういった組合さんに対しては、検討をどちらの方向に進めていくのか、そういったところの初動期支援をしっかりとさせていただきたいというふうに考えているところです。

 特にどちらの方向に進むにせよ、費用を伴うような専門的な検討が必要となるんですけれども、今までの維持管理の状況ですとか、組織の形態といったものもそれぞれに異なっておりますので、具体的な支援としてはやはりアドバイザー派遣制度ということになります。

 体制については無料の相談というのを、管理派遣制度というのを活用しておりますけれども、技術的な検討については東京都が行っているマンション建替え・改修アドバイザー制度の御紹介をするとともに、比較検討ができるような資料作成を行ってくれるような制度になるんですけれども、その利用費を全額助成といったようなことも行いながら、組合員の円滑な議論、検討ができるような支援をしていきたいというふうに考えているところです。

 以上です。

○佐藤委員 
御答弁ありがとうございました。

 集合住宅の耐震化あるいは建てかえという点なんですけれども、今ある区内のマンションはすごい数になっていますので、40年後を想像するとどのような数になるかというふうに思っております。

 そのために今、いろいろな前例を蓄えて、あらゆるケースに対応するようなノウハウを蓄積していく時期であるというふうに思いますので、円滑な耐震化あるいは建てかえの促進、あるいは、支援を引き続きお願いしたいと思います。

 質問を終わります。

○鈴木委員長 
次の質問者の発言を願います。

○墨谷委員 
私のほうから都市整備費について質問を順次させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 本日は東日本大震災より8年を迎えました。この震災を教訓としてしっかりと取り組んだ施策をこれからもさらに加速していっていただきたいというふうに思っております。また、近年は大地震、水害などがさまざま起こっております。自然災害が起こっております。そういった想定外の災害に対して、本区として想定外の部分も考えながらやっていることは私もわかっておりますが、さらなる防災、減災の取り組みを加速していっていただきたいと思います。

 また、今後、30年以内に70%という確率でマグニチュード7クラスがあるといった想定に備えたまちづくりというのが必要になってくるのではないかというふうに思っております。

 また、区としても、やはり区民の方たちが自助の取り組みとして我が家の防災のさらなる備えができるような仕組みといったことも進めていただきたいと思います。

 まず、初めに、防災、減災の視点での都市の整備、このまちの整備がされていると思います。本区の防災のまちづくりについて、今後の対応を、まずお聞かせいただきたいと思います。

○松岡都市整備部長 
都市全体の防災に関するお尋ねでございますが、今、区のほうでは、例えば個別建てかえですと、地区計画による建てかえということで、古い木造を含めまして個別に建てかえができるような制度を構築しております。または、共同建てかえ等々におきましても、その地区計画を活用していただくという形になります。

 また、大きな面では、今までどおり、再開発事業を含めて、面的な整備で耐震化または不燃化をつくり上げる。また、それにあわせて救助活動などが容易にできるような道路の確保などもしていくというような形で、今、まちづくりを進めているところでございます。

 雑駁ですが、以上でございます。

○墨谷委員 
ありがとうございます。

 まちづくりとしてもしっかりとしたそういう取り組みがあるということを確認させていただきました。

 私は、本区は建築物の耐震化対策にすごく力を入れていると思います。他の自治体に比べて支援も手厚いというふうに聞いております。木造に限ってで結構ですので、他の自治体よりもすぐれている点について、まずお聞かせいただきたいと思います。

○暮田建築課長 
木造の耐震化の支援についてでございます。

 本区の場合、まず、木造の耐震診断につきましては、住宅の場合は全額補助しております。したがいまして、耐震診断をしたいということであれば、費用負担することなくできます。

 そして、耐震診断の結果、改修が必要になった場合につきましては、一般の方につきましては、上限額は300万ですが、かかった費用の2分の1かつ上限額300万円までを助成します。65歳以上の高齢者もしくは心身障害をお持ちの方につきましては、やはり上限額は300万円でございますが、全額補助するような形にしております。

 また、先ほどお話ししましたように、やはり住まいに対しての耐震補強というのは住環境が悪化というか、住みにくくなってしまうという面がございます。そうしたことから、なかなか改修が難しい方につきましても簡易補強工事という形で、例えば屋根を軽量化するとか、1部屋だけでも耐震性の上がる部屋をつくっていただくという形で、上限額は半分の150万円になりますが、一般の方は2分の1、障害をお持ちの方や高齢者の方につきましては全額という形で補助をしているものでございます。

○墨谷委員 
御答弁ありがとうございます。

 今、御答弁にありましたように、中央区は他の区と比べても、補助率が高いのではないかというふうにすごく感じているんですが、その点について補強をお願いします。

○暮田建築課長 
失礼いたしました。答弁漏れがございました。

 最初に申し上げました耐震診断費用の全額ですとか、例えば簡易補強工事といったものを取り入れて、特に高齢の方とかにつきましては全額補助している点が他の自治体にはない取り組みと考えております。

 以上でございます。

○墨谷委員 
ありがとうございます。

 本区としても、可能な限り、この耐震化ということと、防災、減災への取り組みをしていただいているということがすごく伝わってきました。

 私もさまざまな方から御相談をいただいて、借家の方から、木造ということに限ってお話があったんですけれども、やはり住んでいる方と大家さんと、うまくこの辺の連携がとれていなかったりとか、大家さんとずっとここ何年来話をしたことがないというような人もたくさんいるのではないかと、そういうふうに感じております。借家の方に対しての今後の対応についてお願いいたします。

○暮田建築課長 
借家の耐震化についてでございます。

 私どものこの耐震診断、改修の助成制度につきましては、借家の方のお申し込みでも助成はできます。ただし、大家さんの承諾が必要ということでございます。

 委員おっしゃったように、なかなか大家さんと借家の方がうまくお話しできないようなことにつきましては、私ども区のほうから大家さんのほうに説明に赴いたり、円滑に耐震化に進んでいただけるようなことについてはそれぞれお手伝いしているところではございます。

 以上でございます。

○墨谷委員 
たまたま私が御相談いただいた方がうまく連携がとれていなかったのかというふうには思ったんですけれども、まだまだそういうふうな意味で、借家の方で孤立してしまう高齢者の方がいらっしゃると思います。

 中央区のサポート体制はすぐれていると思いますので、その点についてしっかりとこれからも強化していっていただきたいというように要望します。

次の質問に移ります。

 大阪府北部地震で大阪府高槻市の寿栄小学校のブロック塀が倒れたということを受け、本区としてこの教訓を生かした取り組みをしていると思います。

 ブロック塀の一斉調査について、まず現状と課題、また、今後の対応についてお願いします。

○暮田建築課長 
ブロック塀調査の現状でございます。

 この調査につきましては、第1段階の悉皆調査、その後の2段階目の調査という形で、現在、第2段階の調査のほうが、今月末の終了に向けて進んでおります。

 こちらにつきましては、来年度初めまでに整理、集計、分析を行い、結果を報告できればと思っております。

 課題ということでございますが、調査をしていく中で、やはり私どものほうで安全性についての確認をしていただきたいというようなものも出てきてございます。

 この2月22日に第1回目の調査結果を送付いたしまして、残りについては来年度送付予定でございます。その送付した中でも、今後、どうしたらいいかというような御相談も受けているところではございますので、助成制度なども含めた支援策について検討を進めているところでございます。

 以上でございます。

○墨谷委員 
第2段階まで来たというようなお話かというふうに思います。

 具体的にこのブロック塀の調査なんですけれども、1次でどのぐらいの規模があったのか、また、2次にどのぐらいあるのかといったことについてお願いします。

○暮田建築課長 
まず、第1段階の調査としては、まだ集計等をしている最中で除却等もございますが、大体7,000強程度ございます。2次調査にいくのが大体600弱ぐらいでございます。

 今のところ、おおむね二、三件を残して終わっているところではございますが、指摘等があるものとしては、大体半分から3分の1程度は何がしかの指摘なり、注意する点があるものと認識してございます。

 以上でございます。

○墨谷委員 
第1次で700強、また、2次で600弱。特にその600弱の2分の1ぐらいが危険度が高いというような御答弁かというふうに捉えました。

 このブロック塀の倒壊があったということで、災害時に皆様が安心していけるような取り組みということなんですけれども、この一斉調査について、ホームページを見ると、調査団体は中央区耐震促進協議会となっており、また、調査方法というのが出ております。

 ちょっと前後してしまったんですけれども、この調査方法というのはどういうふうに調査をしていくのでしょうか。1次、2次の調査方法について教えていただきたいと思います。

○松岡都市整備部長 
今、委員のほうで言われた700という数字、7,000が1次の調査件数になりますので、訂正申し上げます。

 内容については建築課長のほうから報告します。

○暮田建築課長 
まず、1次調査につきましては、道路面から見える塀について、悉皆調査ということで目視で調査をしてまいりました。

 2次調査につきましては、1次調査の結果、コンクリートブロック造、組積造、その他、外観上、道路面から見て指摘事項のあるものについて、詳細調査ということで、これは所有者、管理者さんの方の立ち会いをお願いいたしまして、私どものほうで、ブロック塀については鉄筋がきちんと入っていることを確認できるように鉄筋探査機、または、塀の長さによって控え壁が要るとか、高さの基準とかもありますので、スケールを当てる。あとは外観等を見るというようなことで、機器を使った調査と、道路面からだけではなくて、建物の敷地内にも入った上で目視の調査をしているところでございます。

 以上でございます。

○墨谷委員 
ありがとうございました。

 目視以外にさまざまな調査、機械を使った調査もあるということで、今後、進めていただきたいというふうに思います。

 先ほどの1次調査の700については7,000強ということで訂正させていただきたいと思います。

 葛飾区では、こういったブロック塀などに対しての助成をしている、そういう支援をしているというようなことがあって、今後、本区としてもこの危険度の高いブロック塀についての支援をしていくべきではないかというふうに思っているんですけれども、その点についてお願いします。

○暮田建築課長 
委員おっしゃるとおり、今後、やはり助成制度も含めて、本区の実情に合った形でそういった制度を構築できればいいと考えてございます。

 以上でございます。

○墨谷委員 
ありがとうございます。

 しっかりとした安心で安全なまちづくり、防災、減災の取り組みをお願いしまして、住宅のほうの質問に移りたいと思います。

 住宅のほうでございますが、やはり本区の人口は急激にふえています。20万人を突破するのは、この資料によりますと、2025年ということで、その2025年というと、65歳以上の高齢者の方も2万7,520人ということです。

 そういった急激な人口増加に伴って、私は中央区民の皆様、全ての人たちが安心して住み続けられるまちを目指していくということがすごく求められているというふうに思っております。

 やはり経済的に高齢な方が住めなくなってしまうというようなお話を聞きます。ワンルームマンションでさえも、最低でも大体7万円ぐらいの家賃が中央区ではかかるというような形で、やはり木造で、まだ若干ですけれども、住んでいらっしゃる方がいて、本当に耐震で大丈夫か、経済的に大変だということで、お話を聞きます。

 また、中央区で生まれ育った方が成人になって、結婚したときに、中央区は家賃が高いのでちょっと住み続けられないというような御相談もいただきました。

 そういった意味で、この人口20万都市になったときに、中央区の区営住宅とか区民住宅、高齢者優良賃貸住宅など、さまざまな住宅に対して、これは現在足りているのか、今後も足りるのか、端的で結構ですので、その点についてお願いします。

○川島住宅課長 
中央区内の、いわゆる支援的な住宅が足りているのか、今後の人口増に対して足りているのかといったお尋ねでございます。

 本区におきましては、区民住宅そのものを整備していくといったような場所の問題ですとか、そういったこともなかなか難しい点が多々あるものですから、民間の活力も活用しながら、いわゆるセーフティ機能について、できる限り強化するといったところで、しっかりと行っていこうということで対応しています。

 例えばということで、高齢者の方に対する住宅の話、委員のほうで御指摘いただいておりますけれども、区民住宅、それから、本区のほうで補助制度の活用により供給推進をしている数、そういったものに対する応募の状況ですとか、それから、待機の状況を見ましても、足りているというふうには言いがたい状況かというふうに考えております。

 現在、こちらについては、引き続き補助制度等を活用しながら、民間による供給推進が図れるように、区としても対応してまいりたいというふうに思っておりますし、また、これも本区の状況におきますとなかなか難しい点もあるんですけれども、国のほうで空き家等を活用したセーフティ機能の強化に対応するといった法整備も行われております。

 こういった動向も見ながら、需要あるいは供給したいというような動きがありましたら、区としてしっかりと対応していきたいというふうに考えているところです。

 また、区の住宅につきましても、民間の住宅がこれほど多く供給されている環境下にございますので、少し大きな検討になるかとは思いますけれども、どういったことに支援を充てていくのが効果的なのかといったことも検討していく必要があろうかと考えております。

 以上です。

○墨谷委員 
御答弁ありがとうございます。

 やはり現状でも足りていないのかと私としては思っております。

 また、この人口増加で20万都市になったときにも、高齢の方、また、生まれ育って結婚された方が、持ち家でないと、経済的になかなか住み続けられない、そういったまちにしないように、さまざまな施策を通してこの対策をしていただきたいというふうに思っております。

 何点かまだ話したいことがあるんですが、1点だけ、都営住宅の地元割当についてなんですけれども、実は昨年、やっていただきまして、私は本当にありがたいと思いました。

 中央区に住んでいる方が対象になっているというところがすごくポイントではないかと思います。都営住宅の申し込みというのはさまざまな方が入ってきます。他区からも入ってきます。中央区内でこの都営住宅の地元割当というのはすごくいいと思います。ふやしていただきたいと思います。本当に皆さんの力でこのようにやっていただいたということは私はすばらしいことだと思いますので、その中央区の地元割当について、最後、端的にお願いします。

○川島住宅課長 
都営住宅の地元割当については、かねてよりぜひとも中央区にということで、さまざまな場で御要望をいただいておりますし、区としても継続的に依頼しております。

 今年度、ようやく1戸、4年ぶりというような形で割り当てていただけたわけですけれども、東京都のほうも全体的なバランスを見て割り当てているということですが、引き続き強く要望してまいりたいと思います。

 以上です。

○墨谷委員 
ぜひお願いしていただいて、地元割当を充実していただきたいと思います。

 私の質問を終わります。

○中島委員 
晴海の状況を細かく聞きたいというふうに思っています。

 地域の方に単発的にいろいろな報告をしているんですが、皆さんなかなか整合性が見えないということで、まとめていろいろなことを聞きますのでよろしくお願いします。

 まず、BRTのターミナルに関してはいつできるんだということです。ターミナルのところは基本的には選手村のバスの待機所になるという話ですので、そういった割合とか、建物がどういう形で建つのかとか、そういったことを御説明いただきたいと思います。

 あと、BRTと都バスの接点としてマルチモビリティステーション、この名前だけが先行していてなかなか形が見えない。ぜひその辺のことも説明いただければというふうに思っております。

 あと、選手村の一般住宅としての販売がことしの5月から始まるということで、では、入居はいつなんですかということです。5,000戸の住宅が販売されて、一瞬で全部入るわけではないと思うので、区として、どういった形で入居が進められていくと考えているのかもお知らせいただきたいと思います。

 あと、臨港消防署が移転するというふうに聞いているんですが、移転のはっきりした期日と、せめて月ぐらいを教えていただきたいというのと、火災が起きたときの消防車の通るコース、基本的には清掃事務所の前の広い通りを通るんだろうと思うんですが、その確認ということでお知らせいただきたいと思います。

 それと、小中学校が平成35年4月に開校になる。ここはクラスがどのぐらい、要は小中学校の規模が知りたいんですが。大体どのぐらいの大きさの、大きさというのは建物ではなくて、どのぐらいの人数が通えるかということでお知らせいただきたいと思います。

 それと、晴海出張所。中に図書館ができるというのは聞いているんですが、正確にそのほかにどんなものを区として計画されているのか。実質それが稼働するのは、やはり同時期の平成35年4月からなのかもお知らせいただきたいと思います。

 あと、晴海通りと三ツ目通りといっていいんですか、晴海一丁目と二丁目の間の通り、それと、トリトンスクエアから三丁目のところです。横断歩道橋とペデストリアンデッキが計画されているような話も聞くんですが、その辺のお話もお聞かせいただいて、できましたら、いつぐらいにできるのかも教えていただければと思います。

 さらに、通りの樹木ということで、街路樹が結構伐採されているという思いもあるんですが、ただ、埠頭のほうには東京都の絵図などを見ると桜並木がつくられるように書いてあるんです。

 区として、そういった桜並木など、街路樹の計画がどうなっているかお聞かせいただきたいと思います。

 それから、客船ターミナルがなくなるということで、晴海に船が着かなくなるのかということです。ただ、一番前には水産庁とか東大の海洋研の船が着くように今までもなっていましたけれども、そこはそのまま残って船が着くようになるのかどうかもお聞かせいただきたいと思います。

 埠頭の多目的グラウンドの使用に関して、臨海グラウンドなどはフェンスを張って時間制限されてしまったりしていますが、多目的なので自由に出入りができるように、ネットはないのかあるのか。さらに、その周りにバーベキューができるような施設もつくる予定でいらっしゃるのか、お聞かせください。

 あと、ほっとプラザが来年の3月31日で一旦閉まってしまうんですが、再開のときには、その建物は残して再利用されるのか、新しくつくるのか。再開はいつぐらいなのかもお知らせいただきたいと思います。

 それと、あと、水素ステーションが、絵図を見ると、タンクが前は2つだったのに、今は1つに変わっています。いつの間にかトーンダウンしているのかという気はするんですが、水素ステーションは今後の方針をどのようにお考えになっているか。

 それと、最後に、あの中で唯一取り残される区立住宅の行く末はどうなるのかもお聞かせいただければと思います。

 質問を羅列してしまったので、では、上から3つずつ指定して。それとも、皆さんから順番に答弁いただいたほうがよろしければ。

 では、以上、質問としますので、お願いいたします。

○三留環境政策課長 
私のほうからはBRTの関係、マルチモビリティステーションの関係、それから、客船ターミナルの都営バスのターミナルの関係、この3つについてお答えさせていただきます。

 まず、晴海のBRTターミナルでございますが、こちらは大会期間中にバスベイ、要はプレの一時運行のときには晴海のバスベイのところに暫定的な利用をしますので、オリンピック終了後にバスターミナルを建設して、その後、本格的な稼働になるというような形になってございます。

 時間的スケジュールに関しては、申しわけございません。今、細かいところを調整中でございます。

 それから、マルチモビリティステーションと客船ターミナルの役割分担ということでございます。

 マルチモビリティステーションは、一応その名のとおり、交通結節点としてBRTであるとか、路線バス、都営バス、それから、江戸バス等も含むと思いますが、そういった公共交通の結節点として活用するということでございます。

 それと、残ります客船ターミナルの都営バスの停留施設に関しましては、これは都営バスの待機場所として活用される。そういった形での役割分担をしてございます。こちらのほうに関しましても、晴海の選手村のまち開き後にあわせて、順次供用開始となります。

 それから、都営バスのターミナルに関しましては、大会期間中には、仮移動するとか、そういったような形で順次移動しながら供用するというふうに聞いてございます。

 まず、最初の3点に関しましては以上でございます。

○栗村都市計画事業担当課長 
私のほうからは、HARUMI FLAGのほうの一般住宅の入居、それから、臨港消防署について、あと、晴海四丁目の公共施設、それから、五丁目の臨海の公園について、それから、ほっとプラザ等々について順次お答えいたします。

 HARUMI FLAGの一般住宅の募集は、委員から御案内のあったとおり、この春、ゴールデンウィーク後ぐらいから開始するという形で聞いております。

 こちらの入居時期についてですが、いわゆる今、選手村として使っている板状棟といわれている高層住宅については、オリンピック終了後、約2年ぐらいかかって改装しますが、その改装が終わり次第、入居を開始できるということで聞いております。

 今、空地になっていて、後ほど超高層住宅が建つ2棟については、そこからさらに1年ぐらいのおくれということでございます。

 それから、臨港消防署の開設時期でございますが、竣工が6月を予定しているというふうに聞いておりますが、具体的な開所の時期については、申しわけありません、まだこちらのほうは未確認でございます。

 それから、災害時の消防ルートでございますが、オリンピックの期間中はほっとプラザのほうを仮設的に使いまして、れいめい橋公園通りを使って晴海方向に行きます。

 HARUMI FLAGのまち開き後でございますが、こちらについては、今、整備している区道、都道が整備されますので、それを使って消防ルートのほうは確保されているということでございます。

 それから、晴海四丁目の公共施設でございますが、出張所のほかの用途でございますけれども、まず、幼保連携型の認定こども園、それから、地域の図書館、保健所、おとしより相談センター、済みません、保健所ではなくて、保健センターでございます。そういった諸々の複合的な機能がこちらの建物の中には入っていくということでございます。

 それから、晴海一丁目と三丁目、それから、一丁目と二丁目のほうで現在、協議を進めている、建物の開発にあわせて行うデッキの整備でございますが、三丁目の計画、それから、二丁目はBRTのターミナルでございますが、こちらはそれぞれオリンピック終了後に建物の建設工事に入るということですので、そういった意味でいきますと、こちらもHARUMI FLAGのまち開きのあたり、おおむね2年後にこのデッキの整備も含めて検討していく。まだ具体的な竣工時期は未定でございますが、そういった形で協議しているところでございます。

 それから、港湾局のほうで整備します臨海の公園でございますが、ネットが張られるのかですとか、バーベキューができるのかどうかという詳細なところについては、まだ具体的に決定事項として港湾局からは聞いておりませんで、今のところ未確認ということになります。

 それで、ほっとプラザはるみの建物についての利用でございますが、こちらの建物のほうは外観の修復といいますか、洗浄をしまして、建物、ハードの部分については再利用する。建物の中のいろいろな利用については、地元の方とも協議しながら、今後、検討していくというところでございます。ほっとプラザの改修後の開設時期でございますが、平成35年を予定しております。

 それから、水素ステーションでございますが、こちらのほう、引き続き検討は進めておりまして、こちらもHARUMI FLAGのまち開きの時期に合わせて開設を予定していると東京都から聞いているものでございます。

 それから、最後、晴海三丁目の区立住宅の行く末ということでございますが、こちらについては、区も晴海三丁目の中の今後の再開発を検討していく組織の中で、今、検討を継続しているというところでございまして、具体的にどういった形になるというところは、今後も開発の動向を踏まえてさらに検討していきたいというふうに考えているところでございます。

 私のほうからは以上でございます。

○染谷学校施設課長 
私からは、平成35年4月に開設する晴海新校のクラス数でございます。

 小学校が最大30クラス、中学校が最大15クラスでございます。

 以上でございます。

○池田水とみどりの課長 
私のほうからは、街路樹等について報告させていただきます。

 まず、選手村内における道路についての整備なんですが、まず、メーンの通りとなります補助314号線から晴海ふ頭公園に抜ける東西につながる道なんですけれども、こちらについては、ケヤキによる植栽を予定しておりまして、区道側と民地側と二重の植栽を現在のところ計画しております。

 一方、南側の新しく中学校等を整備することを予定しています付近の街路樹につきましては、カワヅザクラを整備する予定でおります。民地側にも同じように植栽を予定しております。

 また、晴海埠頭周辺におきましても、タブノキ、ケヤキ、サルスベリなど、多種な樹木を整備する予定で、そのほとんどが民地側と区道側と二重の植栽で通りをつくっていくというような考えでおります。

 何メートルピッチでやるとか、詳細な配置等については、今、協議をさせていただいている状況です。また、敷地内におきましても、ポイントポイントで桜を植えていくというふうに伺っております。

 また、現在、都道の晴海一丁目、二丁目の間の通りなどでは、東京都による道路工事、または、各企業者による道路工事が行われておりまして、その際支障となる樹木については一時撤去または撤去されているのかもしれませんが、東京都に対しても、残せる植栽については必ず緑を確保していこうということで、極力残すようにお願いしているところでございます。

 私からは以上です。

○中島委員 
どうもありがとうございます。

 るるお答えいただいたんですが、皆さんの中にもイメージとしてなかなか湧いていないんだろうと思うんです、言葉としてずっと。できましたら、1枚のA3か何かの紙に絵図として表現していただくと地域の人に説明しやすいんです。いつもその部分だけのものをいただくものですから、整合性がなかなか伝えられなくて、できましたら、まず、希望としては全体感の描かれた絵図もつくっていただけないかというふうに思いますので、それは後でお答えいただければと思います。

 1つ聞き忘れたんですけれども、晴海三丁目から勝どきに人道橋ができるというふうに聞いているんですが、それは大体いつぐらいになるのかお聞かせいただきたいと思います。

 さっきの絵図とともにお答えいただければ幸いです。

○松岡都市整備部長 
全体図の御要望について、私のほうからお答えいたします。

 東京都も絡んでのものになりますので、少し時間はかかりますけれども、できる範囲で一度やってみます。見ていただいて、みんなが共有できるようなものをつくっていきたいと思います。

 以上でございます。

○栗村都市計画事業担当課長 
私のほうからは、晴海三丁目と勝どきをつなぐ人道橋の整備時期についてでございます。

 人道橋の整備につきましては、今、勝どき東地区の再開発事業のほうで最初の街区、1街区のほうの整備とあわせて整備されるということで、平成35年の整備ということを予定しているところでございます。

 以上です。

○早川オリンピック・パラリンピック調整担当課長 
済みません、先ほどの質問で船着場の件が1点ございました。

 客船ターミナル自体については、大会後、将来的には移転するということでございますけれども、公園の前面にある船着場については大会後も残るというふうに今のところ聞いているところでございます。ただ、具体的には港湾局のほうの計画になろうかと思いますので、今後の協議の部分というふうに思ってございます。

 以上です。

○中島委員 
数々、細かいところをお聞きして大変申しわけなかったと思います。

 ただ、晴海の地域の方はやはりすごく気にしていますし、答えられる材料が単発のものしかなったものですから、ぜひ区としてアピールできるような資料をつくっていただければというふうに最後にお願いさせていただき、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

○石田委員 
ただいま第7款「都市整備費」の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後1時に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後1時に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午前11時46分 休憩)


(午後1時 再開)

○鈴木委員長 
休憩前に引き続き委員会を再開いたします。

 資料要求がありました17点について、席上に配付いたしました。

 要求資料につきましては、今回をもって全て提出済みとなっております。

 第7款「都市整備費」について、質問者の発言を願います。

○志村委員 
首都高の地下化についてです。

 日本橋の周辺では、この日本橋の上の高速道路をなくすということはみんな共通した思いなんですけれども、地下化及びその市街地再開発事業というものについて、今、賛同していない人もいらっしゃるという事態です。

 そこで、この首都高の地下化は一度浮上して、それがとまっていた。市街地再開発事業が具体化する中で、この地下化の計画事業も動き始めたと聞いております。

 この市街地再開発事業とセットで進めることの必要性とメリットについて説明をいただきたいと思います。

 あわせて再開発区域内に高速道路が地下に通るという、この地下部分は市街地再開発事業における公管金、公共施設管理者負担金の対象となるのかお聞かせください。

○菅沼地域整備課長 
まず、市街地再開発事業とセットで進める必要性、メリットでございます。

 御案内のとおり、昨年の7月、首都高日本橋地下化検討会において、そのルート案が取りまとめられました。このルート案を見ていただくと明確になる部分がございます。何が明確かといいますと、全て川の下を通る話ではなくて、川の南側であったり、そして、北側であったりということです。つまり、この間、さまざまな検討を深く、国レベル、首都高レベルでしていく中で、導入空間が限られる、一部新聞報道では針の穴を通すというような言われ方をしていますけれども、その地下化の導入ルートのこの空間が限られている場所において、市街地再開発事業の一部民地敷地の下を通過させることで、相互調整によっての工事のスムーズさ、円滑さであったり、そこの部分の課題が解決できる、改善できるといった、その地下ルートというところでのメリットがございますし、そういう意味からすると、この先100年に向けた、まさに都市基盤の再編というところでの意義が大変多くあるだろうと。

 この間、川沿い5地区というところが、再開発事業が具現化していく事業進捗の中で、吉田副区長初め、関係各所にそれぞれ働きかけをし、かつ、今、委員の御説明にあったとおり、地元の方々の、日本橋の上空の首都高をなくすという署名活動であったりというところを機運として捉えてやってきた、取り組んできたといった話でございまして、メリットということからすると、道路事業と再開発事業をセットにしながら進める市街地更新がまさに基盤づくりという話につながっていくところで、私どもこの日本橋の発展に向けたまちづくりを今、まさにやろうとしているといったところでございます。

 2点目の地下部の公管金の話でございます。今、現状を具体的に言いますと、例えば八重洲一丁目の北地区であったり、日本橋室町一丁目、具体的に都市計画を動かす市街地再開発事業の敷地のそのものに、むしろ干渉する形で地下ルート案との整合性をとってございます。

 現状、この公管金というところの枠組みは、私ども今、使う想定は置いてございませんので、首都高は首都高として道路事業をやっていく、再開発事業は再開発事業の財布で事業をなしていく。その相互の工事調整をやっていく。そういった想定で今、関係者間の協議調整を図っているといったところでございます。

 以上です。

○志村委員 
地下化にはいろいろな問題もあると思うんですけれども、言われているのが、大型車の交通の機能の確保ということです。吉田副区長も参加していますけれども、首都高都心環状線の交通機能確保に関する検討会ではどのような議論がされて、現在、どういう状況なのかをお聞かせください。

○吉田副区長 
現在、路線を決定したというところの一区切りは検討会で終わっているわけですけれども、いわゆる日本橋上空の首都高地下化という部分の線形を決める上で、地下工作物が過大になると困るということがございまして、既存の高速八重洲線と、それから、会社線などの活用を通じて、いわゆる2車線、地下化のルートから削除して、回していくという形で、線形を決めたというのが去年の夏までの話でございます。

 その後、私ども今、検討しておりますのは、結局、八重洲線を活用して抜いた2車線の部分をどのような形で回していくのかということで、八重洲線の活用とKK線、あるいは別線ルートといわれるものをどういうふうにつくっていくのか。それが最も効率的で経済的なものは何なのかというところを中心に今現在、検討を進めているという状況でございます。

○志村委員 
既存の施設等もある中で、今、議論している解決策というのはいつごろ示せるのか。あわせて、今、2つの案が検討されつつあるということですけれども、その整備費というのは首都高が全部負担するような内容で今、検討もされているのか、そのあたりはいかがでしょうか。

○吉田副区長 
スケジュール的に言えば、既に日本橋上空の首都高地下化については都市計画の決定の手続に入ろうとしているわけですから、この別線ルートの検討を含めて、そんなに時間を置くわけにはまいりませんので、基本的には今年度中とか来年度中というタイミングの中で一応結論を出していくことになるだろうというふうに思っております。

 その中で、今、最後にお尋ねになりました費用の負担の問題についても検討されていくことになると思いますが、この部分については、今度は当事者としてKK線の部分の会社も加わってきておりますので、どういう費用負担にするかという調整はしていくと思いますけれども、その中で、地元区としての負担というような問題については、仮に出てくることがあっても、我々としては非常に慎重に構えざるを得ないので、その部分はまた検討会の途中において、議会の皆様とも御相談させていただきたいというふうに思っております。

○志村委員 
今、この検討会で検討されている内容が見通しが立たなければ、地下化もできない。地下化工事に着手できないというふうに思うんです。

 まだそういう先がよく見えない状況なんですけれども、この今の状況の中では、地下化の工事に着工する時期というのが、大体何年後ぐらいからというふうな感触を持っているのかお聞きしたいと思います。

 それから、建設業界の方から、この地下化及び撤去をするためには、日本橋自体の解体が必要になるというような声も聞いているんですけれども、そのあたりについての見解もお聞かせください。

○吉田副区長 
基本的には、今のKK線を使うにしろ、別線ルートを使うにしろ、そのどちらかを使えば必ず地下化というものはできるということは前提としてあって検討しているわけでございます。

 そのどちらかをどういう形で効率的にやるかということを検討しているのでありまして、そういう意味で、この首都高速道路の地下化の現実性は高いものだというふうに確信しております。

 その上で、これらの工事に着手できる作業スケジュールの問題でございますけれども、大まかに現在のところは全体として10年から20年の間というふうな形で竣工年を切りながら、大まかなスケジュールを出させていただいているわけでございます。大枠のスケジュールというものについては、現在検討を進めている中身を踏まえて整理させていただいて、お出しするというような形になると思います。

 いずれにしても、その部分の工事着工については、オリンピック終了後ということに基本的にはなっていくだろうというふうに考えております。

 それから、日本橋の撤去が必要ではないかという方もいらっしゃるというお話でございますけれども、橋を解体、補修するというようなことまですることがあり得るとしたら、もともとこういう話は成立いたしません。

 逆に言うと、現状の日本橋を保存したままどういうふうに補修ができるかということを検討してきたわけでございますので、いろいろ御懸念はあるでしょうけれども、日本橋そのものは残る。それを解体する必要もないというふうに考えております。

○志村委員 
日本橋の解体は、僕もそれを聞いたときにびっくりしたんですけれども、今の吉田副区長のお話を聞いて、そういう方向性にならざるを得ないかというふうには思っています。

 それで、大型車両の通行ということで、どう可能性を追求していくかというあたりで、まだ具体的に、スケジュールも出てこないという状況ですけれども、今、その2つのルート案がある中で、具体的に解決しなければならない問題というのは何なのか。

 例えばKK線の大型車の通る、また、新しく西銀座から京橋までの別路線をつくるという場合、既存のところでそれをつくるというと、相当土地の確保とか工事とかで、よほど意見がまとまるのは時間がかかるし、それが確立しなければ切ることもできないわけですから、この問題というのはなかなか楽観できないと思うんです。

 今のように、今年度、来年度中にというあたりの見通しが立たないと私は思うんですけれども、具体的に今、ある解決しなければならない課題というのはどんなものなのかお聞かせください。

○吉田副区長 
これはKK線と簡単に言っていますけれども、実は構造物そのものとして補強して、その大型車両を通そうというのは、実は構造的に考えた場合には割と簡単なんですが、御案内のとおり、KK線の下には銀座インズなどたくさんテナントが入っておりますので、そういった方々を、一斉に動かして工事ができるわけではありませんので、そういう部分の、いわゆる構造物として補強する難しさというのではない、現実にそこの空間をどういうふうなスケジュールをもって確保していくかというようなことについて、KK線は難しいと思います。

 それから、八重洲線をつなぐ別線ルートと言っている部分でございますけれども、この部分については、基本的には地下になっていくと思いますが、その場合でもいくつかのテナントと、それから、近接する、いわゆる昔の京橋川の橋、川沿いのところにございました宅地の方々に影響を与えるわけでございまして、そういうものをどういうふうな形でお話し合いをしながら合意を形成していくかという難しさはあろうかと思っております。

 ただ、私どもは今のところの現実的な地元区としての判断も加えて申し上げるのならば、その別線ルートのほうが現実的ではないかというふうな感覚は持っておりまして、そういう部分のお話し合いもさせていただいているところでございます。

○志村委員 
この地下化というのがたどり着くまでは相当さまざまな困難もあると思うんですけれども、都市計画審議会でこの夏ですか、行われるというようなことも言われております。

 この地下化については、そういういろいろな状況を踏まえると、早いのではないか。やはり全体像が明らかになって、本当にここの可能性をしっかりと踏まえた上で出さないと、ずっと引っかかる。

 例えば築地の首都高晴海線もずっと残っているわけです。そのためにあそこの開発なり、いろいろなものがずっと制限されてきて、いまだに解除されていないという状況です。

 そういう意味では、ここでの可能性がやはり早目に都市計画を決定してしまうと、いろいろな形で今後にも影響を及ぼすと思うので、これは早いのではないかというふうに思うんですが、その点はいかがでしょうか。

○吉田副区長 
道路の都市計画決定は大変困ったものでございまして、例えば戦後の都市計画の中で、昭和22年に定めた、いわゆるマッカーサー道路と言われるものでございますけれども、それも22年に公にして以降、現実にはまだ今の時点でも完成度60%を超していないというぐらいに、道路事業そのものはかなり長期にわたるものでございます。

 ただ、道路は基本的にまちの骨格でございますから、そこにこういう道路が入るんだ、それに合わせてそれなりの土地利用が動くんだということでございますので、決定そのものはしかるべきときにしておかないと、その後の周辺における開発の動向などに非常に大きな影響を与えるということで、既に御案内のとおり、周辺5地区の再開発もございます関係上、私どもとしては、今の時点で都市計画決定をするということは問題がなかろうと思っております。

 御心配いただいておりますが、私どもとして、技術的にできないという結論が前提にあるわけではなくて、効率的にどういうふうにできるかという検討でございますので、できないということではないということで御理解いただきたい。

○志村委員 
結局この東京のまちの中に高速中央環状線を含めて、高速道路はこれから50年も100年も先にあることを前提とした内容だと思うんです。

 世界一の東京の牽引者になるんだといいますけれども、東京のこのまちの中に高速道路が網の目に走っているという状況で本当に世界一の都市になれるかどうかと私は疑問を持ちます。このことについて見解はけっこうです。私はそう思うんです。

 例のランキングでも東京は経済的には1位だけれども、文化とか環境の分野では低い。そこを克服しなければ世界一になれないんだけれども、高速道路というものを前提とした計画というのはやはり見直さなければ、これから先のまちのあり方の見定めがやはり間違ってしまうのではないかというふうに思っています。それは私の意見です。

 結局、日本橋の上の上空の高速道路がなくなる時期というのは、今、10年から20年を目指してやっているということですけれども、実際問題として、どのぐらいの時期で考えているのか。楽観的にやはり10年か20年と考えているのか、そのあたりをお聞きしたいのと、結局、この地下の工事が始まったとしても、市街地再開発事業で超高層のビルが日本橋の周りに建つ。高速道路はそのまま残ったままだという状況が何年間続くのか。そういうことを考えるんです。

 そのあたりでお考えというか、こんなようなイメージを持っているというのがあれば、お聞かせいただきたいと思います。

○吉田副区長 
それについては、私どもも一番恐れるのは、周りに高層ビルが建っていて高速道路が残っているというような状況があるのではないかということですけれども、私どもとしては、率直に申し上げると、5地区の再開発が竣工した暁には高速道路は撤去されているという状況でなければならない。当然のことですけれども、そういうふうに思っております。

 そういう意味で、基本的には私は、日程的に詰めていけば、やはり12年から十五、六年のところでこの竣工というものを目にすることができたらと思っておりまして、私が生きているうちに何とかしたいというふうに思っております。そういうものが見たいと思っています。

○志村委員 
吉田副区長は楽天的だから、そういう数字を出せるでしょうけれども、私は悲観者ではないんだけれども、いろいろ考えると、なかなか大変だなと。地下工事だって順調にいくかどうかわからないし、さまざまな経済状況もどうなるかわからないので、やはりそういう場合も考えた準備もしないといけない。

 準備というか、本当に地下化が全てなのかも含めてやはり考えなくてはいけない。最良の選択なのかというあたりも一度立ちどまって再検討すべきだというふうに思います。

 この中央区内の高速の問題を考えると、日本橋の上の首都高は結構象徴的なんですけれども、私、以前から感じているのは、箱崎のジャンクションなんです。あそこで、私の知り合いもぜんそくになってしまって、郊外に行った方もいらっしゃって、今でもまだある。

 もちろん日本橋の上の高速道路撤去というのも大事なんだけれども、箱崎ジャンクションのあの高速道路を撤去するということについて、区はどうお考えなのか、お聞かせください。

○吉田副区長 
先ほどの議論にもありましたけれども、正直申しますと、私も箱崎のような工作物はまた別の意味で非常に異様なものだと思っております。

 私は、実は昭和47年に高速道路のネットワークが集まって日本橋箱崎町に東京シティエアターミナルができて、成田空港への空の玄関口というふうに騒がれて、あそこは発達するのではないかという非常に楽観的な予測で動いていたときに、その地域の再開発も関与したものですから、そういう意味で言いますと、あの構造物を含めて、今のありようを含めて大変残念でございます。

 日本橋の高速道路を地下化するという時点において、一般質問にもございましたけれども、では上野線はどうしたんだ、それから、箱崎のジャンクションはどうしたんだと、いろいろな形で議論が出てくるわけでございます。

 私は、逆にそれらの点についても、当然考慮して、将来的には考えていかなければなればならない話だと思っておりますし、そういう意味で、高速道路体系のありようについても検討すべきものだと思っております。

 ただし、やはり順序というものがありますから、大変恐縮でございますけれども、私どもとしては、この日本橋周辺の5地区の再開発というものを進めて、一点突破することによって、次に上野線、その次にさらに箱崎というふうに考えていくようにしなければいけないんだろうというふうに思っているところでございます。

○志村委員 
今後の計画のことをいろいろ議論するというと、なかなか机上の話になってしまう部分もあります。

 現在の状況で私が危惧するところと、いろいろな課題というものを今、質問させていただき、見解も聞きました。

 またこれから動く中で、さまざまな問題とか、状況の変化もあると思いますので、引き続き取り上げていきたいと思います。

 質問を終わります。

○鈴木委員長 
次の質問者の発言を願います。

○渡部(博)委員 
それでは、何点か質問します。

 まず、相隣の関係でございます。資料で2014年度から2018年度まで出ていて、2018年度はまだ途中だということでしたけれども、統計を見ると、マンション新築棟数61件中40件が相隣問題にかかっているということでございまして、大変だろうというふうには思うんですが、その中で、では、単純なことを聞きたいと思うんですけれども、相隣問題はなぜ起こっているのかというのを、私が単純に考えれば、事業者の説明が足りなかったんだろう。

 その周回の範囲までどこまでしたのかということでいろいろな問題が出てきているのではないのかというふうに思うんですが、61件中40件、これは前年度から長く続いている工事とかいろいろあるわけで、ここに反映されている数字がどうなっているのかというのはわからないですけれども、そういうところで考えたときに、マンションを建てたときに、具体的にどんなことが問題になって相隣問題がこんなに多く発生しているのかというのを教えていただければありがたいと思います。

 それと、良好なまちづくりの全体的な関係でお知らせいただきたいんですけれども、これまで大規模な再開発をいろいろ行ってまいりましたけれども、では、地域の商店街をどうやって守っていくのか。地域の商店にいた人たちは、ちょうど代がわりだとかいろいろなことでやめるという方もいらっしゃるでしょう。その営業継続をしていた人たちがどれだけ継続されたのかということをお知らせいただければありがたい。

 それと、前委員が晴海の話をされていたので、引き続きではないですけれども、ちょっとお知らせいただきたいんですが、オリンピックが終わらなければ全てが回らないというふうにしか聞こえないのは、皆さんもそうでしょうし、僕らもオリンピックが終わらないとどうにもならないのかということは頭の片隅にはあります。だけど、晴海地域だけではなく、月島地域、中央区には人が住んでいるわけです。

 そういった中でいけば、今までやってきていないというわけではないですけれども、やはり人を中心としてどうやって対応していくのかというのが見えてこないと、区民はある意味納得しない部分というのはあるんだろうと思います。

 それは、中央区が一生懸命やっていないというわけではないです。それは上部の団体が今、いろいろな形でオリンピックの関係でやっているというところでいけば、不誠実さが見えてくるということなんです。

 さっきも出ていましたけれども、客船ターミナルだって、最初、オリンピックが終わったらなくすと言っていて、今は収支が合わなければ、しばらく残しますというような言い方をしているわけでしょう。

 最初に言ったことが途中で変わったことの説明もしないという状況も含めて、やはり不誠実であるというふうに思うんですけれども、その辺の考え方についてお知らせいただければと思います。

○吉田副区長 
晴海地区の現在の動きというのは、住民の方々にとっても不誠実という印象は非常に強いかもしれませんけれども、これは不誠実以前の問題として、申しわけないですが、オリンピック組織委員会と、それから、東京都と国との連携がやはりきちんととれていなくて、これは我々自身も困っていて、実際のところ、何度か本会議でも申し上げたところでございます。臨海部にあれだけ競技施設をつくっておきながら、観客の交通計画も、それから、いわゆる安全計画もまだ示されていないというような状況でわかるように、それぞれの組織の間の連携と具体的な計画の整理が済んでいないというところに基本的な問題があるわけでございます。

 私どもはこの部分について、私どもの都市整備の部隊も、それから、オリ・パラの部隊も、土木の部隊も総力を挙げて調整はしておりますけれども、大変恐縮でございますが、実はまだ決まっていないんです、我々もいらいらしているんですというふうにお答えするのが現状でございます。

 その部分について、我々としても精いっぱい努力をしていきますが、その上で、我慢もある程度限界でございますから、これはやはり4月以降の段階で、とにかくこういうことはどうなっているんだということを具体的に都なり、オリンピック組織委員会に問い合わせていくようなことで答えを引き出すというようなことをしていかなければならないと思います。

 それから、まちづくりの中で商店街を残すというお話でございますけれども、これについては、現実に私どもとしてはきちんとそれぞれやっていると思っております。

 例えば、御案内のとおり、晴海で最初に商店街を含めた再開発をやれたときも、あのときは借家営業者に対する家賃補助までして商店街を残す努力をさせていただきましたし、トルナーレ日本橋浜町においては、浜町商店街というものをきちんと残しております。それから、リガーレ日本橋人形町についても商店街を残しております。

 商業施設については、実はそれぞれの部分を残す努力はしているわけでございますが、御案内のとおり、商業というのは非常に回転が早うございまして、テナントのお店は変わっていきます。

 そういう変わりようの中でどういうふうに商店を維持していくかということが、建築物は実は50年でも100年でも残ってしまうので、そこのところがまちづくりの中でやはり工夫の余地があると思っております。

 基本的に私は、開発の中でとりわけ商業に関連する部分については、かなりやわらかいつくり方をしながら、5年サイクルで変わっていく商業の流れに、建築物なり何なりが対応していけるような形も考慮に入れながら商店街を残すということについて整理をしていかなければならないと思っております。

 現在、それなりの形で残してはおりますけれども、そういう形でテナントなどに変更があるという状況はあるというふうに答弁させていただきたいと思います。

 相隣の件につきましては、担当課長のほうからお答えさせます。

○斎藤都市計画課長 
まちづくりに欠かせない工事における相隣問題についてでございます。

 実際に計画段階、あるいは、工事上の苦情、それから、工事後の危害、工事で破損してしまったなど、いろいろな種類があるわけですけれども、やはり一番多いのは工事上の問題でございまして、いろいろな要望がありますけれども、振動、粉じん、騒音が時間が守られていないとか、主にそちらが大きいのかというふうには感じます。

 ただ、委員御指摘のとおり、やはり周辺住民にしっかりした説明ができているのかというところはキーポイントということで、工事業者については、こういう相隣問題があるから丁寧に説明をしてくださいと、お願いの域を超えないわけですけれども、重々指導をしているわけですが、相変わらず相隣問題はどうしても発生してしまっているというのが現状かと思います。

 以上でございます。

○渡部(博)委員 
ありがとうございます。

 相隣問題は結構複雑怪奇で、結構いろいろな人が絡んで、違うところでいろいろな話が出てくるというので、担当されている方は大変だというふうに思っております。

 しかし、工事上の問題であっても、やはり最初にどういうふうになる、どういうものが起きたらこのように連絡してくださいとかということも含めて、やはりやっておくということが本来の筋道なのかというふうに思いますし、これは中央区に出すか出さないかという問題はありますけれども、建築申請の段階でどうするのかということをしっかり指導していくということもやっていただければ。やっていないというのではなくて、やっているんだけれども、そういう形で、最後はそうなるんだろうというふうに思いますけれども。

 申請を受けるところから工事が始まるまでの間の、今でも綿密にやられているんでしょうけれども、間に入っているというか、施工する業者も昔に比べて若干質が落ちてきている部分というのもあるのかというふうに思うんですが、そういうところも含めて、地域はマンションが建っても別に何も言わないんだと思います。だけど、その間にいろいろなことがあったら、そのマンションに対して余りいい思いをしないというのが現実にあるんだと思うので、そういったことがないようにして、地域が1つになれるような形で、1つの考え方の中でうまく対応していただければありがたいというふうに思っております。

 それと、良好なまちづくりの関係については、晴海一丁目は、吉田副区長が部長のときですか、一緒に見に行って、これだけ閑散になっているという話もしたんですけれども、そういったことではなく、中央区として商店街を残していくということについては、努力は認めます。

 しかし、逆に言えば、そこの中で、もともとやっていた人たちがその場所で営業をしたいといっても、その再開発の事業者の中で何か変なことがあってできないというケースも中にはあるんです。

 だから、そういったところを監視しろといっても、なかなか無理でしょうけれども、やはり地元でそういう商店を継続してやっていきたいという人たちに対しては、区としてある程度の意思はお聞きになっているんでしょうから、やはりそういうところも連携しながら対応していただきたい。古くからやっている方であれば、地域でいろいろ、町会だとか商店街だとかをやっている方もいらっしゃるわけですから、そういった方々が営業を続けていくんだというときに対しては、しっかりサポートしていっていただかなければいけないというふうに思っております。大きな開発だからがさっといっちゃうというのは、中央区がいくら言ってもがさっといっちゃうということはありますけれども、人に優しい良好なまちづくりということになれば、見なれたまちの商店があるということが大切なんだろうというふうに思いますので、その辺は今まで以上に注意してやっていただければ幸いだというふうに思います。

 吉田副区長が答えてくれたので、これ以上言う必要もないのかとは思いますけれども、とにかく、正直な話をします。これは僕の個人的見解です。自分がいつもどう思っているかということを言います。

 今のままでいくと、正直言って、オリンピックの選手村が来ても、晴海に住んでいる人たちは何をすればいいんだって誰もわからないですよ。だから、何をお手伝いすればいいのかというのも、区だってわからないというのは、結局は国なり東京都なりが言ってこないから。

 こういった形でやってくださいという話であれば、中央区としては考えてやる話ですけれども、それも出てきていない。だから、やれることが限られているという悪循環だと思うんです。だから、いざとなったら、旗立ててでも、あそこの工事を中止させようかというぐらいの気持ちは持っているんです。ちゃんとしたことをやらなきゃ。

 だから、中央区も含めて、議会としても、やはりそういうことはしっかり言っていかなければいけないんだろうと思っているのが自分の考えです。

 そういったことも含めて、これから4月に東京都なり、オリンピックの関連の人たちがあそこに3,000人来ると言っていますけれども、一番最初のときに言ったことは、あそこに入っている人たちから中央区は何もやっていないじゃないかというふうに見られるのがしゃくなんです。言いたいのは、やっているけれども、あなたたちがやらないのに、何で俺たちができるのかということなんです。

 そのオリンピックの関係の人たちが来ても、中央区が何もやっていないねというふうに見られるのではなくて、あなたたちがやっていないんでしょうということをはっきり言っておいてもらいたいというのが正直な話です。言っている意味、わかりますか。

 オリンピックの関連の人たちが晴海トリトンに入るでしょう。トリトンに入ったときに、電車を降りてまちを歩いてくるわけです。そうしたときに、中央区って何もオリンピック関連のことをやっていないというふうに見られるのが不満なんです。

 だから、中央区は自分たちで一生懸命やっているけれども、ちゃんとした目標値だとかいろいろなものが出ていないからできないんだということを、中央区としてはっきり言っておいてもらいたいというのと、やはり議会も含めてやらなければいけないというのが正直な話だということで、その辺は認識しておいていただければありがたいと思います。

 それともう1個は、HARUMI FLAGができなければ晴海のまちづくりはできないみたいな感じになっていて、何かそこもちょっと釈然としないというのがあって、オリンピックが終わらなければBRTも本格的に走らせないというのも、では、住んでいる人は一体何なんだろうというふうに思ってしまうというのがあるわけです。

 だから、やっていないと言っているわけではない。中央区としてはやっている。だけど、そういった絡みでできないというのがあるけれども、もうちょっと頑張ってやっていただければ幸いだと思っておりますので、よろしくお願いします。

 あと、聞きたいことが2つあるんですけれども、1つは、まちづくり支援基金が、今、30億9,384万円あって、まちづくり支援事業補助実績としては、平成31年度で387所帯で、4億5,159万何百円という話になっていますけれども、これはずっと持つのかどうかというのがまず1点。基金残高70億円からだんだん減ってきてしまって、30億円、半分以下になってしまったから。

 それと、区として、先ほども若干出ていましたけれども、公的住宅拡大の考え方というのは、どういうふうにお考えかということをお知らせいただければ。

○吉田副区長 
前回のオリンピックのときに、私は実は予備校の学生でございまして、社会からちょっと外れていたものですから、余りオリンピックにいい印象がございません。

 やはり現実に今回のオリンピックは選手村があるだけ非常に大変だと思っております。結局、受動するだけの区民であったらば、何なんだ、このオリンピックということになろうかと思います。

 ですから、逆に、この機会に、私はオリンピックを手伝ったんだということを区民の人たち、特に子供たちに思ってもらえることが非常に大事だと思っております。

 そういう部分で、例えば豊海小学校にブラジルがというようなお話がありますし、実はそういう話がまたぽつぽつ来ているわけです。

 本当の話なのかどうかというのがありますけれども、やはりそれらを整理しながら、地域の方々に、オリンピックに私も参加したんだと思っていただける状況をつくっていく。このことが非常に大事だと私は思っております。

 それから、ファンドの件でございますけれども、実はファンドをつくったのは私でございまして、そのつくったときは、実は金利が年利6%もあって、金利だけでお金が払えた。ところが、その後、小売りのような金利になりまして、今やマイナス金利ということでございますので、本当に先行き御心配いただくのは当然かと思いますが、入れるほうも相当工夫しておりまして、大丈夫かと言われて20年持ちこたえておりますので、今後とも大丈夫なように運用をしていくつもりでございますので、よろしくお願いいたします。

○川島住宅課長 
私のほうからは、公的住宅の拡大についてということで御質問いただいた点に回答させていただきます。

 さきにもお答えさせていただいたところと若干重複しますけれども、住み続けていただくためにも、また、なかなか住み続けたいけれども、さまざまな御事情でそれが困難だといった場合に対するセーフティ機能といったものについては、しっかりと備えていきたいというふうに思っています。

 しかしながら、区の住宅だけということでは対応も難しいですし、それを拡大していくということ自体もなかなか困難があるといったところもありますので、民間の活力を活用していく。

 現在も高齢者の住宅については補助制度で供給を促進しているところですけれども、そのほかの点についても国のほうで検討している制度の動向などにも目を配りながら、しっかりと対応していきたいというふうに考えております。

 以上です。

○渡部(博)委員 
ファンドがなくならないようにうまくやってください。

 それと、もう1点、これは要望しておきますが、晴海一丁目のコミュニティファンドはもう少しで30年になる。住み続けたいといっても、30年過ぎると大きな家賃になってしまう。それは代がわりしているからということになりますけれども、そういったところでも、やはり中央区がつくった施策であるわけですから、その人たちが住み続けるのか、続けないのか、どうなのかということは、やはり5年ぐらい前には何か知らせてあげるような形をとってソフトランディングさせないと、逆に言えば、それが優しいことなのかということにつながってしまうので、そういうところも含めて、中央区独自で立派な制度をつくっているわけですから、その先にどうなのかということも含めて対応していただければ幸いだと思います。

 それと、住宅の関係については、いろいろありますけれども、民間といっても、結局区の助成金などが入って、家賃は多少安くなりますけれども、基本、国民年金で考えたときには、月7万円ということになってしまうということで、中央区の関係で言えば、いろいろ計算して、居住面積が25平米ということにして安くしているという話もありますけれども、やはりそういったことも含めて、基本は国民年金であって、65歳以上の人は、最低の年金はそういうことしかないわけです。

 そういったことも含めて対応していただれば幸いだと思いますし、これからもそういったところの人たちを視野に入れて行政を進めてもらえれば幸いだと思いますので、よろしくお願いします。

 終わります。

○鈴木委員長 
次の質問者の発言を願います。

○山本委員 
よろしくお願いします。

 私からは2点お伺いします。1点目が建築コストと消費税について、2点目が中央区都市整備公社の助成事業について伺ってまいります。

 東京オリンピック・パラリンピック大会が決定して以来、建築コストの高騰が続いています。建築資材や人件費などの建築コストは東京オリンピック・パラリンピック大会が終わっても上昇傾向が続くといわれております。

 都市整備費は、昨年度予算77億7,754万円でしたが、今年度は130億5,793万円と67.9%ほどふえています。昨年度に再開発事業が一旦落ち着いたとはいえ、平成31年から平成35年にかけて、また活発になるといわれております。

 平成31年度の市街地再開発事業助成は約92億6,692万円、また、区施設の改修経費は30億7,558万円ほど計上されています。

 そこで、まず、消費税の引き上げ後の市街地再開発事業や新規公共施設整備、区施設改修における影響をどのように見込んでいるのか、お尋ねいたします。

 そして、平成31年4月1日以降に建築改修工事などの契約、着工を予定しているものがあればお知らせください。

 3点目に、公共施設実態調査が8,190万円ほど計上されていますが、これはどういった調査なのか、確認させてください。

○菅沼地域整備課長 
まず、再開発の関連のお話でございます。

 実際、御案内のあったとおりの話で、今年度は歳出ベースで、6地区を対象にしてございます。来年度は日本橋室町三丁目が終わりますが、豊海が入るということで、対象は6地区のままでございますけれども、新年度は92億円強という話になってございます。

 2020年度、平成32年度以降、まず、川沿いの再開発、具体的に言うと、日本橋一丁目中地区が新規になる。

 それから、今度、それらの再開発のほかに東京駅前の再開発が2022年度以降、4カ年度にわたって、本格的な工事の増加が見込まれるというところのお話でございます。

 したがって、まず、再開発事業だけの捉え方で言うと、2022年度以降に補助金としての大きな山といいますか、増加するというところがございます。

 この部分については、当然のことながら、国や東京都に対して適切な補助金という執行の観点から、きちんと要望していくというところの考えが1つと、一方で平成35年、2023年度前までにやらなければいけない公共施設整備という観点もございますから、そこは当然のことながら、区の全体の財政バランスを財政課と協議調整して、適切な形で横断の連携をとっていくといった考え方を今、持っているところでございます。

 以上です。

○大久保財政課長 
今年度におけます消費税率引き上げ後に着工する工事についてでございます。

 この間、都市整備費だけではないですけれども、区のあらゆる施設について、現在、さまざまな新たな施設整備あるいは改修など予定されておりますけれども、一番大きなものとしましては、今年度から本の森ちゅうおうが着工となりますので、こうしたものがある程度影響を受けるのかと思ってございます。

 現在、既に工事を進めているものにつきましては、基本的には今年度中に契約しているものは消費税率が8%のまま適用されますので、完成時期が消費税が上がった後であっても、それは8%ですので、今年度に着手するものは、基本的にはほぼ全部8%が適用されるという状況でございます。

 その中で特に大きいものはやはり本の森ちゅうおう、そして、今後ですけれども、今年度設計などがございまして、さらに平成32年度以降、工事ということになりますけれども、例えば八丁堀区民館があったりとか、晴海小中学校、あるいは、晴海の公共施設など、今後、こういったものが大きな影響を受けるものと考えておりますので、消費税率引き上げに伴いますコストはふえますけれども、施設の設計の段階での精査などを含めましてコスト縮減に努めてまいるところでございます。

 以上でございます。

○芳賀営繕課長 
私のほうから公共施設の実態調査についてお答えいたします。

 この施設の調査につきましては、実は今年度から始まっておりまして、今年度は29施設を予定してございます。

 こちらにつきましては、公共施設のほうで維持管理計画等々を作成しておりますが、実際どういう状況になっているのかといったものでございまして、来年度につきましては61施設を予定してございます。

 調査の内容でございますけれども、図面等がある施設ですとか、新しい施設に対しては、机上調査といいまして、図面等で調査できるんですけれども、やはり古い施設と、それから、区のほうが自前で建てていないものに関しては実態調査といったような形で現地のほうを調査していく。そういったような調査でございます。

 以上でございます。

○山本委員 
それぞれ御答弁ありがとうございます。

 ちょうどこの消費税が10%に上がってから、中央区においてはかなり多くの公共施設整備、また、再開発等々行われるのかと思っております。

 平成31年、本の森ちゅうおうの着工ということですが、本の森に関しては、一度規模を縮小したと思うんです。オリンピックが決まってから先延ばしにしていて、規模を縮小して少し経費軽減したのに、また少し上がってしまうのかと思いました。

 消費税率は中央区がどうにかできる問題ではないんですけれども、たかが2%、だけれども、されど2%だと思います。こういった都市整備費関係については決して軽いものではないと考えております。

 今後も十分にその時期等を見定めながら、契約や着工、また、施設等の整備を進めていただきたいと思います。

 2点目の質問がこの都市整備公社の助成事業なんですけれども、区内のマンションの改修修繕工事についてちょっとお聞きしたいと思っております。

 最近、耐震ではなく、修繕工事を始めるマンションが非常にふえているように感じております。都市整備公社では、分譲マンション計画修繕調査費助成、相談事業、共用部分改修費用助成などを行っております。

 この修繕調査依頼や、また、相談というのは現在、どの程度あるのかお聞かせください。

○川島住宅課長 
マンションの修繕につきましては、公社との連携により支援してございます。まず、計画修繕調査費の助成というのを行っているものについては、建築後8年以上を経過した区内の分譲マンションに対して、建物及び給排水管の調査を行うなど、そういったことに対して調査費を助成していくといった内容になります。

 昨年度の件数については17件、その前については21件といったことで、20件前後の御相談を例年いただいているというような状況になってございます。

 また、分譲マンション共用部分の改修費用助成についてですけれども、こちらについては、築20年以上を経過している区内の分譲マンションを対象としておりまして、壁面改修ですとか、防水関係といったような修繕、それから、防災対策工事といったものを対象に行ってございます。

 こちらについては、平成29年で14件、28年で9件といったところで、10件前後の御相談に対応しているといった状況です。

 以上です。

○山本委員 
それぞれありがとうございます。

 今回、マンションの修繕調査費等々、相談件数などを聞いた理由についてなんですけれども、先日、浜町三丁目のトルナーレの大規模修繕工事の話を耳にしました。トルナーレは2005年9月に竣工を迎えており、14年が経過しています。管理組合において、消費税引き上げを考慮して10%に上がる前に大規模修繕工事を実施するということでお聞きしました。総工費が約10億円かかるため、消費税額8%と10%では消費税額が2,000万円も余分にかかるということで、増税後に余計な消費税を払うのであれば、増税前に急いで契約だけでもしたほうが得かもしれないという考え方だそうです。

 それぞれのマンションの規模や状況によって仕様が決まる大規模修繕工事のような、いわゆる定価のないものについては、その判断の時期が非常に難しいと考えております。こういった判断について、都市整備公社としてどのようにマンション管理組合等にアドバイスしているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

 また、平成30年度の行政評価の55ページを見ますと、マンション実態調査の結果報告がございます。課題について少し読ませていただきますが、マンション実態調査では、維持管理や耐震等に対する関心が低く、高経年マンションも増加していることから、管理組合への支援内容をより充実させ、中長期的な修繕計画の策定と長寿命化への支援のほか、マンションが管理不全に陥らないよう管理組合に対する総合的な支援も必要である。平成28年度に実施したマンション実態調査結果を活用し、高経年マンションに有効な情報提供や大規模改修等を想定するアドバイザー派遣制度の利用費助成の活用促進等、管理不全に陥らないよう分譲マンション管理組合に対して、長寿命化を踏まえた支援策の充実に向けた検討を行うと書いてあります。

 今後、区内の90%がマンションである中央区において、こういった改修や修繕といった工事がふえてくるかと思います。今後、マンションの更新がふえるにつれ、技術的な相談のみならず、もう少し総合的な相談に乗れないのかと思いまして質問をさせていただきます。

○川島住宅課長 
マンションの修繕に当たって、管理組合の方が抱える悩みというのは非常に多岐に及ぶ形になります。

 私ども技術的な面への支援も行ってきているところですけれども、築20年を超える、要は大きな修繕を要するような建物が非常にふえてきている現状を捉まえまして、実態調査でいただいたような状況も考慮に入れながら、今年度、昨年度におきましては、そういった修繕のところに意識をより強く向けた情報発信といったようなこともさせていただいております。

 具体的には、セミナーの中で高経年マンションにおける設備改修の方法ですとか、長期修繕計画と資金計画のあり方についてといったようなことをテーマで取り上げまして、消費税についても、具体的なアドバイスというところは行っていないんですけれども、こういったセミナーですとか、そういった場を通じた情報発信の中で注意喚起、啓発を行っているところでございます。

 また、修繕の進め方ですとか、それから、計画をどのようにこれまで立ててきたのか、そういったところも管理組合ですとか、建物の規模によってさまざまといったところもございますので、より具体的な悩みに対応できるような相談のあり方というのが必要だろうというふうに考えておりまして、まずは管理組合にアドバイザーを派遣する。これについては年間5回、無料で派遣を行っているんですが、理事会ですとか、総会といったような場に専門家に行っていただいて、直接のお悩みも聞きながら、いろいろなケースに対する助言を行うといった中で対応しているところでございます。

 以上です。

○山本委員 
御答弁ありがとうございます。

 今回、消費税の増税の影響ということについては、契約時期と工事完了、そして、引き渡し時期がポイントになるかと思います。一定の取引形態に該当するものにおいては経過措置があるということで、そういったことについても、マンション管理組合の方にぜひとも説明していただきたいと思っております。

 また、この時期、消費税増税による駆け込み需要がかなり出てくるのかと思っております。この駆け込み需要があるときは、見積もりが高いとか、仕事が遅いとか、質が悪い工事となることが心配されます。

 都市整備公社において、経過措置があり、慌てることはないこと、また、十分に検討せずに駆け込み発注することは危険であることなど、必要な工事を必要なときに実施することが望ましいなど、広報していただきたい、きちんとお話ししていただきたいと要望し、質問を終わります。

○石田委員 
第7款「都市整備費」の質疑も終了したと思われますので、次に、第8款「教育費」の質疑に入るようお諮り願うとともに、暫時休憩し、午後2時45分に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後2時45分に委員会を再開いたします。

 なお、再開に先立ちまして、東日本大震災8周年追悼式に際し、黙祷を行いますので、お早目に御参集願います。

 さらに、各会派の代表者の方は、休憩時間中に議会応接室におきまして代表者会を開会いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午後2時06分 休憩)


(午後2時45分 再開)

(黙祷)

○鈴木委員長 
休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。

 第8款「教育費」について、理事者の説明を願います。

○浅沼企画部長 
(説明)

○鈴木委員長 
第8款「教育費」について、質問者の発言を願います。

○富永委員 
それでは、教育について質問させていただきます。

 今、中央区は、子供の数、義務教育、15歳以下、幼児、それから、児童生徒はいっときに比べて物すごく激増しております。戦後、区の人口が最も多かった昭和30年代前半と比較して、子供たちを取り巻く環境というのはどのようなものでしょうか、その推移等も含めてお知らせください。

○長嶋教育委員会事務局次長 
昭和30年代といいますと、ちょうど私が小学生生活をそろそろ始めたころでした。

 当時は、たしか1学級50人程度だったと思います。また、授業時数につきましては、今と同程度の授業時数を持っているというような形になっています。ただ、それ以降、この学校の運営の仕方が、実際問題としていじめですとか、学校の評議員ですとか、学校の管理運営の問題が現在は非常に厳しい状態になっています。

 また、児童に目を向けますと、その当時に比べて、やはり遊び場、どこで遊ぶというような部分が、中央区を見ますと少し狭くなってきているというようなことがございます。

 そういった意味でいきますと、今後、やはりこの社会の状況に応じて、子供たちの育成をどう考えていくのか、それは体力増強の体力面、それから、学力面、そういった面でも、やはり教育委員会や学校自体が昔に比べて主体的に向上を図っていかなければならないものというふうに考えているところでございます。

 以上です。

○富永委員 
ありがとうございます。

 そうですよね。今、本区の中でもやはり遊び場が少ない。昔だったら、おうちへ一旦帰って、ランドセルを置いて、みんなでまた公園に集まって遊ぶというような環境だったと思うんですけれども、今、そういうことがなくなってしまっている。中央区の住宅環境、それから、生活環境の中で行われている教育の、最大の利点と、それから、問題点と、主なところを教えていただけますか。

○伊藤庶務課長(参事) 
ただいま子供たちを取り巻く住宅環境、生活環境というお尋ねがございました。

 最初のお尋ねのところにあるように、これまでを振り返りますと、中央区の住宅環境、生活環境、当然大きく変わっておりますが、まず1つ、住宅環境で言えば、中央区というところが今、集合住宅、高層住宅の中で暮らすというのが、ある意味標準的になっているという中で、昔のように、学校下校後あるいは休みのときに地域の皆様、年齢を問わず一緒に過ごす、あるいは、自身の保護者、親子だけでなく、周りの地域の方々と一緒に生活しながら、その中からいろいろな学びを得るというところが随分変わっているというふうに思います。

 それから、生活環境というところで、とりわけ卑近なところで言いますと、最近の情報技術の発達による、例えばSNSに見られるような情報化社会の中で、子供たちは好むと好まざるとにかかわらず多くの情報を得て、もちろんその情報を得るということはかつての環境に比べて多くのものを得るという機会がある一方で、やはり社会との接点というところが、ある意味で明確な境界がなくなってきているというか、そこに子供たちに予期せぬ大きなリスクというのが絡んでくるというふうに思います。

 一方、私自身、学校運営というところにいろいろかかわってみますと、中央区というところは、今、申し上げたような大きな変化が、社会環境、生活環境、住宅環境でありながらも、学校を保護者のみならず、PTA、そして、地域が支えるというところは、各地域ごとにすごく情熱を持って、あるいは、愛情を持って支えていただいているというふうにやはり私は思いますし、それを実際に学校運営にも、子供たちの教育にも生かせているというメリットがあるというふうに理解しております。

 以上でございます。

○富永委員 
ありがとうございました。

 今、いただいた回答の中に、きょう、私が準備している質問の中で幾つかリンクしてくるところがありますので、それはまたその都度の機会で発言させていただきたいと思います。

 所信表明の中で区長は、次代を担う子供たちがそれぞれの個性を伸ばし、能力を育みながら、みずからの力で未来を切り開いていけるよう、教育の総合的計画である教育振興基本計画を改定すると述べられております。

 平成22年度から平成31年度まで10年間を計画期間として現在に至っておりますが、教育委員会では、この計画に基づいて今まで進めてきたさまざまな施策の取り組みや成果についてどのように捉え、また、評価をしていらっしゃるのでしょうか、お知らせください。

○伊藤庶務課長(参事) 
教育振興基本計画についてでございます。

 現在の教育振興基本計画は、平成22年からの10年間の計画ということでこれまで進めてまいりました。中央区が目指す教育目標を実現するために、「生きる力」を中心とした質の高い教育の展開、「学校力」の強化と教育環境の充実による魅力ある学校づくり、「社会全体」で支える子どもの健全な育成という3つの視点で体系化しておりました。

 これまでのおよそ9年間というところの取り組みを考えますと、例えば学力の向上では中央区独自に区費の講師を配置し、少人数指導などを手がけてきて、学力向上に一定の成果を上げているとういふうに理解しております。

 また、先ほどの教育委員会事務局次長の答弁にもございましたように、保護者や地域の方に理解され、信頼される学校づくりということで、学校評議員制度を開始いたしまして、情報の提供や地域の皆様の御意見を伺うというような形をとりました。

 また、いじめの問題につきましては、組織的な対応をとるために教育委員会に連絡協議会やいじめ対策の検討委員会を組織し、また、学校現場でもいじめ対策委員会を設置するというようなことを義務づけ、いじめ問題に関しては早期の発見、早期に対応、そして、未然防止ということに、組織的に取り組んでまいりました。

 10年計画の後期におきましては、オリンピック・パラリンピック教育についても新たに取り組むようになりまして、中央区版の1校1国運動を初めとする取り組みをこの間手がけてまいりました。

 このように今、申し上げましたような状況でまいりますと、教育振興基本計画に基づく施策というのは着実に進めてくることができたかというふうには受けとめております。

 ただ、この間、こうした新しい教育課題に取り組むということの裏返しで、学校教育現場としては多くのことに取り組む必要が出てきたために、教員の多忙化による新たな課題というのが顕在化したということで、決してこの間の取り組みが課題なしではないというふうに理解しております。

 以上でございます。

○富永委員 
ありがとうございます。

 今の社会というのは昔と違って、AIとか、本当にボタン1つでぱっといろいろなところに情報が流れたり、とれるようなものが広がっている中で、今のお話の中にありましたいじめの問題や何かも、昔は学校の中、それから、学校から帰ってから地域で子供たちが遊んでいる中でからかいがあったり、いじめがあったりすれば、その地域の大人たちが、そんないじめなんかするんじゃないとか、そういうようなものがあったんですけれども、今、インターネット、SNSを使ったいじめとかというのが非常に表面化しづらい。昔と違って、そういうものを利用して教育につなげていくというメリットの部分は大きいと思うんですけれども、逆にデメリット部分というのがなかなか目に入りづらい。

 気がついたときには、その子供の傷が深くなっているとか、そういうのが今、すごく問題になっていると思うんです。

 今後はそれら、その子供たちに限らず、社会を取り巻く環境というのがどんどん変化して、SNSによる、軽い気持ちからのちょっとしたいたずらが、それが広く世間に知れ渡って、社会現象にまで発展してしまったり、本当に予測が困難なことがしょっちゅう起こっていく中で、やはりそれらにきっちりうまく対応しながら、子供たちのためにうまく教育していかなければいけないのではないかと思います。

 その辺を将来、これから予測困難な状況の中でどのように事が起こっても、それをきっちりその場でしっかりと対応していきながら、多角的に取り組んでいく必要があると思います。そんな中で、次期の教育振興基本計画の策定に当たりまして、教育委員会はどのような方針で取り組んでいくのでしょうか、お聞かせください。

○伊藤庶務課長(参事) 
今後、新たな教育振興基本計画の改定というところに入るわけでございますが、ただいま委員からも御指摘があったSNSに代表されるように、子供を取り巻く環境というのが大きく変わりつつあります。

 その背景は、AIに代表されるような目覚ましい技術革新といったことが、いわゆる生活の行動様式もそうですし、あるいは、社会に出てからのビジネスの環境も大きく変わるだろうということを受けとめております。

 今般、次の教育振興基本計画を策定するに当たっては、当然目の前にまず、次期学習指導要領の改訂がございますが、この中で、例えばプログラミング教育について提唱されていたり、あるいは、外国語教育が示されていたりということがございます。当然公教育、義務教育でございますからこういうこともやっていくんですが、その先に何があるか、言い尽くされている言葉ですが、それはまさにグローバル化の進展、あるいは、情報化のさらなる進展というところです。これはやはり先の見通しが非常に難しい。

 次の子供たちが迎える社会はこういう社会ですというふうに提示することができない。その中をたくましく、みずからが判断し、あるいは、いろいろな他者と協力し合って判断し、みずからそれを推し進めていく。そして、その中でたくましく生きていけるような教育を施すということが必要であろうかというふうに思います。

 いずれにしましても、そうなりますと、やはりいろいろな知見というのが必要であろうかというふうに思いますので、多くの方の見解や意見を取り入れながら、次の10年間、子供たちがたくましく生きていけるような方向性を示していきたいというふうに考えます。

 以上でございます。

○富永委員 
ありがとうございます。

 非常に難しいところだとは思うんですけれども、ぜひしっかりと進めていただきたいと思います。

 子供たちの教育の中で人間性をつくり上げていく中で、最も大事な部分は道徳心だと思うんです。今後、中央区の子供たちがしっかり学んで、よく運動して、健全に育っていくというのは本当に誰もが願うところなんですけれども、その一番の気持ちの中で大切な道徳心の教育というのを今後、どのようにされていくのか、ちょっとお聞かせください。

○吉野指導室長 
道徳心というところでございますが、御案内のとおり、小学校のほうでは道徳が教科化され、特別の教科、道徳として既に実施しているところでございます。

 やはり道徳では直接道徳心という心に迫っていく教育を行うところでございます。それとともに、やはり知・徳・体のバランスよく育てること。特に知・徳・体の徳の部分が心に当たるところですけれども、豊かな心の醸成というところが大切になってくると思っております。

 この道徳でございますが、今回の改訂で道徳が教科化したことで、どこに注目されているかといいますと、やはり議論する道徳、考える道徳というような言葉がよく使われております。

 これは、これまで一方的に教えてきたというわけではないんですけれども、子供たちがよりこの道徳的価値に気づくように、まずは子供たち一人一人がしっかり考える。そして、学校というのは集団で生活する場ですので、友達や先生としっかり議論するというところで、これまでの道徳心をより深く身につけるというところを大切にしていきたいと思っております。

 その実践が小学校では今年度から、中学校では来年度から教科化ということで始まることになっております。

 以上です。

○富永委員 
ありがとうございます。

 我々が子供のころ、テレビをつければ、例えば漫画アニメです。みなしごハッチとか、例えばフランダースの犬とか、そういうようなものでもって、主人公がいじめに遭いながら、周りの仲間たちからの助けがあってうまくそれを乗り越えていったりという、本当に日常の中でもそういう、テレビを楽しみながら知らず知らずのうちに道徳心を勉強したりとかというようなものが昔は多かったと思うんですけれども、今、例えばああいうみなしごハッチみたいなものをやったら、いじめを助長するとかクレームが入るかもしれません。それで子供たちが、せっかくそこで、本来であればテレビを見ながら学んでいくようなことも学べなくなってしまうという中で、どうやったら一番大事な部分を子供たちに教えていくかというのは、学校の教育だけではなくて、社会を含めて全部やっていかなければいけないところだと思います。

 本当に難しいとは思うんですけれども、引き続き子供たちが希望に満ちた未来へ向けて育っていけるようによろしくお願いいたします。

 次に、中央区立の学校における働き方改革について。先ほども答弁の中に、先生たちへの負担のことがちょっと出てきましたけれども、子供にとって教員との触れ合いはその後の人生にとって物すごく大きな影響力を持つと考えています。

 僕自身、人生を振り返っても、教えていただいた先生方のことは今でもはっきり覚えていますし、ことし90歳になる先生がいるんですけれども、年に一度か二度お顔を見にいって昔話をしたりということをやっています。

 だからこそ教員にはより多くの子供たちに触れ合いながら向き合う時間が必要だと考えております。

 先ほど教育委員会事務局次長の話で、昔は、昭和30年代は1クラス50人ですか。私は昭和42年生まれなんですけれども、私らのときには45人ぐらいだったのかな。それが今では35人。大分減ってはいるんです。それで、昔はもちろん今みたいにパソコンもそんなには普及していないですから、しばらくしてやっとワープロが出てきたぐらいなのかな。テストというと、それぞれの担任の先生が手書きで問題を書いて印刷室に行ってわら半紙に印刷して、それでもってやっていました。わら半紙のプリントだから茶色いし、インクが染みていたりして、ああ、汚いテストだと言うと、先生に汚いテストとは何ですかと、それで怒られたりしたんです。

 昔に比べて今はパソコンで打って、間違いもすぐ修正できるし、どこかの資料もコピーしてペーストできる。それで、ボタンを押せばすぐにプリントアウトされる。そういう作業面では昔から比べて物すごく簡単になっていると思います。

 先生1人が担当する子供たちの数が減り、印刷などの作業も減ってはいるのに、むしろ昔よりも先生に対する負担が大きい。

 そういった中で、先生の働き方の改革というのは、物すごく今、重要視されていて、本当に先生もストレスをためながら子供たちと向き合っている中で、やはりメーンになる先生がしっかりと健全な精神状態でもって子供たちに触れ合うことができなければいい教育もできない。

 そういった中で、先生たちの働き方の改善策というのを中央区としてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか、お願いします。

○伊藤庶務課長(参事) 
教員の働き方改革でございます。

 教育委員会では、本年度、中央区立学校における働き方改革の推進プランを検討し、このほどまとめました。

 今、委員の御指摘もございましたが、私どもがこの働き方改革をまとめるということの意義というか、最大の目的は、教員の業務の見直しや、それから、教員の業務の支援をすることによって、教員一人一人が今のさまざまな業務で忙殺されているところから時間を取り出し、そして、勤務時間を縮減する一方で、子供たちと向き合う時間を確保し、丁寧に1人ずつの子供たちに教育を施す。そのことが最終的には質の高い教育とつながるということが大きな狙いでございます。

 実際には、教員自身の業務のありようというのをまず見直す。そして、これまで教員が当たり前のようにやっていたものの中で、真に教員が優先して取り組むべき業務、プライオリティをきちんと整理する。そして、教員がこれまで担ってきたところを、業務を支援するスタッフを入れたり、あるいは、校務が縮減されるように多機能のプリンターを入れたりというようなところで、校務に携わる時間を縮減するというような取り組みをしております。

 また、その前提としては、教員自身1人ずつの意識改革というのも必要であるし、学校長は適切に教員の長時間の勤務を確認しつつ、必要に応じてその縮減に取り組むよう指導、助言するということも必要ですので、客観的な勤務時間の確認、客観的にデータをとるために新たに教員の勤怠システムを導入する。こういうような取り組みをすることなど、大きく早急に取り組むべき内容として整理し、早速次年度から実施してまいる所存です。

 以上でございます。

○富永委員 
ありがとうございます。

 先生方のきちんとした支援のために、ぜひ働き方改革をしっかりと進めていただきたいと思います。ありがとうございます。

 続きまして、本区の特別支援教育についてお尋ねします。

 福祉保健の款で、障害児への支援についても質問しましたけれども、まず、本区の特別支援学級の現状についてお尋ねします。

 明石小学校、月島第二小学校、それから、銀座中学校に設置されている特別支援学級は、それぞれの子供たちの能力や可能性を最大限に伸ばし、将来自立し、社会参加することができるよう、日々適切な指導及び必要な支援を行っていただいているところではございますけれども、今、やはりそういった支援を必要としている子供たちの数がふえて、日本橋地域から明石小学校の特別支援学級に通う子供たちがふえていると伺っております。

 日本橋地域から明石小学校に通うことについては、交通の利便性や安全性の観点から、何らかの通学支援が必要であるのではないかと思うんですけれども、これまで私どもが提案して、来年度から実際に対応していただけると伺っております。実際、来年度からはどのような通学支援を行うのかお聞かせください。

○細山教育支援担当課長 
特別支援についてでございます。

 まず、本区の特別支援学級の現状でございますが、明石小学校、月島第二小学校、銀座中学校、各学校とも2学級から3学級で過去推移しておりまして、現在、少しずつふえているという現状でございます。

 今後につきましては、特別支援学級の増設ということも視野に入れながら、適切な就学相談を進め、特別支援学級に在籍する児童生徒の推移を見守りながら進めてまいりたいというふうに考えております。

 続いて、通学支援でございますが、日本橋地域から明石小学校の特別支援学級に通う子供たちにつきましては、これまで1年生から3年生まで通学支援を行っておりましたが、この1年生から3年生という学年を1年生から6年生という形に全学年を対象とすることとさせていただきまして、自宅からおおむね1.5キロ離れているお子さん、それから、本人の障害の状態によって、自力で登下校が困難であるお子さんにつきましては、全学年、保護者からの希望があれば通学を支援するという方向で進めてまいります。

 以上でございます。

○富永委員 
ありがとうございます。

 しっかりとぜひよろしくお願いしたいところであります。

 今、答弁の中に、特別支援学級をふやしていくという回答がありましたけれども、それはほかの学校につくっていくということなんですか、お知らせください。

○細山教育支援担当課長 
ここにつきましては、どの地域に特別支援学級に通う必要のあるお子さんがいらっしゃるかという、どのようにふえているかという傾向を見せていただきながら、その推移を見守って計画を進めてまいりたいというふうに思っております。

 以上です。

○富永委員 
ありがとうございます。

 あと、本区では、東京都が始めた事業で、全部の小学校に特別支援教室を設置して間もなく2年になるかと思うんですけれども、それを始めるに当たって、モデル校として幾つかの学校が3年ほどやっていたと思うんです。その成果とかを見てみたら、事業における成果として、支援を必要としていた児童の利用が増加した。それから、在籍校の理解啓発、特別支援教室の利用を申請するに当たっては、校内委員会での検討が必要なため、委員会の開催が活発になり、その結果、教職員の理解啓発につながったとあります。

 それから、対象児童の状態の改善。これはもちろんそのためにやっていることですから、成果としてこうやってきちんと上げられていることがいいと思います。

 あと、やはり特別な指導への理解の促進。それから、自分が通っている学校でよい、ほかの学校まで行かなくて済むということで、今、支援があると言いましたけれども、その学級に通う子供たちであれば、保護者の送迎の負担が軽減されたというのがこのモデル事業の3年間でのアンケートの回答として上がってきておりました。

 先ほども言いましたけれども、中央区でも全部の小学校に特別支援教室を設置して間もなく2年がたちますけれども、この中央区内での今、述べたような成果はどのようなものが挙げられますでしょうか、教えてください。

○細山教育支援担当課長 
特別支援教室の本区における成果でございますが、まず、子供たちにとりましては、今まで特別支援教室がなかったときには、通級指導学級ということで、自分が在籍している学校から離れた学校に通わなければならないということで、これは、子供が通学することの負担と、それから、送迎する保護者の負担というものがございましたが、今年度より全ての小中学校に特別支援教室が設置されたため、そういった通学の負担が少なくなりました。

 また、通級指導学級に通うためには、やはり授業を抜けるということで、その教科を勉強する時間が少なくなっていたわけですが、それが自分の学校で学べるため、そういった抜ける時間が少なくなったということは、子供、保護者の方に非常に安心していただけるのではないかというふうに思っております。

 また、特別支援教室を巡回する教員と、それから、担任の先生とが学校の中でその子の状態についてしっかりと話し合い、そして、どのような指導をしていくのかということが、今までは離れていたのでなかなか時間の確保ができなかったんですが、今はその学校の中できちんと巡回指導教員と担任とが協力し合って指導ができるということが大きな成果であるというふうに考えております。

 また、このようなことで、子供たちの変容が学校の中で非常に見られるということで、先ほど委員からもお話がありましたとおり、保護者の方、子供がその成果を感じて、自分も特別支援教室で指導してもらいたいということで入室を希望する児童生徒がふえてきているというところが大きな成果だと捉えております。

 以上でございます。

○富永委員 
近所の、地元の学校の子供たちと接する機会がすごくあるんですけれども、その中の、やはり特別支援学級に行っている子なんですけれども、3年生ぐらいのときに初めて会ったのかな、今は6年生なんですけれども、えっと驚くぐらいに、みんなのリーダーシップをとるぐらいの子になっているんです。

 本当にびっくりしてしまって、これはまさに中央区でやっている支援のしっかりとした成果があらわれているのかなといって、そのことも校長先生と話しました。今後もぜひ進めていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 引き続き、学校選択制についてお尋ねしたいんですけれども、定住人口の減少に伴い、児童数も減りました。その結果、区内にあった学校の幾つかを統廃合して、それでももうちょっとまだ統廃合しようと言っていた中で、幾つかの学校はそれをせずに今、残った。

 残ったおかげで、今、これだけふえてきている子供たちに、その学校をうまく活用しながら対応しているわけです。その中で、今、学校選択制の中で、特認校制度を中央区でも始めて10年だと思うんですけれども、全国的に見ると、大体過疎化が進んでいて、人が、地元の子供たちがいなくなってしまう。それで特認校制度ということをやりながら、大体どこの学校でも100人以下の児童の学校がほとんどだと思うんですけれども、本区の場合は逆で、子供たちがふえている、学校が足りなくなる、でも、新たに学校を整備するのが難しいので、今まであった学校に子供たちを連れてこようという、よその地域とは逆の考え方の特認校だと思うんです。

 よそが大体100人以下というところの中で、例えばこれから城東小学校もそうなんですけれども、新しくでき上がった暁には、特認校として多分400人前後の子供たちがそこに集まってくるようになると思うんですけれども、それだけ多くの子供たちを特認校として受け入れられるということは、余り地元の子がいないんです。

 さっきから答弁の中でも地域の中での子供の教育というお話もあるんですけれども、こうなってきてしまうと、今度、なかなか地域と子供との連携が難しいのではないかというのを考える中で、この中央区が今、進めている特認校について、この先の展望についてお聞かせください。

○星野学務課長 
特認校の今後でございます。

 平成21年度から特認校制度ということで、月島地域の学校の狭隘化と保護者の選択できる幅を広げるということで始めたところでございますけれども、城東小と阪本小につきましては、今、改築を行ってございまして、平成35年以降については2学級化ということになります。

 今後の特認校をどういうふうに考えているのかというところでございますけれども、城東小と阪本小につきまして、今、昨年の申し込みなどですと、ほぼ倍以上の申し込みがあるような状況になっております。

 やはり月島地域の学校の狭隘化というのも進んでおりまして、そういった状況から今後につきましても、城東、阪本、常磐、泰明小と、再来年からは京橋築地小学校で特認校ということで、今後もそういった形で続けていくような形で今のところ想定しているところでございます。

 以上でございます。

○富永委員 
特認校といえばスクールバスの話が必ずついてくるんですけれども、今後、当然子供がふえれば、交通手段としてスクールバスを使う子供たちもふえてきますが、それだけの子供たちにスクールバスが対応できるのか。もしそうではないとすれば、その代替の通学手段、それだけ多くの子供たちがやはり大人と一緒の通勤の時間帯に合わせて、もし自力通学をするようことになれば、子供を取り巻く環境の中でかなりのリスクというのは出てくると思うんですけれども、その辺を簡単にお聞かせ願いたいと思います。

○星野学務課長 
スクールバスについてでございます。今後、スクールバスにつきましても、城東、阪本小等が2学級化されることによって、台数も当然ふえていくというような状況が考えられるところでございます。

 とはいいながらも、月島地域からそれぞれの今の特認校に通う交通機関があるところについては電車等で通っていただくということはいいと思うんですけれども、安全にという部分を考えて、今のところスクールバスを継続している状況でございます。ただ、今後について、平成35年以降、2学級化されたときどうしていくのかというところでございますけれども、当然学校ですとか、PTA、スクールバスの委員会を教育委員会ともやってございまして、今後のあり方についてはその中で平成35年に向けて検討していきたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

○富永委員 
ありがとうございます。

 実際、子供たちがふえるときにどう対応していくのかというのは、なかなか今の段階ではまだ難しいのかと思いますが、待ったなしに時間は迫ってきているんです。しっかりと子供の安全を守った上でのそういう通学の手段を考えていただきたいと思います。

 ちょっと時間がなくなってきてしまったので、子供の安全ということで、防犯カメラについて質問させていただきます。

 東京都の事業の整備の進めでもって、今、中央区内の小学校の通学路には全部防犯カメラが設置されたということです。1つの学校で5台。ただ、商業地の真ん中にある学校もそうですし、そうではないところもあるし、それぞれ学校の周りの環境というのが違う中で、ただ東京都の進めでもって5つ設置したからいいというふうに考えているのか、それとも、やはり学校の地域事情に応じて、必要があればふやそうということで中央区として考えているのか、お聞かせください。

○星野学務課長 
防犯カメラの設置でございます。

 防犯カメラは平成30年度までに各校5個ということで、今、全部で80台整備が終わったところでございます。

 ただ、この80台というのが、適切かどうか。要は地域の広さとかもございますので、それについてはこれからも検討していく可能性というのはございます。

 一方で、通学路の防犯カメラではないカメラが地域にそれぞれございまして、そういったところと、あと、各校のPTAなどとも再度いろいろ検討しながら、これ以上にまた必要なところとか、通学路の安全対策の中で毎年そういった点検をしておりますので、そういった中で、今後、もし必要があればつけていこうというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

○長嶋教育委員会事務局次長 
済みません、少し補足させてください。

 防犯カメラにつきましては、今、当面5台という形で整備しています。ただ、防犯カメラも悉皆でつけるべきなのかどうか。プライバシーの問題もあると思いますので、そういった議論も当然あろうかと思います。

 ですから、当面この5台で運営させていただきまして、この中で、今後防犯カメラがまちの中でどうあるべきかというのも含めて考えた上で結論を出していきたいと考えてございます。

 以上です。

○富永委員 
防犯カメラをつけるに当たって、必ずプライバシーという話が出てくるんですけれども、監視するのではなくて、人々の安全を守るため、何か起こらないように抑止力等々のために使うというのが最近やっと理解が得られてきたところかと思います。

 何よりも子供の安全が第一です。あと、来年オリンピック・パラリンピックが来るので、その警備や何かでもまた防犯カメラ等々の話が出てくると思います。それをうまく機会として利用しながら、しっかりと子供の安全を守っていただきたいと思います。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

○鈴木委員長 
次の質問者の発言を願います。

○中島委員 
本日最後の質問ということで、控え目にお話しさせていただきたいと思います。

 教育費ということで、直接教育費というよりも、人口増に伴う教室の数の心配なところをちょっとお話しさせていただきます。

 現在の小学生の数というのは6,718人と区政年鑑には書いてありましたが、それを大体区の人口で割ります。それに対して平成40年の想定が21万一千いかほどか。それを掛けると、大体その当時の小学生の数が出るかというふうに思っているんです。それで、掛けると大体9,000人ぐらいの数が出てくるわけです。

 というと、今、6,700人だった小学生が平成40年には9,000人ぐらいになる。けれども、これは今までの状況でいけばの話なんで、実質、出生率がどんどん上がっていますので、9,000人をかなり超えるかというふうに思っております。

 それで、1つお聞きしたいのは、現在の教室の数と小学校の数で、今後、どのぐらい不足するのかということ。そういった危惧はないのかということと、あと、晴海に新しくできる小学校の数を含めて賄えるのかどうか、まずお聞きしたいと思います。

○染谷学校施設課長 
人口増加に伴う児童数の増加、そして、それに伴う教室の数についてでございます。

 各小学校では、普通教室へ転用可能な多目的室や特別教室などを保有しておりますので、普通教室が不足するおそれがある場合はそれらの教室を改修していきます。

 以上でございます。

○長嶋教育委員会事務局次長 
現在、私どもでは、平成40年度には小学生が大体1万人以上になるだろうという推計はしています。

 そういった中で、現在、エリアによって学校の状況というのは少し変わっておりまして、例えば日本橋地域ですと、あそこは1回増築していますので一応一段落しています。ただ、増築をしているんですが、すごく余裕があるような増築をしているかといえば、そんなことはありません。ですから、3校とも同じような状況の中で、今のところは間に合うかなと思っています。

 ただ、ひょっとしたら、これも人口のぶれの問題がありますので、そういった部分については若干、数クラス、新たに増築なり、いろいろなことを考えていかなければいけないんだろうと思っています。

 また、京橋地域に関しては、基本的には各学校とも比較的余裕教室がまだあるような状況になっています。

 それから、最後に月島地域でございますけれども、こちらも晴海の新校、それから、いざというときのためということで、予定地も一応確保しています。現在では、月島地域全体としてみれば、新校だけで多分間に合うと思ってございますが、ただ、児童数のピークになる時期というのはそれぞれの学校でずれています。

 そういった意味で、それらに対応するために、ある学校については増築をするのか、それとも、学区域という意味で変更していくのか、そういった議論が多分将来的には出てくるだろうと思います。

 ただ、今の状態、先ほど1万人程度になるだろうというのは確かにそのとおりでございまして、1万人以上、1万2,000人近くなるだろうと推計はしています。ですけれども、今のところそれで対応を何とかできるだろうとは考えています。

 ただ、先ほども申し上げましたとおり、就学率も含めてぶれというのは非常に大きいものがあります。ですから、そういった意味では、毎年その辺については十分注意しながら、各学校が大丈夫なのか、大丈夫じゃないとすればどうしていくのかというのを各学校ごとにきちんと考えていかなければいけないというふうに考えているところでございます。

 以上です。

○中島委員 
どうもありがとうございます。

 私はどの地域がというのもあるんですが、トータルで見せていただいていました。

 教育委員会では、やはり今現在、どのぐらいの数の教室ができるとお考えになっているか、ちょっとお聞かせいただきたい。

○長嶋教育委員会事務局次長 
トータルでどのくらいの教室数が出るかという話は、基本的に余裕教室のような部分は押さえておりますが、トータルとして何クラスになるというのは学校別に積み上げなければいけないもので、申しわけないんですけれども、今、手元には資料はございません。

 以上です。

○中島委員 
私は最初、9,000人を超えるぐらいかという話をしたんです。1万2,000人まで跳ね上がっているので、1万2,000人でお話をさせていただきたい。

 現在、6,700人に対して1万2,000人ですので、5,300人のお子さんがふえるという。それを35で割ると120ぐらいの教室が必要になる。

 先ほどの都市整備費のときにお聞きした、晴海が最大30クラスというお話をいただいているので、差し引きしてもあと90クラスは足りないという。その90クラスを今の小学校だけで対応できるのかというのをまず教えてください。単純な算数だけの話なんですが、それでお聞きしたいんですけれども、いかがでしょうか。

○長嶋教育委員会事務局次長 
現在、小学校で221教室です。済みません、今、手元で出てきたんですけれども、平成40年ぐらいには350ぐらい。ですから、今から言えば、120クラスぐらいふえるだろうと思っています。

 それについて言いますと、学校の空き教室等を全部改築とか、ほかのところをやれば、基本的にはそれは吸収できると考えています。ただ、学校ごとでのぶれがありますので、そういった意味ではいろいろな対応をとっていかなければいけないと思います。

 トータルだけで言えば、そのくらいのクラス数は確保できます。

 以上です。

○中島委員 
ありがとうございます。

 それで一応安心したと言っておいたほうがいいのか。

 現在、いただいた資料で見れば、4月17日現在で233クラスと使用数を書いてあるんです。これは宇佐美学園も入っているからなんでしょうけれども。

 そうやって考えたときに、これの1.5倍は余裕があるという、そこまで特別クラスというか、専用クラスとして教室ができるという、クラスとして使えるというふうに言われていると思っているんですが、次長さんが言われるので、現実にそうなんでしょうね。

 私はどう考えても足りなくなるだろうというふうに思っていたんですが。それで、足りないということでしたらということで話を考えていましたので。ただ、そういったクラスを使うのであれば、今、足りるということでした。

 では、別の考え方として、小中一貫校はそういった形では利用できないですかというふうに質問したいんです。できるところというのは何カ所か限られてしまいますが。さらに問題なのは、小学校から中学に上がるといったときに、公立中学に行かれる方が50%しかいないですね。それも1つの問題だというふうには思ってはいるんです。これには2つの問題があって、まず、公立中学に行かないという選択肢を持たれる。一貫校であれば、それがかなり緩和できるだろうというふうには思っているんです。

 まずお聞きしたいのは、公立中学に行かない理由をどういうふうに捉えているか。それと、一貫校にした場合、それは緩和できるというふうに思っているか、そのお考えもお聞かせいただきたいと思います。

○長嶋教育委員会事務局次長 
公立中学校への就学率が50%といいますのは、基本的にはやはりさまざまな教育を求めている御家庭が多いんだろうと考えています。

 ですから、例えば私立学校の需要が非常に高いというところがあろうかと思います。また、当然のことながら、公立学校がいいという保護者の方もたくさんいらっしゃいます。むしろ都心だからこそ、そういった形の選択肢がとれるのかというふうに考えてございます。

 小中一貫校になると、中学校にそのまま上がるのではないかという御意見だと思いますけれども、小中一貫校であれば、当然のことながら、小学校に上がった人がその中学校も考慮した上で選択するという形になろうと思います。

 ただ、もともとの中学校への選択が私立、公立、そういった幅広い中での選択であるとすれば、区立で小中の一貫校をつくったとしても、両方とも公立を選択する方が多分そこを選択するだろうと思いますので、大きな部分では公立中学校への進学率が上がるかどうかというのは多少疑問のあることだろうというふうに考えてございます。

 それから、先ほどのクラス数の話で補足させていただきますけれども、先ほど申し上げましたのは、中央区全体のお話でありまして、繰り返しになりますが、各学校別については、当然ながらピーク時期も違いますし、いろいろな事情があります。

 ですから、場合によっては、当然、今後一切増改築なし、あるいは、改修なしでいけるという話には考えておりませんので、それだけはちょっとつけ加えさせていただきます。

 以上です。

○中島委員 
どうもありがとうございます。

 中高一貫校に関しては、中学の教室も小学校として使えるのではないかというふうに思ってお話しさせていただきました。本来であれば、やはり義務教育として、公立の中学に行くのが、地元の中学に行くのが、私は望ましいと思ってはいるんです。そういう意味で発言させていただきました。

 今のお母さん方の心情としては、きょうだいのいない、一人っ子が多い中、いろいろな形で教育費にかなりお金を費やしているというのもあって、やはり中学ぐらいから私立校へという流れはなかなか崩し得ないというふうには思っておりますが、その理由は置いておいてということで、小学校の不足に対して一貫校が何らかの力を添えられればと思って提案させていただきました。

 次に、環境土木費のときにもお話ししたんですが、中央区というのはやはり自然がない。緑被率が低い。そうなったときに、子供たちがやはりそれに触れる機会が少ないというふうに思ってはいるんです。

 現在、各小学校など、中学校も一緒ですけれども、環境と自然教育の考え方、どんな取り組みをされているのか、お聞かせいただきたい。

 それと、城東小が算数と理科のパイロット校になっているということで、そこはやはりほかとは違う取り組みをしているんだろうと思うんですが、その取り組みに関しても御報告というか、お教えいただければと思います。

○吉野指導室長 
まず、本区における環境教育、自然教育というような御質問ですけれども、全小中学校におきまして、理科や総合的な学習の時間に環境や自然と人間の共生などについて、机上での学習ということになりますが、こちらについては、学習指導要領の中身に沿って実施しているところでございます。

 やはりこの環境教育、自然教育というのは、子供たちの豊かな心の醸成というところにつながる大変価値あるものだと思っております。

 そこで、机上の学習だけではなく、実際に子供たちが体験するというようなところにさらに価値があるというようなことで、この体験学習を実施しております。

 学校内においては、ビオトープや生き物の飼育など、学校の特色を生かした教育を展開しているところでございます。

 また、学校独自に校外学習というようなことで、幼稚園や、小学校低学年などは、学校の周りにある公園など、少し足を伸ばして木場公園や水元公園などというところも活用しているところでございます。そのほか、高尾山や檜原村を使っているところもあります。また、東京湾にある野鳥公園など、さまざまな学校の特色に応じて校外学習を行っているところでございます。

 それとともに、御案内のとおりでございますが、中央区では、柏、また、本栖、館山などを活用しながら、それぞれ目的に合った自然体験活動を行っているところでございます。これが中央区の自然教育というところです。

 また、御質問の中で、理数教育のパイロット校である城東小学校ではというところですが、城東小学校はパイロット校ということで、学習指導要領を超えた活動をしているところでございます。大きな目的といたしましては、一人一人の科学に関する基礎的素養の向上、物事を論理的に捉え、筋道を立てて問題を解決していく力、これからのいわゆる先行き不透明な社会を生き抜いていく力を身につけるというところを狙っておりますが、当然その中で、御質問にあります自然教育というところの体験活動も行っております。

 城東小学校はほかの学校と違って、新潟県の津南町にサイエンスキャンプということで、夏に行っております。また、冬にはウインターキャンプということで、同じように自然体験を行っているというところはパイロット校としての1つの特色だと思います。

 以上です。

○中島委員 
どうもありがとうございます。

 ということは、やはりなかなか区内に自然がなくても、各学校で努力して、それなりに自然教育を進めている。それで、成果もしっかり出ていることだと思います。

 それで、サポートテストの結果を見せていただくと、余り言ってほしくないのかもしれないんですが、平成29年も30年も一緒だと思っているんですが、理科に関するものが全国平均よりもどこをとっても下回っているという。さらに、植物観察とか、植物の分類にも問題があるというふうに出ているんです。

 今のお話だと、大変自然教育に対して力を入れているような状況をお聞きしたんですが、テストの結果としてはなかなかそれが反映されていない。それは平成30年、去年だけではなくて、29年も同じような傾向だという。

 それに関しては、本当にそのように現実できているのかどうかというのもまた1つの課題かと思うんですが、このサポートテストの結果についてどのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。

○吉野指導室長 
まず、今、御指摘いただいた結果につきましては、まずは本当に素直に真摯に受けとめているところでございます。実はここ数年、理科と社会に課題があるというところは続いているところでございます。

 では、なぜ課題が続いているのかというところなんですけれども、やはり学習を行うに当たって、まずは教室での、机上での学習。その中で知識を得る。それを活用して体験学習などでやってみる、考えてみるというような活動がまず基本になっております。

 これにつきましては、先ほどお話しさせていただいたように、本区では、充実していると捉えているところでございます。ただ、それを体験活動で行ったものを再度、それが本当にわかったのか、定着したのかというところ、そこに振り返り戻るところがやや弱いというように分析しているところでございます。

 決して言いわけするつもりはないんですけれども、学力調査はほかに東京都の学力調査、国の学力調査とありますけれども、その中では理科は平均を超えるというところで、一定の成果を収めているんですけれども、サポートテストになりますと、これは東京都全校とか全国全校ではなく、希望の自治体が行っているところでございまして、やはり若干レベルが高いというようなところ。これはどうしても言いわけにしか聞こえないかもしれないんですけれども、そのようなこともあります。

 ただ、冒頭に言いましたけれども、このところは真摯に受けとめながら、体験で学んだこと、身につけたことをさらに個人個人のしっかりした学習の定着というところに戻す活動というところはこの後行っていかなくてはいけないと思っております。

 それに伴って、やはりこの繰り返し学習が大事ということが今、言われておりまして、戻すに当たって、来年度の1つの新しい施策の中で、中学校になりますけれども、理科、社会に特化した補習教室というところを新たに始めます。

 以上です。

○中島委員 
どうもありがとうございます。

 一番問題なのは、やはり中央区になかなか自然に触れる場所がないということ。ふだんの遊びでも、やはりコンクリートジャングルといわれるビルの中で遊んでいる以上、なかなかふだんの生活の中でそういった自然を感じる場所がない。それが一番大きな問題なのかなというふうに思っています。

 校外学習として、今は本栖と館山と柏というようなお話をいただきました。以前は小諸とか宇佐美とか館山、さらに柏という、一緒だといえば一緒かもしれないですけれども、それでもやはりもう少し校外学習も自然に親しめたのかなというふうに思っております。

 そんな中で、やはり1つ提案というか、先ほどもお話の中で、各学校においては檜原村を使ったりというところもあると言われた。檜原村に関しては大変自然の多いところで、ただ、行くのにちょっと時間がかかるという面もありますが、かなり時間をかけて館山に行くよりは、やはりまだ檜原村のほうが自然という点では親しめる。ただ、かなり傾斜がきついので危険も伴う。

 けれども、考え方によれば、やはりそういった中で本当の森の中を歩くこと自体が都会ではできない経験というふうに思っているので、ぜひ校外学習として林間学校というような形でしたら、檜原村を使っていただければと前から思っていたんですが、そういったことというのはなかなか難しいでしょうか。

 まず、檜原村の林間学校の可能性についてお聞かせいただきたいと思います。

○吉野指導室長 
まず、本区で行われている、今、お話にも出ましたけれども、柏学園または本栖、館山などでの自然教室でございますが、これは毎年のように、どのような価値があるのか、どのような活動をしているのかということで、あり方検討委員会を含め、検証しているところでございます。

 その中で、特に柏学園につきましては、あの建物の中の自然環境、または、建物の周りの手賀沼、または、公園等も含めて、かなり自然体験ができる価値のある施設だと捉えております。一方で、檜原村につきましても、当然検討はしているところでございます。

 その中でそれぞれのよさというところ、または、宿泊の可能性等も検討はしておりますけれども、やはり地理的な面も含めながら、柏での学習の価値というところは高いのではないかというところを考えているところでございます。

 ただ、一方で、今、御質問の中でもありましたけれども、檜原村の自然の価値、意味というところも、これはこれで教育委員会としても感じておりますので、だからこそ学校が独自で、学校の特色で行う1つの選択肢として檜原村を入れているところでございます。

 実は、檜原村にしっかり行っているところは阪本小学校でありまして、阪本小学校においては、自然体験とともに檜原小学校との交流というようなプラスアルファのところもありますので、やはり若干時間はかかるということですが、より価値のある活動を行っているところでございます。

 ただ、檜原村はなかなか宿泊が難しいのではないか。やはり地理的に難しいのではないかというところからなかなか広がらないというのが現状です。宿泊が単に難しいという言い方をしてしまったんですけれども、宿泊施設がなくはないんですけれども、やはり子供の人数によると、どうしても分宿になるというようなことなので、やはり1つの施設の中で行う柏のほうが、区の自然教室としては価値があるのかというような捉えが現状の考えでございます。

 以上です。

○中島委員 
どうもありがとうございました。

 せっかく檜原村の中で中央区の森として、お金を出して管理していただいている。そんな思いをやはり子供たちにもしっかり見てほしいです。さらに、子供たちに間伐をするということはどういうことかというのをやはり身をもって体験していただきたい。

 柏は、やはりそういったことができない場所です。私も柏学園に行きましたけれども、やはり芋掘りです。芋を植えて、秋に芋を収穫する。サツマイモです。それはずっと前から、現在でもそういうような形で行われているんだろうというふうには思っているんです。

 裏の手賀沼に関しても、一時日本で一番汚い湖と評されたところですから、そこを見て、やはり自然を理解するのはなかなか難しいだろう。

 時間はかかりますけれども、檜原村は水もきれいですし、天然の払沢の滝などはそのまま水が飲めるという。そういう体験というのはなかなか都会だとないというふうに思っているので、ぜひ教育委員会の皆さん、檜原村も大いに活用していただきたいというふうに思っております。

 そんな中に、やはり自然学習として、遠くに行かなくてもできるのではないかといつも思っているんです。檜原村に行っても、ドングリを拾うのにすごく大変なんです。その辺に落ちているんですけれども、みんな草の間に入ってしまって、見つけるのが大変です。それに比べると、区内の公園は至るところにドングリがあって、生態系がよくわかる。自然学習といっても、わざわざ区から出なくても、区の中でも項目によっては十分できるのではないかというふうに思っているんです。

 また、手前みそみたいな話になってしまうんですが、ドングリというのは一般的に22種類あるといわれていまして、そのうちの10種類がこの区内でとれるんです。

 そういうことをやはり子供たちにも知ってもらうことが本来、重要です。10種類もあれば、どれがどう違うのかというのを、興味のある子はしっかり覚えますし、早いうちにそういった経験をしていくと、ふだん樹木を見たときにやはり興味が増してくる。

 そうすると、サポートテストみたいに分類とかいう以前に、やはりいつの間にかそういうことを覚えてしまうというふうに思っております。まず、区内の公園とか街路樹に関して、やはり教育的に自然学習の対象として考えられるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。

○吉野指導室長 
やはり区内の公園というのは、当然一番身近にあるすばらしい自然体験の環境ということで考えておりまして、対象として考えるのは当然であり、現在、既に幼稚園や小学校低学年では近くの公園に行き、ドングリ拾いだったり、または、落ち葉を拾って、その落ち葉で何か活動する、遊ぶ、また、松ぼっくりなどを拾って、その後の教材にするなど、そういう点での自然体験という、一番いい環境、一番近いすばらしい環境としての捉えは現在も既にしているところでございます。

 以上です。

○中島委員 
どうもありがとうございます。

 もう対象だということで、それ以上言う言葉はありません。

 先ほど言ったとおり、ドングリでも区内では10種類あります。松ぼっくりとしても、松ぼっくりの種はどうやって落ちるかというところまであります。ただ、それを見つけただけで喜ぶのではなくて、どうやって種が拡散されるんだというところも知っていただければと思います。

 さらに、この間、お話しさせていただいたあかつき公園にはメタセコイアが群生している。それが6,000年前からの樹種なんだ、古代種なんだということを知るだけでもすごく興味深いと思ってはいるんです。

 ぜひ子供たちが身近で興味が湧くような話題を提供して、自然学習に対して学力が知らぬ間に上がっていくような施策をぜひお願いしたいというふうに思っております。

 次の質問に行きます。

 次は、先ほど前委員がお話しした話とかなり似通っているんですが、障害を持ったお子さんの教育ということで、教育の内容はなかなか具体的に目に触れることが少ないんですが、ただ、発達支援学級、先ほど特別支援学級というふうに言われておりましたが、現在の通う人数、何人ぐらいいるのかということ。小学校で先ほど小学生が6,718人というお話をしましたが、たしか文科省では特別な教育的支援を必要とする児童生徒数を6.5%というふうに発表しておりましたので、それを掛け合わせると、大体400人からの人数となる。

 現状、最初に言った発達支援学級に通う人たちとの差し引きをすると、必ずそれに含まれていない人たちがいると思うんです。そういう人たちまで把握できているのか。そういう人たちはどういうような生活を送っているかというのをお聞かせいただきたいと思います。

○細山教育支援担当課長 
今、お話ありました発達支援という部分についてお答えいたします。

 発達の支援という部分では、本区では特別支援教室という名前で指導をしているところでございます。まず、この特別支援教室につきましては、今年度、小学校では226人、中学校では27人の児童生徒を特別支援教室において指導をしているところでございます。これは、全ての小学校、中学校にこの特別支援教室は設置しております。

 また、この特別支援教室に入室できていない児童生徒につきましては、それぞれ各学校から学習指導補助員ということでそれぞれのお子さんの状態を聞き取りまして、それぞれのお子さんの支援に少しでも役立てられるよう、学校で指導できるよう、担任の補助を行っているところでございます。

 この学習指導補助員を活用した指導につきましては、特別支援教室の入室をしている児童生徒とも重なっている部分もあるということもあわせて申し添えさせていただきたいと思います。

 それから、もう1つ、特別支援学級ということで、これは、知的に発達課題のあるお子さんにつきましては、明石小学校杉の子学級で15人、それから、月島第二小学校陽だまり学級で19人の34人、そして、銀座中学校では25人指導をしているところでございます。

 以上でございます。

○中島委員 
どうもありがとうございます。

 この数をずっと足していくと、かなり400人に近い数かというふうに思ってはいるんです。

 今後、やはり発達支援を必要とするお子さんは大変多くなるというふうに思っています。すでに意外に多いと自分では思ってはいるんですが。

 問題は、そういう人たちを切れ目なく支援していけるかということで。義務教育のうちは、小学校、中学校まではこういう形になるというふうに思っているんですが、では、いざ高校に行くときはどういう形になるんでしょう。やはり義務教育を出ていますので、中学卒業という形で高校に入られるわけですけれども、ほとんどの方が進学されるのか、その後の進路というのはどういうふうになっていくか、お聞かせいただきたいと思います。

○細山教育支援担当課長 
今、高等学校への進学というところの御質問でございます。

 まず、知的に課題のあるお子様、生徒につきましては、特別支援学校にありますコースということで、それも受験することが可能でございます。また、知的障害者を対象としている特別支援学校の高等部に進むということが1つ進路の選択肢としてございます。

 それから、発達障害、知的に課題がない、発達のおくれを伴わない方々、生徒の進路でございますが、それぞれ都立高等学校におきましては、例えば不登校や長期欠席等の経験をされた子供たち、生徒が通うチャレンジスクールですとか、それから、小中学校で十分に自分の持つ能力を発揮できなかったお子さんが学校生活を充実させるためのエンカレッジスクールといったところの都立の学校が選択肢としてございます。

 また、特別支援教室におきましては、そういった子供たち、そして、保護者に対しまして、例えばですが、面接の練習ですとか、作文指導を本人に行ったりですとか、保護者に対しましては、卒業生の保護者の進路の選択の仕方や高等学校での生活の実体験のお話。それから、就労支援という部分においては、就労支援課の職員の方からの講話等を特別支援教室の保護者に伝えていただいているという状況でございます。

 以上でございます。

○中島委員 
どうもありがとうございます。

 結局、400人からのお子さんが将来的に就職していくまでの過程を今、ずっとお聞かせいただいたんですが、どのぐらいの方が最終的に就職されて自立できるんでしょうか。

 教育とはちょっと外れてしまうんですが、ただ、発達支援という形で、やはり生涯いろいろな形でケアをしていかなければいけない中で、うちの小学校6,700人のうちの大体400人ぐらいの方がそういう状況の中、自立できる方というのは基本的にはどのぐらいいるのか、つかんでいるようでしたら、教えていただきたいと思います。

○細山教育支援担当課長 
申しわけございません。そこの部分につきましては、私の部分ではちょっとつかめていないというのが現状でございます。

○長嶋教育委員会事務局次長 
済みません、少し補足説明をさせていただきたいんですけれども、確かに全般的な精神発達遅滞という知的障害の方に関しましては、なかなか伸びないということがありますので、就職などはなかなか難しい話になってくるケースが多いと思います。

 ただ、発達障害に関しましては、例えば自閉症ですとか、ADHDですとか、あるいは、LDですとか、そういった方々というのは、本来基本的には知的には全然問題がなくて、むしろ社会性ですとか、要は集中ができないですとか、あるいは、文字の文節を切って読むことができないですとか、そういった遅滞になります。

 そういった方といいますのは、子供のときは周りの方と感覚が違っていますので、いろいろな周囲とのトラブルを起こすようなことがあるんですが、だんだん成長するにつれて、社会的にこういうふうにつき合っていけばいいのだということを、感覚的には変わりませんけれども、頭の中で理解して対応していくというような作業をとっていきます。

 それがきちんとできてくれば、当然のことながら、高校受験もできますし、就職もできていくだろうと思います。ですから、そういったサポートというのをやっていかなければいけない。

 その中で、特に小学校の時代というのは、どんなに優秀なお子さんでも頭でそれを理解して社会に適応するのは無理ですので、そういった意味でこういった特別支援教室の中で局面に応じて指導をかけるというような形になっています。

 ですから、これが、だんだん高校生、大人となっていくにつれて、社会経験も積み、こういった形で対応していけば、世の中と適応できるというのを理解した上で適応していくというような形になります。そういった意味では、発達障害の方につきましては、そういった社会性という部分でつまずかなければ、就職などは比較的できるだろうと思います。

 ただ、それで途中でつまずいてしまって、例えばひきこもりになってしまうですとか、そういった話になってくると、これはまた別の問題になってきますので、不登校ですとか、それはそれで対応していかなければいけないと思っています。

 また、同時に、私どもが特にそういったお子さんをお持ちの保護者の方にお願いしたいのは、やはりドクターにしっかりかかっていただきたいと思っています。そのドクターにきちんと説明を受けることにより、そういった形で対応というのができていく形になります。

 ですから、学校でとか福祉で支援できないと言うだけではなくて、きちんと個人としてもそういった主治医としっかりつながって、どうやって自分が適応していけばいいのかというのをやはり御家族の中でもやっていただければと思っております。

 以上です。

○中島委員 
どうもありがとうございます。

 本当にそのとおりだというふうに思っております。

 ただ、義務教育のとき、小学校、中学校まではいいんです。問題は高等部。高等部へ行ったからといって、高校卒の資格は取れないんですけれども。

 その辺からだんだんケアの手が薄くなってくる。いざ社会に出ようというところまでなかなかしっかりサポートが難しい。都会であれば都会であるほど難しいというふうに感じているんです。

 ぜひ今後、私どもの範囲は義務教育の小学校、中学校までですけれども、それ以上にやはり支えていく仕組みが行政としてあるというふうに思っていますので、お願いする以外になくて、ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、時間もなくなってきたので、図書館の利用について、簡単な質問なんですが、図書館に行って本を調べるときに現物の書籍を見て本を選ぶということがだんだん少なくなってきて、ほとんどパソコンで検索して必要なものを見ていくというふうに変わってきているのではないか。

 それにもかかわらず各図書館には閲覧できるようにたくさんの本がフロアを埋めているという。

 何が言いたいかというと、日曜日とか平日とか区内の図書館に行くんですが、やはり学習のために座っている方が大変多くいらっしゃいます。高齢者もそうですし、学生さんもそうです。けれども、窓際などはロースタイルの書籍棚があって、窓側をずっと埋めている。月島図書館の話なんですけれども、真ん中だけしか机がなくて、勉強する場所がないというような。そろそろ考え方を変えたらいかがでしょうかという話なんです。

 比較するのが余りにも大き過ぎるというのはあるんですけれども、国会図書館なんかへ行くと、必要な本を検索して、番号をプリントして渡すと、中から出てくるという形です。閉書庫じゃないですけれども、そういう形で対応しています。それで、学習の場所はかなりしっかりとられている。

 比べる相手が悪いというふうに言われればそうなんです。ただ、うちの区においても、もう少し学習のスペースを広げてくれないかというふうに思っているんです。みんなあのかなり手狭な中で、本を読んだり、新聞読んだりとかしていますし、もう少し学習のスペースを拡大できないかということをお聞きしたいと思います。

○志賀谷図書文化財課長 
図書館の学習スペースの拡大についてでございます。

 特に月島図書館につきましては、これまで座席数が144席ございましたが、今年度、混雑しているということで、閲覧席を4席増設したほか、御利用の多い土曜日、日曜日あるいは休日につきましては、会議室を閲覧室といたしまして利用される方に開放しているところでございます。席数でございますが、今、土曜、日曜、休日等は160席ございます。

 京橋図書館は現在、166席、日本橋図書館は178席ございますので、両館と比較してもそんなに少ないものではないかと考えているところでございます。

 以上でございます。

○中島委員 
席の数は確かにそうかもしれないですけれども、では、いざ、勉強するときには荷物を持ってくるわけです。荷物を持ってきて、その荷物をどうするかというと、隣の座席に置くわけです。置いて、結局、1人で2つを使う形。

 ですから、4人で座るところは必ず対角線で2人ぐらいしか座っていない。全部とは言いませんが、そういう方が多い。

 確かに144席あって足りるのではないか。でも、本当にきれいに座って、荷物をちゃんと置く場所があればの話です。だとしたら、図書館にもボックスか何かつくってもらうかして、荷物はここへお入れくださいみたいなものをつくっていただければ、もう少し改良できるかもしれない。

 さらに窓際に関しては、低い書棚を置くのではなくて、あそこも全部机にしていただければ、セパレートになっていますので、12人程度は座れるかというふうに思ってはいるんですが。

 月島地域は大変人も多くなって、学習する方も多くなっています。平成35年に晴海の図書館ができるまでまだちょっと間があるので、できたらそういった工夫をして、少しでも余裕のある学習スペースをつくれないかというのが今回の質問の趣旨です。

 ぜひ御努力をお願いさせていただいて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○石田委員 
ただいま第8款「教育費」の質疑半ばでありますが、本日はこの程度とし、明12日午前10時30分に委員会を開会されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
今の動議に御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
御意義なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 明12日午前10時30分に委員会を開会いたしますので、御参集願います。

 本日はこれをもって散会いたします。

 お疲れさまでした。

(午後4時20分 散会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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