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平成31年 予算特別委員会(第7日 3月12日)

1.開会日時

平成31年3月12日(火)

午前10時30分 開会

午後3時38分 散会

2.開会場所

第一委員会室

3.出席者

(16人)

委員長 鈴木 久雄

副委員長 田中 耕太郎

委員 中嶋 ひろあき

委員 石田 英朗

委員 瓜生 正高

委員 富永 一

委員 佐藤 敦子

委員 中島 賢治

委員 墨谷 浩一

委員 志村 孝美

委員 奥村 暁子

委員 渡部 博年

委員 山本 理恵

委員 渡部 恵子

議長 礒野 忠

副議長 田中 広一

4.説明員

別紙理事者一覧のとおり

5.議会局職員

田野議会局長

長田庶務係長

一瀬議事係長

工藤調査係長

秋山書記

酒井書記

桝谷書記

黒須書記

6.議題

  • (1)議案第1号 平成31年度中央区一般会計予算
  • (2)議案第2号 平成31年度中央区国民健康保険事業会計予算
  • (3)議案第3号 平成31年度中央区介護保険事業会計予算
  • (4)議案第4号 平成31年度中央区後期高齢者医療会計予算
  • (5)議案第22号 平成31年度中央区一般会計補正予算

(午前10時30分 開会)

○鈴木委員長 
おはようございます。ただいまより本日の委員会を開会します。

 本特別委員会に付託を受けました議案第1号、平成31年度中央区一般会計予算に対し、志村委員ほか1名より修正の動議が提出されましたので、修正案を机の上に配付いたしました。

 本修正案の審査方法については、いかがいたしましょうか。

○石田委員 
ただいま原予算案の質疑半ばでありますので、このまま質疑を進め、各会派の総括質疑が終了の後、修正案について提案者から説明を受け、続いて修正案に対する質疑を行い、その後、修正案に対し起立により表決を行うという順序で進めるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 なお、審査の順序につきましては、先ほどの修正の動議の採決の後、原案についての態度表明を行います。

 また、採決につきましては、従前の例に倣いまして、各会計ごとに行うことを確認いたします。

 第8款「教育費」について、質問者の発言を願います。

○奥村委員 
おはようございます。

 それでは、教育費について質問をさせていただきます。

 初めに、幼稚園の預かり保育の拡充ということについてお聞きしたいと思います。

 幼稚園の預かり保育は、現在は日本橋、京橋、月島の3地域で各1校ずつ実施されているという状況になっていますが、働きに出たいというお母さんの増加などにより、希望者もふえつつあります。以前、委員会の御答弁で、来年度の申し込み状況も見ながら拡充も考えていきたいということでした。ちなみに、昨年は有馬幼稚園1園で抽せんとなったとのことです。

 ことしの申し込みの状況、来年度に向けての申し込みの状況はどうなっているのか、また、実施する幼稚園をふやすなど、検討状況についても伺いたいと思います。

○星野学務課長 
まず、預かり保育の平成31年度の募集の状況でございます。

 預かり保育は登録利用と一時利用がございまして、両方で30名ということで、登録利用の24名について、抽せんという形になってございます。実際の応募につきましては、明石、有馬、月島第一幼稚園の3園とも、3歳児は抽せんという形になってございます。4・5歳児についても、抽せんになったところはあるんですけれども、ほとんどの方は入られているというところになります。

 実際、平成30年度の利用状況ですけれども、登録利用と一時利用を両方想定いたしましても、今、月島第一幼稚園につきましては7割程度、有馬幼稚園については……。申しわけないです。今、平成29年度の実績が年度としての最終でございますので、そちらを申し上げさせていただきます。京橋地域の明石幼稚園につきましては、一時利用と登録利用の延べですけれども、土日・祝日を除く年間240日間やっているんですが、実際使われている率が64.2%ということで、定員が30名ですので、日々20名程度の方が使われているという状況になっております。日本橋地域の有馬幼稚園については76%、月島第一幼稚園につきましては、ちょっと低目で53.9%という数字になってございます。

 預かり保育の実際の応募につきまして、特に、例えば就労しているとか、そうした状況を鑑みて抽せんをしているわけではありませんので、単純に利用したいからという方からの応募で抽せんをしている状況になっております。

 今後についてですけれども、確かに一時的に何か用事があって預けられないという状況をお聞きしているところではあるんですけれども、利用率を考えますと、今後、もうちょっと状況を見守りながら考えていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○奥村委員 
3園とも、3歳児は今回は抽せんになったということでよろしいんですね。前回は有馬幼稚園だけが抽せんだったので、そこから比較すれば……。そういう御答弁ではなかったですかね。希望者はふえているということなのかなと思うんですけれども、そういう認識でいいのかどうかということを確認させていただきたいと思います。

 あと、利用率での御答弁があったんですけれども、抽せんで外れた方もいるわけなので、私としては、希望する方はできるだけ利用できるようにするべきだという立場で質問させていただいているので、外れた方がどの程度なのかということを確認させていただきたいと思います。

 今のところ、枠を広げるとか、実施する園をふやすということではないようですけれども、来年度に向けてはふやさないということで、もう決定した、もうそれでやるということでよいのかという確認をさせていただきたいと思います。

 ただ、今後の需要を考えますと、やはり希望者はふえていくと思いますので、ぜひ検討していただきたいということは要望させていただきたいと思います。

 それと、一度登録利用をすることが決まると、その後、お母さんが働いているとか、働いていないとか、特にそういう状況などにはかかわらずということですけれども、区民の方からの声として出ているのは、3歳で登録利用に当せんすると、そのまま4歳、5歳児も継続して利用ということですが、必要性の度合いに応じて、もうちょっと何らかの改善が必要なのではないかという声もいただくんです。毎年4歳、5歳のときも抽せんにしてほしいとか、あるいは働いているのかとか、そういう状況も見ながら、本当に必要な方が使えるようにしてほしいという声はいただいているので、その点については改善の方法があるかどうか、何か検討されていることがあれば、お示しいただきたいと思います。

○星野学務課長 
まず、今までの預かり保育の抽せんですけれども、人数等は当然ふえてきてございます。

 では、実際に登録利用に申し込んで、受からなかった方がどういうふうに利用されているかというところですけれども、登録利用は24名いらっしゃいますが、常にその24名が使われているという状況ではございません。一時利用の枠は6名ではあるんですけれども、登録利用の方が使わないときについては、一時利用を使っていただいているところでございます。

 抽せんで漏れた人の数ですけれども、申しわけないです。抽せんで漏れた人の数については、後で答弁させていただきます。

 継続の話です。そもそも、3歳児のお申し込みの際、実際のその方の御事情を聞いて抽せんをしているわけではございませんで、抽せんで入っていただいております。3歳、4歳、5歳と、一回3歳で受かってしまいますと、5歳まで継続して利用できるというような形になってございます。これにつきまして、これを続けていくのかというところですけれども、今、4歳、5歳で実際にお待ちになって登録利用を申し込まれている方を考えますと、一時利用を一旦使われて、そのまま一時利用になられたりとかというところですので、今のところ、3歳、4歳、5歳で変える予定はございません。

 先ほど、申し上げませんでした、実際の抽せんの状況でございます。明石幼稚園は、3歳が11人、抽せんから漏れてございます。有馬幼稚園が21人、月島第一幼稚園が17名という形になってございます。

 以上でございます。

○奥村委員 
では、今お話を伺うと、登録利用できなかった方も、一時利用のほうで、もう皆さん、きちんと漏れなく希望する日で利用できている、ほぼそういう状況だと考えてよろしいのかなと思うんですけれども、一時利用ではなく、登録利用としてコンスタントに利用したいという方も多いと思いますし、一定期間パートのようなものとか、長期にわたって働きに出るというようなときは、きちんと必ず預けられるところがないと、なかなか安定した働き方もできない。そういう影響もあると思いますので、ぜひそのあたりの状況も見ながら、確認していただいて、私としては、登録利用を希望する方たちは皆さんが登録利用できるような形になるのが本来望ましいと思います。

 それと、見直す予定はないというようなことだと思いますけれども、働いている状況なども見ながら、そういう方たちが優先的に利用できるような考え方というのも、今後どういうやり方になるかわかりませんけれども、検討していただきたいということを要望させていただいて、次の質問に移ります。

 次に、標準服についてです。

 中野区と世田谷区の区立中学校で4月から標準服を見直して、女子のスラックスの着用も認めることとしたそうです。中野区は、もともと半分の中学校で、防寒対策ですとか、動きやすさなども考慮して、女子生徒はスラックスも選べるようにしていたということですけれども、今回は残りの学校でも全面的に実施することにしたと。世田谷区でも全面実施ということです。実施に踏み切った中野区の酒井区長のお話では、多様な生き方や個性や価値観を受け入れることができる社会を実現させたいという思いで実施に踏み切ったということです。

 中央区としては、女子の標準服にスラックスも取り入れていくということについて、どのようなお考えがあるか、もし検討しているような点、課題などがあれば、お知らせいただきたいと思います。

○星野学務課長 
中野区は女子生徒にもスラックスをということで、中野区長がいろいろ生徒さんにインタビューした結果、こういった結果が出たというふうに新聞記事では書いてございます。

 中央区ですけれども、標準服自体、そもそも地域、学校、PTA等で決めてきた経緯がございます。こうした中で、標準服として、今、LGBTの考え方等、そういった形での検討も必要になってきているという認識はございますけれども、あくまで標準服ということで、学校、PTA、地域の方々皆さんで決めていくべきものというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○奥村委員 
PTAですとか、地域の方あるいはお子さんからそういう要望がもし上がってきた場合には、それを否定するものではない、柔軟に考えていただけるということでよいのか、もう一度御答弁いただきたいと思います。

○星野学務課長 
あくまで中央区においては標準服ということでお話しさせていただいておりますし、地域の方々に今の時代の考え方自体はお話しせざるを得ない状況になってきていると思います。そういった中で、自発的にそういった声が上がってきて、学校の中でPTAと地域の皆さんが話し合った結果、そういったことになるのであれば、教育委員会としても、それを採用するということでいいかと思っております。

 以上でございます。

○奥村委員 
ありがとうございます。もしそういう声が出てくれば、そういうことも時代の流れとしてあり得ると思いますので、そういったときには柔軟に対応していただきたいということを要望させていただきます。

 次に、性教育の問題について質問します。

 昨年、足立区の区立中学校の性教育の授業で、性交や避妊、人工妊娠中絶を教えたということについて、都教育委員会が都議会で、課題がある、指導を進めると答弁したことなどが報道されました。今、子供たちがインターネットなどで不正確で危険な性情報を得ている中で、生きる上で欠かせない最低限の性に対する知識をどう得られるようにするか、また、性を主体的に考えていける力をどう身につけさせていくかということは非常に大事な課題だと思います。

 世界に目を向ければ、国際的には、世界性科学学会が性の権利宣言を定めて、性教育を受ける権利を含め、性の権利は基本的人権だという観点で捉えられています。また、ユネスコの国際セクシュアリティ教育ガイダンス、2009年に策定されたものですけれども、この中でも、性教育は青少年の性行動に悪影響を与えるということはほぼないということも指摘されています。寝た子を起こすというような性教育に対する懸念を払拭するような包括的性教育プログラムの実施結果も発表されています。

 今のこうした世界の情勢、また日本の子供が置かれている状況などから見て、中学校での性教育に対しての中央区の考え方についてお聞きしたいと思います。

○吉野指導室長 
まず、性教育ということで、これをどう捉えるのかということですが、報道等を見ていますと、どうしても人工中絶とか避妊とか、そのようなことを教える、教えないというようなことが、過剰とは言わないですが、そこに注目されているというのが現状でございます。

 中央区といたしましては、当然ながら、子供たちに性に関することを教えていくというのは重要だと思っております。ただし、今、報道であるようなものにつきましては、あくまでも学習指導要領に基づいて、保健の学習で指導していくというところをベースにしていきたいと思っております。中央区は、ここ数年、ここはぶれておりませんし、今回の報道を受けても、ここは変えるつもりはありません。

 ただし、一方で、お話にもありましたけれども、今、ネット社会ということで、性だけに限らず、さまざまな情報が安易に手に入る時代になっております。そこにつきましては、性というようなキーワード、場面に応じては使うかもしれませんけれども、それ以外の有害なサイト等への接続も含めて、SNSを含めた情報モラルという指導は、さらに重要だと押さえております。これにつきましては、その部分に性に関する情報のとり方というところは、あわせて指導していかなくてはいけないと思っております。

 それとともに、中学校の保健の学習の中では、女性が成長して妊娠をする仕組みは教えていくことになっております。ただし、中学生の段階では、妊娠までの経過というところには触れないとなっております。ですから、そのような視点につきまして、今回の報道の人工中絶や避妊というところは、やはり学習指導要領に基づいて、繰り返しになりますけれども、そこに沿っていくということでございます。

 一方で、これも中学生の内容になりますが、体が発達することに応じて性衝動が生じたり、異性への関心などが高まったりすることから、異性の尊重、性情報への対処など、性に関する適切な態度や行動の選択が必要となることを理解できるようにするというのが内容に入っております。まさに、ここが中学生に指導していく上で大切なところだと思っております。

 今、中学生というような話を出しておりますけれども、性教育に関しては、小学校からしっかり行っているところでございます。小学校での保健の学習でも、体の発育というところも学習しますし、何よりも、低学年から男女仲よくしていく、異性への対応の仕方というのは全ての学年で学習しておりますので、小学生から中学生まで、発達段階に応じた性に関する指導を行うというのが学習指導要領であり、中央区の方針でもあります。

 以上です。

○奥村委員 
今、指導室長がおっしゃったように、SNSをどう使っていくかとか、情報のとり方が大事だということは本当にそのとおりだと思います。発達段階に応じてという話も非常に理解できるところです。

 学習指導要領に沿った形というのが基本だということはわかるんですが、昨年ですけれども、都政新報の記事などを読みますと、都教委が初めて行った性教育の実施状況調査結果を見ると、中学校で1割が避妊法ですとか人工妊娠中絶など、学習指導要領を超える指導を行っているということもわかったので、足立区だけが特殊な状況ではないと。それぞれの地域、それぞれの学校で判断しながら、学習指導要領を超えたものも教えていっている場合は、決してレアケースではないということもわかっています。

 また、これは外国の調査ですけれども、日本とヨーロッパ諸外国の15歳の性交経験率と10代の妊娠率を比較した国際調査では、日本では、性交経験率が低いにもかかわらず、妊娠率は、日本より性交経験率が高いイタリアやドイツやオランダとほぼ同水準だったということで、さらに、スイスのように、日本より性交経験率が高いのに、妊娠率が低い国もあると。さまざまな要因があると思うんですけれども、こうした性交経験率に対する妊娠率の高さというのは、日本の性教育の不十分さのあらわれだと捉えられるという見方も、専門家からされているということなので、現場の教員あるいは保護者、子供たちから何か、進歩的なというか、そういう提案があった際には、現場の自主性も尊重しながら進めていただきたいと思います。学習指導要領を超えないということで一つの線引きを最初からするものではないと思っておりますので、そのあたりの認識、今後の考え方についてもお示しいただきたいと思います。

○吉野指導室長 
まず、今、このような報道を発端に、世論でも、さまざまな考え、さまざまな意見が出ているというところは十分理解しているところでございます。これを受けて、東京都の教育委員会も、性教育の手引というものが既にあるんですけれども、そちらを改定するということで、今、改定作業をしているところでございます。ですから、国・東京都の動向を注視するというところは行っていきたいと思っております。

 それとともに、今お示しいただいた、さまざまな国の状況や、それぞれの地域の状況があるから、では、すぐに中央区はということは、安易には行いたくないと思っております。

 ただ、御理解いただきたいのは、中央区の中学生にこのような課題は一切ないので大丈夫ですなんていうことは言うつもりもありませんし、やはり子供たちは、いろいろな心情的なこと、先ほどの学習指導要領の言葉で言えば、性衝動が生じるとか、異性への関心が高まる、これは思春期の子供たちには当然のことだと思っておりますので、そこに対する適切な指導は重要だと思っております。学習指導要領にのっとってというのは基本になるんですけれども、全ての子供たちに教えるに当たっては、やはり学習指導要領をベースにしていくというところは今後も変わらないと思います。

 ただし、今お話ししたように、中央区の中学生、中学生だけではなくて、小学生もそうですけれども、どのような状況で、どのような課題があるのか、その場合には個別に対応していかなくてはいけない案件も出てきます。これは、性に関することだけではありません。問題行動の全てを通してですけれども、一斉に指導するのに適しているものと、個別に指導していくべきであろうというものは当然ありますので、御理解いただきたいのは、中央区としては、子供たち一人一人のために、しっかりその状況を捉えながら指導していくということは、性に関することだけではなく、全ての教育活動で行っていることでございます。

 それとともに、ほかの自治体で、先行的というのか、学習指導要領を超えて指導している自治体も、必ず保護者への理解を得てやっております。例えば、保護者の理解を得てクラス全員に教えるというような実態もありますし、保護者のほうから、うちの子はやめてくれというのであれば、一部の子供にやっているという自治体があります。子供の状況、性に関することで言うならば、保護者にはさまざまで複雑な考えがあり、本当にナイーブな状況だと思いますので、そのあたりをしっかり押さえながら指導していかなくてはいけないということも押さえているところでございます。

 以上でございます。

○奥村委員 
ありがとうございます。私としては、学習指導要領を超えて教えろという主張ではないので。ただ、現場の中で、そういう声とかニーズがあれば、そういうものにも柔軟に対応していただきたいという要望です。

 足立区では、性教育を人権教育として位置づけて取り組んで、区教育委員会も、生徒や保護者のニーズに合った授業だから、今も続けているという立場ですので、あくまでも現場での声や保護者や子供のためという立場から、こうした学習指導要領を超える内容を今後も教えていくということで、これに対して、都教委も否定はしていませんし、今日的な課題を踏まえて、生徒の状況に応じて指導するなど、丁寧な対応が重要だという立場に変わっていますので、ぜひ柔軟に対応していただきたいということを要望させていただきます。

 次に、質問を変えまして、教員の働き方改革という問題について伺いたいと思います。

 中央区立学校における働き方改革推進プランが作成されました。3月11日発行のかがやきにも掲載されています。この中で、国の指針に合わせて1日の勤務時間を超えた時間の1カ月の合計が45時間を超える教員をゼロにするために、今後の取り組みとして、幾つか方針が示されています。早急に取り組んでいく主な対策として、主に7つの方針が掲げられていますけれども、具体的にどう改善していくのかという点を、質問しながら確認させていただきたいと思います。

 まず、方針の1つ目のICカードシステムによるタイムレコーダーの導入や、管理職による教員への個別の指導・助言やメンタルヘルスケアということが掲げられています。タイムレコーダーの導入というのは、在校時間を把握するために絶対に必要だとは思うんですけれども、超勤があったとして、そこに管理職の方が指導や助言に入って、具体的にどう仕事を減らしていけるのかということをお聞きしたいと思います。これが1点目です。

 それと、2点目に、定時退庁日の設定となっているんですけれども、定時に退庁する日を設定したとしても、その日だけ定時に帰れたところで、結局、仕事が残っていれば、その仕事は別の日に回すなりしてやらざるを得なくなるので、別の日にしわ寄せがいくのではないかと思うんですが、こうした点はどう対応していくのか。

 3点目が、長期休業中に連続した一斉休暇取得等の確実な実施を図るとあるんですけれども、今、教員の方は、そもそも年休もとれていない、消化できていない方がほとんどだと思うんです。休暇をとれるように、どうしていくのかという具体策についてもお聞きしたいと思います。

 続けますけれども、4点目が、休日・夜間留守番電話を設置し、勤務時間外の電話対応時間の縮減によって、授業準備等に専念できる時間の確保を図るとなっています。休日や夜間で教員がいない時間は、もともと電話にも出られないと思うんですけれども、電話が来て、どなたかが一時的に対応したとしても、最終的な対応が担任ですとか、教員になるのであれば、結局、その対応のために勤務時間外の時間を使うということになると、どう効果としてつながっていくのかなという思いがあるので、その点についても伺いたいと思います。

 それと、5点目で、給食費や学校徴収金事務について補助員を配置するということですが、現在の状況でも、事務の人が集めていたり、教員の方が集めていたり、学校によってばらばらだというのが実態だと思うんです。予算特別委員会で要求させていただいた資料165の中で、給食費徴収業務等補助員という方が1名いるんですけれども、この方が全て担当するということにして、教員が集めるようなことをやめていくということなのか、補助員の方との関係、また、こういう方をふやしていくのかということについても確認をさせていただきたいと思います。

 それと、6点目で、副校長や教員の校務運営や授業準備を支援する人員の配置等を進めるということで、これが一番大事なことなのではないかなと思うんです。人員の配置が進まなければ、結局、教員の負担は減らないと思います。同じく要求させていただいた資料163を過去の予算特別委員会の資料とさかのぼって比較すると、学習指導補助員、発達障害の方などの支援に当たっている方ですけれども、1日6時間の勤務で週1日から3日の勤務という方ですが、この数が減っていて、学校によって、配置されている人数などもばらばらだと。生徒数、児童数自体はずっと増加傾向なので、その中で、発達障害に当たる子供も、数としては、ふえていっていると思うんです。そういう中で、学習指導補助員が減っているとなると、この補助員の補佐というか、この方が減っている分をどこでフォローしていくのか。そういうことがないと、やはりなかなか教員の働き方改革にはつながらない、労働時間の短縮にならないのではないかと思いますので、それを伺いたいと思います。

 それと、図工とか音楽、専科教員というのは、各学校に必ずついているということになっていますけれども、子供が多い学校などでは、低学年は図工などを担任が教えていると。専科の教員が教えていないということなので、担任の教員の時間もそこにとられていることになる。こうした専科の教員の拡充も必要だと思いますので、その点も御答弁いただきたいと思います。

 最後に、7点目で、外部の部活指導員を導入・配置するとありますけれども、以前質問した際、指導員がいる部活といない部活があって、集めるのがなかなか大変だということだったんです。この点も、その後どう改善されたのかということについて、まとめてですけれども、御答弁をよろしくお願いします。

○伊藤庶務課長(参事) 
中央区立学校の働き方改革についての方針に基づくお尋ねについて、順番にお答えいたします。

 まず、ICカードによるタイムレコーダーの導入により、教員の勤務時間をどう減らしていくのか、それにかかわる校長等のかかわりでございます。

 まず、今回の狙いとしては、これまでも管理職は、その都度、教員の勤務状況を把握しておりましたが、それをより正確に、客観的に把握しようということが、まず第1。それと、その都度、教員の勤務時間の状況を見ながら、各教員が担当している校務の分掌だとか、それから授業準備の状況を、学校長が必要に応じて助言し、また指導し、そのことによって効率的な運用が図れるような形にする。あるいは、状況によっては、校務分掌が適切であるかどうかについて見直す必要があるのかどうかというようなことも含めて検討するために行うということと、それから、トータルとしての勤務時間の状況を私ども教育委員会が把握することによって、今後の働き方改革の取り組みの進捗等、さまざまな各方針に基づく施策が、どう効果が及んでいるかを検証し、次につなげていくという意味合いもございます。

 それから、定時退庁日の件でございますが、ある1日だけを設けても、残っている仕事は別の日にやるだけではないかというお尋ねです。

 定時退庁日の意義というのは、さまざまありますが、まず1つは、定時退庁日を設けるということで、見通しを持って校務に携わる。毎月定時退庁日が決められたら、この日は定時に帰るということをあらかじめ念頭に置いて、計画的に仕事をするということが1つ大切だと思います。もちろん、その時間、勤務しなければ、その仕事は残るのではないかという懸念でいらっしゃると思いますが、計画的に進めるということが総体としての効率化につながるということが1つ。

 それから、今回の働き方改革というのは、1つ大きな目的に、教員が心身とも健康で、そして子供に携わる、向き合う時間をふやしていく、あるいは授業力向上のための教材研究などに時間を費やしていくということがありますので、定時退庁日を設けるということで、仕事は多々あるかと思いますが、まずきちんと休むということも大事な意義かというふうに思います。

 それから、長期休業期間中の一斉休暇でございます。

 これも、やはり計画的に一斉に休暇をとるということを目標に仕事を進める。そして、一定の期間、きちんと何日間かにわたって休むということは、やはり心身ともリフレッシュし、英気を養い、また校務に携わってもらうためにも必要でございます。また、年休を計画的に取得するためにも必要な取り組みだというふうに考えております。

 それから、留守番電話でございます。

 夜間であれば、留守番電話などを設置しなくても電話には出ないのだからというようなお尋ねでございますが、今回、働き方改革の検討を進めていく中で、実際に現場の教員からヒアリングをしますと、やはり正規の勤務時間を過ぎた後に、いろいろなお問い合わせの電話がかかっているのが現実です。もちろん、急を要するような電話もございますが、中には、明日あるいは明日以降にお尋ねいただいても、日中お尋ねいただいても差し支えないようなことでも、やはり現実にはお電話をいただくということがあって、それが教員自身の校務を進めていく上でも、本来の時間でないところでのお問い合わせに応じることで、効率的な校務運営に課題が残るということで、今回、取り入れるということでございます。また、このことについてきちんと保護者の方にお伝えすることによって、必要なお問い合わせは必要な時間、そして急を要するものについては、私どもも留守番電話の設置とともに、緊急連絡体制も確保していく考えでございますので、きちんとその辺のすみ分けをして、保護者の対応に万全を期していくつもりでございます。

 それから、学校徴収金のための今回の職員の配置でございます。

 これは全ての業務を行うのかということでございますが、そうではなくて、今回の働き方改革でも、給食費も含めて、学校徴収金が何らかの形で引き落としができていない、未納になっているということに対する、その後のケアといいますか、フォローが教員にとってかなり負担になっている。そういったところに特化して、教育委員会事務局に職員を置いて、その後のフォローをしていく。その分は効果が上がるだろうという考えでおりますので、まずは1名配置して、その効果を検証したいというふうに考えております。

 次に、副校長等の業務を支援する人員の件でございます。

 委員のほうから学習指導補助員の例も出されておりましたが、今回の目的は、副校長を初め、教員が持っているさまざまな仕事の中の雑多な業務といいますか、そういったところが長時間労働につながっているということを確認しておりますので、そういった庶務、雑務に関して、それを支援する業務員を入れることで、副校長を初め、教員の仕事を少しでも軽減しようという狙いでございますので、目的が異なってございます。

 それから、部活動の外部指導員でございます。

 部活動は中学校における時間外に及ぶ大きな要因となっておりますので、外部指導員の配置については、当然進めていくわけでございますけれども、学校現場と話をしておりますと、直ちに部活動の指導を外部指導員に全部任せるということで本当にうまくいくかどうかということに対する不安の声、あるいは生徒に対する指導という点でも、いろいろな意見がありましたので、まず学校、それから部活動をしている教員の意見なども踏まえながら、順次入れていく。順次入れていって、運用がしやすく、また部活動の指導も、指導内容としてはきちんとでき、なおかつ教員の負担軽減となるようにするにはどうしたらいいかということを検証しながら進めていくという考えでございます。

 以上でございます。

○吉野指導室長 
まず、学習指導補助員が減っているということでございますが、学習指導補助員につきましては、子供たち一人一人の状況を見きわめながら、学校のニーズに応じて配置しているところでございます。予算の増減は、その年によって少しあるんですけれども、これによって大きく予算が減ったとか、人数が大きく減ったとか、減らさなければいけない状況があるということは、ここ数年ありません。ニーズによっての増減はあります。

 それとともに、専科教育の話が出ました。図工、音楽の専科教員を配置するというのは東京都の施策でございまして、実は、他府県に行きますと、専科がいなくて、全て担任が教えているような府県が多くある中、これは東京都のすばらしい施策の一つかなと思っております。配置基準もありますので、その基準にのっとって配置しているところでございます。ただ、さまざまな支援という形では、先ほどの学習指導補助員等々を含めて、中央区としては、施策として行っております。専科に関しましては、東京都の配置基準にのっとって行っているということでございます。

 以上です。

○奥村委員 
こうした取り組みが進んでいくこと自体は大変よいことだと思いますし、状況も見ながら、教員の負担をどう軽減させて、勤務時間を減らしていくか、それが進めば、子供たちにとっても、よい教育となるわけなので、中身をより具体的な改善に向かうものにしていただきたいということを要望させていただきます。

 何よりも人的な配置を手厚くしないと、結局は教員の方の負担は減らないということにつながっていくと思いますので、その点だけ強く求めて質問を終わります。ありがとうございました。

○鈴木委員長 
次の質問者の発言を願います。

○渡部(博)委員 
それでは、質問させていただきます。

 今、前委員から、学校の先生は忙しいねという話があって、何で忙しいのかなというのが1つあるわけです。その中で、中央区としては、校務支援だとか、いろいろなことを含めて、いろいろな形でICTを活用してやっていくということであったわけですけれども、では、なぜいまだに先生たちは忙しいんでしょうか。まず、それをお伺いしたいと思います。

○長嶋教育委員会事務局次長 
学校は、今、ここ2回の指導要領で授業時数がふえているということが1点あります。実を言いますと、授業時数というのは、昔の授業時数、それこそ昭和30年代、40年代よりも少ないのですが、それ以降、学校の中では、学校評議員制度ですとか、あるいはいじめの対応、説明責任、保護者対応といった部分が非常に多くなってきていました。それに対して、学習の授業時数自体は、以前までは、どんどん減ってきたという状況があります。それが、ここ2回の学習指導要領改訂から逆にふえていったという話の中で、今まで減ってきた分でいろいろな形のものをやってきたものが、なおかつ授業時数をふやすことによって、それが非常にハードなことになっているだろうということは1つあろうと思います。

 それから、これは昔からですけれども、教員というのは授業だけを行っているわけではなくて、授業準備ですとか、指導方法ですとか、行事をどうやって充実させていこうですとか、そういった形の中で、自分の意思と言っていいのかどうかという部分はありますけれども、よりいい教育をしたいという思いから残業を続けているというような話になってございます。ですから、先ほど委員からも御質問がありましたけれども、1つには教員の意識改革というのも当然必要ですし、また、同時に、今、授業だけ一律に指導すればいいというだけではなくて、学校運営そのものを地域にきちんと説明し、保護者にもきちんと説明する。そういう作業をやりつつ、そういうものをやっていかなければいけないという形の中で、仕事としてはだんだん多くなってきたというのが実態だと思います。そういった意味で、現在、その反省も含め、こういったものに我々としても、今後一つ一つ分析しながら取り組んでまいりたいという考えでございます。

 以上です。

○渡部(博)委員 
ありがとうございます。

 学校の先生を取り巻く状況が変わってきたということは、確かなんだろうと思います。それも含めて、今、中央区全体でチップが入っているICカードで、退庁だとか、来ましたとかというのを全部管理しているわけですけれども、学校のコンピューターが情報システム課につながっているか、よく理解していないんですけれども、パソコンで全て管理したほうが早いんじゃないのかなと思っているんです。

 なぜかというと、パソコンは1人に1台ということで、全ての人にわたっているということであれば、来たときに電源を入れる、帰るときに電源を消す、これが一番わかりやすいんだろうと。ICカードだったら、帰りましたと言って残っていても、パソコンでも何でも仕事ができてしまうわけです。そういうことを考えると、庁舎の管理の中で、職員全体のことを含めて考えたら、そういったやり方のほうが正しいんじゃないのかなというふうに感じました。逆に言えば、幾らでも操作できてしまうような気がしないでもないというふうに思っています。ICカードだったら、帰りましたと押してしまえばいいわけですから。そうでしょう。

 だから、教員の皆さんのことだけではなくて、職員全体のそういう考え方も含めて、ちゃんとしてあげることが大切なのではないのかなというふうに思っているというところです。さっき言ったみたいに、校務支援だけでいいのかという話も含めて、ICT先端教育をやっている学校もあるわけですけれども、そういった中でいくと、ほかの学校も含めて、以前から質問していますけれども、中央区の教育委員会でICTの環境が整っているのかということです。

 それと、昔、コンピューター教室というのがありましたよね。今、子供たちがふえてきたり、コンピューターが古くなってきて、廃止したのと同時に、逆に、普通教室だとか特別教室にかえているということがあるだろうと思います。コンピューターが使えなくなったということで、子供たちにどういう形でそういったものを教えているのかというのも、余り見えてこないところがあります。だから、中央区の学校の中に、子供たちに対してある限定したWi-Fiの環境をつくってあげるということのほうがおもしろいのではないのかなと。タブレットを持たせるのか、コンピューターにするのかは別にしても、そういった教育の中で、先ほど来言っている、いろいろな形の子供たちを取り巻く状況を先生が一つ一つ教えていってあげるということのほうがすんなりしているのではないのかなと思うんですけれども、その辺の考え方をお知らせください。

○吉野指導室長 
まず、これからの時代ですけれども、今御指摘いただいたように、コンピューター等で、大人も子供も効率的に、効果的にというところは当然求められているところでございます。先ほどの教員の勤務の始まり、終わりについても、さまざまなやり方があると思います。入り口でチェックしたほうがいいのではないかとか、今おっしゃったように、パソコンでというような話も出ているところでございます。ただ、学校の教員の働き方の実態からしますと、学校に行ったら、いきなり子供たちを指導する場面があるので、パソコンを触らないで午前中が終わったなどということもあります。さまざまな場面を想定しますと、今やっていること、さらに、これの機能を充実させていくというところが、今、目指しているところでございます。

 それとあわせて、子供たちも1人1台タブレットを持ちながら授業に参加する。5年、10年後には、それこそ教科書もなくなって、全てタブレットに入っていくなどということも言われている時代でございますので、そのようなICTの環境をつくる、Wi-Fiはもちろんですけれども、教員がプロジェクター等で教科書や教材を映してなどというようなことが、この後、これはどこの自治体でもそうなってくるんだろうなというのは、国も言っているところでございます。本区も、今、まさに目指しているところでございまして、ここ一、二年学校を見て回ったときに、そんな姿はと御指摘されてしまうかもしれませんけれども、今、まさに予算化しながら目指しているところでございます。

 もう少し詳しくお話しさせていただきますと、現在、阪本小学校、京橋築地小学校、銀座中学校で、最先端という言葉が適しているかどうかわかりませんけれども、ICT教育を試行して、モデル的に行っているところでございます。その成果をきちんと検証しながら、区全体に広げていきたいと考えております。

 以上です。

○渡部(博)委員 
いろいろお答えいただきました。

 ICTの関係も含めて、今、特認校という問題もありますよね。特認校の問題についても、今、理数教育、国際教育ということで2校でやっていると思いますけれども、ICTの環境も含めて考えたときに、本来であれば、公教育のあり方というのは全部共通でなければいけない。特色は必要ですよ。地域においての学校の特色は必要ですけれども、学校の格差をつくってはいけないというのは基本であるわけですから、特認校も含めて、全てオープンにする必要があるんじゃないかなというのが1つ、考え方としてあるのかなというふうに思うんです。その辺のところの考え方と、あと、それをオープンにしたときに、地域とのかかわりというのが、また出てくるわけですので、そういった考え方をどうしていくのかというのがもう一点。

 それともう一つ、各学校で、今、オリパラの関係で一校一国運動をやっていますよね。今、これがどのくらい決まっているのか、お知らせいただければと思います。

○長嶋教育委員会事務局次長 
特認校と全校共通でという考え方について、私のほうからお答えさせていただきます。

 もともと特認校につきまして、パイロットスクールといいますか、研究開発学校に指定している理由は、各地域の住民がその地域の学校に通うのが本来だと思ってございます。特認校自体は、比較的地域の住民がいらっしゃらない、その学校教育を望んだ上で通っている方という形になります。ですから、英語教育という話でいけば、英語教育だから全部いいんだろうという話ではなくて、英語教育をやっている時間には、ほかの学校は違うことをやっているわけです。とはいいながら、私はこの学校がいいんだという形で来られる方という意味で、地域にお住まいでない方が多い特認校をパイロット校に指定しているという話になってございます。

 当然のことながら、理数にしても、英語にしても、通常のというか、特認校でないところで全部をやろうとしても、時数がオーバーするのは目に見えていますので、パイロット校として、その中で一番効果のあるものをそれぞれ展開していくという考え方をとってございます。そういった意味で、私も、公教育たるもの、基本的には、どこの学校に行っても全部同じ教育を受けられるというのが当然と思ってございますし、また、それぞれ地域の特徴に合わせて学校が主体的に判断して、特色をつくっていくというのが正しいと思ってございます。

 ただ、特認校につきましては、先ほど申し上げましたとおり、地域の住民自体が余りいらっしゃらない上で、その教育で私は子供たちを教えたいという方の希望によって成り立っている学校という形で、今、パイロットスクールをやっていただいているという考え方になってございます。

 私からは以上です。

○吉野指導室長 
一校一国運動でございます。

 オリンピック・パラリンピック教育の中で、本区では中央区版一校一国運動として取り組んでいるところでございます。現在といたしましては、平成29年度末までにメーン交流国を決める。どこの学校も、自分たちの学校が応援するのはここですよという1国を29年度末までで決めております。30年度につきましては、その決めた国に関しての学習を行う、また、努力しながら直接的な交流を行うというのが現状でございます。

 以上です。

○渡部(博)委員 
パイロット校の関係でいえば、なかなか苦しいなというのはよく理解しますけれども、では希望する人がなぜ抽せんになるのかというのも、これはまたおかしな話だ。だって、そういうものを望んでいる人たちを受け入れられないというのは、本来でいえば、おかしな話になってくる。枠は決まっていても、そういったところを希望している人がいるのであれば、受け入れるというのが筋道のある話なのではないのかなというのは、現実、あると思います。全部が抽せんになっているわけですから。

 そういったことでいけば、望んだ学習が受けられないということになったら、そういう人たちはもとの学校に戻るということになるんでしょうけれども、では、それがその人たちが本当に望んでいる教育だったのかということは、また未知数になってしまうわけですよね、本来の筋からしても。だから、子供が少ないから、そこに新たなオプションをつけて子供を呼び込むということをするのであれば、望んでいる人たちをみんな入れるのが本当のことなのではないのかなと思うんだけれども、それはどう思いますか。

 それと、今、オリパラの話を聞いたんですけれども、平成29年度はメーン交流国を自分たちで決めると。その次に、決めた国の内容を調べて、できる限り何かの手段で、交流も含めて、できればいいなということを考えているということだと思うんですけれども、今、決まっているのはブラジルと豊海小学校との交流だけなのか、そのほかに、何かどこかの学校のグラウンドを借りたいとか、そこで交流したいとかという話は、上がっていないのかというのを教えていただければと思います。

○長嶋教育委員会事務局次長 
まず、我々としては、特認校を設定するときから、地域の学校に通っていただきたいというのが基本的な考え方になってございます。やはり学校だけではなくて、地域一体となって1つの学校を支え、その中で子供たちが育っていくというのが、基本的には一番いいものだと思っています。それは、特認校を設定した時代から、そういう主張をしています。

 とはいいながら、当時も今もそうでしょうけれども、保護者自体の選択の幅を広げるということも一つの意見としてはございました。学校づくり検討会という中で、各PTA全員に集まっていただきまして、議論した上で、こういう考え方にしようとしたのが特認校でございます。特認校自体も、基本的に言えば、一番最初の募集要項を見ていただくとおわかりになりますけれども、必ずしも希望すればいいというわけではなくて、説明会に行って、その学校の教育方針や、こういうことをやりますよとういうことを了解した上でないと、そこに出席しない限り、申し込みできませんという形にさせていただいています。要は、地元でいろいろな地域の状況もあわせて、あるいはその学校の伝統もあわせて、受ける教育と違う教育を受けるわけですから、そういった意味では、それを十分理解していてくださいという組み立てをさせていただいています。

 ですから、さっきのパイロット校の話をさせていただきますと、そういった中で、要は、いきなり全部を統一するわけにもいきませんし、学校の先生が全くノウハウがないまま、全16校がそれぞれでノウハウを1からつくらなければいけないという状況はかなり厳しい話ですので、まずノウハウをつくる学校を1つつくらなければいけないねと。それがパイロット校という話になります。ですから、ほかの希望に対応できる学校に、それをお願いしているというふうに私どもは考えています。確かに、私の子供も受けたいと希望する方もいらっしゃると思います。とはいいながら、基本は、同じだと思っていますので、全ての方へ、私はこういう教育、私はこういう教育という話の中で、学校自体がどんどん変わっていくという話とは、また違うのかなと。基本的な学区制度の中では、あくまでも地域を中心とした学校が我々も中心だと考えています。そういった中で、こういった選択肢がある中で、選択された方に関しては、申しわけないかもしれませんけれども、抽せんというやり方をさせていただいている、そういうふうに御理解いただければと存じます。

 以上です。

○吉野指導室長 
今、本区が行っている一校一国運動ですけれども、ちょっと説明させていただきたいんですが、始まりは、五大陸にまたがって多くの国を学習しましょう。それがだんだん絞られてきて、自分たちの応援する国を決めていくのが一校一国運動の取り組みでございます。例えば、有馬小学校でしたら、カタール国なんですけれども、カタール大使館から大使館の方を呼んで、国についての学習をするとか、月島幼稚園であれば、地域に住んでいる方がインドネシアの方だったので、そちらを活用しながら、その国のことを学ぶとか、そのように、どこも、国を決めて学習するというようなことを行っております。

 御指摘いただいた、学校を使うというところは、一校一国運動からまた別の話でございまして、現在、オープンになっているのは豊海小学校のブラジルということで、豊海小学校はブラジルを一校一国運動で選んでいますし、そこも一致しているんですけれども、現在、まだ国名とかは正式に決まっていないんですが、幾つかの国から幾つかの学校を使いたいというようなオーダーが来て、調整しているのが数校あります。ただし、その場合は、必ずしもここと一致するということではなく、あくまでもオリンピック・パラリンピックのために施設を提供するというようなことで調整しているところでございます。ただし、来ていただいたら、子供との交流等を含めて、教育的にも価値のあるようなものにしたいと、あわせて思っております。

 以上です。

○渡部(博)委員 
教育委員会事務局次長も大変苦しいところだと思いますけれども、私は若干、感じ的に違うふうに感じておりますので、またこれは違う場で議論させていただきたいと思います。

 学校の子供たちの話で、一校一国運動も含めて考えたときに、では違うところが来たら、子供たちはがっかりするよねというのはあるわけです。だから、そういったことも含めて、子供たちにオリンピックに興味を持ってもらうということが最優先でありますから、教育委員会として、しっかり対応していただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。

 いっぱいあったんですけれども、次のところに回します。終わります。

○鈴木委員長 
次の質問者の発言を願います。

○渡部(恵)委員 
新規事業のブラジリアン・ユース・スクール・ゲームズへの参加について、まずお伺いいたします。

 こちらは14競技の中から、覚書で交流事業を行うということから、国際教育のさらなる推進を図るという目的で、中学生2名がブラジルに行くということなんですよね。こちらですが、全14競技の中から、どの競技をやっている中学生を選ぶのかということと、なぜ2名だったのかなと。予算の問題ももちろんあると思うんですけれども、国際教育のさらなる推進ということであれば、公教育の公平感ということから、どのように組み立てていったのかという、まず今回の事業の組み立て方についてお伺いいたします。

○吉野指導室長 
この事業の組み立て方ということでございますが、実は、始まりは豊海小学校が今回ブラジルとということで、ブラジルのオリンピック委員会の方とさまざまな施策についての話をしておりました。その中で、こういうものがあると。日本の子供たちも参加することはできないかというようなところからスタートしております。

 人数や学年等は、実は、ユース・スクール・ゲームズというのがありまして、対象者の年齢、あと、こちらから参加してもらうのであれば2名程度であるというようなことをやりとりの中で詰めていったところでございます。もちろん、5名でも10名でもということは思いますけれども、やりとりの中で2名ということ、それとともに、種目もやりとりの中で、実は、その年によって、向こうの方がこれでお願いしたいというところも変わってくると聞いております。現在のところ、水泳と陸上ということになっております。そのような形で組み立てております。

 以上です。

○渡部(恵)委員 
では、中学生の中で、いろいろ、水泳をやっている学生さんもいますし、陸上は、中央区にはなかなか強い子供たちもいますが、どのように選出していくのでしょうか。

○吉野指導室長 
これにつきましては、学校長とも何回か話を詰めたところでございます。中学校は、さまざまな部活の大会があります。これも春先から始まりますので、そのような大会の実績、もちろん前年度の実績も含めて、まず記録的なところはしっかり押さえていきたいと思っております。ただし、記録だけで選ぶのではなく、これは向こうの国との交流というような形にもなりますので、そのような交流活動として、日本の代表の生徒としてふさわしいのかというような視点で選ばなくてはいけないと思っています。選考につきましては、今申し上げました記録とともに、学校長、また教育委員会による面接というような形で選考していきたいと考えております。

 以上です。

○渡部(恵)委員 
ありがとうございます。

 中学生としての民間大使で、日本の、特に中央区の代表として行く子供たち2名、しっかりとブラジルで本区のことも伝えていっていただきたいなというふうに思っております。そして、これは国際教育ということですので、全中学生に何らか、恐らくは皆さんのこれからの学習、授業を通して、実際、今もオリンピック・パラリンピック教育をやっていらっしゃいますけれども、今回のブラジリアン・ユース・スクール・ゲームズへの参加で得てきたことを、また次の学習へつなげていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それから、充実事業の小学校英語講師の配置についてお伺いいたします。

 これは前年度と同額ですね。東京都のほうも、新年度予算案でしっかりと新学習指導要領に向けての小学校の英語教育の指導体制を整備するということが盛り込まれております。本区はそれに先んじて、平成30年度から実施しておられますけれども、今年度1年を通して、小学校英語講師を通して教員の皆さんに教えるという体制をとってこられました。この1年を通して、どのような課題が出てきたのかということですとか、また、小学校英語教師の方の英語力といいますか、ネーティブ並みなのか、それとも何か英語教育を子供たちに教えていくメソッドを持っておられるのか、そのあたりはどのような状況か、教えてください。

○細山教育支援担当課長 
小学校の英語講師についてでございます。

 英語講師については、それぞれの講師が各学校に週1日から2日巡回をして、担任の先生が英語の授業を1人でできるだけやれるようにするということで、それぞれの指導力の向上に向けて助言をする、アドバイスをしたり、それから実際に英語講師が授業をして模範を見せたりということを行っております。また、夏休みには、全教員を対象としまして夏期集中講座ということで、それぞれの教員のレベルといいますか、これは自己評価ではありますけれども、自分の対象、このコースがいいだろうということを選択して研修を受けていくわけですが、その講師としてやっているところでございます。

 お尋ねのありました課題についてでございますが、やはり小学校の教員は、もともと英語の免許状を持っているわけではなく、やろうと思えばやれるんですが、英語を発信するという部分については、子供たちの前であっても難しい側面が実はあります。そういったところの教員の意識を、この小学校の英語講師は高めようとしているところでありますけれども、その辺の温度差がまだ若干残っているというところについては、今後も課題であると。

 それから、もう一点は、文部科学省のほうから教材が出されています。Hi,friends!とかWe Can!といった来年度からの教科書があるんですけれども、これまでの教材を活用できるようにしていくというところが今後の課題というところでございます。

 JTE、日本英語講師の英語力につきましては、教育委員会のほうで評価をしているところでございます。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員 
御回答ありがとうございます。

 区民文教委員会の視察で秋田県の先生たちが講習を受けてらっしゃる様子を見せていただいたんですけれども、夏期講習で英語力、英語の指導の仕方まで学んでいらっしゃるということで、先生たちは本当にお忙しいなというふうに思いました。

 文科省のほうも読んだんですけれども、これからAIとかIoT、子供たちが成長していく中で、これが当たり前のような状況になっていくために英語力は必要であるということで、文科省が力を入れて英語教育をやっていくという方向性であるということもよくわかります。小学校の英語の先生の教材、私はまだその2つの教材については調べておりませんけれども、日本語の母音を伴わない子音は1つしかない、「わゐうゑを」の後の「ん」だけで、母音は私たちの言葉では5つですけれども、実際、英語は二十幾つも子音があって、そこを小さいうちから聞き取れるような状況をしっかりつくっておかなければ、本当の意味でのきれいなネーティブの英語が聞き取れたり、あるいは話せるということにはなかなかつながっていけないということもわかっております。この1年もまた、先生方はその方向性に向かっていかれますが、しっかりと頑張っていただきたいと思っております。

 それから、もう一つ、新規事業についてお伺いいたします。

 校庭を活用した安心できる子どもの遊び場づくり・体力づくりということで96万4千円の予算がついております。こちらは、既に13の小学校で同じように校庭を幼児・児童の遊び場として開放しておられますけれども、今回、月島第一小学校で、特にスポーツ指導者を入れて、年12回にわたって、区の公園でできないボール投げとかボール蹴りをすることを教えていくということと、体力増進が目的になっているんですけれども、月島第一小学校を選定した理由と、12回というのは、毎回、児童・園児を入れかえていくのか、12回全て同じ内容でレクチャーしていくのかも含めて、教えてください。

○染谷学校施設課長 
新規事業の校庭を活用した安心できる子どもの遊び場づくりでございます。

 この事業は、平成29年度、30年度の2年間、区と地域スポーツクラブ、これは大江戸月島でございますけれども、こちらの協働事業で実施しました。この2年間で一定の成果がありました。そして、参加された子供たちからも好評であったものですから、引き続き事業を実施していくものでございます。

 まず、成果といたしましては、学年を超えて子供たちの間で交流が見られ、また、2年目には、おやじの会やボランティアなどの協力がありまして、地域コミュニティが活性化したのではないかと思っております。

 それから、12回でございますが、これは毎月1回程度でございまして、種目は違ったものになります。参加する子供たちも、種目によって、かわってくるのかなと思っています。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員 
既に大江戸月島を通してこれまでやってきた事業を、拡充の方向で新規に月島第一小学校をということで理解いたしました。

 月島第一を含めると13校になりますが、他の小学校でも校庭の開放をしていますので、スポーツの先生を他の学校へ巡回させるというやり方もあるのではないかなと、これを最初に見たときに私は思ったんです。

 今回は月島を拠点としてやっていくという方向性ですが、募集の方法ですが、月島第一小学校ということは、そのエリアの子供たちが対象になって、全校になっていくとはいえ、申し込みの状況によっては、そこが一番便利なので集中してしまうのかなというふうに思ったんですけれども、周知の方法ですとか、今後、ほかの学校にも同じように、先生を巡回させるという方向性などをどのようにお考えか、教えてください。

○染谷学校施設課長 
参加する子供たちへの周知の方法でございますけれども、委員御指摘のとおり、月島第一小学校の区域外の方の参加も予定していますので、区のおしらせとか、それから各学校へのチラシとかで全児童に周知できるようにしたいと思っております。それから、あわせて区のホームページにも掲載したいと思っております。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員 
最後に、対象人数は大体どれぐらいとお考えなんでしょうか。

○染谷学校施設課長 
参加人数でございますけれども、実績を踏まえますと、種目にもよりますが、キャッチボールやフットサルでは30名程度、それから一番人気が高かった駆けっこで128名という参加がございますので、平均すると五、六十名ではないかと思います。

 それから、答弁漏れがありましたけれども、他校へ広げる方向の考え方でございますけれども、各地域でなるべく実施したいと思っておりますので、拡充の方向で検討したいと思っています。

 以上でございます。

○渡部(恵)委員 
ありがとうございます。

 せっかく来年オリンピック・パラリンピックが来ますので、子供たちがスポーツに興味を持って参加していただけるように、お取り組みをよろしくお願いいたします。

 以上で質問を終わります。

○石田委員 
第8款「教育費」の質疑も終了したと思われますので、次に、第9款「公債費」、第10款「諸支出金」及び第11款「予備費」について、一括して質疑に入るようお諮り願うとともに、暫時休憩し、午後1時に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後1時に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午前11時57分 休憩)


(午後1時 再開)

○鈴木委員長 
休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。

 第9款「公債費」、第10款「諸支出金」及び第11款「予備費」について、理事者の説明を願います。

○浅沼企画部長 
(説明)

○鈴木委員長 
第9款「公債費」、第10款「諸支出金」及び第11款「予備費」について、質問者の発言を願います。

○志村委員 
基金について、まずお聞きします。

 中央区予算案の概要という資料で、主要4基金の平成29年度からの推移が出ています。そこでは、29年度末の残高が521億円、30年度末の予定残高が588億円、31年度末予定残高が508億円となっています。ただ、30年度には城東小学校、区道の市街地再開発事業の権利変換による120億円が積まれているということで、その120億円という一時的なものを除くと、30年度末の予定残高が468億円、31年度末が388億円というふうになると思います。ですから、平成29年度と30年度を比べるとマイナス53億円、30年度、31年度を比べると、31年度はマイナス80億円ということです。

 この間の基金の取り崩しというのは、人口増によるさまざまな施策の対応のためだと思いますが、今後、これが人口20万人を超えて二十数万人となるという区政を展望した場合の今後の基金の推移について、どう想定しているのか、お聞かせください。

○大久保財政課長 
ただいま基金の平成29、30年度、そして、その後についてということで、今、御説明もございましたけれども、1点つけ加えさせていただきますと、八重洲二丁目北地区の市街地再開発で、金銭給付としていただいた125億円につきましては、29年度の収入として受け入れまして、29年度末に基金として組み入れております。ですので、29年度末残高にその125億円相当の金額がもう組み込まれているというところで御理解いただければと思います。

 そして、30年度は、そうした特殊な要因がございませんので、当初は、基金の取り崩しなどによりまして一定程度減少すると、多少見込んでおりましたけれども、30年度の収支状況、例えば今回補正予算でも計上させていただきましたように、区税の増収、特別区交付金の増収など、そのほか、歳出の減などがございまして、そうした全体のバランスの中で収支の改善を受けまして、基金の積み増しを補正予算として計上させていただいたということで、29から30年度におきまして、大幅な残高の増になっているところでございます。

 そして、今後の見通しですけれども、一般質問あるいは今回の予算特別委員会の中でも幾つか触れましたけれども、人口増に伴う基盤整備などで、当面、施設整備などの需要がございます。大きな山場として見込んでいるのが、HARUMI FLAGのオープン後ということで、平成35年度には小中学校あるいは晴海地区の公共施設整備、そして、その前の年には本の森ちゅうおうも整備が完了するということで、35年度までがおおむね基盤整備の集中期と見てございます。

 そういった中で見通しますと、収支改善で毎年度一定程度の積み増しはできると思っておりますけれども、平成35年度までは、一定程度残高が減っていくと。そして、あわせて区債の残高もふえていくということで、平成35年度ごろには基金と区債の残高がほぼ近い金額になるのではないかといった見通しでございます。ただ、逆転までするかどうかということに関しましては、毎年度毎年度、結果的には収入の上振れ、あるいは支出の残などによって積み増しもできておりますので、そうしたことが続けば、明らかに逆転するという状況ではないと、現在のところは考えているところでございます。

 以上でございます。

○志村委員 
そうですね。平成28年度は4基金の合計が386億円、それが521億円になったというあたりでの120億円プラス、いろいろあると思いますけれども、そういうことはわかりました。あわせて、今ありましたように、特別区債のほうも、平成29年度が149億4,618万円で、30年度の予定が157億円、31年度の予定が182億円ということで、今のお話で、基金と特別区債の金額が、平成35年度ごろには大体近くなるだろうというのがわかりました。

 その先ですよね。結局、今30近く、それが全てタワーマンションとは言いませんけれども、市街地再開発事業がある。それから、本庁舎の整備計画もある。それらを踏まえると、35年以降の基金と区債の関係というのは、どのような想定になっているのか、お聞かせください。

○大久保財政課長 
今、市街地再開発あるいは本庁舎の整備という関連で御質問がございましたけれども、まず市街地再開発事業につきましては、基本的には歳出の全額を、区税を使わないで賄えていると考えております。というのも、市街地再開発事業の年度につきましては、国から、あるいは都から、おおむね6割から7割の財源が入ってきます。残りの3割から4割の財源につきましては、その年度では歳入はございませんけれども、その翌年から都区財政調整交付金として上乗せで算定されてございます。ですので、数年間のスパンで考えますと、区民税を使わない財政運営ができていると考えております。

 ただ、やはり単年度では支出が多くなることから、後年度に財調交付金で補塡されるまでの間の資金運用という考え方で財政調整基金を活用させていただいているという状況でございます。そういうことですので、一時的な財政調整基金の増減はございますけれども、それによる基金残高の目減りというものは、長期的にはないという考え方でございます。

 そして、本庁舎整備につきましては、現在、どこで建てかえるかということも含めて議論をしているところでございます。現在地ということもありますし、違う場所という選択肢もございますけれども、違う場所になった場合には、現在地の場所をどう活用するかという観点もございます。その辺については、現時点で金額あるいは跡地活用も含めて、まだシミュレーションができてございませんので、現在、見通しは立てていないところでございます。

 以上でございます。

○志村委員 
市街地再開発事業が30近くあると。タワーマンションが全てではないと言ったのは、人口がこれからふえていく。さっきも言ったように、20万人を超えて、どこまでいくかわからない状況の中で、平成35年以降、それがどっと来るわけです。今、基金を取り崩しているのは、人口増のいろいろな対応のために切り崩しているわけで、それらを加味すると、平成35年の先も考えなくてはいけない。それが含まれていないと。

 それから、今、本庁舎もどこで整備するかわからない、どうやるかわからないという中では、本庁舎整備の負担についても、将来的な基金と区債との関係もまだ読み切れていないという状況だと思います。裏を返せば、財政的な基金とか区債との関係でも、市街地再開発事業の今後のあり方、さらには本庁舎整備のあり方も、中央区の未来として、しっかり考えなくてはいけないというあたりを私は指摘したくて、今回、この款で質問させていただきました。

 今のような内容で、再開発事業や本庁舎整備も今後も考えていただきたいということを要望して、質問を終わります。

○石田委員 
一般会計歳出予算の質疑も終了したと思われますので、次に、国民健康保険事業会計歳入歳出予算、介護保険事業会計歳入歳出予算並びに後期高齢者医療会計歳入歳出予算について、一括して質疑に入るようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 3特別会計歳入歳出予算について、理事者の説明を願います。

○浅沼企画部長 
(説明)

○鈴木委員長 
御苦労さまでした。

 3特別会計歳入歳出予算について、質問者の発言を願います。

○中嶋委員 
それでは、特別会計について、何点か質問させていただきます。

 御高齢者が大変多くなっているわけですよね。現在、2万5,000人弱だというふうに聞いております。私も、こういう質問をするのもちょっとつらいんですが、年を重ねてきますと、どうしても疾患、疾病が出てくるわけです。特に、生活習慣病というのも多いわけです。それから、医療が大変高度化してきたということであります。

 今回、データヘルス計画というのがあるんですが、この概要が我々には理解できない面があるんです。それについてお教えいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○小越保険年金課長 
データヘルス計画の概要でございます。

 データヘルス計画につきましては、レセプトデータですとか、特定健診のデータを活用して、それらを分析することで、課題を見つけて、それぞれの保険者、企業等で被保険者の健康増進を図るという取り組みでございまして、国のほうから積極的に取り組むように言われている事業になります。そういった流れを受けまして、中央区のほうでも平成30年5月にデータヘルス計画を策定しました。こちらにつきましては、区のほうで保有しているデータを分析して、健康課題を把握しまして、より効率的・効果的に保健事業を実施していこうというところで策定したものでございます。

 具体的な内容につきましては、区の疾病等の状況を分析しました結果、腎不全や糖尿病、高血圧症疾患などの生活習慣に起因するものと考えられる疾病が多くを占めておりました。そこで、中央区としましては、そういった課題を解決するために、大きな柱を2つ立てて、データヘルス計画の事業を進めていこうと考えております。

 まず、大きな柱の1本目ですが、生活習慣病対策です。生活習慣病につきましては、まずは、ならないための予防と、なってしまった後の重症化の予防、そういった2点を中心に取り組んでいきたいと考えております。

 具体的には、ならないための予防としましては、従前から行っておりますが、特定健診、特定保健指導に力を入れて進めていこうと考えております。また、重症化予防につきましては、生活習慣病の治療をしていた方が中断された場合につきまして、そういった方にきちんと治療を受けましょうねという勧奨事業と、糖尿病の腎症重症化予防の2事業を新たに進めていこうと考えております。

 また、大きな柱の2点目でございますが、先ほど委員のほうからもお話がありましたが、医療の高度化等に伴いまして、医療費が大変大きくなってきております。そういったところ、医療費の適正化ということで、こちらも従前から取り組んでおりますジェネリック医薬品の差額通知事業といたしまして、ジェネリック医薬品を使っていただいて、医療費を抑制していこうというところ、もう一点は、不適切な受診をされている方、例えば頻繁に同じ疾病で病院に通ったりですとか、重複服薬をされている方ですとか、そういった方に対して指導していく重複・頻回受診に関する保健指導、そういったところを取り組んでいこうと考えております。

 データヘルス計画につきましては、以上の大きな柱2点を中心に、新たな事業につきましては来年度からなんですが、そういったところで取り組んでいく予定になっております。

 データヘルス計画事業の概要につきましては、以上でございます。

○中嶋委員 
どうもありがとうございました。

 私も詳しくはわからないんですが、健康保険に関しては、国の制度の活用だと私は見ているんです。今、お話の中にあったように、2点ありますよね。例えば糖尿病だとか、それから医療も大変高度化して、簡単に言えば、医療費が高くなっているわけです。そういう面を是正するために、データヘルス計画というのがあるわけです。

 ただ、見てみますと、この計画期間は前期と後期に分かれているんです。後期計画期間は35年度に終了すると書いてあるんです。そんなに長いんですか。その辺、1点だけお答えください。

○小越保険年金課長 
データヘルス計画の期間につきましては、6年間というふうに定めておりまして、平成30年度から計画を立てましたので、35年ということで計画期間を定めております。

 6年間の長期にわたりますが、例えば糖尿病性腎症重症化予防事業ですと、例えば保健指導をしたからといって、すぐ結果が出るものではございません。ですので、ある程度長期的なスパンで効果を図っていく必要があるかと考えております。また、6年たった後でも、また第2期計画としまして、第1期の状況を分析しまして、恐らく、また新たに計画を立てて進めていくことになるかと思います。

 以上でございます。

○中嶋委員 
わかりました。6年という長いスパンなんですが、糖尿病の方は、予備軍を含めますと数千万人いるんです。私が一番感じるのは、あなたは糖尿病です、あなたは何々の疾病ですと言われたときに、本人の性格といいますか、それが重要だと思うんです。幾ら指導したって、結局、病気を治そうという意思がない限りは効果がない。

 例えば、私も実は、数年前に言われたんです。HbA1cがすごく高いんです。医者に言われたのは、インシュリンを打つかと。そんなことはしないと私は強く言ったんです。では、どうしたらいいんですかと聞いたら、こういうふうに言われたんですよ。中嶋さん、糖尿病を治すと思ってはいけません。いろいろ検査値がありますが、HbA1cが11くらいだったんです。聞いたら、これは高いんですと。ああ、そうですかと。その程度しか、当時は思っていなかったんです。総合病院で検査したものですから、総合病院へ行くのは大変なんです。バイクで行っても30分以上かかるんです。だから、そう思ったときに、隣が診療所だったものですから、そこの院長にお願いをして、数カ月に一遍、血の検査をしているんです。今、6.1まで落ちたんですよ。その間、インシュリンとか、そういうのは、はっきり言って、一回も打っていません。これは自覚なんですよ。

 何をしたらいいんですかと聞いたら、歩いてくれと言うんです。はっきり言って、私は歩くのが大嫌いなんです。それでも、医者に言われたら、はい、わかりましたと。習慣がつくと、歩くんですよ。人間というのはおもしろいもので、毎日歩かないと、逆に、気持ち悪くなるんです。毎日1万歩歩くんです。糖尿病というのは、予備軍を含めると数千万人いると聞いております。私も、そのうちの一人です。HbA1cは6.2まではいいと言うんです。今私は、6.1なんです。6.1から6.0、5.9ぐらいまで上下しているんですけれども、6.2以上というのは、4年間で今まで一回もないんです。そのかわり歩くのと、糖尿も生活習慣病ですから、要するに、こういうことを言っているんです。歩くのと食事療法しかないんだと言うんですよ。そうですよね。その辺、お考えを聞きたい。

○小越保険年金課長 
委員のいろいろな数値等、それぞれの方でいろいろな状況があるかと思いますが、やはり御自身の状況を把握していただくということが一番大事かと思います。今回、糖尿病性腎症重症化予防につきましても、そういった数値が高い方をピックアップしまして、こういった事業をやっていますが、参加されませんかということで勧奨を行います。まずは、そこで御自身の状況を把握していただいて、これからのことを考えていただくきっかけをつくっていく。参加していただけた方については、具体的な保健指導、食事療法ですとか、運動の面ですとか、そういったところをアドバイスしていきたいと思っております。

 ですので、まずは御自身が自分の状況をきちんと理解して、参加の意欲を持っていただく。また、そう思っていただけるような勧奨の方法を我々も工夫していかなければいけないかと考えております。

 以上でございます。

○中嶋委員 
どうもありがとうございました。要するに、本人の自覚なんです。それ以外にないんですよ。

 次に、データヘルス計画というのは、医療の適正化という目的があるわけです。これをどうお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。

○小越保険年金課長 
医療費の適正化についてでございます。

 まず、医療費は大変増加する傾向にございますが、我々としましては、病院に行くことを抑制するということではなくて、必要な医療についてはきちんと受けていただいた上で、医療費のこと、保険制度全般について、きちんと意識していただく必要があるかと思ってございます。ですので、ジェネリック医薬品差額通知事業ですとか、そういったところで、御本人が使われているお薬がどういう状況で、保険制度全体でどういう形になっているのかというのを意識していただくことが重要かと思いまして、やはりこちらも被保険者それぞれの意識を高めていただくということで進めていきたいと考えております。

 以上でございます。

○中嶋委員 
どうもありがとうございました。

 本当に健康保険は大変だと思うんです。でも、私も再三申し上げていますが、やはり自覚なんです。本当は病気にならないほうがいいですよ。だけれども、なったときの自覚というのは、本人次第だと私は考えております。やはり自覚というのは、保健所、それから健康保険のほうで幾ら指導したって、本人がその気にならなかったら、できないわけです。そうですよね。やはり本人の自覚というのが絶対必要だと私は考えております。

 今、ジェネリック医薬品のお話がありましたよね。これは私が聞いたところですけれども、薬というのは開発費がすごくかかるわけです。ところが、ジェネリックというのは、簡単に言えば、我々がいただいている薬というのは、今までどおりの薬なんですけれども、ジェネリックはその薬を使用すると安くなるらしいんです。私も、どうしようかなと思うんですけれども、やはり通常の薬を下さいということになってしまうんですが、それは指導しているわけですね。

○小越保険年金課長 
まず新しい薬というのは、非常に開発費がかかって、薬価がすごく高くなっておりますが、一定程度期間が過ぎまして、つくり方をまねてではないですけれども、同じような効果が得られる薬ということで、後発医薬品として出された薬がジェネリック医薬品ということになりまして、開発費がかからないので、先発の医薬品に比べて低価格で利用できるというものになっております。

 以上でございます。

○中嶋委員 
ありがとうございました。

 これは特許切れなんですよね。そういうことですね。わかりました。私も詳しくわからないものですから、ちょっと聞いてみたんですけれども。医者へ行きますと、中嶋さん、ジェネリックを使いますかと言うんです。だけれども、特許切れだからといって、効能は一緒なわけですよね。そういうことですよね。ジェネリックね。わかりました。そういうことなので、今後ともよろしくお願いいたします。

 私が、ここで何が言いたいかといいますと、健康保険の御相談にいっぱい来ると思うんですけれども、やはり本人の自覚をどう促すかということなんです。最終的には、その1点にかかってくると私は見ておりますので、その辺を含めて、しっかり御指導いただきたいと思います。

 国民健康保険はこれで終わります。

 次に、介護予防についてお伺いしたいんですが、先ほど申しましたように御高齢者が大変多い。2万5,000人弱いるわけです。その中で、本区独自の取り組みということで、粋なまちトレーニングというのがあります。これについて、内容をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○吉田高齢者福祉課長(参事) 
粋トレについてお答えいたします。

 こちらは7種類の体操から構成されております。その中でも、基本の体操、ボール体操、タオル体操、マット体操、ペア体操という5種類につきましては、区民になじみの深い「これがお江戸の盆ダンス」をアレンジした曲に合わせた体操となっております。それぞれの体操でございますが、およそ3分程度のコンパクトな体操でございますので、いろいろな活動の合間などに気軽に使用できるものになってございます。また、体操を行う会場の状況や参加者の体調等に応じまして、この7種類の体操をさまざまに組み合わせて使用することができるようになってございます。

 以上でございます。

○中嶋委員 
どうもありがとうございました。よくわからないんですけれども、これは主に体操なんですね。

 実は、御高齢者に聞きますと、こういうことを言うんです。本区ではいろいろな取り組みをしていますよね。ところが、近くないと行かないと言うんです。それから、募集しますよね。募集しても、必ず集まるというわけではないわけです。例えば、高齢者クラブ、老人クラブとか、そういうのも、さまざまな施策を充実させてやっているわけですよ。

 今回、初めて粋なまちトレーニングということをやったんですが、これは月に何回やっているんですか。

○吉田高齢者福祉課長(参事) 
粋なまちトレーニングでございますが、来年度から各地域で区民ボランティアさんを中心に普及していこうと考えております。今、各地域で通いの場というのも行っておりますが、例えばそういうところですと、月に2回だったり、毎週やっていたり、さまざまでございますので、そういうところで活用していただきたいと考えております。

 以上でございます。

○中嶋委員 
どうもありがとうございました。

 この効果というのは、どういうふうになっているか、お聞かせ願いたいと思います。

○吉田高齢者福祉課長(参事) 
粋トレについてでございますが、区報等で体験モニターを募集いたしました。3カ月間、週1回、計12回、粋トレを実施していただきまして、初回と最終回にアンケートと体力測定を行いました。全部で41名のデータを分析いたしまして、例えば立ち上がり、柔軟性、歩行という3種類の体力測定でございますが、どの年代でも8割から9割の方の機能が向上いたしまして、特に70代の方の向上が目立ちました。また、アンケートでは、長く歩けるようになったですとか、自宅やサークルの仲間と一緒に行いたい、また、多くの人にこの体操の楽しさを知っていただきたいというような意見をいただいておりまして、そういったことから、筋力強化、また、いろいろな人と交流いたしますので、認知症の予防になります認知機能の向上等に効果があると考えております。

 以上でございます。

○中嶋委員 
どうもありがとうございました。

 粋トレと言いますけれども、私らはちょっと違うのではないかと思うんです。これは、いい事業ですよ。事業自体は、私はすばらしいと見ているんですけれども、高齢者の意見というのは聞いているんですか。高齢者が何をしたい、何を望んでいるか。

○吉田高齢者福祉課長(参事) 
高齢者の方につきましては、高齢者保健福祉計画、また介護保険事業計画を3年ごとに作成いたしますので、その前に中央区の高齢者の皆様に実態調査等を行いまして、どんな健康づくりをやってみたいかというようなアンケートを行っております。そうした中で、みんなと一緒に体を動かしたいというような回答が一番多くて、そういう結果をもとに、今回の粋トレを開発しているわけでございます。

 以上でございます。

○中嶋委員 
どうもありがとうございました。とにかく、高齢者クラブとか、そういう人たちの意見も十分取り入れてやっていただきたいということを望んでおります。

 次に、これは一番困る問題なんですけれども、認知症対策です。

 これについて、2012年には462万人だったのが、2025年には700万人近くになるということですよね。認知症対策というのは、実は、私の家内のお母さんも認知症だったんです。特に困るのが徘回なんです。これがありますと、もちろん家族に迷惑がかかる。どこへ行ったかわからない。特に、私も、昔、商売をやっていましたので、近所の方が、家から出て10メートルぐらいで自分の家がわからなくなってしまっているわけです。その辺の対策はどういうふうにやっていますか。教えてください。

○吉田高齢者福祉課長(参事) 
認知症の方の徘徊についての対応でございます。

 中央区におきましては、徘徊高齢者探索システム費用の助成という事業を行っております。こちらは、認知症の方が行方不明となったときに、介護者が徘徊高齢者の位置をGPSにより発見して保護できるというサービスで、区は、そのシステム費用の一部を助成しております。介護者からは、実際に日ごろから捜索に利用しているというふうに聞いております。

 この事業につきましては、1つ問題がございまして、御本人がGPS機能を搭載した機器を持参しないと、システムを使えないというようなことがございまして、そちらが課題となっております。また、徘徊高齢者の発見につながる方策といたしまして、見守りキーホルダー登録システムを導入いたしまして、見守りアイロンラベルというものも含めまして、本人や連絡先の確認手段ができるようにしてございます。こちらも、周りの方が、その方が行方不明というか、徘徊されているということに気づきまして、おとしより相談センターに通報することにより初めて有効となるという問題があります。それぞれ一長一短がございまして、どのサービス、システムを使うことが御本人のためになるのかというようなことをケアマネなどとよく相談するように、申請前に説明をしているところでございます。

 以上でございます。

○中嶋委員 
どうもありがとうございました。

 これが一番問題になってくると思うんです。ですから、本区の取り組みというのは大変難しいと思うんです。認知症になりまして徘徊しますと、まず家族に迷惑がかかるんです。私も毎日、手を引っ張って、いろいろなところへ連れていきました。ところが、ある日、突然、夜いなくなってしまう。昼間もいなくなってしまう。そうすると、探すのが大変なわけです。うちは商売をやっていたから、わかるんですけれども、近所の方もわからない方がいるわけです。そうすると、御家族がどう探していいか迷ってしまう。私もよく聞かれました。うちのAさんを見なかったかと。いや、見ませんでしたと。いなくなってしまったんだと。これはもう大変なことなんです。笑い事では済まなくなってしまうということがあるわけです。

 いろいろな制度があることは事実ですけれども、やはり一番苦労するのは家族なんです。その辺を十分わかっていただいて、認知症対策に対しては、しっかりした指針を出していただきまして、それに基づいてやっていただきたいということを私は強く要望したいと思います。

 それから、先ほどもありましたように、最後に、こういうことを聞きたいんです。おとしより相談センターがございますよね。去年かおととしですけれども、日本橋に1カ所、それから月島地域でも勝どきに1カ所、新しくまたできたわけです。その前から3カ所ぐらいあるんですけれども、そうすると5カ所できた。例えば、月島ですと、月島区民センターに1カ所ありますよね。それから、勝どき五丁目に1カ所ありますよね。どんな相談を受けているのか、その辺についてお答えを聞かせてください。

○佐野介護保険課長 
おとしより相談センターでの相談内容ということでございます。

 おとしより相談センターでは、高齢者や、その家族に対して、総合的にさまざまな相談を受け付けているところでございます。やはり一番多いのが介護保険サービスに関する相談、それと福祉保健サービス、こういったものが中心でございますが、そのほかにも医療や病気、認知症など多岐にわたる相談を受け付けているところでございます。

 以上でございます。

○中嶋委員 
どうもありがとうございました。わかりました。

 平成29年度、相談が2万6,000件以上あったわけです。一番多いのが介護保険サービスに対することと。

 では、これに対して、おとしより相談センターと本区の担当者は、どういうふうに連携をしているんですか。その辺について、お聞かせください。

○佐野介護保険課長 
おとしより相談センター職員と区職員との連携ということでございますけれども、3センターの管理者と中央区職員で月1回の定例会を開いておりまして、そういった中で情報交換をやりとりしながら、お年寄りの相談あるいは支援について進めているところでございます。

 以上でございます。

○中嶋委員 
どうもありがとうございました。

 月1回の定例会ということで連携をしているということですが、御高齢者が一番困っているのは何かというのを的確に判断しているわけですよね。それに対して、本区としてみると、さまざまなサービスを提供していると。これはわかるんです。しかし、例えば月島地区では2カ所しかないわけです。もっとふやすということは、できないんですか。もちろん、日本橋地区も、京橋地区もそうですよ。その辺を含めて、御答弁をお願いしたいと思います。

○佐野介護保険課長 
月島地区のおとしより相談センターの増設の御質問でございますけれども、確かに、晴海はオリンピック後に人口が1万2,000人ほどふえるということもございますので、その後を見据えて、現在、晴海四丁目に公共施設の整備計画を考えているところでございまして、これは複合施設でございますけれども、特別出張所とか認定こども園、保健センター、図書館などが入る予定ですが、その中におとしより相談センターもあわせて整備するということで検討しているところでございます。

 以上でございます。

○中嶋委員 
どうもありがとうございました。確かに、晴海はオリンピックも来るし、人口も2万9,000人以上になるのではないかと見ておりますので、晴海にふえるということは大変結構なことですよね。

 再三申し上げましたとおり、各地区にもっとふやしていただきたい。御高齢者は近くでないと行かないよと言うんです。うちのほうにもできたんですが、どこにあるのと聞かれたときには、農林水産省の公務員宿舎の跡地と言ったほうがいいんです。勝どき五丁目というと広いので、農林水産省の公務員宿舎の跡地にできましたと言って、そこへ行ってもらうわけです。だけれども、やはり勝どきでも一丁目から豊海町まで、エリアが広いわけです。そうすると、冗談じゃないという方も出てきてしまうということが現実です。

 今聞いたところによると、晴海にふえると。大変いいことですよね。晴海は、最終的には24の建物ができるんですが、そのうち、オリンピック・パラリンピックで使うのが21と聞いております。その中に複合施設ができる。これは大いに結構だと私は思います。

 晴海の方が月島区民センターまで行くのは大変です。ですから、私が申し上げたいのは、やはり何カ所か、お年寄りがすぐ行けるように開設していただきたい。今回は後期高齢者ということで75歳以上ですけれども、前期も含めると65歳以上の御高齢者は多いわけです。年を重ねてくると足のほうも悪くなるし、そういう感じがしているわけです。

 ですから、私が最後にお願いしたいことは、おとしより相談センターは大変いい制度だと思いますので、それを各地にもっと多くつくっていただきたいということを最後に要望いたしまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。

○石田委員 
ただいま3特別会計歳入歳出予算の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後2時50分に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後2時50分に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午後2時13分 休憩)


(午後2時50分 再開)

○鈴木委員長 
休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。

 3特別会計歳入歳出予算について、質問者の発言を願います。

○墨谷委員 
特別会計を私から質問させていただきたいと思います。

 何回も言っておりますが、中央区も、今後、平成37年、2025年には20万都市です。高齢の方も単独世帯の方が多いという特徴、また、そういった意味では、社会的孤立をしないような取り組みも加速していかなければならないのではないかなというふうに思っております。そして、2017年1月時点での高齢化率ですが、15.8、国よりも10ポイント以上低いものでございますが、高齢者の要介護・要支援の認定者は年々ふえております。高齢の方が、住みなれた地域で安心して最後まで自分らしく生きられるように、地域包括ケアシステムのさらなる進化が必要になっているのではないか、求められているのではないかというふうに私は思います。

 まず最初に、本区の置かれている現状と課題について、御答弁お願いします。

○古田島高齢者施策推進室長 
まさに、今、委員がおっしゃったとおり、本区については、高齢化率こそ低い。本年1月1日現在ですと15.11%、昨年が15.46%でしたので、0.35ポイントほど下がったという状況でございますが、これがいつまでも下がり続けるかというと、そういうわけではなく、本年1月1日の推計によりますと、2025年を底として、それ以降は高齢化率も上がり続けるだろうというふうに予測しております。また、高齢者の中でも、特に75歳以上の方の人口増が著しい。本年1月1日現在、2万4,557人の高齢者のうち、50.6%が75歳以上、昨年までは65歳から74歳未満の方が多かったんですけれども、本年1月にはそれを超えたという状況の中で、介護の認定率も20%、国全体が18%台という状況ですので、認定率が本区は高いという状況もございます。

 そういった中で、しっかりと介護基盤の整備、これは施設だとか何かの整備、例えば桜川敬老館等複合施設で新たな特養、認知症高齢者グループホームを今、建設しているところですが、そういったハードにプラスして、今、問題となっているのは、介護人材が確保できずに、施設をつくっても、なかなか運営できない。幸い、私どもの区では、そういうことはないんですけれども、他の自治体ではそういうところもあるということでお伺いしているところでございます。

 また、介護施設や介護サービスだけでなく、今回の介護保険事業計画、高齢者保健福祉計画の中でも、地域の支え合いを一つのキーワードとして、私どもは地域づくりを進めていく、地域包括ケアシステムを進めていくということで、代表的には通いの場、昨年度末12カ所だったのが、今、16カ所までふえているということで、そういった地域の支え合いをさらに推進する。通いの場の拡大だけでなく、さまざまな形で拡大していきたい。そのためには、地域の、いわゆる区民ボランティアの方をどうやって育成していくか。そして、そういった方を通いの場などの事業に当たっていっていただくようにマッチングをしていくというようなことも必要であろうというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、2025年を目途に、今、地域包括ケアシステムを進めているわけですけれども、それ以降、今度は生産者人口がどんどん下がっていくという状況の中でも対応できるような地域包括ケアシステムをつくってまいりたい、構築してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上です。

○墨谷委員 
御答弁ありがとうございます。区としても、ハード面、またソフト面、さまざまな点で各高齢者施策を進めているということをお聞きしました。

 また、地域での支え合いの推進が必要ではないかということで、通いの場についても12から16カ所という形で、やはり地域で支えていくシステムというのは非常に大切ではないかなと思います。そういった中で、地域のボランティアの育成、区だけで取り組んでいくというのはなかなか大変な部分もあると思いますので、しっかりとした人材、ボランティアの育成が、例えばお仕事を定年された男性の方などは特に、ボランティアに参加していただけるように取り組んでいただきたいなと思います。しっかりと2025年問題の対策を打っていっていただきたいなというふうに感じております。

 昨年、講演会というんですか、区でやっているセミナーがございまして、こういったセミナーはすごく大切ではないかなというふうに思います。私の記憶の中では、昨年のセミナーは、終末期の在宅医療・介護の体験者の方を通して、講演というか、いろいろな討論などもあったと思います。もう一つは、ヘルスリテラシーということで、聖路加の方が講演されていたというのがすごく印象的でありました。

 終末期の在宅医療・介護、本区としても、かなり前から在宅医療、在宅介護の支援に力を入れてきているのではないかなというふうに私は感じてはいるんですけれども、今回の講演会の狙いについて、まず初めにお聞きしたいと思います。

○佐野介護保険課長 
在宅療養支援シンポジウムという名前で、昨年11月17日に開催しているもののお話かと思いますが、その中で、本区では、医療的ケアを必要とする高齢者に、可能な限り在宅で生活できるようにということで、平成21年度から在宅療養支援協議会というものを設置して取り組んでいるところでございます。そういった中で、毎年、区民向けの講演会を開催しているところでございます。

 在宅療養、在宅介護の必要性について区民の皆様に普及啓発を図るという目的で開催しているものでございます。

 以上でございます。

○墨谷委員 
済みません。シンポジウムということでしたね。訂正させていただきたいと思います。

 私が町なかでいろいろと御相談いただく中で、皆さん、介護施設のシステムがよくわからないと。皆さん、特養に入りたいというような、最終的な思いというのがすごく出てきていて、特養はあいているんですかといった御相談がすごくあります。

 また、ある方からお話を伺ったんですけれども、民間がやっている終活セミナーというのがあって、そこでは、中央区のパンフレットが配られています。そのパンフレットには介護施設は特別養護老人ホームがあったり、老健施設があったりとか、サービス付き高齢者住宅があるんですけれども、もう一歩深まった形で、金額が書いてあるような、大体このぐらいですよみたいな記載はありません。業者がやっているんですけれども、そういったことが皆さんはすごく気になっているみたいです。この終活セミナーは、お墓に行くまでについてのセミナーで、元気なうちに自分が終活をやっていこうと、気になっている方はかなりいるのではないかなというふうに私は思います。これは民間でやっているもので、50人ぐらいの人が来ていたとお聞きしたんです。私も聖路加病院でやっていた介護の関係のセミナーに行ってみたことがあったんです。

 私も、皆さんからいろいろと質問をいただいたときに、幾らぐらいなんだとか、そういう概算みたいなことは所得によって違うとは思うんですけれども、施設がここにあるとか何とかというのはわかるんですが、その人の介護のステージによって、行くところは当然違うということもあるので、そういう啓発活動というのは必要なのかなというふうに思いました。

 また、今回のシンポジウムは終末期ということで、がん患者の方でしたけれども、お話の中で、在宅で介護がしっかり受けられたというふうに、私はすごく感じました。いろいろな方とお話しする中で、施設という言葉が必ず出てきますが、現状でも入れていない方がいるわけですから、中央区は過去から在宅医療、在宅介護をしっかりとやっているということで、その点について、やっていることを伝えていくということもすごく大切ではないかなというふうに思っております。

 意外と、お元気なときにそういったことを聞きたい、また、今後、親を介護するということで、御本人ではなく、その御家族が中央区にいる、また、お父さん、お母さんたちが中央区ではなくて他の自治体にいるケースというのも結構あると思います。例えば、今、中央区に住んでいらっしゃって、もう定年間近い。そんなとき、先に配偶者がなくなって、1人になってしまったが、配偶者の親が残っている、田舎のほうで心配だ、介護をどうしたらいいんでしょうかというお話があって、私も答えをぽんと出せないところもあるんです。

 中央区では、おとしより相談センターとか、しっかり体制を組んでいると思うんですけれども、子が中央区にいて、お父さんとかお母さんで中央区にいない人たちは優先して入れない部分がかなりあると思います。そういうことが、いろいろな自治体、都心部では起きているというふうに私は聞いているんですけれども、本区として、現状、その辺についてどのように考えていらっしゃるのか、お願いします。

○佐野介護保険課長 
中央区外に住む御両親の介護、区内の介護施設の扱いというところでございますけれども、やはり基本的には中央区民が優先ということは変わらないところでございます。今、区民でも特別養護老人ホームなどは順番待ちが多いということで、子供が中央区民であっても、親を優先的に入れるというのは難しいというふうに考えてございます。そういった方については、区外の、中央区から近距離の施設の紹介とか、有料老人ホームの紹介とか、可能な限り、介護資源の有効活用ということもございますので、そういったものを紹介しているところでございます。

 以上でございます。

○古田島高齢者施策推進室長 
親御さんが遠くにいて、区内にお子さんがお住まいになっている状況の中で、お子さんが親御さんの介護を心配する、あり得る状況だと思いますし、そういうものにきちんと応じていかなくてはいけないだろうという認識はしているところでございます。

 今、介護保険課長が申したとおり、区の税金を使って運営している部分でございますので、区内の施設にというのは難しい。そういう中で、きちんと相談に応じられるようにしていくことは必要だろうと思います。おとしより相談センターなどで親が区外の人だから相談に応じられませんというようなことではございません。そういった部分についても丁寧に応じて、そういった場合は、その地域の地域包括支援センター等との連携も図っていく必要がありますので、親御さんの住んでいる地域の介護保険担当との連携もきちんと図っていきたいというふうに思ってございます。

 以上です。

○墨谷委員 
御答弁ありがとうございます。

 なかなか難しいことでございますが、中央区に呼び寄せられて来た方もふえているというふうに私は感じていますので、そういった意味で、相談体制も強化していただく。また、終末期、在宅介護、その辺の啓発については、これからも十分にやっていっていただきたいというふうに私は求めてまいりたいと思います。

 以上で質問を終わります。

○鈴木委員長 
次の質問者の発言を願います。

○志村委員 
私は、国民健康保険料の差し押さえの件についてお聞きします。

 昨年の第四回定例会で区長は、2017年度に差し押さえを行った259世帯の所得階層別の内訳を、200万円未満が57世帯、200万円以上400万円未満が89世帯と答弁しています。これは、中央区では、所得の低い世帯への差し押さえを強化している事実を示しているのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○小越保険年金課長 
国民健康保険料の差し押さえにつきましては、まず国民健康保険ですが、相互扶助の観点から、被保険者に負担能力に応じた保険料をそれぞれ負担していただくものでございます。特別な事情がないにもかかわらず滞納している方につきましては、法令にのっとり滞納処分を行っているところでございます。

 ただ、差し押さえにつきましては、差し押さえの前に、いろいろ我々は督促ですとか催告、対象の方にお電話を差し上げたりですとか、どういう状況か、お支払いいただけるのはどこまでなのかというところで、何とか接触を図っているんですが、なかなか応答がない方が多いという状況の中で、最終的な手段として行っているところでございます。我々としては、差し押さえをして、何が何でもそこで納めていただくということではなくて、まずは接触を図りたいというところで、差し押さえ以外にも、それぞれの方法をとりながら対応しているところでございますので、特に低所得の方に絞って差し押さえを強化しているというわけではございません。

 以上でございます。

○志村委員 
低所得者に絞ってとは言っていないんですよ。200万円未満が57世帯というのは、例えば2014年度7件から2017年度は259件に、37倍になっているわけです。その37倍の中に200万円未満の世帯が57含まれている。ここを焦点でなくて、こういう事実については、所得の低い世帯への差し押さえを強化している事実が示されているのではないか。これは否定できないと思います。

 2017年度、平成29年度の差し押さえの金額を件数で割って、平均額を23区で比較してみました。中央区の差し押さえは259件で3,442万1,444円、1世帯当たり13万2,901円です。23区の1世帯当たりの平均金額は36万1,620円です。千代田区は38万1,067円、港区は26万4,996円、江東区は49万4,676円、文京区は76万2,759円。差し押さえした件数と差し押さえた金額の関係を見ると、こういう状況です。島も含む東京全体の差し押さえの平均金額は28万8,029円です。

 ですから、1世帯当たりの差し押さえの平均金額が、23区でも、東京全体でも飛び抜けて低いという認識はお持ちなのか。これを見ても、他区と比べても低所得者世帯への差し押さえが多いということが言えるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○小越保険年金課長 
今、委員がおっしゃった数字ですが、差し押さえ金額を世帯で割った数字かと思います。差し押さえ金額につきましては、滞納の月数ですとか、そういったもので個々に違ってくるものでございますので、それがイコール所得をあらわしているわけではございませんので、その点について御理解いただければと思います。

 以上でございます。

○志村委員 
それは、どこの状況でも大体同じなんです。どこかが偏っているとか、そういう状況はない。23区、東京の中で中央区だけが特別動きが違うという状況はない。しかし、一つの目安として、13万2,901円というのは、他区と比べても相当低いということは認識しなければならないというふうに思います。

 2017年度が259件の差し押さえ、ふえた要因の中に、悪質な滞納者が少なからずいるというふうに説明しています。200万円未満の差し押さえが57世帯、200万円以上400万円未満が89世帯という所得の比較的低い方たちへの差し押さえが、全体の259世帯の過半数を占めているわけです。ですから、低いところの被保険者の中の悪質な滞納者、例えば200万円未満の57世帯の中の悪質さというのは、どういう悪質さなんでしょうか。悪質な滞納者がいるというのは、昨年の予算特別委員会で言っていることなので、ぜひそのあたりをお聞かせください。

○小越保険年金課長 
滞納者に関してでございます。

 まず、基本的には、お支払いいただくというのが原則になるんですが、ただ、場合によっては、生活状況で厳しい方も中にはいらっしゃいます。委員がおっしゃる悪質という部分でございますが、例えば十分な資力があるにもかかわらず、お支払いくださいというアプローチをこちらからしても、支払う気がないですとか、電話などでアプローチをしても全く反応がないですとか、窓口で御相談をいただいて、お支払いできる範囲でということで分納計画を立てさせていただいても、分納がとまってしまうですとか、そういった方々が中には少なからず一部いらっしゃるということで、そういった説明をした次第でございます。

 以上でございます。

○志村委員 
それは一般論でしょう。今言っているのは、200万円未満の方たちにも57世帯差し押さえをしているんです。そういう中には、悪質な滞納者はいないということなんですか。それとも、資産が十分あって払わないという悪質さがあるのか。私は、200万円未満の差し押さえされた57世帯の方たちの中の悪質さというのは、どういう悪質さなのかを聞いているんです。

○小越保険年金課長 
200万円未満世帯の中の57世帯について、個々にどういった状況かというのは、申しわけございませんが、今、資料を持ち合わせてございません。

 ただ、今回の予算特別委員会の資料186番でもお示しをしていますとおり、差し押さえ理由としましては、納付約束の不履行ですとか、応答なしという方がかなりの割合を占めている。平成29年度の259件の中でいいますと、約8割が納付約束の不履行ですとか応答なしという状況でございますので、個別の200万円未満世帯の状況については、今、お示しはできないんですが、そういったところから推測をしていただければと思います。

 以上でございます。

○志村委員 
200万円未満の方たちの状況が、今言ったような状況で悪質と言えるのかどうか、そこら辺が問題だと思います。

 確認したいんですけれども、同じ昨年の予算特別委員会では、法令に基づいた適切な滞納処分というふうに認識していると言うんです。法令に基づいていると。差し押さえの根拠法である国税徴収法とその施行令では、差し押さえの金額の限度額を示してあります。本人は10万円、家族1人について4万5,000円、だから、2人世帯では、少なくとも生活に最低限必要な14万5,000円の差し押さえは違法になります。

 14万5,000円の差し押さえは違法になるという中で、これは単純計算でありますけれども、先ほどのように中央区の差し押さえの平均金額が13万2,901円ということです。国税徴収法の差し押さえ金額の限度が守られる中で、200万円未満世帯の差し押さえが行われていると言えるのかどうか、それとも、やはり違法な差し押さえが存在しているのか、そのあたりについて説明をお願いします。

○小越保険年金課長 
差し押さえ金額の限度額14万5,000円についてですが、こちらの規定につきましては、給与の差し押さえについての規定でございまして、我々がふだん差し押さえをしているものにつきましては、給与の差し押さえは行っておりません。預金の差し押さえという形でやらせていただいていますので、そういったところで、その基準は当たらない部分でやっているところでございます。

○志村委員 
国保の被保険者で、だから、考え方です。そういう中で、例えば、今、給与の差し押さえでなくて、預金の差し押さえで14万5,000円、例えば2人家族ですけれども、このような状況があるのかどうか。給与ならば違法だけれども、預金だったら違法ではないという考え方をもしとるのであれば、大問題だと思うんだけれども、今言ったように給与の差し押さえの限度額に照らして、中央区で行っている200万円未満もしくは400万円未満の方たちへの滞納、例えば2人世帯で14万5,000円以下の差し押さえになるような事例は全くないと言えるのかどうか、そのあたりはいかがですか。

○小越保険年金課長 
個々の差し押さえにつきましては、区のほうで財産調査を行った上で実施しております。ただ、財産調査というのが、基本的には主要な金融機関の預金調査という形でやっておりまして、全ての財産をつぶさに把握できるというものではございません。ですので、その中で財産調査を行った後、一定の財産が確認できた部分につきましては、差し押さえをさせていただくということでやっております。

 現実として、14万5,000円とか、給与の基準額を超える部分もあろうかと思いますが、差し押さえにつきましては、実行するときに、御本人に御連絡をして、差し押さえをした後に1カ月ほど御連絡をお待ちして、実際に差し押さえしております。その間、差し押さえの対象の方から御連絡をいただいて、どうしても生活が厳しいですとか、そういったお話、御相談をいただければ、随時分納に切りかえたりですとか、そういったきめ細かい対応をさせていただいておりますので、その点については、きちんと対応していると認識してございます。

 ただ、現実として、差し押さえをした後、余り皆さん御連絡をいただけないという状況がございまして、そういった場合には、一定期間過ぎた後、差し押さえをさせていただいている状況でございます。

 以上でございます。

○志村委員 
一般論ではなくて、所得階層が200万円未満の方たちの中での話ですから。一般論は、今みたいに資産を調査してというのはあるかもしれないけれども、所得の低い方たちは隠しようがないわけです。だから、そういう意味では、このあたりはもう一度別の機会に、いろいろな数字も出してもらうにしても、所得の低い方たちの中でこれだけの差し押さえが行われているというのは問題だということです。

 さっき、預金とか言ったけれども、年金がかかわる口座からは差し引いていないというあたりを、まず確認させてください。

 それから、件数です。国保の滞納者の新規の差し押さえの件数、これも23区で比較してみました。15年度と17年度の差し押さえの件数の比較ですけれども、中央区は、15年度の13件から17年度は259件で、19.9倍です。23区の平均は1.17倍、文京区は15年度、中央区にちょっと近いんですけれども、中央区は13件で、文京区は11件だったのが、17年度は44件、4倍。中央区は259件ですけれどもね。それから、中央区の近くの区では、千代田区は1件が14件に、港区は2.4倍、江東区は0.97倍、台東区は1.09倍。件数が減っているのは、新宿区は0.65倍、墨田区が0.31倍、その他、江東区、練馬区、品川区は2015年度よりも新規の差し押さえ件数が減っているんです。東京全体では1.14倍です。

 これを見ると、都内の自治体の中でも中央区の新規の差し押さえが特段に厳しくなってきているということを示しているのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○小越保険年金課長 
まず、年金口座を差し押さえている状況ということでございます。

 平成29年度差し押さえをした259件のうち、年金口座に当たる部分につきましては3件が確認されております。

 あと、2点目の中央区の差し押さえが強化されたのではないかという御質問でございます。

 中央区につきましては、差し押さえを始めたのが平成26年度からということで、どうやって進めたらいいのかというのも手探りの状況でスタートしてきたわけでございます。そういった形で、平成26年度につきましては7件、27年度につきましては、今、委員がおっしゃった13件、今回、29年度259件ということで、徐々に件数がふえてきたわけでございますが、特段強化をしたというわけではございませんで、まず最初、そういった手順等を一から進めてきたというところで、最初の件数の伸びが少なかったということでございます。

 他区の状況ですが、それぞれ、今おっしゃったところが何年から差し押さえを実施しているのかというのは把握していないのですが、前からやっているところというのは、ある意味、平準化して差し押さえを実施されているということで、年によっての差が余り出ないのかなというふうに推測をしております。

 以上でございます。

○志村委員 
今まで差し押さえをやっていなかったというのは、大変評価していたんです。ただ、先ほど言ったように200万円未満が57世帯で、200万円以上400万円未満が89世帯という、そこにこの件数をふやしていったというところが問題だと。払えるのに払わないとか、それは大問題ですよ。だけれども、所得の低い方たちに対する差し押さえをターゲットにしていくというのが問題だと言っているんです。

 あと、やはり昨年の予算特別委員会で、差し押さえというのが支援につながると。話し合いの糸口という意味では、非常に重要だと認識しているという説明もありました。ただ、これも昨年の第四回定例会で奥村議員の質問に対して、区長は、259件のうち、支援につながったケースはなかった、ゼロなんだという答弁をしているんです。そうだと思うんです。私も差し押さえが来たという方に相談を受けたんだけれども、差し押さえが来た人は慌ててお金を工面して払うんですよ。それが普通です。差し押さえというのは、支援につながるとか話し合いの糸口なんていう段階ではないわけですよ。ですから、支援につながらないならば、差し押さえでおどかして保険料を払わせるという乱暴な考えは改めるべきだと思います。

 ほかの自治体だって、差し押さえをする前には、さまざまな手だてをしていると思う。そういう中で、差し押さえる金額も、高いところにずっと行っていると思うんですけれども、低いところに目を向けるというのはまずいというふうに思います。

 差し押さえするとおどかして、払わせる、それから来させるという発想ではなくて、丁寧に働きかけるという発想に変える。差し押さえというのは、よっぽどでなければ原則的にはやめるというふうにすべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○黒川福祉保健部長 
個々の滞納につきまして、るる御質問いただいたところでございます。

 本区につきましては、国民健康保険料の滞納処分自体を実際に手がけ始めましたのは、比較的年数が浅いということで、保険年金課長からも答弁させていただいたところでございますけれども、国民健康保険制度は、一般質問の答弁でもございましたが、相互扶助で、それぞれの負担能力に応じて御負担いただく応能部分、また応益部分もございますけれども、被保険者の方のそれぞれの拠出によって成り立っているものでございます。そういう意味では、保険料の納付につきましては、公平性の担保という部分も非常に重要な視点であるというふうに考えてございます。

 委員からは低所得者の方を狙い撃ちした差し押さえというようなこともございましたけれども、区としては、そういうことはございませんで、保険料自体もそれぞれの所得に応じて、応能的に課している部分もございますので、それぞれの負担能力に応じた保険料を設定させていただいている。

 さらに、差し押さえに至る前の段階といたしましては、電話催告でありますとか、当然ながら文書催告、場合によっては、実際にお宅にお邪魔したり、状況を確認したりといった、さまざま丁寧な手順を経た上で、最終的に納付の糸口がつかめないといったケースにつきまして差し押さえを行っているということでございます。区といたしましては、そういったアプローチによりまして、滞納されている方からの何らかの反応があり、それを糸口に、適正な納付にいかにつなげていけるかといった視点で今後とも進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

○志村委員 
差し押さえの経験が浅い中で今起きている状況であれば、やはり見直すべきだというふうに思います。

 本定例会に上程されている中央区債権管理条例の違いということで委員会で説明を受けたのは、7条の強制執行等というところです。この2項、区長は、この措置をとるに当たっては、債務者の収入状況、履行遅滞の理由その他必要な事項の把握及び債務者に対する必要な助言又は指導に努めるものとするという、ここです。今、福祉保健部長から、こういうことはちゃんとやっているんだというようなお話もありましたけれども、実際、区長が本会議で述べた答弁のような、そういう所得階層の方たちの差し押さえということを見れば、中央区債権管理条例の7条の2項について整合性をしっかりとって、所得の低い方たちには特段の配慮をする、差し押さえはしないというような判断も必要だと思います。そのあたりの見解、債権管理条例の場合は、区長が判断をするということですけれども、個々の差し押さえは、誰が判断をするのか。区長に当たるのは誰なのかも、あわせてお聞きしたいというふうに思います。

 それから、法定外繰り入れが廃止ということで、これで滞納者がふえる可能性があるんじゃないかと私は思うんですけれども、そのあたりの見解についてもお聞かせください。

○小越保険年金課長 
国民健康保険料につきましては、引き続き、滞納されている方の生活状況をきめ細かく聞き取り、必要に応じて、分納の相談ですとか、支援機関等につなげていきたいと思います。現状、そのような気持ちを持って窓口の職員も対応しておりますので、引き続きこれは進めていきたいと思います。

 あと、法定外繰り入れが削減になって、滞納者がふえるのではないかというところでございます。

 確かに、現在、国の方向性としましては、国保の財政運営を安定化させるために、法定外繰り入れは縮減、解消すべきという方向になっておりまして、東京都も中央区もそれに基づいて、いろいろと進めているところでございます。ただ、法定外繰り入れが少なくなってくることで、保険料の転嫁もございますが、医療費の適正化ですとか、収納率の向上に努めながら、なるべく皆さんの保険料のほうに転嫁されないような形で進めていきたいと思っております。保険料は、今年度もそういった形で、上がってしまった形になりますが、引き続き窓口で被保険者の方の生活の聞き取りをきちんと行って、適正に進めていきたいと思っております。

 以上でございます。

○志村委員 
これからますます保険料が高くなって、滞納者もふえるだろうし、支払いに苦しむ方たちもふえると思います。今までも適正にやってきたとか、ちゃんと話を聞きながらやってきたというやり方の中で、今みたいな事態が生まれている。そういうものを引き続き進めるということで、私には本当に、福祉に冷たい区政のあらわれだと思います。

 御承知のように、都が交付している特別徴収交付金、ここから差し押さえ件数による交付、差し押さえ割合による交付、資格証発行割合による交付という項目が削除されたんです。今までは、それぞれ件数によって、その割合とか、100件以上だったら500万円の交付金とか、いろいろ割合とか件数によって交付金がもらえていた。それだとあんまりだということで、特別徴収交付金からはその項目が削除されている。全体的に23区を見ても、件数を減らしているところも生まれているという状況は、率直に見て、やはり徴収のあり方を見直すべきだというふうに思います。

 国保については、全国知事会も政府に要望している1兆円の公費負担増を実現させて、国保制度の持続的運営と国保料の協会けんぽ保険料並みの引き下げというのが、どうしても必要だと思います。

 さらに、区は2億円の法定外繰り入れの削減を行いましたけれども、憲法25条の生存権を守るという立場に立って、さまざまな施策をもって負担軽減を図る、区民生活を守っていくということに力を入れるということを求めて、私の質問を終わります。

○石田委員 
3特別会計歳入歳出予算の質疑も終了したと思われますので、次に、総括質疑に入るようお諮り願うとともに、本日はこの程度とし、明13日午前10時30分に委員会を開会されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 明13日午前10時30分に委員会を開会いたしますので、御参集願います。

 なお、各会派の代表者の方は、この後、議会応接室におきまして代表者会を開会いたしますので、御参集願います。

 本日はこれをもって散会いたします。

 お疲れさまでした。

(午後3時38分 散会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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