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令和元年第二回定例会会議録(第2日 6月20日)

1.会期

十日(第二日)

六月二十日(木曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後五時四十九分散会

3.出席議員

(三十名)

一番 梶谷 優香議員

二番 高橋 まきこ議員

三番 しらす 夏議員

四番 かみや 俊宏議員

五番 太田 太議員

六番 竹内 幸美議員

七番 二瓶 文徳議員

八番 高橋 元気議員

九番 奥村 暁子議員

十番 山本 理恵議員

十一番 渡部 恵子議員

十二番 海老原 崇智議員

十三番 佐藤 あつこ議員

十四番 塚田 秀伸議員

十五番 田中 耕太郎議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 青木 かの議員

十八番 小坂 和輝議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 原田 賢一議員

二十一番 押田 まり子議員

二十二番 富永 一議員

二十三番 木村 克一議員

二十四番 礒野 忠議員

二十五番 瓜生 正高議員

二十六番 中嶋 ひろあき議員

二十七番 墨谷 浩一議員

二十八番 田中 広一議員

二十九番 中島 賢治議員

三十番 渡部 博年議員

4.出席説明員

区長 山本 泰人君

副区長 齊藤 進君

副区長 吉田 不曇君

教育長 平林 治樹君

企画部長 浅沼 孝一郎君

総務部長 黒川眞君

防災危機管理室長 濱田徹君

区民部長 遠藤 龍雄君

福祉保健部長 田中 智彦君

高齢者施策推進室長 吉田 和子君

保健所長 山本 光昭君

環境土木部長 望月 秀彦君

都市整備部長 松岡 広亮君

会計管理者 坂田 直昭君

教育委員会事務局次長 長嶋 育夫君

監査事務局長 高橋 和義君

政策企画課長 山﨑 健順君

財政課長 大久保 稔君

広報課長 園田 典子君

総務部参事(総務課長事務取扱) 鈴木浩君

5.議会局出席職員

議会局長 伊藤 孝志君

庶務係長 長田 基道君

議事係長 一瀬 知之君

調査係長 工藤 久栄君

書記 秋山 和美君

6.議事日程

日程第一
 一般質問


     午後二時 開会

○議長(押田まり子議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(押田まり子議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 まず、二十二番富永一議員。

〔二十二番 富永 一議員登壇〕

○二十二番(富永 一議員)
 自由民主党の富永一です。

 火曜日の夜に、最大震度六強の新潟・山形地震が発生しました。けがをされた方々、建物等への被害を受けてしまった方々へのお見舞いを申し上げます。また、道路などライフライン等への影響も出ておりますので、一刻も早く復旧し、平穏な暮らしを取り戻せることを願うところでございます。

 令和になって最初の一般質問となります。さきの質問通告書に沿って質問させていただきますので、山本新区長の建設的な御答弁をどうぞよろしくお願いいたします。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 それでは、始めさせていただきます。

 一つ、東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーを活用した都心の新たな魅力づくり、一つ、子どもも親も安心して輝ける子育て・教育の中央区、一つ、元気な高齢者、障害者、笑顔があふれる中央区、一つ、災害に強い安全・安心なまち中央区、一つ、コミュニティの息づくまち中央区、一つ、商業と観光が躍動し交流が生まれるまち中央区、これらの六つの基本政策を柱とする区長の所信表明が、昨日、読み上げられました。今回は、その中で、商業と観光が躍動し交流が生まれるまち中央区と、災害に強い安全・安心なまち中央区の二つの政策についてお尋ねいたします。

 本区は、日本一の商工業のまちであり、その大半は中小企業です。江戸時代、明治時代から続いている会社も多いのが特徴です。卸、小売業、百貨店、飲食店、金融業、出版・印刷業を中心とした経済の中心区でもあります。歴史ある商店を初め、多くの商店がある日本橋、銀座、築地、月島など、連日、大勢でにぎわう地域を持っているのも中央区です。二十三区の中で最も小さな区に次いで二番目に小さな中央区、その中に、商工業の中でも生活に最も密接している飲食店が約一万一千軒あります。築地に関して、食のテーマパークというキーワードがいっとき注目されましたが、それこそ中央区そのものが食のテーマパークだと私は考えます。ほかにも、伝統工芸を扱う商店、各種卸業、印刷業など、本区では約三万六千の事業者が商いを続けています。

 しかし、この本区で商いを続けている事業者全てが、経営において、よい結果をもたらしているとは言えません。定住人口の回復政策の成果が出始めたころから、地域経済力は少しずつ弱くなってきてしまったと言えます。商業地域が住宅地域へと変わり、その地域での就労者や来街者が減り、定住者に移り変わっていったことによる商圏の縮小、それによる事業の業績の悪化が起こり、業績を戻せないでいることに苦しんでいる事業者は多くいます。何十年も事業を続けてきたけれども、事業を継承せずに廃業してしまったりする事業者も、残念なことに、とても多いのが現実です。

 区内の料理店の孫として生まれた私は、子供のころから、まちのいろいろな文化に触れてきました。お祭りがやってくれば、店の従業員が総出でお祭りに参加し、まちは熱気に包まれていました。町内のすし屋さん、てんぷら屋さんの御主人たちはもちろん、その店で働く皆さんが全員はんてんを着て、お祭りを楽しんでいました。その光景は、今でも思い出の中にはっきりとあります。そのようなまちの情景を見ながら、物心ついたころには、自分は将来祖父の店を継いで料理屋になりたい、そう思うようになりました。子供のころからの夢がかなって、料理店を継ぐことができました。夢がかなったうれしさをかみしめる喜びと同時に、経営における大変なつらさも実感しております。

 この中央区には、繁華街が幾つもあります。ほとんどの繁華街の知名度は全国区となり、国内だけでなく、海外での知名度も上がっています。インバウンドツーリズム、いわゆるインバウンド、海外からの旅行者も急増して、国籍問わず、外国人客の姿も多く見られます。買い物や食事をどのように楽しんでいただくか、大きなポイントです。

 繁華街では、どこも昼間は多くの来街者でにぎわっています。しかし、夜になると、必ずしもそうではありません。飲食店では、夜の来客があってこそなのです。さきにも述べましたけれども、区内には一万一千軒もの飲食店があります。この中央区に出店することを目標としている事業者は、とても多いです。中央区内は、どこの地域も人気が高く、新規に出店を希望しても、家賃を初め、かかる経費はとても大きなものとなります。そこで、念願かなって何とか出店できても、いざ開業してみると、業績が伸びずに、早々に撤退せざるを得なかったりしている現状があります。これは、再開発等により新たに開業していく商業施設でも同じことが言えます。地域、施設の名前は全国に知れ渡っていても、それが全て地域経済へつながっているかといえば、決してそうではないところです。代々守ってきたのれんをさらに継承していくよりも、廃業して店舗を貸したほうが楽だと考える事業者も、残念ながら、多いのです。しかし、そうではなく、これからしっかりと子や孫の代、さらにその先もずっとしっかりこの商売を継承していけるような地域力が求められていると私は感じております。商業のまち中央区として、いつまでもこの中央区の事業をしっかりと継承できるようにしていくことが大切と考えます。

 東京二○二○大会後に晴海に新しいまちが誕生し、人口も二十万人に達するだろうと言われているこの中央区において、地域経済力の回復が最も重要な課題だと私は思っております。晴海地区においては、BRTの早期運行、都心・臨海地下鉄新線等、交通網の整備は、今後、区内の人口の半分が居住すると言われている月島地域では、きちんと解決していかなければならない課題です。住民への生活の利便性の確保と同時に、地域経済へ大きく影響します。中央区が商業のまち中央区として元気になることが、全ての区民福祉へとつながってきます。

 本区の地域活性化に向けた取り組みとしては、商店街事業への補助、産業文化展、共通買物券、商工融資あっせん、観光商業まつり、新規または補正事業として、ビジネス交流フェア、おもてなしロード(仮称)の整備、伝統工芸品産業調査などがありますが、地域に新たな人々が集う通りをつくって、歩行者を呼び込む新たな空間づくりなども必要と考えます。矢田前区長は、人集まらずして繁栄なしと言われておりましたが、まさにそこです。人の流れをつくり、そこに新たな商圏をつくっていくのです。

 そこで、質問させていただきます。

 中央区は、地場産業、観光商業と、ポテンシャルの高いものがあります。それらをしっかり生かした地域経済力の回復に向けて、将来的な方向性と対策をどのようにお考えでしょうか。

 東京二○二○大会は、区内の商工、とりわけ観光分野に関して非常に大きな契機となると考えております。このチャンスをどのように発展させていこうとお考えですか、お聞かせください。

 次に、災害に強い安全・安心なまちについてお尋ねします。

 定住人口の増加、再開発等の商業施設の高層化、外国人を含む観光客の増加により、本区では、昼夜を問わず、人口のバランスが大きく変わってきております。定住人口では、約十六万四千人のうち、集合住宅に住んでいる人は九○%と見込むと、約十四万七千六百人です。集合住宅において、分譲マンションは約九百三十棟、賃貸マンションは約千五百棟、合計で約二千四百三十棟ものマンションがあります。そのうち、二十階建て以上のマンションは五十八棟、三十階建て以上のマンションは十四棟です。

 高層住宅は、一般的に、耐火性、耐震性にすぐれており、大規模な地震が発生しても、建物は比較的安全と言われております。ただ、揺れは大きく受けてしまうので、家具が転倒したり移動したり、または火災などによる二次災害が起きてしまう危険性はあります。首都直下地震が発生した場合の被害想定では、ライフラインの支障率では、電気が四○・五%、ガスが二・六から一○○%、上水道六八・五%、下水道二九・五%となっており、震災後の被災生活において、電気、ガス、上下水道などのライフラインやエレベーターが停止した場合には、自宅での生活に大きな影響が生じます。

 そこで、質問です。

 本区では、市街地開発指導要綱に基づいて、十階建て以上で全住戸数が二十五戸以上の住宅については、防災備蓄倉庫の設置と居住者の三日分の水と食料の備蓄を指導し、東日本大震災の教訓を踏まえ、高層住宅の居住者や管理組合等に対して、震災時にも住み続けられるように防災対策を進めておりますが、高層住宅居住者に対し、防災意識の向上に向けては、今後、どのような普及・啓発を行っていくつもりでしょうか。

 また、近年、区の指導により、建設された高層住宅には居住者用の備蓄に関してはしっかりと進んでいることとは思いますけれども、その他の集合住宅の居住者が在宅避難した場合、区はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。在宅避難者の把握、それから支援対策の内容についてお知らせ願えればと思います。

 次に、帰宅困難者について質問いたします。

 東日本大震災では、首都圏全体で約五百十五万人の帰宅困難者が発生いたしました。本区の昼間人口は六十万人を超えており、平成二十四年に東京都が発表した首都直下地震による被害想定では、区内では、約三十万九千人の帰宅困難者が発生すると言われております。東京都は、東日本大震災の教訓を踏まえ、自助・共助・公助の視点から、帰宅困難者対策を総合的に推進する東京都帰宅困難者対策条例を平成二十四年三月に制定し、翌年から施行しています。

 本区では三十万九千人発生すると想定されている帰宅困難者ですが、その多くは在勤者です。在勤者であれば、勤務先である会社等で避難するとされている中、買い物客や観光客、また地下鉄利用者など、いわゆる行き場のない帰宅困難者は、本区独自に約六万人発生すると想定されております。本区では、現在、屋内の一時滞在施設、屋外の一時待機場所としては、三十二施設で約三万人収容できることになっております。区内の事業者が主体となって運営に当たる帰宅困難者支援施設運営協議会を平成二十四年に設立して、帰宅困難者対策の検討や施設の開設や運営訓練を行っているところではありますけれども、それでも、発生するであろうと想定されている行き場のない帰宅困難者の半数にしか対応できないのが現状でございます。

 そこで、質問です。

 帰宅困難者対策において、都と区の役割はどのようになっているのでしょうか。一時滞在施設が不足している状況下で、帰宅困難者用の施設を知らない来街者が、防災拠点となっている避難所に殺到することが予想されますが、その対策についてのお考えを、そして、帰宅困難者対策の今後の方向性についてどのように考えているか、また、不足している帰宅困難者支援施設をどのようにふやしていかれるおつもりなのか、お答えください。

 山本区長は、四十年以上にわたり、中央区内の企業に身を置いていらっしゃいました。このまちに深い愛着を持っている。それだけに、魅力あふれる中央区をますます発展させたい。これからも区民の方々が明るく安心して暮らせるまちであり続けたいとの思いでいらっしゃいます。そして、今後の二十年間の中央区を展望し策定された中央区基本構想を継承し、これまで培ってきた民間人としての視点を取り入れながら、基本構想が掲げる将来像の実現に向けて、さらなる発展、充実を図るべく、中央区のまちづくりに全力で取り組んでいくとおっしゃられています。山本区長の創造力、手腕に大きく期待いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 これで一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 それでは、富永一議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、地域経済の活性化についてであります。

 本区は、江戸以来、日本の文化・商業・情報の中心として栄えてまいりました。その伝統は、現在まで脈々と受け継がれた本区の宝であり、まちの魅力を形成しております。とりわけ本区の商工業は、日本の商業・経済の牽引役を担ってきたものであり、今後もしっかりと維持・発展させ、一層のにぎわいを創出していかなければならないものと考えております。また、各商店街では、工夫を凝らしたイベントを行うなど、まちのにぎわいや活性化に向けて積極的に取り組んでおられます。こうした中、現在、区では、その取り組みの相乗効果を図るため、商店街の連携を支援しているほか、中小企業を対象とした創業・販路拡大に加え、雇用就労面の支援を行うなど、区内産業の安定的な発展に向けて取り組んでおります。今後も、区内商業の発展のため、活発な事業展開ができるよう、各種助成や融資制度を含め、常に施策を見直し、より効果的な支援策を講じてまいります。

 次に、観光産業の生かし方についてであります。

 豊富な観光資源を有する本区にとって、観光産業の発展は非常に重要であると認識しております。東京二○二○大会に向けては、選手村を擁する本区に多くの来街者が訪れることから、中央区をPRする絶好の機会と捉え、官民挙げて一体となって取り組みを強化してまいります。現在、Wi‐Fiのアクセスポイントの増設や、外国人観光客のための各種ガイドマップの多言語化、おもてなし講座の開催、舟運の活性化などに取り組んでいるところであります。今後は、さらに、本区が培ってきた歴史やわざの伝統を広く知ってもらうことが重要であり、参加型・体験型のイベントを通して、本区を訪れた方々にSNSなどでまちの魅力を発信していただける仕組みも検討しております。区といたしましては、この機を逃さず、観光協会や東京都などの各種関係団体との連携強化はもとより、地域のイベントに当たっては周辺店舗との協力を支援するなど、事業を営む皆様が地域経済の発展・活性化を実感できる施策を展開してまいります。

 次に、高層住宅居住者に対する防災意識の普及・啓発についてであります。

 区では、大規模な地震が発生しても自宅で住み続けられるよう、水、食料、簡易トイレなどの備蓄や家具類転倒防止対策を推進しており、防災パンフレットの配布やDVDの無料貸し出しはもとより、防災対策推進マンションへの登録を通じて、各種防災情報の提供やマンション防災講習会の実施、マンション防災アドバイザーの派遣等により、自助の取り組みの強化を図っております。また、過去の教訓を踏まえた防災講演会や、現在開催している地域防災フェアなど、今後とも、さまざまな機会を通じて防災意識の向上が着実に図れるよう、継続した普及・啓発活動に努めてまいります。

 次に、在宅避難者の把握と支援についてであります。

 全世帯の約九割が集合住宅に居住している本区では、災害時には在宅避難が中心になるものと想定しており、本区の地域特性を踏まえ、防災対策優良マンション認定制度により防災組織づくりやコミュニティの醸成を図るとともに、個々のマンションの状況に応じた防災マニュアルの作成を支援することで、在宅避難の環境づくりの推進に取り組んでおります。災害時には、地域の防災区民組織が中心となって情報の収集や物資の供給等を行うことになるため、防災拠点訓練において、在宅避難者の安否確認や支援物資の仕分け・運搬訓練を実施しております。今後、こうした訓練を積み重ね、充実を図っていく中で、事業者や中学校・高校の生徒など、さまざまな地域の力を結集し、地域全体で協力・連携することにより、在宅避難者の把握や支援のさらなる強化に取り組んでまいります。

 次に、帰宅困難者対策におけると都と区の役割についてであります。

 首都直下地震における帰宅困難者は、首都圏全体で五百十七万人発生すると想定されていることや、公共交通機関が停止する中、帰宅途中に火災や建物倒壊による二次被害に加え、救助・救援活動に支障が生じる可能性も想定されることから、総合的な視点での対策が必要となります。そのため、都においては、広域的な対策を推進する上で、企業等従業員の一斉帰宅の抑制と水・食料の備蓄の推進のほか、民間一時滞在施設への備蓄品配備支援や都立高校などの公共施設を一時滞在施設として指定しております。一方、区においては、都と連動したきめ細やかな帰宅困難者対策の普及・啓発の役割を担うとともに、まちづくり基本条例に基づく協議を通じて、一時滞在施設等の確保に努めております。

 次に、避難所での帰宅困難者対策についてであります。

 数多くの帰宅困難者の発生が予測される地域の防災拠点では、防災マップアプリを活用し避難してきた帰宅困難者を適切に一時滞在施設等へ誘導・案内する訓練を実施するとともに、帰宅困難者支援施設運営協議会による受け入れ施設の開設・運営・閉鎖までの一連の訓練を毎年実施し、情報共有と連携強化を図っております。区といたしましては、今後とも、再開発事業を通じた一時滞在施設等の拡充に努めるとともに、地区計画に基づき、容積率の緩和を受けるホテル等に対し、運営協議会への加入と帰宅困難者の受け入れを促進していく考えです。さらに、今年度、区内事業者を対象として実施する帰宅困難者対策現況調査の結果を踏まえ、既存の事業者に対しても、帰宅困難者の受け入れの協力を積極的に働きかけてまいります。

 答弁は以上であります。

〔二十二番 富永 一議員登壇〕

○二十二番(富永 一議員)
 区長、さまざまに御答弁ありがとうございました。

 まず、地域のことなんですけれども、全部中央区内を点というか、面で捉えた場合、アイデアとして、例えば助成金を出します、それに対して、地域でうまく使ってください、地域のために使ってくださいというようなところで今までは来ていたと思うんですけれども、逆に、区の中で、ここ、あそこというふうにピンポイントで、例えば道路などを決めていって、そこを人が回遊するような、人が集まるような通りにしていくとか、例えば、今は夜になると、ほとんどのところが薄暗いわけです。いろいろな決まり事にのっとった中での照度だから、それは別に問題ないと言われてしまえば、そうなんですけれども、夜でもこれだけ人が地域で働いていて歩くときに、やはり明るいところがあれば、そこに人が集まって歩くようになると思うんです。であれば、今まで、例えば飲食店でも、こっちは人通りがないから、うちは夜八時で閉めていたけれども、人が集まってくるようになるのであれば、では、うちは十時までやってみようかと。あそこは人通りが多いから、では、あそこに新規に出店してみようかと。そういうところで、そこに新たな商圏をつくっていくことで地域経済力が強くなっていくのではないかなと思うんです。

 私が議員になって、今、八年過ぎているんですけれども、中央区の中には、神社とかお稲荷さんとか、あちこちにありますよね。そこの前の道路の舗装を石畳風にしたいとか、鳥居をかけてみたいとか、参道ということをもっともっとアピールして地域の活性化に役立てたいというような相談を幾つかいただいておるんですけれども、道路交通法という大きな法律があって、その中でいろいろな縛りがあるから、なかなかそれが実現には至っていない。神社とかお稲荷さんということであれば、宗教ということの絡みもあるんですけれども、そこのお稲荷さんのためにやるとかということよりも、そうすることによって、お稲荷さんがあるこの地域が全体にもっともっと盛り上がるのではないか、そういうような考えを持って、地域からいろいろな要望が上がってくると思うんです。

 だから、いろいろな法律をクリアしなければいけないところもあるんですけれども、例えばまちかど展示館みたいなものもそうだし、まちから上がってきたものを整理して、これはそれに該当します、これはだめですとやりながら、区の助成金を使ってやっているわけですから、それと同じように、例えば区内の道路でも、そういうような制度をつくってやっていくことによって、また新たな歩行空間の成立とか商圏がつくられていくのではないかなと思うので、その辺は要望とさせていただきます。

 それから、次に避難者の対策なんですけれども、今、高層を含めて、これだけ多くの集合住宅をつくっている中で、一人一人の皆さんの意識をどう防災に向けてやっていくかというのが非常に大切なところで、そこを区民の皆さん全員がしっかりと意識してもらわないと、幾ら行政でこういうことをやろうと言っても、なかなかうまくいかないのではないかなというふうに思います。

 三・一一のときもそうでしたけれども、たまたま私の店が東京駅の前にあったので、夜、東京駅に行ってみたんです。そうしたら、タクシーに並んでいた人たちが三百人。まだ寒かったので、皆さん、すごく震えていて、七時間たってもタクシーに乗れないと。一旦店へ帰って、お湯を沸かして、イベントに使う紙コップなどが倉庫にあったので、それを全部持っていって、待っている人たちにお湯を配ったんです。そうしたら、今まで待っていたんだけれども、もう並ぶのは諦めて、私も手伝います、私も手伝いますと言ってくれる人が随分いるんですよ。災害があったときに、この地域、例えば防災区民組織とか消防団がリーダーとなって、そういう意識を持った方たちとうまく連携しながら減災に努めていくのは、すごく有効なのではないかなと。そのようなときに、どうしていったらいいのかというようなことも、今後の中央区の防災の中で、ひとつ考えていただけたらと思います。

 アプリなどのお話も出ていましたけれども、今、これだけ多くのいろいろなアプリがある中で、何かあったときには、デマみたいな、デマと言っていいのかわからないですけれども、間違った情報が流れたり、例えばここのお店にはお水がまだ売られていますよというのが瞬く間に拡散されてしまうと、本当にそこに人が殺到してしまって、さらにパニックになったり、そういうこともあるんです。そういうことを起こさないためにも、いろいろなアプリとか、そういうものがあっても、配信元の一元化というものを、今後きちんと考えていかなければいけないのかなと。中央区であれば、中央区が配信の一元化ですよね。確かな情報を配信する。国から入ってくる情報、東京都から入ってくる情報を区が独自に精査して、区に合った情報として流していく。それが一番重要なのではないか。それが全ての防災拠点に伝わったり、また、アプリを持っている人たちがそれを見れば、パニックを起こさずに、それにうまく合った防災の活動が進んでいくのではないかと思います。

 東京都などとの連携もお話しさせていただきましたけれども、一時避難所から、会社から、交通機関も麻痺してしまっている、歩いて帰るしかないとなったときに、大体二十キロから三十キロぐらいまでは歩いていかれると思うんです。そのときに、自分が歩いていく方向には、ここからどれぐらい行ったところに東京都の施設があるから、そこで簡単な休憩をとったり、お水をもらえたりしますよというような情報をきちんと被災者に伝えてあげることも必要ではないかと思います。

 あと、この間の新潟の地震で、やはり液状化ということが出ましたよね。中央区はほとんどが埋立地ですけれども、砂ではなくて、土を使って埋め立てられているということで、比較的液状化が起こりにくいという中で、果たしてそれは一○○%安全なのかなと思うんです。せっかく皆さんが避難されたりしても、液状化現象が起こってメーンの道路が使えなくなってしまった場合に、例えば救援物資が来なくなるとか、警察とか消防とか行政の車も、交通のライフラインが全部そこで閉ざされてしまうとなると、せっかく区が、今、いろいろ考えている減災のシステムも、またそこで大きな障害が出てしまって、先へ進まなくなってしまったり、さらにひどいことになってしまったりするということも十分考えられるので、先ほど幾つか要望させてもらいましたけれども、液状化に関して、中央区は本当に安全なのかということだけ、一つ答えていただけたらと思います。よろしくお願いします。

〔副区長 吉田不曇君登壇〕

○副区長(吉田不曇君)
 液状化問題についてでございますけれども、委員御指摘のとおり、液状化というものは、基本的に、地層の中に中砂状のシルトが埋まっていることによって起こると言われておりまして、私どもの区のほとんどの部分については、日本橋などを含めて、埋め立てられている部分はあるのですが、実態的には、例えば、今、私どもがいる部分は、中世の時代から砂州と呼ばれていて、むしろ砂地でずっとぎっしり埋まっていた地域でございます。現実には、逆に、浜離宮のほうから上がっていって日比谷エリアと言われている日比谷公園のほうのところまで、海が入り込んでいた区域でございまして、それが気象庁のあたりまで続いていたという状態でございますので、私どもの土地に関して言う限りにおいては、私どもの区役所も、実は、この建物は一本もくいを打っておりません。基本的には、堅実な砂層の上に建っておりますので、液状化はございません。

 ただ、実は、一号地、二号地、三号地と呼ばれている埋め立て地にも、佃から勝どき、豊海に至る地域の土地の部分も、基本的には、明治の初期の埋め立てでございますので、現実問題として、液状化はございません。四号地の一部、これは、つまり現在の晴海でございますけれども、その部分に液状化が生じる可能性があるという状況はございますけれども、本区は、そういう意味でいいますと、全地域において、基本的に、液状化の問題については健全であると言えると思います。

 以上でございます。

○二十二番(富永 一議員)
 自席より失礼いたします。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○議長(押田まり子議員)
 次に、十四番塚田秀伸議員。

〔十四番 塚田秀伸議員登壇〕

○十四番(塚田秀伸議員)
 中央区議会自由民主党の塚田秀伸でございます。令和元年第二回中央区議会定例会の一般質問に当たり、質問通告書に沿った内容にて質問をさせていただきます。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問を留保させていただきますので、何とぞよろしくお願いいたします。

 中央区の新しい船出とも言える山本泰人区長のお考えを賜る、令和元年初の定例会でございます。経済人として、地域の名士として、また剣豪として、多彩な顔をあわせ持つ山本区長のかじ取りに大いに期待をし、また、力を合わせて船を進めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

 そして、これまで三十二年間の長きにわたり、中央区の発展のため、まさに命がけで御尽力いただきました矢田前区長の御退任には、最大限の敬意を表させていただきます。本当にお疲れさまでした。

 矢田前区長の功績は枚挙にいとまがございませんが、四十年以上も続く人口減少に歯どめをかけ、劇的とも言える定住人口の回復を実現されたことが最大の功績でありましょう。

 平成九年から今日までの二十二年間、さらには十年先まで続くとされる右肩上がりの人口増は、人口減少が叫ばれるこの時代に、ひときわ異彩を放っております。こうした短期間での人口増を支えたのは、タワーマンションを筆頭に、良質で値ごろ感のあるマンション住戸の大量供給でございます。当初は非常に高価格であり、ごく限られた方の入居にとどまっておりましたが、その後の建築基準法改正も奏功し、大型マンションが相次いで建造されるようになりますと、職住近接ニーズの高まりとともに転入者が増加し、現在では区民の九割がマンション住まいになる、本区の最も平均的な住形態になったと言えます。

 多くの転入者を集めたマンション居住でありますが、自治体への帰属意識の低さや住民間のつながりの薄さなど、集合住宅特有の感覚があり、まちになじみづらいという側面もございます。これは本区の事案ではありませんが、まちと断絶し孤立したマンションは、やがて適正な管理が滞り、共用部分がスラム化したり、日常生活が困難になるなど、近年では、都内のあちこちで似たような問題が顕在化しております。このような問題がシンボリックなマンションで発生し、一たび地域が悪評にさらされるなどした場合、まち全体のイメージダウンは言うに及ぼす、高品質な都市型マンション生活を根底から揺るがすような深刻な問題になると憂慮するところでございます。

 東京都は、来年度より、建築後一定年数が経過したマンションに対して、管理や運営状況などの届け出を義務づけ、監視を強めるとしております。これは、主に一九八一年以前の旧耐震基準によって設計された建物が竣工後四十年以上経過し、その間の管理が劣悪な場合、やがては朽ち、いわゆる限界マンションとなり、周辺地域にまで危険や害悪を及ぼす可能性があるからです。一方、平成時代に建造されましたマンションは、今回の条例には含まれませんが、本区にあります六十棟に及ぶタワーマンションの中には、既に三十年を超えるものも存在しております。現在、区内にあるマンションは、いずれも管理が行き届き、美しい外観とともに高い人気を保っておりますが、今後の物価変動や住形態の人気変動などにより、現在の人気や価値が約束されることはなく、将来的に一定の下落もあると考えております。そうなった際、管理への意識や住民間のモラル低下は避けがたく、全国的に顕在化している限界マンション問題が本区住宅にも及ぶことは十分に考えられるわけであります。

 ここで、お尋ねいたします。

 マンション居住率の高い本区におきましては、今般、都が施行するマンション実態届け出制度と連動し、新築を含めた全ての分譲マンションにこの届け出制度を適用するべきと考えます。また、二年前に行われました本区の実態調査を読み返しますと、比較的新しいマンションにおいても、管理への意識差はあり、適度な指導などは必要かと考えております。都の届け出制度については、現段階でまだ詳細も出ておりませんが、この内容に本区独自の項目追加や実施の頻度あるいは指導など、さらなる充実を検討すべきかと思いますが、全マンションへの届け出制度適用とあわせて、いかがお考えでしょう。

 そして、神戸市が今後導入検討しているタワーマンション管理組合の認証制度でありますが、今般の都の届け出制度よりもさらに監視を強化した認証制度をしくとされております。本区の大型マンションも、地域ごとに出そろった感がある現在、今後の建築計画には、さらに一定の建築ルールをかけるタイミングではないかと考えております。将来必ず発生する建てかえや解体は、いまだ不透明であり、今後は計画的かつ段階的なまちづくりが必然ではないかと考えるが、本区の見解をどうぞお示しください。

 そして、もう一つ、所有者不明の家屋が放置され、やがて朽ちていく姿を手をこまねいて見ているだけ、そんな事例が日本各地で急増していると聞きます。既に、都内のマンションでも同様の問題が発生し、公益上の大きな支障となっております。現在は新しく美しいマンションが建ち並ぶ本区ではございますが、二十年、三十年先を考えた場合、所有者の高齢化を初め、景気やマンション価値の変動あるいは自然災害なども含め、幾つもの難題が待ち構えております。誰もが安心して住み続けられる都心居住の環境整備を進めるべきと考えておりますが、先ほどの問題事例とあわせ、今後の中央区のマンションのあり方についてどうお考えか、お聞かせください。

 続きまして、運動する機会の充実についてお尋ねいたします。

 東京オリンピック開催まで、本日がちょうど四百日前になります。選手村を有し、世界中のアスリートや関係者を初め、数百万人もの来街者でにぎわうであろう本区としまして、お客様には安全で快適な東京滞在をしていただけますよう、また、区民の皆様には生活上の不便や負担がなるべくなく、感動的ですばらしい体験となりますよう祈念するところでございます。これまでに進めてきた準備も、いよいよ最終段階に差しかかり、わずか四百日後の開幕を想像すれば、期待と不安で胸がいっぱいになります。

 これまで、大会に関連した施設建設や環境整備あるいは教育や文化交流などを進める際、耳当たりよく、時にあめ玉のごとく用いられましたのが、レガシーという言葉でございます。レガシーとは、大会開催を機に、将来へ残される有益な社会的遺産を示す言葉であり、これまで本区におきましても、施設をつくる際や学校教育に活用する際など、幾つものレガシーが提案されてきました。そんなレガシーという言葉ですが、IOCが発表している三大レガシーの一つには、こんなものがございます。スポーツをより身近なものにして、健康的なライフスタイルを促進させるスポーツのレガシー、そして、都の準備局が掲げるオリンピック後のレガシーの中には、スポーツが日常生活にとけ込み、誰もが生き生きと豊かに暮らせる東京を実現と明記されております。いずれも、スポーツ習慣を日常的なものとし、健康的な生活を推進していこうと提案されたものでございます。

 過去のオリンピック開催地では、スポーツレガシーの提唱によって、特定の競技が目覚ましい躍進を遂げたり、健康問題が大幅に改善されたりという効果が報告されております。一方、これまでに本区の関連する施設などから提案されたレガシー案は、健康やスポーツにつながるものが極めて少なく、スポーツ、レジャーの観点からすれば、いささか期待外れと言えます。しかも、晴海五丁目にありました野球場やスカッシュコート、遊具やバーベキュー場の一切を潰してしまうなど、オリンピックを機に、運動する場所や機会が大幅に減少する、まことに皮肉な展開になりましただけに、区民の皆様の不満も高まっております。未成年者に向けたスポーツ振興、高齢者を含む日常的な健康生活の促進、あるいは運動する機会を通したコミュニティ形成などは、今般のレガシーに挙げなくとも、中央区の渇望する内容であり、いま一度このタイミングで強化を図るべきではないかと考えます。

 そして、そんな状況下で優先すべき懸案の一つが、子供の体力強化に向けた運動機会の充実であります。厚労省のデータによれば、未成年時の体力強化は、そのときの健康維持にとどまらず、五十年以上経過して高齢に至るまで、その体力は高いままを維持するとされます。学力に比べ、目標値の設定などがなかなか難しい体力向上ではありますが、平均寿命が八十歳を超える現代から、さらに将来において、健康寿命を伸ばし、いつまでも自立した生活を続けられるためには、幼少期からの体力強化とともに、運動の習慣化が大切でございます。子供の遊び場やスポーツ施設の新規拡大は現実的に難しく、現有施設の利用時間拡大や用途変更によって施設を最大限に活用すること、あるいは区外施設の借用拡大などが考えられます。あるいは、競技に特化したコーチを任命したり、限られたスポーツ時間をより濃密なものにする、そんなことが考えられるわけであります。

 そして、もう一つの懸案事項は、働き盛りの健康改善を促すことであります。こちらも厚労省のデータによりますと、危険因子別の死者数を見ることができますが、喫煙、高血圧に次いで、三番目の因子に挙げられますのが運動不足であります。運動不足が原因で毎年五万人もの死者を出しておりますが、特に働き盛りの二十代から五十代の八割は、日々運動不足を実感しつつも、それを解消できないとされています。わずか週に一回の運動を実現しているのは、全体の半数程度と低く、単純に運動頻度を上げることよりも、楽しく永続できるような仕組みづくりが必然であると考えます。また、生活習慣病予防や、その先のロコモ、フレイル状態に陥らないためにも、働き盛りの皆様に運動を習慣づけることが重要であると考えます。

 そこで、お尋ねいたします。

 本区は、オリンピック・パラリンピックの選手村を有すだけなく、期間中の諸外国チームへの公共施設貸与など、大会期間中の準備を整えてまいりましたが、終了後にも、レガシーとして区民の皆様の健康にとって有益な遺産を残すべきと考えております。特に、小・中学生には、強い体を持つことが一生の財産となり、これまで以上にスポーツや体力強化に取り組める環境の整備、機会の創出、内容の充実などが必要と考えますが、本区のお考えをどうぞお示しください。

 もう一つ、働き盛りの中高年の運動不足解消に向けては、スポーツに親しみ、長期にわたり継続していただくことが重要であり、地域や人との結びつき、そして新しいコミュニティの創生が必要と考えております。子供から高齢者までが顔を合わせ、スポーツをするだけでなく、お互いが活動を支え合う総合型地域スポーツクラブは、その代表例であると思いますが、誰でもが参加できるよう、区内全域へ場の拡大を初め、新しい年齢層の開拓、あるいは障害者スポーツに向けても間口を広げるべきと考えております。さらには、内容の充実を図るためにも、施設や用具などへの投資、指導する人材の確保、いささか特殊な実務となるために、人材育成も必要であると考えております。この件について、いかがお考えでしょうか。

 以上をもちまして、私の第一回の質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。

○区長(山本泰人君)
 それでは、塚田秀伸議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、都が施行するマンション実態届け出制度との連動についてであります。

 分譲マンションが管理不全に陥らないためには、計画的な維持管理が不可欠であり、老巧化への対応のみならず、予防的な観点からの注意喚起や管理組合への運営支援が重要であると考えています。本制度における届け出義務の対象は、区分所有法に管理組合の規定が制定された昭和五十八年以前に建築された分譲マンションとなっておりますが、それ以外でも届け出が可能とされており、その制度運用は区市町村と連携して進める方向性が打ち出されています。本区では、平成二十八年度に実施した分譲マンション実態調査の分析結果を踏まえ、今後、都において示される運用基準に基づく都区の役割分担など、詳細な検討が進む中で、全ての分譲マンションを対象にした独自の充実策について検討を進めてまいります。

 次に、区民の方が将来的に暮らし続けられる環境整備等についてであります。

 タワーマンションにつきましては、現時点では建てかえ事例がなく、建てかえや解体時の状況を想定することは困難な状況にあります。しかしながら、タワーマンションは多様な価値観を持つ多くの方々による区分所有であり、将来的な建てかえ等に際しては、合意形成はもとより、工事手法や工事期間中の仮住宅の確保なども含め、課題が多岐にわたるものと認識しております。区といたしましては、まずはタワーマンションが長期にわたり良好に維持されていくよう、管理組合による維持管理への取り組みを支援し、長寿命化を図ることが重要であると考えております。そのためにも、運営上や防災上の課題への対応を初め、ソフト、ハード両面からの経年課題への対応や、技術革新に関する情報収集や提供など、タワーマンションへの支援について多角的に検討を進めてまいります。将来的な建てかえ等、タワーマンションの諸課題への対応は、社会問題としても認知されつつあり、区といたしましては、国や都の動向を注視し、今後も安心して住み続けられる都心居住に向けた環境整備に取り組んでまいります。

 次に、運動する機会の充実についてであります。

 子供のころからスポーツに取り組むことは、体力の向上だけでなく、大人になってもスポーツに親しみながら健康の維持・増進を図り、生涯を通じて生き生きとした豊かな生活を送る上でも重要であります。本区では、これまで各種少年少女スポーツ教室の開催や、体育協会を通じたスポーツ少年団への支援などを行っているほか、本年度から都立晴海総合高校のグラウンドを活用し、主に小学生を対象としたスポーツ体験教室を開始したところであります。都心機能が集積する本区では、スポーツ専用施設の確保は困難であることから、既存の学校施設の利用拡大に加え、晴海に予定される新設の小・中学校の体育施設の開放に向けた検討を行っているところであり、こうした取り組みを進めることにより、子供たちがスポーツをすることができる機会や場の確保を図ってまいります。

 次に、地域スポーツクラブについてであります。

 地域スポーツクラブは、生涯スポーツの推進や地域コミュニティの活性化にも資するものであり、区では、地域スポーツクラブ大江戸月島が設立されて以来、区施設の貸し出しや区のおしらせによる広報等、幅広く活動支援を行ってきたところであります。現在、日本橋地域への新たなクラブの設立に向けて、スポーツ推進委員協議会や町会、地域の方を含めた検討会が設置されており、区といたしましても、積極的に支援してまいります。また、障害者スポーツの推進に当たっては、スポーツ指導者養成セミナーに障害者スポーツの講義を取り入れるとともに、スポーツ推進委員協議会において研修を行っております。こうした取り組みを踏まえ、障害者スポーツを指導できる人材の育成確保に努めてまいります。

 答弁は以上であります。

〔十四番 塚田秀伸議員登壇〕

○十四番(塚田秀伸議員)
 それぞれに御答弁ありがとうございました。

 まずは、マンション管理を含む諸問題について話をさせていただきます。

 集合住宅を取り巻く現状の認識、それから将来に発生するであろう問題点など、ほとんど私と同じ認識を持たれていらっしゃることに、そして、さらに建設的な対応をすべく準備されていることについて、そしてまた、建てかえ、そして壊すことも含めてですけれども、大変不透明な懸案についても幾つかの次善の策を御用意され、そういう内容について、大変安心したところでございます。個別具体の話はまた後日ということになるかと思いますが、そういったマンションの将来像を憂う部分と、それに対して的確な処置、対策を講じていくことは大変すばらしいことであり、そして、やらなければいけないこととして私も考えております。

 今回、マンションを取り巻く諸問題として、この問題を取り上げましたのは、全国を見渡しますと、部屋が大変余っている。そして、住戸供給の過剰が大変問題になる昨今、中央区のマンションは依然人気が高く、これから先も数万人の転入者を迎え入れる計画となっております。これは、交通面での立地がよいことがまず最初であると思いますが、極めて高い品質を保ちながらも、実直な価格設定であることに人々が吸い寄せられているのではないでしょうか。数百年間培ってきた品質のこだわり、これは中央区の商店、そして職人の皆様のこだわり、言うなれば中央区のDNAであり、今日のマンションにもこのDNAが受け継がれているのだと思います。言いかえれば、高い品質を維持し続けるのは、本区集合住宅並びに街区が継続的に発展する上での生命線であると考えております。どうぞ、これまで以上に品質に、そして管理に目を配り、世代を超えて誰もが安心して住み続けられるまちの環境整備を進めてくださるようにお願いいたします。

 そして、もう一つ、運動する機会の充実についてでございますが、こちらも大変共通認識がなされているということで安心いたしました。

 面積に限らないスポーツ環境や、内容の充実を求めていくべきである懸案、例えば既存施設の活用・拡大として、全プールの温水対応化あるいは地区施設の借用の拡大、そして隅田川テラスの活用など現有の施設の工夫、あるいはコーチやマネジャーなど新しい人材の登用など、同じ運動時間をさらに濃密なものにしていくことも視野に入れて、今までの枠組みを大きく超える施策を打っていかなければいけないタイミングではないのかという考えでおります。大変多くの区民の皆様より渇望されている懸案でございますので、ぜひともさらなる御対応をお願いいたします。

 そして、最後に、地域スポーツクラブにおきまして、世代を超えた体力強化とともに、同人意識によるつながりは、新しいコミュニティのあり方として、別の意味が含まれております。先ほど御答弁にもありました地域スポーツクラブ大江戸月島などは、単純にスポーツの充実にとどまらず、いろいろな文化的な活動も含めて、今後はさらにエリアを拡大し、先ほどの障害のある方あるいは外国の方などにも参加していただけるように、活動の拡大を期待しております。

 オリンピック・パラリンピックの主要施設を区内に有し、区民の皆様におかれましても、スポーツへの興味が極めて高まる二○二○年でございます。これら内容を精査し、ドレスアップを施すことで、まことに有益なレガシーとなり、区民の皆様の健康生活につながるように要望してまいります。どうぞ、スポーツ、そして区民の皆様の健康生活とつながりますようなレガシーを残していただくように、いま一度検討をお願いして、私の一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後三時九分 休憩


     午後三時三十分 開議

○議長(押田まり子議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。

 まず、二十七番墨谷浩一議員。

〔二十七番 墨谷浩一議員〕

○二十七番(墨谷浩一議員)
 中央区議会公明党の墨谷浩一でございます。私は、令和元年第二回定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、通告書に従い、区長並びに関係理事者に対し質問させていただきます。どうぞ意のあるところをお酌み取りいただき、明快にして建設的な御答弁を期待するものでございます。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 初めに、高齢者福祉の充実についてから質問いたします。

 日本は超高齢化社会に突入していて、推計では、二○二五年には団塊世代の方が七十五歳になり、日本人の五人に一人が七十五歳以上となります。三人に一人が六十五歳以上となります。二○四○年には、団塊ジュニアの世代も高齢者入りするため、高齢者人口はおよそ三千九百万人と推計されています。そして、我が国の認知症高齢者の数は、二○一二年で四百六十二万人と推計されており、二○二五年には約七百万人、六十五歳以上の高齢者の約五人に一人に達することが推計されています。今や、認知症は誰もがかかわる可能性のある身近な病気と言えます。

 本区の今後の高齢者人口や世帯の推計として、二○一二年では、人口が十二万二百九十七人で高齢者人口が一万九千七百十二人、二○一八年では、人口十五万六千八百二十三人で高齢者人口が二万四千二百三十九人、二○二五年の推計では、人口が二十万七百八十二人で高齢者人口が二万七千七百二十四人との推計がされております。また、高齢化率の推移では、二○一二年が一六・三九%であったのに対して、二○二五年には一三・八一%と、高齢化率が下降していることがわかります。しかし、高齢者人口が増加傾向にあるのは変わりありません。そして、高齢者の世帯構成の比較では、国や東京都に比べて単独世帯が多いことが特徴としてあります。

 中央区高齢者保健福祉計画、第七期介護保険事業計画には、認知症ケアでは、本区の要支援・要介護認定者の約六四%は、生活に何らかの支障がある認知症高齢者です。その数は、高齢者人口全体の約一二%を占めています。今後の後期高齢者の増加に伴い、認知症高齢者はますます増加するものと見込まれており、認知症ケアの推進は重要な課題となっている。また、認知症高齢者グループホーム等を初めとした生活の場をさらに整備していることも必要ですとの課題の提起もあります。

 御両親などの介護について御相談をしばしばいただきますが、住みなれたまちで介護を希望されるケースが多く、特別養護老人ホームの待機やサービス付き高齢者住宅の抽せん待ちなど、御要望に応えられないケースもたくさんあります。地域を選ばなければ入所の可能性があるようですが、頻繁にお父様、お母様の顔を見に行くことができないケースもあり、より近い場所での介護施設の整備が求められていると思います。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 二○二○年度には、京橋地域に、地域密着型特別養護老人ホームが定員二十九名、認知症高齢者グループホームが定員十八名、短期入所生活介護施設が定員八名として、開設に向けて準備がされていますが、今後も人口増が見込まれており、高齢者の増加により、特別養護老人ホームを初めとする介護施設の需要が今後も高まっていると思います。積極的な介護施設の整備が必要と思いますが、区長の御見解をお伺いいたします。

 次に、サービス付き高齢者向け住宅の整備について質問をいたします。

 サービス付き高齢者向け住宅は、二○一一年十月に国土交通省、厚生労働省の共同所管により制度化された高齢者住宅の登録制度で、バリアフリー構造などハード面の一定基準を満たしており、介護、医療と連携したサービスも提供する高齢者住宅として注目されております。本区にも、平成二十八年度に勝どきに一カ所、三十四戸のサービス付き高齢者向け住宅がオープンいたしました。私も同施設を見学させていただいたことがあり、介護、医療のサービスを受けることができ、介護状態が重くなっても住み続けることが可能であり、同施設でみとりも可能とのお話を伺いました。所得により助成金も出るので、人気も高く、現在では待ち状態で、空きがあれば抽せんになる状態です。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 国や都では、サービス付き高齢者向け住宅の供給促進のため、補助、税制、融資による支援が実施されております。高齢になっても住みなれたまちで過ごせるサービス付き高齢者向け住宅のさらなる整備が必要と思いますが、区長の御見解をお伺いいたします。

 次に、軽度認知障害チェックテストの導入について質問いたします。

 本区でも、認知症初期集中支援チーム、認知症サポーター、認知症カフェを初め、認知症を発症された方の対応を行う認知症対策については、積極的な活動が進められております。現在の医療では、認知症になってしまうと、進行をおくらせることはできても、根治することができないとされています。認知症になるまでに、健常から前臨床期を経て軽度認知障害になり、そして初期の認知症に進んでいくことが知られています。軽度認知障害は、日常生活や社会活動に影響しないため、多くの場合、見落とされています。

 健常群から軽度認知障害群を対象とする、認知症でない方のための認知機能スケールを活用している自治体である愛知県尾張旭市を視察してまいりました。軽度認知障害チェックテスト、あたまの元気まるを、要介護・要支援認定を受けていない市内の四十歳以上の方を対象に行っています。同テストは、約十分間の質問に答えるだけの簡単なテストで、結果を点数化し、正常、ボーダーライン、軽度認知障がいの疑いありの三段階で判定されます。あたまの元気まるの受検後には、事後の教室として、保健師による脳活大作戦が実施されており、早期スクリーニングと予防の実績を上げているそうです。脳活大作戦は、脳トレ、楽しく運動、食生活とお口の健康などを推奨しています。そして、脳活大作戦の成果として、認知機能低下の疑いありとされた市民に対して、積極的に脳活大作戦のような事後教室などの予防事業への参加を促し、半年あるいは一年後に改めて受検をいただいた結果、五二・六%で結果の改善が見られ、その成果を定量的に示したことで、NHKを初めとする多くのメディアにも取り上げられました。

 そこで、第三点目にお伺いいたします。

 認知症対策に、その前段である軽度認知障害などの対策として、軽度認知障害チェックテストの導入と認知機能低下の疑いがある方などへの改善に向けた対応をする取り組みについて、本区でも必要と考えますが、区長の御見解をお伺いいたします。

 続いて、食品ロス削減への取り組みについてから質問いたします。

 国は、国連の持続可能な開発目標、SDGsに沿って、家庭での食品ロスを二○三○年度までに半減させることを目指しています。そのためには、社会全体で食べ物を無駄にしないという意識を醸成していくことや、目標の達成に向けて自治体が事業者や消費者に積極的に働きかけを行うことが求められていると思います。食品ロスは、平成二十八年度推計では、事業系三百五十二万トン、家庭系二百九十一万トンで、合計では六百四十三万トンとされており、一人当たりに直すと、毎日お茶わん約一杯分が、まだ食べられるのに、捨てられている現状があるとされています。

 政府は、令和元年五月三十一日、食品ロスの削減の推進に関する法律、略称は食品ロス削減推進法で、法律第十九号として公布しました。食品ロス削減推進法の主なポイントは、多様な主体を連携させ、国民運動として食品ロス削減を推進、基本方針を踏まえ、都道府県と市町村が削減推進計画を策定し、対策を実施、消費者や事業者の取り組みを啓発、十月を食品ロス削減月間に、フードバンクの活用支援などです。

 食品ロス削減の事業系の取り組みに目を向けますと、コンビニエンスストア大手三社が、社会問題となっている食品ロス削減に向け、動き出しております。消費期限が近づいた弁当の値引き販売や、購入者にポイントを付与するなどの取り組みを実験的に行っております。恵方巻きやおせち料理など、季節性の高い商品の販売を完全予約制にする動きが進んでいます。また、食品の製造から賞味期限までの三分の一を過ぎると納品できなくなる三分の一ルールの見直しを進めている企業もあります。

 私は、食品ロス削減に力を入れている自治体である杉並区を視察してまいりました。杉並区では、大きく分けて家庭系と事業系から出る食品ロス削減の取り組みをしております。家庭系の取り組みでは、常設のフードドライブの取り組みを視察してまいりました。フードドライブとは、家庭などで使い切れない食品を集めて福祉団体や施設等に寄附する活動のことです。杉並区では、フードドライブの取り組みを通して、区内の子ども食堂、杉並区社会福祉協議会などに提供しています。また、事業系の取り組みとしての食べのこしゼロ応援店事業についても伺いました。食べのこしゼロ応援店とは、食べ残しなどで食べられるのに捨てられている食品を減らすため、区では、食品ロスの削減に取り組む飲食店、小売店等を食べのこしゼロ応援店として登録しています。登録店では、小盛り、ハーフサイズメニューの提供、食べ残しを減らすための呼びかけ、持ち帰り希望者への対応等の工夫をして、食品ロスの削減に取り組んでいます。本区では、飲食店、小売店等が比較的多いと思いますので、食品ロスの削減の効果が大きく得られると考えます。

 食品ロスを削減することを目的として、二○一六年に全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会が設立されています。同協議会は、おいしい食べ物を適量で残さず食べきる運動の趣旨に賛同する地方自治体により、広く全国で食べ切り運動等を推進し、食品ロスを削減する取り組みを積極的に推進しております。同協議会には全国で三百八十九自治体が参加しており、東京二十三区では十七区あり、食品ロスの削減の取り組みを拡大しています。同協議会では、一、食べきり運動の普及・啓発、二、食べきり運動に関する取組みや成果の情報共有および情報発信、三、前項のほか、食品ロス削減に関する取組みや成果の情報共有および情報発信、四、国、民間団体、事業者等との連携および協働、五、その他、前条の目的を達成するために必要な事業など、食品ロス削減に関する取り組みや成果の情報共有をしています。本区も、課題を明確にして、さらなる食品ロスの削減への取り組みを進めていくことが求められていると思います。

 本区では、初めて令和元年六月二日に、家庭で眠っている未利用食品を持ち寄り、必要としている個人や団体などに届けるフードドライブを、区立あかつき公園で開催されたエコまつりで実施しました。私は、今後、身近な場所でのフードドライブ回収窓口の常設化が求められていると思います。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 エコまつりでのフードドライブの取り組み状況と、フードドライブ回収窓口の常設化の考えについて、区長の御見解をお伺いいたします。

 続いて、全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会についてですが、さまざまな自治体の食品ロスの削減の取り組みを共有できることは、本区にとって非常にメリットがあると思います。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 食品ロスの削減に関する取り組みや成果の情報共有をすることは、とても重要なことと考えます。本区も、全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会に参加して、取り組みや成果の情報共有をすることにより、食品ロスの削減への取り組みを加速していくべきと思いますが、区長の御見解をお伺いいたします。

 続いて、食品ロス削減推進法にあります基本方針を踏まえ、都道府県と市町村が削減推進計画を策定し、対策を実施とありますが、食品ロスの削減の取り組みは、さまざまな部や課をまたいでの取り組みが今後必要となってくると思います。

 そこで、第三点目にお伺いいたします。

 本区として、包括的な食品ロスの削減推進計画の策定が必要と思いますが、区長の御見解をお伺いいたします。

 以上で第一回の発言を終了いたします。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 墨谷浩一議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、介護施設などの充実についてであります。

 区内の特別養護老人ホームなどの施設サービスにつきましては、区施設の建てかえや大規模改修による整備、再開発の機会を捉えた新設や民間施設の誘致などにより、定員の拡大に努めてきたところであります。これまでの施設整備により、介護度が高く施設サービスの必要性が高い方については、長期間待機することなく入所できる状況となっております。また、在宅サービスの充実により、特別養護老人ホームの入所申込者が在宅介護の継続を選択されるケースも増加しているところであります。これからの高齢者人口の増加に伴い、在宅生活が困難となった場合に、セーフティーネットとしての施設サービスのニーズは高まるものと想定されますが、今後の中重度の要介護者数の動向や入所申込者の状況を見きわめる必要があると考えております。今後とも、在宅介護を支えるサービスの一層の充実に努めながら、誰もが安心して地域で暮らし続けられる介護環境を整えてまいります。

 次に、サービス付き高齢者向け住宅の整備であります。

 高齢者の特性にきめ細かく対応できるサービス付き高齢者向け住宅の需要は高く、その必要性は一層高まっていると認識しています。本区では、民間活力の活用により供給促進が図られるよう、国や都と連携した補助制度の実施や、大規模開発の機会を捉えた計画誘導に取り組んでいます。特に、補助制度は、計画策定費や建設費への補助に加え、家賃低廉化対応への補助が可能であることから、有用と考えており、今年度も特別区では唯一となる新規計画の募集を募るなど、積極的な活用を図っています。

 次に、軽度認知障害チェックテストの導入についてであります。

 認知症は、早期に対応することにより、その後の症状の進行をおくらせたり、改善する場合もあると言われております。そのため、現在、区では、みずから認知機能の低下に気づくことができる認知症チェックリストの普及に努めるとともに、高齢者が身近に通える通いの場などで、認知機能の向上に効果が期待できる運動の場や交流の機会を提供しているところであります。また、国が一昨日公表した認知症施策推進大綱では、全国規模の住民追跡調査を行い、認知症の発症と進行の経緯やリスク因子、予防因子を明らかにする研究を実施するとしております。こうしたことから、軽度認知障害チェックリストの導入につきましては、今後、国における研究成果や他の自治体での取り組み効果を検証しながら検討してまいります。

 次に、フードドライブの取り組みと回収窓口の常設化についてであります。

 フードドライブは、家庭に眠っている未利用食品を持ち寄り、必要としている個人や団体に寄附することにより食品ロスを削減する、重要な取り組みであると認識をしております。エコまつりでは、新たに設置したフードドライブコーナーに区民の方から乾麺や缶詰などの提供があり、認定NPO法人を経由して、必要としている方々に無償で提供されております。今後は、エコまつり以外のイベントでの実施や、事業所、区民の皆様が直接提供できる認定NPO法人の連絡先などを区のおしらせやホームページに掲載するとともに、回収窓口の常設化についても検討してまいります。

 次に、全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会参加についてであります。

 現在、本区では、冊子やホームページなどによる食品ロス削減の啓発、保存期限が間際の防災備蓄食料の認定NPO法人への寄贈、学校給食等での食べ残しの肥料化などを実施しており、今後も食品ロスの削減に向けて、さらなる啓発を進めてまいります。協議会への参加につきましては、前向きに検討してまいります。

 次に、包括的な食品ロスの削減推進計画の策定についてであります。

 食品ロスは、世界に栄養不足の状態にある人々が多数存在する中で、食料の多くを輸入に依存している現状や、ごみ減量の観点からも、重要な問題であると認識しております。国は、食品ロスの削減の推進に関する法律を本年五月に公布し、十月に施行するとともに、年度内の基本方針策定に向けて取り組んでいるところであります。食品ロス削減に向けた取り組みの推進には、国や都、関係機関との連携が不可欠であることから、今後策定される国の基本方針や都の動向を踏まえ、食品ロス削減推進計画の策定について検討してまいります。

 答弁は以上であります。

〔二十七番 墨谷浩一議員登壇〕

○二十七番(墨谷浩一議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございます。

 まず最初に、介護施設でございますが、私のところにも、待機となったり、さまざまな場所、中央区外に行かれる方もかなりいらっしゃるということで、やはり身近な場所で、特養を初めとするさまざまな介護施設をつくっていくということは、すごく必要ではないかなというふうに思っております。再開発の中でなど、さまざまな形で、これからも介護施設をしっかりと拡大していただきたいというふうに思います。先ほど在宅医療・介護とありましたが、まだ在宅医療・介護について、なかなか御存じない皆様方もいらっしゃると思いますので、しっかりとした啓発も必要かなというふうに、御答弁の中で感じました。

 サービス付き高齢者向け住宅でございますが、かなり前から私も質問しておりますが、しっかりと、これからも進めていただきたいというふうに要望してまいります。

 軽度認知障害のチェックテストの導入でございます。

 認知症の前段、認知症ではない方、健康と認知症の間の方をスクリーニングして、早期発見して、早期に介入していくという取り組みが自治体として行われている。そういった取り組みが、もう進んでおります。政府が十八日に決定した認知症施策推進大綱で、共生とともに、予防を目標に掲げているということで、認知症になった方、認知症早期ではなくて、認知症の前段である軽度認知障害のチェックをして、気づいて、発見して、その方たちに早期介入していき健康のほうに持っていく、そういう予防策というのが、これからは非常に必要ではないかなというふうに思いますので、しっかりと検討していっていただきたいというふうに思います。

 続いて、食品ロス削減の取り組みでございます。

 全般的に前向きな御答弁、ありがとうございます。

 中央区は、飲食店がかなり多いというふうに私は感じております。そういった中で、事業系の食品ロスの削減、また家庭系の食品ロスの削減の啓発が重要になっていると思います。本区も自治体として、しっかりと発信していく、普及啓発が重要になっていると思います。ライフスタイルの見直しというものが必要になっていると思いますので、本区としても、そこをしっかりと情報発信していただいて、食品ロス削減へのさらなる発信をして、食品ロス削減に向けて力強く取り組みをしていただきたいというふうに私は強く要望して、以上をもちまして私の質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)

○議長(押田まり子議員)
 次に、二十九番中島賢治議員。

〔二十九番 中島賢治議員登壇〕

○二十九番(中島賢治議員)
 公明党の中島賢治です。私は、令和元年第二回区議会定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、通告書に従い、区長並びに関係理事者に対し質問をさせていただきます。どうぞ意のあるところをお酌み取りいただき、前向きな御答弁をお願い申し上げます。御答弁のいかんによりましては、再質問を留保させていただきます。

 平成から令和への新時代に入り、これからも平和を希求していくことが何よりも求められています。このような時代の変化の中で、中央区も一つの転換期を迎えております。昨日の山本新区長の所信表明の中で、次のように述べられました。日々暮らす中で、人と人とが触れ合い、いたわり合い、思いやる心であります。これからも人口増加が見込まれ、集合住宅に居住する区民が九割という中で、心と心の通い合うまちが求められていると強く感じておりますと述べられました。今後も、各福祉施策や教育、環境事業などのあらゆる分野において、新区長が述べられたとおり、心と心の通い合う政策を柱に据えていくことが、中央区の基本構想の将来像の実現に寄与するものと確信し、平和につながっていくと考え、私どもも力を合わせてまいりたいと決意をしております。よろしくお願い申し上げます。

 今までの区政における課題で、人口減少に歯どめをきかせ、確かに人口増をなし遂げてきたことは、前区長のすばらしい取り組みと言えます。しかし、このために置き去りにされていた課題や見過ごされてきた問題もあると思っております。その状況において、一番の被害を受けているのは、発言力のない小さな子供たちではないでしょうか。知らないうちに身の回りの自然環境が壊され、自然とともに暮らす体験もできず、小さいうちに経験すべきことを知らずに過ぎてしまっていないでしょうか。私たち大人にとって、当然経験してきた空き地での遊びや、木に登り、昆虫採集やハゼ釣りなど、地域においても、子供のうちに数多くの自然の冒険を経験することができました。しかし、現在の子供たちは、この地域の状況の中で、自然を体験し、思い浮かべたことを実現できる場所がなくなっております。人口回復の名のもと、再開発が優先し、中央区において一番の課題はそこにあると思っております。今回、選挙戦においても、子供の自然の中においての遊び場を強調させていただきました。日々の生活の中で、子供の自然との触れ合いの重要性を感じております。

 そこで、お聞きいたします。

 子供たちが自然に触れ合うことの重要性をお聞きいたします。

 昭和三十年代初頭は、この中央区の晴海にも海水浴場があり、干潟ではアサリがとれたと聞いております。その当時は、中央区においても、まだ自然が身の回りに感じられる時代でもありました。東京湾は干潟が多くある湾であり、命あふれる、すばらしい湾でもありました。経済発展の名のもと、海岸の九○%以上で護岸工事が進み、干潟の持つ水質浄化のシステムを壊していきました。その後、何度も海に投棄が行われ、東京湾は汚れ放題となり、汚染された湾と変わりました。しかし、この状況は東京湾だけではなく、四日市ぜんそくの三河湾やイタイイタイ病の富山湾も同じ状況で、何といっても水俣病が最たるもので、水俣病は、昭和三十一年五月一日、公式に公害と認定されましたが、汚染はその後も続きました。そのため、多くの人が犠牲になり、それから現在では六十三年がたちましたが、いまだに解決しておらず、地元の資料館の館長より、水俣湾に埋め立てた有機水銀の処理が終わらないと解決したことにならないと話をされていたことが印象的です。

 中央区の特徴として、区の一八・三%が水辺の面積であり、昔から東京湾とともに暮らしてきた地域でもあります。緑の基本計画には、自然生態の持っている浄化機能を生かして云々と記載されております。中央区が水質の改善を率先して取り組む必要があると発言をしてから、十六年が過ぎました。水質改善は何一つ進んでおりません。質問の答弁は、上流区や県の責任を語り、広域での話し合いが必要等とのお答えで、現実には何も進んでいなかったと感じております。

 緑の基本計画の課題に関して、歴史性や地域性を踏まえた水辺の緑化整備、また、中央区に求められる緑の機能の充実と記されております。

 そこで、お聞きいたします。

 一番河口に位置する中央区が水質改善のための声を上げなければならないと思いますが、お考えをお聞かせください。

 都心部における自然回復、緑化のアップは、多くの人が自然に興味を持つことから始まります。しかし、現実は、再開発等、利益主導型により、遠のくばかりです。それでも、最近は個人の方の取り組みとして自然志向が高まり、アウトドアブームで、自然を満喫する大人の間では、一人で行うソロキャンプなど、自然の中に身を置き、素朴な静けさを味わうことが注目を浴びております。また、野外におけるバーベキューなども依然として人気を博しております。ほかに、デュアルスクールとして、都会の子供を短期間受け入れる郊外の小学校も出てきております。

 平成三十年度学習力サポートテストにおいて、小学四年から中学三年までの学年において、理科のテスト結果が全国の平均を下回っております。この中で唯一、小学四年生のみが二・一%平均を上回っておりました。この上回った小学四年生の理科のコメントに、野外に出かけ、地域の自然に親しむ体験的な活動を取り入れ、学習内容と児童の生活環境を結びつけて考えさせることが重要であると記されております。小学四年生は、サポートテストの平均よりよい成績をおさめた学年においても、自然環境教育の必要性が叫ばれていると受けとめました。

 また、全国の小・中学校及び高校の九百校、二万八千人の調査結果による自然教育のアンケートによれば、学校の授業として以外の自然との触れ合いについて、調査結果では、星空の観測をしない、四三%、川や海で泳がない、四三%、昆虫採集をしない、四四%、魚釣りをしない、五六%、キャンプをしない、六○%、山登りをしない、六○%、植林や除草、間伐などをしない、七四%、これは全国平均なので、中央区などの都心部においては、さらに状況はよくないのではないかとも考えます。そして、これを見てもわかるとおり、自然環境教育は学校教育に多くを依存していると思っております。

 そこで、お聞きいたします。

 中央区の自然による環境教育の現状と取り組みをお聞かせください。

 昔から、中央区において、自然環境教育は学校への依存が大きかったことは感じております。確かに、私が小さいころは、柏学園や宇佐美・館山臨海学校、小諸林間学校など、区の施設も大変充実しておりましたが、現在使える施設は柏学園とヴィラ本栖の二カ所しかなく、夏場の林間学校の校外学習も大変に苦慮されていることと思います。せっかく中央区の森の檜原村との交流があっても、課題があり、思うように利用できません。

 そこで、お聞きいたします。

 中央区においての自然との触れ合いができる夏場の校外学習の今後についてお伺いいたします。

 校外においての自然学習は、やはり身近な場所での取り組みが重要ではないかと考えます。六月一日号の広報ちゅうおうの一面を飾る写真は、すばらしい写真でした。あかつき公園のメタセコイヤを一面に飾り、区内の公園の樹木を紹介しております。中央区にこんな場所があったのかと思わせるほどの写真だと思っております。あの写真により、多くの方が見に来られることと思っております。そんなときに、メタセコイヤのことを説明される表示板があることにより、理解がさらに進むのではと感じております。

 以前にもお願いしたQRコードをつけた詳しい説明が、現実、なかなか使われておりません。再度お聞きいたします。樹木の名前の表示のほかに、説明を載せていただけないか、お聞きいたします。身近な植物を学ぶことにより、私たちと自然との距離が少しでも縮まればとの思いでおります。

 また、緑の基本計画のアンケートによれば、公園の役割として、のんびりできることや、自然と触れ合う、子供が遊ぶ場所が上位に来ております。それを受けて、築地川公園南側のリニューアルが行われました。築地川公園の樹木が長きにわたり成長し、木も大きくなり、全体的に暗くなっておりました。区は、リニューアルに当たり、若い樹木を除いて古い木は切ってしまい、芝生などを取り入れ、明るく広々とした公園に生まれ変わっております。公園内のドングリをつけた木や、実のなる木を大切に残していただいてもおりました。さらに、新しく植えた木には、チャンチンと書いてあるマレーシア産の樹木が植えてありました。

 そこで、お聞きいたします。

 築地川公園のリニューアルと樹木の選定について、外来種が悪いのではないのですが、公園として地域の植生と公園の樹木の関係について、お考えをお聞かせください。

 次に、交通インフラについてお尋ねいたします。

 来年迎える東京二○二○オリンピック・パラリンピックにおいて、最大の問題は、何といっても交通インフラの問題です。選手村を抱え、国際イベントの中心となる晴海は、最寄りの勝どき駅から一キロ以上も離れており、選手の移動は専用バスでの移動になりますが、選手を支えるスタッフの移動は大変な負担になります。また、自動車での移動に対しては、交通規制もかかっております。そして、江東区内の会場には、二号線から三百五十七号線を使い、移動は可能ですが、選手の移動中、一般車両が規制を受けることになると、東京の台所、豊洲市場を初め、晴海通りに面した築地場外市場に支障が出るのではないでしょうか。

 そこで、お聞きいたします。

 大会中における晴海通りを中心とする交通状況の課題をお聞かせください。

 それとともに、来年春から運行が予定されているBRTの運行に関しても、支障がないかもお聞かせください。

 東京オリンピック・パラリンピック大会終了後、晴海地区は選手村が住宅として売却されることにより、現状の人口増に増して、ふえることになります。

 そこで、お聞きいたします。

 東京オリンピック・パラリンピック後の晴海地域の基幹交通機関をどのようにお考えか、また、基幹交通機関が実現するまでの間の取り組みはどのようになるのか、お聞かせください。

 これだけ人口がふえれば、子供もふえてきます。中央区は、一九九七年に七万二千人ほどに人口が減少し、それから二○一九年に十六万五千人、そして、今の推計でいけば、二○二五年には二十万人を超すことになります。現在、ゼロ歳から五歳児は、全体の半分が保育園や幼稚園に通っております。この割合でいけば、二○二五年には今より六百人以上の園児がふえることになり、さらに、ゼロ歳から一歳を中心に待機児がふえることになります。

 そこで、お聞きいたします。

 拡大する園児に対して、保育園の対応並びに園児の遊び場への対応をお聞きいたします。

 また、今後、小学校の受け入れなど、晴海地域を中心に、学童クラブ、プレディに対してもお聞かせください。

 そして、これだけ多くの住民を抱える高層住宅が立ち並ぶ中央区、三十年以内に起きるとされる大地震に備えていくことは重要であります。

 そこで、お聞きいたします。

 高層住宅での地震災害の課題並びに、立ち向かうためにはどうすればよいのか、お聞かせください。

 みずから生き延びる自助三時間、隣近所の協力で助け合う共助三日間、区民に助けの手を差し伸べる公助三日目から。これだけ人口がふえる中で有効な防災対策は、自助・共助を進めるためには、コミュニケーションの確保が全ての解決策と思っております。

 そこで、最後の公助についてお聞きいたします。公助の取り組みは、誰が何をしてくれるのかをお聞かせください。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 中島賢治議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、水質改善についてであります。

 区では、これまで水質改善を図るため、水辺の水生植物の植えつけを行うとともに、都に対しては、しゅんせつや河川への汚水流出の抑制のほか、神田川水系流域区の協議会においても、河川環境の向上や水質浄化について要請をしてまいりました。また、国や関係機関が連携を図りながら、玉川浄水から外濠、日本橋川へ河川水を試験的に通水し、その効果や環境への影響を評価する取り組みが検討されております。今後も、区では、さらなる水辺景観の向上と水生植物による水質改善に取り組むとともに、国や都に対し、意見や要望などの働きかけを行ってまいります。

 次に、樹木の表示についてであります。

 区が管理する樹木については、区民に広く興味を持ってもらうため、樹木の写真や名前を表示するとともに、二次元コードを添付し、携帯電話からも樹木の情報を得られるようにした樹名板を設置してまいりました。今後は、区民の方々が樹木に対して関心や親しみを抱けるよう、樹木の特徴や解説なども表示した樹名板を、改修工事などにあわせて順次設置してまいります。

 次に、築地川公園のリニューアルに伴う地域の植生と公園の樹木の関係についてであります。

 区では、中央区緑の基本計画において、都市の緑の質の向上を取組方針の一つに掲げ、特色ある樹木の植栽や生物生息空間に配慮した緑づくりに取り組んでおります。築地川公園の改修においても、クヌギなどの地域植生の保存を初め、四季それぞれに色づく花や緑のほか、実のなる木、緑陰を確保するための木など、樹木の特色を生かした植栽を行うことにより、緑の質的向上を図っております。今後も、公園改修の機会を生かし、地域の植生に配慮した都市の緑の充実に取り組んでまいります。

 次に、オリンピック・パラリンピック大会中における晴海通りの交通状況の課題についてであります。

 昨日、都及び組織委員会から、東京二○二○大会時の円滑な輸送の実現と都市活動の安定のため、輸送運営計画V2(案)や会場周辺の交通対策について(素案)が公表されました。しかしながら、具体的な交通計画については、いまだ示されておりません。本区といたしましては、晴海通りなどへの影響が懸念される、選手村を基点とする大会関係者や選手の輸送、豊洲市場利用車両による区内道路の渋滞対策、選手村施設運営に必要な車両の区民生活への影響などについての課題解決が不可欠であると認識しております。区民生活への影響を最小限にするため、引き続き早期の交通計画の策定と公表などを都及び組織委員会に対し要請してまいります。

 次に、BRTの運行についてであります。

 勝どき・晴海地域での交通需要に速やかに対応するため、事業計画に基づき、着実に運行が実施されるよう、都や関係機関に働きかけてまいります。

 次に、基幹交通についてであります。

 晴海地域では、人口増加に伴う交通需要への対応が喫緊の課題となっており、大量輸送機関である地下鉄新線の整備が基幹交通として必要不可欠であります。地下鉄新線が開通するまでの間は、BRTの運行により、交通需要への対応が図られます。しかしながら、BRTにおいては、プレ運行が来年度から開始されるものの、本格運行は令和四年度以降の環状第二号線本線開通後に予定されていることから、その間の交通需要に対しては、引き続き都バスの再編・拡充を都に要請してまいります。さらに、江戸バスについても、都バスやBRTなどの運行状況を踏まえたルートの見直しを検討し、今後も、晴海地域の交通利便性の向上に向けて全力で取り組んでまいります。

 次に、保育園定員拡大と遊び場確保についてであります。

 区では、これまでも待機児童解消を最重要課題として取り組み、過去五年間で認可保育所を新たに二十五園開設し、二千人を超える定員拡大を図ってまいりました。しかしながら、それを上回る乳幼児人口及び保育ニーズの増加があり、本年四月一日現在の待機児童数は百九十七人となっております。今後もさらなる乳幼児人口の増加が見込まれることから、引き続き保育事業者への認可保育所開設支援を中心に、大規模開発等の機会を捉えた保育施設の確保や、公有地を活用した保育所整備などにより、保育定員の拡大に取り組んでまいります。保育園児の遊び場については、近隣の公園等を活用した外遊びのほかに、区立保育園の園庭や浜町・月島運動場の開放など、子供たちが走り回れる場所を確保しています。今後とも、公園やスポーツ施設がより活用しやすくなる仕組みを検討するなど、保育環境のさらなる向上に努めてまいります。

 次に、高層住宅における地震災害への課題と対応策についてであります。

 高層住宅はすぐれた耐震性能を有しており、大地震が発生した場合でも、一般的に安全と言われております。一方で、震災後、電気、ガス、上下水道のライフラインの停止や家具類の転倒により、自宅に住み続けることが困難となる可能性があると認識しております。また、エレベーターの停止により建物の上下移動が容易にできなくなることから、水・食料の備蓄不足やトイレが使用できない状態となった場合、特に高層階居住者や高齢者にとっては大きな課題であります。区では、これらの課題に対して、市街地開発事業指導要綱による防災備蓄倉庫や地震時対応型エレベーターの設置など、高層住宅の防災機能の強化を図るとともに、備蓄や家具類転倒防止などの自助の取り組みのほか、管理組合に対する防災アドバイザーの派遣を通じて、個々のマンションの状況に応じた実践的な防災訓練や、震災時活動マニュアルの作成を支援しております。さらに、防災対策優良マンションの認定制度により、防災組織づくりやコミュニティの醸成を図りながら、居住者や地域住民が協力し、助け合う環境づくりなどの取り組みを進めているところであります。区といたしましては、今後とも、ソフト、ハード両面からの具体的な対策を講じながら、共助の取り組みをより一層推進していくことが重要であると認識しております。

 次に、公助の取り組みについてであります。

 大規模災害が発生した場合は、建物の倒壊や火災による物的被害、死者・負傷者の人的被害のほか、ライフラインや交通機関の停止など、さまざまな被害が想定されることから、区民の生命、身体及び財産を災害から守ることが公助の取り組みであると認識しております。区においては、迅速に初動体制を構築し、情報不足による混乱防止を図るため、防災行政無線や区ホームページなど各種情報媒体を活用して、正確な災害情報を提供することが重要であります。あわせて、被災した区民が安定した避難生活を送れるよう、防災拠点の整備や水・食料、生活用品等の備蓄のほか、帰宅困難者一時滞在施設の確保などの取り組みが不可欠であります。さらに、復旧に向けて、大量のごみや瓦れきの処理を行うとともに、仮設住宅の提供や生活再建への支援も重要な取り組みとなります。また、国や都による物資の提供などのほか、警察による交通規制や避難誘導、消防による消火活動、自衛隊による給食・給水などの活動がありますが、何よりも大切なのは、これら防災関係機関の緊密な連携による人命救助活動であり、その被害を最小限にとどめることが極めて重要であります。区といたしましては、今後とも、各防災関係機関とのより強固な協力関係の構築に向けて、積極的に取り組んでまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えをいたします。

 初めに、子供たちが自然に触れ合うことの重要性についてであります。

 子供たちは、自然に触れ合うことを通して、日常生活では得られない発見や驚きといった心を動かす経験ができます。このことは、子供たちの感性を豊かなものへと育んでいくものであり、大変重要なことと考えてございます。

 次に、本区の自然体験の現状と取り組みについてであります。

 本区では、豊かな自然を求め、小学校四年生から六年生と中学校二年生で、それぞれの発達段階や学習状況を踏まえた自然体験を実施しております。小学校四年生では柏学園周辺や手賀沼の動植物の観察、五年生では臨海学校で海辺の生物の観察、六年生では樹海ハイキングをするなど、自然体験を通して豊かな情操を養っているところであります。また、中学校二年生では、田植え体験や登山、キャンプファイヤーなどの活動を行っております。このように、ふだん触れることのできない豊かな自然の中での体験学習を通して、学校で学んだ身近な自然や生物についての理解を深めるとともに、感動する心や、自然や生命を敬う心を育んでおります。

 次に、夏の校外学習の今後についてであります。

 小学校の夏季臨海学校、中学校の移動教室につきましては、従前使用していた館山臨海学園及び小諸高原学園は廃止となりましたが、現在は民間の宿泊施設を借り上げるとともに、以前は実施できなかった田植え等の体験活動を行うなど、校外学習の充実に努めているところであります。校外学習につきましては、より豊かな自然と触れ合う場について、さらに検討しつつ、民間施設等を活用しながら、今後とも充実を図ってまいりたいと存じます。

 次に、晴海地域における小学校などの今後の見込みと学童クラブとプレディについてであります。

 選手村跡地の開発に伴い、児童・生徒数の増加が予想されることから、既に御案内のとおり、令和五年開校に向けて、晴海五丁目に小学校と中学校の整備を進めております。今後、さらなる児童数の増加が見込まれる場合には、晴海四丁目に新しく小学校を整備することも検討してまいります。また、学童クラブにつきましては、当該区域に設置する予定はございませんが、新設する小学校内にプレディを設置するほか、晴海四丁目で整備する計画の図書館や、リニューアル後のほっとプラザはるみにおいて、子供たちが安全で安心して過ごせる場の確保に努めてまいります。

 答弁は以上でございます。

〔二十九番 中島賢治議員登壇〕

○二十九番(中島賢治議員)
 数々、前向きな御答弁ありがとうございます。

 交通機関に関しては、区としてできることは、やはりコミュニティバスのコース変更だろうというふうに思っているんです。東京都にお願いするとか、いろいろありますし、基幹交通機関として、地下鉄もかなりの時間がかかるということで、私が考えているのは、基本的には、七時から九時の間ぐらいは、今まで二十分おきだったのを三十分おきにしてもらって、それで余ったというか、余力のあるバスに関しては、月島地区の中を月島、晴海、豊海、勝どきを循環で回していただいて、一周二十分のコースですから、二台あれば十分おきにピストン輸送ができる。そういう形で対応できないかなというふうに、いろいろ考えてはいたんです。ぜひ、コミュニティバスのコースの変更ということでしたら、定期的に回すことだけではなくて、そういった形でも対応していただければというふうに思っております。これは、あくまでも要望です。

 保育園に関しては、現実、フルタイムの保育園というのが全てなんです。これがいいのかどうかわからないですけれども、ただ、お母さん方の中には、四時間しか働かない、五時間しか働かないという方もたくさんいらっしゃるんです。ただ、保育園に入れるためにフルタイムでないとだめなので、フルタイムでお願いしているという、ちょっと矛盾しているような話なんです。四時間とか五時間とか短いタイムで受け入れてくれる場所があれば、午前中四時間、また別の人が午後の四時間、ひょっとしたら夜六時から十時ぐらいまで預かってもらえれば、そういった形で、一カ所で三倍もの子供を保育園として受け入れられる。いろいろな形で受け入れられるというふうに思っているんです。今、働き方改革で、人口の七割の方は九時~五時かもしれないですけれども、三割の方は、夜間働いたり、規定の時間外の人もたくさんいるわけです。ですから、そういった人に対応するためには、九時から五時の保育園ではなくて、もう少し幅を広げて、そのかわり短い時間でも預けられるというところも一度検討してみていただけないかというのが今回の趣旨です。

 それと、防災の公助です。

 いつもお話を聞くと、自助が大切だ、共助が大切だと。それは当然なんです。生き延びて周りの人を助けるというのが基本的な考え方ですから。では、それ以降の三日目以降、公助として手を差し伸べていただける行政は、何をしてくれるんだという話なんです。先ほどいろいろお話をいただきましたけれども、高層住宅に三日間いて、食料がなくなったらどうするんだという話なんです。

 神戸震災のときに、百人の避難者に百個の物資を持ってきて、いざふたをあけてみたら二十個足らなかったという話があるんです。それはどういうことかというと、元気な人が何度ももらいに行ってしまう。高齢者や障害者などはそんなにスムーズに動けないですから、結局、そういう人たちに渡らないというのが現状です。それと一緒で、避難所、防災拠点に物資が届いて、とりに来てくださいというふうに言われても、行ける人はとりに行けるけれども、では高層住宅の上にいる人たちはどうやってとりに行くんだという話なんです。そうやって考えたときに、それは誰の役目なんだという話で、私としては、そこの自治会、共助の部分も多分にあるんですが、せめて公助として、高層住宅のマンションに届けてほしいと思っているんです。

 公助・共助・自助と、役割があるわけではないですけれども、うまく取り組んで、安全に、必ず来ると言われる震災に立ち向かうべきだというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 最初の子供たちの緑に関する話は、単純に言って、海の森というところを使ってくださいという話なんです。

 海の森は、初めて聞く人もいるかと思うんですが、銀座からほとんど直線距離で五キロ、車で十分のところに、八十八ヘクタール、どのぐらいかというと、日比谷公園の五倍の広さです。十六日にカヌー場がオープンして、海の森前の競技場としてオープンしましたけれども、その後ろ側にある海通り、昭和四十年から六十年にかけて東京のごみを埋め立てたところで、そこに五メーターの盛り土をして森をつくっている。今、オリンピックのクロスカントリーのコースができるせいで、現状、入れないんですけれども、ただ、そのおかげで、十メーター幅の芝生が六キロにわたって敷き詰められて、子供たちが遊ぶにはすばらしいところになっている。

 五年前にそこで天体観測をしたときには、十二月十三、十四日のふたご座流星群なんですが、二時から四時の夜中で四十個のふたご座流星群というか、流星を見ることができた。大変自然に近い場所で、この間、企業ボランティアと一緒に植物の管理をしたんですが、七十人の団体の企業ボランティア、有名なところが来て、二十人は子供なんですけれども、間伐まではいかないですが、枝を落したり、草を刈ったりするんです。その後に、オオシマザクラの実がなっているんです。サクランボの原種なんですけれども、それをみんなで食べる。桑の実もちょうど実が熟れていて、食べる。そういう経験が、銀座からほんの少し行ったところでできる。中央区においても、本当に一番近いところなんです。

 以前から、ぜひ利用してくれとお願いはしているんですが、教育委員会も忙しいのか、なかなか御利用いただけない。今後は、来年のオリンピックが終わった後、一般開放も順次あったり、将来的には、二○二二年だったと思うんですが、四月にオープンになりますので、そのときはぜひ使っていただいて、私が気に入っているのは、二月のフキノトウが満載でとれる、それが何とも言えず好きです。

 今の子供たちは、そういった自然に触れ合うところがない。それは大変かわいそうなことだなというふうに思っております。ですから、少しでも今の小さい子供、中学生もそうかもしれないですけれども、地域の自然、つくられたものかもしれないですけれども、ぜひその一端に触れていただければというふうに思って、今回、質問させていただきました。

 今後も、この問題は時々語らせていただきますので、ぜひ区としても手を差し伸べていただければということをお願いさせていただいて、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後四時四十五分 休憩


     午後五時五分 開議

○議長(押田まり子議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十一番渡部恵子議員。

〔十一番 渡部恵子議員登壇〕

○十一番(渡部恵子議員)
 立憲民主党新風会の渡部恵子でございます。

 昨年、夏の暑さが過ぎるころから、新聞や報道、テレビコマーシャルなどでSDGsという言葉をよく見聞きするようになり、最近では、十七色のバッジをつけている方々を、まちでも、議会でも、目にするようになりました。そのような折に、本年五月二十日から二十二日にかけて、東京都を含む二十六都市のトップが集まる都市版サミット、アーバン二○メイヤーズ・サミットが東京都内で開催されることが大々的に報道されました。

 このサミットの内容は、各都市が取り組むべき課題を議論し、都市政策を環境や防災、貧困など社会問題などにおいて、国連のSDGsに結びつける方向で話し合われ、参加した各都市は、今後、二○五○年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにするための計画などを策定する話し合いをまとめ、閉幕いたしました。国連に加盟する全百九十三カ国が国際目標として掲げるSDGsに各都市も準拠していく方向から、今回、私は、改めてSDGsについて調べてみることにいたしました。

 SDGsは、皆様御存じのとおり、国連がミレニアム開発目標、MDGsの後継として、新たに二○一五年九月の国連サミットで採択し、二○一六年から二○三○年まで、持続可能な開発目標のためのアジェンダを記載した国際目標であり、この持続可能な開発目標を達成するために、十七項目の目標を掲げ、さらに、これを実現するため、各百六十九もの目標を掲げ、その達成度をはかるために二百三十二もの指標を設けています。

 その内容を読み進めていくと、かなり細かく指標を設けた理由が見えてまいります。それは、ここ数百年で人々や企業の行動が地球環境の悪化に徐々に影響を及ぼし、人類に多大な影響をもたらし始めていることが、地球上あちこちに既に顕著となっていることから、地球規模で迅速に対応をとる目標を掲げ、これを確実に遂行しながら、この十五年間で一定程度の歯どめをかけたいという危機意識から発露していることがうかがえます。このために目標を立て、途上国のみならず、先進国自身が普遍的に取り組む中身が、持続可能な開発目標、SDGsであると理解できました。国連が採択したSDGsの考え方は、持続可能な循環型社会の実現や、持続可能な多様な社会の実現にも通じていくので、まさに私たち基礎自治体にも共通する考え方であると思います。

 中央区基本計画二○一八にも、持続可能な行財政運営をベースに、各事務事業の方向性が策定されておりますが、今回は、令和元年第二回区議会定例会に当たり、この持続可能な行政運営という視点をもとに、これから少し先に始まる社会的な変化をもたらしていく問題、課題について、会派を代表して区のお考えを質問させていただきます。中長期的な時間軸のもと、今だからこそ手を打つことができる課題解決の道について御答弁をいただけますよう、お願いを申し上げます。なお、再質問はあらかじめ留保させていただきます。

 初めに、コミュニティ形成について、二つの視点を持ってお伺いをいたします。

 地域住民が集い、自主的に参加し、運営していける地域コミュニティの核となる拠点のあり方について、地域住民の声を行政に届けていくシステムのあり方についてお伺いをいたします。

 晴海選手村跡地は、約十九ヘクタールの広大な土地に五千戸以上の分譲・賃貸住宅として再整備され、やがて約一万二千人もの人口増加が見込まれている地域でございます。この地域がこれまで更地であったことから、江戸開府後、二十一世紀になって初めて東京中央区晴海に全く新しいまちが広がることから、その新しい地域の中で、コミュニティの形成のために、地域自治力を持たせていく方向性について、大いなる期待感を持ちながら、私は、これまで議会や委員会の機会をいただきながら質問させていただいております。

 今、藤沢市の辻堂に、晴海選手村とほぼ同じ大きさのまちが二○一四年に新しく開発され、百年続く暮らしのためにというコンセプトのもと、住民参加型のまちづくりが進行中です。ここ、Fujisawaサスティナブル・スマートタウンは、まちがずっと続き繁栄していくためには、住人一人一人がこれからの暮らしをともに考え、つくり、伝えていくことが大切と考え、サスティナブル・スマートライフにおいて、二○一四年のまち開きから、十年後のライフスタイルまでを生成・構築期とし、四十年後の成熟期には世代交代を視野に入れるライフスタイルを考え、七十年後のライフスタイルは、さらなる発展のために、新たな世代交代を見据えながら、百年後のライフスタイルをここで暮らす人の手によって育て、進化させていくというコンセプトのもと、住民専用のポータルサイトでもつながることができる仕組みが構築されています。また、住まいを中心に、自然にみんなが集い、参加したくなるまちづくりは何か、いろいろな人といろいろな遊びができるまちはどのようなまちなのか、いろいろな人に、物に見守られて、心も体もすくすく育つまちはどのようなまちなのか、学びたい人が住むだけでどんどん学べるまちづくりのあり方、自分の住むまちで働けるメリットなど、もっとつながれば、もっと楽しめそうというように、住まいを中心にしながら、集う、遊ぶ、育てる、学ぶ、働く、築く、つながるというコンセプトを住む人たちが考え、地域の中で自然にコミュニティの形成を促していけるようなまちづくりがなされていることから、中央区の目指している、誰もが憧れるまちとして、子育て世代の方々やその両親世代の方々もともに転入しています。

 ほかにも、首都圏最大級の開発面積となる幕張ベイパークは、総面積十七万五千八百平方メートル、四千五百戸の住戸に約一万人が転入する計画であり、周辺住民や事業者などが、現在、積極的に意見を出し合い、周辺住民、転入してくる住民双方にとって、生活しやすい環境づくりが話し合いの中で進められています。入居者がゼロからコミュニティをつくるのではなく、あらかじめ周辺住民が開発事業者とともに基盤づくりを重ねていることで、新しい住民が転入してきても、すぐに活動できるよう、事前に活動にかかわってくれるキープレーヤーを発掘しているのが特徴的です。コワーキングスペースやカフェやスタジオなど、地域住民とも交流できる施設をつくり、二○二九年に予定されている最終完成時には、地域コミュニティが生まれ、誰もが自然に集まれる場の形成が生まれるよう、コミュニティづくりが進められています。

 文部科学省では、ヨーロッパに多い、地域に根差している総合型地域スポーツクラブの意義に着目し、モデル事業を平成七年から始めています。ヨーロッパでも、とりわけドイツでは、地域スポーツクラブの法整備もなされ、七名から地域スポーツクラブを法人化でき、非営利・非課税のもとでクラブハウスを有しながら、子供たちから高齢者、初心者からトップアスリートまで、さまざまな年齢、技術、技能の持ち主が活動し、かつトップアスリートたちから指導を受けられる地域型スポーツクラブが、ドイツの各地域に確立されており、地域住民が主体となり、育成から運営まで行われています。ここでは、生涯スポーツを楽しむことができる拠点であるほか、地域住民の社交場になっていることから、おのずと地域コミュニティの基盤づくりがなされています。また、子供たちが多世代の人たちから指導を受け、交流していることにより、心の発達によい効果をもたらす社会教育の場としての役割も持ち、スポーツを通じた非常に意義のあるコミュニティの場となっています。

 私は、以前にも、人口増加中の本区が抱える現在の課題から、将来、現在の転入世代が二十年から三十年後に一斉に同時期に高齢化していく人口動態推計と、その後の自然減、そして生産年齢人口の減少に伴う諸課題について、この問題解決のためには、地域の問題は地域で解決していくために、地域自治力を向上させることが必要になってくると、今後の方向性について質問いたしております。本区からの答えは、みずから率先して地域における課題を解決し、快適な暮らしを実現するというプロアクティブ・コミュニティの形成を通し、地域力の向上に力を入れると方向性を出していただきました。

 今月、企画総務委員会に出された晴海地区の新しい複合施設、また地域コミュニティの核となり得るほっとプラザはるみのリニューアルについて、資料の御説明を受けたとき、全く新しい土地に新しい住民たちが生活を始める。この地域の核となり得る将来に向けての施設として、これまでの開発目標をもとに、新たな拠点となるまちづくりは、従来の同様のまちづくりと、どの点が共通していて、どこが変化していくのであろうかと思いながら比較しておりました。

 御存じのとおり、晴海選手村跡地の住宅は、これから全く新しいまちができるのです。また、晴海地域の特徴として、二丁目と三丁目は、ここ数年、新しい集合住宅が建設されており、まち全体が転入世帯同様、若い地域でもあります。開発後の集合住宅には、本区独自の人口動態推計が示すように、さきにお伝えした三十代から四十代の転入世帯の方々が、今後十年間は増加し、やがて三十年後、四十年後、時の経過に伴い、まちとともに、この方々が一斉に高齢化していきます。今後、独居高齢者の増加も推計から見えているので、地域コミュニティの形成は、従来どおりの方法とは全く異なるイノベーションを図る必要があると感じております。

 今、Fujisawaサスティナブル・スマートタウン、幕張ベイパーク、ヨーロッパの地域型スポーツクラブの三事例を挙げさせていただきましたが、これらのまちが手がけている地域の新しいコミュニティは、まさにこれから全く新しいまちが、新しい人たちを迎え、新しい時代をつくり上げていくことになる晴海地域、とりわけ選手村跡地のコミュニティの形成に大きく寄与してくれるのではないかと期待するところです。とりわけ、ここは板状の建物が並ぶ地域でもあり、ともすれば個々の建物がそれぞれ独立し、マンション内での交流だけでなく、地域間の交流もなかなか図りがたい環境となり、そうなれば、大都市のコミュニティは一層希薄になりやすいと、地域を車で通過するたびに感じております。だからこそ、新しいコミュニティの核となる、誰もが気軽に自然に集まれる拠点をつくる意味は、これから始まるこの地域でのスタートラインにおいて、多世代でスポーツや文化的な交流を図ることができるほか、これから先の地域の未来をみんなでつくり上げていくことができる環境づくりの場にもなり、地域の人たちの社交場として、ここに住む人、働く人が集まることで、多様な地域の声が行政へと届いていくことにも通じ、今後の持続可能な行政運営にとって、SDGsにも明記されているとおり、誰も置き去りにすることのない拠点となり得るのではないでしょうか。このような、誰もが集まれる拠点は、やがて都心に訪れると言われている大規模地震などの共助においても、大きな役割を担えると考えております。

 これまでお話ししてきたように、まちは地域の人たちとともに時を共有していきます。そして、このまちで過ごすライフスタイルも、時代に応じて変化していくことでしょう。これから始まる全く新しいまちとなる晴海地域、そして選手村跡地における地域住民たちの参加によるコミュニティの核となる拠点のあり方について、また、その活動の中で、地域住民の方々の御意見をどのように行政へとつなげていくことができるのか、そのシステム構築について、区のお考えをお示しください。

 次に、環境対策について、持続可能な都心のエネルギー及び環境対策について、そして国が示すZEBを公共建築物に用いる方向性についてお伺いをいたします。

 これまで私は、都心でできるエネルギー施策として、平成二十七年第四回区議会定例会では、都心中央区が講じていく環境負荷の低いエネルギー対策について区のお考えを伺い、港区のスマートグリッドの取り組みや、ほかの自治体、法人での取り組みを紹介しながら、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディングについて質問させていただきました。また、昨年の平成三十年度第二回区議会定例会におきましては、今後の公共施設のあり方と再開発事業のあり方において、国が二○一四年四月にエネルギー基本計画を閣議決定した際、二○二○年までに新築の公共建築物で、また二○三○年までに新築建築物の平均で、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの実現を目指すと政策目標を設定し、環境省、経済産業省、国土交通省で、この実現に向けたロードマップを作成していることから、今後の区の公共建築物についての考え方についてお伺いいたしました。

 昨年は、六月十八日の大阪の地震から始まり、翌七月には岡山、広島を水害が襲い、九月には北海道の地震によって全土が電源を失うようなことになり、地球環境の変化による気象の変化がもたらす、かつてない大規模災害となりました。激甚災害が発生しても、行政の建物がゼロ・エネルギー・ビルディングで建設されているならば、災害時にも電源を喪失することなく、持続可能な行政運営が可能になります。

 そこで、改めて公共建設物のZEB化について見直していたところ、平成三十年五月になされた経済産業省のZEBロードマップフォローアップ委員会の資料がありました。この委員会では、ZEBに加えて、欧州において二○二○年から適用される欧州省エネ建築物指令の実施状況や持続可能な開発目標、SDGs等の国際動向も意識することが求められる、つまりは足並みをそろえていく必要があると書かれています。昨年もお伝えしておりますように、ZEBは、東日本大震災後の業務部門の省エネ対策や、温暖化ガスの削減をパリ協定で約束する際に必要要件にもなっており、地球環境の温暖化が進む昨今、国連の持続可能な開発目標、SDGsでも、ZEBは優先課題に位置づけられていることも、今回の私の質問で再度お伝えしたいところでございます。

 今、企業もESG活動として、気象変動を重く受けとめ、この対応をとることで企業価値を高め、ここに投資を呼び込むことができると回答している上場企業が過半数に達しており、企業としても、環境対策をとることは、CSRとしての責任ということが常識になり始めています。

 環境省が出した二一○○年未来の天気予報では、札幌四十一度、東京、名古屋四十四度、大阪四十三度、沖縄三十九度という予報が出されていますが、一九八五年から二○○五年を基準とした世界の温度変化を予測すると、このまま何も手を打たなければ、二・六度から四・八度の上昇が見込まれ、気温上昇を低く抑えるために対策を講じた場合、○・三から一・七度の上昇に抑えられると伝えられています。二一○○年といえば、ことし誕生した新生児が八十一歳となっているときです。持続可能な環境対策を都心中央区から講じていくことは、今から公共建築物を建設するからこそできることであり、少しでも気温上昇を抑えることに寄与していくことに通じてまいります。今後の持続可能な本区におけるエネルギー及び環境対策について、区のお考えをお知らせください。

 また、国がその普及について、二○三○年までに目標を立て、SDGsの示すネット・ゼロ・エネルギー・ビルディングの工法を、今後新築する本区の公共建築物に対し用いていく方向性について、お考えをお示しください。

 次に、子供たちの教育について、人工知能、AI時代に向かう子供たちの教育についてと、英語教育についてお伺いをいたします。

 今、科学技術の発展により、人工知能の開発が進み、私たちの生活は、これからより豊かになると考えられています。人工知能は、やがて人間の脳を超え、シンギュラリティ、技術的特異点は、二十六年後の二○四五年ごろに到達すると言われております。AIの進化は、今後、産業構造に変革を与え、その結果、人工知能が人々の仕事を代替できるようになり、失業する人たちが大勢出ると言われ始めています。

 本年四月二十二日の日経新聞の見出しには、デジタル貧困五・四億人 人の価値、AIがはじく、また、今月六月二日の同紙には、AI先端人材はアメリカに集中しており、日本国内では人工知能に対する人材育成のおくれが深刻という記事が出され、新聞やニュースの報道により、AIが人類にもたらしていく大きな可能性とともに、想像を超える影響を及ぼしていくのではないかと、人工知能を取り巻く事情は、現在、次第にかまびすしくなってきたと感じております。

 私自身は、人工知能がもたらしてくれる未来の可能性に期待を膨らませつつも、過去の経験という物差しでは、これからの未来がどのように進んでいくのか、はかることが難しいと考えております。過去の物差しでは、時代の急速な変化に対応することが通用しなくなってきているからです。その証拠に、IT最先端の企業、グーグル、アマゾン・ドットコム、フェイスブック、アップル、いわゆるGAFAは、数学オリンピックなどで優秀な成績をおさめた人材を高額で青田買いしていることも報道されており、近未来の変化に柔軟な判断と決断ができる人材がこれからますます必要とされていくことから、ソフトバンクの孫正義会長は、高い志と異能を持って新しい世界を創出していけるリーダーを育み、これまでの延長線ではなく、新しい価値、テクノロジー、刺激に触れる一流の志を持つ人材を発掘するために、孫正義育英財団を立ち上げています。副代表理事は、IPS細胞の山中伸弥教授が務めており、早期の段階から自分の才能を信じ、磨きをかけている環境に身を置くことは、科学技術の分野やさまざまなフィールドで活躍する人材には必要不可欠であると、同財団の人材育成の意義を伝えているホームページで拝見いたしました。

 これからの教育のあり方について、アメリカ人の友人から、IT企業最先端のシリコンバレーに勤務する親たちが子供の教育に何をしていると思うかと尋ねられました。これから人工知能がもたらす変化に対応していくために、人間にしかできないことや、人間らしい感性を伸ばしていく教育が最重要と考え、公立小学校で特別な教育が始められているのだと話してくれました。そこで、私は、GAFAの中のある一社の役員を務めている方に、この教育は何か伺いました。早速、シリコンバレーにいる部下に連絡を入れてくれましたが、その教育がモンテッソーリ教育であることがわかりました。人間らしさ、自然から学ぶことを今のうちに子供たちに伝えておきたいという親の願いが、公立小学校にモンテッソーリ教育の導入を促したことも伝えていただきました。

 私は、改めてAIについて、幾つかの書物を読みました。AIvs.教科書が読めない子どもたちという本の中で、東大合格を目指すロボット、東ロボくんを手がけてきた数学者の著者が、中学生に対して読解力調査を行っています。二○一七年九月時点で、約二万四千人の中学生の基礎読解力をはかるために、係り受け、照応、同義文判定、推論、イメージ同定、具体例同定の六つの指標を設け、調査を実施した結果、ほぼ半数の生徒が教科書の内容をわからず、約一五%の生徒は、そもそも文章そのものが読めていないという衝撃的な結果が出ました。読み解く力は、公教育にかかわるために、この結果を看過できないと思いながらも、私も二問間違えました。

 今、埼玉県戸田市では、小学六年生から中学三年生までの児童・生徒とともに、教員も読解力、RST試験を受験したところ、教員から、日ごろから自分が曖昧に文章を読んでいるかを理解することができた、また、実際にRSTを受けるまで、教科書の文章を読むことが難しいとは思わなかったが、解説を聞いてみると、きちんと読めば正解できたと思う問題ばかりで、ふだんいかにきちんと読んでいないかを痛感したという感想が出され、子供たちの読み解く力の見直しを行った結果、翌年、埼玉県が独自に行う埼玉県学力・学習状況調査で、戸田市の中学校は一位、小学校は二位で、総合一位の結果を生み出すことができたそうです。もちろん、一年だけの結果で効果を見ることはできませんが、読解力の向上は、総体的な学習の向上につながるであろうという光明は見えたと書かれています。

 AIに仕事を代替されない人間とは、意味を理解する能力を備えた人材であり、こうした人材は、GAFAでは取り合いになっているということも、この本の中でも記されています。ソフトウエアを使いこなすことがAI人材ではなく、その中身を、使うべきポイントや弱点を論理的に理解できる、読解力が根底にある人材が、今後、AIにとってかわることのできない職業の一つと言えます。プログラミングには三角関数と微分積分、行列は必要であるのに、文部科学省が高校の指導要領から行列を外していることは、時代の流れと逆行するようで危惧を抱きますが、そもそもAIが決定的に不得意である読解力が日本の子供たちも不得意である以上、AIを超える職業もしくはAIにはできない職業につくこと自体が、現在、日本の公教育で学ぶ子供たちには難しくなっていってしまわないかと危惧しております。

 将来、AIにできない労働、かつ人に求められる労働は、高度で知的な労働であるほか、人間にしかできない感性と英知で新しい産業を生み出せるような柔軟さを持つ人たちだということは、さきの財団や、この著者も同様に考えています。それゆえに、将来のエンジニアたちを育む教育を財団では行い、この本の著者であり、数学者である先生は、子供たちの読解力を伸ばす研究開発と指導を行っています。さきにお話ししたアメリカ人の友人が伝えてくれた、シリコンバレーにある最先端のIT企業に勤務する親たちが、我が子に人間らしい感性を育てる教育環境を用意していることは、人間にしかできない知的な労働こそ、柔軟な感性と英知の中でこそ生まれ、全く新しい産業を生み出していける底力を備えた人材へと成長してほしいという思いと、どこか共通していると思えた次第です。

 そこで、お伺いいたします。

 日本の指導要領でうたわれる主体的で対話的で深い学びの実践の中で、生き抜く力を育てる中、教育立国中央区とうたい、教育に力を注いできた中央区の子供たちの読解力については、どのように分析しているのでしょうか。

 読み解く力など基盤的素養の発達は、十五歳で成長をとめると言われていますが、さきに挙げた六つの読解力をはかる、係り受け、照応、同義文判定、推論、イメージ同定、具体例同定という視点での分析はなさっているのでしょうか。

 今後の読解力を強化していくための方向性も、現段階でわかれば、お伝えください。

 次に、二○二○年、文科省は、教育指導要領を改訂いたしますが、小学校で本格的な英語教育が導入されてきます。本区は、既にパイロット校を初め、全小学校にALTを配置し、英語教育にこれまで力を入れてこられました。しかし、今回の改訂では、来るAI時代に備え、英語でコミュニケーションをとれる人材を育てることを目標にしているとのことですが、週一こま、二こまの授業では、到底コミュニケーションがとれるところまでいくのは難しいと考えております。

 さて、ここにイギリス人の国語の教師が、母国語を英語とする子供たちの識字率が余りにも低く、このため、物を調べることもできない現状をどのように改善したらよいのかと研究を重ねた結果、子供たちに学習負担が低く、自然につづりを覚えていくことができるフォニックスというメソッドを見出しました。現在、イギリスの全小学校で、このメソッドが取り入れられています。

 フォニックスは、英語の四十四音を正しく発音しながら、発音から自然につづりを覚えられるようにつくられていますが、存外、学習発達障害の子供たちにもつづりが覚えられるという効果が出ているため、母国語を英語としない国の子供たちにも効果があると言われています。

 日本語は、母音五音と子音はわずか「ん」の一音で構成されている言語です。六音で会話が成り立つ日本語の音で英語の四十四音をカバーすることは難しく、幼いころの聴覚ならば、これを聞き分け、発音することは容易ながら、成長した後、教わる英語教育の中では、教員の片仮名英語で学ぶために、正しく美しい発音をし、細かい子音を聞き分けることは難しいのが現状です。

 今、小金井市の第三小学校と緑小学校、そして同じ学区の中学校でジョリーフォニックスを連携して導入しています。大阪府守口市にある小中一貫校の小学校でも、英語の専科の先生を中心に、昨年度からジョリーフォニックスの指導を始めているようです。新潟県魚沼市が既に導入を始めており、千葉県松戸市、九州でも、教員研修をジョリーフォニックスで実施し、神戸市からは、ALTに対する研修の可否を検討していると聞いております。

 一こまの授業の中で十分から十五分、一音覚えるだけでも、年間の授業を通せば、四十四音に近づくほどの音を聞き、発音することができるようになります。言葉は、相手のことを知り、自分のことを知ってもらうための道具であり、使いこなすことができれば、地球上のさまざまな国の人たちと会話することも可能です。今回の指導要領の改訂の英語教育について、これから持続可能な英語教育をとり行うためにも、シンセティックフォニックス、ジョリーフォニックスを英語学習の中に導入していくことは、中央区の子供たちの英語教育全体の底上げが可能になるほか、子供たち、学級担任双方にも負担がかからないメソッドだと考えております。

 今後の中央区の英語教育について、どのようにお考えなのでしょうか。

 また、フォニックスのようなメソッドを導入していく方向性についてお知らせください。

 まず、第一回の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 渡部恵子議員の御質問に順次お答えをいたします。

 初めに、晴海地区におけるコミュニティの形成についてであります。

 本区においては、これまで町会・自治会活動等を通じて、顔と顔とが見える人情味あふれるコミュニティが形成されてきました。しかしながら、晴海地区においては短期間で多くの方が転入されることから、新たな地域コミュニティの形成や既存の町会・自治会との連携などについて、現在、晴海連合町会や住宅供給事業者を交え、検討を進めております。また、地域住民が自主的に活動し、プロアクティブ・コミュニティを醸成する場として、ほっとプラザはるみをリニューアルすることといたしました。子供から高齢者まで、あらゆる世代が交流し、活動できる多目的・多機能な新しいコミュニティ施設のあり方について、地域と協議を進めているところであります。地域の声を反映する仕組みにつきましては、晴海四丁目に整備する特別出張所において、コミュニティ連絡相談員の配置を含めた支援体制を構築し、良好なコミュニティの形成に努めてまいります。

 次に、公共建築物の環境対策についてであります。

 都心中央区として、持続可能な社会を実現するため、公共建築物における環境負荷の低減は、重要な取り組みであると認識しております。中央区基本計画二○一八や中央区公共施設等総合管理方針では、省エネルギー化や再生可能エネルギーの利用を図るため、高効率型空調機、LED照明などの設備機器の導入や屋根・外壁の断熱、日射の遮蔽など、さまざまな環境配慮技術の導入を検討し、エネルギー消費量の削減に率先して取り組むことを示しております。本庁舎の整備など、公共建築物においては、地域特性や施設の用途、規模を踏まえ、エネルギー収支ゼロを目指して積極的に取り組んでまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えをいたします。

 初めに、人工知能、AI時代に向かう子供たちの読解力の向上についてであります。

 本区の子供たちの読解力は、全国、東京都、いずれの学力調査においても、全学年で正答率が平均を上回っており、順調に伸ばすことができていると分析しております。御指摘の読解力をはかる六つの視点の分析は行っておりませんが、本区では、読解力とは、第一に、文章やグラフ等から必要な情報を正確に取り出す力、第二に、複数の情報を比較・関連づけて読み取る力、第三に、読み取った内容から根拠を明確にして解決する力と捉え、分析をしております。AIが進化し、思考できる時代を迎えるからこそ、その思考の目的を与えたり、目的のよさ、正しさ、美しさの判断が必要となります。子供たちの読解力の強化は、ますます重要となります。今後とも、国語科だけではなく、全ての教科において授業改善をさらに押し進めるとともに、主体的・対話的で深い学びの実現を図ってまいります。

 次に、英語教育についてであります。

 小学校の新学習指導要領では、聞くこと、読むこと、話すこと、書くことの言語活動を通して、それらになれ親しみ、コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を育むことを目標としております。これを踏まえまして、本区での英語教育は、国際教育パイロット校である常盤小学校での取り組みを初め、全小・中学校にALTを配置し、授業に限らず、日常的にネイティブな発音に親しむことのできる環境を整え、コミュニケーション能力の向上を図ってまいりました。御指摘いただきましたジョリーフォニックスは、子供たちが動作や音声を交えて、発音や文字等について学習できる指導方法の一つとして認識しており、今後、他の自治体の導入状況や成果などを注視してまいりたいと存じます。

 答弁は以上でございます。

〔十一番 渡部恵子議員登壇〕

○十一番(渡部恵子議員)
 区長、教育長、御答弁ありがとうございました。

 ここ中央区は、江戸開府から四百年以上、さまざまな時代の変遷という大きな流れの中で、大火災、大地震、戦争などを経験しながらも、何度も立ち上がり、人々がたくましく商業、産業を発展させてきております。前区長の時代は、バブル経済真っただ中から、人々が中央区を離れていくという大きな課題を抱え、職員の方々と懸命な人口回復に向けての努力を、時に大きく悩みながら、重ねてこられました。その後も、世界経済の動向によって、本社機能が多い中央区も、日本の経済同様、大きな影響を受けながら、人口回復と中央区の発展に尽力されました。そして、今、四百年以上連綿と時代を担ってきた人たちがつくり上げてきた中央区というバトンは、山本泰人区長へ渡されました。

 今回、私は、会派を代表し、新しく就任された山本区長のもとで船出している、これからの中央区行政について、持続可能な行政運営という視点で、時間軸をシンギュラリティに達するところまでとし、今後予想される社会的・産業的な変化の中でどのような運営をするのか、大きく三点質問いたしました。

 まず、中央区民のおよそ九割が集合住宅にお住まいという中で、これまで築いてきたコミュニティが希薄になっていることから、晴海選手村の住宅地に新しくコミュニティの形成が必要と考え、先進的な具体例を挙げさせていただきながら、これから持続できる住民の自治力を促し、高めていけるコミュニティのあり方について、そして、その中で行政がどのようにかかわり、人々の声を聞いていくということができるのか、質問させていただきました。

 御答弁いただきましたように、地域住民の方々ともに、多世代の交流、また多目的・多機能の交流をしながら、これからこの地域の発展を遂げていけるような後押しをしていただきたいと思いますし、住民の方々からいただく貴重な御意見をスムーズに区へと反映していけるような連絡相談員、こうしたシステムをこれから講じていくということでございますが、その効果など、これから私もしっかりと検証して、そしてまた学んでまいりたいと思います。

 次に、持続可能な環境対策について、改めて伺いました。

 一つの事例として、海洋汚染があります。海への投棄によって、プラスチックごみが海の生態系を壊しています。プラスチックごみを食べた魚たちを私たちが食するという、食物連鎖という循環型社会も生まれてきています。CO2による温暖化によって、マーシャル諸島やモルジブがもうすぐ海へと浸食されてしまうことなどから、何らかの社会的な影響や変化は、地球人の行動と全てつながっているというSDGsの考え方を知り、ことし誕生した子供たちが高齢者となる二一○○年に向けて、持続可能な都心中央区の快適な暮らしができるように、世界的な潮流となっているゼロ・エネルギー・ビルディングの工法で公共建築物をつくり、温暖化にブレーキをかけることは、今だからこそできると考え、質問させていただきました。ZEBで公共建築物を建設している行政は、まだ日本にはありません。その先進事例となることによって、中央区に国内外から大勢の視察を呼び込めるような経済効果も考え、質問させていただきました。

 釈迦に説法でありますし、現在も御答弁いただいておりますように、既にLED等々で建物内部のエネルギーが出ないような取り組みをしていただいているのは重々承知しておりますが、もはや開発には環境の視点は不可欠でございます。未来を生きていく人たちのためにも、環境負荷の低い公共建築物を未来へ託していくという視点を持って、今後の開発をお願いいたします。

 子供たちの教育も、持続可能性という視点で質問いたしました。

 今、公教育を受けている子供たちは、完全にAI時代に社会人として活躍する人たちです。どのような社会が未来に待ち受けているのかは不透明であることから、IT最先端のアメリカでは、子供たちの感性を育て、人間にしかできないものを生み出せる力を備えたいという教育が始まっています。モンテッソーリ教育を受けた人たちが社会的な企業を生み出していることも、この教育を受けさせたい親たちが多い理由ではないかと推察しています。アマゾン・ドットコムの創業者、ジェフ・ベゾス、グーグル共同創業者のセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ、ウィキペディアの創設者、ジミー・ウェールズ、そして、アンネの日記のアンネ・フランクもモンテッソーリ教育を受けました。

 一方、日本は、AIが不得意である読解力が子供たちもどうやら不得意であるということから、まずは読み解く力をつけていくことが、どのような時代が来ても、生きる力を備えていくことができるという視点から質問させていただきました。

 今、中央区の子供たちの読解力、調査によりますと、常に東京都平均を上回っているという回答をいただくんですけれども、社会科や理科の問いに、きちんと分析し答えていける読解力をこれからも大切に育んでいただきたいと考えております。

 また、これから文科省が改訂するコミュニケーション能力をつける英語教育の推進も、決められたこま数で確実な効果を上げていく必要があります。公教育を受ける子供たちがやがて社会に出るとき、自分を生かせる職業の選択肢を広げていってほしいと私は強く願っています。そのために、今回、英語を母国語とする子供たちの識字率を上げ、発音から自然にすることができるフォニックスを事例に挙げて、今後、中央区教育委員会が目指す英語教育について質問させていただきました。

 時に不意打ちを食らわすような、突如対応しなくてはならない問題も、これから起きてくるかもしれません。時代がどのように変わっても、持続可能な行財政運営は求められます。区長所信表明に、決して変わらないもの、変えてはならない思いやる心というお言葉がありましたが、その思いやりの心を持って山本区長がバトンを担う間、鋭くも柔軟に持続可能な行財政運営のための決断と執行をお願いし、私の質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明二十一日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十一日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     午後五時四十九分 散会


署名議員
議長 押田 まり子
議員 小栗 智恵子
議員 礒野 忠

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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