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令和元年第三回定例会会議録(第2日 9月20日)

1.会期

二十九日(第二日)

九月二十日(金曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後五時二分散会

3.出席議員

(三十名)

一番 梶谷 優香議員

二番 高橋 まきこ議員

三番 しらす 夏議員

四番 かみや 俊宏議員

五番 太田 太議員

六番 竹内 幸美議員

七番 二瓶 文徳議員

八番 高橋 元気議員

九番 奥村 暁子議員

十番 山本 理恵議員

十一番 渡部 恵子議員

十二番 海老原 崇智議員

十三番 佐藤 あつこ議員

十四番 塚田 秀伸議員

十五番 田中 耕太郎議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 青木 かの議員

十八番 小坂 和輝議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 原田 賢一議員

二十一番 押田 まり子議員

二十二番 富永 一議員

二十三番 木村 克一議員

二十四番 礒野 忠議員

二十五番 瓜生 正高議員

二十六番 中嶋 ひろあき議員

二十七番 墨谷 浩一議員

二十八番 田中 広一議員

二十九番 中島 賢治議員

三十番 渡部 博年議員

4.出席説明員

副区長 齊藤 進君

副区長 吉田 不曇君

教育長 平林 治樹君

企画部長 浅沼 孝一郎君

総務部長 黒川眞君

防災危機管理室長 濱田徹君

区民部長 遠藤 龍雄君

福祉保健部長 田中 智彦君

高齢者施策推進室長 吉田 和子君

保健所長 山本 光昭君

環境土木部長 望月 秀彦君

都市整備部長 松岡 広亮君

会計管理者 坂田 直昭君

教育委員会事務局次長 長嶋 育夫君

監査事務局長 高橋 和義君

政策企画課長 山﨑 健順君

財政課長 大久保 稔君

広報課長 園田 典子君

総務部参事(総務課長事務取扱) 鈴木浩君

5.議会局出席職員

議会局長 伊藤 孝志君

庶務係長 長田 基道君

議事係長 一瀬 知之君

調査係長 工藤 久栄君

書記 秋山 和美君

6.議事日程

日程第一
 一般質問


     午後二時 開議

○議長(押田まり子議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(押田まり子議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 十六番堀田弥生議員。

〔十六番 堀田弥生議員登壇〕

○十六番(堀田弥生議員)
 中央区議会公明党の堀田弥生でございます。私は、令和元年第三回中央区議会定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、通告書に従い質問をさせていただきます。関係理事者の皆様におかれましては、どうか区民の立場に立たれ、わかりやすく建設的な御答弁をお願い申し上げます。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 まず初めに、教育の問題についてお伺いいたします。

 中央区は、平成十一年四月、全国初となる教育環境に関する基本条例を策定するなど、教育の中央区を標榜し、さまざまな施策を推進してこられました。

 平成十八年十二月には新たな教育基本法が制定され、教育振興基本計画の策定が地方公共団体の努力義務とされたことを受け、三年余り後の平成二十二年三月に中央区教育振興基本計画を策定されました。この計画期間は、平成二十二年度から三十一年度の十年間。毎年度、この計画における施策の進行管理のため、教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果に関する報告書を作成し、公表されてきました。

 計画期間の中間に当たる平成二十七年には、前期五年間における施策の進捗状況を検証し、後期五年間における施策の着実な前進を図るため、中央区教育振興基本計画を改訂されました。前期五年の計画中に中央区基本計画二○一三の策定や東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会の招致が決定したこともあり、計画の改訂に当たっては、これらを反映されています。そして、本年、計画の最終年度を迎え、第二期の計画策定に向け、現在、検討を進めておられると伺っております。改訂後の後期五年の期間中には、中央区基本構想、中央区基本計画二○一八の策定がなされ、新たな十年後の姿が描かれました。また、本年二月には中央区立学校における働き方改革推進プランも策定されており、第二期の計画策定に当たっては、これらの内容も反映させていかれるものと思っております。

 子供たちを取り巻く環境は常に変化しており、課題も多様性に富んだものであると思います。だからこそ、第二期中央区教育振興基本計画において、これから区が目指す教育の方向性や、その実現に向けた施策をどう設定するのかは大変重要であります。

 そこで、お尋ねいたします。

 まず、中央区教育振興基本計画の計画期間満了を迎えるに当たり、十年間の取り組みに対する評価をお聞かせください。

 また、第二期中央区教育振興基本計画の策定に当たり、どのようなことを課題とし、どのような方向性で検討をなさっているのでしょうか、お知らせください。

 教員の資質の重要性について、改訂中央区教育振興基本計画には、次のようにうたわれています。学校教育において、子どもの最大の教育環境といえるのは教員であり、子どもたち一人ひとりの性格や能力に応じてその可能性を伸ばしていくことが教員の使命ですと。私も全く同感です。その教員が使命感を持って生き生きと子供たちと触れ合い、子供たちの人格形成に大きな影響を与えていけるならば、教育の目的の重要な部分を達成したと言っても過言ではないかもしれません。

 改訂中央区教育振興基本計画と中央区基本計画二○一八とを比べておりますと、本区における教員の資質・能力の向上に向けた取り組みの位置づけが大きく変わったように思います。前者では、教員の資質・能力の向上は、子供に質の高い教育を展開するための施策とは分けて、別の位置づけであったように思います。しかし、後者では、まさに質の高い教育の展開という施策の中に、教員の資質・能力の向上が位置づけられているのです。つまり、質の高い教育を展開するためには、子供たちにとって最大の教育環境である教員の資質・能力の向上こそが大変重要なのだという視点を明確化させたのだと受けとめております。

 教員の資質・能力の向上の施策として、本区では、これまでも教育センターにおける研修やメンターティーチャー制度の導入など、区独自の取り組みを行ってこられたことは承知しております。加えて、今後、ますます国際化や情報化などに対応するための具体的・実践的な研修などの必要性が高まっていくと思います。例えば、現在進めている取り組みである常盤小学校で構築された英語指導の各校における展開や、今後進めていくICT化の推進など、実際の授業で不安なく進めていくためには、具体的な能力・知識が求められます。そして、そのための充実した実務研修が必要だと思うのです。

 そこで、お尋ねいたします。

 教員の資質・能力の向上に向けた本区の取り組みについて、その現状、また課題と思っておられることをお聞かせください。

 また、教員の皆さんが自信を持って授業を行い、子供たちに接することができるよう、実務研修をさらに充実していくべきだと思いますが、お考えをお聞かせください。

 あわせて、英語教育とICT化の推進という本区の重要教育施策についての計画の進捗状況もお知らせください。

 次に、教員の働き方改革という観点からお伺いいたします。

 教員の勤務時間超過が常態化している中、事務負担の軽減や役割分担の見直しなどを行い、心身ともに健康な状態で子供たちと向き合えるようにすることが大切です。それが、ひいては子供たちに質の高い教育を実践できるベースになるからです。さきの質問で教員研修の充実をお訴えしましたが、そのためにも、教員がより効率的に、無駄なく時間を使えるような取り組みが望まれます。

 本年二月、中央区立学校における働き方改革推進プランを策定されたのも、その目的のためであると認識しております。本区では、それ以前からも、公務システムの導入や部活動の外部講師採用等の教員の負担軽減に取り組んでこられたと評価しておりますが、それでも、教員の大きな負担として、例えば給食費の徴収・管理業務が残っておりました。

 この給食費の徴収・管理業務は、本区だけの問題ではないため、教員の働き方改革の一環として、文部科学省は、本年七月三十一日、給食費の公会計化を導入するよう求める通知を発令しました。これは、本年一月、中央教育審議会の新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策についての答申において、学校給食費や教材費、修学旅行費等の学校徴収金については、先進的な地方公共団体の取組を踏まえれば、未納金の督促等も含めたその徴収・管理について、基本的には学校・教師の本来的な業務ではなく、学校以外が担うべき業務であり、地方公共団体が担っていくべきであるとされたことから、検討されていたものです。その結果、特に学校給食費については、地方公共団体における学校給食費の公会計化を促進し、保護者からの学校給食費の徴収・管理業務を地方公共団体が自らの業務として行うことにより、公立学校における学校給食費の徴収・管理に係る教員の業務負担を軽減できるとしたのです。同時に、具体的に進めるための指針、ガイドラインも作成しています。

 この通知を知り、本区の現状を調べてみました。すると、実は、本区においては、この給食費の徴収・管理業務に係る教員の負担を軽減させるため、本年四月から、独自に給食費徴収業務等補助員を配置されていることを知りました。教員の負担軽減として、今学期から、夜間・休日等に留守番電話の設定を開始されたことは承知しておりましたが、給食費の徴収・管理業務についても、国から指針が出るのを待つのではなく、区独自で新たに制度を開始されたということは、教員を大切にされる本区の姿勢のあらわれであり、高く評価したいと思います。

 この給食費の徴収・管理業務について、補助員による成果を期待しておりますが、一方で、七月末に公会計化の指針が出されたことを受けて、本区としては、今後どのように対応なさるのでしょうか。本区では、近年、税金等の徴収業務の強化により、収納率の向上が図られていると認識しております。給食費を公会計に組み込むことで教員の負担がなくなり、かつ収納率の向上が期待できると思います。

 そこで、お尋ねします。

 まず、教員の働き方改革に向けた、これまでの取り組みについて、現状及び課題と思われていることをお聞かせください。

 また、給食費の徴収・管理業務に係る教員の負担軽減のため、今年度から始まった給食費徴収業務等補助員制度について、現状及び課題と思われていることをお聞かせください。

 最後に、教員の働き方改革の一環としての学校給食費等の徴収に関する公会計化等の推進について、区の御見解をお聞かせください。

 我が中央区は、教育の中央区を標榜し、長年、教育に力を注いでこられました。特に、学校教育分野では、外観や機能的にもすばらしい校舎や人員体制など、子供たちを取り巻く教育環境の充実、また常盤小学校などパイロット校における先進的な取り組みなど、世間から注目を集めることもたびたびあったかと思います。

 本区は、この二十年余り、毎年、人口が増加し、お子さんの数も飛躍的にふえてきました。その大半は、転入してきた若い御夫婦が区内でお子さんを産み、保育園や幼稚園を経て、そのまま小学校へ入学するというケースです。保護者の方も、お子さんを産んでからずっと中央区に住んでおられ、中央区の学習環境しか御存じありません。ところが、ここ数年、少し変化が見られるようになってきました。既に小学校に上がっているお子さんのいる世帯が転入し、小学校等へ転校してこられるというケースがふえてきているのです。いわゆる転校生です。このケースでは、保護者の方は、転入前の自治体での学習環境を御存じで、本区における環境と比較するという事態が起きてまいります。

 私は、この夏、地域のお祭りでお会いした、ある小学校のPTA役員の方から、こんなお話を伺いました。よその区から転入してきた児童の保護者から、中央区は昭和ですね、今どきICT化がなされていないなんて信じられないと言われた、どうなっているのですかと言うのです。そのPTA役員の方が調べたところ、転入前の自治体では、確かに、全ての小学校でICT化が既に完了していたそうです。私は、その場で、中央区でも全ての小学校のICT化を計画して準備を進めています、もう少しお待ちくださいとお答えしました。それを聞いて、そうですかと納得してくださいましたが、引き続き、次の話をなさいました。常盤小学校では英語に特化した教育をしているが、常盤小学校だけでしかその教育を受けられないというのは、いかがなものかと。私は、また、常盤小学校で現在行っているのはパイロット校としての取り組みであり、そこで構築したノウハウを区内全ての小学校へ展開していくことを計画していますとお答えしました。すると、またすぐに納得してはくださいましたが、このときのやりとりを通して、対話の大切さを痛感するとともに、本区の教育施策や計画が、保護者、それも長年PTA役員をしておられる方にさえも知られていないという事実に衝撃を受けました。

 私たち区議会議員が区民の方から、教育に限らず、行政の施策について尋ねられたとき、中央区はこうですよとお答えするのは、区民の方から選ばれた立場として当然のことだと思っております。ただ、それとは別で、当事者である保護者の方々へ区の目指すべきところ、施策の内容を知らせる継続的な工夫・努力は必要だと思います。本区には、せっかくすばらしい本区独自の教育振興基本計画や特色ある施策があるのです。これまでも、さまざまな機会を通じて、本区の学校教育について広報してこられたとは思いますが、今後も転入生がふえてくるであろうことを考えると、保護者の皆様へのさらなる周知が必要だと思いました。

 そこで、お尋ねいたします。

 転入者が増加している中、教育の中央区として、本区の学校教育における計画や特色ある施策を保護者の皆様へしっかりとお知らせする必要があると思います。御見解をお聞かせください。

 次に、台風対策についてお伺いいたします。

 今月八日夜から九日未明にかけて関東を直撃した台風十五号は、神奈川、東京、千葉と各地に大きな爪跡を残しました。まずは、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 今回の台風の中心付近の最大風速は四十五メートル、最大瞬間風速は六十メートルという非常に強い勢力となりました。我が中央区でも、風速二十五メートル以上の暴風が吹き、街路樹や公園の中の樹木が倒れるなどの被害が出ましたが、迅速に処理に当たってくださった担当職員の皆様のおかげで、二次被害などはございませんでした。一般的に、台風の進行方向の右側の地域において風の影響が強くなると言われておりますが、地図上で進路を確認しますと、現在もまだ多くの世帯で停電中の千葉県は、まさに進路の右側に当たっているのがわかります。もしも、あともう少し進路が西にそれていたならば、私たちの地域が大きな被害を受けていたかもしれません。今回の被害で大問題になっているのは、多世帯での長引く停電です。これは、山間部で多くの倒木が発生し、電柱が倒れたり、電線が切れたり、また道路を塞ぐなどの状況にあって、復旧工事が進まないからです。そういう意味では、千葉県と本区とでは、地勢が明らかに異なります。

 しかし、本区と同じような平野部の湾岸都心部が大型台風の直撃を受け、甚大な被害を出したことがありました。昨年九月四日、大阪に上陸した台風二十一号です。最大風速は四十七・四メートル、最大瞬間風速は五十八・一メートル。通過したのが日中の時間帯でしたので、多くの方が室内から外の様子を撮影し、ニュース等でその動画が紹介されました。数十台もの自動車がひっくり返り、駐輪場のトタン屋根がめくれて飛んでいき、大きな看板のようなものが宙を舞う。また、関西空港の連絡橋にタンカーが衝突してめり込むなど、いずれも、にわかには信じられないような映像でしたので、御記憶の方もいらっしゃると思います。停電は、大阪市内で最大約二十五万件、屋根瓦や壁の落下、窓ガラスの破損など、住宅の被害は約六千八百八十件にも及び、最後の停電が解消されたのは、実に二週間以上後のことでした。この台風は、このとき今世紀最強と言われましたが、今回の十五号は、これとほぼ同じ規模です。

 今世紀最強クラスの台風が毎年のように発生する、また、その被害が甚大である、さらには、進路次第では都心部への直撃も起こり得るという事実に鑑みると、私たちは、大型台風への対策、風害に対する認識を見直すべきときを迎えているのではないでしょうか。

 そこで、お尋ねいたします。

 今月九日未明に本区を通過した台風十五号により、区内にも多くの倒木等の被害が出ましたが、本区はどのように対応なさったのでしょうか。また、他の地域の対応も含め、課題と感じられたことも、あわせてお知らせください。

 最後に、台風が大型化していること、それによってもたらされる被害が激甚化していること、また、都心部に住む私たちも決して例外ではいられないことなどに鑑みて、今後の大型台風に対する認識を見直すべきだと考えますが、区の御見解をお聞かせください。

 昨年の台風二十一号による被害を受けた大阪市では、地域によって被害の規模が異なるため、地域の特性に応じた、きめ細かな対応が求められたそうです。例えば、住之江区は、埋立地を活用した緑豊かな住環境を有するニュータウンに高層マンションや物流倉庫が建ち並ぶエリアと、戦前から焼け残っている戸建て住宅が密集するエリアとが区内に混在していて、本区と丸々似た地域特性を持っている区です。

 今回、私は、大阪市住之江区選出の公明党議員に当時の様子をお聞きしてみました。高層マンションエリアでの被害は、ベランダに設置されている隣室との仕切り板が軒並み吹き飛んでいったことだそうです。有事の際は仕切り板を蹴破ることになっていますが、なかなか簡単に破れるものではありません。その仕切り板が風で全て飛ばされているのですから、当然、ベランダに置いてあったものも同様に飛んでいっていると思います。また、停電については、電線の共同溝が整備されているため、ほとんど被害がなかったか、もしくは一日程度で復旧したそうです。そして、戸建てエリアでは、やはり屋根瓦が飛んでいった家が多数あり、区役所で備蓄していたブルーシートを配布したそうです。それも在庫が底をつくと、今度はホームセンターで並ぶも、品切れとなったといいます。

 本区でも、湾岸部に新しいマンションが建ち並ぶ地域と、新しいマンションもあるけれども、老朽化したマンションも多く、戸建て住宅も多い地域とがあり、地域特性が異なります。災害への備えは、まずは自助が第一義であることは明白です。ただ、それに当たっては、住む地域の特性に応じた取り組みが望まれます。また、防災対策へのこれまでの視点は地震が主流だったと認識しておりますが、今後は、そこへ大型台風、風害という視点を加えるべきだと思います。

 そこで、お尋ねいたします。

 大型台風がふえ、風害が大きくなっていく中で、自助の取り組みとして、本区の地域性を考慮したハンドブックなどを作成していただくなど、今後御検討いただきたいと思いますが、区の御見解をお聞かせください。

 次に、動物愛護の取り組みについてお伺いいたします。

 今、国内では、空前のペットブームと言われており、本区においても、犬や猫などのペットを飼育している区民がふえてきています。ペットの飼育が可能なマンションもふえてきており、そこに住む方は、経済的にも、また精神的にも余裕のある状態で飼っておられる方が多いように感じます。そのような、いわばゆとりある生活の中でペットを飼っている方々とお話をする中で、よくいただく御意見・御要望が、殺処分ゼロの実現です。また、猫の譲渡会についても、もっと大々的にやってほしいとの御意見をいただきました。

 六年前、動物愛護管理法が一部改正施行され、飼い主や動物取り扱い業者に対して、最後まで動物の面倒を見る終生飼養の努力義務が課されました。それを受け、多くの自治体が、目標として殺処分ゼロを掲げ、取り組んでいます。本区においても、殺処分ゼロに向け、パンフレットやDVDを作成したり、また譲渡会を開催するなどの取り組みを進めてこられました。また、猫の殺処分ゼロのために非常に重要な取り組みが、繁殖を抑えるための去勢・不妊手術ですが、本区では、飼い主のいない猫を対象に、その費用の助成事業を長年実施してこられました。これは大変大きな効果があったようで、手術を必要とする飼い主のいない猫の数が減ってきており、中央区行政評価を見ても、手術助成の実績数が年々少なくなっていることがわかります。

 東京都では、昨年度、犬猫ともに殺処分ゼロを達成したとの報道もなされ、各自治体によるこれらの取り組みが成果を上げているようです。しかし、特に猫については、手術を受けていない場合、すぐに繁殖してしまうため、殺処分ゼロを達成した後も継続していく必要があります。

 加えて、近年、本区内でも問題が顕在化してきたのが、飼い主の環境の変化により飼育できなくなる猫への対応です。飼い主の方の環境が変化することで、その後の飼育ができなくなった場合、かつ猫に手術を受けさせていなかった場合、困った問題が生じるのです。例えば、住んでいた家が再開発計画の地域に入り、転居しなければならなくなり、もう飼えなくなるというケース。また、飼い主が病院や介護施設に入ることになったり、おひとり暮らしの御高齢者がお亡くなりになったといったケースです。このような飼い主がいる猫については、手術を受けさせることは飼い主の義務であるため、現行の手術費用助成制度の対象外となっています。しかし、飼い主に経済的ゆとりがない場合、また、セルフネグレクト状態にある方の場合、手術を受けさせていないことが多いのです。手術を受けていない猫は、なかなか引き取り手が見つかりません。引き取り手がいない場合、通常は東京都の動物愛護相談センターに送られ、殺処分されてしまいます。それを防ぐために、本区では、中央区動物との共生推進員の方たちが一旦引き取って手術とワクチンを受けさせ、餌も与えながら、譲渡会で里親が見つかるまで個人の保護シェルターで預かるという活動をなさっています。

 実は、この費用は推進員の方たちの負担です。飼い主の環境の変化により飼育できなくなる猫は、区内にまだ多く潜在していると思われます。殺処分ゼロの取り組みは、従来の飼い主のいない猫のみではなく、今後は飼い主の環境の変化により飼育できなくなる猫も対象に含めるべきであると考えます。また、この譲渡会も、推進員の方たちが中心となって開催していますが、余り広く区民の皆さんに知られていないようで、発信力を強めたいが、人材がいないというのが悩みのようです。現状では、殺処分ゼロへの取り組みは推進員の方たちに全て委ねていると言えます。

 そこで、お尋ねいたします。

 まずは、これまでの殺処分ゼロに向けた本区の取り組みに対する評価、御認識をお聞かせください。

 また、区の殺処分ゼロのための取り組みは、飼い主の環境の変化により飼育できなくなる猫も対象に含めるべきだと考えますが、区の御見解をお聞かせください。

 また、今後は、殺処分ゼロの活動に対し、さらなる支援が必要ではないかと考えますが、区の御見解をお聞かせください。

 現行では、飼い主の環境の変化により飼育できなくなる猫、つまり飼い猫は手術費用助成制度の対象外であるため、引き取っている推進員の方たちに費用負担が発生しています。しかし、区内のこれらの猫は、潜在的にまだまだいると思われ、今後もこのまま推進員の方たちの負担が増大し続けるならば、いつか限界が来るのではないかと危惧しております。飼育できなくなる猫も含めた殺処分ゼロの活動を行うには、相応の財源が必要です。実は、冒頭で御紹介した、経済的にも、精神的にもゆとりのある飼い主の方たちからは、ペット税をつくってでもいいから殺処分をなくしてほしい、そのためにお金は惜しまない、ペット仲間でよくそのように話し合っているとも言われました。ペットを家族のように大切に思っている、かわいがっている方たちの、切実にして、偽らざる気持ちだと思います。今後は、このような方たちの思いも糾合し、財源に充てていけるような制度があればよいのではと考えます。

 そこで、お尋ねいたします。

 飼い主の環境の変化により飼育できなくなる猫も含めた殺処分ゼロのための活動を財政面で支援できる制度について、区の御見解をお聞かせください。

 次に、動物愛護活動との協働による高齢者見守り事業等の強化についてお尋ねいたします。

 猫は、室内で飼うことができ、手がかからないという理由からか、例えばひとり暮らしの高齢者や、何らかの事情で精神的に不安定な状態にいる方が、寂しさを紛らわせるため、飼育しているという場合があります。寂しい思いをしている御高齢者が動物と触れ合うことで、寂しい思いが癒やされる、気持ちが豊かになるということは間違いなく、医学的にも血圧や心拍数の低下が証明されているようです。

 区内のあるおひとり暮らしの高齢者の方は、生活保護を受けるなど経済的に困窮していらっしゃり、飼い猫に手術を受けさせていませんでした。地域のおとしより相談センターの職員もかかわってくださっていて、体調が悪化したときに職員が検査入院を勧めたそうですが、猫の世話があるからと言って断っておられたのだそうです。病気が原因だったのかはわかりませんが、その後、お亡くなりになり、残された猫は中央区動物との共生推進員が引き取り、手術とワクチン接種の費用を負担し、シェルターで保護したそうです。この共生推進員の方は、このようにおっしゃっていました。検査入院が必要にもかかわらず、猫のためにちゅうちょしておられる、その情報を早く教えていただいていれば、シェルターのケージをやりくりして、入院されている期間、預かることができたと思うと。猫が気がかりで、体調が悪くても入院を拒んでおられたのだとすれば、その気がかりを解消することで、飼い主の御高齢者の方が安心して入院し、病気を治すことができたかもしれません。

 おひとり暮らしの御高齢者が多いことは、本区の高齢者対策において、重要な課題として認識されていると承知しております。そのうち何パーセントかの人が、寂しさを紛らわせるため、猫を飼っていらっしゃるとすれば、その猫を通じて会話が弾むことで、見守りの大きな役割を果たすと思われます。実際、これまでにも、この共生推進員の方は、ケアマネジャーやヘルパーからの御連絡を受け、御高齢者宅に同行したことがあるそうですが、猫を通じて親しくなり、介護の領域からはできないようなアドバイスもできたとのことでした。

 本区においては、おひとり暮らしの御高齢者に対し、おとしより相談センターや地域の方による見守りを充実させるべく、鋭意取り組んでおられることは承知しております。その取り組みは、今後もしっかりと着実に進めていただきたいと思っておりますが、そこにペットを介在させての動物愛護活動との協働という新たな側面からの見守りも始めてはいかがでしょうか。もちろん、個人情報の関係がございますので、当人の承認を得た場合に限られるとは思います。

 そこで、お尋ねいたします。

 まず、本区のおひとり暮らし御高齢者の現状に対する区の御認識をお聞かせください。

 あわせて、現在の見守り事業に対する御認識をお聞かせください。

 また、介護関係者や地域による見守り事業に加え、動物愛護活動との協働という側面を加えることで、見守りを強化できるのではと考えますが、区の御見解をお聞かせください。

 最後に、東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会への取り組みについてお伺いいたします。

 世界最大のスポーツと文化の祭典である東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会まで一年を切りました。史上最大規模となる見通しで、選手とコーチ、スタッフ合わせ、二万九千四百人余りになるといいます。晴海地域に選手村を抱える本区は、選手や関係者の人員輸送にかかわる交通問題等、懸案事項が山積していますが、それでも、区立総合スポーツセンターの一部エリアが東京二○二○オリンピック競技大会のスリー・バイ・スリー・バスケットボールの公式練習会場に決定したり、また、先日はマラソンのオリンピック日本代表選手の選考を兼ねたレースが行われるなど、日に日にオリンピックに向けた機運が高まってきているように感じます。

 オリンピック・パラリンピックという絶好の機会に向けた機運醸成のいろいろなイベントも全国各地で行われており、本区でも気運醸成事業の募集が始まっています。また、オリンピックは平和の祭典とも言われます。世界中から集まった選手やスタッフが、大会期間中、食事などの機会を通じて同じ空間で同じ時間を過ごすことになる選手村を擁する本区としては、区民及び来街者に向け、平和のメッセージを発信する、またとない機会とも言えます。その思いを込めた折り鶴ウェーブ、中央区おもてなしプロジェクトも始動いたしました。平和への思いを折り鶴に込める、このプロジェクトが大きなウエーブとなっていくことを期待しております。

 また、オリンピックで多くの国民が注目するイベントの一つが、聖火リレーではないでしょうか。聖火ランナーの募集はもう締め切られましたが、応募した方は、決定通知を楽しみに待っておられることと思います。このオリンピック聖火リレーの実施日と順番が、せんだって発表されました。それによりますと、東京都内では、十二日目となる七月二十一日火曜日、三つの近隣区を経て、最後に中央区内に回ってくるようです。そして一日の最後となる中央区では、聖火ランナーの到着時に聖火到着を祝うセレブレーションというイベントが開催され、その会場として、中央区立浜町公園が選ばれたのです。大会のホームページには、セレブレーション会場では、さまざまなステージプログラムの披露や、聖火リレーパートナーの展示ブースを設けるなどとあります。このセレブレーション会場における取り組み次第で、区民の皆様にさらにオリンピックを身近に感じていただけるようになるのではないでしょうか。

 私のイメージとしては、周辺一帯は五輪のフラッグで埋め尽くされ、その日は一日中、グラウンドとスポーツセンターで区民による幾つもの競技を行い、夕方、最終ランナーがグラウンドに入ってくるのを多くの区民が待ち受けるという、いわば浜町グラウンドがマラソンのゴールである新国立競技場のようになるといいなと思っております。また、そこには既に走り終えたランナーの皆さんや、ボランティアをしてくださる方たちも、あわせて中央区民の関係者が一堂に会せるとよいのではないかと。まさに、本大会の聖火リレーの理念である、走る人だけではなく、みんなが参加できる聖火リレーになると思います。

 ともあれ、この機に、ぜひとも多くの区民にとって一生の思い出となるような、記憶に残るイベントとしていただきたいと期待しております。

 そこで、お尋ねいたします。

 中央区立浜町公園で開催される聖火リレーのセレブレーション会場でのイベントについて、どのような思いで取り組み、どのような内容としていこうとお考えなのでしょうか。本区における気運醸成事業の現状も、あわせてお聞かせください。

 以上で私の一回目の質問を終わります。

〔副区長 齊藤 進君登壇〕

○副区長(齊藤 進君)
 堀田弥生議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、台風対策についてであります。

 今回の台風十五号への対応として、まず、九月六日午後三時現在の気象情報をもとに、八日の夕方から、職員十二名による情報収集及び水防態勢をしきました。その後、台風の進路予想や勢力が変化したことを受け、八日の午後十時以降に五名増員するとともに、造園業者等への応援要請を行いました。こうした態勢のもと、九日の未明から区内の巡回パトロール及び倒木の撤去作業等を行い、早朝からは区内の被害状況を速やかに把握し、危険箇所や区民生活に影響を及ぼすものを優先しながら、順次その対応に当たりました。今回の台風を受けての課題としては、電気や上下水道などライフラインの供給及び被害状況等の情報収集を迅速に行うこと、あわせて防災関係機関と連携して的確な初動対応を行うことが重要と受けとめております。その上で、今後の大型台風への対策といたしましては、初期の情報収集、水防態勢の構築はもとより、変化する台風情報に細心の注意を払いながら、職員配備を強化するなど、柔軟かつ的確な危機管理態勢を整えていくことが重要であると認識しております。さらに、今回、区と警察、消防各署の職員が緊密な連携により現場対応を行ったことから、今後とも継続して防災関係機関との連携強化に取り組んでまいります。

 次に、地域性を考慮した自助の取り組みについてであります。

 今回の台風十五号のような強い暴風雨を伴う台風は、広告物等の看板や木造家屋の瓦屋根、トタン等の外壁などの被害にとどまらず、二次的な人的被害も想定しなければなりません。そのため、自助の取り組みとして、日ごろからの建物全体の確認・点検が何よりも重要な備えとなります。また、浸水・冠水対策として、台風の接近前に、自宅前の道路の側溝や雨水ますを清掃しておくことも大切な取り組みであります。本区は、戸建て住宅やマンション、事務所ビルなど、多様な建物が混在している市街地であることから、建物の構造や用途に着目した自助の取り組みを強化していくことが重要であると考えております。こうしたことから、現在作成しているパンフレット、わが家わがまちの地震防災や啓発チラシ等について、今後、台風や風害、それに伴う建物点検等の視点を加えながら、内容の充実を図り、より一層の防災意識の普及・啓発に取り組んでまいります。

 次に、動物愛護でございます。

 殺処分ゼロへの取り組みにつきましては、平成十七年度に動物との共生推進員制度を発足し、区民ボランティアとの連携のもと、不妊・去勢手術代や負傷猫の治療代の助成など、施策の拡充を図り、飼い主のいない猫の減少に努めており、着実に前進していると認識しております。現在、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術代は、区が負担することとしております。今後は、飼い主が飼育できなくなる可能性の高い猫についても、対象範囲などの課題はございますが、他区の状況などを参考にしながら、対象に加えることを検討してまいります。活動へのさらなる支援につきましては、定期的に開催している共生推進員との連絡会などの場を活用し、意見を伺いながら、里親を募る譲渡会の広報の強化を初め、充実に努めてまいります。活動のための財源確保につきましては、動物愛護活動を行っている団体を応援していただくために、団体の窓口を紹介するとともに、ふるさと中央区応援寄附の活用も周知してまいります。

 次に、動物愛護活動との協働による高齢者見守り事業等の強化についてであります。

 本区は、ひとり暮らし高齢者の割合が高く、会話の機会が少ない方や、周りに頼れる人がいない方が多いことから、社会的孤立に陥らないための働きかけが大変重要であると認識しております。そのため、区では、民生・児童委員を初め、町会・自治会等の見守り活動団体や、宅配等の協定締結業者などによる見守りネットワークを構築して、高齢者が地域で安心して暮らせるように取り組んでいるところであります。また、最近、ペットと暮らす高齢者がふえておりますが、飼い主自身の健康上の理由等により、ペットの世話を続けることが困難になった場合に備え、あらかじめ共生推進員等から助言を受けることは、新たな見守りの担い手の確保につながります。こうしたことから、今後は、引き続き地域団体等による見守りを充実していくとともに、共生推進員とおとしより相談センターやケアマネジャー等による意見交換会を開催するなど、ペットを介した見守り支援について取り組んでまいります。

 次に、東京二○二○大会聖火リレーのセレブレーションについてであります。

 本区のスポーツ拠点でもある浜町公園がセレブレーション会場として選ばれたことは、大変光栄なことであり、区としても、この機会を捉え、区民全体の参加意識をさらに盛り上げてまいりたいと存じます。セレブレーションは東京都聖火リレー実行委員会や組織委員会の主催となりますが、今後、区民の参加機会を設けるなど、具体的な内容について協議を進め、多くの区民の方々に見に来ていただき、感動を共有していただけるよう進めてまいりたいと考えております。昨年七月から実施した気運醸成事業補助につきましては、町会や地域スポーツクラブ、PTA連合会など、これまで五件の活動に支援を行っており、現在も各地域から事業実施に向けた相談をいただいているところであります。区といたしましては、世界中から訪れる多くの方々をおもてなしの心でお迎えする取り組みなど、引き続きさまざまな区民参加の機会を創出してまいります。

 私からの答弁は以上でございます。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 初めに、教育振興基本計画に対する評価及び第二期の計画についてであります。

 平成二十七年に改訂しました教育振興基本計画において、主要事業の八十七事業のうち、八十五事業は既に実施済みであり、教育目標の実現に向け、着実に成果を上げてきたものと認識をしてございます。第二計画の策定に当たりましては、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善等新学習指導要領の円滑な実施、ICT機器の整備・活用、学校における働き方改革の推進といった新たな課題に加え、従前から取り組んでおります、いじめや不登校等への対策、個々の教育的ニーズに応じた支援の充実等も重要であると考えております。これらを踏まえ、現在、学識経験者等から構成される委員会を設置し、今後十年間を見据え、取り組むべき施策とその方向性について検討をいただいているところでございます。

 次に、教員の資質・能力の向上のためのさらなる取り組みについてであります。

 本区は、学習指導力、生活指導力、学校運営力、教育課題に対する対応力等、多岐にわたった研修を計画・実施しているほか、各校においても授業の相互参観や校内研修など、教育の資質・能力向上を図っております。今後、さらなる取り組みとして、特に学習指導力の向上のために、専門性の高い講師の活用や研修形態の工夫等に取り組み、より実践的な研修の充実に努めてまいります。英語教育につきましては、外国語の教科化や新しく教科書の使用が始まることを受け、既に小学校の全教員を対象とした英語の実技研修等を実施しております。また、ICTの推進につきましては、阪本小学校を中心とした研究校の実践成果をもとに、ICT機器を活用した授業力向上に取り組んでいるところであります。

 次に、教員の働き方改革に向けた取り組みの現状と課題についてであります。

 現在、教育委員会では、中央区立学校における働き方改革推進プランを定め、在校時間の適切な把握と改善に向けた行動、教員業務の見直しと業務改善など、五つの取り組み方針に基づき、不要不急の問い合わせを防止する留守番電話の設置のほか、給食費徴収業務等補助員の配置など、教員の長時間勤務の縮減を図る取り組みを推進しております。課題といたしましては、学校における教員の専門性が求められる業務のさらなる精選を行うとともに、学校以外が担うべき業務について、外部人材による人的サポート体制や環境整備などの充実が必要であると認識しております。

 次に、給食費徴収業務等補助員の現状等についてであります。

 本年四月から補助員を配置し、給食費滞納に対する督促等を行っており、教員の負担感が大幅に軽減されたという報告を受けております。また、給食費の収納率につきましては、現在、ほぼ一○○%に近い状況となっております。こうしたことから、補助員の配置により成果が上がっておりますので、給食費の公会計化につきましては、今後、他自治体の動向等を踏まえながら、費用対効果も含め、検討してまいります。

 次に、教育施策のさらなる周知についてであります。

 教育行政に関する施策の内容や区立学校の現状のほか、教育委員会の考え方や指針について、区民の皆様や保護者の方々に周知し、理解を得ることは、教育行政を推進していく上で重要と認識してございます。現在、教育委員会では、各学校のホームページによる情報発信に加え、教育広報誌かがやきを年六回発行しているほか、学校だよりにより保護者、地域、関係団体に対して教育情報を提供しております。今後とも、ホームページや広報紙にわかりやすく施策を説明するなどの工夫を加えるほか、本区PTA連合会の会合等における周知など、あらゆる機会を通じて、情報発信の充実・強化に取り組んでまいります。

 答弁は以上であります。

〔十六番 堀田弥生議員登壇〕

○十六番(堀田弥生議員)
 たくさんの質問をさせていただきましたが、それぞれ御答弁大変にありがとうございました。

 今回も、私は、区民の方からいただいたお声を中心に取り上げさせていただきました。

 まず、通告書の順番ということで、教育から申し上げさせていただきます。

 十年前に計画された中央区教育振興基本計画、ほとんどの事業がもうできたということで、すばらしいことだと思います。第二期の計画に向けて、有識者等による委員会の検討も踏まえながら進めていただいていることで、さらに充実した内容としていただければと思います。中央区では、毎年人口、また、子供の数も増加してきたわけですが、一期目の十年間はずっと増加してきたわけですが、今後、新たな十年間ということを思ったときに、途中で子供の数も減少に転じるのではないかということも予想されております。そういう意味で、これまでとは違う局面を迎えることが、この十年間のうちに起きるかもしれないというふうにも思っております。そのことも当然念頭に置いていただきながら、とにかく子供のための教育、子供が幸福になるための教育、また、教育委員会の目標にもございますが、みずからの未来を切り開いていける教育の充実を今後もお願いしたいと思います。

 また、研修につきましては、るる計画とか報告を見せていただければ見せていただくほど、さまざま充実していただいているなというふうに思っております。その中で、今回取り上げさせていただきましたのは、英語もそうですし、また、ICT化もいよいよ本格的に進めていく中で、簡単に言うと使い方がなかなかわからないという方も、先生の中にはいらっしゃるかもしれないというところからの思いでのお尋ねでございました。これまでと同様、実践的な研修をお願いできればと思います。

 また、給食費の徴収、働き方改革です。それも本当にしっかりと取り組んでいただいていて、先ほどの質問の中でも取り上げさせていただきましたが、国からの通達とか動きを待つのではなく、区独自に補助員という制度を設けられたということを知りまして、今回、区のホームページを見て知ったというところがございましたけれども、ある意味、感動いたしました。区として、本当に教員の方の負担を軽減していきたいという思いで考えていかれたのだなというふうに感動いたしました。そしてまた、今の御答弁で徴収率がほぼ一○○%になったということもございましたので、それをとにかく当面しっかりと続けていっていただけるのかなというふうに思いました。

 最後に、保護者への周知ということで、先ほど触れましたPTA役員の方は、その小学校を卒業した生粋の中央区生まれの中央区育ちの方です。昭和ですねと言われて、最初はいいように捉えて、庶民的なというか、人情のあるというか、いい意味かなと最初思って、私も聞かれたとき、そういう意味ですかと言ったんですが、いや、違うみたいなことだったんです。昭和ですねと言われて、ちょっと落胆したというか、教育の中央区のはずなのにという思いをされたということもあり、私も、変な話、ちょっと悔しいというか、せっかくこれほど中央区は教育に力を入れてきたし、計画もしっかりとあるし、ちゃんと進めているのに、それを知られていないというところを目の当たりにして、そのようなことで取り上げさせていただきました。今後も、さらに広報に力を入れていただければと思います。お願いいたします。

 次に、台風のことです。

 今回、途中で増員もしていただいたということ、また、台風のときはいつもかもしれませんが、夜を徹してといいますか、御担当の職員の方々には本当に頭の下がる思いでおります。台風が巨大化し、直撃を受けたところの被害が甚大化してきているということは、決してよそ事ではない、進路次第では中央区、本区もそういう状況になってしまうのかなというところから、取り上げさせていただきました。

 特に、二点目、具体的にお願いをいたしましたハンドブックなどにつきましては、現在あるものを充実していただけるということですので、そちらのほうをお願いしたいと思います。

 動物愛護の取り組みについてでございます。

 今は飼い猫ではあるけれども、将来的に飼い主がいなくなる、飼い主の環境の変化により飼育できなくなる猫も対象にしていただけるということで、ありがとうございます。

 また、財政基盤という意味では、ふるさと中央区応援寄附の紹介もしていただけるということで、恐らくしっかりとPRをしていただければ、それに応じてくださる区民の方も大勢いらっしゃるのではないかということを期待しております。

 また、高齢者の見守り事業との強化ということで、実際に現場ではそのような協働といいますか、一緒に訪問もするということで行われているわけですが、区として、しっかりと、正式にといいましょうか、進めていただける、また、それが、いわゆる新たな担い手であるという位置づけにしていただけるなら、本当にありがたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 最後に、オリンピック聖火リレーセレブレーション会場でございますが、選手村のございます晴海地域とは異なり、浜町かいわいでは、私も住民なので申し上げますが、正直なところ、現在でも盛り上がりに欠けているかなというふうに感じております。浜町公園かいわい、グラウンドもございます。これから具体的なことは決まってくるのかと思いますし、少し私の勝手なイメージも先ほど申し上げたんですが、もう一点、今、折り鶴ウェーブがなされておりますけれども、折り紙は海外の方にすごく人気があるといいますか、流行しているようでございますので、浜町公園に限らずなんですが、今のところ、折り鶴を差し上げるプロジェクトというふうに認識しておりますけれども、外国の方と一緒に折る、折り方を教えてさしあげるというのもあると、またいいのかなというふうにも思っております。

 ともあれ、オリンピックまで、あと一年を切っております。交通環境のこととか、本区が独自にできることではない部分もあるんですけれども、そういう問題を抱えつつも、一日一日楽しみにその日を迎えてまいりたいと思っております。

 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後二時五十九分 休憩


     午後三時二十分 開議

○議長(押田まり子議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。二番高橋まきこ議員。

〔二番 高橋まきこ議員登壇〕

○二番(高橋まきこ議員)
 立憲民主党新風会、高橋まきこです。令和元年第三回定例会について、こちらで初めての一般質問をさせていただきます。

 私からは、子供の命を守る、子供の権利を守るという観点から、中央区の子育て支援政策についてお伺いしてまいります。この九月に質問の機会を頂戴しましたので、十月から施行されます幼児教育・保育無償化を含む子ども・子育て支援新制度における中央区の子育て支援政策が目指す方向性について、具体的にお答えいただきますようお願いを申し上げます。なお、再質問はあらかじめ留保いたします。

 今日、中央区は、定住人口が十六万人を超え、昨年、二○一八年の新生児出生数も二千人を超えました。あちらこちらに子供たちの笑顔があふれるまちとなっています。しかし、これに伴い、保育所や小学校の教室、学童クラブ等の供給が追いつかない状況となっています。二○一六年の保育園落ちた日本死ねのブログをきっかけに、保育所入所を希望する保活や待機児童といった言葉が広く認知されるようになりました。

 私は、その一年前となります二○一五年より、保活座談会を区内にて開催してまいりました。これまで五年の活動で、毎年延べ百名近くに参加いただいております。この会では、保活当事者の皆様が、保育園に預けることや復職といった転機について、前向きに話し合っています。これは、私が二○一三年に中央区子ども・子育て会議の区民委員になったのをきっかけに、保活の不安を話し合う場がないという御要望を頂戴し、始まった会です。私からは、その場に寄せられている声を交えてお伝えしながら、質問を進めさせていただきます。

 中央区は、待機児童数を、本年、二○一九年四月現在で百九十七名と発表していますが、認可保育所の入所希望がかなわないという保留結果通知を受け取った方は、実際には七百名以上いらっしゃいました。残念ながら、一歳児保護者の多くの方々が、希望する保育がかなわない状況が続いています。待機児童数は世田谷区に次いで二番目に多く、就学前児童人口における割合で見ると、都内で最も悪い比率となっています。本年、二○一九年一月に中央区より発表されました人口推計におきましても、中央区のゼロ歳児数は二千人を超える状況が十年後まで続き、ピークとなる二○二七年には二千二百九十八人となるとされています。二○一九年三月に報告された中央区子育て支援に関するニーズ調査報告書におきましても、就学前児童の母親のおよそ七○%が就労していると回答しています。父親は九七%となっています。これら人口推計とニーズ調査の一致を保育希望数と仮定すると、少なくとも二千人の七○%を占める一千四百人が、両親の就労により保育を希望していると想定できます。

 しかしながら、最も復職希望が多い一歳児の定員数を見ると、本年、二○一九年四月時点で、認可保育園は区内合わせて八百人となっており、このおよそ四○%であったことがわかります。この計算でも、三○%、六百人の乖離があることがわかります。中央区子ども・子育て会議においても、私が委員として出席していた二○一三年の初回より、今月、二○一九年九月の会議まで、ずっと保育ニーズの把握が適切になされているのか、待機児童ゼロになる目標設定が必要ではないのか、常に問われ続けてきております。

 中央区は、毎年、年間を通して認可保育所の新設を続けており、定員の拡大を図っております。待機児童が最も多い一歳児に対しては、この定員のほかに期間限定型保育事業を実施し、枠を拡充してきました。また、二○一九年度からは、待機児童に対して、居宅訪問型保育事業を開始し、さらに十名の定員を設けています。しかしながら、保育希望数が上回り、待機児童数はことしも増大してしまいました。

 ここで質問いたします。

 今、中央区が考える待機児童への対策をお聞かせください。

 特に、深刻化していると思われる月島地区の一歳児の待機児童を解消する方策について、具体的にお聞かせくださいますようお願い申し上げます。

 さて、来月、二○一九年十月から幼児教育・保育の無償化が始まります。私は、特に国の定める設置基準、指導監督基準を満たさない認可外保育施設も対象となり、五年間もの猶予期間が与えられていることに懸念を抱いています。国は、地方分権として、それぞれの自治体で安全と考える基準を設け、条例を制定すればよいとしています。杉並区では、区条例により、無償化の対象を国の基準を満たす施設に限定する条例を制定することとしています。中央区では、家庭的保育事業において過去五年間で二人の乳児が死亡していることを受け、区の考える基準を問う声もございます。

 ここで、お尋ねいたします。

 中央区において、無償化の対象施設を限定する条例を制定することの必要性について、お考えをお聞かせください。

 ここで関係します保育の質に話を進めてまいります。

 保護者からは、どこでもいいから預かってほしいといった声はほぼなく、安心して預け、働くことができるなら、保育所を希望するといった御要望をお聞きしてきました。待機児童の当事者になるのではないか、復職できないのではないかといった不安の中でも、保護者が知りたいと思っていることの一つが、中央区の保育の質の基準についてです。

 日本は、一九九四年、経済協力開発機構、OECDの児童の権利に関する条約、子どもの権利条約を批准しました。この十八条において、父母が働いている児童が保育を受けるのは、子供一人一人に与えられている当然の権利なのだとされています。さらに、二○一二年の新報告書においては、質の低い幼児教育・保育は、子供の発達に長期的な悪影響を及ぼしかねないと述べられています。

 ここで、質問いたします。

 中央区が考える保育の質の確保について、具体的な政策をお聞かせください。

 次に、一時預かり保育事業について質問いたします。

 この事業は、就労を要件とせず、家庭での保育が一時的に困難になったときに子供を預かるとされています。中央区では、受付方法が窓口来訪のみとなっているため、毎月、翌月利用分の予約受付開始日には、早朝から並ぶ長蛇の列となっています。過去には、深夜から並ぶ方もいました。勝どきの子ども家庭支援センターきらら中央においては、毎月、受付開始日に整理券が配布されているのですが、この配布状況は平均百件ほどとなっています。一人の手続所要時間を五分とした場合、五百分かかり、八時間を超えます。朝八時三十分に整理券を受け取っても、百番目ですと、午後四時台の受け付け対応となります。乳児を抱えて、この予約受け付けを強いられることに対し、負担が多大であるとの声が数年にわたり寄せられ続けています。代理で並ぶ業者を雇う方や、家族が交代で並ぶケースもあり、経済的・人的余力のある方がより利用しやすいという不平等も生んでいます。

 並ぶ方々にお話を聞いていますが、こんなことはスマホでできるはずですよねとおっしゃっていました。品川区では、インターネット予約が実現したことで、希望するときに預けられるという安心感を得られるようになったと、多くの保護者がおっしゃっていました。子供との時間を大切にしながら、働くこともでき、自己実現の時間も持てるとのことです。品川区は、本年度初めの待機児童数が十二名だったそうですが、認可保育所とのニーズの分散を実現していると感じているとのことでした。

 中央区において、特に一時預かり保育事業が重要な理由は、主に二点あると私は考えています。

 一点目は、都心における孤独な子育てや、ワンオペ育児による母親の負担を軽減するためです。実家が遠方にあり、地域とのつながりが希薄なまま出産を迎えたために、孤立や不安を抱えながら子育てをしている家庭が多くあります。母親一人で育児と家事等の負担を抱え込んでいる家庭もあります。また、児童虐待の予防の観点でも大切です。昨年、二○一八年度は、中央区で百八十三件の虐待が発生しました。虐待は、発生してからでは取り返しがつかないものであり、予防していくことでしか、子供の命を守ることはできないとされています。産後鬱の症状があったと話す母親は少なくなく、産後鬱を原因とした妊産婦の自殺や子供の虐待死は多く、これを防ぐためにも、孤独に抱え込んだ子育ての不安からのレスパイト機能を有する一時預かり保育事業の拡充を求めます。さきのニーズ調査でも、子育てを主に行っているのは母親であるとの回答が七五%を占めました。家庭の状況も、保護者と子供のみで構成されている家庭が九六%です。日常的に祖父母や兄弟等の親族に子供を見てもらえると回答している家庭は、わずか八・六%にとどまり、ゼロ歳児の三六%の家庭が、誰にも子供をかわって見てもらえないと回答しています。

 二点目です。これまでお伝えしてきたように、乳児期の保育所待機児童が多いためです。フリーランスなど、個人の経験や才能を生かした多様な働き方を望む人や、企業等における働き方改革が進む一方で、中央区では、希望するときに保育を確保できない状況となっています。一時預かり保育の利用が困難なために、保育所への申し込みも集中します。また、入所評価で加点を得られることから、一時預かり保育を集中的に利用しようと考える方もいらっしゃいます。認可保育所の入所内定基準によると、保護者の就労時間が長時間であるほど優位となることから、実質、入所希望者に長時間労働を迫るものであり、望まない子育て、望まない働き方を強いられていると、そうした意見も多く寄せられています。

 横浜市では、一時預かり保育事業の拡充が、認可保育所申込者数の減少に影響を与えてきたといいます。一方で、中央区の保護者は、希望するときに預ける場所が確保できないために、認可保育所に申し込みせざるを得ない状況だと落胆しています。認可保育所に内定するために長時間労働を変えられず、子供との時間が制限され、体力的にも、精神的にも厳しいと話しています。保育を希望する際にゼロか十かという選択を迫られている状況で、毎日、本当に苦しいと話す保護者は少なくありません。

 ここで、お尋ねいたします。

 中央区の一時預かり保育事業のあり方と、その予約受付方法の変更を含めました、今後の方向性についてお聞かせてください。

 最後に、小学生の居場所について問題を提起し、質問をさせていただきます。

 今月、区内の小学校にてインフルエンザによる学級閉鎖が発生しました。学級閉鎖の目的を鑑み、当該クラスの児童は外出をせずに自宅待機と指導されているのですが、学童クラブを利用しており、保護者は就労を休めないといったやむを得ない場合に限り、条件を守れる際には学童に行くことができるという措置が数年にわたりとられてきているといいます。今回も適用されました。

 一方で、小学校にある居場所、プレディは、児童を保護の必要性がないとしており、そのためにプレディへは行くことができません。中央区には、学童の待機児童がいます。ことし、二○一九年四月時点も二百十名が未決定となりました。二年生以上は入所できていない状況を知り、申し込み自体を諦めている保護者も多数います。

 この学童待機に対し、中央区は、プレディとの連携を掲げてきました。プレディでも、勤務証明書の提出をもって平日の開所時間を十九時三十分までとして対応しています。夏休みなど、その時間や体制を拡充してきた経緯は、働く保護者の支えとなってきました。一方で、学校、児童、保護者にとっての緊急事態とも言える学級閉鎖時に対応の差があることは、大きな問題であると私は考えます。プレディに勤務証明書を出している保護者の児童は、保護されるべきではないのでしょうか。インフルエンザのピークとなる冬を迎えるに当たり、緊急課題であると考えています。こうした一連の学童クラブとプレディにおける対応の差について、中央区のお考えをお聞かせください。

 以上をもちまして一回目の質問を終えます。よろしくお願いいたします。

〔副区長 齊藤 進君登壇〕

○副区長(齊藤 進君)
 高橋まきこ議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、保育所待機児童対策についてであります。

 本区では、保育の質が確保された認可保育所の開設を中心に、定員拡大に努め、可能な限り早期の待機児童の解消を図ることが重要と考えております。そのため、区全域を一区域と捉え、私立認可保育所の開設支援や、大規模開発等の機会を捉えた保育施設の確保など、機動的な保育施設の整備に取り組んでおります。月島地域における今後の整備予定といたしましては、晴海選手村跡地の開発に伴う保育施設整備に加え、晴海四丁目に認定こども園を設置するなど、およそ一千人規模の定員拡大を図ってまいります。今後も引き続き、京橋、日本橋地域を含め、全区的な保育施設の整備に取り組むとともに、一歳児の期間限定型保育等の拡充や、ゼロ歳児保育を実施しない保育施設の整備なども積極的に取り組んでまいります。

 次に、幼児教育・保育の無償化の対象施設を限定する条例制定についてであります。

 本区には、都に届け出のある認可外保育施設が四十施設あります。これらの施設を利用されている方は、認可保育所へ入れないことから、やむを得ず利用されている方や、勤務時間の関係で夜間保育等を利用されている方であり、区が条例により対象外とすることにより、利用者の方が給付を受けられない状況になります。指導監督基準を満たしていない認可外保育施設は、主に設備的な要件を満たしていない施設となっていることから、区といたしましては、直ちに独自の基準を設け制限をかけるのではなく、施設の指導監督を担う都と協力し、状況の改善を促してまいりたいと考えております。

 次に、保育の質の確保についてであります。

 保育の質は、良好な保育環境において、発達段階に応じた遊びや学びへの支援などといった適切な保育内容を、知識の豊富な保育士により提供されることで確保されるものと認識しております。そうしたことから、本区においては、保育の環境や内容について園長経験者等による巡回指導を行っております。また、経験の浅い保育士が多い私立園を対象にした研修により人材を育成するとともに、公立園のプール、園庭や運動場を開放し、集団による交流遊びを行っております。さらに、保育の質の向上を図るため、福祉サービス第三者評価の受審を促進しております。今後は、こうした取り組みに加えて、保育士の負担軽減に向けたICTの推進や指導検査体制の強化を図るなど、さらなる保育の質の確保に取り組んでまいります。

 次に、一時預かり保育事業についてであります。

 本区では、保護者の育児疲れや冠婚葬祭などの理由により、御家庭での保育が一時的に困難になった場合のセーフティネットとして、区内五カ所の施設において、乳幼児の一時預かり保育を行っております。しかし、現状としては、保育所の待機児童対策としての利用が多く、希望するときに予約がとりづらくなっており、翌月利用分の予約受付開始日には大変混雑するといった状況になっております。そのため、本区としましては、一時預かり保育事業が本来の目的に沿って展開できるよう、保育所の待機児童対策を引き続き推進するとともに、既存施設の改修や認定こども園等の新設の機会を捉えた定員拡大に努めてまいります。予約方法につきましては、限られた時間枠を有効に活用した丁寧な御案内ができる仕組みとして、窓口における対面受付を採用しており、利用希望者が多い現在の状況にあっては、これを継続してまいりたいと考えております。

 次に、学童クラブとプレディの対応の違いについてであります。

 インフルエンザによる学級閉鎖時の対応につきましては、学童クラブもプレディと同様、感染を防ぐために、外出を避け、自宅での待機をお願いしております。しかし、保護者の仕事の都合等により、やむを得ない事情がある場合には、一定の条件のもと、他のお子さんとの接触を避けるなど感染拡大には最大限配慮して、お預かりをしている状況です。これは、子供の健康と安全を守ることを基本としつつ、家庭で適切な保護・育成を受けられない児童の居場所という事業の性格から、可能な範囲で行っているものです。学童クラブとプレディでは、施設の性格や構造などの違いから対応が異なる場合もございますが、お子さんが安心して過ごせるよう、それぞれの施設の条件の中で可能な限り一体的な運営を目指してまいります。

 答弁は以上であります。

〔二番 高橋まきこ議員登壇〕

○二番(高橋まきこ議員)
 丁寧に御答弁くださいまして、まことにありがとうございました。

 お答えいただいたことに関しまして、順次、述べさせていただきたいと思っております。

 まず、今回の御答弁を聞いた皆様、こちらで傍聴している方々やインターネットを通じてごらんになっている方々が、ただいまの御答弁を聞いて、二人目は大丈夫だ、中央区に移り住んでも安心して子育てができそうだと、少しでも前向きなお気持ちになってくださっていることを願っています。子育ても、家庭も、就労にも、前向きに生きる区民を支える区政であっていただきたいと強く願っております。

 まず、待機児童についてですが、晴海地区の定員拡大の予定、一千人規模というお話がございました。しかしながら、こちら、選手村の跡地を活用したというお話にもあったように、まだ三年近く先の計画でございます。五歳児までの認可保育所の必要性や、三歳児待機を生まないといったこれまでの中央区の慎重な見解も、非常に重要で尊重したいと思うところではございますが、今困っている当事者へどう手を差し伸べるかといった政策を求めております。保育所に入れないという結果通知を受け取った区民が、そのとき、どんな思いをしたのか、しっかり考えていただきたいといったお声が私のもとには寄せられております。国が進める女性の就業率八○%が実現した場合は、どう確保していくのか。今、御答弁にもございました晴海地区は、これから人口増加を目前にしています。中央区が考えている今解決するべきこと、あわせまして長期的な待機児童の対策、そのビジョンを求めております。

 次に、幼児教育・保育の無償化に対しまして、現在、認可外保育所を利用している方々の理由、また、その必要性について御答弁いただきました。非常にわかりやすい説明で、どういったニーズがあるかということが私にも伝わってまいりました。

 しかしながら、全国的には、無償化を受け、給食の質を下げると明言している事業者もあります。中央区が新たに届け出の確認作業を担うことになりましたので、主体的に考え、このチェックをしていく姿勢が、今、求められております。

 また、御答弁にも、都の指導監督基準を満たしているかどうかというお話がございましたけれども、翌年、二○二○年には、認可外の監督責任は都から区へ移管されることが決定しています。参考ではございますが、都の指導監査につきましては、平均実施率が一四・二%にとどまっており、また、その結果も公表されていません。無償化の中で私たちにできることは、区の条例を制定し、命の安全が守られる基準を明確にしていくことです。区から保育事業者へ支払われる委託費につきまして、現在の制度ですと、ほかの施設や事業にも流用できるという仕組みにあって、その園の人件費にどれだけ充当されているかといったことは、その園の質を守る上でも極めて重要です。

 あわせまして、この質の話、答弁いただきましたことに、補足をこちらからさせていただきます。

 巡回指導や研修等により人材育成を図るといったことで、保育士の皆様に保育の質がかかっているということ、この見解については一致しているというふうに感じました。保育の質に関しては段階がございますが、保育士を確保し、より長期的に同じ保育所で働いていただくことによって、その質が確保されるとされております。私も、そう感じています。

 世田谷区では、助成金交付要領にて、人件費の比率が五○%を超えている園というふうにしており、これが保育の質の確保につながるとしています。参考ではございますが、中央区は、これを下回る人件費比率の認可保育園が多数存在しています。もちろん、物件費等が高くなっているといった事情、新園が多いといった現状は認識してございます。御答弁いただきました負担軽減に向けたICTの活用は、保育園の現場に今求められている重要なことであると私も共感いたします。

 しかしながら、無償化に際しまして中央区が決定しました副食費の請求、これを園が担うことに現在の制度ではなっております。日常的に負担の多いと思われる保育士の先生方に、この副食費の徴収・請求といった業務を担っていただくことは、大きな負担ではないかと心配をしております。さきの御質問でも、学校の先生方に給食費の徴収をしていただくのは負担であるといったお話もございました。保育所も同じなのではないのでしょうか。この点、引き続き心配をしておりますので、園の皆様からのお話も伺ってまいりたいと思っております。

 小学生の居場所につきまして、学童とプレディのそれぞれの性質がある、難しい点もあるということで理解させていただきました。

 しかしながら、中央区が現在取り組んでおります保幼小の連携、保育園、幼稚園、小学校の連携、このかなめというところが、学童、プレディの足並みをそろえることではないのでしょうか。この点は、先ほども申し上げたように、インフルエンザが流行してくる冬、毎回話題になっていることだということで保護者の方から伺っておりますので、早期の改善を引き続き求めてまいりたいと思います。

 前後しましたが、一時保育について、私が最初に申し上げました子供の命を守るというところで、非常に重要な点だと思いますので、最後に、こちらからお話しさせていただきます。待機児童を解消する、また、認定こども園の新設、この後、阪本小学校や晴海地区に予定しておりますが、こういったところに併設型となるとか、具体的にどういった事業となるのかといった点は、まだ御答弁でわかりかねましたが、そちらの事業の展開について期待しながら、注目してまいりたいと思っております。一時保育は、乳児期の子育て家庭を孤立させないためにも、利用しやすい環境整備が必要です。

 二○一六年、児童福祉法に子どもの権利が明文化され、児童が権利の主体となりました。私自身は、中学生、小学生、保育園児を育てております三人の母親で、日々悩み、葛藤を続けていますが、子育ての当事者であるか否かを問わず、子供の命を守るとともに、健やかに集団で育っていくという子どもの権利を、私たちは忘れてはならないと思うのです。子供たちの笑顔が地域の笑顔をつないでいきます。笑顔あふれる中央区が今後も長く続くよう強く願いまして、こちらで質問を終えます。

 このような貴重な質問の機会を頂戴しましたこと、皆様に改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、あわせて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後三時五十六分 休憩


     午後四時十五分 開議

○議長(押田まり子議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。八番高橋元気議員。

〔八番 高橋元気議員登壇〕

○八番(高橋元気議員)
 あたらしい中央の高橋元気です。よろしくお願いいたします。まずは、この場に立たせていただいておりますことを本当に心から光栄に思いますし、感謝をしております。また、誇りにも思っております。私をこの場に立たせていただいた、たくさんの皆様の期待に応えるためにも、誠心誠意質問させていただきますので、どうか活発な御答弁のほど、よろしくお願い申し上げます。なお、再質問につきましては、あらかじめ留保をさせていただきます。

 現在、中央区にはさまざまな課題がございます。区長も所信表明でおっしゃっていたとおり、理事者の皆様や中央区の皆様の多大なる努力とそのお力、お知恵により、十六万人にまで人口が回復した一方で、急激な人口増加、人口構成の変化に伴い、行政に対するニーズがふえ、そして、さまざまな課題が表面化しております。例えば、子育て環境・教育環境の整備、医療・介護環境の整備、公共施設の整備、そして、来年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた対応、築地市場の移転の問題、取り組むべき課題はたくさんございます。そのどれもが早急に取り組むべき課題とは思っております。

 今回の私の質問ですが、その中で決して優劣をつけるわけではなく、さまざま課題の中で、まずは私自身がしてきました社会経験、人生経験を発揮できるテーマに絞った上で、本日は取り上げさせていただきたいと思っております。

 まず、第一に、中央区が掲げる電子区役所の実現について取り上げさせていただきます。

 私は、本年四月までは、IT関連企業に勤めるサラリーマンでございました。そのような民間での経験や知識を区政に生かしていきたいという思いから、議員という職業を目指した次第でございます。さかのぼるところ、平成十四年に策定されました中央区IT推進化計画、そして、平成十七年に策定され、その後、改定もされております中央区情報化基本方針にて、目標として掲げられておりますのが、この電子区役所の実現になります。

 電子区役所とは、いつでも、どこでも利用できる行政窓口を目指して、情報公開手続を初めとして、さまざまな行政手続を電子化すること、IoTやAIなどの先端技術を導入し、より便利な行政サービスを実現することを目標とされております。加えて、庁舎内の執務環境を整備することにより、行政事務の効率化、生産性を向上することも目標に掲げられております。

 一方で、中央区の情報化を検討する中央区情報化推進検討部会にて、これまで検討、実行されてきた取り組みは、主にマイナンバー制度に関連するシステムの対応、基幹系システムのリプレース、ようやく昨年度導入されました勤怠管理システムの導入、セキュリティの強化、庁内有線LAN環境の再構築、そして、最新のICT関連情報の収集とされております。民間で働いてきた私の感覚から申し上げますと、十七年間でこれしか進んでいないというのは、いささか頼りないと感じております。無線LAN環境整備についても、三年間検討している状態が続いております。そして、電子申請が可能なのは、東京共同電子申請・届出サービスのホームページを活用した上で、講座・イベントの申し込み、健康診断や検診の申し込み、介護保険等の申し立て、区政情報開示請求などに限られております。

 電子区役所の理念自体は大変すばらしいと思っております。この現状を鑑みますと、実現まではまだほど遠いとも思われます。その本気度を改めてお伺いさせていただきたく思っております。いつになったら、ほとんどの行政サービスをスマートフォンやコンピュータ上から受けられる電子区役所を実現するのか。ほかの自治体や国の動向を注視しながら検討していくという御回答ではなく、どうか令和何年度を目指して取り組むのか、具体的な目標と、そして、区長のお考えをお聞かせください。

 また、ICT技術の進歩というのはとても速く、数年で、そのトレンドが全く変わってしまいます。そのため、情報を収集してから考えるという従来の対応では、導入時にはその技術が古いものになってしまうばかりか、すぐに新しい技術が生まれて、そして、いつまでも導入に踏み切れないという事態に陥ってしまっているのが現在の実情であると思っております。

 そこで、わからないから情報を収集するという考え方を変えて、既に民間企業のICT分野において第一線で活躍されている方を登用した上で、強力なリーダーシップを持って中央区政のICT化を進めていくという方法もとれるのではないかと私は考えております。

 先日、東京都副知事に元ヤフーの社長が登用され、東京都のICT戦略を担当すると発表されました。海外に目を向ければ、国連の電子政府ランキングで一位を獲得しておりますエストニアの元大統領トーマス・ヘンドリク・イルヴェス氏や、台湾の現ICT担当大臣であるオードリー・タン氏など、そもそもエンジニア出身の方が担当した上で、強力にICT化を推進しております。

 そこで、お伺いをさせてください。

 そのように、民間企業から、中央区政のICT化を強力に推進できる人材を今後積極的に登用するというお考えはあるか、お聞かせください。

 次に、庁舎内のペーパーレス化についてです。

 まず、私が議員として活動を始めて、疑問に思っていたことがございます。会議資料や通知類等も含めて、ほぼ全てが紙で業務が回っているというのが現状であります。私の感覚では、単純に紙の使用量が多過ぎると思いますし、コストだけでなく、業務効率性の面でも無駄が多過ぎると思っております。行政というのは、どこもこのような、他の自治体もそうなのかというふうに疑問に思いました。

 そこで、今回、東京二十三区内の全議会局に、議会及び執行部における庁舎内のペーパーレス化の取り組み状況について質問票を送付いたしました。集計した結果、二十三区中、全自治体においてペーパーレス化において何らかの取り組みを行っております。また、そのうち十二区においては、実際にタブレットやPCを活用したペーパーレス会議を実現しております。東京二十三区に限定しても、半数以上の自治体がペーパーレス会議を実現しております。また、現段階ではそこまで実現できていなくても、ほとんどの自治体がタブレット端末の導入など、さらなる取り組みを検討しております。質問票の中で、ペーパーレス化による効果として、御意見をいただいております。多くの自治体で、紙代・印刷代・郵送費の削減、会議準備などの人件費等のコストの削減、そして会議資料の視認性・検索性の向上、情報の速達性の向上など、業務の効率化などが挙げられております。

 例えば、本区の庁舎内のペーパーレス化を実現することができたとして、どれだけのコストが削減できるのかを私も試算してみました。総務部からいただいた資料によりますと、平成三十年度における紙類の使用量は二十四万二千百三十キロ、約二百四十二トンです。コピー用紙の購入実績は、A四、B四、A三、A二用紙、合わせて一千九十二万一千枚でした。紙の購入費が五百二十三万二千百三十円、全て白黒印刷と仮定するのであれば、印刷単価が一枚につき約四円として、四千三百六十八万四千円、郵送にかかった郵送費が一億三千四百八十八万四千七百六十六円になります。この時点で、合計をすると一億七千八百五十六万八千七百六十六円になります。実際には、カラー印刷もありますし、関連する人件費の削減効果もあると思われます。また、例規集や区政年鑑など、区が発行する冊子類の印刷代等も合わせるのであれば、恐らく関連費用で約二億円、三億円、四億円ほどかかっていると思われます。

 そして、このうちペーパーレス化により関連するコストは何%が削減できるのか、私が視察をして職員の方にお伺いいたしましたら、町田市の事例になりますが、ペーパーレス化の取り組みにおける効果検証によりますと、タブレット端末及び電子会議システムの導入により、会議に関連する人件費については二五%削減できた、そしてまた、会議に関連する紙の出力枚数については七五%削減できたとのことです。総合的に考えて、しっかりとペーパーレス化への取り組みを実施した場合、少なくとも数千万円から数億円のコスト削減が期待できると思われます。そして、費用が削減できれば、その分だけ、その予算をほかの施策に投入できるということでございます。裏を返せば、実現できないのであれば、年間数千万円から数億円の税金を無駄にしていると言いかえることもできます。

 そこで、改めましてお伺いをさせていただきます。

 中央区情報推進化検討部会の目標にも掲げていらっしゃいます庁舎内のペーパーレス化の検討状況、実施状況をお聞かせください。

 また、現在、もし進んでいないとすれば、いつまでを目標に実現するのか、お聞かせください。

 区政のICT化による効果とは、何もコスト削減だけではありません。中央区のさまざまな課題を解決できるものと思っております。例えば、渋谷区では、民間企業と協力した上で、コドモンという保育支援システムを導入し、アプリを配布しております。それに園児台帳の管理や送り迎えの管理、保護者の方との写真や連絡帳の共有など、保育士の方々の業務負担の軽減だけではなく、保護者の方も常に連絡がとれる、安心して子供を預けることができる、そして、時間の変更もアプリ上からできるなど、より便利な保育体制を実現しております。

 また、私は、たくさんの区民の方から寄せられる御意見として、人口増加に伴い、地域の方々相互のコミュニケーションがとりにくくなっているという現状も危惧しております。全国を見回しても珍しいことに、現在の中央区は、三十代、四十代の方々が最も多いという点が特徴であります。私を初めとして、三十代、四十代の方々の主要な連絡ツールは、やはり手紙ではなく、スマートフォンになってきております。新たなマンション群の建設が続き、新住人がふえ続けているという背景において、私は、従来の町会・自治会を中心とした伝統的なコミュニティのあり方だけでは、やはり限界が来ているのではないかと懸念をしております。ぜひとも新住人と昔からお住まいの方々が自由にコミュニケーションをとれる場として、区が主導した上で、民間企業と協力をして、住民相互でコミュニケーションをとれるアプリを企画、開発、配布をしていただけませんでしょうか。多くの区民の方からも、賛同いただいております。理想的には、同じアプリ上から、各町会が主催をするイベント等の情報がニュースとして受け取れるような、そして、行政サービスの電子申請も一つのアプリとして可能であればというのが理想でございます。民間企業と協力をした上で、そのような地域課題を解決するためのアプリの導入にぜひ取り組んでいただきたいと思っております。

 そこで、お伺いをさせていただきます。

 そのように、まずは区が主導した上で、他自治体で導入実績のある保育支援システムのアプリを導入する考えがあるのか、お聞かせください。

 また、住民同士のコミュニケーションを促進するアプリケーションを導入することに対して、前向きなのか、そうでないのか、お考えをお聞かせください。

 続きまして、教育の分野についてお伺いしたいと思います。

 まず、取り上げたいのは、英語教育についてです。

 本区におかれましても、常盤小学校をパイロット校として、英語教育を充実させる、ALTの配置も含めて、区として取り組んでいらっしゃることには大変感謝申し上げます。その上で、私からは、さらなる施策について御提案をさせていただきたいとも思っております。

 東京オリンピック・パラリンピックの選手村として、晴海の選手村が、現在、建設中ではございますが、同時に、たくさんの外国人観光客が本区にも訪れることが予想されております。東京都の試算では、東京都を訪れる外国人観光客は約一千五百万人に上るとも言われております。だからこそ、私は、本区には、英語教育、そして英語の文化こそ、オリンピックのレガシーとして残していただきたいと思っております。

 先日、江東区のTOKYO GLOBAL GATEWAYという施設を視察してまいりましたが、子供たちがさまざまなシチュエーションで英語を使ってコミュニケーションをとりながら、アトラクションを通じて学べるという大変すばらしい施設でございました。館内では、親も含めて、日本語の使用が実質的に禁止とされておりました。私は、外国語を習得するには、とにかく下手でも使うこと、アウトプットすることが大切であると思っております。詰め込み教育ではなく、とにかく楽しく、学びながら常に触れ合うことが大切だと私は思っております。

 そこで、お伺いしたいのが、本区における今後の英語教育の方向性についてでございます。

 パイロット校における検証を経て、本区内のほかの小・中学校にも来年度もさらなる施策を検討されていると思います。現時点で予定をされている来年度の英語教育の施策について、お伺いをさせてください。

 また、私は、本区が積極的にインターナショナルスクール及びインターナショナルプリスクールの誘致にも取り組んでいただきたいと考えております。本区内にも英語保育園・幼稚園もふえてまいりましたが、東京オリンピック・パラリンピックの選手村となる晴海地区を中心に、本区を国際都市として長い目で根づかせていくことこそが、本区のオリンピックのレガシーとなってほしいと思っております。本区の日本人である児童と、例えば日本に赴任してきた外国人の児童が日常的に遊べる環境を整備することが、その第一歩となるのではないかと思っております。このような本区へのインターナショナルスクール等の誘致についてのお考えと、例えば助成金を導入するなど、積極的な誘致のための施策の導入についてのお考えをお聞かせください。

 また、そのように、私は、授業中だけでなく、常に英語に触れ合う環境を整備することこそが、英語の習熟化・習慣化につながると考えております。

 そこで、これは御提案ですが、例えば区のおしらせや発行物、江戸バス車内のお知らせ、区内の公園、その他の場所における標識や設置物について、日本語と英語による併記を実施されてはいかがでしょうか。東京オリンピック・パラリンピックを控える中、外国人観光客のおもてなしにもつながり、国際都市という印象を与えるためにも、ぜひお願いできればと思っております。

 そこで、現状の区内の案内標識等における日本語及び外国語併記の現状と今後の展望について、お考えをお聞かせください。

 また、ICT教育環境の整備についてもお伺いをいたします。

 本区におかれましては、京橋築地小学校、阪本小学校、銀座中学校の三校にそれぞれタブレットを六十台導入し、効果検証を行っている最中とのことでございますが、このたび政府筋の動きとして、統合イノベーション戦略二○一九という計画の素案が提出されました。これにより、タブレット等ICT機器の教育情報化の目標水準が、従来三クラスに一クラス程度とされていた水準が、一人一台へと目標が高くなる見込みでございます。これは、大変重要なことであると思っております。

 本件につきましては、付託されている区民文教委員会の中でもお伺いをしておりますが、この一人一台の実現目標を二○二五年度とする区の目標は、やはり私は余りに遅いと思っております。ICT教育とは、単純にICT機器になれさせることや、プログラミング学習を行うことだけが目的ではございません。子供たち一人一人に合わせた個別学習や協働学習を実現できる、教育の質を向上させることができるということが目的になります。だからこそ、一人一台が望ましいという国の指針も出ております。既に、渋谷区は、小・中学校で完全に一人一台を達成しています。その上で、子供たち一人一人の学力に合わせて個別学習、個別指導、協働学習を進めております。

 本区としては、まずはパイロット校における効果検証を優先するとされておりますが、効果検証については、既に政府や多くのほかの自治体が検証した上で、整備目標と方針を出しております。そして、実際に多くの自治体がタブレット端末の支給によって、学力テストの点数が上がったと検証結果を伝えております。もちろん、予算上の問題をクリアする必要はございます。ですが、まずは全校にタブレットや電子黒板等のICT機器を整備することこそが大事であると私は思っております。

 参考までに、渋谷区では、二○一七年度に七億八千二百万円の予算を計上しております。児童及び教師の数、合わせて約八千六百人で割った場合、単純に一人当たり九万円の予算がかかっております。導入する機種やソフトの種類、タブレット端末の支給については、買い取り形式にするのか、それとも貸与形式にするのか、さまざまな状況で変わるので、単純な計算、試算はできないとは思っております。ただし、中央区内の公立小・中学校、児童合わせて約八千五百名と教員約五百名、合計で約九千名のICT教育環境を整備するとした場合、渋谷区と同等の予算が必要とすると、約八億一千万円が必要となります。

 私は、子供たちの未来は中央区の未来そのものでありまして、教育に予算を惜しむべきではないと考えております。さきに質問をいたしましたが、ペーパーレス化によって数千万円から数億円のコストの削減がもし実現できるのであれば、その分の予算を充てていただきたい、総合的に検討していただきたいとも思っております。二○二五年度を整備目標とするのであれば、現在小学校一年生の子は中学生になってしまいます。子供たちにとって、六年という期間は大変大きく、そして重い意味を持つ期間でございます。質の高い個別学習を受ける機会を子供たちが得られないということにもなってしまいます。

 本件につきましては、速やかにタブレット等のICT教育環境の整備を、具体的には三年以内、二○二二年度までの実現をお願いしたいと思っております。区内全公立小学校・中学校への一人一台を目標とするタブレット端末等の整備について、三年以内の実現は果たして可能なのか、そして、前倒しで区の目標を実現するおつもりはあるか、本区のお考えをお聞かせください。

 以上、第一回目の質問を終わらせていただきます。

〔副区長 齊藤 進君登壇〕

○副区長(齊藤 進君)
 高橋元気議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、電子区役所の実現についてであります。

 区では、これまでマイナンバーカードを活用した住民票や印鑑証明のコンビニ交付、インターネットによる公共施設や図書館資料貸し出しの予約など、区民サービスの向上を図るとともに、税や福祉などの業務システムを導入し、事務処理の効率化を図ってきたところであります。一方、日々進歩するICTの活用には、情報通信ネットワーク社会に適応したシステムの安全対策や、区民の個人情報保護のセキュリティ対策に万全を期し、費用対効果などにも配慮していく必要があることから、電子化の推進とセキュリティ対策を両輪として、電子区役所の構築を進めてまいりました。デジタル化社会が進展する中で、スマートフォン等を利用した利便性の高い行政サービスへのニーズの増加や、国が示す行政手続等の利便性向上、行政運営の簡素化・効率化を目的としたマイナンバーカードの活用促進や、行政手続のオンライン化の推進に向けた方針に対応するため、本区においても、電子区役所の構築に向けて、さらなるスピード感を持って取り組んでいかなければならないと認識しております。現在進めている情報化基本方針の改定作業の中で、人工知能や業務自動化などのIT技術の活用を含め、電子区役所実現に向けた道筋を定めてまいります。

 次に、民間からのIT人材の登用についてであります。

 本区では、本年四月より、民間企業や他自治体のICT分野で経験豊富な人材を情報政策監として一名雇用し、情報政策に対する専門的助言・支援を受けているところであります。今後、ますます高度化・専門化するデジタル化の進展に対応する必要があることから、IT専門人材のさらなる活用に向けて、検討を進めてまいります。

 次に、庁舎内のペーパーレス化推進についてであります。

 ペーパーレス化は、印刷代などの経費節減や会議の準備作業の負担軽減など、業務の効率化に寄与するものと認識しております。区においては、これまで電子申請による手続の導入、区ホームページ上での会議資料の提供など、区民の利便性向上の観点からのペーパーレス化に取り組んでまいりました。電子決裁や電子会議など、庁内のペーパーレス化についても、現在、他自治体の取り組み状況等を参考に、導入の効果と課題について情報収集を行っているところであります。事例の中では、職員のIT機器の操作能力に差があることや、紙資料と比較して一覧性に劣ること、システム導入や運用に係るコストなどの課題も指摘されていることから、こうした点を十分に考慮しながら、業務効率化に資するペーパーレス化に向け、試行的な取り組みも含め、検討してまいりたいと存じます。

 次に、保育支援システムのアプリの導入についてであります。

 保育所においてICTを活用することは、保育士の子供と向き合う時間の確保や事務作業の負担軽減を図る上でも有効であると考えております。本区においては、既に私立保育園において区の補助事業を活用し、現在、四十六園で保育支援システムが導入されており、区立保育園についても今後導入してまいります。保護者とのコミュニケーションアプリにつきましては、情報セキュリティ面での課題があるとともに、保育士と保護者の直接的なコミュニケーションの減少も想定されることから、他自治体の導入状況などを参考にしながら、慎重に研究してまいります。

 次に、コミュニケーションアプリの導入についてであります。

 民間事業者のアプリを利用したコミュニケーションについては、区民同士の交流を促進し、地域コミュニティの活性化を図るという点において、意義があるものと考えます。しかし、区が導入するに当たっては、個人が発信する情報の正確性・安全性などを担保する必要があることから、慎重に対応していくべきものと考えております。

 次に、インターナショナルスクールの誘致についてであります。

 本区の外国人人口は、この五年間で約五○%増加しており、世界をリードするグローバル都市の実現を目指す首都東京の中心として、今後とも増加が見込まれます。インターナショナルスクールは、本区に住み、働く外国人にとって暮らしやすい生活環境を整備する上で、必要とされる施設の一つと認識しております。しかしながら、区の現状においては、立地場所の確保は極めて困難であり、誘致のための助成制度を設けたとしても、その有効性は必ずしも期待できません。区といたしましては、市街地再開発事業等の機会を捉え、民間活力との連携を図りながら、その実現に向けた可能性を検討してまいりたいと存じます。

 次に、外国語表記についてであります。

 区では、東京二○二○大会に向けて、外国人旅行者などの受け入れ環境のさらなる整備を目的として、平成二十九年三月に中央区多言語表記指針を策定いたしました。この指針では、日本語と英語の二言語表記を基本とし、必要に応じてピクトグラムを活用するなどの考え方を示しております。区では、この指針のもと、区道における道路案内標識は既に整備を終えております。現在、総合案内板や住居表示板、公衆便所の利用案内など、観光客が多く訪れるエリアを中心に、順次更新作業を行っているところであります。また、区の刊行物につきましては、外国人区民向け生活ガイドブックの四カ国語対応など、適宜取り組んでいるところであります。区といたしましては、今後ともニーズに応じた多言語表記を推進してまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 初めに、来年度の英語教育についてであります。

 本区では、これまで全小・中学校全学年においてALTを配置し、子供たちに実践的で生きた英語に触れさせ、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成してまいりました。また、パイロット校であります常盤小学校での取り組みや、新学習指導要領を踏まえた実践的な英語教育を推進してきたところでもあります。来年度は引き続き、これらの取り組みを進めるとともに、特に外国語が教科化となる小学校におきましては、新しく採択された教科書を使用することから、教科書を有効に活用した授業展開について、教員研修をさらに充実してまいります。

 次に、ICT教育環境の整備についてであります。

 小・中学校におけるICT機器の整備につきましては、児童・生徒の情報活用能力の育成を図るため、早期導入できるよう、着実に取り組んでまいります。タブレット端末の活用につきましては、授業展開の中で視覚的に教材を捉えて思考を深める場合や、発表資料を作成する場合などに有効であると認識してございます。そのため、現時点におけるタブレット端末の整備につきましては、先行して導入している三校の利用状況を考慮し、三学級に一学級程度の割合の導入で十分教育効果があるものと考えてございます。今後、一人一台のタブレット端末の導入につきましては、個に応じた学習課題を提供するソフトの開発など、児童・生徒を取り巻く学習環境の変化の時期を見定めて適切に対応してまいります。

 答弁は以上でございます。

〔八番 高橋元気議員登壇〕

○八番(高橋元気議員)
 御丁寧な御答弁、まことにありがとうございます。

 私からは、今の御答弁をいただいた上で、四点ばかり再質問をさせていただければと思っております。

 まず、電子区役所の実現についてでございますが、既に税関係、福祉関係の業務システム等の導入が終わり、そして、今後、ICTを活用するとなれば、安全対策とか個人情報のセキュリティ対策という部分をしっかりとしていかなくてはいけないという懸念は、もちろん重々承知をしております。そして、さらなるオンライン化の推進として、スピード感を持って対応していただくという点について、まずは感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 その上でお伺いをしたいのが、情報化基本方針を改定されるということでございますが、こちらについては、いつ改定される予定なのか、お伺いをさせください。

 二番目に、民間人材の登用について、御答弁ありがとうございます。本年四月に情報政策監の御登用をされたということで、専門的な御助言をいただけるのではないかと思っております。

 そこで、お伺いしたいんですけれども、既に登用については動かれているということでございますが、では、この情報政策監の方はどのようなプロジェクトを動かしていくような環境にあるのでしょうか。具体的な役割として、どのような業務を任されて、現在、どのようなプロジェクトを推進しているのか、お伺いをさせてください。

 三番目は、ペーパーレス化についてです。

 やはりペーパーレス化については、中央区というのは、二十三区の中でも、そして全国的にもおくれていると私は大変危惧を持っております。電子申請でしたり、区のホームページの会議資料の公表、そして、ほかの自治体の情報収集を進めた上で、今後、業務の効率化に向けて検討していくというふうにお話をされておりました。

 ただ、やはり情報化基本方針の中で、その計画を定めていかれるのか。ペーパーレス化という部分については、どのような具体性を持って計画をつくっていくのか。今後の展望について、改めて具体性のある計画をつくるのかどうかという点について、お伺いをさせください。

 アプリ導入につきましては、検討していただけるとのことで、ぜひ前向きに検討していただきたいと思っております。

 地方公共団体が主導してアプリを導入するというのは、近年では何も珍しいことではなく、むしろ簡単に導入ができるサービスを民間企業が複数提供しております。例えば、最近では、LINE株式会社が地方公共団体向けに、LINE公式アカウントを無償で提供しております。既に六百もの自治体が利用しており、自治体が率先してLINEを通じて情報を配信できるようになっております。例えば、災害発生時の緊急情報、避難先の情報発信においては、LINEというのは利用率が極めて高い、現状では最も効果が高いツールだと思われます。それだけでなく、取得したい情報に合わせて、区民が、災害情報だけでなく、例えばイベントの情報、健康情報、子育てや高齢者向けの情報など、自分で必要な情報を選択して受け取ることができるサービスがございます。また、別の話にはなりますが、千葉県千葉市では、ちばレポというアプリを提供しております。これは、千葉市内で起きているさまざまな課題、例えば道路が傷んでいる、倒木が発生している、公園の遊具が壊れているといった地域での困った課題を市民が簡単に市役所に対してレポートできるというアプリでございます。市民と行政及び市民と市民の間で課題や対応状況をリアルタイムに共有できるというサービスでもございます。そのほかにも、自治体向けアプリケーションを展開している企業は複数ございます。その中でもどれか活用ができるとお考えになられましたら、ぜひ検討していただければと思います。

 次に、来年度の教育施策についてですが、まずは子供たちに英語は楽しいという感覚を持ってもらうことが大事であると思っております。まずは、教師の方々に積極的に英語の研修をしていただくことも大事であるとは思いますが、子供の目線に立って、子供が本当に今楽しいと思えるような英語の教育のコンテンツをぜひ充実していただきたいと思っております。

 六番目のインターナショナルスクール等の誘致でございますが、例えば港区では、千二百名規模のインターナショナルスクールが虎ノ門ヒルズ周辺のビルに入る計画があるとのことでございます。政府筋の動きとしても、海外のトップスクール誘致に本腰であり、外国人学校が各種学校としての認可や準学校法人の設立認可等を受けた場合に、税制上の優遇措置や補助等の支援も講じられております。ぜひ、本区がリードした上で、取り組みをお願いしたいと思っております。再開発事業の中で進めていただけるとのことで、ぜひよろしくお願い申し上げます。

 続きまして、外国語併記の件でしたが、ありがとうございます。中央区多言語表記指針ということは、済みません、私のほうが調査不足でございました。既に定めていらっしゃるということでございます。オリンピック開催まで、もう時間が残りわずかでございますので、可能な限り御対応のほど、お願いできればと思います。

 最後に、ICT教育環境の整備についてですが、やはり早期導入に向けて、まずは三クラスに一クラスを整備することに教育効果があるというふうに御答弁をされていましたが、逆に言うと、一人一台のICT教育環境の学習の効果検証はしていらっしゃるのでしょうか。個別学習について、その効果を検証されているのか、その点について改めてお伺いをさせていただきたいと思っております。

 私からの再質問は以上でございます。

〔企画部長 浅沼孝一郎君登壇〕

○企画部長(浅沼孝一郎君)
 私より、電子区役所構築に関します再質問につきまして御答弁をさせていただきます。

 まず、情報化基本方針の改定時期でございます。

 今期の情報化基本方針につきましては、今年度までの計画としてございますので、次年度からの計画に向けまして、今年度から改定作業、検討を進めていくという予定にしてございます。次期の方針の中に、齊藤副区長からも答弁させていただきましたような課題について、十分に検討してまいりたいというふうに考えてございます。

 その中で、ペーパーレス化につきましても、あわせて他自治体の効果等も十分検証しながら、本区にふさわしいやり方、ペーパーレス化の取り組みというものも検討をしてまいりたいというふうに考えてございます。

 また、民間人材の登用についてでございますけれども、現在、システムのリプレースを行ってございますので、現状では、リプレースに当たって、さまざまな助言をいただいているところでございます。そのほか、方針の改定に当たって、ICT関係の技術についての情報を区のほうにお知らせいただいたりしてございます。また、方針の改定という作業もございますので、その作業には十分に能力・知識を活用していただきたいというふうに考えてございます。

 私からの答弁は以上でございます。

〔教育委員会事務局次長 長嶋育夫君登壇〕

○教育委員会事務局次長(長嶋育夫君)
 私からは、個別学習に関する御質問についてお答えしたいと思います。

 まず、私どもは、現在、例えば学習力サポートテストというものをやってございます。これは、個別学習するに当たって、一人一人がどこが得意で、どこが不得意か、それをはっきりした上で、効果的な学習をしていこうということも一つの目的になってございます。今、教育の世界の中で個別学習につきまして期待されているのは、こういったことがシステム化できて配信できるようになってほしいというのが大きな流れでございます。具体的に申し上げれば、日々の小テストですとか、それぞれのテストが、一人一人分析され、その人にとって必要な課題あるいは必要な問題が一人一人に個別に配信される、そういった世界に将来的にはなってくるだろうと思ってございます。

 しかし、ここでも答弁させていただきましたけれども、現在、そういったインフラができておりません。確かに、そういうインフラができていれば、一人一人が一台ずつタブレットを持つというのは必要だと思いますし、我々も整備していきたいと思ってございます。ただ、まだそういう条件は整っていないだろうと我々は考えてございます。

 個別学習につきましても、学習の授業体系の中で、授業展開の中で、個別学習というのは当然やっています。それはなぜかというと、調べて発表するなど、そういうものも個別学習ということになります。それにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、タブレットが有効でございまして、それについて、授業展開の中で個別学習をする機会というのは、多分三クラスに一台ぐらいあれば十分対応できるだろうというふうに考えた上で、現在、三分の一の整備で教育効果はあるだろうと考えてございます。ですから、これから教育環境が変わって、先ほどの個別配信のレベルまでいくかどうかはわかりませんが、ほかにもそういった環境で一人一台が必要になれば、我々としては、なるべく早くそういった環境を整備してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 私からは以上です。

〔八番 高橋元気議員登壇〕

○八番(高橋元気議員)
 再質問につきまして御答弁いただきまして、まことにありがとうございました。

 やはり御答弁の内容をお伺いしても、情報化基本方針が定められる、今年度中に策定されるということでございますので、まずは私もペーパーレス化の部分につきましても、この基本方針をしっかりと拝見させていただき、それからまた改めて理事者の皆様にお伺いをさせていただければと思います。まずは、情報化に向けてスピード感を持った取り組みをお願いできればと思っております。

 また、ICT化の教育環境の部分についてですけれども、今、三クラスに一クラスで十分というふうにお話をされておりましたが、今後、国の方針が一人一台というふうに変わってきます。ですので、現段階では三クラスに一クラスで十分かもしれませんが、個別学習の本当の成果を上げるためには、私は一人一台が必須であると思っております。タブレットを導入するのは、何も学習のためだけでなく、一人一台を実現することができれば、先ほどの御答弁の中にもありましたけれども、子供たちのいいところをさらに伸ばしてあげられる、そして、苦手な部分をきちんと指摘して、苦手を克服してあげられる。私は、一人一台整備した上で、本当の意味での個別学習が必要であると思いますので、ぜひスピード感を持って御対応いただきたいと思っております。

 私は、今回、四年間という時間をいただきました。そして、今回、選挙が終わって、私も皆様からたくさんの意見をいただいております。私がここに立たせていただいておりますのは、ひとえに、私が公約に掲げておりましたICT環境を整備するということにたくさんの期待が寄せられたからであると私は思っております。そして、それを私が少しも実現できないのであれば、何も前に進まないのであれば、この四年間で私は職を辞したいとも思っております。それだけの覚悟を持って、私はこの場に立っております。

 そして、私は、公務員の皆様、理事者の皆様、そして議員の皆様を大変尊敬しております。公のために日々汗をかいて活動されている。そして、困っている人のために働くことができる。私は、すばらしい仕事であると思っております。私が活動を続ける中で、いろいろな方の意見を聞いた中で、みんながみんな満足しているわけではないと思いました。中央区というのは満足度が高い都市と言われております。けれども、やはりどこかに必ず、今、泣いている人がいます。今、困っている方がいらっしゃいます。理事者の皆様を初めとしまして、皆様は大変大きな力を持っております。そのような、今泣いている人たちの涙をとめることができる力であり、そして、今笑うことができない人に対して、笑顔をつくることができるという、すばらしい仕事、そして、すばらしい力を持っております。ぜひその力を、スピード感を持って、すぐにでも、今泣いている人の力になれるような取り組みをしていただきたいと心から思っております。そして、私は、この仕事は、それができる仕事であると誇りに思っております。

 長くなりましたが、本日は何点か質問をさせていただきました。これからも私はICT環境の整備につきまして、たくさん勉強させていただき、そして、皆様と一緒に進めることができるよう尽力してまいります。何でもやる覚悟でございます。どうか御協力のほど、よろしくお願いを申し上げます。

 以上をもちまして、私、高橋元気からの一般質問を終わらせていただきます。多々至らない点があったかと思いますが、御清聴いただきまして、まことにありがとうございました。(拍手)


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明二十一日から二十三日までを休会とし、来る二十四日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十一日から二十三日までを休会とし、来る二十四日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     午後五時二分 散会


署名議員
議長 押田 まり子
議員 田中 耕太郎
議員 原田 賢一

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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