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令和2年第三回定例会会議録(第3日 9月25日)

1.会期

二十三日(第三日)

九月二十五日(金曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後五時二十九分散会

3.出席議員

(二十九名)

一番 高橋 元気議員

二番 高橋 まきこ議員

四番 田中 耕太郎議員

五番 かみや 俊宏議員

六番 太田 太議員

七番 二瓶 文徳議員

八番 しらす 夏議員

九番 奥村 暁子議員

十番 青木 かの議員

十一番 小坂 和輝議員

十二番 渡部 恵子議員

十三番 竹内 幸美議員

十四番 佐藤 あつこ議員

十五番 塚田 秀伸議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 墨谷 浩一議員

十八番 山本 理恵議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 押田 まり子議員

二十一番 富永 一議員

二十二番 瓜生 正高議員

二十三番 海老原 崇智議員

二十四番 礒野 忠議員

二十五番 木村 克一議員

二十六番 中嶋 ひろあき議員

二十七番 田中 広一議員

二十八番 中島 賢治議員

二十九番 原田 賢一議員

三十番 渡部 博年議員

4.欠席議員

(一名)

三番 梶谷 優香議員

5.出席説明員

区長 山本 泰人君

副区長 齊藤 進君

副区長 吉田 不曇君

教育長 平林 治樹君

企画部長 浅沼 孝一郎君

総務部長 黒川眞君

防災危機管理室長 濱田徹君

区民部長 遠藤 龍雄君

福祉保健部長 田中 智彦君

高齢者施策推進室長 吉田 和子君

保健所長 山本 光昭君

環境土木部長 望月 秀彦君

都市整備部長 松岡 広亮君

会計管理者 鈴木浩君

教育委員会事務局次長 生島憲君

監査事務局長 高橋 和義君

政策企画課長 山﨑 健順君

財政課長 大久保 稔君

広報課長 園田 典子君

総務部参事(総務課長事務取扱) 北澤 千恵子君

6.議会局出席職員

議会局長 伊藤 孝志君

庶務係長 長田 基道君

議事係長 小倉 正信君

調査係長 工藤 久栄君

書記 桝谷 剛司君

7.議事日程

日程第一
 諸般の報告

日程第二
 一般質問

日程第三
 議案第五十八号 令和二年度中央区一般会計補正予算

日程第四
 議案第五十九号 令和二年度中央区国民健康保険事業会計補正予算

日程第五
 議案第六十号 令和二年度中央区介護保険事業会計補正予算

日程第六
 議案第六十一号 令和二年度中央区後期高齢者医療会計補正予算

日程第七
 議案第七十号 令和二年度中央区一般会計補正予算


午後二時 開議

○議長(押田まり子議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。

 本日、梶谷優香議員より、欠席の申出がありましたので、御報告いたします。

 新型コロナウイルス感染症対策として、出席者の抑制を図るため、指定の議員は退席を願います。

 また、理事者についても同様に願います。

〔指定の議員並びに理事者退席〕


○議長(押田まり子議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「諸般の報告」を行います。

〔伊藤議会局長朗読〕


八、議案の送付について


○議長(押田まり子議員)
 報告を終わります。

 ここで、ただいま報告のありましたとおり、区長より議案一件が送付されましたので、本日の日程に掲載いたしました。


○議長(押田まり子議員)
 次に、日程第二、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 十八番山本理恵議員。

〔十八番 山本理恵議員登壇〕

○十八番(山本理恵議員)
 中央区議会区民の風の山本理恵です。令和二年中央区議会第三回定例会の一般質問をさきの質問通告に沿って行わせていただきます。区長並びに各理事者の方々には誠意ある御答弁をお願い申し上げ、質問に入らせていただきます。御答弁によりましては、再質問を留保いたします。

 今回は、ポストコロナ社会における新しい働き方と新たな生活様式への適応をテーマに、自治体業務の在り方と公共空間の再編についてお伺いいたします。

 日本社会では、新しい生活様式が徐々に浸透しつつあります。新型コロナウイルス感染症は社会風景を一変させ、社会経済に大きな影響を及ぼしています。その影響は一時的なものではなく、深く永続的なものとなる可能性があります。感染拡大の局面では、専門家会議による提言等を踏まえた基本的対処方針の下、国は新型インフルエンザ等対策特措法に基づく緊急事態宣言を全国に発令し、不要不急の外出や営業の自粛を要請しました。都道府県は、宣言解除後も都市と地方間の移動を制限するなど、独自の取組を展開しています。

 区市町村は都道府県とは異なり、住民に対する協力要請等の直接的な権限はありません。関係機関等との総合調整に関し、意見具申のみが権限として与えられています。このような枠組みの中で、区市町村は、外出や営業の自粛に伴う交付金等の補償措置の窓口を担い、短期間に大量かつ迅速な事務作業を求められました。今回の非常事態の中で、行政固有の情報システムの課題やマンパワー不足等の問題が顕在化しました。

 また、新型コロナ感染症に伴う自粛要請は、社会のデジタル化を一挙に加速させています。社会のデジタル化に対応する水準のデジタル化を、行政においても本格的に展開しなければなりません。行政システムの高度化は未来への投資であり、住民に質の高い行政サービスを届けるための手段として、今まで以上に重要となってきます。

 さらに、新型コロナ感染症の蔓延は、私たちの働き方や生活の在り方を変え、ひいては都市の在り方を見直すきっかけとなっています。国の方針や専門家会議の提言では、テレワーク、在宅勤務、交代勤務、時差通勤など、働き方の新しいスタイルを提唱しています。新しい生活様式に対応した公共施設の在り方や、ゆとりある公共空間の活用が望まれます。コロナ危機を契機に、都市空間に新たな価値を創造する政策が求められています。

 まず、非常時における窓口業務の課題について伺います。

 窓口業務は、住民に不可欠な行政サービスを継続的に提供する義務があります。コロナ禍では、住民との対話が前提の窓口業務において、住民との接触を極力回避する対応が求められました。感染症から住民と職員の双方を守るため、対面と非対面サービスの選別や一部手続の郵送推奨、職員の出勤抑制等の対策を講じる一方で、窓口の混雑や業務の停滞、マンパワー不足等の問題が生じています。この経験を踏まえ、行政手続の簡易・迅速化を図る窓口業務のオンライン化や、ICT機器を活用したリモート相談等のデジタル化を推進し、来庁不要な手続を増やしていくべきと考えます。それは、感染防止のみならず、自然災害等の非常時においても有効です。

 そこで、非常時における窓口業務の状況と課題、解決策について見解を伺います。

 非常時は、平常時の基本の上に緊急対応が要求されます。非常事態を打破すべく、矢継ぎ早に新たな法令が施行され、窓口対応の根拠となる通知やガイドライン等が随時更新されます。様々な指針等の変更を頭に入れつつ、住民の多様な相談に適切かつ的確に対応する必要があります。平常時では職場研修やOJTを実施していますが、非常時にはその知識を習得する時間的余裕がありません。そこで、住民の権利利益を守る観点から、非常時における窓口職員の法制度知識等に関するアップデート体制と、適法・適正な業務を担保するチェックシステムの現状と課題について伺います。

 住民一人一人の多様な相談に対して、随時更新される法令や政策を反映させつつ、個々住民に合わせた説明を行うことが大変なことは容易に想像できます。個々職員の職務能力向上とともに、組織としてバックアップしていくことが大切です。

 そこで、窓口職員が同一レベルの能力で対応できる組織マネジメント体制の現状と課題について伺います。

 次に、自治体業務のデジタル化の推進について伺います。

 令和二年四月に中央区情報化基本方針の一部が改定されました。今年度中に電子区役所の構築に向けた取組事項を具体的に検討し、令和三年度に本改定される予定です。この方針では、電子区役所の位置づけとして、情報通信技術、ICTに委ねるべき部分と委ねるべきでない部分を見極めつつ、電子化とフェース・ツー・フェースのサービスを複合的に組み合わせ、区民サービス全体の充実につなげていくとしています。国では、平成三十年に行政手続オンライン化法の施行と同時に、デジタル・ガバメント実行計画が作成されました。翌年にオンライン化法はデジタル行政推進法に改正され、個別法の改正なくとも、省令でオンライン申請をすることが可能となりました。今後は行政のあらゆるサービスが最初から最後までデジタルで完結できるよう、行政サービスの一○○%デジタル化を目指します。完全デジタル・ガバメントに向け、国は、住民基本台帳や税などを管理する自治体の基幹業務システムについて、国が示す統一的な標準仕様書に基づいたシステムの導入を義務づける新法の制定を検討しています。

 そこで、中央区情報化基本方針の改定に向けた検討状況と、明らかとなった課題について伺います。

 また、住民の行政に対する期待水準が高まる中で、中央区が目指す電子区役所像について具体的にお聞かせください。

 国は、成長戦略フォローアップやキャッシュレス・ビジョンの中で、二○二五年までに全国におけるキャッシュレス決済の比率を四割程度に引き上げることを目標に掲げ、マイナンバーカードを活用したマイナポイント事業の推進をはじめ、窓口業務や公共施設への導入に向けて取り組んでいます。中央区は、モバイルレジやeLTAXを利用した電子納税の導入により、住民の利便性や収納率の向上に努めてきました。今後は、オンライン申請とキャッシュレス決済を組み合わせるなど、デジタル化の対象事務の拡大を図ることが求められます。行政の内部規制や管理事務の処理等が課題とされていますが、住民ニーズの多い行政サービスや施設予約でのキャッシュレス決済の導入に本腰を入れるべき時期が到来しています。

 そこで、社会の脱現金化の流れに対する認識を伺うとともに、中央区のキャッシュレス決済の導入に向けた検討状況と課題、今後の展望について伺います。

 中央区では、新型インフルエンザ等対策行動計画とともに、中央区業務継続計画新型インフルエンザ等対策編、BCPを策定しています。このBCPは、非常時における応急対策業務と住民生活に必要な通常業務を滞りなく実施するために、限られた職員を効果的に配置するための計画です。今般のコロナ感染症の教訓を踏まえ、より実効性の高いBCP計画となるよう人員体制を検証すべきと考えますが、区の見解を伺います。

 また、大規模災害などの非常時に業務の継続性を担保するためには、内部情報システムやインフラ、庁内ネットワーク等が稼動することが前提です。本庁舎における非常用発電機の強化や新富分庁舎の情報システム機能を維持するための電源確保など、災害時における業務継続の在り方を整理することが必要です。

 そこで、停電等通信障害時における危機管理及びICT部門における業務継続計画、ICT‐BCPを実態に即して見直していくべきと考えますが、区の認識を伺います。

 次に、人工知能、AIチャットボットの展開について伺います。

 山本区長が初めて行った所信表明演説では、人工知能、AIや業務の自動化、RPAなど、ICT技術を活用した社会の動きに触れ、スマートフォン等を利用した行政サービスへの区民ニーズに応え、行政手続のオンライン化の推進等に向けた検討を進めることとしています。

 今年三月に特別区長会調査研究機構が報告した、「AI等の先端技術を活用した業務効率化~電子自治体への移行に向けて~」のアンケート調査によれば、令和元年七月時点における特別区の状況は、「AI・RPAを共に導入済み及び導入予定」は六区、「RPAのみ」は四区、「AIのみ」は二区、「AI・RPAともに実証実験中」は二区、「検討中」は九区であり、特別区における関心度の高さがうかがえます。中央区では、令和三年度予算編成方針で、AIやRPAなどの新たなICT技術の活用による業務の改善を掲げています。行政職員の貴重な労働力をいかに活用するかという発想に立ち、AI、RPAを活用した業務の代替と効率化を真剣に検討している姿勢を評価いたします。

 AI業務の一つとして、自動会話プログラム、チャットボットがあります。中央区では、今年八月から、新型コロナ感染症に関する住民からの問合せに対応するため、区のホームページで二十四時間三百六十五日対応できるAI搭載型チャットボットサービスを開始しています。テキストによる会話形式で、質問者が必要とする情報にたどり着けるよう案内していますが、日々更新される情報と情報量の多さに対応することは容易ではなく、十分に活用されているとは言い難い状況です。

 そこで、まず、チャットボット導入の背景と目的、効果と課題についてお聞かせください。

 チャットボットの課題の一つに、AIが回答するための大量のQAリストの整備が挙げられます。中央区がFAQやQAデータを単独で整備する時間と労力を軽減するために、自治体間で定型的データを共有し、AIチャットボットの学習を促進させる共同利用を活用することも検討すべきです。二十三区で初となる人工知能を搭載した墨田区のごみ分別案内チャットボットをはじめ、先進的な自治体事例を参考に、各種証明書の案内、外国人向けの多言語対応、休日の診療機関案内など多様な政策分野に導入し、住民サービスの向上を図っていくべきと考えます。また、チャットボットを、住民からの問合せ対応のみならず、ヘルプデスクや業務確認、議事録作成など内部事務にも大いに活用していくべきと考えます。

 そこで、チャットボットが持つ可能性と今後の展開について見解を伺います。

 次に、新しい生活様式に対応した図書館の在り方について伺います。

 新型コロナ感染症の蔓延は、図らずもデジタルの有用性を再認識させるものとなりました。人と人とが顔を合わせ接触する機会を極力避け、社会全体をデジタル化していくことは、防疫面においても、経済活動を維持する上でも有効です。集団感染を回避するために、対面の仕事と在宅の仕事が区別され、移動を伴わない様々な活動が急速に社会に浸透しています。今年五月、内閣府がコロナ感染拡大後に初めて実施した新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査によれば、コロナ感染症の影響でテレワーク等を実施した人は、全国で三四・六%だったのに対し、東京二十三区では五五・五%に上っています。民間企業では、集団感染の心配がないオンライン方式によるテレワークを継続し、働き方の新常態を恒常化しつつあります。時間や場所の制約を受けずに柔軟に働く形態が主流となれば、それに併せ、生活の在り方や都市の在り方も変化していきます。都市の特徴は密ですが、それが感染拡大の根源でもあります。都市のメリットを享受しつつ、密から生じる問題を回避するために、公共空間を再編し、弾力的な働き方と生活様式に合わせた居心地のよいインフラ整備が求められます。

 例えば、今年度は(仮称)本の森ちゅうおうの整備に着手しています。この施設は、地域の生涯学習拠点として、子供から大人まで誰もが親しみを持って利用できる、桜川公園と一体化した計画です。施設内は、図書館と郷土資料館を融合させ、開放感と回遊性ある設計となっています。また、区立図書館は、歴史的な地域資料のデジタル化や郷土天文館の収蔵資料のデータベース化をはじめ、図書館資料の貸出予約、ICタグやWi‐Fiの導入等のICTにいち早く取り組んでいます。

 そこで、新しい生活様式に対応した、これからの図書館の在り方について区の見解を伺います。

 あわせて、住民の便益増進の観点から、本格的な情報通信環境の整備、新しい日常に対応したリモート空間の整備、ウェブを駆使したデジタルレファレンスサービスの提供、図書館ホームページの図書検索機能に人工知能、AIの導入など、図書館に多様な機能を持たせ、デジタル化を促進させることを提案しますが、区の考えをお聞かせください。

 次に、新しい日常に対応した公共空間の活用について伺います。

 社会的距離を保った新しい日常では、ゆとりある公共空間の活用が望まれます。令和元年十二月に東京都が発表した「未来の東京」戦略ビジョンでは、都市機能を高める戦略として、道路空間の車から人への転換、道路・公園等を活用したにぎわいの創出、洗練された公園空間の創出など、公共空間のリメイクが掲げられ、二○四○年代の東京の理想の姿が描かれています。

 今年七月から九月にかけて、公民協調の下、公共空間を活用したMarunouchi Street Park二○二○が実施されました。丸の内仲通り一面に芝生を敷き、二十四時間車両の通行を禁止し、誰もが自由に楽しめる緑豊かな憩い空間を創出しています。密集・密閉・密接を避ける新しいライフスタイルを提供すべく、屋外空間である区道を活用し、開放的な道路空間を提供しています。このような公共空間の開放は、都市再生特別措置法に基づく都市再生推進法人制度、国土交通省による道路占用許可基準の緩和、東京都のテラス営業等支援助成制度などにより後押しされ、空間活用の新たな潮流と言えます。

 中央区では、首都高速道路の老朽化に伴う大規模更新を契機に、まちづくりと連携した都市再生を推進しています。日本橋上空の首都高の地下化に併せて、銀座のまちの外周を囲むように走る東京高速道路、KK線の在り方が検討されています。首都高速八重洲線から首都高速都心環状線の築地川掘り割り部分に接続する新たな都心環状ルート、西銀座から京橋を地下に整備し、KK線はニューヨークのハイラインのような緑のプロムナードに再生することが提案されています。また、都心環状線築地川区間の大規模更新の機会を捉えた掘り割り部分、三吉橋から新尾張橋の蓋かけにより、上部空間を有効活用することが検討されています。大規模更新に併せ、中央区役所エリア、築地一丁目エリア、采女橋周辺エリアのまちづくりとの連携が期待されます。

 今年六月に、都知事は、KK線の今後について、歩行者系機能の施設として活用する方向で検討するとし、未来の東京にふさわしい新たな公共空間として、この緑道化計画を改めて評価しています。また、八月には現地を視察しています。東京高速道路(KK線)の既存施設のあり方検討会は、今後、その活用策を取りまとめ、東京都に対し提言する予定です。

 そこで、まず、これまでの検討状況に対する区の見解を伺います。

 あわせて、中央区が抱える課題と東京都への要望、そして将来展望についてお聞かせください。

 最後に、中央区のポテンシャルを最大限引き出すプロジェクトを推進していくために、次の三点に対する見解を伺います。

 一点目に、東京高速道路株式会社が建設費と運営費をビルの賃貸収益で回収する仕組みであるPFIの先駆的なモデルだったことを踏まえ、公園空間の魅力創出の観点から、これら緑道化計画に接する一定規模の公園や広場、緑地の管理に、都市公園法に基づく公共還元型収益施設の設置管理制度、Park‐PFIを導入することが望ましいと考えますが、区の見解を伺います。

 二点目に、開放的な道路空間の活用の観点から、都心環状線築地川区間の蓋かけによる上部空間のにぎわいを創出するために、Marunouchi Street Parkのような空間活用ができるまちづくりの推進を提案しますが、区の見解を伺います。

 あわせて、築地川アメニティ整備構想を見据えて、中央区において都市再生推進法人制度を積極的に推進し、まちづくりの担い手を育てていくべきと考えますが、区の認識を伺います。

 三点目に、まちの回遊性を高める快適な移動の観点から、緑のプロムナードと築地川アメニティ整備構想を昭和通り沿い二か所で確実につなぎ、緑道への出入口を複数確保する必要があります。また、その緑道に沿って、安全で快適な自転車通行空間を整備する、あるいは次世代モビリティを走行させるなど、常識や固定観念にとらわれない、大胆で自由な発想による公共空間の活用を期待しますが、それぞれに対する区の見解を伺います。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 山本理恵議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、非常時における窓口業務の課題についてであります。

 非常時においても、一人一人の区民が必要とする行政サービスを迅速かつ的確に提供していくことは、区の重要な責務であります。今般のコロナ禍での窓口業務においては、相談・手続などのニーズが短期間に集中する中、対面による手続が必要な業務については、窓口混雑緩和のための会場確保や臨時ブースの設置、来庁しなくても可能な手続については郵送申請の勧奨など、感染防止対策を同時に講じながら対応してきたところであります。また、様々な支援メニューに関わる要件や基準などが頻繁に更新されていく状況にあったことから、関係行政機関や他自治体との積極的な情報共有を図りながら、適法・適正な業務の確保に努めてまいりました。今後とも、区民に最も身近な基礎自治体としての責務を果たしていくため、日頃からのOJTを通じた個々の職員のスキルアップをはじめ、組織内での緊密な情報共有や部署を超えた応援態勢の構築、それぞれの業務特性に応じた適切な対策を講じることにより、非常時にあっても行政サービスを着実に遂行できるよう取り組んでまいります。

 次に、情報化基本方針の改定についてであります。

 区民サービスの向上及び業務の効率化を図るための方針改定に向け、これまで業務の内容や課題などを把握するための全庁的なアンケート調査を実施し、データ入力、文書作成、電話応対など定例的・定型的な業務について多くの職員が負担を感じているなど、現状の職場を取り巻く課題が明らかになりました。そこで、希望する部署を対象に、業務分析・業務改善を目的としたヒアリング調査を行い、定型入力業務の多い部署においては、AI‐OCRやRPAの導入により、区民サービスの向上・改善を進めるための時間が創出できるなど、作業時間削減による大きな効果が見込めるとの結論を得たところであります。今後は、AI‐OCRやRPAを活用した実証実験を実施するなど、ICT技術を活用したシステムの導入に向けて具体的な検討を進め、本年度中にロードマップ及びアクションプランを盛り込んだ改定情報化基本方針を策定する予定であります。この情報化基本方針の改定に当たっては、ICT技術の活用を通じて、区民の利便性向上はもとより、業務の抜本的な見直しや改善を図っていくことにより、二十万都市を見据えた業務体制を構築し、業務の効率化と区民ニーズに応える電子区役所の実現を目指してまいります。

 次に、キャッシュレス決済の導入についてであります。

 これまでのクレジットカードや交通系ICカードに加え、QRコードなどによるスマホ決済が急速に普及する中にあって、現金を使わない決済が一般化しつつあり、区民のニーズも高まっております。このような現状を踏まえ、本区としても、キャッシュレス決済の導入は、窓口における手数料の支払いや施設予約時のオンライン決済、税や保険料の電子納付などに利用できることから、区民の利便性向上に資するものであり、早期に検討すべきものであると認識しております。導入に当たっては、セキュリティ面はもちろんのこと、種類や対象窓口、事業の選定、歳入管理の方法、決済手数料の負担、費用対効果など、整理すべき多くの課題があることから、今後、関係部署による検討を進めてまいります。

 次に、業務継続計画、新型インフルエンザ等対策編の人員体制の検証についてであります。

 現在の業務継続計画では、応急対策業務と区民生活に欠かせない業務を非常時優先業務に位置づけ、新型インフルエンザ等発生時の職員の欠勤者を最大四割と想定した上で、必要な業務を滞りなく実施するための職員配置等を定めております。一方、現状のコロナ禍においては、業務が増大した部署や臨時に設置した窓口等に対し、応急的な措置として、全庁的な調整を図りながら職員の応援態勢を整え、その対応に当たってきたところであります。業務継続計画は、毎年度、非常時優先業務の点検・調査を行っていることから、次年度以降、今般のコロナ禍の経験を踏まえた業務の点検と、それに伴う人員体制の検証を行うとともに、国や都による業務継続ガイドラインの改定等の動向も注視しながら、必要に応じて計画の見直しを行っていく考えです。

 次に、ICT部門における業務継続計画についてであります。

 本区では、全庁的な業務継続計画の一環として、情報システム事業継続計画を策定し、災害や大規模なシステム障害が発生した際に、情報システム部門の職員が取り組むべき対応策を定めているところです。また、システム稼働に必要なサーバ機器等については、本庁舎、新富分庁舎、区外のデータセンターに分散して配置し、停電や災害によるリスクの軽減を図っております。各施設には非常用電源が配備されており、停電時にも業務の継続が可能となっております。なお、現在では、区の業務のほとんどが電子システムやパソコン端末等の使用を前提としており、非常時において必要な業務を遂行するための最低限の電力は確保しておりますが、今後、継続すべき業務の内容・量の見直しや、停電の長期化などに備え、さらなる電力の確保に向けた方策を検討するとともに、業務継続計画を見直すなど、災害時における情報システムの安定的な運用に向けた取組を加速させてまいります。

 次に、AIチャットボットについてであります。

 新型コロナウイルス感染症関連情報に関し、区民が時間を問わずいつでも問合せをすることができ、日々更新される多くの情報の中から必要な情報へ的確に案内することを目的として、AIを搭載したチャットボットサービスを導入しました。これまでは情報を自分で探す必要がありましたが、チャットボットのメニューに沿って、あるいは質問を入力することによって、情報へのアクセスが容易になり、一定の効果を上げていると考えております。しかしながら、質問入力時には類義語や様々な言い回しがなされることにより、質問を認識できず、適切な回答が提供されないというAIの学習機能が追いついていないケースがあること、また、日々刻々と追加、更新されていく情報に対応した修正作業がその都度必要であることなど、運用に当たっての課題も認識しているところであります。こうしたことから、質問内容を分析するなど、チャットボットの回答精度の向上に取り組むとともに、よくある質問のデータについて他自治体と共同運用を図るなど、改善に向けた検討を進めてまいります。今後につきましては、新型コロナウイルス感染症情報の提供の在り方を見極めながら、区への問合せが多い区民生活に関する手続案内などの質問内容についてカテゴリーの拡大を検討するとともに、庁内での問合せ対応といった行政内部事務での活用についても、先行自治体の取組事例なども参考に研究してまいります。

 次に、KK線の既存施設のあり方検討会についてであります。

 昨日、第五回検討会が開催され、既存施設の有効活用策の取りまとめ素案が提出されました。素案に示された将来像では、既存の高架道路の形態や連続する屋外空間を生かした広域的な歩行者系ネットワークや、みどりのネットワークが構築され、地域の価値と魅力が向上しているとされており、本区の目指すべき方向とも一致していると考えています。この取組は、本区の課題の一つである緑地面積の増加に資することはもとより、地域にさらなるにぎわいを創出するものと考えており、今後、地元の方々の意見も伺いながら、この取組が確実に実現するよう、都などの関係機関に働きかけてまいります。

 次に、区のポテンシャルを最大限に引き出すプロジェクトの推進についてであります。

 KK線の活用については、今年度、区においても、都の検討会の内容を踏まえ、沿道の公園など、公共用地の活用によるKK線上部空間と地上部をつなぐ縦動線の確保や、築地川アメニティ整備構想と連携した銀座地区外周の緑のプロムナード化の検討を行っているところであります。これらの新たな空間整備を実現するには、関係者間での十分な議論を重ねるとともに、KK線上部空間へとつながる公園等についても、事業スキームの動向を注視しながら、Park‐PFIを含めた様々な制度の活用を検討する必要があるものと認識しております。また、歩行者中心の公共的空間におけるにぎわいの創出に当たっては、周辺のまちづくりとの連携や、都市再生推進法人制度などの手法を検討し、持続的な取組を促進する必要があると考えております。さらに、都の検討会の取りまとめ素案では、地域のニーズに対応する交通サービスとして、次世代型モビリティなどが提供され、周辺の多様な交通モードと高い接続性が確保される将来像が示されております。区といたしましては、KK線上部の新たな活用と築地川アメニティ整備構想との連携により、人でにぎわう緑のプロムナードを実現するとともに、築地市場跡地、浜離宮恩賜庭園、隅田川に続く広域的な視点での水と緑のネットワークによるまちの回遊性の向上に向け、都などの関係機関と連携し、地域と一体となって事業を推進してまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 新しい生活様式に対応した図書館の在り方についてであります。

 区立図書館では、ホームページを通じた図書の予約やWebレファレンスのほか、ビジネスにも活用できるWi‐Fi環境など、ICTを活用した区民サービスの提供に取り組んでまいりました。こうしたこれまでの環境整備は、区民の知的好奇心の向上を図る観点やコロナ禍の対策としても有効と認識しており、多くの区民に支持され活用されるコンテンツとして、今後とも充実すべきと考えております。教育委員会といたしましては、本の森ちゅうおうの運営に当たり、リモート講演会や展示の動画配信、電子書籍の導入など、今後のICT技術の進展に即した多様な機能を持つ新たな図書館について検討を深め、新しい生活様式にも対応するよう取り組んでまいります。

 答弁は以上であります。

〔十八番 山本理恵議員登壇〕

○十八番(山本理恵議員)
 それぞれ御答弁をいただき、ありがとうございます。

 九月十六日に九十九代内閣総理大臣に就任された菅首相は、行政におけるデジタル化の必要性を強く訴え、デジタル庁の創設に向けた基本方針を年内に取りまとめるなど、法改正の準備を進めていく考えです。新内閣では、新たにデジタル改革担当大臣を任命し、官民問わず、能力が高い人材を積極的に取り入れていく方針です。また、東京都知事は、行政手続のワンストップ化を目指す東京デジタルファースト条例の改正案を都議会に提出しています。行政手続のオンライン化や業務のデジタル化は、個人情報の保護やプライバシーの確保、デジタルディバイド、情報格差への配慮などの課題がありますが、国や都は本気で取り組む姿勢です。

 以前から、私たちの日常生活にデジタル技術を用いた民間サービスが次々と浸透していく中、行政サービスの水準はその変化に追いついておらず、官民間のギャップがどんどん拡大していると感じていました。行政サービスの受け手と担い手の双方が不便さを感じながらも、システム的な課題や組織的な制約などにより我慢を強いられています。デジタル化は一朝一夕に導入、定着できるものではなく、数年にわたる地道な努力が必要となります。国や都の計画と整合性を図りながら、これからの中央区役所の在り方とデジタル技術の活用について、その方向性、方針を早期に具体化していただくことを望みます。

 そして、KK線の活用における緑のプロムナード及び築地川アメニティ整備構想における緑道化計画は、公共性の高い用途として理想的な再生オプションであると考えています。将来、高速道路等をリメイクした緑道で中央区マラソン大会などを開催するなど、次世代を生きる子供たちに夢や希望を抱かせる明るいビジョンとなることを望みます。

 中央区の潜在的能力を最大限引き出す計画の推進を期待申し上げ、一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(海老原崇智議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後二時五十分 休憩


     午後三時十分 開議

○議長(押田まり子議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十二番渡部恵子議員。

〔十二番 渡部恵子議員登壇〕

○十二番(渡部恵子議員)
 議長から発言許可をいただきました渡部恵子でございます。

 新型コロナウイルス、COVID‐19が世界中の経済活動を止めて以来、いまだ終息の見通しがつかぬ中、これまでの働き方ではなかなか進まなかったリモートワークを導入する企業も増え、出社して働くことが当然だった働き方から、自宅や好きな場所で仕事をするという新たな働き方が始まっております。しかし、この新しい働き方は、出張に行けないときでもテレワークで会議ができることから、航空業界、鉄道業界、ホテル業界など、他の業界にじわじわとその影響が及び始めているように思います。GoToキャンペーンが提案されても、これまで与えられ過ぎた不安から長距離の外出を控えるなど、新型コロナウイルスによって余儀なくされた社会構造の変化は、働き方だけでなく、人々の価値観、消費行動に変化をもたらしていると実感しています。

 このように、これまで当然であった地球上の国々や人々との交流や経済活動にも大きな変化がもたらされ、その結果、日本経済にはかつてない多大な打撃が及んでいます。始まりは中国のロックダウンでした。二月の訪日外国人需要は前年と比べマイナス五八%、三月には九三%まで激減し、インバウンド需要が高い業種の冷え込みは厳しい状況に置かれています。本区においては、東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会が決定して以来、全庁を挙げて、国内外から多数のお客様を迎える国際観光に根差した都心のまちづくりほか、基本計画二○一八に向けた施策に取り組み、本年度予算では、オリンピック・パラリンピック大会に向けた様々な施策に予算を通していた矢先に、急ブレーキがかかりました。

 今議会の質問に当たり、日々、新型ウイルスゆえに何が正解か分からぬ中、刻々と変わる状況に適切に、迅速に区民生活の手当てに従事する本区職員の皆様方の日々の業務について、寄り添う思いを持ちながらも、日本経済に与えられたダメージが大き過ぎる今だからこそ、持続可能な行政運営について、終息した先を見据えた質問をさせていただく必要があると考えました。財政、区内事業者の経済支援、来年、オリンピック・パラリンピック競技大会を迎える観光都市における食品ロス、また、区民意識を真に把握するには具体的にどのようなことで把握できるのか、そして、コロナ禍と言われる今の区民生活の質の維持・向上については、どのようにお考えなのか、持続可能性と新しい価値創造という視点を持ちながら、これより会派を代表して質問させていただきます。再質問は、あらかじめ留保いたします。

 初めに、今後の歳入の考え方についてお伺いいたします。

 令和元年度末で約二百四十億円あった財政調整基金から、今年度予算案では、もともと七十億円取り崩す予定が、新型コロナウイルス感染症による取崩しによって、令和二年度末の残高が百四十億円ほどになると報告をいただいたのは、今年度が始まってしばらくたった頃でした。時を同じくして、内閣府が発表した二○二○年一月から三月期のGDPの一次速報値は年率マイナス三・四%、年明けから始まった新型コロナウイルス感染症によるパンデミックにより、世界中の経済活動が止まった影響と、日本の緊急事態宣言による経済減速が本格的に現れる前でありながら、既にマイナス成長を示すものとなりました。消費税を一○%に上げた影響が強く及んだ二○一九年十月から十二月期は、年率マイナス七・一%となり、二期連続マイナス成長と発表がありました。そして、八月十七日、緊急事態宣言下の影響が本格的に現れる四月から六月期のGDP速報値は年率マイナス二七・八%、三期連続マイナス成長となり、年率換算の金額は四百八十五・一兆円、いわゆるリーマンショックから七年半ぶりに五百兆円を割ったという報道に、大変厳しいマイナスインパクトを示していると鳥肌が立つ思いを持ちました。

 しかし、自粛解除で七月から八月期で成長率は戻る可能性が高い数字ながら、地球規模の感染症による経済的な影響については、有効なワクチン開発のめどが立たない限り、先行きが読み切れない状況だと感じております。IMFは、前代未聞の危機であり、回復も不確実になると分析していますが、個人所得の減少と、緊急事態宣言により経済活動ができないことから派生する企業収益の悪化による特別区民税や特別区交付金の減収は容易に想定され、ここに法人住民税の国税化の影響と、令和元年度中央区財政白書に示された、ふるさと納税応援寄附金で昨年度他の自治体に流出した金額は十八億四千六百万円に上り、令和二年度も、現在、途中経過ながら、十六億四千万円も既に流出していることからくる影響を考えると、令和三年度の歳入以降、数年にわたり、徐々に本区の財政に大きな影響を及ぼしていくのではないかと推測しています。

 他方で、本区の人口増加に伴う施設整備や東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会後のまちづくりなど、行政需要は一層増大していく傾向にあり、今後しばらくの間、大きな財政支出が続く計画が基本計画でも示されていることから、行政としての財政運営、とりわけ歳入において、しばらくは継続する歳入減少の見込みをどのように御覧になっているのか。また、収入状況、収入管理、さらに収入向上ついては、どのようにお考えなのでしょうか。区のお考えを伺います。

 次に、ニューノーマルにおける区内事業者の経済支援について伺います。

 立憲民主党東京二区総支部長が、この夏、各地域の各種事業者に対し、新型コロナウイルス感染に関する緊急事業者アンケートを行いました。中央区内の介護事業者、宿泊業者、飲食店の方々からの回答の多くが、前年同月比八五%から九七%の売上げ減少となり、回答者全員が、販売促進・集客に対する補助金と、感染防止に対する補助金を望んでおり、休業補償を望む声もありました。しかし、家族経営のため、土地建物が家族所有ゆえに、補償対象外となった方もいらっしゃいました。以前の営業に戻れる環境整備の支援をしてほしい、銀座で宝飾店を営んでいるが、家賃が高額で、金融機関からの支援をしてもらっているが、金の高騰と重なり、新しい作品を手がけることができず、資金繰りが厳しいといった、それぞれの業者が直面している状況が示されていました。本区は、食と商工業で栄えているまちながら、緊急事態宣言が解消された後も、本区の活気やにぎわいがなかなか戻らない状況にあることが、このアンケートからも見えています。

 現在、中央区が行っている区内事業者への支援は、商工業相談・診断、商工業融資でありますが、ニューノーマル時代を迎えている中、今だからこそ、終息後を見据えた新たな経済支援が可能ではないかと考えております。それには、構造的に過去やこれまでの習慣が変わるものや、新しい変化は何かという視点を持つことから見えてくるものがあると感じています。

 ヨーロッパ最大の経営コンサルティング会社、ローランド・ベルガー社が、「新型コロナウイルス 生活者の価値観・消費行動・働き方はどう変わるか」という調査を実施したところ、人々の価値観に次の六つの変化が起きたことが示されました。健康・予防を意識した行動を取り、プライベートでのよりどころを希求する安全・安定志向、不況の長期化を見据え、支出を切り詰める節約志向、目的達成のため、より効率的な手段を選択する本質追求志向、在宅生活の多様化と、そのための積極的な投資を行うイエナカ充実志向、家族のことを第一に考えた時間の使い方、消費行動を取る家族志向、公共・社会貢献を意識して行動する社会協調志向、以上六つの志向性に変化がもたらされています。確かに、日本国内も、自宅から車で二時間圏内のマイクロツーリズムがはやるなど、海外旅行から国内旅行へと変化が及んでいるようです。

 旅行雑誌「Discover Japan」の発行者によると、人々の志向性の変化から、自国の魅力を再認識する特集を組み、上質の旅を意図する人の志向は、料理やお酒など、その土地でしか味わえない魅力や文化という付加価値を取り入れるオンリーワンという個性に引き寄せられる傾向にある、地元ならではの人間味あふれた情報を得られるホテルや旅館は、その土地の迎賓館と評し、これまで重要であったことが一層重要度を増していることに着目した旅の提案をしているそうです。また、現在、IRで有名なマカオでは、健康と安全という防疫環境を前面に押し出し、衛生に新たなプライオリティを置き、最高レベルの衛生状態を維持、継続することはもちろん、ナノコーティング技術を応用した長期持続型抗菌素材で従業員のユニフォームを作るなど、お客様が一目で清潔で安心できる環境と分かるよう、ここを差別化するプレゼンテーションを行っており、この流れは、日本でもそろそろ始まる段階です。他方、六月二十五日、サザンオールスターズが横浜アリーナで行った無観客ライブ配信では、視聴する権利を税込み三千六百円で販売したところ、約十八万人がアクセスし、その額は六億四千八百万円であったという報道がありました。

 さきの調査のとおり、コロナ禍により価値観の変化を余儀なくされた結果、オンラインでエンターテインメントを楽しむ人たちが増え、オンラインでしか味わえない何かを介在させることで、圧倒的な非日常感を楽しむ人たちが増えています。例えば、富士山の山頂や竹田城跡の雲海、また、ふだん見ることは難しいバックステージが見られるなど、視聴者側がそれにどれだけ感動し、共感できるのかによって、非日常感を自分だけの特別感にすることができたなら、それは、その視聴者だけのオンリーワンという希少価値となり得ます。オンラインだからこそ、ふだん見ることができないところを視覚的に見せていくことは、あたかも自分が体験ツアーに参加しているような臨場感、非日常感、特別感を視覚や聴覚から得ることができ、それが事業者の収益増加につながるマネタイズができれば、中央区がこれまで取り組んできた事業者支援とは一線を画した新たな事業者支援となり得ないかと考えております。

 平成二十八年六月一日の区内産業別事業者数によれば、卸売業・小売業者数は一万七百八十一業、飲食店は五千八十七店、合計一万五千八百六十八事業者となり、区内工業数を合わせると一万六千二百八十三社に上ります。本区は、現在、区内六団体の事業者支援を既に実施しておりますが、東京都で出しているステッカーを掲げている飲食店などで陽性患者が出ている実態があると、人々の安心・安全を担保しにくい状況になっています。また、人類はこれまでの歴史でも感染症を経験していますが、二○○三年にはSARS、二○○九年にはインフルエンザが猛威を振るい、二○一二年にはMERSと、ウイルスの進化による新型感染症によって、近年、経済危機を起こしかけています。これからもウイルスの進化による感染症は確実に起きるリスクと捉え、リスクマネジメントを行うことは、今だけではなく、これから未来に向けて、区内の事業者とまちの活気とにぎわいを継続できる取組になるはずです。

 今回の新型コロナウイルス感染症の特徴は、感染しても無自覚な人が多く、一人で複数の人に感染を引き起こすスーパースプレッダーとなる人が存在するために、パンデミックが起きやすいと専門家は伝えています。そうであるならば、区内事業者に対し、専門性の高い防疫対策の在り方を伝える機会を設けることも、個々の事業者が取り組んでいる施設の清潔さ、衛生面での取組を視覚化するなど、衛生にプライオリティを置いた支援などもできるのではないかと考えます。

 来年の夏、東京にはオリンピック・パラリンピック大会で、規模は縮小するとはいえ、本区にも大会関係者や観客が国内外から大勢訪れることでしょう。久しぶりのインバウンド効果が望める機会まで、あと三百日余りです。価値観、消費行動、働き方も変化しているニューノーマル時代に、区内事業者に対し、新しい自社の魅力の見せ方など、動画配信のコンテンツの活用方法についてワークショップを開催することや、徹底した衛生にプライオリティを置き、国内外からの来街者に事業者が取り組む防疫対策情報を伝えるなど、新型コロナウイルスが終息した後も、安心して訪れたい魅力あふれるまちとして、新しい価値を提供することができるならば、区内事業者の企業価値だけでなく、区内全体の価値も高まり、新たな活気とにぎわいを創出していく礎になるのではないかと考えます。区内事業者に向けた新しい支援について、本区はどのようにお考えでしょうか。

 次に、都市観光における本区の食品ロスについてお伺いします。

 晴海選手村の四つのダイニングで提供される一日の最大食数は、四万五千食と報道されています。ここでは、アジア料理、ハラール料理、ベジタリアン料理、ヴィーガンなど、多様なニーズに対応した料理が用意されます。選手村ダイニングでは、ごみを冷凍し、まとめて廃棄するなど、新しい方法を取りながら、食品ロス削減に向けた取組を行う予定だそうです。

 今、環境・社会・経済課題を統合的に解決するには、SDGsにのっとったサーキュラーエコノミーシステムが世界的に注目されています。食品業界でいえば、食材の仕入れ、調達、加工、廃棄という一連の流れの中で、安全な循環経路で問題解決を図るタスクが求められています。例えば、食品廃棄物をゼロにすることはできなくても、それを肥料に変え、エネルギーに変換することも可能な時代になりました。最近、コマーシャルで見かけるH&Mやイケアでは、レンタルシステムを導入し、使い古された商品を再度回収、手直しをして世に送り出す循環型経済に取り組んでいます。これは、大量生産・大量消費の時代が終わったとする国際企業の一つの流れであり、企業の非財務情報として持続可能な経営に対する企業価値を高め、投資を呼び込んでいます。

 農林水産省で食育推進会議委員を務める服部栄養専門学校の服部幸應氏によれば、一般家庭から出る食品ロスは年間二百九十一万トン、ホテルや飲食店など業務用の食品ロスは年間三百五十三万トン、合わせて六百四十三万トンの食べられる食品が廃棄されているために、食品ロスの削減をしなければ、国際社会が取り組み始めているサーキュラーエコノミーに遅れを取るだけでなく、SDGsに貢献できないと危惧されています。

 ここ中央区は、都市観光の中心地であり、国内外から大勢の人が観光・商業で訪れます。区内は、フードドライブの取組やコンポストを置くなど、食品ロスに動き出していますが、中央区内の約五千もの飲食店、ホテルなど宿泊施設それぞれに対して食品ロスの取組方について啓蒙することは、それぞれの事業者の価値を高めることはもちろん、都市観光として、都心で取り組むサーキュラーエコノミーとして、まち全体の価値を高めることにつながっていくと感じております。都心の観光のまちとして、食品ロスについて、本区はどのようにお考えでしょうか。

 令和二年の山本区長の所信表明を新たに読み直しました。ここには、都市基盤整備はもとより、福祉や教育、環境、防災を課題と捉え、区民福祉の向上を最大限図るとありました。確かに、コロナ禍にあっても、区民の公共の福祉に対して、その生活の維持と向上は図られていかなくてはなりません。

 この夏、一か月だけ子供たちの夏休みの間、ラジオ体操を行いました。毎日、マスクをつけて、ソーシャルディスタンスを取りながら、子供たちや親子連れ、近隣にお住まいの方々も参加し、盛況のうちに終わりましたが、最終日にリタイア世代の方々から、ぜひこれからも継続してやってほしいという声をいただきました。特に、リタイア世代の方々は、区民館で行われていた活動や夏のイベント、敬老祝賀会なども参加できなくなり、人と会う機会自体が少なくなっています。これまでウォーキングポイント事業など、中央区のウォーキングマップを活用した健康ウォーキングの取組などをお伝えしてきておりますが、人と会話をしながら歩く楽しみは、身体的・精神的な健康事業として、今こそ必要なのではないかと考えています。また、三歳児健診において、弱視の早期発見についての取組の必要性もお伝えしておりますが、検査に必要なお部屋が用意できないことから、その機会がつくれずにいます。

 コロナ禍であっても、健康づくりの推進、人と人が安全に対話できるコミュニティの在り方、福祉サービスの提供など、区民福祉に資する生活の質の維持と向上は担保され、そして、持続可能なまちづくりにつなげていく必要がありますが、本区は、今、どのようにお考えでしょうか。

 最後に、真の区民意識の把握について伺います。

 令和三年度予算編成方針では、職員一人一人が真の区民ニーズを的確に把握することとし、事務事業の構築・展開に当たっては、職員一人一人が経営者の視点に立ち、目標や成果を的確に見通すと明記されております。これまでも、地域自治力向上のためには、地域コミュニティの活性化と意見を的確に吸い上げるための取組を本区が手がけていることは、御答弁をいただきながら理解しております。しかし、今、新たに真の区民ニーズを的確に把握するには、どのような方法があるのか。

 私は、今回の質問に当たり、中央区の人口を一番延伸している三十代、四十代の町会・自治会役員として活動する方々に、これについてはどのようにお考えなのか伺ってみました。いただいた御意見の一部を御紹介します。

 晴海では、五年ほど前に大学のまちづくりの専門家を区が招き、ワークショップをしていただいたが、未来志向の意欲ある方々が年齢を問わず参加していた、とはいえ、中央区は地域性があるので、地域に応じたテーマごとに、その地域の町会・自治会の若手役員たちが区の所管の同世代の人たちとブレーンストーミングをする機会があれば、区民にとって当事者感覚が醸成され、その後の区の事業に向けた継続的な協力をしやすいし、区の事業に対し興味や関心が赴く。また、女性の御意見は、自ら情報を取り行き、発信できる人はいいが、情報を得られない世代もいる、高齢者、外国人は、いろいろな状況下に困惑し、不安を抱く傾向にあると感じている、地域コミュニケーションの育成という点では、ラジオ体操の普及による地域の人と人が自然に出会う機会や、ボーイスカウト、ガールスカウトのような子供たちによる地域貢献は、若者たちに、地域の高齢者や障害がある人たちへの理解を促す機会にもなり、まちに対する思いも醸成できると感じているという御意見をいただきました。

 このような町会・自治会の若手役員の方々と区の所管の同世代の方々が問題・課題を共有し、課題解決に向けて互いに取り組む機会を通し、行政の事務事業への理解とともに、区民ニーズを把握する手段となり得るのではないかと考えます。区民と行政の双方通行の中で、新しいプロアクティブ・コミュニティが機能できるのではないかと感じています。今後、どのような仕組みの中で、真の区民ニーズを広聴・把握し、事務事業に生かしていく方向でいらっしゃるのでしょうか。お考えをお聞かせください。

 以上で第一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 渡部恵子議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、今後の歳入見通しについてであります。

 新型コロナウイルス感染症に端を発した景気の落ち込みにより、本区歳入の根幹をなす特別区税や特別区交付金を中心に大幅な減収が見込まれます。平成二十年の、いわゆるリーマンショックの際には、その翌年に特別区交付金が前年比三十一億円減少し、さらに、その翌年には特別区民税が前年比十六億円減少したほか、回復するまでおおむね五年程度を要したところであります。今年度の特別区民税の状況としましては、八月時点では昨年度とほぼ同じ収納率で推移しておりますが、我が国経済の成長率見通しがリーマンショック時を下回っていることなどを鑑みれば、税収に与える影響もリーマンショック時を大幅に超えることも念頭に置く必要があります。こうした状況の中、歳入確保の取組は一層重要となってまいります。国は、法人住民税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直しなど、不合理な税制改正により、特別区の貴重な財源を奪っております。地方税の本旨を無視した、こうした取組を早急に見直すよう、都や特別区長会等とも連携を図りながら、国に働きかけてまいります。また、これまで蓄えてきた基金を計画的、効果的に活用するほか、近年の多様化する生活スタイルやキャッシュレス決済の広がりなども踏まえた、さらなる納付環境の改善を図り、今後とも安定した行政サービスの提供に向けた財源確保に努めてまいります。

 次に、ニューノーマルにおける区内事業者の経済支援についてであります。

 区内事業者においては、コロナ禍にあって、デリバリーやテークアウトの導入をはじめ、異業種の事業者が連携して商品を共同販売するなどの取組が積極的に進められております。このような中、今後も新たな発想を持って、様々な環境変化に応じた事業を展開するための支援を講じていくことは重要なことと認識しております。現在、区では、全庁を挙げて、中長期的な経済対策についての検討を行っております。また、この検討に当たっては、社会経済状況の変化と事業者ニーズを的確に捉えることが必要であることから、区内商工団体や企業経営の専門家などの意見も聞きながら進めてまいります。区といたしましては、引き続き、区内事業者が活発な事業活動を展開し、区内経済の一層の発展に資する対策を積極的に講じてまいる所存であります。

 次に、食品ロスについてであります。

 事業系廃棄物が区内のごみの約八割を占め、文化・商業・経済の中心として発展してきた本区において、飲食店や宿泊施設などの区内事業所から発生する食品ロスの削減は重要であると認識しております。食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律では、事業者等に対し、食品廃棄物の発生抑制や減量に取り組むことが求められており、区では、食品ロスの削減に向け、冊子の配布やホームページなどでの啓発、事業用建築物への立入検査時における働きかけを行っております。また、さらなる削減に向けた取組として、八月から中央清掃事務所で実施しているフードドライブの受付窓口の拡大について検討を進めてまいります。さらに、他自治体で実施している、食品ロスの削減に積極的に取り組む飲食店や宿泊施設などを登録する制度の実施について研究を重ねてまいります。今後も、ごみ排出量の削減や環境負荷の低減のため、食品ロスの削減に積極的に取り組んでまいります。

 次に、区民生活の質の維持・向上についてであります。

 新型コロナウイルス感染症の影響は、区民生活の様々な分野に及んでおり、これまで当たり前のように過ごしてきた日常が大きく変化し、多くの区民に戸惑いと不安、焦燥感をもたらしています。現在では、少しずつ以前のような日常を取り戻しつつありますが、決して油断できる状況ではなく、三密回避をはじめとする予防対策には引き続き取り組んでいかなければならず、これからの生活においては、新しい生活様式、ウィズコロナと呼ばれるように、様々な制約や不便と付き合いながら過ごしていかなければなりません。こうした環境下においても、本区は、住民に最も身近な基礎自治体として、区民の安全・安心な生活を維持していくために、新型コロナウイルス感染症の拡大防止はもとより、区民福祉の向上と地域社会経済活動の速やかな回復を喫緊の課題と捉えて、鋭意取り組んでいるところであります。自粛生活の影響による高齢者のフレイル予防のために、粋トレの動画配信や保健師による訪問相談・アドバイスなど、健康づくり推進に向けた取組を進めるとともに、住居確保給付金の対象拡大や妊婦に対するタクシー券の追加交付など、福祉サービスの充実を図っております。また、中小企業等を支援する緊急特別資金融資制度の創設や、共通買物券のプレミアム分を大幅に引き上げるなど、地域の社会経済活動の回復に向けた取組にも力を注ぎ、さらに、セーフティーマークの活用を通じて安心・安全な中央区をアピールしてまいります。こうした施策を通して、コロナ禍においても、持続可能な発展型のまちづくりと温もりのある豊かな地域社会づくりを推進し、基本構想に掲げた将来像の「輝く未来」と「粋なまち」を実現してまいります。

 次に、区民意識の把握についてであります。

 区では、十八歳以上の区民を対象に、生活環境に対する意識、本区施策への評価及び区政への意見・要望を継続的に把握するため、昭和四十年度から区政世論調査を実施し、政策形成の基礎データとして活用しています。また、区長への手紙や窓口に直接寄せられる区民の意見・要望も貴重な御意見として参考にさせていただいているところです。加えて、まちづくり協議会や防災拠点運営委員会などにおいては、区民と行政が双方向に意見を交わし、地域にふさわしいまちづくりに取り組んできているところであります。さらに、晴海地区では、東京二○二○大会後に一万二千人もの人を迎える新たなまちができることから、晴海全体の豊かで温もりのあるコミュニティづくりを目指し、地域の住民や事業者、区職員による晴海コミュニティ構想検討会議を設置いたしました。この会議では、地域課題の共有を図り、晴海版プロアクティブ・コミュニティの確立に向けた議論を行っております。区といたしましては、様々な機会を捉えて区民ニーズを把握し、本区に住み・働き・集う全ての人々とともに、地域における課題解決に取り組んでまいります。

 答弁は以上であります。

〔十二番 渡部恵子議員登壇〕

○十二番(渡部恵子議員)
 難しい質問に対して御答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 リーマンショックというのは金融危機であって、コロナというのは経済危機というふうに私自身は理解しております。しかも、GDPは、先進国の場合は大体一%の成長率というのが通例でございまして、アメリカがIT企業として成長しておりますが、それでも二・四%程度です。ですから、今回の落ち込みというのは、当然、リーマンショックを上回るものという私自身の危機感もあって、財政、収入をどういうふうにしていくのかというような視点を持ちながら御質問させていただきました。

 新型コロナウイルスの蔓延によって、人々の価値観、消費行動、働き方の変化がもたらされていることから、従来どおりの考え方では事業経営が難しくなっていると感じています。最近、歌謡曲のランキング一位である「香水」という歌がはやっています。この方は、メジャーデビューができないため、動画配信をする中で再生回数を増やし、ついに音楽番組で一位になりました。この方の歌詞に出てくる有名ブランドの香水も、波及効果で飛ぶように売れているそうです。有名ブランドの香水だけを売ろうとしても、差別化はできなかったはずです。最近は、物より事と言われるように、この一例を見ても、物を売るスタイルも変わってきたのだと実感しています。

 私は、今回のコロナウイルスによって、多くの国民が情報収集も買物も支払いも全てスマートフォンで済ませる生活習慣に、一層拍車がかかっているように感じております。ここ数年、日本政府が観光立国としてインバウンドによる経済効果と東京二○二○大会による経済効果を見込んだ政策を取ってきたことからも、観光業界、小売業界には、今、経済危機が及んできています。また、本区にも同様の経済危機が及んでいる実態から、幾つかの事例をお伝えしながら、時代の流れが大きく変容していることを踏まえた新しい事業者支援、国際観光都市として、環境問題に対し果たすべき役割の一つとして、フードロスの問題について対応することで、将来的な事業者価値を高めることなどもお伝えし、少しでも本区の財政的な収入につながるように、そして、活気とにぎわいのエネルギーを再燃していくという思いで、財源確保から諸課題の解決まで、全て持続可能性ある行政運営という視点で関連づけて質問させていただきました。その一つでもお酌み取りいただけたら幸いでございます。

 九月二十二日に、IOCのバッハ会長の書簡では、衛生面を重視した大会にすることで、ポストコロナの世界に合わせた大会にしなくてはならない、制限下でも安全に大会を開催できる、この大会は歴史的な大会になるであろうというふうに期待されております。安心・安全なすばらしいまち中央区を世界にアピールするチャンスまで、今日から三百一日です。

 ダーウィンは、「種の起源」でこのようなことを言っています。強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き残るものでもなく、唯一生き残ることができるのは変化できる者である。柔軟に変化に対応しながら、区民福祉の向上を推進していただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(海老原崇智議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、併せて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後三時四十九分 休憩


     午後四時十分 開議

○議長(押田まり子議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十九番小栗智恵子議員。

〔十九番 小栗智恵子議員登壇〕

○十九番(小栗智恵子議員)
 日本共産党の小栗智恵子です。私は、日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。なお、再質問、再々質問をあらかじめ留保いたします。

 初めに、新型コロナウイルス感染症のPCR検査の拡充について質問します。

 東京都が公表した九月二十二日時点の中央区内の感染者数は四百六十三人、そのうち、既に退院等をされた方は三百九十九人と発表されています。区民の命と暮らしを守り、経済を回していくためにも、感染拡大防止を徹底していくことが求められます。新規感染者が減少していると言われる時期にこそ、PCR検査を増やし、無症状感染者を把握して保護し、感染拡大を抑え込むための積極的な対応を行うことが必要です。

 私たち区議団は、この立場から、七月三十日に、PCR検査の抜本拡充、医療機関などを守る対策などを求める二十六項目の緊急申入れを区長に提出しました。八月十八日には、区議会として、PCR検査数の増加を図ることなど、五項目の緊急要望書を提出。一週間後の八月二十五日から、中央区PCR検査センターでの検査数が一日三十件から七十件に拡大されたことを大いに評価するものです。

 しかし、九月八日に発表された補正予算案には、PCR検査の拡充については、全く予算化されていなかったことに驚きました。その後、九月十六日のコロナウイルス・防災等対策特別委員会で、九月末までとしているPCR検査センターの開設を来年三月まで延長すること、現在、二十医療機関で実施されている唾液を用いたPCR検査をさらに拡大していくため、中央区・日本橋両医師会に要望していくことが示されました。

 そこで質問します。

 第一に、中央区内の感染者の実態について、無症状か、軽症か、重症かなどの陽性者の状況、感染場所・感染ルートなどの把握など、実態はどうなっていますか。その分析の上に立って、どういう対策の強化が必要だとお考えですか。御答弁ください。

 第二に、感染状況を分析し、感染震源地、いわゆるエピセンターを明確にして、地域の住民、在勤者を広く対象にしたPCR検査をすることが必要だと考えますが、いかがですか。

 第三に、無症状でも強い感染力を持つ人が多くいるという実態を考慮し、症状が出ていなくても、行政検査として自己負担なく検査を受けられるよう体制を強化することが必要だと考えますが、いかがですか。

 第四に、PCR検査を医療・介護従事者、障害者福祉関係の労働者、保育士や学校の教職員などを対象に定期的に行うよう求めますが、いかがですか。

 第五に、特別養護老人ホームや障害者施設などを対象としたPCR検査の支援費用が東京都の九月補正予算案で計上されましたが、対象になるのは、区内ではマイホームはるみなどの六施設ということです。区独自に、その他の施設でのPCR検査の実施を求めますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、介護などのケア労働への支援の強化について質問します。

 党区議団が聞き取りした介護事業所へのアンケートでは、緊急事態宣言が出たときはやむを得ず休業しましたが、利用者の要望で再開しました、感染の不安の中、スタッフも休まざるを得ないときもあり、業務が大変です、ふだんから人手不足で困っていますなどの声が寄せられています。ヘルパーなど介護事業所の職員の方々は、コロナ禍の下で、これまで以上に注意を払い、大変なストレスの中で奮闘されていると痛感します。コロナ危機が明らかにしたのは、人間は一人では生きていけない、他者によるケアなしには尊厳ある生活は保障されないということでした。にもかかわらず、日本では、医療、介護、障害福祉、保育などケア労働、命を守る仕事が重視されず、粗末に扱われているということが改めて浮き彫りになっていると思います。

 九月十六日、菅義偉首相は、就任会見で、安倍政権が進めてきた取組をしっかり継承すると強調し、目指す社会像は自助、共助、公助だと語っています。コロナ禍の下で苦境にあえぐ国民に対し、自助努力を迫り、ますます自己責任を押しつける社会になってしまうことを大変危惧します。

 そこで、質問します。

 第一に、政治が果たすべき役割は福祉の増進であり、公助、つまり社会保障の充実ではないでしょうか。今回のコロナ禍を教訓として、ケアに厚い社会を目指す公助の充実を図ることが重要だと考えますが、いかがですか。

 第二に、介護、障害福祉、保育などの福祉の現場で働く人の賃金は、労働者平均より月十万円も低く、低賃金による人手不足が深刻です。こうした現状を打開していくために、行政の手厚い支援が必要だと考えますが、現状と今後の支援策をお示しください。

 第三に、現在、二○二一年度から二○二三年度を計画期間とする中央区高齢者保健福祉計画・第八期介護保険事業計画を策定中ですが、おとしより相談センターを軸として、高齢者の実態を踏まえたきめ細かなサービスの提供ができるよう、計画を充実させていくことを求めます。いかがですか。

 第四に、厚生労働省は、介護予防・日常生活支援総合事業の対象を、要介護五の人まで拡大する方向を打ち出しています。総合事業は報酬単価が低いため、介護事業所の撤退も起きており、利用者へのサービス低下に直結します。要介護五まで保険給付から外すことはやめるよう求めるべきと考えます。いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、少人数学級の実現について質問します。

 短い夏休みが終わり、コロナ禍が続く中、子供たちは不安とストレスを抱えながら学校生活を送っています。今年六月、三か月ぶりに学校が再開された当初、クラスを半分にした分散登校で、多くの教員が子供の表情がよく見えたと実感したそうです。そうした経験からも、子供の学びを保障し、個性や発想を大事にするには、少人数学級を推進しないといけないと、今、全国で少人数学級を求める動きが広がっています。七月初め、全国知事会・市長会・町村会会長が三者連名で新しい学びの環境整備に向けた緊急要望を出し、少人数編制を可能とする教員の確保を文部科学大臣に要請しました。文部科学省の諮問機関がまとめた中央教育審議会答申案の作成に向けた骨子案でも、新しい生活様式を踏まえた身体的距離の確保に向けて、少人数編制を可能にする施設・設備の整備を図る方針が示され、実施に向けた動きが始まっています。

 そこで、質問します。

 第一に、教育長は、少人数学級の必要性について、コロナ禍での経験を踏まえて、どうお考えでしょうか。

 第二に、六月の議会での教育長答弁では、三密を回避するなどの手段を講じているとのことでしたが、子供たちが一日で最も長い時間を過ごす授業で座る場所は、身体的距離が取れているのでしょうか。

 第三に、中央区では、既に学科に応じて少人数指導を行っていますが、それは少人数のほうがしっかり学習できるからであり、生活集団としても一クラス二十人程度の方が丁寧な関わりができ、理想的ではないでしょうか。お答えください。

 第四に、日本の教育への公的支出は、対GDP比でOECD加盟国三十八か国と比較して、下から二番目という低さです。せめてOECDの平均並みに引き上げれば、十万人の教員を増やして、少人数学級を実現することは十分可能です。少人数学級の実施に必要な教員の増員、教室の確保ができるよう、国が教育予算を抜本的に増やし、教育環境の改善を進める必要があると考えますが、いかがですか。それぞれ御答弁ください。

 次に、晴海選手村の開発協力金について伺います。

 まず、東京二○二○大会の延期の影響についてです。

 今年、大会が開催されていれば、選手村として組織委員会がHARUMI FLAGの事業者から借り上げる費用は四十二億円でしたが、一年延期になったことで、さらに借り上げ費用がかかり、幾らになるのかも明らかになっていません。東京五輪の莫大な費用負担が負の遺産として膨れ上がっています。

 そこで、質問します。

 大会の延期による中央区政への影響について、財政的な負担も含め、現状と見通しをお示しください。

 次に、晴海五丁目西地区の選手村事業についてです。

 晴海五丁目西地区の開発計画は、選手村事業といっても、大会期間中、民間マンションを借りて選手村として利用するもので、実態としては大手不動産企業が一企業グループをつくり、分譲・賃貸マンションを建設してニュータウンをつくる計画と言えます。

 東京都は、二○一五年一月に事業協力者を募って選手村計画を策定しましたが、それを受託したのは、事業協力者だった企業が衣替えしたHARUMI FLAG十社で構成する特定建築者です。二○一六年十二月に都有地の譲渡契約が締結されています。選手村用地は、東京都が約五百四十億円かけて基盤整備を行っていますが、その土地約十三ヘクタールを百二十九億六千万円で譲渡しました。近隣の土地取引では一平米百万円、総額で一千三百億円になる土地を、一平米僅か十万円で譲り、総額約一千二百億円の値引きということになります。

 そこで、質問します。

 都民の財産が安く売り払われ、本来入るべき土地代が入らないのは、都民が損害を受けているのと同じです。オリンピックの選手村だからと、都有地の格安払下げを容認してよいのでしょうか。改めて区長の御見解を伺いたいと思います。御答弁ください。

 続いて、板状住宅棟の開発協力金について伺います。

 私は、昨年九月に、晴海の選手村マンションについて、他のマンション建設と同様に、開発協力金として一戸当たり百万円の負担を求めることは当然だとして質問した際、開発協力金については、選手村として整備される板状棟は、大会後に改めて追加費用をかけて改装工事を行う必要があることから、協議の結果、請求対象としない、大会後に建設が始まる超高層棟は負担を求めるという答弁でした。その後の確認で、既に二○一八年三月に、超高層タワーマンション分の開発協力金として十四億三千七百万円を開発事業者が区に支払うという協定書が締結されていたことが分かりました。

 そこで、質問します。

 第一に、開発協力金をタワーマンション分だけにした経過と理由をお聞かせください。

 第二に、板状住宅棟は、選手村仕様から一般住戸用に改修する際、内装工事と解体費、四百四十五億円を東京都が出すことになっています。中央区が改装工事に費用がかかるからと協力金を免除する必要はないと考えますが、いかがですか。

 第三に、東京都が土地の価格を決めた日本不動産研究所の調査報告書には、建築工事費とともに、中央区の開発協力金五十一億円が支出項目に計上されていたことがわかりました。つまり、東京都は中央区の開発協力金の費用として、全戸数五千百戸分、五十一億円を見込んで土地の価格を格安にしたわけです。実際には、開発協力金がタワーマンション分の十四億三千七百万円となったことで、差額三十七億円は、事業者にとっては支出が減って利益になり、区民にとっては区に入るはずの協力金が減り、損害となると言えるのではないでしょうか。区として、事業者に遠慮せず、全戸数分の協力金を求めるべきだと考えますが、いかがですか。それぞれ御答弁ください。

 次に、晴海ふ頭公園について伺います。

 晴海選手村の海側にある晴海ふ頭公園は、改修工事がほぼ終了していますが、オリンピックの延期で立入禁止になっています。もともと晴海ふ頭公園は、当時の美濃部革新都政の下で造られた海上公園の第一号として、一九七五年十二月に開園しています。東京都海上公園条例は、自然環境の保全、回復、緑豊かな都市づくりに寄与することを掲げ、開園後四十五年間の手入れで緑豊かな森のような公園になっていました。しかし、今回、オリンピックに併せて改修工事を行い、たくさんの大木が伐採されてしまいました。

 そこで、質問します。

 第一に、地球温暖化が大問題になっている中、せっかくの大木を切ってしまい、緑の少ない公園になってしまったのは残念です。海上公園の趣旨を踏まえ、東京都にはもっと緑化を進めるよう求めたいと思いますが、いかがお考えですか。

 第二に、せっかくできた公園を利用できるようにしてほしい、子供が喜びそうな遊具もある、コロナで遠出ができないので早く開放してほしいなどの声が寄せられています。五輪まで一年間も閉鎖したままにせず、一部でも地域に開放するよう求めることはできませんか。御答弁ください。

 次に、築地市場の跡地の活用について伺います。

 小池都知事は、築地まちづくり方針について、東京二○二○大会の延期を踏まえ、実施方針を見直し、先行整備と本格整備の事業者を二○二二年度に一体的に募集する方向で実施方針を検討していく、土地は都が所有して有効活用していくとしています。しかし、最近の新聞報道で、築地市場の跡地を売却する案がにわかに浮上と報じられています。石原都知事時代、それ以前から、都心に残る滅多にない一等地として、築地市場を移転させて売却し再開発していく方針がJAPICを中心に進んでいた経緯から見ても、売却案は急に出てきたものではないと考えます。

 そこで、質問します。

 第一に、都民の貴重な財産である都有地を民間企業へ売却するようなことは絶対やめるよう求めるべきだと考えますが、いかがですか。

 第二に、昨年三月十五日に、中央区長と区議会議長連名で都知事宛てに築地まちづくり方針(素案)に関する要望を提出していますが、交通結節機能の整備や都民に開かれたまちづくりを進める上でも、公共性の高い、区民や都民の利益となる計画にさせていくことが大切だと考えます。築地周辺はもちろん、区民、都民の声をどう集約して都に要請していくのか、お示しください。

 第三に、ポストコロナの時代に求められているのは、全てを市場原理に委ね、公的サービスを切り捨て、自己責任を押しつける新自由主義からの転換だと思います。外需とインバウンド頼み、外国頼みの経済政策を見直し、まちづくりにおいても、これまでの延長線上の巨大な開発で民間の利益を最大化する計画はやめるべきと考えます。築地のまちづくりも、国際競争に勝ち抜く、稼ぐ東京をつくることを主眼にした大規模ホテルやMICE施設など、区民の生活や営業とかけ離れた計画を大本から見直すことが必要になっていると思いますが、いかがですか。それぞれ御答弁ください。

 最後に、自衛官の募集について伺います。

 区のおしらせちゅうおう九月一日号に、自衛官募集の記事が掲載されていました。災害救助活動や区の総合防災訓練に参加している自衛隊では、自衛官などを募集していますという記事です。自衛隊が災害救助活動や区の総合防災訓練に参加しているのは事実ですが、自衛隊の本来の任務は災害救助なのでしょうか。

 自衛隊は自衛のための必要最小限度の実力として専守防衛の部隊と説明されていますが、国際法上は明らかに軍隊です。そして、安倍政権の下で、二○一五年九月十九日、安保法制が強行されて、これまで憲法上できないとしてきた集団的自衛権の行使が可能とされました。つまり、日本が直接攻撃されていなくても、同盟国アメリカが戦争状態に入れば、駆けつけ警護など、海外で武器を持って参戦することになります。

 そこで、質問します。

 第一に、自衛隊の任務・活動について、どう認識されていますか。

 第二に、自衛官の募集をどういう理由で毎年掲載しているのでしょうか。また、災害救助活動部分だけ記載している理由をお示しください。

 第三に、自衛隊への募集を区の広報に載せ、軍隊に青年を送り出すことに協力するのはやめるよう切に願います。お答えください。

 第四に、防衛省自衛隊は隊員募集への自治体動員を強化しており、適齢者名簿の提出を自治体に要請するなどしています。個人情報保護などの観点から、名簿提出に応じないよう求めます。御答弁ください。

 以上で一回目の質問を終わります。御答弁をお願いいたします。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 小栗智恵子議員の御質問に順次お答えします。

 初めに、区内の感染者の実態についてであります。

 医師から発生届が提出されると、保健所は陽性者が立ち寄った場所や濃厚接触した全ての人に対して調査を行うとともに、陽性者に対しては、重症度に応じて療養先を選定します。こうした調査等を通して、陽性者の状況や感染場所、ルートなど、区内における実態を把握しております。最近の傾向では、四月上旬に比べ、重症者の割合は減る一方、感染ルートが、接待を伴う飲食店など特定の場所から、家庭内感染などへと広がりを見せています。また、現状では、区内の患者発生数は落ち着いておりますが、世界的には感染者数が三千万人を超えており、感染拡大のペースが速まっていることから、今後、国内における再拡大も懸念されるところであります。区といたしましては、今後も引き続き、せきエチケットや手洗いといった基本的な予防策の徹底、検査体制の拡充、都と連携しての医療体制の整備といった対策を強化してまいります。

 次に、感染流行地域の住民等に対するPCR検査についてです。

 流行が確認されている地域では、多数の患者に付随して、多くの濃厚接触者や有症状者が存在します。そのような状況にあって、限られた資源の中でさらに対象者を拡大することは、真に対応が必要な人の発見が遅れ、感染の拡大につながることが想定されます。そのため、区といたしましては、PCR検査の対象については、濃厚接触者や有症状者を優先すべきであると考えております。

 次に、無症状者に対する行政検査の実施についてです。

 現在でも、確定患者との濃厚接触があれば、無症状でも接触者検診としてPCR検査を実施しております。東京都においては、医療機関での唾液によるPCR検査の実施を促進しておりますが、無症状の場合で本人希望による検査については、自由診療として行うこととなっております。したがいまして、保健所や医療機関が必要と認めない無症状者の方を行政検査の対象とすることは、現時点では考えておりません。

 次に、介護従事者などへのPCR検査についてであります。

 医療・福祉・教育現場の従事職員は、日々、自宅から職場に通勤していることから、自ら施設にウイルスを持ち込まないという意識を持ち、日頃から感染予防対策をしっかりと行うことが重要であります。従事職員に対する定期的なPCR検査の実施については、職員の不安の軽減といった視点から、運営事業者の判断で行うべきものであると認識しており、区として実施する予定はございません。東京都の高齢者・障害者支援施設等における新型コロナウイルス感染症対策強化事業の対象外である定員二十九名以下の地域密着型特別養護老人ホーム等でのPCR検査の実施につきましては、東京都に対し、対象に加えるよう強く働きかけてまいります。

 次に、社会保障の充実についてであります。

 国民の生命・生活・雇用等を守り、国民が安全・安心を実感できる社会を実現することは、国の重要な責務であります。全世代型社会保障検討会議では、誰もが安心できる持続可能な社会保障制度を目指し、今後、国の取り組むべき全般的な方向性を示しております。さらに、本年六月に公表された同検討会議の第二次中間報告においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえた社会保障の新たな課題についても触れられており、今後の充実に向けた議論を注視してまいります。

 次に、福祉の現場で働く人への支援についてであります。

 介護や保育など、福祉現場での人材確保が困難な理由の一つとして、賃金が全産業平均に比べて低い点を指摘されていることから、国では、賃金差の解消を図るため、処遇改善に向けた取組を進めており、都においても、人材確保への支援を行っております。また、区では、職員向け宿舎の借り上げ支援や、介護職への就職希望者と事業所のマッチング、保育士のキャリアアップに要する費用の補助のほか、関係機関と連携した就職相談会などを行っております。区といたしましては、こうした支援を継続して行うとともに、国や都に対し、福祉人材の確保や定着、育成に向けた取組の充実について、特別区長会を通じて引き続き要望してまいります。

 次に、おとしより相談センターを中心としたサービスの提供についてであります。

 本区においては、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、おとしより相談センターを核とした総合相談支援の実施に加え、地域の支援者等による見守りネットワークや通いの場などの地域活動の場づくりを進めております。一方で、近年は、ひきこもり期間の長期化による八○五○問題や、高齢の親と障害のある子が抱える困難など、高齢者が抱える新たな課題も顕在化しています。今後も、おとしより相談センターを中心に、高齢者の様々な相談を身近な地域で受け止め、適切な支援につなげるとともに、関係機関が連携して取り組む包括的な相談支援体制の充実を次期計画の中で具体化してまいります。

 次に、国が改正を予定している介護予防・日常生活支援総合事業の対象者の弾力化についてであります。

 要支援の方が要介護認定を受けると、それまで受けていた総合事業のホームヘルプサービスやデイサービスなどが利用できなくなっていたため、あくまで本人の希望を踏まえて、継続的なサービスの利用が可能になるよう、総合事業の弾力的な利用を図る制度の見直しであると認識しております。この制度の活用については、自治体ごとの判断とされておりますが、現時点では、運用方法などの詳細について示されていないことから、今後の国の動向を注視しつつ、次期介護保険事業計画策定の中で検討してまいります。

 次に、東京二○二○大会の延期に伴う区政への影響についてであります。

 大会開催に係る経費につきましては、現在、組織委員会や東京都等の間において、その負担方法など、鋭意検討が進められており、直接的に区の負担が生じるものではありません。延期に伴う本区の事業への影響につきましては、四月の時点で全庁的な調査を行い、おもてなしの取組をはじめ、六十一事業について、時期の変更や規模の縮小などの対応を進めてきているところであります。来年度の大会開催に向けましては、安全・安心に選手や大会関係者等をお迎えできるよう、予算編成の中で精査してまいります。

 次に、晴海五丁目西地区についてであります。

 東京都が晴海五丁目西地区市街地再開発事業における特定建築者の公募に当たって定めた敷地処分予定価格につきましては、本区に納める開発協力金も含め、その時点における前提条件に基づき、適正に算出されているものと認識しているところです。開発協力金につきましては、特定建築者が決定されて以降、本区の市街地開発事業指導要綱に基づき、負担額について協議を行ってきたところであります。その中で、当該事業の特徴として、パラリンピックに対応するため、廊下などの共用部分を広くしたり、屋外に各国の選手が集い憩える空間を確保するために、地下に駐車場を集約するなど、選手村特有の仕様とするための工事費負担があることや、組織委員会が使用する大会及びその前後にわたる期間に生じ続ける金利の負担があることを確認しました。また、晴海地区将来ビジョンを踏まえて計画する商業施設を建設・運営するなど、大会後の魅力あるまちづくりに向けた地域貢献を行う予定ともなっています。本区は、これら様々な事情を鑑み、選手村となる板状棟については、開発協力金の負担を求めないことを判断し、特定建築者と合意をしたものであります。

 次に、都立晴海ふ頭公園の緑化と一般開放についてであります。

 晴海ふ頭公園をはじめとする海上公園については、都が平成二十九年五月に策定した海上公園ビジョンの中で、木々に囲まれた緑豊かな空間を形成し、臨海地域全体を緑でつなぐ取組を実施するとしております。晴海ふ頭公園においては、ビジョンの実現に向けた取組や公園面積の拡大などにより、緑化が進められているものと認識しております。また、公園の開放につきましては、東京二○二○大会の開催に向けたセキュリティ確保のため、組織委員会による仮設施設の設置や閉鎖管理が行われており、開園に必要な整備が完了していない状況にあります。区といたしましては、大会終了後における速やかな公園整備の実施など、早期開園に向けた取組を都に対して働きかけてまいります。

 次に、築地市場跡地のまちづくりについてであります。

 都心のまたとないロケーションにある、約二十三ヘクタールの大規模公有地である築地市場跡地においては、東京の価値を高め、持続可能な成長へつながるまちづくりが行えるよう、本区は、引き続き東京都に対し、この土地が有する公共的役割を果たせるよう、しっかりと先導していくことを求めていく所存であります。築地のまちづくりにおいては、市場移転後も活気とにぎわいを確実に引き継いでいくという基本認識の下、築地地区全体が我が国を代表する食文化と観光の拠点として一層発展し続けられるよう、関係者とともに総力を挙げて取り組んでいくことが重要であると考えており、ウィズコロナ、アフターコロナの時代においても、この考え方に変更はありません。今般、東京都は、東京二○二○大会の延期に伴い、先行整備事業の実施方針を見直し、先行整備と本格整備の事業者を令和四年度に一体的に募集する方向で事業の実施方針等を検討していくことを公表しました。この変更は、全体計画を早期に示すよう求めていた本区の考え方と合致するものであり、本区は、この見直しを好機と捉え、地元関係者と調整を図りながら、場外市場の運営に必要な機能整理や、市場跡地における交通結節機能、また国際交流機能、環境への配慮など、築地の活気とにぎわいが継承・発展できるよう検討を行い、事業者の募集前に都へ提案してまいります。

 次に、自衛隊の任務・活動についてであります。

 自衛隊の任務・活動については、自衛隊法等に規定されており、我が国の防衛をはじめ、国民保護等派遣や災害派遣、国際連合平和維持活動など、国民の生命と平和な暮らしを守るため、様々な役割を果たしているものと認識しております。

 次に、自衛官募集についてであります。

 自衛官等の募集に関する広報宣伝は、自衛隊法施行令に基づき、自治体が処理する事務となっていることから、自衛隊の依頼を受けて、区のおしらせで周知しております。なお、自衛隊が本区総合防災訓練に参加していることを踏まえ、防災訓練の実施や防災特集の内容と併せて掲載しております。募集に係る対象者情報の提供につきましては、紙媒体や電子媒体によらず、本区では住民基本台帳の閲覧により対応しております。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 少人数学級についてであります。

 現在、各学校では、新型コロナウイルス感染症対策として、児童・生徒間の身体的距離が十分に確保できない場合でも、マスクの着用、消毒、換気などの対策を徹底しながら教育活動を実施しており、集団感染は発生しておりません。臨時休業明けに実施した少人数グループによる分散登校は、学校生活を円滑に再開するための取組であり、個々に応じてきめ細やかな対応が必要な小学校低学年において、特に有効であったと認識しております。また、本区の少人数指導は、教科の特性に応じて習熟度別に学習集団を編制して指導するものとして効果があり、少人数学級の生活集団編制とは異なる性質のものであると考えております。少人数学級の実施に向けては、特別区教育長会として、小学校低学年から段階的に学級を編制できるよう、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の改正について、東京都を通じて国への要望を行っているところであります。

 答弁は以上であります。

〔十九番 小栗智恵子議員登壇〕

○十九番(小栗智恵子議員)
 御答弁をいただきましたが、何点かに絞って再質問をさせていただきます。

 最初に、PCR検査の拡充についてです。

 日本は、PCR検査が、ほかの国に比べても非常に少ないということが指摘されています。今、政府の新型コロナ対策本部も感染流行地域での幅広い検査について必要性を認めているという状況の中で、本来は、政府が財政的な措置をきちんと取って、新規感染者が減少していると言われる今の時期こそ、検査の増強を行うことが必要だと考えます。中央区としても、ぜひ拡充を進めていくということを求めたいと思います。検査については、これからも拡充を図るということでよいのか、もう一度御答弁をお願いしたいと思います。

 それと、特養施設への都の補助事業の活用を促すということで御答弁がありましたけれども、二十九名以下の施設も対象にするよう都に働きかけるということは重要だと思いますけれども、区独自でも、医療や介護、保育などの施設への検査の拡充にぜひ踏み出していただきたいと思います。この点でも、もう一度御答弁をお願いしたいと思います。

 次に、介護などのケア労働については、きめ細かな対応ができるように、今、計画の策定の中でも考えていくというお話がありましたけれども、ぜひケア労働を支えていく、そういう支援の強化にも取り組んでいっていただきたいというふうに思います。

 今、厚生労働省は、要介護五まで訪問介護の生活援助を弾力化して、総合事業に置き換えていこうかという検討を始めているということです。コロナ危機をこれだけ深刻化させたのは、これまでの社会保障の削減路線の中で医療や福祉などの財政がどんどん削られてきた。その結果、今、こういう危機が拡大しているというふうに思います。社会保障へ回すお金を増やしていくように、これからもぜひ国に対して迫っていただきたいと思いますし、区としても、ケア労働をもっともっと支援していくように、これは重ねて要望をさせていただきたいというふうに思います。

 選手村の件については、市街地再開発の計画の中で、いろいろな前提の下で一平米十万円という大変格安の土地の値段が決められたことに対して、妥当だというようなお答えだったようですけれども、今回の補正予算でも示されているような八重洲一丁目東地区、日本橋一丁目中地区、もちろん地域は違いますし、開発の成り立ちも違いますけれども、同じ中央区内で、片や一平米四百万円とか五百万円の計算で土地の売払い収入を計算している。一方、晴海は一平米十万円という大変格安の値段で譲渡されている。あまりにも安過ぎるというふうに私は思います。到底、都民の納得は得られないのではないかという点を指摘したいと思います。

 五十一億円の開発協力金の内容については、いろいろ考えて十四億円で合意したというようなお話がありましたけれども、この点でも、私は納得いきません。オリンピック仕様から住宅仕様に変えるという費用は、東京都が四百四十五億円も出すわけですし、先ほどの御答弁では、廊下も広いとか、屋外に駐車場をつけるとか、いろいろなお話もありましたけれども、そういうことも含めて、工事費は東京都のほうでも保障しているということを考えれば、タワーマンションの部分だけの開発協力金にしたということ自体は、私は問題ではないかというふうに思います。これから一千二百人規模のニュータウンができて、特別出張所とか、学校とか、図書館とか、大変いろいろな公共施設の設置が求められるわけなので、その財源の確保のためにも、一般マンションの建設で求めている開発協力金を板状の住宅棟にも求めるのは当然だと思いますし、再度交渉するよう、これも強く要望をさせていただきます。

 築地市場の跡地の問題では、私は売却するべきではないということについて質問いたしましたが、その点では御答弁がなかったので、もう一度お願いしたいと思います。

 そして、大規模ホテルやMICEの機能、国際競争に勝つ都市づくりを進めるということで、こういう計画自体は問題ないというお考えなのか、その点についてももう一度御答弁をお願いしたいと思います。

 自衛官の募集については、自衛隊の任務について御答弁がありましたけれども、今、日本の国内全体でも自衛官の採用は減少傾向が続いていると。それは、やはり自衛隊が専守防衛という組織ではなくて、事実上、海外遠征型の軍隊として活動せざるを得ない、そういう危険な戦場に送り出されるかもしれないということで、自衛官に応募する人が少なくなってきているということが影響していると言われています。自衛官の募集は、日本が攻められていないのに、外国に行ってアメリカと一緒に戦争する、そういう活動に参加させられるということになるものですから、ぜひ、戦場に青年を送り出すことにつながる、そういう自衛官の募集の協力はやめるように、重ねて要望をしたいと思います。

 最後に、少人数学級についてですが、少人数指導と生活集団としての二十人くらいの規模の考え方は別だというような御答弁だったんですけれども、少人数学級自体の必要性については、そんなに必要はないということなのか。三十五、六名の一クラスよりも、二十五、六名のクラスのほうがきちんとした教育が進められるのではないかというのが、今、全国的な声ですし、国政与党の中からも、今、少人数学級の要望が政策提言されている。そういう状況にある中で、それでも、そんなに必要はないというふうな受け止めができるような御答弁だったんですけれども、もう一度御答弁をいただきたいと思います。

 よろしくお願いします。

〔副区長 吉田不曇君登壇〕

○副区長(吉田不曇君)
 築地市場跡地の問題でございますけれども、売却ということを大変懸念されているわけですけれども、実際に、これまで築地市場に関して、私どもも様々要望したり何かしてきているのは、基本的には、あの二十三ヘクタールを単純に民間に売買とか賃貸するのではなくて、あそこは基本的にこうあるべきだという方針を固めて、そういう方針に基づいて、その中に民間資本をどういう形で入れていくかという流れの中で、例えば売却であり、例えば賃貸でありというような、いわゆる民間との協力関係が今後展開されていくというお話でございまして、その部分について、民間がどういう形で入ってくるか。これは、一兆七千億円とか八千億円とか想定される大規模な事業ですから、その大規模な事業に対して、全部公共事業というわけにはいけない。これは、やはりある意味で民間の資本を入れなければいけない。その入れ方をどうするかという話の中で、売却なり、賃貸なり、部分的な売却なりというような話が出てくるわけでございます。

 この件については、私ども地元区にとっても非常に深刻な、大きな影響を持つ課題でございますから、東京都の定めるまちづくり方針に対して、地元区としても、声を大にして、こういう方向性はきちんとやってくれという話をいたしますし、仮に民間事業者が前面に出てくるような、いわゆる民間資本の入れ方が変わっていったとしても、環境アセスメントであったり、あるいは都市計画であったり、様々な手だての中で、地元区としての主体性を発揮して、そのまちづくりが、我が区にとって、東京にとって、そして日本全体にとっていいものになるようにやっていく自信はあります。その意味で、私は、売却であるとか、賃貸であるとか、そういう部分についてではなくて、まちづくりのありようについて、きちんと皆さんとこれから議論を重ねて、区としてのきちんとした要望も出していくべきだと思っております。

 その中で、例えば国際交流であるとか、MICEであるとかと言っている機能は、東京を国際的な都市として見た場合に、今、現実に欠けている機能という中で、MICEというものなどを表現している部分については、私どもも、ある程度必要ではないかと考えております。これは誤解を生じると嫌ですけれども、IRではないので、MICEなので、そういう部分については、私どもも必要だと思って考えておりますから、そういう部分が入ってくるということもある程度了承しながら、全体としては、築地地区のみならず、中央区全体の発展につながるような開発になるように要望していきたいというふうに考えているというところでございます。

 以上でございます。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題の再質問についてお答えをさせていただきます。

 少人数学級についてでございます。

 先ほど私のほうで答弁させていただきました、本区の習熟度別におけます学習集団の編制と、質問の中にありました少人数学級におけます生活集団編制は異なるという意味合いで申し上げただけで、少人数学級を否定するというお話ではございません。現に、特別区教育長会として、二十三区の集まりとして、現在、少人数学級に向けて、国に対する法律改正を、東京都教育委員会を通じて要望しているという答弁をさせていただいたところでございまして、今後、国において様々な検討がなされ、実施に向けた実行段階に入っていくものというふうに考えているところでございます。

 答弁は以上でございます。

〔保健所長 山本光昭君登壇〕

○保健所長(山本光昭君)
 PCR検査の拡充でございますが、先ほど区長が御答弁申し上げましたとおり、今後、国内の感染者の再拡大も懸念されているわけでございますので、検査が必要な方が確実に検査を受けられるように、今後とも、佃に設置しておりますPCR検査センターの体制の確保とともに、唾液を用いた検査の医療機関のより一層の拡充について、強くまた両医師会に働きかけていきたいと考えております。

 以上のとおり、拡充に努めてまいります。どうぞよろしくお願いします。

〔高齢者施策推進室長 吉田和子君登壇〕

○高齢者施策推進室長(吉田和子君)
 私からは、東京都の高齢者施設におけます新型コロナウイルス感染症対策強化事業についてお答えいたします。

 東京都は、こちらの対象施設を広域型特養や老健といった施設としておりますが、二十九人以下の小規模特養などにおいても、感染症が発生した場合、クラスターが発生したり、影響が大変大きいと考えており、こういった事業が必要であると考えております。まずは、検査の対象施設の拡大を東京都へ強く要望してまいります。その結果を見た上で、区の対応については検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

〔十九番 小栗智恵子議員登壇〕

○十九番(小栗智恵子議員)
 御答弁いただきましたが、最後に一言申し上げたいと思います。

 ポストコロナの時代は、大企業の利益を優先して格差と貧困を拡大してきた新自由主義からの脱却をして……

○議長(押田まり子議員)
 小栗議員、時間です。これで終わってください。

 以上をもって一般質問を終わります。


○二十三番(海老原崇智議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後五時九分 休憩


     午後五時二十分 開議

○議長(押田まり子議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 日程第三から日程第七までを一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第三から日程第七までを一括して議題といたします。

〔伊藤議会局長朗読〕


日程第三

 議案第五十八号 令和二年度中央区一般会計補正予算

日程第四

 議案第五十九号 令和二年度中央区国民健康保険事業会計補正予算

日程第五

 議案第六十号 令和二年度中央区介護保険事業会計補正予算

日程第六

 議案第六十一号 令和二年度中央区後期高齢者医療会計補正予算

日程第七

 議案第七十号 令和二年度中央区一般会計補正予算


○議長(押田まり子議員)
 提案理由の説明を願います。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 ただいま一括上程されました各議案につきまして、提案の理由を御説明いたします。

 初めに、議案第五十八号、第五十九号、第六十号及び第六十一号、令和二年度本区各会計補正予算についてでございます。

 この補正は、一般会計で百四十二億三千三百十三万円の追加、国民健康保険事業会計で七千三百万円の追加、介護保険事業会計で二億四千七百九十万三千円の追加、後期高齢者医療会計で三百万円の追加をするものであります。

 この結果、補正後の予算額は、一般会計は一千五百二十七億六千九百三十万三千円、国民健康保険事業会計は百三十二億一千四百五万二千円、介護保険事業会計は九十億一千三百九十九万八千円、後期高齢者医療会計は三十億四千七十万三千円となるものであります。

 まず、一般会計補正予算について御説明申し上げます。

 歳入では、国庫支出金、都支出金、財産収入及び諸収入を増額し、繰入金及び特別区債を減額いたします。

 次に、歳出についてです。

 企画費及び区民費では、国外転出者によるマイナンバーカード等利用に向けたシステム改修費を計上いたします。

 総務費は、感染症対応などに伴う人材派遣費及び防災拠点等における感染症対策物品の整備費を計上いたします。

 福祉保健費は、住居確保給付金の増額や、福祉避難所、保育所、介護施設等における感染症対策の強化に加え、私立認可保育所に対する開設準備経費補助、ロタウイルスワクチンの定期予防接種費を計上いたします。

 都市整備費は、築地場外市場地区における駐車場及び荷下ろし場の借入期間延長に伴い、減額いたします。

 教育費は、小・中学校における一人一台タブレット端末の導入費を計上いたします。

 諸支出金は、介護保険事業会計への繰出金及び基金への積立金を計上いたします。

 このほか、企画費、総務費、区民費、福祉保健費、環境土木費及び教育費においては、東京二○二○大会延期に伴い、おもてなし事業や晴海地区の公共施設整備など関連事業費を減額いたします。

 また、繰越明許費は、二件の追加、債務負担行為は、二件を追加するとともに、四件の限度額を変更します。

 特別区債は、「晴海地区の公共施設及び小・中学校」の整備延期に伴い、限度額を変更いたします。

 次に、国民健康保険事業会計補正予算について御説明申し上げます。

 歳入では、都支出金を増額いたします。

 歳出では、感染症に係る保険料減免措置に要する諸支出金を増額いたします。

 次に、介護保険事業会計補正予算について御説明申し上げます。

 歳入では、国庫支出金、繰入金及び繰越金を増額いたします。

 歳出では、基金積立金及び感染症に係る保険料減免措置などに要する諸支出金を増額いたします。

 次に、後期高齢者医療会計補正予算について御説明申し上げます。

 歳入では、諸収入を増額いたします。

 歳出では、感染症に係る保険料減免措置に要する諸支出金を増額いたします。

 次に、議案第七十号、令和二年度本区一般会計補正予算についてでございます。

 この補正は、一般会計を二億六千七十七万四千円追加するものであり、補正後の予算額は一千五百三十億三千七万七千円となるものであります。

 まず、歳入では、繰越金を増額いたします。

 次に、歳出では、区民費に、追加発行する共通買物券に要する経費を計上するとともに、繰越明許費の金額を変更いたします。

 よろしく御審議の上、御決定のほど、お願いいたします。


○二十三番(海老原崇智議員)
 議事進行について、動議を提出いたします。

 ただいま上程されております議案第五十八号から議案第六十一号まで及び議案第七十号は、企画総務委員会に付託されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。


○二十三番(海老原崇智議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、ただいま企画総務委員会に付託されました議案の審査の関係もありますので、明二十六日から二十八日までを休会とし、来る九月二十九日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(押田まり子議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十六日から二十八日までを休会とし、来る九月二十九日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     午後五時二十九分 散会


署名議員
議 長  押田 まり子
議 員  山本 理恵
議 員  木村 克一

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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