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令和3年第二回定例会会議録(第2日 6月17日)

1.会期

九日(第二日)

六月十七日(木曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後四時五十六分散会

3.出席議員

(二十九名)

一番 高橋 元気議員

二番 高橋 まきこ議員

四番 田中 耕太郎議員

五番 かみや 俊宏議員

六番 太田 太議員

七番 二瓶 文徳議員

八番 しらす 夏議員

九番 奥村 暁子議員

十番 青木 かの議員

十一番 小坂 和輝議員

十二番 渡部 恵子議員

十三番 竹内 幸美議員

十四番 海老原 崇智議員

十五番 佐藤 あつこ議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 墨谷 浩一議員

十八番 山本 理恵議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 木村 克一議員

二十一番 富永 一議員

二十二番 瓜生 正高議員

二十三番 塚田 秀伸議員

二十四番 礒野 忠議員

二十五番 中嶋 ひろあき議員

二十六番 押田 まり子議員

二十七番 田中 広一議員

二十八番 中島 賢治議員

二十九番 原田 賢一議員

三十番 渡部 博年議員

4.欠席議員

(一名)

三番 梶谷 優香議員

5.出席説明員

区長 山本 泰人君

副区長 齊藤 進君

副区長 吉田 不曇君

教育長 平林 治樹君

企画部長 浅沼 孝一郎君

総務部長 黒川眞君

防災危機管理室長 北澤 千恵子君

区民部長 濱田徹君

福祉保健部長 田中 智彦君

高齢者施策推進室長 吉田 和子君

保健所長 渡瀬 博俊君

環境土木部長 望月 秀彦君

都市整備部長 松岡 広亮君

会計管理者 鈴木浩君

教育委員会事務局次長 生島憲君

監査事務局長 高橋 和義君

企画部参事(政策企画課長事務取扱) 溝口薫君

財政課長 大久保 稔君

広報課長 園田 典子君

総務部参事(総務課長事務取扱) 山﨑 健順君

6.議会局出席職員

議会局長 伊藤 孝志君

庶務係長 長田 基道君

議事係長 小倉 正信君

調査係長 佐藤 康之君

書記 桝谷 剛司君

7.議事日程

日程第一
 一般質問


午後二時 開議

○議長(木村克一議員)
 ただいまより、本日の会議を開きます。

 新型コロナウイルス感染症対策として、出席者の抑制を図るため、指定の議員は退席を願います。

 また、理事者についても同様に願います。

〔指定の議員並びに理事者退席〕


○議長(木村克一議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 三十番渡部博年議員。

〔三十番 渡部博年議員登壇〕

○三十番(渡部博年議員)
 中央区議会区民の風の渡部博年です。会派の一員として、令和三年第二回区議会定例会に当たり、さきに提出しています質問通告書に沿って発言させていただきます。コロナ禍の中、区民の安全・安心、健康をはじめとする福祉全体の向上と景気回復が重要であり、ある意味、人の交流が活性化することにより感染拡大につながりかねない大変難しい課題であることでもありますが、区として英知を絞り、果敢な対応を期待し、質問をいたします。なお、再質問はこの場で留保させていただきます。

 終息のめどが見えてこない新型コロナウイルスの感染拡大。今なおコロナウイルスは変異を続け、全世界で新たな脅威が広がっています。昨年の第四回区議会定例会で、この感染症に対して多岐の課題について、区の考え方、対処方法等々を質問させていただきました。そのときは、緊急事態宣言など人流抑制等の対処で感染拡大阻止を行っておりましたが、国・東京都については、ワクチンの確保も接種の考え方も明確でなく、第三波を経て、現在、第四波となり、感染拡大とともに、経済をはじめとする社会情勢を激変させ、長い緊急事態宣言の最中であります。

 世界では、全人口の半数以上がワクチンを接種した国もある一方、日本では、初期の対策が未知のウイルスということで大変であったことは理解しますが、この間の医療、地方自治体、保健所、地域経済は、緊急事態宣言等が繰り返し発令され、疲弊は大きなもので、現在も続いています。国は、昨年十二月に、予防接種の枠組みで、ワクチン接種は区市町村が主体となって行うことを決めましたが、第一波以降、的確な情報提供が少なく、現場ではPCR検査の在り方など、対策、対応も取れない日々が続き、保健所機能の疲弊が言われていたことは記憶に多くあります。ワクチン配分についても、EU輸出関係もあり、確定に時間がかかるためなのか、情報提供の在り方、そして接種に伴う地域関係団体などとの話合いについても、地方自治体頼みという点など政府の対応の遅れがあり、接種対象者についても、国・東京都が大規模接種場を設置及び設置準備、職域接種などにも拡大しているため、国・都と地方自治体との接種データの在り方も含め、連携が取られていないことなど、現在も曖昧なままであります。この間の全世界の研究者報告では、コロナに感染した方も変異ウイルスに再感染するということもありますが、ワクチン研究が進み、一定程度の有効性が確認され、感染拡大防止にはワクチンの接種が最優先であり、この対策が遅れることにより、気温が下がる秋口からは変異型による第五波感染拡大が起こる可能性も示唆されています。

 医療関係者のワクチン接種が始まったのが本年二月からであり、全国で六十五歳以上の接種が七月中には終了することを目途とし、六月一日現在、接種回数が約一千四百万回となり、順次接種年齢の拡大を全国で展開する方針であり、各区でも六十五歳以下の接種券を発送または準備中であり、中央区も発送の準備を整えていると理解していますが、接種が急がれていることには変わりありません。また、目前に迫った東京二○二○オリンピックは七月二十三日開会式で、あと三十日余り、パラリンピックも八月二十四日の開会であります。コロナ対策の正確な情報と責任の在り方が区民に伝わっておらず、選手村周辺地域では心配されている方が現実におられます。

 また、まちの元気の源である中小企業の皆様も大変苦境に立たされているものと思います。ウイルスの影響で、昨年二月から倒産が一千六百社に達し、内訳は、飲食業二百六十五社、建設・工事業百五十五社、宿泊業九十二社となっており、この倒産に伴い、関連企業も連鎖的に倒産するケースも増えているとの報道もあります。さらに、内閣府が五月十八日に発表した昨年度のGDPは、実質伸び率がマイナス四・六%となり、一九九五年以降で最大の下落、本年一月から三月のGDPは年率に換算してマイナス五・一%となり、個人消費、輸出の落ち込みや企業の設備投資の落ち込みもリーマンショックを超えるものとなっています。私のところには、この間の国の施策である持続化給付金等の遅延などによる、企業存続に関わる問題も相談に来られる方がいらっしゃいます。

 このように、昨年から今日まで、日本全体はコロナウイルスに翻弄されている日々が続き、区民生活をはじめ、心も体も疲弊しています。

 そこで、お伺いいたします。

 第一に、中央区では、ワクチン接種に関する区民の不安解消のため、これまで聖路加国際病院、中央区内両医師会、薬剤師会などと綿密な打合せの上、接種・相談体制を確立してきたこの努力に感謝したいと思います。

 さて、先日、区議会議長と区長連名による要望書を提出し、議長、区長によって担当大臣補佐官、都担当理事に対して、それぞれ四項目を要望し、区の現状をお知らせしながら、区民への安全・安心のため行動を行いました。この要望書の内容については、ここでは申し上げませんが、要望時の国や都の反応と、その後、具体的にどのような対応がなされたのか、お知らせください。

 第二に、他自治体において、十二歳以上の未成年に対する接種について問題となっていることは把握されていることと思いますが、区民に対して詳細に情報提供し、理解を得る必要があると考えますが、対応について伺いたいと思います。また、変異ウイルスによる保育園、学校などのクラスター対策として、どのような対応をお考えか伺います。

 第三に、さきの質問に関連しますが、保育園等でクラスターが発生していることを考えますと、密接に子供の対応を行う関係者や、高齢者の介護に携わるケアマネジャー、訪問看護関係者など、人と接する方々へのワクチン接種について、区では多様な考え方をお持ちであると思いますが、どのようなお考えか伺いたいと思います。

 第四に、国や東京都の大規模接種場との接種予約の重複に関する確認方法についても、結局は地方自治体が行うこととなっており、かなりの負担となっていると推測します。現状の課題解決のために必要な対応策と考え方について伺いたいと思います。

 第五に、接種スケジュールは、ワクチン供給量に係るところでありますが、区として、多方面の協力がある中で、一日に最大どの程度接種できる体制を確立したのか。そして、十二歳以上の方の接種完了目標はいつと考えているのか。また、国・東京都と綿密な連絡体制を確立し、接種体制の拡大と方向性、ワクチン接種の推進で第五波を起こさない対策について、お考えをお知らせください。

 第六に、ワクチンの効果は、接種してすぐということではなく、効果が現れるのは少し先であり、今後もマスクの着用、三密対策を継続することは重要であると思います。区として、区民に対して、迅速かつ正確である情報提供をどのようにお考えか伺いたいと思います。

 第七に、職域接種についてであります。報道にもありますが、中小企業の方々は、大企業などのように病院を持っている、産業医がいるなど医療関係が確立されているところが少ないと考え、接種体制が整っていないと推測されます。区としての中小企業の職域接種への支援策についてお知らせください。

 第八に、今回のコロナウイルス感染症のように、今後も未知の緊急対応が起こる可能性があると考えます。この間の取組や各行政機関や関係団体とのやり取りなどについて一連の検証を行い、新たな対策として区が独自に進めるべきことなどを危機管理の観点からまとめることも必要です。そのことが区民の安心・安全を確保することができる第一歩でもあり、地方自治体として果たすべき役割であると考えますが、どのようにお考えか、お知らせください。

 第九に、区の財政展望についてでありますが、昨年から続くこのような経済状況を考慮され、編成された令和三年度予算でありますが、リーマンショックを超える経済の冷え込みを考えたとき、特別区民税、特別区交付金などの主要な歳入の展望と減収の際の対応方法など、区民福祉に資する対応を望むところですが、考え方をお知らせください。

 第十に、中小企業へのさらなる支援体制について、四号認定申請も九月一日まで延長されましたが、企業の相談体制を関係団体とともに強化する対応が必要であると思いますが、いかがお考えですか。また、企業のキャッシュフローなどの対策として、区が独自に行っている融資制度は、返済期間が七年間となっています。関係各方面と調整し、延長も視野に入れた考え方について伺いたいと思います。

 あわせて、区は、区内共通買物・食事券の発行などで支援する施策の展開などの努力を行っていますが、長引くコロナ感染症による区内商業などへの影響について、関係団体へのヒアリングを含め、迅速な対応を行う必要があると考えます。区内事業者の持続可能な体制を確立するための支援策についてもお伺いします。

 第十一に、オリンピック・パラリンピックでの聖火リレーに関して、オリンピック聖火リレーは七月二十日に実施、パラリンピック聖火リレーについては八月二十四日に実施されることとなっていますが、感染拡大防止の観点から、どのような対応を行う必要があると考えておりますか。お知らせください。

 また、選手村周辺の住民の皆様からは、感染拡大を危惧する声が聞こえてきます。感染拡大を招かないことと、関連施設周辺住民の理解を得るための責任を持った対応を関係各機関に対してさらに要望し、徹底した対策を促すことが重要であります。区として、きっちりと行動し対応をお願いしたいと思いますが、どのようにお考えか伺います。

 最後に、今さらでありますが、オリンピック・パラリンピックを開催し、大会全体について責任を持つ機関、団体をお知らせください。

 以上で第一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 渡部博年議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、要望書の提出時の状況とその後の対応についてです。

 ワクチン接種に係る要望につきましては、五月二十五日に議長とともに国及び都へ出向き、区の現状を伝えながら、提出いたしました。その際、国からは、本区のワクチン接種が順調に進んでいることに評価をいただくとともに、国としては、接種体制が整っているところに優先的にワクチンを配分したいとの考え方が示されました。また、都においては、ワクチン供給や大規模接種センター等の情報提供が遅いことについての謝罪があり、今後は区の負担軽減につながるよう支援していきたいとのことでした。区といたしましては、区民の方々がより早く、ストレスなく接種できるよう体制の強化を図りながら、引き続き国や都に働きかけてまいります。

 次に、未成年者への新型コロナウイルス対策についてであります。

 五月三十一日に、ファイザー社製ワクチンの対象が十二歳まで拡大されました。治験の結果では非常に高い効果が認められており、新型コロナウイルス変異株の感染が危惧される中、特に基礎疾患を持つお子様の保護者などからは、早期の接種を望む声も聞かれます。一方で、副反応や長期的な影響への心配から、接種をためらう方もいらっしゃいます。接種は、本人と保護者の同意の下で行われるため、接種の判断の一助となる情報を分かりやすくお伝えしてまいります。本年四月、区内の認可保育園で変異ウイルスによる職員及び園児のクラスターが発生しました。このウイルスは、乳幼児への感染リスクが高いことから、区内全認可保育園において、施設における基本的感染拡大防止対策を徹底するとともに、登園自粛の協力をお願いし、さらなるクラスターの発生防止に努めております。今後、新たな変異株の発生も想定されることから、保育園や学校などにおけるクラスター対策としては、引き続き手洗い、換気や安全に配慮したマスク着用など、基本的な感染拡大防止対策の徹底に努めてまいります。

 次に、人と接する職種へのワクチン接種についてであります。

 区では、国の示す優先順位に従って接種を進めており、現在は高齢者施設の従事者等を優先対象としております。今後は、重篤化しやすい高齢者を感染から守るため、介護に従事する職員やケースワーカーなどに対し、余剰ワクチンを活用し接種を進めてまいります。保育士や教員につきましても、区民の接種状況を見ながら、余剰ワクチンの活用を検討するとともに、都が設置する大規模接種会場での対象となるよう働きかけてまいります。自衛隊東京大規模接種センターとの重複予約につきましては、区がワクチン接種記録システムデータを予約システムと一件一件突合し、重複予約の確認を行いますが、六月一日時点までの接種者で重複して予約をされている方はいらっしゃいませんでした。今後、都や職域での接種会場など、様々な方法で接種可能となりますので、複数の会場を予約した場合には、不要となった予約を確実に取り消すよう周知に努めてまいります。

 次に、ワクチン接種の体制と今後の進め方についてであります。

 現在、個別接種、集団接種を合わせ、区単独で一日平均二千回接種可能な体制を整えております。今後、ワクチンが安定的に供給されれば、接種を希望する区民の二回接種が九月中に完了する予定です。国や都には、確実な接種実施のため、必要なワクチンの確保や体制充実のための支援を求めつつ、可能な限り早期に集団免疫を獲得できるよう、引き続き体制の強化に努めてまいります。

 次に、感染予防に関する情報提供についてであります。

 ワクチンを接種した後も感染リスクが完全になくなるわけではないことから、ワクチンを接種したことに安心して、マスクの着用や手洗い、手指消毒など、基本的な感染拡大防止対策を怠ることがないよう、これまで同様、区のおしらせやホームページで注意喚起を図るとともに、ワクチン接種会場においても周知してまいります。

 次に、中小企業の職域接種への支援についてであります。

 職域接種は、区市町村の負担軽減と接種の加速化を図るため、企業や大学などが実施主体となり、一千人以上の規模で実施されるものであります。また、実施主体には、会場や医療従事者等の人材確保、接種費用以外の会場の運営費等経費の負担、ワクチンの管理などの役割が求められており、接種規模に満たない中小企業が共同で実施することも可能ですが、対象者の範囲や規模の設定、費用負担などの課題があると認識しております。現在、各自治体では、一般向けの接種準備が進み、国の大規模接種センターにおいても対象が拡大されるなど、働く方々の接種体制が整備されつつあります。区といたしましては、東京都に対し、今後拡大する大規模接種会場において、中小企業で働く方の優先接種を働きかけたところであります。引き続き、働く方々が少しでも早く接種できるよう、区の支援策を検討するとともに、様々な機会を捉えて国や都に対して要望してまいります。

 次に、今後も懸念される緊急対応への備えについてであります。

 新型コロナウイルス感染症対策本部が昨年一月に国及び都で設置されて以降、感染症の拡大防止はもとより、経済対策や社会活動の制限など、国や都による広域的な対策が講じられてきました。本区におきましても、国や都の要請等を踏まえつつ、区民の生活を第一に考え、区独自の感染症及び経済対策に取り組んでまいりました。この間、区の本部会議を通じて、全庁的な検討と施策の決定を行ってきましたが、機動力を発揮した施策の実行性とともに、区民への適時適切な情報発信の重要性を改めて認識したところであります。現時点において、コロナ感染症の収束がいまだ見通しができない状況にありますが、このコロナ禍の経験を糧として、将来起こり得る自然災害や感染症の流行に備えていくことが区の責務であります。そのためには、職員の初動態勢を含め、全庁を挙げた機動力の向上と情報発信の強化など継続した施策の点検を行い、何よりも大切な区民の命と健康が守られるよう、今後とも災害に強いまち中央区の実現に向けた取組を推進していく所存であります。

 次に、今後の財政展望についてであります。

 昨年のコロナ禍の中、編成した令和三年度予算では、直近の社会・経済動向のほか、いわゆるリーマンショック時の状況なども踏まえ、税収などを見込んだところであります。税収等の展望につきましては、六月中には特別区民税の当初課税が、八月上旬には財政調整交付金の当初算定がそれぞれ行われることから、八月以降には今年度の見通しが一定程度明らかになるものと考えております。先月発表された令和二年度の国内GDPは、戦後最悪の落ち込みとなったところでありますが、今後、本区の税収が大きく減収となった際の対応につきまして、前年度決算で生じた剰余金や財政調整基金の活用、特別区債の増額などの財源対策を講じ、感染症をはじめ、多岐にわたる区政の諸課題の解決、区民福祉の向上に向けて必要な施策を着実に前進させていく所存であります。

 次に、中小企業へのさらなる支援についてであります。

 新型コロナウイルス感染症が地域経済に及ぼす影響が長引いており、区内事業者の経営は一層厳しさを増しているものと認識しております。区では、窓口での商工相談及び中小企業診断士を派遣する出張経営相談を実施しているところであります。引き続き、資金繰り、事業継続等、区内事業者が抱える様々な課題に対し適切に対応できるよう、関係機関との協力関係の維持・強化を図り、必要な相談体制を確保してまいります。

 次に、融資の返済期間につきましては、現行制度におきましても、業況の変化などに応じ、返済期間を延長する必要があるときは、利用者と融資の実行先である金融機関との協議により延長することができます。区といたしましては、金融機関等の意見も参考にしながら、返済期間の設定を含めた融資制度が区内事業者の経営の安定化に資するよう、引き続き検討してまいります。

 次に、区内事業者への支援策につきましては、従来から料理飲食業関係団体、商店街や東京商工会議所などとの意見交換を踏まえ、各種支援の創設または充実を図ってきたところであります。今後につきましても、区内事業者の課題やニーズの把握に努めるとともに、経済情勢等を踏まえ、地域のにぎわいや経済活動の活性化に向けて必要な支援を積極的に講じてまいります。

 次に、オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況についてであります。

 聖火リレーにおける感染防止につきましては、組織委員会が三密回避やマスク着用等の基本的な対策、沿道での応援方法などを定めた聖火リレーにおける新型コロナウイルス感染症対策に関するガイドラインを作成しており、本区で行う際にも、このガイドラインに基づく対策を施した上で実施することとしております。あわせて、区では、セレブレーション会場も含めたライブ配信を予定しており、自宅にいながらでも聖火リレーを楽しんでいただけるよう準備を進めております。

 次に、選手村周辺での感染拡大の懸念につきましては、選手村のある地元区として、選手・大会関係者だけでなく、地域住民の安全・安心にも配慮した大会運営を行うよう、これまでも組織委員会に申し入れてきたところであります。組織委員会が六月十五日に公表したプレイブック第三版では、選手らは選手村エリアから外には出ず、あらかじめ計画されたエリアの中で行動するよう明記されているところであります。また、参加される各国にも新型コロナウイルス感染症対策に係る責任者を置くことや罰則規定を設け、さらに厳重な措置を講じながら大会を運営することとしております。区といたしましては、地域にお住まいの方々が大会期間中も安心して生活していただけるよう、こうした管理が確実に行われるように組織委員会に引き続き働きかけるとともに、より一層の連携を図り対応してまいる所存であります。大会につきましては、国や都、組織委員会、またIOCをはじめ、海外の関係機関等、それぞれのレベルや役割においてその責任を担い、実施されるものと考えております。

 答弁は以上であります。

〔三十番 渡部博年議員登壇〕

○三十番(渡部博年議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございます。

 いろいろ全てのことに絡んできてしまいますが、この前の要望書、区長、議長を含めて大変御苦労さまでございました。

 その中で、言われていた答弁の中でいえば、接種体制が整っているところから配分したいという話でありましたけれども、お話をいただいたところによりますと、今回、十三箱でしたっけ、それしかないと。一日二千回打てる体制になっているということなのであれば、では、こういうのはどこが基準で、どうなっているのかというのが全然分からなくなってきてしまうのがあるわけです。

 だから、本当に中央区が一生懸命打てる体制をつくって、早く区民が打てる、対象者全員が打てるようになる、そして、先ほど言った中小企業支援の関係でいえば、聖路加国際病院も含めて、大規模接種場がそういったところで対応できるということになったほうが、中央区はワクチンを打った人たちが確実に多くいるという状況をつくっていく、これが大切なんだろうと思うんです。ですから、今、二千人打てる、休みなしで打てば九月までには終了という話もありましたが、そういった中でいけば、中央区が指導しながら、区は一生懸命頑張ってやっていただいているところでありますけれども、やはりワクチンの配分が足りないということであれば、このまま遅々として進まない。人がいっぱい来るところに対して、ワクチンが来ない。

 先ほど最後の、オリンピックの聖火リレーの話でありましたけれども、三密対策をすると言いながらも、中央通りを走るということになれば、密になる可能性というのは確実にあるわけです。ですから、その体制も含めて、しっかりした対応を、組織委員会、IOCだとか、国だとか、東京都というのは、いろいろなところで役割を果たしているというのはよく分かりますが、誰が最終的に責任を取るのかということも、全然私たちは聞かされていないのと一緒だと思うんです。だから、地域に住む方々は不安に思っているんでしょう。何かあったときにはどうなんですかということなんです。

 先ほどのPCR検査の話も含めて、選手村の中でPCR検査をやるということはよく分かりましたけれども、ホテルに泊まっている関係者の人たちもいる可能性があります。そういう人たちは外から来るわけです。そういった移動に関しても、やはりしっかりとした対応をしていただけるということは理解しているところですけれども、そういったこともまちの人たちは不安に思うところであるということなんです。だから、東京都なり、そういう団体が、私たちがしっかり責任を持ってやりますということを言ってくれないと、やはりまちの人は不安なんです。そういったところで、区長も含めて、区役所全体を挙げて対応をお願いしながら、しっかり連絡体制を取ってもらって、組織委員会はトリトンに入っているんですけれども、近くに来ましたけれども、全然近い存在ではないですよね。だから、そういうことも含めて考えたら、区民にとって、今、そういった状況が、組織委員会なりから何も見えてこないというのが最大の問題なのではないのかなというふうに思います。

 それと、介護の関係については、今、現時点では余剰ワクチンでやります、あと大規模接種場で受けられるように働きかけますと言っていましたが、介護を受ける方々、利用者の方々というのは、ひょっとしたらワクチンを打ってはいけない、打ちたくないという人もいる可能性があるわけです。そういった中でいけば、訪問する方々がしっかりワクチンを打った上で対応するというのが筋道の中にあるのではないのかなというふうに思っております。

 そこで、なるべく早くそういう方々に対応していただくように、今、現時点では一生懸命やられているのはよく分かりますけれども、これから先、もっと早急に対応していただけること、さっき言った中小企業の職域接種で、聖路加も含めて、このままずっといったら、そういったところで余剰分が出てくれば、そういうところで打つということは分かりますけれども、早く対応してあげないと、今度、フレイルというんですか、運動不足によって体が動かなくなるとか、そういうことで介護度が上がってしまうということもあるわけですので、訪問される方々がしっかりワクチンを打つことで介護の現場に安心して就けて、介護を受ける人も安心して受けられるという状況を早急につくっていただければありがたいなと。学校も保育園もそうですけれども、そういったことも含めて、中央区内に勤めている人も含めて、全ての方が早くワクチンを打てるような体制を構築していただきたいというふうに思います。

 ワクチンを打つのにも、データの管理で大変だというのはよく分かります。結局、どこで打ったのかというのを国が統計、データを取り、それを区が拾ってきて、その拾ってきたもので、打ったか打たないかということを一々手でチェックしているんですよね。そういったところでちゃんとチェックをしながら、重複しないようにしているという現状があるわけですから、こういったところも責任を持って、大規模接種場を設置した以上は、そういったデータ管理も含めて、地方自治体が疲弊しないような形をつくることが重要だと思いますので、そういうことも含めて、しっかり要望していただきたいなと思います。

 あとは財政の関係ですけれども、正直な話、リーマンショックのときというのは大規模の職種がダメージを受けたんだろうというふうに思います。今回のコロナの関係というのは裾野が広がっていて、庶民も含めて相当なダメージを受けている。生活保護の人たちも高止まりになってきている。支援を受けている方が多くいらっしゃるということを考えれば、やはり区の財政展望というのはしっかり見ておかなければいけないということで、こういう質問をさせていただきましたけれども、今回はリーマンショック時より相当影響が大きいと思うんですよね。

 だから、いろいろな施策を含めて、中小企業の人たちのワクチン接種も含めて、いろいろなことを含めて、今回、質問させていただいたわけですけれども、やはり区としてワクチン接種体制をしっかりつくった上で、区民の人たちに接種をしていただく。そして、中央区が果たすべき役割というのは、今度、中央区民だけではなくて、中央区に働きに来る人たちも含めて、その先、周りにも波及していくということをしっかりやれる体制は、今、できていると思うんです。しっかり対応していただきたい。それを乗り越えなければ、区民の安全・安心、ましてやオリンピックの安全な開催なんてできるはずがありませんから、地域の人たちの理解も含めて、しっかり得られるような体制をつくっていただく、再構築していただくという形ですね。今、つくって一生懸命やっていただいていますけれども、やはりもう一歩進めて、しっかり対応していただくことが重要だと思います。

 区の皆さんはコロナ対応で大変だと思いますけれども、あと一か月ちょっとでオリンピックが始まる。その前に聖火リレーが始まるということも含めて考えたら、やはりもうちょっとしっかりやらなければいけない部分が出てくる。もう一回気を引き締めてやるということが必要なんだろうと思いますので、そういうところを、区長が先頭になって、しっかり対応していただければありがたいというふうに思います。

 いろいろ言いましたが、全て要望とさせていただきまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後二時四十四分 休憩


     午後三時五分 開議

○議長(木村克一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十二番渡部恵子議員。

〔十二番 渡部恵子議員登壇〕

○十二番(渡部恵子議員)
 立憲民主党新風会の渡部恵子でございます。令和三年第二回区議会定例会に当たり、今回は、防災対策における区のお考えについて、会派を代表し質問させていただきます。再質問はあらかじめ留保いたします。

 初めに、防災対策についてお伺いいたします。

 先日、私が住む集合住宅で、昨年に続き、二回目の安否確認訓練を行いました。前回は昨年十一月に実施し、各フロアに四名ずつ輪番制で担当するフロアリーダーが各住戸に貼られた安否確認シートを集計し、災害対策本部に報告に来るという訓練を行いました。

 防災訓練に当たり、事前に全戸に防災アンケートをお願いし、自分が住むまちの災害上の特性、最寄りの避難所の場所を認知しているか、自分が住む住宅の強みと弱みの認識、災害発生の自助の取組として食料備蓄をしているのか、また、地震対策として家具や家電の転倒防止策を講じているか、家族との連絡方法を取り決めているか、安否確認支援が必要か、その際、あなたは七十五歳以上なのか、乳幼児・妊婦か、障害の有無、同居家族の有無、ペットの支援の必要性などについても伺いました。

 事前にアンケートを行うことで、住民に防災に対する意識啓発の促進と、自分が住むまちや住宅に対する理解を深めてもらいながら、これから行う防災訓練の参加率を高めることを意図して実施しました。また、防災区民組織としても、住民がどのような状況にあるのかを把握することが必要であり、住民の、住民による、住民のためのアンケートは、今後の訓練の在り方を決める契機となりました。

 その上で、今回は三回目の緊急事態宣言下であることから、完全に非接触型の訓練を行うため、管理組合の公式LINEを活用し、要配慮者及び避難行動要支援者だけでなく、全住民に対する安否確認を行いました。各エレベーター内に防災訓練実施の掲示を行うと同時に、防災区民組織の広報班より、訓練の告知とともにLINE登録をお願いする第一回防災かわら版を作成し、これを全戸配布しました。その結果、訓練三週間前の公式LINE登録者数は二百二十名でしたが、事前登録者数は一千二百十五名となり、訓練中、さらに百名以上の方々が登録し、安否確認の返信を行った結果、登録者数一千三百三十八名、回答八百二十一件、回答率六一・四%と、前回のアンケートの回答率五六%を上回る御参加をいただくことができました。LINEは外出中でも連絡が届くため、中には外出先からの返信もありました。また、公式LINEには必要なことを書けるスペースをつくっていたことから、LINEはコロナ禍ではよい安否確認方法だ、簡単な訓練で参加できてよかったなどの声が九十五件、改善提案が三十六件と、フィードバックも百三十一件ありました。

 一般社団法人地域防災支援協会の理事の方からは、有事の際の情報マネジメントは、一、情報の要求、二、情報収集の仕組みづくり、これは複数あるほどよいそうです。三、分析処理、四、伝達、そして有事の際、即応できる体制が必要、前回はフロアリーダーによるアナログの情報収集、そして今回はソーシャルネットワーキングサービスを活用した情報収集ができ、八百件を上回る回答が得られたことは、通常の防災訓練では住民が八百人も参加しない中で、まさにコロナ禍だからこそ生み出せた訓練だったという講評をいただきました。

 今、御紹介した訓練を前提に、まず、災害時の情報収集についてです。

 本区は、令和二年度予算において、新規事業として防災マップアプリを活用した機能の整備を計上しておられます。災害時に防災拠点における役員等の連絡手段の確保及び災害対策本部内における情報収集・伝達手段の充実を図るため、リアルタイムで情報交換ができる防災マップアプリのチャット機能を整備することを目的とされております。現在、コロナ禍により、総合防災訓練や防災拠点訓練を行い、チャット機能を試行する環境にないことは理解しておりますが、台風などの気象災害は事前に被害状況が想定できる反面、地震災害はいつ発生するか分かりません。そこで、防災マップアプリを活用した各拠点内の情報交換の試行は、でき得る限り速やかに行う必要があると思います。

 そこで、お伺いいたします。

 早い段階で、適切な時期を見て、防災マップアプリを活用した各拠点内の役員同士の情報交換の試行は必須と考えますが、この点についての御所見をお伺いいたします。

 本区の特性として、区民の九割、すなわち本年六月一日現在の人口は十七万一千三百九十三人ですから、概算すると十五万五千人もの区民が集合住宅にお住まいです。中でも、高層住宅は大地震発生時に倒壊のおそれがほとんどないことから、本区ではかねてより在宅避難を区民に呼びかけています。このおよそ十五万人の方々のうち、自宅が避難場所となることを認識している区民はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。これについては、世論調査の上では、自宅が避難所となることについての区民の意識について把握はできません。

 この点、防災拠点について、令和二年度中央区政世論調査報告書を拝見いたしますと、この五年間は回答者の六割の方々が、防災拠点を「知っている」と回答していますが、「知らない」、「知っているが、場所はわからない」と回答している方々は三七・三%いらっしゃいます。さきに実施した住民のアンケート調査によりますと、防災拠点を「知っている」と回答している方は五二・四%、「知らない」と回答している方は四七・六%と、避難場所を認識している方、認識していない方がそれぞれ半数ずつという結果が出ており、ほぼ区政世論調査と同様の結果となっております。それを踏まえると、自宅が避難所となることを前提にしながら、防災拠点の存在を知っていると判断することもできますが、自宅が避難所となることを御存じない方も一定程度いらっしゃるのではと案じております。

 本区が令和三年二月に修正した地域防災計画の概要版を拝読いたしますと、自助の取組で、区では在宅避難を推奨していますと示していますが、これを広く区民に周知していくことは、これからより必要だと思います。なぜなら、今後、晴海の選手村跡地に一万二千人もの方々が入居される予定であるほか、区内には今後も高層住宅の建築を行う予定であることから、やがて二十万都市に向かう中で、在宅避難を呼びかけ、同時に、避難場所となる高層住宅全体として何をすべきかについて周知し続ける必要性があると考えているからでございます。

 現在、本区が発行している地域防災計画に基づいた自助・共助の防災対策パンフレットの中に、内閣府の防災白書で、都市部の空間高度利用による脆弱性への対策と高く評価された、平成十九年三月に作成した全国初の高層住宅防災パンフレット「揺れる高層住宅!その時あなたは・・・」に、七年前、新たに東日本大震災の教訓を加えた「備えて安心!マンション防災~震災時にも住み続けられる高層住宅~」があります。このパンフレットの冒頭には、中央区の定住人口は平成二十五年四月に十三万人を突破し、今も増え続けています、全国屈指の居住率で、住民の八八%の方が集合住宅にお住まいになっていますと記されています。

 修正から既に七年を経過する中で、本区が防災区民組織に対し取り組んできた様々な資器材提供や訓練、また、高層マンションに対し独自のマニュアルやDVDを作成するなど、この間、積極的に事業を推進しておられます。本区の災害対策は、基本計画に従って順調に事業を執行なさってはいるものの、令和二年度区政世論調査によりますと、自助の取組として、高齢者では多くの方々が家具や電化製品の転倒防止策を講じられている反面、十八歳から二十九歳と若い世代の五割の方々が特に何もしていないということで、世代間での対応の差が出ております。

 さきの住民アンケート調査では、ガラスの飛散防止、本棚の収納物の飛び出し防止、食器棚のガラス飛散防止と収納物の飛び出し防止、電化製品の転倒防止は、いずれも六割から七割以上の住民が「やっていない」と答えています。これにつきましても、いま一度、地震の発生といっても、特に長周期地震動の発生時には高層住宅も影響を受けやすく、家具や家電の転倒や、食器棚や本棚から物が飛び出してくる可能性があり、過去の災害で示されているように室内で家具の下敷きになるケースや、壊れたものでけがをするおそれがあるということを住民に伝え、備えの必要性をお伝えしていく必要があると思います。

 在宅避難を呼びかける中で、高層住宅全体として何をすべきか。平常時に、食料など必要な備蓄はもちろんのこと、家具類の転倒防止策など、住まいの安全対策を推進することのほかに、在宅避難時の心得として、大地震発生後はトイレの水を流さないことや、避難する際、連絡先を集合住宅の管理者に伝えてから避難すること、また、余震もあるのでエレベーターには乗らないように周知すること、ごみの管理方法など、高層住宅での避難生活について、改めて住民に周知していく時期に来ているのではないかと感じております。

 また、情報のやり取りにつきましては、区政世論調査において、災害時に情報を得るには、インターネットやSNSと回答する住民が四割から五割台半ばとなっていることから、中央区地域防災計画でも示している、災害時に機能するファイブゼロジャパンについて区民に周知し、自宅が避難所となる在宅避難では、SNSを活用した情報のやり取りを検討し始めてもよい時期ではないかと思います。

 その理由として、令和二年度の行政評価に示されているように、平成二十六年度に実施した第四十四回区政世論調査によれば、同じフロアの居住者を「ほとんど知らない」と回答する方が約半数に上ることから、災害時の安否確認だけでなく、避難所となる集合住宅内部での情報の授受も、日頃慣れ親しんでいるSNSを活用することで情報の相互通行が可能となり、住民に必要な支援を区民組織が対応することができる余地が生まれてくると考えているからです。

 次に、防災拠点と各集合住宅の情報授受についてです。

 災害対策本部が区役所に立ち上がり、各防災拠点との情報の授受及び拠点内での情報のやり取りは、防災無線があり、防災マップアプリがさらに迅速な情報交換を補完する役目があるものの、各避難所となる集合住宅内の情報の授受は、手段を講じていない住宅もあり、緊急連絡を行う上では極めて脆弱と言えるのではないでしょうか。

 集合住宅と災害対策本部との情報のやり取りは、現状では直接できず、間接的に防災拠点を通すことが定められており、各集合住宅と防災拠点との情報の授受は、階下に下り、防災拠点まで足を運ばなければならない状況となっております。そのため、上階から地上に下りて防災拠点まで赴き、再び自宅に戻るというのは、情報授受のスピード感が得られず、また幾度もの手間がかかることが想定されるのではないでしょうか。そうであるならば、防災拠点と各集合住宅との情報の授受は、役員の負担が少ない手段を考えるというフェーズに来ているのではないかと思います。

 やがて二十万都市に向かう中で、集合住宅の居住者に対し、災害を自分事として捉え、防災対策とともに、自宅で避難生活を送る集合住宅で役割分担をどのようにしていくかなど、その認識を住民一人一人が持つことは、時に命を守ることに通じていくため、非常に重要だと感じております。そのためには、防災区民組織をどのように立ち上げていくかなど、高層住宅ならではの諸課題をいま一度見直し、修正し直す時期に来ているのではないかと思います。現在の高層住宅用パンフレットは、大地震を想定しているものの、気象による風水害の対策については伝えていません。昨今の台風シーズンの影響も想定し、新たな見直しをしていく必要性も出てきていると思う次第でございます。

 さらに、大地震発生後は、どの段階で区の災害対策本部と防災拠点との情報のやり取りができるようになるのか、防災拠点と各集合住宅間の相互連絡方法はどう講じていくのか、区民が災害情報を得る手段として有効と考えるインターネットや区からのソーシャルネットワーキングサービス及びホームページは、何時間後に情報提供されるめどが立つのかなどについては、私たちは把握できません。また、避難所となる各集合住宅では、災害直後からしばらくの間、行政と連絡が取れるまでの間は自立して、様々起きる事象への対応をせざるを得ず、災害前の自助の対応は、従来実施してきたマンション独自のマニュアル作成はもちろん、災害発災後から、区民組織の中で参集できる役員だけで住宅内の災害対策本部を自走させていかなくてはならないため、そのための実質的な訓練を行うなど、新たに検討しなければならない諸課題が出てきていると実感しております。

 災害に強い中央区を実現することを目標に策定されている中央区地域防災計画を令和三年二月に修正したことから、本区の高層住宅用のパンフレットの見直しの必要性や、情報のやり取りについて、現段階ではどのようにお考えでしょうか。区の御所見をお伺いいたします。

 次に、妊産婦と乳幼児の災害対策について二点伺います。

 令和二年七月六日付で厚生労働省子ども家庭局母子保健課より、各都道府県、保健所設置市、特別区の母子保健担当者に対し、災害時の母子保健対策に関するマニュアル等についてということで、保健・医療関係者向けの災害時妊産婦情報共有マニュアル、一般・避難所運営者向けの妊産婦を守る情報共有マニュアル、国立成育医療研究センターの子どもの心の診療ネットワーク事業、災害と子どもの心、国立健康・栄養研究所の災害時の健康・栄養について、また、赤ちゃん、妊婦・授乳婦の方向けに、各専門機関のホームページアドレス等が情報提供されていると思います。この文書は、令和二年七月三日からの大雨災害で被害を受けている方々に対し、避難所等での生活に伴い、心身の健康への影響が生ずることが想定され、とりわけ妊産婦及び乳幼児に対しては、関係機関が連携して健康管理に配慮することが重要であることと、避難所運営と支援についての参考にしてほしいという内容になっています。

 東京都は、先んじて平成十八年八月に、子どもを守る災害対策検討会を設置し、妊産婦・乳幼児を守る災害対策ガイドラインを作成し、平成二十六年三月に一部改訂を行っております。このガイドラインは、自治体で防災対策に関わる方々を中心に、妊産婦や乳幼児の心身の特性と支援に当たっての留意点を伝え、災害への備えに役立て、妊産婦や乳幼児に配慮した効果的な防災対策を促進してほしいということが目的となって作成されております。

 内容を確認しました。まず、要配慮者として、母子特有の特徴として四点挙げられています。一、同じ妊婦でも、妊娠週数二十週と三十週では、体型をはじめ、心身の状態、必要とする生活環境は大きく異なり、それは乳児も同様であることから、時期ごとに心身の変化や生活上の留意点が異なるという点。二、妊婦のつわり状況や体型、乳幼児の離乳時期や排せつ頻度は個人差があることから、個々人の心身の状態の差が大きいという点。三、母体と胎児の安全や妊娠経過、乳幼児の心身の発達を把握し、ハイリスクな妊婦や乳幼児の疾患等の予防と、産後ケアや離乳支援など時期に応じた対応が必要になることから、継続した観察と時期に応じたケアを必要とする点。四、栄養及び水分、衛生の確保が、母体の保護や安全な出産、乳幼児の成長、感染症リスクの低減につながるなど、生命の維持上、大きな影響を及ぼすという点。これらが、防災対策上の方向性として提案されています。確かに、乳児は全般的に、十分な栄養に加え、体重当たりで成人の三倍の水分を一日に必要とされていると言われており、哺乳は成長と生命維持のために重要という時期です。

 また、妊婦においては、これまでの災害経験から、被災事態に対するショック、心身的・精神的ストレスが胎児に及ぼす影響が大きいこと、復旧までの生活面でのストレス、人間関係の変化によるストレス、もし子供がいる妊婦であるならば、親子間の影響もこれまでの災害で明らかになっている事例です。

 このように、これまでの災害発生後は、妊婦の心身にこのような変化を与え、流早産の危険性、たんぱく尿や体重増加、血圧の上昇、浮腫など、妊娠高血圧症候群のリスク、産婦には母乳が一時的に減少する乳腺炎になるなど、母体の健康上・育児上の影響が見られるほか、妊産婦共通に見られたものは精神的な変化であり、これについては適切なメンタルケアを行うことが重要であると資料には示されています。

 中央区は、東京都が発表した都内の合計特殊出生率においては、二○一七年に続き、二○一八年も一・四二で、二○二○年十二月一日の発表では、二○一九年も一・三八と、三年連続して二十三区中第一位となり、五年連続して二千人を超える新生児が誕生しております。他方、日本は幾つものプレートが重なっている上に国ができている関係で、世界有数の地震国であり、かねてより首都直下地震が発生する確率は今後三十年で七○%と言われている状況です。こうした災害が発生しやすい環境にある中で、集合住宅に居住し、妊娠、出産、子育てをしている区民が多い中央区において、母子の特性を踏まえた本区ならではの防災対策は大変重要であると考えております。

 母子の心身特性については、個々の母子の心身状態の差が大きいため、防災対策上、画一的な対応が困難であることから、妊産婦や母親が御自身の状況を災害時に支援者に伝えられる仕組みは必要であること、そして、妊産婦や母親が御自身や乳幼児に応じた必要な物資を家庭で用意する必要があることから、防災意識の啓発とともに、該当される方々へ区からの情報提供は必要であると考えております。また、災害発生後、急に産気づいてしまったとき、どうしたらよいのか、何を携帯して支援を求めたらよいのか、救急車を呼べないときは近所の誰に支援を求めたらよいのかなどのほか、区の連絡先や関係機関のQRコードなど、必要な情報を妊産婦用のリーフレットにまとめ、母子手帳とともに必要書類の中に入れてお渡しすることは、災害時に備えた自助の取組を促すことに通じていくのではないでしょうか。

 現在、本区の地域防災計画の概要版には、要配慮者及び避難行動要支援者対策として、専ら障害がある方や高齢の方を対象にした支援対策が記されております。しかし、出産直後の産婦も、臨月近い妊婦も急には動けないことから、どのような支援が必要なのか、いま一度在宅避難の中での支援体制について考える必要があると思います。

 そこで、お伺いいたします。

 妊産婦・乳幼児を守る災害対策ガイドラインに基づいた区の支援体制については、現在、どのようになっているのでしょうか。

 また、妊産婦・乳幼児のための災害時の備えについて、リーフレットを作成することについての区のお考えをお知らせください。

 以上で第一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 渡部恵子議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、防災マップアプリの活用についてであります。

 防災拠点における情報連絡態勢については、災害時に通信が途絶した場合を想定し、地域防災無線及び災害時優先電話の配備に加え、令和二年度には、防災マップアプリを活用したチャット機能を整備し充実を図ったところです。こうした通信手段については、災害時に円滑な情報収集・伝達ができるよう、日頃から防災拠点運営委員会の役員の方々を対象とした操作方法の習熟や使用に関するルールづくりが必要であると認識しております。そのため、今後、区といたしましては、新型コロナウイルスの感染状況を注視しつつ、地域の実情に応じて、防災マップアプリを活用した情報通信訓練を行うことにより、連絡態勢の強化を図ってまいります。

 次に、高層住宅用防災パンフレットの見直しと情報連携の在り方についてであります。

 区では、高層住宅における自助・共助の強化を図るため、各家庭及びマンション管理組合を対象とした防災パンフレットを平成二十六年三月に全面改訂し、普及・啓発に努めてまいりました。発行後七年が経過したことから、これまでに防災アドバイザーの派遣や防災マニュアルの作成支援などで積み重ねたノウハウを反映させるとともに、近年、日本各地で多発している風水害に備える対策など、内容を充実させることにより、さらなる在宅避難の推進を図るため、高層住宅用防災パンフレットの改訂を進めてまいります。また、避難生活に必要な情報や支援物資の提供など、災害時における防災拠点とマンション管理組合等との円滑な連携体制の構築が必要であると認識しております。その際、インターネットやSNSの活用は有効であるものの、マンションの規模や組織体制などにより、一律に導入していくことは困難であるため、今後、防災拠点運営委員会で意見交換を行いながら、情報連携の在り方について検討してまいります。

 次に、ガイドラインに基づく妊産婦等への支援体制についてであります。

 妊産婦等の災害対策につきましては、各家庭での備蓄や緊急連絡先の把握など、災害時に備えた準備が何より重要であります。こうしたことから、本区では、これまでに女性視点をテーマとした防災講演会や出前講座等において、防災意識の向上や防災訓練への参加促進などの普及啓発に取り組んでまいりました。また、避難所においては、乳幼児・妊産婦等優先居室や授乳室の設置をはじめ、粉ミルク等の備蓄、保健師による巡回、医療救護所の設置などの体制を整備しております。加えて、本年六月には、区内宿泊施設と協定を締結し、妊産婦等の要配慮者を優先した避難場所として活用することで、避難生活のストレス軽減を図るなど、積極的に都のガイドラインに基づく防災対策上の配慮に取り組んでいるところであります。

 次に、妊産婦・乳幼児向けリーフレットの作成についてであります。

 本年三月の子育てガイドブックの改訂に伴い、新たに子供を守るための防災対策について掲載したところであります。このガイドブックは、母子手帳と併せて配付しており、防災意識の向上を図る上で有効な取組であるため、今後改訂する際には、ガイドラインの内容をより反映させるなど適宜充実を図ってまいります。

 答弁は以上であります。

〔十二番 渡部恵子議員登壇〕

○十二番(渡部恵子議員)
 御答弁をいただき、ありがとうございました。

 災害時を想定したとき、避難場所となる集合住宅が、災害発生後、公的機関とつながるまでの間、様々起きる事象に、防災区民組織の方々、また、区民組織を結成していない集合住宅でも、現在いる住民で問題に対処していかなくてはなりません。そこで、総論として、発災後、しばらくの期間、在宅避難の集合住宅が自分たちの力で自走できるように、自立した避難生活の支援という視点で、高層住宅用の災害対策の修正についてお伺いしました。

 地域防災支援協会の理事の方から御教示いただいた有事の際の情報マネジメント、情報収集の仕組みづくりは、複数あるほどよいというとおり、先ほど御答弁いただきましたように、災害対策本部が立ち上がった後、地域防災無線のほかに、災害時優先電話、また防災マップアプリの活用ということをこれから推進していただくということは、まさにこの点を補完していると思います。しかしながら、自宅が避難場所となる高層住宅内の情報収集の在り方や、防災拠点となる個々のマンションの情報のやり取りについては、まだ線がつながっていないということから、自立した避難生活には公助の情報こそ命綱になると考えて、一つの手段として、SNSを活用した情報授受などについてお伺いさせていただきました。

 また、区役所の災害対策本部も国や東京都からのヒアリングに時間を割かれてしまい、刻々と変わっていくフェーズにも同時に対応していかなくてはなりません。被災者は、区民全員と帰宅困難者という中、限られた職員数で対応しなくてはならないという現実を考えると、避難所となる集合住宅が防災拠点とつながっているからこそ、情報収集ができ、そして的確な支援を講ずることができる。そのためには、区内に九百ほどある集合住宅が、それぞれ防災拠点とつながる仕組みづくりと、住宅内での区民組織の結成率を上げていくことも、災害対策本部として重要なことだと考えております。

 各論となる集合住宅内での避難生活は、受水槽が大きな揺れで止まり水が出ない、エレベーターが止まった、けがをしたなど、混乱した住民から様々な問題が発生し、限られた区民組織のメンバーだけでこれに対応しなくてはなりません。また、ペットの問題、妊産婦・乳幼児に対する必要な支援などは、公助とつながるまでの間は住民同士で協力し合わなくては成り立ちません。総論としての考え方、そして各論として、それぞれの住宅で区民組織の結成率を上げ、いざというときに自走できる体制づくりと、その必要性を促せるのは、中央区が先陣を切らざるを得ないために、命を守るという視点から、高層住宅用の対策の見直しについて質問させていただきました。

 また、同様の視点から、妊産婦・乳幼児に対する災害対策についても、自助の取組として、いざというときにどうしたらよいのかという情報提供をすること、先ほど子育て支援課のほうでリーフレットを作られているということでございましたが、こちらも命を守るために重要だと思っております。大切な命を守ること、それは職員各位についても同じです。

 区長が所信表明でお話しされた国土強靱化地域計画策定に向け、今後のお取組に大いに期待し、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、併せて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後三時四十分 休憩


     午後四時 開議

○議長(木村克一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。九番奥村暁子議員。

〔九番 奥村暁子議員登壇〕

○九番(奥村暁子議員)
 日本共産党の奥村暁子です。日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。答弁によっては、再質問、再々質問を留保させていただきます。

 初めに、東京五輪・パラリンピック開催について質問します。

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が、今の状況でやるというのは普通はないと国会で答弁するなど、多くの専門家が東京五輪・パラリンピック開催による感染リスクの増大を警告する中、菅義偉政権はこうした警告を無視し、感染症専門家にリスク評価を諮問することもなく開催に突き進んでいます。

 六月十一日、東京五輪・パラリンピック組織委員会は、観客や大会関係者など来訪者が一日最大約三十四万人となることを公表し、大会を開催した場合には都内で八月末に新型コロナウイルスの新規感染者数が一千人程度となるという試算も明らかにしました。大会では各地から来訪者が集まるため、感染が全国に広がる危険性もあります。

 菅義偉首相は、選手らの感染対策を徹底するから安全は確保できると主張して開催を正当化していますが、入国時の検疫で陽性と判定されなかった人がその後発症した例があり、水際対策には漏れがあることが分かっています。選手、大会関係者、メディアなど五輪関係者に対し、入国後十四日間の行動制限が取り払われることも大問題です。また、日本人についても、選手以外の五輪関係者、メディア関係者や大会業務に関わる人の検査に穴が開いていることも明らかになっています。

 選手やコーチらに向けたプレイブックの最新版が六月十五日に公表されましたが、このプレイブックにのっとり、選手村内で感染対策が取られたとしても、競技会場や野外で行われるマラソン、自転車競技などもあり、大勢の観客を集めるライブサイトやパブリックビューイングが各地に設けられます。国内で人流が増大すれば、感染拡大や医療提供体制に影響を及ぼすことは避けられません。とりわけ、中央区は選手村があるために、大会関係者やメディア関係者、観光客、ボランティアなどの往来の影響も計り知れません。デルタ株をはじめ、変異株が世界中から持ち込まれ、感染爆発が起きる危険を回避し、区民の命を守るためにも、東京五輪・パラリンピックを中止するしかありません。

 そこで、お聞きします。

 第一に、新型コロナの分科会は、政府が専門家の知見をコロナ対策に生かすために設けた会議でありながら、その分科会に対し、五輪のリスクについて見解を求めない政府の矛盾した姿勢をどう思いますか。国はきちんとリスクを示すべきだと思いますが、いかがですか。

 第二に、安全・安心な大会は本当に可能だと思いますか。大会期間前、期間中、期間後、中央区として区民の命を守るためにどのような対策が取られるのでしょうか。

 第三に、今、楽天グループの三木谷浩史会長やソフトバンクグループの孫正義会長など企業経営者や商工会議所の会長など、財界人からも開催に反対する声が上がっています。また、野村総研は、開催をきっかけに感染が再拡大し、緊急事態宣言が発令された場合の経済損失のほうが開催中止の損失よりも大きくなるという試算を発表しました。大小様々な企業を抱える中央区でも、大会開催によるリスクは大きなものになると思いますが、いかがですか。

 第四に、選手村内で新型コロナの感染者が出た場合には、組織委員会が対応することになってはいるものの、国に届け出る文書処理などの事務作業や、区内ホテルに滞在するメディア関係者や観光客、ボランティアなどが感染した場合には、地元自治体として中央区保健所が対応することになっています。また、選手村内で新型コロナ以外の髄膜炎菌やノロウイルスなどの感染症が発生すれば、中央区保健所の対応となります。保健所の業務量負担は大きいと思いますが、いかがですか。

 第五に、昨年十一月の区議会第四回定例会の一般質問の答弁では、保健所職員の残業時間について、最高で月百九十八時間と、過労死ライン八十時間を大幅に超えており、職員平均では月六十八時間が最高というものでした。その後の残業時間はどのようになっていますか。今でも、新型コロナ対策、ワクチン接種で大変な保健所に、五輪対応でさらなる負荷を課すことになります。問題はないとお考えですか。

 第六に、五輪開催に医師や看護師、救急車などが動員され、医療がさらに逼迫すれば、区民も直接影響を受けると思いますが、いかがですか。

 第七に、人流を止め、密を防ぐ観点から、浜町公園で行われる聖火リレーに関わるセレブレーションイベントや、区内の様々なスポットを巡るガイドツアーなどを行う区内回遊促進事業などを中止するよう求めますが、いかがですか。ほかにも、区内で行われるパブリックビューイングなどはどれくらいあるのでしょうか。こうしたものも中止するよう働きかけることを求めますが、いかがですか。

 第八に、区長は所信表明で、東京五輪・パラリンピック大会について、区民生活に多大な不便が生じないよう、都、組織委員会と連携を図っていくと述べられました。不便どころか、今、区民の命が危険にさらされる状況となっています。保健所や医療機関の負担軽減と区民の命を守る立場から、組織委員会、東京都に対し、中止するよう求めるべきだと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、東京五輪の学校連携観戦について質問します。

 今、東京五輪・パラリンピックに関わり、子供たちに割り当てられるチケットで観戦に子供を動員する学校連携観戦の計画が問題になっています。

 新型コロナウイルスの感染への心配を払拭できないことから、計画中止を求めるオンライン署名も始まっており、さいたま市が全ての辞退を決め、越谷市や川越市、川口市など二十八の自治体が続くなど、キャンセルする動きが埼玉県内で相次いでいます。平塚市や横浜市など神奈川県内でも同様の状況が広がっています。

 大会組織委員会が主導するこの学校連携観戦は、全国で最大百二十八万人を動員する計画で、東京都だけで九十万人が対象となっています。中央区でも、小学生約八千百人、中学生約一千六百人、幼稚園年長児童約五百六十人がパラリンピック競技を観戦する予定です。

 中央区では、移動についてはバスを貸し切るとのことですが、子供への感染力が強い変異株が広がる中、ワクチンを接種できない子供たちを会場に集中させることは感染リスクを伴います。昼をまたぐ長時間観戦もあり、熱中症も心配されます。コロナ禍で、運動会や泊りがけのセカンドスクール、修学旅行など行事は軒並み中止となってきました。東京五輪・パラリンピック観戦であれば子供たちを集中させてよいということに道理はありません。

 そこで、お聞きします。

 第一に、学校連携観戦により、子供たちの間でクラスターが起きる危険をどのように捉えていますか。子供たちはワクチン接種もしておらず、PCRなどの検査も受けていない中で、完全な感染対策は不可能だと思いますが、いかがですか。

 第二に、さいたま市などのように、自治体が声を上げれば、学校連携観戦を辞退することは可能です。中央区でも中止することを求めますが、いかがですか。また、強行された場合でも欠席扱いとはしないよう求めますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、PCRなど検査の拡充について質問します。

 新型コロナウイルスを封じ込めるためには、速やかなワクチン接種を進めることと併せ、PCRなど検査の拡充が不可欠です。

 昨年の早い時期から無症状者へのPCR検査など、積極的な新型コロナウイルス対策を進めている墨田区は、保健所でも独自にPCR検査ができる体制をつくっています。

 多くの自治体が保健所の機能縮小で検査室を廃止する中、墨田区は検査室を残し、昨年六月には百件の検査結果を七十分以内に出せる装置を導入しました。これにより、仮に保育園でクラスターが発生したとしても、午前中に検査して夕方までに保護者に伝えることが可能となっています。また、昨年六月には民間の検査会社を区内に誘致し、高齢者施設などで働く約五千人を対象に、定期的にPCR検査を実施する体制が取られています。東京都の変異株検出検査が僅かにとどまっている中で、区独自に変異株の検出も行われています。無症状感染者を把握するモニタリング検査についても、国と協力して錦糸町駅前に検査スポットを設け、不定期ですが、検査キットを配布し、誰でも検査を受けることができます。

 ワクチンが希望する全ての人に行き届き、集団免疫ができて感染が収束していくまでには、まだ時間がかかります。また、ワクチン効果が十分ではない数々の変異株の拡大や、ワクチンを接種しても感染するケースがあること、子供などワクチンを接種できない年齢やワクチンを接種したくない、できないといった人がいる中では、PCR検査も同時並行で進めていくことが必要です。

 そこで、お聞きします。

 第一に、PCR検査の結果が短時間で分かることには大きなメリットがあると思いますが、いかがですか。全自動で検査を行える装置の普及が進んでいますが、区でも購入し活用することを求めますが、いかがですか。また、変異株検出検査を進めるべきだと思いますが、いかがですか。

 第二に、墨田区のように、国と協力して、誰でも検査を受けられる検査スポットを設けることを求めますが、いかがですか。また、国が実施するコロナモニタリングのPCR検査ですが、保育園や繁華街、事務所、駅など検査対象を募集しています。保育所などに申込みを働きかけるなどし、こうした仕組みを活用していくことが必要だと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、コロナ禍での生活支援策について質問します。

 コロナ禍で生活に困窮する国民が急増する中、最後の安全網である生活保護の役割はますます重要となっています。世論と運動、国会論戦により、厚労省も利用促進のために、生活保護の申請は国民の権利とホームページで呼びかけるに至りました。また、申請者の親族に対し、援助することが可能かどうか福祉事務所が問い合わせる扶養照会が申請の障害となっている問題についても、厚労省は義務でないことを認め、実務運用を今年二月と四月に改定しました。国民が使いやすい生活保障の仕組みにさらに改定していくこと、ためらわずに申請できるよう促す取組が必要です。

 生活保護申請以外にも、コロナ禍で給付される支援金などの情報を、必要な人に分かりやすく届けていくことが求められます。

 そこで、お聞きします。

 第一に、コロナ禍で、生活保護申請者、また受給者の人数はどのように推移していますか。親族への扶養照会は義務ではないこと、扶養を請求しないのは申請者の自由だということは、職員の方に周知徹底されていますか。

 第二に、世田谷区では、生活保護のしおりがホームページに掲載されることになりました。中央区でも掲載するなどし、生活保護の利用を促すことを求めますが、いかがですか。

 第三に、社会福祉法は、都市部では生活保護世帯八十に対してケースワーカー一人の配置を標準数として定めていますが、中央区では、ケースワーカーの負担がこの標準より重くなっています。生活保護世帯に丁寧な対応をしていくためにも、ケースワーカーの拡充を求めますが、いかがですか。

 第四に、国や都の補助金で、住居確保給付金の支給期間の延長や、子育て世帯生活支援特別給付金、生活困窮者自立支援金など、コロナ禍で経済的な困難を抱える区民の方たちに対する支援策が実施されていますが、こうした制度を幅広い区民に分かりやすく周知し、必要な方に必要な支援を届けていくことが必要だと思います。対象者が把握できる場合には、その方に対して直接連絡することができますが、把握できない方たちに広く周知するため、区ホームページや区のおしらせ以外に、新たな周知方法を検討すべきだと思いますが、いかがですか。ポスターやビラなどを作成し、町会や共同住宅の掲示板などへの貼り出しを求めますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、消費税のインボイス制度についてお聞きします。

 二○一九年十月に消費税が一○%に増税され、景気の低迷が続く中、新型コロナウイルスの感染拡大により、中小事業者の売上げはさらに落ち込み、深刻さは増しています。

 消費税は、売上げにかかった税額から仕入れにかかった税額を差し引いて納税する仕組みですが、二○二三年十月から導入されるインボイス制度の実施に向けて、今年十月からインボイス発行事業者の登録申請が始まります。

 インボイス、いわゆる適格請求書とは、税務署が発行する登録番号を記載した、取引ごとにやり取りする伝票のことで、八%と一○%の税率ごとにまとめた金額を記載するものです。このインボイスと呼ばれる伝票を基に、消費税の納税額を計算する仕組みがインボイス制度です。

 現行の帳簿方式では、課税売上げが一千万円以下で消費税の納税が免除されている免税業者から課税業者が仕入れをしても、仕入税額控除ができます。しかし、二○二三年十月に納税額の計算方法が適格請求書方式に変更され、仕入れや経費を支払う相手先からインボイスがもらえないと、売上げにかかる消費税から差し引くことができず、課税業者としては消費税の納税額が増えてしまうことになります。

 そもそも免税業者は税務署からインボイスに記載すべき登録番号をもらえないため、課税業者は免税業者からの仕入れをやめるなど、免税業者は取引から排除される心配があります。あるいは単価の切下げを求められたり、課税業者になるよう要求され、消費税の納税が必要になるなど、免税業者は廃業の危機に瀕することになります。免税業者には個人事業主も含まれます。零細の飲食店や建設業の一人親方、個人タクシーの運転手、ウーバーイーツの配達員も対象で、幅広い事業者が影響を受けることになります。

 そこで、お聞きします。

 第一に、インボイス制度の影響は甚大だと思いますが、いかがですか。また、年間売上高一千万円以下のこうした免税業者は、区内にどれくらいありますか。

 第二に、大きな混乱が予想されますが、相談窓口の設置などの対策が必要だと思いますが、いかがですか。

 第三に、多くの区内事業者が廃業などの影響を受けるインボイス制度を廃止するよう国に求めるべきだと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 以上で一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 奥村暁子議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、東京二○二○大会の開催についてであります。

 安全・安心な大会の開催に向け、国におきましては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会における新型コロナウイルス感染症対策調整会議をはじめ、様々な観点から総合的に大会開催の検討を進めているものと認識しております。こうした中、本区においては、区民生活の安全・安心の確保を図るため、組織委員会や東京都において万全な対策を行うよう働きかけるとともに、区民の皆様に新型コロナウイルス感染症対策等の情報を広く周知してまいります。大会実施の有無に係る経済的な影響につきましては、産業・経済的な観点から様々な評価がありますが、開催に当たっては、感染拡大につながらない対策の下で大会運営がなされるものと考えております。

 次に、中央区保健所や医療機関への負荷と影響についてであります。

 感染症法上、指定のある感染症については、所在地保健所が対処することとなっており、選手村が所在する本区においては、大会期間中の保健所業務が増大すると予想されることから、東京都や組織委員会と協議を重ねてまいりました。その結果、保健衛生支援東京拠点において新型コロナウイルス感染症に関する業務の一部を担うこととなったため、負担は軽減されたものと認識しております。保健所職員の残業時間については、直近では積極的疫学調査や新型コロナウイルスワクチン接種等の業務が増加しておりますが、職員の増配置や応援体制を組むことにより、職員の平均残業時間は減少している状況です。大会期間中の対応につきましては、現行体制で可能であると考えておりますが、想定していない事態などが生じた場合は、全庁的な応援体制を組んで対応してまいります。大会に係る医師、看護師等につきましては、スポーツドクターのボランティアなどで独自に確保されていることから、地域の医療体制には影響ないものと考えております。

 次に、大会に係るイベント実施についてであります。

 区では、大会期間中、銀座松竹スクエアにおいて、おもてなしセンターなどを開設する予定であります。これらイベント等の安全な実施に当たりましては、東京都や組織委員会により、コロナウイルス感染症対策等を踏まえた各種ガイドラインが細かく設けられております。区では、このガイドライン等を遵守し、安全な実施に向けた準備を進めているところであります。大会の開催につきましては、引き続き組織委員会や東京都と緊密に連携を図り、安全・安心な大会の実現に努めてまいる所存であります。

 次に、PCR検査など検査の拡充についてであります。

 本区のPCR検査については、必要な方が検査を受けられ、翌日には検査結果が判明する体制を確保しており、感染症対策上においても十分な効果があるものと認識しております。したがいまして、これ以上の時間短縮や全自動検査機器の導入は必要ないものと考えております。また、現在、本区のPCR検査センターで陽性となった場合には、変異株スクリーニング検査を行い、実態を把握しております。陽性者には就業制限や外出自粛などの行動の制限が行われるため、感染症法においては、罹患の疑いがあると判断した場合に検査を受けるよう勧告できるとされています。そのため、本区では、積極的疫学調査で必要性のある方に検査を行っているところであり、現在の区内発生状況を見る限り、無症状者に広く検査を行う必要はないものと考えております。

 次に、生活保護申請件数等の推移についてであります。

 生活保護の申請件数は、令和二年四月には二十九件と、前年同月と比べ、約三倍と増加しましたが、その後は月二十件前後で推移し、令和三年度はさらに減少しております。受給者数は、令和二年四月には一千百三十一人でしたが、令和三年四月には一千百八十六人と増加傾向にあります。親族への扶養照会については、令和三年三月三十日付の国の通知で示された、扶養義務履行が期待できない者の判断基準の考え方を踏まえ、事務を執行しております。

 次に、生活保護のしおりについてであります。

 生活保護のしおりは、保護の種類や被保護者との約束事項などについて記したもので、生活保護の開始の際に被保護者に配付しており、広く区民に周知するものではないと考えております。

 次に、ケースワーカーの拡充についてであります。

 ケースワーカーの人員につきましては、これまでも適正な配置に努めており、令和三年度においても、生活保護受給者の増加に伴い、ケースワーカーを一名増員したところです。これにより、ケースワーカーが担当する一人当たりの被保護世帯は、令和三年度の五月末現在で約八十一名とほぼ標準数となり、適正な水準を確保しております。

 次に、生活支援策の周知についてであります。

 現在のコロナ禍において、住居確保給付金など、生活に困窮している方を支える制度が拡充されております。そうした内容については、区のおしらせやホームページにより周知を図っているところであります。御提案のあった町会や共同住宅の掲示板への活用については、制度内容が頻繁に変更されることや、場所の制約等もあり、難しいものと認識しております。したがいまして、制度の周知に当たりましては、リアルタイムに広く周知ができるツイッターなどのSNSを活用した情報の発信に努めてまいります。

 次に、消費税のインボイス制度についてであります。

 本制度は、複数税率制度の下で適正な課税を確保するための仕組みであり、その導入に当たっては、税務上の手続や経理処理の変更など、様々な面で区内事業者への影響が生じるものと認識しております。こうした影響に配慮し、特に免税事業者等に関しては、六年間にわたる段階的な経過措置が適用されるなど、一定の準備期間が設けられております。なお、区内における免税事業者数を把握することは困難であります。国においては、所管する業界団体を通じた広報・周知とともに、専用ダイヤルでの相談受付を行っているところであり、区といたしましても、区内税務署や関係団体との連携の下、本制度が円滑に実施されるよう、周知等に協力してまいりたいと存じます。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 パラリンピックの学校連携観戦についてであります。

 子供たちがパラリンピック競技を直接観戦する体験は、一人一人に人生の糧となるかけがえのないレガシーを残していくことができる貴重な機会であると認識をしております。現在、学校においては、徹底した新型コロナウイルス対策を講じており、学校連携観戦に際しても同様の準備を進めてまいります。観戦実施の可否につきましては、国や東京都の感染防止対策の状況や参加の条件などを踏まえ、総合的に判断をしてまいります。なお、当日参加しなかった場合においては、欠席の扱いとはいたしません。

 答弁は以上であります。

〔九番 奥村暁子議員登壇〕

○九番(奥村暁子議員)
 それでは、初めに、東京五輪の学校連携観戦について再質問します。

 かけがえのないレガシーとして観戦も前向きに考えていくというような御答弁だったと思いますけれども、子供たちから、オリンピックやパラリンピックはいいのに、どうして運動会や修学旅行は駄目なのかと聞かれたときに、教育委員会としては、どう答えていくのか、整合性のある説明どのようにしていくのか、お聞きしたいと思います。そして、現場の教員も、これを答えるのにとても窮するのではないかというふうに思います。

 今後、実際に実施するかどうかも、国や東京都とも連携を取って、参考にして判断していくというような御答弁でしたけれども、組織委員会が出している文書では、六月二十三日、来週の水曜日までには最終的な参加人数を知らせるようにという記載がされていると思います。この点について、参加するのか、もう決める時期が迫っていると思いますけれども、短期間でどう判断をしていくのかということも伺いたいと思います。

 それと、新聞報道では、組織委員会が五月末に関係自治体に出した、キャンセルを受け付ける文書を小池都政が隠蔽していたという疑惑も報じられています。この五月末に組織委員会から出された文書は、埼玉や神奈川、千葉などでは六月上旬には各市町村に連絡が行っていたということですけれども、今でもこの文書というのが都内の各自治体には届けられていないのかという点の確認と、そのために、首都圏各地ではキャンセルが相次いでいるのに、都内ではいまだキャンセルという声が上がっていないということなのか、この事実確認を行いたいと思います。

 キャンセルするかしないかということは学校設置者の判断なんだということを、国会でも萩生田文科大臣が答弁していますし、やはりきちんと子供たちに説明ができる、子供たちの感染を防いでいくという観点から判断されるべきだと思いますし、私としては、オリンピックだけが特別ということはないので、中止という判断をしていただきたいということを要望したいと思いますが、その点について再度答弁いただきたいと思います。

 それと、オリンピックの開催による保健所への負担についてですけれども、東京拠点というところで選手村の中での感染などについては対応すると思うんですけれども、先ほど質問で述べたような、選手村の外のホテルに滞在するメディアの関係者などの感染については区が対応するということになっていると思うんですけれども、その点の確認と、こういったところで感染が拡大すれば、やはり保健所の業務が多くなり、なかなか増配置したり、応援をもらったり、全庁的に対応するといっても限界があると思うので、国や東京都などに対して、職員をきちんとさらに配置してもらうということも求めていくべきだと思うので、その点についても答弁いただきたいと思います。

 それと、区内で開かれるイベントについて、どの程度実施されるものがあるのか、区が実施するもの、民間が実施するものなど、何か所程度で、どれぐらいの規模のものなのかということを把握しているのかどうか、答弁いただきたいと思います。

 この中で、ガイドラインなどに沿って感染対策を取っていくとしても、結局、人流によって感染がさらに拡大するということが言われているわけなので、だからこそ、こうしたイベントは中止していくべきだというふうに思っています。これは、離れてくださいとか、声を出さないでくださいとか、そういったことを警備員であったり、区の職員などが張りついて対応することになるのか、イベント全てに出向いていって、そういうことをするのが本当に可能なのかどうか、そうした対応についても伺いたいと思います。

 それと、今、都内の市区町村が独自に計画したり、検討中のものが、都内二十九自治体三十九か所で計画中となっていて、その一方で、九つの自治体では既に中止を決めているということです。こうしたほかの自治体で中止を決めているということについて、受け止めはどのようなものでしょうか。御見解を伺いたいと思います。

 検査についてですけれども、墨田区で行っている駅前でのそうしたモニタリング調査なども、国はこうした検査を増やしていくと言っているわけですし、募集もかけているということなので、選手村が置かれる自治体として、国に対して、こういうモニタリングスポットを区内で設置していくように働きかけていくということが大事だと思います。人が集まる繁華街、銀座ですとか、様々なイベントが開かれる会場の近く等で、国と共同で、国の負担で、こうしたモニタリング検査を実施していくという要請は、中央区の特性を考えれば十分にできると思うので、オリンピックを開催するのであれば、そうした対策をしっかり国に求めていく必要があると思いますので、その点についても御答弁をいただきたいと思います。

 生活支援策という点では、様々な給付金などのポスター作成、場所の問題や制度の内容がいろいろと変わるのでということなんですけれども、こういうことは、やはり必要な人に届けていかなくてはいけない情報なので、自分たちでホームページなどを見にいかなくては取れないという情報にしないためにも、ふだん通っている場所で目につくようなポスターなどの形で掲示していくということには意義があると思います。スピードアップして何とか作成していくということも考えながら、区の広報掲示板や、町会や共同住宅、公衆浴場など様々な掲示場所で貼り出していくということも求めていきたいと思うので、そうしたスピードアップということが本当になかなかできないということなのかも再度伺いたいと思います。

 以上で再質問を終わります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 奥村議員の再質問にお答えいたします。

 パラリンピックに関します学校連携観戦についてであります。

 御質問の中に、子供たちの大切な行事であります運動会、それから修学旅行等の宿泊行事、こういったものがなかなかできない中で、オリンピックをやっていくということでございます。ただ、現実問題、オリンピックは国が約束した国家プロジェクトであるというふうに思っていますので、ある意味、運動会と比べるのが適切かどうかということはあろうかと思います。

 ただ、やはり子供たちに、今、どういう状況に置かれているのか、また、なぜ運動会を中止しながらもオリンピックは国が約束した国家プロジェクトとして実施に向けて努力をしているのかということは、しっかり説明する必要があるだろうというふうに思っております。私どもは、今、運動会を中止ということではなくて、延期という形、それからまた、修学旅行や宿泊行事についても延期ということで、可能な限り実施をしていきたいという考え方でございます。

 また、パラリンピックの学校連携観戦につきましては、私どもが東京都と確認している中では、実施日であります当日までキャンセルはできるということでお伺いしているところでございます。したがいまして、六月二十三日までの判断の文書というのは、私は拝見してございませんけれども、東京都とのやり取りの中では、当日までキャンセルができるということで確認をしております。今、最短で実施が予定されているのは八月二十五日のパラリンピック観戦ということで、二か月後の開催で、まだ期間としてはございますので、私は、今、この中で思考停止をし、行かないという判断をするのはどうなのかというふうに考えております。ある意味、子供たちの思い出のために、何とかぎりぎりまで思考停止せず、判断をしていきたいというふうに考えているところでございます。その上で、状況によっては中止ということもあるというふうに私は思っております。ですから、ぎりぎりまで、子供たちのために思考停止せず、検討してまいりたいというふうに考えております。

 答弁は以上でございます。

〔保健所長 渡瀬博俊君登壇〕

○保健所長(渡瀬博俊君)
 それでは、私から、再質問がございました二点にお答えいたします。

 まず、一点目が、保健所の負担に関しまして、選手村外のホテルで、いわゆるスタッフ等が感染した場合、その対応という部分でございます。

 従来、感染症法の対応の中では、管内で感染症が発生した場合は、その所管の保健所のほうで対応するという内容でございます。今回、オリンピックが開かれるという中で、東京都のほうでも二十三区それぞれの保健所からいろいろな意見を集約しております。そういった中で、各保健所から、自分の区の中で宿泊されているような方に対しての対応というところで、それぞれ東京都の支援拠点の対応も求めるというような話がございまして、東京都もそれに応えて、クラスターも含めて感染症が起こった場合の対応については、言語の問題等もありますので、東京都のほうで、一定程度協力して対応していくというところでございます。実際に中央区内でそういったような事例が生じた場合につきましても、東京都と協力しながら対応を進めていくということになるかと考えております。

 もう一点はモニタリング検査のことでございますが、スポット検査で実施しているところもあるというところについては、承知しております。今の保健所の対応につきましては、検査が必要な人、濃厚接触者についてはきちんと検査を受けていただく、健康状況の確認をしていただくというところの中で二次感染の防止を図っているところでございます。先ほど区長より答弁させていただきましたとおり、現在は、無症状の方に対しての検査を広く進めるといったような状況ではないというふうに考えてございます。仮に、区の中で、いわゆるローカルな流行、ホットスポット的なところがあった場合については、そういった検査の仕方も一定程度の有用性があるかと思うんですけれども、現状におきまして、そのようなところは認められず、広く検査をすることについては、有用性は乏しいのかなというふうに判断しているところでございます。

 私からは以上でございます。

〔企画部長 浅沼孝一郎君登壇〕

○企画部長(浅沼孝一郎君)
 私からは、オリンピック・パラリンピック関係の区内でのイベントについてお答えいたします。

 オリンピック・パラリンピック関係のイベントにつきましては、区内では大きなものから小さなものまで実施の予定となってございます。例えば、パラリンピックのマラソンでございますとか、オリンピック・パラリンピックの聖火リレーといったような大きなものもございますし、また、区独自におもてなしセンターの開設でございますとか、それからコミュニティライブサイトといったような競技中継なども含めたようなイベントも計画してございます。また、地域において幾つか、イベントをしたいというような相談も受けているところでございますが、こちらにつきましては、実際に実施するかどうかというのはまだ未定といったような状況でございます。それぞれの人数につきまして、非常に多いもの、あるいは少ないものがあるといったような状況になってございます。

 それから、こうしたイベントを実施するときの感染防止の注意喚起等でございます。

 先ほど区長からも答弁をしてございますけれども、ガイドラインというものが組織委員会等から発行されてございますので、それに基づいて実施をするということになりますので、多くの人が集まって密になるようなことがないように、注意喚起というものは、それぞれのイベントにおいて適切に行っていくものになるかと思っております。

 それから、恐らくパブリックビューイングの他自治体での状況を御質問されたのかと思っております。

 他自治体におきましても、実施あるいは中止をしたというところがあるというのは、こちらも承知をしてございますが、それぞれにつきましては、各自治体がそれぞれの判断をされているというふうに思ってございます。本区におきましては、先ほどのコミュニティライブサイトというものを実施する予定でございます。現在は予定としてございますけれども、今後の東京都でのパブリックビューイングの実施状況なども踏まえて検討していきたい、対応していきたいというふうに考えてございます。

 私からは以上でございます。

〔福祉保健部長 田中智彦君登壇〕

○福祉保健部長(田中智彦君)
 私からは、生活支援策の周知につきまして答弁をさせていただきたいと思います。

 住居確保給付金をはじめとして、例えば、子育て世帯に対する生活支援特別給付金、あるいは今回お示しされているような生活困窮者に対する自立支援金といった様々な制度が、今、国のほうで用意されているところでございます。こういったものが実際に我々のほうに制度として正確な内容が示されてくるのは、非常に直近になってからだというような状況が現在あるということ、また、こういった制度は全て、例えば三か月ごとですとか、期間が限定された中での提示となっているといったような内容になってございます。こうしたものをポスターにしたり、チラシにしたりといった形での印刷をして配布する時間と、そういった期間との関係といったこともございます。また、例えば区の掲示板でございますが、こうしたものにつきましては、今、年間で掲示スケジュールが組まれてございます。もう既にスペースがいっぱいといったような状態にもなってございます。こうしたことを総合的に判断しまして、御提案のあった部分については非常に難しいのかなというところでございます。

 ただ、我々といたしましては、議員がおっしゃるように、区民の皆さんに正確な情報をよりきめ細かく伝えることは必要だと思ってございます。そうしたことで、今回、リアルタイムで広く周知できるようなSNS等を活用した周知に努めてまいりたいということでございます。

 私からは以上でございます。

〔九番 奥村暁子議員登壇〕

○九番(奥村暁子議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 今、都内での感染状況も増加傾向に転じつつあるという状況の中で、国民に対しては長期間にわたって我慢を強いながら、感染リスクを拡大するオリンピック・パラリンピック開催を強行しようとしていることは大きな問題だと思います。国民の命をギャンブルに賭けるようなことはきっぱりとやめて、中止をしていくことが必要です。

 区長には、区民の命を守る責任があるということをしっかり自覚していただいて、五輪の中止を求めていくこと、そして、どうしても開催となった場合には、国や都とも協力して、区内でPCR検査を強化していくこと、人流を増やすイベントを中止していくことを強く求めていきたいと思います。

 最後に、再々質問として、学校連携観戦の判断基準はどうなるのか。ぎりぎりまで判断を延ばすということですけれども、この基準について、最後に伺って質問を終わりたいと思います。

 御清聴ありがとうございました。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 奥村議員の再々質問にお答えいたします。

 明確に、例えば数値的にこれが判断基準というのは、私はなかなか難しいというふうに思ってございます。先ほども答弁で申し上げましたとおり、やはり様々な事情等、それからまた参加条件等もまだ決まってございませんし、そもそも観客を入れる、入れないも正式には決まっていないという状況かと思ってございます。様々な状況を総合的に判断し、ぎりぎりまで子供たちのために検討することが私の責務だというふうに考えてございます。

 答弁は以上でございます。


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明六月十八日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明六月十八日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     午後四時五十六分 散会


署名議員
議 長  木村 克一
議 員  高橋 まきこ
議 員  押田 まり子

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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