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令和3年第二回定例会会議録(第3日 6月18日)

1.会期

九日(第三日)

六月十八日(金曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後七時十二分散会

3.出席議員

(二十九名)

一番 高橋 元気議員

二番 高橋 まきこ議員

四番 田中 耕太郎議員

五番 かみや 俊宏議員

六番 太田 太議員

七番 二瓶 文徳議員

八番 しらす 夏議員

九番 奥村 暁子議員

十番 青木 かの議員

十一番 小坂 和輝議員

十二番 渡部 恵子議員

十三番 竹内 幸美議員

十四番 海老原 崇智議員

十五番 佐藤 あつこ議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 墨谷 浩一議員

十八番 山本 理恵議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 木村 克一議員

二十一番 富永 一議員

二十二番 瓜生 正高議員

二十三番 塚田 秀伸議員

二十四番 礒野 忠議員

二十五番 中嶋 ひろあき議員

二十六番 押田 まり子議員

二十七番 田中 広一議員

二十八番 中島 賢治議員

二十九番 原田 賢一議員

三十番 渡部 博年議員

4.欠席議員

(一名)

三番 梶谷 優香議員

5.出席説明員

区長 山本 泰人君

副区長 齊藤 進君

副区長 吉田 不曇君

教育長 平林 治樹君

企画部長 浅沼 孝一郎君

総務部長 黒川眞君

防災危機管理室長 北澤 千恵子君

区民部長 濱田徹君

福祉保健部長 田中 智彦君

高齢者施策推進室長 吉田 和子君

保健所長 渡瀬 博俊君

環境土木部長 望月 秀彦君

都市整備部長 松岡 広亮君

会計管理者 鈴木浩君

教育委員会事務局次長 生島憲君

監査事務局長 高橋 和義君

企画部参事(政策企画課長事務取扱) 溝口薫君

財政課長 大久保 稔君

広報課長 園田 典子君

総務部参事(総務課長事務取扱) 山﨑 健順君

6.議会局出席職員

議会局長 伊藤 孝志君

庶務係長 長田 基道君

議事係長 小倉 正信君

調査係長 佐藤 康之君

書記 桝谷 剛司君

7.議事日程

日程第一
 一般質問

日程第二
 議案第三十六号 令和三年度中央区一般会計補正予算

日程第三
 議案第四十三号 令和三年度中央区一般会計補正予算

日程第四
 議案第三十七号 中央区特別区税条例の一部を改正する条例

日程第五
 議案第三十九号 災害に際し応急措置の業務等に従事した者に係る損害補償に関する条例の一部を改正する条例

日程第六
 議案第三十八号 中央区事務手数料条例の一部を改正する条例

日程第七
 議案第四十号 中央区家庭的保育事業等の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例

日程第八
 議案第四十一号 町の区域の変更について

日程第九
 議案第四十二号 特別区道の路線の廃止について


午後二時 開議

○議長(木村克一議員)
 ただいまより、本日の会議を開きます。

 新型コロナウイルス感染症対策として、出席者の抑制を図るため、指定の議員は退席を願います。

 また、理事者についても同様に願います。

〔指定の議員並びに理事者退席〕


○議長(木村克一議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 まず、十四番海老原崇智議員。

〔十四番 海老原崇智議員登壇〕

○十四番(海老原崇智議員)
 中央区議会自由民主党議員団の海老原崇智です。会派の一員として、質問通告に沿って、令和三年第二回区議会定例会の一般質問、必要であれば再質問に臨みます。今回の質疑を通じて、幾ばくかでも区民生活の向上、区政の前進がかなうよう努めますので、御答弁のほどよろしくお願いいたします。

 まず、新型コロナウイルス感染症について三点伺います。

 一点目は、ワクチン接種についてです。

 昨年来、猛威を振るい、社会の停滞と分断の日々を色濃く影深くしている新型コロナウイルス感染症は、今、新たな局面を迎えようとしています。すなわち、ワクチン接種後の社会の在り方、具体的には、今年の秋以降の社会像の捉え方です。そこは当然に希望を持って語られなければならないわけでありますが、そのためには、まずワクチン接種を円滑に進めていく必要があります。

 本区のこれまでの高齢者等へのワクチンの集団接種の体制は、まちの方から伺うに、その御案内、予約の取りやすさ、会場動線など、おおむね好評です。報道からも、本区の高齢者のワクチン接種率が七○・九%と、調査された自治体の中で最も高く、接種計画が順調に進んでいる様子が見てとれます。また、高齢者の接種につき七月の完了を目指すといった国の方針が示されるなど、高齢者のワクチン接種に一定のめどが見えてきたと感じております。

 そこで、次に控える五十九歳以下の接種をどのように組み立て、進めていくのか。円滑なワクチン接種を進めていく上で欠かせない予約の開始時期については、自治体それぞれで、昇順・降順、一定の年齢で区切る、あるいは一斉といった具合に、特性に見合った接種の方法を模索していると推察します。一方で、個別接種、職域・職場接種、大規模接種センターによる接種などの体制が整うことにより、希望者の選択肢が増えるとともに、今後の感染症法上の分類いかんによっては、集団接種が担う意義も、個別接種を主として集団接種を従にといった具合に変容していく可能性があると考えます。

 以上を踏まえて、五十九歳以下のワクチン接種の行方、接種券の発送、予約の開始時期の考え方について、本区のお考えをお聞かせください。

 二点目は、地域経済の復活についてです。

 冒頭にも申しましたが、ワクチン接種は、今後のコロナ禍から立ち直った希望を持って語られる社会の盾であり、これから述べる地域経済の復活、地域コミュニティの再構築は、その矛です。この矛を最初にしごいたのは、昨年の第四回区議会定例会のときです。中央区のアイデンティティの一翼を担う料理飲食関連事業者の、年を越せないという悲痛な声を酌み上げて補正予算を組み、料理飲食業の団体や商店街各様の創意と工夫とに対して助成を行うというものです。

 商品開発、配送、広告など、宅配体制の構築や、来るべき海外からの来街者向けの宣伝といった新たな挑戦、地域ごとの魅力を備えたお食事券といった既存事業の拡充など、まさに事業趣旨に合った取組がなされたところであります。築地、日本橋の各地域においておのおの行ったお食事券を例に取るならば、販売枚数に対しての使用枚数、いわゆる換金率が両地域とも優に九○%を超えるなど、実績も芳しかったと評価しております。そして、事業者はもとより、利用者からも、家族との食事の楽しみ、新しいまちや飲食店の魅力に触れられたなど、好意的な声が寄せられ、事業者や区民に活気を与える事業になったと認識しています。一方で、補正額の規模や公費負担比率の増加、対象団体の範囲、準備や周知の期間など、一層の充実を図る余地が残されていると考えます。

 そこで、東京二○二○大会の後、区民の活力と区内事業者の活気を取り戻すために、区内の飲食業関連団体の発意による取組に、幅広く、前回以上の規模で事業展開することを求めますが、本区の御見解をお聞かせください。

 三点目は、地域コミュニティの再構築についてです。

 一年以上続くコロナ禍が日常となり、地域のお祭りや町会・自治会の活動はおろか、同僚や友人との顔を合わせての会食もままならない中、コミュニケーション手段としてのSNSの存在感は膨張をし続けています。こうした状況下において、地域、団体などによるリモートの盆踊りや連合町会を対象とする、教えて!まちのお店おしらせ事業補助金の創設など、区民も区もそれぞれに新しい発想でオンラインを活用することで、従来にない地域活動が胎動しているようにも見受けられます。

 一方で、お祭りや盆踊りの手間暇をかけた準備や後片づけ、同じ空間で同じ時間を過ごすことで得られる暑さ、寒さ、息遣いといった、ある種煩わしい体感の集積が、このまち中央区を形づくってきたのも、恐らくまがう方なき事実であろうと思います。そして、我々は、その上に立って日本橋や築地、佃を語るべきだと感じますが、一度下ろしたみこしを再び持ち上げるがごとく、それには倍増しの力が必要であるとも感じています。

 ユニバーサルマスクに顕現される新しい日常と逝きし日の面影をいかに調和させるか、幾つかの団体、個人による様々に実験的な大小の取組と、連合町会や町会・自治会の既存の取組をいかに有機的に結びつけるか。ともすれば極北に行きがちなSNSの言説と自縄自縛の地縁とを融和して、いかに明日に転がすか。

 以上より、新たなオンライン上の取組と、足かけ二年にわたり中断された地域行事や分断された地域交流とを結びつけ、力強く後押しするための施策を組み立てるべきと考えますが、地域コミュニティの再構築について、本区の方向性をお伺いいたします。

 次に、築地のまちづくりについて三点伺います。

 一点目は、先般、都知事宛てに提出をした築地まちづくりに関する要望についてです。

 この要望書の主眼は、築地のまちづくりを中央区が地元区として東京都にしっかりと先行して意見をしつつ、さらには事業者にもまちづくりのイメージを伝えていくのだという意思の表明にあると思います。その点、東京二○二○大会後を見据えて、今の時期に地元発意の要望書を区長、議長連名で出せたことの意義は大変に大きいと評価しています。

 内容は、交通結節機能の整備、築地場外市場など周辺地域との調和の取れたまちづくり、緑や自然環境豊かなまちづくり、迅速なまちづくり、そして地元意見の反映の五点に絞り込み、要望の骨子としているわけでありますが、交通結節機能や場外市場との調和の一環としての荷さばき場の確保、十年をめどとした迅速なまちづくりについては、常々、様々な場面で地域や本区の主張として、現実的な側面から具体的に東京都に訴えてきたと認識しています。そうした訴えに説得力があるのも、築地は、東京都でありつつも、より中央区であるということに尽きるのだろうと感じています。そうであるならば、二十三ヘクタールの広大な土地に中央区がうっすらとデッサンをすることも許されるだろうと考えるわけであります。

 築地場外市場との連動した食文化や築地居留地など、明治以降の歴史性、緑と水辺、東京湾を臨む親水性、防災性、こうした視点を加味した統一感あるまちづくり、こうしたコンセプトに基づいて、水辺を含めたインフラ整備の具体的な提案をまとめることも東京都に対して有用であると考えますが、本区のお考えをお聞かせください。

 二点目は、現に危惧される課題についてです。

 築地まちづくりの完成まで、迅速に運んでも十年の期間、市場跡地が白囲いとなるのは、実に長く遠い道のりであると感じております。市場移転は、まさに、去る者は日々に疎しを実感させられるに十分であり、コロナ禍により経済は停滞し、築地魚河岸も日々御苦労されていることと思います。加えて、荷さばき場の借受けは暫定的であり、都度契約を交わすなど、不安定な立場に甘んじています。さらには、広大な土地であるがゆえに、今回の東京都によるワクチン接種の臨時会場としての使用など、今後も公共の用途に供される可能性もあるかと思います。

 こうした幾つかの課題から、築地場外市場の様々な取組は承知しておりますが、十年後、二十年後を見据えると、次の世代へ円滑に事業継承ができるのか。あの町並みと築地の金看板が維持されるのか。一方では、かつての日本橋の魚河岸など、時代のうねりにより変容していった現実もあり、注意深く状況を見ていく必要があると考えます。

 東京都への要望は本区一丸となって行いつつも、まちづくりの観点から、中央区として、築地のまちに対して今後どのように関わりを進化させ、食という築地ブランドの維持、継承、発展を図っていくのか、本区の方向性をお聞かせください。

 三点目は、今後の展開についてです。

 さきに触れた築地まちづくりに関する要望についてには、本区から追って提出する要望書の内容を十分に考慮していただきたい旨、明記されています。一方で、築地まちづくりは、広域には築地川アメニティ整備構想や日本橋の首都高地下化によって実現する、そこにつながる東京高速道路、いわゆるKK線の緑のプロムナード化など、数多くの計画と関わっており、その関係性も事業化される段階までに整理が必要になろうかと思います。また、要望書の提出で終わることなく、東京都との緊密な連携、言わば地元、本区の意見が定例の席で届くようなしつらえなどが求められると考えます。本区から追って提出する詳細な要望書の提出時期と今後のスケジュール感について、お考えをお聞かせください。

 最後に、昭和通り上空に架かる首都高一号上野線撤去と日本橋のまちづくりについて三点伺います。

 一点目は、首都高一号上野線の撤去についてです。

 一号上野線の撤去については、一般質問や各種委員会の席で幾たびか質疑を積み重ねているところです。日本橋上空の首都高速道路の地下化が、基金の創設や地下化工事の一環として、呉服橋と江戸橋の出入口が廃止になることなど、実現に向けた歩みを進める中、そこに接続する首都高速道路一号上野線、南に江戸橋から北に入谷までの区間は、本区住民の生活やまちのにぎわいに多くの障壁をもたらしています。すなわち、構造物の老朽化、また、騒音、大気汚染、景観、日本橋地域の東西分断など、一号上野線に起因する諸所の深刻な問題は、防災上の脆弱さや健康不安、そして何より日本橋地域の東側のまちの発展の阻害、商業のまち日本橋の活性化の東進を止めてしまっており、地域住民やまちに重いかせとなっています。

 一方で、首都の交通機能の在り方を考える上でも、南に日本橋川沿い五地区の再開発計画や、国際金融都市東京を標榜する新たな都市像があり、北に創薬のまちづくりが隆起し、周辺には居住地も確保され、それらを結ぶ秋葉原駅・東京駅間のつくばエクスプレスの延伸も遠望するに、その中心に位置する当該地域の整備、発展は、本区はもとより、東京都・国にとっても必要かつ急務であり、端緒となるのが一号上野線の撤去であると考えます。

 そこで、日本橋が青空を取り戻さんとする今、昭和通り上空に架かる首都高一号上野線の早期の撤去に向けて、中央区首都高速道路地下化等都市基盤整備基金の活用の有無について、一号上野線撤去の関係区である千代田区と台東区との協議の開始について、首都高速道路株式会社、国土交通省、東京都、関係区の協議体の構築について、それぞれ本区の御見解をお聞かせください。

 二点目は、集積のまちづくりについてです。

 昭和通りの本町を基点に日本橋のまちを見ると、東に企業の事務所とマンション群、西に大型の商業施設群、南に証券会社など金融の町並み、北に製薬会社など創薬の町並みといった具合に大別されるかと思います。北に創薬のまちづくりとして大手の製薬会社が集まり、スタートアップ企業も集まってきています。また、南には、東京都が発信している国際金融都市の最右翼にならなければいけない兜町が控えています。いずれのまちも、もともと製薬会社や証券会社が集積しており、創薬のまちづくりも、国際金融都市の構想も、地の利はあるわけです。次の時代を生き抜こうと新しい装いで再登板の機会をうかがっていると感じます。

 一方で、日本橋の東側は、かつての繊維のまち、働くまちも、今やマンション群が立ち並び、ホテルも幾つもある、住むまちへと変貌を遂げています。三十代、四十代の子育て世代の働き盛りに支えられるまちは、活気と華やかさがありますが、十年後、二十年後には子供が巣立ち、親の介護、本人も五十代から六十代へとなり、住まいや生活の面で新たな局面を迎えます。

 そこで、日本橋のまちづくりの今後を考えると、若い世代を呼び込む循環性、職住近接の利便性もあり、家族向けマンションが多く建つこの地域に、日本橋は本来的に商業のまちでありますので、大企業が本社を置きたいと思ってもらえるような取組が、限界はありつつも、その意気込みを地元自治体として示す必要もあると考えます。すなわち、働く人の買物であったり、食事であったり、緑豊かな住まいであったりといった環境整備、特に創薬や金融など、世界的な展開を見せる多国籍な企業にとって魅力的な衣食住や言語、娯楽など、生活環境の整備といった受入れ態勢の充実を図るべきと考えます。また、日本橋川沿い五地区の再開発計画では、国際会議のできるMICEが併設されると聞きます。そして、国際的な観光都市としての魅力も兼ね備えた昭和通りの西側を抱え、これから多くの来訪者がやってくると思います。このように、昭和通りの上空の首都高撤去をすることで分断が解消され、日本橋に一つの圏域ができると考えます。

 そこで、血液が循環するように新たな人材が、世界の企業が、働く人が、そして旅行者が集うこの地域の今後のまちづくりに求められる機能について、お考えをお聞かせください。

 三点目は、回遊のまちづくりについてです。

 鉄道系のディベロッパーが開発を行う際、駅の周辺にまちづくりを行い、待ち合わせの目印になるような建造物があり、大きくまちを育てていくのは周知のとおりです。集積したまちとまちとがつながること、目的地があって、人が歩くのに適した歩行環境が整備されていること、こうして回遊性は生まれるのだろうと思います。その点、つくばエクスプレスの延伸は、秋葉原駅から東京駅をつなぎ、さらに地下鉄新線へと続きますが、平成十九年の国の調査によると、この秋葉原・東京間の延伸は、残念ながら、東京駅は丸の内側に位置しており、中央区は素通りの計画です。間に駅ができたならば、江戸橋、日本橋かいわいに駅ができたならばと、つい夢想してしまう、都心と地方を結ぶ重要な区間と言えます。

 また、足元の道路に目を向けると、例えば五街道の一つ、旧奥州街道が昭和通りに無情にも分断されながら、西に向かって伸びており、数多くある私道の中には、地元神社の参道や物語性のある通り名がついた路地が幾筋もあり、歴史を感じさせますが、生活道としての役割にとどまり、無機質で潤いに欠け、まちをつなぐ回遊の役割は果たしていません。思うに、機能的な道路が整備され、草花に彩られた道が整い、そこで実現される回遊性は、人の流れや情報、結果として富が回り、まちに繁栄をもたらす。その点、本区は幾つかの都市基盤整備の大型計画の中で緑の意義を強調しており、それらが全区的につながることで、将来の中央区に新たな魅力が生まれると感じます。

 そこで、回遊性の観点から、つくばエクスプレス延伸の意義について、また、築地市場跡地から緑のプロムナード、日本橋川沿い、隅田川沿いの親水性の高い遊歩道など、水と緑のしつらえをつなげる歩行環境の整備について、本区のお考えをお聞かせください。

 これで、私の一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 海老原崇智議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、新型コロナワクチン接種についてであります。

 区では、これまで、ワクチン供給量に応じて、年代別に接種券を発送し、順調に進めてまいりました。しかし、国や東京都から接種券を早期に送るよう求められたこともあり、六月二十八日に十六歳から五十九歳の方に一斉に接種券を発送し、予約期間については、感染状況に年代別の特徴がないことから、年齢順に設けてまいります。具体的には、四十代、五十代の方は七月二日から、十六歳から三十九歳までの方は七月三十日から受け付けます。なお、十二歳から十五歳までの方には、七月中旬に接種券を発送いたします。本区のワクチン接種体制は、個別接種を中心に充実を図ってきたことから、一日平均二千回の接種が可能であり、ワクチンの安定供給が条件となりますが、接種を希望する区民の二回接種が九月中に完了する予定であります。今後も、接種を希望する全ての区民が少しでも早期にストレスなく接種を受けられるよう、接種体制のさらなる拡充を図ってまいります。

 次に、コロナ後を見据えた地域経済対策についてであります。

 依然として、新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛や営業時間短縮の要請などが続いており、区内事業者はもとより、地域経済全体がかつてないほど深刻な状況にあると認識しております。本区は、江戸以来の商工業のまちであり、活発な経済活動と地域のにぎわいは、まさに本区の生命線であります。そのため、これまでも料理飲食業関係団体などとの意見交換を行い、各種の支援策を展開してまいりました。新たな経済対策を講じるに当たりましては、事業周知の期間や方法を工夫するとともに、効果の最大化を図り、時宜を失することなく行うことが極めて重要であります。区といたしましては、引き続き、ニーズの把握に努めながら、感染者数やワクチンの接種など、感染症の状況とともに、消費マインド、経済情勢の変化等を的確に捉え、全庁的に支援の対象、規模等を検討し、積極的な経済対策を展開してまいりたいと存じます。

 次に、地域コミュニティの再構築についてであります。

 本区が誇る人情味あふれる地域コミュニティは、町会・自治会を核として、顔の見える地域活動の長年の積み重ねにより培われてまいりました。しかしながら、長引くコロナ禍により、これまでと同様に地域で活発に触れ合い、交流することは難しくなっております。一方で、オンラインを利用した事業が始まっており、区も中央区町会連合会との共催によりLINE講習会を開始し、こうした取組を後押ししております。ポストコロナを見据えた地域コミュニティの再構築に向けては、従来の直接的な触れ合いを中心とした活動と、オンラインでの活動を調和させ、様々な方法で人と人とを結びつける事業を推進していくことが不可欠であることから、区では、このたび、教えて!まちのお店おしらせ事業補助金を創設いたしました。また、地域コミュニティとの関わりが深い大江戸まつり盆おどり大会については、対面とオンラインの融合をより一層推進するため、SNS等を活用した手法を取り入れてまいります。こうした取組とともに、現在中断している地域のイベント、行事等の再開はもとより、区内ににぎわいと活気を着実に取り戻す取組に対して、区として積極的に支援していく所存であります。

 次に、築地まちづくりに関する要望についてであります。

 築地は、江戸時代初期に発生した明暦の大火後、江戸の都市再建計画の一環として進められた埋立て、造成に伴って誕生して以来、明治維新を節目とし、各時代の様々な要請に応えるように、新しいものを受け入れ、重層的な歴史を築き、食、文化、自然、医療、情報発信などの様々な地域資源を持つ特色あるまちを形成してきました。また、築地市場跡地は、陸路、水路、空路も含めた大きな都心の交通結節点となり得る場所であるとともに、災害時においては、都心の救助活動拠点としても重要な役割を有する立地にあると認識しています。こうした築地の歴史やポテンシャルを生かし、周辺地域とのつながりを十分に配慮した調和の取れたまちづくりを進めることは極めて重要であります。区といたしましては、地元の代表者等を構成員とする築地場外市場等の交通基盤に関する検討会や築地まちづくり協議会等での議論を踏まえ、跡地開発に必要となる交通基盤や、跡地開発と周辺地域の水辺を含む歩行者ネットワーク等について考え方を整理し、都に対する詳細な要望として取りまとめてまいります。

 次に、現に危惧される課題についてであります。

 いまだ跡地開発の全体像が示されていないことにより、未来の築地の絵姿を鮮明に描けないことに加え、コロナ禍にあって経済の停滞も重なる中、区といたしましては、築地市場跡地のまちづくりが、築地はもとより、周辺に住み働く人々の生活にも大きな影響をもたらすものと考え、様々な課題解決に向けた取組を進めているところです。おおむね十年を目途とした迅速なまちづくりを都に要望しておりますが、それまでの間においても、荷さばき場の確保をはじめ、築地の活気とにぎわいが維持されるよう、様々な取組を模索していくことが必要となります。刻々と変化する状況を適切に捉えるためにも、区と地元の方々がコミュニケーションをさらに深め、一体となって課題を共有し、共に解決の方向を見いだしていくとともに、来年度以降に決定していく事業者とも十分協議していくことが極めて重要です。今後も検討会などを通じて意見交換を重ねながら、食という築地ブランドをはじめとする築地の多様な魅力の継承と発展に向けて取り組んでまいります。

 次に、追って提出する要望書の提出時期等についてであります。

 都は、令和三年度中に築地まちづくりの事業実施方針を公表できるよう検討するとしており、区は、地元関係者と調整の上、先月二十日に議長との連名で、都に対して一回目の要望書を提出いたしました。都への要望内容は、地元関係者の切実な声であるとともに、築地の活気とにぎわいの継承、発展のために不可欠な事項であることから、実施方針等の内容に適切に反映されるべきものと考えております。追って提出する要望書についても、築地地区まちづくり協議会等での意見集約といったステップを踏むとともに、議会にもお示ししながら、実施方針が発表される前、今年の秋頃をめどに都へ提出する予定であります。さらに、要望書を提出した後も、様々な機会を捉えて跡地周辺の状況を都へ伝えていくとともに、事業者が決定した後には、まちづくり基本条例等に基づく調整の中で、要望内容の実現に向けて、事業者に対し働きかけてまいります。

 次に、首都高速一号上野線についてであります。

 現在、首都高速道路株式会社は、首都高速道路の更新計画に基づき、優先度に応じて順次整備を進めているところであります。一号上野線は、広幅員の昭和通りを覆う形状により、地域を分断しているなどの課題が生じております。そのため、千代田区や台東区と意見交換を図りながら、一号上野線の撤去に向けて、国や都などの関係機関と協議が行えるよう検討してまいります。なお、基金の活用については、中央区の将来を担う基盤整備に必要な資金を確保するため創設したものであることから、今後、協議の進捗状況を踏まえ、検討してまいります。

 次に、集積のまちづくりについてであります。

 日本橋川沿い五地区の再開発を契機とした日本橋のさらなる活性化につきましては、様々な都市機能を複合的に集約させていく必要があります。具体的には、大企業の高度な要求に応える、ワンフロアで広大なフリースペースと高機能なIT環境を備えた新世代のオフィス空間に加え、大企業と協業する最先端の高度な専門知識と壮大な大志を抱いた若者が立ち上げたスタートアップ企業が入居するスモールオフィスの整備。また、それらの企業に国内外から集まる高度人材が短期、長期で滞在していく際に必要となる宿泊施設やハイセンスな住宅が、混在しながら集積していくまちが求められると考えております。さらには、企業を超えた人の交流を促す多様なコンベンション施設やコワーキングスペースなどの業務支援施設と、そこに住み働く人々の日常生活を支える飲食・物販店舗や保育所、クリニックなどの生活支援施設も必要です。また、粋でおしゃれで親しみやすい、飲食店を中心とする低層街区をしっかり残す努力も重要と考えます。これら全ての機能と町並みを日本橋全体で共存させていくことで、今後の日本橋のさらなる発展と活性化につなげていきたいと考えております。

 次に、回遊性のあるまちづくりについてであります。

 東京駅は、新幹線をはじめ、多くの鉄道やバス路線が乗り入れる東京の玄関口であります。駅前では、バスターミナルや駅前広場の整備など、駅と一体となった基盤整備が進められており、つくばエクスプレスとの接続を八重洲側で行うことで、さらなる交通結節機能の強化が図られるとともに、人の流れや回遊性が生まれ、にぎわいをもたらし、まちが発展していくものと考えております。また、日本橋上空の首都高速道路の地下化や日本橋川沿いの開発に伴い、快適な歩行空間や魅力的な水辺空間が創出されます。銀座・築地周辺では、東京高速道路再生方針と築地川アメニティ整備構想との連携により、新たに緑のプロムナードが創出されることで、築地市場跡地の再開発、浜離宮恩賜庭園、隅田川へと続く広域的な歩行者中心の水と緑のネットワークが形成され、多くの方々が集い、にぎわう場所となります。今後は、各拠点と、地域に密着した街路、既存の公園や水辺空間との連続性に配慮した歩行環境の整備を進めるなど、地域やまち、中央区全体の回遊性を高め、次世代につなぐ、にぎわいの創出に取り組んでまいります。

 答弁は以上であります。

〔十四番 海老原崇智議員登壇〕

○十四番(海老原崇智議員)
 それぞれに御答弁ありがとうございます。

 コロナウイルスにつきましては、ワクチン接種の具体的な日程をお示しいただきました。この日程に基づいて、今までどおりにきちんと接種計画を進めていただければなというふうに思います。

 そして、コロナ後を見据えた地域の経済対策ですが、積極的に経済対策を講じていただくといったお話もある一方で、やはりタイミングが必要ですので、今の時点でいつとはなかなか言えないんでしょうが、やはり東京二○二○大会が終わったあたりが一つの目安になる、逆に、そうでなければいけないんだろうなというふうに思っておりますので、秋口を見据えて、ぜひとも検討を進めていただければなというふうに思います。

 また、同時に、地域コミュニティの再構築といったところでございますが、従来型と、今回得られた新しい様々な取組に対して、区として積極的に支援を行っていただけるということなので、以前にも増してすばらしい地域コミュニティに支えられた中央区ができてくるというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 そしてまた、築地のまちづくりに対しての本区の姿勢についてでありますが、要望書につきましては、地元と、その構成員の方々と議論し、水辺を含むインフラ整備ということで詳細な要望書を取りまとめると。この要望が言葉だけなのか、それとも何かイメージ図のようなものがあるのか、できれば皆さんに誤解のないように何らかの、幅を持たせつつも、共有できるものがあると、今後も築地のまちづくりを区全体で共有できるのかなと思いますので、その辺も含めて御検討いただければと思います。

 また、現に危惧される幾つかの課題、要は、白囲いで最短でも十年止まったままになってしまうという中で、東京都への要望は常々しておりますが、やはり区として何ができるのかというところで、御答弁いただきましたのは、地元と一緒に伴走していきますということだと思います。非常に心強いお言葉だと思いますので、引き続きコミュニケーションを深めて、共に問題点を共有して解決に向かって、一体となって取り組んでいただきたいと思います。

 そしてまた、今後の展開ということでございますが、今年の秋頃をめどに都に提出をしたいということですが、やはり今年の秋と申しますと、非常に時間もない中で、我々議会とも共有を図ってということですので、慎重かつ大胆に進めていっていただきたいというふうに思います。

 最後に、首都高一号上野線撤去から考える日本橋のまちづくりでございますけれども、一号上野線、昭和通りの上空に架かる、広幅員の道路の上に架かるというところで、確かに優先順位もございますが、できれば秋口ぐらいをめどに、最初にとにかく具体的な一手を打たなければいけないと思っていますので、地元も、これに向けて一生懸命やりますでしょうから、区としても支援の体制をぜひともお願いしたい。しかるべき時期には、基金の活用も含めて検討されたいというふうに思います。

 また、創薬、金融など集積のまちづくりということで、区でできることも限りはあるかと思いますけれども、様々に、御答弁の中にもありましたけれども、展開するオフィスのスペースであるとか、そういったものを実現するため、何をしたらいいのか、こういった議論を今後も共に積み重ねていければなというふうに、答弁を伺っていて感じた次第であります。

 さらに、つくばエクスプレスの延伸についてでありますけれども、やはり丸の内側にではなくて、ぜひとも八重洲側に、できれば秋葉原と八重洲の間、ちょうど昭和通りの辺りですけれども、駅ができるといいなというふうに個人的には思っておりますので、こういった議論もあまり陳腐化しないで、しっかりとできればなというふうに思っております。

 そして、緑の歩行環境でございますが、区全体に回遊性を求めて、連続的な歩行環境をつくっていくということでございますので、こちらに関しては、区全体で、我々も含めて、よりよい形で将来世代に何を残せるのか、議論を積み重ねていければいいなというふうに思っております。

 いずれにせよ、まだ本年度は始まったばかりで、全てにおいて道半ばではありますけれども、議会、そして区行政一体となって中央区を前に進めていければなというふうに思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 私の一般質問をこれで終わります。(拍手)

○議長(木村克一議員)
 次に、十三番竹内幸美議員。

〔十三番 竹内幸美議員登壇〕

○十三番(竹内幸美議員)
 中央区議会自由民主党議員団の竹内幸美でございます。令和三年第二回中央区議会定例会に際して、自由民主党議員団の一員として、さきに提出しました質問通告に基づき、質問をさせていただきます。二日目となり、昨日と重なる質問もあるかと思いますが、その趣旨をお酌み取りいただき、区民の心に響く御答弁をお願い申し上げます。なお、再質問はあらかじめ留保させていただきます。

 初めに、昨年から続く新型コロナウイルス感染症については、治療と予防の最前線で御尽力をいただいております医療従事者の皆様、関係各所の皆様に心から感謝を申し上げます。

 また、静養中の方々には心からの励ましの言葉と、お亡くなりになられた方々、御家族の皆様には謹んで哀悼の意を表するとともに、ワクチン接種が進み、目に見えない不安が少しでも解消される世の中になりますように願っております。

 それでは、質問に入ります。

 まず、東京二○二○大会に関わる区民生活についてお伺いします。

 現在、緊急事態宣言下であります。東京二○二○大会まであと一月ほどとなっておりますが、その具体的な方向性が示されないまま、大会関連施設や選手、そして大会関係者を受け入れる予定の各自治体においては、大会前後を含めた期間における全般的な対策、対応に非常に御苦労されていることと思います。そうとはいえ、本区には交通結節点である東京駅、そして観光地でもある日本橋や銀座、築地、そして晴海には選手村がございます。そこは、どんなに規制を行っていても人が集まりやすい場所であり、マスコミや一部のファンなど、多くの人が訪れる状況が想定されないとは言えません。

 当初、晴海トリトンにおもてなし拠点を設置し、区内回遊や交流の拠点とする予定でしたが、コロナ禍で延期され、パブリックビューイングなど、人が集まるイベント等の見直しが余儀なくされました。本区においても、目前に迫った東京二○二○大会に向けて、対応、対策、様々に御検討をしていただいてきたと思います。今までも選手村のセキュリティは厳重であるということは示されておりますが、その周辺にお住まいの方々の安全の確保を、本区としてどのようにお考えか、お示しをお願いいたします。

 大会関係者やマスコミ関係者などの来街者につきましては、区内の宿泊施設に滞在する方もいらっしゃると思います。数日前、大会組織委員会から、東京二○二○大会のプレイブックの最新版が発行されました。それによれば、大会関係者はGPSで管理される、また、罰則も設けられるなどと言われております。来街者はこのプレイブックに従って行動していただくことを前提とするならば、中央区として、さらに来街者に対しての規制を促すのか、それとも、その方たちを受け入れるのか、二つの視点があるかと思います。セキュリティ対策として警備を強化してもらうのか、それとも、今まで本区で行ってきたおもてなしにつながる取組を生かしていくのか。例えば、マスクに折り鶴を添えて宿泊者に渡し、それとなくマスクの着用を促し、ルール・マナーを守っていただけるよう、大会のおもてなしの取組を行ってきた区民の思いを伝える、そのような中央区のスタイルもあるのではないかと思います。

 現在、本区が示している選手村周辺の規制を来街者にどのように伝えていくのか、また、宿泊している大会関係者と区民との融和をどのようにお考えなのか、受入れ区として円滑で安心な区民生活の維持の観点でお伺いします。

 次に、この大会の継承についてお伺いします。

 当初、オリンピック選手を身近に感じて、交流を通じて、自国の選手だけではなく、ボーダーレスにこのスポーツの祭典を体感していくことを想定されておりましたが、この状況下で規制が多いものとなりました。ここに至るまで、様々な機運醸成事業が行われてきました。折り鶴ウェーブ、学校では一校一国運動、そして、これから各地で行われるおもてなし清掃、これは、このような状況下でも、オリンピック・パラリンピックに関わり、盛り上げたい、そのような気持ちで協力したいという声をまちの方々からも聞いております。聖火リレーも一か月ほど後に控えております。これらの取組を通じて、大会に関わった方々や区民に対し、大会の遺産をどのように継承していくのか、本区のお考えや大会後のお取組についてお示しください。

 また、子供たちのパラリンピック観戦も予定されております。その体験を生かした大会後の教育へのお考えもお示しください。

 続いて、子供を取り巻く環境の整備についてお伺いします。

 本区は、平成の三十年間、定住人口回復に向けて様々な施策を行ってまいりました。人口については、皆様も御承知のとおりでございます。さらに、令和六年、晴海に新しいまちが完成します。そして、このまちに新たな小学校と中学校が開校することになっています。本区の歴史を遡りますと、小学校は四十三年ぶりの新設となります。

 そこで、四十年ほど前に遡ります。昭和五十五年、一九八○年のことです。この当時は、月島第二小学校の児童数が八百人になり、さらに増加する傾向がある。また、クラス編制が四十五人から四十人学級へと変わる、そのような時期でございました。教室不足から豊海小学校を新設するきっかけとなったという話も聞いております。

 では、この当時の子供たちの放課後の居場所についてどうあったのか、これも調べてみました。これは区政年鑑を参考に調べてみました。区内で最初の学童クラブは、昭和四十八年五月に開設されました。当時、月島第二児童公園の一角にあった勝どき児童館で、定員三十名の学童クラブがあり、当時は、区内の児童館が小舟町児童館と勝どき児童館の二館だけでした。

 この頃の母親はといいますと、大体専業主婦か、子供たちが学校に行っている間にパートをする、今ではあまり耳にしなくなりましたが、内職をしている、そのような方が多かったように思います。そのため、学童クラブに通う子は今よりも少なく、親がいない家に帰る子もいましたが、そういう子たちを鍵っ子と言っていた、そんな時代でした。昭和五十年前後は、区内の人口は減少しておりましたが、子供たちの人口は増加している時代でした。そのような状況の中、少しずつ共働きの世帯も増加していたようで、勝どき学童クラブに待機児童が出ていたのが、この時期の会議録で確認できました。その後、昭和五十四年に新川と浜町、そして昭和六十年には築地、六十三年には月島、平成になり、佃、堀留町、最近では晴海の児童館が開館され、開館と同時に学童クラブも実施されてまいりました。

 一方、放課後の子供の居場所づくりとして、学校で行われているプレディがあります。プレディはといいますと、平成十七年、月島第三小学校と豊海小学校の二校で開始されました。そして、区内の状況に応じ、実施校を拡大し、利用時間の拡大、専用スペースの改修や移転、職員の配置数の増員やおやつの提供開始など、学童クラブと同様の環境を整えて現在に至っております。共働き世帯が今よりは少ない時代ではありましたが、放課後の居場所づくりを推進する中で、学校施設を利用して開設されたものでした。

 こうして見ると、学童クラブの歴史のほうがプレディよりも長く、この点も学童クラブに寄せる期待や安心感につながっているのだと思います。今の時代、恐らく学童クラブで育った親御さんが子育てをしている、そういう方も多いのかなと感じるところです。

 昨年三月に策定された第二期中央区子ども・子育て支援事業計画の中では、人口増に伴う子育ての環境の様々な課題が示されております。平成二十七年から三十一年までの前計画期間には、共働き世帯の増加に伴い、認可保育所の開設を推進し、定員拡大を行ってきたことから、保育園の待機児童は年々減少しており、令和四年四月の待機児童解消を目標に、現在も拡大に取り組んでいただいているところかと思います。では、この園児たちが小学校に入学すると、当然、学童クラブやプレディなど、放課後に子供が過ごす場所のニーズが高まるかと思います。今年度、学童クラブは、そのニーズに対応するべく、利用調整を行い、百三十五名の定員の拡大を行いました。ただ、学童クラブには定員がありますので、その待機児童が発生し、学校内で開設されている定員のないプレディに登録をしている方が大変多くなっているのが現状かと思います。

 プレディについて、今年度はコロナ禍で保護者が全員就労していることを条件に利用調整を行い、前年度の約半数の登録者となりました。本来の目的としては、条件を限定するものではない放課後の子供の居場所でありますが、保育が必要な状況の児童を優先した登録となり、多くの保護者にも理解をいただいているところなのかと思います。

 そこで、このような経緯を踏まえ、令和六年、晴海の新校でも学童クラブのニーズが高まることが想定されます。プレディの開設も行うことと思いますが、今までにない児童数の増加や学童クラブのニーズにどのように対応できるかは大変気になるところでございます。現在、この地域の学童クラブは晴海児童館であり、定員は百十名、今年度の待機児童は四十名ほどとなっております。豊海小学校ができた四十数年前とは違い、新たなまちに小学校ができる。区内の児童数の変化もあるでしょう。学童クラブのニーズも増加するということが想定できます。

 また、晴海五丁目の小学校から晴海二丁目の児童館まで約一・五キロあります。その間には環状第二号線、そして晴海三丁目から豊洲方面に延びる有明通りがあり、ここの大きな二本の道路を渡らなければなりません。そして、再び帰宅時には晴海五丁目へと帰ります。定時に児童館から退館する子供たちは、学童の職員が付き添って、ある程度、安全を管理した上で下校しておりますが、途中で退館する子供には、そのような付添いはなく、もちろん、登下校を見守る学童主事もいません。また、発達に課題を抱える児童も近年増えていることから、その対応も必要となっております。

 そのような状況を加味した、新校を含めた晴海の新たなまちにおける学童クラブの在り方についての御見解をお示しください。

 続いては、通学路を含む道路環境についてお伺いします。

 昨年、決算特別委員会でもこの課題に触れさせていただきました。その後、地域や交通管理者にも課題をお伝えいただいている旨をお伺いして、大変感謝をしております。一度決めたものを見直すというのは、大変困難も多いかと思います。

 スクールゾーンは、昭和四十七年に始まり、全国に拡大されました。最近では、生活道路における歩行者と自転車の安全確保ということで、ゾーン30という標識が見られます。区内ですと、平成二十五年、築地三丁目、六丁目、七丁目に整備され、順次拡大し、昨年は日本橋人形町一丁目に整備されております。ゾーン30は必ずしも学校周辺ではありませんが、区内各所で人と車が描かれた水色の四角い標識を見かけることも多くなりました。全国的には、この標識の整備で交通事故が減っているという現状が報告されていますので、その効果は大きいものと感じます。しかし、私が朝、登校見守りをしていますと、そのような標識を認識できていない運転手が多くおられます。都心部ならではの特徴なのかもしれません。運転免許を持っている限り、事故も違反も個人の責任ではありますが、事故は犠牲者が出るので、決してよいこととは言えません。

 先ほど申し上げましたスクールゾーンは、昭和四十七年、全国の交通安全運動から広がりました。それは約五十年前です。この地域の五十年の変化は、皆様もよく御理解いただいていることと思います。全てが更地のところに高層マンションが建ったわけではありません。老朽化した民家、そして年月のたった低層マンション、そのようなところがまとまり、大きな敷地となり、高層マンションが建ってきました。そのような中で、地域の道路事情、交通環境も変わったところがあるでしょう。本来は、マンション等、大規模な開発があると同時に、周囲の交通環境も見直し、道路の標識等、そのあたりも見直していかなければ、その後の見直しの機会を見失ってしまうのではないかと思います。

 昨年の決算特別委員会の質問の前に、私は、区内の全小学校の道路環境を確認してまいりました。そのときはスクールゾーンをメインとして確認しておりましたので、周囲の細かい環境のところまではチェックし切れておりませんが、道路の塗装が薄くなっているところが何か所か見受けられました。通学や通園、高齢者が利用する施設周辺を中心とした道路標識が認識されにくい場所は、事故の未然防止のためにも、視覚的な効果を活用した注意喚起が必要と考えます。この観点で、本区のお考えをお示しください。

 子供を取り巻く環境の最後の質問は、適応教室「わくわく21」の支援策でございます。

 昨年度、コロナ禍で学校休業が続いた時期に、オンラインでのコミュニケーションの声が高まり、オンライン朝礼が行われました。その際に、不登校の児童がオンラインでは顔を見せてくれたという声を先生方から耳にしました。あれから一年が過ぎ、今年度は一人一台のタブレットが支給されています。この一年間、ICT機器の管理、活用などを様々御検討いただき、本区では、持ち帰りをし、授業を補完するものとして活用していく方針が示され、新年度より、端末の持ち帰りが実施されています。適応教室については、在籍校で支給された端末を活用していると聞いております。

 不登校につきましては、今年度より、小学校四年生から中学校二年生の児童・生徒に心理アセスメントとしてのhyper‐QUテストを実施し、その未然防止にも努めていただいておりますし、心理相談やスクールソーシャルワーカーの派遣、登校支援シートの活用など、様々な角度から支援を行っていただいていることを承知しております。

 不登校の児童につきましては、近年、低年齢化している傾向も見られます。年齢が低ければ低いほど、早期に対応していく必要性も高くなると感じています。小学生から高校生ぐらいまでの子供は、様々なスキルを求められます。集団生活、授業、習い事、友人関係、また、けんかやいたずら、話合い、泣いたり笑ったり、そのようなことを学校という小さな社会の中で経験し、学び、成長していきます。当たり前に過ごす子供も多いのですが、そこにハードルを感じる子供もいます。学年が低いと自分の気持ちを表現しづらく、不登校の原因をつかみにくくなりますから、早期に専門家のサポートが必要となってくるでしょう。学年が進むと、しゃべるのは苦手だけれども、文字での表現、文字でのコミュニケーションが発達していきます。そのような点で、端末を利用してのコミュニケーションは、不登校の子供にとって、登校のきっかけになる、学校復帰のきっかけになる、そのようなことも考えられます。

 不登校の子供の居場所としては適応教室がありますが、全ての子供がそこに通えるわけではありません。小学生については、保護者の送迎が必要です。保護者が送ることができなければ、行きたいと思っても、適応教室に来られないという状況もあります。不登校の子供にとって、登校はとても重い扉であることも少なくありません。そして、コミュニケーションを取ることは容易でない子もいます。それでも、心の扉を開けるきっかけを用意しておくことの大切さはあると思います。支給された端末がそのきっかけになるとすれば、その窓は開けておいてあげたい、そのように思います。

 一人一台の端末は今年度から開始されたばかりで、まだまだ活用法についても検討されていることと思います。中央区教育振興基本計画二○二○には、登校できない児童・生徒への学習等の支援の充実の必要性や、学校以外の場における学びの場の充実が課題として挙げられております。

 そこで、適応教室に登録している児童・生徒に対するICT機器の活用についての御見解をお示しください。また、現在、検討されている取組がありましたら、お示しください。

 最後は、中央区総合交通計画の改定に関連した、区内回遊や交通の課題についてお伺いします。

 中央区総合交通計画の改定を来年度に控え、本年は様々な検討調査が行われていることと思います。計画期間を二十年とし、前期、前半の十年の計画が平成二十四年に策定されました。当時は、基幹交通を補完する区民の交通手段として、平成二十一年十二月から運行が開始された江戸バスにより、公共交通不便地域が減少したものの、今後の人口増に対して、都心部と臨海部を結ぶ基幹交通のシステムの導入、すなわちBRTなどの導入が課題として検討されておりました。その後、東京二○二○オリンピック・パラリンピックが決まり、BRTは東京都の事業としての運行となりました。

 さらに、そのBRTに代わって、都心部と臨海部を結ぶ大量輸送機関について、平成二十六年、二十七年に本区独自で検討調査を行いました。その後、平成二十八年、交通政策審議会の答申に位置づけられたのが都心部・臨海地下鉄新線構想でした。したがって、今回の改定では、前回の策定時には想定されていなかった大量輸送機関である都心・臨海地下鉄新線の推進も含まれることと思います。昨年十一月に開催された第三回の都心・臨海地下鉄新線推進大会は、コロナ禍で感染症対策に配慮し、開催に至りました。客席の人数を絞った中ではありましたが、この地下鉄は先々、つくばから羽田を結ぶ路線になるということから、茨城県選出の国会議員も招き、この地下鉄新線の早期開通へ向けての思いが述べられました。また、その中では、都市政策の専門家による講演が行われ、この地下鉄は国際競争力の強化に資する鉄道である、臨海部の背骨を通す路線である、熱意だけでは鉄道は通らない、地元の熱意をどのように波及させていくか、地下鉄の必要性を多くの方に知ってもらうことが大切であるなどと述べられております。地元だけではなく、皆さんに知っていただく必要があると思います。

 今年度は、昨年度の調査のさらなる深度化を図るために、より範囲を広げて検討や分析を行うことが示されております。地下鉄新線推進大会では、それらの検討・分析結果をより多くの人に周知し、必要性を共有していくことが必要であるとするならば、京橋・月島地域だけではなく、日本橋地域も巻き込み、さらに交通不便地域の多くの住人、そして、これらの地域を利用する来街者にも伝えていく必要があるのではないでしょうか。したがって、この大会を開催する場所も大変重要であると考えます。通勤通学で勝どき駅を利用する住人や来街者の目にも留まり、その路線に沿った晴海・勝どき地区、東京駅も含めた、そのような地域で行うべきと私は考えております。

 この意義を踏まえ、今後の推進大会に対する御見解をお示しください。

 次に、この地下鉄の話が進む前、そもそもは中央区が実施すると言っていたBRTは、速達性、定時性を重視した中量輸送システムとして、都心部と臨海部を結ぶ基幹交通として検討を進めていたはずです。このBRTの運行により、交通不便地域の解消や利便性の向上、渋滞の緩和やCO2の削減まで、その実施効果を想定しての計画でした。平成二十七年十二月、東京都で発行された二○二○年に向けた東京都の取組という冊子の中には、当初、本区で計画をしていた都心部と臨海部のルートが構想路線とされています。これでは納得がいきません。現在、東京駅前の八重洲地区では、交通結節点の強化として、バスターミナルの整備も進められております。東京駅へのアクセスも可能な環境が進んでいるのです。

 東京二○二○大会後のBRTのルートの拡大の必要性の認識と、今後のお取組についてお示しください。

 最後に、これらの基幹的な交通を補完し、区民にとって身近な交通手段となるのはコミュニティバスかと思います。この運行ルートについては、鉄道駅まで三百メートル、バス停まで二百メートルで到達できないエリアを交通不便地域として、子育て中の方や高齢者の皆様が安心・安全に出かけられる環境や運行本数など、様々な角度から検討されてきたと思います。今後の検討の中には、令和六年以降の晴海五丁目も含めていかれるのかと思います。

 臨海部の交通不便地域をどのように補完していくのか、ルート変更に向けた今年度のお取組をお示しください。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 竹内幸美議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、東京二○二○大会時の選手村周辺の安全確保についてであります。

 晴海地区をはじめとする選手村から築地デポのエリアにつきましては、大会運営に伴い、交通規制やセキュリティなど、多大な影響が及ぶことになります。こうしたことから、区では、各地区代表者から成る四地区合同協議会を一昨年に立ち上げ、この地区の方々と具体的な意見交換を行い、組織委員会や東京都に声を届けて改善を図ってきたところであります。とりわけ、大会時の地域の安全面につきましては、組織委員会や都、所轄警察署とも密接な連携が不可欠であり、万全の体制を構築の上、迅速かつ的確な対応ができるよう、本区としても準備をしているところです。選手村周辺では、既に一部交通規制が行われておりますが、パンフレットの配布や事前の説明会の実施など、きめ細かい対応に引き続き努めてまいるとともに、地域の方々の御懸念も伺いながら対応してまいりたいと存じます。また、大会やメディア関係者などの来街者につきましては、公共交通機関を利用せず、専用の自動車等で移動することを原則としていることから、規制状況等は、組織委員会からあらかじめ周知がされているものと伺っております。また、選手や大会関係者と区民が直接関わるような取組につきましては、徹底した新型コロナウイルス感染症対策が行われることから、残念ながら、難しくなったものと捉えておりますが、区といたしましては、期間中の区民生活の安全確保を最優先と捉え、尽力してまいる所存であります。

 次に、大会レガシーの継承についてであります。

 大会開催に向けましては、折り鶴ウェーブの取組をはじめ、様々な機運醸成事業を通じて、大変多くの方々に御協力、御参加いただいたところであります。また、七月から予定している、区内全域におけるおもてなし清掃や聖火リレーサポーターにも、一人でも多くの区民の皆様に御参加いただき、楽しんでいただくことが大会の成功と本区の将来の発展につながるものと考えます。現在、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せず、各種事業の実施の可否や開催形態などを判断していくことは難しい状況にあります。こうした中ではありますが、区といたしましては、感染症対策を確実に行いながら、安全・安心に誰もが大会に参加できる機会を区内全域で展開してまいりたいと考えております。そして、区民一人一人に大会の思い出づくりをしていただくとともに、大会レガシーとして、将来に続くボランティアマインドの醸成や地域の交流・連携強化につなげてまいりたいと考えております。

 次に、晴海の新たなまちにおける学童クラブの在り方についてであります。

 児童館の学童クラブと小学校のプレディは、それぞれの設置の経緯や役割は異なっておりますが、区では、双方が連携して子供たちの放課後等の居場所づくりを推進しているところです。晴海の選手村跡地に新たな住宅が整備され、児童の増加が見込まれることから、晴海児童館の学童クラブにおいては、児童館居室の利用方法を見直すなど、スペースの確保に努めるとともに、整備予定の図書館やリニューアル後のほっとプラザはるみのスペースなども活用し、新校に設置するプレディと連携しながら、晴海地域全体で多様な居場所を確保してまいります。学童クラブの待機児童対策は、全区的な喫緊の課題であることから、今後は、分室の開設や民設民営の放課後児童健全育成事業の誘致なども検討してまいります。

 次に、道路環境の整備についてであります。

 スクールゾーンやゾーン30は、区域を定めて交通規制と各種の交通安全対策を組み合わせることにより、学校周辺や生活道路での子供や歩行者等の安全を確保するものと認識しております。区域の入り口における看板や、注意を喚起する路面表示など、運転者に対する視覚的効果の活用も有効な対策の一つであります。区では、これまでも警察や学校、PTA等と合同での通学路点検や、保育園などと連携した緊急点検を行い、横断歩道手前や交差点のカラー舗装、スピードの抑制を図る狭窄、子供注意等の路面表示などの対策を実施してまいりました。今後も、人口増加や新たな施設整備等に伴い、交通環境が変化した箇所などには、交通管理者と連携した安全対策を推進するとともに、薄くなった路面表示については、道路改修等の機会に併せ再塗装を行うなど、幼児から高齢者まで誰もが安全で安心して移動できる道路環境の整備に努めてまいります。

 次に、地下鉄新線推進大会についてであります。

 中央区総合交通計画の改定においては、臨海部の人口増加に対応できる利便性の高い交通を実現するため、BRT等の基幹的交通システムに加え、地下鉄新線を新たに位置づけてまいります。区では、これまでも、地下鉄新線の実現に向け、地域の機運醸成を図るため、区内沿線の町会などの地元団体や中央区議会地下鉄新線議連とともに推進大会を開催しております。また、早期実現には、その必要性を幅広く周知することが重要であることから、昨年の大会では、築地、勝どき、豊海町、晴海の沿線地域に加え、銀座の方々にも参加をいただくとともに、つくばエクスプレスとの接続も見据えた、来賓にもお越しいただくなど、より多くの方々の賛同をいただけるよう取り組んでまいりました。今年度は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、不特定多数の方々に御参加いただくような形での大会の開催は困難でありますが、収束後は効果的な開催場所などを選定し実施してまいります。

 次に、東京BRTのルート拡大についてであります。

 国際都市東京の玄関口として、東京駅前の交通結節機能の強化と、路上に散在する停留所の集約を図ることを目的に、(仮称)八重洲バスターミナルが段階的に整備されます。令和七年度に開業が予定されるBRTの発着が可能なバスターミナルの整備に合わせ、東京駅銀座ルートが運行開始されるよう、都をはじめ、関係機関に働きかけているところであります。さらに、ルート上に位置する築地市場跡地の再開発においては、BRT停留施設も含め、東京を牽引する交通結節機能の整備を都に要望しております。

 次に、コミュニティバスについてであります。

 江戸バスは、平成二十一年に運行を開始し、区内の交通不便エリアの解消や公共施設へのアクセス向上の役割を担ってまいりました。晴海地区では、環状第二号線が開通し、さらにはHARUMI FLAGと併せ、新たな公共施設などの整備が進められるなど、交通環境が大きく変化することから、これら施設へのアクセスが向上するよう、令和五年度に江戸バスのルート変更を予定しております。今年度は、ルート変更に向けた予備調査として、利用者へのアンケートや、乗車人数の実態調査などを進めてまいります。また、来年度は、中央区地域公共交通会議において、地域や関係機関の方々と具体的なルートを協議してまいります。引き続き、江戸バスが区民の身近な交通手段となるよう、利便性の向上を図ってまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 初めに、東京二○二○大会後の教育活動についてであります。

 本区では、平成二十七年度より、メイン交流国との直接交流や高齢者施設と連携したボランティア活動のほか、パラリンピック競技であるボッチャの体験など、様々なオリンピック・パラリンピック教育に取り組んでまいりました。その取組の一つであるパラリンピック競技観戦は、一人一人に人生の糧となるかけがえのない経験を残すことのできる貴重な機会であると認識しております。このパラリンピック競技観戦を含め、これまで学校・幼稚園が取り組んできた特色ある教育活動を学校・幼稚園二○二○レガシーとして位置づけ、引き続き取組を展開する予定であります。今後も、東京二○二○大会の理念を踏まえ、子供たちに世界の人々とコミュニケーションを図ろうとする態度や多様性を尊重し、共に行動できる力を育んでまいります。

 次に、適応教室「わくわく21」における支援策についてであります。

 適応教室「わくわく21」では、学校に通うことができない子供たちの居場所や学びの場として、自学自習を基本とした学習活動や体験的活動などを行っております。現在、一人一台のタブレット端末整備に合わせ、アプリを活用した個別の学習支援、一日の見通しを持たせるオンライン朝の会などを実施しており、ICT機器の活用は、生活や学習状況の改善のほか、人間関係づくりの観点から大変有効であると認識しております。さらに、適応教室へ通室することが難しい子供たちに対しては、その気持ちに寄り添いながら、タブレット端末の活用により、家庭にいながら適用教室や学校とのつながりを持てる支援など、取組の充実を図ってまいります。今後も、家庭、学校、教育委員会が連携し、不登校児童・生徒が自らの進路を主体的に考え、学校復帰や社会的な自立につなげられるよう努めてまいります。

 答弁は以上であります。

〔十三番 竹内幸美議員登壇〕

○十三番(竹内幸美議員)
 それぞれに御答弁ありがとうございました。

 まず、オリンピックに関連した地域の交通規制等です。

 先日発表されましたプレイブック、最新版というのはまだネット上で見当たらないものですから、第二版を拝見しました。その中には結構、メディア関係者、そして大会関係者をはじめとした関連機関、海外から来る方は皆さん、入国の十四日前から、これを遵守してくださいというようなものも明記されております。なかなか地域の方にそこまで細かい部分が伝わっていないのかなというのは感じるところですが、区として、やはり細かい、プレイブックにはこういうものが記されているというものをできるだけ地域の皆様の目に留まるような形でアナウンスをしていただけたらと、それは要望をさせていただきます。

 それから、オリンピック・パラリンピックの子供たちへの教育について、大会後もまた形を変えて、ただ、子供たちの思い出、心の中にはいろいろな状況もあったかと思いますけれども、これから観戦に行けるのか行けないのか、もちろん状況を加味して、安全な対策を考えた上で実施のいかんを検討していただいていることと思いますので、とにかく記憶に残る、心に残る大会であることを願っております。

 たしか去年でしたか、延期になったときに、あそこの施設の食堂で御飯が食べられないのかとか、アクレディテーションセンターとか、あの辺りを見学できないのか、中央区の特権としてできないか、そういうような要望を自由に言わせていただいた経緯もございますが、そういうものが可能であるならば、できれば要望をして、ちょっと見学だけでもという、そんな気持ちも、いまだに懲りずに持っています。

 それから、学童クラブの件、長々といろいろ話をしましたが、もちろん、今現在、学童クラブは児童館八館、そしてプレディは小学校十二校で実施をしていただいております。ニーズに応じて、本来のプレディの目的は、あくまでも放課後の子供の居場所ということで広げられてきたもので、学童クラブというのは保護者がいないというか、保育ができない状況に対して、ちゃんと育児という部分も含めてつくられてきたもので、基になっているところは違うかと思いますが、やはり状況が変わる中、共働き世帯が多い現状を見ていくと、また、基本的な部分で、どの時間帯で人数が多くなる、少なくなる、そういったものも含めて、いろいろな調整をしていかなければならないのかなと。学童クラブとプレディがどのように共存していくかというような見直しも必要なのかと思います。

 また、晴海四丁目の新たな施設において、図書館の一部で子供が過ごせる場所ができるのか、ほっとプラザはるみにもそういう場所を考えていくのか、学童クラブの分室や民設民営など、様々な角度からの御検討を今までもいろいろ行ってきていただいていることと思いますので、そのあたりの状況を見据えて、まだ住人がおりませんので、状況を見据えて御対応していただけますように要望をさせていただきます。

 そして、道路環境は、私は一度、いろいろ地域の中で、道路の塗装の薄くなっているところがあるということでお話をしたときに、計画を立てて実施するまで結構な期間が必要であったことと、あと、薄くなっているからといって単に塗ればいいというものではなく、掘り起こして、塗装の部分の厚みを考えてやっていくという、非常に時間も、あと費用もかかるという状況を確認しております。地域の方が一番、どこが危ない、どこが違反が多いとか、そういったことも認識されていると思いますので、引き続き、地域の町会、保護者の方々、PTAとも連携を取って、そのようなところの情報を収集して、順次、安全確保のためにお取組をお願いしたいと思います。

 それから、わくわく21、様々に取り組んでいただいていることを確認できました。ICT機器というのは、今の子たちは生まれたときから目にしている、手にしている部分がありますので、もしかしたら人と話すよりも、そういうものを使ったほうがコミュニケーションが取りやすくなるかもしれない。そういう点では、低学年も、平仮名を鉛筆で覚えるよりもタブレットで覚えているとか、そういったこともありますので、とにかく窓口として少しでも広く持っていただけますと、ありがたいと思います。

 また、先ほど第一回の質問のときに混ぜてお話ししたんですが、小学校の児童が、わくわく21に一人で登校できないという状況があって、ある程度の学年からは、状況によっては一人で登校できるように枠を広げていただけますと、子供が行きたいと思ったときに行ける、そういう窓口を広げておくことも大切なのかなとすごく考えておりますので、可能であれば、そのあたりの御検討もお願いしたいと思います。

 そして、中央区総合交通計画の改定ということで、地下鉄新線の件に触れさせていただきました。先ほど海老原議員からも八重洲側に引きたいという話の中で、そのような御答弁をいただけたと思います。現在、千代田区側に想定されているつくばエクスプレスですけれども、もしかしたら、みんなが固まってこちらにというアピールをしていくと、線路が曲がるかもしれません。とにかく熱意が大事である。いかにその路線を必要としているか、その訴えによって、皆さんの力で少しでも希望のかなうところにつながったらいいなと。夢でも、希望でも、とにかくそれが実現するように願い続ける、言い続ける、それも必要なことかと思います。

 それから、BRTです。BRTは、多分、資料によると、本来だったら平成二十八年か二十九年には中央区内で運行されていたであろうし、晴海地区をはじめとした交通不便地域に通していきたいというものだったかと思います。そのBRT、そして江戸バスも活用して、皆さんの交通不便地域が少しでも解消されますように、ぜひ今後とも引き続きお取組をお願いしたいと思います。

 これで、私の質問は終了とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、併せて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後三時三十四分 休憩


     午後三時五十五分 開議

○議長(木村克一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。

 まず、二番高橋まきこ議員。

〔二番 高橋まきこ議員登壇〕

○二番(高橋まきこ議員)
 かがやき中央の高橋まきこです。令和三年第二回定例会におきまして、一般質問をさせていただきます。御答弁を受けまして、再質問につきましては、あらかじめ留保させていただきます。

 子供政策の在り方について国会でも議論の高まりがあり、子ども総合基本法案に基づく、こども省の設置や、子ども家庭省、こども庁の新設といった動きがあります。こども庁の設置目的は、情報を横断的に集約、分析し、強い総合連携調整機能を持って課題解決に当たるとされています。子供施策に関して行政の縦割りの弊害を廃止していくという方向性は、子供を取り巻く社会環境が多岐にわたる中、極めて重要だと考えています。この縦割りの弊害を抑制する方向性は、中央省庁だけではなく、基礎自治体の取組も必要になります。

 そこで、中央区が子供に関して組織間連携を掲げている三つの子供施策及び個人情報保護条例についてお尋ねしてまいります。

 第二期中央区子ども・子育て支援事業計画において新規事業と位置づけられている保幼小の連携、子ども子育て応援ネットワーク、育ちのサポートシステムからお尋ねします。

 まず、保幼小の連携についてお伺いいたします。

 教育や指導において、連携プログラム等、大きく進めてきていただいているところではございますが、今回は入園事務に関することと、窓口の一本化という視点でお尋ねしてまいります。

 阪本こども園が本年四月に開園いたしました。数年前から、どうしたら入園できるのかといった御相談が私にも多く寄せられており、実際に入園関連の問合せや申込み、手続などは、かなりの数であったとお聞きしています。晴海にこうしたこども園の新設予定があることからも、対象となる区民が増えていくといった今後を踏まえ、この二点についてお尋ねいたします。

 まず、入園事務についてです。

 阪本こども園の幼稚園機能、短時間保育の入園案内では、教育委員会学務課が窓口となり、願書配布を行っていたとございますが、そのような事務処理体制となった理由をお聞かせください。

 続きまして、窓口の件です。

 この幼稚園機能、短時間保育と、保育園機能、長時間保育の両方を検討されたり、きょうだい関係で両方に手続を行うこととなったといった御家庭からの御相談や不安、不満の声が多くございました。その一つの理由が、長時間保育の入園評価におけるきょうだい加点にございます。問合せや相談、手続において、どちらからも返答を確かめられず、不安が深まったという声も私に寄せられてまいりました。

 そこで、お尋ねします。

 阪本こども園においても、保育所型の京橋こども園、晴海こども園と同様に、庁舎内窓口を一本化することで区民サービスを実現するべきであったとも考えますが、いかがでしょうか。

 次に、子ども子育て応援ネットワークについてお尋ねします。

 本年四月に母子保健法の一部が改正施行となりました。今回の改正趣旨は、不安や孤立感を抱いたり、鬱状態の中で育児を行ったりしている母親が少なからず存在している状況に対して、産後の育児を家庭のみに任せるのではなく、地域で様々な支援を行うことが重要としたことです。この改正を受け、本年度の厚生労働省予算でも産後ケアなどの母子保健医療対策の推進が重点の一つとされ、国全体で推進していくということが分かります。

 令和二年九月の中央区政世論調査報告書における子育てに関する悩みの相談において、保健所・保健センターの担当者への相談は一・四%、子ども家庭支援センターや児童館などの子育て支援施設への相談は一・○%となっています。この数値は、ほぼ横ばいです。

 この結果から、子育てをしている区民のおよそ百人に一人程度がこの相談機会を選択しているということとなりますが、中央区は、この相談の数値をどのように認識しているのか、お聞かせください。

 私は、相談の数について、至急の改善が必要だと思っています。その場合、具体的な改善計画とその方法についてお聞かせください。

 つながりの始まりである相談窓口としての対応数が不十分であれば、支援は行き届かないということになりますので、これらの機関で相談を受けやすくしていくことが重要だと考えています。改善には、子ども子育て応援ネットワークの連携力強化が必要です。相談したら好転していく、ないしは安心につながったという相談者の信頼を得るためには、子育て世代包括支援センターの機能を総合的に高めて、産前産後の支援を充実させ、児童虐待防止・予防を確実なものにしていくといったことが大切だと考えています。

 そこで、より前へ進めるよう、組織間の統合や民間の協力を得た運営などの新しい在り方を考えないのか、お聞かせください。

 デジタル庁設置や個人情報保護法改正を盛り込みましたデジタル改革関連六法が五月十二日、参議院本会議で可決成立しました。人に優しいデジタル化とした上で、複数の手続、サービスをワンストップで実現することが重要であるとされており、その実現のためには、組織を超えた情報の連携が必要不可欠です。この連携を支えるのが、プライバシーに配慮した上でのオンライン結合です。中央区個人情報の保護に関する条例によりますと、中央区は、原則、否定しています。

 一方で、本年二月に改定されました中央区情報化基本方針では、申請・届出手続を一か所で完結できるワンストップサービスを実現するとされており、オンライン結合につながる組織間ネットワークを積極的に進める方向性であるかと思われます。

 そこで、子供施策におけるオンライン結合についてお伺いします。

 さきの事例にて、区民から寄せられる不安や不満を分析しますと、情報の連携や共有に対する疑問の声であったことが分かりました。育ちのサポートシステムから具体例を挙げます。認可保育所入所申込みにおいて、中央区子ども発達支援センターゆりのきで育ちのサポートカルテを作った児童の保護者から、その情報共有の確認の機会が不十分であったのではないかという御指摘がございました。これら阪本こども園についての中央区役所本庁舎内における業務や、子ども子育て応援ネットワーク、育ちのサポートシステムといった子育てで連携するとされている施策の情報共有において、中央区個人情報の保護に関する条例の電子計算組織の結合の制限によって何らかの課題があるのではないかということが想定できます。

 さきの条例には例外が示されており、本人の同意や審議会の意見を聞くといったことが列挙されていますが、そのような機会が十分であると考えているのか。デジタル改革関連六法で原則禁止としていないオンライン結合を、プライバシーに配慮しつつ、今こそ前に進めるべきではないのか、中央区のお考えをお聞かせください。

 オンライン結合というデータ上の連携を進めますと、最終的には組織の統合につながってまいります。千代田区は教育委員会事務局子ども部、中野区は子ども教育部といったように、保幼小の子供に関連する取組を行う部署を統合する動きが進んでおります。子供の施策において連携しようとする部署が一つであれば、阪本こども園の事例のように、問合せが教育委員会学務課なのか、福祉保健部保育課なのかといった混乱を解消することができるのではないかと考えております。渋谷区ではワンストップ窓口を進めており、一度窓口に座ると、職員が入れ替わって対応するといった新しい対応を進めております。

 ここで、お尋ねします。

 情報共有や区民サービス、相談の充実という観点から、中央区の子供に関する部署、窓口をより分かりやすく、一つにするべきではと考えますが、いかがでしょうか。

 中央区が一体となり、子供や保護者の悩みなどを共有し、中央区基本構想で掲げている地域で子育てを実現するためにも、ワンストップで対応する仕組みの構築が急がれていると考えていますが、中央区はどのように捉えていますでしょうか。

 次に、そのように中央区が一体となって子供たちを尊重していく上では、改めて子供を主人公とした理念を共有し、方向性を統一していくことが必要であると考えています。中央区基本構想では、一人一人の生き方が大切にされた安心できるまちを目指して中央区全体となって実現していくとされています。そして、第二期子ども・子育て支援事業計画における方向性の一において、子どもの人権が尊重され、すべての子どもが元気に明るく育ち、「子どもの最善の利益」が実現される社会を目指すとしています。この子供の人権を尊重するという視点から、中央区にお尋ねしてまいります。

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とした緊急事態宣言が度々発出され、長期化しています。中央区は、まん延防止等重点措置の対象ともなりました。これらを受け、子供たちの健やかなる発達、成長のための環境は保障されませんでした。学校一斉休業時は子供の権利が真っ先に奪われたと言っても過言ではありません。今こそ、子供の最善の利益が優先して考慮される地域社会を目指し、実行していく必要があります。私から、令和元年の一般質問にても引用しましたが、改めて日本が批准している児童の権利に関する条約から、中央区の子どもの権利条例制定のお考えをお尋ねします。

 国連の子どもの権利委員会が定めた四つの一般原則、生命、生存及び発達に関する権利、子どもの最善の利益、子どもの意見の尊重、差別の禁止が大切だとされています。しかし、日本は、国連より勧告を受け、状況が改善していないため、地域の条例によって理念を具現化し、根拠を持つことで実行力を持って早急に権利を回復するべきであると考えています。

 二十三区の事例としましては、世田谷区子ども条例、目黒区子ども条例、豊島区子どもの権利に関する条例があります。江戸川区では、子どもの権利条例制定に向けた議論の素材が取りまとめられました。中野区はその過程も重視し、中野区子どもの権利擁護推進審議会を設置し、審議を重ねています。中野区の、つくり上げる過程で議論を深め、大人が子供を一人の権利の主体として尊重し、権利侵害から守り、自分らしく生きることを支えていくという意識の醸成は、当事者の子供、保護者、地域、行政、私たち議員にとっても、とても大切であるという考えに私も共感いたします。江戸川区は、子供たちを対象としたワークショップを実施してきました。

 コロナ禍において、子供たちの活動も居場所も制限されています。公園の貼り紙が増え、学校施設の利用も制限され、日常の貴重な運動機会、コミュニティ活動といったことが喪失しました。さらには、残念なことに、子供たちが公園や校庭で遊んでいることに対する罵声や苦情、通報もあったとお聞きしました。また、区の各施設における取組や子供との関わりにも差異があり、全庁的な理念とその実現の必要性を痛感しているところです。

 また、本年四月に東京都こども基本条例が施行されました。ここでは、新型コロナウイルス感染症は人々の生活に大きな変化をもたらし、とりわけこどもへの影響は顕著である、東京都がなすべき責務を明らかにしなければならないと述べた上で、いかに子供の権利を尊重、擁護していくのかを示しています。

 ここで、お尋ねします。

 中央区における子どもの権利条例制定へのお考えをお聞かせください。

 子供が増え続けており、面積が限られているという中央区の特性も踏まえ、コロナという感染症危機に立ち向かう今、中央区がいかにして子供の権利を守るのかを示す条例制定が必要だと考えています。その必要性のお考えもお聞かせください。

 子どもの権利条約第三十一条、遊ぶ権利を子供たちの手に取り戻す必要があります。子供の遊び場を確保してほしいという要望が多く寄せられています。居場所や運動機会の場となると、学校、公共施設、公園、道路と、それぞれに担当部署が異なっています。区内を一体的に捉え、柔軟な場所の活用を進める取組は、それを超えなくては実現しないと考えています。一体誰に頼んだらいいんですかという児童・生徒の声があります。部や課を超えた課題解決に向けたワンストップの対応は、どちらに要望を伝えたらよろしいでしょうか。確認をさせてください。

 次に、学校施設開放利用についてお尋ねします。

 小学校における児童によるスポーツの機会を再開している自治体が増え、各競技大会や発表の場が予定されているそうです。児童から、参加したいという意思が表明されています。中央区に住んでいることで練習の機会を喪失しているということに不公平を感じていると言い、その目は希望を失いつつあります。子供たちは、毎日の練習や大会を目指す積み重ねによって日々輝いています。一生に一度きりの体験も貴重なこととは思いますが、子供たちにとっては毎日が宝物です。

 ここで、お尋ねします。

 学校施設開放利用について、まずは当該校の児童による活動に限り、感染対策を講じた上でといったように、段階的にでも利用を再開していただけないでしょうか。

 次に、子供の人権に関連しまして、区内共通買物券、ハッピー買物券の対象について質問いたします。

 購入対象者を十六歳以上と限定していることに、子供の人権をどのように捉えているのか疑問を持っております。私は、子供も購入対象とするべきと考えています。これまでの区議会の答弁にて、自分で消費判断ができる人を対象としているという説明を受けてまいりました。成年被後見人を対象者として認めている一方で、子供を対象外とすることには合理性に欠けるのではないかと考えておりますが、このお考えを確認させてください。

 また、新生児出産祝品がこの買物券であり、新生児家庭に配られているという一方で、同じ買物券を販売する際に、対象から十五歳以下を除外していることに、共通買物券政策の対象の不一致とも捉えられますが、この点について説明をお願いいたします。

 以上、一回目の質問といたします。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 高橋まきこ議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、子ども子育て応援ネットワークについてであります。

 区では、妊娠届提出時の面接、乳児家庭全戸訪問、乳幼児健康診断といった機会を捉え、母子と面談を行う仕組みを構築しています。また、保健所・保健センターや児童館、あかちゃん天国の専門支援員が随時相談に応じております。さらに、コロナ禍において、子育てに関するオンライン相談を新たに実施するなど、必要とする方が様々な場面で相談できるよう体制の整備を進めております。子ども子育て応援ネットワークは、支援が必要と思われる家庭に対し、保健所・保健センターや児童館、子ども家庭支援センターが連携し、対応を図っており、対象世帯の状況に応じては、地域の医療機関や関係団体なども関わることから、現行の仕組みを継続してまいります。

 次に、個人情報保護についてであります。

 子育て支援をはじめ、連携が必要な各部署間での個人情報の共有については、区民の権利・利益を保護する観点から、本人同意をはじめとする条例上の目的外利用手続が必要であります。この手続は各部署における業務ごとに必要となりますので、情報共有に当たっては、利用者の理解と協力を得るよう努めてまいります。また、区の機関以外のものとのオンライン結合に関しましては、今般のデジタル改革関連法における個人情報保護制度の見直しにより、地方公共団体に対する全国的な共通ルールが規定されたことに伴い、今後、国が示す統一的なガイドラインに従い、条例の改正に向けた検討を進めてまいります。

 次に、子供に関する組織や窓口についてであります。

 本区では、子ども・子育て支援新制度が施行されて以降、乳幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援の総合的な推進を図るため、関連組織間の連携を強化し、保育所や認定こども園の整備、保幼小連携による教育・保育の質の向上など、様々な課題に取り組んできたところであります。あわせて、幼稚園や保育所、学校、給付などの子育て支援に関する業務については、本庁舎六階に窓口を集約し、保護者からの問合せや相談、手続等の内容に応じて部署間で連携するなど、利用しやすい環境を整備してまいりました。今後、本区においては、定住人口二十万人の時代を迎え、年少人口についても引き続き増加していくことが見込まれます。子供施策を含めた二十万都市にふさわしい将来的な組織の在り方については、検討すべき課題の一つとして、今後、研究を進めてまいります。

 次に、子どもの権利条例の制定についてであります。

 子供の幸せや人権につきましては、憲法や児童福祉法、児童憲章などにうたわれており、区では、子供の権利を尊重する環境整備が大切であると認識しております。そのため、本区においては、子ども・子育て支援事業計画をはじめ、教育振興基本計画や青少年健全育成基本方針などの中で、子供の人権尊重や子育て支援策などを盛り込み、教育・保育環境の充実、いじめ・児童虐待防止、教育相談体制の整備、子供の事業参画など、児童の権利に関する条約に示す四つの権利にのっとって取組を進めているところであります。また、都が制定した東京都こども基本条例は、子供の最善の利益を最優先に、それぞれの役割に応じて取り組むべき様々な施策を位置づけているとことから、本区がその内容を超えて独自に条例を制定する予定はございません。区といたしましては、今後とも引き続き、全ての子供が将来への希望を持って、伸び伸びと健やかに育っていける環境整備に努めてまいります。

 次に、子供の遊び場についてであります。

 遊び場の確保は、子供たちが安全で健やかに成長する上で重要であると認識しております。区では、公園や児童館のような遊ぶことを主な目的とした施設を整備するだけでなく、学校や道路を開放するなど、既存施設を活用しながら、子供が伸び伸びと遊ぶことのできる環境を確保するための様々な取組を行っております。こうした取組は、各施設等を所管する部署が子供の健全育成といった目的を共有し、相互に連携を図りながら実施しており、今後も各部署に寄せられた御意見に対し、組織横断的に対応してまいります。

 次に、区内共通買物・食事券の購入対象者についてであります。

 まず、従来からお答えしているとおり、買物券事業は、区内中小企業の支援を主たる目的として実施をしております。購入対象者につきましては、その事業目的を理解し、御協力をいただきたいことなどから、十六歳以上という基準を設けているものであり、成年被後見人も対象となっております。また、新生児出産祝品は、新たな区民の誕生を祝福し、健やかな成長を祈念するために贈呈しており、そもそも買物券事業とは目的を異にしたもので、支給対象者は新生児自身でなく、その親としております。したがいまして、区内共通買物・食事券の購入対象者を十六歳以上としていることについては、子供の人権に関する問題ではなく、合理性に欠ける、対象不一致という御指摘には全く当たらないと考えております。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 初めに、阪本こども園の入園についてであります。

 阪本こども園につきましては、民設民営の認定こども園であり、幼稚園機能に係る募集から入園に関する対応は、運営法人が全て行っております。しかしながら、本園は公私連携幼保連携型こども園として、本区と設置や運営に関する協定を締結し、開設していることから、入園案内や願書の配布、入園説明会の周知について、教育委員会としても協力したところであります。また、保育所機能の入園に関する相談は、各認可保育所の入所に際し、区が一括して利用調整を行う必要があることから、福祉保健部の窓口で受付をしております。それ以外の相談は、他の私立認定こども園と同様に、阪本こども園の運営法人が担っているものであります。

 次に、学校施設開放利用の再開についてであります。

 校庭における遊び場開放につきましては、これまでの学校施設内における感染状況や子供を取り巻く環境などを総合的に判断し、今月十三日に再開したところであります。子供たちの運動機会を充実していくため、学校施設を開放する意義は重く受け止めておりますが、再開に当たっては慎重に検討してまいりたいと存じます。

 答弁は以上であります。

〔二番 高橋まきこ議員登壇〕

○二番(高橋まきこ議員)
 それぞれに御答弁いただきまして、ありがとうございました。

 まず、阪本こども園の入園等に関しましてですが、今回、困った、悩んだという方がいらっしゃったというところで、今後、晴海にこうした幼保連携型のこども園の新設予定があることからも、やはり分かりやすいというところが重要だというふうに考えておりますので、必要に応じた窓口の一本化というのは必要ではないかというところを要望させていただき、今年困った方々のお声を、どう改善していくかというお取組を要望したいと思います。

 次に、子ども子育て応援ネットワークについてお伺いしました。

 オンラインの活用など、母子と会うというところ、非常に多様な場面を用意してくださったというところ、非常にありがたく、心強く思っているところではございますが、やはり今、自宅に籠もり、孤独な子育てをしている家庭の悩みは深く、こちら側が一体感を持った積極的なアウトリーチができる体制づくりが重要であるというふうに考えております。コロナもそうですが、非常時でも止めない産前産後支援体制といったことをこれからはつくっていかないとならないというふうに考えております。江東区では、こういった産前産後支援、また母親学級等が止まらずに、早期に動画配信されていたといったお話も区民の皆様から聞いておりまして、こういったところの検証等も踏まえながら、運営の在り方についても検討いただきたいという点を要望させていただきます。

 オンライン結合や組織の統合について御答弁をいただいたところでございますが、国からすると当然の流れであろうというふうには思いますけれども、より早期の実現といったことを要望させていただきます。

 次に、子どもの権利条例についてお考えをお聞きしました。

 都条例を超えないというところ、非常に理解したところでございます。中央区で、いかにそういった取組をしていくかといったところにおきますと、やはり子供の声を聞くということが初めの一歩ではないかというふうに考えております。

 子供のアドボカシーについて再質問をいたします。

 アドボカシーとは、当事者の声を聞き、権利を守るという意味です。感染症予防の対応において、子供たちの声を聞く場面はどれほどあったのでしょうか。マスクで顔が分からない。相手の顔が見えずに不安だ。遊ぶ場所がない。どこで練習したらいいの。つまらない。子供たちからそういった無念と諦めが入り交じったそのままの声を聞いてきました。目標を失い、力のなくなった目を私は直視することはできません。本当に悔しい気持ちでいっぱいです。その胸の内は、どうせ言っても仕方ない、聞いてくれるはずがないといった気持ちだと言っています。どうか子供たちの声を聞いてもらえませんでしょうか。

 今後の区政運営における意思決定の場面や、その議論において、子供が意思表明をする機会をどのようにつくっていくのか。その声をどのように大切にしていくのかという点について質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

〔福祉保健部長 田中智彦君登壇〕

○福祉保健部長(田中智彦君)
 再質問にお答えいたします。

 まず、子供の声をどのように聞いているかという部分でございます。

 コロナ禍におきまして、様々な制約がお子さんにも降りかかったということは、我々も非常に重く受け止めているところでございます。そうした中でも、限られた、いろいろな条件はつきますけれども、例えば私の所管部であれば、児童館においては、基本的には開けていく、可能な限りそういった場を設けていくといったような形での取組をさせていただいてございます。また、学校、その他、お子さんのいるところにおきましては、それぞれ対応する者が子供と実際に顔を合わせながら、またはオンライン等を活用しながら、様々な形で意見を聞いてきたというふうに考えてございます。

 それから、今後の政策、意思決定において子供の声をどのように反映するのかといったような御質問でございます。

 こちらに関しましても、我々は、日頃からやはり様々な形で、お子様の御要望あるいは御意見というのを伺ってきてございます。学童クラブ等もそうでございますし、児童館においても、そういった意味では、直接お子様とお話をした声を我々は児童館の職員のほうからも伺っているところでございます。また、児童館においては、保護者の方々の運営委員会というものも設けてございまして、そこでも意見を伺っているといったような形になってございます。そういった形で、なかなかお子様の声を直接政策に反映させるというような視点で、お子様から聞く場というのを、例えば、ほかの自治体でいうところの子ども議会ですとか、そういった形のものは、今、中央区では行ってはおりませんが、それぞれの所管部の中で施策を展開する上で、お子様の意見というのは十分尊重していきたいというふうに考えてございまして、これからもいろいろな場で意見を聞いていきたいというふうに思っているところでございます。

 以上でございます。

〔二番 高橋まきこ議員登壇〕

○二番(高橋まきこ議員)
 再質問にお答えいただきまして、ありがとうございました。

 それぞれの部署で子供の声を聞いていくといったところ、心強く思っております。一方で、やはり児童館やオンラインといったところは、おっしゃるとおり保護者を通じた声を聞く場面であるというところで、子供の意見をいかに聞いていくかというところが重要な視点だというふうに思っております。

 感染症のみならず、様々な危機に立ち向かうといった局面で、地域の在り方や、一人一人を大切にしていくといった視点は極めて重要となります。先ほど区長から御答弁いただきましたように、人と人とを結びつけることが不可欠であるといった今の状況においては、子供に対しても同じだと思います。判断に時間的余裕がないといったことは理解いたしますので、事後でも構わない、その場合は致し方ないと思いますので、やはり直接子供の意見、話を聞くといった場面について重要視していただきたいというふうに思います。子供の意思表明の機会がないまま、子供の遊び場や居場所がどんどん閉じられていってしまうといったことを見過ごすことはできません。

 私は、子どもオンブズマンの設置により、部や課を超えて、中央区が一体となって子供たちの声を聞いていく必要があるというふうに考えております。それぞれの部署の連携等を御答弁いただきましたが、こうした子どもオンブズマンの至急の設置を要望しまして、質問を終わりといたします。ありがとうございました。(拍手)

○議長(木村克一議員)
 次に、十一番小坂和輝議員。

〔十一番 小坂和輝議員登壇〕

○十一番(小坂和輝議員)
 かがやき中央の小坂和輝です。一般質問通告書に従い、中央区が直面する喫緊の課題について質問を行います。明快なる御答弁をお願いします。再質問は留保します。

 専門家や大部分の医療関係者が感染拡大の懸念を示す中、五輪開幕まで三十五日と迫った。区がまずもって第一になすべきことは、五輪が開催されても区民の皆様の生活と安全を守ることである。感染対策において、ワクチン接種が最も有効な手段の一つである。ワクチン接種率が高い国は日常生活が取り戻されており、一番の経済対策でもあると考える。

 六月一日に区が初めて医師会員向けに開催したコロナワクチン説明会には、百名以上の医師が集まった。区内でワクチン接種を行う医療機関は多数存在すると思われる。現在、中央区におけるコロナワクチン接種の個別接種の一日の枠、集団接種の一日の枠は、どれほど確保できているようになっているか。区は、区内対象者への二回接種の完了を何月までに終わらせる接種計画を立てているか。特に、選手村を抱える本区が安全な五輪を迎えるためには、希望する全対象者へのコロナワクチン接種を、少なくとも一回目接種は五輪開催までに終わらせる最大限の努力をすべきと考えるが、いかがか。

 区内在住・在勤者の接種をさらに加速する手法として、区の特性を生かし、商店街単位やマンション単位の集団接種の実現に向け、集団接種を行う団体向けのワクチン確保や接種会場確保等の支援はできないか。

 優先順位として、子供に関わる職業、特に学校や保育園・幼稚園の先生方への接種も早めるべきと考えるが、それら先生方への接種を早める考えはあるか。

 感染拡大時、自宅療養中に亡くなられた事例が全国で報告されている。HER‐SYSを用い、かかりつけ医と保健所とが連携しながら自宅療養患者をフォローすることによる自宅療養中の患者の安全な見守りについて、一年前の定例会で提案した。HER‐SYSのこのような運用はなされたのか。

 区内では、自宅療養中に亡くなられた方や体調が急変された方は、実際に発生しなかったのか。

 変異株の広がりにより、若年層への感染拡大が懸念されている。現場の診療においては、感染者情報の共有が有効である。区内開業医や病院との間で、小・中学校や保育園・幼稚園でのコロナ感染者発生状況の情報共有の仕組みの構築の必要性を考えるが、いかがか。

 選手村周辺の住民は、選手村からの感染の広がりを懸念されている。過度に密な状況が生じるなど、何らかのリスクを東京二○二○大会関連で住民が察知した場合に、即座の対応が取れるように、組織委員会の窓口を広く区民に周知すべきであると考えるが、六月十一日開催の晴海地区まちづくり協議会において住民から要望が出された電話相談窓口の設置は、確約されていると考えてよいか。

 コロナ後、密な空間を避ける必要性が生じた。一人当たりの避難スペースが拡大することとなり、防災拠点に収容できる人数が、コロナ前の四万人から一・七万人へと六割減少し、避難所をさらに確保する必要が生じている。区民館や保育園なども新たに避難所として指定するなどし、避難所の拡大を急ぐべきと考えるが、いかがか。

 今回の新型コロナを克服できたとしても、新型インフルエンザ等、新たな感染症が数十年周期で到来し、パンデミックを再び経験することは十分想定する必要がある。今回の感染症を契機として、仕事の上でテレワークやオンライン会議が可能であることに私たちは気づき、確信を得た。オフィスが郊外へ移転し、人の流れも地方へと分散し始めている。もともと人口減少・成熟社会が到来しつつあったところに、コロナ後の大きな財政負担が追い打ちをかける。さらに、本区もこの三月にゼロカーボンシティ中央区宣言をなしたが、温暖化の防止、そのための温室効果ガスを抑制することが世界中の至上命題となっている。このような状況の下、まちづくりは、今、大きな方向転換の時期に来ていると考える。

 区は、ポストコロナのまちづくりをどのように捉えているか。

 コロナ前と同じような調子で、大規模オフィスや大規模住宅による再開発を進めるお考えか。ポストコロナの流れを受け、工事着工前の計画は全て、規模の縮小やポストコロナの時代の流れに応じた計画のへ大幅見直しを行うべきと考えるが、いかがか。

 事業費総額三千億円規模の地下鉄新線構想においても、コロナ後の要素が含まれずに試算がなされている。至急、鉄道利用者が減る状況を反映した試算をなすべきと考えるが、いかがか。

 次に、まちづくりについて、特に協議の在り方に関連して三つの方向性から問う。

 まず、教育部門と都市整備部門との協議について。

 久松幼稚園の常盤幼稚園部分への移転が計画され、住民説明会が開催されている。久松小学校の教室数不足に起因するものであるが、そもそも四年前の平成二十九年の教室数予測では、教室数不足が生じるとはなっていなかった。人口推計を基にした児童数の予測が大きく乖離した原因をどのように分析しているか。

 また、大規模な住宅開発に際し、あまりにも学校の規模が追いつかない場合、都市計画を推進する都市整備部に対して、児童数の急増に対する教育インフラの整備が追いつかないことを理由として、開発を抑えるべきことを教育関連部門から進言すべきと考える。そのような教育委員会側から都市整備部に開発の規模を小さくすることの意見が言える仕組みを、総合教育会議などの場を用いて取り入れることはできないか。

 次に、再開発関連の協議について。

 月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業では、施行区域内の地権者をはじめ、一部住民は、再開発に関する案などの説明を聞くことなく、意見を言う機会もなく、計画が進められたという。再開発に対し意見を言う機会もなく進められた住民らは、自らの土地・建物を施行区域から外してもらえないかと再開発組合に話合いを申し入れてきたが、開かれた形での話合いの場がつくられることなく、現在に至っている。

 まちづくり基本条例では、第八条に協議の規定を置いているところであるが、このような再開発の施行区域から外してほしいと希望する地権者に対し、区は、話合いの場を設けることや開発事業者も入れた三者協議を設けることは可能か。

 最後に、相隣関係の協議について。

 住宅等の建設で、狭い区道と広い区道で両側を挟まれた土地において、狭い側の区道幅六メートルでは、七階までの建築制限があるところ、もともと面していなかった広い区道のほうへ僅か三・五メートルの接道を造り、面するようにすることで、区道幅六メートルでは実現しない十階建ての建築確認がなされた事例がある。区道幅六メートルでは建つことのなかった十階建ての影響で、広範な日影が狭い区道を挟んだ当該建物の対面のエリア一帯に生じることになる。高さ制限の逸脱だと考えるが、区は、開発業者と住民との間に入り、相隣関係の調整をできないか。面前の六メートル幅の区道では生じるはずのなかった日影の影響を受けてしまう住民にも配慮し、日影を減らせるように、区は開発業者を指導すべきではないか。

 次に、各地域におけるまちづくりの課題について。

 まず、晴海地区では、六月十一日開催の晴海地区まちづくり協議会において、晴海に開設される水素ステーションの爆発事故に関するリスクが問われた。水素ステーションの爆発事故は、実際にノルウェーや韓国で起きている。晴海に設置される水素ステーションの爆発事故が起きた場合の影響の範囲は、どの程度を想定しているか。事故を防止する手だては取られているか。同協議会で、東京都から明快な答弁がなされなかったため、改めて問う。

 月島三丁目において、合計延べ床面積約二十二万平方メートルという環境アセスメントがなされてしかるべき大規模な工事が、令和四年から令和八年で南地区と北地区の期間が重なって行われることが示されている。工事車両が、狭い、そして一方通行も多い月島で交錯することとなるが、工事車両の動線など、両開発を合わせた調整の場が必要である。工事車両動線の調整はなされているか。

 北地区工事では、わたし児童遊園を一時閉鎖することになるが、同児童遊園は、子供たちの貴重な遊び場であるだけではなく、町会のお盆行事、夏のラジオ体操、そして、三丁目エリアの住民が隅田川に通り抜ける大事な動線にもなっている。工事期間中の児童遊園の代替地及び隅田川への歩行者動線を確保すべきと考えるが、いかがか。

 区は、五月二十日に築地まちづくりに関する要望書を都に提出した。まずは、その要望書に対する迅速な回答を東京都に求めるべきと考えるが、いかがか。

 また、築地市場跡地は、東京の玄関口でもあり、東京の新たな顔となるべく、シンボル性のあるデザインを有した文化施設及び食文化を守る施設の誘致を進めるべきであると考える。シンボル性とは、例えば、シドニーといえばオペラハウスを連想するような具合の建築物をいう。区は、要望書において、周辺地域と調和の取れたまちづくりを求めているが、では、どのような建物が望ましいと考えるか。前述したポストコロナのまちづくりにおいて、オフィスや住宅が過剰である今、それら超高層ビルは建てないこともまた、申し入れるべきと考えるが、いかがか。

 日本橋首都高地下化と関連し、日本橋川沿いエリアのまちづくりビジョン二○一七がこの六月にビジョン二○二一として改定された。行動指針にも、回遊性の高いバリアフリー化された歩行者中心のまちの形成を目指すとし、水辺回遊ネットワークの形成が打ち出されている。しかし、イメージ図が描かれているのみであり、整備は各再開発事業者に委ねられている。昭和通り等の大通りで連続性が断たれることなく、かつ親水性が増すように、デッキ等を用いた川沿いの一体的な歩行空間の実現に向け、さらなる検討が必要である。模型やCGなどを用いてビジョンを可視化し、区民も入れたエリアマネジメント組織を早急に立ち上げるべきと考えるが、いかがか。

 次に、GIGAスクール構想について。

 これからの文房具、一人一台タブレットが配付された。タブレット内に学習等に有用なソフトやアプリを入れていくとよいと考えるが、ソフトを入れる場合の指針のようなものはあるか。例えば、身長と体重をプロットし、成長曲線を描けるソフトを入れることで、成長を自覚し、自らの健康管理に役立たせることが可能になると考えるが、いかがか。

 タブレットに依存し過ぎることは、特に読解力や計算力などの認知機能の低下に影響を及ぼすとの見解も出されている。眼科医からは、視力への悪影響が指摘されている。区は、タブレット端末が及ぼす健康や認知機能に与える悪影響をどのように把握しているか。また、それら悪影響が出ることのないように、どのような点に注意して使用を行う予定か。悪影響が出ていないことの観察をする指標は有しているか。

 区民側も、行政手続をオンラインで利用する場合に、スマホだけでなく、タブレットなどのICT端末を持つことは有用である。ちょうど五年後に、子供たちに貸与した一人一台タブレットのリース契約が終了することとなる。それを機に、それらタブレットを安く区が購入し、防災ラジオで実施したように、希望する区民へ格安で提供するリサイクルを行い、区民が一人一台タブレットを所有する環境を整えてはいかがか。

 次に、全ての子供たちが育ち、学ぶ環境整備について。

 医療的ケア児支援法が今国会で成立した。法律ができたことを踏まえ、改めて問う。本区では、区立の保育園や学校へ通うことの要望が出された場合に、看護師を配置するなどの対応を取り、医療的ケア児が共に育ち、学ぶ環境を整備できる体制にあるか。現在の課題は何か。各施設における医療的ケア児へ対応するガイドラインは整備されているか。学校現場、保育現場の考え方をそれぞれに問う。

 最後に、福祉の要である民生委員の推薦会について問う。

 コロナ禍、経済的、精神的に影響を受ける区民も多くおられ、民生委員による相談も欠かせないものとなってきている。一方で、本区では民生委員の定数が埋まらない地域が存在するが、欠員を出すことなく、早急に全地域に選任すべきところである。

 民生委員選任に当たり、その選任の場である民生委員推薦会の位置づけも大変重要である。政党や政治活動との距離を置かねばならない民生委員という立場を鑑みると、区議会議員に民生委員推薦会委員を委嘱する場合、同様に、政党や政治活動と距離を置くことがとても重要になってくる。民生委員推薦会委員の区議会議員への委嘱における公平性、政治的中立性の担保はどのようにしているか。過去の委嘱の経緯を見直すと、区議会議員への委嘱が、会派得票数という数だけを判断基準としてなされている慣例があるとも読み取れるところである。区の考え方を問う。

 以上です。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 小坂和輝議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、希望する全対象者への新型コロナワクチン接種についてであります。

 区では、現時点で個別接種と集団接種を合わせて一日平均約二千回可能となっており、接種を希望する区民の二回接種が九月中に完了できる見込みとなっております。ワクチン接種については、本区では、国の示す手引に基づき、二回目の接種を行っております。職域接種の制度は、国が主体となって進めており、ワクチンの確保は国が行い、会場の確保は実施主体が行うということになっております。優先接種対象については、区民向けに供給されたワクチンを国の示す優先順位に基づき接種を進めているところであり、現在は高齢者施設の従事者等を対象としております。保育士や教員につきましては、区民の接種状況を見ながら、余剰ワクチンの活用を検討するとともに、都が設置する大規模接種会場での対象となるよう働きかけてまいります。

 次に、安全な自宅療養についてであります。

 新型コロナウイルス患者情報把握システムであるHER‐SYSについては、令和二年八月より運用しており、自宅療養者が希望する場合に活用しております。自宅療養中に亡くなった方は、これまでおりませんが、入院やホテル療養を拒否した後に自宅で体調が急変し、入院された方はおります。保育園や学校での新型コロナウイルス感染症発生状況については、偏見や差別等を生む懸念があることから、園医、校医との情報共有にとどめております。大会時の電話相談窓口については、組織委員会内に専用回線を設ける方向で検討中と聞いているところでございます。

 次に、避難所の拡大についてであります。

 本区では、全世帯の約九割が共同住宅に居住している特性を踏まえ、従来から在宅避難を推奨しております。新型コロナウイルス感染症の流行を契機として、より一層在宅避難を推進するため、家具類転倒防止や備蓄品の重要性などをさらに普及啓発していく必要があると認識しております。一方、在宅避難が困難な方のための避難所においては、収容人数の見直しを行うなど、感染症対策を充実させるとともに、近年、日本各地で発生している大規模災害の教訓を踏まえ、避難生活の環境改善を図るため、民間宿泊施設と協定締結を行ったところです。区といたしましては、災害時における区民の避難生活を安定的に支えるための対策の充実を図ってまいります。

 次に、ポストコロナのまちづくりについてであります。

 本区といたしましては、コロナという事象によって、再開発を進めていく考え方を大きく変える必要はないと考えております。コロナ禍にあって、テレワーク等の普及が進む一方、職住近接である都心区ならではの新たな働き方にも対応できる、豊かな空間を備えたオフィスや住宅がさらに求められています。それらに対応するためにも、既存建物の建て替え更新は引き続き必要であると考えております。

 次に、地下鉄新線についてであります。

 昨年度の検討調査では、新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会の行動様式の変化が見られることから、その動向を注視することを課題の一つとして挙げております。今後、実現に向け、さらなる調査が必要な際には、感染症の収束後における社会情勢の変化なども踏まえてまいります。

 次に、再開発施行区域から外れたい地権者と区との協議についてであります。

 市街地再開発事業の施行区域は、法に基づき、都市計画や事業計画において定められております。これらの計画は、それぞれの法に規定される手続の中で、地権者や地元住民からの意見を聴取し、その結果を踏まえて策定されるものです。月島三丁目南地区市街地再開発事業においても、これらの手続を経て、施行区域を含む都市計画等が策定されており、当該計画の内容に関する話合いや三者協議を行う考えはありません。

 次に、日影の影響に対する相隣関係の調整についてであります。

 建築確認がなされた計画は、関係法令に抵触しない合法的な計画であり、高さ制限の逸脱とはなりません。そのため、区では、日影の影響を減らす目的での計画指導を行うことはできないと考えています。事業者への指導としましては、説明不足などから近隣の方々の不安が増すことのないよう、日影図などを用い、丁寧に分かりやすい説明を尽くすように求めているところです。

 次に、晴海水素ステーションについてであります。

 晴海水素ステーションは、都の選手村地区エネルギー整備計画に基づき設置されるものであります。水素ステーションを設置・運営するエネルギー事業者は、基本的な対策として、水素を漏らさない、ためない、着火させないなどに取り組み、既に国内四十六か所で水素ステーションの運営を行っております。区といたしましては、安全・安心な水素ステーションの運営に向け、都やエネルギー事業者に働きかけてまいります。

 次に、月島三丁目再開発の工事期間中の影響についてであります。

 月島三丁目南地区及び北地区の市街地再開発事業を進める上で、工事期間の重複が想定されることから、区として、周辺環境への影響が最小限となるよう、当該二地区の再開発組合に対し、工事車両等の調整を指導しております。これを受けて、二地区の再開発組合では、工事に向けた協議を開始しており、工事工程がまとまった段階で、車両の通行ルート等の具体的な調整を行っていくと聞いております。また、工事の影響を受けるわたし児童遊園や、園内を通る隅田川への歩行者動線につきましては、地域の方の利便が極力失われないよう、月島三丁目北地区市街地再開発組合とその対応について協議を行っているところです。

 次に、築地まちづくりに関する要望書についてであります。

 今回、区が東京都に提出した要望書は、都が今年度に予定している築地まちづくりの事業者募集の実施方針等にその内容を反映させることが目的であり、必ずしも迅速な回答を求めるものではありません。また、要望書において示した、周辺地域との調和のとれたまちづくりとは、都市機能や回遊性確保の観点からのつながりに配慮したまちづくりであり、建物の形状を示すものではありません。市場跡地に計画される建物につきましては、都が築地のまちづくりの将来像や方向性、進め方を示した築地まちづくり方針に基づき、進められるものと認識しており、デザイン等に対する申入れをする考えはありません。

 次に、日本橋川周辺遊歩道計画についてであります。

 本区の日本橋川沿いエリアのまちづくりビジョンで指針として示した川沿いの回遊動線の具現化については、五地区の市街地再開発事業の組合、準備組合が集結し、協議を重ねながら、統一感のあるデザインコンセプトを作成しているところです。各地区の地権者の合意形成や、それを踏まえた設計の進捗に合わせて、行政との協議が行われ、その上で具体的な絵姿が示されるものであります。並行して、各組合の地権者によって、地元組織や町会と連携したエリアマネジメント活動についても検討がなされているところであります。

 次に、区民へのタブレットの提供についてであります。

 学校において使用しているタブレットについては、その耐久性などを考慮し、リース期間が定められており、期間終了後、ほかに活用することは適切ではないと考えております。また、令和二年版情報通信白書によると、スマートフォン、タブレットなどICT端末の世帯保有率は九六%を超えていることから、区として区民へ提供する必要はないものと考えております。

 次に、医療的ケア児の保育園や学校への受入れについてであります。

 保育園での受入れにつきましては、個々の状態に応じた特別な配慮が必要であることから、これまでも、具体的な医療ケアの内容のほか、主治医や園医の意見等を踏まえ、看護師を増配置するなど、国の示すガイドラインに沿って対応しております。また、学校での受入れにつきましては、現在、ガイドラインの整備はしておりませんが、医療的ケアの必要な子供の就学に際し、保護者と相談しながら、その子供に適した学びの場として、都立特別支援学校を提案しております。相談の結果、区立学校に就学する場合には、東京都の指針等を参考にしながら、支援の内容に応じて看護師の配置等を行うなど、受入れ態勢を整備することになっております。医療的ケア児を受け入れる際の課題といたしましては、保護者の意向と支援内容に違いがあることと認識しており、今後とも、保護者への十分な説明と相談を通して、子供の最善の利益を考慮した支援を行ってまいります。

 次に、民生委員推薦会委員の委嘱についてであります。

 民生委員推薦会委員につきましては、区議会議長宛てに候補者の推薦を依頼しております。このため、お尋ねの内容については、お答えする立場にございませんので、答弁は控えさせていただきます。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 初めに、児童数の推計とその対応についてであります。

 児童数の推計については、毎年度、最新のデータを基に実施しております。久松小学校における推計では、平成二十九年度における予測を上回る転入超過が続き、その傾向を反映し、推計した結果、児童数が増加となったものであります。今後とも、最新の推計を基に、時期を失することなく、教育施設の適切な整備が図れるよう、まちづくりについて区長部局と緊密に情報共有を図り、良好な教育環境の確保に努めてまいります。

 次に、タブレット端末の活用についてであります。

 本年四月から児童・生徒に一人一台のタブレット端末を配付し、家庭での活用を開始したところであります。今後の学習用ソフトウエア等の充実につきましては、学習における有効性やセキュリティポリシーに基づく安全性を検証しながら、導入に向けて検討を行ってまいります。また、児童・生徒の健康面につきましては、長時間利用や近距離での使用の留意点など、学校を通じて児童・生徒、保護者に対して周知を図っております。今後は、定期健康診断の結果等を踏まえ、学校医からの助言を得ながら、子供たちの心身に影響が生じないよう、タブレット端末の適切な使用について適宜指導を行ってまいります。

 答弁は以上であります。

〔十一番 小坂和輝議員登壇〕

○十一番(小坂和輝議員)
 それぞれに御答弁をありがとうございました。

 幾つか前進した部分もしくは今までにされてきた部分、大変感謝します。例えばHER‐SYSは本人が要望すれば利用できるようになっているとか、東京二○二○大会のときには電話相談窓口をつくってくださるとか、月島三丁目において工事車両の動線の調整をしている。また、わたし児童遊園から隅田川のほうに出る動線の確保をきちんとしてくださっている。また、日本橋においては、エリアマネジメントの話合いの場をきちんとつくっている等々、御答弁いただきました。

 確認もしくは再質問の部分でございますけれども、まず、感染対策について、学校なり、幼稚園・保育園における感染症の広がりは、医者においては大変重要な情報であります。これを医療者間で知るということは、どの保育園でコロナの陽性者が出たとか、そのことの情報はすごく大事で、その保育園から来た患者なら、コロナの可能性をちょっと考えるかという、一つの疫学情報にもなりますので、これは単に園医だけで共有するものではなく、また、園医がその保育園だけの情報を知っていても駄目なわけであって、それらは共有する必要があります。その共有をするということが差別の助長になるとか、それは一体どのような論理で差別の助長になっているのか。これは医師間であって、医師は情報をきちんと守る立場にありますから、そういうことは絶対ない。それに関して、保健所長、分かりやすく御答弁いただけますでしょうか。

 二つ目に移ります。

 ポストコロナのまちづくりに関しまして、このまま進めていくというふうなニュアンスで受け取ったんですけれども、本当にそれでよいのでしょうか。都市整備部長、本当にそれで大丈夫なんでしょうか。このままの調子で進めば、温暖化も進んでいき、それで気候変動が起きるということは、世界中の皆様が知っていることであり、東京のような超高層の開発等々で温室効果ガスが出やすい状況をつくると。この勢いを抑えるということがもともと必要であった。またはつくったところに、一般的な話でありますけれども、人口減少・成熟社会において誰が住むのかとかになってきた場合に、物件は本当に埋まるんでしょうか。

 また、ポストコロナです。密をつくるような環境が生じるわけでありますから、本当にこのまちづくりを、今、ここで見直す必要はないのか。このまま続けて、またコロナの次の新型インフルエンザのようなパンデミックが起きて、また経済が落ち込んでしまう。そのようなことを繰り返しては駄目であって、まちづくりにおいても、きちんとその辺も含めた、また地方との連携も含めたまちづくりというのが必要なのではないかと考えるところであります。ですので、都市整備部長の考えるところのポストコロナのまちづくりに関して、注意すべき点など何か考え方を述べていただければありがたいかなと考えるところであります。

 また、教育部門とのまちづくりにおいて情報共有をしていくというふうな答弁もありましたので、現在、情報共有をどのような形で教育部門としているのかということも、現場感覚で述べていただければありがたいかなと考えるところであります。ポストコロナにおいて、方向性の転換は絶対に必要だと考えますので、ぜひとも御答弁いただければと思います。

 築地のまちづくりに関しまして、秋に二回目の要望書を出し、その後、東京都から返事をいただくというふうな流れは、本当にそれで大丈夫なんでしょうか。やり取り、キャッチボールの中で方向性が見えてくるんじゃないですか。だったら、五月二十日に出した要望書の返事はすぐにもらって、ここが合っていない、ここが合っているとかいうことを早めに知ることによって、東京都とすり合わせる必要があるのではないかと考えますが、そのあたりの要望書に対してのお返事、もしくは、このようなところで既に東京都は難色を示している、このように同方向を向いているとか、そのあたりの考え方を教えていただければと思います。

 医療的ケア児に関しましては、今まで何度も質問してきたところでありますけれども、一番大事なのは、保育園なり学校に安心・安全に通えるためには、どのようにケアをしていくかということを、共通の認識の下でケアに当たっていくということです。であれば、ガイドラインをきちんと整備するということが求められておりますけれども、医療的ケア児の方々、気管切開があるとか、そういう方々が、それ以外は通常の皆様と一緒に学ぶことができるという場合において、学ぶ環境を整えるために、それらガイドラインをきちんと整備しているかどうか、もう一度そのあたりを明快に、ガイドラインをつくるに当たって、こういう課題があるとか、そのあたりについて教えていただければと思います。

 終わります。

〔副区長 吉田不曇君登壇〕

○副区長(吉田不曇君)
 私のほうから、関連する三項目についてお答えいたします。

 まちづくりについて、ポストコロナということで大分お話しになっていらっしゃいますけれども、ポストコロナというものについての受け止め方というのは、これもいろいろあると思います。私は、ポストコロナの中で、人間というものは社会的な動物で、人との交流なしには済まないということ、実は、ステイホームとか何かと言われながら、逆に、人間は社会的な動物で、それぞれの交流が進んでいかないと、かなりストレスのたまる社会的な存在なんだということを痛感した部分があって、中央区のような都心の区というところは、やはり日本全国の人たちが集う、あるいは世界の人たちが集う、そういう交流の舞台として、むしろ世界一安心・安全、清潔であって、かつおいしいまちとして、これからポストコロナにおいて、より一層交流のまちとして発展すべきではないだろうかというふうに考えております。ポストコロナについて、幾つか議論があるでしょう。しかし、私は、そういう物の見方もあると思いますので、その部分も含めて、今のまちづくりを基本的には進めていきたいと思っております。

 それから、学校関係の問題について、教育委員会との連携について現場感覚で教えてほしいということでございます。

 現場感覚で正直に申し上げます。私どもは、本当に初期の、人口が減少して、人口が減少するから銭湯も減ってしまって、お店も減ってしまってというような状態で、苦しい思いの中から人口回復をしてきた。そして、人口回復がある程度、緒に就いたときに、やはり教育施設にちょっと不足が出るかなというところがあって、御案内と思いますけれども、私どもは、明石小学校の建て替え、中央小学校の建て替え、明正小学校の建て替え、そして、昭和五十五年に造ったにもかかわらず、豊海小学校の建て替えをしたわけです。小坂議員は、体を柱に縛りつけても明石小学校の建て替えに反対されたわけでございますから、そういう部分を含めて、いろいろな御意見がおありでしょうけれども、こういった部分についての連携というものはきちんとやっています。

 私どもが明石小学校を建て替えなかったら、中央小学校を建て替えなかったら、豊海小学校は建て替えられましたか。豊海小学校は、きっと建て替えられていないですよ。それでは、あちらのほうが先、こちらのほうはほったらかしかといって問題が出てしまったでしょう。そういった連携と計画性というのをそれなりに持って、行政というものは運営しているわけです。その点は、何度説明しても分からない方もいらっしゃいますから、行政としては大変つらいところでございますけれども、そういった部分はきちんとした連携を持っています。よく横断的にというふうにおっしゃる。行政の中で横断的な部分に不足が生じてくるところは、それなりにあるかもしれないけれども、それを埋める日頃の努力というものは、行政全般の中で必死になってやっています。その点は理解をしていただきたい。

 それから、築地のまちづくりについてでございます。

 我々が要望している事項は、区民や、その地域の方々にとって絶対実現をしてくれなければ困る事項、切実な事項です。だから、前議員の質問にお答えしているように、道のりは長いんです。十年かけてつくっていく中で、実現しなければ困るんです。

 今、東京都に回答を求めて返事をもらうということに趣旨があるわけではないというふうに申し上げました。それはなぜか。具体的に実現しなければ困るからです。東京都が言った部分は言った部分で、ありがたいでしょうけれども、東京都が何を言おうと、それよりも何よりも、それを具体的に行う事業者が実現してくれなければ困るわけです。そのためのこれからの都市計画や環境アセスや、そういう手続における話合い、それから今後の事業者との具体的な協議、そういったところを十分心して話合いをしていく。これが大事なのであって、今、東京都の回答を即座に求めることは大事だということでは全くありません。

 我々はむしろ、本当にこの要求は切実なもので、この要求は絶対下ろすことがないんだということを、不退転の意思を天下にはっきり示すことによって、来年度以降決まっていく事業者に、地元区として、これは前から言っているじゃないか、このことは事業者として絶対実現してくれなければ困る、そういう事項を要求しているつもりでございます。ですから、デザインがどうだとかいう、ぺらぺらした話は私どもは一切いたしません。

 以上でございます。

〔保健所長 渡瀬博俊君登壇〕

○保健所長(渡瀬博俊君)
 私からは、先ほどお尋ねがございました、区内の開業医等におきまして、いわゆる情報の共有のところの再質問のことでお答えいたします。

 個々のケースによって異なるので、なかなか一般化してお話しすることは難しいですけれども、コロナのみならず、様々な感染症は学校、保育園、幼稚園、そういうところで流行する場合がございます。そういった場合については、保健所のほうで調査をします。同時に、必要な方は医療機関のほうへ結びつけるといったことを保健所のほうではしていると。コロナに関しても、同様の調整を図っているところでございます。

 そういった中で、区内の医療機関のほうに知っていただきたい情報というのは、例えば、今、区内でどんな病気が、どのぐらいの程度はやっているのか、そういったいわゆるサーベイランス情報については、区の医師会の先生方にも周知していきたいというふうに考えているところでございますが、個別具体の情報に関しては、例えば大流行している学校あるいは保育園の中で二次感染が起きていないか、そういったところを確認する上で必要な部分に関しては、必要なところでその調査をしていただきたい。

 ただ、そういった情報をほかの周りの医療機関のほうにも流した場合、例えば、お母さんとか保護者の方とかが病院に来た際、そこの学校で流行しているという話を聞いたけれども、そういったところはどうなんでしょうかというふうに聞かれた場合、医師のほうでは当然、個人情報ではないので、答えますと、それをもって例えば学習塾等でその学校の生徒は出席しないでほしいというような要請があったりといった様々な影響が、その後も生じているといった事例もございますので、必要なことに関しては、情報として、必要な医療機関には情報提供しておきますが、個々の事例について広く周知を図るようなものではないというふうに考えているところです。

 仮に、情報として必要なものとしては、例えば、不特定多数の者が利用するような施設での流行状況、そういったところの中で知らないうちに感染している人がいるような場合については、発病する人がほかに広がっていかないようにというような形での公表は必要になってくるかもしれないですけれども、今回のこういった事例に関しては、そのような考えの下に対応しているというところでございます。

〔福祉保健部長 田中智彦君登壇〕

○福祉保健部長(田中智彦君)
 私からは、医療的ケア児の御質問に対しての答弁をさせていただきます。

 小坂議員のほうからもお話がありましたが、医療的ケア児が保育園に入園する際には、どういったケアをしていくか、これが確かに一番大事だというふうに考えているところでございます。そういった意味では、例えば保育園であれば、区長から答弁させていただきましたが、保護者、それからお子様の主治医、園医、それと園の園長以下、保育士が一堂に会して、実際にこのお子さんの保育園の中での生活をどのようにしていくのかという部分のお話合いをさせていただいた上で、その条件に合った形での保育を実施しているといったようなことになってございます。

 ガイドラインにつきましては、区長から答弁させていただきましたが、保育園においては、国のガイドラインを活用し、学校におきましては、東京都の指針等を参考としながら示しているという部分でございます。

 今、御説明いたしましたように、医療的ケア児につきましては、それぞれ症状と状態が異なっております。また、そのお子さんが利用する学校や保育園も、その場所によって状況、また、周りにいるお子さんも含めまして、環境が異なってございます。そういった意味では、ガイドラインや指針に基づいて一律に対応するというよりは、我々とすると、区長答弁で申し上げましたように、それぞれの中でしっかりと相談をし、お子さんにとって何が一番よろしいのかというところを考えながら対応することがいいと思ってございますので、今後も引き続き、こういった対応をさせていただきたいというふうに思ってございます。

 答弁は以上でございます。

〔十一番 小坂和輝議員登壇〕

○十一番(小坂和輝議員)
 それぞれにありがとうございました。

 明石小学校に縛ってとか、そういうことはやってはいないですけれども、ただ、住民とのコミュニケーションがなされていなかったというところに関して、私はきちんとコミュニケーションを取りながら、それを取ったがゆえに、あのようなより歴史的な外観を残したとは思います。

 ただ、豊海小の例も出てきましたけれども、早めに改装する必要があったとか、やはりまちづくりの住民のスピードに教育委員会が間に合っていないという問題はあったわけであって、そういうのを何回も繰り返しては駄目ではないですか。それを繰り返さないように、きちんとやっていただきたいと思うところです。

 また、ポストコロナのまちづくりに関しては、本当に今までと同様な方向性でいってよいのかというところはあります。これからは箱というものが必要なくなるのではないか、鉄の箱も必要ない、また大きな箱も必要ないということもあります。もちろん、吉田副区長がおっしゃるように、人と人とのコミュニケーション、交流は大事です。対面での交流も大事ですけれども、地球環境なり、それらも考えながらの在り方を、ぜひとも住民との開かれた場でのコミュニケーションを取りながら、まちづくりを進めていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後五時二十七分 休憩


     午後五時四十五分 開議

○議長(木村克一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。

 二十七番田中広一議員。

〔二十七番 田中広一議員登壇〕

○二十七番(田中広一議員)
 中央区議会公明党の田中広一でございます。私は、令和三年第二回区議会定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、通告書に従い、区長並びに関係理事者に対し質問させていただきます。どうぞ意のあるところをお酌み取りいただき、明快にして建設的な御答弁を期待いたします。

 まず、初めに、危機管理体制の強化と新型コロナウイルス感染症対策についてお尋ねいたします。

 現在、感染症のパンデミックという未曽有の事態と向き合っている中、改めて歴史から今を生きる知恵を学ぶことが大切ではないでしょうか。速水融氏著作の「日本を襲ったスペイン・インフルエンザ」によりますと、一九一八年から一九二○年にかけて流行したスペイン風邪は、世界で四千万人以上もの命を奪ったと述べられています。日本では、三、四回の感染の波があり、約四十五万人がお亡くなりになりました。スペイン風邪のときと現在の感染防止策を比較してみますと、手洗いを除き、うがいの励行やマスクの着用など、多くの共通点を見いだすことができます。多くの国が外出禁止や都市封鎖を強制的に実施してきた中、日本は要請と自粛のみで感染拡大を防いでいますが、この傾向も当時と変わっていないようです。世界中で猛威を振るったスペイン風邪ですが、日本では、その後、人々に忘れ去られてしまいます。それは、収束後の一九二三年に発生した関東大震災、さらに、その後の第二次世界大戦によって日本の風景は一変し、そのインパクトがあまりにも大きく、スペイン風邪は人々の記憶から消え去ってしまったようであります。

 歴史学者の磯田道史教授は、自然災害が昔から周期的に発生してきた日本においては、災後というものはなく、私たちは常に災間、災害と災害の間を生きているという認識が適切ですと指摘しています。さらに、感染症についても同様で、環境破壊が進み、大量かつ短時間での人の移動が可能になった現代は、新しい感染症がいつ現われてもおかしくありません、私たちは、疫間を生きているのですと述べられております。

 この災害と災害の間を生きるという認識は、大変重要な視点ではないでしょうか。つまり、次の災害は来るという視点に立つとき、必然的に準備を常に怠らず、減災に向けた取組が日頃から求められてきます。このたびのコロナ禍において、これまでに経験したことがないような様々な課題が浮き彫りになったと思います。

 さらに、今後三十年間に七○%の確率で起きると言われています首都直下地震への対応も、しっかりと見直していかなければならないと考えます。中央区は、国の指針に合わせ、感染症を踏まえた防災備蓄品の充実や、ホテルとの連携など、既に進めております。しかしながら、心配なことは、コロナ禍では、電気、ガス、水道などのライフラインがつながっている中での対応でありましたが、首都直下地震が発生し、ライフラインが寸断された状態で、緊急告知ラジオや防災行政無線などからの情報が行き届くのか、また、区への様々な問合せが殺到する中、各部署における対応が非常に重要となってまいります。災害時は、担当部署だけで対応できるわけではなく、全庁を挙げて協力し合いながら、迅速かつ柔軟に対応することが求められます。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 このたびの新型コロナウイルス感染症における現在までの教訓をどのように分析されておられますでしょうか。

 さらに、今後の首都直下地震などの危機管理体制について、どのように強化していこうと考えておられるのか、御見解をお聞かせください。

 コロナ禍において、改めて正確な情報の発信や、受け手側にとっての分かりやすさがこれまで以上に求められたことは言うまでもございません。特に、SNSは、新聞やテレビと並び、日常に欠かせない情報収集手段となっています。ジャーナリストの国谷裕子さんは、コロナ禍における情報発信について、受け手であると同時に、発信者にもなる視点から、次のように述べています。今はSNSなどで誰もが情報を発信することができますが、発信する前には、自分と反対の立場の人や違った考えを持っている人がいるかもしれない、この発信で傷つく人がいるかもしれないと想像し、一呼吸置く冷静さを持ってほしい、一人一人が情報と正しく向き合うことで、対話の文化、ひいては平和の文化が築かれていくと思いますと、大切な情報との向き合い方について述べられておりました。

 中央区は、人口が増加し続けており、これまで以上に正確な情報を発信していくことの大切さや、受け手の皆様に分かりやすく伝わるような工夫によって、地域の安全・安心につながります。日頃、地域の方から、ホームページを開いて目的の情報までなかなかたどり着かない、もう少し見やすくしていただきたい、安全・安心メールも以前のほうが読みやすかったなど、様々な声をいただいております。中央区として、ホームページや広報紙、区のおしらせちゅうおう、各SNS、広報番組など、様々な取組をしていただいておりますが、受け手側が情報をキャッチすることができなければ、発信した意味が半減してしまいます。

 一方で、これまで様々な工夫をしていただいています。例えば、広報紙、区のおしらせちゅうおうの表紙の構成を少し変えていただいただけでも、地域の方々から、見やすく温かみが伝わってくるようになりましたねとの声をいただくようになりました。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 中央区のホームページなど、広報力の向上を図るため、デザインの専門家を招くなど工夫し、検討チームを立ち上げ、区民の皆様にとって分かりやすく、見やすい情報発信の体制強化を進めていくべきと考えますが、御見解をお聞かせください。

 第三点目にお伺いいたします。

 地域の方々から、東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会における新型コロナウイルス感染症対策に不安の声が寄せられております。安全・安心につながる情報発信を進めていただき、不安の解消に努めていただきたいと考えますが、御見解をお聞かせください。

 日頃、地域の方々とお会いしますと、ワクチン接種二回目が無事に終了しました、スムーズに予約ができて安心して接種ができましたなどのお声をいただきます。六月十二日付の読売新聞によりますと、高齢者の一回目の接種率を調査したところ、全国で最も高いのが東京都中央区で、七○・九%に達したとの報道がありました。新型コロナワクチン接種に携わる関係者の皆様に心から敬意を表しますとともに、担当部署へのさらなる支援体制の強化をお願い申し上げます。

 また、日頃、人と接する機会が少ないためか、道端でお会いすると、つい話が長くなってしまいます。その背景には、病気のことや仕事、介護、子育てなど、様々なことで悩んでおられる方が少なくないと感じ取ることができます。改めて、人とのつながりの大切さを実感するとともに、コロナ禍において行政の役割が非常に大きいと感じます。

 現在、国において新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引きの改訂がその都度行われ、中央区としても迅速に対応し、コロナ禍収束の切り札となるワクチン接種の取組が加速して進められております。

 そこで、第四点目にお伺いいたします。

 ワクチン接種について、これまでの取組状況をお示しいただくとともに、五十九歳以下の方々への接種券の発送時期など、今後のスケジュールの見込みと、接種率の推移をどのように考えておられますでしょうか。御見解をお聞かせください。

 高齢者の中には、接種を希望しているにもかかわらず、予約方法が分からないなどの声も寄せられ、きめ細やかな支援が必要と感じております。区では、既に新型コロナワクチン接種支援薬局の設置など、相談体制等の充実を図っていただいています。他の自治体においても、区の職員の方から電話で案内をしたり、返信用封筒を同封した郵送受付も行っており、工夫しています。

 そこで、第五点目にお伺いいたします。

 在宅療養の方や、支えておられる御家族の方々、ひとり暮らし高齢者や障害のある方々など、希望される皆様が安心して接種できるよう、さらなるきめ細やかな支援を検討していただきたいと考えますが、御見解をお聞かせください。

 次に、経済対策についてお尋ねいたします。

 三度目の緊急事態宣言が発令された四月の帝国データバンクの調査によりますと、新型コロナの影響について、「既にマイナスの影響がある」、「今後マイナスの影響がある」と回答した企業は、合わせて七五・四%と、三月に比べ○・九ポイント増え、プラスの影響があると見込む企業は、二か月ぶりに減少に転じました。業績にマイナスの影響があると答えた業種は、旅館・ホテルが九七・一%、飲食店九三・一%などが九割を超えて顕著に示されておりました。

 地域の中では、様々な理由で閉店するお店が出てくるなど、区内の景色が変わってきました。日頃から、経営の問題など、小規模事業者の方々から様々な御相談をお受けしており、悩んでおられる方が多いと感じております。中央区では、今年の補正予算や新年度予算において、キャッシュレス決済ポイント還元事業や区内共通買物・食事券、販路拡大を目指す支援事業、緊急特別資金融資など、各事業を実施しておりますが、今後もさらなる支援策が必要と考えます。

 そこで、第六点目にお伺いいたします。

 コロナ禍において取り組んできました経済対策について、現在、どのように分析し、今後の事業展開に生かしていこうと考えておられますでしょうか。

 さらに、東京都によるポイント還元補助事業の財政支援を今後どのように活用し、地域経済の活性化につなげていこうと検討されているのか、併せて御見解をお聞かせください。

 次に、SDGsの取組についてお尋ねいたします。

 日頃、多くの方々とお会いしますが、コロナ後の社会がどのように変化していくのかなど、不安の声をいただきます。歴史学者の磯田教授は、次のように述べられています。歴史をひもとくと、パンデミック後の社会はよい方向にも悪い方向にも振れる可能性があり、せめぎ合いの時代が続くと予想されます、その意味でも、これからの十年は人類の意思と行動が試される勝負の十年と言っても過言ではありません、さらに、平和と人権に対する尊敬心と他者を思いやる共感性が社会の根底にあることが求められますと指摘しております。

 磯田教授のお話を伺い、私は、中央区基本構想策定時の竹内会長の言葉を思い出しました。それは、基本構想の題名である「輝く未来へ橋をかける ── 人が集まる粋なまち」の粋について、次のように語られておりました。粋とは、他者への思いやりの行動や身なりのことであり、つまり、他人が不愉快に思わないということである、したがって、粋なまちとは、人が集まり、人に対して受け入れる雰囲気がある、思いやりのあるまちである、だからこそ、皆が住みやすく働きやすいと、基本構想策定に込められた思いを述べられていたことが大変印象に残っております。中央区は、二十年後の将来像を基本構想として掲げておりますが、粋なまちを実現していくことが、将来の中央区の発展だけではなく、東京都を牽引していく重要な使命があると感じます。

 一方、世界に目を向けますと、国連はSDGs、持続可能な開発目標を二○一五年九月に採択しました。中央区が取り組んでいる各施策においても、SDGsにつながる事業が多くあると思います。こういうときこそ心の絆を強く結び直し、つながり続けなければならないと考えます。そして、中央区の取組が、誰一人取り残さないという持続可能な開発目標、SDGsの理念の下、世界の共通課題に対して連帯して挑戦していくべきではないでしょうか。

 中央区基本計画二○一八は、十年間を見据えた具体的な施策を示したものでありますが、コロナ禍における様々な変化や、東京二○二○大会の延期に伴うまちづくり、東京高速道路(KK線)再生方針の策定や、築地川アメニティ整備構想による銀座外周のプロムナード化への検討など、重要課題を計画化しながら、五年目をめどに改定を検討し、併せて、その際にはSDGsの理念を最大限反映させていくべきと考えます。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 中央区基本計画二○一八において、コロナ禍などによる様々な変化や、銀座外周のプロムナード化に向けた各事業の計画化を進めるとともに、SDGsの理念を最大限反映し、改定作業を検討していくべきと考えますが、御見解をお聞かせください。

 世界で警鐘が鳴らされている最大のリスクが気候危機であります。これまでのように二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を続ければ、地球温暖化によって生じる気象災害、生物多様性の喪失、食料生産への打撃など、持続可能な環境を維持することが困難になってまいります。中央区では、中央区の森事業をはじめ、様々な取組を進めております。今後は、これまで以上に、中央区、地域の方々、民間企業、団体などが連携しながら、さらに取り組んでいかなければなりません。

 鎌倉市では、今年から、地域の課題解決につながる活動にスマートフォンのアプリを活用して、地域の誰もが気軽に参加できるSDGsつながりポイント事業を開始しました。これは、SDGsへの意識醸成、人やコミュニティ等とのつながりの創出及びその可視化を通じて、地域課題の解決や地域経済の活性化、SDGsの達成に向けた取組の推進を目的に実施されております。例えば、まちのごみ拾いに参加したら、クルッポというコミュニティ通貨、地域通貨としてのコインがもらえます。このクルッポを使って、賞味期限が近いパンを購入することができ、人々の交流も促進されるという事業です。既に実証実験が行われ、市民や企業等が参加して、海岸や商店街の清掃、売れ残りのパンの購入など、課題解決につながる様々な活動が実施され、参加者からは、SDGsとのつながりに改めて気づいたなどの声が寄せられたようです。また、昨年の十二月には、鎌倉市SDGs推進隊キックオフイベントが行われました。ここでは、子供たちによる、かまくらジュニアSDGs宣言が行われ、緑を増やします、出かけるときはエコバッグを持ち、できるだけ環境に優しいものを買います、みんなを大切にしますなどが発表され、意識の啓発が図られました。

 一方、中央区では、地球温暖化防止に特化した事業として、中央区版二酸化炭素排出抑制システム、中央エコアクトを実施し、家庭用及び事業所用と分けて取り組んでおります。このように、中央区では、既に地球温暖化に向けた取組を実施しておりますので、人々が交流できるように、区民や地域、民間企業などと連携しながら、本事業をさらに充実、発展させ、SDGsの達成に向けた事業として進めてはいかがでしょうか。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 現在、中央区が取り組んでおります中央エコアクトの取組状況をお示しください。

 第三点目にお伺いいたします。

 SDGsの達成に向けた取組として、地域や民間企業などと連携しながら、人とのつながりの創出や地域経済の活性化などに寄与する中央区版のSDGsポイント事業を検討していくべきと考えますが、御見解をお聞かせください。

 次に、LGBTなど性的少数者への支援についてお尋ねいたします。

 本年六月七日の東京都議会本会議において、LGBTなど性的少数者のカップルを公認するパートナーシップ制度の創設を求める請願が全会一致で趣旨採択されました。その請願の内容には、LGBTなどについて、無理解や偏見によって、いじめ、ハラスメント、暴力など、子供の頃から経験している人が多い、パートナーシップ制度によって、生まれてきたこと、生きることを祝福し、未来に夢を抱くことができるようになるとあり、制度を求める思いが伝わってまいります。

 また、都議会公明党、高倉議員のパートナーシップ制度の創設に踏み出すべきとの代表質問に対して、東京都知事より、次のような答弁がありました。今年度、当事者の切実な声や都民の意見を幅広く把握するための実態調査を実施いたしまして、都としての同性パートナーシップ制度の検討を進めてまいりますと、制度創設への検討を表明しました。

 中央区では、二○一八年五月三十一日に、多様性を認め合う社会の構築を目指し、性的少数者(LGBTなど)にとっても住みやすい環境をつくるための陳情が中央区議会に提出されました。私も、パートナーシップ制度の創設を求める支援団体の方からお話を伺う機会がありました。無理解や偏見によって差別を受けたり、様々な困難に直面してきた思いを語りながらも、パートナーシップ制度の創設については、多くの方々の理解を踏まえた上で進んでいくことが望ましいと、誠実な思いを語られていたことが印象的でした。このたび、東京都が制度創設に向けて検討を開始しましたが、例えば、都営住宅の入居要件の変更を行うのであれば、併せて、中央区立住宅や区営住宅などの入居要件の変更も行っていくことが必要ではないでしょうか。

 中央区基本構想では、全ての区民が多様性を認め合い、心豊かに暮らせる地域社会の実現を目指しており、さらに、基本計画二○一八では、多様性を認め合う社会の構築を施策に掲げております。また、SDGsには誰一人取り残さないとの理念の下、ジェンダー平等の実現目標が掲げられ、さらに、いかなる種類の差別も許されないというオリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念があります。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 東京都がパートナーシップ制度導入へ動き出す中で、中央区も合わせて連携しながら検討を進めていくことが、性的少数者の方々への大事な支援につながると考えますが、御見解をお聞かせください。

 第二点目にお伺いいたします。

 今後も、LGBTなど性的少数者の方々の理解を深める講座の実施などを推進するとともに、中央区のホームページなどに東京都性自認及び性的指向に関する専門相談のお知らせなどを掲載し、相談窓口の周知を行って、支援策を充実すべきと考えますが、御見解をお聞かせください。

 次に、産後ケア事業などの拡充についてお尋ねいたします。

 中央区の出生数は、二○○三年では八百一人でしたが、人口が増加するにつれて、二○一六年から二千人を超えており、増加傾向が続いております。

 しかしながら、孤立化が進んでいることが懸念されます。民間研究機関の調査によりますと、「子育ての悩みを相談できる人がいる」と回答した方は、二○○三年は七三・八%であったところ、二○一四年には四三・八%と減少しております。同様に、「子どもを預けられる人がいる」では五七・一%から二七・八%に減少し、さらに、「子どもをしかってくれる人がいる」では四六・六%から二○・二%に減少し、社会の変化が感じられます。

 中央区子育て支援に関するニーズ調査報告書では、子どもを保護者に代わってみてくれる親族・知人の有無の設問で、「いずれもいない」と回答された方が二八・七%で、子供の年齢別で見ますと、ゼロ歳の三六・一%が最も高くなっております。さらに、厚生労働省の調査によりますと、全国の児童相談所での児童虐待相談対応件数では、二○○三年度の二万六千五百六十九件から二○一九年度の十九万三千七百八十件に増加し、大きな社会問題となっています。

 特に、出産後は、大きな喜びと、その反面、心身ともにダメージが大きいと言われております。中央区子育て支援に関するニーズ調査報告書にある産後の母親の身体面、精神面の体調の問いでは、「睡眠が十分に取れなかった」が七○・八%で最も高く、次いで「体の疲れが取れなかった」が五六・四%と回答しており、各御家庭の環境は様々であるとは思いますが、不安定になりやすいと感じます。特に、コロナ禍では産後鬱のリスクが二倍に上昇しているのではないかと指摘されています。

 一方、中央区では、既に虐待などの未然防止策として、なるべく早い段階からアプローチを開始して、保健所と子ども家庭支援センターで連携し、会議を定期的に行いながら、出産前から支援を強化しております。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 コロナ禍において、出産直後の孤立化や産後鬱の現状について御見解をお聞かせください。

 先日、産後ドゥーラについて先進的に取り組んできた一般社団法人ドゥーラ協会の理事の方から、現場の状況などについてお話を伺いました。ドゥーラとは、他の女性を支援する経験豊かな女性という意味のギリシャ語で、出産をする女性に寄り添い、生活に必要な支援をする人のことで、欧米では出産後にドゥーラを依頼することが一般的になっているようです。家事代行サービスのヘルパーと似ていますが、女性の産前産後の心身の状態、家事、育児などの研修を受けている点や、暮らしに関する情報の提供、冷蔵庫にある素材で臨機応変に調理できる訓練も受けており、必要な支援を主体的に行います。

 理事の方からは、昨年の七月に出産し、育児休暇を経て、今年四月に職場復帰した港区在住の三十代の女性についてお話を伺いました。産後三か月のとき、突然呼吸が苦しくなり、過呼吸で救急車で搬送され、医師からは、ストレスが原因と診断されたそうです。港区の産後ドゥーラ訪問支援を活用し、現在も実費で利用しています。

 訪問支援をしてきた産後ドゥーラの方は、次のように語っております。「ママたちは一生懸命です。でも、無理していると気づいていなくて、そのうち疲れてしまう。まして、コロナ禍だから、外出しにくい。友人は来ない。実家の両親に頼めるかというと難しい。頑張っているね、休んでもいいんだよとお伝えしています。」と。

 支援を受けた女性は、外部との接触がない中、息子をかわいがってくれる様子を見ているだけでも、自分が受け入れられているという感覚になりますなどと語り、疲れてつらいときには子供と遊んでもらい、その間、ベッドで横になったり、野菜たっぷりの料理を作っていただき、実家の母親のような存在と感じているようです。

 東京慈恵会医科大学の井上准教授は、育児・家事を回すための直接支援や、信頼できる支援者に子供を任せることができる時間をつくることが必要と指摘しています。さらに、国では、本年五月二十四日の参議院決算委員会において、公明党の下野参議院議員は、家事面も含めて支えることで、産後鬱解消などの成果を紹介し、産後ドゥーラも産後ケア事業を担う専門職の中に含めることはできないかと質問したのに対して、田村厚生労働大臣は、同事業における専門職にドゥーラも入るとの見解を示すとともに、産後ドゥーラの活動の重要性と期待を述べられました。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 出産後の孤立化や産後鬱の対策として、産後ドゥーラによる家事・育児の直接的な支援であるアウトリーチ型の事業も選択肢の一つとして検討していただき、支援体制を強化していただきたいと考えますが、御見解をお聞かせください。

 第三点目にお伺いいたします。

 出産後の孤立化や産後鬱の対策を一層強化するため、聖路加助産院マタニティケアホームで行われている産後ケア事業の拡充と、ベビーシッター利用支援事業の助成拡大も、利用状況など調査検討を踏まえながら、一層の充実を推進していただきたいと考えますが、御見解をお聞かせください。

 最後に、子ども読書活動の推進及び本の森ちゅうおう(仮称)についてお尋ねいたします。

 現在、読書環境において、高校生の不読率が依然として高い状況にあることが指摘されております。公益社団法人全国学校図書館協議会の第六十五回、二○一九年学校読書調査によりますと、五月の一か月間の平均読書冊数は、小学生が十一・三冊、中学生が四・七冊、高校生が一・四冊。また、読んだ本がゼロ冊の児童・生徒を示す不読者の割合は、小学生が六・八%であることに対して、高校生は五五・三%と、進級、進学していくにつれて読書から離れてしまう傾向が顕著となっております。

 さらに、情報を見極める力が問われる国際学習到達度調査、PISAでは、日本の子供の読解力の順位は他の科目より低く、得点も二十年前と同水準です。インターネット上に飛び交う様々な情報と身近に接するデジタル時代であるからこそ、すぐに結論を出すのではなく、立ち止まって深く考える力を身につけることが必要と考えます。特に、今後も新型コロナウイルスとの闘いが続く中、医学や科学技術だけではなく、情報を読み解く力や人に対する思いやりなど、社会全体の知性が問われているのではないかと感じます。その基礎となるのが読書ではないでしょうか。

 そして、中央区の小学生、中学生の状況を見ますと、令和元年度の学習力サポートテストの調査結果では、一か月に読む冊数の問いに、「読まない」と回答した割合は、小学四年生で参加校の平均一六・七%に対し、中央区は一四・○%、中学三年生では、参加校平均二八・三%に対して、中央区は三六・七%となっており、中学生の本を読まない現状が浮き彫りとなっております。確かに、部活動や受験勉強、スマートフォンの使用時間等が増えるといった生活環境の変化が、読書離れの原因の一つとして考えられますが、幼少期に本に対する楽しい体験が残っていれば、いずれ本の必要性を改めて実感するときが来るのではないかと思います。

 文部科学省の委託調査、子供の読書活動推進計画に関する調査研究によりますと、読み聞かせをしていた家庭の子供は、その他の場合に比べて、本を読んでいない割合が少ないことが判明しております。また、書籍「子どもと本」の中で、著者は、子供を本好きにするには、生活の中に本があること、大人が本を読んでやることと指摘しています。したがって、子供のときに心の世界を広げる良書との出会いを増やすことは大変重要であり、食物が体の栄養となるように、本は心を育む滋養となります。

 中央区では、平成二十年に中央区子ども読書活動推進計画を策定し、五年ごとの改定を行い、現在、第三次まで展開され、本の森ちゅうおう(仮称)の整備や、ブックスタート、子ども読書手帳の配布など、四十項目にわたる各種事業を着実に展開してまいりました。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 中央区の子供たちを取り巻く読書環境の現状と、第三次子ども読書活動推進計画の取組状況について御見解を伺います。

 次に、学校図書館の充実についてお尋ねいたします。

 昨年十一月に阪本小学校の落成式に出席させていただき、その折、学校図書館を見学させていただきました。入り口には、地域やPTAの方々から寄贈していただいた本を御紹介するとともに、内装はウオールナット材で整備され、木質化された温かい感じが伝わってきます。さらに、窓側には読書カウンターも設置され、魅力的な空間となっておりました。家などで読むよりも、学校図書館に行って本を読みたいと思うような図書館だと感じました。これまで学校図書館においては、指導員の拡充などを求めてまいりましたが、学校図書館に何度も行きたい、い続けたいと思えるような、さらなる工夫が必要と考えます。特に、現在工事中の本の森ちゅうおう(仮称)では、子ども読書活動の推進を重要施策の一つとして位置づけ、学校図書館との連携強化を掲げております。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 中央区内全ての学校図書館の総点検を行い、組織的にも担当支援室を設置するなど、体制を強化しながら、これまで以上に魅力ある学校図書館の取組を進めていくべきと考えますが、御見解をお聞かせください。

 次に、セカンドブック事業についてお尋ねいたします。

 私は、二○一七年三月に葛飾区立中央図書館を訪問し、子ども読書活動の推進について視察させていただきました。葛飾区では、ブックスタートだけではなく、三歳児を対象にセカンドブック事業も始めました。さらに、二○一五年度からは、かつしかっ子ブック事業を実施し、児童・生徒が読書に親しむ機会を積極的に支援するため、学校と図書館が連携し、学校教育のスタートに立つ小学一年生に、そして思春期を迎え、身体的にも心理的にも大きく成長する中学一年生に、教育委員会が選んだお薦めの本二十冊から希望の本を一冊選んでいただき、より多くの本に自然に継続的に取り組むよう行っています。日頃から、学校での朝の十分間読書や読み聞かせなど、各事業を組み合せていました。また、地域の身近な図書館は、区民にとって必ずお役に立つ施設であるとの強い思いを御担当者が語られ、子ども読書活動を推進する事業の継続と発展につながっていると感じました。

 そこで、第三点目にお伺いいたします。

 今後の第四次子ども読書活動推進計画の策定においては、ブックスタートをさらに発展させ、セカンドブック事業などを検討していただき、子ども読書活動のさらなる取組を進めていくべきと考えますが、御見解をお聞かせください。

 今後、晴海の選手村の跡には、晴海特別出張所(仮称)等複合施設が整備され、その中に図書館が予定されております。同エリアは子育て世代が多くなると推測されており、同施設には認定こども園も併設される予定です。

 そこで、第四点目にお伺いいたします。

 晴海図書館(仮称)において、本の森ちゅうおう(仮称)のノウハウを活用しながら、子ども読書活動を支援するコーナーを充実していくべきと考えますが、御見解をお聞かせください。

 次に、本の森ちゅうおう(仮称)についてお尋ねいたします。

 現在、本の森ちゅうおうは、二○二二年十二月の開設を目指し、工事中です。今年度は、中央区の歴史や文化などの情報を多角的に発信するため、郷土資料館の展示制作等を行うこととなっており、着実に整備が進んでおります。

 そこで、第五点目にお伺いいたします。

 コンセプトにありますように、子供から大人まで誰もが親しみを持って利用できるよう、どのような点に留意して準備を進めておられますでしょうか。御見解をお聞かせください。

 第六点目にお伺いいたします。

 本の森ちゅうおう(仮称)の平成通り側は東京都が所有し、豪雨対策に伴う貯留管の新設を進めております。これまでも企画総務委員会や区民文教委員会などにおいて、本の森ちゅうおうから平成通り側にも通り抜けができるよう東京都に要請していただきたいと要望させていただきましたが、現在の取組状況をお聞かせいただくとともに、その際、公園整備や通り抜けができるよう、文学の道のようなイメージで整備していただきたいと、改めて御提案申し上げますが、御見解をお伺いいたします。

 以上で、私の第一回目の質問を終わらせていただきます。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 田中広一議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、新型コロナウイルス感染症対策の教訓と危機管理体制の強化についてであります。

 新型コロナウイルス感染症は、人々との交流の機会を奪い、経済活動に大きな打撃を与え続け、これまで当たり前だった暮らしや営み、働き方に大きな混乱と変容をもたらしました。日々の暮らしの中で、数多くの方が不安や心配、恐れといった感情を抱きながら過ごされてきたと受け止めております。この間、本区では、区民に一番身近な基礎自治体として、人々の気持ちに寄り添い、区独自の感染症及び経済対策に取り組んでまいりましたが、そこで得た教訓としましては、機動力を発揮した施策の実行性と、区民への適時適切な情報発信の重要性を再認識したことであります。また、いつ起きてもおかしくない首都直下地震等の自然災害に対しても、危機管理体制や防災対策の強化を着実に進めていくことが肝要です。特に、ライフラインの途絶や道路の寸断が生じた際には、情報不足による不安感の増大やデマによる混乱を防ぐよう、区として、迅速かつ的確な対応を取らなくてはなりません。そのためには、災害時に区の全力をもって当たる非常配備職員の強化に加え、区民への情報伝達手段の充実が不可欠であり、併せて、地域防災力に直結する自助・共助の取組に対する支援も継続的に粘り強く行っていく考えであります。さらに、コロナ禍の影響により、三密を避けるという新たな意識が生じたことから、これまで区として推奨してきた在宅避難について、より積極的に普及啓発を行っていく必要があると考えており、避難所としての防災拠点の機能の在り方も含めて、今後、防災拠点運営委員会と連携しながら検討していく所存です。防災対策に終わりはありませんが、区民の皆様と防災関係機関の御協力を得ながら、災害に強いまち中央区の実現に向けて、一歩一歩着実に取り組んでまいります。

 次に、広報力の向上についてであります。

 区政情報は、あらゆる場面において、区民の皆さんに正確で分かりやすく迅速にお届けしなければならないと認識しております。そのため、日頃より視認性の高い広報紙や即時性の高いホームページなど、加えて、SNSを多角的に活用した情報発信に努めているところです。現在、中央区情報化基本方針に基づき、広報媒体の総合的な検討を組織横断的な体制で進めております。令和四年度に予定しているホームページのリニューアルに当たっては、誰もが見やすく、使いやすく、分かりやすいホームページに向け、民間事業者からの提案や助言を受けて検討を重ねてまいりたいと存じます。こうした取組を通じて、情報発信の強化に積極的に努めてまいります。

 次に、東京二○二○大会における情報発信についてであります。

 新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない状況下での大会開催に当たり、選手村のある本区といたしましては、大会期間中の区民生活の安全・安心の確保が不可欠であります。六月十五日には選手らのプレイブックが公表され、大会期間中の行動形態が示されたものの、その実効性や確実性についてどのように担保するのか、さらなる精査が必要であると認識しております。区といたしましては、区民の皆様が大会期間中も安心して生活できるよう、組織委員会に対して万全の対策を講ずるように申し入れるとともに、新型コロナウイルス感染症対策や交通規制情報など、区のおしらせやホームページ等、様々な広報媒体を活用して、区民の皆様に周知を図ってまいる所存であります。また、あわせて、大会時に、区民の皆様からの相談窓口として、組織委員会にコールセンターの設置を要望してまいるとともに、区としても迅速かつ確実に対応できるよう、関係機関と緊密な連絡体制を整えてまいります。

 次に、希望する全対象者への新型コロナワクチン接種についてであります。

 区では、五月二日から高齢者向け集団接種を開始し、ワクチンの供給量に応じて、年齢等の優先順に接種を進めてまいりました。また、接種体制につきましては、五月二十四日から医療機関での個別接種を開始し、ワクチンや接種記録システム機器が確保されたことから、順次、実施医療機関を拡大し、強化してまいりました。今後のスケジュールにつきましては、十六歳から五十九歳までの方に対して、六月二十八日に一斉に接種券を発送いたします。その上で、四十代、五十代の方は七月二日から、十六歳から三十九歳の方は七月三十日から予約を受け付けます。なお、十二歳から十五歳の方には、七月中旬に接種券を発送できるよう準備を進めているところです。接種率につきましては、各時点ごとに求めていませんが、今後、ワクチンが安定的に供給されることで、接種を希望する区民の二回接種が九月中に完了する予定です。

 次に、高齢者等へのワクチン接種に関する支援についてであります。

 区は、ワクチン接種を希望する全ての方が接種できるよう、敬老館などの高齢者施設や区の窓口、おとしより相談センターなどの相談支援機関で案内チラシを配布、掲示するとともに、相談があった場合の対応を行っております。加えて、六月七日からは、区内薬剤師会の協力を得て、新型コロナワクチン接種支援薬局を設置し、相談体制の充実を図ったところであります。また、六月十日に発送した高齢者福祉事業のしおり等にワクチン接種の案内を同封し、高齢者全世帯宛てに接種勧奨を行いました。今後は、こうした取組に加え、ひとり暮らし高齢者の実態調査実施時に接種案内チラシを配布するなど、様々な機会を捉えて周知を行い、支援の充実に努めてまいります。

 次に、経済対策の分析と今後の支援についてであります。

 コロナ禍における区内事業者への支援については、昨年三月に緊急融資制度を創設して以降、御紹介のあった事業などを順次展開してまいりました。このような中、例えば緊急融資は、例年の制度融資全体の四倍以上の御利用がありました。また、本年四月に実施したキャッシュレス決済ポイント還元事業では、決済金額が一月で約十四億円となり、参加店舗からは来客が増えたといった声が多く寄せられているなど、これまで一定の成果を上げることができたと認識しております。その一方で、事業周知の期間が短いことなど、周知の面に改善の余地があるものと受け止めております。そのため、今後、支援策を講じていく際は、関係団体等の御意見を聞きながら、周知方法を含め、さらに効果的で利用しやすいものとすべく努めてまいりたいと存じます。御指摘の都の補助の活用につきましては、現在のところ、具体的な計画はございませんが、事業効果と財政負担の軽減の両面から検討してまいります。

 次に、基本計画の改定におけるSDGsの理念の反映についてであります。

 基本計画二○一八で掲げる施策は、SDGsを構成する十七の目標を網羅しており、基本計画の各施策を積極的に推進していくことが、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に資するものと考えております。現基本計画を策定した平成三十年三月から現在に至るまで、社会経済情勢は大きく変化しております。特に、新型コロナウイルス感染症の流行は、社会経済活動の制限、外出や移動の自粛など、区民生活に甚大な影響を及ぼしております。SDGsとの関係では、テレワークや時差通勤の普及など、目標達成に向けてプラスに作用した面もある一方で、人と人とのつながりの希薄化、雇用の悪化による貧困といった問題が顕在化するなど、マイナスの影響も懸念されているところです。また、本区を取り巻く状況として、築地市場跡地の再開発や、築地川アメニティ整備構想、日本橋上空の首都高速道路の地下化と東京高速道路の再生、さらには地下鉄新線の整備など、将来の東京、ひいては日本の経済を牽引しつつ、持続可能性を高める都市基盤整備の構想、計画も動き出しております。区としては、令和四年度に基本計画の中間見直しを予定しており、見直しに当たっては、こうした環境変化や、コロナ禍で変容した人々のライフスタイル等を適切に踏まえながら、SDGsの理念である誰一人取り残さない包摂的な社会の実現に向けて取り組んでまいります。

 次に、中央エコアクトの取組状況についてであります。

 二○五○年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにするゼロカーボンシティ中央区を実現するためには、区民、事業者の協力が不可欠であることから、家庭や中小規模の事業者でも取り組める中央エコアクトの普及促進は、今後、ますます重要になるものと認識しております。これまで、エコまつり等のイベントや環境情報センターで開催している環境講座などの機会を捉えて周知を図り、令和二年度までに家庭用三百八件、事業所用百件を認証してきたところです。運用開始から十年が経過し、その間、国内外の温暖化対策の動向が大きく変化する中、脱炭素化に向けて、より多くの区民や事業者が連携し、持続的に省エネ活動を実施することが求められることから、現行の周知方法及び個人の取組を評価する仕組みの変更が必要であると考えております。今後、エネルギー使用量の見える化、行動変容を促す情報発信、優良事例の共有など、省エネ活動の輪をさらに広げていけるよう、中央エコアクトの見直しを進めてまいります。

 次に、中央区版のSDGsポイント事業についてであります。

 SDGsの取組を進めていくには、区民や事業者がSDGsを理解し、日頃から主体的に取り組めるような仕組みづくりが重要となります。他自治体において、SDGsの達成に向けて、地域の社会的課題の解決を図る活動に、ポイントを通じて、住民や事業者の直接または間接的な参加を促す取組が行われていることは承知しております。区といたしましては、こうしたポイント制度が、区民、事業者にとってSDGsの理解、取組につながるのかをしっかりと注視し、メリット、デメリットも含め、研究してまいりたいと存じます。

 次に、パートナーシップ制度についてであります。

 この制度は、法に定める婚姻制度とは異なること、また、婚姻の在り方や家族観などについても様々な考え方があることから、本区においては、国などが広域的に取り組むべき課題と考えているところであります。今般、都知事が都議会第二回定例会において、パートナーシップ制度の検討を進めると答弁したことから、都において、制度導入に向けて検討が進んでいくものと考えております。この制度が創設された際には、パートナーであることの宣誓や届出に対して、都がパートナーとして認める証明書を発行するものと想定されます。区といたしましては、都の動向を注視するとともに、本区における対応について検討してまいります。

 次に、講座の実施や相談窓口の周知についてであります。

 区では、これまで、憲法週間行事としてLGBTをテーマとしたトークショーを開催したほか、女性センターでの講座を実施し、人権意識の普及に努めているところです。また、毎年十二月の人権週間に合わせ、東京都性自認や性的指向に関する相談など、国や都の相談窓口を区のおしらせに掲載し、周知に取り組んでおります。今後は、必要な方がいつでも情報を得られるよう、区ホームページにも各種相談窓口を掲載するとともに、引き続き、性的少数者を含め、様々な人権への配慮や多様性の尊重などに対する区民の理解が広がるよう、機会を捉えて啓発に努めてまいります。

 次に、コロナ禍における出産直後の孤立化や産後鬱の現状についてであります。

 区では、お子さんの出生後一か月を目途に、助産師や保健師による乳児家庭全戸訪問を行い、その際に、お子さんの生育状況や保護者の身体面、精神面の状況などについて確認するとともに、産後鬱のスクリーニング検査を行っています。その検査において、コロナ禍を契機に、産後鬱の指標が悪化したということも特になく、訪問時の状況においても、出産直後の孤立化といった状況は見受けられませんでした。

 次に、産後ドゥーラの活用についてであります。

 出産後の孤立化や産後鬱対策として、本区では、育児支援ヘルパー事業を実施し、豊富な知識と経験を有するヘルパーの派遣により、家事、育児だけでなく、利用者の要望に応じて、子育てに関するアドバイスも行っております。また、今年度開始したベビーシッター利用支援事業では、ベビーシッターが保護者の相談に乗りながら一緒に保育する共同保育を実施しております。現状におきましては、こうしたメニューの活用により対応しておりますが、コロナ禍により、アウトリーチ型のサービスに対するニーズも高まっていることから、産後の母体の回復を第一に考え、母親が安心して休んでいられるよう、育児や家事をサポートする産後ドゥーラの活用についても、多様なサービスの選択肢の一つとして検討してまいります。聖路加助産院マタニティケアホームで実施の産後ケア事業については、利用者アンケートによると、非常に満足度が高いものとなっております。また、ベビーシッター利用支援事業については、施設型の一時預かり保育の実績等を踏まえつつ、財源確保も含め、総合的に検討を行った上で、制度として事業化しております。そうしたことから、現在のところ、直ちに事業の見直しを行う予定はございませんが、今後も利用者のニーズ等を注視しながら、各種子育て支援策の充実に努めてまいります。

 次に、本の森ちゅうおうに隣接する都有地についてであります。

 現在、下水道関連工事が行われている隣接都有地については、工事完了後に、平成通り側からも出入りができる通路を設けていただくよう、都と協議しているところです。都からは、下水道関連工事について、完了まで相当な時間を要するものの、今後、当該都有地の整備について検討、調整を行っていくとの説明を受けております。区といたしましては、本の森ちゅうおうから平成通りにかけて緑でつながる空間が整備されることは、多様な人々が憩い、集い、交流できる場として、桜川公園や女性センターまで続くエリアの魅力を向上させるものと考えております。こうした考えもお伝えしながら、今後も引き続き、都との調整を行ってまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 初めに、子供たちを取り巻く読書環境の現状と、第三次子ども読書活動推進計画の取組状況についてであります。

 幼少期からの読書習慣は、想像力や感性を磨くとともに、語彙力や読解力の向上など、知的活動を行う能力を育む上で大変重要であると認識をしております。平成二十年三月に中央区子ども読書活動推進計画を策定した後、現在、第三次計画を推進しているところであり、新規七事業を含む四十の計画事業のうち、三十七事業に着手するなど、計画どおり事業を進め、子供たちが良書と出会える機会の創出や仕組みづくりといった読書環境の整備に努めております。主な事業内容につきましては、絵本リストの配布や、児童室書架の充実のほか、学校図書館ホームページの利用促進など、子供たちの読書環境の向上を図る観点から選択しており、それぞれの家庭や地域と学校が図書館と一体となった子供の読書活動推進に取り組んでいるところであります。

 次に、魅力ある学校図書館づくりについてであります。

 学校図書館は、調べ学習などの授業に活用されるとともに、子供たちの興味関心に即した蔵書構成や、居心地のよい空間として整備する必要があり、今後の充実が欠かせないものと認識をしております。こうしたことから、教育委員会では、本年度より、学校図書館を継続的に支援する専門組織を京橋図書館に設置し、お薦め図書の推薦方法や、興味関心を引くポップアップの作成など、学校図書館に関する魅力の創出に向けた総点検を学校とともに開始したところであります。今後は、学校図書館がさらに子供たちに活用されるとともに、休憩時間や放課後の居場所として、心地よい空間となるよう、多くの良書が提供できる蔵書構成に改善を加えてまいります。また、環境や設備面につきましては、本の森ちゅうおうでの色彩ノウハウや先進図書館の事例なども参考に、今後の新校整備も念頭に検討してまいりたいと存じます。

 次に、子ども読書活動のさらなる取組についてであります。

 乳幼児期から絵本と触れ合い、本を通じて親子で楽しい時間を過ごすことは、子供の健やかな成長に大変有意義なものと認識をしております。こうしたことから、区立図書館では、従前より、子供の成長段階に応じた読書パンフレットによる図書の紹介や、幼児向け絵本講演会のほか、図書館司書による読み聞かせなど、様々な機会を捉え、子供たちを読書へいざなうきっかけや仕組みづくりに取り組んでまいりました。さらには、お子様の誕生を区立図書館として心からお祝いするとともに、保護者に対しても、絵本を通じた読み聞かせの重要性を意識づけられるよう、平成三十年度より、絵本をプレゼントするブックスタート事業を開始したところであります。御提案のセカンドブック事業につきましては、図書館がこれまで取り組んできた啓発事業の一環と認識しており、区立学校において配付しているタブレット端末を活用し、成長段階に合わせたお薦め図書をプッシュ型として通知するなど、図書館と学校が連携した取組を行い、子供の読書活動のさらなる推進を図ってまいります。

 次に、晴海図書館についてであります。

 晴海地区に整備する図書館予定エリアは、認定こども園や学校整備のほか、四方を水辺で囲まれた立地に夢と希望を抱いた多くの子育て世代の居住が見込まれる地区であります。こうしたことから、新館の計画に際しては、乳幼児や児童・生徒が利用できるスペースの充実をはじめ、蔵書構成についても、児童書の割合を増加させるとともに、採光や居心地を重視し、親子連れの利用を前提とした施設となるよう設計することが重要と認識しております。また、水辺の空間や公園スペースを活用し、自然豊かな環境における読書イベントの開催など、子供たちが様々な本と出会う機会を積極的に検討できる場所であると考えております。晴海図書館での取組は、子供の読書活動を積極的に推進する観点から、現在、様々な検討を加えております。子供たちが乳幼児期から継続して本を読む喜びを実現していくものと考えておりますので、そうしたコンセプトを十分に生かしながら、新館整備に取り組んでまいりたいと存じます。

 次に、本の森ちゅうおうについてであります。

 桜川公園に隣接する本の森ちゅうおうにおいては、外構部分に多くの植栽を取り入れた快適な環境をつくり出すとともに、館内では、森の中を散策しているように、階層ごとに色彩変化を持たせるなど、利用者にとって居心地のよい空間づくりに心がけました。図書館エリアでは、一般学習室のほか、グループ学習室や児童エリア、ラウンジなど、利用用途に合わせたエリアを配置するとともに、蔵書数も約六万冊増加するなど、充実を図ってまいります。さらに、併設している郷土資料館では、二万点以上に及ぶ絵画や錦絵などの所蔵品のデジタル公開のほか、中央区の成り立ちや地域の歴史・文化に関するエピソードが一目で分かる歴史年表の展示など、本区の歴史への興味関心を喚起、促進してまいります。また、郷土資料館の特別展などに合わせた多目的ホールでの講演会の実施や、関連する本の紹介など、それぞれを相互に連携させることで施設内の回遊性を持たせ、本区の魅力を多角的に発信し、多くの方に繰り返し来館していただく施設となるよう取り組んでまいります。

 答弁は以上であります。

〔二十七番 田中広一議員登壇〕

○二十七番(田中広一議員)
 御答弁いただきまして、大変にありがとうございました。

 今回、質問するに当たりまして、いろいろ考えました。日頃から小規模事業者の方の様々な御相談もありますし、子育て支援、介護、当然、ワクチン接種のことなど、本当に多くの御相談、また御意見もいただいてきました。その中で、どういう着眼点で質問するのがいいのかと、いろいろ考えたんですが、そのときに目に留まったのが、歴史学者の磯田教授のこれからの勝負の十年という話です。どういう視点が大事なのかということで、他者を思いやる共感性が社会の根底にあることが求められるのではないかという話でありました。

 今回質問させていただいた中で、例えば情報発信一つ見ても、一生懸命やっていただいているのはよく理解しております。また、一方で、緊急時の中で、受け取る側からしますと、いろいろ不安な気持ちでおりますので、見やすさとか、そういったことは、やはりぜひ一回プロに聞いていただいて、そこはよく分かっておりますので、そうした思いで取り上げさせていただいた次第でございます。ぜひよろしくお願いいたします。

 また、SDGsの取組は、やはり人の、私たちは一番区民に近いところにおりますので、地域とのつながりが大事ですが、せっかくこの世界の共通課題をいただいているわけでありますので、つながっていくということは大事だと思います。

 SDGsポイント事業は、なかなか難しいところがあるかもしれませんが、こういった例を取り上げさせていただきましたけれども、ぜひよく考えていただきながら、私も引き続き御提案させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それから、LGBTなど性的少数者の方々への支援ということで、先ほどの他者を思いやるという視点から考えても、これも本当に大事なことだと思いますので、ぜひ東京都が動き出したこのタイミングに合わせて、中央区もしっかり考えていただきたいと思いますので、併せてよろしくお願いいたします。

 それから、産後ケア事業などの拡充ということでございまして、やはり中央区はマンション住民の方が九割、そして子育て世代の方が多いということでありますので、きめ細かくこれからも取り組んでいただきたいということで取り上げさせていただきました。ぜひ、御検討をよろしくお願いいたします。

 そして、子ども読書活動でございます。ちょっと話が変わるように聞こえるかもしれませんが、たまたま今読んでいる、心理学の専門の方が書いているある本に、大変興味深いデータが示されておりました。それは、小学生の暴力事件が大変増えていると。特に、近年は高校生を上回っているというお話でございます。その要因は、社会的な様々な点がありますけれども、その一つに読解力不足があるのではないかと指摘しているんです。例えば、友人同士のコミュニケーションにおける読解力不足で、いらいらしてしまう。学校の授業での先生の話が分からない、それから教科書が分からない。いらいらしていって、少し攻撃的な気持ちが出てきてしまう、そういった点を指摘しておりました。そのためには、これは皆さんも御存じのとおり、小さいときからの読み聞かせや読書が大事だと。読書というのは、単に読解力だけとか、語彙力を高めるということではなくて、根気強さもそうですし、登場人物に思い入れが入っていきますので、そうしますと、いろいろな方と会ったときに、こういうことを考えるんだな、こういう経験があるんだなという気持ちがだんだん醸成されていく、これがすごく大事だというんです。

 日頃いろいろな御相談をいただいていますと、すごく人との関係が疎遠になっている中で、相手の方を改めて知っていこう、共感していこうというところが少し欠けてきているのかなという点も感じている次第でございます。確かに、子ども読書活動というと、子供への視点でお話ししているように見えますけれども、実は、社会全体の大事な問題ではないかなと感じております。

 したがって、今回取り上げさせていただいた内容を含め、あらゆる区の事業においては、こうした点が一番の基礎になっていくと思いますので、引き続き子ども読書活動の推進も取り上げさせていただきながら、まさに粋なまち、思いやりのあるまちを目指して、次の十年が勝負と言われておりますので、立ち向かって、また、皆さんと力を合わせて、中央区の発展を目指していくことが大事だと思いますので、どうぞ今後ともよろしくお願いします。

 今回取り上げさせていただいた、提案させていただいた内容をしっかり御検討いただきますようお願いいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○議長(木村克一議員)
 以上をもって一般質問を終わります。


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後六時五十六分 休憩


     午後七時 開議

○議長(木村克一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。


○議長(木村克一議員)
 日程第二及び日程第三を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第二及び日程第三を一括して議題といたします。

〔伊藤議会局長朗読〕


日程第二

 議案第三十六号 令和三年度中央区一般会計補正予算

日程第三

 議案第四十三号 令和三年度中央区一般会計補正予算


○議長(木村克一議員)
 提案理由の説明を願います。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 ただいま一括上程されました議案第三十六号、第四十三号につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 初めに、議案第三十六号、令和三年度本区一般会計補正予算につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 今回の補正は、一般会計を二億三千五百八万三千円追加するものであり、補正後の予算額は、一千七十八億三千三百二十九万六千円となるものであります。

 それでは、概要について御説明申し上げます。

 まず、歳入では、国庫支出金、都支出金及び繰入金を増額いたします。

 次に、歳出についてです。

 福祉保健費は、住居確保給付金に係る「生活困窮者自立支援事業費」のほか、ひとり親世帯以外に対する「子育て世帯生活支援特別給付金」を計上いたします。

 教育費は、幼児教育・保育の無償化給付を受けていない子供の保護者に対し、区の定める基準に該当する施設等の利用料を補助する「多様な集団活動等利用支援事業費」を計上いたします。

 次に、議案第四十三号、令和三年度本区一般会計補正予算についてでございます。

 この補正は、一般会計を二億八千百三万四千円追加するものであり、補正後の予算額は、一千八十一億一千四百三十三万円となるものであります。

 まず、歳入では、国庫支出金を増額いたします。

 次に、歳出についてです。

 福祉保健費において、社会福祉協議会で実施している「総合支援資金」の再貸付けが終了した世帯などに対して支給する「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」を計上いたします。

 よろしく御審議の上、御決定のほど、お願いいたします。


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について、動議を提出いたします。

 ただいま上程されております議案第三十六号及び議案第四十三号は、企画総務委員会に付託されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。


○議長(木村克一議員)
 次に、日程第四及び日程第五を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第四及び日程第五を一括して議題といたします。

〔伊藤議会局長朗読〕


日程第四

 議案第三十七号 中央区特別区税条例の一部を改正する条例

日程第五

 議案第三十九号 災害に際し応急措置の業務等に従事した者に係る損害補償に関する条例の一部を改正する条例


○議長(木村克一議員)
 提案理由の説明を願います。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 ただいま一括上程されました各議案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第三十七号、中央区特別区税条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、住宅借入金等特別税額控除の特例に係る適用期限及び入居期限の延長等をするものであります。

 次に、議案第三十九号、災害に際し応急措置の業務等に従事した者に係る損害補償に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、介護補償の額を改定するものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(木村克一議員)
 ただいま上程されました議案第三十七号及び議案第三十九号は、企画総務委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、企画総務委員会へ付託いたします。


○議長(木村克一議員)
 次に、日程第六を議題といたします。

〔伊藤議会局長朗読〕


日程第六

 議案第三十八号 中央区事務手数料条例の一部を改正する条例


○議長(木村克一議員)
 提案理由の説明を願います。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 ただいま上程されました議案第三十八号、中央区事務手数料条例の一部を改正する条例につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 本案は、民間事業者が設置する端末機により住民票の写し等の交付を受ける場合における事務手数料の減額等をするものであります。

 よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(木村克一議員)
 ただいま上程されました議案第三十八号は、区民文教委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、区民文教委員会へ付託いたします。


○議長(木村克一議員)
 次に、日程第七を議題といたします。

〔伊藤議会局長朗読〕


日程第七

 議案第四十号 中央区家庭的保育事業等の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例


○議長(木村克一議員)
 提案理由の説明を願います。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 ただいま上程されました議案第四十号、中央区家庭的保育事業等の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 本案は、家庭的保育事業者等における諸記録の作成、保存等について、電磁的記録による方法を追加するものであります。

 よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(木村克一議員)
 ただいま上程されました議案第四十号は、福祉保健委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、福祉保健委員会へ付託いたします。


○議長(木村克一議員)
 次に、日程第八及び日程第九を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第八及び日程第九を一括して議題といたします。

〔伊藤議会局長朗読〕


日程第八

 議案第四十一号 町の区域の変更について

日程第九

 議案第四十二号 特別区道の路線の廃止について


○議長(木村克一議員)
 提案理由の説明を願います。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 ただいま一括上程されました各議案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第四十一号、町の区域の変更についてであります。

 本案は、勝どき六丁目及び豊海町の町の区域を変更するものであります。

 次に、議案第四十二号、特別区道の路線の廃止についてであります。

 本案は、「中月第八六五号線」を廃止するものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(木村克一議員)
 ただいま上程されました議案四十一号及び議案第四十二号は、環境建設委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、環境建設委員会へ付託いたします。


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、ただいま各常任委員会に付託されました議案の審査の関係もありますので、明十九日から二十三日までを休会とし、来る六月二十四日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明十九日から二十三日までを休会とし、来る六月二十四日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     午後七時十二分 散会


署名議員
議 長  木村 克一
議 員  高橋 まきこ
議 員  押田 まり子

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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