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令和3年第三回定例会会議録(第2日 9月24日)

1.会期

二十四日(第二日)

九月二十四日(金曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後五時四十六分散会

3.出席議員

(二十九名)

一番 高橋 元気議員

二番 高橋 まきこ議員

三番 梶谷 優香議員

四番 田中 耕太郎議員

五番 かみや 俊宏議員

六番 太田 太議員

七番 二瓶 文徳議員

八番 しらす 夏議員

九番 奥村 暁子議員

十番 青木 かの議員

十一番 小坂 和輝議員

十二番 渡部 恵子議員

十三番 竹内 幸美議員

十四番 海老原 崇智議員

十五番 佐藤 あつこ議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 墨谷 浩一議員

十八番 山本 理恵議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 木村 克一議員

二十二番 瓜生 正高議員

二十三番 塚田 秀伸議員

二十四番 礒野 忠議員

二十五番 中嶋 ひろあき議員

二十六番 押田 まり子議員

二十七番 田中 広一議員

二十八番 中島 賢治議員

二十九番 原田 賢一議員

三十番 渡部 博年議員

4.欠席議員

(一名)

二十一番 富永 一議員

5.出席説明員

区長 山本 泰人君

副区長 齊藤 進君

副区長 吉田 不曇君

教育長 平林 治樹君

企画部長 浅沼 孝一郎君

総務部長 黒川 眞君

防災危機管理室長 北澤 千恵子君

区民部長 濱田 徹君

福祉保健部長 田中 智彦君

高齢者施策推進室長 吉田 和子君

保健所長 渡瀬 博俊君

環境土木部長 望月 秀彦君

都市整備部長 松岡 広亮君

会計管理者 鈴木 浩君

教育委員会事務局次長 生島 憲君

監査事務局長 高橋 和義君

企画部参事(政策企画課長事務取扱) 溝口 薫君

財政課長 大久保 稔君

広報課長 園田 典子君

総務部参事(総務課長事務取扱) 山﨑 健順君

6.議会局出席職員

議会局長 伊藤 孝志君

庶務係長 長田 基道君

議事係長 小倉 正信君

調査係長 佐藤 康之君

書記 桝谷 剛司君

7.議事日程

日程第一
 一般質問


午後二時 開議

○議長(木村克一議員)
 ただいまより、本日の会議を開きます。

 新型コロナウイルス感染症対策として、出席者の抑制を図るため、指定の議員は退席を願います。

 また、理事者についても同様に願います。

〔指定の議員並びに理事者退席〕


○議長(木村克一議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 三番梶谷優香議員。

〔三番 梶谷優香議員登壇〕

○三番(梶谷優香議員)
 立憲民主党新風会の梶谷優香です。令和三年第三回中央区議会定例会に当たり、通告書に従い、質問をさせていただきます。なお、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 初めに、災害・防災対策についてお伺いします。

 以前より、新型コロナウイルス感染症拡大防止等の観点から、避難所における三密を避ける等の対策として、可能な限り多くの避難所を確保するために、ホテルの活用について質問をさせていただいております。観光庁が行った調査でリストに掲載された全てのホテルと連絡を取り、どういった方を受け入れるか、一泊の金額、具体的な条件面も含めて、最終的に調整を行っていると聞いておりました。そして、令和三年六月一日、避難所における生活環境の改善及び新型コロナウイルス感染症対策として、要配慮者の自宅が被災し、一定期間避難所での生活が必要となった区民等を対象に、より多くの避難場所を確保するために、ホテル事業者と協定の締結をしたことが報告されました。

 実際に災害が起きた際、どれくらいの要配慮者の方が避難されるか分かりません。要配慮者の中でも、優先順位、どのように振り分けるかなど、避難所からホテル避難へのマニュアル作成が大切になってきます。

 今回のホテル事業者との協定締結における調整で難航した点、そして今後の課題について教えてください。

 東日本大震災を機に、設置台数が増えてきている災害ベンダー機は、平時は通常の自動販売機として飲料を販売しておりますが、災害時、停電やライフラインの復旧、救援物資が到着するまでの間、無償で飲料を提供できる緊急のライフラインとして活躍する自動販売機です。震災など緊急事態が発生した場合、例えばオフィス、工場、マンションや学校、病院、公共施設といった被災者の避難場所となる可能性がある場所等で自動販売機に収容されている飲料を飲むことが可能となり、緊急時のライフラインとして活躍します。自動販売機の各社が、様々な災害救援型自動販売機を取り入れております。その中には、自治体の大規模災害時に備えた飲料水保管の負担軽減を図るため、自治体と災害時における飲料の提供協力に関する協定、災害支援協定を締結している会社もあります。

 本庁舎の自動販売機にも導入されておりますが、現在の区内の公共施設内での災害救援型自動販売機の取り入れ状況を教えてください。

 本区の災害・防災対策の一つとして、避難所、防災拠点となる公共施設には積極的に取り入れるよう働きかけを行うべきと思いますが、区の御見解を教えてください。

 次に、安心・安全なまちづくりについてお伺いします。

 郷土天文館が本の森ちゅうおうへ移転することに伴い、跡スペースを活用して、子供と子育て家庭に対する総合的な相談・支援体制や、障害者・児に対するサービス提供体制の強化など、育ちのサポート機能等の充実を図るため、周辺の既存施設も含めた施設の再編整備を行うこととなりました。

 この施設に隣接するあかつき公園は、公園遊具の御三家をはじめ、その発展系の遊具、さらに素朴な素材で楽しく遊べる工夫があり、区内の公園の中でもとても人気のある公園の一つです。あかつき公園について、この再編の機に、さらによりよい公園環境のため、インクルーシブ公園を整備するべきと思いますが、区の御見解を教えてください。

 二○二○年三月に世田谷区の砧公園を皮切りに、豊島区のとしまキッズパーク、そして府中市の府中の森公園と続き、各自治体でインクルーシブ公園の広がりを見せています。インクルーシブ遊具には、背もたれつきで体を固定できるブランコ、バギーで利用できる腰の高さの砂場、力のない子供が指一本で音が出せるような様々な工夫された遊具があります。障害のない子も、それぞれ違う能力を持った子供たちが同じ遊具を共有して遊ぶことで、遊び場であり、成長し合える場となる公園が区内にも必要なのではないでしょうか。一緒に遊べる場所が少ないきょうだい児の悩みを経験している御家庭も少なくないはずです。

 そこで、まずは障害児や病児、医療的ケア児などを対象に、障害者福祉課と連携し、ニーズ調査から始めていただきたいと思います。敷地内の段差をなくし、車椅子やベビーカーが移動しやすい工夫や、公園の説明表記を知的発達に遅れがある子でも分かりやすいシンプルな絵で表現するなど、できる工夫から始めてみてはいかがでしょうか。区内における今後のインクルーシブ公園の整備について、区の御見解を教えてください。

 次に、妊娠・出産から子育て環境の充実についてお伺いします。

 全妊婦との面接について、以前から何度か質問をさせていただいておりますが、とうきょうママパパ応援事業について質問をした際、全妊婦が保健師等と面接をするという東京都の条件の部分で難しいとの答弁がありました。具体的に、出張所等にも保健師等を常駐させなければならないこと、逆に、本庁舎と保健所だけにするのは区民サービスとして懸念されていることも理解しております。

 新型コロナウイルス感染症の影響で、様々なところでICT化が一気に進んだことを踏まえ、保健師等との面接のオンライン化について、去年の福祉保健委員会の中で提案をさせていただきました。オンラインでの妊婦面接が東京都の条件に当てはまるかどうか、東京都の見解を確認しないと分かりませんとの答弁でしたが、その後、オンライン面接も東京都として認めると御連絡がありました。今年の四月より、妊娠届を提出された妊婦に対し、面接の希望の有無を伺って、実際に七割の方が面接を希望し、六割が実際に面接まで至ったと御報告がありました。初めての妊娠、そして、このコロナ禍ということで、少しでも妊婦の不安解消になっていたら、大変喜ばしいことです。

 面接を希望したものの、体調面やスケジュールの関係で、直接対面での面接がやむを得ずできなかったケースもあったとお聞きしました。港区、渋谷区、品川区、目黒区、北区など、多くの自治体が妊婦のオンライン面接を取り入れております。このコロナ禍において、オンラインでの妊婦面接を早急に取り入れるべきと思いますが、区の御見解を教えてください。

 以前、多胎児支援について質問をした際に、妊婦健診の受診票についてもお伺いさせていただきました。東京二十三区の中でも、受診票十四回分を超えて自費で受診した際の費用の一部補助を行っている足立区の例を挙げ、本区としても独自に補助券制度をつくっていただきたいと強く要望させていただきました。私が質問した昨年六月以降、台東区や目黒区も多胎妊婦に対する妊婦健康診査助成制度が新設されました。

 本区としては、多胎であっても、リスクの高い方ももちろんいれば、リスクが必ずしも高いわけではない方もいらっしゃること、そして、多胎でなくてもリスクの高い妊婦がいるので、多胎に限らず、リスクの高い妊婦に関して、妊婦健診に頻繁に行く方については、必要があれば、他区のいろいろな状況も参考にしながら支援を検討していきたいと答弁をいただきました。私も、昨年、第二子を妊娠し、切迫流産・切迫早産の診断を受け、高リスク妊婦となり、定期的な妊婦健診以外で夜間に病院に駆け込んだこともありました。

 ぜひ、本区の考え方である、多胎に限らず、リスクの高い妊婦として、必要な方が使える妊婦健康診査助成制度として前向きに検討していただきたいと思いますが、区の御見解はいかがでしょうか。

 母と子の健康モバイルサイトでは、産前産後の家族が安心して過ごせるよう、お腹の赤ちゃんの成長の様子や産後の子育てアドバイス、予防接種スケジュールの自動案内、区内の予防接種実施医療機関、感染症等の流行情報、乳幼児の健康診査などのタイムリーな情報をお届けするサイトとして運用しています。母子手帳交付時に配付される母と子の保健バッグや、予防接種の接種券送付時の案内の中など、妊娠してから何度か母と子の健康モバイルサイトの案内パンフレットを受け取る機会があります。しかし、本当に活用できているのでしょうか。

 母と子の健康モバイルサイトを開き、一番上に表示される中央区からのおしらせに関しては、二○一六年に一回、そして、その次は二○二○年八月で、今年は一度も更新されていません。他の自治体では、無料通信アプリのLINEを活用したり、独自のアプリを開発、既存のアプリと連携している自治体が多くあります。行政情報はホームページにも掲載されておりますが、情報量が多く、分かりやすい提供が必要と考えます。ぜひ、子育て世代への分かりやすい情報提供の強化・工夫をしていただきたいと思いますが、区の御見解を教えてください。

 出産や子育てに関する不安の解消を図るために情報発信を行う、あのねママメールでは、現在、マタニティ、育児、パパ向けと三種類の配信を行っています。登録者数は、マタニティのほうが平成三十年で二千二百五十七人、それから、その翌年、平成三十一年で二千七百四十五人、令和二年で三千二百十人と、毎年約五百人ずつ増えています。生まれた後の子育てに関する情報の発信をする育児では、平成三十年が三千四百十八人、平成三十一年が四千五人、令和二年で四千五百三十七人の登録者数となっています。そして、パパメールでは、平成三十年が六百三十四人、そして、平成三十一年が七百人、令和二年が七百六十八人となっており、登録者数の数字だけを見ると年々増えております。しかし、マタニティの場合は妊娠確認から出産までの約九か月間、育児は三歳までの三年間とメールの配信の期間が設けられておりますが、その期間が過ぎた方の中で退会手続を行っていない方も、先ほどの数字の中に含まれております。以前も指摘をさせていただきましたが、本区では、このメールにおける実際の設定期間の対象である登録者数の把握ができておりません。まずは、設定期間の対象である登録者数の把握、そして、マタニティから育児へスムーズに移行していく仕組みづくりが必要だと思います。

 そして、本区では、令和三年二月より、広報ツールの一つとして、無料通話アプリLINEの運用を開始いたしました。予防接種の案内も、子育て世代には大変助かる情報です。メールよりLINEのほうが身近なツールではないでしょうか。ぜひ、あのねママメールのLINEへの移行を検討していただきたいと思いますが、区の御見解を教えてください。

 不妊治療を受ける人が増える一方、流産や死産を経験した女性が適切なケアを受けられずにいる現状を受け、厚生労働省が支援強化に乗り出しました。悲しみや喪失感を支えるグリーフケアを、既存の妊産婦支援事業を利用して、きめ細かく実施するよう自治体に通知をしました。専門職によるカウンセリングや、当事者同士が体験を分かち合う会の運営などを想定しており、自治体職員や医療従事者を対象に、妊産婦のメンタルヘルスケア研修も実施するとしています。通知では、流産や死産を経験した女性も母子保健法上の支援対象であることを明確化し、グリーフケアに利用できる既存の事業の例を挙げ、さらに支援に当たっての留意点も明示しました。

 例えば、乳幼児と同じ場所でケア事業を行うと、子供を失った女性が精神的に負担を感じることから、適切な配慮をすること、また、子供を失った女性に対し、生まれたことを前提とした母子保健サービスの連絡が届いてしまったケースを例示し、自治体内で死産届の情報共有を図るよう求めています。墓地埋葬法では、妊娠四か月未満の胎児が亡くなった場合は遺体として扱われませんが、この通知では、社会通念上、丁重に扱うことが求められるとし、家族の心情に配慮するよう促しています。

 母親は、子供を失った悲しみがほかの家族よりも長く続く傾向にあります。一方で、術後や産後の健診が終わると、医療機関の支援からは離れてしまい、保健師に亡くなったと伝えると、その後、連絡が途絶えたなど、行政の継続的な支援が手薄な事例も報告されています。本区の現状と課題、そして今後の方向性について教えてください。

 これまでに保育施設における節分行事の豆まきに関して、実際の豆を使用する危険性について、何度かお話をさせていただいております。令和二年の節分行事では、区内の区立保育園、認定こども園の中で十六園で節分行事として実施しており、三歳から五歳児クラスで実際の大豆を使って豆まきをしていることを確認しております。さらに、数園が数粒を実際に食べる、提供しているという園がありました。

 そこで、予防できる事故で大きな傷害を負ったり、命を失ったりする子を一人でも減らすために結成された子どもの事故予防地方議員連盟の中で、子どもの食の事故防止委員会を設置し、これまで積極的に取り組んでまいりました。乳幼児の豆類の誤嚥による窒息事故が発生していることから、特定非営利活動法人セーフキッズジャパンと共同で注意喚起表示の要望書を提出し、実際に注意喚起の表示が入った豆類を使用した商品のパッケージが増えてきました。そして、国からも東京都を通じて、節分の豆等の食品による子供の窒息事故の予防に向けた注意喚起についての事務連絡、併せて消費者庁のニュースリリースも一緒に通知いたしました。

 本区では、区内の区立・私立保育園、また認定こども園、小規模園等、全園にすぐ通知をし、令和三年の節分行事では、半数ぐらいが今までと同じように大豆を投げている園はあったものの、実際に大豆を食べた園はゼロでした。ただ、豆を実際に食べなくとも、まくために渡された豆を保育者が見ていないときに食べてしまい、窒息をした事故が実際に発生しております。命に関わることですので、この観点からも、保育施設での節分行事による豆の使用の是非を改めて検討されるべきではないかと思いますが、区の御見解を教えてください。

 食品に限らず、万が一、気道に異物を詰まらせたとき、背部叩打法や胸部突き上げ法などの応急処置を区の保育園、認定こども園の職員の方々が確実に実践できるように、日頃から訓練を充実させていただきたいと思います。さらに、三・四か月健診や三歳児健診の中で、実際に背部叩打法や胸部突き上げ法などの応急処置の対処法を指導していただきたいと思います。一歳未満と一歳以上では、やり方が変わってきます。言葉だけで聞いた話と、実際に見て教わった対処法では、いざというときに差が出てきます。ぜひ、今後の本区の乳幼児健診等の機会を捉えて、窒息・誤嚥時の対処法について指導していただきたいと思いますが、区の御見解を教えてください。

 以上で第一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君) 梶谷優香議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、災害時におけるホテルの活用についてであります。

 本区では、新型コロナウイルス感染症が流行する中、より多くの避難場所の確保を図るため、国のリストに基づき、区内ホテル事業者と協議を行い、今後の予定も含め、三十施設との間で協定を締結することといたしました。協議段階においては、宿泊料金やキャンセル料などについて、各事業者により基準が異なることから、統一的な協定内容にするための調整に時間を要したところです。ホテルの有効活用に当たっては、災害発生時におけるライフラインの停止やホテルの空室状況などに大きく影響を受けることを想定した上で、要配慮者一人一人の状況に即して、適切かつ迅速に避難先を選定する必要があります。そのため、ホテルとの連絡体制の確立をはじめ、避難者の健康状態の把握や輸送体制の構築など、各課題に対応した運用マニュアルの作成を進めてまいります。

 次に、災害ベンダー機についてであります。

 本区では、本庁舎のほか、総合スポーツセンターや銀座ブロッサムなど、一部の区施設で十台程度設置されております。災害時における飲料水対策については、本区地域防災計画の被害想定に基づき、防災拠点においては、ペットボトルによる飲料水の備蓄に加えて、受水槽等を利用することで、避難者三日分を確保するとともに、その他区施設においては、東京都帰宅困難者対策条例に基づき、施設利用者一日分を備蓄しております。一方で、災害対応型自動販売機は、停電時でも飲料水が無償で供給されることから、備蓄を補完する効果があると受け止めております。区施設における自動販売機については、区の許可を受けた福祉団体等が設置しており、区が直接選定するものではありませんが、今後、新規設置や入替えの際には当該団体へ働きかけてまいります。

 次に、インクルーシブ公園を整備することについてであります。

 公園の改修については、整備から三十年程度が経過し、老朽化の進んだ公園を順次改修しており、あかつき公園は平成十八年に整備を行ったところであります。公園は、遊び場として、あらゆる子供たちにとって重要な場所であり、インクルーシブの考え方に配慮した公園の整備は大切だと認識しております。区では、これまでも法令を遵守した遊具の設置など、ユニバーサルデザインを取り入れた公園整備に努めてまいりました。都は、都立砧公園などでの先進的な整備や関係者へのヒアリングを踏まえ、令和三年四月に、「だれもが遊べる児童遊具広場」整備ガイドラインを公表し、インクルーシブ公園の基本的な考え方や事例が示されたところであります。区といたしましては、ガイドラインや先行事例の研究を継続するとともに、大規模な公園改修の機会を捉え、地域ニーズを取り入れながら、インクルーシブ公園の整備に向けた検討をしてまいります。

 次に、妊婦を支える支援制度についてであります。

 区では、本年六月から妊婦全数面接を開始しましたが、その中で、昨年度コロナ禍において新たに導入した子育てに関するオンライン相談のノウハウを活用し、オンラインによる面接を実施しているところであります。妊婦健康診査費用助成については、国の基準により十四回を限度として行っております。しかしながら、近年、本区においてもリスクの高い妊婦が増加傾向にあることから、他区の実施状況も参考にしながら、上乗せ回数や対象範囲の設定などについて検討してまいります。

 次に、母と子の健康モバイルサイトについてであります。

 母と子の健康モバイルサイトは、小児定期予防接種などのプッシュ型による通知や感染症情報の提供を主な機能として運用してまいりました。子育て世帯への情報提供につきましては、近年、様々な情報サイトやツールが開発されていることもあり、母子保健情報の提供においてデジタルコンテンツの在り方全体を考えながら、どのような形がよいかを検討してまいります。あのねママメールのLINEへの移行につきましても、母と子の健康モバイルサイトの検討と併せて、提供する情報の充実などを含め、研究してまいります。

 次に、グリーフケアについてであります。

 区では、妊娠中や乳児期のお子さんを亡くされた方に対して毎月開催しているママのこころの相談事業の中で、保健師や精神科医が御相談をお受けしております。さらに専門的な相談が必要な場合は、聖路加国際大学でのグリーフカウンセリングも御案内しております。人口規模が比較的小さい本区においては、同じ経験を語れる人が集まりにくいことから、本区も含めた広域的な対応を行っているNPO法人が主催する家族のつどいを必要に応じて御紹介しております。妊産婦のグリーフケアは繊細な問題で、ニーズが捉えにくい状況にあります。区としては、御相談があった際には一人一人に寄り添った対応をしてまいります。

 次に、保育施設での節分行事の豆まきについてであります。

 区では、日頃の保育活動を通じて、四季を感じることができる伝統的な行事に触れる機会を設けることは、子供たちの健やかな成長や心身の発達において重要と考えております。子供の豆類の誤嚥による窒息事故の危険性については認識しているところであり、区立保育園においては、国の通知に基づき、令和三年から豆を食することはやめております。今後は、節分の豆まきを行う際には、子供たちが誤って口に入れることがないよう、小袋に入れた豆を用意するなど実施内容を工夫し、安全面に十分配慮してまいります。

 次に、窒息・誤嚥事故の対処法についてであります。

 子供の月齢や年齢によって起こりやすい事故には特性があり、適切に対処することにより予防効果が高まることから、区では、妊娠期から月齢・年齢に応じた事故予防の普及啓発を実施しております。現行の乳幼児健診の中で窒息や誤嚥事故の対処法の実技指導を行うことは、時間や場所の問題で困難なことから、毎年行っている子どもの事故予防講習会の中で、子供の心肺蘇生や窒息・誤嚥時の対応の実技講習を実施しているところです。また、妊娠届け出時や訪問、健診の際には、資料を用いて個別指導も行っております。今後も引き続き、あらゆる機会を捉えて子供の事故予防の普及啓発に努めてまいります。

 答弁は以上であります。

〔三番 梶谷優香議員登壇〕

○三番(梶谷優香議員)
 それぞれ御答弁いただき、ありがとうございました。

 内閣府による新型コロナウイルス感染症対策としての災害時の避難所としてのホテル・旅館等の活用に向けた準備についての事務連絡の中では、ホテル・旅館等の避難所としての開設に向けた準備として、災害発生時において、ホテル・旅館等を避難所として開設する場合の運営体制について、あらかじめ決めておくこと、ホテル・旅館等へ優先的に避難する者、高齢者、基礎疾患を有する者、障害者、妊産婦等を検討し、優先順位の考え方を決めておくとともに、事前にリストを作成しておくこと、ホテル・旅館等へ優先的に避難する者としてリストに掲載されている者がどのホテル・旅館等に避難すべきか事前に検討しておくことなど留意事項を取りまとめ、平時の事前準備及び災害時の対応の参考として記載されております。災害時に混乱が起きぬよう、事前の準備をお願いいたします。

 災害ベンダー機も様々な種類があり、地震などの災害発生時に通信ネットワーク技術を活用した遠隔操作によって、自動販売機に搭載された電光掲示板に災害情報を流すことができる種類もあります。設置場所としては、公共性の高さから、主に緊急時の避難場所に指定されている地域の学校や公共施設、病院などを中心に、帰宅困難者の避難施設等にも積極的に導入を進めていただきたいと思います。

 従来の公園の在り方では、障害のない子とある子が交わり、一緒に肩を並べて遊ぶことは難しい状況であり、それが障害に対する理解を妨げているかもしれません。同じ場所で遊ぶことで、互いに違いがあることを理解することができ、子供は遊びを通して成長します。公園の環境を整えることが、誰も排除しない社会へ続く一歩となるかもしれません。品川区は、国内で初めて療育を取り入れた遊びができる環境、看護師や保育士、児童指導員等の専門スタッフが常駐し、育児相談ができるインクルーシブ広場を開設しました。障害児とその保護者が様々なコミュニティとつながる機会を持つことが難しいという現状を改善し、障害児やその家族、きょうだい、友人が遊びを楽しみながら多様な人と関わり、保護者が育児等の困り事を相談できるインクルーシブな遊びの場としています。現在整備されているインクルーシブ公園や遊びの場がそれぞれに違う特徴があるように、いろいろな事例が増えていく中で、それぞれの地域の人々のことが考えられたインクルーシブ公園が、今後、さらに全国各地に広がっていくことが予想されます。中央区らしいインクルーシブ公園ができることを期待し、要望いたします。

 妊娠中の出産・子育て等に関する様々な不安や悩みを軽減し、安心して出産を迎えていただくため、保健師等の専門職員が妊婦の方全員に面接をすることは多くの自治体が取り入れており、このコロナ禍においては必要不可欠だと思います。不安や心配事の対応策を一緒に考え、必要な子育て情報やサービスをお伝えすることで、安心して出産を迎え、子育てができるようにサポートし、面接を希望しない場合でも、これからの出産や子育ての相談窓口として子ども家庭支援センターを知っていただくためにも、ぜひ今後もオンライン面接を取り入れて、全妊婦の面接を検討していただきたいと思います。他の自治体のように、妊婦面接をした際に出産支援祝品、タクシー利用券を贈呈する仕組みも検討してみてはいかがでしょうか。

 妊婦健診の受診票は、基本的には余る方が大半ですが、四十週を超えたり、切迫早産で通院の回数が増えたりすると、補助券を使い切ってしまうケースが出てきます。補助券を使い切った後は自己負担となります。少しでも必要な方に届く支援として、前向きに検討していただきたいと思います。

 あのねママメールをはじめ、母と子の健康モバイルサイトについては、今後の運営について検討しなければいけないことは明確だと思います。事業開始当初はメールが主流でしたが、現在、プライベートの中で、ふだんメールをメインで使われている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。行政サービスも社会の流れに寄り添わなくてはいけません。使いやすく、分かりやすい情報提供の仕方について、いま一度御検討していただきたいと思います。

 厚生労働省によると、妊娠満十二週以降で二十二週目未満の流産または二十二週目以降の死産を経験した女性は、二○一九年で約二万人に上るとされています。先ほど区長からも御答弁がありましたが、聖路加国際大学では、天使の保護者ルカの会グリーフ・カウンセリングとして、流産、死産、新生児期にあらゆる理由でお子様を亡くされたお母さん、お父さんをはじめとする御家族を対象に、カウンセリングを通し、精神的ケアを行っています。ぜひ、地域の中で今後もサポートできるよう提携し、取り組んでいただきたいと思います。

 伝統行事である節分の豆まきの豆は、五歳児以下の子供たちには凶器に変わるものです。子供たちに危機管理能力を身につけてもらうということも非常に重要であることは認識しておりますが、実際に毎年事故が起きています。安全、そして何より命には代えられないと思います。節分行事では、実際の大豆をまくのをやめて、丸めた新聞紙などの代用品を使用する、袋に入った状態の豆をまくなど工夫をして、引き続き伝統行事の継承を続けていただきたいと思います。

 毎年、約一千人の乳幼児が窒息や誤嚥により救急車で運ばれています。窒息は、放置すれば死に至る危険な事故です。一歳未満の乳児には胸部突き上げ法と背部叩打法、一歳以上の幼児には腹部突き上げ法と、年齢によってやり方に違いがあります。心肺蘇生法についても、講習を受けたことがある方も多いと思いますが、一歳未満の乳児の場合、中指と薬指の二本で胸骨圧迫を行うなど、あまり知られていない場合が多いと思います。ぜひ、いざというときに備え、乳幼児健診等の機会を捉えて、動画視聴などの工夫をし、講習の機会を増やしていただけるよう要望いたします。

 今回私が質問、提案した内容について、少しでも区政に反映していただけるようお願い申し上げます。

 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後二時四十三分 休憩


     午後三時五分 開議

○議長(木村克一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十九番小栗智恵子議員。

〔十九番 小栗智恵子議員登壇〕

○十九番(小栗智恵子議員)
 日本共産党の小栗智恵子です。私は、日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。なお、再質問、再々質問をあらかじめ留保いたします。

 初めに、新型コロナウイルス感染症対策について質問します。

 緊急事態宣言が九月三十日まで再々延長となり、収束の出口が全く見えない状況が続いています。七月・八月の東京五輪・パラリンピック大会期間中、コロナ感染は爆発的に広がり、各地で医療崩壊の危機が広がりました。五輪が開幕した七月二十三日に全国の新規感染者は約四千二百人でしたが、閉幕の八月八日には一万四千五百人に膨れ上がり、パラリンピック開幕の八月二十四日には二万一千六百人に激増しました。七月後半に四百人強だった全国の重症者は、九月初めには五倍以上の二千二百人を超えました。医療が逼迫し、症状が悪化しても入院できず、自宅で亡くなる人が相次ぐ重大事態となりました。中央区では、七月二十五日から八月二十二日の一か月で感染者が一千五百六十二人も増えています。現在は新規感染者が減少傾向にあるといっても、感染力が強く、ワクチン接種者でも感染するデルタ株が主流になる下で、ワクチン接種一本やりではコロナの感染症の抑え込みはできないことは、国内外の事実が示しています。

 そこで、質問します。

 第一に、東京五輪大会の開催が国民に誤ったメッセージとなり、人流が増え、感染爆発状況となったことについて、どうお考えですか。

 五輪開催による区民生活への影響、感染拡大への影響をどうお考えですか。お答えください。

 第二に、感染第五波の区内での感染状況、保健所の対応で大変だったこと、今後の課題と考えることについて見解をお示しください。

 第三に、国が原則自宅療養の方針を突然打ち出し、入院できない自宅療養者が激増しました。自宅療養中に急に容態が悪化し、亡くなる方も増えています。ようやく築地市場跡地に東京都の抗体カクテル療法を行う酸素・医療提供ステーションが開設されたり、佃にコロナ専用病棟ができるなど、医療・療養施設の増設に前進がありますが、なぜもっと早く第五波に間に合うような対応ができなかったのか、その要因をどうお考えですか。また、引き続き医療体制の強化が必要だと思いますが、いかがですか。

 第四に、新規感染者が減少傾向にある今こそ、ワクチンと一体に大規模検査を行い、感染伝播の鎖を断つことが必要です。これまで国はPCR検査を広げると医療崩壊が起こると言って、検査を抑制し軽視する姿勢を取ってきました。中央区は、PCR検査は発生拡大防止には貢献しない、必要な検査はできているとして、検査の拡大を拒否してきました。この一年半、感染者が減っても下げ止まり、また感染拡大の波が起こる繰り返しになっています。早く陽性者を見つけて保護することが、リバウンドさせないためにどうしても必要です。オリンピック・パラリンピックでは百一万回のPCR検査が行われ、大会が終わり、検査能力には余裕があります。大規模検査をいつでも、誰でも、何度でも、無料での立場で、国と都と協力して大胆かつ大規模に行うことを求めます。いかがですか。

 第五に、陽性となったとき、安心して休める保障が必要です。無症状でも二週間の自宅待機が必要となるため、既存の傷病手当などの制度では不十分であり、自営業者など対象外になっている人には、国が休業支援の対象とするなどの所得補償を行うよう求め、実現を図るべきです。いかがですか。それぞれ御答弁ください。

 次に、デルタ株拡大の下での保育・教育の保障について質問します。

 デルタ株が主流になる中で、子供の陽性者が急増しています。文部科学省は、八月だけで一万八千人、七月の三倍以上に増えたと発表しています。こうした中で二学期を迎え、PCR検査もされないので、誰が陽性かも分からない中、マスクをしていても子供同士の距離は近いので、いつ感染するか心配、親世代はまだワクチン接種できていない、子供が感染し親が感染することも心配などの不安の声が寄せられています。保護者世代のワクチン接種は、中央区では二回接種が三十代までで四四%、四十代で六○%です。これまで以上に感染拡大の防止対策が求められています。

 そこで、質問します。

 第一に、デルタ株の感染拡大の下で、区内の保育園、幼稚園、小・中学校での陽性者の拡大状況と、PCR検査などの実施はどうなっていますか。

 また、登校見合せの選択をしている児童・生徒の状況と、学習面でのフォロー体制についても御答弁ください。

 第二に、文科省のガイドラインには、新たに周辺検査対象者という分類を設け、学校などの判断で、陽性者が一人でも出れば、同じクラス、部活の全員をPCR検査の対象にできるとしています。中央区でもPCR検査を拡充するよう求めます。いかがですか。

 また、認可保育園や学童保育、放課後等デイサービスなどでの定期的な検査実施や、陽性者が一人出たら全体を検査する取組が必要だと考えます。いかがですか。

 第三に、学校の感染状況に応じ、登校見合せの選択だけでなく、分散登校・オンライン授業などを柔軟に組み合わせて対応することが必要になってくると考えます。一人一台タブレットにより、オンライン授業も可能になっているということですが、その準備も現場任せ、先生頼みでなく、教育委員会としてバックアップ体制を取るよう求めます。御答弁ください。

 第四に、分散登校や、保育園で陽性者が出て臨時休園となった場合、保護者が出勤できなくなって減収となったり、失職したり、医療従事者が出勤できなくなるなどの影響が出ています。必要な子供が朝から学校で学べるような対応、保育園休園中の代わりの保育体制を充実させるよう求めます。区長、教育長、それぞれ御答弁ください。

 次は、地球規模での気候危機打開についてです。

 現在、気候危機と呼ぶべき非常事態が起こっており、既に世界各地で異常な豪雨、台風、猛暑、森林火災、干ばつ、海面上昇などが大問題になっています。新型コロナウイルス、エボラ出血熱、エイズなどの新しい感染症が次々と出現し、人類社会の大きな脅威となっていますが、この背景にも、森林破壊をはじめとした環境破壊、地球温暖化があります。

 IPCCは、今年八月、新たな報告書を発表し、人間の影響が温暖化させてきたことはもはや疑う余地はないとしました。そして、二○三○年までに大気中への温室効果ガス、その大半はCO2ですが、その排出を二○一○年比で四五%削減し、二○五○年までに実質ゼロを達成できないと、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べて一・五度までに抑え込むことができないことを明らかにしています。既に世界の平均気温は一・一度から一・二度上昇しており、破局的な気候変動を回避するために取り組める時間は長くありません。十年足らずの間に全世界のCO2排出量を半分近くまで削減できるかどうか、ここに人類の未来がかかっています。

 日本共産党は、九月一日、世界の科学的知見の到達点、日本の環境団体や専門家の研究と提言を踏まえて、気候危機打開のための日本共産党の二○三○戦略を発表しました。

 その特徴は、一、削減目標は二○三○年度までに二○一○年度比五○から六○%削減するとしています。省エネでエネルギー消費を四○%削減し、再生可能エネルギーで電力の五○%を賄えば達成可能だということを示しています。二、具体的プランとして、電力、産業、運輸、都市、住宅など、社会のあらゆる分野の大改革を具体的に提案しています。脱炭素・省エネ・再エネの先にあるのは、経済が停滞・衰退した寂しい社会ではありません。ある研究グループの試算では、大規模な省エネ・再エネによって、二○三○年までに年間二百五十四万人の新たな雇用が増え、GDPを累積二百五兆円増やすことができるという展望が明らかにされています。三、気候危機の打開は、貧困と格差をなくし暮らしをよくすることと一体のものとして取り組んでいくという提案です。

 中央区は、今年三月、ゼロカーボンシティ中央区宣言を第一回区議会定例会において議決し、二○五○年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すことを宣言しました。宣言では、「わたしたちは日々のくらしや命さえもおびやかされる危機に直面しているのです 残された時間は多くありません 今こそ行動をおこすときです」とうたっています。今後、中央区環境行動計画二○一八の見直しを二○二三年三月予定で行い、ゼロカーボンシティ達成に向けての新たな施策の推進を図るとしています。

 そこで、質問します。

 第一に、中央区環境行動計画二○一八では、CO2排出量を二○三○年度までに二○一三年度比で二一%削減としていますが、目標の引上げが必要です。政府が四月に発表した二○三○年度の削減目標は二○一三年度比で四六%削減ですが、これは二○一○年度比にすると四二%減という数字であり、国連が示した四五%減という全世界平均よりも低い、恥ずかしいものです。中央区環境行動計画二○一八の見直しの際、二○三○年度までに五○%から六○%削減する目標に引き上げることが必要だと考えます。いかがですか。

 第二に、目標にふさわしい具体的な計画を立て、推進していく必要があります。区内事業所と省エネ・再エネに向けた協定を進めることや、断熱・省エネルギー住宅へのリフォーム、太陽光発電用パネルの設置などへの助成を大幅に拡充し、省エネの取組をそれぞれの目標を立てて強力に進めていくよう求めます。いかがですか。

 第三に、中央区が脱炭素化を進める上で重要となるのは、まちづくりの分野です。区内各所で進められている再開発について、区長は、床の集約により都市のコンパクト化が図られ、最新の省エネ・再エネの活用などで都市全体の温室効果ガス排出量の削減につながるとしています。しかし、床の集約どころか、延べ床面積が何倍にも増え、都市のコンパクト化に逆行する都市の巨大化が進んでいます。CO2排出量を何倍にも増やす巨大開発はやめ、公共建設や大規模な市街地再開発事業などで建物の規模を抑え、少なくともCO2排出量を再開発前より削減する計画にするべきです。また、太陽光パネルで消費エネルギーが賄えるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルにしていくなど、脱炭素化を強力に進めるまちづくりに転換することを求めます。いかがですか。

 第四に、ごみの焼却熱、河川水の外気温との差による未利用熱などを熱エネルギー源として利用することを、目標を持って進めるべきです。いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、晴海地区の新設学校・公共施設用都有地購入について質問します。

 本定例会に提出されている九月補正予算案には、晴海の選手村の後利用で必要となる新設小・中学校の建設用地、晴海特別出張所などの施設整備用地として、都有地を購入する予算百七十七億円が計上されています。この都有地の路線価は一平米約百万円で、中央区は東京都から、公共施設の整備のための用地として公共減額して購入するとしています。東京都は、選手村のマンション、HARUMI FLAGの建設用地を、路線価の十分の一となる一平米約十万円という格安の土地価格で譲渡契約しています。同じ区画の都有地で、選手村HARUMI FLAG用地は、全体で広さ十三ヘクタールの土地が約百三十億円、今回の中央区の購入予定用地は二か所合わせて三ヘクタールの土地が百七十七億円です。広さが四分の一なのに、総額は一・四倍となり、平米単価でも五倍も高くなっています。選手村HARUMI FLAGの開発はオリンピックという選手村要因があるからと、民間企業には格安で譲渡し、マンション開発で人口が増えて必要になる学校や公共施設などの用地はその五倍の価格というのは、納得がいきません。

 そこで、質問します。

 第一に、晴海四丁目・五丁目の土地購入に至る経緯と購入価格の決定方法について御答弁ください。

 第二に、晴海地区に学校や公共施設の整備が必要になったのは、東京都が東京五輪の選手村として、晴海に巨大なマンション団地を造る計画を一社のみ応募した特定建築者に任せ、五輪終了後、HARUMI FLAGという一万二千人が住む新しいまちをつくることにしたからです。今回の晴海地区での公共施設用地について、東京都は中央区に対し、都有地を無償で提供してしかるべきだと考えますが、いかがですか。

 第三に、今後、HARUMI FLAGでは、選手村としては必要なかった超高層マンション二棟約一千四百戸を新たに建設する予定ですが、人口が増え過ぎて、施設や交通に大きな負荷となり、CO2排出量も増やしてしまう建築計画を見直すよう求める考えはありませんか。

 第四に、選手村として利用した板状棟約三千七百戸について、他のマンション建設時と同様、人口増に伴う公共施設整備に必要な費用に充てるため、一戸百万円の開発協力金を求めるよう再度要請するものです。いかがですか。

 最後に、ジェンダー平等について質問します。

 世界経済フォーラムが今年三月三十一日に発表した男女の平等度を示すジェンダーギャップ指数二○二一で、日本は百五十六か国中百二十位でした。日本は、特に経済と政治参加の分野で百十七位、百四十七位と世界の最低クラスです。日本では、働く女性の五六%がパートやアルバイト、派遣などの非正規雇用です。育児・家事は女性がやり、男性は長時間労働で家族を養うという性別役割分担の仕組みと意識が長年はびこってきた結果、男女の賃金格差は改善されず、女性は男性の五五%と先進国では最悪の水準となっています。女性が多い保育や福祉、住民サービスに密着したケア労働は、他の職種の平均賃金より月十万円ほど低く、コロナ禍で何の休業手当も支給されていない実質的失業者は、女性が百三万人と、男性の二倍以上に上っています。

 コロナ危機の下で、女性に様々な面で犠牲を強いるジェンダー不平等・日本の姿が浮き彫りになっています。男女の賃金格差を是正し、ケアに手厚い社会、雇用は正規が当たり前の社会へと切り替え、誰もが人間らしく働き生活することのできる賃金と労働時間短縮の実現を進めることが、ジェンダーギャップを解消する上で待ったなしです。

 そこで、質問します。

 第一に、中央区男女共同参画行動計画二○一八の取組で、職場における男女間格差の是正や働き方の仕組みの見直しなどに向けて、情報の提供を行うとしていますが、情報提供にとどまらず、賃金格差の是正に向けた取組を強力に進めることが必要だと考えます。御答弁ください。

 第二に、政策・方針決定過程における女性の参画促進の現状は、区議会では女性議員が四割となっていますが、審議会などにおける女性割合は三割弱、職員の係長級は二○二一年度では四二%、管理職では一七%ということです。幹部職員への女性の登用は少しずつ増えてきているということですが、さらに積極的に進めることや、審議会などの委員も男女同数を目指すなど、女性の政策・意思決定の場への参加を拡大することを、これまでの延長線でなく、強力に進めるよう要望します。いかがですか。

 第三に、外出自粛要請の下でDVや虐待の被害が深刻になっており、緊急の対策が必要です。訪れやすい場所に臨時の相談窓口を設置する、SNSによる相談を充実させるなど、アクセスが容易で、加害者に知られることなく相談できる仕組みを整え、周知するよう求めます。いかがですか。それぞれお答えください。

 以上で第一回目の質問を終わります。御答弁をお願いします。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君) 小栗智恵子議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、オリンピック・パラリンピック大会開催の影響についてであります。

 国内の感染者数の増加は大会開催前から始まっており、期間中の積極的疫学調査でも、新型コロナウイルス感染症患者と大会関係者との明らかな関連は認められなかったことから、開催による感染への影響はなかったものと考えております。また、区民生活への影響は、一時的な交通渋滞等は見られたものの、新型コロナウイルス感染症による影響は取り立ててなかったものと考えております。区内での第五波の感染状況については、区民の新規感染者数は七月中旬から急増し、八月十二日に百七人にまで到達した後、減少に転じ、九月十日には十二人となっております。保健所では、濃厚接触者や自宅療養者の急増により、連絡に日数を要したことがありましたが、派遣職員等による人員体制の強化を図って対応いたしました。今後は、再度の感染拡大に備え、第五波における経験を生かしつつ、さらなる体制強化を図ってまいります。

 次に、医療・療養施設の増設についてであります。

 医療体制の確保については、東京都の役割となっております。このため、区としては、第四波のあった五月頃から、東京都に対し、療養ホテルのベッド数の拡充と酸素濃縮器の配備を行い、酸素が必要な患者の需要に応えるよう要望してまいりました。東京都においては、物的・人的条件が整ったところから順次開設しているものと認識しております。また、医療体制については、現在、患者発生は落ち着いておりますが、第六波を想定し、医師会等との連携を図り、体制を強化してまいります。

 次に、大規模なPCR検査の実施についてであります。

 本区では、感染症法に基づき、PCR検査の実施対象として、症状があり医師が必要と認める方、濃厚接触者の方について、行政検査として無料で実施しております。一方、国においては、発生動向を調査するため、繁華街等でコロナ感染状況のモニタリング調査を実施しています。本区においても二か所で実施しておりますが、陽性率は○・五%から○・八%ほどでした。検査の効率やコスト等を踏まえ、現在は無症状者に対する大規模なPCR検査の必要性は乏しいと考えております。

 次に、陽性者の休業の保障についてであります。

 傷病手当金の支給対象外である自営業者やフリーランスの方が新型コロナウイルス感染症に感染した際に、収入が減少し、厳しい状況に陥ることがあることは認識しております。しかし、個人の所得補塡や生活保障に関しては、全国統一的に取り扱われるべきものであり、基本的には、国がその責任において実施すべきものであります。こうしたことから、当該手当金に関しては、本年八月に特別区長会から、支給対象の拡大を国に要望したところであります。区といたしましては、今後も区長会等の組織を通じて国に働きかけるとともに、国が各種補償制度の創設、拡大等が図られた際には、速やかに区民や区内事業者に周知してまいります。

 次に、保育園、幼稚園、小・中学校での感染状況などについてであります。

 保育園における感染状況につきましては、七月から八月にかけてお子さんの感染が増加しましたが、園内での感染拡大はありませんでした。また、幼稚園、小・中学校におきましても感染したお子さんがおられましたが、夏季休業期間中であり、施設内での感染ではありませんでした。認可保育園などで陽性者が発生した場合の対応については、保健所による積極的疫学調査の結果に基づき、濃厚接触者を特定し、必要な方を対象にPCR検査を行っております。学童保育や放課後等デイサービスにおいても認可保育園と同様に対応しており、感染症対策上、十分な効果があるものと認識していることから、現状の取組を継続してまいります。

 次に、保育園休園中の保育体制についてであります。

 保育園の休園は、各御家庭への大きな負担となるものと認識しております。そのため、本区では、施設の消毒など感染拡大防止策を講じた上で、休園中においても就業等により保育が必要な場合には、職種に関係なく、お子さんをお預かりしております。今後とも、保育園における感染拡大防止策を徹底し、保育を必要としている方が安心してお子さんを預けられる環境の確保に努めてまいります。

 次に、二酸化炭素排出量の削減目標及び施策の充実強化についてであります。

 中央区環境行動計画二○一八は、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく地方公共団体実行計画(区域施策編)を含んでおり、現在の二○三○年度の削減目標は実行計画の中で設定されているものです。実行計画は、国の地球温暖化対策計画に即して策定するものとされていること、二酸化炭素排出量の削減は、国民、国、地方公共団体及び事業者が一丸となって広域的に取り組むべき課題であることから、削減目標は国の目標値を踏まえた数値に設定する必要があると考えております。中央区環境行動計画二○一八の見直しにつきましては、中央区環境行動計画推進委員会において、その作業を進めていく予定です。区といたしましては、委員会の議論を踏まえ、新たな削減目標の設定とともに、自然エネルギー及び省エネルギー機器の導入費助成等の既存事業の見直しや新規事業の立上げなど、目標達成に向けた施策の充実強化を検討してまいります。

 次に、再開発事業などの脱炭素化についてであります。

 市街地再開発事業は、地権者が共同して土地の高度利用を図ることで、都心に希少なまとまった広場や緑地、防災機能を整備しながら、省エネルギー性能の高い建築素材や設備を導入した建物に建て替えていくものであります。事業完了後に、人々に利用される床が、これまでのものより省エネルギー性能の高いものに置き換わっていくことで、都市全体でのエネルギー消費の総量は徐々に減少していくものと認識しております。それに加えて、再生可能エネルギーの活用や、さらなる省エネルギー技術を導入することで実現されるネット・ゼロ・エネルギー・ビルについても、まちづくり基本条例や市街地開発事業指導要綱による最新技術導入への誘導によって、推進することができると考えております。

 次に、未利用エネルギーの利用についてであります。

 区では、これまでも区立小学校等における清掃工場のごみ焼却熱で発電した低炭素電力の使用、中央区保健所等におけるコージェネレーションシステムを採用する明石町地区地域冷暖房の導入など、未利用エネルギーの活用を進めてきたところであります。未利用エネルギーの有効活用は、エネルギー効率の向上による省エネルギー化に寄与する重要な取組であると認識しております。二○五○年ゼロカーボンシティの実現に向け、中央清掃工場の余熱による熱エネルギーを、ほっとプラザはるみに加え、晴海西小学校(仮称)、晴海西中学校(仮称)で活用するなど、今後も未利用エネルギーの活用を推進してまいります。

 次に、晴海四丁目、五丁目の土地購入についてであります。

 東京二○二○大会後の選手村跡地の住宅整備に伴い、晴海地区に新たな公共公益施設等の整備が必要になることから、大会の招致決定直後より、都有地の確保について、都との協議を重ねてきたところです。令和元年七月には、都へ買受け申請を行うとともに、使用目的の公共性に鑑み、買取り価格について特段の配慮をいただくよう要請しております。また、大会後の晴海地区の基盤整備が極めて急増かつ局所的な人口増加に伴うもので、本区の標準的な財政規模に比して過大な負担であること、新型コロナウイルス感染症の影響により区財政が逼迫した状況であることから、買取り価格の減額について最大限の配慮を求める要望書を本年二月にも都へ提出いたしております。その後、本年六月に、都において東京都臨海地域用地管理運用委員会及び東京都財産価格審議会が開催され、本区への都有地の売払いと、価格及び減額が決定されました。都有地の売払い価格は、都の規則に基づき、都において決定されるものではありますが、本区がこれまで都に対して主張してきた内容も考慮された結果、今回、減額が認められたものと考えております。

 次に、HARUMI FLAGについてであります。

 二棟の超高層棟の計画につきましては、晴海五丁目西地区の市街地再開発事業の都市計画を定めるに当たり、超高層棟も含め、建設する住宅や商業施設の規模や高さ、開発に伴う交通などのインフラ計画、環境への影響等について妥当性を検証し、地元のまちづくり協議会での議論も踏まえながら決定してきているものであります。また、開発協力金につきましては、本区の市街地開発事業指導要綱に基づき、開発協力金に対する協議を行ってきた中で、選手村に転用される板状棟と商業棟については、選手村ゆえの特殊な仕様や配置計画の制約などがもたらすコストの増加を鑑み、負担金の対象から外すことで事業者と合意に至り、協定を締結したものであります。

 次に、ジェンダー平等についてであります。

 初めに、男女の賃金格差については、女性の子育てや介護などによる平均勤続年数の短さや非正規雇用率の高さに加え、固定的性別役割分担の意識など、様々な要因があると指摘されています。これらの課題に対し、区では、保育施設の整備など子育て支援策や、介護者の負担軽減に向けたサービスの充実をはじめ、就労継続や再就職に向けたキャリア講座や企業経営者向けのワーク・ライフ・バランス推進企業の認定など、女性が安心して働き続けることができる環境整備を図っております。今後も、情報発信、意識啓発はもとより、こうした取組を推進し、働く場における女性の活躍を支援してまいります。

 次に、幹部職員や審議会委員等への女性の登用についてであります。

 区では、公平・公正な昇任選考制度の下、男女にかかわらず、積極的なキャリアアップに向けた働きかけを行うとともに、特定事業主行動計画では、ワーク・ライフ・バランスの推進に重点を置き、女性職員においても、その能力を十分に発揮できるよう環境の整備に取り組んでおります。審議会等の委員については、団体等の役職にかかわらず、女性の推薦を依頼するなど、登用の促進に引き続き努めてまいります。

 次に、相談体制についてであります。

 区では、度重なる緊急事態宣言下においても女性センターの面接・電話相談を通常どおり夜間まで実施し、現状においては十分な対応ができていると認識しております。今後とも、相談者のニーズを捉えながら、相談・支援に取り組んでまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君) 教育問題についてお答えいたします。

 感染拡大下での学びの保障についてであります。

 新型コロナウイルスの感染回避のため、やむを得ず登校を控える児童・生徒は、九月一日時点で小学校が二・二%、中学校が一・五%となっております。こうした児童・生徒に対しましては、学習に著しい遅れが生じることがないよう支援するとともに、規則正しい生活習慣が継続できるよう、学校と保護者が緊密に連携し、オンラインによる朝の会や、授業の一部を配信する学習のほか、発達段階を踏まえたワークシートやドリル学習を行わせるなど、様々な学びの保障を実施しております。また、教育委員会では、感染状況による一斉休校を想定しながら、短期・中期・長期の期間に応じて、一人一台のタブレット端末を活用した教科・内容別の学習保障の方針を学校に示しているところであります。今後も、児童・生徒の安全・安心を第一に考え、家庭の状況や保護者の気持ちに寄り添いながら、学習保障に取り組んでまいります。なお、PCR検査の対象拡大につきましては、これまで学校内での感染の拡大は確認されておらず、保健所と学校や教育委員会が連携して濃厚接触者の特定を行い、適切にPCR検査が実施されていることから、さらなる検査の拡大は考えていないところであります。

 答弁は以上であります。

〔十九番 小栗智恵子議員登壇〕

○十九番(小栗智恵子議員)
 御答弁いただきましたが、何点かに絞って再質問をさせていただきます。

 最初に、新型コロナウイルスの対策の関係ですが、五輪の開催によって直接的な影響はなかったというような御答弁だったんですけれども、東京五輪の開催の中で人流が増え、開催することによって、それが影響を与えて感染の爆発状況を招いたということは、事実をそのまま見れば明らかではないかというふうに思います。変異したデルタ株が猛威を振るうという危険性についても、以前から指摘をされてきたのに、そういう対応がきちんとされていなかったということも大変問題だというふうに思います。

 八月には一日の感染者が百七人を超えたということで先ほど御答弁いただきましたけれども、本当に感染者が急激に増えて、保健所をはじめ、職員の皆さんも大変厳しい対応を迫られ、大変な苦労があったというふうに思います。国のコロナ対策が科学的な知見に基づく対策でなくて、対応も後手後手になってきている、救える命が助からない、そういう状況になってきているということで、まさに人災ではないかと言えると思います。こうしたことを繰り返してはならないと思います。

 今の国の対応もワクチン一本やりという感じなんですけれども、今、新規の感染者が減っているとはいえ、検査数が減って発見できていないということであれば、これから冬に向けて、また感染の拡大を繰り返すことになってしまいます。感染経路を遮断する取組、特に、今、エアロゾル対策を、WHOも主要な感染ルートとして位置づけて、その対策をきちんと取るようにということが示されていますけれども、それと併せて検査の拡充がどうしても必要だというふうに私は思います。

 日本のPCR検査の状況は、世界二百二十二か国中、百四十三位と、大変立ち後れているわけですけれども、先ほども御紹介のあった国や都で行っているモニタリング調査で陽性者が見つかるのは、濃厚接触者の検査よりも十倍も多いという結果が出ています。学校での検査の拡大を進めるという文科省の通知や、家庭に検査キットを配布する取組をしている県などもあります。誰でも何度でも無料で受けられるPCR検査で早く陽性者を保護する、そういう感染症対策が必要ではないかというふうに思います。今まで以上のことを全くやらないということなのか、もう一度御答弁をいただきたいというふうに思います。

 次に、環境問題ですけれども、本当に、今、世界的に気候危機を打開していかないと大変なことになるということで、各国の取組が進められています。中央区は日本の経済を牽引しているところなので、CO2の削減はなかなか難しいというようなお話も以前ありましたけれども、やはり地球環境を守っていくためには、建物の規模を小さくしてCO2の排出を抑えていく。省エネや、そういった取組もしているけれども、今、増えているということなので、省エネなどの機器を導入して、今まで以上に増えない規模にしていくということは、どうしても必要ではないかというふうに思います。

 環境行動計画の見直しの際、国の法律に基づいて目標を決めていくというお話もありましたけれども、ぜひ積極的な目標を設定して、その達成に向けた具体的な取組を計画化するように求めたいと思います。もう一度御答弁をお願いいたします。

 晴海地区の土地の購入の問題です。

 これは中央区としても、東京都に対して減額をずっと要望してきたというお話もありました。選手村の開発では、もともと東京都が一人三役で、更地を持っていた地権者として、そして、それを開発する個人施行者として、さらに、許認可を与える許認権者となって、晴海の選手村用地の百三十ヘクタールについては、財産価格審議会の評価も受けずに、相場の十分の一を設定して決めています。土地の譲渡については、都議会にも諮らずに再開発法で進めたということで、中央区が買うところ以外の場所は地価の約十分の一の価格で取引されています。同じ敷地にあるのに、中央区が購入する土地はその五倍というのは、やはり納得できないということで、再交渉はできないのか、この点について、もう一度御答弁をいただきたいと思います。

 以上で再質問を終わります。よろしくお願いします。

〔保健所長 渡瀬博俊君登壇〕

○保健所長(渡瀬博俊君) それでは、御質問がありましたPCR検査の拡充についてでございます。

 PCR検査につきましては、現在、区では、濃厚接触者、感染している可能性が高い方を中心に、行政検査として検査を実施しております。その結果、おおよそ検査をした人の中から二割ぐらいの確率で陽性の方が発見されているといった状況です。早く発見して感染の拡大を防ぐということについては、こういった検査を実施することによって、十分体制のほうは整えられているのではないかというふうに考えてございます。

 現在、国のほうではモニタリング調査を実施しているということでございますが、やはり無症状者に対しての検査というところでは、非常に陽性率が低いといったようなところもございまして、例えば、感染がさらに拡大する、大きく感染が広がって、ちまたに蔓延するようなことが出てくる、あるいはホットスポットが生じている、そのような場合には検査の拡充というところも検討する対象の一つとは考えてございますが、現時点において、無症状者に対しての検査の拡充に関しては、区長から答弁させていただいたとおり、効率、コスト、そういった様々な面を含めますと、実施することは、現時点では見送らせていただきたいというふうに考えているところでございます。

 私からは以上でございます。

〔副区長 吉田不曇君登壇〕

○副区長(吉田不曇君) 環境問題について、国の基準を超えた計画策定ができないのかというお尋ねでございます。

 やはり環境問題については、「サイレントスプリング」で問題提起されてから、もう既に四十年以上の年月がたっておりますけれども、この課題については、常に、基本的には広域的な課題だと認識しております。やはり地球規模であり、国の対応でいえば、国のレベルでの話であります。私どもだけで解決できる問題ではございません。

 その点は、私どもは早い時期から意識しておりまして、我々都心区として環境問題に対して何ができるかということについては、そういう部分において、本当に都心区の旺盛な経済活動を前提とした場合に、何ができるかということを真剣に考えて、既に私どもは平成十八年に中央区の森というものを案として提出し、議会にお認めいただきながら、基本的には、環境問題は、区というレベルでの事業も大切だけれども、それを超えたところにも環境問題はあるんだというふうに主張をし、その部分を御理解願ったつもりでございます。その平成十八年のときには、小栗議員の党派の方からは、何を言っているんだかよく分からんというような御指摘もいただきまして、御反対いただいたことが、予算の修正案の中にもはっきり出ておりますので、なかなか小栗議員の党派には、広域性ということについては御理解いただけないものというふうに考えておりますが、私は、やはり環境問題については、広域性というのは常に頭にあって、その中で都心区で何ができるかということが大事だと思っております。

 環境行動計画について見直しを行います。今、待ったなしの事態だということは御指摘のとおりでございますので、環境行動計画の見直しの中で、先ほど区長が御答弁申し上げましたように、委員会の中で真剣に議論しながら、私ども都心区として何ができるかを真剣に問いながら、この部分について対処をしていきたいというふうに考えております。

 それから、晴海地区の土地の値段の在り方について再交渉ができないのかというようなお尋ねでございます。

 この辺については、実際のところ、東京都が住宅事業者との間でどういう契約をしたか、これについては、御議論はいろいろあるんでしょうが、東京都議会と東京都の中でのお話でございます。私どもは、都という土地所有者から土地の払下げを受ける立場であると同時に、私ども区というのは、残念ながら、広域的な都の財政計画とリンクしながら動いている基礎的な自治体でございます。そのルールの中で、私どもは、極端に言えば十分の十の減額も含めて要請して、東京都から価格と減額幅について周知をされて、今に至っているわけですから、この部分についてもう一回、不満がありますから交渉していただけますかということは、現実の問題としてできかねることでございますので、その部分の中で、私どもとしては、今後の学校建設計画等を進めていきたいというふうに考えているところでございますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

〔十九番 小栗智恵子議員登壇〕

○十九番(小栗智恵子議員)
 御答弁をいただきましたが、一言要望も含めて述べたいと思います。

 新型コロナ対策については、緊急事態宣言の解除に向けて、今、検討がされているところですが、感染拡大を繰り返さないためには、本当に科学的な知見に立って、そして、これまでの教訓を踏まえて、きちんとした対策を取っていかなくてはいけないというふうに思います。特に、PCR検査の拡大を強く要望したいと思います。今のところ考えていないということでしたが、ぜひこれから真剣に考えていただけたらというふうに思います。

 都有地の購入については、再交渉は無理だというお話だったんですけれども、同じ場所の土地の値段を東京都として十分の一で決めている。それをなぜ中央区には適用してくれないのか。やはりどうしても納得がいきません。再交渉を求めたいと思います。

 最後に、地球環境の問題ですけれども、地球環境、脱炭素化は、もちろん中央区だけでやるわけではなく、広域的に本当に真剣に取り組んでいかなくてはいけない課題だというのは、そのとおりだと思います。それで中央区の森などもやってきたということなんですけれども、例えば八重洲において、今、大きな開発が四か所で進んでおり、一つの計画だけで中央区の三倍、四倍の土地を森にしないと吸収できないようなCO2を排出するビルがあちこちで建設されています。そういうことを考えて、巨大なものを建てるという方向性について検討をしていかないと、中央区としての責任は果たせないのではないかということをずっと主張しているところです。

 ゼロカーボンシティ中央区宣言でも、残された時間は多くありませんということが示されていますけれども、気候危機打開の課題にも積極的に取り組むよう要望して質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、併せて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後四時三分 休憩


     午後四時二十五分 開議

○議長(木村克一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。まず、二十二番瓜生正高議員。

〔二十二番 瓜生正高議員登壇〕

○二十二番(瓜生正高議員)
 中央区議会自由民主党議員団の瓜生正高です。令和三年第三回区議会定例会に当たり、中央区が直面する諸課題について、質問通告の順序に従い、質問させていただきます。区長並びに理事者の皆さんには、区民の視点に立った積極的な御答弁を期待いたします。なお、御答弁のいかんによりましては、あらかじめ再質問を留保させていただきます。また、ほかの質問者と重複する内容につきましては、その趣旨を御賢察の上、御答弁いただきますようお願いいたします。

 まず、初めに、コロナ禍における地域経済の振興及び事業者支援について質問いたします。

 これまでの四度にわたる緊急事態宣言と、それらに伴う事業者への休業要請や営業時間の短縮要請、都民への自粛要請は、まちの活気を奪い、商工業を中心とする本区のまちづくりや地域経済に暗い影を落とし続けています。特に深刻なのは飲食業や小売業などで、廃業、倒産の瀬戸際で必死に耐え忍んでいるこれらの事業者の方々からは、酒類提供の制限緩和や営業規制の解除だけでなく、実効的な経済支援を求める悲痛な叫びとも言える声が日々寄せられています。こうした声を受け、七月二十七日には、区長と区議会議長の連名により、国と東京都に対して、飲食店の危機的な経営状況を少しでも改善できるような環境整備などについて要望したところです。

 改めて申し上げるまでもなく、中央区は商いのまちであり、そこに集う様々な事業者の活発な事業活動が地域経済を支え、本区の活力を生み出していることを我々は決して忘れてはなりません。そうした方々の声に実直に耳を傾け、いかに景気回復に向けた実効性のある政策を打ち出し続けていけるかが、ウィズコロナ、アフターコロナにおける本区の命運を握っていると言っても過言ではありません。

 確かに、現下の感染状況を鑑みると、休業要請や営業時間の短縮要請といった、いわゆる北風の対策も必要であることは否定いたしません。しかしながら、感染防止対策が浸透し、ワクチン接種が着実に進行する中、人々の意識、生活実態は一年前と今では大きく変容しています。こうした中、行政に求められていることは、感染防止対策のさらなる徹底と並行して、まちに活気とにぎわいを取り戻すための施策を具体的に検討し、実行に移すことではないでしょうか。そして、地域経済の活性化のために、何よりも重要なことは、休業補償や協力金といった応急的な現金給付ではなく、人々の消費行動に裏づけされた、物やサービスが売られ、買われるという、本来あるべき商いの中で経済を循環させていくことです。

 本区が今年四月に実施したキャッシュレス決済ポイント還元事業や、昨年に引き続き総額十八億円に規模を拡大して発行した区内共通買物・食事券事業は、こうした消費喚起による地域経済の活性化を図るもので、各事業者の生業に直結する経済支援であり、高く評価するものであります。これらの事業には多くの事業者、区民からの肯定的な反応をいただき、一定の経済波及効果も認められたと聞いております。本区においては、こうした取組を単発的なものとして終わらせるのではなく、いかにタイミングよく組み合わせ、効果的に消費を刺激し続けられるかが、地域経済をコロナ禍前と同水準に戻すこと、すなわち回復軌道に乗せるための鍵となります。

 感染状況は依然として予断を許さず、変異ウイルスの出現により、感染防止対策と経済対策の両立のハードルは非常に高いということを承知しております。しかし、区民、事業者の方々が不安を抱え、先の見えない状況である今こそ、行政がその先にある未来に思いを巡らし、景気回復への道筋を確固たるものにするために、本区としてなすべきことは何かを戦略的に思考すべきときであります。

 そこで、お尋ねいたします。

 コロナ禍の収束を見据え、今後、国や都が実施する消費喚起及び景気浮揚を目的とした経済支援策に加えて、本区としても地域経済支援を戦略的に実施していくべきだと考えますが、本区の見解をお聞かせください。

 また、今回の九月補正については、令和三年十月から令和四年三月の年度末にかけて飲食業団体や商店街における集客事業などの支援、すなわち集客促進や、それに伴う売上げ向上に寄与するものであり、地域経済を活性化し、地域の活力を最大限に引き出す取組として大変評価をしている次第であります。

 また、区民や事業者双方からニーズの高い区内共通買物・食事券については、来年度も実施していただけるものと考えております。しかしながら、例年どおり区内共通買物・食事券が六月に発行され、発売されると仮定すると、年度当初の空白期間をどうするかという課題が残ります。

 そこで、お尋ねいたします。

 効果的に区内経済を刺激し、景気回復を確かなものとするためにも、空白期間をつくらずに、来年度当初から速やかに経済振興策を実施できるよう、あらかじめ十一月補正でその道筋を明らかにする必要があると考えておりますが、本区の見解をお聞かせください。

 次に、介護を担う子供・若年者の現状について質問いたします。

 ヤングケアラーは、慢性的な病気や障害、精神的な問題などがある家族の介護や世話をする子供を指します。法令上の定義はありませんが、日本ケアラー連盟は、大人が担うようなケアの責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどをする十八歳未満と位置づけていいます。政府の実態調査によると、公立中学二年生の五・七%、公立の全日制高校二年生の四・一%がヤングケアラーでした。ヤングケアラーの救済は喫緊の課題であります。

 政府は、全国の教育現場に対する初めての実態調査を実施しました。厚生労働・文部科学両省の共同プロジェクトチームは、調査結果を踏まえ、五月に支援策を盛り込んだ報告書をまとめました。両省は、政府の経済財政運営指針、骨太の方針に反映させ、早期に実施する考えを明らかにしていますが、課題も残ります。

 政府の全国調査に関する検討委員会で座長を務めた立正大学の森田久美子教授は、全国調査の実施は、家族のケアが子供の学業や健康に多大な影響を与えることをデータで裏づけ、そのような生徒は学校を休みがちになったり、遅刻をしてしまったり、一人でいることが多かったりします、周囲の大人は、こうした様子の背景にはケアの負担があるかもしれないと想像力を働かせて、早期発見につなげてほしいと語っています。

 子供にとって、調査は自分の状況を客観的に見詰めるよい機会になったのではないでしょうか。面倒を見るのは当たり前と考えていた中、つらいと思っていても大丈夫なんだと気づいた子供たちもいたかもしれません。ケアをする側、される側は対立構造ではありません。子供がかわいそう、親は何をしていると思う人もいるでしょうが、親も生活に困窮していたり、福祉サービスの活用が分からずに困難な状況に陥っていたりします。家族がつらそうにしていたら、その危機を敏感に察知しているのがヤングケアラーで、その存在こそが家族間に内包されがちなSOSを社会に知らせてくれています。

 また、厚生労働省虐待防止対策推進室長補佐である内尾彰宏氏によると、全国調査の取りまとめやプロジェクトチームの事務局は、厚労省の虐待防止対策推進室と文科省の児童生徒課が共同して組織化をしたそうです。両省が連携したからこそ、中高生に直接尋ねる形式の調査が実現し、支援策の検討が短期間で進みました。報告書は、厚労省だけでも十以上の担当課が関わっており、調査や報告書作成の過程で横断的に取り組むことができたのは、意義深いと述べられています。

 ヤングケアラーの実態把握に向けた国の試みは、二○一八年度、要保護児童対策地域協議会への調査から始まりました。先行していた民間や研究者の調査で、家族のケアを担う子供の存在が少しずつ認知されてきてはいましたが、厚労省内でも認知度は決して高くはありませんでした。ヤングケアラーを主眼にした全国規模の調査はなく、国会で実態把握を含め、支援の必要性が議論されたことなどを踏まえ、調査に乗り出しています。

 二○二○年度は、表面化しにくいヤングケアラーの実態をより正確に把握するため、教育現場への調査も行いました。研究者や自治体もこれまで中学生を対象にしてきませんでしたが、初めて当事者の声を聞くことができました。結果は予想をはるかに超えており、きょうだいのケアに追われる子供の多さに驚き、中高生ともに、相談したことがないとの回答が六割を超えており、その数字を重く受け止めました。調査に加え、プロジェクトチームに当事者や支援者を招いたことで、より理解を深めたそうです。

 相談しない子供の多さの背景には、介護や障害、病気を話題にしづらい社会的背景も無縁ではないと思います。プロジェクトチームは、報告書をまとめる際、ヤングケアラー、イコールかわいそう、家族ケア、イコール悪いことといったレッテル貼りにつながる表現をしないように注意したそうです。家族の状況を知られることが恥ずかしいと思っていたり、ケアが生きがいになっている場合があることに留意する必要がある、まずはしっかり寄り添い、支援が必要なのか、どのような支援が欲しいのか聞き取ることが重要であると明記したそうです。ケアの負担が重くなると、学業や友人との交流など、子供らしい生活ができなくなるのが問題なのであり、ケアそのものが問題であると誤解してはいけません。子供が望めば話を聞いてもらえる場所があり、受け止める大人がいるという体制の整備が支援の基本であると感じます。相談のしやすさや周囲の気づきにもつながり、福祉などの既存の制度をより有効的に機能させられるはずです。報告書には、教育機関や福祉、医療などの専門職への研修や啓発推進を盛り込み、中高生のヤングケアラーの認知度を五割にする目標もあります。

 日本経済新聞に寄稿した日本ケアラー連盟代表理事である児玉真美氏の記事によると、ケアラーの中でも、社会から最も見えにくい存在がヤングケアラーであると述べられています。家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケアの責任を引き受け、家事や家族の世話、介護及び感情面のサポートを行っている十八歳未満の子供であります。発達期の子供が担うことで、年齢相応の学校生活を送れなかったり、介護をしたりしていることを周りに話せず孤立したり、複雑な葛藤を抱えて苦しんでいたり、進学や就職にも影響が出たりすることが懸念されます。

 十代から二十代後半まで祖母を介護した元ヤングケアラーの証言があります。僕は、祖母の介護と引換えに、友達、学業、仕事、そして時間を失った、本当は誰か助けてと叫びたかった、祖母が亡くなったときに、おばあちゃんはあなたに介護してもらえて幸せだったのねと言われたが、僕が欲しかったのは、僕と祖母の幸せが両立できるような生活だったと語っています。

 次に、元ヤングケアラーであった宮崎成悟氏の体験を紹介したいと思います。

 十五歳から難病の母の介護をしてきて、大学進学を一度は諦めたそうです。就職活動でもケアの経験が理解されず、ようやく勤めた会社も介護離職をしたそうです。自分の人生は無駄だったのかと落ち込んだこともあったが、ヤングケアラーという言葉と出会い、同じような境遇にいる人たちの存在を知り、救われたと語っています。同じように悩む人たちの力になろうと、今年二月頃まで約一年間、ヤングケアラーらの就職・転職を支援する会社を経営し、現在も当事者が直接いつでもつながれるオンラインコミュニティを運営しています。彼らの共通の悩みは、身近に相談相手がいないという孤立感や、介護と仕事を両立できるのかという不安です。プロジェクトチームのヒアリングに招かれ、就労支援と心理的ケアが必要だと提言したのは、自分の経験や当事者の思いを政策に反映してほしいからだそうです。

 宮崎氏が中学三年生のとき、母の目まいがひどくなり、買物や病院の付添いなど日常的なケアを担い、高校時代には母親が難病と診断されました。自力で動けない母を背負いトイレに連れていったり、料理や家事をしたりと生活全般の世話をするようになりました。大学には合格しましたが、母は寝たきりとなり、進学を断念するしかなかったそうです。二年遅れて進学したものの、やはり介護に追われ、サークルやゼミにも入れず、孤立感は深まったそうです。就職活動も厳しく、自己PRで介護をしてきたと強調したら、面接官は、なぜあなたが、どうして施設に入れなかったのかという反応だったそうです。大学の就職支援担当者に相談しても、学生生活をアピールできないのはあなたがサボっていたからではと、つれなかったそうです。転機が訪れたのは三年前、難病支援のNPOに参加してからです。これまでの経験を話したところ、宮崎さんはヤングケアラーだったんだねと言われ、そのときに初めて自分の置かれている状況の社会的立ち位置を知ったそうです。

 政府の報告書には、ヤングケアラーが自立して社会生活を送るための就労支援が重要であると書き込まれました。ハローワークなどの支援機関に協力を求めることを想定していますが、それだけでは不十分であると思います。就職支援事業で企業を回った経験から言えば、多くの時間を介護に費やす若者を積極的に採用する企業はほとんどありません、採用した企業に何らかのインセンティブやメリットを与えるなどして、企業を動かす必要があるのではないかと述べています。家族の世話により進路に影響があることが推察される、政府が四月十二日に公表したヤングケアラー調査の報告書には、こうした考察を盛り込みました。

 調査対象のメインは、公立中学二年生と全日制高校二年生でしたが、少ないながらも、定時制や通信制高校の生徒も調査しておりました。その結果を見ると、ヤングケアラーの生徒の割合は、全日制よりも定時制や通信制が上回りました。ケアのために、通っていた学校を辞めたと回答した生徒もいました。学業に深刻な影響が出ている実態が浮かびます。

 政府の調査で、ヤングケアラーの割合は全日制が四・一%だったのに対し、定時制は八・五%、通信制は一一%でした。これはサンプル数が少ないため参考値にとどまりますが、ヤングケアラーの定時制・通信制の生徒に、世話をしているために、やりたいけれどできていないことを問うと、「進路の変更を考えざるを得ない、もしくは進路を変更した」、「自分の時間が取れない」、「友人と遊ぶことができない」、「睡眠が十分に取れない」などの項目で、定時制・通信制は全日制を上回りました。また、通信制の生徒については、平日一日当たり「七時間以上」家族のケアに費やしていると回答した生徒は二四・五%に上り、「当初通っていた学校を辞めた」という回答も一二・二%ありました。生徒が在籍する学校に対しても調査が行われ、ヤングケアラーに該当する生徒の有無を聞いたところ、「いる」と回答した割合は中学校四六・六%、全日制高校四九・八%だったのに対し、定時制高校は七○・四%、通信制高校六○%という結果でありました。

 調査に関わった関係者によると、当初、通信制は調査の対象外であったが、調査に関する検討委員会の有識者が含めるように求めたそうです。政府側は、全日制と定時制の比較で十分と考えていたが、有識者は、ケア負担による進路や将来設計への影響を把握するため、通信制の調査も必要であると主張しました。聞き取り調査に応じた通信制高校は、想像以上に多くの生徒が子供らしい生活ができず、未熟なまま大人の役割を担わされていると回答し、精神疾患の母親の代わりに家事を担い、アルバイトで家計を支えている男子生徒の事例を説明しました。この生徒は、父親から他人に相談してはいけないと口止めされ、スクールソーシャルワーカーに家の事情を話したがらないそうです。調査報告書には、調査に回答した生徒たちの自由記述も掲載されています。そこには、ケアをしながらでも進める進路が広がってほしいという訴えもありました。学校に関わる時間を減らし、その分、家庭に回さざるを得ない子供の多さを改めて突きつけられたと、定時制で二十五年の現場経験のある現役の都立高校教諭は取材でこう話し、高校を選ぶ時点で既に学習が大きく遅れていたり、教育への信頼を失っていたりする子供は珍しくないと、ヤングケアラーの早期発見や支援の必要性を指摘しています。

 そこで、お尋ねいたします。

 様々な観点から人生の成長期と呼べる中学生、高校生、大学生がヤングケアラーとして自己犠牲を強いられ、将来の選択肢を狭められている状況は、社会の在り方としてもゆがんでいると思います。そのためにも正確な状況を把握することが肝要であると思いますが、本区の見解をお聞かせください。

 また、日本ではまだまだ介護は家族がすべきという考え方があります。その中でも、ケアをする人の現実、様々に抱える問題と向き合ってケアラー支援、ヤングケアラー支援を進めるために、条例の制定が進んでいます。二○二○年三月に埼玉県、二○二一年三月に北海道栗山町でケアラー支援条例が制定されました。この条例は、埼玉県では従来の介護者とヤングケアラーの二本立て、栗山町では主に従来の介護者に絞った条例であります。従来の政府に答申された報告書によると、オンラインを活用した相談体制の整備も盛り込まれたことを評価したいと思います。まずは、雑談や愚痴などを気軽に話し合える環境づくりも支援策の第一歩であると感じております。

 そこで、お尋ねいたします。

 ヤングケアラーの具体的な支援策について、本区の見解をお聞かせください。

 これにて私の一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君) 瓜生正高議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、コロナの収束を見据えた本区の経済支援策についてであります。

 区内事業者においては、新型コロナウイルスによる影響が一年半以上にも及ぶとともに、四度にわたる緊急事態宣言の発出等による経済活動の制約を受け、まさに甚大な影響を被り続けております。こうした中、区では、昨年の三月以降、緊急融資制度の創設をはじめ、ハッピー買物券の拡大、キャッシュレス決済ポイント還元事業の実施、各種補助制度の充実などを適宜実施することにより、区内事業者の支援を図ってまいりました。感染症の収束も見えず、先行きに対する不安が払拭できない状況において、区内事業者がかつてのように活発な事業活動を展開し、かつ区民等の消費意欲を喚起するよう、引き続き強力に経済対策を推し進めていく必要があるものと考えております。区といたしましては、今後とも国や都の支援策の動向を踏まえながら、それらと相乗的な効果をもたらす対策を総合的に検討し、区内経済の下支えに資するよう積極的に取り組んでまいります。

 次に、来年度当初からの経済振興策についてであります。

 コロナ禍の経済対策は、その時々の感染状況や社会経済情勢を敏感に捉え、時宜を失することなく講じるとともに、効果的な施策を継続的に実施していくことが何よりも重要であると認識しており、その観点から、この九月議会においても、商店街等の集客事業に対する支援について補正予算を計上しております。さらに、切れ目のない支援を継続していくため、来年度についても当初から支援策を講じられるよう、十一月議会における補正予算の計上も念頭に入れ、しっかりと今後の経済対策を検討し、実施してまいりたいと考えております。そのため、関係団体との意見交換や各種経済指標などを踏まえ、区内事業者のほか、商店街や商工団体等に対する適切な支援策の構築に向け、早急に検討してまいります。区といたしましては、感染症による事業者へのこれまでの影響を補うのみにとどまらず、今後も本区が商工業のまちであり続け、地域のさらなる活気とともに、にぎわいの創出につながるよう、区議会にもお諮りしながら、適時必要な支援を積極的に講じてまいります。

 次に、本区におけるヤングケアラーの状況把握についてであります。

 ヤングケアラーについては、ネグレクト等の虐待に当たる可能性が高いことから、現在、区では要保護または要支援の児童に関する情報を共有している要保護児童対策地域協議会において把握に努めております。しかしながら、ヤングケアラーは家庭内のデリケートな問題であり、表面化しにくいことや、社会的認知度が低く、支援が必要な子供がいても周囲の大人が気づけないこともあるため、正確な実態の把握は難しい状況にあります。したがって、今後は研修会等を通じて、区の各福祉部門や学校、警察、民生・児童委員などの関係機関等の認知度向上を図りつつ、地域が一体となった見守り体制を構築し、状況の把握に努めてまいります。

 次に、ヤングケアラーへの支援についてであります。

 ヤングケアラーには、ケアをしている子供本人も、自身がそういった状況に置かれていることに気づかず、どこに相談すればよいのか分からないといった課題があります。区といたしましては、今後、毎年小・中学生に配布している困ったときの相談先を記載したカード「相談してね」にヤングケアラーの相談窓口を明記するなど、子供たちへの周知を図ってまいります。また、ケアラーが何に困っているのかは、それぞれが置かれている状況によって異なることから、関係機関と連携しながら、健康状態や生活環境に応じて必要なサービスを提供するなど、生活の改善に向けた適切な支援に努めてまいります。

 答弁は以上であります。

〔二十二番 瓜生正高議員登壇〕

○二十二番(瓜生正高議員)
 るる御答弁ありがとうございました。

 コロナ禍における地域経済の振興及び事業者支援について、私なりに前向きな答弁をいただいたものと解釈をしますが、これはやはり区民と事業者の方が実感を持って区の施策がしっかりと浸透しているということが一番肝要であると思います。区長も経営者であると思いますけれども、しっかりと区の事業者の皆さん、そして区民の皆さんの声に耳を傾け、日々新たな施策について考えていただければなと考えております。

 続いて、介護を担う子供と若年者の現状について、ヤングケアラーについては、私なりにも調べて、大変厳しい現状にいる子供たちが日本全国にいると。中央区では、まだ実態化していない、現状の把握もしていない部分もあるかもしれませんが、前向きな御答弁をいただいたと思います。

 残念なことに、子供は親を選べません。そして、生まれてきた環境を選べません。生まれてきた環境によって、子供は将来の道が既定されてしまう。これも悲しい現実でありますが、確かな真実だと私は考えております。ぜひとも、行政が声なき声に耳を傾け、子供たちの未来のためにも、今起きていることの現状把握をしっかりしていただくことが、今後の子供の福祉の向上につながると私は信じておりますので、その旨もお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。(拍手)

○議長(木村克一議員)
 次に、五番かみや俊宏議員。

〔五番 かみや俊宏議員登壇〕

○五番(かみや俊宏議員)
 中央区議会自由民主党議員団のかみや俊宏です。会派の一員として、質問通告に基づき質問します。区政の課題へ真摯に政策提言していくことをお誓いし、質問に入ります。区長並びに関係理事者の皆様におかれましては、質問の趣旨をお酌み取りいただき、前向きな御答弁をお願いいたします。なお、再質問を留保します。

 初めに、感染症の危機を克服する行財政運営について伺います。

 一点目は、行政のデジタル化です。

 今月一日、デジタル時代の官民のインフラを今後五年でつくり上げることを目指すデジタル庁が創設されました。本区は、近年の急速なICT化の進展に伴い、区民の利便性向上、行政の業務改善、推進体制の強化の三点が急務という認識の下、本年二月、中央区情報化基本方針を改定しました。改定方針では、四つの目指すべき目標と七つの柱を掲げて施策を推進しています。また、あると便利だと思う行政サービスに、窓口・オンラインのキャッシュレス対応、マイナンバーを活用したオンラインでの行政手続、施設予約のオンライン手続という回答が上位に示されているアンケートも紹介されています。さらに、今般提出した会派の重点要望では、区のホームページリニューアル、キャッシュレス決済、電子申請などの取組を推進し、区民にとって便利でやさしい区役所の実現に取り組んでいただきたい旨で、デジタル施策の着実な推進を要望しております。

 そこで、伺います。

 改定基本方針に示されたロードマップ、アクションプランも踏まえ、区行政のデジタル化についての基本的な見解と、社会情勢を踏まえ、特に力を入れて進めていく施策、取組をお示しください。

 二点目は、効率的な行財政運営についてです。

 本定例会に提出されている一般会計補正予算案はおよそ百八十六億円と、当初予算の二割弱という大規模なものです。晴海に新たに整備される特別出張所と小学校に関する予算が大宗を占め、改めて人口増加に伴う行政需要の拡大を実感します。区財政は、令和二年度決算を見ると、健全な状態と考えます。しかし、昨年度補正で合計およそ二百二十億円の予算を投入した新型コロナウイルス感染症対策は、今後も求められていくと考えます。また、歳入環境も厳しい局面であることに留意が必要だと考えます。

 そこで、本区の財政状況について、現状認識と今後の見通しを伺います。また、来年度予算編成に向けた取組、見解を伺います。

 次に、財政運営で重要な財源確保策について伺います。

 昨年の第三回定例会で、減収補填債の活用を御提言申し上げました。昨年十月、都庁での意見交換会で区長は都知事に三点要望され、一つが財源対策でした。その中で、減収補填債の発行について、市町村民税法人分に係る減収補填債の発行が可能となるよう都から国へ働きかけをお願いしたい旨、要望されました。特別区長会からも同旨の要望がなされ、国・都へ積極的な働きかけをいただいた、そして要望が調整債の発行につながったと認識しております。

 そこで、改めて伺います。

 今後も厳しい財政環境が想定される中、減収補填債の要望をはじめとする多様な財源確保策を国・都に働きかけ、制度的に担保されるよう取組を継続すべきと考えますが、見解を伺います。

 次に、税の使われ方の検証について伺います。

 本区は、財務情報などを活用した行政評価、その結果を踏まえた予算編成、決算分析をまとめた財政白書の発行などを通じ、広く区民の皆様へ税の使われ方を公表いただいていると認識しています。今後、さらなる取組の強化として、研究・検討の視点があるとすれば、それは予算編成過程についてと考えます。例えば、お隣の港区では、編成のスケジュールを公開し、また、新規・拡充事業は一覧や各事業の詳細を記載した概要書も公開しています。

 会派の重点要望、分かりやすい予算編成過程の情報発信の検討という項目も踏まえ、予算編成過程の公開など、さらなる情報発信の検討を進めていただきたいと考えますが、見解を伺います。

 次に、グリーンリカバリーなまちづくりについて伺います。

 私たちは、今、新型コロナウイルス感染症と気候危機という二つの大きな危機に直面しています。コロナ禍からの復興は、脱炭素社会など環境問題の取組も併せたグリーンリカバリーの考え方に基づき、都市を進化させ、次世代に引き継いでいく責任があると考えます。

 本区は、今年七月、銀座・築地周辺みどりのプロムナード構想を公表しました。区内では、道路交通ネットワークの構築、築地市場跡地の国際的な交流拠点などの検討が進められています。そこに築地川アメニティ整備構想による新たな緑化空間の創出を進めることは、グリーンリカバリーに資するまちづくりと考えます。そして、このような取組を、今後、他地域にも創出、拡充していくことが必要と考えます。

 日頃、日本橋東部地域の方々から多く御意見を伺う場所の一つが浜町川を埋め立てた浜町川緑道です。一六○○年代前半に水運、水路として開削された浜町川は、昭和二十五年に久松警察署に隣接した小川橋以北、昭和四十九年に以南も埋め立てられたとのことです。整備から五十年近くが経過し、私が御相談を伺った限りでも、緑道沿いに駐停車する車列への対応、商店街の方からの周辺の照度についての御意見、長期滞在している路上生活者の方へのお声かけ、一昨年に撤去された喫煙スペース、現在の緑道内での受動喫煙についてなど、様々な御意見がありました。本区は、各事案にきめ細やかな対策を講じられていると認識しています。一方で、整備からの時間の経過に伴い、緑道内の小川のスペースの活用や東西の往来が行いづらい点、緑道自体の老朽化など、課題も感じるという御意見も伺います。

 そこで、伺います。

 これらの要望に応えるためにも、平成三十一年三月に改定された中央区緑の基本計画に基づき、グリーンリカバリーの視点も踏まえ、浜町川緑道の大規模改修、再整備を行うことが必要であると考えますが、見解を伺います。

 地域や緑道に新たに求められる機能を付加するとともに、浜町公園やトルナーレ広場、あやめ公園など近隣の公園などと連続性、親和性を持った緑化空間の創出が必要と考えますが、いかがでしょうか。

 また、会派の重点政策要望、日本橋東部地域での隅田川テラスの利活用の推進も踏まえ、隅田川テラスの水辺環境整備も含め、地域や関係機関と連携し、日本橋東部地域における水と緑のプロムナード化、にぎわい創出を進めていくべきと考えます。それぞれ見解を伺います。

 次に、ナウマンゾウの化石、浜町標本について伺います。

 令和二年第一回定例会で、浜町標本を地元で展示するプロジェクトを立ち上げ、文化的魅力を発信し、住民が地域を理解し、愛着を持つような取組を推進していただきたい旨、御提言申し上げました。答弁では、八王子市所有のナウマンゾウの化石は新資料館での展示計画を確認していること、レプリカの貸出しは、スペースや移送・組立て経費などから、本区での展示は困難である旨でした。一方、浜町標本は大変貴重であるという認識の下、地域の意見なども踏まえながら活用方法を検討いただけるとのことでありました。

 その後、地域では、昭和五十一年の発掘時に標本の現物を浜町で実際に御覧になった方や商店街の方、地域のワーカーの方などが中心になって、ナウマンゾウの化石「浜町標本」プロジェクトが立ち上がりました。第一回の勉強会は、教育委員会の協力を得て、今年五月に開催されました。プロジェクトは、地域が主体となって活動することで、住民が地域を理解するきっかけとなるとともに、まちへの愛着度を高めることを目的に実施されています。勉強会の開催により、参加者の方の理解も深まり、地域での活動の機運も高まっています。

 そこで、伺います。

 前回の御答弁を踏まえ、浜町標本の存在や意義、その魅力について中央区としての活用を御検討いただきたいと考えますが、見解を伺います。また、観光の視点から、地域の魅力の一つとして情報発信を検討いただきたいと考えますが、見解を伺います。

 次に、デジタル時代の質の高い教育の実現について伺います。

 二○三○年の社会と子供たちの未来を見据え、学習指導要領が改訂されました。小学校では令和二年度から、中学校では令和三年度から実施が始まっています。以降、学校教育の急速な情報化が進み、GIGAスクール構想により、学校におけるICT環境整備、デジタル化の取組が進められています。本区においても、本年度より一人一台端末を活用した教育活動が始まっています。中央教育審議会は、今後の教育課程の在り方について、学習指導要領で示された資質・能力の育成を着実に進めることが重要であり、ICTも最大限活用しながら、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実が求められるとしています。

 そこで、伺います。

 子供たちの個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図るため、今後、どのように質の高い教育活動を展開されていくのか、見解を伺います。

 次に、久松幼稚園の移転について伺います。

 今年四月の委員会で、公立小学校の三十五人学級化などに伴う影響と対策についてとして、久松小学校の余剰スペースの活用に限界があることから、久松幼稚園園舎を小学校に転用し、常盤小学校内にある現在休園中の幼稚園スペースなどを令和六年度から活用する旨の報告がありました。地域の方々から様々な御意見を伺ったため、学校、校友会、PTAの関係者の方などにお話を伺うとともに、平成二十六年春から始まった増築棟建設の経緯、代替地の検討などを調べました。平成二十三年秋には、当時の久松小学校の校長先生からも、教室数が不足するのではないかとの懸念が表明されるなど、学校現場を含めて議論が深まった旨も仄聞しました。そのような、これまでの経緯に加え、三十五人学級化によって今回の対応が行われているものと理解しております。

 そこで、初めに伺います。

 四月の委員会報告以降、各学校・幼稚園の関係者の方々や地域の方々にどのように説明を行ってきたのか。あわせて、説明を行う中で、保護者や地域の方々などの御意見を反映された点があれば、お聞かせください。

 また、地域では、小学校の増改築や別館の建築、近接地や近隣の公園に幼稚園設置を望む声、学校の敷地内の公園を近接地に付け替え、要件を満たすよう望む声など、幼小一体の維持を望む声を伺いましたが、このような御意見に対しての検討経緯をお聞かせください。

 次に、四月の委員会報告では、移転後の名称に関しての表現がなく、久松幼稚園がなくなるのではないかという御心配の声も伺いました。

 そこで、伺います。

 移転する久松幼稚園の名称、通称は、久松、常盤、それぞれの歴史と伝統を大切にした名称、通称を望みますが、どのようになるのでしょうか、見解を伺います。

 次に、令和六年度の移転に向け、現実の問題を伺います。

 久松から常盤はおよそ一・五キロ離れており、園児たちが歩いて通うには遠いと思います。移転後の通園方法は、移転後の幼稚園と小学校の連携は、移転に加え、保育料の無償化も含めた需要への影響は、それぞれどうなるかなどの論点があると考えます。

 そこで、伺います。

 今、申し上げたような現実の問題を教育委員会としてどのように認識し、対策を検討されているのか、それぞれ見解を伺います。

 最後に、今後の在り方を伺います。

 今回の移転について、聞き及んでいる議論、経緯を踏まえると、私は仮移転というイメージを持ちたいと思っています。久松の関係者の方からは、決まったものは仕方がないという御意見を多く伺い、私自身も久松の卒園生、卒業生の一人として残念に感じています。当時の人口推計に基づき、学校施設の改築や改修に取り組まれてきたものと考えておりますが、予想を上回る人口流入が続いたことなどから、今般の久松幼稚園の対応になったものと推察します。国の三十五人学級化を契機に議論が急激に進んだものと理解していますが、過去の教訓をいかに今後に生かしていくのかということが大切だと思います。今後に目を向けると、久松小学校・幼稚園は一体的な存在であることが望ましいという御意見を多く伺い、私もそのように思います。できるだけ早くそのようになることを望みます。

 そこで、伺います。

 これまでの経緯を踏まえ、久松地域にいつ頃、どのように戻ってくることができるとお考えか、見解を伺います。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君) かみや俊宏議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、デジタル化についてであります。

 本区における行政のデジタル化は、人口増加や行政ニーズの多様化・複雑化、さらには新型コロナウイルス感染症が流行する中にあっても、質の高いサービスを提供し続ける、区民に便利でやさしい区役所の実現を目指すためのものであります。そのため、本年二月に新たな情報化基本方針を策定し、取り組むべき施策を定めました。この方針に基づき、今年度は、税・保険料のスマートフォン決済や、区役所一階窓口での住民票交付などの際のキャッシュレス決済、課税業務や保険年金業務などにおけるAI‐OCR、RPAを活用した定型業務の自動化・省力化などに取り組んでおります。また、生活様式の変化による非対面、非接触サービスへのニーズの高まりや、国による自治体のデジタル化推進などを受け、引き続きキャッシュレス決済の取扱窓口及び決済種別の拡大、マイナンバーカードを活用した電子申請の拡充について全庁を挙げて検討しているところです。こうした取組を通じ、さらなる区民の利便性、サービス向上を図るため、本区行政のデジタル化を着実に推進してまいります。

 次に、本区財政の現状と今後の見通しについてであります。

 歳入の根幹をなす特別区民税の本年六月時点の課税状況を見ますと、前年同期と比べ八億円ほど増加し、特別区交付金についても、八月の当初算定では前年度と比べ十五億円の増加となったところであり、予算編成時の見込みからは、幸いにして上振れしている状況であります。しかし、特別区交付金の当初算定結果は、中小企業融資あっせん事業におけるコロナ緊急対策という臨時的要因によるものであります。加えて、法人住民税の国税化や企業収益の低迷などを背景に、交付金の財源自体は減少しており、特別区全体では四・七%の減、前年度比で増加したのは本区を含め二区のみであることなど、感染症の終息が見通せない現状において、予断を許さない状況にあると考えております。こうした厳しい財政環境にあっても、本区は、住民に最も身近な基礎自治体として、区民の命と健康、そして安全な暮らしを守る責務があります。そのため、来年度の予算編成に当たっては、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症の拡大防止と地域の活力を取り戻すための取組を強化するとともに、福祉や健康、防災対策、コミュニティなど、区民生活や地域活動に密接に関わる取組の着実な推進を図ってまいります。また、本年三月のゼロカーボンシティ中央区宣言を踏まえた地域一丸となった環境負荷低減に向けた取組、ICTなどを活用した区民の利便性向上、行政の効率化にも積極的に取り組む考えであります。

 次に、多様な財源確保に向けた取組についてであります。

 景気の影響を受けやすく、地方交付税による財源補填制度を持たない特別区にとって、多様な財源確保は大変重要な課題であり、現在の厳しい財政環境にあって、その重要性はますます高まっているものと認識しております。これまでも法人住民税の一部国税化、地方消費税の清算基準の見直し、ふるさと納税制度など、大都市を狙い撃ちにした不合理な税制改正により、区民、地域に還元すべき貴重な財源が一方的に奪われ、自治体間の財政調整に使われております。また、本来、市町村税である法人住民税が、特別区においては特例的に都が賦課・徴収することをもって、減収補填債が発行できない状況となっております。これまでも、特別区長会として、不合理な税制改正等に対する特別区の主張を作成するほか、直接国や都に対し制度の見直しを訴えてまいりました。残念ながら、いまだ実現には至っておらず、本年八月にも、国や都に対し、改めて働きかけを行ったところであります。

 今後とも、安定した行政サービスの提供、そして区民福祉の向上のためにも、特別区長会を中心に、あらゆる機会を通じて財源確保に向けた取組を行ってまいります。

 次に、予算編成過程の情報発信についてであります。

 行政は、特別区民税をはじめ、皆様からの貴重な財源を活用し、区民の負託に応える施策を展開することを通じ、区民福祉の向上を図っております。特に、地方自治においては、区民・地域との協力の下、施策展開を図ることが肝要であり、施策に対し区民の理解を得ることは不可欠であります。こうした中、近年では、各自治体において予算編成の過程を公表する取組が広がっており、自分の納めた税の使い道の決定過程を分かりやすく発信することは、行政や地域に関心を持っていただく意味においても意義のあることと認識しております。区といたしましては、先行自治体の取組や課題、成果などの把握に努め、分かりやすい情報発信の在り方について引き続き検討してまいります。

 次に、浜町川緑道の再整備についてであります。

 浜町川緑道は、日本橋東部地域において南北方向に形成される貴重な緑の空間であり、憩いや安らぎを感じられる散策路のほか、地域のイベントに活用されるなど、区民の方々に親しまれている緑道であります。前回の整備から三十年以上が経過し、経年による施設の老朽化が進むとともに、地域環境の変化による緑道に求められる役割が多様化するなど、様々な課題があることも認識しております。緑道の再整備につきましては、環境問題への対策を取り入れながら、地域の方々と協働で進めていきたいと考えております。

 次に、緑化空間の創出についてであります。

 区は、これまで公園や街路の整備、民間施設における屋上や壁面緑化の整備など、緑化空間の確保に努めてまいりました。緑の量は増加傾向にあるものの、さらに緑化空間を創出することは、ヒートアイランド対策など都市環境を改善する観点から必要であると考えております。日本橋東部地域においては、浜町公園や隅田川を拠点とした既存ストックを軸に、緑道や街路樹による緑豊かで快適な水と緑のネットワークの充実を図ることで、引き続き緑化空間の創出に努めてまいります。

 次に、水と緑のプロムナード化、にぎわい創出についてであります。

 都は、平成二十五年度に策定した隅田川等における新たな水辺整備のあり方に基づき、テラスの連続化による回遊性の向上など、水辺動線の強化に取り組んでいます。区においては、隅田川に接続する街路の緑化や、護岸背後地の緑の充実を図ることで、隅田川テラスと一体となったプロムナード化を進めております。これに加え、都では、日本橋東部地域をにぎわい誘導エリアの一部として位置づけ、水辺を利活用し、人々の活動と誘導を目的に、官民が連携したイベントの開催などを行っております。区といたしましては、今後も都や関係機関と連携し、テラスを活用するなど、アフターコロナにおけるにぎわいの創出に向け、積極的に取り組んでまいります。

 次に、ナウマンゾウの化石、浜町標本の活用についてであります。

 浜町標本は、三個体が同時に発見されたことや、そのうち一個体が全身の骨格をとどめていたことから、学術的に大変貴重で意義深いものであり、この間、教育委員会とも連携しながら、その活用方法について検討してまいりました。具体的には、来年十二月に開設予定の本の森ちゅうおうにおいて、標本の写真などをデジタル情報としてアーカイブし、郷土資料館での展示・解説や関連する図書の紹介を行うほか、生涯学習事業への活用を考えてまいります。

 次に、観光の視点からの情報発信についてです。

 浜町標本に関し、既に地域の方々による勉強会が開催されていることは承知しており、当該地域において新たな観光資源ができることは、区内観光促進の面からも大いに期待するところです。一方で、効果的に情報発信を行うためには、当該標本に関する説明板の設置などにより、来街者等に具体的に紹介できることが重要であります。区といたしましては、今後、地域の方々のお取組による紹介の環境が整った際には、観光協会とも連携し、協会や観光情報センターのSNSへの掲載、まち歩きのルート上への組込みのほか、おもてなしスタッフの育成時における紹介など、取組の具体化に向け、積極的に検討してまいりたいと考えております。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君) 教育問題についてお答えいたします。

 デジタル時代の質の高い教育についてであります。

 社会は、急速な情報化や技術革新を遂げ、今後、予測困難な時代を迎えると言われております。このような時代をたくましく生き抜く子供たちを育てられるよう、学習の基盤となる資質・能力としての情報活用能力を育成するとともに、ICTを最大限に活用しながら、教育活動を充実させることが重要であると認識しております。この認識の下、授業の中でタブレット端末を使用することで、教員は児童・生徒の思考した内容を一覧で瞬時に把握することができます。また、ドリルソフトを活用し、AIを用いた分析や習熟の程度に応じた課題を配信することで、よりきめ細やかな個に応じた指導を展開することも可能であります。さらに、児童・生徒がタブレット端末上でワークシートの作成・編集を共同で行うなど、互いの多様な意見を共有しつつ合意形成を図る、質の高い学び合いを行うことができます。今後は、これまで蓄積してきた授業実践を生かしながら、学習履歴やAIを活用した家庭学習の充実にも取り組むほか、このような新たな時代に対応した教育ができるよう、教育研修の充実やICTのさらなる利活用を推進してまいります。こうした教育活動を通して、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図り、知識基盤型社会の中で自らの可能性を引き出し、開花させていく子供たちの育成に邁進してまいります。

 次に、久松幼稚園の移転に係る説明についてであります。

 教育委員会では、三十五人学級化への移行に伴う課題や、その対応策等について、久松幼稚園、同小学校、常盤小学校、それぞれの校友会や保護者のほか、通学区域の町会や住民の方々に対して全十七回の説明会を開催し、約二百名の方に参加いただいたところであります。あわせて、両校の通学区域に居住する未就園児がいる約八百八十世帯に個別の文書を送付することにより周知を図ったところであります。こうした意見の反映につきましては、当初、令和六年度から三年をかけて学年別に移転する予定でありましたが、説明会において、異年齢交流の在り方や兄弟姉妹で通園する際の保護者負担軽減の観点から再検討を希望する意見が寄せられ、様々な影響を考慮し、令和六年八月に全学年を一括移転させるようスケジュールの見直しを図ったところであります。また、令和四年度に常盤小学校の周年行事があることから、講堂の改修工事について、開始時期を七月から周年行事終了後に変更いたしました。今後とも、調整事項が生じた場合には、創意工夫の上、課題の解決に努めてまいりたいと存じます。

 次に、移転に係る検討経緯についてであります。

 幼稚園の移転は、小学校の教室確保のため、当初、学校の余剰スペースの活用や増改築を検討していきましたが、校舎内に余裕はなく、また、仮校舎建設のための用地確保が困難であることから、併設する幼稚園の移転を検討することとなったものであります。移転の検討に当たり、小学校の近接地が望ましいと考えたことから、久松町区民館や久松児童公園、堀留児童公園を移転の候補といたしましたが、園庭の確保や公園利用が法的に難しいことから、断念することとなりました。さらに、十思スクエアについても検討いたしましたが、園庭の確保が困難であり、幼稚園として利用できないことが判明いたしました。最終的には、教育委員会が保有する施設の活用を検討した結果、同じ日本橋地域に位置する休園中の常盤幼稚園スペース等への移転が適切と判断し、その方針を決定したものであります。説明会では、こうした検討経緯を説明した中で、新たに学校に近接する民有地の小学校利用について提案を受け、改めて検討したところ、毎日の児童の安全な移動が困難であり、学校運営に支障を来すことから、当初の方針で進めていく結論に至ったものであります。

 次に、移転後の久松幼稚園の名称についてであります。

 今回の教育施設の再編につきましては、久松幼稚園の移転であり、名称はそのままの使用を考えております。一方、移転先である休園中の常盤幼稚園の歴史と伝統を踏まえるとともに、その園舎を活用することから、常盤園舎という名前も併せて使用していく方向で検討をしております。

 次に、移転に向けた課題の対応についてであります。

 移転後の通園方法につきましては、安全な通園手段を確保するため、添乗員を配置したバスの運行を予定しており、現在、停留所の場所について関係機関と協議をしているところであります。また、久松小学校との連携につきましては、小学校と併設していない月島幼稚園の実績や課題を参考にしながら、通園バスを利用しての直接的な交流やオンライン交流を実施するなど、今後、園児が希望や期待を抱き当該校へ入学できるような幼児教育を行ってまいります。あわせて、常盤小学校との連携についても充実させてまいりたいと考えております。今後の久松幼稚園につきましては、両校と連携ができるなどのメリットを最大限に生かしながら、当該園の魅力をさらに高め、よりよい教育活動を実施してまいる所存であります。

 次に、今後の久松幼稚園の在り方についてであります。

 久松幼稚園は、令和六年の二学期から常盤園舎での運営を予定しております。まずは園の良好な教育環境を確保し、幼児教育が円滑に行われるよう取り組んでまいります。教育委員会では、今回の移転は小学校の三十五人学級化に対応するため実施したものと考えております。このため、久松小学校における今後の児童数の需要が満たされ、教室数に余裕が生じれば、久松幼稚園が再び戻ることについて、保護者の皆様や地域の方々へ、これまで御説明をしているところであります。本区は、日本橋地域をはじめ、引き続き人口増加が見込まれ、それに伴う児童に係る行政需要も増えていくと想定をしております。こうした今後の人口推計や地域の状況などを見据え、適切な時期に久松地域に再整備できるよう検討を継続してまいりたいと存じます。

 答弁は以上であります。

〔五番 かみや俊宏議員登壇〕

○五番(かみや俊宏議員)
 それぞれに御答弁ありがとうございました。

 今回は、新型コロナウイルス感染症の克服をどのように図っていくのかという視点から、行財政上、また、国、民間をはじめ、様々に注目されているグリーンリカバリーという視点で質問させていただきました。また、教育については、デジタル時代の教育の質の向上、そして地域で多く御意見を伺いました久松幼稚園の移転を取り上げさせていただきました。それぞれ御答弁、本当にありがとうございました。順次所感を述べさせていただきたいと思います。

 まず、デジタル化でありますけれども、御答弁の中で、まさにこれまでの取組、そして全庁を挙げて検討を進めていただくという考え、そして個別の税・保険料の取組ですとか、キャッシュレスを進めていく事例なども御紹介いただいて、同じ方向というか、認識を共有させていただけたのかなと、個人的には理解をいたしております。これからも、今、御答弁いただいたものを含めて、全庁を挙げて検討いただいている内容が今後どのようになっていくのか、こういうことに注目していきたいと思いますので、引き続きこの取組の推進というものを要望したいと思います。

 次に、効率的な行財政運営、財政状況と今後の見通しについてであります。

 幾つかの税の項目、費目の中で、幸いなことにということで、予算編成時から見積りが上振れしているということ、ただ、どうなるか分からないので、非常に厳しい状況というのは続いていくんだろうと。この環境の中でしっかりとやっていく、多様な財源確保も含めてやっていくという御認識も、同じ方向を見させていただいているのかなと個人的には認識させていただきました。

 前回、予算編成過程の公開のところで御提言申し上げたときから、かなり踏み込んで御検討を進めていただけるというようなお話で、他区の広がりも含めて、研究をしていただいて、どのような形がいいのか、どういう情報をどう公開できるのか、できないのか、こういうことを含めて、しっかりと御検討を進めていただきたいというふうにお願いしたいと思います。

 減収補填債については、不合理な税制改正というお言葉があったかと思いまして、この言葉に尽きるのかなと私は思っております。この不合理な税制改正というものに、引き続き私も、微力ながら、いろいろ勉強しながら声を上げていきたいと思っておりますので、ぜひ引き続き区長会も通じて要望をお願いしたいというふうに思っております。

 次に、グリーンリカバリーなまちづくりについてということで、日本橋東部地域のことを様々質問させていただきました。

 その中で、浜町川緑道の大規模改修を地域の方々と協働で進めていきたいという大変前向きな、力強い御答弁をいただけたのかなというふうに理解をいたしております。質問の際にも申し上げたように、これまでも、できることは大変きめ細やかに迅速に御対応いただいていたのかなと、地域に寄り添って御対応いただいていたのかなというふうに認識しております。ぜひその視点で、引き続きこの改修整備というものを進めていただきたいというふうに考えております。

 緑化空間の創出、また、水と緑の環境をさらに豊かにしていくということも積極的に進めていただける旨の御答弁、大変力強く思っております。関係機関との連携、あるいは地域でしっかりと声を上げていくことも大切なところかなと思っております。都の計画などを拝見いたしますと、どうしても隅田川の辺りは、もう少し川上というんでしょうか、浅草の辺りですとか、あるいは川下の辺りでしょうか、それぞれ魅力があるので、そういうことも分かるんですが、この地域も大変魅力があると思いますので、ぜひ引き続きこの積極的な取組というものをお願いしたいと思っております。

 次に、浜町標本、ナウマンゾウの化石、こちらも、前回の御答弁を踏まえて伺いましたが、大変前向きな御答弁をいただけたのかなと感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 その中で、中央区としての活用検討についても、本の森ちゅうおうでの御紹介あるいは生涯学習事業という言葉もいただいたでしょうか、そして観光の視点からも、地域の魅力として、地域でしっかりと形にしていくことの必要性というもののサジェスチョンがあったのかなと理解いたしました。地域の皆さんの声をしっかりと踏まえて、今後も御提言、御提案申し上げたいというふうに考えております。

 今回、グリーンリカバリーなまちづくりということで、大きく二問質問をしました。一つ目は、浜町川緑道の改修ですとか、ハードの視点、二点目はソフトの視点で質問をしました。ハードのほうは、ぜひ引き続き進めていただきたいというふうに思います。ソフトの視点は、本日御紹介したナウマンゾウ以外にも、例えば、先日、地域の方が主体となって新大橋の麓にある震災の記念碑、石碑の清掃が行われました。実は、様々な方の名前も石碑に刻まれているんですが、今、所有者が不明になっているということのようであります。そこで、まちへの愛着を高める取組として、地域の方が主体となって行われたということでありました。こういう地域、地元の方が大切に思っている特色とか、思いとか、取組を引き続き、これからも公益性を踏まえて、お墨つきをいただくというんでしょうか、ソフト面でも地域の活動の後押しを引き続きお願いしたいというふうに思っております。

 少し中長期的な視点になるんですけれども、ぜひ隅田川の活用を本当にお願いしたい、地域の回遊性をより高めていただきたいと思っておりまして、例えば浜町一丁目のところの船着場は、今、あまり使われていないと思うんです。これは区が設置したものではないと思うんですけれども、改修の機会などがあれば、浜町公園側に、もう少し川下のほうにというんでしょうか、移設をしたり、浅草やお台場のほうから船で来街者の方が来られて、船を降りると公園の真ん中から劇場に行けたり、甘酒横丁から地元の商店街を回遊できたり、こういうものを楽しんでいただく、あるいは浜町公園を出て左手に行って、清洲橋ですとか、隅田川大橋のテラスを楽しんでいただく、そんな姿があったら、わくわくすると思っています。

 もう一点、かなり前になるんですけれども、井の頭公園の動物園に行きまして、そこには、はな子という名前のアジアゾウの飼育スペースがありました。二○一六年に亡くなったということですけれども、その後も、子供たちが写真を撮れるパネルですとか、歯型とか、様々なエピソードとかが展示されていて、かなり人気があったんです。本物の象はいなくても、子供たちが並んでいました。もちろん、コロナの前だったんですけれども、すごい列をなしていました。

 浜町公園に目を移しますと、浜町公園側、浜町メモリアルの一階と申しましょうか、水と緑の資料館という展示スペースがあると思います。これは大変すばらしいスペースでして、今、コンテンツがたくさんあるというわけではないようでありますが、公園を含めて、そういった場所も活用できるのではないか、こんな御意見も地域で伺っております。前回の一般質問では、浜町駅のホームのスペースが大きく空いていて、主の帰りを待っているのではないかと申し上げたんですが、今後も地域での様々な御意見を伺いながら、この活用について御提言申し上げたいと思いますので、引き続き取組の推進をぜひお願いしたいというふうに思っております。

 次に、デジタル時代の質の高い教育活動の展開でありますけれども、非常に積極的に進めていただいていると申しましょうか、今、どのように取り組まれているのか、そして、その課題を踏まえて、どういうふうにやっていくのかということをお示しいただけたのかなというふうに思います。教員の皆様の視点も御答弁にあったかと思います。会派の重点要望でも、教員の方々の負担が少なくなるようにというような要望もさせていただいておりますので、ぜひ今御答弁いただいた視点で引き続き教育活動を推進していただきたいというふうに思っております。

 最後に、久松幼稚園の移転についてであります。

 いろいろな御意見を伺ってきました。ただ、それはあくまでも一部というんでしょうか、私が聞く限りということでありますので、全てを把握しているものではもちろんないと思います。物事の一面しか見れていないというふうには思っております。ただ、特に思いの強い方々からいろいろな思いを伺ったので、それを最後に今後の在り方ということで質問いたしました。その際に、久松地域に戻っていけるように検討を継続していただけるということでありましたので、いろいろな事情もあると思いますし、これからも社会状況がかなり変わっていくと思いますが、ぜひ今の御答弁を踏まえて、そして、私も今の御答弁を大切にしながら、引き続き地域の御意見を伺いながら活動していきたいと思います。

 名称についても、久松幼稚園の移転なんだということで、久松幼稚園のままであるということ、そして、常盤園舎という名称の大切さを合わせた名称、通称になるものと理解をさせていただきました。

 今後の課題ということで、令和六年度の移転に向けての様々な取組、ほかの地域、月島の地域でも離れているところがあるので、こういう実績と課題、そういう経験・ノウハウを踏まえて活用していただけるということ、そして説明会、十七回で二百名以上の方に御説明いただいて、いろいろな御意見を踏まえて対応いただいているものと思います。そういったことを、引き続ききめ細やかに地域の方々の御意見を聞いていただきながら、取組を進めていただければというふうに思います。

 以上るる申し上げましたが、本日申し上げた内容を含めて、区行政のさらなる施策の推進を要望いたしまして、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明二十五日、明後二十六日を休会とし、来る九月二十七日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十五日、明後二十六日を休会とし、来る九月二十七日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     午後五時四十六分 散会


署名議員
議 長  木村 克一
議 員  青木 かの
議 員  竹内 幸美

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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