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令和3年第四回定例会会議録(第2日 11月19日)

1.会期

十五日(第二日)

十一月十九日(金曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後六時三十七分散会

3.出席議員

(三十名)

一番 高橋 元気議員

二番 高橋 まきこ議員

三番 梶谷 優香議員

四番 田中 耕太郎議員

五番 かみや 俊宏議員

六番 太田 太議員

七番 二瓶 文徳議員

八番 しらす 夏議員

九番 奥村 暁子議員

十番 青木 かの議員

十一番 小坂 和輝議員

十二番 渡部 恵子議員

十三番 竹内 幸美議員

十四番 海老原 崇智議員

十五番 佐藤 あつこ議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 墨谷 浩一議員

十八番 山本 理恵議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 木村 克一議員

二十一番 富永 一議員

二十二番 瓜生 正高議員

二十三番 塚田 秀伸議員

二十四番 礒野 忠議員

二十五番 原田 賢一議員

二十六番 中嶋 ひろあき議員

二十七番 押田 まり子議員

二十八番 田中 広一議員

二十九番 中島 賢治議員

三十番 渡部 博年議員

4.出席説明員

区長 山本 泰人君

副区長 齊藤 進君

副区長 吉田 不曇君

教育長 平林 治樹君

企画部長 浅沼 孝一郎君

総務部長 黒川 眞君

防災危機管理室長 北澤 千恵子君

区民部長 濱田 徹君

福祉保健部長 田中 智彦君

高齢者施策推進室長 吉田 和子君

保健所長 渡瀬 博俊君

環境土木部長 望月 秀彦君

都市整備部長 松岡 広亮君

会計管理者 鈴木 浩君

教育委員会事務局次長 生島 憲君

監査事務局長 高橋 和義君

企画部参事(政策企画課長事務取扱) 溝口 薫君

財政課長 大久保 稔君

広報課長 園田 典子君

総務部参事(総務課長事務取扱) 山﨑 健順君

5.議会局出席職員

議会局長 伊藤 孝志君

庶務係長 長田 基道君

議事係長 小倉 正信君

調査係長 佐藤 康之君

書記 桝谷 剛司君

6.議事日程

日程第一
 一般質問


午後二時 開議

○議長(木村克一議員)
 ただいまより、本日の会議を開きます。

 新型コロナウイルス感染症対策として、出席者の抑制を図るため、指定の議員は退席を願います。

 また、理事者についても同様に願います。

〔指定の議員並びに理事者退席〕


○議長(木村克一議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 九番奥村暁子議員。

〔九番 奥村暁子議員登壇〕

○九番(奥村暁子議員)
 日本共産党の奥村暁子です。日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。答弁によっては、再質問、再々質問を留保させていただきます。

 初めに、新型コロナ第六波に備えた対策について質問します。

 新型コロナウイルス第五波のピークだった今年八月、東京都の重症者は二百九十七人に達し、約四百人が亡くなりましたが、墨田区では一時、区内の自宅療養者は四百人を超えましたが、重症者はゼロ、死者も同様にゼロでした。今後やってくるであろう第六波に向け、墨田区の取組を分析し、対策に生かすことは、中央区での感染拡大予防や重症者を減らす参考になると思います。

 そこで、お聞きします。

 第一に、第五波の際、中央区民で新型コロナにより亡くなった方、重症者は何人ですか。

 第二に、東京都は八月、濃厚接触者を探す積極的疫学調査を事実上縮小させましたが、濃厚接触者のPCR検査をしないと無症状の感染者がさらに感染を広げる可能性があるため、墨田区はこれまでどおりの調査を続けたということです。PCR検査の有効性についていかがお考えですか。

 第三に、墨田区保健所は人員を第四波のときの一・二五倍、約百二十五人に増やしたということですが、中央区は第四波のときから第五波にかけて、人員は何倍、何人に増えましたか。また、墨田区では、人員体制強化により二十四時間体制で自宅を訪問する健康観察チームを五つ整えたということですが、こうした取組が中央区でも今後必要だと思いますが、いかがですか。

 第四に、墨田区は、都が利用調整を行うコロナ病床とは別に、区の裁量で使える病床を三十三床確保したとのことですが、中央区でもこうした病床確保が今後に向けて必要だと思いますが、いかがですか。

 第五に、墨田区はコロナ禍で週一回、保健所、医師会、区内病院でミーティングを行ってきたとのことですが、中央区でのこうした取組はどのようになっていますか。地域の連携力を強化し、協力体制を構築することが必要だと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、コロナ対策の国の給付金について質問します。

 新型コロナで収入が減った人たちの暮らしを支えていくことは急務ですが、新たに岸田政権が打ち出した住民税非課税世帯を対象に一世帯当たり現金十万円という給付金には、三つの問題点があります。

 問題点の第一は、個人への給付がコロナで生活が困っている人に届かないものになっていることです。住民税非課税世帯には一世帯当たり十万円との方針ですが、非課税世帯というハードル自体がかなり厳しく、単身者で給与所得が百万円以上の人は課税世帯となって、給付の対象から除外されます。また、非正規で働き、コロナで収入が減って収入が不安定化している人でも給付がされない点も問題です。

 第二は、事業者向けの給付金が半分になっている点です。岸田首相は持続化給付金並みの支給を行うと言いながら、中身を見ると額が半分になっています。個人事業主向けの持続化給付金は最大百万円から最大五十万円になってしまい、法人では最大二百万円だったものが、多くの場合、最大で百万円になってしまいます。また、政府は十一月から来年三月までの五か月分と説明していますが、緊急事態宣言は今年一月から長期にわたって行われており、それを視野の外に置いて減額したのは全く道理がありません。

 第三は、給付金を盾に個人情報を差し出せというやり方を取っていることです。マイナンバーカードを取得した場合に五千円分、健康保険証とひもづけした場合に七千五百円分、預貯金口座とひもづけした場合に七千五百円分のマイナポイントを支給するとしています。マイナンバーカードが普及しないのは、個人情報がリスクにさらされることへの不安があるからなのに、無理やり給付金とセットで押しつけるやり方は取るべきではありません。

 この十万円の給付とは別に、十八歳以下を対象とした現金とクーポン、合わせて十万円相当を給付するということですが、判断基準となっている年収九百六十万円以下の世帯という条件について、世帯主の年収であることが不公平感を生むとの指摘が広がっています。夫婦どちらかの年収の高いほうを世帯主とするため、どちらかの収入が九百六十万円以上であれば、もう一人が収入ゼロであっても給付対象外、逆に、例えば夫婦二人とも年収九百五十万円の世帯でも給付対象となるということです。

 困窮学生への十万円給付についても基準は定まっておらず、昨年実施された学生向け緊急給付金で対象から外れた九割の大学生や短大生に届く支援になるかどうかも不透明です。

 給付金自体は必要なものだと思いますが、コロナで収入が減った方、もともと生活が厳しい方も含めた全体に行き渡る給付とすることが求められます。

 そこで、お聞きします。

 第一に、個人向けの給付金は、生活に困っている人、コロナで収入が減った人を広く対象にし、中間層を含め、年収一千万円未満の方に一人十万円を基本に支給すべきだと思いますが、いかがですか。

 第二に、事業者向けの給付金は半分などという道理のないディスカウントはせずに、持続化給付金、家賃支援給付金の第二弾を支給すべきだと思いますが、いかがですか。

 第三に、給付金を盾にしたマイナンバーカードのポイント付与は見直すべきだと思いますが、いかがですか。

 また、政府は消費喚起を理由にマイナンバーカードへのポイント付与を説明していますが、消費喚起と言うのなら、消費税五%への減税こそ行うべきだと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、コロナ禍での区独自の事業者支援について質問します。

 新型コロナが発生してから、この間、我が区議団は中央区に対し、家賃補助や区独自の給付金支給などの事業者支援を行うよう繰り返し求めてきましたが、いまだ実現していないことは残念でなりません。この間にも、ほかの自治体で、また新たに独自の事業者支援を行うところが生まれています。板橋区は、度重なる緊急事態宣言に伴う外出自粛や休業、時短営業の影響で事業収入が減少した区内事業者支援のため、板橋区中小企業等事業継続支援金を給付します。既に、十一月一日から申請受付が始まっています。対象は、二○二一年四月から九月までのいずれかの月の売上高が前年または前々年の同月比で二○%以上五○%未満の範囲内で減少している区内事業者となっています。東京都協力金の対象となる飲食店等は除くとなっていることから、都の支援から外れた事業者にターゲットを絞り、板橋区が支援するものです。三鷹市でも、事業収入が一○%以上減少していることなどを条件とした三鷹市中小企業等特別給付金制度が設けられました。国や都の支援策では、収入減少が前年度比で五○%など、高いハードルがあります。対象外となってしまう事業者を救う手だてを取ることこそ、一番身近な基礎自治体の役割として重要だと考えます。

 そこで、お聞きします。

 板橋区や三鷹市のように、東京都あるいは国の支援対象外となっている事業者でも利用できる支援金や給付金があれば、助かる区内事業者が多くあると思いますが、どのように認識していますか。中央区でも実施することを求めますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、時短営業に対する協力金への課税について質問します。

 コロナ禍で、区内の多くの飲食店は、国や東京都の要請に応じて休業や時短営業に協力したことに伴い、不十分ながらも補償として時短協力金を受け取りました。支給が遅れているなどの問題に加え、こうした協力金が課税対象となることが問題となっています。税金の計算上は非課税とすべきとの意見が多く上がる中で、税務当局は、売上げの補塡であり、雑収入として課税対象であるとしています。課税所得となると、納付する所得税額だけでなく、住民税、事業税、国民健康保険料、介護保険料まで大幅に上がることになります。実際に計算してみると、協力金給付額の三割以上を税金として納めなくてはならないケースがあるなど、重い負担となっています。

 第二回定例会で質問しましたが、コロナ禍で営業が立ち行かない中小事業者にとって、今後始まるインボイス制度による取引からの排除の心配に加え、この協力金を課税対象とみなす制度は、さらなる追い打ちをかけるものです。

 そこで、お聞きします。

 第一に、区内に時短協力金を受け取っている事業者はどれくらいありますか。協力金が課税所得となることは、区内事業者にどのように周知されていますか。売上げ減少などに苦しむ事業者にとって、影響は甚大だと思いますが、いかがですか。

 第二に、国・都に対し、課税対象としないよう求めるべきだと思いますが、いかがですか。区としても、減免措置などを講じるべきだと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、携帯電話の基地局アンテナ設置について質問します。

 現在、新たな通信規格となる5Gのサービス開始に併せて、各携帯電話事業者による新たな基地局の設置が進んでいますが、携帯電話基地局から発射される電波による健康被害を心配する住民の声が各地で上がっています。私の元にも、自宅マンションに基地局アンテナが設置されることを知った区民の方から、携帯電話会社、また工事施工会社からの事前説明と設置の中止を求める声が寄せられました。5Gによりダウンロード時間が短縮されるなど、便利になるという側面もありますが、電磁波過敏症の方やペースメーカーを入れている人などがいることや、健康被害を心配する声があるのも事実です。

 健康被害については、医学的にはっきりないと言い切れる結果はまだ世界でも出ていない状況であり、世界保健機関、WHOで様々な物質の発がん性を調べる国際がん研究機関、IARCでは、発がん性の可能性があると認めている例もあります。海外では疫学調査が積極的に行われていて、不眠や頭痛、目まい、吐き気などの体調不良も報告されていますが、日本での調査は、諸外国に比べ、立ち後れています。

 また、諸外国よりもはるかに低い日本の規制の基準値も問題です。高周波電磁波の電力密度で、総務省の電波防護指針では一平方センチメートル当たり一千マイクロワットなのに対し、欧州評議会では一平方センチメートル当たり○・一マイクロワットと、一万倍もの開きがあります。こうした下で起きる区民からの設置の中止や事前説明を求める声に応える対策が今後必要ではないでしょうか。

 そこで、お聞きします。

 第一に、電磁波が体に及ぼす影響についてどうお考えですか。健康被害を心配する声があることをどのように受け止めていますか。国に対して健康被害の調査を呼びかけることが必要だと思いますが、いかがですか。

 第二に、調布市では、携帯電話基地局設置に当たり、隣接地権者や近隣住民への十分な事前説明の実施及び市への情報提供を求める要請を市が事業者に対し行っています。また、多摩市では、まちづくり条例を改正して、携帯電話基地局設置に関する規定を設ける政策提案が市議会に提出され、所管委員会で趣旨採択されたことから、市は事業者を直接訪問し、住民への丁寧な説明や市への事前説明などを要請しています。国立市では、事業者が近隣住民等に対し事前に説明する責任を明確にし、市民の生活環境の保全に資することを目的とした指導要綱を定めています。

 こうした自治体を参考に、中央区でも、居住している住民や近隣住民に対する事前説明と、住民の理解を得て設置することや、設置する際にはあらかじめ区に報告することなどを事業者側に求めるべきだと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、緑内障予防について質問します。

 緑内障は、目と脳をつなぐ視神経線維に障害が起き、徐々に視野が欠け、放置すれば失明にもつながる怖い疾患です。一度かかってしまうと、失った視野を元どおりにすることはできず、完治は望めませんが、早期発見・早期治療で視野障害の進行を食い止めることはできる疾患です。

 日本では失明原因の第一位となっており、四十歳以上の約二十人に一人に起こるとされるほど身近な疾患でありながら、患者の九割には自覚症状がなく、緑内障の確実な原因は分かっていない厄介な疾患でもあります。緑内障だった人の七割が、眼圧が正常であるにもかかわらず視野が損なわれる正常眼圧緑内障だという調査結果もあり、眼圧が十ミリメートルHgから二十ミリメートルHgと正常なため、眼圧が高くなったことで起きる目の痛みなどの自覚症状が起きないまま症状が進行してしまうことが、発見をさらに遅らせる要因となっています。視野が狭いと感じる、視界がかすむ、光を見ると虹のように輪っかが見えるなどの自覚症状がある場合は、既に緑内障が進行してしまった状態ですが、ほとんどのケースでは十年くらいの長い期間をかけて徐々に進行していくため、無症状です。また、片方の目で見えないところはもう片方の目でカバーしてしまうので、日常生活では視野が損なわれていることに気づきにくく、気づいたときには既に重症といったケースが多く見られます。緑内障は、自分で病気を早期発見するのは困難です。緑内障による失明の危険を避けるためには、早期発見と視神経の障害が軽いうちの治療開始と治療継続が重要です。

 そこで、お聞きします。

 第一に、区内で緑内障を患っている患者は何人いますか。緑内障から失明に至ったケースがどの程度あるか把握していますか。

 第二に、緑内障がもたらす失明など深刻な被害について、どのように認識していますか。失明を予防する重要性をどうお考えですか。

 第三に、中央区では、健康診査として、四十歳以上五歳節目ごとに眼圧検査を、四十歳以上の方には眼底検査を行っていますが、こうした検査だけでは緑内障を発見することは困難です。緑内障発見のためには、視野検査や屈折検査、細隙灯顕微鏡検査、眼底撮影、前房隅角検査などを組み合わせることで発見可能となります。区民健康診査にこうした検査を取り入れることを求めますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 最後に、保育の質の確保と学童クラブ整備について質問します。

 我が区議団は、これまで保育の質を確保するための提案や問題指摘を一貫して行い、条例提案も行ってきました。子供一人当たりの面積基準や保育士の配置基準が高く設定されている区立保育園、私立認可保育園を増やして待機児童解消を図ること、保育ママ制度やベビーシッター制度の見直し、事故防止などのため、区の巡回指導を拡充することなど、多岐にわたります。

 安全・安心の保育を実現するためには、人員配置を手厚くしていくことが欠かせませんが、内閣府の調査によれば、全国の私立認可保育所の保育士配置状況は、国による人件費の計算上では平均して十一・四人なのに対し、実際の配置では平均で十五・七人と大幅に上回るということです。これは国の配置基準と実情が大きく乖離するためで、例えば、二歳児六人に対して保育士一人という国の配置基準で計算すると、二・三三人の保育士が必要ですが、現実には三人を配置することになります。ところが、保育所に支給される公定価格と言われる人件費は二・三三人を基に計算されるため、結果として、実際にいる保育士より少ない人数分の人件費しか受け取れないということになり、保育園側の負担が増えてしまいます。保育園の負担を少しでも軽くし、適正な人員配置を進めることを促すことが必要ではないでしょうか。

 そこで、お聞きします。

 第一に、区は、私立認可保育所に対し、保育士配置への補助として勤務環境改善促進保育士加算や延長保育士加算などを行っており、勤務環境改善促進保育士加算では、定員六十人以下の施設には保育士一名、定員六十一人以上には保育士二名を増員するための経費を補助し、延長保育士加算では、延長定員十人以下の施設では保育士一人、定員十一名以上の施設には保育士二人を増員するための経費を補助するとなっており、増員する保育士数には上限が定められています。この上限を超えて配置が必要な分の人件費は保育園側の負担となりますが、十分な補助となっているのでしょうか。さらに手厚く保育士を配置できるよう、基準の見直しが必要だと思いますが、いかがですか。

 第二に、実態に合わせた配置基準や保育時間の長さに応じた費用の見直しを国に求めるべきだと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 安全・安心の保育という点では、保育に欠ける子供を預かる学童クラブ不足も深刻です。区内の学童クラブは、もともとの定員数から暫定定員として受入れ人数を増やし、今年度からは登録定数という考え方を取り入れ、さらに受入れ人数を増やしています。例えば、佃児童館では、もともとの定員数は八十名であったものが、今では百二十五名と、約一・五五倍の子供が詰め込まれている状況です。学童クラブは、児童福祉法に基づく設置基準、施設の面積基準、人員の配置基準を満たす必要があることから、この間の答弁では、基準を満たしていない民間学童を広げたり、そうした民間学童に通う世帯への補助は考えていないとのことで、それは当然だと思います。しかし、基準にのっとった民間学童クラブの誘致は検討していきたいとのことです。

 そこで、お聞きします。

 児童福祉法に基づく学童クラブを民間が設置できるのであれば、同様に区でも設置できるはずであり、民間でなければ設置できない理由はないと思いますが、いかがですか。区立の学童クラブを区の責任で設置すべきだと思いますが、いかがですか。特に、今後さらに需要が高まる晴海地域での区立学童クラブ設置を求めますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 以上で一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 奥村暁子議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、新型コロナ第六波に備えた対策についてであります。

 第五波において、自宅療養中に入院できずに亡くなった方はおりませんでした。また、重症か否かにつきましては、医療機関に入院後に診断されるものであり、入院後の経過や死亡者数については、区としては把握することはできません。積極的疫学調査に関しては、感染源の隔離と感染経路の遮断のために行われるものであり、感染症拡大を食い止めるために非常に有用であると考えております。一方で、日本の数倍検査を行っている国においても、患者数は日本の数倍いるような状況であり、PCR検査をただ行うだけでは有用性は見込めないものと認識しております。人員体制につきましては、最大時で二・二五倍、五十四名に増えております。また、こうした体制強化によって、第五波における健康観察には十分対応できたものと考えております。病床確保については、東京都が広域行政で対応するべきものと認識しており、必要な区民が入院できるよう、東京都に体制の強化を働きかけてまいります。両医師会や聖路加国際病院との協議については、昨年四月より必要に応じて会議を開催してきており、引き続き協議してまいります。

 次に、コロナ対策の国の給付金についてであります。

 個人や事業者を対象とした給付金については、対象者や給付額などを含め、全国規模で実施する国の施策であることから、国の責任において、現在進められている経済対策の取りまとめ作業の中で慎重に検討されるべきものであると考えております。マイナンバーカードへのポイント付与につきましても、カードの普及という一面はあるものの、経済対策として実施されるものと認識しております。ポイント事業の詳細は、現在、明らかになっておりませんが、区といたしましては、国の動向を注視し、適切に対応してまいります。消費税につきましては、社会保障のための重要な財源となっており、その税率等については、国の責任において議論されていくべきものと考えております。

 次に、コロナ禍での事業者支援についてであります。

 現在、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者を支援するために、御指摘の取組を含め、各自治体がその地域特性等を踏まえて、様々な独自施策を講じているものと認識しております。御承知のとおり、本区は二十三区でもトップクラスの事業所数を有しており、各事業者への直接的な金銭給付は、財政負担や効果の面からも適切ではないと考えております。区といたしましては、区内事業者への支援は今後の事業展開や地域のにぎわいの創出につながることが重要であると考えており、本年九月の補正予算においても、そうした考え方に基づき編成したものであります。今後も、商店街などの関係団体との意見交換や事業者の声をお聞きしながら、効果的な支援に取り組んでまいります。

 次に、時短営業に対する協力金への課税についてであります。

 都の感染拡大防止協力金は、事業に関連して支給されるものであり、課税対象となりますが、売上げ減少などにより協力金の支給額を含めた年間の収支が赤字となる場合には、結果的に税負担は生じないものであります。なお、本協力金を受給している区内事業者数を把握することは困難であります。また、新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱いについては、国や都のホームページ等を通じて広く周知されているところです。協力金に係る税負担を軽減することは、法令上認められておりませんが、区といたしましては、納税が困難な方のための猶予制度について周知に努めてまいりたいと存じます。

 次に、携帯電話の基地局についてであります。

 携帯電話の普及に伴い、町なかに数多くの基地局が設置され、目に見えない電波が発信されていることから、不安を感じられる区民もおられるものと存じます。基地局については、国内外の安全性に関する研究結果に基づく電波防護指針が総務省において定められており、その遵守の下、設置されていると認識しております。また、基地局建設に当たっては、各携帯電話事業者の社内規定などにおいて、近隣住民への事前説明を行うこととされております。今後の状況の推移については、区としても注視してまいります。

 次に、緑内障予防についてであります。

 緑内障は、感染症のように法で届出を義務づけていないことから、患者数を把握することができません。また、緑内障で失明に至った数についても、障害者手帳の申請に原因となった疾病等が必要でないことから、同様であります。緑内障は、糖尿病性網膜症と並んで失明をもたらす疾患であると認識しております。疾患予防は全ての疾患で重要なことであり、失明は日常生活への影響が大きく、その重要性は高いものと考えております。区では、目に関わる疾患の予防や早期発見のために、区民健診において眼底検査と眼圧検査を実施し、緑内障を含めた疾患の疑いのある方については、専門医による精密検査や治療につなげております。新たな検査を追加することは考えておりませんが、受診率の向上が課題であることから、引き続き、多くの方に受診していただけるよう、区民健診の周知や受診勧奨を充実してまいります。

 次に、私立認可保育所に対する補助基準などについてであります。

 質の高い良好な保育を提供するためには、保育士はもとより、看護師や栄養士を含め、園全体として必要な職員を配置しなければなりません。このため本区では、保育事業者が保育の質の向上に向け、主体的に国の基準を超えて保育士を配置する場合には、区独自に保育定員などに応じ、最大四人までの増員に加え、保育の実情に即した看護師やパート保育士などの配置にも補助を行っております。また、補助上限に対して区内事業者からも見直しの意見はないことから、現行基準を継続してまいります。なお、公定価格の見直しなどについては、保育士の処遇改善を含め、現在、国において議論がなされており、その動向を注視してまいります。

 次に、区立学童クラブの設置についてであります。

 本区の学童クラブは、職員を放課後児童支援員として効率的に配置することが可能であり、クラブ室だけでなく施設内で良好な活動スペースが確保できることから、地域の子供の健全な遊び場である児童館で実施しております。区では、地域バランス等を考慮しつつ、子供が徒歩で通える範囲で全区的に児童館を設置しており、また、現在、区内には適切な区有地もないため、新たに区立の学童クラブを設置することは難しい状況と考えております。国が定める放課後児童健全育成事業の基準で運営を行う民間学童クラブにつきましては、都心区である本区においては、家賃が高額であるなど採算性が低いことから、これまで事業者からの届出はありませんでしたが、近年、事業者の独自事業と組み合わせて運営を行う例が見られるようになりました。そこで、区といたしましては、晴海地域を含め、区内全域で民設民営の放課後児童健全育成事業の誘致について検討を行っているところであります。

 答弁は以上であります。

〔九番 奥村暁子議員登壇〕

○九番(奥村暁子議員)
 それでは、初めに、第六波に備えた対策について、PCR検査というものも非常に重要だという御答弁でした。これまでも検査の拡充を求めてきましたが、今後、さらに拡充していくよう求めたいと思います。国のほうでも検査を増やしていくということですけれども、どの程度増えていくのかは不透明だということもありますので、区として、ぜひ広げていただきたいです。ブレイクスルーというものもありますので、やはり感染している方を早い段階で見つけ出して保護していくということは、ワクチン頼みにはせずに、同時に進めていくことが必要だと思いますので、この点は強く求めたいと思います。

 健康観察チーム、こういったものがつくられれば、区民の大きな安心にもつながると思うんですけれども、そういう区民への安心ということで、どう思われるのかということも答弁を求めたいと思います。その点について再度質問します。

 それと、パンデミックや、こうした感染症というものも今後定期的に起きると言われていますので、コロナを機に、保健所の体制、人員配置というものも増やしていく長期的なプランが必要だと思いますが、その点についても御意見を伺いたいと思います。

 ミーティングというものも聖路加などと必要に応じてやっているということなんですけれども、頻度としてはどの程度なのかということ、感染が広がっている時期、収まっている時期とで違うと思いますけれども、この点も確認させていただきたいと思います。

 コロナの給付金、また事業所支援については、やはり国の対象から外れてしまった方、都の対象から外れてしまった方などに広く届くようなもの、そういうことを基礎自治体こそがやるべきだということは強く考えています。区内で事業者の数が特別に多いので、対応していくことも大変だということなんですけれども、事業者の数が多いというのは、その分、困っている人もその中に多くいるということだと思いますが、その点はいかがでしょうか。再度支援を求めたいと思いますので、その点ももう一度をお聞きしたいと思います。

 事業者の声を聞き取りながら、いろいろ今後の対策も進めていくということですけれども、事業者の方から支援金や給付金を求める声というのはないのかどうか、その点についても伺いたいと思います。

 緑内障予防の問題については、区の健診で緑内障の発見に十分役立っているという認識なのかという点も確認したいと思います。

 ほかの自治体では、調べてみますと、眼底検査や眼圧検査とほかの検査と組み合わせて緑内障予防に当たっているところが二十三区で十区あるという状況になっています。区民健診というのは、早期に病気を発見して、区民の健康と命を守っていくためにやるものですから、発見を多くしていって、何といっても四十歳以上であれば二十人に一人がかかるという疾患なわけですから、そういったものをしっかりやって、病気の早期発見につなげていくという目的が達成されるような健診にしていかなくては意味がないのではないかと思うので、健診の拡充を求めたいと思います。その点についても伺いたいと思います。

 学童クラブについては、なかなか家賃が高いことから困難だということはこれまでもありましたけれども、今後造られる小学校の中に設置するとか、都内では、多くの学童クラブというのは学校の中に設置されているというところがほとんどですから、学校の中で造っていくということも考えていくべきだと思いますし、民間の物件というものも、もし民間がそういう場所を探せるのであれば、中央区も独自に情報を集め、そういう物件探しというのもできると思うので、そういった対策もぜひ進めていくべきだと思いますので、その点についても伺いたいと思います。

 以上で再質問を終わります。ありがとうございました。

〔保健所長 渡瀬博俊君登壇〕

○保健所長(渡瀬博俊君)
 私からは、新型コロナ感染症の第六波の対応についての再質問についてお答えさせていただきます。

 健康観察の部分でございますが、本区におきましては、在宅療養者に対して、まず、メールによりまして毎日体調確認をいたしておりました。その上で、連絡のなかった方に関しては電話連絡を行い、さらに連絡が取れなかった方に対しては、状況によっては警察官同行の下、本人のところへ訪問するといったような形での安否確認をしたというところもございます。在宅療養中の方の健康観察の方法については様々な方法があるかと思いますが、墨田区の場合はチームをつくったということですけれども、どういった方法がいいのかというところも含めまして今後も検討していきたいと思いますが、必要な方をきちんと確認できるような体制のほうはつくり上げていきたいというふうに考えているところでございます。

 また、保健所の体制強化の点でございます。

 コロナの流行時期におきましては、患者が一時期に非常にたくさん発生するというところでございまして、入院する方も非常にたくさん出てくるということでございます。そういった方を適切に医療につなげたり、あるいは安心して在宅療養していただくような形を取るためには、保健所としても、人員を含めて体制整備のほうは図っていきたいというふうに思っております。こういった需要に関しては非常に短期間に増減するものでございまして、急激に必要なところが出てきて、さらにピークから急激に下がるといったところで、臨機応変にそういったところの対応のほうはしていきたいというふうに考えているところでございます。

 また、医療機関等との連携のところでございます。

 新型コロナの感染症及び、同時にワクチン接種のほうもございましたので、ワクチン接種の対応、こういったところの円滑な対応を進めるために、これまで区、医師会、病院、そういったところと様々な形で不定期に意見交換のほうは行っております。必要に応じてミーティングということで行っておりますので、定期的に必ずやらなくてはいけないというものにはしておりませんが、今後ともニーズに応じて、そういったところに関しては遅れがないように対応していきたいというふうに考えているところでございます。昨年からは、こういった感染症の部分に関しましては、およそ五回ほどミーティングのほうは行っておりますけれども、それ以外にも適宜電話連絡とか、そういった形でもしておりますので、そういったところの意思疎通のほうは図っていきたいというふうに考えてございます。

 私からは以上です。

〔区民部長 濱田徹君登壇〕

○区民部長(濱田徹君)
 事業者への支援のことで御答弁させていただきます。

 まず、困っている事業者が多いのではといったことでございますけれども、当然ながら、区内事業者数が多いということで、そういった方が多いというのは受け止めているところでございます。しかしながら、先ほど区長が御答弁申し上げましたとおり、また、これまでも申し上げているとおり、本区といたしましては、今後とも事業展開や地域のにぎわいの創出につながることが重要であるといったことから、そういった考えの下に支援を行っていく考えでございます。

 続きまして、支援金を求める声の有無といった質問でございますけれども、現場等で個々の相談の中でそういった声はあるかと思いますが、大きな声としては届いていないところでございます。

 声といたしましては、先日、九月の補正予算でも提案させていただきましたけれども、商店街等に対する集客事業、こちらは声が大きく届きましたので、改めて九月補正に計上させていただいたところでございます。また、今年の四月に行いましたキャッシュレス決済ポイント還元事業につきましても、相当数、事業者からの反響が大きかったということで、この定例会に補正予算の提案をさせていただいております。

 私からは以上です。

〔福祉保健部長 田中智彦君登壇〕

○福祉保健部長(田中智彦君)
 私からは、緑内障及び学童クラブの二件について御答弁させていただきたいと思います。

 まず、緑内障の検査の効果でございます。

 緑内障でございますけれども、まず、区民健診の中で眼底検診というものを昭和六十三年度から項目として入れ込みまして検査を行って、目に関する疾病の早期発見に努めてきたところでございます。そうした中で、緑内障は非常に重い病気であるということを認識した上で、緑内障を調べる目的として有効だということで、眼圧検査というものを平成十五年度から開始してきたところでございます。現在、こういった検査を行いながら、緑内障の疑いがある方が見つかった場合には、例えばそこが専門医や眼科医のいる医療機関であれば、即治療につながりますし、また、そういった医療機関でない場合につきましても、重度の場合については大学病院等を御紹介するなど、治療につなげているところでございます。そうしたことから、こういった検査も効果はあるものというふうに認識をしてございます。

 それから、学童クラブの件でございます。

 民間の学童クラブが物件を探せるのであれば、区でもという御意見でございますが、区の中で物件があったということになりましても、今、区長からも答弁させていただきましたが、基本的に民間の事業者が国や都の補助金等を使いながら、営業の工夫により、その物件の中で運営をしていくということが可能になってきたということでございます。区が民間の物件を借り上げて人員を配置して学童クラブを運営する場合と、民間が民間の工夫の中で学童クラブを運営する場合、同じ学童クラブをやることになりますので、であれば、民間の学童クラブを誘致するというのも一つの選択肢だというふうに考えているところでございます。

 答弁は以上でございます。

○議長(木村克一議員)
 ただいまの再質問の中で病床確保に向けての再確認をされていますので、その答弁を願います。

〔保健所長 渡瀬博俊君登壇〕

○保健所長(渡瀬博俊君)
 失礼しました。病床の関係でございます。

 病床の確保に関しましては、患者が出ることに関しては、一時的に広域な形で患者が多数発生するといった状況でございます。そういった中で、全体の病床の効率的、効果的な運用を図るといった意味では、東京都のような広域調整ができるところで一元的に進めていくということが、運用に関しては必要になってくるのかなというふうなところでございます。そういった意味で、今、東京都のほうでは病床の確保、あるいは酸素ステーションだとか、そういった活用のほうも含めて考えているといったところでございますので、区としては、そういった協力できるところをきちんと協力しながら、必要な人がきちんと医療を受けられるように、あるいは入院以外の、在宅あるいは一時的な、日帰りだとか、訪問診療だとか、そういった形で対応できる人に関しては、そういった形で対応していけるような対策のほうを検討していきたいというふうに考えてございます。

 以上です。

〔九番 奥村暁子議員登壇〕

○九番(奥村暁子議員)
 まず、コロナへの対応についてですけれども、臨機応変に対応していくと。感染者数なども変化するので、需要は刻々と変わっていくということなんですけれども、そういうことに臨機応変に対応していくためにも、やはり人員を手厚く確保していく、職員をしっかり増やしていくということが必要だということは述べさせていただきたいと思います。

 そして、事業者への支援についても、事業展開への支援など、区も幅広くやっているということは分かりますけれども、そうした事業展開をしていくためにも、何よりも、今、事業を守っていく、きちんと継続していくということが必要になるわけですので、やはりきちんと事業者の声も聞きながら、区内の事業者を支えていただくということに今後も力をさらに注いでいただきたいと思います。

 緑内障の検査についても、これまでも肺がんのCT検査や、難聴の発見なども様々提案してきました。区民にとって、健康維持、また命を守る健康診査、有意義な健康診査となるための提案を今後も行っていきたいと思っています。

 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後二時五十五分 休憩


     午後三時十五分 開議

○議長(木村克一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。まず、四番田中耕太郎議員。

〔四番 田中耕太郎議員登壇〕

○四番(田中耕太郎議員)
 中央区議会自由民主党議員団・新青会の田中耕太郎であります。令和三年第四回中央区議会定例会に当たり、私は、会派の一員として、質問通告書に基づき質問をさせていただきます。区長をはじめ、関係理事者の皆様には、昨年に引き続きコロナに翻弄された本年の緊急課題はもとより、将来を見据えた課題への具体的な指針と対応策を御答弁お願い申し上げます。なお、御答弁の内容によりまして、再質問をさせていただきます。

 質問に先立ち、改めて今般のCOVID‐19、新型コロナウイルスに対峙された全ての医療関係者、そして本区の関連担当職員を含めた全てのエッセンシャルワーカーに感謝の意を表したいと思います。

 負の影響を受けた方への支援策を急ぐとともに、中長期的な視点を見失うことなく、区民と次世代の区民でもある子供たちの安全と安心を確保する施策を区には引き続き要望し、私も提言と活動を行ってまいります。

 それでは、具体的な質問に入ります。

 まず、コロナ禍によって多大な影響を受けている本区の自治体運営についてであります。

 収束傾向に見える新型コロナウイルスではありますが、ここで手を緩め、第六波を招いては、これまでの努力と忍耐が水泡に帰す危険があります。新型コロナワクチン三回目となる追加接種は、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会での議論を踏まえ、当初は二回目接種完了からおおむね八か月以上経過後からの開始が見込まれていました。しかし、政府が六か月経過した人にも認める姿勢を見せたことが先日報道されると、全国の自治体からは戸惑いの声が聞かれ、その後の政府の公式見解としては、あくまでも例外措置として六か月経過から認めるということでありましたが、最新の情報は現在も錯綜しています。

 ワクチン自体は来月から始まる予定の三回目接種について、ファイザー社製とモデルナ社製、合わせて三千七百万回分が全国自治体に配送されることが決定したとの報道が既になされております。これまでの接種経緯を踏まえても、事態は刻々と変化を続け、都道府県別の基本配分、自治体の希望量、割当て確定、納入予定に至るまで全てがスムーズにいくか否かは、三回目であっても予断を許しません。

 また、感染対策と社会経済活動を両立させる切り札として、政府においてワクチン・検査パッケージ制度と第三者認証制度の導入が進められています。ワクチンについては、ワクチン接種完了者であるか、二回接種した際の予防接種済証を用いて確認する手法が検討され、民間主導でのスマホ等の接種証明アプリなどに賛同する企業も増加しています。検査についてはPCRが推奨されていますが、検査が簡易な抗原定量検査やLAMP法等も利用可能とされており、検査費用は原則公費負担なしとされていますが、政府は、都道府県の判断で指定の検査場で行う無症状者のPCR検査、抗原検査を無料で実施する方針を固めたとの報道もなされています。第三者認証については、都道府県が飲食店の感染対策に関する基準を定めた上で、個々の飲食店に対して基準適合性を確認し認証する制度となっており、東京都においては、徹底点検TOKYOサポートによる感染防止徹底点検済証が今後も基準となることが予測されます。

 申し上げるまでもなく、その対策には時間的猶予が少ないばかりか、状況の変化や政府や都の方針によって、本区は柔軟かつ迅速に対応を変化させる必要があります。近年ますます重要性が高まるとされるリスクマネジメントという言葉には、事前策、事後策の両方の意味がありますが、リスクマネジメントは、事故や災害等のリスク情報を収集・分析・評価し、優先度が高いものから対応することであり、クライシスマネジメントは、既存のマニュアルでは対応できない重大事故、災害に備える臨機応変な枠組みと一般的に定義されています。収束傾向ながらも現在進行形のコロナ禍への危機管理は、想定でき得るリスクマネジメントの要素と、その場そのときにならないとどうすべきかは事前には決め難いクライシスマネジメント、すなわち危機管理の両面を持ち、私たちの社会への厳しい試練と言えます。

 さらに、こうした予想どおりには進まない非常時において、全国の自治体ではメンタルの不調を訴える職員が増加しているとされ、総務省は、本年七月に、全地方自治体に対して職員のメンタル不調の状況調査を始めました。本区は、近年の著しい人口増加による行政需要の増大にもかかわらず、人員削減を進め、人口増加が本格的に始まった二十年前よりも現在の職員数が少ないのが実情であります。コロナ禍によって、緊急対応の策定・運用をはじめ、明らかに増えた日常業務に比して仕事の削減は進んでいないであろうことが推察され、部署や担当によって、コロナ禍での負荷が異なることも指摘されています。法令・条例に定められた業務の廃止は難しく、効率化においても、中立公正な行政執行を担保するための法令・政省令・細則が定められているケースも多く、規定自体の見直しを行わなければ、効率化・合理化が困難であることは、私たち区議会議員も肝に銘じるべき重要な論点と考えています。

 メンタル不調の一因として、業務の多忙と同じく、近年はハラスメントが大きな要因とされています。区の執行部である理事者を含めた管理職員へのメンタルヘルス及びハラスメント研修などの重要性が高まっています。以前とは異なり、平常時に大半が常勤職員で年功序列的人事が行われていた昭和マネジメントの幻影を追うことなく、酒が空いたグラスがあればすぐに注ぎなさいと言うだけで、新入社員にうっせぇわと言われている歌が流行する令和の時代のマネジメントが、今、求められています。逆に、コロナ禍の影響もあり、悪質なクレーマーや接遇トラブルが、近年、増加傾向にあり、これらから職員、ひいては区行政を守ることも大きな課題と言えます。

 これまで述べてきたように、コロナ禍では非常時のイレギュラーな対応が本区に多く求められています。これらを区独自で短時間で解決することは困難が伴いますし、これらは本区に限らず、全国の自治体共通の課題でもあります。こうした状況下、全国の自治体でコロナ対策に関するシステムやノウハウを共有しようという動きが活発化してきています。

 例えば、東京都の新型コロナウイルス感染症対策サイトは、オープンソースソフトウエアとして公開され、開発プラットフォームが共有されました。そのため、多くの協力者や提案を受けて、短期間で効果的なサイトが構築されただけではなく、他の道府県でも活用がされていました。また、昨年四月に開設されたオンラインプラットフォーム、オンライン市役所は、全国の公務員が共通の課題やテーマで活動を行い、有効な情報交換の場として高く評価されています。特に、コロナ禍においては、ワクチン接種のノウハウや、国から送られる膨大な通知と情報をまとめ、全国の自治体職員の意見交換やシステム構築にも貢献したとされています。本区の職員でも、利用されたことがある方もいらっしゃることでしょう。

 基礎自治体である本区が、例に挙げたシステムの創設者や管理者などになることは難しくとも、他の自治体のノウハウや共通課題を最大限吸収したり、転用することは、非常時にスピード感のある業務イノベーションを行う上で必要不可欠です。後ほど、デジタルトランスフォーメーション、DXについては別途触れたいと思いますが、他自治体や外部組織との連携や、情報やシステムの共有は、最も効率的な業務改善とイノベーションの宝庫であることは間違いないと言えます。

 区内部のコロナ禍に関わる行政運営について述べてきましたが、区民への直接・間接の影響を当然考えないわけにはまいりません。コロナ禍によって孤立している可能性の高い家庭について、現状を共有してまいりたいと思います。

 まず、コロナ禍によって重症化リスクが高いとされた基礎疾患がある方や高齢者についてです。コロナ自体のリスクについては、既にその脅威が十分に認知され、ワクチン接種も進み、感染者、重症者も著しく減少していることは喜ばしい限りです。一方で、およそ一年半にわたるコロナ社会において、身体的な衰え以外にも、認知、心理的な衰え、社会的な衰えが懸念されています。外出、運動や買物を控え、偏食、栄養状態の悪化、人との交流が減り、会話が減ることで、高齢者などはフレイル状態の出現、悪化も想定されていますが、これらの事態を的確に把握、改善することは、個人や高齢者家庭では難しい状況にあります。

 また、子育て家庭に目を向けると、子供自身への影響もさることながら、コロナ禍で出生数が昨年、本年と全国で激減しており、国の推計を十年以上早めて、本年にも新生児の誕生数が年間八十万人を割り込む可能性が高くなっています。国全体の問題であると同時に、近年、本区は逆にベビーブームであったがゆえに、その影響は大きいものと予想されます。すなわち、本区の新生児、すなわち新区民となるはずだった命が目に見えない形で失われているという可能性が極めて高いのです。

 核家族化の進む現代日本では、結婚を機に同居と引っ越しを行い、女性の社会進出も手伝って、本区は職住近接の利便性から、新婚や子育て家庭に選ばれる自治体として近年は発展を遂げています。それ自体は喜ばしいことですが、裏を返せば、子育て世帯の大半は自身が育った市区町村とは異なる自治体でアウエー育児とも呼ばれる状態となっており、本区もその割合は極めて高いことが予見されます。そのため、いわゆる地縁・血縁に乏しく、親族や友人が近隣にいないどころか、土地勘にも乏しい、孤立した家庭が確実にいらっしゃいます。そして、そうした家庭において重要なのは、丁寧な行政情報の提供、母子保健と連携した相談体制、オンラインの活用です。コロナ禍で情報の取捨選択や相談窓口での対面対応が困難となった時期にボタンの掛け違いが生まれ、やがて大きな問題へとなってしまうことを危惧しています。

 孤立した家庭では、子供が虐待の対象となってしまう事件が後を絶ちません。外出や対面対応の減った現況で、子供のSOSを発見することがより困難になっていると多くの専門家も指摘しています。孤立しているのは、高齢者や子育て世帯だけにとどまりません。厚労省のデータによると、二○二○年の自殺者が十一年ぶりに増加しており、コロナの影響は確実にあるとされています。とりわけ、女性と若者の自殺者が増えたとされており、男女ともに若い単身者が少なくない本区の特性を考えれば、孤立化している可能性が高まっています。

 以上の観点を踏まえて質問をいたします。

 これまで二回のワクチン接種状況をどのように分析し、これから迎える三回目の接種に対して、区民への情報発信と理解の促進及び具体的な取組手法とタイムスケジュールをお知らせください。

 あわせて、ワクチン・検査パッケージ制度と第三者認証に対して本区の関わり方や、本区独自で抗原検査キットの配布や助成などを行う考えがないのか、お知らせください。

 コロナ禍への対応について、特に庁舎内での大規模クラスター感染などが発生した際の危機管理体制、想定され得るBCP、事業継続計画の体制や対応について、区の考えをお知らせください。

 コロナ禍に関連して、職員の業務の偏在や多忙感、メンタルヘルスの不調について、区ではどのように把握し、改善を行っているのか。また、ハラスメント被害の把握と、その具体的な対策や研修等をどのように行っているのか、お知らせください。さらに、悪質なクレーマーや接遇トラブルに対しても、担当者のみに任せることなく、組織として時に毅然とした対応を行えているのか、現在の対応方針等をお示しください。

 コロナ禍は大きなピンチではありますが、他自治体との連携や新しい取組、ノウハウの共有など、業務イノベーションを起こす契機になると考えます。本区でのコロナ禍を契機とした新しい取組や効率化、他の自治体との連携や情報共有の進展について、現状と展望をお知らせください。

 コロナ禍を契機にして、対外的な接点が減少し、孤立している高齢者、子育て家庭、若者などが多数いると思われますが、区として孤立しやすい家庭や対象者に向けた実態把握、情報発信、相談窓口の充実が急がれます。区の今後の対応方針をお示しください。

 次に、DX、デジタルトランスフォーメーションの推進についてお尋ねをいたします。

 本年九月一日、デジタル庁が発足しました。デジタル庁の設置は、自治体も含めた行政システムの統一や官民のデジタル化推進を牽引するものであり、二○二○年度の特別定額給付金のオンライン申請が滞り、問題が顕在化したことも一因であるかと考えます。デジタル化の推進に当たっては、個人情報保護が幾重にもその推進を阻んできた側面もありますが、今後、整備法の施行により明確な方向性が見いだされることが期待されています。

 DXのフェーズには、紙での管理を取りあえず全てデジタル媒体にする、一、デジタイゼーション。業務の流れをデジタル化して業務全体を効率化する、二、デジタライゼーション。この段階で紙媒体やファクス、押印などのアナログ業務の大半は廃止されることとなります。そして、最後に、それらで得られたデータや技術を通してサービスや業務の在り方そのものを変革していく、三、デジタルトランスフォーメーションという段階を踏むことになり、その道のりは決して平たんなものではありませんが、この道を後戻りしようとすることは、開国を拒んだ江戸幕末の我が国の混乱を想起させるものとなってしまうことでしょう。

 しかし、やはり新しい価値観や技術の導入には、必ずや課題、抵抗が生まれます。紙を中心に進めてきた行政文化を変革するためには、小さな実績を積み重ねることが重要であると、多くの専門家は指摘しています。すなわち、できるものから電子化を進め、全面的導入を急ぐよりも、小さな課単位などで行っているアナログ的業務をデジタル化するなど、千里の道も一歩からという作戦が望まれます。

 そして、DXを進めるためには、自治体業務も理解したデジタル人材の発掘と育成が最重要であることは言うまでもありません。先進自治体の一つとされる金沢市では、国の官民データ活用推進基本法に対応するICT活用推進計画を策定しており、これらを発展させて、金沢市デジタル戦略として、二○二一年度、二○二二年度の二か年で集中的デジタル化を加速させています。本区においても、DXのスペシャリストを外部から登用するという計画となっていますが、各部各課各係に推進リーダーを配置するような組織的・横断的な取組が期待されています。

 これらの点を踏まえて質問をいたします。

 本区のデジタル戦略は、今後、どなたの責任の下で、どのように策定されていくのか、基本指針を改めてお示しください。

 また、先ほど述べた、一、デジタイゼーション、二、デジタライゼーション、三、デジタルトランスフォーメーションに該当する業務へのデジタル移行を行うに当たって、一番の課題はそれぞれ何であると考えているのか、移行時期の展望とともにお知らせを願います。

 区民にとって直接恩恵のあるDX推進への取組も御紹介してまいりたいと思います。

 静岡県藤枝市では、健康施策で健康・予防日本一を掲げ、病気の予防活動や早期発見・早期治療につながる試みに加え、健康的な生活習慣にポイントを付与する健康マイレージなど、先進的な取組を進めています。しかし、令和二年度、コロナの真っただ中で電話相談も回線を増やして対応していましたが、回線が塞がっていることが常態化し、土日・祝日も職員が対応に追われるという状況に陥りました。健康相談だけではなく、ワクチンなど、コロナに関わる全ての相談が健康相談窓口にしわ寄せとして来てしまったという時期もあったようです。

 現在、藤枝市では、DXの取組として、市民の健康に関する健康相談窓口に、大手通信企業の協力を得てオンラインヘルスケアアプリを導入しています。二十四時間三百六十五日、チャットで健康医療相談ができる環境を実現するとともに、市民が年代、生活などに応じて自分に合った相談手段を自ら選べることで、市民の健康課題を拾いやすい環境を醸成しています。市民も、このようなツールがあることで安心感を得て好評であると同時に、市民からどのような相談や要望があったか、個人情報にしっかりと配慮した上で蓄積されており、今後の施策展開にも有効性が期待されています。二○二一年度から本導入され、二○二一年十月時点で、市民向け、特に妊産婦を中心に提供する健康サービスの一つとして実施されています。

 さらに、福島県いわき市でも十二月から同サービスを未就学児のいる家庭向けに提供することになっており、五千世帯分の関連事業費を子育て支援の一環として三百六十万円相当計上しています。来年三月三十一日までとして事業を実施し、試験結果を基にして、来年度以降は小・中学生を持つ世帯や高齢者世帯などへの対象範囲拡大を検討するようです。

 そこで、お尋ねをいたします。

 今、例示申し上げましたように、直接住民が利用できるデジタル完結型サービスの早期導入を本区でも目指すべきと考えますが、本区の見解をお知らせください。

 デジタル化、DX化の推進を行うに当たり、避けて通れないのが、そういったソフト面と同時進行でハード面の整備を行うことです。現在の本庁舎をはじめとする本区所有の施設において、デジタルインフラ、すなわちICT機器とインターネット回線の整備状況をお知らせいただくとともに、今後、現在の設備を更新するだけでDX推進が可能であるのか、また、ハードとして不足することはないのかについて、ファシリティマネジメントの観点も踏まえて、必要があれば具体的な改善策も含めてお知らせを願います。

 次に、屋外広告物への規制強化についてお尋ねをいたします。

 屋外広告物法では、屋外広告は、常時または一定の期間継続して屋外で公衆に表示されるものとされており、都道府県等が屋外広告物条例を定め、必要な規制を行うことができるとされています。東京都屋外広告物条例では、良好な景観の形成、風致の維持、公衆への危険防止を目的とした規制を行っていますが、表現の自由の保障の見地から、その内容に立ち入った規制ではなく、表示場所や表示方法の規制となっています。

 本区では、都条例を踏まえ、独自の景観保護条例を設けず、地区計画によって地域事情に合った計画を策定し、建築条例を併せて制定することで、景観を含めたまちづくり全体を推進してきたものと理解しています。一方で、屋外広告の巨大化や色彩等については、国土交通省の調査などで、電柱、電線とともに、残したくない風景の上位に位置づけられています。また、屋外ビジョン広告が区内でも近年増加しており、大型の液晶ディスプレーに放映するサイネージ型広告は、訴求力が高い一方で、歩行者やドライバーの注意力を散漫にすることや、大きな音も同時に発することが大きな問題となっています。近年は老朽化した屋外広告物などの落下や破損、放置も報告されており、その掲示内容と同様に、運用・保全についても注意をする必要性があります。

 そこで、お尋ねをいたします。

 屋外広告物の安全性や周囲への影響を区ではどのように把握していますでしょうか。そして、悪影響が懸念される場合に、どのような対応を取っていますでしょうか。

 また、都バスの停留所に大きく掲示されているような景観や周囲への調和にも配慮したストリートファニチャー広告や、犯罪抑止のために照度の足りない地域・地点の広告に行政が主体性を持って関わっていく形態など、広告の有効活用策を区として模索すべきと考えますが、御見解をお知らせください。

 最後に、屋外広告物等の中でも強い光を発するものによる公害、すなわち光害について区の対応をお伺いします。

 これまで我が会派の議員らからも光害の対策について質問をさせていただいてきました。その中でも光害の原因となるデジタルサイネージや屋外照明などの光源の運用に関するガイドラインの策定について検討を進めるとともに、国・都に対して光害の現状を踏まえた光源の取扱い基準づくりについて要望するとの御答弁を以前いただいております。

 その後、本年四月二十三日には、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、緊急事態宣言が発出され、東京都の小池知事は、同日の定例会見において、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、人の流れを抑制する措置として、ライトアップの中止とともに、照明を伴う看板、ネオン、イルミネーションなどに対して午後八時以降は街灯以外の消灯を行うよう事業者に協力要請をしてきた経緯があります。これにより、要請期間中は光害の発生は抑制されていたところでありますが、十月二十四日をもってこの要請も解除されたことから、再び光害の発生が懸念されるところです。

 そこで、お尋ねいたします。

 これまでの一般質問等で御答弁いただいたガイドラインの策定及び国・都に対する要望に関する進捗状況についてお聞かせください。

 以上で一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございます。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 田中耕太郎議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、新型コロナワクチン接種についてであります。

 本区では、五月から区民向け接種を開始し、十一月十四日時点で、十二歳以上の区民の約八○%が二回の接種を終えています。この間、ワクチン供給が不十分で予約が取りにくい時期もありましたが、国や都から急遽指示された様々な変更にも適時適切に対応し、円滑な接種に努めてまいりました。三回目の追加接種につきましては、本区では十二月の開始に向けて、全対象者に、接種の勧奨及び追加接種の予約時期等について個別に通知するとともに、ホームページや区のおしらせで周知してまいります。具体的には、十一月二十五日以降、二回目接種から原則八か月経過する方に対して、順次接種券を発送し、十二月から集団接種を、高齢者の追加接種が本格化する二月からは個別接種を開始します。ワクチン・検査パッケージは、感染拡大を防止しつつ経済活動を拡大していく試みで、国が実施しているものであり、区といたしましては、区民に対し、活用方法等について分かりやすい周知に努めてまいります。飲食店等の感染症対策につきましては、東京都による第三者認証制度の取得促進に加え、本区では、協定を締結した料飲関係団体等に対してセーフティーマークを発行し、団体が策定したガイドラインに基づき、自主的に感染拡大防止に努めていただいております。ワクチン・検査パッケージの陰性確認に用いる検査につきましては、東京都が実施するものと認識しております。区といたしましては、検査を受けやすい環境づくりを都に要望してまいります。

 次に、非常時の危機管理についてであります。

 本区では、平成三十一年四月に業務継続計画新型インフルエンザ等対策編を策定しており、本計画に定める応急対策業務を基本としながら、コロナ禍において職場でクラスターが発生した場合の職員体制をあらかじめ想定して代替職員を配置するなど、職場ごとに柔軟かつ機動的な職員配備を行い、業務を継続することとしております。また、職員の健康状態の把握はもとより、症状が出た場合の対処方法や対策本部への報告等について、職員の統一ルールを定め、昨年二月からその運用を図ってまいりました。あわせて、国や都の感染症対策に則して本ルールの見直しを適宜行い、職員が感染した場合の庁内連絡体制の構築や周囲の職員の出勤抑制を行うなど、コロナ禍の危機管理体制の強化に努めてきたところであります。今日まで庁舎内含めて各職場でクラスターの事案は発生しておりませんが、有事への備えを念頭に置きつつ、今後とも気を緩めることなく感染症対策に取り組み、区民にとって安全・安心な区政運営を行ってまいります。

 次に、職員のメンタルヘルスについてであります。

 区では、職員の心理的な負担の程度を把握し、メンタルヘルス不調の未然防止を図るため、毎年、ストレスチェックを実施しており、その分析結果を基に、管理監督者を対象とするセミナーを開催し、職場環境の改善に取り組んでおります。また、産業医等によるメンタルヘルス相談、カウンセラー派遣相談など、職員のニーズに応じたメンタルヘルスケアの体制を整備しております。ハラスメント対策については、職員六名をハラスメント相談員に指定し、身近で相談できる環境を整えるとともに、ハラスメントの事案が発生した場合には、相談員による調査を踏まえ、ハラスメント処理委員会において必要な措置を検討し、解決を図っております。また、職員に対しては、ハラスメントの基礎知識に関する研修や管理監督者を対象としたセミナーを開催し、意識向上に努めているところであります。困難な苦情処理事案については、複数人での対応を基本とすること、事案の経過を記録に残すことなど、組織的な対応のためのノウハウ習得に向けた研修を実施するとともに、必要に応じて、弁護士資格を有する職員により、法律的な助言を行っております。今後とも、職員が不安なく、生き生きと職務に精励できる環境づくりを進めてまいります。

 次に、コロナ禍における新たな取組などについてであります。

 区では、新型コロナウイルス感染症による生活変容への対応として、窓口におけるキャッシュレス決済の導入や、子育て中の方を対象としたオンライン相談を開設したほか、インターネットを介した国・他自治体、事業者との打合せや会議などを行っているところです。また、庁内ネットワークの更新によるテレワークへの対応も現在進めております。このほか、特別区長会調査研究機構のコロナ感染症による行政運営への影響に関する調査に参加し、複数の区と共同で今後の区政の新たな展開に向けた研究を行っております。今後は、コロナ対策に限らず、大規模集合住宅を含む地域におけるコミュニティの在り方を他区と合同で検討するとともに、各種手続の利便性向上と業務効率化を図るため、国のマイナポータルを活用した子育てや介護関係業務の構築を進めてまいります。引き続き、厳しい社会状況を好機と捉え、同様の課題を抱える特別区と連携を図りながら、区民サービスのさらなる向上に積極的に取り組んでまいります。

 次に、孤立する家庭への支援についてであります。

 ひとり暮らし等の高齢者は、コロナ禍における自粛生活の長期化で孤立しやすい傾向があるため、民生委員による電話での見守りや訪問による実態調査を実施し、そこで把握した生活の困り事などは、おとしより相談センターに伝え、対応しております。また、いきいき館では、利用登録者を対象に「お元気ですか?コール」を実施し、安否確認と孤独感の軽減に努めました。子育て世帯に対しては、妊娠届提出時の面接、乳児家庭全戸訪問、乳幼児健康診断といった機会を捉え、母子と面談を行っております。また、本年二月からは、子育てに関するオンライン相談を実施するなど、コロナ禍においても必要な方が様々な場面で相談できるよう体制を整備しているところです。若者の孤立化については、本区では国が示すような自殺の傾向は見られませんが、正確な実態を把握することは難しいものと認識しております。今後、コロナ禍における新しい日常の定着が進むことで人との接点が減少し、さらなる孤立化の進行が予想されます。しかし、区として区民の困り事を把握することは難しくなることから、既存のネットワークを活用し、地域全体で孤立しやすい家庭の実態把握に努めるとともに、相談窓口等の情報発信に取り組んでまいります。

 次に、DXの推進についてであります。

 区では、人口増加や行政ニーズが多様化する中、デジタル技術を活用して区民に便利でやさしい区役所を目指すため、昨年度、情報化基本方針を策定いたしました。現在、この方針で定めた区民サービスの向上や業務の効率化に関するアクションプランについて、全庁を挙げて取り組むよう指示しているところであります。その実行に当たっては、デジタル技術に関する豊富な経験や専門知識を有し、区の実務に即した判断を行い、DXを推進する人材が不可欠であります。そこで、新年度、こうした技術を有する民間人材を採用し、DXの推進体制の強化を図ることとしております。

 次に、デジタルサービスの導入についてであります。

 本区では、これまでも講座申込みや区民施設予約がオンラインで可能となる電子申請サービスや公共施設予約システム、マイナンバーカードを利用した住民票のコンビニ交付に加え、税のスマートフォン決済、保育園に関する問合せが二十四時間可能なチャットボットを導入するなど、デジタル技術を活用した区民サービスの向上に努めてまいりました。現在、ICTの急速な進展や生活様式の変化による区民の新たなニーズに対応するため、情報化基本方針の下、AIやクラウドサービスなどを活用したデジタルサービスの導入に向け、他自治体の事例なども参考にしながら検討を重ねているところであります。こうした新たなサービスについては、区民の利便性向上はもとより、システムの安定性、安全性、費用対効果などを総合的に判断した上で、積極的な導入を目指してまいります。

 次に、区施設におけるデジタルインフラについてであります。

 現在、業務上必要となるパソコンなどのICT機器やインターネット回線などのネットワーク、各業務システムは整備済みであります。また、今後のさらなるDXの推進に当たっては、新たなデジタルサービスの導入や業務の抜本的な見直しが必要になることが想定されますが、その際にはシステムや設備を改修することにより、既存の施設においても対応は可能であると考えております。一方、災害時などにおける電源確保については、非常用電源の能力強化を図る必要があり、その対応を検討してまいります。

 次に、屋外広告物についてであります。

 本区は、江戸以来の文化・商業の中心地であり、建物の壁面や屋上に多くの広告物が、東京都屋外広告物条例に基づき、設置されております。屋外広告物は、都市における様々な活動を円滑にし、人々の日常生活に多くの利便性をもたらす反面、無秩序に表示されると、まちの美しさを損ねることになります。そのため、条例では、まちの良好な景観を維持し、公衆に対する危害を防止する観点から規制を行っております。屋上や壁面などに設置する一定規模以上の広告物には、条例に基づく許可の更新時に、有資格者による点検が行われるとともに、報告書の提出が義務づけられています。また、区による確認や区民等からの連絡により危険が懸念される場合は、設置者に対し、速やかに対応するよう指導しているところであります。今後も、条例に基づき適切に許可業務を進めるとともに、都や地域などとも連携し、良好な都市景観の形成に努めてまいります。

 次に、有効活用策についてであります。

 道路上に設置されている東京電力の地上機器を利用した地図等の公共性の高い広告物の表示や、バス停のデジタル広告を利用した災害時の情報提供などの活用が図られております。また、再開発事業などでは、開発地内に表示するサインを統一し、誰もが分かりやすくすることや、町並みや景観と調和した広告物の採用など、事業者、地域などと連携した取組を進めております。今後も事業者や地域の協議会などと連携し、広告物のさらなる有効活用策を検討してまいります。

 次に、光害対策についてであります。

 環境省は、平成十年に屋外照明の適正化により地球温暖化防止に資することを目的に光害対策ガイドラインを策定し、平成十八年には、光害防止に対する社会的要請や国際的な光害対策への動きが加速したことを踏まえ、改訂を行ったところです。その後、LED照明や動画による屋外広告など新たな光源が登場し、地域を取り巻く光環境が大きく変化しましたが、これらの光源の運用に関する明確な基準がない状態が続いておりました。こうした状況を踏まえ、区では、これから新たな光源の取扱いの基準づくりについて、国や都に対する要望書の提出を検討してきましたが、このたび、さらなる光害対策ガイドラインの改訂が行われ、屋外照明の定義の見直し、屋外照明による人への影響の明確化、点灯時間管理の必要性など、光害の原因となる光源の運用基準が明示されたところです。区といたしましては、この運用基準の遵守の徹底に向け、指導要綱の制定の準備を進めてまいります。

 答弁は以上であります。

〔四番 田中耕太郎議員登壇〕

○四番(田中耕太郎議員)
 それぞれ御答弁いただき、ありがとうございました。非常に前向き、また既にもう準備万端というお答えもありまして、心強く感じた部分もございます。

 再質問といたしましては、まず、コロナ禍で孤立する家庭や個人に対してでございます。

 御答弁の中では、これまでの枠組みを利用して、孤立化する可能性が高い御家庭や個人を対象に重点的に見ていくというお話でございました。これまで面談が可能だったり御連絡が取れた方が、コロナ禍によって取りにくくなっているという、感染を恐れてというのもありますし、人との折衝等がおっくうになってしまっているという御家庭もあるというふうに聞いてございます。そういった家庭、簡単ではないというのはもちろん重々承知なんですけれども、いわゆるアウトリーチといいますか、こちらから積極的に、今までの対象だった方だけではなくて積極的に働きかけていくといった試みが今後重要性を増すのではないかというふうに思うんですけれども、その点について、今までの既存の取組を超えた、コロナ禍後のもう一歩といったものが果たしてないのかという点について、お考えがありましたらば、お示しいただきたいというふうに思います。

 デジタルトランスフォーメーションについては、順次、今後大きな計画の策定とともに進めていただくということは了解をいたしました。大きく期待してございます。

 再質問といたしましては、例示もさせていただきましたが、必要に応じて他の民間企業等とも協力をして、ある程度枠組みがもう既に出来上がっているアプリですとかサービス、こういったものを本区の中で取り入れていく、導入していくというお考えが今後ないのかについて、簡単に御見解をお示しいただきたいと思います。

 最後の屋外広告についてでございますが、光害については、ありがとうございます。非常に前向きな御答弁を頂戴いたしました。光源、光害に対する対策のガイドラインといったものを今後整備していただけるということでございますので、大いに期待してまいりたいと思います。

 御答弁の中でもありましたけれども、近年、LED化が進みまして、例えば、私ごとですけれども、私の自宅の前の街灯などもLED化されて非常に明るいわけなんですけれども、正直言って、明るくていいなと最初は思ったんですが、やはり真夜中でもこうこうとして明る過ぎるなと思うときも、ぜいたくな悩みかもしれませんが、実際、問題としてございます。光源を管理する、運用するというのは非常に難しいお話になってくるかと思いますが、やはり度を過ぎてしまった屋外広告ですとか、光の強いものに対しては、区としても積極的に関与していくという方向性かと思いますので、引き続きの御対応の強化をお願いしたいと思います。

 では、再質問について二点お願いいたします。

〔福祉保健部長 田中智彦君登壇〕

○福祉保健部長(田中智彦君)
 私からは、孤立化の対応についてお答えをさせていただきたいというふうに思います。

 今、お話のありましたように、コロナ禍におきまして新しい日常が定着し始めますと、そういった意味では、ソーシャルディスタンスを含め、人との接点が薄れていくというところは我々も認識をしているところでございます。そうした中で、今回御指摘のありました高齢者、子育て世帯、それから若者等についての孤立化というのは問題だという認識は持っているところでございます。ただ、なかなか実態がつかみづらいというところは、先ほども区長から御答弁をさせていただいたところでございます。

 そうした中で、お話のありましたコロナ禍による孤立に加えまして、今、一般的にでございますけれども、八○五○問題ですとか、様々な社会問題といいますか、地域の困り事が起きてございます。こうした困り事は、今、お話のありました孤立化と同様、なかなか表面化しづらい部分になってございます。こうしたものにどう取り組んでいくか、これがやはり我々の地域福祉上の課題となっているところでございます。

 現在、区では、そうしたものを、先ほどもお示しさせていただきましたが、地域のネットワークを使いながら、要は、地域で活動されている民生委員の方ですとか、地域の人たちが、今、自分の周りでどんなことが起きているか、こういったことを把握した場合に、それをどこへつなげていくか、それがおとしより相談センターであったり、区の窓口であったり、社会福祉協議会であったり、そういうところへつないでいただいて、そこから取り組んでいくわけでございますが、ただ、困り事があったときに、区として直接乗り込んでいっても、なかなか解決できるというものではございません。

 そこで、今、取り組んでございますのが、社会福祉協議会が行っております生活支援コーディネーターや地域福祉コーディネーター、こういった方々がアウトリーチ型で実際に訪れながら、時間をかけて関係性を築いて対応の糸口を見つけ、それをさらに各機関につないで解決していく、こういった取組を進めていこうというふうに考えているところでございまして、今後もそれを進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

〔企画部長 浅沼孝一郎君登壇〕

○企画部長(浅沼孝一郎君)
 デジタルトランスフォーメーションの関係での民間との協働の活用、枠組みの活用でございます。

 既に、特にデジタル関係につきましては、民間の事業者が開発したものを活用するというのは非常に多く実施しているところでございます。そうしたものを今後も活用していくわけでございますけれども、現在、情報化基本方針の取組の中で、新年度におきまして、情報提供の新たな仕組みというものを検討しているところでございます。

 この中におきましては、民間の事業者が開発したソフトあるいは仕組みというものを活用して、区民の皆さんへのきめ細かな情報提供、区民の皆さんお一人お一人が必要とするものを選択して得られるような情報提供の仕組みというものを活用できるような検討を進めているところでございます。今後も、デジタルトランスフォーメーション等を使いまして、区民サービスの向上、業務の効率化というものを図ってまいりたいと考えてございます。

 答弁は以上でございます。

○議長(木村克一議員)
 次に、六番太田太議員。

〔六番 太田太議員登壇〕

○六番(太田太議員)
 中央区議会自由民主党議員団・新青会の太田太でございます。令和三年第四回中央区議会定例会に当たり、会派の一員として、質問通告に沿って質問いたします。区長並びに関係理事者の皆様には、本区の未来に、子供からお年寄りはもちろんのこと、障害のある方々にもわくわくするような住みよいまち、また、引き続き日本のトップを走る、住み続けたい、愛されるまちをこれからもよろしくお願い申し上げ、積極的な御答弁を期待させていただきます。なお、前質問者と質問の言葉が重なる部分もございますが、質問の趣旨が違うので、そのまま行います。また、答弁のいかんによりましては再質問を留保いたします。

 質問に先立ちまして、コロナ禍で苦しむ方々にお見舞いを申し上げるとともに、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表します。

 さて、先日、決算特別委員会が無事に終わり、様々に議論が交わされてきましたが、東京二○二○大会においても総括がなされたところでございます。私は、今大会が開催されて本当によかったと、選手たち同様に感じております。画面越しでしたが、日本人選手であろうが、外国人選手であろうが、応援している選手がメダルを手にした瞬間は誰もが喜び、歓喜したではありませんか。夢、勇気、元気、喜び、感動、希望、そうしたものを皆で分かち合うことができたと私は思っております。その関係区としても、大役を見事果たされた本区関係者の皆様にも厚いお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。

 また、先般、衆議院解散総選挙が行われ、日本のかじ取りを任されることになった議員が選ばれ、新政権がスタートいたしました。コロナ禍からの経済復興、SDGs、福祉政策、安全保障に加え、人権弾圧問題まで、様々な問題が山積となっております。私もその動向には注視しなければならないと感じておりますが、今回はその中から、人権問題にも触れさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、質問に移ります。今回は、福祉分野を重点に進めさせていただきます。

 まず、雇用に関連して、発達障害、精神障害を抱える方々が就労するに当たって、雇用する側の対応についてお伺いいたします。また、就労後の職場定着についてもお聞きいたしますので、よろしくお願いいたします。

 これまで一昔前までは、発達障害を抱える方たちの就労はかなり難易度が高く、なかなか仕事に就くことができない状況があったかと思われますが、平成十七年に発達障害者支援法が施行されて以来、平成二十八年には法改正がなされ、そうした方々への就労支援体制が徐々に整い、学校教育では、障害を持つ子供たちへの教員のサポート等により、大人へと向かうシステムの構築が進んできたおかげで、こうした障害を持つ方でも仕事ができる喜びを得ることができる、まさにSDGsにものっとった世界が見えてきたのであります。障害といっても十人十色ですが、それぞれに合った仕事、働き方を見つけることができるようになってきたのは、大変喜ばしいことです。しかし、そうした障害を抱える方々にとって、実は、就労してからが問題となっていることには、まだまだ改善が必要とのことから、いま一度、私が思うところの今後の課題を整理してみたいと思います。今回は、そうした発達障害や精神疾患を抱える方々が安心して自分の力を発揮できる環境を、また雇用する側の対応などについて御提案をさせていただければと思います。

 令和三年三月に中央区障害者計画・第六期障害福祉計画・第二期障害児福祉計画が発表されました。疾患別精神障害者保健福祉手帳交付者数の推移を見ると、平成二十七年では全体で五百五十七人でしたが、五年後の令和二年では、本区の人口増加傾向の推移もありますが、九百五十五人と、何と三百九十八人、七割増と激増しております。しかし、そのことを見越して、本区の対応として、障害福祉関連施設はしっかり整っており、中でも子ども発達支援センターゆりのきがメインとなって育ちのサポートカルテを作成し、高校・専門学校・大学の、幼少期から青年期まで、さらには就労支援に関しても本当に親身になって、その子に寄り添っていただき、切れ目のない支援を行っていただいているのには、非常に心強い支援体制であると感謝いたしております。そうして、ようやくその子たちが就職をし、社会の大海原に飛び出すのですが、ここからは社会人として自分の力で稼ぎ、食べ、それぞれの新たなコミュニティの中で生活を営むのであります。

 一方で、ここからが本当の勝負で、その社会の中で安定した生活ができる方、また、そうでない方々が分かれるのですが、これはやってみなければ分からない部分も多分にあることも事実ですが、同時に、雇用する側もその知識や対応を知っておけば、離職する人材も相当数改善できることが分かってきました。

 二○三○年までにSDGsの目標達成としても、これは誰一人取り残さない、労働力不足を補うための一億総活躍社会の実現にも合致し、様々なタイプの人材が力を発揮できるよう、雇用する側の意識改革も必要になります。中央区の障害者就労支援センター登録者の就職実績、厚労省の障害者雇用状況の集計なども拝見いたしました。それぞれに、コロナ禍の影響が出ている令和二年度を除けば、障害者の就職はかなりの好成績でした。

 一方で、就職してから一年を通して見ると、精神障害の方は約五割の方が、発達障害の方は約三割の方が離職となっておりました。その理由は様々あると思いますが、職場の雰囲気、人間関係、賃金の不満、症状の悪化、疲れやすく意欲が続かない、また、中には会社の配慮が不十分といった内容もありました。実際、第六期障害福祉計画、図表五によれば、精神障害者の就労先での配慮については、「特に配慮はされていない」が三七・四%と最も多くなっています。また、仕事を続ける上で改善が必要な事項としては、大まかに、能力に応じた評価、昇進、昇格、調子の悪いときに休みを取りやすくする、コミュニケーションを容易にする手段や支援者の配置という内容が書かれてありました。しかし、障害者は個別に障害の症状や程度が異なり、就労に必要な環境にも個別の配慮が求められております。個々の精神・発達障害者に必要な環境をどのように整えればよいのか、事業者側にノウハウがないために配慮を実行に移せないでいる可能性が推察されます。

 雇用する側としては、改正障害者雇用促進法の法定雇用率で、民間事業主は二・三%、国・地方公共団体は二・六%の達成というものがあるのですが、そこは達成すればよいというのではなくて、雇用した人材の有効活用という意識が不可欠となります。その意識が薄れると、せっかく雇用したのに、気持ちのずれ、意識のずれなどが相まって、ともすればハラスメント的な行動にもつながってしまいます。本年五月には、改正障害者差別解消法により、民間事業者にも合理的配慮の義務化が定められ、三年以内に施行されることになりました。事業者においては、対策が急務となっております。

 また、ひきこもり、八○五○問題と発達障害の関連もなきにしもあらずで、一度社会に出て、辛いハラスメントを受けるなど、人格を否定されると、挫折から立ち直ることが難しくなってしまいます。それは、これまでの一般社会の上下関係にも通じております。

 私見ではございますが、ここからが大切なところで、人間関係ですから、会社のちょっとした配慮、思いやり、こうしたものをただ思うだけでは駄目で、その行動や発する言葉を、雇う側も雇われる側も心地がいい、やる気が出る、来てよかった、これなら一緒に頑張れる、仕事が楽しいというところまで具現化させなければ意味がないのでございます。それは、社員、職員一人一人の意識改革が必要となります。そのためにしなければならないことは、発達障害やメンタルヘルス、ストレスマネジメント、さらにはハラスメントに詳しい専門家の指導が必要となりますが、それさえ知ってしまえば、恐らくこれからの社会は誰もが活躍できる社会が構築されてくるものと確信しております。

 そこで、質問いたします。

 発達障害、精神障害に関する就労後の職場定着に関して、本区の所感をお聞かせください。

 そうした発達障害、精神障害を抱える方を雇用する側の受入れ体制を整えるためには、まず、そうした方々の特性を理解し、どのような配慮が必要かを学ぶことが重要です。区の職員、さらには幹部職員を対象とした専門家による研修など、区が率先して取り組むことで企業側にも波及していく好循環が生まれ、ひいては雇用される方の職場定着が可能となるものと考えますが、区の御見解をお示しください。

 続いて、子宮頸がんを予防するためのHPVワクチンは、平成二十五年四月より、小学校六年生から高校一年生の女子が定期接種の対象となりました。しかし、全身の痛みや倦怠感などの副反応を訴える声が多く寄せられたことから、二か月後には、予防接種を積極的に呼びかける積極的勧奨は中止となりました。その後、八年が経過したわけですが、その間、ワクチン接種の有効性を示す研究データが相次いで報告され、徐々にではありますが、流れが変わり、先日、十一月十二日に厚生労働省の専門部会において、積極的勧奨を再開する方針が了承されたと報道がありました。今後は、希望される方が一人でも多く接種できるよう、対象者への個別通知など、細やかな対応がなされることを期待しております。

 さて、積極的勧奨が中止となっている間も、自民党会派としては、区に対して、区民への正確な情報提供と接種対象者であることの周知を働きかけてまいりました。区としても、積極的勧奨は行えない中でも、小学校六年生と高校一年生には通知されていることを承知しておりますが、副反応の心配に加え、特に昨年と今年はコロナ禍ということもあり、対象となる最終年であることは知りつつも、接種をちゅうちょしてしまったというお声を聞いております。こうした方々への対応として、接種期間の延長について、中央区医師会から区長宛ての要望も出ております。

 そこで、お伺いいたします。

 先日の決算特別委員会において、我が会派からの質問に対し、副反応については国が行うということでした。また、接種期間を区の判断で変更することは難しいとの答弁をいただいておりますが、積極的勧奨が行われず、コロナ禍で接種機会を逃してしまった方々への対応として、期間の延長は必要であると考えますが、区としての考えをお示しください。

 続いて、本区の動物愛護施策における今後の方向性についてお伺いいたします。

 まちを歩いていると、ペットを連れた方々をたくさん見かけます。本区における人口の増加に伴って、必然的にペットも増加していくことはもちろんですが、大きな背景としては、核家族化の進展やひとり暮らし高齢者の増など、家族のありようの変化とともに、ペット可のマンションの増加など、ペットを飼いやすい環境の変化などがあると考えられます。また、近頃、報道等で目にする新型コロナウイルス感染症対策で社会的な人とのつながりが減り、自宅で過ごす時間が増えたことも影響しているものと考えます。

 本区における犬の登録数を見ますと、平成二十二年度末の登録数三千五百二十頭が、令和二年度末には六千三百八頭と、この十年間で約一・八倍に増えております。また、新規の登録数は、平成三十年度までは五百頭前後で推移していた登録数が、コロナの影響を受け始めた令和元年度に五百九十九頭、令和二年度には七百三十八頭まで急増しています。登録制度があり、データとして把握できる犬だけでなく、猫も同じように増えていることが予測できます。ライフスタイルや働き方の変化を踏まえると、今後もこうした傾向は続き、ペットはますます増えていくことが想定できると思います。このような状況下で、動物愛護に関する区民の関心は以前にも増して高まっているとともに、適正飼養や終生飼養に関する普及啓発の重要性が高まっているのではないかと感じます。

 こうした中、自由民主党会派からも、動物愛護施策と晴海の猫の保護施設の活用について、様々な機会を捉えて質疑をさせていただいております。令和二年第一回区議会定例会において、晴海の猫の保護施設の今後の展開も交えた区と動物との関わりについて質問をし、区長から、ペットの飼養に関する様々な課題の解決に向けた取組と併せ、施設の役割を検討するとの答弁をいただいております。令和二年十一月の福祉保健委員会においても、晴海の猫の保護施設の緊急避難所としての活用や、独居高齢者とペットとの関連性など、本区におけるペット施策への関わり方について質疑を行いました。その際には、地域ボランティアの方々の活動が大切となることから、ボランティアの方が足りない部分ややり切れない部分について、行政として取り組んでいきたいとの方向性を示していただいております。

 このような議論を踏まえ、令和三年四月の福祉保健委員会で報告されておりますが、今年度から、ひとり暮らし高齢者のペット問題をはじめとする、動物に関する様々な問題について議論するため、動物との共生推進員を構成員とした地域における相談支援体制の整備に向けた検討会が設置されております。この検討会では、地域のボランティアとの連携により、身近な地域で相談や支援が受けられる体制の整備に向け、様々な課題の解決を目指した検討がなされていると伺っております。冒頭申し上げた、動物を飼う方が増えている状況において、このような体制の整備を進めることは大変重要なことだと考えます。

 そこで、お尋ねいたします。

 検討会における議論の現在の進捗状況をお示しいただくとともに、それを踏まえて、本区の動物愛護施策の方向性について、区の御見解をお聞かせください。あわせて、晴海の猫の保護施設の今後の活用方法についてもお示しください。

 続いて、防災拠点運営委員会について、消防団との関わりをお聞きいたします。

 これまで防災拠点運営委員会の参加者を見ると、町会・自治会、警察、消防署、そして区職員と、かなり充実した布陣で防災意識、備えは高いと感じております。各拠点の防災訓練についてもそれぞれに役割を決め、災害時にはほぼマニュアルどおりに動けますし、また、災害時地域たすけあい名簿を活用した安否確認訓練も加わり、助けられる高齢者の人数も増加したのは、大変評価の高いところでございます。一方で、これまで地域によって多少差があるようですが、私の地域の防災拠点運営委員会には、消防署からは出張所長が参加されておりますが、消防団として団員は参加していないようですし、その内容が署から団へは特に報告もなされていないように感じました。

 三・一一当時、私は佃島小学校を開放し、帰宅困難者などの対応をしておりましたが、そこにいち早く駆けつけていたのは地元の消防団員でした。また、けが人や急病者対応では救急車も混乱を来すであろうことは想像に難くないのですが、やはり大災害発生時にいち早く動けるのは地元消防団員なのです。こうしたことから、現場では適切な情報と対応が求められます。消防団の災害時の活動は、主として災害拡大の防止と要救助者の捜索、傷病者介護になろうかと思われ、日頃の情報共有が必要不可欠であります。

 そこで、お尋ねいたしますが、各地域の災害時に対する消防団の位置づけと役割をお聞かせください。

 この各地域の防災拠点運営委員会と地元消防団の連携が必要不可欠と考えます。一層区の働きかけを求めますが、区の御見解をお聞かせください。

 続いて、今回、冒頭触れた人権問題を取り上げることとなった理由の一つとして、基本構想の基本的な方向性でもある「中央区スタイル」を確立し、世界に輝く東京を創造するという文言にもあるように、中央区が世界の人々を金融や観光などで迎え入れることにより、さらなる成長を見込む、そのためには中央区の人権意識を世界水準に高めていくことが避けては通れない道であると信じたからでもあります。

 その点、今回のオリンピック・パラリンピック競技大会は絶好の機会となりました。現に、毎年の区のおしらせちゅうおう十二月一日号では、十二月十日の人権デー、それに起因する人権週間を契機とした人権の啓発が区民に向かって語りかけられ、特に平成三十年から、昨年、令和二年の三年間は、東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、民族・国籍の違いや障害の有無など、各人が持つ様々な違いを超えて、誰もが安心して生活することのできるユニバーサル社会を築き、同大会後もこれをレガシーとして次世代に承継していくために、人権への配慮が行動に現れるような意識を育んでいくことが大切ですという呼びかけが行われております。そんな中、同大会に集まった地球の数多くの国と地域の重大な関心事の一つが人権であることも、各国の歴史が、人権の獲得あるいはその途上で苦難していることを考え合わせれば、容易に想像がつくのであります。

 人類の歴史をひもとけば、古くは秦の始皇帝による焚書坑儒、そして近代のナチスのホロコーストまで、いつの世も権力者による大虐殺、また歴史の改ざんは、反体制派に対してや、開明派に対して、また社会的弱者に対してであったりするのであります。こうした彼ら、彼女ら犠牲者の様相は、後の世のれんびんあるいは反省という名の教科書的態度の対象とはなるものの、今を生きる人々に対する警告、重苦しい現実として受け止められはしないのであります。過去の事実を今の現実にさせない、それこそが未来に向けて平和を語る資格であると考えます。

 今も起きている各国の悲しくも憤りを禁じ得ない人権じゅうりん、人権弾圧は、断固として許すわけにはいきません。その点、我が自由民主党は、外交部会において、今年の六月十五日、他国の人々に対する人権侵害を非難する国会決議案を全会一致で可決しております。こうした決議は、自由と民主主義を標榜する世界各国の議会においても次々と表明されていることは、周知の事実であります。

 そこで、お尋ねいたします。

 まず、オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーとして、国際都市を目指す中央区の人権意識向上について、方向性をお聞かせください。

 次に、啓発活動年間強調事項の中に、他国への人権擁護についての言及があってしかるべきと考えますが、本区の考えをお聞かせください。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 太田太議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、発達障害、精神障害のある方の就労後の職場定着についてであります。

 本区では、障害者就労支援センターを中心に、発達障害や精神障害、その他障害のある方に対する就労や職場定着への支援に取り組んでおります。就労支援センターでは、専任のコーディネーターが企業を訪問してアドバイスを行うほか、就労支援事業所においても、企業・家族との連絡調整や生活面のサポートなど、職場定着に向けた支援に取り組んでおり、精神障害のある一般就労者のうち九割以上が一年以上継続して就労しております。こうしたことから、本区では、就労支援センターや就労支援事業所が、障害者のみならず、企業や家族を含め総合的に支援することにより、職場定着が着実に進んでいるものと認識しております。障害者の雇用については、これまでのところ法定雇用率の段階的な引上げなどもあり、堅調に推移してきましたが、コロナ禍による就労環境の変化等も懸念されるところです。今後も、障害者や雇用する側のニーズなどを踏まえ、障害者が喜びと生きがいを持って働き続けられるよう、働きやすい職場環境の構築に努めてまいります。

 次に、発達障害、精神障害のある方を雇用する側の受入れ体制の整備についてであります。

 発達障害や精神障害のある方が能力や適性を発揮し、生きがいを持って働き続けることができるよう、職場環境を整備することは大変重要であり、そのためには、受入れ側の理解の促進、意識改革が必要です。区では、本年八月に、管理職を対象として、専門家による発達障害の特性や適切な配慮などを理解するための研修を新たに実施いたしました。また、障害者就労支援センターでは、毎年、企業向けセミナーを開催し、ハローワークなどの関係機関の専門家や企業の障害者雇用担当者などを講師に招き、雇用や職場定着に関する普及啓発を行っております。今後は、こうした区の取組を障害者雇用のモデルとして民間企業にお示しするとともに、就労支援センターの取組を積極的に周知し、受入れ側の意識改革と受入れ体制の整備の促進を図ってまいります。

 次に、HPVワクチンを受けられなかった方への対応についてであります。

 区では、積極勧奨の中止期間の間も、区報やホームページなど、広く周知に努めるとともに、特にワクチンの接種期間が始まる小学校六年生と終了する高校一年生の方へは個別に通知を発送してまいりました。今般、厚生労働省のワクチン分科会において、積極的勧奨の再開が決定し、現在、接種機会を逃した方への対応が議論されているところでありますが、救済するべきという意見が大勢を占めていると聞いております。区といたしましても、可能な限り多くの方に接種していただきたいと考えており、国の動きを注視し、決定し次第、接種を開始できるよう準備してまいります。

 次に、動物の相談支援体制の整備に向けた検討会の議論の進捗状況と本区の動物愛護施策の方向性についてであります。

 この検討会は、本年六月に設置し、十月までに三回開催いたしました。その中で、これまで活動してきたボランティアの固定化・高齢化やペットを飼うひとり暮らし高齢者等への支援、飼い主のいない猫の問題、ふん尿の始末など散歩時における飼い主のマナー向上など、様々な課題が挙げられております。こうした課題の解決に向けまして、地域のボランティアの裾野の拡大や相談スキルの継承、複雑化が見込まれる相談案件への組織的な対応が必要であることから、動物との共生推進員が中心となって、具体的な相談支援体制の整備について検討を進めているところであります。動物愛護行政の推進は都道府県が主要な役割を担いますが、地域の問題については、基礎自治体である区が対応することとされております。複雑化・多様化する動物に関する様々な地域の問題に対応するには、地域に根差したボランティアの活動が非常に大切であると考えております。区といたしましては、ボランティアへの支援を中心にしながら、ボランティアでは対応が困難な部分を行政として取り組み、人と動物とが安心して暮らせる環境づくりを推進してまいります。

 次に、晴海の猫の保護施設の今後の活用方法についてであります。

 都心区である本区においては、環境の変化などにより遺棄された猫が地域の猫として外で適切に飼養されることが困難な状況となっていることから、地域のボランティアの方々が保護猫のシェルターを個人的に運営し、新たな飼い主への譲渡につなげる取組を行っています。しかしながら、検討会の中でボランティアの方から、現在、シェルターもいっぱいになりつつあり、今後、新たな遺棄猫に加え、ひとり暮らし高齢者のペット問題や多頭飼育崩壊など、区内で新たに保護する必要が生じた場合には、晴海の施設を活用していく必要があるとの意見が出されております。区といたしましては、ボランティアの方々と引き続き相談しながら、施設の具体的な役割や活用方法などについて検討を進めてまいります。

 次に、消防団の位置づけと役割についてであります。

 消防団は、消防組織法に基づき設置される消防機関であり、特別区における消防団員は非常勤特別職の地方公務員として位置づけられております。また、地域の防災リーダーとして、所轄消防署と連携し、被害を最小限に抑えるため、平常時には区民への防災訓練指導等、災害時には消火活動や救出・救助活動等を行い、区民等の安心と安全を守るという大変重要な役割を担っていると認識しております。

 次に、防災拠点運営委員会と消防団との連携についてであります。

 災害発生時には、防災区民組織や町会・自治会等により構成される防災拠点運営委員会が地域防災の要として共助の中心となることから、地域に密着した消防団と連携・協力体制の強化を図ることは、地域防災力の向上につながるものと考えております。そのため、本区では、地域防災計画において、消防署と同様に消防団を防災拠点運営委員会のアドバイザーとして位置づけており、委員会活動や防災拠点での訓練に参加していただいているところです。今後も、地域防災力のより一層の強化に向け、平常時から積極的に御参加いただけるよう、消防団を所管する区内消防署と調整を図ってまいります。

 次に、人権意識の向上についてであります。

 人権とは、誰もが生まれながらに持っている、人間が人間らしく生きていくための権利であります。本区は、人権啓発への取組として、区のおしらせや区ホームページで人権に関する周知を図っているほか、毎年、人権擁護委員の御協力の下、区民や来街者などに対する啓発活動を行っており、本年も十二月十日の人権デーに合わせ、数寄屋橋公園において実施を予定しております。東京二○二○大会は終了しましたが、国際都市にふさわしい人権が尊重されたまちを目指して、いかなる種類の差別も許さないというオリンピック憲章にうたわれる理念が区民に浸透するよう、人権施策の推進に取り組んでまいります。

 次に、啓発活動強調事項についてであります。

 国においては、毎年度、全国統一の重点目標と啓発強調事項を定めており、本区も国に同調し、人権の啓発活動を実施しているところです。令和三年度啓発活動強調事項は、女性の人権、こどもの人権、外国人の人権など十七事項となっております。重点目標や啓発活動強調事項は、その時々の社会情勢や人権侵犯事件の動向等を勘案し、国において定めているものであり、他国における人権擁護についても、国により検討されるものと考えております。

 答弁は以上であります。

〔六番 太田太議員登壇〕

○六番(太田太議員)
 それぞれに御答弁ありがとうございました。未来へ一歩、歩みを進めることができたものもあり、感謝いたします。

 現在、発達障害は、ある種、症状を把握していれば、かなりの部分で健常者と変わらないし、むしろ特定の能力や集中力が一般の方より秀でている方もおられます。こうした方を雇用する側は、これまでなかなか発達障害に関する知識が行き渡っておらずに、向き合うことが難しいようなイメージもありましたし、また雇われる側も、伸び伸びと仕事をすることが難しいと感じて、窮屈さやハラスメントに近いような、怖いとも感じることが多々あったと聞いております。そうであれば、やはり専門家講師などを交えて、職員の研修など、今後も必要かなと強く感じます。先ほど、もう研修を行ったとも御答弁いただきました。そういう意味では、人材の有効活用としては、ぜひみんなで学んで、幹部職員も議員もみんな含めて学んで、今後の新しい時代を迎えることができれば、誰一人取り残さない、さらにすばらしき世界が広がるのかなと確信しております。ぜひ要望をお酌み取りいただければと思います。

 次のHPV、子宮頸がんワクチンに関しては、おっしゃったとおり、今後要望される対象の方に御対応のほどよろしくお願い申し上げます。

 動物愛護ということでお聞きしました。猫の保護施設の今後の使われ方なども理解をさせていただきました。

 防災拠点運営委員会に町会・自治会として消防団の方が参加しているということはまれにあるんですけれども、消防団の方が何となく委員会に参加しているから、分かっているよねというのではなくて、改めて地元消防団として席に着いていただいて、日頃より情報を共有して、大災害時には即応できる消防団を頼るというのが自然というもので、やはりきちんとした形を示すことによって、地域を守る消防団の存在意義、価値があるのだと感じております。そのあたりをお酌み取りいただければと思い、質問させていただきました。

 今回、この議場で人権に関して申し上げましたけれども、焚書坑儒や大量虐殺と言葉では一言で表せますけれども、実際には、年端もいかぬ子供たち、あるいは華やぐ年頃の女の子一人一人への凄惨な苛烈極まる蛮行が、昔も今も世界のどこかで報告されているのであります。そして、私自身もそうした相談を受け、話を伺い、涙するのであります。人権侵害に関しては、北朝鮮による拉致事件が本区も当事区となっております。これまで認定された十七名、また拉致の可能性を排除できない特定失踪者八百六十名以上は、いまだ解決できずにおります。横田めぐみさんがさらわれたのは、十三歳のときです。あれから四十四年もの歳月が過ぎ去り、めぐみさんの父、滋さんはとうとう再会がかなわず他界されました。お母さんも高齢です。こうした事件を解決に近づけるには、声を大きく上げなければならないのですが、これは、私自身は大きければ大きいほど解決に近づくと思っておりますし、先日、「めぐみへの誓い」という映画が公開されました。この映画も、今後、小・中学校での人権教育の題材として、子供たちにぜひ学んでいただきたく、これも要望させていただきたいと思います。

 中央区平和都市宣言、「いまいちどたちどまり 平和の尊さをみつめよう ささやかな幸せも こよなき繁栄も 平和の光が消えたなら すべてが失われる 私たちの手にあるこの輝きを 明日の世代に伝えよう」とあるとおり、これを鑑みれば、決して平和とは言い切れない状態でもあったのですが、まさにその平和の光を絶やさぬよう手を打たなければ、声を上げなければならないと強く感じるのでございます。地方議会の場からでもできる世界の平和、日本の安寧のために、声をしっかり上げていきたいと思っております。人権に関して、以上要望させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 以上、私の一般質問を終わります。御清聴いただき、誠にありがとうございました。(拍手)


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、併せて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後四時四十九分 休憩


     午後五時十分 開議

○議長(木村克一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。まず、二番高橋まきこ議員。

〔二番 高橋まきこ議員登壇〕

○二番(高橋まきこ議員)
 かがやき中央の高橋まきこです。令和三年第四回定例会におきまして、一般質問をいたします。御答弁の内容によりましては、再質問をさせていただきます。

 近年、学校を取り巻く多くの課題があり、それらは複雑化しており、学校だけではなく、社会全体で子供の育ちを支えていくことが求められています。私から、これまでの議会質問にて、児童・生徒の戸惑いや保護者の不安の声を伝えながら、校則や学校のルール、学ぶ権利の保障、プレディ、放課後の居場所の狭隘化、制服、SNSいじめや生理の貧困、LGBTQなど多様性を認め合うための取組をはじめとした課題について確認させていただいてまいりました。今回は、学校評価ガイドラインと学校運営協議会制度を軸に、地域や保護者との理解を深め合い、相互に協力し合う関係を高めていく取組について質問をいたします。

 文部科学省による学校評価ガイドラインでは、学校は組織的・継続的に改善を図ること、評価の公表により説明責任を果たし、学校・家庭・地域の連携協力による学校づくりを進めること、改善措置を講じて向上を図ることといった目的が説明されております。実施方法は三つに整理されています。一、学校による自己評価、二、保護者、評議員、地域住民などによる学校関係者評価、三、外部の専門家による第三者評価とのことです。特に、この二の学校関係者評価では、客観性・透明性を高めることと、家庭・学校・地域の連携協力により学校運営の改善に当たることが重要とされています。一例ですが、新潟県見附市では、学校関係者評価委員を対象とした研修を実施し、学校評価アドバイザーを派遣しています。この取組は、評価マインドの定着につながるとされています。学校教育法においても、学校評価について、改善を図るために必要な措置を講ずる、保護者、地域住民、その他関係者の連携と協力の推進に資するため、情報を積極的に提供するものと明記されています。

 平成二十五年に取りまとめられています中央区学校評価ガイドラインを確認しました。中央区では、学校評議員制度を活用して評価委員会を設置し、学校の自己評価を踏まえて評価を行うとされています。第三者評価については、学校評価システムと学校関係者評価者の中に学校運営に関する外部の専門家を加えて、学校関係者評価と第三者評価を併せた外部評価として実施しているとあり、文部科学省が示す三つの方法の二と三を組み合せて外部評価とされているようです。

 ここで、お尋ねいたします。

 各校ホームページにて、評価とともに中央区学校評価ガイドラインを公開していないため、評価のプロセスが明確に伝わっていない可能性があると考えます。そこで、学校評価における外部の専門家について、誰が何の専門家であるかを明示して、外部評価の仕組みを説明したほうがよいかと考えますが、いかがでしょうか。

 中央区における二の学校関係者評価では、学校と密接な関係にある保護者やPTA役員、学校評議員、地域住民などが評価するとあり、評価委員に町会長や区議会議員等も含む中で、関係を超えて闊達な議論や評価が実現されるのか疑問が残ります。評価会議は非公開で傍聴できず、各回の議事録も非公開である学校がありますため、学校関係者評価と第三者評価を併せた評価において、いかにして客観性と透明性を高めるという目的が達成されているのか、お聞かせください。

 中央区教育委員会による教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果に関する報告書内でも、専門家意見として、分かりやすく記載、新旧対照表にする、取組の成果・検証・評価を行ってほしいといった記載がございます。こうした専門家の意見を踏まえ、より分かりやすく評価結果を伝える工夫や、議論のプロセスを明確にし、具体的にどのように学校運営の改善につなげたのかを見える化すべきだと考えます。そこで、この改善の見える化と客観性・透明性をさらに高めるためには、どんな手法があると考えるか、お聞かせください。

 文部科学省による令和二年からの新学習指導要領では、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという理念を学校と社会が共有し、社会と連携・協働しながら未来の創り手となるために必要な資質・能力を育む、社会に開かれた教育課程の実現を重視しています。この理念の実現に向けて、組織的・継続的に地域と学校が連携・協働していくことが大変重要とし、その具体的な取組として、コミュニティ・スクール、学校運営協議会制度や地域学校協働活動の一体的推進が重要だとしています。地域と学校が子供たちの学びの充実のために協議し、協働し、活動後の評価をして、また次の取組につなげていくというPDCAサイクルを回していくということが重要だということです。

 平成二十九年の法改正により、学校運営協議会の設置が努力義務化したことで、全国的に設置が促進されています。本年、令和三年八月に報告されました三菱UFJリサーチ&コンサルティングによる文部科学省委託調査結果によりますと、コミュニティ・スクールの導入は、令和二年度までに全国の小・中学校で六○%程度となっています。地域・保護者との連携、地域人材の活用、学校運営への必要な支援が主に議論されているとのことです。

 中央区教育委員会による教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果に関する報告書内でも、各項の今後の取組の方向性において、関係者の連携を図ることが重要、連携体制の整備に取り組むなどと説明されており、関係者や関係機関同士の連携に重点を置いていることが分かります。この努力義務と位置づけられているコミュニティ・スクール、学校運営協議会制度につきまして、中央区における導入状況と今後の取組の方向性をお聞かせください。方向性としては、具体的に、制度と地域協働活動の一体的推進について、今後の総合教育会議などで議論される予定か、ロードマップ、教育委員会の継続的な支援についてお考えをお聞かせください。

 地域とともにある学校運営への取組の改善や、その効果をどのように可視化しているのか、お聞かせください。

 学校運営の在り方をデータベース化し、分かりやすく判断できるCSポートフォリオを作成して可視化することで地域との協働の在り方の検討につながると検証がされていますが、この導入のお考えもお聞かせください。

 GIGAスクール構想の実現を含め、教育を取り巻く環境の変化や社会のデジタル化が一層進行、浸透している現在にあり、子供の学び方への考え方や保護者とのコミュニケーションツールにおいても、多くの疑問や要望が寄せられております。特に、コロナの影響を受け、デジタルツールを活用して、つながりを持ち続けたいと願う児童・生徒や保護者の声を多く聞いてきました。国が示すデジタル社会形成十原則のうち、一のオープン・透明と、七の包摂・多様性の観点も踏まえ、質問を続けます。

 GIGAスクール構想の実現に当たり、文部科学省は、いつでも、どこでも、誰とでも学ぶことができる環境の実現と示してきました。一方で、中央区教育委員会は、タブレットの全児童・生徒への配備後もオンライン双方向授業の効果は疑問が残ると説明し、区長からの手紙に複数件の要望が寄せられているオンライン授業の参加についても、検討すると回答するにとどまっています。保護者から私への御相談では、学校に要望したり、教育委員会に相談したが、共感を得られなかったと受け止めた方も少なくありませんでした。

 令和二年十二月の文部科学省におけるデジタル化推進プランにおいて、GIGAスクール構想をはじめ、教育分野において急速なデジタル化への対応が進むことを見据えて、デジタルの活用により一人一人の多様な状況やニーズに対応した取組が進展するなど、そのよさを誰もが実感していただくことができるようになることを目指すとされ、さらに、遠隔・オンライン教育の推進において、児童・生徒一人一台端末と高速大容量の通信ネットワークとの一体的な整備により、遠隔授業やオンデマンドの動画教材を取り入れ、発達段階に応じて対面指導と遠隔・オンライン教育とを使いこなすハイブリッド化をすることで、多様な子供たちに対して教育の質を高め、個別最適な学びと協働的な学びの実現を目指す、誰も取り残すことのないよう、学校で学びたくても学べない児童・生徒に対する遠隔・オンライン教育の活用を促進すると示されています。

 文部科学省が示すデジタル化推進プランの内容と、中央区教育委員会が疑問を持つというオンライン授業の教育効果との整合性について、分かりやすく御説明をお願いします。今後、自宅からオンラインで学校授業に参加したい意向に対して、本日に至るまでの検討経緯と、出席と扱うのかを含めて、今後いかに対応するのかもお聞かせください。

 さらに、保護者とのコミュニケーションツールについて質問を続けます。

 令和二年十月に文部科学省から、学校が保護者に求める押印の見直し及び学校・保護者等間における連絡手段のデジタル化の推進についてという通知が出されました。これを受け、全国的に、学校と保護者との連絡にメールやアプリを導入する自治体が増えています。中央区内の学校の多くは、連絡帳や電話が主に用いられることが多くて、負担に感じているといった保護者の声もお聞きしています。さきの通知では、押印の省略や学校・保護者間における連絡手段のデジタル化は、迅速な情報共有を実現するとともに、学校・保護者双方の負担軽減にも大きく寄与するとされています。渋谷区、千代田区、目黒区は、アプリを導入しています。千葉県柏市では、SNS学校連絡システムにより、LINE連絡を安全に実現しているそうです。保護者と教員のLINE個人IDはお互いに分からない仕組みで、電話やメールでの連絡よりもスムーズに連絡事項を届けることができ、教員の業務改善にも役立ったとしています。

 また、保護者からは、相談を電話でと学校側から提案された際に、教員の在席時間を考慮し、負担や困難を抱えているといった声も少なくありません。児童・生徒のアカウントを用いた欠席連絡フォームから、さらに取組を進め、この国の通知を踏まえて、まずは基本の連絡手段のデジタル化、アプリの導入を実現すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 電話相談に負担やハードルを感じるという声に対して、保護者の孤独な悩みに寄り添い、新しい生活様式に対応したメールなどの導入が要望されていますが、ほかの相談手段を検討いただけないでしょうか。プレディなど、一部押印を求めているものも残っていますので、さらに押印の見直しを浸透させていただくように要望いたします。

 次に、母子保健分野について質問させていただきます。

 中央区内での分娩は、現在、聖路加国際病院本院で行われているそうです。聖路加助産院では、産前産褥産後ケア等に対応されています。本院での分娩と助産院の産後入院の組合せでも、八十五万円程度からの請求となったとお聞きしています。本院での出産、産後入院の組合せですと、百万円を超えるとお聞きしています。こうした現状と、コロナの影響を受けて里帰り出産を見合わせて聖路加で出産することとなった方々から、出産の費用に大きな負担を感じているとの声が寄せられています。

 港区では、子供を産み育てやすい環境を整備するとして、昨年の令和二年十二月から出産費用助成金が拡大されました。港区における通常分娩の出産費用について調べましたところ、一例ですが、愛育病院では七十四万円から、山王病院では六十八万円から、慈恵医大附属病院では八十万円からとなっていました。令和元年度の公的病院における出産費用は、全国平均で四十四万三千七百七十六円、東京都の平均で五十三万六千八百八十四円となっていました。中央区における出産費用は、これよりも大幅に高いことが分かります。私は、現在の区内における請求の現状も踏まえ、中央区においても、港区同等の出産費用助成が必要だと考えますが、中央区のお考えをお聞かせください。

 また、先日の福祉保健委員会にて、聖路加助産院立ち上げの際に区が支援を行ったと説明され、聖路加の請求は六十七万円からと把握していると御答弁がありました。この請求実態について、どのように把握しているのか。また、具体的に直近で確認できる年において、六十七万円での請求実績は中央区民に何件あったのか教えてください。

 同じく、先日の委員会答弁にて、タクシー助成を活用して他区の都立病院へ行って産むことができるという選択肢を示されましたが、妊婦健診や陣痛、産後の家族の支えやNICU、GCUの対面など、大きな負担が続くと思います。中央区で安心して産み育てるということの在り方について、中央区のお考えをお聞かせください。

 令和元年十二月に改正されました母子保健法において、産後ケアには、短期入所型、通所型、居宅訪問型、それぞれショートステイ、デイサービス、アウトリーチの三種類の実施方法があるとされています。中央区は通所型と居宅訪問型を実施していないと、福祉保健委員会にて確認をいたしました。国は、産後ケア事業は、子育て世代包括支援センターにおける困難事例や、コロナの影響を受け、孤独な出産・子育てとなり、不安を増大させる妊産婦への対応強化を目的としているとしており、私は、核家族世帯中心の中央区のマンション内において孤独な妊娠・出産、産後を過ごしている妊産婦に特に必要な支援だと考えております。そして、中央区においても、児童虐待の通報や相談件数が増えているといった中で、至急に実施すべきだと思っています。

 先日、児童相談所と養護施設を視察して、お話を伺ってまいりました。東京都における児童養護相談のうち七四%が被虐待で、虐待者の五○%が実母、四○%が実父です。虐待相談のうち三○%を三歳未満の児童が占めており、産前産後の家庭とつながることがいかに児童虐待防止において重要であるかということが分かります。この児童虐待防止の観点からも、民間も活用して速やかに産後ケアとしての通所、デイサービス型と居宅訪問、アウトリーチ型を実施すべきと思いますが、中央区のお考えをお聞かせください。

 まず、妊産婦への支援機関の情報提供を求めますが、この取組の必要性についてもお聞かせください。

 母子手帳のアプリ導入も、妊産婦の孤独化や児童虐待防止に対応する重要なつながりを続けるツールの一つであると考えます。近年、導入自治体が増えています。現行の手帳との併用モデルで、データの利活用を通じて、保護者、自治体、医療機関の三者をつなぎ、簡単、便利かつ安全・安心な子育て環境、孤独な子育ての解消につながっていると説明がされています。自治体や医療機関の手間の削減や、保護者の紙の申請や手続による手間とリスクの軽減を図るとされており、中央区が示す子育て分野へのICTの活用という目的にも合致するものと考えます。

 世界的には、母子手帳、母子保健管理のデータ化は、災害等の危機管理や国際的な移動、健康管理においても役立つものとされています。私自身も、各種複合災害への備えとしても重要だと考えています。内閣府が示すマイナンバー制度における番号利用においても、この母子保健法による事務の一つとして列挙されています。渋谷区のシブヤ母子保健ノートは、区の公式LINEのリッチメニューから遷移しアクセスできるため、アプリのアクセシビリティの向上が確認されています。先日の福祉保健委員会にて、区民のマイナンバーカード所持率も見ながら検討するといった答弁をいただきましたが、中央区は全国的にも普及率が高いほうであり、二十三区ではトップ、私が調べた直近のデータでは、およそ四三%であると示されていました。

 そこで、質問いたします。

 中央区が把握している最新のマイナンバーカード普及率に触れながら、一人でも多くの産前産後の母子とつながりを続ける手段の一つとして、母子手帳アプリ導入へのお考えをお聞かせください。

 以上、一回目の質問とさせていただきます。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 高橋まきこ議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、出産費用助成についてであります。

 出産する場所については、妊婦・胎児の状況や分娩方法などを踏まえ、妊婦・御家族が医師等と相談し、選択するものと認識しております。しかしながら、区内に出産できる病院が聖路加国際病院しかなかったことから、区では、六十万円台後半の分娩費用で利用できる聖路加助産院を誘致し、区内における出産環境を整えてまいりました。また、区外の病院への通院等の経済的な負担を軽減するため、出産支援祝品としてタクシー利用券一万円分を贈呈しております。このような経過から、新たに出産費用に対する助成を行うことは難しいものと考えております。

 次に、聖路加助産院についてです。

 区では、聖路加助産院の利用実績を年に二回報告を受けておりますが、分娩費の状況については、必要がある場合に限って報告を求めております。聖路加助産院での分娩は令和二年十月から令和三年九月までに十二件あり、そのうち二件が基本料金となっています。本区の出生数は五年連続で二千人を超え、また、合計特殊出生率は三年連続で二十三区第一位を記録するなど、これまで本区が取り組んできた総合的な子育て支援施策が評価されたものと認識しております。今後も引き続き、本区にふさわしい、多様な子育てニーズに応える支援策を着実に推進し、安心して子供を産み育てていける子育て環境の整備を図ってまいります。

 次に、産後ケアについてであります。

 現在は、聖路加助産院で宿泊型の産後ケアを行い、大変に満足度の高い事業となっております。一方で、通所型に関してはスペース等の問題、居宅訪問型に関しては新型コロナウイルス流行下においての実施などの課題があり、引き続き検討を続けてまいります。妊産婦への支援機関の情報提供については、産後ケア事業に関しては、母と子の保健バッグに周知用チラシを入れているところです。その他の民間の機関については、費用やサービス内容の正確な把握が困難であることから、区として情報提供することは難しいものと考えております。本区のマイナンバーカード普及率は五○%を超えており、二十三区で一位となっております。母子手帳アプリについては、そのマイナンバーカードに連携して実施できるマイナポータル事業にひもづけて実施している自治体があると聞いておりますが、本区においては、必要性や効果について慎重に検証してまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 初めに、学校評価における客観性と透明性についてであります。

 本区における学校評価システムは、文部科学省のガイドラインと同様に、学校の教職員が評価を行う自己評価、保護者、地域住民、青少年委員等で構成された委員会が行う学校関係者評価、外部の専門家が行う第三者評価で構成をしております。この一連の評価システムについては、学校・幼稚園を通じて、保護者に対し、こうした取組を周知しているところであります。第三者評価における委員につきましては、当該学校及び学校設置管理者に直接関わり合いを持たない大学や研究機関の職員、教育有識者の方などに委嘱をしております。現在、委員は名前のみの明示となっていることから、今後、その方々の専門性が分かるよう、所属等の公表について実施をしてまいります。各委員会の会議内容については、委員による改善に向けた意見が記載された報告書をホームページに公開するなど、客観性と透明性の向上に努めております。今後も、この学校評価を着実に実施し、保護者や地域の信頼に応えた質の高い教育が提供できるよう取り組んでまいります。

 次に、学校運営協議会制度の推進、学校運営の可視化についてであります。

 本区は、学校運営協議会制度を導入しておりませんが、代わるものとして、学校運営の改善と発展を目指し、保護者、地域の有識者等で構成された学校評議員制度を活用しております。これは、評議員が主体的に学校運営や教育活動全般について協議し、意見を述べる会議体として機能しているところであります。この取組により、保護者や地域の意見が学校・幼稚園の経営に反映され、連携が図られているものと認識しております。学校運営の取組や改善、効果については、分かりやすい評価となるよう、学校評価の資料である児童・生徒、保護者アンケートの集計結果のグラフや改善方法等を公表しておりますが、引き続き評価方法の工夫に努めてまいります。今後も、地域と連携・協働し、地域と共にある学校づくりを推進してまいります。

 次に、オンラインによる授業参加と出席の扱いについてであります。

 本区におきましては、文部科学省の指針に基づき、対面による授業のほか、宿題配信や動画教材等を活用したオンラインにおける指導を通じて、個別最適な学びと協働的な学びの実現に努めているところです。自宅からのオンラインによる授業参加につきましては、学校とのつながりを持つという目的では効果的であると捉えておりますが、一人の教員がオンラインと教室での対面授業を同時に実施することから、その運用面において様々な制約があり、学習効果は限定的になると考えております。なお、コロナ禍における出席の扱いにつきましては、文部科学省の通知に基づき、児童・生徒が合理的な理由により登校できないと校長が判断した場合には、指導要録上、出席停止・忌引等として記録し、欠席日数として記録しないことができることとしており、今後とも児童・生徒に不利益が生じないよう対応してまいります。

 次に、学校と保護者との連絡手段のデジタル化についてであります。

 本区では、文部科学省が提示している保護者向けアンケートのオンライン化や学校便り等のデジタル配信について、既に全校において実施しているところであります。また、欠席・遅刻連絡のオンライン化についても、実情に応じて各校が導入に向けて取り組んでおり、基本的な連絡手段のデジタル化は図られているものと考えております。今後は、円滑なコミュニケーションを可能とする相談手段の多様化について、保護者、教員双方の負担軽減に配慮しながら検討してまいります。

 答弁は以上であります。

〔二番 高橋まきこ議員登壇〕

○二番(高橋まきこ議員)
 それぞれに御答弁をありがとうございました。

 まず、教育の問題、ただいま御答弁いただきましたので、お伺いしたいと思いますが、保護者との相談手段、多様化について検討したいという御答弁をいただきましたところ、非常に心強く思いました。学校保護者から、誰も味方になってくれない、孤独な悩みがずっと続いているというお声が私に多く寄せられたために、今回の質問をさせていただきました。コミュニティ・スクールの導入によりまして、保護者や地域が一体となって、その一人の課題を共有し、多方面から改善につなげていく、そういったことで、今回、このコミュニティ・スクールの導入を要望いたします。

 そしてまた、開かれた学校評価によって学校の改善プロセスを共有し、それをまた地域に返していく。そうしたことによって、一人で悩みを抱え込んだり、同じ悩みを持つ方が繰り返すということがなくなりまして、地域全体で子育てを支えていく中央区が迅速に実現していくものということを願いますので、そうした取組を改めて要望させていただきます。

 再質問、大きく二点させていただきたいのですが、ただいま客観性・透明性の担保の方法について具体的にお示しいただいたところではございますが、やはりさらなる客観性・透明性を高める方法としましては、評価会議は公開会議として傍聴者を認め、公開会議の議事録をさらに公開していくということは必要な取組だというふうに考えております。また、評価プロセスの共有としまして、中央区学校評価ガイドライン、どういった評価をしているかという基準を共に公開することによって、やはり理解が深まり、そこがまた次につながっていくと考えますので、この三点の取組についてのお考えを改めてお聞かせください。

 また、先ほど保護者に周知しているという御答弁もございましたし、学校のホームページでこの評価を公開しているということではありますが、やはり保護者はそういったことを知らない、その評価があるということを知らなかったというお声も多く聞いていますので、やはり公開しているということだけでは未達で、情報共有といった目的を達成するためには、公開していることを知らせるという工夫が必要だと考えます。この点については、まず、何から実施する考えであるかという点について再質問させてください。

 以上、大きく二点お願い申し上げます。

〔教育委員会事務局次長 生島憲君登壇〕

○教育委員会事務局次長(生島憲君)
 学校評議会のほうの公開の部分に関しましては、非公開にするですとか、議事録を公開しないというところを決めて、現在、運営しているということでもございません。今後、運営に当たって、そういった部分の様々な事務手続が増えることに関しては検討させていただきたいところですけれども、基本的には、私どもは地域のほうに情報が行き渡るようにということを考えながら運用しているというところでございます。

 それから、保護者への周知に関しましては、アンケートを取る際に、学校評価について記載したものを加えて、お願いをしているというところで、基本的には伝わっていると考えているんですけれども、このあたりにつきましても、今後、保護者と様々会合を持つ機会も学校の中ではございますので、情報提供の場面というものを増やして、きちんと伝えていくということは努力してまいりたいと考えております。

 以上です。

〔二番 高橋まきこ議員登壇〕

○二番(高橋まきこ議員)
 詳しくありがとうございました。

 非公開を決めていないということでしたので、それぞれの学校や地域に考えていただき、さらに孤独にしないという、共に子供を育てようという方向性で話合いが進むといったことを要望しますし、そうした思いについて、教育委員会からも取組を知らせていただくということを改めてお願い申し上げます。

 また、ホームページの公開等での、知らせる場面を増やすということの案の一つとしましては、例えば、ホームページの学校のリンクの案内のところに、そうした評価もあるよということを示すということであるとか、あと、冊子が配られますので、入学前の保護者用の冊子に、そうした評価がどういった評価で行われて、どういう声が集まっているという情報を届けるということも一つだと思いますので、そうした伝え方、情報提供方法の改善も併せて要望させていただきます。

 文科省のガイドラインでは、単にアンケートに回答するのみなど、受動的な評価活動にとどまることのないように、回答がどのように生かされて、改善につなげられているかというところを知らせるということが重視されていますので、ここまでPDCA、中央区の一つの制度でいかに機能しているのかという点を今後も確認を続けていきたいと思います。

 学校評価と学校運営協議会制度は異なる制度でありますので、中央区の、今、一体としている制度での機能というところについて注目をしております。

 最後に、児童虐待防止は、コロナの影響も受けまして、喫緊の課題です。児童相談所にて、保護者や子供の心についた傷は消えることはないとお聞きしました。さらに、命を失ってからでは取り返しがつきません。産前産後ケアで寄り添い、一時預かり保育をより利用しやすくしながら、地域で多くのつながりを保ち、中央区で安心して産み育てられるということを実現すべきだと要望します。そこには民間の活用も必要だと思いますので、そういった力も借りながら、より早い実現を要望しまして、質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

○議長(木村克一議員)
 次に、十一番小坂和輝議員。

〔十一番 小坂和輝議員登壇〕

○十一番(小坂和輝議員)
 中央区議会のかがやき中央の小坂和輝です。一般質問通告に従い、中央区が直面する喫緊の課題十二項目につき質問いたします。明快なる御答弁をお願いいたします。再質問は留保いたします。

 まずは、新型コロナウイルスについて。

 第六波は必ず来ると言われ、その備えを急がねばならない。コロナワクチンは、死亡者数や重症患者数を減らすのに有効であった。その予約の段階で混乱が生じ、住民、クリニック、両者に多大な労力を課してしまった。三回目接種においては、ICT技術を用いて予約方法の改善がなされないだろうか。デジタルディバイドに十分に配慮しつつ、個別接種に参加するクリニックへの予約に対応する統一したネット予約システムの構築を区が行うなどの対策を願うが、いかがか。また、かかりつけ医で接種ができるような工夫は何かできないか。

 自宅療養患者が入院できず、自宅で亡くなるケースが全国で散見された。第五波の感染拡大期には感染者登録が集中し、中央区保健所だけでは見守りのキャパシティを超えた日が存在した。自宅療養患者の見守りにおいては、HER‐SYSの活用とともに、かかりつけ医ら医師も見守り体制に加わり、症状の急変に対応をしていくことで安全な見守りが可能になる。保健所と医師が連携した自宅療養者のフォローを行う体制整備を、第六波では行うべきと考えるが、いかがか。

 このような医療連携を行う場合、関係者間での開かれた議論が重要である。今月十日、保健所主催で医療関係者に向けたコロナ感染のウェビナーが開催され、地元医師らとコロナ施策の率直な意見交換がなされた。初めての試みであったが、今後もこのような開かれた議論を、ウェブなども活用しながら積極的に行うべきではないか。

 次に、コロナ禍の子供の心への対応について。

 国立成育医療研究センターを中心としたコロナ×子ども本部研究グループにより、子供たちへ六度にわたり実施されたアンケート調査結果からは、子供たちの四割でスクリーンタイムが増加し、ストレス反応を抱える児が七割、中等度以上の鬱症状が、小学校高学年の一五%、中学生の二四%、高校生の三○%に見られたという。なお、本調査は、たまたま今朝七時のNHKニュースでも取り上げられている。また、報道にもあるが、児童・生徒の自殺者数も昨年八月が六十四人と、前年同月の二倍になるなど、昨年度の増加が明らかである。コロナ禍は、子供たちの心に深刻な影響を及ぼしている。区では、学校生活において、実際にストレスを抱えた子供たちや鬱症状を呈した子供たちはどれだけの割合で生じたと把握されたか。

 日本小児心身医学会が推奨するQTA30という質問用紙により、子供の心身の健康度を早期に評価できると言われている。小学校四年生から可能で、質問数三十で子供が約三分で回答できる。本区もこのようなストレス評価の導入を検討すべきと考えるが、いかがか。

 中央区の不登校の児童・生徒も、昨年度、小学生が五十一名で例年の約二倍、中学生が七十三名と例年より約一○%プラスで増加の傾向を見せた。適応教室「わくわく21」では、タブレット端末等を用い、家から出られない子も含め、不登校の児童・生徒に学びの場を提供していることを聞いている。不登校の児童・生徒の中には、朝起きられない、体がだるい原因として、起立性調節障害という疾患が原因している場合もあり、医療との連携もとても大切である。特に、コロナ禍、休校のために家で寝そべって過ごすことで自立神経機能が脆弱化し、起立性調節障害を来すとも言われている。不登校では、学校から医療につなげる支援もお願いしたいが、医療との連携はできているか。

 次に、副籍制度について。

 第三回定例会補正予算で中央区保健所等複合施設の施設再編がなされ、全ての子供が、障害のありなしにかかわらず、成長発達を支援するネットワークが充実することとなった。同施設内の区立明石町保育園には、医療的ケア児が通うことができる、共に育ち、学ぶ環境が整備される。特別支援学校への就学の場合、地域を離れて通うこととなるが、その全ての児童・生徒が地元の小・中学校にも副籍を持つ。この副籍制度を活用することで、特別支援学校に通いながらも、副籍のある地元の学校の行事や授業に参加し、共に学ぶ機会を得ることができる。地域とのつながりを持ちながら育つことにより、お互いを知り、社会人になっても、共に支え合いながら、その地域で住み、働くことが自然と可能になっていくであろう。副籍制度の活用に当たり、同制度の理念をどのように捉えているか。

 保育園から小学校へと上がる就学では、切れ目のない福祉と学校現場との連携が欠かせない。育ちのサポートカルテを用い、関係機関の横の連携と、幼稚園・保育園と小・中学校間の情報共有をしているが、さらに区は、個別の事案に関し、子ども発達支援センターのコーディネーター四名がサポートカルテを活用して連絡調整を行っているとのことである。この連絡調整とは、医師やゆりのきスタッフが小学校に求める合理的配慮の提案を、コーディネーター自らが学校に出向き、担任の先生らに直接届けるなど、医療と学校と福祉の組織をまたいだ調整まで行っていると解してよいか。例えば、医療的ケア児の就学においては、その準備は大変複雑多岐にわたり、学校の担任や看護師ら、多くの関係者との調整も必要となり、コーディネーターの存在が不可欠と考えるがゆえに質問する。

 次に、デジタル化及びGIGAスクール構想に関連して問う。

 本年二月に情報化基本方針が改定され、本区もデジタル化が進行中である。今後、区はデジタル化担当の副参事を採用するとのことで、全庁的な取組のなお一層の進展に期待する。

 コロナ禍、協働ステーションの講座が中止となることが度々あり、大変残念に思った。ウェブ講座が行えるように、十思スクエアの通信環境の整備を早急に願う。区の各施設における通信環境を一斉に調査し、不十分な場所をなくしていく必要性を考えるが、いかがか。

 保育記録を電磁的記録での記載を可能にする条例改正が前定例会でなされたこともあり、幼稚園や保育園でも通信環境を整える必要性があるが、進捗は。

 また、学校の授業中において児童・生徒が一斉にタブレットを使用しても、学校の通信環境は十分耐えられる容量であると理解してよいか。拡大の必要性はないか。

 教員の負担軽減と教育の充実を図るため、私たちの会派は、ICT支援員の一校一人の配置を求めてきた。PTA内で学校ICT推進委員会などを立ち上げ、保護者の中でICTができる方が学校にアドバイザーとして入っていきやすくするなど、ボランティアの力を積極的に活用するとよいと考えるが、各校への広がり状況はいかがか。

 次に、開設が来年十二月に迫った本の森ちゅうおうについて。

 本の森ちゅうおうが全ての区民の生涯学習の場としての機能の充実が図られることを望む。地域資料室や郷土資料館にある郷土資料・地域資料は、中央区が責任を持って管理を行っていくということであったが、どのように管理をしていくこととなったのか。指定管理者との役割分担は明確になったのか。進捗状況をお示し願う。また、デジタル化することで、区民が見る機会を増やすことが進められているか。京橋図書館の移転に伴い、破棄されてしまうような資料は出ないとの認識でよいか。

 次に、築地の再開発について。

 先月二十日、中央区長と中央区議会議長連名で、築地市場跡地の再開発について都知事に要望書を提出した。本年五月二十日提出の要望書には入っていなかったヘリポートの文言が、令和三年十月の中央区築地まちづくりの考え方に突然入り、築地地区まちづくり協議会の築地場外市場等の交通基盤に関する検討会委員からは、必要性を疑問視した否定的な意見が多く出された。周辺地域への騒音を考慮すると、災害時のみ限定使用とするヘリポートを設置する旨の確約を都と交わすべきであると考えるが、いかがか。

 現在、KK線みどりのプロムナード、首都高上部の築地川アメニティ整備構想、日本橋川周辺の川辺環境整備など、言わばグリーンインフラの都市基盤が区内各地で整備されようとしている。築地市場跡地も、周辺が水辺と浜離宮に接し、グリーンインフラをまさに形成する。これら地域の統一的な整備の在り方を、今後策定する中央区グリーンインフラガイドラインの中で提言するべきと考えるが、いかがか。

 提言だけではなく、同ガイドラインに合わせた整備の実現方策を諮問するためのグリーンインフラ整備審議会を立ち上げるべきと考えるが、いかがか。

 築地再開発のたもとには、ちょうど重要文化財である勝鬨橋も存在する。築地大橋の迂回ルートが完成したこともあり、築地市場跡地の再開発に併せて、東京都と共に勝鬨橋を再び開かせてみてはどうか。観光の起爆剤になり、築地や月島への集客へとつながるはずである。

 なお、現在、勝鬨橋のペンキ塗装が至るところで剝げてきている。昨年の環境建設委員会で指摘したが、まだ塗装の修復に取りかかられておらず、橋の軀体への影響を懸念する。橋の塗装を急ぐべきことの要望が都に届けられた後の経過の御報告を願う。

 次に、月島三丁目再開発問題について。

 月島三丁目では、南地区も北地区も再開発が進行中である。両開発とも、住民が住み、働き続けられることを目標として掲げられているが、現在の施行地区内のコミュニティを守るための対策がいまだに明らかにされていない。工事期間中は、住民は少なくとも四、五年はばらばらになってしまうわけであるが、コミュニティのつながりが続けられていけるように、中央区も何らかの支援をすべきではないか。

 北地区、南地区の建築工事が来年から同時期に始まる。晴海トリトンのオフィス高層棟と同規模の百九十メートル級のタワーが同じ月島三丁目の丁目に二棟建つ計画で、両方を合わせた延べ床面積は二十二万平方メートルで、区役所本庁舎一・八万平方メートルの約十二棟分をのみ込む大規模な開発である。狭い路地のまち月島における工事期間中の騒音、振動、粉じんなどの周辺地域の住環境への負荷をどう評価しているか。

 わたし児童遊園の代替地及びわたし児童遊園から隅田川に抜ける動線は、工事期間中も確保されると考えてよいか。それら場所や位置について、いまだに再開発組合からの提示がないために、改めて問う。

 北地区では、B‐1街区において、A街区の超高層建物からは独立した建物内に障害者グループホームを区は持つ。区が支払うこととなるグループホームの修繕積立金は、そのB‐1街区単独の建物に対して持つという考えでよいか。取壊しとなるピアつきしまの現居住者への工事期間中の住まいの提供は、どのようにするのか。

 月島三丁目南地区では、準備組合前の月島三丁目二十八・二十九・三十番地再開発協議会において、中央区が実質的に主催するものでありながら、一部住民が排除された。また、再開発準備組合段階では、北地区、南地区両者とも一部の地権者が排除されて、まちづくりの話合いが進められた。第一種市街地再開発事業など再開発では、施行地区内の住民や事業者は、強制的にいやが応でも、立ち退きか再開発ビルに入る選択肢しか与えられなくなる構造からすると、準備組合の前段階から、たとえ再開発に反対の考えであったとしても、排除されることなく、全ての住民にまちづくりの情報を提供して、まちづくりが進められるべきである。区が委託したコンサルタントが取り仕切るなど、実質的に区が主催する再開発準備組合の前段階の組織では、区が主体的に関わるものであるがゆえに、施行地区内の全ての住民への開催通知を行って、まちづくりの話合いを進めるべきと考えるが、いかがか。

 また、再開発準備組合が設立された後は、その定款なども区が把握し、全ての地権者への情報の共有がなされた上で、まちづくりの話合いを進めるべきであると考えるが、いかがか。

 次に移ります。

 本年三月三十日、中央区は、二○五○年までに区域内の二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目指すとするゼロカーボンシティ中央区宣言を行った。区は、本宣言を達成するために、どのような施策展開をする考えか。

 私も、大規模再開発に伴い、どれだけ温室効果ガスが生じるかを環境アセスメントすることの重要性を以前から指摘してきた。以前の一般質問では、回答によると、都条例で定められた環境影響評価制度には、既に評価項目の一つとして温室効果ガスが位置づけられており、評価項目は、事業者が都と協議の上、選定しているとの答弁であったが、評価項目の一つとしての位置づけがあったとしても、地域区分に応じた適切な評価項目が選定された結果、温室効果ガスが実際は評価されていないのが現状である。港区などでは、都がやらない場合において、独自の環境アセスメント条例を設け、大規模再開発における温室効果ガスを評価している。まちづくりにおいて、ゼロカーボンシティ中央区宣言をいかに反映させていくのか。区内大規模再開発における環境アセスメントにおいて、温室効果ガスの排出、地球温暖化防止の評価を行うことの必要性について、いかにお考えか。

 次に、本庁舎整備について。

 平成二十九年三月、公共施設等総合管理方針を立てた上で、本年三月、下位計画である公共施設個別施設計画が立てられた。この公共施設個別施設計画を受け、本年度は上位計画である公共施設等総合管理方針を改定するという。四年間という短期間での今回の改定の目的は一体何か。

 本庁舎整備では、以前の費用の見積りが二百五十億円から三百五十億円と、区の財政規模の四分の一から三分の一という巨額の財源が投入されるため、コロナ禍の緊縮財政下、慎重に時期や規模を検討していくべきである。公共施設個別施設計画の別添資料である中長期修繕更新費用一覧表に基づく、私の分析によれば、現在の本庁舎に必要となる、特に大きな費用は、今から二十五年先の二○四六年における十八億円であり、それまでは大きな費用をかけることなく推移が可能とされている。

 一方で、本年三月に出されたオフィス環境調査の報告書によると、職員一人当たりの保管文書量が約七メートルであり、職員が狭いスペースでの作業によって作業効率が低下していることが指摘されている。京橋図書館移転部分で新たなスペースが生まれることや、ICT化の進捗により文書の保管スペースが減ることで、スペースの問題が一時的にではあるが、解消され得る。

 したがって、本庁舎整備は喫緊では急ぐ必要性はないと考えるが、検討のタイムスケジュールはどのようなめどを立てているか。今回の公共施設等総合管理方針改定で示されるのか。

 本庁舎は交通結節点にあるべきという観点からは、築地市場跡地も区役所移転候補地の選択肢の一つに上げてはどうか。

 最後に、本年十一月末、吉田不曇副区長が任期満了を迎えるに当たり、本定例会で次の副区長選任が上程される。もともと一期四年間で運用されてきた副区長人事であったが、吉田不曇氏は、異例の四期十六年と長期にわたり副区長を務められた。

 人口回復へと向かう中央区のまちづくりの基盤をつくられた功績は甚大であるものの、東京二○二○大会が無事終了し、中央区のまちづくりも新たなステージへと入った。首都高地下化、地下鉄新線構想、築地再開発、そして本庁舎整備などの現実化までには相当長期間を要する。また、区の課題の重心も、デジタル化や温暖化対策の着実な推進、参加型で、かつ開かれたポストコロナのまちづくり、誰一人取り残すことのない福祉などへと移行してきている。同じ方が三期、四期と副区長、その他の役職を担われてしまっては、人事面でのしがらみや組織のマンネリ化や硬直化が生じ、それこそが後進が育つことへの大きな弊害となっていると考える。結果、組織としての取組よりかは属人的な取組に依存することになる。

 本区の審議会委員や教育委員会委員の再任に当たっての考え方を問う。

 また、吉田不曇副区長を再選任する考えであることが既に報道で明らかになっているところではあるが、今回の副区長選任に当たり、区長は何に重きを置いて選任を行うお考えであるか。

 以上で終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 小坂和輝議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、新型コロナワクチンの追加接種についてであります。

 追加接種においては、集団接種だけでなく、個別接種についても、区のシステムやコールセンターで予約が行えるよう準備を進めております。また、区の予約システムを利用しない医療機関については、コロナワクチンナビに予約状況の掲載を行っていただきます。こうした取組により、接種希望者に予約の空き状況をお知らせし、利便性の向上を図ってまいります。さらに、区民がかかりつけ医で接種できるよう、高齢者の追加接種が本格化する二月から個別接種を開始いたします。これに先立ち、十二月から予約方法を記載した御案内を接種券に同封するほか、特設サイトに掲載するなど、分かりやすい周知に努めてまいります。

 次に、自宅療養患者の対応についてであります。

 第五波では、新型コロナウイルス感染症の新規陽性者の急増により、区内においても陽性者の多くが在宅で療養せざるを得ない状況となり、自宅療養者等に対して適切な医療を提供していくための取組が必要となりました。そのため、本年九月には、中央区・日本橋両医師会と連携・協力の下、自宅療養者等が自宅において症状が悪化した際などに迅速に対応できる医療支援体制を取りまとめたところであります。今後は、その具体化について取り組んでまいります。学術講演会については、医師会の要望に基づいて実施したものであり、今後も医師会と協議しながら、ニーズに応じて対応してまいります。

 次に、小学校就学時における子ども発達支援センター、コーディネーターの役割についてであります。

 本区の育ちのサポートシステムは、発達障害など育ちに支援を要する子供の個別の支援情報を蓄積したサポートカルテを、保護者をはじめ、保健、福祉、教育、医療などの関係機関が互いに連携を図りながら作成し共有することで、成長の過程に合わせて切れ目なく支援を引き継いでいくものです。就学に当たってコーディネーターが行う連絡調整としては、就学先の学校の副校長や担任教諭、特別支援コーディネーターにカルテを直接手渡し、記載された内容や活用方法等について説明しております。

 次に、通信環境の整備についてであります。

 区施設においては、防災上及び業務に必要なもののほか、各施設の目的や用途に応じて通信環境を整備しております。また、幼稚園や保育園についても、運営する上で必要な環境は整備されており、今後、新たなサービスの導入時など、必要に応じて充実を図ってまいります。学校の通信環境については、タブレットの一斉使用を想定しておりませんが、回線の冗長化を図るとともに、端末の利用増加を見据え、インターネット回線を強化したところです。引き続き、タブレット端末の利用状況を注視しながら、必要に応じた強化を検討するなど、学校教育に支障のないよう、しっかりと対応してまいります。

 次に、築地市場跡地のヘリポートについてであります。

 築地市場跡地開発につきましては、東京都の築地まちづくり方針の中で国際会議場の整備を想定していることや、市場跡地の立地特性が救助活動の拠点となり得ることなどから、本年十月に取りまとめた中央区築地まちづくりの考え方においては、平時と災害時に空路が活用できるイメージを描いております。区といたしましては、本年十月に都知事宛てに提出した要望書において、築地市場跡地開発が住民の生活環境にも配慮した調和の取れたまちづくりとなるよう要望しており、今後も、それを前提として関係者との協議を進めてまいります。

 次に、中央区グリーンインフラガイドライン(仮称)についてであります。

 ガイドラインについては、緑の基本計画に基づくリーディングプロジェクトとして位置づけており、本年度中の策定に向け、現在、緑化推進委員会で検討を進めているところであります。ガイドラインは、行政、民間事業者、区民などが、緑地や水辺の創出・維持管理に当たり、水と緑が持つ多様な機能を活用した中央区ならではの地域の魅力向上、課題の解決を図るための取組指針であり、グリーンインフラ技術の具体的手法や考え方などを示す予定であります。また、ガイドラインによる施策の取組状況・成果などの評価・検証については、引き続き緑化推進委員会において実施するとともに、社会状況の変化や緑化技術などの進展に応じて、柔軟にガイドラインの更新・見直しを行うなど、運用の改善を図ってまいります。

 次に、勝鬨橋についてであります。

 勝鬨橋は、区民の日常生活や交通など、社会経済活動を支える重要な幹線道路である晴海通りに位置するとともに、国の重要文化財に指定されている貴重な橋であります。橋の開閉には、社会経済活動に対する影響や設備の更新など、多くの課題があると認識しております。また、塗装につきましては、管理者である都が橋梁予防保全計画に基づき、計画的に点検や補修を実施しており、令和三年度から二年間の定期点検を行い、結果に基づき修繕をしていくと聞いております。今後も、勝鬨橋の美しい景観や歴史などの魅力を国内外に発信するよう、都に働きかけてまいります。

 次に、月島三丁目再開発についてであります。

 工事期間中に地区外で仮住まいをされる方への支援につきましては、従前にお住まいの町会からの配布物を個別にお届けするなど、地域とのつながりが保てるような方策や、個別に相談が受けられる相談体制の構築につきまして、組合と協議を進めているところです。また、工事期間中の周辺住環境への負荷につきましては、近接する二地区の工事期間が重複し、騒音や振動など、周辺環境への影響が懸念されることから、区として、それらの影響が最小限となるよう、当該二地区の再開発組合を指導しております。これを受け、二地区の再開発組合では、工事に向けた協議が進められており、今後、工事工程がまとまり次第、工事車両の通行ルートや、大きな騒音・振動等が伴う作業の調整を行っていくと聞いております。

 次に、わたし児童遊園についてであります。

 わたし児童遊園や同園内を通る隅田川への歩行者動線につきましては、地域の方の利便が極力失われないよう、区として、月島三丁目北地区市街地再開発組合に対し、施行地区内に代替機能確保の検討を依頼しているところです。今後、検討がまとまり次第、地元に説明していく予定となっております。

 次に、月島三丁目北地区内に整備される障害者グループホームについてであります。

 再開発によって整備される施設の修繕積立金につきましては、従後資産が確定した後、適切な時期に検討されるものと認識しております。また、取壊しとなるピアつきしまにつきましては、まず施行地区内に新たに施設を整備し、利用者が引っ越した後に現施設を取り壊すため、仮住まいは必要ない計画となっております。

 次に、再開発準備組合の前段階の組織についてであります。

 当該組織につきましては、区が地元によるまちづくりの検討支援の一環として、事務局運営やコンサルタントの派遣を行う場合がありますが、あくまでも地元の方々によって設立された任意の団体であり、区の主催により検討を行う組織ではありません。したがいまして、当該組織におけるまちづくりの話合いにつきましては、当該組織における決定に基づき行われるべきものと認識しております。また、再開発準備組合につきましても、地権者を中心に設立された任意の団体であるため、区で定款を把握する考えはなく、当該組合における決定に基づき検討内容の周知が行われるべきものと認識しております。

 次に、ゼロカーボンシティを目指した取組についてであります。

 ゼロカーボンシティの実現には、まず区が率先して行動することが重要であることから、区施設におけるさらなる低炭素電力の導入、省エネルギー活動の徹底など、中央区役所温室効果ガス排出抑制実行計画に基づく取組を推進していきます。また、中央区環境行動計画二○一八の見直しを進めていく中で、区民や事業者に対し行動変容を促す施策について検討してまいります。まちづくりにおきましては、環境と経済成長が両立した持続的な開発を行っていく必要があることから、開発による環境負荷の軽減に向け、開発事業者に対し、中央区まちづくり基本条例及び中央区市街地開発事業指導要綱に基づく環境対策の徹底を指導していきます。また、環境影響評価書案が提出された際には、ゼロカーボンに向けて必要な意見を述べてまいります。

 次に、中央区公共施設等総合管理方針についてであります。

 本区は、公共建築物や道路、橋梁などのインフラを含めた公共施設等について、施設の現状把握や安心・安全な維持管理、財政負担の軽減・平準化など、長期的な視点を持った最適なマネジメントを実現し、質の高い行政サービスを持続させるため、平成二十九年三月、中央区公共施設等総合管理方針を策定しました。本方針は、見直しの必要性がある場合は適宜見直すこととしており、策定から五年が経過する今般、最新の社会経済情勢や人口動向等を踏まえ、令和二年度に策定した公共施設等個別施設計画などの内容を反映させるとともに、より現在の状況に即した内容とするため、改定を行うことといたしました。

 次に、本庁舎整備についてであります。

 区といたしましては、首都高都心環状線の整備事業による本庁舎整備への影響が見込まれることから、その具体的な内容が明らかになり次第、速やかに検討を再開することとしております。新たな公共施設等総合管理方針における本庁舎整備の取扱いについては、公共施設の将来コストを試算する中で、六十年使用した場合、七十年使用した場合の建て替え経費等を盛り込んでいく予定であります。また、築地市場跡地につきましては、交通結節点の整備を含め、東京都において開発が行われていくことから、本庁舎の候補地としては考えておりません。

 次に、審議会等の委員の再任についてであります。

 各種審議会、教育委員会など区の附属機関や執行機関は、その設置目的や役割が多岐にわたり、委員の任期や選出方法も設置根拠により様々であることなどから、委員の再任に関して特段の基準は設けておりません。各機関の所掌事項における継続性の有無や、後任者としてふさわしい人材が得られるかなど、その時々の状況に応じて個別に判断しているところであります。

 次に、副区長の選任についてであります。

 副区長は、単に区長の補佐や職員の指導監督ばかりでなく、区長の命を受け、高度な政策判断を行う重要な職務を担っております。本区は、現在、人口二十万人を見据えたまちづくり、交通基盤の整備、環境対策など重要課題を抱えており、次期副区長には、これらの課題に着実に対処し得る人材が求められるものと考えております。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 初めに、コロナ禍の子供の心に寄り添った対応についてであります。

 子供たちへのアンケート調査の結果の中で、「学校に行くのは楽しい」と回答した子供の割合が相対的に減少しており、コロナ禍において制限のある学校生活を送ってきた子供たちが、ストレスや鬱症状など心身に影響を受けた可能性もあるものと分析をしております。こうした中、本区では今年度より、学校生活における個々の意欲や満足感、学級集団の状態を把握するため、学校生活に関するアンケート調査を全ての小・中学校で実施いたしました。この調査により、個人の状況や集団における人間関係を含め、様々な角度から子供たちの状況を捉え、全ての子供たちが心身共に健全な学校生活が送れるよう取り組んでいるところであります。また、学校を長期に欠席している子供の中には、スクールソーシャルワーカーが医療と連携し、対応しているケースもございます。今後も、子供たちがストレスを一人で抱え込むことなく、安心して学校生活が送れるよう、適切な支援を行ってまいります。

 次に、副籍制度についてであります。

 副籍制度の理念は、我が国が目指す共生社会の実現が根底にあり、障害のある人と障害のない人が交流を通じて相互理解を図り、互いに支え合いながら共に暮らす地域社会をつくり上げていくことと認識しております。

 次に、保護者参画によるICT教育支援についてであります。

 現在、各学校においては、国の基準を上回るICT支援員の巡回を実施しており、ICT機器を活用した必要な教育活動を実践できているものと認識しております。保護者参画によるICT支援につきましては、これまでもウェブ会議システムの使い方に関する講習会において保護者からの協力を得た事例があり、今後も学校の必要に応じて、保護者の協力を得ながら取組を進めてまいります。

 次に、京橋図書館移転に伴う資料管理及びデジタル化についてであります。

 郷土資料、地域資料については、本の森ちゅうおうへの移転後も、これまでどおり教育委員会が責任を持って収集・廃棄を含めた資料管理を行い、指定管理者はレファレンスを含む資料の貸出しや閲覧業務を行ってまいります。郷土資料については、最新の資料までデジタル化されております。また、地域資料については、今後、資料を整理した後、順次デジタル化を進め、CDによる貸出しやホームページ上での公開、イベントでの展示など、様々な形で区民の方々が見ることができる機会を提供してまいります。

 答弁は以上であります。

〔十一番 小坂和輝議員登壇〕

○十一番(小坂和輝議員)
 それぞれに御答弁ありがとうございました。

 気になった点を再質問させていただきます。

 まず、コーディネーターについてなんですけれども、入学時にそのコーディネーターが記録を渡すと。それは分かりましたが、では、就学の段階においても、何かお互いが、学校側でこうあるというときにコーディネーターの人を呼んで、今度は医者に、こういう問題が学校でありましたから、どうですかと、コーディネーターが学校と医者をつないでくれるとか、そこまでのコーディネーターの機動的な運用がなされるのかどうか教えてください。それが一点目。

 築地のことに関しては、災害時の話は分かるんですけれども、平時にヘリコプターを飛ばす必要があるのか、それが全く分かりません。だからこそ、災害時のみの使用にしてくださいと東京都と確約を取ってくださいと言っているんです。平時の使用について、どんな使用があるのか、中央区民として分からないので、それを教えてください。

 三点目、グリーンインフラガイドラインができるとのことで、期待をするところでありますけれども、そういうふうな理念は分かります。その理念をいかにまちづくりに反映していくかというところにおいては、すごく力というものが必要になってくると思うんです。それを担保できるような仕組みというのが、果たしてそのグリーンインフラの委員会で大丈夫なのかどうか。私は審議会レベルまでの強い権限を持ったものを設置すべきと考えますけれども、そのような担保を教えていただければと思います。

 また、私は、最後の吉田不曇氏の次というところで、これは報道で、吉田不曇氏の再任を求める人事案が提出されるということが明らかになっているところであります。それに対して、五期目ということが、今、区長のおっしゃった答弁では、これだったら区の優秀な職員の誰でもができる内容であって、五期目となる吉田不曇氏が選ばれるという理由にはなっていないんです。すなわち、私が聞きたいのは、今の中央区職員の総力をもってしてでも、吉田不曇副区長にしかできない事業というものが本当にありますか。あれば、その事業とその理由を教えてください。そのような事業があればということです。私は、区の職員の皆様全員が優秀な方であって、誰もが十分に副区長になっていける人材であると考えておりますので、一人の方が何期も何期もされるというのは、私は理解できません。それに対して納得のできる説明をお願いします。

〔副区長 齊藤進君登壇〕

○副区長(齊藤進君)
 副区長選任についての再質問がございました。

 あくまで報道に基づいての御質問というふうに受け止めております。私どもとしては、議会との関係では、きちんと別途御提案をさせていただく機会をいただいております。また、議会のその中で会派の皆さん方の御発言の場面があると思います。今日、その御質問について、こちらからお答えするのは適当でないというふうに考えておりますので、答弁は控えさせていただきます。

〔副区長 吉田不曇君登壇〕

○副区長(吉田不曇君)
 なかなか不思議なことをおっしゃる方が多くて、ヘリポートについては今回初めて見ましたとおっしゃっているんですけれども、これは大変申し訳ないですけれども、築地のまちづくりについての要望書に関して言えば、私どもが五月二十日に出したものは、三月の下旬に全議員に送付している。十月二十日に出したものについては、八月の下旬に全議員に資料を送付している。何度もおっしゃっている透明性というものについて、私どもとしては徹底して議会の方々と協議をしたいという姿勢でお示ししている。その上で、五月二十日の時点で、ヘリポートについては朝日新聞社に存在しますよと。それと、航空法上の調整が必要ですよということを五月二十日の時点で既に書いている。

 初めて見ましたというお話は、その部分について、基本的に訂正されるべきです。十月に初めて見ましたというようなことについては、訂正されるべきです。

 なおかつ、平時の使用について想像がつかないと言うけれども、航空法上の調整をした結果、ヘリポートが全面的に移ってくるようなことがあれば、それは基本的に現状の新聞社が使っているような機能も含めて、平時使用というものが出てくるでしょう。

 ヘリポートについては以上です。

 グリーンインフラについて言えば、屋上屋を重ねる必要はありません。既存の機能がある以上、それをさらにバージョンアップしたほうがいいですよというのは、御意見としては伺います。現に、これまでの私どもの緑化施策について御相談をさせていただいてきた方々と共に、具体的に今後の新しい課題に挑戦していくというふうに申し上げているので、その点を御理解いただきたい。

 以上でございます。

〔福祉保健部長 田中智彦君登壇〕

○福祉保健部長(田中智彦君)
 私からは、子ども発達支援センターにおけるコーディネーターの役割について答弁させていただきます。

 先ほど区長からも答弁させていただきましたように、育ちのサポートシステムにつきましては、保護者をはじめとしまして、保健、福祉、教育、医療などの関係機関の皆さんが互いに連携を図りながらサポートカルテを作成し、情報を共有することで、成長の過程に合わせて切れ目なく支援を引き継いでいくものでございます。当然、その中において、コーディネーターの役割は各機関をつなぐ重要なものだというふうに認識しているところでございます。

〔十一番 小坂和輝議員登壇〕

○十一番(小坂和輝議員)
 吉田副区長が発言を直せとおっしゃいましたけれども、私は直しません。三月に提案されたとか、朝日新聞社のヘリポートの話はあっても、築地の場所にヘリポートを造るというようなことを初めて出したのは十月二十日です。二月に修正された地域防災計画にも書かれていないようなものを出さないでいただきたい。

 副区長の件に関しましては、十分に納得できるような説明を求めます。

 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(塚田秀伸議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明二十日、明後二十一日を休会とし、来る十一月二十二日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十日、明後二十一日を休会とし、来る十一月二十二日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     午後六時三十七分 散会


署名議員
議 長  木村 克一
議 員  奥村 暁子
議 員  礒野 忠

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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